商工委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/07/04
会議録
○委員長(山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。 本日は、経済の自立と発展に関する調査、特に石炭産業に関する件を議題といたします。 まず、内田通商産業政務次官より御就任のごあいさつがございます。これを許します。
○説明員(内田常雄君) ただいま御紹介をいただきました内田常雄でございますが、去る三十日、はからずも通商産業政務次官を仰せつけられまして、当委員会に今後いろいろ御厄介になりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 通産関係の仕事は、まことに不慣れでございますし、ことにどうも私は、攻撃の方は大へんうまいのでございますが、政府側に回って防御の方は、まことに不慣れでございますので、何とぞ一つ、お手やわらかにお願いをいたします。せいぜい休会中を利用して勉強させていただきまして、今度十分、政府と当委員会の御連絡に相努める所存でございます。何分よろしくお願いいたします。
○委員長(山本利壽君) それでは次に、原田通商産業政務次官がお見えになりましたので、御就任のごあいさつを許します。
○説明員(原田憲君) ただいまお許しを得ましたので、一言ごあいさつ申し上げます。 このたび、はからずも通商産業政務次官に任命されました。まことに私といたしましては、浅学非才で、まだ何をやっていいかわからぬというようなところでございます。役所は、国民に対するサービス機関でございますから、私は、できるだけその目的に沿うように働くとともに、行政組織法でございますかには、大臣を助ける役であるということが書いてございますので、池田大臣を助けて仕事をして参る。なにぶんともに、専門家の委員の皆さん方の御協力によって大過なくこの仕事をさしてもらうことが、国家国民のためであると思っておりますので、今後とも、なにぶんよろしくお引き回しのほどをお願い申し上げます。簡単ながらごあいさつといたします。 —————————————
○委員長(山本利壽君) それでは、質疑の通告がございます。順次発言を許します。栗山君。
○栗山良夫君 私は、質問ではないかもしれませんが、一応池田大蔵大臣……いや、今のは取り消し。(笑声)
○国務大臣(池田勇人君) 毎日、どこの委員会でもやられております。
○栗山良夫君 大蔵大臣のほうが適役だったんだ。(笑声) 通産大臣の所信をちょっとお尋ねしておきたいと思います。問題は、非常にじみなことなんで、実は、この前の通常国会で、多分御承知だと思いますが、特許庁の所管になっております特許関係の法案の全面的な改正が行われたわけです。で、この特許関係法の改正法案の審議をするときに、きのうも科学技術庁の長官の中曽根君がだいぶ力説をせられたのですが、科学技術の振興とか、あるいはまた新規技術の開発とか、そういう立場から特許庁の使命というものは、ますます重きを加えておる。にもかかわらず、特許庁そのものの内容は、だんだん後退をしている。で、この相反する傾向をどういう工合に調整をして、時代の要請に沿うような施策をするかということが、いちばん問題になったわけです。問題になったというよりも、まあ私自身も、相当強く力説をいたしました。 そこで、前の大臣である高碕通産大臣、それから行政管理庁の長官山口氏、経済企画庁の長官の世耕氏、科学技術庁の長官は、もちろん高碕氏兼務でしたけれども、それから大蔵大臣、それぞれこれの問題に関係のある所管大臣の御意思というものを順次確かめて参りました。また、人事院の総裁にもおいでを願って、そして確かめました。すべて考え方としては、私どもの意見と一致を見まして要は、予算化の問題があるわけです。従いまして大蔵大臣も、予算化については、明年度実現をするように全力的な努力を払おう、こういう約束になっているわけです。従って、池田大蔵大臣—いや、通産大臣としては、その前国会からの、まあ一種の流れ作業の格好になるわけですが、責任を持って佐藤大蔵大臣とお話をつけていただいて、実現をしていただけるかどうかということなんです。 で、問題の内容は、おそらく省内でも、すでにお話が出たかと思いますが、いろいろありますが、特許四法の法文的な改正も、もちろん必要であったからやったわけでありますが、それはおそらく、今われわれが目途しておる構想の半分ぐらいのものでしょう。あとの半分というものは、やはり特許行政能力の拡充強化ということ、これがなければ、何ら意味がない。そこで、まず最初に、特許庁の特許事務推進のための環境設備の強化であるとか、あるいはまた行政執務に必要な事務機構であるとか、あるいは資料の整備であるとか、こういうまあ主として省内の執務系統に関する問題。 それから第二番目の問題が、ただいま非常におくれておる審査事務ですね、これをどうして急速に改善するか。もうはなはだしいのに至っては、申請を受け付けてから、二年ぐらいほってある。そして結局、最終に、一応の役所として申請者に対して意思表示ができるのが五年ぐらいかかる。そういうようなことでは、この目まぐるしい科学技術界の進歩に適応していかれない。そこで、これをどういう工合にして今滞貨しているものを始末するかということが一つの問題です。 それから第三番目は、そういう仕事をするのは、やはり特許庁の職員の皆さんですから、従って、特許庁の審査官等の数が非常に少い。で、この数を所要の数まで急速に充足しなきゃならぬ。これは定員の問題になります。ところが、かりに定員がきめられたといたしましても、技術官の役所内における待遇が、民間と非常にバランスを失しておりますので、なかなか定員の補充ができない。そういう待遇問題を一体どうするか。そういうことのおおよそ四つぐらいに分れると思います。で、非常に広範な方面に影響を持っておりますので、よほど強い態度で処置していただかないというと実現が困難だと思うんです。それらの全般的の問題について、明年度の予算編成方針も、おそらくもう数カ月後には検討に入られると思いますから、その中で、十二分に実現するように考慮願いたいということであります。特に今度の場合におきまして、特許料が、おおよそ倍額に引き上げられた。今まででも、特許庁の収支を見ますというと、収支がバランスをとって若干黒字になっております。おそらくこういう政府の機関で、現業庁は別ですが、職員の給与まで含めて収支のバランスのとれておるというような役所はない。しかも、バランスがとれておるにもかかわらず、一向に仕事が進まないために、申請者に迷惑をかけておる、科学技術の振興に献貢していない、こういうことになるわけです。従って四億ぐらいの収入が、十億近い収入にはね上っておるわけですから、その差額だけは、何としても特許庁の行政能力拡充のために全額を投入するというくらいの決意がなければ、特許庁のほんとうの使命を果していくゆえんではないし、また、国会でわれわれが、特許料の引き上げに社会党も賛成をいたしました。おそらく、社会党としては、こういうたぐいのものに賛成したことは初めてだと思いますが、本来ならば、特許料の引き上げ等には、全面的に反対しなければならぬ立場ですが、その立場をこえて賛成をいたしました意味は、所管大臣が、誠意を持って特許庁の行政能力拡充のために全面的な協力をするという言質がありましたから、それで、われわれは賛成の立場を明らかにしたのであります。その点の事情をよく一つくんでいただいて、そうして池田大臣のもとで、これは必ず実現するように御努力も願いたいし、また確約を一つお願いしたいと思うわけであります。 さらに、こまかい点は、もう十分わかっておることでありますが、いずれまた、若干時間もありますから、われわれが意見として申し述べなければならない点については、委員会あるいはその他の機会を通じてお話を申し上げたいと思います。しかし、役所の方でも、よくわかっておるわけでありますから、その点は、虚心たんかいに一つ聞きたいと思うわけでありますし、実現さしたい、こう思うわけであります。 そこで、これに対する所信をまず明らかにしていただきたいということと、それから第二番目は、実は高碕大臣も、この前、四法を提出されたときに、全面的な、画期的な改正をやるんだという大写しの説明がありましたから、これはよくわかりますが、あなたは、大体特許庁の中をごらんになったことがありますかと質問したところが、まだ見ておらぬ、聞いただけだというお話ですから、一ぺん、すみからすみまでごらんになってからでなければ、法案の審議に入りませんと言って、すぐ見てもらったわけであります。まあ非常に得るところが多かったという報告がありましたが、池田大臣は、ごらんになったと思っておるのでありますが、今までごらんになったことがあるかどうか。もし、なければ、緊急に一ぺん、中をずっとごらんいただいて、非常にこの方面については、特に新しい所信を表明されておる大臣ですから、よくおわかり願えると思うので、すみからすみまでごらんになって、そうして理解の程度を深めてもらいたい。何か役所の代弁みたいになりましたが、私は、そういう意味ではなくて、この前の法案の審議をいたしまして、ずっと強い主張をした一人として若干の責任を—野党だから感ずる必要はないようなものだけれども、これも国民の一員として感じておりますから、それを強く申し上げたわけであります。
○国務大臣(池田勇人君) お話の点、まことに各事項、もっともなことでございまして栗山さんのお話、衷心より敬意を払っております。 昨日も申し上げましたごとく、経済の拡大発展は、やはり技術の振興に基くところでありまして私は、この科学技術の振興につきましては、全力をあげたいと考えております。役所で事務の引き継ぎを受けましたうちで、この特許庁関係の引き継ぎを聞くときが、一番実は愉快であったわけであります。今まで、こういうことにあまり関心がなかった私として、特許の出願の状況、そうしてまた特許法改正に当りましての委員各位の御熱意のほどを聞きまして、全くうれしく感じたわけでございます。 今、四項にわたって、たとえば施設の改善、事務能率の向上、待遇の改善、りっぱな素質のある人の新規採用、まことにごもっともであります。全力をあげて御期待に沿いたいと思います。 なお特許庁の視察は、就任目が浅いのでありまして、事務の引き継ぎを受けたうれしさをすぐ視察に移していきたいと思っております。どうぞ次の予算のとき、ごらんいただいて、あなたの御意見におこたえ申し上げたいと思います。
○栗山良夫君 そこで、いずれどういう工合になりますかしれませんが、明年度の予算の各省の要求原案というものが、おそらく今着手されておると思いますが、そういうものが一応まとまりましたときには、今までに例がないかもしれませんけれども、特にこれは超党派で関心を持ち、推進しようという心がまえになっておる問題ですから、なるべく早い機会に、この委員会においてその概要を一つ御披露を願って、そうしてわれわれの意見も、さらに予算化の中に、十分織り込めるように機会を与えてもらいたい。これを要望いたします。
○国務大臣(池田勇人君) 人員並びに待遇の改善、また施設の完備等につきまして考えを私は持っております。 予算の要求の場合に、委員会に付議するということは、前例があるかないかわかりませんが、そういうことでなしに、お気持の点は、十分考えていきたいと思います。
○小林英三君 ちょっと栗山君の今の質問に関連しまして、私も、通産大臣に今の特許庁の問題につきまして、一言希望を述べておきます。 栗山君も、多分触れられたと思うのですが、特許の審査官の関係とそれから工業所有権の出願の関係が、非常に食い違っている。大体、今栗山君も多分、私はおそく来ましたから、触れられたと思うのですが、実用新案にいたしましても、意匠登録にいたしましても、あるいは特許にいたしましても、出願は、大体その登録になるのが、あるいは拒否されるのが二年くらい、特許庁長官がここにいらっしゃるが、二年あるいはそれ以上だと思うのですね。はなはだしいのは、三年くらいかかる。そうするというと、その出願した人が、二年なら二年たって、それが登録されるまでに、どんどん、どんどんほかの人に、模倣されるのですね。私は、今池田通産大臣が述べられたように、科学技術の振興、これは日本の今後の発展の上に、非常に大きな関係があると思うのですが、ですからそういう発明、考案をされる人のために、出願を登録するかしないかというけじめを早くつけるということを、やはり特許審査官の人員の関係等も非常にあると思いますから、この点は、御視察になるときに特にお考えを願って、それらの発明、考案者のために、安心してどんどん出願ができるようにお願いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) よくわかりました。
○栗山良夫君 今の大臣のお話の中で、予算の、要求原案について御披露願いたいということの要請についてまあ正面から御答弁いただいたわけですが、私は、無理なことをお願いしているわけではないのです。ですから、要求予算の通産省としての大蔵省と折衝に入られる要求原案のうち、特許庁の部分を当委員会に諮っていただきたいとか、そういう意味ではなくて、特許庁が要求をしようとしている予算の構想でもけっこうです。そのまだ、まとまらない前でもけっこうですけれども、どの程度の規模、どの程度の行政能力の拡充の決意で通産省は前進しようとしているのか、その大よその姿だけは、われわれが事前に承知し得る程度に御披露いただくということは、別に前例がどうこうという問題じゃないと思います。はっきり通産省の予算案というものは、事前に大蔵省とまだ交渉が成立しない前に、われわれに当委員会を通じて提示せられたいということは、おそらく前例がないかと思います。そういうことを申し上げているわけではないので、その点は、あまりかたくならないようにお願いしたいと思います。超党派ですからね、役所へ行って、裏でこそこそわれわれが主張をするということではなくて、こういう問題は、超党派でこの委員会で主張をまとめて、そうして法案を審議した責任のある立法府と行政府とが、十分にその意思を通わせながら、実現に邁進していく、そういうことにしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) よくわかりました。
○小林英三君 今の栗山君のに、もう一つ。 せっかく大蔵大臣をなさった池田通産大臣ですから……。今ここに出ております特許庁長官の井上君が、私がたしか商工政務次官をしているときに、特許庁の総務部長だったと思います。ところが、戦争中には審査官が多くて、そうして特許の出願が少かった。戦後におきましては、逆にその審査官が少くなって、そうして特許の出願が非常に多かった。 そこでその八十何人かの審査官の増員を大蔵省にその当時要求したんです。ところが大蔵省当局は、半分にちょん切っちゃった。そこで井上君が、私のところへ来まして、これは大へんだということで、私はダイヤグラムを作って戦争中には出願が少くて、審査官が多かった、戦後におきましては、日本の復興のために、非常にこの工業所有権の出願が多くて、逆に審査官が少いのだという線図を書きまして、そうして井上君と一緒に、次官のところへ行ってけんかしたことを覚えております、多少の復活はしてくれましたが。しかし、幸いに長く大蔵大臣をやられました池田さんが通産大臣になられましたので、そういう問題については、私は見通しが非常に明るいと思うのですが、その点も、特にお願い申し上げておきたいと思います。 〔委員長退席、理事川上為治君着席〕
○岡三郎君 これは私、少しこう調べてみたいことがあるんで、その資料をお願いしたいのですが、私の方は、財政投融資の問題で、これは大蔵大臣との兼務みたいなものだから、池田さんが一番よくわかっている。事務当局にやらしてもらいたいのですが、これは少しからんでおりますが、財政投融資をされている会社の個々名については、調べればわかるのですが、しかしこれは、当局側の方がよくわかるから、間違いないと思うので、それとともに、財政投融資を受けている会社の、まあ配当ですか、それから財政投融資されている額と、その利率、並びにどのくらいの利息で貸しているのか、それから、それに伴うところの財政投融資を受けている会社の配当、利潤。こういう関係について、資料をできるだけ早く提出してもらいたいと思う。 これはお願いできますか。
○国務大臣(池田勇人君) 財政投融資は、御承知の通り開発銀行あるいは輸出入銀行、あるいは農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫、いろいろございます。そのうち国民金融公庫は、これは岡さんの御質問のうちに入る、農林漁業金融公庫でも、これは塩業組合とかその他には何億という相当多額の分があると思う。どの範囲で調べましょうか。開発銀行並びに輸出入銀行につきましては、大体わかると思います。 ただ問題は、主として大蔵省の所管でございまして、そうして会社の経理、その他信用にかかわることでございまするから、とくと相談して発表し得るものならば、できるだけ早く取り計らってみたいと思います。
○岡三郎君 その点は、一ぺんに膨大なものを出せといっても、なかなかむずかしい点があるけれども、しかし大体、まあ上場株といっても、いろいろとピンからキリまでありますが、大体上場株の中で、私の方はその利潤の、配当を見たい、それからどのくらい、その趨勢ですな、流れ、その会社が、どのくらいのいわゆる財政投融資を受けているのか。御存じのように財政投融資自体というものは、国民の金ですから、それで私は、不当なる配当をするということはいかがかと、一つ考えている立場にあるので、だから、しかし今すぐ、直接にどうということではなくして、十分に検討してみたいという気持を持っているわけです。 従って、まあ出されておる資料が不満足なものならば、なおお願いを申し上げるということにして、まず、できるだけ早い機会に、今いったような要件をそろえた資料をお願いしたいと思うわけなんです。 なお、幾つかあるわけですが、それはまた、一ぺんに早々ということはいえませんので、為替自由化の問題との関連において外貨、為替、こういったものが非常に国民の間においても、関心を持たれてきておると思う。それで、いわゆる外貨の割当等を通して、なかなか貿易の自由化というものも、そう簡単には参らぬ、日本の経済の骨格をなすものであるということを言っている人もありますが、しかしきのうの経済企画庁長官の話においても、為替貿易の自由化ですね、こういう点については強調されているわけです。ということになれば、その一環としての外貨為替の問題、こういう問題が、相当大きな要因をなしておるというふうに私は考えます。従ってその外貨が、どういうふうに割り当てられて、そうしてそれがどういうふうに消費されているのかという点について、私は将来資料を求めたいと思っています。 つまり極端に言うと、たとえば油なら油の出題を一つ拾ってみても、割当をもらうということだけで、昼寝しててもその会社はもうかってると、こういうばかげたことが、幾ら資本主義の時代においても、私は永久といっては変ですが、長期にわたって許されていいものかどうか、そういうのは、当然国庫に納入すべきなら納入すべきだというふうにも考えている私は一人なんです。不当なる利潤というものを許すということが、現在の経済の一つの大きな混乱の要因にもなっているし、そういうふうな面において外貨の割当、そういったものが、どういうふうに具体的に割り当てられているのか、それをでき得る限り、資料として御提出願いたい。 この二点をお願いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) お話の点わかりましたから、取り調べまして、そうして、また関係各省と相談の上、善処いたしたいと思います。
○岡三郎君 善処したいというのは、相談して工合が悪ければ出さぬということですか。
○国務大臣(池田勇人君) 私の方の所管でございませんので、今お約束はできませんが、私の申し上げ得ることは、個々の会社の経理状況につきまして、国会に出すということが今までの例にあるかないか。多分私は開発銀行—復興金融金庫時代におきましては、ある程度出したのではないかと思います。昔の復興金融金庫……。開発銀行になりましてからは、そういうことがあったかないかわかりませんが、主たる所管は、大蔵大臣でございますから、通産大臣が出しますということをお約束はできないから相談の上と、こういうことでございます。 ただ、ここでお話し申し上げ得ますことは、主として財政投融資の開発銀行の問題でございますが、これは御承知の通り、四重点産業に出しております。一番大きい金額は、電源開発並びに九電力会社、九電力会社は、御承知の通り一割二分の配当を今度は一割にしようとしております。その次は船会社、船会社は御承知の通りほとんど無配でございます。その次は石炭、石炭関係は、御承知の通り一割かあるいは無配でございます。その次の鉄鋼は、これは大体一割二分、まあ中山製鋼のようにあまり融資していないようなものは高率配当でございますが、財政投融資をやっているものは、大がい一割かあるいは一割二分、こうやって参りますと、お話の配当につきまして、投融資をやっているので多額の配当ということはないようでございます、大体のあれといたしまして。 そうしてこの輸出入銀行から出ておる分は、主としてこれは外国への貸しでございまして、こっちはメーカー、輸出業者、これも今の上場会社の中で、そうまあ、機械関係の方で、その人には貸しませんが、その機械製作所の製品を外国が買う分につきましては、これは、今のお話の点にわたらないかと思います。私の見たところ、大体そういうところでございます。 それから外貨の割当の問題、これは、まあAA制のものにつきましては問題ございませんが、FAのものにつきましては、これは事務当局から説明さしてよろしゅうございますが、たとえば綿花の問題、羊毛の問題、お話の石油の問題、こういうものは、今までの基準がございまして、おおむね設備関係、あるいはその設備が古いか新しいかという、いろいろな標準を設けて、個々の会社に割り当てるということに相なっておるのであります。大体のところは、そうでございますが、また直接に、今の事務当局にお話し下さいまして、私に関する限りならば、できるだけの御協力をいたします。
○岡三郎君 大体、大蔵委員会とか決算委員会等で、またお願いすべきものはお願いします。今の点について、綿花とか、それから石油とか、そのほかに砂糖とかバナナとか、いろいろな問題があるわけです。この委員会においても、先般バナナの問題が、ずいぶん議論沸騰して、相当いろいろ要請されたこともあるわけです。 そういうふうなことについて、膨大なことを言っても仕方ありませんから、そういったような所要の点について御説明願えればいいし、それからそれに基いてお教えを願えればけっこうだと思います。一つよろしく頼みたいと思います。
○吉田法晴君 昨日、池田新通産大臣から抱負と申しますか、所信、方針を承わったわけでありますが、その中に、石炭対策というものはございませんでした。新聞その他で拝見するところ——工業新聞で、新大臣の通産政策を語られたところでは、石炭対策をさしあたり、まあ考えないという消極的な態度のようでございます。今まで、新大臣になってから出ましたものでは、炭労に対する回答の中に出ておるかと実は承知をするのでありますが、この炭鉱、特に福岡その他において、放置し得ない状態にありますことは、御承知の通りであります。二十九年当時に比べてこの量と申しますか、数はあるいは少いかもしれません。しかし石炭の危機という問題については、きわめて深刻であり、それから体質的だと考えるのであります。 あるいはお目にとまっておるかどうかしりませんけれども、選挙の中にもおいでになりましたし、多少は、お聞き及びだと思うのでありますが、買い上げ前後の炭鉱で、数カ月何ら賃金その他収入がなく、あるいは生活保護を受けたり、従業員のみならず、家族、子供に至るまで、栄養失調になっておる、仕事に行って職場で倒れるという者も続出しておる炭鉱もあります。それから買い上げを申請をしておるが、買い上げがまだ方向がきまらないために、路頭に迷い、あるいは家族を含めて惨たんたる生活をしておる実態を多少お聞き及びになったかと思います。先般通産省あるいは労働省、企画庁等からも実情を見にいっていただいたようですが、主として、これは労務問題が中心である、こういう労働者の生活を中心にした事態も放置できませんが、この炭鉱をどうするのか、あるいは十万以上減って参りましたし、なお今後ともふえる見込み、ことしも、百万トンの買い上げで、一万以上の失業者が炭鉱からほうり出される、それのみならず、次から次に炭鉱は閉山をして、あるいは買い上げられていく、筑豊全体あるいは粕屋その他問題になっております志免等も含めて、紺屋炭田についても、もう盛期を過ぎて末期に近づいておると思うのですが、そうすると、この深部の総合開発をどうするかという問題になります。あるいは筑豊全体、あるいは石炭全体がどうなるかという点になります。有明海の総合開発等で、あそこに数十億トンにほとんど近いという炭田があるということも言われている。しかし、それに対する開発計画というものは、まだこれは、思想としてはありますけれども、具体化しておらぬ。それから筑豊の、それでは百万をこす人間の生活、これは労務者の生活だけじゃなく、運命はどうなるのか、これについても、あるいは地元産業といったような考えもありますけれども、それも何ら具体化しておらぬ、多少の労務対策云々という点は、相談をせられておりますけれども、それも、まだこれから相談という程度で、そこで石炭対策について、余裕がないわけです、実態を考えますと。そこで、国会閉会直後でございますけれども、大臣その他関係者に寄っていただいて、最小限の方向を一つ出していただきたい。それから、来年度予算に盛り込むべきものについては、間に合うように一つ出していただきたい。 こういう意味で、実は御質問を申し上げるこの委員会を開いていただいたわけなんです。通産大臣の石炭問題についての所信と申しますか、あるいは対策について、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 石炭問題につきましては、就任以来最も心を砕いている問題でございます。過去の経験等にかんがみまして最近、いろいろ施策が講ぜられました。何と申しますか、まあ緊急対策のようなものが、ずっと重なってきております。しかしこれも、まだ全部が実行されたわけではございません。 私は、これ以上な貯炭を、何とかふえないように、そうして秋に向って、これが減っていくようにしよう、こういうので、計画も年四千八百万トンに引き下げると、また金融につきましても、できるだけの措置をいたしておりまするし、また情勢によって、今後も、そういう措置をとりたいと思っておりまする何分にも、従業者三十万近い石炭鉱業でございます。そうしてまた基幹産業である点等から考えて、よほど慎重に根本対策を立てなければならないと、日夜苦慮している状況でございます。私はただいまのところ、この程度のお答えしかできないのでございます。 〔理事川上為治君退席、委員長着席〕 何とか年内には、一つ解決方法を見出したい、こういう気持でございます。
○吉田法晴君 あなたの代になって出されたものは、需給拡大が中心だという、今そういう意味の答弁がございましたが、この炭労に対する不況対策として回答せられましたものが、その代表的なものだと思うのですが、そういう工合に了承してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 大体、それが根本でございます。
○吉田法晴君 この中に、今四千八百万トンに引き下げ云々という話もございましたが、六千九百万トンの四十二年度生産目標が、近い将来価格を引き上げるための方策を含めて、将来の需給計画について再検討を行なっているという程度で、今の答弁でも、実は回答はいっておらぬわけですが、それはそうとしてその次に答えられておりますのは、炭価の引き下げによる経済性の回復、それから離職者に対して再就業のあっせんを行うほか、公共事業、失業対策に優先的に吸収する、こういう回答がなされておりますが、需給問題についても、これは論議をすると、なかなか時間を要しましょうが、従来言われておりますのは、石炭の需要が減ってきた大きな原因は、豊水と、それから競合燃料の進出と申しますか、特に油、それでこの重油の規制、炭主油従といったような点も問題になっておりますが、そこで、従来も言われておりますことは、ガス、あるいは石炭をガス化して燃料、動力として使う、あるいは電力に転換して送るべきだ、全体としては消費地においてメリット当りの単価が石油に劣っておるけれども、あるいは九州、北海道、常磐等においては対抗し得る状態にある、従ってガスにしあるいは電力にして送るべきだという議論等なされておるのでありますが、これらの点については議論だけで方針は出ておらぬのでありますが、これらの点についてはいかようにお考えになっておられますか。
○国務大臣(池田勇人君) 今の石炭の流動化の問題は最近相当議論になっております。また実際問題として常磐炭でガスを作って東京へ送る、というふうなことで具体的な話も出たと聞いておりまするが、今石炭の流動化ということが具体的にどうなっておるかという御質問だと、今検討中でなかなか具体化しません。たとえば流動化して電気にいたしますにいたしましても、四十万ボルトの送電ができるということになれば、これは非常によくなる。それでは四十万ボルトが今すぐできるかというと、なかなかそういうようにいかぬようでございます。ただ、今問題の流動化より先に、たとえば東京とかあるいは名古屋方面では重油に対抗できない、相当高い、それから現地の方では安いということになると、ある程度販売機構でそれをプールできないかというふうな検討もしておるようでございます。しかし今の流動化の問題は、私は将来の問題として石炭の需給関係を調節する上においてぜひとも考えなければならぬ問題で、またできればこれを実現さしたい、こういう気持で通産省は進んでおるのであります。
○吉田法晴君 まあ時間が……、最近云々というとですから一緒に御答弁いただきたいのですが、従来この石炭対策その他を推進してこられました石炭局長その他で、今の点について販売機構の点もございます、それからガス化あるいは電力に転換して送る云々という点についてはまだ研究中ということでありまするが、方向だけは出ておるのです。方向だけは出ておるのだけれども、研究々々と言っておられるが、その研究に日を暮らして、石炭あるいは炭鉱労働者の窮状を見過ごすわけにはいかぬ実情だと思うのでございます。そこでまあ具体的な失業対策云々という点もありますけれども、もう少し具体的にプログラムを持っておやりになるべきだと思うのですが、その点については今までやってこられた責任者としてどういう工合にお考えになっておるか伺いたい。
○説明員(樋詰誠明君) 今のまず流動化の問題でございますが、その中で特にガスの関係は、これは御承知のように鉄鋼がだんだん増産されるということになりますと、それに伴いましてコークスが必然的に生産される。ところがコークスの需要そのものが鉄鋼の伸びに比例するほど果して伸びるかどうかということは相当問題があります。現在すでにガスあるいはコークスというところの専業者あたりから出ますコークスの需給等にも若干緩和の状況があって、将来はできるだけコークスは作らないで都市ガスを供給するという方向に向うのが石炭、コークス引っくるめての一番いい道じゃないか、大体それは方向として一応はっきりそう打ち出さざるを得ないのじゃないだろうか、そう考えております。 で石炭を固体のままで送るか、あるいはそれとも電気あるいはガスという、ほかの流体エネルギーの形に転化して送るかという転化の問題は、鉄道あるいはトラックという現在の格好で送るのに比べて、パイプあるいは電線に乗せて送るということの方が安いということがはっきりして、初めて意味があるわけでございます。ところがたとえば常磐から東京までガスを引っ張ってくるという場合を考えましても、このガスをメイン・パイプ一本で引っ張るか、あるいはやはり公益事業でございますので、万一の場合を考えて若干やはり副のパイプを敷設して使わなければならないかといったような、いろいろな条件があるのでありますが、それらの点を考えてみますと、最も経費を安くあげようという場合には、一応の現在のわれわれの試算でも、現在の鉄道料金で固体で運ぶよりは安くなり得るのじゃないかということが出ておりますが、しかしそのためにはこれは償却年限といったようなものも相当思い切って延ばすというようなことも必要になりますし、また施設そのものも大体これで大丈夫だという見きわめをつけて、重複施設を避けるといったような点の検討等も必要でございますので、少くとも近距離を送るというようなことについては、これはもう当然やらなければならないことだと、こう思っておりますが、一定の距離以上をガス化して送るというようなことにつきましては、技術的にもう少し検討していただきたいと、しかしわれわれといたしましては、これは今後の石炭政策の中の非常に大きな柱として、ぜひこういう流体化でできるだけ安く送るということは取り上げていただきたいと、こう思っておりまして、実はまだ今後の通産新政策というものも目下各局ともに検討中でございまして、大臣まで御決裁をいただくという段階までいっておりませんが、われわれといたしましては、できるだけ早い機会に、少くとも三十五年度の予算原案を作成するというまでには、これらの大体の方向も打ち出さなければならないのでございますので、今後これをどういうふうなテンポで進めるかといったようなことにつきましては、一つ具体的に政策の中に織り込んでいただきたいというふうに、実は原局としてはそういうふうな考えを持っております。 それから電気にして送るという問題、これもただいま大臣からお話のございました、現在研究されております四十万ボルトといったような超高圧で送るというようなことになれば、これは非常に輸送費が安くて済むという計算になっておりますが、それが果していつからできるかという問題等もございますのと、それから電気、ガス両方を通じましてやはり一番大切なのは、それらの炭そのものが一体幾らの値段で供給されるかということ自体に一番問題があるわけでございます。たまたま現在は低品位炭の用途が非常に限られておりますために、低品位炭の価格が一般炭に比べて非常に安いといったようなことから、非常に割安という格好になっております。これを今後の石炭全体の価格構成をどうするかという中で、比較的低位に落ちつけるということがございますれば、最近の非常な低品位火力をたくボイラーの技術的な進歩という点に著しい点があるというようなことも考え合せまして、今後は相当経済的な燃料として、しかも相当遠くまで送れるエネルギーとして活用できるのではないかと思っておりますので、これらの点につきましては、必らずことしから、あるいは来年からこれでやるのだということにつきましては、もう少し技術的な検討がございますので、私はここで、この場で、やります、ぜひやらしていただきたいということまでは申し上げかねますが、できるだけ早く結論が出るように、一つ試験研究所あたりでも検討していただきたい、そういうふうに考えております。
○吉田法晴君 私は、細かいことに入り過ぎましたが、ついでですから、もうちょっと明らかにしたいと思うのですが、たとえばガスで送るという点について、近距離云々は早急に着手したいというお話ですが、それからコークスを作ることと関連して、ガス化の道というのはそうあまり大きくない云々というお話でありますが、もちろん一般炭が余っており、特に一般炭の中にも微粉炭が中心になって滞貨をして、需要が少いということを承知の上で御質問申し上げておりますが、ところが現にこれはいろいろ議論がなされておるが、北炭等ですでに一般炭の粉炭をガスにして、釧路ガスというのですか、送っているという実績もある。事実に ついては、その方向は、これは調査をすればわかることですけれども、方向は出ておる。そうすると、そういう一般炭の特に滞貨の中心をなしておる粉炭以下のものをガス化することができるという道が、現に日本においても開かれておるならば、そういう方向でガス化を進める。あとは方針だけ、方針がきまって、そうしてその資本の投下をどういう形でやるか、これは財政投融資によるか、あるいは公共的な投資によるか、その形はあとで考えればいいと思うのですが、実際には方向は出ているんじゃなかろうか。こういうことを考えますだけに、それを方針として取り上げるのは、通産省の当然の石炭対策の一部じゃなかろうか、こういうことを申し上げておるわけです。
○説明員(樋詰誠明君) 私の先ほどの説明が、あるいは非常にまずかったために、私の言わんとすることを逆におとりになったかもわかりませんが、私先ほど申し上げましたのは、今までのやり方だと、どうしてもコークスが出てくる。コークスはこれからむしろ余りぎみなので、できるだけコークスを作らんでガスが出るという方向に持っていくべきじゃないか。そのためには、今、先生のおっしゃった、一般炭を完全にガス化して、コークスが出ないで完全にガス化するということが、今後の石炭の一般の需給から見ても望ましいことであるというので、先生の今御指摘になったようなことを私申し上げようと思っておったのでございますが、この点につきましては、今後先生の御指摘の方向と同じように、一般炭を使う方向としては、完全ガス化をぜひ進めなければならないということははっきりしている、こういうふうに考えております。ただ、どういう方法でやるかということになりますと、御承知のようにドイツのルルギ方式というものが、ドイツあるいは西独、南アフリカ連邦等で実施に入っている、こういうふうにいわれておりますが、それと並行いたしまして、現在通産省の川口にございます資源技術試験所、昔の燃料研究所でございますが、そこにおきましても、日本的なルルギのようなものをいろいろ考慮いたしまして、日本的な一般炭の完全ガス化といったような検討もやっておりますので、どういう方向にどの方式を採用して、どういう事業主体でやるかということについては、もう少し検討の時間をいただきたいということを申し上げたわけでございます。
○吉田法晴君 それは川口でやっておられることも承知をしておりますが、その試験所長さんの意見等も聞いて、北海道の事例もあり、ルルギ方式でなくてもやれる方法がとれてきた、こういうお話ですから、そこで一般炭、特に粉炭以下のものについて、これは微粉のようですが、そういうものでやる方法が実際に工業化されてきたのなら、試験の結果もあわせて一般炭をガス化するという方向は、通産省の石炭政策の一環として今後とれるではないか、そういう点をはっきりしてそれを可能にする具体的な方法を推進する政策を打ち立てられなければならぬということを申し上げておるわけであります。 それから、電力にいたしましても、低品位炭による火力発電というものが現実に問題になってきた、実践されつつある、あるいは、たとえば若松の脇田で、筑豊の低品位炭で発電をしようという計画もあるようです。そうすると、それが何百万トンになるか、現状で何百万トンが平水の場合に余るようになるかということは、これはなかなかむずかしい問題だと思うのですけれども、発電は発電で別に考える、それから、石炭は石炭で別に考える、こういうことじゃなくて、低品位炭で発電をするというのを燃料政策の中に織り込んで、そうして若松の脇田その他について計画的に今後の発電計画の中に入れていくべき段階ではなかろうか、こう考えますだけに、研究、研究というのじゃなくてこれからの石炭対策の中に具体的に入れ、そうしてそれを可能にする道をはっきり出してもらいたい。あるいは電力会社等の発電計画だけでなしに、あるいは自家発電ということも考えられぬわけではありませんと、ドイツ、フランスでもそうですが、あるいはガスが中心になったり電力が中心になったりしておりますけれども、産地の近くにおいてガスにし、あるいは電力にしておる、これを強力に推進するという方針はもうとっていいのじゃないか、それをこれからの石炭対策の中に入れて来年度から、どこから着手するのか、あるいは財政投融資の方向でいくのか、それとも公団なり何なり、あるいは新しいガス会社を作るか、その点も検討をして、財政的の裏付けもするというところまでことしの予算編成期までには出さるべきではないか、こう考えるので申し上げておるわけであります。重ねてお答え願いたい。
○説明員(樋詰誠明君) 御承知のように現在の低品位炭は、常磐と宇部は七万キロと七万五千キロがございますが、そのほかに現在の計画で早きはことしの夏までに新宇部の七万五千キロの第二号機というものが動き出します。それからさらに常磐の二号—七万五千キロのものが、三十六年の一月には稼動に入るはずでございますし、さらに今お話のございました電発の脇田の発電所、十五万キロのものが三十七年十二月にはできるということで、すでに方針は決定いたしております。それからこれは約四千五百カロリーでございますので、現在使っておりますものから比べると低品位炭でございますが、それ以外に前に申しました五社に比べると若干高い四千五百カロリーでございますが、九州の新小倉で十五万六千キロを出そうということでやっております。これらはすでにはっきりした問題でございますし、このほかにわれわれといたしましては、特に筑豊あたりで非常にたくさん出てくる微粉というようなものを活用して、できるならばそこで微粉炭として回収できる限りのものは、やはりこれは一カ所に集めて、低品位の火力を作り、そうして遠近を問わず電力の形で供給すべきじゃないかということで、大体方向としてはその方向で進めております。先ほどからのお話でございますが、今度の通産の新政策の中の、特に石炭政策の中心というものの中には、ぜひこういう低品位火力というものを今後計画的に増強するという方向を確立していただきたいということで、われわれとしてはそういう方向で原局の案を提出したいと考えております。
○吉田法晴君 電力の問題について、常盤、宇部、脇田あるいは新小倉について従来の電力の公益事業関係での計画というものは、この間も言われましたが、それだけにとどまるのですか。これは高碕通産大臣の時代には、石炭の完全ガス化あるいは低品位炭による火力発電、あるいは炭田ガスの利用、その他石炭の燃焼技術などの研究指導、企業化を業界とともに進めるという計画があったようです。それを新大臣、あるいは新しい石炭政策の中に織り込むということであれば、従来考えられておったガス化あるいは火力発電にしても、従来の計画以上に、自家発電なりあるいは新しい形態による発電か何か知りませんけれども、そういうものがなければ、十分の需要といいますか、あるいは消化といいますか、その拡大は望みにくいのではないか。あるいは少くともドイツやフランスのような程度までいくということはなかなか困難じゃないかと思います。それだけにどの程度の石炭を消費するためにガスが何百万トン—それは近距離から着手されるでしょう。あるいは九州でいうと筑豊から関西ですか、あるいはまず北九州ということになるかもしれない。あるいは常磐から東京ということになるかもしれませんけれども、計画としてはもうすでにこういう全国一本化を目ざしてそして第一次計画としてはこの程度にいくのだ。少くもそういう全体的な計画がなければ、来年からガス化、あるいは電力にしても、脇田からあるいは東小倉から出発する云々という点が計画的に前進をしないと思うのです。そして推進の財政的の裏づけ等も一応方向としては出されなければならないと思います。そういう全体のガス化にしましても、あるいは電力への転換にしても、そういう方針を含めて、その第一次着手として三十五年度にどういうことをするという出発ができるかどうか、その点をお尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(樋詰誠明君) これは今計数的にいろいろ整理している最中でございます。われわれとしては、ぜひこういうような格好でやりたいという一つの方向といたしましてお聞き願いたいのでございますが、たとえば筑豊の数百の山というものから今遠賀川に放流しております沈澱微粉といったようなもの、これらあたりも、しょっちゅう炭鉱会社としましては沈澱微粉の入った沈澱汚水を川に流すことによって毎年毎年相当巨額な賠償金を払わざるを得ないというような格好になっております。そこでこれらをむしろ一カ所にパイプなりあるいは開渠なりで集めるということによって集中的に回収して、そうして、最近非常にやかましくなっております川の水もよごさないということにし、かねてそこで回収した沈澱微粉をもって低品位炭発電をするといったような方向、これは今後の遠賀川周辺の新しい行き方の非常に重要な一翼をになうことになるのじゃないかというようなことで、たとえば今申し上げましたような計画につきまして、どれだけの沈澱微粉が確実に回収されるか、それによって何万キロの発電ができるかというようなことについてのいろいろデータを整理中なんでございます。これはガス化にいたしましてもあるいは電力化にいたしましても、結局、要はその低品位炭が一体ほんとうに安い値段で供給されるかどうかということで、せっかく低品位炭を活用したけれども、高品位炭をたく以上に非常に高い電気ができたとか、あるいは普通の方法でやる以上にガス代金が高くなるということでは、これは国民経済に供給するエネルギーとし、あるいは産業に供給するエネルギー源として、やはり経済性がなければ十二分に今後伸びるということはできませんので、どういう格好で安い価格で安定した一定量を供給できるかといったような方法をまずはっきり確立すべきじゃないか。われわれとしましては、さっきから何回も申し上げておりますが、この遠賀川をきれいにしながら、そこで沈澱微粉を回収して発電する、できれば工業用水にでもして、北九州の工業用水の不足を補うといったような、一貫、一連の総合的な政策というものを三十五年ぐらいから何とか打ち出したいという格好で、できるだけこの予算の編成等に間に合うという格好で、この計数の整理をしたいということで、せっかく努力しておる最中でございます。
○吉田法晴君 この遠賀川の汚水の浄化と関連をして、沈澱微粉を回収し、その低品位炭を火力等に利用したいというお話であります。なお、その中で低品位炭が安く供給されることが問題だけれども、そういきますかどうかというお話でありますが、それは常磐火力の場合に、初め安く納入されておった微粉が、低品位炭がだんだん上ってきたということも知っております。遠賀川の汚水の回収と申しますか、これはもちろん一社ではできぬでしょう。それから値段の点からいっても、そういう従来の弊害を矯正する意味からいっても、私は、これは新しくそれを公社にするのかどうか知りませんけれども、公共的な形にならなければならぬと思う。それから資金にしてもそうだと思うのですが、その点はおそらくそういう構想だろうと思うのですが、この点は大臣一つよく聞いておいていただきたいと思います。あるいは炭鉱の斜陽と申しますか、斜陽というよりもむしろ日暮れに近くなっておるわけですが、その今後の再建のために、一つ例を、遠賀川の汚水の中から沈澱微粉を回収するという方法があげられましたけれども、その中にも出ておりますように、やっぱり公共的な形でなければならぬ。あるいは投資にしても公共投資でなければなるまいと思うのでありますが、それらの点は御留意の上、ぜひ三十五年に間に合うように、三十五年から出発できるようにしたいという従来の石炭局その他の案は、一つ実現の取扱いになりますように御努力をいただきたいと思うのでありますが、そういう御努力お約束ができましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 今石炭局長が申しておりますごとく、洗炭の場合の粉炭のまじっておる汚水をどういうふうにして集めるか、それが採算に合うか合わぬか、これが第一の問題でございます。また、合わなくても、その程度がどうかということから出発しなければならぬと思います。せっかく原局で研究しておることでございますので、私も熱意をもってその研究の結果を待ち、そうして御期待に沿い得るように、なるべく早い機会に実現いたしたい、こういう気持でおります。
○吉田法晴君 三千五百程度の低品位炭ですでに発電しておるところは幾らもあります。それからその遠賀川の汚水の回収も大体その程度のものであろうと思うのですが、実際のやはりガス化にしてもそうです。コークスを伴わないで、一般炭で、しかも北海道でやっておるのは洗炭——これこそ川に放流をしている、洗炭用水路の中から回収をした微粉でガス化をして、それを釧路の町に現に送っている。ですからもうある程度研究の時期というものは過ぎておる。利用できるかどうか、あるいは採算がとれるかどうかということは、あるいは技術的な方式もある程度片づいておる問題ですから、そこであとは政策としてこれを推進するかどうかということにかかっているのですから、それは前からいわれてきたことではあるけれども、今までは言うだけで、方針として言うだけで実現をしていない。あるいは実現第一歩を踏み出しておらぬ。それだけに一つ新大臣、それこそ党内でも実力者ですから、閣内でも実力者であることは間違いないのですから、ぜひ一つ第一歩を踏み出していただくように、来年度から踏み出していただくように御決意をいただき、御推進をいただきたいということをお願いをしておるわけです。いかがでしよう。
○国務大臣(池田勇人君) 言うだけでできない今の状態が、できるようになるかならぬかは、やっぱり研究してみなければならぬ。できないところをでかすというわけにはいきません。しかし、その事柄がいいことでございますから、ある程度のそれはネックはありましても、越え得るネックならば越えていく覚悟はいたしております。しかしどこでできたからといっても、やはり集まる粉炭の量、集めるための経費等々、いろいろ検討いたしまして、沿い得ることなら、いいことでございますから、なるべく実現するように努力していきたいと思います。
○吉田法晴君 もう一つそういう点で、石炭化学ということがいわれておるのですが、これは筑豊等だんだん減ってきます炭鉱、あるいは石炭がなくなってくる炭鉱地帯で、政府が今まで言っていたように、あるいはよそに持っていく、あるいは福岡でも、今まで言っていたようによそに持っていくということならば別問題、しかし、やっぱり百万近い人間はそこでやっぱり生活させなければならぬ。あるいはいろいろ失業対策が立てられておりますけれども、今あげられておるような失業対策は、何十万の人間が生活を得るためにはこれは最善の道ではありません。従って地元で、炭鉱のあった近くで、あるいは炭鉱の付近で工業を興し、あるいは仕事を興し得るというために、せっかく論議をしてなしているのです。そうするとガス、あるいは石炭にかわるといっても、その地元でこれはやらなければならぬと私ども考えているわけですが、化学についても同様のことがいえると思う。ところがその石炭化学云々ということになりますと、これは発電の場合もそうですが、水という問題が問題になってきます。北九州の工業用水、これは飲料水も若干ございますが、北九州の工業用水の不足ということが大きなネックになっておることはまあ御承知の通り。あるいは筑豊地帯でダムを、八木山ダムというものはもうきまっておるのですが、これは小さい。それから田川で中願寺ダムという構想がありますが、これもまだ大蔵省で賛成をするところまでいっておらぬ。ぜひこれは仕事をさしあたりやる意味においても、それから水の問題を一部にしろ解決するためにも、ぜひやらなければならぬ。去年田川で耕作用の水と、灌漑用水と、それから飲料用水で奪い合いをして大問題になったのですが、現状の解決のためにも必要ですが、今後の筑豊から北九州にかけての産業のネックを解決するという上においても取り上げなければならない問題。それからさらにもっと大きく福岡から北九州にかけて水の問題を解決する一つの方策として、筑後川の水を北九州、福岡に持ってこなければならぬというような議論がすでになされている。しかしこれも議論だけで、調査費がついているわけではありません。そこで私はこれらの点についてもう議論の段階を過ぎたと思っておるのですが、すみやかに着手せられるように、調査費等を来年度からも計上されるべきだと思うのですが、これは直接の担当ではありませんけれども、あるいは北九州、あるいは筑豊地帯についての今後の産業発展、あるいは根本的には失業問題といいますか、政治の問題を解決する大きなネックとして水の解決というものは緊急を要します。あなたの所管の部分もあるわけでありますが、関係者もおいでになっておりますが、政府としてこの問題を取り上げて、来年からでも調査に着手する、あるいは中願寺ダム等については実現に努力すると、こういう言明がいただけますかどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 北九州の将来の発展、また現状でも少し足らぬ程度でございまするから、今の水の問題は早急に解決せなきゃならぬ問題だと私は前から考えておるのであります。何年度でどれだけの調査費をとるということはお約束はできませんが、あなたと同じような考えで進んでいきたいと思います。
○吉田法晴君 大臣からせっかく努力をしたいというあれですが、企業局長御出席をいただいておるようでありますが、補足答弁をお願いいたします。
○説明員(松尾金蔵君) ただいまお話のございました八木山ダムの方は、すでに本年度から御承知のように調査費も計上されて着手をいたしておるわけであります。さらに、今御指摘のございました田川のダム、これは私まだ十分具体的な内容をつまびらかにしておりませんが、さらに筑後川から水を引くという計画は、まだ現在までのところでは、単なる計画という段階にとどまっておるようであります。相当大きなダム、さらにダム・アップのほかにポンプ・アップしなければ、筑後川から北九州には運べないのではないだろうかということになりますと、大ざっぱに考えましても、相当高い工業用水になり、果してそういう水を使い切れるかというような技術的にも難問が含まれておるように聞いております。そういう点も早急に調査なり検討をいたしまして、今後の問題として、—北九州に水が足りないことは、これはもうみんな心配をしておる点でございますので、今後早急に検討したいと思います。
○吉田法晴君 八木山ダムはきまっておるのですが、中願寺ダムの点はいかがでしょうか。
○説明員(松尾金蔵君) 私、実は中願寺ダムのことをつまびらかに承知しておらないのでございますが、これは山国川の系統になるのでございましょうが、実は私その内容を全然了解しておりませんので、早急に私また勉強いたしまして……。
○吉田法晴君 あとでちょっと触れたいと思うのですが、時間がありませんからあれですが、地元で仕事を興すという意味で、地元からも八木山ダムを国の直轄に切りかえて早期着工すること等、いろいろ要望が出ておりますが、その中には出ておりませんけれども、一般買い上げ炭鉱なり、あるいは失業者のたくさん出ておる田川郡市の対策の一つ、そして、かねてから要望のありました水源の一つとして中願書ダムを私どもは考えておるわけであります。そういう水の問題の解決と、それから田川郡市における救難対策の一つとして、中願寺ダムを取り上げらるべきだと考えておる。御検討をいただきたい。 それから筑後川の水の問題も、これは福岡市もすでに調査に着手をしておる。そうすると、福岡市とそれから北九州で共同に使う方法はないかということを考えますれば、少くとも来年度から調査に着手すべき段階ではあると思うのです。それをどこから取るか、英彦山の山をトンネルで通すとか何とかという方法が高くつけば、あるいは福岡との共用を考えれば、もっと下の方で、あれは朝倉郡から越してできます。もう少し低いところで考える。これは、考えは今すぐきめなくてもいいのだけれども、少くとも福岡市等が調査に着手しておる現状から考えると、北九州の産業の発達のためにぜひ水を根本的に解決しなければならぬとすれば、来年度からは調査に着手すべきだと思うのです。その調査に着手する点はどうですか。
○説明員(松尾金蔵君) 御指摘のように、北九州に今後水源を求めるとすれば筑後川に多く期待するほかはないということの事情があることは私どもよく承知しております。ただ、先どほ申しましたような非常にむずかしい問題を含んでおりますので、至急に検討をしなければならないのでありますが、今お話の調査費を来年度に計上するということになりますと、御承知のように、これは建設省の公共事業費の調査費ということにもなりますので、建設省ともよく今後相談いたしまして、検討あるいは調査の段階を至急に進めて参りたいと存じます。
○吉田法晴君 今後の盛期を過ぎた炭田地帯の開発は、これはいわゆる深部開発として、今までの企業ではなかなか困難で、従って財政投融資も必要ですが、錯綜している鉱区を整理統合するということも必要で、従って鉱区の整理統合あるいは公共投資ということも必要になって参ると思うのです。今後の深部開発について、そういう新しい構想を考える御意図がないのかどうか、承わりたい。
○説明員(樋詰誠明君) 筑豊の深部を開発します際には、御指摘の通り現在の錯綜した鉱区をそのままにした開発ということはとうてい引き合わないという格好で、捨てられざるを得ないということになると思います。従いまして、今後筑豊の現在掘っておりますところよりも深いといった鉱区の開発につきましては、それは何らかの意味において鉱区調整というようなことをいたしまして、最も合理的な大規模な縦坑でも掘るというような格好で、総合的な見地から開発をするということをせざるを得ない、こういうふうに考えております。ただ御承知のように、非常にあそこの炭層状況等から見まして、さらにもう少し技術的な検討というようなものも加えなければならないといったような余地も残っておりますが、方針としては、今御指摘のように一社だけで、ばらばらではとても開発できないというような格好になっているような現状でありますので、深部を開発するとすれば、総合的な見地で新しい機関にしますか、あるいはそれとも、各社の共同出資にするか、あるいはどういう格好にするかということは別といたしまして、総合的に開発ができるという格好で深部開発をするという方向に進まざるを得ないというふうに考えております。
○吉田法晴君 たとえば、最初にも申し上げました筑豊あるいは粕屋にいたしましても、その最盛期を過ぎて、だんだんやめる炭鉱が出てくる、あるいは縮小する炭鉱が出てくる、そうするとその人間—そこに働いておりました労働者をどうするか、ここで失業対策ということが考えられておるのですが、しかし日雇いを使ったところがほんとうに一人前の仕事じゃないわけですね、仕事ではない。それから、あるいは遠賀川の改修を繰り上げて、あるいは道路を作って、いろいろな案が出ておりますし、それから坑内復旧等も繰り上げようというお話ですけれども、それだけでは今後何十万あるいは百万を越す人の生活を保障するという道ではない。そうするとそこで産業を興すということも考えなければならぬし、それから九州でいいますと、有明海の総合開発、あの下に数十億トンの石炭がある。石炭を掘るだけでなくて関連産業を考えますと、大牟田市くらいのものが二つや三つはできる。その有明海の総合開発といいますか、構想はあるけれども、どこで締め切るかという案もまだ確定していない。で、このいわゆる出てきた失業者をどうするという対策でなくて、今後心配をしております何万、何十万あるいは何百万という人の生活を考えて、総合対策を立てて、その生活を保障する、あるいは筑豊で保障する分もあるだろうし、あるいは有明海その他で新しい炭田の開発、あるいは産業の計画を進めて、生活を保障する、こういうことにしなければならぬという点は、これは大臣、御賛成がいただけるのではないかと思う。
○国務大臣(池田勇人君) 御説、よくわかります。
○吉田法晴君 そうすると、先ほど来申し上げました、従来言われておったガス、あるいは火力発電、あるいは石炭化学、その他地元での産業を興すという点についての方向を出してもらいたいと思います。 それから、水の問題を含んで、来年度から調査に着手する、これだけはぜひ私はもうやるべき時期だと思うのです。 それから有明海の総合開発といわれます有明海の下の、いわゆる肥筑炭田といわれますこの開発計画についても、私はもうきめて、実際に着手すべき段階だと思う。で、有明海のあれについて言えば、三池が人工島を二つ作って今までの三池からの採炭を容易にしようというのが一つ。それから日鉄のボーリングあるいは試掘しておる今までのやり方、あるいは今後の筑豊なりその他のことを考えますと、有明海全体について総合計画を早く立てて、そうしてその締め切りをやるか、あるいは締め切りをやる前に、干拓をやる前に石炭を掘りたいというような石炭局等の意向のようですけれども、その前に、掘るなら掘るにしても、その開発の形態あるいは投資の仕方等も考えて、私は、少くとも方向だけは早急に出すべきだと思うし、あるいは従来のような干拓の調査費でなしに、総合開発の調査費を来年から私は予算化して実施に移さるべきだと思うのですが、これらの点についていかがですか。
○国務大臣(池田勇人君) 北九州方面の老炭鉱の今後の更生策、その炭鉱自体でできるかできないか、あるいは石炭局長の話しておるように新しい考え方でやっていくかという問題は、これは解決しなければならない問題でございます。それから水の問題も当然のことでございます。そうしてまた石炭全体の問題として、これをガス化とか、あるいは電化するということももちろん必要でございます。そうして有明海の問題も、私はあそこをせきとめて干拓するということよりも、今の日鉄鉱業の持っているこの炭鉱、あるいはその近くの陸地の方の開発が、財界の人からもうかなり計画されておるやに聞いておるのであります。有明海の炭田の開発は、北九州の炭鉱の衰微にかわるものとして考え得ると私は考えておるのであります。お話の点、一体に考える筋合いのものでございます。早急に何とか結論を出したいと思います。
○吉田法晴君 早急に結論を出し、来年から着手をする。あるいは来年といいますか、本年度中に方向を出して、一つ来年度から着手するなら着手する、着工するものは着工する、あるいは調査に着手するものは調査に着手するというくらいに一つ強力に御推進願いたい。実力者の一つ本領を御発揮いただきたいと思います。 先般来労働省あるいは企画庁、それから通産省等、現地に調査においでになりました。現地でも聞かれたと思うし、それから要望書、陳情書も出ております。それから従来、労対連等であげられて参りました方向等もございますが、残念ながら早く終ってくれというお話でございますから、こまかく一々やることはできませんが、この公共事業等の実施について、石炭鉱業離職者対策事業として特に補助率を上げて特別にやってもらいたい。それから、あるいは簡易住宅等の設置を考えてもらいたい。あるいは移動資金の運用を、従来、社宅に住んでおった者だけでなくてそうでない者についても考えてもらいたい、こういう実際に移り得るような移動資金の支給について考えてもらいたい。あるいは国の直轄事業を拡大をして、遠賀川の改修、あるいは三号線、あるいは国有鉄道の着工、それから八木山ダム、三池、山門、曾根の干拓事業の繰り上げ実施、それから鉱害復旧の繰り上げ実施等が要望をされておりますが、特に市町村が財政上の理由のために失業対策事業をやり得ない状態にあることは、これまた御承知の通りでありますが、そこで、その負担能力を越して出ております失業者の現状についてどういうように対策を立てよう、要望通りに、石炭鉱業離職者緊急就労ということでおやりをいただくということになるのかどうか。それから職業紹介あるいは職業訓練所の設置等についてどういう工合に考えておられるのか。自立自営の助成についてどの程度まで現在考えていただいておるのか。恒久対策については、先ほど来、通産省、通産大臣にお尋ねをしたわけでありますが、労働省企画課長、それから企画庁の総合開発局長御出席をいただいておりますし、見られたところ、それから陳情にかんがみて、対策をどのように立てられておりますのか、伺いたい。
○説明員(大堀弘君) お答え申し上げます。石炭の方から出ます離職者対策といたしまして私ども—経済企画庁でございますが、経済企画庁が中心になりまして、通産省、労働省、建設省、運輸省、農林省、大蔵省、各省入りまして、労働対策連絡協議会というのがございますが、そこで地域的に発生する失業対策をやっているわけでございますが、そこで特に最近の北九州の石炭離職者対策を取り上げまして、一月の買い上げの決定のときに、当面の対策は各省協力をいたしまして立てて参ったのでございます。主として考え方の中心は、現地に公共事業費を集中して持っていって、それによって就職機会を作っていこう、たとえて申しますれば、遠賀川の改修工事でございますとか、あるいは鉱害復旧事業の繰り上げ実施、あるいは鉄道工事、道路工事、こういったものを相当田川地域—筑豊中心に事業を持っていきまして、できるだけこの面で吸収をしていこうということで、当面の対策は実施いたしておるわけであります。今後の問題といたしまして実は先般、各省から課長級が現地視察に参りましたし、その後現地の事情も福岡県知事及び現地市長等から詳細に承わっておりまして、ただいま御指摘のような各般の問題がございますることも承知いたしております。しかしながら、問題が非常に広範にわたりますし、また、人に関する問題でございますので、移動と申しましても、なかなか現実の問題としてはむずかしいと思うのでございます。それから、先ほど問題になっておりました公共事業費を相当集中いたしましても……。地方の財政負担から、これ以上しょい切れないという相当基本的な問題もございます。まあ、ここらあたりについては大蔵省、自治庁の、各全国に対する公共事業費の交付の比率といいますか、そういった問題にも関連して参りますので、なかなか結論を出すことは容易でないので、目下検討いたしております。これらの事情を総合的に今、検討はいたしておりますが、なかなかむずかしい問題もございますので、せっかく各省の御協力を得て、できるだけ御期待に沿うようにやって参りたいと考えております。
○説明員(住栄作君) ただいま職業訓練所、職業紹介等のことについてお尋ねがございましたのですが、職業紹介の問題でございますが、まあ現地で—先ほど企画庁の調整局長の方からお話がございましたように、公共事業、失対事業等で就労をはかるとともに、他府県等におきます電源開発事業とか、あるいは災害復旧事業等によりまして相当の労務を必要とする地域もあるわけでございます。そういう地域に対しまして、希望者の方で進んでそういうところに出かけて働きたいという方につきましては、安定所も協力いたしまして、好意的に職業紹介をはかっておるわけでございます。まあ実績からいたしましても、伊豆地方の災害復旧事業等に四百十名程度現に就労しております。その他の県につきましても、目下計画のあるものもございますので、せっかく努力をしていきたいと思っております。 それから職業訓練の問題でございますが、これは石炭離職者の方で訓練を受けたいという希望のある者について、従来優先的に職業訓練所に入っていただきまして、技能を身につけて他に転職していただく、こういう措置をとってきたのでございますが、ただ職業訓練所の入所時期というものは四月と十月というような時期に従来限っておった関係上、必ずしも実情に沿わない点もあるのじゃなかろうかという面もございますので、そういう点につきましてもなお検討して、ほんとうに希望者の方が入られるように至急研究いたして結論を出したい、こういうふうに考えております。
○吉田法晴君 通産省、労働省、企画庁三省出ておるわけでありますが、私は、これはほかの例ですけれども、あの駐留軍から離職をいたします者について、駐留軍離職者対策法という法律があります。見るのですが、仕事についておる中から、たとえばテレビの組み立ての講習をしたり—三カ月か六カ月でテレビの組み立てができるような職業訓練をやっておるわけです。そういうことが駐留軍の離職者に対してはできるけれども、炭鉱から離職する者にどうしてできないか、こういうことを実は考える。これはどうしても駐留軍離職者対策法をこしらえるのに協力してきた者としては考える。それからあるいは自立自営のための助成措置といっても、片方についてはそれはできておる。ですからああいう離職者対策法を炭鉱の今後出ます離職者対策について、職業訓練についても、あるいは職業紹介についても、あるいは自立自営の助成措置についても立法はできぬかどうか、それは民間で使っておったもので云々というお話ですけれども、それは労働省としては同じことです。片っ方は、最近のつぶれる炭鉱のあれを見ていると、ほとんど退職金ももらわないで、あるいは賃金さえも十分もらわないで、とにかくほうり出される、しかも仕事がないから、生活の資も得られずに生活保護を受けあるいは栄養失調になっているという実態を見ると、そこに大きな矛盾を感じます。関係省庁の間で離職者対策法同様の措置が講ぜられるものかどうかという点について、御研究をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○説明員(大堀弘君) 先ほど来申し上げましたように、目下実はひんぱんに各省集まりまして、検討中でございますので、一般的な具体的対策とあわせてただいまの点も研究さしていただきたいと思います。
○吉田法晴君 それでは、まあ強く御検討を要望をして、その内容はとにかく実現に努力いただきたいことを強く要望しておきます。 最後に、池田通産大臣に、これはあなたの何といいますか、積極的な通産政策等からかんがみてお尋ねをいたしておきたいと思うのですが、今後の産業と申しますか、日本の産業発展のためにも、賃金給与倍額論を述べられました、私はこれは保守党の中におられて、大へん卓見だと思うのです。ニュー・ディールではございませんが、すでに同じ保守政治が行われておっても、アメリカその他において実際に行われておった、それすらも日本においては考えられなかった、これを破られるものとして私は傾聴に値いすると思うのですが、石炭に対して、従来石炭が利潤第一に行われました、で、もうかるときにはとんどん掘る、ところが計画的でないし、あるいは非合理的な経営方針もございまして、悪くなるとどんどん首を切っていく。石炭対策としていろいろ出ております意見の中でも、一番安い、とにかく人を減らして生産費を下げようという方針だけが出ているように思うのですが、しかし九州総合即発について調査を依頼せられました九州経済調査協会、九経調と称しております、これはいわば革新的な団体ではございません、九州の経済団体が寄って作ったような調査機関、それに協力されました九大の先生あるいは協会の諸君が調査報告書を出しておりますが、その中に、もう九州の今後の発展は、利潤第一よりもやはり人間を中心にして考えるべきだ、筑豊の実態はまさにそういう段階にきておると思うのです。そういう観点から、従来今までの御質問を申し上げてきた、この仕事がなくなったら筑豊外に行けばいいじゃないか、あるいは国の外へ移住すればいいじゃないか、それも一つの方法ではありますけれども、それでは国民に責任を負うべき政治のあり方では私はなかろうと思う。あるいは国民の、あるいは県下におります県民の生活をそこで保障するために最善の努力をする、というのが私は政治の責任だと思うのですが、なお通産政策の基本の中に、石炭あるいは福岡の石炭という問題だけでなしに、国民の生活を保障する、あるいは国民の危険と苦痛とを軽減するということを、その幸福を……、福祉国家ということを言われますが、福祉国家と言われるならば、幸福を保障するために政治をやるというのが、私は通産政策としてもその基調にならなければならないのではなかろうか。そうすると人を減すということを第一に考えなくてあるいは三交替でやっておりますが、石炭産業に従事する労働者の苦悩を軽減する、幸福を増進するという点が基調になるとすれば、あるいは三交替を四交替制にする、八時間労働を坑内については六時間にするというような、賃金倍増論ではございませんが、思い切った考えがなければこの問題は解決はできないし、あるいはその働いております関係者の幸福を保障するために、そこで仕事を保障する、あるいは産業を振興するというのが、私は先ほど御賛成を得ましたけれども、今後の産業政策通産政策の基礎になるべきではなかろうかと考えるのですが、これらの点について新大臣の抱負をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 国民の福祉を保障するというのではなしに、国民の福祉を向上させるようにしていくのが政治だと思います。その方針でいくならば、昔からその地に安んぜしめる、こういうことでございまして、現地でできるだけやはり幸福増進の政策をとることが必要であると考えるのであります。ことに福岡県のような県は、やはり日本の置かれた地理的状況から申しましても、これは大事なところで、産業の立地条件は大体そろっております。ことに今までが非常に発展し過ぎて今の水とかいろんな問題が起ってきますが、福岡県等はその場所といい、あるいは人的資源といい、今後の発展は私は期待し得る県だと思っておるのであります。お話の点は十分頭に入れて施策を練っていきたいと思います。
○奥むめお君 通産大臣にちょっと伺いたいのでございますが、時間も非常にございません、大へん残念でございますが、ただいま新聞代の大幅値上げの問題で独占禁止法に関連しておりますが、政府は前々国会で独占禁止法の骨抜き法案を政府提出でお出しになった、これが非常な抵抗に会って廃案になったことをわれわれ記憶しているわけでございますが、この独占禁止法違反としてあるいは御承知のように、総発行部数が二千万部といわれるのです、それくらいの大新聞といわれるものが、全部一ぺんの社告で値上げをした、その社告もほとんど型式が同じで、原稿があったと思われるような同じような文句で値上げを、一日予告しただけで四月一日からずっと上げたわけです。これが独占禁止法違反だと、調査を依頼して訴えましたところ取り上げられまして、その後御承知のように新聞協会でいろいろやってなさるのですが、通産大臣は独占禁止法を骨抜きにしないから、あんなところにひっかかるのではないかというお考えでございましょうか、それともどうなんでございましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 独占禁止法の必要性は私は十分知っております。しかしこれも経済の実態に合わしていかなければならぬので、石炭鉱業等独占禁止法をはずした点もあるのです。今新聞の値上げの問題にいたしましても、私うすうすは聞いておりますけれども、どのような格好になっているのか存じ上げませんので、政府の者としてここではっきりお答えすることができません。今お話のように、何か違反ではないかということの調査があるやに聞いておりますが、それ以上のことは存じておりません。
○奥むめお君 ある雑誌によりますと、新聞協会を抜き打ちに調べに行った。ところが非常に資料があがった。合議の材料があがった。そのときに委員長がけしからぬじゃないかというので何した。そうしたところが前もってちゃんと連絡してあるじゃありませんかというふうに書いてあるのですね。そういうふうに前もってあれしたじゃないかと書いてあるほどどこかその筋と連絡があってやっておられることかと思う。私どもから言うと新聞なんというのは金持ちが同じものを十枚も買うわけじゃないのですね。貧乏人も一枚、金持ちも一枚、非常にこれは大衆生活に影響することが大きいのでございますね。それが大幅に六十円ないし七十円の値上げというのは大きいので、これは抗議のしようがなかったわけなのですね。たとえばそば代が五円上るというと新聞がじゃっと書くのですね。ところが新聞代のことになったら新聞の筆陣の圧力で全然書かないのですね、抗議があっても。だから大衆はやめるか泣く泣く取られるよりほかないのにだんだん抗議する層が広くなっているのですね。私はそういうことについて、今現に新聞をもうずいぶんたくさんの読者がとめられているのですよ。われわれは払わないと言わないけれども三百三十円なら払う、三百九十円はまだ公正取引委員会で審決が出てないから出るまで払わないという運動をしているのです。そうすると新聞をどんどん配達をやめるのでございます。配達をやめると十年とっていた人も二十年とっていた人も配達をとめられて非常に困っているわけなんですよ。これをまた今公取にも申告しまた検察庁にも訴えているわけです。それくらい今問題が起っているところで、たまたま佐藤さんが委員長にきょう就任されているわけですね。私どもから言えばこういう問題で、佐藤さんは山口県人だし、いろいろ政府の圧力がかかるらしいというふうなことを伝えられると、国民はほんとうに疑惑と不安を持ちますね。だからそういう問題で御存じないのでしたら私は一ぺん一つゆっくりお話にいきたいと思うし、聞いてもらいたいと思うし、またそういう圧力をかけないということに、これは大衆生活を守り福祉国家を増進するために、ぜひこの問題は一つ真剣に公平に処置をしていただきたい、ということをお願いするにとめておきたいと思うのです。きょうは非常に時間がなくなったようでございまして、大へん残念でございますけれども、どうぞ御所見を伺いたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) お話の点はよくわかりました。十分今後の参考にいたしたいと思います。
○委員長(山本利壽君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後零時四十四分散会