農林水産委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/08/29
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 かねて問題になっておりまする農林畜水産関係物資の国鉄貨物運賃に関する件を重ねて議題にいたします。 この件については、再三の決議を行い、当局の善処が求められておりましたところ、去る八月二十五日の関係閣僚懇談会で一応の決定がなされたようでございますので、本日は農林大臣からその決定について御説明を願い、なお、そのことについて、今後のことについてお考えを伺うことにいたしたいと存じます。
○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄の運賃の問題につきましては、皆さんから大へんいろいろ御指導いただきましてありがとうございました。皆さんの御決議の趣旨も体しまして経済閣僚懇談会におきまして結論を得た次第でございます。結論の要旨は、公共割引の制度の廃止または修正につきましては、さしあたり十二月末日までこれを延期する、なお、本件の取扱いにつきましては、国鉄の運賃一般並びに経理全般につきまして再検討をいたし、その結論を見ました上、方針をきめる、かようにいたした次第でございます。 政府間の話し合いにおきましては、私は終始公共割引は一般運賃の一環としての関係があるのだというふうな考えを申し上げておった次第でございまして、公共割引制度だけを一つ抜き出して、これを廃止なり、または修正するという考え方はこれは妥当でない、かような見解を持っておった次第でございます。国鉄につきましては、国鉄経理全般につきまして合理化でありますとか、あるいは合理化をして足らざるところは財政的にどういうふうにするとか、諸般の問題を検討した上で一般国民大衆に関係のある運賃問題を検討すべきであり、その運賃問題の一環といたしまして、この割引制度を検討すべきであると、かような考え方をとった次第でございます。さようなことで年末まで、昭和三十五年度予算とも関連を持ちながら検討をいたす次第でございまするが、なお、この上とも何かと御教示にあずかりたい、かように思う次第であります。
○委員長(堀本宜実君) ただいまの説明に対して御質疑の向きは御質疑を願います。
○東隆君 ただいま農林大臣が御説明になったところでは、私はその程度しかきまらないと考えておりましたが、しかし、この審議の過程において国鉄側が言っている問題は、これは非常にたくさんのことを言われておるわけで、たとえば当初において、農林省に対して資料の提出を求めた。ところが、膨大な資料が来て、そうしてその調査をするのに手間がかかっておるから、それを延期をするのだ、こういうふうにして最初は延期をされている。そうして先般の際になりますと、どういうことになったかと申しますと、農林省から出た資料はこれはきわめてずさんなもので、そうしてあの程度のものでは問題にならぬ、こういうふうに言われて、そうしてあの八月末の廃止をことさらに強く主張されているわけです。そういうような関係を私は見ましたときに、農林省は相当侮辱をされておると思う。そこで私は、農林大臣として相当突っぱっていただかなければならぬことは、国鉄の採算の問題について私はいろいろ尋ねたときに、先方で答えられているのは、国鉄は斜陽産業である、こういうふうに言われておる。その理由はどこにあるかというと、近距離輸送はほとんど全部トラック輸送に取られてしまった。そうして利益が上らない遠距離のものばかりを運んでいるからマイナスになる、こういうふうに言われている。将来この公共割引制度の廃止をかりにしたといたしましても、このままで推移をしていけば、私は将来においてもまたいろいろな問題が起きてくると思う。そうして一番しわ寄せになるのは、遠くの地帯でもって、生産をしておる生産者が一番しわ寄せを受けると、こういうふうになるのはこれは火を見るより明らかだ。私は、貨物輸送の問題であるとかなんとかというのは、やはり雲助稼業のこれは進化をしたものだと、こういうふうに考えておるのであって、昔のようなかごをかついでおったようなやり方はこれはやはり衰微をしていく、だから、そいつがいろいろな形でもって進化をして、そうして運ぶ方法が変ってきておるんだから、従って近距離輸送のものをトラックでもって取り上げられるならば、国鉄は当然トラック輸送の仕事をやって、そうしてふさいでいかなければ、おくれた形のものは常にマイナスになっていくと、そういうようなことがはっきりしておる場合に、今の考え方は民間企業の圧迫をするとかなんとかいって、国鉄が私は相当強くバスを運営するようなことを考えておられると思うんだけれども、そういうようなものが常に民間企業圧迫と、こういうようなことでもってつぶされておるんではないか、こういうように考えておるわけです。だから国鉄はこの際、もし貨物だけでなくて、客車のような場合も、これはマイナスになるんですから、ことに遠距離の方は今度はどういうことになっているかと申しますと、飛行機でもって九州の方も北海道の方もこれは完全にいいお客さんはみんな取られていくのがこれははっきりしておる。そして、そっちの方が黒字になって、国鉄の汽車輸送の方はマイナスになる、こんなようなことになっていくんじゃないか、こう考える。だから、そういうような仕事も当然国鉄がその中に入れてやるべきであってそいつをはずしてそうしてやれば、雲助稼業は一つも進化をしない、こういうことになろうと思う。だから、その点は一つ経済閣僚の一員として強力に主張してもらってそうして国鉄内部における採算が成り立つような体制を作り上げてやるべきじゃないかと、こう考えるわけです。で、今の十二月末日に延ばすというのはどういうことを考えているかというと、私は、農林省から補助金でも出さして、そうして今の現状を維持していくような考え方を国鉄は持っているんじゃないかと。そういうことをしてもこれは根本的な解決にならない。だから、やはり今、一般の運賃と関連をしてお考えになると言われたことを私はもう少し広義に解釈をして、そうして国鉄がやっておる仕事をもう少し広げて、新しい輸送機関を十分に国鉄が駆使して採算をとる、そうして大きな意味で独立採算制を確立していく、こういう体制を作るべきだと、こう考えるわけであります。この点で私は農林省は、この際国から補助金をもらってそれを国鉄の方に回して、そうして濁すというような、そんな考え方でなく、もっと強硬に一つ突っぱって、国鉄内部における独立採算ができるような体制で、生産者にしわ寄せにならぬような体制を作り上げるように強硬に突っぱっていただきたいと、こう考えるわけで、この点一つ、どういうふうにお考えでありますか、お伺いいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄全体の採算の見地から根本的な検討をすべきである、こういうお話でありますが、その通りの考えなんです。御承知の通り、一昨年は消費者米価の値上げという問題があった。この消費者米価を値上げしようという政府一部の考え方に対しまして、また他の方におきましては、いきなり消費者の米価を値上げするというのは飛躍ではないかと、まず食管会計の経理全体を洗って、そうしてそこから一つの会計の赤字を埋めるための財源を出すべきではないか、さらにそういう努力をしたあとにおきましては、政府財政の方面でもこの食管会計について援助をするということを考えるべきじゃないか、こういう意見がありまして、前者の意見に対しましては、食管の経理全体を洗い直しをいたしたわけです。なおまた政府といたしましては、百五十億円の調整金というものを出しまして、そうして最後にそれでもどうもいかぬというので、消費者米価の値上げをしたという経緯もあります。私も運賃の問題につきましても、まず、とにかく国鉄がどこから見ましても不要不急の金の使い方をしていない、こういう見地から、経理の再検討をすべきであるということを主張いたし、なおまた政府といたしましても、国鉄全体の公共性から見てどういう財政措置をとるかということも考えるべきである。とにかく、今回突如として運賃だけの割引制度を廃止し、または修正するという考え方は飛躍し過ぎておるという主張をしたわけなんであります。その結論がただいま申し上げましたような内容のものになった次第でございますから、大体当委員会の御意向、御意見等は、まあ百パーセントこれに盛り込んである、こういうふうに考えておる次第であります。
○千田正君 今、同僚東委員からも御質問がありましてお答えいただいておりますが、私は、これは農林当局といたしましては、鉄道運賃によって生産者に対する圧迫と同時に、消費者に対してはインフレ要因を含んでおる。だから、岸内閣の性格がインフレをある程度抑制していくというのならば、こういう問題はもっと慎重に考えなければならぬ問題じゃないか。それで国有鉄道は申し上げるまでもなく、一つの公共的な意味を含んでおる。国民全般の生活に対する影響が非常に大きいという点から、われわれは先般も決議したのでありますが、ただいまは今年の末まで延期する——ペンディングというふうになっておる。しかし、国鉄はあくまでこの割引を廃止するというような考えでおるとするならば、これに対処する方針を持たなければならない。ただいまわれわれの手元に参っておりますところの国鉄から農林省の経済局長あてのこうした書類を見ますというと、農林省の調査が不十分であったというような意味のことが書いてある。これに対しましては、大臣としましては、十分にこれは答弁でき、また国鉄側の納得するだけの用意が必要であろう、こう思うのでありますが、年末だけでぺンディングが終る、あとは割引を廃止するという国鉄の意向はあくまでこれを貫くという考え方を持っておるとするならば、もっと強硬なお考えを持たなければならないと思いますが、大臣としてはそれに対する対処方針を持っておられるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 国鉄がその経理を健全化いたしたい、また独立採算制をそのためには実現していきたい、こういうふうに考えることは、国鉄としては私は当然であると思うのです。また、そんなことを考えてもらえないような国鉄であれば、まことにこれはわれわれの期待に反するのです。従いまして、国鉄がそういうふうに考えることは、私はこれを決して非難もいたしません。むしろ当然ぐらいに考えておりまするが、しかし、政府といたしますると、他の物価諸政策から、また国民生活安定ということも考えなければならぬ。さらに、特にこの内容をもちましたところの割引制度の廃止につきましては、農林漁業に従事しておるものの立場というものも考えなければならぬ。そこで、国鉄がそういうことを言いましても、政府といたしましては、すなわち国鉄に対しまして一般的な指示監督の立場にある政府といたしましては、これはおのずから別の考えからこれに対処しなければならぬわけなんです。で、今回は国鉄は上げたい上げたい、あるいは割引制度を廃止したい廃止したいと、こういう意向を示したのでございますが、政府といたしましては慎重審議の結果、ただいま申し上げたように、国鉄運賃一般及び経理全般を検討いたしましてそして結論を出すべきものだと、こういうふうにいたした次第でございまして、国鉄の立場と政府の立場というものはおのずからこれは一線を画しているのだということを御了承願いたいと思います。
○石谷憲男君 ただいまの大臣の御説明によりまして政府の方針というものはわかったわけです。そこで、とにかく年末までの四カ月延ばすということは、その間にただいま御説明の中にありましたように、公共政策割引なるものを存置するか、ないしは廃止するか、あるいはその低減率、その割引率を若干低減するか、そういうめどを国鉄運賃一般の中において、さらに国鉄の経理全般の中において見定めをつける、それをやるために、とにかく四カ月あればいいのだという意味において、とにかく四カ月という延長期間がまず考えられたかどうかということでございます。そこで、なかなかこれは言うべくして運賃一般の中で公共政策割引の問題を解決する、ないしは国鉄経理全般の中でそういう問題を取り上げて、結論を——そう簡単なことじゃないと思うのです。なかなか四カ月でできるかどうか大へん問題があると思うわけでございますが、その結論が四カ月の期間内に得られないとすれば、さらにそれは延ばして十分検討してその上でやはり、この公共政策割引というものが決定されるというふうに理解していいかどうかということが一点。 そこで、そういうふうな基本的な方針というものが決定されるということがまず先行するということになりますというと、御承知の通りすでに国鉄におきましては公共政策割引の割引率の低減案を示しましていわば一品目ごとに農林省当局との間に折衝が行われるというような事務的な段階に入っておったわけなんです。そういうふうな状況というものは、一まず中止をされた、そしていわば結論が出るまですべての事態というものは見送られる、こういうことに了解してよろしいかどうか、この点につきまして農林大臣から御説明願いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 十二月末までに結論を出したいという趣旨は、ちょうど十二月末までが予算の編成期なんですね、やはりこれは政府の財政措置と関連をいたしておる問題なのでございますので、十二月という期限を切ってみたのです。もとより国鉄の内部の合理化というか、そういう面からいろいろに対策も出てくると思います。しかし、それが追いつかないというようなことにつきましては、まあ財政全体の問題としても考えなければならぬという問題も出てくるし、私は運賃問題というのは、その次の問題だ。しかも、運賃問題というのは、これは割引制度の廃止だというような一つの問題ではなくて、全体の運賃体系の一環としての問題である、こういうふうな考え方をとるわけなんです。従いまして、運賃問題までに来るには、よほどこれはまだ経過があるわけでございますが、なるべくそういうところまで来ないで問題が解決されるということを期待するわけです。しかし、どうしても年末までに結論が出ないという際には、その際またあらためて検討をしなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○石谷憲男君 そうすると、ただいま御質問申し上げた国鉄当局と農林省間の事務折衝というようなものは、この際見送りといいますか、この際中止して、その結論の出るのを待つというふうに考えてよろしいわけですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 今までのこまかい品目ごとの話し合いという前に、まだ大問題が控えておりますので、さような問題は一時たな上げしておくということにならざるを得ないかと、かように考えております。
○委員長(堀本宜実君) 本件はこの程度にして、なお、今後とも引き続き善処を強く要望をいたします。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) この際委員の変更について御報告いたします。 本日戸叶武君が辞任され、安田敏雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) 災害対策の件を議題にいたします。 本年もすでに台風等による災害が各地に頻発してまことに遺憾なことでありまして被害者各位に対しましては実にお気の毒に存じ、被害者の救済と災害復旧に万全の対策を期待しておる次第でありまして、ただいまから、現在までの災害による農林水産関係の被害の状況及びその対策について農林当局の説明を伺うことにいたします。
○説明員(斎藤誠君) それでは私から……。
○小林孝平君 ちょっと速記……。
○委員長(堀本宜実君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記起して。
○小林孝平君 これから農林省から災害の実情をお伺いすることになっておりますが、大臣が退席されるというので、大臣にお尋ねします。 今回の災害は非常に激甚だったということで、その総額はどれくらいになるかわかりませんけれども、一説によれば五百億程度だと、こういうふうにいわれておるわけです。それでそれがどういう、正確な調査を待たなければなりませんが、かりに五百億とすれば、従来と同じようなふうに、これが国が財政的援助をささえるということになれば、三・五・二の割合でやっても、およそ百五十億の支出を必要とする、こういうふうに考えられるわけです。そうすると今の予備費がすでに現在七十億程度しかないということであれば、どうしても補正予算を必要とするわけなんです。それのみならず、そういう小災害等に対しては法的な措置が必要である、立法措置が必要であるということで、これを急速にやるということからいたしますれば、どうしても臨時国会をすみやかに開かなければならないような状態にあるのではないか、そこで、社会党としては、すでに先般政府に早期に臨時国会の召集を要求したのですが、まあ政府の方では九月中は開かない、場合によれば十月末か十一月ごろ臨時国会を開くというようなお考えのようですが、今の情勢から考えれば、どうしても早期に臨時国会を召集する必要があるのではないか、農林大臣のお立場からすれば、閣内においてそういう早期に臨時国会の召集を要求されておるかどうかわかりませんけれども、当然されなければならぬものではないかと思うのです。そこで、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。これは政府全体のことですけれども、農林大臣としてどういうふうにお考えになっておるか。
○国務大臣(福田赳夫君) 社会党の方から災害対策を含めて臨時国会をすみやかに召集すべし、こういう御要請があるわけです。それに対しまして政府の方針といたしましては、臨時国会は今直ちにこれを開くことは適当でない、こういう考えを持っておりましてまあ追ってこれを開会するということにいたしたい。その理由は、災害対策について申し上げますれば、ただいま七十数億円の予備金がある次第であります。もちろん、ただいまお話のように今回の災害、まあ今後どういうふうに相なりますかわかりませんが、今回の災害だけをもって見ましても相当これは甚大な被害があるわけでありまして、それだけの予備金で全部がまかなえるかと申し上げますると、なかなかこれは困難な状況もあろうかと思います。しかし、お話のような五百億円の災害ならば、百五十億円という機械的なわけでもないのでございます。まあお話の五百億円というこれはまあ仮定の数字でございますが、これはまあ地方から報告をされたというような数字でございますが、政府におきましても、それを現地に即した、実情に応じて査定をいたすわけであります。その査定の額に対しまして緊急必要な施設をこれを三・五・二という比率でやるというので、まあ額はだいぶその計算方式から言うと小さくはなるのでございますが、それにしてもなかなか予備金だけでは困難な状況ではないかというふうに思います。しかし、さしあたりやるべき仕事ということになりますると、十分この七十数億円をもちまして間に合い得るわけであります。なおまた立法の諸問題、特に小災害の問題につきましては、これを地元の要請に適応するという行政措置を講ずる次第でございます。その財源の穴埋め等につきましてどういうふうにするかということにつきましては、そのあとにおきまして立法措置を講じてこれは差しつかえない問題である、かような考え方をいたしておる次第でございます。これが第一です。 それから第二の理由といたしましては、まだ二百十日、二百二十日という恒例の台風シーズンがあとに控えているわけであります。これが一体どうなるかということも見定めないと、まあ全体の国会対策ということにもなり得ないのではあるまいかということも考える次第でございます。 それからさらに第三の問題といたしますると、国会を開くということになりますると、政府は全力をあげて国会対策にかからなきゃならない、こういうふうに考える次第でございます。そのためには、政府として準備のために全力をあげてこれに尽さなきゃいかぬ、こういうこともあるわけであります。なおまた国会が開かれまして会期が十日になりますか、二週間になりますか存じませんけれども、その間はこれはまあ国会の方に政府の全機能がかかりきりだ、こういうことにも相なるわけでありまして、むしろ私どもの当面心配しておりますのは罹災者の措置、あるいは災害をこうむった施設の復旧をいかにして早くこれを復元するかということにある次第でございまして今直ちに臨時国会を開かれるというようなことを想像いたしますと、これは一月内外のそういう対策にブランクを生ずる、おくれを生ずるということにも相なる次第でございます。さようないろいろな問題を考えまして、まあむしろ臨時国会は応急の対策が済んだあとの方がよろしい、かようなことから、ただいま直ちに国会は開会しない、こういうふうに申し上げておる次第であります。
○小林孝平君 今三点開会しない理由をあげられましたけれども、第一点につきましてはわかりました。あまり大きくない、政府は大したことはないと考えているから大体七十億のこの金でともかく一応やれるのだから臨時国会は開かない、こういうお話は、ともかくそれのいい悪いは別としてわかりました。第二の二百十日、二百二十日の分があるからそれを見ている、こうおっしゃいましたが、それならば二百十日、二百二十日というようなものに相当な被害があれば、これは開くことになるのですか。今の第二の理由から考えると、そういうものがあるからそれを見ているのだ、こういうのですから、それが相当の被害があれば当然今の御説明からいけば開くべき筋合いですが、その点はまずどういうふうになっているのですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 二百十日、二百二十日に非常な災害がありまして現在の立法措置、現在の予算をもってはまかない得ず、こういうことに相なりますれば当然国会の審議をわずらわさなければならぬ、こういうふうに考えますが、しかし、さような規模のものでもないということになりますれば、これは政府は行政措置で全力を傾けて災害の対策を講じ、しかる後に立法措置並びに予算措置を講ずるという方が適切である、こういうふうな考え方であります。
○小林孝平君 私は、特に第三の理由は、臨時国会を開けばこれに皆かかりきりになるから災害対策がおろそかになるという御説明はどうかと思うのですね。そんなにその政府の機能というものは弱体なはずはないと思うのです。また、そういうことでもって政府が今後かりに臨時国会を開いたが災害対策がうまくいかなかった、これは社会党が臨時国会を要求したから災害対策がうまくいかなかった、こういうことを言われる伏線として今からそういうことをお考えになっているのですか。これは非常に問題だと思うのです。それでなくとも、今、総理大臣やいろいろの人が視察に来てもさっぱり、実際は従来の経過からみると災害対策は不十分だ、来てもらうよりももっとしっかりやってもらいたい、国会でも開いてしっかり対策を講じてもらいたいというのが地元の意見なんです。そういう意味合いから言いましても、どうも今の農林大臣の御説明は納得がいかないのですが、それよりももっと閣内においてそういうことを主張される意思があるのかどうかということを、私は政府の考え方はわかりましたが、農林大臣の考え方はどうなんですか。しかも、さきの国鉄運賃の問題と同じに、実力ある農林大臣として政府の考え方を、一応そうきまっているけれども、災害対策のために開けという要求をされて開かせるようにされる意思はあるのかどうか、一つお伺いいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 農林大臣といたしましても、今、臨時国会を開くよりは応急の仕事に専念をいたしたい、こういう気持であります。
○小林孝平君 もう一つ、先ほどおっしゃいました臨時国会を開けば行政能率が非常に低下するという、こういう御説明は、今後もそういうことはあらゆる問題に通ずるのじゃないかと思うのです。そういう考え方は今後の災害対策ばかりではなくて、臨時国会を開けば行政能率が低下して非常に迷惑をこうむる、従って、国会を開かない、そういう農林大臣の御答弁がございましたが、それは政府全体の国会開会に対する御意見かどうかお尋ねいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 別に政府全体でこういう理由でどうだというふうにきめているわけでもありませんが、私といたしまして、特に農林大臣といたしましては、今、臨時国会を開いてその復旧の衝に当っているその人がいろいろの国会対策上の仕事に専念をするというよりは、復旧そのものに専念した方がこれは能率的である、また地元の皆さんの御期待に沿い得るゆえんである、こういうふうな考え方をもっておる次第であります。
○小林孝平君 私は、今の臨時国会要求に対する政府の考え方、これはわれわれは納得できませんが、特に最後の点については、今後の国会開会要求に対する政府の考え方といたしましてそういうことを理由にされては、非常に今後も迷惑いたします。これは政府のお考えということでございまするから、農林大臣にだけお尋ねをしても仕方がありませんから、あらためてこれは議運において官房長官をお呼びしてお尋ねいたしたいと思いますが、非常に重要なことでございまして、そういう理由でもって今後国会開会要求を拒絶されるということになっては困りますので、これ以上まあ追及いたしませんけれども、あらためて議運で政府の考え方をただしたいと思います。
○委員長(堀本宜実君) 続いて農林水産関係の被害の状況及びその対策について、農林当局の御説明を伺いたいと思います。
○安田敏雄君 ちょっと、その前に大臣に聞きたいと思いますが……。
○委員長(堀本宜実君) もう時間がなんですから、次の政府委員でどうですか。
○安田敏雄君 実は、今度の災害について、中部山岳地帯を襲った災害としては未曾有の災害なんです。このことは、もう政府当局も認めていることであると思います。先日の新聞に、建設大臣の方では今後の災害対策については、治水事業として三千五百億円の予算で五カ年計画で対策をしていくんだというような談話を発表されております。しかも、それは、農林省当局との間においてはっきり打ち合せがされているのだというふうなことを言っておりますが、また、本日の新聞を見てみますというと、やはりそういうような点がぼやけておるということが載っておりますが、この点について、建設大臣の考え通り農林当局としては協調できているものかどうか、その関係について一つ明らかにしていただきたいと思います。 それからもう一つの点としては、さらに本日の新聞におきまして、果樹等についての、山梨のブドウあるいは長野のリンゴ、クルミ、ホップ、ワサビ等、こういうものについて災害の資金を出すということを新聞では農林大臣は言明しておるわけなんでございますけれども、その資金が一体どういう性格のものになっているのか、その点も一つ明らかにしていただきたい。そしてさらにその金額は応急の処置としてとりあえずどのくらいの額になっているものか、明らかにしていただきたいと思います。以上であります。
○国務大臣(福田赳夫君) 建設大臣が三千五百億円の治山治水対策を立てる、そのためにいろいろ機構も整えていきたいというかねがね御意見があるのは、承知しております。しかし、これは、昭和三十五年度の予算として最終的には政府案としてきめる性格のものでございます。もちろん、農林省といたしましては、砂防につきまして特にこの問題に関連がありますので、三十五年度予算がきまるまでには十分建設省と連絡をとって、ことに今度の災害が下流においていろんな悲惨な事態を起しておりまするが、その根源が川の上流にあるというところにもかんがみまして十分な対策を立てていきたい、こういうふうな考えを持っております。 それから、果樹の問題につきましては、主として融資の方面に活用していきたいというふうに考えております。天災融資法はもとより、これは適用することになります。それから自作農創設資金の貸出も行いたい、こういうふうに考えております。さらになお、果樹の施設の被害に対しましては、農林漁業公庫の資金を融資するということも考えておる次第であります。なおまた、果樹の復興につきまして共同の施設等に被害がありまして適当な施設をやって復興に努力をするというような向きがありますれば、それの助成につきましては十分検討をしてみたい、こういう心がまえで実はおるわけであります。 なお、その金は幾らかというようなお話でございまするが、ただいまこれは調査中でありますので、まだ申し上げるまでの段階に至りませんでございます。
○委員長(堀本宜実君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記を始めて。
○説明員(斎藤誠君) それでは、私から、最近における台風六号、台風七号、さらに数日前の集中豪雨等の被害につきまして、ごく簡単に御説明申し上げたいと思います。 お手元に、被害の概況として、台風六号と台風七号の農林水産関係の被害概況という資料をお配りいたしております。 まず、台風六号による農林水産関係の被害の概況でございますが、これは、御承知の通り、八月八日に鹿児島県に上陸いたしまして、四国南岸、紀伊半島南部から東海、南関東を経て九日に鹿島灘に抜けた台風でございます。この台風は、中心が割合に大きく、かつまた、風の風速も比較的にゆるかった関係で、台風第七号に比べますると、被害の概況は比較的少なく、農林水産関係の施設の被害といたしましては十八億三千万円という数字に相なっております。これは、現在までの県からの報告によるものでございます。そのうち、農地、農業用施設関係は十九県にわたって約十億七千万円、それから林野関係すなわち治山、林道関係は十三県にわたりまして約五億五千万円、水産関係は十県からの報告で約二億円と相なっております。なおまた、農作物の被害でございますが、これは主として水稲の被害を中心とするものでございまして、八万九千町歩、その被害額を推定いたしますと、約十一億円と相なっております。 次に、台風第七号による農林水産関係の被害概況でございますが、これは八月十二日に御承知の通り静岡県の駿河湾に上陸いたしまして、時速約六十キロの速さで本州の中部を横断してそうして十四日に日本海に抜け去ったものでございます。七号台風の被害の特色といたしましては、六号台風に引き続いて起った関係もありまして七号台風の接近に伴いまして本州中部に停滞いたしておりました不連続線がこの台風の影響を受けて非常に活発化して、近畿、東海地方には豪雨をもたらし、また、台風が上陸いたしたことに伴いまして関東、甲信越、北陸地方には豪雨を伴う暴風雨となったのでございます。そういうわけで、六号に引き続きさらに不連続線の活発化というようなことを伴いました関係で、湿潤な所に台風七号の豪雨を伴う暴風雨となりましたので、被害が意外に甚大となっておりまして、現在まで判明した各県からの報告によりますと、農林水産関係の施設災害といたしましては約二百二十億、それから農作物の被害といたしましては約百三十億、合計いたしまして三百五十億という被害に相なっておるわけでございます。そのうち、農地、農業用施設関係は三十都府県に及びまして約八十六億となっておりますが、特に被害金額の大きいのは、山梨の三十一億、長野の二十三億、次いで岐阜、福井、京都、三重、滋賀が十億以下の被害と相なっております。治山、林道関係の被害も二十一都道府県に及びましてその被害総額は約八十六億ということになっております。これも農地、農業施設と同様に被害の一番大きい県は山梨の三十七億、長野の二十一億でございまして、これに次いでやはり京都、福井、岐阜、三重、滋賀の各県が十億以内の被害と相なっております。林野関係では、そのほかに各種の林産物あるいは林業の共同施設等の被害があり、また国有林関係におきましても被害があったのでございまして、それらは約三十八、九億に相なっております。水産関係は宮城県外十県から報告がありまして、その被害は約八億ということに相なっておりますが、これは台風の玄関口に当っております静岡県が一番被害が大きくて二億七千万円、次いで三重の一億二千万円ということに相なっております。農作物の被害でございますが、これは統計調査事務所の報告によりますと三十五万三千町歩にわたる被害面積を示しておりまして、その被害額は約百三十億、水稲にしまして六十三億、果樹が三十七億、そのほか野菜等も被害を見たということに相なっております。果樹につきましては特に大きな被害となっておるのが目新しいことでございます。詳細はこの表によってごらん願いたいと思います。 さらに、この台風七号の直後におきまして本州に停滞しておりまして不連続線の活発化に伴いまして、再び集中豪雨を見るに至りまして、静岡、石川を中心として被害が出ておりますが、これにつきましては目下調査中でございますので確報を申し上げる段階に至っておりませんけれども、農地、農業施設が約十一億となっておりまして、そのうち石川の七億、静岡の一億、岐阜の一億五千という被害の速報が参っております。なお、林野関係の治山、林道関係でございますが、これまた石川、岐阜、静岡の各県に相当の被害が出ておりまして、現在までの速報によりまする被害の概況は約五億五千万と相なっております。農作物の被害につきましては、水稲の被害が若干各地に見られるようでございますが、これについての詳報は目下調査中でございますので、御報告する段階に至っておりませんことを御了承いただきたいと思います。 次に、台風第七号を中心といたしますところの、これまでとりました災害対策並びに今後とりますところの概要につきまして御報告申し上げておきたいと思います。 今次被害が意外に大きいという予想でございましたので、農林省におきましては関係局で構成し、農林次官を委員長といたしまする災害対策委員会を随時開きまして、この災害に遺憾ない措置を講じたい、万全の措置を講じたいということで協議いたして参ったのでありますが、ほとんど各局にまたがる被害の状況でありますので、被害甚大県に対しましては、ほとんど各局から係官を派遣いたしまして、現地の実情調査と現地の応急対策の指導に当らせて参ったのであります。所によりましては、災害の現地状況の把握のためには関係県から応援を求めまして、特に被害の甚大な長野県、山梨県等におきましては、関係県から係官を応援派遣するというふうな措置もとって当面の指導に当らせるということにいたしておるのでございます。応急対策でございますが、農林省部面で担当いたしておりますところの措置につきましては、御承知のように、まず何と申しましても罹災者の食糧の確保が第一点、次には建設用の復興資材についての手配でございますが、これらはそれぞれ食糧事務所あるいは営林局等を通じまして現地の要望に即刻沿い得るような手配をいたしたのでありまして現在までのところ、食糧につきましては二百八十五トンを応急罹災者用として出したのであります。そのほか乾パンであるとかいうような当面の必要な食糧配給の手配をいたして参ったのであります。現在までのところ、大体食糧につきましては、特に支障を来たしているという事情にはないようでございます。応急復旧用材でございますが、これは従来の水の例もございますので、復旧用材として特に国有林の払い下げ等の措置でまかない得るものにつきましては早急にそういうふうな手配をとるように各営林局を指導させておるのでございますが、現在までの復旧用材として買い受け申し込みのありました立木十一万五千石、素材九千石に対しまして、立木四万四千石、素材九千石の処分計画を決定いたして手配をいたしておるのでございます。なおまた、これに関連いたしまして今次の風水害によりまして国有林に相当の風倒木を生じております。全国では約八十六万石の風倒木が生じておりますが、これらにつきましても、できるだけ早急な出材の計画を立てて現地の要望にもこたえるような措置を講じて参りたいというように考えておる次第でございます。 今後の農林業、水産業施設の復旧対策につきましては、これは従来の立法に基きましてそれぞれの事業の復旧を促進して参るということでございますが、何をおきましても早く現地の復旧の計画を立て、それに伴う査定をやつていきたいということが必要でございますので、農林省といたしましては総力をあげて係官を現地に派遣する等の措置を講じまして、大体九月の上中旬には現地査定を了して九月中には予備費要求、さらに配分の措置ができるように努力いたしたいということで目下進めておるような次第でございます。農地、農業施設についてのいわゆる小災害につきましては、先ほど農林大臣からもお話がありましたように、当面の措置といたしましては、農林省といたしましては何か市町村におきまする起債等の方法によってまかなうことが一番適切な措置ではないかということで、これについては関係省の間において協議を進めているという段階でございます。 次に、共済関係の仮渡しあるいは概算金の支払いの措置につきましては、八月の二十一日に経済局長名をもちまして各県並びに連合会等に必要な資金の措置を講ずるようにということで通牒を出しておるのでございますが、すでに私の参りました山梨、長野県等におきましては、仮渡しの措置を決定いたしておるのでございまして、各県ともこれにつきましてはそれぞれ準備を進めて実行いたしておるということでございます。 次には資金措置でございます。この資金措置につきましては、先ほど御質問に対して農林大臣からの答弁もありましたのでございますが、第一には、天災融資法の発動でございます。今次の災害が百三十億という農作物の被害の状況なんでございますので、われわれとしては早急にこの発動をいたしたいということで、目下被害農作物の確定数字を待っておるのでございまして、大体は九月の上旬までには発動の準備をすべて了していきたいということで、目下準備を取り進めておるところでございます。天災法の発動によりまして従来伊豆におきましたような措置は、今後この災害地帯に対しましては同様に迅速に措置して参りたい、かように考えておるのであります。ただ九月上旬までに待てないというような所もございますので、これまた農林次官名をもちまして系統金融機関あるいは地方銀行協会あるいは全国銀行協会等につなぎの資金を出してもらうようにその協力方を要請いたしておるのであります。第二の資金措置としましては、自作農維持創設資金の貸付でございます。これにつきましても、八月二十二日に農地局長名をもちましてそれぞれ関係の事務局に指示いたしておるのでございますが、先般もここで御説明いたしたかと思いますが、自作農創設維持資金の保留額がまだ二十二億ございます。で、これの中から開拓者あるいはひょう害あるいは北海道に対する資金等も含めて処理するわけでございますが、この中から今次の災害に対しても必要額を配分して参りたい。現在までの各県からの報告を求めておるのでございますが、既定のワクの中で、とりあえず必要がある場合においては認定をしてどんどん資金を出してもらう、そしてあとになって不足額を追加配分するという措置を講じて参る、かような措置をとって参った次第でございます。第三は、農林漁業金融公庫による資金措置でございますが、その一つは、個人施設の災害復旧資金であります。これは一戸当り二十万円——言い落しましたが、天災法では十五万円、それから自作農資金では二十万円、それから公庫の個人施設では二十万円を限度といたしまして、個人の被害を受けた農舎、畜舎あるいは果樹だな等々の個人施設に対しては公庫資金から融通するということにいたしておりまして、これに対する資金のワクは二億四千万円でございます。これらの資金のワクの中から早急に要望に応じて資金措置を講じて参りたい、かように考えておるわけでございます。なお、果樹だな等は従来からも入っておりましたが、たとえばホップ等の被害も今次は出ておりますので、それらに対する資金措置も当然この個人施設の中に含めて融通をしたい、かように考えておる次第でございます。個人施設以外のいわゆる農林水産業施設災害に対する資金措置でございますが、これは公庫の中に災害資金ワクがございますので、その資金ワクの中から必要な額を融通するということにいたしまして、農地、農業施設につきましては十二億六千万円の資金ワクを持っているわけでありますが、今次の七号台風に伴って必要な資金として約七億五千万円の割当をすでにいたした次第でございます。林道あるいは漁港等につきましても、それぞれ災害ワクを有しておりますので、その中から必要な資金は融通して参りたい。現在公庫には約六億の予備ワクを持っておりますので、これらを通じまして既定の資金量で足らない場合におきましては、その中からも必要に応じては融通するということにいたして参りたい、かように考えておるわけでございます。なお、協同組合の共同利用施設等につきましても、暫定法に基く二割の補助もございますが、農林漁業金融公庫からも従来通り資金融通の措置も講じて参りたい、かように考えておるわけでございます。 現在まで各県にとりました措置は、以上申し上げたようなところでございますが、なお、今後とも各県の被害の状況と、具体的な各県との打ち合せ等によりまして、必要な措置は検討して参りたい、かように考えております。簡単でございますが……。
○委員長(堀本宜実君) ただいまの説明に対して御質疑の向きは御質疑を願います。
○千田正君 今の局長の説明は七号でございますが、七号の後に八号が、これはごく一部分でありますが、東北の三陸沿岸地方は相当やられておりますので、これは七号以降に発生した災害ですが、それに対してはまだ報告が来ていませんか。
○説明員(斎藤誠君) それが先ほど八月下旬の水害被害報告というのでごく簡単に御説明いたしたのでありますが、二十八日現在調べたものによりますと、やはり山形、福島等には一千万円程度の被害というものが一応速報という形で出ておりますけれども、まだ詳報につきましては判明いたしておりません。
○千田正君 岩手、宮城の一部は、これは相当流失戸数、それから水産農林関係は相当やられているのですが、まだあなたの方に報告していないというならば、この次の委員会でお伺いいたします。
○清澤俊英君 今の御報告の中に山梨、長野あたりの桑畑、養蚕の被害というのはどういう状況ですか。
○説明員(斎藤誠君) 山梨、長野等につきましては、桑畑が約七億程度の被害が出ております。
○清澤俊英君 それで夏秋蚕にどれくらいの影響になりますか。
○説明員(斎藤誠君) 各県ではそれぞれ被害の見込みを出しておりますけれども、農林省としてまだ統一的にそこまで減産分あるいは被害に伴う減量分がどうなっておるかというような計数はまだ明らかになっておりません。
○清澤俊英君 私、今の説明以外のことをお聞きしたいのですが、ほかにありましたらやっていただいて、もしなかったら、ちょっと農地局長に聞いてみたいことがあるのですが、水害に関して……。
○委員長(堀本宜実君) どうぞ。
○清澤俊英君 この七号台の風あとで、ちょっと問題が出ているのだが……。ということは、大風による増水が出て以来、どうも川底が上りまして、河床が上ってきている。どうも洪水の危険が伴う。それから、既成施設が相当額改造しなけりゃ問題になる、こういうようなことも出ておる。これに対して、この台風では、千曲川ですかの上田寄りの方の川が非常に流れて、地盤が悪く、そして山くずれに伴って非常な土砂が流出した。同時に信濃川の上流に二十九のダムを持っている。これらがやはりこれぐらいの雨になると一斉開放等をやって局部的な一時洪水を起す原因をなしていると思われる節がいろいろあるのです。そういう点に対して農林省は一つやはり相当の調査をして、常にやはり、二十九のダムを一斉に開放して集積した泥、水を一どきに放すようなことがありますれば、これはやはり非常な損害を加えるというわけですから、これはさっきも言います通りに、千曲川の沿岸の地層が非常に弱くて、今度のこの報告にも出ております通り、山くずれを伴うということから相当泥が流れてきたりする。わしらの所の用水など、用水のトンネルの口を土砂が一メートルも埋めちまった。そういう場所さえできている。これがまあ七月ごろでありましたらば、さらに大騒ぎになって大問題になるでしょう。幸いあまり水の要らぬ時期でありますからあまり問題にしませんでしたけれども、これが七月ごろだったら、もう一番水の要る時だったら、実際大騒ぎになる。そういう場合に、災害に対してどこに言うても出る所がないんですな、ただ補償金ぐらいで。だがしかし、二十九のダムがあって常に渇水で悩ましておって、そして始終かわかしておるところへ、こんな所へ雨が降ると洪水と一緒に土砂を流してしまう、こういうことになりますれば、そういう原因がわかれば、農林省としてもやはり、利益額ぐらいは常に電気会社が積んでおいて、そういうときのやっぱり補償をさせなくちゃ問題にならぬと思う。これは三面川ですね。三面川の、これは県営です。県営ですけれども、やはりダムを開放したために一時洪水ができて、こういうことはもうわかっている。だから、そういう点に何か今後農林省として考えていただく余地を持つのか。これはどうしても持ってもらいたいと思うが、そういう点を十分いろいろ考えていただきたい。これは大臣に一つ要望したいと思ったが、これは全耕地七十万町歩でしょう。何か私は詳しい数字はわかりませんですけれども、上流耕地が直接影響するものは六万何千町歩、支川の影響が三万何千町歩、約十万町歩ぐらい損害を受けている。これはもう大へんな話だ。だから、一つそういう点について農地局としても今後どうしていかれるか、十分考えていただきたい。この状態で二、三べんありますと、方々で溢水を起して、農地ばかりでなく、今後方々の市街地、都市、小都市等も被害対象になる危険性が十分あります。これに対する、まあ私はお願い的な意見を申し上げましたが、局長はどういうふうなお考えを持っているか。
○説明員(伊東正義君) 今御質問の点は、去年阿賀野川で上の電源のダムを放流しましたとき問題になりまして、電気会社その他が賠償するとかせぬとかいう話があったことも存じております。これは農林省だけでなく、先生おっしゃいましたように、市街地も当然そういう意味の関係がございますので、これは水を流します場合には下流に通報するとか、建設省の多目的ダムでも通報に非常に金を使っております。これは通報してもらって被害をなるべくなくするということで、被害が出ました場合にこれをどうするかという問題は、これは単に農林省だけでなく、もう少し広い範囲でその解決方法を検討していくべきじゃないかというふうに思っております。なるほど御趣旨はよくわかりますので、どういうふうに持っていったらいいかということにつきましては、ほかの省とも連絡しまして、またいずれお答え申し上げたいと思います。
○東隆君 ちょうど農地局長が今おられますからお聞きしますが、これは農林大臣にお聞きした方がいいと思うんですが、先ほど、対策として自作農創設維持資金の融通をする、こういうふうに言われましたが、私は、農地局長として、自作農創設維持資金はあるいは負債整理、あるいは自作農維持、こういう方面に計画的に出すべき資金でないかと、こう考えるんです。それが実は災害があるたんびにこれらの資金が災害対策として使われていく。しかも、このワクをふやすときには、災害関係ではなくて自作農創設本来の目的あるいは負債の整理、そういうようなことでもってワクをふやしていって、そうして事実は災害のために使われている、こういうふうに考えまするから、私はこれを繰り返していく必要はないと思うんです。そこで、明らかに農地局長の方では、この資金を本来の目的に使うのだ、こういうふうに一つワクの拡大やその他をやり、そうして災害に対しては別途に一つやるべきものではないか、こういうふうに考えるんですが、この辺どうもはっきりしておらないので、今回もまたそういうところにぶつかって参ったようでありますから、そこで、局長は一つ来年度の予算の編成、それからそれに関連しての財政投融資の関係、こんなような関係でどんな気持でおられるか、一つお聞きしておきたいと思うわけであります。
○説明員(伊東正義君) 先生御承知のように、今の自作農創設資金の中に、やはり災害によりまして農地を手放さなければならぬというものにも融通ができるというふうに実は書いてございます。しかし、今おっしゃいましたように、なるべく自作農創設資金というものは、もっと計画的に、農地の取得でありますとか、あるいは維持でありますとか、そういうふうな方によけい使っていくということは、私も実は同感でございます。そこで、農林省でも実は経済局が中心になりまして、災害の起きました場合に今いろいろな対策をやっております。融資だけでいきましても、天災法もありますし、自作農資金も使っておりますし、あるいは公庫の資金も使うというような、いろいろな資金が出ております。これの交通整理といいますか、あるいはもう少しおのおのが分担すべき分野をはっきりしたらいいんじゃないかというようなことを内々検討もいたしております。私の方といたしましても、災害で自作農資金を使うということはなるべく少くしていきたいというのが、実はわれわれの考え方でございます。しかし、今一応法律には災害によって自作地を手放すという場合にも融資するということになっておりますので、これがまた非常に有利な一つの自作農資金条件になっておりますので、これの希望が実は非常に多いのでございますが、われわれとしましては、基本的にはやはり先生のおっしゃいました自作農創設資金なり、あるいは相続資金というようなものに重点を置いて考えていくというふうな方法でやはり進むのが妥当じゃないかというふうに考えております。
○田中啓一君 今の東さんの御質問は、この際災害を受けた所に対して自作農創設資金を使うのが本来の性格からいって相当問題じゃなかろうか、もう少し本来の趣旨を明確にしてその方へ使うべきじゃないかというようなお話があったように思うのであります。実は今農地局長からお答えになったような実態のものだろうと私は思うのでありますが、これは、これまで実は雨が降ったという、風が吹いたという、冷害をこうむったという、まあみんなが使ったものなんですね。そこで、今これ急にどうもちっと本来の趣旨からおかしいぞと言われると、大へんに不公平になるわけです。でありますから、この際は一つ出しておいてもらいたい、大いに出しておいてもらいたい。そうしておもむろに今のような点も研究なさって、今農林省の御検討のようにいろいろの資金がありますし、まあ要するに、資金全体としての能率を発揮するように効率的にだんだんやっていくという趣旨については、むろん異議はありません。私もそういうことを実は気がついておったわけなんであります。わけでありますけれども、私ども今までも実は本来の趣旨からいってそこへ出すべきものでないと考えられるものでも、今焦眉の急やむを得ないということでずいぶん惜しみなく協力をしてきたのが事実なのであります。でありますから、そこは一つ目の前のことと、根本的なこととは区別をしておやりを願いたいということを一つ御注文かたがた申し上げるわけであります。そのような私の質問の趣旨でありますから、お答えができましたら一つお願いいたします。
○東隆君 私は決してことしの資金を今度の災害の所に出すなと、こういうことを言っているんじゃないのです。
○田中啓一君 それでなければけっこうです。
○東隆君 三十五年度の予算の編成に当っては一つ十分に考える必要があるだろう、こういうことを申し上げたわけです。そこで、私は申し上げますが、一定のワクはこれは当然本来の目的に使うんだ。従って、災害によってふえてきた分をワクの増大をやるべきである、こういうのが私の主張なんです。そこで、災害はこれはちょっと範囲というものは非常に大きくなり小さくもなってくるわけですから、従って、そういうようなものを自作農創設維持資金の中でまかなうということになりますと、計画もこわれてしまいます。そこで、そういうような場合には、使うことはいいのですけれども、しかし、使った分は一つ別途にワクをふやしていく、こういうような形によってやっていかなければ、この自作農創設維持資金の本来の目的は達成されない、こういうふうに考えるので、三十五年度の予算の編成に際し、あるいは財政投融資の関係その他においては、その辺のところを考慮に入れておいて、そうして一つこれを使うということは差しつかえないけれども、それは常に補てんをしておくのだということを考えていかなければ、計画的な自作農創設維持あるいは負債の整理に関連した問題は解決しません。これからその点を一つ十分にお考えの上に処置していただきたいというのが私の趣旨なんあります。
○説明員(伊東正義君) 先ほどの田中先生のお話でございますが、今まで自作農資金を使いましたのは、昨年度は総額八十八億の中で災害で二十五億使っております。その前の年が約十億ぐらい使っております。ことしは、先ほど官房長から説明されましたように二十二億ばかり保留がございます。これは北海道に実は一部、金額はきまっておりませんが、北海道に充てるものが国会の決議にございまして若干含めておりますが、その二十二億のうちから幾ら災害に振り向けるかということにつきましては、今、被害の調査もいたしておりますし、大体この保留は北海道を除きましては一応は災害のためというような保留をいたしております。この中からことしの分として使っていきたいというふうに考えております。
○委員長(堀本宜実君) 本件は本日はこの程度にし、被害の救済及び復旧に政府の善処を求めます。 —————————————
○委員長(堀本宜実君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 風水害による農林水産関係の被害状況の調査のため委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認めます。つきましては、本院規則第百八十条の二によりまして委員派遣承認要求書を議長に提出しなければならないことになっておりますので、その内容及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認めます。さように決定いたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記を始めて。 本日はこれをもって散会いたします。 午後零時十九分散会