社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/07/04
会議録
○藤本小委員長 これより診療報酬及び薬価に関する小委員会を開会いたします。 この際ちょっと一言ごあいさつ申し上げます。今回当委員会の委員長に指名されましたが、性来乏しい者でありますし、また当委員会に課されましたる重大使命を考えますときに、内心じくじたるものがありますが、皆さんの御支援、御鞭撻によりまして大過なきを期したいと思います。よろしくお願いをいたします。 診療報酬及び薬価に関する件について調査を進めます。滝井君。
○滝井小委員 昨日社会労働委員会で当面問題になっております厚生行政の重要な点について大臣に質問をいたしたいと思いましたが、大臣も就任早々でありますし、問題の所在についてまだ十分飲み込んでいないような感じもいたしましたので、同時にまた時間も参りましたのでやめましたが、きょうは少しこの薬価並びに診療報酬の小委員会で当面出てくるいろいろの問題について政府の腹がまえを聞かしておいていただきたいと思うのです。そして九月か十月か知りませんが、臨時国会があれば、そのときに一つもっとしっかりした方針を明示してもらいたいと思うのです。 まず中央社会保険医療協議会が六月二日に委員推薦を行われて、六月の十二日と十九日ですか、二回ばかり委員会が開かれたようでございます。しかし実際問題として今までその団体を通じて委員を推薦しておりました日本医師会の委員の推薦というものが行われていないし、現在すでに任期がある二名の委員の出席もないという状態でございます。そこでこの事態をどういう工合に収拾していくかということについていろいろ昨日大臣のお考えを伺いましたけれども、主管官庁としての厳然たる態度を堅持しながら各方面の意見を聞いて話し合いの場を作るというようなことを言われました、しかし具体的に事態収拾の基本方針というものがなければ、これはどうにもならぬと思うのです。そこで、一体保険局はこの事態に及んで、事態収拾の基本方針というものをどういう工合にお考えになっておるのか、それだけは一つ御説明願いたいと思うのです。
○太宰説明員 ただいまお話のように、中央社会保険医療協議会の委員の人選に関しまして、先般、当時欠員になっておりました委員の任命をいたしたわけでありますが、日本医師会の方に医師の利益を代表する委員の推薦依頼を厚生大臣がいたしましたが、推薦がございません。お話の通りであります。それで、この点についてさらにこれからあと何かと、たとえば来たる九日に残りの委員の任期が切れるというような場合に、また同じようなことが起るのじゃないかというようなことがいろいろ取りざたされておるようであります。 〔小委員長退席、田中(正)小委員長代理着席〕 これに対する事態収拾の基本方針という御質問でございますが、私どもはあまり将来のことにつきまして一つの想像なり仮説を立てまして、その場合にどうこうというようなことよりも、とにかく現段階において自分たちも尽せるだけのものは誠意をもって尽す、こういう態度で参りたいと考えておるわけでございます。今日の段階で申しますれば、先般委員の一人を日本医師会から御推薦いただいておらぬということであります。これにつきましては、その後の当委員会において私も申し上げたこともございます。当時の政務次官からもお話をいただいたことがあったわけであります。やはりここ二、三年もんだ問題でありますから、厚生省としてはそういう点を考慮して、今後の医療行政というものを円滑に運営する点も考慮して、厚生省の方針も打ち出して折衝に入ったわけでありますが、不幸にして日本医師会の執行部と意見の調整がただいままでできなくて、こういうことになったわけであります。これは私どもとしても、今後日本医師会と機会のあるごとに話し合いを進めていくという方針で当面進んで参る所存であることを当時申し上げました。また今日においてもそういう考えを持っておるわけでございます。その間には、またいろいろ当時と変った事態も起っているかもしれない。たとえて申しますれば、大臣、政務次官がおかわりになったということも、あるいはうまく一つのきっかけになるかもしれません。そういうふうにその当時とは変ったような事態が起れば、またその事態をできるだけうまく活用できますならば活用して医師会との話し合いを進めていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。基本方針といたしましては、その当時から持っておるものと変らず、誠意をもって話し合いをいたすきっかけをつかみたい、こういうことでございます。
○滝井小委員 誠意を尽して話し合いたいと言っても、その誠意の現われというのがはっきりしないとだめなんです。団体自治を侵したということを療養担当者の代表といわれる日本医師会は言っておるわけです。従って団体自治を侵したそのあやまち——あなた方はあやまちと思っていないかもしれぬが、向うはあやまちと思っているわけです。それを直してもらわなければ、いかに大臣がかわっても話し合わないというような意味の声明も出ていると記憶しているのです。そうしますと、誠意を尽すという一つの機会は、七月九日になれば今度新たに十二人の人の任期が切れるわけですが、その場合に一体どうされるつもりなのかということです。きょうは四日ですから、あと五日ばかりあるわけですが、この七月九日に十二名の人の任期の切れたあとの対策というものが基本方針につながってくるものでなければならぬと思うのです。そのときに一体どうされますか。こういう形は、なるほど法律的にはこの前からの太宰局長さんの御答弁の通り有効だ、医療協議会は機能を回復した、こうおつしゃいますが、実際私が昨日申しましたように、免許のない自動車の運転手が乗っている自動車のようなものだとある雑誌に書いてありますが、そういうふうに社会一般も非常に不安を持っている、こういう事態なんです。七月九日になりましたときに、その協議会の機能をほんとうに回復するためには一体どうされるつもりですか。
○太宰説明員 七月九日に先般任命した以外の委員の任期が切れますので、その後任の委員の任命をせねばならぬということは御指摘の通りでありますので、私どももただいま関係団体に対して推薦の依頼の事務手続を進めている段階でございます。その一つとして、日本医師会にも医師の利益を代表する委員二名の推薦をお願いするつもりでございます。これが果して受けていただけるかどうかということでございますが、そのことについて、私どもはこの四、五日の間でも機会がありますならば医師会との間に一話し合いをしたい、かように考えている次第でございます。また、それぞれ御熱心に関心を持っていただいている向きもごあっせんいただければ、これも仕合せだと思うわけであります。その結果どうなるかということについて予測をもってどうこうということを申し上げることは、ただいまのところでは控えさせていただくほかはないと思います。あらゆる場合を通じて誠意をもって話し合う、この気持は終始一貫して持って参りたいと思います。
○滝井小委員 こういう問題は、今までの厚生省の行き方はどうもガラス張りで行われないことが多かった。こういう一国の予算にその決定が重要な影響を及ぼす委員会の委員の任命その他は、やはりガラス張りの中で堂々と討議を通じて行われるという方法を確立しなければいかぬと思うのです。そういう意味からいっても、今後委員の任命についてはやはり十分考えなければいかぬという感じがするのです。七月九日の半数の改選に当っては、日本医師会と二、三日のうちに話し合いたい、あっせんしていただける人がおれば、そういう人のあっせんを考慮してもよろしいという意味のことらしいのですが、すでに医師会は、現に任期のある二名の人はもう引き揚げておるわけなんです。その引き揚げたところに行って、一つまた二名出て下さいと言っても、これはもう覆水盆に返らずと同じなんですよ。だからこれは何か手を変えなければ、私はだめだと思うのです。どうも太宰さんの今の御答弁を聞いてみると、腹がまえができていないようです。 そこで問題を少し変えてみます。もう一つ任期の切れるものがある。それは社会保険審議会です。これも七月九日にやはり半数改選が行われる。これは同じように厚生大臣の諮問機関です。しかしこの社会保険審議会は御存じの通り、被保険者の利益を代表する者が九名と、保険者、事業主、船舶所有者の利益を代表する者が九名と、公益代表が九名ですよ。これは公益代表で多分医師の代表というものが入っていると思います。この見通しはどうですか。これはいわば一方は診療報酬をやり、社会保険審議会の方は運営に関する事項を審議するところですね。政府の健康保険事業、日雇い健康保険事業、それから船員保険事業、厚生年金保険事業の運営に関する事項です。主眼となるところは、それらの保険事業に関する法律ですよ。片一方、医療協議会の方は、主として診療報酬が非常に大きな中心になります。もちろん指定、取り消し、あるいは保険医の指導とか監督とかいうものもありますが、非常に比重の重いところはやはり診療報酬の問題だと思うのです。一方は診療報酬、すなわち予算に非常に関係するもの、一方は運営の中心は法律、こういう形になって参りますと、一方には公益代表として、医師会の代表ではないけれども、おそらく医師会代表のような人たちが入っているはずです。この社会保険審議会の委員の方は同じく九日に任期が切れますが、どうされるおつもりですか。
○太宰説明員 これも同様に、七月九日にあとの補充をいたすつもりでございます。
○滝井小委員 その場合に、多分今までいわば医師代表というような形1それは公益代表ですから、医師代表ではないけれども、いわば医師会から代表の形で入っている人がだれかおるはずですよ。どなたですか。
○太宰説明員 ただいまはお医者さんの、これは代表ということじゃないのでございますけれども、二人入っておられる。それは神崎三益氏と東京労災病院長の高橋正華氏であります。これは公益代表でありますので、厚生大臣が自分の責任において任命することになるわけでございます。
○滝井小委員 いいですか、社会保険審議会というのは、今私が申し上げたように、運営に関する事項を審議するところなんです。一体、社会保険を担当している側の利益というか意見というものが、この法律を審議する委員会に反映しないというのはおかしいのです。そこでここにやはり社会保険審議会の時代的な意義というものを考えて、委員の任命をやらなければならぬ時代がきている。労災病院や日赤とか済生会の代表だけが、健康保険の重要な運営を審議する委員であってはならぬのですよ。やはり少くとも、診療報酬額は少いかもしれぬけれども、一人一人の扱う患者の人数においては、あるいはその医療機関の数においては、圧倒的に大きい比重を占めておる開業医の意見を反映する人も、こういうところには入らなければならぬ、こういう形が出てくるはずなんですよ。今局長、社会保険審議会のことをあまりどうも重要には考えていないようでありますが、これは社会保険医療協議会問題と両々相待って、あなた方が今津一つの打開の道を考えようとするならば、やはりここらあたりにも問題がおるということなんですよ。これはもう少し一つ検討してもらわなければなりません。これは任期は二年ですが、一年ごとにこの委員は変ります。そうしますと、私は神崎さんや高橋さんが無いとは申しません、りっぱな方ですから、どうぞ公益の代表として、委員になっていただくことはよろしいと思う。しかし今まであなた方が御主張になっておりました、日本の医療というものが甲表と乙表とによって行われる限りにおいては、やはりこういうところにも乙表の意見が、健康保険の事業の運営に関する事項を審議する場面にも、いわばこれは端的な言葉で表現すれば、法律事項を審議する場所にも出ておることが必要なんですよ。これはお認めになるでしょう。これはどうですか。それはもう甲表の者が出ておれば、乙表の者は出る必要はないとおっしゃるのか。ここの中には多分薬剤師は入っていない。今、野澤君病気でございますが、野澤君なんかも絶えず、これはこういうところにもやはり療養担当者の一部をになっている薬剤師等も入れなければならぬという主張をしておりました。私は当然だと思う。そういう点について、あなた方は一体どうお考えになっておるのか。今後委員任命に当ってそういう点も、七月九日なんですから目前に迫っておりますから、十分お考えになるのか。
○太宰説明員 社会保険審議会にあまり重きを置いておらぬというお話でございましたが、そうじゃございませんで、医療協議会と同様、重要なる厚生大臣の諮問機関でございますから、私どもそちらの運営が適正に行われることについては重大な関心を持っておることは、あらかじめ申し上げておきます。 そこで、そういう運営の衝に当る委員の人選について、今だんだんとお話があったわけでございますが、私どもも筋を通して物事を考えていくということについては、かねがねさように考えております。また従来の厚生省の方針も、さようであったように考えております。これは私どもといたしましても、従来と同様、筋を通して物事を考えておるわけであります。具体的な人選につきましては、一つ私どもの責任においてやることをごらんになって、御批判があればいただきますが、私どもはただいま申し上げましたように筋を遡してやりますから、もし御心配の点がありましたならば、どうぞその点は御心配下さらないでいいということだけを申し上げたいと私は考えておる次第でございます。しかしこれは数多くの委員の任命について、相手のあることでもございますので、その点については厚生省としては、これまたどうも誠意々々と申し上げて恐縮でございますが、やはり誠意をもって進め、適正な人選をいたしたい、かように考えておることを今日は申し上げておく次第でございます。
○滝井小委員 従来と同様の筋を通すというけれども、客観的な事態は従来と同様じゃなくなったわけなんです。今までは、たとえば具体的に今私名前をお聞きしたのですが、神崎先生やら高橋先生を御任命になった。これが甲表をいわば担当せられておる方々だと思う。労災病院なんか多分甲表だろうと思う。そうしますと、やはり事態は乙表というような問題も出てきておるわけなのですね。しかも健康保険の運営に関することは、甲表と乙表という二つのものが厳然としてある現実というものは、少しはやはり事態が違ってきておると思う。だからそういう点、その委員の任命についてはあまり従来の筋ばかりを追う必要もなかろうと思う。時代は進んでおりますから、万物は流転をしておりますから。そういう意味で十分お考えになって、こういう委員の任命というものも医療協議会の問題を考える一つの材料にやはり使わなければいかぬ。 もう一つ、これは官房長、医務局長——尾崎さんが出ておるから尾崎さんでもいいと思います。大体の方針がわかればいいのですから。この前の三十一国会で臨時医療制度調査会ができた。この四月一日からこれは発足しておるはずです。委員の任命は一体どうなっておるのか。この法律は御存じの通り二年間という期限がついている。二年の間に日本の医療の根本的な制度的なあり方を答申してもらわなければならぬ。これは橋本さんが大臣のときに、あるいは堀木さんが大臣のときにお互いにけんけんがくがくの論をやって、こういうものを現在の日本の医療の混迷の中においては作って、やはり快刀乱麻のはっきりとした方針を打ち出すことが必要だというので、できたはずなのです。一体この委員の人選はどういう工合になっておるのかということです。どういう割合で、一体どういう方面からこれをお選びになるつもりなのか。もう前の国会が終ってからずいぶんになるわけです。またその間に一つ臨時国会が入ったという状態なのです。だんだん夏もきておる。 〔田中(正)小委員長代理退席、小委員長着席〕 やがて、この前も言っておったように冬がやってきまずから、早くきめておかぬとすぐ一年は過ぎてしまうのです。これはどういう工合になっておるのか。尾崎さんの方でわかっておれば、きょうほんとうは官房長がきておれば一番いいのですが、何か初め医務局に置くということだった、ところがあとの方で官房に持っていったのですから、あなたの方で十分相談があっておると思うのです。どういう工合になっておりますか、わかっておれば保険局長でもかまいません。
○尾崎説明員 私医務局長代理で参りましたけれども、国立病院課長でありまして、この仕事は総務課の方でやっておるわけで、詳細のことは存じませんが、官房の方をお手伝いいたしまして、この機構とか人選とかいう問題について、今いろいろ研究等を進めております。こういうことを存じておるわけでして、それ以上の規律とか、どういう方面からということはつまびらかにいたしておりません。
○滝井小委員 この問題は実は昨日大臣のおるときに十分お聞きしておきたいと思いましたのですが、時間がありませんでしたのできょうになったのですが、臨時医療制度調査会の委員の任命もまだ行われない、二年の期限がついておる、こういう状態で、今度は最後になってからばたばたと押し切っていくということではいかぬと思うのです。これは十分一つ考えていただかなければならぬ。と申しますのは先日も私はここで申し上げましたように、医療保障の五人委員会というものが、ああいう日本の医療制度を画期的に改革をするような一つの方向的な報告書を出しておるわけです。そして本家本元の調査会というものがじんぜん日を過して発足されないということは、やはり許されないことだと思うのです。今私は三つのものをあげてきました。中央社会保険医療協議会の委員の問題、社会保険審議会の委員の問題、臨時医療制度調査会の委員の問題、これらのものはすべて社会保険における療養担当者と密接不可分のものです。これは非常に重要な関係のあるものなのです。そうしますと今のような状態で、療養担当者の団体の中の一番大きな医師団体との間に変ないざこざがあって、もしこれらの委員の任命というものがそういうことのために行われないということになれば、厚生行政はほとんどその大部分が麻擁したと同じ形になる。こういう点についてやはり十分あなた方は考えておいていただかなければならぬと思うのです。ことに医務局と保険局がいわば主体的、土台的な役割を演ずるところですから、これは十分考えておいていただきたいと思います。 もう一つ、最近厚生省の人事に現われた問題に、厚生省の顧問というものがございます。長沼さんと小汀さん、それから植村さん、三好さんが任命せられました。一体厚生省は何をする役所かということなのです。厚生省の顧問を任命するのに財界や新聞記者や役人の古手は持ってくるけれども、一体日本の医療を担当しておる療養担当者の中から、なぜ薬剤師なり歯科医師なり開業医なり病院の人を任命しないのだということなのです。あなた方が何を考えておるのかまるきり私はわからない。これはイタチの最後っぺではないけれども、坂田さんがやめるときにぱっとやっていったのです。坂田さんがおれば坂田さんに聞かなければならないのですが、しかし行政は継続しておりますから、あとを受け継いでおるわけです。この点、重要な日本の医療の現場、いわゆる治療面の重要な制度を担当しておる保険局長としてどうお考えになっておるのかということなのです。こういうことで厚生省の行政がうまくいく、そういう顧問だけの意見で厚生行政が順当に動くと考えておるのかどうかということなのです。こういう点を一つきょうは率直に、いわば日本の保険行政の監督の立場にあり、また出れば中央社会保険医療協議会の保険者の立場にあたるところのお考え、お帰りになったら被保険者になるところのお考えを承わりたいと思うのです。あなたは一身に監督者と保険者と被保険者という三足のわらじをはいていらっしゃる。こういう日本の大事な医療をつかさどる行政機関の顧問に、財界や新聞界や地方行政の権威である三好さんをお入れになるけれども、とにかく役所には療養担当者は何も要らないのだ、こういうことで行政がおやりになれるのかどうか、一つ三足のわらじの一足々々の立場から御説明を願いたいと思います。
○太宰説明員 厚生省顧問は官房の方で入選しており、私ちょっとメーン・ストリートから離れておるものでございますからさっぱりわからないのでございますが、顧問というのはやはりそれぞれの役所に置いてあるわけですから、それぞれの役所で大臣以下首脳部が行政を行なっておりますので、足らざるところをいろいろ省みて質問するということで、厚生省で顧問を置くことになりますれば、厚生行政を広げていきます場合に一番必要とする面からお願いしたのじゃないかと思うのでございます。それがお話の四人の方にお願いしたわけでありますが、その際のいきさつはどうもわれわれはちょっとわからないのでございます。
○滝井小委員 私は委員任命のいきさつを聞いておるのじゃないのですよ。あなたが保険行政を扱う監督者の立場から見て、あるいはうちにお帰りになったら被保険者になるのだから被保険者の立場から見て、あるいは政府管掌の健康保険の保険者なのですから、見て、一体こういう顧問の任命の仕方でうまくいくかなというそれぞれの立場を率直に言ってもらえばいいのですよ。私の立場からいえば、簡単にいえばこういう人事は落第だということです。厚生省は一体何を考えているのだ。今厚生省が一番困っているのはどこなのだ、どことけんかをしてどこで問題が行き詰まっているかということなんです。それをお考えになったら一番よくわかるのじゃないですか。農林省や大蔵省の顧問を見てごらんなさい。一体だれを顧問にしますか。それは大蔵省のかつての次官であった人やら、それから財界の人やら、一番関係のあるもので作っていますよ。農林省だってそうですよ。農林省の次官などになった人が出ていくときにはみなそれぞれ農林金融公庫ですか、そういうところへいろいろ持っていっていますよ。そういう人がまた顧問になってきていますよ。決してどこに縁もゆかりもない医者を農林省の顧問にしたり薬剤師を顧問にしておらぬでしょうが。行政というものは私は常識だと思うのです。これはほんとうは官房長に言うところでしょうが、あなたはもと官房長だったからついでに聞いてもらったっていいと思う。これはやはり省議を開き大臣を補佐するときは、あなた方は局長の会議を開いておやりになるのですから、そのときずばり遠慮せずに言わなければならないのですよ。そういう意味でこれは私はぜひ伝えていただきたいと思うのです。こういう解決の一つの糸口を見出す四つの部面があるということです。問題は医療協議会だけの委員の問題に限って話し合いをしようといったってできないから、この際土俵を広げて、狭い土俵ではいつも負けるやつが負けておる。それはどうしてかというと、採決をやれば、委員の構成が四者構成のそれぞれのものが同じ数で出ておれば、三つの委員構成を一つの委員構成が相手にしたって負けることはさまっておるのだから、少し土俵を広げたところでものを考えるということを私は言いたいのですよ。だいぶ悪口を言いましたけれども、私の今言ったことがあなた方の今後の行政の上に参考になれば幸いです。 次は非常に大事な点ですが、十九日に医療協議会で、いわゆる日本医学会なり結核の審議会がすでに答申をしておったものを基礎にして、新しい結核治療指針というものができたわけですね。いわば具体的にはストレプトマイシンとか。パスとか、イソニコチンサンヒドラジドというような三者併用療法の拡張等を含んだ七項目の改正が行われたのですが、これは七月一日に実施するという要望もついておったし、われわれも七月一日に実施することと思っておったわけです。これは七月一日実施されましたか。
○太宰説明員 結核治療指針につきましては、お話の通り先月の十九日に医療協議会でもって答申があったわけであります。その後事務の手続の方が若干手間取りまして、七月一日から実施することができませんでしたことは、私ども遺憾に思っておるわけでありますが、昨日大臣からもちょっと御答弁申し上げましたように、目下急いでその手続を進めております。不日告示になる運びになろう、かような段階でございます。
○滝井小委員 いつから実施になりますか。不日告示じゃちょっと困るのですが、いつから実施になりますか。実施の日にち、七月一日というのはだめだったというなら、いつからですか。
○太宰説明員 今事務の手続の進み方いかんでございますが、これもおくれて大へん恐縮でございましたが、ただいまの私どもの考えでは、ここ数日のうちそういうものは片づくのじゃないかと思います。告示になりますと、これはそれから全国で使用することになります。その前に周知徹底せねばなりませんので、その期間も若干見なければなりません。さようなことでいつからというお約束は本日現在としてはちょっとできかねますが、私としてはおそくとも八月からはできるように何とかしてやりたい、かように考えておる次第でございます。
○滝井小委員 それはちょっと私には納得がいきません。と申しますのは、こういうことが書かれておるのです。これは各雑誌にも新聞にも書かれました「新薬の保険採用を阻むものは誰か」ということなんです。新薬の保険採用をはばんでおるものは、これは日本医師会であるというのが今までの日刊紙その他を通じての大宣伝だったわけです。ところが六月の十九日の医療協議会はすでに結核治療指針の新しい改訂の採用を決定をしたわけです。大臣に答申したわけです。ところが、今になってきたところが、それはまだ事務手続でできません、こういうことでは私はどうも納得ができないのです。ここに「保健同人」という、これは大渡順二とかいう人がやっておるのですが、全部議員にこれは配られております。「こんなことが許されるのだろうか。」とこういうことなんです。それは「サイアジンやサイクロセリンなどの健康保険による使用がまだみとめられない。」ということを書いて、そうして、中には結局こういう使用ができないというのは「厚生省と日本医師会のヶンカのとばっちりで、医師会側が委員を出さず、会がもたれないためというのだから問題は別だ。口でえらそうなことをいっても、なんのための医師会なのだ。だれのための医師だ。」こういう攻撃が行われておる。そしてそういう決定が医療協議会で行われないために薬の使用ができない、「そのため患者は高い医療費を払い、当然、健康保険でつかえるクスリを無理算段して、自費で購入しているのだ。」さらに国立東京療養所長の砂原茂一先生は「ケンカするなら道路のまん中でせず、道のわきでやってもらいたい」こう言っておる。けんかしておるのはだれとだれか、けんかしておるのは医師会と厚生省がけんかしておる、医師会と病院協会がけんかしておるからわれわれ結核患者は抗議をいたします、新しい薬ができたのに、それをわれわれは使うことができない、けんかをやめて下さい、日本医師会は何てけしからぬやつだ、こういうことだった。新聞に書いてあるから、私もその通りだと思っていた。決議をしてみたら、事務手続がうまくいっておりません、こういうことで、何かわからなくなっちゃった。それではこれは、新薬の採用をはばむものは事務手続の不備であったという結論になる。事務手続の不備は一体だれであったか、それは厚生省の保険局であった。結論ははっきりしてきた。そうすると今まで朝日とか毎日とか読売とかが、かつて取り上げたことのない社会面で大きな囲みをもって取り上げたあの記事は、まさにその一切の責任が厚生省の保険局のためにはばまれておったということに書き変えてもらわなければならないことになっちゃった。まさに羊頭を掲げて狗肉を売るとは、このたぐいなんです。一体その手続ができない具体的な理由はどこにあるのですか。それを一つきょうは全国の新聞に向って、あるいはこの保健同人という雑誌に向って、こういうことを間違って書いた新聞紙のその不明をやはり正してやるためにも、明らかにする必要があると思う。だからこの点は、道路のまん中でやるけんかは終ったのですから、八十万の結核患者のためにも明白にしてやる必要がある。これは人道問題にも通じておりますから、その手続の降路となっておる点は一体どこにあるのか、これを一つはっきりしてもらいたい。保険局に険路がなくて大蔵省にあるというならば、きょう大蔵省の主計局長に来てもらいます。
○太宰説明員 新薬の採用をはばむものはだれかということは別といたしまして、私どももできるだけ早く実施いたしたい気持においては人後に落ちるものではありませんが、御承知の通り、一つの治療指針が定まりますと、これを全国に流しまして周知徹底をされまして、それから一斉にスタートするというのが従来のやり方でございます。その点からいたしまして従来、答申が月半ばを越えて参りました場合においては、その翌月というのが一月ほどずれるということに大体いたしておるようであります。これはある地域だけが先にやってある地域がおくれるということも、なかなか現実の行政としては困難でございます。さような点からいたしまして、私どもといたしまして、あの答申をいただきましたときに、答申の中には、相なるべくは七月一日から実施してくれということを書いてございましたけれども、なかなかそれはむずかしいのじゃないかと思っておったのであります。さて現実に事務の点を検討して参りますると、御承知の通り、社会保険の点からいたしましてもただいま申し上げたような点がございますし、そのほかにも、これは社会保険だけがこうではございませんで、厚生省の結核予防法、それから生活保護法なり児童福祉法も関係があるかもしれませんが、そういうような関係がいろいろあるわけであります。それぞれのところで事務的な手続等を検討して進めて参るというようなことがございまして、七月一日にはこれが間に合わなくなったわけであります。必ずしもこれによって、厚生省が新薬の採用をはばんでおるというふうにまで言われるのも少し情ないじゃないかというふうな感じがいたすわけでありまして、早く実施をいたしたい、こういう気持でおりますので、もう数日間お待ちいただきますならば、何とか告示にまで持っていくことができるのではなかろうか、かように考えている次第であります。
○滝井小委員 いや、その険路はどこにあるかということです。これは去年きまったことですからね。しかも私は第三十一通常国会のときも、再三にわたって質問も申し上げておりますし、館林さんにも、医療協議会が開かれないとすると一体どうすればいいんだという具体的なところまで質問をして、あのときの館林さんの答弁は、医療協議会ができなければ、諮問するものとするとあって、しなければならないとなっていないから、諮問しなくてもできます、しかしそうもいかぬだろうから、今残っておられる十二人の委員でも、了承を得てやりたいというようなことを言っておった。それが、委員がみなきちっときまってからやらなければならぬ、これがあるから早く委員会を開かなければならぬといって、六月十二日と十九日におやりになった。それは結核の治療指針の決定ということが唯一の目的であった。しかも、それが開かれないから患者に使えない、患者に使えないから患者の命が今やなくなろうとしておる、これは人道問題だ、けんかは道ばたでやってくれ、こういうことだった。ところが今の御答弁では、あなた方がそれまで事務手続をやらずにぼやぼやしておった、こういうことになる。それは答申が出て、結核審議会、日本医学会の結論が出ておったのですから、着々と準備を整えて、末端にも周知徹底しておってよかった。通ればすぐにやるんだ。問題はそういうところにない。予算にあるんだ。一体この指針を実施することによって、もしこれを七月一日から実施したとするならば、各保険経済にどの程度の影響が及びますか。
○太宰説明員 御質問にぴたり合っているかどうかわかりませんが、医療費の増加額としては、一応の推定でございますが、結核予防法で約七億六千万くらい、それから生活保護法で六億二千万、健康保険の政府管掌の方で四億七千万、国民健康保険が四億七千万、あとは船員保険が千七百万、日雇いが三千七百万くらいであります。そのほかに国立療養所あたりがいろいろ出し入れがあるかと思います。そのような状況で、足しまして二十四億くらいになろうかと想像しておるわけでありますが、これは全面的に実施になった場合の年間増加額でございます。
○滝井小委員 従って、これを七月一日から実施すれば十八、九億くらいは要ることになるわけですね。そうしますと、健康保険、国民健康保険、生活保護、結核予防法、船員、日雇い、一体どこに降路があるのですか。
○太宰説明員 ただいまのところ、どこに険路があるというようなことじゃございませんで、治療指針が原案の通り答申になりましてから、それぞれの面でこれを実施に移すために事務的ないろいろな検討と申しますか、手続と申しますかをまずやったということでありまして、さような点が、たとえば社会保険だけでございますれば、私どもの局だけで一応やってもいいわけでありますが、実施いたすとなると、厚生省の関係したところはみんな一斉にやらないとおかしいことになるのじゃないかということになりますので、おのずから関係のそれぞれの局においていろいろな計算ももう一ぺんやってみるというようなことにもなるわけでございまして、そういうことで関係する面が多いために、事務的な面が多少おくれておったというようなことにもなるかと思っておるわけでありまして、これは何もどこで隘路があったとかいうようなところは今日までのところではない。その当時いろいろやってみましたときにどうこうという勘でやったものも、実際に推算してみて大体いけそうじゃないかというようなことになりますれば、これは楽にあとはいくわけでございます。こういうような点を、先ほどのお話で、前から検討しておくべきではないかと言われれば、まことに申しわけないわけでありますが、現実の問題としてそういうふうな状態になっておるわけで、これもあと数日でめどがつくという一応の見通しでございます。
○滝井小委員 保険局関係の政府管掌、国保、日雇い、船員保険、こういうのは何も予算処置をしなくても大丈夫でしょうね。
○太宰説明員 ただいまのところでは、この分については格別に新たに予算措置なり何なりする必要はないという考えでございます。
○滝井小委員 保険局に問題がないしすれば、あと結核予防法と生活保護関係に問題があるとしか推定されないわけです。そうすると、結核予防法の十は、これは公衆衛生局長に通常国会のときに個人的にお尋ねしたら、私の七だけでも実は先にやってもいいんだ。結核予防法だけ先にやってもいいのだが、保険の方が、実は医療協議会が拙論が出ないために自分の方が待っているのだ、なんなら私の方だけやってよよろしいということをはっきり言っているのですから、これは問題がないのです。そうするとあとのは生活保護かけということになるので、大崎さんがやってくればこれははっきりするわけです。そうしますと、保険局は今のあなたの御答弁でいつでもやれるということなのです。ただ生活保護関係を道連れにしていかなければならぬだろう、同じ厚生省の中でちぐはぐが出ちゃいかぬ、こういうあたたかい気持だろうと思うのです。 大崎さんが見えたから伺いますが、医療協議会で結核治療指針の改訂が行われたわけです。今保険局では健康保険とか船員保険とか、日雇い健康保険関係では大体予算処置をしなくても今の予算の範囲内でまかなっていけますという答弁がはっきりしてきたわけです。しかし七月一日からそれを実施するつもりであったけれども、事務の手続の進み方その他で、近く告示をしたいと思うのだけれども、なお現在いつということはなかなかはっきり言えない、八月ごろにはなるだろうと思うがという答弁なのです。そうすると結核予防法関係は先にやってもよろしいという意見をこの前から公衆衛生局長は言っているのです。残る険路は、年間を通じて結核治療指針改訂のために六億二千万円のいわゆる医療費の負担増になる生活保護関係であるという結論になるわけです、今までの答弁を総合してみますと。一体あなたのところはどういう理由でこれが実施できないのかということなのです。
○大崎説明員 結核治療指針の改訂をいたしますと、お話のようにもちろん国費の増になるわけでございます。ところが生活保護法におけるいわゆる保護費というものの問題でございますが、これは一応見込みで立てておりまして、その間予算にいろいろな将来の変動の要素ということを含んでいるわけであります。それや何かを一応勘案いたしまして検討するのに実は相当の時日を要したわけでございますけれども、なんとかこの辺もやっていけるのじゃないかというふうな見込みが最近になってついてきておるわけでございます。
○滝井小委員 そうしますと、生活保護関係も六億二千万円の結核治療指針の改訂の影響というものは、予算処置の改訂を行わなくてもそのワク内でやっていける、こういうことなんですね、今の御答弁の、最近見通しがついたというのは。
○大崎説明員 今お答え申し上げましたように、生活保護というものは見込みの上でいろいろ予算を組んでおります。従いまして、今のところその結核治療指針の改訂に基きます増額については何とかやっていけるのじゃないかというふうな見通しを持っておるわけであります。ただし、これは将来のいろいろな経済指標の変動でございますとか、あるいは受診率の増高に伴います喜医療費の増ということがあればまたおのずから別になるわけでありますが、目下のところは今私が申し上げたようなふうに考えておるわけでございます。
○滝井小委員 そうしますと、今の御答弁ではっきりしたのですが、降路はないのですね。あなたの方も予算のワク内でやっていける、それから生活保護関係もやっていける、それから結核予防法関係もやっていける、こうなるとどこも隘路はないじゃないですか。そうすると、手続その他があるからという問題を除けば、八月一日からやっていけるという結論は出ますね。言葉を非常に濁されておりますけれども、これはお互いにあれだけ宣伝その他をいやというほど見せつけられておりますから、やはりきょうこの期に及んで言葉を濁してはいかぬと思うのです。はっきりさしておく必要がある。それはどうですか。それは保険局長、あなたの方で今の大崎さんの言葉をまのあたりにお聞きになったのですから、あなたの方も大丈夫、大崎さんも大丈夫、公衆衛生局長も大丈夫と言っていましたからね。この間公衆衛生局長の方が一番積極的だったのです。医療協議会の議がなくても、一つ私だけでもやらしてくれと公衆衛生局長が言っていたのを、あなた方がまあまあということだったわけです。そうすると、七月一日はだめだったわけですから、八月一日からは大丈夫だと理解してさしつかえありませんか。
○太宰説明員 この問題につきましては、それぞれ関係の局でそういうような面等から検討していただいて、ただいま社会局の主管課長からそういうお話があったのでありますが、私どもとしても非常にうれしいことでございます。それで予防法の方が、公衆衛生局長がそういうことを申し上げたとすれば、その辺も一つ考えなければいかぬ。私の方もございませんから、あと国立療養所関係が多少あるかと思いますが、これも私が今聞いているところでは、さほどのこともないようなことをちょっと聞いております。そうしますと、大体お話のようにいわゆる険路というものがほぼ整理できてきたように思います。ただこういう各局に関係いたしますことは、御承知の通り役所では官房の方でしかと確認しないことにはなかなかお許しが出ぬわけであります。しかしそれは話があれでありますれば、さほど時期を要しないであろうと思いますので、近くそういうふうな先ほど近くめどがっくと申し上げましたのも、実は私そういう気持を持っておりますから、その気持を申し上げたわけであります。もしそう通りますならば、お話のようにこれは実施できるであろう、かように考える次第であります。
○滝井小委員 国立療養所のことが出ましたが、尾崎さん、医務局の方で、あなたは国立病院関係ですからなにかと思いますが、あなたの方の見通しはどうですか。
○尾崎説明員 国立病院の方としましては収入がふえて参りますから、いざという場合には弾力条項の発動でやっていけると思います。
○滝井小委員 大体どこもやれぬというところはないようにありますな。そうしますと、大体八月一日と考えておっても間違いないですね。これはそれぞれ主管の実力者がおいでになっておるのだから政治もなかなか実力で決定するようにありますから、大体八月一日、一つこう了承させていただきます。
○太宰説明員 官房がありますが。
○滝井小委員 いや、あなた方がよろしいといえば官房側が阻止することはないはずですよ。官房は何も現場に関係がないのですし、ただまとめるだけが官房ですから。
○尾崎説明員 療養所の関係はまだよくわかりませんが。
○滝井小委員 あなたと同じ医務局関係ですから。 それが八月一日になっても実施ができないということになれば、これをはばむものはどこかということははっきりしてくるわけです。国民大衆にもっとはっきりした形でやってくる。今でも、きょうの御答弁を聞いてもはっきりしておる。あなた方の事務的な怠慢、あるいは予算措置に対する見通しの怠慢ということがあったということ。しかし、これはやってもらわなければならぬことだから言う必要はないのです。 次は、甲乙二表の一本化の問題です。甲乙二表を一体いつ一本化するかということです。これは橋本厚生大臣と武見さんとの問の交換文書では、初め一年以内に一本化するということになっておった。それが一年以内と期限を入れるのはいかぬから、すみやかにと、こうしてくれ、こういうことですみやかにと研きかえたということがいわれておるわけです。また私にも橋本厚生大喜臣は、でぎるだけすみやかにと、上にできるだけという形容詞をつけて、何回もここで御答弁をいただいております。その際同時に館林さんの方にも、すみやかに資料を作っていただくように私はお願いをしておきました。その資料は旧点数と、今度新しくできた、昨年の十月一日以来実施された甲表、乙表で計算したもの、こういう両方を一つ比べて、その資料を出してもらいたい、少し金がかかってもいいじゃないか、どこか病院をそれぞれピックアップしてやってくれということをお願いをしておったわけです。この点も一体どういうように事務当局としてはお考えになっておやりになっておるのか。与党の諸君は、資料がない、資料がない、こうおっしゃる。資料は昭和二年の健康保険発足以来あるはずです。国民健康保険は、昭和十三年発足以来あるはずです。従って、何も甲表、乙表になったものだけの資料である必要はない。この点、一体あなた方はいつ一本化するつもりか、それを一つ御答弁願いたいと思います。それから同時に八・五%のワクの拡大ができておるのかどうか、この二点を一つ御答弁を願いたいと思います。この前私が特に要求をしていただきました資料は、単に去年の十月、十一月ごろと、それから去年の四月、五月ごろとの比較をしておるんですけれども、あんなものでは八・五%のワクの拡大もわからなければ、今後の一本化に対する具体的な方針を見る場合の資料にもならないのですよ。やはり旧点数と、今度の甲乙二表の点数で当てはめたもので比べてみる資料というものを特に私は要求しておったわけです。それはできておるのでしょうね。
○太宰説明員 甲乙二表の一本化ということにつきましては、橋本大臣と医師会長との間にどのようなお話があったか存じませんが、了解事項として、たしか一本化するということがあったと思います。これはそういう記憶がございます。それからその後におきましても、国会でも、前の大臣もそういうお答えをしたような記憶もございます。そういうことのあるなしを問わず、私どもといたしましても、二種類あるということは、医療機関にとりましてもまた保険者、被保険者にとりましてもいろいろと不便があるわけでありまするから、将来はできるだけすみやかな機会にこれを一本化していくことは望ましいことだと思っております。 もともとこの甲表、乙表二表ができましたときにも、私ども厚生省の事務当局といたしましては、大体診療報酬の合理化という線から甲表の方向で出したらどうだという議論もしたわけでございますが、いろいろ現実の面で摩擦を生じてはいかぬというようなことから、乙表という、当時の点数表と変りないようなもう一つの表を作りまして、これをあわせてどちらでも選択していただく、こういう原案を作ったわけでございまするが、その後医療協議会におきましてもいろいろ御審議があって、昨年の十月からそれが実施されておるわけであります。これを一本化することにつきましても、何と申しますか、そうし得るようないろいろな条件なり雰囲気というものができていなければならぬわけでございまして、現実にいわく因縁を持ってこのように実現の運びになりました甲表、乙表それぞれには、いろいろな長所もあればた欠点もある。そういう点は、机上で考え得る程度のおのは極力是正したつもりでありまするけれども、やはりいざ実施してみるとなりますると、また思っているほかにいろいろな点が出てくるわけでございます。そういうものを十分に考慮に入れて、そしてこの両者を一つのものにアウフヘーベンすると申しますか、そういうことでなければ意味がないのでございまして、さような点についてはしばらくこの実施の状況というようなものもにらみ合せてやらなければならないことかと思うのであります。 それからまた、現実にこの点数表というものは医療担当者にも大へん関係の深い問題であることは申すまでもございませんが、同時に保険者の側、被保険者の側にいたしましてもこれは大きな問題であります。これを改正——というのは当然改善でございますが、改善するということになりますれば、それぞれの人たちがその気持になって、そしてよりよきものを作ろうじゃないか、こういう機運がまず全体に起って、そして建設的な意見がそこへ出てくる、こういうことでございませんと、役所だけがそれをやろうと思いましても実際にはなかなかうまく運べないことは申し上げるまでもないところであります。さような点もにらみ合せまして、私どもといたしましてはこの問題について善処して参りたいと思うわけであります。本日のところ、いつまでに実施するかというようなことは申し上げかねる次第であります。 それから、昨年の十月から実施しましたものについての八・五%のワクの拡大の問題でございますが、これはこの冬の国会で滝井議員かか御質問がございました際に私が率直に申し上げた記憶がございまするが、診療行為というものもそのときどきによって変って参りますし、いろいろな要素が非常に変って参るわけでございまして、そういう場合においてある段階とある段階とのものだけをとって簡単に比較することはできにくい筋のものであります。従って、それだけに当初におきましてこの関係者の間で、大体これでいいかということについては入念に議論していただいた、そしてまたその御納得の上でこれを実施したという筋合いのものでありますが、それはそれといたしまして、その後におきましても何とかそういうものの裏づけになるような資料は得られぬものかと苦労しておるわけでありますが、これもいろいろな方面からつついてみて、まあこの辺かなというようなものを出すほかないのじゃないかという気がいたします。今日のところは御要望にぴたりと合うような資料の取り方ということもなかなかちょっと思い当らないわけでありまして、これはもう少し時間をかしていただくほかないというような気がいたす次第であります。
○滝井小委員 そうすると私の要求したいわゆる旧点数で当てはめたものと新点数で当てはめたものとを作って下さいというのは、できていませんか。
○館林説明員 別にそういうものはないわけではございませんけれども、今局長からお答え申し上げましたように、点数を適用する際に用いました、基礎となった医療行為のバランスと、その後における医療行為のバランスとは変っておりますので、現われましたものが果して真の引き上げ率を見るに値するものかどうかという点に問題点がございますので、やはりこのような調査をいたしまして引き上げ率を推定するためには相当配慮をして広範な調査をする必要があるわけでありますが、なかなかそういう意味合いでの参考になる調査をすることは困難でございますので、むしろかえって一部の調査から全体を推しはかることも結果としては誤解を招くことにもなりはしないか、こういうふうに考えておりまして、現在私どもとしてはこれをもって推定の材料にするというような、根拠になる統計を得ておらないのでございます。
○滝井小委員 どうもあなた方は、だいぶわれわれとものの考え方が違うようであります。あなた方の出した方針は、医薬分業以来医療費体系を実行していく場合には、個々の医療機関に所得の大きな変動を与えないというのが大原則であったはずなんです。そうしますと、たとえば乙表を実施する機関において、旧点数でやったものと新しい乙表でやったものを比較してみるということは、これは非常に単刀直入に、その医療機関の所得が上ったか上らないかという一番いい指標ですよ。しかもそれをやることに大して金がかかることはないですよ。甲表になった場合は、なるほどこれは幾分問題があります。問題があっても、しかし旧点数でやったものと甲表でやったものを比較すると、これはやはり一つの指標ですよ。だからこれは大した金はかへらないから、一つどこか、統計調査血でやっていただきたいというお願いカしておるわけだ。そうでなければ納得せしめるだけの資料というのはなかなか出てごないですよ。館林さんの方片言を左右にしてわれわれが要求してもなかなかやろうとしませんが、これけ一つぜひやってもらいたいと思うのです。そういうものを出してくれば、これはしろうとわかりもはっきりしてぐるのです。ぜひ私はあらためて要求いたしたいと思います。そんなには金はかかりはしませんよ。 それから八・五%のワクの拡大についても確信のある答弁がいただけないことは非常に遺憾です。甲乙二表の一本化の問題は、与党の諸君の中にもすみやかに一本化しなければいかぬという意見がございますから、いずれ相談をさせていただいて、委員会の決議その他をさせていただきたいと思いますが、これは与党の理事の皆さんとあとで相談させていただきます。 あと二点尋ねます。二つばかりちょっと、重要な問題がありますので、これはできているかできていないかだけお答え願いたいと思います。橋本前厚生大臣が、国民健康保険法を昨年十二月に審議するときに、国保のいわゆる患者の一部負担金の最終責任は、善良な管理者と同一の注意をしたら最終責任は保険者の側に移る。その善良な管理者の注意とは具体的にどういうことなんだ、これはなかなか今私答えにくいので、この法案が国会を通過するまでお待ち下さい、必ずお出しします、こういうことだったのです。もう通過して半年の歳月が流れたわけです。すでに現場では新国民健康保険は生々発展しつつあります。動きつつあります。そ の後橋本前厚生大臣は私に、これを作るのには療養担当者の意見、保険者の意見を十分聞いて作りたい。そこでこの法案が国会を通過するときということを言っておったのだが、そうはいかぬ のて、もうしばらく猶予をもらいたいと個人的に話がありました。なるほどそれもそうだろうということでお待ちをしておったわけですが、一向にそのお返事もいただけないんです。どうも厚生省というところは、その場その場だけをうまくのがれればいいということらし一い。館林さんはいつかも、折に触れて大蔵省と交渉しておりますという名言を一吐いたのですが、委員会だけ折りに触れて答弁をして、あとは忘れるということでは困るのです。一つこれはできておるかいないかだけ答弁して下さい。できておれば一つ月曜日までに資料として配付して下さい。どちらですか。
○太宰説明員 一部負担の関連で、善良なる管理者の注意義務を具体的にどういうふうにするかという点については、その後医師会と話しあうようにということで、具体的に相談をしておるはずでございます。途中いろいろ合いにくい時期もあったようでございますが、ただいまのところはこのようにまとめましたという報告は私受けておりません。今医師会と関係団体の方と相談をしておるときというふうに私ただいま聞いております。
○滝井小委員 まだ局長のところまで結論が来ていないそうですから、一つ月曜日には相談がまとまっておれば、それを資料として委員に配付を願いたいと思います。 次に事務の問題です。これは生活保護の事務です。健康保険の事務はこの前高田さんや館林さんとずいぶんやりましたが、私が負けました。しかしこれはまたいずれもう一回やるつもりです。私は帰ってみてやりましたら、実にこれは一つも改善されておりません。今度は小数点が特に乙表でついたために、ますます事務が複雑になりました。これはもう一ぺん、与党の河野さんじゃないけれども、巻き返しをやります。その前にきょうは、特にその資料として私は持ってきてもらった。一体生活保護のこの事務の複雑なことは何ということかということです。患者がやってきますと初診券を持ってこさせます。いわゆる診察料、検査料請求書というのです。これが世にいう初診券というんだと思います。これを持ってさましたら、まず診療要否意見書というものを医師に書かせるわけです。この中にその病名を書かして、その病気が一体何日くらいかかるのか、今後の診療計画の概要、それから一々今度は何という注射を何日間何本使うか、どういう薬を何日間何回やるか——人間は死んだ人間ではない、生きている人間です。飯を食っている。そうすると病気は一日々々変るものなんです。それを一々ここに書かせる。そうして今度はそれが間違っていると変更届が出ていく。そんなもの、まるっきり療養担当者を機械だと心得ている。こういうものを書かせて、今度は患者がこれを持って福祉事務所に行くと、診療報酬請求明細書、いわゆる医療券をくれるわけです。初診の場合には福祉事務所へ行けば医療券をくれる。継続の場合には、今度は別に月の終りの二十五日に医師を全部一堂に集めて継続のものを一々説明させる。そして継続の医療券をくれるのです。こういうめんどうくさいことをやらしておる。医者は生活保護だけを見ているのではない。健康保険も見ておれば、日雇い労働者健康保険、船員保険、国民健康保険も見ているわけです。事務は山のごとく積っている上に、またこの事務が重なるから、事務は富士山の高さより高くなる。それでは一体福祉事務所に対する個々の診療報酬請求明細書をもらうための診療要否意見書の内容を詳細に検討をして出しているかというと、何も検討しておらぬ。端的に言えば、はなはだ失礼な言い方になるが、先生、ここに三日ぐらいだと書いてもらっても、また追加なんか出されてもらったら大へんだ、できるだけ長く書いて下さい。だから、正直に申しますが、われわれだって患者が来た場合に、三日か四日でなおると思っても、三日か四日でなおると書いたら大へんだ、またやらなければいかぬから、初めから二十日とか二十五日とか書いてしまう。だから計画なんていうものはでたらめだということになる。そういうでたらめな、不正直なことに追い込むような事務機構を作っているところに問題がある。ガンはここなんです。時間がないから結論を急ぎます。こんなものは紙代だけ損だ、国費を使うだけ損だからやめて、健康保険の高田さんがわれわれの意見に賛成してくれて、日雇い労働者の健康保険にちょうど三ヵ月ずつ判を押して医療券を作ったと同じように、あなたの方も医療券か手帳をお作りになる。そしてもしできれば、あなた方が生活保護の大衆を疑うならば、家族の写真をつけなさい。ちょうど自動車の運転手の免許、国鉄の発行する共済組合のパス等に写真がついていると間じように、一つ生活保護手帳というものを作って、その生活保護手帳に家族の写真を張って、それを持って医者に行けばいつでもかかれる。そのかわり一ヵ月に一回は福祉事務所に行って、生活保護者は生活保護の金をもらうのですから、もらうときに今度は一カ月一回ずつ、この者は生活保護者に間違いありませんとぽんと判を押してもらって、それを一ヵ月の医療券のかわりにすることにしてもらいませんと、この貧しい大衆が福祉事務所に走り、そうして今度は医者に走り、また今度は医者から福祉事務所に走る、こういう形はまさに山の中のとうふ屋に三里何とかに五里というようなことをやらしているのですよ。実にこれは血も涙もない行政なんです。お互い日本人ですから、医者の方にも乱診乱療、水増し請求をしないように、一つ生活保護についてはやって下さい。患者の諸君、生活保護の諸君も、お互いに日本人だから、税金でまかなっているのだからやろうじゃないか、こういうお互いのあたたかい気持で納めているのだから、その中に入って信頼するということをやってもら 一いたいと思います。そうして請求書は、こんな紙を作らずに、健康保険と同じでよろしい。健康保険と同じ請求書でやってどうして悪いのか。こんなものを作ったって何にもならぬ。単に事務が煩雑になり、また何人かわれわれの血税を使う役人が出てくるだけですよ。一つそういうことをせずに、請求書も、大崎さん、あなたの時代にそういうことをやっていれば、これは歴史に残りますよ。ぜひ勇断をもってやってもらいたいと思う。高田さんにもそれをやってもらったんです。大崎さんも高田さんにならって一つやったらいい。健康保険と同じにすればいいんですよ。日雇い労務者だけは高田さんがやったものだが、歴史に残るとすれば、あれは特筆大書して残るものなんだ。どうですか大崎さん。これは決断ができなければ、お帰りになって局長さんと相談してやって下さい。こんなものやったって何にもなりません。私はそう断言してはばかりません。こんなものを出して、要否の意見書を出して、それを検討して予算を立てておるところはありはしません。こんなところまであなた方が予算を立てておるとすれば、その予算は大間違いです。だから、こんな複難怪奇なものはおやめになって、たとえば簡単な手権にして、一ヵ月、一ヵ月判を押すようにすればいい。そうしてあなた方がなお疑うというなら、写真をつけなさい。写真屋さんに来てもらって集団的に写真をとってもらえば、安いものですよ。自動車の運転の免許状だって写真をつけているんですから、生活保護の人にも写真をつけてやっておくんです。そうすれば、よそへ持っていって、転貸されることもないでしょうから……。そうしてそういう便利をはかるようなことをしないと、こういうことで医者にやらせれば、医者もばかになるし患者も疑われて、ずる賢い日本の低所得階層を作るばかりですよ。だからこれは一つ国民を信頼し、あなた方ももっと事務を簡素化し、そして行政の能率を上げる方向に行かなければだめですよ。今度は国民健康保険と両方になるわけです。国民健康保険の持っている患者が多くなると、半額はこれで見るわけです。だから今度は二枚請求書を出す。国保の請求書とこっちの請求書と、さらに今度は結核予防が加わると、もう一枚これに加わってくるわけです。そうすると税金の方面では、結核予防法でもとられて、生保でもとられて国保でもとられておる。だから今度は税金を出すときは、医者はそれぞれ、半分は国保、三分の一は別に結核予防からとられなければならぬのですよ。今度は税金の帳面が複雑になってくるというように、連鎖反応が実に多くのところに及んできているわけです。大崎さんの方は、おれの方は生活保護だけだからそんなことは知らぬとおっしゃるけれども、国民の財布は一つだし、事務は一人の医者がやっているんです。だからこういう点はもうちょっと考えてもらいたい。きょうは即答ができなければ、また検討さしてくれてもけっこうですよ、これは。
○大崎説明員 ただいま生活保護における医療扶助の諸関係の手続が非常に煩瑣であるというおしかりを受けたわけでございます。実は生活保護における医療扶助のいろいろな諸様式あるいは手続につきましては、滝井先生から常々御注意をいただいておりまして、私ども。もその御注意に基きまして、関係団体などもまじえまして、実は昨年七月に医療扶助運営要領というようなものを作りました際に、簡素化をいたしておるわけであります。その簡素化につきましては、もちろんなお足らない面があると思いますから、今お話がございましたような線に沿って、今後とも検討をいたしてみたいと思うわけでございます。ただしかしながら、生活保護法は保険と若干構成を異にいたしておるわけでありまして、法律的な構成から申しまして、医療扶助というものは福祉事務所長が決定をいたすわけでございます。従いまして、疾病につきましては必ず福祉事務所長が決定しなくてはいけない建前になっております。その決定をする際に、要否意見書という医師の意見を添えて決定をする、こういうふうな工合になっておりまして、保険のごとく、一般的に給付を定めまして、その特例のものだけについて保険者に協議を要するというふうな構成にはなっていないということがあるわけでございます。従いまして、そこはおのずから保険と異なる手続が法律的に要請されるわけでございます。今先生からお示しがございました医療手帳の問題につきましては、保険と異なる法的構成の上から、これが果してとれるかどうかということにつきましては、私どもまだ相当な疑問を持っているわけであります。ことに単給の際におきましては、疾病の範囲におきましてその単給を行うかどうかということを決定いたさなくちゃならぬわけであります。それでは、並給の場合にはやれるじゃないかという御質問もあるかと思いますけれども、これにつきましても、やはり医療扶助の決定というようなことからいきまして、なかなかいろいろな問題が多いのではないかと思っております。なおこの点につきましては、将来とも検討を続けてみたいと思います。
○滝井小委員 法律論で、しゃくし定木の答弁をすればその通りです。しかし、生活保護の人が病気をして医者に行くということは、これは必ず悪いのですよ。大体今の日本の生活基準からすれば、ほんとを言えばみんな栄養失調ですよ。館林さんは笑っていらっしゃいますけれども、実際体格検査をしてみてごらんなさい。全部栄養失調に間違いありません。ただそれが栄養失調でないというのは、簡単にいえば南極のタロやジロになっているんです。首をつながれているのが、いつの間にか首輪を切って別の手当を自分でやるから、栄養失調が幾分か免れているんですよ。今の基準でいって、二千円では、医学的に見て栄養失調にならない者は一人もありません。二千円では絶対に食えません。うそだというなら、あなた方二千円で実験してごらんなさい。私が身体検査をやってあげますよ。全部栄養失調になるのは確実だ。そういうような意味から、生活保護の人が医者に行った場合に、病気でないといえば幸いじゃありませんか。あなたは病気じゃございませんといえば幸いだし、病気ならば、そのままカルテを作って見てやる。単給の場合は生活保護もなければ、医療券も持たないのですから、そういう場合は、私は福祉事務所に行っていただいてもいいと思うのです。あえて行くなとは言いません。しかし、問題は生活保護です。単給という場合は割合に少いのですよ。単給でやる場合は、われわれの地域でもそう多くない。やはり生活保護の方が圧倒的に多いのです。そういう意味で、これは次の臨時国会ぐらいまでに御検討をお願いしたいと思います。私が代議士に出てきた目的は、事務を簡素化することを大きな目的にして出てきているのです。市会議員から県会議員にかけて、ここ十年間こればかりしゃべっております。機会があればこれをしゃべっておる。ところが、私が幾らしゃべってもなかなか簡素化されない。たった一つ、八木さんと二人でしゃべって日雇いだけは簡素化された。これは実に弄んでおります。日雇い労務者の諸君も喜んでおれば、療養担当者の諸君も喜んでおります。だから、この次はこれをやらなければならぬ。また健康保険、結核予防の方もやらなければならぬ、こういうことです。だから、これは臨時国会までに十分検討してもらいたい。きょうは局長に来てもらえばほんとうによかったのですが……。 そこで高田さん、せっかくおいでいただいたのですが、最後になって時間がないのですが、実は甲表で薬が十七円になっているわけです。これは特にあなたのまいた種なんですが、十七円、注射は、皮下が二十三円、静脈が三十四円、こういう平均の値段になっているわけですね。これについて、最近甲表の病院その他から、どうもあれではいい薬が使えないという声が強く起ってきているわけです。そのことは同時にどういうことを意味するかというと、今まで甲表の病院ではみんな相当高い薬を使っておったわけです。ところが病院も、最近独立採算制の声が強くなった。そのために、十七円しかくれないものを、いつも三十円、四十円の薬を使うわけにいかない、こういう形が出てきておる。そのことは同時に、十七円前後の安い薬を使うと、高い薬が製薬企業では作れないという傾向で出てくる可能性があるわけです。今日本の療養担当者の九割というものが乙表で、一割が甲表だから、そうまだ大問題にはなってきません。しかしもしあなた方が甲表の精神でやるのだということで、甲表のそういう姿をとるということになれば、これは単に療養担当者の問題だけでなくて、薬務局における製薬企業の問題にも大きく発展してくると思うのです。その点、あなたは自分のまいた種を今度薬務局の立場で刈り取らなければならぬことになるわけですが、あなたはどうお考えになりますか。薬務局に行って製薬業界のいろんな意見や声をお聞きになったと思うのです。きょうは一つあなたの御意見を伺って、この次一つ掘り下げて、甲、乙一本化の問題がありますから——あなたが作られて、そして今度は薬、こういう経験者になっておられますから非常にいいと思いますが、それらを一つ御説明になっていただきたいと思います。
○高田説明員 今の平均単価の問題は、保険局の点数表でしたか、あるいはそれに関連した付録のきまりの問題でございますから直接には私の方ではございませんが、そういう今滝井先生が仰せになりましたような声が若干業界から出ております。しかしその業界から出ておる点は、そういうおそれがあるからというので、別にそうなっておるというわけではありません。非常に商売のことに熱心な業界でございますから、そういうおそれがあるということでやかましく言っておられるわけであります。それからまた医薬品製造業の実態が、高い薬はやめて安い薬を作るというふうな生産方針に変っておるわけでもありません。従ってまだそういう具体的な問題は出てきてはおらないと私は観察をしておるわけでありますが、しかし業界の心配なり何なりというものも一応これは耳を傾けていくべきものだと私も考えておりますので、業界の要望は十分聞いて保険局の方とお話をして参りたい、かように考えておるわけであります。今具体的にどうこうということは考えておりません。
○滝井小委員 館林さんにお願いいたしておきたいのですが、昨年の十月甲表実施以来、甲表実施病院の用いております薬の変化ですね、一体それ以前の状態とどういう変化が起っておるのか、全然起っていないのか、こういう調査資料ができれば出してもらいたいと思うのです。それは同時に今高田さんの言った製薬業界の杞憂というものが単に杞憂で終っておるのか、それとも具体的に現われてくるかという重要な指標になると思うので、お願いいたしておきます。これで終ります。
○藤本小委員長 本日はこれで散会いたします。 午後零時三十四分散会