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32回国会衆議院1959/10/05

内閣委員会 第5号

発言数
90
登壇者
10
会派数
2
開催日
1959/10/05

会議録

福田一自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。  公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 給与のことについて質問申し上げたいのですが、私たち八月九州へ国政調査に行ったわけですが、こまかいことは、あるいはもっと突っ込んだようなことは臨時国会になってからお聞きしたいのでございますが、きょうは一般的な臨時国会等にあるいは来年度の予算を組む、それらの腹がまえについて、政府やあるいは事務当局の方々の御意見を聞きたいのでございます。  それで九州に行って七月でしたか、勧告案が出たのに対して各組合の方々にお集まりを願って意見を承わる、こういうふうな集会をば福岡の人事院出張所の方々の努力で持ったわけですが、その中で今までであれば、勧告の内容に対してそれぞれ見解が披露されたわけでござまいす。それが今回の場合は勧告の内容について全然入らないといってもいいくらいの強い態度で不満を表明しておる。何だこんなもの、言葉を強くしていけば、要約して言えばそんな表現になりそうなのです。われわれは人事院というものに対して大へんに大きな期待と長い間の協力を保ってきたのにもかかわらず、どうも最近の傾向はそれらに報いられるにしてははなはだ少いではないか、こういう御意見です。そして先ほど申し上げましたようにこの勧告は一体何というありさまなのだ、こういうふうな表現でございます。これは勧告された当時、官公労その他の方々と淺井人事院総裁、人事官の中でそれぞれ質疑応答がかわされたと思っておりますが、その当時どういうふうなやりとりをなさって、人事院の方々では了解運動をなさったか、そういう点を一つお聞き申し上げたいのです。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 この勧告についていろいろ不満があるようにも思っておりまするけれども、われわれとしては、これは人事院の従来の立場といたしまして、公平な立場で官民の給与の比較と生計費の計算をいたし、それによって勧告をいたしておるのであります。私としてはそれは一律三千円のベース・アップというようなことを持ってこられたのでは、これは意見が違うと思っております。私どもは今回の勧告も妥当なものだと人事院としては信じておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 総裁の言うことを聞くと、妥当だとか、中正だとか、公平だとかいうことは、前にも私は国会へ出てくるあなたとときどき質疑応答をやるのですが、ほとんど変っておらぬのですよ。それほどある意味では確固不抜なる権威を持っておるものかもしれません。しかしわれわれが毎回申し述べておる点は、淺井総裁であれ、人事官であれ、それぞれ言い分は無理でもないところがあるというふうに、そのつど納得されておるというふうに私は解釈しております。それがちっとも次の勧告には芽を出しておりません。もちろん芽を出しておらぬから育つわけもない。だから旧態依然だということになるのではございませんか。せっかく人事院がありながら人事院の無用論を、人事院を守らなければならない公務員の中からぼつぼつ出てくるということは、一体何を表現しているとあなたは思うのです。絶対に中正公平であるならば、何も公務員の方々が人事院を誹謗したり、無用論を唱えるような因子が出なくても済むのではないですか。これは全く抽象論でございますけれども、現実に出ておる声でございます。それはあなたはよもや知らぬなどとは言っておられないと思います。そういうふうな点は、あなたの見解からすれば一体那辺にあるか、どういう理由でそういう声が出るかということを、あなたは給与担当の最高責任者としてどういうふうな考えで把握していられるか、それを見ていられるか、その点に関しましての御見解を承わりたい。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 もしもわれわれが総評方面で言っておりますように、一律三千円のべース・アップの勧告をいたしますれば、それは問題はなくなるのであります。しかしそこにわれわれとしてはいろいろ問題がありますので、われわれとしては従来やっております方針に従って妥当な見解を出しておるつもりと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 だから妥当だということに対して、あなたの方でそれが確固不抜な権威だというふうにおっしゃってはいないはずなんだ。今までだってそうでしょう。これはあとで少し数字を突き合せてやらなければ、あなたは今抽象論だからというふうな格好で逃げられると思うのですが。実際われわれがかなり計算等においても突っ込んだお話し合いをしたときは、なるほど不合理は認めると言っているのではありませんか。そういう現実を認める過去の経緯ですよ。それを全然抜きにしてしまって、ただ妥当だ、三千円均一などということはわれわれとしては問題にできない。三千円が無理なのだったら何ぼなら妥当なんです。何ぼなら公平だという言葉が当然出てくるでしょう。それがあなたの言う今の線だ、こういう御答弁だろうと思う。しかしその御答弁が不満を買っているということですよ。中身を調べない、調べる意欲もない、こういうのは私は人事院の給与を全からしめて、そうして団体交渉権、罷業権と振りかえをした今の現状から見て、そういう意欲を失わしているということは一体何です。あなたの妥当だということはわかりますよ。公平だということはわかる。私の言うのはそうじゃありません。あなたがせっかく誠意を込めて妥当公平だと思ってお出しになった勧告案に対して、受ける側の方が内容を解明する情熱を失ったという、こういう場面は一体何を表明しているかということです。あなたに対して私はあなたなりの見解を一つお述べ下さいというふうに言っているのです。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 御意見はございますけれども、どういう点を具体的におっしゃるのか、これは今日でなくてもだんだんとお聞かせ願えると思うのでありまするが、それに対してはわれわれの意見を開陳いたしたいと思うのであります。勧告を受けるのは国会と内閣でございます。これについてわれわれが公務員を保護する立場にあるために、もちろん公務員の利益も考えておるつもりでございます。今回の勧告におきましては一率おおむね四%の上昇を認め、かつ夏季手当を増額をいたしておる。われわれは人事院方式による官民給与の格差の比較から見ましてこれは妥当な線である、かように思っておるのであります。この人事院の勧告のことにつきましては、多過ぎるという意見と少な過ぎるという意見とはこれは人事院創設以来常にあるのでございます。何も今回に始まったことではございませんが、われわれとしては妥当な線でいくより仕方がないと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 総裁の御意見を聞いていると、石山委員なる者の質問は毎回繰り返す、同じようなことをやっている、くだらない質問じゃないか、こういうふうな御意見に聞き取れます。もう一つは、勧告されるのは内閣と国会である、そんなことは当りまえの話でしょう。しかし実際に恩恵を受け、それに不平を感ずるのは何も内閣と国会じゃございませんよ。公務員でございます。そういう平面的な見方をあなたがなさっているものですから、擁護をなさるという立場をとりながら、その擁護される気持というものは受ける公務員に反映しない。その反対の声が出て、今度の勧告に対しては内容を解明するだけの情熱がないというふうに私は何回も申し上げている。その要素は一体どこにあるか、あなたの御見解をお聞かせ願いたいと言っているわけでしょう。どうも私の聞かんとするところをあなたがわざとそらしているのか、あるいは私は東北人でずうずう弁でしゃべり方が下手なためにあなたにうまく届かないのか、どっちか知りませんけれども、おかしいです。そういう現象が起きているのは一体どこに要素があるかということを、あなたの御見解を伺っているわけなんです。あなたがまだ研究していないというのなら、研究していないでいいのですよ。私ならこう思うでいいのですよ。問題の中心をそらしていると、私はいつまでも同じことをしゃべっていなければいけないものですから、一つその御見を承わりたい。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 お言葉を返すようでありますけれども、勧告を受ける側に不平があると仰せられましたけれども、勧告を受けるのは国会と内閣であって、これはまた御審議がいけないと申し上げたのは、すぐそのあとでしかし人事院は公務員を擁護する立場にあるのであるから、決して公務員の立場は無視しておらぬ、こういうことを申し上げたのでございます。これは決してあげ足をとったわけでも何でもないのでありまするから御了承を願いたいと思います。この問題は私は質疑を受ける方でありまして、石山さんは質疑をなさる方であります。この人事院勧告のどこに御欠陥をお認めになるのか、それが具体化いたしませんと、抽象的に申しますだけではちょっと御答弁がなりかねるのでありますが、それはまた後日のことでございましょうから。私は縛り返して申しますように、決して公務員の利益を保護することを怠っておるのではなくて、今回の勧告におきましてもおおむね四%の上昇は認めておるのだということを申しておるのであります。ただそれでは公務員の方で不平ではないかと言われますけれども、これは多々ますます弁ずということでございまして、公務員諸君の方から見ればこれは多いにこしたことはないのであります。しかし政府の方から見れば予算上少いにこしたことはないのでありまして、これはいつでもある議論であろうと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 それははなはだ不謹慎な表現だろうと思う。政府の方ではなるべく少くしてやればよろしい、公務員はなるべく多いのが通常だ、そうじゃありませんよ。われわれは妥当な数字を求めて要求するという建前をとっているのですから、三千円より五千円がいいなどとはちっとも申しません。政府だってそうだと思う。自分がかわいがって使用している、大きな国家権力を委譲している公務員が、何ぼでも安ければそれでよろしいというような、そういうしみったれた考え方で行政官をはお使いになっている政府当局ではないと思う。淺井さんの今の表現を聞きますと、ちょうどわれわれが民間の、つまり中小企業程度のいわゆる経営者と団交をやっているようなものでございます。それではやはり今の労働情勢というものを正しく考えながら、あなたが勧告の最後を決定したというふうには考えられません。私はそういう表現を聞いて非常に残念に思います。ただあなたは私の話に対しては抽象論だから、そんなことは質疑と答弁の方の関係でうまく答えられないというふうにお言いでございますから、これ以上私はやめますけれども、最後の今言ったような御意見は努めて内省していただきたいと思うのです。それであれば私たちはほんとうに見解を異にして、人事院のものの考え方というものを追及しなければならなくなるのではないかと思う。何かわれわれの態度というものは無頼漢で、切り取り勝手だというふうなことにもなりかねないのでございますから、それでは少し言い過ぎではないか、こう思うのであります。  給与問題とちょっと切り離してお伺いしたいのでございますが、最近公務員のいわゆる労働運動等に関するところの行政処罰が大へんに行われております。労働運動に関しての行政処罰を受けた人事、こういうふうなものが集計されておりますか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 最後の給与問題に対するお言葉について申し上げますが、私が申し上げましたのは、ただ一般の空気について申しましたので、人事院は勧告をする場合に多い方と少い方と足して二で割ったような勧告は決していたしておらない。これはやはり一定の基準で計算をして出しているということは御了承願いたいと思います。私の言葉が足りなかったかもしれません。  それからただいま第二の仰せのようなものは大体集計して出しております。

石山權作日本社会党

○石山委員 その点に関しましては、たとえば懲戒免職、減俸、停職等々といろいろ種類がございます。それに対する主文がつくわけですね。解雇する場合にもいわゆる解雇の理由を書いたものがつくわけでしょう。それらを一括して資料として次の臨時国会ぐらいまでに一つ出していただきさたいと思います。続いて申し上げますが、これはなぜかと申しますと、総理府関係の方々に公務員制度とからんでお聞きしたいのでございます。今労働運動等による問題をば大へんに暴力行為とすり変えております。そうして行政罰を厳重に行なっているわけですね。今度の公務員制度の問題は私たちはそういう意味で非常に往目を了しているわけですが、きょうは長官がおいでにならないものですから、政府のいわゆるほんとうの態度というものをお聞きできないので残念に思います。ILO問題がまだ批准されておりません。批准されるのを待って公務員制度というものをお出しになるというふうな態度でいるのか、あるいはILO批准をば前提にして——もう長いことでございますから、批准されるものだという前提のもとで今公務員制度というものを練っていられるのか、それから労働運動の事項に関して公務員制度の中に大きく盛り込もうとしているのか、この三つばかりを今の進捗の過程等の御説明の中で一つ知らしていただければと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 簡単な集計は手元にございますからお手元に差し出します。なおそれをごらん下さいまして詳しいものが御入用でしたらまたあらためて……。

福田篤泰自由民主党総理府総務長官

○福田説明員 政府といたしましてはILOの批准ということは既定の方針でございます。ただこれに関連する地公法あるいは公労法の関係法律の調整問題を今いろいろ検討しておるわけでございます。批准の建前はもちろん一貫しておるわけであります。ただ、今お尋ねの公務員制度との関係でございますが、これはやはりILOと切り離しまして非常に広範な、しかも多岐にわたった関係部面がたくさんございますので、今慎重にどうしたらいいかという点について検討中の状況でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 私こういうことを言うと、立法上のしろうとだからというふうに言われるかもしれません。しかしこれは実情ですから、公務員制度の中でそういうことが考えられるかどうか。これは選挙等にからんだ問題でございますが、民間その他の企業と非常に関係の深い役職の方々がやめてすぐ選挙戦に出られる。これは国家から高給をいただいて権威の立場にすわった方が、その職務を通じて選挙運動ができるというのが現実であります。そしてこれらの方々は、この春の参議院選挙等を見てみますと、お偉い方々が選挙をやったような格好でなく、買収などをやって大へんな問題が起っている。秋田あたりなんか、今までひっかかったことがない婦人会がひっかかって、婦人会の幹部六十数名が買収容疑で引っぱられている。こういうことを考えてみますと、相当考えなければならぬということが一つ。それから役目を通じて、つまり業者と結んで、出ればこうやる、こういうことをしてあげるからと言葉で言われれば、自主的に醵金して選挙運動したということになるけれども、これはちゃんときまっている。この一つのものは何ぼ値があるから、これに対して何ぼ醵金せよとかっちり割当なんです。それはたとえば払い下げとか何かの場合は、法文に照らして何ら異存のないようにやっております。ないようにやっておるけれども、実際は選挙を目当てにしたものがそういうように公然と行われるわけです。これはやめて出たのだから、行政の面では全然タッチできない。これは事前にやはり公務員制度の大きなワクの中で、一応お考えになる必要があるのではないかというふうに、私現地にいて考えているわけですが、そういう点は自民党の方でも総理府の方でもお感じになっておりませんかどうか。

福田篤泰自由民主党総理府総務長官

○福田説明員 今御指摘の実例は前々からやはり問題になっております。自民党といたしましても、社会党の方と先般お話し合いの上で、選挙制度特別調査会を永久的に作りまして調査研究しようという話があるくらいで、この問題は前から一定の年限を置くとか、いろいろな話し合いがありますが、いわばこの機会に選挙法全般を通じての改正が望ましいのではないか、こう思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 たとえば労働運動だけでなく、各諸官庁においての人事権というものはその諸官庁に属するわけですね。

福田篤泰自由民主党総理府総務長官

○福田説明員 その通りでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 しかしたとえば定員のワクをきめるというような法律の場合は、総理府と行管でかなり熱心におやりになっている。それできまったあと、たとえばそれぞれの人事権はもちろん各主管官庁にあるだろうと思いますけれども、その主管官庁の一つの労働行政上による行き過ぎというようなことが、最近あるのではないかと私は思う。これは何も人事権だけではございませんが、行政一般に対してのものだと思いますが、行き過ぎをチェックするところは行管のほかに総理府にもあるわけですか。

福田篤泰自由民主党総理府総務長官

○福田説明員 定員の問題は、今お示しの通り行政管理庁の所管でございます。定員をどの程度まで差し入れるかという基準の問題は、行政管理庁と人事院がやっているわけであります。今御指摘の点については総理府としては直接関係がないと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうするとこれは人事院の公平裁判ですか、不当なる行政措置をとられた場合の公務員の身分保持の問題に関して人事院もかなりの責任があって、それこそ公平にやっていただけると思うのですが、これは起きた問題を裁判なさるというのでございまして、いわゆる労働行政全般から見た場合のチェックする主管官庁というものは、今の場合にはないのでございますか。

福田篤泰自由民主党総理府総務長官

○福田説明員 これはやはり総理府では直接ないと思います。結局今までの取扱いをやっております行政管理庁並びに人事院ということになるのではないかと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますとたとえば刑事事件みたいなはっきりしたものだと、これはケースが違っても大体レベルが同じに並ぶだろうと思う。ところが労働関係による行政処分ということになりますと、今言ったように官庁のおのおのの思い方によってかなりに違ってくる。それはもちろん要求の仕方も違っているわけですから、その間におけるいざこざも違っておるというわけでございましょうが、いずれにしても不統一なものが出るのではないか。この不統一ということは、公務員相互間にとってはいわゆる処罰その他に関する不均衡ということになりますね。法が不均衡であればこれは正しいことではないのでございます。法のいわゆる行政措置が不均衡にならないようなやり方、これはどうも労働行政の場合は行管でもやれそうでもないが、こういうふうな場合は一体どこで不均衡のないように調整をなさるか、これを一つお聞かせ願いたい。

福田篤泰自由民主党総理府総務長官

○福田説明員 そういう点につきましては、人事行政の担任である人事院が適当ではないかと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますとこの公務員の制度というものは、やはり相当に私は研究していただかなければならぬのではないかと思います。そして特に公務員の場合は、上の人には何と申しますか非常に処罰するのがゆるいように思うのでございますね。たとえば私が大蔵委員なんかやっておったとき、入札事件なんか起きて、当然懲戒免職処分になるのが依願退職で恩給をもらっている。ところが下の者は完全懲戒免職で恩給なんかに浴さなかった。こういう事例が厳然としてある。これは一体公務員法の中にちゃんと規定されておりますか。そういう差別をしてもよろしい。高級官吏であれば懲戒処分になるものも事前に依願退職をやって恩給をもらう。片方はやめると大へんなものだからもさもさしているうちに懲戒処分になって恩給をもらえない。これは完全に公平でないわけですね。それを公平にしなければならぬという規定はこの中に入っていますか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 私からお答えするのはいかがかと思いますが、まず最初の問題といたしましてこの処分の不統一云々であります。これは人事院としては公平にやっておりますけれども、これは人事院に許されておりますところの行政措置の要求と不利益処分の裁判でございますが、これは両方とも申し立てがなければしないことになっております。しかし申し立てがあれば人事院としては従来公平に取り扱い、処分が重過ぎると思えば取り消すことがありましたし、あるいは軽くすることもあるし、変更することもございます。これはたくさん実例がございます。  それから最後に御指摘の上の方と下の方で違うというお話でございますが、これは懲戒権というものが各省庁の長にあるのでありまして、人事院が懲戒権がないとは言えないけれども、しかしこれは第二次的なものでございまして、これは一度も実施したことはございません。第一次的には各省庁の長にございますから、この省庁によって違うことが出てくる。しかしそれが不利益処分の申し出が人事院にありました場合には、人事院で事後において是正はいたしております。それからまた上の方と下の方で違うというのは、実例を見なければわかりにくいと思うのでありますが、これはちょっと人事院の所管ではない。つまり各省庁の懲戒権の範囲で行なっておることであると思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 各省において自治的に懲戒権、行政権を発動する権限がある。そうすると、これは私はやはり考えなければならぬと思うのだが、そこの長か、あるいは局長が汚職なんか奨励するような場合が、ないとは言えない。あるとは言いませんが、しかしそういうようなことを黙認するような格好で問題が進んでいっている場合がありますね。そうしてたとえば上の者はなかなかひっかからないような仕組みになっているわけです。下の方は簡単に解雇になります。こういう点を考えていただかないと、やはり法律とかあるいは罰則というものは、上には非常に軽いのだ。下には重いのだ。こういうふうな立場が現実の問題としてとられているわけです。たとえば先ほど申し上げたように在職中、大へん営利のあるものを割当する、払い下げをする。そういうことを公然と行なっている。そしてたとえば労働運動を起してガラス二枚割った、それが暴力行為というような名前にひっかかって解雇処分を受ける。こういうふうな現象が現われているとき、なかなか官吏の吏道刷新を叫んでもしめしがつかないのではないか。しかも給与面においては淺井人事院総裁の何年来の公平妥当な話ばかりでは、これはやはり公務員のよりどころがないのです。権威があるならば権威の罰則を上に強くする。ガラス二枚くらいこわしたのは何も懲戒処分に該当するものではないのだ。それを暴力取締法というような名前で警察に告訴させておいて、これを解雇処分にする、こういう差別のあるやり方で吏道刷新を唱え、そしてまじめに働きなさいと言っても私は通じないと思うのです。こういう点、逃げ道のないようないわゆる行政措置であっても、上に非常に寛大であって下に重いというふうな、こういう行政措置のやり方をどこかでチェックするような公務員の規定あるいは内規でもよろしいのですが、こういうものがなければならないのではないか。上の者が汚職をやった場合には、ずるずるっと延ばしてしまう。そして国民が忘れたころ適当に依願退職させておる。片方はちょっと押した、引っぱった、そうしてそこら辺のとびらがこわれたとか、あるいはガラス一枚こわれたとかで、やられてしまう。しかもこの処分が減給、停職というくらいのところならばまだまだ話もわかるのですが、今のつらい世の中に退職を一ぺんにやってしまう、首切りを一ぺんにやってしまう。そういうような措置はどこから考えても正常な対策でないと思っております。これは人事院の方でも一つ調べていただきたいですし、公務員全般の給与その他公務員制度を考えていられる総理府でも、今私が申し上げた実態がうそであるかどうかということを調べていただいて、——私はうそでないということを申し上げているわけです。調べていただいて、そういうことが間々あるのだ。間々あるとすれば、これはやはり皆さんからそういう不均衡なことのないように一つ考えていただいて、行政措置に遺憾のないような方法を一つ工夫してもらいたい、こういうのでございます。

福田一自由民主党

○福田委員長 飛鳥田一雄君。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 淺井さんに一つ伺いたいと思いますが、この間私北海道へ行きまして、いろいろなお役所の責任者の方、あるいは組合の方、こういう方からいろいろなお話を伺ったわけです。しかし受田君や石山君のようにエキスパートではありませんから、私も非常に疑問を持ちながら帰ってきました。そこで淺井さんにその点について伺いたいと思いますが、北海道の場合は内地に比べると、恒常的に二割ないし三割くらい物価が高い。これはもう何人も否定のできない事実であろうと思いますが、一時的というような関係ではなく、恒常的に物価が二割ないし三割高い、こういうようなところの公務員に対して、今申し上げたような物価高というものは、勧告を出されるときに全然考慮されていないのか、これから伺いたいと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 お尋ねの点でございますが、それはそのために地域給というものがずっと存在していたわけでございます。これはただいま申されましたような地方的な物価の差に従っての手当でございます。ところがこれは国会の御決定でもって暫定手当に変更をいたしました。でございますから現在においても、それは給与法のうしろの方の付表でもって、一定の物価高による手当が暫定手当として残っておるはずです。これは漸次本俸に繰り入れることになっております。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 多分そうおっしゃられるだろうと私も思ったのですが、しかしそれは一体地域給が実際の物価高に即応しておるとお考えになるのですか。地域給を定められて、その後幾らかの是正はあるにしても、現実に物価のアンバランスがあるものに即応した制度として固定していないのじゃないか、こう思うわけです。東京は地域給としては最高級のものをもらっておるはずです。ところが北海道は東京の物価に比べてもなおかつ高い。こういうことはいろいろな統計資料がちゃんと指示しておるだろうと思いますが、北海道では一番物価の高いと思われる札幌においてすら、東京より劣っておる地域給ではないだろうか。そのほかの地域を比べてみますと、地域給云々という御説明では、とうていもらっておる人たちを納得させる説明にならないのじゃないか。あなたと私がこういうじゅうたんの上で話をしておるときにはそれでよろしいかもしれません。ところが実際にもらう人が今の御説明で、ああなるほどとふに落ちるでしょうか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 この地域給については、従来からいろいろ問題もございますが、大体人事院といたしましては、この地域給創設以来物価を調べまして、時々訂正をいたしました。従いまして地域給というものは、漸次地方の実情に即するように修正したわけであります。ところがそれがいつかの改正によりまして、暫定手当として固定化したのでございます。そうして同時にこの地域給に対して持っております人事院の勧告権というものがなくなっておるのでございます。でございますから、これは人事院としては御意見は承わりますが、この暫定手当を修正する権限は、人事院としては持たないのでございます。これは一つ総理府の方から御答弁を願います。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 御説のような状態でありますから、なお勧告を出される場合には、そういう暫定手当の不合理をも考えられて、なおかつその上で勧告を出されるべきではないだろうか、こう私は思っておるのです。従って冒頭にお聞きしたように、そういう物価高の問題は合理的にちゃんと計算をされて、今言うような制度としての欠陥まで入れて、そうして勧告がなされているのかどうか、こういう点について非常に疑問に思いますので伺ったわけです。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 今回の勧告には、暫定手当の分は入っておりません。これは一律に本俸によって規定しております。その暫定手当まで見ますことは、この暫定手当を目下変更の途中でございまして、漸次本俸に繰り入れつつある状況であります。まだ片がついていない状態にあるのでございます。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 まだその暫定手当が本俸に繰り入れ中で、この十月にはたしか五%入ると思うのですが、そういう整理の途中である、こういうことで全然今回の勧告の中から、こういうものから出てくる不合理を除外して考えていかれる、こういうことでは整理のつくまでの間、現実に北海道の居住者は非常な不利益を受けるのではないでしょうか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 それからもう一つつけ加えますことは、給与法の改正によってこの地域給の勧告権というものが人事院の権限から除かれておる、そこでやむなくその点を除いてやっております。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 地域給に対する勧告権なり人事院の権限がなくなったというお説は私ども知っております。しかしなくなったからといって、それはよそさまの方の責任である、こういうことで、総合的な公務員の利益を守るお役目をなさるあなた方の勧告の中に、それを除外してしまって、現実には北海道に不利益がいく、こういうような建前が残るということについてはどうでしょうか。やはり当然この際あなた方の方のお考えとしても、北海道手当とかなんとかいう一つの手当のような制度で、その不合理を是正していくことが好ましいとお考えになるのかどうか、そういうところまで一つつけ加えてお話をいただきたいと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 制度として将来どうするかということは、これはなお研究さしていただきたい。それから北海道に特別な手当を出すかどうかは、これはよほど問題だろうと思います。同じような物価の高い都市がほかにあるかないか。なお北海道は寒冷地手当も出しておりますし、石炭手当も出しておる、こういう状態にありますから、これはちょっと研究してみないと、ここでわれわれの考えを簡単に申し述べることはできないと思います。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 そういう形で北海道のものをお取り扱いになっていらっしゃいますので、現実には皆さん非常に無理をしている、こういうことを伺ったわけです。たとえば統計調査事務所の方から伺ったところによりますと、そういう事情がありますために内地から北海道へ来る人がない。北海道の物価は高い、私の前任地横浜より札幌は暫定手当も少いが、それに比べて物価が高い、これではなかなか来る者がない。そこで北海道の欠員を補充しようと思ってもなかなか補充ができない。やむなく北海道へ行くのならというので特別昇給させて北海道へやる。しかし実際は三年くらいでまた内地へ戻ってくる、こういうようなことがあると非常なアンバランスが生じてしまって困っている。こういうことを現実に仕事をやっていられる人々がみんな言うわけです。今お話のように北海道手当、こういうような問題についてもなかなか考えねばならない、こうおっしやるわけです。それはそうでしょう。一つの制度を作るのに慎重であることは当然であろうと思いますが、しかし現に今申し上げたように物価高からくる苦しみ、そういうものが勧告の中に地域給とか僻地手当とか、そういうわずかのものを理由に計算されていない。こういうために苦しんでいるのは、今北海道のお役人たちが苦しんでおるのです。そのために今一例を申し上げたように、いろいろ特別昇給させてやるとかいうような、どちらかといえばイリーガルな手続をとってようやくごまかしていく、こういう状態を人事院はもう少しお考えを願えないであろうか、これがみんなの共通した苦情です。各官庁の方々、労働組合の方々が集まって、みんな持っておるわけです。  そこで最初に戻るわけですが、何とか勧告の中に北海道の持っておる恒常的な物価高、こういうものを考慮に入れてやってほしい、こう私は思うわけです。それについてあなたは入れてないとおっしゃる。それでは北海道の公務員を非常に特別扱いにしていく、こういう結果に終るのではないだろうか。少くともこの次に勧告をお出しになる場合にも、北海道は依然として二割、三割の物価高でしょうから、これを基礎に入れていただくということをやっていただけるのか、さらにまたこの勧告についてもう一度考え直して、あなたの方で修正的な意見を出していただけるのか、こういうことを一つ伺いたいと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 今年度の勧告を修正するということはちょっとできかねます。将来のことについて、たとえば北海道が物価高であるからこれに対して手当を特に出すということは、ちょっと私としてはまだ踏み切れないのであります。何かそれをやりますれば、ほかにも同じような事情のところが出てきはしないか。それはよほど研究しなければならないと思っております。それから来年の勧告でこれをやるということは、ちょっとお約束いたしかねると思います。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 水かけ論でしょうからもう繰り返しませんが、しかしあなたも今私の申し上げたような不合理があることはお認めになるだろうと思うのです。もしその不合理をお認めになれば、あやまちを改むるにはばかることなかれということは、民間でも官公庁でも同じだろうと思うのです。ちょっとできかねますというお言葉の中に、何かやはり官庁の権威主義が残っていはしないか、こう私には感ぜられますので、それをつけ加えておきます。  それから小さいことですが、石炭手当が休職者には全然渡されていない、こういうことを聞きましたが、しかし休職してうちにいようと病院に入っていようと、北海道の寒さは同じく迫ってくるのだろうと思うのですが、非常に不合理ではないでしょうか、この点についての御見解を聞かしていただきたいと思います。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本説明員 ただいま石炭手当のお尋ねでございますが、一般的な給与の問題は人事院の所管になっておりますが、石炭手当に関する法律だけは総理府所管になっておりまして、人事院といたしましてはこの法律に基きまする総理府に対する勧告権だけあるわけです。ただし今この総理府の支給規程について見ますと、公務上の傷病の場合には出しますけれども、そのほかの場合には出せないような規定になっております。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 それは公務上の傷病者以外でも、普通の一般疾病で休職をせられておる方あるいはその他の場合でも、北海道の寒さは同じだろうと私は思うのです。従ってその点について人事院の方でお出しなさいという勧告をなさっていらっしゃるのか。なさっていないとすれば今後なさる御意思があるのかどうか。これは出していただかないと凍え死んでしまいますよ、どうですか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 その点につきましてはよく研究をさせていただきたい。私どもが勧告をいたしますのは、大体石炭手当の法律は、これは議員立法の法律であります。これに基いて許されておる範囲内だけの勧告を従来やっておるので、お説の点は、これはむしろ総理府の問題であろうと思います。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 勧告権はお持ちになっていらっしゃるだろうと思うのですが。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 その勧告権が限られておるわけです。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 その点についての勧告権はないとおっしゃるわけですか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 そういうわけです。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 その点についての勧告権がないとおっしゃる御見解は承わっておきます。しかしその点について今後人事院としてはどのような意見をお持ちになるか、これを一つ確かめておきたいと思う。勧告権がないからといって意見は持たない、こういうことはなかろうと思います。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本説明員 ただいまの問題につきましては所管が総理府だったので、はなはだ不用意な状態になりまして恐縮でございますが、ただただいまおっしゃいました問題は、その点だけに関して申しますならば非常にもっともだと思います。しかしこういう問題はいろいろ関係もございますので、十分研究いたしまして人事院の考え方に……

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 研究をなさっている間に寒さはどんどん迫ってくるわけですし、それから石炭も早く買い入れなければならないでしょうから、あまり長い御研究は一つお許しを願いたいと思います。今の問題について副長官どうでしょうか。病気で休んでいる人には特に暖かくしてあげねばならぬでしょうし、人道的な意味からも、これはお出しになるべきが至当だと思いますが、どうでしょうか。ほかの諸手当との関係なんというけちくさいことなんか言わずに——お役人の方はすぐそうおっしゃるのですが、そういうことを言っているのはお互い人間としてばかばかしいですよ。どうぞ一つ出していただくように、よろしゅうございます、出しますという大きいところをここで見せていただきたい。

佐藤朝生総理府総務副長官

○佐藤説明員 ただいまの点は、石炭手当に関する法律によりまして人事院に勧告権があるかどうか私もよくわかりませんけれども、勧告権があるなしにかかわらずよく検討いたしてみます。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 それから次に、これもなるほどもっともだと思って私帰ってきたのですが、医療関係の給会の問題です。今回の人事院勧告で一番給与が上るのはお医者様だ、こういうふうに言われて、私たちもなるほどそうかなと考えておったのですが、しかし現実に聞いてみますと、非常に不合理なものがあるように思われるわけです。たとえばインターンを終了したお医者様が五等級の一号で一万三千五百円ということに今度なったはずです。ところが人事院で出していらっしゃる人事院の資料でも、民間ではそれが二万九百九十六円、従ってその差は七千四百九十六円ある。また北海道の道立保健所というのがありまして、その道立保健所では一万六千円出した上にいろいろな諸手当を給されて民間の給与を上回っている、こういう話でした。国公関係と地公法の関係とでそんなに差があることも不合理でしょうし、それからまたさらに院長さんなどに至りましては、勧告に添付しております資料によりますと、病院長が五十一才で民間では八万四千三百四十円、ところが国の場合では四万七千七百円で、その差は三万六千六百円、こんなに違っている。こういう点をかなり強く指摘されたわけです。従って病院のお医者様の定員がほとんど四〇%あるいは何%した埋まらない、こういってこぼしておられるわけです。ことに寒い根室、釧路地方の民間の病院へ参りますと、大学を出て十年くらいたった方も、ちょうど四等級の四号ぐらいに当る方が十万円くらいずつもらっている。ところがこの勧告によりますと二万五千七百円にしかならない。これでは根室地方の国家の関係している病院にはもうお医者様は来ないのではないか、こういって非常に嘆いておられるわけです。一体医療関係の人が一番今度の勧告では上ったと宣伝されているにもかかわらず、現実にはこんな状態でいいのかどうか。これだけの民間との差が明白に出てくるということについて、一体どうお考えになっていらっしゃるのか。きっと民間に比べれば国立関係の病院ではおそらく研究の設備もあるし、よい先輩もいて、学位論文も書きやすいからというような、そういう経済外のものをあげて弁疏の理由になさるのだろうと思うのですが、しかしそれは、民間の側ではさらに別に研究手当のようなものを現実に出しておられる、こういうことが逆にまた言えるわけです。一体こんなにも差等をつけておいていいのかどうか、これを勧告の基礎がどうなっているのかということとあわせてお答えいただきたい。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 ただいまお述べになりましたことは私も同感であります。医療職について官民の給与が非常に離れております。これは研究職も同様だろうと思っております。しかしまた今度は民間よりいいものはある。学校教員についてはその反対になっております。ところが同じ公務員でございますから、そこにやはりバランスをとっていかなければならぬ。しかしただいま御指摘のような点もある。だからこれは漸進的に上に上げていくよりしようがないというので、今回はほかのものは四%ぐらい、それから研究職とか医療職はただいま御指摘の程度までは一応上げたわけであります。これをもってわれわれは足れりとはいたしておりません。これまた将来の問題かと思っております。ただし一方民間よりいいものはそれでは下げろということはちょっと公務員としてはできかねる、こういうことになります。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 どうも僕はあまりあげ足をとるのは好きではありませんが、他でいいものがあって、こっちはどうも足りないけれども、バランスをとればとおっしゃるのですが、しかし僕がきょうもらうものが少な過ぎて、あしたもらうものが多過ぎる、それの平均をとるというのならばいいと思うのですよ。朝三暮四でもかまわないと思います。しかしもらう人々は人格が別でしょう。こちらの大学の研究職の方がもしあなたのおっしゃるようにいいと考えましても、もらう人はこっちは一人、こっちの悪いお医者様の給与をもらう人はこの人というように違う人なんですよ。同じように勤めているこの人とこの人がバランスをとってなんという話は、あまりひどいじゃないかと私は思います。たとえば淺井先生の利益において私が損をしていいという理由は、私はないだろうと思うのです。やはり国家が公正にやるとするならば、淺井先生の場合も私の場合も同断で公平でなければならないと思います。それなるがゆえに国家と称し得るのだろうと思うのですが、もし淺井先生の利益において私が損をしてよろしいという判断を下すならば、それは国家ではありませんね。淺井先生の味方というにすぎない。私はそういう意味であげ足をとるようなことは申し上げたくありませんが、しかしこの人事院勧告をなさる場合に、何か今おっしゃったような精神が根底にありはしないだろうかと私は思うわけです。医療関係者はやはり医療関係者として、その人の社会の平均の賃金、あるいはそれ以上のもので雇って差し上げなければいけないのではないでしょうか。そして今この問題は必ずしもこれをもって足れりとはしていないけれども、しかし暫定的にやむを得ない、こうおっしゃったのですが、しかし人事院は予算を組んでお金を出す側ではないわけです。そして雇用者ではないわけです。やはり人事院にスト権を奪われている公務員の利益を守ってあげる立場であって、勧告者の立場である、こう思うのです。その勧告者が政治的に配慮をなさるという根拠が一体法律上のどこにあるのか。私は、そのことに政府が従うか、国会がそのことを認めるかは別として、やはり公務員の利益を守る役目を背負った方々として、そんな暫定的で仕方がないというけちくさい考えをお持ちにならないで、堂々とした勧告をお出しになるべき責任があるのじゃないでしょうか。私は淺井先生に政治家になっていただきたいとは思いません。おそらく全国の公務員だとて、あなたが岸さんと同じような政治家になられて、どうも仕方がない、暫定的だなどとお考えになることを求めているとは思いません。法律もそれを求めていないはずです。そういうお考えに基いてこういう勧告をお出しになりますからこそ、政府もそういうあなた方のおなかの底に甘えて、また別な態度をとってくるのではないか。別な態度をとってくるから、しょせんは公務員の利益が守られずして、国立の病院その他に就職をしていくお医者様はますます減っていくだろう、こう私たちは思わざる得ないわけです。そういうお医者様が減っていくということは現に勤めておられるお医者様たちの労働強化をもたらし、同時にまたその地方における一般住民の健康管理に欠陥をもたらす結果になるのではないだろうか、こう私たちは考えるわけです。  なぜお医者様のことをしつこく申し上げたかと申しますと、私自身、自分の弟たちが医者なものですから、あんまり給与が違うのでびっくりして今申し上げているわけです。これではどんなことがあってもみんな民間へ行ってしまいますよ。医は仁術なりといいますが、仁であるだけでは食っていけないのですからね。もう一度この問題について、暫定的で仕方がないなどという考え方を是正していただいて、やはり先生がそういう人々を遇するに最も妥当なる道、こういうことを勧告していただくように私はお願いしたいと思います。そういう意味で、先ほどちょっと面子上修正はできないかというお話でありましたけれども、関係するところ非常に大きいわけです。そういう意味であらためて、少くとも修正の意思を表示せらるるお心持ちがあるかどうか、こういうことを、くどいようですが、伺いたいと思います。  一体日本は医者とか、自分のことを言っておかしいのですが、弁護士とか、そういう連中の精神的な労働を非常に安く評価する悪い癖がある。大学の教授に対しても同様です。そういう精神労働を高く評価できないような国が栄えたためしはない、こう私は感じておりますが、ぜひ一つこの医療関係の人々について——最もいいなどとおっしゃるこの医療関係の人々について、はっきりした答えをここでやっていただきとうございます。もし何でしたら、先生のお答えの載っております速記録を北海道の病院の方々へ送ってあげたい、こう私は思いますので、明確にしていただきたいと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 お説はまことにごもっともであります。私さいぜん申し上げましたのは事実だけを言ったので、一方に民間より高いものがあるから、他方はしんぼうしてもらう、さような意味で言ったのではないのであります。この医療職と研究職、この二つは官民の差が多いものですから、そこでこれは漸次よくしていくという方針をとったわけでございます。ただそれが一度にできない。そこでまず今回はこの程度にした、こういうことだけでございまして、われわれはこれでもうおしまいだとは決して考えてないのでございますから、その点は一つ御了承を願いたいと思います。

飛鳥田一雄日本社会党

○飛鳥田委員 けっこうです。

福田一自由民主党

○福田委員長 この際受田新吉君に申し上げます。受田君から自衛隊の災害派遣に関する事項について質問をされたいというお話がございましたので、加藤防衛局長を出席させました。どうか公務員制度関係の質疑と並行して御質疑を願いますようにお願いをします。それでは受田新吉君。

受田新吉日本社会党

○受田委員 加藤さんにちょっとお伺いしておきます。私このたびの名古屋を中心とした史上最大の台風の災害地を、三日がかりで視察して帰ったばかりでありますが、自衛隊の災害派遣は自衛隊法の八十三条にあります。この災害派遣に関して、私の視察を通じての私が持つ疑問に対する御見解を伺いたいと思います。せっかくこの自衛隊法がこういう規定を設けておりまして、海上あるいは陸上における災害派遣に関しての協力をして下さるようになっておるのでありますけれども、実際問題として今回の自衛隊の行動においては、なお幾多の非難をすべき個所がひそんでおると思うのです。それは災害派遣に関する第八十三条の2の規定の中に、緊急やむを得ない場合における府県知事の要請を待たないで出動する規定があるわけです。この規定はいかに利用されたのか。今回の災害は、まさしく午後七、八時ごろという、これから長い夜に入ろうという、時間的に暗やみの中に入るという時刻である。夜明けまでにはずいぶん時間がある。従ってまっ昼間であるならば、目標物などもはっきりして、避難の道もあるでありましょうが、まっ暗な暗黒の中で突如として大暴風雨にぶっかかったのでありますから、その惨状はもはや形容のしがたいものであることはおわかりいただけると思うのです。府県知事の要請を待つまでもなく、緊急を要して、その要請を待ついとまがないと認めたときに、その要請を待たないで部隊等を派遣するということに該当しておると思うのです。この措置はどういう御見解でおやりになったのか、お答えを願いたいと思います。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤説明員 御説のごとく、自衛隊の災害派遣につきましては、自衛隊法八十三条に規定があるわけでございます。この八十三条では、建前といたしまして都道府県知事その他政令で定める者の要請があってやる、それに応じて出動するということになっておるのであります。これはやはりその地方における災害の復旧、民生の安定等について全般的な責任を持ちます者の判断に基いて行動いたしますことが、自衛隊の行動を効果的にする、そごのないようにするという建前であると思うのでございます。お話のごとく、第二項に特別の場合が規定してございます。これはこの規定自体としても活用してよろしいのでございますが、今度のような全般的な非常に広い区域にわたりまする災害等の場合におきましては、自衛隊が独自の判断でどこへ出ていくということをきめくていくことが、効果的であるかどうかということにつきましては、私はなお研究を要するものがあると思うのでございます。非常に特定の地域だけでございまして、そこだけやればよいというような場合には、あるいはこの規定を発動してすぐに出ていくということもございましょう。しかし自衛隊が最も効果的に働くためには、どういうふうな任務とどういうふうな力をもってどういうふうに働いたらいいかというようなことを考えますと、やはり都道府県知事等の要請に基いて行動することがこの場合については適当だったと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 昭和二十八年の台風以後、これまで何回かこの災害出動をしておられるわけでありますが、この第二項の規定による出動をされたことがありますか。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤説明員 ちょっと全手元に資料を持っておりませんので、記憶がございませんので申し上げかねます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 私はこの問題は、今局長さんがおっしゃったようにただ単に区域が、はなはだ広範であるというような理由で、二項の適用を拒否すべきではない。もはや寸刻を争うような重大な事態で、一時間早く出動すれば何百人か多くの人命が救われるという段階だったわけです。私はあの現地を拝見したときに、自衛隊の方々が早朝から出動してやり、あるいは台風の中心が新潟の辺まで行ったころ、夜中の十二時ころにでも照明を照らして、そのころにはあらしはやんでいるのでありますから、海上を捜査して、救いを求めておる者をどんどん救い上げる、こういうような措置をされたならば、どんなにか多くの人が助かったかと思うのです。現地に近いところにも、施設隊を初めいろいろな部隊があるのでありまするから、舟艇等を動員して夜陰に乗じて非常呼集をやって、あらしの吹きやんだあとへ乗り出して、照明を照らして、海上を浮遊する家屋に取りすがっておる人々を一人々々救っていく、こういう措置をされたならば、私は自衛隊に対する感激はどのように大きかったろうと思うのです。これは非常な大事なことであって、府県知事が要請しなければ出動しませんという態勢では、第二項のこの規定はどう適用したらいいか。しかも第二項の規定はあまり多くの人が知っていないのでありますけれども、一項の規定だけが世間に流布されている。私はこの二項の規定を現地ですぐ思い出した。これは府県知事の要請で動くという自衛隊法八十三条の第二項の規定があるはずだ、この規定を適用すべきではなかったかと現地で言ったのですが、なるほどそういう規定もあるのですか、それなら自衛隊がもっと早く来てくれればよかったと残念がっておりましたけれども、あらしというものはある時間がたてば過ぎ去るのでありまして、その夜明けまで待たぬでも風は静まってくるのです。しかも気象合の予報で刻々と中心地がはずれていくことがわかっておるのでありますし、今回の災害は、これはただごとでないぞ、すでにこの災害の予告は非常に大きな台風であるということが、もう世間に周知徹底されておったのでありますから、付近の自衛隊を総動員して、自衛隊が民間にその存在価値を認識させる絶好の機会という意味からも、防衛庁本庁においても、このあらしの夜陰に電話連絡でもされて、第二項を適用すべき段階ではないか。付近の部隊に待機せよというくらいの注意を促されてよかったのではないか。防衛庁幹部はこの日に、おそらくお宅で静かにお休みをされておったのではないかと思うのでありまするが、こういう問題は私としては少くとも、このときに一番協力していただけるのは自衛隊であった、平素訓練のよくできている、救助作業においても習熟されている自衛隊に御苦労を願いたかった。私はあの鉛色の死体の浮遊している長島のあたりのことを、ボートに乗りながら、この死骸を、一人でも生きた姿として家族にお帰しすることができなかったのであろうかと、ほんとうに残念に思ったのです。しかも二十八日、二十九日とちょっとだけ自衛隊の一部隊が出ただけで、本格的な出動は一日からあとであったと私は思います。そういうような非常に時間的に余裕のあった出動をしておられる。だから御存じのように流された屋根の上に泊って、四十数時間も生き抜いた一少女さえもあったことを思われたならば、自衛隊の出動がかりにおくれて二十八日、二十九日であったとしても、そのこわれた屋根の陰にすがって救いを求めておった人がどれだけか私は助かったろう。何時間も待って力尽き果てて倒れていった人々の数も相当あると思うのですが、一番力になっていただける自衛隊に対する措置において、私ははなはだ遺憾な点があったと思うのです。特に赤城長官が御説明された中に、自衛隊の予算というものもあって、こういう行動をするについても、そういうことも考えなければならないということでございましたけれども、そういうことは自衛隊の経費は相当多額に計上されており、予算の流用等も適宜できるはずなのでありますから、人命を尊重することを考えたならば、予算のあるなしというような問題でなしに、特別措置をとられても、これは野党のわれわれとしても決して文句を言いません。大いに感謝するはずです。そういうことを私は申し上げたい。  もう一つ、今局長が言われた局部的な問題であれば手もつけられるが、こういうふうに広範囲であるし手がつけられないから、文句があると困るから、知事の要諦があるのを待ったのだということは、知事の要請を待つ間に何百人かの人々がどんどん死んでいくのを自衛隊は傍観されたという結論になると思うのでございますが、御所見を伺いたいと思います。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤説明員 今お話でございましたが、自衛隊といたしましては赤城長官の御趣旨によりまして、人命尊重ということは何よりも重視すべきである。たといどんなことをおいてもこれには最優先順序を与えてやらなければいけないという趣旨は、私は徹底をいたしておると思います。予算の問題等は、災害派遣そのものが自衛隊の任務でございまするから、私どもは大蔵省の方、国会の方で御考慮いただけるものだと思いまして、ただいまのところはそういうことにはかまわずに、かまわずにと申してはあれでございますが、あとで御承知いただけるものと思って作業を進めておるのでございます。  十月の一日以前に少ししか自衛隊の出動がなかったかのようなお話でございまするけれども、そんなことはございませんので、私どもは台風の襲来を予測いたしますと同時に、関係のところの部隊には待機を命じております。いつでも出動できるように万端の準備を整えさせたのでございます。ただ今度の台風は相当広範囲でございまして、東京、京都、大阪その他十数県にわたって被害が発生しております。被害のありまする前から淀川の堤防のごときは建設省、大阪府の要請によりまして、六百数十名の者を出しまして堤防の補強をいたしまして、私どもは淀川の堤防の決壊の防止にある程度貢献ができたと思っておるのでございます。名古屋付近に駐存する部隊は、部隊の勢力としてはそう多くございません。しかもこれが愛知、岐阜、三重から奈良、京都、兵庫、福井、長野、そういうふうな県にわたりまして、一斉に災害派遣の要請があったわけでございました。それぞれしかるべく員数を出しておるのでございます。名古屋付近におきましても守山に駐屯いたしまする部隊、豊川に駐屯いたしまする部隊を直ちに派遣をいたしております。三重県の久居にも連隊がおりまするが、これは主として三重の方に派遣をしたのでございます。もちろん私どもといたしましてはこれで十分であったとは思いません。だんだんと経験を積みまして、今になりますともう少しこうすればよかった、もう少しこういう手が打たれればよかったということは、絶えず研究をいたしておるわけでございます。今お話しになりましたような要請を待たないことにつきましても、私どもはこれが効果的にできるような方法を何とか検討したいとは思っております。情勢の把握をいかにして的確に知り、どこに再優先順序をきめて、どういう装備をもって直ちに出動すべきかという、そういうことにつきまして平素から研究いたしておきますれば、相当できる部分があるだろうと思います。これも一つの今度の貴重なる教訓でございまして、今後はそういう方面につきましても万端手落ちない準備を、平素から整えることに努力をいたしたいと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 八十三条の規定には「災害に際して、人命又は財産の保護のため」と、こういうことがありまして、人命ということが第一義的になっておるわけですね。人命を尊重する。従って各府県の要請がありましたとしましても、人命の上に重大な障害が起っているところといえば、あの名古屋、三重を中心の伊勢湾の沿岸です。従って重点はそこに移さるべきで、人命の障害のないということであるならば、財産の保護の方は第二義的に処理されて私はいいと思う。そういう問題と、もう一つは、今自衛隊が予想されておるこの急迫不正の侵略というふうなことが、こういうあらしの場合に起ることも考えられる。あらしのときには急迫不正の侵害はない、安心して休んでおれ、こういうわけではないと思うのです。そういう意味からいっても、あらしの際におけるどのような事態にも対処し得るだけの自衛隊の訓練ができておると私は思います。そういう意味から、演習にかこつけて救助作業に当る道もあるわけです。従って二十八日の早朝、直ちに伊勢湾の周辺に各地から舟艇等を急派し、海上から救済に当るという手が講ぜられたと思いますし、また二十八日の午後あたりは快晴の天気になっておったのでございますから、ヘリコプターを動員し、米軍の協力もう弔いうときにこそ求めて、二十八日から救助作業に当られるべきであったのに、全く放置されたままで二、三日過ごされたような印象を私は受けたわけです。こういう意味から、局長の説明された中に今後の対策のこともありましたが、今回の措置は適切でなかった点が多々あるということをお認めになっておりますので、死児のよわいを数えることはこの際避けます。しかし現実にもう第二の対策の段階に入っておるのでございまするから、自衛隊の総力を結集して——予算がないから自衛隊が出動できぬとか、そういうような弁解でなくて、あらゆる力を結集して、演習なども一切ここで救済の方へ振り向けていくというような措置をとられることを希望するわけです。今後の対策についてどのような用意をされておるか、お答えを願いたい。  それからもう一つは、これは災害の救助に重点が置かるべきであって、建設的な業務ということになれば、その限界は非常にむずかしいと思いますが、地元の失業者の保護の立場からも、そうした民間の仕事と国の一般の仕事として取り扱うべき限界とがあると思うのです。自衛隊の協力はどこまでいくべきか、地元の土建業者や失業者の仕事を圧迫するという意味でないところまで、これを持っていく必要があると思うのです。そういうところはどういう用意をされているのか、お伺い申し上げます。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤説明員 最初の点については、先ほども申し上げた通りでございますが、私どもとしては一応できるだけの考慮をして、全力を尽してやったつもりでございます。ただできたその結果等を見ますると、これは考えてもできないこともあったかもしれませんが、もう少し舟艇の集積等を考えたらよかったかというふうな点もないではないということを申し上げておるのでございまして、私は今回の災害に対する自衛隊の派遣につきまして、そう大きな手落もがあったというふうには考えておりません。現在の状況は名古屋方面に主力を集中しておりまして、陸上自衛隊の隊員約六千名、海上自衛隊の艦艇二十八隻、ヘリコプター二十数機をもって、海空陸からの救援に当っております。今後は政府の災害対策本部と連絡を緊密にいたしまして、その御要請を聞きながら、われわれの計画を立てるつもりでございます。今の段階は、人命救助は一応終りに近いような状況であると思いますので、今後は仮締め切りとか、道路の啓開とか、そういう本格的な工事の方に一歩々々近づいていくことになると思います。一昨日の三日の日から指令をいたしまして、名古屋地区にきのう、きょうに到着しておると思いますが、約四千五百名陸上自衛隊の隊員を増援いたしております。今後やります仕事は、今まで申したような趣旨からいたしまして、主として道路の啓開、堤防の復旧、仮締め切り等の仕事でございます。この点につきまして、民間の土建業者等との関連についてお尋ねでございますが、私どもとしては自衛隊の能力をあげて復興に尽すことに異存はございません。しかしながら今おっしゃったような事情もございますので、この点はなかなかむずかしい問題もあるかと思うのでございまして、そこらの点は建設省及び府県等の御判断によって調整していただきまして、私どもはその御要求に応じて与えられた任務を完全に遂行したい、かように考えておる次第でございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 最後に、第二項のこまかい規定をお作りになる用意はないか伺いたいが、今局長が御記憶がないとすると、おそらく災害派遣でこの二項の適用をやった例がないじゃないか。しかしこの災害派遣の必要度は、むしろこの二項にこれから移ってくると思うわけで、そうなるとこれの細目をきめて、たとえば現地部隊長の判断の基準を定めてやるというようなことを早急に打ち立てておかれないと、あらしは大てい夕方から起ってくるものですから、多くの幹部は家庭にお帰りになって休んでおられるので、防衛庁首脳部の御意見を伺う間がないということで、つい夜明けまで待つ、こういうことになってしまう。またあらしの晩だけは災害出動されることはないかというので、徹夜で防衛庁に立てこもって、通信の連絡その他を本格的にやっておられたとも私は思わぬのですが、そういうあらしのときの災害派遣についてのこまかい連絡、あるいは行動に対する規定を設けて、万全を期しておかれる必要がありはしないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤説明員 災害の場合におきましても、防衛庁本庁は、夜の夜中でも活動できるような態勢には置いてあります。八十三条二項のただし書きの点につきましては、今おっしゃるようなこともあって、具体的な事情に基く判断が大切になると思いますので、なかなかむずかしい問題ではあろうと思いますけれども、基準をきめることくらいはできはしないか。これも仮定の問題が多く入りますので、どういう災害になるかということで違うと思いますから、なかなかむずかしい問題だと思いますが、基準をきめるようなことは、できますれば私どももけっこうであると思うのでございます。赤城長官も、今度の災害等にかんがみまして、平素からある程度の仮定を置いて計画を作っておく必要がないかという御指示がございまして、検討中でございますので、そういう八十三条二項のただし書きの規定の適用につきましてもあわせて研究したいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 防衛局長ざんはそれだけでけっこうです。  次に給与関係についてお尋ねしたいと思います。いずれこれはゆっくり次の国会でお尋ねすることにして、あまり時間は取りませんが、石山、飛鳥田両氏からお尋ねをいただいた問題にも関連して、大事な点を二つ三つ取り上げてお尋ねをしてみたいと思います。  今度の人事院の勧告及び報告について、私たちの幾多の疑義は、昭和二十八年のべース・アップ勧告以来人事院のなされている御措置は、どうもその場当りのやり方であった、こういう結論を出さざるを得ないと思うのです。ことにわれわれが毎年ベース・アップ問題についてお尋ねをしていることに対して、人事院としては言を左右にされて、姑息手段で終始されたわけでございますが、二十八年の消費者物価指数とことしの物価指数との比較をいたしましても、完全に五%以上あるいは一〇%に近い数字が出ているわけですから、普通であればベース・アップの段階になる。ところがそれが小刻みにされたために分断されたわけです。三十一年、三十二年、三十三年、三十四年と、この人事院がなさった勧告報曽は何かその場当りで、ことしは一号アップと三ヵ月短縮による給与改訂、それから去年は初任給の引き上げ、それから標準生計費についても考慮されたのでありますが、ことしは中級クラスの人々だけの手直しをしておる。こういうことになっておるのですが、人事院の勧告の体系というものは、もはやこういう姑息手段のようなものの積み重ねでなければならないような立場になっておるのかどうか、これをちょっとお伺いしたいのです。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 そういう立場はだれもきめておらないのであります。人事院としてはさようなことはきめておらない。ただベース・アップというお言葉でございまするけれども、ベースというのは総平均でございますから、これはどこを上げてもベース・アップになるのでございます。ですから受田さんのおっしゃるのは一律ベース・アップのことだろうと思うのでございます。でございまするが、私どもは今回は中だるみ是正でベース・アップをやっておるのでありまして、上の方は上げなくてもいい。下の方は初任給の改正に伴って昨年上げた。こういうのでございますから、もしこれがベース・アップというのならベース・アップでございます。ただそこに一律にべース・アップをしていないだけでございまして、もう一律ベース・アップは人事院として永久にしないのだということは、決してわれわれは言った覚えもなければ、きめてもおりません。

受田新吉日本社会党

○受田委員 それはもちろん一斉べース・アップという形のものがとられていく段階が私は好ましいと思うのですけれども、ところが今のような初任給を上げた、今度は中級を上げていく、こういうことになると、結果的には同じになるじゃないかというようなことをお考えかもしれませんが、そういうことの功罪を比較した場合に、初任給の方をちょっと手当をしなければならぬから、ことしはこれでごまかしておく。今度は中だるみができたから中級クラスを上げようというようなことに自然になってきて、そのつど俸給表の作成に大へんな支障が起る。そして初任絆を引き上げたために号俸の調整をするところが大へんむずかしくなって、百円の差を作らねばならぬようなところもできるというような、給与体系の上に何だかごちゃごちゃが起ってきて、一貫したものを発見できなくなるおそれがあると思うのです。やはりお互いの給与というものには、一貫性を見出せるような努力を常に人事院がされておらないと、局部々々の修正で、全体から見たときには、ある時期には非常に変な体系のものができておるということになると思うのです。こういうことを考えてみますると、もう少し勧告のやり方に体系を持たせる。そういう必要をお感じではないでしょうか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 体系はあれで私は立っておると思うのです。その俸給表にごちゃごちゃができるとおっしゃいまするけれども、あれは決してごちゃごちゃができておらないのでございます。上から下までずっと一定の号俸が整列をいたしておるのでございます。でございまするから、われわれは初任給を是正いたしますと、決して初任給だけを上げていないのです。これにごちゃごちゃができないように上の方までそろえてある。今度は中級のところを上げるなら、ある程度の幅を持たせて上げて、受田さんの言われるようにごちゃごちゃができないように、絶えず苦心はいたしておるつもりでございます。しかしそういうふうに下を上げたり上を上げたりすると、筋がなくなってしまいはしないかと仰せられますけれども、われわれは筋はいつも立っておると思うのでございます。ただ受田さんのおっしゃられるのは、一律ベース・アップの筋が通ってないのではないかと仰せられるのでございます。しかし一律べース・アップは私どもは今度はしないのでございますが、決して永久にしないと言っているわけではないのでございます。これは官民の給与の格差等、いろいろなところから見まして、ことしは中だるみを是正した。つまりこの中だるみの是正したことによって、受田さんの言われるごちゃごちゃはなくなっておるのであります。俸給曲線の形は、私はむしろよくなっておるのではないかと見ておるのです。

受田新吉日本社会党

○受田委員 そうすると、総裁も昨年の給与に関する勧告は、ごちゃごちゃを作ったと総裁みずからがお認めになっておられるわけですね。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 いえ、決してそうではないのでございます。それは私の申し上げ方が悪かったかどうか知りませんが、昨年は初任給を上げたのでございます。しかし初任給だけを上げればごちゃごちゃができますから、そこで上の方までそれがないようにしてあるのでございますから、今年上げたから昨年のはごちゃごちゃであった、さようなことはないのでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 俸給金額には完全にごちゃごちゃが起っておるわけです。つまりその間の俸給格差というものには完全に不均衡が起っておるわけです、初任給に近いといところの部分は。これは総裁、弁解の余地がないと思うのです。そういう百円、二百円という小刻みのところもあれば、六百円、八百円、千円という大刻みのところもあるというような俸給表というものは、りっぱな俸給表ではないということは総裁もお認めになっておると思うのです。だからそういうものができた。そこで今度これを是正しなければならぬというような、局部的なやり方で俸給表の改訂をされるところに、何だか人事院という大事な機関が政治情勢に動かされたり、あるいは政治情勢に動かされたものの処理をするのにまた御苦労されたりというような印象を受けると思うのです。これは今後全面的に考えていく、全面的に毎年変えていくというならば、われわれも納得します。局部的にやられるから、最後は戻されたと言うけれども、結果的に見たら、過程においては確かにそういうごちゃごちゃが起っておる。  それともう一つ今度の勧告について、私昨年もちょっと御要望しておいたところを直してくれていないところがある。それは特に昨年私が民間給与との比較の際に申し上げたのでありますが、民間賃金を調査をされる対象の中に、高級職員に対しては大企業だけを対象にして、部長級の俸給などをきめておられるのです。ところが下の方にいくと、臨時職員のようなものや臨時工のような、民間の軽く採用した者を対象に計算をされておる。こういうことを考えると部長の給与は、中小企業の五十人から百人程度のところには該当する部長がおらぬことになっておる。従って公務員の上級職員には、大企業の部長の給与だけを対象にして振り当てておるわけです。それから下の方はどうかというと、今度は公務員には臨時職員というのはおらぬわけです。だから、正規の公務員を対象にする俸給表の中に、かりに採用した臨時工や臨時職員を対象にして給与の比較をしておる。この問題は昨年も私は御指摘申し上げておいたのでありますけれども、依然として直っておらぬ。そうすると上級職員の局長クラス以上の人々と会社の部長クラスと比較すると、これは大企業のそれと上級公務員とが比較されるということになる。小さな企業の部長などとは比較にされていないわけです。そうすると高級職員の方はうんと給与が高くなる。下の方は臨時職員や臨時工などをみな入れて計算するから、下の方の給与は非常に低くなる。そうすると格差がうんと開いてくるという問題が起るのです。こういう問題はできるだけ公平にして、上下の格差を縮めるような努力をされる必要があると思うし、民間給与との比較検討に対して不公平があるということを申し上げておいたのでありますけれども、それが今年もやはり同じようなことが繰り返されておる。これはいかがでありましょう。

瀧本忠男人事院事務官(給与局長)

○瀧本説明員 ただいまの点は技術的な問題でございますので、私からお答えいたします。確かに受田委員から御指摘を受けまして、どうも人事院の民間給与調査には、民間の職員の中で臨時職員というものが入っているのではなかろうかという御指摘があったのであります。私はそういうものは入っていないということを申し上げた次第でございます。ところがこの問題はそのようになっておりますけれども、われわれのまことに不注意がございまして、調査要綱にその点をはっきりしていない部分があったわけでございまして、この点だけはわれわれとしてはなはだ遺憾でございましたので、これはもうおわびを申し上げるよりいたし方がないのであります。精神といたしましては、これは臨時工を入れる趣旨ではないのであります。これは調査等に当りまして調査員を指導いたします際に、そういうことを徹底しておるつもりでございます。今後文書等におきましても明確にいたすつもりでおります。この点はおわび申し上げます。  上の方の上級職員は規模の大きいところだけと比較しておるではないかという御指摘でございますが、われわれはやはり名称だけにとらわれずに、その職務内容等を見まして比較いたした。従いましてこれはたまには五百人末満の事業場等におきまして、その職責の大きい部長さんがおるかもしれません。しかしながらこれを一々選別いたしますことは、限られたる調査期間にやるということは困難でございます。この点は十分とは申されませんけれども、まず規模におきまして五百人以上というところを一応目安にいたしまして、部長というようなものを本省の公務の場合二等級と比較いたすということをやっておるのでございます。民間ではやはり事業をやります上に名称のいいのを使いたがりまして、五百人未満の事業場等におきましては部長とか課長というような名称をやたらに使いがちでございますけれども、われわれは名称だけにとらわれませんで、職務内容の点から公務とその責任の度において比較し得るような比較をやったつもりでございます。われわれの方といたしましては民間の状況をそのまま移してくるということでやっておりまして、これを範囲を狭めようとか広めようという意図ではやっておらないのであります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 どうも私納得できない点があるので、民間給与を基準にする公務員給与の決定ということは、法律にもうたってあるわけでございますけれども、どうもその比較に民間給与を考慮しなければならぬ立場において、上に厚く下に薄いような印象を受ける節が数々ある。これは次の国会でゆっくりお尋ねすることにして、もうほかの事例を申し上げませんが、人事院の態度について、最後に大きな点で特に要求をしておきたいのですが、非常に政治的に気がねをなさっておられる。それから高い地位にある人に対して、民間では相互優偶されているのにこちらは冷遇されてはいかぬというので、優偶措置をとられようとしておる、こういう気配があるのじゃないか。また政府も首脳部が十年後の所得倍増論を唱えているのですから、むしろ今からそういう給与を引き上げておかぬと、十年後に突如として二倍に引き上げるのでは大へんなことなんです。だから漸次所得倍増論に対応するような賃金体系を、公務員の上に振り当てていかなければならぬと思うのです。従って公務員の給与を、私たちも周囲にたくさん関係骨がおりますけれども、高等学校を出た十八才の青年男子について七千九百円ばかりでは、この金額で千三百円の住宅光熱費というものはとてもできる話ではないのです。七百八十円の衣服費であっては洋服一着買えるわけはないのです。事実親のすねかじりをするとかいうようなことを組合の諸君はよく言うておりますけれども、その通りの実情が七千九百円の十八才のの青年男子の標準化計費の上に現われてくると思うのです。事実まともな人間生活でないということになるわけなんです。公務員には国民全体の奉仕者としての権威が保てるような体系を、ある程度給与の上に与えていかなければならぬと思うのです。世界各国の給与比較をいたしましても、日本が断然低い地位にあることは御存じの通りです。もう少し公務員を優遇して、安んじて仕事に当らせるような考えを人事院が基準として持っておらなければ、ただ人事院が勧告されたことに対して、政府が財政上の理由でこれを押える。それは財政上の理由なんです。しかし人事院は、そういうものに対して理論的な背景を十分組み立てた立場での勧告をされるのでございますから、人事院が政治的な配慮をもって勧告するというのでは、人事院の存在意義というものは全く喪失されると思うのです。従って人事院としては公務員の給与はかくあるべきだという姿をはっきりと打ち出して勧告されるべきであり、何ら政治的な配慮を考慮する必要は私はないと思うのです。そして政府がこれに対して勧告は十分のめないといいう措置をとるなら、それは政府の勝手である。少くとも人事院は、公務員のスト権が禁止されて後の唯一の味方であるということは、人事院御自身が御存じの通りでありますから、そこをはっきり割り切って、長い目で見た経済の情勢と、世界における日本の地位というようなものを考えられた給与を公務員の上に振り当てる、そういう腰がまえをお持ちでなければならぬと思うのです。総裁としてはその心がまえをお持ちでありますか。もうなくなりましたか。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 受田さんのよくおっしゃることでありますが、受田さんの御意見は十分尊重してやっておるつもりでございます。ただ二つだけ弁解がましいことを申しますが、第一は決して政治的な配慮なんということはいたしておりません。第二は上級公務員は決して優遇しておらない。実は民間においては上下の格差はむしろ公務員よりは非常に多いのではないかと私どもは思っておる。今回の勧告におきましても、上級の公務員は決して上げておらないのでありますから、どうぞさようにはお思いにならないようにしていただきたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 また次の機会がありますから、私はこれでお話を結びますが、政府の側から御答弁願いたいことが一つあるわけです。この勧告はなるべくすみやかにということはいつも書いてある。この解釈を悪用いたしまして、すみやかなというのは、常に次年度の予算から考えられておる。しかし今回は臨時国会が間近に迫っておる。それでこの臨時国会で早急にこの措置をとって、たとえば四月にさかのぼるとか、あるいは十一月一日からやるとか、臨時国会の会期中であれば十二月一日から実施するとか、こういうような早急に勧告を法案化する用意をお持ちかどうか、お答えを願います。

増子正総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子説明員 私から便宜お答え申し上げますが、先般の人事院勧告の扱いにつきましては、最終的な決定は現在見ておりませんが、政府としましての基本的な考え方といたしましては、従前通り人事院の勧告を尊重するということで検討いたしております。ただ勧告をそのまま実施するということにいたしますと、今年度と来年度では若干積算の基礎が違って参りますけれども、おおむね地方公務員関係をも考慮いたしますと、国、地方を通じまして所要財源が大体三百億見当でございます。従いまして現在の財政事情からすれば、この金額を予算的に今年度から処理するということは、きわめて困難な状況であるというふうに承知いたしております。また来年度の問題といたしましては、今後における財政事情等もいろいろ勘案いたしまして、来年度の財政の推移あるいは来年度実施すべき各般の政策に要する財源、それらの調整が現在残されておる問題でございまして、あらゆる角度から政府といたしましてはいろいろ検討しておるところでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 検討の段階で、この臨時国会に法案が提出される場合も考えておるわけですか。

増子正総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子説明員 先ほども申し上げましたように、現在の段階におきまして、本年度の補正予算というようなことはきわめて困難だというふうに承知いたしております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 その困難なということは、法案の提出は通常国会になる見通しというわけですか。

増子正総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子説明員 ええ。本年度の予算的な見通しがつきますれば、もちろん本年度から実施するということになるわけでございますから、そういう点からいいますれば、受田先生も御承知のように、今年度内に実施し得るためには、法律案を臨時国会なり通常国会なりに当然提出しなければならないということになろうかと思いますが、その際にあわせて予算の御審議等ももちろん出てくるという問題になろうと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 大体こういう大事な法案をにわか仕立てにするわけにいかないから、相当準備期間が要るのだから、次の臨時国会に出すようなおぜん立ても一方でやっておるならやっておる、そこまでやっていなければやっていない、それを言っていただけばいいのです。  もう一つ、上級、中級、初級、そういう公務員試験に合格した者が、公務員になることをいやがって、給与の低い公務員よりは会社の方がいいというので、その方にどんどん流れていく傾向が従来ずっと続いている。ことしもまた依然としてそういうことになっておる。公務員に優秀な人材を吸収し得ないで、優秀な者は民間にどんどんいく。公務員にはその中で比較的不優秀な者が残る。そこで国会の答弁なども変なものが行われておる、こういうことになってくるおそれがある。そういう方策は一体どうなっておるのか、ちょっと御答弁願いたい。

増子正総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子説明員 私からお答え申し上げてよろしいかどうか存じませんが、優秀な人材を公務に吸引するということは、もちろん御指摘の通りきわめて重要なことでございまして、公務員制度のあり方といたしましても、まずこれが重要な眼目であろうと私どもも考えておるわけでございます。その方策としましてはいろいろ考えられるわけでございますが、まあきわめて常識的にいいますと、御指摘のように給与の問題、これがいわゆる官界を選ぶかあるいは民間を選ぶかというような場合の、一つの目途であることは事実でございます。そういう意味からいいまして、いわゆる官民の給与差というものを解消するということは、給与政策におきましてもやはり当然考えなければならぬことだろうと思いますし、またそういう意味で公務員の給与を民間の給与と比較いたしまして、それと権衡を保つようにきめておるという方針もそこから出ておると思うのであります。それではどの程度に権衡をとってきめるかということにつきましては、御承知のように現行法制におきましては、人事院の調査研究とその勧告に待ってやっておるわけでございます。その意味におきましても、先ほど申し上げました通り、政府といたしましては人事院の勧告を最大限に尊重をするということを考えておるわけでございます。  またさらにつけ加えますと、これは蛇足かもしれませんが、それでは公務に優秀な人材を導入する方法は給与だけであるか、給与さえ片づけば全部それで終りかという問題がまたおそらくあろうかと思います。公務というものにつきましての相当の価値を認め、あるいはそれに生きがいを感ずる人材もこれはあるわけでございます。もちろんそういう面だけで解決するとも思いませんし、要するに給与その他あらゆる面におきまして優秀な人材を公務に導入する、あるいは吸収する方策というものは、政府としましても絶えず検討しなければならない問題だろうと考えておるわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 これで終りますが、今御答弁の中に、私の要求を抜かしている点があります。それは公務員試験に合格した者の行方がどうなっているかということです。つまり成績のいい者が民間に行っている傾向がある。公務員の中に残余の者が残っていはしないか。公務員試験を実施したということは、公務員を選抜するための基準をきめられたわけなんだ。せっかくこちらでりっぱなおぜん立てをしたのに、会社から横取りされたのでは、これは何のためにあるかわかりません。大事な本家の方を留守にして、親戚の方が繁栄するということのないように、公務員試験に合格した者は公務に従事するというのが本体なんです。そのおもやを横取りされておらぬかという実情を、ちょっと御答弁を願いたいと思う。これでやめます。

増子正総理府事務官(内閣総理大臣官房公務員制度調査室長)

○増子説明員 ただいま御指摘の点は、人事院の方からお話し申し上げた方がよろしいかと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井説明員 ちょっとその問題、今手元に資料がございませんけれども、また所管の人がここにおらぬのですけれども、ただ御指摘の点は主として技術者方面にあるように私は思っておるのであります。そこでさいぜんから御質問がありましたけれども、研究職とか医療職とかの俸給表を漸次高くしていくという方針でいきたいと思います。

福田一自由民主党

○福田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十六分散会

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