建設委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/09/25
会議録
○委員長(岩沢忠恭君) これより建設委員会を開会いたします。 この際お諮りいたします。住宅問題について意見を聴取するために日本住宅公団総裁狭間茂君、同じく副総裁渡辺喜久造君、同理事渋江操一君、同じく吉田安三郎君、同じく今泉兼寛君、同じく武藤文雄君、同じく滝野好暁君を本委員会の参考人にすることにいたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩沢忠恭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○委員長(岩沢忠恭君) それでは、先般当委員会が行いました委員派遣について、派遣委員から御報告を聴取することにいたします。 最初に利根川水系の班からお願いいたします七
○田中一君 第一班、利根川水系建設事業調査報告書を朗読いたします。先般、利根川水系の建設事業の調査に参りました第一班の報告を私から申し上げます。 去る七月三十日から八月三日まで五日間の日程をもって、小山委員、小平委員とともに、利根川の上流から河口まで一貫してその治水、利水事業と一部道路事業を調査して参りました。 その経路及び視察個所につきましては、お手元に配付いたしました図面1をごらんいただきたいと思いますが、東京から群馬県渋川に直行、利根川水系の全体の計画を聞き、支川赤谷川に入り、相俣ダム、三国国道を見て水上泊り、翌日は利根川本流をさかのぼって、藤原ダム、東京電力須田貝ダム、調査中の矢木沢ダム地点まで参り、さらに支流片品川の薗原ダム及び柿の平砂防実験場を見、公団の伊香保道路を経て伊香保に入りました。翌八月一日は、赤城山系、渡良瀬川水系の砂防事業を見て、足尾砂防堰堤から引き返し、渡良瀬川上流改修工事、特に足利市岩井山付近を視察、本流の昭和橋を経て古河に入りました。翌二日は、渡良瀬遊水池から本川上流改修工事の北河辺引堤個所、関宿分流点、利根運河、龍ケ崎、布川、印旛水門を経て牛堀に入り、翌三日常陸川逆水門、河口の波崎、銚子を経て帰京いたしました。 利根川は御承知の通り本邦第一の大河であります。源を群馬県利根郡水上町の丹後山に発し、群馬県内において支川、片品川、赤谷川、吾妻川、烏神流川を、栗橋にて渡良瀬川を合せ、関宿において江戸川を分流し、さらに鬼怒川、小貝川のほか、手賀沼、印旛沼、霞ケ浦、北浦の水を集めて、銚子から鹿島灘に注いでいます。その幹川流路延長は三百三十二キロ、総延長四千四百二キロ、流域面積一万五千四百四十三平方キロに及び、流域面積は本邦第一、流路延長は信濃川、石狩川に次いで第三位であります。 利根川の河道は、山間部を流れる間は流路の変遷はないのでありますが、平地を流れる部分は、古来自然にあるいは人工によってしばしば変流しています。古くは、利根川は今の本庄あたりから下流は幾条かに分れて東京湾に注いでいたのでありますが、変流のおもなものは、長禄年間太田道潅が江戸城を築くに当りその一部を浚渫して幹川としたこと、また元和七年新川を開さくして現在の鬼怒川筋に分流し、次第にこれを広げてついにこれを本流としたこと等で、現在のように銚子において太平洋に注ぐことになったのであります。 利根川の過去の洪水を見ますと、多数の記録がありますが、明治以前最も有名なのは天明六年のもので、現在の栗橋下流の権現堂堤が破堤し、はんらんした水は江戸に及び、本所、深川、千住一帯はもとより牛込、小石川の低地まで浸し、明治以前最大の惨害であったといわれています。明治時代には四十三年のものが最大であって、山王堂、中之条、権現堂等の堤防が欠壊し、はんらん区域は十八万町歩に達しています。昭和に入ってからは昭和十年、十三年、十六年、二十二年が最も大きく、昭和十年の洪水は過去の記録を越え、また昭和二十二年のカスリン台風は未曾有の豪雨をもたらし、栗橋上流北埼玉郡東村の破堤により、洪水は東京都の市街地に浸入する大災害となっています。 利根川本川の改修計画を見ますと、明治三十三年度より着手され、計画洪水量は烏川合流点より江戸川分流点に至る間を三千七百五十立方メートル毎秒としていましたが、明治四十三年の出水に遭遇し、計画洪水量を五千五百七十立方メートル毎秒と改め、昭和五年にその竣工を見ています。しかし昭和十年、十三年の大出水に際会し、昭和十四年に増補計画が立案され、八斗島における計画洪水量を一万立方メートル毎秒として工事を進めたのであります。しかしまた昭和二十二年カスリン台風により治水計画の再検討が必要となり、治水調査会で審議の結果、昭和二十四年改訂改修計画が立案され、計画洪水量一万七千立方メートル毎秒とされ現在に至っております。この改訂改修計画は国土総合開発法に基く利根特定地域の事業計画において、昭和三十二年五月閣議決定を見ていますが、この計画は計画洪水量一万七千立方メートル毎秒のうち三千立方メートル毎秒を上流ダム群により洪水調節し、八斗島における計画洪水量を一万四千立方メートル毎秒と定めるもので、以下河道の流量配分はお手元の図面2の通りであります。この図で渡良瀬川、鬼怒川、小貝川の各支川流量は遊水池によって本川流量に影響を及ぼさない計画であり、栗橋で一万四千立方メートル毎秒の計画洪水量は江戸川及び利根運河で五千五百立方メートル毎秒分流し、さらに下流部で利根川放水路の開さくにより三千立方メートル毎秒を分流、下流部河口までを五千五百立方メートル毎秒と定めています。 次に利水について見ますと、現在江戸川を含む利根川本川筋における各種用水の使用水量は、年総流量百三十億立方メートルのうち一二%に相当する十六億立方メートルが使用され、渇水時には干塩害を生ずるのが恒例であり、昭和三十一年五、六月の大旱魃における水不足量は一億五千万M方メートルと推定されております。また利根川を水源とする各種用水の新規需要は、農業用水において利根特定地域開発計画で確定しているもののほか、群馬用水、埼玉仲仙道用水等三十四立方メートル毎秒、上水道用水において昭和四十五年度を目途として東京都及び千葉方面で十八立方メートル毎秒、工業用水としては京葉工業地帯造成計画により、昭和四十五年度までに千五百万坪の埋め立てによるもの十立方メートル毎秒等、計約六十二立方メートル毎秒が予想され、このため表(3)の通り、薗原、矢木沢に次いで下久保、神戸のダムを計画しており、幹線水路の建設及び管理のため公団のようなものも考えているようであります。 以下、上流砂防事業、ダム、下流改修工事、利水事業に大別して問題点を拾ってみます。 まず砂防事業について見ますと、利根水系、渡良瀬水系あるいは赤城山系等において砂防堰堤が見事に土砂を扞止し、十分に効果を発揮しているのを見るのでありますが、まだまだ計画に比べて竣工しているものが少く、予算増大の必要を痛切に感じるものであります。また藤原ダム等ダム貯水池の沿岸等に多くの土砂流出が見られるのでありますが、これらはダムの効果、寿命のためにもぜひとも林野砂防の実施を要請しなければならないと思われます。また足尾地区は鉱害で金山はげ山となり、明治三十四年田中正造による直訴事件まで起した鉱毒地区でありますが、煙害は昭和三十一年以後は施設により非常に減少しており、最近は植生板によりわずかに草が見られるようになっています。ただ鉱津の処理等については河川管理者の立場からなお厳重に取り締るとともに、渡良瀬上流にはどうしても大規模な砂防事業を必要とすることが痛感されるのであります。 次にダムについて見ますと、計画は上流ダム群により八斗島において三千立方メートル毎秒調節しなければならないのでありますが、現在竣工しているものは藤原、相俣の両ダムであり、その調節はわずかに七百五十立方メートル毎秒で二五%に過ぎません。着工した薗原、矢木沢両ダムあるいは計画中の下久保ダムを加えても二千五百五十立方メートル毎秒の調節にしかならず、三千立方メートル毎秒の八五%に過ぎません。改訂改修計画に対して計画地点もないということではまことに心細い次第であります。従って沼田下流の岩本地点あるいは吾妻川にどうしてもダムを考えねばならなくなって参ります。建設省は岩本に高さ八十五メートル、有効貯水量一億四千万立方メートル程度のものを考え、産業計画会議の勧告にあるごとき、高さ百二十五メートル、有効貯水量八億立方メートルのダムは不必要と見ているようでありますが、後述の利根川放水路と関連して、後ほどこの勧告に対する政府の態度を承わりたいと思っています。また吾妻川方面にもダムサイトがぜひほしいところであり、八ツ場ダム案もあったのでありますが、この方面は草津温泉等による有名な硫酸酸性の水質でありぺーハーも一・八という激しいものであります。酸性水質はコンクリートを浸蝕し、また水田農業を不可能にしているので、群馬県では石灰石の投入による毒水の中和を考え、一日七十トンの投石により年間六千五百万円程度を要しますが、これが国による直轄管理を希望しています。これは全国でも珍しい例であり、水質の改良は河川法にも明瞭に示されていませんが、同法の四条、六条、八条、二十六条等で拡張解釈できるものか、政府の御意見を聞きたいと思っています。薗原ダムでは水没九十一町歩、六十五世帯の移転があり、目下水没対策委員会ができこれと協議していますが、委員会では明治初年には私有地であった現在の国有林の払い下げを願い、さらに水没者のために新しい村作りを要求しています。中部電力井川ダムの村作りの例があり、井川ダムの事業費、補償物件等と比較すると、薗原は大体二割ないし三割程度のものと思われますが、補償方法が金銭補償から漸次現物補償にかわる趨勢にある今日、国としてもこれに応ずるだけの能力、誠意を示さねばならないと思います。 次に矢木沢、須田貝、藤原の各ダムのごとく、階段状にダムが並んだ場合でありますが、この場合東電の毎日貝ダムに対しては、水利権の認可条件等において洪水調節干害放流の事項がないようでありますが、この点に疑問を抱くものであります。 次に下流改修工事についてみますと、渡良瀬川上流足利市岩井山の湾曲部は昭和二十二年カスリン台風の際、左岸堤が破堤し一挙に百八十名の生命を奪ったのでありますが、河川敷の拡幅計画がようやく昨年から予算化しています。その用地問題については、地元では区画整理を併用して実施したい模様であり、このことはまことにけっこうでありますが、補償計画が長年にわたっているので、補償費の支出はぜひとも単年度に支出すべきであり、またそのためにも土地収用法を適用するよう進言して参りました。 次に利根川下流布川の狭窄部及び小貝川合流点の問題は、瀬割堤で計画されたが地元の反対で実施できず、放置されている状態であります。このため逆流による小貝川の堤防漏水の問題も出て参りましたので、早急に解決を望む次第であります。 改修工事は早く効果を上げるため、計画断面を一度に完成することなく、暫定断面をもって全川を施行し、順次完成していくのが多いようでありますが、江戸川なども五千立方メートル毎秒の計画を一応四千立方メートル毎秒で実施しております。従って、下流の工事ができ上っていないので関宿の流頭部の洪水量を制限しているようであります。こういうことでありますから、本川下流において計画洪水量三千立方メートル毎秒を分担する利根川放水路は、早急に調査し早期に着工しなければならないわけでありますが、表(4)の三十五年度以降の予算にも全然顔を出していないような状態でありますし、この大工事はほとんど不可能ではないかと考えられてくるのであります。ここで先ほどの産業計画会議の沼田ダム案が三千立方メートル毎秒の洪水調節ができることを考えれば、再考の必要があるのではないかと思うのであります。なるほど、産業計画会議案は揚水発電により東京のピーク電力百万キロワットを生む電力に主力がおかれていることはたしかであり、また水没家屋二千二百戸、道路、鉄道のつけかえ、水没代替地としての赤城山麓の水田開拓等、関連補償工事が莫大で総事業費千六百三十億円を要する大事業ではありますが、治水と農業、水道、工業用水即発の総合性等、水の有効利用を考え、また利根川放水路も前途困難にして百年河清を待つ感がいたしますので、この際勧告に対する政府側の見解をお聞きしたいと思うわけであります。 次に利水事業として農林省印旛沼、手賀沼干拓事業の印旛排水機場を見ました。工事はほとんど竣工いたしておりましたが、この排水機の洪水時における排水規程は建設、農林両省の間で夫決定でありますので早急に解決すべきものと存じます。 このほか、三国国道の予算増大、昭和橋、三国橋の促進、五霞村における引堤前の堤防補強、群馬、栃木、茨城、千葉県当局の陳情等、種々御要求がありましたが、あまり長くなりますので後ほど政府側にお尋ねいたしますとともに、詳細は持ち帰りました資料によってごらんいただくことといたします。 以上で第一班の報告を終ります。
○委員長(岩沢忠恭君) ただいまの報告につきまして何か御質疑ございませんか。
○田中一君 これは政府から、今私が早口で読み上げたのじゃおわかりにならないから、速記がとれましたら、これによって詳細な答弁を願いたい。と同時に、これに対して書類で一応出していただいて、その説明を願いたいとこう思うのです。
○説明員(大沢雄一君) ただいまの御要求、承知いたしました。
○委員長(岩沢忠恭君) 次の報告を願います。
○稲浦鹿藏君 私は向井委員とともに、去る八月十九日より四日間、名神高速道路、阪奈道路、天ケ瀬ダム等、京都、大阪、兵庫、奈良各府県の建設事業を視察して参りました。なおこの間田中清一委員も特別参加されました。以下その概略を御報告いたします。 まず道路関係のうち、名神高速道路については、京阪兵庫建設所管内の状況を調査するとともに、山科、東伏見工事現場を視察いたしました、山科、東伏見工事地区約七キロメートルは、京都バイ。ハス区間約十キロメートルの一部として、名神間で最も早く用地問題も妥結し、山科工事地区は昨年九月工事に着工し、また東伏見地区は、それより三カ月ほどおくれて工事に着工したもので、現在鋭意建設に努力中であります。工事の概要を申し上げますと、山科地区は総延長五千二百八十メートル、東伏見地区二千七十一メートル、設計速度はともに百キロメートル、幅員二十四・四メートル、四車線、最小半径は山科七百メートル、東伏見千メートル、橋梁は十四個所及び五個所等となっております。 現在までの進捗状況は、山科地区六五%、東伏見地区一八%となっておりますが、大津インターチェンジから京都インターチェンジの間、いわゆる京都バイパスが完成しますと、現在京都市街地を通過する場合に比して、その所要時間は約三十分から六分ないし七分程度に短縮され、経済上多大の便利を招来することになります。ただ伏見の深草地区商店街約一キロメートル程度は、まだ両者間の話し合いがつかず用地の買収未済となっております。 なお、その他の地区の用地買収の状況を京阪建設所に例をとってみますと、八月一日現在で乙訓地区九四・二%、東高槻地区四・五%、茨木地区四六・九%、吹田地区一六・六%、豊中地区四〇・四%等となっており、延長約四十六キロメートル、坪数にして約八十万坪のうち四九・五%の買収済みとなっております。 用地買収のおくれている原因としては、地元民との間に買収価格の点について折り合いがつかないということもありますが、地元側としては、高速道路の建設には賛成しながら、高速道路貫通に伴う将来の都市の発展という見地より、その設計に対しての注文が非常に多く、この点について交渉が妥結しないため買収ができずにいるという地区も多々あるように見受けました。要するに、本道路の建設は一大国策であることにかんがみ、政府においても今後一段の御努力を願う次第でありますが、なお、また本道路建設に伴う関連公共事業についても、これを総合的に推進する必要があると考えるのであります。 次に阪奈道路について簡単に申し上げます。 本道路は、昭和二十七年に制定された道路整備特別措置法に基いて、大阪府、奈良県により、有料道路として昭和三十年十月に着工されたものでありますが、日本道路公団の発足に伴い、昭和三十一年七月一日より同公団に引き継がれ、工事が進められて完成をみたものであります。 本道路は、大阪府大東市寺川より奈良市尼ケ辻に至る一七・七キロメートルの区間で、工事に当っては道路工事としては画期的なスタビライザーで、ソイルセメントによる路盤工が行われたり、あるいはコルゲートパイプの採用等、名神高速道路のテストケースとしての工事が幾多行われました。 木道路の完成により、大阪・奈良間は一級国道二十五号線よりも十四キロメートル短縮され、時間的にも二時間を要したものが五十分足らずで走ることができるようになりました。本道路は、産業並びに観光道路として大きな役割を果しており、これを料金収入の面よりみますと、昭和三十四年度料金収入目標額月間五百七十八万円に対し、最近七月の場合は八百二十九万円と、目標を相当上回っている状態であります。 このほか、東山道路、六甲有料道路、第二阪神国道についても調査して参りましたが、これらについては持ち帰りました資料によって御承知を願いたいと思いますが、第二阪神国道に関連してその早期完成と同時に、大阪市内の雑踏を緩和するため、安治川新橋梁架設実施年度の繰り上げ等について要望があったことを申し上げておきます。 なお、道路関係については、大阪、四日市線の改良並びに舗装工事の促進、一級国道二十九号線の改良促進、主要地方道姫路・米子線及び姫路・豊岡線の国道編入、一級国道二十四号線の未改良区間の早期改良、主要地方道天理・上野線の一級国道編入、伯母峰峠の切り下げ等の陳情を承わって参りました。 次に天ケ瀬ダムでありますが、本ダムは淀川水系改修基本計画に基き、南郷洗堰の改造、木津川の高山ダムの築造と相待って淀川水系の洪水調節を行うとともに、平時においてはダムの落差を利用し、四万八千キロワットアワーの発電を行い、京阪神地方の電力需用に応じようとするものであります。 本工事の遅延は、用地問題の未解決、特に滋賀県側との交渉の難航によるものでありまして、現在までの用地補償の状況は、京都府地内の水没地については、すでにほとんど用地調査を終了しており問題はありませんが、滋賀県地内は昭和三十二年当時から再三測量の交渉を行なってきましたが、一部は依然水没反対を唱え、交渉に応ずることを拒否して参りました。最近に至りわずかながらその態度にも変化をみせ、地元民の間には交渉に入ってもよいという考えも出てきたようであります。ただこの問題は、現地住民だけでなく、滋賀県当局との関係があり、県側としては、あくまでも琵琶湖との関連において本問題の解決を考えており、その水位問題等ともからみ、早急の解決はなかなか困難であるようであります。水没住民に対する第二次補償等、県当局でなければできない部面も幾多あるので、政府においては県側の意向も十分尊重し、補償問題について遺憾のないよう、今後とも一そうの熱意と努力を払い、もって工事の早期完成を期待いたします。 治水関係について西高瀬川改修促進、淀川水系改修促進、大和川未改修区間の早急実施、紀ノ川水系吉野川(和歌山県界より吉野町に至る区間)を直轄工事施行河川区域編入、宇陀川ダムの早期着工促進、琵琶湖総合開発の促進、大阪市内の河川汚濁対策事業の推進等の陳情があり、その他大阪地区地盤沈下対策事業の早期完成、東播海岸浸蝕対策事業の直轄施行、千里丘陵住宅地区開発事業の推進、市営高速鉄道建設の促進等の陳情がありました。 最後に、去る八月十三日の豪雨による水害復旧に対し、京都府及び奈良県より特別交付税及び起債について格段の配慮を願うこと、二十八年度災害同様に、高率補助及び補助限度の引き下げを考慮されたいこと等の要望がありましたことを報告いたします。 以上で御報告を終ります。
○委員長(岩沢忠恭君) ただいまの報告に対して御質疑の方は御発言を願います。……なければ、最後に九州班に報告を願います。
○松野孝一君 第三班について御報告いたします。 内村、櫻井両委員と私と先月二十八日から一週間の日程で、九州地方の建設省関係事業の調査に行って参りました。日程、視察の順路、視察個所等につきましては、お手元に配付いたしました資料で御承知いただきたいと存じます。 視察は主として、道路と河川改修の現況並びに計画について行なって参りましたが、以下二、三の所見を述べまして、報告にかえさせていただきます。 道路について。 視察いたしました道路は、国道三号、十号線、二級国道の二百二十一号線、二百十九号線、二百十六号線、百九十九号線並びに有料道路としての長府及び関門道路、北九州道路、霧島道路、阿蘇登山道路、工事中の若戸橋及び計画調査中の天草連絡道路と、九州横断道路等でありますが、まず国道について言いますと、一、二級国道ともまだまだ未改良部分が多いこと、たとえて言いますと、宮崎県管内の十号国道の未改良部分は七〇%、熊本県管内の三号国道の未改良部分は七八%という状態で、舗装に至ってはそれぞれ一五%、二六%という低さにとどまっています。二級国道におきましては全国的にそうでありますけれども、山間部の未改良が非常に多いことが感ぜられました。大分・佐伯線の二百十七号線は、佐賀関—津久見間の山間部の開通がまだできていないということでびっくりしたような次第です。 また今回視察しまして特に問題であろうと思われますものに、橋梁のかけかえの件があります。これは地方道でありますが、河川の改修工事が進捗していないために、災害復旧費で一部改良工事を付加して作られた永久橋の部分と、応急架設の木橋の部分が継ぎ足されて、橋梁としては一応人馬の交通の便にはなっておりますが、自動車交通は不可能であるといったものが一、二にとどまらなかったのであります。 例をあげますと、球磨川上流の深田村庄屋橋があります。この橋は昭和二十三年の水害で一部を残して流失、復旧は河川改修計画に合せて流失部分を永久橋で架設したが、残った橋梁部分とは橋床の高さに開きがあり、桟橋状に継いで、辛うじて人だけは通行できるという状態で十年余を過ぎてきている始末ですが、これなどは河川改修工事に付帯して早急に完成をはかるべきではないかと思います。 ただし、この際実際に問題になるのは、地方道の場合、市町村の財政負担が可能かどうかということになりますから、国としても十分に検討してほしいと思います。 次に有料道路ですが、霧島や阿蘇道路はいずれも観光道路ですが、採算上の成績はあまりよくないかと思います。今年度から北霧島道路と南霧島道路とを結ぶ計画が実施の運びになるそうでありますが、観光ルートというものを当初から計画に入れて実施に移す必要があると思います。その点で、現存公団で調査測量中の九州横断道路は、実質的には別府—阿蘇—雲仙を最短距離でつなぐ観光ルートとしての道路になりますから、観光道路としての機能、効率はよくなることと思います。ただ観光道路として見た場合には、この横断道路が、これまでの九州一般の料金収入の状態や採算上の経費の点から、砂利道になるようなことは避けるべきではないかと思います。 天草連絡道路は昭和三十一年から調査に着手、今明年度には完了するということでありますが、この道路は未開発後進地域天草の開発道路だと思います。離島と本島とを結ぶという点で一脈若戸橋にも通ずるものがありますが、天草島自体の道路整備がきわめておくれている点、道路公団の事業として見るよりも、むしろ公共事業的性質が多いと思われますので、この計画の実施の検討に当っては、ただに企業採算上からばかりでなく、建設省としても特別の考慮が払わるべきであると思います。 また若戸橋は、海上吊橋として総工事費五十一億円、わが国最大の橋梁工事でありますが、三十七年度竣工を控えて、これに接続する二級国道百九十九号線の改良拡幅をあわせて実施し、橋梁完成後において十分なる効果を発揮し得るようにぜひともすべきであると考えます。 河川について。 直轄河川の大淀川、球麿川、白川等の改修工事は着々進捗してはおりますが、それらの進捗率は微々たるもので、白川は四・七%、球磨川上流工事は一九・六%という状態におかれています。この現況から見ますと、新治水五カ年計画におきましても、これらの改修計画はその何パーセントを進捗することになるのか、きわめて心細い感を抱かせられたのであります。 さらに中小河川以下においては未改修原始河川も多く、累年水害に悩まされている地元の人々からは至るところで改修促進の陳情を受けてきたのであります。それらの詳細は省略いたしますが、たとえば黒川の例でみますと、上流部は二十八年災の災害復旧助成工事で、中流部は一部の中小河川改良区域を除いて局部改良、下流部は中小河川改良区域として取り扱われて、中流部の局部改良区域が来年度から二十八年災の復旧工事費の打ち切りによって、この区間だけ進捗が取り残されるということで、これが中小河川改良区域編入の要望がきわめて強かったのであります。黒川改修の残事業はなお約一億円と見られていますので、工事の進捗について地元民の強い不安と不満が現われているのだと思います。 終りに、本年七月水害の状況を福岡県について見ますと、砂防施設のすでに行われておった所は、下流にほとんど被害は皆無であったことが明らかに示されておりますことと、市町村の一件十五万円以下の小災害がきわめて大きな数字に上っていることを申し述べておきたいと思います。 以上で報告を終ります。
○委員長(岩沢忠恭君) ただいまの報告につきまして御質疑のある方は御発言を願います。
○内村清次君 ただいま松野委員から御報告になりましたように、私たちにも——この調査に参加した者ですが——詳細につきましては、先ほど第一班の方で言われましたように、報告書が印刷になりましたなら、この検討をして、その個所別に対するところの建設省としての考え方を、資料として委員会報告として出していただきたいと思います。 特に報告の内容にありました黒川の改修の件ですが、この問題は、当時私も行きました際にも、ちょうど新聞に大きく出ておったというようなことで、地元沿岸の農村の方々が大挙押し寄せてきて陳情を受けたわけです。だからして私もこれはぜひ早く委員会の席上で、責任あるあなた方から話を聞いておきたいというような感じで質疑をするわけですが、問題は二十八年災の白川、この下流のいわゆる熊本地方を中心とするところの惨たんたる災害は御承知の通りです。ところが今年まで予算的にもあまりこの進捗状態は、私たちは決してすみやかであるとは言い切れない問題が残されております。この問題にも十分私たちも質疑を展開するところの余地は持っておりますけれども、ただ問題はこの下流の改修が完了しないと、黒川の改修——すなわち上流部の改修には手をつけられないというような新聞記事が出て、そこで上流関係黒川沿岸の農村の方々が押し寄せて来たわけですが、そういった方針が建設省におありかどうか、その点は一つ重要ですからはっきりと御答弁願いたいと思います。 それから報告書の内容にありましたように、この黒川の改修がこれまた遅々として進んでおりませんが、問題は毎年々々こういった改修のおくれのために、四千万円以上の水害を出しているんですね。でそれに中流部においては、局部改修のためにわずか年間に二百万円ばかりの局部改修予算しか出しておらない。それも災害復旧といたしましては、二十八年災の災害は本年度で切れますから、来年度一体どうやって費用をお出しになるのか。この点に対しても非常にこれは県も地元も心配している問題ですが、この点に対するところの御答弁をお願いいたしたい。 それからこれはやはり黒川の上流部と下流部ですね、下流部は中小河川で改修をやっているんですが、上流部の方は災害助成費でやっている。こうやって同じ十キロや十五、六キロの河川関係を、いろいろこの手当を予算の違った改修費でもってやっているんですが、これではとうてい完全な改修はできないと思うんですけれども、これに対しましては地元といたしましては中小河川として取り上げて、そうしてこの改修は早くやってくれいというような陳情が熱烈になされておりますが、これに対するところの御答弁をお願いしたい。
○説明員(大沢雄一君) ただいま第三班の御要請に対しましても、第一班の方と同様文書でお答えいたすようにいたしたいと思います。
○委員長(岩沢忠恭君) 委員長から派遣委員の諸君に一言ごあいさつを申し上げます。 派遣委員の方は調査期間が酷暑の折にもかかわらず熱心に検討いたされまして、貴重なる報告を得ました御労苦に対して厚くお礼を申し上げます。 —————————————
○委員長(岩沢忠恭君) それでは次に第十四号台風の災害に関する件を議題といたします。 この被害状況につきまして政府当局から説明を願いたいと思います。
○説明員(山本三郎君) 台風第十四号による被害の概況につきまして御説明申し上げます。 お手元に資料を差し上げてございますが、これによりまして逐次御説明を申し上げておきます。 第一ページは気象の概況でございますが、これは御承知のように、九月の十一日にマリアナ諸島に発生いたしました十四号台風が、西の方へ行くと思いましたけれども、北緯二十六度から二十八度の辺で北に回りまして、朝鮮海峡あるいは朝鮮の釜山付近を通りまして、日本海の真ん中を北東に進みまして、北海道と樺太の間をオホーツク海の方面に抜けて行ったわけでございます。十四号台風は比較的雨が少かったわけでございますが、非常に気圧の低い大きな台風でございまして、そのために海岸における被害が多かったわけでございます。以下建設省所管の公共土木施設の被害の状況を刷りものによって御説明申し上げたいと思います。 二ページに参りまして、第一番は直轄で復旧すべき被害の状況でございますが、北海道の災害でございますが、これは河川も道路も直轄でやる部分の被害でございまして、北海道は主として右の方の欄に書いてございますように道路、橋梁でございまして、小樽、函館の管内におきまする道路、橋梁の被害でございまして、これが一億八千七百六十八万程度に報告されております。被害個所が百十五カ所でございます。それから九州でございますが、筑後川と書いてございますが、これは有明海の高潮によりまして筑後川の下流部分の堤防の護岸がやられたのでございまして、現在のところ被害個所が九カ所で四千五百万と報告されております。以上直轄の被害が百二十四カ所で二億三千二百六十八万でございます。 次は補助災害に該当する分でございますが、まず北海道でございまして、これは主として西南部の海岸でございまして、渡島支庁、檜山支庁、後志支庁の管内でございまして、おもなる被害個所に書いてございますように、主として海岸の道路でございます。これらの被害額が十億七千八百万円余りでございまして、今回におきましては、北海道の被害が一番多く報告されております。次は青森でございまして、これはやはり西の海岸の方でございまして、西津軽郡、北津軽郡方面の道路、橋梁等の被害でございまして、九千六百九十六万と報告されております。秋田はやはり、西海岸、海岸の西でございますが、海岸及び道路の損傷でございまして三千二百九十一万、新潟が佐渡並びに三島郡の海岸でございまして約一千万、富山が魚津市、滑川市等で四千三百六十万、鳥取は西伯郡と米子市でございまして二千百万程度でございまして、主として海岸でございます。それから島根県におきましては、隠岐島、出雲市等におきまして海岸道路がやられております。三千五百三十四万円程度でございます。山口県も県の北西部でございまして、主として二級国道の下関—益田線でございまして六千三百二十八万六千円、次は福岡県の山門郡と柳川市、これもやはり海岸の有明海に面する海岸の堤防の被害でございまして二千百三十三万ということに相なっております。それから次は佐賀でございますが、ここに書いてありますように小城郡、杵島郡、佐賀市、佐賀郡、福富村という方面におきまして、海岸の堤防が損傷しあるいは破堤をいたしまして、一億二千万円余りの被害が報告されております。次は長崎県でございまして、これは対島、五島列島それから島原半島の小浜それから巌原、高島町、これは島でございますが、それから大島町、美津島町、峯村、崎戸町、郷浦町、主としてやはり海岸と島の被害でございまして六億六千百万円余りでございます。熊本は主として天草でございまして二億四千三百万円の道路、海岸等の被害でございます。鹿児島が四千九百三十二万、大分が三百七十五万と相なっております。補助災害の合計が二十四億八千百七十三万四千円でございまして、先に申しました直轄の分を合せますと二十七億一千四百万円余りに相なります。 これらの被害に対しまして、第七ページにありますように、対策といたしましては、今次災害の激甚でございました長崎県、佐賀県並びに北海道に対しましては、現地の状況の把握と緊急復旧工法の指導に当らすために係官を現地に派遣しております。指導を終りまして間もなく帰京する予定に相なっております。以上簡単でありますが、報告を終らせていただきます。
○委員長(岩沢忠恭君) ただいまの報告に対して御質疑のある方は御発言を願います。
○米田正文君 ことしの災害総額はこれで幾らになっておりますか。
○説明員(山本三郎君) 現在までの被害報告をそのまま寄せてみますと、直轄、補助を合せまして五百七十九億余になっております。
○米田正文君 それは報告のままですか。
○説明員(山本三郎君) そうです。
○米田正文君 それでそれの予備費支出の状況はどうですか。
○説明員(山本三郎君) 六号台風までは緊急査定を終りまして、その分につきましては予備費の支出の決定をいただいております。七号台風につきましては、現在査定を実施中あるいは査定の終りましたものがございますので、それらをまとめまして近く予備金の支出をお願いしようということになっております。
○米田正文君 そのほかにつなぎ融資の問題があったが、つなぎ融資はどのくらい出ておるのですか。
○説明員(山本三郎君) つなぎ融資は比較的今度要望が少いようでございますが、詳しいことは現地の財務局の方でやっておられるようでございますが、おそらく今度は何千万の程度ではないかと思っておりますが……。
○田中一君 そこで今の米田君の質問に関連するのですがね。今、予備金はいくら残っておりますか。そして今までの分と合せて、これは山本君に聞いてわからなければ宮崎君が知っておるので、宮崎君に伺いますがね。どのくらい残っておりますか。
○説明員(宮崎仁君) 前回七号台風の関係で、予備金の問題を申し上げましたときに、支出残七十三億と申し上げておりますが、その後ただいま河川局長のお話のように、七月以前の災害につきまして、約十四億災害として支出をいたしておりますので、残額としましては約五十九億ということになります。
○田中一君 これはそうしますと、たしか八十億でしたね、年度初めのやつは。それから七億出して七十三億、前回の七号台風までは。十四号台風までを入れて五十五億残っておるということですか。
○説明員(宮崎仁君) 七十三億から約十四億支出いたしまして、五十九億程度ということです。
○田中一君 五十九億ですね。どうもこれはなんですか、建設省の方の所管の公共土木の面から見ても、これは実数ですか。私は、今総額五百何億という公共土木災害が直轄並びに補助工事にあったという実情から見ても、相当予備費を食っておるんではないかという考えをしておるのですが、むろんこれは単に公共土木ばかりでなく、他の所管の各省のものもあると思うのですが、ことさらに予備費の支出というものを縮めてあるのか。ということは、われわれは補正予算を組めと、こういう要求をしております。しかしそれはそういうものには補正予算を組む必要はありません、という今までの一貫した政府の態度というものが、この予備費の支出の面において、政治的な配慮でこういう縮小をされているのではなかろうか、というようなひがみを実は持っているわけです。これはひがみと見ていいでしょう。そこで実際は今河川局長が言うように、五百億以上の災害があったのだと、しかしながら本年度これに応急的に支出しなければならぬというものと、それから次年度でもいいのだというものと区分した場合には、この八十億の予備費というものは全然なくならない、残るのだという見解のもとに立っているのか、その点もう一ぺん詳しく伺いたいと思うのです。
○説明員(宮崎仁君) 前回同様の問題で、七号台風の被害報告がありましたあとのところで、大体七十三億の予備費をもちまして、これまでの災害であれば何とか支出ができるのではないかと、こういう見通しを申し上げたわけでございますが、今回の十四号台風あるいは七号台風についても、その後精査がわかり次第、被害報告も入っておるようでございますから、まあそういった状況でありますので、これはもちろん予備支出の問題につきましては、査定が完了いたしませんと正確な数字はわからないわけでございますが、現在までのところで集計をいたして、過去の実績から判断いたしますと、おそらく現在の予備費の残額をもっては対処できないのではなかろうかと私は考えます。従いまして査定の確定を待ちまして、そういった補正予算という問題も出るかと思います。
○田中一君 そうすると、もう一ぺん伺っておきますが、今までの災害の状況では現在の七十三億の予備費ではまかない切れないのではなかろうか、というような見通しを持っているということなんですね。
○説明員(宮崎仁君) これはこの前申し上げた数字は大体八月末のところで、七号台風の終ったところの見通しを申し上げたわけでございますが、その後十四号台風で今御説明しましたように若干増加しております。農林省関係の数字がどのくらいになるのか、実は私どもまだ報告を受けておらないのでありますが、そういった点を考えてみますと、若干不足を来たすのではなかろうかと考えております。
○田中一君 その若干とかということではわれわれは困るのですがね。これは今まであなたの方で経験があるのです。毎年公共事業に対しては見通しは持っておられるわけですが、それでは公共土木に関して山本君はどういう見解を持っているか、若干なんていう表現では困るのですがね、大体見通しはあるでしょう。
○説明員(山本三郎君) 予備費は各省の関係のをみんな寄せてみませんとわかりませんわけですが、ただいま宮崎さんから御説明がありましたように、私どもの公共土木に予備金から充当いたしました従来の実績にかんがみますと、それだけの数字ではまかない切れないのではないかというふうに考えます。 —————————————
○委員長(岩沢忠恭君) それでは次に住宅に関する件を議題といたします。 御質疑のおありの方は順次御発言願います。住宅問題に関して今御出席になっておる方々は、渡辺副総裁、渋江理事、吉田理事、武藤理事、滝野理事及び行政管理庁から原田行政監察局長、森行政監察局監察審議官、この方々でございまする狭間住宅公団総裁もお見えになっております。
○田中一君 前回の委員会に引き続いて、公団の主として行政管理庁が指摘しました問題を中心に質問をするわけでございますけれども、前回の委員会で各種審議会のあり方について政府の資料の提出を求めておりまして、本日その資料が出て参りました。そこでこのうち私が今伺いたいのは、日本住宅公団土地等評価審議会、この機構と運営について若干質問したいのですが、事実この資料によりますと、このほかに各支所の土地等評価審議会というものが持たれているわけです。主として総裁を除き、なおかつ支所長で理事の方々を除いたのが構成メンバーとして公団の方の審議会の委員になっている。支所の方は支所長が会長になって各関係の部課長等が参画して行なっております。そうしてかつ行政管理庁では、これに対して一面権限の委譲を支部にしたらどうかというようなことも出ておりますが、一応公団がどのようにして土地の取得を決定しているかという点について簡単に一つ最初に御説明願いたいと思うわけです。
○参考人(渡辺喜久造君) 私からきわめてアウトラインだけ申し上げたいと思います。 われわれの方の住宅建設の仕事をして参ります場合において、何と申しましても一番まず最初にしなければならぬことは用地の取得でございます。住宅公団ができましてちょうど四年になりますが、特に当初におきましては、この仕事が急に計画を実行しなければならぬということで、かなり苦しい事務としてわれわれの方に課されて参りました。現在におきましては、幸いにして年度の初めにおいて賃貸住宅用地を約五十万坪ほど手持ちするような姿になって参りました。最近におきましてはだいぶ当初とは姿が変ってきております。大体土地の話が出て参りますのは、われわれの方で積極的に探して歩くという場合もございますが、あるいは市町村等の公共団体の方から、この土地を使わないかというお話がそういったような機会に出ますし、あるいはいわゆる土地ブローカーの方々がいろいろな話を持ってくるということもございます。支所といたしましては、一応その場所の適否ということがまず問題になります。東京等にいたしますと、大体一時間以内で通勤できる場所というのを一応頭においております。大阪などになりますと多少事情がゆるやかでございますので、四十分以内とか、名古屋とか九州に参りますと、さらにもう少し近回りの土地、別にはっきりした基準があるわけではございませんが、大体そういったようなことが頭の中にあります。同時に、そこに一つの団地経営をいたしました場合、下水道あるいは上水道の関係あるいは地盤の関係、これは建築の上で必要でありますが、その他に学校とかあるいはお医者さんとかあるいは商店とかそういったようなものが当然付随していろいろ出て参りますから、いわばそうしたそこが団地として経営するのに適当な場所であるかどうかということが一つの判断資料になります。同時にそこを一体どの程度の値段でわれわれが手にすることができるか、その値段が四囲の状況から見て果して妥当な値段であるかないか、あるいは四囲の状況から見てそう高くはないとしても、われわれが住宅公団の団地経営する場合において当然その土地に対する利子相当額は地代として計算しなきゃなりませんから、そこに建てた場合に一体家賃がどれくらいになるか、こういったような判断が必要なわけでございます。従いまして一応そういったような各方面から判断いたしまして、大体この程度の値段で、あるいはこの程度なら入手してもいいんじゃないか、まあきわめて事務的に一応の結論が出ます。支所におきまして土地評価審議会というのしがございまして、この審議会にかけます。この構成はただいま田中委員のおっしゃいましたように、支所長が会長になりまして、部長とか関係の者が集まってできている委員会でございます。金額のあまり張りません、あるいは小さなものでございますと、支所の土地評価審議会で一応問題が決定いたしますが、金額が大きな、あるいは土地の大きな団地になりますと、一応本所の方へ回って参ります。本所の計画部の方で一応審議した結果、原案を作りまして、本所の土地評価審議会にかけます。構成員は私が会長になりまして、理事の方、監事の方、それから部長というものが集まりまして、そしてその材料に基きまして審議いたします。価格の問題でございますから、近傍類地の売買実例があればそれを全部集めます。あるいは土地賃貸価格と売買実例との開きが一体どれくらいあるか、それとのバランスも見て参ります。相続税の標準価格などわかります点につきましては、これも調べまして、もちろん土地賃貸価格とかによって普通に計算される数字あるいは相続税の価格というものは、普通の売買実例とはかなり低くなっております。その低くなっておれば低くなっておるなりに、それの程度というものを調べまして、そして一応われわれの方としましては、この土地ならば今言ったように大体環境もよろしい、値段の方も妥当である、家賃計算いたしてみても、一応大体この程度ならよかろうと思われますような場合におきましてこれを評価審議会としましては、一応この値段は妥当であるという答申を総裁に出します。それを取得するしないということは、また別途理事会あるいは総裁の決裁を得まして、最終的なことをきめまして、各支所に戻します。支所長がその売買契約をする、こういうような過程になっております。
○田中一君 たとえば今の副総裁から御説明があったような審議会の決定ですね、権限。まあこの内規を見ますと、金額において五千万円、それから団地の坪数において一万坪をこえないものは、支所の審議会の議を経て決定されることにはなっております。これに対して行政管理庁は、もう一万坪以下の土地の取得なんていうものは少くなっているのであるから、権限委譲したらどうか、一万坪以上のものも支所に権限をまかしたらどうかというような勧告が出ているわけですが、原田行政管理庁監察局長はどういうお考えを持っていらっしゃるか、この実態というものに対する認識は、相当はっきりしたものをお持ちになっておられると思うのですが、一つ御答弁願いたいと思います。
○説明員(原田正君) 私どもの調査した結果によりますると、実際の実例の上におきまして、一万坪を超過するものが相当多いのでございます。そういう点からいたしまして、事務の簡素化、迅速化と、こういう見地から申して、その程度以上のものも権限委譲を行なってよろしいのではないか、こういう意味で一応勧告をいたした次第でございます。
○田中一君 原田さんに重ねて伺いますが、現在土地を取得するための住宅公団の動き、事業を遂行するための事務的な手続取扱い等に対しては、十分監査を願い、お調べを願ったでしょうね、実態に対して。ただ五千万以上とか一万坪以上の、件数が多いから、この辺で権限を支所に委譲したらいいじゃないかということでは解決されないのです、問題は。大体買収しようという地価というものの妥当性というものを、これは当然あなたの方で考えなければならぬと思うのです。で、妥当性を求めるために、あるいは屋上屋を架するような機関も必要な場合もあると思う。同時にまたもう少し広く民間の意見をも聞いて、しなければならぬような点もあると思います。行管では少くとも外部の土地に関する価格等を適正に判断し得るような有識者、経験者ですね、こういう者も入れたらどうかというような勧告もなすっておりますけれども、これは私はどうかと思う。どこまでもこれは、もしもそういう形で第三者を混えて、妥当なる価格というものを求めようとするならば、おのずから道は別にございます。で、権限委譲をしたからといって、すべての問題がスムーズにいくものではないという工合に私はみているのです。なぜならば、現在の土地の買収というものは、そう楽々として相手方が承知をするものでもなし、かつまた住宅公団の成立以来、ことさらに地価の高騰というものに対して、拍車をかけているような形かみられるわけです。であるから実際に公団の支所にいたしましても、公団にいたしましても、一面において地価の高騰というものに拍車をかけるような施策を持ちながら、高い家賃——地価というものが非常に大きく家賃に悪循環しますから、しないようにと思って、なるべく安い土地を得ようというような努力をしていると思うのです。そういう点からみても、ただ機構を変えて権限を委譲したから直ちに事務がスムーズにいくということは考えられないのです。一定の標準を押えて眼をつぶって判こついて契約するならかまいませんけれども、やはり国民のためにいかに安く、そうしてまた土地の所有者にも納得いくような価格で買い取ろうかというところに問題があるのであって、従って政府の答弁をみましても、その点は十分検討したいというようなことを言っておりますけれども、これも私は無責任きわまる答弁だと思うのです。実際に現在支所が土地を取得するためにやっている労苦というか実態というものを、ほんとうに承知してやろうとするのか、事務だけが楽になればいいというものじゃないのです。たとえば国の必要で護岸なり道路なり作る、こういうものと違って、入居する国民の一部の方々の負担というものが、それにはおおいかぶさってくるわけなんです、住宅公団の土地の取得という問題につきましては。その本質まで入り込んで、現在の土地の取得の事務的な扱い方、考え方響の妥当性までお調べになって、その上で権限委譲をした方がいいという判断ならば、判断のようにしていただきたい。勧告するのもいいと思います。政府にしてもそうです。ただ行管の勧告をうのみにして、その勧告の趣旨の通りに努めて委譲しようと思いますというような答弁が、実態を知らな過ぎると思う。ましてや何千万、何億というような大きな土地を買うのに、直接総裁が、これに関知しないで、副総裁でもいいでしょう、いいでしょうけれども、総裁が、究極の責任を負うというような立場に立たないで、こうした問題の決定をなされるということも、これまた、行管としては問題があろうかと思うのです。 私は、どういう心境から、どういう実態を調査になった上に、こういう勧告をしたか、今のような、ただ事務の簡素化の面だけで見て、これを進めようということに対しては、非常なる問題があるのではなかろうかと考えるわけです。その点について、もう一ぺん、そのような実態を十分に調査して、今のこのような買収方式、あるいは審議会等の扱い方でもって、これは間違いがない、だから、そうするのだというような観念から、こういう勧告を出したのか、それを伺いたいと同時に、政府も、現在の機構で万間違いもなく、売手の方の立場も考え、そうして買うために折衝する若い職員等の汚職等をも、腐敗をも押えられるというような立場から、今のままで権限委譲をしていいのだというような考えのもとに、この点に同意を示しておるのか、その点、双方から答弁を願いたいと思う。
○説明員(原田正君) このたびの場合におきましては、土地評価の問題が、きわめてむずかしい困難な問題である。しかもそれにつきまして、支所等におきまして非常な御苦心をされておる、そういうような実態をも、十分調査いたしまして、その結果によりまして、こういう勧告をいたしたのでございますが、われわれとしては、その審査の状況におきまして、十分に資料が整っておらぬ、その他の運営上の不備な点がある、また具体的に、これらに関しまする問題が起っておる、こういうふうな諸点も、十分考慮いたしまして、また東京近郊等でありますれば、本所におきまして、その実情をよく承知することができるのでありまするが、たとえば大阪とか福岡とか、そういう離れた地域におきましては、本所に、いろいろ打ち合せがありましても、なかなかその実態を本所におきまして把握するということが、非常に困難でございます。 そこで、それぞれの支所におきまして、責任のある理事がおられまするので、相当の、ある程度の権限を委譲いたしまして、それらの方の責任において十分資料も整備し、また評価の審議会の委員の構成員の中に、学識経験者とか、事情の精通者とか、そういう者を加えて、慎重に審議したらどうであろうか、こういうふうに勧告をいたしました。 権限の委譲の面につきまして、必ずしも全面的に委譲せよと申しておりませんが、権限の委譲を、どの程度委譲すべきか、それらの点について、十分検討してもらいたい、こういう趣旨でございます。
○田中一君 事務の簡素化ということを考える場合、それからその土地価の正しさというものを求める場合には、御承知のように土地収用法には、ちゃんと住宅公団等の宅地を求めるためには適用できるような条文があるのです。住宅公団は、少くとも企業体です。そうして自分のところで金を支払うのです、金を払うといったところが、単に金を払うといっても、住宅公団そのものが金を払うのじゃないのです。その負担というものは、国民が負担をするのです。従って国民が、その支払いというものを負担しているわけなんです。であるから、もし事務の簡素化をはかって、公正にやろうとするならば、土地収用法におかけなさい。これこそ第三者が正しくこれを判断いたします。 それから、一つの企業体でありますから、その中にあなたは、どういう方をこの審議会の中に入れたならば、妥当性、正しさ、機密が保てるかということをあなたが指摘しているか存じません。今説明を求めますけれども、私は、だれを中に入れようとも、一面において土地価の高騰というものを促進しているような政策を持っている現段階においては、相手があることでございますから、正しいものは、一応公団側としては正しさを求められても、相手側がこれに対する納得、いわゆる売手側が承知しなければ、取引というものは完了するものではないのです。たとえば学識経験者が入ったとしても、この方々が一応公団側の方で、坪この程度で買おうというような内意がかりにあったとして、学識経験者が察知するならば、これが漏れることも考えられる。これはやはり公団としては、自分を守る意味においては、参考意見として聞く場合はあっても、その組織の中にそれをくわえ込んでやるというようなことが、現段階ではあってはならないと私は信じます。もしも、ほんとうにそういう形がいいとするならば、当然これは土地収用法にかけて、収用委員会においてはっきりと判断をしてもらう。そうすれば、公団の方でも楽なはずなんです。何も土地のために若い職員等が、汚職みたいなものに追い込められて現在でも刑務所に繋がれておる者がおるのです。公判に回っておる者がおるのです。こういう者をなくそうとするならば、現在の法律にあるところの土地収用法を適用して、第三者に、はっきりとその価値というものを判断してもらうことが一番望ましいのです。相手のある問題なんです。 そうしてまたその売手というものも、相手もございますが、公団というものは、公団自身が買うという形式はとっておりますけれども、国民が負担するということを忘れてはならぬのです。住宅公団の場合には、たとえ少し高いものを買いましても、これは家賃となって国民が負担するものなんです。もしも行管が、ほんとうに正しい運営と、国民に対して、妥当と認めたような土地価というものを求めたいとするならば、現在法律にあるところの土地収用法を適用なさい。これが一番正しいのです。従って今あなたのお話のような外部の学識経験者をこれに入れて、その意見を用いるなんということがあってはならぬと思うのです。そういう場合には、最後の判断をするものが第三者ならば、土地収用委員会なり、あるいはそれが不満ならば裁判所——裁判所というか、第三者の裁定によって決定すればいいのです。 従って今のような御答弁では不満足です。ことに外部の人間を土地の審議会の方に加えることに対しては、私は、かえって悪い結果を及ぼすのじゃないか、こう見るわけなんです。これに対しては、政府は一体どういう観念から、どういう見込みから、行管の勧告に対して賛意を表したか、伺いたいと思うのです。
○説明員(大沢雄一君) 政府の回答は、必ずしも、本所から支所に対する権限の委譲、あるいはまた審議会に対する第三者、学識経験者を入れるということについて具体的に賛意を表しているわけではございません。一般的に、本所から支所に対する権限の委譲ということにつきましては、事務費の軽減、あるいは事務の簡捷、そういうことが今お説にありました通り、家賃等の低減という公団の使命にも即応することでございますので、そういう使命の達成の範囲内におきまして、一般論として、支所に対する権限の委譲ということにつきましては勧告に異議がないわけでございます。しかし今問題になっておりまするような評価審議会に学識経験者を加えるということにつきましては、私どもは、やはり田中委員と同様な懸念を持ちまするので、その点につきましては学識経験者、第三者の意見を十分反映する機会を得られるようなことに運営もなっておりますので、そういう点をさらに活用することがいいのではないか、今の段階ではいいのではないか、かような考えを持っておるわけでございます。 権限の限度の変更等につきましては、非常に問題が複雑微妙でありまするので、十分検討いたしたい、こういう意味で回答いたしておるわけでございます。
○田中一君 原田さん、あなた、政府の見解はこうなんだけれども、一体、どう考えておりますか。
○説明員(原田正君) 私どもといたしまして、全国的にいろいろ調査いたしました事例等、いろいろ検討してみました。また、他の団体等で、土地の評価について行なっておるやり方等も見ました。相当、今申し上げましたような学識経験者あるいは精通者等の委員を加えて審議をして相当うまくいっておるというふうな事例がありましたので、そういう点を見て検討したらどうであろうかということを申したのでございます。
○田中一君 今の建設省の立場としては、監理官を出しておる建設省の立場は、私は正しいと思います。私は、きょうはゆっくりおいでいただいて、たくさんまだあります、あなたの方で実態をあまりに知らなさすぎて、こういう勧告を出している、私は、あなたの方に対する質問はたくさん残っておりますからお聞き下さい。 そこで、今度は公団側に参ります。一体、実態はどうなんですか。副総裁のお話を聞きますと、土地ブローカー等が持ち込んでくる話を、最初にだれが受けとめて、だれがそれを命令して——私のところへも、ずいぶん来たものがあります。そうすると、いつも渋江さんの方に紹介して、安い適地があればけっこうですから、向けてやるのですが、その場合に、どこが受け取って、どういう調査をして、そうして妥結まで、話し合いが済むまで、どういう経緯をもって進んでおるのですか。簡単でいいですから、ずっと筋道だけ、当面の扱っておる方から御答弁を願いたいと思います。
○参考人(吉田安三郎君) 用地等の話がありました場合の筋道について、簡単に述べろということでありますが、その前に、公団が過去で土地を取得いたしました件数に対しましてブローカーからきたのはどうなっているかと申しますと、大体三分の一から四分の一くらいの間が、そういうブローカーの方から持ち込まれたものでございます。
○田中一君 結論は聞かないでいいのですよ。そういう話があったならば、その話はだれが受けとめて、どういう形でもって、それを契約までもっていくのか、契約でも不調でも、どっちでもいいのですよ、どういう形でもっていくのかということを伺いたい。あなたの方の組織がどうなっているか、どういう立場の人が、どう動いて、そしてどうもっていくのかという——きまってもだめでもかまいませんから、問題を処理するのに、どういう機構で進んでおるのかを伺いたい。
○参考人(吉田安三郎君) 支所におきまする計画部または事業部の中に、土地課または計画課がございます。賃貸関係の用地につきましては、計画部でまず受付をいたします。申し込まれますと、口頭であろうが何であろうが、一応一欄表になった土地に関係したいろいろな要領を書き込む欄がございます。そういう用紙に土地の申し込みの調書というのを出していただきます。要点は面積あるいは位置、交通機関、その他もろもろのことがございます。お応じになる場合には、予想単価等がございます。そういうものをお出し願うわけでございます。 それが参りますというと、担当課の方で一応概略審査をいたします。その結果、支所長の方に報告いたしまして、これは調べる価値があるというのでございますと、調べに参るわけでございます。調べます場合には、いろいろ公団としては、団地の状況、あるいは交通機関の状況、あるいは土地の地質、その他いろいろ百般の事柄がございますので、そういう事柄を審査をいたしまして、そうして支所の評価委員会にかけるわけでございます。 評価委員会にかかりまして、先ほど申しましたように、一万坪以上、あるいは五千万円以上のものでありますと、さらに本所の方へ進達をいたしまして、本所の方で同様土地評価審議会を開きまして、総裁の御承認があって支所へ返ります。返らない支所限りのものは、支所限りで、そういうルートで処理しているわけでございます。
○田中一君 価格は、そのブローカーならブローカーが持ってきた価格を中心に審査をするのですか、それともあなたの方で、この土地は、かくかくの価値があるのだという一つの目安ですね、買い取りの方の価格の標準というものを審査するのですか、どちらですか。
○参考人(吉田安三郎君) 価格につきましては、近辺におきまする土地の売買実例をできるだけ参考にいたします。なお、その土地におきまする固定資産の評価基準額並びに実際の売買におきまするその付近の固定資産の評価額と、実際の売買実例との倍率等を検討いたします。 なお、その土地が盛り土をするかどうか、あるいは水質がどうか、その土地に至る電灯の関係、あるいは水道の関係、ガスの関係、排水の関係、そういうことを調査いたしまして、さらにその上で、普通の賃貸住宅を建設した場合には、建設費が今のようなものを全部合せまして幾らになるかという概算を立てまして、それから家賃がどれくらいになるかということも検討いたしまして、その上で、価格を決定いたすようにいたしております。
○田中一君 それを扱うのは、やはり何ですか、あなたの支所の職員であって、その方々が朝九時ですか、九時から晩五時まで、その事務を扱っている間か、それとも、あるいはおそらくそんなことでは、相手が、こっちの話を待っているのじゃないのですから、なかなかそう事がスムーズにはいかないと思うのですが、その場合、どういうふうにやらしているのでしょうか、あなたの部内では。
○参考人(吉田安三郎君) 調査に参りまするのは、原則といたしましては、執務時間の間に行くようにいたしてはございますが、やはり遠隔の土地でもありまするし、あるいは売買実例等を調査する場合にも、相手方の不在等のこともございましょうし、ときには時間外に及ぶ点もあるように聞いております。 そういう場合には、所管の課長と十分連絡をいたしまして、明らかに、そういうわけで勤務外の時間にわたって調査をいたしたということが実証されましたならば、超勤その他の事柄を考慮しているように聞き及んでおります。
○田中一君 それから、時価と、むろん固定資産なり評価額とは非常に開きがありますが、その差金というものの扱いは、どうやっているのですか。 たとえばあなたの方で買い取る場合、土地価というものは、公正にやるには、公正な価格をやっぱり買い取りの値段として帳面に載せなければならぬでしょう。支払いの対価としてのその正しい評価ですね。その売買価格としての登記をすると思うのです。しかしその中に、地上権というものを設定しますと、地上権分に対しては、これは申告の義務がございませんから、あなたの方もございませんし、買った方もなければ、売った方もないから、これに対しては、課税されない。従って、売買が成立した場合の税金、課税面に対する配慮は、どういうふうに扱っているのですか。
○参考人(渡辺喜久造君) 課税面とおっしゃいました場合、譲渡所得税の問題、登録税の問題、いろいろあるのじゃないかと思います。もっとも登録税に関する限りにおきましては、大体、各法務局で一応の方針を持っているようです。必ずしも、私の知っている限りにおきましては、その点も、全国統一されておりません。東京等の場合におきましては、固定資産税の価格をそのまま登録税の売買価格に認めるということを、以前はそんなことはありませんでしたが、最近はしているようであります。従いまして、御承知だと思いますが、固定資産税の評価額というのは、最近特にどんどん発展して参ります場所におきましては、固定資産税の評価額と実際の売買実例とが、固定資産税の方が、売買実例等に出た数字に対して、金額に対して、一割五分から二割くらいというような事例がよくあるようです。 これは私、ちょっと余談になりますが、固定資産税の評価委員会の委員をやっておりまして、いろいろ、これでいいだろうかというような議論を常にされておりますが、自治庁から出した資料によりましても、そのようなことがあるようであります。 税の問題になりますと、まず第一は、登録税の問題ですが、登録税につきましては、そんなこともありますので、法務省としても、だいぶ検討された結果だと私は思いますが、現状におきましては、大体、固定資産税の額をそのままとか、それの何割増しとかということで、実際の売買実例の価格というものと離れました一応の時価、登録税における価格、それをきめておるようであります。従いまして、従来あったように実際の売買価格は幾らとか何とかといったような問題は、このごろはあまり議論をされておりませんから、それがいいか悪いかは別といたしまして、従いまして実際の値段はどうかということは、登録税に関する限りは、あまり問題になっておりません。 それから譲渡所得税の問題ですが、これは御承知だと思いますが、公団に譲渡した場合、これも一団地経営とか、そういう一つの前提が要りますが、大部分が、それに該当いたします。先ほどもお話になった土地収用法の規定を適用できる場合の買収、この場合におきましては、再評価税だけで済むというような特例もできております関係もありまして、われわれの方としまして、別に実際幾らで買ったという値段をどうこうということを考える必要はないわけでありまして、従いまして、税務署等から照会がありますれば、実際この土地は、われわれの方としては幾らで買ったという回答をしているはずであります。
○田中一君 実際に、それが税務署から照会があった場合、実際の取引額というものを報告するなんということは、おそらくないのではないかと思うんです。これは売る方だって自分がいたずらに税金をとられてしまうなら、安く売った方が得だという気になるんです。 で、扱い方を全部土地収用法にかけて、土地収用法で収用した形になるならば、今言った問題が解決されるようになるという点が一つと、それから地上権というものに対しては、これは現在、物権としての物権になっておりませんから、これはむろん所得税を払う場合でも、黙っていれば済むことなんです。またこれは、僕よりもあなたの方が専門家でしょうけれども、税務署が来たって、何もそれに対して回答する義務はありません。買い取る側の方の公団も、そういう義務はありません。そういうように私は承知しております。だから、そういう点に対して、やはり売手の方の側にも立って物を評価しなければならぬと思うのです。そういう点に対して、どういう扱いをしているかと思うのですが、お宅さんの方の評価では、どうもそれが、実態ではないかという気がするわけです——これは売手の方で、いろいろ自分の方のそういうことは、たとえば坪一万円で売った場合でも、一万円の内容については、いかに税金が軽減されるか、いかに一万円がまるまる自分のふところに入るかという点を研究して公団の方に折衝すると思う。公団側でも、高い値段で買ったといって申請すれば、これは一万円といって、再評価というのですか、余分の税金をとられますから、そういうことではしていないと思うんですが、実態はどうなっているんですか。 ケース・バイ・ケースで、いろいろな問題があって、それぞれの問題についてやっているんでしょうけれども、そうした考慮を払っているものか、しゃくし定木でやっているのか、そういう点は……。
○参考人(渡辺喜久造君) 実態のこまかい点につきましては、必要がありますれば、吉田理事からさらに説明していただきますが、多少、田中委員のお話の中に誤解があるのではないかというふうに思います。これは私が聞いたところで、私の方が誤解しているのかもしれませんが、一団地経営の場合に、土地収用法が適用できる、これは御承知の通りです。これは税金の問題ですが、これは、現実に収用をする場合はもちろんですが、収用にいかないまでも、収用できる条件が具備しておりますと、普通の譲渡でありましても、現実に収用されたと同じような扱いになっておりまして従って税金は譲渡所得税でなくて、再評価税だけで済む、これは特別措置法、そういう規定になっております。 それから税務署から照会がある場合におきましては、これは所得税法に、実は一般的な規定がありまして、公団としては、一応質問があれば答えなければならぬ、こういう問題は別にあります。しかし私の方で、むしろ考慮しておりますのは、いろんな売買実例があります。しかしその場合は、今の譲渡所得税の特例がありませんから、手取りとしては、これは正確に申告される、されないは別として、これくらいになるはずだ、それから、うちの方は再評価税だけで済む、だから税負担だけは、うちの方が安くなるから、それだけ売手が安く売っても、手取りは同じのはずじゃないか、こういうような意味の試算などもしまして、売買実例等をわれわれの方としてはみるということをしております。
○田中一君 そうすると、最初からいろんな方で経費をみて、実際にあなたの方で手に入るのは、これだけの金が入りますということで交渉をしているわけですか、究極には……。
○参考人(渡辺喜久造君) 地主さんにわれわれの方で売買交渉をいたします場合におきましては、今申しました、たとえば会社に社宅の用地で売る場合のごときは、これは譲渡所得税がかかって、その人のいろんな具体的な、これは他の所得金額と合算されて税金がきまりますから、幾らという正確な計算は、その人の所得の内容まで知らせてもらいませんとできませんから、それにまでわれわれの方は立ち入りませんが、普通に会社の社宅等に売却する場合におきましては、譲渡所得税がかかる、それは大体その見当に当る——所得五十万円の方だったら、これくらいになるだろう、百万円の方だったら、これくらいになるだろう、公団の方へお売りになる場合には、再評価税だけで済む、だから、従って手取りは、これくらいになるだろう、こういったような意味のことを交渉の過程において、よく話す、そういう指導をしております。
○田中一君 この折衝の相手は、どこまでも本人、地主……。所有者というものを相手にしておるのでしょうね。第三者は、従来通りに介在させておらないのでしょう。そういう点、どうでしょうか。
○参考人(渡辺喜久造君) 公団といたしましては、できるだけ所有者を中心に交渉の相手方にする、こういう一応のプリンシプルを持っておりますが、御承知のように私の方の土地は、やはり相当まとまった坪数の土地になりますから、所有者が、かなり数が多いということもございまして、やはりその土地所有者の中の代表の方といいますか、そういうふうな方とあらかじめ、かなり話を進めるのであります。特に最近におきましては、市町村の町長さんとか村長さんとかに仲に立っていただいて、そうしていろいろ話を進めるとか、それから、場合によっては、ブローカーが中に立つ、これは最近、いろんな事例も見まして、できるだけこれを避けることにしておりますが、そういったようなことで、原則としては、土地所有者を相手に交渉するという建前をとっておりますが、実際問題になりますと、なかなか全部が全部、そういうわけに参りませんので、まあ町長さんや村長さんに仲に立っていただいていろいろ交渉を進める、こういう事例は相当あろうと思っております。
○田中一君 私が、とくと伺うのは、結局ひっかかるのは、末端の人がひっかかるんです。せんだっても、いろいろ伺いましたが、どうもどの辺が責任をとっているのかわからぬような状態で、畑市次郎さんは、まさかあの阿佐ケ谷、荻窪の何か問題のためにやめたわけでもないと思いますけれども、しかし、これはその点は、もっはっきりしないと、公団汚職ということは国民も非常に困るわけなんですよ。そういう点は、いろいろ審議会は、もちろん公正にやっておるものと私は見ております、見ておりますが、それは機構の面において足りない面があっちゃいけないと思います。おそらく行管の方の指摘もそうだと思います。 ただ事務の簡素化があるだけじゃなくて、機構の上において、そういうようなすきがあってはならぬから、被害者は、やはり国民であると同時に、当該職員が直接の被害者になるわけですから、この点は、十分に注意して、もしかりに、土地等の評価審議会が最後的決定を持つならば、副総裁のあなたが全部の責任を持つという体制にならなければいかぬと思う。そうして、遠隔の土地にあなたがいらっしゃって、あなたは、遠隔の地に行けないのじゃない。どんどん現地に行って、身をもって自分で調べて判断するような、最後的な決意を持たなければいかぬと思います。間違わないような機構になさい、しかし機構だけにたよっていちゃならない、やはり最終的に責任を持つ者は、疑問があった場合には、自分が歩いていくこと、各理事もそうです。各理事も、ひな段に坐っているのが役目じゃないのです。どんどん出ていって、理事は、共通の責任がありますから、自分が一番前線に立ってやっていくのだという気組みがほしいと思います。 ですから、その点については、機構簡素化の問題はけっこうですが、実態に即して、まだ不十分な点があるならば、もう少し十分な機構にかえて、土地評価買収に対する万全の策を講じていただきたい。
○参考人(渡辺喜久造君) ただいまのお話につきましては、かねがねわれわれといたしましても、その趣旨で考えておるところであります。ありがたい御忠言と承わっておきたいと思います。 なお荻窪等の問題で起きた一つの弊害は、どうもわれわれの方が、仲に立った人を相手に最終まで話をしまして、結局、いかにどのくらいの金額で買ったか、どのくらいの金額を払ったかということが——もちろん土地所有者の委任状は持ってきておりました。従って、法律的には、われわれの方は正当な代理人に払ったことになっておりますが、どうも今になって考えてみますと、幾らで買ったというようなこまかいことまで土地所有者に知れていなかったということが、いろいろ問題をあとになって起したようなことになったようでございまして、われわれの方で至らなかったことは、非常に恐縮をしております。しかし、そういうことは、今後は繰り返さないという意味におきまして、売買の交渉は、あるいは代表者のような人と話し合うにしましても、結論は地主さんにも十分わかっていただく。原則として、お金も直接地主さんに払う。これは委任状をもって代理人と言えば、それですむわけですが、できるだけ、そうした単なる法律的な点で自分の責任がすむということではなくて、もう少し立ち入って努力をしていくということが、お互いのためでもあるのじゃないか、かように考えておりますので、その方向で、全体の指導をやっております。
○田中一君 次に、勧告の二の財務及び会計について、若干伺いたいのですが、行管の指摘する点は、公団の手持ち余裕金というものは、高い金利のものを持っちゃ損をするのじゃないかと思います。 そこで、金の受け入れの時期等は、どういう形になってやっておるのか。これを見ますと、行管の指摘されたような問題は、結局、公団の手元に入れば入ったことによって、金利がつくわけです。むろん国家資金、財政資金だけが来てくれれば、これはつかない。逆に、こいつを銀行にでも通知預金をしておけば、五分なり六分の金利が入れば、これはけっこうだけれども、六分六厘の資金あるいは七分五厘の資金ですか、例の保険会社等の金を借りれば、これは逆ざやと言いますか、これを食っちゃって持ち出しにならざるを得ない。 そこで、この資金繰りはどういうことでやっておりますか。今まで四年間やってきて、三年の決算がここに出ておりますけれども、行管の指摘されるところは、その点がどういう程度のことを言っているのか、それと。これは、三十一年、三十二年等は、当然何も、大きな資金を持って、借入金でやっていることですから、利子のつかない資金というものは少いのですから、だから、いろいろな経費もかかったと思います。しかし、その行管の指摘している逆ざやをあまり払うなというようなことも言っておりますが、これについては、相当今ではよくなっているのじゃないかと思うのですが、金の受け入れというものが、預金部資金なり、あるいは民間資金なり、住宅公債ですか、それから一般財政投資、これがどういう形で受け入れられているか、そうして、それはその金は、手元に入った金はどういう形で、まあ、なにも、何と言うか、利ざやをかせげというわけじゃないのですけれども、あるいは公団の大金庫の中へ、その現金をしまっておくのか、あるいは日本銀行に預託するのか、あるいは市中銀行に通知預金等で預金しておくかの、その点は、どういうのが現状ですか。また、指摘された行管の考え方、それから公団側の方の実態というものを一つ承わりたい。 むろん、これは私としては三十一年、三十二年等は、当然これは、そうした面がたくさんあったであろうと思うのですよ。宅地の造成とか宅地の取得から始めるのですから。だから、その点については、古い問題を掘り出して行管が言っているのか、現在もなおかつ、そういうような傾向にあるのか、その点を一つ説明してほしい。
○説明員(原田正君) 私どもの調査いたしましたのは、三十二年度の実態について調査いたしたのでございますが、三十二年度の状況によりますと、工事が非常におくれる、そういうふうなことが大きな原因となりまして、年間の平均月末の残高が非常に大きくなっている。これは、もう少し工事が順調に進んで参るとかいうふうな態勢が整って参りますれば、だんだんあらためていくことと思いますが、私どもの調べましたのは、ちょうど三十二年でございますが、その結果に基いて勧告いたした次第でございます。
○参考人(渡辺喜久造君) 公団ができまして三十年、三十一年、三十二年、これは正直言いますと、非常に苦しかった時代だと思います。初めに、四月に公団ができて出発して、三十年度が二万、三十一年度が二万三千、三十二年度になりますと、今度は一躍三万五千。従いまして三十二年度までは、非常に仕事に追われていた。それで、どうしても追われますと、計画の方を早く進めろという拍車が本省の方、あるいは支所長の方からかかります。 それで幾らぐらい支払われるかという予定を立てまして、金の算段をいたしますわけですが、どうもその分も、まあ、いわば欲目と言いますか、工事が、この程度までは少くとも進むだろう、こういって見ますものですから。ところが、実績をとって見ると、比較的そこまでなかなかいかない、こういったようなことが、当時の状況につきましては、相当手持金につきまして、ここまで、そんなに借りてなくてもいいじゃないかというふうな点があったろうと思います。 そこで三十三年、それから三十四年になりまして、大分工事の方の計画性も出て参りましたので、われわれの方といたしましては、この点について、かなり昨年度くらいから、やかましい配慮をやっております。 まず第一は、初めはできるだけ公団の仕事を順調にいたしたいということで、支払日を特に一定することをしませんで、一応、請求が出ており、それで支払い条件が具備しておれば支払うということにしておったわけですが、こうしますと、どうしても手持ち金がある程度ゆとりがありませんと、それができませんし、そこまでする必要もないのじゃないかというので、昨年の終りだと思いましたが、下半期だったと思いましたが、支払日を八の日八の日にする、こういうことをまずいたしました。 それと同時に、やはり政府の方から出していただきます金は、一週間とか二週間程度のゆとりでもってお出し願えるのですが、低利資金などは、民間の方の借入れ金になりますと、やはり民間の方としまして、一応保険会社にしましても、あるいは公団債のような問題にしても、向うさんの方の金繰りの都合があるわけなんです。従いまして、大体こちらの方でお話しして、いつほしいという約束をしておいたやつが、どうもうちの方の手持ち金がふえたから、これをもう一月借りるのを延ばしてくれ、これが、実はなかなかできにくい話です。 それで、従いましてわれわれの方としましては、やはり工事の方の進捗の実績、それにうらはらとなる支払い金額というものがどのくらいになるかということを、できるだけ的確につかまえろということを最近特にやかましく言っております。これも当初は、そこまでなかなかいきませんでした。この数字が固まるのに、なかなかまだ時間がかかるようであります。 そんなようなわけでございまして、できるだけ私も、ずいぶんやかましく言っておりますが、ときに手持ち金がふえてみましたりすることはあります。ただ月末というのが、一つの打切り時ですから、これは、まあ一つの目標になりますが、しかし家賃が入ってくるのが、ちょうど二十五、六日から月末をこしまして翌月の五日ころまでは、金額が多いわけです。同時に、その次に最初の八日の支払日が出てくる、こういったようなこともございまして、われわれの気持といたしましては、ねらいは、やはり支払利子の金額をできるだけ少くするということにある。従って月末だけの数字ということも、あまりこだわる必要はないのじゃないかということも実は考えております。今度から八の日八の日に、最後の八は、二十八日でなくて、月末にしようか、その方がいいんじゃないかということで考えております。 公団の現在入ってくる金としましては、管理戸数も相当ふえましたし、分譲戸数もふえましたので、一連の資金源は、そうした賃貸あるいは分譲による管理収入であります。これが、その月にどのくらい入ってくるかというのと、にらみ合わせながら、片方でもって、工事の進捗に伴う支払いの金額が幾ら要る、その差額を結局財政投融資にお願いするわけなんです。そういうふうにして余りますと、公団といたしましては、まあ、これは非常に不本意でありますが、やむを得ず余りました場合におきましては、できるだけこれを食糧証券を買う、食糧証券は十四日くらい手持ちしませんと、ちょっと買ってもすぐ売れないという制約があるようでございまして、従いまして、大体十四日以上手持ちできるほど剰余がありました場合は、これは食糧証券に回わす。これが一番有利な運用であり、同時に先ほどいった逆ざやを最小限にとどめるゆえんのように思います。それで、たとえば月末には相当の金になってくるけれども、しかし八の日に、その次の月の八日がくれば、これはかなり払ってしまわなければならぬ金が出てくるという場合には、これは通知預金に回すことにしております。 まあ、そういったようなことで、できるだけまず第一のねらいといたしましては、不必要な手持金を持たない。これを第一の目標とし、それから不幸にして計画のそごをきたしまして、金が相当あまるような場合、その金が二週間以上手持ちしなければならぬような場合は、これは食糧証券を買う。それからそれ以下の短期の場合は、通知預金にする。もちろん一部は、当座にするとか何とかということを考えなければなりませんが、そういったことで、できるだけ逆ざやを少くしようという努力をしております。
○田中一君 民間資金は、幾らになりますか。七分五厘……。
○参考人(渡辺喜久造君) 民間資金は発行者利回りとしては、七分五厘でございます。
○田中一君 そこで、ことしの三十四年度の予算を見ますと、建設戸数は三十三年度と同じです。で、一応民間資金七分五厘の金利が百億ふえておるけれども、一面、無利子の自己資金が三十五億今度は投入されておる。三十数億ふえております。これの受け入れの形式は、どういう形になっておるのですか。たとえば自己資金は自分が持っているからいいでしょうが、産投の資金等が四半期ごとにくるのか、それとも必要に応じて要求して何日かの日をおいて受け入れるのか。民間資金はこれまた自分の方に一番いいのは、支払いの時期にもってくればいい、あるいは向うへ置きっぱなしで支払ったっていいと思う。そういう点の事情は、渡辺さんがいるからずいぶんこまかいところまで損のいかないような経営をしておると思いますけれども、受け入れる側の方、向うからくる方、投資する側から、どういう約束になってきているのですか。こちらで要求してくるのですか。それとも向うから、そのままくるのですか。
○参考人(渡辺喜久造君) 今お話の中の、いわゆる自己資金というやつは、これは別でございますが、投融資として要る金ですね、これは、一つは出資の形でくるやつ、これは政府の方と大体お打ち合せしまして、何月に幾らとか、大体年度の初めに、かなり大体の計画は立つと思います。 そこで、われわれの方としましては、その次の課題としましては、一体片方でもって支払いが幾ら要る。これが何月に幾らぐらい要る、何月に幾らぐらい要るという一応の資金計画を立てるわけです。そうしますと、低利資金あるいは民間資金として、一体その間に幾ら借りなければならぬという問題が、その次の問題として出てきます。 そこで、現在私の方で拝借しておりますのは、大きな相手方として、一つが生命保険会社であります。それから一つは、住宅公団債であります。生命保険会社につきましては、これは幹事会社がありまして、そこで、われわれの方としましては大体まず第一段階として第一四半期から第四四半期までの間に、生命保険の金としてこの程度出していただきたいということをお願いします。それから公団債の発行については、興銀とか長銀のような幹事銀行といいますか、その発行について、いろいろお世話して下さった方、そこで公団債、これはひとり公団債だけでなくて、全体の事業債とか、公社債と見合せながらきまるわけですが、大体公団債として四十億出る場合に、何期に幾らぐらい出るだろうかという見通しを立てるわけです。同時にそれと伴って、正直言って私の方で助かるのは、簡易保険などの低利資金であります。これは、最近非常に順調に伸びているせいもありますが、比較的私の方でお願いする時期に貸していただけるような状況になっております。そうすると大体最後の、政府資金をちょうど最後の埋めのような格好で、まず四半期ごとの計画を立てます。同時に大体第一四半期に入る前、第二四半期に入る前に、その四半期の各月ですね、たとえば九月の終りまでに十月、十一月、十二月、この各月の、それも大体下旬とか上旬とか、そういった時期に、この四半期ごとに、一応お約束した金を貸していただくということを保険会社なり、あるいは公団債の関係の長銀なり興銀にお話しする。それでその辺のやりくりを見合せながら低利資金の方もお願いする。低利資金は、大体現在のところ、二週間ほど前にお願いしますと、今までのところは、大体われわれの方で希望するように貸していただけますものですから、実は、これが非常にわれわれは助かっておりますが、それで、最後の調節弁をしている、こういうようなことをやっております。
○田中一君 そこで三十四年度、ことしは、どんな工合ですか。今の予算を見ても、逆ざや、支払い利子というやつが相当軽減されている傾向ではないかと思うのですが、見通しとしては、どうですか。
○参考人(渡辺喜久造君) まあ三十一年、二年に比べれば、相当私は軽減できたというふうに思っております。非常にお恥かしい話ですが、どうも現在のところ、なかなか見通しはうまく当らない場合がありまして、月末だけの数字を見ますと、ときにちょっと借り過ぎではないかといって、私が文句を言うような場面もございますが、非常にその点やかましく、これは前総裁にも、とかく役人というものは、利子という観念がないからといってしかられまして、(田中一君「そうそう、ほんとうだ」と述ぶ)しかし、大蔵省でやっておりますと、同じ役人でも、多少感覚で利子のことがわかるものですから、非常にやかましく言っておりますが、実績がどういうふうに出ますかわかりませんけれども、私は今のように、だいぶあの手この手と攻めてやっておりますから、相当減り得るではないか。 それからいま一つ、これは、私の方でまだ結論が出ておりませんけれども、どうも私の方で、一時借入金の制度が許されているのですが、具体的にどうやるかということが、まだなかなかむずかしいものですから実行された例がありません。しかし、せっかく許されているのですから、場合によっては、当座借り越しの契約をしておって、これはめったに使いませんけれども、もしかのときには、これを使うということも考えたらどうだろう。そうしますれば、おのずから手持金が、相当アローアンスを持たないでやっていけるのではないか。これは実は、監督官庁などとお話し合いを今し始めたらどうかというところです。非常におくれていて恐縮なんですが、とにかくこういう手も使いまして、できるだけ逆ざやによる支払い利子の損というものは、最小限にとどめたい、かように考えております。
○田中一君 結局、逆ざやが逆ざやでもって公団の負担だけで済むというものではなくて、あなたの方では損しっこなく、ちゃんと家賃にそれは持っていっていますから、結局家賃が上らざるを得ない、あなたの方で負担する能力がないのですから。だから、そういう点は十分に一つしんしゃくして、なるべく利ざやが残るように運営するのが、一番正しいのだと思うのです。その場合、あなた方が使うのではない。この場合、家賃が軽減されるというふうに一つ考えていただきたいと思うのです。 その点はそれで一つ、一応いいとして、次の問題ですがね。退職手当の関係規程の整備について。これは全く行管に指摘されるまでもなく、はなはだどうも、私が今まで気にしておったことなんですけれども、これは率直に、実態というものを明らかにしてほしいのです。実態というものを報告してほしいのです。ここで行管のやつにも書いてございますけれども、率直にあなたの方で、私は理事でございます、副総裁でございます、月給は幾らもらっています、従って来年自分がやめるときには、幾ら幾ら退職金もらえます、職員もおります。公団には、大ぜいの職員、二千人くらいの職員がおります。職員は、月給がこれだけもらえる、従ってやめるときには、これだけもらえる、これが内規でございますというような、一つ率直な実態を、これを速記に残していただきたい。
○参考人(渡辺喜久造君) 退職金の支給につきましては、これはいろんな公団、公庫があるゆえと思いますが、監督官庁、あるいは大蔵省が、かなり一つの規制をしているようでございます。で、われわれの方から、早く退職規程を作りたいというので、いろいろ話し合いをしたのですが、当時は、公庫の退職金を今改正しようとしております、それがきまるまで待ってくれというようなことで、それがやっときまりまして、今度、一応基準の認可を得たということになっております。 で、公団としては、ある意味において公団自体のいろいろな考え方がございますが、監督官庁の認可ということで、全体が規制されております。これは、単に職員だけでなくて、役員についても同じことがなされております、内規的に。で、現在、役員の退職金は、勤めた年数といいますか、その期間、勤めた月数といった方がいいかもしれませんね。月数をその人の……、大体これは別に昇給はありませんけれど、ときに給与ベースが変ることがありますから、当初とやめるときと変ることがないとはいえません。三十年から始まって三十四年までの間には、事実そういうことがありましたが、その最終のときの給与の金額に、勤めた月数をかけた分の現在は六割五分というのが内規になっております。これは大蔵省なり、私の方でいえば建設省と、お話ししての結論であります。 それから、職員の退職規程は、これは公庫等と共通したもので、一応作られておりまして、勤務年限が、勤続五年までの期間は、勤続期間一年につき本俸月額の百分の百、それから勤続五年をこえ十年までの期間については、勤続期間一年につき本俸月額の百分の百四十、勤続十年をこえ二十年までの期間については、勤続期間一年につき、本俸月額の百分の百八十、二十年をこえ三十年までの期間については、一年につき百分の二百、三十年をこえる期間については百分の百、ここは下ります。そして、全体が百分の五千五百といいますから、五十五カ月をこえないということになっておりまして、そのほかに割増しの規定もありますし、減額の規定もありますが、基本的な線は、今申したようなことになっております。もっとも公団の場合は、勤務地手当という制度がございませんで、今でいえば暫定手当ですか、一応全部が本俸に入っているということもありましてここに今申しました本俸月額というのは、通常もらっている本俸の百十五分の百だということにして計算しよう、これもそういうお話がありまして、一応そういう制度になっております。
○田中一君 この行管から指摘してきている点は、役員の場合に、在職期間が一カ年について退職の際には本俸月額の百分の七十ということになっておるのですよ、ここで。これは、たとえば、一年勤めても、二年勤めても、まあ一期四年ですけれども、少くとも何といいますかな、七割ですね。結局、七割ということは、あなたの場合には十五万円でしたね。幾らです。
○参考人(渡辺喜久造君) 十六万円であります。
○田中一君 十六万円……。十六万円に任期四年とすると幾らになるだろうな。
○参考人(渡辺喜久造君) その七十という内規は、この間、昨年だと思いましたね、公団役員の給与が一応上りましたが、上る前が七十でありまして、それで、当時私は十二万五千円でありましたが、その時代は七十で、十六万円に上りましてから内規は六割五分になりました。
○田中一君 幾らになりましょうかね。
○参考人(渡辺喜久造君) 計算して……。
○田中一君 十六万円、大へんだな。その間だけは、あなた恩給はそのままもらっているのですか。
○参考人(渡辺喜久造君) 恩給につきましては、一応いただいておりますが、規定がありまして、これは恩給法の規定でございますが、恩給法に若年停止なり高額所得停止なりという規定があることは申し上げるまでもございません。そうした意味の制約を受けたあとの恩給はいただいております。
○田中一君 ああそうですか、これは、だけれども、何も全体が低賃金だから、あなただけを言うのじゃないのですが、少くとも十六万円で計算すると百九十二万円、それの六割五分……。まあこれは多い少いは言いませんけれども、あまりびっくりしたのです。われわれは何ももらえませんからね。いつやめても一銭ももらうことはできない。死ぬと一年分はもらえるのです。そこで、いいですよ、たくさんおもらいなさい。そのかわり職員に向って今までなかったということは、今伺うと、大蔵省の方でとやかく言ったとか、あるいは建設省がとやかく言ったとかいうことを言っておりますけれども、今までないのがおかしいのです。今資料として出されたこれはいつきまった問題です。日付が書いてないのですが、いつですか、きまったのは。
○参考人(渡辺喜久造君) 基準の認可がなりましたのはたしか先月だと思いました。三十四年の八月と思っております。
○田中一君 それまでにやめた方に対しては一銭も払ってないのですか。
○参考人(渡辺喜久造君) 当初ちょっと払わない時代がありましたが、私副総裁になった前後だと思っておりますが、それはあまりひどいじゃないかということで、ただ一応公団としてある程度の原案は持っておりましたが、建設省、大蔵省といいますか、監督官庁の方でやはりあれは認可事項になっておりまして、監督官庁の認可を得なければわれわれの方としては規程の制定ができませんので、従いまして、一応われわれの方として、大体この程度ならと思った数字の八割を、仮払いという形ではありますが、お払いをしておく、規程がきまりましたら全部精算する、こういう関係で、二年近く前からだと思いますが、八割相当額はお払いしております。
○田中一君 どうも行管の指摘は正しい、というよりも妥当だと思うのです。役員は在職期間一カ月間についてそのうちの七〇%をもらえる。むろんこれは三カ月勤めたってもらえる。職員の場合は、三年継続の場合に一年について一カ月、十五年たってから一年について二カ月ということになっておって、これを比較してみると、これは全く検討を要する余地はたくさんある。そこで今度は、先月きまったというこれを見ても、この比率と申しますか、これは是正されておらぬと思うのです。まあこれは今公団の役員の方々は、狭間さんのように、狭間さんはだいぶ古く前にやめられたから恩給はどうか知らぬけれども、相当の恩給をもらっていると思う。功成り名を遂げて公団におさまった方々が多いと思うのです。若い職員の諸君は、これでもって一つ自分の青春を、自分の情熱を、住宅問題と取り組んで、国民に対する住宅供給というこの生産面において一切をささげようというつもりできておるものと比べて、はなはだ均衡を失しておるというように考えられるのです。そこで政府に伺いますが、これは建設省だけの意見だけではいかぬと思いますけれども、他の公団、会社、あるいはこれに準ずる、政府機関に準ずるこうした機関でどうなっているか、これを伺いたいと思うのです。それが一つ。 それから行管に向っては、このような先月あなた方の指摘というものに刺激されたんでしょう、非常にけっこうです。あなた方の指摘によって一応とにかく急速にこういう退職手当の支給基準というものができた。これに対してあなた方は満足に思うかどうか、その点を一つ両方に聞きたいと思います。
○説明員(国宗正義君) 退職金の基準に関しましては、政府関係の公庫が四つございますが、それの基準と、最近認可されました日本住宅公団の基準とは全く同じ内容を持っております。なお三公社につきましては国家公務員等退職手当法が適用されておりまして、それに、ただし二十年以上勤続して退職した公社職員の退職手当は公務員の百分の九十七とする、このようになっておるわけでございます。
○田中一君 行管、一つこのような支給基準で満足かどうか。
○説明員(原田正君) われわれといたしましては、実は今支給基準を正式には承知をいたしておりませんので、今までのところ、何のまとまった考えも持っておりません。われわれの勧告しましたことは、三十二年の当時の状況に基きまして非常な不均衡があるから是正の措置をとるようにという、その当該年度に重点を置いて申し上げた次第でございます。
○田中一君 建設省はこういうものができたならば、さっそく行管に対してそれを提示する義務はないのですか。行管なんてものは言わしておけばいいんだという気持ですか。
○説明員(国宗正義君) 行管に対しましては、さきに勧告がありましたので、私ども、行管とも十分打ち合せをいたしましたが、できるだけすみやかに回答申し上げなければならないと考えまして七月二十四日付をもって回答いたしましたところでございます。なお、回答いたしました際、私どもの方から参りまして若干の説明は申し上げておりますが、その後進捗いたした事項もございますので、それらの資料を近く向う側へ参りまして、なお必要な説明等をいたしたいと考えておるところでございます。
○田中一君 この規程が、やはり従来退職した方々がいるとするならば、これにはむろん適用して、更改して、支払ったのでしょうね。
○参考人(渡辺喜久造君) 具体的な仕事は、多少細部の規定に問題がございまして、現在審議しておりますので、それが終り次第、最後の精算はしていきたいと思います。 ただ基準について申しますれば、その付則の方に、昨年中、昨年末までに退職した人に対しましては百分の百が百分の八十だ、こういう規定になっておりますので、昨年末までの方には、一応本則にある基準通りは出なくて、八割は払う。この関係も、まあいろいろ監督官庁に折衝したところでは、住宅公庫の退職金の規程がありまして、これが片方に一応の例になっているわけです。で、それが従来はある程度低くて、本年の一月からそれが引き上げになった、こういう関係で引き上げになった分に、うちの方の退職規程が右へならえをしたわけです。従いまして、住宅公庫といいますか、公庫一般でございますが、三公庫と申した方がいいかもしれない。三公庫の方で昨年末までにやめた方に、いわば右へならえをする。多少うちの人の方が、もう気持だけですが、有利になっていると思います。そういうこともございまして、八割になっているということで、その間の区別はございますが、過去にやめた人に対しましては、やはり新しい基準ができますれば、その基準に従って退職手当を至急精算するつもりでおります。
○田中一君 まあ内容については、いろいろまだ今後問題があると思いますけれども、一応こういうものができたということは、おくればせながら幸いと思います。そこで、われわれがこれを了解して、了解というか、聞いている範囲で、基準を、一般公団の職員は、一般公務員に比較して幾ら賃金が高いんだという基準で了解しておりましたかな、その点。
○参考人(渋江操一君) 公団職員の給与ベースと公務員とのベースとの比較でございますが、これは大体一割二分から一割五分程度の、公団職員の場合については、それだけの優遇をするといいますか、給与上の差をつける、こういった原則に立ちまして、給与ベースをやっておるわけでございます。
○田中一君 そこで、むろんこの基準は、基準というか扱い方は、国家公務員から公団の職員になった場合のことをいっているのであって、今度は、一般民間から公団に入った場合にはどういう基準でやっておりますか。私どもが承知している点では、なるほど国家公務員から公団に入った場合には、一割五分増という賃金になるでしょうけれども、一般民間で、相当な同じような学校を出て、同じような立場におり、同じ技量というか、力を持っている者も、民間から入った者はそれに及ばないという採用方式をとっているように聞いているのですが、その点はどうですか。
○参考人(渋江操一君) 先ほど申し上げました点は、予算上のいわゆる単価と申しますか、ベースそのものの比較を申し上げたので、個々の職員の格づけ、これは公務員出身の人もありますし、民間出身の人もある、こういうわけでありまして、ただいま御指摘になりましたのは、その意味で民間出身者の格づけが低い線で押えられているのではないかというお話でございます。結論的なことを申し上げますと、当初のわれわれの、民間から来られる人の採用につきましては、実はこの基準をとるといっても、公務員の場合と比較いたしまして、非常に画一的な統一的な基準がとりにくいという一つ悩みがございましてそういう点で、やや民間の経歴、こういうものの見方について割引された見方があったというふうにも思います。しかし、これは民間の経験なり職歴なりというものがいろいろまちまちであります。それから、それぞれの勤務先の規模、程度、そういったようなことについても、必ずしも統一的な把握が困難であるというような事情からいたしまして、ややそういう点についての、基準の上では公務員ほどではなかった、こういう点は明らかにございます。しかしその後内部に入りました後のそういう格差というものをできるだけ少くしようという努力を、一時にもできませんので、相当長期にこの解決をはからなければならない。いわゆる給与のアンバランスという問題で、これは部内でも問題が出ましたので、そういう点の解消の努力を払いまして、特別の昇給の方法なり、民間経歴のある程度見る場合の修正の方法なり、そういったようなことをそれぞれとりまして、ただいまではこの問題については大体問題を解消しております。給与のアンバランスという問題については、今のところそういう意味では、ないというふうに考えております。
○田中一君 地方公務員の関係はどうですか。
○参考人(渋江操一君) 地方公務員との関係でございますが、これは公務員に準じた扱いで考えております。考えておりますが、御承知のように公共団体によっては、国家公務員の場合よりも非常に地方公務員の場合の方が給与の格づけが高いというような事態が相当ございました。実は、これは非常に私どもは困った問題の一つなんでありますが、しかし現在それだけの給与を受けてそれだけの給与をとっている人を公団に採用したがために、さらに切り下げるということは事実上困難でありますので、むしろそれより低い方をできるだけ給与の是正をはかっていくというような努力によりまして、今のアンバランスといいますか、この地方公務員出身者の開きというものを少くするという努力を考えております。事実問題としては、地方公務員の場合の方はむしろ高い事例はありましても、低い事例は少い、こういうように考えております。
○田中一君 そうするとこういうふうな工合に理解してよろしゅうございますね。もはや公団ができ上った当時は、国家公務員並びに地方公務員から採用される諸君が、大体においてその力というか、立場というものははっきりわかっておるから、今言うように、国家公務員の場合は一割五分増しという形の賃金差でもって採用した。民間の場合は、今の渋江君の言うように、経歴その他ではっきりせぬものだから、多少低い点があった。しかしながら、もう四年たっておるのですから、相当入った方の実力によってそういうアンバランスは解消しつつある、問題は解決したと、こういうことなんですか。解決したということでいいですか。
○参考人(渋江操一君) 解決したというのは少し言い過ぎになるかもしれませんけれども、おおむね解決したというような程度で御了解を願います。
○田中一君 あなたの方にも労働組合ができているようですが、労働組合との話し合いはすっかり済んで、そういう問題は納得しているということのように理解してよろしゅうございますか。
○参考人(渋江操一君) 組合とのいろいろ交渉問題の中で、今御指摘になりましたような趣旨の交渉事項は最近は出ておりません。その意味で組合の方もそれぞれ了解してもらっておると私どもはとっておるわけでございます。
○田中一君 それから、この八月にこういう退職手当の基準ができたといいますけれども、このほかに職員の処遇の問題、むろん役員の処遇の問題等についても、基準というものは全部出そろっておりますか。
○参考人(渋江操一君) 退職手当の基準が一番、実は対監督官庁の関係がありましておくれたわけでありまして、そのほかの基準は全部出そろっているものと解しております。
○委員長(岩沢忠恭君) 申し上げます。この住宅問題につきまして行政管理庁の勧告も、まだ問題が相当残っておりますけれども、本日はこの程度で……。 —————————————
○委員長(岩沢忠恭君) 最後に、先般この委員会におきまして書類による答弁が要求されておりました小山委員の台風第六号及び第七号により決壊した三国国道の擁壁盛り土等の復旧安定措置並びに山腹保全の緊急施行についての質問に対し、詳細建設省当局から御答弁を願いたいと思います。
○説明員(前田光嘉君) 三国国道の災害につきまして先般御質問がございましたが、これに対しまして、道路局長から建設委員長あてに、最近の概況を御説明申し上げたのでございますが、さらに補足させていただきますが、現在、三国国道は残工事を実施中でございますが、たまたま台風がございまして被害をこうむり、手戻りを生じましたことは、まことに遺憾に存じております。被害地のおもなところは十二カ所ございますが、そのうち切土法面が崩落いたしましたのが七カ所ございまして、その崩土の取り除きにつきましては、すでに措置済みでございます。また、盛り土法面のすべり出しが四カ所ございますが、これは比較的危険性は少いと思いますが、緊急度に応じまして逐次シガラなどの砂防的措置を講じております。また擁壁の亀裂沈下の個所が一カ所ございますが、これにつきましては、すでに処置済みの沢水などの排水口などとあわせまして、応急処置を講じておりますが、あと三十四年度、本地区に対しましては残工事が六千万円ほどございますので、この工事と一体といたしまして、少くとも年度内には完全に復旧いたしますように努力する、こういうことでございます。
○小山邦太郎君 私のこの前当局に御質問をいたしました問題について書面で答弁のありましたほかに、なお具体的なこれが復旧に対する御説明がありました。誠意をもってこの復旧に当っていただけるものと思いまするから、その成り行きを私は拝見することにいたしたいと思います。これ以上質問はありません。
○委員長(岩沢忠恭君) それでは、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時五十三分散会