建設委員会 第7号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/16
会議録
○羽田委員長 これより会議を開きます。 道路、河川及び住宅に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。山中吾郎君。
○山中(吾)委員 官房長、それから住宅局長を中心として、根本的なことは次官から直接聞きたいと思いますが、まず官房長に聞きたいと思います。三十五年度の予算要求の中における機構改革、新しい局、部、課の増設その他の構想を説明していただきたい。
○鬼丸政府委員 三十五年度の予算要求の問題といたしまして、建設省関係の機構の整備につきまして、現在要求いたしております内容のあらましを申し上げたいと思います。 まず建設本省の関係でございますが、本省におきましては、まず建政局という新しい局を設置したいということで要求いたしております。これは、御承知のように建設省の所管行政の中で、用地取得の問題、土地収用制度等を含めまして、この用地の問題が非常にやっかいな、むずかしい問題になっておりますが、これらを根本的に検討いたしまして、抜本的な施策を講ずるということ。それから公共事業の経済効果等をもっと掘り下げて検討していく必要がある、従来これらも十分手が回りかねておる点であります。こういう問題、あるいはその他建設業関係の行政の推進をはかる趣旨でありますとか、あるいは公共施設の総合的な計画あるいは実施の調整をはかるというような趣旨におきまして、新しい一局を設けまして、ここに官房の取り扱っております建設業課とか、海外協力関係、あるいは建設機械課の仕事、調査統計、こういう仕事を統合する、また計画の総合計画化、土地収用関係の仕事をあわせまして一局を作りたいと要求いたしております。 それから河川局に砂防部を設置することといたしまして要求いたしておりますが、これも御案内のように、砂防事業、砂防行政が近年とみに重要度を加えてきておりますので、砂防事業なり砂防行政の今後の大きな進展に備えまして、現在の砂防課を部に昇格させるという目標のものでございます。 さらに河川局に海岸課というものを、海岸堤防の事業の拡充に伴いまして設けたいということで要求いたしております。 そのほか営繕局に営繕関係の特別建設部という、これは官庁営繕の事業の拡大に伴って、こういう新しい部を設けて、特別な設計なり、あるいは特殊建築物の監督事務をつかさどらせたいというふうに考えております。これらの新しい局なり部の設置につきましては、もちろん所要の人員、事務費等を要しますので、これも要求いたしておりまするが、ただ、人員の要求につきましては、事業予算とのかね合いの問題もございますので、ここではっきり申し上げることはこの際は差し控えたいと思っております。 そのほかに、付属機関といたしまして、地理調査所を外局として、地理庁に昇格させるという要求をいたしております。さらに土木研究所、建築研究所の両研究所におきましては、所内の機構を若干拡充整備するということで、これは主として今次の災害の経験にかんがみまして、災害関係の研究を大いに拡充していこうということに伴う機構の整備でございます。 そのほかに、新しい付属機関といたしまして、調査審議の機関でございますが、公共用地取得制度調査会という付属機関を設けるべく要求いたしております。これは、先ほど申し上げました建政局のつかさどる事務の一部でございますが、公共用地取得制度の問題を、広く学識経験者なり民間の有識者に委員をお願いいたしまして、この問題についての調査審議をやっていただこう、こういうものでございます。 そのほかに、地方建設局の機構も、用地部あるいは企画部等の要求をいたしておりまするが、これは地方建設局の事業量の増大に伴いまして、これらの機構を整備する必要があると一応考えて要求いたしております。 これらの機構整備の要求の経費といたしましては、先ほどちょっと申し上げましたように、人件費が大部分でございまするが、今後事業予算とのかね合いにおきまして、私どもといたしましては、これらの人件費と機構整備に伴う経費につきましてできるだけの努力をいたして、ただいま申し上げましたような機構の整備が実現できまするように大いに努力したいと考えております。
○山中(吾)委員 大体構想をお聞きしてわかったのでありますが、河川局、それから営繕局関係は当然事業量の膨張による関係で必然的なものだと思いますし、人員その他事務費の必要もあって当然のことだと思います。そのうち建政局は、官房から独立してどうなるのか、全体の機構の中に他の局との関係はどういうふうになるのですか。
○鬼丸政府委員 建政局につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、従来の官房で扱っておりました仕事のうち、建設業課、海外協力課、建設機械課、それに調査統計課、この四つの課の仕事を建政局に持って参りたい。それから計画局からは、土地収用法関係の事務と総合計画課の仕事でございますが、これを建政局に持って参りまして、新しい建政局として出発させたい。従いまして、人員も官房なり計画局から、その分の仕事を担当しておりました職員は建政局に配置がえをすることになるわけでございます。そのほかに、建政局としては、先ほど申し上げましたような今後新しく力を入れて参る仕事を処理するために、若干の増員を要求いたしております。では、官房はどうなるかというようなお尋ねもございましたが、官房は、御案内のように省全体の連絡調整の仕事は、当然官房に残っておるわけでございまして官房は、現在ほかの省の官房に比べるとだいぶ趣を異にしておりまして、純粋の官房の仕事というのは、人事、文書、会計等が中心になりますが、そのほかに地方厚生課でありますとか、各室、参事官室であるとか、調査官室であるとか、そういうものが従来通り官房に残ることになるわけでございまして、これによって官房がむしろ本来の官房的な仕事だけをやる、こういう体制になるわけでございます。
○山中(吾)委員 計画局というのは、全体の計画を担当するのでなくて、都市計画を担当する都市計画局なのですか。それによって建設省全体の性格が非常に違ってくると思うのですが、実際は都市計画局のことで、いわゆる建設省設置法に基づく国土計画とか、そういうふうなものを担当するという、真正面からいきますと、計画局というのは、いわゆる全体を総合する中心の局ということにならないと合わないと思うのですが、実態は、今のお話の場合には、都市計画局であるというふうに理解をした方が実態に合うのですか。
○鬼丸政府委員 現在の計画局は、御承知のように国土総合開発法に基づく総合計画の事務を担当しておりますので、都市計画局というには少し当たらない点があると思います。しかし、さればといって計画局が省全体の仕事の計画の総合調整とか、あるいは総合計画をやっておるわけではございません。まあ都市計画関係の仕事と国土総合開発の仕事、それに土地収用法というような仕事をやっておるのが現在の計画局でございます。今度の機構改革が実現いたしますれば、計画局は、むしろただいま先生のお話しのように、都市計画局という性格のものに実質的にはなるわけでございます。ただ名前は、しいて都市計画といわなくてもいいんじゃないかと考えておりますし、また若干都市計画といえば、それに限定されまして、都市計画の関連の面が扱いにくくなる点もございますので、名前は従来通り計画局ということで、今後もそのままにしておきたいと思っております。
○山中(吾)委員 そういう機構の改革の方向というのは、いわゆる国土計画を担当する建設省の性格がだんだん薄くなっていく改革の方向ではないかと思うのです。それで、根本的に建設省というもののこれからのあり方をどっちの方向に持っていくかということと関連をして、根本問題を機構改革のときに考えておく必要があるのではないか。今官房長の言われたように、計画局というのは、土地収用関係の建政局に移り、いわゆる純然たる都市計画局に移りつつある。ところが設置法においては、国土計画、総合計画というふうなものを分担の第一号に書いておるという現在の建設省設置法の精神からいって、私はちぐはぐなものが考えられるので、こういう建設省の根本の考え方をどこへ持っていくかということを含んで、機構については考えなければならないのじゃないか。企画庁長官があとで来られるそうでありますから、ついでにそういうことも聞きたいと思うのですが、次官がおられるので、次官にお聞きしたいと思います。大臣がおればいいのでありますけれども、建設省と国土計画の責任という関係からいって、こういう部分的な改革というものを行なうときに、全体として建設省を国土省的な方向に少しでも持っていくのか、あるいはそれをあきらめて、現場庁のような格好に持っていくのかということをまず見定めておかなければならぬと思うので、その根本の方向を、こういう部分的な改革の前にどうするかということの御見解をお持ちでしたらお聞きしておきたいと思うのです。
○大沢(雄)政府委員 ただいま御指摘いただきました国土計画、地方計画につきましては、建設省がイニシアをとって地方庁その他と接触をするということになっておりまして、このことにつきましては、もとより建設省といたしまして一歩も後退する考えは持っておりません。しかしながら、現在建設省の部局をながめてみますと、主としていろいろな関係の技術面の局が分かれております。その局その局でもとよりいろいろ調査もし、その局に関する限りの計画等もいたしておりますが、さらにもう一段高い立場で、たとえて申しますれば、技術的見地のほかに、それぞれの公共施設の整備——わが国の経済上に与える効果等に関しまする総合的な調査、これに基づく大所高所からの大きな公共施設の整備についての建設省の責任を果たしていくという上から、なお深く掘り下げて調査をし、計画を立てて、政策の方向をきめていくという点になりますと、やはり現在の技術局がそれぞれ分かれて、それぞれの部面を担当しているというだけではどうしても足らない。ここに、私どもが建設局をどうしても設置しなければ国土保全の責任を果たしていけないと考えておりまする根本があるわけでございます。ただ、しからば国土省に向いていくのか、こういうことになりますと、現在のところは、そこまでは考えておらない次第でございますが、それらの点も十分検討しなければならぬ重要な問題であるということはよく承知をいたしまして、将来の問題として十分検討して参りたいと考えております。現在は国土省の方向に向かっているというわけではございません。
○山中(吾)委員 私は、その反対の方向に行っているから、その方向に近づくのじゃなくて、遠ざかっておるのじゃないかという疑問があるのでお聞きしたのですが、なお御検討願いたいと思います。 山中日露史委員の方から企画庁長官に御質問があるのが本筋なので、私はこのことに関連してお聞きしておきたいのですが、建設省の機構改革のことで、今質問を申し上げておったわけです。そこで、経済企画庁の方では、治山治水計画を含んで、企画庁の責任において計画を立てておられるようになっておるのですが、経済企画庁の計画の原理は、経済効果の上に立って企画をされる。ところが、治水ということになると、住民を守る、人命を保護するという、国土保全の立場からいいますと、経済効果にかかわらず計画を立てなければならないものがあるはずであります。そこで、こういう国土総合計画は、みな経済企画庁の方向にいくという格好になって、経済企画庁で計画をする場合には、経済効果が原理になるのでありますから、当然に、こういう災害対策という点については、私は欠点が出るのではないかと思う。また経済企画庁にあげて計画を持っていくと、建設省は、国土省的な性格がなくなる。そうして経済効果を越えて国土、人命を守る、住民を守るという責任のある計画を立てるところがどこの省にもなくなってくるのではないか。そこで、私は、経済企画庁と建設省とのあり方の中に、別な一つの——国土を守る治水計画などに至りますと、もちろん経済効果と一致する面もありますが、経済効果を越えて、建設大臣が全責任を持って立てるべきものがある、こういうふうに思うのですが、その点についての御見解をお聞きいたしたいのです。
○菅野国務大臣 お話しの通り、災害防止という観点から治山治水の計画を立てるのは建設省であります。その立てた計画に対して、はたして日本の経済の実力からそれが実施できるかどうかということを、経済企画庁といたしましては、経済成長率並びに行政投資の割合という別の観点から検討するわけでありまして、われわれその一致点を見出していきたいと考えておるわけでありまして、まだ一致点を見出すところまでいっておりませんが、双方の線の一致点を見出して、そこでそういうことをきめたい、こう考えておる次第であります。
○山中(吾)委員 長官のお話ですと、建設省の治水計画に対して財政的立場において意見を述べるというふうにしか聞こえないのです。日本の経済力というふうな言葉を使いましたけれども、経済効果の立場と一つになってしまって、これは治水計画としてはすべきであるけれども、どうもそちらの地域の方が経済効果があって、こちらはないから、ここの付近においてもし災害が起こった場合には、何万という人命を損ずるおそれがあり、なにがあるけれども、こちらは経済効果が薄いからという意見が経済企画庁の体質の中に人ってくるのではないか、財政的には、大蔵省から、金がないからどうだとか、五カ年計画を十カ年にしろとかいう意見が出る、経済企画庁の方からは、経済効果の立場から意見を述べる、そうすると、国土計画の責任を持つ建設省というふうなもの、建設省の原理、国土保全という立場のものがどこにもなくなってくるというふうに私は見ておるのですが、それはなぜかといいますと、臨海地域の促進法とか、ああいうのを見ると、一種の新都市造成計画だと思う。そういうふうなものは、あげて経済企画庁が中心になっていくような姿を見ておりますと、ああいう中にも経済効果だけが入ってくるのではないか。その点、私質問いたしておりますが、御答弁の趣旨とちょっと違うと思いますが、どうですか。
○菅野国務大臣 私どもは経済効果ということばかり言うておるわけじゃありません。やはりいわゆる国土保全という立場から見て計画を立てておるのでありますからして、国土保全ということを考えると、やはり日本の経済の成長ということも考えていかなければならぬ。でありますから、建設省の方は技術的な立場から計画を立てられておるのであって、その点についてわれわれはあえて批判する能力もありませんから、それはそれで、建設省の案はわれわれ大いに尊重いたしまして、そこで、今度は今言うた国土保全という広い大きい立場から観察して、そこは経済成長であるとか、他の行政投資の割合とかいうようなことを考慮して計算するということでやっておるのでありますからして、経済効果ということばかりではありません。その点はさよう御了承願いたいと思います。
○山中(吾)委員 あとでまた御質問申し上げますが、こういうことを私は願っておきたいのです。経済企画庁という一つの最初からの性格の中に、国土計画というようなものをその立場から今のようなお考えで見ていく場合にも、国土計画というものは、防衛費と同じように、準義務的にこれは支出すべきだと思う。自然に対する防衛費ですから、そういうような性格を持つべきものだと思っているわけです。それで、経済企画庁から意見を述べ——財政的なものは大蔵省から出るのですが、経済企画庁がその意見を持ってそこにある程度の修正を加えるというようなことになってくるときに、何か違った原理が入ってくるのではないかと思うので今お聞きしたのですが、またあとでお聞きします。 建政局のことですが、これは、全国建設業協会の陳情書が私の手元にもきておるわけです。そして、これの趣旨によって建政局が構想されておるわけなんですが、全国建設業協会で遠藤大臣のときから——これは三十四年十月十九日、陳情の写しで、建政局を設置すべき趣旨その他をここに書いております。これとの関連はどういうふうでしょうか。
○鬼丸政府委員 お尋ねの点でございますが、全国建設業協会は、三十三年から建設業関係の行政機構の強化拡充ということを陳情いたしてきております。さらに本年に至りましては、ただいま御指摘のように、建政局というふうに名称もはっきりさせまして、その設置方を陳情してきておりますことは私も承知いたしております。もちろんこの協会の陳情の趣旨も、今回の機構改革の案には取り入れられておりますけれども、必ずしも協会の意向によってこの機構改革の構想を考えたとは申し上げられないと思います。むしろ私どもといたしましては、用地問題の解決を推進するという問題なり、先ほど申し上げました総合開発計画の問題なり、経済効果の検討というような点を、従来の経験にかんがみまして、いわゆる事業を担当しております局とは別にして、行政事務として、これを徹底的に掘り下げていく必要があるというような考え方で、建政局の構想を持ったような次第でございます。その中の一部にこの協会の陳情の趣旨が生かされておる、こういうふうに御了解をいただきたいと思います。
○山中(吾)委員 私はこの趣旨を正直に読みますと、なかなかいい趣旨なんです。会長は清水というどこか請負会社の社長なんですが、書いてあることは非常にりっぱである。これも大いに参考にすべきだと思うのです。ただ災害復旧その他で莫大な国費が国民の税金によって計上されていくので、その金が有効に使われ、不正な工事によってあとでまた災害を起こすような使い方をし浪費をするということは、真剣に考えなければならぬと思うのです。そういう趣旨で建政局が構想されてきたのだと私は思う。一方に建設省としては——業者の方では、この建設事業は公共性を持っておるからという公共性を強調して、厳重に監督をし保護するということを書いておるから、そのまま陳情の内容からいったならば私はその通りだと思うのです。しかし、業界の方からそういう要求をされるということの中に、やはり自分らの事業的利益というものを計算をしてくる場合が大体多いのであるから、こういう建政局をお作りになって、そのときに建設省としては、この趣旨によってまた裏に弊害を起こさないように、こういう業者に対する監督指導を強化し、そうして税金をむだ使いしないという方向のために建政局が構想され運営されなければ、一方に業者の陳情があるものですから、私はまた運営の仕方においていろいろと欠点が出るのじゃないかと思いますので、その点をよく厳粛に御検討願って進めていただきたい、それだけであります。 それから付属機関の拡充その他についても、災害対策の総合的な科学研究というものを含んで構想されておるようでありますが、その点についても思いつきでなく、付属機関の拡充については科学的な計画が立てられるように、地理調査所が昇格し、一方は土木研究所、建築研究所がおのおの別々に拡充されていくということの中に、何か総合計画が行なわれるかどうか、お聞きしただけではまだ十分納得しないわけですが、時間がないから、その点、あとで御説明を補充して下さい。 それから住宅局長にお聞きいたします。前のときに、私浦和の大谷場荘という住宅会社のことから、その辺の真相をお知らせ願いたいということをお聞きして、同時に現在民間の月賦住宅会社、あるいは積立金制度の住宅会社の運営その他について御存じの点はお知らせ願いたい、こういうふうに要求しておったのでありますが、おわかりの点を御説明願いたいと思います。
○稗田政府委員 お答え申し上げます。埼玉県に起きました大谷場荘の事件の被害の概況でございますが、直接監督いたしております埼玉県の中間報告によりますと、ただいま必要書類は警察本部の方に押収されておりますので、詳細な点はまだわからないわけでございます。ただ関係者等の話を総合して判断いたしますと、団地別の建て売りの住宅は約千件くらいございまして、今回事件になって関係しておる被害者というように考えられます件数は、うち二百件程度だといわれておるわけでございます。なおどのくらいの被害金額になっておるかというようなところは、ただいまのところ不明でございます。なお埼玉県におきましては、今回の事件に当たりまして、被害者からの相談に対しては、特に被害を最小限にとどめるようにいろいろと親身になって相談をいたしておるわけでございます。また一般県民に対しましては、取引上注意を要する諸問題等を、チラシ等を配布いたしまして県民に周知徹底をはかっておる、こういう状況でございます。事件の内容につきましては、残念ながら今司直の手が入っておりますので、全貌がよくわからないわけでございます。 それから一般の月賦住宅会社の問題でございますが、月賦住宅会社で現在無尽業法によるものは、日本住宅無尽という一社があるだけでございます。ほかは積立式による会社と、建て売り分譲を月賦販売の形式によってやる会社と、こういうものに大別されるわけでございます。積立式による月賦住宅会社は、戦後二十五、六年ごろ非常に乱立した時代もあったのでございますが、その後経営が不振などの理由でだんだん整理されまして、現在代表的なものは、御存じのような日本電建、殖産住宅、太平住宅、そういったものでございます。全国にそれぞれ支店、営業所等を設けて業務を行なっているわけでございます。無尽業法によるものは、大蔵大臣の免許を受けて、業務についても監督を受けておるわけでございますが、今申し上げましたような代表的な月賦住宅会社は、月賦制度あるいは積立式による制度、そういうものにつきましては、ただいまのところこれを規制するような権限は、建設省としても持っていないわけでございます。一応工事を施行するという立場と不動産を売買するという立場から、建設業法並びに宅地建物取引業法による間接的な指導が行なわれておる、こういうことになるわけでございます。 大体積立式の月賦住宅会社のやり方を申しますと、各社によって多少の相違はございますが、約三分の一程度積み立てをいたしましたときに、会社の方が住宅あるいは建物を建てまして、そうして給付するわけでございます。それで抵当権を設定し、火災保険等に契約をいたしまして質権を設定するというようなことをしまして、残りの三分の二の金額につきましては、三分の一積み立てておるときよりも金利のついた高い毎月の月賦で掛金を払い込んでいくという方法をとっておるわけでございます。いろいろ問題がございますのは、聞いておりますのは解約の場合の条件かと思うわけでございます。これも各会社とも別々でございますけれども、途中で解約をいたしました場合には、ある会社におきましては、掛金の千円につきまして四十五円を解約手数料ということで差し引きまして、残りの金は満期のときに無利子でお返しする、こういうようなことになっております。またある会社におきましては、掛金のニカ月分はやはり全体の掛金から控除いたしまして、残りの掛金をやはり無利息で満期後にお返しする、そういうようなことになっておるようでございます。
○山中(吾)委員 大蔵省の銀行局の方に、民間の月賦住宅会社のことでお聞きします。今住宅局長の御説明で、大体経営の仕方がわかったわけですが、うわさによると、契約をしたもののうち七〇%は途中で掛金を出すことができなくて解約をしておる。実際に家を建てる目的を果たしたのは三〇%ぐらいであるということで、それは真偽はまだ十分わかりませんが、そうすると、家がないので家を建てるためにあらゆる努力を払って、自分の経済力以上の努力を払って掛金をして、そうして家を建てられないで解約をするものが七〇%もあるということを前提といたしますと、今のように三分の一積み立てをする。ところがさらに金を続ける資力がなくなった、そして解約をする、そうすると、積み立てたものから、利子がないばかりではなくて解約の手数料を差し引いて、そうして支払われるということになってくると、会社の方からいえば、無利子の金を預かり、しかも返還をする場合については、手数料を引いていくのが、契約をしたものの七〇%になるということになって参りますと、住宅を供給する目的よりも解約をすることが多くなることを望んで、そこに金貸しあるいは銀行、無尽というふうな性格にだんだん移りつつあるのではないか。その中に住宅困窮者が非常に不幸になり、損害を受け、しかも外交員が歩合で競争するものですから、無理なことをするというので、私はずいぶんと住宅のない人々が被害を受けているのではないか。人道的な立場からいっても住宅政策の立場からいっても、私はもう少し真相を明らかにして、この問題はもっと福祉政策としての住宅政策のあり方に再検討を加えなければならないと思うのです。 そこで、銀行局の課長にお聞きするわけですが、こういう月賦住宅会社のような経営の実態というものを前提として、大蔵省の現在の監督の立場から、何らの権限がないかどうか。無尽会社と同じような実態を備えておるこの経営に対して、何らかの指導、助言、あるいは監督、取り締まりというのがないかどうか、その点をお聞きしたい。
○橋口説明員 無尽業法の解釈に関する御質問だというふうに了承いたしますので、私からお答えいたしますが、無尽業法によりますと、無尽は一定の口数をきめる、つまり団を組織して、それによって団を構成した構成員が掛金を払い込んでいく、それに対して給付を行なうというのが、現在の無尽業法の無尽の規定になっております。従って、ただいまお示しの月賦住宅会社の場合は、個々の人間が会社と契約して、個々に給付していくという形態でございますから、現在の無尽業法の適用外になっております。 それからもう一つお尋ねがございました、実際上七割が中途解約なり、あるいは満期まで据え置いて金銭を返還してもらっておる、従ってこれは預金類似行為ではないか、こういう御質問だったと思いますが、これにつきましても、かりにそういう事実がございましても、最初から契約内容に金銭の返還を目的とするという契約がございますれば、これはやはり預金類似行為というふうに解釈できるかと思いますけれども、契約内容は住宅の給付あるいは土地の給付、物品の給付ということになりますと、現在の法律解釈としては、預金類似行為というふうには見られないということが申されるかと思います。
○山中(吾)委員 住宅給付、つまり現物給付であるから——これが金銭給付ならば無尽経営的なものとして見なされるというお話ですね。しかし、こういうものは一種の脱法的な経営というふうに考えるわけにはいかないか、結局金銭で返すものを物納で返すというふうな解釈にならないのですか。
○橋口説明員 私どもは、法律のワク内で仕事をいたしておるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、今の無尽業法のワク内で申しますと、これは法律違反にならないわけであります。それから預金の受け入れという点から申しましても、現物で返済をする——一般的な支払い用具で返済するのでなくて、特定の物件で返済するというのは預金にならないというのが、従来の一貫した解釈であります。
○山中(吾)委員 それじゃ、法律解釈は課長としてはその通りだと思うのです。こういう月賦住宅会社の実態から、あなたの思想を聞きたいのですけれども、積立金制度をとって、そうして六年、七年と一定の積み立てをして、そのあとに住宅を現物給与するという格好でいくような経営は、やはり銀行とか無尽とか、そういうふうな同種の性格の経営であるから、やはり同じような新しい立法ですね、無尽業法に対する住宅業法などを作って、将来の問題としてこれは取り締まるべき性格のものであるかどうか。現在は法的措置はないけれども、これはやはり将来の問題として、そういう同じ業態を持っているものに対して立法措置をとるべき性格のものと考えるかどうか、それをお聞きしたい。
○橋口説明員 これは、私からお答え申し上げるのは政策論になりますので、はたして適当かどうかわかりませんが、私ども大蔵省のやっております仕事といたしましては、ただいま申し上げましたような範囲のワク内で仕事をいたしておるわけであります。さらにそれを広げるということは、事務的に申しますと、私どもとしては適当でないというふうに考えております。さらにいろいろな観点から、たとえば月賦の規制とか、あるいは代金の前受けの規制とか、それより多少高い立場でこの問題を処理するのが適当であるというふうに考えております。
○山中(吾)委員 こういう住宅の経営実態について、事務的にということをお聞きしたのではないんですが、大体人のふんどしで相撲をとる業態だといっておりますが、他人の資金を集めて、一定の期間積み立てた分の中から契約者の家を建てていく。そのうち七〇%くらい解約するのでありますから、三分の一ずつくらい家を建てていけば、大体経営は成り立つという格好で、他人の金を預かって、その分から一部貸し出しをして経営をしていく会社という点については、やはり無尽会社とか銀行とかと全体の性格は同じだと思うのです。それについて同じような法的規制をするということは、事務的には繁雑だからそれは考えていないということは聞いていないんですが、行政的立場から、類似のものは同じような法的取り扱いをすべきだという点において、私は同じような措置をすべきではないかということをお聞きしているんです。その点、答えられなければ、あるいは局長とか責任のある人でなければいけないだろうから、けっこうですけれども、何も責任を追及しようというのではないんですから、現行法の問題でないんですから、事務的にというのでなしに、それを参考に率直にお聞きしたい。
○橋口説明員 これは、さらに広い問題といたしまして、やはり国の行政作用がどこまで及ぶのが適当かという問題だと思います。つまり今お話しの実態のものにつきまして国が監督指導する、あるいは規制する、どこまで国の行政作用が及ぶのが適当かという問題でございますので、私からお答えするのは、先ほど申し上げました通りでございますから、御容赦いただきたいと思います。
○山中(吾)委員 課長としては答えられないということが、あるいはほんとうかもしれませんから、あなたへの質問は打ち切ります。局長その他に、あとで意見をお聞きしたいので、こういうことがあったということを伝えておいていただきたい。 住宅局長にお聞きするんですが、民間のこういう住宅会社に関して、解約その他によってどれだけ住民が被害を受けているかということを調査できませんか。
○稗田政府委員 積み立て式の月賦住宅会社に契約した者がどれだけ解約したかといったような数字につきましては、残念ながらまだつかんでおりません。ただ月賦住宅につきましても、今後民間自力建設の中に将来の問題として相当戸数が伸びてくるのではないかというようなことも考えておりますので、十分調査はいたしたいと思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、約款に基づく相互契約については、われわれの方で職権をもって調査する権限を持っていないものでありますから、いろいろの方法で実態を把握したいというように考えております。
○山中(吾)委員 できるだけ調べてお知らせ願いたいと思うのです。 次官にお聞きしますが、住宅政策というものは、私は福祉政策だと思うのです。最低の文化生活を営むに足る住宅を供給するのが目的だということが、公営住宅法ですか、いろいろの法律の第一条には書いてありますから、そういう思想の上に立ちますと、やはり民間で住宅を持っていない人、そういう人々に供給する責任は、国にあるんだという思想の上に立つべきで、切りかえるべきだ。そうしてみますと、民間の営利事業としてこういう無尽法の脱法的な経営を認めて、しかも苛酷な解約条件その他によって、住宅のない人々を苦しめるという悪どい営利事業というものは否定すべきじゃないか。そのために公営住宅その他の住宅政策を立てておるわけですから、現在の状況をさらに局長に調べていただいて、こちらも実態を見なければならぬと思いますけれども、住宅政策というものの考え方の中に、住宅は個人が勝手に建てるものであって、国が戦争のあとある程度住宅が困難になったので、一時的に緩和するという一時的政策という思想から、住宅はこちらがあらゆる努力を払って、人間の住む生活の根拠だけは与えるという思想に、私は憲法の思想からいっても切りかえるべきだ。そして建設省の住宅局も、そういう立場に立ってこういう問題を検討すべきだと思いますが、その点についてどういうお考えにあるかということが一つと、それからあと、もう少し実態を調べてからまた御意見を聞きたいと思いますけれども、野放しにしておる現在の月賦住宅会社に対して、立法的な措置も含めて対策を立てるべきであると思いますが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思うのです。
○大沢(雄)政府委員 ただいま住宅局長からの答弁の中にもございましたが、建設省といたしまして住宅計画の中に、民間の自力建設を含めて住宅不足を解消するという建前で御案内の通り進んでおるわけでございます。そういう観点から考えましても、民間の住宅需要者、ことに大衆の住宅需要者に対しまして住宅を供給しております月賦住宅会社の健全な営業の運営、健全な育成をはかるということは、建設省といたしまして十分考えていかなければならぬ問題である、かように考えておる次第であります。しこうして、これに対しましていかなる営業の規制なり助長なりをはかっていくかという問題になりますと、各省のいろいろの所管の関係が生じて参るわけでございます。ただいま問題になっております月賦会社の営業の内容は、むしろ一種の金融の形態が問題になって参っておるようでもあります。こういう観点から参りますと、こういう営業の内容の規制は、はたして建設省でできるかどうかということはいろいろ問題があると思うのであります。なお月賦販売の形態そのものが中小企業として、住宅ばかりでなく、他の家庭用品、電気機具、あるいは洋服、それらにつきまして非常にふえて参っておるのが現状でないかと思いますが、この月賦販売に対する規制と申しますか、こういう問題も考えなければならぬ時期にだんだんとあるのではないかということも考えられるわけでございまして、これらにつきましては、省の所管その他いろいろな問題がありますので、建設省といたしましては、十分それらの点を考えまして今後検討しなければならぬ問題である。ことに住宅につきましては、今お話しの通りでございますれば、弊害がいろいろあるようでございますので、国家としては、そういう面について放置しておくことは許されないのではないか、かように考えておる次第であります。
○山中(吾)委員 この質問は、次にまた継続してお聞きするつもりですから打ち切りますが、国会通信という新聞に載っている記事が事実ならば、大へんな人道問題があると思いますので、もう少し実際に民間経営の実態を私も調べますが、実態がそうならば、政府としては、そのままに捨て置けば貧困者は非常に犠牲が多いだろうと思いますので、よくお調べを願いたいと思います。そして、改善すべきものはやはりしなければならぬと思います。私のきょうの質問はこれで終わります。
○羽田委員長 山中日露史君。
○山中(日)委員 企画庁長官にお尋ねいたしたいと思います。これから私がお尋ねすることは、むしろ大蔵当局にお尋ねする方が適切かとも思うのでありますけれども、きょうは大蔵当局が見えておりませんので、せっかく長官がお見えになったので、お尋ねしたいと思います。 いよいよ昭和三十五年度の予算の編成の時期も近づいて参りまして、承るところでは、政府は来年度の予算編成にあたって、財源等に非常に困難な状態にあるというようなことを聞いておるわけであります。ところで今年の伊勢湾台風を契機といたしまして、治水治山の問題が非常に大きく取り上げられて、この問題解決のための財源がまた非常に困難になっておるということを聞いておるわけです。さらにまた一昨日の閣僚懇談会で、大蔵省、企画庁、建設省等の間に、この治水に対する財源の意見調整がまとまらなかったということも聞いておりますので、主としてこの治水計画の財源の問題についてお尋ねしたいと思うわけであります。その前に、それとも関連いたしますので、来年度の経済の成長率、国民所得、自然増収、こういうような問題についてどういうお考えを持っておられるのか、お見通し等についてお聞かせ願いたいと思うのであります。
○菅野国務大臣 来年度の経済の見通しにつきましては、去る十月下旬に閣議の了解を得て、来年度の経済の見通しということで新聞紙上にも発表いたしたのであります。そのときの経済企画庁の発表では、経済成長率は六・六%というように計算いたしております。しかしこれは、九月までの状況から結論しておるのでありますから、この十二月になってみますと、はたして六・六%であるかということは、もう一ぺん計算し直さなければなりません。そうして十二月までの実績によって、またあらためてもう一ぺん一月に計算をし直す、こう考えておる次第でございます。大体今申し上げた通り、六・六%という成長率で来年も日本の経済が拡大するという見通しをいたしておる次第であります。
○山中(日)委員 最近、御案内のように岩戸景気というようなことで、非常に景気がいいというふうにいわれておりますけれども、一体こういった岩戸景気といわれるような景気の状態というものが、来年度以降このような状態で続いていくのかどうかというような点については、国民も私どもも非常に知りたいところでございまして、この点についてのお見通しを一つお聞かせいただきたいと思います。
○菅野国務大臣 その点につきましては、今申し上げました経済の見通しと同時に、財政経済の基本構想も発表いたしたのでありまして、われわれといたしましては、今の経済実勢をやはり続けていきたい、また続けていくようにしなければならぬ、こう考えておるのでございます。 そこで、いろいろ問題はありますが、政策よろしきを得れば、経済の実態といたしましては、ずっと拡大するという実態にあると思います。そこで今申し上げました通り、政策よろしきを得れば、この実態をそのまま存続することができる、こう考えておる次第であります。
○山中(日)委員 ところで私どもが非常に心配いたしておりますのは、神武以来の景気というよりも、むしろ岩戸景気といわれるくらいでありますから、非常に景気はいいわけでありますけれども、一方また国民所得の間に非常に較差が出て参りまして、いいものは非常にいいけれども、貧困なものは非常に貧困だ、こういうように、岩戸景気というものでそういった所得の較差というものが非常に高まって、差が大きくなっておる、こういう傾向にあるということをいわれておるわけであります。この点は、私ども非常に重要に考えておるわけでございますが、そういう点についての施策についてはどういうふうにお考えになっておるのか、それを一つお聞かせ願いたいと思います。
○菅野国務大臣 お話しの通り、手放しにしておきますと、所得は非常に増大する人もあるし、所得の増大の少ない人もあるということは、これはもう当然考えられるのであります。たとえば大企業と中小企業との所得の較差、あるいは農業所得と非農業所得との較差、あるいは地域的な較差というようなことは、手放しにしておくと、その較差はだんだんと大きくなる傾向になることはお話しの通りであります。そこで、今私どもの方で国民所得の倍増の長期経済計画を立てておりますが、その政策の一つとして、この較差をなくするような政策をやはり立てなければならぬということを考えておるのでありまして、農業所得と非農業所得との較差を少なくするということ、あるいは大企業と中小企業との較差を少なくするとか、地域的な較差をなくするとかいうことをやることが、やはり国民所得の倍増計画になる、こういうように考えておりますので、そういうことを今せっかくいろいろ苦心して策定中なのでありますから、さよう一つ御了承願いたいと思います。
○山中(日)委員 政策よろしきを得ればそういう結果になるということは、抽象的にはわかるわけでありますけれども、しからば具体的にどういう政策を行なうことがこの較差を縮めることになるのかという、もっと具体性のある一つの政策なり御見解を一つお聞かせ願いたい、こう思うのです。
○菅野国務大臣 具体的にというといろいろありますから、今一例を申し上げますと、たとえば地域的な較差の場合もある。東京と鹿児島とを比較いたしました経済企画庁の国民生活の調査によりますと、大体鹿児島の人は、所得は東京の所得の三分の一ということになっております。これは、同じ日本人でかくのごとく所得の較差があるということは、決して喜ばしい現象ではないと思います。そこで、今せっかく九州開発法案が通りましたから、あの九州開発の計画によりまして、こういうところへどういう産業を持っていくかということを考えてみたい。そうしていわゆる産業を各地に勃興せしめるということ——鹿児島のことは、私も詳しいことはわかりませんが、何かそこに地下資源があるとか、その他鹿児島特有の、たとえば鹿児島でいえば屋久島なら屋久島、あそこあたりは森林もあるし、あるいは電源開発もできるというようなことで、今特別な調査をさしておりますが、そういう場合には、そこへ電源開発をするとか、あるいは森林の利用をやるとかいうようなことにして、その鹿児島の人々の所得を増すということをやりたいというように考えております。これは、それぞれの問題についていろいろ問題がたくさんあると思います。そういうことをこれから一つ具体化したい、こう考えておる次第であります。
○山中(日)委員 この問題は、きょうの質問から少しそれておりますので、これ以上はお尋ねいたしません。ところでその経済の成長率が、ことしの九月の見込みで六・六%ということでありますが、来年度の自然増収というものは、大体どの程度に押えておられますか、企画庁の御見解を聞きたいと思います。
○菅野国務大臣 自然増収の考え方ですが、これは、やはりことしの租税収入の自然増収の実績を見なければ、そう簡単には予測はできないと思います。千五百億あるいは二千億の自然増収があるのではないかという、大体大蔵省は見通しをしておるようであります。
○山中(日)委員 私ども大体そのように承知をいたしておるわけでございます。ところで、すでに御案内のように来年度はいろいろな支出が多いわけであります。そういったものを差し引きますと、大体新規の財源としては六、七百億ぐらいということもいわれておるのでありますが、こういった状態の中で、問題の治水五カ年計画を進めていくという場合において、その財源との関連をどういうようにお考えになっておるかということです。
○菅野国務大臣 これは、大蔵省の苦心しておるところだと思うのでございます。治山治水の予算がふえれば、その財源をどうするかという問題、これは自民党の政調会では、あるいはこれを公債募集でやったらどうかというような意見も出ておるのでございまして、この点が今大蔵省が非常に苦心しておるところだと思います。この自然増収の計算の仕方ということが、まず第一に問題になってくると思います。これが二千億以内であるか、二千億を超過するかということ、これによって治山治水の費用の捻出ということがまず考えられる、こう思うのでございます。そこで自然増収がそれほどないということであれば、一方では、治山治水の費用は相当の費用だが、これをどうするかという問題、そこで公債を募集してやるかどうかという問題が起こってくると思います。ところがしばしば新聞でごらんの通り、大蔵大臣は公債を一切募集しないということを言明しておりますから、そこで、はたして治山治水の経費が足らないが公債は募集しないという場合に、大蔵省がどう処置するか、これがおそらく年内までに、予算の最後にきまる問題じゃないか、こう私は考えておるのであります。 それからなお問題は、治山治水ということばかりお考えになりますが、治山治水ということを先取りしてしまえば、自然増収の中でそれだけの経費は出てくる、そうしてほかの新規の要求はできるだけ削減するという考え方もあると思います。それからそこを大蔵省がどうするか。治山治水はほかの新規要求の残りを充てるということであれば、今申し上げたように、これはもうとうてい足らぬから、何とか公債でも募集しなければならぬということになりますが、治山治水の経費を先取りしてしまって、そうしてその残りを他の新規要求に充てるということであれば、またそういう治山治水の問題の解決の仕方もある、こう考えておる次第であります。
○山中(日)委員 今度の治山治水の財政の問題について、先ほどもちょっと申し上げましたように、一昨日、十四日の日三者の調整がつかなかったわけでありますが、ところで経済企画庁がこういった問題について、つまり大蔵省あるいは建設省の中に一役入って、そこで調整するという経済企画庁の立場なり考え方というものは一体どこにあるのか、その点がわかりませんのでお聞きしたいと思います。
○菅野国務大臣 経済企画庁といたしましては、治山治水の五年計画を立てるということに基づいてわれわれが乗り出しておるわけでございまして、来年度の治山治水の経費をどうするかということは、建設省と大蔵省との間でおきめになることであります。今、五年計画について、十四日の日にいろいろ議論をしたわけでありまして、来年度のことについてまだ議論してないわけです。その五年計画についての見方でありますが、経済企画庁といたしましては、先ほど山中委員にもお答え申し上げました通り、経済の成長、あるいは行政投資の割合という立場から計算をいたしておるのであります。建設省といたしましては、技術的な観点から、この川はこれだけの経費を投じなければ治水ができないという観点から計算されておるのでありまして、それぞれ立場は違って計算をしておるのであります。できれば、そこで合流点をわれわれは見出したい、こう思っておるのでありますが、新聞では、意見が合わなかったとかなんとかいうけれども、ただ双方の意見をこの間申しただけでありまして、まだ大蔵省が査定しておりませんから、そこで今のところは、大蔵省に査定してもらうということで、大蔵省の査定を建設省もわれわれの方も待っておるというのが今の状態なのであります。
○山中(日)委員 そういたしますと、経済企画庁がお考えになっておる五カ年計画の内容、それから金額というような点について、一つお聞かせ願いたいと思います。
○大來政府委員 国土保全施設整備五年計画の案ということで、実は経済企画庁が経済の長期計画を作る仕事を受け持っておりますので、その一環として作成を命ぜられておるわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、従来のやり方といたしましては、災害によります被害額、これを防除するのにはどのくらいの治山治水投資をやればよろしいかという観点からの検討が従来いろいろございました。私どももその辺でかなり具体的につかめば、そういう方法が一般にもわかりやすいわけでございますし、適当かと思ったのでございますが、いろいろ検討いたしておりますと、被害額の算定とか、あるいは投資によりましてどの程度被害が防除できるかというようなことが、なかなかむずかしい問題でございまして、統計上の問題もございますし、評価の問題もございます。今回私どもとして提出いたしました案は、一つには終戦後しばらくは国土の荒廃ということが非常に叫ばれまして、非常に国力を治山治水の方に傾注いたしまして、そのかわり道路などは大した仕事が行なわれないというような時代がございました。大体昭和二十八、九年ごろまで……。それからその後治山治水の関係の仕事がややテンポがゆるくなった時代、こういうようなものを過去の現実の姿からつかみまして、そういう非常に努力を傾注した時期、そのテンポでいく場合と、それから比較的緩慢な努力をした場合、これを上限、下限というふうに考えて一つのめどをつけていく。それからもう一つは、所得倍増計画というものの検討をいろいろやっておるわけでございますが、経済成長がどのくらい今後参るだろうか、その場合に、国全体の経済力の中から行政投資という考え方、これは前回の五年計画から使っているわけでありますが、結局国の経済力の中で、道路とか港湾とか治山治水とか農業の基本的な施設とか、そういう政府の直接やりますような施設に対する投資、それに経済力としてどのくらいさき得るであろうかという判断をいたすわけであります。これもある程度引き上げていく、いろいろ基本施設の荒廃もございます。自動車の増加に対して道路がとうてい間に合っておらないという点もございますので、これをふやしていく考え方をいたしまして、その中で、大体どのくらい五年間に治山治水に経済力としてさき得るだろうかというような判断を、一応の案を作成したわけでございます。
○山中(日)委員 その点につきましては、またいずれ詳しくお聞きする機会があると思いますけれども、長官も時間をお急ぎのようですから、先に進みます。 先ほどちょっとお話がありました公債発行論という問題、大蔵省当局としては公債発行は反対だ、自民党の中には賛成の議論もあるやに承っておるわけでありますが、これらの問題は、大蔵当局としても真剣に考えなければならぬ問題であろうと思いますし、私どもといたしましても、現在のわが国の国民生活の水準やいろいろな面から考えて、公債発行ということはインフレの要因になるということを考えておりますので、私どももただいまのところは反対の態度をとっておるわけでありますが、結局公債発行ということになると、やはり国民の生活水準とか、いろいろな所得関係とか、経済のいろいろな問題を勘案しなければならぬことであります。そこで、これは政府内部のことで、お聞きするのもはなはだ何ですけれども、企画庁としては、この公債発行ということについてはどういうお考えを持っておるのか、それをお聞きしたいと思います。
○菅野国務大臣 企画庁として、ちょっと責任ある私の意見を申し上げるわけにいきませんが、私個人としてもし意見をということであれば、意見を述べさしていただきたいと思います。 公債発行ということが即インフレになるとは私考えておりません。でありますからして、公債発行即不健全財政というように考えることは、私は間違いだと思います。必要であれば公債発行してもいいと思います。そこで、要はその発行された公債が日銀の引き受けにならなければインフレになりません。一般人がその公債をみな持ってくれるということであれば、決してインフレにはなりません。でありますからして、公債を発行しても、日銀の引き受けになるかならないかという考え方です。それによって公債を発行していいか悪いかという問題になると思うのです。大蔵大臣は、現下の経済情勢のもとにおいては、日銀引き受けになる可能性が多いからいかぬということで、公債はこの際一切募集してはいかぬ、公債を発行すればとにかくインフレになって、そうして物価は騰貴して、せっかく治山治水の方でいろいろ案を立てられても、物価が上がって予定通り仕事ができぬじゃないかという考え方、従ってこの際は、公債募集をしないでいこうという考え方を持っておるのです。そこで、要は自然増収の私は額いかんだと思っております。治山治水の経費なり、あるいは新規の要求が自然増収で大体まかなえるのであれば、あえて公債を募集しなくてもよいと思う。でありますから、自然増収の額いかんということによって、またこの公債というものの問題を考えてみたい、こう考えておる次第です。
○山中(日)委員 ただいまのは、長官の個人的な御意見なんでありますが、私どもこの公債の問題については、大蔵省の考えているような考え方も一つ持っておるわけなんですが、最近は設備投資が非常に活発になって参りまして、それに各企業の資金の需要も非常に旺盛になって、それでまた物価は非常に——非常にでもないけれども上昇ぎみである、日銀の発行高もだんだん多くなってきているというこのような状態の中で、しかも公定歩合を上げたというようなことから、よほど高い金利でもつけなければ、一般の大衆が公債を消化するなんということはできない、結局は日銀の引き受けになる、そうするとインフレになる、これは当然出てくると思うのでありまして、私どもも、そういうようなことは、今日の経済情勢のもとにおいてはとるべきでないというふうに考えているわけです。ところで、今自然増収いかんにかかるというお話でありますけれども、自然増収は、先ほどお話しのように来年度は千七百億あるいは二千億といっておりますけれども、その中で、来年度に支出増となるものが、軍人恩給、あるいは賠償の問題、あるいは国民年金の問題、あるいは社会保障費の問題、地方交付税の問題とか、いろいろ支出が非常に多くなって、そういうものを差っ引きますと、先ほど申し上げましたように、七百億か八百億ぐらいしか残らないんじゃないか。そういう中で、公債も発行しないでこの治山治水計画を進めていくということは、非常に困難じゃないかということを心配するわけです。先ほどお話しのように、先取りすることができるかといえば、これは実際問題としては、できないということもよくわかりますが、しからば、その財源をどこから持ってくるかということは、これは当然大蔵当局が考えることではありまするけれども、経済企画庁も一役中へ入ってやっておるのでありますから、その点については、大蔵当局の意見に従うというよりも、やはり経済企画庁は企画庁としての考えで、財源はここに求むべきではないか、こういうような強い見解があってしかるべきではないか、こういうふうに私どもは考えておるわけです。私どもは、できるだけ治水計画なり治山計画なりというものを、建設省の考えているように、あるいは農林省の考えているように強力に推し進めたいという考えを持っておるわけです。しかも、それを特別会計制度でやれという主張にも、私どもは賛意を表しておるわけです。そこで、今申し上げておるように、その財源を一体どこに求むべきかということについての、やはり企画庁なりの考え方があってしかるべきだと思うので、そこを一つ率直にお聞かせ願いたいと思うのです。
○菅野国務大臣 今申し上げました通り、この自然増収の額が、大蔵省の考え方と私たちの考え方とは多少そごしておるのであります。そこで、私たちの考えの通りに自然増収があれば、治山治水の経費もまかなえるんじゃないかということを考えておるのですよ。その点について多少見解を異にしております。従って、今問題は、自然増収をいかに見積もるかということについて、大蔵大臣と私とは意見が違っておるわけです。私のような見方であれは、治山治水の経費もそこから出てくるんじゃないかという考え方をしておるのですが、そこで、もしいよいよ自然増収の額が二千億以内ということであれば、お話しの通りなかなか治山治水の経費がまかなわれないと思います。そこで、そのときはどうするかという第二段の問題です。第二段の問題の今御質問があったと思いますが、これは、今私の方としましては、そこまで大蔵省にタッチするのがいいかどうかということは、多少私も疑問を持っておりまして、これは大蔵省で当然お考えになることだと思っておるのでありますが、こういうような案もあるのではないかということについては、私の試案は大蔵大臣には言ったのです。そこで、大蔵省がその私の試案をどうするかということは、取り上げるかどうかということは別問題ですが、この試案だけは申し上げてあるのですが、これは、今申し上げた通り最後の最後の案でありまして、そういうような財源を求めないようにいけたら非常に幸いだ、こう存じておる次第でございます。
○山中(日)委員 そこで、治山の方の関係では、聞くところによりますと、国有林野の歳入剰余金特別会計から転用するというようなことで、一応の財源がそこに求められるというようなことも聞いておるわけですが、治水ということになりますと、一般財源からの繰り入れというものは一体どの程度に見込まれるのか、不足分をどこから持ってくるかということは、非常に心配だと思うのですよ。そこで、いろいろ外為のインベントリーの金を使うとか、あるいは接収貴金属の処分の金を使うとか、あるいはいろいろな財源の捻出方を考えているわけなんですが、これも、大蔵当局でなければわからぬといえばそれまでですけれども、単に一般の自然増収の増加だけをただ目安にしているということでは、私どもはこの財源はとても出てこないのじゃないかということを非常に心配するわけなんですが、そこは、今長官と大蔵省との見解が違うというのですけれども、私はどうもその点で不安で、一体、私どもはさきの伊勢湾台風を契機として、今度の治山治水計画というものは、つまり国土計画的な性格を持って、計画的に、総合的にやらなければならぬということが唱えられているときですから、何とかしてこれだけは実現さしたいと考えているわけでありますが、その点について、もう少しお聞かせ願いたいと思いますが、いかがでありましょうか。
○菅野国務大臣 自然増収の見方の問題ですが、これは、一つもう少し折衝しますから、その点をおまかせ願いたいと思います。 それから治山治水のことは、私も建設省の案は、一つできるだけ実現するようにしたい、こう考えておりますので、私の方では、治水については大体五カ年計画で三千二百億円という金額を出しておりますが、あれは、私は固執いたしておりません。これ以外に、とにかくこの伊勢湾台風以後、国民が風水害に対する非常な不安を持っておるからして、従って治山治水を完備するということが人心の不安を除くことになるから、その意味において、私の方では経済成長率という立場から三千二百億円ということを出しておりますけれども、そこにプラス・アルファがあってしかるべきだということで、その点は、大蔵大臣にそこは一つ考慮してもらいたいということを進言しておるわけであって、私の方では三千二百億円でがんばっておるわけではありませんから、その点は一つ誤解のないようにしていただきたいと思います。皆さんと同じように、治山治水はできるだけ早く完備したいという念願を持っておりますから、その点は御了承願いたいと思います。
○山中(日)委員 時間もないですから、簡単にお尋ねしますけれども、特別会計制度という制度でやろうということなんですが、大蔵省は、一時はこれは法律的に疑義があるとかいうようなことで、特別会計制度そのものに反対をしておったようでありますが、最近は、何かこれは折れて、特別会計制度で運用していくということに踏み切ったように聞いておるのですけれども、この特別会計制度としてやるということについては、経済企画庁としては、別に反対の意見はないわけですか、その点はどうなんですか。
○菅野国務大臣 特別会計でやるということは、自民党で大体おきめになったことであります。大蔵大臣としては、全面的に賛成しておるわけじゃありません。特別会計の必要は、とにかくそこに特別の財源を求めて、そうして将来の支出についてはまあ確保したいというところに特別会計の意義があると思うのです。そこで、一般財源から特別会計へ回すというのであれば、私は何も意義はないと思うのであります。財政法によりまして、そういうようなことでは特別会計を設けることにはなっておらぬのであります。そこで、いよいよ特別会計を設けるということであれば、いよいよ公債でも募集するということであれば、当然これは特別会計にしなければならぬ、こう思っておりまして、そこで、公債を募集しない、インベントリーもつぶさないで、それ以外で財源があれば特別会計をやっていいということを大蔵大臣は言うておるのであって、全面的に無条件で特別会計に賛成というわけではないのであります。私は、大蔵大臣の意見には賛成でありまして、ただ一般財源から回すだけであれば、これは同じことなんですから、何も特別の財源が確保されておるわけではありません。それであれば、毎年々々一般会計から回せばいいわけですから、特別会計というものの存在の意義がないことになる、こう私は考えておるのであります。
○山中(日)委員 これは、特別会計制度に対するものの考え方の相違でありますけれども、なるほど財政法上は、特定の財源をもって特定の歳入に充てる、そして行政上財政上一般会計と区分する必要があるかどうかというところの判断できめるわけなんですが、財源が特定しているかしてないかという問題は、これは非常に広い意味で、何も目的税的なものが特別会計に入ってこなければ、特定の財源とは認めないという、そういう狭いものじゃないので、一般会計からの繰り入れでもよろしいし、借入金でもよろしいし、要するに財政上行政上一般会計と区分して支出する必要があるかどうかというその必要性の問題がむしろ重点だと思うのです。そうして財源の問題は、それから考えていいと思うのです。どうも財源が足りないということが主になって、特別会計制度そのものを反対するという考え方は私は逆だ、こう思っておるのです。そこで、これは当然特別会計制度でやるべきだ、というのは、申し上げるまでもなく今度の治山治水、特に治水ですけれども、その治水計画の必要性というものが出てきておる。しかも一般会計ということにまかしておきますと、御承知の通り、あちらにもこちらにもみな削られて、ちっとも財源が特定しないから、特別財源を持ってきて一つ特定させればいいのですから、その持ってくる金の額がどだい幾らかという問題だけであって、特別会計制度を作るか作らないかということとは、私は別だと思っておるわけです。ですから、特別会計制度をそういう条件付にからませるという考え方自体がおかしいのであって、私どもは、特別会計というものは、こういう治水とか治山とかいう国の大きな事業、しかもこういった特別な災害を契機として考えてきた計画、事業でありますからそういう点から考えて財源を確保する、特定させるという意味での特別会計の必要性を私どもは強調しておるわけなんで、ですから、そういう意味からいけば、特別会計設置そのものに対しては、私どもは自民党の諸君と同じ考えを持っているわけです。これは、やはりどうしても設置すべきだ。ただ、その財源をどこから持ってくるかということの考えさえ持てばいいのであって、それと特別会計制度を設けるか設けないかという考えとひっからませるということとは、考え方が違うと思うのです。そこで、時間がありませんから、これから主として大蔵当局に私どもは聞かなければならぬと思っておりますけれども、企画庁におきましても、建設委員会で決議もしてあることでありますから、どうか一つ建設省の案を支持していただくように、私の方からも特にお願いしておきます。きょうはこれだけで終わります。
○羽田委員長 次会は公報をもって知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十四分散会