大蔵委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/10/19
会議録
○理事(山本米治君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 大蔵大臣が三時ごろ出席の予定でございますので、その間、今回の伊勢湾台風の災害対策の一環として、中小企業金融対策について御質疑のある方は、この際御発言をお願いします。
○成瀬幡治君 出席のほうは……。
○理事(山本米治君) 今来ておられるのは大月財務調査官ですが、すぐに続いて石野銀行局長、磯江特別金融課長が見えます。今来ておられるのは大月財務調査官。
○成瀬幡治君 財務調在官というのは……。
○理事(山本米治君) 銀行局の次長のような格好です。
○成瀬幡治君 あなたの範囲かどうか、そういう点よくわかりかねるのですが、手形が非常に落ちなくて、というのですか、実際問題として下形の問題で非常に困っておる。それに対して、銀行協会あるいは財務局等━━出先の東海財務同等、そういうところで非常に御協力を願っておるわけです。そういう点で、不渡り等が非常に出たら大へんなことになるのですが、そういうものに対してどういう応急対策、まあこれはもちろんだと思いますが、しかし、いっかはどうせ詰まってくるわけですから、応急対策にからんで、恒久対策といいますか、そういう大筋のものについてお答え願いたいと思います。
○説明員(大月高君) ただいまお尋ねのございました、今回の伊勢湾台風に関連した手形の関係の問題でございますが、災害が起りました場合に、一般に、金融的には即座にいろいろな対策が打てるように一般的な通牒が出してございまして、災害が起きますと、たとえば預金の払い戻しの請求が殺到する。その場合に、印鑑を持っておらない、なくしてしまった、あるいは失ってしまった、そういう人がございますが、そういう人に対しては印鑑なしでも払い戻しができるように、それから、一般に定期預金は期限が来るまでは払い戻しはいたさないわけでございますけれども、そういう罹災者に対しては期限前の払い戻しでも即時応するように、こういうような一般的な通牒が出ておりまして、災害が起きますと、直ちに各銀行協会において措置することになっております。 手形の関係につきましても、災害が一般的な、地域的な災害でございます場合には、すぐに支払い期限が参りましたときに払えないという事態が来ることは、当然予想されるわけでございますので、そういう場合には、直ちに手形をその目に持ち出さなくても、あとから持ち出して決済を受ける、つまり手形交換所べの持ち出しを猶予するという制度ができておるわけでございます。今回も、直ちに現地の銀行協会において申し合せをいたしまして、とりあえず、十月の十日まで手形の決済は猶予することができるということ一きめたわけでございますが、あの通りの惨状でございまして、水もなかなか引かないということで、続いて、十日過ぎる直前に、また決議をいたしまして、今月一ぱい手形の猶予ができる、こういうことになっておるわけでございます。 これが一つの措置でございますが、ただ、手形の決済を猶予いたしますと、逆に手形の支払いを受ける方が令に困るという問題がございます。この罹災手形は、債権者は必ずしも現地だけではなくて、たとえば東京とか大阪とか、いろいろな各地にもあり得るわけでございます。そういうような場合には、ほかの地方におきましても、手形の決済を受けられないために困る者にも金融上の便宜を十分はかるように、これは特別に今回通牒を出しまして指導いたしておりまして、銀行協会においても申し合せをして、そういうように計らっておるわけでございます。そういう意味で、手形の債務者及び手形の債権者、いずれに対しても便宜をはかるような措置ができておりますので、さしあたり、この面から金融上の混乱が起るということはないというように承知いたしております。
○成瀬幡治君 そうしますと、まあ十月三十一日ですか、今月一ぱいは猶予される。これはしかし、まだ延びるというようなことも考えておられるわけであって、これがぎりぎりの線だというふうじゃなくて、まだ現地の情勢をいろいろと検討されて、そして出先で直接おやりになるものであって、これが最終限のものじゃないというふうにわれわれは了承して、間違いないですか。
○説明員(大月高君) ただいまの十月末の期限も二回目のものでございまして、ただいまの態度といたしましては、そのときの情勢によりまして、さらに再延長するかどうかということを検討したいという態度になっておりまして、これが最終ではないということで御承知願いたいと思います。
○成瀬幡治君 それから、市中銀行の方に対しても、貸し出し等を特別なことがやれるようになっておると、こうおっしゃるわけですけれども、実際は、それになると、中小企業金融公庫とか、あるいはそういう政府機関の方に対しても、資金のワクを、あるいはそういうものが出されるのは当然だと思います。現地で当座困っておるのは━━これはあなたの直接関係ではないという話ですね。
○理事(山本米治君) ちょっと申し上げますが、磯江特別金融課長は外遊中でございまして、きょうは来られませんから、大月財務調査官に代理していただきました。
○成瀬幡治君 市中銀行の方も、担保やいろいろな問題がございまして、実際問題としては、そういう応急措置をとっていただけることはわかるんですけれども、たとえば三十万ほしいという人に対して、実は十万しかない、あるいは二十万しかない、出さないということが起る。そういう市中銀行に対して、あなたの方から特別な資金ワクというのですか、融資というか、そういうことがやらされておるのか、裏づけがあるのかないのかというのが第一の問題。 二番目には、政府の機関である国民金融公庫なり、あるいは中小企業金融公庫に対し、おおよその数字というものは、大体現地から、中小企業に対しては五十億ぐらい、国民金融公庫においては二十億とか三十億というようなおおよその数字があるそうでありますが、一番因っておる点は、総額がかくかくであるということを明確に示されておらないところに、資金を貸し出す場合に、たとえば百一五十億円実際出してもいいと仮定したいけれども、もし、これが三十億と聞いておるが二十五億になりはしないかということで、もう一つ減らして百三十億ぐらいというようなことになると、二度、三度と資金の手続がいくわけですから、資金ワクの設定がきまっておればけっこうですが、どのくらい。もしきまるとすれば、いつでもきめて現地に通達することができるかどうか、その辺を。
○説明員(大月高君) ただいまのお尋ねの、市中金融機関に対して資金の手当ができておるかどうかというのが第一点だと思いますが、この点につきましては、一般の市中銀行におきましては、日本銀行の取引がございますので、必要な金は日本銀行の方でめんどうを見るという建前にいたしておるわけでございます。現に現地におきましては、今、準備預金制度というものを発動いたしておりまして、これは預金の一・五%程度を日本銀行で吸い上げるということになっておりますので、これを解除してほしいというような御要望もあるようでありますが、政府といたしましては、準備預金制度の責任を免除することは非常にむずかしい建前と考えておりますので、むしろ、そういう金の不足に対しては、日本銀行の貸し出しを弾力的に運用いたしまして、要望に応ずる、そういうような意味で、民間金融機関で特に金がないので出せないというようなことは起らないようにいたしたいと考えております。 それから第二の、政府関係の中小企業金融公庫、国民金融公庫に対する資金手当の問題でございますが、ただいまお話のございましたように、中小企業金融公庫で五十億程度、それから国民金融公庫と商工中金を合せまして大かた同額程度、合せて百億程度出してほしいというのが、現地の要望でございます。政府の立場といたしましては、このほかに、東海三県のほかに、十五号台風でいろいろ被害を受けた地方もございますし、そういう問題も考えまして、現在、どのくらい出すかということを検討中でございます。それで、この財源の問題は、御承知のように、一般会計の補正、それから資金運用部の資金源、そういう問題全体をにらみ合せて考える必要がございますので、まだ法定はいたしておりませんけれども、早急に全体をにらみ合せまして決定する。そういう意味で、補正予算が三十七日ごろということでございますので、少くともそのころ、あるいはそれより以前に決定できる。もう一週間ばかりのところと御了承願いたいと思います。 ただ、これがきまらないために金が出ないという問題につきましては、現在、第三四半期の資金のワクとして、それぞれ公庫が金を持っておりますから、それを、ほかの地方へ送る分をやりくりしてでもけっこうであります、当座の金には困らないようにする。ただ、具体的な数字がわからないので、査定が、二十万出すべきところが十五万、こういう基礎の問題はあると思いますが、間もなくその問題は解消するかと思います。 それから、現実に災害が起きましたときの金融の問題といたしまして、今の手形の決済等、非常に緊急を要する問題がございますが、大体金融が問題になりますのは、握り飯をどうするとか、衣類をどうするとかいう問題の次に起るわけでございまして、ほんとうの資金の需要は、大体十一月ごろからぼつぼつ起る。抽象的には金がほしいという声はございますけれども、借りる方といたしましては、今後どういうふうにして事業をやっていくかという一応のめどが要るわけでございましてほんとうに金が要るという問題はもう少しあとのことでございますので、もう一週間ばかりお待ち願っても、特に御迷惑をかけるということはない、こういうように考えております。
○成瀬幡治君 現実の問題として、御承知のように、第三期分が実は足らなくて、実際に金が流れておらなくて、七、八、九の現金がこれだけだ。たとえば、名古屋の中小企業金融公庫に五億なら五億と割当が来ておるけれども、実際金は三億ぐらいしか来なくて、まあ待ってくれといって、七、八、九の第二期分すら実はおくれておるというのが実情なんであります。ですから、私は一つ、やりくりは非常に困難だということはよくわかるのでありますけれども、よくわかりますが、まあ水が引きますと、すぐもう事業に立ち上らなければ、零細企業の人はやっていけないわけです。しかも、五人、十人ぐらいかかえておるような人たちは、国民金融公庫一本なんですね、たよりは。そこが資金がないから、従って資金が十万ほしいところを五万と、こう言われましても、実際事業が運転しているとかなんとかいうときにはそれでもいいわけなんですけれども、ぎりぎりのところが非常に大切になってくるわけです。ですから、二十七日ごろにワクが決定するようですけれども、実際金の方の準備もそれにおくれないように一つやっていただきたいと、これは要望になると思います。 次にお尋ねしたいのは、こういうことをやっておっていただくので、実際中小企業の人も、あるいは国民金融公庫、特に国民金融公庫なんか人が足らなくて、東京の方から何か十五名ぐらい特別の手配をされておるということで、現地についておいでになるかもしれませんが、私が東京へ立ちましたのは二、三日前ですから、時間がずれておりますが、実際はまだそのときには人が到着していなかったわけです。そこで、国民金融公庫の人が日曜日も返上して、夜は大体八時、九時まで働いておる。これじゃ自分たちが倒れてしまう。だから、早く人的の配置も一つやってもらいたい。実際金を借りる人たちは、片方では気が立っておりますから、そこにも非常に公庫の人たちはわれわれに口に出せない相当な、何と申しますか、苦労をしておる。ですから、人をどのくらい派遣することができるか、それはいつごろ実際に現地に行って働いてもらえるか、どうなっておりますか。
○説明員(大月高君) 国民金融公庫におきましては、東京から大体十五名、あるいは十六名、その程度の員数だと記憶いたしますが、すでに出発いたしておると思います。先週その派遣を決定いたしまして、人選も終っておりましたから。本日の状況は私つまびらかにいたしませんが、すでに到着いたしておるのではないかと思います。 それから、もちろん、国民公庫の貸し出しにつきましては、東海地方に三つございます。あれは名古屋と沼津でございますか、それから桑名でございますか、三つあるわけでございまして、それぞれの支所において貸し出しを実行いたしますが、そのほかに、御存じのように、代理所が設けてございまして、各金融機関が窓口になっております。そういう意味で、特に人手がないので貸し出せないという要素は、割合少いのじゃないか。もちろん、こういう非常時でございますので、いろいろそういう支所の方面と連絡をとったり統轄したり、そのほかに自分で審査をしたりということで、いろいろ急がしゅうございますから、なかなか手一ぱいだとは思いますけれども、代理所の窓口も使っておりますので、人手不足という問題は比較的弱いのじゃないか。 ただ、この問題につきましては、当然、資金を増額いたしますと仕事もふえるということは考えております。できれば国民金融公庫の予備費でも使いまして、人員の定員をとりあえずふやしたいということで、主計局の方と折衝中でございます。もちろん、新しく人を採ったからといって、すぐ使えるわけでもございませんので、実際は各省からの応援に上ると思いますが、根っこの定員の方も心配がないように、とりあえず、来年の予算で増員があるとすれ、は、それを繰り上げてでも、少しでもふやした方がいいんじゃないかということで折衝中でございます。そういう意味でなかなか十分に手は回りかねると思いますけれども、人員の点も十分頭に置いて吟味しておりますから、御了承願います。
○成瀬幡治君 大月さん、あなた現地に行って実際支所の様子をごらんになるとわかりますが、銀行の窓口で代理貸しをやっているといったところが、実際は銀行に行かないですよ。やはり本店というかありまして、それに対する━━実際はその支所の方にずっと押しかけちゃうのです。私の心配しているのは、支所の人たちのオーバー・ワークです。今やはり大体一日に二十件ぐらいずつ片づけなければ実際できないというふうに、そういうふうに仕事がたまっておる。ですから、人員がなるほど今新規に採用したって間に合わぬじゃないか、だから、人を回されるということは妥当だと思いますが、十五、六名というのは三つに対する十五、六名なのか、たとえば桑名に対して、静岡に対してなのか、愛知だけで十五、六人なのか、その辺のところはどうですか。もう少し実際は員数を……。そう私は長い期間じゃないと思います。このほんとうの緊急を要する場合ですから、一カ月ないしニカ月くらいの間で、もう少し員数をお出し願えれば、あそこで金を借りるために半日待った、あるいは一日ということはないでしょうけれども、まあ半百以上も待たされるということも非常につらいことですから、なるたけなら一つてきぱきと解決していただいたら非常にありがたいことですから、ぜひ員数を。十五、六名が、ただに愛知だけでなく、これが静岡や桑名の方も入っての十五、六名ということなら、私はちょっと納得しかねる。愛知だけでも二十名くらい現地としてはほしいというようなことを私は聞いておるのですから、その辺を特別な御配慮を願いたいと思います。
○説明員(大月高君) 具体的には公庫で検討いたす事項でございまして、この問題は先般衆議院の大蔵委員会でも強い御要望がございまして、国民金融公庫の副総裁、担当の理事も出ておりまして、十分検討いたしておりますので、状況に上ってはさらに増加を考えておると思います。ただ、現状どの程度かというお答えは、ちょっと私ども今のところお答えしかねますが、この問題につきましては十分公庫の方も含んで善処いたすと思います。
○成瀬幡治君 次に、まあ今度の災害でお気の毒なのは、何というのですか、零細企業というのですかね、五、六名くらいのところに働いておる人たちで、家財が全部流されてしまった、家が流されてしまったという人たちに対しては、まあ家を建てる場合には住宅金融公庫なり、あるいは応急仮設住宅等の問題がございますが、実際ふとんを寒い時に入ってきたから買いたい、茶わんが、はしが買いたいといったところが、まあ失業保険でおやじさんの方がもらってくると思いますけれども、そのぐらいの金じゃとてもやっていけない。そういう何というのですかな、今までの金融機関でいえば、事業をやっておらなければ貸付対次にできない。それかといって、片一方では担保物件があるかといえば、ない人です。ほんとうに生活資金に類するわけですが、今まで厚生省関係でやっておるところの母子年金とか福祉の方も、そういう対象にもならぬほんとうにまあお気の毒な人が、まあ水浸しになったところでは、いわゆる零細なというのですか、そういう下請工業地帯ですか、そういう人が非常に多いわけですから、そういう人に対して金が貸し出されることを考えてもらえないか。労働組合とか労働金庫にも入っていない、どこからも救いの手が伸ばされない。何というのですか、まあ僕らでいえば立ち上り資金といいますか、そういうものを考慮してもらわなければならない段階だと思います。が、そういうものに対してはどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(大月高君) ただいま政府でめんどうをみたいということになっております金は、ただいまお話のございましたように、生業資金ということを中心に考えておるわけでございまして、単なる消費資金は、第二段の問題として考えておる。素直に申し上げましてそうだと思います。これは財政の面から申しまして限られた金でどちらに重点を置くかといえば、国民金融公庫の法律上の規定もそうでございますし、中小企業金融公庫の考え方もそうでございまして、政府の方で直ちに消費資金を供給するということは適当でないと、今でも考えておるわけでございます。 それで、お尋ねのような消費資金をどこで考えてやるかという問題でございますが、第一は、今お話のございましたような労働金庫が一つの資金源だと思います。それから、第二の問題といたしましては、通常資金規制の立場から申しまして、消費資金はいわゆる丙種ということで、できるだけ貸さないようにという指導をいたしておりますが、これは今般の災害に際しまして、丙種を乙種に上げるという措置をとっておりますので、特に消費資金を貸さないということにはならない。つまり、抑制しようという気持をそこでは解除いたしておるわけでございます。従いまして、一般の民間の金融機関にコネクションがあれば、そこから消費資金は出得るという態勢でございますが、もちろんそう十分に、すぐに銀行、相互銀行、“用金虚等の窓口へ行って借りられるものだとは考えません。しかし、道は、そういう意味で一般の場合に比較いたしまして、災害の場合には広く開いてあるということでございます。 それで、具体的にわれわれが考えておりますのは、消費資金はやはり生業資金を通じて供給したい。たとえば中小企業者の従業員の場合におきましては、その中小企業者が従業員に払います労賃、小さいストックのための資金、こういうものは十分政府機関においても民間機関においても貸せる。そういう意味で、給料の遅欠配なり、あるいは実際の生活に困って、見舞金とか、あるいは給料の前払いとか、そういう金はめんどうをみることになっておりますので、できるだけそのルートを通じてやっていただきたい、こういうように考えております。
○理事(山本米治君) 銀行局長が来られましたから。
○成瀬幡治君 今、市中銀行の方で丙を乙にしたのだから道があるというのですが、それではとてもお話にならぬ。そうでなくて、やはり何とか━━生業資金でなければならぬ、そうしてそういう方向だということはわかりますが、こういう災害を受けて一番お気の毒な人は、今申し上げたような人がお気の毒なのであって、実際子どものものすら買ってやれないという実情だと思いますから、そういうことではなくて、私は特別これを立法でどうこうするということも一つの考え方であると思いますけれども、やはり国民金融公庫か何かで、何とか貸し与えられるというような方途というものが講ぜられないものか。今の法律ではだめですから、これを改正しなければならぬと思いますが、めんどうをみてやるところは市中銀行でめんどうをみよといえば、返してもらえるかどうかということは、ちょっとこれはなかなか銀行としても踏み切れぬじゃないか。もっと大ざっぱにいえば、私なんか想像してみれば、三割ぐらいはあるいはこげつくということもあるかもしれない、そういう危険がある。しかし、金融機関等がそれをやってやらなければ立ち上ることが困難だとするならば、やはり国民金融公庫でめんどうをみてやる。政府がめんどうをみなければならぬ。それは民間でやるべきだというようなことではなくて、政府がめんどうをみるという根本方針を御確認願って、そうしてその方途は、私は国民金融公庫のみとは限定しませんですけれども、そういうものに対してやるんだという方針が打ち立てられないのかどうか、こういうことなんです。
○説明員(大月高君) ただいま、政府の方から消費資金を出すというお話でございますが、先ほどお答え申し上げましたのは、民間機関だけでなしに、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫から生業資金が出る建前でございますので、中小企業等の従業員に関しましては、その経営者が国民金融公庫ないし中小企業金融公庫から金を借りてきまして、その経営者が従業員に払う。給料の前貸しとか、あるいは見舞金を出したいという場合にその見舞金の金とかは、そういうルートで貸していただければ、政府の金も回っていく、こういう趣旨でございますので、言葉が足りませんでございましたので、補足いたしたいと思います。
○成瀬幡治君 いやいや、その事業者が実は見舞金をもらいたいくらいの事業の人たちのことを言っているわけです。どうにもならぬのです。それは賃金でさえもとてももらえないで、今賃金も支払われない。そこで、失業保険を実際もらっているというのが実情なんです。事業の再開もなかなかできそうもないので、失業保険をもらっている。おやじさんからいえば、自分も見舞金をもらいたいくらいで、その見舞金を国民金融公庫から借りるといっても、担保物件がなければ貸さない。災害だから担保はあまりなしにやるというけれども、信用貸しということになれば、それは非常にわずかな金になってとても問題にならない。だから、政府として一つ、こういう気の毒な人に、これは農漁民も私は同じケースの人たちが相当数あると思いますが、そういう者に対してめんどうをみてやろうという方針を一つきめて、そうしてその上に立って何か具体策を立ててもらえないのかどうか。今ある範囲内のものを若干拡大をしたら、事が解決されるという性質のものではないと思うんです。もう少し大幅にワクを広げてやる方途をしていただかなければ、こういう人たちは救われないというふうに考えているんです。そういう点はどうですか。
○説明員(石野信一君) 災害に関連いたしまして、非常にそういうお気の毒な方に消費金融をという御質問のお気持は非常にわかるのでございますけれども、ただ、何と申しましても、財政資金も十分にあるわけでもございません。それで、できるだけ復興を早くやって災害地の経済を復興させる、こういう趣旨から申しますと、やはり生業資金なり事業資金の方に金を回して、そこで事業を再開して、給料もなるべく早く払えるようにということが主になりますので、従って今政府金融機関の業務分野を、消費金融に回しますことを考えるだけの財政資金等の財源にも余裕がございませんので、さしあたりのところ、やはり従来の事業資金、生業資金を主としていくという考えでおるのでございます。ただ、信用保証協会等を通ずる保証の関係もございますので、従いまして、民間金融機関の方での資金の活用ということについては、間接的にそういうことにも役立つというふうに考えております。
○成瀬幡治君 これは平行線で、私は、これは政府の施策の問題になりますから、大臣に対してお聞きしたいと思います。まあそういう大蔵省の一つの今までの考え方というものは、十分私たちわかりますが、今日災害にあわれた方はお気の毒な人たちで、そういうものすら救われないということに対して、どういうふうにしたらいいかということに対して、もう少しあたたかい、しかも現実的な問題として御検討願うことがいいんじゃないか。 それから、労働金庫の話が出ましたが、労働金庫に対して、一体どのくらいワクを持っていかれるのか。
○説明員(大月高君) 労働金庫には、御承知のように、労働金庫の連合会がございまして、ただいまのところ、約三十億ばかりの余裕金を持っておりまして、これが預金になっておるわけでございまして、そういう意味で、もし現地の労働金庫に資金上の不足がございますれば、連合会から供給する余裕金を持っておるというように考えております。
○成瀬幡治君 農林関係ですが、農林中金あるいは商工中金とかいろいろとあるわけですが、商工の方は、先ほど国民金融公庫と商工と合せて大体五十億ぐらい、これが折半されて二十五億見当になりますが、農林中金に対してはどの程度予定されておりますか。
○説明員(大月高君) 今回の被害は、農業関係の被害は商工関係の被害に比べまして比較的少いわけでございまして、各地に散在しておるということでございます。それで、農林関係の資金源といたしましては、農林漁業金融公庫と、それから農林中金、及びその傘下の農協、漁協、そういう系統があるわけでございますが、ただいま農林漁業金融公庫の方につきましては、農林省の方からやはり資金源の補充を要求されておりまして、これもどのくらいにするかという点は、━小企業対策と同様に考えていきたい。それから農中につきましては、御存じのように、米の出来秋でございまして、何千億という余裕金を持っておりますので、その資金が足りないという問題はございません。また、現地の農協等において不足する場合には農林中金から供給していく、こういうことだと考えております。
○成瀬幡治君 まあ、いまだに水の引かない所があるわけなんですね。それはまあ市外でございますけれども、実際農民関係ですね。あるいは愛知県で一つの例をとりますと、鍋田干拓というようなところは大体三百人くらいおって、そのうちの約半数がなくなっているということは、家も何もないし、これを復興するには早くて一年、あるは二、三年かからなければできないということなんです。そういうところに対しては何か特別なことをお考えになっているのか。いわゆる金融上の問題としてお考えになったことがあるのかどうか。そういう問題は農林省の方の問題であるということじゃなくて、実際その人たちがやはり立ち上る、いわゆるこの人たちは田畑をそこに作ろうとしたって、帰れないと思うのですよ。ですから、新しい所に行かなければならない人が出てくるだろう。そういう人たちがやるような場合には、一つの生業資金と申しますか、そういうものもあれして特別にお考えになることができるかどうか。
○説明員(大月高君) ああいう干拓地が今回のように被害を全体としてこうむりまして、流れてしまったというような場合は、どうも金融問題でなしに財政上の問題で、あの干拓地をどうするか、従って入植された農民の方全体をどう扱うかというような感覚から、救うべき問題かと思います。もちろん、一部それぞれの方については金融でまかなえる点もあるかと存じますが、ただいまのところ、農林省からもあそこの問題について金融上どうしようというお話は承わっておりませんので、ただいまのところお答えしがたい事情でございます。
○成瀬幡治君 当然、私は金融上の問題も生業資金関係で出てくると思いますが、一つ十分そういう点について御配慮願うことを考えておいていただきたいと思います。 それから、住宅公庫についてはどのくらいのワクを設定されるのですか。
○説明員(大月高君) 先ほどの中小、国民、農林漁業公庫、それから商中につきまして申し上げましたと同様の立場において、現在建設省から資金の要求がございますので、これを具体的にどうするかということを今考究中でございまして、同時に決定するということになっていると思います。それで、この住宅公庫の問題は、御存じのように、簡易住宅を至急建てるという問題でございますので、従来の災害の実例もございまして、具体的に計数的にはじくという問題でございますので、今至急作業を進めておる段階でございます。
○成瀬幡治君 私は一つ実情だけ申し上げて、あとは建役、あるいは災害特別委員会が臨時国会できまっておりますから、いいと思いますが、一つ十分お考えいただきたい点は、今愛知県、あるいは三重県もそうでございますが、愛知だけの実情しか私は知りませんが、小学校、中学校、あるいは高等学校の約九十校に大体避難民などが入っておる。罹災者が入っておる。それで、一、二カ月間は私はそこの学校のPTAの人たちも協力していろいろなことをやると思いますけれども、これが三カ月、四カ月、六カ月というようなことになってくると、いろいろな問題が起きてきます。現に今炊事のために、給食施設を応急にPTAの費用等をかけて、なるたけ教室にコンロとかいろいろなものを使わないようにといっても、実際は給食だけでは少し足らぬというのでコンロを持ってきたりして、火災上からも大へんなことになってきますし、それから学校のいたみ工合からいいましても、大へんな問題になってくる。そこで、今までの十三号のときの特別立法あるいは今までの災害立法などにからんで家を建てていくような速度では、こういう問題は解決されないと思います。ですから、現地の実情に即した━━それからといって、土地の確保はなかなかできぬじゃないかという問題も出てくると思います。少くともこれが金の問題で建たないというようなことのないように、御配慮を願っておきたいと思います。これは一つ十分考えていただかないと、大へんなことになるのじゃないかと思います。ですから、一つ資金源の問題につきまして、しかも、住宅公庫の話を聞きますと、今申し込みが大体三カ年分ぐらいきてしまっているという話を聞いております。何にしても、食べる次にやはり住む問題が来ますのですから、資金源の方は十分一つ御配慮をお願いしたいと思います。 十月十日ごろの話によると、私は住宅公団の方は知りませんけれども、公庫の方は三十億くらいのところじゃないかという気持があるというように承わっておりますが、その辺はどんなことになりますか。
○説明員(大月高君) 今の災害住宅につきましては、実は毎、年災害を予定いたしまして十億ずつ金が入れてあったわけでございます。過去災害が非常に少い関係もございまして、今年度へ繰り越しました災害用の資金のワクは二十二億あったわけでございます。それが、その後の災害、それから地すべり関連住宅というような関係、そういうものもとりまして、大体十六億くらい今残っている。それをとりあえず使いましても、まだたぶん不足するだろうということで、そのほかに幾らつけるかということを今研究中でございまして、まだ数字は、先ほど申し上げましたように、確定いたしておりませんが、何がしかの増額は要るであろうということは、もちろん考えておるわけでございます。
○成瀬幡治君 これにからんで、ついでに人的問題も当然住宅公庫の方で考えられておりますけれども、一つ建てることについての人員の方も、住宅公庫に対して私は十分理解を示して上げていただきたい。くれぐれも一つお願いしたいのは、出て行けということを言うのは、ほんとうにお気の毒で、そんなことを言えるものじゃないけれども、いつまでも置けるわけにはいかないのですから、ぜひ一つ住宅政策を至急に進めていただきたい。 私は、金融関係では、ほかの方があると思いますから……。 ━━━━━━━━━━━━━
○理事(山本米治君) 次に財政金融一般について質疑をお持ちの方は、順次、御発言を願います。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(山本米治君) それじゃ、速記をつけて。
○成瀬幡治君 これは地方行政でも取り上げられた問題だと思うのですけれども、地方自治団体で非常に困っておって、予期しなかった問題がたくさん出てきたと思います。たとえば米屋さんの例をとりますと、これは配給になっておりますから、米屋さんは、米をくれと罹災者から、言われると、米を持ってこなければならぬ。ところが、罹災者に言わせると、金を流されてしまった、金がないのだ、だから米だけ置いていってくれと言われる。米屋さんは舟をこいで米を持っていって金をくれと言ったら、金は今のような調子で払わない。米屋さんは、だからといって、かついで帰ってくるということはできないわけです。米は貸金はできないわけです。それをやるには何があるかというと、市町村がそれを肩がわりをして延納を保証するというような格好。ところが、実際それじゃ、延納を保証した場合に、今の法律で県がやればできることになっておりますから、できます。できますが、実際には、それでは米屋さんで最終的に米の売掛金の回収ができるかどうかという問題が出てくると思います。市町村や何かが、現状としては、私は若干、何割かというものは実際こげついてしまうということは、農村関係で、行ってまた戻ってくるのはいいけれども、市街地だというと、大きいところではAの地区からBの地区に変ってしまわれると、わからないわけです。今は区役所は、売掛代金がありますかということで、そんなものはありません、借金はありませんと言えば、それで事が終りになってしまう。ですから、最終的にしわ寄せが地方自治団体にそういう問題でやってくるのじゃないか。あるいは災害救助法に基くところの資金が、七十五円が九十円に上った。ところが実際やっているのは、百四十円くらいの給食を災害救助法に基いてやっておる。その幅のしわ寄せも地方自治団体にやってくる。ですから、今の法律の範囲内で行えば行えないことはないけれども、そういう足が出てくる、あるいは地方自治団体に実際のしわ寄せが出てくるという問題があろうと思う。そこで、地方自治団体は、その踏ん切りがなかなかつかぬわけです。 自治庁は、好意的に一つおやりなさい、あるいは政府関係の方たちが現地へお出かけになった場合には、そう心配せぬでもいい、お金などは幾らでも持ってきてやるから安心せい。これは政治的な発言であり、それで人心が安定したことは事実でありますけれども、いざという場合の裏づけがないと、なかなかちゅうちょされる。足踏みをされておられる。そこで、つまらないごたごたが起るのです。そういう問題について、財政上大蔵省としては相当私は目をあいてもらわなければならぬと思うのですが、そういう問題はすでに現地からあるいは大蔵省に持ち込まれている問題だと思うのです。ですから、そういう問題について当木的な考え方として、どういうような考え方か、それをお伺いしたい。
○説明員(石野信一君) 実は、お呼ねの問題は地方自治団体の財政関係でございます。それに関してのつなぎ融資の問題になりますと理財局の所管、補助金の問題になりますと主計局の所管と、私どもの所管でありませんので、お答えを申し上げるのも、所管外のことでございますので、いかがかと思うのでございます。そういう意味で、そういう問題に限らず、いろいろと緊急救助に関しては補助金をどうするとか、あるいはこれについてのつなぎ資金が足りない、早くつなぎ資金をとりあえずのものでもよこせとかいう御要求があって、主計局、財務局、自治庁に十分に話し合って、後ほど参りますと思いますけれども、私からもいるいろ支障がないように相談するように申し伝えたいと思います。
○成瀬幡治君 その点、まあ担当外、よくわかりますし、小さい問題、技術的な問題が多分にあると思う。十分一つ……。 それから、市中銀行全体として、名古屋なんかの銀行協会等から大体まあ二百億くらい金がもらえないか、こういうお話が出てきて、それに対して準備預金制度の一・五%くらいのものを持ってくるというお話で、それについてはできないというお話である。これについてはまた別として、私はそれもそうかと思いますが、日銀からやられる場合に、一体大ざつぱにいって、どのくらいの資金源を日本銀行が見るかという点は、何か腰だめのものがあって、ただ、市中銀行の方から、罹災県から要求があって、それに関係銀行が打っていったら、それに対して出されるものが何か基準というものがあるのか、あるいはそれで押えられるのか、それはどういうふうに……。
○説明員(石野信一君) 災害関係で、特に大企業の被害につきましては、まあその被害を大きく見たいというようなそういう要素もあるでございましょうけれども、また逆に、被害が非常に少い、企業の信用等にも関係がございますので、少く見せたいというふうに申告する場合がございます。まだ被害もはっきり全体として、市中金融機関の融資の対象になる被害というものはつかめておらない状態でございます。通産省の方なんかとも相談して、いろいろ実情を聞いておるのですけれども、大企業について特にまだそういった意味で被害がはっきりつかめないというようなことです。 そこで、口日本銀行の措置でございますが、準備預金については利率も非常に低いし、大体普通金融機関として当然ある程度のものは準備預金として持っておられるということで、それについての例外措置というものはとらないということも、大体一般的に御了解いただいておるのじゃないかと思うのでございますが、それじゃ、災害のためにどの程度の融資をやるか、ワクをきめておるかというような点の御質問と存じますけれども、このワクの問題につきましては、一つは、先ほど申しましたように、被害状況、被害額がはっきりしないというような点もございますけれども、同町に、ある程度初めからワクをきめておいてこれだけ出すというような性格のものでもございませんので、特に中小企業金融については、政府機関金融とは性質が違いますので、各個別の企業が、おのおのが持っております取引銀行と十分に話し合って、その上で足りないものを日本銀行と市中金融機関に相談に来る。市中金融機関といたしましても、災害地以外にもずいぶんやっている金融機関もございます。そういうようなのも多いわけでございますから、従いまして、市中金融機関が具体的に相談に来た場合に、日本銀行がそれに対して、災害であるという特別事情を考慮して、資金の裏づけと申しますか、貸し出しを行う場合に、日本銀行政策委員会、日本銀行といたしましては、できる限り災害につきましては復旧に支障のないようにいたしたい、そういう抽象的な方針をきめております。まだ具体的にワクをどうするというようなことには至っておりません。また、できるだけそれは具体的な問題として解決する、こういう考え方でおるようございます。
○成瀬幡治君 これは通産省の方と関連する問題ですが、今名古屋の人たちで、企業の実態について、繊維関係あるいは造船関係、いわゆる過剰施設をかかえたものに対しまして非常に心配しておることは、この際、過剰設備であるから、資金をめんどうみなくてもいいじゃないか。たとえば紡績でいえば、大阪で百封緘持っておる。だから、名古屋の方の機械が動かなくなったら、大阪の方を解除して、そうして名古屋の方にしわ寄せをする。あるいは造船でいえば、名古屋造船というのが一つあるわけですけれども、これも造船設備というものが非常に大きいから、そういうものは過剰設備だから、そうめんどうをみないでもいいんじゃないかというようなことで、資金の面からそういうしわ寄せが来るのじゃないかということを、経営陣も心配しておれば、そこに働く人たちも、あるいはそれに関係する人たちも、非常に心配しておる。これは一つの大きな政策問題になってくると思いますから、被害を受けておるものに、またその上にしわ寄せするという、泣きつらにハチというような格好にされては大へんだと思う。だから、一つ資金を、市中銀行やあるいは政府関係の興銀とか、開発銀行とか、あるいは輸出入銀行がめんどうをみるということになってくると思いますが、そういうものに対してしわ寄せばしないという方向。しかし、て過剰設備の問題は、この際別に考えてほしい。これは被害とは別に切り離した態度でやってもらって、これにかぶせてくるというやり方ではなく、資金繰りについてあなたの方で御協力が願いたい。 で、通産省で実はそんな声を若干聞いたという、重工業局あたりでそんな声が出ておったというようなことが、デマと思いますけれども、実は流れておるわけであります。ですから、そういう点に対して、大蔵省としては、差別対遇といいますか、そういうことじゃなくて、かわいそうだから金をたくさんめんどうをみてやるという態度で、御指導が願いたいと思います。で、もし通産省の方からそんな話が出てくるようなことがあったら、うんとけ飛ばしていく。そういうことに対しては、今まで大蔵省に対して何らかの話があったのかどうか。そんなことが表向きにあるとは私は思いませんが、大蔵省としてはこういう問題についてどうお考えになっているか。
○説明員(石野信一君) 過剰設備等につきまして、これをどういうふうに合理化し、整理していくかということは、これは全体として通産省なりその他の主管の産業関係の省で検討いたしていくべき問題であります。災害でたまたま被害を受けたところを犠牲にして、それでこの問題を解決するというような考え方は、私は今後どの省としてもとってはならないと思います。 金融の面につきましては、先ほど申しましたように、個別に具体的に各会社と金融機関と話し合って、そうして復旧をやって参りますわけでございまして、私ども局として、産業全体をどうするというような考え方で金融問題について指示する立場にはございませんが、しかし、今のような考え方で被害を受けたものが犠牲になるというようなことにはならないように、その点は金融機関等ともよく話し合って参りたいと考えております。
○成瀬幡治君 新聞に発表になっているのを見ますと、特別交付税の配分の問題が、自治庁と若干見解が違って出ておるようです。大蔵省の方針といいますか、真意をお聞かせ願いたい。
○説明員(中尾博之君) 新聞にきのう伝えられました点は、実はきのう私がレクチュアをいたしまして、それが出ておるわけでございます。従って、数字その他の点が出ておりますが、数字の方は、私自身もまだ見当がついておらぬわけであります、あれは推測の記事でございます。 しかし、いずれにいたしましても、非常に災害の規模が大きくなって参っております。そこで、これに対処いたしまするのには、大へんな大規模な事業になって参ります。その意味で、自然増収を当てにいたしましてこれをやるわけでありますが、それだけでもなかなか、場合によっては足りないのじゃないかという懸念も多分にございます。いわゆる既定経費の節約ということすら必要になってくると思います。これは査定をこれから始めますので、それからの問題であります。いろいろな情勢から見まして、そこまで実は追い詰められている状態にあるわけでございます。そういう際に、自然増収と申しましてもいろいろございますが、国の普通の自然増収、それから交付税の自然増収、それから地方財政における自然増収、こういったようなものがあるようでございますが、これらはできるだけ災害地に振り向けるようにお願いをいたしませんと、災害対策に応じ切れないおそれがあるという情勢でございます。 で、ただいま交付税のお話で、自治庁との間に見解の相違があるということでありましたが、実はまだ自治庁と私どもと話し合いをいたしておりません。従って、自治庁側も、別に反対ということも開いておらぬのでありまして、まあお立場上いろいろ御意見はあろうと思いますが、災害の数字が数字であるということの御認識は、十分あるわけでありますが、どういうことになりますか、その相違の点があるということにつきましては、まだそこまでの段階になっておらぬというのが実情でございます。
○成瀬幡治君 そうすると、あなたのお話を聞いておりますと、特別交付税ということよりも、税の自然増の問題がある、それを一つ災害にぶち込まなくちやならぬ、ということはわかりますけれども、特別交付税の配分基準について新聞に出ておったのを、違うかもしれませんが、あなたにそこをお聞きしたいのですが、特別交付税を今ままでまだ分けずに、留保分がある。それを全部三県だけに、七号台風と十五号台風だけに入れてしまって、あとは全部割り振ってしまう。そうすると、ここだけに集約するというようなことなのか、そうではなくて、今までの各地の災害に対して特別交付税を配分をしていく。それでもなお足らぬ。だから、一つあなたがおっしゃった地方税の自然増がどのくらいあるか、それを査定してみますと、三税の自然増というものがどのくらいあるか、その交付一税の自然増、それはどれくらいですか。確保した特別交付税のあれがきまっておるから、そういうことでお茶をにごしていきたいというのか、その辺のところがわかりかねます。一つ基本的な方針を明らかにしていただきたい。
○説明員(中尾博之君) その点は、実は事新しいわけではないのですが、現在の制度で申しますと、六%というものと九四%というものに分れておりまして、九四%が普通交付税でいくわけであります。いわゆる基準財政収入と基準財政需要との計算で参るわけでありまして、大形分が特別交付税になっております。これは当該年度見足りないというような突発的な地方財政の滞要に応ずるものということになっておるわけでございますが、その中に、従来の取扱いといたしまして、災害が起りますと、その災害の規模に応じましてこれを配るやり方がございます。 その分が、これは工事費に充てるという金という意味ではないのでございますが、工事費の被害報告がございますのが一つの基準になりまして、県、町村、それぞれその被害報告全体上の二%をこれに配るというやり方になっております。それがお話の点であろうと思いますが、それは大体今回のやつで見ましても、おそらく五十億をこえる金になると思います。これはもちろん十五号台風とか、そういうことではございませんが、毎年やっておりますことで、あるいは災害を受けたところで、あまり小さいやつはどうか知りませんが、災害を受けました団体でそういうことで配分をいたしておりますから、それはそういうことでもちろんいかなければならない。これは災害復旧工事とも関連があると思いますが、それはとにかく、今度長島あたり役場が全部だめになっているというので、県庁の職員が行って認定の手続をしてやっているとか、テントが流れてしまうとか、事業とも予算とも言いようのない金がかかるわけでございます。そういうものに回っている金でございます。そういうことは従来と取扱いを異にするということを考えているわけでもございません。 それから、今私があげました分はそれではございませんので、当然自然増収を当てにいたしまして、災害対策の補正予算を組まなければなりませんが、その際に相当部分はいわゆる主税の増収を見込むわけでございます。その場合に、当然交付税の交付金も見込まれるわけです。これが地方に行くわけでございますから、それの配分を今回災害地に向けたいという希望を私どもは持っております。おそらく、そうせざるを得ないと思います。災害地という意味は、もちろん三県という意味ではございません。三県以外災害を受けた県もございます。地方財政の非常に弱い県で大きな災害を受けているところもあるわけでございますから、それらもみんなあわせて考えているわけであります。
○成瀬幡治君 そうすると、特別交付税の問題については自然増収があると思う。それだけで、補正予算を組む点において相当特別交付税というものを━━一般に交付税というのですか、そういうものが伸びておる。だから、これを相当やれば、一般のものはそう財源に困ることはないじゃないかという言い方を大蔵省としてはやりたいのか。これだけではとても足らぬじゃないか、今度の災害は二千億とか何千億といわれているわけですから━━と言われるのか。特別交付税は主税の伸びがあると思う。もう一つは、地方税の自然増があると思う。従って、ここら辺で大体の大筋はやっていけるという見込みなのか。どうもその辺がよくわからないわけですが、特別交付税というものは今まで通りで、従前通りおやりになり、そこで足らないものを一般会計に求める、よその方から持ってくるか、あるいは補正予算を組むという態度なのか。その辺のところがちょっとどうもわかりかねるわけです。
○説明員(中尾博之君) 実は事態が、まだ私どもも査定をしておりませんので、数字に即して申し上げかねるものでありますから、考え方そのものの段取りも、今明確に申し上げるべきものをまだ持っておらぬわけでございます。しかし、今のお話の点で、これはまだ自治庁と話し合っておるわけではございません上、ただ自治庁の長官あたりも国会あるいは党内でいろいろの御意見を言っておられるのですが、その増収に伴いまする交付税の伸びがございます。交付金がふえるわけですから、それは災害とか、その他の特別の事情がなければ、それは当然に必ずしも特別交付税になるというものではないわけです。それを災害の分に回す、災害の被害を受けたその対策事業を要する県に重点的に回していただきたいということを、お願いせざるを得ないという状況であろうと思います。その分のことを申し上げておるのでありまして、当初予算に計上いたしておりまする分を、特別交付税の中の災害引き当てと申しますか、その分が従来の取扱いそのままで当然に参りまするから、おそらくそれはそのままでよらしいであろうと思いますけれども、これもまあ検討をいたしまするうちに、だんだんそれにからんで議論になるかもしれませんが、まあ今のところ、それはそれでいけるのじゃないかと考えております。 普通交付税で、ほかの災害に関係のない団体がだまっていればもらえたものを、災害があったので災害県の方へよけい行ってしまうのは困るというようなお考えも当然出てくるかと思うので、それも含めて実は申し上げておるのですが、地方税にも相当な伸びがございます。地方税の収入の伸びもございます。それから地方税の体系も川当整備されておりまするので、よく論じられておりまするが、二十八年の当時というのに比べますと、非常に改善された格好になっておりますので、その程度の御協力はぜひお願いせにゃならぬし、おそらくそうしないと対策は講ぜられまい。おそらくその程度のことは御納得がいけるだろうというようなつもりで考えておるわけでございます。
○理事(山本米治君) ちょっと申し上げます。大蔵大臣の会見が終ったそうですから、もうすぐ来られると思います。
○成瀬幡治君 これはあなたの所管にたるかどうかわかりませんが、災害の一つ一つの単位、今までは前のやつは十万円だったのですが、一件が……。それを何か引き下げられたと記憶しているのですが、あれを一工事三万円とかなんとか、地方自治体では要望が出ておると思うのですが、それはどうなのか。単位を引き上げられるような考え方があるのか。これはあなたの方に関係ないかもしれぬ、どこに関係するのか、地方行政で問題になるわけなんですが、交付税と関係が出てくるのじゃないか。特別交付税との関係が出てくるのじゃないかと思いますが、私の方が勉強不足で申しわけないのですが、十万円単位では、たとえばそれが一村で五カ所切れておれば、十万円ずつで五十万円になってしまうのですけれども、それに対して全然補助対象にはならないのかどうか、どういうふうにそこらあたり考えておられるか。これはあなたの方になるかどうかわかりませんが……。
○説明員(中尾博之君) それはやはりストレートに予算に関係して参ります。災害復旧費の取り方でございますから、小さいものを取りますれば当然それだけふくれてきますし、はずせばそれは減るわけでございますから、それらの点は従来検討中でございます。確かに、お話のような議論がございますると、事情も認められるのでございますが、補助金という形になりますと、補助金なものですから手続が要りますし、最後に竣工検査とかそういうようなことになるわけであります。小さいやつは行政の管理能力をこえるものですから、やりますというと、実はあとの締めくくりが自信が持てませんので、そういう点から苦慮いたしておりますが、そこで大体において地方でもっておやり願う。これは多分、そうなれば、起債の関係あるいは交付税の標準財政収入に対する元利償還の歳入割合といったような問題で議論になると思います。面接に補助金ということは、おそらくもう考えられないと思いまするが、そういうようなことを含めましてただいま検討中でございます。
○理事(山本米治君) ほかに質問ございませんか。
○野溝勝君 これは銀行局長さん、調査官、総務課長さん、皆さんに希望を述べておきますが、今成瀬委員のお話は、災害に会って目もあてられない状態で、その悲惨なことを身につけての質問だと思うのですが、確かにその根拠がなければ支出できないということは、それはよくわかるのですが、しかし、行政のあり方を見ておるというと、法律的根拠がなくても、行政措置によりまして、何だか理解のできないような、財政投融資にしても行政措置その他を講じておるんですね。この問題だけに関して、私は、行政措置の解釈が消極的でなく積極的な解釈をしても、国民は、また立法府のわれわれといたしても、広義に考える用意があるのです。そういう点については、先ほど来答弁を聞いておるとどうも……。事務当局としては、大臣の政治的見解というものがなければなかなか容易でないし、それをむやみに拡大していくと制限がないという点で考えておられると思うのでありますが、こうした大きな災害などはそうたびたびあるものじゃないんですから、この際広義に解して、今、成瀬委員の質問の意のある点に関して十分大臣と相談されて、善処を願いたい。 さらに、先般第七号台風のときには、特に大蔵大臣に出席を願いまして、ここで質疑応答を重ねたわけであります。そのときの速記録を一つ読んでいただきたい。農大の努力をするということが速記録にあるんです。その最大の努力とは、行政上においても最大の努力を払うというふうに前後を通じて解釈できるのでございますが、ただ、人をごまかしたり、その場のがれの私は見解であってはならぬと思うし、また、ないと思うのでありますけれども、十分その速記録をもこの際ごらん願って、大臣とただいまの質問の意図を理解されて、行政措置をむしろ積極的にやってもらいたい、これだけ強く希望しておきます。
○成瀬幡治君 税関係の話ですけれども、登録税というのですかね、家屋税というのですか……。流失、全壊しましたね、家が。そして、新しく家を建てますと税金がとられるわけなんですが、そういうものに対しては、これはまあ家を建てるのがほんとにやっとこさで、そこらあたりで借金をして建てたら上等の方だろうと思うのです。そういうものに対して何か登録税あるいは家屋税、取得税、そういうものをひっくるめて免税措置というものをお考えになれるかどうか。これは実は十三号のときにやらなかったわけです。今度は非常に、大体、半壊まで含めまして、流失も入れまして、十万戸というのが愛知県だけで言っておるわけですから、まだほかに三重県、岐阜を入れたら、もっと上ると思います。どういうかうにお考えになるか。
○説明員(村山達雄君) 不動産取得税並びに固定資産税につきましては自治庁の関係でありますが、さっそく調べまして御答弁申し上げます。 国税の関係におきまして、登録税につきましては、現在のところ特別の規定はございません。ただ、所得税につきましては、御承知のように、災害によりまして住宅または家財の過半をやられた場合には、その金額の大小によりまして全免、半減、あるいは四分の一かの軽減規定があるほかに、もし所得から引きまして、さらに赤字がありますれば、青色申告であろうと白色申告であろうと、その欠損分は翌年度以降三年間繰り越し控除が認められる、かような次第になっております。地方税の関係につきましては、いずれ調べまして御報告申し上げます。
○成瀬幡治君 登録税というのは国税じゃなかったのですか。
○説明員(村山達雄君) 国税でございます。
○成瀬幡治君 登録税の方は……。
○説明員(村山達雄君) 登録税については格別の規定はございません。
○成瀬幡治君 だから、これを千分の六か何か、ちょっと税率は記憶ないのですが、そういうものに対して何か特別なことをお考えになる必要があると思うのです。ですから、あなたがおっしゃるように、所得税あるいは法人等は五十万円以下の所得に対してはいろいろの措置があると思いますが、登録税はどんなふうにお考えになっておりますか。全然お考えになっていないわけですか。
○説明員(村山達雄君) 現在規定がないということを申し上げたわけですが、おそらくこの立法の趣旨は、何と中しますか、手数料のようなものとして考えておるので、まだそこまで規定がないというように考えるわけでありますが、おっしゃるようなこともありますので、十分検討して参りたい、かように考えております。
○成瀬幡治君 大臣お見えになったから、お尋ねするわけですが、まああなたの留守中に災害が起きた。しかし、すぐ現地にもお出かけになったようですから、実情は十分御承知だと思います。そこで、今度の臨時国会で当然補正予算をお組みになるわけですが、これに対して額から申しまして災害が大きな役割を占めるわけでございますが、補正予算を提案されることについて全般的な問題としてお尋ねしたいのですが、そうじゃなくて、ここでは一つ災害関係について、どういうふうなことでおやりになるのか、大筋を一つ承わりたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) アメリカから帰りまして、御承知のように、土曜日にさっそく現地をつぶさに視察いたしました。あるいは機上、あるいは自動車で、行けるところは行った、こういうことでございます。 今回の災害につきまして私、アメリカにおります際も詳細にそのつど連絡を受けておりまして、私も山口県の出身でありますし、いわゆる台風常襲地帯と呼ばれるそういう場所の出身でありますし、過去においても幾多大災国に対して協力して、これをその国の経済を伸長さす、そうして経済を活発な活動のできる方向に持っていく、そういう援助を先進国としてはしようじゃないか、こういうようなことで、いわゆる第二世銀の構想まで打ち出しておった。そのアメリカ政府の気持から申しましても、特に今まで特殊な機関を持たない東南アジア借地減等の経済開発にこういうものが使われるなら、非常に有益だ、これが政府自身の考え方であったのであります。もちろん、政府の考え方といたしましても、返すべきものは返す、債務と心得るものは返すが、それから後にその金をこういう方向に使ってほしいという強い希望は述べていいのじゃないか。いわゆる返済の条件というわけでもないが、当然そういう意味のことを希望として述べることは差しつかえないだろう。ことにアメリカが経済政策その他の面から、低開発国に対して援助をやっておる、その立場等を考えてみると、これはこういう希望を述べることはまず時宜を得た併置だろう、かように私ども考えたので、閣議決定をして、その材料を整えて実は出かけたわけであります。 そこで、その考え方について、アンダーソン初めディロンも参加した会議でありますが、これには深い理解を持っていたようであります。ただ、新聞で報じておりますように、一たん一般財源に入りますと、これの支出をする場合に特別立法を必要とする、そういう点は一応自分の方でも研究をしなければならない、こういうことを実は申しております。その点が、特別立法を必要とするというこの点で、あるいはそれは困難である、こういうような話が出て、実はむずかしいのじゃないか、せっかく日本から申し出た要請はだめじゃないか、こういうような憶測記事が新聞に出た、かように私ども考えておりますが、私どもの方の強い要望といいますか、希望については、十分理解をもってアメリカ政府においてもその処置を十分考えてみたい、こういう話をいたしております。ただいま、まだ金を払う方法もきまらないうちから、その使い方の話まで先走った話になっておりますが、私は基礎的な考え方では十分当方の考え方に理解を持ってくれた、こういうふうに受け取って私は帰っている次第であります。問題は、まだ返すという方法、金額等もきまらないうちから、使い道だけの方が先に議論されているというような印象がございますが、基本的には、当方の希望、これについては十分理解してくれたように受け取っております。
○平林剛君 私は、むしろ使い道の方に重要な疑問を感じているのです。これは金額がきまらないから使い道を今から言うのはおかしいという考えもありましょうけれども、むしろそこに今後の不安を感じているのです。今お話によりますと、日米両国の共同目的に沿って使用するということについては理解のある態度を示した、あるいはそういうことについて話し合って、向うも十分理解してくれたようだというような趣旨のお話がありました。それでは、百米両国の共同の目的に沿って使用するということは一体何だということに、疑問を感ずるのであります。たとえば、先ほど私がお尋ねしたように、東南アジア開発資金に、開発に使いたいということの主張の根拠というものは、私に言わせれば薄弱なんです。日本が当然の権利として主張する理由としては薄弱である。アメリカ側がそう言っているから、アメリカの方針もそうだからということであって、日本として当然主張し得るという権利ではない。むしろ、アメリカの事情によってこっちがそうなんだから、こういうふうにしてもらいたいという希望を述べているにすぎない。ところが、それにもかかわらず、日米共同の目的に使用される、そういう希望を述べ、原則的に向うも了承した。これは一体何を意味するのか。 端的に聞きますと、こういう結論に達した中に、軍事的な目的に使用する、全部ではなくてもそういうことに使うことにもアメリカは考慮する。あるいは日本も希望されたかどうかわかりません。そういうものも含まれているのかどうかという点が、私非常に心配をしているのであります。これはなぜかというと、これをよく分析あるいは検討してみますと、こういう観測はあり得ると思う。これから政府はアメリカとの間に安保条約改定の体制をどんどん進めていく。そのときに必要な軍事費の調達ということ、国民の税金としてまかなうということは非常に困難、あるいは相当な反対が予想せられる。そこで、この軍事費の調達をはかるために、ガリオア、イロアの処理の問題をこの機会に話にして、アメリカ側も積極的に言ってきたか、あるいは日本とそういう話があったか、暗黙の間にあったか、これは別であります。しかし、そういうことが考えられて、下事費負担の財源に転嫁をされるのではないだろうか。これはあくまで観測であります。観測であって、私はそうだと言っているのじゃありません。しかし、こういう観測はあり得るのじゃないか、 そこで、私は、日米両国の共同の目的に沿って使用するということは、軍事的な目的に使用するということが含まれているかどうか、あるいはアメリカ側はそんなことも考慮して理解ある態度を示していると思うのですけれども、そういう点はいかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) その点は、御心配は要らないように私は受け取ったのであります。東南アジア経済開発等という言葉、これが一つの日米共同の目的といいますか、そういう意味の一つの事例でありますが、そういう意味に使いたい。これは返すという日本側だけの気持で、これをどこそこへ使ってくれということは、返す以上はそこまでの条件はできるものではない。ただしかし、私どもが希望することは、非南におくれている地域に対してこういうものが有効に使われることは、これ日身がアメリカの第二世銀を提案しているその気持ともぴったり合うことじゃないか、そういう意味で私は強く要望いたしたのでございます。当方から軍事的な使途の話ももちろん出しておりませんし、相手方からもそういう意味の話は一切出ておりません。それだけははっきり申し上げ得ることでございます。 私は、受け取りましたアメリカ側といたしましての立場等も考えてみますと、これがアメリカも使いたいというような場所に投入さるべきである、甘木としてもこれがりっぱに一致する、こういう方向に使ってほしい、こういう意味で、はっきり具体的には東南アジア開発等ということを実は申しているわけでございます。御心配のような点は、はっきり申し上げますが、私どもの会談の際には一切出ておらない。当方からももちろんのこと、利手の米国側からもそういう点の話は一切出ておらない。そのことだけを明確に申しあげておきます。
○平林剛君 佐藤大蔵大臣が、三十四年十月二日、アメリカの財務省で処理問題について交渉するに先立ってアメリカの国防総省のゲーツ国防次官をたずねて、対日軍事援助を削減しないように要望した、こういうふうに伝えられております。私、それを一緒に結びつけてみると、そういう心配があってあらかじめ訪問をされて念を押したのじゃないかということを、結びつけて考えたのです。この間の事情は一体どうか。それから、かりに先般アメリカに行って会談されたときはそういう意向は感ぜられなかったにいたしましても、将来アメリカが使いたいという方向で新たに提案をしてきたときは、一体どうするか。そうなれば、これは先様のことだということで片づけてしまう。本来こういうものを東南アジア開発資金等だということで、含まれるような危険を私感じているだけに、そういう場合、先のことであるから別といえば、これは話は合いませんけれども、そう言われたときはどうするのか。やはりさきに閣議で相談をされたときには、そういうものは使わない、そういう態度であくまでこの問題については、戦争の惨禍のあとの国民の救済の資金でしょう、そういうものに使わないということで、あくまで貫き通していけるかどうか、これを一つお聞かせを願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私、アメリカの国防省をたずねてゲーツ次官に会った。ゲーツ次官に会ったときの問題は、最近の軍事援助、口日本に対する軍事援助━━一口に軍事援助と申しますが、いわゆる無償軍事援助が順次有償に切りかえられるといううわさを、しばしば聞くのであります。そこで、ゲーツ次官に会いまして、有償援助という形が私どもなかなか納得しかねる、従前通りの無償援助を続けてほしいということを申し入れたのであります。いわゆる年事援助を従前通りやれとか増額しろとか、こういう意味の話し合いで参ったわけじゃございません。これはすでに皆さん方のお耳にも入っておることだと思いますが、アメリカの財政状況は最近悪くなっておる。外国に対する無償援助を有償に切りかえられるという政策がとられつつあるということを、しばしば私どもも聞いて参っております。そこで、予算編成の面から見まして、無償援助のものが有償援助に切りかえられる、こういうことだと、私どもの防衛関係の計画にもそごを来たす、こういう心配がございますので、短期間のうちに在来からとられておる無償援助のものを有償援助のものに切りかえることはやめて下さいという話を、実はしてきたのであります。この点は、ガリオア、エロアとは全然別の問題でございます。 また、将来このガリオア、エロアを、返した金をどこへ使われるかという話が出たらどうするのかというお話がございますが、それは今平林さん御自身が言っておられますように、それはそのときに私どもが態度を決定する事柄でありまして、ただいまから議論する筋のものではないように実は思っております。
○平林剛君 将来、これはわれわれの気持あるいは態度に反して政府とアメリカとの間が一つの結論に達したとする。しかも、その返済の使途の目的についても合意に達して、これがアメリカの極東政策の一部として軍事費としてならば使用する、かつ政府はこれに応じたとする。安保体制を進めておられる政府としては、当然とびつくかもしれない。そうなった場合、私は、これはいろいろの国際的な影響が出てくるのじゃないかということを心配します。アメリカは、いかに因ったからといって、金持ちが少し財布に銭が足らなかったという程度のことで、これは今さら、金額は七千億あるにしても、返してくれという意図は、それをもってアメリカの財政を豊かにするという意図を持つほどけちな国ではない。こう考えると、それもあり得ることです。しかも、岸内閣もこれに応ずる可能性があり得ることだと私は心配する。そうすると、国際的な影響もいるいろあるのじゃないか。 たとえば、中国なども、これを見れば必ずこうながめます。政府は安保体制を進めていく、そうして軍事費の調達に苦慮するあまり、ガリオア、エロアの古い話を持ち出して、その返済の使途をめぐっていろいろな日米共同態勢ということから、軍事費に充てる。これは初めからの筋書なんで、そうして中国、ソ連を敵視するものであるから、こういうことを受け入れるような政府に対しては中国も敵対的な、あるいは報復的な措置をとらなければいかぬ。そこで賠償、中国の賠償問題をあらためて提起しないとは限らない。こういう想定も成り立つ。そうすると、七千億円に上るガリオア、エロアの返済、かりに西ドイツ方式で返したとしても相当の金額である。そこへもってきて、また新しい国際的な問題を提起されるというようなことになったら、日本国民としてはたまったものじゃない、こういうことにも想定すればなるわけです。 政府としては、こういう問題についてはどの程度お考えになって折衝に臨まれているか、あるいはアメリカに行く際にも、そういうことを考慮されてお話しになったかどうか、この点も伺っておきたいことなんです。
○国務大臣(佐藤榮作君) このガリオア、エロアは、先ほど申し上げますように、戦後の援助物資について日本政府が債務と心得てこの措置をとるということでございますし、従いまして、いわゆる金額が決定されましても、その金額が全額というものではない。また、その使い方等についても、先ほど来申しますように、共通に低開発国の経済の伸張、そういう意味にこの金が使われることが望ましい、こういう意味で強くこの使途等も要望いたしておるわけであります。従いまして、私が考えますのに、これが平和的な方向において使われるという場合においては、これは各国とも必ずやその処置に賛意を表されるものだろうと思います。 今一番の問題は、低開発国が経済的に自立する、こういう事態を招来することが世界の平和確保の唯一の道、こう申しても過言でないように考えられますので、いわゆるIMFにしても、世界銀行にしても、いわゆる国際的機関として各国の経済を向上発展さすという努力を続けております。そういう意味で、アメリカに対しましても、この点をよく話をしてきたということでございますし、おそらく、これだけの問題ならば御指摘になるような危惧はまず起らないじゃないか、かように思います。 ただ問題は、安保条約の話も進んでおる、また日本の防衛態勢も強化するような予算を日本は組むだろう、そういうようなことを考えると、アメリカに対しても、ガリオア、エロアも返すが、その金を日本の軍事的な方に使うのじゃないか、こういうような懸念を持たれるとしたら、それは私どもの共意を十分理解いただけない措置でございます。ことにガリオア、エロアの問題は、昨年私が就任してから、私自身もちろん交渉を持ちました。それ以前に、吉田内閣以来引続いての問題でございます。それだけに、ガリオア、エロアの問題が今日のいわゆる防衛態勢とは別個のものである、これは十分御理解をいただきたい。私は特にその点を強く説明をつけ加える次第でございます。 私は、ガリオア、エロアの問題が非常に長い問題で、しばしばこれが唱えられ、今回の安保条約改定とこれは関連ないということ、また先ほど来申しますように、低開発国の経済を開発さすということが世界の平和確保の意味において非常に重要なポイントであるということで、今、国際的機関すら設けようという今日でございますから、これは私どもが平和愛好者の立場から、さような強い希望を述べることは当然です。そういう意味で、またアメリカ政府も、このわが国の主張に十分の理解を持っておると、かように私は確信をいたしております。
○平林剛君 これが第七の質問であり、最後の質問でありますが、かりにガリオア、エロアの返済措置が進められて、協定に達するというときは、当然、憲法の定められたところによって必要な措置がとられるということは当然だと思いますけれども、財源についてはどういうお考えをもって臨まれているかということが一つ。 もう一つは、今度の交渉に当って、政府の基本的の考えの中に期限を考えているか、あるいはアメリカ側から今度は一つ話を始めたら結論つけてくれという希望の程度なのか。昭和手九年のときほ、意見が合わなくて、そうして今日まで延び延びになって五カ年になっておる。今度も、政府が今希望されておるような大まかな、今平和愛好とかなんとか言われましたが、そういう方向でいくならいいけれども、そうでないというような場合に、かりに私が想像しているような問題に、ふつかったときに、また皆さん苦慮しなければならぬ。こういうことになると、期限についてどういう考えで出発しているかということが問題になろうと思うのであります。これについてはどういう考えでおられるかということを、最後に一つお示し願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) この話を持って参りました後に、実は十五号台風、この被害が非常に甚大でございました。そこで、私、話をいたしました際も、私ども別にじんぜん日をむなしくするとか、あるいは延期するという意味で言うわけじゃない。もう話をする以上できるだけ早い機会に解決というか、結論を出したい、かように思うが、非常に困ったことは十五号台風、これは新聞にも報じているように、数千名の人命も失っておるし、これが商工業の中心都市であるがゆえに、非常に私ども心痛している。そういう際に、このガリオア、エロアの返済を早急の際にするということは、私は政治的に非常に困難のように思う。その点は十分了承しておってもらいたい。私どもも十分誠意をもって交渉には当るが、そういう事態が新しく起きている。これは米国政府としてもよく考えてもらいたい。基本的な数字は、過去においての問題もさることだが、今度われわれが支払うとなると、私どもの納得いくような基礎的な数字をつかみたいから、そういう意味で東京において会議を持つことにしたい。その点は相手方もこれを了承したということでございます。従いまして、期限があるわけではございません。 期限があるわけではございませんが、私どもも支払いの基本的方針を決意してぶつかっております以上、国際的信義に反するようなことは考えたくない。しかし、私が今考え得るような点だけは十分披露して帰ったつもりでございます。また、これがいわゆる西独方式を採用するとなりますと、五年据え置きとかあるいは三十年年賦償還だとかいうことにも相なるのでございますので、今これから交渉を持ちまして来年度予算の編成の上にその確定された債務の利子を計上する要ありやいなやということになりますが、私はまだ相当期間を要するのじゃないかというような感じでただいまおります。従いまして、ただいまのところ、すぐ直ちに財源的措置云々というところまでは考究ができておらないという状況でございます。
○平林剛君 まあ、私最後の質問をやったから、もうこれでお尋ねしませんが、資料について、整えていただきたいということを要望いたします。それは、この間の委員会で木村禧八郎委員から要求されました、今までの歴史的過程の中で、政府が債務と心得るというところまで達した過程がわかるようなものを出してもらいたいと要望してあるのであります。これを至急に提出をしてもらいたい。 それから、もう一つは、アメリカ側が今度のガリオア、エロアについてわが国に提示してきておる数字の細目がいただけたら、それを提出を願いたい。同時に、過去において日本側が提示した具体的な数字があります。これについての根拠を差しつかえなければほしいのであります。これを一つ、今後も私ども強い関心を持っておりますから、資料として御提出を願いたい。 最後に、要望しておきますけれども、これはさっき、日本国民の大多数というものは、これは感情的にも、今さらこんな話を持ってこられちゃ困るという気持が強い。そうして先ほど私が指摘したように、日本側としては常々と主張すべき根拠というものはあるのですから、私はやはり、それをいきなり債務と心得るとか、西ドイツ方式に準じてとかということを軽々に言って、国民大多数に迷惑をかけるようなことをしないでもらいたい。アメリカとの折衝にも、日本国民は相当強い気持を持っておるのだぞということは、絶えず政府は代弁して主張してもらいたい。そうして不利な形でこの処理が終るなんということは、私どもきわめて不本意です。だから、この委員会においても、私はその点を多くの国民を代表して主張しておりますから、政府もそのつもりで、変な結論を出さぬようにがんばってもらいたいということを要望いたしまして、質問を終ります。
○理事(山本米治君) ただいまの平林委員の資料要求につきましては、政府は心得られたものと心得えております。 この際、お諮りいたします。 先般、租税及び金融等に関し、地方の実情調査のため委員派遣を行いましたが、各班からそれぞれその報告書が提出されております。本件につきましては、前例に従い、口頭報告を省略し、これを会議録に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十八分散会 —————・—————