大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 62 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/07/04
会議録
○植木委員長 これより会議を開きます。 税制に関する件につきまして調査を進めます。 質疑の通告があります。これを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 今度福田さんが農林大臣になられまして、私も就任あいさつをテレビで聞きましたが、自分の生れが農民の家であったという話を聞きまして、胸を打たれるものがありましたが、今問題になっておる米価の問題について、世上いろいろなうわさがあるわけです。特に私たちは選挙区を農村に持っておりますので、米価はどうなるのだ、予約減税はどうなるのだという陳情が毎日あるわけです。こういう点について、福田農相は、前に主計局長もやっておられたし、その後幹事長をやっておられて、いろいろ事情に精通されておりますが、今の米価の問題について、どういう基準で、どういう方法でこの問題を解決されるのか、まずお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 ただいま御質問の問題、まだ最終的な腹がまえができておらないのです。しかし、率直に申し上げますると、農林省が自由民主党並びに政府各部内と意見の交換をするという基礎資料といたしまして提案いたしました案によりますと、従来の予約減税制度は、本年度においてこれを廃止する、しかし、その廃止によりまして国並びに地方団体において増収となる額に相当する額は、これは全国売渡農家に対して均分してこれを還元する、こういう構想を打ち出したわけでございます。これは今回初めてそういう考えをとったというのではなくて、実は、三十四年度の予算におきまして、さような考え方で組み立てられておる次第でございます。そういう考え方をとりましたゆえんのものは、この予約減税制度というものが、前からもいろいろ制度はあったんですが、昭和三十年度に統一いたしまして、予約をいたしました農家の所得から一定金額を控除しようという制度になったわけでございます。その趣旨は申すまでもなく予約売り渡しを奨励いたしましょうということであったわけです。当時におきましては所得税納税農家も非常に多くて、その所得税額のごときも百億円以上の額であったのでございますが、だんだんと減税も行われ、ことに本年度におきましては扶養家族控除の引き上げを中心といたしました減税が行われましたので、本年度の所得税納税額は十五億円くらいに減るというくらいになったわけです。してみますと、三十年当時に前提として考えました売渡農家というものは相当減ってきておる。そうすると、こういう一部の人々にそういう減税というような奨励措置をとるよりは、むしろそれをやめて全売渡農家にこれを及ぼすという方が、供米といいますか、売り渡しを刺激するという意味において合理的ではあるまいかというような考えに基いたものでございます。しかし、これをしさいに検討いたしてみますと、この制度によりまして利益を受ける農家と申しますか、この制度を適用した上において計算いたして実収手取りが増加するという農家が七八%くらいありまして、逆にこの制度によりまして負担の増加する農家が二二%ある。ことし減税が行われますが、その減税を考慮いたしまして、三十三年度に比べてこの制度を適用した場合に実収手取りが減るというものを調べてみますと、おおむね一・七%くらいのものがそういう負担増加ということになる次第であります。そういうようなことを考えますと、これまた政治の感覚の問題といたしましていかがなものだろうかというような感じもいたすのでございまして、ただいま、こういう感じも腹に置きながら、どういたしましょうかということを検討いたしておる最中でございます。
○佐藤(觀)委員 予約減税につきましては、あなたの党でもやはり従来通り存続していくというような意見が強いと聞いておりますし、社会党も実はそれに対して法律を出しておるわけであります。あなたが今度の予算の中でそういう考えでおやりになったかどうかということは知りませんけれども、しかし、予約減税はなるほど一部には不公平な点があるということも事実であります。しかし、現在農家で国の税金を納めているのは大体一割に満たない四十二万戸くらいだと思いますが、そういう状態の中でこういう予約減税がなくなれば、一部の人は非常に負担が重くなるということになる。一昨日も大蔵大臣からいろいろ意見を聞きましたけれども、大蔵大臣が予約減税について反対をするのはいいけれども、少くとも農林大臣は農民の立場から考えて——せっかく今までこの制度があって、予約の方法において非常に都合よくいった、これがなくなるためにいろいろな支障を来たすということは考えられるわけでございます。米価審議会が七日にあるそうでありますが、そういうところで、予約減税の問題、また米の今のパリティ計算をやめて労賃の方法でやるというような新しい形式について、どういうようなお考えを持っておられるのか。もし米価審議会の方で予約減税は絶対にやれというような強い意見がございましたならば、農林大臣はどういう措置をとられるのであるか。ここではっきり一つ言明していただきたいと思います。
○福田国務大臣 米価の決定につきましては、私どもといたしましては、政府で案を具しまして米価審議会の意見を求めるわけであります。それに対しまして、米価審議会は、これは例年でございますが、非常に慎重に熱心に御討議を願います。その結論につきましては、もとより政府といたしましてはこれを尊重する考えでございます。
○佐藤(觀)委員 尊重するだけではちょっとはっきりしないと思うのですが、米価審議会の意見通りに大体おやりになる御意思があるかどうか。あなたは農林大臣でありますから御承知のように、非常に問題になっていて、特に今農民の方ではこの米価問題は労働者の最低賃金と同じだというような意見が非常に強い。非常にたくさんの陳情がくる。私のところでさえあんなに電報がくるのですから、農林大臣のところにはどのくらいくるか、おそらく想像がつきますが、その点についてのはっきりした所信を伺いたいと思います。
○福田国務大臣 実は、今米価審議会に付議する案件につきましても、政府としての決定案はまだ出ていないのです。おそらく月曜日にこれをきめるということになると思いますが、まあそういう際には、私どもとしては合理的な適当だと考えられる案を出すのでございますから、これに対しまして米価審議会の御賛成を願えるものと確信をいたしておりますが、それに対していろいろ御意見がありますれば、もとよりそれは米価審議会の答申といたしまして尊重する考えであります。
○佐藤(觀)委員 同僚委員からもいろいろ質問があると思いますから、簡単にいたしますが、今度の米価の問題について一番問題になっておるのは、米価の算定基礎、これについて従来パリティ計算とかなんとかいわれておりましたが、この点についての福田農林大臣の所見を承わっておきたい。
○福田国務大臣 米価の算定につきましては、従来所得パリティ方式というものがとられてきました。それは、学者の間におきましても、非常にいいところがある、簡単に捨てがたいというような御意見の方が非常に多いわけであります。しかしながら、一面におきまして、所得並びに生産費を補償する新しい方式をとるべきだというような御意見もありまして、昭和三十年以来、米価審議会におきましても、軍次そういう御意見を承わっておる次第でございます。ところが、生産費と申しましても、その計算が、これはなかなか大へんな調査でございまして、そう簡単に実施できない。で、数年を経過したわけでございますが、昨年米価審議会が開かれ、米価が決定されるに際しまして、政府におきましても、この考え方で鋭意やってみようという決意をしまして、この一年間にわたって立案を進めてきたわけでございます。米価の生産費並びに所得補償方式と申しましても、その内容についてはいろいろ学界におきましても御意見があるのです。ありますが、いろいろ検討した結果、ただいまはこの方式を大幅に取り入れた新方式がよかろうということにいたしまして、政府部内並びに与党の方では、この方式でいきたいのだということを提案しておる次第です。その提案によりますと、過去三カ年の平均生産費を算出いたしまして、この生産費の中におきます自家労賃を都市の平均賃金に換算をいたします。そのいたしましたものをもって平均生産費とする。この生産費に対しまして、米の需給等を見て、ある歩増しをするわけでございますが、本年は二割五分の歩増しをいたします。その結果をもって基本米価となす。こういう考え方をとっておるのでありまして、いろいろ各方面から御意見も承わっておりますが、まあ、私どもといたしましては、ただいまのところでは、これが最善の算定方式であるというふうに考えております。 それから、もう一つの点が減税廃止の問題でございますが、これはただいま申し上げた通りであります。
○佐藤(觀)委員 いずれ算定基礎の問題については農林委員会などでも問題になると思いますが、私たちが心配しておりますのは、もしこの予約減税が実施されない場合には、いろいろな政治問題にもなると思うのです。これは原さんも来ておられますけれども、大蔵省はできるだけ税の公平という立場から予約減税を廃止したいという考えを持っておりますけれども、少くとも、今までの習慣上、やはり予約減税というものによって、非常に農家の全体ではありませんけれども、相当の潤いがきておったことは事実であります。そこで、もし農林大臣と大蔵省の意見が違った場合に、農林大臣は、農民の立場から、今農家が非常に苦しい経済になって参りましたが、農家の立場から農林大臣はあくまでも農民の要求に応ずるような腹がまえで大蔵大臣と対決されるかどうか。この点について、いずれこれは政治問題になると思いますが、そういう点についての御所見だけを伺っておきたいと思います。
○福田国務大臣 大蔵大臣と私の間に意見の対立ということはあり得ないと思う、こういうふうに確信しておりますが、私も私の立場を説明し、また大蔵大臣も大蔵大臣の立場を話す、そうして必ずいい結論が出てくる、こういうふうに確信しております。
○佐藤(觀)委員 福田さんは、大蔵省の出だから、農民はどうなってもいい、大蔵大臣がどんな無理を言っても、お百姓を犠牲にして易々諾々と言うことを聞かれるのか。こういうふうに解釈していいものでありますか。もう一点お伺いしておきたいと思います。
○福田国務大臣 それはその反対のように御了解願いたいと思います。
○佐藤(觀)委員 反対というのはどうもおかしいので、農林大臣は、やはりその立場上、農民の強い要求——特にあなたの党でも、予約減税についてあるいは米価の問題についていろいろ議論があり、おそらく、私たちも法案を出しておりますが、最後には、予約減税については従来通りうまくいくだろうと私は考えております。そういう場合を想像して、この問題は大蔵省と対立する問題でありますので、私はこの点について諾々としておられるのかどうかということについて、非常に心配をしておるわけです。どうか、そういう点で、私たちは、農民の立場から、今までずっと行われた制度が、福田農林大臣になったら、急にやめられる、こういう簡単なものではないと考えますが、そういう点について、福田さんはどういう確信でこういうふうな切りかえをやられるのか、その一点だけをお伺いしておきたいと思います。
○福田国務大臣 私は農民からのお話もよく伺います。伺いまして、これは正しい主張である、これが国家全体の立場から、また農民の立場から、消費者の立場から、あらゆる角度から見て、この辺が一番正しいのだというふうに私が考えました以上、どこまでもこれを貫徹するように努力します。
○佐藤(觀)委員 同僚議員からもいろいろ意見があるかと思いますが、私たちは、農林大臣が、農民の立場をよく考えて、米価の問題についてもっと慎重に処理されることを要求いたしまして、私の質問を終ります。
○植木委員長 横路節雄君。
○横路委員 大蔵政務次官にお尋ねしますが、予約減税を廃止なさるという大蔵省としての根本的な考え方はどこにあるのですか。
○奧村説明員 お答えいたします。これは、政府の方針をきめましたのは、昨年の暮れ、昭和三十四年度の予算を編成するときにきめたのであります。そこで、予約減税を廃止するということについては、七百億の減税をきめましたときに、これとともにきめたのであります。政府としては、いわゆる租税特別措置というような臨時措置をなるべく廃止して公平な税制を確立したい、こういうことでありまして、その一環として、今年度から預貯金の利子免税を廃止して、ことしの四月から一部課税する、こういうことにいたしましたが、そのように考えますと、この予約減税は、これは租税特別措置法ではありませんけれども、臨時的に毎年提案されてきたものであって、これは一つこの際廃止しよう。その事情については一部今農林大臣からもお話がありましたが、そのような趣旨でいたした次第であります。
○横路委員 この予約減税廃止に伴って、農家のどういう階層に影響を与えるというように大蔵省は考えていますか。今農林大臣は大体八割程度の農家が得するのではないか、こういうわけですが、政務次官の考えとしては、どういう階層に最も影響が与えられると思いますか。その点一つ大蔵省側の考えをお聞かせ願いたい。
○奧村説明員 お答えいたします。これは予約減税でありますから、主として米作農家で、しかも比較的多量の予約売り渡しをなさる農家が特に恩恵を多く受けておりますから、これを廃止いたしますとそういう方々には不利になると思います。
○横路委員 予約米をよけい売り渡している農家により多くの影響があるだろうということは当然なわけですが、その売り渡しがよけいある農家というのは、大蔵省としてはそれは富農層だというように考えているのか。その点は、売り渡しがよけいある農家というものに対しての考え方はどうなんです。それは割合に今まで恩典があるのだ、それは生活に恵まれているのだ、だから予約減税を廃止してもいいというのか。その点は、ただ売り渡しが多い農家は損をするであろうというその考え方はどうなんですか。ただそれだけのことですかね。
○奧村説明員 どの程度売り渡しされる農家は富農であるかどうかということは、これはむしろ農林大臣の御答弁に待った方がいいかと思いますが、大蔵省の方の予約減税に関しましては、税法上原則としてあらゆる所得に課税するという原則がある。その中に、特に一部所得を課税から免除するということはなるべく避けたい、こういう趣旨でありますから、必ずしも富農だからどうというような意味で考えておるのではありません。
○横路委員 それでは農林大臣にお尋ねしますが、今大蔵政務次官から売り渡しが多い農家というのは一体農家におけるどういう階層なのか、それは一つ農林大臣から聞いてくれということですが、農林大臣は、売り渡しの多い農家というものはどういう階層の農家であるというふうに考えていらっしゃるのですか、その点一つ大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
○福田国務大臣 富農々々というようなことを言う人がありますが、私はそういうふうな認識を持っておりません。これは、大体所得にいたしまして、まあ五十万円程度のところが多いのじゃないかというふうに推定をいたしておるわけです。それから、その内容を見ますと、やはり米作農家であって、そして比較的大規模といっても一町五反とか二町程度でございましょうが、そういう規模の農家、しかして、そういう人においても、この制度によって必ずしも不利益を受けるとは考えられないのです。不利益を受けるものは、そういう農家であって、しかも扶養家族が非常に少い。すなわち、減税の恩典というか、減税制度の均霑するところが少いという農家が比較的負担が減る、というふうな調査をいたしております。
○横路委員 前々から新聞その他で発表になっていますが、予約減税を廃出した場合の石当り七十五円、これは、所得税、それから住民税全部ひっくるめてという意味になりますか。これはどういう考え方ですか。私、大臣のお話を直接聞いていないものですから……。
○福田国務大臣 今度の廃止措置によりまして、国において十五億円、地方税におきまして八億円の増収がある、その増収を売渡農家で割った結果が七十五円になる、こういう数字です。
○横路委員 農林大臣にお尋ねしますが、農村における農民の地方税は実際にどういう課税方式でやっておるか。農林大臣としてはよくお考えの上でやっていらっしゃるだろうと思うのですが、しかし、私たちの調べによると、かりに農林大臣が考えておるように、廃止して石当り七十五円をプラスした場合、米作地帯における農民の住民税の負担というのは非常に多くなるわけです。だから、あなたの方で言うように、扶養家族について基礎控除の額をふやしたから、なるほど所得税についてはそういうことも言えるかもしれない。しかし、直接の農民の税負担というもの、住民税の負担というものは非常に大きいわけで、その点は一体どの程度農林省側において検討されておるか、私は非常に疑問だと思う。私たちの手元にある個々の農家についての所得税並びに住民税の負担からいけば、年民税ははるかに増しておる。なるほど、扶養家族の基礎控除がふえたんだから、その点はいいだろうけれども、在民税の負担は増している。決して、農林省の言うように、石七十五円でそれがカバーできるものではない。その点はどう考えていますか。
○福田国務大臣 この二十三億円ということにつきまして、自治庁、大蔵省、農林省、これが三省共同いたしまして、相当広い範囲で調査をいたしてみたのです。その結果が大体そういうところに来るというので、その数字をとっておるわけでございます。しかし、まだ、特に横路さんの御指摘の地方税につきましては、一般の常識観測と多少違うじゃないかというような点もありまして、再検討をいたしておるのです。その結果、若干の動きがある様子でございます。
○横路委員 そうすると、今の石当り七十五円というのは移動のある数字だということが、今の農林大臣の答弁ではっきりしたわけです。これは、石当り七十五円を算定する上からいけば、先ほどお話しの所得税十五億円、地方税八億円、合計二十三億円について考えて七十五円だ、こう言うのだが、今のお話によると、地方税から幾分移動してくるであろう、こういうわけです。そこで、私は重ねてお尋ねしますが、市町村における住民税の課税方式については、御承知のように、第一課税方式、それから第二または第三となっているが、一体、農林省の方としては、石当り七十五円を算定する場合における市町村の住民税の課税方式は、どういうような割合に考えているのか。たとえば、第一課税方式というのがほとんどだというふうに考えたのか。第一というのはあまりないというふうに考えたのか。七十五円をはじくときの基礎数字というのはどういうふうにやったのか。今の大臣の答弁で、どうもその点はまだはっきりしないから、七十五円については動くのです、こういうことなら、動くんですということだけ聞いておいてもいい。動くのなら動くでもいい。
○福田国務大臣 七十五円を若干動く見込みでございます。
○横路委員 七十五円が若干動く見込みですという。今までは、所得税が十五億、地方税が八億、二十三億で石当り七十五円だ、それが動くのですというのは、何によって動くことになったのですか。どこに変化があったのですか。
○福田国務大臣 地方税の八億円という見積りですが、これが若干ふえるではないか、こういう結果でございます。
○横路委員 そうすると、今の地方税の八億円というのは過小見積りだというのですね。少し過小に見積り過ぎた、だからこれからふえてくるというのですね。そうすると、あなたの方で算定して、大体どのくらい過小見積りであったのか。まだわからないというのか。これから当ってみなければ、八億という住民税が千億になるのか二十億になるのかわからないというのか。大体これくらいというのか、そこら辺のところはどうなんですか。
○福田国務大臣 これはまだ最終的にこうだというふうに答弁できない次第でございますが、八億円、これが増加してくる、こういうふうに御了解願いたいと思います。
○横路委員 農林省側でその七十五円については動いてくるのだ、地方税の八億については過小見積りであったというのは、住民税の課税方式のとり方が、端的にいえばずさんであったと私は思うのです。いつそういう数字がもっとはっきり出てくるのですか、今検討中ですというが。
○福田国務大臣 一両日中には出ると思います。
○横路委員 そうすると、今まで本会議その他で七十五円という答弁をしていた基礎はくずれてきたわけですな。やはりいろいろ実態をお調べになって——私の方では今個々の農家についての実態を持っているわけです。個々についての実態を見ると、住民税は明らかにみなふえてくるわけです。だから、その点、一両日中にというが、過小見積りであったということがはっきりしたわけです。 その次に、平均して七十五円ということにしたわけですね。そうすると、今まで予約減税の恩典を受けていたその他の一般農家については、平均七十五円とやったのですから、非常な違いが出てくるのですが、その点はどう考えているのですか。
○福田国務大臣 その通りであります。
○横路委員 北海道の一つの村におけるわずか十一戸の戸数をとって個々を調べてみても、予約減税をもしも廃止して米価加算だけということになると、どうしてもそれに二百三十二円をプラスしなければならぬ。各農家ごとに全部違ってくるわけです。そういうものについて、この際あなたの方で、予約減税を廃止して、石七十五円をプラスすることによって全部の農家に均霑さしてやるといっても、今まで減税によって恩恵を受けていた農家は、今私が言いましたわずか十二戸くらいを摘出してみても、行当り二百三十二円のマイナスになる。予約減税というのは、今あなたもおっしゃったように、富農だけでない。ただ売り渡しが多い農家だ。売り渡しの多いのは単作地帯です。これは何といっても、北陸であるとか、東北であるとか、北海道であるとかいうように、単作地帯なんです。単作地帯に売渡農家が多い。それが、減税の廃止によって、今私が指摘したように行当り二百三十二円も違ってくる。こういう問題についてはどう考えますか。
○福田国務大臣 先ほど申し上げましたように、この改正をやりますと、おおむね二二%くらいの人が損をするというか、負担の増加になってくるわけです。一面において、七八%の人は負担が軽減される、実収が多くなる、こういうことになる。そこで、今のお話のように、いろいろ農家によりましてちぐはぐが出てくるわけなんです。しかも、減税々々という態勢のあるこの際に、負担が増加するという人が出てくるというのは、政治的な感覚としておもしろくないのじゃないかというような感じを今私持っておるわけです。しかも、三十三年に比べまして手取が減るというような人もまだ幾らかおるというようなことだと、そういう感じを深くするわけでございます。さような観点から、私どもといたしましても、この予約減税廃止という線は、昭和三十四年度の予算に織り込まれた思想であり、一つの筋の通った考え方ではあるけれども、そういう政治的角度から再検討してみる、こういう考えであります。
○横路委員 ただいま農林大臣の答弁はだんだん政治的になって、とにかく再検討してみるというところにきたわけです。 そこで、私は、ちょっと主税局長に、私は具体的な数字を持っていないものですから、お尋ねしたいのですが、農家において所得税を納めているのは、全体の農家戸数の何パーセントですか。
○原説明員 三十四年度の予算の見積りにおきましては、四十九万が農業の納税者になるというふうに見込んでおります。農家戸数六百万で割りますれば、約八%ということになるわけでございます。
○横路委員 これは主税局長にもう一度お尋ねしたいのですが、予約減税を存続していった場合においては、所得税を支払いをする農家戸数というのは、大体みんなで何パーセントぐらいですか。
○原説明員 予約減税を存続するか廃止するかによって、納税農家の数が変ってくる数は約六万戸と見ております。六百万の農家で計算しますれば一%です。
○横路委員 農林大臣、今お聞きのように、先ほど、農林大臣は、この予約減税の廃止に伴って影響を受けるのは二二%、それからよき影響を受けるのは七八%ということですが、今主税局長から御答弁のように、予約減税を存続した場合と廃止した場合の農家戸数の違いは六万戸で、全体の六百万戸の農家戸数からいえば、これは一%なんですよ。もともと農家における所得税というのは、今お話ししたように、実際においては、納める農家戸数というのは非常に少いのです。だから、結局あなたの方では予約減税によって七八%プラスになるのだというが、税法上からいえばわずか一%なんだ。そうして全体は何によって負担増になるかというと、地方税によって全部百パーセント軒並みに負担増になる。この点は、今私は、あなたの先ほどの答弁を聞いていて、二二%は損失で七八%は得をするんだというあなたの数字は、農家における所得税の負担の割合からいって、払はどこからそういう数字が出てくるか不思議に思ったから、主税局長に聞いたんです。これは全く農林大臣、今はたで主税長局が御答弁されたように、これは農林省として根本的に一つ考え方を変えてもらわなければならないですね。これはおかしいじゃないですか。わずか一%しかないこれは主税局長の答弁が実際正しいわけですが、それは福田さんが大蔵大臣になってここでやるのなら別ですよ。そうすると、この数字とか基礎的なものは全く動揺している数字で、何もきちっと固定されたものではない。これはどうお思いになりますか。
○福田国務大臣 私どもが調べておるところでは大体二二%農家負担が増加するということに相なりますので、そういう広範な負担増加が出るという状況ではいかがかとも考えまして、ただいまその再検討を考慮している、こういう次第でございます。
○横路委員 先ほどの農林大臣の佐藤委員に対する答弁と私への答弁とは、もとは変っていないでしょうけれども、ここの答弁に現われた内容では少し変ってきているわけです。これはこういうことですか。予約減税については与党の方でも強く廃止をしない。しかし存続してもらいたいという希望もある。それから農民団体の方ではもちろん強い。そこで、いろいろ政治的に考慮してもう少し考えるという内容は、減税については、まるまるではないが、一部については残す、一部については米価を加算をしていく、こういう考え方なんですか。もう少し検討してみたい、数字についてはもう少し動く、基礎的な数字もちょっと変ってきたというのは、一部については減税は残していく、金額は狭めて。しかし、一部については、なしくずしというか、その肩がわりとして農林省の顔を立てる意味において、一部については米価に入れていくという考えに変ってきたのか。それとも、いろいろな意味をひっくるめて、減税についてはこの際全部残していくんだ、それとも減税は全部やめるんだ、全部米価に加算していくというのか。どうも、あなたの話を聞いていると、半分は残して、半分は米価に、半分ずつ顔を立てるということが政治的な解決ということになるのではないかと思うのですが、その点はぜひここではっきりと御答弁していただきたい。
○福田国務大臣 ただいま、一部を残して一部は廃止いたしますとか、あるいは全部廃止します、そういう具体的な結論については申し上げかねるのです。しかし、再検討をしてみるということだけは、はっきり申し上げます。
○横路委員 これは全国の農家並びにその後における労働賃金でも、これによってだんだんきまってくるのに、基礎的な数字がぶらぶらされては困る。私たち論議をする上に、これはぜひ農林省としてもきちっとした数字を出してもらいたい。これはぜひ大蔵委員長にも私はお願いをしたいと思うのです。農林大臣は本会議で答弁をなさっているんですが、それがきょうの委員会で基礎数字がくずれて、数字が違うというのです。その点については、一体国税はどうなった、地方税はどうなった、そういう点について私は資料を出していただきたいと思う それから、次に、主税局長にお尋ねしたいと思うのですが、大蔵省でいわゆる予約減税を廃止をするというのは、先ほど大蔵政務次官から聞いた内容では、はっきりしないわけです。ただ三十四年度の予算の中で廃止をすることにしてある、こういうわけなんですが、これは大蔵省側としては、税の体系からいって廃止した方がいいのだという考え方に立って、あなたの方はあなたの方としてやってきたのではないか。そのときに今度米価の中に自家労賃というものが入ってきたわけですね。そうすると、農業所得の上において大きな問題は、全農家について、米価について自家労賃を認めた以上は、農業所得税の課税についても、今まで青色申告だけ専従者の控除について認めていたのを、今度の米価についていわゆる農民の自家労賃というものを認めた以上は、青色申告とか白色申告ということにかかわらず、税の体系からいって、あなたの方で言う合理化だという点からいけば、青色申告、白色申告の別にかかわらず、私は、米価について自家労賃を認めた以上は、専従者の基礎控除というものは当然認めるべきものだと思うのです。それが税としての正しいやり方だと思う。そういう点について一つも触れないで、これだけを削って七十五円ふやせばいいのだ、こういうことでは、農林省としてはいいかもしれませんよ。しかし大蔵省としては説明が立たないと思うので、主税局長はその点どのように考えているのか。
○原説明員 自家労賃の問題は、そういう議論があることは承知いたしておりまするし、またそういう議論に、筋といいますか、理屈があるという考え方もあると思います。しかしながら、今回の米価で自家労賃をはじいたからそれを認めろということには、必ずしも私はならないと思っております。今までの米価にしても、自家労賃を無視してやっておったというのではなくて、別のはじき方をしております。税制として自家労賃を経費に見るかどうかという問題は、いわば米価でそうはじいたということでなくて、税制自体の議論として検討さるべき問題だと私は思います。そしてこれは検討いたしたいと思っております。同時に、今回この予約減税をやめるというのは、やはり税制上非常に現在不公平があるということを考えたわけであります。同じ実質五十万の所得があるのに、麦をたがやしている農家は五十万でびっしりかかる。ところが、お米で供出しておるという場合には、相当大きな控除がある。実質がひとしいのに、不公平であるということから、年来これの廃止を考えておったわけでありまして、税制上、ただいまおっしゃいました自家労賃の問題も一つの問題でありますが、この不公平はきわめて顕著な不公平であるとして、毎回税制調査会等において指摘され、私どももこれを廃止したいと思ったわけであります。 なお、先ほどこの課税農家の数、また予約のこの制度の差異によって動いてくる数と、例の二二%という数との相違を指摘されましたが、こういうふうに御了解願いたいと思います。先ほどお聞きになりましたのは、所得税の納税農家が何戸であるか。それは四十九万戸である。それは総農家に対して何パーセントであるか。それは八%であるというふうに申し上げたわけであります。しかしながら、二二%といいますのは、供出農家三百万の中の二二%である。しかも不利になります事由は必ずしも所得税だけでない。所得税以外の住民税があるわけであります。それによって不利になる人がある。それから、六万というのは、この特例がありますと課税にならない数であります。従いまして特例がなくなれば課税になる。それはまさに不利でありますが、特例があってもなくても不利になるものが相当あるということから、当然その比率よりも不利になるものの比率が大きいということになります。先ほどの両者の数字は、とらえ方の面が違うというだけであって、根本においては符合しておるのでありますから、つけ加えて申し上げます。
○横路委員 主税局長に私がお尋ねをしたいのは——いわゆる青色申告、白色申告についても、専従者の基礎控除について、それは前々から米価については自家労賃も考えられておったというような御答弁ですが、しかし、今度は明確に自家労賃について一つの柱として立てたわけです。その立て方についてはいろいろありましょうが、今のあなたのは考えなければならぬというふうにも受け取れるが、考えなければならぬというのは、不合理だから是正をしていくというのか、そこだけ一つ御答弁願いたいのです。われわれとしては、不合理であるから、税法の改正からいってぜひこれはやらなければならぬ。そのことが正しいのだと思う。その点はどうなんですか。
○原説明員 それについての私どもの態度は、ただいま留保いたしたいと思います。検討さるべき問題点であり、きわめて重要な問題点であるというふうに思っております。従いまして、今般の税制調査会における企業課税の検討の際にも、この問題は重要な問題点として取り上げるべきだと私どもは考えております。
○横路委員 農林大臣、米価はいつおきめになるのですか。
○福田国務大臣 米価審議会を七日に開始いたす予定でありまして、七、八、九、十と御審議を願いまして、十日には御答申を得たいというふうに考えておるのですが、その答申を見まして、その次の最短の閣議において決定いたしたい、こういうふうに考えます。
○植木委員長 石野久男君。
○石野委員 ただいまの同僚議員の質問で、大体、米価算定の基礎について、政府の考え方に非常に大きなぐらつきがあることがわかったわけですが、その問題についてやりますといろいろ時間をとりますので、私は、今回の米価算定案の中で問題になってきておりますもち米加算の減額の点について、これは非常に不合理だと思いますので、一つ考え直してもらいたいという観点から、農林大臣のお話を聞きたいと思うのです。 今回のもち米加算の問題については、従来の一俵当り四百五十円が三百七十円ということで八十円方下げたわけですが、これはトン当りにしますと大体千三百円余りになるわけであります。もち米の昨年度の全国的な数量を見ますると、約二十六万四千トンくらいになるわけであります。これらのものを全部八十円減額で計算しました場合に出てくる金額としますと、三億四、五千万円くらいと思うのであります。もち米の生産費は、他の、うるち米などに比べましても、相当高くつくということは常識になっておることでございますので、従来の加算の数字などは、この際何もそんなに無理じいにもぎとってしまうというやり方はせぬでもいいじゃないかと考えるのですが、なぜこういうようなことをされるか。この問題について、農林大臣はこのまま押し通そうと考えておるのかどうか、御所見を承わりたい。
○福田国務大臣 最近もちを食べる人が大へん少くなってきたということ、またお赤飯もあまり流行せぬというようなことで、もち米の実際の需要が減り、しかも実際値段が大へん下ってきているという状況もありまして、事務的に考えますと、今四百五十円を加算をしておりますが、半分くらいにしたらどうだというような傾向のようです。しかし、諸般の事情を考慮いたしまして、三百七十円というふうなことになっておるのでございます。しかし、よく考えてみますと、御説のように八十円というような大きな差が前年に比べまして出てきますので、私といたしましてはこれを再検討する、こういう方針でおります。
○石野委員 今農林大臣のお話を聞くと、最近は、もちを食べる人も少くなって云々というような、非常に需要が少くなってきたというような、きわめて簡単な物の言い方をされておりますけれども、実際にもち米を生産する農家にしますと、非常に重大な問題なのです。特にもち米の生産地として顕著な位置を占めております関東の地区各県にとりますと、これはやはり非常に大きな生産の中に占める重要性を持っている生産物でございます。そういうようなものについては、そう簡単に、半分くらいにしたらいいとかなんとか軽率なものの言い方をされると、これらの人々の生計の道を断つことにもつながってくる重要な問題でございます。われわれはそういうような考え方はちょっと軽率じゃなかろうかと思います。ことにまた、もち米の問題は輸入米との競合点があるということも考えなければいけません。輸入米を無理にそんなに入れなくて、日本のもち米だけにすれば、需給の関係はバランスがとれる面がたくさんあるわけです。それをしいて輸入をしているために、農家が非常に苦労しなければならぬ実情が出ているということを考えますと、特に農林大臣の立場からすれば、農家経営を維持する意味においても、そういう軽率なものの言い方をされては困ると思う。農林大臣は、そういうような観点じゃなくして、むしろ農家生計を維持するという建前で考えてもらわなければいかぬと思いますが、その点についてはどうでありますか。
○福田国務大臣 お話のように、外国米との関係なんか、これも考え直さなければならぬ点があるようです。値段につきましては、ただいま申し上げましたように事務当局というか、農林省原案として出されておるものを再検討いたします。
○石野委員 一つこれは再検討してもらいたいと思います。特にもち米につきましては、これは大蔵当局なども考えていただきたいと思いますが、もち米の生産地等におきますと、もち米の必要経費というものは、ほかの同種のものよりはかかるという見通しに立って、課税の際にも、必要経費として、場所によりますと、行当り二百五十円くらいのものは、それを経費として認めるくらいの処置をとっておるわけであります。これは、現に、新潟県の新発田税務署などは、実質的にそうやっておるはずです。それぞれ他の同じようなものと比べて、生産費がかかっているという実情ですから、この加算金額の問題については非常に重要でございます。ぜひ農林大臣はそういう点も考慮して御検討いただいて、減額するということは絶対に私どもとしてはやめてもらいたい、こう思うわけです。この点、減額するということが、やがて陸稲種に対する問題全体にまで及んでくるようにわれわれ思いますので、そういう憂いのないように、この際は、片方においては減税の分につきましても考慮し直すという時期でございますので、こういうもち米に関する加算金の減額という処置はぜひやめてもらいたい、こういうふうに私は熱望いたします。農林大臣の一つ善処方をお願いします。
○植木委員長 本日はこの程度にとどめたいと存じます。 次会は公報をもってお知らせいたします。 これにて散会いたします。 午後零時四十三分散会