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32回国会参議院1959/08/10

地方行政委員会 閉会後第2号

発言数
306
登壇者
19
会派数
2
開催日
1959/08/10

会議録

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) それでは、ただいまから地方行政委員会を開きます。  まず、委員の異動を報告いたします。去る七月三十日白井勇君が新しく委員に選任せられましたから、御報告いたしておきます。   —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、新市町村建設及び地方公務員給与に関する小委員の補欠選定について御報告いたします。先般小委員の成田一郎君が死去せられましたため、一名欠員を生じておりましたので、本日委員長において白井勇君を小委員に指名いたしましたから、御報告申し上げます。   —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) これから本日の議事に入ります。  先ほど即事会を開きまして、本日の議題について協議いたしました結果、地方行政の改革に関する調査といたしまして、起債の問題、競輪の問題、公共事業に対する財源の問題、最近の右翼団体の動向に関する問題等について質疑を行うことといたしました。理事会の決定通り取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。それでは質疑に入りたいと思います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 地方起債のことについて伺いたいのでありますが、昭和三十四年度の成立した起債の大体の今までの割当、そういうものはどういうふうになっておりますか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 一般会計分のうち一般補助事業につきましては、団体別の金額を内定いたしまして、政府部内で話をしておる最中でございます。義務教育施設の整備事業の関係のものは、府県別の額をきめまして、府県で個々の団体別の額を決定していただきますように、府県に連絡済みでございます。一般単独事業につきましては、すでに府県分は決定をいたしましたし、市町村分につきましても、府県にワクを配分をいたしまして府県の方でその金額を内定をいたしました部分につきまして、その通りでよろしいというような連絡をいたしたところでございます。準公営企業の分については、港湾整備の関係のものについては、一応内定をいたしまして、政府部内でなお打合せをいたしておる最中でございます。その他の屠場、宅地造成につきましても同様でございます。簡易水道の部分につきましては、補助金との関係もございますので、まだ決定を見ておらないのでございます。公営企業分については、電気事業はすでに決定通知をいたしております。水道事業につきましても、大規模の部分については、すでに決定いたしたのでございましてその他の中小規模のものにつきましても、本日決定通知をするということになっておるわけでございます。工業用水道につきましても、一応内定をいたしまして、なお政府部内の話し合いをいたしておるところでございます。交通事業につきましては、大規模のものはすでに決定をいたしたわけでございます。その他のものにつきましては、一応内定をいたしまして、政府部内で話し合いをいたしておるわけでございます。  その他こまごましたものがございますが、一応内定をして、政府部内の話し合いを進めておるところでございます。政府部内の話し合いに移っておるものについては、それほどひまはかからない、かように考えておるわけであります。

小林武治自由民主党

○小林武治君 その事業別の金額は、ここでもってお聞きできますか、どういうふうにおきめになったか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) おおむね計画通りの金額で配分をいたしております。一応全体について申し上げますと、  一般会計分が四百九十五億円、こう予定いたしておるわけでございます。そのうち一般補助事業が百五億円、災害復旧事業が百四十五億円、義務教育施設が百四十五億円、一般単独事業が百億円、こういうことになっておるわけでございます。準公営企業分は百十八億円、公営企業分が四百八十七億円でありまして全体で千百億円という予定でございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 起債の割当はなるべく早くしてもらいたいということは、当然の希望でありまするが、あと残っておるものも、最近のうち決定できますか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) ほとんど一応自治庁としては内定を見ておるわけでございますので、近いうちに正式に決定するということにできると思います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 過年度の災害復旧関係の起債の問題ですが、これはどういうふうになっておりますか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 各省の数字もいただき、また団体からも希望額も承わりまして、今せっかくその内容を審査しておる最中であります。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今の問題は、みんな工事がそれぞれ進行しておるわけですが、いつごろおきまりになりますか。大体去年、おととしと、いろいろ過年度の分があると思いますが……。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 去年は、実は非常におそかったようでございますが、今年度は、ぜひ八月中に許可できるように持っていきたいということで、勇力をしている最中でございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今の過年度の災害復旧の割当ですね。初年度の分は、大体起債の率もよく認めておるのですね。次年度以降は起債の率が減ると、こういうふうな傾向にありますが、その点はやはりそういうことになりますか。たとえば、静岡県の狩野川台風の災害の問題ですが、今年—二年後は困難な事情になっておる、こういうことになりますが、要望に対する起債の割当、あるいは建設省の計画に、あるいは農林省の計画に対する起債の要望に対する充当率がだいぶ減るというふうな問題がいつもあるのですが、それはどうですか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 公共土木災害復旧事業に例をとって申し上げますと、御指摘のような、現年災につきましては、一〇〇%の充当率にいたしているわけであります。過年災につきましては、今年は総平均で七〇%という充当率で考えているのでございます。しかし、過年災でございましても、特定の団体に集中している、こういうような団体分につきましては、この率を若干高めたいということで、現在内容を審査いたしているのでございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 その点は、先からみんな問題になっておって、どうも二年度以降の起債の充当率が少い。この点は、地方でも非常に困っているので、これは直したらいいだろう、できるだけ初年度と同じように、いい率で起債を認めるようにという話し合いの希望出ているわけです。そういうことをやはり自治庁、政府としても直していく、こういうふうな考え方をどうしてもしてもらわなければいかぬと思いますが、その点はどうですか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 現年災と過年災との同で若干取扱いを異にする、これは私は、それでやむを得ないのじゃないかと、こう思っております。大体七〇%ということでよろしいかどうかということになって参りますと、集中的に災害の起きました団体につきましては相当無理がある、こう考えておるわけであります。そういう点から、今も申し上げましたように、平均七〇%ではございますけれども、御指摘のような向きにつきましては、特に充当率を高めたい、こう思っておるわけであります。将来過年災の充当率をもっと高めたらよろしいのではないかという御意見でございますが、地方債をどこまで増額していけるか、それをどういうふうな部内から重点的に増額していくかというような問題もございますので、そういう考えとあわせまして検討していきたいと、かように考えておる次第であります。

小林武治自由民主党

○小林武治君 七〇%という率は、私はかなり低い率だと思う。だからして、今後の問題としても、それは一つ直してもらいたいということを強く要望しております。それから起債は、一般会計などはなるべく減そうというような方針を今までとってきたことがありますが、しかし、地方の要望は非常に強いのですね。ことに上水道、簡易水道、屎尿処理、下水道、これに対する起債の、要望は非常に強いから、来年度は相当やはり起債を増すというような方向に持っていかなければなるまいと思うのです。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 一般会計の地方債をなるたけ増額しないで、必要な財政需要については、一般財源で補てんをしていくという考え方は、これはやはり将来とも持続していくべき問題だと思っております。先ほど御指摘になりましたように、そうかといって、社会情勢の変化その他から考えまして、都市に集中的に起っております下水処理あるいは屎尿処理の問題、あるいは塵芥処理の問題に対しまする施設を、特定の団体の分だけ一般財源の中から増額するということは、とてもできない問題でございます。そういう意味では、御指摘のように、私も、そういう関係の地方債を特に優先的に増額していかなければならないのではないか、かような考え方を持っておるものでございます。今年度は、下水に関しましては、地方債を数十億大幅に増額をいたしたわけでございます。御承知のように、下水、屎尿処理、塵芥処理、そういうものについての地方債を引続きまして三十五年度も重点的に承認して参りたい、かような考え方を持っているのでございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 三十五年度の起債の見通し、多少の素案というか、考え、できましたか。まだですか。起債の増額ですね。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 今年の起債の配分額を決定いたしましたその上で、個々に事業別に積み上げて考えたいと思っております。まだ作業をしておる最中でございますが、計数をまとめるという段階には至っていないのでございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今の問題に関連しまして、今の災害復旧の、ことに静岡県の狩野川台風の関係は、非常に集中的に大きな災害を受けている。従って、平均が七〇%であっても、さっきの財政局長のお話のように、その場所によってはある程度特に見てくれる、そういうようなことを特にお考え願いたいということを要望しておきますが、いかがですか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 昨年静岡地方に集中的に災害が起ったわけでございましてこれは、私たちも、当然こういう団体につきましては、平均よりも若干でも多い率で地方債の充当をしなければならないという考えを持っておるわけでございます。

鍋島直紹自由民主党

○鍋島直紹君 三十四年度の地方財政の中での起債でございますが、今、一般補助事業の起債が非常に足りないというのが問題になっております。知事会かなんかは、六十億不足する、あるいはこの表で見ますと、去年と比べて二十六億増加しなければならない、これについてのあとでお話あると思いますが、大方針を承わりたいのですが、やはりこれを何とかして五十億か六十億か、今後において一般財源かあるいは起債で地方にお出しになる御意思、御方針があるかどうか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) これは、先般来の当委員会でもたびたび問題になったわけでございまして、当時の青木大臣からは、地方債の決定あるいは地方交付税の配分額の決定あるいは今後の地方税収入の推移、そういうものとにらみ合せて善処したい、こういうことを述べて参られたわけでございまして、大体地方債の配分額も、あるいは地方交付税の配分額も、めどがついてきたわけでございます。そういうような状態から見て参りますと、何かやはり措置をする必要があるんじゃないだろうかという考え方に自治庁としては傾いて参ってきておるわけでございます。ただ、三十五年度以降の財政状況を考えて参りますと、三十四年度に劣らず、あるいはそれ以上に非常に苦しい状態に陥るのではないだろうか、こういうような見通しも持たざるを得ないような格好になってきております。そうしますと、単純にここで地方債を増額するのだということは、いわば、から財源で財政規模だけをふくらましてしまったという結果になるところがかなり出てくるわけでございます。そうしますと、来年度以降非常に苦しい状態に置かれるのに今回のそういうような措置をした場合には、その跡始末まで来年度以降にやらなければならない、こういうことにつきまして、二重に苦しい問題を持ち込むことになりますので、そういうこともあわせまして必要な措置を講ずるように工夫をしていきたいということで、現在なお相談をいたしておる最中でございまして、いずれにいたしましても、近いうちに結論を出したいと、かように考えておるわけでございます。

鍋島直紹自由民主党

○鍋島直紹君 もう一回申しますが、大体各県からそういう不足額というものが出て参りますのは、いつごろになりましょうか。九月ごろになりましょうか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 現在でも、たとえて申し上げますと、財政再建団体でございますと、将来の見通しも伺いまして、計画の変更の承認をいたしておるわけでございます。従いまして、大体の見通しはつけられるわけでございます。その他の団体におきましても、一々話は伺っておるわけでございますけれども、交付税の決定でありますが、今月中ということになっておるわけでございますので、いろいろお話は伺っておりますものの、最終的な姿はまだ描かれていないということになっているのじゃなかろうかと思います。地方交付税ももう決定するという段階になりましたので、近いうちに確定的な態度を府県としてもきめられるだろうと思いますし、私たちもそういうことを承知できるのではないか、かように考えておるわけでございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 根本的な起債の問題はあとで、午後大臣が来られるというので、そのときにまあじっくりお聞きしたいと思いますが、先ほど小材さんの質問に関連して、これは要望という形になるかもしれませんが、それは最近、ここ四、五年、特にこれは準公営の事業に多いのですが、政府が奨励していたような問題があるわけです。たとえば簡易水道の問題とかいろいろあると思います。それがちょうど今年から来年にかけて完成期になっておるのが相当あるわけですね。そういう問題については、地方債のワクを許可をする場合に、その事業の内容をよく一つ検討して、必ずしも機械的にやらずに、事業内容を効率的に、完成がうまくできるように計らってもらいたいということを私希望しておきたいのですが、たとえば、まあこれは地方を歩いてみると、六カ年計画なり、五カ年計画なら五カ年計画とか、四カ年で簡易水道なら簡易水道をやっておる。ところが、今年から来年にかけて急所の仕事になるというのに、どうも起債の面で制約されるという点があるので、そういうような事業面については、特に一つ準公営の場合は今年の場合はまだ決定してないそうですから、御留意を一つ願っておきたいと思います。それだけです。   —————————————

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治庁、通産省も御存じでございますが、例の六月二十三日に起りました千葉県の松戸競輪の事件でございます。これらの点について、たとえば千葉県は、通産省の責任追及の処分にあいまして、結局三カ月の停止にあった。このために、八千万ないし一億の歳入欠陥を生ずるわけであります。果してこの責任が存在するのか。かりに存存するとしても、処分が妥当であるかどうか、こういう問題。  あるいは、松戸事件の実質的な責任者は、これは千葉自転車振興会であることは、どなたも異存がないはずです。しかし、千葉県でも自治庁でも、自転車振興会に対する監督権というものはございません。これでよろしいのか。  第三点は、通産省の自転車振興会に対する監督が、私どもは十分であるとは思われない。千葉県自転車振興会の現状に対する見方あるいは指導が正しいかどうか、こういう点。四番目は、問題は競輪ファンそのものに犯罪要因があるとさえ言われている。競輪廃止を断行しなければ、松戸事件のようなものは、これはくびすを接して現われることは当然であります。そこで、自治庁並びに通産省は、競輪事業の将来というものをどういうように見通しておるのか。政府みずからがこの社会公共の秩序の破壊に対するところの一体責任というものをどう考えておるのか。  総括的には、以上四点をお伺いをいたしたいと思うのであります。  そこで、その第一点であります。まず、その松戸競輪事件に対する措置を通産省に伺います。通産省の通達によりますと、施行者の責任は、入場者代表との交渉の場に出席しなかったということが一点、それから金の支払いを黙認したということが一点、この二点と認めておるようであります。さらに、千葉県自転車振興会の責任といたしましては、審判及び選手の保護管理が不適正であったということが一点、自転車振興会の独善によって金銭の支払いが行われたということが二点、このそれぞれ二点ずつを主たる内容として処罰をしておるようでありますが、これは、そのように受け取ってよろしゅうございますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 先般の松戸におきまする競輪の騒擾事件に関連いたしましてのお尋ねでございますが、お示しの通り、通産省といたしましては、今回の騒擾事件の内容を詳細に調査いたしました結果、できるだけ厳罰をもって臨むという基本方針を確立いたしまして、この競輪の施行の主体でございまする施行者つまり千葉県と、その競輪の実施を委託されておりまする千葉県の自転車振興会、この両者、さらに進みましては、中央の全般的な指導機関でございまする日本自転車振興会それぞれに対しまして、制裁と申しまするか、監督上の処置をいたしたものでございます。そこで、今回の事件の具体的な内容につきましては、すでに皆様方御承知の通りでございまするが、結局八百長であるということをきっかけにいたしまして、ファンの相当の数が暴行脅迫的な態度に出まして、これに対しまして最後に処置に困って、ある程度払い戻しをしたという事実でございます。このことは、明白な自転車競技法の違反でございまして、いかなる名目をもってするを問わず、そういう払い戻しをするということは違法でございますので、これは明白に違反であります。従いまして実施の責任者でありまする、直接の責任者でありまする自転車振興会の違反事実は明白でありまするが、同時に、これを委託いたしまして振興会の事業の実施を監督いたすべき立場にありまする施行者でありまする千葉県におきましても、その責任は免れないと思うのであります。従いましてこれらの点を勘案いたしまして、今、加瀬委員の御指摘になりましたような具体的な点を違反の中心と考えまして、これに対する処置をいたしたのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今の御説明にもございましたが、処分をする根拠になりました法規は、自転車競技法十三条の規定によると、こう示されておりまして、競技場内の秩序維持、かつ競輪の公正及び安全を確保するための必要な措置が講ぜられなかった義務違反並びに公益に反する状態を現出したと、このように通産省の通達の内容は述べられておりますが、これもその通り承わって間違いございませんか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) その通りでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 じゃ、義務違反に重点を置いたのか、それとも公益に反するという、この紛争の現状というものに重点を置いたのか、いずれでございますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 自転車競技法の規定しておりまする直接の義務違反及び公益に対する違反、二つの根拠が自転車競技法の第十三条に示されてありますが、いずれに重点を置いたかというお尋ねでございまするが、私どもの考えといたしましては、両者いずれに特に重点を置いたということでなく、両者の違反である、こういうふうに考えたのであります。  具体的に申しますれば、主催者といたしましては、まず今回の騒擾事件のきっかけになりました競走に対する審判の措置、これも適正でございませんでしたし、また、あとで選手に対しまする制裁の方法、これもやはり適正ではございません。それから、事件発上しましたあとにおきまして入場者に対しまする整理の仕方、そういう整理措置がはなはだ不適当である。また、騒ぎが起りましてからあとの選手に対する保護の措置等も適正でないし、それから最後に、金銭の支給ということによって事件を一応処置したという格好をとりましたことそれ自体も非常に不適当である。それらの事実を総合的に勘案いたしまして、今回の措置をとったような次第であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、審判の措置が適正を欠いた、選手の制裁も適当ではない、整理の仕方もよくなかった、選手の保護も適切ではない、さらに払い戻しという事実を生じさせた、これらが今度の処罰の一番の問題点だ、このような御説明でございますが、さようですね。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 具体的な主催者の責任と考えられまする義務違反は、そういうような点でございます。それらが結局は競輪の公正及び安全を確保し、また競輪場内の秩序を維持するという公益的な目的にも全然反しておるということで、これらを総合して決定したわけであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういたしますと、施行者に実質的な義務違反というものが一体存在するのかどうか。ただいまおっしゃいました審判の問題、選手に対する制裁の問題、あるいは場内整理の問題、選手の保護の問題、払い戻しの問題、一応払い戻しの問題を別にいたしますれば、これは、全部施行者である千葉県は千葉県自転車振興会に委任をしてある事項であります。あなたのさっきの御説明でも、直接的責任は自転車振興会、しかしながら県も責任は免れない、こういうお話であった。責任を免れない者と直接責任を負わなければならない者と、あなたの方の処罰では、責任を免れない者が非常に重くて、直接責任を負わなければならない者の処罰というものは、これは非常に軽い。一体これはどうしたことか、こういう質問をせざるを得ない、この点どうですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 競輪の実際の施行のやり方でございますが、これは、御承知の通り、施行者つまり県当局があくまでも競輪の施行の主体でございまして主催者であり、また施行者はあくまでもこれは県自体でございます。ただ、実際の県の処理いたしまする競輪の具体的な業務につきましては、これは県の職員だけではやり切れない場合が普通でございますので、それらの場合におきましては、それぞれ各県にございまする振興会に実施事務を委任しております。委任しておりまするけれども、しかしながら、実際の最後の決定権並びに責任を持っております者はやはり施行者でございまして、従って、いかなる事態が起りましても、その事態の収拾に当りまして、やはり全力をもってこれの責任に当らなければならない立場にあります者は施行者であります。その意味におきましても、結局今回の具体的な事件の発生に当りましての事態の収拾、最後の金銭の支給等につきましても、最終的な決定権を持っておるのは施行者でございます。従いまして、特に施行者が全部振興会に委任をしておるからして、あとは振興会の、責任であるということは言えないのでありまして、直接の業務の実施の責任は振興会にあることは御指摘の通りでございまするけれども、最終的な決定権、実施の責任者はやはり施行者である。こういう意味におきまして、施行者、振興会、いずれに対しましても厳罰をもって臨む、かような次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 形式的にはあなたのおっしゃる通りだ。しかし、あなた自身の御説明も、直接責任は自転車振興会とおっしゃっている。実質的な責任の所在というものが一体どこにあるのか。形式論を離れて探究していけば、当然これは自転車振興会の方に、より責任を松戸事件の場合には課せざるを得ないんじゃないか、こういう見解が成り立つと思う。法律的にも成り立つと思う。この点で、自転車振興会の責任というものを一体どう考えていらっしゃるかという点を伺っている。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 自転車振興会の責任は、申すまでもなく、施行者から委託をされておりまする競輪の実施—実施と申しますのは、競輪場内における秩序の維持の問題もございましょうし、また審判に関する事項もございまするし、あるいは選手に対する措置の問題もございまするし、あるいは競走の運営、取り運びというようなことについての責任もございまするし、あるいは競技が終りましたあとの金銭の出納ということにつきましても、もちろんそれらの直接の具体的な事態は振興会の責任でございます。その意味におきまして、振興会に責任があることは当然でございます。ただ、その場合におきまして、施行者の責任と申しますのは、先ほども申しましたように、今回の事件におきましても、最後は金銭の支払いが行われたという場合におきましても、金銭を支払うべきかいなかということを最終的に決定するのは、当然これは施行者の責任でございまして従いまして、そういうような点におきまして両者ともに責任がある、かように考える次第であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 通産局長の通達によれば、自転車振興会の独断により金銭の支払いをした、こういうことが認定されておる。自転車振興会の独断によって金銭の支払いが行われたということがあなた方の方で認定をされておってですね。その金銭の支払いに形式的には責任がありますよ。しかし、実質的には、金銭の支払いそのものは、あなた方自身で振興会がやったとお認めになっておる。ですから、私が言っておるのは、県に責任がないかということを聞いておるのではない。県と振興会の責任を考えるときに、どっちに一体重点をおかれるのか。どのようなお立場を東京通産局はおとりになったかということをあなたにお尋ねしたい。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 東京通産局は、御承知の通り、通産省の東京通産局管内の競輪場に関しまして直接の監督をいたしておるわけでございますが。もちろん、最後の処置につきましては、われわれ本省と打ち合せしました結果行なった処置でございます。従いまして、私から便宜お答え申し上げますが、金銭の支払いは、最後には結局その競輪の直接の実施責任者でございました振興会が独断でやったということでございますが、独断でやったということにつきましては、結局施行者におきましては、当然そういった場合におきましてしかも具体的に騒擾事件が起っておることがすでに目の前に明白でありまする際におきまして、その入場者との交渉に立ち会い、あるいは最終的に金銭の支払いをすべきかいなかということにつきましても、当然その場において監督すべき立場にあったにもかかわらず、これを振興会の実施者に全面的に、全面的と申しますか、独断でまかせたという点におきまして、施行者の側において責任があるわけでございます。ただ、今御質問の点は、施行者の責任ということよりか振興会の責任はどうかという点でございますが、振興会の方の具体的な違反事実につきましては、先ほどから御説明申し上げておりまする点につきまして十分尽きておると思うのであります。ことに、今御指摘になりました、東京通産局の方において独断で支払ったというような表現を用いたというお話でございますが、特にそういうような表現を用いたことはないかと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたの力が三四・一〇第一〇六五九号、昭和三十四年七月七日、千葉県知事柴田等あて通産大臣池田勇人、この通達を出した。その中で、千葉県自転車振興会に対して、さらに通産省重工業局長の名前で通達が出てあなた自身の名前で出ておるものに、その自転者振興会の独断によりと書いてあるじゃないですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 七月七日、私、重工業局長から社団法人千葉県自転車振興会理事長あての通達にはさように書いてあります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 だから、あなた方自身、この事件の、特にその払い、戻し問題は、自転車振興会の独断によって金銭の支払いをしたという認定をしているじゃないですか。認定をしておるにもかかわらず、一体振興会そのものに対する処断と県に対する処断というものを比べたときに、振興会の方に一体どれだけ重点を置いて処罰をしておるか、軽いじゃないか、こういう点を聞きたいのです。それは、自転車競技法の臨時特例に関する法律の一部の改正に関する附帯決議というのがこの参議院の商工委員会で昭和三十年の五月二十八日に行われている。その附帯決議は、競輪施行者並びに自転車振興会の運営経理の現状は遺憾の点が多いから、これを改革をしなければならないという附帯決議の内容の一つ。そうしてさらに、あなた方自身の改正要綱の中には、自転車振興会の指導強化ということが入れてある。当然これは、自転車振興会の指導強化ということは、監督強化ということは、あなた方の方の責任として、国会で約束したことなんです。しかも、施行者協議会の会長である当時の東京都知事の安井誠一郎氏名で、施行者自身が競輪運営をするのは非常に事務繁多になるから、振興会を十分監督指導をして、施行者の事務繁多を避けるために、大幅な委任をする方向に、それにこたえられる振興会の改組ということをしてもらいたいということを通産省に対して申し上げているはずです。その線に従って、東京都並びに千葉県では、ある程度大幅な委任をいたしておる。昭和三十四年の千葉県営松戸競輪実施委任契約書というのをあなた方御存じだと思う。競技関係、車券関係、宣伝関係、場内整理サービス関係というものを大幅に委任をしているはずです。しかも、「昭和三十四年度千葉県営松戸競輪実施委任契約書第二条の解釈は左のとおりである」ということにして、ただいまの競技、車券、宣伝、場内整理サービスの四点は、全面的に乙に委任するものであるという取りきめを両者でしているはずです。だから、十三条の責任というものをまるまる県がのがれるということはできないにしても、十三条は施行者並び自転車振興会の両方の責任だ。しかも、その事務の多くのものは、千葉県の場合は自転車振興会に委任してある。あなた方の一番問題の金の払い戻しは、自転車振興会の独断によってやったと認定しておって、しかも県だけに非常に重い処罰をかぶせて、自転車振興会そのものにはゆるやかなのはどういうわけだ。ゆるやかな理由はあとで逐次質問をいたしますが、一体千葉県自転車振興会あるいは全国の自転車振興会というものに対して基本的にどういう態度をおとりになっているのか。この院の附帯決議でも、あるいはそれぞれの施行者代表の要望というものも、あなた方自身の法案説明のときに内容としてお話になられた事項というものを全然空虚なものにしているじゃないか。今日の態度は、そう私ども感ぜざるを得ない。この点を一つ。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 今回の事件に関する限りにおきまして施行者と施行の委任を受けております自転車振興会、両者いずれにも責任があるという点は、これはお認めいただけると思うのでありますが、ただ、御指摘の点は、その責任に対する処罰のやり方が、振興会に薄く、施行者に重過ぎるではないか、かようなお話であるように承わります。しかしながら、私どもは、特に施行者に重く、振興会に薄くとかというような措置をとったつもりは毛頭ございません。先ほどから申し上げておりまするように、直接の施行の責任は振興会でございます。従いまして、先ほど私の名前で千葉県の振興会あてに出しました通牒には、お前のところは独断でやったということは確かに書いてございますが、独断でやったということは、結局、その際におきまして、施行者の方といかなる連絡をし、あるいは連絡を全然せずに、勝手に振興会が金を払ったということの事実を指摘しておるわけでございまして、これに対しまして、振興会が勝手にやったことだから、施行者の方は全然それは関係がないのだということを言っておる意味ではございません。それで、これに対しまする処置でございますが、御承知の通り、制裁措置といたしましては、自転車競技法の第十六条にこれに対する制裁措置があるだけでございまして、その制裁の内容といたしましては、施行者でありまする——この場合におきましては県でございますが、競輪の施行者に対しましては、開催停止処分あるいは開催の制限と、この二つの方法しかないのであます。また、振興会あるいは競輪場の設置者等に対しまする処分といたしましては、業務停止、制限、あるいはさらに進んで役員の解任ということがあるのであります。  そこで、われわれといたしましては、事件の実態をよく調査いたしました結果、また競輪全般に対しまする世論の動向ということも十分考え合せまして、内部におきましてはもちろん相当の議論がございましたし、非常に過酷に過ぎるのではないかという意見ももちろん一部にはございまするが、むしろ一般的な世論といたしましては、もっと強硬な処分をするということの方が一般的な世論でございましたので、私どもといたしましては、結局過去の実例、前例等も照らし合せまして、従来にない厳罰ではございましたけれども、三カ月の処分をいたし、また振興会に対しましては、全面的に役員の解任をすべきことを処置いたしたのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そのはずがそう行われておらないところに、われわれは疑義を感じて質問するのです。具体的なことはあとで質問いたしますが、その前に、前提として、それならば、少くも実質的には振興会の責任というものが非常に重いということを御認定なさるのですね。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 振興会の責任は非常に重いと同時に、施行者の責任も重い、かように考えます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたのおっしゃることははっきりしないと思うのです。いいですか。何で処罰をしたと言ったら、審判の措置が適正を欠いたから、選手の制裁が適切でない、整理の仕方が悪い、選手の保護が悪い、払い戻しをした、こういうことで、払い戻し以外のことは、これは法規の上でも全部委任ができるものだ。払い戻しにしても、振興会の独断によってやったということはお認めになる。それならば、形式的には県が施行者だから責任を負わなければならないにしても、県をして責任を負わせるような事態を生ぜしめたものは、まるまるこれは振興会じゃないか、こういう事実はお認めになっておるのかどうか。これは、さっきの御説明でお認めになっておると思う。それならば、実質的に県は、これはむしろそういう振興会に委任をしておったという責任はあるかもしれぬが、事件そのものの責任は、むしろ県よりも振興会の方に負わすべきじゃないか。ここに重点が置かるべきことは当然、県も責任を負わなければならぬかもしれぬけれども、実質的にその事態を生じた責任というものはむしろ振興会にある、こうあなたは御認定になっておられると、今までの御説明では判断をせざるを得ない。そうではないですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 私の説明の仕方が非常に下手なのか、あるいは説明が足りないのか存じませんけれども、私どもはそういうふうに申し上げたつもりではございません。全面的に施行の実施を振興会に委任しておるから、もうあとは全部振興会の責任であるというふうには私どもは申しあげておるのではございません。独断で払ったという意味は、結局その事実それ自体は、勝手に払ったということでございまするけれども、当然長時間にわたりまする騒擾事件が発生しておりますることは、もう前からわかっておりまするし、あるいは県の施行の責任者が当然その場にい合せたはずでございまして、それとの連絡あるいは調整というようなことにつきましては、あくまでもこれは施行者の責任でありまして、審判の問題にいたしましても、選手の問題にいたしましても、それらは全部関連した一連の問題でございます。事件としましては一つの事件でございます。従いまして、当然当初から最後の事件落着に至りまするまで、それは、施行者として当然これは共同で責任を負わなければならない、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それならば、あなた一番初めの御説明を訂正なさい。直接責任は自転車振興会にあるが、県も責任を免れない、こう冒頭おっしゃった。それが御本心だと思う。それが当然ですよ。それも違うのですか。違うならば訂正しなさい。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 私の今最後に申し上げましたことと最初の私の表現がもし間違っておるといたしますれば、最後の表現の方に訂正いたします。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 間違っているじゃないか。それは、直接責任は自転車振興会の方にありますけれども、県の責任も免れませんとあなたのおっしゃったことは間違いかどうか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) それは、表現の仕方が間違いであるという御解釈でありますれば、さように訂正してもけっこうです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私は間違えないでその通りとっております、日本語は普通にわかるはずですから。あなたは、直接責任は千葉県自転車振興会にある、しかし県も責任は免れないと、あなたがおっしゃったことはお間違いかどうかということを聞いておる。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 責任の所在につきましては、先ほどから申し上げておりまするように、振興会といたしましては、県から委託を受けました。これは、事業それ自体の委任ではございませんで、あくまで主催者は施行者でございます。従いまして、その辺の説明は非常にこんがらかるのでございますけれども、直接に委託を受けました事業を運営する責任は、これは振興会の方にございまするけれども、自転車競技法の施行規則の第一条に書いてございますように、委任し得る事項というものは限られておるわけであります。最終の決定権を持っておりますのは主催者でございます。その意味におきましては、主催者もやはり責任がある、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それはわかります。直接の責任はある。しかし、直接の責任は自転車振興会にあるけれども、県も責任は免れないということと、何もかも、自転車振興会の方の責任までも県は全部の責任があるのだということとはずいぶん違ってくる。私も、しろうとですけれども、競輪関係の法律あるいは施行規則、いろいろ見ました。あなたは十三条ばかり言っているけれども、十二条には、自転車振興会の義務まではっきりうたわれておる。十三条に、地方の自転車振興会の義務がうたわれておる。ですから、十三条だけを正しく解釈したら、これは施行者と自転車振興会は当然責任がある。しかしながら、自転車振興会というものに委任をしないで、施行者が自転車競技を施行できるか、ほとんどできないというのが現実です。委任することができるということになっておりますけれども、選択権はないでしょう。形式的には選択権が成り立っても、実質上は競輪事業は成り立たないでしょう。だから、この前の参議院の委員会でも、あるいは施行者の方からも、あなた方自身からも、振興会自身からすら、自転車振興会そのものの内部改造をやらなければ、競輪事業の円満なる、あるいは公正なる運営はできないという注意が喚起されておるわけです。ですから、私は何も県の責任を言いのがれようと思ってここに聞いておるのではない。問題は、あなた方の監督程度というものが、県にはこういうふうにきびしくできるけれども、振興会自身にはきびしくできないじゃないか、振興会の責任というものをどう考えているのか、これを重く見るのかどうなのか、こういう点を聞きたいのです。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 振興会の責任は、県の振興会といたしましても、地方の市の振興会といたしましても、いずれも責任は重大だと、かように考えます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治庁の財政局長がいらっしゃっていますから、ちょっと伺いますが、とにかくこれからいろいろ説明しなければ、さらに内容は分明しませんけれども、事件を起した当面の責任者は千葉県自転車振興会です。それによって千葉県は八千万ない、一億の歳入欠損を生ずるわけです。従って赤字財政で再建団体の千葉県が一億内外の欠損を生ずるということは、非常に大きな問題です。で、こういう影響を与えるものについては、当然通産省の方から自治庁に対しましても、千葉県の財政事情というものも考慮に入れて判断を下したものと思われるけれども、何かお話がありましたか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) ちょっと私は、最後のところを聞き間違えておるかもわかりませんので、お伺いしておきたいのです。千葉県の財政状況を考慮に置いて通産省は処分をすべきだということで、ございましょうか。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういう財政事情であるので、その財政事情に押しかぶせて、赤字面をふやすだけだから、自治庁にも、一体どういう財政事情になっているかという点でも当然御相談あってよくはないかとわれわれ推測するのだが、何か、三カ月の停止をすると、千葉県の財政上非常な欠陥を生じはしないかというようなお話はなかったか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 通産省からは、別にそういった意味の御連絡は受けませんでした。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それはどういうわけですか。あなた方は施行者と連絡する連絡すると言っているけれども、施行者側の行為が当然処罰の対象になった場合は、その処分について……、競輪の目的はもう一つしかない。地方財政の穴埋めをする以外にない。自転車振興といったって、五億や十億の金を自転車競技会、これが使っておっても、実際の自転車振興のために役立っておるとは、これはだれも考えておらない。役立っておっても非常に小さい。大きな役立ち方というのは、やっぱり地方財政の補完財源としてだけしか存在価値がない。で、その地方財政そのものに大きなひびを与えるという重要な問題を通産省だけでお取りきめになる、形式的には。それが運営上よろしきを得ているか。なぜ一体そういう千葉県の財政事情を考慮の中にお入れにならなかったか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 競輪の地方財政に貢献しております重要な点につきましては、私どもも十分認識しておるつもりでございます。そこで、今回の停止処分に付するに当りましては、形式的に申しまして、自転車競技法の第十六条だけを見ておればいいわけでございましてこの自転車競技法に違反したかどうかという事実だけに基きましてこれに対する制裁措置の分量と申しますか、程度と申しますか、そういうものをきめればいいわけでございます。従いまして法律論から申しますれば、自転車競技法だけに基きまして、その競技法の違反があるかどうか、その違反に対しまして、その違反の程度を見まして、違反の事実の内容に基きまして、これに即応した制裁措置をとるというのが、これが法律の精神でありまして、その県の財政事情のいかんによりまして、その違反の事実がかりに同じ事実があった場合におきまして甲の県と乙の県におきまして、財政事情によってこの刑の量定を変えるということは、これはできないわけでございますが、しかしながら、行政の実際といたしましては、お話のように、私どもといたしましては、これは実は、競輪に関する限りは、大体松戸の競輪が年間どのくらいの収益があるか、またそれが千葉県の財政にどの程度貢献しているかということは、私ども自身も実はよく承知しておるつもりでございます。従って、一カ月やめればどのくらいの穴があき、三カ月やめればどのくらいの穴があくか。あるいは半年、一年停止すればどうだということも、もちろん私どもも承知いたして決定をいたしたのであります。そういたしまして、もちろんこれは、法律の第十六条の第三項に基きまして処分をいたしまする前に、いろいろ当事者から有利な証拠の提出あるいは弁明の機会を与えなければならぬということになっておりますので、施行者でありまする県の知事さんにもよく事情を説明いたしまして、もちろん、県の力からはこれに対する反対の陳情がございましたけれども、私どもといたしましては、県の財政に相当の穴があくということは、十分これは承知いたしました上で処置をした、かような結果になっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それで、さっき、過去の前例というものを参照して処分をした、こういうお話でありますが、私の質問の第二点は、施行者に義務違反が存在したとしても、他の前例に比して非常に過酷である、こういう点を質問せざるを得ない。たとえば、おそらくこれを処断するとすれば、一応事件を起した競輪場の事件回数というものも一つの基準になると私は思う。事件回数とすれば、川崎競輪は五回騒擾事件をやっておる。伊東競輪は四回、大宮は三回、千葉、後楽園、京王閣、前橋は二回、松戸は今度を入れて二回、そうすれば、事件の回数というものはさっぱり問題になっておらぬと思われるけれども、これはどうですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 今回の騒擾事件に対する措置の決定に当りましては、先ほども、過去の前例にも照らしてと申しましたが、確かにお話の通り、かつて、昭和二十五年でございましたか、兵庫県の鳴尾におきまして非常な騒擾事件が起りました。それを契機といたしまして、その際は、まだ全体の社会的な秩序が確立されていない、終戦後あまり時間がたっていない時期でございましたけれども、非常に全国的な騒擾事件に発展するおそれもございましたので、これは、監督官庁としての制裁処分と申しますよりは、全国の施行者の方から、自発的に全国一斉に一カ月間開催の停止をしたというような事情もございました。それから、同じ松戸競輪易におきましては、同じく昭和二十五年の五月に、この十三条の規定に基きまして一カ月間の開催停止をいたしたのでございますが、その際の通達におきましても、再びこういうような事件が起りました場合におきましては、非常な厳罰をもって臨むということをあらかじめ警告は発してあるわけでございます。ことに、最近におきまする全般の競輪に対する風潮その他も十分に私どもといたしましては勘案をいたしまして全国、他の競輪場に対しまする似たような事件の波及というようなこともやはり非常におそれなければならぬ現在でございますので、その意味におきましても、やはり相当の厳格な態度をもって臨むことが必要であろう、こういう意味におきまして、三カ月という処分をいたした次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 廃止してくれればけっこうですよ。ただ、私の質問しているのは、五回もやってもっと内容的に大きな騒擾内容があるにかかわらず、文書警告くらいしかやっていない。松戸だけ、回数からいっても二回、内容だって大して他と違わないのに、三カ月停止の処分をされるのは、バランスの上からいってもおかしいじゃないか。やめるなら全部やめなさい。処罰をするなら全部厳格に処罰をしなさい。五回もやっている所があって、それは処罰が軽い。具体的に申しましょうか。宇都宮は、判定不満から、たまの撃ち合いが行われました。放火もありました。もちろん器物の破壊はおびただしいものがありました。これに対して、昭和二十五年の八月三十一日、処罰なしだ。大宮においても放火破壊がありまして、これは書面警告だけ、川崎は、放火、破壊、強奪、二重払いという重なったものがありましたが、これは書面戒告、あなた方は、世論のまにまに処罰の階段を変える。競輪というのは現実にあるのだから、現実上競輪行政という一つの態度がきちんと立っているはずだ。それを、前例によってと言うけれども、千葉県に対する三カ月の停止というのは違うのじゃないか。判断ができないのじゃないか。こういうことを伺っている。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 今お示しの川崎その他の具体的な前例等に照らし合せまして具体的な事件の内容はどうであるか。御承知のように、単に騒擾の程度によってということで判断すべきものでなくて、自転車競技法に照らしまして、たとえば、不当に金銭を支払ったかどうか、あるいは競輪場内の秩序なり、あるいは施設の保持等につきまして十分な処置をとられたかどうかというようなことも勘案してとられてきた処置だと思うのであるます。従いまして、あるいは過去の同じような事件と比べまして、その制裁の程度につきまして、多少バランスを失する点がある。全然私どもはないとは申し上げかねるのであります。しかしながら、少くとも私がこの問題につきまして責任を負っております限りにおきましては、今後もちろん松戸と同じような事件、あるいはこれ以上の事件が起りました場合には、少くとも松戸以上の厳罰をもって臨むという態度をこれははっきり堅持していきたい、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連して。この際、法の執行者として明確にしてもらいたいのは、関連質問ですから、簡潔に申し上げたいと思うのは、違法に金を支払った。その場合に、い合せた監督官がおるのに払ったのであって施行者である側の方がまあ重いのだというふうに、あるいは同等であるか、重いかというふうに、態度としては受けとれるわけですね。受けとれる。そうなんですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) その点は、御承知のように、自転車競技法の施行規則の第一条におきまして、「競輪施行者が自転車振興会に委任することができる事項は、左に掲げる事項以外の事項とする」ということがございまして、委任できない事項の中に、払い戻し金の規定があるわけでございます。従いまして本来実施の責任者に対しまして委任できない事項であり、施行者自身が直接の責任を負わなければならぬ事項であるということでございます。その意味におきまして、施行者においてその責任がある、かようなことでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 事実問題として、その点ははっきりして、次の質問に移りたいのですが、その点については両者間に、業者と県当局の間に、委任すべからざるものについて契約がかわされていたのですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) その点につきましては、法律の示す通り、委任すべからざる事項でございますので、委任契約がございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすれば、委任はしていなかったわけですね。そこで、一般の経済関係法規にしても、刑事関係にしても、日本の場合は、行為者罰という、行為者を罰するというのが法の執行の態度だと思う。これに対する監督責任等があって、決してこれは違法性を阻却するとか免責するということはあり得ないとしましても、行為者を主体にした考え方で執行されているとして間違いがありませんか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) ただいまの行為者というお言葉の意味はよくわからないのでございますけれども、この場合におきましては、本来行為できないものが勝手に金を出したということでございまして、少し御指摘の点と場合が違うと思うのでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうでなくて、私法上、公法上、委任をしていないにもかかわらず専断的にやっていった、こういう場合ですね。ところが、そこに監督者がいたというので、監督者の免責はないと、これはわかる。かといって、監督者がいたのだから、監督者が責任があるのであって行為者は免れるということはないので、むしろ行為者罰を優先されていくと思うのです。あらゆる法令を通じてね。そういう法の解釈じゃないのですか、法の執行者として。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 今回の場合におきましては、その委任すべからざる事項を委任を受けていない者が勝手にやったという意味におきまして、その行為をやりましたもの自体にその責任があると思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは、かりに破廉恥罪などの場合は、そこに警察官がおるのに物を取った。これは警察官が悪いので、これは取った方は罪にはならないか。あるいは一般の行政の場合におきましても、あるいは農林省の多久島君が何かやったという場合も、多久島君が行為者として罰せられる。あるいは逐次監督者は行政罰を受ける。こういう考え方ではないのですか。これは、経済関係法規だろうが何だろうが、一貫している。どうですか、根本的の態度。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) その辺の法律の専門的なことは、私も実はよくわからないのでありますけれども、確かに行為をいたしました者も責任がございまするし、本来権限のある、責任を持っておりまする施行者自身も責任がある、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 事実行為をもう少しはっきりした方がいいと思うのです。これは商工委員会ではないのですから省いたのですが、支払いの形式は、三谷という事務局長が、個人の名前でお支払いをなさい、通産局との関係は私が何とかいたしますという御発言があって、池田という専務が個人で千葉銀行から金を借りて金を支払うという形をとった、それで県が黙認したのじゃないかというけれども、まん中の建物におりますのが大体振興会関係の人たち、それからはるか離れた向って右の建物におりましたのが県、それから左の建物におりましたのが警察、それで群衆は、払い戻しをする、三百円くらいなら払い戻しをするとマイクで放送をしたから、全部振興会のところに詰めかけた。ほんとうに払い戻すのかどうなのかと言って、一部の人は、県は一体どうなんですか。県は払えない。向うが支払うというのに、お前らは払えないのはどうだと言って、十重二十重に囲まれて意思の疎通がはかれないという状態になった。もちろん払う意思がない。ところが、片方は払うと言っているものだから、三百円が千円につり上げられた。こういう実情です。もっと言うなら、あなたの方の徳浦監督官は現場にいた。払ってはいけないと言ったそうです。そこで、県の人たちが、徳浦監督官がいるから、事態をどう始末したらいいだろう、どう始末したらいいのか、もちろん払ってはいけないけれども、一方では払う払うと言っている。そこで、払わないで、われわれが警察力が来るのを待ってやったら、また騒動が大きくなるという事態にもなるし、といって、払うわけにもさらにいかない、どう始末したらいいかと徳浦監督官とも相談したら、きょうは公務上で来ているのではないと言って断わった。こういう事実です。それでも、県は黙認をしたとか、県は払わせた意思があると御認定になりますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 徳浦監督官の今お話の出ました行動につきましては、私どもは承知いたしておりませんが、私どもが調査いたしました範囲におきましては、最初に騒擾を起しました連中が振興会との間に金銭支払いに関する折衝をいたしております際におきましては、施行者自身がその場にはいなかった。従いまして、これと連絡をせずに金銭支払いの折衝をいたしまして、支払うことに決定した。しかしながら、金銭を実際に支払いますときには、県の責任者はその場におったというふうに、私どもの調査によりますれば、そういうふうに承わっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 金銭を支払う最後の段階になりまして、警察官は、本部長が総務部長に電話をしたそうです。金銭を支払うと言って放送をしているけれども、施行者は、お前の方は法律に違反する。金銭支払いを命令したのか。いや全然知らない。それでは、現地にさらに開催執務の福委員長がおりますから、電話をして、そういうことのないように厳格に申し入れると言って電話したときには、すでに支払いは行われておった。こういう実情であった。そこで、警察は、現実に金銭の支払いが行われるという事態が生じてしまいましたから、そこを二重取りまたはいろいろの問題が起ってはいけないというので、あとはその条件そのものをある程度守るという秩序維持の態勢を固めざるを得なかった。なぜかというと、これは本部長ではありませんが、松戸警察署の次席の話ですけれども、大体競輪に集まってきておったものそれ自身が、何か事あればという連中がたくさんおった。これを追っぱらえば、もう時間が過ぎておりますから、まわりの家に行って犯罪を犯すおそれがある。そこで、何とかその場所の中で問題を解決しなければならないという警察は羽目に陥ったので、支払いというものが行われておって、おそらくそれは県の了解の下にだろうという認定を、警察としては、出先としてはせざるを得なかった、こういう実情です。徳浦監督官がいたかいないかということは、追って相談を持ちかけましたけれども、払ってはいけない。では、払わないでこの事態を収拾するにはどうしたらいいかという相談をしかけたとき、公務上で来ているのではないから、われわれの答弁の限りでないということで逃げられた。これは、はっきりと証人がおります。こういう事態です。今、藤田さんの御指摘のように、当面の払い出しをした者自身は、これは振興会です。もっと詳しく説明するならば、八百長だと言って幾らか騒いだ。ところが、審判は八百長じゃないと言ってがんばっている。ところが、事件がおさまらないから、選手を処分しろと言って、役員が命令をして、審判は放送した。放送したから、八百長だと言って、ますます押しかけてきた。そうしたら、選手を出して陳謝させろという要求だった。八百長だから、不敢闘選手を出して陳謝させろ。そうしたら、三百円出すから、選手を出すことはやめさせてくれ。三百円はけしからぬというので、今度は帰りがけた連中まで集まって、千円につり上った。これは審判から通った問題ですから、審判自体は、全国どこの施行者もみんな振興会に委任しているわけです。振興会に委任する一番の中心である審判の問題で起っているのですから、審判に問題が起ったとき、一々施行者が、ファンが激高したからといって交渉するばかはありません。ますます波乱のもとです。そこで今度は、審判の問題から発した問題ですから、施行者の方と振興会が一体になってファンに折衝するという機会がなかった、これが実態です。この御調査は、十分お調べになっていらっしゃいますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 警察官の方の行動につきましては、私どもの方はつまびらかに承知いたしておりませんが、その他の御指摘の点につきましては、私どもも、そういう経過であることは十分承知いたしております。ただ、お話の中に出て参りました徳浦監督官の行動につきましては、ここに、東京通産局の局長は、つい二、三日前に着任されたばかりで、御存じありませんから、総務部長からお答えいたします。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの徳浦事務官の問題でございますが、当日徳浦事務官はちょうど家に帰っておりまして、事件が起っているということを聞いて、家がたまたま競輪場の近くにございまして、かけつけましたところが、非常に人が多くて、中に入れない。しかも、どうも金を払うようなニュースが出ているので、入口のところから電話をかけまして、そうしてこれは決して金を払っては困るということを警告して帰ったという状況でございます。臨官席におりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 うそです。対決しております。僕の方で証人出しましょう。現場に来ています。しかし、それをここで問題にしたってしょうがない。厳重にあなた調査しなさい。とにかく通産省は、競輪レースが行われるか行えないかということは、非常に責任を感じているようだけれども、今までの処罰例からいっても、社会的な被害というものに対しては、さっぱり処罰しておらない。鉄砲をぶっ放したり、放火強奪が行われたというものの方が、松戸事件よりも社会風教上はるかに大きな被害を与えておる。しかし、これは文書戒告すらしないじゃないですか。今度からきびしくすると言ったところで、今までの例と比較してこれは、藤田さんのおっしゃるように、法律観念からすれば、法律慣習からすれば、処罰すべからざる者を処罰して処罰すべき者はぬくぬくと逃げている。こういう現状をどうしても否定するわけにはいかないと私たち考える。この点はどうなんですか。松戸事件だけが世論に押されてやったなら世論に押されてやりました、これからそういうふうにいたしますということでもよろしい。少くとも、前例によるというが、前例とは違っておる。これはお認めになりますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 私は、前例に従って処置をしたと申し上げたつもりではございません。もちろん、前例は十分勘案したということでございまするが、今お示しの通り、前例におきまして、あるいは今回の処置と均衡を失するものがあったという事実は、あるいは否定できないかと思いまするが、私も、前例につきまして一々詳細にその当時の状況を承知いたしておりませんので、何とも確信のあるお答えができないのでございまするが、少くとも今回の処置あるいは今回以後の問題につきましては、私どもは、ただ世論の動向だけで判定をしておるわけではございません。先ほど来申しあげておりまする通り、自転車競技法という法律に基いて行われておりまする競技でございまするから、その法律をまず直接のよりどころといたしまして、これに基いて判断し、同時に、一般の社会的事実、あるいは県の財政等も、これは行政上の問題といたしまして運用上の問題といたしまして勘案して決定をしていくと、かような態度をとっておる次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その態度はわかります。しかし、その御態度の中心は、競輪をいかにスムーズにやるかということには、処罰の対象を非常に重くしているけれども、競輪の社会風教上にかもすところの罪悪というものに対しては、あまり御責任をおとりになっておらないというように考えられる。  そこで、第三点としては、通産省の競輪行政に対する基本的な性格を私はこの際伺いたい。競輪によってどれだけの犯罪が行われておるかという事実を御存じですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) どれだけの犯罪ということの具体的なことは、私どもは……。それは、相当いろんな面におきまして好ましからざる事実が起っておるということがあるからこそ、こういうふうに問題になっておるわけでありまして、その点は十分承知しておるつもりでございまするが、それじゃ、具体的にどういう事件が何件発生したかということにつきましては、私どもは、手元に資料を持っておりません。これはもう当然、刑事事件等になりますれば、警察当局の方においてお調べになるわけでございまするので、私どもの方は、警視庁なり、あるいはそういった犯罪の統計の関係の調査資料は、報告は受けておりますが、私ども自身は、そういうものを調査する責任もございませんし、また立場でもございません。ある程度の資料は持っておることは持っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなた方、競輪による犯罪を調査する責任は十分ありますよ。公益を害してはならないということは、自転車競技法を通じての精神ですよ。公益を害しているか害していないかということは、競輪を中心とするところの犯罪がどのくらい行われているかということを調べないでわかりますか。それに責任がないというようなことを言っているから、競輪がもうかるかもうからないかということについては非常に関心が深いけれども、それによるマイナス面のもろもろの事象というものに対しては、案外ほおかぶりをしている。それでは、私の方から御報告いたします。自転車競技法によって、いわゆるのみ屋と称する、のみ行為の行われておる件数は、昭和三十二年が、競馬の方の二百四十五人に対して、競輪で検挙された者が九百九十二人、昭和三十三年が、のみ屋で検挙された競馬関係四百五十七に対して、競輪は千五百十八、三十二年度全体の件数の四千六百六十六件のうち、競輪関係は二千二百八十五件、殺人が五のうち四、強盗三十二のうち二十三、窃盗が千三百六十八、詐欺が四百八十三、横領が三、問題の松戸警察署の調査によると、大体松戸競輪があるときは、二倍半ないし三倍の犯罪増加がある。大体たかり、それから窃盗、それから全国家庭裁判所の離婚申し立て件数の中で、浪費並びに経済破綻が原因するものというのを調べますと、昭和二十七年が千四百九十八、二十八年が千六百三十二、二十九年が千六百六十四、三十年が千九百五十七と、逐次増加しておる。この中に、推定するところ、競輪関係が大部分であると、こう言われておる。こういう犯罪事実、あるいは経済破綻、社会不安の事実というものがあるわけです。競輪そのものは、もう社会悪の根源だとさえ言われておる。この事実をお知りにならないで、競輪行政をどうしておやりになるか。この事実を御調査なさる責任はないとおっしゃるけれども、御調査になる責任はないかもしれぬけれども、この事実に対処するところの責任は通産省にあると思う。その監督指導というものか十分に行われておるとお考えになっておられるか。他の射倖行為よりもはるかに競輪が犯罪件数が多いという事実をどのようにお考えになっていらっしゃるか。その点を承わりたい。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 競輪を初めといたしましていろいろ似たような、いわゆるギャンブル的要素を十分に持った競技があるわけでありますが、ことに競輪につきましては、他のそういったものに比べまして、おあげになりましたような犯罪事件、あるいは家庭不和というような、いろいろな社会悪を発生しておるという事実につきましては、その具体的な件数その他につきましては、あるいは私どもの調査は不十分かと思いますけれども、そういうような事案につきましては、私どもは十分承知しておるつもりでございます。従いまして競輪を何とか健全な形において合理的に、本来の法律の目的に沿うように、健全な発展をするようにという指導監督をするのが私どもの責任だと、私どもは考えております。そういう意味におきまして、不健全な事態が起りました場合におきましては、できるだけ厳罰をもって臨む。それから、競輪場の新設等につきましては、もちろんこれはふやさないという方針をもって臨んでおりますが、しかしながら、最近のように、競輪につきまして特に頻繁にいろいろな問題が起ってきておるという事実は、これは私どもも十分承知いたしておるわけでございます。従って、それが、競輪をやる以上は、いかにこれが施行者なりあるいは運営の責任者である振興会がこれらに対して十分な注意をしても、どうしてもそこに限度があって、本来競輪というものが持っておりまするいろいろな悪の要素というものは、どうしてもこれは否定できないのだと、必ずそこから大きな社会悪が発生するのだという事実が非常に大きくなって参りまするならば、これはもちろん、世論に従いまして、法律そのものをどうするかということによって決定をせざるを得ないわけでありまして、私どもといたしましては、これはまだ政府全体として特に公式に決定したわけではございませんが、少くとも、私個人の考えといたしましては、従来のような、消極的にただ競輪揚の新設を認めないというだけの措置でなくて、先ほど来お話になっておりますように、競輪というものの存在理由、まだこういうものを続けなければならぬという理由の一つが、地方財政に対する貢献であるということが一つの大きなウエートになっております。それだけでは私はないと思いますが、それが一つの大きな根拠であるといたしますれば、少くとも地方財政に貢献をしていない、あるいはほとんど貢献をしていないというようなものにつきましては、逆に、これは単に新設を認めないだけでなくて、積極的に何らかこれを整理していくというような方向にでもまず進むべきではないか。かように考えておりまするけれども、しかし、これらにつきましては、まだ私個人の意見の段階でありまして地方自治庁その他とも十分御相談しなければならないと思います。しかしながら、法律があります以上は、私どもは、この法律の精神に従いまして、それを最も健全に運用するようにやっていくという立場を今後はとっていきたい、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そこで問題は、単に振興会の内容でもって競輪の罪悪がきめられているとは私は思わないけれども、少くも競輪を公正に円滑に運営するためには、振興会の内容というものをもっと改革していかなければならないというのが、昭和三十年の例の競輪法の改正の行われて以来の問題だ。そこであなた方は、振興会に対する連絡と施行者に対する連絡と、競輪そのものの運営の上からいって、どちらに重点を置いていますか、東京通産局は。

油谷精夫東京通商産業局長

○説明員(油谷精夫君) 東京通商産業局長を数日前に拝命いたしました油谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  ただいま東京通産局の競輪の監督行政のやり方について、加瀬委員からお尋ねがございましたので、まだ数日しか勉強していませんので、あるいは十分御説明いたしかねる点があろうかと存じますが、私からお答えいたしたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 通産局はどっちに重点を置いているかを言っていただけばよろしいのです。長い御説明は要りません。

油谷精夫東京通商産業局長

○説明員(油谷精夫君) 競輪法の法律及び本省の指導のもとに、振興会並びに施行者双方に対して指導監督をいたす立場にございます。ことに定員も非常に少いのでございますので、競輪を実施いたします一々のことについて、初めから終りまでつき添って指導監督するということまでいたしかねるのであります。従って、現実の問題といたしましては、振興会の役員の選任、解任あるいは振興会の業務監査、収支、予算、そういうものに対する指導監督というものに重きを置いて今までやってきております。しかし、振興会のみならず、施行者に対しましても、競輪法の実施につきまして、通産局としても、できるだけの指導監督をいたすつもりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、第四点に伺いますのは、今度の千葉県自転車振興会の刷新については、万遺漏ないとお考えになりますか。

油谷精夫東京通商産業局長

○説明員(油谷精夫君) 今回の事件は非常に不幸なことでございまして、通産局としましても、十分いろいろ慎重に考えたのでありますが、私が着任いたしまして、いろいろ調査をいたしましたところでは、その間に、最後の決定に達します間に、若干の意思の疎通を欠いたり、連絡不十分の点は認められるようでありますが、その措置自体につきましては、これで十分かと存じておる次第であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは伺いますが、今度の問題があって、施行者の方からは、特に、通産省に対して三点の千葉県自転車振興会の体質改善という要望書が行っているはずです。一つは、運営が一部勢力者によって独占をされているから、これを除去するためにも、乙種会員を相当ふやさなければならない。第二には、振興会の新役員の選任は、施行者の意見を参酌して通産省が認可をするということ、第三は、改組の結果について、施行者は施行者の望むような形にならなければ実施の責任を拒否する場合がある、こういうことを申し入れまして、通産省はこの申し入れをその通り承知したはずです。そこで、千葉県関係の施行者は、乙種会員を二十名振興会の中に入れて体質改善をはかるという方法をとりました。そうすると、二十名は多過ぎるから、五名にしなければならぬということを東京通産局は施行者側に返事をしました。それでは困ると言って千葉県並びに施行者が参りましたところ、あなたの方の、通産局の機械金属課長の高木さん、こういう方おりますか。この方がこういうことを言っている。乙種会員を入れることは、施行者が振興会を乗っ取るおそれがある。ですからまかりならぬと言って五名説を主張した。それならば、乙種会員を五名くらい入れても、千葉県自転車振興会は改革できないから、乙種会員を一名も送らないと、千葉県関係の施行者は開き直った。そうすると、千葉県自転車振興会の当時の理事長でありました川井輝吉君が、私が通産省に行って話をいたしますからと言って、十名にしましょうという案を立てた。そこで、通産局に行ったら、通産局そのものは、川井輝吉君の十名説をそのまま承知している。そこで千葉県の施行者は、自治体の代表が通産局に行って陳情しても、五名でなければならないと拒否したものが、一私人が交渉すると、どういう関係があるか知らないけれども、十名でいいということは、一体これは何だ。これは、千葉県版並びに地方紙がたくさんの場所を取って、通産局の不当を千葉県民にしみじみと知らしめている。なぜ、あなた方は、体質改善を承知しておりながら、振興会の意見は聞くけれども、施行者側の意見を聞かないという結論をお出しになったのか、この点を一つ承わりたい。

油谷精夫東京通商産業局長

○説明員(油谷精夫君) 加瀬委員から、ただいまお尋ねの乙種会員増加の問題でございますが、加瀬委員は非常にお詳しいので、ただいまお話がありましたようなことが、あるいはその過程におきましてあったかと存じますが、体質改善をいたしますにつきましては、やはり振興会自身あるいは施行者あるいは局といたしましても、慎重に十分研究をいたすべき問題でございます。その間に、従いまして振興会の従来の役員なり、あるいは局の係官なり、あるいは県庁におかれましても、いろいろ意見の出ることは当然でございます。従って、今仰せのようなことで、いろいろの関係当事者がいろいろの点で議論を戦わすことはあろうかと思うのであります。この点に対しましては、当初乙種会員を相当数増加する方針でございましたが、ただ、その人数等につきましては、必ずしも何名ということを局の方針として固執するような考えはなかったのでございます。従って施行者と振興会というのが意見が一致しまする点で、われわれの方も、局としましても、弾力性を持たして考えておったのでございます。その結果、十名ということで施行者の方も納得し、また、われわれの方も、そういう点で振興会とも相談をして納得するということでおさまったわけでございます。今お話の川井理事長云々の点につきましては、あるいはそういう誤解が生じたことにつきましては、局といたしましては、非常に遺憾に存ずる次第でございますが、決して通産局が振興会の意見のみを聞いて、それによって当初の方針が変更されたというようなことはないのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたは、数日前御就任をされて、内容がおわかりになっておらないのじゃないかと思う。おわかりになっておる方に一つ御答弁に立っていただきたい。  それは、衆議院の委員会で、大臣は、衆議院の委員の質問に対しまして、松戸事件の一面の責任者である振興会の役員は全部改めるということを御言明されている。そうすると、全部改めるということだから、これは、通産局も初めそういうお考えであった。ところが、千葉県自転車振興会の有力者は、省の局はそうだけれども、東京通産局は必ずしも古いものを残しておいても差しつかえないと言っておるからということで、全部改めて体質改善をするというのに、東京通産局の考え方はこういうふうであると言って、古い役員も、これから質問の中に入れますけれども、出して、しかも、体質改善のために二十名と言った、それを乙種会員を五名、それならけしからぬからと言って、おれの方は知らぬぞと言って施行者からしりをたたかれれば、これは大へんだというので、今度は振興会の意見を聞いて十名にした。振興会と施行者側の意見を聞くと言うけれども、あなた方はそういう考え方自体がおかしいじゃないか。今度の事件を起した当面の責任者は、あなた方自身は、千葉県自転車振興会の独断の意見によって金銭を支払った、そこで、大臣も言明しているように、全部体質改善を、役員を改選しなければならないと言明しておりながら、旧役員と相談して円満な解決をはかるという考え方がおかしいじゃないですか。どうなんですか。

油谷精夫東京通商産業局長

○説明員(油谷精夫君) 総部務長からお答えさせます。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの問題につきましては、乙種会員をふやすことにつきましては、われわれといたしましても、ふやしていこうという考え方であったのでございますが、漸増の方針で行こうということであったのでございまして、さしあたり五名程度の人数ではどうかということで、施行者並びに振興会と相談したわけでございます。ところが、その施行者側からは二十名という希望がございましてこの点について、何者の折衝がなかなかまとまらない。この種の問題については、振興会の体質の問題が非常におくれれば困るということで、一私人が局長と相談しまして、その結果両者の話し合いのつくところでいいじゃないかという局長のお話がございましたが、そういう提案を持って、十名でも十五名でも、話のつくところでいいじゃないかという裁定案を出したわけでございます。その結果、私どもとしましては、施行者の意見も入れ、両者の間に話が円満につくならばということで、十名に落ちついたわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたの立場がおかしいと思うんです。施行者とは話し合いをするというのでしょう。しかし、自転車振興会は、あなた方の監督下にある団体だ。その自転車振興会が今度の問題を起した当面の責任者です。そこで、体質改善をしなければならないという結論になった。ですから、施行者の方と相談するというのならわかるけれども、施行者側が二十名にしたいというのを却下して、五名でなければならない、お前は一体振興会を乗っ取るつもりかという暴言をはいて、それなら、お前らにはこれからの競輪開催にも手心があるぞということをほのめかした。施行者側の意見は一方的に押し込めて、責任者を追及しなければならないというあなた方監督の立場にあるのに、その監督を特別ここでは厳格にしていかなければならない人たちの意見を聞いて話を進めるということ自体おかしい。この点はどうなんです。あなたの考え方はおかしいです。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの御質問でございますが、私の方としましては、県の知事その他県の施行者の代表者の方に、逐次その点で連絡をいたしまして、その結果大体両者の話がまとまりました。それで、本省の局長とも相談をした結果、こういうふうにしたらどうかという提案をしたのです。その間の連絡については、あるいは、川井前理事長が私の方に来て、そのときに、施行者の代表である担当の千葉県の人があとから来たというふうな時間的なずれがありまして、あるいはそういうふうな誤解を起したのじゃないかと思いますが、私の方としましては、川井前理事長が来たからきめたというのではありません。あくまで施行者と振興会と意見の折衝をした結果その話し合いのつくところできめようということで、時間的に川井理事長がその前に来たものですから、あるいはそういう誤解を一部には起したのではないかと思います。実際上の問題としましては、両者の意見を聞いて、その両者の意見を合せて、千葉県の副知事に私が直接電話をかけましてこういうことであるからということで、十名にしたらどうかというので、知事も了承したのです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 十名の結論だけはその通りです。ところが、県が二十名にしたいと言ったときに五名でなければならない。なぜ話をして、その間をとって十名くらいとしなかったか。五名ならだめだと言ってしりをまくったら、今度川井君が、私が通産局に何とか話をして、私の責任で十名にいたしましょうということで十名にきまった。事実上まさかそんなことはあるまいと思っていたら、あなた方の方から十名でよろしいという電話があった。施行者の代表がかけ合ったときには拒否して、一私人が折衝に行ったら十名にするとは何事だ、私が当って調べた多くの人々の意見です。十名になったということを、なぜ十名でも七名でも五名でもいいから、施行者と十分話し合いできめないんですか。こういうことが妥当かということです。どうですか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 大体最初には、私の方としましては、乙種会員が増加することはいいけれども、あまり急激に増加を見せまして数がふえることはどうかということで、漸増の方針で、まず提案としまして、五名ということで、提案した。それに対して県の方から二十名、最初の考えとしては、まことに二十名は多いんじゃないか、私どもの担当官の考えとして、そういうことで話し合いがつかなかった。それで、私の方としましては、いろいろ本省とも相談した結果、ある程度の線でいいんじゃないかということできめたのが、先ほど申し上げたような点です。これは、川井理事長が来たからそういうようにきまったんだというようなことは決してございません。その点は、誤解がないようにお願いいたします。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは第五点に、千葉県自転車振興会の現状をどういうふうに通産出局はごらんになっているか、質問いたします。  一つは、自治権侵犯の事実を御存じですか。千葉市の助役小笹精一氏が千葉県自転車振興会に対して非常に批判的であるという理由で、千葉競輪の開催執務委員長が小笹助役であるというので、小笹助役ならば、われわれは千葉競輪を手伝わないと、小笹助役を忌避した。これは世論でたたかれて結局やりましたけれども、こういう事実をご存じですか。知らないようですから……。千葉市の市会議員に小出正次君というのがおります。これが千葉市の市会議員であって、千葉県の自転車振興会の会員です。そして、自転車振興会はもっと反省しなければいけない。もっと施行者側の立場を考えてやらなければならないという意味の発言を市議会で行なったら、けしからん発言を行なったというので、振興会から除名した。これは市議会の発言に対する圧力だということで、千葉市の市会議長は、公式の立場で振興会に申し入れをいたしております。自治庁も、こういう議会の発言、あるいは地方自治の執行者に対して、執行業務そのものに圧力を加えるようなやり方というものをどうお考えになりますか。こういう振興会の横暴というものに対して、通産省はどうお考えになっておるのか。両者の御答弁をいただきたい。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) ただいまお話の事実につきましては、実は私は承知いたしていないのでございまするが、振興会の跡始末と申しますか、立て直しにつきましては、一応先般来対策をいたしたのでございますが、もちろん、今後の振興会の内情、あるいは運営につきましては、よほど慎重に見守っていかなければならぬ。かように考えておりますが、今お話の点につきましたは、今初めて伺いましたので、至急内容を調査いたしまして不当な点があれば、これに対して処置いたしたい、かように考えております。

丹羽喬四郎自由民主党自治政務次官

○説明員(丹羽喬四郎君) ただいまの事実については、私どもも今のところ承知しておりません。大体振興会の監督は通産省の仕事になっておりまして、直接自治庁は競輪事業の運営につきましてはタッチする筋合いでございません。議会におきましてそういう圧力的なことが行われていることは、はなはだおもしろくない、こう存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういうなまぬるいことばかりを言ってるから、全然施行者の意向というものが自転車企業の中には入ってこないのです。自治庁はもっとしっかりしてもらわなければならない。議会や執行部にまでこういう圧力をかけるというようなぶざまなことでは、自治庁は何の権限もないということになる。自治庁はもっと監督権を主張すべきだ、通産省に対して。好ましい方向でないということは、聞かなくてもわかってる。好ましくない方向を野放しにして許している。こういうことを自治庁として考えてもらいたいという意味なんです。  それから、あなたは、振興会の役員の跡始末はきれいにできたと言うけれども、どんなに無反省かということを一つ問題にしたい。施行者の要望がありまして、御承知のように、通産省の命令もあって現役員は全部改選をして、責任をとって、新しい役員に変るという方針を打ち出されたはずだ。ところが、出てきたものは、事件の起った当時の役員が三名、詳しく言うなら、旧役員が七名、四名は六月二十五日以後に任命されたものであるから、事件発生当時の責任のある役員は、三名がそのまま残っておる。これを通産局がお認めになっている。これはどうしたわけか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 御承知のごとく、振興会は独立の社団法人でございまして、従って通産局は、正当な総会で正当な手続きを経て選出された委員については、一定の認可基準がございますが、それに抵触しないものについては、原則としてこれを認めるということにしております。今回のこの振興会の選出された委員につきましては、今おっしゃられたような三名の旧理事が入っておるわけです。これについて認可するかどうかということについて、いろいろ施行者側と十分にこの点については事前の相談をいたしたわけでございます。相談の結果、この三名については、非常勤の平理事だというようなことから、いいではないかという施行者側の意見もあって、また、その当時理事長に予想された人は、これは理事長だとかあるいは三役では困る、しかし平理事ならいい、そういうような点について、県の関係者その他の意見もございましてそういうふうに話をつけまして、いわゆる平理事ならいいということで、それで選出をしたわけですね。理事互選ということは、そういう正式な文書も施行者側からいただきましてそれに対して認可をしたわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 僕らが質問をするからには、十分調査をしてくるのですから、いいかげんなことを答えると、二回、三回あなた方の裏の取引までぶちまけますよ。その一番初めに、選任された理事長というのは、昭和二十五年の千葉競輪で問題の起った当面の責任者だ。専務理事というのも、これも施行者側に、これでは困るという問題が出てそれは就任さしては困るという申し入れがあって、あなた方の方で何とか引っ込めようと工作をした。しかし、大臣は、事件当時の役員は全部交代させると言明している。東京通産局の解釈で、古い者でも平理事ならいいという解釈を立てたのはどういうわけか。あなたは、都合のいいところだけ施行者と相談をした相談をしたと言う。いろいろこれから言うけれども、あなた方の方の御きげんをそこなうと、いい選手を回してくれないし、いろいろ開催の条件をつけられてうるさいから、泣く子と地頭には勝てないという立場に施行者は置かれている、通産局に対して。それで泣く泣く、あなたの方で一つも国会で問題になったような点を解明してくれないので、今のような結論になったのだけれども、それは施行者の意思ではない。施行者の意思いかんにかかわらず、振興会の責任者であるところの理事になぜ再び責任者の地位につかしたか。それは施行者の意思でない。通産局の意思だ。どうういわけでやったのか。それを一つ説明していただきたい。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 今般の事件による者につきましては、あくまでも千葉県の、自転車振興会という法人に対して行われた処分でありまして、従って、当該法人の代表者であるから、役員としての責任を明らかにする考えで、理事、役員個人に対して処分を加えないという解釈をとっておったのであります。しかしながら、理事長、専務理事、常任理事は業務の執行者である。事件の当日は、競輪場においても競輪執務をしており、直接の責任者であるから、三役にはつかないということにしたのであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなた方の方は、民営団体に対してあなた方の手が加えられないということを言っているが、施行者に対しての監督よりも、振興会に対する監督権は、あなたの方で持っている。かつて行政指導で役員を除名するような勧告をしたことがある。あなた方の方で、行政指導の実が一つも上っていないということを言っている。今度の払い戻しの責任者は池田専務。ところが、池田専務が千葉銀行から金を借りようと思ったら、個人には金は貸せないと言われた。そこで、振興会の経理課長である渡辺何がし君が、経理課長である身分で千葉銀行から金を借りた。そうして払い戻しをやった。ですから、渡辺課長その者も、当然これは責任を追及さるべき立場にある。ところが、千葉県自転車振興会は、その渡辺課長を今度は事務局長に昇格させた。こういうことを無条件で通産局は認めている。これはどうしたわけか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 東京通産局の振興会の人事に対する監督と申しますか、そういうものは、いわゆる振興会が総会で選任された理事に対して理事の認可をするだけで、従って、その中からどういう人が理事長になるということは、これは認可事項ではございません。事務局については、なおさらこれは理事長が任命するというので、これはわれわれの行政権には関与しないわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 理事長が任命するものであっても、それが当面の責任者である者が事務局長という枢要な地位についておることを黙って見ておるということはないでしょう。あなたの説の通りだとすると、千葉県が今度の問題で責任を負うことは一つもないということになる。監督権はあなた方にあるのだ。監督権の中で行なわれているのだ。監督不行き届きのために松戸競輪事件ようなものが起った。その事務を担当する当面の責任者に、事件を起した一端をかついでおる者を据えるということ、これは任命されたものだからけっこうですというなら、施行者が二十名の乙種会員を入れてくれと言ったのに、五名でなければならないと、勝手なことを言っておって、振興会側のいろいろな要望については、目をつぶって無条件にやっている。そういうやり方がどこに原因があるかということをこれから追及したいのです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今の加瀬委員のいろいろ事実問題として指摘されている、それに御答弁もありましょうが、あわせてお願いしたいのは、劈頭、いかような処分を振興会並びに執行者に対してされたかということについての局長の答弁は、当時の役員の辞職を勧告したという趣旨の発言があった。これは、速記録を翻訳してもらわんとならぬ。今の総務部長の話では、団体に対してやったのであって個人について、あるいはその役職員についてやったのではないという趣旨の答弁があるわけです。そこで、結果的に今三名残ったんだが、それは仕方がない。そうすれば、理事長以下そのままその団体で任命されたということであれば、三名がかりに十名になっても差しつかえないということに当然なると思うのです。一定の数字のもとに三名は残しておくというのじゃないようですから、その自主的な判断にまかしたと言うし、一方、処分の答弁については、辞職を勧告した、こういう局長の政府委員としての、開会中ならば政府委員でしょうが、趣旨の答弁であった。これに大分趣旨が違っておると思う、総務部長とは。ここらの趣旨をはっきりしてもらわないと、私どもも、これは真剣に今質疑をしているわけです。国政の調査としては、かなり重要な問題のように思う。どうなんですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 千葉県の自転車振興会に対します今回の措置の内容について、具体的にどういうことをしたかということについてのお尋ねでございますので、お答えを申し上げますが、振興会に対しまする処置の方法といたしましては、自転車競技法の第十六条の第二項にその方法が規定してあるのでありましてそれは、業務を停止する命令、それから業務を制限する命令、あるいは役員を解任することを命令する。この三つの方法があるわけであります。そこで、今回は、これに対しまして政府といたしましていたしました処置は、まず施行者であります千葉県知事、それから施行の実務者であります社団法人千葉県自転車振興会の理事長に対しまして、両方に通牒を出したのでありますが、千葉県の知事に対しましては、こういう内容の処置をいたしました。まず第一項といたしまして、業務執行機関の整備を行い、執務体制の根本的刷新強化をはかるとともに、執務者個々の職務の分担と責任の所在を明確にし、その責任体制を確立すること、というのであります。そこで、自転車振興会に対します処置でありますが、これは、こういうふうな処置を私の名前で理事長あてにいたしております。それは、所轄通商産業局と十分連絡の上その指示を受けて至急貴会の業務執行機関の整備刷新強化を行うというのが第一項であります。それから第二項は、競輪開催の場合における執務体制の根本的刷新強化をはかるとともに、執務者個々の職務の分担と責任の所在を明確にし、その責任体制を確立すること、特に審判法については、その執務体制の刷新強化をはかる、こういうことでございます。従いまして、今問題になっておりまする役員に対する処置と一口に申しておりまするのは、その内容を具体的に申しまするというと、振興会の業務執行機関の整備刷新強化ということでございます。そこで、先ほど東京通産局のほうからお答え申し上げましたような結果になっておるのではございまするが、業務執行機関といたしましては、結局、理事会が業務執行機関でございまするが実際の業務の執行者は、理事長、専務理事、常務理事、この三人でございまして今回の事件当日におきましては、これらの業務執行者は、競輪場におもむいておりまして、そこで、競輪実施の業務を執行しておる業務執行機関でございます。従いまして、これの更迭をいたしたのであります。ただ、今回のただいま認可いたしておりまする役員の内容につきまして、これが千葉県自転車振興会といたしまして最終的に理想的なものができ上ったかどうかというような点につきましては、今後十分一つその運営等につきましてこれを見守っていかなきゃならぬ、かように考えます。  それから、さきほど来いろいろ経過的に問題になりましたような、この役員の解任の人数でございまするとか、それから役員の選任、その役員の中で、だれを理事長にし、だれを専務理事にし、だれを常務理事にするかというような、業務執行機関をどうするかということにつきましては、すべて施行者でありまする県の方と十分相談をして、その同意を得た上でやるということを指導して参ったのでありまして、また、事実そういうふうなことで処置されておる次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすると、あなたの方で振興会に出された通牒の本旨というものは、その執行者、これは振興会の方の執行業務ですね、理事会の行う。理事会は、便宜的にその規定に基いて理事長なり専務を選出しているわけでしょう。その刷新強化をという趣旨が、当時のこれはまぎれもなしに同一人がそのまま居すわってさらに勤務時間その他も長くやれというのじゃなくて、この際抜本的に人的な構成についても刷新しろという趣旨じゃなかったのですか。どうなんですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 先ほど来申し上げましたように、業務執行者でありまする理事長、専務理事、常務理事、この少くとも三人につきましては、これを刷新しなければならない、かように考えておりまして、現在あとに選ばれました理事長その他は、もちろん前にもかわっておりまするが、ただ、それらが今後はたして十分責任を果すかどうかということにつきましては、なお一つ十分に監督をして参りまして、もし再びその内容等が必ずしも適正でないと思われまする場合には、やはり行政指導によりまして今後さらに一そう陣容の建て直しを施行者とも相談をいたしましてやっていきたい、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 問題はそれるのでありますが、結局、地方財政の赤字補てんのためにやむを得ず行うところの競輪事業というものが、振興会のボス的な行為によって、施行者の意思というのは通らない。しかしながら、自治体そのものが監督権がございませんので、御無理にあなたの方に来ていただいて、われわれは質問をしなきゃならないというようなんでありますので、もう少し質問を続けます。振興会の経理状態、彼らがこういう横暴をたくましゅうできるのは、財力を持っておるからだ。そこで、東京都の自転者振興会の役職員というのは百四名だといわれておりますけれども、実質は六十名ぐらいしかおらないだろうといわれております。ところが、一例を言うとすれば、出張旅費が千三百三十九万円、一カ月百十一万五千八百三十三円、これを六十で割ってごらんなさい。一人一カ月幾らになる。交際費が三百六万円、接待費が七百三十四万円、一カ月の平均が八十六万六千六百六十七円、こういうものが使われるわけですけれども、千葉県の自転車振興会の理事長は、月給十三万円、交際費は、振興会自身十万円と言っておりますけれども、十八万円ぐらいあるだろうといわれている。そのほかに開催手当がある。賞与が六カ月分と、役職員の合せての旅費は月額一万三千五十円、これでも公益法人といわれますか。公益法人として自転車振興会は認められておるはずです。こういう財力にものを言わせて、自治権にまで侵入してきているのが事実だ。これは、通産局はどうお考えになっておるか。しかもこれは、監査権はあなた方の義務としてしなければならないことになっている。ところが、観客費というのがありますね。これは、観客の中で病人や何か起ったときのいろいろの費用だといわれております。これが、東京都は五百五十万円を上せておりますけれども、千葉県は零だ。振興会の経理内容というのは、指導は行き渡っているのですか。公益法人の役員がこのような多額の収入をあげていることをあなた方はどう思います。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 社団法人でございまするので、もちろん営利事業、営利を目的として事業を行う普通の株式会社とは違います。従って、収益をあげることを目的として事業を運営するものではございません。そういう趣旨におきまして、私どもといたしましては、一次的には、地方の通産局におきまして、それぞれの管内の自転車振興会の経理内容等につきましても十分監督し、また監査をいたしておるわけであります。ただいまお話のような、たとえば、千葉県におきまする役員の報酬は、理事長は月額十三万円、専務理事が九万円、常務が七万五千円というような基準、それから職員の平均給与が三万一千円、賞与は大体役員が半年、職員が五カ月というようなことでございまして、もちろん社団法人はいろいろございまするので、他の例と比べて、決して特に不当にこれが公益法人として多額というふうには考えておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 公益法人で、月収が合算三十万円ももらっておる。ボーナスは半年分、東京の場合ならば、接待費が七百三十四万円、これが不当に支出されているといわれないのですか。公益法人というものの収入は、あなた方の関係では、全部こういうようなスケールによって行われているのですか、通産省関係の公益法人は。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 公益法人あるいはこれに大体類似するものでありますが、特殊法人——日本自転車振興会等も特殊法人でございますし、あるいは日本貿易振興会、ジェトロというような特殊法人、いろいろございまするが、特にこれが不当に多額であるというふうには考えません。ただ、今お話の東京都の自転車振興会の場合におきまして、通常の報酬額のほかに、何かまあ多少ごまかし的な名目で不当な支出をしているというようなことがもし事実であるといたしますれば、それらにつきましては、十分内容を審査しなければならないと思いまするが、そういった役員の報酬額、あるいは退職給与の基準とか、あるいは賞与の額というようなものは、それぞれやはり一般の公益法人に対する監督と同じ措置によりまして監督いたしておるつもりでございまして、私どもといたしましては、これが不当に多額であるというふうには考えておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治庁の財政局長、どうです。公益法人として、月額三十万の収入といったようなものが公益法人として多額な支出に当らないとお考えになりますか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 職務の実態と関係することでありまして私も、お話を伺っただけでは、加瀬さんのお話ごもっともであると思いますけれども、実態につきましては、通産省の問題でございますので、直接の批判は避けさしていただきます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それでは、時間がありませんから、先を急ぎますけれども、こういう問題はどうですか。  伊東競輪場買収の問題というのがあります。これは、千葉県自転車振興会の前理事長でありました川井輝吉氏が、二億二千万円で静岡県伊東競輪場を買収したわけで、買収するのはけっこうですが、大体千葉銀行に一日六万八千円の利子の支払いをしているといわれている。振興会の理事長は、少くとも公益法人の代表でありますから、営利事業というものは遠慮すべきだ。これだけの大きな借財をしておりますから、やり繰りがつかないために、資金捻出のために、千葉県の某町の町長に依頼をして、借金の穴埋めの融資を奔走してもらいました。その町長が、公金を千葉銀行に預託をいたしまして、それをカタに三百万の金を借りて、利子支払いのために川井輝吉氏に貸し出した。それが焦げつきになって問題を起した事実がある。昭和三十三年の十一月です。自治庁は、あるいは通産省は、この事実をお知りになっているか。あるいは振興会の理事長がこういうやり方をすることについて、振興会の経理状況は何も不安がないと断言できるか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 松戸の競輪に関連いたしまして千葉県の振興会の川井前理事長の個人的な事業に関するお尋ねでございまするが、川井前理事長は、私の知っておりますところでは、競輪場の施設に関連いたしまして、その施設の運営について、今お話の伊東の競輪場の施設等につきましても、これを運営しておる人であるということは承知いたしております。それで、私どもが自転車振興会の役員の選任を認可し、あるいはこれに対する解任をするというふうな、そういう役員の選任解任の基準というものは、これは、あくまでも自転車競技法の規定に従いまして、一定の欠格条件を備えている者は、もちろんこれは選任できないのでありまするが、その他の面におきまして、振興会の運営上適当な能力と責任をとり得る人であるということであれば、これを認めているわけであります。具体的に、まあ今回辞任したわけでございますけれども、川井前理事長も、そういう個人的な事業の運営と、それから公益法人の理事長でありますからして、他の一切の職務をやってはならぬという、別に兼職の禁止はございません。しかしながら、これは千葉県に限らず、自転車振興会が公益法人でありまする以上は、その理事長なりあるいは業務執行の担当者として、その振興会の事業の運営に悪影響を及ぼすような他の事業の経営なり、あるいは個人的な事情等からいたしまして、本来の公益法人の事業の運営に支障を来たすような事態が起ります場合におきましては、もちろんこれは、役員としては不適当でございますので、これに対しては措置をいたさなければならぬ、かように考えております。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、そういう事実を承知していないわけであります。また、知らないままに、今までこういった姿になっておりますことについては、このままで将来ともいいだろうかという疑問を、加瀬さんのお話を伺いながら感じておったような次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 通産局長、振興会の理事長が、個人的にどんなに親しいからといって、町長に公金を預託させて、それから貸し出しをしている。こういうことを、あなたは監督の立場にあって、お認めになるのですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 今の公金を千葉銀行に預託したという点につきましては、私、実は詳細に承知していないのでありますが、その点につきましては、直接の監督をいたしております通産局の方であるいは承知いたしておるかと思いますので、それらの点につきましては、通産局の方から御説明いたします。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの川井前理事長の公金の問題につきましては、私どもは全然承知いたしておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 昭和三十四年四月五日の朝日新聞の千葉版に、「県公営事業の執行で指示」という記事が出ておりますから、あとでごらんなさい。  それで、通産局長のお話を聞いていると、まことにどうも、監督権をどのくらい行使しているかということに疑問を持つわけですが、次の事実を申し上げて、これに対する御回答で、一つ通産局の態度を私は確かめてみたい。  現在の理事選定は、先ほどいろいろ御説明がありましたけれども、竹淵さんという方が理事長になりましたよ。その前に、ほとんどの理事会に鴨野氏という人が常任理事会にいつも出席しているということを御存じですか。この鴨野氏が、六月二十五日に振興会の総会があったときに、一会員からは、こういう疑惑を持たれた、施行者にも迷惑をこうむらせているときであるから、少くも今度の役員選考は厳格にすべきだ、そこで、今までの選考委員は全部解任して、選考委員も当然理事には就任できない、県会議員とか市会議員とかという有力な力を選考委員にして選考すべきではないかという意見を出しましたが、これは否決されて、理事長一任ということになった。それで、当時の川井前理事長は鴨野氏を選考委員長にして選考した。この鴨野氏という方はどういう方か、東京通産局は知っているはずだ。鴨野氏について、あなた方知らないとは言わせない。一つ知っている事実を御返事願いたい。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) この嶋野さんという人の名前が出てきたのは、最初あの総会後の理事会で、まだ私どもの方が認可しない前に、現在平委員になっておりますが、青木という人が理事長になるというふうな予定で、その総会後の理事会のときには、青木という人が理事長の資格と申しますか、そういうことで最後のあいさつをしております。そのときに、この鴨野氏という人を相談役にしたいという提案をしたそうです。この鴨野氏という人をいろいろ調べてみますと、銚子で何か事件を起したという前科があるということを聞いております。それで、われわれといたしましては、この千葉県の自転車振興会の相談役というのは、川島正次郎氏、それから始関伊平氏の両者になっておりまして、ここで鴨野氏が相談役というふうなことは承知しないということで、これはおかしいじゃないかということを言ったことがありまする鴨野氏自体としては、そういう前科があるというようなことを聞いております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは、前科があったってけっこうですけれども、どういう前科かということになりますというと、これは通産局長によく聞いておいていただきたい。自転車振興会の理事長の印を盗用して、手形詐欺をして刑を食って四月の終りか五月の初めに出てきたばかりだ。これが川井前理事長の腹心なんです。この人を選考委員長にした。その選考委員長によりまして、千葉競輪で問題を起したところの青木何がしその他の役員が選任された。それで、七月の十五日に臨時総会で理事が決定をいたしました。前に発表になった理事です。そのときに、岡島氏というものを立会人にした。岡島氏というのは、振興会を除名された人だ。これを立会人にして、昭和三十五年の三月三十一日までにその役員はやめることと、役員賞与の四割は、百七十三万円の払い戻しの一部として負担をすること、こういう条件の誓約書を取ったといわれております。これを承諾したものは四名。そこで、当時の川井理事長は、鴨野君を常任相談役にするということで推薦して、若干反対があったが、常任相談役というのがきまった。ところが、さっき言ったように、青木理事長その他の人たちには問題がありましたから、施行者の方から通産局の万に抗議が出た。そこで、それを変えなきゃならないということになった。そこで、八月の三日かに理事会が開かれた。この理事会は、十時から夜の八時までぶっ通しで議論が続いて、専務に内定しておった海宝氏という者は、おれは命がけでもがんばると言って、なかなか引退を承知をしなかった。こういういきさつもある。そのときにいろいろ話し合いのまとめをした者は、競輪審議委員の境野さんです。境野さんが出て、いろいろのまとめ役をしている。この境野さんは、県にも市にも来ている。通産局にも行っている。競輪審議委員に通産局はそういう役割を依頼したのか。あるいは競輪審議委員が紛争をとりまとめるということは大切かもしれぬけれども、こういう渦中に入るということは当を得たことかどうか。  それで、これらの役員をきめるときには、通産局の係官は同席をいたしております。で、鴨野氏というものはどういう前科なりがあるかもしれないけれども、問題は、千葉県振興会を舞台とするところの手形詐欺で処罰されたばかりだ。そういう者を常任相談役としたり、その人が主軸となって役員選考が行われた。それは、今はその結論は違っておりますと言えばそうかもしれぬけれども、そういう経過をとにかく東京通産局は認めているのだ。これは一体どうしたことなんですか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの加瀬委員のようなお話がいろいろございましたので、これでは非常に千葉県の振興会の今後の業務運営にも困るということで、最終的には——いろいろ経過的には、この役員の問題につきましても話あったわけでございますが、千葉県の何か施行者の関係者と相談しまして、大体最終的な案を出したわけで、経過的には、確かにただいま申されましたような鴨野氏あるいはその他の人のいろいろな動きがあったという、まあこれは、将来のために好ましくないということで、われわれと千葉県その他の施行者と相談して、最終的にきめたのがただいまの理事、役員であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今度の役員の、理事長になった竹淵さんという人の御経歴を知っているか。昭和二十四年、役員でありながら車券を買って、八条違反で松戸警察署に検挙されている。また、検車係で、選手の車をあらためて、タイヤを無理に取りかえたというので、選手から非常に非難があって、それは当時の新聞に伝えられている。こういうことがいわれている振興会を大改組しなければならないときに、競輪業務そのものに、それは犯罪は構成しなかったかもしれないけれども、犯罪的な行為のあったものを平気で役員につけておって、それを監督官が事情を十分知っておって認めているというのは、これは一体どういうことです。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの、今度の役員の中の理事長の川井氏がこういうようなことをやったということは、実際は私の方では調べておりませんが、そういうことがもしあったらよく調べますが、要するに、この振興会というのは、先ほども申し上げましたように、総会できまりました、これを通産局としましては、総会で選任されたものをあとで事後認可という形をとるわけであります。たれをどうせいということは、なかなか実際上の問題としてできません。従って、この理事の選任というのは、あくまで独立の社団法人である振興会にまかしているわけであります。それをよい悪いということは言えるわけでありますが、じゃこの人をかえてだれかほかの人を持っていくということは、実際上の問題としてできないわけであります。従いまして、その理事に総会で選任された中で特に好ましくないというものは、大体これがいわゆる自転車競技法に基いてこれを否認する事項に該当しないとすれば、これは平理事にしておいてもらって、実際の業務の執行に当るのは、理事長ほか専務、常務の三役である。こういうように大体選出するように、内々的に指導をするというところへわれわれが持っていくのが従来とっておった政策であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたの方の昭和三十三年一月三十一日、重工業局長名、各通産局長あての自転車振興会等の役員の選任並びに解任の認可についてという通牒がいっているはずだ。そのうちの、「選任しようとする役員が次の各事項の一に該当するときは、当該役員の選任は認可しないものとする。」という条項があります。そして(ホ)には、「当該自転車振興会と実質上重大な利害関係を有するもの」というのがある。(ヘ)には、「前記のほか役員として不適当と認められるとき。」というのがあります。そこで、前に出した川井理事長のごとき立場の人は、松戸競輪場の所有者だ。当該自転車振興会としては実質上重大な利害関係がある。また、竹淵君のような人にしても、前記のほか役員として不適当と認められないとは私は言えないと思う。こういう通牒をあなた方出しているが、これを守っていないじゃないですか。それはどういうわけですか。局長さんの名前で出しているのですがね、それを一つも守っていないのですが、どういうわけですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 今、役員の選任の基準につきまして法律の規定はもとより、それの運用につきまして、私の方から直接の責任者でありまする通産局長あてにそういう基準の通牒を出していることは事実でございます。今御指摘になりました竹淵氏その他、今回の跡始末として選ばれました各役員が、その基準に照らして適当であるかどうかということでありますが、一応これは、この基準に照らして合致するものとして認可したというふうに私は考えております。さらに事態を調査いたしましてもしそれに不適当であれば、さらに今後措置をして参りたい、このように思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それじゃ、八条違反を犯した者も役員としては一向差しつかえない、あるいは松戸競輪場の所有者である川井氏も、振興会役員となることは通牒違反ではない。そうなって参りますと、竹淵さんの方はまず割愛するとしても、当該自転車振興会と実質上重大な利害関係を有するものであるという法解釈はどうなんですか。あなたの出した通牒なんですからね、これは。法制局はいますか。当該自転車振興会と実質上重大な利害関係を有する者を役員にさせることは認可してはいけないという通牒をあなたお出しになった。そうすると、川井輝吉氏は松戸競輪場の所有者である。ですから、当然文章上解釈すれば実質上重大な利害関係のあるものだ。そうすると、それが振興会の役員と今までなっておったことは、これは通牒違反の疑義を持たれることだけれども、この点は、今までなぜ見のがしておったか。この通牒の内容をどう皆さんはお取りきめになっておったか。こういう点を、どなたでもいいですよ、知っている人答えて下さい。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの御質問でございますが、施設会社というのは、大体施行者と、その施設についての賃貸借契約をしている振興会と直接の関係はないという解釈で、ここには該当しないということに解釈しております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 議事進行について。  午前中に先ほど言ったように一応終了するという予定で加瀬さんも質問されておったわけですが、どうも局長、それからこちらの方の総務部長さんのお話を聞いていると、われわれが常識で考えて当然かくあるべきじゃないという考えを持たざるを得ないような点を、どうも通牒の点がはっきり、これは適合しているのだとか何とか、もう非常に、何というか、その答弁一つにしても、相当これは議論しなければならぬと思うし、そこで当委員会はきょうだけじゃなく、あしたも召集はされているのですから、従って、われわれの方としては、もう飯の時間でもあるし、一たん休憩して飯を食べて、それから引き続いて一つこの問題をやっていただきたい。なお、大臣が財政問題その他できょう来てくれる予定でありますし、公共事業の追加の問題なんかも、われわれうんと質問したいところがあるのですが、これはかりに明日に譲ったにしても、この問題は、ある程度加瀬委員の結論がつくまで一つやってもらいたいというふうに希望したいのですが。

藤田進日本社会党

○藤田進君 承わっておりますと、質疑をする議員の方が詳しくて、そうして答弁をする方は何ら事実を知らないということは、委員長認めたと思うのです。こういう調査というものはないですよ。これははなはだ遺憾なことです。知ってか知らずか別として発言ではそうです。従って私は、これだけの問題が提起されてきて、龍頭蛇尾に終るわけにもいきませんので、今、占部委員も申されたように、監督官庁においても、徹頭徹尾事実をつかんでお答えができるように用意してもらって、そうして引き続きこの問題の調査を進めてもらいたい。その具体的なことは、理事会で委員長に相談してもらえばいいと思う。  それから、もう一つつけ加えておきたいのは、午後もあるし、明日もと理事会できめられているわけですが、閉会中という事情もあるし、ややもすると、出席はつい午後は少いという点があってはいけないと思うのです。この点については、全員ということもむずかしいでしょうが、各会派は、少くとも過半数はやっぱり出席するように責任を持ってもらいたい。一人のところは一人で、十人のところは六人でやる、こういうことで委員長、一つその辺の成立について遺憾のないように、あわせてお願いしておきます。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。  午前中の委員会は、これで一応休憩いたします。    午後一時三分休憩    —————・—————    午後二時九分開会

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 休憩前に引き続いて、委員会を再会いたします。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 午前中質問をいたした中で、問題は、重工業局長名で各通産局長あてに出されました「自転車振興会及び小型自動車競走会の役員の選任ならびに解任の認可について」、この別紙として、「選任しようとする役員が次の各事項の一に該当するときは、当該役員の選任は認可しないものとする。」こういう条項で、「当該自転車振興会と実質上重大な利害関係を有するもの」、こういう項目と、「前記のほか役員として不適当と認められるとき」と、こういう、項目が最後に(ホ)と(へ)にあるわけです。この二項というものは、今度、の松戸事件のような場合に、振興会の指導に当っては基準になる準則だと思う。この点、競輪場の所有者である場合は、当該自転車振興会と実質上重大な利害関係があるという認定が下せないか、こういう質問をいたしましたら、競輪場の所有者は、施行者に競輪場を貸与して振興会は施行者から委嘱を受けて通常の事務を分担するのだから、これは直接に競輪場と振興会の関係はないという御説明でありましたけれども、この通達の文章には、実質上重大な利害関係ということでうたわれておるわけです。ですから、実質上重大な利害関係というのは法律上どう理解すべきか。私の方から法制局にも諮問をいたしておりますけれども、これは、このたびのような運営の実際から考えて、やはり実質的に事実に応じてやはり指導の標準をきめるべきだ、こういう点は、さっき藤田委員の御指摘のように、私の質問に対して必ずしも御答弁が十分ではございませんので、いずれあらためてお伺いをいたしますので、この点は御研究をいただきたいと思う。ただ一つ、最後にただしたいのは、通産局が重工業局長のあなたを差しおいて、少くも出先の、通産省から委任を受けて競輪事業を監督する東京通産局の御当局は、あるいはその当局から派遣をされる直接の監督指導に当っている方々は、不適格な条件を備えておるんじゃないか、すなわち監督できない条件に置かれておるのじゃないかということを私は指摘をしないわけにいかない。それは、今まで十年以上にわたって千葉県等の自転車振興会の監督官でありました徳浦君は、川井氏の土地を五十坪譲り受けまして、住宅金融公庫から六十八万円の予算で三十八万円だけ借り受けて、家屋を建築をいたしております。この建築を請け負った者は輝建設であります。輝建設というのは、千葉県自転車振興会の当時理事長でありました川井輝吉氏の主宰をするところの建設会社であります。引っ越し等の場合も、全部輝建設の自動車を用いております。この前に、数年間千葉県松戸市二丁目に、番地は、不詳でありますが、借家をいたしております。この借家は、当時振興会の専務でありました山本氏が芸者屋をやるというので、権利金六万円で借り受けて、家賃五千円を支払ったものを、そのまま徳浦君が借りて入っておった。こういわれております。そのあとの方は、そういう事実があるかないかということは、うわさにすぎないかもしれませんけれども、先に言いました、五十坪の土地を譲り受けて、輝建設が引き受け会社になって家を建てたということは、間違いございません。法律の形式の上からは、あるいはのがれられるかもしれませんけれども、監督官が監督している当面の責任者から土地を提供され、その会社に引き受けさせて家屋を建築したということでは、これは瓜田にくつを入れずのたぐいではないと思う。明らかに私は、公務員としての立場としては妥当な方法をとったといわれないと思う。こういう点御存じですか、局長さんは。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 東局通産局の担当官の身辺に関しまする御質問でございますが、私自身は、今御指摘のような事実については承知いたしておりません。通産局の方から……。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) ただいまの加瀬委員の私のところの徳浦事務官の問題でございますが、確かにそういうふうな土地はございましたが、その中で多少違っておる点を申し上げたいと思いますが、川井氏の土地と申しますが、これは川井氏の土地ではなくて川井氏から土地のあっせんを、自分が家を建てたいというときに、じゃこういうところに適当な土地があるからということで、あっせんをしたということで、それに対する地代その他は、現在その土地を借りているわけでありますから、賃借料を払ってそこに家を建てたわけであります。この点については、川井氏の土地ではないのであります。そのほかのことは、大体おっしゃった通りだと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 どうでもいいのですけれども、川井さんの土地に間違いありませんよ。いくつかの土地を川井さんと一緒に徳浦君が見て回って、最後に三百坪か四、百坪の川井氏の所有地の、ここがいいという御指定になってこの五十坪かを区画してお借りになっている。間違いありません。  その次に、あなた方に、日和佐という課長さんが、現在東洋電機にいる人だけれども、いたはずです。この日和さんが転任のときに、料亭で、せんべつにゴルフ道具を振興会に強要している。そのゴルフ道具は、持って行ったのが気に入らないというので、みずから三越に行って新らしいものを買い改めた。こういうことが新聞ではっきり報道されておりますが、いかがですか、振興会とそういう関係はございませんか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 前課長の日和佐課長について、そういうことが新聞に出ておりましたので、本人を呼んで聞いたところが、そういう事実はないということを言明いたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そういう事実がないというなら、新聞紙に訂正方をお申し込みになるべきだと思う。その後何らそういう申し入れがない。しかし、事実はございます。証人もあります。やめてしまった方ですから、責任追求はいたしませんけれども、それなら、これは赤坂の料亭で多可喜という家ですが、ここで徳浦事務官は、私はこの内容は存じませんが、たびたび供応を受けて七色のパンティというものを買ってこいというので要求をいたしました。川井前理事長の運転手がその七色のパンティなるものを買いに行ったという事実がある。これはどうですか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) そういうことも、千葉のあるローカル新聞に出ておったこともございますが、本人について聞きただしたところ、そういう事実はございません。そういうことでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今は何と言うか知りませんが、買いに行った川井輝吉氏の運転手が、買いに行った事実を認めております。今はどう言うか知りませんよ。これは料亭多可喜であります。日和佐さんのいつも行きつけの家だそうです。ここで通産局の方々は、施行者なり振興会なりから供応を受けたという事実はございませんか、料亭多可喜で。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) そういう事実はございません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千葉市の出納室に、多可喜からの領収書が入っております。それによると、通産局関係者何名、施行者側何名、振興会何名、呼ばれた芸者何名ということも入っております。それでもあなたは、あなたの部下が絶対に多可喜で飲食をともにしたという事実は御否定になりますか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 私のこの事件に関して調べた範囲内においては、そういう事実はございません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それなら、他日またの機会にその領収書の写しをお目にかけます。それでは、各地方に参りまして、監督官が供応を受けることを最近はだいぶ慎しんでおりますが、二十五、六年ごろまでは常套手段のごとくしておったという事実は、お認めになりますか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) そのころのことはよくわかりませんが、そういうようなことはないと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 幾らでも証人がございますから、なんなら、あとで適当なときに黒白を明らかにしてもよろしゅうございます。  もう一つ聞きますがね。あなたの方で、東京自転車振興会に通産省並びに通産局の関係者を何名入れていますか。あるいは千葉県自転車振興会に、いわゆる世にいう天下り人事のように、通産局の関係者を何名入れておりますか。これも一名もございませんか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 千葉県の振興会には、前の事務局長をやっておりました三谷さんが、これは通産省の四国の総務部長をやっておった人です。それから、全日本自転車振興会には、理事と監事の人が通産省から出ております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千葉県自転車振興会には、三谷君を除いて五名の者が入っております。通産省関係の者を自転車振興会の中に入れて、そこで適確な監督をしようとしても、これは無理だと思う。  それから、通産局と振興会の人たちの会合をする料亭は赤坂の多可喜と、もう固定しておる。まさか多可喜にどなたもいらっしゃらないとは御断言できないでしょう。御断言できますか。あなた方が常宿にしておりますのは、赤坂の料亭多可喜です。そこへもだれも行かないとおっしゃいますか。

池尾勝己東京通商産業局総務部長

○説明員(池尾勝己君) 赤坂の多可喜というところを常宿にしているということは、私は承知しておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 毎晩泊っておるのを常宿の定義とするならば、毎晩は行かないけれども、相当数多くあなた方が御利用なさっておることは、お認めなさるでしょう。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) かわりましてお答え申し上げますが、その赤坂の多可喜という料亭はどこにあるか、私は場所も知らないのでございますが、あなた方とおっしゃいましたが、ここにおります者は行ったことはないと、かように考えます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなた方という言葉が適切でございませんでしたら、東京通産局の自転車競技関係の方々と、こう訂正をいたします。これは、私の方では、事実幾らでも資料がございます。  もう一つ、自転車振興会とあなた方が切れない一つの理由は、自転車産業振興法ですか、自転車産業振興協会、それから機械産業振興協会というものに、競輪関係から一応前の納付金に肩がわりするものが入りまして、大体十億から十一億とことしは踏みますが、これがある程度使えるということが一つの競輪に関する重工業局の魅力になっていると世間では言っている。この中から何人かの海外出張をいたしておるわけであります。何名出張しておるかと伺いましたら、二名だとお答えになった。二名は本年の数です。今まで海外出張関係に出されたと思われる経費は、合計二億二千八百六十三万六千円出ている。自転車振興会から、自転車産業振興関係の、特に外国出張等の費用として二億二千八百六十三万六千円の金がつぎ込まれて、二名しか通産省のお役人が外国に出張をしておらないということは、私は言えないと思う。本年も若林さんという方が行っているはずです。自転車振興会の東京の次長かなんかの人と一緒に行ったか、行くはずになっている。こういう関係があるということは、お認めになりますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 競輪の施行に当りまして上りました収益の中から一定の割合を、ただいまお示しの自転車産業並びに機械工業の合理化、輸出の振興に寄与するという、これも法律の第一条にあります目的の半面で、半分が地方財政の健全化でございますが、もう一つの大きな柱がそういうことでございましてそれが今日競輪の存在理由の他の半面の理由になっておるわけであります。その意味におきまして、自転車産業並びに機械産業全体の合理化、輸出振興の資金といたしまして、一定の割合で交付金として上ってきております。今お話の年間約十一億円の金を、これらに対しまして融資の形におきまして支出をしておるわけであります。それから一方におきまして今お話のように、たとえばジェトロ貿易振興会というようなところに委託調査費として支出をいたしましてその委託調査費の支出費目の中から、海外に対する調査費といたしまして、海外出張等の費用を支出いたしておるわけであります。そういう意味におきましてそういう金が結局においてある程度海外出張にも使われておるという事実はございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 昭和二十四年以来この程度出まして、海外出張をなさった方は、昭和二十四年から三十四年までの十年間で二名でございますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 全体としての総数は、いろいろ業界あるいは関係者等がございまするので、今承知いたしませんが、われわれ通産省関係が出ましたのは二名でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 本年二名ですね。昨年までは一人も出なかったこういうことになりますね。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) その通りでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の調査では、さようではございませんので、一つあらためてまた伺うことにいたします。  私の通産当局に対する質問は一応保留いたしまして、最後に、自治庁の長官もいらっしておるようでございますから、あわせて通産省と自治庁の両当局に伺いたいのでありますが、今私が質問したようなことは、末梢でありまして、問題は、一体競輪事業というものをこれから認めていくのか、認めないようにするのかということが基本だと思います。そこで、この競輪事業というものを今後どうしようと、自治庁並びに通産省はお考えになっておるのか。廃止の意思はないか。廃止の意思がないとするならば、三十年以来の委員会の附帯決議、あるいは各振興会等の申し合せ、あるいは施行者の要請、こういうものに基いて、振興会を徹底的に改組する意志があるかどうか。あるいは廃止しないとしても、早晩廃止するという計画で、早急に時限的な廃止計画というものを立てるお考えがあるかどうか。この点を自治庁と通産省と両御当局に伺います。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) それでは、便宜通産省の方から先にお答えいたしますが、午前中の御審議の際に、ちょっと私、私見でございまするけれども、申し上げましたように、競輪そのものを今直ちに廃止するかどうかということにつきましては、先般衆議院の商工委員会におきまして私の方の大臣からも御答弁申しあげましたように、今直ちに廃止するということは、これは非常に困難であろうということでございます。ただ、自転車競技法というものの精神は、先ほど来申し上げまするように、自転車その他の機械産業の合理化、輸出の振興という一つの柱と、もう一つの柱が地方財政の健全化、この二つでございまして、その二つの目的を健全な形において達成する限りは、競輪そのものを直ちに全面的に否定するということは、必ずしも適当でないと思うわけでございます。しかしながら、午前中もいろいろ御指摘になりましたように、競輪そのものから起ります弊害、マイナスが非常に大きくなっておる。そのために、これらのプラスの面を相殺してなお余りがあるというような弊害も大きくなりかかってきておるということもまた否定できないわけでございます。従いましてこれは、競輪そのものの存廃につきましては、政府全体といたしましてなお慎重に御討議を願わなければならぬと思うのでありますけれども、通産省といたしましては、少くとも競輪の健全化のために、従来から国会等において御指摘いただいておりまする点を十分尊重いたしまして、われわれといたしまして、まだ非常に微力でございますけれども、できるだけ健全化のための指導監督をいたしたい。特に各地方の自転車振興会あるいは日本自転車振興会の監督につきましては、従来必ずしも十分でなかったという点は、確かに認めざるを得ないのでありまして、これにつきましては、さらに一そう厳重に監督して参りたいと思います。さらにつけ加えまして、私個人の意見ということになりまして、まだ通産大臣にもよくお話し申し上げたわけではございませんけれども、現在の段階においては、ただ競輪場をふやさないという消極的な処置にとどまっておりますけれども、さらに将来は、今申しました二つの柱、ことに地方財政に必ずしも貢献していないものにつきましては、むしろ積極的に整理をしていく。それが年次計画になるか、ある目標をきめるかどうかということは、なお検討を要しますけれども、もう一歩積極的な整理あるいは健全化の方向に至急研究をいたしまして、地方自治庁、関係方面と御相談をして、政府全体の方針をとりきめるように持っていきたい、かように考えております。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) ただいま通産当局から詳細な意見の発表があったのでありますが、自治庁といたしましても、大体同様な考えを持っておるものでございまして、最近競輪に関連いたしまして、松戸その他数個所で、いろいろな事態が起きましたことは、私もまことに遺憾だと思っておるものでございます。競輪に対する世論の反響も非常に大きいこの事実は、私は十分認識していかなければならぬと思っております。ただ、通産当局から今お話がありましたように、今日まで競輪という事業が地方財政に寄与したところの問題も相当大きいと思います。この功績は没することができない。また、自転車工業を中心にいたしましたいろいろの機械工業等の振興に、また社会福祉の方に相当の何を上げておるのでありまして、この功は没することはできませんが、最近の状況は、まことに遺憾と思っておるのでありまして、今後施行者あるいはその運営をやっております各地の振興会あるいは中心にある日本自転車振興会、こういう面につきましては、十分なる自粛を促すとともに、さらに監督を厳にいたしまして、ことに私は、ああいう事態に対しては厳罰に処して、強い反省を求めていかなければならぬ。地方財政の関係は七十億くらいでありまして地方財政全体の数字からいえば、それほど大きな数字ではないのでありますが、これはやはり局地的に、いろいろ地域的には大きな結びつきを持っておるわけであります。それから、これらに従事している人も、約六万人ほどおると聞いております。これらの人々の対策の問題もありますので、私も、大体通産当局が今言われましたように、さらに監督を厳にしまた自粛的の案等も立ててもらいまして、これの整理をはかっていく。さらにまた、今話のございましたように、あまり収益を上げてないような、残しておいてもそれほど寄与するところのものがないようなところの競輪場については、逐次これを整理していきたい。残った競輪場を中心にかりにやっていくにしましても、施行者の問題、運営方法の問題等、相当検討しなければならない問題がたくさんあると思いますので、通産当局とよく連絡研究をいたしましてできるだけ弊害を少くして、競輪事業の社会に寄与しておる面は、これは伸ばし得る範囲で伸ばしていきたい。当面の措置として、大体私どもとしてはこのように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あまり地方財政の収入がなくて、やめたって大したことはないという所は、社会風教上大きなマイナス面というものの起り方も少い。地方財政上は、むしろ一年に十億近い黒字ができるような川崎だの、地方団体としては最も健全財政である東京都だの、地方財政の上には必要のない所に競輪場が置かれておって、ここが一番盛大に競輪収入をあげておるという所に問題がある。ですから、長官は、地方財政というふうな点から考えるならば、東京なり川崎なりの競輪の開催権というものは、十分に考慮する余地があると思う。あるいはある程度競輪に基因する社会悪をこの際徹底的に排除するということならば、景気のいい競輪場というものを開催させないような方法を考えなければ意味がないと私は思う。そういう点で御方針をあらためて付いたいとともに、競輪などをやらなければ一体地方の運営ができないような財政状態というものを今後どうしていく考えか。地方側からすれば、どうしていただけるものであるか。これらの御方針もこの際御説明になっていただきたい。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) なるほど御指摘のように、競輪場のある所がなかなか景気のいい場所であってということもございますが、しかし、その競輪場を中心に——今例示されました所は必ずしもそれに当るかどうかは別といたしましても、競輪場を中心に、いろいろの地方団体がそこで競輪を施行しておるという問題もあるわけでございますが、そこで、先ほど私が申し上げましたように、施行者をいろいろ組合組織のようなものにするとか、あるいはまた、根本的に何か施行者の体系を変えていくとか、そういういろいろ検討を要する問題もあると思うのであります。  それから、今御指摘のように、競輪のようなものを考えていかなければならないような地方財政の問題についてどう考えるかということでありまして、私も、こういうものがなくて、地方財政が健全に保っていけることを期待するものでありますが、今までの何カ所かの土地につきましては、競輪とその地方の財政というものも深く結びついてきておりますので、一ぺんに、これを急になくしてしまうというようなことについては、一応その関連した地方の地方財政に非常な影響を与えるのじゃなかろうかという問題と、それから、これに関連従事しております人間が六万人もおるという、こういう人の措置等も与えなければならない。運営方法においてまことに遺憾な点が相当あると考えますので、その点をさらに、弊害の最も少くなるような方法をもう一段検討いたしまして、そしてどうしてもこれはまた非常な害悪を流すというようなことになれば、そのときにまた一段の検討を加えなければならない。こういうのがただいまの私の考えでございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今の競輪の問題ですが、これは、加瀬君が熱心におやりになっていますが、私どもも、競輪の社会悪というものは、ある程度耐えることができない限界にきておる、こういうふうに思うのです。将来の方向は、どうしても全廃するという方向に持っていってもらいたい。それで、通産省の方も、なるべくまあ、一度にこれは廃止するということはできないから、漸次そういう方向に持っていきたいというのは、私もぜひそうしてもらいたい、それについては、この辺でもってある程度整理計画というか、将来の方針ですね。たとえば、何年後には全廃の方向に持っていくんだ、こういうふうな大体の計画を立ててもらいたい。こういうふうに思いますし、それからまた、自治庁も、もう終戦直後ではありませんから、いつまでもこんなものにたよって地方財政をまかなっていこうなんと考えるのは、非常な大きな間違いであるから、そういうものがなくていいように、わずか七十億くらいのものは、どうやってもやろうとすれば私はできない問題ではないと思う。こういうふうに思うのです。何かというと、競輪は財政に寄与する、こういうふうな逃げ口上を持たれて困る。先ほどからお話を聞いていると、通産当局と自転車振興会とは、相当くされ縁があるように思われて、非常に残念でありますが、それがしまいには地方財政に寄与するなんという逃げ口上が出てくる。そういうことをふさぐためにも、私は、財政計画として、こんなわずか七十億のものにたよらんでもいいようにしてもらいたいと思う。これについて整理計画と申しますか、将来の方向、そういうようなものを打ち出してもらいたいと思いますが、どうですか。この委員会でも、競輪の問題については非常な関心を持って、将来新設はしないというふうな決議をしたのも、この委員会でやったことなんです。それで、われわれとしては、恩恵を受けておると、こういうことを考えて言っておりまするが、これほど世間の非難を仰いでおるものを、地方財政なんというものをいつまでも口実にして、存続せしむべきではないと思うのです。何とか近い将来全廃するという方向に持っていくと、そういう方針を確立してもらい、また、それについての段階を作ってもらいたい、こういうふうに思いますが、どうですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 当委員会の従来から競輪の問題に対するいろいろの考え方等も、私はよく承知しておりまするし、最近の世論の厳しいということも十分承知をしております。そこで、この問題は、私から申し上げるまでもなく、通産当局との関連のある問題でございまして、私、自治庁だけで考え方をここで言うことはできないと思います。ただいまのお前の考え方はどうかということについては、先ほど申し上げたところでございまして、十分この委員会の意向等も参考に置きつつ、今後通産当局とさらによく検討してみたいと、こういうふうなお答えをしたいと思います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今の答弁としてはやむを得ませんが、自治庁も、通産当局と御相談なさって、こういうものの廃止の方向をきめる。そしてある程度の整理計画というか、そういうものを一つ作ってもらいたい。どうも事情を聞けば、自治庁当局よりか通産当局の方に、これは廃止しにくい事情があるように思う。そのしにくい事情というものは、私はむしろ醜い事情であると思う。こういうふうに思うのでありまして、自治庁がもう少し、そういう地方全体の立場から、積極的に一つ廃止に踏み切って通産当局に働きかけてもらいたい。こういうようなふうにしていただきたいと思いますが、どうですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 先ほどからもたびたび答えておりますので、私の気持はおわかり願えたと思うので、先ほどの答弁で御了承おきを願いたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは、認可権は自治庁が持っているのです。それから、条件を付する権利も自治庁にあるわけですから、何年間でやめる、従って通産当局と、むしろ自治庁が主導権をとって、こういう計画で小林委員の指摘するように整理していく、あるいは職員並びに選手その他の関係者の将来の更生計画はこういうふうにするといったようなものを、やはり主導的に自治庁がおとりならなければなかなかできない。そこで、財政局長に最後に一つお伺いをするのですが、競輪を廃止するということになると、競輪関係の財政計画というものをもう少し自治庁が積極的に指導しないと、やはり施行者自身が踏み切れないと思う。そこで、その点、地方の財政計画を競輪等のギャンブル企業を有力な財源としなくて済むような御指導が行われているか、具体的に、最後に一つつけ加えるならば、たとえば、先ほど御指摘したように、千葉県では、通産当局の処分によりまして三カ月停止をされた。八千万から一億の歳入欠損が生ずる。その歳入欠損に対し、自治庁はどういう立場をおとりになるか。補てんをしてやるという方法をおとりになるのか。補てんしてやらないというなら、どういう形で歳入欠損を穴埋めするのか。この自治庁の指導方針も最後に承わりたいと思います。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 御承知のように、地方財政計画の中には、競輪等の収入も見込んでおるわけであります。しかしながら、これは特定の団体の特殊な財源でございますので、地方交付税の基準財政需要額を算定いたします場合には、一般的な財政需要しか見込んでいない。従いまして、御指摘の千葉県の事件については、そういうような財源を予定した基準財政需要額の算定の仕方をしておりません。半面また、そういう財源が減ってきたからといいましても、特にその穴埋めを甲の団体にしなければならないというような考え方もとっていないわけであります。団体によりましては、非常に大きな額に上る団体もあるわけでございますけれども、そういう団体はそれなりに、やはり学校の整備を特に迅速に行いますとか、あるいは道路の整備を特に強硬に行なっていくとかいうようなことにも向けられておるように思うのでございまして、地方財政全体を改善していくということが即そういうような特殊な財源にたよらなくても済むという方向に漸次向っていくべきではなかろうか、こういうような考え方も持っておるわけであります。従いまして、そういうような見地でそういう問題の将来についても対処していくべきではなかろうか、こういうふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その通りですけれども、たとえば、交付税の算定の中にも、競輪等の収入が入っておらないということは、私わかります。しかしながら、そういう算定で築かれたものに競輪収入等のプラス・アルファーを加えなければ、実際の歳出面の計画が立たないというのは、これは御存じの通りである。ですから、名目だけではなくて、実質的のその問題の解決というものに自治庁で乗り出していただかなければ、なかなか競輪を廃止しろったってできない。そういう方向を打ち出してくれるならば、あわせて財源のアンバランスの解消というものをもつけ加えてくれるように、強力に今後やっていただけるものかどうか。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 競輪を施行でき、それによって特別な財政収入があるということは、その団体にとっては一種の特権だと思います。特権収入があるわけでありますから、その団体の財政収支を計算いたします場合に、いかに交付税の建前に基いて計算されたからといいましても、頭から無視してかかる必要はないと思います。そういう意味で、特別交付税を計算いたします場合には、競輪純益の一定部分を算入しておりまして、それが相当な額に上りますと、他に財政需要がございましても、差引計算をするというようなやり方をいたしております。私たちは、結論を競輪廃止に置いているという意味じゃございませんけれども、この割合を漸次高めていきたい、こういう考え方を持っておるわけでございまして、そういうような方向で、かりにこういう問題がどうなりましても、その団体に不測の事態を生じさせないような配慮は必要だろう、こう存じております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 前に、この委員会で、競輪はもう廃止しろという説が出たことがあるのです。それに対して政府当局から、今急に廃止するというても、施設者に非常な損害をかける。従って、これらの施設の償却でもできた場合なども考えなければならぬ、こういうことを答弁になったことがありますが、全国のこういう施設について償却が済んだとか済まないとか、そういうようなことを調べたことがございますか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 今ここに全般的な資料を持っておりませんけれども、御承知の通り、競輪場の施設につきましては、施設の所有あるいは運営の形態が非常にまちまちでございまして、たとえば、今度問題になりました松戸のような場合におきましては、その競輪場の施設会社というものが別にございまして、会社で経営しておるものもございます。あるいは自治体それ自体が持っておるものもございます。いろいろな形態がございますが、その施設の設置されました時期等まちまちでございまして全般的に償却の状態はどういう状態になっておるか、今ここで全部の資料を持ち合せておりませんので、お答えいたしかねますけれども、もし御要求がございますならば、全般的な資料として御提出申し上げてもよいと思います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 私どもは、今も申し上げたように、近い将来に廃止の方向に持っていってもらいたい。それについては、施設者に非常な大きな不測な損害を与えるというようなことは、これは忍びないことであって、施設の償却等が済めば、漸次そういう方向に持っていっていいんじゃないかというふうに思うから、その参考のためにも、そういうふうな一つ調査をしていただいたらと思いますが、いかがですか。

小出栄一通商産業省重工業局長

○説明員(小出栄一君) 承知いたしました。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) それでは、競輪に関する質疑は、本日のところ一応これで終って、次会に必要があれば質疑を続けます。  それから、ただいま小林委員から御要求の資料は、この次の委員会までに作っていただいて、御提出をいただきたいと思います。   —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、地方財政の現況並びに来年度地方財政の見通しにつきまして、自治庁当局から説明を聴取したいと思います。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 三十三年度の決算は、現在都道府県の分についてだけ一応の集計を了したわけでございます。市町村の分につきましては、まだその段階に至っておりません。従いまして、さしあたり都道府県の決算がどうなっているかということをかいつまんで申し上げたいと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 ちょっと途中ですが、議事進行について。今、地方財政の現況と来年度地方財政の見通しということで、局長の方からお話を願うわけですけれども、われわれの手元には何にもなくて、局長は何か見られてやっておるようですが、それはどういう意味ですか。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。

奧野誠亮自治庁財政局長

○説明員(奧野誠亮君) 都道府県の三十三年度の決算で見て参りますと、前年度に比べまして、黒字額は百十四億円を減少して百六十七億円ということになっておるわけであります。しかし、これは黒字団体、赤字団体、単純な差引計算でありますので、黒字団体と赤字団体とを分けますと、黒字団体が三十八団体で、黒字額が百八十三億円、団体数で三団体、黒字額で百十三億円を減少している。赤字団体は逆に八団体で、赤字額が十六億円ですが、前年度に比べまして、三団体、一億円を増加しているわけであります。しかし、累計計算ではございませんで、三十三年度だけでの収支はどうなっているかということを見ますと、のべつに赤字を出しておるのでございます。すなわち、三十三団体までが赤字でありまして、その赤字額は百二十二億円に上っておるわけでございます。前年度の赤字団体はわずかに一団体であったことと比べますと、非常に大きな変化が出てくるのであります。どうしてこういうような状況になったかということを見て参りますと、何といいましても、三十二年度、前々年度は、いわゆる神武景気で、税収入が地方財政計画を立てたときよりもはるかに大きな増収があったということだと思います。府県分だけでも、地方税で二百八十億円、地方交付税で三十七億円、従いまして、三百十七億円の財源追加があったということになっております。ところが三十三年度の方は、経済界の不況のために、税収入が前年度よりも少くなっております。財政計画と比べますと、これは、計画は標準税率で算定しておりますし、決算上は増税、あるいは法定外の普通税の収入も入っておりますので、当然ふえなければならないわけでありますけれども、そのふえ方が二十三億円にとどまっている、こういう状態でございます。そのほかに、年度中途で給与制度の改訂がございまして、財政需要が新たに増加したりしていることもあるわけでございます。そういうようなことで、三十三年度は、税収入は予定よりもむしろかえって少かった。しかし、単独事業は大幅に押えてきているものですから、前年度の剰余金を使いまして若干その仕事もやった。その結果は、結局単年度だけで見ますと、繰越財源の食いつぶしということになって、赤字がのべつに出た。こういう実態でございます。それじゃ本年度はどうかという問題になって参りますと、これは、三十四年度の地方財政計画を御審議願いましたときにいろいろ御意見もございましたように、一方では減税をやつております。それに対する補てん措置も講じているわけでございますけれども、まだ完全補てんというところまでは行っていないと思います。それに対しまして、歳出の増加につきましては、第一には、給与制度を中心とした改正によって、二百億円をこえる財政需要の増加があったわけであります。そのほかに、今、知事会で非常に熱心に言っておりますところの臨時法の廃止に伴うところの措置に関連するわけでありますが、その期限が終った上に公共事業が大幅に伸びた。その関係から財政需要が四百億円をこえるような増加を示したわけであります。一般財源計算では、大体両者合せますと四百億円前後ということになっているわけでございます。それに対しまして地方債の方も、いわゆる財政健全化の線にのっとりまして、一般会計の方はあまり増額をいたしておりません。そういうようなところから、非常に窮屈な状態になっているわけであります。従いまして、単独事業の部分につきましては、大体従来の金額を据え置くというような状態にならざるを得なかった。しかしながら実質的には、今申し上げましたように、三十三年度においては、三十二年からの繰越財源で、ある程度無理な切り詰め方をしている点もございますので、単独事業を伸ばしていきたい。そうしますと、三十四年度になってそれを大幅に減らすということには相当な困難が伴うのだろうと思うのでありまして、その上に、三十四年度の財政計画自体に若干の穴があいているわけでございます。端的に申し上げますと、軽油引取税について税率引き上げに対する国会修正が行われて、その分だけでも十六億円くらいの穴があいているわけであります。そのほかの財政需要の増加等もあったりいたしますので、三十億円内外の穴があいたということになっているのでございます。こういうような状態でございますので、三十四年度において公共事業なりあるいは単独の公共的建設事業なりを実施していきますためには、都道府県としては、財源捻出に全く四苦八苦しているというような状態になっているのでございます。その結果、赤字債であるかもしれないが、地方債を臨時に増額すべきだというような考え方が強く述べられてきているような状態になっております。しかし、三十五年度になれば、そういうような困難な状態が解消するのかということを見ていきますと、そうじゃございませんで、三十五年度の姿は、さらに収支の均衡を維持するに非常にむずかしい事態に入ってきているようでございます。具体的に申し上げますと、給与制度の改正に伴いまして、地方の財政需要が大幅に伸びて参るわけであります。それからまた、国家公務員の恩給制度は、共済方式によりますところの退職年金制度にすでに切りかえられておるわけでございまして、恩給公務員につきましてもこの十月一日から実施される。こういうことになっておるのでございまして、地方公務員につきましても、同じような方向をとらざるを得ないのじゃないだろうか、こういう問題が来年度においてはあるわけでございます。さらに全体的に公共投資を増加していかなければならないというようなことが現在の日本の経済の実情からいいまして、どうしても必要なことだということが指摘されて参ってきておりますし、また、現実に国民生活の水準がだんだん上ってきているのに、公共施設の整備がおくれているというようなことは、これは看過できない事態でございますので、そういう面から財政需要が相当にふえてくるだろうと思っております。それに反しまして、税収入の方は、三十四年度においてすでに予定をいたしました所得税の減税に対応する住民税の減税の問題がございます。そうしますと、これだけでも百二十二億円の穴があいて参るわけでございます。そのほかに、もう一つ従来と違った現象として、地方交付税の算定の問題がございます。今年度は——三十二年度は、予算よりも国税の所得税、法人税、酒税の収入が非常に伸びたわけであります。伸びた部分の一定割合は交付税としてもらえるわけでありますから、もらい足りなかった三十二年度の分を三十四年度でもらっております。ところが、三十三年度は国税の三税に穴があいております。従って、地方交付税はもらい過ぎたという結果になっておる。もらい過ぎた分は三十五年度で返さなければなりません。その結果、もし三税の見込額が三十四年度も三十五年度も同じだとしますと、地方交付税で百六十八億円の穴があいてしまいます。かりに三税に六百億円程度の増収がありましても、地方交付税は、三十四年度と二十五年度は同額だということになって参るのでございます。こういうように、収入の面におきましても非常に大きな穴があいてくるというようなことになっているわけでございまして、歳出の増加の問題、収入の減少の問題、両方一緒に措置しなければなりませんので、三十五年度は、地方税の増収も相当に期待いたしたいわけでございますけれども、なかなかその自然増収だけでは追いつかないのじゃないか、こういうような見通しを持っておるわけでございます。三十四年度の現実のやり繰りも、公共事業を中心といたしまして、府県では非常に困難を来たしているようでございます。しかしながら、三十五年度におきましても、なおまたなかなかむずかしい大きな問題を地が財政は全体としてかかえている、こういう実態になっておるわけでございます。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 今のお話、これは、非常に残念ながら、暗い見通しのお話なんでございますが、一種の赤信号というふうな感じを持っておると思うのでございますけれども、当面いろいろ三十四年度、三十五年度のお話でございますけれども、問題となっております三十四年度におきまして公共事業の消化の問題ですね。これはとりあえずの大きな問題じゃないかと思うのです。それで、特に臨特法の廃止の際に、これは私どもも、今問題となっております公共事実の十分な消化ができないのじゃないか。一部返上しなければならぬような、そういう事態が来るのじゃないかというような心配も持っておりましたし、そういうことも申し上げたと思うのですが、現実に今各地方団体では、そういう問題とぶつかっておるように聞いておるわけなんですが、私ども、知事会あたりの資料を見せてもらいましても、これはまあいろいろ、一体単独事業なりその他の経費をどこに押えてというような問題もあると思いますが、大まかに言って、各地方団体とも、各都道府県においても、東京、大阪あるいは神奈川、愛知というようなところを除いては、大体において、その。パーセンテージに多少の違いがあり、金額においても多少の差はあるにしても、公共事業というものは完全に消化できないというふうな数字が出ておるわけなんですが、こういう数字について自治庁として、一体どのような把握のされ方をしておるのか。私どもも、今申しますように、知事会等のそういう資料にたよっての現在のところ話なんでございますから、自治庁としてどういう押え方をしておるか。これを一つ聞かせてもらいたいと思います。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) ただいま鈴木委員からお話のございました三十四年度の公共事業の地方側の消化の問題でございますが、これは、知事会等でも非常に意見がいろいろ出ておりまして、今後の税収の自然増の問題とか、あるいは県単事業をどの程度処理するとか、いろいろな問題とのにらみ合せ等もございまして、まだはっきりした結論的数字は出ていないのでございまするが、まあ私どもとしましても、ある程度消化し切れないものが地方側に出てくる、こう考えておるのでございます。そのしぼり切った数字で、本年度の問題としては、とりあえずできれば起債のワクを広げてもらいまして、消化に当っていきたい、現段階では、三十四年度の問題については、そういうふうに考えております。三十五年度についても、やはり同様な問題があると思いますので、これは私は、党並びに政府、閣議等でも、公共事業費の予算を組んでいくときに、常に地方の負担はどうなっているのか、地方の負担についてはどう対策を立てるのかということを念頭に置きながら、この予算の編成に当ってもらいたい。公共事業費だけ独走されては困るということを大蔵大臣並びに公共事業費を持っておる関係の各大臣に強く要望しておる。それから、予算編成に協力する与党の政調会にも、この点すでに強く申し入れておるわけであります。しかし、国家的要請のある事業は相当伸ばしていかなければならぬのでありまするから、河川の費用であるとか、あるいは治山とか、国家的要請によって相当伸ばしていかなければならぬような事業については、臨特法廃止においては、つまり道路の負担と同じ程度の国庫の負担を多くするように、三十五年度予算編成に当って、われわれは全力をあげて皆様方の御支援を得てやっていきたい、ただいま私どもさように考えております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 私、今お聞きしたかったのは、たとえば、知事会あたりの資料を見ますと、先ほど言ったように、いろいろな問題もあると思うのですが、額として百三十億以上の公共事業費が消化できないだろう、それの地方負担分が大体五十九億くらいになるだろう、こういう数字が出ておるわけなんです。そこで一面、臨特の廃止で、地方の負担増になる分が五十八億になりますですか。大体地方負担分とそれとは対応するような額になっておるのですが、これは、先ほど申し上げたように、臨特廃止の際にすでに問題となっていたことなんです。ただ私、それを今繰り返すわけじゃないのですが、こういう数字がもちろん、今長官のおっしゃったように、税収の見通しなり、あるいは県単事業の押え方なり、その他の経費の抑え方なりという今後の問題にかかっているとしても、現段階において、各都道府県の予算なり、あるいは最終の予算の規模の見通し、こういうものからして、この数字が大体自治庁としてもその程度になるというふうにお認めになるのか。別に、自治庁として、いやそんなに大きくならないんだというふうな考えを持っておられるのか。あるいはまた、それオーバーするような数字になるのか。そこら辺の数字の押え方に現存の段階において何かつかんでおるものがないか。こういうことなんです。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 臨特だけの関係でそのままはじき出せば三十億前後じゃないか、こう思っておるわけです。そこで、先ほど申し上げましたように、それをいろいろ見つめていくとどのくらいになるかということですが、あまり大きなものばかりではできないので、二十億から三十億、二十億前後、そういうところに、これは私の勘ですから、どういう理論で、理屈でそういうことを言うのかと言われれば、答弁のしようがありませんが、大体そんなところくらいで、なるべく早く数字がまとまればいいがなあと、大蔵省と折衝するにしても、若干ある程度の数字がまとまらないと、しりが皆欠けておるのに、三十億出せ、五十億出せと言ってみたところで、これは折衝にならないんですから、ぎりぎりの数字をできるだけ早くまとめて具体的な折衝を始めたいと、かように私は考えております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 私のお聞きしたかったのは、知事会等の数字を見せてもらいましても、これをこのまま、私どもがこれでいいんだと、従ってこれくらいの、百三十億をこすところの公共事業の不消化額というものが出るんだ。地方財源では約六十億に近いお金が必要なんだ。こういうような、そのままを私、うのみにするということでなしに、前にも申し上げましたように、いろいろ抑え方があると思うのです。自治庁としてどういうふうに押えられているのかということを私はお聞きしたかったんです。まだそこまで行ってないというお話ですから、これは、できるだけ早くこれをやっていただかないと、いろいろな問題がやはり出てくると思いますから、その点、こういう問題の処理に当っては、なるべく早くやった方がいいと思いますが、いつごろになったらできますか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) まあ私どもも、選出されている地方は東北で、東北の事情などわかるので、雪の早い地方では、早くきまってもらわないと金が来ないので、鈴木委員の気持もわかるので、できるだけ早くまとめたいと思っておるんですが、南の方の海岸線の多い所は、波が高くなるので事業ができないということもよく……瀬戸内海はあまり波が高くないんですが、だから、もう具体的の折衝をそろそろ始めかけたいと思っておりますが、二、三週間ですね。ほんとうを言えば、税の伸びなんてのは九月一ぱいしなければわからないので、そういうのを待っておると相当かかるので、ある程度の見通しのところで方針を打ち立てて折衝をやりたい、かように思っております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 これはまあ、いろいろ調査にも時日がかかるでございましょうから、大体そうしますと、今月一ぱいではまとまるというふうに考えていいと思うのですが、これはやはり税収入の問題なんか当然からんでくると思うのですがね。やはり問題は、根本的には臨特の廃止というものが、これは大きなウエートでこういうことになってきているのじゃないかと思うのですがね。ですから、とりあえずは、税収入の伸びがどうあるのかというようなことも非常に大事な問題だし、抜きにされない問題ですけれども、少くとも臨特にかわる何かの措置をとるというような考え方で処理されないと、時期的な問題もあり、どうも根本的にはまだ問題が解決されないと思うのですが、お考えはどうでしょう。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 先ほど私そのつもりで答えたので、三十四年度の、ことの措置としては、まあ起債で片づけていくよりほかに方途がないのじゃないか。三十五年度の地方財政計画樹立に当っては、先ほど申し上げましたように、河川とか治山とか、国家的要請の見地から需要を伸ばしてきたようなものにつきましては、国の負担率を臨特に相当するぐらいに上げていってもらうように努力をしたいと、そういう考え方で自治庁としては進みたい、こういうつもりでおります。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 起債ですが、起債の現在のワクの中で処理をなさるのか。起債のワクをふくらますのか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) それは広げてもらうのです。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 それから、いま一つは、跡始末ですね。純然たる地方団体の府県の負担になるのか。何らかの形で将来国の方で見てやるというような格好になるのか。そこら辺どうですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) ただいまのところでは、それは仕方ないのじゃないかと思います。ただし、国が直轄事業をやっておる例の交付公債式のものは、これはいろいろ考え方を変えていかなければならない。交付公債の利子の免除とか、いろいろ考えていかなければならない問題があると思うのですが、今の三十四年度の臨特用始後の特別措置に伴う穴埋めとしての起債を認めてもらうというような場合に、これにまでいろいろな特別な措置を考えるということは、これはちょっと困難じゃないかと私は思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 起債の問題ですけれども、昭和二十八年にやっぱり公共事業費が非常にふくらんで、だいぶ起債でまかなわせてもらった。その結果が二十九年以後の特に都府県に赤字になって出てきておる。今度も同じことがもう一回繰り返されるのじゃないかという心配が非常に強い。どうにもならなくなってくると、今、鈴木委員が指摘したように、起債というのは完全な補てん財源じゃないわけですから、あとに尾を引きますから、これは長官に、二十八年度の轍をもう一度踏まないように、いろいろとそのような方向に御発言をいただきたいと思いますが、その点は御心配ないでしょうか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) まあできるだけそういう意味で折衝を開始してみたいと思いますけれども、大きな見通しとしては、あまり大きなことばかりここで述べ立てておいて、歩どまりが全然なかったということになっても困りますので、正直に掛値のない、はったりのないところを中心に申し上げておるのでありますから、そういう御鞭撻をいただいておることは、非常に仕合せに存じます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 どうも長官の今の起債、穴埋めというか、起債を許して云々の問題には、われわれはちょっと納得できないのです。ということは、今度のこの問題は、今始まった問題じゃなくてことしの、昭和三十四年度の予算を組むときに、そういう予算に関連して地方財政計画を自治庁が発表したあの当時から、すでにこういうことになるということはわかっていた問題です。あのときに、予算委員会等でも、われわれは、結局今のような、一方では公共事業をどんどん押しつけて、地方負担を二百何十億もふやす、一方では、地方県税についても、合理的な穴埋めというような点は全く率直に言って不十分で、完全に考えられていないという、こういう矛盾した二つのファクターがある以上は、都道府県どこに行ったところで、東京とか大阪とか、そういう所は別にしても、大部分の所は、一方においては県単事業を全くなくすか、そうでなければ公共事業を返上させるか、そうでなければ、せっかく再建したものを再び赤字を出すことになるのじゃないか。そういうことについては、この委員会でも、当時の予算委員会でも、われわれの方で繰り返し繰り返し突いたところです。その突いたときに、その時の大臣、今はかわったから、石原さんに言うわけにはいかないが、自治庁は同じ自治庁ですから、青木大臣も、どうにかやっていける、大蔵大臣に至っては、まだまだ余裕があるのだという顔をして、あの当時われわれの質問に対しては答えられた。これは、そういう三つの結果が出た場合にどうするのだ、あなた方は責任を負うのかと言ったときに、責任を負うまでもなく、そんなことはないから大丈夫だということを、速記録を見ていただけばわかるように、答弁をしている。今になってこういうような、当然考えられぬような事実が出てきた今日、この間に起債だけで……結局それだけの赤字の上にまた赤字を背負わなければならない、そういうようなことを自治庁がさせるような、そんな弱虫では、これから、三十五年度の予算に関連して三十五年度の地方予算の場合にどういうことになってくるか、こういうことを考えると、われわれは、石原さんがその当時の責任者ではないから申しわけないが、それにしても、そんなことではとても都道府県や市町村はやっていけないということになる。もう少し積極的な立場から、少くとも三十億なら三十億でもいいから、その問題については責任を負うのだという形をはっきりと一つ出してもらって、それで大蔵省と私は折衝をしてもらいたいと思うのです。それは石原さんに対する質問です。大蔵省の方にはあとでお伺いします。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) ただいまの問題は、先ほどからお答えしておりますように、できるだけ早く数年をきめて、今年度の措置としては、われわれ、いい方法ではありませんけれども、起債ででも処理するよりほかに手っとり早く処理する方法はないのじゃないか、これは決していい方法だとは私は思っておりませんが、こう考えておるわけであります。  さらに、今お話のように、再びこれで赤字の大きな原因を作るようなことになってはならぬところですが、その起債についても、何らか適当な措置、方法を期待してもらうように、あわせて要望をいたしていくことにいたしましょう。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 大蔵省の方にお聞きしたいのですが、これは、先ほどから鈴木委員も言われたのですが、知事会の資料をそのままというわけにはいかないのですが、知事会で持ってきた資料を見ると、相当県単事業についても、これはもう金額の幅は、聞かれればここに資料がありますから、数字的に申し上げますが、それは御存じだと思いますから、私は言いませんけれども、県単事業そのものは、前年度よりは地方財政計画の上でも少いわけですが、さらに引き締めて持ってきたような数字で、しかもそれ以上の穴があくというようなことで困っているわけです。知事会のあれを見ると、実際公共事業の消化が完全に今のままでできるというような所は、東京等四都府県しかない。しかもこの数字によると、少くとも不可能なところが四十二道府県ということになるわけでありますが、一割以上から二割以上もとてもこのままでは公共事業ができないというところが少くとも十七、八カ所出ている。これは、私は少し輪がかかっているとは思いますけれども、それにしても大へんな数字であって、その都道府県の三分の一は消化できないような形に置かれている。こういうような状態にあるのです。この点については、すでに前回予算のときにも、相当この問題について先ほど言ったように突いたわけですけれども、ともかくこういう事実ができてしまったらしょうがない。従って、この事実に対しては大蔵省も、今石原長官が言われたように、何らかの措置をしたいと、こういう点については、やはり積極的にやってもらわなければならぬと思うのです。そういう点については、今大蔵省の方では、どういうようなところまでこういう問題についての調査あるいは対策を考えたか。こういうものがなされておるか。その点をお聞きしたいと思います。

大村筆雄大蔵省主計局主計官

○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。  先ほど自治庁側から、本年度の地方財政の見通しにつきまして、現段階における一応の見通しにつきまして御説明があったわけでございますが、なかなか楽観を許さない情勢であるということになっておりますが、先ほども自治庁長官から御答弁がございましたように、現在の段階におきまして税収の見積り、歳出の見込み等につきまして、年間の見通しはなかなか容易なことではないのでありまして知事会のお作りになった数字というものはどの段階でお作りになったかわかりませんけれども、なかなか現在の段階で、そう的確なものが作れるわけではないように思います。むしろ消化しにくいということも私ども耳にいたしておるわけでありますが、私ども接する関係の県の方々の一部の御意見では、いや、本年度はまあ何とか行くのじゃないかという御意見も実は聞いておるわけでございまして、もうしばらく時間をかしていただいて数字的に検討いたさなければ、何ともその問題につきまして、大蔵省の考えはこうだということを申し上げかねることと存じます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 どうも私は、大蔵省の今の答弁を聞いて、石原さんの言われたことと関連して、不安で不安でならないわけですがね。今あなたの答弁の中で、どうにか行くのじゃないかということも大蔵省は聞いておるということは、かりにあったとしたならば、これはとんでもない話であって、おそらく大京か大阪か、どこかそこら辺の話を聞いて、そういうようなことを言われているのじゃないかと私は思うのです。今現実に、私さっきもあげたような四つの都府県になるか、あるいは五つになるか、六つになるかわからぬけれども、それ以外の所は、この問題のことで、ほんとうに真剣に今知事は困っているのですよ。そういうような中で、今あなたがいわれたように、のんびりした形で……。むしろ私はあなたの方から、これは実際最初のときはそうでもないと思ったけれども、やはりやってみると、これはなかなかきびしかったのだ、そこで、積極的に自治庁と話し合って、何とかしなければならないと思っているのだというぐらいの答弁は、あなたの方で出るだろうということを僕は期待して質問したわけなんです。それとは逆に、何か人ごとのような答弁をされたのでは非常に遺憾なことであってもしもそういうことならば、これは、今石原大臣がいわれたように、今月中に何とかめどを出したいということを言われておるけれども、おそらくはとてもめども出ないうちに冬近くになって、公共事業なんということはなかなかできやしませんよ。そういうことになってくるので、従ってこれはもう少しはっきりした態度でやってもらわなければ因ると思うのです。大蔵省では、その程度の調査しか今できていないのですか。

大村筆雄大蔵省主計局主計官

○説明員(大村筆雄君) 先ほど申し上げましたように、根本は数字の問題でございますから、現段階でつかめる数字といたしましては、先ほど申し上げたような数字でございまして、もう少し時間をかしていただきませんと、ほんとうの的確な数字がつかめなくて、従って、それに基いた検討結果というものが出てこないのじゃないかと思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 あなたの言われたように、数字の問題だから、的確な数字が出てこなければという、その気持はよくわかるのです。しかし、的確な数字でなくても、大勢というものは私はもうあると思うのです。それは、何億何千万というまでの的確な数字は出なくても、なかなかこのままの状態では、公共事業返上というところも出てこやしないかというような方向は、私はわかり得ると思うのです。それがわからない大蔵省ではないと思うのです。その点はいかがでしょうか。

大村筆雄大蔵省主計局主計官

○説明員(大村筆雄君) 全国の四十数県の県を合計しての大勢でございますから、何分にもそれはそう的確なことをほんとうの現段階でつかみにくいのじゃないか、たまたま先ほど私が申したようなことであるとすれば、ゆゆしき問題になるとおっしゃったのですけれども、事実そういう県を二、三私承知しているわけでございます。でございますので、もうしばらくほんとうに時間をかしていただきませんと、正直のところ、申し上げられないのじゃないかと考えております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 じゃ、私縮めて申しますが、今あなたが言われたように、二、三の県だけれども、そういう問題があるということは聞いておる、こういうことを言われたのですが、少くともその二、三の県という問題に限定をして私は御質問したいのですが、かりにあなたの今把握されておる二、三の県でそういう危険性があるとするならば、この二、三の県に対しては、石原長官の方から話し合いがあった場合には、やはりそうした措置ができるように取り計らうということは了解していいわけですか。

大村筆雄大蔵省主計局主計官

○説明員(大村筆雄君) 失礼いたしました。二、三の県と申しますのは、むしろ消化できとるということのお話を申していましたので、これは大へん失礼いたしました。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 これは、自治庁も大蔵省もおっしゃるように、確かに現段階では的確に、いわゆる最終的な数字として見せることはむつかしい段階であると思います。何べんも申しますように、知事会で出した数字でも、私は不確定の要素が相当あると思いますし、どこでどう押えるかという、ほかの方の仕事の関係からいっても多少動いてくるのじゃないかと思う。私は、これはあなた方もおっしゃる通りだと思うのです。ただしかし、これは自治庁の今年度の財政の見通しなり、あるいは将来の見通しについてのお話の中にもありましたように、やはり一部の府県では公共事業の消化ができないところが出てくるだろうということははっきり認めておりますし、知事会のそれを見ましても、一〇%以上消化できないところが十八府県あるのですね。それから二〇%以上どうもこのままで行ったのでは消化ができないだろうというのが六県ありますね。しかも、その二〇%以上というようなところは、やはり今まで財政的に非常に困っておる県が大部分なんで、こういうところを見ましても、私は、このパーセンテージそのものは、先ほど申しましたように、多少の動きがあるにしても、相当な額、不消化の分ができるということについては、やはり認めざるを得ない段階にあると思うのです。もちろんいろいろな点で、九月あるいは十月にならなければはっきりしたことは言えないという、数字の問題ですから、そういうこともあると思いますが、しかし、今言ったようなことから、各都道府県とも相当の不消化の分が出るということについては、これは私は、傾向としても、だれも認めざるを得ないと思うのです。ただ、実際各府県なんかについて話を聞いてみると、やはり公共事業だから、何としてもやりたいという気持はあります。何としてもやはり消化したい。今こういう数字が出ておるにしても、何とかやりくりをしてもやりたい、こういう気持だけは強いと思うのです。また、事業の性質上そういうことになるのも当然だと思うのです。としますと、やるためには、府県の財政というものは、今言ったように非常に苦しいけれども、しかし、詰めるところは一体どこかというと、県単事業とか、いろいろそういうところに、非常にはっきりしてくると思うのです。場合によっては、赤字を覚悟でやるということも出てくるかもしれません。私は、公共事業の伸びというものに当然関連してやはり県単事業というものは、これは伸びるのが当然の趨勢だろうと思うのです。それなしには効果的な仕事ということはいえないと思うので、この県単事業、単独事業すら削って公共事業だけやってしまった、こういっても、ほんとうの意味のプラスには私はならぬというふうにも思うのですが、こういう点についてただ数字の上で、あるいは気持の上で、何とか消化したい、できそうだということだけで安心しないで、やはりもっとこの問題についての根本的な対策というものを考えなければいけないのです。先ほど占部さんからお話がありましたように、すでに私は、前の国会におきまして、臨特の廃止なりあるいは公共事業の伸びというふうなことに関連して当然こういうことが起ってくるのじゃないかと当然予想せられるということでしたが、いや、政府は、何とか消化できるのだ、税の伸びもあるのだというふうなことを言ったが、税の伸びというのは、今の府県の状況では、来年度ならいざ知らず、三十四年度では、そんなに大きな伸びというものは期待できないと思うので、そういう意味で、ほんとうに真剣に考えてもらわないと、これは事業担当の、たとえば建設省なりその他の方だって、これは私は困る事態が出てくるのではないかと思うのですこれは建設省なり農林省なり、いろいろな事業をやる省庁の方では、あまりあるいは地方の負担なりあるいはこういう苦しい状況というものについては、まあ言っちゃ悪いけれども、そこまであまり考えておらなかったのじゃないかと思うのですが、しかし、現実の問題としては、そういうものに今突き当っているのですから、こういうことを私もっと、自治庁はもちろんでございますし、大蔵省あたりも考えてもらわないとですね。国の施策そのものも私はだめになると思うし、地方団体のいろいろな施設なり、いわゆるよくいう行政水準の引き上げとか維持とかいうようなことも、から念仏に終ってしまうのじゃないかと思う。それをやろうとすれば、かえって赤字に転落してしまうというような。パッセージのこともまた繰り返されると思いますので、十分これは一つ考えて、大蔵省というのは、これは悪口になるのですが、一体、締めるときに締めて、地方団体は贅沢なことをしているのだというようなくらいに考えないで、やはりそこの事情というものを見ていただかないと、とんでもないことになるのじゃないかと思うのですが。  そこで一つ、建設省の方来ておられますね。全部について、あるいはあなたからお答えをいただくことは無理かもしれませんが、河川関係なり道路関係は、いわゆるこれと似たような補助率でございますからいいといたしましても、河川関係なりあるいは治山治水問題等について、いわゆるその計画の遂行上どういうふうに考えられて、どういうふうに現状を見ておられるのか。もしお考えがあれば、お伺いしたいと思う。

曾田忠建設省河川局次長

○説明員(曾田忠君) 私、河川局の者でございますから、河川局について言わせていただきます。先ほどからいろいろお話がございましたが、特に河川事業につきましては、臨特の廃止または失効ですか、それの影響を受けておるものでございます。いろいろ当初におきましては、ご存じかと思いますけれども、臨特の廃止失効に伴いまして、大体五十五億程度の負担増がある、地方にですね。そういう問題と、あるいはまあ相当事業量が伸びまして、そういう二つの関係で、交付税におきまして四十億程度の投資的の増を見込んでおるというふうにわれわれは承知しておりますが、大体そういう措置がされるということでありますなれば、一応消化はできるのじゃないかというふうに実は当初考えて参ったわけであります。いろいろ最近の状況を見ますと、税収の伸びの問題その他いろいろございまして府県からは一応相当消化には努力をしておる。しかしながら、ある程度のものは返上の問題は起るのじゃないかというふうな程度の話はちょくちょく出ております。ただ具体的に、一体河川事業のどの部分について幾ら消化が困難であるかという数字は、実はほとんど出て参っておりません。これは、おそらく交付税とか適正事業の起債のワク等が、まあおそらく今月一ぱい、今月にならなければきまらんのじゃないかと、そういう関係で、地方財政の方も、具体的な数字の把握というものが困難なのじゃないかと思っております。いろいろ知事会の方からもありまして、たとえば、東北地方は二十五億円の返上があるというような話を聞きまして、一、二県連絡をとってみたのでございますけれども、われわれの関係は土木でございますけれども、土木といたしましては、そういう話はまだきまってないというようなこともございますし、あるいはまた返上もやりたくない。そういう所もございます。いろいろございまして、また、実情が一体どうなるのかということも、また把握に因っておりまして、先ほど自治庁あるいは大蔵省から申し上げましたように、現状におきましては、そういう話が出ておりますけれども、具体的な数字というものの報告は出ておりません。で、特にいろいろ見聞きしておりますたとえば三重県のごときは、非常に人件費の問題で困っておるというような話を聞いております。たとえば、ある県におきましては、昨年の災害で、ある河川の事業を非常に延ばした県がございます。そういう県等は相当困難ではないかというように考えております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 これは、さっきから何べんも出たこと、こちらからも出たのですが、現在の段階では、ここ一両日中にははっきりとした、たとえば河川関係あるいは治山治水関係、あなたの方の関係に行く。それを今すぐこういうものが返上になるとかという段階では私はないと思う。やはり各都道府県においても、交付税の決定なりあるいは税収の見通しなり、そういうものにはある時期が必要だというようなことでですね。いま一つは、公共事業の返しというのは、非常にあとがおそろしいのですよ。各府県にとってみれば、せっかくことし三億円なら三億円つけてもらった。これを返事した日には、来年どうなるかというようなこともあって、今返上したいにも、あとがこわいものだからされない。こういう事情もあるのです、たとえば。これは来年からどうなるかわからない。お前のところは去年返上したじゃないかというようなことになりますと、やりたい仕事もやれないというようなこともあるんじゃないかという心配もありますから、今の段階では、前に言ったこと、あるいは今申し上げたようなことから、どれをどう返還するというようなことは、はっきりこれは言えないと思うのですが、やはり今あなたがおっしゃったような、たとえば三重県にしろ、あるいは徳島県にしろ、山口県にしろ、相当な割合の、また現在の割でいったら不消化ということが出て来るんじゃないだろうかというような数字が出ておりますが、これは一つ、あなたの方の関係からいっても、単に土木の部分だけというよりも、むしろ財政関係のそういう方面と土木との十分話し合いをつけて、的確につかんで、これに対処するように道を講じていただかないと、せっかくあなたの方のやろうとした仕事ができないと、やれないということになるのですから、ここで私は、要望のようになるのですけれども、ぜひやっていただきたいと思います。  長官、あれでしょうか。さっきの問題に返りますが、大体二十億かそこらでおさまるんじゃないかという、起債の額でも、そういうふうなお見通しのようでございますけれども、あなた御自身の勘だとおっしゃいますけれども、その程度でこれはおさまりましょうかね。その程度でおさまるとすれば、これは、知事会の資料というものは、相当山をかけたような資料で、これは大体三分の一くらいに圧縮しなければならないというようなことになるわけなんですがね。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 臨特関係だけの数字でいくと、三十三億八千百万円とこいうことになって、それから、直轄事業で二十四億七千五百万円、それで合計五十八億何がしと、臨特だけだと三十三億八千百万円ですけれども、だからして、これからその下どのくらいまで圧縮できるかという数字になるわけで、そこで、まあ大ざっぱな感じでさっきの数字を申し上げたんですけれども、これは私のほんとうにただ勘ですから、その場限りで聞いてもらいたいというような含みのこれはまあ数字です。それから、私は、先ほど来から御指摘になったように、この問題は何とか解決をしておかないと、裕福ないい県は消化してしまえる、後進地域のやらにゃならぬところが残されていく。しかも、もう一つ県単についても、県単を整理していくということになると、その県内のまた公共事業の進めるようなところは進むが、そういう事業も均霑しないような後進地域ですね。その県の中の後進地域がまたおくれちゃう。非常に優劣の差がつくことになるんで、きょう大蔵省もここにおられまするから、そういう意味で私は特に強調したいんですが、この問題を何とか解決しておかぬと、優劣が非常にもうますますついてくるということになるんで、地方としては大きな問題だろうと考えております。よろしく御鞭撻をお願いいたします。

鍋島直紹自由民主党

○鍋島直紹君 今のにちょっと関連して、端的に大蔵省の方に御質問したいと思いますが、自治庁の方でめどをつけるとおっしゃっておるのは、その原則として基礎になるのは、おそらく各県の公共事業の一〇〇%の消化、一応それを基礎に置かれておる。さらに、その一〇〇%を消化するためには、どうしても人件費から持ってこなければ、現段階においては考えられませんから、県単事業の圧迫になってくる。そうしますと、県単事業をどの程度やるかどうか、いわばそこをどう抑えるのか、三十三年度を押えるのか、三十二年度を一応基礎にして多少の伸びを考えるのか。原則としては、公共事業が大幅にことし伸びておりますから、それに付随して県単の事業もある程度伸びなければ、国家の政策というものはその通り十分いかない。そういうようなことも一応考えられますし、これは大事なことだと思います。そういうようなことをめどに置いて、各四十六都道府県が足るとか足らぬとか、そうやって赤字を出す出さぬを計算されることになるだろうと思います。そうして起債を知事会では百六十億——百五十九億何がしと言っておる。さらにめどもだんだんついてくる。そうでないところも相当ある。まあ御見解もあると思いますけれども、とどのつまり、大蔵省も納得せられて、これだけ分はいたし方ないというような資料のつけ合せなり調査なりいった場合において、大蔵省としては、これに対して起債なりあるいはその他の方法で、三十四年度についての財源措置なり起債の措置を、仮定の問題ですけれども、納得いけばやろうというお気持がおありになるだろうかどうか、そこの端的なところを一つ伺いたい。どうも先ほどはっきりしなかったようですから。

大村筆雄大蔵省主計局主計官

○説明員(大村筆雄君) 一番端的なことですが、先ほども申し上げましたように、現在の段階では、ほんとうにまだ検討すべき数字を握っていないものですから、そういう端的な結論をここで申しあげる段階に至っておりません。まことに遺憾でございますが、この程度で一つ。

鍋島直紹自由民主党

○鍋島直紹君 どうも、希望を申し上げておきますけれども、それは仮定の上ですから、どうこうという意味じゃないんですが、やはりそこまでの納得がいかれれば、財政事情もございましょうけれども、当然これは大蔵省として、数字の検討はもちろん必要でございますけれども、三十五年度の財政事情からいえば、やはりこれはお考えになっていただかなきゃならぬのじゃないかと考えられるわけです。  以上、御要望を申し上げておきます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 私は、今のことに関連して、ちょっと大臣にお伺いしたい。大臣にこれは要望ですが、今鍋島さんからお話があった、あそこのところは一つの急所の点で、私も、その点については大蔵省の方と念を入れたいと思ったんですが、まあ話があまり漠としているので、これ以上話してみてもむだだから、私は言わなかったんですけれども、それだけに大臣の方に私要望しておきたいんですが、今、鈴木委員の質問に対しての答えの中で、臨特関係の問題を出されて、基準をそこら辺に置いておるような感じを受けるんですが、この問題は、単に臨特だけの問題では私はないと思うんですね。やはりこの問題をどういうふうに処理するかということが、その県の今年の単独事業の問題にもなるし、いろいろな事務事業の上にも波及する問題であって、結局、私は率直にいって、大蔵省側は、公共事業さえ一〇〇%にこれは消化できれば、県単事業その他の問題は切ってもいい、いわゆる地方の行政水準がさらにまた低下しても、公共事業さえやればいいんじゃないかというような観点から問題をしぼってくるというように、私は、非常にひがんだ言い方かもしれぬけれども、どうも従来の大蔵省のやり方から見て考えられるわけです。従って、この問題は、単に臨特がなくなったから、従って、どうにかしてそれに見合うある程度のものを出そうというような形じゃなくて、もっと地方財政全体の関係から見てもらわぬと、これが地方の方は、こういうことを繰り返し繰り返しされておるたびに、今年は昨年より、昨年は一昨年よりどんどんと行政水準は低下してしまうということになるので、その点も一つ基本的な態度としては考えていただきたい。大蔵省との折衝なんかも考えていただきたい。それでなければ、ますます地方の方はジリ貧にならざるを得ない。こういうようにも考えられるものですから、その点を一つ要望しておきたいと思います。大臣もそういう考え方だろうと思うんですが、一応一つ御答弁願えたら、御答弁をお願いしたい。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 私も全く、先ほど申し上げましたように、あなたと同じような考えを持っておるわけでありまして、ただ、三十四年度の当面の措置を論ずるときに、そこまで発展していくというともう際限がないので、そこで、三十四年度の当面の措置として、臨特廃止後の応急措置ということに問題をしぼって交渉したいと思っておるのであります。三十五年の財政計画を考える場合には、私は、やはり公共事業の負担の問題だけでなしに、いわゆる県単というものを全然やらぬということになるならば、その県内の行政水準の優劣が非常に地域的についてしまう、これは地方行政の立場から見たら大きな問題であるということを念頭に置きつつやりたいと思っております。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 これは時間もないようでございますから、要望みたいなことになりますが、今度の九月の委員会までには、公共事業の今の返上なんかの数字の押え方も大体出していただけますか

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 大体この次の九月のこの委員会のころには、相当発展しているのじゃないかと思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 それから、さっきもお聞きしたんですけれども、念のためですが、これは、当面の今やる措置としては、お話しのように、とりあえず起債でやるということもやむを得ないと思います。そこで、起債というものは、現在の三十四年度の起債のワク外として考えていくということ、それからいま一つ、便宜は、はったりをきかさないで、正直のところ、歩留りをよくするためというようなお話もありましたが、あとの起債の分についての見方については、やはりそういう考え方で努力していかれる、こういうことを言葉ではっきりおっしゃらなかったんですが、そういう態度でお進みになるということについてはいいわけなんですね。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) よろしゅうございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 固定費産税の問題についてちょっと。  固定資産税の制限税率の引き下げで、昭和三十四年度中における市町村の税の減収は、全国的に見て総額幾らになるかということと、それから、全国的にどれくらいの市町村が該当するか、それをお聞きしたいのです。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) 当初約六億という予定でございましたのが、五億数千万程度の金額でおさまろうかと思います。市町村の数は、ただいま正確に記憶いたしておりませんが、北海道の大部分の市町村と、東北は若干、北日本の一部の県の市町村でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これは、私も多少調べたのですが、今度の制限税率の引き下げで、実際被害を一番受けているのは北海道の市町村なんです。この問題について、前の国会では、三十四年度の減収については、三十五年度で元利ともとにかく国の方で見てくれるということになっているのですね。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) そうです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ところで、その三十五年度以降の問題です。これはまあ附帯決議で検討することになっているのですが、その後どういう検討をされたか。経過と、結論が出ていれば、一つその結論をお聞きしたい。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) 三十五年度も、私どもは、減収補給金と申しましょうか、個別の市町村ごとに減収になります額に相当する額だけの補給金をもって補てんをいたしたいと考えておりましたけれども、三十四年度におきましては、御承知の通り、起債をもって補てんし、元利の補給を明年以降行う、こういうことになったわけでございます。この減収は、相当額明年度以降もございますので、やはり三十五年度以降、できますならば本来の姿で、減収補給金という制度を設けて補てんをするようにしたい、こういう考えで目下検討いたしております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その場合、三十五年度以降を補給金という形で国の方でその減収分だけ見てくれるという考え方については、責任を持ってくれますね。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) これは、明年度の予算要求とも関連がございますわけで、目下自治庁として検討いたしておる段階でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その三十五年度以降の減収分の押え方は、一体どこで押えるつもりですか。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) 三十四年度分につきましては、目下大蔵省と折衝いたしておりますが、三十四年度における減収額を推定いたしまして、それに相当する金額だけ各市町村に起債で補てんをするという考えでございます。三十五年度以降につきましても、同じような考え方で参ることが適当ではなかろうかと、かように考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ところが、私たちに言わせると、それは不適当だ、その考え方は。なぜかというと、この被害を受けているのは、北海道の市町村が大かたなんですね。大かたこれを受けているわけなんです。そうしたら、北海道のように総合開発がどんどん進められている所では、これは、ことしと来年のとでは違ってくるわけですよ。どんどん建設されていく。従って、切り下げられたために、三十五年度、三十六年度、三十七年度と累増していくのですよ、その減収の額は。そういう見通しでしょう。それを、三十四年度に抑えた固定したもので補給金として見てくれるということでは、これはえらいことになると思うのです。そういう見方はまずいのではないですか。やはり北海道の実情に合うような見てくれ方でなければ、結局地方の市町村の実情に合わなくなりませんか、そういう固定した見方をしたら。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) この減収補給の仕方でございますけれども、三十三年度を基礎にして計算をするいたし方と、三十四年度を基礎にして計算をするいたし方と、それから各年度の減収分を基礎にしてするいたし方と、いろいろあるわけでございます。で、三十四年度の減収額の算定の仕方は、三十三年度を基礎にしないで、三十四年度における減収の額を推定して補てんをしようということにしたわけでございます。三十五年度以降につきましては、三十四年度の減収額で算定をするか——私、先ほどはそう申し上げなかったつもりでございますが、三十四年度の減収額を固定して三十五年度以降も補てんをするか、三十五年度の減収分は、三十五年度における減収額を推定をして計算をするか、これはいろいろの問題があろうと思いますけれども、現存の考え方では、やはり三十五年度における減収額をまた推定して、そういうことでやることが適当ではなかろうか、実はかように考えている次第であります。また、月末までに大蔵省に、御承知のように、予算の概算要求を出すことになっておりますので、それまでになお十分に検討いたしたい、かように考えている次第であります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 八月五日付の北海道新聞の夕刊ですが、自治庁の見解が出ているわけです。固定資産税の制限税率引き下げの減収分納五億五千万円については、明年度は正式に補給金として予算化するというような報道が出ておりますが、この報道は誤まりですか。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) 私がただいま申し上げました通り、概算要求は、大蔵省に八月一ぱいに出すことになっております。そのことしの固定資産税の制限税率の引き下げに伴います明年度以降の措置をどうするかということにつきましては、私がただいま申し上げた程度の段階にあるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この補給金として予算化するというのは現在自治庁の考えだけで、大蔵省との間には、話はまだ何ら進んでおらないわけですか。

金丸三郎自治庁税務局長

○説明員(金丸三郎君) その通りでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この問題は、額は六億ぐらいですから、大したことでないように考えられるが、実際北海道の市町村とすれば、大体規模の小さい市町村だから、相当大きく響くわけです。この問題の発生は、私がここに来ていないときの話ですが、大体これは抜き打ち的に行われている。北海道の知事選挙にからんで、岸さんと北海道の経営者協会との間で話し合いがついて、そうして固定資産税の制限税率を引き下げよう、従っておれたちの候補者には全面的に経営者協会は応援してくれ、資金も一つ出してくれと、新聞報道にも出ておりましたが、そういうことで、抜き打ち的に行われた問題が、三十四年度の減収分については一応三十五年度で元利とも見てくれる、この分はいいが、しかし、三十五年度以降の分については何ら見通しにおいて……。自治庁だけの考えへとしては、補給金で予算化するという非常に弱い線なんだが、これがもし大蔵省との折衝の間で変なことになって、結局そのかぶりが北海道の市町村の自力によって解決するのだということになると、これはとんでもない話なんだ。大体この問題が起ったのは、選挙にからむ問題らしいとうわさされておりますから、それを北海道の市町村がかぶってきたのじゃ大へんな問題なんだ、北海道の問題としては。従って、自治庁としては、三十五年度以降の分については、三十五年度の減収分は減収分として三十五年度を見通して三十六年度は三十六年度を見通すという考え方で行きたいという見解をお聞きいたしましたが、責任をもってこれについては措置するようにするという言質をもらわないことには、全くこれはどうなるものやらわからない。長官どうですか。この問題、解決つけてくれますか。わずかだから解決つけてやると言ってくれれば……。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) これは、制限税率を引き下げしたときに、何らかの措置を講ずるということは、当時当局と話しておったわけです。そういう意味で、三十四年度は起債で穴埋めをしたわけですが、われわれ自治庁としては、起債というような毎年々々の問題ではなしに、補給金なら補給金という形でやってもらいたいということを、三十四年度のときにも非常に強い要望をなさったようですが、最後に交付税率の一%引き上げで、ほかの問題は一切がまんせいということで討ち死にしたわけですが、最後までやはり入っておった大きな一つの問題です。  ただ、先ほど来から、私、あなたの御意見を聞いておっていつまでも固定資産税の制限税率によって減収が累増してくるというお話でしたけれども、それも事実だろうと思いますが、その累増してくる減収を、いつまでもこれを累増したものをそのまま補てんしていかなければならぬでは、これは制限税率の引き下げをやった、減税をやった意味がないので、その議論だけは、ちょっと私は、まだ、はい、その通りですとはお答えしかねるけれども、約束によってある程度の措置をしなければならない、その限度のものは、これは自治庁としても大いにがんばって、強く主張していきたいと、かように思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 これは、毎年々々ということは、そういうことはなかなかできないということはわかるけれども……。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) いや、累増分についてですよ。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ええ、累増していく。これは、地方財政全体の問題に関連してくるから、私は、それは固定している地方財政の問題について全体として解決するようなことをしないとすれば、そういうような考え方で措置をしてもらわないと、北海道の市町村は困るという考え方です。ところで、この問題について大蔵省はどうなんですか。まだ話が行っていないというのですが、行ったら、このことについては十分に措置してもらえますね。どうですか。

大村筆雄大蔵省主計局主計官

○説明員(大村筆雄君) お答え申し上げます。  本年度は、とりあえず約六億でしたかを起債で措置いたしまして、その残余のものは補給金を出すということで解決がついているわけです。来年度分につきましては、実はまだ決定いたしていないのでありまして、まあ従来の例といたしましては、これは特別交付税で措置しておったわけでございます。まあそういうものでございまして、来年度予算、要求を、自治庁側からどんな御要求をお出しになりますか。十分御要求を検討いたしまして、その上で結論を出したいと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 もう少しはっきりしてもらいたい。この問題については、わずかなんですから、これは、自治庁の方から話があった場合には、補給金ということで要求があるんではないかと思いますが、それについては、大蔵省の方では、誠意をもってちゃんと解決するというふうなはっきりしたことにしておいてくれませんか。どうですか。この問題は、すでに切り下げするときからもう起っている問題なんですからね。三十四年度のことだけ掛直してあって、あと投げてあるのだから、当然そこは考えてやるということでなければならぬ。

大村筆雄大蔵省主計局主計官

○説明員(大村筆雄君) お答えいたします。  まあ三十五年度の各省の予算の中から、これだけを取り上げましてどうこうするということは、私が軽々に申し上げるわけにいきませんので、まず御要求をいただき、その上で、検討の土結論を出して参りたいと、重ねて申し上げます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 じゃ、いつごろそれはわかりますか。これはいつごろ折衝に移されるものですか、この話は。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) それは、最終結論が出るのは、去年の例から見ても十二月三十一日です。

米田勲日本社会党

○米田勲君 じゃ、強く要望しておきますがね。早くこの問題は大蔵省とも折衝を進めて、そんな十二月なんて言わないで、この問題は、もう三十四年度を考慮したときに、すでに三十五年度以降のことは同時解決をすべきものなんですよ。それを切り離したのだから、これは、市町村がそんなことで心配している現状を考えたら、できるだけ早く大蔵省と話をして大蔵省の方でも、何か誠意をもって解決つけてくれそうですから、できるだけ早く問題を解決をつけてもらいたい。この次の委員会で、その経過と結論をまたお聞かせいただきます。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) それでは、本日のところは、地方財政についての質疑は一応これで終ります。   —————————————

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 次に、藤田君から治安問題について質疑の御要求がございました。藤田君から御質疑をいただきたいと思います。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。

藤田進日本社会党

○藤田進君 最初に、自治庁長官というよりも、国家公安委員長ということでお伺いをしたいと思うのですが、それは、過般七月の三十一日から八月の七日まで、広島において原水爆禁止世界大会が持たれた。これが持たれるまでの状況というのは、閣議にも、これは自治庁長官としてか、国家公安委員長としてかは別として、その性格論について若干の報告をなされたように聞いておる。ところで、当時の政府筋あるいは与党等の判断では、これは片寄った、不純なものである、こういう認定のもとに、地方自治体から助成金を出すということについても、かなりこれを押える方向で動かれたと思う。自治庁として正式に通牒を出して押えたとは申し上げませんが、まあ陰に陽におやりになったと思うのです。ところが、結果的に見て、当初のその団体ないし運動の性格というものが、あの七日に最終的にいろいろ決議なり宣言なりなされ、かつ、会議の経過等から見て、当初考えられたような、一方に偏し、かつ不純なものであるという認識が一向に変らないでいるのか。若干そこに変更があったのか。結果と、入るまでの関係についての団体運動に対する性格認識についてまずお伺いしたい。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 藤田委員からのただいまのお尋ねでありまするが、当初これがいろいろ何か世論で問題になっておりましたのは、この原爆禁止という大会において、原爆を禁止するとか、それから平和運動、こういうことならば、おそらく何らの問題もなかったと思うのでありまするが、この大会に——この大会といいまするか、あるいは地方におきまするいろいろの決議等においても、核武装や海外派兵に直結する安保条約改定に反対を同時にここで決議するのだというようなことがいろいろなされておったと思います。また、地方でそういう意味の決議等もありました。しかし、地方の議会がいろいろ決議をするということは、これは地方議会の独自の考え方でありまして、そういうことにわれわれは何ら関係するところでもなし、われわれの方でそういうことをどうこうすべき筋合いでもないのでありましてその点については何ら私どもはいたしておりません。ただ、こういうことの決議される会合に地方団体の理事者側の方でいろいろ助成をするとか、そういう場合の問題につきましては、これは、いろいろ聞いてこられた際に、地方団体が補助をしたりいろいろする場合には、地方正治法その他によっていろいろ制約があるわけでありまするから、地方自治法その他ではこういうことになっておるという意味のことを言うということは、これは当然だったと思うのであります。しかし、それらの問題についても、自治庁として何ら全面的にそういう意味で指導をした、通達をしたとか、こういう事態はございません。それで 今皆さんのこういう問題についての最後の考え方でございまするが、いろいろの経緯からいたしまして、最初にあったような核武装、海外派兵に直結するような安保改定反対、こういう意味の形の決議はなされなかったようであります。この問題については真剣に考えなきゃならぬという意味の結論だったと思うのでありますが、そういう意味では、当初と幾らか形が変った形で運営されたように私ども考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうしますと、当初危惧したほどではなかったということに結果的には評価されたわけですか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) どうもこれは、私がこういうことを答弁するのもどうかと思うのでありまするが、私、政府全体を代表しておるわけでもありませんし、私の受けた感じでは、最初安保改定反対というようなことが項目に入っておったようでありまするけれども、結論においてはこれは入らなかったようでありまするから、その意味では変った形で運営されたんじゃないかと、かように思っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、私がお尋ねするのは、自治庁長官としては、種々なやはりこの大会に対して批判的なものを持たれていたように伝えられていましたし、新聞の誤報かもわからないが、実際に出たところでは、自治庁長官石原さんの方から閣議に若干の報告をなされておったし、そういう意味で、あなたの国家公安委員長と兼ねての関連が  一番大臣のうちでは深いと思うのです。そういうわけで、今の性格に対する評価が是正されたと、その程度は別として、ということであるとすれば、その点は、やはり従来の性格については、るる世間にも公表されていたように思うので、適当な機会にそういうことを明らかにされるべきじゃないでしょうか。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) しかし、あの会議の経過は、どういう決議がされたとか、どういう問題の経緯でこういう形に決議されたとかいうようなことは、詳細新聞で報道されておりますので、あの事態について自治庁長官なり私が特に声明を出すとか談話を言うとか、これは、何か聞かれた機会でもあれば、そういう新聞に談話を出すということがあったかもしれませんが、積極的に私の方で特にその談話を発表するとかどうとかいうことは、別に機会もないし、考えることもなかったと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 時間がございませんので、これらの模様を若干触れながら申し上げたいと思ったのですが、これは省略いたします。  国家公安委員長並びに警察庁に御答弁をいただきたいのは、この大会を目ざして相当広範にいろいろな人が集まってきた中に、ことに七月三十一日から八月の六日ごろ、最終日の七日もそうですが、一番問題となるものは八月の五日あたりです。全く無政府、無警察状態だった。これは、その事実は、相当な負傷者も出しておる、傷害事件があるわけです。私ども実に見ていて、無警察状態です。警察が出ておるのは、青に白の筋が入ったのですか、交通の整理という程度で、一方はトラックとか乗用車に乗って、あたかも戦車のような格好で群集の中に突入してくる。そしてトラックの上から、そうですね、一間ぐらいあるか、みんな棒を持ちまして、警察官といわず何といわず上からなぐりつける。不細工な話で、警察官は、トラックが逃げていくやつをあとで走って追っかけていくような状態ですね。こういう事実について御承知かどうか、これはむろん承知されておると思います。だとすれば、これはどういう人たちがああいう暴力をやったのか。ことに東京あたりから見えた方、これは、一部に伝えられておるような、いわば東の陣営の人といったような人もありますけれども、西の方の陣営の人たちも相当来ておるし、国内においてもいわば保守的な人たち、いわゆる地域婦人会長さんというような人も多数来ておられましたが、もう異口同音に憤慨しておられます。そういう状況下に、一部のそういう人たちがほしいままに無警察状態で手放しにああいうことをやっておる。一般の予想としては、すでに新聞でも、ああいう事態が起きるのじゃないかということが報道されておったし、他の労働運動などについてはかなり神経過敏な警察当局が、今度の広島については全く無警察状態で、東京の代表などは、駅からおりて間もなくやられて歯が折れ、それだけでもいよいよ無抵抗の人たちにそういった傷害を与えておる。そういうことはどういう人たちがやったのか、詳細にその把握されておるところを御答弁いただきたい。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) お答えいたします。  ただいまお申しになりました事柄のうちに、これはたくさんの事柄を含んでおると思いまするが、一応私たちとして、不法事犯であるとか、あるいは法律的に違法とまで言われなくても、まことにおもしろくない事件であるというようなふうに考えておりまする事柄を逐次申し上げたいと思います。  まず、不法事犯としてわれわれがとらえております問題の一つは、護国団による全学連自治会代表者会議の妨害及び同護国団が行いました平和行進に対する暴行事案を一つ考えております。それからもう一つは、大日本愛国党によりまする八月五日の記念式典に対する自動車の乗り入れ妨害という事案を一つ考えておるのでございます。その以外に法律に触れるかどうかというような点について、さらに捜査を要するものとして考えておりまする事案としましては、安井原水協理事長なりあるいは外国の代表等に対する抗議、あるいは各種団体のビラの散布、いやがらせの事案、こういう数々の問題があろうと思うのであります。  まず、護国団の問題から申し上げますというと、八月の五日に全学連の自治会代表者会議の場所に乗り込んだのでありまするが、これは、御承知の通り、その時間はちょうど自治会の代表者会議の休憩の時間でございまして、現場におきましては五名、うち二名が外の方、それから中に三名でございますか、四、五名の学生が留守を守っておったという状態のところに突入いたしまして、プラカードをけ破り、あるいはスローガンを破棄するというような事案を行なっておるのでありますが、このことにつきましては、学生側はこれを告訴しないということを申しておるそうでありまするけれども、こういう事案はもちろん告訴事件じゃございません。従いまして、警察独自の立場においても、このことは捜査を続けているわけでありまするが、遺憾ながら何かの理由で、被害者側の協力は得られていないようでございます。それからなお、護国団は、日活劇場というものがございまするが、日活劇場前において広島駅から荒神小学校へ向っておりまする平和行進と衝突いたしましてこれに暴行を働いておりまするが、その際、御指摘のように、数人のけが人を出しております。しかし、この現場におきましては、警察官全部としては、その日は六百人近くを出しておったようでありまするけれども、何しろいろんな意味合いにおいて警備の範囲が広かったという意味で、日活劇場及び荒神橋における衝突の際は、遺憾ながら少数の交通整理であったために、現場でこれを取り抑えるということができなかったのでありますが、これは、翌日四名の者をこの事件の被疑者として逮捕して取り調べ中であるのであります。  なお、大日本愛国党の事件は、やはり八月の五日の午後六時から記念広場において大会がございました際に、自動車でそれに突入をいたしておるのであります。その警戒には、その時間には制服警官が二十三名で当っておったのであって、これを極力阻止しようという態度に出たのでありまするけれども、十分そこで阻止することはもちろんできませんでしたけれども、警察官が車上にかけ上って、愛国党員と乱闘の末、自動車のキーを抜き取ってこれを停止させておりまして、その場で現行犯逮捕として六名を検挙いたしたのであります。これは、当日相当の数の警察官を動員しておりながら、二十三人しかそこにいなかったということについては、われわれも少しおかしいじゃないかということで、事情を聴取いたしてみたのでありまするが、ちょうどその日、全学連の行進が一時から三時まででございましたか、とにかく始まりましたのが予定より二時間か三時間おくれて行われましたために、その方の警戒に多くの人数が行っておったというような事柄でございまして、まあ逮捕はしたものの、その突入そのものを阻止できなかったということにつきましては、警備上の反省をいたしておるのであります。  以上の事柄が刑事事件として私たちの方で、あるいは身柄を逮捕し、あるいは事後の捜査として、現在事件として立てておる事柄であります。その以外に、先ほども申されましたように、各種団体が、あるいは原水協の安井理事長なり、あるいは外国の代表なりに面会を強要したというような事案もございまするけれども、その事案につきましては、まことにおもしろくない事柄だと思いまするが、現地におきまする捜査の現段階においては、直ちに刑法に照らしてこれがどうというようなところまで現在行っておりません。ことに外国代表との会見につきましては、逐一警官を事前に配置しまして本人の意思を聞き、会うという方だけに立ち会って会わしておるような事態でございまして、そこで乱暴とか、ろうぜきというようなのは行われていないように報告を受けているわけであります。  大体事案の概要は以上であります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは、現地の報告に基いて言われておるのだろうと思うのですが、事実は相当違うのです。ことに会場に突入した八月の五日などの状況というものは、私は現地におりましたが、大体道路の交通整理が主体で散開していた五人なり六人なり、そういう人たちが、そういう事件が起きて突入をしてくる、人をなぐり始めるということで、もよりの人たちが飛んできてそうして警察官自体もなぐられる、何らの用意は事前になかったわけですから、一方は機動力で来ているわけですね。しかも、乱闘用具を持ってきておる。それで警察官が怒って、今言ったように、ガラスだ、ヘッドライトだと、だいぶ割ったようです、かけ上ったり何かして。その自動車というのは、群衆がいる会場の中を突入して、二百メーターぐらいあります、南から北へ抜けて行ったんです。ところが、満員の所ですから、逃げようにも逃げられない、高スピードで通って行ったというような事態で、全然警備態勢というものがなかった。あなたの説明によると、全学連との関係とおっしゃるが、その大会は二時間も、そんなにおくれちゃおりません。せいぜい三十分ぐらいのものですね。しかも、二万人余り集会をしておる。こういう状態にあったので、その点は報告と相当違う。それから平和行進、これはもう実に穏やかな、年寄りや、あるいは婦人やなどが子供をうば車で押したり、静かなる行進をやっておるところへ、今のように自動車で乗りつけて挑発をすると、こういうことなんで、五分々々の衝突でもなんでもないんです。しかも、駅前などの衝突というのは、駅からおりた東京の人たちがいきなりやられる。こういうことで、現地警察としては、交通整理が主体というような状態で、しかも、乗り込んできてそういう事態をじゃんじゃんやっておるにかかわらず、これを見て見ぬふりをしたといわれても仕方がないような現状であった。そこで、急拠自警団のような形で、皆が寄り合ってあの広い会場をそれぞれ素手でずっと守っている。その守っているところへ乗り込んできたわけです。何と言われても、それは今の事実とは事実が違う。事実認識をもっとはっきりしてもらいたい。そこで、そういうことについて一般にいわれているのは、事前に政府なり自民党の方では、あれは片寄った不純なものだということで、おそらく自民党内、政府筋はああいうふうにやらしているのだろう、そういうふうにこれを見ている人も相当あるのです。警察が無能だというより何よりも、そういうことに対する対策が全然ない。それで突然ああいった問題があったというならば、私は、相当事前からああいう行動があることは予想されておった、どうなのですか、今申し上げるようなことについて。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) もちろん、事前から各種団体の動向については十分な注意を払っておりました関係上、ひとり現地における視察だけでなしに、中央におけるわかりました事柄については、逐一これを現地に連絡いたしまして、十分の警戒をするように、意思を統一いたしておったのでありまするが、ああいうことになったのであります。  御参考でございますけれども、広島警察としてとりました警備の基本方針は、これは五日までで、五日にああいう事件がありましたので、六日から多少変っておりましたが、まず第一に事故なく大会を終了させるということが、これが一番必要なことでございまするから、そのために左翼、右翼の暴力の取締り、外国人の警護、こういう点に重点を置いたのであります。  それから第二点として、この大会が本質論をめぐって、ただいま御議論のございましたように、微妙な情勢にある現状にかんがみまして、警戒は私服員をもって当ることを原則にして、制服員は適当な場所に待機して、事案が発生したら飛び出す、敏速に飛び出す、こういう方針をとっておったようであります。しかし、この二番目の方針は、五日の状態において間に合わぬということが、十分に間に合わないということがわかりましたので、六日には相当数の制服を事件のありそうな団体については整備させたというふうに相なっております。  それから第三番目には、先ほど申し上げましたように、各種の情報線を高度に活用して、事前にどういうことが行われるかということを、なるだけ入手をしようという努力を払ったようでございます。なお、全学連のデモが、デモというか、行進がおくれたということにつきましては、私のところには、やはり三時に出発するという予定のものが、六時に出発をしたという報告が来ております。そのために、あの場所には三百二名の制服警察官を置く計画のものが、そのうちの大部分がその警戒に当ったという報告でございますので、この点は私、間違いないと思っておるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そこで、全学連の方にはそういった勢力をさいて、しかし、現実的にこういった傷害事件が起る可能性の強い側には手放しだという点が現地から非難されておる。これはどういうわけですか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) それは、藤田委員もあるいは広島でお読みになった、と思いますが、われわれ前から警戒すべき対象として考えましたのは、いわゆる世にいう右翼の団体の行動と、それから全学連の行動であります。全学連につきましては、こちらから参りました唐生委員長が広島でも語っておりますように、今回は右翼の挑発があるかもわからぬ。あるように聞いておる。そういう場合は、全学連としては決してそれに負けることなく、それに対抗するという意味の談話を発表しておる事実がございます。そういう点からして、右翼のおる所、あるいは全学連のおる所においてその両者が衝突した場合に一番大きな事案が起る、こういう心配を広島県警としてはしたというふうに私たちは考えておるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それならば、全学連に対して配するに、今のようなあなたの言葉をかりれば、右翼の力にもその配置がなされなければならぬ。これはもう機動力なんです。報告されておりませんか。全学連のように徒歩じゃない。自動車を連ねている機動隊なんです、これは。その機動隊に対して配置はなかった。従ってこういう問題が起きた。起きたのは六日、六日はもう大会も何もなかったのですからね。市の主催の若干の慰霊祭があったにすぎない。手落ちじゃないですか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) お答えします。  先ほども申し上げましたように、八月五日までの警備の方針というのが、事柄の微妙な本質にかんがみ、警戒そのものはできるだけ私服でやるということで、右異にももちろん私服でこれを警戒をつけておったものはある、こう思いまするが、御指摘のような機動力でまあ突っ込んだために間に合わなかったということと、及びまあわれわれとして多少甘かったといえば甘いのでありますが、そういう団体といえども、一般の集会そのものに、大会そのものにああいう形で突っ込んでいくというふうには少くとも考えてなかった。まあ予想してなかったということは言えると思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 予想するしないといっても、あの平和行進が入ってきてですね。これはもう五日じゃないわけで、逐次もよりに入ってきた。一日ごろから、もう広島市の周辺に入ってきた。そうしてそれに対するに、右翼の諸君は機動力でやってきた。これは容易に予想ができるし、当時の新聞も報道をして、そういう心配をしていたところなんです。そこに、予想をはずれたとおっしゃるけれども、故意に予想しなかったようにしか思えない。これはもう議論になるでしょうが、さてそういう事態が起きて、今後もまた問題があると思うのですが、石原国務大臣も急いでおられるようですから、こういう問題については、国家公安委員会としても、国の治安全体として少し検討されるべきじゃないだろうかと、ことに右翼については寛であり、まあそれに対して表現すれば、左翼に対しては厳であるというようなことでは、国家公安委員会以下警察関係は、右翼と事実上組んだ形で事を起していて、起きたときに、若干の言いのがれにこれに手をつける、もう広島の事態はそうとしか思えない。国家公安委員長としての今後の対策について、一つお答え願いたい。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) 私は、今度ばかりじゃなしに、新聞でもごらん願えておったと思うのでありますが、閣議等でも、たびたびこの右翼の最近の動きなどを報告いたしまして右翼といわず左翼といわず、この暴力、ことに組織的暴力、集団暴力といいますか、こういうものには徹底的に対処しなければならぬということをしばしば言うているわけであります。公安委員会におきましても、私はこのことを数回申しております。公安委員会にはもちろん、御承知の通り、警察庁長官、各局長皆来ております。私は、最近の右翼の動き等に対しても——対してもじゃない、右翼、左翼を問わず、暴力に対しては徹底的に対処してもらいたいと、たびたび言うているわけでございまして、今後といえども、もちろんそうしたいと思います。  それで、広島の事案についても、早速私、いろいろ報告を聞いたのでありますが、警備局長がただいままで申しましたように、一応私服でずっと出ております面が多いので、何か警察官の来ていないような、あるいは一つの態勢が整っていないような感じを持たれる場合が多いと思うのであります。私服がたくさんそこに行っているわけであります。事があったらばというわけで、制服がある程度離れた所で待機をしているというのが、今までのこういう運動の取締りの普通の形のようであります。しかし、一度事が起ってみますれば、制服が表面に乗り出していく、こういうことになる。私は、今後ともこういう動きに対しては十分やってもらいますように、公安委員会を通じ、閣議を通じ、この主張を続けていくつもりであります。  それから、藤田委員が、まあこれは、こういうことを言うているからという意味で言われたので、別にどうということはございませんが、政府がやらせているというように言うている人もあるというようなことでありましたが、これはまことに遺憾なことでございまして、政府といえば結局われわれも……、そういうことは断じてないということをはっきり申し上げます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 国家公安委員長にもう一点だけお伺いしておきたいと思うのですが、要するに、警備に対する対策の見込み違いということで今言われているわけです。お説のような私服で張っていて、表面に見えなかったけれども、制服だとおっしゃるが、そんな私服がかなり入り込んだというようなことはないのです。狭い広島のことですから、警察の人をみんなお互いに知り合っている。そんなことじゃないのです。むしろ制服で、交通整理ということに主体が置かれていた。しかし、そういう見込み違いにしろ、多数の負傷者を出し、しかも容易に予想し得る事案についてこういう事態なんですから、責任者等についてはどういう措置をとられるか、お伺いしたい。

石原幹市郎自由民主党自治庁長官・国家公安委員会委員長

○国務大臣(石原幹市郎君) まだあとの詳細のなには聞いておりませんが、広島県警察当局としては、五百名でございましたか、一応の取締り計画を立ててやっておったわけでありまして、たまたま八月五日のあの事案からああいうことになりましたので、直ちに広島県警察の責任であるかどうかというようなことについても、まだだいぶ検討をしてみなければならぬと思いまするけれども、今ここで責任者の問題についてはどう考えるかということについても、はっきりしたことを申し上げるわけにいかないと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 この点はまた後日お伺いすることといたします。  そこで、この今指摘された護国団ないし愛国党と言われたが、このほかの団体はこれに関連しておりませんか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) ただいま私が申し上げた事件には関係しておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 今度のこの世界大会に対して、共同歩調をとってこれが妨害ないし反対意見を持っていて、自動車に乗り合せている他の団体があったと思うのです。御承知ないですか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) ただいま私が申し上げましたその全学連の集会に対する妨害あるいは平和大会に対する妨害あるいは平和行進に対する妨害という面については、他の団体と一緒になってやっておるようには聞いておりません。しかし、あとで、先ほど御説明申し上げました法に触れるかどうかとう点について疑問があるけれども、いやがらせというような意味で、調べておるというような中には、もちろん他の団体もございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 どういう団体ですか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) たとえば安井理事長及び外国の代表者に対する抗議をしたという団体に、奈良にございます大日本菊水会というものの会員が四名出向いております。それから同じく外国代表に対する抗議という意味で、大日本生産党が会いに行っているというふうに聞いております。その以外に、なお治安確立同志会あるいは葉隠塾の代表、大日本独立青年党というようなものが、安井理事長に面会を要求している、こういうような事実がございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これらの行動は、あなた方の調査によると、どういうものであったか、これは警察庁並びに公安調査庁の方でのそれぞれの調査の結果を聞きたいと思うのですが、団体としてその行動を規制しながら進めたものか、あるいは現地に行った人たちの単なる個人行動という性格のものであったのか、そのいずれであるか、お尋ねをしたい。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) その団体と申しますか、団体の構成員と申しますか、大きな団体の者が出向きました場合には、そのどちらであるかという問題が起るかと思いまするが、たとえば、ただいま最後に申し上げました、大分の葉隠塾というようなところでは、一人一党的な性格のものでありますので、こういうものは葉隠塾を代表して行ったというてもよし、また葉隠塾の責任者そのものが個人として行ったというふうに言ってもいいかと思いますが、抗議文等の内容あるいはどういう名前において抗議したかというようなことを取り寄せませんというと、この点についてははっきりと解釈できないと思いまするが、ただいま私はそのものを持っていないので、確保できかねます。

関之公安調査庁次長

○説明員(関之君) 大体御答弁の趣旨は、警察庁の警備局長と同じであります。これが団体としての活動であるかという問題は、なかなかデリケートというか、しからば団体がどこで、いつ、いかなる形式において会合したとか、いろいろなここに問題が出ておりまして、まだ実は明らかにすべき調査の手がそこまで伸びておりませんので、この段階でこの団体はこうであるというふうに明確に申し上げることはできかねるので、御了承いただきたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 葉隠の関係について例示されたけれども、当初報告した団体は、護国団、愛国党、こういうような指摘をされている。この団体について警察庁としては、団体の共同謀議によってそういう行動がとられたのかあるいは出向いた人たちがその場の勢いによってやったのか、どう把握されているのですか。それはまだ調査中なのか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) 先ほども申し上げましたように、現実に乱暴を働きました者について、あるいは四名、あるいは六名というものを逮捕して調べておるのでありまして、その捜査の結果から、共同謀議が出るか出ないかという点が分れるのでございまして、現在は捜査中でございます。その結論を得ておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 方針としては、単に現地のそういった傷害事件ということで、局地的にこれを進めようとされるのか、今のような団体としての行動の、そういった事実があるかないかというところまで追及をされるのか、その捜査方針についてお伺いしたい。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) まことにそれはその点デリケートでありまして、初めからこれは団体としてのものであると思うから、その方針で突っ込んでいくというような捜査もいかがかと思いまするが、広島県本部としましては、もちろんああいう団体の行為の中で、その中の数人が現実につかまっておるということでございまするから、当然共同謀議の有無及び背景の有無については捜査をしているものと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これを現地で見ますと、自動車ないしその行動に、諸般の、ビラであるとかあるいは人的のいろいろな経費といったように、相当なこの広島における数日の経費もあると思うのです。相当なものだと思うのです。こういうものが現地では政党方面から出ているのじゃないかとか、いろいろなことがいわれているわけです。この団体、護国団なりあるいは愛国党自体が収入を伴う事業をやっているというふうに私は承知していない。これらの資金ルートについては、警察庁並びに公安調査庁としては、どういうふうに把握をしているのか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) こういう種類の団体に対しまする資金については、ただいまの御指摘のように、常識的にはどこからどうして入っているんだろうという疑いを持つわけでありますが、遺憾ながら、確たる財源をわれわれは発見していない。公安調査庁ではどうかと思いますが、私のところでは、ただいまここで公けにするような資料がございません。

関之公安調査庁次長

○説明員(関之君) お尋ねの点につきましては、私どもも実は疑問を持っておる点でございまして、どうも察するところ、その幹部の知人、友人、何かシンパなどのカンパでまかなっている模様でありますが、今ここで具体的に問題をかくかくに相なっていると言うだけの段階に至っておらないのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その辺も、世間に疑惑を与えるのは、まあかりに共産党にはどこからどれだけ流れているとか、かなり具体的に、事実かどうかはわからないけれども、発表されたりするんですね。けれども、こういういわば右翼の団体について、今御答弁のようなわけで、一向に具体的にこれを進めてその根源を調べようという意欲もなさそうに思う。今、突然、広島の関係で護国団、愛国党ができたわけじゃない。これはどういうわけなんですか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) 共産党方面に対する金の来場所につきましても、これは十分われわれ知っているとは申し上げかねるのであります。ごく——全体の一部である。まあ公然資料等によりましてもある程度わかり得る部面がございまするので、そういう面から推定をいたす部分もありますが、これも全面について、あるいはその大部分についてこれこれのところからこれこれの額がきておるんだというようなことを、私たち把握をしている、あるいはこれを発表したというようなことはないつもりでございます。また、右翼といわれる団体につきまして、どこから金がきているかということを知る意欲がないわけじゃないのでございまして、十分その意欲はあるんですが、これに対する公然の、あるいは情報による資料というものが、入手しにくいという点において、左翼に対する基金の面ほど解明ができてないということは事実でございます。

関之公安調査庁次長

○説明員(関之君) ただいま御指摘の右翼の団体でありますが、これは破防法全体の運用という面から見まして、左右両翼の暴力主義的な団体を取り締るということは原則でありまするが、現実の問題になりますると、日本共産党のごとく的確なる破壊活動をいたして、そうしてそれに基いて各種の活動をすると、こういう団体をまず調べなければならないわけでありまして、この種団体は、破防法との関係で、調査上の順序と申しましょうか、そういうものがありまして、従来左翼ほど資金面その他についての調査の面が伸びていなかった、その点は警備局長の申された通り、警察の方と同様なのであります。しかしながら、こういうようなものが出ますと、破防法の観点から見ますと、漸次それに近づいていくような疑いがありますからして、十分この方面においても今後においても調査を進めていきたいと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 この種団体、特に今指摘された護国団、愛国党というのは、これはどういう性格の団体になるのですか、警察庁あるいは公安調査庁の考え方としては。政党のようなものになるのか、あるいはその他の何かあなた方の既成観念の中にある団体としては、どういうカテゴリーに入るのですか。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) ただいま公安調査庁の関次長もおっしゃいましたように、従来から護国団とか愛国党というものはあったわけでありますけれども、最近になっていろいろな事件が出てきたという意味で、まだ、政党でないということだけは——いわゆる選挙の母体になるような政党——常時そういうものでないことは確実でありましょうけれども、まあしいて言えば、一種の思想団体というふうに従来見ておったわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすると、公安調査庁の方では、ああいった顕著な事実も出てきたし、今後諸般の調査を進めていきたいということのようです。しかし、今いわれる選挙という点については、従来かなりこういった団体から候補者を出し過ぎるぐらい、同町に町長とか知事に同じ人が立ってみたり、ずいぶんそういう面があるのですね、この種団体から。参議院選挙においてもしかり、地方選挙においてもしかり。だから現実には選挙という、そういった手段もやっておるのじゃないですか、その当落の予想は別として。

江口俊男警察庁警備局長

○説明員(江口俊男君) まあわれわれがここで協議をせなきゃならぬような性格の団体でございまして、まあああいう連中が候補に立ちます場合に、政党としての届け出をやって立ったというふうに聞いておりませんので、新聞等でも諸派というようなことで扱っておると思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 広島大会のこの事件については、今捜査中だということですから、これらを私どもとしては十分監視しながら、また場合によれば事情の解明を求めたいと思いますが、きょうのところはこれで終りたいと思います。時間もおそいことですから。

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) お諮りいたしますが、本委員会は明日も引き続いて開会いたす予定でございましたが、大体当面の問題につきましては、本日質疑が一応終ったようでありますから、明日の委員会は取りやめることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

新谷寅三郎自由民主党

○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認めてさよう取り計らいます。ただし、明日は小委員会を開催せられることになっております。  なお、先ほど理事の方々と御相談いたしましたが、次回は一応九月十日及び十一日に予定をいたしておきたいと思います。詳細は決定次第公報をもって御通知申し上げたいと存じます。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時九分散会

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