P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
33回国会衆議院1959/12/11

決算委員会 第10号

発言数
73
登壇者
8
会派数
2
開催日
1959/12/11

会議録

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  昭和三十二年度決算外三件中、防衛庁所管について審査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。  田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 防衛長官にちょっとお尋ねいたします。最終的にロッキードの一機の値段は幾らに決定したのですか、あるいはまたする予定なのですか、お伺いいたします。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 最終的にはまだ決定いたしません。というのは、私どもも折衝を続けて、価格をできるだけ国民のためにも安くしたいという折衝を続けております。同時にもう一つ、アメリカとの全体としての費用分担の取りきめをしなくてはなりません。アメリカ側から来てもらって、対米折衝を始めようと思っています。それにつきましては、書類を出して折衝に入ろう。書類を出すのに価格が漫然としていてはこれは困りますので、われわれが今までつめた中間的な価格でございます、それを出しまして、折衝の過程におきまして、分担を折衝すると同時に、アメリカ側にもたたいてもらうし、こっちでも価格を合理化するということを続けたいと思います。その書類に掲げた価格というものは、今一機当たり百十五万ドルを割った価格であります。何千ドルというようなことはちょっと申し上げるのは控えさせていただきますが、百十五万ドル以下になっております。そういう状況になっております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ロッキード社がこの決算委員会に最終的に出しました当時の価格は八十六万ドル。それに今度はレーダーがついております。それから機関砲というようなものもついておる。レーダーの方では五万ドル、機関砲の方でも五万ドルくらいでございますから、九十六万ドル、これが普通の予備品をつけない価格でなければならぬのです。今、長官から聞きますと、百十五万ドルということになりますと、非常にこれが高い。  そこで、私たちがロッキード社から調べたものによりますと百五万ドル。そのうち向こうで、こちらの折衝の仕方によっては、百二万ドルくらいまで引いてもいいんだということになっておるのです。そこに重工業局長もおられますが、これを値段もきめないで指定工場を新三菱重工業にきめたために、そういうような値段でいかない。新三菱重工業でやると、どんなにしぼっても、川崎にやらせるよりは五万ドルは高いというだけのことは、資料ですっかりあげたのです。これについて長官がどう思っておられるのか。私の言ったことと違うような資料を持っておられるのか、違う考えを持っておられるのか。これをお聞きすると同時に、重工業局長には、値段もきめないで、国防会議できまったその晩に、いきなり、通産大臣の権限があるからといって、だれも予期しておらなかった新三菱重工業にすぐにそれを指定されたその根拠、これについてお伺いいたします。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 御指摘の資料も一つの資料だと私、承知しております。  それから、私どもは、最終的といいますか、最終的の前ですけれども、ことしの六月、白紙還元する、そのときにとりました、国防会議で出しました資料で、そのときには日本の生産価格として百七万四千ドル、こういうことに出ていたわけであります。それからこの間の国防会議のときには、やはりこれがどこにきめるということでなくて、全体からとった価格、これはずっと上でございます。その当時の内容と少し違ったところが今度装備にあるので、ふえるもの、減らすもの、いろいろあるものですから、こまかく分析して、今のところまではきたわけであります。しかし、御趣旨に沿うようになるべくこれから対米折衝の過程におきましても努力いたしたい、こう考えております。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 生産会社の指定の問題に関連してのお尋ねにつきましてお答え申し上げます。御指摘の通り、国防会議において機種を決定いたされました直後におきまして、通産大臣から発言をせられまして、国防会議の全員の了承を得た生産体制をきめたわけでございます。この間の経過につきましては御承知の通り、源田調査団が参りまして、それが帰ってくる時期も大体わかっておりましたし、また源田調査団が対象として取り上げております機種も、あらかじめ五種類ということが最初からわかっておったわけでございます。生産体制につきましては、どの機種になった場合にはどうするかというきめ方でなくて、その対象になっております五種類の機種いずれの場合におきましても、国内の生産体制といたしましては、設備能力なり、あるいは技術能力なり、また現在の作業の量なり、その他全体を総合的に勘案いたしまして、新三菱重工を主とし、川崎航空機に協力をしていただく、こういうふうな体制にいくのが最も合理的であろう。これを非常に急ぎました関係は、御承知の通り、機種がきまりますると、直ちにそれに基づきまして一応予算の原案を作らなければならない。そういたしまして、さらにアメリカとの分担金の割合でありますとか、いろいろ折衝の段階もございますので、時間的な関係上、やはりできるだけ早く、同時にその生産に入り得るような体制も作っておく必要があろう、こういうことでございました。従いまして、前々から防衛庁等と打ち合わせをいたしまして、それらの点について研究、調査をいたしておったわけでございます。そのような事情は、昨年グラマンに決定いたしました際におきましても、御承知の通り、国防会議の内定がございまして、それからたしか五日後でございましたかに、会社を指定して、これを呼び出して通告をしたというような事情もございました。その際におきましても、やはりあらかじめ機種がきまります前に、生産体制につきましては、防衛庁といろいろ打ち合わせをいたしまして、あらかじめ研究を終わっております。その後の事情等も考慮いたしまして、私どもの方といたしまして、あらかじめ研究しておりました資料に基づきまして生産体制を取り進めた、こういう関係でございます。  そこで、これは価格の点につきましては防衛庁長官からお答えになりましたが、つまり売手、買手と申しますか、発注者でありまする防衛庁の方が中心になりまして、ただいま予算の基礎になりまする数字等につきまして、価格の交渉をしておられる、こういう段階でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 関連質問。今、局長の答弁をお聞きしていて私が不思議に思ったのは、初めから——源田さんはなるほどすぐれたパイロットであるということは、これは私も認めます。しかしこれを非常に偶像化して、神格化するような少し手の込んだ宣伝をしているのではないか、こう思っておった。ところが、今お聞きすると、源田さんがあちらへ行って調査したことは、最初からわかっていたのだというあなたの御答弁だった。あなたは源田さんがあちらへ行って、機種はロッキードだということは初めからわかっておった、こういうことなんですか。どういうことなんです。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 私の申し上げ方があるいは悪かったかと思いますが、私が申し上げました意味は、源田さんがアメリカへ行かれまして、源田調査団が調査をされる対象になっておる機種というのは、御承知の通りグラマン、ロッキード、コンベア、その他全部で五種類のものが一応初めからあって、それぞれの安全性その他について具体的に研究してくる、こういうことでございました。それらの対象の範囲がわかっておった、こういうことでございました。つまりそれ以外の、全然われわれの予知しない、全く新しいタイプのものでなくて、一応問題の対象になっておりまする機種はその五種類であった、こういうことでございまして、ロッキードにきまるか、きまらないかということは、これはもちろんわれわれといたしましては最後まで関知しなかった問題でございます。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 今あなたの答弁を聞いて、それはそれでわかった。ただし今の五種類は、これはあなたばかりでなくて、だれもがわかっていた。今のあなたの田中さんに対する答弁では、ロッキードが最初からわかっておったということ、これは速記録を見なければわかりませんが、私はここで聞いておって、ロッキードとあなたは最初からわかっておったというようなことを印象づけるような答弁をしておる。だから私はおかしいじゃないか、あなた自身が最初からわかっていたということ自体がおかしいじゃないか、こういうことを言っておる。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 私の答え方があるいはそういう印象を与えたとすれば、それは非常に私の申し上げ方が悪かったのでありまして、そういう意味で申し上げたのではなくて、源田さんが研究される対象となっておる機種は、これとこれとこれとこれとこれの五つある。従いまして、その五つのうちのどれにきまるにいたしましても、生産体制はこういうふうに考えたい、こういう意味で研究しておった、こういうことでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 これはどうも、小出局長、重大な問題だと思う。五種類の調査に行かれて、その五種類の候補機がどれにきまろうと、きまったら新三菱重工業にやらせるのだというようなことをあなた方が考えておられたということは重大なんだ。少なくとも私は、このロッキード対グラマンというような問題を調べてきたときに、あらゆるところで、防衛庁の方々と、グラマン社あるいはロッキード社の人々が会っておられるときに、ロッキードになったならば、これは川崎、グラマンになったならばこれは新三菱だ、というような深い印象を与えておる。だれも常識的にこれを考えておった。もしロッキードにきまったら川崎に——霞町ですか、会議をしたときに、私の方にやらせるのかと言ったら、ロッキードにきまったら君の方にきまってるじゃないかと言って、にこっと笑われたということまでわれわれは聞いて調べておる。きょう私は資料を持ってこなかったが、持ってきてもいい。どこで、いつ幾日の会合かということを出してもいい。しかも、これはあなたがやるのではない。池田さんの金でこれは製造するんじゃありませんよ。国民の税金でやる。しかも千何億というこの戦闘機を向こうに調査に行って、どれにきまってくるかわからない。わからないけれども、どれにきまってきても、新三菱に主としてやらせるということをあなた方がきめておったとしたら重大じゃありませんか。そんな権限はどこにあるのですか。あなたがもしこの戦闘機を生産させるために、そういうふうに前から準備をされておったなら——ここに防衛庁長官がおいでになりますが、防衛庁にも技術者がおる。あなたとか、池田さんは戦闘機を知らない。われわれより知らない。けれども、そういう知らない人でも、そこに権限があるとするならば、もしきめるということになるならば、あなた方が富士重工業、あるいは川崎航空、あるいは新三菱重工業等を視察されて、そうして職工の状態あるいはロッキード社その他、どこにしたならば、どんなつながりがあるか。たとえばグラマンにきまり、コンベアにきまれば川崎ではだめなんだ。つながりがない。そういうような点をよく考慮に入れられて、そうしてきまってきたならば、国防会議でそれをきめられて、国防会議においても、これはどっちにさせたらいいか、それにはやはり防衛庁長官とか、防衛庁のそれに対するところの識者を連れてあなた方と池田通産大臣が行かれて、各工場を視察されて、見積書を出させればいい。その見積書が出た上でだれにさせるということをきめるのか、これが当然じゃありませんか。何をやるにしても、そうでしょう。千何億というものを製造するのに見積書もとらない。どの戦闘機がきまるかわからないうちに、きまってきたらこれにやらすんだという、そういうことをきめてあなたは済むと思っておるのですか。どうです。そういうことをやられたのか、やられないのか、御答弁を願いたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 生産体制をきめるにあたりましては、申すまでもなく、今御指摘になりました。これは日本の技術では全然できない面が非常に多いわけでございますので、技術提携をしなければならぬわけであります。従いまして、すでに過去において、たとえば川崎航空におかれては、P2V—7、T33Aというような機種につきましてロッキード社と技術提携をせられ、いわゆるロッキード方式というものにも相当なじんでおられるというような実績は、もちろん私どもは承知いたしておりまして、それらの関係、これは一つの技術経験を判定する上におきまして、重要な要素の一つとして十分検討いたしました。また新三菱につきましては、御承知のように、ノース・アメリカンとの技術提携もございますし、ただグラマンとの技術提携はもちろんまだなかったわけでございますけれども、それらの各社のそれぞれの技術提携の経験というものは、もちろん十分考慮の中に入れました上で総合的に判断いたしたわけでございます。従いまして、もちろんこれらの設備なり、技術なり、生産の状況等、全体を総合的に勘案するにつきましては、防衛庁当局ともかねてから十分連絡をとり、またそれぞれの担当者が工場等を視察いたしまして判断をいたしたわけであります。従って、全然そういった過去の技術提携の経験等を無視して、ただ全然無計画に、あるいは何らの総合的判断なしに、新三菱ということをあらかじめ予定したわけではございません。いずれにいたしましても、御承知の通り、新機種というものは一社だけでは単独生産できないものであります。それにつきましては、生産を担当する——これは御承知の通り、航空機製造事業法におきましては、生産事業の許可を受けますのは、機種ごとに事業の許可を受けるのでありまして、その事業の許可をいたします対象は、一社にならざるを得ないような法律上の形になっております関係上、やはりそのものを事業許可の対象といたし、そうしてそれに対して防衛庁が契約をする、こういうような建前にいたしたわけであります。ただ御指摘の通り、あらかじめどの会社にやらせればどのくらいの値段になるというようなことがわかっておれば、これまたもちろん重要なデータとして参考にしなければならぬかと思いますけれども、機種のこまかい点がきまらない場合におきましては、そういうような点につきましては、一応生産体制をきめまして、その会社とそれから協力をいたします川崎等も入れまして、そうしてロッキード社と防衛庁が入りまして、それからいろいろ経費の分担なり予算の査定なりということに入らざるを得ない。こういう段取りになっておった関係上、そういうふうな処置をいたした次第でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ここに防衛庁長官がおられるが、この前、防衛庁長官にこの決算委員会でただしたときに、それは池田君の方で権限があってきめて、きめてから話があったし、いろいろ聞いてみたら、なるほどという点があったから同調したと言われておる。あなたの方には、これは輸出、輸入の関係上、そういうものを取り扱う関係上、通産省にそういうような権限があるというだけであって、本来から言えば、通産省には戦闘機なんか縁のないものだ。ただ、物を輸出したり、輸入したり、いろいろなものを外国から買ったりする関係上、通産大臣に権限がある。これは法律がそういう工合に作られておるとするならば、法律の作り方が根本的に間違っている。そういうものじゃない。さんざんグラマンとかロッキードとか、その他いろんな戦闘機で問題を起こして、国民の疑惑に包まれている中にきまったのだから、なお慎重にやらなければならない。しかも新三菱には佐薙の子供がちゃんと行って勤めておる。このグラマン戦闘機にきまったらさせるということで、勤めておる。佐薙も新三菱重工にちゃんと顧問として入ることになっている。聞くところによると、源田さんもやめたら新三菱に入るという約束があるそうだ。池田さんは新三菱とはずいぶん深いつながりがある。私はこれ以上言わない。しかし、あなたがそういうものをきめるとしたならば、少なくとも、たとい国民の前に義理にしても、一応富士重工だって作るだけの、ちゃんとやはり指定工場なんだから、ああいうふうなところを一応歩いて、そうして全部を調べなくちゃならない。今あなたの言われるように、新三菱重工業を調べたと言われるが、何を根拠で、どういうものを根拠で、川崎との設備が違ったので新三菱重工にきめられたか。それを一つお尋ねいたしましょう。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 最後の点につきましてお答えをいたしまする前に、通産省がこの航空機製造事業の許可をいたします根拠でありまするが、それは輸出、輸入の関係があるから通産省が所管をしておるわけではございません。御承知の通り、航空機製造事業法という法律がございまして、これは戦後、終戦直後は日本は航空機の生産、修理を一切禁止されておったのでございますけれども、昭和二十七年に製造、修理の再開を許されました際におきまして、しかしそれはやはり一定の条件を備えたものだけに特別に航空機の製造の事業を許可する。こういう建前になりまして、航空機製造事業法に基づきまして事業の許可をしなければならぬ、こういう建前になっております。従って、輸出、輸入の関係は別にいたしまして、とにかく事業そのものを始める際には、通産大臣の許可を受けなければならない。そういたしまして、その航空機が防衛庁のお使いになる航空機でございまする場合におきましては、防衛庁長官に意見を聞いてきめて、許可をしなければならぬ。こういう建前になっております関係上、通産省がまず、こういう会社に事業の許可をする予定であるということをきめたのでありまして、その予定の会社に対しまして防衛庁が発注の契約をする。契約の当事者は防衛庁になる。こういうような関係になっておりますことを、まず御了解いただきたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それであとのことはよろしい。それについて聞きます。  あなたは、今そういうなかなかうまいことをおっしゃいますが、通産省にこの航空機を製造するというような、そういういろいろな面に対して許可のあれを与えたということは、民間飛行機もある。こういうものを製造するには必ず海外とのやはりいろいろな輸出、輸入のことがある。そうしてやはり通産省は、中小企業を監督すると同じことで、こういうものに対する監督を一般にしなくちゃならない。けれども、戦闘機は防衛庁が使うのであって、国防のために使うのであって、通産省が考えているように、航空機の事業を育成するためのみ一方的に考えてはいけないことなんです。それだから、あなたの方でこれはやられる。そういうようないろいろの点から通産省に許可のあれを与えておるのであるけれども、この戦闘機に至っては、これだけ一年半も二年も問題を起こしたこの戦闘機を製造する工場をきめるということについては、少なくともあなたなり、通産大臣なりか防衛庁の人たちを呼んで、そうして相談をして、工場なりを視察するとか、見積りを出させるとか、機械をちゃんとあれしてみるとか、いろいろ——あなたはいろいろおっしゃるけれども、ロッキード社の技師が百人も岐阜に来ている。そうしてロッキードのこの製造する機械というものは、ずっとそれにひとしいものが川崎航空機にはある。新三菱にはない。ただ、新三菱が川崎よりすぐれていることは、職工が少しよけいおるということと、今割合にひまであるということだけである。私は新三菱にやらしたら悪いと言っているのではないが、それだけなんだ。機械は全部今度は新しくいろいろなものをあれしなければならない。しかも、新三菱が今度製造するということになりますと、このロッキード社からとる、アメリカからとるこの部分品も、新三菱が使うのは全部三菱商事がこれを輸入する。川崎航空機の方は飯田とか丸紅とかがやるそうだ。そうなってくると、つながりのない、取引のない——いろいろそれは国家のことだから法律でこうする、ああするということはするでしょうが、そういうものがない者が買ってやるということは、値段が高くなることはあたりまえなんだ。私が何の取引もないのに、きょうメリヤス屋を始めて、メリヤス工場に行って、メリヤスの小売商になりますから、私にメリヤスをこれだけ分けて下さいといっても、何年間のつながりのあるところより安くしっこはない。また私が売るにしても、やはり何年間そのメリヤスのシャツを売っているところよりも、宣伝とか何とか、新しくいろいろなことをやっていかなければならない。こんな小さな事業でも違う。しかも、あれだけの大きな航空機を製造する、あれだけの複雑なものを製造するのには、違うことはわかり切っている。値段が高くなることはわかっている。それをあなたが、単に権限があるからきめられた。権限で済みますか。警察が人をつかまえる権限があるからといって、何もしない人をつかまえることができますか。検事が人を起訴する権限があるからといって、何でも人を起訴することができますか。裁判官は判決を言い渡す権限があるからといって、何でも判決を言い渡すことができますか。やはりそれには相当な調査、相当な理由、いろいろな点を調べて、そうしてその上で検挙するなり、起訴するなり、判決を言い渡さなければならない。それを戦闘機の戦の字も知らないで、池田さんがいきなり、もう向うへ行っているときから、どれにきまろうが製造は新三菱だ。そうすれば、世間に散らばっている、戦闘機はロッキード、製造は新三菱、これでいけばうまくいくじゃないかという言葉がぴしゃっと当たるということなんだ。私は、あなたが前に局長をやっておられたからそれは言わないけれども、ときどきそういうようなあなたが計画をされる。いろいろなことをやられる。このごろの通産省なんかごらんなさい、乱れてきて。一番乱れているのは通産省と農林省だ。あなたはそういう工場を見ないで、見積りを出させないで、その設備を見ないで、ただ、こういうものがあるからといって、書いたもので、それをごらんになって、きめるような権限があなたにあるのですか。池田さんにあるのですか。それで国民に済むのですか。それに対して、あなたの良心に恥じない答弁を一つ聞かしていただきましょう。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 御承知の通り、ジェット戦闘機を生産し得る会社といたしましては、富士重工と新三菱重工と川崎航空、この三社しかない現状でございます。そのほかに新明和等ございますけれども、これはきわめて部分的な経験を持っているだけでございます。そこで、この三社それぞれにつきまして、これはもう昨年来問題になっておる事柄でありますし、私どもといたしましては、相当長期にわたりまして、それぞれの専門の担当官あるいは防衛庁とも十分連絡をとりまして、かねがね調査研究はもちろん進めて参ったわけであります。その結果といたしまして、先ほど申し上げましたように設備、技術、経験その他、それらを全般的に総合いたしまして決定したわけでございます。  これは具体的に申し上げますが、設備につきましては、新三菱重工は御承知の通り、現在名古屋航空機製作所におきまして三つの工場を持っております。川崎航空におきましては岐阜、神戸にそれぞれ持っております。それらの工場の土地なり建物なり、そういう規模等につきましては、これはもちろん三菱の方が大きいわけでございます。そういうような建物なり土地の関係は別といたしまして、中心たる機械設備といたしましては、たとえば新三菱重工業におきましてはスキンミラーとかあるいは大型のけたフライス盤でありますとか、あるいはストレッチャーというような大きな機械を持っております。川崎重工業の機械設備、これらの関係につきましては、ストレッチャーはありますけれども、スキンミラーはない。あるいはけたフライス盤等につきましても新三菱より小型のものであるというようなことが、主要な機械設備については比較できるわけでございます。それから研究設備につきましては、新三菱重工の方におきましては風洞がございますし、またカント・メーターその他のものは、やはり川崎よりも完備しておるというような面におきまして、まず設備面におきましてはやはり能力的に新三菱の方がややまさっておる、こういうふうに考えたわけでございます。  それから、お話の作業員の点でございます。これは新三菱重工は、現在いわゆる直接工といたしましては二千百人、川崎航空は現在千人でございます。ただ、過去におきます実績といたしましては、新三菱の方は昭和三十三年、一番ピークのときにおきましては二千五百人、川崎航空はピークのときが三十二年でございましたが、そのときが千四百人というふうな直接作業員を持っております。これらの作業員の数等から見ましても、三菱の方に余力があるのではないか、かように考えました。それから、現在の仕事の量、作業量でございますが、これは御承知の通り新三菱は月間現在三十八万工数という作業量でやっておりまして、川崎は現在月間十六万工数というような作業量を持っておるのであります。今度の航空機は将来だいぶ先になって生産体制に入るわけでございますので、将来を見通して考えました場合におきましては、新三菱の方は三十六年末に十六万工数くらいに、今のままの状態でいきますと仕事は減少する。そして御承知の通り、先般国会において御承認いただきました日本航空機製造株式会社のいわゆる国産の輸送機の仕事がやはり新三菱、川崎、富士と、それぞれ分けていたしますが、その仕事が始まると仮定いたしましても、三十六年以降はやはり二十五万工数程度というような状況にとどまるわけであります。川崎航空の方は、大体三十六年末くらいまでは大体現在と同じ工数で移行するでありましょうし、三十八年以降におきましてもそれほど減少しない、こういうふうな見通しでございます。従いまして、今回の戦闘機の生産が本格的に始まりますのは昭和三十六年以降ということになりますので、そのときの生産余力というものを見ますと、新三菱重工におきましてはピークのときには五十万工数という能力を持っておりましたに対しまして二十五万工数くらいの余力があるだろう。それから川崎航空におきましては、ピーク時において二十六万工数ということでございますので、やはりこれも十万工数くらいの余力があるだろう。従いまして、いずれも余力はございますけれども、余力の点におきましてもやはり新三菱の方がより多くの余力を有するであろう。かように考えたわけでございます。  それから、経験の点におきましては、これはお話の通り、いずれも経験は持っておりまして、新三菱はF86Fジェット戦闘機二百三十機、ヘリコプター八機という生産実績を持っておる。川崎航空の方はT33Aが三百機、ヘリコプターが八十三機という実績を持っておるほかに、現在御承知の通りP2V—7対潜哨戒機の生産は四十二機の予定で、すでにある程度生産を持っております。なお超音速のジェット戦闘機については、新三菱の方はF1OODを十七機修理の経験を持っておるというようなことで、それぞれやはり相当の経験を持っておる。  技術提携につきましては、先ほど来問題になっておりますようなことで、新三菱はノース・アメリカンと提携した経験がございますし、川崎は現在ロッキード社と提携しております。ただ、技術提携は御承知の通り、機種ごとに技術提携をするわけでありまして、現在川崎がやっておるP2V—7というものと今度のジェット戦闘機とは全く違った機種でございます。従って治具工具というようなものにつきましては、全く新しい治工具をもって生産をしなければならぬという点におきましては、いずれの会社でいたすにいたしましても条件は同じでございまして、やはり新三菱がもし主たる契約者になる場合には、ロッキード社との間に技術提携をしてやらなければならぬという点においては同じでございます。従いまして、従来からロッキード社と割合になじみがあるという点におきまして、川崎航空の方はその点においての経験はすぐれておるわけでございますけれども、しかし技術そのものの内容は、全然新しい機種について新たなる技術提携をしなければならぬ点については状況が同じである、かように考えたのであります。  それから、経営の状況は特に申し上げるまでもないのでございますけれども、今回の新しい機種を生産するにつきまして、新たなる設備投資がどのくらい要るだろうかということにつきましても、ある程度試算してみたのでありますが、それほど新しい設備投資は必要でないというふうに考えられておりますので、それらの全体を総合的に勘案いたしまして、ごく客観的に私どもは判断をいたしたつもりでございます。ロッキードだからどこの会社、あるいはグラマンだからどこの会社にするということは、かえって客観的な判断を失うことになりはしないか。こういうような意味におきまして、機種がきまります前にあらかじめ生産体制の研究を終っておった、こういうような事情でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 今あなたが、川崎よりも三菱の方がすぐれておるとおっしゃったが、それはなるほどグラマンを作るということに多額の金を政府から借りて、そうして設備をしておったからすぐれた点もある。けれども、もしあなたがそんなに、たとえば技術においてすぐれておるところにやらせるとおっしゃるなら、全部新三菱にやらしたらいい。それからまた、一つの会社ですることが不可能であるというなら、富士重工業でも何かの部分品なら作るだけのことはできるのだから、三つに分けた方がいい。それから今、国民はみな何も知らない。新三菱重工業が甲で、乙が川崎航空だということになると、川崎航空機というものもやはり政府とつながって契約でもしておるかと思う。そうじゃない。新三菱の下請だ。それだから、もし、たとえばこれを同じ量の設備を持っておったとしても、また設備が違っておったとしても、一応グラマンを作るといって、そうしてあのにせグラマンを持ち出して、さんざ国に迷惑をかけ、国民を偽っていろいろしたわけで、その前にも金を借りて設備しておる。その設備を生かすためにいろいろな工作が行なわれてやったことは間違いない。佐薙もみな顧問になって行っておる。その息子も行っておる。源田さんもやめればそこへ行く。その他行く人もちゃんときまっておる、こういう状態である。それだから、もし川崎を主にさして、そんなに三菱がすぐれておるなら三菱を従にしたって仕事なんかできる。提携とかいろいろなものだってできる。また川崎をやめさせて、そんなに新三菱がすぐれておるなら新三菱一本にさせればいい。やはり幾らかさせないと良心的に恥じる。やはり世間がいろいろ承知しない。それなら富士重工業だって飛行機を作るりっぱな経験と歴史をちゃんと持っておる。だから、それにさした方がいい。  今あなたが人間のことをいろいろ言われたが、私はこのごろ調べてきた。新三菱は千八百人ばかりおる。今度これをするということになったからいろいろ採用しておるかもしらぬが、これがきまる前に千八百人。川崎は千五百人。三百人しか違わない。人間くらいは、これからこれをやるということになれば三百人くらいは幾らでも採用できる。また、あなたの話を聞いておると、新三菱は仕事がだんだんあいていく。川崎は仕事が詰まっているから、それをさせるということになれば、それでは国を防衛するということがそっちのけになってしまって、軍需産業の育成のみしか考えないということなんだ。通産省のやっていることはみなそうなんだ。民間の飛行機もあれするだろうし、いろいろな商人の監督もするだろうし、いろいろな会社に対してもいろいろなことをやっているから、利益というものを主体として、そうしてやるということなんだ。この戦闘機はそうじゃない。ほんとうは戦闘機なんか要らない。こんなものは五年たてば古くなってしまう。あなたが今いろいろ抗弁をなさるけれども、これは製造できて終わったというときには、もうこんなものは古くて使いものにならない。けれども、やはり戦争があるとかないとかいうことと国の防衛をするということは違う。どうせ防衛するということと違うならば、多少日本のこの産業も育成しなければならぬというような意味からなったんだから、日本の産業を育成するならば、軍需産業を育成するならば、川崎と新三菱をさせないで、富士重工にもさしたらいいじゃないか。まだその他にもあるだろう。何とあなたが言われても、とにかく何千億というものをやらせるのに、まだきまってもこないうちから、仕事はもう新三菱だ、新三菱に増資させて、グラマンを製造するといって国から金を借りて、たくさん設備をさしているじゃないか。それにいろいろつながりができる。仕事だけは新三菱にさせるのでなければロッキードはきめられない。全くの政治工作だ。国の防衛をそっちのけにして政治工作、特に池田さんの好きな政治工作ということはよくわかっているじゃないか。造船のときにもそうじゃないか。そうしてあの汚職問題を出したじゃないか。みんな検挙されるところだったが、指揮権の発動で助かっておるのだ。あなたはそんなことをしておられるけれども、これは幸いにして防衛庁長官を人柄のいい赤城前官房長官がやっておるから、何だかんだいってもおさまっておるが、あなたとか池田さんが出てきてやってごらんなさい、やれるかやれぬか。またこれは白紙還元だ。もう戦闘機は要らないということになる。そうして大きな問題がよそからまた出てくる。少なくとも国民のこれだけの税金でもってこれだけの大きな仕事をするのに、きまらないうちからきめておきました、工場も見たことない、機械も見たことない。今あなたが答弁されるようなことは、みんな書いて印刷された答弁じゃないか。あなたは機械を見ているのか。どこにどんな機械が据わっておるかわからないじゃないか。ただ、書いてもらったことを答弁しているだけじゃないか。私のうちにそれだけ機械がございますといって書いてあったら、やはりあなたはそれを本気でやるのか。少なくとも防衛庁長官なり、通産大臣なり、その他技術屋が工場を何回も見て、そうして彼らを呼んで協議をして、そうして見積もりをさして、旧 そうしてロッキード社なり何なりの技術術屋も呼んで、そうしてこうやってやれば安くできる、こうやってやればいいというようなこと——そうでなくて、そんなことであなたは国民の前に通ると思いますか。私とあなたと水引権の問題に対しても言い合ったことがある。みんな会社にツーツーじゃないか。そんな局長が日本にいるから国がうまくいかない。何ということですか。行って見もしないで、今言うことはみんな書いてあることを読んでいるだけじゃないか。私の工場にそれがありますといったら、あなたはそれ読むのか。しかも四割と六割だといっても、それはただ工賃の方の四割だ。片一方は全部輸入から何から、ほんとうにもうかるところの一部をとっておる。しかも、高いことは間違いないじゃないか。値段なんかを見なさい。どうしたって五万ドルという差が出ておる。それは出るだろう。しかも、この五万ドルというような値段というものは、グラマンとロッキードと価格の差をやったときにちゃんと出た数字とそう違わない。私、あなたのような不誠意な局長にはもう聞かない。  委員長、どうかロッキードの副社長、今こっちに来ているはずです、それから川崎航空の社長、これをつ一呼び出して私は一つ聞きたいと思うから、この委員会に呼んでいただきたい。その次は新三菱の社長、これを呼んでいただきたい。そうして通産大臣と立ち会わしていただきたい。さもなければ、これは国民に申しわけありませんよ。  決算委員会に出たときにロッキードというものは八十六万ドル。それからレーダーとか機関砲というものがついたから、これが十万ドルにしても、九十六万ドルより高くなるものではありません。しかも、ロッキード社が百二万ドルでけっこうですといっておるのに、新三菱の方ではこれだけかかるといって主張している。どんなにしても十万ドルぐらい高い、どんなに見積もっても五万ドル高いことだけはこれは間違いない。私はこの次、全部書類を持ってきます。そんなばかなことがございますか。まだアメリカに行っているときから新三菱にきめておいた、重大な問題じゃないか。帰ってきて、国防会議でどの機種にきまったらどうするとか、これにきまったらどうするとか、これには防衛庁長官を呼び、技術者を呼んで、そして工場を視察し、見積書を出させ、買うところのロッキード社からも呼んで、そしてあらゆる検討をするのが当たりまえだ。それなのに、製造は新三菱だ。新三菱に対してだけ軍需産業の育成をして、あと富士重工業その他の、これからりっぱになりたいというものにさせない。やはり現在、昔のように三井、三菱、住友、そういうものを鍛え上げるために、あなた方が局長になり、あらゆることをやってそういうものと提携している。それだから日本の国の基礎がうまくいかない。断じて私はこれは承知できない。どうか一つ委員長、それを許可して下さい。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 ただいまの田中君の要求に対しましては、理事会で相談の上決定いたします。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 答弁の方はどうなんです。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 先ほど私は申し落としましたが、富士重工業につきましても検討いたしました。富士重工業は現在中間ジェット練習機を三十九年度までに百十機を生産するというような関係、それから防衛庁のL19型機をどうするというようなこと等から考えまして、余力がないというふうな判断のもとに、富士重工業は対象から落としたのでございます。  それから、具体的な機械だとか、そういうような点につきましては、もちろん私自身は技術屋ではありませんので、あるいは私自身が見てもわからない面が多いかと思うのでありますけれども、私自身はこれらの各会社の工場を見たことはございますが、今回の決定をするにつきましては、私の信頼する部下、担当官、それらはもちろん技術屋も含めての問題でございます、それらが調査いたしました結果に基づきまして判断をいたしたのであります。もちろん防衛庁とも十分相談しました上で決定をした、こういうような関係になっておることを御了承いただきたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 だれを調査に、いつやったか、どういう調査をしたか、その資料を要求します。出して下さい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 御要求の点につきましては、調査の上提出いたします。  なお、先ほどさらに申し落としましたが、新三菱がグラマンに内定したために、いろいろ政府のあっせん、あるいは政府から金を借りて設備の増設その他をやったのではないかという御質問でありますが、そういう事実はございません。昭和三十三年の四月十二日にグラマン機が内定いたしましたけれども、その後御承知の通り、一応新三菱から防衛庁の要請によりまして、三十三年の五月七日から六月二十七日までに九人の調査団を渡米させたという事実はございます。その渡米の渡航費等に約八百万円という金は使いましたけれども、それ以外に、グラマン問題がその後いろいろやかましい問題になりましたような経緯からも考えまして、会社自身としてはそのために新しい設備投資というものはいたしておりませんので、その点は御了承いただきたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 グラマン内定の約半年ぐらい前から、新三菱重工業が国の機関から金を借りて設備をしたという確報をわれわれは得ているのです。それに対して小出重工業局長はないと言うのでありますが、開発銀行その他から借りているはずでありますから、それを資料にできたら一つ出して下さい。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 小出君、出すことができますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 承知いたしました。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 山田君。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 いずれ資料で出るという今の重工業局長の答弁ですから、それはあらためて出してもらうことになるわけですけれども、この際、今のことに関連して、一つ伺っておきたいと思います。  航空機工業振興法という法律の十二条の規定の中に、「航空機等の国産化のための設備の設置に必要な資金の確保に努めるものとする。」こういう規定があります。私は、この規定に従って今の新三菱には四十億、川崎航空には十五億、出たものと、こう理解しておったのでありますが、新三菱の四十億、川崎航空の十五億という金は出ていないのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 先ほど私が田中先生の御質問に対しましてお答えいたしましたのは、グラマンに内定したがために新たに金を借りたという事実はない、こういうふうに申し上げたのであります。従いまして、航空機工業振興のためには、お話しの通り、MSA資金その他の資金が流れておるということは事実でありますが、ただ、グラマンが新三菱に一たん内定した、そのためにそれに必要な金を借りたということはない、こういう意味で申し上げたわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私があなたにお聞きしたのは、グラマンに内定してからという意味もあるけれども、一応この戦闘機を作る、グラマンにするかロッキードにするかというので、それで向こうへ調査団が行ったとき、そのときあたりから、設備をしなくちゃならぬといって金を借りたということをあなたに申し上げているのです。同じことじゃないですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 グラマンに内定するかどうかということにつきましては、これは新三菱自身も、そのときまではもちろん知らなかった問題であります。新三菱といたしましては、もちろん自分のところの従来受注をいたしておりまする生産なり修理の仕事に対しまして必要な設備投資の資金、これはもちろんいろいろなところから借りております。これは各航空機会社とも同様な事情にあります。従いまして、先ほど田中委員から御要求のございましたグラマン内定前、たとえば半年前なら半年前ぐらいから、どのくらいの金を借りたというのは、資料は、これは調査いたしまして、提出いたします。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 やはりことしの五月だったと思いますが、当委員会で天川勇なる者を喚問しようとしたときに、とうとうそのことが運ばなかったのですが、やはりグラマンに決定する方向に持っていく、あるいはロッキードの問題等が出たときに、この人が作られたと称される比較表なるものなどは、やはりどう考えても、新三菱の由比航空機部長からのさしがね等も勘案されているのではないかとわれわれは思っておったわけです。そういう点で、これは場合によったらば、これらのことを新たにして伺わなければならぬ事態になるのかとも思うのであります。  そこで私は、どうも理解できないので長官に伺うのですが、先ほど長官は、百十五万ドルを割った価格にするということを言われておったのでありますが、一体、商取引なんでありますから、こっちで価格を割る割らないのと言ってみたところで、これは相手の値段が問題なんで、ここで価格を割るの割らないのというようなことを防衛庁長官がきめて、取引の対象にすることができる性質のものなんですか。この点、一つ伺っておきます。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 ロッキードの104Cを一部日本型に改造いたしまして、そういう点で、その設計に基づきまして国産会社の方といろいろ折衝いたしたのであります。折衝いたしまして、上がる部品もあります。下げさしたのもあります。そういうことで、今の価格はこれは決定ではございません。決定は、御承知のようにまだ先になります。しかし、先ほど申し上げましたように、アメリカ側もこの費用の分担を、五ヵ年なら五ヵ年に分けて分担をするわけであります。日本の分担とアメリカの分担との折衝を始める、対米折衝を始めるのに、価格の基礎がなしで折衝を始めるというわけに参りませんから、生産会社に見積もらしたり、あるいはこちらからそれは高いというので、ずいぶん切ったり、あるいは新しく加わるものをつけ加えたりして、一応百十五万ドルを割ったところに今なっておるわけです。しかし、御承知のように、これはアメリカ側も費用分担の折衝の過程におきまして、ロッキード会社に対しまして高いものは売るな、これはアメリカの国会でも問題になろうと思います。アメリカの負担ですから、これは下げさせようという希望は持っていると思います。私どもも、アメリカ側にも協力してもらって、本社の方に、下げさせるものがありましたら下げさせるように努力いたしております。私どもも、またこちらの国産会社におきましても、国産関係の問題につきまして、なお値段を低くするように努力していきたい。でありますから、今の百十五万ドルを割ったというのは、対米折衝の前提として、その辺まではとにかく価格は見積もりができる。しかしこれ以上なお減らすのだという前提のもとに、この折衝の前提価格としての見積もりでございます。でありますから、決して決定したという価格ではございません。先ほど田中さんに申し上げましたように、なるべく御趣旨に沿うた——国民の税金でありますから、幾らかでも、私どももアメリカ側にも協力してもらって、これを低めていきたい、こういう努力を続けておる。こういうことでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 協定によるアメリカ側の分担金というような形は、アメリカではロッキードを廃止し、飛行場も廃止するというような事態になっておるのに、この飛行機ならば負担金をアメリカでどのくらい負うという、そういう目安の折衝などはまだ全然なされていないのですか、しているのですか。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 このロッキードは廃止いたしません。アメリカの方ではもともと戦術空軍に使っておりますので、これは全然変更がありません。配属がえになったのは旧型であります。今のF104Cというのは全然変更がありません。  そこで、対米折衝にあたっての分担金等については折衝しているのか、これはもう前から向こうの意向はサウンドして折衝しておるのでありますが、機種が決定しておらないと正式交渉に入らない、こういうような性質のものでございますから、正確な分担率はまだ出てこないわけであります。正式な折衝によって出てくるのでありますけれども、正確でなく聞いておるのもあります。しかし、これは向こうで責任を持ってこれこれだという額ではございませんから、まだ申し上げられない段階でございます。折衝に入ってからきめる、こういうことになるかと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 先ほど重工業局長のお答えを聞いておりますと、今度のこの主製作に当たる新三菱の話が出たが、機種ごとに契約するというようなことであって、川崎航空の場合は、今度の場合は何もそれが契約の対象にならぬというようなことであります。ここで伺っておきたいのは、もしこれが進められる場合において、川崎航空が請け負ったとすれば、われわれしろうとが勘案してみた場合に、川崎航空の方が安くできるのじゃないかという気がします。  そこで、川崎と新三菱の単価の問題について、通産省では両方の比較をしてみたことかあるのかないのか。参考に伺っておきます。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 価格の問題につきましては、先ほど来、防衛庁長官がお答えになっております通りの経過でございまして、私どもといたしましては、あらかじめ価格の見積もり、単価等につきましては、これは機種のこまかい内容、搭載その他の全貌が判明いたしませんと計算できないわけであります。一応そういった予算を作ります上に、あるいは日米分担金の計算をいたしまするためのまず予算折衝のデータとしてこれを作るためには、一応そこで生産会社あるいは主契約者をきめて、それから計算に入る。ただいま防衛庁長官がお答えになりましたように、価格の折衝中でございますので、通産省自体といたしましては、どちらの単価がどうなるということは計算もできませんし、またそういうことをあらかじめいたしたことはありません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 僕は、局長、あなたの話を今聞いて意外に思うのだ。そうすると、新三菱を主にして、新三菱がうんと高い単価を出した。川崎はうんと安い単価を出した。こういうような場合でも、やはり主と従というものを守っていかれるのですか。  もう一つ、お答えになる前に常識で考えていただきたい。家を建てるのに、大工が二人いる。そのうちの一人にきめてしまって、お前にやらせる。しかし、お前も見積もりを出してみろといって、さきにきめた大工よりか、きめられない大工がうんといい普請をして安いということになれば、そっちをやめさしてこっちにやらすんだが、そういう点について、どう考えておられるのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 今回の機種の生産のやり方でございまするが、これは一つの機種のどの部分と申しまするか、機体にいろいろ部分がございます。それを分けまして、どの部分とどの部分とは三菱が分担し、どの部分とどの部分は川崎が分担する、こういうようなやり方になっております。これは従来のP2V—7の場合におきましても、たとえば川崎と新明和の関係はそういうふうな関係でございます。しかしながら、契約の主体といたしましては、これは二つの会社と同時に契約するということは事実上できないことになっております。と申しまするのは、飛行機は一つの、単一の飛行機でございまして、でき上がりましたものを最終的に組み立てまして納入をする。防衛庁に対して一切の責任を持つ契約者、これが防衛庁と契約をするわけであります。従いまして、一社だけでは生産できませんので、協力会社——これは法律的には下請ということになっております。その会社に対しまして、直接に防衛庁は契約はしない。と申しまするのは、もし納入いたしました生産品につきまして、何らかの事故なりあるいは故障が起きました場合における責任の所在というものは、組み立てられましたあとにおきましては、飛行機のどの部分がどれであるということは、技術的にも不可能な問題でございまするので、やはり主契約者と申しまするか、契約の当事者をいずれか一つにきめる。他は下請、こういう関係になるわけであります。  それから、通産省の方でいたしまする航空機製造事業の許可というのも、やはり同じような関係になっておりまして、事業の許可は事業の区分ごとに行なう。その事業の区分と申しまするのは、機種ごとにきめる。こういうことになっておりまするので、機種が変わりますることに、その機種についての事業の許可をとる。こういうことを従来からやっておるわけでございます。従いまして、そういうような関係から、結局、主従と申しまするのは、これは通俗に申した言葉でございまして、実際は事業の許可をする会社が新三菱であり、契約をする会社が新三菱であり、従って川崎航空はその下請という関係に、法律的にはなるわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私は、局長、不思議だと思いますね。どんなにわずかな、百万か五十万のものでも、役所がものを納入さすときには、やはり入札をさしてやる。なるべく随意契約というものはさせないようにしているというのに、今度これだけの、何千億というものを請け負わすのに、新三菱を主にして、そして新三菱には、お前、これとこれと好きなところをやれ、これは君が見積書を出せ。これに対して、川崎は見積書を出せない。川崎はここをやれ、これに対しては川崎が見積書を出す。新三菱は関知しない。そんなら、私が言っている通り、見積もりもさせないで、検討もしないで、業者にまかせっぱなしじゃないですか。そんなことできますか。——このものを買うのに、ここにいる山田長司君なら山田長司君に、君は上の方を作って、下の方は神近市子さんがやりなさい。山田君が幾ら高く出そうと、下の神近君が幾ら安く出そうと、それは関係はない。そんな契約のやり方をやるんですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 実際、防衛庁が契約をいたします際におきまして、飛行機は一体でございますので、その一つのでき上がりました飛行機の最終的な価格というものを算定いたしますにつきましては、それぞれ生産を分担いたします会社が二つあるわけでございます。それに対してさらにロッキード社が加わり、それに防衛庁が入りまして、四者の間において今価格の相談をしておるわけでございます。従って、全体としての価格を競争入札的にやるというやり方ではなくて、それぞれが分担いたしまするところを相談しながら、ここに価格をきめるわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それはとんでもない、談合じゃないか。それじゃ、たとえば新三菱が中心部をやる、エンジンもつける、組み立てもやる。新三菱に、幾ら負けてくれ、負かりませんと言えば、ほかのものがないんだから、それできまってしまう。今度は後部の方を川崎にやれ。私の方はこれしかできません。これも負けさすことはできない。そうすれば、全体的に高いとか安いとかの議論は出るけれども、主の勝手にできて、従は、いやなら請負をやめなさい、主は私の方でします。これは勝手に何千億のものを一晩できめて、通産大臣と、国賊のようなあなたとできめたことによってこれをやるのか。あなたの金じゃないんだ。池田さんの金でもないんだ。国民の金じゃないか。税金を納めなければ差し押えを食う。脱税すれば起訴される。競売にされる。そうやって、泣いて納めた国民の金じゃないか。そんな勝手なことができるのか。とんでもないことだ。どういう考えを持っているんだ。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 価格の問題は、非常に重大な問題でございますので、先ほど来、防衛庁長官がお話されておりますように、防衛庁としてもできるだけこれを低い線で押えるということで、今百十五万ドル以下に押えたいということでやっているわけでございます。従いまして、それらの点につきましては、実際に、何と申しますか、売り手、買い手の関係から申しますれば、防衛庁は買い手でございまして、私どもの方の立場は、製造をいたしまする事業の許可をするのが通産省の責任でございますので、その事業の許可をする予定社はこれである。それに対しまして実際の売買の当事者でありまする防衛庁が契約をされるわけであります。契約するにあたりましては、その価格の折衝等は防衛庁が中心になってやっておられるようでありまして、私どもといたしましては、その詳細な内容あるいはやり方等につきましては関知いたしておりません。しかしながら、もし価格の点におきまして、結局契約をするかしないかということは、これは防衛庁の自由でございます。実際の立場から申しますれば、製造事業の許可をするのは通産省、契約をするのは防衛庁、こういうことでございますけれども、実際問題といたしまして事業の許可をしないものに契約することもできないし、また契約をするしないということにつきましては事業の許可と不可分の関係にございますので、双方が相談をしてきめる、こういうことでございます。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 ちょっと御報告申し上げますが、三時二十分ごろ本会議が開かれる予定だそうです。非常に重要な議案を審議するのですから、御質問なども大体それを御了承の上でやっていただきたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 局長、それは通産省専門のことだからわかっておられましょうが、釈迦に説法みたいなものだが、マルクスの経済学でも、資本主義の経済学でも、社会主義の経済学でも、どうしても動かすことができないものは、なきものを得んとするときには高価な代償を払うということです。これは動かない。あなたは安くする安くすると言うけれども、競争者があれば安くできる。君の方はそんなに高いなら川崎にこれをやらせる、川崎がそんなに高いならば新三菱にやらせる、あるいは中島にやらせるということが言えて、対照的なものがあって、それでこれを値切るということなら、ほんとうに値切れるだろう。その対照的なものはないじゃないか。主が勝手にやって、そうしてこれより負かりませんといったら、どうするのだ。そして、君が今言っている不可分の関係できめたものに対して、初めて防衛庁が単価の交渉ができるのであって、きまらないものでできるか。防衛庁だってできない。何の契約もしないものが、どうしてできるか。君、うまいこと言ってるけれども、防衛庁と川崎とは契約しておらない。新三菱と川崎が契約しておるんだから、防衛庁が川崎のものを値切ることはできないじゃないか。何を言っているんだ。競争者がなくて、どうしてこれが安くできるか。これを一つしかないのだから、これを買いたいとなれば、向こうの言い値で買わなきゃならぬじゃないか。君が売らないならここにあるぞといって、いろいろのものがあって、それで初めて安く買えるんじゃないか。なきものを得んとするとき高価なる代償を払わなきゃならぬという経済学の原則はどうなるんだ。新三菱しか契約者はないんだ。それをどうして安くできるんだ。言ってごらんなさい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 相手方か一人であるということになるわけでございまするけれども、これは先ほど来、申し上げておりまするように、契約の当事者というものは単一でしかあり得ないわけでございます。これは防衛庁の発注の建前から、実際の航空機を最終的に購入する責任者は一つにならざるを得ない、こういう意味でございます。そこで、価格の問題につきましては……。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 価格なんて、そんなものはいい。君と池田が一人にしたんじゃないか。一人ということは初めからきまっとったのではない。中島、川崎もあれば、新三菱もあるじゃないか。それを、君が新三菱が主だと言ったから一人になったんじゃないか。君がさせたんだ。防衛庁がしたんじゃないじゃないか。一人にしておいて、どうして安くできるんだ。その安くできる技術的なものを、君、聞かせたまえ。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 私が一つにしたとおっしゃいますけれども、防衛庁の発注の建前といたしましては、先ほど来申し上げまするように、事業の許可も、契約の相手方も、最後は一本にならざるを得ないわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 一本にしたことを悪いと言っているのじゃない。そういうことをなぜ、君、ちゃんと見積もりをさせてきめないのだ。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 それは、結局防衛庁が買い上げまする場合の予算の問題に関連するわけであります。予算を計算するにつきまして、やはり一応そこに担当者をきめまして、そこで予算の見積もり等の作成をやらした上において、予算というものの折衝に入り得るわけであります。そういう意味におきまして、あらかじめ生産体制を予定したということでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 予算の折衝もできぬじゃないか。一人を従にきめてしまって、競争者がなく、だめになってもほかへ持っていくことができないようにきめておいて、どうして値段を値切れるのですか。一人の女を三人の婿ではとれないじゃないか。嫁にいった人をもらうといったって、もらえないじゃないか。新三菱にきまっちゃっているんだ。川崎と何の関係がある。そうして、値段が高いとか安いとか言っている。君ら、防衛庁をばかにしているんだ。  長官、これに対してどうなんです。どんなに高くなっても御承知になるんですか。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 どんなに高くなっても承知などはしません。私は極力安く……。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 安くできないじゃないか。こんなものは決算委員会でとめようじゃないか。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 森本君。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっと局長にお伺いしたいと思います。先ほど四者が話し合いをしておるという話があったわけですが、四者というのは、結局防衛庁と通産省と川崎と新三菱と、この四つが話しをしておる、こういうことですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 話し合いという表現は、あるいは私の表現が悪かったかと思いまするけれども、いろいろデータその他につきまして、調査をしましたり、打ち合わせをしたりするのは、防衛庁とロッキード社と、それから新三菱重工と川崎航空、この四者という意味で申し上げました。

森本靖日本社会党

○森本委員 その場合、これは先ほどの局長の答弁でも明らかなように、これの契約者はあくまでも新三菱ということになって、そして川崎というのは、これはあくまでも新三菱のいわば下請ということになるわけですね。その契約上における川崎も呼んで話をするということになれば、これは川崎航空だけが単なる新三菱の下請だということにはならない。要するにその他の部分品については、たとえば通信機などの問題については川崎航空とだけの問題ではなく、たとえば東芝なら東芝とか、そういう通信機メーカーにまたなると思うのです。そうでしょう。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 その通りでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、その下請は、要するに川崎だけではなくて、その他の部分品を合わせると数十社ということになるでしょう。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 これはお話の通り、エンジンは国産化する予定でございますし、それから航空機に載せる計器類、電気通信機、その他の関連する機器は相当の数に上る。ただ機体の本体につきましては新三菱と川崎、こういうことでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 その機体の部分については川崎と新三菱が主になってやる。そこで、新三菱と川崎と、それからロッキード社と防衛庁とで話し合いをしておる、こういうことになるわけです。ところが、あなたの答弁でもはっきりするように、あくまでも契約者は新三菱になっておる。だから、そういう意味合いにおいて、川崎とも話し合いをすることになれば、少なくとも全部の数十社とも話し合いをしなければならぬ結論になる。はっきりいえば、あなたの方は、実際問題として話し合いをするということになれば、理論上からいけば、新三菱とだけ話し合いをして川崎とは話をすべきではない。川崎と話をするということになれば、あとの数十社とも全部話をしなければならぬことになるはずです。そうでしょう。理論上そうなるでしょう。局長、どうですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 理論上も、また実際上も、最後はそういうことになると思います。ただ、さしあたりは機体、部品の主要部分について両者が分担いたしますので、まずそれについて話し合いをいたします。さらにエンジンの問題あるいは搭載機器の問題につきましては、それぞれ関連の会社に相談をする、こういうことになると思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 今、理論上も実際上もそうなるというならば、先ほど言った数十社、東芝になるかどこになるか知りませんが、通信機器についてはそういうところへ下請させることになるわけです。そうすると、そういう全体のメーカーとも結局話し合いをしなければならぬことになる。そんな話し合いを防衛庁が直接するとは私は思わぬ。そこまで話し合わなければ結論が出ないということになれば、頭から新三菱にきめたということ自体もおかしい。そういうすべてのものを総合して、その総合の見積もりが出て参ってやるのが当たりまえである。けれども、それを今言ったように、川崎とも話をすること自体、理論上からいってもおかしい。川崎と話し合いをすることになれば、あとの数十社とも話をしなければならぬことになる。あとの数十社について話をしないということになるならば、少なくとも新三菱とだけ話をすればよい。新三菱とロッキード社と防衛庁と話をすればいい。それを、なぜ下請の中の数十社のうち、特に川崎航空とだけ話し合いをしなければならぬのか。これは、普通の各官庁がいろいろ注文するところの資材関係においても、しかりです。その下まで話し合いをするということは、現実の問題としてやりはしない。おそらく国鉄にしても、私の知っておる電電公社にしても、その他のものについても、相当の資材を発注しておると思うが、そういう資材の発注の仕方について、その下請の機関まで具体的に話し合いをするということはやりはしないはずである。そこで、川崎航空も、あなたの話では一つの下請機関だ。その下請機関と初めから話し合いをしなければ、この問題の価格が出てこぬということは、実際問題としてあるはずがない。そういう点について、どうも局長の答弁が、あっちへいき、こっちへいきしておる。今の点、どうですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 本体であります機体につきまして生産の分担をいたしますのは、新三菱と川崎ということになりますので、さしあたりこの両社を中心にして価格の問題をやっておるわけであります。お話の通り、エンジンの問題とか、通信機あるいは計器類の問題になりますれば、最終的にはそれぞれとの関連が出て参るわけであります。これはやはり全体から見れば、最終的に最後の契約をいたします際におきましては、もちろんそういうことになると思います。ただいまの段階におきましては、一応予算の見積もりをするについての試算といたしまして、そういう段階で調査をいたしておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、そういうことだったら、川崎を呼んで防衛庁が聞く必要はないじゃないか。新三菱だけと話をすればいいじゃないか。川崎航空なんか呼んで話をする必要はない。川崎航空は全然責任がないわけだから、新三菱の方が川崎航空に引き受けさしたらこの通りの金額になるということで、出してくればいい。すべて新三菱と話をすればいい。川崎航空と話をする必要はない。川崎航空と話をする必要はないにもかかわらず、何で川崎航空と話をするのか。川崎航空と話をするということなら、今からエンジンの問題についても、通信機の問題についても、すべてのメーカーと話し合いをしなければならぬというのがほんとうの理屈じゃないですか。あなたの答弁はつじつまが合わぬじゃないですか

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 ただいま小出重工業局長から答えましたように、機体が大体本体になります。その分につきましては、われわれとしては当然契約者と予定されております新三菱と直接やるわけであります。ですから、ロッキードとも実はやる必要はないわけであります。ただ、非常に大きな部分を占めますので、ロッキードなり川崎がどの程度の経費が要るかということを、参考までにわれわれが聞くということでありまして、そのほかの通信機あるいはエンジン等につきましても、確実にどこでやるということはきまっておるわけではありませんが、大体どれくらいの値段でできるだろうという見当をつけなければ予算の見積もりができませんので、そういう関係で、見当をつける作業をやっておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、その場合、防衛庁が何も直接川崎航空を呼んで聞かねばならぬ必要はないじゃないか。川崎航空はその契約の当事者じゃないはずなんです。契約の当事者は、あなたの今の答弁では、あくまでも新三菱だから、新三菱が、川崎航空に下請をさしたらこれくらいの値段になりますということで、あなた方と話をすればいいわけだ。それを、わざわざ川崎航空を呼んで聞かなければならぬということになると、あとの数十社のメーカーも呼んで聞かなければならぬ。しかし、実際にはそれは聞く必要はない。法律的にはあなたの方は新三菱とだけ話をすればいい。にもかかわらず、川崎航空を呼んで話をしなければならぬということは、何かそこに一つの取引があったから、なだめるなり何なりしなければならぬからだ、こういうことにならざるを得ないのじゃないですか。契約上は、防衛庁としては川崎航空と話をする必要はないわけだ。そうでしょう。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本政府委員 さっき申しましたように、防衛庁といたしましては、直接は新三菱とだけやっております。ただ、特にロッキードの新三菱に対する提供価格、これが相当重要な部分を占めるわけであります。そういう関係で、新三菱としてももちろんロッキードに対して値下げを要求するわけでありますが、やはり防衛庁は最後の責任者でありますので、防衛庁からもロッキードに対して値下げを要求する。両方から要求して、値段を大いに下げる方向に努力することは、私としては差しつかえないのじゃないか、かように考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それならば、先ほどの局長の言ったのはうそじゃないか。防衛庁と川崎航空と新三菱とで話をしておるということを局長は、はっきり答弁した。あなたは、川崎航空と話をしておらぬと言っておる。防衛庁は川崎航空と話をしておらぬということをあなたは答弁したけれども、先ほどの重工業局長の答弁では、防衛庁は川崎航空、新三菱、ロッキードと話をしておる、そういうことを言ったじゃないか。  それじゃ、通産省の局長に聞きます。川崎航空と話をしておるということを先ほど言ったが、それは一体、防衛庁のだれから聞いたんですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 先ほど私が話し合いという言葉を使いましたのは非常に適切を欠いたと思います。今、塚本装備局長から答えられました通り、直接の相手方は新三菱だけでありますので、理論的にはロッキードを呼ぶ必要はないわけでありますが、やはりロッキードの提供価格という問題もございますのでロッキード、それから機体部品の中で一番重要な分担をいたしまする川崎からも参考として意見を聞いておる、ということであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 今ごろになって参考意見を聞くなんて言い直しても、さっき田中委員の質問に対しては、さも四者がきちんと話し合いをしておるような意味の答弁をしたじゃないか。先ほど、新三菱と川崎航空とロッキードと防衛庁がよく話をしておると言っているじゃないか。今、防衛庁の局長がそういう答弁をしたから、あなたは答弁をし直しているけれども、具体的には今まで防衛庁が話をしておったんでしょう。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 私は防衛庁の折衝の内容を具体的に承知いたしておりませんが、先ほど私が申し上げました話し合いという表現が非常に間違いであったように思いますので、その点は訂正をいたします。従いまして、塚本装備局長が答えられたところが折衝の事実かと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 局長、あなたがそれを訂正されるということは重大な問題です。何千億というものを見積もりもとらずに、通産省が勝手に一社に指定したということは重大な問題だと思う。そうして競争者もだれもない。逃げることもできない。好きほうだいをやる。だから、こんな莫大もない単価が出てくる。あなたは、それで国民に対して何とも思っておらぬのですか。何千億というものをやらせるのに競争者もなく、見積もりもさせないで、ぽんと新三菱にまかせて、しかも川崎航空にあなたが電話をかけて、新三菱に行かせて話し合いまでやらしている。ハルも驚いて、そんなことをされるならやれないかもしれないと言っている。きさまたちはわが国の内政にまで干渉するかということまで言って、あなたが工作している。何のためにそんなことをやるか。見積もりもとらぬで何千億やるということがありますか。日本のどこでもごらんなさい。今度やったのはあなたと池田だけだ。国会でも何でも、こんないす一つ作るにも、ちゃんと見積もりをとって、業者を呼んでやっているじゃないか。それであなたは済むんですか。私は、あなたみたいな、そんな人間に言っているんじゃない。国民が君に言えないから、私が言ってやっているんだ。恥を知りなさい。これを国民が聞いたらどうします。われわれから税金を取って、税金を納められないから差し押えをして、競売をして、脱税をすれば刑務所に入れて、そうして取り上げた税金何千億を使うのに、見積もりもさせない、工場も視察しないで、ぱっと新三菱にきめて、そうして競争者もなくて、値段を安くしますとは何です。競争者のない値段が、どうして安くなりますか。このものがほしい、一つしかないということになれば、どうして値段が安く買えますか。何ということです。  委員長、これはどうしても川崎航空その他全部から人を呼んで、ここで明らかにしてもらいたい。これをやらしたら、国民に申しわけございません。先ほどの要求をぜひとも早く可決していただきたい。こういう良心のない人に聞いてもだめです。

鈴木正吾自由民主党

○鈴木委員長 残余の質問は次会に継続することといたしまして、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗