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33回国会衆議院1959/12/23

決算委員会 第13号

発言数
432
登壇者
11
会派数
2
開催日
1959/12/23

会議録

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 決算委員会を開会いたします。  これより歳入歳出の実況特に防衛庁の航空機購入問題について証人に証言を求むることにいたします。御出頭になられました証人の方々は吉田義人君、永野喜美代君ですね。  証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人吉田義人君朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。     〔証人永野喜美代君朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。     〔証人宣誓書に署名捺印〕

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 証人に申し上げますが、証人の発言は証言を求められた範囲を越えてはならないことになっております。また発言の際はそのつど委員長の許可を得てから発言していただきます。お尋ねしているときは着席のままでけっこうですが、お答えの際は起立して発言をしていただきます。証言は委員の発言に答える形で行なっていただきます。以上、あらかじめ御承知おき下さい。  まず永野証人の証言を求めることにいたします。吉田証人はしばらく証人控室でお待ちを願います。     〔吉田証人退席〕

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 発言の通告がありますので、順次これを許します。  田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 証人にお尋ねいたしますが、その前にちょっと私見を申し上げます。証人の会社では、やはり通産省とか防衛庁とかと仕事の深い関係を持っておられますので、ここでいろいろなことを言ったがためにそういう人たちから脅迫を受けたり、あるいは仕事に影響するような点があるのじゃないかという御心配があると私は思います。私はここで証人及びここにおられる方に宣言しておきますが、もしそういうようなことがあったとするならば、私はいつ何どきでも、この国会議員の職を投げ、この生命を投げて戦って、そういうものを是正しなければならぬ、こういう工合に決意して、きょう証人にお尋ねするんですから、何事もお隠しにならないで、あるいはまた通産省や防衛庁からおどされたり、いろいろなことをしておられることを私は第三者から聞いておりますが、そういうこともお隠しにならぬで証言していただきたい、これをお願いしておきます。  そこで、証人にお尋ねいたしますのは、証人の会社でロッキードの104C、今度日本で買うのはJに改装されましたが、この単価について、昨年の十月に最終単価は証人の会社から八十六万ドルであるということが出されておりますが、これに相違ございませんか、お尋ねいたします。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ロッキードの104Cの単価につきまして、ただいま八十六万ドルという数字は確かか、こういうお尋ねであったように存じますが、川崎でロッキードと一緒にタッチいたしまして、連絡をいたしまして作りました単価見積書は五七年の八月でございます。これは104Aタイプにつきまして計算をいたして提出いたしましたそのときの金額が、たしか八十六万ドルであったと記憶いたしておるわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私の方の決算委員会に防衛庁から出た資料の中にあるのですが、昨年の十月の最終値段がロッキードの104Cで八十六万ドルでできるということがこっちに来ておるのです。今、だいぶ前のようなことをおっしゃっておりますが、これはどっちなんですか、もう一度一つ。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 一番当初作りましたのが五七年の八月でございまして、そのあと約一年ほどたちました後に、五八年のたしか八月ごろであったと思いますが、104Aから変わった104Cを作るという仮定のもとに、この当初の生産計画及びいろいろの条件と若干違っておりますが、こういうものが昨年の八月にロッキードから出されたように存じております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、ロッキードから昨年の十月ごろ最終値段がCとして出されたということを、証人はどこでお聞きになりましたか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 一番当初に川崎が責任を持ってロッキードと出しましたのは一昨年の八月でございまして、そのあとCに変わりましてから、ロッキードが新しくCにのっとってプロポーザルを作りまして、そのときにロッキードから、前に出したときの資料を使ってよろしいかどうか、特に日本側の製造負担と申しますか、川崎で関係する部門の数字はどうかという問い合わせを受けたわけでございます。そのときに川崎側といたしまして、Cの新しい部分の特に日本に関係する分だけの材料、あるいは加工費というような問題を検討をいたして、このことをロッキードに返事をしたわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 証人にお尋ねしますが、昨年の六月十六日ころ、芝の共済会館で広岡という国防会議の事務局長、川崎航空及び新三菱重工業の技術者及び学者などを入れて、馬場航空機課長その他関係者が集まり、航空機に対する打合会のようなものをやった。このとき問題の天川勇君も出ております。そしてグラマン及びロッキードの性能とか価格について、いろいろ意見の交換がされたが、そのときに防衛庁初め国防会議の人たちは川崎航空の技術者に向かって、グラマンに決定しているのだからロッキードの値段などは問題でないと相手にしなかったのみか、たとえロッキードやその他の戦闘機に変更されても製造は新三菱にさせるのだと言っておる。その席には馬場課長も同席しておった。こういうことが事実とらえてあるのですが、あなたはこういうお話を、あなたの方の出席した人からお聞きになったかならないか。一つこれは正直におっしゃっていただきたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 日時は忘れておりますが、共済会館で戦闘機で学術経験者とかそういう人たちを集めて会議があったということは記憶いたしておりますが、その会議に私、出席いたしておりません。ただ、当社からほんとうの技術者が一人だけ出席いたしまして、なにしたのでございますが、お話のような、そういうむずかしい話は何もなかったように私報告を受けております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたの会社からこういう重要な会議に技術者として行かれるのだから、行かれたらいろいろな話が出るわけでありますが、出た問題の中の、たとえばロッキードの値段なんか問題でないということは、これは今は新三菱に変わってしまったけれども、ロッキードにきまればあなたの方が製造なさるということは、これは一般の常識に認めるところであり、また深い技術提携もあるから、こういうことを言われたこともこれは重大であるし、それのみか、戦闘機がどれにきまっても、変更されても製造は新三菱にさせるなんということは、これは重大なことだと思う。こういう報告を受けておられないというのは、私はこれはおかしいと思う。もう一つ、そのときにあなたの方の技術者がこういうことを質問しておる。これは中のある人から私はよく聞いているのだが、グラマンにきまったとおっしゃいますけれども内定だから、もしロッキードにでもきまったとしたら私の方にさしてもらえるのかということを、ここでもちょっと聞いておる。それから、ホテル・テートでの会議のときでもそういうことを聞いて、その返事を防衛庁がしておる。どんな返事をしておるか。きまりはしないけれども、もしきまればそれでもいいさ、というような返事をしておるということを聞いておる。中にはそんなものでなくて、もっといい確約をして、一書をもらっておる。もしロッキードにきまったとしたら君のところにやらせるよというような請書というのか、念書というのか、覚書というのか、あるいはまた書いてはないけれども、そういうようなものと同等に受け取っていいような確約を得ておるということが、私の方で聞いたり、いろいろなことをして現われてきた。私は、ただ共済会館のところに行って技術会議を開いたが、何でもなかったというような報告じゃないと思います。何もそこに防衛庁の人が来ておったって、重工業局長がおったって、そんなにこわがらぬでいいのだ。あなたは証人だから、うそを言えば刑務所へ行かなければならぬのだから、堂々とおっしゃったらいい。どうですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいま共済会館の会議で、何と申しますか、もうグラマンにきまっておるのだから、ロッキードの値段なんか問題にしないというようなこと、あるいはロッキードに、もしきまったら、これは川崎にもらえますかというようなことがあったかということでございますが、これははっきり申し上げますが、あの会議のときにはそういう問題は何にもなかったと聞いております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 もう一点、簡単に聞きます。それじゃ、そのときの会議にグラマンに内定しておったからもうだめだというように報告を受けられたか。また、ロッキードになるかもしれないぞというような報告を受けられたか。どっちなのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 そういう確かな報告は受けなかったのでございますが、どうも感じとしては、グラマンにきまるらしいということを感じて帰ってきたということは事実でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、もしグラマンにきまったとしたら、戦闘機の製作は川崎にやらしてもらえるという感じがございましたか。いや、もうグラマンにきまれば新三菱だと感じておったか。また今のように、たとい二割でも三割でもやらしてもらえるようにお感じになったか。あまり言葉を飾らないで、正直に言っていただきたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいまの御質問のなにの感じといたしまして、私どもといたしましては、機種が何にきまりましょうとも、両社で共同して製作をするというような考え方を当時から持っていたのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 両方でやれるように考えておられたなら、あなたの方が主だが、もし間違ってロッキードにきても、グラマンにその当時感じられたようにきまっても、あなたの方はあくまでも新三菱の下請で仕事をするんだというように感じられたのか。あるいはグラマンならそうだが、ロッキードならおれの方が主になるかもしれないと感じておったのか、一体どっちですか。今あなたの言ったように、初めから二人でやれるというならそれは談合みたいになるのだが、この間、政府の防衛庁長官にただしても、航空機は二社に作らしても、一社は契約者であり一社は下請であって、そういう話をしたり会合すらも持たないのだという話を、重工業局長に聞いても、初めはそんなことは言わなかったけれども、あとで取り消して言っているし、防衛庁は初めからはっきりそう言っている。そうなると、ちょっとおかしいと思うのです。だから、あなたの方は初めから、グラマンにきまろうが、あるいはまた間違ってロッキードになろうが、その他の戦闘機になろうが、おれの方は新三菱の下請でやる運命にあるのだ、こういう工合に感じておられたのか。いや、それはグラマンなら新三菱が主でこっちは下請だけれども、あるいはロッキードその他のものであれば私の方が主になって、新三菱の方が従になるかもしれない、下請になるかもしれないというように感じられておったのか。これは会社の将来の重大な運命にも関することだし、あなたの方があくまでも、防衛庁や通産省が考えているように新三菱の下請でけっこうなら、あなたの方だって、富士重工だって、だんだん設備をそろえてやっていけばそんなものじゃないし、そんな片寄ったものじゃない。その点、あなたは会社の責任者であるから、どう考えられたのか、一つおっしゃって下さい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいま申し上げました通り、いずれにきまりましても、両社で製造することが一番安くできるということには変わりないと当時から考えておりました。ただ、この機種の選定という問題と、どちらが主としてやるかというような問題は、そのときの稼働状況と申しますか、そういういろいろな条件から政府がおきめになることである、こう私どもずっと前から感じておるわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それはちょっとおかしいのですがね。それじゃ、政府があなたの方と新三菱にしないで、中島とかその他へ出しても、あなた方は通産省がきめたらそれでいいのだというふうに考えられるのか。いや、そうじゃないのだ、おれのところはやはりグラマンなら新三菱と対等にできるのだ。あるいはまた、ロッキードなら技術提携もあるから、私の方は対等にできるのだ。それとも、グラマンにきまれば仕方がない、新三菱になって、下請でもいいが、ロッキードにきまればおれの方がやってやり抜けられるものなんだというように考えておったが、その場へ来て考えと違った方向に行ったと思われているのか。初めから新三菱の下請でけっこうだと思われたところに、下請になったのか。そこを聞いているのです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 初めから最後まで下請でよろしいか、そういう考えであったかという御質問のように思いますが、ロッキードにきまりましたならば、できるだけそういう機種がやりたいということは私どもも希望をいたしておったのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたの方の技術提携している人がロッキードの水上機を目下製造しているので、岐阜の県内にロッキード社から技師が百名も来ておる。また反対に新三菱重工業がロッキードを作るような場合には、愛知県の小牧にある工場でやるのだが、これはあべこべにロッキード社から百人技術者を新たに招聘しなければならぬというようなこと。それから、今までロッキードとの技術提携でいろいろなものをやられておるのだから、あなた方がもし政府からロッキードという戦闘機を作れと言われれば、新三菱に劣らないものを作る自信があるのですか。いや、新三菱とあべこべになるんじゃとても作れないのだというように考えられているのか。おれの方を主にするなら、もう少し安く三菱がやるような期間で作ってやるのだという自信がおありなんですか。これは重大なことだと思う。何もおそれることはない。あなたはずっと会社に長くおられたし、役人なんてものはちょっと悪いことをしたら、あしたは刑務所とかどこかに行ってしまうんだから、そんなにおっかながらぬでいいから、ほんとうのことをおっしゃったらどうですか。いや、ロッキードになっても、どうしても新三菱と今のような状態でなければいけないのだというのか。ロッキードにしてくれるなら新三菱に負けないだけのものを作り得るのだ、値段も少し安くできるのだというのか。これは出ているのですから。あるいは期日もそんなにおくれないでできるのだというように考えられるのか。いや、もうだめなんだと考えられるのか。それが一点です。  それから、今度あなたが専門家として言ってもらいたいのだが、グラマンを作るために三十七億二千万円の金を政府から新三菱に融通してある。そこで新三菱はグラマンを作るような準備をしたはずなんだが、その三十七億二千万円の金で設備をした。これがそのままロッキードに当てはまって、そうして使えると思われるのか。いや、それは三十七億二千万円の金の融通を受けてグラマンを作るのだけれども、その機械が全部ロッキードにそう有効なものじゃないのだ。また私の方も政府の金の融通を受けたり、あれすれば、新三菱に対抗して新三菱が作るようなものを責任を持って作れるのか。どうしてもだめなのか。下請会社としてより、だめなのか。これはもう少しあなたが言葉を飾らないで言っていただきたい。あなたができるとおっしゃっても、人ができないと思うかもしれないし、防衛庁ができないと思うかもしれないし、新三菱一辺倒のそこにおる重工業局長だとか池田がいや、だめだと思うかもしれないし、そんなことはかまわぬじゃないですか。あなたの意見として正直なことを言ってごらんなさい。私はきょうはそれをお聞きしたい。どうなんですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 川崎が長くロッキードと提携をしておる、また岐阜にただいま技術者が来ておるというようなことは事実でございまして、こういう関係のつながりというものは相当多いと考えております。ただ、ただいまやっておりますP2Vの製造技術の関係と、次の戦闘機の技術の関係は、またこれの技術援助というようなものは、全然別個の独立したものであるんじゃないかと考えております。T33A、P2Vはそれぞれ別に技術提携契約をやったものであります。104の場合にはまたあらためて技術提携が必要である。ただ、川崎といたしましては、ロッキード・システムと申しますか、そういうものになれているという利点はあるかと思いますけれども、ただ、そのなれているということで値段がどう響くとか、そういうことはあんまり響かぬのじゃないかという感じをいたしております。  さらに、川崎は、もしこれを主になってやれと言われたら、いいものを作る自信があるのかどうかという御質問のように承りました。私どもといたしましてはこれを主になってやれとおっしゃれば、ぜひ責任のあるいい飛行機を作ることができる、こう考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 先ほどの、三十七億二千万金を借りておるが、それでグラマンを作ろうと思って設備した。その設備が、ロッキードを作るのにそれを全部有効に、少なくとも七割以上使えますか。それはまた今あなたがおっしゃったように、別個のものだから、その機械はそのまま使えると思わない。あなたは専門家だから、よく向こうの工場の設備も御存じだから、大がいそういうことをお答え願えると思いますが、いかがですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 御質問のなにがよくわからないのですが、三十七億何ぼグラマンのために使ったというようなお話のように聞きましたが、そういうことはないような感じでおりますが、私、三菱さんのことは存じません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 三十七億二千万という金を借りておるのですよ。これは新三菱が三十七億二千百万円の金の融資を政府から受けておる。この融資を受けたのは、グラマンに内定をした、それで新三菱が作ることになったために、技術者が向こうの会社に行くのに八百万から、もっとたくさん使って、アメリカへも技術の研究に行っております。金もこうやって借りている。グラマンを作ることにまだ決定しておりませんから、グラマンを作るということを全部の名目とはしませんが、ほんとうの事実は、将来グラマンも作らなきゃならぬ、内定をしたグラマンを作らなきゃならぬということをあれして、三十七億二千百万という金を借りている。それで設備をした。新三菱がそれだけ金を借りてから、すっかり設備をした。その設備がロッキードを作るのに有効な設備であるということを新三菱が主張している。そこで、あなたは、いやその通りです。あの三十七億二千万借りて設備したものは、ロッキードを作るのに最適な設備として間に合うんですとあなたがお思いになるのか、いや、それはいろいろなことの設備であって、別にロッキードを作るのにその設備が、それは一割や五分は何でも間に合うでしょうが、そんなに半分以上間に合うとは思わない、こう考えられるのか。それを一つ聞きたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいま三菱さんの設備について私にいろいろ話をしろという話でありますが、大へんむずかしい問題でございます。私、大体の両社の機械等がどうかという問題については、一応研究をしたつもりでおります。その研究の結果からいたしますと、両社で持っております非常に大型の機械、高い機械、これはそれぞれ特徴のある機械があると思います。こういうものにつきましては一〇〇%と申しますか、十分に今度の新しい戦闘機の機械に使えるものだと考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、この三十七億二千百万の借りた金でいろいろな設備をしたものも、このロッキードの戦闘機に一〇〇%使えるし、あなたの方もこれに負けないような、持っておる機械もロッキードに一〇〇%使える、こんな工合に考えられるとおっしゃるのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 大体、体系で申しますとそういうことでございまして、たとえばこの機械の中で、三菱さんで持っておられまして私の方に持たないという機械が、今度の戦闘機に使えるというようなものが三菱さんにございます。なお、三菱さんの持っておられます、これは板を曲げたりあるいは型材を曲げたりするストレッチャーという機械でございますが、この板を曲げたり型材を曲げるというような機械につきましては、両社とも持っておりますけれども、この機械については川崎の方が能力が多い機械でございます。この、大小、あるいは持っておる、持ってないというような機械を突き合わせまして、ほとんど有効に使えるのじゃないか、こう私、感じております。もっとも、あれで足りるかという問題になりまと、また新たなものがございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、結論において、新三菱が製造するすなわちロッキード戦闘機、これは川崎だって主としてやればりっぱに新三菱に負けないで製造できるだけの自信、技術その他において負けないだけのものはあるのだし、主としてやればできるのだということにとっていいのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 両社の体系を合わせまして、かりにこの主が川崎になった場合に、私、川崎といたしましては責任を持って作り上げることができると考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、そうなりますと、あなたの方から出る見積もりもでたらめじゃないということになるのです。あなたの方から、この今回のロッキードの決定に対して、104Cを改装して、Jと改装した、機関砲を加え、レーダーを改装する、こういうものがあなたの方から見積もりとして出たのですけれども、これがどのくらいでできるかというと、あなたの方の見積もりを出しているのを見ると、あなたの方は、百二万ドル、これでできる。もしいろいろなことがあったとしても、百五万ドルならばできるというような見積もり書が出ておりますが、これはどうなんですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 104の見積書につきましては、川崎といたしましては、先ほど申しました五七年八月ごろに算出しております。この通でございます。そのあと、先ほど申しました104C、これに飛行機が変わる、なおそれの製造の条件が、いろいろ変わりまして、見積書が一つできておるようでありますが、これはそのうちの日本分の作業の経費というものを問われて算出いたしたことがございます。それ以降につきましては、川崎といたしましてその以降の見積書には全然タッチをいたしておりません。その以降の104Cの製造計画は、特に104Jにつきましては、全然私どもその内容も知らないのでございますし、まして見積もりというようなことは全然今までやったこともございません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それじゃお尋ねしますが、この104Jに対する見積書を、新三菱から政府に出したというようなことをお聞きになりませんか。ほんとうのこまかいものでなくても、幾らくらいでできるという概略の見積書を新三菱から政府に出したというようなお話をお聞きになりませんか。同業者だからわかっておるはずです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 新三菱さんからは出されたんじゃないかと思っておりますが、全然、出されたのか出されないのか存じておりません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 どうもあなたのお答えが、いつでも奥歯に物のはさまったようなお答えなんだ。お互いにあれだけの従業員を使って、あれだけの仕事をしていれば、これからおれの方はこれの下請になったけれども、新三菱からは政府の方に概略の見積書を出したとか、あるいは幾らくらいの見積もりを出したとか、そのくらいのことはあなたの方だってやっぱり人間がおるんだから、情報が入って、それをお聞きになっているはずですが、もう少しはっきり言って下さい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 私、存じておることはみな申し上げておるつもりでございますが、どういう見積書が出ているのか、あるいは出たのか出ないのか、こういう点については全然存じておりません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこに小出重工業局長、塚本装備局長がおられますが、どちらからでもいいが、新三菱から概略の見積書が出ましたか、出ませんか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 新三菱から十一月の二十一日に出ております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで装備局長、これだけの八百億も千億もするものを作らせるのに、今ここで聞けば、川崎航空機でも主にしてもできる。新三菱より負けないものができる。設備も、一つではできないけれども、両方合わせればできると言っておるのに、どうしてこの見積書をとらないのか。この見積書をとらないで、一方からとって、あなたはこれをやれますか。あなたの金で作るのではないですよ。国民が泣いて納めた税金で作るのだ。あなたはまだ税金を払わないで差し押えを食ったり、競売を食ったり、脱税して刑務所に行ったりしたことがないから、あなたには関係がないが、浅草に行ってごらんなさい。この暮れに税金を納められないで、子供のオーバーや机を競売されて、それが競売品として売られておる。そこへ行って子供が、お母さんあれを買い戻してくれと泣いておるのに、母親はたびもはかないで、買いものもせぬでおるじゃないですか。そういう大切な税金で作るのに、どうして見積書をとらぬで、これをやるのですか。そんなことが、どこかにありますか。われわれが小さい物置やふろ場を直すくらいは見積もりをとらないけれども、少なくとも家一戸を建てるとすれば、大した関係のない、社会にはあまり関係しない、影響を及ぼさない、内輪だけで話のできるこういう家の問題でも、少し高いものを建てるとすれば、家でも直すとすれば、大きな修理でもするとすれば、新築するとすれば、少なくとも大工の一人や二人呼んで見積もりをとらしてみて、どちらにするかということです。このごろ店員を十名以上使っている、従業員を十名以上使っている事業家は、小売商人でも見積書を何にもとらないで十万円以上のものを勝手にやるところはございません。私のうちなど、政治事務所など、あんなものは吹けば飛ぶようなものだ。それでも、かわらが飛んだとか、ポンプがいたんだとか、何かしたとかいっても、やはり業者を二人くらい呼んで見積もりをとらして、どちらが仕事が正しいか、どちらが安いか、どちらが早くやるか、こういうことをやっている。少なくとも何百億じゃないですか。それを見積書を両方からとってみて、工場の意見を聞いてみてやらせるのがあたりまえじゃないですか。新三菱に即時に主として請け負いさせることをきめて、川崎に、行って打ち合わせをしろ。あるいはロッキード社のハルに電話をかけて、お前早く新三菱に行けとか言って、そこで何か言うと、内政に干渉してはいけない、お前そんなことを言うならば仕事をさせないぞと言う。そんな権利がどこにあるか。防衛庁長官にもない。池田勇人にもそんな権利はない。法律で定めてきちっとやる。なるほど、工場を指定するだけの権限は法律にあるかもしれないけれども、それでは、指定したならばだれにでもやらしていいのか。田中彰治に指定したり、ここにいる山田長司君に戦闘機を作れと指定したり、だれにでもやらせるのか。国民が聞いているのだから、これに対してあなたは答弁してごらんなさい。国民の聞いているところで答弁をなさい。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 防衛庁といたしましては、航空機製造事業法に指定された製造事業者を契約の相手方とするわけでございます。その契約の相手方よりわれわれは見積書をとる、こういうことでわれわれは仕事をするのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それでは、そういう法律が新三菱しかしてはならぬということになっているのか。たとえば通産大臣から指定してきても、防衛庁としては、それはいけない、指定するのはちょっと待ってくれ——これは大いにわれわれにも関係することだ。たとえばエンジンが悪くて、エンジンが割れて落ちても人が死ぬし、何にしてもこれは重大な人の生命に関することである。社会党の人たちは、国を守る必要がないということで戦闘機は反対だけれども、われわれはやはり国を守るということについてはこれをあれしている。そうしたら、防衛庁が待ってくれといって、工場をちゃんときめて、そうして研究してみて、これとこれに見積もりさして、これだったらこれだけ違うから指定をこれにしてくれということを、どうして言えないか。そうして、法律で指定したらその通り聞くのですか。そういうことを指定する責任はあるけれども、その内容を検討して、その指定したものに対して、不合理であったり、国民が納得しなかったり、いろいろな問題が起きたら、それに対して反駁する権能は防衛庁長官にあると思うのか、ないと思うのか。よく考えて御答弁して下さい。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 事前に通産省といろいろ協議をいたしまして、技術の点、労務の点、設備の点、そういった点もいろいろ御相談申し上げまして、そうして、田中先生の問題にしておられます製造費の問題でありますが、特にレートの問題であろうと思いますが、これは御承知のように川崎がレートそのものは四、五十円安い。ただしそのほかの設備、いわゆる償却費を入れますと大体とんとんくらい。実際のレートで申しますと、そのときそのときの操業度によってきまるわけでございます。これは操業度は、今から予測することは非常にむずかしいわけであります。そういう面で、そのときになっていずれが幾ら安いかというささいな点は、これは当然予想ができないわけであります。そういう面からいろいろ総合的に考慮いたしまして、通産省の指定に対しましては異存ないということを申し上げたわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたは、この間防衛庁長官がここで弁明したことを聞いておったか。池田君の方から新三菱に指定したらどうだと言うから、したことであるから、おれの方も万やむを得ず賛成したというようなことを言っている。あなたが今言ったレートが安いとか、何が安いとかなんとかいうようなことは、値段の安いという問題もあるけれども、国民の疑惑を持つようなことを想像でものをきめている。今ここに証人がおるのだが、見積書を出しておらぬというじゃないか。あれだけの大きなものを見積書を両方からとらないで、ただ想像できめて、こんな大きなものができますか。何を根拠にしてきめたか。見積書が出ないのに、きまらないじゃないか。大工さんに家を建てさせるのに、自転車を一台作らせるのに、見積書を出させないで、山口自転車がいいだろう、田中自転車がいいだろうといって、想像できめてもしようがない。値段も値切れない。契約相手が一個だ。  この間もここで言ったことだが、どんなにあなたが経済的にお考えになったって、共産党のマルクスの経済学だって、社会主義の経済学だって、資本主義の経済学だって、どうしても原則の犯すことのできないものが一つある。それは、なきものを得んとするときは高価な代償を払うということだ。あなたが新三菱を値切ろうと思っても、お前が高ければ富士重工業にやらせるぞ、お前が高ければ川崎航空にやらせるぞという見積書を並べておいて値切るのでなければ、値切れないじゃないか。一方にきめてやったって、たとい高かろうが安かろうが値切れないじゃないか。そんなことであのずるい商人が承知すると思っているか。見積書をとっておらないじゃないか。何できめたか。池田勇人の頭できめたか、赤城防衛庁長官の頭できめたのか、君のそのからっぽの頭できめたのか、言ってごらんなさい。そんな簡単な答弁では許さないですよ。何を言っているのか。国民の前でそんなことを言えるか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 ただいま申し上げましたように、いろいろそういった点は通産省におきまして御検討なさいまして、事前に防衛庁にもお話がありました。それに基づいて航空機製造事業法で指定するということがきまりましたので、その指定される製造業者を対象にしてやりました。そういうことで仕事を進めたのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなた、考えてごらんなさい。見積書を両方からとらないで、新三菱にきめたときも見積書をとっておらぬ。見積書をとらないでそこにきめておいて、競争相手をなくしておいて、値段を値切るとか、品物をよくするとか、現実に物を作るということはできないじゃないか。たとえば田中なら田中の工場一カ所で作るということは、ほかに絶対ないんだから、幾ら値切ったってだめですよ。それでしかできませんと言ったら、どうやるんだ。法律がどこに指定しろといえば、それでいいのか。そうして製造できると言っておるじゃないか。私のところにもやらしてくれれば新三菱に負けないだけのものはできますと言っている。しかも技術提携があって、ロッキード社から百人も来てやっておる。しかし、それでもいろいろな工合で、値段が高いとか、新三菱の方がいいとかいうことをきめるには、見積書をとったり、工場を見たり、両方の責任者を呼んで、学者その他の技術者を呼んで会合してみたり、その中に国防会議の人たちを入れてみたり、あるいは国会あたりの人たちを入れてやるのがあたりまえだ。法律できめたからそれでいいのか。そういうことで池田勇人君が石川島、あるいは富士重工業にやらせたら、それでいいのか。防衛庁はそれに従っていくのか。どうなんですか。防衛庁はロボットなのか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 さっきから申しておりますように、通産省におきまして航空機製造事業法で指定したものを相手にして、われわれは契約の準備を進めている。これは特許の場合も同じような問題がございまして、特許を持っておる人以外は技術的にできないということはないわけですが、特許を持っておれば、そこと随契をしていくということは従来も防衛庁がやっておることでありまして、そういう点で航空機製造事業法で指定されれば、その会社と契約を進める。そういうようなことで仕事を進めておるわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 君、特許と違うよ。特許というのは、法律でこれをこれより作ってはいけないというから特許権を買うとかする。そんなことは君に聞かぬだって知っている。あなた、子供さんがあるかね。子供があったら、うちへ帰って聞いてごらんなさい。決算委員会でこういう答弁をしたら、説明が下手だといって笑われた。りっぱな競争者があるにもかかわらず、見積書もとらないで主にきめた。新三菱から見積書もとらないで、お前のところにきめるから値段はあとにしよう。そんなことができますか。国民に済みますか。特許と何の関係があるんだ。あんまり決算委員会を子供に扱ってはいけないですよ。断固として許さない。やめてしまえ。そんなきめ方でいいのか。局長、どうなんだ。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 お答えいたしますが、航空機の……。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そんなことわかっている。何百億のものを、見積書もとらないで、相手の会社も知らないで、法律でなにがあるからといって勝手にきめていいのか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 価格の問題がきまらない前に生産体制をきめるのはどうかという御質問でございますが、これは普通の商品の売買の例で申しますれば、もちろん御指摘の通り、筋の違うような感じがするのは当然だと思います。ただ、御承知のように、こういった非常に高性能の航空機を新しく日本で初めて作るわけでございますから、その場合におきまして会社側といたしましても、実際の見積もりをするにつきましては、具体的な航空機の機体なり部品なり、そういった仕様書と申しますか、図面と申しますか、そういった詳細なものがわからなければ実際の計算が実はわからないわけでございます。ところが、従来防衛庁がいろいろ航空機を生産させておりまするが、その過去の例から申しましても、たとえばこれはロッキード社に限らないと思うのでありますが、技術提携をいたします相手方の会社は、大体その契約の相手方と申しますか、予定者がきまらなければ詳細の内容を一切知らさない。従いまして、計算のしようはないというのが実態のようでございます。従いまして、私どもは、先ほど川崎航空の副社長も申されましたように、もちろん川崎も十分に能力を持っておる。しかし、いずれが主であり、いずれが副であるにいたしましても、三菱にしろ、川崎にしろ、一社だけでは単独生産できないということは、これはもう明らかでございます。必ずいずれかが主になり、副になって、共同生産しなければならないということでございます。しかし見積書を出すにつきましては、一応主たる契約者の予定者がきまりませんと、生産に入れないというのが実態でございます。そういうような関係から、価格の見積もりというものが逆にあとになるという関係になっていると私は承知いたしております。  しからば、そのあとに残ります問題は、いずれが主であり、副であるかということを、どうやってきめたかという問題であります。これは前回私が申し上げましたように、もちろん川崎さんも相当能力を持っておられますけれども、両者を比較検討いたしまして、やはり三菱の方が能力が高いというふうに判定をいたしましたので、その判定につきましては、もちろん防衛庁ともお打ち合わせをいたしまして、さらに国防会議の全メンバーに対しまして通産大臣から了解を得まして決定をした。しかし、これはもちろん予定でございまして、実際の事業の許可をいたしますのは、生産に入ります前に、さらに会社の生産設備等を詳細に検討をいたしました上できめるわけであります。従って、一応そういう予定者をきめ、そこと生産の折衝に入らなければ、全然仕事が一歩も進まないというのが実態でございますので、そういうふうな措置をとった、こういうことでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたの言っていることはあべこべじゃないか。戦闘機というような高価なものを作る場合、危険を伴うものを作る場合、しかも、この戦闘機がすんなりきて国防会議できまったものではない。さんざんグラマンなんという問題を出して、新三菱重工業から天川が金を持ち出して、そうして係官にたくさんのませている。ここでもたくさん出ていますよ。そういう問題を起こして、ここに来てあやまった。こんなものは決算委員会が共同で告発すれば、今疑獄事件が起こって、作るどころの騒ぎじゃない。そういうことはだれだって知っている。けれども、そういうことをしたのではいけないから、われわれは黙っているのだ。そういう問題を起こしたり、いろいろ問題があったものだ。そうしてこれが変更されたものなんです。しかもそういう危険を伴うもので、一機日本の金でいったら四億も五億もするものを、二百機も作る。莫大な予算のかかるものだ。そういうものを決定するには見積書をちゃんと出させて、両者をよく検討して、相談し、意見を戦わせてみて、そこへ学者を入れる、あるいは専門家を入れる、ロッキード社の人も入れて、その上できめるというのが当然のことだ。国会でもそうでしょう。いよいよむずかしくなってくると、これだけの審議権、決定権を持っていながらも、やはり外部から人を入れて、そうしていろいろな意見を聞く。こういうことをやって、きめているじゃないですか。しかも、これは日本の今後の防衛にも大きな影響を来たしますし、一千億以上という大へんな金を要するもので、国の総予算の一割に近いものです。そういうものをきめるのに見積もりもとらないし、何もしない。ただ法律があるから、それできめてやるんだ、こんなことでどうしますか。しかも、主と従に決定して、電話をかけたり何かしておどしておる。そんなことをしないで、それこそ川崎と新三菱重工業を内定にしておいて、ここで論議をして、どちらかを主にし、従にするのがあたりまえじゃないですか。そんなことをやっておっては、国民が承知しませんよ。この戦闘機に国民がどんなことを言っていますか。少しは国民として考えなさい。しかも両方とも局長じゃないですか。何十年も役所でいろいろなことにぶつかってこられて、そうしてその位置につかれた人なんだ。少くともそんな答弁はできないはずだ。私だったら、これはまことに申しわけがない、国民に済まないのだといって、決定を取り消して、そして両社を呼んで国民の納得のいくガラス張りの中に入れてやります。どうして言えない。グラマンでも、あれだけ、内定した国防会議が——池田通産大臣が、法律があるからきめたというような簡単な問題ではない。国防会議で何回も練って、そして防衛庁といろいろ相談して、内定して写真まで出して、博覧会まで開いたグラマンでも、やはりいろいろな点において調べて、いけなければそれを白紙に還元して、調査団をやってロッキードにして、そのロッキードすらも問題が起きている。なぜあなたは国民を思うような、納税者を思うような、血税を使うのにもう少し情けのある御答弁はできないのですか。  また、装備局長もそうだ。防衛庁と相談してやったというのだが、それじゃ防衛庁が、通産大臣が指定してからいろいろ相談を受けて、見積もりも両社からとってみて、工場も視察してみてきめたのか。それとも、だれか政治家から指示されて、あれにきめろといってきめたのか。どうなんですか。装備局長の答弁をお聞きしたい。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 政治家から指示されたというあれですが、これは国防会議できまりましたので、そのほかの方から別にどうしろという指図を受けてやったわけではありません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、あなた方お二人に最後にお聞きしておきたいが、このきめ方が国民が納得するきめ方であり、正しいきめ方であり、りっぱなきめ方であるとあなたは考えておるのか。やはり国民が疑惑を持つのが当然だ、委員会で問題になるのは当然だ、法律できめてみたけれども、そのきめ方が最高でないと考えられるのか。最高だと考えられるのか、どうなんですか。お二人にお聞きしましょう。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 これは御承知のように、契約を具体的にやりますのは来年度の末ごろになるかと思います。その場合に、これは川崎航空機の方も協力してもらうことになるわけでありまして、その場合調達実施本部で川崎の方のいろいろな経費も実際に調査することと思います。それで、新三菱と川崎が高い、低いがあるという場合には、できるだけ低い方に押えるというような指導をやっていくわけでありまして、そういう点は今後におきましても十分注意してやっていきたい、かように考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 最適であるのか、最適じゃないのか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 ただいま申しましたような方法によりまして最善を尽くしてやれば、この方法によって差しつかえない、かように考えております。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 今回の生産体制のきめ方、機種の決定の方法等につきましては、過去におきまして一年間以上、田中先生御指摘の通り、非常に問題になってもんだ問題でございまして、私どもといたしましては、もちろん国民の一人といたしまして、できるだけ安い価格で、国の予算に影響を与えないような範囲でやるという気持においては、全くその通りでございます。これは私自身の気持がそうであるということを、はっきり申し上げておきたいと思います。  そのきめ方につきましては、これは国防会議において機種を決定されるということは手続上当然のことでございまして、ただ、それからあと予算の問題に入りまするので、やはり生産体制と申しまするか、見積もりの計算に入る体制をできるだけ早くとるということが必要でありましたので、即日同時に決定をしたということは、あの場合やむを得なかったのじゃないかと思います。ただ、田中先生御指摘の通り、普通の商品の買い方と違いまして、見積もりの方があとからとられるということにつきましては、やはりなぜそういうふうになるかということについては、この決算委員会の場におきましても、もちろん、あらゆる機会に十分納得のいくようにわれわれとしては説明をしなければならぬという責任は感じております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 塚本装備局長、あなたと赤城長官の言われることと大いに食い違っている。赤城長官を、この間ここでうんと責めた。ところが、川崎を呼んで見積もりをとって、川崎と相談して政府はやるのかと言ったら、政府にそういう権限はございません、新三菱にやらしたのだからそれは新三菱がやることであって、われわれはそういうところと交渉することもなければ、そういうことを聞くこともない、関係ないのだ、ということをはっきりここで、速記録に載っておるが、言っておる、われわれの話をするのは主たる新三菱と話をするだけだ、と言っておる。あなたとの話がうんと違う。これはあなたがそういう考えなら、また赤城長官を呼んで聞く。  それからもう一つ、小出局長に。あなたがそんな欺嘱したようなことを言ったって通らない。われわれがやるとなったら徹底的に、やめるかやめないか、やるのだから。それは何だと申しますと、通産大臣がきめた法律にこういうことを書いてありますか。見積もりを他社からとって、そうしてその上で指定して悪いと書いてあるか。ないはずじゃないか。指定する責任があるというだけで、見積もりは他社からとって研究して、その上で指定したっていいのじゃないか。見積もりをとる前に、なにする前にそれを指定しなければならぬと書いてあるのですか。ちょっと法律を読んでみて下さい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 今、田中先生の御指摘のようなことは、もちろん法律には書いてございません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 書いてなければ、何もそんなことをきめぬでいいのじゃないですか。書いてなければ、見積もりをとって、こちらで証人に聞いてもできると言っているんだから、両方ともできる。会社から見積もりをとって、そうして技術的ないろいろな面を調べて、それから今のロッキードの本社から来てもらって、技術者等から聞いて、その上であなた方がこれを主とかこれを従とかにきめられるなら、だれも文句は言わな。これは取り消しされたらいい。これは、あなたの方でもしこれを一たん取り消して、白紙にして、そうしておきめにならぬというならば、決算委員会として、私の方は内閣が倒れても仕方がない、あらゆる、ベトナム問題から全部出して、ここで洗う。そうして、ここで出ているうわさもわれわれは調査して、これに決定した順序は全部わかっている。あなた方、国防会議できめたからやったんじゃない。その前に、ロッキードにきまるというようなときに、何できまっても、どの戦闘機にきまっても、新三菱にやらせるということがきまっておったということを、あなたはこの前——ここで発言されている。これはそんな簡単にいきません。あなたの方で、それは川崎にきまろうと新三菱にきまろうと中島にきまろうと、どこにきまろうとかまわない。ただ、一応見積もりをとって、りっぱにガラス張りの中に入れられてやられたらいい。きまったグラマンですらも、国防会議できまって、あれだけ宣伝したグラマンでさえも白紙に戻したんだから、ロッキードそのものも白紙にして、もう一ぺん戦闘機についてやり直すのか。それとも請負だけで、きまったことだからしようがない、ただ請負だけをきめてやり直すのか。そういう意向はありませんか。それを一つ、二人の局長から開いておく。あなた方、そういう意向はないのか。あくまでこれを押し切るのか。決算委員会でおこられて、済めばいい、そういうことで押し切るのか。そういうことができればしたいのか。そういう希望があるのか。それを一つお聞きしておく。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 私どもの事業の許可をいたします許可の基準と申しますか、それは、今申しましたこれを買うか買わないかということは契約の問題で、防衛庁の問題でございますので、ただ、そういう製造事業を行なうことがよろしいかどうかという許可をするだけであります。従って、そういう立場から申しまして、結局設備だとかいろんな点を見まして、事業の許可をするに適当であろう、こういう判定を一応下したのであります。ただ、その以後におきまして、ただいま見積もりをとっていろいろ防衛庁ができるだけそれを安くたたいて、そうして国民の負担を軽くするという折衝はされると思いますが、その結果でき上がりました予算というものにつきましては、これはもちろん国会の御審議を通じまして認められなければ、もちろんこれは全然契約もできない。こういうことになるわけでありましてそれらの点につきましては、もちろん十分御検討いただくことになると思いますが、この見積もりをとるにつきましても、とるにあたりまして、まず一応そういった事業の予定者というものがきまらなければ見積もりもとれない。こういうふうな事態でありましたので、そういうふうなことにしたわけであります。     〔「関連」と呼ぶ者あり〕

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 関連はなるべく一問か二問くらいにして下さい。

鹿野彦吉自由民主党

○鹿野委員 関連して。今私ども聞いておりますと、ちょっと納得のいかない点があります。これは塚本局長が、航空機製造事業法による指定によってというようなことですが、本来この問題はグラマン、ロッキードという問題を通じて、国内産業の育成のために必要であるという政府の方針に基づいて少々の無理が行なわれてきたと私は考えるわけなんです。航空機の国内産業育成という点からいけば、甘やかしては育成できないのですよ。国内産業においても、できる限り切り詰めたところで苦心していくところに国内産業の育成があるのです。そこのところは塚本さんもおわかりでしょうね。そういう点からいけば、通産省が指定をしてきたからといって、うのみにすることなく、あなたもかつての調達実施本部長として、やはり常識をもって、二つの会社を比べてみて二つが共同生産をしていくことはけっこうですよ。しかし、まず両方に、お前の方が主体になってやる場合はどうだ、君の方が主体になってやる場合はどうだということで、二つの見積もりをとって、その上において、どの辺の値段でできるかという腰だめをまずしてそれから値切るなり何なりしなければならぬでしょう。あなた方、何にもわからぬでしょう。一体、何ぼでできるものか、どのような見当であるかということは何もわからぬと思う。わからぬとすれば、どこにものさしを置くか。わからないものを判定する場合には、やっぱり信用の置ける二つの会社の見積もりをとって、そうしてそこに基準を合わせて、国内産業育成のためにはこれくらい甘くしてやらなくちゃならないとか、どうとかいうことは、それから決定するものですよ。何にもわけもわからずに、ただ一方的に言うことを聞いて、そうして航空機産業の育成だの、事業法による指定だのというようなことでは、私はちょっとおかしいと思う。しかも先ほど塚本局長は、来年の暮れごろにこの契約が完了するので、それまでの間にできるだけ値切るということですが、このことについては十一月の何日かに新三菱の方から見積もりが出ておる。川崎航空の方は、それは全然あずかり知らぬ、こういう現状ですよ。きょうは十二月の二十何日ですが、そういうことでなく、やはり同じような時期に見積もりを出させる。あるいは、たとえば下請関係になったとしても、新三菱重工が十一月二十一日に見積もりを出すときには、下請関係をつかさどる川崎と打ち合わせをして、協力して、こういうようにしてこうして出すんだという見積もりが出ていないようなことであっては、だれも納得しないわけですね。  これは国民の非常に重大なる関心下に置かれておる問題ですから、あなた方もこの点よく反省されてあなた方は役人で、事業界のことはあんまり知らないから、全く子供みたいな感覚でこういうことを運んでおると私は思いますが、こういうことでは通りませんから、やはりあなた方ここで反省をして、そして国民の納得のいく線に応じて——そんなにぎりぎりやらなくてもいいですから、一応川崎が主体になってやる場合、新三菱が主体になってやる場合、お互い連絡させないようにしてあなた方、そういうときはなるべく談合をさせない苦心をしなくちゃいかぬのですよ。そうして出てきたものについて、このくらいでできるんだからということで、できるだけ安い値段で生産をさせる。できるだけ安い値段で生産させるということは、そこに苦心が出てくるのですから、国内産業育成という大きな目的達成のための重大なるポイントがあるわけでございます。私はあなた方に、この点大いなる反省をお願いいたしたいのです。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 この際ちょっとお諮りいたしますが十小出君、塚本君はいつでも呼べる人なんです。永野さんのあとに吉田さんも待っていることなんですから、この際永野君に証言を求められる方が順次御発言を願いたい。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 今の局長のを、もう一点で済ましてから……。  小出局長、あなたは何かというと航空機製造の法律によってやったと言われますけれども、これは通りません。見積もりをさすにしても何にしても、一社に指名して、他社より見積もりをとっちゃいけないということがその法律に書いてあれば、あんたの言うことは通る。指定する権限を持っているだけなんだ。指定しないと見積もりをとれないということは、あなた方が勝手に考えておる。池田君が勝手に考えたことだ。われわれの考えること、国民の考えることと違う。そういう法律だから通産大臣が指定するということは悪くないが、少なくとも会社をきめる前に両方から見積もりをとって工場を視察して、いろいろな会合をさせ、ロッキードからも来た上でどれがいいかということがきまったら、これを新三菱重工であろうと富士重工業であろうと川崎航空であろうと、きめて差しつかえない。その法律から見るときめる権限があるというだけだ。前に各社から入札をとってはいけないという規定もない。検討してはいけないという規定もない。きめてからでないと見積書をとれないという規定もない。あなたが勝手にその法律を悪用しておる。起訴権があるから検事がだれもかれも調べないで起訴していいというわけではない。やはり調べて起訴しなければならない。それで起訴しても、これは大へんなことだ。あなたはちょうど裁判官か何かみたいに、勝手にきめておる。あなたが勝手にきめたことは国民は納得しない。なぜだ。それは法律を悪用して深入りしたということだ。そうして国民に勝手にしろと言う。あなたの金で作るんじゃない。池田君の金で作るんじゃない。国防会議の金で作るんじゃない。国民の金で作るんだ。本来からいえば、こんな戦闘機は要らない。今だれが考えても、戦争があるということは考えていない。要らないんだけれども、国を守る上に、航空機産業、軍需産業を育成しなければほかの産業がよくならないから、やろうじゃないかということで、国民のいやだいやだという金を取り上げてやるんだから、あなたがその法律を勝手に利用してはいけない。通産省が勝手に利用してはいけない。また防衛庁なんかは、批難事項が多くて、始終決算委員会でいじめられておるんだから、そういうものから押しつけられても、それはだめだよ、白紙にしたまえ、もう一回見積書をとって今度は少し重要に考えようじゃないかということで、決算委員会に来た場合に、今度は見積もりを取ったんです、いかがでございましょうかといって、川崎の見積書、新三菱の見積書、その他の重工業の見積書を全部そこに出して、さあ、ごらん下さいというようにすることが当然である。片方からは見積もりをとっておらぬ。関係のない下請だから勝手にしろ。新三菱はこれから来年の暮れまでに値切ればいい。そんな勝手な、でたらめなことが国民に言えますか。あなた方がそういう考えなら考えのように、委員長には気の毒だけれども、決算委員会がどんなに荒れても、どんなことでもやらなければいけない。私はそれを申し上げておく。帰って大臣と相談なさい。そうしてこの次の決算委員会に返答を持っていらっしゃい。絶対白紙になさい。そうして見積書をとって検討なさい。私はそれ以外に聞かないということを、ここであなた方に言っておく。もしそういうことでなければ、防衛庁なんかの今までの批難事項は許さない。通産省の批難事項も許さない。幾らでも輸出入に関する批難事項がある。刑事問題になるような事項がたくさんあるじゃないですか。あなた方がそういう考えをお持ちなら、私は承諾できない。この次までには、どうかよく御相談になって、ここで回答していただきたい。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 永野さんにお尋ねします。永野さんは川崎航空の副社長として、次期戦闘機の決定については会社を代表して、いろいろな経過を承知され、運動なさっておる立場であると思いますが、戦闘機決定についてのあなたの会社における役割をお尋ねいたします。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 私、副社長でございますが、川崎航空機といたしましては、二人の副社長がおります。もちろん社長が最後には決定することでございますけれども、社長は川崎重工業の社長の兼任でございます。航空機といたしましては、二人の副社長がおりまして、私、その技術部門を担当いたしておりますので、戦闘機の技術的な問題は、あるいは主として私の方の担当になるかと思っております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、二人の副社長がおられて、あなたは技術の方だけを担当しておられるから、受注をするとかいうことには関係なく、ただ生産の方だけの御関係だということになるのですか。どうなんですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 これは受注と申しますか、営業と申しますか、こういう関係は別の副社長の担当になっております。ただ、これの、いろいろの営業には数字というものが伴いますので、そういう関係は私の方の担当からということとになっております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、あなたの方の会社とロッキード社の関係は技術提携ということを言われておりますが、これは代理店とは違って、技術提携というのは、一体具体的にはどういうことなんですか。さらに、この技術提携をしたことによって、あなたの方にどれだけの特権があり、どれだけの義務があるのか。技術提携の具体的なことをお話し願いたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいま技術提携の義務と形というような問題で御質問を受けたと思いますけれども、これは航空機の関係の問題であるかと思います。ロッキードと私どもは長くつき合っておりますが、このつき合っておりますのは、ただばく然としたつき合いではございませんで、一つ一つ目的があった契約、技術援助契約というものをその一つ一つにおいて、その時期においてやって参っております。  第一番にありましたのは、T33のオーバーホールの技術提携、その次がT33Aの製造の技術契約、オーバーホールと製造とは別契約になっております。その次にはP2V—7対潜哨戒機の技術契約。こういうふうに一件ごとに契約をいたしておるのが実情でございまして、それがずっと引き続き今日に主っておるという現況でございます。なお義務、その形はどういうことなんだという御質問かと思いますが、これは製造に必要な資料をもらって参。またこれの検査の方法であるとか、必要な具備しなければならない資料の問題、こういう一切の資料をもらって参りまして、その最終仕様に合った飛行機を作るのに必要な援助をする、これが技術提携の目的でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 一つ一つについて技術提携をなさるというと、今問題になっておるF104は、あなたの方が技術提携をなさっておるわけですね。技術提携をしておられますか、しておられませんか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 先ほど申し上げました通り、T33AからP2Vまで技術提携をいたして参りまして、104につきましては、技術提携はまだいたしておりません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 次に、次期戦闘機の三百機の購入問題が起こったときに、この採用あるいは指定を受けるということについて、あなたの方の技術提携をしておるロッキード社の方では、どういう態度であったのですか。具体的にいうならば、これはわれわれの方で指定を受けて受注をしたい、こういう態度であられましたか、ありませんでしたか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいま104という戦闘機について、川崎とロッキードとどういう関係にあったか…。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 いや、この104が次期戦闘機になるかならぬかわからぬが、次期戦闘機が三百機になる話が出たことはあなたの方でも御承知である。それについて、ロッキードの方でもこれを受ける用意があったのか。あったとすれば、あなたの方にはそういう意思なり希望なりが漏らされたのかどうか。こういうことをお聞きしておるわけです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 どの機種を選定するかということで、ロッキードはどう考えておったかという御質問でございましょうか。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 機種を決定するのは日本の国防会議が決定する。従ってどれになるか、グラマンになるか、あなたの方のロッキードになるか、わかりませんけれども、そういう日本で三百機の戦闘機を購入しようとすることがわかっておる場合に、ロッキードの方でもこの指定を受けて、この受注をしたいという意思があっただろうと思うのです。あなたの方ではそれを承知しておられたか、おられなかったか、こういうことです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ロッキード社は、この仕事につきたいという希望は相当強く持っておったように考えます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 その次に、いよいよ機種決定の段階になって、佐薙当時の空幕長が調査のために渡米されるということも、あなたの方は、そういう経過から、当然御承知なさっておったろうと思いますが、どうですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 佐薙さんが渡米なさったということは存じております。ただ、その目的がどういう目的であったかというようなことは、正確には存じておりません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 しかし、永野さんは、会社の副社長として重要な立場におられて、技術提携をしておるロッキードでもこれを希望しておるということもわかっていながら、佐薙空幕長が渡米するのは、当然しろうとである、関係外にあるわれわれさえも、どの機種をきめるかということで渡米するということを聞き知っておった。重大な利害関係を持っておるあなたの方で、渡米するのは、行ったのは聞いたけれども、何で行ったかわからなかった。それほど、うかつな副社長だとは私は思わない。そういうことは、あなた自身が知ったか、会社の内部から報告されたか。このことをあなたが当然知っていなかったらおかしいじゃないですか。そういうことをあとで聞いた、そんな無関心な状態であったのですか。  この点をもう一回明確にして下さい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 渡米のすぐの目的が何であったかということを存じないということを申し上げたわけでございます。  ただ、佐薙空幕長が今度渡米されるということは、ロッキード側にも私の方から知らせたかと思います。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 ちょっと速記をとめ     〔速記中止〕

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 速記を始めて下さい。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、新しい購入機について、ロッキードがこの指定を受けたいということをあなたの方でもわかったわけですから、技術提携しておるあなたの方の会社として、指定を受けるようにあなたの方でも、運動とは言いませんが、努力と希望と用意とはなさっておられたわけでしょうね。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 どの機種がきまるかということは別といたしまして、この戦闘機の問題が出ましてから、私どもは重大な関心を持って見守って参ったわけでございます。特にロッキードにつきましては、長年の親戚関係というようなこともございますので、特に注目をいたして参っておりました。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 わかりました。そうすると、佐薙空幕長が調査団を作って渡米するということは、どういう機種がきまるかということですから、あなたの方でもこの渡米については重大な関心を持つのは当然だと思うわけです。これはお持ちになったのでしょう。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 私、実は佐薙さんの渡米の目的ということは、先ほどから申し、ます通り、全然知らないのでございます。ただ、その当時、あるいはいろいろのベースをたずねられた、あるいはそういう調査をなさったかもしれませんが、目的というものは私存じないということを申し上げておるのでございまして、当時から非常にデリケートな重大な時期であったということは関心を持って私ども考えておりました。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 これは非常に失礼だが、うかつというか、緩慢というか、そういう態度であったとすると、これはグラマンもやりたい、ロッキードもやりたい、何もやりたい、いろいろ希望があった。そのときあなたの方では、佐薙空幕長が調査団を作っていくことに対して、何で行くかわからなかったというような態度であったとすれば、これは負けるのはあたりまえだと思うより仕方がないのです。そこで、この調査団が団員を編成したのは、どういう方々で団員が編成されたかということは、当然会社のいろいろな機関からあなたの手元に報告されていると思いますが、どうですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 団員については私そう正確に存じませんけれども、あるいは間違っておるかもしれませんが、たしかパイロットの牟田さんと、それから松前さん、こういう方が御一緒じゃなかったかという記憶を持っております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 この調査団は、行くときに調査団が作られて、そしてその作られた調査団で行くならば、当時防衛庁内では、この委員会での岡さんの証言によりますと、当時グラマンのグの字も出ていなかった。ほとんどロッキードにきまるものだ、だれしもそう思っておった。これは防衛庁内の常識であった、こういうことをこの委員会で言っておるのです。従って、この編成された調査団はほとんどロッキードを支持する人たちであった。ところが、この調査団が行くまぎわになって変更されているのです。その変更したということはあなたは知りませんでしたか。何も聞いていなかったですか。関心を持ちませんでしたか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 その変更されたという問題は全然存じておりません。ただそのあとで、この委員会でいろいろこちらで問題になりまして、質疑事項があったような記事を読みまして、そうであったかなと思ったわけであります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 これは、僕はあなたがどういうお考えからそんな答弁をなさっておるか知りませんが、副社長としてこの問題を扱っていて、調査団というものは非常に重要な役割を果たすことは御承知であると思うのです。その調査団が変更されたということも、グラマンにきまるか、ロッキードにきまるか、これは重大なことなんです。それをここで議論されたから知ったようなことでは、私は、あなたの証人としての証言としては納得がいかない。当然あなたのところへ、そういう調査のあれは出てきていなければならな、変更されたことに対して、重要だ、大へんなことだということをあなたの方で考えないはずがない。それならば、あなたはうかつ千万だ、こういうことになるじゃないか、こう思うわけです。  次に、それじゃ、あなたもここの委員会で議論されたから知ったということになるか知りませんが、このグラマンが内定されたのも当然御承知であったと思います。このグラマンの内定にあたって、新三菱では、防衛庁や国防会議の関係者、たとえば天川勇、吉村真一、こういう人たちに対して新三菱あるいは三洋電機等が大へんな巨額の金を出して、この人らの遊興資金を提供しておるということをこの委員会で議論されたことは、あなたは御承知でしょうね。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 そういうことがあったことは、いろいろなものの記事で拝見いたしました。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そういうことがここで議論され、新聞の記事に出た。それを見てあなたはどういうふうに思いましたか。あなたの方ではそういうことはおやりにならないと思いますが、こういうことをやっても当時猛烈な運動が行なわれておるということをお考えになったと思うのですが、どうお考えになりましたか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 私の方といたしましては、全然そういうことをやっておりません。またしかし、あれがほんとうのことであるかどうかにつきましては——これはもう記事を読んでおる感じでございましてほんとうかどうかということも私たちにはその当時もわかりませんでしたし、今でもわかりません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 いや、うそであるかないかは、あなたは一緒にやったわけではないから、わからないでしょう。こういうことを新聞の記事で見たときに、相手側の会社は大へんな運動をしておるのだなということを考えなかったのか、こういうことをお聞きしておるわけです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 運動をしているというふうなことは考えませんでした。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、こういうふうに天川君や吉村君らに巨額の遊興費を提供してやっておるけれども、それは運動ではないのだ、あなたの方には何の関係もないので、新三菱からこれで運動をしておるとは思われなかった、あなたはそういう御答弁ですが、そういうふうに解釈していいのですか。そういう、うかつな副社長であったかということをつけ加えて、お聞きします。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 大へんうかつな副社長であったとおっしゃいますけれども、私たち、機種の選定というものは、そういうものできまるものではないということをかねがね考えておりますし、また自分の心に照らしまして、ああいうことでなるものではない、またなるようであっては大へんだということを考えて参りました。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それでは、これはあなたの方では、そういうことできめらるべきものではない。先ほど田中さんがおっしゃったように、これは国民の税金で買われるものである。そんなばかげたことできめられるものではない。従ってこういうことがあった場合は苦々しいことだとお思いになったでしょうか。うまくやっておる、当然のことだ、おれの方はやらないで損をした、こういうふうにお考えにならないで、苦々しいこととお考えになったでしょうね。どうですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 かりにやったとしたら、その通りだという感じで参りました。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 最後に、もう一点お聞きします。このグラマンになったならば、新三菱にいくのはこれは常識だと思います。ロッキードにきまったら、あなたの方へくるのは常識だ。こういうふうに考えておりますが、そこで、今度はロッキードにきまってもあたの方ではなくて新三菱にいく。そしてあなたの方とは提携してやるというけれども、この間からの委員会のあれでは、下請なんです。あなたの方は関係がない。あなたの方はこれこれのものを作ればいい、幾らで作るのだというので、下請関係になる。あなたの方が新三菱の下請というのは、一体具体的にはどういう関係になるのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 これは契約が一本であるかどうかということになるかと思いますが、私ども会計法のこういう関係をよく存じませんけれども、今回の仕事を共同さしていただくにつきましては、もし法規で許されますならば、川崎と新三菱と別個の契約ができるならばその方を希望いたしておるわけであります。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 あなたは共同製作、共同々々と言うけれども、共同じゃないのです。下請なんです。あなたの方でもよその工場を使って下請をやっておることもあると思うのですが、新三菱とあなたの方はそれと同じような関係に立たされる。それでもあなたの方は、——いわゆる川崎航空というものの自主性とかそういうものも何にもなくなってくるのですが、それはあなたはどういうふうにお考えになっておるか。共同じゃない。下請なんです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 これは下請とか下請でないとか、その問題ではなくて、むしろ主契約者となる、これを失ったということに対しまして、川崎といたしましては、特に私といたしましては私、の一立場上非常に残念に思っております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 わかりました。それから、ロッキードになってもあなたの方は主契約者になれないで、新三菱の下請にされたということは、私はそこであなたの方にはこれを作る能力がないからそういうふうにされたのだろう、こう思っておったわけです。ところが、さっきの御答弁によると、あなたの方はその能力はあります。こういうお答えをしている。主になる能力があるとお答えをしておる。主になる能力があるならば、当然あなたの方では主になるべきである。ところが、それを主にならないで下請に甘んずるというのは、あなたの方で主になるのを辞退したのですか。主になる能力がないということならわかる。辞退したということなら、またわかる。やる意思はあるのだから、能力がないか、辞退したか、どっちかです。あなたの方は辞退したのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 先ほども申し上げました通り、主契約者を失ったことは大へん残念だと存じておるわけでございます。ただ、これの決定されましたにつきましては、私ども今後ともその線に沿っていきたいと考えております。(「辞退したのか」と呼ぶ者あり)辞退はいたしたわけではございません。そういう決定が行なわれたことに対して、私ども今後その線に沿ってやっていきたいという考えをいたしております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、あなたの方では能力はある。やる意思もある。辞退する意思もない。すると、これは指名を受けなかったのだから、これは辞退せざるを得ない。意思でなくて辞退させられた、こういうことなんですか。命令を受けないので、やりたいけれどもやることはできなかった。やらしてもらえなかった、こういうことですね。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 やりたいと思っておりましたが、やらせていただけなかった。その決定にただいまは従いますということを申しておきます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それでは、新三菱でなくあなたの方に指名される場合には、あなたの方では今でもこれをやる用意も希望も意思もある、こういうことをはっきりして下さい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 これは単に川崎だけの商売の面で考えるべきではないと私、考えております。やはり商売上の道徳という問題もあります。一ぺんこれにきまりました以上は、私どもといたしましては、もうこれをひっくり返すというようなこと、あるいは遅延する……。(田中(彰)委員「命令したらやるかやらぬか。国家の方針が変わったらやるかということだ。はっきりしろ。」と呼ぶ)これは初めから政府の御方針に従いますということを申し上げております。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 山田君。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 話を伺いますと、ロッキードの会社との提携によってずいぶんいる、いろいろな飛行機を作られておるようです。あなたは技術担当の献社長としまして、ただいまのお話を伺っておりますと、技術部門の専門家のようですが、今度の場合の技術提携というのは、あなたが川崎の立場で見ておられても、もう新三菱では提携はされたか。今のあなたの言われる商業道徳なんかから考えてみると、これは今まで長い間ロッキード会社と川崎航空とでは技術提携がされておったのに、急に今度の場合新三菱と技術提携をロッキード会社の方でやるということになると、何かこれは、まるきり道徳も何もあったものではないような印象を受けるのですが、もう契約は進められたようですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 104の問題につきましてロッキードが今後契約をどうするか、ライセンス契約をどうするかということにつきましては、私どもはロッキードが三菱さんとやるように固まった、こう聞いております。ただ、この契約ができたかどうか、この問題はまだ存じておりませんけれども、ロッキードもそれぞれ政府の御方針に従って契約をするということにきめたように聞いております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 この点なんですが、あなたの方では何機となく提携をされておるが、今度の場合は新三菱は全く初めての提携だという印象をわれわれは持つわけなんですけれども、専門家のあなたとして新三菱を見ていた場合に、今度が初めての提携だと思いますけれども、そうじゃないですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ロッキード社とは初めてだろうと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 こういう点が、やはり長い経験をお持ちになっておられたあなたの方と、全然初めての提携になる三菱とでは、やはり技術提携における経費その他を勘案しても、なかなか高くかかるものだと私たちは考えるわけです。  そこで、話を伺っていると、両社が共同し合わなければ一つの飛行機の完成ができないような印象でございますけれども、今日まで川崎にしましても新三菱にしましても、設備投資というものはかなり政府から融資されておっても、共同してやらなければ飛行機の完成というものは不可能なほどの今日の設備内容なのか。この点です。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 今度のプログラムを作るにつきまして今までのなにで過去にやった設備で一社でできるかどうかという御質問かと思いますが、これはいずれにいたしましても新しい設備は必要でございます。また、一社ではその設備がよけいにかかる、両社で作った方が安くできるということは、確かに従来の持ちもの、それからこれに新たに加えますものをこれに加えまして、両社でやる方が安くできるということは私どもも考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 こうなると、主と従の関係というのは、何も新三菱を主にし、あなたの方を従にする——従ということも実際は下請会社です。技術の担当副社長として、下請会社であるという印象をお持ちになりませんか。契約は政府と三菱でやり、三菱はあなたの方とやられることになるんじゃないかと思うんですが、どうなんですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 形といたしましてはそういう形になるかと思います。常識的に。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 形も何もないんだ。実質的にそうなると思うのだ。技術担当の副社長としては、私は誇りを持って技術部門をあなたは担当しておられると思うのだが、これはずいぶん情けない話だと思いますけれども、副社長としてその点どうですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 先ほども申し上げました通り、主契約者を失ったということで遺憾に考えておりました。これを失ったということは、すなわち下請の格好になるかと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 そこで、あなたの方も下請会社的役割を果たして飛行機の完成をするわけですが、この場合における利益部分はおのずと非常に減少すると思うのです。さっきから伺っていると、小川委員の質問にもありましたけれども、片方では飛行機に重要な心臓部といわれるような電機のことについては、新三菱では天川勇という人なんかを使って、三菱電機だの三洋電機だのあるいは日本電気だのというものを全部集めて、一年間に何十。ぺんと料理屋の会合なんかやっているわけです。これは天川がその飛行機に使われる電機メーカーの技術首脳者というものを一手に握っている形で、仕事をされていたと思うのです。そういうときに、しかも対抗的な川崎航空で全然、相手方でそういう計画的な仕事がなされているのに全然知らずに——あなたは技術副社長で、おれはそんなこと知らぬというならば、知らぬということになるかしらぬが、それは重役の間で話し合いなどは相当出ていたものと思うのですが、全然知らなかったものですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいまの主契約の問題がどうなるかという問題は、事前まで私ども全然、うかつながら存じませんでした。ただ、これがきまったときに、川崎の重役側としては相当審議したといいますか、相談をいたしました。この政府の御決定に従うという決定をいたしたのであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 商売ですから、あとで通産省の役人ににらまれたり、防衛庁の人ににらまれたりして取引ができなくなってしまうかもしれぬという懸念から、いろいろ、長年経験をお持ちになっていらっしゃっても、泣き寝入りをしてしまったという印象なんです、私たちがはたで見ていると。事実はそうだったと思うのです。そうだとすれば、せっかく何機という技術提携をして、技術をお持ちになっておられるあなたの方がやられたほうが、第三者的に見るならば、あなたの方で技術提携をされて進めていった方が、新三菱よりもよくできたんじゃないか。こういうせっかく同じ飛行機を用意する場合には、いいものを作った方がいいが、その場合にあなたの方では傍観して——会社である以上は、幾ら国で助成するといっても、さっき鹿野委員が言われたように、ただ、こまねいて待っておったとするならば、これはちょっと理解できないわけなんですよ。  そこで、尋ねるのですが、それほどあなたの方では自信をお持ちになっておったのかどうか。技術提携をされておったので、もう間違いなく川崎へ来る、こう自信があったので、何もしなかったのかどうか。どうなんです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 何にもしなかったという御質問でございますが、先ほども申し上げました通り、今回のこの決定を非常にショックを受けて聞いたわけでございます。私ども長い間の考え方は、これは104がきまれば主契約にやらしてもらいたいという希望は常に持って参っておりましたが、御決定はやはり政府でなさることだという点も感じて、ただ希望をいたして参ったわけであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 政府の方へどういう要請をしていたか知らぬけれども、政府のこの決定にあたって、ここで一つ遠慮なく言っていただきたいのですが、何か無理な点はなかったのですか。     〔「遠慮なく言え」と呼ぶ者あり〕

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 遠慮なく申させていただきます。今回の決定につきましていろいろ御説明がなされておるようでございます。その中で、新三菱重工では労力の余力が川崎よりも大きい。これは確かにそうであると私は思います。なお機械設備の関係で数がたくさん向こうにございまして、私の方に少ないのでございますが、これには先ほど申し上げました通り、特徴があるわけでございます。けれども、いずれにいたしましても、私ども33を作りますときに、この飛行機をできるだけ安くするにはということで、非常に大型であって値段が高くなるような機械、あるいは稼働率の悪い機械というようなものを割愛いたしまして機械設備をやりました。そういう関係で、現在見えます姿は確かに三菱の方が多うございまして、川崎がもしこれをプライムとしてやりますならば、新しい機械の予算といたしましては川崎の方が余分にかかるのではないかと私考えております。最後に、技術能力云々という問題につきましては、私どもといたしまして大へん残念な問題でございます。いかにも川崎で作れば技術能力が劣るがごとき印象を与えるような文句が出ましたり、あるいはそういう記事が出たりいたしましたことは、川崎といたしましてきわめて耐えられないところでございまして、こういう点におきまして、私どもここで一言発言をさしていただきたい、こう考えたわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 私は今あなたのお話を聞いてみて、何機も何機も技術提携をやっておって、技術能力が劣っておるというようなことは、どんなことを考えてもないだろうと思っておったのです。労力の場合にしても、それは劣っておったにしても、一番のポイントはやはり技術能力だと思う。その点、今話をあなたに伺って、長年今まで仕事をされておった点は、やはりこの点に認められる点が、あなたが自信を持って言われるように、あったのだと思う。そこで、こういうことはないですか。労力がたくさん遊んでおるというようなことから、人を遊ばしておいてはまずいから、一つ何とかこの次の機会にあなたの方に回すようなことをするが、今度の場合は一つ新三菱の方に回してくれぬかというようなことを、技術の問題や何かは無視して、一応そういう機械設備も幾らかあなたの方にまさっておるし、労働力もあるのだから、こういうことで無理にあなたの方に仕事をやらせないようにして、新三菱の方に持っていったのではないですか。私はどうも、このことがそういうふうに理解されて仕方がないのですが、その点、一つ明確にこの際お答え願いたいと思うのですが。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 川崎を特にきらってこれが向うにいったとか、そういうことがあったとは私どもは全然感じておりません。また、現在もそういうことを感じておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 いや、そうじゃなくて労働力があり余っているとか、あるいは機械設備が少しいいのだからというようなことで、あなたの方に圧力をかけたとは思わないけれども、次の機会には川崎の方へ、川崎には今仕事が一応あるのだから、一応新三菱の方へ仕事をやらしてくれぬかというようなことで、そういう妥協的な手を打たれたものではないですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 そんなことはございません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 結局、そうすると、それは政府でもう決定してしまったので、幾ら希望したくても希望することはできなかったというところなんですね。どうなんです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 御承知の通り、突然な決定でございまして、あの決定が閣議でなされた以上は、私どもこれに従うべきだという結論になったわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 全くの抜き打ちで、あなたの方では、どんな技術的に能力があるという自信があっても何でも、もうだめだった。こういうことだったというふうに理解ができると思います。  そこで、主と従だ、主と従だと通産大臣も言っているが、あなたの方は、従についてはどれほどなんだということを通産省へ行って聞いていますか。こういうことについては、どういうわけなんだということくらいは、やはり会社ですから、私は聞いているだろうと思いますが、どういうことなんですか。聞いていますか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 従と主との関係はこういうことだという問題でございますか。——それは別にお伺いはいたしておりませんが、やはり下請であるということに当時から了承いたしております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 そうすると、もう下請であるということになってきて、これから先は新三菱との提携で、あなたの方は話し合いの形においていろいろ仕事をされるということになるようですが、その場合における単価の問題ですが、それは結局、そうすると話し合い一のうちに、ほかの電気部品や何かの話と違って、これはあなたの方へいくはずだった仕事が、新三菱の方へいくようになったのですから、何かそこに話し合いのうちに単価がきめられていくというような、競争入札とかなんとかという線はとられないでいいように思われるのです。その点はどんなふうに進められたのです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 この単価に川崎の者が関与しているかどうか、あるいは相談をしたかどうかというようなことじゃないかと思うのでございますが、今度の場合につきましては、全然川崎といたしましてはタッチをいたしておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 そうすると全くもう下請で、お前はこれだけの値段でやれといわれれば、その値段でやるより仕方がないということなんですね。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 この値段でなければというときには、私の方といたしましても、損をいたすことはできないと考えております。ですから、新三菱さんと交渉いたします場合に、向こうの言うなりになるかとおっしゃれば、損をする値段では私どもは受けるわけにいかない、こう考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 こんなことはあり得ないことだけれども、どうも非常に新三菱との連携の過程を察知するのに、やはり場合によれば、単価の打ち合わせをしかねないような印象を私は持つのですけれども、どっちかできない場所があると思う。これは共同製作するのだろうと思うのですけれども、新三菱でやっていて、できない場所があるに相違ないと思うのです。それから、川崎でやっておってできない場所があるだろうと私は思うのです。非常に多い部分にわたってそういうところがあると思いますが、全然そういうところはないのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 こちらでなければできない部分という面もございますし、また、このものはこちらでやった方が得だ、このものはこちらでやった方が機械設備が合うというようなものもあるかと思います。そういう仕事の関連におきましては、今後新三菱さんとよく打ち合わせをしたいと思っておりますし、また新三菱さんも十分相談に乗って下さると考えております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 これは大川崎航空ともあろうものが、とうとう非常にばかにされた形で、下請に成り下がってしまったような印象です。私は国民の立場で考えてみたときに、まるで抜き打ち的な形できめられてしまってせっかく長い間の技術能力、技術提携がされておったところが、通産省の抜き打ち的な措置で世に出ずにしまうということは非常に残念な印象を持つわけなんです。この点について、これは国民予算を使用されるこんな大きなものの購入にあたっては、何としても不可解であるということだけを申し添えて、私の質問を終わります。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 最初お聞きしたいのですが、ここに政府の資金借り入れ状況が調査されて出ております。このジェット・エンジンの修理設備について、二十九年度に三億二千五百万円。T33Aの製造設備について、…十年度に十四億七千四百万円。P2V—7製造修理設備について、三十三年度に八億九千四百万円。それからJ147エンジン部品製造設備について、三十三年度に一億七千八百万円の融資。計二十八億七千百万円の総資金というものが政府資金として入っております。これらの資金を借り入れました事業のうち、どれとどれが現在継続されておりますか。その点をお聞きしたいと思います。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただいま政府からの借入金の問題で御質問がございましたが、今、淡谷先生のお話のございました数字の二十八億七千百万円というのは、これは所要資金でございまして、その次の欄の「うちMSA資金」、これは政府の小麦資金から私どもお借り入れした金額であります。その金額が十四億九千五百万円、大体この通りであると私、記憶しております。  この中で、今どれとどれを使っておるかという問題は、ジェット・エンジンの修理設備、この仕事はそのまま今日も継続をいたしております。それからT33Aの製造設備、これは大部分がP2V—7の製造設備に入っております。P2V—7の製造資金は、いろいろ設備で足りなかったものをここに追加いたしたのでございます。それから次のJ—47エンジン部品製造設備、これは引き続き川崎で作業をいたしております。この機械設備を利用いたしております。それはほとんど全部が今日も続いて使われておるということであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 大体、この仕事が終わる年度は何年度になりますか。逆に申しますと、この仕事は何年度まで続きま  すか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 何年度と申しましても、ここで切れておりますのは、品種といたしましては33が一応切れたことになっておりますが、これはまだ不良品なりその他でずっと使っておりますので、いつまでということはちょっと申し上げかねますが、その他の部門におきましては、いずれも今後五年以上引き続きまだ使えると思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私のお聞きしたいのは、これらの資金を借り入れて仕事をされる以上、P2V—7にしましても、J—47エンジンにしましても、一応契約をして納入期などもきまっておると思うのですが、その納入期はいつになっておるのか。納入期までに仕事が  一切できてしまうのかどうか。その点をお聞きしたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 この中で、P2V—7の製造設備、これが一つだけ長期にわたって納入期のきまっておるものでございます。それがたしか三十八年の三月まで四十二機を月一機の割合で製造するという契約になっております。その他のものは年次ごとの契約でございます。毎年次年度の契約をするという一種類のものでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 従来、発注を受けます場一合は、随意契約でやっておられますか。あるいはまた入札などによっておられますか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 契約の形につきましては、随意の場合もございますし、あるいは入札契約というようなものもございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その入札などの場合と随意契約の場合とでは、何か事情が異なりますか。ただ、防衛庁の都合で入札になり、あるいは随意契約になるのか。あるいは入札にならなければならない理由、随意契約にならなければならない理由というのはございますか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 その区別につきましては、よくわかりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 では、防衛庁の方はあとに回します。  そこで、あなたの方では、さっきの各委員からの質問で、ロッキードとの間に技術提携があると言われましたが、この技術提携をやる場合に、会社の方で何か技術提携のために権利金というようなものを払うのですか、払わないのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 技術提携はその製造の品目ごとにいたしますが、この契約に権利金というようなものは今日まで払ったことはございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 たとえば今度のロッキードの製造があなたの方と契約された場合には、やはり技術提携は結ばれると思いますが、そのときは、ただ技術提携という形で向こうから技師が入ってくるとか、またいろいろな指導を受けるとかいうことで、そのほか別段条件はないのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 別に、金の問題とか、そういう条件のようなものはございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それから、さっきの質疑応答の中で出た問題ですが、この前グラマン機が決定される直前に共済会館の会議に出たというのは、あなたの方からはだれが出ましたか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 たしか私の方の岐阜製作所の企画部長をいたしております中川技師が出たと記憶いたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いろいろな発注をされる場合に、通産省からはどなたが一体直接交渉に当たられますか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 事によりまして、局長さんの場合、それから課長さんの場合、いろいろございますけれども、このP2Vの製作を川崎でやれ場というような御指示のときには、重工業局長さんからお話をいただきました。今回の104のなには、三菱にするので、川崎はこれに協力をしてもらいたいというお話を伺いましたときも、両者ともに私出席をいたしておりませんけれども、やはり重工業局長からお話があったように私、聞いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 104のロッキードの問題で、協力をしろという話のあったのは、いつごろですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 日付は確かに覚えておりませんが、たしか三菱さんにその話をなさった同じ日であると考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのときは小出重工業局長から話があったのですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 私、当日参っておりませんのでわかりませんが、どなたからお話があったかは存じませんが、あのお部屋であったように私、聞いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのときに会った方々の名前をお聞きしたいのです。あなたの方の会社から行かれた方、これを証人からお聞きしたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 砂野副社長が出席をいたしております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 通産省、防衛庁からはどなたが出られたのですか。お聞きになっておりませんか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 どういう方が出ておられたか、私、しっかりは存じません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 通産省、防衛庁からその日の会議に出られた方の名前をお話し願いたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 永野さんはお見えにならなかったので、お答えにならなかった分についてなお補足して申し上げますが、日にちは、十一月の六日に、御承知の通り国防会議の決定がございました。晩でございます。その翌日の十一月七日、再び、午後三時に新三菱、午後四時に川崎に来ていただきました。そしてそのときに川崎からお見えになりました方は、砂野副社長、土崎取締役、四本取締役、それから中南——これは東京駐在の方でございます。この四人でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 通産省、防衛庁から行った方の名前をお聞きしたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 通産省は、私と、航空機課長の川田が出ております。防衛庁からは、装備局長と馬場航空機課長、この四人でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あと通産省、防衛庁にはお聞きしたいことがあるのですが、証人の方の都合もありましょうから、あと一、二問お願いいたします。  さっき山田委員からいろいろ質問がございましたが、新三菱が主契約ときまり、あなたの方が下請にきまった場合、もしもあなたの方で価格が合わないで、やらぬということになりますと、新三菱は他の方に注文できるような性格の下請になっておりますか。あなたの方でなければとうていできないような性格のものでございますか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 下請で値段が合わないときに、これがよそに出せるものかどうかという御質問でございますが、そのものによりましてよそでできるものもありましょうし、できないものもございます。できないと申しますのは、結局高くなるという意味が大部分と、それから品質の問題、こういう面から、よそに出したらむしろ金が高くなるというような問題もあるんじゃないかと考えますが……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もう一点お聞きしておきます。随意契約をする際に、見積書を出してから契約をされるか、見積書を出す前にまず契約をされるか。あなたの方の場合はどうでした。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 随意契約の場合、まずそれの条件がいろいろ示されまして、納期であるとか個数であるとかそれの仕様であるとか、この仕様に従いまして会社で見積もりを作りまして、これを提出いたします。これは見積書でございます。それからそれを調本の方に出しまして、調本でそれを詳細に、従来の実績なり、あるいはその仕様書に合っているかどうかというような問題を御調査になりましてから、あと価格折衝というものがあります。そこで両者が納得してから契約書ができる、という従来の格好になっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そういたしますと、今度のはあなたの方に下請の価格の交渉もない、また国会の方で幾ら開きましても、ロッキードというこの航空機の最終的な価格もまだ決定してないのに、主契約がもうきまってしまった。しかも、それをあなたの方で協力しろというような命令さえ受けている。こうなりますと、実に今までの契約とは違った形のようにわれわれとれるのですが、率直に言ってあなたの方ではそういうお感じをお持ちになりませんか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 随契というものは、そういうもんじゃないかと私思うのでございますが、官の方で相手先をおきめになって、そうして見積もりを出せ、これは一般のほかのものにも行なわれているようでございます。これを主契約あるいは随契の、平たくいえば随契の相手先と申しますか、こういうことをおきめになったことは、今までのなにとそう変わってない、こう感じております。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 森本君。

森本靖日本社会党

○森本委員 簡単に証人にお尋ねしますが、先ほどの砂野副社長、それから土崎取締役ですか、それが十一月の七日に防衛庁、通産省の方と会った。こういうことでありまするが、そのときに、おそらくあなた御存じないかもわかりませんけれども、一応副社長でありますから、この砂野さんからそのと百きの状況をお聞きになっていると思います。そのときの状況というものは、防衛庁、それから通産省の方からは、もうこういうふうに新三菱を主にして川崎は従になるから、一つこれで了承せよ、大体こういうふうな意味の話でなかったか。こういうことをお聞きしたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 呼ばれまして、私出ておりませんので、そこの空気はよくわかりません。ただ、脅迫されたとか、そういう、ことはなかったように私、聞いております。こういうふうにきめたので、川崎としてこの生産に協力をしてもらいたいという意味のお話であったように聞いております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それからもう一つ、東京のロッキードの支社長であるかどうか知りませんけれども、ハルという人がこの直後に防衛庁長官に対して、新三菱にきまったようであるけれども、ロッキードは従来から川崎航空と技術提携その他の因縁が浅からぬものがあるから、ぜひ川崎航空に一つやらせてもらいたいということを申していたということについては、川崎航空としてはその内容を知っておるわけですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 そういうことがあったということをあとで私、聞きました。ハル社長から聞きました。

森本靖日本社会党

○森本委員 それは、どなたから聞いたわけですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ハル社長から私、聞きました。長官にお会いに行ったということを……。

森本靖日本社会党

○森本委員 ハル社長から直接あなたがお聞きになったということでありますと、ロッキードとしても、今回の場合は川崎航空が主としてこれと契約をし、行なうということが妥当であるというふうに明らかに考えておる。こういうことは、あなたが川崎航空の副社長として長年ロッキードと提携をしておって、そういうことがはっきり言える、こうお考えですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 きまる前においては、確かにそういうことをロッキードも考えておったと私、思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 きまる前もそうであったし、また現在でも、ロッキードとしてはやはり、その方向がよろしい、日本政府でこういうふうにきめたからそれはやむを得ないとしても、本来ならばそういうふうにやるのが正しいというふうに考えておるということは言えるのじゃないですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 こういうことをそのあと確かめたことがございませんが、ロッキードといたしましては、こういう決定になった以上、今後三菱さんとやっていくということについて了承いたしておると考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それはやむを得ずそういうことになるということであって、おそらくロッキードは、防衛庁長官に正式に申し入れをするという程度でありまするから、当然川崎航空とやるのが一番やりいい、こう考えておることには間違いない。私はこう思うわけでありますが、時間がありませんので、その点についてはもう触れません。  そこで、ロッキードの会社も川崎航空にやらすのが正しい場と考える。川崎航空についてはこの能力もある、技術も劣っておらない。そういたしますると、何かほかのところの一つの圧力というか、何かの関係においてこれが新三菱が主になって、天下の川崎ともあろうものが、一応下請けになったということについては、何かそこに一つのあなた方の及ばぬ力が加わっておるというふうに、ばく然としたお考えでもいいわけでありまするが、そういう感じを持ちませんか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 大へんばく然とした考えでございますけれども、この決定が何らかの圧力なり、何らかのそういう問題からなされたという感じは、私どもは持っておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 関連。あなた方の責任者は電話をかけておどかされたということが世間で言いふらされておるのですが、通産省から電話をかけられたことがあるはずですが、どうです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 決定のあと、あるいはその前に電話でおどされたとか、そういうなには全然ないように私、聞いております。

森本靖日本社会党

○森本委員 何らかの力が加わっておるというふうにお考えになったのですか。ばく然とした考えでもけっこうですが。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 そういうふうには考えていない……。

森本靖日本社会党

○森本委員 いないということになりますると、ほんとうのところ、あなたの方は、新三菱が主になって川崎航空が従になったということについては、端的に一体どこに原因があるとお考えですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 この問題につきましては、先ほど申し上げました通り、ああいう観点からこれがいけばやはりその通りでございます。人員、余力の問題、設備の現在の状況ということから考えれば、それが原因になっておるといたしますと、これは確かにそういうことであるということを川崎として認めたいという、こういうことでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その設備、機械の問題については私もわかりませんけれども、余力というのは、能力ということを先ほど来盛んに言っておりまするけれども、能力ということは、具体的に言いますならば、新三菱の方はもうあと半年か一年で飛行機を作る仕事がなくなってしまう。川崎航空の方はまだ三十八年の夏ごろまでは仕事がある。だから、このままでいくと新三菱には仕事がなくなるから、新三菱のもうけが少なくなるし、会社の生産が成り立たない。だから、かわいそうだから一応新三菱にそのまま仕事をさせていくという意味においては、この際、新三菱を主契約にしなければならぬ、そういう意味じゃないですか。能力、余力ということはそうでしょう。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 余力という言葉で申し上げますと、その通りでありますということを私、申し上げます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでは結局、むずかしい理屈でなしに、はっきり申し上げますと、川崎航空の方はまだ若干の仕事はある。新三菱の方は仕事がもうなくなる。だから、この際新三菱をほうっておいたらつぶれる。これをこのまま仕事をさせていくことについては、一応能力とか技術提携とかということを言ったけれども、実際問題として、あなたははっきり、これは自分のところでも主契約としてやれる自信がある、こういうことを言っておるわけですから、そういうことでなしに、結局新三菱を助けるという意味において新三菱を主にした、というようにお考えにならざるを得ないでしょう。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 新三菱さんを助けるため一にこれをきめたというふうには、私考えたくないのでありましてやはりいういろいろな状況から政府がおきめになったのだ、これについてはそれに従いたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 あとに装備局長と重工業局長とおるから、なかなかその御回答はむずかしいと思います。  それから、もう一つお聞きしておきたいと思いますが、あとで証人として出てこられます吉田社長のことについては、あなたは若干でもあの人柄について知っておる点がありますか。もし、知っておるようなことがあったらお聞きしたいと思いますが、全然、相手方の人だから知らぬということだったら、それで終わりますが、どうでしよう。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 お目にかかったことはございますが、最近104がきまったあとで、向こうから川崎においでになったわけです。そのとき川崎にはだれもおりませんでしたので、あとで川崎から三菱の方にお伺いをいたしました。そのときに、社長に初めて私はお目にかかりました。

森本靖日本社会党

○森本委員 この吉田社長が、現在の岸総理と小学校時代から同窓生であり、現在でも岸総理のお宅にしばしば、この飛行機の問題かどうか知りませんけれども、そういう親しい間柄であるから、しばしば岸総理を訪問しておるというふうなことについては、あなたも同じ航空機会社の副社長として、そういうことを御存じございませんか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 そういう状況を私は全然知っておりません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 ちょっと伺いますが、別に川崎航空に弔辞を申し上げるわけじゃないのですけれども、今までのあれを聞いておりますと、ほんとうに聞くも涙語るも涙で、いろんな関係、情実はあったでしょうが、今度あなたの方の技術は劣るということを——あなたの方がどんな互譲の精神を出したか知らぬが、結局政府によってあなたの方の技術は劣るんだということが決定づけられたわけです。従って、今後の川崎航空の行き方としては、非常に多大な困難が出てくる。これは国内的にも国際的にもあなたの会社の信用が落ちた、こういうことを言われると思うのです。そうすると、あなたは副社長として、今までお聞きしても、非常に人柄のりっぱな、重厚な方なんですけれども、それだけに新三菱の方でいろんな運動をしておったことも、知っておったか知らないか、知りません。あなたは知らないと言いますが、私はその通り、額面通り受け取って、そういうことを一つも知らなかったために、今の森本さんの質問でもわかる通り、あなたの方には仕事がある、新三菱の方は仕事がなくなるから、新三菱にやらせようということであったということをあなたもお認めになっておるのです。それだけのことですね。そうすると、結局あなたの方では、技術が劣等であるということをここで折紙をつけられてしまった。これはあなたの会社の今後の運営について、非常に大へんな問題が出てくると思う。従って私は、会社の副社長として最後に、もっとあなた自身、事情は知悉していなければならないはずだ。ただ、立場上言えないことはわれわれもわかるけれども、国民の多額の税金を使ってこういうものを整備していくのだ。その中にこういう問題があるとするならば、あなたはもっとこの際、その点ははっきりしてもらいたかったと私は思う。あなたの会社はここで技術劣等なりということを政府の力で、重工業局長によって折紙をつけられてしまった。これは大へんに私は会社にとっても遺憾であろうと思う。その点、どうお考えになるわけですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 この問題につきまして  は、私先ほども発言さしていただいたと思っておりますが、技術能力、技術の問題で劣るというような結論が出ているといたしますと、私、この担当の副社長といたしまして大へん残念なことで、社長にも申しわけないと思っておるわけでございまして、(「株主にも申しわけない」と呼ぶ者あり)株主にも申しわけないと思っております。この点につきまして私、先ほども申し上げましたが、いかにも川崎で作ったら落ちる飛行機ができるのじ必、ないかというような、なにがありますれば非常に残念なことでございまして、これはそういうことはないという自信を持っておるということを先ほど申し上げたわけでございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それからここで、あなたは下請になるのだから、新三菱の方で単価を出す。そこで、単価が安く出された場合、あなたの方でさっき、損をしてはできないと言うから、できないと言った場合は、新三菱の方は、それでは私の方で作るからというので、あなたの方の仕事というのは実はなくなってしまうのだ。こういうことになるのではないかと思う。あなたはその場合、どうします。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 理論上はそういうことになるかと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 理論上でなく、実際上もそうではないか。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ちょっと。あなたにお聞きしますが、今度ロッキードにつけるエンジンは、アメリカの製品がいいから買って、そうして日本へ送って日本でつければ十万ドル安くできるけれども、新三菱ではそれをしないで、石川島重工業に作らせる。そうする一と、アメリカで買うより値段が十万ドール高い。そこで、十万ドル高くても日本の軍需産業の育成のために日本でやることもけっこうだが、ロッキード社の技術部の方では、石川島の重工業で作るエンジンは、どんなにいろいろなものをしてやっても完全にいかない。向こうで作るエンジンのようなわけにいかない。いかないことは、簡単に説明するとどんな説明か。菊の花を、同じ種をまいて、そうして同じ花にできた。これを持ってきて、この菊の花のにおいはいいが、こちらはにおいがない。これは三日間で枯れるが、これは水をくれなくても四日持つ。花にもこういう相違があるものだ。それは何だというと、作る土地、気候、そういうものが関係すると同じく、同じいろいろな金のまぜ方をしても、日本ではまだジェット機のエンジンなんというむずかしいものを作っても、アメリカのエンジンのようなわけにいかないのだ、というようなことをロッキード社が再三説明しておるという話ですが、あなたはそういう話をお聞きになったことはありませんか。あるいは、それを作ってもアメリカで作ったようなわけにいかないとお思いになるか。あなたの技術屋としての考えを率直に申していただきたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 他用のエンジンを日本で作るのかどうかというふうな問題は、私、今日まで全然承知いたしておりません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 作るんです。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 ただ、その前にJ—47というエンジンがございます。これは全部国産をいたしておりませんけれども、非常に消耗率の高いものです。なお技術的にそういう心配がなくて、日本でできるというもの、こういうものを製造をいたしておりますが、そういう選定のよろしきを得れば、使い得るものができるかと思っております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ロッキードのエンジンに対してどう考えているか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 これも似たような、やはり馬力の多いエンジンでございますので、やはり部品の選定というような面一が適当ならば、使い得るものができるのではないかと考えます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたはそういう体裁のいいことをおっしゃいますが、これは富士重工がこのエンジンを作る。パテントを持って、おった。その権利といいましようか、そういうものを持っておったが、できない。どうやってもうまいものが作れないので、その権利を石川島重工業に売った。石川島がそれを買うときに、新五菱が金を出しておる。そこで、どうしてもそれを作ろうというんです。ロッキード祉も、ああいうエンジンの会社ではそんなものを作ったってうまくいかない。それは、形やそういうものはその通りにいくけれども、やはり花と同じように、においのあるのとないのと、三日で枯れるのと枯れないのと同じように、うまくいかないから、必ず大きな事故を起こす。そんなものをどうして十万ドルも高く日本で作ろうというのか、といって笑っているというんです。あなたは技術屋としてほんとうに証明できますか。あなたがここで証書されて、そのエンジンがうまくできないとすれば、あなたの重大な責任ですよ。あなたはどう思われるか。あなたの御意見でよいのですよ。あなたがそれによって裏づけるのではない。あなたが専門家としてどう思われるか。あなたがもし悪いやつをいいと言われて、そのエンジンがうまくいかなかった場合、あなたがいいと言ったからということで人がどんどん死ぬと、重大な問題になります。これは川崎航空の生命にかけたあなたの証言なんです。また、どれだけこれから若い青年将校の生命がそれで奪われるかわからない、こういうことがあるのです。あなた、技術者としてどう思われるか。ほんとうにあなたのお考えでいいのです。それを一つ伺わせていただきたい。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 私、技術者でございますが、残念ながらエンジンのことはあまり詳しく知らないのであります。例を申し上げますと、川崎でも前にJ—47のエンジンを作っておりますが、これは全然コンプリートしたものを作るのではございませんで、そのうちの部品の一部を製造しておるのであります。これにつきましては、適切な品目を選べば日本でそういったものを作って使える……。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 石川島で作っていいと思いますか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 その品目が適切であれば、使えるものになると思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 品目とは何ですか。

永野喜美代川崎航空機工業株式会社副社長

○永野証人 それを構成しておる部品の品目です。エンジンを構成しておる部品の中の品目の選定がよければ、いいわけです。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 永野証人には長時間にわたり証言をいただき、御苦労でした。どうかお引き取り下さい。  午前の会議はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。  午後二時から吉田証人についての証言を求めます。     午後一時二十三分休憩      ————◇—————     午後二時二十分開議

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 午前に引き続き、歳入歳出の実況、特に防衛庁の航空機購入問題について証言を求めます。  吉田証人には長らくお待たせいたしました。  発言の通告がありますので、順次これを許します。  田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 証人にお尋ねいたしますが、ロッキードが決定されて、新三菱に請け負わせるということがきまったのですが、この話を社長は何月何日にお聞きになりましたか、お尋ねいたします。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。たしか十一月七日午後三時、通産省重工業局長のところに呼び出されまして、小出局長から承りましたのが初めてでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたの方で、たとえばグラマンにきまっても、ロッキードにきまっても、これの主の契約者は新三菱重工業なんだというように考えておられましたか。それとも、そういうことに対するどんな考えを持っておられましたか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私の方はロッキードにきまりましても、グラマンにきまりましても、主たる契約がどちらになるかということについては、確たる自信もございませんし、何も考えておりませんでした。いずれにきまりましても、政府から御指名の通りにやる決意でございました。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 防衛庁長官のおる前で通産省の重工業局長が言っておるのですから、ロッキードにきまっても、あるいはグラマンにきまっても、その他の戦闘機にきまっても、主の契約者は新三菱だというようにわれわれがきめておったということをここで発言して、速一記録にあるのです。しかし、そういうことを重工業局長がきめておったとすれば、社長直接にあなたにそういうことがなくても、あなたの方の連絡員と申しましょうか、通産省に出入りしている人とでも申しましょうか、戦闘機の係とでも申しましょうか、そういう人を通じて、あなたが知っておいでにならぬということは話がおかしいのですが、その点についてどう考えておられましたか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私自身はもちろん、配下の者からも、そういう種類の情報は私の耳に入っておりません。ただ、申し上げられますことは、川崎さんはロッキードと長い関係がございますから、川崎さんにいくかもしれないし、それから、ただ戦闘機を作ったということにつきましては、御承知のように今のF86をもう二百数十機作っておりますし、そういう経験から申しますとうちにくるのじゃないか、私どもとしては、五分々々の期待をしておっただけでございます。残念ながら、私の耳にはそういうことが入っておりませんでした。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 証人が十一月七日の午後三時に、重工業局長の部屋に証人その他の人たちと呼ばれたのですが、証人の方が先でしたか、それとも川崎が先でしたか。その点、どう考えておられますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私の方が先だったと聞いております。私どもは三時十分前くらいに行きまして約十分くらい待たされまして、出てきたあと川崎の方がおいでになった。そういうふうに承知しております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 これはちょっと明確にしておきたいのですが、重工業局長、どうですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 お話の通り、午後三時に新三菱を呼び出しまして、それから午後四時に川崎に来てもらうように連絡いたしまして、その通りお見えになりました。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 証人にお尋ねいたしますが、やはり証人の考えの中にそういう点がはっきり、これがきまるまであったと思うのですが、一応グラマンにきまれば新三菱重工業、ロッキードにきまれば全部とは言いませんけれども、一応十のうち七くらいまでが川崎にいくのじゃないか。技術提携、あるいは川崎でもいろんなこういうものを、ロッキードに関係のあるようなものをいろいろ作っていますから、いくのじゃないか、こういう工合に一応一般常識に、われわれも、あるいはまた通産省の人たちも、あるいは防衛庁の人たちも、川崎の人たちも、あなたの方の人たちも、考えておったのだから、あなたはこれに対して実際のところどう考えておられましたか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。先ほど申し上げました通り、川崎さんはロッキードと長い関係がございますし、事務的に考えますとその方が便利だろうということは常識だと思います。しかし、戦闘機86を二百数十機一作った実績という点から言います、やはり私の方に歩があるのではないか。それで先ほども申し上げましたように、このものは私自身といたしましては、どちらが主になるか従になるかについては、五分々々の考えを持っておった。これが事実でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 川崎の方でもジェット・エンジンの修理をやったり、またいろいろな相当高度なエンジンを作ったりしておることは証人、御存じですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 よく承知しております。技術的に川崎が上だとか、私どもの方が下だとか、そういうことを考えたことはございません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたの方で重工業局長から呼ばれて決定したということをお聞きになる前に、あるいはまたお聞きになった一週間以内くらいに見積書か何かを提出されたことはございますか。あるいはまた、技術的なことについて打ち合せ等がありましたか。それをお尋ねいたします。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。はっきり覚えており、ませんが、十一月二十日ごろに、一応の防衛庁の御要請に基づく見積書は提出したと報告を受けております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、きまる前には見積書とか、そういう話とかいうことはないわけですね。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 全然ございません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私どもは、別にあなたのところで製造されたから、あるいは川崎でやられたから、あるいはまたその他の会社でやられたからということについて、実は問題にしておるのではないのです。少なくともこの戦闘機というものは、常識的に考えまして、戦争なんていうものはないのだ。だから、あってもなくてもいいようなもので、しかし、戦争がないということと国防ということとは違う。それだから、こういうようなものを作る、これには国民が実際はあまり高価のものだから賛成しておらない。しかし、いろいろ国の状態、あるいは軍需産業の育成というような問題も日本の将来のためには考えるので、一応こういうものを作るということで、これをきめた。しかるに、一千億近くになるこれだけのものを両方から、あなたのところの設備がまざっておるとか、あるいはいろいろな技術があるとか、そういうことであなたのところにきめる分にはかまわないし、また、どこにきめてもいいのです。しかし、その前には一応グラマンであるか、ロッキードであるかということになって、この国会の中でも大きな問題になり、各新聞、週刊誌などもこれを取り上げて、社会の大問題となっておる。そこに決算委員会というものは、汚職というものを無理に告発したり、いろいろな情勢で、しなかったのですが、お宅の方で航空部長の由比さんという人と、吉村、堀田その他の人と飲んだり食ったり、金の授受をしたり、天川が中に入っていろいろなことをしたり、天川の二号の預金までこしらえてある。そういうことまで調べてそういうことをやったことがいろいろ問題になって、みんな白状しているのです。認めておる。これは本来からいえば、汚職として、それから引っぱっていって上の方まで持っていくのがあたりまえだろうけれども、いろいろな情勢でそれをしなかったのです。しかし、そういう問題になって、今度はそれが逆転してロッキードにきまって、国防会議できのうきまった。翌日すぐに——その見積書も出させない。お互いに相談もしない。工場のたとえば視察ですね、こういうものも防衛庁長官とか通産省の大臣とか、その他いろいろな人でやらなくちゃならないのに、そういうこともやらない。ロッキード社を呼んで何ら打ち合せもしない。あなた方の方と川崎の方と、一体お前の方は幾らくらいでできるとか、意見も聞いておらない。そこでぽっと新三菱にきまったということについて、非常にこれが問題になっておる。これからまた問題になるのです。それについて、きめられたあなた自身が、それはもう新三菱に来るのが当然なんだ、技術においても設備においても他は問題にならないのだ。だから、おれのところへ来るのが当然なんだ、こうお考えになるか。寝耳に水で、ぽっと自分のところへ来たのだというようにお考えになるか。世間でいろいろ論議していることが、これは常識にはずれておって、おれのところへどんと電話で指名してくるのが当然で、ほかは技術においても設備においても問題にならない。だから、おれのところへ来るのがあたりまえだ。こういう工合にほんとうにお考えになるか。いや、寝耳に水に来たので、自分も意外に思ったくらいだとお思いになるか。それから、川崎が主となっても、設備をしていけばやはりこのロッキードができるとお思いになるのか。いや、それは主になっても、とてもできないとお思いになるのか。この三点について、忌憚のないところをお答え願いたい。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。順序は逆になりますが、今、川崎さんのお話が出てきましたが、私は、はなはだ不勉強でありまして、川崎さんの工場も全然見ておりませんし、技術、設備、能力等について比較することもできません。しかし、りっぱな工場であるということは聞いております。それでその点については、私はお答えできぬことは、はなはだ残念に思います。  それから、寝耳に水であるかどうかということについてのお答えをいたします。これは寝耳に水ではございません。先ほどから繰り返し申しておりますように、来るかもしれぬ、来ないかもしれぬ。来ないときには仕事の量も少なくなるであろうから、場合によっては航空機関係の人員を一部ほかの仕事に回して工場を縮小してもやむを得ない、そういう覚悟まで私はきめておりました。  もう一点、何かございましたね。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 川崎が主となったらできるかどうか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 これは私は技術屋ではございません。全くの事務屋でございまして、技術的のことは全く承知しませんからお答えは遠慮させていただきます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 これはあなたがおっしゃれぬと言うなら、私は別にここで無理に言えと言うのじゃないのです。  そこで少なくとも、重工業局長その他通産省の人たちが、どっちにきまっても仕事だけは、今新三菱が仕事があくのだから、これは新三菱にさせるのだ、そういう工合に妥協をしたのだというようなことを、これは党内でも全部やられておる。しかし、それをあなたが少しも聞いておらない。そうして、しかも聞いておらないのだから、断じて僕のところへ来るべきものだという考えを持っておいでにならなかったということになると、どうも私はちょっと納得できないのですが、これはどういう工合に考えられますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 私はさっきの宣誓書に基づいて良心的にお答えいたします。はなはだ不敏でございますけれども、私どもの仕事は数百種のものを作っておりますし、飛行機の仕事のごときは、多いときでも一割五分に当たるか一割五分を割るくらいの割合の仕事でありまして、飛行機のことばかり私、研究しておるわけでもございません。それで、ありのまま申しまして、私は必ず来るものとか、必ず来ないものとか、そういうことは情報も得ていません。ただ、こういう事実はございました。社外の人あるいは社内の人から、はたして来るのでしょうか、あなたは一つも動かぬが、動かぬでいいのですか。せめてパンフレットくらい作って配って、皆を啓蒙したらどうですか、などと言ってきましたけれども、そういうことはすべきものでない。これはちゃんと政府がおきめになるのだから、われわれは静かにしてお指図を待て、こういう指示をした事実はございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、一つお尋ねいたしますが、あなたの方でロッキードにつけるエンジンですね、これはアメリカ政府が日本にくれる三〇%と申しましょうか、幾らと申しましょうか、くるものの中から買って日本に送る。そうすると、これは非常に安くなる。保証もつく。ところが、あなたの方と石川島重工業とお話しなさって、このエンジンを一つ国産にする。これは軍需工業の育成で、エンジンを作ることはいいでしょう。いいでしょうが、そうすると十万ドル高くなる。  それからもう一つ、ロッキード社がそれを聞いて笑っている。値段の十万ドル高いのは国民が泣くだけで、これはもう軍需工業を育成するのだから将来どっちがいいかということは断定できないけれども、エンジンを石川島などで作ったって作れるものではない。もとは富士重工業でエンジンを作る。パテントとか、何かいろいろな権利を持っておったものを、やり切れなくて、りっぱなものができないので投げておるやつを石川島が買って、今持っている。だから、向こうで来て、こういう金とこういう金とこういうものはまぜればこういうものができるということを教える、その通りなものができるわけだが、それができないのが不思議だ。実際においてできないのだ。どうしてできないのか。これは技術的に説明すれば大へんな説明だけれども、簡単に言えば、同じ菊の花の種を甲の土地と乙の土地にまいたら、花も変わらない、同じ格好にできた。ところが、片一方の甲の土地にまいたのはにおいがいい。乙の土地にまいたのはあまりにおいがない。そこで、二つを水をくれないで三日間同じ部屋に置いた。甲の土地のは、においのあるのは、四日も五日も枯れなかった。においのないのは二日か三日で枯れてしまった。いわば日本の作るエンジンは、同じ種をまいて同じものであるけれども、これだけ違うんだ。これは一体何で違うのか。花で言えば、気候とか土地の肥料とか、そういうもので違うのだ。日本で同じものを作ったって必ずエンジンに故障を起こして、将来うまくいかないから見ている、というように、アメリカあたりの一部の雑誌にも書いてあるし、技術者がそう言っている。これに対してあなたが、いや、そんなことはないのだ。石川島で作れば必ずりっぱなものができる。見ていて下さい、そういうことはないのだというような保証がつくのですか。それとも、いや、どうもそれについては疑問であるとおっしゃるのか。それはどうなんですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。ジェット・エンジンの国産につきましては、御承知のようにジェット・エンジン会社というものがありまして、今では石川島さんの手に移ってやっております。りっぱなものができるということは聞いておりますが、今おっしゃったようなことについて私、知識を全く持ち合わせておりませんし、それから先ほど御質問の中にありました十一月の下旬に私の方から出しました見積書は、エンジンは外国のものを入れることとしてやっておりまして、国産のものを入れるということになっておらぬと承知しております。それでお答えになるかならぬか、わかりませんが、そのことに保証ができるとか、そのエンジンがどの程度のものかということについては、私は知識の持ち合わせがございません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ちょっと、防衛庁の装備局長に聞きますが、エンジンはどうなんですか。これは重大な問題なんだが、アメリカから買ってつけるのか、石川島でなくても日本で国産でするのか。どういう工合に考えておられるか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 一応エンジンにつきましては、初めの複座機、ノックダウンの四十機、それは輸入をする。あとの百六十機分については国産をしたい、こういう工合に考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それは石川島ですか。どこを考えていらっしゃる。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 まだきめておるわけではありませんが、ジェット・エンジンを作っておるのは石川島でありますので、多分石川島になるのじゃないか。かように考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、証人にお尋ねするのですが、これだけのものをあなたの方でこれからお作りになる。あなたが社長で、技術屋でなくても、今、装備局長が言うように、またわれわれのような何らの関係のない者でも、エンジンは石川島で必ず国産するのだ、それがつくのだということをわれわれが知っている。あなたはそれをお知りにならないで、そして見積もりとか、あるいは——たとえば石川島で作ったって、監督はあなたの方なんだ。石川島は、いわばあなたの方から下請をした会社です。防衛庁とは直接関係はありません。そういうようなことがはっきりしているのに、あなたがお知りにならぬということはおかしなことだが、どうなんです。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 石川島のエンジンを使うか使わぬかということについて私全く聞いておりませんでございます。それが実際でございます。ただ、そういうことが起こるかもしれぬということは、私の頭の中にございましたけれども、まだその段階にいっておりません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、あなたの方から見積もりを概略出されたのですが、あなたの方で一体このロッキードを完成させられるように今なっているのですか。一体最低の値段は一機どのくらいに押えていらっしゃいますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 これはたしか十一月の二十日ごろだと記憶しますが、私、配下の者からの報告によりますと、もし間違いましたらあとで訂正するかもしれませんが、大体百十万ドル、こう聞いております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ロッキード社のハル、東京の支社長というのですか、副社長というのですか、その人と、それから川崎航空機が見積もりというようなものを作って出したものは、百工万ドルなら完全にできる、こういうものを出してあるはずです。こういうことを重工業局長も知っているでしょうし、装備局長も知っておられると思うのだ。これは先に装備局長に聞きますが、どうなんです。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 百二万ドルという数字は、私存じておりません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 どんな数字を出していますか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 川崎社が104Aにつきましてロッキードといろいろ作業いたしました数字については、話を聞いております。これは八十六万ドル、こういう数字でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それでは局長、あなたの話を聞いて、こういうことだったらどうするのです。百二万ドルでできるというものが出てきたら、それでも百十万ドルの新三菱にさせるのですか。それはどうなんです。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 ただいま申しましたロッキードと川崎社の見積もりと申しますのは、これはいろいろわれわれが要求します性能とは違うものでありまして、やはりある程度合理的に見積もりますれば、百十五万ドル程度にはなるのじゃないか、かように考えております。川崎社の方も、大体これは、われわれが見積もっておりますのは、あくまで予算上の見積額でありまして、実際契約する額ではありません。予算としてどれくらい計上したらいいかということを今検討しておるわけでありまして、それに基づきまして、一応日米の分担もきめる。その日米分担がきまりますれば、予算として計上いたしまして、その予算が通りますれば実際の契約の交渉を進める。こういうような段取りになるわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、証人の前であなたに言っておかなければいかぬのだが、川崎から見積もりをとってみないで、見積もらしてみないで、川崎が見積もってもそれだけかかるんだという想定は、一体あなた、ロッキード社のハルとかそういうものが言っておるのに、そういう想定をどうしてなさるのですか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 川崎社とは、いろいろ調達実施本部を通じまして従来契約をやってきておるわけでありまして航空機の生産につきましての実績等も全部わかっておりますので、そういうものを基礎にしまして計算いたしますと、大体同じくらいになるのじゃないか。こういうことでありまして、具体的に今度の104Jにつきまして、どういうような仕様になるか、内容になるか、構造になるか、そういうものはやはりロッキードから詳しく製造技術書なり作業工程書なりがきませんとわからないわけでありまして、そういう面で、一応契約の相手方をきめまして、その相手方がきまりますれば、ロッキードとしましても詳しく製造の図面なり作業工程書を提出しましてそれによって見積もりを進めていく。こういうことになるわけです。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたの考え方が間違っておるのじゃないのですか。川崎にまだ見積もらさないうちに、こうなればこうなるだろうということで、想定をしている。もし川崎に見積もらしてみて、川崎が新三菱より同じもので安かったら、それは変更してさすのか、させないのか。どうなんです。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 これは川崎と三菱は、あくまで川崎もその一部分を担当するわけでありまして、その面におきましても、長官も玉目の当委員会で契約の相手方である三菱と交渉するということを申しましたが、これはあくまで契約の相手方である三菱と交渉するわけでありますが、実際の価格の査定、これは調達実施本部で各工場に駐在官を多数置いております。そこで厳密なる調査をいたしまして、もし川崎が安いという場合におきましては、比較検討いたしまして、安い方に全部をそる、える。こういうような作業をやっておりますので、そういう点は、今後もできるだけそういう方向でやって参りたいと考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私はそんなむずかしいことをあなたに聞いておるのではない。戦闘機を、ロッキード一機なら一機を新三菱重工業が百十万ドル、川崎が同じも、ので百五万ドルにするとか百工万ドルとか、そうやって安かったら、主の契約を変えて安い方にさせるのか。それとも、あくまで主の新三菱を値切りながら、新三菱にやらしていくのか。その意見をあなたに聞いているのだ。くだらぬことを長く言わぬでよい。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 これは主の契約者がきまりますれば、それと交渉いたしまして、あくまでその主の契約者の値段を下げていく。こういうことでやっていきたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そんなことでは下げられないじゃないか。どっちにころんでも、高くても安くても主の契約者というものを新三菱にきめておって……。これが高ければこっちにするとか、この見積もりをお互いに出さしてみるとかというところに、安くなるということができるけれども、きめておいて安くできないじゃないか。これだけのものを、一体そんな権利が君にあるのか。重工業局長にあるというのか。池田君にもあるというのか。総理でもないはずだ。君たちの金で作るのじゃないじゃないか。さっきから言う通り、国民の泣いて納めた税金で作るのじゃないか。川崎重工業のきょうの証人も、新三菱に負けないものを作りますと言っておるじゃないか。また、今この証人から聞けば、私の方は、仕事がないからといってそう無理して戦闘機をとらぬでもいいのだと言っておるじゃないか。君の方の話を聞くと、機械設備も広大である。ところが、機械設備の広大については、川崎はこう言っておる。数はよけいあって広大になっているけれども、私の方にはロッキードを作るには安くできるような機械が入っている。技術の面においても変わりがない。仕事だってやりくりできるのだ、主になってもできるのだ、と言っておるじゃないか。それを君の方で勝手に、いや仕事がないとか、いやこうだといってきめてそうして高くても安くても変えないでやらせるなんということは、一体何から君はそういうことを言うのだ。そういうことを君が言うから、いろいろな、学生でも何でもこういうデモの運動をして、君のような官吏を葬らなければならぬといってやるのだ。何から君は言うのだ。そういうことを答えてごらんなさい。三菱にしなければならないとか、何は何でなければならないとか、そういうことはあの法律にはない。ただ、通産大臣が航空機製造事業法においてその工場を指定できるというだけのことなんだ。指定する前に、見積もりをとって工場を選んで悪いとか、見積書を出させて悪いとか、値段を値切って悪いとか、いろいろな対照のものをして選んでは悪いということは書いてない。その指定権を君が悪用して、防衛庁と通産省の、この——にひとしい局長が悪用して、そうして大臣が食ったか食わぬか知らないが、そこに進言をしてこういうことをきめさせた。私はそれを言っている。何の権限があるというのか。君がきめなければならない新三菱の見積書もとってない、なにもとってない。これを指定する権限があるのか。そうじゃない。見積もりをさせてもいいじゃないか。それを君は勝手にきめておるじゃないか。それだから、——こうとっていいのだね。値段が高くても、仕事が悪くても、きめたんだからあくまで主にさせるというのだね。どうなんですか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 毎々申しておりますように、航空機製造事業法できまりますれば、その事業者と防衛庁は契約していくということでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 航空機製造事業法というのは、これはただ工場を指定するだけの権限しかない。指定する前に見積書をとるとか、お互いに意見を突き合わすとか、工場を視察するとか、いろいろなことをしてきめていいじゃないか。それを国防会議で今晩きまる。しかもおそい九時から国防会議を開いて夜中にきめて、朝には電話をかけて、あなたのところできめたというのは、八百億も千億もする仕事じゃないか。そんなことで何ができるのだ。君がそんなことばかりやっておるから、防衛庁というと、そこらじゅうへ行っても問題にされない。こんな大事な仕事、国を守っている。災害でもあれば一生懸命やる。こんな大事な防衛庁が、いろいろな国民から信頼されないのは、あなたのような考え方を持っておる人がおるからだ。しかも、そこにおる小出重工業局長といっても、この間まで水利権やら何か、ほかのことをやっておった人なんです。飛行機なんて、絵はがきで見たか、映画で見たくらいしか知らない。そんな者が勝手にきめている。どうなんです。法律はそんな決定的なものなんですか。そんな権利のあるものなんですか。指定をすることについては、通産大臣に権限はあるけれども、その前に調べてもいけないのか。見積もりをとってもいけないのか。工場を視察してもいけないのか。ロッキード社を呼んで、お互いに話し合わせてもいけないのか。どうなんですか。法律にどんなことが書いてある。返答したらどうだ。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 もちろん、そういう見積もりをとっていけないということは法律には書いてありません。ただそういう点につきましては、従来から防衛庁は川崎にいろいろ契約をいたしておりますので、川崎の実態もわかっておるということでありまして、そういう点からいろいろ通産省と協議いたしたわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、あなたは装備局長で、私は川崎の写真を持っておるが、どこにどんな機械がすわっておるかわかっておりますか。おそらくわからぬだろう。そういうわかりもしないのに、川崎がこうだ、何がこうだと言うが、君が勝手にきめたことはわかっているじゃないか。そんな君、簡単なものじゃないのですよ。国民は税金を払わなければ差し押えを食う。差し押えを食ってもかまいつけなければ、競売に付される。脱税すれば刑務所に入れられる。そういう強権を発動して昔の特高より税務署がこわいと言っているのだ。そういう時代の中に、泣いて納めておる税金を千億近くも使うのに、君、そんな考え方でどうなる。検事が起訴する権限を持っておるからといって、だれを起訴してもよいのか。やはり調べて、警察の調書を見て当人に聞いて自分がわからぬところは上席に聞いて、そうして起訴しているじゃないか。それでも誤まりが半分以上もあるじゃないか。しかるに、何にも知らないで、法律でそういうことをしてもよいのに調査もやらないで、それが当然だと思っておるのか。しかも、川崎から見積もりをとっておらない。何を君たちは権利があってやるのだ。しかも、これには、今度呼んでやるが、天川勇のような男が出て金をまいている。一浪人者がりっぱな邸宅を建てて、二号を入れるようなことをして、そこらじゅう金をまいて、みなここで、飲みました、食いました、もらいましたと言っておるじゃないか。そういう問題だ。これをきめるのに何のちゅうちょもなく、国防会議が夜中にあったら、そのあくる日きめて電話でもって新三菱、川崎を呼び出して、川崎から文句を言ったら、内政に干渉するのか、そんなことを言うと仕事をさせないぞ。どうだ、よくあなた考えてごらんなさい。そんな権利はあなたにないはずだ。  この次の委員会までに大臣と相談してきなさい。それで、これを白紙になさい。そうして堂々とガラス張りの中で見積もりさせて、そうしてきめてやってみなさい。やる人も楽です。何かあるんじゃないかしら、何かしたんじゃないかしら。しかも、この社長などは総理と同級生だとかなんとか、評判も散らばっている。君たちのやり方が悪いために、党がいろいろなことを疑われなければならぬということになっておる。そして自衛隊の将来、国民の信用という問題を考えてごらんなさい。もう私はこれだけにしておくが、あなたはこの次の委員会に呼び出すから、大臣と相談してきなさい。このままでは済ませませんよ。委員長、証人に気の毒ですから、もういいです。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 先刻来の田中委員の御発言の中に、不穏当と思われる節ありという注意を受けました。速記録を調べた上で、もし不穏当の言葉がありますれば……。  森本君。

森本靖日本社会党

○森本委員 私、簡単に証人にお聞きしたいと思いますが、今回のこの問題にも関連をいたしますので、お聞きをしておきたいと田。います。聞くところによると、証人は岸総理と少年時代から同窓であって、非常に親しい間柄である。こういうことを聞いておりますが、それはどういう御関係ですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。郷里が同じでありまして、山口県の山口中学校時代、岸総理は途中から転校されたとおっしゃいますが、私はよく記憶ないのでございます。中学校ほとんど五年間、同窓、同期であったということであります。それから卒業しますと、そのころはいわゆる入学試験が三カ月先になるものですから、浪人時代が必ずあったので、その時代本郷で、たしか三カ月くらい同じ下宿におったことがあったように記憶いたします。それから岸総理は二局、東大に進まれて、私は三高、京都大学とすっかり分かれました。その後お目にかかりましたのは昭和十五年、要するに学校出てから二十五年くらいたったとき、上海でお目にかかりました。その間、中学校から高等学校に入りましてからは、二十五年間一度もお目にかかりませず、上海でお目にかかりましたのは二十五年ぶりと記憶しております。それから、これも何年か覚えておりませんが、総理が巣鴨から出ておいでになりましたとき、会いました。その後、同窓、同期という関係でございまして年に一、二回程度は、山口県人会あるいは山口中学校の同窓会、あるいは私が副社長になったとか、社長になったとき、あいさつにお伺いするとか、そういう程度のものでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それで、戦後総理が巣鴨に入られた当時、総理としてもいろいろ困っておられたことがあると聞いておりますが、そういう際、あなたは昔の友人として援助と申しますか、交際と申しますか、その当時の交際はなかったですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。そういう種類のことは一切やったことはありません。

森本靖日本社会党

○森本委員 昨年グラマンに内定いたしましたのが四月の十二日でありますが、やはり同窓であるし、また親しみやすいということで、その問題とは直接関連がないといたしましても、現在でも証人は随時総理とお話ができる立場にあるということを新聞にも報道されておりますが、そういうふうに今も随時総理の宅に訪問をして、面会を求めれば、いつも昔の同窓であり、お話ができる、こういう立場におありですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 岸総理が幹事長時代は、割合と楽に昔話もできましたのですが、総理になられましてからは、一国の総理の時間を、私がたとい十分でも二十分でもおじやましてはいけないと心得まして、なるべく遠慮しておりますし、それから、いつでもお目にかかれるという状態にはございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 総理とこの問題についてのお話をされたことは、一つもございませんか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 岸総理と、グラマンにせよロッキードにせよ、一切お話ししたことはございません。ただ、これはずいぶん前の話でございますけれども、航空工業の将来とか全体とかいうものについては、四、五年前でございますが、お話ししたことはございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、このグラマンにせよロッキードにせよ、今度の戦闘機の問題について総理と、冗談話であれ、雑談話であれ、せられたことはないのですか。通常週刊誌あるいはいろいろな雑誌等には、あなたが総理とそういう点については話し合いをせられたということが報道せられておるわけでありますが、そういう点はないわけですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 全くございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 もう一つ。それではもし、そういう報道をせられておった週刊誌があるとするならば、それはうそであって、あなたの名誉を傷つけるというふうにお考えですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 はなはだ迷惑しております。

森本靖日本社会党

○森本委員 その週刊誌には、今度のグラマンがおそらくロッキードにかわるであろう。しかしその場合、総理はすでに吉田社長に会って常にその問題についての話し合いをして、証人の承認を得ておるから、おそらくそうなるだろうというふうな予想記事を書いた週刊誌もあるわけでありますが、これは御承知の通りだと思います。そういう週刊誌が、かりに全部あなたの言われる通り、うそであるとするならば、これはやはり私は重大な問題であろうと思う。そういう週刊誌に対してあなたとしては、これを何か虚偽の問題として告発するなり何なり、そういう考え方はございませんか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 昨年の夏ごろから起こりましたグラマン、ロッキード、次期戦闘機の問題につきましては、私ども実に正直に正道を歩んで、こつこつと会社の仕事に努めております者にとっては迷惑千万なことばかりでありまして、今度のことも、週刊誌のそういう記事などに私は迷惑しておりますが、そういうものを一々私が弁明がましく取り上げることでもないし、私は良心的にやましくございませんから、わかる時が来たらわかってもらえると思って、そういう意思はございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういうことになると、あなたの方は、そういうものについて問題にして、かりに告発したらかえって逆に、やぶへびになるから、告発なんかせぬという意味ではなしに、そういうものは大体問題にせぬ。わしの方がもっとえらいのだという考え方であろうと思いますが、それはそれといたしましても、しかし、あなたがここで証人としてそういうことがないという断言をせられておりますので、私はこの問題についてはこれ以上追及をいたしません。  ただ、ここでちょっとお尋ねしておきたいと思いますが、あなたの方の会社のいわゆる接待費と申しますか、交際費と申しますか、これは年間どのくらいに使っておられますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 はなはだ不勉強でございますが、私はその総額については承知しておりません。ただ、各担当常務の下に営業部長がたくさんついておりまして、その営業部長はある程度承知しておる。毎期々々ある程度の予算をとりまして、それでやっているように承知しております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、これは各営業々々関係においてそれぞれの担当部門においての交際費というものを持っておる、こういうことですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 交際費は渡してございません。何か接待なんかしましたら、そのつど支払ってやるだけで、交際費という金は渡しているわけではございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういう経費というものは、ある年間の限度というものはきめておらぬのですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 御承知と思いますが、私の方の事業は漸次拡大していくものでございますから、幾ら予算をきめましても、少しずつふえていくのが実情でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それからもう一つ、社長の交際費というものはないのですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 社長自身の交際費というものは、——代表取締役全員が若干の交際費は持っております。これは官庁にも届けてある正規のもので参あります。

森本靖日本社会党

○森本委員 それはどのくらいですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 私、一々覚えておりませんが、大体私の方の交際費といいますのは、常務取締役以上でございまして、これに対して年に四回ずつ渡しておりますが、それが総額幾らになりますか……。(森本委員「大体でいいです。」と呼ぶ)もし数字が間違っておったらお許し願いたいのですが、大体一回に渡す金が三、四百万円だと思います。十人くらいですから……。

森本靖日本社会党

○森本委員 これ以外いろいろな経費があると思いますが、私の時間がありませんので、次に移ります。  この前、当決算委員会で問題になっておりました吉村主計官、あるいは天川勇というような人々が数回会合した。その支払いは新三菱であるというようなことが、ここでも証言せられたこがありますが、そういうことについては証人の耳まで入っておりますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 私は天川さん自身に面接したこともございません。ただ配下の者がときどき御意見を聞いたり何かしているということは聞いておりました。それから、何か三菱の嘱託であるとか顧問であるとかいうようなこともありましたが、これは全然事実無根でございまして、顧問でも嘱託でもございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 御意見を聞いたりしたことはあるということを聞くと、大体御高説拝聴ということで、やはりその程度の経費は大体出しておったということについては、証人としても耳に入っておった、こういうことですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私のは大学の教授とかいろいろな人の御講演を聞いたり、また話を聞いたりしますが、これはそのつどお礼をする場合もあり、お礼をせぬ場合もあるので、私は天川さんにどういうことをしておったか、残念ながら何にも承知しておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 それから、最後にもう一回聞いておきたいと思うのですが、今回ロッキードにきまりましたが、あくまでも防衛庁との契約は新三菱でありまして、だれがどう言おうとも、主であるとか従であるとかということではなしに、今後は川崎航空というものはあなたの方の下請機関になることは、理論上も実質上もそうなるわけであります。その場合、川崎航空に担当させる部品について、かりにあなたの方と川崎航空との間に話し合いができずに、あなたの方は、それじゃ川崎はだめだということで、たとえばその他の会社にこれを下請させるということをやり直すということは、これは理論上も宝一質上もできると思いますが、そういうことはでき得ますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。世間でもいろいろ私の方と川崎さんとの関係を心配しておられるようでございますが、私の方は川崎さんと十分手を握りまして、りっぱな飛行機を作ることに専念いたしますので、川崎さんが工合が悪いからほかにかえるという意思は毛頭ございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 あなたがいかにそういうお考えを持っておっても、やはりあなたの会社も商業会社で、川崎航空も商業会社であります。それについては、やはり利潤というものが伴わなければ当然これは考えられないわけであります。だから、幾らそういう考え方を持っておったにしても、場合によっては意見が違ってくるという場合もあります。意見が違いましても、それを最終的に調整をしようという努力はせられると思います。しかし、万が一、最終的にそういうことについての意見が食い違ってきたという場合においては、理論上も実際上も、その他の会社にかえるということは言えるわけでございましょう。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私が通産省重工業局長から御指名をいただきました内容は、君の方が主となってやれ、従は川崎だ、川崎と十分協力してやって、くれという御示達でございますので、その精神にのっとりまして、最後の最後まで、やはり川崎と協定すべきものだと心得ております。

森本靖日本社会党

○森本委員 もし、そういうことになるとするならば、私は非常におかしいと思う。この間、この委員会において、重工業局長も装備局長も、防衛庁長官も、私の質問に対して答えをして、おるわけです。というのは、あくまでもこれは新三菱と防衛庁との契約である。こういうことを言っておるわけであって、その新三菱がどういうふうにしようということについての問題は、これは新三菱の権限なんです。そこであなたが、あくまでも川崎航空と提携をしてやりなさいという指令を、それじゃ通産省から受けたわけですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えします。小出重工業局長からの御示達は、君の方が主たる契約者になるが、従は川崎である、川崎と十分協議せよ、こういう御示達でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私は今のお話しをいろいろ聞きまして重工業局長とそれから装備局長に、ちょっと重大なことを申し上げておきたい。もし、こういうことになったら、あなたの方でどうなさいます。契約者の新三菱をかえられますか。私の方は、このグラマンを調べた当時の材料があるのを出していない。これを出しますと、あなたの方の通産省の堀田君、吉村君、その他いろいろな者の刑事事件が起きます。新三菱重工業の由比君が、天川が中に入って金の授受をしたり、飲ましていろいろなことを話している。あの書類を出すと、決算委員会から告発するか、あるいは議員が告発して、取り調べになって、刑事問題が起きる。刑事問題が起きた場合、どうです。そういう汚職のようなものが起きてきた場合でも、あなたの方は、いや、これはもう新三菱重工業にさしたのだから、やらせるとおっしゃいますか。そういうものにからんで、新三菱重工業もそういう汚職の中へ巻き込まれた場合は、それを取り消して、そういうもののないところにさすのか。それでも、何でもさすのか。これを一点だけ私は聞いておきたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 今、田中先生、御指摘になりました堀田あるいは吉村というのは、通産省の人間ではございません。三菱の今回の決定に至りまするまでの経緯といたしまして、三菱にもしそういうふうな、いわゆる汚職というふうな事実がありますれば、これは当、然適当でないと私は思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それでいい。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 吉田証人にお尋ねします。これは、さっきの川崎の永野さんにもお尋ねしたことなんですけれども、一体、あなたの方とグラマンとは技術提携というのがあるのですか。グラマン社とあなたの方はどんな関係になるわけですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私の方は、これも記憶でございますが、昨年四月十五日にグラマンに内定するという御内示を受けまして以来、グラマンに調査団を出し、ニカ月間にわたって調査団を出した。それだけでありまして、それ以上のものは何にもございません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、グラマンに内定したら、あなたの方にはそのときには技術の提携も、代理店的な契約というものも、何にもなかったわけでございますね。わかりました。  そこで、次にお尋ねするわけですが、日本で次期戦闘機を三百機購入するということについて、アメリカの各メーカーはこれに対して相当な運動もしたということを聞いておるわけです。この運動があったかないかということを、知っておられたかどうかという点が一つ。それからもう一つは、これとは関係はありませんが、たとえばグラマンにきまる、ロッキードにきまる、ノースロップにきまるとすると、輸入商社とあなたの方の関係は一体どんなものですか。私はしろうとだから、わかりませんが、その点を一つ……。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。内定前にグラマンと私の方との関係は何もございませんでした。ありのままを申しまして、内定を受けたその日に当該部長が私の部屋に顔面蒼白になってグラマンに内定しましたといって訴えてきました。私どもは全く青天のへきれきのごとくそれを聞いたのでございます。それが事実でございます。それだから、昨年四月十五日以前にグラマン社との関係は何もないのがありのままでございます。  それから、商社の関係につきましては、私の方は三菱商事を輸入輸出について全面的に採用しておりますので、今後もその方針を続けていきたいと考えております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 これはあなたの方と直接関係がないのですが、あなたの方は、三菱商事があなたの方で指定した輸入商社である。そういうことは、たとえば川崎であろうがその他であろうが、みなそういう輸入商社を持っておられるだろうと思いますが、そういうふうになっておりますか。なっておるならば、その二、三を聞かしてくれませんか。たとえば、あなたの方が三菱商事だとすれば、川崎はどこであるか。これはあなたは御商売だから、御存じだろうと思う。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。はなはだ不勉強でおそれ入りますが、私、新三菱が三菱商事を使っておるだけで、ほかの会社の方は全く承知しておりません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 次にお尋ねしますが、グラマンに内定したときには、あなたの方では係の方が顔面蒼白になってあなたの方に見えられたというと、あなたの方では、てんでこれは予想してなかった、こういうことなんですが、そうすると、あなたの方ではグラマンになるような運動がましいことは一つもしておらなかった、こう解釈してよろしゅうございますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。今の通りでございまして、私の方は全然動きはしておりません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると、くどいようですが、さっきの森本さんの質疑に関連するのですが、あなたは直接関係ないが、会社ではしょっちゅう講演とかあるいはいろいろな説明を聞いておった天川、あるいは国防会議の吉村さん、堀田さん、こういう人と、あなたの方の由比という人、あなたの方の航空機部長だと思いますが、この航空機部長は数十回にわたってこれらの人を供応している。この供応している金が大体九百万円くらいだ。こう思いますが、これは今お聞きすると、あなたの方で交際費とかなんとかがないとすると、またあなたはそれに対しててんで知らないとすると、由比という人は、自分でそんなに金がたくさんあるとは思いませんし、また自分で、そんな金を自分のふところから出して払うということもないと思います。従って、これは私は会社から出されたのではないかと思うのです。会社が出しておらないとすれば、由比さんが自分で払った金かわかりませんが、もし、会社が出してなくて由比さんが出しておるとすると、あなたの方ではそういうことを認めておらない。運動してないのだということになると、従って由比氏の使った金は、会社に対しては背任みたいな形になりますか。どうなりますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。そのことについては、私、全然承知しておりませんし、新聞や雑誌にずいぶん書き立てられておったようでございますけれども、航空機部といたしましては、やはり予算を持ったあるワクのものをそのつど払っておるのでございます。もし、ワク外のものでどうしてもやむを得ぬ場合には、総務部長がまたそれに相談に乗って、ワクをふやすということもあるやに聞いておりますけれども、そのワク内でやったことだと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 総務部長がお使いになろうが、だれがお使いになろうが、あなたは会社の社長であり、従って会社の一つの方針に基づいてそういう金を出されるのだから、会社の意思に反して出すはずはないと思う。会社の意思であるから、総務部長もこれを了解して支出しておるのだと思う。もし、あなたがさっきのように、そういうことはやらないということなら、これは会社の方針でなかったということだったら、由比氏は勝手に会社の金を持ち出して使ったということになるから、背任になるのじゃないか。こういうことです。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 私、はなはだ申しわけない次第でありますが、そこまで会社の接待のやつを一枚々々見ているわけじゃございませんから、わかりません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 私は、あなたがこれをサインしたとかしないとか、承認したとかいうのじゃなくて、会社がそういう方針をきめたから総務部長は出したのではないか。会社がそういう方針をきめないのに、総務部長として出すはずはないだろう。あなたの方は何の運動もしていなかったとするならば、この金を使った由比君は、会社のためを思ってやったのだろうけれども、勝手に会社の金を費消した。こういうとになるのじゃないか。あなたが出した、出さないじゃない。会社が使ってもいい方針というものをきめてあった、から、使うことができた。きめてなければ総務部長といえども出すことはできないはずです。その点をお聞きしておる。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私の方は営業の部が五つも六つもございまして、各部がいろいろな接待をしておるわけでございます。これはさっきも申しましたように、ある予算を持ってやっている。しかし、特別にその関係で外人が来れば、それだけワクからはみ出すというときには、さっき申しましたような総務部長にも相談をする。こういうような職制になっておるのでございましてその他のことについて私は承知しておらない、こう申し上げておるのでございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 どうも私の質問が下手なのか、あなたがはぐらかしているのかわからないのですが、私が言ったのはそうではない。会社でそういう金を使ってもいいという方針がきめられているから、総務部長は出すのではないのか。従って、総務部長がこれを了承して出したとするならば、こういう運動とか——これは私は商事会社として当然なことだと思う。そのことを不思議には思っていないが、それは会社が最高の方針としてきめてあるから総務部長が出したのであって、きめてないものを出すはずはない。足りたとか足りないとかは別です。そういう方針をきめてないで出したとすれば、総務部長も由比君も背任になるのじゃないか、こういうことです。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 どうも御質問の要点が、私、頭が悪いのか、つかめないのでございますが、たくさんの部があって、各部長が予算を持って、そうしてそのワクをはみ出す場合にでも、大体間違いのない判定は総務部長が従来も下しておりますが、私はそれを信用してやらしておるだけでございます。どうも、背任とかなんとかいう問題ではないと私は心得ております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 その聞き方が少しきつ過ぎたのかもしれませんが、私は、あなたが森本委員の質問に対して、そういう運動等は一切やらない。グラマンがきまってきたときにも顔面蒼白になって私のところへ来た。こういうとを答弁されているが、このグラマンの問題についてはあなたの方は全くノー・タッチであった、こう理解するわけです。ところが、この委員会で内定に至るまでにいろいろ調べた結果として判明していることは、天川という人は出ませんでしたが、吉村君はここへ出て、絶えず銀座、赤坂等で飲んで、その飲んで歩いた金は自分がただサインをしてくる。そうすると、これは三菱から来て支払っていたんだ。その仕訳は天川さんがしておるのだ。これは新三菱に持たせる、これは三洋電機に持たせるということは、天川氏が指定した。私はただ飲んだのだ。飲むやつ、仕訳するやつ、払うやつと、三つあったわけです。そこで、あなたの方の新三菱が払っているのです。これは払ってないと言ったって、しょうがない。払っていることは、はっきりしているのです。  そこで、さっきもあなたは、そういうことに対しては私は一切運動がましいことはやらなかったと言うけれども、会社のあなたの部下はそういう運動を非常に熱心にやっていたということは、立証されているのです。そういう熱心な運動をするということは、このグラマンをあなたの方の会社で何としても受注すべきだという、一つの最高の方針というものがきまっていたから、やったんじゃないか。きまってないのに、こんなばかなことをやるはずはないから、きまっていたのか、きまってないのか。きまってないとすれば、由比氏は、はなはだ不都合千万ではないか、こういうことを言うのです。わかりますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 私、その当時副社長でございましたが、私も、グラマンの内定の報告を得るまで、グラマンということについては全然考えたことも、聞いたこともございません。これが事実でございます。私どもの方は、御承知と思いますが、F86のノース・アメリカンの飛行機を作っております。これは川崎さんが今度ロッキードを作りたいと同じように、私の方がもし運動がましいことをするとか、便利だという点なら、当時問題はあったと思いますが、ノース・アメリカンの100といいます。それのことなら私、承知しておりますが、グラマンのことは内定に至るまで私は知りません、当時副社長でございますから。それが事実でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それから、グラマンの方は、あなたの方は内定を受けてから、その後は技術提携なり、何なりの交渉を持たれたが、ロッキードの方は御承知のように川崎が技術提携している。それから、内定されたグラマンが取りやめになって、今度はロッキードが決定した。ロッキードが決定したのだから、これは建前上からいけば当然川崎へ行くべきものが、あなたの方へ指定されたわけですが、これはあなたは、どういうわけであなたの方に指定されたと思いましたか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 これは田中委員のお話のときに私、若干触れたと思いますが、これは私自身の考えでございますから、間違っておるかもしれませんけれども、事務的その他の点から言ったら、ロッキードと長い関係のある川崎さんが便利だろうと思いますが、しかしジェット戦闘機というものを二百数十機作った実績、これはなかなかむずかしいのでございまして、そう簡単にジェット戦闘機はできるものじゃない。この苦心談は申し上げれば切りはないのでございますが、当初の苦心というものは大へんなものです。この実績を生かすためには、やはりうちが作るのじゃないかという望みは持っておった、こういうことなんです。だから、その実績を政府でお認め下さいまして、やはりジェット戦闘機二百数十機の実績というものに重きを置いてきめられたのではないか、こう心得ております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうすると私も、本来ならば当然であるべき商習慣というか、商道徳というか、そういう点からいっても川崎に行くのがほんとうだと思います。それがあなたの方へ行くということは、これはそういう商慣習から見て異例なんです。そういう異例な措置がとられたのは、川崎よりもあなたの方が単価が安いとか、技術がすぐれているとか、あるいは川崎では今できないとか、何かの理由がなければあなたの方へ行くはずがない、私もこう思っております。そこで、今あなたの方にお聞きしたところが、それは川崎ではそういう大量のものはできないので私の方に来たのだ、こうお聞きしたのですが、そう解釈してよろしゅうございますね。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 できないとは申しません。ただ、川崎さんも優秀な技術と優秀な施設をお持ちでございますが、私の承知しておる限りにおいては、ジェット戦闘機については全体としての経験はないと思いまするジェット戦闘機を日本において現在作りつつある会社は新三菱しかないのであります。これがすでに二百数十機の実績を持ち、できたものもすでに墜落したということも聞いておりませんし、私どもとしては誇るに足るF86が今できつつある。このことから見れば、私の方へ来ましても一つも間違ってはおらぬ。むしろどっちを先にするかといえば、いい戦闘機を作る、間違いのないようにする、せっかく日本でジェット戦闘機の実績を持っている三菱を生かす、こういうことから見れば、私は間違っているとは思いません。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 私の言い方も少し過激であったかもしれないが、しかし、あなたの言葉からいえば、できないとは言わないが、経験もなし、困難であるという言葉であなたはお言いになりましたね。それはわかりました。  そこで、今度川崎とあなたの方で仕事を分担する。川崎が下請になるわけですが、あなたの方の一社ではできないから、川崎に頼むのですか。これは政府の方から、川崎にいくべき筋合いもあることで、あなたの方に実績もあることだから、やるのなら提携してやった方がいいと言われるから提携するのですか。あなたの方でできないから、川崎にも協力を求めるのですか。この点はどうですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。これは私の方だけに限りません。川崎さん自身でも、今の日本の設備、人員をそのままにしてはできないと思います。それで、二重設備になるおそれもございますので、いずれにしましても川崎さん、三菱が協力して今度のロッキードは作るべきものだと心得ております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それはけっこうなんです。川崎とあなたの方で提携してやられるのはけっこうなんです。そこで、私はあなたの方の協力について聞いておる。あなたの方でこれを単独でやれと言われた場合に、あなたの方でできなかったのか。それとも、やればできるけれども、提携した方が有利だから提携するのか。この点をお聞きしたい。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私の方に、もしたくさんな新しい投資をし、人員を増加すればできないことはないと思います。しかし、航空機工業の将来なんかを思いますと、そういって人員をふやしたり、さらにまたこれ以上あまり多くの投資をするということは、会社としては差し控えたいと思います。やはり川崎さんの御協力を得て作るべきだ、こう心得ております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それはけっこうなんですが、投資をするということは設備をふやすということなんです。今足りない設備をふやせば、あなたの方だけでもできる。技術的にもできる。設備の上からもできる。こういう確信は持っておるけれども、提携した方が有利だから提携するんだ、こういう御答弁のように私は解釈できるが、その通りでいいか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。その通りでございます。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 淡谷君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも、私さっきからいろいろ証人のお話を聞いておりますと、受け取れないことがたくさん出てきたのです。その中の一つに、グラマン機にきまったときに、係の人が顔面蒼白になってかけ込んだというのは、意外に思って顔面蒼白になったのか。あるいは図星だったので緊張のあまり顔面蒼白になったのか。顔面蒼白という言葉だけでは、ちょっと理解できないのですが、証人は一体どういうようにおとりになったか。お聞きしたいと思います。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。おそらく私は、想像でございます。想像を申し上げることはおそれ入りますが、グラマンということは予期していなかっただろう、こう解釈しております。私自身がグラマンという言葉を聞いたのは、そのとき初めてでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっき証人はノース・アメリカンならば知っているというお話でございましたが、ノース・アメリカンの方は、そのときに若干お話しになっておったのですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。その当時ノース・アメリカンの方はすでにF86を作っておりますし、それから技術陣もたくさん来ておりますし、社風とか会社の関係もよくわかっておりますし、そこにもやはり次期戦闘機の候補としてF100というものが当時ございました。F100なら私の方は非常に便利だなということを、私も考えておりました。しかし、そのことについても何らの運動をいたしておりませんでしたから、結局表面に出なかった。こういうわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 F86Fをその当時お作りになっておったことはわかっておりますが、政府の借入金などもたくさんあったという報告があります。これは一体いつの納期で、現在どういうふうになっておりますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。大体今年一ぱいでございましたが、仕事量が非常に減ってきましたので、私の方も防衛庁にお願いいたしまして、来年の暮れまでに三百機完納することになっておりますが、現在でき上ってお引き渡ししたのが二百三十機を少し出ているのじゃないか。あと七十機か六十五機くらい残っておるのじゃないかと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 防衛庁に聞きます。このF86Fは日本の自衛上の必要から今年中にはどうしても作らなければならないということを、しばしば答弁されている。それが新三菱の方から要求があったというので、一年間延期をしてもいいような、国防上の見方は一体どうなんです。これは本来の納期なんです。現在はいつまでにこれを納めさせるつもりか。防衛庁の見解をお聞きしたい。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 これは第一次防衛計画等も相当修正されて参りましたし、それに。パイロットの養成が間に合わなかったというような点も考えまして来年の十二月までに納めてもらう、こういうことに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 たった今、証人から、私の方の仕事の関係上もあって防衛庁にお願いして一カ年間延ばしてもらったという証言があったのですが、偶然にも、いみじくも相一致したのですな。どうですか、この点は……。あなたの方では、ちっともその関係はなしに、純粋に防衛上の見地から一カ年延ばしたというのですか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 もちろん三菱のそういった状況はわれわれも知っておりました。ただ、われわれといたしましては、そういった状況もありましたが、さらに。パイロットの養成計画等をにらみ合わせて、三菱からいわれることでも大体こちらとしては差しつかえないということで、来年の十二月ということにきめたわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 このF86Fの注文を受けましたときには、随意契約でおやりになりましたか。入札でもされましたか。これは一つ、証人にお聞きしたい。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 F86のときのことは私、一切承知しておりません。当時関係外にございましたので……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 では、防衛庁から聞きます。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 随意契約でやっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 一体防衛庁は、さっきから田中委員からの質問にも答えておりますけれども、莫大な金額のものを、航空機製造事業法ですかをたてにとって、このごろはほとんど随意契約でやっている。独占禁止法というのがありますよ。これだけの大きなものをどんどん一つの会社に、単価もろくにきめないで契約をして、これが一体独占事業じゃないということを言えますか。一体どう考えている。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 これは別に独禁法には抵触しないと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 防衛庁のやることは独禁法から除外するという法律でもありますか。防衛庁の注文を受けたものは、たとい独占的な仕事をしておっても、独占禁止法から除外するという特例がありますか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 さっきも申しましたのですが、技術提携がありますと、それ以外のところでは製造できないわけでございまして、そういう関係でその一社を指定して随意契約をする。なおまた航空機製造事業法、武器等製造法等もありますが、そういうところで規定されておりますれば、それ以外のところは契約できない。こういうことになっておるわけでありましてそういう点で独禁法から除外される、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 きょうは証人が来ておりますから、あなた方との問答はもうやめますけれども、あなたはさっきは特許を持ち出し、今度は技術提携を持ち出した。技術提携がなく、特許がないものでも、あなたの方ではどんどん注文を出しておるのですよ。しかも、会計検査院ではしょっちゅう見積価格が高過ぎると指摘をしておる。これはあとで追及しましょう。一つ十分勉強して、独禁法の答弁なんかもはっきり答えられるようにしていただきたい。  そこで、証人にお聞きしたいのは、今度のロッキードの問題でも、やはり初めから予期しなかったというのですが、単価は百十万ドルの見積もりを立てたとおっしゃっている。ところが、この見積もりも、私としては非常に受け取れないところがあるのです。あなたの方で全然予期していなかったならば、ロッキードにきまるか、グラマンにきまるか、わからなかったはずがない。それが、源田空将が報告書を出しましたのが十一月六日、迅速果敢にこれが国防会議の決定を見ましたのが同じく六日。七日の午後三時にはあなたの方との契約が大体きまっておるのです。契約はきまらぬまでも、あなたの方でやれということは少なくとも言われている。そして見積価格が百十万ドルでできている。この百十万ドルというのは、さっきのお話によりますと、104Aの八十六万ドルという価格がすでにあったのですから、これを開発して104Cにした場合に起こった価格差と思うのですが、この開発をするために一億円上がっているんですね。こうした見積もり簡単に出たか。あるいは根拠があるならば、あるようにお話し願いたい。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします、わずかの間ではございましたが、ロッキード社から資料の提供がございまして、ロッキード社からの資料に基づいて作ったものでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ロッキード社の資料というのは、いつ提出されたのですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 ロッキードの資料が幾らになっておったか、これは承知しませんが、アメリカで作ればこうなる、そういう値段が、時間も何も入れたものがある程度あると思います。それを、この部分を日本でやったらこういうように値段が変わってくる、そういう修正をしたものが今度の見積もりであったわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ロッキードの資料では、アメリカでの製作費は幾らになっておりますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 これは私、はなはだお恥かしゅうございますが、承知いたしておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、この価格の見積もりの詳細にわたって当たった人のお名前を聞かしていただければ幸いだと思います。だれが一体この見積もりをやったのか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 これは私の方では大体航空機部長と名古屋の所長、これがおもに関係していると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 今の航空機部長は何という人ですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 由比と申します。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 由比と申しますと、さっき小川さんから言われた天川その他と盛んに活躍した人ですが、通産省は、大体この見積書を算定して契約をおきめになるときに、このアメリカから出しております資料なども、むろん参考にこれはごらんになったはずと思いますが、一体アメリカでの製作費は、ロッキードは幾らになっておりますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 通産省の方としては、再三申し上げておりますように、見積価格というものをあらかじめ提出させ、これに基づきまして生産体制をきめたのではなくて、生産体制を一応きめまして、それから仕様書その他をロッキード社からもらいまして、それから見積もりの計算に入ったわけであります。私、通産省としては、この辺の価格の関係については承知しておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、防衛庁に聞きます。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 もちろん、ロッキードの見積もりもわれわれはとっております。これにつきましては、今度の額は、長官が毎々申しておりますように、これからまた日米交渉をやらなければならない。その際、米国政府側にロッキードの値下げをやってもらいたい点も多々あるわけでございます。そもいう点がありますので、ここでは発言を差し控えたいと思いますが、ただ、前に発表いたしておりました二百機で104C、これはJにならない前、これはずっと国会でも発表いたしておりますが、七十九万ドル、それが国産化条件等を入れますと大体百七万ドルになる。こういうことを国会でも御説明申しております。大体そういったことで御推察願えるであろう、百十五万ドルを割るという計算からそれを逆算していただけば、大体ロッキードのアメリカ価格というものが出るのではないか、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも回りくどい御答弁ですが、今、防衛庁が決定した機種というものは104Cじゃないのですか、104Jなんですね。どっちなんです。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 104Jであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 証人にお伺いしますが、見積もりを出されましたのは104Cだという。今、防衛庁の決定したのは104Jだという。一体あなた方の見積もりは、どう変わるのです。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私はきょうの証言の中にも、104Cとも、また104Jともまだ言ったことはございません。今初めて申し上げると思うのですが、もちろん私の申し上げることは、日本で作ります。104Jのことだと解釈していただきたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その見積もり価格は百十万ドルでいいのですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 これも詳しいことは承知いたしませんが、たとえば材料だけ向こうからくる分もあるのでございますが、それを供与とする場合と、供与でなくて、正規の輸入税を払い、いろいろの手数料を払っていくのと若干の開きが出てくると思います。そういう場合には若干高くなると思います。飛行機を作る部分は、材料だけは日本でできない材料があるわけであります。その材料はただでもらえる、こういう計算になっていると解釈しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これだけの巨額の国費を要する購入にあたってほとんど一社に対して、単価の決定も見ないし、入札もしないで随意契約をするのですから、これは次第によっては、やはり独占禁止法の大きな問題を起こすと思う。それに対してあなたは、104Cともおっしゃらなかった、Jとも言わないというのですが、今のお話ではっきり104Jを作るということがわかりました。  防衛庁は、こういうような契約にあたりましてあるいはこの契約後の処理にあたりまして新三菱の方で手に入れておるアメリカ側の製作費の資料はお持ちになっておると思う。そんなことは軍事上の秘密でもなければ、何ら隠すべきことでもない。国会に出た以上は、当然質問に答えなければならぬと思いますが、アメリカ側の製作費は一体幾らになりますか。防衛庁はきめたのだから、知っているでしょう。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 さっきも申しましたように、これにつきましては、これから日米折衝をやるわけでありまして、ロッキード側の費用につきまして、われわれもロッキードといろいろ交渉いたしまして、ある程度は下げてもらいました。ただそれ以上に、われわれはアメリカ側に下げることを期待しておるわけでありまして、これはアメリカ政府が、従来ともロッキードの内容を一番よく知っております。また104A等も買っておりますし、104Cも買っております。なおアメリカ側としても、今度の製作につきましては、アメリカが金を出して負担するわけでありまして、そういう面から、アメリカ政府に、ある程度ロッキードの値段を下げてもらいたいということを希望いたしておるわけであります。そういう点につきまして、なお交渉が残っておりますので、それまで差し控えさせていただきたい、かように申しておるわけであります。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 ちょっとこの際、お尋ねしたい。今百十万ドルというお話があった。聞いておると、その中には、ただでもらえるものを予想して百十万ドルと出ている。その中にはただもらえるものを相当量見込んで、その正味要る金が百十万ドルですから、そうすると、ただもらえるものと見込んでおるものはこの中に、金額にするとどのくらいあるのですか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 新三菱が、アメリカ側から無償供与で受けられるということを見込まれておりますのと、われわれがそれは無理だと思っておりますものの違いは、今、証人からも申されましたように、輸入材料の一部、これが大体二千五百万ドル、それから官給品、これがアメリカ価格の七千万ドルだけ入っております。これはやはり全部アメリカから無償供与を受けるというような前提に立っております。これが非常に違っておりますので、それをわれわれが、アメリカからその中でどれくらい無償供与を受けられるだろうかという一応の希望で、アメリカにも出しております。その額で申しますれば、大体その価格に九万ドルくらい加えなければならぬのではないか、かように考えております。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 そうすると、全部買う参とすれば百十九万ドルということになる。大体そう見当をつけていいか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 約でございますが、大体そういうことでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも、ずっと聞いておると、ばかに回りくどい答弁をされますが、新三菱の方では、アメリカのロッキード社からロッキードの資料が手に入って、その資料に基づいて見積書は作ったのですから、しかも単独見積書ですから、この見積書の正当性をあなたの方でつかむためには、当然ロッキード社から出ております製作費の表などもごらんになったと思う。それが幾らになったか。簡単に教えたっていいのじゃないか。回りくどい答弁はされなくても、その数字を言ってくれればいい。現在アメリカの主張しておる金額は幾らなんです。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 これはさっきから申しておりますように、たとえばわれわれがロッキードが申しておる価格幾らと申しますと、大体それにつきましてわれわれは正当性を裏づけるようにお話申し上げなければならぬと思いますが、その場合、これをまたアメリカ政府と値下げを要求します場合に、非常に支障になるんじゃないか、かように考えております。それで、交渉が済みますまで一つお待ちを願いたい、こういうように申しておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも、私にはそんなことまで秘密にするのがわからないわけですがね。これは証人の方に一つお願いしますが、どうも実際この問題は、グラマン以来大へん国民の疑惑を招いておる。この委員会の空気でもすでにおわかりと思いますけれども、あなたの方はまだ疑われています。あなたは非常に潔白なことを言っておりますが、このままでいったのじゃ、なかなかこの疑いは晴れないと思う。ことに、ただわからないといって、この委員会でお答えにならない。ロッキード社の資料の数字さえ防衛庁は言わないのです。しかも、防衛庁とあなたの方との契約で勝手に値段がきめられると思えば、とうてい国民は納得できないと思う。私は、すみやかにあなたの方でお調べになって、委員会にロッキードの出した資料というものを御提出願いたい。  特に防衛庁の方に申しますが、赤城官房長官は値下げするという条件で、百十五万ドル以内、こう言っておる。すでに見積もりは百十万ドルですよ。これは値上げじゃないですか。一度は百三十万ドル、百五十万ドルなんて言っておいて、今度は百十五万ドルに下げますなんということを言いながら、実際は新三菱の百十万ドルよりも高くなっておるじゃないですか。これでは源田さんだけではない、赤城官房長官自体もサーカスをやっているのですよ。宙返りをやっておる。誠意のあるやり方でもって国会の質問に答えてもらわなければ、われわれ、信頼するわけに参りません。一体、その関係はどうなんです。アメリカの方でまけてくれないだろうから、かけ引きをしてそれを秘密にしておいて、われわれの方だけでやるんだというのは、これは全く防衛庁の独裁ですよ。その独断的なやり方をもって国費をたくさんに使うということは、これはとうてい看過できません。はっきり答弁して下さい。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 さっきも申しましたように、三菱側の見積もり百十万ドール、これはそれにいろいろ材料及び官給品等の条件を加味しますと、百十九万ドルになりますということであります。それをいろいろ交渉しまして、百十五万ドルを割るところまで一応話をつけまして、米側に申し込みをしたわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうすると、新三菱さんの方では、百十万ドルというのは、官給品を見込まなかったのですね。あるいはまたエンジンなども、さっき聞きますと、四十機分はアメリカから取るんだ、あとは国産するんだ。一体、見積もりはどっちの方でそれを書かれたのですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答え申し上げます。私の承知しております。範囲においては、一応エンジンも米国のものを輸入するものとして計算して出してあると承知しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 官給品の点は、どうですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 官給品ももちろん、ロッキード社のこれではこれだけかかるというものを、そのものの数字でやっておると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうすると、答弁が食い違いますよ。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 どういうわけ……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 防衛庁の方に言うのです。百十万ドルに九万ドルの差があるから、百十九万ドルになる。新三菱さんの方では、入った見積もりだ、こう言う。全然食い違っているじゃないですか。だから、私はこういう点について、はっきり出しなさいと言う。あなた方は、軍事上の秘密の陰に隠れ、今度は商売上の秘密の陰に隠れて、国会を侮辱している。数字を出さなければ、どっちが正しいかわからぬですよ。ロッキードの資料だけはこの席上でお話し願います。どういう理由で話ができないのか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 さっきも申しましたように、輸入材料につきましては三菱側の見積もりはMAP供与、これは運賃も何も要らない。アメリカ側が軍でこちらへ持ってきてくれるわけであります。そういう前提に立っております。それから官給品も全部同じようにMAP供与、こういうような前提で見積もりが作られております。われわれは、これはやはり一般の輸入、コマーシャルの輸入でなければできない。なお官給品の一部につきましては、国産もしなければならない。そういう前提でできておりますから、その間の見積もりの差が大体九万ドルぐらいある、かように申しておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これを契約した場合の事情と今とでは、事情が変わっているのですか。見積書を要求するのはあなた方でしょう。どういう条件で、こういうふうな仕様書でこういうふうなものを作るんだということをはっきり示さないで、見積書を要求されたのですか。そんなでたらめな要求がありますか。それとも、その当時から見て、わずか一カ月足らずに条件がそんなにはげしく変わりましたか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 飛行機の性能、装備、そういうものは明確に三菱及びロッキードに伝えてあるわけであります。ただそれを、御承知のようにアメリカ側も負担するわけでありましてその負担の分野がどういうようになるかということは、今後アメリカ側と折衝していかなければならぬわけでありますが、三菱側としては、まあ単価を安くするためにほとんど全部をアメリカ側負担、こういうような見積もりになっておるわけであります。これはわれわれとしては、やはりいろいろアメリカ側と今まで折衝しております関係上、あまりとっぴな負担を要求することも無理だろうということてその点を修正いたしたわけであります。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 淡谷君にちょっと御相談申し上げますけれども、政府関係の人はこれから幾らでも、これだけで済むわけではないんですから、証人に質問を集中せられて四時十分に終わるということを先ほどちょっと聞きましたけれども、なるべくそういうふうに運んでいただきたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、防衛庁に対しては、まだまだたくさん聞くことがあります。どうしても納得いきません。  それで、証人に重ねて伺いますけれども、いや、あなたはどうもあまりえらいので、実際の交渉に当たっていることはお知りになっていないらしい。特に天川や吉村、その他由比航空機部長ですか、暗躍されたことは、てんであなたはたな上げになってしまっているらしい。そうしますと、今の見積書の要求などをじかに受けて、作るに当たった人というのは、由比さんに聞けば一番わかるのですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。むしろ名古屋航空機製作所の当局の方がよくわかると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それから、この見積書は防衛庁の方から要求されて出したのでしょう、通産省の方じゃないというのですから。防衛庁の方から要求があって出したものと思いますが、この点どうですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私の記憶では防衛庁の方に出されたと聞いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それから、念のため伺いますが、十一月七日午後三時、通産省の方に呼ばれた方々というのは、どういう方々ですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 私の方では社長である私と担当常務、多賀と申しますが、二人で参りました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのとき、通産省と防衛庁からはだれが行っていましたでしょうか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。御示達は、通産省の小出重工業局長と、それからそのほかに防衛庁の装備局長が来られました。両方の航空機課長がおられたように記憶しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もう終わりますが、あるいはまたこのあと事情をよく知っていて、直接契約に当たった方においで願うかもしれません。ただ、証人に私お願いしておきたいのは、事、国費を多額に使う問題でもあるし、特に防衛庁のやる仕事は非常な疑惑を招いておりますから、あなたがきれいな証言をされたほど、この際疑惑を解くために、このあとでも一つ御協力を願いたいのです。もし、こんな大きな仕事、しかも国防に関係があると称しておる仕事が、何か疑惑に包まれるようであっては、国の将来にもおもしろくありませんし、今あなたがじかにお聞きになった通り、どうも防衛庁は防衛上だけではなくて、商売上の秘密の陰に隠れて、なかなか数字を明らかにしてくれない。これはあなたの方じゃ純粋に実業家だから、そういう配慮はないと思いますから、今後とも一つ十分、あるいはまたお聞きする機会もあるかと思いますので、これでやめておきます。  最後に一つ、防衛庁にお聞きします。さっき十一月七日の会合に出た人、今新三菱の方から聞きましたが、川崎航空の、席上に出られたのはだれですか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 川崎の方の言い渡しの場合におきましても、私と航空機課長が列席いたしました。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 最後に淡谷委員から、こういう大事な問題に、国民の疑惑を解くことに協力してほしいとおっしお、いましたが、このことについては、私いかなることでもする用意がございます。私自身としても迷惑千万と思っております。ことに四十年間を三菱に過ごしまして、自分自身としましてはまっすぐの道をまっしぐらに歩んできたつもりでございまして、これをこのときこそ何かお役に立てば、必ず協力して疑惑を解きたい、こういう熱意を持っております。それだけをちょっと申し上げておきます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまの社長の言葉を聞いておるんですけれども、やはりそうだとは思うのですけれども、疑問があるので伺わなければならぬわけです。実は名古屋の飛行機の製造会社の視察を、決算で実はやったことがあるのです。そのときに私は末席を汚して行ったんですが、F86が——そのときの話ですけれども、来年の三月に今やっている仕事が終わるんだ、こういうお話でした。そのあとの仕事がなくなるわけなんです。どうか一つ皆さん御協力願いたいという、当時常務だったと思いますが、私は今ここに名刺を、持ってきておりませんけれども、常務の方がいんぎんなあいさつをされたんです。私はこれらのことを勘案して、今日見ましたときに、やはりこれは私が意識的に考えているから誤解があるのかもわかりませんけれども、当時——去年だったと思います。行ったのは。そのときに、来年の三四月と言ったんですから、ことしの三月のことだと思いますけれども、F86の仕事が終わるんだという話を伺って、そのあとの仕事を一つどうぞいろいろ御協力願いたい、こういうふうな意味のあいさつをされたんです。これはやはり私も疑問に思っている一つなんですが、どんなふうな意図であったか。そのときの仕事の内容等がわかれば、その実態がここで私の方でもわかるんじゃないかと思うのですが……。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。御視察を願ったということも、私も記憶がございます。係の常務から聞いております。その当時FXが未決定のために、私の方に五千人以上人を抱えておったと思いますが、それをどうするかという問題が頭痛の種でございました。もしFXがなくなったら工場の人員を半減するか、あるいは三分の二にするか、そういうことまで考えて、みんな非常な悲壮な気持になっておりました。おそらくFXが早くきめてもらいたいんだ、こういう意図から出てきた以外の何でもないと思います。  なお申し上げますが、私どもはヘリコプターも若干作っておりますし、それから米軍の飛行機の修繕、それから改装をずいぶんやっておりますが、やはり主流は、今といえども半数以上がF86の仕事になっておりますが、それがなくなりますと、要するに半数以上のものが遊ぶ形になる。そういう事情であったものだから、担当常務も早くきめていただきたい、おそくきまればきまるほど、おそらくその空間に余剰人員が出る。こういう事情からだったと推察できます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 そうすると、次の仕事までの間に、たとえば一カ月の間に十機製造ができるものを、次の依頼がないとすれば、人手を遊ばさないために五機作って、次の目安まで飛行機を作る場合の引き延ばしということは考えられますね。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 それは、何も十機作れるものを五機で済ますということではなくて、五機の仕事は五機の仕事でやりまして、あとの足らぬ五機は修繕をとるとか、正直なことを申しまして人員も若干減しましたけれども、名古屋製作所の仕事も加勢して、そうして切り抜けてきておるわけでございます。何も航空機製作所だけの仕事でなくて、名古屋製作所ともう一つ別に工場がございますが、その方の工場の仕事まで航空機の工員が行って仕事をしておる。これが実情であったのであります。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ついでですから伺いますが、政治資金規正法に基づいて政治献金等がなされておるものと思いますが、新三菱でそういう献金等がなされておる事例がありますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 お答えいたします。私の方は、特に政治献金ということではございませんが、御承知と思いますが、経団連から一部その方に使われるという会費を納めております。ときにまた特別会費というものを納めております。それ以外はございません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 どのくらいな金額になりますか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 これは私、はなはだ不敏でございまして、記憶いたしておりませんが、私らの会社でも、やはり税法上にも何か制限がございますね。金額というものは、これはいろいろな交際費まで入っての規制なのでございます。寄付金、交際費をやって、これ以上は出すことはできぬというなにがあります。その金が一期間に何か、千五百万円か二千万円くらいであったのか、そんなくらいじゃないかと思いますが、そういうものを含めての規制金額でございます。事実いかほど出しておりますか、私覚えておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまのお話を伺いますと、仕事の内容等においても、何かあなたの方では国民車なども作られる話を新聞で見たことがありますが、そうすると、航空機の仕事の手があいたというような場合には、何か余剰力をほかの方に回しておるから、別に戦闘機の経費の上においてそれが加算をされるということの状態はないわけですか。

吉田義人新三菱重工業株式会社社長

○吉田証人 そういう御心配はないと思いますが、御承知のように名古屋には航空機製作所と名古屋製作所と申して、二つの工場がございまして、航空機の方は航空機、名古屋製作所の方は一般機械、自動車、いろいろなものの仕事をしておるわけであります。それで、航空機は航空機だけでいきたいのでございますけれども、もし、余剰の人員が出れば遊ばすわけにいきませんので、それで名古屋製作所の方の仕事を加勢させる。こういう意味でございます。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 証人には長時間にわたり証言をいただき、御苦労でした。どうぞお引き取り下さい。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 お諮りいたします。会期も切迫いたしましたので、もし閉会中審査の必要の生じました場合は、この申し出の取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 御異議なしと認め、その通りに決しました。  本日はこの程度にとどめ、散会いたします。     午後四時十分散会

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