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32回国会衆議院1959/07/07

科学技術振興対策特別委員会 第3号

発言数
108
登壇者
9
会派数
2
開催日
1959/07/07

会議録

村瀬宣親自由民主党

○村瀬委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  この際、質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 原子炉の設置もようやく、特にコールダーホール改良型の購入も、政府の方針としては、なるべく早くいたしたいというふうなことも伝え聞きますので、そういたしますと、前々の委員会以来問題となっておりました災害補償の問題が、当然国会としても、また、原子力委員会としても、当然な仕事に相なって参ったわけでございます。災害の補償について、原子力委員会の中では、特に有沢先生がこの方面をいろいろ御検討のことと承わっておりますので、今日までの、原子力委員会としてのお取扱いの経過と見通しについて承わりたいと存じます。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 原子力災害補償の問題は、だんだんわが国において原子炉の設置が行われるようになりましたについては、きわめて重要な問題となって参りました。それで、原子力委員会におきましては、一昨年の秋ごろから、この災害補償の問題についての研究の準備を始めました。昨年、私、アメリカとヨーロッパの諸国を視察いたしましたのも、各国におきまして原子力災害補償の制度がどういうふうに設けられ、かつ、運営されておるかということを、もっぱら調査に参った次第であります。それで、引き続きまして、原子力委員会におきましては、原子力災害補償専門部会を設けまして——この部会は、我妻栄教授に部会長をやっていただきまして、学識経験者が十数名集まってできておりますが、これをことしの早々から開きまして、目下その審議を進めておる次第であります。  この災害補償の考え方につきましては、実は、二段階に考えなければならないのであります。と申しますのは、さしあたっては、もう研究炉あるいは教育炉の設置の申請が相当引き続いて行われておる状況でありますので、こういう小型の研究炉あるいは教育炉の設置につきましても、やはり災害補償の何らかの措置を講ずる必要がある、こういう考え方から、先般の国会におきまして御審議をいただきました原子炉等規制法の一部改正——設置をする場合におきまして、十分の資力を持つばかりでなく、その損害に対するカバー、補償が十分されている必要がある。これはまだ実施はされておりませんが、この規制法の改正は、先般の国会で御可決願った次第であります。そういうふうに取り急いで行うべき災害補償につきましては、現行の保険業法に基きまして保険にかけまして、その保険による補償できるだけ行うという考え方でございまして、これは保険業界におきましても、原子力災害補償のためのプールが、まだ報告は受けておりませんが、できたものと考えます。目下、おそらく大蔵省と保険業法につきましてお話が進められておると思うのであります。ですから、この方面は、大蔵省の方で原子力保険の認可さえあれば、現行の保険業法に基きましてできるだけ補償が行い得ることになるのであります。けれども、現行の保険業法で原子力災害の全部をカバーできるかどうか、ことに原子炉が大型の炉にななって、その際、もし万が一災害が発生したときにはかなり大きな、広範囲にわたるような災害が起り得るというふうな状態の場合においても、現行の保険業法に基く保険で十分補償ができるかどうかということになりますと、大いに疑問があります。それでありますから、各国の事例におきましては、それぞれ相違点がありますけれども、いずれも、場合によりましては、もっと大規模な補償制度を考えております。また、日本においても考えなければならないじゃないか、こういうふうにわれわれは考えまして、第一段階のものは、とりあえず、今申しましたような現行の保険業法でカバーいたすわけでありますけれども、完全な原子力災害補償制度を設ける必要がある。専門部会の方の検討は、今まではもっぱらこの第一段階の、現行の保険業法に基くところの保険による補償、そこにどういうふうな法律上、経済上の問題があるかということを十分検討いたしまして、そして保険業界の方々の御出席、御意見も求めまして、一応結論を得たわけであります。その結論に基きまして、今保険業界から大蔵省に申請いたしまして、その話し合いが行われておる段階であります。従って、専門部会におきましては、これからは第二段階の、つまり本格的な補償制度を研究する段階になっておりまして、この夏休み中も、その問題を検討することになっております。この本格的な補償制度の問題になりますと、なかなかむずかしい法律上の問題が出て参ります。幸いに、部会長が法律の方の大家でございますから、その面において遺憾なき結論が得られると思っておりますが、まだその第二段階についての審議がちょうど始まったばかりでございますので、どういうふうなとこに落ちつきますか、まだ見通しがつきませんけれども、大体予定といたしましては、この冬の国会に、できれば法案として提出をいたしたい、そういうことを目途にいたしまして、目下検討を進めております。国家補償という問題も、場合によりましては十分考慮しなければならない問題となって現在浮び上ってきておりますが、まだ国家補償をするかというふうなところにまでは結論が固まっておりません。  ざっと専門部会の調査活動を中心にいたしまして今までの経過を報告いたしますと、以上のようになるかと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 その場合、特に私ども関心を寄せておりますのは、いわゆる大型の動力炉の問題でございます。今、先生から、通常国会に間に合わすように作業を進めておるというお話でございまして、私どもも、当然そうあらねばならないと存じます。大型の動力炉の設置を許可しながら、それに伴う災害については、政府が何ら格別な補償を立法化しておらないということでは、きわめて無責任な態度だと思いますので、ぜひとも、この点は通常国会に災害の補償についての適当な法制を御提出いただくように、原子力委員会としても格別な御努力をお願いいたします。  そこで、この保険の、いわば内容あるいは原則についてでございますが、原子力委員会としては、御存じのように、放射能の災害というものはきわめて長い時間がたってから現われてくる、また、予測しがたい大規模の災害をもたらすこともある、いわば非常に不発的の要素を多分にはらんでおるわけでございます。そこで、このような災害に対する補償の原則といたしましては、最終的な、第三者の補償はだれの責任であるかということが、まず明らかにならねばなるまいと存じます。しかも、このような大規模な災害、たとえば大型原子力発電所の事故の理論的可能性と結果、これは一九五六年の七月に米国の両院原子力合同委員会が専門の権威に要請いたしまして徴した報告でございますが、これを見ましても、かりにコールダーホール改良型が導入されたとして、一日三千メガワットの燃焼率を上げた場合、大破壊が起ったときにはどの程度の中性子が放出されるか、6×4、4×10の8+3乗というような莫大な放射能エネルギーが放出される。そうなりますと、計算をすると、半径百八十キロくらいは緊急な避難をするのが最も安全だといわれておる。当然、東京都は全部避難しなければなるまいということさえも、実は万一の場合としては考えられるのです。そういうわけでありますから、国内の原子力プールなり、あるいは国際的な原子力プールではこの災害の完全な補償はとてもできがたい。そこで、先生も外地をごらんになって、たとえば、アメリカではプライス・アンダースン法で五億ドルまでは国家が補償しようという法律を制定している。英国、西ドイツも、やはりこういう重大な災害が起って、保険で間に合わないときには国の方で特別の予算措置を考えようという傾向にあることは御存じの通りであります。わが国の場合は、特に後進国の立場において燃料は不完全なものを受け入れる。これが安全であるかどうかということは保証しないというものを、まず前提として受け入れておる。さて、この燃料を使って原子炉を運転した、運転中、原子炉に事故が起った、さて、これは原子炉の設計上に何か間違いがあったか、燃料に事故の原因があったかということを突きとめることは、実際問題としては困難な問題が起る。そのいずれに原因があったなどということを究明するということになれば、それだけ損害を受けた者は手をこまねいて待たなければならないという、まことに遺憾な状態が起ってくる。そういうようなもろもろの事情を考えますと、第二の原則としては、やはり国家が補償するという点を明らかにすることが、この大型動力炉導入に際する原子力災害補償についての原子力委員会の第二の大きな原則ではないかと存じます。この点については、原子力委員会としてはどのようなお考えでございましょう。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 今、岡委員から御指摘がありましたように、大型の炉になりますと、確かに、もし理論的に計算をいたしますと、中性子の発散というものが大へん大きなものになります。それで、理論的な災害の大きさというものを考えますと、確かに大へんなことになるというわけでございます。しかし、それは理論上何も遮蔽あるいはシャットダウンその他の災害防止の機構が全くないときには、そういうことになると思いますが、コールダーホールなら四段階ですか、五段階ですか、それぞれそれを防止するような装置があります。ですから、かりに、一つの装置がうまく作用しなくても、第二、第三、第四というふうな装置でそれを防ぐようなしかけになっております。従って、理論上から計算されるような大災害というのは、絶対ということは学問的じゃないですから申し上げませんけれども、まずまず予想されない、こう言っていいと思います。けれども、それも人間が予測できないようなファクターが絶対にないというふうなことは、これは、また一方から言えないのでありますから、もし、万々が一そういうふうな最悪の、最もあり得ないような場合が起ったときに一体どうするか、こういう御質問になろうかと思います。  この場合におきまして、第一、災害補償の責任につきましては、私たちの方で今考えておりますのは、炉の設置者にその責任を集中せしめる。これは民法的に申しますといろいろの問題点、疑点があろうかと思いますけれども、我妻教授その他の法律学者の見解によりますと、今日の民法の解釈からいってもそれは差しつかえがない、こういうお話でございますから、大体炉の設置者に責任を集中する。従って、責任の統一をそこではかる。そうすることによりまして、今、岡委員の御質問の中にありました被害を受けたものの賠償の支払い、賠償の受領が迅速に的確に行われるような措置をあらかじめ講じておく必要がある、こういうふうに考えております。  第二に、それでは設置者に責任を集中していく場合には、設置者は、今までの考え方でいきますと、損害に対する賠償の責任を保険でカバーする、こういう考え方に第一段階にはなります。もし保険金で補償した以上の損害が起った場合には、これは設置者がさらに自分の資力を投じてその損害に当るべきものとするか、あるいは設置者の責任が確かにそこに集中しておりますけれども、保険につけた金額をもって限度とするか、ここにも一つ大きな問題があります。いかにするか、この点につきましては各国の事例がいろいろでありますが、この点が、もっと私たちは部会におきまして十分検討すべき大きな問題として、現在その問題に取り組んでおります。  それから、最後に、いずれにしましても、設置者の責任に帰着しているものが、とうてい保険金並びに設置者の資力をもってしてもその損害をカバーできないような大損害が起った場合には一体どうするか、確かに第三者は大きな損害を受けておる、この損害に対してどういうふうに補償するかという問題が残るわけであります。その場合には、この前に大蔵大臣も何かお答えになっていたかと思いますが、国家の方に責任がやはりあると考えざるを得なかろう。ですから、イギリスの場合には、そういう場合には、天災による被害が起ったものと考えて、たしかイギリスの方は、議院の方ですぐ立法することによってその災害の救済に当るというふうになっていたかと思いますが、それを、すぐ自動的に、そういうふうな国家が補償をするようにするか、あるいは法律的に初めから補償制度の中に書き込んでおくか、あるいはそういうふうなイギリス的な考え方にしておくべきか、ここは、まだ委員会としても、むろん専門部会におきましても検討が行われておりませんけれども、しかし、十分検討すべき重要な問題だと私は考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 後段に私が申し上げましたように、炉で燃やす燃料は、今国が管理するという形になっておる。そこで、日本に燃料を貸してくれる、あるいは売ってくれる相手国は、協定の中で燃料の完全性を保障しない。だから、万一燃料に欠点があって事故が起っても、その責任はとらない、こういう約束で国が受け取り、国が管理しておる燃料を燃やして原子炉に災害が起った場合、私は、道義的にも、論理的にも、災害の補償については国が責任をとるべきではないかと思うわけです。ただ、無制限にとれと申すのではございませんが、やはり民間の保険でカバーできない事故が起った場合、万一そういう事態が起ったときには予算的な措置を講じようという意思を英国は明らかにしておる。英国のように、きわめて良識的にやってくれる伝統を持っておる国はけっこうですが、日本ではなかなかそうはいかない。しかも、災害救助法のような概念で取り扱われてはたまったものではございません。バラックを建てて、毛布をやって、炊き出しをやれば、原子炉の災害補償は済むんだというような観念で扱われては、十年、十五年後にどういう障害が起ってくるかわからない原子力の障害にとっては、たまったものではない。そういう点を十分国として講じ得るような含み、考え方の上に立った立法体系を整えていただくことが、この際、原子力委員会としての仕事ではないか、こう思うわけでございますので、ぜひ私どもの気持をくんで、善処せられたいと希望いたします。  それから、先生は、特に保険のことを中心といたしまして、最近ヨーロッパ、アメリカ等の国を調査に出かけられました。私は、この際お聞きしたいことは、災害が起らないように工夫することは、もちろん原子炉設置者としても、また、それを許可する国としても一番大事なことでございます。そこで、非常に不思議なことは、先生お気づきでございましょうが、アメリカへ打けば必ずコンテイナーを使う。要するに、格納容器に入れておく。圧力容器、生体遮蔽のほかにコンテイナーを使う。ところが、英国へ行くと、割合にその点が野放図でございまして、コンテイナーがない。アメリカの人に聞けば、原子炉を設置する以上は、コンテイナーがないということは考えられないとまで極言をする人もある。ところが英国では、案外その辺が、どちらかというと、のんびりいたしておるようでございまして、その点について、先生お回りになりましてどういう御結論になられましたでしょうか。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 今の御質問、確かに私もそういうふうな感じを抱きました。アメリカではコンテイナーがありますが、イギリスでは全くコンテイナーがない。それで、これは、私、今技術士の問題はよくわかりませんが、現在コールダーホールの炉の安全性につきまして、安全専門部会において検討してもらっておるわけでございまして、その結論を私は待っております。むろん、コンテイナーがあれば、一そう放射能が飛散するのを防ぐには非常に役に立つと思います。従って、損害を狭めるということに役立つことはむろんのことだと思いますが、御承知のように、コールダーホールの炉は大へん大きうございますので、あれにコンテイナーを全部つけるということになりますと、また一方からいいますと、経済性の問題が問題になってくるかと思います。要するに、安全性を百パーセント近くも高めようとすれば、今度は経済性のことが問題になってくる、こういう関係にあると思います。しかし、経済性の問題もさりながら、むろん安全性が最も先決すべき重要な問題だと考えております。ただ、このコンテイナーがコールダーホール、イギリスの方にどの程度必要か、アメリカの炉の場合と比べてどの程度必要であるかというような技術的なことにつきましては、私はどうもはっきりしたお答えを申し上げることができません。

岡良一日本社会党

○岡委員 いずれ、委員長がお見えになったら確かめたいと思うのですが、先ほど私が引用いたしました文献にも、コンテイナーの重要性についてはかなり科学的な根拠がある、こういうふうに言っておる。要するに、炉心が破壊ないし大きな損害を受けて、分裂性成物が内部に相当放出され、しかし、コンテイナーを含めて、原子炉容器外へ放出されないような、そういう事象、事故の起る確率は一年に百分の一回から一万分の一回、ところが、この分裂性成物が原子炉容器外に放出され、格納構造において外に放出されない事故は千分の一回から一万分の一回、ところが、これが格納庫の外に放出される確率は、十万分の一回から十億分の一回、こう言っておる。この数字は裏返しますと、コンテイナーを置かなければ、原子炉外に放出される放射能による障害というものの確率が、百分の一回から一万分の一回、もしコンテイナーを設けて置けば、それが十万分の一回から十億分の一回というふうに減るということ、少くとも、科学的な文献として、コンテイナーの有用性を、権威ある文書として数字をもって示したのはこれくらいかと私は思う。そういう点を考えますと、一体経済性を優位に置くか、それとも安全性を優位に置くかということは、これは当然なことでございます。たとい、コンテイナーが大がかりなもので、若干の費用が要るかもしれません。三十億要るか五十億要るか知りませんが、しかし、こういう数字が出ておる以上、コンテイナーを置くということは、これは原子力委員会としても、安全基準の第一の基準条件ではないかと私は思います。これは、いずれ委員長がこられましてから、重ねて委員会としての方針を私はお伺いしたいと思います。  それから、新聞の発表でございますが、六月十五日の原子力産業新聞に、こういう記事が出ております。一つは、六月五日に、原子炉購入問題について、高崎科学技術庁長官が、コールダーホール型原子炉を契約したい旨を述べて閣議で了承を得た、ところが、このことについては、そういう事実はない、こういう前回の御答弁でございます。その次には、この閣議において、厳然と英国原子力公社との技術援助契約を了解した、こういうことが出ておるわけでございます。こういう事実があったのかどうか、まず、この点でございますが、いかがでございましょう。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 厳然と、AEAとの間に技術援助契約がもうできたでしょう、できたということは事実でありますが、その援助契約を特に結びましたのは、日本におきましても、むろん安全部会で検討しておりますけれども、さらに、AEAの技術陣と、それから非常に大きな経験、こういうものを十分利用いたしまして、一そうその安全性を確かめるためにAEAの意見を聞く、このためには、あらかじめAEAとの間に技術援助契約を結ぶ必要があったわけであります。まだ導入のことについては決定しておりませんけれども、AEAとそういう技術援助契約を結ぶことはこの際必要であろうということを委員会におきましても決定いたしました。

岡良一日本社会党

○岡委員 五月二十七日の委員会で御決定になっておるように承知しております。そういたしますると、この契約は四カ年ということを聞いておるのでございますが、そうでございましょうか。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 四カ年の契約に一応なっておりますけれども、もし、設置が不許可というふうになった場合には、初めの一年限りの金を払えば、それで契約解除ということが条件付になっております。

岡良一日本社会党

○岡委員 原子力委員会に設けられておる安全審査の専門部会の答えは、いつ出てくるわけでございますか。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 安全審査都会の結論という質問でございますが、ただいま箱根に関係の皆さんがコウモリ作業と申しますか、昼夜兼行で検討しておりまして、七月の末から八月の初めくらいを目途にいたしまして、大体結論が出るのじゃなかろうかというふうに考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは有沢先生の御答弁に返りまして、技術援助契約というものは、炉の安全性を技術的に検討するための調査というふうなことだ。ところが、もうやがてこの月末には安全審査専門部会の結論が出るということになれば、技術援助の契約を結んだところで、炉の安全性の検討については、大きな期待はできないのじゃないでしょうか。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 AEAとの技術援助契約は、本来ならば、炉の導入が決定してから、そしてその建設の期間中、一々AEAのアドヴアイスを受けながらやっていく、これが本来の技術契約の内容でございますが、AEAの方におきましては、その前に、GECですか、イギリスのメーカーの設計を受け取って、そうして、それを審査するためのグループを作る、そうしてその設計についての検討を始める、こういうことでございますから、受け入れについては、きまらない前ですけれども、AEAとの契約を結ぶ必要がある、こういうふうに委員会は判断を下したわけです。そうなりますと、もうグループができておりますから、そのグループに対していろいろな質問をいたしましてこっちの持っておる疑義を明らかにしていくということも可能になってくるわけです。私、まだその点よく事情がわかりません。局長から……。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 技術援助契約を結ぶ前の状況をお話いたしますと、GECの方は、もちろん契約会社でございますから細部の資料を提供して下さるわけでございますけれども、英国の公社の方は、やはりそういう技術援助契約のものがありませんと、最終的な機微にわたる事項と申しますか、そういう点に関しましては、なかなか出しかねるというお話でございます。そこで、この技術援助契約を結びました結果、向うから数名の技術員が日本へ来ておりまして、ただいま原子力発電会社と毎日検討中であります。安全審査部会からもいろいろ質問事項を原子力発電会社の方へ出しておりまして、こういう点はまだよくわからないが、どういうふうに考えたらよろしいかと、資料提出方を求めておられますけれども、そういうようなものに対する回答等も、やはりAEAの皆さんと十分打ち合せた結果、納得のいく資料を出すというふうなことになっております。従いまして、そういう資料が出て参りませんと、安全審査部会といたしましても最終的な結論が出ないわけでございまして、若干の資料でありますが、そういう資料の提出方をただいま求めているというふうな段階でございます。従って、岡先生のお話は、時期的に見まして、AEAとの技術援助契約は許可するものに関連ないじゃないかという御質問のように伺いましたが、決してそういうことじゃないのでございまして、許可するものにも非常に関連が深いというふうに御理解願いたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 局長の御説明によれば、契約は四カ年間である、第一回の支払いは済んでおる、しかし、原子力委員会がコールダーホール改良型の導入に同意を与えなければ、一回分は損失だ、それは安全を審査するためには、やはり商業上の秘密等もあるのだから、その点を十分聞きただすために必要だ、こういうことでございますので、それならば、若干私どもも、まあいたし方あるまいとも思うわけです。ただ、しかし、原子力開発は、いわゆる民主的にやると言いながら、これだけを新聞で読みますと、コールダーホール改良型導入にきめた、これを大前提として技術援助契約をやると、だれしも思うわけです。政府か何か知らないが、きわめて独走しておるじゃないか、ちっとも民主的じゃないじゃないかというような疑問を持つわけでございます。そういう点は、これからも十分気をつけていただきたいと思います。  関連してお尋ねをしたいのは、カナダとの間に協定が結ばれました。その協定の内容については、いずれ、これが国会に批准を求められましたときに十分私は審議をしたいと思いますが、ただ、これも、私としては、現在の心境では非常に遺憾なやり方ではないかと、実は思います。この点も、私の誤解があるならば、ぜひ解いていただきたい。一体、カナダとどういう目的で協定を結ばれたか、簡潔でけっこうですから、お答え願いたい。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 カナダと契約を結びましたのは、今のところカナダからイエロー・ケーキを輸入する、これが何トン以上千という大きな量になりますと、やはりカナダといたしましても、査察というような問題、平和利用の保障という問題が国と国との間に約束されていなければ、そう大きな量を輸出するわけにはいかないということでありまして、日本の需要から申しますと、だんだん東海村の公社の精錬の方も進んで参りまして、このイエロー・ケーキを必要とする段階になって参りました。つきましては、イエロー・ケーキを入れる道を聞いておくというわけであります。むろんイエロー・ケーキはIAEAからも輸入ができないわけじゃありませんし、また、アメリカからも輸入することができるかと思いますけれども、しかし、公社が入札をいたしましたところによりますと、やはりカナダのイエロー・ケーキが非常に安いのでありまして、今後カナダのイエロー・ケーキはさらに一そう値段が安くなるだろうという見通しも立ちますので、この際カナダとの間に協約を結びまして、イエロー・ケーキを輸入することができるようなチャンネルを作っておく必要があるだろう、こういうわけであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 私は、なぜ遺憾なことであるかと申しますと、日本が国産第一号炉を運転するために天然ウランが必要だというので、国際原子力機関にこの春三トンの天然ウランのあっせん方を申し入れた。国際原子力機関では喜んで、これは初めてのことであり、国際原子力機関の当事者とすれば、日本は国際原子力機関に対して深い理解を持ってくれておるその生きた証拠と思って、非常中に感銘して快くこれを受け入れておる。そこで、たまたま加盟国に紹介をしたところが、それでは、おれの方でただで出そうじゃないかというので、カナダは三トンの天然ウランを国際原子力機関に出しておる、それを日本が時価で買い取る協定を結んだわけです。しかも、一方、国際原子力機関の事務総長のコールさんは、これは先生もよく御承知だろうと思いますが、この原子力に関する多数国間協定、双務協定はやめにしてくれと言っておる。特に、ウラン等、核燃料物質については、国際原子力機関が銀行の役割をやっていく、そうして、その安全についても、健康管理についても、これを国際原子力機関が管理する方向に持っていきたいという方針を、三月九日に国連総会の席上で言明しておる。最近の情報によれば、国際原子力機関に相当な濃縮ウランなり天然ウランの提供の申し入れがある。国際原子力機関の今度の理事会では、これら加盟国との間にどういう受け入れ協定を結ぼうかということが大きな議題になっておるということも伝えておる。それから、イエロー・ケーキについては、国際原子力機関が中心となって、ぜひともこれを必要な国々に分ち与えたいという意思表示をしたときに、実に膨大な量を出そうじゃないかと言っておるのは当のカナダなんです。しかも、日本は国際原子力機関の理事国でしょう。国際原子力機関の運営に責任を持つ立場にある。事務総長が、双務協定、多数国間協定というものは、結局国際原子力機関の権限を無視する結果になるということで重大な決意を表明しておるときに、しかも、一方では、ただでカナダの出したものを、日本の申し出の通りくれておる国際原子力機関をいわばそでにして、入札したら、安いからイエロー・ケーキをカナダからもらうのだということで二国間協定を日本が結ぶ、これは原子力委員会としても、日本としても、このことに関する限り、私は国際的な非常な不信行為だと思う。日本の原子力外交というものは、国際原子力機関を中心に進めるのだということは外務大臣だって本会議で私に答弁しておる。原子力委員会の皆さんもそう言っておられる。そうすればこんな経過があるにもかかわらず、入札をしてみたところが安いから——私はどれだけ安いか知らないが、大したものではないはずです。それに肩がわりをして、二国間協定をカナダと結ぶということは、これは個人の社会にしたって、国際社会にしたって、私は非常な不信行為だと思う。日本の原子力政策、外交政策の基本的な路線からかんがみても決して望ましいことではないと思う。この点いかがお考えですか。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 ただいま岡委員から御指摘がありましたように、日本の原子力機関といたしましては、IAEAを育てる、この大きな方針が打ち出されておるということは私もよく存じております。IAEAを育てるためには、やはり日本から——必ずしも日本とはいいませんが、どっか加盟国から原料、燃料その他の申し込みをIAEAにいたしまして、そうして、どういうふうな規約でIAEAが原料ないし燃料を加盟国に供給をするか、その手続とか、原則とか、そういったものを早く作るように促進する必要があるというので、先般でありますか、昨年、国産炉のための三トンの天然ウランの購入方をIAEAに申し込んだことは御承知の通りであります。国産一号炉の燃料、他の天然ウラン三トンにつきましては、これは最初、日本の公社において作ることによって大体まかなえるだろう、その公社も、できれば人形峠あたりの鉱石で作りたいというふうに考えておりましたけれども、とてもそれでは国産炉には間に合わない。そこで、公社としては、精錬の方は割合にうまくいっておりますので、今イエロー・ケーキがありさえすれば、あとの天然ウランの三トンを作ることは可能であろう、ついては、ここにイエロー・ケーキを早く入手をしたいというので、実は入札を行なったわけでございます。応札いたしましたのは南アとか、カナダとか、アメリカとかいうふうな諸国でありましたけれども、南アにつきましては、やはり事態が協約を結ばなければならないというような——協約とまではいきませんけれども、協約に近いような安全保障、平和利用保障の問題が提起されるようでありまして、ちょうどカナダにつきましては、前々からカナダの希望もありいたしまして、この条約を結んだらどうかというふうな気がまえはできておりましたので、このカナダとの協定の交渉を始めたわけであります。じゃ、なぜIAEAを通じて求めなかったかということが問題になってくると思いますが、その点につきましては、IAEAの言天然ウラン三トンを入れましたときの保障条項といいましょうか、安全保障、それから平和利用保障の問題につきましては、最初は暫定的な取りきめをいたしたい、それで一応天然ウランを入れることになったわけですが、その後、一般的な原則、方式をきめるための理事会に、一般的な方式の案が出ております。これによりますと、IAEAの査察につきましては、たとえば、アイソトープの利用につきましても、ヘルスといいましょうか、保健の問題からの査察でありましょうけれども、そういうふうな非常にこまかい、非常に複雑な査察が要求されておるようでありました。それにつきましては、私、日本の方から申しますと、そこまで査察をするのは少し煩雑にすぎるんじゃないか、その費用はIAEAで持つとはいいながらも、アイソトープを使う人のすみずみまで査察を行うというのは、これはどうも少し行き過ぎじゃないか、そういう点については、もう少し簡単化してもらいたい、こういう希望を持ってIAEAの当局とだいぶん折衝中であります。その間に、しかしイエロー・ケーキを早く輸入しなければならないという事情はますます切迫してきておりますので、一方IAEAの方は、そういう問題を十分片づけた上で、IAEAから今後いろいろなものを入れるという方針は立てることができると思います。その点につきましては、先般IAEAから極東地域における原子力事情の調査のために六、七名の調査団が参りました。私も一ぺんお会いいたしまして、そういうアイソトープの利用者をも査察するというふうなことは、あまりにも煩雑じゃないかということを尋ねて見ましたところ、団員の人々は、「そういうふうなところまでやろうとは自分たちは知らなかった、それは、なるほどお前の言う通り、あまりにも複雑化し過ぎておる」というふうに申しておりました。要するに、そういう点においてわれわれが見ますと、IAEAの一般的な方式につきましては、なお改正してもらいたい点がかなりあるわけでございますから、そういう点がもっとはっきりしてくるまでは、一時IAEAを通じて輸入するということは手控えておる、こういう次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それは、何もIAEAはそうきめたというわけでは、私の知っておる限りではないはずなんです。大体そういう草案を用意しておる段階なんです。そして、それも理事会に諮られて総会で決定されるわけです。しかも、そういうストリクトな査察規定というものは、特に被援助国とすれば、主権の立場からも、国民感情からも受け入れがたい。日本は被援助国を代表するチャンピオンとして選ばれておるわけです。だから、そういうストリクトな査察規定というものは、これを被援助国の国民感情や主権をそこなうおそれのないものに直す仕事が、これからに残されて、本ものができようというのが、今日の段階です。ところが、もうきまったもののようにして、とりあえず、安いからカナダからもらうというのじゃ、私はどうも少し日本のやり方はエゴイズムに過ぎると思う。やはりIAEAを育てようというのが基本的な原子力外交の路線だというなら、努力の道はあるのだから、その努力を尽す、イエロー・ケーキがきょう、あすどうしてもなければならぬというものじゃない。また、どうしてもなければならぬ少量のイエロー・ケーキなら、それは現在自由に幾らでも商業価格でもって入手する方法はある。それは、やはりカナダと二年越し交渉しておった因縁から、引くに引かれず結ばれたもののようには思いますけれども、しかし、現われ出た結果とすれば、私は、日本の原子力政策の基本の線からかんがみても、また、IAEAを育てようという、IAEAの責任を分つ理事国である日本の立場、しかも、天然ウランの供与を受けたといういきさつから、かんがみても、私は妥当な方法であるとは思えません。この点は、ほんとうに残念なことだと思います。有沢先生には、何もそう質問を申し上げるわけじゃなくて、介添役に御出席をお願いしたわけでありますから、委員長がお見えになるのを待って、私は質問をいたしたいと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 先ほどからいろいろと災害に対する補償の問題で岡委員から質問いたしました。今災害に対する補償の問題が、安全委員会の方でいろいろと専門的に御研究なされているようでございまして、この補償の問題について、その補償を設置者に集中的に責任づけるかどうかというような点でも、まだいろいろと問題があるし、我妻先生などは、民法上それは可能ではあるというけれども、それがかりにできたとしても、今度は、災害がその補償の限界を越えた場合どうするかというような問題が出てくる。そういう問題でいろいろ悩みがあるという御答弁でごさいました。結論がどう出るかは別といたしまして、実は、こういうような災害の出るということが、われわれの予測以上の災害になってくるということは大体想像できるわけでございまして、そういう災害に対する補償という問題を、それを設置する人々だけでなく、国全体としての立場で考えることは当然のことだと思うのです。その場合、設置者が、もう国が考えるんだから、おれはどうでもいいんだという考え方になってもらっては困る、この点が非常に私は大事だと思うのでございます。国は、全般として産業が前進するために新しい科学を育成するという保護的な立場から、それに対しては支持してやる、また援動し、それを奨励するという立場をとりましょうけれども、また、設置者の側としても、おれは、とにかくその事業におけるところのもうけを拡大すればいいのである、だから、そこから出てくる災害はどうあろうと、とにかく保険をつけて、それだけの限界で見ればいいのだから、それ以上のことはどうでもいいんだという考え方になってもらっては困ると思います。そういう点は、原子力委員長がおいでになれば委員長のお考えも承わることになりましょうけれども、委員長お一人だけが原子力委員会をやっておられるわけではありませんので、原子力委員である先生も、その点の基本的な考え方を一つお伺いしておきたいということと、それから、もう一つは、この放射能障害というのは、広島や長崎の実態を日本人自身が身近に感じているわけでございます。世界のどこの国の人々も受けていないものを日本の人は受けているわけです。しかも、十年、十五年たった今日、なお依然としてその障害の事実が出てきているというところに、この災害の特質があると思います。従って、災害が起きた当時の一、二年の間だけで、もう災害に対する時効が切れてしまったんだというようなことだけでは済まされない。ことに、ストロンチウムの問題なんかになりますと、これは自分の世代から次々の世代にそれが出てくるんだということを考えますと、人類の文化を啓発するために、われわれは原子力研究というものを盛んにやることは一面においては非常に奨励すべきであるけれども、一面においては、人類の文化が人類を奇型的なものにする、その災害のために、かえって人類の文化の根本的なものを打ち砕いてしまうというような結果になっては困るわけなのでございます。人間の英知が、かえって人間自身をつぶしてしまうということになってはいけないと思います。そういうようなことから考えますと、災害に対する補償の問題についての時限的な問題は、非常に重要だと思うのです。そういう点について、補償体系を確立する上においての有沢先生のお考えを、この際一つ聞かせていただきたいと思います。

有澤廣己原子力委員会委員

○有澤説明員 第一の問題でございますが、私が、損害の補償責任を設置者に一応集中するんだ、こういうふうに申しましたのは、法律上はいろいろ問題もある問題ですけれども、今御指摘のありましたように、国家が何でもかんでも補償してやるということになりますと、設置者の方は、安全性の問題について、どちらかというと、少し心がゆるむんじゃないか、従って、補償の第一の責任は全部設置者にある、この原則を一つ立てることがまず必要である。それから第二は、その設置者が責任を負うといたしましても、その次の、損害が起ったときはどうするかという問題が起ってくるわけであります。第三者は何らの責任がないにもかかわらず、非常に大きな損害を受けるというふうなことになりますと、これは原子力産業を育成するという方針から考えてみまして、国家の方に責任を感ぜざるを得ない事態であろう、こういうふうに考えております。従って、どういうふうに国家補償を取り入れるかということにつきましては、前々から、まだはっきりしたことは言えないという段階にあるということを申しておりますけれども、国家は、今申しましたような意味において国家に責任があるということは、これは、私は、はっきりしておる点であろう、こういうことを申し上げたわけであります。  それから、第二の、損害が将来にわたって長く残るという問題、これは遺伝その他がいろいろ起ってくる問題でございまして、法律的に言えば、時効というような問題になりましょう。これも、むろんわれわれが最も大きな問題として取り上げておるのでありまして、現行の保険業法に基くものにおきましても、大体時効は、十年までは保険会社の方で賠償に応ずる、こういうことになっておりますが、今度いよいよ本格的な補償制度の場合において、十年でよろしいものか、それ以上の問題については、今度は国家の方で何かいたさなくちゃならないのじゃないか、こういうことも、むろん問題として私たちは取り上げております。ですから、補償の問題につきましては、原則的に、第三者につきまして迅速で、正確な、いざこざのない補償支払いをする、そうして、受けた損害についての適正な補償を行う、それが現在ばかりでなく、将来にわたってもそういう補償が行われるような制度、そういう制度を、保険と国家の責任、この両方を含めて考えていっておる次第であります。

村瀬宣親自由民主党

○村瀬委員長 平野三郎君。

平野三郎自由民主党

○平野委員 当面の二、三、重要なる問題についてお尋ねしたいと思います。  まず第一に、電源開発促進法の改正案の問題であります。原子力発電会社に対して、電発から出資をいたしておるわけでありますが、これについては、電発法の違反ではないかということが本委員会でも問題になりました。当時は、電発の業務の中には、原子力発電に出資をするという営業項目がないわけであります。これについては火力発電の中に原子力が含まれておる、こういう政府の解釈で、すでに出資も行われたことであるから、これは不問に付してきておりまするが、これは明確にしておく必要がある。そこで、当然法の改正が必要じゃないかということで、本委員会でも、正力国務大臣の答弁では、改正案をすみやかに提出をする、こういうことでありました。この点について、これは内輪の話でありますが、政府と与党の間においても話し合いがすでについておることであって、来たるべき通常国会には改正案を出す、こういうことになっておるのであります。これは通産省の所管の問題でありまするが、一応、ここで最も関係の深い科学技術庁から、その点を明確にお答えを得ておきたいと思います。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 電発法の改正につきましては、当委員会の御注意もあり、また、正力国務相のときの答弁によりまする当庁の考え方といたしましても、修正する方が望ましい、そういうことでありましたので、あのときから、通産省方面にはそういう申し出をしておったようであります。まだそれが実現できないのは遺憾でありますが、私といたしましても、主管が通産大臣でありますから、通産大臣に申し入れをいたしまして、至急解決するように努力いたしたいと思います。

平野三郎自由民主党

○平野委員 その次に、本日、原子力発電の災害の問題について、今までいろいろ質疑が行われたわけでありまするが、この災害についての最終責任という点について、ただいま有沢委員からも、これは一応原子炉の設置者が責任者ということに統一をするわけである、しかしながら、問題の性質にかんがみて、設置者が補償し得るような限度を越えた大きな災害の起る場合があるわけであって、それについては、やはりイギリス、アメリカの例をとってみても、当然国の責任として考えなければならない。これについての法律を、来たるべき通常国会を目途として今鋭意作成に努力中であるという御答弁であったのでありますが、そこで、新大臣にお尋ねしたいことは、国がやはり責任を持つべきであるかどうかという点についてのお考えと、来たるべき国会に必ず災害補償法を提出するよう努力されるかどうかという点を伺いたいと思います。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 災害補償の問題につきましては、第一次的には関係の業者が当然責任をとり、あるいは普通の保険でやるべきだとは考えておりますが、そういう業者ではどうしてもカバーできない範囲の問題につきましては、これは国家の政策的見地からもいたしまして、何らかの形で国家が責任を感ずる処置をとらざるを得なくなるだろう、こういうふうに考えております。今、我妻先生を中心にいたしまして、その方面の専門部会で鋭意検討中でありまして、通常国会に間に合わせるべく努力をいたしたいと思います。

平野三郎自由民主党

○平野委員 第三にお尋ねしたいことは、原子力基本法の問題でありますが、原子力基本法の第二条によって、わが国における原子力の利用ということは平和目的に限る、こういうことになっております。この平和ということについて、新大臣はどのような御解釈をしておられるかという点であります。実は、核兵器を持つ、持たぬという問題について、先般の予算委員会において、総理から、「岸内閣としては絶対に核兵器は持たない」という、はっきりした言明がございました。この点については、前国会以来多少不明朗な点があるわけであって、前の防衛庁長官などは、「防御用であり、小型のものである場合は、持っても必ずしも違憲ではない」というような発言があって、問題になったこともありますが、今回は、小型であろうと防御用であろうと、およそ核兵器と名のついた限りは一切持たないということが明らかにされまして、この点、岸内閣に関する限りでは問題はなくなったようなわけであります。ただ、ここで非常に疑問に思うことは、総理の御答弁も、「岸内閣としては、政策として持たない」というのであって、かりに、これを持ったからといって憲法上の問題にはならないのだ、こういうことでありますから、従って、内閣がかわるということになれば、憲法上からすれば、持ってもよろしいというふうにもとれるわけでありますが、私は、これは、原子力基本法という点からいけば持ち得ないのじゃないかというふうに考えるわけで、単に政策の問題でなくして、原子力基本法というものがある限りは、およそ核兵器を持つということは違法になる。憲法については、そういう明確な規定がないからいろいろな解釈もできましょうが、原子力基本法という点からすれば、非常にはっきりしておるのじゃないかというふうに思うのであります。この点について、どういうお考えでおられるか、承わりたい。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 原子力基本法におきます平和という意味は、あの原子力基本法を提出いたしましたときに私は提案の趣旨説明をいたしました。そのときにも申したのでありますが、核兵器に利用しない、核武装に利用しない、そういう意味であります。  次に、憲法との関係でありますが、これは所管大臣が国会で答弁している通りであります。また、すでに有沢委員も当委員会において御答弁になったと記憶しておりますが、原子力基本法が現状のままである限りは、日本におきましては核武装することはできない、このようにわれわれは考えております。

平野三郎自由民主党

○平野委員 そうしますと、予算委員会の方の御説明と非常に食い違うのではないか。ということは、予算委員会における御答弁は、持たないということははっきりしておりますが、それは、政策として持たないというのであって、持ったからといって別に違憲ではない、違憲でないということなら、違法でもないということになるわけです。すなわち、合法的には持ち得るのであるけれども持たないのだ、こういうことであるが、今の中曽根大臣の御答弁によれば、原子力基本法というものは、そもそも核武装、核兵器というものは禁ずる、こういう趣旨であるということになると、そこははなはだ食い違うように思いますが、その点はいかがでありますか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 現在の原子力基本法というものは、あの当時、保守党及び社会党との話し合いでできた法律でありますが、やはり、あれは保守党の政策として作られた法律であるだろうとわれわれは思います。そういう意味におきましては、やはり基本法という考え方も、広い意味においては政党の政策として作られておるとわれわれ思うのでありまして、必ずしも矛盾するとは私考えません。

平野三郎自由民主党

○平野委員 それは非常におかしいと思うのです。必ずしも矛盾しないというお話でありますが、原子力基本法の立場からすれば、核武装はしないのだということ、これははっきりしておるわけですが、一方において持たないという。結論においては同じでありますが、合法的には持ち得るのだということがいわれておるという点は、明瞭な矛盾じゃないでしょうか。およそ法律がある限りは、法律の解釈というものは、政府としては一本でなければならぬはずであって、法律上持ち得ないのだということになっておるのに、別の方においては持ち得るのだということになれば、これは政策の問題でなくて、法律の解釈が政府の部内において統一を欠いておるといわざるを得ないと思いますが、どうですかね。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 私は、政策という意味を非常に広い意味に用いたのでありまして、法律を作ったり、あるいはやめたりするのも一つの政党の政策であるというふうに、非常に長期的及び広大な考えで政策という意味を考えておったわけであります。しかし、もう少し短期的にものを考えてみますと、基本法という法律が現存している限りは核武装はできない、われわれは、かように考えますので、基本法が生きているという条件のもとにあっては、政策がどうであろうと、法律の通りやらなければならぬだろう、われわれはそう思います。

平野三郎自由民主党

○平野委員 そうしますと、広い意味における政策ということになれば、原子力基本法が現存する限りは持ち得ない、これが改正されれば別問題でありますが、その点ははっきりしております。そうしますれば、核兵器も持ち得るのだという解釈は、原子力基本法というものが、党の政策として、大きな見地から将来改正されるということもあり得るのだ、こういうような前提からああいう発言が行われておる、こういう意味でございますか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 法律というものは国家、民族に奉仕するためにあるのですから、必ずしも固定したものではなくて、その環境、条件等に応じて順応し、また、修正されていくべきものであるだろうと思います。従いまして、法律は憲法よりは弱い形をとっているのだろうと思います。しかし、その法律が現存する限りは、法律の通りに、法治国として政治が行われるのは、これまた当然であります。われわれは、そういう考えでこの問題に処していきたいと思いますが、岸総理の御答弁にありますように、岸総理、岸内閣というものがある限りは、この間の総理の答弁というもので政治及び政策というものが行われていくのだと、われわれは確信しております。

村瀬宣親自由民主党

○村瀬委員長 岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 今度中曽根康弘氏が科学技術庁の長官並びに原子力委員会の委員長に御就任をいただいたことを、私は心から日本の科学技術の振興と原子力政策の発展のために祝福いたす一人でございます。委員長に御就任のときに、風を起して船を進まそうという、まことに含蓄のある御構想を承わりましたが、私どもも刮目して今後の御努力に期待をいたしたいと思います。  きょうは、科学技術振興の全般について、私どもあるいはわが党の見解も申し上げて政府の御所信を承わりたいとも思っておるのでございますが、いずれ、それは他の機会に譲ることといたしまして、ただ、私が懸念する若干の私見を率直に申し上げまして、この際新長官の御所信を承わりたいと思います。なお、政務次官には横山さんに御就任をいただいたわけですが、前回の委員会、また、きょうの委員会の質疑応答をお聞きになってもわかりますように、特に、日本の原子力政策はこれから産声をあげようというところであって、難産をきわめておりまするので、ぜひりっぱにお取り上げを願いたいと思います。(拍手)  実は、この科学技術の振興が全く合言葉のような形で世界を共通し、風靡しておるわけでございますが、科学技術振興というものを、ただそれだけを取り上げてその推進をはかるということだけでは、いろいろな問題が起ってきております。特に、このような資本主義体制の中では、科学技術の振興はどうしても資本の集中、資本の独占、そして、また大資本による系列化、こういう状態において推進しておることは、アメリカの例を引かなくても、日本の現実が目の前に教えておるところでございます。そういう結果が、科学技術の振興が、いわば全国民の経済、国民の生活水準の向上に役立つよりも、大経営、大資本の利益に奉仕するという結果にともすればなろうとする。このことは、私ども科学技術の振興を口にする前に十分わきまえてかからねばならない問題かと存じます。第二の問題は、科学技術あるいは技術革新というものは、何と申しましても、だんだんと、いわば高価につきます。従いまして、大きな資本を擁する大経営にはどんどん技術革新が進められる一方、中小企業はますます近代的な技術から取り残されていく。そういう形において、いわば日本の大経営と、そして圧倒的多数を占めておる中小経営とにおける技術差というものがだんだん拡大されていく。このことは、いかに経済の体質改善を叫び、安定を叫びましても、この内部的な矛盾というものに対する適切な施策がなくては、科学技術の真の振興ではない、この点でございます。同様なことが、第二次産業には集中されながら、第一次産業はやはり取り残されておる。しかも、このような状態は、単に産業構造を変質するだけではなくして、日本の雇用問題に対しても重大な影響を与えておることは、それぞれ数字をあげて申し上げるまでもありません。こういうように、科学技術の振興ということだけに専念すればいいのではなくて、科学技術の振興に伴って起る日本の経済、雇用、もろもろの問題における重要な影響というものを考えながら、総合的に科学技術の振興が国民経済なり生活水準の向上に役立つように振り向けていくというところに、この科学技術政策の大事な要件があろうと思います。この点について、まず、新長官の御所信を承わりたいと思います。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 後進国が科学技術を開発して参りますときには、日本もその例でございましたが、国家がそれを受け持って、それが安定する段階になったら民間に引き渡していくという形をとっておるようであります。日本は先進国でも後進国でもない、中進国という程度のものだろうと考えるのでありますが、そういう点において、普通の科学技術の研究は、一般の産業界や学界が普通の程度でやって、世界のレベルに追いつくようにしておりますが、原子力とか電子技術とか、あるいは人工衛星というような問題になりますと、これは膨大な資本が要りますし、技術者の総合的な協力が必要でありますから、やはり国家が前面に出ていってこれを開発するということが必要であろうと思います。そういう意味において、原子力研究所その他が現在作られておるのであろうと思います。ただ、ここで大事な問題は、これが安定した段階に達したときに、民間にどういうふうにして引き渡すかという問題であります。日本の原子力発電の問題でも、必ずや将来そういう問題が出てくるだろうと思いますので、そのときに、その利益が、国家が相当の力を入れて開発したものでありますから、結局全国民にこれが均霑するようにいろいろな点で配慮しなければならないと思います。そういう心がまえで、一部の企業に利益や便益が集中するということをなるたけ避けるように、われわれは配慮していきたいと思います。  それから、第二に、大企業や中小企業との技術の格差等の問題でありますが、現在、大企業、中小企業において相当な技術の格差があることは事実であります。そこで、中小企業の振興ということが国策の一つの柱にもなっておる現状にかんがみまして、中小企業の振興は、やはり中小企業の合理化にある。合理化ということは、生産性の向上にある。生産性の向上の一つのポイントは技術の革新、技術の近代化という点にあるだろうと思います。そういう点につきましては、金融の面なり、あるいは技術者の供給という面なりにおいて、国家が相当力を入れなければならないであろうと思います。これらは、今政府が立てようとしております経済十カ年計画の一つの重要な骨子でありまして、御意見の筋は十分考慮して、十カ年計画の中に織り込みたいと考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 現実に、今日景気の過熱とか、あるいは過当競争とかいうようなことがいわれておる。これも主として大企業の分野にある。最近通産大臣の池田さんがくしくも言われたような高原景気はまだ続く、高原景気は続きましょうが、すそ野にはこがらしが吹きすさぼうとしておる。こういう状態では、私は、科学技術の振興はまともな姿でないということを申し上げたいのであります。  それから、中小企業の技術革新と申しましても、御存じのように、中小企業庁あたりでは、三カ年六百億ばかりの近代化設備のための資金が必要であると言っている。三分の一といたしましても二百億、それがことしは、政府は十億あまりで押えられておるというような形でありまして、技術差は、このようなことではますます拡大の一途かと思います。そういう意味で、これらの問題は、いずれ、それぞれの担当大臣等もお迎えをして、いろいろ私どもの意見も申し上げたいのでありますが、有力な国務大臣として、ぜひ一つ来年度予算編成に当りましてはこれらの点を十分御考慮の上、御努力をお願いいたします。先般御所信の表明に当りまして、メカニズムの点を非常に強調されたのでございます。私どもが一昨年の暮れに科学技術会議を作るべきであるという結論を全会一致で出しましたのも、御存じのように、日本の科学技術の振興が現在は各省庁にまたがっておる。この割拠主義は、やはり打破して総合的な発展をはかる必要がある。第二の理由は、もし内閣がかわれば、科学技術政策が変るというようなものであっては、真の科学技術というものの振興は期待できない。従って、学術会議なり、適当な権威者を民間から迎え入れ、しかも、有方閣僚の加わった権威ある科学技術会議を作ってもらいたい、こういう趣旨であったことは御存じの通りでございます。  ところで、このメカニズムの問題と申せば、さしあたりの問題といたしまして、私は、科学技術会議の権威をいかにして高めるかということが重要な仕事に当面なろうかと思いますが、新長官は、科学技術会議の運営についていかなる御所信を持っておられるのでございましょうか、承わりたいと思います。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 科学技術会議の大きな役目は、日本の科学技術を発展させるために総合性を持たせる、各界の協力を得させるという点と、それから、重点的に推進するという二つの点にあろうかと思います。科学技術庁はできておりましたが、これは、大学その他の文部省系統のものには関与するわけには参りません。この文部省系統のものと、科学技術庁系統の各省庁に関するものとの調和点というものが今までありませんでしたので、ここに科学技術会議というものを作りまして、文部大臣その他の閣僚も入って調整することになり、総会的に推進することになったのであります。そういう点におきまして、科学技術会議の果す役割は非常に大きいだろうと思います。その文部省系統の仕事と一般の各省関係の仕事との協力、調整及び推進というところに、まず、力を入れてみたいと思います。  第二番目には、わが国の科学技術を発展させるためにいかなる部面が脆弱点であり、いかなる部面に重点を入れて、技術者なり、資金を豊富に供給しなければならないかということを見つけ出すことであります。科学技術会議におきましては、総理大臣から諮問がありまして、十年を目途とする日本の科学技術発展のための総合基本政策というものを目下検討中でありまして、当然その中に盛り込まるべき問題でありますが、重点政策というものを的確に把握いたしまして、これに集中して科学技術が推進するようにも努力してみたいと思います。大体おもな点はこの二つであると思いまして、そういう点に努力をいたしてみたいと思うのであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 形は違いますが、たとえば、社会保障制度審議会、私ども非常に期待をいたしながら、主として権威者を迎えた会合でありながら、作文を作っていただくだけで、あまり政府のお役所がこれを守らないというふうなうらみがあったように私も経験をしておるわけであります。私は、そういう点から考えまして、現在の科学技術会議は、なるほど十年間に日本の科学技術を振興させる方途について諮問をされたように聞いておりますが、一体、科学技術会議がこの膨大な計画を企画するだけのスタップを持っておるのか、同時にまた、決定された企画というものを推進し得る仕組みに政府全体がなっておるのかどうか、この点に、正直のところ、私は若干疑問を持つのでございますが、その点いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 科学技術会議は誕生間もなくでありまして、まだひよわな点があることは、遺憾ながら認めざるを得ません。いかにこれを運用し、これに政治力を培養して、所期の目的を達するかということにかかっておるように思います。現在科学技術会議におきましては、総合部会を設けまして、各界の権威者を網羅して、今のような十年後を目標とする基本政策について検討しておりますが、必要に応じて、そういうような部会を順次設けて参りまして、関係各方面の御意見も拝聴して国論をそこへ集中的に統一し、調整する、そうして、それがまとまりましたら、科学技術会議に正式に諮りまして、総理大臣が議長になり、関係閣僚がみんな出ておりますから、その賛成を得れば、国策として強力に打ち出せると思うのであります。そういう段取りで、できるだけ強力なる力を科学技術会議に培養するように、私は力はございませんが、誠心誠意努力してみたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私はそういう意味で、一つの提案を申し上げたいのでございます。  それは、科学技術の振興のための基本法というふうなものを作るべきではないかと思います。そして、科学技術会議の諸決定というものが、各省庁においてできるだけ誠意を持って推進されるという態勢を法的に固める必要があるのじゃないか、科学技術の振興といったって、そう構想としてはむずかしいことではないと思います。一般国民の科学的な水準を高めるということになれば、日本の義務教育の普及した組織の姿というものは、十分それにたえ得るでありましょう。問題は、政治の力がこれに内容と方向を与えることだと思います。大学の研究室は、御存じの通りまことに惨たんたる事情でございます。しかし、これも資金を与え、また、そこに研究する人たちの処遇に留意するならば、相当改良の見込みはあるわけです。また、現在の理化学研究所では、これもまことに貧弱でございます。やはり、基礎研究の分野において積まれた研究というものが工業化され、応用化されるという段階にまで引き上げる、これには当然国家としての大きな役割が期待されるわけでございます。民間の研究態勢としても、現在のように、小さい資本を擁しながら外国の技術導入にきゅうきゅうとしておるような状態ではなく、もっと筋金の入った共同正研究態勢を、これは諸外国では現にやっておるわけでありますから、おくれたわが国としては、いち早くやる必要がありましょう。やはり、こういう態勢を、基本法という形ではっきり法的に規制をする、そうして科学技術振興のゆるみなきレールを作る。私は、新大臣がこのような構想で、現在、まだまだ非常な割拠主義なり、あるいは不均衡な状態、不統一な状態にある日本の科学技術振興においては、ぜひともこのような法的措置を講ぜられて、一段と大きなスタート、われわれの信頼するに足るスタートを切っていただきたい、基本法の制定というふうな点を御考慮願いたいと存じますが、いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 岡委員のお説には同感する点もございますので、当庁におきまして、基本法の制定について検討してみたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 原子力のことでしばらくお伺いをいたしたいと思います。特に差し迫った問題とすればコールダーホール改良型導入の問題でございまして、この委員会でも、繰り返し繰り返し関係団体、学術界、産業界の方々の御出席を願って、御意見も聞いておりますので、私は、繰り返した議論は避けることにいたしまして、その後に起った若干の事実を中心に御見解を承わりたいと思います。  新聞の伝えるところによりますと、公聴会を原子力委員会が主催をして開かれるということでございますが、そのようなことに御決定でございますかどうか。また、そうであるとすれば、いつごろおやりになり、どういう公述人の選任の方法で、また、どういう方々が適当であるか、まず、その点をお伺いをいたしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 一般大衆、国民の声を聞くということが非常に大事であると思いますし、また、世人の関心を深める上についても、公聴会を開くことは有益であると思いますので、今月の三十一日に東京において開くことにいたしました。公述人になっていただく方は、各界及び関係者、たとえば、地元その他の関係者の代表等も網羅いたしまして、できるだけ普遍的な意見を聞くように努めたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 公聴会の、いわば主たるテーマでございますが、何と申しましても、やはり原子炉の安全性というものが、今日まで日本の原子炉設置においても大きな障害になっておることは御存じの通りでございます。いわんや、大型動力炉の導入ということになりますと、この安全性はやはり中心のテーマになろうかと思います。  そこでお伺いをいたしたいのは、やはり公聴会のテーマは、主として安全性が大きくものを言って、次には、おそらく経済性の問題も付随的には起るかと思いまするが、そういう内容のものであるのか。それから、もう一つ、私は、この安全性について希望をいたしたいのでございますが、ただ専門家の技術的な安全性だけを聞いても、なかなかこれでは国民の啓蒙にもなりません。いわば、その近くに住んでおる住民の安全保障というものが、やはり、当然、この公聴会においても重要なテーマとして取り上げられていいのではないか、こういうふうな方向に公聴会というものを運営するということになれば、おのずから、そこに御出席をいただく方々、あるいは選任の方法についても具体的な御考慮があってしかるべきではないか、こう思うのでございまするが、その点いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 お説の通り、安全性というのは非常に重要なポイントでありまして、安全性が今度の一つのテーマになっておることも事実であります。それから、公述人の範囲につきましては、地元の関係者の中から適当な人を選びまして、地元の意見を拝聴いたしたいと思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 地元の代表と同時に、私ども希望いたしたいのは、労働組合の代表でございます。これは、世界自由労連は、原子力産業に従事する者の安全性についてはパネルを催し、あるいはまた、専門部会を設けて、相当研究を進めております。日本からも代表がその会議に出席しておる事実もある。一九五五年のあのジュネーブの第一回の平和利用会議のときに出席をいたしております。それで、しかも、この安全性ということになりますると、当然、やはり国民健康保険なり、健康保険なり、労働災害保険なりというふうなものとも関連性が出てくるわけでございまするので、その被保険者としての労働組合の意向というものはきわめて重要視する必要があろうかと思います。ぜひ、やはり、こういう労働団体の代表も加えていただくような工夫があってしかるべきかと思いまするが、いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 労働組合なるゆえに代表を出して聞いてみるという考え方は、私は、いささかどうかと思います。しかし、今お話のありましたように、関係者として、つまり労働者の災害問題とか、その他の関係者として聞いてみるということは、一つ検討してみたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私もそういう趣旨で申し上げているのでございます。これは、労働災害保険なり健康保険制度も、やはり原子炉の現場に働く人たちにとっては、もし、特別の法規を設けなければ、大幅に改正しなければならない段階にきておるわけでございますので、ぜひ一つ、そういう意味の関係者としての組合の代表も、公述人に私どもは御推薦をいたしたいと存じまするので、ぜひ御善処を願いたいと思います。  それから、時期の問題、三十一日ということでございましたが、安全性を中心として、主たるテーマの一つは安全性の問題であるということになりますると、安全についての原子力委員会の方の審査部会の結論が一応出る、原子力委員会もそれを一応御承認になり、そして、その結論が公開をされ、これが十分に検討される、そうして公聴会も開かれる、当然公聴会が公聴会の役割を果すためには、このような手順が必要かと思いまするが、時間的にも、このような御考慮の上に三十一日という日取りをおきめになったのでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 関係各位の御意見を拝聴して結論を出したい。こちらが独断的に先に結論を出すよりも、むしろ、一般の皆様の御意見を聞くということが大事だと思いまして、そういう段取りにしたわけであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 しかし、何しろ、まだ日本では経験のないことでもありまするので、やはり、安全審査部会でございますか、原子力委員会が設置をしておられるコールダーホール改良型の安全に関する専門部会の権威者の御検討の結論は、やはり公述人の重要なるデータとして公開をせられる、私は、この手順だけは当然必要なことと思いまするが、いかがでございましょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 その点は、ただいま申し上げましたように、うまくこちらから先に結論を出して押しつけるというやり方ではなくして、御意見を拝聴して、また、こちらで結論を出すということにいたしたいと考えます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは、この公聴会は、やはり将来もあることでございますから、前例として、今後も原子力委員会はこのような機会を持つべきものという御趣旨から、今度の第一回の公聴会は御企画になったものでございますか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 国会の御決議におきましては、実用発電炉についてそういう御要望がありまして、研究炉についてはそういう御要望がなかったわけです。従いまして、ウォーター・ボイラー等のごときものはございません。実用発電炉になると、関係者に相当な影響もございますので、今後も同じように取り扱っていきたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私は、この機会に一つの提案を申し上げたいのでございます。  それは、大型炉の設置については、やはり独立の、安全のための諮問機関というものを作る必要があるのではないか。設置について、内閣総理大臣は、形の上では設置の許可権者ではありましても、事実上、原子力委員会の意向というものがこれを左右することは当然でございます。そこで、原子力委員会がその下に安全についての審査部会を設けられる。私は、それはそれでけっこうでございますが、しかし、やはり将来国家が補償しようというようなことにもなって参りますと、安全については、最も公正妥当な結論を出すためにも、原子力委員会とも独立した、政府とも独立した諮問機関というようなものを設置する、そして、ここに大型炉の安全性についての諮問をして、その結論を尊重する。だから、そういう独立した安全諮問委員会を作る、そうして公聴会を開き、その公聴会の意見を摂取して、諮問委員会が最終の結論を出す、これを原子力委員会あるいは政府に申達をするというふうな形で、やはり、この安全というものに対して組織的に、公正な結論を得るような努力があっていいのではないか、こういうふうに思うのでございますが、いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 現在の原子力委員会の存在というものは、ややそういう客観的な存在になっております点と、それから、もう一つは、安全審査部会においで願っている先生方や専門家たちが、やはり日本で最高の権威者を網羅しておりまして、そういう人を、またほかにやっても、ダブることになろうかと私は思います。そういう能率の点も考えて参りまして、現在のやり方を変える必要はないように私は思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 まあ、最近、国が補償するという事態になったので、アメリカでも安全諮問委員会がAECからも独立したようなわけでございますが、日本としては、今直ちにということもどうかと思いますが、やはり、将来はそういう形になることが望ましいと私は信じております。  そこで、この安全性の問題でございます。通産省でもコールダーホール改良型の安全性については、安全基準等についても御検討のことと承知しておるのでございますが、その間の経過と御結論について承わりたいと思います。

後藤正記通商産業事務官(公益事業局原子力発電管理官)

○後藤説明員 原子力発電につきましては、ただいま岡先生からいろいろ御指摘がありましたように、昨年の四月、原子力発電所安全基準委員会、発電所としての立場からの安全基準を御審査願う大臣の調査機関としての委員会を設置いたしました。実は、原子炉等規制法におきまして、二十七条、二十八条、二十九条の三カ条に、設計及び工事方法の認可、それから施設検査、性能検査等の規定がございます。ただし、それは七十三条で適用除外になっております。これは通産省所管の電気関係の諸法令に譲るということになって、発電用の原子炉については、先ほど申し上げました三カ条が適用除外になっております。従いまして、電気事業関係の法規に基きまして、一昨年の四月に発電用原子炉施設規則という省令を公布いたしました。これは発電用の原子炉を持った発電所を作ろうとする場合に、どのような手続で届出その他をするかという純然たる手続規定でございます。従いまして、現実に原子力発電所を作ろうとする場合には、その内容的な基準につきましては、この手続規定の内容とも申すべき基準を作る必要があるわけであります。冒頭に申し上げました原子力発電所安全基準委員会は、大臣の諮問に応じて、昨年の四月に発足いたしまして、本年四月まで約一カ年間かかりまして、現在のところ結論に達していない部分が非常に多うございますが、中間的な報告が大臣あてに提出されております。これが一般的な原子力発電安全基準に関する通産省のとっておる処置でございますが、コールダーホール型の原子方発電所の安全性に関しましては、これは原子力委員会に設置されております安全審査専門部会の下の第七小委員会というので、特にこのコールダーホール型動力炉についての安全性の御審査をなさっていらっしゃいます。通産省といたしましても、電気事業所管の立場から、一般論としての安全基準委員会とは別個に、コールダーホール型原子力発電所安全審査委員会という、同じく省議決定に基きます大臣の調査機関を設けまして、この審査をいたすことになりました。その際、科学技術庁の方と通産省との立場が若干いろいろ所管の点で異なっておりますけれども、非常に競合している部分、関連している部分等が多うございますので、特に具体的なコールダーホール型に関する委員会の委員の方は、完全に原子力委員会の第七小委員会のメンバーの方と一致させまして、そして常に両者の合同審査をお願いしておるわけであります。かような経過であります。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは、原子炉等の規制法によれば、特に発電用の原子炉の設置を許可する場合は、通産大臣の同意が要る、そこで、通産大臣は、独自の立場から同意を与えるかいなかを決定するために、今御答弁になったコールダーホール型原子力発電所安全審査委員会なるものを作られ、そして、コールダーホール改良型発電所に関する安全審査のための小委員会は、原子力委員会の安全審査部会の小委員としてもあるこれは同じもので、同じ結論が通産大臣にも上っていき、原子力委員長にも上っていく、そういうことになっておるのですか。

後藤正記通商産業事務官(公益事業局原子力発電管理官)

○後藤説明員 そういうことになっておると存じます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それでは、原子力規制法の通産大臣の同意というような点がどの程度権威があるのか、事実上、運営の問題として非常に怪しげなものではないかと思うので、こういうところに官庁の繁雑好きがあるのかもしれませんが、まことにおかしな話であります。  それはそれといたしまして、それでは、通産省は中間報告を出されたということでありますが、特に住民の安全に関する問題点として、項目別にはどういう点を検討されましたか。それから、また、コールダーホール型原子力発電所安全審査委員会なるものは、いつ結論を出されるわけですか。おそらく、原子力委員会の安全審査部会と同じ日に結論が出てくるような格好でございますが、そういうわけでございますか。

後藤正記通商産業事務官(公益事業局原子力発電管理官)

○後藤説明員 第一の点につきましては、中間報告書の中に、第二章、立地関係のところといたしまして、第四節、他の工作物、または人等との離隔、発車所周辺に対する考慮、人口考慮、都市交通、産業の考慮等の項目が上っておりますが、これも、まだ中間報告でございますし、今後検討を続けて、具体的にどれだけの離隔距離を置かなければならぬか、そういうことも今後の委員会で検討されるはずでございます。  それから、第二の点につきましては、特に電気事業を所管いたしておりまする通産省といたしまして、いろいろ電力需給の関係とか、それから、特に発電用の特殊な種々の問題点につきましても、原子炉の安全性の問題と同時に非常な関心を持っておるわけでございますが、先ほどお答え申し上げましたような委員会の構成になっておりますので、同時にこの審査結果はまとまるものと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 人口密度等について、安全基準委員会としては何らかの御結論は出ておりませんか。

後藤正記通商産業事務官(公益事業局原子力発電管理官)

○後藤説明員 種々審議はされましたけれども、まだ結論に達しておりまっせん。ただ、人口密度なり、あるいは発電所周辺に関する何らかの距離等の考慮をする必要があるのではないかという議論が現在続いております。

岡良一日本社会党

○岡委員 これは、また、住民の安全性と最も直接に関係のある調査項目でございますが、いつ結論が出ますか。

後藤正記通商産業事務官(公益事業局原子力発電管理官)

○後藤説明員 中間報告では、一応そういう問題点のみを指摘してございますが、省議の決定におきましては、最初の見込みでは、おおむね二年以内ということ、あるいは必要によってその時期を延長することもあるという工合に書いてございますので、おおむね、今後一年ないしそれくらいのところでいろいろ審議の結果がまとまっていくことと存じます。現在のところ、かような段階でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 非常に意外なほど、びっくりするテンポでございますが、私が特に人口密度などを申し上げましたのは、先般、中曽根委員長から漏らされました構想でございますが、いわゆる原子力都市計画法、これは都市計画と呼んでいいのか、別にエリアというような概念で言った方がいいのか、そこがまた問題でございましょうが、私は、こういう構想は、今後の日本においては当然必要だと思うのです。ただ問題は、都市計画と申しますれば、従来の例に徴すれば、都市に集中する人口を、産業その他の立地条件を中心にいたしまして、いかにその地域に配分するかということが中心になる。しかし、原子力エリアについては、そういう考え方、そういう方針ではできないと思うのであります。事、少くとも人口問題に関しては、まず、人口密度の制限が要求されるのが、現在の段階では、当然やはり第一の条件ではないかと存じます。そういうことから考えまして、現実に東海村に原子力発電所を置くということは、人口密度との関連において妥当であるかどうか。おそらく、諸外国でも初めてのことではございましょうが、ただ、諸外国とすれば、人口密度との関連において、大型原子力発電所の設置は、人口密度としてはどういう条件を持っておるか、御調査の結果があろうかと思いますが、原子力局あるいは通産省の関係の方から、この機会にお答えを願いたい。

後藤正記通商産業事務官(公益事業局原子力発電管理官)

○後藤説明員 私のお答え申し上げましたのが若干言葉が足りなかったかと存じますが、人口密度なり、あるいは離隔距離等の問題は、現実に置かれます原子力発電所の敷地の広さとの関連において、基準委員会で一般論として議論され、原子力発電所にどれだけ敷地を取らしておけば、一般の、発電所以外の住民に対して影響がないかという点に議論が集中しているという話を聞いております。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 原子力局の方では、主として米国、英国を中心にいたしまして、各原子力研究所の敷地、あるいはその周辺の人口との関連等に関しまして資料は相当集めてございます。そういうものを参考にいたしまして、東海村等の場合は、果して各方面でどういうふうに考えておるかといった点をいろいろ検討いたしております。

岡良一日本社会党

○岡委員 東海村の現在の人口密度は、四年後の動力炉運転に際しては、原子力研究員も、その家族も含めて、おそらく二千人くらいに膨張するであろうと思う。これが六百メートル、一キロ以内の所にこういう諸君がおる。こういうものも含めて、東海村における人口密度というものは、この大型動力炉を設置するに妥当であるかどうか、もう一つは、諸外国における大型動力炉の設置個所における人口密度は、一平方キロメートル当り大体どの程度のものであるか。東海村の現在と四年後はどれだけか、諸外国では一体どれだけか、その点、一つお答え願います。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 ただいま詳細の数字を持って来ておりませんが、そういう点を安全審査都会としても最も重要な一つの点に選びまして、各国の安全度を見まして、どのくらいであれば許容されるかという点を検討しております。

岡良一日本社会党

○岡委員 資料を持っておらないといっても、これは簡単な数字だし、非常に重要なデータだから、原子力局長がわからないということはないと思う。この前、私が資料を要求したときは、東海村は一平方キロメートル三百四十人、これは原子力研究所の家族は含まない数字です。それから、外国の語例は、詳しい数字は知りませんが、私どものデータでは、大体その周辺はこの三分の一以下になっています。だから、東海村は現在この三倍はある。将来、四年後に原子力研究所もだんだん大きくなって、家族も含めて二千人以上の人間がくるということになれば、問題なく多くなる。私は、これは、中曽根さんの実に高邁なる原子力エリアという構想から見て、東海村に具体的な動力用発電炉を設置するということは非常に疑義があるのではないか、こう考えるわけでございますが、委員長の御所信はいかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 住民の保健、衛生、安全という問題は、原子力発電所を置く場合に最も考慮しなければならぬ問題でありまして、人口密度の問題もございます。それから、炉の設置地点との距離の問題もございます。そういう点は、専門家の検討を経て結論を出したいと思っております。

岡良一日本社会党

○岡委員 なお、この機会に委員長にお伺いいたしたいことは、将来、四年後にいよいよ大型の原子力発電炉が運転をする。そのときには国産一号炉も運転をするでしょう。あるいは動力試験炉も運転するでしょう。そういたしますると、日本の原子力研究所として、教育用、訓練用、あるいは実験用、産業用の原子炉というものは、ここに集中して運転されることになり、資産にして、おそらく三百億にもなんなんとするのじゃないでしょうか。一方、これと一キロ離れるか離れないところに、今度は原子力実用炉が運転をする。万一、そのいずれかに事故があったときには六百億の固定資産というものは無に帰する危険がある。少くとも、その機能は停止する危険がある。あるいはそこに働く諸君に大きな障害を与えるということは、優秀な原子力研究所の所員に対しては忍びがたいことである。こういうことは、やはり原子力委員長としても、政策的に十分考えてもらわなければならぬと思います。人口密度もさることながら、原子力研究所とかきねを連ねてこの大型の発つ電炉を置くということは、原子力の基本政策的な立場において、将来、今申しましたような不幸な予想もあり得ないことではないのでありますから、十分考えてみた場合に、私は、人口密度はさておいても、東海村に動力炉を設置するということには問題があるのではないか、こう考えますが、いかがでございましょうか

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 こういう問題は、科学者の科学的検討をわれわれは参考にしてきめなければならぬと思います。従いまして、安全審査部会あるいはその他諸般の権威者の意見を聞きまして、判定いたしたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 日本の経験のない科学者の意見よりも、外国の事例を学ぶこともあわせて必要があります。大型の動力炉が、原子力研究所の教育用、訓練用の原子炉と同一場所に併置されておるという、こういう原子力研究所なり、そういうものがどこかありますか。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 フランスのマルクールなどは、大体そのようであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 マルクールの詳しいことは私はわからないが、しかし、大型の炉というけれども、かなり目的、機能からも違っておるのではないかと思います。こういう点、どこにも私はないと思う。マルクールだけが若干除外になると思うが、ないんですね。先進国の慎重な計らいというものも、われわれは考えていかなければならない。そういう点で、専門家の意見もさることながら、やはり政治的な顧慮として、新委員長の御検討をこの際私はわずらわしたいと存じます。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 こういう原子力あるいは原子炉のような重大な問題を取り扱う場合には、なるたけ政治的考慮をやめにいたしまして、純科学的な検討を中心にして判定していったらいいと思います。政治的考慮というものがあまり入り過ぎますと、かえって住民に不安を与えたり、あるいは疑惑を抱かせることになると思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 政治的考慮と申しますのは、中曽根さんは、さっき平野さんに対する御答弁でも、幅の広い解釈と狭い解釈と言われた。私は、今度は幅の広い解釈のことを言っておる。だから、外国において大型炉と教育炉が併置されておるようなところがあまりないということは、やはり、外国の諸君は、大型炉を併置させることから起る不慮の事態を考慮して、科学的な観点から、切り離しておるものである。こういうやり力を政治的に学んでいただくことも、この際必要じゃないかという、いわば広い意味の政治的顧慮をお願いいたしたい、こういうわけであります。  次に、コンテイナーの問題でございますが、これも委員会で繰り返し取り上げましたけれども、まだ、つけるとも、つけないとも結論が出ておらないままになっておるように記憶いたしておりますので、この際、特に私は、いわゆる原子力都市というようなお考えを持っておられるとすると、このコンティナーの問題は、当然大事な中曽根委員長のポイントになろうかと思います。結論から申しますると、私は、東海村を将来原子力エリアとして、計画的に発展させようとするなら、当然、このコンティナーを動力炉にもつけさせる必要がある、こう私は信じておる。いかがでしょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 コンティナーの問題は、前にも御答弁申し上げましたように、目下慎重に検討中でありまして、その審査の結果を見て、われわれは判定いたしたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 繰り返し申しませんが、私も、ただばく然たる不安感からコンティナーをつける必要があると申し上げるのではないので、一応外国の公式な文献を中心に、ぜひともつけるべきだと申し上げておるのでございます。  なお、私は、そうなりますと、非常に矛盾した形が起ると思う。と申しますのは、今度われわれが議決いたしたました予算によって、この動力試験炉というものが設置される。これはコンティナーを持っておるわけです。試験炉の名のごとく、出力のきわめて小規模なものがコンティナーを持っておる。ところが、実用規模十五万キロワットという大型の原子炉はコンティナーをつけなくともいい。これは、それこそ委員長の言われた、まことに科学的に不思議な観光現象が東海村に起ってくることになる。非常な矛盾じゃないかと私は思います。この点、やはり小型につけるくらいなら、当然大型にもつける、そうして、原子炉の事故に基く放射能の外部への拡散をとどめていくということが当然必要ではないか。こういう点からも、動力試験炉がコンティナーをつけるところの立場からも、もし、小型にもつけるなら、大型にもつけるべきだ、こう私は思うわけですが、御所信を承わりたい。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 動力試験炉とコールダーホール・タイプとは、炉の性格、炉のタイプが違う点があるのであます。片方は濃縮ウラン、片方は天然ウランというように違う。また大きさも違います。そういう炉の性能、スタイル等から見て、片方につければ、また片方へ当然つけるというふうには参らないと思います。そういう点は、すべて科学的に検討していただきまして、ともかく、安全を中心に、われわれはこの問題を処理いたしたいと思っておりますので、もうしばらく科学的検討の結果をお待ち願いたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 私も安全性という観点から申し上げておるわけでございます。今も仰せになりましたが、安全性という観点から、この間、センはBWRを選んだことは御存じの通りでございます。なぜ選んだかということは、その後も、最近私どもが入手しておる国内で発行されておる「原子力工業」その他のものを見ますと、安全性を中心とした、要するに世界銀行の融資ということで、国際的なパネルで安全性はBWRに軍配が上っておる。この小型なBWRを動力試験炉として導入するときにコンティナーをつける、安全性において欠けるところがあるとしてセンの入札ではオミットされたコールダーホール改良型に対してはコンティナーをつけない、そうなると、これは論理的にも実際的にも矛盾をした点があると私は思いますが、そうではないでしょうか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 濃縮ウランのBWRにコンティナーをつけた理由は、私は、まだつまびらかにしておりませんが、前に聞いたときの話では、安全性もさることながら、経済性の観点からも、あの場合はコンティナーをつけた方がいいというお話のように承わっております。従いまして、炉の性能、炉のタイプによっておのおの特長があると思いますので、これは、すべて科学的検討を待って、われわれは判定いたしたいと考えております。

岡良一日本社会党

○岡委員 今度議決した予算における二十四億の動力試験炉というものは、四億はコンティナーです。してみれば、今われわれが日本原子力研究所に置かうとするこの動力試験炉については、そういう意味で、四億をつけ加えなければ経済性の研究が期待できないなどという性質のものではございません。そういう点で、私は、今これを一々こまかく事例をあげませんけれども、やはり、ぜひコンティナーの問題は真剣に考えてもらいたい。私どもの印象では、なるほど、実用炉、大型のコールダーホール改良型にコンティナーをつければ相当なお金になるでしょう。なりましょうが、しかし、採算で住民の危険を犠牲にするわけにはいかない。この心がまえを、私は、日本の原子力政策の当事者のやはり大事な心がまえとしてやってもらいたい。そういう心がまえが要らなくなる時代を持ち来たらすまでは、やはりこれを一義的なものとして尊重していっていただきたい。経済性のために住民の犠牲を顧慮しないという考え方だけは、ぜひともやめていかなければ、ほんとうに日本の原子力政策というものは発展しない。そういう点で、私は、こまかいことで今あなたと討論しようとは思いませんが、ぜひ一つ、コンティナーの問題は真剣に考えていただきたい。これは、もし原発会社が損をするなら、国が金を出したっていいじゃありませんか。りっぱなデータとして、危いんだぞ、コンティナーをつけろ、アメリカではこれは常識なんですから、先進国がそう言っておるなら、やはり安全な道を選んで、国が金を出してつけてやる、そのくらいにやっていただくのが、私は正しい方向じゃないかと思いますので、どうか一つ、ぜひこういう点も真剣に御検討願いたいと思います。  次の問題でありますが、補償の問題は、いろいろ有沢先生にも伺いをいたしました。そこで、この災害補償については、先ほどお約束をいただいた原則に基き、国家補償も含め、あるいは労災、健保、国保等、関連法規の改正をも含めた原子力災害の第三者補償についての体系的な法律を、ぜひ一つ通常国会には御提出を願いたいということを、重ねて私は強くお願いをいたしておきます。  それから、これはきょうの毎日新聞の記事でございますが、「炉心の黒鉛が縮む」こういう大きな見出しで、実は耐震性の問題が新しく提起されておるのでございます。こういう新しい事実について、一体原子力委員会の安全審査部会はどのような取扱いをしておられますか、まず、それからお伺いをいたしたいと思います。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 私からお答えを申し上げます。原子力発電会社から、ただいま御指摘がありました点に関しまして、炉の設置許可申請書の添付書類といたしまして、ナンバー九の書類が出ております。原因等に関しましては、きょうの毎日でございますか、それに載っておりましたものとほぼ同様でありますが、設計変更の件に関しまして、そういう黒鉛の圧縮に対して、特に耐震構造との関係からどういうふうに設計がえすべきかという変更の届けがございまして、ただいま安全審査部会で検討中でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 耐震性の問題は、この委員会でも大いに論議の種になった問題でございます。これについては、この二月でございましたか、原子力発電株式会社の当事者もお見えになった席上で、私どもいろいろお尋ねをいたしました。その結論は、過去一年ほどの間に、黒鉛を積み上げて小型の模型を作って、そこで物理的な振動実験をやってみたところが、その結果としては、関東大震災の数倍の地震があっても大丈夫である、こういうお話であった。ところが、その当時と違って、今度は中が縮むということになってきた。これは原本を取り寄せてみますと、確かにやはり縮むという報告がジュネーブに提出されている。とにかく、二十年を耐用年数とすれば、新聞にも出ておりますが一・五%ばかりグラフアイトが縮むということになれば、これはもう、縮まないことを前提として、若干膨張するだろうということで鉄のたがをはめて振動を与えたけれども、大丈夫くずれなかったという実験は問題じゃない。新しく中が縮むという条件で地震に耐えるかどうかということを再実験しなければならない。膨張するという前提で、たがをはめてゆすぶってみた実験に一億の金と一年の日子がかかっておる。そうすれば、単なる実験抜きの設計変更であなた方はできるものだと思われますか。まず、その点からお聞きをしたい。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 黒鉛が膨張するのも事実でありまして、決して縮小するばかりではございません。それから、収縮する場合の実験は、全然やってないことはないのでありまして、この方も実験してございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それは、いつ実験されたのですか。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 最近でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 このジュネーブ論文によって、向うの方からこういう事実の報告があったのは六月中旬の新聞に載っておる。その後でございますか。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 その後でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 それではお伺いをいたします。私は、根掘り葉掘りどうこうとは申しませんが、一体、実験の結果、どうでございました。どういう工夫をすれば間違いがないということになりました。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 設計変更の案が出てきておりますので、安全審査部会といたしましては、その設計変更の内容審査をしているとともに、ただいま申し上げましたように、建築研究所で、今まで設けました耐震の設備を利用いたしまして、実際の理論値と現実の設計からくる点との一致点と申しますか、誤差があるかどうか、そういう点の研究を行なっている次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 私も専門家じゃないから、こうなると、はっきりしたことは申し上げかねますが、ただ、現地におった関係もあり、その後、そういうことからいろいろ資料も調べたりして関心を寄せておるので、その程度の私の知識から出しますと、なるほどアメリカのR・C・ナイチンゲール、C・M・ダビッドソン、W・A・スナイダー、この三氏がジュネーブにおいて発表された、グラフアイトが千度の高温にあたためられたときにおける非常に破壊的な影響という中で、二十年の間においては一・五%、レンクスにおいてもボリュームにおいても収縮するという。ところが、この場合私どもが注意しなければならぬことは、一体、この温度が一様に持続されておるものであるかどうかということです。五百度に熱せられる部分もあれば、四百度の部分もあれば、三百度の部分もある。少くとも、そこを対流する炭酸ガスなり、あるいはその他のものがいかに熱を持っておっても、中性子の持続的な影響というものは、その部分において結晶のひずみを起させるには、非常に不均衡で、不統一だということが明らかになっておる。してみれば、それだけの実験がどうしてやれますか。一体、どこにどれだけのひずみが起るかということは、ただ、ばく然と平均的な収縮が起るのじゃないじゃありませんか。これに対して、そこまで究明をされて実験をされておるのかどうか。

藤波恒雄総理府技官(科学技術庁原子炉規制課長)

○藤波説明員 便宜、私から御正返事申し上げますが、ただいま局長から、実験をやっておると申し上げましたのは、グラフアイト自身の高照射下あるいは高温度下におけるシュリンケージそのものの特性実験ではありませんで、シュリンケージの特性があるということを考慮に入れて、しからば、膨張にも、シュリンケージの場合にも対応できる構造には、どういうようなダブテイルであるか、どういうようなキー・システムをとったらそれに耐えるかという意味の試作試験、それによる応力試験、こういう意味でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 そうであろうと思うのです。そこで、問題は、物理的な振動に耐える実験は、一年間一億の予算でやった。今度は新しい事態が起ってきた。しかも、この事態たるや、一様に、均一に持続するのではないかもしれないという事態です。一体、こういう状態において、実験はやはりやらなければ確かめられないではありませんか。それとも、青写真の上において安全であるということを、未経験のあなた方が推定されることで満足されるか、ここが私は大事なポイントであると思いますが、安全性に大きな関心を持っておられる委員長としては、いかがなさいますか。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 ただいまのグラフアイトの収縮の問題は、最近出てきた問題でございますが、しかし、安全審査部会におきましては、この問題は、かなり前から基礎的には研究して取り上げておったようであります。それで、設計変更等が出て参りましたので、この問題と取り組みまして、できるだけ早く科学的な正確な結論を出してもらうように努力いたしたいと思います。こういう問題は、われわれが外部からいろいろ容喙がましいことを言うよりも、ほんとうに純科学的に検討してもらいまして、純科学的な結論を純粋に出してもらうということが一番いいだろうと思いますので、そういう方向にこれを処置して参りたいと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 そういう意味で、私どもも、自分の知る限りを限度として申し上げておるわけです。ただ、自分の乏しい私見から見て、これはもう一度実験をし直してもらおうと思います。そこで、科学者の検討と申しまするけれども、また、安全審査部会の方では、かねてからこの事態についての審査があったように言われますが、この事実は六月中旬、今から一カ月足らず前に、初めて英国の方からこういう事実がもたらされた。そこで、あわてて設計変更をして、これならば安全でございましょうということでお伺いを立てておるという現実ではありませんか。物理的な振動実験にも一年間と一億の予算を使った。しかし、全然そうではないこの新しい事態に対して、単に青写真を変更するだけでは、私は、安全であるといっても、だれも納得はできないと思う。だから、これに対する科学的な実験を、もちろんやってもらわなければならぬ。科学者が立ち会ってやってもらわなければならぬ。そういう実験を重ねておやりいただいた上で、最も安全に関する責任の持てる結論を出していただけるかどうか、このことをお伺いをいたしておるわけです。

佐々木義武総理府事務官(科学技術庁原子力局長)

○佐々木説明員 申請を出したのは——御承知のように、申請と申しますか、設計がえの申請を出して参りましたのは、その部分に関するものは六月の中旬でございますが、その申請書を出しました際には、研究をしまして、そうして、出したわけでございまして、岡さんのおっしゃるのは、それを、さらにコンフアームする意味で、安全審査部会としては、その実験の程度でよろしいか、あるいはさらに継続してやるという効果といったような点を、ただいま検討している最中でございます。従いまして、その申請書を出す以前から、もちろん検討した結果、こういう申請をしたわけでございまして、別に、安全審査部会としては、あわても何もしておりません。

岡良一日本社会党

○岡委員 しかし、原子力発電株式会社が公開実験として関東大震災以上の振動を与えて、このような物理的な振動の結果、安全であるという結論を出しておるのは一月の中旬である。原子力発電会社としては、国民の前に明らかに責任を持ってやった実験は、これしかない。その後、小規模なものはやっておるか知らないが、しかし、これは重大な問題です。一月の中旬にやった公開実験とは本質的に違った事実が起ってきた。それに基いて、なおかつ安全であるかどうかということの実験はやっておらない。物理的な振動実験で、安全であるということを国民の前に明らかにしようとするならば、原子力発電株式会社は、当然この新しい事実に基く公開実験をやってもいい。これは何もやっておりません。してみれば、原子力発電会社の方で安全であるとして出してきた書類というものは、青写真のものであって、この新しい事実に基いて真に検討しておるのであるか、責任ある検討をされておるかどうかということについて、当然私は危惧を持たざるを得ない。この点について、重ねて御意見を聞きたい。

中曽根康弘自由民主党科学技術庁長官

○中曽根国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、新たなる事態につきましても、原子力発電会社の方はいかなる理由によってそういう設計変更をしてきたのか、また、その設計変更というものが、そういう変化に対応できるものかどうか、これは十分慎重に検討いたしてみたいと思います。原子力発電会社の許可を急ごうとかなんとかいう気持は毛頭ございません。一番大事なことは、非常に確実に安全にということが、今日の原子力発電を急がせる上につきましても重要であると私は思いますので、決して拙速をもってやろうという気持は毛頭ございません。国民の皆さんが十分安心できるような措置をとって参る覚悟でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 中曽根委員長の率直な御答弁については、私どもも信頼をいたしたいと思います。ただ、コールダーホール動力炉の導入という問題は、大体スタートから少しあわて過ぎておったということは、中曽根委員長も御存じの通りでございます。技術的にも、あるいはプラスの温度係数の問題が出る、これに対して、デリケートな安全制御の措置をやろうということで、どうにか身をかわされた。今度またグラフアイトが萎縮するという問題が起ってきた。こういうような形で、技術的にもいろいろ問題点が多い。さて、それを設置をしようとする東海村が果して妥当であるかどうかという点についても、人口密度についても、何ら私どもが妥当であると納得し得るような御答弁が今のところありません。では、一体、気象状態はどうなのか。これも中間報告というものを拝見いたしておりますが、大体アメリカの常識としては、大型の炉を設置するに妥当であるかどうかという気象条件の調査には、一年半が必要であるということが常識になっておる。一年半どころか、きわめて短期間の間に、手ぎわよく安全であるという結論に近つこうという努力が見える。私は、こういうようなことでは、せっかく委員長の、安全なもの、安全性ということを中心に設置についても考えていこうという御意図が、事実においてくつがえされてくるような事態になることを、ほんとうに心配をするものでございます。私どもは、決して原子力発電に反対をするものではございません。ただ、しかし、万一ここで事故を起してもらうと、日本の原子力政策が、二葉のうちに、もうばっさりとつみ取られてくるのではないか、このことを心配するので、特に大型のものについては、できるだけ安全性については、委員会としても責任を持ってもらいたい、こう申し上げておるわけでございます。経済性の問題についてもいろいろ私は申し上げたいと存じまするが、きょうはこれでやめておきます。ヒントン卿が三年前に〇・六ペンス、日本のお金にすれば二円五十銭、安いものだというので、当時の原子力委員長がこれに飛びつかれた。一昨年の十二月には、原子力発電長期計画というものが原子力委員会から出された。これでは二円五十銭が四円七十五銭になっておる。それでも、四円七十五銭であれば、火力は、その当時、石炭で四円五十銭から四円の間、重油専焼ならば四円から三円五十銭の門だから、将来原料のオーバー・プロダクト、だから、原料が安くなればコンパラブルであろうと言われた。コンパラブルどころか、原子力発電所の建設費そのものがだんだんふえてきておる。今中しましたプラスの温度係数の問題などで建設費がそのつどふえてきた。シッビングポートなんか三二%から出費がふえて、アメリカの会計検査院が大むくれだということが最近の情報でいわれておる。そういうような形で、資本費はかさみ、しかも、原料は下るかといえば、なかなかそう下る気配は見られない。そして、今度一キロワット時の単価が四円九十八銭に上った。二円五十銭、四円七十五銭、四円九十八銭、それでもコンパラブルならいいけれども、今度は石炭火力は、皆さん御存じのように、四円になろうとしている。重油専焼なら三円五十銭以下になろうとしている。それに日本の石炭事情も考えていいので、そういうことを考えますと、やはり原子力発電計画は、安全性の問題ばかりでなく、経済性の問題についていろいろ新しい問題が提起されていると思う。  そこで、最後に、一言、私が衷心から切望するのは、これからの中曽根さんです、この導入炉については、そういうこともさることながら、日本の将来の原子力政策の発展という大局的な見地からも、ぜひとも誤まりなきを期していただきたいということを、私は心からお願いをして、質問を終えたいと思います。

村瀬宣親自由民主党

○村瀬委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。     午後一時三十五分散会

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