地方行政委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/10/10
会議録
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日藤田進君が辞任せられまして、中田吉雄君が後任として選任せられました。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 本日は、まず新市町村建設及び地方公務員給与に関する小委員長から、今期閉会中の小委員会の調査経過について報告を願います。
○小林武治君 新市町村建設及び地方公務員の給与に関する小委員会は、七月以来四回にわたり小委員会を開き、新市町村建設と地方公務員の給与の問題につきまして、関係当局との間に質疑応答を重ね、埼玉県加須市、吉見村について現地調査を行い、また岐阜県美濃加茂市長渡辺栄一君ほか関係者より意見を聴取する等、各般の調査を進めて参りましたが、新市町村建設の問題に対しては、新建設強化を重点として、法律の有効期間の延長を考えるが、その内容については、未合併町村の処理との関係もあり、なお検討の必要があるということになりました。 ついては、来たるべき臨時国会においても小委員会を設けて、本問題の調査が続行されることを希望する次第であります。 右、御報告いたします。
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまの小林小委員長の御報告を了承することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、さように決定いたします。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、昨日に引き続きまして、伊勢湾台風による災害対策に関する件を議題といたします。 本日は、益谷副総理に御出席願っておりますので、副総理から、政府の対策について簡単にお話を願った上で、御質疑のおありの方は、順次御発言いただきたいと存じます。
○国務大臣(益谷秀次君) 今度の十五号台風につきましては、政府は、災害発生直後に、地方災害救助対策協議会を開催いたしまして、また、災害復旧対策協議会の設置、中部日本災害対策本部の現地派遣等によりまして、応急救助の復旧対策をとって参りました。関係機関の連絡、計画の樹立、対策の促進に遺漏なきを期することといたした次第であります。 なお、今次災害の特殊性にかんがみ、特に水没地域に対する緊急工事の施工、民生の安定に重点を置いております。今後引き続き本格的復旧対策を進めることといたしたいと存じます。なお申し上げますが、中部日本災害対策本部は名古屋市に設けました。名古屋の県庁のうちに設けております。昨日また閣議の了解事項といたしまして、三重県と奈良県、これは政府の出先機関等が管轄を異にいたしております。大阪の管轄になっておるようでありまするが、昨夜から本部長代理の石原国務大臣が参りまして、きょうは出先機関の連絡会を名古屋で開催しておそらくは本日午後になりまするか、明日になりまするか、大阪に中部災害対策本部の支所と申しますか、出張所というものを設けて、主として三重県、奈良県の災害に対処することに相なっております。なお、今度の臨時議会において予算立法等の御審議をわずらわす考えでございます。目下一番緊急な処置として対策本部でとりましたのは、水没地域の堤防の締め切り、浸水の水を排水することであります。大体名古屋市内における南区、港区等は締め切りを完成いたし、目下排水中でございます。また、岐阜県の養老郡の輪中と申しております、その地区の締め切りも今明日、近く締め切りを完了いたして、排水をいたすことになっております。
○占部秀男君 この際、質疑にあわせて希望的な問題も実は聞いていただきたいと思っておるのですが、まず最初に、今度の被害が大規模のものであるということはわかっておりますが、いつも風水害が起ると、そのあとで一番困難になるのは、何といっても市町村、県の方もそうでありますが、地方団体が困る。困る一番大きな原因として、いろいろあるのですけれども、特にたびたびの災害の経験から見て感じられることは、たとえば、かりにいろいろな復旧事業にしろ、大きな点については、相当国からいろいろと補助も出、また目に見えるので、復旧が割合にやりやすい。ところが、残された小さな問題から、かえってそれを処理するために市町村が相当財政負担になる。特に小さな点は、直接県民や市民に関係のある点が多いということから、なおさら市町村の場合にはそういう傾向が出るというのが、たとえば公共事業の土木関係にしても、あるいはその他の関係にしても、一般的な傾向であると思うのです。そこで、今度のこの台風の問題についてのいわば事後措置的な問題について最初に大臣にお伺いしたいのですが、今までたとえば被害をこうむった地方団体の復旧の起債の問題なんですが、小規模の農地であるとか、農地水産の施設、これも小規模的なものであるとか、あるいは公共土木事業の小規模なものについては、一応制限が設けられておるわけですね。これを今の制限をぐんと下げて、そうしてそういうようなときに市町村が赤字をそれ以上背負わないような方向を一つとってもらいたいと思うのです。特にこの点については、去年、おととしあたりから、一応各県市は単年度黒字ということになったのですが、三十三年度から三十四年度の実績を見ると、風水害のない以前でも、相当単年度赤字が出るところの市町村が出るのじゃないかというので、今また下ってきておる状態です。そこで、風水害の問題が出ると、これは相当な問題になると思う。そういうような点については、どういうような検討をされておるか、お伺いをいたしたい。
○国務大臣(益谷秀次君) ごもっともでございます。私も現地を見まして、ただいまの御質問のようなことを痛感いたしました。農業災害につきましても、市町村の道路とか県の道路の小災害、十五万円以下とか以上とかあるそうですが、これは今回は、政府の方におきましては、ただいま特別の立法というような方向に向いております。しかし金額は、どれほど下げる、こういうやり方をいたすということは、まだ決定をしておりません。おそらくは御質問のようなことになると私は考えております。
○占部秀男君 この点、実は私たちも、現地を見てきたり、たびたびの災害の経験から、一応のこういう点をこうしてもらいたいという点も具体的にあるのですが、大臣も時間の関係もあるでしょうから、一応の方向をぜひとってもらいたいということと、もう一つは、それに伴う起債の問題については、なるべく一つ、ある程度の限度は、これは仕方がないとしても、元利とも国の方で保証してもらうような方向をとってもらえないものかどうか、こういう点であります。
○国務大臣(益谷秀次君) それでは、ここできめますというお答えはできません。できませんが、今日の災害のひどいところなどは、とうてい市町村でまかない切れるものではございません。そこで、特別交付金ですか、ああいう方面でよく考えて参りたいと思います。
○占部秀男君 特別交付金の問題は、またあとでちょっとお伺いしたいと思うのですが、そのほかに、学校の文教施設の問題なんかもあるわけなんですが、文教施設の復旧の問題で、やはりこれはたしか十万か幾らでしたか、制限があるわけですが、こういう点についても、やはり文教関係の問題も同じような形になっておるので、特にこれはまあ小学校の復旧という重大な問題でありますから、従って、ある程度小さなやつも合計して、その限度の問題はここでは言いませんが、合計して何十万円になったならば、これは起債の対象とするとか、あるいはまた、起債の対象にしたその一部分を元利補給するとか、そういうようなことをやはり今度はしてもらわぬと、各市町村とも困るのではないかと思うのです。そういう点についてはいかがですか。あわせてお伺いいたします。
○国務大臣(益谷秀次君) その点も検討いたしております。できるだけ今度は思い切った対策を講じたいと思っております。
○占部秀男君 そうすると、最後に一つ関連してお伺いしたいのですが、ただいままあ大臣も特交をふやす、特交の問題で処理したいというようなお話でございました。ところが、特交は、御存じのように、今までのような状態ならば、これはまあ現在のワクを、そういうことを考えていないと思うのですが、現在のワクを処理するということは、風水害がなくてもこれは処理すべき問題である。やはりこの際、特交というものは大幅に何らかの形で増額をしてもらって、そしてそれが県、市町村の方へ行く、こういう形をとってもらわないと、大臣の言われた、今思い切った処置ということに当てはまらない。財源的な裏付けの欠陥になってしまうと思うのですが、そういう点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(益谷秀次君) これは、起債はもとより認めなければならぬ。起債の跡始末です。元利をどうするかという問題、これも検討中でございます。元利は償還のできない町村がたくさんあると思いますので、災害の度合いに応じてその点も考慮しなければならぬと思っております。
○占部秀男君 ちょっと特交のやつを……。
○国務大臣(益谷秀次君) 元利保証とか特別交付税というものに考えていきたいと思っております。それを両方含めておるそうです。
○占部秀男君 拡大して……。
○国務大臣(益谷秀次君) 両方、他に何か特別立法で、元利を政府でこれを負担して参ります法律を作るか、または特別交付税をふやすか、そういう両方を同時に採用していくかということを考究中であります。
○中田吉雄君 今、益谷副総理が申されましたことで、特別な財政需要を特交で見るということを申されて、占部委員から御質問があったのですが、まああちこちで災害がありますと、いつでも財政需要は特交で見ようということがよく言われて、その場を糊塗するにはまことに便利な言葉のようですが、九州の諫早の災害のときにそういうことがあったのですが、今回のような大規模な災害で、百分の八であった特交が百分の六に総額が減っておる際に、今回のような未曾有の風水害による基準財政需要で見れないものが、一体十分まかなわれるような状態でしょうか。そしてその際に、府県と町村の配分を変える以外には、特別交付金の百分の六というのを変えるということもできぬでしょうし、一体特交でまかなえる程度の府県なり町村のその後の財政需要の増を見られるのですか。その辺はどうでしょうか。
○国務大臣(益谷秀次君) 私、しろうとでございますから、自治庁の財政局長に一つお願いをいたします。
○説明員(奧野誠亮君) 特別交付税の今年の総額は百四十九億円であります。例年の程度の災害でありますと、一応特別交付税で処理すべきものを処理することは可能だと思うのでありますが、今年のような大きな規模になって参りますと、御指摘のように、とてもまかない切れない、かように考えております。幸い補正予算の財源はどうしても法人税に求めざるを得ないようになるだろうと思います。そうしますと、地方交付税もかなり増額を計上できるということになっておりますので、その際、その額とにらみ合せまして問題を解決したい、かように考えておるわけであります。
○中田吉雄君 その際に、特別交付金のワクですね。府県と市町村のですね。これは調整できるわけでしょうか。それはどういうふうに見ておられますか。
○説明員(奧野誠亮君) 普通交付税の方は、基準財政需要額から基準財政収入額を引いた際の不足額がその額になって参りますので、府県、市町村とも、自動的に配分額がきまって参ります。しかし、特別交付税につきましては、そういうことはございませんで、府県と市町村との関係が幾らと幾らとになるというような固定したものはないわけでございます。
○中田吉雄君 ですから、どちらに重きを置いてやられるかという——そうすれば、特別交付金のワク内でも、より突発的な財政需要の増加にこたえ得るか、こういうことです。
○説明員(奧野誠亮君) 従来災害がありました場合に、特別交付税を交付いたしますのは、災害があった場合には、当然税を減免しなければならないだろうと思います。減免の基準を示しておりますので、減免した減収額は特別交付税で補てんをしたい。さらにまた、災害諸対策の費用で地方債の対象にしていないものがございます。基本的に地方債の対象にいたしておりますのは、公共土木災害、それから農林災害、こういうものにつきましては、御承知のように、補助災害でありますし、こういう地方負担額は、現年度百パーセント地方債を認めておるわけでございます。単独災害につきましても、そういう考え方で地方債の許可をいたしておるわけでございます。しかし、たとえば災害救助費の支出をしてそれについて地方債を地方負担分について認めてほしいという意見がありましても、これは一般財源でまかなうべきじゃないかというような考え方をとっておりますので、そういうものは起債の対象にいたしておりません。こういうような、起債の対象にしていない費用につきましては、特別交付税で補てんをしていきたい、こういう考え方で運営して参ってきておるわけでございます。原則としましては、災害額の府県、市町村とも二%ずつ、それから災害救助費の国庫負担額の基本額の二〇%、こういうものが大体今申し上げましたような費用に当るのではないだろうか。しかし、災害のあり方によりましては、これよりも多かったり少かったりするだろうと思うのであります。総体的にはそういう見方で特別交付税を配分して参っておるわけであります。
○占部秀男君 さらに大臣にお伺いをいたしたいのですが、これは、概略的な形になるのですが、今度の救助で、たとえば災害救助法が適用される、あるいはいろいろな法律案が適用されるということになると、そのつどその法律ごとに地方負担分というものが相当あるわけですね。それで、今度の災害は、今のような地方財政の実情から見て、これは率直に、少し極端な言い方かもしれないけれども、災害復旧については、各市町村に、地方に財源をあまり負担をかけるというよりも、むしろ国が全部見て、この災害復旧に持っていく、こういう方向を重点的に考えていただかないと、地方は相当やりきれなくなると思うのです。そこでこの際、これは少し概念的な言い方になるのですけれども、たとえば災害救助法なら災害救助法を改正する、あるいはいろいろな災害関係についての復旧に関係のある各法律というものを改正して、国の負担分というものをさらに大幅に引き上げてもらわなくちゃならぬというふうにわれわれは考えておるのですが、その点についてはいかがなものですか。少し概念的な言い方になりますけれども、大綱だけ一つ。
○国務大臣(益谷秀次君) 全部国で負担するというのはどうかと思いますが、引き上げるということは、私も賛成でございます。大体そういう方向に行くだろうと思っておりますが、全額はいかがかと思っております。
○占部秀男君 こまかい点については、あとでまた小委員会も開かれますから、お伺いしたいと思いますが、これはもう一つとっぴな話かもしれないのですが、今度の災害を私たちは見て緊急に、ああいうような大規模災害のときに、まあ今の自衛隊の行動を見て、動員をされた救助作業を見ておりますと、これはいろいろと批判もあるけれども、また災害のああいうような場合には必要性もあるというふうに、われわれも必要性というか何というか、相当に行動には利益の点もあったというように私は感じるわけです。これは、率直に言って、再軍備のための自衛隊にはわれわれ反対なんですけれども、そういうような緊急対策の場合であるとか、国土開発のような場合に、こういうふうな組織があるのはいいのじゃないかということも私たちは考えられるのですが、むしろ今の自衛隊というような組織をその方に重点的に振り向けるようなことを、今度の災害を契機にして、一ぺん政府の方として検討の必要があるのじゃないかということを考えておるのですが、これはあまり大きな問題ですから、大臣は、今度の災害関係からして、そういう問題についてお考えになったことがございませんですか。また、そういう点が政府の中で話に出たような点はありませんですか。
○国務大臣(益谷秀次君) 今度の自衛隊の災害地における活躍と申しまするか、協力には、われわれ現地の責任者として、ほんとうに心から感謝いたしております。また、私ばかりでなく、罹災地の住民諸君もさように思っておることと思うのであります。しかし、ただいま御質問のように、自衛隊をその方向に向けてしまうということは、あまりに大きい問題でありますから、まだ閣議等にそういう問題が論議になったことはありません。
○加瀬完君 こまかい具体的な点でございますから、個条的に御質問申し上げますが、昨日も厚生省の方からお答えはあったのですが、たとえば、保護家庭のように、現状においても特別の援護ができる、あるいはまた更生資金の貸付ができると、こういうワクの中にはまるものはいいのですけれども、事実はそのワクには入れられないで、しかし資金的には非常に困っておる、生活資金に事欠いておるという家庭が相当出るのじゃないかと、そういう一般的な災害のために、生活に困窮しておる各家庭に対しまして、生活資金というものをお出しになるお考えをこのたび政府はお持ちになっておるかどうか、この点を第一点としてお答えをいただきたいと思うのです。
○国務大臣(益谷秀次君) 概括的に申し上げますと、援護については今考えております。名古屋の対策本部で、罹災者個人についてのいろいろな問題をきめておりますが、こまかい点は、私記憶いたしておりませんが、大体相当に広範囲にわたって、罹災者個人についての住宅の方面とか、あるいはまたつなぎ資金とか、そういうことは、ずいぶん詳細にわたってきめております。決定して、発表もいたしておりますが、まだ徹底いたしておりませんけれども、パンフレットを作りましてやっております。なかなか個条が大きいので、私は一々覚えておりません。審議室長が対策本部に一緒に行っておりますので、この人たちが直接決定したわけですが、私にかわってお答えさしたいと思います。
○加瀬完君 審議室長お答えになる前に、この点はっきりしていただきたいのです。現状の法律では救済できない生活困窮の人たちに対しても、救済をし得るようなワクを広げた生活資金の貸し出しというのをおやりになるのかどうか。一体額はどのくらいか、返済方法等きまっておるならば、それもお答えいただきたい。
○国務大臣(益谷秀次君) できるだけ手落ちのないようにやりたいと思っておりますが、まだ額をどれだけ上げるとかどうとか、きまっておりません。近く補正予算が出ますので、大体二十六日の閣議で補正予算を決定いたしたいという方針であります。二十五日か六日の軌までに各省から出るものと思っております。詳細なことはまだきまっておりません。
○説明員(大島寛一君) 罹災いたしまして生活に困るようなことがないように、この援護のための措置といたしましては、御承知のように、世帯更生賃金の貸し付けでございますとか、母子福祉資金の貸し付けでございますとか、すでに現在あります制度を全面的に活用することをやっているわけでございます。さらにまた、たとえば、失業対策事業に従事しております労務者の賃金等につきましても、四日まで災害がありまして公共職業安定所に出頭もできないというような事情にあった方もあろうかと思います。そういう方に対しましては、被害の状況によって賃金の相当額を支給いたしますとか、あるいはさらにまた、事業所が被災をいたしまして働けない、仕事ができないというような場合もあろうかと思います。そういう方々につきましても、特別の措置をとることを考慮しておるわけでございます。
○加瀬完君 国が現在ある法律に準じていろいろ施行を進めていくということになりますと、非常に時間的にも延びが生じますので、地方団体が、適宜生活資金の貸し出しなり何なりをきめておやりになるといった場合には、政府としては、資金繰りあるいはあとの財源等について心配してやるというお考えはお持ちですか。
○説明員(大島寛一君) そういうような点をすべて含みまして援護の万全を期しまするように、先ほど副総理からもお答えがございましたが、来たるべき臨時国会におきまする補正予算の措置あるいは立法の措置等具体的に、目下担当の省を中心といたしまして早急に検討を進めている次第でございます。
○加瀬完君 二番目の質問は、災害による傷病者の医療費を全額国庫負担にするというお考えはおありかどうか。
○説明員(大島寛一君) それらの点につきましても、今申し上げましたような次第でございまして、具体的な措置といたしまして、援護の万全を期する方向で、現に措置できるものはどんどん実行いたしまするし、また、新たな予算なり立法を要しまするものにつきましては、あらゆる角度から、厚生省その他関係各省で、今具体的に検討を進めている最中でございます。
○加瀬完君 第三点は、伝染病の予防、簡易水道の復旧、屎尿処理、火葬場などに対しまして、これは当然地方団体がやるわけでありますが、災害による特別な場合でございますので、これらの財源的な措置を、国の方で心配をしてやるというお考えはおありですか。
○説明員(大島寛一君) 御説明いたします。 伝染病の予防あるいは屎尿処理、あるいは水害のあとの清掃、あるいは医療施設の復旧その他いろいろ応急の厚生関係の仕事があるわけでございますが、それらにつきまして、国が地方団体との関係におきまして、従来と異なった措置をとるかどうか、そこいらにつきましても、各方面の要望も伺いながら、至急検討を進めておる状態でございます。
○加瀬完君 これはまあ、具体的な問題は室長でもいいですけれども、財源的な措置をするかしないかといったようなことは、なるべく副総理にお答えをいただきたいのですが……。 第四点は、中小企業の復旧といいますか、復興資金といいますか、あるいは農地が相当に荒廃しておりますから、この農業経営のための復旧にもいろいろ資金を要するわけです。今度の補正予算でも、こういったようなものは十二分に考えられておられるかどうか。
○説明員(大島寛一君) ただいまお話の中小企業関係の復旧資金あるいは農家、漁家、水産関係でございますが、等につきましても、すでに現行の制度でできますところは、もう最大限にこれを実行することでやっておりまするけれども、今度の災害の規模並びにその性格等にかんがみまして、中小企業の金融につきましても、資金をふやす問題はもちろんといたしまして、その他いろいろこの疎通をはかる具体的な措置を、これまた今、通産省、大蔵省、あるいは農林省、それぞれ非常に急ぎまして、対策の遺憾なきを期する方向におきまして作業を検討しておる次第でございます。
○加瀬完君 第五点はですね。きのうもこの委員会で問題になったのでありますが、公営住宅の建設費は、今度のような災害の場合も、やはり政府としては三分のニだけを補助をするという建前をおとりになっていくかどうか。もう一つは、きのうの御説明の中にも、失われた戸数の大体三割以内を提供をするというお話でございますが、今度のような相当密集地帯で、三割程度の庶民住宅の提供ということで、罹災者を全部収容するということが可能になるかどうか、この点は、どのようにお考えになっておいでですか。
○国務大臣(益谷秀次君) 従来は、全壊並びに流失家屋の三割の規定でありました。今回の災害は、その特殊性にかんがみて四割ということにきめました。そうしてまた、特別の市町村については、十分に協議をして考えるということに決定いたしました。大体四割あれば足りるというような見方でございます。応旧仮設住宅です。それから普通の住宅金融公庫からの三十万円、新築家屋。それで、地ならしの費用、敷地の関係等で、約四十万くらいになるのであります。そういうことの手続は、従来のような煩瑣の手続を省略いたしまして、受付個所もよほど多くやるようにいたします。市町村が保証する場合には、前渡金と申しまするか、六割、そして契約ができて全部を渡すということに相なっております。 公営住宅も、今度は相当思い切ってやらなければならないのでありますが、金額の点については、先ほど審議室長の申しまする通り、各省で十分に検討して補正予算提出までに決定をする手はずになっております。
○加瀬完君 その公営住宅の補助率はやっぱり三分の二ですか。四分の三ぐらいに引き上げるというお考えはございませんか。
○国務大臣(益谷秀次君) それがまだ決定いたしておりません。検討中です。とにかくこれまでの法規の許す限りに、今回の災害にかんがみて煩瑣な手続をとらないで、すみやかに罹災者の救助になるように努めております。
○加瀬完君 第六点でございますが、これもきのう営林当局からお話があったのでありますが、相当の数の風倒木が予想される。それならば、風倒木は、当然時間がたてば木材として臨時的に営林当局の方へ入ってくるわけだから、現在の手持ちの営林局の資材というものを罹災者にこの際低廉に放出してもよろしいのじゃないか、こういうお話をいたしましたときに、具体的な、出先でありますから、お答えはなかったのでありますが、今度の政府の対策といたしましては、国有木材をこの際低廉な価格で罹災者に配給するというお考えは、今度の対策の中にお持ちになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(益谷秀次君) それは、農林省に今検討してもらっております。出先にはいろいろの議論もいたしました。私どもは、安く払い下げるという考え方があるし、農林省は今検討しております。結論はどうなるかわかりませんが、われわれは、そういうようにしてもらいたいということを、名古屋については強く要望しておったのでございます。しかし、まだ決定はいたしておりません。
○加瀬完君 これは、風倒木価格は当然安いわけでありますから、風倒木価格で風倒木を払い下げするという建前で、しかし、風倒木そのものはすぐ間に合いませんから、現在国がお持ちになっておる木材を払い下げをいたしましてその木材のかわりに風倒木で穴埋めをするという形をとれば、若干の違いはありましても一応筋は通ると思う。風倒木もまた、そういうように利用されるならば生きてくるんじゃないか。これはまあ、一番ひどい災害の対象に対しましては、割合手が届くのでありますけれども、そうでない、個人で家庭を補修したり修繕したりするような対象に対しましては、割合に今まで、政府でも地方団体でも、対策が手落ちになるというきらいがございますので、この国が所有いたしております木材の払い下げというものを、この際特別な方法でお考えをいただきたい。政府としては、そういう方法も考えてやろうというお考えはおありですか。
○説明員(大島寛一君) 現在まで建築用材の確保につきまして、現地、中央を通じまして、できる限りの措置をとっておるわけでございます。その一つとしましてただいまの御質問に関連いたしまして、補足して御説明申し上げたいと思います。まず、市町村に対しまして国有林材を売り払う場合でございますが、国有林野のあります地方におきまして災害救助法が発動されました市町村に対しまして、しかも、民有林材の入手が困難であるというような場合におきまして、市町村の管理に属する事務所、学校、病院、託児所、道路、堤防等の復旧用の応急資材のみならず、市町村が県の委任で応急仮設住宅、収容施設等を施設いたします場合の建築用材としまして、国有林材の五割減額、無利子、無担保、一年以内の延納を認めて売り払うということになっております。 それから次に、今申し上げたのは市町村でございますが、罹災者の復旧用材としまして、国有林材を売り払う場合につきましては、これは、災害の著しい市町村に居住する住宅の災害復旧用材でございます。国有林材の要請があります場合には、民有林材の入手が困難であり、また適材があります限り、災害発生直前の価格で売り払いまして延納を認める。あるいはまた、市町村と一括契約する場合におきましては、さらに無担保で六カ月以内まで延納を認めるというような措置をすでにとることにきまったと承知しております。またさらに、災害復旧用材の製材業者、木材業者に国有林材を払い下げまして、そこで製材させまして、罹災者に供給させる場合もあろうかと存じます。台風前日の価格で売り払いましてその価格を基にした製材品の価格を明示いたしまして、直売所を設置いたしまして販売させるということも、関係の当局においてすでにきめまして、実施に移っておるわけでございます。 さらにまた、一般の民有林材につきましても、関係の当局におきまして、木材業界の協力を得まして、今申し上げましたところに準じた自粛価格でこれを表示させまして、売り払うというような指導を営林局その他でやっておる次第でございます。 以上は、今の御質問に関連しまして、現在までに関係のところできめました措置の御説明でございます。補足して説明申し上げました。
○加瀬完君 私が伺っておりますのは、そのお話も承わってけっこうでございますが、そうではなくて、今度のような場合は、風倒木のようなものがたくさん出て、当然国の所有にかかわる木材の貯蔵量というのがふえてくるわけだから、そこで、現在持っておるところの国有木材というものを低廉に罹災者に払い下げをするという方法を、一体今度の対策としてお講じになるのかならないのか、こういう点でありますから、その点はっきり……。
○国務大臣(益谷秀次君) 御質問の趣旨をさっそく農林省に伝えまして検討させることにいたします。
○加瀬完君 先ほどの御質問の方からも出たのでございますが、自治庁の当局からも、昨日特別交付税を増額するという問題がお話の中に打ち出されたわけでありますが、特別交付税を増額するということだけで、今度の財政的な措置がまんべんなくうまくいくことに私はならないと思う。何でもかんでも、特別交付税を増額したんだから、特別交付税でまかなえというやり方で、特別交付税というものを扱われるならば、それは特別交付税をふやしてもらったという目的には非常にそごを来たすことになりかねないと思うわけです。そこで、農林省なら農林省関係、厚生省なら厚生省関係というものの災害復旧あるいは救済対策の予算というものを十二分に取って、現地市町村の当然の持ち出し分というものもふえてくるし、経済的な負担もかかってくるわけだから、地方団体の財源として特別交付税をこれだけふやしてやるんだ、こういう形で特別交付税をふやしてくれておると私は思うわけでございますが、このように解釈してよろしゅうございますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 先ほどお答え申し上げました通り、特別交付税その他の手続によって総合的に考えようと思っております。
○加瀬完君 総合的にというのは、三通りのとり方がある。疑ってとれば、特別交付税をやったということで、農林省が当然受け持つべき予算も、厚生省が受け持つべき予算も、みなこれに含めてしまって、総体の旧来の予算というものは縮めてしまう。こういう扱いに特別交付税をされてしまっては、これは、九州災害などで、あとで府県や市町村は困りましたように、災害の財源的措置が一度誤りますと、それがまた地方団体としては赤字の原因となりまして塗炭の苦しみを味わうということになるわけであります。そこで、地方は地方で非常な財政負担というものが災害によって生じたわけでありますから、その地方の生じた財政負担というものを補うために特別交付税というものをさらに増額するのだ。しかし、当然各省の担当としてやらなければならないところの予算は、地方予算にはかかわりなく、それはそれで十二分にまかなえるようにふやしていくのだ。この二本立を総合というように解釈してよろしいなら私はわかるのですけれども、そうでないと、今までの政府のやり方から見ておりますと、非常に不安なんです。特別交付税という美名のもとに、何でもかんでもみなここへ押しつけてしまって、あとは知らぬ。これでは非常に困る。そこで、補正予算を組むというならば、念を押して、特別交付税は特別交付税で、本来の特別交付税の目的の通りに使われるのだ。それが非常にかさんできて、不足なんだから、それを幾ら幾ら増すのだ。しかし、特別交付税にかかわりなく、国のやるところの救済の予算というものは十分やる、こういう二本立であると解釈してよろしゅうございますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 総合的と申しましたのは、そういう解釈をしていただいてけっこうでございます。各省おのおの受け持ちの救済の方法は講じなければならない。特別交付税をふやしたからそれでよろしいという考えは持っておりません。
○加瀬完君 最後に一つ。これも占部委員から出たのでありますけれども、自衛隊の主たる任務の中に、今度のような場合の災害救助というものを入れるのは当然ではないか、こういう世論が非常に新聞などの上にも出ております。政府は、この点をどう考えておられますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 自衛隊内の予算の流用で今の災害救助をやっているのですが、自衛隊の使命のうち、災害を使命の一つにするというようなことはまだ考えておりません。
○加瀬完君 現在は、府県知事が要請をしなければ、自衛隊の出動というのはできない建前をとっているわけですが、そうではなくて、政府が、当然にこれは緊急出動を要するというような大災害、このたびのような大災害だというように認定した場合は、直ちに、地方団体の要請のいかんにかかわらず、自衛隊の任務として救急出動の発動を開始する、こういうものを自衛隊の任務の中に入れるのは当然ではないか、こういう考え方が非常に強く打ち出されておるわけでございますが、政府は、この点については御賛成にはならないのですか。
○国務大臣(益谷秀次君) 災害のあった府県が一番知っておるのです。従って、災害の起こりました府県の知事の要請によって自衛隊が出動するということは、最も適当なことと思っております。従って、政府から出動を命ずる、結局政府から命ずるのですが、府県の要請によって出すという建前を変更することは必要ないと私は思っております。これもよく相談いたしまして、政府がそれがよろしいということになれば、私もむろん賛成いたします。現在のところ、私はさような考えを持っておりません。
○加瀬完君 新聞の報道は、必ずしも全部正確だとは言えないかもしれませんが、今度の災害でも、高潮が来襲したにもかかわらず、翌朝ヘリコプターで知事が飛んで、初めてその全町、全村が高潮のために全滅しておるということを発見してそれから出動救助の方法をとらざるを得なかった。こういう事実があったと伝えられております。もしも、自衛隊なら自衛隊というものの主任務の中に、こういうような防災活動あるいは救急活動というものがあれば、自衛隊の管区の命令なり何なりで、全部危険な個所に出動配置ができるわけです。そうすれば、こういうような人命の損傷というものも、ある程度防げるという結果にも当然なると思うのです。しかしながら、要請して出動するということでは、要請する方が、翌日にならなければ全村全滅ということがわからないという状態では、出動要請のしょうがない。要請のいかんにかかわらず、自衛隊は、広い意味の国土防衛あるいは国民を擁護するという意味からいえば、直ちに出動、配置につく、こういう任務につけるというように法律を改める方が私は適当ではないかと思うのです。自衛隊の性格論ではなくて、本質論ではなくて、現在の自衛隊の活動というものを今度のような場合にフルに使うためにも、その方がよろしいのでないか。こういう点については、今度の政府の対策本部の中では、いろいろと御意見は出ておらないのでございましょうか。あるいは自衛隊を、みずからの行動として、今度のような場合、要請を待たずに、先手を打って堤防等の警備に当らせるというような方がよろしいのじゃないかという御意見は全然ないのでございますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 先ほどお答え申し上げた通り、自衛隊の問題については、対策本部では、そんな話は出ませんでした。 それから、知事の弁明をするのではありませんが、交通機関は全部途絶し、電灯も電信も電話もみんななくなったので、途絶してしまったのですから、辛うじて行ったと言っております、ヘリコプターで。県庁の前から向う側へ渡るのに三十分もかかった、雨の降った日。ほんとうに全く未曾有の災害であります。私どもは、知事がヘリコプターで行って視察したということをむしろ感謝して、よくやってくれたということを言っておるような次第であります。県庁の三階も水がこれくらいたまった。一階、二階と、下からたまったのでは大へんなんですが、窓ガラスが全部破れて、そこから雨が入ってきたために、四階も三階も二階も、水がひざまでたまったそうです。そういう一瞬の間に来たのですから、なかなか視察というものも困難だったと申しております。
○加瀬完君 私も、知事がその任務を怠ったとか、怠惰であったとか、そういうことを今問題にしているのではない。翌日ヘリコプターで発見しなければわからないほど急に災害をこうむったわけです。見方によっては。それほどの急な災害というものが当然将来も予想されるわけですから、こういう災害に対して、事前に自衛隊が配置をされておって、堤防の警備なり、高潮の襲来に対する住民の救助なりに当れるという態勢にあった方が、災害の救助という意味からすれば、今日の場合よりも被害を少なく食いとめるということになるじゃないか。しかし、今の自衛隊法によっては、それができない。だから、自衛隊の主任務の中に、災害緊張の場合の救助というものを入れておけば、自衛隊みずからが自動的に活動をすることができるから、今度のような災害も、もっと犠牲が少なくて済むということも考えられる。将来も、災害はあれ以上のものが来ないとは予想はできないわけでありますから、ここいらで自衛隊の任務というものに災害救助というものを入れても、私は、自衛隊そのものの本来の使命というものに非常にそごを来たすということにはならないじゃないか。ここいらでそれを一つ考えていただきたい。こういう希望なんです。
○国務大臣(益谷秀次君) はい。
○米田勲君 先ほどから、各委員から、いろいろこまかい点についても質問があり、御答弁があったのですが、益谷国務大臣に、特に今度の災害の対策本部長でもあり、副総理でもありますので、この機会に私はお話をいたして、十分な対策を立てていただきたいと考えますので、申し上げたいと思うわけです。 先ほどから聞いておりますと、問題点になりそうなようなことに相なりますと、どうも現在検討中であるということで、はっきりした方針を伺うことができません。もちろん、お話を聞きますと、二十五、六日ごろの閣議で、今度の臨時国会に出す災害予算というものの最終的な結論が出るのでありますから、今の段階で、そういうことをはっきり答えられないということの事情もわかるわけです。 ところで、きのう私たちは、関係の各省の方から、台風の被害状況についていろいろお聞きをいたしました。どの方の言葉の中にも強く言われていることは、未曾有の災害であるということが言われております。従って私は、この未曾有の災害に対する政府の救済対策は、未曾有の決意がなければならぬと思うのであります。ところが、従来の傾向を見ましても、ともすると、各省が現地の都道府県知事や市町村長の陳情や要請を聞くときには、相当耳を傾けておるけれども、いざ予算を組むという段階になると、各省とも、盛んに何とかして予算を縮小するために、削るような努力をするのではないかと疑われる傾向があるわけです。特に大蔵省のごときは、そういう傾向がどうも顕著ではないか、こういうふうな懸念を持っておるものであります。従って、今度の台風災害については、政府も、私が申すまでもなく、未曾有の決意をもって当ろうとなされておると思いますので、われわれは、今度の臨時国会に出される政府の災害対策の問題については十分期待をしているし、また、その出し方に不備があれば、徹底的に主張をし、追及をしたいと思っておるわけです。ところで私、前もって申し上げておきたいのですが、どうもこの災害対策の問題になると、政治的に何か大きな力を活用した県や、あるいはなかなか要領のいい陳情工作等の行われたところに対しては、相当十分な手当が行き届くけれども、不幸にしてそういう点に多少欠けるところがあると、どうも十分な手当が受けられないというような傾向はなしとしないのであります。結果的に要領がよかったところが十分に得をしたというような災害対策の結果になっては相ならぬと私は思うのであります。特に、国がこの場合抜本的に救済をするために、未曾有の決意をもって当るという考え方がない場合には、ともすると、都道府県に責任を転嫁をしたり、市町村の理事者に苦労を押しつけてしまったりするような結果になって、国が負うべき責任を十分に負わないというようなことにでもなりまするならば、これは重大な問題だと思うのです。その点については、副総理も、十分に閣議で、国民の希望に沿うような決意をもって当られることが大事だと思います。私は、今度の災害対策の予算等については、いまだわかっておりませんけれども、二十八年、三十三年等の前例に下回るようなことがあるというような非常識な考え方はできないのであります。私は、二十八年等の災害において政府がとられた災害対策についても、あれで十分であったということは、政府みずからも考えられないと思います。多分に不備がありました。どうも日本人は、災害を受けたときにはやっきになっているけれども、時間がたつに従って、どうも、何かの宗教の影響か、これは運が悪かったと言ってだんだんあきらめていくような傾向が国民にあります。そのような国民の性格を巧みに利用して、あとでうやむやなような不十分な対策に終わらないように、今から一つ十分に私はお願いを申し上げておくのであります。 大体こういう災害対策は、政治的に問題を処理してしまうというよりも、より根本的に、人道的な、ヒューマニズムの立場に立って問題を解決するという態度がない限り、対策の結果は結局うやむやになって困るのは都道府県であり、市町村であり、災害を受けた国民であるという結果になってしまうのですから、どうかあなたも、今度の災害の対策本部長として、未曾有の成果の上がりますように、未曾有の災害に対する救済対策を徹底的に行なわれるような予算が臨時国会に出されることをわれわれは強く要請をいたしたいと思います。具体的な予算の内容等については、提案をされたあとにわれわれは十分に申し上げて、国民の災害を徹底的に救済したい。 私は、最後に申し上げたいのですが、いろいろな法律が出され、いろいろな法律がありますが、実は、日の当らない階層、零細な庶民の階層の人たちが、ともするとこの救済の手から漏れていってしまうという結果が往々にあるのです。どうか、今度の救済をする場合には、こういう階層の人たちにも目を大きく開いて、こういう人たちが一そう貧困な人間以下の生活に陥れられることがないような、そういう十分な対策の心がまえがこの場合必要であろうと思うのであります。 どうか、抽象的なことを申し上げましたが、現在の段階では具体的なことをお聞きすることがなかなかめんどうであろうと思いますので、根本的な希望を述べまして、出される予算に対して私たちは大いに期待をし、検討したいと思います。どうぞその点について決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) ただいま仰せになったことは、私も同感です。今度の災害は未曾有の災害であります。これにふさわしい災害の対策を講じなければならぬと思っております。最後の残されるようた人に対しても、十分に考えて参りたいと思います。
○中田吉雄君 ただいま益谷副総理から申されましたが、この二十六日から臨時国会が召集されて、災害の対策を中心にやられると思うのですが、何よりもすみやかなる対策を立てると同時に、この機会に、災いを転じて福となすように、根本的な災害対策も検討する絶好の機会と思うのです。それには、私は、今度の臨時国会は災害だけに限って、ベトナムの賠償とかというような問題が出てきますると、これは、やはり与野党ともエネルギーが、国会審議の精力があちこちに分散する、特に岸内閣におかれては、安全保障条約を……。
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。
○中田吉雄君 この二十六日から臨時国会が召集されて、主として災害対策を中心に審議が行なわれるのですが、適切な臨時の対策、同時に、この災害をきっかけにして、根本的な災害対策を立てるためには、私は、やはり災害だけに限って、ベトナムの賠償とか、安全保障条約の調印とかいうような問題がありますると、どうしても与野党とも審議のエネルギーがあちこちに分散して、やはりこの未曾有の災害の要請にこたえることがなかなか困難なのじゃないか。ベトナムの賠償にしましても、そう寸刻を争うということもないでしょうし、特に、安全保障条約の一たん調印が行なわれますと、国際信義等の関係があって、賛否は別にいたしましてその調印の前に、問題の所在を国会で十分究明せねばならぬというようなことで、災害に対して十分こたえることが事実上困難になるのじゃないか。そういう意味において、安全保障条約あるいは賠償協定に対する賛否は別にいたしまして、私は、むしろ災害だけに限定して、根本的な対策を与野党とも全力をあげて審議するような国会にすべきじゃないかというふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(益谷秀次君) 今度の臨時国会は、災害に関する補正予算とベトナムの問題ですか、これは今度の臨時国会の目的であります。従ってベトナムの条約、これはやはり並行して審議をしていただきたいと存じます。
○占部秀男君 大臣に、先ほどの質問の中で、ちょっと漏らした点が一点ありますので、お伺いしておきたいのですが、それは、今度の災害の地方に対する財源措置の問題、そうした問題については、先ほどのお答えのような方向で一つ、地方に迷惑を、財源関係の問題で四苦八苦しないような形でやってもらいたいのですが、ただ一点だけ、それは、つい二、三日前の新聞で実は見たのですが、対策本部として当面復旧関係に力を入れるのは、たとえば土木関係あるいは農林関係その他あるわけですけれども、国の直轄事業にまず重点を置いてやるこういうような方向で行くということを私ちょっと読んだのですが、そういうことになると、地方の方は、やはり災害復旧の問題では、先ほど私が申しましたように、たとえば小さな問題、同じ河川でも、小さな河川の問題なんかたくさんあるというような工合に、実際に現場で復興しようとするものにとっては、非常にちぐはぐの形が現われてきて復興事業を遂行する上にも非常に支障になる場面が相当あると思うのです。従ってこれは、国の直轄事業に重点を置いてやるというのでなくして、やはり総合的な形でやってもらわないとならぬじゃないかと思うのですが、こういう点は、そういうふうなきめ方をしたのですかどうですか、その点だけ一つ。
○国務大臣(益谷秀次君) 御質問のようなきめ方はいたしておりません。むろん、直轄の河川を改修するにいたしましても、やはり同時に、並行してやらなければ非常に不便だと思っております。
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、災害対策についての質疑は、今日のところはこの程度にとどめたいと思います。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、先般の委員会におきまして、派遣委員の報告に関連した質疑等として、義務教育費の問題、小中学校統合費の問題、国民健康保険に関する国庫補助率引き上げの問題等が懸案となっておりますので、この際、これらの問題について質疑を行いたいと思います。
○加瀬完君 大蔵省いらっしゃっておりますか。この前文部省、自治庁の方がいらっしゃいましてお伺いしたのでありますが、問題は大蔵省にあるようでございますから、きょうは一つ、主として大蔵省にお答えをしていただきたいのでございますが、義務教育費の国庫負担金が、翌年度末に精算分が交付されますので、地方財政の運営上は、立てかえ支出をしたり、利子の補給をしたりしなければなりませんので、非常に困っておるという陳情を、私ども青森、岩手等に参りまして、その他出納長会議などでもたびたび出ておる問題だそうでございますが、承わったわけでございます。一例を申し上げますと、青森県では、昭和三十一年度分は五千九百万円、三十二年度分は七千六百万円、三十三年度分は七千万円を、結局精算が、翌年度末になりますまで立てかえ支出あるいは利子の支払いをするという状態に置かれておった、こういうことでございます。そこで、全額当該年度国庫予算に計上いたしまして、その年度内に交付してもらうという方法をとってもらえないかどうか、この点であります。
○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。 御承知の通り、市町村小中学校の義務教育に従事される教職員の給与につきましては、義務教育費国庫負担法に基きまして、県と国が半々に負担してやっているのですが、法律上その実支出の二分の一を国で負担するというふうになっております。従いまして、ほかの補助金でございますと、一定の事業規模を想定いたしましてそれで単価、数量等勘案して出せばそれで終わるのでございますけれども、義務教育費国電負担金だけは、実支出のニ分の一を負担するということになっておりますので、当然、多過ぎて交付した例というのは、まだ制度始まってからございませんけれども、不足して翌年度精算するというふうに、これは制度の建前上なっております。しかし、一種の事務費でございますから、できるだけ実際の必要額を見込みまして予算に計上するのが、これは建前でございます。ところが、実際には、予算で見込みました以上に先生の数がふえましたり、あるいは給与その他が見込み以上にふえたりいたしまして、とかく不足がちになりまして翌年度に精算するという実態になっている次第でございます、
○加瀬完君 それは、翌年度になっているということはよくわかっております。そこで、それを立てかえ支出をしなくても済むように、何か大蔵省としては便法を講じてもらわなければならないと、こういう立場に追い込まれておりまするし、そういう要求の強いのも、地方団体のほとんど全部であります。そこで、現在の法律からすればおっしゃる通りでありますが、一応何かの方法で、仮払いといいますか、一応予算額についてある程度の支出をしておいて過払いになった分は精算するという形をとるにしても、何か便法を講じてもらう必要が生じている。この状態、大蔵省自体に何か方法を打ち出してもらわないと非常に困るというような現状です。そこで、何かこの点についても、特に出納関係の方からは陳情も多いと思いますが、大蔵省としては、何か今まで御工夫なさったことはないのですか。
○説明員(大村筆雄君) お答えを申し上げます。 その点、いろいろ考えてはみているのでございますが、何分にも、当該年度の予算を先にということになりますと、結局年度末に大きな穴があくということになりますので、まず根本的には、当該年度の予算でなるべく不足が出ないように予算を組むということがまず大事だと思うのであります。そういう方向で、なるべく近い年度の実績を基礎にして予算を組むようにいたしております。従って、本年度の予算等におきましても、昇給財源その他実績を相当織り込みまして組んで、改善を見ていると思っているのでございます。それにいたしましても、年度の不足が出て参りました場合には、当該年度に相当これは余裕があるというときはともかくといたしまして、当該年度がぎりぎりだというときには、結局先にいたしましても、年度末に相当大きな穴があくということになります。まず不足額等の問題は、補正予算等で、なるべく早い機会に地方べまた不足額を交付するというふうにせざるを得ないのじゃないかと、かように考えております。
○小林武治君 今のお話ですがね。義務教育費の不足額というものは、ある年に出てある年には出なかったと、こういうことじゃなくて、ほとんど毎年恒常的に出ているのだから、今あなたのおっしゃるように、見積りをもう少し初めから大きくすれば、こんな問題はある程度解消するのであってどうせ概算払いしているのだから、毎年二十億も出てくるのにきまっているのだから、それだけを何か出すように工夫をして、もう少し組むわけにいきませんか。今あなたのおっしゃる方法でいいんだ。要するに、金額さえある程度増して概算予算を組んでおけば、要するに、精算額が少なくさえあればこんな問題は起きないから、二十億の大きな金が出るのが毎年経験的にきまっておるのだから、概算の組みようがあると思うのだが、その点どうですか。
○説明員(大村筆雄君) お答えをいたします。 この制度が始まりましたのは、たしか二十八年からでございましたか、二十八年に始まりまして、毎年若干ずつ、それから、おっしゃるように、二十億というようなこともございましたのですが、不足額が出て参っておるのでございますけれども、予算を組みますときは、これで足りるという見込みで実は組んでおるわけでございまして、特に押えて予算を組むということはしていないのでございます。従いまして、必ずこの予算で二十億不足するのだということはもちろん考えないで、これで大体間に合うのじゃないかということで実は組んでおるわけでございますので、もしその組むときに、前年度の不足額がはっきりいたしておりましたら、それも織り込んで組むということはすぐ考えられますが、実はそのとき、予算を組むときまでに前年度の不足額ははっきりわかっていないということで、実は、そういう不足額は見込まないで組んでおるわけでございます。
○小林武治君 前年度よりか、その年も不足することもきまっておるのだから、だからしてこれをどうせ概算で払うのだから、そういうきまって出るのですから、だからそれは、あらかじめ予見できる金額だからして、そのつもりで一つ概算を組んでもらいたい。こういうことをやれば、三億や五億ではこういう大きな問題にならぬのですから、何しろ相当大きな金額ですから、それを一年以上も立てかえておくということは、地方の資金繰りに大きな圧迫を与えているということは、あなたにおわかりだと思う。つまり、一つこれから、来年度の予算を組む際に、そういうことをしんしゃくして一つ概算組んでもらいたい、こういうことを希望しておきますが、どうですか。
○説明員(大村筆雄君) ただいまの御質問の趣旨、十分私どもも注意いたしまして、大きな不足が出ないように、なるべく実質に近いように予等を組むように心がけたいと、かように考えております。
○加瀬完君 文部省は、この解決方法として何かこうしてもらったらいいということを大蔵省に対して要求といいますか、考えたことがありますか。
○説明員(安嶋弥君) ただいま大村主計官からお話の方向が、これは解決のまあ第一の方策であると考えております。予算でございますので、年度開始後ある程度の不足が生ずるということが明らかになったような場合におきましては、まあ第二の方策といたしまして、当該年度の不足を補正予算で措置していただくということを私どもといたしましては検討いたしております。現に昨年度におきましては、三十三年度の当該年度の不足を当該年度の予算で補正をしたというような実績もございます。本年度以降におきましては、そういった方法についても、引き続きまあ検討をしたいというふうに考えております。なおかつ精算額が出たという場合におきましては、これは、大村主計官からもお話がございましたように、なるべくすみやかな機会に補正の措置を講ずるということを考えておる次第でございます。
○加瀬完君 これは主計官、こまかいことですがね。こういう場合、立てかえ金による利子は一体支払う義務というのはどちらにあるのですか。大蔵省が当然持ってもいいということにもなるわけですね、形式的には。しかしながら、実質的には、利子までも含めて精算をするというわけにいかぬのでしょう。
○説明員(大村筆雄君) 現在の制度では、その実質にかかった分だけを精算をすることになっております。利子までを含めましてお払いするというふうにはなっておりません。
○加瀬完君 しかし、大蔵省に何か納付するときには、延滞利子を取られる。大蔵省が地方に延滞しても利子は払わない。非常に矛盾しておるわけだから、しかし、矛盾しておっても実際上それはできないというならば、さっきおっしゃったような、小林委員の御指摘のような方法でこの問題はやはり解決するように御努力をお願いする以外にないと思うのです。どうぞ一つ、この点もお願いします。
○説明員(大村筆雄君) それは、利子のかかるかからぬにかかわらず、当然支払うべきものでございますから、それはおくれていいという性質のものではございませんので、なるべく当該年度分で負担できるような建前でこれは予算を組んで参りたいと思っております。
○加瀬完君 これも、私ども地方を視察して参りましたときに要望された点でありますが、国民健康保険関係の国庫補助率が現状の通りでありますと、あるいは調整交付金が現状の通りでありますと、国保財政というものは非常に地方の負担になる。たとえば岩手県の例を申し上げますと、一般会計からの繰入額が、昭和二十九年度には一億四千九百万、三十年度には一億六千六百万、三十一年度には一億六千六百万、そしてさらには、点数改正等が加わって参りますと、さらに三十五年から国民皆保険ということになりますと、この傾向は逐年増高の傾向になる。しかしながら、交付金でこれが全然見込まれておらない、こうなって参りますと非常に困りますので、地方財政の健全化という建前のためには、国車補助率あるいは調整交付金制度の強化というものを政府の方でやってもらわなければ、どうにもバランスがとれていかないという要望が強かったわけであります。この点、一つどのように今対策をお立てになっておるか、お答えいただきたい。
○説明員(小池欣一君) 御指摘のように、国民健康保険の財政を健全化していく、赤字を減少させていくということは非常に大事な問題でございますが、ことしの一月から新国民健康保険法が施行になりまして、従来は二割の国庫負担をいたしておりましたものを、その二割の国庫負担のほかに、五分の調整交付金を設定をいたしまして財政の調整を行なう、こういうふうな新しい制度の設定をいたした次第でございます。ただいま御指摘がございましたように、国庫負担なりあるいは調整交付金なりをさらに充実をいたしていくということは、まことに望ましいと思いますけれども、まあ現在の各地方の財政を見てみますと、たとえば三十二年の状態、こういうものを考えますと、むしろ単年度の赤字よりも、過去において累積した赤字で苦しめられている、こういうようなところが多いわけでございますが、三十一年あるいは三十二年の状況を見ますと、漸次赤字が減少してきておるという状況でございます。今後とも御指摘のありました線で努力をいたして参りたいと、かように考えております。
○加瀬完君 漸次赤字が解消してくるというのは、少し私は希望的観測過ぎると思う。赤字の解消を防ぐには、国保事業というものを停止しない限り、国保事業を活発にやっている町村は、活発にやっているに比例して赤字が累増しているというのが現状じゃないかと思う。そうでなければ、赤字を出さないために、一般会計からの繰入額を非常にふやして、それでバランスを合わせておるというのが現状だと思います。国民皆保険というような方向を確実に完成させるためには、どうしても補助率なり交付金の率なりというものを引き上げるということを私は考えてもらわなければいけないのじゃないか、今の考えからいうと、こういうようなのはあまりないということなので一体ないという考えでそのままいくならば、国民皆保険なんかというものは、まるで絵にかいたもちになると思うのです。その点をもう一回お答えいただきたいとともに、もう一つ、確かに、御指摘のように、今までの赤字も非常に多い。それならば、今までの赤字を解消するために、国保の財政再建資金といったようなものを貸し付けるという考え方を政府はお持ちになっておるか。あるいは、その貸付金に対する利子補給といったようなものを考えてやるというお考えがあるかどうか。これもあわせてお答えをいただきます。
○説明員(小池欣一君) ただいま、財政の不健全な保険者が漸次減っておると申し上げましたのは、たとえば、昭和三十年度は不健全な保険者の数は四百十二あったわけでございますが、三十一年度は三百二十、三十二年度は二百三といった工合に、漸次減少しておる事実を申し上げたわけでございますが、しかしながら、御指摘のありましたように、現在の状況で決して十分だと、こういうふうに申し上げておるわけではありませんで、今後とも改善の努力は継続して参りたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、貸付金あるいは利子補給の問題の御質問がございましたが、国保の財政を改善いたしますために、昭和二十七年以来貸付制度を実施をしておったわけでございますが、この制度は、今度の新しい法律の実施によりまして調整交付金制度が創設をされましたが、この制度によりまして財政を調整をするということによりまして解決をいたして参りたい。また、利子補給の問題は、この調整交付金の中で取り上げることができるかどうか、実は今検討をいたしておるような次第でございまして、現在新しく創設をされました調整交付金制度の合理的な運用によりまして解決をいたして参りたい、かように考えておる次第でございます。
○小林武治君 今のこの健康保険に対する一般会計からの繰入金ですね。これはもう現実にしておるのです。しておってようやく保険会計が持っておる。こういう状態で、このままではどうしても置けないというふうに私は実情を調べて考えるのですが、来年あたり、この調整交付金かあるいは補助金をふやす、こういうような希望は厚生省にないのですか。案は全然ありませんか。その点はっきりしておいて下さい。
○説明員(小池欣一君) 御承知のように、来年は国民皆保険になる年でございまして、大いに充実をいたしたいわけでございますが、まあ何分、二割の国庫負担から二割五分の調整交付金を含めた制度になりましたのがまだことしからでございまして本年度は、この内容の充実に力を傾注をして参りたいというふうな考えでおります。
○小林武治君 ことしやろうがいつやろうが、とにかくやっていけない。それで地方ではこの保険会計に対する繰入金は全然持ち出しなんだ。自治庁へ来ても、交付金で見てくれない、基準財政需要額でも見ておらぬ、こういうことですから、全然まるまる地方財政がこのために赤字も出る原因にもなっておる。それでやれなければ、昭和三十五年から国民皆保険で、一種の強制保険をやるのに、国が少しもこれ以上見てやらぬなんという考え方は私は間違いだと思う。だからして大蔵省がどういうふうにするか知らぬが、これは別問題として、せめて厚生省としては、特別保険会計が持っていくように見てやるのが当然な責任じゃないかと、こういうふうに思うので、今から、来年は何にもやるつもりはありませんなんという話じゃ、われわれは納得できない。どうですか、その点は。厚生省は、せめて地方財政を圧迫しないで保険会計が持っていけるように、こういうふうに心配をしてやる責任、義務がある。ですから、そんなのんきなことを言っておったんじゃ、えらそうな保険の強制なんかできない、こういうふうに思うのですが、どうですか。
○説明員(小池欣一君) 御趣旨の通りに私ども考えておるわけでございますが、何分現在の調整交付金制度が創設早々でございまして、この内容の改善なり検討なりを十分いたしまして御趣旨に沿いたいと、かように考えております。
○加瀬完君 どうも、御趣旨に沿いたいということは、この御趣旨に沿うような内容をどう裏づけていくかという御意思があるというふうには受け取れないのですよ。というのは、私どもの調査をしておるような内容というものを厚生省は御存じないのじゃないか。そこで私は、もう一度、臨時国会が始まりましたらお尋ねしたいと思いますから、それまでに、今までの赤字というものが一体どれくらいあって、どうして生じたのか。現在二〇%と五%という一応の補助率なり交付率なりをきめてあるけれども、それによってもどのような赤字が生じておるか。あるいはまた、そのために繰入額をどれくらい持ち出しておるか。こういうことを具体的に御調査をして、資料として私どもにお渡ししていただきたい。あなた、四百幾らあるのが三百幾つになった、減ったと言うけれども、あなた方の調査でも、三百という市町村は、やりたくてもやれないような財政的な裏づけの欠陥のために困っておるという実情は、これは否定するわけにいかない。もっと町村というものをつぶさに調査をしていただかなければ、先ほど私が述べましたけれども、国民健康保険の活動というものをやればやるほど赤字が出るという、熱心な町村ほど赤字で苦しんでおるという現状を、一面にははっきりと私どもは証拠立てることができます。こういうことでは、国民皆保険といったってとてもできないですよ。そこで、質問はこれで保留しましていずれ時間をたっぷり取れるときに、もう一回資料を提供してもらって質問をします。資料をきょうお願いをしておきます。
○小林武治君 今申すように、ことし初めてやったからなんという、ことしやっても、不足なら当然考えなければならない。ですからわれわれ地方財政を担当している者としても、厚生省の今のような考え方では、保険の応援はできないと思う。こういうふうに考えておりますが、私どもとしては、保険というようなりっぱなことはぜひやりたいが、そういうことで、もう少し厚生省考えて、親切に、これが成り立つようにしてもらいたい。ですから、われわれの委員会でも、相当強く補助金の増額を希望しておる。こういうことでもってこれから善処してもらいたい。注文しておきます。
○委員長(新谷寅三郎君) それでは、この問題については、次の機会に譲ります。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、古物営業法等について、小林委員から質疑の要求があります。
○小林武治君 ごく簡単にお尋ねしておきますが、古物営業あるいは質屋営業の関係の盗品ですね。盗んだ品物については、それが発見された場合には、無償でこれを回収すると、こういう規定でありますが、まあ業者の善意な者が、これが無償で取られるということは非常に酷に思う。従ってこの無償で取るという現行法を再検討しなければならない、こういうふうに思いますが、警察当局では、この点何か考えておりますか。その点、伺っておきます。
○説明員(木村行蔵君) この問題は、だいぶ前からの懸案でございましてことに、正確には覚えておりませんけれども、一両年来業者から相当熱心な陳情も出ております。まあいろいろな方向からの意見も提出されておるのであります。で、これに関しまして、私の方におきましても、そういう諸般の陳情なり御意見に対しまして検討を進めております。あるいは参議院の法制局なども、熱心に検討しておられると思います。この両方とも研究をタイアップしまして、いろいろ研究して参ったのでありますけれども、ただ、何せ盗難にあいました被害者が、あるいは物を失いました遺失主のような被害者といったような者の保護というものが、非常に根本精神として大きな建前になっております。それと、もう一つの問題は、防犯上の問題、防犯の効果というものがやはり大きな問題であります。また、第三点としては、業者に対して不当な迷惑をかけない、こういう三つの大きな点があるわけであります。これらのかね合いということが、一番実際はなかなか立法技術その他の点からいってむずかしい問題であります。現在の研究の過程から言いますと、この古物営業法あるいは質屋営業法、これらの根本の建前でありますところの被害者保護、その点から生まれてきますところの盗品や遺失物の無償回復の請求権というものを、その建前をくずすことはなかなかむずかしいように思います。しかし、まあ業者の立場もありますし、いろんなお気の毒な事情もありますので、何とか妙案はないものだろうかと、実は非常に頭をひねっているわけであります。まだ結論的に今御質問にお答えして、こういう妙案がある、こういうふうな結論が出たということは申しかねるような状況であることを率直に申し上げざるを得ない状況であります。
○小林武治君 そうすると、警察当局も、ほんとうに善意無過失で買い取った品物を無償で回収することが合理的である、あるいは当然である、こういうふうな考え方をお持ちになっておるわけじゃないでしょうね。
○説明員(木村行蔵君) 被害者は、盗品につきまして無償回復の請求権を現行法で与えられております。これについては、建前をくずすことは無理じゃないか、こういうふうに私は思いますので、この現行法については、その根本の建前は合理的ではないか、合理的だというふうに私は思います。
○小林武治君 それじゃ、今の業者ですね、善意無過失の業者を気の毒だと思う、こういうことはお考えになっておるが、どこかでこれを救済する、私はまた、被害者も多少の出費をしても、これはやむを得ないというふうな考え方を持っております。どこかでもってこの善意無過失の業者を救済する、こういう必要があるということは認めますか。この方法はいろいろむずかしくて、今すぐ出ないかもしれませんが、そういうことはお考えになりませんか。
○説明員(木村行蔵君) 現行法におきましても、一番最後に扱った業者が逐次その前の業者、だんだんだんだんさかのぼって、究極は最初の犯人というところまでだんだんとさかのぼっていきまして、民法上の請求権は、求償権はありますので、建前としては一応救済の道はあるわけでございます。しかし、これはなかなか実行上、実際は事実としてむずかしい点もあると思いますけれども、そういう建前は、救済の道は開かれておりましてそれで救済されている額は相当あるわけでありまするけれども、しかし、これで万全かどうかということについては若干の疑問がありまして、その点について研究はしなければならぬ、また研究を進めておるわけでございます。
○小林武治君 今のこの盗品を業者以外の第三者の手に渡っておる際には、無償で回収することはできないでしょう。これはどうですか。盗品を業者以外の者が善意で買い取っておる、こういう場合には回収できないでしょう。
○説明員(木村行蔵君) これは、民法百九十二条に、御承知のように、平穏かつ公然に占有を開始した場合には、即時取得という原則があります。しかし、それに対しまして、盗品、遺失物については例外的に、これは、民法百九十四条で、盗品の占有者が業者から買った場合には有償で回復するけれども、無償では回復できない。それに対する例外として御案内の通り、古物営業法の二十一条で無償で回復ができる、こういうふうになっておるわけです。
○小林武治君 いずれにしろ、今のただ切り取りごめんというような規定は適当でないと、私はこういうふうに思うのですがね。警察庁当局も、この問題を何か一つ考えて適当な解決策を見出すというような検討を一つやってほしいのです。 それからもう一つは、今の各県警察に、防犯協力の報奨金というのですか、こういうようなものを業者にやっておる県がありますが、これも一つの方法だと思う。この制度をもっと拡充して、あるいは金額をもっと増す、こういうような方法を警察当局で勧奨すると申しますか、勧めてもらったらどうか、こういうことを思いますが、その点はどうですか。
○説明員(木村行蔵君) 確かに、今お話しのような、防犯団体が自発的に報奨制度といいますか、申し合せてこれを出しておる場合がありますし、あるいは各県で県費で出しまして、ある程度それを補っておる場合もあります。これは、動きとしては私は非常に正しい、妥当なものだと思いますので、警察といたしましては、できるだけそれにつきましてはバック・アップいたしたいと思っております。
○小林武治君 重ねて、今の法律の再検討というものを強く希望してこの点終わります。 —————————————
○委員長(新谷寅三郎君) 次に、占部委員から、炭鉱失業者のための失対事業及び生活保護増大による地方財政の窮状打開に対して質疑の要求がありましたので、この問題についての審議に入ります。
○占部秀男君 厚生省と労働省にちょっと伺いたいのですが、御存じのように、石炭鉱業の不況と例の合理化法案に基く炭鉱の買い上げ、こういうようなことで、炭鉱関係の離職者というのが非常にふえて、今、一種の社会問題化しようとしていることは御存じでしょうけれども、最近西の方の各県の調査によると、たとえば、炭鉱地帯を持っておる福岡を初め、西の方だけでも約十万人の離職者というものが総数として見込まれる、こういうふうな状態で、福岡の五万五千、あるいは山口、佐賀、長崎、熊本、こういうふうな工合に、相当数の離職者の問題が起こっておるわけです。そのために、各県あるいは市町村では、失業対策の事業を拡大しなければならない。生活保護、これも拡大しなければならない。さらにはまた、児童福祉対策についても強化しなくてはならない、こういうことで、現在まあようやくノーマルな状態になりかかった県、市町村の赤字財政が、相当この問題で痛められて、この問題だけで赤字を生もうというような県、市が多く現われてきつつある、こういう状態になっておると思うのですが、これに対して、失業あるいは民生関係の方から、何かそういう問題について調べたりあるいは聞いたというようなことはございませんか、両省の方で。
○説明員(松永正男君) ただいま占部先生の御質問でございますが、炭鉱の不況に伴います失業者の状態につきましては、相当深刻な様相を呈して参っておりますことは、先生御指摘の通りでございます。労働省といたしましては、炭鉱の離職者対策といたしまして昨年来いろいろな面の手を打ってきておるのでございますが、それに伴いまして、ただいま先生御指摘になりましたような、各炭鉱の離職者の発生の状況が非常に地域的に集中的でございますので、その該当の県あるいは市町村等におきまして、これを従来通りの一般失対という形でやります際には、負担が相当過重になってきておるという実情は聞いておりますし、またあると考えます。
○占部秀男君 厚生省関係、いかがですか。
○説明員(三浦直男君) 炭鉱の不況に伴いまして、離職者が、最初の失業保険が切れましたり、あるいは離職当時の退職金が切れましたりして相当生活扶助に陥ってくる者が多いということは事実でございまして、三十三年の四月における生活扶助人員と三十四年の六月における生活扶助人員の伸びを見てみますと、北海道、福島は、まだ総数においてはそれほど影響はございませんが、山口県、九州の福岡、佐賀、長崎県におきましては、三十三年四月を一〇〇といたしますと、山口県におきましては一〇七・〇二、福岡県におきましては一三九・九五、佐賀県におきましては一一六・三八、長崎県においては一〇七・九九というような生活扶助人員の伸びを示しておりましてこれを炭鉱所在の福祉事務所別に調査いたしてみますと、これまた、福岡、佐賀、長崎等におきまして相当な伸びを示しております。福岡県の直方市におきましては二〇六・三、田川市におきましては一九九・九、田川郡におきましては一六〇・五、鞍手福祉事務所におきましては一七五・一、佐賀県の伊万里市におきましては一四九・五、長崎の松浦市におきましては一三四・四というような、相当な伸びを示しておるのであります。これらにつきまして、われわれといたしましては、当該県と十分連絡をとりまして保護費の補助金の府県別配分におきまして十分考慮して配分をいたしておるわけでございます。
○占部秀男君 今のまあ実態はその通りの実態なんですが、これに伴う県、市町村のいわば持ち出し分の激増、それに伴う赤字、こういうような問題については、何か両省で自治庁と話し合って、これに対する特別なカバーの問題を対策として考えられたことがあるかないか、その点を一つ。
○説明員(松永正男君) 石炭離職者の対策につきましては、あるいは今先生の御質問と少しずれるかも存じませんが、私どもといたしましては、確かに今御指摘のような事相もあるのでございますが、根本的な対策といたしましては、まず、石炭産業におきまして、できるだけ離職者を出さないような方向を考えなければならぬということが第一であろうと思います。第二におきましては、離職者がやむを得ず出ました場合にも、これが現在いわゆる炭住、に住んでおる労働者が多いわけでございますが、そのままにしておきましたのでは、労働市場の面におきまして、たとえば非常に石炭で町が立っているというような所におきましては、単に炭鉱の労働者だけでなしに、その関連の産業、それから日用品の販売に従事しておるものというようなところまで及ぶわけでございます。従いまして、やはり基本的な方策としましては、やむを得ず離職者が出た場合におきましては、これをできるだけ全国的な、比較的労働市場の状態がよい所に全国の安定機関を通じまして職業紹介をやって参りまして、そういうところで就職をするというような方策をとりますことが一番緊要ではないかというふうに考えられるわけであります。 それで、その対策につきまして、さしあたり政府といたしましては、予備費支出を行ないまして、額は二億三千万でございますが、離職者対策として、広域紹介によってできるだけ就職を促進していく。それも石炭地帯ではなしに、他の地帯にできるだけ行っていただく。そのために職業転換をやむを得ずするというような場合には、政府としても職業訓練をやる。特別に炭鉱離職者のために職業訓練をいたしまして、腕をつけた上で就職をしていただくというような対策を考えております。それにしましても、やはり相当数の離職者が現地に、住宅事情その他でやむを得ずとどまらなければならぬというような事情もございますので、そういう面につきましては、やはりある程度のこれは、私どもの考えとしましては、一般失業対策事業で離職者を吸収するということは、いわば最後の手段であるというふうに考えておりまして、できるだけ正常な常雇い的な雇用に早くついていただく。やむを得ない場合には、やはり一般失対の役割ということもあろうかと思います。その点につきましては、おっしゃるような点もございますので、私どもとしましては、たとえば、福岡県に例をとりますと、福岡県につきましても、県当局と十分相談をいたしまして、現在の県の財政におきまして、この程度はやはり一般失対で、県も無理もありましょうが、財政支出をしまして、吸収したいというようなものにつきましては、私の方も、一般失対のワクは、これは当然増加をするというようなことで協議をしつつやっておりますけれども、何分離職者が相当多いものでございますので、相当な負担がかかってきます。それで、政府の部内におきまして、総理府に労働対策連絡協議会というものを設置いたしまして、ここでこの問題に関係ある各省が集まりまして、ここ数カ月対策を練っておるわけでございます。その際に、やはり福岡県なりあるいは福岡県下の各市町村における財政窮乏状態ということが問題となりまして、自治庁あるいは大蔵省等とも、その問題の対策をどうするかということを検討いたしておるところでございます。
○占部秀男君 今のお話はわかるのです。根本的には、離職者を出さないようにする、あるいは労働市場というものを開拓して、そこへ持っていく、これは根本的な問題としてはわかるのですが、現地をごらんになったかしりませんが、私も現地をずっと見て参りましたけれども、現地では、その前の問題、生活をどうするかという問題が解決つかない。しかも、あなたが今言われた、連絡協議会で最後的な対策を練っておるが、失対関係その他の問題は最後的な手段だと言うけれども、その最後的な手段さえ満足にできないというのが今の実態になっておるわけです。これは、もう少し根本的な問題として考えてもらわぬと、九州だけでも十万以上いるという人たち、その家族も含めれば相当な大きな数になる。この人たちの問題が放置されるという結果になりはしないかと思うのです。一つの例を言いますと、今、福岡の問題をあなたおっしゃったけれども、私も、福岡の問題について資料をとっておりますけれども、生活保護の問題にしても、国の平均の方と比べると、たとえば、昭和二十九年度が一〇一の指数であったものが、三十二年度は一〇八だと、幾らかふえておるけれども、大したふえ方ではない。一割もふえていない。ところが、福岡の場合は、同じ数が一〇〇から同年度でもって一三九となり、さらに今年三十四年度では二二二という、非常な数になっておる、これは倍以上になっておるのだな。従って今言ったのは、これに要するところの費用の問題ですが、人員の問題でもやはりそうであって、地方の方へ労働市場として出すと言うけれども、実はなかなかそういうことは行なわれないのであって、やはり集中的になってくるのは、この種の問題のこれはやむを得ない過程なんですね。そこで、福岡なら福岡の場合でも、人数にしても、二十九年の場合を一〇〇とすれば、国の場合においてはわずかに八七、これは、福岡の統計はどうなっておるか知りませんが、おそらくそっちの統計をとったかと思うのですが、人員については、生活保護の人員というものは、三十四年まで減っておるという形、これは厚生省の所管だろうと思うのですが、ところが、これが福岡の場合は、逆に二倍になっておるというふうにふえておるのですね。こういうような形から見ても、今あなたがおっしゃったような、そういうようなのんきな時代ではないんじゃないか。もっと根本的に問題を掘り下げてもらわなくちゃならぬということが第一。 それから第二には、それに伴う市の場合なんですが、これは、福岡の場合を今例にとったから、私も福岡の場合を言いますけれども、筑豊関係の田川であるとか、あるいは三池の例の大牟田であるとか、三つばかりブロックはありますけれども、そこの市町村が非常に困っておるのです。この問題で一つの例を言うと、大牟田の場合ですが、大牟田は今まで、黒字であった、三十一年度までは。二年、三年になり、三十四年度には赤字になっている。こういうような所で、しかも、その赤字見込みが三十三年度で五千万円の赤字になるわけです。ここの所は、福岡、大牟田十七億ばかり、一般会計がです。ところが三十四年度は、その一割の一億七千万円も赤字が出ざるを得ない。こういうような状態になっているわけなんです。その内容を洗ってみると、結局失対の国からの補助ですね、これと持出し分というノーマルな形以上に、失対関係は四千万円もよけい金がかかっておる。生活保護の問題にしても、これはまた、七、八千万円のよけいな金が大牟田市だけでかかっておる。そのほかに、児童福祉のいろいろの費用であるとか、こういうような今度の罹災に伴うところの失業対策あるいは生活扶助、あるいは児童福祉その他の民生関係、これらを含めて一億七千という、ことしの赤字の大部分を占めている、九割九分まで占めている。逆に給与とかその他の普通のノーマルに上っていくやつは毎年通りで、大した赤字の要素になっていない。こうしたような現状が大牟田の市の中にあるわけです。こまかい資料を私持っておりますが、きょうは時間がありませんから、そういう点について触れませんけれども、そういうことになってくると、これはもっと抜本的に、厚生省なり労働省なりが自治庁と話し合って、たとえば、今の罹災者に対する緊急な失業対策の問題については国が全額を負担するとか、いわゆる差額的な問題については負担するとか、あるいは生活保護の問題についてはもっと高率に補助するというか、いろいろな形の、失業対策の問題もそうですが、これを推進するとか、たとえば、緊急に間に合わなければ、起債なら起債の問題をやらして、それに対する、元利補給を国の方で考えるとか何とかしてやらなければ、せっかく財源関係で赤字をどうにか埋めた、そうして黒字になってきたあれが、この国家的な仕事と思われる問題の影響で、即そのまま赤字になってくる、こういうような形が出てくるのです。これは、自治庁の奥野さんにも考えてもらいたいと思うのですが、こういう点については、もっと抜本的な方策をとってもらうような考え方を一つ出してもらいたいと思うのですが、そういう点については、自治庁と二省の方でこれは話し合いをしたということはないのですか、こういう問題については。両方にお伺いしたい。
○説明員(奧野誠亮君) 先ほど労働省の方からお話がございましたように、石炭関係の問題は大問題でございますので、関係省がたびたび集まりまして、協議を進めているわけでございます。その際に、私たちの方で国にお願いをしております問題は、将来の石炭産業の見通しを立てて、はっきりした対策をとってもらいたい。ただ単に失対で吸収すればよろしいのだということでは困るじゃないか。将来そこで定着をして、それで、同じようなことを永久的にやっていけるものでもないわけでございますので、将来にわたる見通しを立てて対策を立ててもらいたい。従って、場合によりましては、石炭関係の従事者を他の県に持っていって職を与えるというようなことも、積極的に取り上げるような対策を考えてもらわなければならぬ、こういう点をお願いをいたしております。 第二番目の問題は、従来と同じような方式で、国がそれぞれの事業の補助をしていくということは、とてもこれだけの大問題を地元では抱えられない、従って、高率な国庫負担をお願いをしておる。さしあたりすでに高率な負担の道のあるものについては、あえて法律を作らないでもできるものについては、すぐにでもやってもらいたい。たとえば、失対事業に対しまする国庫負担につきましても、高率な国庫負担制度があるのだから、それを活用していただけないだろうかということをお願いいたしておるわけであります。それぞれの仕事につきましては、高率な国庫負担をしていただきますならば、あとは自治庁の方で責任を持ってそれぞれの地方財政が立つように心配をしていきたい。しかし、国が高率な国庫負担をするという形をまず打ち立ててくれなければどうにもならないのじゃないかということを言っているわけであります。そういうようなことを考えて参りますと、やはり総合的な特別立法を作る必要があるのじゃないか、こういうようなこともお願いをしているような状態でございます。
○占部秀男君 今の奥野さんのお答えですね。これは実現してもらわなくちゃならぬと思っているのですが、方向的には、われわれもそういうような方向に行ってもらいたいと思うのですが、この間も、大牟田へこの問題について調査に行ってきたのですけれども、現在三十三万ぐらい人口があるのですが、そのうち十四人に一人の割合で、全部生活保護をしているわけです。法律の問題にしても、こまかい点は時間がないから言いませんけれども、非常にひどいのです。そのこと自体が市の財政をどうにもならなくしてしまっている。ほかの事務、事業の方にも食い込んでしまって、しかも赤字が出るという形で、にっちもさっちもいかなくなっている。これは、大牟田だけの問題じゃなくて、田川のごときは再建団体、その再建団体で、しかもこういうようなところへ金をつぎ込まなくちゃならぬ。ところが、再建団体としては再建団体の制約がある。そのジレンマにかかって、どうにもならぬというような状態にある。これは、詳しく各地の状況を調べれば、県の場合もそうですがここに県の予算書その他持っていますけれども、やはり、県、市町村としては相当大きな問題になるわけですね。そこで、九州がことしは災害がなかったような形で、今度の風水害にはかからなかったような形だからいいようなものの、他の、北海道あたりも相当こういう問題が起っておるのじゃないかと思うのです。そこで何とか、今言ったように、この離職者に伴うところの緊急対策、その労働あるいは生活関係あるいは民生関係、こういうような点の全体の問題については、いわゆるノーマルなもの以上の問題については、国がこれを全額負担するんだ、こういう点をともかくも現地でやってもらわんと、速急にやってもらわんと、もう市の方も息切れがしてしまっておる。去年からことしにかけてそういうような状態ですから。従ってこの点については、実は労働大臣なり厚生大臣に来てもらって、政策面についてお伺いできれば一番いいんですが、きょうはできませんからあれですが、速急に一つ、奥野さんの方から両省に働きかけて、そうした点についてのめどを少くとも臨時国会までには立てられるようにしてもらいたいと思うんですが、その点はいかがなものですか。
○説明員(奧野誠亮君) お話の点、まことにごもっともでございまして、そういうことでもございますので、先般も、若干の予備費支出で一応の措置がとられたわけですけれども、今後もなお、今お話のありましたような方向で、私たちも努力して参りたいと考えております。
○占部秀男君 この問題については、きょうは結論が出ませんから、臨時国会まで保留させてもらいます。
○委員長(新谷寅三郎君) 本日は、これで散会いたします。 午後零時四十四分散会