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32回国会衆議院1959/10/08

建設委員会 第8号

発言数
90
登壇者
16
会派数
2
開催日
1959/10/08

会議録

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  まず石川県能登半島地方の災害調査をいたして参りました派遣委員より、報告を聴取いたすことにいたします。橋本正之君。

橋本正之自由民主党

○橋本(正)委員 去る九月十九日から四日間、石川県奥能登地方の災害状況を調査して参りましたので、その概要を御報告申し上げますとともに、現地における要望等に基きまして、所見を申し上げたいと存じます。  このたびの奥能登の災害は、八月二十六日同地方を局地的に襲いました集中豪雨によるものでありまして、日本海中部の低気圧から南へ伸びる前線が二十五日夜、輪島—前橋の線で停滞し、同日夜半から未明にかけまして、北から冷たい気流、南から暖流が押し出しましたため、二十六日午前三時ごろから豪雨となり、午前九時には降りやんだのであります。その間わずか六時間でありますが、雨量は二百六十ミリにも達し、六時から七時にかけましては、穴水町において時間雨量は百一ミリを記録したのであります。このため奥能登の各河川は急激に増水、はんらん、特に被害が甚大でありました輪島市、穴水町、門前町、能都町は全町濁流に洗われ、しかもいわゆる鉄砲水の暴威は、瞬時にして人もろとも家屋を押し流し、大惨害を招来したのであります。奥能登の総人口十万五千人、世帯数二万一千戸、その地域におきまして死者行方不明三十七名、負傷者千三百余名の犠牲者を初めといたしまして、家屋の全壊、流失二百七十余戸浸水家屋一万四千戸に及び、各部門にわたる被害総額は、実に九十九億余円の巨額に達したのであります。  以下、被害の激甚でございました地域の状況を、調査の順に従いまして申し上げます。穴水町を貫流する小又川、山王川は準用河川ではありますが、未改修の全く原始河川でありまして、蛇行がはなはだしく、堤防らしい堤防もないため、時間雨量百ミリをこえる瞬間豪雨によりまして、山腹は崩壊し、流木、土砂の流出により、あたかも町全体が河川化し、たまたま満潮時でありましたので、洪水が一時逆流するなど、一般被害は甚大をきわめました。同町を起点とする道路は決壊し、木橋は全部流失し、町では食糧、飲料水にも欠乏する状態でありましたが、自衛隊が急遽出動いたしまして、飲料水を運搬するとともに、土砂の搬出作業に従事し、町民あげて心から感謝しているところであります。  能都町について申し上げます。上宇出津港を初め、鵜川港等満潮時であったため、平常でも臨港家屋は排水に難渋している状態のところ、各河川の急激な増水により、午前五時市街地一帯は一面に浸水し、甚大なる被害を招来しました。  柳田村においても、降雨量百九十二ミリに及びましたが、床上浸水三十戸、床下浸水百五十戸、耕地の埋没、流失三十ヘクタールという、他の市町村に比べましては、被害が割合少くて済みましたことは、当村を貫流している町野川上流に砂防堰堤が構築されていたことによるものであります。私どもダムの現場まで足を運んだのでありますが、貯水量五十二万トン、工事費にして約五千万円程度の小規模のダムでございますが、このダムによって洪水を調節することができ、被害を最小限度に食いとめることができ得たのでありまして、村当局は、このダムの効果を大きく強調しておりました。  輪島市は、河口付近市街地の中央で、河原田川と鳳至川が合流しているのであります。この両河川がはんらんしたため、ほとんど全市が屋根まで没する水浸しとなり、山間地帯においても随所にはんらん、河原田川、鳳至川上流に架設の木橋は全部流失し、道路は原形のわからないまでに洗い流され、輪島市より門前に通ずる二級国道は、被災後二十五日過ぎた調査当日、なお不通の状態でありました。河原田川は準用河川でございまして、奥能登地方では唯一の河川改修を実施している河川でありますが、その改修区域は、合流点より下流、市街地部分を改修する工事でありまして、補償等の問題もからみ、事業の進捗はかばかしくなく、その促進が大いに痛感されると同時に、今次の出水状況より見まして、改修計画の再検討も必要かと考えるのであります。  門前町の被害も、他町村と同様、当時を貫流しております八ヶ川、支川の浦上川等が未改修河川であるため、鉄砲水により死者二十六名、家屋の全壊流失六十戸、罹災者数一万人という最もひどい災害をこうむったところでありまして、その惨状は、まことに痛々しい限りでありました。  以上奥能登における災害の概況について御報告申し上げたのでありますが、次に現地におきまする要望等を中心としまして、二、三の点について所見を申し上げますとともに、当局の御見解を承わりたいと思うのであります七  今次奥能登の災害は、被害総額九十九億円余に及び、面積八百二十平方キロ、世帯数二万一千戸に対し一平方キロ当り千二百万円、一世帯当り約五十万円の巨額に達しております。当地方の大部分がいわゆる零細農漁業者でありまして、しかも過去三十一年、三十三年と再三災害をこうむっておりますので、罹災者の困窮はもとよりのこと、地方自治体におきましても、財政上の制約もありまして、自力のみにての復興は至難であります。政府はあらゆる方注を講じて援助の手を差し伸べ、一日も早く災害復旧を軌道に乗せ、民生の安定をはからなければならないと存ずるのであります。  まず第一に、当面の問題といたしましては、災害住宅復旧資金の融資につきまして、災害の実情と罹災者の現状にかんがみ、その運用をあたたかい思いやりのもとに取り運び、すみやかに解決することであります。  今次災害の特色は一般住宅の被害の多いことであります。これより冬季に向う裏日本の気候を思いますとき、一日も早く安住の家を与える必要があります。住宅金融公庫では、いち早く現地におもむき、融資業務に当っているのでありますが、各地で聞くところによりますと、融資基準に縛られ、なかなかに罹災者の要望に沿いかねるようでありまして、この際復旧資金貸付の運用について、特段の配慮をする必要があると考えるのであります。  次に、災害救助法の救助に要する費用支弁の範囲を拡大する必要があると思います。ある町では、四百万円支出したにもかかわらず、県から支払いを受ける予定の額は、わずか百二十万円程度で、さなきだに財政難に苦慮している町村当局をして、財政上の事由から復旧意欲を減退せしめ、あるいはこれがため、将来さらに赤字難に追いやるおそれがあると考えるのであります。そのほか小規模災害復旧事業費については、起債によるわけでありますが、出先機関の査定の関係上、起債の対象にならないものが相当生ずるおそれもあり、小規模災害の復旧には著しく苦慮しているようでありまして、災害復旧促進の見地から特別の措置を講ずる必要があると考えるのであります。  最後に、恒久対策といたしまして、当地方の各河川は、いずれも未改修の自然河川でございまして、これら河川をすべて改修することはもとより望ましいことでありますが、これらを一々改修いたしますことは、多額の国費と多くの日時を要しますので、抜本的対策といたしまして、各河川の上流に防災ダムを築造し、補足的に改修を施行することが賢明な方法であると考えられます。小規模の防災オンリーのダムを建設するには、砂防ダムということで建設するか、あるいは災害土木助成事業で実施する以外に方法がないようでありますが、しかし当地方のごとく、自然河川で公共施設の被害の比較的少いところでは、助成事業でやることもなかなか困難ではないかと思われますので、かかる小規模の防災ダムを築造する方途を新たに講ずる必要があるのではないかと考えられるのであります。このほか各地域にわたり砂防施設を強化する必要があること、もとよりであります。  以上、奥能登災害の調査に当り、被害の概況を申し上げ、あわせて所見を申し述べまして、当局の御見解を承わりたいと存ずるのであります。     —————————————

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 この際派遣委員の報告に関連いたしまして、建設省当局より発言を求められております。これを許します。佐藤道路局長。

佐藤寛政建設技官(道路局長)

○佐藤説明員 先般当委員会におきまして、北海道及び山陰地方を御視察になりまして、調査御報告を承わった次第でございますが、そのうち道路関係事項につきまして、私から所見を申し上げたいと存じます。  御指摘になりました第一点は、積寒法に基く除雪事業に対する補助、これの見通しはどうであるか、こういうふうに伺っております。積寒法、詳しく申しますと積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法でございますが、これに基く積寒道路六ヵ年計画というのを、御承知のように立てておるわけでございます。内容は、除雪、防雪、凍雪害防止、それからまた除雪の機械、こういったものの補助等を考えておるわけでございます。御承知のように除雪につきましては、まず第一に私どもといたしまして考えたいことは、除雪をいたしますにも、従来この除雪をする道具、機械がそろっていないと申しますか、ほとんど整備をされておらないという状態でございます。そこで今までにおきますこの積寒法に対する補助といたしましては、建設省としてはこの除雪につきましては主として機械を整備する、除雪機械を持つということにほとんど主眼を置いて、除雪を実施してきたわけでございます。しかしながら除雪そのものにつきましても、この補助ができることになっておりますので、この点につきましても、今後の事業として十分考えるようにいたしたいと考えておるわけでございます。  その次には、積寒法第三条に該当しない路線につきまして、各町村は除雪に非常に困難いたしておるようでございますが、こういうようなところに対して、除雪機械等に対する補助ができないでも、起債を認められないかという御指摘でございましたが、この起債の点につきましては、大へんごもっともでございますので、財政当局とも十分連絡いたしまして、何とかそういう方法が講ぜられるようにいたしたいと、ただいま連絡をいたしておる次第でございます。  第三の御指摘は、雪道用のノンスリップ・タイヤという特殊なタイヤでございますが、そういうものを使うことを政府は考えておるかどうかという御指摘でございます。積寒地方の冬季交通におきまして、普通はチェーン等を使用いたすわけでございますが、チェーンを使用しますことが舗装面、特にアスファルト舗装などになりますと、路面に及ぼす影響、損傷が非常に大きくて、このために年々維持費等の経費が相当莫大な額に上っておるわけでございます。従いまして、交通量が増大いたしますとともに、何とかこのチェーンというようなものを用いないで自動車が通れるようなことを考えろ。もちろん舗装の工法そのものにおきましても、チェーンを使いましたときに、摩耗等の影響が少いような工法も研究いたしておりますが、同時に自動車のタイヤの方面においても、そうした雪道用の特別なタイヤができることをわれわれとしては非常に関心を持っておるわけでございます。現在そうした雪道用のタイヤといたしましては、アメリカのグッドイヤーのゴム会社の製品がございます。そのほか国産も二、三見られるようでございますが、この実績は、現在におきましては試用の段階にあるように見ております。私どもといたしましては、さらにその効用を見きわめまして、積極的な利用方法について運輸省、通産省方面とも連絡いたしまして、有効な使用を進めていくように考えておるわけでございます。  その次は、山陰地方に対する御報告に対しまして所見を申し上げます。まず一級国道の二十九号線、これは姫路—鳥取間でございますが、この整備計画はどういうふうになっておるか。この二十九号線につきましては、ただいまの道路整備五カ年計画におきまして、未改良区間の大部分を改良いたしまして、陰陽、山陰地方と山陽地方の連絡に支障なからしめるよう考えております。この五ヵ年計画が進みますならば、改良は相当進む予定でございますし、また山地方を除きまして、市街地とかその付近に対しましては、相当舗装もできる予定でございます。そうして交通上の効果を十分発揮させるよう工事の促進をはかって参りたい、こういうふうに考えております。  なおまた計画路線の決定に当りまして、路線の経過地についていろいろ地元では御意見があるように承わりましたが、これらについても、技術的、経済的見地から最も有効適切なものをます私どもとしては研究いたしておるわけでございますが、これらを決定するに当りましては、十分地元の御意向も参酌いたしまして、御連結いたすところへは御連絡し、そして十分地元と密接な連絡の上、路線を決定するように処置いたして参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  次は、一級国道九号線の改良を促進することについてどう考えておるかという御指摘でございます。これは鳥取県、島根県、山口県、それぞれ各県においてこういう御要求が出ているように承わった次第でございます。一級国道九号線は、従来整備が非常におくれておりまして、非常に狭い道が至るところに多く、交通混雑を各所に来たしておる実情でございます。ただいまの道路整備五カ年計画におきましては、これらを改良することに対しまして相当見込んであるつもりでございますが、ただいまの計画において、その全線の改良を完了するというところまでは、実は参らないのでございます。従いまして、改良個所の選択等につきましては、その個所の事情を明らかにいたしまして、交通に困難を感じておるところは優先的にそれを取り上げて、それから各地方との関係におきまして、もしできるならば、少しでも九号線の整備が促進するように予算的配慮をいたしたい。そういうふうにいたしまして、重要な地区、大きな市街地、また交通の特に多いところにつきましては、この五ヵ年計画の進行によって整備を促進するようにいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  その次は、鳥取県の大山—米子、それから米子—境、この間に有料道路を考えているようだが、これを促進できないか、なおまた境水道に対しまして、有料の橋を早くかけることはできないか、こういう御指摘がございました。これらの個所につきましては、日本道路公団において昨年度二十四万円、本年度は百二十七万円の調査費を計上いたしまして、ただいま調査を実施いたしておるところでございます。第一次調査の結果を承わるところによりますと、採算的にも相当有望であるというふうに承わっておるわけでございますが、ただいま調査を取りまとめておるところでございまして、その結果を待って十分検討の上、必要な措置を講じたいというふうに考えておるわけでございます。  それから島根、広島関係でございますが、二級国道の広島—松江線の整備がおくれているから、これを進めるようにということと、これを一級国道に昇格して、国の直轄による全面的な改修を実施することが望まれておるという御指摘でございました。この広島—松江線は二級国道でございますが、この線は山陰地方を横断する路線として非常に重要な路線でございまして、従来からこの路線の問題を研究いたします際には、しばしば一級国道という御要望も出ており、一級国道網として研究されておったものでございます。現在は、この道路の現況として、相当整備がおくれておるわけでございますが、そうした重要路線でございますので、二級国道の中でもできるだけ優先的に整備が進むようにして参りたい考えでございます。なおまた一級国道べの昇格でございますが、先ほども申しましたように、従来からそういう問題が出ておりましたので、私どもとしては全国的な見地がら国道網を検討する場合には、一つ手落ちなく考えて参りたいというふうに思っておる次第でございます。  それから一級国道九号線の山口県に対する御意見がございましたが、これにつきましては、先ほど申しましたように、必要な部分をできるだけ進めるつもりでおります。二級国道の下関—益田線の改修の促進と、これを一級国道への昇格の問題それから二級国道山口—埴生線、徳山—岩国線、それから岩国—益田線の改修並びに舗装の促進、こういう御指摘がございました。これらについては、道路五ヵ年計画においてそれぞれ相当改良、整備が実施される予定でございますので、重要部分を選ぶことを慎重にいたしまして、交通困難を来たしている大事なところは十分な措置を講じて参りたい、こう思っておるわけでございます。なおただいまの路線のうち、一級国道への昇格問題については、全国道路網の見地から十分検討いたして参りたいと考えておる次第でございます。  以上概略でございますが、お答えいたします。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本説明員 河川局関係のお答えを申し上げます。  まず北海道でございますが、北海道においては、中小河川その他小さい川の改修の促進の問題と、石狩川の上流のダムの促進の問題でございます。ダムにつきましては目下調査中でございますので、調査の結果を待って具体的計画を立てていきたい。それから中小河川並びに小規模河川につきましても、従来からやっておりましたけれども、五ヵ年計画の線に沿って来年度以降大いに尽力いたしたいというふうに考えております。  それから山陰地方の問題でございます。七つばかり関係がございますが、公共土木施設の災害復旧を早くやってくれということでございますが、これにつきましては、従来も努力はしておりますけれども、おくれている分もございます。将来におきまして、財政の許す限り早く復旧するように努力したいと考えております。  それから兵庫県の瀬戸内海の海岸、鳥取県の日野川の河口付近の侵食、海岸侵食を国の直轄事業としてやってくれ、この点につきましても、来年度は直轄事業として要求をいたしておりますので、極力その線に沿って努力したいというふうに考えております。  それから治水五ヵ年計画の法制化と早期完成の問題でございますが、これは建設省といたしましては、来年度の重要施策といたしまして努力中でございます。  それから河川の敷地の不法占拠の問題につきまして、河川法の罰則を強化してくれという問題でございますが、これにつきましては、昭和三十三年十二月の第三十国会におきまして河川法の一部を改正いたしまして、罰則を強化いたしたわけでございますので、その線に沿いまして、各関係機関と連絡を密にいたしまして、取締りを強化して参りたいというふうに考えております。  それから日野川のダム、山口県の錦川のダム等につきましての促進のお話でございますが、これらにつきましては、いずれも調査を行なっておるところでございますので、早く事業を実施して参りたいというふうに考えております。  以上簡単でございますが、御報告申し上げます。

稗田治建設技官(住宅局長)

○稗田説明員 住宅局の分につきましてお答え申し上げます。  北海道の低額所得者向きの公営住宅の補助率の問題でございますが、御承知のように北海道におきましては、防寒住宅建設等促進法に基きまして全部防寒構造となっております。従いまして、坪当りの単価が高い。従って公営の第一種、第二種におきましても、内地の一番低い公営住宅よりも若干家賃が高くなっておるわけでございます。従いまして、第一種の補助率二分の一を五分の三、第二種の三分の二の補助率を四分の三にしたらどうかという点でございますが、これにつきましては、三十五年度の予算からその線に沿って処理すべくただいま折衝撃でございます。今後この線に沿いましてなお努力を続けたいと思っております。     —————————————

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 それでは、これより昨日に引き続き質疑を行います。  服部安司君。

服部安司自由民主党

○服部委員 私は大臣に伺いたいのでありますが、昨日来いろいろと質疑があって、時間もございませんので、簡単に一、二伺いたいと思います。  それは、昨日二階堂先生の質問に対して御回答のあった住宅の問題でありまするが、住宅金融公庫が罹災したものに特別に住宅資金の貸付を行うわけであります。これには「災害により滅失した住宅を、災害当時所有し、又は、使用していた方で自ら居住する」方であることとか、いろいろな条件があります。特にこのうちに「所定の自己資、金(いわゆる頭金)の調達の見込があること。」「公庫からの借入希望金額の当初償還元利金月額の少くとも六倍以上の収入月額のあること。」という条件がありますが、しからばこういった条件の伴わない方は、この住宅資金を借り入おることはできないということに相なると私は心得るのでありまするが、その点をちょっと簡単に伺いたい。

稗田治建設技官(住宅局長)

○稗田説明員 災害復興住宅の貸付の場合の基準でございますが、一応その標準として、ただいま申されましたような点につきましても、原則が書いてあるわけでございますけれども、現在災害におきまして指導しておりますのは、その運用上かなり幅を広げて運用しておるわけでございます。たとえば農家等におきましては、所在の町村の反別の所有の証明書等をいただきまして、それで大体生活できる金銭の所得があって、残りの金銭の所得は全部償還に充てられるという見込みであれば、それで貸付をするというようなことで、総所得が六倍というようなことでやっておるわけではないわけでございます。運用上かなり幅を持ってやっておるわけでございます。

服部安司自由民主党

○服部委員 運用上かなりの幅を持っているというお言葉でありますが、大体従来の行き方、また現在の末端の行き方は、決してそんな幅のあるものではない。もちろんなぜ幅がないかということは、私の質問の最初に出てくる問題だと思うのでありますが、こういった席上ではそういう回答があっても、なかなかそういった妙味ある運用をやっておらない、これは断言してはばからないと思うのであります。しかし私は、そこまで幅のある運用をするならば、いま少し的確にこういうものを——今度のいわゆる伊勢湾台風にからんで、各罹災地の市町村に確かにそれは回っておりますか。そういった幅を持てというようなことは断じていっておらないという点について、一考をしてもらいたいと思うわけであります。  次に、一番下の方に、この災害復興住宅の申し込み手続といったものは、都道府県又はその出先機関で交付しておる用紙に「必要事項を記入して都道府県又はその出先機関に提出し、家屋の被害率等の認定を受けて下さい。」「認定を受けた方は、次の機関に申し込んで下さい。」「市区町村が申込を受付ける場合で、市区町村から債務を保証された方は、市区町村。」「その他の方は、最寄りの公庫の業務受託金融機関。」こういったことがあげてあります。そこで問題になるのは、もちろん相当腰がある市区町村長であれば、これはどんどん書くだろうと思う。私であれば、どんどんめくら判を押すだけの裁量はあるけれども、なかなか今日の市区町村長は、こういうことをやらない。また現在のいわゆる自治体の機構上からいって、相当無理なことである。そこで、こういった市区町村長がいわゆる債務を保証するということは、裏を返せば、その被災者に保証する人がない人のみが対象だと私は心得ておるわけであります。かりに被災者に親族、友人、かなり力のあるものがあれば、市区町村長までいかなくても、安易な方法で保証を受けてこの手続がとれると私は考えます。こうなりますと、全く自分の力で保証を受ける態勢ができないために町村にいく。ところがなかなかそういった腹のある市区町村長が少い。勢い事務的になって、またあとのことを考えてなかなかそれをやらない、こういった場合に、この立場に置かれた方がいよいよ行き詰まって、せっかくのこの復興資金を借りることができないということに相なるわけでありますが、こういった方々に対しておそらく住宅局長は、よって仮設住宅、公営住宅を考えているのだと仰せになるだろうと思うのであります。もちろん私も、こういった法規に縛られた以外に、また被災者を救済する道があることも万々心得ておりますが、ここで申し上げたいことは、私は現実にこの被災地を見て回って一番切実に感じた問題は、住宅の問題だと思うのであります。昨日二階堂先生からの質問に対して、六十数ヵ所の被災町村に出向いていろいろと手厚い援助を与えている。まことにこれは喜ばしいことでありまするが、私はまずここで申し上げたいことは、こういった恩恵に浴されない方が、仮設住宅または公営住宅——仮設住宅というものは、これは正直に申し上げて、被災者となればこそ住み得られるけれども、あれは人間の住むような家ではない。そこで、まず私は公営住宅にしぼってみたいと思うのであります。この公営住宅は、法律で被害戸数の三割以内となっておりまするが、しかし三割までは被災地がこの割当を受ける権利があると言っても過言でないと思うのであります。この問題について、私はちょうどこの災害があってから六日目に現地に行ったのであります。先ほど陳情があったわけでありますが、この罹災者は、自分の残っている家はただ柱だけだ、屋根のかわらは飛んでしまっております。ところがそこに土砂の流入があって、土砂が堆積して、ほんとうに自分の力でこの泥を出さなければ何ともならないという状態に置かれている。しかるに、私どもの冷静な判断で見るならば、この堆積土砂を搬出しても、とうてい住み得られるような状態ではない。ところがその方々は、柱だけが残っているその家が一縷の望みで、懸命に土砂の搬出をやっておられる。しかもこのときに、現地のこの災害復興の一番重要な立場にある市長が、あまりにも大きな被害のために全く右往左往の形で、何ら適切な指示も与えられない。私はここで一例を具体的に申し上げると、私は大沢次官と一緒に行ったのでありますが、一番ひどい被害地に案内させようと思ったところが、市長は私に、頼むからあそこに行ってくれるな、私は行ったら殺されるのだ、とても人心不安で殺気立って危険だから、一つあそこを視察しないで、このまま和歌山へ行ってくれという市長の言葉であった。私は、市長何を言うか、君はそういったことをやるから被災民はいよいよ激高するのだ。夜は市長の家に投石がある、市長の横っ腹に空気穴をあける、こう言っておる。もちろん私は、そういった野蕃な行為はいけないことだと一言に言えるかもしれないけれども、その人の立場になったならば、おそらく無理からぬことであると思う。粒々辛苦の末に築き上げたものが瞬時の間に流れてしまう。しかもこわれている。自分の子供や妻が相当流されておる。その人の気持になったときに、私はこういった暴言も、この際理解してやらなければならないと思うのであります。ところがこの場合において、無能にひとしき市長の姿を見たときに、私は無理無体に連れていって、とにかく何でもいいから責任を持って復興するからと断言しなさい、私も及ばぬながら、この非惨な情態を見て、君の力になる、国の責任において当然やらなければならぬことはわかっておりますから、現地に行って被災者に合って言葉をかけなさいと言って連れていった。そのときに私は、この場ではちょっとあれですが、来たるべき臨時国会に提出する案が、わが自民党の災害対策本部で七役会の相談を経てできた。こういう方々を救済するのは、社会党も反対はなさらないであろうと思う。そのパンフレットには、今にでもそういった被災者を国の責任において救済するようなことを書いている。私も一足先に現地に行って、それを政調の調査員の方にもらって見て、大へんけっこうだと思った。ところが、私が、四、五日おっても何ら手が打たれない。申し上げますと、ここでこの無能な市長——ほんとうに被災者の気持を政府が理解でき得るならば、私は政府が市区町村長、知事のけつをたたいて、早く罹災者の気持になって復興をやるべきだというところに、この執行者が力を得てやられるのだと思う。もちろん彼らは、絶えず被災者の気持には十分になっておるけれども、次にくるいわゆる市町村財政のことを考えたならば、なかなか思い切ったことができない。私は端的に申し上げて、三割以内の公営住宅が配分できるならば、被災と同時に、必ずありとあらゆる機関で、少くとも住宅局長のところには、倒壊、流失、半壊家屋の数が、警察庁または各出先の地建または都道府県、市町村等からきているはずだと思う。こういう場合に、もちろん金のないことは十二分にわかっておりますが、少くとも法律で三割以内の公営住宅を認めるとなれば、必ず次の臨時国会で、好むと好まざるとにかかわらず予算化しなければならない問題だ。そうすれば、そういった途方に暮れているところの被災者にも大いに住宅を割り当てる。市町村のけつをたたいて至大の援助も与える。新聞では、通産省が亜鉛板何百トン確保した、セメント何十万トン確保したとか、これで復興は万全だという報道も出ておりますけれども、現実に昨日も話があったのでありますが、一番安易にして使いやすいベニヤ板が、すでに四割、五割と暴騰を重ねておる。金はない、物は流された、市区町村の債務保証を受けられない、従って友人にもそういった人がない、全く困り果てた極にある方々を、どういう手段をもって助けるのか。そこで事前に、指令前の着工でもいいから、君の村は何戸の公営住宅、これはこういった国家機関の恩恵に浴されない方を優先的に入れる。なお加えて申し上げますれば、建設省がけつをたたいて、少くともその地元の業者に、片方では堆積土砂の整理をさせ、片方ではどんどんと住宅が建っていくならば、少くとも彼らも次にあの家に住めるのだという非常に安心した、安定した気持で跡始末ができると考えるわけであります。ところが遺憾ながら、今日現在においても、そういった指示が出ておらない。これは法的に出せないのかという点について、一つ局長の御意見を承わりたいと思う次第であります。

稗田治建設技官(住宅局長)

○稗田説明員 災害の際に、公営住宅の建設を早急に実施する手は打てないかどうかというお尋ねかと思いますが、すでにわれわれといたしましても、もちろん被害戸数の三割という限度はございますけれども、未知数でございますけれども、せっかく建設の準備を始めるようにというので、被災地の方には連絡をいたしておるわけでございます。ただこの建設計画につきましては、まだ何戸建てるというわけでなしに、具体的にどこの場所でどういう形のものを建てるという設計もしなければならぬわけであります。そういうようなわけで、なかなか具体的な形にまだ設計がまとまってこないわけであります。私の方では、せっかく督励をいたしておるわけであります。もちろん補正予算等の措置が必要なわけでありますけれども、いずれにいたしましても建設の準備等は、その内数において始めることは可能と心得ておりますので、一応内示というような形でそういう促進をいたしておるわけであります。

服部安司自由民主党

○服部委員 内示でそういった促進をやりたい、大へんこれはけっこうでありますが、先ほどの言葉の中で、建築様式とか、建てる位置とかいう問題、もちろんこれは必要なことは万々承知いたしておりますが、これは平時の問題である、公営住宅には果して何百種類という種類があるのか。すでにある規格はあまり大した数じゃない。私の言うのは、これは愛情の問題だ。そういった気の毒な方々の気持になれる人こそ、私はこの話がわかってもらえると思う。すでにいわゆる公営住宅にはいろいろな規格が建設省できまっている。建設省できめた規格以外のものは現実に作れない。そこで私は、そういうお話もよくわからないことはないのでありますが、特にこの際そういった理屈、理論にこだわらずに、一つ現地の方々の気持をくんで、早急に、内示でもけっこうだから、していただいて、こういった気の毒な方々が、待っているような方々が、あの家に住めるんだというような安心感を持てるようなことを強力に推進してもらいたいことを特に要望しておきます。  次に、ちょっと大臣に伺いたいのでありますが、これはもう伊勢湾台風があって相当大きな被害があって、いよいよこれから復興の段階でありますが、私はこの災害を通じてつくずく思うことは、これは毎年どこかの県で災害があるわけです。おそらくない年がないと言っていいほど災害が来ておりますが、こういう災害があって、まことに大臣以下各局長各係長の方々ほんとうに日夜の別なく御努力願っていることは、これは感謝に値しますけれども、私は少くとも災害があってからこういった騒ぎを起すのが妥当か、災害があるまでに、いろいろの想定のもとに平素から対策を立てていくのが妥当か、一例をあげますならば、もちろんこの災害も多種多様に分れておりますが、農林関係もあり、いろいろと各省にありますけれども、やはり一番の根幹は建設省だと私は考えるのであります。こういった立場から考えたときに、私はいま少しこの災害というときにはいろいろな態勢が整って、すぐに被災地に救援の手が差し伸べられるような態勢が——聞くところによると、何か内閣の中に災害対策何とか委員会があるらしいのでありますが、これも有名無実らしいと聞いております。ところが少くとも一番関係の深い、災害のすべての中心に置かれる建設省におかれては、私はこういった問題が起きる前に、事前に対策を立てておく、それは今度の場合においても、なるほど被災地においては、自衛隊の活躍には非常に感激しておりますし、私たちも、あれを目のあたりに見て非常に喜んでおりますが、これとても、少くとも災害があってから一週間もしなかったならば大部隊が移動しなかった。この問題について私は考えるのでありますが、こういう問題を大臣は平素から、応急の復旧はまず自衛隊の手を借りるという態勢を整える必要を感じておられるかどうか、またそういったことを今度考えられて、今後その対策を防衛庁と連絡をとってやられる考えがあるかどうか、この点をちょっとお伺いしたいのであります。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 災害を未然に防止すること、それからまたこういう際の対策はどうかという御質問でございますが、その対策についての自衛隊の出動を要請するというようなことにつきましては、これは都道府県知事の方で、それぞれ必要によって要請できるのでありまして、私の方から、建設省が出動の願いをするというようなことはいたしておりません。災害を未然に防止するということにつきましては、全くお説の通りでありまして、今次災害を見ましても、また私もこの二十一年以来の台風の被害の状態を見ましても、建設省が相当抜本的に改修をしたその公共施設は、ほとんど被害を受けていないといっていいほど被害が少いのであります。ずっと従来かち非常に不安定なところがあって、そこを早く改修しなければならない、こういうように予算要求をし、またその改良計画を立てた、そういうところに災害が大きく来ておるというこの現状にかんがみまして、今後、われわれがすでに昭和二十八年に策定いたしました建設省のいわゆる新治水緊急事業を強力に推進することによって、災害を未然に防止するという対策が講ぜられることと思うのであります。

服部安司自由民主党

○服部委員 私が大臣に伺った要旨とちょっと違うように思うのであります。もちろん現在の災害時には、都道府県知事の要請によって自衛隊の出動は可能であるということは、万々承知いたしております。ところが今度の災害を通じて、あまりにも自衛隊のまとまった力の援助をする時期がおそかった。これも一例をあげますと、私ども奈良であったわけでありますが、堆積土砂の搬出の問題についても、要請してもなかなかうまくいかない。私は今まであったことをどうこう言うのではない。結局これから災害時に、一応昔の軍隊のように、いっでもそういった要請に応ぜられる態勢を平素から作っておく、もちろん現在までは、それは都道府県知事の要請によって行われるのであります。あなた方は閣議に出られるのだから、ほんとうにこういった場合に態勢を整えて、一つの命令系統ですぐにそういった要請に出られるような態勢を作る考えはあるかないか。この問題を質問しておるわけであります。私は劈頭に申し上げた通り、自衛隊の活動はめざましいものがあって感謝にたえない。けれども、現実に出動の時期がおそかった。せっかくああいった機関があるのだから、こういった場合に出ていって救済するのが彼らの任務なのだから、こういう機構をこれからの災害に備えて態勢を整える考えがあるかないか、これを防衛庁あたりと連携をとって、また内閣あたりで計画を立てられる考えがあるかないか、この点でございます。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 この点は、先般の閣議でも話題になりまして、もうそういう非常事態の際には、要請一本で直ちに出動できるような措置をやろうということに話し合いができております。なお、現在の場合におきましても、都道府県の方から要請があれば、これは絶対に拒むものでない、直ちに緊急事態に対処して参ることになっておりますので、その点については、ただ都道府県知事がすみやかに要請すればよいということでありまして、その問題も、非常に出動がおくれたということは、今日の機構の問題でなくて、都道府県知事の考え方にあったのではないかと思います。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 服部君、きょうは九人ございますから……。

服部安司自由民主党

○服部委員 その点が疑問なのです。大いに考え方にあったわけです。経費の問題、いろいろな点で考え方があったのだから、一つほんとうにそういった人々の気持になって、愛情を持って措置せんとする考えのあることの少い人よりか、一本にまとめて、真にそういった気の毒な方々を救う態勢をふだんから作ってもらいたいということを、私は特にお願い申し上げておきます。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 塚本三郎君。十五分くらいで一つお願いします。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 私は、不幸に罹災地におりますので、現実にこの被害のまっただ中におります国民の声をそのまま皆様方にお伝えいたしまして、このときこそ国民と政治とが直結した活動をしなければいけない、かように思っておりますので、政治家のような、あるいはまた専門家のような意見とは違った観点から、率直に国民の声として大臣にお尋ねしてみたいと思っております。従って、多少政治家としては不見識な御質問になることもあるかと存じますが、しかし悲痛な罹災者の声でもございますので、具体的にお答えをいただきたいと願っております。  まず、昨日来二階堂委員及び逢澤委員から御報告や御質問がありまして、一々私どもは罹災地の一人として共感し、その具体的な実施を期待いたしております。ただそこで特に罹災地で今一番問題となっておりますのは、御承知の通り一刻も早く潮をとめなければいけないという問題であります。しかしこれも、河川局長の御答弁によりますると、なお三十日、おそいところにおきましては五十日くらいの日時はかかるという御報告が昨日ありたわけであります。この点、もちろん今日文明の世の中において、具体的に、そしてまた合理的に一番安い経費で、そして一番利口な筋道を通れば、昨日河川局長が御説明なさったような結論になると思いますが、しかし岸総理も現地においでになりまして、金に糸目をつけずに早く復旧させるのだ、こういう言明がありました通り、この問題は、すでに単なる復旧の問題、あるいは災害復興の問題ではなくして、罹災地におきましては人命の問題だと心得ております、こう考えて参りますと、一刻も早く潮をとめなければならないにもかかわらず、なお三十日ないし五十日かからなければ水が引かないという態勢は、私どもやはり責任の衝の立場にある方の言として納得のいかないところだろうと思うわけです。もちろん私ども現地の立場から言いますると、堤防を築くために、堤防のところまで土砂を持っていくための、まずそこに近づくための道路を今建設しつつあるという実情であります。だから、具体的に言いますると、非常にむずかしいことでありますが、しかし遠隔の地から、大きな船で海を通ってその堤防のところまで近づくことなら、可能であろうと思うわけです。もちろんこれには、二倍ないし三倍の予算が要ることも私たち知らないわけではありません。しかし現実に、もちろん人命の被害のない程度にななっておるのかもしれませんが、しかし今日伝染病が蔓延しておる実情にあります。こういう中においては、一刻も早く掃除をしなければならないと思っても、せっかく掃除をして土砂を集めてみても、また夕方には潮がきてそれを流してしまう。こういう状態でありますから、一刻も早く水をとめなければならないが、この点、もう少し早くすることができないのであろうか。合理的に、あるいはまた法律にのっとった立場でいきますならば、河川局長の説明の通りだろうと信じております。しかしながら、これを何とか金に糸目をつげず、あるいは人命の問題として対処する場合においては、何らかの方法が今日はあると思っております。特別に自衛隊をもっと増強をするなり、あるいは船を使うという方法等を施したならば、もっともっとこれが三十日が二十日になり、あるいは十五日になることも私は不可能ではないということを現実に見て知っております。この点、大臣はもっと早くするような方法について具体的にお考えがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 浸水個所を一刻も早くかわかしてやるということ、それから住居を与えてやるということは、これが今回の災害復旧の一番柱であろうと私は思っております。私も現地をつぶさに視察いたしまして、この二つに建設省としても、また新しくできました災害対策本部といたしましてもすべてを集中して、総力をあげて、各省ただこの線にすべての力を注いでもらいたいということを要請いたしまして、いろいろとその仮締め切りの対策をいたしたのであります。しかし、御承知のように海岸堤防でありまして、しかもその破堤個所が八・四キロメートルというような広範な、それが伊勢湾と続いているというような状態になっておりまして、昨日河川局長から御報告のありましたあの程度の時日は、私どものすべてをあげて、一刻も早く、一時間も早く被害者の気持になってあの浸水から救わなければいかぬという最大限のところであります。しかしながら、また塚本委員のお話のように、それよりたとい一日でも二日でも早い方法があれば——これは対策本部におきまして日夜苦心して、時間的にも一刻も早くということを研究しておるのでありますから、決して私は、昨日ここで御報告申し上げましたことが絶対であるということは申しませんが、われわれのすべて、人力のすべてをあげて御要請にこたえたい、こう思っております。それから道路は道路として、海岸堤防は海岸堤防として、これはそれぞれ作業は別になってやっております。道路につきましては、地元も、あるいは建設省も、また自衛隊もすべてが一体となって施行いたしておりますし、また堤防につきましては、別途にサンド・ポンプを——私ども当初このサンド・ポンプの集め方が非常に心配でありたのでありますが、幸いにして大体これだけあればというその予定よりも、むしろ二、三千トンくらい多く集めることができまして、まず所期の目的を達成できると確信いたしております。総理が、この災害復旧については国費を惜しまずにというこの気持は、十分私どももこれを尊重してやっておりますが、その点に関しましては、一昨日書あたり名古屋において、鉄船を五隻も七隻も沈めてでもあの破堤個所を復旧しよう、こういうような、かつてわれわれが仮締め切り工事に考えたこともまた経験もないことを今回はやっていこうというほど、政府といたしましても力を入れてやっておりますので、われわれは決してこれが絶対だ、これ以上のことはないとは申されませんので、なお研究しながら、一刻でも早くこの締め切りを完成いたしまして、浸水から早く罹災者を救おうということに十分力を注ぎたいと思っております。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 御努力のほどはわかるわけでありますが、陸地からの締め切りと海からの締め切りと、この点、私はまだ海の方からの努力が足りないのではないかというようなことを思っております。もちろん今日の力としては、非常に無理なことかもしれません。先ほど自衛隊の話も出ておりました。県知事の要請があればというお話でありますが、ほとんどの県は、出動しておってくれると思っております。これらの点、私たちは非常によくやっていただいたということは、正直に認めて差しつかえないと信じております。ところが何せ数が非常に少いということであります。たとえば罹災地におきましても、もっと数がいてくれたならばもっともっと伝染病等も防げるはずだと思うわけです。せっかく掃除をして片づけかけたところへ、また波がきてさらってしまう。片づけたあと、それをすぐ処置してくれるだけの力というものは、もはや今日の普通の力ではできないことと思っております。その点、もっともっと数を多く出動させることができないものであろうか。おそらく各県とも、大臣の要請によって自衛隊は活躍しておってくれます。しかしながら、数があまりにも少いということ、あるいは時間になると帰っていってしまうということ、これらの点が、非常に住民にとっては物足りなさを感じておるところだと思っております。この点、もっと県知事だけにまかせておかずに、建設省の方からもともに要請をして、もっと数多く出してほしい。もちろん聞いてみますと、自衛隊の予算等もあるようでございますが、しかしながら、こういう際は特別の事態だと思いますが、いかがでしょうか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 先ほど海岸からの締め切りが遺憾な点があるというような御意見でありましたが、これが河川の堤防の決壊個所でありましたならば、ブルドーザーを何十台も持っていって、四十日も五十日もかからないで、その半分以下で私は十分その締め切りの目的を達成できると思いますが、先ほど申しましたように、全く海につながっておりまして、絶対にあの現状では、サンド・ポンプによって穴埋めをしなければ、どうしてもブルドーザー等が入らないので、その点については、十分ここで専門的に研究してやっておりますので、御了承をいただきたいと思います。  それから自衛隊の要請の仕方が少いのではないかということは、絶対にそういうことはございません。自衛隊は、必要ならば何万でも出動させるということを、防衛庁長官も言明しておりますし、また私どもも、自衛隊が必要であれば、都道府県知事と相談して、こういうふうにしたらどうだというようなことも遠慮なしにいたしますが、いろいろな関係もありまして、自衛隊は今の程度で問に合うということに私どもは聞いております。もしも必要がありますならば、今直ちにでも、これは何千でも出動せしめることはできます。その点、一つ御安心願いたいと思います。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 大へん地元の人が聞いたら喜ぶだろうと思いますが、現実には、そういう点、せっかくここまで手伝ってくれたにかかわらず、やれやれもう少しというところになると、その自衛隊が引き上げてしまって、次の地点に行ってしまうということで、切歯扼腕しておるのが現地の偽わらざる実情でございます。この点、昨日二階堂委員からもるる痛切な御批判もありましたように、大臣の立場では、あるいはまた向うの本部では、絶対そういう間違いはございません、何万でも出動さぜますという御意見でありますが、現実には、せっかくきょうまでやってくれた、もう二日おってくれたならば助かるというところを移動さぜられてしまって、そして中途半端になって仕方がないから、家の整理をしておるところの消防を再度また要請してきて、自衛隊の何分の一にしか足りないような力でもってこれを補っていかなければいけない、これが現実の姿です。だから言ってみるならば、政治の力というものと直接に罹災者との間において、大きな流通の途中にギャップがあると思うのです。民主政治の一番いいところは、その国民の声が直接に法律や技術的な問題や手続や、そういうものを乗り越えてすぐ政治が国民のところに現われるところに、議会政治の一番いいところがあろうと思っております。しかるにかかわらず、今日その欠点がはっきり暴露しておるということを、私は非常に悲しく思っております。今こそ政治が国民に対して信用を回復する最も大事なときではなかろうか、こう思ったときに、せっかく大臣がそうおっしゃって、そういう態勢の中にありながら、現地がその恩恵とその救援の手を受けることができないという実情をもう少し知っていただいて、早く上の考え方がそのまままっすぐ下におりるような施策を、具体的に講じていただかなければいけないと思っております。この点、おそらく御異存はないと思っておりますが、御答弁はよろしいが、希望として今申し上げておきたいと思います。  それから二十八年度にこしらえられた災害の特別措置法というものを、今回の災害にも適用なさっていただけることと思っております。しかし、あのときにおいてはなおかつ含まれておらなかった問題、たとえば都市計画に基くところの施設や下水道の問題や、開拓、干拓、こういうものに対しても、一つ二十八年にこしらえられた法律にプラスして実施していただかなければいけないと思いますが、その点、具体的に、現地は政治家の腹を実は期待するのではなくて、具体的にここというところまではっきりしためどをつけていただかないと、当局者というものはなかなか手を出しにくい状態の中にあります。だからこんな大災害が、やってもらえるであろうという腹だけの芸当では、なかなか町村長になりますと、具体的の手をよう出さないのです。そういう点を、はっきりと大臣の口から御答弁いただきたいと思っております。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 二十八年当時の特別立法のようなものにするか、あるいはそれ以上のものにするか、あるいはまたそれの中でいろいろと取捨選択をするかということについては、目下研究いたしております。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 もちろん研究いたしておりますということは、実施することは間違いないが、その内容についてどうするかということだろうと思いますが、そういうふうに考えてよろしうございますか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 この特別立法等につきましては、ただ単に建設省だけの、私だけの考えではできないのでありまして、いわゆる政府全体の問題でありますので、これは農林省関係もありますし、また運輸省の関係もありますから、これはすべて政府全体でよく研究した上でこの立法措置をやらなければいけません。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 それはよくわかりましたが、それでは建設大臣は、やるべきだという意見でもって閣議に臨むという腹は持っておいでになるのでございましょうか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 もとより私は、特別立法を必要といたします。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 今回の問題は、これはいつの災害のときでも言えることでございますが、復旧ではなくして、もっといい改良でなければいけない。これももちろん、近代科学の建築工法の立場では立然のことだと思っております。しかし私は、地元のことを申し上げて大へん恐縮でございますが、中京地帯といいますのは、今後日本の産業にとって決定的な役割を果すべき大きな意義を持った地帯であろうかと考えております。もはや京浜及び阪神地区におきましては、地下水その他の問題等で飽和状態になっております。唯一の、今後日本が海外貿易を中心といたします大工業地帯としては決定的な役割を果すことと信じております。なるがために、昨年はやはり工業地帯造成公団等の案も一応示されておったことは、承知いたしております。こういう点等を検討してみますと、この中京地帯に対して抜本的な対策を立てるために、中京地域の復興開発総合計画というものを立てられて、そうしてこの政府のそういう総合計画のもとに、復興計画を抜本的に立てられる必要がある。これはもちろん各地にも言えることでありますが、しかし工業地帯として考えてみるときに、中京の発展は目ざましいだけではなくして、もはや日本にとって最も重要な心臓部であろうかと思っております。そういう点を考えてみますと、そういう特別の関発総合計画というものを立てたいという意思が、これを機会に地元から非常に強く要望として出ておりますが、その点、大臣の御見解を承わりたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 今日の日本の国土の現状にかんがみまして、いずれの地点といえども重要な地点でありますので、もとより中京は重要地点であることは間違いないのでありますが、これは私ども十分研究いたしまして、ただ地元から陳情があるから、直ちにそこにのみそういう総合開発的なものを作っていいかということについては、非常に研究を要すると思います。そうなりますと、どこもかしこもみなそういうものが次々とできまして、かえって間口だけ広くなって、ちっとも奥に入っていかないというような考えもありますので、十分検討した上でやっていきたいと思います。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 それはおざなりではなくして、特殊事情の地域であることを勘案していただきまして、ぜひ御検討いただきたいというふうに願っております。  それとともに考えられますことは、昨日ですか、毎日新聞にも具体的に報せられておりました通り、あのような台風が参りますると、ひとり中京地帯だけではなくして、関東に参りましたときにはさらにその被害は甚大ではなかったかということも、識者のだれもが口をそろえて言っておるところだと思います。そう考えてみますると、私たちは、海岸地帯に対しては、もちろん通商貿易の立場から重要性は認めまするが、この際国土の総合的な計画開発について再検討を迫られておると私は考えております。そういう観点から考えますると、単なる今日だけの経済効果を考えた復旧、あるいはまた開発ということだけではなくして、恒久的な開発が必要ではなかろうか、本委員会におきましても再三にわたって論じております国土開発縦貫自動車道建設法の具体的な実施につきまして、中央道の問題、これは中島委員等から再三にわたって述べられておるところだろうと思っております。この点、私は海岸地帯が、現実におけるところの経済効果をねらってはきわめて大きな意義があることは認めざるを得ません。しかし、だからこそ、被害のときもまた甚大な被害をこうむっておったことも、これまた否定することができないのではなかろうか。現在の経済べースに合うところだけに重点を注ぎまするから、通商貿易に一番便利な海岸地方だけになる。そしてまた、道路も交通も一切海岸に集中いたしております。それがために、一たび災害が参りますると、総合的な壊滅状態を受けざるを得ない状態になっております。そう考えてみますると、国土の総合開発計画については抜本的に、特に国土の内陸部に対するところの開発について、今こそ本腰を入れる必要性に迫られておる、かように考えております。特に今具体的に実施を見んとしておりまする縦貫道に対する中央道の問題、これはまた単なる交通網だけではなくして、交通を中心として内陸部の開発に対して力を注ぐということ、これはやはり具体的な計画を立てる必要があると思いますが、その点、いかがでございましょうか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 非常に重要な大きな問題でありまして、これは国費の許す限り、どこまでもこの中央道についても積極的に進めることがよろしいと思います。しかし、すべては国の財政あるいはその他いういうな問題と関連いたしております。私どもとして当面の問題といたしましては、道路の問題については、道路の問題として別にこれを考えていく。しかし、われわれこの新治水事業五ヵ年計画というものをどうしても実施するということで、災害に対する国の保善、国土の保善については、この程度で一応われわれ考えて進めていきたい、こう思っております。中央道の問題について、私、もとよりあの地域の開発、または弾丸自動車道路というようなことは必要であろうと思います。しかし、これは今必要ではあるが、それではどうするかと言われた際に、私から今直ちにこういたしますというような御答弁はできませんけれども、しかし、お説のように非常に重要なものであるということは、私は、はっきり申し上げられると思います。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 重要性は認めておいていただき、なおまた財政の問題だろうと思いますが、私が申し上げたかったことは、今日の経済状態にペイするところだけに重点を注いでおりますると、被害があったときに同じような重大な状態になる。この点、一つ単なる経済ベースだけを考えずに、国土総合開発という立場で御検討がいただきたいというふうな立場で申し上げたわけで、この点、私、今すぐというわけでありませんが、ぜひ御検討いただきたいと思っております。  それから地元にとって今すぐ考えなければならない問題として浮んで参りますことは、たとえばこの際であるから、水害に耐えられるような建築物、これは防火と災害とを兼ねた建築でありますが、工場なりあるいは個人住宅なり、そういうものについて、不燃建築あるいは防災建築等をいたします場合に、これが税金等の問題で、査定の場合固定資産が高く評価せられてしまうわけです。従って、災害地においてこれからは——そういう地帯ですから、再びこのようなことがないとは断定できない。従ってバラックのような本のではなくして、金のある人は、この際であるから不燃建築を作りなさい、これは為政者の立場から当然の声であろうと思っております。しかも地元市町村は、それを期待いたしております。その場合に、せっかくそういうふうにいたしますると、やはり固定資産というものの課税標準が高くなって参ります。これは、災害地だけはぜひ特別の施策を講じなければいけない。この点、大蔵大臣ととくとお話をいただきたいと思っておりますが、大臣のお気持を承わっておきたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 今、塚本委員のお説、被害地に永久住宅を建てるということは、そういうような固定資産税の一時的なものでありますならば、そういうものを私は相当考慮する必要があろうと思っております。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 災害復興に対する住宅の問題として再三先ほどから論ぜられておりますが、この際町村長の保証があったならばすぐ金がおりる、こういうお話でありますが、町村長にとっては、それは非常におそれられております。それは、わずかな人数じゃなくてたくさんですから……。昨日もちょっとお話し合ってみましたが、これは、もう町村がつぶれるようなことはない、破産するようなことはない、あとは国が引き受けるから。これは政治家の腹だろうと思います。しかし町村長は、そんな無責任なことはできないのです。またそんなことをされたら困るのではなかろうか。だから、やはり国が再保証するようなことを立法措置として講ずる必要があろうと思います。この点、町村長が安心して保証してやれるような立場においてこそ、具体化するのではないかというふうに思いますが、その点、どうでしょう。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 これも、やはり建設省の考え方というものと、大蔵省なりその他関係各省との考えが違うと思います。これは、政府部内で相当話し合いをする必要があろうと思いますが、軽率には私は御答弁できぬと思います。しかし私の気持としては、町村長がやってくれればいいことであろうと思います。今の塚本委員の御説のような町村長もありましょうから、これは別途にわれわれ研究してみたいと思っております。

塚本三郎日本社会党

○塚本委員 では最後に。いろいろと大臣及び各委員の方が現地をごらんいただきまして、もちろんこれは、ただ単に愛知だけの問題でないことも承知いたしております。ここで私たちは過去のことを思い起すわけでありますが、いずれの場合でも、災害が起きて参りますときには、抜本的な対策、そうして大臣は、骨身にしみてそのことを焼きつけていただいて、実施しようとはかっていただきます。ところがこれを実施しようといたしますると、すぐ大臣は更迭になってしまうということで、大臣の寿命は一年間というのが過去の経験の姿でありまして、せっかくこれから着手の段階に及びますると、すぐかわってしまって、抜本的な対策が講じられない。しかし幸い村上大臣は、新任早々でありますから、これから寿命は長いと信じております。従って、このときこそ具体的に、これを強力に実施していただかなければならない。特に大きな問題は、大蔵大臣との問題ではなかろうかというふうに考えております。この点、どんなことでも大蔵大臣によって押えられてしまうようなみっともない姿は、これは委員の力で押し上げていかなければならない、かようにも考えております。特にこの今回の被害を受げました海岸堤防等を調べてみますると、建設省はほとんどいたんでおらない、農林省の作った堤防がいたんでおる。あるいは地方の行なったのと農林省との間の継ぎ目がほとんどやられておる。こんなことで、総合的な、一貫した災害に対する、あるいは潮に対する対策が講じられておらない。これは閣議の中で、ぜひ大臣は力を入れて——やはり災害の問題は、建設省が中心でなければならぬことは当然だろうと信じております。従って、幾多の大きな問題があると思っておりますが、しかし技術的な、あるいはまた法律上のことはあると思いまするが、しかし現地の声というもの、あるいは国民の声をそのまままっすぐに通すような施策というものは、現地をつぶさにごらんになった大臣が一番よく知っておられると思います。従って、法律上のいろいろ具体的な問題はあると思っておりますが、しかしそれらの問題を乗り越えて、一つぜひ一本強い線を出し、事災害の問題、あるいは国土の総合的な開発の問題については強い発言をしていただきたい。それでなかったならば、いつまででも同じようなことが繰り返され、あるいはまた大蔵省の発言によって徐々に切りくずされてしまう。こんなことになると思いますが、この点、最後に、大臣の決意のほどを伺いたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 今回の災害がなくても、これだけの大きな犠牲がなくても、私といたしましては、十分新治水五ヵ年計画を実施いたしまして、国土の保全を守って参りたい、この決意は、あの災害がなくても私は変えるものではありません。従って、大蔵当局に対しましても、必要最小限度の要求でありますので、これをどこまでも要求いたしまして、あくまでも国の安全、国土の安全を期したいと思っております。抜本的な諸施策を、施設をやりますれば、災害はよしありましても、非常に減少いたしておりますことは、二十八年の大災害当時修築いたしましたあらゆる公共施設が、さほどの被害もないという現状から見ましても、どうしてもこの際私どもとしては、国土を十分守るために、これらの最小限度の治水事業の完璧を期したい、かように思っておる次第でございます。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 木村守江君。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 私は、昨日来大臣の答弁の中に、今回の災害対策に対しましては、抜本的な対策を立てるというような力強い発言を聞いておりまして、心から喜んでおるものであります。     〔委員長退席、堀川委員長代理着席〕 しかしながら、抜本的な対策とは何かということになって参るのであります。抜本的な対策と申しますと、一方から考えれば、いわゆる応急的な対策、一つは恒久的な対策であろうと考えるのであります。そういうように考えて参りまして、今回の天災、いわゆる災害を見たときに、大臣は、天災であるというような話でありますが、台風が来ること、これは現在の人為をもっては、現在の科学の力をもっては、あるいは天災であるかもしれませんけれども、この台風によって起るところの被害というものは、私は必ずしも天災なりといってぼう然としていられないものがあるのではないかと考えるのであります。こういう点から考えまして、今回和歌山県の実際の状態を見て参りまして——和歌山県は、御承知のように紀ノ川、有田川、日高川、日置川、新宮川、この五つの河川がありますが、二十八年災害については、有田川、日高川が非常に甚大なる被害を受けまして、死者千名に近い犠牲者を出したような状態でありましたが、この有田川については、災害助成によりまして二十億円の金を投じまして、その八五%以上が竣工した状態にあるのであります。日高川は、これまた災害助成によりまして十億円の金をかけまして、その九〇%に近い竣工を見ておりまするが、今回の災害に際しましては、この両河川ともほとんど被等がない。しかもこの五つの河川につきましては、大して条件が違わないにもかかわらず、被害がないというのが実際の状態であります。ところが日置川におきましては、これは災害助成ではなく、いわゆる原形復旧、災害復旧工事をやったために、同一個所が四カ所にわたって災害を受けておる実際の姿を見て参りました。また紀ノ川におきましては、御承知のように、河川改修をやりました部分におきましては、何ら被害を受けておりませんけれども、河川改修をやらない部分においては非常な災害をこうむっておる状態を見て参ったのであります。こういうような和歌山県の姿を見ましても、私は今回の災害は、天災であるというようなことで片づけ得ない問題であるとうら。これはわれわれひとしく国民といたしまして、人為で何とかなったのではないか。ことに建設省関係の皆様方は、自分の気持に聞いた場合、いま一歩の努力があったならば、この災害を減少させることができたのではないかというようなことを考えると思うのであります。  御承知のように昭和二十八年には、政府におきましていわゆる治山治水の基本要綱というものを示しまして、一兆二千七百七十億円をかけることによって初めて日本の国土を保全することができるのだということをいっておりまするが、これに対しまして、果してどれだけの仕事をしておるか、わずかに一六%内外の仕事きりしておらないという状態を見たときに、私は、こういう状態であっては、今回の台風そのものは天災であったかもしれませんけれども、台風によって起ったところの被害というものは、これは天災なりと一言にして言うことはできない、これは人災であるのではないかと大きな疑問を拘かざるを得ない、これは人災なりと申し上げてもいい点があるのではないかと考えるのであります。こういう点から考えまして、昭和二十八年に治山治水の基本要綱ができておるにもかかわらず、こういうような一六%の仕事きりしていないという状態は、果してこれは建設省が悪かったのか、それとも国の財政をつかさどる大蔵省が悪かったのか、あるいは企画庁の方が悪かったのか、私は、今回の治山治水の特別会計をめぐりまして、この三者に意見の相違があること々考えましたときに、今回の災害に際しまして、特にこの問題を追及してみたければたらないと思う。この原因を追及してみたければ、被災者に対して、ほんとうに住むに家なく、とうとい一命を失った家族に対して申しわけないのではないか、そうして、こういうような問題を解決いたしまして、初めて大臣の言われるところの抜本的な恒久対策ができるのではないかと考えておりますので、この点につきまして、大臣の答弁。並びに大蔵省のあれですから大蔵省、それから企画庁はよく話がわかっておるからという話でありましたので、きょうは来ておりませんが、御答弁をお願いしたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 お答えいたします。私も昭和二十八年のあの和歌山県下の有田川、日高川等の大災害の跡を受けまして、いわゆるあの当時制定されました特別立法によってあれらの河川の復旧工事がなったその後の状態も視察をいたして参りましたが、今回、これらの災害復旧々完全に、抜本的にやった河川にはほとんど被害が皆無だったということを聞きますと、私どもが、今ここにどうしても治水事業五ヵ年計画としてこれだけの施策はやっておかなければならないということが、この国の経済状態とあわせて考えた場合の抜本的な施策であろう、私はかように思っておる次第であります。今回の災害の各所の現地を視察いたして参りすしたが、そのいずれの個所も大体改良々施したところ、あるいはまた二十八年の大災害の際に、いわゆる当時の国の経済の許す限りの抜本的な復旧工事々やった個所は、ほとんど災害を受けていないといっていいのでありまして、明治以来ずっとそのまま——これも財政の都合でありましょうが、放置されておったところに非常に大きな被害々こうむっておりますことも、われわれは率直に認めざるを得ないのであります。従いまして、今回の災害の恒久復旧につきましては、十分改良的な意味もあわせ用いまして、将来かかることのないように治水の完璧を期したい、こう思っておる次第であります。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 私は地方財政を主管いたします大村主計官でございます。ただいまのお話でございますが、所管が違いますので、ちょっと責任ある御答弁を申し上げかねますが……。     〔「責任のない者が答弁しても何にもならないじゃないか」と呼ぶ者あり〕

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 どらも大蔵省の担当係官がいないことには、私の質問の大半が意味をなさないことになりますが、ちようど大村主計官が見えておりますので、この趣旨をよく伝えまして、この次の委員会にも明確な答弁をできるようにお願いいたしたいと考えます。     〔堀川委員長代理退席、委員長着席〕  昨日の委員会におきまして、元建設次官でありました石破鳥取県知事が参られまして、その陳情の中に、こういう言葉がありました。今回の災害は来たるべくしてきたのである。私は、この建設行政の権威者である石破知事の、今回の天災は来たるべくしてきたものであるという言葉は、非常に重大な意味を持っておるのでございまして、これは、なすべき処置をとっておったならば、こういう悲惨な災害は起らなかったのだというような言葉であると解してさしつかえないと思うのであります。こういう点から考えまして、ほんとうに抜本的な対策をいたすといたしましたならば、これは、臨時的な処置についてはいろいろやっておりますが、私は少くとも恒久的な治山治水の対策を講じて参ることでなければならないと考えております。幸いに大臣は、これに対しましては非常な決意を持っておりますが、これは何と言いましても、しまいには経済問題だ、金がないというような問題で、これはしり切れトンボになってしまうのが通例でありますが、大臣におきましては、建設大臣の職を賭しても、日本国土の保全をいたすために、また将来日本国民を災害から救うためにも、この治山治水の根本的な対策を立ててもらいまして、そして民心の安全をはかって参らなければならないと考えるのであります。  私は、ここでいろいろ御質問を申し上げたいことがありますが、時間の関係で簡単に申し上げますが、私がいま一つ質問を申し上げたいのは、ただいま塚本委員の質問の中にもありましたように、建設省の工事はあまりこわされていない。ところが、農林省関係の堤防はほとんど破壊されたというような言葉がありまして、この言葉に関連いたしまして、私も和歌山県の海岸線を見て参りましたが、これと同様な状態を見て参りました。私は、ここにいわゆる役人のセクト主義の大きか弊害があるのではないかと考えざるを得ないのであります。特にあの紀ノ川上流の大台ヶ原に今回の非常な豪雨があったために、あるいは熊野川、あるいは吉野川、紀ノ川と、大きな災害をこうむったのでありますが、大迫ダムをもってこの洪水の調節をはかっていかなければいけないというような問題があったそうでありますが、これは農林省と建設省の意見が一致しないために今日まで放置されておったのであるというような話を聞くのであります。もしもこういうことがあったならば、これは農林省と建設省の役人同士のけんかでもって、そうして奈良県、和歌山県の両県民に非常な災害を与えたというような結果になりまして、これは許すべからざる問題であると考えるのであります。もしもこういうことがあったといたしましたならば、これは大へんな問題でありまして、それに対しまする真相がわかっておりますならば、これに対する真相並びにこういう問題に対しまして、これからどういうような方法をとって災害を防いでいくかというような考え方をお聞きしたいと考えるのであります。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 ただいまの奈良県の奥地におけるダムの問題でありますが、今回の奈良県下の大被害について、奈良県知事からその陳情の中に、ただいまのような意見が含まれておったのであります。私といたしましては、今日までの経緯については十分これを察知することはできませんので、事務当局からお答えいたさせます。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本説明員 ただいまの問題につきましては、戦争後河川の開発を行わたければいかぬという問題がありまして、例の十津川、紀ノ川総合開発計画というものが問題になりました。それにつきまして、いろいろな案があったわけでありますが、当時の経済審議庁と申しますか、そこで調整をとりまして、十津川の猿ヶ谷ダムにつきましては建設省の担当、紀ノ川の上流のダムにつきましては農林省が担当しようということで総合全体計画ができまして、担当もそういうふうに話し合いがついておるわけであります。従いまして、吉野川の上流の大迫ダム、もう一つ津風呂というダムがございますが、これらにつきましては農林省が具体的な調査をいたしました。また計画も立てておるわけでございますが、今回の災害にかんがみまして、五条市から上の洪水の問題につきましても、何とか上流で貯溜しなければならぬというような点も私どもも痛感しておるわけでありまして、農林省等ともよく相談いたしまして、同じダムを作るならば、それも一つ洪水調節で使えるものならば、そういうように考えたいと思っておるわけでありまして、農林省とも具体的にお話し合いをしたい、こういうように考えます。  猿ヶ谷ダムの方は、すでに二、三年前に完成しておるわけであります。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 私は、何も建設省が農林省の仕事を取り返してやれというような意味を言っておるのではないのです。農林省の仕事は農林省でやらしてもよい。建設省の仕事は建設省でやらなければならないということを考えるのですが、先ほど塚本君の発言の中にあったように、ややもすれば農林省の仕事というものは、やはり本職でないような関係から、私はどうしても無理だというような気がする。今回の災害の被害を見ましても、そういうようなことが言えるのでありまして、またそういう点から考えまして、これは自分のところでやらなければいけないのだというようなセクト主義を廃しまして、ほんとうに建設技術を発揮しましてりっぱなものを——日本の国の金を使ってやるのですから、話し合ってりっぱなものを作っていくように話し合わなくちゃいけないということを考えます。いろいろ質問したいことがありますが、きょうはあとたくさんおりますから、一応お願いしまして、私の質問を終る次第であります。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私建設大臣を初め関係局長、防衛庁、大蔵省にそれぞれ質問いたしたいと思います。  まず建設大臣に質問いたしたいことは、治山治水の根本の政治思想について、私端的にお聞きいたしたいと思います。それは、災害ごとに各県から陳情が参りまして、その窮情を訴え、そしてまたわれわれは、その復旧について大臣を激励したり批判をしたり、それに対して、大臣はまた努力すると答えられておる。この姿に、私はうつうつとして少しも楽しんでおりません。何となれば、災害が起ったそのあとに災害救済があり、そのときに補正予算の要求があって、原形復旧がある。その悪循環が繰り返されて、年々この災害が減少していないのであります。むしろ増加の傾向にあるというこの姿の中には、政治はないと思う。そこでお聞きいたしたいのですけれども、先ほど木村委員が話されたように、災害は天災か人災かという問題がありましたが、これも端的に、私は大臣から、天災であるか人災であるかということをお聞きしたい。そうでないと責任の所在が明らかになっていない。  それから予算について大蔵省に見解があれば——責任者がいないので、あとで私は聞きたいと思いますけれども、予算の思想についても、治山治水の予算を要求して、それを拒否する大蔵省の理由には、経済効果が薄いからということで、出し惜しみをしている思想がある。しかし治山治水の予算というのは、経済効果というものできめるべきものでない。防衛費と同じように、国土保持という、経済効果を越えたものでなければならないのでありますが、そういうように予算の思想についても、治山治水に対する政治思想というものが確立されていないじゃないか。また原形復旧の思想というものは、まだぬぐい去られていない。またこういう問題のときには、必ず選挙対策が結びついておる。こういうことを含んで、私はこれを繰り返しても、日本の国土の安全というものは期されないんだと思うので、うつうつとして楽しんでいないわけです。  そこで大臣にお聞きいたしたいのは、今度通常国会に特別会計を設定するとか、治山治水促進法を作るというお考えをお聞きして、それは大いにやっていただきたいが、それだけでは、私はやはり依然として、内閣が更迭した大臣がかわるごとに、予算の略奪戦の中に、力関係において、また大蔵省が今申し上げたようなあいまいな思想を持っておるので、安定したものにならないと思う。そこでもう一歩進んで、国土安全基本法というふうな、思想を統一する根本法というものが必要なのじゃないかと思う。現実に教育基本法、そうして今農業基本法を作るか作らないかということが論議になっておりますけれども、そういう基本法の流行を追うつもりで私は言っておるのではないのであります。よく静かに考えますと、治山治水の要請に対する思想はまちまちであって、統一されていないと思う。江戸時代の古い政治家は、政治の基本は治山治水に勘ありと言っている。しかし、そういう思想はもうなくなっておるのではないか。そこで私は、国土安全基本法というような、思想をはっきり統一したものがない限りにおいては、悪循環が繰り返されてくるのではないか。そういう根本の法案について大臣の考えをお聞きし、それについて御検討願いたい。そういうものを出してこそ、歴代大臣の中に、ほんとうに後世にあるものを残す大臣が初めてできるんだと思うのでありますが、率直に建設大臣の識見をお聞きいたしたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 治山治水のために、いわゆる国土保全のために国土安全基本法というようなものを作ったらどうかという御意見でありますが、これはよく検討してみたいと思います。しかし何を申しましても、国土保全はどうな法律ができましても——どんな法律というとちょっと言い過ぎですが、ともかく私どもは、金がなければどうしたって国土保全は——今まで程度の金をかけておるんでは、どうしてもこういう異常な台風に対しては、完全無欠に国土を守ることは不可能であろうと思います。といって、われわれがただ単に治山治水にだけ国費を投入して、そうして他を顧みないというものではないのでありまして、私どもといたしましては、国土保全のための必要最小限度の国費を治水事業に入れてもらうということが、何よりも肝要であります。従いまして、ただいまの、国土安全基本法というようなものにつきましても、それは、その法律さえあればそういう目的が達成せられることになるようでありましたら、私はただいまの山中委員の御説に賛成するものでありますが、ただ立法だけでは、なかなか金が伴ってこない傾きもありますので、十分検討して参りたいと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣は、私の申し上げたことをまだ十分御理解がないと思いますが、基本法というのは、治山治水の思想というものを確立することなんですから、これについて当然に法律の内容の中に、国の責任を明らかにする条項も含まれ、それから年々歳々国会に災害の報告があり、その報告に基いて、年度ごとに何%ずつ災害を減小せしめるというふうな義務づけが入る、あるいは国土安全委員会というふうなものがこの法律に盛られて、その委員会の決定によって、自衛隊に対して出動の指示をするとか、国土建設のため、治山治水のためにそういう工事を指示することによって義務づけられるような内容が、当然そういう基本法に入ると思います。法律ができても何もならないとか、そうおっしゃる大臣のお考えの中に、治山治水に対する政治認識がないんじゃないか、そういうふうに思うのですが、いかがですか。  それから金がないからというお考えでなくて、予算の使い方の問題を私は言っておるので、現在の日本の国力の限界に立っておる予算というものは、それは当然ありましょう。しかしまだその予算の使い方が残っておるので、今論議は全部予算の使い方だと思う。それと、さらに今度は防衛費、それから治水費、その予算の性格の相違を大臣からお聞きいたしたいと思います。同じなのであるか、違っておるのであるか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 それは建設大臣としてお答えする問題ではないと思います。とにかく防衛費の問題は、これは防衛庁長官なり、あるいはまた政府全体で、また国会で十分審議をした結果この防衛予算というものは全部使われておるのでありまして、私の立場から申しますれば、これをどうしようかとか、あるいはどうしてほしいというようなことは私は申しません。ただ私といたしましては、かねがね申しておりますように、新治水事業五ヵ年計画という必要最小限度のものだけはこれを確保したいということであります。そこで、山中委員のいわゆる国土安全基本法というようなものが、もしもこういうような従来のわれわれの考えておるものよりも、もっと国費をその方面に向けるために非常に有利であり、また効果的でありますならば、これはまた私は大いに検討してみたいと思っております。私としては、今この災害から国土を守るということ以外何も考えておりませんので、国のいわゆる防衛という問題につきましては、私は別にこの災害に対する国土防衛以外のことは考えておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私は、治山治水費と防衛費とのいずれが優先するかということの識見は、建設大臣としては持ってしかるべきであり、持たなければならぬのではないかということをお聞きしたのです。  それから現在の五ヵ年計画は完全にその目的が果せても、戦後三倍になった年々の災害を戦前に戻すだけの案なんです。ですから、これは国土を災害から守る五ヵ年計画ではなくて、戦前の年々の災害費、七、八百億くらいですか、その辺まで戻すだけのものであって、少しも国土を災害から守る計画ではないと思うのです。今国土を災害から守るだけを考えておると大臣はおっしゃいましたけれども、それは守ることになっていない。非常に観念的だと思うのです。そういう意味において、私は真剣にこれを取り上げるのでしたら、やはりそういう思想というものをしっかり持つために、現在の日本の政治思想というものを確立する意味において、それこそ基本法というものを設定して、全部の思想、政治家というものをそういう地盤の中にはめ込んで進んでいくという必要があると思うので、ぜひ御検討願いたい。その私案については、私は一人でいろいろと考えておるのもありますが、次の委員会においてでも、なおまた局長その他関係者に一応どうだとお聞き願って、具体的にやるべきであるかどうか、研究すべきものであるかどうかをお答え願いたいと思うのです。時間がございませんので、大臣にはこれだけにいたします。  それから防衛庁の官房長にお聞きいたしたいのでございますが、まず第一に、自衛隊の任務と災害救済の関係を法的に御説明願いたいと思います。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶説明員 自衛隊の任務につきましては、私からあらためて申し上げるまでもなく、皆様御承知のことと思いますが、外部からの武力侵略、あるいは直接、間接であろうと武力侵略に対してわが国の独立と安全を守るというのを自衛隊の主たる任務といたしております。しかし、平生において災害その他の場合において、人命、財産を保護するということも、これまた防衛庁設置法で明らかに認められておるところであり、自衛隊法にもそれらに関する規定がありますので、平時においては、もとよりこういう仕事をわれわれの任務として考えておるような次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 その規定は八十三条、四条の規定のことですか。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶説明員 防衛庁設置法の第五条に、防衛庁の所掌事務として第十六号に、「天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要がある場合において行動すること。」ができるという規定がございます。また自衛隊法人十三条については、今御指摘の通りでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そこで、自衛隊の責任の問題をお聞きしたいのですが、そういうことができるという規定があるとすれば、義務として規定されていないのかどうか。なぜ私がそういうことをお聞きするかというと、自衛隊が出動するについても、もしおそくなったとか、早く切り上げたとかで十分に効果が上らないという場合にも、自衛隊に対する責任というふうな論議が少しも出ていないと思うのですが、それほ法律的にどういうふうになっているか、もら少しはっきりお聞きいたしたいと思います。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶説明員 ただいまの御質問の点でありますが、一応自衛隊としては、府県知事の要請に基いて出動するというのが建前に相なっております。ただし要請を待ついとまがない緊急の事態においては、要請がなくても出る場合があり得るのでありますが、一応建前としては、知事の要請に基いて出動するということが建前であります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 まだはっきりしない。出動するのは権利であるがごとく、義務であるがごとく、立場がはっきりしないのです。おそらく出動すべき義務が法律的に規定されていると思います。それを前提にいたしますと、そういう義務に基いて災害救助の予算というものが当然計上され、自衛隊の一年間の教育計画の中に、単に人殺しの訓練以外に、そういう国民の災害救助訓練計画というものがあって、それを訓練することが自衛隊の責任ではないか。建設行政の立場から私はお聞きしているのですが、その点、予算が計上され、教育計画に織り込まれているのかどうか、お聞きいたしたいと思います。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶説明員 今お尋ねの点でございますが、自衛隊としては、御承知の通り輸送隊、施設部隊、衛生隊、その他通信隊等、平常の訓練が直ちに災害府県にそのまま役立つという部隊が相当たくさんございます。そうしてこれらの訓練におきましては、御承知の通り、例年の災害でございますので、矛の災害の体験を生かしまして、常時訓練をいたしておるわけでございます。なおまた人命救助等につきましても、陸海空ともふだんの訓練におきまして、十分災害時に役立つようにいたしておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 計画に基いて災害救助訓練がされておられるということでありますが、確実にされておられると私は一応すなおにお聞きいたします。しかし実際には、もしやっておったとしても非常に希薄なものであろう。将来建設省と連絡をされて、危険な地域というのはおのずからわかるのでありますから、そういうものを想定して、単に仮想敵国としての訓練ばかりでなしに、国内に予想される災害地域というものを予想して、そういう訓練をされることを私は希望いたします。それは一つ責任者にお伝え願いたい。次の機会においても私は質問をいたしたいと思うのです。  それから次に、時間がありませんので少しずつお聞きいたしますが、道路工事について受託をされて、各地域において自衛隊が時には工事をされておる。この思想は、国土建設に協力するという思想が含まれてやっておられるかどうか、それをお聞きしたいと思います。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶説明員 今、国またはその他の公共団体から要請があった場合に、施設部隊が出て工事その他をやっておるわけでございます。それは非常に御要請が多いのでございますが、われわれとしては、自衛隊の力ないしは機械力を使うことによって効果が上るというものを標準にいたしたいと考えておるわけでございます。これは、地方の業者その他の関係もございまして、なかなかむずかしい問題でございますが、その主体はあくまで国または公共団体、その他政令で定めるものというふうに限定いたしまして、今言ったような観点から御要請に応ずるというのが大体の建前となっております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私は、これはまた最高責任者がおられないので、次の機会にいたしたいと思いますが、そういう事実の上に乗って、日本の自衛隊が国土建設に対する任務を法的に明示される方向に進んでいくことを私は希望するので、現実お聞きいたしたのでありますが、その点については、おそらく防衛庁の幹部は、現実をながめるときに、国土建設に協力するという任務も自衛隊に入れるべきだという思想を持っておられる人が相当あるのではないかと私は憶測しているのですが、その点の御検討を願いたいとお伝え願いたいと思うのです。これも次の機会に譲りたいと思います。  なお今度の災害復旧についても、新聞の記事を見ましても、自衛隊に対しては感謝にたえないというふうな表現か非常に多い。もしそれが、自衛隊の方からいえば任務以外のことであって、恩を売っておるというふうな思想かあるとすれば、これは、やがて日本の旧軍国主義の思想に移っていく危険があると思う。そういうことから考えて、私は、やはり任務というものをはっきり法律で限定することが、新憲法に基いた民主政治の思想を育てるものだ、すなおに考えてそうであろうと思うのでありますが、自衛隊においては、そういう救済事業あるいは国土建設に協力するという姿の中に、教育の指導理念といいますか、今度のような災害救済は当然に任務として、義務しして国家のために働くのだという自衛隊精神を植えつけられておるかどうか。私は、現在いろいろの人々の言葉の中に、そういう危険を感ずるので、そういう教育指導理念というようなものが明らかにされておるならば、お聞きしておきたいと思います。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶説明員 今お話のございました通り、われわれとしましては災害時に出動いたしまして、人命、財産の保護に当るということは当然の任務だというふうに考え、自衛隊を指導しておるわけでございます。恩を売るなどという考え方は毛頭ございません。その点だけ御了承願いたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 新聞の記事、人々の言葉の中にそういった危険なものがあるので、私は、自衛隊を指導する人々は、努めてそうでない方向に行くように指導していただきたいと思います。  それから治山治水五ヵ年計画というものが一方にあるのでありますが、私は、この国土が十分に保全されるまでは自衛隊を増強しないで、五ヵ年間停止をして、その分を治山治水に回すというふうなことこそ、日本の政治として最もすなおな方向だと思うのであります。年々百億、二百億、三百億、そういう増額をはかっておる。こういうものを、少くとも治山治水計画が完成するまで五ヵ年間防衛庁で予算増額を出さないというような、そういう思想が正しい思想だと思うのでありますが、こういうことも、幹部において私は真剣に検討していただきたいと思うのです。これも私の意見だけ申し上げておきます。  それから大蔵省にお聞きいたしたいのでありますが、災害予算について、直接関係者でないようでありますけれども、災害について先ほどちょっと大臣に質問するときに話はしたのでありますけれども、経済効果によって災害予算の判断をされておるやに聞いておるのでありますが、この辺についての災害関係、あるいは治山治水関係の予算についての大蔵省の大体の省内のものの考え方については、どういう考え方を持っておるのか、それをお聞きいたしたいと思います。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 お答えいたします。ただいま災害復旧なりあるいは治山治水なりの公共事業についての御質問がございましたが、国が直接あるいは補助事業でやっております事業には、いろいろな事業があるわけでございます。従いまして、一律にこういう考え方ということは申し上げにくいわけでございますけれども、災害復旧でございますと、経済効果の問題ももちろんありましょうけれども、災害を復旧するという建前で優先的に考えておる。そのほか非常に経済効果が重点として考えられるような食糧増産とかなんとかいうものになりますと、またそういう見地から検討して事業をながめていく、いろいろな事業ごとに考え方がそれぞれ違っているわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 あいまいで、私の今の質問の答弁になっていないのです。この点については、委員会に責任者が来てからまた質問いたしますが、その点を伝えておいていただきたい。  それからあなたの直接の関係の地方負担の問題について聞きたいのですが、直轄河川というふうな事業費についても、大蔵省で考えておるのは、これは地方の地域の利益になるものであるから、本来は地方の事業であるけれども、便宜的に国が直轄事業と考えておるから、当然に負担をかけるのが建前であるというふうなことが新聞に大蔵省の思想として載ったのを見たことがあるのです。もしそういう根本の考えがあれば、これは建設省と大蔵省が幾ら論議しても、私は大蔵省がその考えを捨てない限りには、こういう治水費というものは上昇しないと思うのです。あなたの考えは、もちろん個人的な意見であれば異議はないのでありますが、主計局その他の考えについては、こういう直轄河川を含んでの治水費というものは、国の責任における事業であるというふうに考えていないのですか、それをお聞きしたい。

大村筆雄大蔵事務官(主計官)

○大村説明員 責任という問題になりますと、これは非常に法律上むずかしい問題になりますが、端的に経費を負担する区分の問題という点からお答え申し上げたいと思いますが、そういう点、まず地方財政法その他に規定してあることでございますが、地方で行われるいろいろな事業は、現在の地方財政法の建前は、原則として地方負担という建前になっておるわけでございます。しかし国民経済に適合した総合的な計画のもとで許されるような事業については、国が一部または全部を負担するという、そういう規定になっておるわけであります。従いまして、例を申し上げますと、治水事業等につきまして非常に大規模な、地方団体が単独でやれないような、あるいは数府県にまたがるような大きな事業、こういうものにつきましては、国が直轄で現在でも実施しているところでございますが、それぞれ地方財政法の根本の建前に基きまして、その一部につきまして、地方団体の負担を直轄分担金という格好で国に納付してもらう、そういう建前になっておるわけであります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 国の事業であるけれども、法律的に、財政的には地方に分担をしてもらっておるという思想ならばわかるのですが、本来は地方の事業だけれども、国の方は便宜上直轄事業をしておるんだというのとでは、非常に違ってくると思うのであります。その点については、また主計局長その他に次の機会になお聞きたいと思うのです。  これに関連して、河川局長に最後に聞きたいのですが、河川行政の中に、今の大蔵省の質問と関連してくると思うのですが、一つの河川で、上流は河川法の適用外とし、中流は準用河川として府県の管理責任とし、下流は直轄河川、たとえば北上川もそうなっておるわけです。そして直轄河川というふうなものも、たとえば盛岡市の人口が非常に稠密で、非常に危険な状況にあるところがまだ直轄河川でないのであります。直接建設省には責任がないというふうな思想で、その辺に手抜かりが出る。それから上流に行きますと、まだ準用河川にもなっていないという姿の中に、一貫をした一つの大きな河川を対象とした治水行政が非常に不統一で、非常に欠点が出ておるのじゃないか、そういうことを、こういう水害の場合においても根本的に考えるべきだと思うので、一つの大きな河川については、上流から下流に至るまで一貫事業として、国の責任においてすべきものならば全部を直轄河川とすべきじゃないかと思うが、その点、どういうお考えなのか、お聞きしたい。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本説明員 今のお考えは、法律上国が管理する重要な河川については全部やれ、こういうお話だと思いますが、ただいまの河川法の建前は、河川というものは国が施策をやるべきものだけれども、その代行者といたしまして、府県知事がそれを管理しておるという建前になっております。そして事業量か多いとか、あるいは数府県にまたがる事業であるとか、そういうところにつきましては、これを国が直轄でやりまして、そして費用を、何がしかはその関係の都道府県に分担してもらう、こういうふうな建前になっております。御説のように、全体を国でやるというような考えもございますが、ただいまのところにおきましては、利害が非常に重要な部分につきましては、国が直轄で工事をやるということでございまして、管理面はほとんどが県がやっておるわけです。知事さんがやっておるわけです。従いまして、その県内の河川につきましては、管理を国でやっておるということはないわけでございまして、知事さんが河川管理者として、県内の河川は管理するというのが建前でございまして、工事は国がやっておりますけれども、やっておる区域につきましても、管理は県知事さんがやっておるというのが建前でございます。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 逢澤寛君。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 私は約束の時間もあるし、すでにもうだいぶ時間を経過しておりますから、問題点を二つにしぼってお尋ねしたいと存じます。従いまして、その関係するところが大蔵省、農林省、建設省、こういうことに分れますが、私のお尋ねしますことで、関係の方が大蔵省から見えておりませんならば、これは非常に重要なことでありますから、その点をまたよくお伝えをいただきまして、適切なる措置を講じていただきたい。  まず第一点は、これは歴年災害で起ってくる現象でありますが、特に今回の伊勢台風におきましては、それがはっきりと現われておる事実が一つあります。それは海岸堤防でありますが、海岸堤防の中で、建設省の施行しておる海岸堤防とそれから農林省が施行しておる海岸堤防とがある。所によると、運輸省も若干これに関連をしておるというような部類に属しておるところがある。今回一番被害のひどかった鍋田干拓地、それからこれに関連しておる地方の実情を見ると、残念ながら建設省関係の施行部分は比較的完全に形を残して、堤防としての義務を尽しておる。ところが地方の人の話を聞いてみましても、それから現地を見ましても、農林省関係の干拓というものは、ことごとくぶっつぶれてしまっておる。ここに関係の方々がおられますから、もし私が申し上げることが間違っておりましたら、それを指摘していただきたい。そこで、地方の人の話を聞いてみると、特に鍋田干拓のごときは全滅しておる、影も形も残していないという実情であります。従いまして、人命もほとんどその村の半分が死亡しておるというのが実情であります。そこで問題は、同じ国土を守っておる、特に海岸を守っておるこの政府の施策について、施行しておる建設物がどうしてそんなことになるか、おそらく国民が一番疑問を持つのは、一体予算が百メートル当り、あるいはキロ当りに対する建設省の施行予算、あるいは工法と、農林省が干拓地として施行する予算とがどういうような割合になっておるか。それから施行の方法や強度はどういうふうな方法を行なっておるか、こういうことに基因すると思うのです。そこで、予算の関係によって強度というものが違ってくる。この現実は今申し上げた通りでありますが、こういう優劣によって国土の保全が期せられないということになると、ゆゆしい問題だと思う。そこで、今後の対策といたしましても、それは、皆さんの御指摘になっていることも一々ごもっともでありますが、国土保全の上からいっても、あらゆる点からいいましても、特に本建設委員会としては、また農林省関係といたしまして、ほかの部分とほ違って、すべての大きな問題に影響してくることでありますから、この点を一応承わっておきます。建設省の、あるいは百メートルとか、あるいは一メートル当りに対する——これは所にも上りましょう、あるいは地形にもよりましょう、一口にこれを表現することはできないと思いますが、大体どういうような予算でやっているか。それから係の方々の良識によってお考えになっておることが、私が今指摘しておるように、建設省の施行の工法と農林省の施行の工法とが違っておるかおらぬか、違っておるとすれば、今後はどういうような方法によってやるか。私は端的に申し上げますが、単価の点においても相当大きな違いがある。そこで違いがあるとすれば——これは、今日直ちに一メートル当り何ぼかということを答弁していただくことは無理だと思います。これは、後日文書によってやっていただけばよろしい。これからよく聞いていただきたいことは、今後少くとも海岸堤防で、多くの土地を守って維持していこうということについては、これは両省が遠大なる計画のもとでやっていただきませんと、ゆゆしいことになる。これは私どもも黙っておれぬ、国民も黙っておれぬことになるから、どうかこの点は、農林省と建設省が十分に御研究をしていただいて、この万全を期していただきたいということを一つお願いいたします。  こういうふうなときに、大蔵省においても、先ほど大村さんから、農業生産の経済価値を考えて予算の査定云々というような話があったが、おそらくとれは、正直なところだろうと思う。けれども今申し上げておることは、国土保全の一番重要な問題です。特に経済価値からいっても、あの中京地区の大産業地帯に、農林省のやった堤防だからといって波は静かに当ってくれない。その点は十分お考えを賜わって、予算の査定などに対しては、今申し上げたことをよく上司の方へもお伝え賜わって、予算の編成にもし差異があるとすれば、この点は十分平衡、均斉のとれた予算に御協力いただくことをお願いいたしたい。この際大臣に、農林省、建設省あるいは大蔵省等々の予算編成に当りまして、今申し上げたような措置をとっていただけるかどうかということについて、御返事を承わっておきたいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本説明員 これは、お説ごもっともなお話でございまして、海岸法を制定するときにおきましても、海岸の一つの区域が各省にまたがるということは非常に問題がある、できるならば一つにまとめろというようなお話もございましたけれども、各種の事情もありまして、たとえば港湾区域のものは、やはり港湾の施設と非常に関係がありますので、運輸省が所管する方が適当だということに相なりまして、海岸の所管は、お説のように三省に分れておるのでございます。従いまして、それらの間において、いろいろ計画の面でそごがあってはいかぬというお話がございまして、海岸法の中にも、築造基準を制定するという項目がございます。法律ではあまり内容がはっきりいたしておりませんので、その後三省寄りまして、同じ海津に作るものは同じ構造にしようということで、築造基準というものを三省で作っております。従いまして、今後におきましては、それを的確に実施していくならば、片方が切れて片方が切れなかった、従って総合的の効果が発揮できないというようなことはないようにできるわけでございますが、現在の状況におきましては、やはり従来できておったところが、その築造基準によって改修がまだ進んでいないという現実があります。  それからまた干拓堤防等につきましては、農林省がやられると思いますけれども、数年かかってやっておりますので、なかなか築造基準に直ちに当てはめることができないというような部分もございます。そういう点から、やはり弱点を暴露するというような結果になるわけでございます。今後におきましては、建設省としては、各省と密接に連絡いたしまして、築造基準に従った計画にすることはもちろんのこと、施行の速度についても、三省がそろってやらなければ効果が発揮できないわけでございますので、それらの点については、ちょうど五ヵ年計画で内容を検討いたしておりますから、計画の面はもちろんのこと、施行の速度におきましても、調整がとれていくように努力したいというふうに考えております。

逢澤寛自由民主党

○逢澤委員 五ヵ年計画によって、これから統一してやろうということはまことにけっこうなことで、私ども同感いたしまするが、ただ問題は、農林省の干拓で地方に補助をする部分がある。こういうようなものに対しても、やはり五ヵ年計画によってこれを施行するかどうか。干拓に対しては、そろばんをはじかなければいかぬ。理想だけ言ったのでは空論になる。しかしながら、先ほど申し上げたように、潮は工費をあまりかけていないところへもやんわりはこない。同じ速度で潮を持ってくる。そこで、その点についてさらに何かの方法を検討すべきだ。しからば、あまり工費がかかるから干拓はできないといっても、それでは国民もまた承知はできない。そこで、その点はさらに一歩を進めた研究が必要だと思います。そういたしませんと、またもとに戻ったおざなりのことになって、再び大きな災害々引き起すことになるので、この機会に、国が補助して地方費によってやるものに対しても、五ヵ年計画で定めた工法によってやる。そして、こういうような場合はこういうような方法をとるんだということを、もう一歩研究々願いたい。  それからもう一点。これは先ほどの問題に関連しますと同時に、昨日来各委員からもそれぞれ指摘されました。特にただいま木村委員からは、熱心な要望と説明があったのでありますが、関連事業の問題です。これは大蔵省の方に特によく聞いていただきたいことでありますが、今回の伊勢湾台風の経過を見ましても、災害復旧の原形復旧ということから、その関連地帯に対しても原形復旧程度にとどめたから、こういうような大災害が起ったという経過がたくさんある。だから、完全な海岸堤防をやっても、川口の少し中へ入るとそこに継ぎ目ができる。その継ぎ目ができるのを、もう三百メートルほどいけば、相当の強度を保ち得ることができ、それから災害を防ぐことができるのに、それを原形復旧だというので、そこでとめている。二百メートルか三百メートルいっておれば助っているものを、原形復旧しか施行しないために大災害を起したということは、枚挙にいとまがない。これは今回だけじゃない。歴年の災害でもその通りであります。しかし最近では、原形復旧をある程度実情に即した復旧を認めていただくようになったことは、これは同慶にたえませんけれども、貴重な国費だから貴重に使おなければならぬのに、それを形式にとらわれて、原形復旧だというからそういうことになるということは、各委員も口をすっぱくして言っている。特にこの建設委員会は、まれに見る現象として、与野党含めて原形復旧ではだめだ、どうしても実情に即した復旧をやらなければならぬということは、ここ数年間口がすっぱくなるほど言っておる。しかるに——これは大蔵省だけ責めるわけにはいきません。政府を持っているわれわれ与党としても反省しなければならぬことでありますが、建設省あるいは農林省としては、相当技術的な考慮を加えた要求をしているけれども、それを、今の災害の復旧は原形復旧だ、こういう原則に縛られて、最後は大蔵省の査定によって減らされ、いつも涙をのんでいるからこういうことになっている。これは、われわれ建設委員会としてもまことに残念に思っている。われわれが未知のために起っている災害なら沈黙します。しかし、これは災害の起るたびに口がすっぱくなるほど言っている問題です。また地方の市町村長も知事も強くこれを主張していることなんです。しかるに、これを予算の関係ということで——大蔵省をえらくこきおろすようでありますけれども、大蔵省としてもいろいろ責任はありましょう。責任はありますけれども、それがためにいつも大きななたを加えられて、今日のような状態に至っているのですから、どうぞこの点は、この機会に良心的に計画を立てて、このくらいはやらなければいかぬという計画を立てているものに対しては、それを十分認識していただいて、確認していただくようにお願いしたい。この点についても、先ほど申し上げましたように、私は答弁は要りませんが、十分関係当局の方にも進言をしていただいて、そうしてこれが実現のできるようにやっていただきたい。私は、あの悲惨な災害の状況を見まして、こういうようなときに大蔵省も——大蔵省はやはり財布の元締めであるから、その責任を尽すということはわれわれも同情します。また私どももそれは敬服する。敬服するけれども、それがために再び大きな災害を起すようなことは、これは黙していることはいけません。何とぞこの点は十分お話しを願っておきたいと存じます。  私の質問をこれで終ります。

正井保之農林事務官(農地局参事官)

○正井説明員 ただいま干拓につきまして、いろいろ御指摘がございましたが、非常に多くの堤防が切れまして大へんな惨害を招きましたことにつきましては、申しわけないと存じております。今後そういうことのないように十分検討いたしておりますが、先ほど河川局長からお話がありましたように、海津法に基きまして、築造の基準も、建設、運輸、農林というところで定めておりますし、十分安全度の高いものをこれからやって参るということにつきましては、十分努力をいたしております。  それから、お話のございました地方負担で行う干拓でございますが、これは規模の小さいものにつきましては、地元の必要に応じ、地元でやりたい場合には国もこれに応援するというふうな建前になっておりますが、やはり海岸堤防ができるわけでありまして、同様に私どもの方でこれを採択し、あるいは指導する場合に、そういった面に十分気をつけて参るということで進んで参りたいと思います。  以上御答弁いたします。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 私は大臣並びに河川局長に対しまして質問をいたしたいと思っております。まず第一の問題は、先月の三十日であったかと思いますが、私は郷里においてNHKのテレビ放送を大体一時間程度見ておったのでございますが、災害発生後五日目の現地の状況を見て感じましたことは、特に災害については、その救済措置は非常に緊急性を要するわけであります。ところが五日後の九月三十日現在においても、まだ食糧等の配給がほとんどなされないで、五日間も飲まず食わずの状態に放置されているというような状況が報道されているわけであります。もう一つは、火事場どろぼうでなくて、水場どろぼうといいますか、あの困難な情勢の中から、せっかく多少の家財道具等を屋根の上に持ち上げているその品物に対して、いわゆる海賊的な行為が行われている。こういうことを現地の罹災者がなまなましい声で訴えておりましたが、こういうふうな災害全般の問題としての治安対策等についても、これは建設省の所管じゃないと思うのですが、そういう緊急な総合的な対策において、今次の災害においては非常に欠けておった。また、ある市の区長ざんは泣きながらこれを訴えておりましたが、五日の間、市当局あるいは県当局から何らの連絡もしてくれない。こういう総合的な災害の対策において重大な手ぬかりがあったのではないか、こういうことを私はあのNHKのテレビ放送を通じて感じたわけでございますが、大臣としては、こういう重大な災害における責任の分界点なり、あるいはそういう問題についてどういうふうにお考えになっておるのか。  第二の問題でございますが、特に今次の災害が土曜日から日曜日にかけて起ったということで、いわゆる罹災民に対する的確な指示が行われなかった、こういうようなことがいわれているわけでございますけれども、私たちは、台風というものが日曜日であろうと土曜日であろうと、そういう時期的なことによって少くとも責任の回避はできないと思うのです。当面の指導において、私は適正を欠いたうらみがあると思うのですが、この二点について、大臣の御見解を承わりたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 お答えいたします。今次災害におけるいろんな連絡の点において、われわれの考え方と違い、いささかどうも適正を欠いておるということについて、私はこれを率直に認めます。しかしながら、これは現地からの報告が、いわゆる中央にいく報告でなくて、たとえば愛知県の場合をとってみましても、愛知県庁に報告することが非常におくれておった。それほど今回の災害が、道路は寸断され、あるいは堤防はあのような決壊を見まして、ほとんど現地から県庁に連絡をとりにいくことができないというような状態であったのであります。従いまして、建設省におきましても、あの二十六日は土曜でありましたが、その首脳部はほとんど役所へ徹夜いたしまして、私も九時半か十時ごろ参りましたが、ずいぶん各地に特別な指令を出して、警戒をさしておったわけたんです。しかしその晩は大した情報がなかなか入ってこない。ほとんど電話その他の通信網が寸断きれたということで、翌日は日曜ですが、日曜も早朝省議を開いて、そして各地の情報をとりましたが、なかなかあの五千余人にわたる犠牲者が出たというような情報をつかむことができない。それで、国家警察その他いろいろと方法をとって情報をかろろじて手に入れる。しかし、それも詳細なところがわからない。本省ではそういう状態でありましたが、私は二十九日の早朝に現地の愛知県庁に参りましたけれども、そのときに愛知県庁で、いわゆる被害各町村の市町村長が集合いたしまして協議をしたのであります。ところがそのときに初めてその村長さんから、私はこういうふうにして、こうして舟で熱田に渡って、その舟もなかった、それでようやく今出て参りましたという、ほんとうに悲壮な報告を聞いたような次第であります。電話はもちろん電源が切られておりますし、ラジオもトランジスをー以外の普通のラジオは聞えない。すベてが非常な大惨害のために、交通はもとよりでありますが、通信も不能であったということであります。しかし私が参りました際には、もうすでに食糧あるいはいろいろな生活必需物資を愛知県庁は山のように積み上げておって、それをヘリコプをーでどんどんと運んでおった。ですから、五日も六日もそういうような非常に不安な状態と申しますか、生活必需物資、いわゆる食糧等が不足しておったとは私には考えられませんが、とにかく普通の堤防の破壊によるところの災害と、海岸堤防は河川の堤防の破壊と違いまして、海岸堤防の場合の大きな被害はどうも多少趣きを異にしているのじゃなかろうか、こう私は思っておりますが、そういう点について遺憾な点のありましたことは、これは全くその現地の被害地の町村長の人たちも、実際自分があらゆる努力をして連絡をとろうとしたが、ようやく今来たのだというようなことでありましたので、これは、やはり私はこの際不可抗力ではなかったろうか、かように思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 そういう緊急対策については、意見としても私は申し上げたいのでありますが、やはり航空自衛隊または海上自衛隊等は相当の航空機も持っているし、またヘリコプター等も持っているわけでありますから、そういう道路の決壊なり、あるいは交通網なり、通信網の途絶に対処するためには、やはりそういう航空自衛隊等に十分協力を求め、緊急な措置を今後とってもらうように私は特に要望したいと思っております。  次に河川局長、それから大臣にお伺いしたいのであります。まず河川関係の問題ですが、建設省の出されている資料によりましても、河川等に対する改修なり、またはそういう災害復旧というものは非常におくれているのが今日の実態でございますが、特に昨年から今年にかけての台風の特徴としましては、局地的な豪雨によりまして、特に中以下の、平生はほとんど水が流れているかいないかわからないような小河川等においてはんらんが起き、また堤防の決壊等が起きているわけでありますが、こういうような状態から判断をいたしますと、現在のように河川の改修等が遅々として進まない段階におきましては、総括的な各河川についての調査を行いまして、こういう非常時の集中豪雨等に対する事前の予防措置、こういうことを私は十分に行なって、そうして未完成の地域におけるとこうの、いわゆる地域住民なり、そういう工場街等の台風に対する避難措置等について、事前の措置を講ずる必要があるのではないか、このように感ずるわけであります。  第二の問題は、高潮対策であります。一九〇〇年から約五十五年間の統計によりましても、たとえば名古屋地区においては、過去において今次のような高潮というのが二回きているわけであります。それから大阪湾等においては八回、また東京湾の台東区なりあるいは荒川区等においても、もし今次のこのような高潮がくるとするならば、おそらくこれに数倍するとこうの被害が出たであろうということが新聞等でも報道されているようでございますが、こういうような高潮対策に対してのいわゆる地域住民の避難対策等についても、私は事前に具体的な措置を講じておけば、このような非常時に際して、あのような多くの人的な損害を防ぐことができるのではないかと思うのですが、この高潮対策と、各河川に対する異常な集中豪雨的なものに対する措置についての見解を承わりたいと思います。

山本三郎建設技官(河川局長)

○山本説明員 お説のように、最近の災害は、局地的豪雨によりまして、小河川が非常にいためられております。従いまして、これらの対策をいかにするかということをいろいろと研究しておるわけでございますが、災害復旧を早くやって、再度災害を受けるようなととがないようにしなければならぬ。特に人家のあるようなところにおきましては、一たんこわれた堤防は、その付近一帯が弱くなっておるわけでございますので、改良を加えまして、その付近に再び事が起ることがないようにしなければならぬということでございますが、ただ川だけ治めましても、山がくずれて参りますと、せっかく作った川も川底が埋まって参りまして、その効果を発揮しないということが考えられるわけでございますので、上流地帯の砂防工事にも同時に力を入れなければいかぬということでございますので、非常に荒れておる河川につきましては、上流に砂防をやりまして、災害復旧とあわせて改良復旧を措置しなければならぬ。しかも災害を受けた河川だけでなくて、受けそうな川につきましてそういうことを考えておかないと、ことしみたいな被害は防ぎ得ないというように考えるのでございまして、危険な河川の上流地帯におきましては、少くとも一ヵ所の砂防堰堤を作ろうということを五ヵ年計画では考えておりまして、強力に進めて参りたいというふうに考えております。  それから高潮の問題でございますが、名古屋付近におきましても、お説のように、大正の初めにも高潮がございましたし、それから二十八年にも十三号の台風が参りまして、相当の被害を受けているわけでございますが、今回のような高潮は、その二者をはるかにしのぐものでございます。今後におきましては、これらに対しまして、まだ決定はいたしておらぬわけでございますけれども、今回のような高潮も起ることがございますから、これらのものについても十分安全のようなものを作り、しかもさらに大きなものがきましても、被害を最小限度に食いとめるような堤防の高さなり、あるいは工法をして、堤防を波が越えましても、堤防はこわれないようなものを作らなければいかぬではないかというふうな考えを持っております。十三号台風の後に行いました海岸堤防につきましては、完全にでき上って、しかも堤防を全部コンクリートで巻いてあるところにつきましては、波がたとい上を越えたといたしましても、堤防は切れないで済んだという実績が得られましたので、これらを基礎といたしまして、今後東京、大阪、名古屋等の重要地域につきましては、以上のような対策を十分検討いたしまして、今後できるだけ早くこれらの施策を行いたいというふうに考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 あと二点大臣にお伺いしたいと思っております。  第一点は、現在の災害復旧事業の推進に当りましては、予算等の関係といいますか、いわゆる初年度が三、次年度五、三年度二という割合で復旧事業がなされておるわけでありますが、この比率を変えまして、やはり災害の早急復旧という立場から、初年度五、次年度三、三年度二、こういうふうな比率の変更ということについて、ぜひとも一つ来たるべき臨時国会において改正に踏み切っていただきたい、このようにざれたいと思うのでございますが、大臣としての御見解を承わりたいと思っております。  第二の問題は、所管事項ではないかとも存じますが、宮崎県あるいは鹿児島県等から、この中部地区については二千名をこえるところの集団就職者があるわけでございます。ところが今次の災害において、私がこちらに来る前日でございますか、六日でありますか、それまでまだ全然、郷土から何回通信しても電報を打っても、安否についての返事がこない。こういうことで、多くの家族が私の家にも押しかけて参りまして、ぜひとも一つ向うの状況を知らせてくれという要請を受けたわけであります。この点は、大臣の所管ではないと思いますけれども、やはり災害発生に関連する問題といたしまして、こういう関係工場なりあるいは関係の諸官庁としては、すみやかに鹿児島県、宮崎県等の多数の中小企業従業員を出しているところに対して、その状況を詳細に一つ御報告するように、大臣の方からも特に御督励をいただきたい、このように存ずるわけでございます。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 三・五・二の復旧年次の比率を変える必要があるのじゃないかという御意見でありますが、これは私どもといたしましては、三・五・二ということになってはおりますが、しかし春水を受けて、春水でせっかくの応急対策あるいは復旧対策をとったものがまた被害を受けるというような危険のあるとこうには、四も五も、あるいは必要の場合には六もやっております。これは物理的にできるだけのことは初年度でやっておきたいと思って、そういうような予算要求もいたしておる次第であります。従いまして、これは立法措置によってこの比率を変えなければならぬかどうかということにつきましては、まだ相当研究を要すると思いますが、少くとも単なる規定にこだわることなく、必要に応じて十分その目的を達するようにいたしておる次第であります。  それから中京地区に出かせぎ、あるいは働いておる九州の人たちの安否についての御質問でありますが、これは、私も先般参りまして、ちょうど私の相当多くの知人から、何ら音信がないので照会されましたが、みな元気ではあるけれども、しかし電報も手紙も何ら届かないということで、非常にごった返しておりました。電報あるいは書面等の遅配がありまして、そういうような音信が不通になっておるだろうと思いますが、これは、建設省ではその方法かございませんが、昨日の閣議におきまして、関係閣僚によく話して、御意思のあるところを伝えておきたいと思います。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 久野忠治君。

久野忠治自由民主党

○久野委員 昨日以来、当委員会におきましては熱心にして、しかも真剣な論議が続けられたわけでございますが、最後に要約して、私は建設大臣に明快な御答弁をお願い申し上げたいと思うのでございます。なぜかと申し上げますならば、直接罹災をされた皆さん、あるいは国民は、当委員会の所論には大きく期待し、また耳を傾けておると思うのでありますので、私も簡単に御質問を申し上げますから、どうか簡単に、明快に、責任ある御答弁をお願い申し上げたいと思うのであります。  災害復旧については、皆さん御指摘の通り、応急災害復旧と恒久対策との二様に分れるわけでございますが、この二つを急速に、また責任ある処置を果断に行わなければならぬと私は思うのであります。そのために、まず第一に考えなければならぬことは、先ほど山中君が指摘をいたしましたような基本法の制定が私も必要であろうと思うのであります。なるほど今日海岸保全あるいは河川法、港湾法その他によりまして、それぞれ公共事業を遂行するための法的措置は講ぜられております。しかしながら、今次の災害を通観いたしてみますと、その命令系統、あるいは行政措置がばらばらであって、そのために罹災民の救助に大きな支障を来たしたという面がたくさんあろうかと私は思うのでありまして、何としても今日は国土保全並びに開発のための基本的な法的措置を講ずる必要があろうかと思うのでございます。その問題について、まず建設大臣としてでなく、国務大臣としての村上大臣の明快な御答弁をお願い申し上げたいと思うのであります。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 国土安全基本法について、先ほど山中委員からも御質問がございましたが、これは私といたしましては、この法律がどういうような形になるか知りませんが、通常の場合には、抽象的な法律になるのじゃないかということをちょっとおそれておったのでありまして、はっきりした御答弁を申し上げることができなかったのですが、ただいまの久野委員の御意見のように、これが災害対策等について各省ばらばらの対策を講ずるようなことがあっては、統一がとれないので、非常に被害者に対しても被害地に対しても不便を来たすことがあるじゃないか、この際総合的な保全基本法といろものを作って、そしてその施策の上にも、そういう一朝有事の際に、そういう方法を統一した見解によって事に当っていくことがいいじゃないかというような点につきましては、私も同感であります。しかし、とにかくこれは建設省だけの問題でありませんから、十分関係各省とも相談をいたしますが、党におきましても、一つ災害特別委員会等におきまして御検討をお願いいたしたいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員 ただいま建設大臣より明決な御答弁をいただきまして、私は大へん意を強ういたしたのでございますが、しかし、政府においてそのような考え方がないというならば、いわゆる立法府である国会自身の立場において、この問題は当然処理すべき事柄であろうと思うのであります。  次に、私は、公共事業を遂行するための行政機構の一元化をはからなければならないと思うのでございます。河川行政を一つだけ取り上げてみましても、皆さんすでに御存じのように、下流部と中流部と上流部との河川行政はばらばらであります。またその事業の遂行そのものも、一貫した計画性がありません。さらに先ほど逢澤委員から御指摘のありましたように、農林省所管の干拓堤防と建設省所管の海岸堤防との技術上の不統一、さらに運輸省の所管をいたしておりまする港湾施設の技術士の考え方の違い、こうしたものから起きまする災害が、私はより以上今回の災害を大きくした原因であろうと思うのでございます。そのためには、やはり公共事業全体を掌握するような一つの大きな機構と申しますか、さらに従来いわれておりますような国土省といいますか、公共事業省といいますか、一元化された、統一された機構を持つことが国土保全、国土開発を強力に批准する道であろうと私は思うのでございますが、この点についての御所見を承わりたいと思うのでございます。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 私は、私自身数十年来このことを考えて参ったのであります。特に終戦直後国会に出ましてから、いわゆる国土省、国土建設省、名前は何でもよろしゅうございますけれども、こういう一つの港湾でも、運輸省もあれば農林省もある、あるいはあらゆる面に——ただいま御指摘のように、海岸には運輸省の海岸堤防もあれば、建設省のもある、農林省のもある、こういうようなことでは、とうていりっぱな国土を守って、国民が安んじて生活することができないじゃないか。よしそれができたとしても、国費を使う上に非常にむだがあるのじゃないかというようなことを考えまして、これの国土省、あるいは国土建設省というようなものを提唱いたして、われわれ叫び続けて参りましたが、どうも力足らずして今日に至っております。この問題は、長い間のとの国の一つの行政の慣習になっておりますから、よほど強い政治力と申しますか、考え方で統一していくということは、この国のいわゆる公共事業、あらゆる事業に対する最も適切な行政機構であろうと思うのであります。全く久野委員と意見は一致いたしておりますが、しかしこれを目的通り完遂するということになりますと、いろいろな壁にぶつかりまして、非常に困難であります。私自身もそういう気持でおりますが、どうか一つ、国会の力に待つ以外に、とうていわれわれの微力では困難であろうと思いますので、どうかその点十分御研究の上、しかるべく適当な方途を研究していただきたいと思います。

久野忠治自由民主党

○久野委員 最後に、第三番目にお尋ねをいたしたいことは、予算措置をどうするかということでございます。応急措置としては、災害復旧の急速完遂ということでございましょう。そのためには、先ほど来御質問がございましたように、三、五、二という比率を五、三、二にしてはどうかというような御意見もありました。このいわゆる災害復旧のための、応急措置を講ずるための予算措置について、建設大臣は閣内にあって十分その政治力を発揮し、御努力をいただきたいと思うのでございますが、また国務大臣として、この点についてどう考えておいでになるかをお尋ねいたしたいと思うのであります。  それから恒久対策としては、かねて建設省が主張いたしておりまする新治水五ヵ年計画を急速に樹立して、との計画のもとに恒久治水対策を講じようと、こう言っておられるのでございまするが、しかしこの新治水五ヵ年計画の内容自身も、今回の災害の実情にかんがみて、内容自身を変えなければならぬ場合が起きてくるのではないか、さように私は危惧いたすのでございまするが、そうした二つの点について、建設大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 災害の応急あるいは恒久対策につきまして、本年度の災害は相当多額な国費を必要とすると思います。しかし、これはすでに三、五、二ということで決定いたしておりますので、その三を、ある場合は五使用する場合もありますし、また必要でないところには三が二になる場合がありましょうが、ともかくも、この災害復旧の資金につきましては、私はさほど心配いたしてはおりませんが、これを原形復旧にするというようなことは毛頭考えておりませんので、改良復旧をやるためには相当な費用を要すると思います。  それからいわゆる一般会計における治水事業の五ヵ年計画を遂行する上に要する費用につきましては、私は微力でありますけれども、少くとも私自身大いに決意するところがありますので、私は、必要最小限度の国土を守るための国費は、何としても投入してもらわなければならないという決意をいたしております。また五ヵ年計画の今日まで策定した規模を多少でも変更する必要があるのじゃないかという御意見ありますが、今回の災害にかんがみまして、これに対しても、相当内容的に検討を要する点があろうかと思います。今後大いに研究して参りたいと思っております。

久野忠治自由民主党

○久野委員 これを要するに、急速にして果敢な政策を必要といたしておると思うのでございます。国会も総力をあげてもちろん努力をいたしましょう。しかし、責任者であります政府も、この罹災者や国民の立場をよく認識をせられまして、急速にして果敢な政策を、勇気を持って断行せられますように希望いたして、私の質問を終りたいと思います。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 この際大蔵省大村主計官にちょっと申し上げます。  本朝来本日の会議の重要性にかんがみまして、政務次官及び主計局長の出席を再三再四にわたって求めたのでございます。しかるについにお見えになりませんでした。従いまして、なぜ見えられなかったかの理由を詳細に書かれて、委員会に文書で一つ連絡を願いたいと思います。  それから木村委員並びに逢澤委員の大蔵省に対する質問は、書類をもって答弁をしていただきたいということを申し上げます。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時四十六分散会

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