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32回国会衆議院1959/07/08

商工委員会 第2号

発言数
187
登壇者
17
会派数
2
開催日
1959/07/08

会議録

中村幸八自由民主党

○中村委員長 それではただいまから商工委員会を開会いたします。  この際、前委員長の長谷川四郎君より発言を求められておりますので、御発言を願うことといたします。長谷川四郎君。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 私の任期中一年有余にわたる同僚各位の非常なる御協力によりまして、無事その期間を過ごすことができましたことを、この際厚く御礼を申し上げます。  商工行政というものは、非常な重要な地位を持っておりますので、今後とも同僚各位と力を合せまして、産業の発展に大いに努力を尽したいと思うのであります。幸い私の次に、長い間その体験を持っておる中村幸八先生が委員長になられましたので、これこそその目的を達成する上において、最も適当なお方であると私はかたく信じております。どうか皆様方と力を合せまして、委員長を中心にこの運営を全からしめたいと考えております。どうも長い間ありがとうございました。(拍手)

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に田中武夫君より発言を求められておりますので、これを許可いたします。田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ただいま長谷川前委員長より御退任のごあいさつがございましたが、この際委員各位の御同意を得て、私からも一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。  御承知の通り長谷川前委員長は、第二十九回国会で選任せられ、引き続き第三十回国会、第三十一回国会のきわめて多忙なときの委員会を担当し、その間三十二件の多きに上る法案の審査を終えられて、委員長の職務を全うせられ、今回新中村委員長とかわられたのであります。  もとより自民党と社会党という立場を異にする私どもではありますが、数多くの成立いたしました法案、この中には、水質汚濁防止関係の法案とか、小売商業調整特別措置法案とか、あるいは工業所有権関係法案など、両党の意見が異なる問題の法案も多数あったのでありますが、その決定の際の結果をながめてみますと、それらの中で多数決によって成立いたしましたものは一件もございません。すべてが修正等の方法により、全会一致の決議をしているのでありまして、私もあらためてそのときどきを思い出し、感慨を新たにしたのであります。私も今までいろいろな委員会に参画したり、見聞したりしましたが、この体験からいたしましても、これほど数多くの法案が、しかもこれほど多くの問題を含んだ議案を、全部全会一致に至るべく尽力せられ、それを実施せられた委員長といいますのは、めったにおられるものではないと存じます。一見して温厚な感じとばかりは言えない御性格のようにも見られたのでありますが、その結果から見ましても歴然たる通り、実に円滑に委員会を運用せられたのでありまして、この一事によりましても、私どもといたしまして衷心より敬意を表する次第でございます。  私個人のことを申しましてはいかがかとは存じますが、私も野党の理事といたしまして、ずいぶんと理屈を並べたり、わがままを言って、委員長を困らせたことも多々あったかと思いますが、委員長の高所大所よりの政治的御判断によりまして、われわれの立場をもよく参酌していただきましたことは、今にして感謝の念にたえません。  幸いにして、長谷川前委員長は、なお当委員会に御在席せられ、理事として職務を全うせられるとお聞きいたしておりますので、御健康に御留意下さり、わが国産業経済の発展のために、一段と御協力されるよう切望いたすとともに、新たに選ばれました中村新委員長におかれましても、前委員長と同様に委員会を円滑に運営し、よくその職責を全うせられんことをお願い申し上げまして、ごあいさつにかえたいと存ずる次第でございます。(拍手)

中村幸八自由民主党

○中村委員長 ただいま田中委員より長谷川前委員長に対するごあいさつがありましたが、田中君の御発言は、全委員の感謝の言葉でありますことを委員長といたしまして、委員会を代表して申し添えておきたいと存じます。  なお、田中君より私に対しまして、前委員長同様に、円滑に委員会を運営せられたい旨の御発言がありましたが、微力ではありまするが、私も委員各位の御意見を十分尊重いたしまして、円滑なる委員会の運営に力を注ぐ所存でありまするから、よろしくお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

中村幸八自由民主党

○中村委員長 この際、通商産業大臣より、通商産業の基本施策に関し、所信を承わることといたします。通商産業大臣池田勇人君。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 先般の岸内閣の改造に当りまして、不肖私が通商産業大臣の職務を汚すことに相なりました。不敏ではございますが、わが国経済のもとをなしております産業、通商関係につきまして、渾心の努力を捧げたいと覚悟いたしておる次第でございます。当委員会の委員諸君のこの上ともの御支援をいただきたいと思います。なお、ただいまは、長谷川前委員長のごあいさつといい、また、これに対する田中先生のお言葉といい、私は関係者としてまことに感激を覚え、この上ない喜びを感ずるのでございます。どうぞ今の御両人並びに委員長の御発言のごとく、重要な商工政策につきまして、今後とも犬馬の労をとりたい、私の念願が皆様方の御協力によりまして達成いたしますよう、まずもってお願い申し上げる次第でございます。さて、私の考えております通商産業政策につきまして、まだ就任早々でございますが、日ごろの私の考え方、また、就任に当りまして気ついた点を一応御批露申し上げ、また、これに対しまして、足らざるところを皆様方の御支援によってみがきをかけていきたいと考えておるのであります。  私は、政界に入りまして十年そこそこでございますが、私の念願は、やはり国民生活の安定向上と、そうして雇用の増大による福祉国家の建設に向っていくことであります。敗戦後のあの状態から、国民各位の非常な御努力によりまして、世界の人が驚くほどの発展の過程をたどって参りました。これは日本国民の英知と努力によるものであります。そういう関係で、われわれの生活水準も、過去十年前と今とを比べますと、よほどよくなって参りました。われわれの生活がよくなったのみならず、わが国の世界における信用も相当伸びて参ったのであります。私は、この過去の実績を今後とも、もっともっと進めていきたい。それには、やはり通商産業部面の仕事のいかんが最も影響すると思うのであります。幸いに、過去もそうでございましたが、現在におきましても、わが国の産業経済の発展は着々その効を奏して、非常に明るいとは申しませんが、洋々たる前途を見ながら進み得るように相なったのであります。まことに御同慶にたえません。私は、今後、産業基盤の強化、こういうことを第一に進めていきたいと思います。いろいろの問題がありますが、何と申しましても企業自体の体質をよくしなければならぬ。これには金融面あるいは税制面において考えなければならぬ点もございます。また、産業立地条件、技術の振興等も非常に重要なことであるのであります。また、通産関係におきましては、現在貿易の自由化、為替の自由化の流れがとうとうとして進んでおります。われわれもこの流れにおくれないように心がけていかなければなりません。何分にも過去十数年間、自由経済とは申しますものの、為替管理、貿易管理によりまして、わが国の経済はほんとうに自由な状態になっていない。ちぐはぐの不自由な状態が相当続けられ、それが動かすべからざると申しますと言い過きでございますが、非常に強い基盤に立っていたのであります。これを為替あるいは貿易自由化の流れに沿って、時期的にいかなる方法で改めていくかということは、今後われわれに課せられました重要な問題であると思うのであります。私は、過去の積み重ねられました為替管理のもとにおける経済機構を自由化の理想に向って、徐々にこれを改めていきたいと考えておるのであります。  貿易の振興その他につきましては申すまでもないのでございまするが、私はこういう問題の中にありまして、いわゆる通商の円滑化、自由化、産業基盤の強化、こういう二つの命題の中におきまして、最も考えなければならぬことは、わが国産業のもとをなしておりまする中小企業の育成でございます。今までわが国におきましては、中小企業関係の施策はあれこれと相当尽されて参りました。しかしまだ十分ではございません。この今までの施策を今後強力に進めると同時に、中小企業の中におきましても、ちょっと手の薄かった零細企業、こういうものにつきまして、もっと力を進めて参りたいと同時に、あらゆる産業が非常に活況を見んとしておるときに、不況産業で困っておられる石炭あるいは肥料、こういう不況産業につきまして、これが建て直しにつきましての努力を続けていきたいと思っておるのであります。  非常に簡単でございまするが、自分の所信の一端を申し述べましてごあいさつにかえたいと思います。(拍手)

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に経済企画庁長官より経済総合計画等に関し所信を承わることといたします。経済企画庁長官菅野和太郎君。

菅野和太郎自由民主党経済企画庁長官

○菅野国務大臣 このたび、私は、経済企画庁長官に就任しましたので、この機会に所信の一端を申し述べ、各位の御協力をお願いしたいと存じます。  経済企画庁の任務は、長期経済計画の策定推進、基本的経済政策の企画調整等を行い、もってわが国経済の安定成長を期するところにあります。ここ数年間における日本経済の成長は、まことに目ざましいものがありますが、なお一そう健全な成長を遂げ国際社会における地位の向上をはかっていくためには、今後ともますます経済に関する適切な計画や政策の策定と推進とが強く要望せられておりますので、私といたしましてはこの任務達成にできるだけの努力を傾けたいと存ずる次第であります。最近の経済動向を見ますると、昨年秋以降における国内経済活動の上昇は、まことに顕著なものがあり、すでに経済諸指標は、景気後退前の水準を回復して、新たなる成長を遂げる段階に入ったものと認められます。また海外経済情勢も米国経済の上昇を中心として漸次好転しつつあるものと考えられます。  このような比較的に明るい環境の中にあって、本年度の日本経済は、さらに順調な活動を続け、かなり高い成長を遂げるものと考えられます。その間にありまして、日本経済が再び行き過ぎに陥ることのないよう、輸入と設備投資の動向を注意深く見守らなければならないと考えるのでありますが、今後の経済施策につきましては、政府は、まず内において、企業資本の充実、金融正常化、公共投資の拡充、その他各般の経済の体質改善のため努力を続けて安定成長の基盤を充実し、外に対しては為替貿易の自由化の趨勢に応じつつ、輸出と経済協力に関する施策を進めるなど、各般の有効施策を強力かつ総合的に満たして参りたいと存じます。  さらにより長期にわたるわが国経済の発展の姿を想定しますとき、著しい科学技術の進歩や産業や消費に関する構造の変化なども予想されますので、政府におきましてはこれらの諸要素を織り込んだ長期展望作業を行い、この基礎の上に国民所得倍増の長期経済計画を作ることを準備いたしております。  もとより日本経済の発展は、民間企業の創意と努力に負うところが大きいのでありますが、政府におきましても、以上その一端を申し述べました通り、今後とも財政、金融、産業等各般にわたり、適切な施策を講じていきたいと存じます。つきましては、今後とも皆様方の一そうの御協力を特にお願い申し上げる次第であります。

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に、通商産業政務次官内田常雄君を御紹介申し上げます。

内田常雄自由民主党通商産業政務次官

○内田説明員 ごあいさつを、つつしんで申し上げます。  今回はからずも通商産業政務次官を仰せつけられましたので、当委員会と通産省との間の走り使いにこれ努めまするはもちろん、省におきましてはよく陳情等を承わりまして、通産行政の上に十分民意を反映いたす所存でありますので、この上ともよく御指導、御鞭撻をお願いいたします。(拍手)

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に、通商産業政務次官原田憲君を御紹介申し上げます。

原田憲自由民主党通商産業政務次官

○原田説明員 内田さんと一緒にこのたび通商産業政務次官を任命されました。内田さんのお話しの通り、私も皆さん方の使い走りを努めたいと思っております。私、この委員会に初めて来まして、長谷川前委員長、それから田中理事、新中村委員長のごあいさつを聞いて、先ほど大臣からも御発言がございましたが、非常に感激をいたしておる次第であります。皆さんの御協力を得て、できるだけ働かしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(拍手)

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に、経済企画庁政務次官岡部得三君を御紹介いたします。

岡部得三自由民主党経済企画政務次官

○岡部説明員 皆さんとはもう前々から一緒に勉強さしていただきまして、よくもう皆さんも私の性質を御承知と思いますが、私、このたびはからずも経済企画庁の政務次官に就任いたしまして、前々同様に皆さん方から御指導をいただいて、そして当委員会と私どもとの連絡に十分努めて参りたいと思っております。御承知のように私はどうも数字に弱い方でございますので、どうぞその点もよろしくお願いいたします。(拍手)

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に公正取引委員会委員長佐藤基君を御紹介いたします。

佐藤基公正取引委員会委員長

○佐藤説明員 ただいま御紹介いただきました佐藤基であります。昨日公正取引委員会の委員長に命ぜられたばかりでありまして、委員長としてどろなわ式に勉強するひまもないような次第であります。  申し上げるまでもなく、われわれが運用の衝に当っております独占禁止に関する法令は、カルテル、トラスト及び公正な取引方法を行使し、公正かつ自由な競争を促進することによって国民経済の健全なる発達をはかろうというものであることは、すでに御承知の通りであります。この独占禁止法は本月二十日をもちまして満十二年の誕生日を迎えるに至るまで成長して参ったのでありますが、この問いろいろな曲折はありましたが、今日では本法の存在が経済界における事業活動を活発にし、ひいては現在のわが国経済の発展に大いに役立ってきたその経済的効果とまた経済社会における弱小企業あるいは一般消費者等の保護に尽してきた、その社会的効果は何人もひとしく認めるところであります。のみならず本法に対する認識がますます深まるとともに、さらに一そう大きい期待が各方面から本法並びにわが委員会に対して寄せられておる次第であります。  今回公正取引委員長に就任するに当りまして、私は以上の現状にかんがみ、本法をその目的に沿って厳正に施行するように努めますとともに、他面わが国経済の実情に対する深い認識を基礎として、経済の実態に即応するよう法の適正な運用に万全を期しております。及ばずながら微力を尽し、本法の目的たるわが国経済の健全なる発達に資し、またわが国経済が直面している問題の解決に当っていきたい所存でおります。つきましては、今後商工委員の各位にはいろいろの面で深甚なる御理解と絶大なる御後援を仰がなければならないと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  なお、新聞料金値上げの独禁法違反の問題につきましては、先般も商工委員会でいろいろ御質疑があったと伺っておりますが、私といたしましては、先ほど申しましたように就任早々で、本問題についてこれから鋭意勉強するという状態でありますので、公正取引委員会としても、問題の重要性かつ複雑さにかんがみ、慎重に事実の審査を進め、厳格かつ適正に法の適用をいたしたい所存であります。すでにある程度の検討も進めて参っておりますので、なるべく早いうちに適正な結論を出したいと思っております。よろしくお願いいたします。     —————————————

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に、通商産業の基本施策及び経済総合計画に関する件について質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。松平忠久君。

松平忠久日本社会党

○松平委員 私は主として池田通産大臣に御質問を申し上げたいと思いますが、まず第一に御心境を伺いたいと思うのです。池田通産大臣は今回の内閣改造に当りましては、われわれの了解するところでは、この内閣に入らないような態度をとっておった、それが突然、わずか二時間の会談によって入ることになった、こういうことになっております。その上、なおかつ通産大臣でなければ自分はやらない、大蔵大臣か通産大臣でなければやらぬというようなことも新聞で伝えられておる。そうして通産大臣に就任せられておるわけでありますが、ただいまの所信の表明を承わりますと、経済基盤の強化であるとか、貿易の自由化の方向を適時に実施しなければならぬ、あるいは中小企業の育成強化、ことに零細産業に対する政策を講じなければならぬとか、特に現在の不況に悩んでおる石炭、肥料等のいわゆる不況産業に対する手直しをしなければならぬというようなことを申されておったわけであります。こうようなことについては、前大臣も所信表明の中で言われておったことだし、これはだれでもやらなければならぬことだろうと思うのです。しかし特に当初、この内閣には入らないような考えを持っておった池田通産大臣が、どうしてもなるなら通産大臣だということで入ってきたからには、私はやはり池田さん個人の通産行政あるいは日本全般の経済政策というものに対して、何かやってみたい、こういう強い信念的なものがあってなられたのではなかろうか、こういうふうに思う。そこで、どうして通産大臣にならなければならなかったか、どういう御心境でこの通産大臣をやっていかなければならぬというのか、それを私はまずお聞きしたいのです。その点について一つ御心境をここで御披露願いたと思います。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 私は、お話の通りに内閣に入ろという気持は過去三、四年間持ったことはないのであります。しかしたまたまいろいろの事情がございまして、石橋内閣の大蔵大臣になり、また第二次岸内閣の国務大臣になりました。今回の入閣につきましては、当初は入る意思はなかったのでございますが、岸さんといろいろ話をいたまして、どうしても私の協力を得たいと言われるし、また私はあのときの政治情勢を考えまして、自分の今までの考え通りではいかぬ、この際やはり政治家の一人として内閣に入っていくことが政治の混迷を払拭し、そして強力な政治を進めていくよすがにもなる、こう考えまして入ることにいたしたのであります。  次の、通産大臣でなければ受けないということは絶対に申したことはございません。私は前の国務大臣になるときから、何にもしなくてもいい、ただ自分が入った方がいいということなら入りましょうということで入ったので、通産大臣は岸さんから言われたのであります。どこのポストということを私から言ったことは全然ございません。どうぞ御了承願います。  こう言って参りますと、今の所信表明で尽きておるかと思いますが、そういう事情で、過去の各通商産業大臣の言われたことと、ほとんど同じようでございますが、私には私の持ち味がございますので、この持ち味を皆様方の御協力を得まして、うんと伸ばしていきたいという念願でおるのであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 通産大臣を特に希望したのではなくて、向うからポストをあてがわれた、こういう御答弁であったわけでありますが、そういうことであれば、今申されましたことは月並みのおそらくだれでも言う通産大臣の所信であろうと思うのであります。この中で特に池田は池田なりの持ち味があるんだ、こういうただいまの答弁でありますので、その点についてお伺いしたいと思うのです。  第一にお伺いしたいのは、これは今の経済企画庁長官の所信の表明にもあったのですが、現在の経済、ことに機械その他の一般産業の中で石炭あるいは肥料のように、特別の理由があって不況であるものは別といたしまして、かなりのテンポで上昇してきておる。そしてこの上昇率を見ると、神武景気のときとあまり変らない、むしろ中にはそれ以上の上昇率の高いものが出てくることは御承知の通りなんです。ことにこの会計年度に入りましてから非常な勢いで上昇してきている。機械産業のごときの新品の発注率などというものもかなり上ってきておる。従ってそういう方面の特殊な工業投資関係の就職求人というようなものも、これは求人が多くて、就職希望者はほとんどないというような状態なんです。なおこういう産業機械の新規据付のいわゆる増加資本といいますか、こういうものの貸し出し傾向というものも、きわめて顕著になってきておる。そこで最近のこの過熱の状態というもに対して、何らか金融的な措置を打たなければならぬというようなこともかなり心配されてきておるという状態なんですが、通産大臣はこの神武景気の再現とかいわれておるようなこの急激な状態に対して、これをこのままずっと野放しにしておいていいのかどうか、あるいは何らか金融的な措置というようなものも考えられているのか。第三・四半期の分を第二・四半期に繰り上げてしなければならぬという議論が最近行われております。こういうものに対してどういったお考えと見通しを持っておるのかその点をまず伺いたいと思います。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 今の経済につきましていろいろな見方がございます。過熱ではないか、あるいはまだ大丈夫だということがございまするが、私はまだ過熱の域には達していないと思います。これは三十二年の秋から三十三年にかけて、いわゆるなべ底と申しまするか、私は必ずしもなべ底とは考えておりませんが、あの状態からどんどん伸びる方へ行っておるのであります。従いまして、将来の明るさが増してきたということは、主として在庫投資の増でございます。従って私は在庫投資の増が一応頭打ちをするときが一、二ヵ月のうちに参ると思います。そうすれば今の過熱の議論はなくなってくると思います。神武景気の再来だとかなんとか申しまするが、過去の状態を考えてみますと、経済界は一応波を打ちます。昭和二十五、六年から朝鮮事変で、ずっと上向いたときに、二十八年に相当の設備投資が行われたのであります。国際収支は赤字になりましたが、二十八年の設備投資が二十九年、三十年の経済の復興に役立っております。そして二十一年のスエズ運河の問題から三十二年にかけてのあの急激な設備投資というものが、今度は三十三年から今の生産の増強の素地を作っておるのであります。従いまして一時赤字を出しまするが、その赤字に惑うことなく、長い目で日本経済の基盤を強化していくことが必要であると考えるのであります。  もちろん三十一年から三十二年にかけましてのスエズ運河の影響による輸入の増大、また輸入の増大によりまする外資不足のための見越輸入等によりまして、普通のときよりも十億ドル近くの多額の輸入をいたしまして、それがストックになっております。そのストックがだんだん使われていって今日の隆昌を見たのであります。従いまして、輸入が相当ふえて参りましたが、しさいに輸入の品目を見ますると、人の言う神武景気のときのごとく、機械の輸入とか鋼材の輸入のところまで行っておりません。今では輸入の増大したのは、スクラップ、鉄くずがいつもより非常に安うございます。本年になりまして鉄くずは世界的に非常に安い。この安いのを見越して相当量輸入しております。またそれによって石炭の輸入も増大しております。今の輸入がある程度伸びておりますが、これは昭和三十一年、三十二年のときのような状態ではないのでございまして、今まで力以下に縮んでおったのが普通の状態に帰り、そしてこれからもっと大きくなろうとするのが今の状態であります。従いましてわれわれは日夜日本の経済の動きに対しまして注意を払っております。従って、行き過ぎのないように、かといってまた引っ込み思案にならないようにという考えで、各般の施策をとっておるのであります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 今のお話を聞くと、大体従来の池田通産大臣の考え方を述べられておると思うのでありますが、世間では一部の者はかなり池田通産大臣の考え方とは違っておりまして、金融的な措置も何らか講じなければならぬじゃないか、公定歩合の引き上げなんかもすでに議論に出てきておる、こういうのが金融業界あるいは経団連等の一部の人たちの意向のように伝えられておるわけであります。そういたしますと今の考えとはかなりそこに食い違いがあるように私は思う。そこでお伺いしたいのは、今答弁の中で過熱にならないような適当な措置をそのつどとっていくという言及がされたのでありますが、通産省としてはこれを健全に伸ばしていくというために、一体どういったような適切な措置というものを講じていくのか、行政指導、そういう面で一応やっていくというのであるか、あるいは金融等とも話をして、金融等の力も借りてやっていこう、こういうこともときにはしなくてはならぬのだが、その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 通商産業政策の根本は私は自由主義でいくへきだ、各企業の創意工夫にまかすのが原則でございます。しかし先ほど申し上げましたように、為替管理、貿易管理の現状でございますので、その与えられました法律のもとにおきまして行政指導を適宜やっていきたい。今の金利の問題その他につきましては所管が違いますが、しかしこれは通産大臣としては各所管大臣と常に連絡をとりまして、適宜の措置をとるべきだと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 今の経済の状況が、お話にもありましたように一方においては非常に好況な経済があると思うと、一方においては石炭、肥料、造船という工合に、きわめて沈滞した産業分野がある、こういう二つの面があると思うのです。この不況産業に対してはそれぞれ原因も違っておると思うのですが、なかんずく石炭、これは明日この委員会で取り上げられると思いますが、石炭、肥料、造船という三部門については、通産大臣は何らか早目に手を打たなければならぬと思うのです。これに対してはどういうお考えを持っておりますか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 造船の不況ということは、必ずしも私はそうは考えておりません。これは造船業のうちにおきましても国内向げの、しかも二、三千トンあるいは五千トンぐらいのところは船台があいておる、こういうところはある程度不況でございましょうが、輸出船その他大型船のものにつきましてはまだ大体一年半分ぐらいおおむね持っておるようでございます。しかし今後の注文がどういう状況になるかということは考えまして、施策をしなければなりませんが、今の大型造船所が不況とは私は考えておりません。ただ将来船台のあくような場合があるかもわからない、これにつきましてもやはり一応の考えをしておかなければなりません。  肥料の問題につきましても、これは近日中に肥料審議会で私は考えを述べるはずでございますが、何分にも最近におきまして、御承知の通り六、七年間に肥料の生産は倍になっておりますが、国内消費は二、三割のふえようだ、倍になったその分の大部分は輸出に待たなければなりません。その輸出が最近東南アジアの外貨不足その他いろいろな事情によりまして伸びないのでございますから、伸びない肥料の輸出をいかにして伸ばすかということと、伸びないことを前提としてのこちらの生産政策をどうするかという問題が残っております。この問題はただいま検討中でございます。  石炭の問題は、御承知の通り炭主油従ということでやって参っておりましたが、この方針は私はそう一時になげうつわけには参りません。しかし日本の産業がいつまでも炭主油従でなければならぬかということにつきましては、検討を要するのであります。もし炭主油従を続けていくとする場合において、石炭についていかなる施策をとるかということが問題でございます。私は就任以来この問題につきまして頭を悩ましておりますが、今ここで石炭業についてこうやるというだけの案をまだ持っておりません。いましばらくお待ちを願いたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 石炭並びに肥料等の問題につきましては細目にわたるので、これは追って他の機会に委員会におきまして、もう少し具体的なことを御質問申し上げたいのですが、本日はおもな点だけについて一応大臣の所信を伺いたいと思うので、ほかの問題に移りたいと思います。  ただいまの所信表明の中で、中小企業の育成ということの中に、特に零細企業に関心を払わなければならないという所信の表明があったのであります。われわれもまさに零細企業については何とかしなければならぬ、日本の経済の盲点のような格好になっておるわけであります。そこでただいまのお話にありましたが、これはただ経済原則だけでやってもなかっなかできない問題じゃないか。経済は自由り主義であるつからというわけでほったらかしておけば、そこにしわが寄ってくることは当然であります。そこでその点を他の部門においてかなりカバーしてやらなくちゃならぬ。社会保障その他の政策はそれぞれの所管大臣をしてそれをやらしていかなくちゃならぬということになりますけれども、経済の分野におきまして零細企業を何とかして立ち直らしてやるということのためには、やはり新しい政策を私は持っていかなければならぬと思う。従来の通産省の政策は、いわゆる基盤強化であるとかあるいは貿易振興、そういう方面に重点が置かれておりまして、こうした中小企業、ことにその中で最も日陰者である零細企業に対しましては、ほとんど何らの手も打たれておらない。ただ金融的な措置が若干ございます。現在もあります。しかしそれも自由主義の原則によりますと、だんだんとそういうような金が足りなくなるというようなことになりまして、これに対する指導あるいは助成というか、そういうような政策がほとんどない。皆無にひとしいというわけでありますが、これに対してどういうふうなことを考え、また具体的に何らか手を打って、来年度の予算なり、あるいは法案なりを考えられる気持があるかどうか。その点をお伺いしたいと思うのです。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 わが国の中小企業対策ということを考えてみますと、他の国の中小企業対策におくれをとらぬ、どちらかといったら進んでいるくらいに私は考えておるのであります。ただそこで、今の金融とか組織とか指導とかこういう対策を、もっと下まで推し進めていくということが第一だと思います。組織あるいは指導、金融、こういうものも中小企業の中で、中が先になり、その次に小になり、零細企業のところまではなかなか行っていないと思う。私は今考えられ、また実行されておりまする諸施策を、零細企業の方へもっと向けていこうというには、やはり指導機関の強化が一番必要ではないかと思います。今新たにどうこう、こういう新しい案というものはまだ申し上げる段階に至っておりませんが、今までのやり方につきましても、どこに重点を置くかによって、またどの方策をより強く進めていくかによりまして、私は零細企業を相当救えるような方向に持っていきたいという考えでございます。新たな方法としては今のところ申し上げるところまで行っておりません。

松平忠久日本社会党

○松平委員 日本の中小企業対策というものは世界でも進んでおる、こういうことをいわれておる。それは先般でありましたか、エカフェの会議のときにインドの代表が、日本の中小企業政策は非常に模範的であるから、一つこれを見習いたい、こういうことを言われて日本の委員が冷汗をかいたということを聞いておりますけれども、インドあたりから見れば確かに進んでおるかもしれません。しかし私はこれは日本の特殊事情のもとにおいて、この中小企業というもののうち、特に零細企業が非常に日陰者になっておるということは認めなければならぬと思うのです。そこで最近の企画庁の発表した例の地域的な国民生活の状況についての発表を見ましても、かなり地域的に貧富の差というものが出てきておる。たとえば鹿児島県と東京都がかなり引き合いに出されております。それから山陰地方と京阪神、こういうところの比較も出されておるわけだけれども、地域的にかなりそういった差がある。そこに工業の都会偏重というか、立地条件が人為的に作られたような面もありますけれども、人為的な条件、自然的な条件によって産業の集中化が行われておる。そのためにある地方は栄えるけれども、ある地方は昔ながらの生活をしなければならぬということがあるだろうと思う。そういったことについて、これは財政的な面で今日はカバーしております。交付金その他の制度によりましてカバーしておるけれども、しかしそうではなくて経済全体から考えて工業の分散化というか、そういった地域的な国民生活の差異を縮めていくというような産業政策をとらなければならぬと思うのですが、そういうことについて何らかお考えはございますか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 戦前におきましては、たとえば東北とか北陸地方は電力料が安い、あるいはまた賃金も安いというような、いろいろな地域的の特殊事情があったのでございますが、今はそういうことはよほど薄れて参りました。電力料にいたしましてもあまり違わない。また会社にいたしましても、同じ組合に属しまして賃金は同じです。今の状態はますます地域差が広がるような状態になってきていることは、先般の企画庁の発表、また今のお話の通りでございます。これをいかにしてやっていくかということが、やはり今後の大きい政治問題だと思います。ちょうど賃金格差が労働問題で最も重要な問題であるがごとく、地域差というものが産業政策にとって一番重要な問題であるのであります。私は以前に所得二倍論、賃金二倍論を唱えました。しかし今の状態では農村や中小企業の方々の所得が二倍になるということはなかなかむずかしい。いわゆる産業の立地条件等を考えまして、農村の次男なり三男なりの方々に職を見つけるというふうな方法を講ずるというようなことも、今のお話の所得の地域差を少くするゆえんじゃないか。もちろん農業につきまして多角経営においてその所得を上げることが第一でございますが、過剰人口をいかに処理するかということも、やはり産業の立地条件等と考え合して将来やっていかなければならぬ問題だと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その点について今大臣も発言されましたけれども、考えられるのは電力料金の地域差ということが一つ考えられると思うのです。従来から発電県といわれているわけですが、これに対して歴代の通産大臣の考え方はまちまちでありました。大臣はどう考えておられますか。私は工業の分散ということを考えられるならば、ある程度の地域差料金の設定が必要ではないかというふうに考えておるわけですが、この点に対する所見を伺いたいと思います。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 やっかいな問題でございまして、私はまだ結論を出しておりません。今までの通産大臣の方々の考えがまちまちであったということでございますが、私は存じません。それは今各電力会社が外資の導入をいたしておりますときに——何も今世界銀行の言う通りにはなりませんが、彼らの希望は、電力料金の引き上げ、あるいは地域差の引き上げを行いたい、これは債権確保の意味でございますが、地域差というふうなことにつきましては、われわれが感ずるほど向うは感じていないようでございます。しかし今私が電力料金につきまして、地域差をどうする、設けるとか設けないとか、こういう問題につきましては、今後の電力行政全体から考えてお答えすることであります。今のところは、その点については保留さしていただきたいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 次に伺いたいのは、ただいまのお話の中で自由貿易化の方向へ行くべきである、世界の大勢におくれないようにというお話があったわけでありますが、この点についてお伺いしたいのは、かりにAA制を拡大強化するというような場合におきまして、従来とも考えられておった点は、日本の輸入業者あるいは財界一般のものが不急不要のものをやたらと入れるのではないかというおそれもあった、確かにそういうおそれは十分考えなければならぬと私は思うのですが、こういったAA制の範囲の拡大というようなことについて、何らかの検討をしておられますか、その方向がおありならば一つお示し願いたい。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 AA制の拡大につきましては、政府が従来ずっと考えておったのでございます。本年になりましても大体AA制に移行したものは二十九品目くらいございます。しかしこれは、品目は多うございますが、実態は大した大きい金額のものはございません。そして全体の外貨予算のうちAA制になっているものが従来は二九%くらいあったのが、今度三三%になっているわけであります。私は就任以来今のFA制のものにつきまして各品目ごとに検討を加え、それがわが国の既設産業にいかなる影響を及ぼすかということを検討いたしておるのであります。やってやれないものもないことはございません。なかなか困難のものもございます。ことに農林物資につきましては、経済的には考えられまするけれども、なかなか政治的にむずかしいものもありますし、各種につきまして品目別に検討をいたしております。こういうことをやりますことは、その各品目が日本の産業にどういう影響を及ぼすかということと、もう一つは、将来の日本の外貨準備がどうなるかということと見合いながらやらなければならぬのでございます。従いましてその程度、順序、タイミングということは、今後も私は検討を重ねていかなければならぬと思います。ただ、今の不要物資等の問題もございましたが、何と申しましても、自由貿易主義とは申しましても支払い協定その他がございますので、そういう点は十分考慮しながらやっていかなければならぬと思っております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 もう一つ伺いたい点は、先般ジェトロで前ニューヨーク州知事のデューイ氏を顧問に招聘したということがありましたが、この金は政府から出されるわけですか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 政府から出しております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 予備金か何かで出すということを聞いたわけですが、たしか邦貨に直して三千五百万円だったかと思いますが、その程度ですか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 私は六千九百万円じゃなかったかと思います。それはよく存じませんけれども、これは民間におりますときに十万ドルといことになっておりましたから、そうすると十万ドル、デューイさんにやるとすれば、三千六百万円でございますから、その他の費用がありますから、多分六千九百万円じゃなかったかと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 どういう引き継ぎをなさったか存じませんが、このデューイは一体どういうふうに活動させるということでジェトロで雇われたのか、あるいはこれに対して日本の政府が金を出すということになって——これはおそらくジェトロを通じて出したということになるのですが、この政府とデューイとの関係はどういう関係に立つのか、どういう契約でこれが顧問としてなっておるのか、それらの少し詳しい点をお話し願いたいと思うのです。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 これはジェトロの方でデューイを選定して顧問にいたしたのであります。従って政府が直接にデューイと話をしておるのではございません。これは私も前からずっと考えておったのでございますが、アメリカのローヤーに対しまして各国政府あるいは政府機関は今回日本がやりましたようなことを従来ともずっとやっておるのであります。私が一昨年——昨年の暮れもアメリカの大使館で見ましたが、こういうデューイ氏のような人が何百人、何千人というほどおります。しこうしてそれはどこの国からどれだけもらったということを向うの国税庁へ届け出まして、それが印刷物になって出ておるのであります。日本も過去少しくらいの金は出しておったのがございますが、これは各国に比べて問題にならぬほどの小さい何百ドルくらいのあれであります。これはもう、アメリカにおきましてもこういうことは、閣僚、ローヤーは世界各国の顧問になり、あるいは世界各国の政府機関の顧問になって活動しておるということでございます。デューイさんを選んだいきさつその他につきましては私は十分存じ上げませんが、足りないところは事務当局から御説明させます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 個人についてとやかく言うわけではございませんが、アメリカの政界は、御承知のようにほとんど最近は民主党の方にだんだんと移行されてきておる、ニューヨーク州知事自体も最近はかわっておるというような状態であって、デューイ氏の今日の政界における発言権というようなものは、弁護士界における発言権というようなものは、とかくの批評があるわけであります。そこで先ほど私はお伺いしたのでありますが、もしこれがどうも活動がうまくいかぬということであっても、政府はこれは何ともできない、政府は金は出しておるけれども、直接これにタッチしておるのはシェトロであるということになるわけなんであって、その間間接的なことになってしまって、こっちは義務だけ負って、権利というか指示権も何もないということになるわけでありますが、それで一体いいのでしょうかね。もう少しそこは何らか直接発言できるような方法というものはできなかったものでしょうか、また私はそうできたらそうした方がいいと思う。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 この点は必ずしも意見が一致いたしません。ジェトロがこの方が適当だと思うというようなことで選ばれた、それでデューイ氏も極力その委託に沿うべく努力してくれると私は考えておるのであります。民主党が多くなったから、共和党のデューイの勢力が減ったのではないかというふうなお考えでございますが、私の見るところではデューイ氏の政界における地位というものには、ゆるぎがないものと見ております。

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次は田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は池田通産大臣に基本的な施策についてもお伺いいたしたいのですが、それは後日にいたしまして、きょうは大臣も御承知のように、去る六月二十三日に千葉県の松戸市における競輪で騒擾事件が起きておる、引き続いて戸田の、これは通産大臣直接の関係ではありませんが、モーターボートでやはりそれが起っておる、またきのうは奈良で八百長騒ぎが起きて、新聞の報ずるところによると、けさの二時ごろまでも——その後の状況はまだわかりませんが、二時ごろ現在でも百数十名が車代を二千円出せということで騒いでおるというような状態が起っておりますので、この際、この競輪の監督の長官である池田通産大臣に、競輪問題についていろいろと所信をお伺いいたしたいと思います。つきましては、順序を追うて実は質問していって、その後で通産大臣に所信を聞きたい、こう思っておったのですが、通産大臣は、十二時半に何か用件があって委員会を出られるというようなことが委員長から話がありましたので、順序を変えまして大臣に対する質問を先に行いたいと思います。  ついては委員長にお願いいたしておきますが、私これを機会に相当この競輪問題について掘り下げてやっていきたいと考えておりますので、従ってきょう一日や二日の質問では終らないと思いますので、十分の時間を与えていただくように前もってお断わりいたしておきます。  そこで大臣にまずお伺いいたしますが、今申しましたような騒擾事件、八百長騒ぎが続くということは、競輪それ自体に問題がある、競輪の本質自体にそのような騒ぎを起さすものがある、こう考えるのです。たとえば六月二十三日の松戸の事件、これはそのときどきによって、こういうところに手落ちがあったからどうだとかというようなことはあり得るとしても、一般的にいって本質的な問題にそういったものを含んでおると思うのですが、なぜ八百長騒ぎが競輪に起るのか、なぜああいった事件が起るのか、大臣はどう考えておられますか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 実は私は競輪を見たこともございませんし、この方はごくうといのです。そうして法制のこともまだ研究する時間がないので、やっかいな問題だと私は思っておるのでございます。これが実情でございます。しかし通産大臣としての所管の問題でございますから、今後十分勉強し、また考えていきたいと思いますが、騒擾事件というような、ああいうことはまことに遺憾なことであります。これは根絶しなければならぬと考えております。しこうして競輪にそういうふうなことが起ることは、競輪自体に何か欠陥が、とにかく選手が一生懸命やったり、あるいは一生懸命やらないというような、そういう欠陥があるのではないかというお話のようでございますが、それも私はあるんじゃないかくらいに考えます。しかしあってはいけない。あってはお話の通りになることでございますから、選手諸君がそういうことのないように監督していかなければならぬと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この八百長騒ぎの原因が選手自体にある、こういうようなことも、もちろんその大きな原因であろうと思いまするが、競輪自体がそういったギャンブル行為であるということ、従ってこれに関連してその本質の中からこういった騒ぎが起きてくるわけです。もちろん通産行政の中からいえば、競輪というようなものはほんの一部分にすぎない。従って大臣が今言われたように、私は、こんなことはわからぬだろうと思うのです。今まで大臣が、あなただけでなく各大臣が、そういうようなことで下部官僚にまかしておく、そういうようなところから競輪というものがますます悪くなる、それが今日では社会問題化しておる、こういうことだと思うのです。こういう具体的なことになると、大臣がわからぬと言えばそれまでだから、これは局長等に聞かなければならぬと思うのですが、まずこの松戸事件一つをとってお伺いいたしますが、これはもう大臣が就任せられて後に起った事件であって、少くとも法律の建前からは大臣の名において処理がなされておるわけです。松戸事件につきましては、去る二日ですかに三ヵ月間の停止の処分その他がなされております。その根拠は何かというと、自転車競技法の第十六条なんですが、その一項、二項によって、すなわち競輪の停止その他については十六条の一項、それからその関係者に対しては二項で処分をせられておるわけです。ところがこの法律を見ますと、大体処分の理由といいますか、これはいわゆる法令の違反、すなわち競輪関係の法律命令に対する違反と公益違反、公益に対する侵害あるいはそのおそれある場合次のような処分をするということで、この十六条の適用によって松戸競輪が処罰を受けておるわけです。そこでお伺いいたしますが、七月の二日になされましたこの処分は、十六条のこのうちの法令違反によってなされたのか、それとも公益違反によってなされたのか、あるいはその双方なのか、お伺いいたします。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 今回の松戸の競輪の騒擾事件に関する通産省としての処分の法的な根拠でございますが、ただいま出中先生が御指摘になりました二つの根拠、これは両方の根拠に基いて処分をいたしたのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 こうなってくると、大臣に集中したいと思うのですが、あなたが答えたら、これから先はどうもあなたの答弁のようなことになるんだがな。——それじゃまあ続けます。ともかく法令違反と公益違反と双方の理由によって処罰したいということでありますが、この条文を見ますと、競輪の開催を停止し、または制限すべき旨を命ずことができる、第一項ですか、そうなっておるわけです。従ってこれには期限というものが法律自体にないわけです。そうするとこれは無期の処分、無期の停止ということもあり得るのですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 この法律の解釈といたしましては、お示しの通り無期限ということもあり得るわけであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういたしますと、無期限の処分があり得るのに、この六月二十三日の事件に対しては三カ月という処分が出ておる。三カ月という処分の認定は、どういうところからなされましたか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 今回の開催停止処分の期限の問題でございますが、期限の程度をどの程度にするかということに関しましてのお尋ねでございますが、御承知の通り、過去におきまして全国各地におきます競輪において、相当の騒擾事件が出たことがございます。これに対しまして、そのつどいろいろな処分をいたして参ったのであります。今回のような、三ヵ月という、私どもの考え方といたしましてはかなり長期にわたる開催停止処分をいたした例は、もちろんございません。ただ終戦直後と申しますか、競輪が発足いたしまして間もなく、まだ全国的に社会情勢も安定していない時期におきまして、関西の鳴尾におきまして非常な騒擾事件が起りました際に、全国的に二カ月間、これは開催停止処分ではございませんで、自粛という意味におきまして、一応競輪全般がそういう騒擾事件に対しまして安定した処置をとるという意味におきまして、自粛的な停止をいたしたことはございます。しかしこれは停止処分ではございませんで、指導によりまして全国的に一時鎮静を待つという意味におきまして、そういう処置をいたしたことはございます。その後におきまして競輪の運営につきましてもかなり改善をいたして参りましたわけでございますが、今回の騒擾事件の内容は、その調査の結果によりますと、公益の面から申しても、また競輪の運営それ自体から申しましても、遺憾な点が非常に多いという意味におきまして、私どもといたしましては、相当の厳罰をもって臨むという基本的な態度をきめたわけでございます。  そこでその厳罰の処分の内容につきましては、具体的にどのくらいの期間がいいかということにつきましては、そういった過去の前例なり、それから御承知の通り、この競輪の運営は、開催の主催者は施行者でありますところの千葉県営の競輪でございます。それからその県が具体的に業務を委託しておりますのは千葉県の自転車振興会でございますので、この両者のそれぞれの運営上の責任ということも勘案いたしまして、千葉県といたしましては御承知の通り、今年度におきまして年度内に大体七回の開催を予定いたしておりますが、その半分くらいは開催は認めないという程度が最も適当であろうということで、県当局といたしましてはこれは相当きつい処分ではございましたけれども、三ヵ月という停止処分を決定した次第でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 三カ月が思い切った処分である、きつい処分である、このように局長は言っておられる。それは過去における処分に比較して重いというだけであって、この法律から見まして無期限もあり得る。これを刑罰にたとえるのはどうかと思いますが、無期懲役もあり得るのに三カ月が一番思い切った処罰だ、こういうような言い方なんです。これは過去においてやった例から見て重いということだけであって、この法律の趣旨からいって重いのではない。言いかえるならば今まであなた方がもっと思い切った処罰をしなければならないのにかかわらず、やっていなかった。だからそれに比較して重いというだけなんです。これはあなただけじゃなしに大臣どうです。この法律の趣旨から見て、過去のものと比べて思い切った処分だ、こう言っておられる。だがしかしそれは過去との比較であって、言いかえるならば今言ったように過去に思い切ったことをやっていないから、まあまあで済ましたような例もあるから、それに比べて重いというだけなんです。法律の趣旨からいってどうなんでしょう。大臣はどう思いますか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 十六条一項の「停止し、又は制限すべき旨を命ずる」こういうことから分離解釈で申しますと、無期限ということもあり得ることはあり得ましょうが、しかし法律の精神は無期限というところまでいっておるかどうか疑問でございます。ただ問題が、千葉県の場合につきましてはお話の通りああいうことをやることはまことに遺憾でございます。従ってこれは従来に例を見ない厳罰と申しますか、厳重な処分をしなければいかぬということを申しました。それで過去の例を調べますと今局長が言っておるような状態でございますので、この十六条の関係のことはそう一ぺんにひどくやるということは地方財政にも影響いたしますので、従来の一ヵ月を三倍にすれば大体きくのではないか、こう私は考えて三倍に賛成したわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大臣は三カ月で思い切った処分だということを肯定しておられます。そこで法制局にお伺いいたしますが、法制局として法律屋の立場から見て、この十六条は大臣が言われ、局長が言われるようなものであるかどうか。私はやはりこれは無期限をも含む処分の問題である、こう解釈するのですがどうですか、それが一つ。  もう一つは、これは行政処分だと思うのです。そうするとこの処分に不服の場合は訴訟の対象となると思います。この場合処分を受けた側からこれが過酷に重いと思えば、当然訴訟ができるように思います。異議の申し立てができると思います。だが局長が言われたように、この処罰の原因が法律違反と同時に公益侵害である、このような場合にいわゆる第三者といいますか、一般の人たちから見て、この処分が不当に軽いものであると見た場合訴訟ができるかどうか、もしできないとするならば、これは一方的な公益侵害ということに対して、単に行政処置にまかすことだけだということになると思いますが、いかがですか。

山内一夫法制局参事官(第一部長)

○山内説明員 今の御質問のうち第一点についてお答えを申し上げます。停止の問題は、無期限と申しますのは、施行者として第一条の指定がありますものは、指定がある限りそういう競輪開催ができないという意味で、指定を取り消すと同じような意味で無期限にするのは、私は十六条一項の精神からいうと、通産大臣がおっしゃったようにそれはできないのではないかと思います。ただ期限をつけないというので当分の間停止するという形で停止いたしまして、反公益的な事態あるいは反法律的な事態というものが、将来起る可能性がなくなるまで見ていながら、当分の間停止をするというように停止するのは、法律上は十分可能だと思います。ただそういう事態の惹起がなくなるだろうというように考えられますときには通産大臣は、その停止処分に期限がなくても、その停止処分を解除するという建前になるのだろう、こういうふうに考えます。  それから第二点は、停止処分につきましては、停止処分を受けましたものは田中先生のおっしゃるように、行政事件訴訟特例法によって行政事件の対象になると思います。ただそれが非常に不当だという場合には、私は結論から先に申し上げれば抗告措置の対象にならないと思っております。行政事件訴訟というのは、不利益の処分を受けたその者自体が提起をすることが認められましたところの訴訟の形態でございまするから、ただ公益ということが侵害されてはならないというふうに考えますところの第三者は、自分の権益が侵害された立場にございませんので抗告、公訴権というものは持たない、行政事件訴訟の今の考え方は、大体そういうふうにいたしておる、かように私は思うのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私もそうだと思うからお伺いしておるわけなのですが、そうするとこの場合に十六条のいう公益とは一体何をさすのか、この公益侵害によって不利益を受けた側の人たちは、それではその処分が不当に軽いものである、こういった場合に、これに対する異議申し立ての道がない。そうするならば結局行政官庁の処分、もっとはっきり言うならば、もうすでにある程度コネがついておる人たちの間においてなされる処分に屈服するというか、満足しなければならないということになるわけなのですが、こういうような状態において法律的な問題からいえばそうだと思うのですが、大臣どうですかね、この公益侵害ということになると、一体侵されているのはだれだ。通産省がやられた三カ月の処分が軽い、このような場合に、たとえば松戸の市民の代表というような人たちが、相当異議といいますか不服を申し立てる道がなければならぬと思うのですが、この公益とは一体何をさすのですか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 十六条は施行者の行為が公益を侵害したということが問題になるのでございまして、公益侵害のその付近の人たちとかいうことを、これは規定しているのではない。公益を侵害するようなことを施行者がやったときに第十六条が適用になるのでございます。従って東京都民は松戸の公益侵害には関係があるといえば関係があるかもしれません。しかしそれは十六条の予期している事態じゃございません。なおこの機会につけ加えて申し上げますが、三カ月停止をしたということは、従来のやり方から非常にきつくなっております。と同時に振興会に関係した役員全員退職を命じたのであります。こういうことから考えまして、私は現在の状態では相当の処分だと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 もちろん第十六条は公益侵害のような行為をやったその人を処分する、こういう侵された側からの問題じゃない、法律はそうだと思うのです。しかし公益を侵害せられた以上一般国民として、あるいはその地方の住民として相当な迷惑を受けたことは事実なのです。それに対する何かの処分に対する道を開くということが必要だと思うのです。しかしこれはあとのことにいたしたいと思います。  そこで大臣にお伺いしたいのですが、今も公益侵害というようなことに話が来ておりますが、映画の題かなんかに「鐘はだれのために鳴るか」というのがありましたが、一体競輪はだれのためにやっているのですか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 競輪は見る人の娯楽のためでもございましょうし、またその競輪に携わっておる方、ことに選手等々、今聞くところによりますると、大体十七、八万人の関係者があるそうでございます。娯楽のため、関係業者のため、そうしてまたその結果として地方自治団体の歳入にもなります。またほかの面で自転車機械の振興にも役立っておるそうでございます。これは役立った方でございまするが、また悪い面もないことはございません。そこでこの競輪の施行につきましては、悪い面の起らないように、できるだけの注意を払っていきたいと考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ともかく、悪い面が起らないようにしようといったって、これはそれ自体が悪いものを含んでおるのです。だから幾らやってみたって、あとで触れていきますが、こういった八百長騒ぎに対する防止の対策として、二十九年七月に出された通牒等もありますが、そういう点にも触れていきますが、これは大臣よりか局長の問題になるから、あとに回したいと思いますが、幾ら手を打っても起る。今の話を聞いておりますと、何だか、地方行政のためにというようなこともあったが、十何万人の人も関係しておる、それは失業救済の意味もあるのですか。そんなことはないでしょう。競輪があるから、それに従事する人ができるのでしょう。これは失業救済の意味も含めてやっているのですか。おそらくそうじゃないと思うのです。競輪のどこを見たって、失業救済などということは載ってないですよ。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 失業救済でやっておるというのではないのです。ただ競輪の本質論になって参りますと、そういうふうな関係の方々がおられまするから、競輪がうまく法律の庶幾しておるような方向に向うように、われわれは指導していきたいと申し上げておるのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いろいろな点については、あとで局長にゆっくりお伺いするとして、大臣があと半時間程度ですから、大臣の質問にしぼっていきますが、大臣も新聞等をごらんになって御承知と思うのですが、二十三日に松戸の事件がありまして、その翌々日の二十五日には、毎日新聞がまず社説で、競輪は廃止するほかない、こういうようなことを掲げておる。あるいは同じ日に朝日新聞が天声人語で、やはりこのことを論じておる。あるいは東京の自転車の業者がこれをやめようという署名運動を起しておることも御承知だと思うのです。今やそういった一つの社会問題になっておるわけなんです。そこで大臣に一つお伺いするのですが、直ちにやめろ、私はこう言いたいつのだが、それはあとにするといたしましても、先ほど局長の答弁にもありましたが、かつて兵庫県の甲子園において騒擾事件があったときに、自粛の意味において、全般的に二カ月一応やめて対策を立てたという例があるわけなんです。松戸において事件が起って、その翌々日ですか、戸田の競艇場でもそういう事件が起っておる。またきのうは奈良において起っておるということです。これは引き続きこういうような事件が起ってくると思うのです。そこで一応十分なる対策を立てるという意味において、しばらくこれを全面的に中止して、関係者の意見等も聞いてやろうというようなお考えはありませんか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 この問題につきましては、さきに閣議におきまして、今後競輪場をふやさないということをきめたと聞き及んでおります。われわれといたしましては、もちろんその決議通りにやっていくわけでございまするが、今許しておりまする競輪を、お話のように、全面的に一定期間とめるということにつきましては、先ほど来申し上げておるような既成事実が相当できておりますので、そういうことは私としてはただいまのところ考えておりません。松戸のこの処置に対しまして、私は今後関係者がよほど自粛して下さることと考えておるのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ここ二週間ほどの間に三カ所に起っているのですね。そうすると、ますます今後そういうような事態が起るだろうということは予測できるのです。絶対にそんなことはないと大臣確信が持てますか。そんなら一応全部とめて考え直す、こういうことをしてもいいのじゃないか。警察庁も来てもらっておるので、あとでそういう警備の問題その他についても伺っていきたいと思っていますが、時間の関係で飛んで、まず大臣のあなたにその点を聞くのですが、どうです。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 松戸事件以来、また奈良事件以来、また奈良に起きたということも聞いております。また、そういう騒ぎを起す人が特定の者ではないかという考えのもとに調べ上げるというふうなことも聞いておるのでございまするが、松戸、奈良の事件で、あなたのおっしゃるように一時的にこれを一定期間停止するという考え方は、ただいまのところ持っておりません。それよりも、未然にそういう騒ぎのないようにやっていこう、これにまず力を傾けるべきじゃないかと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 未然に防ぐということについても、具体的な案等もまた聞きたいと思っておるのですが、そういうほそく的なそれぞれの手を打ったとしても、絶対に八百長を起さないという確信を監督の長官として持ってますか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 そういうふうにやっていきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 やっていきたいという希望であって、確信はないものと思います。試みに、三十三年度、去年一年間の競輪の状況を申し上げますと、これは御承知と思いますが、開催総日数は延べで四千百二十九日、その間の入場者は延べで千八百八十一方四百四十四人、車券の売上高が七百六十一億六千百四十三万八百円、こういうことになっておるのです。一年は三百六十五日だと私は思っておったら、一年に四千百二十九日延べで行われておるということは、きょう一日に日本のどこかに十カ所以上の競輪が行われているということになるわけです。車券の売上額を国民全体の頭に割りますと、これはおぎゃあと生まれた子供まで入れて、国民一人当り八百四十六円ということになるのです。そうするなら、おぎゃあと生まれた子供までが頭割りに八百四十六円のギャンブル行為を一年間にやっておる、こういうことになるわけです。しかもそれは通産大臣の監督下に置かれる公営賭博であって、その貸元は自治体で、代貸しが振興会なんです。松戸の問題に対しまして、この処分をせられる前後に、松戸の市会においては、二十九名の市会議員が満場一致をもって処分緩和の陳情を決定して、すでに来ておると聞いております。いうならば、この行為は、処分をせられるならば、いわゆる賭博場のなわ張りを押えられる、それに対する復活運動である。最近町で映画をやっていますが、「次郎長富士」というのをやっています。あの映画を一ぺんごらんになったらいい。お互いが賭場のなわ張り争いで血を流しておる。あれと何ら変らないものだと私は思うわけです。こういうような状態につきまして、その監督の長官として、あなたはまだこれでも考え直さねばならないという気持は起りませんか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 十分検討いたしまして、考え直す必要があったときには考え直しますが、ただいまのところ、今のいろいろな弊害を防止することに一つ努力していきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 あなたは現在の閣僚の中でも頭のさえた人だと思っておる。その人が、しばらく見て、考え直す必要があるならば考え直そうというのんきなにとを言っておっても、事件が次々起っておって、それをもととして犯罪も起っておる。最近これも国会のごく近くなんですが、チャペルセンターというんですか、元の井伊直弼の屋敷跡、あそこに、桜田門で井伊さんが水戸浪士に切られたときに、首を洗ったという井戸がある。その井戸に、これは七月三日のことですが、競馬ですってしまった人が身投げをして自殺をしたという事件もある。これも最近のことですが、競輪狂のおやじが未成年の小学校の三年生と中学の一年生の兄弟をそそのかして、デパートですりをやらしておったという事件も新聞は報じております。あなたがじっくりと様子を見て防止を考えて見ると言っているうちに、だんだんとそういった事件あるいは犯罪、自殺というものが次次起ってきよるのですよ。もう少し頭の回転を早くして、競輪について根本的に考え直すという考えはありませんか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 従来からいろいろこういう問題があったと思います。しかしなかなか踏み切れぬのは、今の実情が、あまりにも社会の一つの事態として進んできておるためでございます。従ってこういう問題を一朝一夕に通産大臣としてこうしますということはなかなか言えない。理外の理もありましょうし、またお話のように非常に悪い面もございますから、悪い面を是正することにまず私は力を尽していくべきだと考えておるのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いろいろの面に関係があるから、通産大臣として直ちにこうするとは言えない。こうなんですが、少くとも法律の上、制度の上では、通産大臣は競輪の最高責任者なんだ。だから今後どうしろという考え方くらいは、はっきり持ってもらわぬと困ると思うのです。いかに金融論にたけておっても、いかに貿易論をちょうちょうとやってみても、そういった足元の問題を解決できぬことでは、通産大臣としては落第だ。どう考えておるか、私ははっきりと聞きたいと思うのです。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 はっきり申し上げております。今の法律規定に基きまして、あやまちのなきょう努力していく、こういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは現在の法律に従ってあやまちのないように努力していく、こういうことであって、将来競輪についてどのような観点を持って自分は進みたいということについては何も持っていないんですね、今あなたは……。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 法律あるいは命令の規定に違反した場合におきましては、これを厳罰に処しまして、そうしてそういうあやまりのなきょうにしていこうというのであります。私は繰り返して申し上げますが、競輪の存否につきましては、いろいろ議論のあるところでございます。従いまして、その議論につきまして再検討を加えますと同時に、今やっておりますものにつきましてあやまりの起らないように努力していくことが、今の立場としては至当じゃないか、こう考えておるのでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 今の答弁を聞いておりまして、官僚岸内閣の池田大臣であるということだけはわかりました。あなたが現在ある法律だけをまじめに守っていく、そうしてそれに違反した者は厳罰をもって臨むんだということは、これは官僚の域を脱しないものなんだ。官僚出身のあなたがそれだけの頭しかないということは了解できますが、大臣であり、政治家であるあなたとしては、それだけでは許されないと思います。将来どうしていこうということをもう一ぺん伺いたいと思います。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 いろいろな議論がありますので、その議論を検討してみます。しかし今の状態としては、法律、命令の規定に従いまして、あやまりの起らないように強力指導していくことが、適当のやり方かと考えておるのであります。聞くところによりますと、昨年十月のこの委員会の決議といたしましては、事故防止または運営の適正化について十分努力しろ、こういうふうな決議があったやに聞いておりますが、この決議も、大体今私が申し上げたようなことを、当委員会で期待されておるのではないかと私は考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その決議は、実は私が提案したのです。内訳を言えば——これは速記があっていいかな。ともかく私は廃止を主張したが、与党の諸君がまあまあこの程度にしてくれということで、一応決議をしたわけです。だからそのことをもってこうであるということは、私は許されないと思う。まあそれはそれとして、たしか二十六国会、三十二年であったと思います。自転車競技法を一部改正して、それから従来ありました臨時特例法を廃止して、その中の規定を盛りまして、それを三年間の時限立法といいますか、期限付にした。この自転車競技法の改正も、あれは鳩山内閣ですかが、内閣成立に当って、競輪、競馬の自粛とかなんとかという聞えのいいことを選挙目当てに出しまして、それから運営委員会が持たれ、その答申に基いてやったわけなんです。いずれにいたしましても、そういう経過をたどっておりまして、その三年の期限というのが、来年たしか六月か九月か、六月だったと思います。泣いても笑っても来年六月になれば、一応そのことで——それまであなたが大臣であるかないかわからぬけれども、そのときがこの競輪問題について対決する時期だと思います。そんなのんびりしておって、今はそれでもいいが、来年の六月には、どうしなければならぬかということを、はっきり考えなければならぬということもあるので、早急にあなたの腹をきめてもらわなければならぬと思いますが、いかがでしょうか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 まただいぶ時間もあることでありますので、十分検討いたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大臣の問題に集中していくとちょっと飛び飛びになるのですが、次に大臣の所見を伺っておきたいのは、一九六四年ですか、五年後に東京にオリンピックが開かれることになっておるわけなんですが、このオリンピックの開催国としての金は、それはいろいろ観光施設だとか道路とかいうと、一千何百億もかかるといわれますが、さしあたっての問題としては、オリンピックの費用として、設備費が百五十九億、運営費が六十億、合わして二百十九億要るわけです。これをどう調達するかということなんだが、これは体協の竹田副会長の個人的な発言のようですが、そのうち、設備費の三分の一を国の建設関係の費用から出してもらう、それが五十三億。それから東京都が同じく三分の一、五十三億出してもらう。それから運営費の六十億のうち、国に三億ぐらい持ってもらう。そしていろいろバッジを売るとかなんとかいって、可憐な小学校や中学校の子供を使って寄付を集めたとして、可能性は二十億を出ない。そうすると差引九十億円不足するのです。この百億近い金を何とか五年の間に作られなければ開けない。そこで東京都の東知事は、イタリアで流行したかしないか知らぬけれども、あのトトカルチョ——どんなことか私は知りませんが、これもやはりギャンブル行為なんです。この法案を作って、というようなことを言っておりますが、これが通らなければ、結局は待つところは競輪しかない、こういう結論になったようなんです。ところが今日の競輪のこういう規定からいえば、特別競輪は年八十回しかできない。そうすると、百億に近い金を五年間に集めるのには、特別の競輪をやらなければならぬ。法規を改正しなければいかぬというようなことさえいわれておるわけです。少くとも今日これだけ問題があるのに、これ以上またワクを広げて、オリンピックのための特別競輪をやるというようなことは、大臣としてお考えにならないと思うのですが、いかがでしょうか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 オリンピックの開催に関しまする経費の使途につきましては、いろいろ新聞に出ておるようでございますが、通産省といたしましてはまだこういう問題につきまして、外部からの陳情その他何にもないようでございます。この問題は国全体として考えるべきことであろうと思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それはまだ正式に通産省にこうだということはないと思うのです。そこであなたにはっきりと所信を聞いておきたいと思うことは、東さんの言っておるトトカルチョですか、これは法案としてはどうか知りませんし、またどこの関係になるか私よく存じません。おそらくこういうことは出してくることもなかろうし、出してきたからといって国会を通るとは存じませんが、こういうことは考えられないと思います。それともう一つは、オリンピックのために特別な競輪の回数をふやすかどうか、そのことについて一つお伺いしておきましょう。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 オリンピック開催費がどれだけ要るかということも、お話のような金額になるかどうかわかりませんが、そういう関係経費を見まして、そしてこれが捻出をどうするかということがまず第一でありましょう。私は今のところ競輪から出すという話を聞いておりませんし、あらかじめ出すとか出さぬとかいう意見を言うのは、まだ早いのじゃないかと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 アジアオリンピック大会が開かれたときにオリンピック後援会に対して、過去二回でしたかにわたって特別競輪益金から相当金額が出ていることは御承知と思います。それで甘い汁を吸った経験のある体協としては、これは竹田副会長の個人的な発言であろうと思いますが、やはり競輪にたよるような談話もあったかのように思います。従って新聞あるいは週刊雑誌等にも、結局はオリンピック開催費は競輪に待たなければならぬのではないだろうかというようなことを書いておるものもある。いっか必ずこういうことは問題になってくるだろうと思うのです。そこでこのために今後競輪のワクをふやすというようなことはやらない、こういうような考え方があるのかどうか、それだけ聞きたいのです。必要があればなんぼでもふやしていく——自粛ということが叫ばれているときにあなたは、必要があればなんぼでもふやすという考え方を持っているのか、少くとも今あなたのおっしゃった、現在の法律は守る、その範囲内において監督をきびしくしていくんだ、こういう考え方に立って、現在の回数を絶対にふやさないということが言えるかどうか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 私は競輪の拡大ということについて賛成しておりません。今お話のように、もうふやさないという閣議決定に従っていこうとしておるのであります。この精神はずっと続けていきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 それでは、もうあまり時間がないのですが、ここでは少くとも現在よりはふやさない、これだけはっきりと池田通産大臣が当委員会において言われた、こう理解してよろしいですか。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 特別競輪は月一回六日間ときまっております。この制限をオリンピックのためにふやす考えは、私はございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 少くともオリンピックその他いかなる理由があろうとも現在よりはふやさない、こういうことだけははっきりとおっしゃったと了解しておきます。  ここで申し上げておきたいのは、先ほど松平委員も最初に言っておりましたが、君子は豹変するというが、あなたは君子でときどぎ豹変せられるので、今それを約束されてもまた変るかもしれませんが、あまり君子として豹変されないように一つお願いしておきます。     —————————————

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 実は、一日の本会議の私の緊急質問についての大臣の答弁につきまして、もう少し確かめておきたいと思うので、今御質問申し上げるわけですが、例の地盤沈下の問題です。大臣も時間がないようでございますので、法律の解釈についてはあとで鉱山局長、保安局長を呼んでおりますので、そこで十分追及したいと思いますが、あなたの答弁の中の最後の方に、「新潟市の相当広い場面について、いかなる規制をしていこうかということを、ただいま検討中であるのであります。しかし、何分にも、新潟市民の家庭のガスとか、あるいはバスその他公共機関が、ほとんど全部この天然ガスにたよっておりまする関係上、そういう民生並びに重点産業の状況等も考えまして、早急に適切な措置をとる考えでおります。」こういうことが答えられておるわけでありますが、これはこの答弁の通り今日新潟市におけるガスの規制という点については真剣に考えられておると思います。  ただここで申し上げたいことは家庭用ガスとかバス、これはなるほど天然ガスを使っておる、これとの関係があるようなことを言っておられるわけでありますが、今日沈下の非常に急速になった原因は、あの調査会の発表の通り急速かつ多量な地下水のくみ上げです、それは昭和二十九年からひどくなったのでありまして、それがちょうど大きな化学工業にガスを使用するようになった、それと時を同じゅうしておる。従って今日沈下を起しておる最大の原因は、この多量の水をくみ上げておるのは大産業におけるところのガスの使用なんです。従って大臣は相当研究しておられると思うのですが、今日一番大きく起しておるのはG5層と申しまして六百メートル、それ以上の地点からくみ上げるところで起きておる。市民の使っておるガスとかバスのために使うガスとか、こういうのはそういう深層におけるところのくみ上げにはあまり該当していない、従って家庭用ガスとかバスの使用があるから規制するのを少し考えるんだ、こういう考え方はそこの実情において当らない、これは別個に、今日の沈下の重点というのは、そういう大産業によるところの急速なくみ上げでありますから、これとは切り離して考えられることが、私は当然だと思うのでありますが、こういう家庭用ガスとかバス、こういうものも規制の中に含むというふうに考えられておるかどうか、一つお答え願いたい。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 新潟市の地盤沈下の問題は、お話の通りに特別委員会におきましては結論が出ませんでしたが、資源調査会の会長からは沈下のおもな原因は、今お話のように急速かつ多量のくみ上げが原因であるというその説は重きをなすと、こう書いてあるのであります。従って今後の処置といたしましてはお話の通りに六百メートル程度の掘り上げは沈下に影響がない、千二百メートルでは沈下に非常に影響があるというふうな結論が出ましたならば、お話の通りにいこうと思いますが、しかし何分にも一番考えなければならぬのはタウン・ガスでございます、二番目にはバスでございます、そうして三番目に重点産業と、私は言うべきだと思います。従っていろいろ事情を考えまして今やっております七万五千立米のくみ上げ停止分は続けて参りますが、新潟市並びに周辺の相当の井戸につきましてお話のような点を考えながらどの程度規制していくべきかということは今検討しておる次第でございます。だから沈下の起らないように、またある程度起るかもわからないが、とにかく民生の安定をこわさぬように考えていかなければなりません。またもう一つの説には工場がとまってしまいます、これがまた民生にも非常に影響するという説がありますので、そういう説もやはりわれわれとしては考えなければならぬ。それで適当な措置を皆さんの気に入るように一致点を見出したい、こういう考えでございます。     〔「両岸だ」と呼ぶ者あり〕

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 もう一つお急ぎのようですから簡単に、重点的に申し上げますか、これを規制するということになるとやはり大きな、千メートル、千二百メートル下からたくさんの地下水をくみ上げておる、こういうところを規制することになるわけでございましょうが、そうするとそれは今そういうガスの採取によって御承知の通りあそこに、新しい化学工業が起きておるわけです。こういういわゆるガス化学産業というものが致命的な打撃を受けるというここが予想されるわけです。従って通産省としては、かりにこの地区における採取を規制しても、将来このガス化学工業が成立していけるような化学工業の将来に対する育成、こういう点について具体的に考えておられるかどうか、基本的な考え方をお伺いしたい。

池田勇人自由民主党通商産業大臣

○池田国務大臣 通産省といたしまては既設の工場がもう立ち行かぬというふうなことがないように、いろいろな努力をしていかなければなりません。私は海岸地帯でなくて奥地の方はどうだ、奥地ということになりますとくみ上げる水が塩水でございますから、田畑等に非常に影響いたしますし、なかなかやっかいでございます。しからば秋田、山形の方から来るガスを液化して、今の既設の工場に持っていくようなことは考えられないか、いろいろな点をわれわれとして考慮をめぐらしておる次第でございます。だから今みんなにいいようにということを言ったら両岸というお話ですが、民主主義というのはそういう考え方でございまして、両岸とか片岸とかいう問題ではないのでございます。これは一本筋でみんなの納得のいくようにするのが民主主義でありますから、そういう考えでやりたいと思います。     —————————————

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これで大臣は帰っていただきますが、これで競輪関係を終ったのじゃないということです。そこで申し上げておきたいことは、一人や二人首つったってしようがないという放言は、一つなさらないようにしていただきたいと思います。  それでは引き続き局長に、あるいは必要に応じて次官に行くかもわかりませんが御質問いたします。お聞きのように大臣はかわって間もなし、競輪というような特殊な問題についてはあまりお知りでないので、そこでやはり具体的なことはあなたがよく知っておられるので、あなたに伺いたいと思ってあと回しにしておったのですから、今からゆっくり聞かしていただきたいと思います。  この松戸の事件は、先ほどもちょっと触れましたがなぜ起ったか、なぜ松戸にああいう事件が起ったのか。しかも松戸は過去四回にわたってああいった紛争、騒擾事件を起しておる。特に松戸にそういう事件が多いということは、何か松戸に特別な原因があるのかどうか、その点についてはどのようにお考えになりますか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 競輪に関する騒擾事件は過去において各地においてございましたが、今お話の通り松戸につきましては過去において一度騒擾事件があり、その際にも一応これは自粛的な措置といたしまして行政指導いたしたのでありますが、その際に再びそういう事件が起った場合には、行政官庁としての厳重な処分をするということを条件として、実は自粛的な措置をいたしたのでございます。再びこういう事件が起ったことにつきましては非常に遺憾でございます。  なぜそれでは松戸に限ってこういう事件が頻発するかというお尋ねでございますが、私どもが調査いたしましたところでは、特に松戸という地帯、土地柄その他について、多少他の土地よりは騒擾を起しやすいような人が集まりやすい地域であるということは、ある程度言えますけれども、特に松戸の特殊事情というふうな、立地的と申しますか、あるいは人的な背景において松戸の特殊事情があったというふうには考えられません。しかし何と申しましてもこの調査の結果でもわかりますように、松戸の競輪場を運営いたします千葉の振興会の運営におきましては、かなり遺憾な点があったということは言えると思いますので、その点につきましては適当な処置をとるようにいたしましたし、また今後もいたして参りたい、かように考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 千葉の振興会には遺憾な点があったから、こう抽象的でなく、具体的になぜ起ったのか、なぜ多いのだ、これをもっとどんぴっしゃに言って下さい。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 千葉の自転車振興会は御承知のように施行者の委託を受けまして、千葉県下における業務の運営に当っておるわけでありますから、松戸だけではありませんが、松戸という競輪場についての特殊事情ということは、先ほど申し上げましたように松戸だから特に起ったというところまでは具体的にはつかめない、私はこう思います。ただこの競輪場を運営しております振興会の運営の仕方において遺憾な点があった。しからばそれが具体的にどういうことであったかということでございますけれども、それは結局従来から私どもが指導しております趣旨を忠実に実行しなかった、結局それは振興会の運営いたしております人的な、理事者の責任ということになりますので、その理事者の監督上の心がまえと申しますか、それが非常に不十分であった、こういうことが具体的には言えると思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 後楽園とか松戸は私有ですね。それで市等のいわゆる公有の競輪場と私有の競輪場とを比べて見た場合に、私有の方にそういう事件が多かったということはないですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 松戸の場合におきましてはお話の通り競輪場の施設そのものを運営して参ります競輪場会社というものがあるわけでありますが、しかし一般的に申しまして、そういう会社形態でもって施設を運営しておるところの方が、他の公共的な運営の方よりもそれが多いというところまでは認められないと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この松戸の事件の原因は何であったか、結局選手二人が敢闘精神に欠けたといって処罰を受けておる。そうすると直接の原因はやはり選手にあった、こういうようにも考えられるのですが、それはどうですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 今回の騒擾事件の原因をいろいろ糾明いたしました結果、確かにこういう騒擾事件を起しましたきっかけになりましたのは、その選手に、これは厳密な意味における八百長ではなくて、敢闘精神が足りなかったと申しますか、本命の選手が非常にゆっくり走ったということでございます。しかしそれは何か特別の報酬を目的として、いわゆる八百長的にやったという事実は認められなかったようでありますけれども、そういうようなことがあった。これがきっかけになったことは確かでございます。しかしそれをきっかけといたしましてあれだけの騒擾事件に発展をいたしました直接の原因は、そのあとにおける処置が非常にまずかった、こういうことだと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 敢闘精神に欠けたということと八百長との違い、八百長とは定義すれば一体どういうことになるのか。私は実はきのう松戸へ行っていろいろと関係者の意見等も聞き、現場も見てきたわけなんです。聞くところによると、その本命と目されておった選手が、何かうしろを向いて笑い笑い走っておったというようなことを言っております。そういう事実があるとするなら、これは原因はやはり選手にあったとも言えると思うのです。しかし通産省が二十九年七月二十九日に出された騒擾事件と今後の対策について、これの六の対選手に関するもの、これの(ロ)に「紛争、騒擾等について選手に責任があることが明らかな場合は論外であるが、いたづらに選手の責任において事故解決をはかることは極力回避せねばならない」という通達をしておられるわけです。ところが、あの八百長だと騒いだときに、そのあとすぐに二人の選手の処分を発表した。これは考えようによると、一面選手にその責任があったとも言える。あるいはこの通牒の精神に違反して、責任を回避して、選手に責任をなすって事故の解決をのがれようという挙に出たというふうにも解せられるが、その点の真相はどうですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 まず八百長ということに関する定義の問題でございますが、これは具体的には自転車競技法の第二十三条でございますか、これは選手のみならず、自転車振興会の役員、職員にも及ぶわけであります。そういう競輪の選手などがその競走に関しましてわいろを収受し、あるいは要求し、もしくは約来した、結局何らか事前に報酬を受けるというような黙契がありまして、そういたしまして、わざと大きな穴が出るような競走の仕方をしたというような事実がありました場合はごく厳密な意味における八百長であろう、かように考えるのであります。従いまして、そのあとにおける車券の売り上げの状況その他の詳細を調べました結果、選手との間にそういう直接の連係はなかったというような意味におきまして、私が申し上げましたのは、厳密な意味における八百長とは言えないかと思うのであります。しかし、今お話がございましたように、過去における競輪選手の公正なスポーツとしての精神に徹した競走のあり方というものについての通牒に違反するような選手の態度であったということは事実でございます。そこで、その点につきまして、八百長という声が上りまして、騒ぎが起ったわけでありますが、その際における施行者、振興会側の処置が、今お話の通り、場内にアナウンスをいたしまして、制裁処分を発表した。その制裁の方法が、まず私どもの見たところでは適正でなかったと思います。従って、今お話のように、いたずらに選手にだけ責めを負わせるというような考え方があったかどうか知りませんが、多少そういうようなきらいのあるやり方、それからその制裁の手続につきましては、やはり一定の制裁の委員会にかけて処罰することになっております。しかも、それを直ちに、騒ぎが起って間もなく場内放送をしたということは、あたかもそれが八百長であるということを施行者みずからが公認したような結果になり、従って、それをきっかけとして、何らかためにしようとして騒いでおる連中には、さらにいい口実を与えたというような点におきまして、それらの処置は非常に不適当であった、かように私どもとしては判断しておる次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その八百長というのは、二十三条、すなわち金品の収受、こういうことがあったときは八百長だ、そうでないときは八百長でないこういうような解釈ですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 八百長という言葉を法律の上に特に定義として掲げておるわけではございませんので、八百長の解釈については、言葉の意味としてはいろいろな意味があると思います。ただ、非常に厳密な意味の法律の対象になるような八百長という意味から申しますれば、二十三条の規定の範囲ではないが、ただしかし、一般の社会常識として、とにかく選手のやり方が非常に八百長である、こういう通念として、広い意味における八百長という節囲には入るかと思います。しかし、この法律の二十三条の対象になるような行為はなかった、こういう意味で私は申し上げた次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 二十三条に該当する行為でなければ、通産省としては八百長とは考えない、こういうような言い方ですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 八百長としては考えたいと申しますと、言葉が不十分であったかと思いますが、通産省としては、やはりその選手の行為は非常に不当であるということは、当然言えると思います。従いまして、それがこの法律の二十三条の制裁を受けるような行為であったかどうかという意味における八百長ではない、こういう程度のことであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私が言っているのは、二十三条の処罰を選手にしようという意味で言っているのじゃないのです。しかし、少くとも選手が走っているときか、試合のときか知らないけれども、うしろを向いて笑っておったそうです。こういうことは一つのサインだそうです。いろいろなサインの出し方があるらしい。八百長におけるいろいろな型があるらしい。暴力団か、あるいはボスがこれを脅迫してやる、あるいは選手の身内等が行う場合、いろいろある。また選手自体の中でお互いに申し合せ、あるいは暗黙のうちに賞金の持ち回りをやるとか、あるいは競輪の運営制度自体にもある。たとえばB級選手が何か十五回連続して負ければ登録取消しになるんですか、何かそういことがあるので、人情的にやる場合がある。そうすると、あなたの法律解釈からいえば、二十三条に該当しない行為でも、八百長はあり得るわけです。しかし、投票した側から見れば、これはやはり賭博行為におけるインチキ行為と一緒です。そこに八百長といって騒ぐ原因がたくさん出てくるわけです。その点についてはどうですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 お話の通り、観衆と申しますか、車券を買った側から見ますれば、やはりそういういわゆるインチキの行為であるというふうにこれを見られたことは当然だと思います。従いまして、田中先生のおっしゃった広い意味における八百長ということになろうかと思います。その裏におきましてどういうふうな取引関係があったかということにつきましては、その調査の結果においては明らかになっておりませんけれども、しかし、そういうような意味におきまして、不当な何らかの作為と申しますか、あったんじゃないかというふうに見られたことは当然だと思います。その点については、選手に責任がある、かように考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 選手に責任がある、こういうことなんだが、そうすると、大体八百長の原因の大半はやはり選手にある、こういうことも言えると思う。そうすると、選手の訓練あるいは養成、こういうような問題は法十二条の十六によって、日本自転車振興会の業務の中に入っておるわけです。そこで、日本自転車振興会は選手のそういう訓練あるいは養成といいますか、そういうようなことに今日まで具体的にどのようなことをやって来、またそのことについて通産省はどのような監督をして来たか、お伺いいたします。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 お話の通り、競輪の実施の方法に関しましては、自転車競技法の十二条の十六という規定によりまして、中央の機関でありまする日本自転車振興会が責任をもって、各地の自転車振興会を指導するという義務があるわけであります。過去におきましてもいろいろの事件がございましたので、通産省といたしましては、日本自転車振興会に対しまして、それらの措置について遺憾のないように指導をいたして参ってきたつもりでございまするが、ただ、今回のような事件が起りましたことは、日本自転車振興会の指導も不十分であったということはやはり明らかでございます。今回の処分をいたしますると同時に、私どもとしましては、日本自転車振興会に対しましても、十分一つそこらの不十分な点を是正し、一そう健全な競輪の運営をするような指導措置をやるように戒告を発した次第であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 戒告を出したから直ちによくなるとは思わぬのですが、大体今日まで日本自転車振興会は、こういう選手の養成あるいは訓練、ことに人格の陶冶といいますか、そういうふうなことについてどれだけの努力を払ってきたかといったら、ほとんど見るべきものはないわけです。自転車振興会ができてからこれに対する具体的な規則とか、あるいは何か命令によって定められている方式ですか、そういうふうなものもまだ作っていないそうです。やったものは何かというと、自分たちの給料をきめたことです。試みに申し上げますと、自転車振興会の会長は月十六万円、副会長は十四万円、理事は十二万円、監事は十万円、そして賞与が年間六カ月です。しかも、まっ先にきめたのは何かというと、自分たちの退職権既定なんですよ。これは通産省が許可をせられたはずなんです。その退職金の内容は何かというと、勤続一年について五ヵ月です。勤続一年について五ヵ月もの退職金を出すという規定が、民間産業のどこかにありますか。そういうようなことがあるから、自転車振興会自体が自分たちの給料や退職金、そんなことばかり先に力を入れて、選手の養成、訓練に力を入れていない、だから八百長騒ぎが起る、こういうことがあると思うのですが、あなた方の見解はどうですか。そうして、今まで具体的にどういった監督をしてきたのか。あるいはあなた方、自転車振興会にどこか弱い点があって、十分きついことが言えない立場にあるのと違うのですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 各地の自転車振興会全般を指導すべき立場にある日本自転車振興会の運営等につきまして、非常に不十分の点が多いということについては、私どももその点は認めざるを得ないと思います。ただ、今お話がございました役員の給料でありますとか退職金規程ということにつきましては、もちろんこれは特殊法人でありまするので、私どもの方も、監督の立場からいたしまして、十分審議をいたしまして決定しておるわけでありますが、これは特殊法人の他の例、あるいは民間事業の例等に比較いたしまして、特にこれが不当に優遇されておるというようなことはないかと思います。しかし、そういうことは別といたしまして、本来の各地の自転車振興会に対する指導のやり方等につきましては、まだまだ非常に遺憾の点が多いと思いまするので、これらにつきましては、十分一つ私どもも今後振興会を督励したいと思います。今お話のように、日本自転車振興会に対して何か特別な弱いところがあるかどうかというようなお話につきましては、全然そういうことはございませんから、御了承願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そう言うのならけっこうだが、ところが、実際見ておると、あなたも肯定しておられたように、一番先にやったのは、月給と賞与、それから退職金をきめたことです。そうして選手の訓練費は、予算に一体幾ら計上し、実際幾ら使っておるか。——知らなかったらこっちから言いましょうか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 ちょっと今手元に資料がございませんので……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 申し上げましょう。三十二年度の自転車振興会の予算中、選手の訓練費は、二千何百万円だそうです。三十三年度も同じく二千何百万円組んでおるのです。ところが、実際あなた方は決算を見られるわけでしょう。報告があるでしょう。決算を見られて、どうでしょう。予算は組んでおるが、ほとんど予算を使っていない。というのは、訓練をしていないということです。また日本自転車振興会それ自体が、そういう訓練をする実力を持たない、こういう結論になるのです。予算は一応組んでおるが、使っていない。使おうともしていないということは、結局法十二条に定められた自分たちの業務、任務を十分に全うしていない、こういうことになるわけなんです。千葉県も理事長以下をかえたのですから、ついでに日本自転車振興会も理事長以下一ぺんかえてみたらどうです。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 日本自転車振興会に対しまして、千葉県に対したと同じような処置をしたらどうかというようなお話でございますけれども、今回の事柄だけを取り上げまして、日本自転車振興会に対しまして、それだけの処分をするということは、適当でないと思います。しかし、今のお話の通り、予算だけ組んでおいて実際利用をしないというような面がございまするような場合におきましては、もちろん私どもといたしましては、当初事業計画の内容なり、その他予算措置等を十分検討した上で、運営をやらしておるわけであります。その当初の計画なり事業の実施のやり方については、当初計画通りこれをやるように、やっていきたいと思います。ただ、今後におきまして、もし日本自転車振興会が、今回の処置に関連いたしまして、相当の戒告もいたしましたから、これに対しまして、今後さらに改善の跡がないというような事実が現われました場合には、さらに第二段の日本自転車振興会自体に対する処置を考えなければならぬ、刷新の方法を考えなければならぬ、かように考えまするけれども、今直ちに役員の総入れかえとかなんとかいうことまでは、考えてはいないのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 日本自転車振興会は昭和三十二年に法の改正によってできたのですね。そうしてその年に今申しましたように選手訓練費を二千何百万円計上しておる。そうして使っていない。また三十三年度も同じく計上して使っていない。これが一年だけだったら、あなたの言う通りになると思うのですが、あなた方はこれで二年間その予算と実施状況を監督してきたはずです。しかも法によって予算、決算は通産大臣の認可ということになっておる。少くとも決算はあなた方は見たはずなんです。そこに何ら疑問を起されなかったですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 先ほどお話がございましたように、選手に対する措置ということにつきましては、実は非常にまだ足りない面が多いのでございまして、今回の事件におきましても、あとで選手が相当のけがをした者も十数名出てきておるというようなことで、制裁に急な余り、選手に対する保護というようなこと、あるいは日ごろから選手を訓練するという措置につきましては非常に足りない点が多いと思います。従いまして今お示しになりましたような点につきましても、私どもは全くそういうふうな感じは持っておりますので、今後の運営におきましては、特にそういった施設の充実に関連いたしまして、選手に対するいろいろな保護なりあるいは選手自体の今後における身分の保障その他等につきましても、十分のしっかりした制度が確立されるように、従来からいたしておるわけでございます。選手の方には、御承知のように、選手会という団体もできておりまして、この選手会と振興会との間におきまして、いろいろ長期的な何らかのそういう身分関係等についての契約関係もできるというようなことが望ましいかとも思いますが、それらの点につきましても話し合いを進めておるわけでありまして、今後は一そう特にそういう選手関係につきましては、十分一つ気をつけて参りたい、こう考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 通産省の日本自転車振興会に対する監督が今日まで十分でなかった、こういうことは、過去の実績から見ても、また今の御答弁から見ても、お認めになったように思うのです。大体松本学ですか、自転車振興会の会長は何をしておるのです。外国ばかり行っておるではないですか。実現もしない競輪選手の交歓だとかいうことをいってフランスに行ってみたり、今現にアメリカに行っておるのでしょう。そういうようなことで、ほんとうの競輪の実施の責任を負い、これを監督し指導していく責任が果せるかどうかということです。これは十分検討する必要があると思うのです。なお、この点については質問を保留しておいて、あとで行います。  それから松戸の問題に戻りますが、昨年のちょうど今ごろです。夏の休会中に、私だいぶ競輪の経理あるいは暴力関係等について質問もし、決議もしたわけなんですが、この松戸の場合に、何とかという専務理事ですか、個人の資格において千円ずつ結局出した。それが千七百二十何名だったと思います。ちょっと千七百三十名に近かったと思いますが、その金額にしても百七十三万円という金です。それを個人の資格で出した。少くともこの専務は千葉の自転車振興会を代表し、実施の責任に当っておる。それがその場において個人にすぐ立場が切りかわるということもできないだろうと思うし、個人の資格ということもおかしい。ことに個人の資格で出すということは結局自分の金を出すのか、それともそういうことで出しておいて、あとは適当に処理しようということなのか。もし適当に処理ができるとするならば、私は昨年競輪関係の会計を伏魔殿と言うたが、いよいよ伏魔殿ぶりを発揮するわけです。またかりに個人の力で百七十万円の金をすぐ出せるということであれば、これは競輪はもうかるものだということになると思うのです。だからやかましく言ってもやめられない、こういうことになると思うのですが、この千円ばかりの車代を出したあとの処理は、どういうことになっておりますか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 今回の事件で一番遺憾な点は、結局いかなる名義であるにせよ、具体的に金銭を支払ったという点でございまして、その点につきましては、今千七百二十何名ですか、約百八十万円の金を池田という専務理事が個人の名義ということで払ったことになっておるわけでございまするが、この点はもちろん私どもとしても非常におかしなことであるということで、具体的に調べをいたしました。結局、その金は、その当日千葉銀行の松戸支店から池田専務理事の個人名義で借り入れをして、その資金に充てたという形式になっております。そしてそのあとの始末といたしましては、その本人から千葉銀行の松戸支店に返済をした、こういうふうな処理になっております。しかしお話の通り、具体的にその金はどういう金をというか、その現金があったかというようなことにつきましては、これはなお追及をする必要があろうと思いまするが、一応形式上の処理といたしましては、ただいま申しましたように、個人名義で銀行から借りて、またその銀行に返した、こういうことになっておりますが、私どもとしてはこの点が今回の事件で一番不当であり、遺憾な点であった、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 おっしゃるように、その点が一番遺憾であり、不当な点であった、こういうことなんですがね。一応競争が終ると、勝負の、いわゆる競争の不成立な場合以外は払い出してはいかぬということになっておると思う。いかに競輪の実施者であろうとも、あるいは主催者であろうとも、ともかくそれは公金なんだね、その金を個人の立場であるからといって出せるはずはないと思う。それじゃ何とかいう銀行で借りたというが、時間的に見てそのときに銀行があいていたかというと、あいていないわけです。それなら具体的にやはりそこの金を出したに違いないと思う。形式だけは銀行で借りて払ったということになっておるが、時間的に見て、銀行がそんな時間にあいているはずもないということ等から考えると、やはりそこにある売上金によってまかなったということ、しかも格好だけは個人の云々といっておるが、処理は適当にやるんだ、こういうことになると思う。そうなればますます競輪会計ということはでたらめだということになる。だからこそやめてしまえ、こういうことになるわけですね。しかもかりに言っているようなことであるとしても、自転車の振興会の県の専務理事がどれほどの地位の人であり、どれほどの財力の人であるか知らないが、たとえば数百万円の金を申し入れて、担保も何もなしにすぐ貸すというほど信用があるということなら、相当な金を持っておるということになる。そうするとやはり自転車に関係する者はもうけておるということになる。そういうことが出てくると思う。  それから、十六条の三項によると、処分をするに当っては、その対象になる者が自己に有利な証明を提出し、弁明する機会を与えなければならない、こういうことになっておる。おそらくやあなた方も三ヵ月間も停止せられるに当っては、これら関係者にこの機会を与えたと思うが、彼らからどのような言いわけがあり、どのような有利な証言なり証拠が持ち出されたかお伺いいたします。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 まず前段の、今回の金の支払いにつきましては、これは前々から申し上げておりますように、その点が最も違法でございまして、競輪の施行者あるいは振興会、いずれもいかなる名義であるとを問わず、こういう支出をすることは認められていないわけであります。それに違反をして、こういう支出をしたというところが最もいけない点でありまして、その意味において今回の処分をしたわけでございます。  そこで、今回の処分をするに当りまして、今御指摘の十六条の第三項の弁明の機会の問題でありますが、これはもちろん私どもといたしましては、直ちに翌日から調査を開始いたし、また関係者を呼びまして、しばしばまたこちらからも出向きまして、調査なり究明をいたしたのでありますが、その間におきまして、もちろん口頭による弁明というようなものはあらゆる機会に向うからございました。しかし正式に文書によりまして、やはり七月初めに、施行者であります千葉県知事と、それから千葉県自転車振興会、両方から大臣あての弁明書が提出されております。その内容でございまするが、まず施行者でありまする千葉県知事からの弁明の内容につきましては、主として県の財政事情、県が財政再建団体であって、その後財政事情は非常に困難な事情にあるという、千葉県の財政事情を中心にして数字的にいろいろ出しておりまして、その中で、今回の千葉県営の競輪が千葉県の財政の中において占めておりまする相当の地位というものを強調いたしまして、従って三カ月という停止がありまするというと、千葉県としては歳入の面において約一億円の減収を生ずる、従って何とか一つその辺を考慮していただきたいという意味の弁明でございます。それから社団法人千葉県自転車振興会、こちらの方の弁明でございまするが、これにつきまして、まあ数次にわたって口頭なり何なりでいろいろ弁明するところは忌憚なく陳述した、しかしもはや今回のことに対しましてはあらためて弁明をすることなく、処分はどうしてもこれは受けるのが当然である。むしろこういうふうな趣旨のことと、それから今後における運営、振興会の職員の生活なり、あるいは関係者としてのこの競輪に従事しておりまする常勤職員なり臨時従事員の生活の面について、一つ何らかの同情を賜わりたいというような趣旨の弁明が出ておる次第でありまして、役員に対する処分については、もはや弁明するところはないというふうな趣旨の弁明でございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そうしますと、結局、地方財政上のことで陳情したという筋で、自分のやったことについて百パーセント非を認めている、こういうことだと思うのです。  それで、元へ話を戻しますが、この金の処置です。それは銀行でそうやったという形式になっておるだけで、実際はそうではないということはあなたも大体推測はつくと思いますね。それについては今後どうしますか。もしそんなことが許されるとすれば、競輪の会計なんてでたらめだ、こう言わざるを得ないのだ。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 今回の、具体的に先ほど申しました池田専務理事の個人名義で出した金でございますね、これは御承知だと思いまするが、競輪場には地元の銀行自身が出て来ておりまして、従ってその場で銀行との間の処理はできることにはなっております、ただ具体的に、その出した金がどの金であるかということは、金には色がついていないわけでございますから、従って銀行のいわゆる通常の営業時間ではございませんでしたけれども、銀行との間の処理につきましては、できないことはなかったと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その点についてももっと詳細に調べてもらいたい、こう思います。  それから、二十九年の七月二十九日に出された「騒擾事件と今後の対策について」、こういうのがありますが、その中で、「事故防止のため速やかに講ずべき対策」として一番最後にあげておりまするのが、「場内の売店を整備し、常に清楚な状態を保つようにし、酒類の販売禁止を励行すること。」こういうことになって、少くともこの通牒に忠実であるならば、競輪場内においてはアルコールは出せない、こういうことになると思うのですが、当時松戸においてあの事件が起ったときの新聞の記事を見ますと、大衆の多くは食堂へなだれ込んで、ビール、サイダー等あるいは弁当を飲みほうだい、食いほうだいだったということなんですが、やはりあすこは酒類も出しておったのでしょうか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 当時その施設においてどういうようなものを販売しておったかということでありますが、その点につきましては具体的に今ここで詳細につかんでおりません。ただ今御指摘のように昭和二十九年通牒は競輪施行者に対しまして事故対策として指導いたしたのでありますが、これにつきましてはお話の通りそういった酒類販売禁止というものを励行するということについては通牒を出しておりますが、これが必ずしも完全に守られておるかどうかという点につきましては、あるいは遺憾の点があったかと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 池田通産大臣も現状においては許された範囲において法の命ずるところに従って実施していって、厳格に法を守る、こういうような答弁じゃなかったかと思うんです。これは官僚らしい答弁だと思うが、それはそれとして、それに対してはどうかといえば今後こういった紛争、騒擾が起らないようにそれぞれ対策を立てていきたい——あなたの方でこのたびの問題について、すぐ出された通牒があるわけですが、これは三十四年六月二十六日、二十三日に起って三日目に出されておるわけです。それにおいても結局は二十九年に出されたやつに従ってやれということなんです。ところが今、たとえば酒類についてだけでも、これについて励行がせられているかいなかったかというチェックが、あなたの方にはできていない。そうするなら通産大臣の答弁もあなた方の答弁も、一片の通牒を出せばそれで事故が防止せられ、明朗な競輪が行われると考えておるということは大きな間違いなんです。通産大臣だってこういう通牒を出して対策を立ているということしか考えがなかったならば、出したその通牒自体が守られているかどうかということのチェックすらできていないということなら、監督上遺憾な点があったということはもうしようがないと思うんですが、どうですか、お認めになりますか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 この通牒は御承知のように、全国の各自転車競技の施行者でありまする自治体と、それからその自治体から業務を委託されておりまする振興会に対する基本的な指導、監督の内容について、その実施を確保する意味の通牒でございますが、これがその通牒通りに運営されるかどうかということにつきましては、お話の通りわれわれとしては単に通牒を出したことをもって終れりというふうに考えているわけじゃございません。具体的には全国五十九の競輪場がございましてで、延べ先ほどお話のように四千日というような施行をやっております。これらにつきましてはやはり具体的には、われわれの手足であります各地の地方通産局において第一次の監督をし、さらに施行者でありまする各自治体の監督官が競輪場に絶えず常駐いたしまして監督をする建前になっております。それがほんとうに励行されるかどうかということにつきましては、もちろん私どもとしては今後一そうこの点については配意をして参りたい、かように考えます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 競輪場内の食堂とか売店というのは、競輪場によっては違うかもわかりませんが、一体どういうようにして許可しておるのですか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 具体的にはそれぞれの競輪場につきまして、その競輪の主催者であります施行者、今回の場合であれば千葉県がその場内における各種の施設、売店等については取締りをし、これを許可しておる、こういうことでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 またあとでその方にも触れたいと思ったのですが、去年私だいぶ大きく取り上げた自衛警備ということなんですが、そういうような許可を受けないものとか、立ち売りのそういうものは排除してしまう、そうして許可を与える、その許可を与えるということによって、そこに相当またいろんな問題を起しておる。なわ張り争いの問題も起しておる。これだけについていっても競輪の悪い面が出てくるのですが、そういう点をやっていてもきりがないのでぼつぼつとやりますが、またもとに戻すと松戸の場合に、その日に飲んだり食ったりを自由に勝手ほうだいにやったというのですが、それの負担をだれがやるのですか、その点調べられましたか。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 ちょっと御質問の意味がわかりませんが、飲んだり食ったりというのは……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 新聞の記事によると——私きのう松戸に行って直接取材に行った記者の人に会ったわけなんです。そうするとやはり大衆が一方でガアガアやっておると同時に、食堂になだれ込んで行ってビールやサイダーを飲みほうだい、弁当、すし等を食いほうだい、そういう金の処理はどのように処理がついておるかということなんです。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 その関係につきましては、おそらくその施設の中に出しております売店等に対して、不当に入って来て勝手におそらく金を払わずにそういうものを消費したということであろうと思いますが、その場合におきましては、結局問題は、その施設の中に売店を出しております売店の経営者が相当の損害を受けたということになるわけでありますが、その損害に対してはおそらくあとで振興会なり施行者に対して損害賠償を要求するというような事態が起ろうかと思いますが、それらについては私どもの方としてはまだ具体的にその後の動きについては承知いたしておりません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 十六条各項による処分をせられるに当って、いろいろな点までは十分追及し調査をせられなかったわけですね。

小出栄一通商産業事務官(重工業局長)

○小出説明員 今回の十六条の処分というのは、結局この施行者なり県の振興会の自転車競技に関する運営についての処分でございますので、そういう場内の施設関係のあとの損害の出入その他につきましては、むしろ附帯的な問題といたしまして別個に処理したい、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 ともかくその競輪場に起ったあらゆる事態について一応把握して調べる必要があると思います。十分調査してもう一ぺん報告を求めたいと思います。  それから先ほどちょっと申しました八百長の問題ですが、警視庁で調べたところによると昭和二十九年十月から三十二年四月、二十三の都道府県にある競輪場で、百三十四人の選手が八十件の八百長事件を起しておる、こういうことなんです。やはり選手側に相当八百長事件の動機があるということだけは否定できないと思う。今後日本自転車振興会の選手訓練状況等をもっと監督する。同時に現在どういうことをやっておるか、これも調べて出してもらいたいと思います。  それから警察庁、見えておりますか——まだたくさんありますが、一服してもらって警察庁の方にほこを向けます。  六月二十三日のあの松戸の事件のときに、あのことについて所轄署等から相当報告を受けておることと思いますが、当時現場に何人の警官がおられたか。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 当日交通整理として屋外に出ておる七名を入れまして五十四名であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 五十四名というのは事件が起きたときにおったのですか、あとから応援に出た者を入れてですか。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 七名を入れまして五十四名でありますから、四十七名であります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 その四十七名は事件が起ったときにおったのですか。騒擾事件が起きてからたくさん応援に来たでしょう。それは何名ですか。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 応援は総計二百七十四名です。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 この二百七十四名というのは松戸署だけと違うのですね。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 松戸署だけではございません。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 松戸署には定員は幾らあるのです。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 定員は七十四名だったと思いますが、多少数字は……。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 お聞きのように松戸の警察署は七十四名の定員である。そのうち競輪が始まったならば四十七名、七名の交通整理を入れると五十四名が競輪関係に手を取られるわけです。そうすると、署長を入れて二十名が残ってるだけなんです。私きのう松戸へ行きましていろいろ話を聞きましたが、競輪が実施せられる間は、松戸市内は無警察状態になるというようなことを言っておられた市民の方もおられる。御承知のようにこの種ギャンブル行為では帰りの汽車賃まですってしまうというのが、これは人情の常なんです。やけくそになるのも常なんです。従ってこれらすってしまった人たちがあき巣をやる、恐喝をやる、あるいは無銭飲食をやる、そういうことが競輪開催中にはしょっちゅうあるというのです。しかも警察署長以下七十四名のうち五十四名の者が競輪場へ行って手を取られてしまっておる。一体競輪をやってる間の一般治安はどうなっておるんですか。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 競輪をやっております間におきましても、一般治安の問題に必要な人員の二十名というものはそれぞれ置いておりますと同時に、あわせて事故のあります場合には、競輪場の中からでも、当然それに必要な人員というものは配置しております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 これはもっと深く掘り下げてやりますが、松戸市は競輪の町とつ言われておる。この警察の状態を見ただけでも、それがはっきりしてると思うんですよ。円十七名、交通整理を入れて五十四名も競輪場に行っておって、あと二十名で一般治安には事欠かないというならば、なんで平常こんな多数の警察官を遊ばせておくのか、競輪だけであと四十七名の定員がふえておるのかと、こういうことになるのです。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 私はそういう意味で申したのではないのでありまして、松戸の競輪場におきまして今度こういう大きな事故が起きましたのは、きわめて異例なケースとして起った事件なんであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 今までに四回もやっている。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 今までの場合におきましては大体警告程度で済んでおったのであります。それで松戸市内に事故がありました場合におきましては、競輪場におります警察官は直ちに事故のありました現場に配置することになっております。そういう意味におきまして、競輪場に固定してそのまま配置しておるわけではないのであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 まあ数字だけでも、大体委員の皆さんも、競輪が行われておるときの松戸の状態は想像できると思うのです。そこでお伺いいたしますが、当日五千人の人が中に入っておる、そして、最終的に千円もらった人が千七百二十何名かおるわけなのです。ところが警察で逮捕した者は四名か五名です。そのうちの一人は何か定時制高等学校の生徒で、これには関係ないのが、何か落ちておったものを拾おうとして、これにひっかかって逮捕されたそうです。そして、あと三名か四名の者っが逮捕された。しかもその容疑は器物毀損罪だ。しかるに、放火をしておるのだ、今通産省の小出局長に尋ねたように、すし、弁当、サイダー、酒等も自由に飲みほうだいだ、こういうようなことについては、全然、容疑者とも何とも出ていないわけです。三名か四名の者だけを逮捕したのは、特にどういう事情があったのかということ。それから刑法の百六条の騒擾罪ですね。この事案はまさにそれに該当すると思うのだが、騒擾罪としてでなく、個個の者の行なった器物毀損罪、こういうことであるが、私、行って見ましたけれども、ガラスなどたくさん割られておる。その中から特定の三、四名を逮捕したというのはどういうことによるのですか。騒擾罪という考え方は持てなかったのか。あるいは集団暴行罪ということも考えられなかったのか。その点についてはどうですか。

田中墾警視長(警察庁保安局警ら調査官)

○田中説明員 お話の通りに、現場で逮捕いたしました者は五名であります。そのうちの一名につきましては、売店で飲んでいる現場において、現行犯で逮捕したわけであります。では、なぜいろいろな暴動的な、こういうような大きな事故があった場合に、それ以外の多くの者を逮捕しなかったかということでありますが、現場に配置しておりました連中は、一カ所において起ったのではなくて、方々において事故が起りましたので、それの制止に行ったため非常に手薄があった、分散があった。従いまして、事故が起りまして一応その制止が終りました後におきまして、当時の首謀者があるいは当時の現行犯の証拠を集めつつ現在におきましてもまだ捜査をやっている、こういうことであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 少くとも、放火をした現場があるのですよ。それなのに、放火罪の容疑者というものが一人もいないというような点から考えても、それもでたらめだとこう言わざるを得ないと思うのです。  そこで、私、委員長にここで希望いたしておきます。まだ質問を続けますが、ともかく、松戸の問題について調べるほど大きな問題が起きてくるわけです。先ほども申したように、松戸競輪が行われている間というものは、松戸市内は無警察状態である、こういうことすら聞いておる。それから、現に、通産省が三カ月の処分を発表したことに関して二つの議論が出出ておる。この際もうやめちまえ、あるいはたとい三ヵ月でもこれでせいせいしたという市民もおるわけです。そのことは、地元の各新聞が報じておる通りなのです。こういうような問題等いろいろありますので、私は、千葉の自転車振興会の会長、それから松戸署の警察署長、それから千葉県関係の競輪担当の責任者、これは公営何とか事業所長というものがおるはずなのです。それから、これを機会に松戸市をきれいな松戸市にしたいという市民運動が起っておる。そういうような人たちの代表。こういう人たちに後日当委員会に参考人として来てもらって、十分に聞いてみたい。なお、それまでに、通産省においては、松戸市の問題について、私の投げかけた、まだ一、二でありますが、そういうような点、申し上げれは何ぼでもあるのです。それについて十分な調査をする。警察庁においても、何か奈良にも起ったというようなことから、きのうですが、警察局長会議か何かでこのことについていろいろ議論もあったようですが、そこで、こういう人たちを参考人に呼んでもらいたいということ。  それから警察庁の方にもう一つお伺いするのは、政治的な発言を除いて、警察の立場から、これほどの問題を起し、なお起るであろう問題をかかえておる競輪その他のギャンブル行為ですね、これはもうやめてもらった方がいいと思うかどうか。これは治安維持、治安確保の立場にある警察庁としてはどうお考えになりますか。あなたが代表した意見はできないと思うのなら、何ならこの次に警察庁長官にも来てもらいたいと思うのだが、どうですか。

町田充警視長(警察庁保安局防犯課長)

○町田説明員 競輪について警察庁としてどういうふうに考えるかというお尋ねでございますが、私当面の責任者ではございませんので、警察庁としての意見をということでお答えするわけには参りませんので、私個人としての考え方でお答えすることをご了承願いたいと思いますが、なるほどこういう競輪初めオートバイ・レースあるいは競馬というふうなものがなくなりますと、警察のために現在かなりな警察官をさいておる、そういうことがなくなるので、警察としては非常に手を省けることになるのは火を見るよりも明らかでございます。しからば競輪を一切なくしてしまえ、あるいはオートバイ・レースを全部なくしてしまえというふうに私どもとして申し上げられるかといいますと、それは必ずしもそう簡単には参りません。自転車産業の振興とかあるいは地方財政の問題とか、いろいろ複雑な問題がからみ合って、現在でき上っておる制度でございますので、私どもといたしましては現在ある制度を前提にして、それから派生してくるいろいろな問題を未然に防止をするように極力努める、あるいは一たん不幸にして紛争が起きました場合には、それをできるだけ早い間に鎮圧をする。警察全体の仕事がそういうことでありまするけれども、要するに派生的に生じてくるいろんな悪というものをできるだけ未然に防止をする、あるいは不幸にしてそういうものが発生した場合に、できるだけ早期にそれを鎮圧する、こういう仕事を引き受けておるわけでございます。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 あなたに警察庁を代表しての意見をというのは無理だと思う。そのくらいの答弁しかできないと思うんだが、もう松戸以来二カ所でこういう問題を起しておるわけですね。もっとやればやるほど八百長騒ぎというか、こういうのが起きることは予測できる、それを警察の立場からはっきりとものを合わなくちゃいかぬと思うのです。たとえば最高検では相撲クイズですか、何か当てた者に景品を出しておったということですら、賭博行為であると認定しておるわけなんです。そうするならばもっとはっきりした賭博行為なんだ。ただこれは自転車競技法とか何とか法という法律があるがゆえ  に賭博行為になっておらぬだけのことなんです。あなた方の今の答弁から見ておっても、何かイタチごっこをやっておるようなものです。だから、これはあなたには言わないが、帰ったら長官に言っておきなさい、警察庁としてこの問題についてはっきりした治安確保の上からの意見をまとめて、次に聞きたいと言っておったということを。やっておれば切りがないのです。  委員長に申し上げておきますが、先ほど言った松戸競輪の関係者ですね。これを一つ呼んでもらいたい。松戸はそれはひどいものですよ。きょうの朝日新聞にも競輪の町といって川崎と松戸と一応情勢を書いておりましたが、一応この機会に松戸の人たちにも来てもらって、十分私競輪の問題を掘り不げてみたいと思います。ことに警察署長も呼んでもらわなければいかぬ。いろいろと私話を聞いてきました。たとえばこれは笑いごとのような話なんだが、江戸川で花火大会があれば、自転車振興会の川井理事長の奥さんがゆうゆうとして最高の貴賓席につかれるそうです。その前に署長が行って直立不動の姿勢で敬礼をする、こういうような状態を市民は笑っておりましたがね。そうすると警察の威信にも関係する。いろいろと聞きたいことがあるので、ぜひ当委員会で取り上げて、参考人を呼んでいただきたい。このことを要望しておきます。

中村幸八自由民主党

○中村委員長 田中君の御要望については、後日理事会でお諮りいたしたいと思います。     —————————————

中村幸八自由民主党

○中村委員長 次に櫻井奎夫君。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 私は先般本会議で緊急質問をいたしたわけでありますが、その各大臣の答弁につきまして、特に通産大臣の答弁につきまして、詳細の点について御質問を申し上げたい。大きな点につきましては先ほど大臣自身からお伺いしたわけでありますが、特に鉱山局長に私は質問をいたします。  この新潟の地盤沈下は先ごろ科学技術庁から発表になりましたように、地下水の急激にして多量な揚水に原因の大半がある、こういうような、これは先月二十四日に出たわけでありますが、これはすでに技術庁の発表を待つまでもなく、相当大きな世論となっておったわけです。すでに私どもも三月十七日の商工委員会、二月十三日の科学技術振興対策特別委員会それから二月二十四日の予算委員会、こういうところで、相当具体的に突っ込んで御質問を申し上げている。しかしわれわれがどうもふに落ちないことは、そういう議論が国会になされておる反面、現地においてはいわゆる新たなる認可と申しますか、認可をして、さらにガスの多量のくみ上げをどんどんやっておる。こういう事実をわれわれは具体的につかんでおるわけでありますが、大体昨年の暮れから一体どの程度のものを許可をしたのか、その数字をお示し願いたい。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 現在御承知のように新潟のガス田では一日に約六十万立米前後のものを生産いたしておりますが、具体的に昨年の暮れから井戸が何本生産を始めたかというのは、ただいまのところ手元に資料を持っておりませんので、これはまた調査いたしまして御報告申し上げたいと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 何メートルの深さの井戸を何本許可したか、こういう詳細なことは役所の方に帰ってデータを持ってこないと御答弁はできないと思いますが、とにかく去年の暮れからことしの一月、二月、三月、こういう期間に相当数の採掘を許可した事実があると思うが、それは認められるかどうか。本数とか深さ、そういう詳細な点はあとで資料を提出を願うとして、その事実を認められるかどうか御答弁を願いたい。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 採掘の方につきましては、御承知のように鉱業権を持っておりますものが具体的に作業を始めますのは、施業案を各通産局に出してやるわけでございまして、これは一々本省の方に持ってきて、どうこうということではございませんので、先ほど申し上げましたように詳細なことは通産局の方で調査いたしまして御報告申し上げますが、新規に開発しておるものはある程度あると存じます。特に港に近い地区、沈下のはなはだしい地区におきましては自粛をいたしておるような関係もございまして、当然採掘をとめておるわけでございますので、掘っておるわけではございません。     〔委員長退席、小川(平)委員長代理   着席〕 奥地の方で、市街地から非常に離れた方で掘るというふうなことが行われておるかと存じております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これはもちろん鉱区の中における採掘というものは、会社が掘るということを一々本省まで届けてはこないでしょう。しかしこれは非常に大きな問題になっており、国会でも関係のある委員会で取り上げられておる。そういう中で地盤沈下のひどい港湾地区においては六十本に余るものをとめておるのですが、これも通産省の方のサゼスチョンによってとまったのではなくて、業者が市民のそういう声に押されて自粛という形でとめておる。しかも六十本の範囲内ではないけれども、それとほとんど近距離のところにおいて新たな掘さくが行われておる。これは私は現地を何べんも見ておるのだから、あなたは御存じないかもしれないけれども、一体このような大きな問題になっておるときに、そういうものを放置しておったということに対しては、あなたは何もそれは本省のあずかり知らないところだ、幾ら掘ったってそれは何も規制する必要はないのだ、こういうことを今もって考えておられるのかどうか。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 新潟の方の地盤沈下の問題は大きい問題でございますので、原因の究明が資源調査会で行われて参りまして、その結果がどういうことになりますか、結果が出ませんと、通産省としましては法的あるいは徹底した措置でできないわけでございます。ただ、万一天然ガスとの関係で起きておるということが出ました場合を想像いたしますと、悔いをあとに残しても困るというような観点から、できるだけの制限はやっていこうということで、私どもそういう方針で通産局とも十分打ち合せて参ってきたような次第であります。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 あなた方がしばしば言っておられることは、調査会の結論が出るまではどうにもならないんだ、調査会の結論が出てからやるんだ、こういうことなんです。従って私どもはこの委員会において注意を促したはずです。大体の常識というものは地下水の揚水——水溶性ガスを採掘することによる多量の水のくみ上げに伴うものであるから、これは当然行政官庁としては、その方面に対して何らかの処置をとるべきである、こういうことをわれわれは口をすっぱくして述べたはずです。しかるに何らそういう措置がとられていないということは私は遺憾に思う。それは法的に取り締ることはできないでしょう。しかし一日々々と沈下していく中で、これは許可をしてあるから、そこを掘るのは勝手だというような放任的な立場は、行政庁の立場として許されないと思う。保安局長自身もこの議事録の中で三月までに結論が出なければ何とか具体的の措置をとるということをはっきり申しておられる。しかし実際においては何ら措置がとられていないのです。盛んに掘っておるところの内野地区というのは新潟の市内ですよ。そしてまた一・二ミリの陥没が起きておる。ここは新潟市から遠く離れているのではないのです。おそらく現地調査もなさっていないだろうと思う。しかるにそういうことを放置しておいて、今日調査会から結論が出たら取り締るんだ、こういうことではあなた方の処置は全く怠慢といわざるを得ないと思う。この点について保安局長はどう考えられるか。

小岩井康朔通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○小岩井説明員 保安の関係においては、かねがね御質問もありましたし、規則の改正などについても検討をいたしておりまして、結論が出まして、天然ガスの採取が地盤沈下の一原因であるということがかなり明瞭になりましたので、保安規則の改正を一部いたしまして、先月の二十九日から一部改正の施行をいたしております。  なお規制の点につきましては、目下特に対象を市街地に置きまして、市街地の鉱害の点において守るべき重要物件という点から、市街地を規制した場合にどういう問題が起るかというような点につきまして、今週の月曜から明日まで四日間にわたりまして十八社——県庁がその中に入りますが、十八社の関系鉱業者を呼びまして目下実情を聴取いたしております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 それは調査会の発表が出てから後の措置だろうと思う。その前にどういう措置をとられたか、ただ原因の発表があるのを指をくわえてながめておられただけであるかどうか、その点をお聞かせ願いたい。

小岩井康朔通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○小岩井説明員 私の方の直接の関係ではございませんが、鉱山局との関連におきまして結論の出る前にとりました措置といたしましては、今お話のありました自主的に停止いたしております。区域の外に一定の区域を限りまして、その区域内におきましては新しい井戸を掘るということを一応見合せるというような措置をとっております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 この問題は特に規則を設けて規制する、こういうことを言っておられるが、この法律との関係はどうなるのですか。いわゆる鉱業法の百九条にこれは該当しないのかどうか。これは鉱山局長から御説明を願いたいと思います。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 ただいま櫻井先生の御指摘のございます、資源調査会の発表が出る前からすでに常識である、こういうお言葉でございますが、いろいろこの問題はむずかしい問題もございまして、特別委員会でも議論が非常に分れておる。調査会の報告を見ましても、「この沈下の主原因は地下水の急激な大量揚水であるとする説を重視せざるを得ないのであります」こう書いてあるのでありまして、法律的に見ました場合に、これは一体どういう因果関係をつけておるのかというような問題が私どもいつも非常に研究を要するのではなかろうかというふうに考えております。どうも非常な逃げを打ったような表現であるような気もいたします。そこら辺を今後十分研究しなければならぬと思っておりますが、鉱業法の百九条につきましては、もちろん因果関係のあります場合に百九条が適用されるわけでありまして、この点につきましては法制局長官が先生の本会議における御質問についてお答えいたしておるのでありまして、今後法制局長官の御答弁の趣旨で一つ百九条の問題を研究してみたい、かように考えております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これがあなたの今の説明を聞くと、この資源調査会の報告を非常にぼやけて大きく解釈しておられるようであるし、またそういう解釈も成り立たないこともない。しかし今日この一年間に六十センチ沈むという事実は一つもとまっていないのですよ。そうしてその主要な原因がガスらしい、こういうことが出れば、これは国土保全、民生安定という大きな立場から即刻手を打つべきが当然なんです。ところが法律の解釈はこうもとれるのだ、ああもとれるのだ、こういうことで自分の立場だけ固執をするというと語弊があるかもしれませんが、いわゆる通産省の立場だけ考えて、そうしてこういう人命、財産にもかかわるような重大な問題を、しかも常識が、これは水のくみ上げであるということが常識であり、しかも学者もそれを裏づけるごとき言動があったならば、これは即刻やはり通産省としては手を打つべきが当然だと私は思うのです。ああいうような解釈もできるのだ、またこの言い方は逃げているのだ、こういうことで——あなた方は当面の最大の責任者でしょう、そういう方々がこの沈下に対して自分の縄張りだけを擁護するようなことは許されない。あなた方がそういう考え方であれば、私はもっと大臣にも来てもらって、きょうはこのような非常に間延びしたような委員会ですが、もっと徹底的にこれを追及します。当面の責任は通産省にあるのです。今後新潟の地盤沈下という問題をどういうふうに解決するかということは、運輸省とか建設省とかあるいは農林省、いろいろ関係省庁がありますが、それは食いとめていくだけの防禦処置にすぎない、沈下をとめるというふうなことは、通産省が一番大きな責任を持たなくてはいけない、その通産省でいまだにそんなきわめて無責任な考え方であるということなら、これは重大問題です。もう少ししっかりした決意を一つ聞かしてもらいたい。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 私の御答弁申し上げました点を補足して申し上げますと、ただいま御質問いただきました百九条は賠償義務を規定いたしておりまして、この賠償関係について私お答え申し上げたわけでございます。沈下が刻々起きておるのでそれをとめるべきではないか、これはごもっともでございまして、従いまして私どもこの資源調査会の発表が法律的に見ました場合に非常に賠償関係等から見ますと、議論はございますけれども、こういう発表がありました以上、その制限をやる、こういうことについては即刻手を打たなければならないであろう、こういうことで目下鉱山局、鉱山保安局関係のところで、その措置を具体的にどういうふうにやっていったらいいかということを検討いたしておるわけでございます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これは賠償義務についてもこの法律で明瞭なんです、この百九条において。しかしこれはあなた方がはっきりした線が出ないということは、許可をしておる、もちろんこのような事態が起るということはこれは今日の科学において予想できなかったでしょう、従ってこの原因の発表というものも非常におくれておるのだし、私は許可をしたそのことが悪いと申しておるのではない、しかし許可をした所において、そのような被害が起きたということになれば、これはやはり一応その責任の所在というものは明らかにして、そしてそれはやはりこの百九条に当てはまる、しかしこれは鉱業権者がそういう意図のもとにやったのではないのですし、今の科学技術の面をして見ればそういうことは予知できなかったわけだ、その上に立ってこの賠償をどういうふうに解決をするかということが考えられなければならない。百九条はいやこれは該当しないのだ、何も流体物質については書いてないのだ、どういうふうにでも解釈できるのだ、こういうことは、やはりこの法を基本的にまげて、自分の都合のいいような解釈をしておるとしか受け取れない。これははっきりここに書いてある、「坑水若しくは廃水の放流、」ということ、廃水の放流でしょう。土地の掘さくだけにあなた方はこだわっておられて、土地の掘さくということになると、ああいうボーリングをしたことが土地の掘さくであるかどうかということは、はなはだ疑問であるというようなことを言っておられるが、鉱物を採取するに当たっての廃水の放流でしょう。そういうものに伴って当然の被害が起きたのでありますから、これは被害を与えたということは事実だ、やはりこれに該当するのです。しかしこの法律の建前から、予知されなかったことであるから、予知されなかったことをこれは責めるわけにいかないのであります。そういう状況の上に立って今後どうするかということは、これは考えられるべきであって、やはりこの法律に該当することは事実なんだ。ところがその法律を何というか自分の都合のいいような解釈をするとい、うことは、私は法の建前として許されないと思う、私はそういうふうに考える。法制局長官のその答弁にしても、これは政治的な発言です。法文をそのまま読めば、これは該当しないはずはないのだ。従ってこれは許可をした通産省そのものも、全然これは関知しないのだ、鉱業権者が与えた被害であるからというような立場はとられないと思う。国としてもこれは当然責任を持たなければならぬ。許可をした所でそこで採掘をして、その上に鉱害が生じた、新しいケースですよ。新しいケースの上に立ってこれを解決するのが当然であって、法をよけて解決しようとしておるところに今日の、何といいますかうやむやしたところの通産省の御態度がある。今度のこの新潟地区のガスの問題は、一つの小さな地区の問題ではないのですよ、従ってわれわれはこれを本院で取り上げておる。将来一体こういう資源の開発と国土の荒廃というものをどうするかという問題が一つ、新しいガス化学の将来をどうするかという問題が一つ大きな問題がある。これを地区の問題として、うやむやに八方うまく解決しようということになると、これは禍根を将来に残しますよ。そういう意味からやはりここにつくべきところは十分ついて、将来の新しい産業の育成と申しますか発展と申しますか、そういうものにちゃんとした一貫性を持って考えていかなければならぬ、こういうことから私どもは申し上げている。一体これを今の段階でどういうふうに規制しようとしておられるか、それを承わりたい。     〔小川(平)委員長代理退席、委員長   着席〕

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 被害につきましては、私どもも従来の応急対策で復旧いたしておりますが、今後も強力に復旧措置をとるというような努力をいたして参りたい、かように考えております。ただ資源調査会の先ほど申し上げましたような意味合いの報告が出ましたので、この負担の問題につきましては、やはり今後鉱業権者にも何分の負担をさせざるを得ないというふうなことになってくるのではなかろうかと存じますけれども、この点は、今後国、地方公共団体、それから鉱業権者、こういったものがどういうふうな態勢で、この被害の復旧をやっていくかということは早急に検討いたしまして、いずれにいたしましても被害の復旧措置は同時にやって参らなければならない、かように考えております。制限の方につきましてはただいま検討いたしておりますが、何分にも、櫻井先生御承知のように、新潟の経済が全部この天然ガスで動いておるというような実情でございます。特に家庭のガスとか、バスでありますとか、こういうふうなものも全部天然ガスに依存しておるわけであります。とめると申しましてもこういったものをすぐとめるわけにはいかないであろう、かように考えます。そういたしますと、混乱を起さないようにとめていくのにはどういうふうにしていったらいいか、十分研究をいたして、井戸別に、また需要者別にそのつながりがとういうふうになっておるかということを目下検討いたしておる次第であります。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これは私は先ほど大臣にも質問したわけですが、家庭のガスであるとか、バスであるとかということを盛んにあなた方は言っておられるが、これは地盤沈下には関係ないのですよ。もう十年も前からやっておることなんです。沈下が起きたというのは三年前からでしょう。一年間に六十センチの急激な沈下が起きたというのは、これは大きないわゆるガス化学というものがあそこに招致されて、あそこでそういう千二百メートルあるいは六百メートル、こういう深い層の井戸を何百本かにわたって掘った、ここに本数も全部図解したのがあります。こういう多量の水をくみ上げるから沈下が起きておる。急激かつ多量なる深層部における地下水のくみ上げ、こういうことをやっておる。あなたは、そういう家庭のガスであるとかバスに関係するから慎重に慎重にと言っておられるが、家庭用のガスとか、もちろんバスはあそこから出たプロパン・ガスですか、あれで走っております。そういうのはしかし急にできた産業ではないのです。二十年も前からある。そういうものがあるから沈下しているのではない。こういうのに関係があるから慎重にやらなければならない、こういう答弁は全く実情を無視しておる、実態を知ってないんじゃないですか。それじゃガスあるいはバスのそういうガスの供給のために何メートルの井戸が掘られておるか、研究しておられますか。そういうバス会社とか、家庭用ガスを供給しておるところの井戸の深さが一体何メートルであるか、そういうことを知っておられるのか。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 私の申し上げておりますのは、家庭用の天然ガスあるいはバスに使っておりますガス、こういうものの供給をとめるわけには参りません。従いまして、何とかしてそういう必要なものは確保しなければならないであろうということを申し上げておるのでございまして、そこにどこから供給しておるかということは、つながりを一つ一つ検討いたまして規制を加えなければならないであろう、こういうことでございます。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 私が言っている家庭用のガス及びバス、そういうものに供給している井戸というものは、深層ではないのですよ。浅いところから掘っているガスなんです。そういうのは、この沈下が起きない以前から掘っている井戸であって、これは沈下の問題とは関係がない。今日沈下を起している井戸というのは、大きなガス化学工業に使う六百メートルから千二百メートルという深層部におけるところのガスを多量にくみ取る、従ってこの沈下が起きている。家庭用に使っているガスなんていうのは、そんな井戸からとっておりませんよ。そういうところに、やはり何というか、認識不足と言えば言える。またこういう問題があるから慎重に考えなければならぬといって時間をかせいでいると言えば言える。きわめてそれでは不明朗だ。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 私の申し上げておりますのは、家庭用のガスと申しますのはタウン・ガスのことでありまして、各個人が鉱業法の例外的に自分のところで掘っておるものではございません。その点を、誤解はないと存じますけれども、念のために申し上げておきます。それから、井戸別、深さ別の影響でごいますが、私ども資源調査会のレポートによりまして、現在慎重に検討いたしております。なるほど六百メートル前後のものが、御承知のように、新潟地区では最も多くガスを採取いたしております層でございまして、ここの層が一等大きいというふうな数字になっておるようでございます。その前後の四百メートル、五百メートル、こういったものにつきましても、それぞれデータが出ておりますが、こういうものにつきまして、現在検討しておる次第であります。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 この家庭用ガスを、あなたは、個人の家庭で庭に掘ってある天然ガスですか、ああいうことを私が言っているかのような答弁をしておられるが、そんなことを言っているのじゃない。現地を見られたかどうか知りまんが、この多量の水のくみ上げをやっている大きな分離装置、あれは全部工場の方に行っておりますよ。しかもこのガス化学、ガス産業の方に行っております。そうしてそういう家庭用の供給をやる、これも会社がありますが、そういうところの会社の使用している井戸は、そんなに深くないはずだ。また新潟交通というのがあって、ここにもバス用のガスを採掘する井戸がある。そういうものも、これが致命的な新潟の地盤沈下を起す原因になるとは、とうてい考えられない。そういうことに籍口をして研究中だというようなこと、これは私どもとしては納得できない。すみやかに深層部におけるガスの規制というものは考えていかなければならぬ。四百メートル、五百メートルということをおっしゃいましたが、一番沈下の速度の大きいのはG五層の六百メートル、それから上にある浅いところにおいては、ほとんど沈下は今日見られない。一番大きなところをとめるということが、当面の最も喫緊な措置であろうと思うのであります。それを家庭用ガスとかバスとかということに、いつまでもこだわっておられるということは、やはり根本的に規制するということにはならない。そういうことをやっておって、沈下というのは一日もとまっていないのですよ。一日一・二ミリの速度で沈下している。その沈下を早くとめるかどうかということが、通産省、あなた方の考え方一つなんです。そこに問題があるから、私どもはやかましく言う。この間局長は、地元の陳情の人にこういうことを言っておられた。みずから家庭のガスをとめたらどうかというようなこと、これは全く私は暴言だと思うのであります。沈下をとめるには、沈下の最も主要な原因、主犯を逮捕しなさいよ。そういう家庭用のガスとかいうようなものは問題にならいでしょう。みずからそれをとめたらどうだというようなことを言っておられるが、一番の原因となるそういう深層部におけるところの採掘の制限というものは、これは当然早急になさるべきだと思う。その点についてはどういうふうに考えておられるか。

小岩井康朔通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○小岩井説明員 規制の点につきましては、先ほどちょっと触れましたように、まだ具体的な方針が決定したというわけではございませんが、一応最も大切と思われます密集市街地で、これを全部休止したらどんな工合になるかという考え方に基きまして、関係の十八社を月曜日から呼んでおるわけでございます。ただいまお話の、もちろんガスとかバスに使っております天然ガスにつきましては、比較的浅いのでありますけれども、やはり実情を聞いてみますと、G・スリー、G・フォア、こういうようなかなり三百メートル以上のところからも掘っております。もちろん一番現在沈下の影響が激しいというのはG五層でありますけれども、G四層、G三層も全然絶無とはもちろん言っておりませんで、これらのくみ上げも多少の影響を持っておるというにとが言われております。しかしこれらのガス会社におきましても、ガス会社におきましても、バス会社におきましても、やはり多少ほかから買っておりまして、自分のところで掘るだけの量では間に合っておりません。その買っております先は、ほとんど大きい帝石だとか日本瓦斯とかそういうようなと  ころで買っておりまして、それらが市街地の下から掘ったガスが来ておるのかどうかという点は、まだ十分にわかっておりません。そういうような意味合いにおきまして、一番関連を持っております帝石を最後に呼んでおりまして、実は明日の予定になっておるわけであります。明日全体を聞きますとかなり詳しく実情がわかりますので、明日わかりましたら、さっそく私の方で意見を固めまして、そして一応の報告を出しまして、省内の幹部に諮りたい、かように考えております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 これはただいま措置中で、いろいろ規制についての措置を研究しておられる、こういう段階でありますので、その点についての質問は保留をいたしておきますが、そこで、当然今後の問題として考えられることは、そういう供給源というものを規制する、あるいは制限をする、こういうことになりますと、いわゆるガス化学工業というものが、せっかく勃興しかかったものが、非常な打撃を受ける。しかしこの産業は、これは地域におけるところの産業でなくして、やはり日本の国としてみても、新しいそしてまた将来の発展を非常に期待されておる産業である。これについて一体通産省としては将来どのような指導をしようとしておられるか。ただここを掘ってはならない、そうすれば企業そのものが非常な打撃を受ける。あるいは掘る場所を遠隔にする、遠いところで掘らせる、そうするとやはりここに輸送費というものが当然からんでくる。輸送をした場合にそこに採算が成り立つかどうか。企業としての形態がとれるかどうか。こういう問題点も生じてくる。この産業についてどのような考え方を持っておられるか。ただとめるだけとめてあとは知らない、こういう考え方かどうか。そのガス化学産業についての今後の見通し、こういう点についてもし案を持っておられたら具体的にお話を願いたい。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 ガス化学は非常に重要な産業でございますので、私どもせっかく伸びかかった産業でございますし、大いに今後育成して参りたい、こういう基本的な態度を持っておるわけであります。しかしながらその供給源につきましては、もしこの地盤沈下と天然ガスの採取というものが、もう少し因果関係が明瞭になってくれば処置がしやすいであろう、かように考えております。従いまして、現在のところまあ一定の規模で制限をやってみまして、そうしてその結果のデータをいろいろ分析検討し、さらにまた制限をするかあるいは制限をしないで済むか、そういった点を実施しながら供給を確保していく、こういうような措置をとらざるを得ないのじゃないか、かように考えております。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 それで、ガス化学というものについては、将来の育成という点については十分考える、今の企業というものに成り立たないというような打撃を与えるようなことはしない、こういうことでありますか、その点をはっきり御答弁を願いたいと思います。

福井政男通商産業事務官(鉱山局長)

○福井説明員 私ども十分今後とも育成して参りたい、こういう気持を持っておるわけであります。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 それではあと具体的な問題は次の委員会で……。

中村幸八自由民主党

○中村委員長 以上で本日の質疑を終了するのでありますが、この際、かねて委員長に御一任されておりました、明日出席願うことになっておりまする石炭に関する問題の参考人がきまりましたので、お知らせいたします。  日本石炭協会会長の石松正鉄君、日本石炭鉱業連合会専務理事の長岡孝君、日本炭鉱労働組合事務局長の古賀定君、全国石炭鉱業労働組合中央執行委員長の重枝琢己君、石油連盟副会長の南部政二君、電気事業連合会副会長の松根宗一君、全国鉱業市町村連合会会長の坂田九十百君、以上七君であります。  それでは、次会は明日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時十七分散会

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