建設委員会 第1号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/11/06
会議録
○羽田委員長 これより会議を開きます。 まず国政調査承認要求に関する件につきましてお諮りいたします。 今国会におきましては、国土計画、地方計画、都市計画、住宅建築、道路及び河川に関する事項につきまして、衆議院規則第九十四条によりまして国政調査の承認を得ておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議ないものと認め、さように決定いたします。 なお、議長に提出すべき国政調査承認要求書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。 ————◇—————
○羽田委員長 次に、理事辞任の件につきましてお諮りをいたします。 本日三鍋理事より理事辞任の申し出がありましたが、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議ないと認め、三鍋理事の理事辞任の申し出を許可することにいたします。 次に、理事の補欠選任の件につきましてお諮りいたします。 三鍋理事の理事辞任に伴い、理事が一名欠員となったわけでありますが、その補欠選任をする必要があります。この際、その補欠として、山中吾郎君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議ないと認め、山中吾郎君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○羽田委員長 次に、昭和三十四年度建設省関係の予算補正について、政府当局より説明を聴取することにいたします。 大沢建設政務次官。
○大沢政府委員 建設省関係の昭和三十四年度補正予算につきまして、その概要を御説明申し上げたいと存じます。 お手元にお配りをいたしております刷りものにつきまして申し上げます。 まず総額について申し上げますと、追加額二百五億二千五百余万円、修正減少額が三十九億三千四百余万円でございまして、差引額が百六十五億九千余万円と相なります。これをすでに成立しました三十四年度予算額一千五百二十四億二百余万円に加えますると、建設省関係の現計予算額が一千六百八十九億九千三百余万円となります。 次に、その内容について御説明申し上げます。まず、治山治水関係の災害に対する追加額について申し上げますと、直轄河川改修等に一億九百余万円、緊急砂防に九億一千四百余万円、伊勢湾高潮対策に四十七億九百余万円、災害関連事業に六億二千八百余万円、河川等災害復旧に百二十六億余万円となっておりますが、このほか災害復旧の促進をはかるため、昭和三十五年度において国庫の負担となる国庫債務負担行為を、伊勢湾高潮対策について七億円、河川等災害復旧事業について十九億七千五百万円を予定しております。また、昭和三十四年度成立予算の予備費中から公共土木災害の復旧に対しまして十一億一千万円を支出することとし、さらに今回の補正予算の予備費中にも各事業に対して、査定額の確定、特例法による高率補助区域の確定等による増額分を相当額予定しております。 次に、そのおもなる内容について申し上げますと、直轄河川改修につきましては、台風第七号及び第十五号により被災した木曽川上流及び富士川の河川改修工事並びに木曽川ほか四河川の河川調査を行なうものでございます。砂防事業費につきましては、本年の風水害によって生じた山地の崩壊等による被害を防除するため、山梨県、長野県、三重県、奈良県等の特に被害の甚大な地域に重点を置きまして、緊急砂防工事を実施するものでございます。公共土木施設の災害復旧費につきましては、まづ、直轄河川については、木曽川、富士川、千曲川及び鬼怒川等の復旧の促進に重点を置き、二ヵ年間で復旧することを目途として、本年度におきましては、平均五五%程度の復旧を行なうこととし、補助災害につきましては、緊要工事は、本年度においては、少くとも三〇%程度の復旧をはかることとし、これを三ヵ年で完了する方針のもとに、その促進をはかることにいたしております。また、これらの事業の実施にあたっては、必要あるものについては、災害関連事業費を加え、できる限り改良的復旧に努めたいと存じております。 次に、今次台風第十五号により、特に甚大な被害を受けました伊勢湾等の海岸堤防及びこれに接続する河川の復旧につきましては、これを重点的に行なうため、伊勢湾高潮対策事業費を計上し、明年台風期までには、少くとも原形の規模に復旧する所存であります。 なお、全体計画といたしましては、災害復旧工事と改良工事をあわせ行ない、根本的に高潮防除対策を講ずる方針でございます。これらのうち重要地域については、補助事業についても国が受託して施行することとし、これに関連して中部地方建設局に、海岸部を設けるとともに、二百名の人員増加を行ない、必要な人件費、事務費等として四千七百余万円を計上しております。 なお、以上申しあげました公共土木施設災害復旧事業及び災害関連事業並びに伊勢湾等高潮対策事業については、立法措置を講じて特例を設け、国の補助率、負担率を引き上げることといたしております。 次に、直轄道路関係の災害復旧費について申し上げます。八月における集中豪雨及び九月における台風第十五号により被災した一級国道の直轄災害復旧工事について、本年度中に支出を予定される経費は、一億六千万円でありますが、そのうち三千万円は昭和三十四年度成立予算中の予備費より支出することといたしておりますので、補正予算としては、一億三千万円を計上しております。 次に、都市災害関係の復旧事業費について御説明申し上げます。今回の補正予算により追加される都市災害関係の経費は、都市災害復旧事業に二千余万円、風水害対策費に二千二百余万円、合わせて四千二百余万円でありまして、都市災害復旧事業としては、被災都市の都市下水路、街路、公園等の復旧事業に補助を行ない、風水害対策費は、被災都市の緊急排水に要する経費について、地方公共団体等に補助するものであります。なお、排土事業、公共下水道施設等の復旧事業につきましては、現地査定を急速に実施した上、補正予算の予備費中から支出することにいたしております。 また、台風第十五号等による被害の状況にかんがみ、排土事業及び排水事業につきましては、国の補助等について特別に考慮する必要があると考えられますので、別途立法措置を講ずることといたしております。 次に、住宅関係の災害復旧費について申し上げます。このたび台風第十五号による住宅関係の被害は激甚でありまして、住宅の滅失したもの約三万九千戸、住宅の半壊したもの約十万五千戸に達しております。 これが復旧対策といたしましては、公営住宅の建設と住宅金融公庫による災害復興住宅の融資の措置を講ずる所存であります。まず、公営住宅の建設につきましては、十二億一千九百余万円を計上しておりますが、これは、復旧のための建設予定戸数九千四十八戸のうち既定経費により建設する二百戸を差し引きまして、昭和三十四年度に建設する——三十四年、三十五年度二ヵ年で六・四の割合で建設するのでございますが、昭和三十四年度に建設する五千二百二十九戸の建設費及び既設公営住宅の補修費に対して補助するに要する経費であります。 なお、公営住宅の建設及び補修につきましては、特例法を定め、特に被害の激しい地域につきましては、国の補助対象戸数の滅失戸数に対する割合を引き上げるとともに、国の補助率も引き上げることといたしております。 また、滅失または損傷した公営住宅の再建設及び補修につきましても、特例法により、補助率を引き上げることといたしております。 なお、公営住宅の建設にありましては、特に今次災害の経験にかんがみ、堅牢な構造の住宅戸数の増加をはかりました。 次に住宅金融公庫の災害復興住宅の融資につきましては、公庫に対して、政府低利資金四十億円の融資を行ない、これに自己資金九億円を加えて計四十九億円をもって災害復興住宅の建設一万戸、補修六万五千戸に要する資金の貸付を行なうことといたしております。 次に、建設機械整備費について申し上げます。建設機械の災害の復旧に要する経費として一千百余万円を計上しておりますが、これは台風第十五号により被害を受けた浚渫船及び建設機械等の修理に要する経費であります。 次に、水防資材関係の経費について申し上げます。水防資材緊急整備費として九千万円を計上しておりますが、これは水防管理団体等が、水防活動に使用した資材に要した経費に対して補助を行なうものであります。なお、被害の甚大であった地域については補助率を例年の率より引き上げることといたしております。その他、災害に伴う事務費として一千八百余万円を計上しておりますが、これは、災害復旧事業に伴う職員の超過勤務手当、職員旅費等であります。 以上が追加額の概要でありますが、次に、今回の補正予算による建設省関係の既定予算の修正減額について御説明申し上げます。今回の補正予算により経費を減額いたしますものは、建設省関係としては、総理府所管から当省へ移しかえて使用する北海道開発庁関係の経費の減額分も加えて治山治水関係七億六千八百余万円、都市施設関係二千八百万円、一般会計から道路整備特別会計へ繰り入れる経費二十七億三千余万円、公営住宅施設費関係二億一千八百余万円、官庁営繕費二億五千五百余万円、計四十億余万円でありますが、以上のうち道路整備特別会計へ繰り入れる経費の減額分のうち十五億円については、揮発油税収入見込額が、当初見積もりより減少することに伴うものであり、それ以外のものについては、用地買収等の遅延により工事の進捗が予定より遅れて、翌年度へ繰り越すことが予想されているもの、被災地の事業で災害のため予定の計画が実行できないもの等について事業の実施を後年度に繰り延べることといたしたものでありまして、事業の執行上、特に不都合はないものと存じております。なお、このほか当省関係のものとして、道路公団への政府融資計画額を十五億円減額することといたしております。 以上をもちまして、昭和三十四年度の建設省関係補正予算の説明を終ります。 ————◇—————
○羽田委員長 次に、今国会におきまして内閣よりすでに提出され、ないしは提出を予定されておる建設省関係の法律案につきまして、政府当局より概略説明を求めることにいたします。 鬼丸建設大臣官房長。
○鬼丸政府委員 私から建設省関係の災害関係特別立法四件につきまして、お手元に差し上げました要綱によりまして概略の御説明を申し上げたいと思います。四件のうち、公営住宅法の特例等に関する法律案はすでに提出を見ておりまして、他の三件につきましては、一両日のうちに提出される運びになる予定でございます。 初めに、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案要綱というのがございますが、これにつきまして申し上げますと、第一には、この風水害または水害につきまして、政令で定める地域に発生したものに関する国の負担率の特例を定めようというものでございまして、これは、その地域に発生しました災害の復旧事業費の総額を、次のような額と率に区分いたしまして、逓次にその率を乗じて算定いたしました額の当該災害復旧事業費の総額に対する率というのが国の負担率に相なるわけでございます。すなわち当該地方公共団体の三十四年度の標準税収入の二分の一に相当する額までのものにつきましては十分の八、次に、標準税収入の二分の一をこえ、標準税収入に達する額までの分につきましては十分の九、三番目に、標準税収入をこえる額に相当する額につきましては十分の十というふうな率を逓次に乗じてはじき出すわけでございます。これは二十八災の場合の負担率の規定と同様でございます。 第二点といたしましては、災害復旧事業をできるだけ改定的に行ないまするために、再度災害を防止する必要がある場合等におきまして、災害関連事業を従来予算措置で行なってきておりましたが、これにつきまして今回新たに特例として、特別に立法措置を講じまして、その負担率あるいは補助率を最低三分の二に引き上げることといたしたのでございます。これは、河川関係等は現在予算措置では二分の一でございますので、その規定によりまして三分の二の負担または補助ということに相なるのでございます。これは新しく今回取り上げられた点でございます。 第三に、水防資材に要する費用についての国の補助を定めた点でございまするが、これは、政令で定める地域におきまして水防のために使用した資材に関する費用について、その三分の二を補助するということでございまして、この場合の政令で定める地域は、先ほど申し上げました第一の地域とは別の基準で考えたいということでございます。またこの三分の二につきましては、二十八災は全額ということで、違っておりまするが、この指定地域外につきまして三分の一という補助が別に予算措置で講ぜられております点が、二十八災とまた違う点であります。 次に、昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法案要綱というのがございますが、これにつきまして申し上げます。 この第一は、地方公共団体等が、伊勢湾等に面する政令で定める地域におきまして、台風第十五号によって著しい被害を受けた海岸あるいは河川またこれらの海岸や河川に接続しまして同様の効用を有する海岸、河川、こういう一連の海岸、河川につきまして、高潮等によって生ずる災害を防ぐために必要な新設、改良工事あるいは災害復旧工事を行います場合に、その事業費についての負担率を定めようというものでございまして、この負担率につきましては、復旧事業にかかるものにつきましては、例の国庫負担法あるいは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置法、あるいは先ほど申し上げました公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法の規定による率によらしめることといたしまして、その他の新設または改良の部分については、国の負担率を十分の八といたそうということでございます。十分の八以上の負担率が別にきめられておるものはそれによりますから、最低十分の八ということでございます。 その二項は、国が直轄で施行する場合の地方公共団体の負担の割合を、その逆をきめておるわけでございます。 第二点といたしましては、今回の伊勢湾等高潮対策事業を実施いたしますにあたりまして、今年度は県から受託を受けまして建設省の中部地方建設局においてこの施行を担当する予定にしておりますが、そのために臨時に海岸部という組織を設け、また必要な職員といたしまして、定員を二百名増員することといたしましたので、それに伴いまする建設省設置法及び行政機関職員定員法の改正を附則で行なおうというものでございます。 次に、昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置法案要綱。 第一点は、この堆積土砂あるいは湛水の概念と申しますか、対象をここにきめておりまするが、これは昭和三十四年の八月及び九月の暴風雨に伴い発生いたしましたもので、政令で定める地域に堆積いたしました土砂等——樹木、岩石等も入りますが、土砂等を堆積土砂という。湛水も同じく、暴風雨の時期は同じでございますが、政令で定める地域内に浸入した水で、浸水状態が政令で定める程度に達するものをいうというふうに規定いたしております。この政令で定める地域につきましては、目下検討中でございますが、相当の堆積土砂あるいは相当の湛水の状態によりまして考えられることになると思います。 第二点は、地方公共団体等が河川、道路、公園、林業用施設、漁場その他の公共あるいは公用の施設にありまする堆積土砂、それを排除いたします場合に、国は、ほかの法令で負担あるいは補助について別の規定がある場合は除きますが、その事業費の九割を補助しようということでございます。 その次の二項は、やはりこの政令で定める地域内の堆積土砂で、市町村が指定した場所に集積された土砂、あるいは市町村長がこれを放置することは公益上非常な支障があると認めたものは、たとえば民地にありますものでも、公益上支障があるというようなものにつきまして排除事業を行ないます場合に、やはり十分の九の補助をしようというものでございます。 その三項は、建設大臣と農林大臣の所管区分を規定いたしたものでございます。 第三に、湛水排除事業の規定でございまするが、これも予算の範囲内におきまして、事業費の十分の九を補助するということにいたしております。湛水排除事業につきましても、政令で定める区分に従いまして、農林大臣と建設大臣がこれを分けて担当するということに相なるのでございます。主として市街地の部分は建設大臣、農地等を主とする部分は農林大臣というふうに相なるかと思います。これは、堆積土砂につきましては二十八災と同趣旨の規定でございますが、ただ補助率が、二十八災は全額でありましたが、十分の九になり、都道府県が行なうという場合が今度はなくなっております。湛水排除事業につきましては、御承知のように新たに規定された事柄でございます。 最後に、公営住宅法の特例等に関する法律案でございますが、昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案要綱につきまして申し上げますと、第一は、公営住宅法の特例でございまするが、昭和三十四年八月の水害または同年八月及び九月の風水害であって、政令で定める地域に発生いたしましたものにつきまして、特例を認めようとするものであります。 この特例措置といたしまして、一つは、いわゆる公営住宅を建設する事業主体が、罹災者のために新たに第二種公営住宅を建てようとする場合、その費用の四分の三を補助することができるということ、ただし災害により滅失いたしました一般住宅戸数の五割までにつきましてこの特例の補助を考える、こういう趣旨の規定でございまするが、これは二十八災の特例措置と同様でございます。 その次の二項は、事業主体が従来管理いたしておりました公営住宅が今度の災害でやられた場合に、滅失いたしました公営住宅の建てかえをする、あるいはひどくいたんだ公営住宅の修理をする、補修をするという場合に、それぞれ第一種公営住宅については三分の二、第二種公営住宅については四分の三と、いずれも現行の補助率よりも高率の補助をいたそうということでございまして、これは今回新しく取り上げられた点でございます。 次に、第二は、産業労働者住宅資金融通法の特例でございますが、これは、今次の災害の実態が相当労働者の住居がやられているという点にかんがみまして、産業労働者住宅の建設を促進いたしますために、今回特例を認めようというものでございますが、住宅金融公庫が産業労働者住宅の建設に必要な資金を事業主に貸し付けました場合に、いろいろ条件はございますが、現行法による償還期間内に償還することがむずかしいという場合には、償還期間を三年間延長いたしまして、またその延長された償還期間の中で、三年以内の——これは当初でありますが、据置期間を設けて据え置きを認めようと、こういう規定でございます。 以上簡単でございますが、御説明をいたしました。 ————◇—————
○羽田委員長 この際、山本河川局長より発言を求められております。これを許します。山本河川局長。
○山本政府委員 愛知、三重の海岸地帯におきまする堤防の締め切り状況及びその後の浸水、湛水の排除状況について御説明を申し上げます。 まず愛知、三重の高潮によりまして破壊されました海岸及びこれに接続する河川の破堤個所と締め切りの状況でございますが、愛知県、三重県を含めまして、全部で高潮に関係する破堤個所が二百四十三ヵ所ございます。そのうち本朝までに報告がありました締め切りの完了個所が二百二十四ヵ所、残りが十九ヵ所と相なっておりまして、そのうちの四ヵ所は、ふだん潮の出入しているところではございませんので、潮どめを要する個所は十五ヵ所が残っているという状況でございます。 さらにそれを地区別に申し上げますと、図面がなくておわかりにくいと思いますけれども、名古屋を含まない知多半島以東におきましては、潮の出入している個所は全部締め切りを終わりました。それから名古屋市の南部及び名古屋市の西部と申しますか、名古屋市の地区におきましても全部締め切りを終わっております。愛知県で残っておりますのは、海部郡の北部、それから海部郡の南部でございまして、海部郡の北部におきましては、堤防の切れているところが二十九ヵ所ありますが、そのうち残っているのが五ヵ所でございます。その五ヵ所のうち、先ほど申し上げましたように、三ヵ所だけはふだん潮の出入はないところでございますので、残りの二ヵ所が潮どめをしなければならぬところでございます。これが残っている現状でございます。それから海部郡の南部におきましては二十七ヵ所の切れ個所がございますが、そのうち二十一ヵ所を完成いたしまして、残りが六カ所と相なっております。以上愛知県におきましては、破堤個所が百八十八ございますが、そのうち百七十六を終了いたしまして十二ヵ所が残っており、そのうち三カ所は、潮に関係ないものが含まれているというのが実情でございます。 次は、三重県でございますが、三重県におきましては木曽岬という村がございますが、これは木曽川本流と鍋田川にはさまれた地区でございますが、そのうち六ヵ所の切れ個所がございますが、五ヵ所を終わりまして、残りが一ヵ所と相なっております。次は長島町でありますが、長島町は、北部の地区は締め切りが終わりまして、南部が十一ヵ所の切れ個所がございますが、そのうち五ヵ所が終了いたしまして六ヵ所残っております。三重県の中におきましては、ほかの地区は全部終了いたしたわけでございまして、桑名の地区におきまして、一日に第二線堤防が切れまして、桑名の町が浸水いたしました。すでに御承知のことと思いますが、第二線堤防がやられたために、桑名の町の一部が浸水いたしたわけでございますが、第一線堤防を極力早くやろうということで、昨日の夕刻第一線提防が完成いたしました。従いまして、第二線堤防は、切れたのを復旧に努力いたしておりますけれども、その復旧を待たずに排水に着手できるという実情に相なったわけでございます。 以上が締め切り個所の現状でございまして、現在残っておりますのは、愛知県におきまして海部郡の北部と南部、それから三重県におきまして木曽岬村、長島町の南部ということでございまして、これらの締め切りの完了の目途は、海部郡の北部は十一月の十日、それから海部郡の南部、木曽岬、長島の南部等は十一月の末日ということに相なっておりますが、極力この期限を短縮するために全力をあげてやっておる次第でございます。 次に、締め切りの終りました個所の排水状況を御説明申し上げます。 まず名古屋市の西部と申しますか、その地区におきましては、四日の午後十一時から排水ポンプを四十三台かけまして、排水を始めております。それから締め切りの終りました長島の北部は、排水は順調に進みまして、深いところで深さ五十四センチ程度に減ったということでございます。桑名の浸水地区につきましては、五日の夜第一線堤防の潮どめが完了いたしまして、同地区は全部潮どめが——第一線が終りましたので、堤防の補強を進めると同時に、内部の排水にかかるわけでございます。その他の地区につきましては、すでに排水も完了いたしまして、土が見えたというふうな朗報が参っておる次第でございます。 以上簡単でございますが、現状を御説明申し上げました。 なお、全部でどのくらいの浸水面積があって、現在まだ水につかっておるところがどのくらいあるかという概略の数字でございますが、今の愛知、三重の高潮のために入りましたおもなる浸水面積は、約一万三千町歩ありまして、現在締め切りが完了いたしたのが約四千六百町歩、残っておる部分がまだ八千三百町歩ほどありまして、主として海部郡の北部と海部郡の南部でございまして、海部郡の北部が十一月の十日に完了することができますならば、八千三百町歩のうち約五千町歩は近く仮締め切りが完了いたしまして、排水に着手できるという状況になっておる次第でございます。 簡単でございますが、御報告を終らしていただきます。 ————◇—————
○羽田委員長 この際質疑の通告がありますので、これを許します。服部上司君。
○服部委員 簡単に伺いますが、今次の災害で渓流砂防と山地の崩壊等に糾する国庫補助が三分の二となっておりまするが、他の公共土木災害補助が全部十分の九でございまするが、これはどういう理由でこういった渓流砂防、すなわち緊急砂防事業だけがそういう扱いを受けたのかという点をちょっと伺いたいと思います。
○山本政府委員 なるほど緊急砂防につきましては、建設省の所管は緊急砂防でありますが、治山は農林省でやるわけでございます。そういう点で、補助率は三分の二でございますけれども、激甚な地区については起債を認めて、地方交付税の中に算入しようということを考えておりまして、この点は今まで考えていないような処置を、将来交付税の方で裏打ちをしようという趣旨が考えられておりますので、それで一つやっていこうということに考えている次第でございます。
○服部委員 今の御答弁の内容はよくわかります。そういうことを知っておりまするが、そういたしますると、現在の措置では、三分の一の九〇%を起債で認める、起債額の五七%は元利国庫負担となっております。最終的にこういったことに相なるわけでありまするが、この行政措置は、大体従来の進捗率からいってなかなか信用がおけない。初年度はいいわけでありまするが、次年度以降の起債というのは、起債額が減ぜられているのが従来のあり方であります。ところが、まあこれを確実に実施する、こういうことに相なっても、最終的にこの緊急砂防の問題においては、自治体の負担が一二・九%に相なるわけでございます。ただしこれは利子を除いてです。プラス利子。こうなりますると、自治体のいわゆる負担が、他の特例法から比べてあまりにも不利であるということに相なるわけであります。三分の二国庫負担が、県負担において一六・二%と、さらに別に一二・九%と利子の分が加わるわけであります。この金額は別にいたしまして、自治体の意向をただすと、絶対行政措置は、過去の事例からいっても信用できないということになっておりますので、一つこの緊急砂防の点においても、山地砂防はこれは農林省でありますが、建設省関係の分で、これをやはり他の公共土木と同じように十分の九のいわゆる国庫負担にするように努力してもらいたい。もちろん私も、災害地対策特別委員になっておりますので、いろいろと関係担当省と相談いたしまして、ぜがひでもこれは十分の九、他のいわゆる公共土木並みに持っていこうという話し合いで、まあいよいよあすからこの問題に取りかかるわけでありますが、関係担当省の建設省においても、一つこの考えをもって、われわれ災害地対策特別委員と同じ考えで進んでくれるかどうかという点を、ちょっと大臣に伺っておきたいと思うのであります。
○村上国務大臣 御趣旨はよくわかりますが、関係当局同士の打ち合わせの結果は、緊急砂防ではありますが、本年度だけでなく来年度も、それからその翌年度も、三年間ぐらいはこれの起債等の措置をするということがはっきりいたしておりますので、まあこの程度で一応了承しておる次第であります。
○服部委員 大臣のお答えでは、関係各省とも打ち合わせの結果、三年間に必ずこれをやるのだから、まあこの程度で一応了承しているということはよくわかりますが、しからばちょっと伺いますが、なぜこの緊急砂防だけこういったことになったのかという点を——他のものが全部そうであるのに、緊急砂防だけはなぜそういう扱いになったかという点をちょっと伺いたい。
○村上国務大臣 砂防だけこう扱ったということについては、砂防の性格で、御承知のように河川の復旧等とちょっと違ったところがありますので、いわゆる未然に防止する行き方、ただ単に砂防で、そこに被害があったというところだけでなく、緊急に施設を施さなければいかないだろうという点のいわゆる未然防止の措置でありますので、その点にいささか他の河川堤防の欠壊復旧と違う面があるのじゃないか、かように考えておるのであります。
○服部委員 説明はよくわかります。緊急砂防は農林省等にまたがっているので、非常にやりにくいわけでありますが、もちろん私は、今大臣でおっしゃったように、建設省でいえば渓流砂防ですが、これはむしろ私は力こぶを入れるべき問題ではなかろうかと思うのでございます。もちろん山腹砂防は、崩壊したところは農林省だと心得ておりますが、むしろ両々相待って、これを完全にやることが国土保全のためにも、今後再びこの災害を繰り返さないような治山治水に力こぶを入れるべき事業だと思うのでございます。そういった点から考えると、一そう今のお答えでは納得できない。しかしながら、いろいろと御事情もありましょうし、またいろいろな関係もありましょうから、私は無理は申しませんけれども、しかし災害地対策特別委員会では、いかなることがあってもこれは他の公共土木並みに、それ以上のいわゆる重要な問題であるだけに、十分の九に引き上げていきたいというふうに——こういった問題はあまり関係のない県もありますが、関係のある県は少ないのでありますが、力こぶを入れて是が非でもこれはやろう。しかし肝心の頼みの大臣が、了承しておる、打ち合わせの結果こうなんだからと言われると、私は非常にたよりなくなってしまう。一つ、よし君たちががんばるならば、国土保全のためにやるのだから、われわれも努力しようというお言葉がちょうだいできたならば、私はこういう文句を言わない。さらに加えて、はなはだ言いにくい言葉でありますが、奈良県の場合を例にとると、とても現在の標準税収から考えて耐えられない負担に相なるわけでございます。これは、私は自分の県のことばかり申し上げて恐縮に存じますけれども、しかしながら標準税収の一・七割まで——もちろん農林省も含みますけれども、これはともにやってもらわないとむだだ、建設省だけではだめだ。しかしこの機会に申し上げたいことは、とても耐えられないという現状なんです、山腹及びそれに伴うところの渓流砂防が多いところでは。そこでこういったことをお願い申し上げるわけでありますが、お立場、御事情はわかりますが、一つ、もちろん御無理でございましょうが、われわれが考えている問題に全面的に政府の方でも協力する、建設大臣の立場においてそういう方向に持っていくというお言葉をちょうだいすることができないでしょうか。
○村上国務大臣 国会は国権の最高機関でありますので、国会で公正に御決定になることには、政府はどこまでも従っていくことは当然であります。私は、奈良県と言わず、あるいは山梨、長野、また局部的ではありますが能登半島、あるいは福井県、各県の河川の災害の一番原因をなすものは、どうも上流の山くずれ、こういうことで原因をなしておると思いますので、少なくとも砂防事業には相当力をいたして参りたい。そういうような考え方から、今回の補正予算につきましても、事業量としては昨年あたりの倍以上できるような措置も講じたのですが、これをもって決して私ども満足してはおりません。何とかして来たるべき来年度の予算には、この砂防事業費を大幅に獲得いたしまして、われわれの考えておる目的を達成いたしたいと思っております。従ってその砂防に対する熱意は、これはもう服部委員のお気持と全く相一致いたしておるのであります。ともにその立場々々で大いに努力いたしまして砂防の完璧を期していきたい、かように思っておるのであります。
○堀内委員 関連。ただいま服部委員から御質問申し上げました緊急砂防の問題でございますが、緊急砂防の第二年度と第三年度が、ややもすれば一般予算との関係からこれが減額されてしまうということは、われわれ国会議員としても非常な問題になっておるのでございますが、おそらく建設省当局においても、この点では非常に苦しんでおることと私は察するのでございます。そこで、党から当局等にいろいろな要望があり、その辺のことは私はここでお伺いしようとしないのでございますが、ただいま大臣がお話しになった、政府部内においてこのことを確実にするように、間違いなく二年、三年度の分も実行できるようにしてあるというお話でございましたが、これはどういう方法によってなされておりまするか、特別措置というような方法になっておるか、あるいは政府部内において特別な閣議の決定とかいろいろなことがありましょうが、そういうような点についてお伺いしたい。
○山本政府委員 内容といたしましては、山の非常に荒れた県につきまして、要するに激甚な山の荒れた県に対しまして緊急砂防の一定計画を作りまして、それを三ヵ年程度でやるような計画を作って、それについては初年度だけでなくて、その事業をやっておる間は、起債も初めの年と同じように処置しよう、それからあとで地方交付税のときにも、それを財政需要の中に算定しようということに進んでおります。あれは七号台風のあとでそういう方針がきまりまして、今度の十五号台風でも、それに準ずるようなことが発生しておるわけでございますから、そういうふうなところを抜き取りまして、それらの県に対して同じような処置をとろうということになっておりまして、今、具体的の県を大蔵省とも打ち合わせ中でございます。
○堀内委員 なっておりましてというのが、今までならなくなるおそれであるので私どもは聞いておるので、なっておりましてということでは私どもは納得できないので、これは大臣、仄聞するところでは、局長同士でというようないろいろなこともあるようで、ここまでくれば申し上げますが、党としても政府に対して、覚書か何かやっておるように私どもは聞いておるのですが、それが閣内において何か保証ができておるかということを私はお伺いしたい。
○村上国務大臣 これは七号台風の復旧費のいろいろの打ち合わせ、いわゆる折衝中に、事務当局は事務当局、大蔵大臣と私との間では山梨、長野というあの七号台風の一番大きな被害を受けたところは、これははっきり私ども話し合いがついております。ただその後の十四号、十五号等の台風地については、今どの県とどの県を取り入れるかということについていろいろと事務的な打ち合わせをいたしておるのでありまして、七号台風の被災県については、はっきりいたしておると私は確信いたしております。
○堀内委員 くどいようですが、また信用しないようですが、そのはっきりしております。というのを、あるいは緊急措置の法令にするとか、さもなければ閣議において決定するとか、そういうような形において、将来動かない形を私は作っておいていただきたいと思いますので、あえてそれ以上お伺いはいたしませんが、これはおそらく建設省の内部でも、今まで困り切っておる問題だと思います。でありますから、私は確実な方法で、納得のいくような方法でぜひとも御尽力を願いたい。
○羽田委員長 中島巖君。
○中島(巖)委員 委員本日、四つの法案が提出されたわけですが、この法案を見ますと、いずれもその第一において、政令で定める地域に発生したるものという、これが見出しになっておる。これがわれわれ一番聞かんとする点なんです。この政令で定める地域というものは、政府といたしてもでたらめに政令で定めるわけではないだろう、従って政令で定めるその基準というものはどういうところに置いたか、その基準についてお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 政令の基準につきましては、これはなかなか意見がございまして、大蔵省には大蔵省の意見がありますし、建設省としては建設省なりの意見がありまして、また農林省もそうでありますが、それぞれ各省の意見を持ち寄って、実はまだ政令の、要するに地域指定の政令の一つの規制すべきものがまだはっきりいたしておりません。これはまことに相済まないのですが、なるたけ早くこれをきめなければ、法案を出しましても、どうもその審議の途上におきましていろいろと御迷惑がありますから、これはもう可及的すみやかにこれを決定したいと思っておりますが、今しばらく一つ御猶予を願いたいと思います。
○中島(巖)委員 おそらく大臣も、この点でだいぶ苦慮して、各省間と折衝しておるだろうとわれわれも想像するわけなんですが、結局この地域がきまらねば、予算の関係にも非常に影響するところでありますし、こうした災害に対するところの特別立法ができましても、地域に指定されぬとはずれるというようなことにもなってくる。そこで、今の大臣の御答弁は、今各省間で検討中で話し合い中だ、こういうようなお話であります。そこで、それ以上私が追及するということもどうかと思いますけれども、大臣としてのお考えはどんなお考えを持っておるか、それを一つお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 大体補正予算を組む上に、この特別立法が通過した場合に、どこが入るかわからないのに、予算の組みようがないはずであります。従って大蔵省としては大蔵省なりに、大体の大蔵省の考え方を聞いてみますと、いわゆる今回の災害の復旧費の総額の六〇%を特別立法の対象地域とするというようなきめ方をしているそうであります。そのままわれわれがそれに従っていけば、それではっきりしてきまるでありますが、私はずっと各地を視察して判断してみますと、その六〇%では少しばかりどうも辛過ぎるのではないか。これは私、いわゆる建設省の意見は、もう少し何とかならぬだろうか。そうすると、非常に局部的ではあるが、しかし非常な災害の深度が深いというようなところが、もしも六〇%だけで指定され、施行された場合には、そういうところが入らないのではないか、そういう疑いがありますので、大蔵省に、その点について建設省の意見はこうだということを言って、今交渉いたしておるのであります。従ってその交渉の結果、どちらにきまりますか、とにかくここもう数日のうちに、これは私は、今明日中にでもその地域指定の政令の基本的なものがきめられなければならないと思っておりまして、今いろいろと交渉いたしておるところであります。その点、御了承願います。
○中島(巖)委員 これは非常に重大な問題でありますから、大臣が非常にお骨折りになって各省と折衝されておるようでありますが、与党の方でも一つしっかりあと押しをしてもらいたいと思います。 それから、これは昭和二十八年にもあったことでありますが、たとえばここに高率補助の規定が出たわけでありますが、ある県として、県全体としてはこの高率の補助の適用を受けない地域でも、ある一部、一ヵ村においては非常な激甚な地がある。たとえばこのごろ私が視察したのでありましたが、石川県の能登なんかは、わずか小部分ではあるけれども、四百平方キロぐらいにわたって非常に激甚な被害を受けている、けれども県全体とすればこれらに該当しない、この法律には該当しない、こういうような場合においては、どういう取り扱いを建設省としてはなさる方針であるか、この点も加えてお伺いしておきたいと思います。
○村上国務大臣 先般の大蔵大臣の財政演説の中にも、この特別立法を適用する地域は激甚地に限るのだと言っておりましたように、私は、中島委員の御意見のように、たといそれが県全体は指定されなくとも、非常に激甚であって、災害の規模としては、災害の範囲は狭い県であってもその深度の非常に深い、いわゆる大蔵大臣の言われる激甚地というところは、これは当然指定されるものと思っております。
○中島(巖)委員 そこで、また問題はこの激甚とは何ぞやという問題になってくるわけですが、従って小部分の激甚でも、激甚に対する建設省としておそらく一つのものさしがあるだろうと思うのです。そのものさしは、やはりこの法律の税収入によってはかるのであるか、なおほかにまだはかる方式があるのか、この点について、これは河川局長でも官房長でもよろしいのですが……。
○村上国務大臣 これは、今いろいろと折衝中でありまして、もちろん標準税収入というものを基礎にして、その何倍をとるかということが問題になっておるのでありまして、それぞれ各省において、まあ二倍くらいが適当であろう、あるいはまた三倍ではどうかというような、そこに意見が多少残っておりますが、もちろん一つのものさしを作らなければ、この指定はできないと思っております。
○中島(巖)委員 それから、先ほど政務次官から説明があったこの予算関係について、修正減少額三十九億三千四百余万円というのがあるのですが、この内容について、ごく大ざっぱでいいのですが、どういうものを修正し減額したのであるか、大ざっぱの説明を願いたい。
○鬼丸政府委員 お手元に二枚とじの予算の表がございますが、その二枚目の表をちょっとごらんいただきたいと思います。 それでは、この修正減少額の内訳につきまして、簡単に御説明を申し上げますが、先ほど政務次官の御説明にもございましたように、今回のこの減少節約の考え方といたしましては、一律に天引き的に減少するという考え方は、とっておりません。それから、全体といたしましては、仕事を繰り延べるという考え方に立っております。 治山治水関係につきましては、七億六千八百十四万でございますが、そのうち、ダムが六億一千万円で大口を占めております。河川等の減少額一億一千八百万円につきましては、今回の災害分と置きかえられるようなもの、つまり災害地において仕事ができなくなっておる、あるいは他の災害復旧事業と置きかえられるようなものを、節約に取り上げたような次第でございます。ダムにつきましては、主としてこれは用地の問題が進まないために繰り延べられるというものでございます。砂防につきましては、三千九百五十六万円でございますが、これは先ほど来お話のありました緊急砂防の仕事で置きかえられるようなものを考えたわけでございます。 次に、都市が二千八百万円ございますが、これは公共下水道等の繰り越される分を取り上げたものでございます。 災害関連の六十二万二千円の内訳は、都市施設関係だけでございまするが、これは補助金をすでに交付決定いたしまして、あと執行上不用になるという金額をここに計上したわけでございます。 それから道路特会の二十七億三千万円余でございますがこのうち十五億円は、これはガソリン税の収入減に見合う額でございます。これも名四国道あるいはその他災害地の道路等でございまして仕事が本年度中には進まない、あるいは他の災害復旧事業と置きかえられる、こういうもののみを取り上げております。 次に、公営住宅の二億一千八百五十五万八千円でございますが、これは、地方の町村に割り当てられましたものの、今年度中消化の見込みがないということで返上されました分がおもなものでございます。 次に、官庁営繕の二億五千五百二十八万八千円でございますが、これも個々に当たりまして、大手町の合同庁舎の進捗から見まして、どうしても残るというようなもの、あるいは大蔵省の一部の改造工事、あるいは国際会議場、国際会館の懸賞設計の経費等を計上いたしました。以上のような次第でございまして、これら締めて四十億九十四万一千円でございますが、この節約を計上いたしましても、これはいろいろな事情で仕事を操り延べざるを得ない、あるいは他に振りかえられるというようなものでございますから、全体としての事業の執行には支障がない、こういうように考えられるものでございます。そのほかに財政投融資の面におきまして、道路公団分の十五億円、これも用地問題等で進まない分の節約額で、将来これは繰り延べて考えていきたい、こういう分でございます。 以上でございます。
○中島(巖)委員 そこで基本的な問題として、額は少いにしても、大臣にお伺いしておかなければならぬ点があるのですが、それは道路特別会計が二十七億三千万円この減少に計上してあるわけです。このうちの十五億のガソリン税の収入減、これは仕方がないのですが、そういたしますと、十二億三千万円というものはこれへ計上してあるわけですが、結局道路特別会計はほとんどガソリン税でまかなっておるのですが、ガソリン税は、道路整備臨時措置法によりまして、これは目的税的性格を持っておって、道路整備以外に使うことのできない金であるというように、僕らとしては解釈しているわけです。その金をこの災害予算に投入するということになってくると、これは非常な問題だと思うのです。従って、この際政府の基本的な態度と申しますか方針をお伺いしておく必要があって、それによってまたわれわれも考慮せねばならぬ、こういうように考えるわけですが、大臣の御意見はどうであるか、御所見を承りたい。
○前田説明員 道路特会関係の繰入金の二十七億余のうちの、十五億円のガソリン税の減収見込額以外の分につきましては、一般財源から節減をいたしております。
○中島(巖)委員 今道路局次長は、一般財源から出しておると言いましたけれども、道路整備五ヵ年計画の予算から見れば、一般会計から出ておるはずはない、ガソリン税である。ガソリン税を災害に使うなんていうことになれば、あの道路整備臨時措置法その他から考えまして、これは政府が違法をやっておるのだというように僕らは解釈して、次の国会において考えなければならない問題だと考えるのですが、その点、一つはっきりしておいていただきたい。
○前田説明員 道路整備特会にはガソリン税収入から繰り入れる分と、一般財源から繰り入れる分と両方から入ってきております。
○中島(巖)委員 ここでその財源を一々議論する余地はないのですが、道路整備特別会計の五ヵ年計画において、一兆億予算の中で、一般財源からたった五億しか入っていない。そういう関係から考えまして、一般会計から入る道理がない。これはまたいずれ機会を見て、私どもの資料をもってお尋ねいたしたい、こういうふうに考えております。以上で私の質問を終ります。
○羽田委員長 山中吾郎君。
○山中(吾)委員 御質問の前に委員長にお伺いしたい。特別委員会ができまして、その関係でここに出されております法案とか予算の関係は、審議権は向うに移ってしまって、こちらの建設委員会にはないのかあるのか、それをお聞きいたしたい。
○羽田委員長 これは建設委員会でございますから、建設省所管についての国政調査の審議権はございます。
○山中(吾)委員 それでは法案のことでちょっとお聞きいたしたいのですが、これは委員会に提案されたわけですね。
○羽田委員長 提案じゃないんです。
○村上国務大臣 お答えします。公営住宅の特例法だけが本日提案されました。あとの三法案は、本日の閣議で決定いたしまして、これから提案されると思います。
○山中(吾)委員 非常に奇異な感じがいたしますけれども、とにかく質問をいたします。 この法案を見ますと、公共土木とそれから伊勢湾に関する特別措置法だけは、予算の範囲内ということが書いてないのですね。それから他の法案を見ますと、堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置法の方では、予算の範囲内において十分の九を補助する、それから公営住宅法の方も予算の範囲内において四分の三を補助する、これだけ違うわけですか。予算が計上されなければ、結局四分の三は補助できなくてもやむを得ないのだという法案になっておりますね。他の方は予算の説明の中に入っていない、この点を一つ御説明願いたい。
○鬼丸政府委員 今回の特別立法の内容におきまして、補助関係の規定につきましては、予算の範囲内においてというのが全部入っております。あるいはこれは要綱でございますから、一部正確を失している点があるかもしれませんが、この点は、実は法案をまとめる過程におきまして、大蔵省といろいろ折衝いたしたのでございまするが、大蔵省は最後のきわになって、予算の範囲内においてという文句を入れてくれということになって、これは各省とも了承したわけでございますが、そこでこの補助率につきまして、ただいまお話しのように、ここに規定してある率より下がる場合がありはしないかという御懸念かと思いますが、これは絶対にございません。補助率そのものはそれぞれの規定に明記されております通りの補助をいたす、ただ範囲内においてと申しますのは、御承知のように予算が当該年度ごとの予算でございまするから、この当該年度におきまして、あるいは事業量あるいは単価等の点で加減する余地があるということは言えると思うのです。しかし補助率は絶対に動かないものだ、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
○山中(吾)委員 予算の範囲内というのは、法案の体裁上入れたという意味なのか、あるいは大蔵省が特に入れてくれということを要望しておる中に、ある程度実質上節減をしようという意図を含んでやっておるのかどうかということを疑問に思ったのですが、お話によるといいようでありますけれども、その点、今お答えになっていることを信頼しておきます。 大臣にお聞きしたいのですけれども、原形復旧でなくて改良復旧を原則としてやっていきたいということを、数回新聞で発表いたしておるようでありますが、その点は間違いないですか。
○村上国務大臣 改良復旧につきましても、この特例法で、特に伊勢湾等につきましては十分の八というようなことに補助率を上げておりますし、それから災害に関連して、どうしても再災害を受けるようなおそれのあるところは、これは十分改良復旧する必要があるというところは、どこまでも改良復旧をして参りたい、かように思っております。
○山中(吾)委員 大臣はそうおっしゃっておるのですが、ちょっと疑問になるのは、この法律の内容を見ますと、災害復旧事業とそれから改良の部分というのを差別をしておる。たとえば伊勢湾の方については、災害復旧事業については、法律の特例法の規定による、その他の部分というのは改良だと思うのですが、十分の八、補助率も差別をつけている。そしてその他の法案を見ますと、原形復旧がやはり原則であって、改良復旧は例外であり、補助率その他も低く見ておるという法律になっておるのですが、今お答えになった大臣の思想と法律の思想に私は矛盾があると思うのですが、いかがでしょうか。
○村上国務大臣 昭和二十八年の特別立法の際には、改良復旧については二分の一程度でありました。ところが一般の河川の場合、今回は改良復旧に非常に力を入れて三分の二に引き上げております。それから伊勢湾の高潮対策と申しますか、これを十分の八にとりましたのは、あの仕事な非常な困難と、また金のかかるというような点から考えまして、伊勢湾は特にその補助率等も勘案いたしておりますので、どこまでも改良復旧をやるために、いわゆる改良復旧についても補助率を特に引き上げたような次第であります。
○山中(吾)委員 局長にお伺いしますけれども、改良復旧というのはどういう意味を持っておるのでしょうか。
○山本政府委員 災害でやられまして、そこを復旧をいたしても、とうていもとのような復旧をしたのでは持たぬというようなところは、災害でどこまでもやりますが、しかし全然災害を受けなかったようなところがございます。そういうところも一緒にやっておかぬと効果はないわけでございます。災害を受けなかったようなところをよくする分を改良復旧、大体の概念はそういうことでございます。
○山中(吾)委員 そうすると、災害のあった部分を原形よりさらによくするというのでなしに、災害は受けないけれども、それに関連する災害を受けないところの事業を改良復旧と言っておるわけですか。
○山本政府委員 大体そういうことでございます。一連の堤防がございまして、一カ所が切れるというのでございますが、そこを幾ら強くしても、災害を受けない部分がそこより弱くてはだめだ、そういうものを災害を受けたところと同じように強くしようというのが、改良復旧でございまして、今のお話の通りでございます。
○山中(吾)委員 それでは、原形復旧の思想というのは依然として同じであって、災害を受けた部分は原形復旧という思想がそのままになっておる。そうでないものは改良復旧ということになると、大臣のお話と全然違うのですが、今の点は、何か規定があっての御説明だと思いますが、これは一つ間違いのない答弁をしていただきたい。
○山本政府委員 原形復旧ということが災害復旧の原則でございますけれども、あの中にも原形復旧をしたんでは著しく不適当だ、そういうときには、それを原形復旧よりも計画を変えてやるようなことがございますが、それでもなお処置できない部分がございます。災害を受けなかった部分も同時に強くしなければ効果が発揮しないわけでございますので、そういうものを災害に関連してやろうというのが関連事業でございます。
○山中(吾)委員 よくわからないのですが、大臣にお聞きしますが、今局長の説明は、原形復旧をするのが原則であるけれども、従来の方法で原形復旧をしては工事の技術上その他から不可能であるから、別な方法によって原形復旧をやる場合を説明されたにすぎないと思うのです。そこで、いわゆる原形復旧の原則が厳然としてそのままなんだという説明に聞えるのですが、大臣に一言承っておきたいと思います。
○村上国務大臣 たとえば五メートルの堤防であった場合に、その五メートルの堤防が破堤した。そうすると、今度はどうしてもこれを六メートルに計算上しなければ、この堤防は再び破堤するおそれがあるという場合には、五メートルまでは原形復旧でありますが、それから先の上の一メートルのかさ上げは、これはいわゆる改良復旧になります。その部分だけが災害に関連した復旧になります。そうすると、その部分だけかりに六メートルになっても、破堤しないところはやはり五メートルである。その破堤しない五メートルをやはり六メートルにしなければ、災害復旧したところだけはなるほど六メートルで、もう再災害のおそれはないが、前の部分を一メートル上げておかなければ、その目的を達成することができないということで、また他の関連した部分を一メートル上げるのが改良復旧ということに私は解釈いたしております。
○山中(吾)委員 局長、それでいいんですか。
○山本政府委員 その通りです。
○山中(吾)委員 そうすると、たとえば過去十年あるいは二十年の実績に照らして、これは一メートル高くしなければならぬという場合については、そういう科学的根拠に基いて五メートルを六メートルにしなければならぬという場合には、原則としてそういう改良復旧をするということを前提として予算を組んでおられるのですか。
○山本政府委員 改良復旧をするということで組んでおります。
○山中(吾)委員 そうしたら、この改良復旧の予算はこの補正予算のうち何パーセントになっておりますか。
○山本政府委員 今直ちに予算のパーセンテージは出ませんけれども、各地の災害復旧の今までの実例を見ますと、小さい災害がたくさんありますが、それに改良復旧の事業継ぎ足さなければならぬ分が全体の約六%ないし八%、そのくらいの金を災害復旧につけ加えれば改良復旧ができるという実績が今までございまして、その通りに予算を組んでおります。
○山中(吾)委員 その予算の組み方を、改良復旧は過去と同じパーセンテージでいく。大臣の言われる今度は改廃復旧を原則とするという主張と予箕とは全然合っていないのですが、今までと同じなんですか。
○山本政府委員 今まで大体五%ないし六%で実績は済んでおったと思っておりますが、今度は八%に組んでおります。
○山中(吾)委員 たった八%で組んで改良復旧を原則という予算になるのですか。
○山本政府委員 思想上の問題はそうでございますけれども、県から全部資料をとりまして、改良復旧をやれということでやりまして、実績は六%程度にとどまっておったのであります。それをさらに推進しようという考えもございまして、それがもっとよけいになれば、今後におきまして予算措置をやりたいということでございますが、実績がそうある以上は、あまり膨大な予節を組むわけにもいきませんから、そういうことに処置いたしております。
○村上国務大臣 伊勢湾等については、ことしはまだ今のあなたのお考えのように、なるほどその速度が非常におそいのであります。ことしは改良の部分をやれないわけです。原形復旧までしかこの予算ではいけないわけです。ですから、四十七億かに対して六億なんぼが災害に関連して今伊勢湾に出ておりますが、しかし来年度になりますと、堤防のかさ上げばかりやるようなことになりますので、これは改良復旧の方が相当多くなると思います。ですから、その局部々々でその事業に合わせてやりますので、あるいは一%も要らぬところもありますし、一%でいいところもあれば、二〇%も三〇%も必要なところがあると思いますので、一がいにこれは申し上げられないと思います。
○山中(吾)委員 最後に、私は改良という言葉は、何か河川の維持管理の考え方の中に入っておる言葉のように思うのです。それで、いわゆる科学的復旧というふうな意味において改良復旧をやるというふうに解釈する以外にないだろうと思うのですが、今後の予算は、原形復旧までは事業の能力の関係からそう変わらないけれども、来年度から改良復旧分も入ってくるという大臣のお話なんですけれども、大蔵省の思想は、予算の査定の場合に、原形復旧の原則を捨てて、改良復旧の思想にはっきり立っておるなら心配はないけれども、おそらく原形復旧が原則であって、そして原形復旧の思想の範囲内において例外的に改良するというような思想がまだそのままになっているのではないか。大蔵省の方においては、改良復旧という思想が確立されておるのかどうか、それだけをお聞きして私の質問を終ります。
○山本政府委員 大蔵省におきましてもそういう思想でやっております。
○逢澤委員 関連。ただいまの原形復旧とそれから関連したことについては、関連復旧として大体六—八%くらいな金額はこれを承認する、そういうような標準をもってこれをやっておる、こういうお話は、これでよくわかる。ところが、これはどこの席上であったか知りませんが、今回の災害復旧にあたって、原形復旧と改良復旧とのことについてこういうような例示があった、それはたとえていうと、木造の学校が破壊された、木造の学校では将来非常に危険性があるから、せめて危険性のあるところに対しては鉄筋コンクリートで、少くとも三階建くらいなものを建造して、そうして応急の方法にも当てねばならぬ。これはきわめて常識的な、またそうやってもらわねばならぬことなんである。ところがそうなると、原形復旧というのを改良復旧とするというこの原則は、これは大臣も河川局長も言われたので承認できるけれども、ただそこに、大体本計画費用の六%か八%ぐらいの範囲でやるという言葉があった。これは、私は木造建築で復旧する場合と鉄筋建でやる場合とは、六%や八%ではできないと思うが、しかし、そうこまかいことまで聞かぬでもいいようなものでありますが、そういうような特殊の場合に対しても改良復旧をやっていく、こういう原則にきめておられるかどうか。
○山本政府委員 今学校の例をとられましたけれども、たとえば私どもの方の関係なら、橋の例が一番いいと思います。これにつきましては、災害の採択のときに、木橋でかけたんではこれはもうすぐまた流れることが明らかであるというようなものは、災害復旧でやるということになっておりますので、そういうような問題は、災害復旧の採択のときに大部分解決できると思います。今の橋の場合で関連事業と申しますのは、今せっかく作るんだから、もう少し川幅を広げたい、前後の道路はもっと広いのに橋だけが狭かったから、それを広げたいというような場合に関連事業をつけるという考え方でございます。
○村上国務大臣 ちょっと、先ほど山中さんにお答えしたように、伊勢湾の堤防をとると、今あなたは六%とか八%とかいうようなことに大体きめておるんじゃないかという御意見ですが、そういうようなのは、今までのあまり改良復旧という思想が今日ほどないときには、六%か八%であるいはよかったかもしれない、しかし最近は、どうしても改良復旧をやらなければだめだというような思想になって、総理大臣も大蔵大臣もしばしばそういう言明をされているわけです。われわれは、もとより総理やあるいは大蔵大臣の言明のいかんにかかわらず、どこまでも改良復旧をしなければ、いたずらに国費を乱費するばかりだという思想は、建設省としてははっきり持っておる。従って、伊勢湾のごときは、あの前面のコンクリートの厚みとか、あるいは根入りを深くするとか、あるいは波に裏をたたかれた場合に、今まではあれを粘土でやっていた、そういうようなものを、今度は場所によっては相当強固のコンクリートで仕上げなければいかぬとか、そういうようなことになりますと、今まで作った堤防の倍くらい場所によっては一メートル当たりかかるだろうと私は思う。それくらいに私どもの考え方を変えていかないと、絶対に再びかかる惨事を引き起こすようなことはいたしませんというようなことは、これは単なる言うことだけで、ほんとうにそうなりませんので、私どもは今度の災害復旧については、自信を持ってこれの復旧を、ほんとうに将来こういうことのないようにするための改良復旧をやりたい、こう思っております。
○羽田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会