社会労働委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/09/09
会議録
○委員長(加藤武徳君) それではただいまから委員会を開きます。 会議に先だちまして委員の異動を御報告いたしますが、本日付をもって藤原道子君が辞任いたしまして、その補欠として小柳勇君を選任いたしましたことを御報告をいたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) それではただいまから労働情勢に関する調査の一環として、一般労働行政に関する件を議題といたします。阿具根登君から質疑の通告がございますが、逐次御質疑を願います。
○阿具根登君 私は、一般労働問題について、大臣の所見をお伺いいたしたいと思っております。 今日まで、再三委員会が開かれましたが、非常に時間が短かくて、大臣の労働行政に対する政策をはっきり聞く機会が少かったのでございますが、最近の新聞等で散見いたしますと、委員会に、今までお諮りにならなかったことが次々と新聞で発表せられておるように私ども拝聴いたしております。それで、その一般問題といたしまして、雇用問題についてどういう考えを持っておられるか。なおまた、非常な失業者が出て、塗炭の苦しみを味わっておるのでありますが、統計的に発表された数字は、必ず多い数字は出しておられない。しかし、事実失業問題は非常な深刻な問題になっておる。しかも一次産業、二次産業でなくて、サービス業の中小、零細企業に一部吸収される向きがあるのみである、かような考えを持っておりますが、これに対する労働大臣の対策をお伺いしたい。 それから日雇い問題でございますが、これはいつか大臣の口からもお聞きしたと思っておりますが、日雇い労務者が非常に恒久的なものになりつつある。そこで、その根本的な問題を考えなければならない、こういうお話もあったと思っておりますが、事実、日雇い問題の、あるいは給与の問題にいたしましても、すでにほかの産業の給与が相当上回っておるということを考える場合に、そういう時期もきておるのではないか。なおまた、今後の対策をどうお考えになっておるか。 さらに、最近特に新聞等で強調されております中小企業の労働争議の問題でございますが、最近は中小企業に対して非常な警官の介入が多くて、逆に争議をあふり立てておる、逆に血を流すような結果を招来しておる、こういう向きもございまして、それをさらに利用するごとく、経営者の方からは、極端に警察の要請をされておる。最近の福岡の警官の実情等を見てみましても、争議が起るであろうから、起る前に十分警察と連絡をとって、その警察はすでに仮想組合を設置して、そうしてその組合のまん前で演習をやる、それで、いかなるピケでもこの戦法でいけば破ることができる、こういうようなことまで発表しておる。いわゆる資本家陣営は、警察を自分たちの武器として使い出してきたのが非常に如実に現われておる。特に田原製作所の争議のごときは、その原因が何にあったにしろ、多量の警察官が出て、死亡者まで出たという現実は隠すことはできない。こういう問題がひんぴんと中小企業の労働問題に起っておるが、これに対する労働大臣の考えをお聞きしたい。 さらに最近問題になっております日教組専従期間の問題あるいは給与の問題、人員の問題等に対して、文部省から一部の見解が発表されますと、それに軌を合せて労働大臣は、官公労の専従者の期間あるいは給与あるいは人員等についてもこれと同じ対策をとる、こ いうようなことを発表されておるわけでございます。そういたしますと、本委員会は再三にわたり、ILOの問題を討議して参りました。そうして団結権の保障については、すでに前大臣、前々大臣は約束をされておる、そういう時期にあって、しかもそれが全逓労組の専従者の再任に端を発して実現されておらない、批准もしておらない、労働大臣が全逓の幹部と四つに取っ組んでおられるような姿が見受けられる。そういうさ中に、今度は、官公労の事従者の問題が出されたというようになるならば、一体ILOをどういうように考えておられるのか、批准をどういうように考えておられるのか、全く反対な対策を持っておられるように私どもには思えるわけでございます。 以上の点につきまして大臣から御答弁を願いまして、それぞれ委員の方々の質問もあると思いますので、十分なる御解明をお願いしたいと、かように思います。
○国務大臣(松野頼三君) ただいま阿具根さんから非常に広範囲な御質問をいただきまして、一つ一つに考えましても相当問題の大きなところかと存じますが、御質問の趣旨をなるべく要約いたしまして、私の方も明快にお答えいたしたいと存じます。 雇用対策ですが、やはり今日の社会情勢及び労働省の一番大きな仕事は、私は雇用対策じゃなかろうか。また、この雇用の問題が、すべてに次々に実は労働問題の基礎をなすものである。雇用対策が完全に進むならば、すべての労働問題、あるいは中小企業の問題も相当軽減される、こう考えまして、政府としましても、多年雇用問題を中心に研究をいたし、つい先般は、雇用審議会というものをこの数年開きまして、本年実は雇用審議会から初めて答申がいたされました。答申の内容も非常に広範囲でありますけれども、しかし、その答申は非常に尊重すべき、また、現実に移すべきものが多々あると、私はその答申を拝見しております。政府としても、その答申を、審議会を作って答申を得ました以上、この答申は忠実にこれを守るべきだと、こう考えております。その中で一番大きく目立ちますのは、日本の状況では、完全失業者の数ということは、一応世界水準からいって、この統計の数字は必ずしも世界水準からいって、非常に過大なものだとか、失業者が多いという統計は出てこない。しかし、日本では、諸外国にまだ研究のされておらない不完全就労というものが問題だということが一番その特徴だと私は記憶しております。日本のやはりこれは家族制度と申しますか、産業の発展状況から、あるいは中小企業というふうな問題があるために、ある場合には非常に大きな労働力が吸収される。ある場合には急にこれが縮小されると、縮小された労働力は、おのずから家族労働、あるいは家内労働、ある場合には農村に帰って不完全就労となる。こういう状態を早く日本としては底入れをして解消すべきだという大きな実は焦点がございます。今日この問題を取り上げて参ると、さしあたり日本の第一次、第二次、第三次━━三次の産業別に見ますると、日本の場合は、何といいましても、第一次産業が四二、三%という多額を占めておる。第二次産業が当然これに続いて増大すべきでありますけれども、日本の場合は、第二次よりも第三次が実はその次に大きな雇用量を占めておる。この第三次の中では、大企業よりも最近は中小企業にその雇用というものが吸収されてきたというところが一番問題点である。それで、中小企業というものが安定してどんどん伸びるならば、第三次産業の雇用というものは安定するが、しかし、日本の第三次産業はそんなに安定した中小及び商業ではない。従って、ここにまず安定を求めろという私は感じを拝見をいたしました。日本の、これはもちろん労働大臣だけの発言では解決はいたしませんが、これはやはり、ちょうど幸い政府としても長期経済計画というものを策定する出発をいたしましたのも、実はこの趣旨に私はほかならない、そう考えまして、第三次産業の安定、あるいは第三次産業の安定成長をぜひ願いたい。そうして日本の雇用を伸ばしたい。願わくは、第一次産業の農業からは、どちらかといえばもう少し減らしたい。第一次を減らして第二次産業、第三次産業に吸収したい。まあこれがいわゆる雇用審議会の答申の趣旨で、私もこの線に沿って、この長期経済計画を政府はせっかく策定しておりますので、それを一つ長期的にここに進めたいという考えでおります。 第二番目は、日雇い労務の問題でございますが、阿具根委員の御指摘のように、いわゆる臨時失業対策というのはあくまで臨時であって、これを恒久化するという趣旨のものでもなければ、その事業の内容も臨時的な事業にこれは大体限定されております。屋外労働というのは、道路とか、あるいは側溝の掃除とか、草取りとか、非常に臨時的という意味で、その就業の内容も失対の法律で非常に限定されております。しかし、相当長期的になって、これが固定してしまうと、この仕事というものも困るし、また、働く労務者も、これでは前進もなければ将来の希望もないというのが多年の経験でございましたので、でき得れば、次の通常国会に予算の編成とあわせて日雇い臨時失業対策法律の一部改正をしまして、そうしてここに、今のような玉石混淆の労務からいわゆる将来に向う職業というものの訓練をする、また、そういう意欲のある方を育てる、また、そういう方に固定した仕事についていただくというふうにある程度ふるい分けをしたい、これが今日、私ども考えております日雇い労務者の基本的な実は考えを抱いたわけでございます。職業訓練というものも日雇い労務者はある程度やっておりますけれども、まだ非常に微々たるものであります。この中にも相当技術者もおられますから、そういう方をいきなり草取りあるいは道路の掃除にばかり使うのは惜しい、また、それでは将来望みもないという意味で、日雇い労務の中のある程度のふるい分けをしたい、そのためには職業訓練、技術指導もしたい、その上でこの人たちを恒久的な一般的な請負工事の中に吸収していただくか、あるいは政府事業の中で、そういうものに就労を願うというふうにするならばある程度前進しやせぬか、しかし、やはり現在の日雇いだけしか、仕事及び家庭的な条件のそろわない方は、やはり今のままのものを全部全廃するわけには参らない、一部でもそういう道を開きたいというのが、私どもたびたび政調会あたりや党にお話をしておるものが、たまたま新聞に漏れたのかもしれませんが、そういう意味で、実は予算編成の前にそういう構想を一部抱いたわけであります。 第三番目に、中小企業の問題ですが、これはなるほど警察官が労働問題に介入することは厳に避けなければならぬと私も考えております。同時に、労使ともに労働問題で暴力を使ってはならない、これは労使ともどもこれをまず警告をし、守らなければ労働問題というものは何の意味もありません。その意味で警察官の介入を、労働争議に私は直ちに介入することははなはだ残念なことでございます。同時に、これは違法状況を労使とも続けておったのでは、あくまでこれは違法を排除するためにお互いに暴力を使うということになりますならば、これはもっと悪いことになるので、そういったときには警察官という治安維持に任ずる国家機関の介入によって、一時その違法行為をとめるという意味で、最近中小企業にときどき激しい争議がございますが、私もできるならば、つい先般談話を発表しました職場占拠というようなものは、これは違法状況で、それはよくな。また、ロック・アウトも、限度をこしたロック・アウトはよくない、これが一つの焦点になっておりまして、職場を占拠することは、これは私は組合側にも警告を発したい。同時に、軽々にロック・アウトをする使用者側にも警告を発したい。またピケにおいて、ピケという趣旨を逸脱するということはこれはやめなければならない、両方とも順法という、法律を守った上で争議をしてもらわなければ、労働問題から逸脱した行動も私は厳に慎しみたい。まあ総合的に目立ちますことは、やはり中立機関である労働委員会というものをお互いに非常に拒否される、そこに私は争議が泥沼的になる要素があるんじゃないか。これは今後労働委員会というものを私はぜひ利用してもらいたい。また、中小企業の中には、労働法の何たるかを御存じない方も使用者の中にはあるわけです。使用者の方にも労働問題というものの教育をしなければならない、あるいは労働協約の作り方とか、あるいはどういうものを条文に入れるのだとか、自分の会社の特殊性について、こういう危険なものは労働協約の最初にきめておこう、争議というものは、こういうときにはお互いやめようじゃないか、あるいは第三者に依頼しようじゃないかというような労働協約というものの作り方に非常に不完全なものがある。こういうところを私は改めていきたいという意味で、中小企業争議に関しましては一つの構想を持って、労使ともどもに争議という行為になる前に未然に話し合い、及び未然に防止できるような一つのルールを作るべきじゃなかろうか、中小企業には特にそういう感を深めております。 第四番目の日教組の専従者でありますが、これは所管の文部大臣のことで、日教組の問題には私は本日は触れないつもりでありますが、そのほかに、つい先般以来の閣議の問題の公務員の専従者でありますが、いわゆる在職専従というものを公務員が認められておることは、これは法律で認められております。従って、私はこれを全廃しろとか、どうしろとかという趣旨のものではございません。ただ、公共企業体の場合は、ちょうど四条三項のILOの問題がありますから、これはILOのときに解決すべきである、これは実はこの間の閣議の内容から除外されております。一番問題なのは一般の公務口、地方公務員の一般職の問題であります。これは人事院規則である程度の基準というものがきめられておりますから、専従者を全廃するのじゃないが、基準というものを守るべきだという趣旨が、つい先般の閣議の実は話し合いの内容でありました。その中には、一番の問題は、年限が一日以上一年以内というのが今の専従者の休暇基準であります。ただし、再任を妨げぬという言葉になっております。再任を妨げぬという言葉が、一年でも十年でも十五年でもいいのかということは、実はまだ確定した政府の方針がきまっておりません。こういうものもあわせて研究すべきではないかというので、これは私の労働省だけの所管じゃございませんし、国家公務員ならば人事院、総理府がございましょうし、各省もございますから、各省で意見調整をしようというのが、つい先般の閣議の話し合いの趣旨でありまして、一番ここで問題になりますのは、恩給の問題が出て参ります。恩給は、専従期間中といえども通算するという恩給局長のたしか通達か何かで、今日は恩給も通算をしております。しかし、これが十七年も専従者であるという将来の問題のときに、十七年間一度も職務に従事しなかった、国家公務員というその職務に従事しないで恩給がついたというならば、これは多少疑義が出てくる、ことに恩給は今度共済組合法に変りましたけれども、やはり個人の負担と政府の負担でこれが成り立っておる。正確には記憶しませんが、おそらく本人が四五%、政府が五五%の負担で共済組合法というものが成立したはずであります。そうすると、専従で一般的な公務員の仕事をしなくてそうしてこれに恩給がついたというならば、十七年間政府から実は納付金を負担してもらって恩給がつくということも、これも国家公務員法の趣旨からいって、あるいは憲法の趣旨からいって疑義が出てきやせぬか。憲法には、国家公務員というのは部の奉仕者にあらずして国民すべてに対して奉仕者であるというのが国家公務員に対する趣旨であります。一部の、組合はもちろん何と言いましても自分たちの組合であります。しかし、国民すべてに奉仕するという場面も公務員というものは忘れてはならない、こういうことを両々相勘案して、この問題はもう少し法律的見解を持つ方がいいのじゃないかというわけで、在職専従者を全部全滅させろとか、何人にしなければいけないとか、そういうきつい、いかにも束縛するという意味じゃなしに、国家公務員法の建前及び総合的な建前から今日やるべきだという意味で、ILOの八十七号条約と、つい先般の閣議の内容とは関連ございません。ILO八十七号は国家公務員には適用されておりませんし、一応関係ないという答申が出ております。従って、ILOの八十七号との関連は、つい先般の国家公務員の在籍専従者の問題とはこれは関連がございません。少しも逆行もしておりませんし、私たちもそれをよく注意しております。その意味で公共企業体の職員については、専従者を制限するとかということはいたしません。あくまで団体交渉及びその他の交渉機関を通じて専従者の数というものはきめるべきだという意味で、それを制限するという意味じゃありません。一般的国家公務員というもののその本質から考えて、一般国家公務員に限定したわけでありまして、ILO八十七号は一般国家公務員には関連ございませんので、つい先般の話とは少しも逆行もしませんし、私は矛盾もない、そういう含みでつい先般の閣議の実は話が少し進んだわけでありますが、まだこれは各省の連絡がございませんので、各省間の連絡をただいまやっております。そうして人事院がございますから、あくまでも人事院の意向を尊重してこの問題を進めていくべきじゃないか、ただ趣旨としてはそうではないかということで閣議で話が出たわけであります。はなはだ広範囲でございますから、御質問の趣旨と御答弁の趣旨とあるいは食い違っておるかもしれませんが、要点だけ簡単に申し上げて御理解をいただきたいと思います。
○阿具根登君 一、二質問を続けますが、一番最後の国家公務員の問題でございますが、労働大臣のお話を聞いておれば、国家公務員は、公務員でなくても専従者になれる、公務員でなくて専従者をやるべきである、こういう趣旨になると思う。かりに公務員の中から専従者を選ばなければできないというならば、公務員から専従者を選ばなければできないが、その公務員から選ばれた専従者が長くやってはできない、こういう矛盾したことになってきます。そういたしますと、組合は自由であるから、公務員でなくても職業幹部であろうと何であろうと、どこからでも組合の幹部は自由に組合で選出しなさい、しかし、国はそれに対する恩給その他は持ちませんぞと、こういうことになると思うのですが、この点はどういうふうに御解釈になっておりますか。 それから雇用、失業の問題でございますが、私は失業を考える場合に、労働省はまず失業者を出さないために相当閣議で労働大臣の発言が強く今日までなされてきておるものと思います。ところが、現実は失業者を出したその跡始末だけをやっておられる。しかもその失業というものが、ほとんど最近の例で見ますならば、駐留軍関係とか、あるいは今日問題になっております炭鉱等で数万の大量失業者が出ることがわかっておる。それが出た場合にどういう対策をとるかということが一つもうたわれていない。これは商工委員会じゃないですから、あまりそっちの方面にいきませんけれども、たとえば合理化法案を作る場合でも、合理化法案を作って三十三万トンの石炭を買い取るならばこれだけの失業者が出るということがはっきりわかっておる。その場合に、私どもが反対して質問をいたしました場合には、いわゆる公共事業でこれを吸収するとか、あるいは道路の整備をやるとか、あるいは線路を作るとか、こういうことを言われたけれども、事実はそれは一つも実施されておらない。しかもきょう通産大臣に会って意見を聞いてみますと、この大量の失業者が出る場合に、公共事業で吸収する等のことを言っても現実それが不可能である、今までがそうではないか、公共事業にどれだけ吸収したか、できないことは私は言いません、こういうことを言っておるわけであります。そうすると、一体どこで失業者を吸収しようとするのか。出てから失業者の問題を考えましょう、あるいは通産省がどういう対策を立てるから失業者が出るかもわからない、これに対して通産省と話をしましょう、閣議で話をしましょうということでなくて、現実最近特に問題になっておりますのは、自分の娘を売る、食うために自分の娘を売るどころでなくて、食うために自分の妻を売らねばならない。そうしてそういう悲惨なところに限って子供がたくさんできる。その子供を制限するためには金が要るけれども、それよりも生んだ方がいいのだという現象が出てきておる。生めば生活保護で一人当り幾らか、少しでももらえるが、それが少しでも生活の足しになるのだ、こういう、常識で考えられないような悲惨な状態まで出てきておるのは、これは政策によって出てきた。法律できめてこういう人をおっぽり出してしまった。そうしてその人に対する失業対策というものは公共事業だということを言っておったけれども、通産大臣が言われるごとく、公共事業で一体どれだけ救済したか。そうすればすでに失業者がこれだけ出てきておる。また、今日閣議できまっておらないにしろ、あるいは通産省で石炭対策がはっきり打ち出されておらないにしろ、もう失業者が次々に出ておる、この出ておる失業者に対する対策はどうするかということを考えなければ、私は失業対策というものはあり得ない、かように思うわけであります。だから、失業対策についてはもっと真剣に、現在出ておる失業者をどうするのだ。ただ民間が黒羽根を売り出した。それが刺激をして、東京で三十一人雇ってくれた。今度また五人、三人という雇用主が現われてきた。人道的な立場からも非常に良心的な中小企業の方々が救いの手を伸ばしておられるのはまことにありがたいことでございますが、政府の政策として何ら見るところがない。一体労働省は失業対策についてどういう対策を持っておられるのか、この点について非常に積極性がない、私はこう思うのです。この二点について御回答を願います。
○国務大臣(松野頼三君) 最初の国家公務員の問題ですが、国家公務員法はあくまで国家公務員の諸君が団結をする、組合を作る。それについては当然人事院規則によって登録をする。登録したものがその組合の役員になるという意味でありますから、あくまで在籍専従ということが前提であるし、組合の結成も当然そうなさらなければならないと私は考えております。従って在籍専従を全廃しろという意味ではございません。やはり国家公務員の身分を持った組合、こう言う以上、国家公務員の身分というものと組合員の身分という二つのものを持つべきである。その二つのものの限度を越えてしまっては、これは困る。国家公務員という方ばかりであるならば、これは専従というものが消えてしまう。これではいけない。同時に、専従ばかり伸びて国家公務員というものが消えてしまうこともよくないという意味で、両々相待って、公務員であることと組合の専従者であるということと。この二つのものを勘案して私は考えておりますので、公務員以外とか組合員以外というものは私の念頭に描いておりません。また、日本の組合そのものが大体企業別組合というものが成長しております。まして国家公務員というものはやはり国家公務員であるということが第一前提でなければ私はならないと、こういう意味でありまして、そう全然部外者を雇え、そんな極端な話を私は考えておるわけではありません。 第二番目の実は石炭の話で、非常に今回深刻な問題でありますが、石炭問題は私の立場から申しましてまず第一に、石炭産業の中の配置転換とか、雇用の転換をまずはかれということで、いきなり勝手に首を切られてしまってはこれは困ります。とても労働大臣がこれを背負うわけには参りません。また、それならばそれなりに、労働大臣が何もかもやれと言うならば、首切りする前に経営内容まで私に御相談をいただかなければ、私に、首切ってしまってから、だから何とかしろ、これではだれがやっても責任が負えない。私の方では、そういう勝手なことをされる前に、石炭産業そのものの中において雇用の転換なり他社への吸収ということをまず考えなさいという意味を私はたびたび強く言っておりますが、まだこの問題について通産大臣及び閣議で十分な議論をしておりませんし、いずれその議論が出るときには、私はまっ先に、石炭産業の首切りというものはまずやめてもらいたい、そうして産業内において合理、不合理があるならば、まずその合理、不合理を有無相通ずる方向で吸収してもらいたい。これを私は経営陣にもたびたび言っております。そう勝手に何もかも労働大臣に持ってこられても、とてもできるものではない、また、そんなことをやられては困るということを強く言っておりますが、ときどき中に中小のいわゆる石炭産業の方がそういう話し合いをしないで勝手におやりになったというのが最近目立って参りまして、これも私中小の山を現実に見ましてそうして中小の方の経営者にもこれは警告を発しなければならないのじゃないか、こういう感じでおります。それも相当深刻になっておりますので、いずれ近々のうちに関係閣僚の懇談会を開いていただいて、産業大臣にその意向を示していきたい、そうして石炭産業者にも、産業大臣の通産大臣からもよく話をしてもらいたい、こういう気持でおりまして、私も勝手に雇用が自由にあるものじゃございませんし、ことに石炭の方は住宅の問題、技術の問題という相当高等な労働力をお持ちの方でありますから、それをただ失対で吸収するのはあまりに私もそれはむずかしいのじゃないか、こういう意味でまずその産業内における配置転換及び雇用というものをお互い背負ってもらいたいというのが私の第一の本心でございます。もちろん石炭産業のうち一部はつぶれても、他の方はそれによってある程度整備されれば石炭産業の基礎が固まる会社もあるはずであります。やはり石炭産業の労務者は、毎年幾らかずつは石炭産業に吸収されるはずであります。自然減を見ましても、やはりその配置転換というものは私は絶対不可能だとは考えておりませんので、その方向に私も努力して参りたいと、こう考えております。
○阿具根登君 もう一度質問をいたしますが、国家公務員の問題につきまして、私と意見を異にするのですが、たとえば国家公務員でなからねばその組合に所属することができない、その組合の選挙によって幹部がきまるということになれば、一人の人がたとえ十二年やったにしろ、十七年やったにしろ、その人は公務員としての仕事を、直接の仕事には携わっておらないけれども、組合を通じて国家公務員としての仕事をしておる、こう見なさなければならないと私は思うわけです。それを何人かの人が長期間やることはできない、これを次々の人に変ればいいではないかというのは、これは組合の自主性であって、それに政府が介入するということはこれはおかしい。なおまた、国民の財源の中からという問題になってくるならば、たとえ一人の人が十二年やろうと十七年やろうとあるいは十七人の人が一年ずつやろうとその国民の負担というものは同じである。そうするならば、これは大臣の言われるのは非常に矛盾をしておる。ある特定の人をさしてその人が労働運動をやってはいけないとかあるいは労働組合の幹部を長くやれば専門的な立場になって非常に困る、こういう別個なねらいがあるのではないか、こう言わざるを得ないわけなんです。だから、これを制限するとかそういうことを考えられるならば、私が言ったように、組合の任意によって組合員外から、国家公務員外からも十分指導者を選んでよろしいということがあるならば、一応私はまだ考えられるけれども、国家公務員の範囲の中から選び出すというのならば、その中にさらに条件をつけて何年以上はできないとかあるいは恩給はこれにやらないとかあるいは給与は増額をしないとか、こういうものはやはり組合介入である、組合の弾圧であると私はこう考えざるを得ないのでございます。 さらに炭鉱の失業問題につきまして、これは所管外だと言われるかもしれませんが、経済閣僚の一員として十分御承知のはずだと私は思うので、あえて一言ここで申し上げたいと思いますが、現在石炭と油の競合は世界各国でございます。世界各国であるのに、日本だけなぜこんなに非常に極端な数字が表われてきたかというようになって参りますと、私はいつも懸念をしておりますのは、ごく最近の例でも綿紡が非常によくなって、そうして女工さんの奪い合いである。ところが、僅々数カ月前までは帰休制度あるいは首切り等一般に斜陽産業だといって非常に苦しんだ産業でございます。そういたしますと、日本の政府の指導によりますと、少しでももうかればもうかる方へ、利潤が多い方にあらゆる手段を尽していく。そうして何年か後に不況が来た場合に、その組合員を今度は帰休制度だ、今度は首切りだということで始末をしていく、これが繰り返されておると私は思うのです。ただ利潤を追求するのみだと、こういうことが非常に強く私は感じられる。たとえば油の問題にいたしましても、今油が安いといっておるけれども、アメリカのニューヨーク相場と日本の東京の相場と比べたならば千円違う。そうすると、かりにこの単価を下げたとしても重油は下る可能性は十分にある。そのあとに今度は原油を入れたいということを盛んに言われておるけれども、原油はもっと安い、今度はガスを入れる、そういうことになってくると、すでに石炭産業というものはもう利潤面においては追いつかない、こういうことになってくる。そこで、総エネルギーの中で各国はどれだけ石炭を使っておるかということを考えてみますと、英国は九〇%使っておる、少し古い資料ですけれども、三、四年前の資料でございますけれども、総エネルギーの中の九〇%を使って、国内産業である石炭に対する政策を立てておる。西ドイツでは八九・八%、総エネルギーに対して八九・八%の石炭を使っている。日本ではわずか四六%、しかも非常に不便な日本で、しかも国内エネルギーの唯一である石炭産業を四六%しか使っておらないという現実をどう見るかという場合に、これはもっとほかの面が私は考えられていると思うのであります。業者間の中でも炭鉱に対する非常な悪感情が根をきざしている。政府の中にも、炭鉱そのものあるいは炭鉱の組合そのものに対する感情が働いておらないとは、私は言い切れないと思うわけなんであります。そういたしますと、失業者を出す云々ということよりも、よその石炭産業と比べた場合に、日本の石炭産業が能率が上らぬというならば、では一体日本の石炭と、外国が石炭をどれだけ使っているか、アメリカは三億六千万トン使っている。あるいは英国では二億一千八百万トン使っていると思います。西ドイツで一億三千万トン、フランスで六千九百万トンの石炭を使っている。日本では、わずか四千八百万トンと考えられている。こういう点から考えてみます場合に、政策でわざわざ炭鉱の不況を作っているではないか、政策において失業者を出しているではないか、こういう点について労働大臣の所管ではないかもしれませんが、経済閣僚の一人として、閣僚懇談会で十分私は労働大臣が活躍していただく余地は多分にある。その後の失業問題は別として、失業者を出さないために、その前の手が打っておられない。逆に言えば、故意に失業者を出すように政策を立てられている、こういうことを考えるわけです。業者はもうかる方がいいから、もうかるためにはあらゆる方法をとって油を入れてこられると思う。三十二国会でも、石炭がこれだけ貯炭ができたじゃないかということを商工委員会で私が追及した場合に、油が入ってきたから石炭が余ってきたということは、大臣、局長も一人も言っておりません。雨が降りましたから石炭が余った、雨が降りましたから、雨が降りましたからという答弁でございます。それからわずか三カ月もたたないのに、今度は油が安い、石炭が高い。最近は油は値段が安い、石炭が高い、こういう一点にしぼられて、政府の考え方は、私はそうじゃなくて、石炭に対する政府の政策がこうしからしめておって、そうしてその政策を裏づけるために、わざと理由をつけてやっておられる、こういうふうに考えるわけなんであります。そこで、私は、閣僚の一人として、こういう失業者を出さないためには、産業政策はこうあるべきであるというようにお考えになるべきじゃなかろうか、私のこういった政策に対して反対でございましょうか、その考え方を承わりたい、かように思います。
○国務大臣(松野頼三君) 石炭の問題は、おっしゃるように、必ずしも日本が石炭をよけい使っているわけじゃありません。どちらかといえば、日本の産業においては、石炭はそう多いとは言えないと私は考えております。一番問題は、いわゆる石炭の炭価、これがやはり産業構造に及ぼすすべての原価計算の基礎になるということで、油の方が安くつくということが第一油が非常に伸びた、同時に、ガソリンとか軽油の方も伸びた、これに合わせて重油というものも一緒に輸入して、そうして総合的な石油価格というものを、廃品のないように完全消化するということから重油のコストが非常に下ってきたということが経済的に私は言えると思う。 第二番目に、それじゃ石炭はなぜそういうふうに使われないのだ、私は、石油が今日安いとか、重油が安いとか言いますけれども、二、三年前の中近東の戦乱が起ったときには、石炭が利用がふえて石油の方が暴騰した。やはり海外に依存すると、おのずから世界情勢に左右されて、日本の産業というものが固定しないといううらみがあるので、私は、どこの国でも基礎的なエネルギーというものは国内資源を使うという方向に努力をするのはどこの国でも同じであろう。日本でも同じような努力をして参りました。しかし、最近、非常に石炭よりも重油の方が世界的に安くなってきたために、今日この問題が出てきたと私は考えます。それじゃ、石炭を何とか安く、重油と対抗するようにできぬかということが、今日とられる私は賢明な策ではなかろうか。同時に、なるべく重油の輸入というものも規制しながら、石炭というものも安定した価格で、そして効率的に、産業の原価計算に響かないように、安いエネルギーを石炭で供給しようじゃないかというのが、私は今日の研究課題じゃないかと思います。今日の生産地を見ますと、ちょうど阿具根さんも私も九州ですが、九州のような生産地を見ますると、日本で一番使いますのはやはり火力発電で、約一千万トン使うと私は記憶しております。一千万トンのうち、九州だけで実は三百五十万トン、大体三分の一を九州の九州電力が使うわけです。なぜかというならば、やはり石炭の生産地においては、必ずしも石炭は高いものではございません。ある場合には四千五百円から五千円ぐらいで、実はこれが供給される。ことに北九州地区における火力発電というものが、過去において唯一の発展した理由であるというならば、あとの問題は、一番高いのは何だというと、その他の生産地区に対する運賃やあるいは輸送力というものが高いために、石炭の供給力というのが非常に阻害されているのではなかろうか。もう一つ、やはり石炭はコンスタントでなければいけない。エネルギー資源ですから、産業の中で、常に同じような価格で、同じような数量を供給する確保がなければ産業の発展はできないのだと、従って、私は、供給の量とそれからもう一つは価格、価格には私は輸送という問題が一番大きいのじゃなかろうかと、そういうことで、油に必ずしも永遠に対抗できないのだ、石炭の山がつぶれるとは、私はそういうことは考えません。ただ安い重油が伸びてきて、石炭がある程度運賃というものが高いために、コストが高いために伸びなかったというために、石炭の生産地以外に工場がどんどんできてしまった。そのために、油が着く港の近くに化学工業、石油化学というものが発展をして、ますます石炭が窮乏に立つという現象が今日現われたのじゃないか。これは通産大臣のおっしゃることで、私はあるいは聞きかじりかもしれませんが、少し長過ぎましたが、そういう意味で、政府としても、その話を通産大臣ともしたい。そのために液化とかガス化ということで、パイプで運べるなら、私は一つのこれは案じゃなかろうか、いろいろ考えながら石炭の消費を伸ばし、そして石炭の供給の方も、安定した価格で安定した供給をしてもらいたいと、この二つを考えてなお、労務問題の前に産業政策を私はよく検討しないと、いきなり勝手気ままに高いのだ、首を切るのだというままじゃ、労働大臣とてもやっていけません。私は三井鉱山の労務部長でもなければ、石炭産業の労務担当官でもないのですから、経営のことまで私に相談されても、それはやれるものではございません。従って私は、やはり総体的な懇談会でよく基本的な考え方を持って、そして石炭の産業というものをどっちへ持っていくかということをやらないと安定した石炭産業というものはできない。何といっても石炭というのは三十万という労務者を抱えているのですから、一日も労務者のことを忘れることはできません。機会を見ながら労働省としても、通産省に負けないように十分に実は今検討をやっているわけで、いずれ懇談会を来週中には開いていただくつもりですから、そのときは、十分一つ今のような資料を整えて、閣議の御賛同を得たいという意味で、私は、日本の産業が幾ら盛んになったからといって、日本の雇用問題を無視した産業政策というのは、これは私は必ずしも永続的な政策じゃない。日本の雇用が安定した産業がほんとうの永続的に発展する産業だというふうな考えで、軽々に私は、その貿易額ということよりも、雇用と雇用数量を忘れた日本の産業政策というのは不安定だと、そういうつもりで、今の考えで閣議に出席したいと考えております。
○阿具根登君 意見だけ申し上げて、これでやめますが、大臣のただいまの世界経済から受けるエネルギー対策に対する考え方は同感でございますが、一言申し上げておきたいのは、たとえば石炭産業の経営者側が相談もせずに首切るのを、それをおれがしりをぬぐうというのはおかしいじゃないか、こういうことを言われる。この重油が石炭よりも安いのだということは事実でございます。実際それでは石炭を掘るために人件費がどのくらいかかっているかということを調べてみますと、大体アメリカで六二%ぐらいかかっております。それから英国がもうちょっと上かと思います。六四%ぐらいかかっておる、それからフランス、ドイツがいずれも五六%から五八%ぐらいかかっていると思います。日本は五一%でございます。日本が一番安い、その一番安い日本の石炭がなぜ高いかということになりますと、先ほど申し上げましたように、日本は諸外国の半分にも満たない石炭を出している、しかも人口数からいっても日本よりも少いところ、工業水準からいっても日本と同等、あるいはそれくらいのところであるというものを考えてみます場合に、政府が四千八百万トンでよろしいということを出して、石炭が高いから能率をあげるというには首を切れというのは政府なんです。そこを間違わないようにしてもらわないと、会社は勝手に首を切っている、会社は首を切れば利潤が多くなるからいいけれども、それを、首を切るように仕向けてきたのは政策なんです。かりに、じゃ五一%であるのだから、下げるためにはどれだけ石炭を使えばいいのかということで、たとえば最初の長期計画のように、ことし五千二百万トン出してくれというなら、私は個人の能率はぐっと上っていると思います。諸外国のように六千万トンにしようじゃないか、七千万トンにしようじゃないかということになってくれば、決して首を切る必要はないと思う。それから政府が、重油が安いからといって量を規制してくる、頭を押さえてくるならば、今度は首切り以外にないではないかということを会社に与えているのは、政府の政策でございます。だから、諸外国の例も十分お調べ願って、まず失業者を出して、国が政策に救うとか、あるいは生活困窮者に対して補助をするとか、そういうことでなくて、働きたい者がわざわざ職場から離脱しないようにするのが、私は第一の政策でなければならない、しかも諸外国から見て一トン当りのコストは、人件費は低いということははっきりしているのでございますから、そういうことも十分御研究になって、閣僚懇談会で御発言いただきたい、かように思います。以上御意見申し上げまして質問を終ります。
○小柳勇君 大臣の答弁に従って四点質問したいと思います。 第一点は、雇用、失業問題ですが、ただいまの阿具根委員の質問に関連して質問いたしますが、先日社労委員長並びに二人の理事が福岡の石炭事情を調査して帰られた報告を聞きました。そのときに、報告を聞いたあとで社労委員長に注文を出しておきましたが、あの報告は単に報告でなくて労働省なり通産省とよく相談して、今後の対策を早急に立ててもらいたい、その上に立ってわれわれはこの委員会で論議しよう、こういう註文を出しまして報告を了承いたしました。ただいま大臣の答弁を聞きますと、通産大臣の領域だから仕方がない、こういうような答弁です。阿具根君が不満のように私も不満であります。今ちょうど来年度の予算編成の時期であります。この社労委員会を逸しますと、この次一カ月先、あるいはニカ月あとで、従って私はあえて御質問いたしておきますが、現在の発生している失業は、突発的なものとそれから必然的なものと、二色あるようであります。突発的な問題については、ただいま労働大臣が言われたように、いろいろの各大臣の所管もありましょうから、私はしいて追求もいたしませんが、必然的な目に見えて見通しのつく失業問題、たとえばこの石炭産業が、政府が山をつぶすために発生する失業者の問題は、当然私はわかっている問題であります。それから来年高等学校や大学の生徒が卒業してくる、これが三十万なり四十万ある、この問題もわかっている問題であります。そういうような見通しのきく失業問題に対して、労働大臣も当然就職問題は積極的に検討されなければならぬ、しかも労働省が中心にならなければならない、そういうような問題、特に今の石炭産業の失業者の問題については、福岡県知事あるいは北海道知事、関係知事、市長は夜の目も寝ずに、その失業者をどうするかということで、対策を考えておる。その失業者の救済というものは、当然これは労働大臣が所管でなければならない。それを通産大臣が産業計画やらなければ、私の方はそういう失業対策については第二義的な動きだというようなことでは私は済まされぬと思う。そういうような必然的に発生する失業問題に対して、積極的にどのような考えで来年度の予算を組まれようとするか、そのことをもう少しはっきり大臣の答弁を聞いておきたいと思います。これが第一点、あと三点続けて質問いたします。
○国務大臣(松野頼三君) この前の委員会以来、委員長からも御注意がありまして、その後、政府部内で事務的に各省の連絡協議会をやっておりまして、そうして今日進行しております。この進行状況は所管局長から御答弁さしていただきたいと思います。ただいま申し上げましたのは、まだきまっていないということで、その中間的でありますが、所管局長から今までのいきさつを具体的に報告させます。
○説明員(百田正弘君) 今日までのいきさつを御説明申し上げます。 石炭の問題につきましては、本年通常国会におきまして、百万トン追加買い上げがきまりましたが、その以前におきましても、すでに相当の操短によりまして失業者を出しておる。そういう関係からいたしまして、本年の二月に閣議におきまして当面の対策を決定いたしたわけでございます。しかしながら、その後のいろいろな状況あるいは失業者の発生状況等を見てみました場合に、果してあれで十分であるかどうか。それからあの対策によって果して予期通り吸収できるかどうかというような点につきまして、現地の事情等も、いろいろな現地事情等も聞きましたが、政府といたしましても、関係各省におきまして現地調査をいたしますと同時に、われわれといたしましても、直接地元の福岡県、特に筑豊地帯でございますので、地元の福岡県等の資料、あるいはわれわれの直接職業定安所の資料によりまして、現在、この前対策を必要とするということで出した数字以上に、どの程度当面緊急のものとして対策を必要とするかという点につきまして、現在資料を作成中でございまして、これはもうすぐできることになっております。現在ただいま労働大臣からお話がありましたように、労働省が中心になりまして、経済企画庁、それから通産省、大蔵省、建設省、それから関係各省で労対連というものを政府部内でやっております。これが現在すでに出ておる失業者の対策につきましてほぼ結論を得る段取りに現在近づいておりますので、われわれの方といたしましては、これに基きまして必要な予算の要求といったようなことをして参りたい、こういうふうに思っております。
○小柳勇君 大臣、答弁して下さい。
○国務大臣(松野頼三君) おっしゃるように、当然発生すべきものとあるいはある程度予測されるものについては既存予算の活用等を考えておりますが、今回のように相当予想以上に深刻だ、予想以上に過大だというときには、当然既存予算だけではこれがまかない得ない状況も出て参りますので、そういう場合を勘案して、各省との連絡をしながら、もちろん大蔵省も入れまして勘案して今、労働問題対策協議会というものを事務次官中心になってやっておりますので、その具体的な案というのはいろいろ案が出ておりますが、やはり緊急なものは失対で吸収する以外にない。しかし、先ほど言いましたように、失対だけで私はこれを継続する、永遠に固定化するということは必ずしも好ましいことではないということで、もしこれを固定化するというふうな事業が出て参りました場合には、新しい一つの構想のもとに固定化を失対にあらざる別な形でこれを吸収したい、そうして常用的な雇用というものをそこに起したいという考えで今日おります。その構想が今、各省を通じてただいま政府部内で固めておるわけであります。まだ全部のものが出ておりません。構想としてはやはりそういうふうにいかなければ、私は安定できない、しかし、その前にさっき阿具根さんが言われたように、できるならば石炭産業同士の有無相通ずる雇用の提供を考えてもらいたいということが先の前提になりはしないかということで、おさおさあとのことを考えておらないわけではありませんが、いきなり私の方で新事業へ吸収するというならば、必要以上に今度は首切りが増発しては、これは大へんだ、こう考えてその辺が、こうするんだと言ってしまうと、なお、経営者の方が安心して首切りを促進しては、これは困りますので、それを勘案しながら、こういうときにはこうしたいと言いながら実は準備を進めておりますけれども、具体的にこうするんだと言ってしまえば、これはまたかえって━━今日労使問題の協議の最中でありますから、私の方もいろいろ準備は今日やっております。
○小柳勇君 今の問題はまだ問題ありますけれども、時間が少いようでありますので中止いたしますが、特に私は、松野労働大臣が積極的に、今福岡県でも企画室を特別に設けて総合開発などでこの失業者を吸収するように努力いたしております。そういうものをよく事情をお調べの上、積極的に、この失業者を早急に安心させるように施策を講ぜられるように希望いたしまして、次の問題に入ります。 第二問は、さっき、日雇い労働者を訓練する、ふるい分けて恒久的なものあるいは一時的なものにふるい分けたいという労働大臣の意向、それが来年度の予算に入るようでありますが、その問題について私は一つだけ質問いたしておきますが、ことし出ましたこの厚生白書を見ますと、完全失業者六十万、それに類似したもの一千百二十万、その一千百二十万の中でボーダー・ラインなどを加えますと一千二百万人になりますけれども、大体国民全体として三四・九%の栄養失調状態なんだということを報告いたしております。これは非常にゆゆしい問題でありまして、そのことが現地へ参りまして、たとえば全日労の諸君といろいろ話をしてみますと、皆さん━━私に言うんです。皆さんが見るというと、日雇い労働者というものは非常になまけておるように見えるかもわかりませんけれども、毎日の食事を見て下さい。ほんとうに朝から晩まで一生懸命働けば一日で参ってしまうような実情でございます。従って、ある点━━組合の幹部が言うんでありますが、ある点われわれも感ずる点がありますけれども、これはとにかく今の給与をよくしてもっと栄養をとるようにしないことには、この仕事のえり分けも困難であるということを切々と訴えておるんです。そういうような日雇い労働者の栄養状態あるいは作業状態などを十分勘案しなければ、これを見た目で、働くから働かないからということでえり分けるとするならば、非常にこれは大きな問題ではないかという気がいたします。人間的な、生命をも考えなければならぬ大きな問題だと思う。従って、この訓練をする場合にえり分けたいと言われるが、言葉は技術的なもっといい言葉が出ましたから見当はつきますけれども、そういうようなものをもう少し、どういうような構想でそういう日雇い労働者を分けようと考えておられるか、先般この前の予算でもちょっと質問いたしましたけれども、もう一回大臣の見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) たとえば二つ問題がありまして、一つは日雇い労務者、もう一つは失業保険を受給されておる方でなお新しく就業の道を求めたい、この二つの方々に対していわゆる職業訓練をして、やはり職業訓練をいたしました結果非常に就業状況がよくなっておりますので、職業訓練を施したいというので、今実は失業保険をもらっておる受給者の中にも職業訓練を受ける機会を広げたいというのが第一点。第二点は、日雇い労務者も同じように今日新しく腕をみがいてやりたいという決意のある方、あるいは相当高度な労働力を持った方も、今後失業に没落しないようにその吸収の道を開きたい。この二つが実は職業訓練の雇用安定策として来年度私の構想に入れたいというわけでありまして、従って、その中でも大きなものは、失業保険を受けておられる方も相当な数でございます、あるいは失対事業に従事されておる方もそういう希望者が非常に見受けられますので、こういう職業訓練を経てそうして安定を求めていきたい。こういう意味で、さしあたりは職業訓練で技能を身につけてもらいたいということを来年はやはり考えていきたい。そういう意味で、何も二つに階層を分けるんじゃありません。そういう方々に道を開いて、そうして雇用の道を私はあけたい。こういう意味でまあ六十才とか、お年寄りの方は今さらおれはいやだとおっしゃる方もありましょうから、しゃにむに二つに分けるという意味じゃありません。そういう道を開きながら、そうしてそれを受け入れる工事もあるいは常用工として採用されましょうから、そういう職業紹介をあわせてやりたい、こういうのが今の実は固まった私の具体的な考え方であります。
○小柳勇君 それに対しても、さっきから私は再三質問いたしておりますから、くどく質問いたしませんが、くれぐれも現在の日雇い労務者の日給を引き上げること、それからもう少し栄養のとれるような人間的な施策を講ずるということ、その上に立って日雇い労務者の仕事を見るということ、そのことはこれは労働省だけでなくて、各地方の基準監督官などにも、よく一つ適当の会合のときに言ってもらって、単に見ばえで日雇い労働者、いわゆる全日労の諸君は働かないということで、対策を考えないようにしてもらいたい。これは来年の予算の中で、また当然問題になりましょうから、そういう希望意見だけ述べて次の問題に入りたいと思います。 第三点は、中小企業の労働問題に対して阿具根君の質問に関連して質問いたしますが、第一は、先日の田原製作所の問題もございます。警察権力の介入などについて、まあ労働省としてはあまり━━これはほとんど無関心であられたと思う。さっきも労働大臣は、警察権力の介入などということは厳に慎んでもらいたいと言っておるけれども、具体的にもし何らかの会合で、労働大臣が公式に警察権力など、中小企業の労働争議については、なるべく慎重にやってくれと言われた実績があるならば、それを教えてもらっておきたいと思います。これがこの問題についての第一間です。
○国務大臣(松野頼三君) つい先般中小企業の労働問題の争議が、非常に激しく頻発しましたから、労働大臣談話で発表しました。その説明の中に、今小柳委員のおっしゃるように、私は労働争議に警察官の介入はぜひやめたいということを、たびたび実はあの説明、談話と同時に記者会見で発表いたしました。なお、閣議の席上でも、中小企業の争議の報告の際に、私は警察権力というものが、労働問題に入るということはこれは厳に慎んでもらいたい。同時に、これは警察権力が入らないように、よき労働慣行と、風習というものを植えつけたいということを、あわせて閣議の席上及び記者会見で実は申し上げたわけで、はっきり私は二、三べんのみならず、数回この問題は労使ともに申し上げております。 なお、警察権力の介入というときに、労働省に御相談をいただいたというわけでもありませんので、これは警察権力が介入をしたあとで、これは報告を受けるだけで、そのときに事前に争議の内容のよしあしということで介入するということは、今日まで介入しておりません。従って、内容の発動の時期というものは、実は関連をいたしておりませんので、明細にいつがいいんだとか、これは悪いんだとかということで、今までも、また今後とも、これは私たちは介入すべきものでない、こうきめておりますので、介入した発動の動機とか、原因というのは、警察当局でなければ私の方ではわからない、あとから報告を承わるだけでありまして、そういうことのないように、私の方はやりたいというのが今の真情であります。
○小柳勇君 その警察権力の問題については、あとで担当官でも呼んでもらいたい、警察の。
○委員長(加藤武徳君) 法務省の川井公安課長が出席しております。
○小柳勇君 その問題はあとで質問いたしますから……。 残りました問題がありますが、これは東京新聞の八月二十日号ですが、こういうことが書いてあるんです。「日経連は労政部、協力部、法規部などを中心として、中小企業経営者に組合対策や争議対策の具体的相談に応じているが、この場合の方針としては、総評の指導による過激な労組は極力結成を阻止しこのような場合には「これの批判勢力」(つまり第二組合)を結成する方向に努力することとし、不当な組合活動、違法な行為には中心人物の解雇をもってのぞみ、左翼指導者によるストには直ちにロック・アウトで対抗し、企業や経営権を無視する組合とは絶対に安易な妥協をせず、組合が折れるまで断固として闘えという指導を行なっている。」こういうことがこの新聞に書いてあります。これはほかの新聞でも全部の新聞が取り上げておる問題でありますが、直接労働争議に対して、労働大臣としては口出しはできないかもしれません。しかし、労働法を守る労働省として、そういう立場からこのような明らかな日経連の対策、すなわち労働争議がひどくなったならば、第二組合を作らせる、それからもうちょっとひどくなったならば、組合の指導者の首を切れ、それからもう少ししたら、直ちにロック・アウトでやれ、こういうようなことを正々堂々と日経連が指導しておるということを新聞に報道されて、これはわれわれとしては明らかに不当労働行為だと思うが、これは労働委員会に提訴するまでもなく、不当労働行為だと思うが、労働法を守る労働大臣として、こういう問題が新聞に出て、どういう対策を立てられたか、お聞きしておきたい。
○国務大臣(松野頼三君) 日経連の戦術と言いますか、対策というものの御相談を受けたこともございません。また、労働組合の方からも、そういう対策を御相談受けたこともございませんし、私も新聞紙上で拝見しただけで、口頭でもあるいはよしあしの話も、何ら実はその問題は、私のところでも何も聞いておりません。といってその記事を見て、直ちに日経連を呼びまして、あの内容を調査するということも、まだ私の方はしておりませんし、また、具体的に現われて、これが違法だというならば、あくまでも日経連であろうが、あるいは組合側であろうが、それは私の方で十分注意と警告を発する時期もあるかと思います。今日までは何ら私は新聞紙上で拝見しただけで、御相談もなければ、また、その報道が違法行為にどうつながるかということも、これはまだ実際の事例もございませんので、そういうときがあったら、十分警告を発する時期もあるかと思いまして、まだ今日はそこまで参っておりません。
○小柳勇君 今労働省の予算の中に、労働協会に対して相当の出資をしております。労働大臣は、直接労働省として私は今の答弁では不満でございますが、このような明らかに公けの大新聞が、日経連の指導を書いている、そういうような不当労働行為、労働法を踏みにじるような指導をやることを明らかに書いておって、それをまだ相談がないから知らない、それでは不満でありますが、それはそれとして、労働協会に多額の金を出しておられるが、そういう労働協会などには、労働大臣も当然いろいろ話をされたり、あるいは出席される機会もあるだろうと思う。あるいは最近労働問題懇談会などで、労働法改正問題などについても、いろいろ相談したいということも、いろいろ新聞にも書かれておりまするが、そういうものをどういうふうに、表面的に労働大臣が労働問題懇談会にいろいろ相談、諮問いたしますなどということは、これこそほんとうに何というか、官僚的な行為であって、私はこういう問題こそが、労働法を守る労働大臣並びに労働省としては取り上げなければならぬ問題ではないかと思う。それでこそ正しい日本の民主的労働運動が発展すると思う。そういう問題について、たとえば労働協会なり労働問題懇談会なりについて、どういうことで臨まれようとされるか、一つ大臣の御決意を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 労働協会につきましては、ほとんど私は関与いたしておりません。ということは、労働協会法そのものが、あまり政府が関与するなという意味で、あの法律というものが、非常に厳正的な立法にできておりますので、私がたびたび会見をしたり指導したりすることは、法の精神上からいってよろしくないというので、私は労働協会について一指も触れておりません。また、どうしろという指導もしてはおりません。まあ監督的地位において経理的内容というものを監督すべき時期はあろうかと思いますが、運営については労働協会ができた趣旨及びその条文を見ましても、労働大臣があまり関与すべきでないということでありますので、私は実は労働協会の方々とあまり懇談会もしたこともなければ、指導もしたこともなければ、ただ監督という立場で、一つもそういう具体的問題に発展したことはございません。 第二番目の、昨日の労働問題懇談会に労働法の再検討の委員会を作りたいから、御了承を実は得たいという発言をいたしました。もちろんこれは労働問題懇談会は法律の問題をやるところでもなければ、労使及び中立、公益代表という三者構成で、今日まで二月十六日以来、ILOの答申をいただいて以来、労働問題懇談会は非常に大きな働きを今日までしていただいております。そのILOの批准で、第三項に労使問題を完全にするためあるいは自主あるいは不介入という原則を打ち立てるために、労使関係の労働法全般について、再検討を別にやれという答申がございまして、従いまして、当然これは別にやるのでありますから、政府の責任でやるべきである、やることが正しい、こう思いますので、政府の責任でこれを実施いたしますが、しかし、その発動の趣旨は、労働問題懇談会からの御答申によって発動いたしますので、一つ御了承を得たいというあいさつを昨日いたしたわけであります。まあ、いろいろ議論が出ましたけれども、こういう大きな問題をきょうきめろというわけにはいかぬから、次回にもう一回考えるから、次回まで待ってくれぬかというお話でありました。私も、労働問題懇談会というのは、総評を初め、全労初め、各組合みんなお入りいただいておる、そのほかに使用者の方もみな入っていただいておる、そのほかに学者及び公益代表の方々もおられるわけでありますから、その御意見を尊重して実施することが今後円満であろうということで、特にきのう議決をいただくとか御承認をいただくという意味じゃなしにあいさつをいたしましたところ、もう一回は待ってくれぬか、その方が今後の連絡がよろしいという御趣旨のようでありましたから、次回は今月中にもう一回開いていただいて、そうしてこの問題をきめていただくということでありまして、これはあくまで労働法改正という大前提を掲げたものでもございません。しかし、労働問題が、ILOの批准とか、国際水準にだんだん近づいて参りますと、日本の労働法そのものの中にもいろいろな実は矛盾が出てきておることは、これはだれも否定をいたしません。その意味で、この時期に発足することが一番よかろうと、こう考えたわけで、まず研究をしていただいて、研究の結果、あらためてこれを法律にするのか、改正するのかということを労働問題懇談会にお諮りいただいて、その上で政府がその措置をとるという、三段階の非常に慎重なかまえで出発いたしたわけであります。こつ然として私が発言したわけでもございませんし、そういう時期が、今日がちょうど一番いい時期だと考えて 昨日実は発言をしたわけであります。従って、今月中にはその懇談会の御意思も私のところへ伝えていただけましょうし、その上でこの研究会というものは発足して、そうして今後労使関係全般についてILOの批准にあわせて、いろいろな問題が出て参りましょうから、それにあわせて日本の近代的な労使関係を作って参りたい、こういう趣旨でありまして、どうかその意味で、そうこつ然と私出したわけじゃありません。きのうの会議が最初でしたから、最初からこんな大きな問題をぶたれては困るじゃないか、もう一回待ってくれというお話ですから、もちろんそれを尊重して私の方は独走するつもりはございませんので、次の懇談会までこの話はお待ちするということで、きのうは円満に話がつきました。
○小柳勇君 この問題は、あとまたほかの委員が質問されるようでありますから、次の私の聞きたい最後の問題でありますが公務員の在職期限の問題で、大臣は、恩給支給についての疑義ということで、在職期限を制限したいと、こういうようなことであったが、共済組合法を施行いたしますというと、国が出す負担金というものは、そういうふうな恩恵的なことではなくて、当然これは共済組合法によって制限されて参りますので、理由にならないと思うが、大臣はどういうふうにお考えであるか、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) 今の小柳さんの共済組合法の内容は、十月一日で、私はまだ詳細に内容を拝見しておりませんけれども、要するに、一般的には恩給における国家負担と同額のものを共済組合に政府が負担するというわけで、同じ、パーセンテージずつ━━大体四五と五五と私は記憶しておりますが、なお、それは明快に事務当局から答弁さしていただきます。
○説明員(亀井光君) この国家公務員のいわゆる在職専従者の共済組合の加入の問題につきましては、私の承知しているところでは、本人負担分は言うまでもなく、本人の給与から支払われる、国家負担分は組合がこれを負担するというふうに承知しております。
○片岡文重君 労働大臣に少しお尋ねをいたしますが、先ほど阿具根君に答えられた大臣の御答弁を伺っておって、私ははなはだ奇怪な御答弁だと思う。今の阿具根君に答えられたあなたの御答弁は、いうなれば、閣議で岸総理を初めとする関係諸大臣にあなたが労働大臣の立場から希望としてお述べになるのなら、けっこうでしょう。失業対策を全部労働大臣にまかされては困る、通産大臣その他関係の諸君はやはり労働者の立場を十分考えて産業政策を立てなければ困るということであなたがお諮りになるのなら、これはけっこうです。また、当然そうあるべきです。阿具根君に答えられた答弁は、そういう内容です。今われわれが問題としているのは、現実にここに起っているのです。石炭労務者の大量離職者に対してどうするのか、すでに起っている事態をどうするのかということをお尋ねしているのですから、起された結果がどうなっているか。政策の失敗によることはもちろんですけれども、それを、あなたが通産大臣や大蔵大臣、総理大臣に対して述べられることをここでいくら繰り返していただいたところで、私らにとっては何らの収獲にならない。問題は、生活が成り立たないという事態に置かれている深刻な立場に立って、一体どうしたならばよろしいのかという、やはり真実味とあたたかい気持を持ってこの問題は対処していただかなければいかぬと私は思うのです。ですから、閣議におけるようなそういう答弁ではなしに、おざなりではなしに、もっと真剣にこの問題に取り組んでいただきたいということを、希望として申し上げておきます。 そこで、今も問題となっている専従者の問題ですが、教職員組合の弾圧のために文部大臣がいろいろ考慮された結果出てきた一つの方策であることには間違いない。この問題を取り上げるに当って、労働大臣としてもっと慎重な態度があってしかるべきではないか。特に、先月二十九日に報ぜられた全新聞紙の伝えるところによれば、あなたは二十八日の閣議でも、この松田文部大臣の専従者制限、日教組圧迫を大いに激励をされておるようであります。特に、そればかりでなしに、この専従者制限は、教職員ばかりでなしに、国家公務員、地方公務員等についても、同じ制限をとるべきであるという発言をされておるようであります。少くとも、今の石炭労務者の大量離職の対策等は、申すまでもありません。そのほかに、たとえば駐留軍労務者が、せっかく閣議決定までいただいておりながら、運輸省あたりに行ってみると、さっぱり考慮されておらない。私は、せんだって来、東京陸運局等にも、この追浜におる特需労務者の離職者諸君、それから全駐留の離職者諸君のタクシー出願等について早急に考慮するようにということで、まさにお百度を踏んだといってもいいくらいに足を運びましたが、いまだに、半年もたって、しかも、これらの諸君はもう失業保険が八月十五日に切れるんだから、それまでに少くともイエスかノーかの回答だけは明示する必要があるであろうし、またすべきであろう。失業保険金が切れてしまってから不許可ですとなったら、一体これらの人たちはどうなるのですかと、こういうところまで述べて善処を促したけれども、一体閣議決定があるということを知っておるのか、知っておらないのか、とにかくその態度は、熱心に努力をしておると言っておられます。しておるのでしょう。けれども、ああいう問題は、一陸運局等にまかせておいて、政府が拱手傍観しておっては、解決のできない問題だろうと思う。こういう労働省としてサービス・ステーションとして、当然やらなければならない諸問題が山積しておるのです。そこになお、新任早々の、大へん失礼ですが、まさにしろうと大臣と申し上げても、いやそうではないと大みえを切られる私はまだ時日ではないと思うのです。そういうお立場にあられる大臣が、少し言い過ぎるかもしれませんが、少くとも平地に波乱を巻き起すような問題にみずから飛び込んで、文部大臣を激励されるなどということは、私はあまりにも軽率なことではないか。もっと自分のなすべき今さしかかっておる問題について努力をしていただきたい。特にこの専従者制限については、伝えるところによれば、あなたの所管である労働省の関係の諸君が必ずしもあなたと同一意見ではないのじゃないですか。まさかここでは局長初め、大臣とは違いますとは言えないでしょう。考えないでしょうが、これは少くとも少しく専門的な経験をもって労働問題に携わってこられた諸君なら、あなたの態度はきわめて慎重を欠いておるということだけは、私は断言できると思う。そういう事態の中で、なおせんだって二十八日に発言をされたあなたの態度というものは、これ以上続けられるのかどうか、あなたの御所見をまず伺って、時間もないことですから、あと二、三できれば御質問したい、こう思うのです。
○国務大臣(松野頼三君) いろいろおしかりいただきまして、私は六月十八日に就任しましたから、ちょうどきょうが八十日目でありまして、もちろん八十日でこの大きな問題をとやかく言うわけにも参りません。同時に、つい先般の閣議の発言が事務当局がどうだということ、それはございません、今日はもちろんあの当時から。ただこういうことがありました。率直に申し上げて、実はあの発表は官房長官の発表で、労働省の労政記者クラブは当時は総評大会で一人もおりませんで、私はあの日は記者会見をしていなかったのであります。従って、あの発表は官房長官の発表の方から出たわけです。そのうちに二、三の方が労政局に、きょうの発表が官邸から出たがその内容はどうだという実は質問がきたそうです。私の方は何ら聞いておりませんという返事を電話か何かでしたわけです。それで非常に事務当局は冷淡だとか、これに関心がないと言われますけれども、もともとこれは労働省固有の仕事じゃございませんので、労政局長にしましても、これにいいとか、悪いとかいうわけにはいかないという立場があの当日でありました。私は国務大臣としての発言でありますから、閣議で何を言おうが、所管外であろうがかまいませんけれども、事務当局としては、労働省の労政局長が、これは非常に関連の深いものに賛否を言うのは早過ぎるというので返事をしなかったという現実はございました。その後、各省の連絡会議を開きまして、労働省固有の問題というわけに参りませんので、特に人事院という大きな関連がありますから、それを今連絡調整したその上で閣議できめるつもりであります。まだその段階まで至っておりませんので、軽率なというそしりを、おしかりをいただきますけれども、決して労働省の内部でどうこうということはこれはございません。 第二番目の富士自動車━━これは多分富士自動車だと思います。追浜の。追浜の労務対策として富士自動車、東京の芙蓉自動車の二つの自動車免許の申請が出ております。神奈川県におきましては、八月五日か、六日でしたか、今まで出ておりました駐留軍の方、一心タクシーと、保土ケ谷タクシー、二つの免許は八日に下りました。これは閣議決定の線に沿いまして保土ヶ谷と一心とも順調に仕事が進みましたから、これに許可をされました。その後、今出ております追浜の富士自動車、東京の芙蓉タクシーという二つの分は審議中でありますが、閣議決定の線に沿いまして、私も実は片岡さんと同じように、この問題については運輸大臣にお百度を踏んでおります。また、私の方の局長からは運輸省の自動車局長に何べんも連絡しております。これは労働省として必要だからぜひやれということで、実は最大のバックと援助をしております。また、私労働大臣としてもぜひこれも許可してもらわなければ困る。その話を運輸大臣にも閣議の席上でたびたびしましたところ、運輸大臣も、つい先般委員会の席上で答えました、私も閣議決定の線でそういうものは考慮するというふうに答えました、御安心下さいという実は口頭の話もございました。従って、この問題は、片岡委員の御心配と同時に、労働大臣としても非常に心配しております。政府の政策によってある程度転業をやむなくされた方にはぜひ一つ免許許可事業をやるように閣議決定があるわけですから、この実施を運輸大臣に私は特に要請しております。これは二点ですから、近々のうちにこの審査を終るかと思います。私はおそらくその中にこれは入るものだと今日信じておりますが、私も所管でありませんので、許可するという明言は私はできませんが、運輸大臣のお話はその方向に努力することを委員会でも発表されたという話を、運輸大臣から私は聞きました。おそらくこの問題は万々特別の事情がない限り許可になるものだと私はそう思って、実は毎日この問題を心配しております。
○片岡文重君 きょうの質問の趣旨はそこにあったわけではなくして、一例としてあげたが、運輸大臣が言明されたというのは、その問題ばかりでなしに、タクシー問題の全般的個人事業免許の問題に関しておそらく答弁されたのであって、今の特需労務者や全駐労の諸君の関係の問題について明確に約束されたわけではないと思う。この点がもし私の聞き違いで、今の労働大臣の御心配下さっておるその問題は、近日中に解決を与えるということであるならば、これは私も感謝いたします。おそらく運輸大臣の答弁はそういう意味ではない。すでにもうこの問題は六月十五日に聴聞会を終っておる。もう三カ月になる。しかも一番おそい者でも八月十五日に失業保険が切れている。ですから、これはもし運輸大臣が近日中に必ず免許をするということであるならば、けっこうですが、そうでなくして一般的な問題での御答弁であるならば、さらにその上で一つ労働大臣から督促していただきたい。お願い申し上げます。 そこで時間がないようで、はなはだ中途半端になって残念ですから、具体的にというよりもむしろ抽象論としてお尋ねをするのですけれども、この教職員関係の専従者の問題で、どうも私たち納得のいかないのは、専従者の比率を、職員何名について一名というようなことは、これは労働組合の原則からいっても労使双方の間で話し合ってきめられる。団体交渉できめられる。これは当然です。しかし、だれを何年出すか、何回役員をやらせる、どういうことをやらせる、こういう問題はあくまでも組合の自主的な判断と自主的な決定にまかすべきである、しかるべき機関の決定にまかすべきであって、これを使用者たる国が容喙をするということは、そもそも労使対等という立場をじゅうりんした考え方ではないかと私は思う。労使が対等であるという観念を忘れ去った考え方ではないか。この点はどうお考えになっておるか。
○国務大臣(松野頼三君) 労使対等という立場は、労働問題について当然これは考えなければならない問題であります。ただ国家公務員とか特別の場合には、それに応ずる除外法というのがございまして、民間でも同じように、会社の中の専従者であっても、やはり会社の規則というものはこれを守らなければならない。まして国家公務員という身分によって決定されておる問題でございますから、国家公務員の身分の中において労使対等という立場を私は堅持していくのがほんとうの国家公務員の本義ではなかろうか。こう考えて私はとやかく言うのではありませんが、この国家公務員の身分の中でという前提の国家公務員という意味においてそうすべきことが妥当ではなかろうか、こう思うのでありまして、個人から個々にお前がいいとか悪いとか言ったらこれは確かに介入であります。ただ国家公務員という身分の中においてその問題を処理すべきである。それ以上に介入することは、私は労働大臣としては考えておりません。そういうふうな基準を置くというとおかしいですが、これは人事院も今日やっておられますけれども、人事院でも平等の立場で共通点を見出してくれという意味でただいま各省に連絡しております。まだきまったわけではございませんが、その方向で検討するということが閣議のつい先般の模様でございます。
○片岡文重君 国家公務員のワクの中で対等であるということ、これはさっき阿具根君が御質問したときにお答えになった答弁を伺っておっても、職員団体の役員は公務員でなければいけない、職員でなければいけないという大きなワクがきまっておるわけです。だれを持ってきてもいい、職員外から持ってきてもいいというわけではない。従って、その職員であるという前提に立って、その基礎の上に立ってこの専従者というものがきめられるわけです。従って、そのきめられる専従者に対しては、もうそれ以上に規制すべきことではないと思うのです。それ以上の規制はもう対等の立場を離れて、封建的な使用者が使用人を駆使する考え方に立っておる優位性を堅持せんとする考え方だと私は思う。なぜなら職員という立場の中でなければ役員になれない。その役員はだれが選任するかといいますれば、これは職員全部が集まって選任するわけでしょう。ということになれば、一人の人が、先ほど阿具根君が例にあげられましたけれども、極端なことを言えば、十七年あるいは一生涯選任されるかもしれない。しかし、それが組合員がわれわれの利益を守るためにはこの人が最上の人だとこう考えるならそれを選ぶべきであって組合の運営が国家公務員全体の労務管理の上に、あるいは労働条件を改善していく上にこの職員団体というものが必要だと国が認めておるわけですから、この組合の専従者というものはあくまでもやはりあなた方が労務管理を考えると同じように、職員の側に立っての権利を主張し、義務を遂行せんとする努力を払っているわけですから、たとえば職員局長なり、人事課長なりというものが一生涯その職責にすわって労務管理をやっておられることと同じことだと思うのです。国のためには、また国民のためには同じだと思うのです。もちろんその職員局長とか、人事課長などというのは一つの出世コースとして二年・三年でそれはかわるでしょう。けれども、その補佐といういわゆる専門的な立場にある者は、その官庁に入ってから定年退職を強要されるまでその専門的な職業に携わっておる。労働組合の役員といえども、これはやはり長い専門的な経験を持っていることが一番望ましいことなんです。そして何かあなた方の考えでは、長く専従をしておると現場との間に感覚のズレが出てくるというようなことを言っておられますけれども、そういう考え方自体が、すでに今日の労働組合の役員というものを認識していない証拠なんです。今日の労働組合、職員団体の役員というものは、常時、四六時中現場の末端に行って末端の組合員の意見というもの、希望というもの、不満というものを吸い上げてこなければ運動はできないのです。戦いは続けていかれないのです。いつでも、むしろ皆さん方のような最高のレベルの人よりも、ある場合には専門的な立場にある人よりも、その末端の職員の希望というもの、管理がいき届いているかいないかという問題、すべての点については、長い間自由な立場で組合の末端々々に活動し得る、行動し得る専門的な経験を持った役員の方がはるかにこれは職員のためになる。同時に、そういうことは管理者の側の利益にもなることです。従って、二年や三年で制限をするということは組合員のためにならないような、ひいては管理者側のふためにもなるような方法をとろうとすることなんです。そういう問題点について何か……従って、逆に言えば、ひんぱんに役員をかえていくということは、それだけ組合員の不満や、希望や、意見というものを吸い上げ、それを管理者側に伝えるということが不十分になってくる。従って、組合間の結束というものも弱くなってくる。組合の力を弱めるためにはこれはけっこうなやり方です。しかし、それでは労使対等というそもそもの根本観念にもはずれることであるし、善良な労使の慣行を樹立し、円満な労使の関係を持続していくためにも非常な不利益だと私は思う。この点について労働大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(松野頼三君) 組合の不利益だからこれをやるという考えはございません。要するに、国家公務員は政府及び国民の税金から給与をいただいておって、国民のすべてに奉仕すべき責任と義務がある立場であります。その一部の方が組合のために専従者としておられることはこれを認めております。組合の運営及び自主性から認めております。従って、この方は政府から俸給をもらうにあらずして、組合員相互からの拠出金によってこれが運営をされておるという自主運営であります。従ってもちろん国家公務員という身分からいうならば、国民に奉仕すべき方である。しかし、その中で一部の、組合のためにあるという時期においてはこれを除外してそうしてその職務の内容が国家公務員の、組合に奉仕するという時期にあるわけでありまするしかし、どちらを重く見るかということが、これが本日おそらく議題の中心だろうと思いますけれども、全部、恩給通算まで全額組合に奉仕したという方が国民にすべてに奉仕したということに一致するかという疑問がここへ出てくるわけであります。従って、それにはおのずから国民に奉仕すべき公務員というワクの中において、そうして組合活動をしていただきたい。この意味であって、何も組合を否定するとか、在職専従を全廃するとか、組合対策という意味じゃなしに、やはり国民に対する国家公務員法の精神から見るならば、国民に奉仕するという前提を忘れて、組合だけに奉仕されたという方はこれはどうかという感じを私は抱くわけであります。その意味で、これはある程度基準と方向をきめるものだという私の疑問が出てくるのはそこからであります。といって、組合を弱化するのだとか、労務対策だとかそういう意味ではございません。なお、人事課長というのは、国家から俸給をもらっておるのでありますから、当然その職務規定は国民に奉仕すべきものである。そこに私は多少の疑義が今日出てくるわけであります。また、片岡さんのおっしゃることもよくわかります。私のことも全部こうだと断定するわけではございませんし、そういうことを勘案して各省で連絡会を開けというのが今の私の立場であります。私がこうだああだ、もう専従者制限というのははっきりきめて、何人に一人だ、そういうところまで言っておるわけではございません。従って、おのずからそういう過程を経ながら、私の疑問と、労働大臣としての立場の意見であって、これは私の所管じゃありませんから、実施するとき、こうだああだと私が実施するわけではありませんが、私の疑問はそういうところあたりから生まれてくる、そういう感じであります。
○藤田藤太郎君 組合専従制限の問題について、先ほどから労働大臣の意見を聞いておりますと、阿具根君の質問に対してまず第一に、職員の中から選ぶんだ、こういう答弁があった。これは公務員法の九十八条ですか、団結権と交渉権というものを持っておる。だから、職員の中で自由に選べということを法律できめられて、そういう格好になっておる。それで、そこへ年限制限とか自由に法律で組合の代表を選べということをきめておきながら制限を講じるということはどこから出てくるか、私はそこに大きな疑問を持つんです、お話を聞いて。今、労働大臣は、組合が自由に選ぶということに、それはいいのだと言いながら疑問があるんだということをここで話されております。公務員の職員団体、要するに、労働組合というものはやはりこの法律の中にもありますけれども、構成その他より労働再生産に向うための大きな目的、成果ですね、業務の問題にもむろん関係して参ります。能率化とか、そういうために労働組合、職員団体というものはできておる。それはだれが一番われわれの意思を反映してくれるかというのは、自分自身で選ぶ、その選んだ代表を、その権力といいますか、政治権力、政府の権力によって三年とか、教組の例を見ると三年に制限をする、数を少くする、こういう理屈を言っていたらこれは法律の関係はとれなくなる。これが一つの問題です。 もう一つは、先ほど小柳君の質疑に答えられて恩給との関係ということを話されました。三公社、五現業は共済年金、共済保険という格好になっておる。今度公務員もそういう方向に動いている。そうなってくると、亀井局長の説明によると、本人が負担する分は本人が負担する。それから当局側が負担する分は、要するに、組合自身が負担するということになってくるとどういう問題が起きてくるか。先ほど議論されておる問題はどういう工合に変更されていくか。私は関連してこの二つの問題を聞いておきたい。
○国務大臣(松野頼三君) 第一の法律問題ですが、藤田さんは九十八条を御引用になり、それからそれを受けて百一条というのがございまして百一条の中に専従というのを認めております。その百一条に続いて人事院規則によって休暇届を一日以上一年以内という人事院規定がございます。従って専従というのはその三つの法律と人事院規則で制限があるわけです。もしも無制限に認めろというならば、一日以上一年以内という期限は実はおかしいので、ただし再任を妨げないということは書いてありますが、期限を定めるのは一日以上一年以内で、国家公務員の各省庁の業務上支障があるかないかを伺いを立てろということが書いてあります。従って、国家公務員の職務の遂行上支障があるかないかということを、頭においてやはり国家公務員の組合というものは組織及びすべての法律ができている。そういうわけでありますから、数を無制限にするということは、これはおのずから常識的にできないわけです。やはりすべての制限は国民に奉仕すべき公務員の職務上において、これが大前提であります。それから憲法にも公務員は一部に奉仕するのじゃなくて、国民全部に奉仕するというふうになっておる。何人に一人がいいかどうかはこれは技術的な問題ですが、無制限でいいということは国家公務員の本質ではないのです。しかも一日以上一年以内で各省庁が職務に支障があるかないかでおきめなさいという規定になっている。この二つの問題を勘案すると、おのずから制限は、二年がいいか三年がいいかということを私は独断で言っているのじゃない。おのずから各省庁と連絡してやるべきじゃないか。各省庁ばらばらでは公務の運営上いけないから、おのずから常識内で、定員法があるのですから、どこでも仕事が繁雑になって定員をふやしてくれと言っているので、そう専従者を無制限に広げるというのはお互いに過労になることだから、極端にすることはできない。その基準と方法はもう一ぺん研究する余地があるのじゃないかというのがこの間の話です。私は当時、極端なことを言ったのではない。そういう思想から研究すべき価値のある問題だ。各閣僚とも私の意見に賛成です。その意味でこうだ、ああだと具体的に言っているのではありません。人事院が扱っているのですから、人事院の意見を聞かないで閣議できめるということはございません。そういう意味で在職専従者というのを日本で認めている理由は、あくまでも日本は企業組合である。いわゆる職業的な労働専従者じゃなくて、企業組合を認めているから専従者を認めるのだ、これが大原則である。そういう意味で今の問題は多少研究の余地がある、こう思っております。
○藤田藤太郎君 関連して。 そういう端の問題を議論しているのではない。その制限の問題、それから期限の問題、これは再任を妨げないということであってそれよりかも一番根本の問題は、あなたは憲法論まで触れられたけれども、憲法の二十八条の問題の議論までしなければならぬと思うのです。私はここでそこまで議論をしようと思っていません。しかし、問題は憲法で労働三権というものは確立されておって、その中から公務員法という制限の中で団結権と交渉権というのを持っている、職域の中で職員でなければ職員組合は作れない。職員の中で自由に代表者を選びなさい、こうなっている。たとえば専従を無制限だなんていう表現は私は一つもしていない。十万人おって十万人専従にするという飛躍的な議論も出てくるでしょう。そんな議論はここでしたってつまらぬ。問題はどれだけの数の人が専従するのが適当かというのは話し合いと言いましょうか、お互いが理解して今日まで慣行を作っているのです。これからふえるかもしれないし、減るかもしれない。しかし、それを何人に一人だとか、三年であるとか、そういうことは団結権を認めながらこのことを否定することになりやせぬかということを言っているわけです。人事院規則百一条の問題は手続の問題ですから、そういう一つの段階はあるでしょう。しかし、上からそういう格好のものを押しつけるということでいいのかどうか、そういうものの考え方で専従制限の問題を取り扱うということ自身が逸脱しておりゃせぬかということを言っている。関連ですから私はやめます。
○阿具根登君 関連して、労働大臣の答弁に与党の方も賛成されているようでございますから、少しわかっていただくために申し上げたいと思うのですが、専従期間は一日以上一年未満、再任は妨げない、これがあるじゃないかと言われるけれども、すべての団体、すべての会社の定款あるいは協約、組合法を見てみると、全部が二年ないし一年ということをきめている。どのやつも無制限にきめていない。しかし再任は妨げずということで自主的にお互いがやることを認められておって、決してこれは特別視されているわけではありません。しかも労働大臣の説を考えていけば、一部の者に奉仕するものでないのが国家公務員だ、組合の専従は一部の者に奉仕しているのだ、こういう断定であるならば、組合の直従者は組合員以外から、国家公務員以外から持って来なければできないという問題になるわけですよ。そこに大大臣が言うのに矛盾があるではないかということを、先ほどから私は質問しておったわけです。そういう点がありますから、無条件に大臣が言うのをそうだとおっしゃる方は少し勉強してもらわぬといかぬ、こういうことです。
○国務大臣(松野頼三君) 国家公務員の職員組合ですから、国家公務員の職員組合を自主的に作ることはできる、また、作らなくてもいいというのが、国家公務員の組合の特殊性であります。こういう大前提があります。組合の専従者を私はいたずらに拒否する意味ではありません。国家公務員の組合であると同時に、これは国家公務員から選んでいただく、そして人事院に登録してもらうという規定の上での話でありますから、これは撤廃すればいいじゃないかということは、国家公務員法そのものの改正に触れるわけでありますから、私は現行法の中で、今日国家公務員は団結することもできるし、しなくてもよろしいということを言っているので、これは何も団体交渉権というふうなそういう労働組合の権利と別に、申し入れをする、話し合いをするということは当然必要である。いろいろの制約が公務員法にはあるのですから、それを私は一律に撤廃してしまうというわけには、今日の国家公務員法のある間はできない、こういう考えで、現行の公務員法と人事院規則の中において話を私はしているわけであります。思想としてはいろいろ御意見はあるでございましょう。しかし、それは公務員法の改正というものを経なければ、一律にそれを前進するわけには、私の議論としてはいかないじゃないか、こう考えております。
○藤田藤太郎君 恩給と共済保険の関係はどうなっておりますか。
○国務大臣(松野頼三君) 今日はほとんど恩給の問題でありますが、十月一日から共済保険に変りますけれども、まだ今日は恩給の問題であります。民間労組の場合、大体労働協約できめて退職金というものが支給されます。従って、組合に何年おろうとも、実は労働協約によって退職金はこれこれときめることは可能であります。ただ恩給の場合は国家の財政からこれを支出するわけでありますから、やはり公務員として従事した功績と功労に対して支給するというのが本義でなければならない。しかし、やはり公務員法の中に認められておる専従者でありますから、これはもちろん専従期間中というものは認められるということは、恩給局長通達で今日出しております。ただここに期限というものがないわけであります。 それから全部でいいのかということが今日問題であります。十七年全部専従者であって、恩給がついていいのか、これは国家公務員法の本質、国民の税金ということから考えると、私は多少疑義が出てきやせぬか、これが私の今日の考えであります。今日は恩給というものを通算を認めております。しかし、全期間、十七年全部いいのか、これは私は多少疑義が出てくる。この疑義を今日持っているわけで、まだ何年がいいか、三年がいいか、四年がいいか、各省の連絡協議会で原案を作っておりまして、作業中でおります。そこまで進んでおります。疑問は国民すべて持つのじゃなかろうか、こう思っております。
○藤田藤太郎君 今の恩給の問題、片一方を認め、団結を認め、専従を認める立場ということで認めて、そうしてその職員の中だけしか代表者を選べないという非常に高度なしぼり方、シビアなしぼり方をしておって、そういう議論をする。今日は時間がないから、私は次の機会に━━片岡さんがあるようですから━━やります。
○片岡文重君 今の問題ですが、根本的な問題ですから、なるべくゆっくり詳細にあなたの御意見を伺いたい。実際においてあと雇用の問題があるし、志免の問題もあり、大臣はそろそろ時間をということになっているそうですから、はなはだ残念ですけれども、結論的に最後の質問をしたいと思うのですが、どうも大臣は少し先入観念が間違っていやせぬかと思う。それはわれわれは一言も現行法を改正しなければいけないとか、無制限な専従者を認めろとか、こういうことは一言も言っておらない。あくまでもわれわれのお尋ねしておるのは、また労働大臣が最近とっておられるのは、むしろ逆に労働大臣が現行法をじゅうりんし、在来の打ち立てられた労働慣行をしいて打ち破らんとしておられる。こういう最近の御行動がわれわれにとって納得いかないということでお尋ねしておるわけです。われわれは重ねて申し上げますけれども、専従者の無制限な姿を認めろ、現行法を撤廃せよ、こういうことはこの問題に関する限りは言っておりませんから、その点についてはとくと御認識をいただきたい。そこで、公務員は国民の全般に対する奉仕者であって、一部のものに対する奉仕者じゃない、お説の通りです。このことは従って、われわれは特定なものにだけ専従者であるからということで奉仕せよ、国民の利害、国民の生活を考える必要はない、そういうことは二言も言っておらぬ。むしろ公務員の団体であればあるだけにそれらの代表となり、役員となる諸君は常に国民大衆の生活と利害の上に立って行動し、考えておるわけです。そのためには公務員はどうすればよいのか、公務員の労働条件はどうなければならぬのか、労務管理はどうなければならぬ、どうあるべきであるかということを考え、そうして所管の責任者と相談をし、話し合いをし、交渉して円満な妥結に導こうと努力する、とりもなおさずこれは国家公務員の労働条件がよくなる、生活条件がよくなるということは、職員諸君が安心をして与えられた職務に専念できる姿になるのですから、国民大衆の利益になることは当然です。人事局長とか、職員課長ならば職員の労務管理等は一切考えない、一体、国民大衆のためにやるのだというならば、どういうことをされるのですか。人事局長とか、職員課長というのは、所管の職員の待遇、懲戒、懲罰、給与、労働条件等を所管されるでしょう。これらの諸君が、もし自分の職員のことだけを考えて、国民大衆のことを考えないということであるならば、これは私けしからぬことだと思う。同じように職員の代表も職員の生活条件をよくすると同時に、国民というものを常に念頭において行動している。これは何回繰り返してもはばからないところなんです。そういう認識の上に立って、やはり労働大臣はこの問題について考えていただきたい。先ほどから伺っていると、どうも大体先入観念が間違っている。その点からまず是正していただきたい。この長年の間に打ち立てられた、少くとも終戦以来十余年の間に打ち立てられた今日の慣行を、文部省の通達もいっているように、従来と異なる措置をしいてとられんとする意図が那辺にあるのか、われわれは了解に苦しむ、と言いたいけれどもあまり苦しまな。このように明白な意図を持って、しいてせっかく打ち立てられた今日の慣行を打ち破らんとするようなことは、まず労働大臣が矢面に立って、この労働問題を理解しない他の閣僚諸君の説得に当られることこそサービス・ステーションのマスターとしての労働大臣の任務であると思う。御所見を承わりたい。
○国務大臣(松野頼三君) 公務員は、特に職務の内容が広範囲で重大でございますから、人事院という特殊機関がございまして、これはいわゆる行政組織法の中に入っておらないという特別な役所がありまして、そういう別格な人事院というものを作ったという本質からいいましても、公務員の労働問題及び行政問題というのは重要だと私は考えております。なお、私の労働大臣として、私が組合を弾圧するとか、もし法律に違反するとかいうことがありましたら、いつでもおしかりをいただきたい。また、組合を弾圧するというような立場ではございませんで、閣内では唯一の労働者の味方というのが私の職務でございますから、職務規定から申しましても、私は弾圧的な意向というのは持つべきじゃない。持てば私は自分自身の職務違反だとさえ考えております。 なお、考え方は、今後の問題でございますから、おしかりをいただいて間違っておればいつでもみずからの意見と思想を変えるにやぶさかではございません。なお、私は労働慣行というものは尊重しなければなりませんし、慎重に今までの労働慣行に従って人事院というものを尊重しながら問題を解決したいと思います。ただ私の疑問と思った点をお話ししたわけです。結論を出しているわけではない。また、いけないのだということをはっきりきめたわけではございません。当然人事院という一番公務員の労働慣行の所管であるところによく話をして、疑問として持ち出しているのが今日の段階だと思います。釈然とすれば釈然とした方に喜んで私は従います。きょうは片岡さん一つこの辺で、今後の問題として残していただきたい。きょうはとても結論が出ませんので。
○藤田藤太郎君 私は一言だけ時間がないから労働大臣に申しあげておきたいと思います。というのは、きょうは阿具根委員から、失業、雇用の問題から始まって、労働行政一般の問題に触れられた。ところが、労働大臣の考え方を聞いていると、非常に言い方を、雇用対策というのは労働問題の中心である、これが柱である、こういうことをおっしゃっておりながら、たとえば具体的な炭鉱の失業問題になってくると、通産省が勝手にやるのだというような印象を、あとからだいぶ説明がありましたけれども、そういう印象でものを言われる。私は、雇用問題というのは、労働問題の中心である、柱であるという限りにおいて来年度の予算要求という状態に今日もあるわけです。年々百二十万から三十万の新規労働力というものが出てくる。それと今日の失業者をどうして就職の機会を作っていくかという問題が一つございます。 それからもう一つは不完全就業者があって云々というお話がありましたけれども、不完全就業というものをどういう立場から把握しようとしておられるか、把握しておられるのか。労働省の今日までの質疑の中で、不完全就業の把握というものを明確に私は一ぺんも聞いたことはない。そういうところで肝心の労働問題というものは、根本的には石田、倉石両大臣も言われておりましたけれども、具体的には実行してもらえなかった、もらえなかったけれども、経済政策、この問題に密着しなければ労働保護という立場、労働力の配置、完全雇用という立場から、経済政策というものを立てなければどうしても失業対策というものは立てられないのだ、こういう主張をされております。私はその限りにおいては同感なんです。しかし、そういうにおいがきょうの労働大臣の発言の中には一つも出てこない。二年ほど前に通産省の人を呼んで、労働問題を議論したことがあります。しかし、通産省の考えていることは、労働問題など一つも頭にないのです。産業行政、通産行政をやるのに、労働問題を頭に入れてやろうなんていう考えはないのです。だからなおさらのこと、労働大臣が今の政府を代表してと申しましょうか、政府の失業、雇用対策の全部をひっつかまえてやる、そのためには産業政策はこうやってもらわなければ困る、こういう格好でそれを進めてもらわないと、雇用、失業の問題は解決しないと思う。そういう私はかまえというものがどうも労働大臣欠けてはいないかということを非常に直感して考えました。 それから政府の長期経済計画ということをおっしゃいました。しかし、長期経済計画の数字は私も読んで知っておりまするが、実際にそれと雇用問題が合致して進んでいるのかどうか、こういう制度になってしかるべきだと思うのですよ、雇用問題を論ずるならば……。そういうことには一指も触れず、ただ単に長期経済計画がある、雇用審議会の答申で、第一次産業を第二次、第三次産業に移行する方がよろしいから、そういう格好にした方がいいのだというような抽象論では、雇用、失業の問題は解決しないと思う。炭鉱の問題を初め、その他いろいろ失業の問題があります。あなた本部長をおやりになっておった駐留軍の失業の問題でもほとんどゼロと言っていいような状態で、失業者は困っている。こういう問題を私は根本的に労働行政の中心であると口でおっしゃっておりながら、そういう具体的な施策というものをここで考え方をおっしゃらないということは、非常に残念だと思います。だから、はっきりと私はその点は今の内閣において、どういう立場でどうやっていくのだという心がまえというものを私は持ってもらいたい。所見があったら聞いておきますけれども、きょうは時日がないからやめますけれども、はっきりしてほしいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) この言葉が行き違いになりましたけれども、石炭の話と、それから総体的な雇用問題というものにはもちろん関連はございますが、おっしゃるように、先般経企長官から長期経済計画の策定の発表が一部ございました。そのとき私はさっそく、雇用の数字が少し甘いと私は思いますよというので注文をつけたわけです。もちろん経企長官も雇用の数までまだ検討しておられなかったから雇用の数字が少し甘い。私は雇用数というものを網羅的に出さないで、できるならば産業別に積み上げられた数字を、ドンブリ勘定で雇用というものを扱われては、それは労働大臣として納得できない、できるならば産業別にこの産業はこう伸ばしていけばこういうふうになる、そうして日本の経済産業構造がこういうふうになる。産業の中に雇用が重大な立場を占めるということが念頭にございます。従って藤田さんがおっしゃったように、産業別に雇用数字を出して積み上げて日本の産業構造が出ればはっきりすると私は思うのです。今のところは、いわゆる生産面から逆算していくと雇用というものが出てくる。在庫数あるいは鉱工業の生産指数から割り出して日本の産業構造を考えると雇用数字が出てくるが、雇用から割り出して産業数字を出すと雇用がはっきりする。その意味において、できればそういうものを私はすべての構造に入れたい。そうしなければなかなか雇用は促進しません。その一つが実は石炭の問題です。石炭産業と重油の問題は関連がある。重油でやればどの程度のものを消化する。それじゃ石炭はどの程度のものを消化するからこの程度で重油はとめてもらいたいというような逆に雇用の方から私は産業構造に積み上げて参りたい、もちろん各省の関係もありますから、各省に負けないだけの努力を今日やっております。その数字を正確に、閣議のときは私の方も負けていません。雇用数字というのを正確に把握するために、不完全就業の限度、範囲をほんとうに読んでいきませんと今後の経済計画には私としては困る。その意味で鋭意やっております。不完全就業の発表の数字にもいろいろありまして、阿具根さんは厚生省の厚生白書の転落者という意味の方を千二百万、ある方は雇用人口から八百万という数字を出しました。しかし、その雇用に比して就業希望、就業する方は二百四十万という数字も出て参りました。従って、その数字も正確にどこを言うのか、やはり就業の意思があって努力しているならば、二百四十万という数字が一応出てくるわけであります。八百万は不完全就労で、この中には家族労働とか家内労働の方もあられるかもしれません。その数字のとり方も各省ばらばらでありますから、労働省としては各省に負けないだけの資料を検討して、今後の産業経済構造面を雇用面から私は分析していくつもりで非常に実は努力と勉強をしておりますが、まだ発表まで参りません。いずれこれは来年予算要求の前後には、長期経済計画の中に含めて、十分御説明できるように私も勉強して参りたいと、こう考えております。さらに先ほどの石炭の問題は、今は労使間で争っている最中でありますから、この問題はしばらく触れたくないと言うのです。せっかく労使間で協議しておるこの問題については、私の発言は差し控えます。こう言ったわけであります。どうぞ一つ御理解いただきたい。
○藤田藤太郎君 だから、この次の委員会には、総合的な労働大臣の考え方を出して下さい。
○国務大臣(松野頼三君) 産業計画と一緒に私は発表したいと思います。労働省だけこう言っても、各省がおそらくそれはなかなか議論百出しましょうから、調整の上で出したい。近いうちに必ずお出しするように準備いたします。
○委員長(加藤武徳君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(加藤武徳君) それじゃ速記を始めて下さい。 質疑に入ります前に、委員の異動を報告いたします。 本日付をもって草葉隆圓君が辞任し、その補欠として大谷贇雄君を選任いたしました。御報告いたします。 —————————————
○委員長(加藤武徳君) じゃ質疑に入ります。
○小柳勇君 志免の売山問題にからんで労働運動に対する官憲の不当なる介入の問題を質問いたしたいと思います。 国鉄の志免炭鉱を民間に払い下げようとする動きが最近急に活発化して参りまして、国鉄総裁は、今月の下旬には志免の売山の入札を強行したいと発表いたしております。その矢先、去る八月十七日の朝、国労の幹部六名を逮捕いたしました。たまたま二十日の日から門司地方本部の大会——国労の地方大会が開催され、しかも売山はじゃんじゃん新聞で発表されている矢先に、幹部六名、その幹部は中央執行委員一名、それから地方本部書記長、組織部長、それから志免支部の委員長、それから部長、それから分会の委員長、こういうような重要なる幹部六名を不当に逮捕いたしました。逮捕の理由は、四月二十五日、二十六日に行われた団体交渉のそのありさまがすこしひどかった。で、逮捕の理由書の中には強要という罪名をもって逮捕したのでございます。で、私は今からこの概要を申し上げたいと思いますが、時間がありませんので、その概要について労働省なり法務省の方で当然、八月三十一日にわれわれはこの問題をきょう取り上げることを通告しておりますので、調べてあると思いまするが、十分に取調べができているかどうかを答弁願っておきたいと思います。
○説明員(亀井光君) 一応その経過その他は承知はいたしておりますが、具体的な現場における詳細な事情につきましては存じておりません。一応の経過はわかっております。
○小柳勇君 法務省は。
○委員長(加藤武徳君) 法務省の刑事局川井公安課長が出席いたしております。
○説明員(川井英良君) 福岡地検からの報告によりまして概要は存じております。
○小柳勇君 それでは今から質問して参りますが、十七日の朝といいますと、地方大会を二日後に控えましたその朝で、しかも事件は四月二十五日に発生した事件が逮捕の理由であります。四カ月もたちましたその事件を、地方大会の直前に大会を開催する重要な書記長や組織部長を逮捕したということが一つと、それから志免を国鉄から民間に払い下げようとして三年来総裁並びに志免の支部が交渉して参ったその売山を強行しようという矢先、そういうときに逮捕して労働組合の動きを抑えつけようとしたその行為について、われわれは不当労働行為、すなわち不当なる官憲の弾圧だと考えております。しかも私ども福岡県におりました国会議員、県会議員並びに関係組合の委員長などは、再三再四検察官、あるいは裁判所長にも会って、その当時の実情を話し、組合の運営の実情を話して、このままだと、どうしても組合大会の開催ができないので、任意出頭その他について十分今後われわれとしては協力するので、この際一つ逮捕については即時釈放してくれないか、こういうことまで誠心誠意八回にわたって陳情したのであります。私もその一人であります。それにもかかわらず、四カ月前の事件をたまたま大会の前に逮捕して、その大会の開催を不能ならしめようとした、そういうことについて、一体労働大臣並びに検察、法務省の関係官はどういうふうな御見解か、まず見解を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(松野頼三君) これが非常に不当労働弾圧ということならば、労働大臣としても特に検察当局に話し合いをしなければなりませんが、現実の状況を検察当局からよく聞きまして、その目的が那辺にあるかを一つよく聞いて、そうしてそれが不当労働弾圧だというならば労働大臣として当然それは守らなければならないことでありますので、法務省の見解も一応お聞き願いたい。
○説明員(川井英良君) 組合の大会とたまたまぶつかったということは大へん残念なことだと思いますけれども、私ども地検からの報告によりますれば、犯罪捜査の都合上やむを得ずこういうことになったのだというふうなことに相なっておりますので、われわれといたしましても、組合活動を特別な意図で弾圧するためにしいてそのような強制捜査を行なったというようなことはあり得ないものと信じております。
○小柳勇君 あり得ては大へんでございますが、そのような前提で私は質問して参りますけれども、そのようなことではないかということで、実は地検の次席検事に質問いたしました。大会開催については御存じであるかどうか。ところが、残念ながら次席検事はその大会の開催については知らなかったと言っている。で、大会の開催については新聞広告にも出しておりますし、ちゃんと公けに通知を出して、一カ月前、八月の十日に大会通知を出しておる。そのようなことを知らなかったと言われたので、私どもとしては、そのようなことで、地検として知らなかったとするならば、大会をもうあさってに控えておるので、任意出頭その他についてわれわれとしても十分善処するし、今まで調査されたことも知っておるので、しかもその事件については、過去にはわれわれが伝え聞くところによると、これはもう事件にならないということで投げられたというようなことも聞いておる。そういうようなことであるならば即時釈放してもらいたいというようなことまで陳情した。釈放についてはいろいろ事情はありましょう。なぜ釈放できないかということで、勾留理由の開示のときに質問いたしましたところが、たとえば黙秘権を教えたり、あるいは任意出頭を押える、そういうことがありましょう、だから釈放できませんというようなことを裁判のときには検事は答弁されました。ところが、この労働運動を一年間ずっとやって参ります経過を見ますというと、いろいろなことを啓蒙宣伝して参るわけです。その事件が発生いたしまして四カ月間にどういう証拠隠滅などのことを裁判官、検事が考えておったかわかりませんが、証拠を隠滅されるからということで大会期間中十七日間を逮捕しておるわけですね。そのようなことは、われわれの常識━━私どもは法的にも、うといのでございますが、弁護士など法律に明るい者の常識から考えても理解できない。しかも当時のこの裁判官の一人、桑原裁判官という人は、二十日に検事の勾留請求を却下いたしております。ところが、その直後また準抗告をいたしましたところが、次の後藤裁判官というのがその勾留請求却下の裁判を取り消して再び勾留という事実がある。しかもそのとき新聞記者などに漏れた━━大へん残念でございますけれども、漏れた情報によりますと、その裁判官を殺して、そうして検察庁に顔を立てるのだというようなことが流布された。それは非常に司法行政として大事な問題であろう。単にこの労働組合の役員を逮捕して釈放しないということだけではなくて、検察庁に対する裁判官の面子などということを考えて裁判されるとするならば、それは私は現在の民主的の裁判が非常にこれはゆがめられていくと思う。それはまあ伝え聞くところであるから、証拠がありませんから私はここで追及いたしません。しかし、そのようなことで、たとえば検事は警察官に対して顔を立てる。裁判官は検事に対して顔を立てる。犯罪の事実としてはすでにもう四カ月前に起ったことで、すでに大体問題にならないということが言われておった。そういうものをたまたま大会が開催されるから、志免の炭鉱が売山されるからということでそういう幹部を逮捕して、そうして組合の運営をこれを阻害し、それから売山を強行されるその反対の運動を阻止しようとするような意図であろうととられるようなことをやられることについてはわれわれ納得できない。従って、そういうものについて、いま少し現場の実情を聞かれた━━当局者から、現場の実情はこうでございましたからこういう経過でありましたということを聞きましたということを御答弁願っておきたいと思う。
○説明員(川井英良君) 二十日に組合の大会が開かれるということを当該地検の検事が知っていたかどうかというようなことにつきましては、私報告を受けておりませんのでわかりませんし、それから警察に対して検察官が顔を立て、さらにまた、裁判官が検察官に対して顔を立てるために、妥当でない身柄の処理についても処分をするというようなこと。さらにまた、もう一つ明朗でないようなお話がございましたけれども、さような点につきましては、こまかい報告には接しておりませんので、ここで詳しくお答えはできませんけれども、十七日に警察が逮捕状を取って逮捕をいたしまして、十八日に地方検察庁が警察から事件と身柄の送致を受けまして、検事がそれを取り調べました結果、身柄を拘束して取り調べることが、この事件の犯罪の大要その他からいって適当だと、こう判断をして勾留請求をしたものであろうと信じます。それに対しまして、最初の勾留裁判官が必ずしも勾留の必要性がないということで検事の勾留請求を却下したのはただいまお話の通りです。それに対しましてやはり検事は、最初の信念通り、身柄を拘束しなければ証拠隠滅のおそれがあるという確信に基きまして、手続法の規定するところに従いまして準抗告の手続をして争ったわけであります。その結果、その次の抗告裁判所の裁判官は検事の主張通り身柄を拘束しなければ証拠隠滅のおそれがあると、かように判断いたしまして勾留状の発行をいたしたわけでございます。従いまして、その勾留状に基きまして検事は十七日間この事件の捜査を続けた。こういうふうな経過の説明になっておりまして、その間に、しからば証拠隠滅のおそれかあるというのはどういうふうな観点から検事は考えているのだと、勾留裁判官はそれを否定するに当ってどういうふうに考えたかというと、その勾留却下の決定の内容とか、それに対しまして検察官の方から申し立てました準抗告の申立書の内容すなわち、検事が確信しておる証拠隠滅のおそれがあると思われる具体的ないろいろな事実でございます。それに対します抗告裁判所の裁判官の判断決定というようなものは、私どもその写しの報告が参っておりますので、これはもちろん御存じだと思いますけれども、その報告を受けまして、やはりその事件につきましては、検事といたしましてはたびたびいろいろな陳情があったことは、今よくわかりましたけれども、さような陳情にもかかわらず、この事件の捜査のためにはやはり勾留して取り調べが必要だと諸般の事情から判断してかような措置に相成ったと、かように思うわけであります。
○小柳勇君 時間がございませんからもう質問はこれで終らなければなりません。逮捕の理由は強要です。団体交渉の強要として体しております。今御存じのように、志免の周囲の石炭産業は非常にこの夏に失業者がどんどん出ている。そういう時期ですから必死で交渉しております。これは売山問題について当然そういう問題が起りましょうけれども、私は今後の官憲の推移その他を見守りながら私はこの問題を再び質問することがございましょうが、私は残念ながら労働官憲が不当に介入しておるということは、私は十分理解はできませんから、大臣の質問は時間がないようですからこの問題は終って、次の問題の推移を見守りながら、再び質問することがあり得ることを予想しながら質問を終ります。
○委員長(加藤武徳君) それでは質疑はこの程度にとどめまして、本日はこれで散会いたします。 午後零時五十四分散会