商工委員会 第5号
- 発言数
- 365 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/09/09
会議録
○中村委員長 ただいまより会議を開きます。 私的独占禁止及び公正取引に関する件についての調査を進めます。 本件に関しまして、先般公正取引委員会が、新聞購読料値上問題については独禁法違反の疑いはないものと認め、審判手続に付することを取りやめるのが相当であると決定されておりまするが、これに関して、社会党の委員諸君より、成規の手続をもって委員会の開会要求書が提出されております。 それでは質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。 勝澤芳雄君。
○勝澤委員 戦後の民主主義の三大立法といたしまして、労働者を守るための労働組合法、農民の立場の農地法、中小企業や零細企業あるいは消費者を守るための独占禁止法というものが制定されました。この独禁法は経済憲法と今日までいわれて参ったことは御案内の通りであります。ややもすれば、この独禁法が、政治の立場から法律がゆがめられて、あるいは独禁法の番人であるべき公正取引委員会が、独占資本の代弁者の役割をしておるように見受けられるのは、私は残念だと存じます。 特に今回問題になりました新聞料金の値上げにつきましては、七月の三日、八月の十日の二回にわたりまして、本委員会において厳重に公正な取扱いをするよう要請いたして参ったのでありますが、八月の十三日、委員長談話という形式をもって出された本問題に対する公正取引委員会の態度は、独禁法の目的、精神を忘れて、公正取引委員会は不正取引委員会として、新聞業界の御用機関であるとさえ世間から指摘をされているということは、私はまことに遺憾であると存じます。 四月の一日に、全国一斉に四十六紙の値上げを行なって、四月七日に消団連の申告によってようやく重い腰を上げて、十六日になって正式に取り上げた。十七日には最も重要な責任者である公正取引委員会の長沼委員長が辞任をし、そうしてその翌十八日に捜査を開始して、五月中には全部捜査を完了したと言いながらも、六月、七月とニカ月間じんぜん日をかせぎ、八月十日の本委員会並びに同日の参議院の商工委員会で、日刊東洋経済に掲載されていた結論の、各社から遺憾の申し出によって、委員長談話をもって打ち切るという見通し通りの結果になったことは、偶然の一致とは思えないと存じます。委員会におきましては、三十九条の秘密保持義務によって、審査中だから回答ができないと言っておりながら、外部、特に取り締るべき相手方に機密を漏洩しているというようなことは、本委員会を軽視するもはなはだしいものと存じます。私は今、八月十三日の委員長談話をもって、独禁法を守るべき公正取引委員会が、権力に屈し、独禁法の改悪、拡大解釈を行なって不当な取引を黙視し、消費者の利益を不当に侵害していることは断じて許すことはできないと存じます。私は、今ほうはいとして起っているこの公正取引委員会に対する不信を解明して、新聞の消費者を忘れた独善に反省を求めるのが、本委員会が過去二回にわたって取り上げてきた使命であろうと思います。以下こういう立場を持って私はまず第一の質問をいたしたいと存じます。 八月の十三日に委員長談話というものが発表されましたが、一体この委員長談話というものは法律的にどういう意味を持つものであるかという点について承わりたいと存じます。
○佐藤説明員 法律的という御質問でありますが、私の理解するところと多少違うかもしれませんが、この委員長談話と申しますのは、事件がいわゆる申告がありまして、それに基いて審査をやっておる、その結果十分な審議を委員会でやりましたその結末をつけるという意味であります。
○勝澤委員 結末をつけるという意味は、法律的にどういうものなんですか。
○佐藤説明員 審判に付することをしないという意味であります。
○勝澤委員 そうすると、法律的には独禁法のどこに当るのですか。
○佐藤説明員 これは公正取引委員会の諸種の仕事と同じように、どういうふうにやっていくかということを内部的にきめたものであります。
○勝澤委員 内部的にきめたものというのが、談話で外部に発表されているのですか。
○佐藤説明員 なお対外的の問題につきましては、公取法の四十三条に「公正取引委員会は、この法律の適正な運用を図るため、事業者の秘密を除いて、必要な事項を一般に公表することができる。」という規定がありまして、この規定の趣旨に従って公表したものであります。
○勝澤委員 談話というものは、どういう必要とどういう意図を持って行われたのでありますか。それと、その結果どういう効果というものが現われたのですか。
○佐藤説明員 この談話につきましては、何も今回に限ったわけではないので、いろいろの事件の処理に当っては、前例として談話をやっている場合があります。その先例に従ってやったわけでありまして、これはとにかく相当社会的にも大きな問題であるからして、この結末を明らかにするということは当然の必要と考えてやったわけであります。
○勝澤委員 その談話の結果どういう効果が現われたのですか。
○佐藤説明員 効果という御質問でありますが、どういう意味かちょっと理解しかねますけれども、われわれの方としては、公取委としてはこれ以上この問題を審判に付する等のことはしない、これで打ち切るということになったのであります。
○田中(武)委員 関連質問。ただいまの談話の法律的性格についてでありますが、法の四十五条によっていわゆる申告があった。そうしますと四十六条以下並びに公取委の審査手続規定によって審査その他の準備をやると思うのですが、その結果考えられることは審判に付す、それから勧告、もう一つは不問処分、この三つの結論になると思うのです。そういたしますと委員長談話は、この不問処分に付すという効果を表わしたものであるかどうかお伺いいたします。
○佐藤説明員 不問処分に付するということにきめたものであります。
○田中(武)委員 その談話は不問処分に付すということを決定したということになると、一つの行政処分と考えますが、それでよろしいですか。
○佐藤説明員 行政処分という意味でありますが、相手方の法律的地位の変動を生ずるような意味において行政処分というならば、これは行政処分じゃない。対内的な決定であって、それを対外的にその事実を表明したというのが談話であります。
○田中(武)委員 独禁法四十五条によってともかく申告するわけですね。そうしますと公取委がきめました公正取引委員会の審査及び審判に関する規則、これは独禁法に基いて公取委が踏む手続を自主的にきめた規則なんです。それの十九条には「委員会は、前条の報告を審査して違反とならない旨の決定をしたときは、法第四十五条第一項の規定による報告をした者にその旨を通知することができる。」こういう規定がありますが、あなたのおっしゃるように、談話は違反しない旨の決定を意味するのですね。そうしますと規則第十九条によるところの申告者、すなわち消団連に対してあなたはそのことについて通知をせられましたか、いかがでしょうか。
○佐藤説明員 通知につきましては今お示しの条項がありますので、消団連に通知いたしました。
○田中(武)委員 そうすると、先ほど申しましたように談話が不問処分であるということなら、一つの行政処分であると解釈できると思いますが、十九条によって通知を受けた者は、それに対して行政事件訴訟特例法による訴訟はできますか。
○佐藤説明員 この行政訴訟は裁判所に出すものでありまして、裁判所がどう判断するかということは私どもはわかりませんけれども、私の考えでは、行政事件訴訟特例法によるいわゆる違法な行政処分として権利えお侵害されたものとは考えておりません。従って行政訴訟を提起されましても、裁判所はおそらく取り上げないだろう、こういうふうに思っております。
○田中(武)委員 今「あなたは権利を侵害せられたことはないと言う。しかしカルテルによって公益――多くの消費者に対して不利益を押しつけておる。それに対して四十五条による申告をした。それを受けて公正取引委員会は独禁法並びに審査手続に規定する方法によってやるわけですね。それに対して不問ということになれば、結局この法の考えておるところの法益を守る、こういうことができなくなる。あなたのおっしゃるようなことであるならば、申告をした、握りつぶされても何ら異議の申し立てができないということになりますが、法制局はそういう解釈になるのですか。そうするならばこの独禁法はしり抜けの法律であるといわねばなりませんがどうです。
○山内説明員 ただいまの田中委員の御質問は、問題は非常にむずかしいのでございますが、私どもの考えといたしましては、この独禁法違反の行為という事業者の行動から、それに対して被害者がいるという考え方につきましては、田中委員の御指摘の通りでございまして、その事態につきまして公取委員会が排除措置という形を審決で、あるいは勧告を通じて合議審決という形でやるという、そういう構成になっておると思うのでございまするが、この場合に独禁法違反の行為で被害を受けた者に対する救済といたしましては、そこに損害賠償という形の私法上の法律関係が生ずると思うのでございます。普通の私法上の法律関係で裁判所にそれを求めるということも、一つの私法上の救済としてはあり得るわけでありますが、その被害者の被害という事実が公共の秩序に関係するという観点からいたしまして、公取委員が一つの行政行為といたしまして、一つの処分といたしまして審決をいたす、そういう一つの公共の立場からくるところの行動だと思うのでございます。そこでこの審決を開始しないということにつきましては、直接の被害者は、直接の救済がそこでは公取委員会を通じてはやられませんけれども、一方におきましてやはり裁判所の方に損害賠償請求権という形では、実体法上は残るということに相なりまするので、この被害者それ自体の救済を法律上直接公取委員会が、被害者そのものの立場からして行動しているというふうな考え方には、私どもといたしましては立っていないと思いまするので、行政事件訴訟特例法で裁判所に抗告訴訟という形で訴訟を提起されても、おそらく裁判所は私どもは――裁判所の考え方は裁判所独自でおきめになることでございますが、私どもの考えといたしましては裁判所の方で受理しないだろうというふうに考えておるわけでございます。
○田中(武)委員 法四十五条による申告があった、そうして出てくる答えは、審判に付する、それから勧告、不問処分の三つなんです。今言われているように公取委員長の八月十三日の談話は、公正取引委員会としての不問処分決定の意味を持っておる、こういうことなのです。そうすると、この三つは同等の意義を持つ処分であると思うのです。それに対して勧告あるいは審判に付し、審判の結果については、行政事件訴訟特例法によってその相手方から訴訟が出て救済の方法があるわけです。そうすると、申告をした人の方は規則十九条によってただ単にその旨を通知することができるというだけでしかないわけです。そうするならば、一般的にいって、いわゆる申告をした者と被申告者との間に対する法の保護を欠くと思いますが、そういう点は立法論としてあなたの方の立場からどうでしょうか。
○山内説明員 立法論といたしましては、先生おっしゃるように、これを民事訴訟という形で公取委の不問処分というものが決定されますと、ここに抗告訴訟という形で起すという道も考え得ないわけではないと思います。これはほかにも納税者訴訟とか選挙訴訟という形では、そういうことになっている部面もあるから、そういうふうな他の部面にかんがみて、立法論としてそういうふうに持ってくることは十分私は考えられると思いますが、この現行法の立場では、まだそこまではいっていないように私は考えております。
○田中(武)委員 公正取引委員会が独禁法第七十六条の規定によって自主的に公正取引委員会においてきめた公正取引委員会の審査及び審判に関する規則、これにおいて結局四十五条の申告者に対する関係規定は十九条しかないのです。こういうことは申告をすると握りつぶされる、何も審査をやらない、――あとで他の問題について触れたいと思っておりますが、そういうような場合においても申告者を何ら救済してあげられないということになるわけです。こういうことに対して公正取引委員会としては、自分たちできめたこの規則、これは独禁法の精神にのっとってこしらえたものであるけれども、ほんとうに独禁法の精神をくみ取ったところの手続規定になっておるかどうか反省してみないかどうか、一つ聞きたいと思います。
○佐藤説明員 今のお話ですが、独禁法の建前というものは公益的見地を考えておるのです。それを優先的に考えておるので、当事者訴訟的な考えを持っておらないのです。もし当事者訴訟で申告者が原告であって、この問題について言うと、新聞社が被告であるというような、そういう制度になっておれば、お話は一応わかるのですけれども、少くとも現在の独禁法というものは私人間の問題については直接触れていない。ただ先ほど申しましたような審決の結果独禁法違反ということをきめると、それに基いて無過失損害賠償の請求権が発生するというだけでありまして、元来が当事者訴訟的な制度になっておらないのであります。しかしてまた独禁法が公益的な見地からいっているという立場から言って、現行法で差しつかえないものと私は考えております。
○田中(武)委員 あなたのおっしゃる通り、これはあとで触れたいと思っておったのですが、もちろん独禁法の建前は、独禁法自体が審査に関する承認、鑑定の行為について刑事訴訟法を準用している、民事訴訟法を準用していないという点から、民事訴訟法的な当事者主義ではなくて、真実発見主義にあることは当然です。それはわかっています。それならあなたに伺いますが、談話の第二項かに、いわゆる新聞社が八月の上旬に拘束を受けないとか、あるいは今後拘束されないというような文面が出た、そのことによって云々ということは、当事者主義に立ってのあなたの解釈ではないでしょうが、少くとも真実発見主義をもってあなたが任じておるならば、いわゆる刑事訴訟法的な立場から、真実発見主義の立場でなぜやらなかったのか。その点についてあとで私の質問のときに、もっとやりたいと思っておりますが、少くとも公益侵害を受けておるのです。そのものからいわゆる四十五条によるところの申告があった。言いかえるならば、公正取引委員会の立場からいえば、独禁法違反についての端緒を得た、刑事で言うならば告訴告発あるいは犯罪についての端緒を得た、そして直ちに捜査に入る、こういう格好なんです。しかしながら問題は公益という大きなもの、しかもそれが経済的な問題である。刑事の問題にしても、もちろん経済の問題はあります。だがしかし、そうではなくて、独禁法はそれ自体が経済の問題である。しかも三百三十円のが三百九十円になったという大きな一般に及ぼすところの経済の問題である。それに対する申告者はやはり被害者である。それに対してうやむやな結論に終る、告訴に対して救済の方法がないということは、私は片手落ちだと思う。この法律の解釈及び規則からいえば、そういうことになると思うのですが、立法論としてはどうか、手落ちはないか。法七十六条によって自分たちのきめた訴訟の審査手続の規定にぬかりがある、このことを申し上げているのです。どうです、もう少し検討してこれをやり直す気はないですか。
○佐藤説明員 私の方としましては、諸般の事情、ことに証拠につきましては十分やったのでありまして、先ほどお話のように新聞社が外に意思表示をしたということのみを、われわれの意思決定の材料にしているわけではなくて、申告があると同時に、それに基いてあらゆる証拠を調べて、その結果やったのであって、新聞社の申し出と申しますか、これも一つの材料としてあらゆる材料を検討しまして結論を出したのであります。
○田中(武)委員 不問処分の決定だ、こうおっしゃったのですが、委員会はいわゆる不問処分の正式決定をせられたのですね。
○佐藤説明員 委員会といたしましては、不問処分にするということを決定いたしました。
○田中(武)委員 それは何月何日のこの問題に対する第何回委員会で、そのときの採決の結果は満場一致であったか、少数意見があったか、そういう点はいかがですか。
○佐藤説明員 その日付は八月十三日の午前であります。その委員会の審査の内容につきましては、裁判所と同じように対外的には示すことを御遠慮いたしたいと思います。もちろん審決につきましては、少数意見を出すということを法律に書いておりますけれども、それ以外に審査の内容につきましては、一つごかんべん願いたいと思います。
○田中(武)委員 裁判の結果だって裁判所は判決を出すのです。判決の謄本を出します。それじゃあなた方は不問処分にした決定の決定書を出しなさい。
○佐藤説明員 裁判所の判決という意味で言ったのではなくて、裁判所が裁判の結論を出すためのいろいろの審議というものは、これは対外的に秘密にされている。それと同じように私の方といたしましても、不問処分にするという最終決定はいたしますけれども、その最終決定に至る段階につきましては外に出さない方が適当だ、こういうふうに考えているわけであります。
○田中(武)委員 その議事録はありますか。
○佐藤説明員 議事録はあります。
○田中(武)委員 その記録を出していただきたいと思います。
○佐藤説明員 先ほど申しました通り、委員会の審議というものは、対外的に秘密にしております。従って議事録を出すのは適当でないと考えます。
○田中(武)委員 出さないという根拠はどこですか。
○佐藤説明員 それは委員会の審議の性質にかんがみて、そう申し上げている。
○田中(武)委員 それではお伺いいたします。これは法制局の方がいいと思うのですが、憲法の六十二条には、国会の行政官庁その他に対する調査権が規定されております。それからそれに基いて国会法の百四条並びに衆議院規則五十六条、こういうことになっております。もちろんこれは委員会においてということになりますから、委員会においてそのことの要求の決定をすることが、前提かと思いますが、そうした場合には、この議事録の要求はできますか。
○山内説明員 国改調査権の限界ということに対しては、いろいろむずかしい問題があると思いますが……。
○田中(武)委員 できるかできないかを聞いているんだ。結論だけ言ってもらいたい。
○山内説明員 不問処分につきましては、内容というのは、必ずしも審決そのもの……。
○田中(武)委員 いや、ともかく公正取引委員会という一つの行政庁がやったことなんだ。それに対する記録の提出だ。憲法第六十二条、国会法百四条、衆議院規則五十六条、これによってできるかどうか……。
○山内説明員 これは、ですから、それをお答えいたします。私は三十八条と不問処分との関係においては、国政調査権に三十八条そのもので対抗するというわけにはいかないのではないかと思っておりますが、ただ、その不問処分の記録の内容それ自体が公取の機能から見てどうしても秘密にいたさなければならないという場合には、これは結局内閣声明ということを本委員会の方からお求めになるということはあると思います。そういう関係に立ちまして、あるいはお断わり申し上げることもあるかと思いますが、三十八条そのものでは、不問処分につきましては、国政調査権の方に対抗はできないと、かように考えております。
○田中(武)委員 あなたのおっしゃるように、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の第五条の三項ですかによって内閣が声明したときには、それは出さなくてもいいが、それ以外は全部出せると理解しますが、それでいいでしょう。しかも、これはかつて造船疑獄のときか何かに行なったと思うのです。それを行うことによって、いわゆる国政上の問題に重大な影響があるとか、あるいは外交上の問題に影響があるとかいうならともかく、この問題はそういう問題でもなかろうと思う。山岸内閣がどういうような決定をするか、それは決定をしたときに論ずるといたしまして、そういう証人の宣誓及び証言等に関する法律の五条の例外をあなたに聞いているのじゃない。その以外においてはできると解釈していいですか、いかがですか。
○山内説明員 今、田中委員のおっしゃったように理解しておるつもりでございます。
○田中(武)委員 この件につきましては、私田迎賓間ですから、あとでもっと掘り下げていきたいと思います。しかし、いずれにいたしましても、法律及び規則によりますと、院並びに委員会になっておりますので、当委員会の決定が必要かと思いますが、その点につきましては、あらためて理事会等で御相談いたしたいと思います。そのときには必ず提出を要求いたします。
○勝澤委員 今の問題で、不問処分というのは行政処分だ、こう言われておる。この決定に不服な場合は行政訴訟で救済が求められるかどうかという問題については、委員長は行政訴訟ができないと思う、こう言われておる。そうしますと、私はこれは委員長として重大な誤まりを犯しておるんじゃないかと思うのです。不問処分というものは行政処分であるけれども、その行政処分については行政訴訟で救済を求めることができないということを知りながら、今回の問題は対外的にも実に大きな問題である、従って独禁法四十九条からいうならば、こういうような問題こそ審判手続の上で審判を行なっているその中で、ガラス張りの中であらゆる角度から検討することが、法の精神並びに公正取引委員会の権威を高めるものだ、こういうふうに私は理解するのです。あなたは故意か過失か、重大な誤まりをここで犯していると思うのですが、一体なぜ四十九条でやらなかったのかという点について委員長、お答えを願いたい。
○佐藤説明員 四十九条によって審判の開始ということも法律上は考えられるわけでありますけれども、私どもといたしましては、審判に付する以上は、審判を維持するだけの十分な証拠がないのにやるということは不適当と考えております。これは新憲法におきましても、人権の尊重ということは非常に強く言われておるわけでありまして、審判に付する場合に十分な証拠もなしに審判に付するということは、その精神からいっても適当でないし、私の方の審査部としては全力をあげて証拠の収集に当ったのでありますけれども、遺憾ながら委員会としては審判を開始するに足るだけのものとは考えておらない、そういうものを、軽々にという言葉は不適当かもしれませんけれども、審判に付すべきものでないと考えたので、よしたのであります。
○勝澤委員 証拠の問題はあとでまた伺うといたしまして、あなたはこの問題を不問処分にするということは、行政訴訟上からの救済の道がないということを知りながら、不問処分というものをきめたんですね。どうでしょうか。
○佐藤説明員 その救済方法があるかないかということは、実はそのときは考えないで、あとから考えたので、別にそういう意図のもとにやったわけではありません。 それから先ほど不問処分は行政処分だと言われるけれども、私は行政処分とは考えておりません。
○勝澤委員 あなたは、先ほどの質問に対して、行政処分だと、こういうふうに言われたと私は解釈しておるのですが、行政処分じゃないのですか。
○佐藤説明員 それは速記録を見ないとわかりませんが、行政処分というつもりはありませんので、おそらくそう言ってはおらぬと思います。
○勝澤委員 そうすると、あなたはここで不問処分にするときには行政訴訟で救済の道がないとは思っていなかった――そういう点については、あなたは八月十三日に委員会で結論を出すときには何も考えていなかった、こういうことなんですね。
○佐藤説明員 ええ、そうであります。
○勝澤委員 談話の第一項において「本件が独占禁止法に違反するかどうかについて最も問題となる点は、一斉引上げが各新聞社間の拘束性ある申し合せに基いて行なわれたものであるか、どうう」こういうことが出ていると思うのですが、拘束性のある申し合せとは一体いかなる性格のものであるか、一つ御説明願いたいと思います。
○佐藤説明員 拘束性のある申し合せというのは、ある申し合せがあって、その申し合せに参加したものはその申し合せを実施する、執行する義務を負うということが、拘束性だと思います。
○勝澤委員 そうすると、今回の新聞の値上げについて、拘束性がある申し合せについては、どのように解釈をされたんですか。
○佐藤説明員 拘束性がないと考えております。
○勝澤委員 拘束性がないと解釈をされた、こう言われておるのですが、そうすると、拘束性があったか、なかったかという点で私は二、三お伺いしたいと思うのです。 一体今回の新聞の値上げについて、新聞社間で共同謀議をした事実があったのか、なかったのか、これを一つ御説明願いたいと思います。
○佐藤説明員 それは関係者が寄り合って話し合いをしたという事実はわかっております。
○勝澤委員 そうすると、共同で新聞の値上げ問題について話し合いをしたという事実はあると、こういうことなんですか。
○佐藤説明員 共同して値上げ問題について話し合ったということは認めております。
○勝澤委員 話し合ったことは認めたけれども、そしてあとが空間になって、四月一日から値上げになったという事実もお認めになるんですか。
○佐藤説明員 四月一日から値上げになったことは認めております。
○勝澤委員 そうすると共同謀議をしたということがあって、そうして遂行されたということがある、拘束性はあなたは認められぬと言っているのですが、一体どういうことなのか、私はどうも理解ができない。拘束性がなかったというふうに理解しても、どうしてもわからない。一体どういうふうにその理解をされるのですか。もう少しわかりやすく御説明願いたいと思います。
○佐藤説明員 拘束性がなかったという、ないという証明は実はできないので、拘束性があったという証拠がなければいいと思うのです。あったという証拠はない、従って拘束性はないと言わざるを得ない、こういうわけです。
○田中(武)委員 ただいまおっしゃったように、寄り合って値段の値上げのことを相談した、そして四月一日から実施、遂行した、こういう事実はお認になったのですね。そうすると、独禁法第二条第六項、長くなりますから、まん中だけを読みますが、「取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、」云々となっておるのです。拘束または遂行なんです。すでに遂行のあることはお認めになっているわけですね。第二条第六項の解釈と、今おっしゃるような態度を、公取委員会は今までとってきたかどうか、お伺いいたします。
○佐藤説明員 遂行ということが一番問題になるのでありますが、四月一日から値上げを実施したということは認める、これがこの法律による遂行になるかどうかが疑問なんです。これについては昭和二十八年の東京高裁の判決もありますが、「共同行為はかかる事業者が共同して相互に一定の制限を課し、その自由な事業活動を拘束するところに成立する」あるいはまた同じ年の他の事件についても、共同遂行には何ら相互拘束を伴っていないのであって、法二条四項の罪には当らないと言っている。要するに共同遂行という――遂行とうのはただ実施するのじゃなくして、拘束性を伴わなければいかぬということを高裁の判決で示している。われわれもその考えでおるわけです。
○田中(武)委員 ただいまの東京高裁の判決については、判例についてはあとから言います。まず公正取引委員会が今日まで、そういう態度できたかどうか。今日まで五十の事例についてあなた方が態度をきめておる。その中に七つの審決手続を終えておる。このすべてを見た場合に、そういう態度をとっていない。たとえばあなた方が昭和二十八年三月二日、東京割工業株式会社外十八名に対する件で審決を下しておる法の適用の中にこういう文句があるのですよ。「被審人らは、本共同行為がなんら強制力を伴わぬ適正な標準加工賃を決定したものであり、一部に協定値段の行われなかった事実を主張するが、前記法条違反の成立を妨げる理由とはならない。」すなわち強制力を、拘束力を伴わなかったとしても、あなた方はすでに第二条六項違反であるという審決を下しておられるわけです。高裁の二十八年の、これは新聞社の問題についてのやつですか、それの判決の中には、あなたのおっしゃるようなことでなく、法の適用のところですが、そこにこういう事実がある。これはあなたのおっしゃっている高裁の判決なんです。「従ってこれらの審査はすべて審決当時を基準としてなされ、審決後に生じた事実をもって審決の当否を判断する資料とすることは、法の予想しないところである。」云々となっている。すなわち申告があり、あなた方が調査したときの時限において、そのことを決定するのであって、事後に拘束を受けないとか云々とかいうことでもって判断すべきことではないということは、あなたが言っておられるところの判例にも示されておるところです。少くともこの件につきましては、公正取引委員会は今までの二条六項に対するカルテル行為に対する解釈を変えておる、こういうことになります。いわゆる新しい審決例を作ったということになります。審決じゃないけれども、新しい解釈を出したということになります。公正取引委員会の事務局の編集にかかる「改正独禁法解説」ですか、あれにもそんなことは書いてないですね。新たな解釈の上に立ったということになりますが、そうなんですか。もしそうであるならば、なぜ審決というような慎重な態度をとらなかったか。たとえば判例を新たに作る、最高裁の判例においては、新判例を作る場合には、これは大法廷においてやる、慎重な態度をもってやるのが、今までの事例であります。新しい態度、新しい解釈を下すに当って、談話のごとき軽卒な方法であったことについて、あなたはどう考えておられますか。すなわち今までの態度がどうであったか、新しい態度をとったのかどうか、それについて今あなたがとられた態度、談話というような方式でやったのはいいかどうか、その三点についてお伺いいたします。
○佐藤説明員 裁判につきましては今申します通り、最高裁判所が判例を変える場合にはお話のようなことがあります。われわれの方といたしましては、いわゆる最高裁判所的な最終決定をするものではないのであって、この公取の審判に対しまして通常裁判所にさらに不服を申し立てることができるのであって、その意味におきましては通常裁判所、高等裁判所なり最高裁判所というものがわれわれの上級審と同じような働きをしておる。その上級審ですでに今申しました相互拘束につきましては判例があるのでありますから、これを採用するのはどこが悪いか、それが当りまえだ、こういうふうに思っております。なお従来の審決例等につきましては、私はあまりよく知りませんので、必要によりまして局長あたりからお答えさせたいと思います。
○田中(武)委員 続いてかりに昭和二十八年の判決があったからそれに従う、この点につきましてはまだ疑問があります。しかしそれにつきましては三十二年にあなた方が明治冷蔵株式会社外十四名に対する件について、やはり二条六項と三条違反の審決を下しておる。それは昭和三十二年の十一月七日です。読んでみましょう。「被勧告人らの行う凍氷の共同販売行為は協同組合の行為とは認められず、共同して相互に事業活動を拘束することにより、公共の利益に反して、神戸市内における凍氷の取引分野における競争を実質的に制限しているものであって、私的独占禁止法第二条第六項に該当し、同法第三条に違反する。」こういうやつをきめておる。あなたのおっしゃることであるならば、二十八年に高裁の判決が出た、それからなぜ態度を変えなかったか、今度初めて態度を変えた。そこで態度を変えるに当っての手続についてどうか、こういうことです。だから二十八年の高裁の判決云々ということについては理由にならないし
○坂根説明員 お答えいたしますが、ただいまのお話のように、従来の審決例と今度の解釈が違うというお話でございますが、今度の委員会の決定は、相互拘束という二十八年の判決でございますが、それを中心に議論されたのでありまして、特に従来の審決例の中にそれをあまり議論していなかったようにも思いますけれども、特にその態度を変えたというよりも、二十八年の判決によって、判決の指示した相互拘束という点に力点を置いて検討された、こう私は思います。
○田中(武)委員 それでは三十二年はどうです、私の読み上げました審決は。
○坂根説明員 その審決は勧告審決かと思いますけれども、一応おそらく共同遂行の中にすぐ相互拘束を含めて解釈しておるのではないか、私はそう考えております。
○田中(武)委員 いずれにいたしましても今までの公取の態度を、二条六項に対して新たな解釈を出した、こういうことになりますね。その点は間違いないですね。そうでないというならば、これは審決例全部一ぺんやらなければならぬ、どうですか。
○坂根説明員 私の理解するところでは、新たなる解釈ということではなくして、今田中先生のお読みになった共同遂行の中に、共同拘束を含めた意味で公取委員会はその審決をやっている、私はそう解釈しております。
○田中(武)委員 それなら、あなた方が出されたいわゆる事務局編集の解説、独禁法の解釈というのは、どういうことになりますか。それにはそういうことは書いておりませんし、そういう解釈を下しておりませんね。
○坂根説明員 その事務局編集の解説本には、私今覚えておりませんが、あるいはそのことは書いておりませんが、これは私の理解するところでございますが、立法論としては、または共同遂行ということで非常に問題があろうかと思いますけれども、二十八年の判決が出て以来は、共同遂行の中に私は共同拘束を含めるべきである、こう考えております、
○田中(武)委員 法制局に尋ねますが、独禁法二条六項の「拘束し、又は遂行」ということで、私は、拘束性はちょっとおいて、遂行の事実ということで、しかもそれに対する打ち合せ等があったということ、これによって私は六項違反になる。しかもこの拘束ということは道義的拘束も含むものであって、いわゆる罰則、違約金等を科すことを必要としない。これが今までのカルテルに対する常識であったと考えておりますが、いかがでしょうか。
○山内説明員 カルテルの取引制限の実体的解釈というのは、私は、合法制局はここでこうだと申し上げるのは――公正取引委員会が独立行政委員会としてある以上、私はここでこの解釈がどうだと、従来の審決例あるいは判決とあわせて引き合いの上で、判断を申し上げるのはどうも適当でないと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
○田中(武)委員 それはあとでまた学者でも呼んで、参考意見を聞かなくちゃならぬ、こういうことになると思いますが、いずれにいたしましても、新しい解釈を下した、これには私間違いないと思う。しかも新しい解釈をするには、慎重なる態度でもって進まなければならぬ、こう思います。 そこで一つお伺いいたしたいのですが、先ほど申しましたあなた方で作った法七十六条による審査及び審判に関する規則の中の十八条には、これは読まなくてもいいと思いますが、「審査官は、事件の審査を終ったときは、すみやかに審査報告書を作り、審査部長を経て委員会に報告しなければならない。」「前項の報告書には、左の事項を明らかにしなければならない。」そうして一、二、三、四、五となって、五に「審査官の意見」とあります。この問題について、審査官は調査をして、これに対する十八条第二項第五号による意見は、どういうことになってついておるのか、あるいはそういう結論を出す委員会の折に、その調査に当った審査官の意見を聴取したことがあるかどうか、そういう点を一つお伺いいたしたいと思います。
○佐藤説明員 これは五月末日に、一応の審査が終って、その後委員会に審査部長から審査の結果を報告しております。私は、七月に入りましたが、私はその前の事情を知らぬから、あらためてそれを聞いたわけです。
○田中(武)委員 あらためて聞いた……。
○佐藤説明員 ええ。
○田中(武)委員 それじゃそのときのいわゆる十八条第二項第五号による審査官の意見を、どういうように聞いたのですか。あるいは今の決定に至るまでその委員会において審査官の意見を聞いたかどうか。
○佐藤説明員 審査部長としては、審査官ができるだけの努力をもって証拠を集めたのであって、その証拠によって審判開始をしても、これが維持できるというふうに考えておったのであります。またそれぐらいの意気込みでなければ困るのです。公取員というのは検事検察的な役目と、審判という裁判的な役目を同じ役所がやるのでありますからして、裁判所がどうするかということは知らぬというわけにいかないので、やはり十分な証拠によって、審判の維持ができるという、ある程度の確信がなければ、審判に移ることは不適当だ。これは先ほど申します通り、刑事事件で告訴する場合でも、これは今の憲法において重要な問題である人権の問題にも関係するのでありますから、どこまでも慎重にやっていきたいという気持でおります。その気持から申しまして、証拠が十分でない、審判の維持ができないというのでは、これは審判に移ることは不適当だ、こういうことになるわけであります。
○田中(武)委員 法の四十六条以下によって、調査をし、その他の手続きをやってきた人たちの、いわゆる審査官の意見は、違反の容疑といいますか、濃厚であるという意見がついておった。それをあなた方か委員において不問処分ということに決定をした。しかも、その不問処分の決定は、今までの公取委がとってきた態度を一変した、態度を新たに変えたということになる。それなら、そういうことについて新たに態度を作るならば、なぜもっと慎重な態度をとらなかったか。しかもそれを委員長談話のごときヌエ的な、法律的には解釈のわからないようなことによって始末をつけようとしたのだ。この点について大きな抜かりがあると考えております。 そこで、法制局にお尋ねいたしますが、独禁法の三十一条には――これをお伺いする前提は、公正取引委員会がその職務を十分に果さなかったという解釈の上で、私はお伺いするのです。三十一条には一号から六号までに、いわゆる公正取引委員長並びに委員の職務権限からくるところの独立性とともに、これに対する三十一条第一号ないし六号以外のときには、罷免できない、こういうことになっておる。そうして三十二条に、「前条第一号又は第三号から第六号までの場合においては、内閣総理大臣は、その委員長又は委員を罷免しなければならない。」となっておる。ところが、第三十一条第二号には「懲戒免官の処分を受けた場合」、こういう規定があるが、どこを探してもこの懲戒免官、いわゆる公正取引委員長並びに委員が職務怠慢であったといいますか、あるいはまた職務に対して忠実でなかった、あるいは他のものに動かされた、こういうようなことで懲戒免官の処分を受けるというようなことが出た場合、この手続要件が書いてないわけです。そういたしますと、私は、たとえば裁判官におきましても憲法の規定によって、国会が訴追を行なって弾劾裁判を行なうことになっておる。またたとえば公務員法第八条によって人事官の場合にも、結局はこれらの訴追は国会が行う。だから、憲法の規定によって国会の国権の最高機関であるという建前から見て、裁判官あるいは、人事官と同じように、手続がないならば、国会において、この公正取引委員長並びに委員の懲戒免官については行う、そういうように解釈しますが、いかがでしょう。
○山内説明員 解釈論としてそこまでいくのは無理かと思います。懲戒免官の規定がない以上、この独立行政委員会は当然そういうふうな強力な委員の身分保障をしていると私は思いますから、そういう解釈は現行法ではできないと思います。
○田中(武)委員 三十一条第二号には「懲戒免官の処分を受けた場合」という規定があって、これに対する手続要件を規定したところが、この関係法規には一つもない。そうすると、これは空文となり、言うならば、公正取引委員長並びに委員は、いかなることをやっても、懲戒免官はできないということになるのですが、いかがでしょう。
○山内説明員 いかなることをやってもというのは、たとえば四号で、禁錮以上の……。
○田中(武)委員 刑法上の問題は別です。刑法でやる場合でなく、行政処分です。
○山内説明員 その限りにおいてはできない、かように思います。
○田中(武)委員 そうすると、法律に規定がないからできない。なるほどこれには手続要件が規定していない。これは法の欠陥だとは思うのですが、しかしながら解釈論としては、先ほど申し上げましたように、憲法において国会は国権の最高機関である。少くとも今判例云々で私たちの上司であると言われた裁判官においてすら、独立性のより強固な、憲法において身分の保障をせられている裁判官においてすら、国会において訴追を行い、弾劾裁判を行うと規定されてある。大体の公正取引委員と同じような立場にある人事官については、今言ったように公務員法によって国会が行うことになっている。そうすれば規定がない以上国会がやるよりほかないと思うのですがどうでしょう。この点もう一ぺんお伺いします。やれないというならやれないと、はっきり言って下さい。それはどういうわけでやれないのか。どんなことをしたって――いわゆる刑法上の問題は別だ、贈収賄なんかは別だ。しかし行政処分は絶対にできないのか。それほど公正取引委員は強固なものか。しかもその委員会の委員の任命は国会の承認を得て行う。すなわち国会が内閣のあれによって承認を与えるということは、いわゆる任命権を持っているわけだ。それなら任命権のあるところには罷免権があるはずだ、こういうふうに解釈をするのはいかがですか。
○山内説明員 結論から先に言うとやはりできないと思いますが、任命権があるところに常に罷免権があるとは限らない。任命権があって罷免手続が別に定めてある場合もありますから、任命権者が同時に罷免権者でない場合、両者が違うということはずいぶんあり得るわけであります。この場合第二号という規定を置きましてこの手続規定を置かなかったのは、私はその当時の立法をもう一度よく調べてみたいとは存じますが、現行法におきましてはこの二号の免官処分については手続が規定されておらないわけです。これは別途国会で、そういうような免官手続を御制定になれば別でございますが、現行法の解釈といたしましては、行政委員会の性質上おっしゃるように内閣が任命権を持っておりましても、私はできないことであると思います。
○田中(武)委員 要件手続がないから正命するところにおいて罷免する、こう言うよりほかにないじゃないかと言っておる。三十二条がわざわざ一号または三号として二号を抜いておるのに、行政権によってはなされないのだ、総理大臣ではなされないのだ、こういうことをはっきりしている。そうするならば、規定がなければ国権の最高機関である国会においてやる、こういうことにしか考えられないのですが、これはあなたと私との法律上の解釈論の違いとして、法制局においてもっと検討し勉強してもらう、こういうことにして、このことを保留してあとに入りたいと思います。
○勝澤委員 証拠が不十分だ、こう言われておるのですが、三つのうち二つの、相談をしたことと遂行したということははっきりしておって、拘束が、こう言われておるのですが、拘束があったかなかったかということについて、もう少し私は事実についてお聞きしたいのですが、読売新聞が値上げの問題についてチラシをまいて、これが新聞値上げの時期の三月ごろ業界として読売が反対をしておるためにもめておった、そのもめておったという事実は委員長は捜査の中で御存じなんですね。
○佐藤説明員 それは聞いております。
○勝澤委員 それは事実の証拠ですね、聞いておるというのは。
○佐藤説明員 もめたということは聞いております。その理由はどうであったということは、これは議論のあるところであります。
○勝澤委員 三月二十三日の百五十七回の緊急理事会後の懇談会で、定価値上げについて話合いがなされたということも御存じなんですね。
○佐藤説明員 話し合いがなされたという推定ができることは、私も考えております。
○勝澤委員 値上げの社告の広告見本を協会で配布したということも証拠で明確なんですね。これは証拠不十分かどうかという重大な問題だ。
○佐藤説明員 そういうことも聞いておりますけれども、そこのところ、あまりはっきりしておりません。
○勝澤委員 拘束についてあなたは一番問題にされているのです。私はどこまであなたが拘束というのを理解されておるかということを、今質問している。読売新聞がチラシをまいたという問題で値上げがくずれそうになったというのは、あなたは知っていると言っている。百五十七回の緊急理事会のあとの懇談会で値上げの問題が問題になったということも、あなたは知っているはずなんです。社告の広告を協会で配布したという事実は、私は公取委員会の事務局へ行って――入江委員は認めておるのです。あなたはどうなんですか。もう一回はっきりして下さい。もしおわかりがなかったら、事務局長に聞いてお返事下さい。――委員長に私は質問している。委員長と事務局と、私は大きな解釈の相違があるように思うのです。新しい解釈を下しておるのですから。社告の広告の見本というものを協会で作ってそれを配った、こういうことがあったかなかったかということを聞いておる。
○佐藤説明員 ただいまの問題は証拠としてははっきりしておりません。
○勝澤委員 証拠としてはっきりしていないということになりますと、社告の広告見本というものを協会が配布したという事実は、これは一般の雑誌にも載っていますし、公取委の事務局で板根事務局長がおるところで、入江委員はこの事実を認めた。あなたはそれははっきりしてないと言う。そこで私は次の問題で、証拠不十分なために証拠をもう少し調査せよということを、審査官にいつ命令したのですか。
○佐藤説明員 審査部としては全力をあげて証拠の収集に当ったのでありまして、これ以上審査官をわずらわして証拠を集めることはできない、こう考えております。
○勝澤委員 そうしますと具体的に聞きます。埼玉新聞は、どなたをお調べになったのですか。いつ、何時に、どこでお調べになったのですか。
○坂根説明員 私の記憶する限りでは、埼玉新聞について呼んで調べたという記憶はありません。
○勝澤委員 奈良県の大和タイムス社はお調べになりましたか。お調べになったとするならば、いつ、どこで、どなたが調べて、どういう結果になったか。
○坂根説明員 ただいまの勝澤さんのお尋ねの、大和タイムス社云々ということは、私は委員会の審査部の報告を聞いていると、いつどこで調べたという報告があったように記憶しておりません。
○勝澤委員 もう一つ、島根新聞はどうなんですか。
○坂根説明員 それも今の答弁と同じでございます。
○勝澤委員 この三つの新聞というのは、今回の場合に重大な問題になる新聞なんです。なぜかというならば、これは前回にも埼玉新聞は、全国の新聞が一斉に値上げすることになったので本社もやむなく値上げする、こう四月一日の新聞値上げの場合に記事として出している。それから大和タイムス社は、本紙は値上げせず、値上げをしない理由というものをわざわざ書いている。島根新聞も同じように値上げをしないという理由を書いている。一体なぜ値上げをしないのか、なぜその記事を出す必要があるのかということになれば、これはしろうとの探偵でも、ましてや公取委の審査官が、あるいは委員長が証拠不十分だ、こういう立場に立つならば、申し合せが拘束性があったかなかったかということからいえば、当然こういう社告の出た新聞は見て、その拘束性についてのもっと掘り下げた証拠を調べるべきだった。証拠不十分だというのは今の回答の中で明確になったと思うのですが、委員長そうなんですね。公取委としては全力をあげて調査したけれども、まだ証拠が不十分だということがはっきりした、こういうことに理解してよろしゅうございますか。
○佐藤説明員 さようでございます。
○勝澤委員 そうすると証拠がまだ不十分だ。それは公正取引委員会の委員会としてなんですか。公正取引委員会が証拠不十分なるままに、証拠不十分だと一方的にきめた、それは故意に証拠の取調べを十分しなかった、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○佐藤説明員 先ほど申しました通り、現在の審査部の陣容といたしましては、これが十分かどうかということは、これは議論があると思いますが、私といたしましては審査部に取調べをさせ、審査部の職員は一生懸命に全力を尽してやった、その結果出ないから、これは何ともいたし方ないと思います。
○勝澤委員 証拠が不十分であったという点はお認めになって、なおかつ私からこの三つの問題について質問をし、その三つの問題については、まだ調べがされていないような回答なんです。ここで新しい問題として証拠が三つ上ったのですから、諏訪メモじゃございませんけれども、もう一回これをやり直すことが必要だと思うのですが、どうでしょうか。
○佐藤説明員 先ほど申しました通り、審査部としては十分な調査をしたのであります。その結果出ないのだから、これはやってもむだじゃないか、私はこう思っております。
○勝澤委員 証拠が不十分だと言われるが、何の証拠が不十分なのですか、具体的に一つ御説明願いたい。
○佐藤説明員 独禁法違反を構成するに必要な要素、ことに共同でやったということは、相当な間接証拠がありますけれども、先ほど申しました拘束力ということについての証拠が得られない、こういうことであります。
○勝澤委員 拘束力ということについての証拠が得られないというのですが、私はこんなに拘束力がはっきりしていると思うのです。もう少し常識的にもっとわかるように、具体的にどれとどれとどういう証拠がないので拘束力がはっきりしないというふうに御説明願いたいと思います。
○佐藤説明員 拘束力ということになれば、やはり値上げをしてこれを維持する義務があるかどうかという問題であると思うのですが、その義務があるという証拠がない、こういうわけであります。
○勝澤委員 義務があるかないか、こう言われているのですね。また新しい発展のように思うのです。値上げをするということをきめた、そしてお互いが値上げをした、そしてその中にいろいろ問題が出てきた。一体その義務というのはどういうことなんですか。
○佐藤説明員 値上げをするについてわれわれの証拠で判断しておるのは、共同して値上げをしようということがあったのか、あるいはまたこういう非常に競争の激しい事業でありますから、ある新聞社が勝手に値上げをしても、ほかが同じようにやっていかないとなかなか値上げがうまくいかない、そこでみんなの出方を知りたい、知るについてはこっそり調べる方法もあるし、お互いに話し合って、君は上げるかどうか、君は上げるか、それではおれも上げよう、こういう方法もある。それで結局みな上げたということになったのでありますが、今申しました拘束力の点は、それに違反すれば罰則があるということであれば、きわめて明らかなのですが、御承知の通り罰則はない。要するに値上げを維持する義務があるかどうかということで、値上げを維持する義務があるということの証拠が出ておらぬ、こういう意味であります。
○勝澤委員 そうすると罰則がなければいいということなんですか。
○佐藤説明員 罰則があれば拘束力があるということは、きわめて明瞭になるという意味であります。罰則がないから拘束力がないということにはならないと思います。
○勝澤委員 罰則以外の場合は、具体的にどういうことなんですか。
○佐藤説明員 要するに何べん言っても非常に抽象的なんですが……。
○勝澤委員 具体的な問題をやっているのですから、具体的に言って下さい。
○佐藤説明員 要するに値段を維持する義務があるかどうかという問題ですね。だからどう答えたらよいか知らぬが、違反すれば罰則があるということになれば非常にはっきりするのだが、罰則がないからして拘束力がないという結論にはならない。要するに義務があるかどうかという問題です。それについては、たとえば先ほど例にあげられました読賣新聞の問題でも、これは拘束力があるからああいう問題が生じたのか、あるいはまた私どもとしてはむしろ読賣新聞が一カ月値上げをおくらすということによって、他の新聞より自分の新聞が社会によけいサービスするのだ、だからしてこれによって自分の販路を拡張するというふうにも考えられるので、これは拘束力の結果きたという結論をきめるだけの証拠にはならぬ、こう思ったのであります。
○勝澤委員 証拠が不十分だったということを言うが、新しい証拠というものがまだ十分調べられるにかかわらず、調べなかったという怠慢のそしりを免れないと私は思う。必要である証拠というものについて十分調べるべきにかかわらず、その取調べを怠っておった。怠っておりながら証拠が不十分だという言い方は、自分が何もやらずにそれをごまかそうとするだけであって、まことに私はけしからぬ問題だと思う。
○田中(武)委員 関連して今の拘束性の問題ですがね。埼玉新聞ですか、申し合せによりやむを得ず、これはもう拘束を現わしておるのと違いますか。もちろんさっきから言っておるように、私はカルテルの要件はいわゆる意思の連絡、かつ遂行したことによって足る、こう考えておるのですが、一歩譲って、いい言葉で言うならば百尺竿頭一歩を譲ってというのですか、なお考えてみて、あなたの言うように拘束性を要件とするにしても、今言うように申し合せによりやむを得ずということは、これは拘束性がありますよ。どうですか。
○佐藤説明員 私の読んでいる社告には、本社もやむを得ず値上げすると書いてあって、申し合せによりというのは、私の方で集めた資料にはないのであります。のみならず、こういうやむを得ずということは、なるべく読者から憎まれないようにという考えもあるのじゃないかと思います。やむを得ず上げた――申し合せによりやむを得ずではないので、申し合せによりという、そういう社告があれば見せて下さい。
○田中(武)委員 埼玉新聞は全国の新聞が一斉に値上げすることになったので、やむを得ずということなんです。だから値上げについていろいろ連絡もあり、それに対してある程度の拘束力、少くとも道義上の拘束力はあった、こういうことは言えるでしょう。
○佐藤説明員 今あなたの読まれた社告ですが、私の方で集めた社告には、全国の諸新聞は一斉に購読料を改定することになりました。本社もやむを得ず四月一日からというので、申し合せによりなんてちっとも書いてない。私どもの審査部で集めた資料には、申し合せによりということは書いてないのですがね。
○田中(武)委員 申し合せじゃないが、一斉に値上げすることになったので――それで十分じゃないか。
○佐藤説明員 一斉に上げるということが拘束力という問題と直接関係があるという判断をすることは、ちょっと無理じゃないか、そう思います。
○田中(武)委員 何月何日に一諸にやろう、こういうことを申し合せたら、拘束力にならぬかね。少くとも道義的に――背任行為は別だ。道義的には拘束を受けておる。どうですか。
○佐藤説明員 われわれといたしましては、一斉に値上げをして、その価格を維持しなければ、それは上げてもすぐ下げては何にもならぬ。(発言する者あり)いや、理屈を言っているのですから、ちょっと待って下さい。上げても、すぐ下げてしまうのでは何にもならない。しかも、下げないという拘束力がなければ、独禁法の問題にならない、こう思います。
○田中(武)委員 独禁法二条六項は、遂行ですよ。しかも、あなたがあげられた昭和二十八年の東京高裁の判例は、その事件においてあれば足るとなっておる。その後に起きた事態については、これは問うべきでないと、はっきり、あなたがトラの子のように出してきた判決が、そのように書いておるのですよ。いかがですか。
○佐藤説明員 判決は、単純な遂行でなくして、拘束力ある遂行、こういうことになっております。
○田中(武)委員 遂行してあとで、今あなたが言ったように、値段を下げては何にもならないというが、あとで起った事案については、それを云々するものでない、そのときにおいてなされたことについてやるのだ、こういうように判決はいっておるのですよ。そして、しかもかつ遂行である、遂行に当って意思連絡があったということ、共同謀議があったということ、これは拘束性を持つのです。少くとも松川裁判よりも共同謀議ははっきりしておる。どうですか。
○佐藤説明員 意思連絡があったというか、共同認識があったということはいえると思いますが、しかしながら、私の考えているのは、刑法における共犯と違うのであって、共同認識じゃ足らないので、お互いにやっていこうという意思連絡、決意及びこれの拘束力がなければ、独禁法違反は成立しない、こう考えております。
○田中(武)委員 この点につきましては、いわゆるカルテルの要件についての解釈の違いだと思います。ここでいつまでやっておっても、第二条第六項の解釈の問題になる。そこで、これも理事会で相談いたしたいと思いますが、権威ある学者の見解を求めたい。あるいは手続をとって当委員会に証人――参考人程度でなしに、証人あるいは鑑定人として来てもらって、一つカルテルについての権威ある見解を求めていきたい、このように考えております。
○勝澤委員 今のキー・ポイントになった埼玉新聞というのを委員長の方で取り調べていないのですよ。ですから、それだけでも私は重大な問題だと思うのです。それでも証拠不充分だという形なんですが、まあその問題はまた次の機会に譲りまして、次に、一体新聞社から申出があったと言われているのですが、いつあったのか、そうしてその内容を一つ詳しく御説明を賜わりたいと思います。
○佐藤説明員 新聞社の申し出は各社別々でありますが、大体において八月の上旬であります。申し出の内容につきましては委員長談話に述べた通りであります。
○勝澤委員 私は大体の話は談話に出ているから何も聞かない。わざわざ聞いているのは、何月の何日にどこの新聞からどういう申し出があったかということをお聞きしているのです。
○佐藤説明員 ただいま申します通り、八月上旬に数日にわたって各社から申し出がありました。その申し出の内容を、ある社を読んでみますと、「去る四月当社が新聞購読料を改訂いたしました際、私的独占禁止法の違反の疑いを受け、貴委員会の審査をわずらわしましたことは、まことに遺憾に存じます。 このような疑いを払拭するため、当社は今回改訂した購読料の維持について、何ら他から拘束されているものでもなく、将来においても、購読料は常に当社が自主的に定める立場にあることを明らかにいたします。 なお、今後このような疑いを受けることのないよう、細心の注意を払うことを、念のため申し添えます。」こういう書面であります。
○勝澤委員 それは何新聞ですか。
○佐藤説明員 これは全部同じであります。
○勝澤委員 各新聞社全部同じで、八月の上旬と、こう言われましたが、幾日にどの新聞と私は聞いているのですから、お答え願いたい。
○坂根説明員 今ちょっと手元に持ってきておりませんが、八月二日から八月十日までにわたって三十数社から出た、こうお答えいたしたいと思います。
○勝澤委員 八月の二日から八月の十日までの間に、三十数社から全部今お読みになった同文が出た、そうするとそれで明確になりました。七月の三十一日に公取委員会が態度を決定されて、そして新聞協会とその申し出の内容について協議をして、そしてその内容を二日から持ってきた、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○坂根説明員 七月三十一日に委員会が決定したという事実は私はないと思います。ただ七月三十一日は、私の記憶では、大体今の相互拘束性は証拠が薄いのではないかという議論があったように思います。それから新聞の申し出の案は、何も私どもが協会と折衝するというようなことはございません。
○勝澤委員 まことに事務局長、日刊東洋経済がこの前指摘されたと同じようにやったのですよ。まことに偶然の一致というか、機密を漏洩した事実というのは一番はっきりしている。委員か事務局長か、その四人か五人のうちがやっていると思うのですよ。どうなんですか。
○坂根説明員 機密漏洩と申されますけれども、ああいう事実を私ども委員及び私は一切どこにも漏らしたことがないし、事務局の幹部だけが知っておるわけでございます。
○勝澤委員 そうすると私は大へんどうもこの辺がおもしろいと思うのですよ。それで申し出があった、文章はみな同じだということと、それから日がばらばらに二日から十日まで出た。しかしこの前の八月十日の委員会にはまだ態度が出ていませんと言っている。どうもわれわれ商工委員会は、皆さん方の茶番を演じているように思うのです。踊らされているように思うのです。どうも態度の決定というものは八月十日以前に行われて、ちゃんと芝居が仕組まれた、こういうふうにどうしても常識的に理解される。国民が皆そう思っている。ここにも一つ公正取引委員会としての私は大きな今度の役割といいますか、ごまかしがあると思う。そこで一体申し出について十分検討を加えたと言っておりますが、具体的にどういうように検討されたのですか。
○佐藤説明員 申し出及びその前のいろいろの証拠を合せて、十分検討したという意味であります。
○勝澤委員 具体的にどうもはっきりしないのですが、それではもう少し私の方から具体的に聞きますが、「現在各社は相互になんら拘束を受けておらず、したがって独占禁止法違反の疑いはないものと認め」こう書いてある。それで独禁法違反であるかどうかという問題は、客観的な事実証拠というものが大事だ、こういうことが言われておるわけでありまして、今日の裁判の上からいって当然のことだと思うのです。それで新聞社が価格の改訂をしたという事実もないし、また一斉に引き上げたというこの料金の価格維持についての拘束が消滅したかどうかということも確認をされていないように思うのです。それを被疑者が一方的に表示をし、それを証拠として採用したということは、一体どういうことなんでしょうか。先ほども田中委員からこの点、ちょっと問題になっておりましたが、ここで十分な検討をされたということがよくわからないのですが、具体的に一つ証拠をお示し題いたいと思います。
○佐藤説明員 これは委員長談話にも書いてありますが、「よって当委員会はこの申出についても」――この「も」が非常に大事なんで、も十分検討した。ほかのことももちろんやったのです。これもあわせてやった、こういうことなんです。その結果証拠が十分でない、何というか、積極証拠が十分でない、消極証拠は新聞社の申し出がある、それらを合せて結論を出した、こういう意味であります。
○勝澤委員 「現在各社は相互になんら拘束を受けておらず」という具体的な証拠を一つお示し願いたい。
○佐藤説明員 ないという証拠を示せと言われても非常にむずかしいので、あるという証拠を示せと言われるならわかる。ところがあるという証拠が不十分だから、結局あるといえない。従ってないということなんです。
○勝澤委員 あるということが明確でないからない、こう言っているのですか。拘束を受けていないという、そんな証拠はないんですよ。あなたはあろと言われておるが、証拠はないんです、現実に値が下っていないというのは、これは拘束をされていることなんです。そこをごまかさないで、もう少しはっきり一つお示し願いたい。
○佐藤説明員 値が上るか上らぬかということは、われわれ物価庁でもないので、御承知の通りこれに対してとやかく言えないので、その値が上ったということが独禁法違反であるかどうかということを審査するのがわれわれの職権なんです。そこで値が下らぬからどうこうと言われても、これは私ちょっと答えにくいのです。要するに価格を維持するという証拠があるかないかの問題なんで、その点において拘束力があるという証拠が出ない、こういうわけなのです。
○勝澤委員 新聞社各社が申し出た内容というのは「購読料の維持についてなんら他から拘束されているものでなく」こう言われておる。これを受けて「相互になんら拘束を受けておらず」とあなたは解釈されておる。ですからこの証拠によって解釈されておると思う。証拠がなくて解釈されているということになるならば、これはさっきとまた同じ蒸し返しになる。「なんら拘束を受けておらず」という証拠を一つ示してもらたい。
○佐藤説明員 たびたび申し上げます通り、委員会は、この新聞社の申し出についても十分検討した、そのほかのことも考えている、それらをあわせて各社は相互に拘束を受けておらぬという結論を出しておるわけであります。
○勝澤委員 そうしますと、委員会は、値段を上げる際には相互拘束があっても審判を開始決定当時において、その維持について拘束性がなければ、たとい将来において同じような違反行為が反復される危険性があっても、これを違法として措置しないという立場をとられたのですか。
○佐藤説明員 審判を開始するということは、要するに違法状態を排除するのが目的でありますから、違法状態が現在なく、また将来に向っても反復される心配がなければ、これは審判を開始するということにはならぬ、こう思っております。
○田中(武)委員 ちょっと議事進行について……。そこのうしろにおってごちゃごちゃ言われておる石井さんにちょっとお伺いしますが、あなたは独禁法三十五条第四項による職員じゃないですか。検事さんでしょう。それなら五項によって「この法律の規定に違反する事件に関するものに限る。」あなたの仕事はそれだけだということを申し入れておきます。
○石井説明員 私は身分は検事でございますけれども、総理府事務官を兼任して公取委の参事官という資格を持っておりますので、その参事官の方の資格で普通の公取の職員と同じだという考えを持っております。
○田中(武)委員 参事官か何か知らぬが、第四項には「第一項の職員中には、検察官、任命の際現に弁護士たる者又は弁護士の資格を有する者を加えなければならない。」第五項は「前項の検察官たる職員の掌る職務は、この法律の規定に違反する事件に関するものに限る。」そういうことです。
○勝澤委員 委員長の今の回答はよくわからなかったのですけれども、そうすると、相互に価格料金を値上げするときには拘束性があっても審判を開始する、審判開始の決定のときにおいて、その維持について拘束性がなければ、これは違法じゃない、こういう立場なんですか。
○佐藤説明員 審判の目的は、いわゆる違法状態の排除であります。従って審判をするときにおいて違法状態が存在しない、また将来もそれを繰り返すことがないということであれば審判を開始しない、こういうふうに解釈します。
○田中(武)委員 ちょっとそれはおかしいと思うのですよ。第二条六項は、何回も言うように、かつ遂行し、遂行をやっておる、しかしあなたが先ほどから言っているように、東京高裁のなにはその自後においていかなる問題が起っても、それを論ずべきでないと言っているのですよ。遂行したことをもって足たるのだ、その審決の際の云々じゃない、遂行したときに限る。その時限におけるそれがどういうことであったかということなんです。法律の解釈が違う、公正取引委員長は独禁法をもっと勉強しなければいかぬ。どうですか。
○佐藤説明員 僕の勉強が足りないと言われるけれども、審判というのは先ほど申します通り、違法状態を排除するのが目的なんであって、排除すべき違法状態がないのに審判することはあり得ない、こう考えております。
○田中(武)委員 詭弁を弄しては困るね、あなたは大体独禁法の番をする公取委の委員長じゃあないか、第二条六項からそんなことが出てきますか。かつ遂行しということで、遂行だけで足りるのではないでしょうか。しかもあなたの言っておる二十八年の東京高裁の判決で、審決の当時はそういうことになっておりますが、その法意はその時限において足りる、自後にどんなことがあってもそれは問うべきでない、そういう解釈ですよ。
○佐藤説明員 刑事事件ならばお話のことはよくわかるのです。犯罪が既遂になっておれば――物を盗んだならば返したって犯罪は成立する。しかしながら公正取引委員会関係の公取法というのは、先ほどたびたび申します通り、違法状態の排除を目的とするのであって、排除すべき実体がないのに審判を開始することはあり得ない、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 意思の連絡をして申し合せをして、上げて、それが現に遂行せられておるのですよ。もちろん刑事事件と違う。私は刑事事件の既遂や未遂の問題を言っておるのじゃない。しかし値上げをしたという事実、これが二条六項に違反するかどうかについては、あなたも前に言ったように、本法は刑事訴訟法を準用しておるところから見て、当事者主義じゃなく真実発見主義であるということなら、その時限におけるその行為が独禁法第二条六項に違反しておったかどうか、これを見ればいいんですよ。その時限においてその行為がこの法律に違反したかどうか、これを見ればいいんですよ。
○佐藤説明員 たびたび申します通り、審判というのは違法状態の排除でありまして、排除すべき、違法状態がないのにやるということはできない。なおかつ遂行があると言われるけれども、これはまたさっきの問題を蒸し返すわけでありますが、独禁法にいうところの遂行は拘束力がなければならぬということを私は申し上げたのでありまして、これは拘束力のある遂行とは私は考えておりません。
○田中(武)委員 そう詭弁を弄しては困るんだ。とにかく拘束力については道義的拘束力をもって足る。これは解釈上の違いとしましょう。しかし第二条六項に「又は」ということが書いてある。「拘束し、及び」としないで「又は」という意味はどういう意味ですか。
○佐藤説明員 これは文字的に見るといろいろ疑問がある。そこで「又は」というのは「遂行」だけで足るんじゃないかという議論もあったのであります。私独禁法は初めてなものでありますから、むしろそういう疑問を非常に強く持ったのであります。ところが先ほど申します通り、高等裁判所の判決等におきまして、単純なる遂行でなしに、拘束力があってそれに基いて遂行するという法意だというふうになっておりますので、そういう趣旨からいうと、単に遂行されたというだけでは独禁法違反は成立しない、こう考えるわけであります。
○田中(武)委員 これもやはりもっと権威ある見解を聞かないと、どうも納得いきません。 それからさっき勝澤委員が問題にしておりました新聞社が提出した書面ですが、これによると四月一日当時は何にも書いてない。これは過去のことばかりですよ。各社とも今回開始せられた購読料の維持については何らの拘束をせられていない。遂行については、拘束せられていないということはうたってないのですよ。維持については拘束せられていないというあなたの見解をもってすれば、積極的証拠が出たかしれぬが、これも疑問はあるとしても、それは認めるとしても、維持について拘束をせられていないということだけで、遂行について拘束がなかったとはうたってない。そうすると、四月一日時限における購読料の値上げの労行については、拘束をせられていないという証拠がどこに出ておりますか。
○佐藤説明員 購読料の維持ということは、その上った購読料を下げないでそのままいくということであって、これはすなわち拘束力があるならばこの法にいう遂行、こういうふうに思います。
○田中(武)委員 値上げを遂行するということと、それを維持することとは行為は別ですよ。違いますか。遂行と維持は別個の行為です。だから極端に言うなら四月一日に一斉に行う。それに違約金があったとしましょう。それを行なって十日後に、そんなことはかまわないんだということになれば、違約金というのは、あなたのいう積極的な拘束力があったとしても、これは違反にならないのですか。
○佐藤説明員 先ほどからたびたび繰り返しました通り、違法状態がなければ審判の対象はないのであります。
○田中(武)委員 その遂行した時限において独禁法違反であったかどうかを見るのじゃないですか。もちろん排除することも一つの務めです。勧告なんかによって今後やるなということです。しかしそれはあなた方の方で独禁法によって処罰するとかしないとか、そういうこととは別に、違反であった、しかし現在拘束していないからということで、違反であったが、しかし状況はこうであるというなら別ですよ。違反であるかどうかということは、そのときの時限において遂行ということについて拘束があったかどうか。しかもこれは拘束がなかったとは言ってないのです。
○佐藤説明員 過去において違反事実があったということを、あなたはそういうふうにきめておっしゃるけれども、われわれの方としては、審査部の証拠収集におきましては、過去においても違反事実があったということまでは達しておらぬ。いわんや、将来に向ってはますますその点は明らかである、こういう意味です。
○田中(武)委員 規則十九条による審査官の意見は、違反の行為が濃厚であると言っております。だからこれは法律の見解の問題で、幾らやっても平行線です。あなたがそういうふうに詭弁を弄するならば、これは明快な法律の解釈を求めなければならないということと、先ほども申しましたように記録提出の要求、これは今言いました委員会手続等も必要とするが、それによってやるということにいたしたいと思います。
○勝澤委員 次に談話の三項を少し教えていただきたいのですが、現在行なわれておる値上げの差額不払い運動の結果として、新聞販売店による旧価格の新聞供給を特定しているのは、三項違反として取り締るつもりでこれを入れたのですか。
○佐藤説明員 ちょっと今の御質問を聞きそこなったのですが……。 〔田中(武)委員「再販売価格の維持 契約の問題だよ」と呼ぶ〕
○勝澤委員 三項を入れた理由を説明していただきたい。
○佐藤説明員 これはとにかく新聞に自由競争をしてもらいたい。そうすると従来とかく問題のあった自由競争の行き過ぎからしでいろいろ問題が起る。そこでいわゆる特殊指定で、こういうことをしてはいかぬということをきめたのでありますから、自由競争が依然として強い、あるいはもっと強くなるかもしれぬから、こういう点は忘れないようにしてくれ、こういう注意をしたわけであります。
○勝澤委員 この事件というものをあなたは不問に付しながら、どういう必要があってどういうわけでこれを入れたのですか。
○佐藤説明員 これはやはり新聞の競争が非常にひどくなるだろうということを考えて、もちろんこういうことを言わなくても当然のことなんですけれども、不当競争をしないように、各社は価格をきめて、これを上げようが下げようが自由だということなんでありますからして、それと関連して競争がますますいわゆる不当競争になっていく、不当競争になっていわゆる特殊指定に違反してはいかぬということを念のため言ったわけであります。
○勝澤委員 消団連が提訴した問題というのは、新聞の値上げ問題が独占禁止法違反だということを申し上げているわけです。別にことさらにこういう時期にあなたが入れたというのは実によくわからない。これは新聞協会の方から頼まれて入れたのですか、どうなんでしょうか。
○佐藤説明員 これは今申します通り、新聞の競争がますますひどくなればいろいろな事態が起るから、そういうことがあっては困るということで入れたのであります。
○勝澤委員 そうすると現在、委員長が御存じのように、この新聞値上げをめぐりまして、各所にこの値上げの差額不払い運動というのが起きているのです。その結果新聞販売店によっては旧価格の新聞の供給をやっておるところもあるし、いろいろなんです。これを特殊指定の第三項の違反として取締るつもりでこれを入れたのですか。
○佐藤説明員 特殊指定は、これは一般的問題として入れたので、今のお話があるから入れたということではありません。
○勝澤委員 そうすると、これは別に今やっている値上げの差額不払い運動というものを取り締るつもりで、この三項をわざわざ入れたのじゃない、こういうのですね。
○佐藤説明員 そのために特に入れたというものではありません。
○田中(武)委員 とおっしゃるが、結果はそういうことになるのです。御承知のように、新聞値上げに対しての反対と、同時に販売店において旧価格三百三十円でやるのだ、こういう二つの運動があるわけです。それに対して、この第三項を入れたということは、これは再販売価格維持契約を維持するということ、それを取り締る、こういうことだと思うのです。たとえば独禁法二十四条の二の四項、これは新聞とはいってない、「著作物」となっておるのですが、大体二十四条の二で考えて新聞はこの四項に当ると思うのです。それからその一般指定の第八項、特殊指定の第三項、こう考えてみました場合には、あなたの談話の三項は、一そういうことでともかくそれを販売店が三百三十円にしか売らない、そこでかりに大衆の力といいますか何かによって販売店が、それじゃ当分三百三十円でというようなことを言うことを取り締るということなら、その運動を取り締るということなんです。どうですか。
○佐藤説明員 今のお話なかなか複雑でよくわかりかねたのだが、私としては何も今のお話のようなことを目当てとしてこの注意的な表現をしたというわけじゃないのです。
○田中(武)委員 それは、おっしゃったあなたが、そういうつもりでなかった、こうおっしゃるのだから、あなたの腹の中まで私は何ともできません。しかしながら、それを結果的に見ればそうなる。先ほどあげました関連条文を読み合せて見ると、そういうことになるのです。だから、そのことについては、そういう運動を取り締るということを言った結果になるのです。それはどうですか。
○佐藤説明員 今のお話、ちょっと僕はわかりかねている点もあるのですが、先ほど申します通り新聞社は価格の維持遂行について拘束がないのだから、下げて売ることは一向差しつかえないので、もしそういうことをするなら正々堂々と下げて売ったらいいと思います。
○田中(武)委員 下げて売ったらいい。それをやらない。新聞社の方は三百九十円にきめておる。一般消費者というか、購読者と接触するのは販売主なんです。それに対してあなた方も調べておる。消団連の運動として、三百三十円しか払わない、そしてそのあとは供託するとかなんとかという運動をやっておるわけです。ところが第二十四条の二の四項と、これに基くいわゆる一般指定の八項と、新聞特殊指定の三項、これをにらみ合してあなたの談話を見ると、三百九十円のものを三百三十円、いわゆる三百九十円以下で売ることはいかぬのだといって、それを取り締るということなんです。
○坂根説明員 ただいまの問題は非常にむずかしい問題でございまして、その念のための規定を入れたのは、委員長が先ほど御答弁申し上げましたように、新聞社が値段については拘束しないのだ。そこで私どもの期待するところは、新聞社は価格及び質において非常な競争をやるべき筋のものです。そういたしますと価格競争の面から、なべかまの競争が非常に強くなるということを予想して、念のために特にそれを入れた。それから事務的に申しますと、販売店の方から相当特殊指定のなべかまがくずれておるということを聞いておりましたから、あわせて念のために入れたのでありまして、その点は一つ御了承願いたいと思います。同時に今田中先生の御指摘の問題は、あるいは特殊指定の差別対価の問題としてこれを利用し得る向きがあるかもしれませんが、それはたとえばある販売店がどっかの一人をつかまえて三百三十円で売ったとか、いろいろなケースがあろうと思いますから、もしこれを利用していろいろやっておるようであれば、一応私どももちろん調べてみたい、こう考えております。
○田中(武)委員 時間もだいぶたちましたし、あとに私は独禁法の関係で他の問題で若干質問したい点がありますので、この八月十三日の公取委員長の談話をめぐるいろんな問題につきましては、なお多くの疑問を持っておりますから、きょうのこの委員会でこのことが終ったのではないということをまず確認いたしたいと思います。 ただいまから私は資料を要求いたします。従って、この資料が出せないというときには、出せない法律的根拠を示してもらいたい。資料といたしましてまず審査報告書。次に日本新聞協会の速記録、すなわち三月十八日、三月二十三日、三月二十六日、四月十四日の分。それから三月十六日付朝日、毎日、産経、日経及び東京各販売部長連名の上申書、その写し。これは新聞協「会業務部員会あてに出したものです。それから日本新聞協会の三月二十四日付及び二十八日付の文書。これも新聞協会業務部員会あてのものです。それから値上げ社告の参考案。これは新聞の切り抜きを見ればわかると思いますが、各新聞社がどういう社告をしたか。こういうことをやれという協会のひな形。それから各新聞社からの申入書、その写し。公正取引委員会の決定書――不問処分の決定だとおっしゃっているのだから、それを出してもらいたい。 それから委員長に要求いたしたいのは、先ほど質疑の中に出てきましたように、この公正取引委員会の記録、これにつきましては憲法及び先ほど申しましたような国会法、衆議院規則で、要求するには委員会となっておりますから、委員会の決議が必要かと思いますので、それは次会において一つ論議をいたしたい、このように考えております。 なお拘束性の問題につきましては、読売のチラシについて三月十六日の各社、すなわち先ほど言ったやつですが、その上申書が出ておる。そのこともあわせて証拠となると思うので、先ほどの資料の要求の中に入れておきましたから、これはぜひ出してもらいたい。 もう一つは、独禁法二条第六項の解釈において大いな見解の相違がある。しかも法制局で尋ねたところ、ここで申し上げるのはどうかと思うというので答弁を差し控えられた。従ってそれに対する権威ある学者の、参考人というよりか、むしろ私は鑑定という意味を持つ意見を聞きたい。そのことを申し上げまして、一応この新聞の問題についての八月十三日の公正取引委員長の談話についての質問は、次後は保留いたします。決してやめたのじゃない。続けて今後何回か行うことをはっきりと申し上げて、次に入りたいと思います。
○中村委員長 一応理事会に諮ります。 続けて次の問題に移って下さい。
○田中(武)委員 それでは公正取引委員会の方が見えておりますので、ちょっと映画の問題、ことにニュース映画の問題につきまして若干お伺いいたしたいと思うわけです。従来ニュース映画は五社によって作られている。すなわち朝日ニュース、これは日映新社というところで作って、東宝系に流れておる。それから毎日ニュース、これは新理研で作って、大映系に流れておる。読売ニュースは読売映画社で作りまして、松竹系へ出しておる。それから日活ニュース、これは毎日映画社で作りまして、日活系に出しております。それから中日ニュース、これは中部日本ニュース社が作りまして、これは自主配給と聞いております。ところが東映だけがこれを持っていない。そこで近く、実は九月一日からですが、東映が独得のニュースを作る。これはいいのです。そうして白系に流すということはいいのですが、そのときにコマーシャル映画、すなわち広告映画とこれを抱き合すことによって流そうというのです。このことは不当廉売、すなわちニュースのフィルム代は別に取るが、コマーシャルの方の金とこれを同じにして、たとえば封切館について八千円ということにして相殺する。すなわち映画館側から言うならば、これは無料ということになる。こういうことによってやるという、すなわち不当廉売の問題、それからそういうことによって、今申しましたように、各五社はそれぞれ一つの配給の線を持っている、いわゆる顧客を持っている。ところが、そういう不当廉売、すなわち無料で配給するということならば、これは不公正な取引方法として考えられる。同時に不当な顧客を誘引することになる。あるいはこれはひいてはニュース映画界といいますか、この市場の独占をねらう、こういうことになろうと思うのであります。そこでそれらの五社から公正取引委員会あてに、本年七月二十七日に申告書が出ております。これの経過並びに見通し等についてお伺いいたしたいと思います。
○坂根説明員 ただいま田中先生のお話の件は、確かに七月二十七日に私どもの審査部の方に、そういう案件について提訴がございました。そこで審査部といたしましては、その提訴をした側とそれから東映の側を呼びまして、自来両者の言い分を聞いておったのでございますが、両者の言い分がかなりかけ隔たっておりますし、しかも実施が九月一日であるということで、まず実施を見なければということで事件にすることを差し接えておりましたが、九月四日に立件をいたしまして、現在審査部当局において、今、先生のおっしゃいましたような事実関係と法律論について審査中である、こう申し上げておきたいと思います。
○田中(武)委員 九月四日からそういうことに入った、こういうことなんです。察するところ、八月三十一日の理事会において、映画と独禁法の関係を私がやる、こういうことを申しまして、そうして公正取引委員会の国会連絡員が見えまして、具体的なことは言わなかったが、映画の問題だ、そこであなた方は、現に申告があってそのままになっておる、そこであわてて九月四日になって、そういう手続をとられたのではなかろうか、こういうふうに私は思うのですが、少くとも九月一日から上映するということで、現にもうやっておるわけです。しかも私はこういうことについて、すでに実施の前に、できるならば、公正取引委員会の態度を明らかにすべきだ。また聞くところによると、この申告書を出すに当っては、九月一日になればそういう事実が発生するのだ、従ってそれまでに何とかというような申し出というか、希望条件を聞いていた、それは一職員であろうが、九月一日までには間に合います、こういうようなことであったのが、逆に手をつけたのが九月一日以降というのはどういうわけなんでしょう。
○坂根説明員 ただいま田中先生のおっしゃいましたような、先生が御質問されるからわれわれがあわてて立件したという筋ではなくして、七月にこれの提訴があって以来、両当事者の言い分を審査部が聞いておったと私は聞いております。 それから私も、九月一日から発生するから、なるべくその前に一つ早く委員会の方にかけてくれという陳情は受けました。審査部としては、両方の言い分を聞いております。それから今、田中先生のおっしゃいましたように、CM映画とテレビの抱き合せというような点で、なかなかデリケートな点があるようでございまして、その立件までに時間がかかる、こう御了承願いたいと思います。
○田中(武)委員 このニュース製作五社の申告は、四十五条による申告だ。そうしますと、公正取引委員会は、四十六条以下の手続によって直ちに調査しなければいけないと思う。これには直ちにとかいうことは書いてないが、少くともそうやる必要があると思う。少くとも調査がおくれた。二カ月近くですか、五十日ばかりほってあった。もちろん新聞の問題等もあったと思います。同時にこれに熱意を入れなくなった。こういうことは、先ほど来論議いたしました新聞問題で、ともかく審査官がどれだけ調査をしても、どうもぐっと逃げられてしまうというような気持が出ておるのではなかろうか。そういうように解釈せられる。従って、先ほど来言っておる新聞問題をはっきり明らかにさすということ、これは公正取引委員会に対する権威の問題だと私は思っておるわけです。少くともこの問題がおくれるということは、そういうことであって、審査官あるいは職員が、まあまあというような、どうでもいいだろうというような気持になっておるということを聞いておりますが、そういう点はありませんか。
○坂根説明員 ただいま仰せのようなことは、本件については、私が聞いている限り、テレビ、映画担当官は非常に一生懸命にやっているように聞いております。
○田中(武)委員 それはそういうことがあったとしても、ありましたとは言えないと思う。しかしそういう空気があるということは、はっきりしておる。私がここで申し上げたいことは、少くとも九月一日から実施するということ、上映することはわかっておる。それならば、九月一日までに、そういう問題について見解を明らかにすべきではなかったか、このように思いますが、すでに九月一日は済んでおるのですから、これは遺憾だと思います。この件につきましては、早く調査を進め結論を出すようにしてもらいたい、このように思いますが、大体いつごろになれば結論が出ますか。
○坂根説明員 私も九月の初めに、最近立件するということだけ聞いておりまして、それではいつという見通しは、まだはっきり聞いておりませんから、今何ともお答えできませんが、せっかく先生のお話のように、七月に提訴があったものですから、なるべく早く結論を委員会の方に持っていくように、私から審査部の方に申したいと思っております。
○田中(武)委員 委員長にちょっとお伺いいたしますが、お聞きのような経過でございますので、これについては、新聞で問題になったように、いつごろに委員会として――もちろん勧告とか、あるいは審判に付すとか、あるいは不問処分とかいうことになろうと思いますが、その審決の結果ではなく、その審決以前の態度決定、これがいつごろになるか、お伺いいたしたいと思います。
○佐藤説明員 なかなか答えがむずかしい問題で、まだわれわれ審査部の審査の結果も聞いておりませんので、いつということは、ちょっと申し上げかねます。
○田中(武)委員 いつとは言えない、しかしできるだけ、早くということは言えますか。どういうことですか。
○佐藤説明員 それはわれわれとしては、もう全力を尽して一日も早く結論つけたい、これははっきり申し上げます。
○田中(武)委員 調査段階は事務局の方だと思います。従って坂根事務局長が一番だと思いますが、いつごろまでには調査が終りますか。それをお伺いします。
○坂根説明員 いつごろまでと言われても、私も、審査部から、今先生のお話のように内容だけ聞いておりまして、この法律論が、拘き合せとボイコットの面もあるだろうし、ダンピングの問題もあるだろうし、いろいろありますから、いつごろまでということは、これも私からすぐお答えはできませんが、なるべく早く結論を出すようにします。
○田中(武)委員 私の、調査したところでは、先ほど申しましたように、一応建前は東映において作ったニュースを八千円で渡す。ところが、一方コマーシャル・フィルムと抱き合せで、それの広告料として八千円を与えようということです。それが、偶然にも、価格が同じであった、こういうことです。従ってこれは映画館側からいうならば無料になる。しかも東映の大川社長は、東映の本年度の前記の賞与を渡すときの社内の訓辞といいますか、話で、九月からはニュースを無料で渡すのだ、そういうことを話をし、それをテープでとったやつを、社内雑誌である「東映」という雑誌に載せておる。その他いろいろなところの座談会だとか、記者会見においても、無料で渡すのだ、こういうふうに言っておる。そうするならば抱き合せでない、こう言っても、やはり無料ということがねらいである、こういうことになる。そういたしますならば、独禁法の第二条七項第二号ですか、不当な対価をもって取り引きずる、こういうことになる。ただほど不当な対価はない。それから先ほど申しましたようにそのことが結局顧客を不当に誘引するという結果になる。そういうところから見まして、今申しましたような不当な価額でということが、独禁法第二条七項第二号に違反するとともに、二十八年九月一日の公正取引委員会告示十一号の公正取引の不公正な取引法の第五項、これに当る。それから不当な顧客の誘引の結果として、そういうことは独禁法の二条七項の三号と四号及び前に申しました告示の六、これに該当する、ひいてはこのニュース映画界の配給市場を独占するということにねらいがあるとするならば、これは当然独禁法として排除すべき行為ではなかろうか、このように思うのです。その見解はいかがですか。
○坂根説明員 その見解は審査の結果、委員会にかけまして御返事いたしたい、こう思っております。
○田中(武)委員 事務局長は委員会に渡ってから委員会が何日かかるかということは別として、少くとも事務局として委員会に持っていくまでの事務能力から考えて、一体何日くらいあればこれの調査を終り、委員会に報告する段階に至るか、これを明らかにしてもらいたい。
○坂根説明員 今の段階では、なるべく早くという以外には、ちょっと私も、お答えしようがございませんが、誠意を持って早く進めるようにいたしたい、こう考えております。
○田中(武)委員 抽象的なことでなく、事態はすでに発生しておる。九月一日から上映をやっておる。そういう問題でありますので、抽象的ななるべく早くでなく、具体的に過去の事例から見て――しかも新聞の問題のように広くない、五社と一社の問題です。関係者は六社です。こういう関係であるならば、そう手間は要らないのじゃないか。だから過去の事例から見て、大体何カ月とか何日くらいあれば、その調査は終るであろうという見通しはいかがでしょう。
○坂根説明員 これは審査部の審査部長と相談しないとわかりませんが、過去の取扱い方からの類推はどうであろうかということでありますから、新聞の事件その他から見ますと、一カ月ないし一カ月半くらいかかればいけるのじゃないか、こう考えております。
○田中(武)委員 事務局長のお話は一カ月ないし一カ月半で調査を終る。そうすると委員会として、委員会に持ち込まれてから委員会はどのくらい開けば結論が出ると思いますか。
○佐藤説明員 案も見ないで何日かといっても困るので、法律上むずかしい問題なら時間がかかるし、簡単な問題なら時間がかからない、こういうことになります。
○田中(武)委員 問題は抱き合せておるのか別個のものであるかということだけの事実の認定だと思う。しかもはっきりと、そのフイルム代が八千円、広告代が八千円、こうなる、はっきりしたものだ、こう思うのですが、これは公正委員会が何日中にやるとは言えないでしょうが、事態はすでに九月一日から発生しているんだということなので、できるだけ早く、こういうことを要望いたしておきます。 なお申し上げておきたいのでございますが、新聞問題等でも先ほど言っておるように、今日こういう態度を公正委員会がとるということは、これは公正委員会の自殺的行為なんだ。従ってこれは当然法に定められた独自の立場から大いにやってもらいたい。こんな怠慢なことではほんとうに信用できませんよ。 それからなお映画の問題につきましては、独禁法との関係で相当疑問にしたい点がたくさんある。たとえば十六ミリの劇映画、これを製作会社がブローカー、仲介業者といいますか、これに渡す、これが映画館八キロ以内で映してはいかぬ、こういうことです。ところがそれがいつも夏になると問題を起すのです。青年団だとか消防団とか、いなかの婦人会、こういうのがやるわけですね。そうすると、今日八キロ以内というと、いなかでもどこかに映画館があるわけです。しかもいなかの映画館になりますと東宝系、東映系とかなんとかいうのがないわけです。どの映画でもひっかかってくる。それがフィルムを切ってしまうとか、持って帰るとかいうことで、よくトラブルを起すわけです。たまたま私の方の兵庫県でそのことが警察問題になって、警察がフィルムを持って帰ったり切ったりすることは違反だ、行き過ぎだというような見解を出した、それを新聞に書いたことによって映画館が新聞社にどなり込んだというような、ちょうど私はそのとき新聞社におりましたが、そういうことからこれが独禁法と関係が出てくるんじゃないか、こういうようなことも考えられる。しかもこのことにつきましては先年文部省から何か公取に申し入れもあったというのですが、そういう問題。それから映画会社が協定をいたしまして、テレビ対策部というのがあるそうですが、テレビには映画のフィルムを渡さない、こういうような協定をしておる。これもどうも独禁法の関係が出てくるのじゃないか。それから昨年御承知のように「異母兄弟」事件として公正取引委員会にも問題になり、また裁判所においても問題になったように、いわゆる五社協定、それが後に六社協定になっておりますが、こういうような問題、映画の問題につきましては先ほど申しました東映ニュース、いわゆるニュース映画と関連して、独禁法との関係において明らかにしておきたい点も相当たくさんありますが、きょうはもう一時を回ったようですから、午前はあまり長くてもどうかと思いますので、この程度でおきたいと思いますが、あらためて一応公正取引委員会にそういう点についてなお詳細に聞きたい、このように思っております。 なお申し上げておきたいことは、先ほど私が申しました東映ニュースの問題につきましては、事態がすでに発生しておる問題でございますので、早くこれを処理するように私は申し入れまして終りたいと思います。
○中村委員長 それでは午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時五十九分休憩 ――――◇――――― 午後一時五十七分開議
○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありまするので、順次これを許可いたします。長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 私はセメント工業につきまして二、三御質問を申し上げたいと思うのでありますが、本日二、三承わっておいて、次の機会に、業界の方やら、またそれに対する大臣の所見をはっきりと承わりたい、こう考えておるのでございます。 最近の新聞で見ますると、セメントが予想外の売れ行きであって、それがために、大手の会社が、買いだめという意味でもないだろうが、その需要の緊迫を想像して手当をし、さらに会社とは契約をしておる、こういう関係で大口の需要者を優先にしているために、一般に供給力が少くなっていくことが予想されるというような記事が出ております。現在市況の状態を見ましても、先月の価格と今月に入った価格とでは、小売価格にも大きく相違を来たしております。従って今後の需要を考慮して、小売向けといおうか、小口向け、こういうような人たちの注文をとっておる。そういう面に対する手当についてどういうような考え方があるかということを聞いてみたいと思うのです。さらにまた九月八日の新聞には、セメントの販売高は、民需が好調のために、各地において非常に引っぱりだこの状態にある、こういうことが書いてある。前年同月に対して消費は二三%増というようにいわれておりますが、こういう点について、通産省として何か考え方を持っておられるかどうかということを、まず局長に伺ってみたいと思います。
○秋山説明員 お答えを申し上げます前に、ごあいさつを申し上げたいと思います。 八月の初めに軽工業局長になりました。まことにふなれでございますが、どうぞよろしく御鞭撻を願います。 ただいまの長谷川先生の御質問でございますが、セメントの需要は最近確かに相当活発なようでございます。昨年は御承知のような全体的な景況でございまして、ことに輸出があまり伸びなかったというようなことから、三十二年度は大体横ばい程度ということで、ほとんど伸びがございませんでした。本年度に入りましてから輸出にもやや好転のきざしが見えて参りました。内需関係も、道路の整備でありますとか、港湾の整備等の公共事業が積極的に行われるようになりました。あるいは一般に神武景気と申しますか、従いまして建築活動等もなかなか活発になって参ったのであります。そういうようなことで、昨年に比べますと相当需要が伸びるだろうという予想をいたしておりますし、実は本年初めの見込みでは千六百五十万トンという年間需要を見込んでありましたが、これは前年度に比較いたしますると約一五%ほどの増加になるのでございます。最近の伸び方から推定いたしますると、その程度ではきまりそうもないということで、まだ最終決定はいたしておりませんが、今日現在の見込みでは大体千七百二十万トン程度の年間需要ということに改訂をしようということを、目下検討をしておるところでございます。他方供給の面から申し上げますると、御承知のようにいろいろの設備の改良、あるいは増設ということが引き続いて行われております。従いまして年間の生産能力も相当急速にふえて参っております。昨年度は約二千百万トンの設備能力でございましたのが、本年度はそれよりも約一割あまりふえまして二千三百万トン程度にはなるという見込みでございます。ただこういうふうに、いわば設備増設あるいは改良によります能力増の方が、目下の状態では少し先に進んでおりまして、先刻申し上げましたような需要の増との比較から見ますると、三十三年度当時は七一%前後の操業率であったかと思いますが、本年度は七四%前後の操業になろうという予想をいたしております。従いまして一般の産業の操業度から見ますると、大よそちょうどいいところと申しますか、能力的に需給のバランスを見ましてほとんどいいところにくるんじゃないかというような見込みでございます。従ってただいま先生から御質問のございましたような供給が非常に逼迫しておるというような事情は、実は年度間として見ますると、目下まだそう差し迫ったものとは私ども考えていないのでございます。ただ先日、御承知のような台風等の影響で中間の輸送がやや不円滑でありましたために、一時的にまた地域によりまして供給がやや不足したという地域を生じたことは事実でありますが、しかしこれはほんの一時の、またある地域だけの問題でございましたので、輸送の回復とともにほとんど旧に復しておるように私どもは考えております。 それから小口についての御質問がちょっとございましたが、実はセメントの販売関係を簡単に申し上げますと、総生産量の六割前後というものが大口需要、ことにまたその中でも大口は官公需でございますが、これは大体メーカーから直接売られるというものが多いのでございます。その余の四〇%前後のところが地方の卸を通じて一般民需として流されているという形態になっております。もちろんこれは会社によりましてそれぞれ販売の組織に若干相違はございますけれども、全体的には大体そういうような形になろうかと思います。従いまして台風災害の復旧あるいはその他一時的に、また地域的に公共事業方面の需要が旺盛であったために、その地域で一時小口あるいは小売向けの数量が若干不足したということはあったかと思います。全国的に見ますると、現在のところそれほど需給のバランスは破れておるとは私ども考えておりません。
○長谷川(四)委員 七月のセメントの販売高が非常に好調になって、今日までこれだけの好調を示したことがない、従って前月の六月に比べて百二十三万五千トンから七万七千トンをプラスして、百三十一万二千トンというような数字が出ているようでございます。その後八月になってから災害がございまして、一時的の問題もあると思いますけれども、災害のなかった七月にこれだけの大きな数字のものが販売されておる。従って八月に入っての災害等を加えると、これより以上の数字が現われてくるのではないかと私は考えているのでございます。局長がおっしゃるように、一般の民需には大した影響度というものはないのだ、そうなればけっこうなことだと思うのですが、新聞等の報道を見ますると、なかなかそう簡単なわけにもいっておらないようでありますので、その需給のバランスがマッチしていないという点が現われてくるのではないかということを私は心配したから今申し上げたのでございます。 次に、需給計画を毎年策定しておるのでありましょうか、それとも需給の長期計画を作ってやっているのか、どちらの方式をとっておられるのか、その点を伺ってみたいと思うのでございます。なぜならば、昭和三十四年度を見ましても、たとえば企画庁なら企画庁で何年計画というようなものを出しております。そうなると三十四年から三十七年までの計画を見ますると、その計画と今日だいぶ相違を来たしておるように考えられるのでございますが、この点はいかがでしょうか。長期の計画を立ててやるのか、それとも年次計画によって生産と消費のバランスがとれるような計画を作っていくのか、どちらをとっておられますか。
○秋山説明員 七月が非常に伸びたので心配だという御質問でございまして、ただいまのお答えでも大体御了解願えたと思いますが、実は五、六、七月あたりが、御承知のように、鉱工業生産全体といたしましても非常に急速な伸びを示した月でございまして、もし年間この調子で日本の鉱工業生産がふえていくということになりますと、いわゆる過熱状態ということにもあるいはなりかねないかもしれません。ただ私ども、実は若干そこには異常と申しますか、月々で見た場合の変動がありそうな感じがいたしまして、七月の数字が必ずしも年間を通しての需要数字というほどに大きくは実は考えておりません。現に今月あたりからは鉱工業生産全体として少し落ちつきぎみという感じもいたします。大体先ほど申し上げましたような年度間の見通しで一年を通じてみれば、およそバランスし得るかと思います。ただ御承知のように、物が物でございまして、大体一カ月くらい、長く見ても四、五十日しか貯蔵にたえないような性質の商品でございますから、年間が合うからというだけで、実は需給がバランスしたというのは議論にならないと思います。そのときどきでできるだけ需要と供給が一致することが必要でございますので、私どももできるだけそういう方向に指導したいと考えております。 それでただいまの長期需給計画と当面の需給との関係についての御質問でございますが、御承知のように、経済企画庁は昨年新長期計画、五カ年計画を立てました。その際各業種別にも一応の三十七年度の生産目標というようなものを、必ずしもこれは公式のものでもないのでございますが、一応立ててございます。その場合の三十七年度における需要は総計二千百三十万トンということになっております。ただこの長期計画そのものが、実は現在のような、ことに昨年の秋ごろ以後の非常に急激な景気の回復あるいは鉱工業生産の伸びというものを比較いたしますと、いささか実際にそぐわないという感じは私どもも持っておるものでございます。ただこれは長期の一つの経済の目標的なものを掲げてあるという趣旨が主でございますから、中間の年次における計画というものは必ずしも正確なものとも申せませんし、いわば一つの趨勢を示すという程度に考えてよろしいと思うのでございまして、私どもの実際の仕事の上からは、これだけではとうてい満足し得ませんので、毎年と申しますよりは、必要のつど具体的な需給の検討をいたしまして、そのつど必要があれば目標を上げていく。先刻申し上げましたように、本年度の数字につきましても、あらためて千七百二十万トンというような需給を考え直すという考なやり方をいたしおります。はなはだ無計画なようでございますが、物の性質上、やはりこれはそのときどきでできるだけ長い間を見通すわけではございますが、現実の需給に合うように、各社の生産計画等を指導いたさなければ――あまりひんぱんではいかがかと思いますが、できるだけ実態に沿うように計画を修正いたしております。そういう意味では、先生のただいまの御質問の両方、すなわち長期の計画と年次計画、さらに実行的にはもう少し短かい期間の計画、いわば三段階くらいの需給を考えつつ進めていると申し上げてよろしいかと思います。
○長谷川(四)委員 特に一兆円を投じて道路の計画が行われるとか、あるいはオリンピック開催に当っての建設、こういうような要素が含まれておるわけでございますが、これらに対しましても別に計画的なものはなくて、そのときどきによってのバランスをとっていこう、こういうようなお考えでございますか。
○秋山説明員 先ほど申し上げましたように、経済企画庁の三十七年度を目標とする長期計画に対応いたしまして、私どもの方でも三十七年度までの長期の部門別の需給のバランスというものを、一応作ってございます。もちろんこれは非常に長い間のものでございますから、それをこまかく分ければ分けるほど正確度は薄れるということもあろうかと思いますが、一応おもな需要部門別に全体のバランスがとれるような計画を考えております。 一応御参考までにそれを申し上げますと、三十三年度から三十七年度までの五年間でございますが、たとえば港湾あたりは、三十三年度以後の対前年比でございますが、三十三年度の対三十二年度比が一二%増、三十四年度が一九%増、以後三十七年度までは大体年間二〇%増。道路あたりでは三十三年は前年に比較いたしまして三四%増でございます。これは若干異常な要素が入っておりますが、三十四年は一一%増、三十五年、六年、七年は大体一六%増という見込みでございます。またある部門におきましては、一〇〇を切るという部門も多少ございます。たとえば電力部門等はかなり正確に計画も立てられるわけでございますが、これあたりはむしろ三十四年度には前年度よりも八%ほど下るというような見込みでございます。 そういうことで、長期でございますから、毎々申し上げますように、正確とは申し上げかねるのでありまするが、この部門には非常に大きな計画があるという場合には、その部門についての需要を実際の想定においても部門別に積み上げていくというようなやり方をいたしまして、それが先刻申し上げましたような二千百三十万トン、具体的な積み上げ計算では、もう百万トンほど多い数字になりますが、二千二百万トンほどの計画になっております。従いましてたとえば一兆円道路とかあるいはオリンピックでありますとか――オリンピックはやや新しいのと、まだ具体的計画が立っていないということで、正確な見積りは困難でございますが、いずれにいたしましても道路部門あるいは公共事業の部門でございますので、現在の見通しでそう大きく狂うこともないかと思います。ただ先ほど申し上げましたように、非常に急激に予想以上の伸びを示すというような時期がございますので、そういう時期には確かに一時的に需給を乱す。これはできるだけ早くわれわれの方で、需要想定を立ててそれに調整していくというやり方が必要ではないかと思っております。
○長谷川(四)委員 セメント業というのはまことに便利な業界だと思う。生産と需要とのバランスというものが常にうまくとれている。幾らか足らないくらいにうまくとれている。こんなにうまく立っていくというのはおかしなもので、どうもここにわれわれは少し疑問を持っているのです。たとえば大手六社というものなら大手六社というものがちょっと寄って話し合うと、すぐ生産をどういうふうに持っていく、価格はどう持っていくという、要するに需給と供給のバランスというものが常にとられているという点、こういうようなことは、何かそこに価格を維持するために大手六社が相寄って、その価格協定というようなことをやっておらないともいえないんだが、何か六社を集めてこれだけの需要があるようだから、これだけの生産をしたまえというような、つまり行政庁としての指示をするのか、それとも自動的に六社が相寄って、私に言わせると独禁法に触れやしないかというようにも私には言えるのですが、そういうような点に心配はありませんか、この点はどうですか。
○秋山説明員 セメントの企業数が比較的少いということから、ただいまのような御疑念がお起こりになったかと存じますが、実は輸出につきましては、これは公式に輸出カルテルを結びまして、一種のプール計算を実行いたしております。ただ内需につきましては、おっしゃるような意味のカルテル的行為というものはないと私どもは考えております。と申しますのは、やはりときに需給のバランスが当然破れます。破れればそれだけ値が下るというようなことも過去にも何回かございましたし、現在でも国内価格はいずれかといえば、やや下向きという状況でございます。全体的にバランスしておるとはいうものの、需給逼迫とは私ども実は決して考えておりません。年々の平均価格で見ますと、ここ数年ずっと漸次下る傾向にございます。従って御疑問のような点はないと私どもは確信いたしております。
○長谷川(四)委員 セメント会社全体の月産百八十二万五千トンのうち、百三十万トン、七三%というものを大手六社が独占しているわけです。つまり常に需給の上に立って、少くなりそうならすぐ作れ、多過ぎるようだから少しやめておこうじゃないか、値が下ったら大へんだというような談合が行われておらないとは私は言い切れないと思う。この点についてはあとでまたゆっくり御質問をするし、またそういう事実があるかないかということになれば、私の方からありますということは申し上げてみますから、その点はあとでよろしゅうございますが、こういうことは別にして、どうしても地下カルテルというようなものが何か考えられているようにも私は思えるということだけは局長は一つ知っておいてもらいたい、こう思うのでございます。そのお話の中にある輸出の面は次に承わることにしますが、とにかくいずれにしても現在セメント会社は非常な成績をあげている。他の産業に比較して利益率はきわめて高いということだけは御承知だと思います。利益率が高いから内容が充実していくのであろう。そこで輸出はどうなっておるのか。輸出はわれわれが期待しているところを裏切って非常に低めになっている。三十年、三十一年から比較すると毎年輸出が減少していっている。これは実に不可思議なんです。日本の国内に無限にある資源をかかえて、輸出はいま二、三年たつと零になってしまうような状態なんです。日本の産業の全般を見ますと、原資材を外国から持ってくる生産団体はどんどん輸出は拡大していっている。無限にある国内資源を持っているセメント業界は逆に輸出が減少して、いま二、三年たつと零になってしまうというような数字が現われている。これはどこに原因があるか、この点が一点。 価格の面を聞いてみると、日本の市中価格が十八ドル三十セントですか、輸出価格が十六ドル五十セント、英国が十二ドル六十セントから十四ドル、西独あたりで市中価格が十六ドル八十セント、輸出価格が十二ドル五十セント、こういうふうな大きな差が出ている。たとえば日本と西独を比較してみただけでも四ドルの相違がある。英国と比較してみても大きな相違が出てきている。輸出は減少して、会社自体はますます内容が充実している。利潤はますます高まっていっている。こういうことでいいか悪いか。 操業率を見ていくと、操業率は大体七二、三%から五%である。こういうことが出てきているのだが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。 以上の三点を答弁願います。
○秋山説明員 最初の輸出に関しての御質問でございますが、確かにここ数年決してほかの物資ほど伸びがいいということは申し上げられない。まことに残念でございますが、これは実はコストが比較的下らない。その主原因はやはり燃料あるいは金利等にあるかと思いますが、諸外国はその点に恵まれて、一種のダンピング的な売り込みをやってくる。それに対抗いたしますにはいささか力が弱い。最近のところちょっと輸出が不振でございます。先ほど申し上げたプール計算のやり方が、輸出のいわば赤字と申しますか、出血分をカバーすることがなかなかむずかしいという事実もございますけれども、おっしゃるように各国とも内需価格と輸出価格とは常に二重価格をやっておりまして、相当大きな開きを持っております。日本の場合もそれはあるのでありますが、外国の場合に比較いたしまするとその幅が比較的狭い。そのことによって競争力があまりない、これは事実だと思うのでございます。私どももできるだけ老朽設備の入れかえによるコストの引き下げというような合理化を進めることによって、競争力を増す方向に持っていかなければならぬと考えております。 次に経営状態でございますが、セメントは確かにそう不況産業ではないということでございます。さればといって、非常に好況かと申しますと、必ずしもそうとも言えないようでございます。昨年度のセメントの専業十一社につきまして、経常内容を簡単に分析してみますと、売上高と収益は三十一年の上期がピークでございます。以後やや下を向いております。下降ぎみでございます。三十三年、昨年の上期がそのどん底でございます。これは不況の関係等もございます。下期に若干持ち直しておるのでございます。売上高そのものはむしろ三十三年度の下期でも、あまりふえてはいないのでございますが、主として合理化がある程度進行したことによるコストの引き下げというようなことによって、利益は多少上向いておるというのが実態でございます。一方、総資本利益率についても、ほぼ同様の傾向があるのでございます。先ほど申し上げましたように、売上高利益率は、価格はむしろ下っておるにかかわらず、原価の方が一そう下ったということによって、三十三年度の下期には若干増加しておる。他方、総資本は設備投資によって増加いたしました関係で、総資本の回転率を見ますると、最近もなお低下しておる。まだ当分合理化投資が一段落するまでこの傾向が続こうかと思うわけであります。ただいまの総資本に比較いたしました総資本利益率あるいは配当率というものはほとんど横ばい、少くともここ昨年の上期、下期あたりではほとんど変化がないのでございます。三十二年の上期あるいは下期というものとそれぞれ比較いたしますと、三十三年はむしろ収益は低下しておるというような状況でございます。
○長谷川(四)委員 輸出が三十一年を見ると、三十一年に二百三十四万九千トン輸出されておる。ところが、三十三年になると、百四十八万トン、半分になっている。この率でいくと三十四年度はどうなってくるか。五、六年たっと輸出は零になってしまう。工場の設備を見ると、設備は逆に非常に好転をしてきている。たとえば空気急冷機を買い入れて、二十九年三月にキルンが九十九基に対して十八基、一八%であったものが、現在ではキルンが百五十一基に対して百十基入っている、七三%完成している。こういうふうに現在最高の機械だと称するものが入れられて、そうして完成をしているのに、逆に輸出が低下していっている。こういうことが局長は別に不思議だとは考えておらないかどうかということなんです。私は、セメント会社そのものがただもうければいいんだ、株式会社とは何ぞや、それは利益を追求するものだ、こんなことはもう言わなくてもわかっておる。しかしわれわれの考え方というものは、少くとも日本国内の最大の資源であり、この資源を使って大きく輸出に伸びてもらいたいというのがわれわれの念願であり、今日これだけの機械を装備するにつきましても、外貨を使うのに対しましても、かかることが念願のゆえに、他国に劣らない装置をしてもらいたいために、われわれは御協力を申し上げたのであると思うのであります。従って、当局においてもしかりだと考えておる。それが設備が完了と同時に輸出量が減退していくということは、見のがすことができない一点だと私は考える。この点をもう少し御説明を承わりたい。
○秋山説明員 先ほど御説明が不十分であったかと思いますが、御承知のようにセメントのような重量物につきましては、運賃関係で非常に向け先が制約されるわけでございます。当然日本といたしましては東南アジアが主要市場でございますが、御承知のように東南アジア諸国は、ここ一、二年外貨の非常な不足に悩んでおりまして、日本の方は確かに御説のように生産能力としては相当急激にふえてきておるのでございますが、残念ながら相手方に外貨がないということによって、非常に輸出が困難になってきておるというのが、ただいま御指摘の数量の急減を来たした主要な原因でございます。幸い世界景気が好転して参りまして、東南アジア諸国、ことに原始生産品の輸出によって外貨を稼いでおるというような国も、徐々に景気が回復して参っておるようでございますので、今後はそういう面に対しての輸出も、昨年のような不振ではなくなるだろうという期待を持っておるわけでございます。戦後のセメントの各国別の輸出の比較というものをいたしてみましても、こまかい数字は省略いたしますが、日本は決して各国に負けておらないのでございます。むしろセメントを輸出し始めて以後非常に年数が浅い割には、日本のセメントの輸出の伸び方というものは非常に好調であったと申してよろしいかと思うのでございます。残念ながらここ一両年は、ただいま申し上げましたような理由で、むしろ相手側の買う力がないことによって輸出ができてないという状態でございます。
○長谷川(四)委員 それはだめだ。ここでは通らない。それは残念ながら御答弁として承わるわけには参りません。相手の国が金がなかったから取引をしないのだという。これだけのセメント工業を控えて、金がなければないような取引はなんぼでも今日行われております。特に申し上げたような、国において最も重要産業である、この一点にかけては、われわれは何事があろうがなかろうが輸出ということには努力を傾けなければならないし、またいかなる便宜もはからなければならない、こう考えております。セメントの内需六〇%が官公庁である、何も輸出努力をしなくても十分にもうかっているから、そんな無理をしようとしなくてもいいじゃないか、要するに株式会社はもうければいいのだ、こういう観念が一擲されておらない。国内資源を活用して、日本のセメントをさらに大きく拡大輸出しようという考え方が毛頭ないという現われがここに出ているといわなければならない。私はそう考える。従って、この問題については、あとでもよいけれども、もう一段と御検討願わなければならないと考えます。要は、会社は申し上げた通り輸出努力なんて、こんな大ごとの思いをしてやることはないのだ、官公需だけでも六〇%あるのだ、国を相手にしてセメントが六〇%売れるのだから、幾ら高くても国が買うのですから、そんなことはおかまいなし、よそのところはどうあろうと、おらがところはこれだけだ、そういうやり方を行政庁としてお許しになっておるということ、これは行政庁が許しても、政治の上において許すわけに参りません。いかに行政庁が許しても、われわれ政治を扱うものは、政治の上に立ってこれは許すわけに参らないと考えております。その相違はあるだろう。従って今申し上げたように、国内需上要の不安定が来たされてきておる。こういう点もともに考えなければならないし、輸出の増強ということもあわせて考えてもらいたいと思う。これがわれわれの念願であり、われわれも当然かくしなければならないところだと考えております。さらにまた、輸出入取引法によって作られている輸出協力会というものがあるが、協力会ができてから逆に輸出が減少しているというのは、どういうんですか。輸出協力会というものをわざわざ作ってやって、それができると、今度は極端に輸出が少くなってきたという、これはどうなんです。これは局長、あとでよく研究して下さい。あなたもこれでは困るでしょう。研究して下さい。輸出協力会を大ごとの思いで作ってやって、われわれも輸出入取引法を作った。作らせたら、今度は輸出が少くなっていってしまった。これは輸出をすれば百パーセント全部国へ入ってくる金です。原資材をセメントというのは買ってないのですから……。それもまた無限にある。ですから輸出した外貨というものは、百パーセントかせけるわけただ。それを、つまり輸出入取引法を作ってやる、そして輸出協力会を作らせる、作らせたら輸出が少くなっていって、この分でいったらどうなるか。三十一年度から見たら半分になっちゃった。来年度はまた半分、再来年度になったらゼロになって、なくなっちゃう。これは極端な例かもしれないけれども、この数字でいくとそういうことになります。ですからこういう点を一つ十分にお考え願いたいと思うのです。 こういう点について伺ってみたいのですが、現在のセメント業界というこの産業自体が、今申し上げた通り、官公需六〇%の上にあぐらをかいて、輸出努力も何もしない。こういうようなものを、このままほっておくわけにいかない。従って、今後ともセメントの需要というものは、ますます大きくなっていくのであるから、何かここで国としてもっと考えなければならないじゃないか。国内資源をもっと大きく生かし、そして外貨を働かせ、また国内の安定した供給をするために、国がセメント会社を作ったらどうか。国策会社をここに作るべきであるというのが、私の考え方にあるわけです。これは一つ政務次官、うちへ帰ったらば――きょう大臣が御出席にならないので、次会にはほかの方を呼んでいただいて御質問申し上げたいのですが、一つ役所で大臣と御相談をしてみて下さい。このままの姿で日本のセメント業界というものをわれわれは見ているわけにはいかない。どうしても国策的な会社をここに建てて、十分に国の資本をぶち込んで、並行して立っていくような方途をはかるべきじゃないか、こう私は考える。その点を一つ大臣と十分に考えてみて、次会にお返事をいただきたいと思います。局長さんにもいろいろお聞きしましたけれども、まだ結論的なものではないのであって、次会にいま一段と――参考人も呼んでみたい。セメント業界のあぐらをかいているだんな方も呼んでみて、十分に検討を加えてみたいと思いますから、お含みおき願いたいと思います。 本日は時間の都合もありますので、この程度にして次会にあらためて御質問申し上げます。 ―――――――――――――
○中村委員長 次は松平忠久君。
○松平委員 私は、去る七月三日に参議院で問題になりまして、わが党の藤田進議員から大臣に緊急質問をした例の火薬類取締法に関する問題について、その後通産省で、どういうふうな方向で法律の改正もしくは施行細則の改正というものを研究されておられるかということについて、質問をしたいと思うのでありますが、まずその前提といたしまして、最近ひんぴんと起っておるこれらの火薬もしくは花火工場の爆発事件、この爆発事件に対する当面の監督責任者は一体だれであるのか。火薬類取締法の規定を見ても、あるいは施行細則というものを見ても、明確なる責任官庁というものが筋が通っておらないように見えるわけであります。従って、今日の花火工場等の爆発事件に対する監督の責任は、一体都道府県知事にあるのか、あるいは通産省にあるのか、この点をまず明らかにしてもらいたい。
○秋山説明員 お答え申し上げます。火薬関係の権限関係でございますが、終局内には通産省が責任を負っております。その根拠法規は御承知のように火薬類取締法でございます。実際第一線で取締りをいたしますのは、大きい火薬工場については通産省が直接行なっております。それから販売業者の関係あるいは花火の関係、つまり工業川火薬等を除いた花火関係等は、府県知事に委任をして監督をさせておるという体制になっております。
○松平委員 製造過程については通産省の直接監督であり、販売並びに消費者に対する関係においては都道府県知事の監督になっておる、大まかに言って、法もそういうふうに規定してありますけれども、しかしながら、たとえば販売関係におきましても、許可権はなるほど都道府県知事に法によって規定されておるけれども、今度この許可を取り消す場合には、都道府県知事にはその権限がなくて、通産大臣がこれを握っておる。こういうところに法の盲点があるのではないか。販売関係において貯蔵をした場合に、花火が爆発する。そうしますと、その許可を取り消すというのは、都道府県知事にはできない。都道府県知事は許可を与える権限はあるけれども、取り消す権限はない。取り消す権限はあくまで通産大臣が握っておる。こういうのが今日の法の建前になっておるが、ここらは、現在の取締り当局としてどういうふうにお考えになっておるのか。許可をしたものが、それを日常監督をして、そうしてそれがだめならば許可を取り消すという権限を持たなければ、私は万全の監督はできないのではないかと思う。それが、許可権だけは与えてあるけれども、許可の取り消し権というのは法律によって通産大臣ということになっておるが、これらの点は今日通産省はどういうふうにお考えになっていますか。
○秋山説明員 ただいまの許可の権限は、一般的に許可を与える場合はお説のように知事がもっておりますが、取り消しにつきましては条文によって権限を分けてございます。許可を受けた者が一年以内に開業をしないというような場合の取り消しについては、都道府県知事も同時に取り消しの権限を持っております。ただ悪いことをしたといいますか、罰則に該当するような場合の許可の取り消しというものは通産大臣だけが持っております。この点は松平先生のお説の通りでございます。なぜそういうことにしてあるかと申しますと、罰則とは申しますが、いやしくも現に営業をしておるものを停止させる、あるいはやめさせるということは非常に慎重にやらなければならぬ、またこれは全国統一したやり方でやらなければならぬという、いわば一つの権利関係に重大な影響を及ぼすという意味において非常に慎重に扱うという考え方が、この罰則的取り消しが通産大臣にまとめられている理由でございます。
○松平委員 それは昭和二十五年に法律を作ったときに、今のような現行法規ができたわけでありまして、あとから考えてみるとおかしい点がそこにあるのではないかという反省をしないような今の答弁である。今あなたは、権利関係であるから慎重を期するために通産大臣に取消権というものを統一してしまったのだ、こういうふうに言っておられるけれども、許可の場合でも、一定の基準というものがあって許可するわけであって、ただでたらめに許可しているのではないと思います。同時にまた取り消す場合におきまして、この法律に基いていろいろな制限規定があるが、その制限規定に違反した場合においては、これを取り消すということになっておるわけであります。ところが直接の監督に当る者は都道府県知事であります。その都道府県知事が最も必要とするところの罰則というものは取消権である。そういう取消権が全然なくて、ただ一片の指導というようなことによって果してできるかどうか。私はそういうところに対してもっと慎重に考えなければならないと思う。製造業者に対してはなるほど許可権は通産省にある。従って許可しないという場合の権限、あるいは許可の取り消しも通産大臣が持つのは当然だけれども、販売業者に対しては、都道府県知事に権限を委譲しておりながら、これに罰則があって、どうも工合が悪い、やめさしていかなければならぬという場合には、通産大臣が権限を持っておるというようなことは、つじつまが合わないのじゃないか。こういうところから今日の火薬の取締法の体系というものが紛淆を来たしておる、そういうふうに考えられますが、これらの点は通産省は将来どういうふうに改正しようという腹案があるかどうか、それをお聞かせ願いたい。
○秋山説明員 許可権及びその取消権の与え方につきまして、実は私はまだ将来これを改めようというところまで考えを持っておりません。と申しますのは、先ほど申し上げましたように、一種の罰則的取り消しというものは、法におきましても、たとえ、聴聞の手続をとるとかいろいろ慎重な手続を規定いたしております。よしんば都道府県知事がその権限を直接持ちませんでも、非常に不都合なことだという場合には、当然通産大臣にそれを申し出て、通産大臣が都道府県知事の申し立てを基礎に調査することによって許可を取り消すべきかいなかを決定する。都道府県知事が許可の取消権を持つことによって直ちに監督が十分に行われる、あるいはそれがないから監督が非常に行き届かないということには、どうも現在では、なっていないと考えております。
○松平委員 ただいまの答弁によると、許可権をいじるということは今考えていないということを言われておったが、おいおいそのほかの問題からその点に触れていきたいと思いますが、保安関係について現在の法律は、第二十八条によって危害予防規程というものを製造業者に出させて、そうしてこれを許可するということになっておるわけである。従ってこの危害予防規程というものを業者が自発的に作成して認可を受けなければならないが、不認可になった場合にはどういうことになりますか。不認可になった場合は営業をやめるのであるか。あるいは罰則はないようでありますが、不認可になった場合にも営業を続けておって、そうしてそれが爆発事故を起したという場合にはどこに責任があるのですか、どうなっておりますか。
○秋山説明員 申請がございましたら、当然すみやかに審査をして認可をすべきであると思います。もしそれに不十分な点があるというときには、それの修正を命ずる、再手続きをさせるという方法をとりまして、できるだけすみやかに認可を与えるという方向に業者を指導すべきものだと思っております。
○松平委員 そのときに変更に応じなかったもしくは認可の申請があった場合に、どうしてもこれは認可できないというふうに決定をしてしまったという場合には、業者はどういうことになりますか。営業を停止するわけですか。
○秋山説明員 保安規程につきましては、通産省の方で一つの規範というか、標準的なものを作りまして、できるだけそれによらせる。もちろん企業ごとあるいは工場ごとに若干の相違、点は当然やむを得ないわけでございますが、その点は実情を調査して、規範によりがたきものは、その事情に応じて若干の融通を認めるというようなやり方で保安規程を作らせるというやり方をいたしております。従って形式上かりに意見が一致しないと申しますか、修正を命じたがなかなかその通りにはできない――これは資金の関係その他場合によってはなかなか困難な場合もあろうかと存じますが、そういう場合にもできるだけ早くその話し合いをつけるということが根本でございますと同時に、業者側としては、認可があるなしにかかわらず、いやしくも操業をいたしますならば、規範がすでに出ておるわけでございますから、自分のところの保安規程そのものが間に合わないとしても、規範によって作業をする。要は危険を起させない。安全を保つ、保安を維持するということにあろうかと思います。
○松平委員 五月に起った長野県の飯田市の花火工場の爆発事件に関して調べたところによると、これは危害予防規程を作ったけれども不認可になって、ずっと今日まで営業を続けておって爆発した、こういうことになっておるわけであります。だから私が聞きたいのは、そういう不認可になった場合でもやはり営業をやっているのか。通産省が出した危害防止規範というものに基いて規程を作って、その認可を求めてくるわけでありますが、その認可を求めてきたときにあなた方の方で認可しなかったという場合に、今日の法規ければ、あるいは罰則の規定も何もない。だからそんなものがあってもなくても平ちゃらで、危害予防規程なんてものは、認可になろうとなるまいと勝手にやっておるというのが現状ではなかろうか、これでは何のための取締り法規だかわからぬと思うのです。一体現在不認可になったという場合の取扱いは、どうしているのですか。これはこのまま営業をやらしているのですか。
○秋山説明員 危害予防規程を申請したにかかわらず認可がなかった。その間相変らず作業を続けたために爆発事故を起した、これは御指摘の通りの事実でございます。ただ不認可になったというのではなくて、先ほど私が申し上げましたように、この点はこう修正しなさいという指導をし、話し合いを続けておる最中に事故が起きたというのが実情でございます。確かに時間が延びておったという点は遺憾でございますが、不認可という事実はまだございません。
○松平委員 それではちょっと聞きますが、飯田の爆発事件の内山煙火店というのは、一体いつ危害予防規程の認可の申請をしたのですか。そしてその間どこがどういうふうに悪いのだと言って、これをあなた方の方で話し合いをして今日まできたのか。どのくらい時間がかかっておるのですか。
○秋山説明員 御指摘のように約二年近くかかっておったようでございます。
○松平委員 私の調査したところによると、二年以上これはかかっているのです。三年以上かかっていると思います。一体それをほったらかして向うが言うこと聞かずにどんどん営業を続けにおいては、営業を停止する規定なんておって爆発してしまった。こういう場合の責任の所在というものはまことに不明確である。ここらに私はこの火薬類取締法の欠陥があるであろうと思うのですが、そういうところを修正しよう、改正しようというような考えはないのですか。
○秋山説明員 火薬類取締りにつきましては、現在各府県を通じまして約百名の係員が府県庁として配置されております。一県当りにしますと、大体二名平均ということでございます。これが許認可事務から現場の保安検査等まで、一切の仕事をやらなければならないというような状況でございますので、実際手が回り切れておらぬということによって、ただいま御指摘のような事務の渋滞、ひいてはそれからくる事故の発生ということを見たのは、まことに遺憾でございます。現在私ども、ことに私は最近就任いたしましていろいろ調査をいたしてみますと、花火関係ことに改正前の旧法による花火工場の取締りということは、何と申しますか一種の過去の惰性的なことから、必ずしも理想的には行っておらぬというのが実情のようでございます。本年は実は通産省といたしましても、できるだけこの係の増員をしたいと考えております。相当額の取締り経費も計上してもらうということで予算の請求もいたしております。いずれにいたしましても、実際は御承知のような中小企業者と申しますか、おやじさんが現実に仕事をしつつ、一方書類的な手続、県庁へ行く、税務署へ行くというような一切の仕事を一人で仕切っておるというような状態でございますので、県との連絡等が非常に不十分であろうということは容易に想像せられるわけでございます。そういう意味で今後やはり保安の根本観念と申しますか、私ども保安は十分ペイするものだということで、すなわち一回爆発しますと、これは元も子もなくなるわけでございますから、むしろふだんからその面に多少でも経費をかけるなり、あるいは工員の教育をするなりということで、事故を起さないということの方が、事業の永続性を維持できるということを十分徹底させる。これは単に企業者のみならず現場の工員の末端まで徹底しなければいかぬということで、まず人の教育ということと施設の増強というようなこと、たとえば旧法で許されておったけれども、その後周囲が非常に人家が立て込んできた、公共的建物ができたというようなことによって危険度が増しておりますれば、それにバリケードを作らせる。ただ相手が中小企業者のことでございますから、多額の経費を負担することも不可能でございますので、これにはできるだけ国が援助するというようなことによって、保安の設備を少くとも現在の新法の基準に合致し得る程度まで早急に高めさせるということを実施いたしたい。来年度にはその分の予算も要求する心組みでございます。
○松平委員 今来年度の応急策と申しますか、そういうものに対する答弁があったわけでありますが、どろなわ的な感が非常に多いわけだが、今まで通産省で一体どの程度の取締りをしておったかということをお伺いしてみたいと思うのです。この法律によると第七条に許可基準というものが書いてございます。製造場等の許可の基準があるが、その基準に関して第九条に、通産大臣は、製造業者のその施設、その方法が第七条一号、第二号の技術上の基準に適合していないと認めるときは、適合するようにこれを修理したり改造したり、もしくは移転を命じたり、技術上の基準に従って火薬類を製造するように命令を出すことができる、こう書いてあります。そこで今日までそういうへ命令を出したのは何件ぐらいあるのか。
○秋山説明員 法文に書きますると、御指摘のように適合命令というような形になるのでございますが、実際は事前の話し合いによりまして指導しつつ、業者の実情に応じて設備をさせろという方向で、いわゆる行政指導をやっておるというのが実態でございます。この第九条による命令という形のものが発動されたことは、従来ほとんどないという実情であります。
○松平委員 現在の火薬工場、花火工場というものは、昭和二十五年の新しい法律が出る前におよそ七割から八割くらいできておったと思うのです。新しい法律ができてから火薬工場なり花火工場というものができたのは、統計上二割くらいであろうと思う。そうすると今あなたのいわれたのは、現行の法規に基いてそういう火薬類の製造の業務を営もうとするものの場合にはなるほど話し合いでやり得ましょう。しかし旧法に基いたものが八割もある。そういう場合にあなた方はやっぱり話し合いでやっているんですか。この法律に基いて命令を下すというような、そういう態度をもって行政指導をしているということではないわけですか。それでは法律を全然実施していないようなものです。
○秋山説明員 先刻も申し上げましたように大多数の業者が実は中小企業でございまして、かりに第九条の命令を紙に書いて渡したといたしましても、資力的に守れるものと守れないもの、むしろ中小企業者においてはそれが守り切れないというのが実際でございます。従って一片の命令を出すということは、むしろ行政官庁としては不親切であろう。それを話し合いによってここは危険だからまずここから直しなさいということによって指導していくということの方が、実際上の効果もあり、業者に対する親切でもあるという考え方をいたしておるわけでございます。従って、もしどうしても必要な施設をしなければならぬとすれば、国が相当額の援助をしてやる、財政上の援助を与えるという裏づけがございませんと、単に紙の上で命令をするというだけでは、実は目的は達しがたいと私ども考えております。
○松平委員 それはなかなか親切なやり方だろうと思うのですが、しかしそれは法律には適合しておりません。法律は第九条によってそういった危険な方法なり、危険な施設は、移転、修理あるいはその他の方法を命ずるということになっておるわけだけれども、今聞けば昭和二十五年以来この法律が出てから、ただの一回もそういう命令を出したことはない、こういうことであって、その間統計によっても昭和二十九年から三十三年の間において三千件以上の爆破事件を起しておる、こういう実態です。当事行のみならず、この付近の住民の人命に関するような爆破事件が、この四年間に三千件も出ておるというにもかかわらず、全然法律に基いてそういう指導をしない、命令も出さないということが、一体取締り当局のやるべき態度であるかどうか。私ははなはだこれは疑問に思うのだが、政務次官、どう考えますか。
○原田説明員 ごもっともだと思います。
○松平委員 ごもっともであるということであるならば、ぜひそういう態度をもって取り締らなければならぬと思うのですが、お伺いしたいのですが、この法律の付則によって旧法に基いて設立されたところのこれらの工場、販売所が一体新法に適合しているかどうかということを調べたことがございますか。
○秋山説明員 旧法と新法との間に、ただいまの御承知の付則によって過去の施設は一応そのまま認めるという形になっておりますが、新法におきましてはより高い保安基準を設けてございますので、従ってできるだけ早くこれに適合させることをしなければならぬわけでございますが、他方業者の側から見ますると、かつては合法的であったものが法律が改正されたために非合法化される。それには相当多額の施設費を要するという非常にむずかしい問題があるわけでございます。従って先刻来いろいろ御指摘もございましたが、私どもは、できるだけ話し合いによって新しい基準に持っていくことがやりやすい親切な方法だ、実際的な方法だと考える次第でございます。ただ御承知のように非常に事故が瀕発いたします。ことに夏場のシーズンには非常に事故が集中いたしますので、昨年も花火についていたしましたが、本年は特にこの六月――八月の間を取締り強化の期間といたしまして、個々に基準に適合しているかどうかを綿密に調べさせる、それをまた本省の方へ報告をさせるという、手段を講じまして、現に集まりつつございますが、それによって、予算がまだ決定いたしておりませんが、最も危険度が高くなった、周囲の状況の変化等によって危険度が高まっておると認められるところから、至急保安施設を強化させるという方針をとっております。
○松平委員 旧法によって設立されたものは、昭和二十五年のこの新しい法律ができてから三カ月以内に危害予防規程というものを出さなければならないという規定になっておりますが、三カ月以内にそういうものは全部出ておるわけですか。今聞けば、飯田の内山煙火店というのは約二年前に出してきておるということを言っているのだけれども、これは旧法に基いたものであって、三カ月以内に出さなければならぬはずのものだったわけであります。それがどうして一体三年も後におくれて出してきたということになっておるのか。その点は一体実情はどうなのですか。
○秋山説明員 改正法の三カ月以内の規定はおおむね守られておるはずでございますが、不幸にして御指摘の長野県がはなはだ成績不良の県でございます。どういう事情かははっきりいたしませんが、保安規程の変更がはなはだおくれておったという事実があるのであります。
○松平委員 保安距離は今日どういう工合になっておりますか、何メートルになっておりますか。
○秋山説明員 一律的に何メートルという一つの基準できめておりませんで、施設の内容によって、かなりこまかく分けて距離その他を規定しております。
○松平委員 たとえば花火工場の火薬貯蔵庫の保安距離は何メートルですか。
○秋山説明員 原則は百メートルということになっております。
○松平委員 ところで先般の広島市の爆発、飯田市の爆発はその影響が大体一キロ以内に及んでおるということであります。一キロ以内にある学校のガラスは全部割れておる。そうすると百メートルという保安距離を通産省が規定しておるということは、実にこっけいしごくになるわけです。どこに根拠があって百メートルというものを決定したのですか。
○秋山説明員 貯蔵量によりまして距離はもちろん違うわけであります。大量に貯蔵する場合は、距離を遠くしなければなりません。これは当然のことでございますが、実際はただいまあげられました長野県の例、あるいは広島県の例で定められた貯蔵量を越えて、あるいは一緒に貯蔵すべからざるものを一緒に貯蔵しておったということによって、ああいう大きな災害を起したのでございまして、規定の上での距離は守られておる。ただそこに置くべき数量を、はるかに規定を越えて置いておった。そこに違反があったというわけであります。
○松平委員 そういう違反事項に対しては罰則の規定があるのか、あるいはそういうものをだれが監督していくわけでありますか。
○秋山説明員 都道府県の吏員が立入り検査権を行使して、数量を守らせるように監督するわけでございます。またどうしてもそれが最終的になされない場合には、罰則の規定も一応ございますが、実際は先ほど申しました一府県当り二名というような人手不足ということが周回度を非常に悪くしておる。そのために吏員が見回るその中間において注文に追われて置くべからざるの量を一カ所にためて置いたというようなことが、事故を起しておるわけであります。
○松平委員 そういう場合には罰則を適用するのですか、あとでわかった場合に。
○秋山説明員 責任者が内山の場合のようにみずから死亡しておる場合は、これはどうにもならないわけでございますが、生存しておる場合には、もちろん罰則を適用いたします。
○松平委員 その次に伺いたいのは、火薬庫の取締りはどこがやるのですか
○秋山説明員 火薬の製造工場――花火ではございません。花火は全部地方庁でございますが、火薬の製造工場と一緒にある火薬庫については、通産省が直轄いたします。その他流通関係以下の火薬庫は府県庁がやっております。
○松平委員 十一条に今のあなたの説明のような条文がありますけれども、次の十二条において、火薬庫の設置は全部都道府県知事の許可を受けなければならないというふうになっておる。これはどういうふうに違うんですか、通産大臣の権限と都道府県知事の権限は。
○秋山説明員 先ほどのお答えは、私感違いをいたしましたので訂正をいたします。火薬庫につきましてはすベて府県知事でございます。
○松平委員 そこらにこの法律の妙な取締りの体系の混乱しておるところがあるんじゃないか。製造については通産省がこれを許可する権限を持っておる、直接の監督の責任がある。しかしその者の持っておる火薬庫は通産省は全然タッチしない、その設立に対しては、全部都道府県知事にまかしてある、一体こういうやり方でいいのかどうか、これは政務次官どうお考えですか。
○原田説明員 御指摘のような点でいろいろと考えなければならぬ点が、私はあると思っております。
○松平委員 きわめて簡単でこれはしょうがないんですが、ぬかにくぎのようなものですが、局長、一体この法作は現在の状況に適合しているかどうか。そもそもこれを作ったときにおかしくはなかったかと思うんだけれども、製造だけは通産省で、火薬庫はどんなでかい火薬庫でも、ことごとく都道府県知事だということになっておる。そうかと思うと販売は都道府県知事だけれども、取り消しは通産大臣というんで、その中の内容の監督、責任の所在というものがまことにあいまいもことしておる。そういうところにやはり盲点があるのではなかろうか、こういうふうに私は見ているわけです。それに対して取締り当局はどういうふうに考えておるか。
○秋山説明員 火薬庫は販売業者も持ちますし、あるいは使用者、たとえば鉱山その他非常に数が多いわけでございます。全国に九千余りの火薬庫がございますので、これを通産省が直接管轄するということは事実上不可能だというのが、ただいまのような体制を作り上げたおもな理由でございます。御指摘のようにそこには権限の分裂があるということもあるいは言われるかとも思いますが、最初に申し上げましたように、最終的責任はあくまで通産大臣にあるわけでございます。要は通産省と都道府県庁との連絡を緊密にする、あるいは人手をもっとふやして監督を行き届くようにするというところにあろうかと思っておるのでございます。その意味では、現状はまことに私どもも不満に思っておる次第でございます。今後できるだけ強化をいたしたいと思います。
○松平委員 火薬庫については第二十八条の危害予防規程というものの適用はないようになっておるのでありますが、火薬庫もかなり危害を及ぼすべきものであるとも思うし、今までの爆発事件というのは、大体火薬庫が爆発している。そうすると火薬庫について危害予防規程を適用しないのは一体どこに理由があるのか、どういうわけで適用しないのか、それをお答え願いたい。
○秋山説明員 危害予防規程は内容的に見ますと、主としては製造に関しての保安を定めたもので、規範がそうなっておるわけでございます。これは非常に不なれな、時によっては臨時工等がシーズンには相当数働くということで、特にその点を強めたわけでございます。火薬庫の方は貯蔵基準を守りさえすれば危険がないという建前で基準だけを定めまして、その定められた数量以下でなければ貯蔵してはならぬという建前にいたしておるわけでございます。
○松平委員 現在通産省における火薬の取締りの人員は何名であり、予算は幾らですか。
○秋山説明員 本省が六名、予算が約百四十万円でございます。
○松平委員 全国における対象になる火薬工場というのは、何軒ございますか。
○秋山説明員 本省の直轄いたしておりますのはメーカーだけでございますが、火薬メーカーが三十四工場でございます。それから都道府県関係は販売業者、火薬庫、それから花火工場、加工品の工場と分けてございますが、販売業者が千八十四、火薬庫が九千二百八十四、花火工場が三百三十三、加工品の工場が六十一でございます。
○松平委員 今あげられた数字の中で、通産省は大きな工場だけということだろうと思うのですが、そうするとあとの九千二百、花火工場の三百三十三というようなものは、全部都道府県知事にまかして、監督、取締りをさしておるというのが実情ですか。
○秋山説明員 まかしてには相違ないのでございますが、毎年二回ぐらいずつ関係課長全部を集めて会議をいたしております。本省からも係官が常に出張して指導に当るというやり方をいたしておりますが、何分にも実際上の連絡が必ずしも思うようにいっていないということが、実際でございます。
○松平委員 実際の連絡が思うようにいっていないという原因はどこにありますか。通産省は地方に対してちっとも予算も人員も出してないじゃないかと思うが、今聞くと百四十万円で人員は六名で、それは直轄の工場をやっているというわけであるけれども、あとの九千何百というものは地方にまかせぱなし、ときどき課長会議ぐらいは開くかもしれないが、あと予算的措置も講じなければ何もしてない、おそらくまかせばなしなのでしょう。こういうことで一体取締りがうまくいくかどうか。それの責任はだれかといえば、最終責任は通産省だといっている。言葉の上で監督は通産省だといっても全然実体を伴っていない、てんでんばらばらになっている。そういうところに問題があるわけであって、私はもう少し本腰を入れてやらなければ、事人命に関する重大な問題でありますから、通産省自体は、通商局を使うならばそれも一つの方法でしょう。都道府県知事を使うならば予算も出さなければならぬ。予算も何もなくてお前やれと言ったところで、これはうまくいきっこないというのが実態ではないかと思う。 そこでお伺いしたいけれども、通産局というのは火薬の取締りに関しては何か権限がございますか。
○秋山説明員 最後の通産局からお答えしますが、通産局は現在のところは関係がございません。今までなかったのでございます。これは御指摘のように確かにわれわれとしては末端まで徹底させる中間機関を欠いておったような感じがございます。それで本年度新規要求には、通産局に相当の人員を配置して、本省のみならず、通産局をして府県を監督せしめるということに体制を改めたいというわけで、今予算要求をしておるところでございます。それから地方庁に対する財政支出、補助金等の関係でございますが、これは実は地方自治法によりまして現在は国が直接事務ごとに予算を配付するとか補助金を与えるというやり方は許されていないのでございまして、交付税、交付金の計算をいたします場合に、その府県の実情に応じて交付金額をきめるというやり方によって、国から府県に財政資金を流すというやり方になっておるわけでございます。これはあえて火薬その他のわれわれ取締り関係の不行き届きではないのであります。ただ交付税、交付金の計算の際のやり方が、現在は標準府県というものを想定いたしまして、それに対して花火工場が幾つある、火薬庫が幾つあるというような計算を一応して、金額を算出するというやり方になっておりますために、実際上は府県へ行ってから、つまり一括された資金が必ずその標準から割り出したやり方で火薬関係の事業に使われておったかどうかという点には、われわれも多少疑問を持っております。今後は一つそういう保安検査あるいは立ち入り検査等実際に実行しているかどうかという点の具体的な報告を聴取しようという考え方をいたしております。財政資金の面は、ただいまのところ仰せられるようなやり方は、建前として許されておらぬわけであります。
○松平委員 昨年十月に、聞くところによると、警察庁から二十二項目の要望を火薬取締りについて出した、こういうことを言われておりますが、それはどの程度検討されたか、それを伺いたい。
○秋山説明員 警察庁からの要望事項については具体的に今検討をいたしておりまして、実行可能なものから順次実行していこうという打ち合せ中でございます。
○松平委員 去年十月に出したこの二十二項目に対して、今打ち合せ中だという話なんだが、参議院における石原国務大臣の答弁によると、すでにそのとき立ち入り検査については、警察官ができるような工合にしたいということと、火薬製造場あるいは火薬庫の設置については、警察において意見を申し述べる権限を持つ、こういう二つだけはあくまでもやらせたいという答弁をしているわけだが、これについては通産省はどういうふうな考えを持っておりますか。
○秋山説明員 火薬の取締りに対しまする警察官あるいは消防官吏の立ち入り関係というものは、決して排除はしていないわけであります。ただし火薬類取締法による通産省の取締りというものは、いわば高度の技術といってはいささかおこがましいかもしれませんが、一般の警察官には期待することがむずかしいと思われるような技術的な内容を主として持っておるのでありまして、警察官あるいは消防官吏が一般の工場に立ち入ると同様の立場において火薬工場あるいは火薬庫に立ち入る、取締りをするということが認められておることは言うまでもございません。 それから警察庁との連絡につきましては、これは法規上も連絡の規定がございます。こちらから通報するというやり方をいたしておりますが、その他常時保安係官とは連絡をとりつつやっておるのでございまして、警察との間に行き違いとか、あるいは間隙ができておるということはないと考えております。
○松平委員 通報等については、確かに現行法規にもありますが、随時立ち入りということについては、これは現行法規にもないわけだ。従ってこの火薬類取締法を改正する場合においては、随時立ち入り検査の権限を警察官に与えるということを要望しているわけです。これは法律的な裏づけによって警察側からそういう要望があると同町に、設置について警察側の意見を徴するということも要望しておるわけです。この二点についてどういうふうに考えられますか。
○秋山説明員 立入権につきましては、四十三条にそういう規定がございまして、警察官は随時立ち入ることができる規定になっております。 それから施設の保安についての意見は、もちろん常に警察関係の意見を聞いて許認可をするという行き方をいたしております。
○松平委員 これを要するに、火薬類取締りの法規自体並びに関係の法令に、かなり私は改正を必要とする部分がある、こういうふうに思うと同時に、取締りの責任を持っておるところの通産省の取締りの態度というものが、今日までのところはなはだ怠慢であったと言わざるを得ない。そこで、これを是正していくためには、かなり思い切った改正を必要とするだろうし、思い切った人員並びに予算の獲得をしなければならぬが、どういう態度をもってどこをどういうふうに改善する考えであるか、具体的な火薬類取締法の改正に対する考え方並びに関係法規の改正に対する考え方、それから予算並びに人員の増加を何倍にするとか、どの程度の考えを持っておるのか、ここで最後にはっきりさせていただきたいと思うのです。
○秋山説明員 先刻来申し上げますように、私ども人手の不足等痛感をいたしておりますので、できるだけ予算を獲得して徹底をはかりたいと期待いたしておりますが、まだ実は具体的に数字を申し上げるところまで固まっておりませんので、本日はその点はちょっとお答えを申し上げかねるのでございますが、できるだけの努力をするということを申し上げたいと思います。 それから法律の改正につきましても、実は内々私どもの方での検討はいたしておりますが、まだ具体的にどこをどう直すというところまで申し上げる段階になっていないのでございます。ただこの際、お説のように法律問題もあるには相違ないのでございますけれども、実際は、法律の条文の問題というよりは、むしろ企業主側あるいは工員の火薬類に対する危険度の認識といってはおかしいのでありますが、保安に対する認識程度が非常に低い。もしみずからがその自覚があるならば、注意を受ければ当然それを改めるという態度であるべきだと思うのでありますが、その点の認識の不足、あるいは企業意欲があまりに旺盛であるというようなことから、あるいは日本における花火の使用が非常に季節的に片寄っておって、あるシーズンには非常にたくさんの量の注文を受け過ぎるというようなことから、とかく事故が起っておる。むしろ法文の上の問題よりは、そういう実情の方にたくさんの問題があるという感じがいたしておるのでございます。何よりもまずPRといいますか危険度を認識させるということの徹底が肝心である、それが前提にならないと、法律だけをどう直してみましても、それほど急激に実効が上がるとは実は考えられないのでございまして、必要な法律改正はもちろんいたさなければならぬわけでございますが、いずれかといえばさきにも申し上げましたような教育面あるいは財的な負担能力の面に、私どもは重点を置いて考えておる次第でございます。
○松平委員 今そういう態度を表明されたわけでありますが、先ほど来の答弁をずっと聞いておると、私は現在の火薬類取締法規自体を着実に、忠実に実行してないと思う。いまだかつて命令を出したことはない、話し合いの上でやる。通産省は助長行政であって、これは業者の保護をするという建前が貫かれておる官庁である。従って取締りについては、従来ルーズに考えてきておったのじゃないかと思います。私は保護ということを同時に、取締りも両方やらなければだめだと思う。であるから、あなた方がそういうなまぬるい態度をとっておるから、昨年のごときは八百何件、年々と爆破事件がふえておる。しかも今聞けば教育とかあるいはPRとかいうことを言われておるわけだけれども、役所自体が法律を完全に実施するという考えがない。役所自体がPR教育をされなければならぬような立場になってしまう。そういうところに私は通産省の役人の考え方が、助長行政をやっておって、取締り行政にふなれであるという根本的な頭の考え方の問題があると思う。そこで私が先ほど来申し上げたように、危害予防規程についても、これは穴だらけの法律になっておる。認可をしなかったという場合においても営業停止も何もない、罰則もない。こういう穴だらけの法律で、しかもなおかつ最小限度であるところの命令規定も実行しない。こういう態度であっては、こういう人命に危害を及ぼすような爆発事件の頻発を避けることはできないと私は思う。この考え方を改めなければ、いかにPRをやってみたところで、あなた方自体がそういうルーズなものの考え方をしておる限りにおいては、これは絶滅することはできない。こういうふうな印象を私は今日の質疑応答の中で受けた。これに対して、通産大臣はいないが、政務次官どういうふうに思いますか。またこれを大臣によく言ってもらわなければならぬと思う。考え方自体が甘過ぎる。これは助長行政ではないのだ。取締り行政ですよ。助長行政ではなくて取締り行政なんだから、それはあなた方の考えをはっきりそこに打ち出してもらわなければならぬ、こういうふうに思うが、一体どういうふうに考えていますか。
○原田説明員 松平委員のお説、まことに私聞いておって簡単ですけれども、その通りだと思っております。今局長が答弁している際に聞いておりますと、決して、それでは取締り的なことをやっておらないかというように受け取っておられるようですが、そうではない。一生懸命この間から、事故が起ってからこれに対する対処ということをやっております。お説のように、やはり取り締るべきものは取り締るという気持でやらないことには実効が上らない。あの事故が起きましてから課長会議などをやって、適当な処置をとってから事実事故も減っております。だからそういう態度で臨まなければならないことは当然であります。松平さんも長野県の副知事をされておりまして、行政ということにはくろうとでありますが、府県の政治と国の政治というものがうまく一致して、一方では助長し一方では取り締るべきものは取り締るという方向に持っていく、法律の不備のあるものは直す、現在の法律でもそのまま忠実に実行すれば、それで所期の目的は達成されるということならば、それを忠実に実行するような態度が役人の態度でなければならぬと私は思っております。なお火薬あるいは花火というようなものの取扱いについて、戦後少しルーズになっておるのではないか、というて戦前のように警察官がこれを専門にやるということになってきますと、警職法の改正ということもやらなければならぬ、そういうことになりますと、またおしかりをこうむりますので、やはりこれは私どもの通産省の行政として関係ある各省には十分連絡をいたしまして、先ほど言われました予算の点におきましても相当大幅な予算増額を要求し、これを獲得してかかる事故のないように努めたい、かように存じておる次第でございます。何とぞよろしく御了承のほどをお願い申し上げます。
○田中(武)委員 関連して。ただいまの松平委員の危険物と保安という問題に関連いたしまして、ちょっとお伺いいたしたいと思います。 これは現に私のところで起っている事実なんです。と申しますのは、これは火薬ではなくてプロパン・ガスの問題なんです。あるいは兵庫県の方からそういうことについて報告なり相談があったかと思いますが、実は兵庫県の高砂市内で、高砂市の市有地を分譲いたしまして、そこにモデル住宅を作る、こういうことでたくさんの人が市有地の分譲を受けてそこに住宅を建てた。ところがその住宅のすぐ近く――近くといっても同じ市有地の一角なんです、計画ができ上ってしまうならば、おそらく住宅地のまん中になるかと思われるような土地なんですが、現在では住宅集団の一番端っこになっております。そこにプロパン・ガスの充填所を設けたわけです。ところが現在の法律によるとでき上ってから完成試験だけに係官が行って、高圧ガス取締法の施行規則の十一条による二十メートルの距離等を見て、それだけ離れておればいいということで許可したわけです。ところがそのまわりの住宅の人たちはこれは危険である、こういうことで充填作業開始に反対し、問題を起しておるわけです。それからその一角に保育園がある。これは七十メートル離れておって百メートルの隔たりがないわけです。そこで施行規則の十一条を見ますと、二十メートルの制限距離をとり、それからかつ保安距離を二十メートルとる。この「かつ」という言葉が二十メートルと二十メートルというふうに解釈できる。制限距離と保安距離が二十メートル、二十メートルとなっておるのですが、これは危険物と危険物じゃなしに、家屋と危険物、こういうことだったら二十メートルでいいという大体解釈のようですが、この点と保安施設は百メートルとるという、これは保育園なんかはどういうことになりますか、それは七十メートルしかないわけなんです。一方では現在法律によって許可を受けているのだから充填作業を開始するというし、地元の人たちは危険だからさせないということで、地元と対立し、実は市長とか私たちがあっせんに入っているわけなんですが、解決しない、こういう問題が一つあるわけなんです。そこで今問題になっておりますのが高圧ガス取締法第八条の第三号、これに「その他製造又は販売が公共の安全の維持又は災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがないものであること。」こうなっている。この八条によると、一号、二号、三号のことがなければ許可をしなければならないということになっているのですね。そこで県の工業課では二十メートルの距離もとっているし、三号に対してはそのおそれがないというので許可した、だから適法な許可である、地元の人たちはこの三号のおそれがあるという上に立って反対をしている、こういうことであります。そこでこの第八条の解釈、それから施行規則の十一条の解釈、及びプロパン・ガスというものの充填作業において今までにどのような事故が起きているか、これは今直ちにできなければ、あとで資料でもらってよろしいが、どういう事故があったか、それからもう一つの問題は、これは諮問にかかっておったと思うのですが、その地域を住宅地区に指定する場合、公聴会を開いてきめなければならないのにそれをしておらない、まわりの人が知らないで建てて、いよいよ施行ということになって、これは大へんだということになっている。係官が行ったときにはもうでき上って、ここで問題になってもすでに設備してしまっている。おそらくその最初、建設以前に一応見たならば、こういうところならばあとで問題を起すだろうということは常識でわかるだろうと思うのです。だからそういうことに改正する必要があるのではないか、このように思っております。兵庫県の方からおそらく何らかの報告があったと思いますが、なければ聞いていただきたい。兵庫県において高砂のプロパンについてはよく知っております。私も部長に会いましたが、どういう観点からしたかということを調べていただいて、こちらの方に知らしていただきたいということと、過去における危険性についての実際の例、こういうことについての資料を要求いたしますが、今は八条と十一条についてお答え願いたい。
○秋山説明員 高砂の件は概略の報告を受けております。およその内容を承知いたしております。法規上許さなければならぬ事項に該当するということはお説の通りで、現在の法規の上から申しますと、あれを拒否することはちょっとできない性格のものでございます。ただ、ただいま伺いまして、私新しく知りました事実で若干疑問に思いますのは、百メートルと七十メートルの関係でございますが、それがあらかじめ県にわかっていなかったということはないはずで、設置をいたします場合には必ず図面を添えて申請をするわけでございますから、七十メートルであるということは、当然わかっておったはずであります。ただ、保安施設から百メートル離れなければならぬという場合の保安施設の内容が、実は今の問題に当るのでありますが、これは坪数でかなり大きな、千平方メートル以上の、人を収容する施設ということになっておりますので、現在問題になった保育所は、おそらく千平方メートルに達しないものではないか。従って、条文的に見ると、百メートルでなくてもいいんだということで、七十メートルで許可されたといういきさつではないかと考えられるのでございます。法規の上から見れば、確かにそれで全部適合はしておることになるのでございます。問題は、そういう住宅地の中でございますから、聞くところによれば、周囲は全部ブロックのへいをめぐらしてある、防爆施設はかなり十分できておるという話でございますが、また住民の不安ということも一応もっともだと思います。何か妥協の方法はないものかということで、研究をしてみたいと思います。 一つ私今考えておりますのは、充填量が実は一日九十立米という数量で許可されておるのでございます。これが百立米をこした場合には、作業主任者という国家試験を経た、専門の技術試験を通った者を一人必ず置いて、保安の責任を負わせるという建前になっておるようでございますが、現在では九十立米であるということによって、その義務を免れるような形になっておる。ここに十立米の差は確かにあるのでありますが、これくらいは一つ話し合いによって、ぜひ保安主任者を置かせる、作業主任者を置かせるということによって危険度を十分防ぐ、施設的には十分と思われますが、もう一歩人の面でも絶対に危険がないというようにさせたらどうか、これは一案でございますが、そういうようなことを今考えております。至急に検討して取り計らいたいと思います。
○田中(武)委員 大体相当長く紛争しておるので、報告はあったと思うのですが、今おっしゃった保安施設、これは一定の広さできめてある。それはおそらくそれに足りない狭いところだと思う。というのは、その住宅を中心にした保育所ですから、そこに問題があると思う。そこで私が言っているのは、この施行細則の十一条といいますか、これを検討し直す必要があるんじゃないかということです。たとえばそれじゃ、一千平方メートルですかの施設だ、それ以下なら百メートルなくてもいいんだということなら、その中にもやはり人はおるんだ、そこに問題があると思う。だから、保育所とかなんとかいう子供がたくさん寄るところには、大小にかかわらずある程度上げる必要があるんじゃないか。あるいは今言った二十メートルが特別な住宅の集団――住宅といったって、普通の道路に面する商店街とか、そういうものじゃない、ほんとうの分譲住宅地なんですね。そういうところへぽこんとそんなものを持ってくるということは、これは法規から見たならば、なるほど十一条には適合しているわけです。おそらく県としても法律に合わないものを許可しているとは私は思わない。ところが、一方から見れば、住宅地の、しかも市がモデル住宅地区にするんだ、こういうことで分譲地を分譲して、そこへ奨励というほどでもないが、ともかくやった。そこへぽんと持ってくるということは、どうも常識で考えてもおかしい。問題は、こういうものの設置に当って、現在の規則では完成検査だけで足りる。これはすなわちでき上ったときで、その工事着手は図面とか書類の上の検査だけだ。それをもう一歩進めて、いわゆる建築にかかるまでに行っておれば、常識的に見て法規上はこうであるけれども、これはちょっと問題を起す、こういうようなことで、建築にかかるまでに話し合いもできる。ところが、でき上ってから検査に行くのだから、それも法律でもちゃんと二十メートルなら二十メートルはかっておればそれで済むということで、そこで問題を起したって、一方は二百万円なりの投資をしておる、しかも法律によってやっているのだからやろうというし、一方はそんなものは困るというし、実はこれは話し合いがつくまでは充填作業をやらせずに、話し合いをしてやるということになっておるんですが、あらためてやるということになると、現在の法律上はそれを拒否することはできぬ、県は、そう言っておる。そうすると業者はやろうとする、一方はやらせまいとして、いわば実力行使をやるというようなことで、バリケードを積んでやるというような状態まで起きたわけであります。そこで実は私たち出かけましてあっせんに入った。一週間もやったでしょうか。それがいろいろなことが付随してきた。業者といったって大きな業者じゃありませんから、借金をして、その施設のために金を使うというような問題から、にっちもさっちもいかぬようになってしまっておるわけで、いまだに紛争を続けておるわけですが、この問題の解決について何らかいい方法を考えて、県の方へも指示してもらいたい。同時にもう一つは、この施行規則の再検討が必要じゃなかろうか。たとえば保安施設のこの大きさ等の問題、あるいはそういう住宅地の二十メートルでなおいいのかどうか。二十メートルといっても、道路を合せて二十メートルなんです。そこにある五メートルの道路は住宅の中に行くために計画的にこしらえた道路なんです。そうすると、何かそのへいはその家の前にあるという格好です。これはさっき言われたように、ブロックのへいなんですが、そういうようなところから問題がある。それからもう一つ、八条の三号の解釈です。これは県におけるいわゆる行政官の認定にかかっていると思う。こういう問題等において検討する必要があると私は思うのです。 そこで私が申しあげたいのは、この施行規則を再検討する必要がある。それから一般住民の方々の中にもプロパン・ガスの充填ということを少し恐れ過ぎている気配もあると思うのです。そこでその人たちもたくさん調べておりますが、全国にわたる。プロパン・ガスの事故、こういうことについて、どういうような事故が発生して、どういうことになっておるか、原因がどうなっているかというようなこと、できればプロパン・ガスの充填における危険の確率といいますか、どういう程度の、何%の危険度が出ておるか、そういうような資料を私はもらいたいのです。
○秋山説明員 ただいまの資料の御要求に対しましては後ほどお届け申し上げますが、簡単に申し上げますと、プロパン・ガス関係で、本年に入りましてからの事故は二十二件でございましたが、そのうちちょうど今問題になっておる充填所についての事故は二件でございます。あとの二十件はいずれも使用中の事故、これもかなり無理したための事故でございます。 法規の改正につきまして、確かに面積だけで規定するというのは、いかにもしゃくし定木とおっしゃられればその通りのような感じもいたしますが、そういうところに幼児を収容しておるということであれば、これは面積いかんにかかわらず、あるいは考えなければいかぬというような感じもいたしますが、これはもう少し研究をさしていただきたいと思います。これは省令でございますから改正するとすればそうめんどうな手続は要らないかと思います。ただ、かりに改正をいたしますとしても、今現に問題になっている、すでに作ってしまったものを撤去させるというところまで及び得るかというと、これは非常に問題がありそうな感じでございます。将来そういうものは許さぬということはできましても、過去にさかのぼってやるということはちょっと不可能じゃないかという感じがいたします。その点もう少し研究さしていただきたいと思います。
○田中(武)委員 大体了解いたしますが、いわゆる保安施設の問題と、それから距離ももう一ぺん検討する必要がある。それからなお今言ったように、でき上ってから完成検査にだけ現地へ行ったらいいというだけでなく、工事着手前に一ぺん様子を見るということ、それから住宅指定地でなくとも、やはり公聴会を開くとか、あとにこういう問題を残さぬためには、そういうような点が考えられると思います。そういう点もあわせて検討していただくということ。おっしゃるように、これは省令ですから、これの改正によって、既存の施設を撤去するというところまでできないということはよくわかります。そうなると法の改正というようなことも考えなければならぬ、それにしても遡及力を持たせるにはどうしたらいいかということになる。 それからもう一つは、先ほどから言っているように、法の八条の三号の解釈ですね。これに対して明確な通達とか通牒というものはありますか。
○秋山説明員 法の八条の解釈については、現在まであまり具体的な通達等は出ておりません。これはもう少し研究をさしていただきます。確かに戦後作られました、先ほど松平先生からも御指摘がございました火薬も共通でございますが、民主的思想が少し強過ぎる点があるという感じは確かに私も来て早々いたしました。また法律の改正となれば、これはなかなか大仕事でございます。すぐ手がつくかどうか、ちょっとただいまのところ申し上げかねます。 それから余談になって恐縮ではございますが、今のとは反対の御意見、実は私の身近に起った事件は逆でございまして、プロパン・ガスが、ガスのない地域、炭ガスのない地域に相当普及してきている。にもかかわらず遠距離から運んでくるため、非常に供給がうまくいっておらぬ。ぜひ近くに充填所を作ってもらいたい、あるいはタンクを設けられないかという相談を逆に受けておるというケースもございます。これは住民それぞれの感じ方いかんによるところで、かりに申請があって現地へ行ってみて、問題が起りそうかどうかということが、田中先生の御指摘のように、すぐぴんとくるケースばかりでもなさそうで、そこらはまたむずかしいところでございますが……。
○田中(武)委員 住民の感じ方は、それは原子炉を誘致しようとする運動をするところと排斥するところがあるからそれはわかる。しかしあらかじめ公聴会をやるとか、そういうことをすればいい。それから私が言っているように、完成検査だけに行っていいというならば、でき上ってから問題が起ってもしようがないので、着手前にでも、おそらく係官が行って、まん中に立って見れば、これは問題が起りそうだということは常識的に考えられると思います。 それからもう一つは法の八条三号ですね。これは別に通牒なりそういったものがないとするならば、その当該の行政官の自由裁量にまかされておる。従ってこの問題をかりに法で表そうと考えるならば、三号の事実認定の問題、そういうことで解決しなければ、法律上争うということで――私もちょっと研究したのですが、今の法規の問題だったら、八条三号の事実認定の問題で争うことになるのじゃないか、こういうことを思いますので、こういう点についても、全国的に、一つの基準と言いますか、よるべきところが必要じゃないか、そうでなかったら、すべてがそのときそのときに当る係官の自由裁量ということになると思います。そういう点について検討していただく、そういうことを希望しておきます。 ―――――――――――――
○松平委員 次に私は中小企業の診断制度についてお伺いしたいと思うのです。約十年前でしたか、中小企業診断制度というものができて、中央並びに地方に診断員を常駐さしておる。あわせて民間のいわゆる診断員経営コンサルタントもあるわけでありますが、従来からわれわれが主張している点は、いわゆる中小企業については経営指導ということがきわめて重大である。農業については改良普及員が各村々まで入っておるのみならず、生活改良普及員というような農民の生活まで改良するための指導員というものがあって普及事業を行なっておる。こういう実情なんで、それにやや似通っておる中小企業の相談員というものがもう少し普及して、そうして経営の実態にあたたかい指導の手を差し伸べていくという制度を拡充強化していかなければならない、こういうふうに思うわけでありますが、お伺いしたいのは、中央並びに、地方における診断員というものは現在何名くらいあって、そうしてこれは中小企業の方々――中小企業と一概に言ってもいろいろあるでありましょうが、大体常識的に考えられておる診断員の診断を受けたいという程度の中小企業者の比率と申しますか、何人に一人くらいの割合で診断員というものがあるのか、そういう統計というか、分析というものをもししておるならば、まずそれから伺いたいと思います。
○原田説明員 松平さんの前段のお話を聞いて私も全く同感なんでありますが、現在診断員制度が作られて十年になります。その間診断員数が約五千人近くあるのではないかと思いますが、これらのことについては係の方から答弁いたさせますから御了解を願います。
○馬場説明員 中小企業の登録診断員というのは、現在民間の登録診断員を含めまして四千九百名おりますが、そのうちで府県の直接診断業務に従事しておるものは約四百名でございます。ただしその中でさらに国から人件費の補助をいたしておるものが百七十二名でございまして、これらのもので二十三年以来三十三年度までの間に個別の企業診断をいたしました件数が約九万件でございます。従いまして中小企業全体の数が三百五十万以上と言われておりますから、その関係からいえば非常にまだ微々たる数字である。それから診断員一人当りの受け持つ企業というのは、県によって非常に違っておりますが、一人で相当の企業を受け持たなければならないということは、そのたといいますか、あるいはそういった経常合理化の意欲が弱かったといいますか、診断を受けたいという希望が非常に少うございました。各県の指等所あたりを中心に、この診断制度に従事しておった者が、むしろかねや太鼓をたたいて回って、とにかく診断を受けてみろということでやった時代が、数年続いたわけでございますが、最近は非常にこの制度の効果が上りました。それは、私どもの方で毎年受診企業の中の優良なものの表彰などもやっております。それからまたその中で非常に効果が上がった優秀な工場はモデル工場といたしまして、一般の中小企業の視察や何かの対象工場といたしております。そういう制度なんかの効果も上って参りまして、現在では受診希望が非常に多うございまして、最近の状況では、受診申し込みをしてから大体六カ月たたなければ診断が受けられない、こういう状況で、現在ではこの制度の効果は相当上り、また宣伝といいますか、PRも行き届いているというふうに考えておる次第でございます。
○松平委員 その次にお伺いたいのは、診断の効果と申しますか、診断を受けたものがこれによって起死回生のような生き方で大体発展をしてきておるのか、あるいは診断を受けたけれども、どうも工合が悪いというのか。診断の効果というものは、私どもの聞いておるところによると、大体診断を受けたものの六割程度がよくなっていく、あとの四割はどうもよくならぬということを聞いておるわけですが、そういっ見方に対して、何らか根拠のある数次というものを、中小企業庁でつかんでおられるのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。
○馬場説明員 先生のおっしゃいますような数字的なものは、実は先ほど申し上げましたアンケートの結果にも現われておるわけでございますけれども、実はこれは私どものこの診断、現在行なっております無料診断制度の不徹底さということもあるわけでありまして、必ずしも診断を受けた企業が全部よくなっておるというわけではございません。これは実は診断というものは、診断を行いまして改善すべき事項を勧告いたしましても、勧告のしっぱなしではいけないのでありまして、その後のいわゆるアフター・ケアーというものを徹底してやる必要があるわけでございますが、現在の府県の予算的な制約、あるいは人員の少いというような制約面から、十分一企業にだけかかりきりでアフター・ケアーを徹底してやるというようなことができませんので、自然診断の件数をふやす方に重点が置かれまして、あとあとの事後指導というものに欠ける面があるわけでございます。そういった面から、もっと指導を徹底すれば、十分よくなったであろうという企業も、そこまで行き得なかったというのもございます。これは私どもの制度の欠陥もあろうかというふうには考えておるわけでございますが、大体アンケートなどの数字から申し上げれば、先生のおっしゃいましたように、六割くらいのものは相当な成果を上げておる、かように言っていいんじゃないかと考えております。
○松平委員 この診断制度というものを、どうしても拡充強化していくということが、現在の中小企業の、ことに零細企業には必要である、こういう観点に私も立って、ただいまの答弁によると、通産次官もそういう考えのようであるわけでありますが、そのためには、この制度自体にもう少し力を入れる必要がある。同時に、今指導部長が言われたように、アフター・ケアーというようなことまで、ある程度やっていくというためには、一つの権威というものを持たせなければならない。権威を待たせると同時に、その取締りも厳重にしていく必要があると思うのでありますが、そこでお伺いしたいのは、二、三年前から、いわゆる診断士法案というものを用意されて、毎国会出されるような気配があるけれども、いつちどうも流産になっておる。その原因は、公認会計士との関係においてなかなか調整がつかないということを毎回聞いておるわけであります。ところが、今数字をあげられた約五千人程度の診断上、民間診断士を含めてのこの診断上、というものの中には、八割くらいが公認会計士の免状を持っておるということを、われわれ聞いておるわけなんです。そこで、一体どうして公認会計士法との関係において、これがいつも流産になっておるのか。通産省と大蔵省との意見の調整というものは今までどういうふうな運びになってきており、今後どういうふうにこれを運んでいくつもりか、この点を伺いたいと思うので。
○馬場説明員 ただいま松平先生のおっしゃいましたように、私どももいつまでも公共団体による無料診断制度ばかりでは限度があるので、民間のコンサルタントを養成いたしまして、これに対して国が強力に監督もしていく、こういう制度をぜひ作りたいということで、診断士法案というものを検討して参ったわけでございます。これが国会に上程できませんでした理由は、そのときによって多少違うわけでございますが、最近の情勢では、ただいま先生のおっしゃいましたように、公認会計士の団体であるとか、あるいは税計理士の団体の方から、これらの中小企業に対する診断という仕事は自分たちが現にやっておるのである。従ってあらためて中小企業診断士のようなものを作って、診断業務をやらせることは屋上屋を架することであって、承服しがたい、こういうことで反対があるわけでございます。ところが、私どもの方で作っております登録診断員制度というものの中には、民間のコンサルタントも入れるようになりましたとき以来、公認会計士あるいは税計理士の方たちも、私の方でやっております一定の講習会を受けられまして登録を受けて、登録診断員になっている方がございます。ただいま先生のおっしゃいましたように大ぜいの公認会計士がなっておるわけではございませんけれども、民間の登録診断員の数が約四千名ございますが、このうちのたしか八割ぐらいまでは、そういった公認会計士あるいは税計理士の方々で占められております。従いまして、約三千人くらはそういった団体に所属しておる方々であるというふうに承知しておるわけでございますが、実は登録診断員になっておられないそういった方々もまだ多数おられまして、それぞれの団体におきましては、その内部の事情もいろいろございます関係上、先ほど申しましたような理由で反対をしておられるわけでございます。私どもは根本的な考え方といたしまして、公認会計士あるいは税計理士の仕事と中小企業診断士というものの仕事とは根本的に違っておる。従いまして、なるほど中小企業のめんどうはそういった方々が今まで見ておられるかもしれませんが、われわれが推進していこうという診断業務をやっていただくにはまだ不十分ではないか。われわれは本来の診断士を養成することが必要なので、そのためにはやはり別に診断士制度というものを作る必要があるということで、いろいろこれらの団体の方とお話合もしておるわけでございますが、今までのところ最終的な結論にま至っておりません。しかし最近仄聞するところによりますと、これらの方々もいろいろと私どもの主張の存するところも了解せられたようでございまして、一がいに反対しておるばかりではほんとうに中小企業のためになりません。従って、自分らもある程度の勉強をして、この診断士制度に乗るにはどういうふうにしたらいいだろうかということを、真剣にお考えになる段階に至ったようでございます。それで私どもといたしましては、大蔵省との関係もさることながら、これらの団体の方々とさらに折衝を続けて参りまして、何とかこの診断士制度に皆さんが乗っていただけるように努力して参りたい、かように考えております。
○松平委員 通産省の主張しておるところの診断士というものの持たなければならない知識、あるいは診断の内容と申しますかそういうものと、公認会計士の職務分野、それから税理士の職務分野というものは、しろうとにわかりやすく言うと、どういうふうに分れておるのですか。どういう認識をあな方は持っておられるのか、それを伺いたいと思うのです。
○馬場説明員 公認会計士の仕事というのは、公認会計士法に規定をされておりまして、仕事としては独占的な業務と、それから独占ではありませんが、公認会計士の名称を用いてやれる仕事と二つに分れております。計理士、税理士についてもそれぞれの法律がございまして、計理士の方は独占的な業務ではございませんが、計理士の名称を用いてやる仕事というものが規定されております。また税理士につきましても独占的な業務とそうでない業務と分れておるわけでございます。いずれも法律に基いて仕事の範囲が確定されております。それによりますと、公認会計士はいわゆる会計事務でありまして、財務書類の監査または証明を業とする、こういうことでございまして、一般的に申し上げれば会計関係あるいは財務関係という仕事になるわけでございます。それから計理士の仕事は公認会計士とやや似ておるわけでありますが、先ほど申しました独占的な業務ではございませんが、公認会計士の独占でない仕事とやや似ておりまして、一般的な会計に関する調査とか証明、計算、整理、こういったものをやることを業務としておるわけでございます。それから税理士は御承知の通りいわゆる会計事務というのではございませんで、税務関係の代理業務と相談業務をやる人たちでございまして、特に税務署との関係におきます納税者の代理業務、そのための書類の作成、こういった仕事をやられる方になっております。 ところが私どもで考えております中小企業診断士の業務というのは、こういった財務関係あるいは税金関係の仕事ばかりではありません。そういうものも一部には入っておりますけれども、全体としてのウエートは実に低いものでございまして、いわゆる最近経理管理といわれておるものを総合的にやらせようということでございます。その中には生産管理の分野、あるいは販売管理の分野、購買管理の分野、労務管理の分野、財務管理の分野、こういうものがございまして、総合的に申し上げますと非常に大きなことになりますが、企業の経営方針あるいは経営計画、利益計画、あるいは原価管理、予算統制といったようなものを中心にいたしまして、それぞれの生産、販売、購買、労務、財務各部門にわたってそれぞれ管理の計画を立てさせるとか、それの計画通りうまく仕事が運ぶようになっておるかどうかというような点をこまかく診断をしていく、こういう仕事でございまして、その中には当然公認会計士なり税計理士のおやりになっておるような仕事も入ってはおりますけれども、全体としては全然達ったといってもいいほど大きな違いがあるのであるというふうに考えておるわけでございます。
○松平委員 今の話を聞いておると、片方はやや専門的に会計、片方の診断士の方は全般的な経営、こういうふうに受け取れるわけでありますが、診断士といえども、これは全知全能じゃなくて、全部にわたって深い知識を持っているような人はないだろうと思うのです。そこで結局ある特定のことについて非常に認識の深い者というのが自然に出てくるし、またそうならなければならぬと思う。だから一般的にいって、常識的な程度の知識を持つと同時に、またそれぞれ必修科目、選択科目というようなものによって別々の違った専門的な深い知識を持っておる、こういう者を養成しなければならぬと思うのです。一人が万能薬というわけじゃなくて、やはり専門々々に分れるということが必要だろうと思うのですが、法案の内容を見ると、大体商業と工業に分れておる。その中で技術と管理というふうに分れておるが、かりに工業部面をとってみた場合において、この高度技術というか、そういうものを持った者もやはり診断士として採用していくような、そういう技術診断というようなものも考えておるわけですか。そこのところはただ一般の経営というばく然としたものではなくて、もう少し専門分野というものを考えておる法案の内容であるかどうか、その点をお伺いしたいと思う。
○馬場説明員 実は一般的な経営コンサルタントというものを考えます場合には、それぞれ専門分野に分かれまして、それに堪能な専門家を養成するということが確かに必要であろうかと思います。私どもこれをいつも医者にたとえておるわけでございますが、相手は中小企業でございますために、自分のからだのどこに病源があるのかということがわからない。それを発見するためには頭の先から足の先まで一応聴診器を当ててみなければならないというのが、普通の中小企業の現状でございます。これが大企業の場合でございますと、自分でおれの病気はここにあるのだということで、その点を中心にした専門的な医者にかかるということで十分事足りるのでありますけれども、中小企業の場合には一応とにかく町医者的なものにかかりまして、どこが悪いのかよくわからないけれどもどうもうまくいかない、だからどこが悪いのか一つ見てくれ、こういったような相談が多いわけでございます。そのためには最小限必要な総合的な知識なり経験を持った医者を作る必要がある。こういうことで、一応専門的でなしに全部の管理部門に通ずる知識なり経験を持つことを必要と考えておるわけでございます。しかしこれは町医者的なものを考えておるわけのでございまして、専門の病院の医者であるとか、あるいはそれぞれの分野における博士というような専門家を考えておるわけではございませんので、その資格といいますか、知識、経験の程度というものもそれほど高度なものでなくてもいい。しかしこの制度も、いかに中小企業相手の制度であるとはいえ、いつまでもそういう低いレベルのものでおるということでは満足できませんので、この制度が逐次発展していきますと同時に、それぞれの分野の中からやはり専門家が出てきまして、一般的なコンサルタントではあるけれども、その中でこれは特に財務の専門家である、あるいは特に生産管理の専門家である。もっとこまかい問題になりますと、そのうちの運搬管理の専門家であるとか、品質管理の専門家であるとか、こういうようなものが自然発生的に出てくることを期待しておるわけでございます。そういった意味合いにおきまして、一応ただいま考えております診断士法案ではいわゆるゼネラル・ドクターというものを考えておりますけれども、将来の問題としては、その中から結局博士に相当するような、それぞれの内科なり外科なりあるいは心臓のといったような専門的なコンサルタントがその上に出てくるということを、期待しておるわけでございます。
○松平委員 中小企業の実態がピンからキリまである。こういうわけでありますから、ゼネラル・ドクターも必要であろうし、専門家も必要であろうと思う。そこで大別すると地方公共団体等の診断員というものはゼネラル・ドクター的な性格を持って、いわゆる零細企業、レベルの低いものを直してやる、こういうところに使命があるし、また現にそういうことをやっておる。ところが民間の経営コンサルタントはそういうところでは収支が償わないというわけで、結局中小の中の中、大きい方へ自然にいく傾向があるのではないか。従ってそういうところであまり競合しないという立場もあるように思うのです。従って試験の科目というものはゼネラル・ドクター的なものと並行して専門々々にやっていくような方法を考えていかなければ、中小企業全体の役には立たない、こういうふうにわれわれは考えておるわけです。そこで試験は全部必修科目ですか、それとも選択科目というものもあるのかどうか。そういう場合において、あるいは第一種診断士、第二種診断士というか、そういうような構想もあるのかどうか。そういうことを伺いたいと思う。
○馬場説明員 ただいま考えております法案については、試験科目はいずれも必修と考えております。それからただいま御質問の第一種、第二種診断士というものも、現在のところでは考えていないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、将来の問題としては、あるいは現在考えておりますものを一種ということで、その上にそれぞれ専門的な診断上を二種というようなことを法の改正という形で考えなければいかぬというふうに考えておりますが、さしあたりの法案では一種、二種といった区別は考えていないわけでございます。
○松平委員 もう一つさかのぼってお伺いしたいのは、公認会計士の場合は会計事務に非常に堪能である。従って必修科目の会計事務は試験を受けなくともいい、あとのものについて試験を受けるのだ、こういうことでやっていらっしゃるのじゃなかろうかと思うのだけれども、税理士なんという場合は、これは限られた職務であって、かなりの試験を受けなければならない、こういうことでありますが、そこらの点、そういうこまかい点で関係団体というようなものと折衝しておられるのかどうか。そうしてその折衝も今聞くと少し見込みのあるような話であったが、その見込みが立って、次の国会あたりにこれを上程できるような方向に進んでいるのかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○馬場説明員 どの程度進んでおるのかということは、まだはっきり申し上げられる段階でないことを遺憾に存じておるわけでございますが、この公認会計士、計理士、税理士といった方々の中でも、税理士の方々が圧倒的に多いわけでございます。また当然の結果として、登録診断員になっていられる方も、税理士の数が一番多いわけであります。また中小企業との関係の特に深い方々もこの税理士の方でございます。従いまして、一番診断士との関係において深い関心を持っておるわけでございます。いろいろな複雑な事情もあるわけでございますが、税理士会全体としては何とか診断士制度と協調的にやっていけるようにということで、幹部の方々も御心配をなさ、ておるというふうに聞いておりますので、私どももひざをまじえて話をして参りますれば、何らかの解決が見せるのじゃないかというような期待を持っておるということでございます。いすれまたはっきりいたしました場合には、この委員会において御報告さして、いただきたい、かように考えております。
○松平委員 そうすると法案を提出できなかったという場合は、今と同じようなことになるのですが、現在の登録診断員制度、これは通産省で省令か何かによって、研修か何かしておる、こういうことであるわけだが、冒頭に申し上げたように、私は都道府県あるいは中央直轄の相談員というものの拡充、強化というものがきわめて必要であろう、こういうふうに思うわけだけれども、予算的措置その他は一体どういうふうに考えておられますか。なお診断員の特別研修というようなものをやっておられるけれども、これはどうも通産省の予算が少くて、かなり高い研修費を払わなければならないような工合に現在はなっておる。だからこれらの点も勘案して、もう少し法律を作ることもさることながら、現在の制度そのままにおいて拡充強化していく、こういうところに相当重点を置いてもらいたいと思うのだけれども、それらの構想についてお伺いして、私の質問をやめます。
○馬場説明員 来年度の予算要求の構想といたしましては、この診断士法が制定されるということを前提にいたしまして、診断士法の施行に要求する経費というものを要求しております。この経費の要点は、国家試験をやる試験の経費と、それから中小企業診断士会という会を作ることにいたしておりますが、その関係の経費と、それから一般的なわれわれの方の事務費とございますが、この診断上ができますと先ほど先生もおっしゃいましたように、中小企業の中でも有料でもやっていけるという力のあるものの分野は、全部この民間のコンサルタントの診断にまかせよう。そうして国のあるいは地方公共団体の行います診断というのは、個別企業の診断の場合には零細企業を重点にした、いわゆる施療的なものにして参りたい。こういう方向に重点を向けていきたい。同時に診断の中でも集団診断的な、たとえば油川街診断でありますとか、産地診断でありますとか、そういう集団診断的なものに、国並びに公共団体の診断を持っていきたい、かように考えておるわけであります。それでは先ほど申し上げましたように、来年度のいわゆる中小企業診断員の関係の予算要求といたしましては、本年度までが百七十二名の人件費しかついておりませんでしたが、来年度は業種別の振興対策というものを考えております関係上、この診断員の数を三百人くらいにふやしまして、そうして業種別の総合診断的なものに重点を置くと同時に、今申し上げましたような零細企業を分担する個別の企業診断をやっていきたい、かような構想で予算の要求をただいましておるわけであります。 ―――――――――――――
○中村委員長 次は板川正吾君。
○板川委員 私は電気料金の問題について公益事業局長に一言お伺いしたいと思います。実は電気料金の問題で少し詳しく質問したいと思ったのですが、本日は時間もないようでありますから、一点だけこの際お伺いをしておきたい問題があるのであります。 それは電気料金三割頭打ち制度の問題であります。御承知のようにこの問題は三月で制度廃止ということでありましたが、その後関係者の陳情やいろいろの事情があって、半年間暫定措置として廃止を延期するということで今日に至っております。この期限が九月一ぱいで切れる。次の委員会のときには切れてしまう格好になるわけでありますから、ここでお伺いをしたいのでありますが、九月一ぱいに切れる、この三割頭打ち制度を廃止するか。それともやはり延長するかどうか、この点をどういうふうに現在お考えであるか。またこの問題は前回この頭打ち制度の延長を決定するときに、電気料金制度調査会に対する通産省の一つの結論が出るまでという意味で延期しておった。しかも出る時期がこの秋には出るだろうから、従ってそれまで延期するということでありましたが、その電気料金制度調査会に対する通産省の見解は、結論が出たかどうか。この点を一つお伺いしたいと思います。
○小室説明員 ただいまの二点は関連しておりますので一括してお答え申し上げます。 三割頭打ちの暫定的延長は、すでに数回行われまして、最後の延長が本年の三月の末でございました。その際今の電気料金制度調査会の結論が出るまで延長するというようなことは、政府部内、もちろん対外的にもそういうふうなお話をいたしたことはございません。これは一応切り離されております。電気料金制度調査会の答申は昨年の十二月十九日にやや大まかなものでありますけれども、政府としてちょうだいいたしました。それを自後非常にこまかい点に至るまで検討しておりまして、これは近く結論が出ると思いますけれども、それは三割頭打ちの延長とは無関係に結論は出るかと思います。三割頭打ちの問題は六カ月延長したわけでありますが、これは主として延長を廃止した場合といいますか、三割頭打ち制度というものを廃止した場合、これが産業界あるいは一般の需用者にどういう影響を及ぼすかという点について慎重に検討した結果、とりあえず六カ月延長するということに相なったわけでありまして、私どもはただいま頭打ち制度をかりに廃止した場合に、どういう影響があるかということ、これが対策としてどういうことが考えられるかというようなことも実際に検討しております。まだ検討中の段階でありまして、九月末にどういうふうにするかという結論は出ておりません。
○板川委員 頭打ち制度を廃止した場合、産業界、それから一般消費者にどういう影響があるかという範囲、これは前回には一つの範囲が発表されておったと思いますが、大体前回と同じようですか。それからもし頭打ち制度を廃止をした場合は、電力会社がどの程度そのために増収になるか、そういう点、わかるだけでけっこうでありますが、詳しく一つ報告を願いたいと思います。
○小室説明員 大づかみなことを申し上げますが、九社電力会社がございますけれども、東北、北陸は三十二年の夏に、ほかの会社とは違って値上げをいたしました。その際三割頭打ち制度というものは、この両会社についてはなくなっております。他の七社でございますが、他の七社が、大体年間の実績で申しますと、約十二億円くらいの増収になる。これは電灯と電力両方合せて十二億くらいでありますが、千分の幾つというような程度の割合の増収でございまして、そのうち電力が三分の一くらい、電灯関係は三分の二くらいと大づかみに考えていただけばいいかと思います。三割頭打ち制度というものは、はとんど個々の需用家ごとに事情が少し違いまして、影響も違います。電灯の場合でも、大体力に四十円前後のものが平均であります。電力も会社ごとにだいぶ事情が迷います。ただ電力の関係で影響を受ける業種は、割合に限られております。件数、工場の数等では、比較的少数でございます。
○板川委員 今の廃止した場合に影響を及ぼす範囲、三分の二が一般電灯消費者、これは非常に零細な人たちだろうと思います。こういう人たちが十二億の三分の二だそうでありますが、一体どのくらい軒数にしてあるのですか。世帯数でもけっこうでございます。
○小室説明員 これはちょっと私数字は、なにでございますけれども、たとえば何百万軒とか千万軒とか。数かこいえば非常に多うございますが、一軒当りにするときわめてわずかな額になっているというような感じでございます。
○板川委員 最初の新聞の報道するところによると、電力会社はこの九月期の決算で、配当を一割二分から一割に減らすということを、新聞等で報道されておる。その配当を減らすということは、料金値上げの伏線、こういうふうに考えておるようだということをいわれておるのでありますが、昨年からことしにかけては、御承知のように非常に豊水に恵まれて、石炭を買うベきものを予定より三百万トンも買わなくて済んだ、こういうような状況でありますから、その問題は、会社の経営が苦しいから、三割頭打ち制度は廃止て増収しろ、こういう立場から考えたのじゃないですね。
○小室説明員 頭打ち制度は、当初実施されましたときは、急に三割以上の料金の値上りがあるというようなことは、どうも適当でないんじゃないかということで、影響緩和策としてとられた。それが多少ずるずると毎年延期されてきたのでありますが、これによる増収というものは、先ほど申したように千分の幾つというオーダーですから、それによって電力会社の増収がどうなるというような影響はございません。もう相当期間緩和措置をとってきておる。この際、むろん零細な消費者に対する影響とかあるいは特殊のこの廃止によって非常に影響を受ける者の対策ということは考えなければいけませんが、ごく正常なものに戻すという考慮でございまして、それでもって電力会社の料金収入をうんと上げるということを目標にしておるわけではございません。
○板川委員 それでは、三割頭打ち制度が廃止せられないで今日に至ったのは、非常に零細であるが広範な消費者に影響がある、こういうことを考慮されて、幾たびか延長されてきたのだろうと思うのです。その理由は私は今日に至っても解消していないように思うのです。従って、この九月でこれを廃止するか、さらに延長するかということをきめるに際して、そうした事情を一つ勘案されて再延長するように希望しておきたいのです。 もう一つは、次官もおられますが、今度の通産大臣は御承知のように給料を二倍にするということを政治目標としておられるが、とにかく給料が二倍にならないうちに、電気料金あるいは放送料金、新聞代、こういうふうに先にそっちの方ばかり二倍の方に近づいて、給料の方が少しも上らないうちに支出の方ばかり上ったのではたまりませんから、そういう点を一つ考慮されて、大臣の方針があるでしょうから、ぜひ零細なそういう人たちに、新聞代、放送料金、その上にまたそういう値上げ措置のないように一つ御考慮を願いたいと思います。 その一点だけで私のきょうの質問は終ります。 ―――――――――――――
○中村委員長 次は中井一夫君。
○中井(一)委員 私の質問はどうしても通産大臣としての御所見を承わる必要があるのであります。しかし本日はダレス長官の追悼会のために欠席のようでありますから、大臣に対する質疑は次の機会に留保いたします。ついては本日は中小企業、特に小売商と百貨店並びにチケットの発行機関である日本信用販売会社等に関する根本的な問題について、政府当局の御所見を伺い、かつ私の切実なる要望を申し入れたいと思うのであります。 まず伺いたいのは、前回の委員会において私から強く要望をいたしておいたのでありますが、百貨店の割賦販売の問題につきまして、昨秋産業合理化審議会流通部会が開かれてからまさに一年を経過いたします。本月五日にその委員会が開かれて、一応の結論を得たと新聞は発表しておるのでありますが、いかなる結論になりましたか、承わりたいのであります。
○磯野説明員 お答えいたします。総合割賦の問題につきまして、今お話がございましたように、昨年の十月二十八日以来産業合理化審議会の中に流通部会を設けまして、九月五日まで部会といたしまして都合十回の審議を重ねまして、九月五日に流通部会としての正式の答申を決定いたしました。 内容につきまして簡単に申し上げますと、まず第一点といたしまして、いわゆる総合割賦販売に対する基本的な考え方でございますけれども、この点につきましては、結局総合割賦につきましては弊害の面もあるわけでございますが、現在国民生活と家庭生活の中において相当の役割を果しておるというようなことを考慮いたしまして、その弊害と思われる点を是正いたしまして、そしてこの総合割賦販売の制度を適正に運営いたしたい、こういうような結論が第一点でございます。従ってこの結論から出て参ります最も具体的な問題といたしましては、きわめて低額なもの、それからその他、先の所得で払っていくというような制度に似つかわしくないものにつきましては、これは割賦販売の対象とすることは適当でない。でございますから、たとえば五十円、百円というふうなきわめて低額なもの、それから一定の飲食品、消費をすればすぐなくなってしまうというふうなものにつきましては、この制度として適当でないという点がございます。 それから第二番目といたしまして、今御指摘のございました小売商と百貨店の総合割賦販売に関しての調整の問題でございますけれども、この点につきましては御承知のように、いわゆる共通チケット発行機関が最近進出いたしました関係でいろいろな問題が生じまして、結果的にこうした流通部会を持ったわけでございますけれども、その百貨店に対する方策といたしましては、百貨店がいわゆる共通チケット発行機関の発行するチケットに対して、売れる商品につきましては、ある一定の価格以上のものに限ってある。つまり百貨店に対しまして小売商との調整というふうな視野から、ある種の商品に一定の価格制限を行うべきであるということが第二点でございます。 それから第三点といたしまして、これも小売商と百貨店との調整の問題でございますけれども、今申し上げましたような意味合いからいきまして、同じく百貨店につきましては、ある種の品目制限を行うことが適当である。この品目制限を自粛という格好で行うことが適当である、こういう考え方でございます。それからその次に、この共通チケットにつきましては、従来地域的なチケットの適用区域と申しますか、そういう点についての制限と申しますか、そういうものはなかったわけでございますけれども、この審議会の結論といたしましては、地域を異にしている百貨店に共通するようなチケットは発行しないことが好ましい、具体的に申し上げますと、共通チケットの適用区域としては、都道府県を流用区域にするというような考え方が好ましいのではなかろうか、こういうふうなことでございます。 それから第四点といたしまして、今後――現在御承知のように百貨店の中にはいわゆる共通チケットによる総合割賦販売を行なっておる百貨店と行ってない百貨店とございますけれども、今後新しく総合割賦販売を行なおうとする百貨店に対して、どういう態度をとるかという問題でございますけれども、これは結局百貨店の総合割賦の販売が対小売商との関係で調整されるべきである、こういうことでございますので、結論的に申しますと、百貨店と小売商との間で調整がついたときに限ってこれを行うことが好ましい、こういうふうなことでございます。 そのほか二、三の点についてこの審議会の答申は、いろいろのことを示唆しておりますけれども、大要といたしましては以上申し上げた通りでございます。
○中井(一)委員 そうすると価格の制限、品目の制限、これらの問題につきましては何人がきめることになるのですか。
○磯野説明員 この価額の制限、つまり百貨店に対する制限でございますけれども、これはただいま申し上げました答申の中でも、いろいろ百貨店と小売商との調整の問題、方法といたしましては、百貨店側が進んで自粛という形でいろいろ制限を行うことが好ましいというふうな勧告になっております。
○中井(一)委員 そうすると、その自粛についていずれも通産省との間に協議が行われることと思いますが、それはいつごろ発表されるお考えですか。
○磯野説明員 ただいま申しあげました答申の線でございますけれども、これは産業合理化審議会の流通部会が一年かかっていろいろ研さんいたしました結果、そら方法としても自粛の形が好ましいという結論を下しておるわけでございますが、その実行の問題につきましては、これは従来から長い間の問題でもございますし、この答申にございますようにそういう非常にはっきりした自粛という格好で行われることが好ましいというわけでございますけれども、要は、この流通部会におけるこの非常に苦心をいたしました結論をなるべく早い機会に円滑な形で実行に移すということが政府としては好ましいわけであります。
○中井(一)委員 早い機会とは、いつごろをいうのですか。
○磯野説明員 早い機会と申しますのは、これはとにかく今申し上げましたように、非常に長い間の懸案でございますので、今いつこれを実行に移すということは申し上げられませんけれども、この答申の線に沿って、できるだけ早く、しかもできるだけ円滑な格好で実施したいと考えております。
○中井(一)委員 そこで卒直に伺うのですが、世間では、その制限金額は千円ぐらいの低いところに定められるのではないかといはれており、何ゆえにもっと高いところ――あるいは一万円説、七千円説、五千円説あり、少くとも今の小売商全般の意見としては五千円、ぎりぎり決着最低線を三千円にしておる、これは全く悲痛なる最後の線であると思うのでありますが、通産省としてはその声をどうお聞きになっておるか、この点は、政務次官から伺っておきましょう。
○原田説明員 制限の値段を幾らにするかということは、今中井先生おっしゃったように一万円説あり、七千円説ありあるいは五千円、三千円と種々あるようでございます。私どももうわさは耳にいたしております。実は私もこのことについては業者の方々の要望を聞いておりますが、一体幾らにしたらよいかということについてはなかなか決定がむずかしい問題じゃないか。というのは、やはり商売をしておるという対象は消費者でありまして、消費者の立場に立ってものを考えなきゃならぬという点もありますし、ただ制限することだけが果して小売業者の進歩になるだろうかというようなことも考えられるわけであります。ざっくばらんな話をいたしますと、たとえばワイシャツです。千円のワイシャツを買おうという時に、地方では、なかなか安いものがあるけれども、品質のよい、一番サラリーマンたちが買うところの千円というようなものが、地方の小売屋へ行ったらない。必然的に足が百貨店の方へ向いて行く。またいわゆるクーポンを持っておるから、そこで買うというようなことになってくる。だから、一番こたえているのは千円くらいのところでこたえているんじゃないか、ということは業者の方々からも出たのでありますが、この間もそういうようなことも話しをしておりました。高いところでぴしゃっと置いてしまうということは、あるいはこれがいいかとも思いますけれども、それが消費者の立場で考えてよいか、また小売商というものは、やはり商売というものは、自分の努力によらなければならないのでありますから、ただ何でも反対して、そして制度的に保護体制をしてもらって、それだけで安閑としておって伸びられるかというようなことを考えますときに、私は五百円や、あるいは百円台というようなことは、これは好ましくないと、思いますけれども、今中井先生の言われるように、幾らにしようということについては、ここでちょっとお答えいたしかねるのでございますが、やはり、小売商の実態から見てみますと、大阪の場合の数字を見ましても、確かにクーポン券の百貨店におけるところの売り上げが、小売商の減っておるというのと比べて、これは偶然かもしれませんけれども、一致をしておるというような状況を見ますときに、これは今、次長の方から言いましたように、可及的すみやかにこれを決定をするように仕向けていかなければならぬ。値段の点におきましてもやはり小売商というものの立場というものもよく考えて作らなければいかぬ。この辺でごかんべんを願いたい。
○中井(一)委員 原田政務次官は、小売商の問題につきましては最も同情と御理解をお持ちになる方であって、終始一貫小売商擁護と育成のためにお尽しになってきた方であります。従って、今日通産省内の空気が、ややもすると百貨店または日信販の方に傾いておる、小売商側に冷酷であるというような中に入られて御苦心の存するところは、私も心から御推察を申し上げておるのであります。それだけに流通部会の答申はきまりましたけれども、金額並びに品目等の決定については残された問題となっておりますから、最後の御尽力をいただきたく、ここにこの質問をいたすことになったわけなのであります。
○原田説明員 中井先生の日ごろの御努力には敬服いたしておるのでございます。役所の中に私が入ってみまして、決して役所の中で日信販の味方をしたり、あるいはまた百貨店の味方をしたりするような空気があるというようなことはないということを、私は確認ができたことをひそかに喜びといたしております。私も中小企業者というものが非常に多い国民の階層を占めておるということをよく認識しております。商売を繁盛さすための施策というものは真剣に考えておるつもりでございます。役所もそのつもりで考えておりますから、先生の日ごろからの熱心な御努力に対しては、これを裏切ることのないような処置というものがとられなければならぬという覚悟をいたしております。
○中井(一)委員 そこでただいま伝えられておる金額の制限一千円説なのでございますが、おそらく企業局としては一応一千円ときめておいて、それであまり大きな打撃が日信販等になければ、さらにこれを上げていっていいのではないかとの御意見がある趣きであります。しかし一たびきめられましたら、これを動かすことはむずかしい、事実上できない。従って一応きめるが、将来これを上げていくなどというようなことは、結局その場のがれでありまして、それではかえって事柄を困難にせしめることとなる。そこでこの問題については通産省としても、また政治家たる通産大臣、政務次官としても、この際割り切って、一体日本の通産行政の中で最もむずかしい中小企業、ことに困難なる小売商の問題をどう考えるか。特にこれに対して百貨店、日本信用販売会社との相剋摩擦をどう処置するかということについては、今日政治家としての立場から一つの覚悟をされる必要があると思うのです。自由民主党においては、すでにいわゆる社会保障等の問題で社会政策的な施策を思い切って進めたのであります。残された一つは、この中小企業の問題なのです。特に有力にして大資本を持つものと、無力にして資本力なきものとの間に利害相反する場合において、一体どちらを擁護するかということは、今や之を決すべき時がきておると思うのであります。そうして常に社会の谷底にある約一千万に及ぶ日本の小売商とその家族を擁護し、これを強力なる大資本家、百貨店等の圧迫から免れしめるということは、まさに政治の要諦だと信ずるのであります。その意味において政治家たる池田通産大臣または原田政務次官等が思い切った決断をなさるのは今である。今これをおやりにならなければ、小売商人は、自由民主党はわれら小売商人を相手にしない、百貨店のような有力なものでなければ相手にしてくれないのだ、と考えるおそれがございます。私はそれが残念でたまらならぬのである。政治家として決断すべき時は今である。その意味において、制限せられる金額千円は安過ぎる、低過ぎます。少くともその最低金額を三千円にすべきである。そこで問題は、そうなれば百貨店はあまり困らぬ、困るのは日信版等のチケット業者であると思われる。私の知るところによると、千円では日信販は一〇%商店が減じ、三千円になれば、三〇%減じ、それ以上では日信販はつぶれるかもしれない。その責任をだれが持つか、というような議論が、通産省をして思い切って、小売商側の悲痛な譲歩の最低線、三千円税までも無視してこれを手円ぐらいに決定せんとせられるわけではないかと推察をするのであります。それゆえに、本日は私は言いたいことを申しますから、この問題についてあらためて大臣、政務次官は企業局の人たちと御協議を願いたいのであります。 百貨店法ができて間もなく通産省小業局の名をもって出版せられた解説書の序文には、百貨店法は百貨店の急激な進出や行き過ぎた営業に関する行為が中小商業に悪影響を与え、その利益を著しく害し、またその事業活動の機会を奪うことのないよう、百貨店業の事業活動に対し必要な調整を加えることを目的としたものである、この意味において中小商業の保護立法でふる、とはっきういうておられます。もとよりこれは百貨店法節一条が明定する趣旨なのであります。しからば何ゆえ百尺竿頭一歩を進めて、この割賦販売の問題について百貨店を押えることができないのであろうか。現に百貨店のうちには、割賦販売はやらないでもよろしい、それまでして小売から恨まれたくはない、と言っておる店があるのであります。またこの間の中元の売り出しを見ても、東京二十店、大阪十店、それらの百貨店の売り上げは、実に莫大なる金額であります。それを思えば、百貨店はめんどうな割賦販売などを、小売商が困るというのに、強行する必要がどこにありましょう。百貨店は他の方面においてその利益を確保すればよいのであって、無力な小商人を泣かしてまでその利益をかっぱらっていくようなやり方をすべきではない。その趣旨にそ百貨店法の法意であると信じて疑わぬのです。 また先ほど原田政務次官は割賦販売の制限には消費者側の利便を考える必要があると述べられておるが、この点については私は汽車や電車のストライキを見よと申したい、消費者にあたるものは汽車電車の利用者である。労働者は賃上げの要求が聞かれないからといって汽車電車を止める、利用者はその足を奪われても泣寝入りであって、しかもストライキは正当の権利なりとされている、これは弱者労働者の生活権を擁護するためには一般国民は辛棒せよとの原理のあらわれに外ならない。しからば日本人口過剰のしわ寄せによる犠牲者である小売商人についても、その生活権を擁護するがために一般消費者は辛棒すべきであるという社会政策の根本原理が認められるのであるか、私が政府も自民党も覚悟して踏み切れと申すのはここなのである。 また日信販等のチケット業者がつぶれるという問題につきましては、私はつぶれてもいいと考えておるのであります。なぜとなれば、この問題について悲鳴をあげているものは、日本一千万に近い無力な国民なんです。日本の十軒に足らない大資本家たる日信販その他がその声のためにつぶされるならば、喜んで受けてよい犠牲だと思うのであります。しかも日信販等が気の毒だというならば、その損害は新たに法律を作り国家が補償してもいいじゃありませんか。現にこの委員会におきまして、織物業者の窮状を救うために、昨年決定いたしました過剰織機買上補助金、三十一年度から三十四年度にかけて合計十七億の大金を国家がまかなうておる。これを農林省関係に見ますと、糸価安定法によりまして、糸価の下落により生糸関係者が困るというので、生糸を買い上げ、たな上げするための費用を百五十億から出しておる。また最近製塩法の革新により塩田の必要がなくなった。そのため塩田業者救済のために塩業整備促進法が作られ、これも約五十億の大金を出しておる。こういうことを数えて参りますならば、省関係において莫大なる国費を投じ、一部の国民の困難を救うために一般国民の税金を注入しておる例は幾らでもあります。しからばわが国一千万に及ぶ小売商の人たちのために、日信販の五社や十社がつぶれたって何が悪いか。つぶれて困るというても、その損害は数億にすぎますまい、国家が補償してやってもいいじゃありませんか。同じような問題が、同じ政府、同じ政党によって処理されておるのに、なぜ一たび小売商の問題になると、その悲痛なる声が取り上げられないのであるか、私はこれを残念に思うのであります。これは私は政治じゃないと思う。自由民主党としても今や踏み切るべき時がきているのだ。あの社会保障を、自由民主党は進んで実行した、しかもその結果は福祉日本建設の基礎となった。それならばこの中小企業、ことに小売商の問題を解決するのに、何ゆえに三億や五億の金を惜しむのか、わずかの百貨店やチケット業者を相手に、日本多数の小売商の声を政治の上に反映さすことができないのであるか。私は内閣と自由民主党とは深く反省すべきであると思うのであります。 私は初めに申し上げましたように、本日大臣の御出席のないことを遺憾とする、これには理由がある。池田大臣はかつて、国会において、貧乏人は麦飯を食え、中小企業の二人や三人は首をつってもよいと言われたと伝えられたものであります。しかし池田大臣の説明は決してそんな趣旨ではなかった。これは全く、ためにせんとするものが、大臣の真意を曲げて、世間に伝えたものであります。しかうして池田さんは再びこの内閣に入られて、通産大臣の要職につかれた。今度こそは、その月給二倍論とともに常に心配しておられる中小企業のために尽さんとする情熱、特に小売商の救済、育成のための施策について、その温情とその真意とをこの国会を通じて国民に宣明せらるべきでありますが、欠席をされたのははなはだ残念です。しかし事柄は緊迫している。はっきり言うならば、大資本の百貨店数軒、日信販ほかチケット業数会社の利益の確保が大事か。わが国多数の小売業者の擁護が大事か。私は小売商の言い分によしんば多少の無理があってもいいと思う。それをそのまま取り上げて、小売商のために、政府は、われらの自由民主党は、真剣にこれまでやっているということをあらわすことが、政治だと考えている。それがためには、日本数軒の大資本家である百貨店が多少困っても――繰り返して言う。日信販等なんかつぶれてもかまわぬ。私はそれが政治というものだと信じているんです。弱者の肉を強者の勝手に食わせることは、断じて政治じゃない。弱い者を強い者から守るということが政治だと私は考える。自由民主党は、これをやらなければ国民の政党とは申されない。ほかの人々のためには何とかしてでも数億の救済金を出す政府が、何ゆえに小売商の問題になると仕入のような顔をするのか。大体企業局はややもすると六百貨店の側にあるといわれておる。私もそう思わざるを得ない。それならば、政府は同じ通産省内に中小商工業者のためにする中小企業庁なんというものを作るのはやめるがいい。 通産省の設置法を見ると、百貨店の所管は中小企業庁になくて、本省の企業局になっている。百貨店は大資本であって、中小企業でないからそうされたのであろう。しかし百貨店に関する政治的な問題というものは、中小商業者との関係においてのみその重要性がある、従って百貨店の所管はむしろ中小企業庁に移されるのが当然だと思う。そうすれば、おそらくこの割賦販買の問題のごときも、政府に対しもっと小売商の声が通じておったと思うのです。中小企業庁の方々は、さすがに中小企業庁設置の趣旨にかなうて、中小企業のために一生懸命です。しかるに本省の企業局の人々は、とんと中小企業のために理解も同情もない。そうして百貨店の側の言い分のみがお耳に入るように見える。それだから世間で、企業局は通産局の企業局ではもく、百貨店の企業局だといわれるのも、私は無理ではないと思う。以上の意味においてこの問題をあまり軽く扱わないことが通産省のためだし、この内閣のためだし、自由民主党のためだと私は確信して疑わない。 明日は、自由民主党本部におきまして商工部会が開かれますから、わが自由民主党においても、真剣な課題として取りあげ、われわれの態度を決定せねばならぬと思うのであります。その意味において、私の尊敬する、ことに中小企業については御理解と御同情のあるわが中村委員長は、格別の御尽力をもって御推進をいただきたい。もし本問題を軽くお考えになって、制限金額を千円くらいの程度でおきめになるならば、何のためかわからぬ。日本全国の小売業者は、自由民主党は頼みにならぬ、池田通産大臣も小売業者を見殺しにする大臣だと言うに相違ない。 今やわが自由民主党とその政府とは、日本の小売商のために真の理解者であり、真の同情者であることを示すためには、この問題をどう解決するかを覚悟せねばならない。 多く申しません。まず物品を指定されるについても、小売商側の意見に従っておきめをいただきたい。金額については、千円は少な過ぎる、最低三千円以上をもっておきめ下さるのが相当であると信じます。 私はこれが最後の言葉です。この委員会が終りましたならば、間もなく具体的な決定がなされる。願わくは――私の申し上げたことは、ほんとうに日本の気の毒な小売商の悲痛な叫びの代表であり、自由民主党において小売商の味方として一生懸命に働いておる者が多々あるという証拠です。どうか通産省において、大臣、政務次官を初めもう一度相談を練り直し、それを実行に現わしていただきたい。 私は同時に自由民主党を動かすことをお誓いして、質疑を終ります。
○中村委員長 それでは、本件についての本日の質疑は、この程度にとどめます。 なお、明日自転車競技に関する件について、日本自転車振興会会長の松本学君、千葉県自転車振興会専務理事の鶴岡不二夫君、評論家の平野威馬雄君、松戸市長の石橋与市君、千葉県公営競技事務所所長の本吉武夫君、以上五名を参考人として、出席願う予定となっておりますので、御了承願います。 次会は、明日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十四分散会