運輸委員会 第7号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/12/09
会議録
○平井委員長 これより会議を開きます。 この際、海難救助態制の強化に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 海難救助態制の強化に関する決議案を提出いたします。 まず決議の案文を朗読いたします。 海難救助態制の強化に関する件 最近頻発する海難事故により貴重な人命、財産が失われつつあるは、誠に遺憾に耐えない。これら遭難当時の状況判断によれば、救難態制は必ずしも万全とは認め難い恨がある。 よって、政府は速かに左記の措置を講じ、もって海難救助に万遺憾なきを期すべきである。 記 一、巡視船艇、人員及び職員宿舎等を整備強化すること。 二、航空機及び通信施設を整備するとともに空、海、陸よりの救難態制を確立すること。 三、救命用具を整備すること。 四、航路標識を整備拡充すること。 右決議する。 次に決議案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 わが国は、御承知の通り、特殊な海上気象のもとに位するため、海難事故はきわめて多く、ここに昨年中における海難の発生状況を見ますと、件数は三千七百七十一隻、総トン数では五十二万九千四百六トンに達し、死者、行方不明は実に千二百十人の多数に上っているのであります。本年に入ってからも、去る九月末日までに判明した海難の発生は、二千四百八十三隻を示し、死者、行方不明は五百三十八名に達し、さらに台風等の災害により被害は増大する見込みであります。特に、去る十一月二十五日、銚子港外において漁船第五幸辰丸が大波のため転覆し、乗組員三十五人のうち、死者一名、行方不明二十八名を出すというまことに痛ましい惨事を引き起こしたことは、いまだに記憶に新しいところであります。 これら海難事故の大半は、沿岸百海里以内の沖合いにおいて発生しており、またその大部分が小型船で占められているのであります。かような海難に際して、空、陸一体となって敏速かつ適切な救難措置がとられたならば、被害は最小限度に防止し得たのではないかと想像できるのであります。 荒天暗夜のもとに、海上治安の確保に、また海難救助に日夜活躍される海上保安官の努力に対して敬意を表するにやぶさかではありませんが、いかに優秀な職員がおりましても、現地に即した巡視船艇、航空機、優秀な救命用具、連絡用通信施設等が完備していなければ、とうてい救助に万全を期し得ないのであります。 かような理由に基づいて本決議案を提出した次第であります。 委員各位の御賛成をお願いする次第であります。
○平井委員長 ただいま久保三郎君より御提案のありました海難救助態制の強化に関する件について、本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平井委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 なお、本件の取り扱い等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平井委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。 この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。楢橋運輸大臣。
○楢橋国務大臣 ただいま当委員会において決議を得ました海難救助態制の強化に関する件は、まことに、私から申し上げますれば、むしろ感謝にたえないところでありまして、これは、運輸大臣といたしましても、この決議の趣旨を尊重いたしまして、極力予算措置等においてその実現を期したいということを申し上げる次第であります。どうもありがとうございました。 ————◇—————
○平井委員長 次に、陸運に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
○關谷委員 「道路交通取締法改正要点」という資料を今いただいたのでありますが、これの詳細なことにつきましては、いずれあらためてよく検討いたしました上でお尋ねをいたしたいと思いますが、その中で一、二点お尋ねを申し上げてみたいと思います。 先般、私、自動車会議所の所報といいますか、それに、これは不確定なものではあるがということを前提として出ておりましたので、それを見ておりますと、私たちがこの改正の際において一番お願いをしておきたいと申しますか、入れていただきたいというふうに考えておりますのは道路の両側に自家用車あるいは営業用の車というものをずっと並べておる、そのために道路が非常に狭くなって通行に支障を来たしておる、そういうふうなものに対しまする処置といいますか、それが一つも出ておらないように思います。この第五章に「道路の使用等」というふうなことがありまするが、道路における禁止行為等という中にもそういうものは含まれてないのでありますが、こういうふうな点については何らかのお考えがあるのかないのか、全部私ちょっと一読いたしただけでありますので、十分なところはわかりませんが、どうもそういう点に欠けておるのではないかと考えられますので、この点警察庁の方の御意見を伺ってみたいと思います。
○内海説明員 お答えいたします。ただいまの御質問につきましては、実態から考えましても、道路におきます駐車の状態が道路の効用を非常に害する、さらに交通の阻害を来たしておりますことは、特に大都市におきまして相当はなはだしい状態であります。これにつきまして、今回の法改正にあたりましても、こういうふうな問題を解決するための措置をいかように講ずるかという問題を考えたのでありますが、その考えました点を、現在私どもの検討しております案においてどういうふうに実現しておるかという点を御説明申し上げたいと思います。 現行法におきましても、そういう問題につきましては、駐停車あるいは駐車の禁止という観点からこれをとらえておるわけでありまして、今回の改正におきまして、駐停車あるいは駐車を禁止する法律上明定された場所を相当増加いたしまして、たとえば、道路工事等が行なわれておって道路が非常に狭められておる場合に、そういう付近へ駐車をしてはならない、あるいは自動車の車庫あるいはそれに類するようなもののある前というふうなものを法律上新たなものとして加えますほか、さらに公安委員会におきまする駐車禁止制限の措置につきましても、この法律が通過いたしました上、さらに合理的な基準を設定いたしまして、これによっていきたいというふうに考えております。 次に、駐停車の禁止というとらえ方ではございませんけれども、駐停車する、特に駐車の方法という観点から、方法としてとらえております。これにつきましては、現行法におきましても、駐車の方法としまして、道路上に駐車する場合は道路交通のために三・四メートル以上の余地を残して駐車しなければならないという規定はあるのでありますけれども、そのただし書きで、やむを得ざる場合等はこの限りでないというふうな、実質的に非常に緩和された規定が出ておりますので、今回の改正におきましては、そういうふうな緩和規定を極力排除いたしまして、道路に駐車する場合には、最小三・五メートルの余地を残して駐車しなければならない。従って、逆の言い方をしますれば、駐車した場合に三・五メートル以上の余地が残っていない場合におきましては、その駐車自体が不法駐車であるというふうなとらえ方もいたしております。ただこの場合におきましても、全く除外例を設けないというわけにもいきませんので、たとえば病人の救護というふうな特異な場合におきまして、やむを得ざるものとして除外措置を認めておるわけであります。その他さらに道路上の制限措置としまして、交通の妨害となるような方法で、車両とか、あるいは屋台店などを放置してはならないというふうな規定を作りまして、さらに現状におけるような実態についての措置をとりたい、こういうふうに考えております。 そこでなおもう一つの問題としまして、継続駐車時間の制限をすることができる。たとえば某地点を例にいたしますと、その地点を指定いたしますと、たとえばそこにおいて継続して二時間以上駐車してはならないということによって、できるだけそういう場所が同一車両によって長時間占拠されるというふうな状態をなくしたい、こういうふうなこともこの法案においては考えている次第であります。 そこで、問題は、こういうふうな法規定をいたしましても、結局現行法のもとにおきましては、罰則をもって担保しているだけでありまして、もしその罰則を適用したにもかかわらず、その措置に対してこれをがえんじない場合におきましては、たといそこに非常に大きな交通障害が出ておりましても、これを行政措置としていかんともしがたい実態にあるわけであります。従いまして今回の改正におきましては、そういうふうな不法な駐車が行なわれて、しかもそれが道路交通の上に危険を及ぼす、あるいは非常な妨害を及ぼしているような場合には、一定の条件のもとに警察官が立ち去ることを指示する。その指示にも応じないような場合におきましては、その警察官の権限によりましてそこの現場から妨害にならない範囲内においてこれを除去し得るというふうな措置もとり得るような規定を案としていたしております。 以上が大体今回の措置でございます。
○關谷委員 今承りますと、地域を指定して、かつ継続駐車の時間等を限定するというふうなお話でありますが、大体自家用車等が車庫を——これは最初に登録、届け出の際に車庫があることになっておるはずであります。しかしながらほとんどが車庫がないということで、みんな路上に放置しておるのです。これをなくするためには、今の地域を指定するというふうなことでなくして、道路上を車庫のかわりにするようなことがあってはならぬというふうなことを規定しなければならぬ。私たち方々へ行ってみましても、いつ行ってみましても、自家用車を同じところに置いてあるという状態が多いので、道路の狭いところあたりでは、それらのためにブーブーいわなければ中から出てきてそれを動かしてくれない。そのためにすれすれでやっておる。私の見ておる前で事故を起こしたこともあります。そういうふうな狭いところを人が通っておって、そうして車が通ったものですから、車と車の間にはさまれて非常な出血したのを私の目の前に見たことがありますが、ああいうふうなことをなくするためには、どうしても車庫を持たずして路上を車庫がわりに使うというふうなこの状態をなくするのには、今の御説明を承ったのでは私はとうていやり切れぬ、こういうふうに考えるのでありまするが、そういうふうなものをなくするための措置として何かお考えがあるかないか。これが適切な、有効な方法がなければ、なかなかこの状態を解消することはできません。条文にでもはっきり書いてそれを守らなければ、これは罰則もあるんだ、行政措置でもやれるんだというふうなことにでもしなければ、とうていこれはその事態を解消することはできないと思うのですが、その点どういうふうにお考えになっておりますか、伺ってみたいと思います。
○内海説明員 御意見の点につきましては私どもも非常に痛感いたしておる問題でございますので、今回の改正案を立案するに際しましても、いかにして今御指摘のありましたような状態を解消していくか、それをどういうふうな形で法律上盛り込むかということにつきまして、あらゆる角度から検討を加えたのでありますが、結論は先ほど申しましたような範囲にとどまっておりまして、自家用車を車庫がわりに路上に置いておくという実態それ自体を禁止するというふうな措置は講じておりません。講じておらない理由は、結局いろいろ法律上の議論がありまして、もしそういうところが非常に交通上支障があるならば、公安委員会が駐車を禁止することをもってできるのではないか、こういう意見が一つありますことと、それから他方におきまして、道路というものが交通の用に供されるものである限り、それがあるいは駐車しあるいは停車することが交通の妨害とならない限りは、やはりやむを得ない、当然の交通の一環になるのではないか。従ってそれは交通の妨害になる、あるいは危険になるということを前提にして初めて可能になるのではないか。その場合におきましては結局駐車を禁止する場所として取り上げる問題、従ってある部分については法律上明定してこれを駐車禁止の場所にし、さらに公安委員会の交通実態を判定した駐車禁止の地帯として、そこを指定することによってそこに駐車させない、こういうふうな措置をとるのが最も妥当なのではないか、こういうふうな法律上の論議の結論から、ただいまおっしゃいましたような大きな網をかけて、道路上における車庫がわりの駐車禁止ということは、法律上は非常に困難であるという結論になっておるわけであります。 そこで私どもとして現状を見てみますと、御指摘のような点は非常に多いわけであります。その上に公安委員会があらゆる場所を駐車禁止に指定をしてしまいますと、今度はほんとうの、たとえば家の引っ越しとかあるいは医者が診察に来るとかというようなことによって駐車をする実態も禁止されてしまうというふうなことになりますので、そこで私どもとしては、容易に、そういうところを公安委員会の指定にかけて、大幅に禁止措置もとり得ない実態があるわけであります。そのために法律上私どもがとりました措置は、先ほど申し上げましたように、道路におきまして三・五メートルの余地を残しておかなければ、駐車してはならないんだといういわゆる駐車する方法という形でこれをとらえたわけであります。従いまして、非常に狭い道路で、自動車の幅が一・五メートルなり二メートルあるとしますと、たとえば二メートルの幅のある自動車は、いかにいたしましても五メートルの幅の道路には駐車できないことに方法としてなるわけであります。従って法律上の規定からいたしますと、五メートルの道路は二メートルの幅のある自動車は駐車をし得ないという一つの規制を受けておる、こういうふうな措置をとりまして、今御指摘になりましたような実態に対処していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○關谷委員 あなたが今御説明になっておりますることを聞いておりますと、広い道路は車庫がわりに使えというようなことに反面解釈するとなってくるのでありますが、今お話がありました医者が来たときとか、あるいは引っ越しの作業をするとか、そういうことは当然のことで、それは交通の一環としての作業でありますので、この点はもちろん何も異議を言うものではありませんので、短時間、そういうふうな医者が来たとか病人を運ぶとか、あるいは引っ越しをやるとかいうような例をあげられましたが、そういうふうなことは当然だと思います。その際に駐車してはならぬというようなことになれば、何もできないことになるのですが、何もそれをやるなというのではないので、その点は私たちは認めます。しかしながら道路を車庫のかわりに使っておるこの現実を除かぬことには、どんなに日本の道路を広くしたってどうにもこうにもならないというような現状でありますので、一定の区域を限ってというふうなことでなくて、道路を車庫がわりにしてはならぬのだというふうにしなければとうてい取り締まれません。私はこれは法律上の解釈としても成り立つのではないかと思うのですが、車庫がわりに使ってはならないのだ。もう町を歩いてみられたらよくおわかりだろうと思います。夜の十時ごろから朝の六時、七時ごろまでは全部車庫がわりに使っております。そのために夜間あたり通れないというようなことがたくさんあるのですが、そういうふうなことを、三・五メートルの幅がなければならないからというふうなことで取り締まるといいましても、いつも行ってみてやらなければならないのか、これは車庫がわりに使ってはならぬというふうなことにしておけばそういう事態は解消するのですから、私は何か抜本的なことをこれに書き入れておらなければ、どんなに建設省へ道路をやれやれと言うたところで、広い道路は、今の御説明を伺うと、駐車場に使えと奨励規定のように反面解釈するとなってくるのでありますが、この点はどうしても、私はよく法制局あたりとお打ち合わせを願って、車庫に使ってはならないような方法にしなければならぬと思うのですが、この点何ですか、もうそういうふうなことは考える余地はないというふうなことになっておりますかどうか、その辺を伺っておきたいと思います。
○内海説明員 繰り返して申し上げるわけでございますが、そういうお説に対しましては私全く同感でございます。従いまして、なお立案の過程でありますので、法律上どこまでそういう実態をとらえて制限し得るのかということにつきましては、なお真剣に考えていきたい、かように考えております。また使用制限の規定につきましても、私どもとしては車両を放置してはならないというような考え方をもちろん打ち出しておるわけであります。あわせてさらに法理論上も検討していきたい。あわせて私一つお願いが、もし自家用車に対して車庫設定の義務などが付されるならば、この問題の解決は非常に容易にできるんじゃないかと思います。
○關谷委員 道路交通取締法につきましては、今の要点をよくまた検討いたしまして、さらにお尋ねをすることにいたしまするが、今道路交通取り締まりの関係では非常に技術的に困難なような状態が見受けられますが、これに対して道路運送法の方の関係で規制ができるかどうか。そういうふうなことを一部改正をやればできるかどうか、またそういうふうなことを考えておるかどうか、これは自動車局長の方から伺ってみたいと思うのでございます。
○國友説明員 今道路の問題につきまして問題として起こっておりますのは、大都市に起こっておるわけでございまして、その大都市の自動車を駐車しておる問題をどう解決するかという問題であると思うのでありますが、しかし今端的にそれを解決する問題は、やはりその道路に駐車をさせないこと、夜間等置かないことが大切であろうと思いますので、その点をお願いしたいと思っておるのですけれども、たとえば車庫を置きました場合でも、われわれ今トラックにつきまして届け出をもちまして、車両の登録の場合に車庫及び常置場所の届け出をさせておるわけであります。届け出をしておりましても、車庫がありましても、やはりちょっと離れておるところであると、その近所へ持ってきて置くというようなこともありまして、規制の方法については現在何とか道路の広さを、道路の効用をそのまま発揮させるようにわれわれとしても考慮しなければならないと思って考えておりますし、道路運送法の面でも車庫の設置等について規定し得るかどうかということも現在検討中でございます。そうして現在考えております道路運送法の改正、今度の通常国会に提案しようとしておりますものにつきましては、緊急に措置すべきことのみを取り上げておりますので、車庫の問題等につきましてはそのあとの改訂の際にさらに検討を加えて措置をしたいと思って今全体的な検討と緊急の検討とをいたし、現在においては緊急の検討の方を先にしているわけですが、一番最初に解決すべきものは大都市におけるものであり、それにつきましては警察庁の方と協力して、今内海交通課長からも言われましたような地域の指定とか、その場所からの自動車を除くということを推進してもらい、さらに車庫についての設置をわれわれとしては慫慂していく方向を現在はとりたいと思っておる次第であります。
○關谷委員 先ほど来交通課長からお話があって非常にそれがむずかしいというふうなことでありますが、私はこの自家用車等につきましては車庫を義務づけるということにしなければ、どうしてもこれはやれないというふうに考えておるので、その点、それをこれから慫慂する、慫慂するくらいなことで、それが取り締まりができるものなら今のような状態は起こらないのでありますが、また慫慂するといったところで、一々それを数少ない陸運局が出ていってそういうふうなことを言うようなことはとうていでき得ないのでありますので、法律で義務づけるというふうなことをしなければこの事態は解消はいたしません。そうして今道路交通取り締まりの方に協力してというふうなことでありますが、それよりもこれは道路運送法の改正で緊急を要すべき一つの問題だと私は思いまするので、この緊急な問題点だけを改正するという際に、私はこれは車庫を義務づけて、そうして車庫のない者は自家用車は持ってはならぬということにでもしなければ、この混雑はとうてい解消しないと思うのですが、そういうふうなことは次の通常国会に一部改正をする際に、そういうことをやろうというふうなお気持はありませんか。
○國友説明員 この混雑緩和につきましては自動車の発達の状況その他も考えなければいけないのでございますが、最近の自動車の激増ぶりというものは非常なものであることは皆さん御承知の通りなんですが、ところが私ども調べましたところでは日本におきまする自動車はまだ世界水準までの両数になっておりません。ちょっと数字を申し上げますと、三輪以上の自動車の保有割合を各国で見てみますと、日本におきましては現在三輪以上の自動車の保有割合は百三十一人に一台ということになっております。アメリカでは二・六人に一台、イギリスでは八・〇人に一台、西独では十七・〇人に一台、さらに全世界の平均を申しますと二十五人に一台ということで日本はもうずっと平均以下なんであります。これはしかし日本におきましては人口も多いし、大都市に集中しておりましてよそと事情は違うということもございますが、しかし日本全体から申しますとまだまだ自動車の保有割合は発達させていい状態にありますので、たとえば車庫の規制等に関しましても全国的に全部車庫の保有を義務づけるということもまだ検討を要する問題でありまして、やはり最も緊急を要するのは大都市における道路をいかに効果的に利用するかという問題でありますので、そこに観点を集中して考えなければいけないと私は思っておるのであります。そういう意味におきまして、現在車庫を全体的に義務づけるということに関しましては、目下方法を検討中でありまして、実は私どもとしては、日本全体にそういうことを義務づけることについてまだ考えがまとまっておりませんので、今度の通常国会には提案の中に入れておらないのでございます。
○關谷委員 保有台数の人口割りというふうなことでありますが、外国はいなかに住んでおる方がなお自動車を持つような状態で、みんな平均して持っておるのであります。ところが日本ではそうではない、大都市に集中して、大都市が持っておるというふうなことでありますし、そして道路の関係あたりを考慮に入れずして、人口割りで、これでいいんだという、そんなことを考えているから、こんな混雑した状態が起こってくるのであります。もう少し考え方を変えて、全国的にやったところで何も差しつかえないので、日本でもいなかの人が自動車を持っておるというのでありましたならば、広っぱをみんな持っておるので、何も家を建てなければならぬということはない、広っぱで差しつかえないのでありますから、そういうふうなことはいなかの方がやりやすいので、これを法律で義務づけたところで何ら差しつかえないのであります。都会ではまたこれが事故の原因にもなるというふうな状態だから、この状態を解消しなければならぬというので、全国一律にやることが私はいいんだというふうに考えております。これはあなた方の考えておられることは間違うておりはしませんか。
○國友説明員 先ほど申し上げましたように、全国的に一律に規定することに関しましては、まだ実は検討を要する問題だと思っておるのでありますが、車庫の設置をいたしまして、そこに入れることにいたしましても、実は都市の中におきまして用地が得られない場合に割合へんぴなところに車庫を置く、それでも車庫を持っておることになる。ところが、いざ自動車を利用する場合には、離れておりましてはなかなか利用しにくいので、設置が義務づけられたとしても、へんぴな場所に車庫を持っておる場合には、実際にはその都心の方の路上に自動車を持ってきて置いておくということも間々あるのであります。現在もそういう状態があるのでありまして、そういう意味から申しまして、私は道路を広くするために、やはり道路に自動車を置かないということが最も端的な措置方法であると思う。それに並行して車庫を置くことをやはり考えさせなければいけない、こう思っておるわけであります。
○關谷委員 局長は、取り締まりは警察のことだからわれわれは知らぬのだというふうなことに今の答弁ですとなるようでありますが、これについてはきょうは時間があまりありませんので、この程度でやめておきます。そういうふうなことでは、この事態は解消はしません。道路交通取締法でやりにくいところはこちらでこういうふうにいたしましょうというふうな協力的な態度でなかったならば、この混雑した状態を解消することはできないので、これは道路交通取締法の方で取り締まってもらいさえすれば解消できるのだから警察の方でやってもらいたい、われわれは知りません、そういうふうなことは私は許されぬことだと思います。もう一ぺんあとでよく考えておいていただきたいと思いますし、この点については警察庁あたりとよく打ち合わせて、——何もあなたはあれは協力ではない、責任転嫁するだけであって、協力態勢ではないというふうに考えます。いずれこれにつきましてはあらためて道路交通取締法あるいは道路運送法の改正というふうな際におきまして、私はよくまた御質問申し上げてみたいと思います。 ————◇—————
○平井委員長 次に、国鉄経営に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。早稻田柳右エ門君。
○早稻田委員 楢橋運輸大臣並びに政府当局にお尋ねしたいと思いますが、先般の伊勢湾台風において非常な災害をこうむりました関西線の復旧が非常におくれておる。これはいろいろな難点も多かったためとは存じますが、どうしてこんなにおくれたか、さらに現在の復旧状況はどうなっておるか、一応伺っておきたいと思います。
○山内説明員 関西線の復旧はもうすでに終わっております。全線平常通り運行しておるわけであります。おくれました理由といたしましては、何といいましても路盤が水につかっておりまして、締め切り工事に非常に困難を来たして水のはけがおそかったというためでございまして、復旧工事自体といたしましては、もうすでに水の引く前に諸資材並びに労働力の手配も万全の手配をいたしまして、水が引きますと同時に復旧工事を昼夜兼行でやりまして、できるだけ早く上げたつもりでございます。
○早稻田委員 関西線の復旧につきまして、政府の払われた御努力に対しては深く敬意を表する次第でございますが、地元の関係方面から言わせると、どうも政府は関西線は軽視する感がある、ややもすると枝線扱いにしておる、ああいう重要な路線を等閑に付しておるような感がある、こう言われておる。さらにまた私設鉄道との関係等もおもんぱかってこれを重視しない感がある、こういうような説をしばしば耳にする次第でありますが、御承知のようにあの路線の沿道は近代工業都市として非常な発展を来たしつつあるところであります。従いましてこれは非常に重要な路線のようにわれわれは考えておるが、運輸大臣はいかに考えておられるか。
○楢橋国務大臣 早稻田委員が御指摘になりました関西線の問題でありますが、私は東海道線が不通になった場合には、これを関西に通ずるのにはやはり関西線を活用したがいいということを、先年でありましたか、東海道線が不通になったときに強く感じ、また関西線はそういう点に一つの役割を持っておると思うのであります。ところが国鉄では関西線は有名な赤字線でありまして、そのために関西線というものが今御指摘のように国鉄であまり熱意を持っていないのじゃないか、こういうように思われておるのでありますが、私は運輸大臣になりましてから関西線というものをやはり強化する必要がある、つまり鶏が先か卵が先かで、やはり線路をよくし、スピード化し、合理化する、そうすれば自然にお客もふえるので、今ちょっと御指摘になったような近鉄をおもんぱかってあるいは国鉄がこれを軽視しておるのじゃないかというような御指摘もありますが、そういうようなことはありません。従って関西線の電化あるいは複線化という問題を取り上ぐべきであると実は思っておるのであります。 現在の状況につきましてちょっと申し上げますと、関西本線の複線化につきましては、大阪方の奈良—王寺間を工費約二億四千万円で本年度から着工しておりまして、来年度は完成する予定でありますが、一番問題は四日市でありまして、私も先般四日市に参りまして、四日市が目ざましく石油化学を中心として発展をいたしておりまして、四日市—名古屋間等においてどうしてもこれを複線化する必要があるということを実は考えておりまして、ついこの間予算委員会で質問が出ましたときまではまだ具体的なことは四日市等の状況を見てやろうという考えでありましたけれども、その後復旧にあたりまして、この名古屋—四日市間はやはり急速に複線化することが妥当ではないか、ちょうど今回ああいう大きな災害を受けまして土地その他が相当に荒れ果てておりますから、端的に言えば地元民の協力等によりまして、複線化するための土地の買収その他についても、この機会に災いを転じて幸いとしたらいいのじゃないかということを考えておりまして、その複線化についてすみやかに検討するように当局に指示をしておるような次第であります。
○早稻田委員 ただいま大臣の御答弁によりまして、運輸当局がこの線を非常に重要なる線と認定していらっしゃるということを承知いたしたわけでありますが、重要な線とお考えであるならば、輸送力の強化のために直ちに複線電化計画をお進めいただくことが時宜を得た措置ではなかったかと思う。今その片りんを伺ったわけですが、できればどんな御計画で、いつから着工しようというようなお考え等があるといたしますならば、この際具体的に伺っておきたいと思います。
○山内説明員 関西線の現状はただいま大臣が申し上げました通りでございまして、現状ではある程度輸送能力がありますので、現在の線の状態をもっていたしましても輸送力を増強するという余地はある程度まではあるということでございます。それで国鉄といたしましては、現在さしあたってする関西線の増強計画並びに将来にわたっての増強計画、この二つについて検討いたしておるようであります。地元の御要望は、現在のままでもディーゼル・カーをもっと入れて輸送の増強をしてもらいたいという強い御要求がございますので、この点も国鉄部内におきまして現在検討中でございます。先生の御質問は将来にわたる問題であろうと思いますが、関西線につきましては、国鉄は複線計画を現在具体的に検討中でございます。またいつからその手をつけるかという段階についてはわれわれの方も十分まだ承知していないのでございますが、早晩輻湊線についての複線化というものは考えなければいけないということで研究いたしております。 次に電化の問題につきましては、御承知のように現在電化工事は五カ年計画を実施中でございますが、次の五カ年計画には前から計画が入っておるわけでありまして、この次の五カ年計画においてなるべく早く実施をするということを考えておるわけでございます。この電化につきましては、まだ具体的にそれではいつからということは言い得ない。ということは、現在の五カ年計画の進捗状況、将来の予算の状況というものを見まして考えなければならないわけでございますので、なるべく早く関西線につきましては手をつけたいという意向のようにわれわれ聞き、またわれわれもそれを望んでおるわけであります。
○早稻田委員 いろいろ計画を立てていただいておるようでございますが、今度の災害を通じて考えますことは、あの災害によってあの辺は非常に荒廃しておる。複線化するにあたりましては何といっても土地の買収が一番大事なわけですが、現状から勘案いたしますと、土地の買収、地元の熱意、将来への希望というようなもの等を考え合わせて複線化するには一番いい機会ではないか、かようにわれわれは察知いたしている次第でありますが、この際急速に複線化するという方向へ持っていっていただきたいと地元も要望し、私も考えております。これが将来、先ほど大臣のお説にもありましたように、万が一東海道不通の場合におきましては大きな役割を演ずることになると思う。かような観点からぜひ善処を願いたいと思います。今大臣の御答弁のうちに、本年度二億四千万円の予算を計上しておるとおっしゃったのですが、これは複線のための予算であると承知してよろしゅうございますか。
○楢橋国務大臣 そうです。これは大阪方の奈良—王寺間の複線化に対する二億四千万円でありますが、今一番大きな問題は名古屋—四日市間でありまして、名古屋—四日市間は、今早稻田委員のおっしゃいましたように、今回の災害をめぐりまして復旧工事にあたっての諸般の条件が、むしろ複線化について国鉄が踏み切れば絶好の機会ではないかということを実は私も感じますので、今御指摘のありましたような名古屋—四日市間の複線化については早急に具体化したい、こういうことだけをお答えしておきたいと思います。
○早稻田委員 関連して一つ伺っておきたいと思いますが、先般発表せられた新東海道線の建設にあたって、当局は最初この線を新東海道線の本線に入れようというお考えであったように聞いておった。ところが鈴鹿トンネル等の開さくが非常にむずかしいというので、米原経由になったかに聞いているわけでありますが、それは事実かどうか伺っておきたい。
○山内説明員 新東海道線を建設するにあたりまして検討いたしました地点は数限りなくあるわけであります。御承知のように大きな幹線のルートをきめます場合には一つ二つの線ではないわけでありまして、あらゆる可能の線を全部検討しまして最も有利な線をとるわけでございまして、その際には実は運輸省に出てくる前の国鉄の段階でありまして、いろいろの線を検討したと聞いておりますが、具体的には今のお話のものが有力な線であったかどうかということは存じておりませんけれども、最終的に運輸省がきめましたのは、現在発表いたしました線が最もいい、鈴鹿の工事ということも国鉄としては十分検討したわけでありますが、地質の関係上、隧道の長さの関係上あるいはその保安の関係上非常に難点が多いということで関ケ原回りを決定したように聞いております。これが現在の国鉄の技術陣で調べました最終的なルートであるということで運輸大臣が認可したような経緯になっておるわけでございます。
○早稻田委員 どうも局長の答弁とも思われないような答弁と私は思います。何となれば、新東海道線を建設するにあたって、いろいろ調査なさったことも事実でございましょう、またいろいろな案のあったことも事実でございましょうが、帰するところはだれが考えても現在の米原回りの東海道線をやるか、あるいはさらに鈴鹿トンネルを越えて最短距離を走らせるかということが重要な路線であることは鉄道に志す人はだれでも知っていらっしゃる。にもかかわらず、今局長の説明のほかにあったということはちょっとおかしいと思うが、しかしきょうはそういうことを探索する意味でお尋ねしているわけでも何でもありません。要はこの路線が必要であるかどうかということを伺いたいために尋ねているわけでありまして、はっきりさせられない点は遺憾だと思いますが、しかし今の御説明の中にも察知できるように、この路線が非常に重要である、できれば新東海道はこの線を走らせたいという気持が多かったということは事実だと思う。かような観点から考えましても、これは直ちに複線化せられ、さらに電化せられることが日本全国の輸送計画上からも非常に必要なことである、さらにまた地方の開発発展にも寄与することが多い、こう考えます。かような意味から、今調査しているとか研究しているとかいう段階ではなくて絶好の機会なのですから直ちに着工する、こういう決意を持ってもらいたいと思いますが、大臣は一番大事な名古屋—四日市間を来年度から着工するという御決意があるかどうか伺っておきたい。
○楢橋国務大臣 御趣旨をよく含んで当局とも協議して進めたいと思います。
○早稻田委員 もり一つ関連して……。
○平井委員長 簡潔に願います。
○早稻田委員 これはほかの話ですが、先般決定せられました鉄道の今度の十一線の新建設線でございますが、そのうちに直ちに着工すべしと鉄道建設審議会から答申のあった線があるように伺っております。たとえば岡崎—多治見線、この岡多線のごときはいつごろ着工の見込みであるか、さらに予算措置についてはどんなお考えであるか、伺っておきたい。
○山内説明員 岡崎—多治見線、いわゆる岡多線は昔から古い予定線であり、かつまた非常に開けた線でございます。工事上も、土地買収の問題がありますが、工事そのものにつきましては非常に簡単な線でございます。それで、建設審議会といたしましては直ちに着工するを可とするという答申を得ておりますので、来年度できるだけ早く手をつけることになると思います。ただ予算の問題でございますが、来年度国鉄当局といたしましては相当本年度より多い建設予算を要求しておりますが、予算のことでございますので、きまりませんとここでどうこうするというわけにいかないわけでありますが、現在二十五線建設線を持っておりまして、九十五億の予算で実施いたしております。そうなりますと、来年度予算がどのくらいふえるかということによりまして、新しい工事線のみならず、全体の工事線の規模がきまるわけでございますが、どちらかと申しますと非常に採算ベースのいい線でございますので、国鉄当局もなるべく早く、また建設審議会の御意見もありますので、手をつけることになると思います。どのような予算かということはまだ具体的にきまっておりません。
○平井委員長 關谷勝利君。
○關谷委員 国鉄当局に簡単にお尋ねをいたします。 年度末で滞貨等がふえておりまするが、貨車回りが悪いということを周囲から言われておりまするので、国鉄の貨車関係について少し伺ってみたいと思います。 わが国の産業経済の進展はきわめて順調にいっておりまするが、国鉄に対する輸送要請が著しく増加していることは事実でありますが、最近の実情を伺ってみたいと思います。国鉄全体としてどういうふうになっておるのか、支社ごとでどういうふうになっておるのか。もしわかっておりましたならば主要物資別にどういうふうになっておるか。もしここで詳しい御説明が時間の関係もありますのでできないようでしたら資料を次に提出していただいてもけっこうでございますが、簡単にわかれば御報告を願いたいと思います。
○吾孫子説明員 お答え申し上げます。御指摘のように最近非常に貨物輸送は輻湊いたしてきておるのでありますが、その原因は申すまでもなくわが国経済の伸張が非常に大幅であったということと、米とか果物、野菜等がことしはまた非常に豊作である、また水産物の水揚げも増加しておる、こういうようなことから、本年度は年度の初めから非常に輸送は活況を示しておりまして、平常夏枯れとよく申すのでありますが、夏季においても貨車が一ぱい一ぱいであるというような状況でございまして、秋冬季に入りまして漸次輸送が窮屈になりまして、貨車不足の傾向がだいぶ著しくなってきておるような次第でございます。それで現在の支社別の輸送状況でありますが、全体としてどこも相当窮屈ではございますが、特に全区輸送力が不足しておるというように認められますのは、東北、常磐、上越、北陸の各線及び東海道線の上りの輸送がだいぶ詰まってきておるような状況でございます。 それからお尋ねのございました主要物資の輸送成績でございますけれども、おもだったものについて前年度と比較いたしましたパーセンテージだけ申し上げて、あと詳しいのはまた別に差し上げる、こういうふうにしたいと思っております。この前年度との成積の対比でございますが、これは四月から十月までの成績の累計でございますが、米が前年度に対して一〇九%、果物が一〇三%、木材が一〇六%、魚貝類が一〇七%、石炭はとんとんで一〇〇%でございます。鉱石が一一八%、石灰石が一一四%、セメントが一一二%、鉄鋼が一二五%、大体こんなふうな工合になっております。
○關谷委員 そういたしますと、今年度の輸送計画は最初一億七千五百万トンであったと思いますが、この当初の計画を変更しなければならないのですか。あるいは変更しなくても済みますか。
○吾孫子説明員 上期の輸送成績は年度計画に対しましては一〇四%ほど増しましたし、前年の実績に対しましては一〇九%の増加をいたしております。下期におきましてもこの状況は継続するものと考えられますので、年度の最初の実行計画では一億七千五百万トンという予定であったのですが、これが約一億八千万トンに達するという見込みで輸送の計画を立てておる次第でございまして、一億七千五百万トンという年度当初の実行計画を変更しようというようなことは今特別には考えておりませんけれども、実施面でもって一億八千万トンの線になるように運営をいたしたい、そういうふうに考えておる次第であります。
○關谷委員 ことしの秋冬のいわゆる繁忙期に対してどういうふうな対策を立てておるのか、またその対策は十分に効果を上げておるのか、また伊勢湾台風等の関係で輸送にそごを来たしておるというような事実があるのかないのか、伺ってみたいと思います。
○吾孫子説明員 秋冬季、つまり十月から十二月にかけまして、当初の計画では四千六百九十六万トンというような数字を考えておったのでありますが、それを約百万トン増しまして、四千八百万トンの輸送をするというような計画を立てております。そのために大体以下申し上げますような処置を講じておるようなわけであります。 まず貨車につきまして三百車ほど新造を追加いたしまして、さらに本年廃車を予定しておりました車のうち五百車ほど一年間だけの延命措置を講じまして、これには約五億円ほどの経費がかかったわけでありますが、そういうことで貨車を予定の当初の計画よりも増備をするようにいたした次第でございます。 それから列車の運転計画といたしましては、この四千八百万トンの輸送を完遂いたしますために、一日平均三十九万二千七百キロほどの貨物列車の実運転キロを必要といたしますので、このために定期列車、不定期列車、臨時列車合わせて四十二万キロほどの列車キロを設定をいたしております。なお、輸送能率の向上をはかりますために、秋冬繁忙期貨物増送増強運動というようなことを部内で実施いたしております。こういうようなことをやっておりますので、結局貨車につきましては、当初の計画に対して大よそ五百十両ちょっと上回る五百十両ほど増備できるということで、それにあわせて今申し上げましたような運動その他を行なって何とかこなしていこうと思っておるわけでございます。 なお、お尋ねのございました伊勢湾台風による輸送障害でございますが、これが大体百五十万トンというふうに見込まれておるわけでございますが、現在の十二月末までの推定の見通しといたしましては、この秋冬増送運動の目標であります四千八百万トンに対して四千七百六十二万トンまでは運べるであろう。目標に対して三十八万トン減ということになるのでございますが、伊勢湾台風の影響の百五十万トンというものは、十二月の増送運動でこの程度の影響は縮め得る見込みでおるわけでございます。
○關谷委員 そうしますと、四千八百万トン運びますと、十二月には滞貨というふうなものはなくなりますか、どういうふうなことになりますか。出荷の見込み数量と輸送可能量とでそれが送り不足になるようなことはありませんか。その点どんな計画ですか。
○吾孫子説明員 十二月の輸送要請に対しまして輸送可能数量と見込みました輸送目標は千六百三十万トンでございまして、この輸送目標は年度当初に立てた計画に対しまして、年度当初の計画は千五百八十一万トンでございますので、だいぶ大きく上回るのでございますが、なお見込み輸送要請に対しては約二百二十七万トンほどの送り不足となります。これは一月に持ち越さなければならないことになるわけでございます。 それで年末の在貨等の見込みでございますが、十二月末の在貨は約二百万トン近いものと想定せられます。三十一年における越年在貨が百二十九万トンでございまして、本年も来年の年初を控えて一時的に託送の取り消しということがありましても、大体この程度のものを持ち越すことになるのではないかというふうに予想いたしております。
○關谷委員 そういたしますと、この滞貨ができるということは、貨車が不足するというふうなことになるのであろうと思いますが、来年度の輸送計画というふうなものを三十五年度あたりはどういうふうに立てられますか。経済の伸びに応じて相当数ふえてくると思いますが、それに対して貨車の手当というふうなことはどういうふうにお考えですか、具体的に御説明を願いたいと思います。
○吾孫子説明員 三十五年度の貨車輸送計画といたしましては、五百十二億トン・キロの輸送トン・キロを想定いたしております。これは経済企画庁の推定もほぼこれと同じでありまして、五百七億トン・キロというようなことになっております。さようなわけで輸送トン数は一億八千六百万トンというふうに想定をいたしておるわけでございますが、このために貨車を七千両ほど新造をいたしたい、そういう予定でございます。もっとも七千両のうちの三千五百両というものは取りかえに充てるわけでございますが、そういう予定でこの輸送計画は、経済企画庁が立てております来年度の見通しとも大体一致いたしますので、現在のところは変更しなくてもこれでどうにか間に合うのではないかというふうに考えておる次第であります。
○關谷委員 今の七千両ありますと、来年度の見通しはこれで完全に送りきれるということになるのですか。どうも今までの貨車のふえ方と経済の伸びというものが食い違ってきておるのでありますが、昭和三十年から以降といいますと、これは輸送トン数の増加が三十年を一〇〇といたしますと、年々一〇八、一一一、一〇四、一一二というふうにふえておりますが、これがまたトン・キロの増加からいきますと、一一〇、一一三、一〇六、一一四というふうにふえております。ところが貨車のふえ方といいますと、一〇〇、一〇二、一〇五、一〇六というふうなことになって、いろいろ計画ではしておられましょうが、いつも計画を輸送需要の方が上回っておるというようなことでありますので、この点やはり考慮に入れて貨車をふやしておきませんと、経済企画庁がこう見ておるからこれでいいのだというふうなことでは、経済企画庁のものがやったのを運べばいいのだ、国民にどれだけの滞貨があって迷惑をかけてもかまわぬというようなことではいかぬ。ぎりぎり一ぱいというのではなくて、貨車というものを余裕をもってふやしていく。そうしておきますと、この輸送要請にこたえることができると思う。経済の伸びというものを企画庁やあなた方が考えておるのと、この輸送のふえ方というものが同じようにマッチしていないというふうなことになっておるのですが、この点は余裕をもって貨車をふやすというようなことにしてもらわなければ、いつまでたっても国鉄には滞貨があるということになりますが、この点そういうふうに計画を大幅に変更して、余裕をもって貨車を作るのだというふうなことにせられるようなお考えはありませんか。
○吾孫子説明員 御指摘の通りに、確かに輸送キロの増加率に比しまして、貨車の増加率も今まで下回っておりましたし、ただいま申し上げました計画も下回っておるのであります。しかしその点は現在のところでは、貨車の運用効率を向上する、また一車当りの積載率を引き上げるというようなことによって何とかカバーしていけるのではないかというふうに考えておりますけれども、御指摘の通り私どもとしてもできるだけ弾力のある輸送力を持つということについては、なお一そう努力をいたしたい、かように考えております。
○關谷委員 十二月にも二百二十七万トンというものが滞貨で繰り越すことになる、こういうことでありますし、また来年度作りますのも、下回るのを運用効率等でやっていくということでありますが、今の貨車の運用というようなものについては、ぎりぎり一ぱいでやっておるように私どもは聞いておりますので、これから滞貨をなくすということになると、大幅な貨車の増強ということによる以外には方法がないというふうに私たちは考えるのでありますが、七千両でも下回る、それで運行の効率をよくしてやるというようなことではどうにもならぬじゃないのですか。もう少し思い切って、七千両というものを一万両というふうなことにでもして、そして余裕を持った計画を立てられてはどうですか。
○吾孫子説明員 お言葉の通り、できるだけ弾力を持った計画を立てたいのでございますけれども、やはり全体の予算の規模ということもございますし、私どもといたしましては実は監査委員会等からも、運用効率とか積載率とかいうふうなものについてもまだまだ努力の余地があるのじゃないかというような御指摘をいただいておりまするし、両方あわせまして輸送要請におこたえするように今後とも一そう努力いたしたいと思います。
○平井委員長 先ほどの早稻田委員の質問に関連して、平野三郎君。
○平野委員 早稻田委員の質問に関連してお尋ねいたしますが、岡多線の問題であります。早急に着工するというただいまの御言明でその点は非常にけっこうでありますが、この路線につきましては決定しておるのかどうか、その点はどうなっておりますか。
○山内説明員 路線につきましてはこれから現地測量が行なわれます。その上ではっきりやることでありまして、一般に発表いたしました予定以上のものはまだ決定いたしておりません。土地の買収の難易、あるいは現地におきましても豊田の工場が二つありまして、その両方に使えるような要請がありましたが、できるだけ経済的に、かつまた現地の要請を満たし得るという路線の選定に入るわけでございます。これは来年度調査費がつきますので、それを使いまして現地について調査した結果路線が決定する、かように御了承願いたいと思います。
○平野委員 運輸大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、路線の決定にあたっての基本方針、これは単に地形上直線のコースを行けばたんたんとしておって経費も安上がりであるという考え方もありますけれども、一面からいいまして多少建設費がよけいかかりましても、将来永遠の問題でありまするから、やはり産業的に見てその鉄道は有効に利用し得るという観点に立って路線を決定するという必要もあろうと思うのでございます。今、岡多線の問題について具体的に申し上げますれば、岡崎から瀬戸まで来るわけで、これはたんたんとしております。それから多治見へ行くわけですが、その間に笠原町という非常に産業的に伸びつつある町があるわけなんです。これはわが国のタイル工業の中心地でありますが、そこを通らなければこの鉄道というものは真の意義を発揮しない、こう思うのでございます。何としても私はそういう観点からいいまして、笠原町を通るようにすべきである、それがために多少建設費がよけいかかるということがあっても、やはりその観点に立つべきであるというふうに考えておりますが、その点についての運輸大臣の御所見を承っておきたいと存じます。
○楢橋国務大臣 今御指摘の点はともかくといたしまして、国鉄が新しい線を開くということは、経済開発、あるいは文化の交流、地方の開発というような大きな公共性があるのでありまして、従って、ある経済的な単位である拠点が相当の発展をしておれば、そこに対してやはり国鉄として当然のサービスをすることは妥当だと思うのであります。やはり原則は常に地方の経済的開発、あるいは後進性を打破する、発展を大いに助長するということに置いて物事は考えたらいいんじゃないか、こういうように思います。
○平井委員長 館俊三君。 〔平井委員長退席、久保委員長代理着席〕
○館委員 まず私の質問する事柄は、青函連絡船の船員の勤務状態について現地で国鉄当局と組合との間に紛争を惹起しておる。そういうところから私、気がつきまして、青函連絡船の船員の勤務状態について説明を求める次第であります。 まず考えますことは、青函連絡船は津軽海峡を渡るのでありまして、日本では古くから玄界灘とか津軽海峡は海の難所だといわれておった。従ってあそこで乗船しておる船員というものはほとんど命がけで職務を遂行しておる。その例として私は委員長を通じて国鉄当局からまず資料をほしいと思うのですが、その資料というのは青函連絡船が始まって以来というよりも、まず終戦後における青函連絡船の事故件数について詳細に知りたい。その事故件数の中で連絡船員が何人死んでおるか、その家族が一体どういうふうな状態になっておるか、あるいは何人けがしたか、その事故がどういういきさつで起きたかということを調査した資料を全運輸委員に提出していただきたい。それは青函連絡船の激務について、あるいは身命をかけての職務遂行について運輸委員会の全員に理解をしてもらう、こういう立場から私は主張するものです。そういう資料を一つ委員長から要求をしていただきたい。わかりましたか。
○久保委員長代理 わかりました。
○館委員 大きなものだけ言いましても、終戦は昭和二十年の八月十五日でありましたが、その終戦前の七月の十三、四、五日にはアメリカのグラマン機に青函連絡船が全部撃滅され、沈没されておる。そこに船員の死傷が非常に多かった。家族も路頭に迷っておった。しかも、その当時は国が敗戦した当時ですから整備されておらなかった。それらの家族あるいは遺家族、死傷した者、そういう者の程度がどうなっておるか、非常な混乱状態であったので不明だと思う。そういうことを十分調査していただきたい。 もう一つは、これは有名な洞爺丸事件ですが、このときには船が五そうやられて、たしか船員が三百四十人か三百五十人くらいは死んでおる。負傷者も出ておる。もちろん旅客も千二百名くらいはやられておるはずです。そういうものについても調査をやってもらいたい。 それからごく最近、それに似たもので、ことしの九月十八日の十四号台風で摩周丸、十和田丸が非常な難航をして十八時間も海を漂流しておる格好が出ておる。職員の努力で助かっておるのでありますが、これの運航の状態、その後の始末の状態について十分に知りたいと思う。そのほかにも一そう、二そうという工合に青森でつぶれたり、函館でつぶれたりしたのがあったような記憶もある。そのときにおける主として船員の犠牲について詳細に調査した資料を提出していただきたいと考えております。青函連絡船はのんびりと歩いておるのじゃなくて、船員それ自身が命をかけて仕事の完遂をやっておるのであります。現在そういう青函連絡船員と国鉄当局との間に、乗船の時間についてあるいは勤務体制について非常に紛争を起こしておる。その紛争をどうして処理するのかということが私の疑念を持っておるところでありまして、船員法を見ましても、また実際の乗船の状態を見ましても、ふに落ちないところが非常に多い。それをどうして当局は解明しないのか、その紛争を静めないのか、紛争の原因はどこにあるのかということを考えざるを得ません。どうか一つその事故の資料を出していただきたい。今私が調べたところによりますと、青函連絡船員には一週間に一回の休みが当たっておらないということですが、陸上勤務者だと一週間に一回の休みが当たっておる。また基準法としても一週間に一回の休みが当たっておる。それが当たっておらない。それから運航がダブル・ハンド・システムになっておって、A班とB班が一つの船にかわるがわるに乗り込むことになっている。そして一日一運航半をする船は、そういう運航を二日間やって二日休むことになっておるそうです。一日二運航する船は一日休む、明け番ということになっておるそうです。そうしますと、明け番の次の日は、自分の、A班ならA班の乗り組みの日ですから、それに乗る。そうすると、週休がないのだから、いつ一体休養のための休み時間があるのかないのかという疑問を私は持っておる。しかもその乗り組みの労働時間が非常に長い。御承知の通り、連絡船は四時間半で、函館なり青森から対岸に着くのでありますけれども、その出航準備及び到着後の跡始末のために、それぞれ三十分以上は費やしておる。そうすると半航海で四時間半の運航時間だけれども、実働時間は、ごく最低に勘定しても五時間半になる。それを一往復半をやりますと、一日約十六時間の実働時間になる。一日二航海する方は、これはどうなりますか、二十時間くらいな実働時間になる。それでいて、一日一往復の作業を終わって一日明け番で休む、あるいは一日一往復半やって、二日その勤務をやって、明け番で二日休む。二日間休むというとその次の日は出番になる。そうすると陸上勤務者のように一週間に一ぺんの週休がないのだから、どうしてその休養時間をとっておるのか、これは非常に疑問です。こういうことが、考えてみると、どうも今ある船員法にきめられた規定に違反しておるように見える。事実上違反しておるようである。どういう形で休養をとらしておるかということをお伺いしたい。
○吾孫子説明員 青函連絡船の従業員の勤務時間につきましては、昭和二十五年に国鉄労組との間で、船員の勤務時間に関して一日平均八時間、一週五十六時間ということで勤務割りを定めようという協定を結びまして、大体これが骨子になって、昭和二十八年に管轄官庁に届け出をした次第でございます。現行の勤務状況は船内の休息時間を陸上休息に振りかえたものでございまして、実際には船員法通り実施する場合よりも要員も多くを要し、また勤務時間について見ましても、船員法通りに実施する場合よりはむしろ下回っておる。こういうような現状でございます。
○館委員 今の船員法よりも楽になっておるというお話ですが、船員法の通りにやったならば非常に要員がたくさん要るというあれで、あなたの方では船員中央労働委員会の試案に対してお断わりをしておるという話があるが、それはほんとうですか。
○吾孫子説明員 そういうような理由でお断わりしたというようなことはございません。
○館委員 船員法と違った船員の使い方をしていらっしゃるという点については、二十八年でしたか、当時の石井光次郎運輸大臣は船員法改正といいますか、そういうことで当局から改正をしたいという気持から、海員に関係する各種団体に対して事情をよく話をして、回答というか、意見を求めておることがあります。その運輸大臣の意見を求めておることがあります。その運輸大臣の意見を求める文の中にこういうことが書いてある。「われわれは国鉄連絡船業務の完遂の為、当初より船員法違反を行っていたのである。しかしながら、如何に実情止むをえないものであるといえども法違反は望ましいものでは決してありえない。そこであらゆる機会を捉えて関係方面に船員法改正を強く訴えてきたのである。ところがさきにも述べた通り、一般海運界に於ても諸般の情勢等の変化のため、船員法改正の要望が強くなり、二十八年七月運輸大臣は法改正の具体的要望事項を広く関係方面に照会したのである。とにかく今の船員の使い方は船員法に違反しておるということを石井光次郎が認めて、しかも船員法に違反しておるのはやむを得ない、業務完遂のために仕方がなかった、こういう言明をされておる。さっき資料を求めたように、あとだけの犠牲を払って非常に過重な労働をやっておるのを船員法よりもなお労働が軽いとおっしゃる吾孫子さんのお話は私にはわからぬ。船員法では週休をやっぱり与えておる。四時間継続の睡眠時間を与えておる。一日に八時間以内の労働でやれということを書いておる。それに対してさっき私が申し述べました通り、週休を与えておらない。そして渡し船でありますから、着船あるいは離船の出帆の回数が非常に多いために、そこにおける労働時間は三十分と私は言いましたけれども、三十分ないし四十分かかっておる。一往復半で実働一日十六時間になる、一日二往復になるものは二十時間をこす、そういう労働時間をやっておるので、船員法より軽くなっておるということは言えない。この石井光次郎のお話によりますと、国鉄連絡業務完遂のためにやむを得ず船員法違反をやっておるんだ、何とかこれを改正しなければならぬ、そこでこういう船員を持っておる各種団体に対して御意見を聴取するというわけでやっておる。これを御存じですか。
○土井説明員 ただいま御指摘がございますように、船員法の改正につきまして昭和二十八年十二月、運輸大臣から船員中央労働委員会に対しまして諮問を行ないました。その中に船員の「労働時間、休日及び定員に関する規定の適用範囲並びに規定の内容を改正すること。」という一項目の諮問事項がございます。もちろんただいまお話がございましたように、国鉄連絡船乗務員の労働時間の問題は、当時におきましても懸案でございますので、その諮問事項の中に包含されておるわけでございます。ただいまもお話がございますように、船員法の一般商船に対する規定としましては、航海当直をなす者の労働時間は一日につき八時間、一週について五十六時間、停泊中の場合につきましては一日につき八時間、一週につき四十八時間という原則は船員法の規定しておるところでございます。ただ連絡船は、従来、慣行としまして、なお、当時労使からの意見を徴しました中で、従来の勤務体制というものを船員法の中でどういうように規定するかということにつきまして、船員中央労働委員会で審議をするということになりまして、船員法改正委員会におきまして、今までいろいろ両当事者からの意見も聞き、公益側の意見も聞き、約百三回にわたって会議を行なっておる次第でございます。
○館委員 そういう経過については私も調べてみました。ところが、そういう石井光次郎時代の諮問に対して、船員中央労働委員会は、労働条件の改正委員会をこしらえて、第三回の小委員会で一つの試案を出しておるはずです。その試案は、私はわかりませんが、何か当局の話によりますと、公益委員の石井委員長から提示をされたらしいのですけれども、当局はこの試案を白紙に戻すのだ、試案の提出がなかったものとして葬っておるということになっておるそうですが、そういうことであれば非常におかしな話だと私は思う。それはどうなっておりますか。
○吾孫子説明員 ただいまお話しのことは、ことしの六月一日に、船員中央労働委員会の船員法改正委員会委員長の石井さんから、国鉄に対して、「日本国有鉄道連絡船舶員の労働時間については、なお検討を要する問題があり、現段階においては適切な結論を見出し難い。よって、当委員会においては引き続き審議することとしているが、当局においても、この問題に関し、労使双方からなる特別の委員会を設けて協議検討され、意見を当委員会あて提出願いたい。」こういうお申し出がございました。それに基づきまして、ただいま国鉄の部内に労使双方の特別委員会を設けてお互いに検討をしておる、こういう段階でございます。従って別に何も委員会の方からお話のあったことを返上するとかなんとかいうことはないはずでございます。
○館委員 あなたはそういうことをお話しになるが、私の調査はそれと違うのです。第一、石井光次郎大臣が、そういうふうに国鉄連絡船業務完遂のためにやむを得ず船員法に違反をしてやっておるのだから、意見を求めるということで、その意見を聴取して船員中央労働委員会にかけたわけです。数回の審議をやった上で、さらに小委員会をこしらえて、その第三回の小委員会で事務当局から国鉄連絡船船員の労働時間という試案が提出され、論議の上修正し決定された。試案もなかなかめんどうでございましょうから、事務当局から提出された試案をさらにその小委員会の人たちが論議をし修正されて、そしてできた試案は労使双方に内示をして意見を求めることということになっておる。内示は委員長が行ない、その際試案は慎重取り扱うよう付言することというふうに事務局案で決定をしておる。ところが、これによりますと、試案というものは労使双方に示されておるのでありますから、労使双方が寄ってこの試案を基礎にして打ち合わせをするというか、協議を開かなければならないことになっておる。その協議についても、これは、船舶局長事務取扱の向井潔殿として、石井委員長から提出されたものでありますが、「日本国有鉄道連絡船船員の労働時間については、なお検討を要する問題があり、現段階においては適切な結論を見出し難い。よって、当委員会においては引き続き審議することとしているが、当局においても、この問題に関し、労使双方からなる特別の委員会を設けて協議検討され、意見を当委員会あて提出願いたい。」こういうことが書いてある。ところが、国鉄労働組合の話によりますと、こういう指令に基づいて特別の委員会を設けようと当局に何ぼ催促しても、辞を左右にして応じないということになっておる。これはほんとうらしい。これはどういうわけですか。
○吾孫子説明員 今、最後にお読みになりましたのは私が読み上げた書類でございますが、それが出ますまでに、非公式に関係者の間でいろいろな話はあった模様でございます。ごく詳しいことは私も一々聞いておったわけでもございませんので、よく存じませんが、結論として、とにかく労使双方で特別委員会を作れという御書面をいただいて、それに基づきまして特別委員会を構成いたしまして、この十二月の四日に第一回の委員会を開いております。そこへこぎつけるまでにいろいろないきさつはあったかと思いますが、とにかく現在特別委員会というものができまして、第一回の審議をそこでやっておるわけでございます。決して国鉄当局が特別委員会の設置を断わったとか、やらずにおったとかいうことではございませんので、そこのところは御了解願いたいと思います。
○館委員 その辺は私は追及いたしませんが、不乗便問題が非常に盛り上がってきた。この不乗便問題の取り扱いは、結局は労働問題に関係することなんです。石井光次郎が、そういう考えで、船員法の改正なりまた連絡船の船員の取り扱いに関する特例を設けたらどうかといったような関係で六年間やってきておる。そのさなかに不乗便の問題をあなた方が押しつけてきておる。その六年間に何を研究しておいでたのかと私は疑いたくなる。しかもこれは完全な労働問題でありますから、石井光次郎氏も船員中央労働委員会に提訴しておる。不乗便問題は労働問題であるのかないのか。ところが現地当局では、不乗便問題は団体交渉の対象に上らないのだ、管理運営の事項であるとしている。不乗便問題というのは、さいぜん詳しく申し述べました、現在行なわれておる勤務時間に非常な影響を及ぼすものであるから、完全なる労働問題だ。その長い間の研究の結果、不乗便問題というものを管理運営事項として押しつけてきたのか。そうなれば、やはりこれはあなた方研究した労働問題の一派生としての不乗便問題でなければならぬ。それを管理運営の事項だと言ってこじつけてくるような、そういう下手な労働行政をやっておって、青函間の争いが出ないというのは話がおかしい。これは完全に労働問題であるのに、石井光次郎君のときから始まって六年間こうしてやってきておる。船員中央労働委員会も小委員会まで設けて一生懸命になって研究して、今度は労使協議会ですか、特別の委員会を設けるまでやってきておる。しかもそれに対して調べたところによりますと、その後国鉄当局は、この通知の際、過日内示の試案については、全く内示されなかったものとして取り扱うものであると言明しておるというようなことがあったらしい。そこで国鉄労働組合は変な話でありますから、労働組合として船員中央労働委員会に質問を出しておる。この質問に対する回答を私は読み上げますから、あるいは間違っておるかもしれませんが、あなたの方でよく調べていただきたい。要旨だけを読み上げます。「質問に対する回答は急を要するものと思われるので、事務局の見解を明らかにし、質問の内容に答えることとする。」その先に文句があるのですけれども、これは吾孫子さんが言う通りなかなかむずかしい問題であるから、一朝一夕に形ができ上がらないことは私も認めます。しかし六年間も何していたかと言いたい。その次に「事務局には船員法改正委員会から本問題について、一切の責任を付託されているので、事務局の回答は、即ち船員法改正委員会の回答と理解されたい。」という前書きがあるのです。1として『過日内示の試案は、国鉄当局の言明によると「今後は内示されなかったものとして取扱うものである」との事であるが、事務局としては一切かかる主旨の発言はしていない。』こういうことを言っている。国鉄労働組合は内示を基礎にしてやろうと言ったに違いない。ところがあなた方の方では、これは国鉄労組の言い分ですが、内示はなかったものとして取り扱うというお話が船員中央労働委員会からあった、こういう返事であったらしい。そこでこういう質問が出た。『過日内示の試案は、国鉄当局の言明によると「今後は内示されなかったものとして取扱うものである」との事であるが、事務局としては一切かかる主旨の発言はしていない。』あなた方発言しなかったとすれば、国鉄労働組合の質問が間違っていたことになる。私はどっちとも言わない。しかし労働組合にこういう疑いを持たしておいて、労働行政がよくなろうということはとうてい不可能なんです。それだけは明らかなんです。それから『改正委員会は「適切な結論が見出されなかったので今後委員会としても審議を続けるが、労使双方とも更に協議されたい」旨のみを要望しているのである。』これは七月か六月かに内示があったり、小委員会の話があったはずだ。事務当局の話はことしの二月二十六日というふうに考えられておる。その間何回も国鉄が特別委員会を設けよという船中労委のあっせんを申し込んでいるけれども、言うことを聞かなかった。そこでこういう質問が出てきた。その次に、「過日内示の試案については、一応改正委員会の見解を明らかにしたものであり、」——改正委員会は国鉄の要望によってこしらえたものである。六年間も研究してその見解を明らかにしたのだ。その見解を基礎にして労使双方が話し合いをしないで、どうして問題が解決するか。今ごろになってやっておったってだめだ。九月でしたか十月でしたか、現地で不乗便問題でえらい騒ぎを起こしてしまった。ああいうことをやらなければ労使双方の話し合いはしないのですか。あれがあったからやったのか、それともおそい計画になっておったのか、二月ごろの話でしたが、日にちがなかったのか、これは非常におかしい。「過日内示の試案については、一応改正委員会の見解を明らかにしたものであり、今後労使双方からなる委員会をもち協議される場合、論議の対象となることは当然であると考える。」今のお話では、何か近ごろになって協議会をこしらえておるそうですが、その協議会というものは何ですか、労使双方の協議会は正確にできたのですか、船中労委に報告してありますか。
○吾孫子説明員 ただいま船員法改正のための特別委員会のお話と、それから過般ちょっと問題になりました不乗便の問題と二つお話しになったようでありますが、ただいまいろいろ御指摘になりました関係の書類の詳細なことについては、実は私どももよく存じない点もございますけれども、不乗便の問題とは関連があるかもしれませんが、別個の問題でございまして、船員中央労働委員会の方で御要望のありました特別委員会については、それができるまでにはいろいろないきさつもあったと思いますけれども、とにかく先ほど申しましたように、それを設置いたしまして、この十二月四日に第一回の委員会を開いて相談をしておるわけでございます。 それから不乗便の問題の方は、これもいろいろいきさつがございますが、これは公労委の札幌の地方調停委員会にこの問題がかかりまして、そのごあっせん等を受けて、これについては現在なお組合との間で話し合いがペンディングな状態でありますが、公労委の調停委員会のあっせんによってお互いの間で話が進められておる状況でございまして、別々のことのように承知いたしております。
○館委員 今作られたという特別委員会の構成についてお知らせ願えますか。
○吾孫子説明員 それは船舶局の総務課長が詳しいことを知っておりますから、総務課長からお話をいたしたいと思います。
○向井説明員 お答えいたします。実は七月のうちに委員会構成のことは中央闘争委員会の方とそれから本社の方で話がまとまっておりまして、人選となっておりましたけれども、結局中執が四人、当局側から四名ということで構成いたしまして、第一回を持ちました。
○館委員 その第一回はいつ持ったのですか。
○向井説明員 十二月四日でございます。
○館委員 どうしてそうおそく持ったのですか。
○向井説明員 七月以降人選その他に手間取っておりまして、双方とも努力いたしましたがおくれております。
○館委員 その特別委員会と今団体交渉みたいなことをやっているという吾孫子さんのお話ですが、それとは別個のものですか。
○向井説明員 そのように特別委員会の方でも了解しておりますし、中闘の方でも了解しております。
○館委員 特別委員会の設立の経過を船中労委に報告しておりますか。
○向井説明員 口頭ではございますが、即日報告いたしました。
○館委員 さらに続けて、さっきの労働組合からの質問に対する船中労委からの返事をここで読んでみたいと思います。そこでこの回答によりますと、「過日内示の試案については、一応改正委員会の見解を明らかにしたものであり、今後労使双方からなる委員会をもち協議される場合、論議の対象となることは当然であると考える。」と言っておりますが、その協議会で内示の試案を出し合ってやっておりますか。
○向井説明員 現在はまだ委員会の運営についてやっております。
○館委員 間抜けなる話ですね。これはやはりどう考えても、不乗便問題が激発したのにつられて跡始末というか緩和策というか、そういう立場から急遽、六年もたって今日あの騒ぎがあってから初めてそういう仕事を始めたというふうにしか考えられない。その次を読みますと、「改正委員会が結論を出せなかったのはあくまでも審議に要する時間が足りなかったためであり、国鉄当局の主張を認めたからでは決してない。」この「国鉄当局の主張を認めたからでは決してない。」というふうになっておるのをよく注意していただきたい。改正委員会としてはこういうことを言っている。『国鉄連絡船の特殊性を考慮して「何らかの特例を設けても良いのではないか」』という意見と、あるいはまた『「何らかの特例を認めるにしても現在のままでは認め難い」』つまり現在の労働条件では認めがたいということを言っている。そうしてそれに敷衍して、「即ち現行の労働条件については、船員の健康保持の面から検討してみた場合無理であるように思われる。」現在やっておるダブル・ハンド・システムで四時間の継続睡眠時間もなくて、週休もなくて一日に一往復半やって二日勤務する人間は一日に実働十六時間働く。一日に二往復する人間は一日休むのですが、その二往復する人間については、私の想像するところ二十時間くらい実働時間がある。こういうものは船員法にも違反するし、また事実上ここで事務局が回答しておるように、船員の健康保持の面から検討してみた場合は無理である、こういうことを言っている。このダブル・ハンド・システムをこしらえる場合は労使双方とも非常に苦労してこしらえた。今のシステムの濫觴は昭和十七年くらいに始まっている。それからいろいろの工夫をこらして昭和二十一年に完全に今のような形になって、ダブル・ハンドでなくてやってきておるわけで、それはやはり連絡船の運航の実情からやむを得なかったものだとして従業員もそれに従ってきたし、そうでなくちゃいけない。こういう形でやってきておることは事実である。この点については当局もがえんじておると思う。しかしながら、その内部における労働条件がこんなにひどくては船員中央労働委員会としては無理である。現実に病人が非常にたくさん出ておる。ボイラーたきですが、機関係が二十七名長期欠勤をやっておる。二カ月や三カ月でないらしい。一年も二年も休んでいるらしい。甲板係が十四名休んでおる。こういう長期欠勤の著しいものだけを申し上げてもそうなんです。それで要員が足りなくなってきた。休むひまがあるのかとあなた方に聞いたら返事がなかったね。ダブル・ハンドでかわるがわる一昼夜交代で乗ったり、二昼夜交代で乗ったり、週休がなくていつ休むのか、どういうふうに休ませておるのかということを聞いたら返事がなかった。どういうふうにして休ませておるのか。私みたいなまじめな人間なら一日おきか二日おきに下船をして、自分の番がくれば乗っていくというやり方をやっていきますが、ぼくねんじんみたいに黙々として働いていれば毎日が刺激がない、週休がない、一体どこで休養をとらせているのか。それを質問をしたけれども、返事はなかった。そうして今申し上げたように、激務のために二十七名の機関係が十月現在休んでしまった。甲板係が十四名、みな技術屋だ。技術屋が船では一番大事だからこれをあげたのだろうと思う。人が足りない。船には定員がちゃんとあって、技術屋はこれこれ何名、これこれ何名乗せるということがちゃんと法律できまっているでしょう。そこで現在どうもやりくりができなくなったらしい。どういうことをやっておるかというと、カムチャッカから帰ってきた独航船——独航船というのは七十トンか百五十トンがせいぜいです。焼玉エンジンで船を動かしている。その帰ってきた独航船の機関係、そういう人間を九名か十名入れて使っておる。危険しごくな話です。そんなことをやっておる状態になってきた。いかに労働が激しいかということがわかる。しかもカムチャッカ帰りのぽんぽん蒸気といっていいのか、焼玉エンジンの労働者は——一体連絡船に人を採用する場合には、昌慶丸か何か沖に置いておいて、そこに三カ月なり六カ月なり学校を出た者でも訓練をしてそれから乗せる。この臨時雇いは二月の契約で更新して雇っていく。それで訓練も何もしていない。だから船の事情は何もわかっていない。しかもそれが船員のベッドを与えられて、船室も与えられておる。一朝台風十四号なり十五号のようなことがあったら、洞爺丸事件のようなことがあったりしたらどうするか。これはいつくるかわからない。だから私はこの間この委員会で、函館山のレーダー網をつけてくれということを決議させてもらった。そのとき私は言ったように、国鉄は大惨害を受けておって、このレーダー網の設置について関心を持たないのか。あなた方これは気象観測で気象庁のことで私たちの所管ではないと言うかもしれないが、非常に重大なことなんです。いま一ぺん聞くが、船員を休ませる時間はどうなっておるのかということと、もう一つ札幌の地方調停委員会にかけたりここの船員中央労働委員会にかけたりしていることは、あなた方管理運営の事項だと言っておきながら、労働問題を扱う調停委員会、中央でも地方でも船員中央労働委員会でもやはり労働問題を扱うところなんです。不乗便は管理運営の事項であるというけれども、そういうものでない。これは一つの強弁で、それでは不乗便を廃止するということになったらどこで休ませるのか。船員中央労働委員会の言うように、船員の健康保持の面から検討してみた場合無理である。そういう意味で船員中央労働委員会は、船のダブル・ハンド・システムは認めておるだろうと私は思う。認めておるだろうと思うが、労働条件については決して認めておらないと思う。船員中央労働委員会に石井光次郎以来長年の御苦労をかけておって、その結論が慎重をきわめてまだ出ない、試案だけのものだ。その試案を基礎にしてようよう十二月の四日、あの大闘争が起きた跡始末に対してやっておる。例のあめをなぶらせるということをよく言うが、今僕らやっておるというような顔つきをしているが、そういうことだと思う。そういうことでは手おくれもはなはだしい。どこで休ませておるかということ、管理運営事項であるかないかということをもう一ぺん言ってもらいたい。
○向井説明員 休息のことでございますが、船員法でおそらく予定しておりますものは、船内におきまして、自分の居室で休息するということであろうと思っております。このことは今般の船主協会と船員協会で結びました協約を見ましても、居室に帰った時間は解放時間であるというふうに考えておりますので、休息は基本的には船内居室が基本である。ところがダブル・ハンドの場合でありますと、労使双方が二十五年に協約いたしました通り、双方とも陸上で休みたいということでございますので、従って現在は船内のある部分の一部は陸上へ持っていって休んでいるという観念になっているのがダブル・ハンドであると思っております。従ってダブル・ハンドを持ちます限りは、やはりそのように休息という部分が陸上に移るということはやむを得ない、こう思っております。 それから第二の……。
○館委員 ちょっと待て。休息の時間はダブル・ハンドの明け番だというわけか、あなたの言うのは。
○向井説明員 そうでございます。
○館委員 そんなべらぼうなことがあるか。
○向井説明員 それから続いて調停の問題でございますけれども、これは実は組合の方からあっせんが申請されまして、その結果持たれたということでございます。従いましてこの調停委員会の線に沿って現在不乗便の問題は鋭意解決に努力している、こういう格好でございます。
○館委員 一番最初のお話のダブル・ハンドの乗った日の明け番が休養日であるということならば、陸上勤務者が徹夜交代して明け番が休養日であるということになる。そうすると週休は要らないということになる。明け番ということはどういうわけで明け番なんですか、一日八時間、朝の八時から晩の四時まで働いてやるのが普通の勤務状態だ。それを二日分のべつまくなしにやるのだから、当然その休んでおる日も実は前の日にその仕事をしてきたから休んでおるのだ。休養のためではない。休養のためであるならば陸上で一週間一ぺんの週休があるはずである。そんなむちゃくちゃな考え方を持ってはいけない。それから船内で休養をとるのがあたりまえだ——これは遠洋航海をする船ならそれはそうでいいでしょう、陸上を離れてから一日も二日も海上におるのです、向こうの港に着く日にちも遠いのですから。ところが連絡船はのべつまくなしに行ったり来たりしている。休養の時間なんかありはしない。ちょうど国会議員と同じなんだ。国会議員はここにおっても、遊んでおるようっでも遊んでいるのじゃない、自分の家にいるんじゃない、会館にいるんだ。ようよう八時か九時に家に帰って寝るというのが初めて休養なんだ。連絡船も一日一往復半もあるいは二往復もやって、あるいは一日勤務二日勤務をやって、当然次の日と次の日、あるいは前の日一日というように働き詰めてきたからそこで明け番になっている。そういうべらぼうな労働条件の仕方は間違っている。向井さんから不乗便という問題についてもう一ぺん話して下さい不乗便という扱い方を説明して下さい。
○向井説明員 不乗便と申しますものは、これは実は本社の規定にもまた協約にもどこにもないものでございますけれども、たまたま昭和二十一年でございますかその当時、終戦直後でございますけれども、青函の局におきまして実は予備員の操配上、A組とB組——戦時中は御存じのようにA組、B組という関係が的確にやっておらなかったわけでありますが、終戦後A組とB組に分けまして、そのA組の者が休みをとる、その翌日出てきたときに実は相手番のB組が乗っておるというような状態になりますと、予備員の操配からいたしましておのずから本人には勤務の意思があるけれども乗せていく船がない、そのような場合には船員区の仕事であるとかその他の仕事をまず命ずるのが第一回、あるいは他の船の予備員に回すのが次の手段でございますけれども、できない場合にはこれを自宅に帰しまして待機させる、その待機のことを勤務表上の処理として不乗といたした、こうなっております。
○館委員 それを待機している期間はどうなっているのか。
○向井説明員 自宅におきまして勤務待機でございます。年休でもございませんし、週休でもございません。従ってペイをしておりました。ところが、これは勤務でありまして休暇日ではありません。自宅で待機しておるわけです。そして日勤につきましては船員区まで参りまして、そうして仕事がないと申しますか、充当すべき個所がない場合においては自宅において待機せしめることになっております。それを勤務表の整理上不乗という名前で言っておるわけでありまして、決して不乗という休暇ではない、このように考えております。
○館委員 乗らないのだから不乗でしょう。どういうわけで二日なら二日明け番、一日なら一日明け番やって、自分の出番の日に休んでいるのか。出番がきた日に休まなければいいのだが、出番の日に休むから何だかおかしくなるのでしょう。それを説明して下さい。
○向井説明員 この出番の日の内容は、先ほど申しましたように、戦時中は乗り組とそれ以外のところが分かれておりまして、そうしてぐるぐる回ししたのでございますが、戦後はA組とB組という格好に分けまして、この二組のものが交互に船に乗って参る、こういう勤務に変えたときに、先ほど申しますように、A組の者が休暇をとる、ところが本人が休暇が明けて出た場合に、自分の勤務個所といたしましてはすでに予備員の操配上手配がついておる、そういう場合にはまた不時の場合を考えまして自宅に帰して待機させる、こういう勤務規程の問題であります。
○館委員 それをやめるというのはどういうわけなんです。
○吾孫子説明員 今まで向井さんの方から申し上げたことを少し整理して申し上げたいと思いますが、ただいま向井総務課長から申し上げましたように、かりに一昼夜交代の当番と非番との二日休むときは、休暇を二日申し込んで休むというのが本則なんでありますが、青函連絡船の場合には当番の日だけを休暇といたしまして、非番として予定されていた日にも自宅で休養していながらこれは休暇を使うということでなく、不乗便という名称で勤務表を処理をいたしまして、勤務した日と同じように賃金を払っておったわけであります。それで有給休暇でもないし、無給の欠勤でもないという、しかも自宅で休養しておる、こういう日が不乗便という名前で出勤日と同じような取り扱いを受けておったわけでありますが、それは国鉄の部内でも、ほかにもない形でありまして……。
○館委員 わかった。それでは質問するが、週休がないのだから、あたりまえにやっていれば、明け番だけで自分の意思、都合で休むことがないわけですね。そこで残っているのは、一年二十日の有給休暇ですか、それから祝祭日の九日を入れて二十九日でしょう。その二十九日は、ぼくねんじんのようにまっすぐに出番になり非番になり、出番になり非番になったら使いようがない。親が死んでも子が死んでも、嫁さんもらうのでも使いようがない。そうすると、無理に休ませられるのではなくて、自分の意思に基づいて休暇をとるのが労働基準法、船員法の建前であろうと私は思う。——ちょっと待って、相談しなくてもいい。——だから一日でも二日でも非番の日のほかに、たまに墓参りに行ったりするために自分の自由な意思で、自分の都合でそれこそ大事な基本的人権の問題にそれを使っていて、出てきたところが自分の出番ではなかったという場合に問題が起こる。それを取り消してしまった日には、これはみんな心配してしまって、それではお墓参りにも行けぬ、どこにも行けぬということになってしまう。そんなむちゃな労働の仕方はない。私はもうやめたいと思いますが、少し考えていただきたい。今に始まった不乗便じゃない。青函連絡船だけでやっておることじゃないと思う。その時分は本省と言うたかもしれぬが運輸省、今は国鉄本社かもしれぬ。昭和十七年時代から、あのひどい戦争に協力するためにどうしたらいいかということで、船員の配置その他について、研究に研究を重ねていった。だから石井光次郎が言うように、連絡船業務完遂のために、労働条件を整えることができない、船員法に違反してこういうことをやってきておる。初めから労働法違反だということを覚えておってやってきておる、こういうことを言わざるを得ない。それでも労働者が協力をして、二十一年に今の制度が大体において確立された。しかしこれでも労働法違反なことは事実だが、そういうことをやっている。そこでこれを徹底的に究明しようという石井大臣の発案で、船中労委も一生懸命やっておった。なかなか結論が出ない。それは国鉄労働者もよく業務状態を知っておるし、当局ももちろんよくやりたいと思っている。渡し船なんですから、この制度は変えたくないということである。だからどうしたらいいか、あるいは連絡船員の労働条件に関する特例を船員法の別ワクで設けようかという考え方も出てきたりしているし、考え方が二通りあるということを船中労委が言っておる。どっちに結着するか。業務も大切であるということは労働者も覚えておる。しかしその大切なるがゆえに戦時中は酷使されて、しかも二十年のあの終戦直前には撃滅されてどれだけ死んだか。洞爺丸で死んだ人、二十年に死んだ人に対しては、今函館山のふところに記念碑が建っておる。あなた方が来て建てたのです。あそこへ船員の同僚が花輪を添えたり、掃除に行ったりしておる。来年は洞爺丸の七周忌です。二十年のあの惨害から見ると十四、五年になります。あなた方はこれに対して、来年何かその慰霊祭でもやる考えがあるかどうか、話は違ってきたけれども、それをお聞きします。申しわけないことです。
○吾孫子説明員 青函連絡船の従業員が、いろいろ危険も多い、非常に激しい勤務をよくやっていて下さるということに対しては、当局としても常に感謝いたしておる次第でございます。この不乗便のお話は、船員法の改正の問題とこんがらがっていろいろ御質問がときどきあるような気がいたすのでございますが、これは青函連絡船だけが不乗便というものがありましたために、他の一般の鉄道職員と同じように二十日間の年中有給休暇というものはもちろんございますが、そのほかに実際上は四十日間有給休暇があるような形になっておりましたので、他の部門の勤務者とのつり合いの問題もありますし、同じ連絡船でもほかの仁堀航路とかあるいはまた宇高連絡船あたりにはこういうことはございませんので、それらの点も考えまして、勤務規律と一般の原則に戻すという意味で不乗便の廃止をいたしたわけでございます。その点は御了解願いたいと思うのでございます。 なお最後にお尋ねのございました洞爺丸の七周忌のことにつきましては、国鉄としてもしかるべき処置をとりたいというふうに考えております。
○館委員 四十日の休みがあるということは、どうしても私は理屈からいって解せない。国鉄職員にまじめな勤務をあなた方が求めるならば、私が二十七年鉄道で働いたように、一日も休まないで、明け番が済めばまた出ておるような形になるわけです。そのときに二十九日のせっかくもらった有給休暇をどう使うか、これがさっぱりわからない。不乗便を廃止してしまったら、廃止されたのだから、特別扱いにならないのだから、従業員が、組合員が出てきても乗る船がなかったらどうするか。現在乗る船がないことがしばしばある。向井さん、それをどうしておるのですか。
○向井説明員 これはいろいろ運用につきましてのこまかい問題に入りますが、結局考えといたしましては、勤務単位でお考え願えればできる、同時になるべく皆さん方の御希望の日にとれますようにするためには、あらかじめ御計画を聞いておきませんとできませんから、やはり計画的に休暇の御希望をアレンジいたしまして、そしてよく予備員との関連も組み合わせをやる、その方がむしろ業務の繁閑に合いましていくのではなかろうかと考えたわけであります。なお従いまして、逆にいいますと、一月前からでも自分はこの日にとりたいという希望が出るわけですから、その点につきましてもアレンジがかえって容易じゃないかと考えておるのであります。
○館委員 一月前から予定がつくようなものはありません。そういうふうにやってきて、不乗便を取り消して、出ていったら何も乗る船がなくて帰っていってしまう。形式的な面だけ廃止しても同じことなんです。私が向井さんに言いたいことは、二十一年からこういうことをやってきて、こういう習慣性を忘れたかということと、もう一つは、大臣も一緒になって何とかしなければならぬというて船中労委のごやっかいになっておるが、結論が出てきた。その結論は、特別委員会を設けて、わしらの解釈を基礎として折衝しろ、折衝ができたら報告しろ、そういう際に突然不乗便の問題が理屈に合わぬというものの言い方、ちょうど大根を切るようなものの考え方で労働時間の問題を割り切れるという考え方は間違っておると私は思う。そんな簡単なものじゃないですよ。しかもおかしなことにして、A、B班をくずしてしまった日には船の安全が保てない。船が危険だからというのでたくさん休む人が出てきたから、カムチャッカ帰りの人を入れておる。しかもカムチャッカ帰りの人に船室を与えられた。ベッドの下に何が書いてあるか、お前はいつのボートの何号ボートに乗るということを教えられておる。僕もこの間一緒に乗った。九月十八日の台風みたいになってあわ食って、そういうおかしな人がボートの係になったらどうする。ボタンを押すこともできない、綱をおろすこともできない、お客になにすることもできない、あぶなくて寝ておれない。一般の旅客、貨物輸送の立場から考えてみてももう少し職員を充実する。不乗便の廃止は廃止する。そして船中労委の回答をもらって協議を続行していく。A、B班が大事です。なぜ大事かというと、ああいう船に乗っておる者は船長以下乗組員百名なら百名が一体になって生命を船にまかせておる人間なんです。人をしょっちゅう入れかえておってはお互いの気心がわからぬから仕事にもならない。船自身いろいろ形が違っておる。百人なら百人がスクラムを組んで、おい、出てきて飯でも食おうじゃないかという仲間が乗ってこそ初めて船の運航が十分にいくことになる。ぐるぐる回しをやって、A班やったのがきょう出てきたらB班に行くということになっておったのでは、スクラムの組み方が非常にめんどうになる。船員というものは私はわからぬけれども、みんな死ぬときは同じだという考えで乗っておる。船員は船と運命をともにする、みんな、ともに仲間なんだ、気持がそろっておる、そういうことでよくスクラムができて機関部が動き、甲板部が動き、事務部が動いておる。それをくずそうという意思があるらしい。そういうべらぼうなことをやったら大へんなことになります。少し考えを直していただきたい。
○吾孫子説明員 いかなる仕事もそうでございますが、全職員が共同一致してやるということが大切であることは仰せの通りでございまして、特に船員の場合にはなおさらそのことの切実な程度は強いと思いますし、そういう点につきましてはみんなが共同一致して仕事をいたして参りますように私どもといたしましても協力をしていきたい、こういうふうに考えております。
○館委員 最後に申し上げますが、特別委員会で今審議を第一回やって、何か実質的審議に入っておらない。だから実質的審議に入るまで不乗便をたな上げする意思はありませんかということと、そういう命がけで戦っておる船員に対して、長年不乗便をやってきたのを急に取り上げようということ、取り上げられたばかりでなく、それがひいては定員の問題に関係してきたり、あるいはA、B班までぐずしてしまうという関係になったら船の安全も大へんだということから、不乗便に反対のために青函を守ってきた労働者が戦ってきたのは道理なんです。その道理が正義の立場というか、そういう立場でやっている者を首を切っておいてそれでいいというわけはない。三名首を切っておる、停職が七名か八名出ておる、そんなことだけでこの問題を納得せしめたり、威圧させることができるとあなた方は考えていらっしゃるのか。大至急考え直して不乗便の廃止を廃止するという立場がとられないのか。とることが船中労委に対する義理でもなければならない。決してこれは労働問題に関係しない、管理運営事項だと言って、冷たい一片の言葉で達何号を出して解決のできる問題ではない。形式論ばかりで事を考えていてはいかぬということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○向井説明員 ただいまの点でございますけれども、結局この不乗便の問題その他に関します紛争の問題もありますが、あっせんの趣旨に沿いまして実は中闘の方で——特別委員会というのは相当かかると見られますので、従ってそれを早く解決したいというわけで、実はこの両三日以来鋭意中闘と本社の間でやっておるわけであります。
○館委員 中闘と本社の間でやっておるものは団体交渉でしょう。
○向井説明員 そうであります。
○館委員 それから特別委員会は別にやっておるのでしょう。
○向井説明員 そうです。
○館委員 両方相待っていかなければいけません。
○向井説明員 特別委員会の方は基本的な法律問題になりますので、時間がかかるだろうということであります。
○館委員 基本的な法律問題が解決しないと中闘との取引も解決しない。
○向井説明員 そうではございません。
○館委員 どうもそれが私は解せない。軽率にはやり過ぎておる。船中労委に申しわけないという声を起こさなければいかぬと私は思う。
○吾孫子説明員 船員法改正の方の特別委員会につきましては、できるだけ早く内容に入って検討するようになお努力いたしたいと思います。 それから不乗便の方の問題につきましては、調停委員会のあっせんの趣旨に沿うてこれもまた話し合いをいたしたい、かように思っております。
○久保委員長代理 私からお願いします。国鉄当局に、不乗便を含めた連絡船の今日までの勤務の状況と、これに対する御見解、最近不乗便を廃止されたというお話でありますが、これを文書で出して下さい。もう一つは、船員法改正に関する基本的な見解はどうお持ちであるか、この点。 次には船員局長にお願いしておきます。この国鉄の連絡船の船員の勤務体系に関する御見解、どういうふうにお持ちであるか。船中労委を中心にして船員法の改正を進められているそうでありますが、その審議の過程について概要を書面で報告願いたい。
○土井説明員 ただいまの船員法の問題につきますお尋ねがありましたが、実は目下審議中でございますので、その見解について書面でお出しすることは、実はまだ固まっておらないかと思います。そこでお許しいただければ、私から、ただいまの審議状況と今度の改正の問題につきます概略を御説明させていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○久保委員長代理 それではその今までの状況を御報告いだだけばいいと思います。固まったものはまだないと思いますからそういうことでけっこうです。
○土井説明員 それではその経過を御報告申し上げます。
○久保委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれをもって散会いたします。 午後一時六分散会