内閣委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 275 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/09/10
会議録
○委員長(中野文門君) これより内閣委員会を開会いたします。 去る九月二日大谷藤之助君が委員を辞任され、その後任として小柳牧衞君が委員に選任されました。 以上、御報告いたします。 —————————————
○委員長(中野文門君) 去る八月上旬実施されました委員派遣につきまして、各班から調査の報告を求めたいと思います。まず、北海道班の御報告をお願いいたします。
○増原恵吉君 内閣委員会の決定に基きまして、去る八月三日から九日までの一週間、中野委員長ほか永岡、横川、増原の三委員は、北海道における主として自衛隊の現状を視察して参りましたので、概略を御報告申し上げたいと思います。 御承知のように北海道では、陸上自衛隊につきましては、北部方面隊が設けられておりまして、この北部方面隊の中には、北部方面総監部及びその隷属下にある方面隊直轄部隊と第二管区隊、第五管区隊、第七混成団とがありまして、この北部方面隊の最高指揮権は北部方面総監に属しておるわけでございます。また、航空自衛隊につきましては、北部航空方面隊の隷属下にある第二航空団が千歳にございます。このうち私どもが見て参りましたところは、陸上自衛隊関係では、第一に、札幌にある北部方面総監部及びその周辺の直轄部隊、すなわち千歳、北恵庭、南恵庭の各駐屯部隊、第二に、旭川にある第二管区総監部、第三に、第五管区隊に所属する美幌駐屯部隊であります。なおこのほか、長官直轄部隊である島松の補給処を見て参りました。また、航空自衛隊につきましては、千歳にある第二航空団と網走の航空サイトを見て参りましたが、なおこの機会を利用いたしまして、北海道庁、北海道開発局並びに防衛産業視察として、室蘭にある日本製鋼所室蘭製作所にも立ち寄りまして若干の調査をいたして参りました。 御報告の順序として、まず視察日程から先に申し上げますと、日程第一日の八月三日午前九次半、私ども一行は立川飛行場から自衛隊の輸送機で出発、正午過ぎ千歳飛行場に着陸いたしまして、直ちに第二航空団に参りました。この第二航空団は、昭和三十一年十月浜松基地において戦闘航空団として編成され、二十二年九月に千歳に移駐し、次いで三十三年四月航空侵略機に対する措置を命ぜられ、以来わが国最初の防空任務に当っておる唯一の航空団であります。私どもはここで、人員、装備、施設の現状、北方周辺の警戒、哨戒、出動能勢等一の現状等につきまして当局の説明を聴収いたしましたが、この航空団の保有するF—86F機は五十七機、パイロットは七十六名、一年に六十川くらいは出動したということでありました。これは外国機の領空侵犯のおそれあるごとに念のために出動したものであって、まだ紛争は一度も起らなかったとのことであります。この視察後、引き続き、陸上自衛隊隊北部方面隊直轄部隊である東千歳特科団及び北千歳特科群をそれぞれ視察いたしました。これらの部隊は、昔の軍隊で申しますならば砲兵部隊であります。外部隊長より状況説明を聴取した後、実地に隊内を見て参りました。 日程第二日は、午前中に北海道庁に参りまして、臨時職員の現状、北海道総合品開発実施上における北海道開発局との関係、米駐留軍関係において懸案となっておる問題等につき調査をいたしました。次いで札幌にある北部方面総監部に参り、北部方面隊全般にわたる駐屯部隊の人員、装備、施設の現況、北方警戒、教育訓練の現状、隊員の募集状況と現在演習地の使用状況等につきまして当局より説明を受け、これに引き続き、北海道開発局に参りまして臨時職員の状況、北海道開発計画の実施の現状等を調査いたしまして、日程第二日を終りました。 日程第三日は、午前中、島松に所在する陸上自衛隊北海道地二区補給処を視察いたしました。この部隊は、火器、弾薬、戦車、ブルトーザ部品から自動車部品、油、あるいは机、いすに至るまで、いろいろな物資を調達実施本部を通じ、あるいは直接に現地調達し、北海道全道の陸上自衛隊の諸部隊に輸送する補給処であります。午後は北部方一面隊直轄部隊である北恵庭特車群及び南恵庭施設群を視察いたしました。前者は昔の軍隊でいえば戦車部隊であり、後者は、工兵部隊であります。 日程第四日は、午前十時札幌の近くの丘珠飛行場を自衛隊の連絡機で出発いたしまして、十時四十五分ごろに旭川に着陸、直ちに第二管区総監部に参りまして状況説明を聞き、このあと時間の関係上、旭川駐屯部隊の視察は省略をいたしました。午後は天候がだいぶ悪化をいたしましたので、旭川より美幌へ連絡機で飛ぶ予定計画が危ぶまれましたが、優秀なるパイロットの状況判断と飛行技術によりまして予定通り飛び、美幌に着陸、そこから美幌駐屯部隊の方へ参ってこれを視察し、当夜は網走に泊りました。 日程第五日は、午前中まず網走にある航空サイトを視察し、次いで予定外でありましたが、この機会を利用して網走刑務所を視察、午後は、天候悪化の関係上、飛行機の予定を変更して網走から汽車で札幌まで引き返したのであります。 日程第六日は、午前札幌を汽車で出発、室蘭に参りまして、日本製鋼所室蘭製作所を見学いたしました。この会社は、現在資本金二十五億五千万円で、室蘭製作所は会社全体の生産出の約八割を占める主力工場であります。主要製品は鉄道一面、造船造機、製鉄、電力、化学、炭鉱鉱山機器等各産業部門にわたる鋳鍛鋼品及び機械完成品、圧延鋼材でありまして、従業員約三千二百人、生産荷は月平均十一、二億円と聞きましたが、防衛庁関係の大砲、戦車等武器関係の修理受注額は月平均二千万円程度であるということであります。 以上で大体予定通り視察を終了し、翌九日千歳飛行場を出発帰京の予定でありましたが、ちょうど台風が本土に襲来をいたしましたので一日おくれて帰京をいたしたのであります。 以上が大体の視察日程でありますが、この視察によりまして特に印象に残った点、問題点として指摘された点等につき、この際ごく簡単に申し上げますと、まず第一に、自衛隊につきましては、陸上、航空を通じ、全体として部隊の人員、装備の状況はまず充実しており、隊員の士気も旺盛で、隊内の空気も明るいという印象を受けたのでありますが、しかしながら、演習場及び用地、住宅、営舎、その他の施設は全体としてまだ完備しておらない模様であり、またそのような説明をも受けたのであります。特に陸上自衛隊の現地各駐屯部隊より強く訴えられた点は、北海道は本土に比べ物価が約三割も高い、その上に隊員の居住する国営宿舎が不足し、特に陸曹以下についてはなはだしいという点、また医官の充足率がきわめて悪く、駐屯地病院、診療所も完備していないという点、厚生施設がきわめて、不十分であるという点等であります。北海道における陸上自衛隊の隊員はどの部隊を見ましても、本土出身者がその大部分を占めておるということが目立ったのでありますが、方面隊の全隊員の八七%は本土出身者で、特に九州は二四・六%、北海道出身者はわずか十三%にすぎない状態であります。でありまするから、隊員がいわば僻地で腰を落ちつけて勤務をし、道民と一緒に北海道を守るという気魂をさらに一段と期待をするためには、募集方法、配属方法等につき検討をすべきでありましょうが、それと同時に、隊員の士気に影響すること大である厚生施設は、ぜひ改善する必要があるという点が強く主張をされたのであります。このほか、初級、中級の幹部、陸曹クラスが昇進困難のため前途に十分の希望が持てず、停年問題にも悩んでおるという点が述べられたのであります。 航空自衛隊におきましても、この厚生施設の充実の要のある点は力説をされたところでありますが、このほか第二航空団の管理面の人員がきわめて不足をしているのでこれが増員が必要である点、千歳飛行場の補助滑走路新設の要のあることが訴えられたのであります。なお、航空自衛隊において特に印象に残った点は、網走の航空サイトに勤務する航空自衛隊第九〇二五部隊の勤務状態でありまして、レーダーにより昼夜の別なく交代で最も重要な航空警戒の任に当っておるのでありますが、きわめて健康でない勤務状態のもとに困難な機械を操作をしているのでありまして、まことに御苦労なことという感じをした次第であります。運動をする機会も少く、神経を酷使するため、胃かいよう患者の発生が特に多いということでありました。右については、勤務状態及び僻地勤務手当等について検討を要するものがあると考えた次第であります。 次に、北海道開発局でありますが、本年七月一日現在の定員外職員数は、常勤職員千八百九十八名、常勤的非常勤職員三千七十三名あったものが、先般の三十二国会の定員法の一部改正により、北海道開発局については常勤職員千八百九十八名のうち三百三十二名が定員化されることになったのでありますが、いまだ多数の定員外職員が残っていることは、国の直轄事業の著しい増加傾向とにらみ合せ、今後の課題として検討を要する、これが改善については開発局当局よりも強く要望されたところであります。 最後に、北海道庁であります。道庁の実施する補助事業は国の財源措置その他制度上の事情から、北海道開発局の手による国の直轄事業に比べ進捗が著しくおくれる現状にあるという点が説明をされたのでありますが、北海道開発事業実施上における道庁と開発局との関係についての若干の疑念は払拭し切れぬままに終りました。この点も今後における当内閣委員会の一課題ではないかと存じたのであります。 なお、米駐留軍撤退に伴う離職者対策の問題でありますが、三十二年五月、二千七百人の大量解雇が行われ、道路に離職者対策本部を設け、千歳地区を失業者多発地域に指定、二千七百人のうち二千二百人を再就職させたが、まだ五百人ぐらいは未就職の状態であり、さらに明年は千歳地区に相当解雇者が出る模様であるにもかかわらず、明年は千歳は多発地域の指定からはずされるおそれがあるので、この点考慮を要するという点、また千歳を工業立地条件調査地域に指定してもらいたいという点が要望されましたので、つけ加えておきます。 きわめて短期間を大急ぎで視察いたしましたので、十分にその意を尽さぬ点がありましたが、以上で調査の概略を御報告申し上げた次第であります。自衛隊関係につきましては、なお以上のほかに、各駐屯部隊の特殊事情に基き、それぞれ特殊な要望がなされたのでありますが、持参して帰りました調査資料を内閣委員会調査室の方に保管させてありますので、必要がありますれば適宜その方でごらんいただきたいと存じます。 以上御報告を終ります。
○委員長(中野文門君) 次に、九州班の御報告をお願いいたします。
○伊藤顕道君 村山委員、伊藤委員並びに矢嶋委員の三名は、去る八月三日より八日までの六日間、福岡県及び長崎県に出張いたしまして、主として自衛隊の実情、李ラインにおける海上保安庁の警備状況及び防衛産業等につきまして調査をいたして参りました。視察先は航空自衛隊第十六飛行教育団、福岡調達局、陸上自衛隊第四管区総監部、海上自衛隊佐世保地方総監部、長崎県庁、長崎海上保安部及び三菱長崎造船所であります。 以下調査の概要を簡単に御報告申し上げますが、詳細の点は、別添資料として会議録の末尾に掲載させていただくことにいたします。 最初に防衛庁関係につきまして申し上げます。第十六飛行教育団、第四管区総監部、佐世保地方総監部及び福岡調達局において、それぞれ業務の概要その他種々詳細な説明を聴取いたしましたが、そのうち主要な点について申し上げますと、まず第十六飛行教育団においては、第一に築城基地の施設、特に滑走路の点でありますが、現在築城基地には長さ二千百メートル、幅四十メートルの滑走路が一本ありますが、この滑走路はすでに老朽化し、耐久力に乏しくなっておるとのことであり、しかも滑走路の西端は国道及び国道日豊線にきわめて接近しておりまして、非常に危険を感じており、そのため列車通過時の離着陸を禁止するとともに、国道上には自動信号機を装置し、また歩哨を立て、危険の防止に当っておるとのことであり、このような状態にある滑走路一本では、同隊の教育訓練にも大きな支障を来たすため、明年度において現在の滑走路に並行して新滑走路を建設すべく目下準備を進めておるとの説明でありました。その第二は、最近における航空事故の状況でありますが、当基地においては昭和三十一年度より漸次事故は減少の傾向にあったのでありますが、本年に入りまして事故は急増し、本年七月までにすでに二名の犠牲者を出しております。事故の原因の大半は、運行者または整備の過誤に基くものでありますが、教官と学生との間の融合面において不十分の点もあったのではないかとも思われ、今後事故防止のためこのような点に留意するとともに、学生に対しては特に淘汰をおそれ、あるいは単独飛行を競って無理な飛行をしないよう指導しておるとのことであります。航空事故の絶滅は基地司令の統率方針の一つでもあり、本年末には当基地に救難隊も設置されるとのことでありますが、今後航空事故防止のため格段の努力を要望して参ったのであります。 次に、第四管区総監部及び佐世保地方総監部につきまして申し上げますと、その第一点は、隊員に対する教育訓練の点でありまして、両隊とも教育訓練は自衛隊の使命達成の第一義でありますので、これを強力に推進しておるとのことであり、隊員に対しては特に任務に対する自覚の徹底に努め、訓練は成果を得ており、また両隊とも隊員は上級者と下級者との間が非常になごやかであり、伸び伸びとした気持で教育訓練、営内生活が行われておる旨の説明がありました。一方、厚生面におきましてもこれを重視して、その施策の推進をはかっておるとのことでありますが、佐世保地方隊においては現在医師が非常に少くて因っており、以然医師を乗せる必要のある艦船に医師を乗せることができない状態であるとのことであります。その第二点は、災害派遣の点でありますが、第四管区隊におきましては、昭和三十二年より本年までに九十一件の災害派遣をいたしており、本年七月福岡県、山口県の水害に対しては隊員約千二百人を約一週間にわたり両県に派遣し、主として架橋、堤防復旧、道路啓開等の作業を行なっており、また、佐世保地方隊におきましては、昨年末の古仁屋の災害派遣を初め遭難漁船、航空機の救助作業を行なっております。これら災害派遣の実績より見まして、さらに今後救援作業の効果をおさめるため、両総監は特にヘリコプターの配置方を希望しておりました。現在では、両隊ともヘリコプターは一機も保有しておりません。九州地区は災事が多く、しかも離島が多いという地区のため、特にその必要を痛感いたしておるとのことであります。また、佐世保地方総監は、現在自衛隊には救援物資の保管がないため、せっかく離島へ災害出動しても、被災者に救援物資を供与することができない。もし救援物資の保管ができると、派遣の効果はさらに上がるであろうと述べておりました。 次に、福岡調達局につきまして申し上げますと、特に重要な問題は、板付米軍基地内における土地買収の問題でありますが、板付基地飛行場地区の面積約九十万坪のうち約八十万坪は民公有地であり、本基地の返還が客観的にみて不可能視される実情にあるため、昨年度よりその土地の買収を始め、昭和三十七年度に買収を完了する予定とのことであります。 次に、問題となるのは、板付基地周辺の防音装置の点でありますが、防音装置は昭和二十九年度よりすでに実施に着手せられまして昨年度までに教育施設については必要施設の約半数にわたって実施せられており、本年度は教育施設のほか医療施設についても初めて防音装置に着手する予定とのことでありますが、現在におきましては、防音装置については、地元民の要望をいまだ十分達し得ない状況にある旨の説明でありまして、また、私たちが本年三月鉄筋改築が竣工した筥松小学校を視察いたしました際にも、福岡市当局より防音工事の促進方を強く要望されました。 なお福岡調達局では、管内米軍の駐留状況より、昭和三十一年以降予算も年々ふえ、専業が増加しておるのが特色であるとの説明でありました。しかし、調達庁全体としては年々事業の縮小に伴い予算、定員も削減されておる実情でありますので、調達局の職員組合の代表者より調達庁の将来対策を国の政策の一環として取り上げ、職員の今後の行先の不安を除去してほしい旨の陳情を受けました。 次に、米軍板付基地司令の案内によりまして、板付基地内を視察いたしました。基地司令はジェット機による騒音のため地元民にできるだけ迷惑のかからないよう配慮しておる旨を強調されたのでありますが、今後なお一そう、この点について努力されるよう希望を述べて参りました。 次に、三菱長崎造船所につきまして申し上げます。当造船所における防衛庁の警備艦の建造状況は、現在までに大型警備艦三隻、小型警備艦二隻計五隻を建造いたしております。最近では域外調達による警備艦一隻が去る六月に進水し、私たちが参りましたときは、艤装をしておる現状でありました。 次に、長崎県庁及び長崎海上保安部について申し上げます。両庁におきましては、主として季ラインにおける漁業問題及び海上保安庁の警備状況について詳細な説明を受けました。長崎県におきしましては、李ライン問題は政府を信頼し、政府の機関において適切な措置をとってもらうことを特に希望し、本年三月には長崎県知事より政府に対し、季ラインに関する諸問題を解決するため内閣に対策委員会を設置し、円滑かつ強力な措置をとるよう陳情をいたしております。先月二十日出動いたしました自衛船の問題に対しても、留守家族の中には、この問題のために、むしろ抑留漁夫の帰還のおくれることをおそれる声もあり、県会に特に業者の出席を求め、その事情を聞くとともに、その行動には慎重を期することを要望しておるとのことでありました。この地域に出漁しておる漁船は、海上保安庁の発する警報を忠実に守れば、拿捕される心配はないとのことでありますが、海上保安庁の説明によれば、本年十月には、警報の多く出た地区におきましては、約二百三十時間も警報が出されており、このように韓国警備船の出勤により警報下のときが多く、これがため著しく操業の制限を受けておる実情であるとのことでありまして、今後政府の措置として巡視船の増強、漁業者に対する救済措置が要望されるとともに、現在この地区に出漁しておる小型漁船には無線機を持たないものが非常に多く、警報が出されても、これをキャッチできない難点があるため、これら漁船の拿捕防止策として農林省と協議の結果、半額国庫補助により本年三月一部にこの無線機の装置を行なったが、なお、長崎県下において一千台の無線機を必要とし、そのためには国から千二百万円の補助が必要であるとのことでありまして、本年度も、ぜひこの補助が得られ、小型漁船の拿捕の防止ができるよう強く要望されました。 次に、李ラインの警備については、海上保安庁は、昭和二十七年の閣議決定により、韓国とけんかをしないで、わが国漁民を生かすようにするとの基本方針のもとに、常時六隻の巡視船を派遣し、漁船の保護に当っておるとの説明でありました。海上保安庁は、これら巡視船の哨戒により、韓国警備船の動向を察知し、操業漁船に適切な警報を出しており、漁船がこの警報をとらえ、これを忠実に守れば拿捕されることないとのことであり、海上保安庁としては、生業のため、この地域に出漁しておる漁民が生業の成り立っていけるように、十分な警戒保護に当っておるとのことであり、漁民もまた海上保安庁の発する警報を十分守ってほしい旨の説明でありました。第七管区海上保安本部長は、漁民が漁獲を得、もうかることが一番大事であり、それには問題を平和に解決することが得策であるという見解のもとに、海上保安庁の出先機関としての任務を果しており、あとは国がはっきりこの問題の解決をはかってほしい旨を述べております。 なお、対馬島につきましては、対馬が季ラインよりわずか三マイルしか離れておらず、民心の不安のときもあり、また、対馬の警察力が少ない現状よりして、長崎県では、対馬に自衛隊の出先機関を設置することを望んでおるとのことであります。海上自衛隊佐世保地方総監の説明によれば、現在対馬には隊員十人よりなる分遣隊が駐とんしており、レーダー基地もあり、非常の場合には、大村基地より航空部隊の派遣ができることとなっているが、本年度には、この分遣隊の隊員を五十人ないし六十人に増員する予定とのことであります。また、第七管区海上保安本部長は、地元には、対馬付近に自衛艦の派遣を望む声もあるが、要は、問題を平和に解決することをまず先に考えるべきであると述べておりました。 最後に、本部長より、第七海上保安管区は、国境警備の強化という観点より、巡視船、航空機、ヘリコプター、レーダー等通信施設の強化等を強く要望せられました。 以上をもって調査報告を終ります。
○委員長(中野文門君) 各班からの調査報告は以上でございます。 合同の視察の結果に基いて派遣委員から政府に対して質疑の御要望がございますが、これは後刻関係者出席の際に譲ることにいたします。 なお、先刻九州班の御報告の際、調査資料を会議録に掲載されたい旨の御要望がございましたが、さよう取り計らうことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中野文門君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(中野文門君) 国家公務員制度に関する件を議題として調査を進めます。 政府側御出席の方々は、椎名内閣官房長官、福田総理府総務長官、佐藤副長官、増子公務員制度調査室長、浅井人事院総裁、滝本人事院給与局長、以上であります。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 これから国家公務員法並びに地方公務員法により特に組合の専従職員について政府並びに人事院当局の見解をはっきりしていただきたいと思います。 最近文教委員会なりあるいは社労委員会でこの問題が相当論議されております。また院外におきましても、文部当局なりあるいは自治庁当局はいろいろ見解を各地方に流しております。それがために非常に混乱を見ておるのでありまして、私としてはこの問題は、当内閣委員会において出す結論が最も権威があると私は考えましたので、特に本日は浅井総裁なり官房長官の御出席を願った次第であります。 そこで第一に、冒頭に聞いておきたいのですが、去る二十八日だと記憶しますが、私これは新聞で拝見したのですが、労働大臣の発言で、専従職員の制限に関する問題が閣議に出されたようでございます。その内容を新聞によりますと、専従職員の数並びに期間の制限、なおまた、専従職員が休暇をとっておる間は昇給をストップする、またその期間は、恩給なり年金の期間を中断をすると、こういう趣旨の発言があって、これが閣議で了承されたという新聞記事を見たのですが、この点について、官房長官その事実があったかどうか、もしありとすれば、その労働大臣の発言された内容について、官房長官からまず一つ御答弁を願いたいと思います。
○説明員(椎名悦三郎君) お答えいたします。この問題につきましては、文部大臣から全国の教育長の会議及び全国の教育委員会の委員長の会議の要望があって、日教組の専従職員の数及びその期同等に対する制限を考慮してほしいという要望があった、これはしごく適当な要望であるから、文部省としてもこれは一つ考えていきたいという発言がございました。これに対して、労働人からさらに発言があって、事柄は、ただに日教組だけの問題ではない、広く国家公務員及び日教組以外の地方公務員についても、理屈は同じことだから、それで一緒に歩調をそろえて、これを取り上げていきたいという意見の開陳があったのであります。その際に、長く自分の本来の職域を離れておるにもかかわらず、一方においては、恩給あるいは年金の恩恵に浴するということは適当な利益供与ではない。不当なる利益供与であるという、これは学者の見解も一致するところであるから、この問題は取り上げざるを得ないという説明つきの意見の開陳があったのでありまして、これに対して、閣僚は別に異論を言う者はなかった。いわばこれを了承したという形になったわけであります。それだけを御報告申し上げます。
○山本伊三郎君 閣議の模様は大体わかりましたが、そこでそれでは一つ、官房長官に聞きたいと思う。労働大臣が学者の見解はそうだと言いますが、学者といえどもいろいろな見解を出しておることは私知っておりますので、それはまたあとで問題があれば申し述べたいと思うのですが、まず法的根拠を官房長官はどう考えておるか、この点を一つ私聞いてみたい。たとえば数なり期間の制限の問題ですが、この国家公務員法は昭和二十二年の十月何日かに実施されたと思うのでありますが、その当時の立法過程も官房長官御存じだと思いますが、そういうところからいきましてこの閣議で言われておるような数なり期間の制限については、われわれ公務員法に違反しているということもはっきりしていると思う。たとえばここに国家公務員法第九十八条を一つごらん願いたいと思う。第二項に、ちょっと読んでみますが、「職員は、組合その他の団体を結成し、若しくは結成せず、」これはいいのですが、「これに加入し、若しくは加入しないことができる。」、この次が問題だと思う。「職員は、これらの組織を通じて、代表者を自ら選んでこれを指名し、勤務条件」云々、とあるのです。この第九十八条の、いわゆる「代表者を自ら選んでこれを指名し、」ということは、これは政府といえども法律によらなければ、干渉できないと思う。その点の見解をはっきりしてもらいたいと思う。
○説明員(椎名悦三郎君) 増子説明員に説明させます。
○山本伊三郎君 官房長官一つ権威ある答弁をしてもらわないと困る、閣議の問題ですから、官房長官お答え願わぬと工合が悪い。
○説明員(増子正宏君) 私御指名ありましたのでお答え申し上げますが、お読み下さいました条文は、御指摘の通りでございます。職員団体がみずから代表者を選んで当局と交渉することができるということは、その通りであろうと思っております。
○山本伊三郎君 それをあなたに聞いている、それはいいのですが、そういうことであれば閣議で了承したことは法律に反しているのじゃないかということを私ただしている。従ってそれを官房長官が、間違っているのならば、閣議の了承を取り消すというてもらえば、以下の質問を全部取り消してもいいと思う。その点はっきりしてもらいたい。
○説明員(椎名悦三郎君) 御質問の、要旨は、職員団体が自由に代表者を選び得る、その自由に選び得る代表者の数を制限したり、あるいは年数の、期間の制限をするということは法律違反ではないかと、こうおっしゃるのだと思います。この点につきましては、人事院規則あるいは地方条例等に、職務に差しつかえない限りその専従職員になることができるという道を開いております。それからまた一応一年間としてありますが、これを更新することができるともなっております。それでありますから、必ずしも厳正に法律上の規定が設けられているとも限りませんので、大体において、公務員の職務執行に支障がないかどうかというような判断から、民主的に職員組合等と話し合いをして、そうして結論を求めていくのが、まず適当であろうとわれわれ考えているのですが、これをあくまで厳正に規則で設けていこうということになりますというと、現状はそうなっておらぬ。でありますからこれはよほど研究をしてかかる必要があるのじゃないか、こう考えております。
○山本伊三郎君 官房長官の答弁はなかなか苦しそうな答弁なんですが、そうすると、まあ閣議で了承されたということになると、もうわれわれがすでにそれが措置される前提だという考えを持ったのですが、今言われたのは、人事院のいろいろ規則の問題がありましたが、そこで一つたまたま人事院総裁来ていただいておるので、国家公務員法第三条においてこれらの法律の完全な実施については人事院が責任を持て、こういう条文があると思う。従ってこの問題の法の解釈について、人事院は権威ある一つ見解を披瀝してもらいたい、こう存じます。
○説明員(浅井清君) ただいまの御質疑で、みずから選んでというところがまず第一でございますが、これは決して他人によって選ばれるのではなくて、組合が自分で選ぶのだということでございますが、ただこの交渉します場合には、人事院の定める手続き従い、という点がございますので、これが人事院規則の十五の三ということになっております。この規則の中で第一の点は、やはり専従職員も公務員でございますから、勝手に専従職員になれるのではなくて、これは当局の許可が要るのだ、ということが第一点でございます。でございまするから、当局といたしましては公務に支障があれば専従を許可しないでもいいということが一つございます。それから第二点は、専従の期間は一日以上一年と一応限ってございます。ただし、これは更新してもかまわない、しかし、更新するのがいけないと思うならば、更新させなければよろしいのでございます。ただ私は日教組のことは存じませんが、新聞紙上で伝えられるところによりますると、何人に一人にきめるとか、何年以下にきめるとかいうようなことがあるやにうわさされておりまするけれども、それは人事院所管の公務員についてはやっていないということでございます。なぜやっていないかというと、そういうことをやりますと、いろいろまた、不都合なことができるというのでございますが、その点、どういう点が、不都合か、また御質問がございますれば申し上げたいと思います。
○永岡光治君 関連してちょっとお尋ねいたしますが、幸いにして浅井総裁が見えておりますし、それから官房長官も見えておりますが、今のお話しによりますと、一々認可がいる、こういうことですが、今までずっととってきていると思うのですがね、認可を。特に専従制限をしなければならぬような支障があったかどうか、そういうことを人事院は承知しているのかどうか、そういう事例があったかどうか。つまり専従制限をしようとしておりますが、それは一々認可は今までとってきておるわけですが、今まで私は全然支障なかった、こう解釈しているわけですが、急にここで困ったということを、閣議の話し合いを聞けばそういうことに解釈されるわけですが、困った実例があったのかどうか。つまり一々許可しておったことが不都合であったような事態がどこか起きたのか。あなた方それを承知しているのかどうか、お尋ねいたします。
○説明員(浅井清君) それにつきましては人事院所管の国家公務員、すなわち国家公務員全体の中から特別職はこれは所管でないから除きます。それと全逓、また電通いわゆる五現業は所管でないから除きます。それ以外の点について、すなわち人事院所管の国家公務員についてだけ私はお答えし得るのでございますが、その前提でお聞きを願いたいと思うのでございますが、この国家公務員の組合員というものは大体二十三万四千人おるのでございます。その組合、いわゆる職員団体の数は八百をこえておるのである。つまり非常に大きな団体もあれば小さな団体ある。それに対していわゆる専従職員が何名おるかと申しますれば、九十三人ぐらいしかいないのでございます。そうすると二千五百人に一人という割合でございます。これはどうも私どもといたしましても、官側といたしましても大へん多い数字とは思っておらないのでございます。それからまた、一々この専従の許可をとってなっております。それからまた、専従の期日は人事院所管の公務員の専従職員のほとんど半数は一年で行って帰ってくるのでございます。約七割は二年以内でございます。そのように七年も八年も長くなるというものはほとんどない。あっても一人か二人だと思っておりますので、現状におきまして人事院所管のこの専従職員の制度の運営につきましては、別に、組合はもちろんのこと、官側からも人事院に対しまして、どうもこれは不都合だと、何か変えてくれといったような申し出は私は知らないのでございます。
○山本伊三郎君 それでは一つずつ片つけていきたいと思うのですが、今人事院総裁の言明によって、私の所管の国家公務員の問題に関してはそういうことはやっておらない、やらない、こういうことですね。そうすると閣議では労働大臣が、この問題は単に教育公務員だけでなくして、一般の地方公務員、また国家公務員の均衡上やるんだということを了承されたことは、閣議として越権行為じゃないかと思う。この点官房長官どう思われますか。
○説明員(椎名悦三郎君) 労働大臣の話を聞きました私の解釈でございますが、これは理論的に言われたのであって、もしそれに実際問題として該当しなければ、しいて同一歩調をとらなければならぬということもなかろうと思います。労働大臣の言われたのは、国家公務員並びに日教組以外の地方公務員、それはやっぱり歩調をそろえてやるべきだ、こういう所見でございました。
○山本伊三郎君 それでは一応国家公務員についてはそういう見解らしゅうございますが、では地方公務員の方に移りますが、この専従者の問題については、特に私は政治的な意味を含んでおると思う。これは主とし日教組、文部大臣がこれについて強力な圧力を加えておることは地方でも知っております。それが実は先ほど浅井総裁が言明されたように、いわゆる人事院規則なり、地方公務員の場合は各自治体の条例によって規定しておるんですが、その条例の規定の実例は政府は御存じないと思う。条例ではあの当時、昭和二十二年と申しますと、一般の公務員もそれまでは労働組合法なりその他の労働三法の適用があったんです。それを当時占領行政のときでございますから、GHQの示唆もあったと思いますが、特に国家公務員なり地方公務員を労働組合から排除して、そうしてこの国家公務員法なり地方公務員法を作ったんですが、その立法精神というものは、やはり職員団体を認めたということは、いわゆる自主的な、自分の給与とか、あるいはその他の勤務条件については自主的な解決方法を残しておこうじゃないかということで職員団体を置かれた。従ってその職員団体を代表して、政府と——政府じゃない、今度は地方公務員でございますから、地方の理事者なり、そういう人と当る場合は対等の資格で当ってよろしいということで、しかし、そういう人も身分は持たしておかなくてはならない、身分をはずれると政府の方では困る、また地方自治体が困るので、身分を持たすということで、いわゆる条例なり人事院規則において、いわゆる一日単位とした、いわゆる一年を限っての休暇制度、いわゆる公務員について、明治以来日本の官吏なり公吏が始まってから、公務員について休暇で給与を出しておらないという実例はない。休職の場合はあります。すべて休暇をとらして、そうして休暇ということで給与を出しておらないのはない。しかし、組合専従は若干の弊害もあり、給与だけは一つ遠慮してもらおうということで、そういうことで一応専従休暇という名前でもって休暇になっておる。給与を出さないことはちょっと無理、しかしわれわれはしんぼうしておる。給料もらって理事者とけんかしたら、どうもこちらが弱みがあって遠慮しておる。そういう建前で作ったこの専従者なんで、そういう専従者がいわゆる行政措置と申しますか、条例とか、規則で、これは三年以上になるからやめなさい、あるいは数は多いからこれを制限しなさい、こういうことは言えた義理じゃない。法律の精神はそうじゃないんです。それについて政府は地方公務員に、これを及ぼして、やっていくんだという閣議決定については、これは越権行為だと思いますが、これについて官房長官どう思うわれますか。
○説明員(椎名悦三郎君) 先ほどから申し上げますように、これは閣議決定ではございません。閣議において所管の閣僚が、所見を述べたという状況でございます。
○山本伊三郎君 それはちょっと問題ですよ。僕も大臣になった経験がないからわかりませんが、先ほど閣議で了承をされたということは、すなわちわれわれの理解としては、これは閣議の決定だという理解をしておる。そうすると、決定でなければ、一体これがどれほど行政上の価値があるのか。ただその大臣から話があったが、ああそうかということで終っておるのか、それともこれが権威ある行政措置として表われてくるのかどうか、これがわれわれとして心配なんです。現に自治庁とか、文部大臣あたりは、そういう措置をとらんとしつつあることは事実なんですから、その点をはっきりしておいて下さい。
○説明員(椎名悦三郎君) 閣議で閣僚が意見を述べることは、これは自由でございまして、それに対して反対の意見があれば反対の意見を述べる。大体の方針としてはよかろうという私は暗黙の了解だと思いますが、さてその暗黙の了解を与えられたその結果が、どうなるかといいますと、これはそのまま法律が動くわけでもなければ、法律の改正はもちろん、手続も何も進めておりません。すなわち、所管大臣の行政指導の範囲内においては、それはできることと思いますけれども、それ以上こえて云々ということになりますというと、あらためて手続をとり、あるいは政令、あるいはその法律の改正といったことになるのでありまして、閣議における意見の発表、それが直ちに法律上の効果を生むというようなことはないであろうと私は考えております。
○山本伊三郎君 その点はこれは特にはっきりしておきたいんですが、われわれとしては、先ほど冒頭に官房長官に二十八日の閣議の模様はどうでございますかと尋ねたのは、そこに一つの焦点があったのであります。何か官房長官が言われると、松野労働大臣が受けて立って、そうして発言して、それを閣僚が聞いた。なるほど学者もそう言っているからそれでよかろう、閣僚もほかの人はしろうとだから、それで一ぺん聞いてよかろうということで帰ってしまった。それが所管大臣なり、文部大臣なり、自治庁長官があるいは行政指導をそれでやるんだ、こういう今の御答弁だと思います。そうすると、それ自体もまた問題であると思う。閣議で了承されない、言うた言いっぱなしで、それでよかろうということで帰って、それが自治庁長官なり、文部大臣がどういう権威ある力によって、それを下部に指命するかという問題なんです。かりに行政指導にいたしましても、私は今の政府は、そういう危ふやな政府ではないと私は信じておる。それでもし官房長官があのときは発言があったけれども、それは閣議上何らの効力がないんだ、こうおっしゃるなら、今の質問は取り消していいと思いますが……。
○矢嶋三義君 ちょっとそれに関連して答弁前に。官房長官、先ほどの質疑を承わってその点が非常に不明確なんです。私は新聞を見て、新聞記事というのは、場合によると記者のセンスから、ちょっとニュアンスが違った格好で報道される場合があると思うんですが、その記事あるいはラジオ等、それからあなたの答弁を聞いておって、お若い松野労働大臣がいろいろと総理の前で意見を述べられた。それで列席しておった閣僚諸君は、ふふうんと聞いておるところで、聞きおくというようなことで、私は終ったものだと思うんです。それをスポークスマンか何か発表するときの発表の仕方が的確でなかったために、これはニュース・バリューがあるということで、記者諸君が四段抜きくらいにして、そうしてこうなってきておるものだと思います。閣議はあなたが議事進行を務め、主宰されるわけです。議長はもちろん総理ですがね。了解とか閣議決定という場合には、進行を務められている官房長官の手によって締めくくるはずです。これはこういうことは了解しよう。あるいは閣議決定にしよう。それによってそれぞれの所管省庁において手続なり、作業を始めようというようなことがやられるわけです。私はその締めくくりというものが、閣議を議事進行、主宰しているところの官房長官の手で、なされていないのじゃないか。かように思うのですが、その点を一つ山本委員の質疑と内容は同じですが明確にして下さい。 ただもう一点私は疑問に思う点は、さっきこういうことを発言されたのですね。それはあなたが質疑しているうちに、山本君のぺースに乗ってちょっと口がすべったのかどうか、それともそういう点が岸内閣の手によって方針ときまっているのかどうかということを、さっきのあなたの答弁から明確にしてもらいたい。それはこういうあなた発言をしたわけです。国家公務員、それから日教組を除く地方公務員とは同一方針でいかなければならぬという言葉があった。そうすると何ですか。日教組というものに対する方針と、日教組を除く地方公務員と、国家公務員、これに三公社五現業が入るのではないかと思う。それと同じ方針というように、二本立でいくというようなことが、発言者である松野さんから発言をされ、それが発展していっているのか。あなたが今国家公務員、地方公務員の議論があるから、山本さんのペースに乗っかってそういうことをちょっと何されたのか、話があいまいもことしているので、質疑ができない。明確にしていただきたい。
○説明員(椎名悦三郎君) まず第二段の点を申し上げますが、専従職員の制限については、国家公務員もその他の地方公務員も理屈は同じことだから、それで歩調をそろえてやりたいと思う。こういう発言がありました。それはすべて全部同じだというのではない。専従職員の制限については同じ歩調でいきたいと思う、こういう話です。それから閣議の発言が直ちにそれが政令となり、法律となるというようなことはもちろんございません。一つの大臣の方針として発言される場合があるのであります。それを今度はその線に沿ってよく事務的にも検討を加えて、そうして結論を得て、初めて実施案というものができるというものと考えます。この問題につきましても、専従者の制限、数の制限、期間の制限等はまだほんとうに厳正な法律上の規定になっておらぬ点があると思うので、もしもそれを厳正に施行しようとするならば、私はいずれそのうち労務関係の閣僚懇談会が開かれることになっておりますが、そういうものにかかってそうしてだんだんと具体的に問題が固まっていくものと思います。それでただ所管大臣限りの行政指導でやる場合は、これは意見の発表があろうがなかろうが、これはできることでありますから、それはできると思うのです。ただ、私はそれを聞いておって、これはかなり重大な発言である、そう考えましたので、記者会見のときに発表したのであります。そういう事情であります。
○山本伊三郎君 それじゃまあいろいろただしたいのですが、政府の方が、そういう閣議決定はそういう重要な決定でない、これから検討しようじゃないか、こういうことであったと言われますが、それなら一つ、はっきりここで官房長官に聞いておきたいのですが、先ほど申しましたように、今の法律の体系のままであれば、そういうことは政府の権限でできない。法律を変えてしまえば、一応これはまた別の問題です。法律を変える場合には、相当問題があると思いますけれども、これは公企労の関係もいろいろ出てくると思います。しかし、今の法律の内容では、政府が、松野労働大臣の言われたようなことをやろうと思ってもだめだということは、はっきり認識していただきたいと思うのです。 それから人事院総裁に、ちょっとこの点苦言を呈しておきたいのですが、いわゆるああいう発言は、人事院総裁の、人事院当局の権限を侵害するような内容だと思う。それを黙っておられておるということについては、われわれ人事院の存在価値すら疑わざるを得なくなってくる。従ってそういうことがあれば、直ちに人事院の見解はこうであると、今言われたようなことを言って、そしてやはり、あの人事院に守られておる国家公務員なり、あるいはまた、人事委員会に守られておる地方公務員の安心するような措置を、政府と対立のままのいわゆる人事院でございますから、その職務を一つ果していただきたいと思う。これが一つも近ごろやっておらない。ただいわゆる給与の勧告を出すだけで、この前の委員会で、総裁はそういうことはないと言われたけれども、政府の予算の内容を一応聞いて、それで勧告を出そうというような、私はそういう印象をとるのです。従って、独自の人事院としての職務を果敢に一つやってもらいたい。そうでなければ、人事院の存在は、だんだんいわゆる政府も無視するでありましょう。またわれわれ一般も、そんな人事院なら要らないじゃないかという考えになります。しかし、われわれはそう思っておりません。今日、争議権を取られておるわれわれといたしましては、ただ一つ、われわれの頼るところは、人事院以外にないのだから、その人事院がしっかりしておらなければ、われわれの生活権は守れない。しかも、全体の奉仕者として、公務員は国民に奉仕しろということを規定されております、この職務を果す義務を果せないと思う。そういう点を一つ十分に考えてもらいたいと思う。 それから先ほど官房長官、そこまで言われたので、具体的な質問には入りません。私のきょうの印象では、あの閣議で了承された事項というのは、あれはただ、そういうことがあるからということで、決定ではないのだ、効力も発生しておらない、こういうことで理解します。従って、あの決定によって、もし自治庁なり文部大臣が、地方に対して何らかの指示あるいは行政指導したときには、官房長官が責任ある態度をとってもらいたい。こういうことを最後に言っておいて私の質問を終りたいと思います。その点について官房長官どうですか。
○説明員(椎名悦三郎君) 重ねて誤解のないように申し上げておきますが、少くとも、あれは厳格に実行するということになりますと、人事院規則あるいは少くとも地方団体の条例を明確に改正するという必要があるのじゃないか。法律までいきますかどうですか、これは十分に研究しなければなりませんけれども、少くともその点まではいかなくちゃならぬのじゃないか。ただいまの規則でございますと、大体行政指導の標準というくらいの程度でございます。でありますから、各省大臣の行政指導の範囲においては、ある程度までは指導はできると思いますけれども、これにはよほど幅のある、相手方のある問題でありますから、その点は必ずしも全国一律にはいかないかと思います。
○山本伊三郎君 私も質問を打ち切ろうと思ったら、またそういうことを言われると、問題が変ってくるのです。先ほど申しましたように、いわゆる専従制限をやる場合には法を変えなければいけないということについて、責任ある答弁がないのです。法を変えなくてもやれるのだという、そういう説明がないのです。国家公務員法九十八条によりまして、あの法文がある以上、そういう条例とか、人手院規則ではそういうことはできないと、浅井総裁も先ほど言われたと思う。それを是認しておきながら、所管大臣が行政指導の面で、条例をこうしたらどうかということを指導できるということは、果して政府は厳然たる法律を基礎にして政治を行なっておるのかどうか、この点私疑問だと思う。そういうことは了承されたと思って、私は先ほど質問を打ち切ったのですが、その点を一つ官房長官、はっきりと見解をここで披瀝してもらいたいと思う。法律上いかないということを了解しておきながら、行政指導の面でそれがやれるのだ、こういうことでは私は承知できない。
○説明員(椎名悦三郎君) 従来やってきた程度以上のことになりますと、少くとも、条例、規則等の改正以上のことをやらなければいかぬと思います。
○山本伊三郎君 いや、それはちょっと論点がぼやかされるのですがね。われわれの見解としては、今の国家公務員法、地方公務員法をいわゆる改正しなければ、変えなければ、そういう条例なり規則は変えられないのだ、今の法律の基礎によって、人事院規則なり条例が使われておるのだ、そういう建前にあるのに、法律を変えずに、官房長官のおっしゃるのでは、条例も規則も変えられるのではないか、こういう見解はわれわれとしてはいかない、こういうことなんです。それをはっきりしてもらいたい。
○説明員(椎名悦三郎君) 私の申し上げておりますのは、代表者の選出の問題でなくて、専従者の制限の問題を申し上げている。
○山本伊三郎君 いやいや、同じことです。
○説明員(椎名悦三郎君) それで、それについての話し合いと申しますか、指導と申しますか、所管大臣が、規則にかかわらず、話し合いによって達成できるならば、それはできないことはない。ただ、法律の問題としてこれに臨むという場合には、少くとも条例、規則の改正、あるいはそれ以上の手続を要するものと考えております。
○山本伊三郎君 それではここで確認しておきたいと思う。何か選出の問題とか何とか言われたが、私の質問内容は、冒頭に申しましたように、専従者の制限に関する問題で、八月二十八日に閣議で言われておる内容というものは、まず、数の問題が大体上ってきておる。特に、これは日教組の問題が出ておりました。日教組で大体六百人程度、六百人以下だと思いますが、一名出ております。これは多過ぎるから、千名にしたらどうだ、こういう意味において、数を制限しようじゃないか、期間については、これも具体的な数字が出ておりました。いわゆる三年ぐらいがいいじゃないか、私はこの基礎も聞きたいのですが、これは問題の焦点が違うから……。期間は三年ぐらいにしたらどうか、こういう問題が出ております。これは、いわゆる数とか湖間の制限の問題。次に、先ほど申し上げました、その専従の期間の昇給はやらない、法制局の見解はこうだということで、もうすでに地方へ流れております。法制局は、きわめてこじつけの文理解釈によってやっておりますけれども、当時の立法の精神なり、あるいは立法の過程からいうと、そういうことはできない。昇給は専従期間はストップするのだ、これが一つ。もう一つ、その何年かおる間は、休職の身分であるから、年金を中断するか、あるいは半分ぐらいにするというような意見も出ておったと思う。これらを総合して私は言っておるのであって、選出の問題を言っておるのではない。従って、これらについても、私はいろいろ説明したいのですが、いわゆる最初の問題で官房長官がそういう答弁をされたので、そういう説明はしない。これらを含めた問題で言っているのですから、それらを含めた問題として答弁していただきたい。
○矢嶋三義君 ただいまの専従者問題について二、三点伺います。松野労働大臣が閣議で発言して以来、非常に大きな問題として国民から注視されている問題ですが、官房長官、私は、次のように官房長官の答弁から推察理解しているのですが、間違いないかどうか。それは、この問題は大きく岸内閣の労働政策並びに公務員制度に対する政策、大きな岸内閣の政策というような印象を国民に与えるような形で出てきているわけです。で、基本的に考えれば、非常にこまかなことを報ぜられておりますが、職員団体なりあるいは労働組合に対しては憲法の条章あるいはそれに基くところの公務員法等の条章に基いて自主的な運営が行われるように向けていく、これは私は基本政策でなければならないと思う。そういう立場から現在岸内閣としては立法措置を講ずるような考えはない、担当大臣で考えがあれば指導するという程度の意向であって、これから立法作業をしてそうして臨時国会あるいは通常国会等に何らかの案として出すようなそういう考えはないのだ、私は労働政策と考える場合にはそれは当然のことだと思うのですが、また、憲法それからこれに関連する法律等から考えてこれは当然のことだと思うのです。私はさように先ほどから官房長官の答弁を聞いておって推察、理解するわけですが、間違いありませんか。
○説明員(椎名悦三郎君) おっしゃる通り、必ず法律で縛っていくという考え方でなしに、できることならば穏やかに指導で、話し合いでいくという行き方の方が私はいかなる場合でも好ましいことであると考えます。ただ、本件につきましては御質問がありましたので、各省大臣の従来通り指導でいくというなら別冊題であるけれども、それ以上やるということになれば、法律の問題になるから、それであの発言を有効ならしめるためには、何らかそれ以上今後の措置が要るのではないか、こう考えられる一面もある。ただしかし、指導で従来通りやるというならこれはまた別問題である、そういう点をお話したわけであります。所管大臣のこれは御意見にもよることでありますから、私は官房長官としてはこれ以上のことは申し上げられないのであります。
○山本伊三郎君 それじゃ、大体官房長官の言われることについても、何もそれで私は承服していいとは言いません。いろいろと問題は含んでいるような含みはあると思う。それでこの問題については先ほど冒頭に申しましたように、いわゆる専従問題は単に選出の問題だけではありません。期間とかあるいは待遇の問題がございますが、それらをひっくるめて二十八閣議でやられたのは、大臣が報告されたが、それは決して決定ではないということが第一、閣議決定ではない。了承したがそれは今後検討しようじゃないかという意向であった。ただし、所管大臣においてそういうものを基礎にあるいは行政指導するということについては官房長官といえどもこれは左右できない、これは一応やむを得ない、こういうことだと思う。そこで私希望でございますが、この問題はきわめてわれわれ公務員関係の人々については問題があると思いますので、閣議で今後いろいろな問題になると思いますが、先ほど申しました点を官房長官十分腹に入れてもらいたいと思う。そうでないと、いわゆる世界を見ましても、日本ほど公務員についての労働運動について法律上押さえている国はない。それはわれわれとしては一応いろいろ問題があるのでじっとがまんをしておりますけれども、やがてこの問題は、公務員といえども生活をしていかなくちゃならぬ人間ですから、もしあまり押えると、昔のように押えたらそれで黙ってついていくような状態でないと思う。従ってあの国家公務員法なり地方公務員法ができた立法過程、立法精神を十分考えられて、そうしてそういったようなことをせないように今度の閣議のときは官房長官から、特に松野労働大臣ですか、そういう若い大臣にはあなたから実情を知らしてそうして教えてやっていただきたいと思う。そういう人の言葉に上って閣議が左右されるのじゃなくて、皆さんのように非常にそういう点で練達な方がたくさん閣議におられるのですから、皆さん方からそういうものを説諭して、それはだめだ、そういうことはいかぬのだと、そういうことを言ってもらうように特に希望をいたしまして、私の専従問題の質問をこれで打ち切ります。
○矢嶋三義君 私の二、三点の質疑を続けます。官房長官は、それぞれの大臣がその考えのもとに行政指導云々なんかと言いまするけれども、伝えられるように千人に一人とか、あるいは三カ年間に限って許すとかいうようなことは、一省庁の担当国務大臣でやれる性質のことじゃないですよ、これは。そういう内容のものは、これは一国の政権を担当している内閣の大きな労働政策であり、公務員制度に対する政策ですよ。伝えられるような内容のものを文部大臣だけがあるいは労働大臣だけが、あるいは郵政大臣がやると、そういう性質の内容のものではないです。従って私は先ほど伺ったようにこの岸内閣の一つの政策として松野さんどういう考えを持っておられるかわからぬが、全部ひっくるめて一本の形でやるとなれば、立法事項になってくるでしょう。そういう考えは先ほど申し上げましたように基本的にも間違っているし、また、私は今の岸内閣はやる考えはないと思う。もしそんな立法事項をやったら、今度の通常国会はおそらく安保条約も出てくるでしょう、昭和三十五年度の予算案も出てくるでしょう、国会対策として考える場合に、他にも重要な法案が幾つかあるでしょうが、そういうことは私は考えられないと思うのだ。そういうあなた方の立場において、国会を有利に運営するという立場からも、また基本的な労働政策という立場からも私はそういうことは考えられない。従って私はあなたに伺いたい点は、重ねて言いますが、この国家公務員、地方公務員を一環としてやるための立法なんかということは考えていない、それから個別的に各省庁の国務大臣で、伝えられるような人数とか年限とか、そういうようなことはやれる性質のものでない、こういう点についてあなたは私と同じ意見かどうか、その点を承わりたい。各省庁の国務大臣の行政指導というものは私はこういうことだと思うのですよ。文部大臣の言葉を借りればあまりにも長く続けていると工合が悪いのじゃないか、だからまあ自主的に適当に、あまり長くならぬように組合が自主的にやってもらえるようにしたらどうかという程度の要望程度のものだと私は思うのですよ、行政指導というものは、はっきりそれは三年とかいうことが出てくれば、今の組合指導者というものは特殊な能力と経験を要するのです。そうなれば三年という数字はどう出たかわからないけれども、明らかに岸内閣は憲法に違反して組合を弱体化あるいは弾圧政策をやっておると非難されても、私は一片の抗議もできないと思う。お答え願います。
○説明員(椎名悦三郎君) 立法措置をやるかどうかといった問題は、いずれ労務関係の閣僚懇談会を持つことになっておりますので、必ずその問題がやるかやらぬかといったような、まず方針からの相談が残ると考えております。いずれにしてもこれは研究事項である、こう申し上げるただいまは段階でございます。 それから指導方針、これは重要な労務政策の問題であるから、一所管大臣の意見によって取り扱われるべき問題ではないという御見解でございますが、私も問題によっては、きわめて重要なる労務政策でございますから、これらの方針もやはり閣僚懇談会等においてきめまして、そうして内閣全体としての了解のもとに指導するということになると考えます。
○矢嶋三義君 私はここであなたに申し上げておきますが、伝えられるような内容というものは、明らかにこれは組合の弱体化政策、弾圧政策です。分裂政策です。特に日教組をマークしてそういうことをされているわけですが、そうなります、私は組合を結成しているものは必ず反発してくると思うのです。反発してくる。それからわれわれ院内に議席を持つ者も、こういう政策を岸内閣はとるということになれば、重大なる決意をせざるを得ません。このことは私は岸内閣の存在の寿命そのものにも私は影響するほど重要な内容を持つものであり、展開する確率はきわめて大きいと私は判断するのでありまして、で、正しい労働政策、あるいは現行公務員法の立法精神、そういう立場から考えて、平地に波乱を起すようなこういうことは私はおやめになったらいい。松野労働大臣が閣議でああいう意見をお述べになった、そうして新聞、ラジオ等を通じて一応報ぜられた、そこらあたりにとどめおかれることが、政策上からいっても、また岸内閣のためになるであろう、私は、そういうように考えます。で、率直に申し上げますが、こういう問題は積極的にさらに進めるようなことをしないで、ここで一応私はピリオドを打たれたがいいと私は思うのですが、官房長官は、今後関係閣僚懇談会等開いて、さらに松野労相の意見に沿った線で推し進めようというようなお考えですか。まさか私はそうでないと思うのですが、念のために承わっておきたい。なお、官房長官に対しては、他の案件で質疑がありますが、この件に対する質疑はこれで私は終りたいと思います。
○説明員(椎名悦三郎君) ただいまの松野労相にやめろという御勧告でございますが、これは貴重なる御意見として拝聴しておきます。
○永岡光治君 先ほど、私は人事院総裁と官房長官にあわせてお尋ねいたしましたわけですが、官房長官からお答えがなかったわけですが、ただいま組合の職員団体の専従者の制限の問題について論議されておりますが、これは何か今までやってきた慣例で、不都合があってそういうことが取り上げられて何か問題になったというのであれば、これは一つの時点としては判断ができるわけでありますが、浅井総裁の言われるごとく、私はいまだかつて、専従者に出るためには、それぞれの主管管理者と申しましょうか、そういう方々の了解を得て出ている。心要に応じて再選もするでしょうし、再々選もして参ったわけでございますが、何ら不都合を聞いてないんですが、特に、不都合があったことを官房長官として承知しているのでしょうか。その点だけを、私はこの席上で一つ明確にしておきたいと思うのです。
○説明員(椎名悦三郎君) 所管でございませんので、あまり詳しく私は存じませんけれども、去る閣議において、文部大臣の言われたことから何しますと、教育の、つまり聖職にある教職員が、長く職務を離れておるそのことが、教育というものに対して重大なる悪い影響を与える。この点は、人数及び期間等を制限する必要があるという全国の教育委員会の委員長、それから教育長の要望の趣旨に沿うて、これはぜひ実行したい。こういう意見の開陳がありました。その点に不都合を感じておるのであるなということを私は考えたわけであります。
○永岡光治君 それは私たちの聞くところによりますと、むしろ逆に、教育委員会ですか、教育長ですか、そういう関係を通じて、文部当局の方からそういう意見を出すようにと、あまり専従を長くしては困るのだというような意見を出してもらうように指導したように承わっているのですが、それはそれとして別としおきますが、そういう事情のあることも含んでおいていただきたいと思います。他の公務員についてどういう支障があったのか、他の公務員も一緒にしたいという話があったのですから多分あったろう。ばく然と軌を一にしようという、そういうもし考えありとすれば、これこそでたらめだと思う。思いつきであり、両一であり、何でもかんでも一つの方針を出せば、それにみんな右へならえをするという方針が、一つの政府の誤まった方針の表われだと思うのですが、文部省の方からは、そういう一つの話があったというが、他の問題について何か話があったのですか。
○説明員(椎名悦三郎君) ほかの点につきましてはまだよく存じません。
○永岡光治君 そういう不都合なことがあったことは知らんけれども、まあ一緒にした方がよかろうというので了承したということですが、閣はつまり事情は知らないけれども、あなた方は関心ないと言うけれども、労働大臣がそう言ったからよかろう、そういうふうに簡単にいったのか、それとも、各省にもこういう不合理な事態があって、それもなるほどだというので、そういうまあ、やむを得ないだろうという話にきたのか、一体どういう根拠でそういう案をきめたのか私は聞きたいのです。浅井人事院総裁のお話を聞いてもそうでありますが、他の各省のお話を聞きましても、私たち今までの慣例で不都合を起したという例を聞いたことがないのです。むしろ段階によっては、ちょんちょんかわられたので、むしろ混乱を来たすというようなものにすら私たちは拝聴しているわけですが、他の各省について何も知らないで、ただ労働大臣から報告があったから、専門家の言うことだから間違いないだろうという程度で了解したのか、その辺のところをもう一度確かめておきたいと思うのです。
○説明員(椎名悦三郎君) 私は、もちろん閣僚でございませんから、これに了解を与えるとか与えぬとかいう立場には立っておりませんが、しかし私の観測するところによるというと、その当時、労働大臣は、専従期間の間恩給年限が進行する、あるいは年金期間が進行する、そういったようなことは明らかにこれは適当でないということが、すでに識者の一致したところであるといったような理由が述べられておったわけであります。閣僚はこれに対して別に意見がなかった、だから、閣議決定ではありません。閣議了解でもありません。しいて言えば、閣議了承というか、そういう程度のものであったということをお話し申し上げておるわけであります。
○永岡光治君 大体その事情は、何かあいまいのうちに終ったように印象を受けるわけでありますが、その専従の間は、いろいろ給与はやらぬけれども、恩給だとかその他の問題について権利はやっぱり進行するのだからそれはおかしいじゃないかと言うた、言うたから、それは専従を制限すべきだということになった。そうすると、専従を制限すると、そういう前提、制限さえすれば、そういうものは認める、進行してもいいのだということになったと、こういうようにも受け取るわけですが、そういうふうに解釈していいのですか。
○説明員(椎名悦三郎君) つまり、長きにわたってですな、日教組とは違って、そうその同じ程度長いのはないと思うのです。数年にわたって専従職員である者もある。そういったような点は、今私が申し上げたような点にかんがみて、適当でない。長くその職務を離れておるということは適当でない。それからまた、その数の問題ですね、数の問題についても、まあこういう例がある、ああいう例があるというその例はあげられなかったのでありますけれども、まあ理屈は同じというようなたしか説明だったと思うのであります。
○永岡光治君 まあ、あまりよくわかりませんが、そしてまあ先ほどのお話しでは、閣議決定という、かちんとはまった公式的なものではない、何か労働大臣が報告をして、よくわからぬけれどもそういう話があったというところで、まあ暗黙の了承というかそういうようなことになったという話でありますが、まあそれはそれとして、私は特にここでお考えいただきたいことは、まだ日本の民主化ということについては非常にほど遠いものが今日の実情だと思うのでありますが、そのまだ芽が伸びていない今日、何かというとすぐそれをつみ取るような方向にいっておる今日の政策に私は非常に不安を持つのであります。もとより、発展の過程ですから、見方によっては、ちょっと行き過ぎたとか、あるいはこれはどうかという問題はあるいはあり得ると思うのです。それは当然あり得ると思う。また、なければ発展できないだろうと思う。最初からりっぱなものができるようだったら、それは法律が要らないくらいでありますから、そういう意味で考えて参りましても、何かちょっと不都合なことがあったとか、あるいは行き過ぎがあったということだけで、すぐそれを取り上げて、それが全体かのごとく、また永久の禍根かのごとく考えて、弾圧の政策に持っていく今日の政府の政策については、特に私は反省を求めたいと思うのでありますが、この専従の制限の問題にいたしましても、そうだと思うのであります。むしろ、ささやかな経験でありますが、私自身について言いますならば、むしろ、まだまだ組合運動に専念し得る、まあなれたと申しましょうか、よくそれに熟練するような人こそほしい時代ではないかとすら考えるわけでありますが、それが、制限その他によって非常に過酷なワクをはめられるということは、かえって政府の企図するような、政府と申しましょうか、その民主主義を伸ばすという意味では、私は大きなマイナスになる、こういうように思いますので、その点を十分一つ考えて、今後の対策を一つ考えていただきたいと思うのであります。これだけは特に要望いたしておきます。
○伊藤顕道君 関連して二、三官房長官にお伺いしますが、先ほど山本委員を初めとして同僚委員から、主として地公法とか国公法、国内法の観点から、この専従の制限が非常に違法である、不当であるということを指摘されたわけですが、今問題になっておりますILO八十七号の条約を見ても、明らかに役員の選任は組合自身の権利であると、またそうすることが近代的な労使関係の慣行でもある。またこれが結社の自由の原則にも沿うわけだと、この点は官房長官としてはどうお考えですか、まずお伺いします。
○説明員(椎名悦三郎君) おっしゃる通り、今日の労務関係における通念であるとまあ考えます。それで、ことしの閣議決定でも、ILO八十七号に対する調印が行われておるわけであります。そう考えられます。
○伊藤顕道君 この八十七号条約については批准されようとしておりますが、同じくILOの九十八号条約については、御承知のように日本がすでに批准済みだ。この内容を見ますと、明らかに使用者側の組合への干渉を厳に禁止しておるわけであります。これはどうお考えになるか。これはもう批准済みです。この法に違反することになる。国内法に違反し、さらに国際公法にも違反する。この点を明確にお伺いしたい。
○説明員(椎名悦三郎君) 八十七号批准の問題に関連して、むしろこれは九十八号条約に違反するのではないか、現にILOの去る総会においてそういう決定を見たじゃないかというお話が社会党からございました。よく調べてみたのでありますが、総会の下に委員会、委員会の下に小委員会があって、小委員会において違反の疑いがあるという発言があったのでありますけれども、その上位の委員会及び総会におきましては、やはり日本政府の主張しておる方法によってこの問題を解決するのが妥当であるというような結論に落ちつきまして、この問題に対する明確な違反であるというような決定はなかったという事情がまあはっきりしたわけであります。でございまして、私どもといたしましては、その権威ある筋の決定が至らなかったのでございますから、ただいま私は何ともこれは申し上げるわけに参りませんが、いずれにいたしましても、この八十七号批准の問題は、まずもって日本の国内法規を順守すると、国内法順守の慣行をまず確立して、そうしてこの批准の問題に移ると、こういう従来の態度をとっておるのでございますから、さよう御了承いただきたいと思います。
○伊藤顕道君 官房長官のお話を聞きますと、国内法をまず順守してという前提でおられるのですが、先ほど来地公法とか国公法の違反であるということはるる指摘があったわけです。そういう点からも、まだ批准にはなっておりませんが、近く批准されるでありましょうその八十七号についてもそういうことが言えるし、もうすでに批准済みの九十八号で、もう明確だと思うのです。これはもう、すでに批准済みになっておるわけです。そういう立場から、国内法では地公法、国公法に明確に違反になっておる。国際公法上からも明らかに違反だと、こういう点から、政府はこれは反省すべきだと思うのです。いたずらに平地に乱を起すようなことをみずから進んでやっておる。しかも、いわゆる近代的な労使慣行のこういう点を踏みにじることになる。先ほど矢嶋委員からも指摘になったし、こういう政府のほんとうのねらいは、組合の弾圧をねらっておる。この弾圧がいかに民主主義に反するかということも御指摘になっておるわけです。この点を明確にしていただきたいと思います。
○説明員(椎名悦三郎君) 今申し上げるように、九十八号条約の違反ではなかったかという疑問の提出がありましたけれども、総会においてはその結論が出なかった、そういったような事情でございまして、この問題については、なお検討してみたいと思います。
○伊藤顕道君 私どもから見れば、この九十八号については、まさしく確信を持って違反であるということが言い得るのでありますが、まだ結論が出ていないということであるならば、早急に一つ御検討いただいて御回答をいただきたい。 それからなお関連して、先ほど長官から、文部大臣からは、教育公務員が長く現場から離れておると非常に支障がある、好ましくない、こう発言があった。そういうお話でしたが、それでは逆にお伺いしますが、文部省に長く勤めておった方とか、あるいは地方の県教育委員会等に長く事務局におって、教育の現場から遠ざかる、そういう方が小中高の校長とか、あるいは文部省の場合は国立の大学学長などに相当出ておるわけです。こういう点はどういうわけですか、それは差しつかえない、教育公務員が組合に専従しておっても、主として教育理論についていつも検討をしておるわけです、この点の関係は同じです。この点はどういうふうに長官としてお考えになっておるか、非常に不合理があると思います。
○説明員(椎名悦三郎君) まあ、大体通例の場合はおっしゃる通り、長く教職を離れて文部省の役人をしておったというような人が突如として学校のまた校長、あるいはその他の教職につくということは、まあ普通の場合は私も適当じゃないと考える。しかし、特にそういう才能のある人があって、これを認めて抜擢する場合はこれはまた別だとと思います。
○伊藤顕道君 時間の関係でいま一つお伺いいたしますが、それではもう一度お伺いしますが、結局好ましくないと、長く離れておることは。そういうことであるならば、先ほど来重ねておる地公法とか国公法、あるいはILO条約の精神から、一ついきなり年数を三年以内、あるいは千人に一人とか、そういう制限を一方的に出すのでなくして、組合と十分話し合って、組合に自主的にやってもらう、そういうことが一番賢明の方法だと思うのですが、この点長官としてはどうお考えですか、最後にお伺いいたしたい。
○説明員(椎名悦三郎君) 先ほど申し上げました通り、できるだけこの権力で命令するということでなしに、民主的に話し合いによって効果を上げることができれば、これが一番けっこうだと思います。
○伊藤顕道君 それではこういうことがお約束できますか。今後さらに閣議等でこの問題が、専従制限等について論議されると思うのですが、官房長官は責任を持って一つ労使の話し合いによってこの問題を解決する、最善の努力を尽すということをぜひ確約していただきたいと思います。そうしないと、今までおっしゃったことが非常に空文になってしまう。この点一つ確信を持っておっしゃっていただきたい。
○説明員(椎名悦三郎君) 私は直接その行政の衝に当っておりませんから、私一個の意見は申し上げたわけでありますが、この委員会における質疑応答の状況等につきましては、詳細に文部大臣なりあるいは労働大臣等に伝えまして、御意思のあるところは十分達成されるように努めたいと考えます。
○永岡光治君 私はこの際、機構改革問題を中心にいたしまして官房長官にお尋ねいたしたいと思うわけですが、もとより、この詳細にわたる機構改革の立案の衝に当るのは行政管理庁でありますから、機会をあらためて行政管理庁の長官の方にお尋ねいたしたいと思いますが、きょうは大まかなところは官房長官も当然承知しておると思いますからお尋ねするわけです。 その一つは、先般新聞に出ておりました、内閣に背の情報局をほうふつさせる広報局でございますか、そういうものを作るというようなニュースが流れたことがあります。これはその後どういうふうになっているか、やっぱりその方針で進むのかどうか。特に最近は、御承知の通り予算の編成期を控えておりますので、それぞれ折衝が進められておると思いますが、どういう規模で、どういうねらいでこれをそういう方向に持っていこうとしているのか。 それから第二は、人事院総裁もおいでになりますが、とかく問題になっておりました人事院の機構について、何かこの際これをいじるような考えがあるのかないのか。 それからまた、内務省を復活したらどうかというような、昔の内務省を思わせるような、名前はどういうふうになるか知りませんけれども、そういうものに相当するものを作ったらどうかという考えもあるやに承わっておりますが、そういうことがあるのかないのか。 それからまたもう一つは、調達庁の機構でありますが、御承知の通り、年々駐留軍の撤退に伴う人員の整理がありまして、非常に不安な状態におかれておりますが、そういうことでは困るので、抜本的な考え方を一つ固めてもらいたい。ついては一つ公けの委員会でないにしても、それぞれ関係者が寄り集まって対策を考える必要があるから、そういう意味での話し合いの何かの機関を設けてやったらどうかということで、官房長官もそうでありましたが、当時は、前の官房長官の、今防衛庁長官をやっておりますが赤城さん、それから伊能さんが防衛庁長官をやっておりましたが、伊能さん、そういう方々が相談をして、何とか抜本的な改革をはかりましょう、特に安心して働けるように、毎年々々減員するのじゃなくて、何か調達庁の今の職員を生かしていくような仕事があるはずだ、そういうものを中心に考えてみたいということで御研究を願っておったのでありますが、それらの問題がどうなっているのか、以上の四点について、官房長官の見解を承わりたいと思います。
○委員長(中野文門君) 速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起して。
○説明員(福田篤泰君) お答え申し上げます。最近政府の広報活動をもっと活発にすべきじゃないかという議論が内閣内にも強くなりまして、どうしたらこれを強化しまた活発にできるか、いろいろな観点から検討させておることは事実であります。いろんな案が出ましたが、きわめて煮詰まった案といたしまして、現在の総理府本部組織令、これを一部改正、いわゆる法律以外で、政令の一部を改正いたしまして、内閣に広報室を設けようじゃないか、こういう案が結論づけられたわけでございます。大体その機構は室長以下約五、六十名であります。組織は企画、放送、出版等を担任するというのがこの機構の概要でございます。予算といたしましては、今大蔵省に折衝中の案は総計十五億でありまして、目下折衝中であるわけであります。またこの構想につきましては、一部で背の情報局の復活ではないかという誤まった説があるわけでございますが、御承知の通り昔の情報局は強力な言論統制機関というのが本質でございましたが、現在は用紙統制の権利もなければ、政府にまた検閲の権利もない。ソ連や中共と違いまして、自由国家はそれぞれ言論の自由を尊重するのがこれは鉄則でございまして、わが国も当然その鉄則に従うのが賢明であり、また当りまえのことであると私ども確信いたしておるわけであります。いわば昔の情報局の復活では全然ないわけであります。今までのところ、まことに遺憾ながら政府のやっております広報活動は、組織もなければまたその内容におきましてもきわめて貧弱でありまして、各国の自由国家の活発なそして真剣な国民に対する呼びかけに対しまして非常な見劣りがするわけであります。こんな意味で、政府の施策、またどういうことをやるかということを具体的に常に国民の大衆にわかっていただく、いわばその広報事務をこの際やっていきたいというのがその構想の中心でございます。
○説明員(椎名悦三郎君) 機構改革の問題と調達庁の人員整理の二点につきましてお答え申し上げます。人事院並びにその他内政省を作るか作らぬかといったような問題につきましては、かねて行政審議会に諮問してその答申を得ておるのでございますが、だんだんこの情勢の推移もございますし、なかなか問題が複雑で、具体的の結論はまだ出ておらぬ現況でございます。 それから調達庁の問題でありますが、何と申しましても、業務の減少に伴って人を減らさざるを得ない。そのつど定員法の改正によって減員をしておるのでございますが、これらの人々に対しましては、できるだけ就職あっせん等あらゆる方法によって生活に戸惑うことのないように努力しておる状況であります。
○永岡光治君 まず総理府総務長官の方でありますが、今の大体の構想はわかりましたが、放送ないしは出版の内容ですね、もう少し具体的に、どういうものを今の段階で考えておいでになるのか、そのことを明確にしてもらいたい。それからもう一つは、官房長官か人事院、内政省の問題については委員会にいろいろ相談をしているが、なかなか複雑な問題もあるので、具体的にまだどうこうということにはなっていない、こういうようなお話でありますが、この通常国会あたりにこれを案をまとめて出す考えがあるのか、あるいは次の通常国会あたりに出せるという考えがあるのか、それともそこまでまだ至っていないという程度なのか、その辺のところを一つお答えをいただきたい。 それから調達庁の職員の減員の問題については、他の各省あるいはその他の職場でも受け入れてもらうようにして、生活に戸惑うようなことがないようにというお話しでありますが、それは、当然のことでありますが、年々いつも不安の状態に置かれておる調達庁の立場を考えてこういうふうに、たとえばこれはできるかできないかわかりませんが、一つの案でありますが、各省の調達事務をここに引き受けてもらうとか、あるいは国の財産の管理についてこれをやらせるとか、いろいろな方法があるだろうと思います。そういう抜本的な、一つほかの省へ行ってくれ、あるいはどこの役所に行ってくれということでなしに、ということは、私はこの前の通常国会でも一応減員がきまりまして、今度できます国民年金、そういう事務に地方庁の方に転勤をしてもらうということになったわけでありますが、いざその段取りになってみますと、なかなか受け入れてくれないのが今日の状況であります。だからこれは言うべくしてなかなかできるものではないので、そういう意味で抜本的にこの機構を生かすことを考えた方がいいのじゃないかというのが私どもの要望事項でありますが、どういう観点で一つ検討してもらえるのかもらえないのか。まだ予算の編成の時制といえども、相当の期間もありますので、そういう点を一つ御考慮を願いたい。その点についての見解を承わりたいと、思います。
○説明員(福田篤泰君) お答え申し上げます。今御質問の放送と出版の内容の問題でございますが、現在やっておりますのはラジオ・テレビで政府の窓というのを隔週一回やっておりますが、これが予算がないために、せっかくの政府の窓の時間が午後一時半というふうな一番悪い時間で聴取率は一割に満たないというような状況が現状でございます。また、出版関係につきましても現在写真公報、旬刊公報、こういうものをやっておるのでありますが、この部数にいたしましてもきわめて貧弱でありまして、前者は月二回、毎号にいたしまして買上げ部数は公報が千百二十五、全部の発行部数はわずか一万五千、こういうような状況でありまして、しかもその内容が率直に申しますというと、いわば無味乾燥といいますか、国民大衆からまだあまりに歓迎をされていない面が多々あり研究を要するというのが現状であります。しかして予算面から御説明申し上げますとおわかりいただけると存じますが、放送の関係が全額で今日約七千万円、出版が約一千万円、こういう点を、質からいっても量からいっても画期的に改革して、もっと強力なものにいたしたいというのが今日の考え方でございます。大体まず公報につきましてのおもな点だけを御報告申し上げました。
○説明員(椎名悦三郎君) 人事院機構あるいは内政省の問題等について来たる通常国会等に提出する段取りになっておるかどうかというお話でありましたが、ただいまのところはそういう段取りにまだなっておりません。それから調達庁の就職あっせんとかいうことでなしに、全体的にもっと組織的にこれを取りさばく何か研究をしたらどうかというお話しでありますが、お説の通りその必要があると思います。それでは行政管理庁におきまして十分対策を考えてもらうようにしたいと考えます。
○永岡光治君 今の人事院及び内政省の問題ですが、今のところこの通常国会に提案する段取りにはなっていない、こういう岸さんの答弁によく似ておる答弁でございますが、今のところというと、まあ来月になったら出すかもしれぬということになるかもしれませんが、あなた方の目途ですね、目途は改正する目途でこれを進めておる。そしてそれもできるだけ早くやろうというそういう考え方でおるのかどうか。基本的な態度はこれにやっぱりつながってきますから、それを確かめておきたいと思います。
○説明員(椎名悦三郎君) 少くとも私の触れる範囲におきましては、さような気配はございません。
○永岡光治君 そうするとこれを積極的にどうしようという考えは今のところない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。 それから総理府総務長官の方ですが、話を大体聞きますと、まあ相当構想がある程度わかって参りました。十五億の予算を使う、相当の額だと思うのですが、私たちの心配するのは、またぞろ自民党さん、自民党内閣の宣伝に終ってしまっては大へんなことになるわけでありますが、国の経費をもってある一党一派のための宣伝をされるというおそれなきにしもあらずでありますが、そうしますと、原稿ないしは企画という問題がそこにまた関連してくるかと思うのですが、編集その他が非常に重要だと思うのですが、それは何か政府のこういう宣伝をしたいということをこの機関を通じてやろうというわけですから、政府の意向がある程度入ることはわかりますが、そういう編集については特別に何か委員会、学識経験者そういうものを入れる考えはあるのですか、ないのですか。
○説明員(福田篤泰君) お答えいたします。今十五億の予算につきまして御質問があったのでありますが、万々御案内の通り各国の政府のこういう方面に対する費用は非常な力の入れ方でありまして、イギリスあたりもBBCの補助金約七十億であります。これを除いても、邦貨にしまして約二百七億、アメリカにいたしましても千二百億というのが発表された予算の概数でございます。それに比べますと、まことに貧弱と申すほかはないのでありまして、それで果して十分できるかどうか心配しておりますが、ただ党の問題につきまして、私どもはあくまで政党内閣でありますが、党の方の宣伝は党が広報委員会を中心としてやっております。私どもはあくまで地味な行政面におけるいろいろな施策を中心としてはっきり分けてやっておるのであります。基体的に申しますと、最近の、たとえばもうすぐ公布されまする国民年金にいたしましても、いろいろな点でまだ国民に徹底していない面もある、これは一例でございますが、また、都道府県その他の各自治団体に対しましても、現在のところ全部無料で協力をお願いしているようなわけであります。農業関係その他のこまかいことがしょっちゅう起るわけであります。こういう点も十分連絡して参りたい。それから今編集の問題が出たわけでございますが、この点全く私ども同感でありまして、一番今私どもが苦心している点の一つでございましてこれは直接国民の側に立ってどういうことを知りたい、あるいはどういう点を知っておく必要があるのかという点が必要でありますので、できるだけ民間のエキスパートに相当多数入っていただきまして、こういう方々にやっていただかなければならぬのじゃないか、今の構想ではそういう考えを持っているわけであります。
○永岡光治君 最後に、十五億の予算の内訳、概略をお知らせ願いたい。それから官房長官に特にお願いしておきますが、調達庁の根本的な、今のところこれを生かす方法はないものかという質問に対しまして、それぞれ行政管理庁に申し送ってきめてもらう、こういうお話しでありますが、ちょうどただいま予算の編成期にあるわけでありますから、時期としては今一番大切な時期でありますので、早急にその案が一つまとまるようにお願い申し上げておきます。先ほどの総務長官の御答弁を求めて私の質問を終りたいと思います。
○説明員(福田篤泰君) 予算につきまして概算を御説明申し上げます。機構整備関係が約三千八百万円、企画関係が一億一千万円、放送関係が七億六千万円、出版関係が二億八千万円、地方公共団体委託関係一億九千万円、その他の事業関係一億一千万円、合計十五億、これが大体内訳でございます。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記をつけて。
○矢嶋三義君 急いでおるようですから……。この広報局の問題は、私通告しておきましたが、永岡委員が質疑されましたから簡単に一、二点伺います。それは、内閣調査室との関係はどうなるのか、それから情報収集の活動をやるのか、やらぬのか、やるのじゃないか、もしやらぬとするならば、各省今ばらばらで相当に広報活動をやっているわけですがね。私は、各省ばらばらにやっているのをこれをまとめ、整理し、創意工夫をこらせば、若干の人口の増で、予算の増額をはからないで成果を上げ得る、外国が幾ら使っておろうが、日本の予算の規模からいって、十五億というのは、やはり現在の十倍から十二、三倍でしょう。そういう計画は賛成することはできません。従って現在のばらばらになっておるのをもう少し整備統合するような工夫をこらすべきである。その点と、それから官房長官は、先般の委員会で、六月にありました人事院勧告、あれはいつ補正予算に組むのか。四月一日からさかのぼって実施すべきだということを申し上げましたら、非常に重大だから、岸総理が外国からお帰りになってから相談すると、こういう答弁であった。岸さんと相談した結果どういうふうになったのか、災害復旧のための補正予算が提示されることは内定したように承わっておるのですが、そのときに当然四月一日にさかのぼって補正予算に計上さるべきものだと思うのですが、これはどうなっていますか。 それからさっきの出張報告に関連してですが、李ライン操業に関して、閣内に関係閣僚の対策懇談会を設けて、総合的に対策を講じて解決をするということが重要だということを非常に現地で要望され、楢橋運輸大臣も約束したのですが、そういった関係各僚の相談の対策委員会というのができたのかできないのか。できたとするならば、どういう結論が今出され、あるいは出そうとしておるか、以上御答弁願います。
○説明員(福田篤泰君) お答えいたします。今十五億の、予算並びに、五、六十名の現在のスタッフが増大するのじゃないかという御指摘がございましたが、今の私の案では、五、六十名というのは不十分だというのが私の見解でございます。なお、各庁の宣伝を調整したらどうか、まことにごもっともな御意見でございます。現在各庁で約三億の予算を使っておりますが、実際広報課として専門に当っておる課を作っておるのはわずかに外務省、防衛庁、通産省三つしかございません。あとは文書課その他が全部兼任して片手間にやっておるというような、まことに情けない状態が実情でございます。従って今度の広報室の企画の中に、毎週各庁の広報担当官を集めまして、連絡調整し、来週の重点施策は何であるか、その省における問題をお互いに討論し、取り上げて、それをラジオ・テレビに割り当てる、あるいは出版等に工夫するという案を実は持っておるわけでございまして、その点につきましても、十分各省の連絡を実際においていろいろ検討しておるわけでございます。それから情報収集の方は、はっきりと切り離しております。これは調査室は、御承知の通り官房長官のもとに属しておりまして、官房の調査室組織の上からいっても総理府と分れております、現在の総理府の組織における通り非常に複雑でありまして、すっきりしない点もあろうかと思いますが、情報収集の調査室関係は、官房長官の権限下にありまして、私どもは一切情報収集に関してはタッチしない、あくまでPR、出す方にあるという点は初めからはっきりと分れているわけでございます。
○説明員(椎名悦三郎君) 人事院勧告のその後の処置についての御質問がございましたが、お答えいたします。総理も外遊から帰られて、よくその御意見を徴したのでありますが、国、地方を通じまして、勧告の通りを実施いたしますと、おおむね三百億見当の財源を要するのであります。現在の財政事情からいたしますれば、補正予算を組み、本年度から実施に移すというようなことは、きわめて困難な状況でございます。また、来年度の問題といたしましては、今後における財政上の諸般の事情もにらみ合せをして、十分検討いたしました上で、できるだけ人事院勧告の趣旨を尊重して実行いたしたいと考えます。 それから李ラインに関する問題につきましては、関係閣僚の懇談会を一、二回持ちまして、結論といたしましては、自衛船をできるだけ早くやめる、そうしてそのかわり巡視船を増強する、それから一本釣りの小船は受信機を持っておりませんが、大体一万円ぐらいかかるという話でございましたが、それにできるだけ漏れなく取りつけていこうという方針を決定いたしまして、ただいまその実施案を取り進めている状況であります。
○矢嶋三義君 ただいまの点については追及したい点がありますが、一応承っておきます。 もう一つだけ前とのつながりの点をお伺いします。なおあとで、次の質問に答弁するときに、受信機の取りつけ等については取りまとめ中だというが、予算的措置をどうするのか、その一点だけあとでお答え願いたい。 それから先般の委員会で、岸総理の外遊に関しての資料提出を求めましたところ、本日出て参りました、時間がありませんから、これに対する詳しい質疑は他日に譲りますが、ただ一点だけ、承わっておきます。それはこの前の委員会で、約三千七百万円の国費を要した、国会議員が六名行ったが、この国会議員は政府関係職員の身分を保有することなく随行した、こういう答弁があったわけなんです。その後どういう措置をされたか。政府関係職員の身分を保有しないで、立法府の議員が国費をもって出張するということは違法です、できないことです。あとどういう措置をされたか。それからこれに関連してありますが、きょうは時間がないから省いておきます。それと、今言ったように国会議員の身分で、政府関係の身分を保有しないで、六人もぞろぞろ行って三千七百万円も使っているのですが、それからただいま、石橋さんが中国を訪問されているのですが、岸内閣はこれを支持支援しているのか、いないのか、以上お答え願います。
○説明員(椎名悦三郎君) 受信機の取りつけの費用は、予算によらずに他の適当な方法でやるものと考えております。
○矢嶋三義君 適当な方法というと何ですか。予備費……。
○説明員(椎名悦三郎君) まだそこまで私よく調査しておりませんから、ここではっきりお答えすることはできませんが、政府の補助ということでなかったと思います。たとえば資金の融通とかいったようなことが考えられるわけですが、そのいずれの方法であったか、詳細のことは追って申し上げます。それから同行議員はヨーロッパ三名それから南米三名合せて六名でございます。おのおの一人当り百万円お渡しした次第でございます。身分等につきましては、別段その後措置をとっておりません。同行議員というのに対して百万円お渡しした。 それからもう一つ……。
○矢嶋三義君 石橋訪中に関して……。
○説明員(椎名悦三郎君) これは私よく存じません。私の関係外で、やったのかやらないのか……。
○矢嶋三義君 岸内閣は支持支援しているのかどうか。
○説明員(椎名悦三郎君) これは行かれる前に、総理官邸において総理と親しく外遊について、約三十分ほど懇談いたしました。
○矢嶋三義君 支持支援しているのかいないのかというのですよ。総理の気持は官房長官わかっているはずです。
○説明員(椎名悦三郎君) 元気で行っていらっしゃいという……
○矢嶋三義君 横川君が質問あるようですから、きょうはここで一応切ります。
○横川正市君 時間がないですから簡明に一つお答えいただきたいと思いますが、これはもう国家公務員の現在の改革目標に向って政府が乗り出しましてからも、相当、数年たっているわけです。そこで官房長官に明確に一つお伺いいたしたいのですが、この通常国会に、国家公務員法の改正について提案をされるつもりでおるのかどうか、その点一つはっきりとお等えいただきいと思います。
○説明員(椎名悦三郎君) 一応の御答申はございましたが、きわめて複雑な困難な問題でございまして、せっかく研究中でございます。
○横川正市君 先ほどの永岡委員の質問と全く同じような質問になるわけですが、前回の委員会における審議の経過からいきましても、それから前任者であります責任者の答弁からいきましても、いかに複雑であっても、次の通常国会には政府としては出さざるを得ないという状態に私は置かれているのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、そういう点から今の官房長官のお答えではいささか私は違っておるように思うので、その点もう少し明確に御答弁いただきたいと思います。
○説明員(椎名悦三郎君) 今申し上げたように答申を基礎にして、たとえば恩給制度の問題につきましては、共済組合による年金制を実施いたしましたし、また給与表の簡素化等もこれは一部実施いたしましたが、しかしそれはごく一部であって、大部分の点につきましてはまだ実現を見ていないことは御承知の通りであります。非常に多岐複雑であり、非常に困難な問題がたくさんございますので今申しあげたように、せっかく研究中であるということを申し上げる以外に申し上げられない段階であります。
○横川正市君 そうすると、まあ官房長官のその返事からいきますと、次の通常国会では非常に出すことは困難だ、こういうふうに受け取れるわけなんですが、政府としては出すことを目途にして検討されているのか。しかしまあ出すことを目途にしておっても困難だと理解されておるのか、その点をもう少しはっきりしていただきたい。
○説明員(椎名悦三郎君) 提出することは困難ではないかと考えております。
○横川正市君 そうなってしまうと、前、現政府の責任追及ということになるわけですが、これはその政府の今の公務員制度改革についての答申以降、調査室を設けて検討しているということは、実は非常に早急に迫られたたくさんの問題を抱えておりながら、この調査官の検討に待つということで逃げ込んでいるという条項が非常にたくさんあるので、各項目については、このことによっていろいろと不都合が起っているわけなんです。そういうことを全然等閑視して、今もって答申を得てから数年たっているにかかわらず法律案として提出できない、複雑多岐といだけでは私はちょっと理解できないわけですが、そのおもなる原因とするところを一つ大まかでいいですから御説明いただきたいと思います。官房長官にもう少し明確に、次の国会でそれじゃおそらく出されないじゃなくて、出るのか出ないのか、その点だけ一つはっきりしていただけば、私はあとの質問はもうきょうは省略してもいいということになると思います。
○説明員(椎名悦三郎君) きわめて困難であると申し上げる以外にないと思います。
○横川正市君 出ないんですか。
○説明員(椎名悦三郎君) そこまでは私は今この場合に明確に申し上げるわけにいきませんけれども、きわめて困難であるということであります。
○横川正市君 これはきわめて困難であるがということになると、出す可能性も幾らか残っていることになるんですがね。そうなるとあと続いて私は今の公務員調査室の作業内容について詳細に質問をしなければならぬということになるわけです。ところが出されないということになれば、いささか時間もありますから、これはきょうは質問しなくてもいいということになるわけです。そのいずれかに私も決定しなければいけないのでありますから、官房長官として私のその判断に狂いのないようなところを一つお答え願いたいと思う。
○説明員(椎名悦三郎君) きわめて困難であるということ以外には申し上げにくいんです。御了承願います。
○横川正市君 そうすると、一つは今国会に提出することは、九分九厘とまで言わなくても、それに近いだけ困難である、こういうふうに私が理解することについては、その通りであるのかその通りでないのか、この点一つお答え願いたいと思う。
○説明員(椎名悦三郎君) 御了解の程度につきましては何とも申し上げることはできません。
○矢嶋三義君 時間がないから申しませんが、さっきの李ラインの受信機取りつけの問題ですね。この点については、私ちょっと大きな声で反省を促して要望しておきます。で、私どもこの前調査に行ってさっきの報告があったわけですが、約一千の船は受信機を持たないんですよ。それでのろのろした船に乗って漁に出て、そうして受信機を持たないからつかまっては国際紛争の種をまいておるわけです。それでその一千の船に受信機をつけるのには、約二千万円あればできるという。半額国庫負担で千万ですよ。一千万円の程度の金が補助できぬで、資金融通か何かよく覚えておらぬが、あとで答弁するなんというのは、私はまことに不十分な答弁だと思う。一千万円程度の補助金出せないんですか。あと県が負担し、また業者が負担して、それで全部の船が受信機がつけられれば、ああいう逮捕事件なんか起らないで、安全操業ができるんです。わずか半額国庫負担で、補助で千万円ですよ。それを何ですか、関係閣僚の懇談会を開いて数回会合して、さらに所管運輸大臣が現地まで視察した結果としてそれだけの結果しか出ないんですか、これは私は非常に不満です。次の閣議においてこういう意見があったということを所管大臣に伝えていただきたい。官房長官から閣議に提議して少くとも千万円程度の補助金が、予備費あるいはその他から支出されるように配慮していただきたい。これは私、強い要望です。私のみならず自民党の村山団長を先頭とするわれらの調査団が、現地において調査した非常に大きな結論であったわけです。お答え願います。その通りできますか。
○説明員(椎名悦三郎君) 私よくその点をつまびらかにして参りませんので恐縮でしたが、この点につきましては、なおよく調査すると同時に、今日における矢嶋議員の熱心な御発言に対しまして反省するようによく運輸大臣にも話をしておきます。
○委員長(中野文門君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起して。
○横川正市君 総裁にちょっとお聞きしたいと思うのでありますが、現在国家公務員に対して寒冷地それから石炭手当、薪炭手当等については、それぞれ法律二百号で支給が決定されておるわけです。この点について、私従来の人事院の考え方としては、この法律二百号制定の前後を通じても、明確に一つの政策的なものがあったのではないかと思うのです。それは北海道の石炭手当が、津軽海峡を渡って本州に来ることについては、非常に問題が複雑になるので、できるならば石炭手当については、これは本州に渡さないで処理したいものだ、こういう一貫した考え方が過去にあって、法律二百号制定当時の審議の過程にも、いろいろと私は人事院の意向というものは披瀝されておったのではないかと思う、これは表からも裏からもですね。しかしその後、法律二百号が改正されまして、現在国家公務員に対して、薪炭手当という石炭手当にかわる趣旨のものが、現在支給されておる。それは寒冷地の五級地である場合には北海道を残して五千円、その他が千七百円、四級地の場合は二千五百円、その他が八百五十円、こういうように支給をされておるのでありますが、これを各省の実情というものをちょっと見てみますと、たとえば三公社等においても、その支給の地域が変り、支給金額もこれまたそれぞれ違ってきておる。だから五現業においても、またこれに準じて違ってきておる、こういうような状態の中にあるわけでありまして、私は政策的に、政治的には津軽海峡を渡したくなかった、石炭手当に見合う薪炭手当が渡ってしまった現在、人事院としては、実情に照らして、この問題の解決のための意見を私は取りまとめるべきではないだろうか、こういうふうに考えるわけでありますが、この点について人事院総裁の意向をお聞きいたしたいと思います。
○説明員(浅井清君) この御指摘の法律というのは、これは議員立法の法律なんでございます。そこで人事院としては、何も津軽海峡云々の考えはございませんが、議員立法の法律はなるべく国会の御意思を尊重することにいたしたいと思っておりまするので、従来、人事院創立以来、議員立法の法律に対して改正を勧告したことは、私はなかったと思うのです。そこで、現在この石炭手当等に対する法律につきましては、この法律に認められた勧告権を行使してきたと、こういう実情でございます。ところが最近に至りまして、この法律に関する議員の発案の改正案が出まして、それはたしか参議院は通過したと思っております。衆議院で不成立に終っておるような状態でございまして、私は将来この法律は成立するのじゃないかと、こういう見通しでございますから、別に人事院の方からこの法律改革それ自体には勧告する考えは持っておりません。人事院といたしましては、この法律の中にある、いわゆる内閣総理大臣に対する勧告権、これだけをやっていっておる次第でございます。
○横川正市君 私は総裁の今の答弁の趣旨は、少し遠慮し過ぎているように思うのが一つと、もう一つは、現在の薪炭手当の支給状況とか支給地域の決定とかいうものは、これは私はもう少し科学的に、合理的に検討する必要があるんではないか。ですから議員立法で出された点について、これを不備だから直してくれと実は私は言っておるわけじゃないわけであります。ただ、この法律が従来北海道で生れた法律二百号が改正されて、本州にその影響を持つようになってきた。それがそういう実情を人事院の所管の一つの内容であるけれども、それは議員がその地方における実情を察知して立法化して今に至ったのであってそれをいかにも大切なものだというふうに、あるいはこれを侵しちゃいかぬというふうに遠慮する、こういう建前でなしに、もっと合理的な支給、あるいは合理的な金額の決定ということは調査されてはどうだろうか。これは議員立法されたその内容を見ても実情は非常に何といいますか、一つの便法的な、あるいは非常に強い要望にこたえる、いわば一時しのぎ的な性格を持っておって、実際上のそれぞれの地域に相応した内容にはなっておらない。その結果実際上支給されておる実情というのは、今言ったように地域区分も、金額もまちまちな状態に立ち至っている。だから人事院としては法律があるなしにかかわらず、いまもうすでに寒冷地帯におけるところのいろいろな状況というものは必要だということを認めている段階なんですから、そういう認められた段階において、いかに地域を区分し、あるいはこの金額を支給することが妥当か、この点の検討を人事院としてやってみてはどうだろうか、こういう点なのであります。ことに、去年の仙台の調停委員会は薪炭手当について、二万七千円の調停案を提示しておるわけなんです。ところが、現在支給されておる五千円とはおよそ、倍以上にもなる金額であるために、予算上の問題で不成立に終っておる。これは実情を的確に金額に換算すると一万七千円であって、ところが、それは予算上ないしはいろいろな都合で五千円しか支給できない、こういうようなアンバランスも実情から見ると出てきている、こう言えると思う。それは先ほど申しましたように、各省間でこの支給金額内応等がばらばらである。これまた私は非常に不都合を来たす、こういうことから、公務員に対する寒地における薪炭手当という名目のものというのは、いろいろ資料をとって検討した結果、幾らくらいが妥当なのか、この点について人事院としては一応の資料を持つべきではないだろうか、こういうふうに思うわけなんで、ただ法律の改正案を出してくれとか何とかということでなしに、当然給与としての一つの内容を備えておるのでありますから、それに妥当な、一体地域とか金額というのはどういう内容を持つことが妥当なのか、これを一つ人事院としては検討する必要があるんじゃないかと私は思うわけでありまして、その点をお聞きしておるわけなんであります。
○説明員(浅井清君) ちょっと御質問の趣旨を私は取り違えておったのかもしれません。初めはこの改正の勧告を人事院がすべきものだという御趣旨のものだと思っておったのであります。もちろん、これは給与の一種でございまするが、人事院としても十分研究もして参りましたし、今後も研究していきたいと思っております。ことに御指摘の三公社五現業等と一般職公務員との間に、少し違うところがある。石炭手当て等を見てもその点は十分関心を持って研究いたしたいと思っております。
○横川正市君 私は、今の総裁の結論めいたことで、大体私の趣旨に合致しているわけなんでありますが、これを在来調べられた内容と、それから現在の状況とを照らし合せて、一つの結論をすみやかに出していただきたいというこの私の考え方と、もう一つは、総裁のお考えの中に、一番最初ちょっと訂正されておったようでありますが、私は総裁と何回かお会いしたときにも、暗黙に、津軽海峡を一つの線にして石炭、薪炭の政治的配慮が私はあったのではないかと思うわけでありまして、それが現実には、今申しました、すでに取り払われたような状態でありますから、そういう点で、在来の人事院ないしは総裁のお考え方というものから一つ改訂してもらって、そして相熱意を持ってこの問題についての資料を整えていただきたい、かように要望いたしたいと思うのでありますが、その点について、ないと言われればない、あると言えばあるということで、あやふやであっても仕方ないと思うのですけれども、ただ資料の点についてだけは、一つ明確に御答弁いただきたい。
○説明員(浅井清君) ごもっともでございまして、初めは、石炭手当は北海道だけ、あとは寒冷地手当だけという考え方で、津軽海峡を渡したくない、そういうことは考えていないですけれども、現実はそうであります。ところが、片一方の方で、今度は寒冷地手当のほかに薪炭手当というものができたものですから、これは御説の通りになったわけです。ですから、さっきのお答えに戻りますけれども、人事院としても十分研究いたしたい、かように思っております。
○委員長(中野文門君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起して。 暫時休憩をいたします。 午後一時十三分休憩 —————・————— 午後二時二十四分開会
○委員長(中野文門君) 再開いたします。 国の防衛に関する件を議題として調査を進めます。政府側御出席の方々は、赤城防衛庁長官、門叶官房長、加藤防衛局長、小山装備局長、丸山調達庁長百、林海上保安庁長官、木村大蔵省税関部長、ただいまのところ以上であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○辻政信君 今日は李ラインの問題につきまして、外務大臣、運輸大臣に質問をしたい予定でありましたが、まだお見えになりませんので、具体的な問題を通産、自治庁、大蔵、海上保安庁の当局にまず確めていきます。 最初に、通産省来ておりますか、まだ……、それじゃ海上保安庁の長官にまず最初にお伺いいたします。 厳原海上保安部が民有地をただで十年間借り受けております、昭和二十五年から三十五年までの契約で。ただですよ。これは地主は税金を払っておる。しかし、国家機関が十年間にわたってそれをただで使っておる。地主がどんなに、要求しても地代を払おうとしない、また買い上げようとしない。その地主は今事業に失敗して二百万円の借金を作ってそうして千葉の国立療養所に伏せっておる。その病中から出した請願書が来ております。第七管区海上保安庁の本部長渡辺安次君に対して。これを読んでみますというと、あの厳原の保安部は民間の土地を、これは最初契約出したのですが、十年間借り上げてただで、しかも地主の同意を求めることなしに勝手に道路を作って舗装をしておる。それを民間に切り売りしようとしても、なかなか承諾しないという事件が起っておる。これはおそらく海上保安庁の長官も知っておられると思うが、これについての、どういうお考えでそういうむちゃをやっておるのか承わりたい。
○説明員(林坦君) ただいま御指摘下さいました事項につきましては、私まだ着任して間がございませんので、その点はまだ報告を受けておりません。さっそく詳細に調べることにいたします。
○辻政信君 だれか海上保安庁でついて来ている役人で知っておるものがありますか。だれも知らない……。
○説明員(林坦君) ただいま関係の者も来ておりませんで、よくまだこの場ではわかりませんでございます。
○辻政信君 それじゃ私がその概要を申し上げてみましょう。これは八月一十八品に出された陳情でありまして、まだごらんならないのも無理はないが、厳原の海上保安本部におきましては、昭和二十五年から三十五年まで無償で地主が保安部にお貸しする契約書が入っております。地主側としては何にも入れたわけではない。約束したから、わずかに末尾の条項に、必要があれは保安本部と地主と両者で協議決定をすることになっておる。ところが、事業が不振のために昭和三十一年には病気になり、千葉の国立療養所に入院をすることになった。負債は二百万円を突破してその整理にはどうしてもお貸ししてある土地を買い上げてもらうか、せめて地代を払ってもらわなければどうにもならない。しかも、この地主は自分で税金を払っている。税金を払っている民有地を、ただで十年間使って、病気で倒れて何とかしてくれ、幾ら頼んでも、出先の第七管区本部は首を左右にしてこの地主の意見に耳を傾けようとしない。しかもあなた方の方に、まだ報告がいっておらない。この書類は八月、二十八日でありますが、その以前から、去年あたりからやっているが、役人は取り上げようとしておらない。特に不都合なのは、繋船場の構築もできた、竣工地の一部の境界をきめるときに、地主と立ち会いをしないで一方的に保安部が境界を定めて、同庁所管の土地台帳に保安部所有地として登録しておる。これに対して地元の住民から、いろいろこの地主に対する同情の手紙が私のところに来ております。役人というものはこういうことをやっている。地主は税金を納めておる。それをただで取り上げて病気になって倒れても、その個人の陳情に対しては、耳を傾けようとしない。おそらく七管本部で握りつぶしているのではなかろうか。それを至急に調査されて、こういうばかげたことがないように、お上の力をかさにかって気の毒な民間人を圧迫するという一つの例です、そういうことがないように至急対策を講ぜられていただきたい。御存じないというから、これ以上追及いたしません。次の問題に移ります。
○委員長(中野文門君) 申し上げますが、小幡政務次官、金丸自治庁税務局長、福井通産省鉱山局長がお見えになっております。
○辻政信君 それじゃ、通産省の鉱山局長に李ラインの問題について質問したいと思います。鉱山局長はこの委員会に李ライン問題で呼ばれてどういう出題を聞かれると思って御出席になったかどうか。(「それは無理だ」と呼ぶ者あり、笑声)
○説明員(福井政男君) 私も何の関係でお呼びいただいたのか、実はわからないのであります。
○辻政信君 あなたの方から、たびたび質問内容を聞いてきたから、よく判断をしていらっしゃいと申し上げたのだが、これは重大な関係があると思う、李ラインと鉱山局長の関係。それは竹島の問題に関連をしております。竹島といえば御承知でしょうが、大体四十万トンの良質の燐鉱石を持っておる。この燐鉱石の鉱業権を現在日本人が持っておると思うか、韓国人が持っておるとお考えになっておるかどうか。
○説明員(福井政男君) 竹島に燐鉱石の鉱業権が設定されておりますが、これは日本人が鉱業権を所有いたします。
○辻政信君 その鉱業権といのは、実際に鉱石が掘れなくても、事業の実績がなくても税金は納めなければならんのですか。
○説明員(福井政男君) さようでございます。
○辻政信君 自分の責任じゃなくして、国の責任において竹島の燐鉱石は掘ることができない。それでも税金だけは取ろうというのですか。
○説明員(福井政男君) 私どもの承知いたしておりますところでは、採掘はいたしておりません。かつていたしたことはまだないようでございます。従いまして鉱区税を設定いたしておりますので、鉱区税だけが地方税として取られる、こういう関係になります。
○辻政信君 それでは自治庁の主任者、税務局長来ておりますか。——自治庁の税務局長に聞きますが、昭和三十年十月十日付島根県隠地町長日野義親氏より、公文書をもって鉱業権者の辻富蔵氏に対し、日韓問題未解決の理由により徴税猶予の通告をしておる、それに間違いありませんか。
○説明員(金丸三郎君) その事実につきましては、私承知いたしておりません。
○辻政信君 おらないけれども、自治庁としては、日韓問題が解決できない、鉱区権を持っておっても採掘できない。今までは県税で取っておったが、それは徴収猶予をしようというあたたかい通告が隠地町長からなされておる。これはいいことと思うか、悪いことと思うか。自治庁の見解はどうですか。
○説明員(金丸三郎君) 適切な措置であろうと思います。
○辻政信君 同じ政府の公務員が、通産局長は掘れなくても税金は取ると言う。自治庁の主任者はそれが適当じゃない、猶予するのが適当だ、こういう答弁の食い違いが出ておる。ところでまことに奇怪なことは、それから約三カ月たってから、三十一年の一月十七日付の公文書をもって広島通産局長から、鉱業権者の辻富蔵氏に対して、長期間鉱石採取に着手せず遺憾であり、四月十五日までに手続をしなければ鉱業権を取り上げるとおどしておる。三十年十月十日には日韓紛争が解決できないから税金は猶予してやると出ておる。それから三カ月たってから、長い間取っておらんから鉱業権まで召し上げるという公文書が広島の通産局長から弱い民間人になされておる。おそらくそのお役人さんも、竹島のてっぺんには韓国の大砲があることは百も承知でこういう無理難題を吹っかけておると思うが、通産省の鉱山局長、それでもやはり正しいとお考えになりますか、こういうやり方が。
○説明員(福井政男君) ただいま先生の御指摘になりました通牒が出ておりますことを、私実はよく承知いたしておりませんが、鉱業法に取り消し得る場合の規定がございますので、その一条に長く着手しなかった場合には取り消し得る規定があるわけでございます。これは鉱業権者が自分の責任においてやり得る状態にありながらやらない、こういう場合の規定でございますが、おそらく担当者はしゃくし定木的にあるいはそういう通牒が出ておりますとすれば、そういう観点から条文に照らして出したのではなかろうかと推測いたしますが、その点については私詳細を承知いたしておりません。
○辻政信君 これは目下裁判にかかっておる事項でありますから、あなたは今それはおそらく広島通産局長がしゃくし定木にやったのだろう、この発言に間違いありませんね。いやしくも個人の責任じゃなしに、国家の重人なる過失で、掘りたいものが掘れない。なぜ掘らんか、掘れるものなら掘ってごらんなさい。大砲の下で掘れるものかどうか。国家の、責任でそういう被害を民間人に与えておる。それもしゃくし定木を通り越して非常識というかむちゃというか、その実態を知りながら鉱業権を取り上げようとしておる。一方島根県の方では、これは無理だから税金は取らずにおいてやろうと、言っておる。三カ月たってから同じ役所からこういう公文書がいっておる。そうしてさらに今年の八月二十日付隠地町長から——今度は自治庁の番ですよ、公文書をもって鉱区税の納入を催促してきておる。昭和三十年の十月十日には猶予すると言いながら、今年の八月二十日には取れないところから鉱区税を納めよと言っておどしておる。そうしてとうとう八月二十八日の日に四千八百六十円という税金を、取れない鉱区税金を納めておる。そうすると、あなたがさっきおっしゃったように、猶予するのは正しいと言いながら、正しくないことを今度はやりだした。それに対して自治庁は監督官庁として、県をいかに指導するというお考えを持っておられるか。
○説明員(金丸三郎君) 大へん私からお伺いいたすようで申しわけがありませんが、隠地町長でございましょうか。鉱区税はすでに市町村税になっておるのでございます。私その本人が掘れなくなりました事情は、私も本人の責めに帰すべき事情ではございませんので、やはり産物も、鉱産も上げられない状況からいたしまして、基本的にはやはり徴収を猶予しておる状況の方がいいのではなかろうかと思います。ただ、同じ鉱業者がほかの方にも事業を営んでおられまして、現在はそのように休眠の状態ではございますけれども、自分が鉱区を所有しておるのであるから、税額としてもその程度ならば納め得る。これは私の想像でございますけれども、例でございますが、そういうような何か特殊な事情がございまして、徴収の猶予の期限も切れたから納めてほしいということで、そういうふうに納入を求めましたものか、その辺の実情は私承知いたしておりません。
○辻政信君 ここに受領書の本書がありますよ。島根県で昭和三十四年八月二十日に鉱区税として四千八百六十円取っております。三十年は採鉱できないから猶予すると、言いながら、四年たっても採鉱できないことには変りはない。しかも同じ島根県が同一事件に対して二つの異なった処置をとっておる。どっちが正しいのか。間違ったら修正させるかどうか、監督官庁として。国家で補償すべきものです、これは。個人の責任じゃない。国の責任において、鉱業権を持っておるものが投資をして調査をしながら実益を得ないという被害を受けておるのだ。この個人の被害に対しては税を取るどころではない、国家で補償しなければならない。それを堂々と催促をして取り上げておる。通産局長は、掘らなければ鉱業権まで取り上げるぞとおどしておる。こういう一体矛盾したことがいいかどうか。きょうは長官に聞こうと思ったがおらんから、あなたは主任者としていずれの態度が正しいかはっきり聞きたい。
○説明員(金丸三郎君) 私は基本的には先ほどから申し上げておりますように、本人の責めに帰すべからざる事由によりまして掘り得ないという状況になったのではなかろうかと思いますから、徴収猶予の措置をとっておったことが適切であったとかように考えております。ただ、その後どのような事情で徴収をいたしましたか、この点はなお、決してここで私言いのがれを申すつもりはございませんけれども、やはり四年以上を待ちましたあげくに徴収をいたしましたのは、何らかの事情があったのではなかろうかと思われるわけでございます。また、御本人かその間にこのような事情であるから、税を全部免除してほしいとか、あるいは減額をしてほしいとかそういうような申請をされ得る道もあったわけでございます。そういう点もどのようになっておりますのか、またすでに徴収した税でございますというと、これはやはり法律的には一応正しい手続を踏みまして徴収いたした税でございます。これは誤まって徴収したから返すというようなものではございませんで、御本人の立場から申しますれば、減免とかいうような申請をされて、それが聞きとどけられておるにもかかわらず徴収したのでございますれば、通誤納として徴収いたしました金額の税をあらためて還付するというようなこともできるわけでございますけれども、一応法律上正しい徴収の手続がとられており、またそれによって納められておりますというと、過誤納の還付というようなことにもなり得ないのではなかろうか。その間の実情がはっきりいたしませんので、至急に県に照会をいたして結論を出すようにいたしたいとかように考える次第であります。
○辻政信君 時間を考えて詳細なことは申しません。しかし、客観条件は三十年と今年と変化はない。三十年においては徴収猶予、今度は八月には出せと言っておるのです、同じ島根県庁が。これは監督官庁としてよく一つ県を指導なさってこういう聞違いのないように、通産省の鉱山局長こういう状態でもやはり、鉱区権というものは取れなくても納めなければならんのかどうか。もう一度はっきり答えていただきたい、
○説明員(福井政男君) 先ほど私の申し上げました説明でちょっと補足さしていただきますと、鉱業権者は鉱業権の設定をいたしましてから六カ月以内に事業に着手しなければならないという規定が六十二条にございます。ただし、これはやむを得ない事由によりまして着手できないときには、期間を定めまして通産局長の認可を要することになっております。先ほど通産局から鉱業権者に差し上げましたのは、先年この鉱業権の設定をいたしまして事業に着手しない鉱業権者が相当たくさんにございましたので、全国的に整理をいたしましたわけでございますが、そのときに各鉱業権者全部にその旨を通牒いたしましたので、一緒にそういう続を、一つも事業に着手できないならば手続をしてほしいという意味合いで出したものであろうとかように考えております。それから鉱業権の設定をいたしております間は、休止いたしましても、先ほど自治庁からお話がございました地方庁で減免の手続をすれば別でございますが、そうでなければ一応法律上は鉱区税を納めなければならない法律関係にあると存じます。
○辻政信君 これはあなたにお伺いするのは少し無理かと思いますが、国民が、正当な手続で税金を納めながら獲得した鉱業権、これに対して国の失敗によって掘ることができない、個人の責任じゃない、そうして、鉱業権者に非常損害を与えた場合、天災、人災と同じように、政治の災害、政災によって個人に被害を加えたときには、当然国家が補償しなければならぬはずです。それを補償さえせずに税を取る、ぐずぐず言うと鉱業権を取り上げるぞという態度、これが一体役人として国民に対する態度と思うかどうか、常識から考えても。自治庁との間に明らかに意見の食い違いがある。それを至急訂正されて食い違いのないように、非常識な、ばかげたことをやらぬように、早急に鉱業権者に対してあたたかい処置をとられるように、あなた方に言ってもこれはしようがないので、大臣がおらないから、大臣に至急報告せられてこの次には大臣から責任ある回答を求めたい、それを保留しておきます。 その次には、大蔵省から一人呼んでおりますから、大蔵省の税関部長ですか、来ておりますか。——これも質問が飛び飛びになるんですが、あなた方の仕事の関係があるから、あまり長くとめておいてはいかんから、早く帰す意味で、あなたに一言だけ簡単に、大蔵省の税関部長に聞きたいことは、朝鮮ノリの密輸が盛んに行われているが、朝鮮のノリの昨年と今年の税関で押えた朝鮮ノリの数量をどのくらいと見ておられるか。
○説明員(木村秀弘君) 朝鮮ノリ密輸が最近ふえておりますが、密輸で入ってくるものと、見越し輸入で入ってくるものとございまして、ただいま御質問の密輸人で入ってきたものにつきましては、三十三年には、二百万枚、これは税関で押えたものだけでございますが、二百万枚、それから三十四年の一月から六月までで千二百八十万枚、こういうふうな数字になっております。なお、見越しで入ってきております分につきましては、純粋の密輸とは申せませんので省略さしていただきます。
○辻政信君 昨年は二百万枚、今年の六月まで、上半期においてそれの六倍、二百万枚入っている、こういうことですね。
○説明員(木村秀弘君) そういうことです。
○辻政信君 これは厳格に税関で検査されておると、あなた考えておられますか。
○説明員(木村秀弘君) これは税関で抑えたノリでございますから、確実に把握をしております。それから先ほど説明を省略いたしましたが、実は見越しで入ってきているのが非常に数量が多うございます。これは現在税関でとめておりますものが八千五四十万枚でございます。その他携帯品、郵便物等で持ってきたものもございます。
○辻政信君 神戸の保税倉庫に抑えているのが七千九百五十万枚、ただいま……。
○説明員(木村秀弘君) 神戸の保税倉庫で現在持っておりますのが百四十七万枚になっております。
○辻政信君 私の調べたのじゃ七千九百五十万枚となっておりますが、これはよそに移しておられるんですか。あなたの、言う八千五百四十万枚の中に入っておりますか。
○説明員(木村秀弘君) 八千四十万枚のうち、神戸で押えている、今申し上げました百四十七万枚と申しますのは見越し輸入で入ってきて、無為替輸入のライセンスが取れないために、保税倉庫で引き取りを断わられてとまっているというものがございまして、これは密輸のものではございません。数量には間違いないと思います。
○辻政信君 今年年のノリの輸入は、大体国家と業者の間のあれで一億枚に限定されておりますね。これは日本のノリが三億枚、朝鮮は大体三億枚出てくる。この朝鮮ノリを入れるというと、日本のノリ業者を圧迫するから制限するというので、ことしは最大限一億枚に抑えた。しかし朝鮮の三億枚のノリのうち二億というのは販路がないので、あらゆる非合法の手段によって日本に販路を求めておる。それが密輸でない不正手段になっておる。それに対して海上保安庁長官に聞くが、あなたの部下は、ノリの密輸取り締りを自信を持ってやっておるとお考えになるかどうか。
○説明員(林坦君) 朝鮮のノリの密輸の問題につきましては、海上保安庁におきましては全力を尽してやっております。
○辻政信君 長官としては、そう答えるよりしか方法がないだろうが、私が調べたところによると、相当責任ある七管の幹部が、朝鮮の密輸のノリに手を出したら役人は首切られると、どういうわけだと言ったら、ノリを入れるともうかる。そのもうかる背後には政治家が糸を引いている。その政治的な圧力を受けているから、弱い公務員がノリを押えようとしたら、首を覚悟しなければならないということを、私の前で明言しておりますよ。それほどこの朝鮮ノリの輸入に対しては、いわゆる政治家が問屋、輸入業者と結託をして甘い汁を吸っておる。それが日本全体のノリの値段を高くし業者を圧迫しておると、こういう関係にある。うそと思ったなら行って聞いてごらんなさい。現場の公務員はノリに手を出すなよ、出したらやられるぞと言っておる。これはこの席上においては言えません。(「言った方がいい」と呼ぶ者あり)政府に責任を持ってその背後の勢力は何者だか、それを調査しないなら、この次の国会に私の調査したやつを出す。海上保安庁の長官は、部下がこういう疑惑を持たないように、運輸大臣によく話をして、政治的な圧迫に屈しないで、公務員が良心と勇気を持ってこの調査を完全にやるように御指導なさるように、あなたにはこれ以上求めない。 次に、あなたに質問したいことがある。あの民間自衛船が出るときに、実は私乗っていこうと思った。そうすると日韓会談を刺激するからやめてくれと、こういうことがあって乗るのをやめた。そして二十三日にこっそり一人で長崎へ行きまして、新聞記者にキャッチされぬように自衛船に乗り込んで実情を見たいと、幸いにして新聞記者にはキャッチされずに完全に機会を取得できたが、漁業組合に行って乗り込みたいがと言うと、それはできないと、それでやむを得ず七管の本部長その意見を正式に現地から具申をしますというと、七管では辻を乗せることはできぬ。本庁の許可が必要だというので、緊急電話であなたに電話をかけたはずです、二十三日の夕方。そうしたらあなたの御意向として、辻代議士を乗せることは適当でないから断われと、こういう返事が来ておるが、海上保安庁長官個人でお断わりになったか、楢橋運輸大臣に連絡をされて、辻は危険人物だからやめろとおっしゃったのか、そこをはっきりお答え願いたい。新聞記者を乗せておきながら、国会議員を乗せられないという理屈はないはずだ。しかも、だれにもわからぬようにこっそり行って実情を見ようとした。それさえも許さぬ。今度は漁船に乗り込もうと漁師に頼んだが、漁師は乗ってほしいが、あなたを乗せると、あとで海上保安庁からいやがらせを食うから、残念ながら乗せることはできないと、これも断わられた。新聞記者を二、三十人ですか、乗せておきながら、国家議員が自費で向うの実情を見ようというのを、一体どういう長官の権限で拒んだのか。大臣に相談して拒んだのか、はっきり御答弁願いたい。
○説明員(林坦君) 民間自衛船の乗り組みにつきましては、実は各方面からこれに乗っていきたいというような希望もあったのでございます。これに対しまして、非常に日韓間の会談の最中でもあり、いろいろと問題を起しては困るというので、乗り組みは、一応あらかじめ届出をして、それ以外の者は乗せないという約束をしておったのでございます。従って、辻先生であるからというわけでもございませんが、乗組員を一応限定しております関係上、それ以外は乗せない、こういう建前を私はとったわけでございます。大臣と御相談したわけではございません。
○辻政信君 それじゃ新聞記者を二、三十名乗せているが、国会議賃は乗せられないという理屈はどこにあるのですか。
○説明員(林坦君) 新聞記者を乗せたことにつきましては、実は私あとで聞いたのでございます。初めの約束通り、ほんとうはそういう部外の人を乗せないでやるという約束でございました。
○辻政信君 それは七管の現場の意見と違います。七管で、なぜ新聞記者を乗せたかと言いましたら、金子会長と保安庁の申し合わせがあり、船員名簿に載った者以外は、全部本庁の許可を得なければ乗せない、新聞記者の二、三十名は、本庁の許可があったから乗せたというので、私自身も本庁の許可を現地から電話で申請したところが、辻はいけないといって断わっている、食い違いがあります。
○説明員(林坦君) 本庁の可許があったということは、私聞いておりませんが、現実に新聞記者の場合は、あるいは現場におきまして、こういう人を乗せてやるということが適当だと、組合が判断して乗せたのではないかと思っております。
○辻政信君 それはとんでもない間違いです。それじゃ金子代議士を呼んでくれ、うそを言っちゃいけませんよ。いちいち名簿を本庁に出して、船員名簿以外の者は、あなたの許可によって乗っている。だから私も許可を受けてくれというから、許可を受けたら、辻はいけぬ、こう言っている。国会議員が国政調査をしようとして乗り込んで行った、無責任な立場で行っているのじゃないのです。それを役人のあなたが、一人の権限で乗せないと言えるのか、どうです。
○説明員(林坦君) 問題が非常にデリケートな場合もございますので、公務で国会の方から乗せてくれというようなお話でもございますれば、私としましてはそれに対して、巡視船でありましても、お乗りいただくことは当然でございます。ただ、国会議員の方でありましても、個人的にいらっしゃいます場合には、やはり一般の人と同じ形でもって処理いたしております。
○辻政信君 それじゃなぜ新聞記者と同じように取り扱わなかったか、税金をもって公けの旅行したのじゃない、国会議員には二万五千円という資料調査の費用が出ている、それをもって一週間見に行った。それをあなたが、役人のくせに、国会議員がほんとうの実情を見ようというのを拒む理由がどこにある、なんの権限があってそれを拒んだか、普通人と同じだとおっしゃっているが、違うのです。ただこの委員会から公式の出張命令を持って行ったか、自発的に行ったかという差はある。差はあるが、李ラインの防衛その他について国会議員の立場からほんとうに見ようとした。それを一役人が、自己の一身の感情によって拒否するということはふざけた話です。あなたの全責任でやったのかどうか、もう一回はっきり……
○説明員(林坦君) 先ほど申しあげましたように、新聞記者の場合は、私は事後において聞きました。その他あらためて乗るという場合に、連絡が私まで来たのは、先生だけでございます。しかし、乗りたいという希望はあちこちにございました。従ってこの問題は、何かほんとうの特別の公務について乗るという公式の場合ならば、これはまあ私としましても何も申しあげることはございません。特にあの自衛船の場合は、組合で出している船でございます。従ってわれわれとしては、ただわれわれとあの組合との間にそういう約束がございました。その約束に従って組合の方で乗せない、こういう立場をとったわけです。もちろんその例外をこの際作るかどうかということについて伺いがございましたけれども、例外を作ることは、非常にデリケートな場合でもありますので、やめるということにしたわけでございます。
○辻政信君 まあ個人の問題あまり言うと何ですから、この問題やめておきましょう。あなたの気持はわかっているから、これ以上いじめても仕方がないから。 それじゃもう一つ公けの問題であなたの所信を聞きましょう。僕は大臣に聞こうと思っておりましたが、八月二十一日の早朝、民間自衛船が出て、そうして日本の漁船が四人の漁師と一緒につかまっております。韓国の警備艇につかまえられておる。しかも、その現場にはあなたの部の巡視船が三ばいおった。三ばいの巡視船を持ちながら、一ぱいの韓国の警備船に手も足も出ないで、その目の前で船が取られておるのを指をくわえて見ておる。この行動は、長官として正しいと思うかどうか、あるいは不満があったかどうか。
○説明員(林坦君) 海上保安庁の巡視船が現場において行動いたしております場合には、決して、私どもが考えまして、この間も私どもも参ってみましたけれども、ゆるがせにこの行動をいたしておるわけではございません。巡視船といたしましては、全力を尽して、われわれに与えられておる能力の範囲において全力を尽して拿捕防止に当っておるのであります。あの際におきましても、もちろん韓国の警備艇に対して追尾して、警戒に当っておったということも事実でございますが、あの船につきましては、すでに新聞等でも御承知のごとく、一隻が故障を起してそれを他の一隻が引っぱっておる、こういう状況でございます。海上保安庁の巡視船は、それの急を聞きましてその場にかけつけたのがございました。それが前の船に横づけしてかわって引こうという態勢になっておったわけでございます。その間にもうすでに韓国の警備艇が近寄って参りまして後の引かれておる船に来てしまったのでございます。前の引いておる船の乗組員もさっそくにこれを収容しなければならない。それを収容しておるうちに、片一方はすでに韓国の警備艇のものが乗り移ってしまった、こういう状況でございましてあの場合におきましては、武器を持った韓国の警備艇の職員に連行されてしまったあとでございます。その場合さらにこれ以上というわけにいかなかったのでございます。幸いにしてその中から韓国の警備艇の職員の目をかすめて海に飛び込んだ一人につきましては、もちろん韓国警備艇の機関銃の前でございますけれども、さらにあとから参りましたうちの巡視船におきまして、これを救助したわけであります。あの場合においてやった巡視船の船員の行動に対して私どもとしては非常に勇敢な行動をしたということを考えております。
○辻政信君 冗談じゃない。相手は一ぱいでこっちは三ばい、目の前で漁師がつかまえられ、船がつかまえられて勇敢とは何ごとですか、それは世の中に通じないですよ。三ばいも巡視船があったら、一ぱいの警備船を取りまいて、その行動を遮断してじゃましておけば逃げられる。これは根本問題はそこじゃないでしょう。相手は機関銃を持っておるがこっちはまる裸だ、そのハンディキャップでどうにもならないんじゃないですか、どうです。
○説明員(林坦君) こちらが武器を持っておったらどうであるかという御質問に対しては、ちょっとその場の状況をさらに詳しく調べないと、もちろんわかりませんけれども、現在の状況下におきましては巡視船は十分に働いたものと考えております。
○辻政信君 体当りすればいい、体当りを。その気魄があればやらない、向うは。おかしなことに、あの海上保安庁は第一管区から第六管区までは武装しておる。危険でないところに武装して最も危険な第七管区は武装を解いてまる裸にしておる。こういう一大手違いがある。武装というものは侵すものがある危いところに武装する。それがほんとうだが、やられておらぬという理由はどこにあるか。
○説明員(林坦君) 韓国との間におきましては、すでに政府の方針といたしましてそういう実力を持って阻止するということ、武力を持って阻止するというようなことによるトラブルを、できるだけ避けるという意味において、海上保安庁の巡視船は現在まで指導して参った。これはもちろん両方の間におきまして、かえってこの会談の他を妨げたりなんかする場合を考えまして、慎重に行動をいたしておる次第でございます。
○辻政信君 大臣に承わります。今まであなたの部の長官に、八月二十一日のあの三隻対一隻で目の前でやられたのがいいか悪いか、こう言ったら勇敢な行動だと言っておる。私は違うと思う。三隻と一隻で負けておるということは勇敢じゃない。その根本、原因は、向うは機関銃を持ってこっちはまる裸だ、このハンディキャップにある。しかるに第一第六管区には武装しておるんですよ。最も危険な第七管区だけ武装を取り除いた理由は、大臣何と考えるか。
○国務大臣(楢橋渡君) 今、日韓関係等もデリケートな関係等がありますので、従って第七管区は、おそらく保安庁長官から申し上げたでしょうけれども、武力的ないろいろ排除的な方法をとらないで、むしろ李ラインをめぐってなるべく問題の起らないような方法において漁船を待避せしめるという方針をとっておるのでございまして、そういう点で私も第一管区は武装しておるということは、ちょっとはなはだうかつですけれども、今申し上げたように事故を起さないように第七管区でははずしているということです。
○辻政信君 私は先月の二十三日に七管へ参りますと、あの本部長の公室に楢橋大臣が書かれた色紙が額に入れてかけてあったが、あの色紙には何とお書きになったんですか、あなた。
○国務大臣(楢橋渡君) 「山を抜く力はあれどいかにせん敗れし国の痛ましきかな」。
○辻政信君 「山を抜く力はあれどいかにせん敗れし国の痛ましきかな」。そうするとこの意味は、日本の国民は自衛船を出して体当りでいくという盛んな気力を持っているが、いかにせん国は敗れた、だからがまんせよという意味ですか。どういう意味です、これは。
○国務大臣(楢橋渡君) これは私がそれを書いて渡したのは、御存じのように第七管区の渡辺本部長は、かつて山本五十六氏のもとにおった参謀長もやっておったような人でありますけれども、今日敗戦後において小さな船に乗って、日夜一生懸命にあの方面のわが漁民の保護、あるいは犯罪の防止あるいは密輸人、密入国の防止等に非常に努力をしております。しかもまた、あすこにおける保安庁の庁員の人たちも、御存じのように待遇も実はあまりよくなくして、陸上の警備隊のような待遇も受けてなくて、家を離れてあの季ラインを今、日夜非常な苦心をしてやっておる。その姿を私はその前に行ったときにいろいろと聞きますし、また見まして、これはぜひともこれらの点も、私は海上保安庁の所管大臣として、できるだけ一つ慰問もし、激励もしなければならぬという心境を持っていまして、ちょうど島原を出まして熊本の三角に着く小さな船の上で、ちょうど警備から帰って来た船でありまして、みな若い船員の人たちが情けない気持を持っておりましたので、私がそこに頭に浮ぶままに、心に浮ぶままに今の実は歌を作りまして、第七管区の渡辺さんに渡したような次第でありまして、その次の二回目に行きましたときに、「踏まれてもなお踏まれても立ち上れ、わがはらからの生きる命は」という歌を書いて渡したことを覚えております。
○辻政信君 先ほどから長官には聞いたんです。けれども、海上保安庁の巡視船に乗っておる船長以下は、私も経験がありますが、ほんとうに政府が武装さしてくれるなら、指一本触れさせずに守ってみせると言っておる。残念ながら拳銃十丁しかない。その十丁も金庫に入れて封印をして使わせないという。相手は自動小銃で打ってくるのにまる裸で行くんです。そこにその根本原因がある。しかもあなたは事故を起さない、ギャングのおらない第一管区には堂々と武装さしておるんです。ギャングの横行しておるところで、まる裸にして拳銃を金庫に入れて封印をしておる。そうして踏まれても叩かれても、負けた国民だからがまんしろ、一体こういう大臣の統率がありますか。のみならずあなたの保安庁の船は、韓国の船に対しては処女のようにおとなしいが、日本の漁船に対してはオオカミのように手荒い。その実例を今参考に申し上げますが、これはひどいことをやっておる。金比羅丸が七月の三十日の午前十一時、長崎県下のお沖合いで底びきの密漁をやった。それをあなたの巡視船が六隻で、追いかけた、六隻が一隻を。三日間全速で追いかけていった、そうして最後に中共の領海に追い込んでしまった。しかも逃げていく途中で拳銃を打っております。その日本の船に対しては拳銃を打っておる。朝鮮の海賊に対しては金庫に入れておる。そうしてその一発が船長の部屋に当って、船長はガラスの破片でけがをしておる。もちろん、これは船員か公務執行妨害をしたということはある。あるけれども、公務執行妨害をしなければならぬ漁師の気持を考えてもらいたい。あの船は愛媛県の八幡浜のイモとイワシを食わなければならぬ貧乏漁村の船です。李ラインへ出て取らなければ食っていけない。しかし李ラインで働けないから、こっそり密漁をやった。この行動は悪いに違いないが、食管法をくぐったヤミ米と同じです。罰金刑です。せいぜい罰金刑です、そいつを六隻で急追して行って、所もあろうに、中共の海まで追い込んで、拳銃を十一発ぶっぱなして、中共に対して電報を打っているでしょう。長官、どういう電報を中共側に打ったでしょうか。あなたの保安庁の巡視船は国辱内電報を打っておる。何と打ったか言いなさい。
○説明員(林坦君) ちょっとその電報につきましては、後ほど調べて御返事いたします。
○辻政信君 ひどいです、これは。わかりやすいたとえで言いますと、お母さんがおやつをくれぬから、子供が腹が減ってしょうがない。仕方がないから隠してあった菓子を取って食った、それを見つけた母親が拳銃で盗んだむすこを追っかけて打ち込んだら、隣の家へ跳び込んだから、母親がうちの道楽むすこ、どろぼうむすこをつかまえてくれと言うのと同じで、日本のイモとイワシを食っておる貧乏な漁師に対しては拳銃をぶつ放し、中共に逮捕せよという無線を打っておる。十一発拳銃のたまを撃っておる。それはなぜ撃ったかと言ったら、こんなふうに弾痕をあすこに残しておくことが、後日の証拠になるから、撃ち込んだと、言っておる。日本の船にその勇気があるなら、なぜ目の前で日本の船をつかまえている朝鮮の海賊船を撃たぬか、朝鮮の船に対してはしっぽをまいて処女のように、日本の漁船に対してはオオカミのごとくいたけだかになってかかってくる。これは大臣、あなたの部下ですよ。どうですか、運輸大臣としては。
○国務大臣(楢橋渡君) その問題につきましては、私の聞いたところでは、その密漁などをやった者は、いわゆる非常な悪質なものであって、しかも逃げるきわにしりをまくってしりをたたいて、お前の船は追っかけてこれないじゃないかとばりざんぼうをして、最後に追っかけてきたときに、こちらの警備員に対して、出刃ほうちょうをまず投げてそれで非常に危険であったから威嚇的に撃ったと、私はこういうことを船の上で聞いたのですけれども、海二保安庁がやはり魚を取る秩序を守っておるときに、密漁船によって不当に荒されるという場合には、当然にこれを取り締ることは、海上保安庁の責任でありましてそういう意味において、彼らはやったものであると私は思うのでありまして、朝鮮に向ってなぜ発砲しないかというお話もありますけれども、御存じのように、あすこにおいて非道義的な行動をとるということは、日本の今の立場からいって、全体的にとるべき態度でないという閣議決定があるのでありましてそういう態度であすこに臨んで、できるだけ平和的に朝鮮と李ラインの問題を解決したいということで、せっかく政府がやっておりますので、私が参りまして自衛船はいけない、差し控えたらいいということを申しましたのも、実はそういうような趣旨に従いまして、できるだけやはり力をもってするに力をもって排除するということよりも、李ラインをめぐって平和的に今交渉を一方にやりつつあるから、従ってそれに対しては民間から力をもって排除するというようなことをやめさせて、そのかわりにそういうような民間からも、辻君御指摘のように、やむにやまれぬような、自衛船を出さなければならないようなことをなしておるということは、明らかに政府の方にも手落ちがあるのだから、従って政府の方も十分に安全操業ができるような態勢をとらなければならぬということを痛感いたしまして、私が帰って参りまして、内閣に閣議のときに報告し、その策について協議をしたような次第でございまして、従って海上保安庁の船はもっと増強してもらいたいと同時に、やはり受信器を漁船につけて警報を出した場合には、すぐにそれを受けて逃避するような行動をさせるようにする以外には、今の場合それ以上の方途をとることは、非常に困難な状態にありますものですから、そういう万全の策を講ずるようなことで実は参ったような次第であります。
○辻政信君 あなたは七管区の警備船が少いと思っておられるが、釜山と済州島におる警備船で十ノット以上出せる船は何ぼありますか。
○説明員(林坦君) ただいまちょっとここに資料を持っておりません。
○辻政信君 調べてもいい。調べなさい。そんなことわからぬでだめだ。
○説明員(林坦君) 中には十四ノットも出せるのもあります。
○辻政信君 私の調査によりますと、釜山と済州島におる十ノット以上の船は、現在七管が持っておるやつよりは少いはずです、隻数において。こちらの方が数においても能力においても優秀なんです。向うは日本のぼろ船を改装したりして、数は多いがろくなものがない。そうして負けておる。原因はどこにあるかといえば、相手は自動小銃を持っておる。こっちはまる裸ということです。第七管区に聞きなさい、楢橋さん。閣議決定は憲法じゃないですよ。あの当時においては摩擦をやらずにおこうとしたが、今日まで二百六十何隻も取られておる。三千二百人も取られておるでしょう。目の前でやられておる。朝鮮人の性格からいっても、こっちが力を持っていればむちゃはやらないのです。だから、事故を起すまいとすれば、第七管区の巡視船全部に武装して、相手にむちゃをやらせないことが平和解決の根本なんです。あなたたちは逆に考えておる。頭を下げれば、図に乗って出てくるのが朝鮮人です。民族の性格が出ておる。今日の李ラインに起っている紛争は、大臣以下岸内閣が腰を抜かしておるから、国民は山を抜く力はあるが、大臣が腰を抜かしておるからそうなっておる。その結果がこうなっておるということを反省しなければいけません。あなたは、大臣として、せっかくほかの大臣の行かなかった李ラインを見ていらっしゃったが、一千トンの巡視船に大臣の旗を立てて、昼間二時間くらい見たのでは、ほんとうのことはわかりませんよ。記者団に対しても、閣議においても、武勇伝をしゃべっておられるが、そんなことは何でもないことです。それよりも、大臣としてやることは、閣議決定を変更して、なぜ、危険な海域におるあなたの部下に対して守れるだけの措置をとってやらないか。これが大臣の任務です。旗を立てて、時間見て武勇伝を語るのが大臣の任務でない、国の政治をどう持っていくかということを考えなければならない。見当違いもはなはだしい。ことに、先ほど言ったのだが、朝鮮からのノリの密輸の、取締りができておらない。公務員に聞きますと、責任ある公務員がはっきり言っております。ノリの密輸を取り締ると、政府のおえら方が、自民党のおえら方が、ひもを引っ張っておるから、弱い公務員は首を切られるから、ノリの取締りはできぬとこぼしておる。朝鮮ノリの密輸に関連して、政治家がいかに介在しておるかということがうわさに上っております私も調査しておる。これこそ、大臣が目をかけて、安心してノリの密輸を取り締れ、武装を与えて、韓国船に対して安心して行動できるように、それが運輸大臣の仕事でなければいけない。あなたが帰ってこられた所見に、おれが行ったから相手はおそれて出てこなかった、朝鮮は、だから漁船は安心して魚をとれたなんて新聞に出ております。とんでもない間違いですよ。あなたが行かれたのは昼でしょう、あの李ラインにおける漁業というのは、昼はラインの中におって、夕方ラインを越えて中へ入っていく、李ラインの外へそして魚をしこたま取って、朝までに李ラインの中へ退避して、昼は昼寝をしておるそれが李ラインにおける漁業の実態なんであります。そこで、お伺いするが、こういう李ラインの実態を大臣は認めるかどうか、夕方ラインを越えて済州島の沖へ行って魚を取って、朝また帰ってきて、昼は李ラインの中で昼寝をしておる。これが三千そうの漁船の実態なんです。この行動を、責任のあるあなたは正しいと思うか。これも自粛させる意味かどうか。
○国務大臣(楢橋渡君) 私は武勇談をやった覚えはありません。そういうことを、言って、もらっては、第一こっちが迷惑する。それから李ラインの中に入って漁船が魚を取ることを認めるかどうかということも、李ラインに入ってはならないということを言っておるのです。そうしなければ、今季ラインという問題があるから、あの中に入らなくてやはりそういうトラブルを起さないようにしろということを注意しておるのであって、そういうことを考えております。
○辻政信君 季ラインに入ってはいけないのですか、漁船は。ということは、李ラインを認めるのですな、政府として。
○国務大臣(楢橋渡君) 李ラインに入れば、御存じのように、朝鮮その他から何をされるか。なるべく危険区域を避けてやるべしということを言っておるのであります。
○辻政信君 冗談じゃないですよ。大臣がそういうことを言うから、李承晩というものをこちらが認めておるじゃないかということになる。国民のだれひとり李ラインを認めるか。李ラインの内側に魚はおらぬ。魚は向うにおる。そこに大胆に行っておるのが現状ですよ。李ラインを越えるなと言うことは、大臣として腰が抜けておる。こんなことを言ったら、李承晩ラインを日本は認めておるじゃないか、こうきたらどう、反駁するのです。
○国務大臣(楢橋渡君) 私は、ちょうど海上でも言いましたように、李ラインそのものは認めていない。認めていないから、認めていないことを報告もし、かつまた、それだから李ラインをかまわず入って行けというので、済州島の上の辺まで行きました。それからやはり警報を中心として、朝鮮が現実にああいう拿捕的なことをやるのだから、その警戒をやはり十分にして、安全操業のできるような指導を与える。もちろん、李ラインというものを認めてはおりません。認めていないが、そういう危険区域に入ることはなるべく避けるように、つまり、海上保安庁として注意をしておるということを申し上げます。
○辻政信君 本ラインを認めないなら、漁船が夜李ラインを越えて魚のよけいおる所へ寄るというのは当りまえです。それを政府は保護しなければならぬということが出てくる。危険だから行くなということは、認めるからそういう議論が出る。危険とは何だ。李ラインというものを認める観念があるから、越したら危ないという観念が出てくる。季ラインを徹底的に認めないなら、越したら危ないという気持は起きない。なぜあなたはそれを徹底しない。あなたの言動は矛盾しておる。漁船には、なるべく危ない所へ行くな、季ラインを越えるなと言っておる。答弁では認めないと言っておる。これほど矛盾はありませんよ。魚のおるのは済州島の沖ですよ。この手前にはおらない。取りに行くのは当りまえなんだ。その当りまえのことを妨害しておる韓国の海賊船に対して、暴に対しては暴をもって守っていく。正当防衛だ。その決心ができないで、一体運輸大臣が務まりますか。
○国務大臣(楢橋渡君) まあ政府の方針として、朝鮮との間には、やはりそういう武力的な、力的な争いを避けて、平和的に季ライン問題を、魚族保護という立場から、そういう立場に基いて交渉することを、せっかく外務省その他でやっておるのですから、なるべくそれをやはり円満に運ばせて、平和裏にこの問題を解決したいという線でやっておることを御了承願います。
○辻政信君 私はあなたに教えてやる。あの李ラインで紛争を起さない方法を教えてあげる。朝鮮人というやつは、引いたら出てくる。これは特徴です、民族の。こちらが厳として守りを持っておれば、向うはおとなしくして手を出さぬから、李ラインにおける紛争は起きてこない。紛争をしておる根本は、なめられて、まる裸で、手出しせずに泣き寝入りをしておるから、次ぎから次ぎへ起ってくる。ほんとうの平和解決はそんなものじゃない。あなたの部下に、あの巡視船全部に武装さして、そうしてこっちは撃ってはいけない、相手が撃ったら正当防御でやれと言ったら出て来ません。平和解決の手段はそれだけです。物の本質をよくごらんになって、朝鮮人に頭を下げて、踏まれてもたたかれてもやることが平和外交だと思ったら、とんでもない間違いです。その決意はどうです。閣議決定の線をはずせ。巡視船をふやす必要はない。それよりも武装をふやせ。いかがであります。最後にあなたの決意を承わりたい。
○国務大臣(楢橋渡君) 今申し上げましたように、朝鮮との間に、韓国との間に、今平和的の交渉をやっておりますから、その線に沿うて、つまり在来のかまえで、態勢をくずさずにこの問題を解決したいということをせっかく今努力しておりますから、御了承を願います。
○矢嶋三義君 関連して。辻委員の質疑に関連し、さらに私は、先般本委員会の調査団の一人として調査に参加して第七管区本部長並びに長崎海上保安部長、さらに、私的に佐世保海上保安部長の種々意見を承わったのですが、その角度から、午前中調査報告が行われたわけですが、それに関連してお伺いしたい。まず、辻委員からいろいろ伺っておりますが、李ラインそのものは外交上の問題で、根本的にこれを解決する問題は外交政策の面からあると思います。それと、韓国に対して日本が必要以上に低姿勢ではないか、こういう点については、私は辻委員と同感です。ところが、あなたが二度にわたって書かれた歌なるものは、これは適当でないと思う。私もこれは九州の新聞で見たのですが、きょう伺いたいと思ったが、それは国務大臣として適当でないですよ。あなたのほんとうの気持は、私はあの歌には出ていなかったと思う。やっぱりあなたあのときにちょっと狂ったじゃないかと思うのですがね。(笑声)そのわけは、第七管区本部長あるいは保安部長等から聞き、いろいろな人から聞いて、総合して判断されることは、ああいう李ラインそのものは、外交上の問題でありますが、拿捕とか、安全操業という問題は、トラブルを起さないで十分やれる方策がある。それをやらないところは、これは政治の貧困ですよ。そうい意味において、運輸大臣の責任、政府の責任は非常に大きいと思う。韓国の警備艇は十一ぱいの警備艇を持っておる。あの広い範囲に十一ぱいは大したことではないわけです。そのうちの六ぱいは旧日本海軍の艦艇ですから十二ノット程度、拿捕された船のうちの若干優秀なものは無線機械が優秀ですからそれを装備してやっておる。ところが、この海上保安庁は従来四隻でやると今度六隻にふやした、その後問題になってさらにふやそうとしておるようですが、海上保安庁そのものが船が少い、それから速度がおそい、船が小さい、この海国日本で。その上に持ってきて、よそから二隻とかあるいは四隻プラスすれば、よその地域に穴があいてきます。だから海上保安庁そのものの船が速度がおそく、小型であり、数が少いわけです。質的に、量的に不十分です。それが最も象徴的に現れているのが、この李ラインの範囲内だ。私は最終的の判断として、大型の船でもって、これは十六、七ノット、少くとも十五ノットくらいにして、十五ノットから十七、八ノットのスピードの出る船にしておけば、これは十分指導ができる。そうしてまた、午前中もちょっと触れましたが、無線機を持たないで漁に出ているのが約一千そうあるというのです。漁民が貧困だからですが、そうして保安庁としては通知しても無線機がないから通じない、そうしてはつかまっているわけです。だからこういう事件が起って紛争が起る場合を考えれば、一千そうの船に無線機をつけるには二千万円あればいいということを現地では聞いた、安いのにびっくりした。地元としては半額国庫負担すれば、あとは県からとそれと業者とで直ちに無線機はつけられるというわけです。これは二千万円必要なのを半額国の補助として一千万円、そのくらいのものは楢橋さんともあろう人が、現地まで視察して閣僚懇談会まで作ってこのくらいの補助ができないとはあきれたものです。午前中官房長官をつるし上げたのですが、無線機をつけさせる、そうして海上保安庁の全般的な問題でもありますが、船を大型化して速度を上げる。特に李ラインのような地域にこの七、八はいの、韓国警備艇は十一ぱいあるというが、七、八はいの巡視艇を配備してそうして指導すれば、外交政策上の李ライン問題が根本的に解決する前の過度的な段階として十分安全操業は行われて拿捕なんか起らない。できることですよ、これは明らかに政治的貧困のものであり、これだけの態勢を整えれば、最近西九州に盛んに、あるいは北中国、鳥取、島根あたりに密出入国が行われておりますが、こういうものもある程度押えられる。あるいは辻委員が指摘したノリは政治的圧力が背景にあるかどうか私は知りませんが、これらの密貿易にしても、これらの量的、質的な海上保安庁の警備力を強めれば十分やれることなんです。国家予算からいったらささやかなものです。なぜこれをやらないかというのです。私はこの点残念ながら辻委員と若干意見が違うのですが、機関砲とかその他武装していくことによって安全操業するより、これを私は先行さすべきだ、これは直ちにできることです。それから李ラインの問題、それから安全操業に対する海上保安庁としての対処の仕方、出先機関の対処の仕方については、第七管区の渡辺本部長からつぶさに承わり、意見を交換しました。私は非常にこの手薄な部下を持ちながらも、第七管区の渡辺本部長はしっかりした考えのもとに非常に苦しい環境下に努力しているものと私は認めました。第一線の本部長以下がそれだけ努力されているのですからね、政治の貧困によってあなた方の部下を苦しめさせ、あるいは零細漁民の生活をおびやかして、さらには日韓両国間の国際紛争を巻き起すような種は、即刻チェックできるように運輸大臣は政治力を発揮すべきだと思いますがお答えを願います。
○国務大臣(楢橋渡君) 今御指摘のことは、ごもっともでございまして、私も実は運輸大臣になりまして、李ラインの問題は心配でありますから、大臣になりまして一カ月目にあちらに参りまして、それから直ちに帰りまして内閣に向ってこの問題の重要性と、今御指摘のありましたような安全操業に対して政府側でなすべき措置というものをすみやかにやってもらいたい。それから農林大臣にも実は協力してもらわなければならぬですから、農林大臣にも一つその問題につい協力を願い、私からもまたしばしば閣議でも発言をいたしまして、漁船に対する受信機の問題と、第七管区が御承知のように非常に広い範囲であれは海難救助その他もやっております。季ライン問題だけに全部を集中しているわけでもありませんから、また御指摘のように他から回せばそこが、手薄になりまして、ほかの管区から不平等もありますので、その点について私が海上保安庁長官を鞭撻し今折衝を大蔵省との間にやっておりますが、なかなか大蔵省もしぶいものですから、はなはだ私も、政治力が微弱で十分期待に沿うこともできませんけれども、これにつきまして極力努力しておることを申し上げておきます。
○永岡光治君 関連して今の問題で。今矢嶋委員からお話があったわけでありますが、海上安庁の増強の問題は、わが内閣委員会でしばしば論じられた問題でありますが、しかし、来る年も来る年も、その予算面を見ると、はなはだ貧弱であります。今、楢橋運輸大臣が非常に力強い決意のほどを述べられたようでありますが、明年度予算でどの程度のあなた増強の予算折衝をしてその見通しをつけておりますか、明確にしていただきたい。
○国務大臣(楢橋渡君) 長官から申し上げます。
○説明員(林坦君) 来年度の予算といたしましては、特に巡視船の増強と通信関係の強化といったような点に重点を置きまして、巡視船については、要求としては七隻程度を要求したいと考えております、李ライン関係だけにつきまして……。
○委員長(中野文門君) 述記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起して。
○永岡光治君 李ライン関係として巡視船が七隻で、わずかなこれは増強です。いずれ後ほど問題になると思いますが、第二次防衛計画等のお話もあろうかと思いますが、それらの問題に比較いたしますと、今のお話はこれはもう問題になりません。私は第二次防衛計画の中の相当額の予算をさいても差しつかえないほどの重大な使命を帯びていると考えているわけでありますが、今のようなお話では、これは全然問題にならないのですが、わずかに巡視船七隻増強がこのおもな三十五年度の増強計画の内容ですか。大へん残念であります、そういうことであれば。
○説明員(林坦君) もちろん巡視船の七隻は純粋な増強として考えている。その他海上保安庁といたしましては、今先ほどもお話のございましたようにだんだん老朽化している巡視船がございます。それらもだんだん代替船を建造していかなければならぬ、そういう点もございますし、また、北の方といたしましても、多少大型の船も必要である。そういった関係もございまして全体といたしましてはそれだけではもちろんございません。ただ今申し上げましたのは、李ライン関係といたしましては船舶七隻を要求している、こういうことに運輸省としてはきめております。
○永岡光治君 これは巡視船だけですれ、七隻というのは。どういう程度の規模ですか。その性能。それからもう一つついでにお尋ねいたしますが、三十五年度の海上保安庁の巡視船を主とした増強計画、他の管区についても大体どの程度になっておるか、その大綱だけ一つお示しを願いたい。
○説明員(林坦君) 海上保安庁といたしまして、来年度の予算を要求したいと思っておりますものは、船艇だけ取り上げてみますと、巡視船といたしまして千二百トン型を一隻作る、また、三百五十トン型はただいま申し上げましたように、李ライン関係で七隻作る、その他に代船といたしまして、これはだんだん計画的に古い船をしていくという意味におきまして、三百五十トン型をさらに二隻代替建造をいたしたい。それから少し小さい船でございますけれども、若干スピードの早い船で二十三メートル型を四隻代船建造をいたしたい、それから十五メートルを、五隻代船建造をいたしたい、その他にまだ灯台の船、あるいは観測用の船その他はございます。また、ごく小型の船で非常にスピードの早い、巡視船に乗せておいて走る、そしておるして走らせるような船を十一隻ほど、これはもうごく小型のモーター・ボートのようなものを計画いたしております。それらが巡視船ないしそういった船舶の予算の要求内容でございます。その他、私どもの方といたしましては、巡視船のみならず、航空機等につきましても増強をはかりたいということで、要求の中には航空機のヘリコプター二機、それからビーチ・クラフト二機というようなものも予算要求の中に加わわっております。これらを総合いたしまして、大体いわゆる働くわれわれの施設というものの来年度の予算の要求の内容でございます。
○永岡光治君 一つだけでもう終りますが、むしろこれは質問というより要望を兼ねることになりますが、わが内閣委員会は、しばしばこの問題については論議もしてその要望の決議すら出しておるはずでありますが、しかし、その要望に沿うところの実際の計画ということを見ますと、はなはだ遠いものがあるわけでありまして、今お話に聞きますと、私は性能はわかりませんけれども、李ライン関係として三百五十トンが七隻だと、できる飛行機をどこへ使うのかよくわかりませんれども、あるいは季ラインの方面に使うのか知りませんが、この程度ではとうてい、これは辻委員のお話もありますけれども、まだまだ巡視船の増強によって相当の効果を上げ得ると思うのでありましてその意味では、この七管区のみならず、他の管区につきましても、海難救助等の問題もたくさん残されておると思います。おそらく発生事故の何割しか救済できていないというように承わっておるくらいでありますから、思い切った一つ増強をお願いいたしたいと思うのでありまして、きょうはまあ大蔵大臣いませんからあれですけれども、内閣委員会の決議は、そういう強い要望があるということをお含みをいただきまして、より一段と一つ御努力をお願いいたしたいことを要望しておきます。
○矢嶋三義君 保安庁長官に伺います。海上保安庁は去る八月十九日に航路を告示して、そうして海上保安庁の出先機関である佐世保海上保安部の巡視艇をして佐世保港外における米海軍の掃海訓練に対して警備をさした事実があるかどうかお答え願います。
○説明員(林坦君) 八月の十九日航行警報を出しまして、かつ問題の起らないために巡視船を派遣して安全を期したという事実はございます。
○矢嶋三義君 何がゆえに航行警報を出されたのか、根拠はいかがですか。
○説明員(林坦君) 海上保安庁といたしましては、一般に船舶交通の安全を阻害するおそれのある事態を知りました場合には、いわゆる無線電信あるいはラジオ等によりまして、一般に周知徹底をするということは、海上保安庁としては任務であると考えます。
○矢嶋三義君 どうしてその必要があることを知ったのですか。
○説明員(林坦君) この問題につきましては、すでに調達庁の方との連絡によりまして、こういう演習が行われるということは聞いておりました。それで、それを担当者といたしましては、調達庁の方に連絡して、これは米軍に提供されておる区域外の演習であるのだから、こういうものは一応区域内で行うように申し入れてほしいということの連絡をしたと私は聞いております。しかしながら、すでにその間においていろいろといきさつはあったようでございますけれども、いわゆる米軍のハイドロ・パックというのがございますが、それによりましてこうしたことが行われることがすでに八月の十八日に出たのであります。それで海上保安庁としては、やはり船にさっそく知らせるという必要を感じました。まずとにかく警戒の態勢をとったというのが実情でございます。
○矢嶋三義君 調達庁長官に伺いますが、米軍当局から、八月二十四日から九月一日の間にわたって、佐世保の港外の提供指定区域外で訓練をしたい、それを許可してもらいたいという申し入れはいつありましたか。
○説明員(丸山佶君) 調達庁に連絡のありましたのは、八月十一日でございます。
○矢嶋三義君 それを許すか許さないかということは、指定区域外であるから、当然日米合同委員会の議を得なければならぬと思いますが、議を得たかどうかお答えを願います。
○説明員(丸山佶君) この問題の、今日までの経過並びに処置を若干詳しく申し上げたいと思います。米軍から八月十一日に連絡がありました区域を当庁で調べましたところ、それは指定区域の外のものである。従って、そこで直ちに演習することはできない。これをやるためには、あらためて日米同合委員会の承認を要するものである、この旨米軍側に連絡いたしたのでございます。にもかかわらず、御指摘のように、二十四日から演習が行われたのみならず、漁網等の被害も発生しております。この間に処しまして調達庁は軍側との折衝を続けまして、ことに事実が行われてから以後は、これに抗議し、その措置に対する対策についても折衝をいたしております。なお、一方日米合同委員会におきまして先般日本政府の代表より公式にこの旨の抗議をいたし、今後の処置、あるいは補償問題もひっくるめまして申し入れておるわけであります。これに対しまして、米軍代表は、事実、実情をよく調査究明の上回答する旨約しておるのでございます。この間に処しまして、何ゆえに米軍が、それは直ちに演習のできる区域ではない、あらためて日米合同委員会の議を経べきものであるにもかかわらずこれらの処置が行われたか、この辺の事情につきまして、調達庁のただいままで折衝いたしましたところから察知いたすわけでございますが、これに関しましては、終戦当時、御承知の通り、日本近海に機雷その他危険浮遊物がたくさんあった、占領時代に、主として米軍海軍当局がその掃海に当っておった。日本側の関係者も協力してきた。平和条約が発効いたしまして間もなくの合同委員会におきましてこの問題に関しまして、なお今後も、掃海に関しては、日米間の協力態勢を進めていく、なお、この掃海並びに関連事項に関しては、米海軍当局は、日本政府の関係機関に直接連絡し得るという趣旨の合同委員会の決定がございます。これに基きまして、米軍側は、この今回の演習措置に関しても、関係当局に連絡すれば済むものだという工合に解釈して進んできたごとく、私ども今までの折衝過程において判断されるのでございます。これに関しましては、日本側といたしましては、それは違う、演習というものは、掃海に関しても、あの条約発効直後の合同委員会の決定事項に基くものではない、やはり新たに合同委員会にかけて承認を経る手続をしなければ、行政協定上適法の措置ではない、このようにまあ解釈いたしておるわけでございましてそれに基きまして、ただいまのように合同委員会において正規に今取り上げておる、こういう事態でございます。
○矢嶋三義君 そのことは米軍の言いのがれですよ。で、次の質問は、担当国務大臣である赤城防衛庁長官がまず答弁し、次に調達庁長官に答弁していただこうと思っております。それは、日米合同委員会の議を得なければ、指定区域外は演習に使うことはできないということは明確なんだ。そんな点が、あとになってアメリカが、米軍が言いのがれみたいなことをするような不明確なものですか。そういうことで、一体政府は、国民に対して責任がとれますか。国務大臣並びに私は内閣の責任も追及するものです。特に調達庁は、日米合同委員会の議を得なければならないといって断わった。ところが、次の文書を保安庁に出したのはいつかということを聞きます。アメリカ軍が日本の了解を取りつけずに訓練を強行するようであるから、しかるべく警備をしてほしいと保安庁へ調達庁から連絡をしたのはいつか。この点もお答え願いたいと思う。そういう経緯をとってこの演習は行われたわけであるが、それに基いて、保安庁は、出先機関に指令を出した。ところが、それが間に合わなかったために、ずいぶんと漁民は損害を受けています。それは当然行政協定の十八条によって補償を要求すべきものだと思います。一体調達庁は金額について幾らの補償を、日米合同委員会を通じて、米軍に求めているのか、具体的にその金額をお答え願いたい。 それから、抗議したということであるが、その抗議は文書でしたのか、口頭でしたのか。公式とあれば文書だと思う。その文書の写しを本委員会に提示してもらいたい。その抗議に対して、いつ米軍側は回答する約束になっているのか。以上の点について、防衛庁長官、調達庁長官の順序でお答えを願います。
○説明員(丸山佶君) ちょっと私からお答えした方がいいと思います。
○矢嶋三義君 いや、防衛庁長官から先に政府の責任に点についてお答え願いたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) お話しの通りの事態です。そこで、先ほど調達庁長官からも経過を申し上げたのでありますが、指定区域外で演習するということは、合同委員会の承認を得なければできないので、そういうことを聞きましたので、調達庁から、合同委員会の議を経て、承認を得てからやってほしいということを米側に通達したわけであります。そのうちに、向うからの返事がないうちに、今のような事態になったわけでありますので、その後の合同委員会におきまして米側のとった措置は間違いであると、こういうことを主張しておるわけであります。またこの次にも合同委員会がありますので、米側の措置は間違いであるということを主張して、これを認めさせよう、こういうことに相なっております。
○説明員(丸山佶君) この問題に関する調達庁と在日米軍司令部の折衝、これは直接に面談の上いたしております。
○矢嶋三義君 文書じゃないのですか、抗議は。
○説明員(丸山佶君) 文書じゃございません。直接に面談いたしております(矢嶋三義君「文書でなくちゃだめです」と述ぶ)また、調達庁の抗議にもかかわらず、米軍が強行するから、海上保安庁においては告示をして警戒に当ってもらいたいという依頼は、私の知っておる限り、出しておりません。米軍の態度に関しまして先ほど申上げました平和条約発行直後の合同委員会の決定、これに関する米側の見解等は、面談折衝の機会において私どもが判断される向う側の態度、措置の基礎になるものと考えておるのでございます。従いまして、これに対する米側の正式な態度表明その他はまだございません。先ほど申し上げましたように、去る三日の合同委員会におきまして日本政府の代表より正式に抗議を申し入れておりますので、これに関しまして米軍当局は、実情をよく調査究明の上回答いたすことを約しておりますので、私は、次の委員会においては、公式な米軍の態度がこれに対して表明あるものと期待しております。
○矢嶋三義君 補償要求は幾らしたのですか。それを答えて下さい。
○説明員(丸山佶君) 補償問題に関しましては、私どもの現地の調達局において、ただいまいろいろ調査中でございます。これの調査がまとまりましたら、その措置に邁進するということで、目下調査を進めております。
○矢嶋三義君 赤城国務大臣に伺いますが、東京港外の指定区域外でも演習をやっておるじゃないですか。しかも、これも調達庁側としては、指定区域外だと断わったにもかかわらず、東京港の港外においてもしている。これは国際信義に反する行動とは思いませんか。どうですか。お答え願います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 行政協定違反で、国際信義に反すると思います。ただ、その後の合同委員会や、調達庁側で向うと折衝した経過によって明らかになりかけておりますことは、故意あるいはあえて行政協定を犯してやろうという意思ではなかったと思います。終戦当時の合同委員会におけるあの取りきめのこと、すなわち将来掃海並びにこれに関連する事項については、米軍司令部が合同委員会の議を経ないで連絡するだけで足りるというような取りきめがあったわけであります。そこで、その掃海並びにこれに関連する事項ということならば、その合同委員会の話し合いで済むのだろうというような考え方は持っていたようです。ですから、今お話しのように国際信義に反するし、行政協定の違反だと私ども考えております。先方において、特にそれを犯してまでやろうというような故意はなかったと、こういうふうに見ております。わが方から見れば、行政協定の違反だと、こう考えております。
○矢嶋三義君 もう一つ聞きますが、それはただいまの米軍がどう考えておったかということは事後における言いわけですよ。でなければそういう不明確な取りきめをしておったのかと、われわれ国民としてはそういう取りきめをした政府を信頼することはできません。その責任を多く追及いたします。明らかにですね、申し合せに反した、国際信義にもとる行動を米軍はやっておる。そこで、私一つ承わりたいのは、今、問題になっている日米安全保障条約の改定にかかわるところの事前協議の問題ですね。こういうささやかな演習すら取りきめが行われない、明らかに調達庁は困るというので断っても強引にやられる、演習でさえそうですよ。それでは国際間の関係が緊迫したときに日本国内に駐留しているところの米軍が、日本国内の基地から他の日本国領土、領海以外に出動するという場合、事前協議において十分だというようなことを言われていますが、そういうことを保障できますか。また、核兵器の持ち込み等による軍の装備の問題についても、事前協議で十分だと、条約本文にそういうことを書かなくとも国際信義にもとるような行為は決して米軍がするとは思わない、こういうことを許さん方は今まで答弁してきておりますが、こういうささやかな演習すら守られず、国際信義にもとる行為をやっているのです。従って現在行われておる安保条約の改定におけるところの事前協議などというものは、国際間の緊張、関係が緊張したときに、あるいはその峠の軍事情勢によってアメリカ側がある装備をしたいという場合、事前協議というものは私は空文になる可能性はきわめて大きいと思う。これらに対する見解を私は開いておきます。で、本日は他に来年度の需要計画について伊藤君の質疑があるようですから、その点についての伊藤君の質疑が終った後にすることにして、この佐世保港外における米軍の不当なる訓練に関する質問はこれで終りたいと思いますが、はっきりした責任ある答弁を要求します。
○国務大臣(赤城宗徳君) この佐世保港外の演習につきましては、まあアメリカの方で故意に行政定を犯すという強引なやり方でやったとは私どもは考えておりません。(矢嶋三義君「結果はそうなっておりますよ、結果は」と述ぶ)そういうことであるならば、安全保障条約の改定における事前協議ということも当てにならぬじゃないか、こういうお尋ねだと思います。御承知のように、現在の安全保障条約におきましては、事前協議などということもないのです。全然アメリカ駐留軍は自由に行動できることになっています。しかし、今度の改正におきましては、配備及び装備につきまして事前協議をするということで話を、進めておるわけであります。そこで、この事前協議が当てになるかならぬかというようなことにつきましては、根本的に日米間の信義を守るという考え方があるかどうか、また、それを実行するかどうかということにかかっておると思います。そういう点につきまして私は日本から外に飛び出すというような場合におきましても、これはアメリカの駐留軍にいたしましても、国連のやはり憲章を尊重しなければなりませんし、国連の憲章からいいまするならば、やはり侵略的な行動はとれない。あるいはとるような場合には、その他行動をとるような場合には、国連の安保理事会等に諮るといういろいろな段階があるわけであります。そういうように、国連憲章を尊重し、また、侵略的な行動はとれないというようないろいろな制約があるわけでありますから、私はこの事前協議において、日本が話し合って、そういうことは配備の上において、あるいは装備の上において困る、させたくないということできまったことにつきましては、私は当然アメリカの方でもこれは順守する、誠実に守る、こういう前提というか、信頼のもとにこの交渉を進めておるし、またそうなる、こういうふうに私は考えております。
○伊藤顕道君 第二次防衛力整備計画については、去る八月一日の当委員会でも若干お尋ねしましたけれども、その後やや具体化した面もありますので、その面について二、三長官にお伺いしたいと思いますが、まず第二次計画の中で、整備の優先順位を空、海、陸、こういうふうに指摘しておるようですが、そのよってきた理由を簡単にまずお伺いしたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 御承知のように、三十五年度で第一次防衛計画、三カ年計画の最終年になります。そのときにおける計画の遂行状態がどういうことかといえば、陸におきましては、人員におきまして十八万人を予定しておるのでありますが、十七万でありますが、次年度予算において、五千を増すという予定を持っておりますから、十七万五千に相なります。船の方は十二万四千トンでありますが、十一万ぐらいで少しおくれております。それから飛行機の方もこれは自衛隊、航空自衛隊の方がいろいろな関係から出発もおくれておりましたし、非常におくれております。そういうことで陸の方の充足が一番よくでき、その次に海、その次に空、こういうことになっておりますが、それではやはり総合的な力を発揮するには非常に困る。特に空の方の防衛というものに力を入れていかなければならないということから考えますならば、空、海、陸というふうな順序で第二次計画は進めて行った方が、均衡のとれた三自衛隊を持つことに相なる。こういうような方針のために、空、海、陸、こういうふうなことで充足していくということの方が均衡がとれる、こういう考え方からやっております。
○伊藤顕道君 まず、陸については、今御指摘のように第一次の計画目標が十八万で、現在十七万だ、ところが三十五年度においては、第一次計画の最終年度であり、第二次計画の初年度である、こういう計画に立って来年度は五千ふやそう、そういう意向のようでありますが、これは前回もこの陸上の増員については各面から問題がありましたように、現在の世界の軍事情勢から見ても、陸をふやそうというところはまずないわけです、軍事専門家の話を聞いても。そういう軍事情勢の中で、逆にこれをたとえ五千といえどもふやそうということは、世界の、軍事情勢に逆行するものでないか、検討の余地がさらにあるのではないかと、そういうふうに私どもとしては考えられる、この点を明確にしていただきたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) お話のように、私どもといたしましても、人員をふやすということは極力差し控えたい、こういうふうに考えておりますので、第二次計画、昭和四十年度の末に至るまでにおきましても、第一次計画の十八万の上をそう出る数にはしたくない、こう考えておるわけでありますけれども、今お話しのように、三十五年度は第一次計画の最終年でもあり、第二次計画の初年度でもあります。いろいろ検討いたしました結果、教導団を新しく編成する、それからまた空挺団の方の増強もこれは必要だ、あるいはまた民生関係の面から、各方面から非常に要望されておりますが、災害あるいは平時における建設工事あるいは災害復旧工事等における協力、こういうことで建設部隊、施設部隊、こういうのを全国に各県漏れなく送れるようにというような要望もあります。そういう面におきまして、ともかくも五千人の増員ということは今のところ最小限度に考えまして必要だ、こういうふうなことで五千だけを増そうと、こういう考えで進めておるわけであります。
○伊藤顕道君 海上の面については質、量ともにこれを増強して、たとえば具体的に言えば五万トン程度の老齢艦艇を新造艦に代替する、そういうようでありますが、この五万トンの老齢艦艇というのは、一体どの程度の老齢艦艇であるか、先ほど来非常に問題になっておりました李ラインのいわゆる巡視船、海上保安庁でも非常に船のなきを憂えておる。そういう折からこれはお伺いするわけですが、その五万トンの老齢艦艇の中には、巡視船に代用し得るようなものがあるのじゃないか、なければ問題外ですが、そういうようなものはこの際巡視船に活用することが望ましいのじゃないか、こういう点をあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 第二次計画におきまして、今お話しの老齢艦艇五万トンの作りかえといいますか、そういう増強、その他潜水艦に対する整備等もありますが、とりあえず三十五年度におきましても十九隻で、トン数にいたしましては一万四千三百十二トンばかりを建造する予定をもって概算予算を要求をいたしております。それにつきましては、いろいろ艦船の種類もありますが、なお詳しくは防衛局長から御答弁いたします。
○説明員(加藤陽三君) 先ほどおっしゃいました約五万トンでありますが、これは主として米国から貸与、供与を受けました艦艇でございます。艦齢二十年としてそういうふうな計算になるのでございます。それが艦齢が来ました後にどの程度に使えるかということは、さらに検討をしてみなければならないと思います。船によりましてやはり使える船もあるのではないかというように思います。三十六年度以降に出て参りますもので、目下のところまだその辺の検討は済んでおりません。
○伊藤顕道君 次に、空については、次期戦闘機がどうなりますか、機種決定しないでしょうが、それを含めてジェット機だけで約一千機、なおミサイル部隊を強化する、こういう計画のようでありますが、その重点はどこにあるか、お伺いしたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 空につきましては、戦闘機というもの、いつかも申し上げましたが、FX三百機を予定しておったでありますが、これを二百機に押えようじゃないかということで、減らそうといたしております。しかし、非常に速度も速くなりましたし、戦闘機の侵入等につきまして、あるいは爆撃機等の侵入、あるいはまた、その他のミサイルに対応しましては、ミサイル兵器に対しましては、やはりミサイルの装備によって防衛をしていく必要があるということで、誘導兵器関係の開発あるいは導入等を進めていきたい。空ばかりではありませんが、全体といたしまして誘導兵器関係の開発あるいは導入をしていきたい。でありますので、五カ年あるいは六カ年計画の初年度といたしまして、次年度三十五年度等におきましても、ミサイルの訓練の必要上二百四十名のものをアメリカへ派遣して訓練を一年あるいは二年にわたってしていきたい。あるいはまた、技術関係の開発等につきましても、予算の増強をしてやっていきたい、こういうような方針であります。
○伊藤顕道君 次に、三十五年度の業務計画を含めて第二次計画の特色ともいうべきものは、従来の戦略的守勢の態度はくずさないけれども、戦術的攻勢、そういう方向をとるのではないか、そういうふうに見られるわけですが、この点はきわめて重大だと思っております。明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 第二次計画におきましても、あるいは三十五年度の予算を伴っての業務計画におきましても、かねがね申し上げておりますように、日本の防衛力を増強するために、量よりも質ということに重きを置いて、装備その他も近代化していかなければならぬ、こういう観点から概算要求もいたしまするし、また、業務計画もそういう方針でしておるわけであります。そういう考え方から、今お尋ねになりましたのに関連して御答弁申し上げましたように、陸、海、空、それぞれ質的の増強を目ざしていこう、こういうことで具体的にいろいろな案を作って進めておるようなわけであります。
○伊藤顕道君 まず、戦術的な攻勢をとってしかる後に戦略的な攻勢に移行するのではないか、そういう疑いがあるわけです。もしそうだとすると、日本の防衛の基本方針にも反するし、その趣旨にも反すると考えます。この点を明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 戦術的から戦略的に向って何かこう大へん変った形でやるのじゃないかというようなお尋ねのようでありますが、従来の方針と変っておらないわけであります。ただ、内容的に見まして先ほど申し上げましたように、量よりも質の強化に方向を向けておるわけであります。
○伊藤顕道君 そういう御答弁ではありますが、具体的にいろいろ検討して見ますと、まず統合幕僚会議の強化、こういう点も戦術的方向への一つの現われだと思うのです。それから陸についていっても、管区隊とか混成団、これは先ほどちょっと御指摘があったようですが、これを改編して小型の機動師団に変えていく。あるいはまた海上についても今までの消極的な防衛作戦をやめてP2Vとか、あるいはまたヘリコプター、こういうものを使って積極的に作戦を計画しておる。空についてもこの具体的な面を見ますと、ボマークとかナイキ、ホークこういう点で防空誘導弾の強化、あるいは超音速レーダーサイト、こういうような具体的な面がいずれも戦術的ないわゆる攻勢をとっておると思うのであります。こういうものを各方面総合して戦術的な攻勢をとることによって、消極的には、いわゆる戦略的な攻勢が考えられておるのです。こういう点を明快にしていただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 御承知のように世界の何といいますか、装備等も非常に進んできております。従って日本の自衛隊といたしましても、その進歩に即応するものが必要であります。でありますので、たとえば今御指摘の陸における管区隊の編成がえというようなことにつきましても、ただ一律一体に同じ人数だけをそこに駐とんさせるということじゃなくて、やはり地勢その他に応じ人数を駐とんさせるということが、防衛上実際に適しておるというような考え方から、そういうようにしたいと思うのであります。また、海等につきましてとにかく御指摘のヘリコプターでありますが、これも潜水艦等の非常な発達に対処するためには、ヘリコプター等によって哨戒する必要も出てくるわけでありまするし、あるいは誘導兵器につきましては、これは世界的に誘導兵器の時代に入る、こういうことでありますので、そういう装備を進めることによって日本の自衛力を高めていこう、こういう考え方からでありまして、特にこの戦術から戦略に移って何か戦争の用意をするというようなことではないのであります。
○伊藤顕道君 計画の中にナイキの導入が考えられておるようですが、アジャックスの方をまず導入する、これはまあ非核用で、核弾頭はつかない、そういうように記憶しておるわけですが当面はそれだけなんですか、その点をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) お話しの通りで、今のところ、ナイキ・アジャックスを導入したい、こう考えております。
○伊藤顕道君 今のナイキについてお伺いいたします。が、まず非核用の弾頭のつかないアジャックスを導入して次に核弾頭のつくのがありますね。ナイキ・ハーキュリス、これは今の計画の中には入っていないようですが、まず比較的無難なアジャックスを導入して、しかる後にハーキュリスを導入する、そういう計画があるようにうかがわれるのですが、その点はどうなんですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) なお詳しくは、防衛局長から御答弁いたしますが、先ほどお話し申し上げましたように、誘導兵器関係の訓練費を次年度、来年度予算において二百四十人ばかり派遣したい。これは結局ナイキ・アジャックスの訓練ということに相なろうかと思うのであります。でありますので、その後におけるハーキュリスとかその他いろいろなことにつきましては、まだ計画を持っておりません。今持っているのはナイキ・アジャックスだけであります。
○伊藤顕道君 さらに、この誘導弾の面についてお伺いしたいと思いますが、計画の中に、近距離用の地対空の誘導弾ホーク、これの導入、それから遠距離用として無人誘導機ボマーク、それから核弾頭を装着できる今のナイキ・ハーキュリス、それから全天候ジェット戦闘機のF—86D、これはアメリカから二百機無償供与を要請している。まだしていないわけですが、いずれするでしょうが、こういう問題ですね、それから積極的な対戦作戦の面、こういういろいろな具体的な計画を総合すると、これは究極において核装備につながるものである、そういうふうに断定せざるを得ないのですが、こういう点はどうなんですか、明確にしていただきたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 核装備はしないということになっていますから、その点は御信用願いたいと思うのでありますが、ただ、誘導兵器につきましては、日本で開発し、研究するものとしてはナイキ・アジャックスでありますが、なお、名前をいろいろ、あるいは種類を検討するとすればボマークだとか、ボマークその他そういうものが研究検討の対象に相なる、こういうことでそれを今入れようとか、あるいはまたそれを入れていって核装備をしよう、こういうことには考えておりません。研究するとすれば、今申し上げたようなものが研究対象になるだろうということで検討しているだけであります。
○伊藤顕道君 時間の関係で、最後に一点お伺いしますが、現在、ミサイル駆逐艦を建造する計画があるようでありますが、これの任務について明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 陸、海あるいは空それぞれ誘導兵器の開発が必要であろうという観点から、海とするならばターターというような誘導兵器が検討の対象になるだろうということで、この検討の対象にはなっておりますが、そのターターの駆逐艦を作るというようなことは、まだ進めておりません。検討の対象程度であります。
○伊藤顕道君 いま一つで終ります。今お話しなされたいわゆるミサイル駆逐艦、これはターターをいずれはつけるという前提に立って初めて意味があるので、ターターをつけなければ意味がない。従ってまず無難である駆逐艦を作っておいて、しかる後にターターと、そういう順序になるであろう。長官はそういうことはないとおっしゃるかもしれない。結局そういう想定のもとに、まずミサイル駆逐艦を作るのじゃないですか。その点はどうなのか、はっきりしておいていただきたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 駆逐艦は、誘導兵器で装備するしないにかかわらず、今までも作っておるわけであります。そういうことで作るのでありままだターターをもって装備するかどうかということは、未定であります。そういうものは一つの検討の対象にはしております。別にこれをつけるためにやろうという、そこのところまでは、まだ結論は出ておりません。
○矢嶋三義君 時間が少し下りましたが、来年の予算編成作業は続いておりますので、あとのことになってはだめでありますから、三、四点について伺わしていただきたいと思います。まず防衛庁長官に伺いたいことは、防備の担当の国務大臣だからといって、狭い視野から問題を見てもらいたくない。そういう立場から私伺いたいことは、最近七号という小型の台風がちょっとスピードをかけて来ただけで、山梨、長野がああいう惨たんたる被害を受けた。日本の動脈ともいうべき東海道線が、あんなに簡単に数日間にわたってストップするという、こういう災害をしょっちゅう受けておる。この災害があった場合に、自衛隊の皆さんが出動して下さることは非常にありがたく感謝します。しかし、願わくは、そういう災害が起って出動することよりも以前に、政治としてはそういう災害を起さないようにしなければならぬ。専門家の意見を聞いても、ちょっとばかり予算を組めたならば、日本は風の常襲地帯ではあるけれども、今の台風災害を五〇%以下に押えることは簡単だというのですね。そこに私は、日本の政策が向けられなくちゃならない。末端にいきますと、こういうことを言うのです。李承晩ラインでやられているのは、日本が戦力も持たないのでなめられているのだ、だから日本は自衛隊を増強しなければならぬと、九州の末端の諸君なんか言っている人があります。ところが、先般私は、内閣委員として九州の各部隊を視察してそして各部隊長に試みに聞いてみた。あなた方は韓国とかりに一戦を交えるとしたら、勝負はどうなんだと、太刀打ちできるのかと言ったら、穏やかな言葉ではないが朝めし前である、簡単に勝てますよと、こういうことなんですね。ただ、院韓国の軍隊は戦争の経歴があるから、実戦経歴がちょっと違うかもわからぬけれども、勝てますよと。一年間に千五、六百億の国税を使って、今二十五万余の自衛隊を持って、あなたがその長官でありながら、持っておりながら、竹島の問題にしても、李承晩の問題にしても、それを使うことのよし悪しは別として、ミサイル、そういうものは使えない。それを使えるような状況になったら世界は破滅します。究極兵器ができていますから、使えない、現実には。だから末端の国民が、戦力を持たないから韓国になめられているのだという考えは、これは間違いなんだ。だから私はあなたにお伺いしたいのですが、先ほどから質疑が行われておりますが、こういう軍事力を背景に持つことによって、国際社会における発言権を強めていこうという昔の日本の考え方、現在で言えばあるいはソビエトとかアメリカとか、巨大な資源と強力な軍事力を持っているああいう国、いわば私は新しい世界においてはわがまま者と私は彼らを批判しているのですが、こういう方のしり馬に乗って、そのあとを追って行くような、そういう政策というものは誤まりだと思う。で、これに関連して伺いますが、私は第四管区総監部において私どもすべての装備を見せてもらった、見たところ、訓練には役立つでしょう、しかし、かりにトラブルが起った場合、実戦に使えるようなしろものじゃないのです。とりあえず聞いてみると、第四管区総監に、これは実戦に使えますか、訓練には役立つが実戦には今のものは役に立たぬ、ここに兵器の専門家がおって、これを全部取りかえるのはどうだといったら、取りかえるのは金額が大へんだということです。あなた方の今の方針でいけば、ああいう陸上自衛隊の核装備というものは、近代的に改善充実していかなければならぬ、こういう金額というものは、一体どのくらいとふんでおられるのですか、以上まずお答え願います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 今お話しの中で、軍事力増強によって世界の発言権を獲得していこうというような考え方は間違いじゃないかということでありますが、その通りで、私どもも軍事力を増強して、アメリカやソ連と同じような軍事力を持って、そうして世界の大国としての発言権を確保しようというような考え方は、全然持っておりません。ただ、私どもが考えておりますのは、やはり日本は小なりにも、日本の安全、秩序というものは守っていかなくちゃならぬ、そういう意味で日本の国力、国情に相応した、国防会議の結論にも出ておるのでありますが、それに相応した装備を持っている、そういうことがやはり日本の秩序、平和を維持していけるのだ。お話しのように、それでもって戦争をするというこになっては終りでありまして、もう私はこういう戦争がないような状態、そういうものをもって押えるのだ、レジストするのだという態勢を持っていることが、その意思をはっきり自衛隊というもので現わしていくことが、これはやはり日本の平和、秩序を守っていくものだと、こういう考えのもとで、今お話しのように装備の近代化、充実をはかっているわけであります。しかし、その額、予算というものもお話しのように、また、私が申し上げましたような、国力、国情に応じたものというふうに考えておりますから、そうむちゃな増強、むちゃな予算の要求とかということは私ども考えておりませんし、国全体としても、そうむちゃなものは認められないと思います。そこで、前々からもお話がありましたように、四十年末までにはどれくらいのものが防衛予算として適当なものであろうかということなんでありますが、これは現在のような生産、国民の総所得でなく、所得あるいは総生産が年に六・五%、上るというような計画のもとで進むとするならば、四十年末において二千九百億くらいの防衛費というものは適当な見当ではないだろうか。というのは、そのときの国民総所得も十三兆程度になります。今国民総所得に対する防衛費の割合は、昨年度は一・七%ぐらいでありますが、終戦後におきましては二・一二%、二%以上になっていることも相当あったのであります。一・七が%昨年度の総所得に対する防衛予算の比率であります。でありますが、四十年の末、あるいは四十年度最終年度におきましては、国民総所得に対して二%から二・五%程度は、これは世界の情勢から見ましても、日本の総所得その他が生活が向上したときというふうに見まするならば、適当ではないか、こういうふうな考えを持っております。
○矢嶋三義君 ほんとうにあなたが先ほど冒頭に申されたような考え方が真のものであったら、国民や私をごまかすものでなくて、真のものであったら、それは大きな誤りで、中途はんぱなものになってくると思う。一方では安保条約の改定、新条約を結ぼうというわけです。アメリカが許さんですよ。今のような方針で安保の新条約を結べば、小型核兵器を持たないものはアメリカから見れば問題にならない。アメリカの考え方として、この安保条約を結んだ精神から必ず持たされますよ。私も築城の飛行場を見ましたが、板付の米軍飛行場も見ましたが問題にならないですよ。あれは必ず板付のレベルまで持っていかされますよ。安保条約結んだ以上、そういう国民負担というものはどういうふうに考えているのか。それから陸上自衛隊等の装備の改善充実についても、私は第四管区あるいは第八混の何を見ましたが、これは必ずアメリカからやらされます。アメリカが今、軍事力を持っているのと同じ性格の同じ質的なものを、それに近いものを日本に持たさせようというのが、安保条約の基本的な精神ですよ。だからその点をごまかしていると私はそう思う。そうでないとすれば、非常に矛盾している。そういう将来軍事力云々でなく、一つ具体的にあげれば、この防衛庁法の統合幕僚会議をどうして強化する必要があるのか。その強化しようとする内容を一つ言って下さい。私はこの防衛庁設置法は、第十九国会において、内閣委員の一人として審議したものです。この場合に、この統合幕僚会議というものは、将来もとの参謀本部みたいになって、統帥権あたりとも関連してくるのではないか。戦力あるいは軍隊の形態になるのではないかという質疑が活発に行われたのです。そのときに答弁として切り抜けられた言葉は、これは防衛計画あるいは後方補給、そういう点を調整するだけだ、訓練計画も、各幕僚の陸上、海上、航空、各幕僚のそれらの計画を調整してやるから、昔の参謀本部あるいは統帥権あたりみたいになるのではない。軍隊みたいな形になるのではない、こういう答弁を繰り返し繰り返しして切り抜けられた。ところが、最近は統合幕僚会議を強化しよう、どういうように強化しようとするのか、なぜ強化しなければならないのか。私が先ほど言いましたように、若干の軍事力というものを持って、これを背景に国際社会における発言権を強めていこう、こういう昔の考え方からこういう改悪というものが出てくるのだと思う。私は今の日本の政治はそうでなくて、陸上、海上における国民の生命、財産というものを守る、秩序を維持していく、そういう立場から、あるいは地上の警察あるいは海上の警察であれ、海上保安庁を強化するとか、そういう立場からも、昔の警察予備隊みたいなものを整備していくというならば、先ほど前半において赤城さんが答弁されたことは了としますけれども、どうもその点は私は矛盾していると思う。ところが、非常にそのときどきの行きあたりばったりの、非常に迫られた範囲内において、防衛庁長官として迫られた範囲内においてものを考え、事業計画を立て予算要求をしているのか。あるいはかげにかくれているものがあるのか。それを矢嶋なりあるいは国民に隠して、ごまかして、ある目標に進まんとしているのか、いずれかだと思う。お答え願います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 安全保障条約を改正すれば核兵器を持たされるとか、その他軍事力を強化されるであろうというような御見解でありますが、これは違っていると思います。安全保障条約を改定するから、日本が軍事力を増強しなくてはならぬという義務はないと思います。これは根本の考え方が矢嶋委員と私は違う。安全保障条約を改定するということが、アメリカのために改定するんだという見方であれば、そういうことになるかと思いますが、安全保障条約の改定は日本のためだと、こういう考えに立っておりまするならば、これが改正したから核兵器を持たなくてはならぬとか、あるいは急激に軍事力を増強しなくてはならぬということじゃないと思います。やはり自分の国の立場から、日本の国の立場から考えていくということ、でありまするから世界で集団安全保障条約を締結している国が自由国家群で四十数カ国ありましょうし、共産国家群でも十数カ国あると思います。それがすべて軍事力を増強しなくてはならぬ、核兵器を持たなくてはならぬということに相なっておらぬことを見ましても、根本的に日本の立場から日本の安全と秩序のために、また集団安会全保障体制というものが、これは当然世界の情勢から見てそこへ進んできておると、こういうことで日本でも安全保障条約ができておるのでありますが、それを改正しようということでありますれば、日本の立場から考えてみまするならば、そういう強化をしなくてはならぬという押しつけは、これはないと思います。日本でただ世界的な装備やその他の近代化に伴ってやらなくてはならぬという場合には、当然日本の立場としてもやらなくてはならぬと考えますが、押しつけられてやるということには相ならぬと思います。そこで、その例として統合幕僚会議等を強化するということが、これは軍事体制ではないかという御指摘でありますけれども、御承知のように世界の傾向といたしましても、陸、海、空というふうに、おのおのこれは分業的にその特別の特徴を生かすことも必要でありますが、その全部がやはり統合されて有機的に活動できるということに相なってきているのは世界の軍事情勢からいっても趨勢だろうと思います。それからまた陸、海、空というものに共通なものも相当出てきております。たとえば先ほどから申し上げております誘導兵器なんというものは三つに共通のものであります。そういう点から考えまして、日本でもせっかく自衛隊が陸、海、空というふうに分れておりますが、これが防衛庁におきまして一つに統合されておるわけでありまするから、統合幕僚会議におきましても、この自衛隊をより統合的に、また能率的に指揮運用することができるようにということで、統合幕僚会議を整備したということで、連絡調整等を今より一そうよくしていこうというところにねらいがありまするし、そのためにはやはり連絡調整の運用に当るような人も必要でありますので、統合幕僚学校を、これは小人数でありますが、そういう訓練研究等を行うことも必要ではないかということから、こういう問題が提起され、また私もこれに賛成いたしておるわけでありますので、連絡協調をよくして、能率をよくしていこう、こういうところにねらいがあるわけであります。
○矢嶋三義君 連結調整を密にしていくという程度なら、何もこれを強化する必要はないんです。改革をする必要はないんです。ところが、新聞等通して伝えられているものは、私はそういうなまやさしいものじゃないと思う。軍隊としての性格、軍事的な体制というものが非常に整備されることになる。それは憲法とも関係ありますが、本日は私は憲法論を申しあげるつもりはありません。この点については、あとで加藤防衛局長からお答え願いたい。 それから第二に伺いたい点は、安保条約の改定はアメリカのためでなくて日本のためだ云々と言いますが、バンデンバーグ決議の精神からいって、日本のためも若干ありましょうが、それ以上にアメリカのためだということか先決条件ですよ。バンデンバーグの決議から、そうして約十日前にアメリカの国防担当者が演説をされているでしょう。今後バンデンバーグの決議の精神によって、条約を結んだ国の兵器というのは統一する必要がある、砲にしても飛行機にしても、ばらばらでは作戦上困るから、統一する必要がある、こういう談話も発表いたしております。そこで、先般シャフ調査団長がおいでになったですが、この調査団長とあなた方はどういうお話をなされたのか。私は、そういう装備と、さらに援助の点について話し合われたと思うのですが、そういう点は、どういう話がなされ、見通しるのか。ことに、今度安保条約の定が行われますと、防備分担金百十一億というもはなくなります。これがなくなるだけに、来年度の防衛予算の計画についてある制約が加わってくると私は思う。目に見えない制約が加わってくる。それは、防衛分担金削減の一般方式を逆算した場合に、ある制約か、はっきりと、あるいは目に見えない形で出てきている。それが、来年度約千七百億円という大蔵省への概算要求として現われてきている、さらにその中には、顧問団の経費とか、施設提供費とかありますが、顧問団の経費とか施設提供費とかというものの削除をすることはきないのかどうか。これらのシャフ調査団長との交渉の内容、見通し、これらについては、防衛庁長官からお答えを願います。
○国務大臣(赤城宗徳君) シャフ調査団長一行は、アジア等の諸国の軍事援助関係調査のために来たのであります。そこで、私のところにも立ち寄ったので、これは交渉のために来たわけではないのであります。しかし、せっかく来たついででありますから、アメリカの援助関係の意向、あるいはこちらの考え方も述べておきました。向うといたしましては、アメリカの国会等におきましても、無償援助というものは減らしたい、アメリカ国民の税金でよその国の援助を無償でやっていくということは好ましいことでないという国会の意向が非常に強いということで、だんだん無償援助というものは少くしていきたい方向だ、それについては、援助というものを全然なくするという意向はないが、お互いに費用分担制度といいますか、コスト・シェアリングという一つの、原則でもお互いに研究してみたいものだ、たとえば五〇・五〇の場合もありましょうし、あるいはそれ以上の場合もありましょうが、向うから見ればそれも無償援助だ、何も、こちらから向うへギブして向うでテークするものはないのだから、無償援助だという考え方なんだけれども、その無償援助の一つの方式として、コスト・シェアリングという方式もお互いに検討をしてみようではないだろうかというような話し合いがありました。私の方といたしましては、援助関係につきましては、具体的にどういうものが緊急に必要なものであるかというようなリストを持っているわけでありますが、これはシャフには渡さんで、向うの顧問団と話し合いをしているわけであります。私の方としては、先ほど矢嶋委員からもお話しのように、日本の状態といたしまして、急激に防衛費を多くするというようなことは、これはなかなか容易ではないし、また考えたくないのだ。なるべくやはり少い費用でやっていきたいそういうことで急激に無償援助というものをなくするというようなことになると、これは困る、充実ができないという点はよく頭に置いてもらいたいというような話し合いをいたしました。具体的のことにつきましては、これは今顧問団の方といろいろ検討を進めておるわけでありまして、シャフ氏とは具体的な話し合いはありません。今の程度の話しであります。
○説明員(加藤陽三君) 先ほどの矢嶋委員の統合幕僚会議についてのお尋ねにお答え申し上げます。今考えておりまする体制の要綱といたしましては、一つには、陸、海、空の三つの自衛隊の部隊を統合して使います場合における指揮権の問題でございます。現在の自衛隊法におきましても、防衛出動、治安出動等の場合におきましては、陸、海、空の部隊等をもちまして、特別の部隊を編成することができるということに、自衛隊法の第二十二条でなっておるのであります。ただ、現行規定におきましては、この統合部隊の指揮は、陸、海、空の幕僚長のいずれかの一人にやらせるということになっておるのでございます。しかし、日本の防衛等の場合につきまして、いろいろ考えてみますると、陸、海、空の三つの部隊が相当大規模に統合して行動しなければならない場合が出てくる。さような場合を考えますると、いずれかの幕僚長にその指揮をやらせるということは適当ではあるまい。これは統合幕僚会議の議長に直接指揮させることの方が能率的ではないか。もっとも、後方補給その他は、各幕僚長を通じてやるのでございす。そういうが第一点でございます。 第二点は、現在の規定によりますると、第二十八条に、出動時における自衛隊に対する指揮命令の統合調整に関することが、統合幕僚会議の仕事になっておるのでございまするが、この点を一歩進めまして、指揮命令の統合調整をやりまするが、これらの指揮命令の基本に関する事項を統合幕僚会議の所掌事務に加えまして、統合幕僚会議で出動の場合における指揮命令の基本をきめて、それに基いて各幕僚長に出動の命令を出す、それの統合調整をさせるということの力が能率的であるしというふうなことも考えておるわけでございます。そのほかに、統合幕僚学校を新設いたしまして、それを統合幕僚会議の所掌下に、置こうという、大体おもな点といたしましては、この三点を考えておるわけでございます。
○矢嶋三義君 時間が来ましたから、これで終りますが、ただいまの防衛局長の統合幕僚会議強化の方針を承わって、はっきりしていることは、非常に軍隊らしくなるわけでね。体制が整ってくるわけです。十九国会に防衛庁設置法案を審議した当時とは、ずいぶんやっぱり進展しているわけですね。これは、当時あなたはおられたから、認めざるを得ないと思う。それだけにやっぱり憲法との関係がありますが、本日はそれは論じません。しかし、非常に質的に軍隊らしく強化されていくんだ、そういう体制を整えるのだということははっきりしていると思う。 最後に、承わっておきたい点は、防衛局長にあとでお答え願っておきたいのですが、ミサイルのホークとナイキ、それからボマークの性能を一つきょう述べておいて下さい。後日の、参考のために。これらは核弾頭はつけられぬということですが、ナイキなどは、つければつけられるじゃないですか。これは、責任ある答弁を私は承わっておきたいと思う。先ほど申しましたが、私たちをあなた方がきっと目標を見定めておってごまかすのか、もしそうでなければ、非常に私は中途半端なものだと思う。これからこの統合幕僚会議も強化しようというような考えからいくならば、これから攻撃ある場合はおそらくジェット爆撃機じゃないだろう、こういう想定にアメリカ、ソビエトは立ちつつあるのです。こういう情勢からいえば、やっぱりアンチミサイル・ミサイルに重点を持っている。そうなっていくと、今源田さんが調査に行かれてますが、戦闘機を新たに二百機作るなどというのは中途半端な考え方です。いわば金の使い方としては非常に下手な、無駄な使い方だと私は思うわけです。で、この点は防衛庁長官に何っておきたいのですが、あなたはミサイル装備というのを至るところで発表して、非常に積極化するように発表されておりますが、今のところホーク、ナイキ、ボマークに限定して考えているのか、あるいは核弾頭をつけられないものだけに限定するのか、将来は核弾頭もつけられる程度のミサイルまで入れて、ミサイルの整備をしていこうという考えなのか。それから次期主力戦闘機の二百機という数字はもう固まったものなのか、あるいは百機となる場合もあり得るのか、それだけ最後に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほどから申し上げておりますように、空を守っていくということにつきまして、地対空あるいは空対空というような形で誘導兵器ミサイルをもってしなければ万全が期し得ないと、こういうことは矢嶋委員もしばしば御指摘のようでありまするし、私もその考えでありまするから、ミサイルの開発、導入、こういう方向へ進めていくのが自衛隊あるいは自衛のために最も必要だと、こう考えておりまするから、その開発をしたい。でありまするから、先ほど申し上げましたように、開発のために部隊を編成する必要もありましょうし、そういう点につきましては、訓練の必要もありまするから、ナイキ・アジャックス等についても訓練をするために二百四十人くらいの自衛隊を派遣したい。その後において初めて、ミサイル部隊というものができるわけでありまするから、今すぐにどうこうということじゃありません。従ってホークとかボマークとか、ハーキュリスとか、こういうものを直ちに入れるんだということには相なっておりません。検討の対象にはいたしております。でありまするから、今入れたいという、また訓練をしたいというのはナイキ・アジャックスであります、核弾頭をつけるものまでも置くかということでありますが、核弾頭をつけても、またつけなくても両用のものもあります。ですからそれをどっちということにきめてるわけじゃありませんが、核装備はしないという方針のもとに、つけられるものも検討の対象にはしておりますが、それを今直ちに採用するとか、入れるとか、こういうことは全然まだそこまで考えておらないわけであります。
○矢嶋三義君 二百機の点は。
○国務大臣(赤城宗徳君)戦闘機のFX二百機でありますが、これは三百機を予定しておったのが二百機ときめております。これを百機にするような考え方はないかということでありますが、現在のところは、やはり戦闘機はFX二百機を予定しております。
○説明員(加藤陽三君) 私にお尋ねになりました点でございますが、先ほど長官から御答弁がございました通り、現在防衛庁といたしましては、ナイキのアジャックスを採用することを考えておるわけでございます。ナイキ・アジャックスにつきましては、米軍よりも資料をもらっておりますが、その他のミサイル、その他と申しますのは、ホークとかボマークというものにつきましては、防衛庁としてはまだきめられたわけではないのでございましてこれらのものの資料につきましては、米軍の方から正確なものを手に入れたいというわけではございません。ナイキ・アジャックスにつきましては、これは核弾頭は使わない、射程は四十数キロであるというふうにわれわれは承知しております。いろいろな書物などによりまして、私の方で調査しておりまするところによりますると、ナイキ・ハーキュリスは、これは百二十キロくらいの射程であるようでありまして、これは核弾頭と普通火薬と両方使えるということのように承知いたしております。ホークと申しますのは、これは低空の防御用のSAMでありまして、これは三十数キロくらいの射程のものである、高度も一番低い。ただこのホークにつきましては、核弾頭を装着できるという情報もございます。これらの点につきましては、なお検討中でございます。
○矢嶋三義君 ちょっと防衛庁長官、矢嶋の意見を誤解して受け取っておられるから明確にしておきます。それは、先ほどあなたは矢嶋さんも認めておるように、ミサイルを持たなくちゃ云々と言われておりますが、私の意味を取り違えております。私の言う意味はどういうことかというと、相互防衛的な安保新条約を結ぶようなそういう考え方で日本の軍事力を持って行くということは、これは昔のような考え方、すなわち最近フランス等が原爆実験にそういう考え方が出てきておりますが、やはり軍事力というものを背景に持って、そうして国際社会へのしていこうと、こういう私は考え方だと思う。そういう考え方のもとで、この自衛隊を増強していくならば、ミサイル攻撃を防げるミサイルというものを持つようにならなければ問題にならんということです。そうしなければ、必ず追いこまれていく、そうしなければ意味をなさぬ。中途半端なものになって何にもならんということなんです。そういうことを私は言っておる。そういうふうになってほしい、なるべきだということを、言っておるわけじゃない、私の主張は。その点取り間違えられないようにしてもらいたい。だからあなた方は中途半端な安保条約をああいう形で結ぶとか言っておることも、一方ではいや軍隊とか戦力をもって日本の国を立てていこうという、そういう考え方じゃないのだと言うてみたり、それから一方では有人戦闘機、今さらに新しいものを作ろうという、一方ではミサイルは持つようにするとか、しかし、小型核兵器といえども持たないのだというようなことを言ったり、それは全く矛盾したまとまりのないことを言っておる。だからあなた方がよほど間違いを犯しているのか、あるいは国民にほんとうのものを隠してごまかしておるのがどちらか、こういう私は主張しておるわけですからお取り違いのないように……。
○委員長(中野文門君) 本日の委員会はこれをもって散会いたします。 午後五時九分散会