議院運営委員会 第13号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1959/12/11
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 まず、会期延長の件について、昨日に引き続いて御協議を願いたいのでありますが、本件につきましては、本日も午前中から理事会を開いて意見の調整をはかったのでありますが、一致を見るに至りませんので、ここでは各党の方から御意見を述べていただきたいと存じます。柳田君。
○柳田委員 われわれは、昨日に引き続きまして、本日の理事会で、るる本会期延長がいかに多数党が単に自分たちの党利党略のために、一方的に、理不尽に、しかも、ベトナム賠償の自然発効を目途として、あるいは国会のデモ規制その他にひっかけてごまかして出してこられたということを述べたのでありますが、おそらく、これは自民党の諸君も、われわれのこの議論なり討論を聞いておられて、心の中ではその通りと思われても、皆さんのお立場もありまして、なかなか御納得をいただくに至りませんことは、まことに残念でございます。しかしながら、私たちは、どう考えましても、元来、自民党が四十日というのを社会党の主張する五十日をのんで、全会一致でこの会期をきめた、しかも、従来の例から見ましても、多くは会期延長を持ち出すのは、ほとんどその前日であります。よくよく異例の場合でも二日前、これが三日前になってきますと、ほとんど慣例がない。中には六日前というような、きわめて悪例もないではありませんが、ほとんど大部分は前日で、これは前例集をごらんになれば一目瞭然に出ております。一々の数は申しません。それを、事もあろうに四日も前に出してこられたということは、私は非常な悪例を残すと思うのであります。しかも、いつの国会においても、必ず会期末には会期延長だ。そうしてそのことが国会の混乱を招いておる。警職法のときもしかり。そうしてこの会期延長にからんで国会が混乱したときに、両党の党首が会合いたしまして、国会の円満なる運営をはかるためにお互いに申し合わせた中にある通り、申し合わせば尊重すると言いながら、今回もまた一方的に申し合わせを破られる。こういうふうにして、単に自分たちが多数だから一方的に何でも通るというならば、もう国会というものは要らない、多数独裁です。われわれは、こういうことに対しては断じて承服することができませんが、われわれの正論もついに自民党の皆さんの耳をかすところになりません。まことに残念であります。しかし、この判決は、たといきょうの数の上においては破れても、われわれは、これは知る人ぞ知る、天下ひとしく社会党の正論に組みされて、いつの日にか国会が正常化されたときには、かつては自由民主党という横暴なる政党があって、このような多数横暴のことをやったが、それも遠き昔になったというようなことが、将来必ずくるだろう。私は、それを期待する以外にはない。本日このようなことがあって、また将来もこのようなことが起こるということでは、国会に職を奉ずる者として、みずからの職責に自信すら失うのであります。そこで先刻の理事会におきましても、単に今回の会期延長の問題を離れて、どうだ、今までのように社会党が五十日、自民党が四十日ということでなしに、社会党が五十日というならば、自民党の方は七十旧くらい言ってきたらどうだ、社会党も、いつも自民党より多い日数を要求した手前、今度は逆に自民党の方から多い日数をかぶせられたら、まさかそれに反対もできまい。そうして堂々の論陣を張るくらいの自信と、国民の負託にこたえるだけの誠意を示してしかるべきじゃないかということを申し上げたのであります。それは、今回の会期延長にからんでではありません。将来に対しても、むしろそういうふうにして、政府の方から、十分御論議いただきたい、疑わしきものは何ぼでも論議していただきたい、国民の税金を預かって、国民の負託にこたえるからには、一点の疑惑も国会においてはとどめることはできない、十分御論議していただきたい、こういうふうに出てきて、初めて日本の立憲政治というものは花が咲き、実るのでありますが、悲しいかな、今日の自民党においては、そこまでの御誠意がない。まことに残念に存じます。しかしながら、われわれは単に本日こう言っているにとどまりません。必ずやわれわれのこの意のあるところ、われわれは、国会の正常なる運営、円満なる議事の運営、あるいは日本の憲政史上かつての悪例を後者の戒めとして、円満なる議事の運営のために、さらに民主主義ルール確立のために、将来自民党が御反省される時期が必ずあるだろうということを期待するわけであります。そういう意味におきまして、われわれは、あくまでも本日のような会期の延長は断じて反対であります。
○荒舩委員長 社会クラブ、池田君。
○池田(禎)委員 私どもも、十三日間の延長ということはどう考えても賛成できません。ただいま柳田君からいろいろと申されましたが、私どもは、従来の国会の会期延長に伴う混乱というものは、確かに野党側におきましても責任がなかったとは申しませんけれども、常に自分の主張を百パーセント通そうとするためには、期日が足りなければ幾らでも継ぎ足しをして我意を通そうという考え方は、民主政治のもとにおけるルールとしては、大きな違反だと思います。私は率直に申しまして、議会政治の運営は話し合いです。一党の絶対譲らない、妥協なき戦いであるというならば、民主政治というものは運営されません。これはまさに一つの階級をもって専するところの、いわゆる専制政治のもとでなければできません。民主政治のもとでは、お互いが相手の意見を尊重しつつ、自分の主張をその中に調和させていくという、お互いの互譲の精神がなかりせば、議会政治というものを民主的に運営していくことは不可能である。特定の国家の専制政治のもとにおける、いわゆる翼賛政治的な議会におきましてはいざ知らず、しからずして、自由な意思のもとに国民の名において選出されたそれぞれの議員が、自由な意思を表現する場合における正常な民主主義のルールを守る国会におきましては、一党専制、一党の我意によって国会の運営を行なうことは、最も警戒をしなければならぬことであると思っております。私は、今回の場合に、かりに自由民主党の中に同情すべきものがあるとしても、数日間というならばまだわかる、十三日も大幅に延長しなければならぬということは、ひっきょうするに、そうでなかったとしても、世間の人から疑惑をこうむっているベトナム賠償問題の自然成立をねらう、あるいはデモ規制法案をこの際強引に通過せしめるという、最も悪質な意図があると疑われてもいたし方がない。私どもとしては、そういうことを申したくありませんけれども、残念ながらそう思わざるを得ません。私は、この際自由民主党の諸君が大きく反省するならば、日本の議会政治の上に最も喜ばしいと思います。それは、この国会の冒頭において、政府が農地被買収者問題調査会設置法案を本院に提出したときに、わが社会クラブでは、私と春日国会対策委員長が、直接岸総理大臣、川島幹事長、福永国会対策委員長に、この法案は前国会において審議未了となったものであります、この法案を短期の臨時国会に持ち込むということは、議会政治の道義的立場から見ましても許されません、あなた方がどうしても出すというならば、政府に提案権があることは私どもも否定はできないけれども、それは通常国会に出さるべきである、このことを私どもが申し入れましたところ、政府としては方針もきまっているし、自由民主党の党議もすでにそれを決定しているから、どうも困る、こういう御回答がありました。さらに、私どもは岸総理に直接に会って、あなた方は今や国会における絶対多数を有しているが、少数派の意見といえども純理であることは聞く、このかまえ方があるならば、今回撤回をしたからといって、自由民主党が天下に醜をさらすものではなくして、少数派の意見といえども多数派が聞いて、その声に耳を傾けたこの態度があるならば、必ずや私は国民の前にむしろ信用を回復するゆえんではなかろうかと思う、こういうことを私どもが申し上げましたところ、総理大臣は、深甚なる考慮をいたしましょう、こういうことを答えられた。おそらく私は、この国会におきましては、提案を見合わせるもの、撤回をするものと思っております。この態度を見たときに、私は、世の中に多数横暴の声ありといえども、そういう反省することもあるかと思って、大いに意を強うしたのであります。しかるに、今回の会期延長につきましては、一顧だにする余地がないというに至っては、私どもは再び自由民主党に対して考えを変えざるを得ない、こういう気持さえ私は持っておるのであります。しかし、本日の時点に至りまして、今さら皆さんとこれ以上幾時間かけて議論をいたしましても、皆さんが、しからばあなた方の主張に対して耳を傾けようという態度はとられないでしょう。私は、この際これ以上申し上げようとは思いませんけれども、こういうことは、将来の議会政治の運営上に汚点を重ねるものである。国会の運営は、何ものにも制肘されない立場において、お互いが話し合いを行ない、討議を行なって、自主的に決定をしなければならない、こういうふうに思っております。今、柳田君は後世の歴史と言われましたが、私は、今日残念ながら国会において少数派であります。しかし、院内においては第三党の少数派でありますが、院外における大衆の世論は第一党なりと信じております。従いまして、これを合わせて二で割ると、どう考えても、第二党であるということは間違いないのでありますから、すみやかに選挙をやって、私どもは第一党たるの地位を確立し、しかる後に、こうした悪い慣習というものを根本的に打破するところの議会政治の政党として臨みたい、そういう決意を一言披瀝いたしまして、残念ながらこれに反対せざるを得ない、こういうことを申し上げます。
○荒舩委員長 民社クラブ、木下君。
○木下委員 私としては、先ほど理事会で申し上げた通りでありますが、今池田君からの御意見に大体同じくするものであります。ただ一点、別な角度から申し上げますと、これほどたびたび劈頭にきめたことが末に至って変えられていくということでは、国会、また議運の威信というものが国民の前に非常に落ちていくということから見ましても、ぜひこういうことをやることはやめてもらいたい。数的に申しますと、こういうことを私は記憶しておるのであります。劈頭会期をきめるときに、野党が四十日を主張し、与党が三十日を主張して、その結果、また末に至りますと、与党の意見で最初の野党の意見をこした五十日というような、まるで見通しがきかぬというか、非常に間違った決定をなされたことを記憶している。こういうことでは、国民から見た場合に、国会に対する信頼がますますなくなるということを非常に残念に思う次第でありまして、この理由からしましても、今度の会期延長には反対するものであります。
○荒舩委員長 自由民主党、佐々木君。
○佐々木(盛)委員 私は、自由民主党の立場をこの際明らかにいたしたいと考えます。もとより、国会の運営というものが円満な話し合いと妥協によって解決することを、われわれは心から念願いたしております。さような立場から、一たん五十日間を当初において決定したわけでありますから、五十日以内においてすべての議案が議了することを念願して参ったわけでありますが、不幸にして、野党諸君の引き延ばしのために議事が非常に停滞をいたしまして、今日ベトナムの賠償問題も、御承知のように、参議院において目下審議の継続中でございます。われわれ今日二院制度をとっております立場から申しますと、ベトナム賠償の審議にあたりましての審議日数は、衆議院に半分と参議院に半分を振り当てるのがあたりまえであると考えまして、もうこの辺のところで衆議院の審議は打ち切りたい、かようなことを申したのに対しまして、社会党の諸君たちは猛烈に反対され、ついに一時は大混乱となり、議場を総退場されるという場面が出たわけでございます。ところが、この場合におきましては、審議日数が足りないから審議打ち切りに反対だと言って主張したその同じ社会党が、今日まだベトナム賠償について審議未了の点がたくさんあるという現段階におきまして、そのための会期延長に反対するというがごときことは、まさに論理の矛盾これよりはなはだしきものはなかろうと私は考えます。要は、野党の諸君たちは、今日政府いじめのために、与党いじめのために、いたずらなる反対をしようという魂胆以外の何ものでもないと考えるのでありまして、先刻来お話を承っておりましても、この会期延長に対する反対の御主張の論拠は、きわめて薄弱と考えます。さような点から申しまして、まず、ベトナム賠償の問題も、実はわれわれは多数党を持っておるわけでありますから、参議院におきましても、強行採決をしようと思えば可能なことでございます。しかしながら、野党の皆様方の御要望もありまして、さらに徹底的にこの審議を進めていただきたい、かように考えますことや、もう一つには、御承知のように十一月二十七日に突如として起こりました、日本憲政始まって以来空前の不祥事態でありますところの、あのデモの国会乱入という新局面を迎えました今日におきまして、われわれ議会人といたしましては、今日、日本の憲政擁護のためと民主政治を守るためには、このデモ乱入事件をめぐる善後措置のために、一つには、この起こった責任の追及をあくまでも徹底的に糾明するということと、二つには、かかる不祥事を再び繰り返さないために、将来の立法措置についても十分考えなければならぬ、こういう事態を迎えたわけでありますから、われわれは、このためにぜひともこの乱入事件の善後措置に当たらなければならない、かように考えておるわけでありまして、この不祥事件の善後措置こそは、私は、政党政派をこえて、野党たると与党たるとを問わず、すべて国会議員の立場から申しますならば、きん然としてこの問題に善処されることを心からこいねがっておるわけでありますが、昨日来社会党の方々の御意見を承っておりますと、いささかもこのことに対する責任を痛感されることがなくして、自粛自戒しないのみか、逆にすべての責任を政府や与党の方にかけておられる態度を見まして、私は、議会人としてまことに遺憾に思うわけであります。そのような強弁をなさいますことは、社会党の品位を傷つけ、その知性を疑われる以外の何ものでもなかろう、かように考えまして、まことに残念に思う次第であります。さような意味におきまして、私は、この十三日間の会期の延長は当然必要であろうと考えますし、また、この会期延長の件に関しましては、すでに昨日議長より当委員会にお諮りがございまして、昨日は、午前、午後を通じ、慎重審議をいたし、本日はまた、早朝来理事会において審議をいたしたわけでありますが、不幸にして与党、野党の意見対立のまま今となったわけでございますから、どうか委員長におかれましては、まことに残念なことではございますが、この辺で本件に対するところの採決をしていただきたい、このように考えるわけであります。
○荒舩委員長 この際お諮りいたしますが、お聞き及びの通り、各派の本件に対する御意見は、依然として並行線をたどっておるようでありますから、はなはだ遺憾ではございますが、会期を十二月十五日から二十七日まで十三日間延長すべきかどうかについて、討論を願います。 まず、日本社会党、兒玉君。
○兒玉委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております会期延長の問題について、反対の立場を明らかに申し上げたいと思う次第であります。 そもそも、今次の第三十三臨時国会の最大の使命は、何と申しましても、伊勢湾台風を中心といたします未曽有の災害に対する、いわゆる災害復旧、あるいは罹災者の救援等を中心といたします予算の補正、あるいはそれに関連する諸法案の制定が、最大の課題であったかと考える次第であります。そういう立場に立ちまして、先ほど来それぞれ意見が述べられましたが、今国会の開会の劈頭にあたりまして、各党間におきましても十分慎重に検討した結果、五十日間という会期が決定されたわけでございまして、特に五十日間という主張は、野党の方で特に強く強調して、与党側がこれに賛同したというような経過に相なっているわけであります。しかも、現実にこの三十三臨時国会の中心課題でございます災害対策については、関係の予算あるいは諸法案も十分な審議を尽くしまして、それぞれ成立をいたして、災害の復旧に全力をあげているのが今日の実情である。そういう意味から申しましても、今臨時国会の最大の課題というものは、完了したと、私は確信をいたしているものであります。にもかかわらず、今日十三日間の会期延長を主張されますことは、その十三日間の根拠がきわめて薄弱であるということを、まず第一点として私は指摘したいのであります。このことは、裏を返しますならば、今次の南ベトナム賠償の審議を通じて、衆議院における本会議なり、あるいは予算委員会、または外務委員会等においての社会党からの鋭い追及に対しまして、与党側はこれに対する明確なる態度を欠き、あるいはまた、その答弁においてもたびたび行き詰まるという醜態をさらけ出しているわけであります。こういう情勢の中におきまして、国民大衆のベトナム賠償二百億の支払いに対する不信というものがますます高まってきているやさきに、あの十一月二十七日の、全く自民党の多数の力による強行採決ということのために……。 〔発言する者多し〕
○荒舩委員長 静粛に願います。
○兒玉委員 国際的な問題でございますところのあの南ベトナムの賠償については、一点の疑義のないまで、その疑問点が徹底的に解明されるまで追及さるべきものであるにもかかわらず、あのような強行採決をしたことは、これまた議会政治をじゅうりんする以外の何ものでもないと感ずるわけであります。しかも、これに加えまして、このベトナム賠償の協定が今会期内に成立しないという見通しに立って、十一月二十七日のあの乱入のデモ事件を鬼の首でも取ったがごとく大きく取り上げて、今回の会期延長の表面の理由として、デモ規制法の制定ということを強調されているようでございます。もちろん、われわれ社会党といたしましても、国会周辺の秩序維持については、十分関心を持つものでございまして、昨年十二月十日のあの両党の申し合わせにおきましても、特別委員会等を通じて十分に、慎重に考慮するということをはっきり申し合わされているような次第であります。そのような立場から考えます場合に、われわれは、今自民党さんの方で考慮されているところのデモ規制法の中身につきましても、新聞等の報道を通じましても、たとえばデモ等の行動というものを事前に規制するというような行為は、明らかに憲法に保障されておりますところのいわゆる国民大衆の行動なり結社なり、そういうようなものの自由に違反する、きわめて憲法違反的な疑いが強いということが第一、第二の問題といたしましては、国民大衆の当然の権利でございますところの請願、陳情の権利を大幅に制限しようとする、全く違憲的なにおいが非常に強いわけであります。第三の問題といたしましては、東京都の公安条例の五条にありますところのこのような行為も、東京地裁等においては、過去三回にわたって違憲の判決がなされ、もちろん現在控訴中といえども、地裁の態度は明らかになされている。これに対しまして、立法の府であるところの国会において、このような違憲性の非常に強いデモ規制法案を制定すること自体、私は、国会の権威に関する重大なる問題であるかと判断するわけであります。要するに、これらの諸問題は、現在の自民党政府が、この南ベトナム賠償の不手ぎわというものをおおい隠して、この規制法というものを表向きの理由として、そうしてこれを自然成立に持っていこうとするところの、計画的な野望であると指摘せざるを得ないわけであります。そういう意味から勘案いたしますならば、この十三日間の会期延長の根拠というものが、そのデモ規制法を制定するということがねらいでなくて、賠償協定の自然成立を目ざしているということを、私ははっきりと指摘したいわけであります。こういうことがもし今後繰り返されますならば、国会の権威を失墜するばかりでなく、国民大衆の信頼を失墜する重大な問題であろうかと判断するわけであります。 かかる立場に立ちまして、今次の臨時国会を十三日間延長することにつきましては、絶対反対の立場を明らかに申し上げる次第であります。
○荒舩委員長 自由民主党、松澤君。
○松澤委員 ただいま社会党の方から、いろいろ討論の内容においてお話がありましたが、私は、自由民主党を代表いたしまして、会期延長に賛成する意向を表明いたしたい、かように存じます。 ただいまは、ベトナム問題等につきましても、わが党の佐々木委員からるる説明がございましたが、社会党の諸君の方は、これを糊塗して、自由民主党は国会乱入事件等にからんでこの会期延長をしていこうとしているのだということを盛んに言われております。しかし、社会党の方の考えこそ、私の考えからいたしますならば、単に党利党略的に、政府を窮地に追い込もうというふうにしか思われません。ベトナム協定のような問題は、これは党利党略的な、あるいは党派的な問題でなくて、わが日本全体の大きな問題であります。今のようなお話を聞きましても、これを現実において葬ろうとして、廃案をねらって反対を唱えておるとしか、私には考えられません。それに加えまして、先ほどからいろいろお話がありました過般の十一月二十七日における国会乱入問題等についても、まことに残念ながら、社会党の諸君は、みずからが議会を守っていこうという、議員としての責任というものを自覚しないで、無責任にも、これをすべて全学連等に転嫁しようとしているというふうにしが思われません。当時私は、朝の九時半からあれが終るまで現場をずっと見て参ったのでありますが、あの点から見ましても、社会党の諸君は赤いたすきをかけ、しかも、責任者は黄色いたすきをかけて、構内に堂々と入っております。しかも、それが単に陳情、請願をするという名のもとにやっておりますが、現実の問題として、指揮采配を振っておったように私どもは見受けざるを得ない。ああいうふうなときに、正門の中央門あるいはまた横の門から入るというようなことをしなくても、正々堂々と、国会には請願のルールがあるのですから、ルールに従ってやってきてさえもらえば、明治二十三年以来憲法に守られてきた国会が、ああいう暴徒に乱入されるというようなことは、しなくて済んだのではないか。それを今日においては、私どもの方に対して、国会乱入というふうな問題に籍口してやっていると言いますけれども、皆さんの方から申し上げますならば、国会乱入でなくて、ベトナムの方に今度は逆に持っていくというふうにしか、私どもは考えられません。こういう面から考えまして、どうしてもこのベトナム問題を、先ほどのお話のように慎重に審議して——本日まだ参議院において、相変らず審議の継続中であります。こういうふうな国際的な信義に関する問題、あるいはまた繭糸価格の安定のような緊急を要する問題が、いまだに八件も残っている。あるいは国会乱入というような問題は、われわれ議会人として、民主議会を守っていく上からいいましても、ぜひともやらなくてはならぬ問題である。こういう問題がいまだに残っておりますので、私どもとしては、どうしても十五日から二十七日までの十三日間延長いたしたい、かように考える次第でありますので、十三日間の延長には賛成いたすものであります。
○荒舩委員長 社会クラブ、池田君。
○池田(禎)委員 私ども、反対の理由は、すでにるる述べて参ったのであります。率直に申しまして、従来とも、会期の延長というものが毎国会行なわれて、大きな混乱を伴っているということは、否定できません。この中には、何党といえども、やはりそれぞれの立場において多かれ少なかれ党利党略というものによって行なわれたことは、否定できません。そのことは、ひとしく各党の反省しなければならないところである、私はかように思っております。そこで今回の場合におきましても、私は多くは申し上げませんけれども、日曜日とか祭日とか、そういうものまでも返上して審議をしたが、なおかつそれでも足りないのだというならば……(「野党が応じないのだ」と呼ぶ者あり)これは野党が応じないというだけの、一片の遁辞では許されない。やはり各党が誠意を披瀝して、議員は日曜とか祭日に休みたいということはわかるけれども、国民の代表としてそれほど国民の負託にこたえるの道を講じたという、議員としての職責を全うしたという姿が現われて、なおかつ会期が足りないというのならば、そこにおいて会期の延長を行なうということは、それをしも許さない、私はそれほど無理解なことは申さないつもりであります。しかるところ、さようなあらゆる努力、あらゆる謙虚な姿というものを示さないでもって、ただお互いが政争の場面にのみ力点を置いて、一方は大幅にといい、一方は一日も許さないという態度に出ているのが、今日各党における見解の大いなる隔たりではなかろうか、かように思っているのであります。議会の運営上の責任は、何といいましても政府、与党にあるのでありますから、政府、与党がこの点における責任を持った態度をとらなかったということは、私は何と考えても遺憾であると思います。ことに会期の十三日の大幅延長などということは、従来ともこれ以上の日数をやったことがあるじゃないかと言えばそれまでですけれども、かつて帝国議会の時代には、二日にするか、三日にするかということだけで大きな問題がありました。提出した法案がその会期の中において審議終了を見ない場合には、関係の閣僚は責任を負うてやめたというのが、当時の政治的な責任の所在でありました。今日、民主主義政治を口にする人はあるけれども、責任をとろうとする人はどこにもおりません。まことに困ったことであって、国会の乱入事件であろうと何であろうと、責任をとるということになると、みな逃げて歩いて、国民に対して一人として責任をとる者がないというのが、今日の政界であることを思うとき、私は慨嘆にたえない。こういう点を総合いたしますときに、ただ単に多数党が数をもって大幅に会期を延長するということは、すみやかに反省して、こういうことは撤回されることを望むべきでありますけれども、事態ここに至りますならば、いたし方がございません。こういう観点に立って、私は反対の討論をいたすものであります。
○荒舩委員長 民社クラブ、木下君。
○木下委員 省略。
○荒舩委員長 これにて討論は終局いたしました。 採決いたします。 十二月十五日から十二月二十七日までの十三日間、会期を延長すべきものと答申するに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○荒舩委員長 挙手多数。よって、さよう決定いたしました。(拍手) ただいま議長に答申するに決しました会期延長の件について、議長から参議院議長に協議をいたし、本件を本日の本会議の劈頭に議題といたすことといたします。 なお、本件について、日本社会党の兒玉末男君、社会クラブの池田禎治君、民社クラブの本島百合子君から反対討論の通告があり、自由民主党の久野忠治君から賛成討論の通告がありますが、討論時間はどの程度にいたしますか、御協議を願います。 〔「前例通り」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 それでは、討論時間は前例通り十五分程度とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、本件の採決は、記名投票をもって行なうことといたします。 —————————————
○荒舩委員長 それでは、本日の本会議は、三時三十分予鈴、三時四十分から開会することといたします。 —————————————
○荒舩委員長 次回の本会議は、公報をもってお知らせいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十三分散会