運輸委員会 第5号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/10/05
会議録
○平井委員長 これより会議を開きます。 先般の台風第十五号による運輸関係の被害状況について政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。運輸省細田官房長。
○細田説明員 それではお手元に差し上げてございます台風十五号、伊勢湾台風によります交通施設の被害の状況並びに今日までとって参りました対策につきまして概略御説明申し上げたいと存じます。なお気象庁の関係の今回の台風の状況につきましては気象庁から肥沼予報部長が参っておりますので、引き続きまして専門的に御説明をさせていただきたい、かように存ずる次第でございます。 まず初めに国有鉄道でございますが、二枚目の表をごらんいただきますと、本台風によりまして被害の区間は四十七線区二百二十一ヵ所に達したのでございます。この第二ページの表がそうでございます。このうち三日の八時までに逐次開通をいたして参りまして現在不通区間は第一ページの表の七線区二十六区間となっておる次第でございます。このうち特に被害の大きなものは、開通見込みのところに調査中とあるものでございまして、特に関西本線が水をかぶりましたためにいまだ損害の見込みもわかりませんし、開通の見込みについても不明というひどい状況に相なっておる次第でございます。それから次に越美南線並びに名松線、これにつきましても同じように大きな災害にあっておりまして、越美南線はここに深戸—美濃相生橋げた流失とありますが、大きな橋げたが流失いたしましたために、これも開通の見込みが今のところ立たないというような状況でございます。武豊線あるいは紀勢線、山陰本線、篠山線等につきましては、それぞれ開通見込みがございまして十月五日、六日、またおそいものでも二十五日には開通の見込みが立っておるわけであります。 国有鉄道の被害の概算でございますが、実は関西線その他ただいま調査いたしておりますところがはっきりいたしておりませんが、現在までに判明いたしましたものだけでも一番上にございますように約三十四億円と相なっておる次第でございます。ただ、今回の国有鉄道の被害はこのように大きかったのでございますが、幸いにいたしまして災害台風時によくこれまではございました列車の運転事故——線路が流失しているところへ汽車が乗りますとか、あるいは土砂崩壊のところへ突っ込む、こういった運転事故あるいは人命の損傷というものは一件も今回はございませんでした。 それから第三ページ目は国鉄自動車の被害でございますが、概算総額四千二百万円余でございまして、お手元の表に各線名、不通区間、開通見込み等が書いてございますが、これにつきましては表でごらんいただくことにしまして詳細は省略さしていただきます。 次は四ページ目の私鉄でございますが、私鉄は名古屋鉄道、近畿日本鉄道といったような私鉄中の大きなものが相当大きな被害を受けたのでございますが、被害総額は約十億九千七百万円、今日まで判明いたしましたところではそのような数字になっておるのでございます。名古屋鉄道につきましては尾西線、常滑線、築港線、これが開通見込みが不明でございまして、これ以外は十月一日までに全部開通をいたしておる次第でございます。なお九月三十日から、ここに書いてございますように、バスまたは船舶によりまして代行輸送をいたしておるような次第でございます。次に名古屋市の交通局でございますが、これは名古屋市の港の地区がやられておりましてここにございますようなところが現在冠水のために開通見込み不明でございます。近畿日本鉄道につきましては、伊賀線の伊賀上野—上野市は十月五日開通の予定でございますが、伊賀神戸—西名張駅との間が不明になっております。三重交通がやはり同じく大きな被害を受けておりまして、志摩線につきましてはバスを代行中でございます。以下、福井鉄道ほか地方の鉄道がございますが、これはおおむね開通または開通の見込みが立っておるものでございます。 五ページに入りまして、私鉄の復旧対策といたしましては、融資のあっせんといったようなことにつきましてはすでに全銀協の方へ鉄道監督局長の名をもちましてお願いをいたしまして、ここに融資のあっせんをいたしております。なお税の減免あるいは補助金の交付等につきまして、今後努力していかなければならぬと思っております。 なお災害地向けの救恤品の無賃輸送、あるいは復旧、復興のための物資の割引等につきましては国鉄、私鉄において直ちに実施をしておるような次第でございます。 三番目に船舶の被害でございますが、これは五ページの中ほどからございますように、汽船におきまして四十九隻、機帆船百七隻、漁船二千五百三隻、その他合計いたしまして約三千隻、トン数にいたしまして十万三千トン余の被害でございます。これに伴う人員の被害は、死亡者が十七人、行方不明が五十二人と相なっております。 それから海上保安庁の船艇が小さいものについては沈没、乗り揚げ等がございますが、これは五ページの一番下の表によってごらん願いたいと思います。 次に航路標識の関係でございますが、これは十月三日現在で九千九百万円の被害総額になっておりまして、灯台、浮標に分ちまして、この六ページの上の表のような大きな被害を受けております。 なお、このほかに陸上の通信施設につきまして三千万円の被害を受けております。なおこの四番目にございますように、灯台の関係の職員が一名殉職をいたし、なお一名は重傷、家族が二名死亡いたしております。今回の災害で職員の罹災いたした者は非常にたくさんございますけれども、殉職者はこの海上保安庁の灯台の関係の一名ということでございます。 なお海上保安庁といたしましては、名古屋にございます第四管区本部におきまして、台風の来襲に備えましていろいろ措置をとりましたほかに、さらに台風の跡始末につきましていろいろやっておるのでございます。ここにございますように二十七日の八時に台風対策本部を設置いたしまして、災害救助関係の各機関と連絡をして警備救難の万全を期しておる次第でございます。なお海上保安庁の本庁といたしましては、各地から第四管区本部の方に応援を派遣いたしておるのでございますが、詳細につきましてはお手元の資料で見ていただくようにお願いをいたしたいと思います。 なお新聞等で御承知と思いますが、自衛隊の活動は今回の災害復旧、救助等について非常に目ざましいものがございますが、海上保安庁は自衛隊あるいはその他の各機関と連絡をとりまして、現地でいろいろ活躍をいたしておるわけでございます。第八ページをごらんいただきますと、ここに記事が書いてございますが、三番目の巡視船艇及び航空機の活動状況というのが要約して書いてございます。なお十月の二日から、名古屋—四日市間が交通が途絶いたしておりますので、巡視船一隻を就航せしめまして、緊急の公用の客の往来に充てておる次第でございます。 次に五番目といたしまして、自動車でございますが、自動車の不通路線の数、それから損害額、被害総額は今まで判明いたしたところでは約二十四億でございますが、なお自動車につきまして、現地の、特に愛知県の自動車、トラックが非常に不足いたしておりますので、静岡県あるいは大阪といったようなところから緊急に応援をいたさせておる次第でございます。 次に六番目の港湾施設について申し上げます。これは九ページでございます。港湾につきましては、二日の十二時現在でございますが、判明いたしました被害総額が四十四億三千一百万円でございまして、ごらんのごとく三重県の八億一千五百万円、愛知県の六億五千万円、静岡県の二億一千万円、これを最高としまして、北は青森から南は宮崎までになっております。なお名古屋市の港湾、これは判明分だけでも十五億円になっておるわけでございます。 それから港湾の関係の災害対策のところに書いてありますが、私も実は政府の中部災害対策本部が名古屋に設けられましてからちょっと参って実情をいろいろお聞きし、また一部見て参ったのでございますが、今回の復旧の一番大きな問題はすでに新聞等でもごらんになっておるかと思いますが、この中部地区災害対策に書いてありますように、三川下流地域の締め切りということ、海から遮断するという工事が一番大きなものでありまして、これをやらなければ水につかっておりますものがいつまでたってもこれは解決しないという、今回の最大の問題になっております。この点につきましては、私どもの方の港湾局、それから建設省、農林省の農地関係、三省が一体となりまして、ポンプ船の動員ということを大がかりにやらなければならぬということでございまして、この点に関しまして先日来港湾局長を現地に派遣いたしました。今日では大体ポンプ船の動員計画を完了いたしまして、逐次この地帯に集めつつある状況でございまして、大体締め切りの見通しについては各方面とも立ちましたような状況でございまして、ただいまこの作業を、強行いたしておるところでございます。在来の官庁関係で、この部分は建設省でございますとか、この部分は農林省とか、この部分は運輸省といったようなことでやっておったのでは、とてもらちがあかないのでございまして、こういった点は中部災害対策本部が中心になられまして、各省とかあるいは各出先ということでなくて、総力をあげてこの工事を遂行するという態勢が現在とられておるような次第でございます。 それから次に倉庫でありますが、十ページでございます。倉庫の被害につきましては、ただいままで判明いたしましたものは、倉庫施設自体としまして二億二千万円、寄託いたしておりますものの被害が四十九億六千万円でございます。ここに書いてありますのは、こういうことでございますが、事実はこれよりも非常に大きなものになるのではないかというふうにいわれております。これは実は倉庫の保険の関係その他があるようでございまして、現地の倉庫が被害を受けた状況で、ある程度保険の関係で、何といいましょうか、直ちに復旧その他にかかるわけにいかないといったような事情もあるようでございまして、この被害はさらに大きくなる見込みでございます。 次に八番目に航空施設でございますが、航空施設はそこにございますように、いろいろ建物の倒壊あるいは機器の破損等がございましたが、比較的軽微でございまして、千二百七十万円という程度の被害にとどまっております。 なお航空につきまして申し上げますと、線路の不通等で陸上の交通機関が今回は途絶をいたしました関係上、日本航空あるいは全日空輸、この両会社が臨時便等も相当出しまして、なお特に急を要するような救恤品、医薬品等の輸送につきましても相当働いたのであります。 それから次に船員の厚生施設につきましては十一ページにございます。なお、観光施設につきましても説明は省略させていただきたいと思います。 最後に気象関係が十二ページにございますが、これは非常に各方面被害を受けておりまして、総額二千六百万円という額になっておる次第でございます。 以上少し端折りましたが、お手元の資料につきまして御説明申し上げました。 なお、先ほど来申し上げております政府が今回設けました中部災害対策本部には、私どもの方から私が最初参りまして、なお引き続き鉄道監督局の国有鉄道部長、それから港湾局長が参りましたし、また海上保安庁から警備救難部長、その他現地の海運局長、陸運局長、海上保安本部長等すべておりまして、各省のこちらから参りました者、あるいは出先機関と連絡いたしまして、いろいろ対策の万全を期しておる次第でございます。 なお、先ほど殉職者につきまして一名というふうに御報告申し上げましたが、これは運輸省の関係でございまして、国有鉄道の殉職者が三人ございましたので、国有鉄道職員の殉職者が三名ありましたことをあわせて御報告を申し上げておきます。 なお、気象庁から気象の概略につきましては御説明申し上げます。
○平井委員長 肥沼気象庁予報部長。
○肥沼説明員 今回の伊勢湾台風についてごく概略、今後の対策について御参考になると思われますような点を二、三御説明を申し上げたいと思います。 今度の伊勢湾台風、十五号台風は、二十一日ころ発生したのでありますが、三日目の二十三日に中心が八百九十五ミリバール、風速が七十五メートル、これは南洋のようなことはよくわかりませんが、多分記録的なものだろうと思います。それからだんだん北へ上って参りまして、普通なら衰えるのが、ほとんど衰えずにきて、潮岬の西に上陸しましたのが二十六日の午後六時過ぎでございます。このときが九百二十九・五ミリバール、これは在来日本の国土に上陸しました台風の三番目でございます。一番目は、昭和九年大阪に風水害を起しました室戸台風、二番目は、終戦の年の九月十九日の枕崎台風で、今回は三番目でございます。そうして非常な速度、七十キロをごえる速度で和歌山県、奈良県から岐阜県、富山県を通りまして、日本海へ夜半過ぎに出ております。 大体特徴を申しますと、今回の台風は東側が非常に暴風であったということ、そして西側は雨がひどかったということでございます。その暴風について大体申しますと、名古屋で一番風が強かったのが晩の九時ころであります。平均して二十七メートル、瞬間風速で四十六メートルでございますから、港では多分五十メートルをこえた風が吹いていただろうと思います。その一つの証拠として、海上保安庁の灯台が志摩半島の先の大王崎というところにございますが、ここでは六十一メートルの瞬間風速を観測しております。こういう状態であります。その風は東の方は四百キロ以上にも及びまして、東京でもあの晩には平均風速二十七メートル、瞬間三十五メートルという風を観測しております。雨ほそれほどでもなかったのでございますが、前日来の非常な雨で、そのために河川の増水もかなりあったようでございます。 今回の一番の特徴は高潮でございますが、高潮について申しますと、南向きになっている湾で遠浅であります。そういうような東京湾、伊勢湾、大阪湾というようなところの西側を非常に強い台風が通りますと、高潮がいつでも起るということは、これは今後に御注意願いたいことでございます。東京の例で申しますと大正六年、これは都内で約五百人の犠牲者を出しております。昭和九年は、大阪だけで約二千人、全国にして三千名の犠牲者が出ておりますが、これも高潮が中心でございます。今回のは、台風自体の強さから申しますと室戸台風よりは弱かったのでございますが、被害は、御承知のようにああいう膨大な数字になったのでございます。 それから特に申し上げたいことは、風が強かったのでありますが、風が強いと同時に、速度も速い台風が非常に危険である。大正六年の東京湾の例も、昭和九年の大阪湾の例も、大体六十キロから七十キロくらいの速度で通過した台風でございまして、いずれも南風が強いということで高潮が起っております。 なお詳しいことにつきましては、もし御質問がございましたらお答えしますが、以上こういうところが大事だろうという点だけをかいつまんでお話し申し上げました。
○平井委員長 この際お諮りいたします。先般の台風第十五号による運輸施設被害状況について、委員を現地に派遣し、その実情を調査いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 [池田(禎)委員「委員長、ちょっと」と呼ぶ]
○平井委員長 池田君。
○池田(禎)委員 僕は要らぬことを言うようですが、実は運営委員会では、過去の前例等にも照らして国会から現地に派遣するということをきめたのです。その場合におきましても、従来こういう非常に混雑のときに見舞に行くと、かえって足手まといになって迷惑をかけるということがたくさんあったのです。そこで今回行くのは、各府県に、衆議院議長の名をもって、一切のお手数をかけない、自動車の利用及び現地の案内を除いては、宿屋その他地元に一切の迷惑をかけないということを通達をしておるようでありますが、これが先般自由民主党の関係委員会の方で委員を派遣するような話があったやに聞いております。これにつきましても、重ねてダブらないように、現地自身として非常な混乱をしておるから、そういう点では十分留意をしていただきたいということは、われわれの方も協議をして、これは議院運営委員長から各常任委員長にお願いをするという建前になっておる。できるならば、この前下相談をされたと聞いております関係の各委員会においては、できるだけ一つ編成班にして、こういう混雑のときの迷惑をかけないようにする、そうして実質的な何か調査の効果を上げ得るように願えないか、こういうことになっておるので、私も委員会から人を出すことについて反対はいたしませんけれども、非常にダブっている面もありますので、その点は委員長におかれても、それぞれ関係の委員長と御相談の上、しかるべく善処されることを希望いたします。
○平井委員長 これは議運の決議に基きまして、五つの委員会が相談をした結果、一名ずつ派遣をすることになっておりますので、その議運の意向を十分体しての派遣でございますから、御了承願います。——御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平井委員長 なお、派遣地、派遣期間及び委員の人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平井委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたしました。
○關谷委員 ちょっと予報部長にお尋ねいたしますが、今回の台風の被害の、何といいますか、警報は、これは適切に相当な時間の余裕を置いて出されたと聞いておりますので、この点は労を多とするのでありますが、何か新聞にも出ておりましたように、どの程度の高潮がくるというふうなことを予報しておられなかった。そのためにもしそういうふうなことが予報することができたならば、あの愛知県の被害も、人的な被害等は最小限度に食いとめられたであろうということが新聞にも載っておりましたが、そういうふうなことが機械設備の関係等でできなかったというふうな意味のことが書いてあったように思いますけれども、これはどういうふうな実情なのか、ちょっとここで御説明を願いたい。
○館委員 委員長、同じ質問でちょっと一緒に答えてもらうために……。気象庁にお尋ねいたしますが、十五号台風のお話があった。私の方は十四号台風について非常に被害をこうむった。私もあの日の連絡船で十八時間海に浮いておったのでありますが、そればかりでなく北海道の漁村地帯に非常な損害を及ぼしておる。これについては、船が青森を出帆する時分に暴風雨警報というのが出ましたが、解除になって強風注意報になったから連絡船が出た。ところがそういう状態になったということですから、それについても洞爺丸事件のときに私らが要求した函館山の気象のレーダー、そういうようなものについて少しも設備をしておらない、そういう点について非常に不服があるのですが、忙しいときですから、簡単な質問にしておきますが、あわせて御回答願いたいと思います。
○肥沼説明員 先の御質問からお答えいたします。私どもの出します予報、警報というものは、いつも必ずしも正確でないということは御承知の通りでございます。今回は比較的私たちの力の限度のところまでやれたということでほっとしていた次第でございます。しかし、あのとき私も申したのでございますが、また災害の対策に実際当られる方からのお話も聞いたのでございますが、暴風雨警報というのはかなりの災害が予想されるときに出すという、こういう抽象的なものでございまして、その程度については私どもなかなか詳しいことは申し上げかねるのでございます。非常に強い台風であるということで暴風雨警報を出す。高潮警報も加えておりましたけれども、その程度について、たとえば風に重点があるのか、雨に重点があるのか、あるいは高潮を一番警戒すべきかということの判定まで加えた警報の内容になっていないのは非常に残念でございます。しかしそれは施設その他を加えてもなかなか技術の面が伴いませんので早急には参りませんが、少くともあの日は二十六日の正午ごろからかなりの風が吹いていたのでありますから、伊勢湾の沿岸で自動的に潮位などを観測してこれを刻々キャッチしておりますれば、もう少し数量的なことの警報が出せたのではないかということを考えている次第でございます。そういうことは在来も考えたのでありますが、なかなかそこの実現ということもむずかしかったということは事実でございます。 それから、あとの御質問の十四号台風について申し上げますと、十四号台風もかなりの規模のものでございました。そして各地でみな暴風雨警報を出したのは御承知の通りでございますが、函館では十七日の晩に警報を出しております。そして十八日の午前七時過ぎにこれを強風注意報に切りかえて、さらに午後一時に警報にまたかえたという実情でございます。それは先ほども申しましたように、なかなか予想通りいかないのでありますが、前の晩に出しました警報は朝になるとかなり風が出るだろうという予想のもとに出しました。ところが朝になりますと、夜じゅう風はあまり吹かず、朝六時、七時のころたしか十メートルぐらいの風が吹いておりました。そして台風の位置と、時間的に申しまして午後には風が多分出るだろう、それは予想していたのでありますが、その限度は二十メートルはこえるまいということで注意報に切りかえたように聞いております。そういうわけで手続としては間違いはなかったのでありますが、予想が少し甘かったということはここで申し上げられると思います。今後の技術の進歩によって改善していきたいと思います。
○館委員 その点については、あとでまた詳しくあなたの方と折衝したいと思いますから、きょうはこれで終ります。
○細田説明員 ただいまの關谷先生からの御質問、補足して私申し上げたいと思います。 実は、今回のこの大きな災害にかんがみまして、先般閣議でも科学技術庁長官また私どもの方、また関係の大臣からいろいろお話が出ておりますが、ただいま肥沼部長からもお話がございましたように、たとえば潮位の観測といったようなことが不十分だ、もっとはっきりできたのじゃないかといったような点がございます。その他各般にわたりまして、レーダーの問題でございますとか、あるいは観測船の問題でございますとか、潮位の観測でございますとか、電子計算機の増設の問題、いろいろな問題につきまして実は科学技術庁と私どもの方と、また文部省、大学の方が一緒になりまして、今後のこれに対する対策につきましてただいまいろいろ検討をいたしておるような次第でございます。この気象、海象、そういったものの予想についてさらに思い切った金をかけてどこまでいけるかということで早急に検討し、結論を出したい、かように考えております。補足して申し上げておきます。 —————————————
○平井委員長 在日朝鮮人の帰還に伴う運輸行政について調査を行います。 質疑の通告がありますので、これを許します。高橋清一郎君。
○高橋(清)委員 台風十五号は新潟県は一応通過しましたが、さしたる影響もございません。ただこの北朝鮮帰還問題という台風が関係者を非常に心配させておるのであります。この在日朝鮮人の北鮮帰還問題に関連いたしましては、この前の九月十日でありますか、当委員会におきまして海陸輸送問題について政府当局に質問をいたしたのでありますが、その後の情勢を見守って参りますと、最初の予想に反しまして状況の変化がはなはだしいのであります。現在の情勢に対応して、あらためて政府当局の所見をお尋ねしたいと思うのであります。すなわち在日朝鮮人の北鮮帰還の登録申請、これは先月の二十一日から全国三千六百五十五ヵ所の市区町村役場に設けられました日赤の特別窓口で開始されたのでございます。新聞やラジオの報道によりますと、帰還案内のうちの外部との面会及び外出の禁止、新潟の日赤センター特別室での帰還者の意思再確認に対しまして朝鮮総連が反対した。先月の二十五日現在まででありますが、この帰還申請者は全国でわずかに百数十名にすぎない状態であります。先日の委員会における政府当局の説明によりますと、帰還の受付が開始されればこれはもう大体の輸送量が確定する、おそらくは、一回千人といたしまして月間四千人を目標として輸送計画を樹立する、こういう答弁があったのでありますが、かような帰還申し込み状況に対しまして政府当局はいかなる輸送計画を立てるかにつきましてあらためてお尋ねを申し上げたいのであります。
○山内説明員 先般の委員会で御説明申しましたように、一船の定員が千名、月間四千名という輸送計画を立てております。国有鉄道といたしましては、これから現実の輸送の希望がありまして、それから輸送の計画を立てるわけでございますが、現在の状態におきましては、ただいまお話のございましたように九月二十五日締め切りいたしまして、百六十二名という数字でございます。御承知のように一般定員千名でございますので、現在こういった状態で船を出すかどうかということは目下検討中の段階でございます。全体的の輸送計画につきましては、今申しましたように百六十二名という実数しかつかんでおりませんので、具体的な数字が固まりましてから現実の輸送計画を立てたい、かように考えておる次第でございます。
○高橋(清)委員 乗船開始というのが十一月の十日でございますので、それまでになるほど情勢の変化はあろうと思われます。しかしここでお尋ね申し上げたいことは、外務省にお尋ねしますが、厚生省も関連することなのでありますけれども、問題は帰還案内の修正をめぐる問題であろうと思うのであります。これが起因であろうと思うのでありますが、先月の七日の午前十一時半からこの問題が話題の中心になり、どうしても修正してもらわぬことには帰還業務に協力できない、こういう日赤に対しまする朝鮮総連側におきまする強い申し入れであります。これがもとであります。従いまして、果して帰還案内の修正をおやりになる意思がおありであるかどうか、またこの案内が受け入れられないという場合におきましては、帰還の一部中止ということもやむを得ないというようなお考えであるかどうかについてお尋ねするわけであります。
○三宅説明員 ただいまの御質問の問題は北鮮帰還協定の実施の問題でございますので、私たちの方ほいろいろと相談は受けておりますが、主体となっておやりになるのは日赤、厚生省でございますので、厚生省の引揚援護局長からお答えいただいた方がいいかと思います。
○河野説明員 現在の申請状況につきましては、ただいま御質問の中にございました通りでございます。私ども当初は二十一日に受付を開始いたしますれば相当数の申請があるものと実は期待をいたしておったわけでございますが、ただいまお話のありました例の帰還案内の問題をめぐりまして強硬な反対がございまして、その関係でただいまの御質問にございましたようなごく少数の申請に今なっておるというのが実情でございます。帰還案内で問題になっております点はいろいろございますが、一番大きな問題はただいまの御質問の中にもございました点であろうと思います。すなわち、特別列車に乗ってから外部との接触を極力避けるようにして安全に輸送ができるようにしたい、この点が一つ。それから新潟センターにおきまして意思の確認をやる、こういうふうな点についての反対が一番大きなポイントであろうと思います。ただ、この反対につきましては、私どもも朝鮮側の代表の人と会いまして先方の御意見もいろいろ伺っておりますが、非常な誤解があるように考えるのであります。この外部との接触を制限するという問題につきまして、何か日本で犯罪人扱いをする、あるいはまた意思の確認というふうなことは協定違反であるというような立場をとっておるわけであります。そういうふうなことによって日本側がこの問題を遅延させる、あるいは帰る人を抑制するというふうな底意があるのではないだろうかという誤解が前提にあったように思うのであります。しかしながら、日赤にいたしましても、日本政府にいたしましても、そういった根本的な点についての考え方は全然誤解でございまして、そういったようなことは毛頭考えていないわけであります。外部との接触の抑制にいたしましても、御承知のような猛烈な北送反対の運動が行われておりますことは御承知の通りでございまして、すでに各所において傷害事件等が起っているようなことも伺っているのであります。こういった通常の状態と非常に違った環境下におきまして、どうしたらば安全に帰っていただけるかということをもっぱら私どもは心配をいたしておるわけであります。そのためには望ましいことではないかもしれませんが、現在の環境下におきましては外部との接触を制限することによって初めて安全に送り届けることができるというふうに考えまして、ただいま出ておりますような帰還案内ができた次第であります。 また意思確認の問題につきましても、何か意思確認をしないということがジュネーブの日赤と北鮮の赤十字との約束であったというふうな言い方をいたしておるのでありますが、この点は、あるいは外務省からお答えいただいた方が適当かと思いますが、私どもの承知しておりますところでは、最初の会談におきましてはそういったような問題もございまして、意思確認ということは何か朝鮮人を軽べつするようなことを日本側は計画しているのではないか、そういうことは人道に反するということでいろいろ話し合いがございました。しかしその前提として非常に誤解があったように考えられるのであります。それは何か日本側で朝鮮人を、現在六十数万人にわたる登録人員がございますが、こういった人々を全部区分けをするのではないだろうか、あるいはまた南鮮で生まれた人は今回の対象から除くのではないだろうか、あるいは思想的な問題、あるいは過去の経歴、そういったようなものを根掘り葉掘り調べるのではないかというふうな非常に大きな誤解があったように考えるのであります。そのことは先方の代表の言葉の中にも出ているわけでございます。実は日本としてはそういうことを考えているのではないのであります。日本側は朝鮮人を追っ払うのではないか、あるいは北鮮が無理やりに朝鮮人を連れていくのではないかというふうな非難なり中傷が行われているわけでございますが、そういうことでなしに、ほんとうに帰りたい人をお帰しするというふうなことを考えているのであります。その立場から意思の確認をやるんだというふうなことを説明いたしまして、この点はジュネーブにおきましても了解がついたものと私どもは考えておるのでございます。現在新潟の日赤センターで意思の確認についてどういうことをやろうかと考えているかと申しますと、ただいま申し上げましたように、別に根掘り葉掘りいろいろなことを聞くということではないのでありまして、ほんとうに帰りたいんだということであればそれでけっこうであります。それだけのことを聞くだけでありまして、それ以上にわたっていろいろこまかいことを、ああじゃないか、こうじゃないかというふうにせんさくする意図は毛頭ない。その点はその誤解が解ければ問題は解決するのではないだろうかと私どもは考えておるわけであります。問題は、要するに日本側の誠意を信ずるか信じないかというところにむしろ根本的な問題があるのではないだろうかと考えるのであります。今回の問題を踏み切りましたのは、御承知の二月十三日の閣議了解の際であったかと思いますが、それまでにいろいろな紆余曲折があったことは御承知の通りでございまして、日本として非常に複雑な国際情勢下においてこの問題を踏み切ったことは、日本がこの問題を真に人道的に処理しようというかたい決意に基いたことであると私ども確信をいたしておるわけであります。これだけを見ましても、この問題について日本が誠意を持ってやろうということの証左であるというふうに申していいのではないかと考えておるわけであります。その辺の考え方が、表面的に何かやるような風をして、裏からは実現ができにくいような細工をしているのではないかというふうな気持をもしも持ってすべての問題を判断いたしますれば、非常に間違った結論に導き出されると考えられるのであります。日本の誠意を信じていただければ、別段他意はない、安全にお帰しするにはどうしたらいいかということしか考えていないわけでありまして、その辺十分御理解いただけるものと私どもは考えておるわけであります。 帰還案内ができます際も、現在国連に行っております国際委員会の代表の方々とも十分打ち合せをいたしまして、ぜひこういうふうなことでやるべきであるという結論を得てやっておるわけであります。厳正中立の立場にある国際委員会の代表の全幅的な支持のもとにできた帰還案内でございます。公平な立場から見れば、これが妥当であるというふうに言い得る筋合いのものであろう、かように考えておるわけであります。従いまして、現在この帰還案内を変更するというふうな考え方は毛頭持っておらない次第であります。
○高橋(清)委員 局長の言われるような意味のことがあの帰還案内の内容である、そうしたうるわしい心情を基礎とした文言であるというふうには向うはとらぬだろうと思うのであります。やはり表に現われた一言一句というものをそのまま受け取るという現状でなかろうかと思うのであります。従いまして、過般の新聞でありますが、政府におきましては、帰還案内はあのままなのだ、絶対に強制しない、修正しない、こういうようなことを新聞で見ているのであります。その辺の見通しにつきましていかがでありますか、再度お伺いしたい。
○河野説明員 ただいま申し上げましたことを繰り返すことになるわけでございますので簡単に申し上げますが、帰還案内につきましては、国際委員会側も日赤も、また政府におきましても内閣方面も、変更しないということをはっきり声明をしておるわけであります。従いまして、先ほどお答えいたしましたように、変更する考え方はいたしておらないのであります。
○高橋(清)委員 先ほど局長のお話の中に、罪人扱いをしているというような印象を与えておるのじゃなかろうか、こういうような意味のことがありました。事実一つの例を申し上げてみたいと思うのでありますが、新潟におきまする滞在の三泊四日でございますか、その際使用いたしまする施設についてであります。これは新聞に出たのでありますが、自民党の岩本信行代議士が先月の十九日に実地視察をしておられるのであります。そのとき記者団に語りました言葉の中にこういうことを言っているのであります。宿舎は清潔で居心地がよいものを希望していたが、いかにも貧弱だ、たとえば部屋の仕切りがない点、食堂が遠い点、日赤や厚生省関係者の宿舎の方がよいということなどがあげられる。これは現地視察の感想として述べておられるのであります。自民党の代議士であります。それだけにやはりこうした施設の面からしまして、われわれは罪人扱いになったという印象を確かにこれだけの問題からしても与えるのでなかろうかという心配もあるのでございます。この際でございますので、こうした宿舎とか食糧、衛生関係ということに関連いたしまして、この新潟市におきまする受け入れ態勢及び食糧、衛生ということにつきましての対策を具体的にお示し願いたいのであります。
○河野説明員 ただいまの御見解には誤解があるんじゃないだろうかというふうに考えるのでございます。御承知のように、日本人の引き揚げを過去十数年にわたりまして、ずっとやってきておるわけであります。最後には、舞鶴に引揚援護局がありまして、西からの引き揚げは、大体大量のものにつきましては終了したというふうな状況にかんがみまして、昨年の秋に舞鶴は閉鎖をいたしました。しかし建物は、まだその問題が起りました当時はそのままになっておったわけであります。本来から申しますれば、舞鶴を使ったならば一番簡便ではなかろうかというふうな意見も立ち得るわけであります。しかし相当老朽のことでもございまするし、日本人はそこで引き揚げの受け入れをやっておったわけで、そういう面からいたしますれば、その施設を使って差しつかえないというふうにも考えられたのでございますが、やはり国際的に関心を集められた問題でもございまするし、日本側といたしましても、できるだけのことはすべきではなかろうかというふうなことで、わざわざそこは放棄いたしまして、それよりはるかにいいと考えられます新潟の施設を選んだ次第でございます。もちろん既設の施設を使いまする関係で、相当の改造を目下やっておるわけでございますが、現状を根本的に変えるというわけにも参りませんので、若干不便な点はあろうかと思うのでありますが、舞鶴の引揚援護局に比べますれば格段の相違があろう、かように考えておるわけであります。一部職員宿舎に充てる方がいいではないかというふうな御見解でもございまするが、それは建物の程度の問題は別といたしまして、やはり全体、相当多数に上る帰還者を収容いたしましてお世話するということになりますれば、そのお世話のしやすい形のところにお入りいただくということが最も合理的であろうと思うのであります。そういう意味で、小部屋でない大きな部屋を中心といたしました施設を収容施設に充てておるわけであります。これは朝鮮人の待遇をどうする、こうするというふうな問題でなしに、むしろ技術的な面から、これが最も合理的であるというふうなことで、あれをいたしておるわけであります。施設全体といたしまして、国際委員会の人も見ていただいておるわけでございまするし、外部の人もごらんになった方が多いと思うのであります。舞鶴なんかに比べれば、はるかによろしいというふうな御見解に承わっておるわけであります。現在整えつつあります施設は、むしろ日本側の非常な好意でやっておることであるというふうに見ていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○高橋(清)委員 地元の市民の一番心配しておりますことは警備関係のことなのであります。警察庁の方からぜひお答えを願いたいと思うのであります。帰還問題が出現いたしましてから本ぎまりになりました当時でありますが、地元において帰国をめぐりまする二つの大会が行われました。どういうことであるかというと、いわゆる祝賀会と反対集会であります。新潟におきまして朝総連と民団側で行なったつどいでございますが、期日は八月十五日であります。この際約千名の人間が集まりまして、民団側でございますが、どういうことを決議しているかと申しますと、北朝鮮かいらい政権による在日同胞の奴隷化を救うため北朝鮮送還に決死反対する、ということを満場一致で採択しておるのであります。続きまして九月の十七日でありますが、これは大阪で行われた大会でございます。これには、十一月初旬帰還が始まれば、新潟に全国から青年隊五百人を動員して効果的な救出を行う、こう言うておるのであります。新潟滞在の三泊四日の間にどのような擾乱が起るであろうかということを、悪く解釈いたしておることなのでございますけれども、万一のことがあってはならない。万々の警備につきまして親心の御発揮を願わなければならぬことは当然でありますが、今回の北鮮帰還問題に対しまして、御承知の通り韓国居留民団側はまっこうから反対し、すでにすわり込み、ハンストなどの実力行使に移っておるのであります。今後帰還輸送の実施に際しましては、何どき、いかなる不測の事態が惹起するかもしれません。関係地元民の不安はもちろんでありますが、特に帰還列車その他交通機関に対して、万が一妨害事故が発生いたしますると、ダイヤは混乱し、ひいては一般旅客輸送に影響するところきわめて大きいことは言うまでもないのであります。この帰還輸送を円滑に遂行するために、まず治安当局はいかなる対策を用意しておられるかということをお答え願いたい。
○江口説明員 お答えいたします。ただいま高橋委員のおっしゃったような集会がございましたことも、またこれに賛成する側、あるいは反対する側でいろんな申し合せをしているというような情報もありますことは、事実でございます。従いまして、そういう情報等を参考にいたしまして、私たちも帰還鮮人が大阪を中心とする地方や東京などから相当出るだろう、あるいはそれを反対する人間も多数おるだろうということで、その動きを重視いたしまするのが第一点でございます。第二点といたしましては、帰還が行われます際における新潟の状況がどうなるだろうかという点でございます。それから第三点としましては、そういう帰還者が出る地域と、現実に最後に帰還者が出ます新潟とを結びます輸送の途中における問題。こういう三つの事柄を中心にいろいろ考えを練っているわけでございます。 第一点の東京、大阪等を初めとする、たくさん朝鮮人のおります地域における朝総連及び民団の動きにつきましては、かねてからどういう動きがあるかということを十分注意をして、そして有事即応の対策を立てなければならぬという注意を鋭意いたして、現在見守っておるというのが現状であります。 それから第二点の問題におきましては、もちろん問題の大小によっては他からの応援というようなことも考えなければならぬのでありますけれども、とりあえず新潟県自体としてどういうことをやるかという計画を立てたのでございまして、あるいは御承知と思いますが、新潟県警察といたしましては、現在三十五名の遊撃といいますか、機動隊というようなものがございますが、いつでもどこにでも事件が起ったら動かし得るという性質のものでございますから、さらにそれに五十五名の新しい機動隊を作りまして、従って九十名をもって遊撃隊をこしらえる。遊撃隊というのはおかしいのですが、固定しない警備隊をこしらえる。それから日赤センターにおきましては、もちろん部内の犯罪その他もございましょうが、外部とのトラブルというようなことにすぐ役立つ意味で、十三名の特派員を常駐せしめるというような警備態勢、あるいは船が出る際のトラブルに備えまして、湾内におきましても警備艇を強化するというようなこと、あるいは駅頭あるいは駅から日赤センターまでの輸送等に備えまして、東、西警察署の警備をその方に重点を指向する、こういうような計画を立てておるような次第でありまして、なおそれで足らなければ、もちろん新潟の各地方にあります警官の動員もございましょうし、また大量に人数が要るというような場合には、東京、大阪等の、他の多くの警察官を持っておるところから応援をさせるというようなこともあり得るかと思うのでございます。 第三番目の、東京、大阪、福岡等と新潟とを結びます輸送の期間における警護、これは一番頭を悩ましておるところでございまして、帰還列車が単独に走る場合、あるいは普通の列車に車両を連結して輸送する場合、あるいは個々ばらばらに、普通乗客と一緒に送らなければならぬというようなことも、人数や時期によっては起ろうかと思いますが、これは国鉄なり厚生省でいろいろ計画を立てられると思いますので、私たちもそれに応じて計画を立てないと、どこで汽車がとまるのか、あるいは何時ごろどこを通るのかということによっても、相当違うかとも思いますから、これは具体的に輸送計画を立てられる責任者のところでそれが立ちましたならば、それとにらみ合して私たちの方もできるだけの応援態勢をしこう、こういう考えでございます。
○高橋(清)委員 民団側の反対攻勢と申しますか、そういう動きもさることながら、帰還者自体の中で、今後の情勢によりましてはたくさんの帰還希望者を出すだろうと思われるのであります。そういう大ぜいの者でありますから、新潟におきまして、中には統制を乱します不心得者が出ないとも限らぬと思うのであります。これは小さい問題でございましょうけれども、窃盗であるとか——強盗はどうかと思いますが、抜け出して婦女子に戯れるという者もないとも限らぬと思うのであります。それに伴いまして、あの付近は暗いのであります。部長は現地に行かれたかどうかわかりませんが、あの飛行場の周辺は暗やみであります。あすこに夜間照明の設備を施すというところまでのこまかい注意をいたしていただきたいと思うのであります。とにかく市民の生命財産の保護をはかっていただくことを前提にしました十分なる御警護をこいねがいたいということであります。 それに関連してでございますが、これは予算に伴うものでございます。実は新潟県会におきましても、非常に不思議に思っておることがある。今回の北鮮帰還に対する業務でありますが、これを新潟で心配せいという。これは国の仕事であります。国の仕事である限りは、予算面につきましても、大蔵省に、あるいは一時、間に合いませんければほかの方法でということが、当然考えられるのでなかろうかと思われる。にもかかわりませず、過般新潟県の水野本部長はこういうことを言うております。超過勤務、赴任旅費などは国では出さない。たとえば船が来ても、それを動かす船長、機関長は県警の負担となる、こういうことを言っておる。これに基きまして、とにかく相当な設備をして参りました。輸送車も全部できて、一応態勢を整えた格好に見えているわけなのでありますが、水野本部長は、これは国の仕事であるという立場からして、一億三千九百万円を警察庁に手配方をお願い申したということを言うておるのであります。これらの予算関係につきまして、ただいま申しましたような意味のことに対する御回答を願いたいと思います。
○江口説明員 おっしゃる通り国の仕事でございます。しかし国の仕事でございましても、それを地方で行います際におきましては警察の予算についてはいろいろ区分がある。たとえば国の仕事をやります際でも、警視以下の警察官の給料は県費で出る。超過勤務もそれで出る。これは特別交付税なりあるいはほかの手当で地方財源を補てんするということはあり得ると思いまするけれども、直接国費で出せる部分は限られているわけでございまして、国の仕事をやってもらいまする際にも、国から出し得る面もありまするし、またただいま例にあげましたような事柄については、直接国から出せないというような面もございまして、一がいに申し上げるわけにはいかぬと思います。ただ、水野君が一億幾らの要求をしたがほとんど受け入れられないという事柄につきましては、程度の差はございまするけれども、やろうとした計画についてはほとんど受け入れておるつもりであります。しかしながら、こういう建物に幾らかかる、こういったものにつきまして、そうかそうかということでそれをフルには認めてない。これはやはり私たちも、機動隊の宿舎等はできるだけりっぱなもの、ある程度恒久的なものをほしいわけでありまするが、国には国のものさしがございまして、われわれの力が及ばないという面もございましたでしょうが、金額が非常に少くなった、こういうことでありまして、機動隊の屯所ももちろん作ります、それから別個に考えておりましたセンター付近におけるたまりも、日赤センターの中に作るということでありますれば、これはまたその方で模様がえ等の事柄はやってもらうというようなことでございます。 なお新潟だけに幾らやるかということは実はきまっておりませんけれども、全国的なそういう活動、調査の費用としては一千数百万円を獲得いたしておりますので、実情に応じまして新潟等にその大部分がいくようなことももちろん考えなければいかぬだろう。あれやこれや合算して、そして実際やつている仕事とマッチしているかどうかというようなことは、時のたつにつれて御判断を願いたいと思います。
○高橋(清)委員 先ほどの部長さんの答弁の中にも、今回の警備のためでありますが、定員増を行うというような印象でのお話がございました。そうしますと自然に人件費、活動費というものが出てくるのでありますから、県との関係が非常に複雑になって参りまして、よけいな心配をしなければならぬということになるのであります。いろいろな点で協力はするわ、県費支出は多くなってくるということでは、地元感情としても許せないと思うのであります。当然出さなければならぬ分野もございましょうけれども、その大部分につきましてはあとう限り大蔵省との御折衝そのよろしきを得ていただいて、この県側の要望について御協力願いたいと思うのであります。 最後に大蔵省にお尋ねしたいと思うのでありますが、過般石原自治庁長官が新潟へ参りまして現地視察をされたのであります。そのときに、今回の警備に関しまする支出山分について、何とか特別交付税で心配してもらうことはできぬだろうか、新潟県に関しまするこの点での増額をはかってほしいという知事からの要求があったのであります。あまり積極的なお答えはなかったのでありますが、こういう特交の増額理由になるかどうかということについてお尋ねいたします。
○岩尾説明員 実は私は厚生省と労働省の担当でございまして、今お話しになりましたような問題は地方財政担当の主計官の分野ではないかと思いますので直接申し上げるわけにはいきませんが、私としては、今回のような特別の引き揚げに関して必要な経費というのは、特別交付税ではなくて、やはりそのときどきの予備費で出していくのが建前ではないかと考えております。
○高橋(清)委員 石原長官もおそらくはそうしたことをねらいとしての御答弁であっただろうと思われるのであります。部長も今の大蔵省の主計官のお話をお聞きになっております。予備費から何とか心配してもらいたいという御熱意を披瀝してもらいたいと思います。新潟県は御承知のように地盤沈下で大へんな費用を伴っておりまする現況でございます。公共事業すら消化できないという現在の姿であります。この点をよく御洞察願いまして、今回の帰還業務につきましては横の連絡を密にし、経費その他帰還業務万般に関しまして万遺漏ないように御配慮願いたいということと、予算面につきましての親心の御発揮を同時にお願い申し上げまして私の質疑を終ります。 —————————————
○平井委員長 次に国鉄の経営に関する件について調査を行います。 質疑の通告がありますので、これを許します。川野芳滿君。
○川野委員 私は鉄道管理局の問題について質問いたしたいのでありますが、時間の関係もございますので簡単に質問を申し上げます。どうか率直に御答弁が願いたいと思います。 鉄道管理局の増設問題につきましては当委員会におきましてたびたび問題になったのでありまして、その必要たるや万人が認むるところでございますが、いまだに実現を見ない点は非常に遺憾千万でございます。ゆえに現在鉄道管理局増設問題の経過はどうなっておるのでございますか、お尋ね申し上げたいと思います。
○十河説明員 管理局設置の問題につきましてはいろいろと各地から御希望も出ております。また当院においてたびたび皆様からいろいろな御意見も伺っております。国鉄といたしましては、輸送の流れ、行政区画等も勘案いたしまして、ただいまいろいろと根本的な改善の調査をいたしておる次第であります。監査委員会からも、国鉄の現状にかんがみなるべく組織を簡素にして合理化を進めていくようにというふうな御意見も出ております。それらの点も勘案いたしまして、ただいま委員会でいろいろと検討いたしておる際であります。行政区画の一つの県が幾つもの管理局に分れておるというふうなことで非常に御不便をかけておるようなところは、なるべく早く改善をいたしたいと考えておる次第であります。
○川野委員 今調査中であるという御答弁でありまするが、もう少し具体的に、どういう点を調査したいというのか、あるいは調査委員会等も設けて調査しておられるのであるか、さらに監査委員会の御意見というような御答弁がございましたが、どういう点が監査委員会から示されたのであるか、さらに監査委員会の示した日時、これを承わりたい。
○吾孫子説明員 日時は今ちょっとはっきりいたしませんが、監査委員会はたしか三十三年度の決算に対する報告書を出したわけでございますが、その監査報告の中で次のようなことを申しております。「地方分権制度の一環として、支社制が強化され線区別経営組織が漸次推進されるにしたがって、鉄道管理局のあり方について再検討することが必要である。最近鉄道管理局の増設運動が展開されているが、鉄道管理局を増設することは要員の増加をきたすばかりでなく、鉄道管理局のあり方について根本的に再検討の必要が生じているので、軽々にこれを行わず十分慎重に検討を加えることが必要である。」と述べ、また「現在のところ、線区別経営改善は主に比較的閑散な線区に実施されているが、主要線区特に赤字額の多い線区について、これを実施することが必要である。また、主要線区に線区単位の経営組織を設置するためには、相当時日を要するので、支社、鉄道管理局の幹部が線区別に経営改善を分担する形態について検討する必要がある。」こういうようなことを監査委員会が監査報告で述べておられますので、この監査委員会の趣旨も十分私どもとしては取り入れまして、今後管理局以下の地方組織をどうするかということについて結論を出したいと思います。 この前、支社に対する権限委譲その他について検討を加えました、組織改正委員会というものを部内に持っておりますので、今その組織改正委員会に案をかけまして、ただいま幾つかの案を作っております。それらの案のうちのどれを取り上げるか、どういうふうに処置するかということにつきましては、もう少し日にちをかしていただきまして、できるだけ早い間に結論を出さねばならないと考えておりますけれども、やはりなかなか問題が大きうございまして、管理局を一つ作るということになりますと、作るということのために相当の経費が必要でございまするし、また規模の点については相当合理化することを考えましても、やはり年々相当な経費を管理面でもって必要とするということは、やむを得ないということにもなりますので、それらの点をいろいろ考えまして、目下検討をさせていただいておるような段階にございます。
○川野委員 三十四年の八月ですか。
○吾孫子説明員 三十四年、今年の八月でございます。
○川野委員 監査委員会から線区別経営を強化するように、系統別に支社に経営させたらどうか、こういうような案の内容の勧告が行われたというただいまの報告でございましたが、しかいたしますと、これは支社等の廃止、あるいは管理局の廃止というような個所も、私起るのではなかろうか、かように考えます。そういたしますと、そういう形態の機構である限りこれは言うことはやすいがなかなか実行が至難である、かように私は考えますが、いかがですか。
○吾孫子説明員 ただいま申し上げましたようにいろいろ案を検討いたしておるのでございますが、監査委員会の申しておられますような線区別の経営形態というのを徹底して考えるということになりますと、ただいま御質問にございましたように、場所によっては今の管理局というようなものも廃止して根本的に立て直すというような案も考えられるのでございます。しかしこれはもちろんお話の通り、いろいろ影響するところも大きうございますので、それらの点についてどうしたらよいかということについて、検討を今いたしておる段階にある次第でございます。
○川野委員 昭和三十三年の十二月十九日の当委員会におきまして、行政区域と管理局とが一致せぬところは非常に不便である、こういう問題につきまして、小倉副総裁も——これは關谷委員の関連質問に対しても、同様なお答えがございましたが、行政区域と局の限界が合致するのが一番よろしい、こういう御答弁もされており、さらに三十四年二月十九日の私の質問に対しまして、昭和二十五年管理部が局になった場合においては、鉄道の原案がいれられたものではない、諸般の事情でやむなく現在の管理局ができたものである、こういうふうに述べられております。裏を返して解釈いたしますと、管理部を廃して管理局にするということは、鉄道はあまり好まなかった、しかし諸般の事情でやむなくこういうことになった、こういうことに解釈されると私は存じます。昭和二十五年管理部を局にいたした当時におきましては、他の方面の圧力によってやむなくこういうことになった。こういうふうに解釈してもよいのではないか、かように私は考える次第でございます。さらに同委員会で小倉副総裁は、局の区域と行政区域とが一致しないところは不都合が生じておる、これは地元が迷惑するばかりでなく、国鉄の運営上にもいろいろ不都合を生じておる、ゆえに再検討の必要がある、こういうことを述べられております。そこで地方民の声も管理局を設けてもらいたい、こういう声が強いのでございまするが、一面副総裁におかれましても、国鉄の運営上にも、現在の実情にも不都合を生じておる、こういうことを率直に述べられておるのでございます。さらに小倉副総裁は、管理局のある姿について、地方より苦情、陳情がたくさん出ておる、支社設置を機会に急速に調査、審議する、こういう約束を述べられております。すなわち支社設置後急速にこの問題を検討する、また国鉄の運営上についても必要である、こういうことを述べられております以上は、すでに二月から八ヵ月もたっております今日において、まだ結論が出ないということは、これは幾ら国鉄にひいき目に見ましても、誠意がないのでなかろうか、かように私は考えますが、いかがでございますか。
○吾孫子説明員 国会で御決議がございましたことや、また副総裁が前の委員会等でいろいろお答え申し上げておりましたことは、ただいま御指摘の通りでございます。それで私どもといたしまして、いまだに結論をまとめ得ないということは、誠意がないじゃないかということの御指摘もございましたが、私どもとしては一生懸命やっておるのでございまして、実は先ほど監査委員会の監査報告の結論の一部を申し上げましたのですが、監査委員会としては、ああいう勧告を最後的におまとめになる前に、やはり随時いろいろ御注意等もありまして、今までの国鉄の組織というものは、どちらかと申しますと国鉄の輸送作業というものに重点が置かれて考えられておりまして、国鉄の事業というものを、経営的な角度からつかまえるには必ずしも適切でない。国鉄が公共企業体になったわけでございますから、もう少しやはり企業体らしく、経営というような角度からも業態を把握しやすく、また収支の改善とか、いろいろな投資の管理とかいうようなことをやりやすくするような形を考えるべきであるというような御注意やら御勧告やらもございました。それらの点を考え合せながら、どうすべきかということをやはり考えて参りませんと、公共企業体としての国鉄の業務組織としては、もう少しそれらの点の検討を加えなければならぬじゃないかというようなふうに考えられまして、一方副総裁が国会でお答えを申し上げておりますような点ももちろんあわせ考えまして、できるだけすみやかに答えを出したい、さように考えまして今検討をいたしておるような次第でございます。
○川野委員 十河総裁にお尋ね申し上げたいと思いますが、当委員会の決議というものはもちろん御尊重されると思いますが、尊重されますかどうか、この点に対して……。
○十河説明員 もちろん私は当委員会の決議を十分に尊重いたして経営をいたして参りたいと考えております。
○川野委員 実は二月二十六日でございましたか、日本国有鉄道法の一部改正法律案が本委員会において可決される際におきまして、附帯決議が満場一致をもって賛成の上、つけられました。その附帯決議は、「現在の鉄道管理局の中にはその所管区域が行政区域との関係又は経営の適正規模等の点から輸送の実情にそわないものが見受けられる。よって政府及び日本国有鉄道は支社制の確立とまってすみやかに鉄道管理局のありかたについて再検討し責任態勢の確立と輸送能率の向上をはかるべきである。右決議する。」この附帯決議が、満場一致をもって委員会を通過いたしたのであります。その際中馬政務次官は、「当委員会において附帯決議がございました。政府といたしましては御決議の趣旨に沿いまして、日本国有鉄道の指導をいたしたいと考えております。」こういう答弁があり、さらに小倉副総裁は「附帯決議の趣旨を十分尊重して参りたいと存じますので、今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。」こういう御答弁が実はなされておるわけであります。しかいたしますると、決議の趣旨を尊重するということになりますると、当然その線に沿いましたところの管理部の増設、これは数はわかりませんが、ある程度の増設という問題については、この附帯決議の趣旨に沿って増設する、こういう方向から御検討になることが附帯決議の趣旨を尊重する、こういうふうに考えられますが、いかがでございますか。
○十河説明員 もちろん附帯決議の趣旨は十分に尊重してやっておるつもりでありますが、御承知の通り、国鉄はただいまいろいろな面におきまして非常な改革を断行すべき局面にぶつかっておるのであります。過般別な機会において楢橋運輸大臣からもお話がありましたように、国鉄はある意味においては大改革を要する時期に到達しておるのであります。それゆえに管理組織の面はもちろんでありますが、その他の面におきましても、この際思い切った根本的の検討をいたし、そういうものを逐次改革をしていきたい、こう考えまして、実は基本的にいろいろな組織の問題はもちろんのこと、財政の問題その他のことにつきましても検討を加えておる際でございます。決議の趣旨は十分に尊重いたして検討中でありますから、この段御了承を願いたいと思います。
○川野委員 管理局の増設問題は、当委員会においてたびたび申し上げましたように、非常に必要な問題でございます。ことに私は先般運輸委員会を代表いたしまして九州各県の実情の調査に参ったのでございますが、熊本県に参りますと、熊本県の太田局長からこういうお話を承わりました。九州では熊本県が利用債を一番たくさん買っておるようであります。そこで、かくのごとくたくさんな利用債がどうして円満に県に持つような交渉ができましたか、こういう御質問を申し上げますと、熊本市に管理局がありますために、熊本県の知事とか市町村長とかいう方にいつも接触しておる、こういう関係から利用債の面につきましても非常な協力が願われておる、こういう話でございまして、行政区域と管理局というものがマッチするということが国鉄にとりましていかにプラスになるかという点は、ただいまの一事をもちましても大きく御理解がいくことであろうと存じます。そこでいろいろ承わりますと、費用の点等も述べられておるのでございますが、管理局の局舎というものは、交渉によりましては地方が提供するのではなかろうか、私はかようにも考えております。さらに宿舎等も地方に要求いたしまするとある程度のお世話はするのではなかろうか、これは新築せぬでもお世話すると私は存じております。さらに人員の増加等を云々されますが、初めからそう大規模なものでなくとも、修理工場等は現在の管理局におまかせ願って、新しい管理局は修理工場等はやらない。権限は同じでありますが、規模においては一段下ったところの管理局というものをお作りになるならば、そう人員等もふやさずに済むのではなかろうか、そういうことを私は考えております。決議の趣旨からいたしますと、真剣に実行するという前提に立って御検討願わなければいかぬ。やらないという観点から引き延ばし作戦に出られるということになるならば、決議の趣旨に沿うことはできないと考えますから、決議の趣旨を尊重する、こういう御発言でございますから、どうか一つ実行する、こういう観点に立ってできるだけ早く御検討下さらんことを切望いたしまして質問を終ります。
○田口委員 関連。占領行政でいろいろないいことも悪いことも教わりましたが、そのうちで悪い型を残されたのはこの管理局の問題でなかろうか、こう考えるのでありますが、管理局の問題につきましてはただいま川野委員から詳細お話がありましたから申し上げませんが、鉄道関係でこれほど地方地方で連続して運動している問題は、新線建設の問題とこの問題と二つであると考えるのでございます。それほど非常に管理局が少くなったということで地方の者は困っておる。私は長崎でございますが、長崎県からでもちょっとしたことでも門司まで行かなければ話がつかない、こういうようなことから、この設置要望というものが相当ほうふつとして起っておるのは、実際に困っておるからそういうような機運が強くなっておるのでございます。いろいろ経費の問題その他もございましょうが、どうもこれだけ民間で困っておることを、民間を困らせて国鉄だけが多少の経費を節約されているために迷惑をかける、こういうような状態を長く続けておかれることははなはだよろしくないと思うのでございますから、どうか世論にこたえていただきましてこの問題はできるだけ早く解決していただきたい、こういうことを特にお願い申し上げたいのでございますが、総裁としての御意向を重ねて一つ御答弁願いたいと思います。
○十河説明員 先刻来いろいろ伺います御意見はしごくごもっともだと存じます。管理局の問題につきまして終戦当時、昔のような部をやめて局にしたということにつきましては、今でも部内にいろんな意見があるのであります。昔のようにあるいは運輸事務所あるいは保線事務所というものを作った方がいいじゃないか、いろんな意見があります。それで先刻申し上げましたように国鉄はいろんな面において根本的に改革を要する点がある。皆さんの御意見を十分に勘案いたしまして検討をできるだけ早くいたしたいと考えて、今せっかく進めております。さよう御了承願います。
○堀川委員 ただいま川野委員やら田口委員からお話がありました管理局の問題でありますが、この点は詳細はもうすでに二人でお話し下さったのであります。そこで私は兵庫県の姫路でありますが、二十何年でありましたか、山崎猛運輸大臣、加賀山国鉄総裁の当時に管理局が統廃合されたと思いますが、その当時に何十ヵ所か廃止になったのであります。当時青森そうして姫路、宇都宮、こういうのが相当残置運動をいたしたのであります。青森県の代議士で山崎巖君は青森が最終点なのに何でこれを廃止するのだ、そういうことだったらおれはもう議員になれないといって議長に辞表を出した例もあるのであります。それから私の姫路では、姫路の管理局に福知山と岡山と大阪と三つになる。これじゃかなわない、何でこんなところを廃止するのだということで相当運動をいたしたのであります。当時の委員会で遂に宇部宮と姫路と青森は存置するという決議をいたしたのであります。当時大臣も了承されたのであります。ところがその後になってあとからあとから、三つがなるならおれのところもということで、これも暫時とりやめということに相なったことは今の総裁は御承知ないと存じまするが、事務関係の人は御承知だろうと思うのであります。そこで現在は姫路市内だけは大阪になっておりますが、しかし二、三里離れたところからほとんど全部が福知山、そうして岡山になっております。そういう関係でいろいろな問題について、やはり姫路といたしましては福知山に行く、岡山に行く、そうして大阪に行くというような現状でありまして、非常に不便なのであります。そこで今、川野君へのお答えに総裁は、県が何ヵ所もの管理局に分れておるところは考えなければならぬ、また国会で決議しておられるところは十分考慮する、こういうお話がありましたから私はもうすでに原案に入れてもらえるものとは思いまするが、そういうことになっておりますので、私どもといたしましてはこの際管理局を整備されるということならば姫路、青森、宇都宮というところは原案に入っておるものと存ずるのですが、どうでしょう。その点を承わりたい。
○十河説明員 鉄道管理局が皆さんから非常に歓迎していただいておることは、まことに感謝にたえないところであります。管理局を設置する、家を借りて人を何人か置くということは簡単でありますけれども、管理局を設置いたしますと通信網を全部かえていかなければならぬ。いろいろな面で非常な混雑と経費を要するのであります。人件費の問題につきましても、年々国鉄で約百億ずつ増加しております。これが国鉄財政を危殆に陥れんとしつつあるような状態であります。わずかの人件費の増加といえども私どもは軽々にこれを扱うことができない、こう考えておるのであります。そういう事情をごしんしゃくいただきまして、なるべく皆さんの御趣旨を体してやりますからどうか御了承いただきたいと存じます。
○平井委員長 堀川君、簡単に願います。
○堀川委員 よくわかりましたが、とりあえず総裁の御答弁に合致しておる条件が姫路にはあるのであります。今申し上げましたように三ヵ所に分れておる。しかも兵庫県にはそれはないのであります。それから国会ですでに決議しておるのだ、こういうことがもう総裁の御答弁に合致しておりますので、どうぞこれは優先的にしてもらわなければならっぬということをお願い申し上げまして終ります。
○増田委員 関連。私は運輸大臣と国鉄総裁とに質問いたします。御両君に、国鉄バス運営の方針はどんな方針を採用されておるのか、まずもってお伺いいたします。
○十河説明員 国鉄バスにつきましては、従来いろんな方針が採用されております。鉄道に代行するとかあるいは鉄道に先行するとか、あるいは短絡をする、あるいは鉄道を補完をする、こういうようないろいろな方針が採用せられておりますが、私は最近の国鉄の経営状態の警戒すべき点から考えまして、この方針を一つ根本的に、これらも組織の問題と同じように根本的に立て直しをする必要があるのじゃないか、こう考えまして、これもただいませっかく検討中であります。民間の鉄道におきましては、鉄道では損をしておるが、バス等ではもうかっておる。しかるに国鉄は鉄道でもあまりもうからないが、バス、トラックでも損をしておる、こういう現状であります。これは私は国民に申しわけがないというふうに考えております。そういう見地からも再検討いたしたいと考えまして、ただいま検討中であります。
○楢橋国務大臣 国鉄のバスの経営の問題でありますが、御承知のように国鉄は今総裁が申されましたように、国鉄それ自体がバスによって非常な圧力を受けておることは御存じの通りであります。しかし国鉄という本来の使命と、また国鉄が公共企業体としての独立採算的立場から、どうその辺を調節すべきかということは、今運輸省におきましても根本的にその問題を追及し、かつ方針を立てたいと思って研究しておる次第であります。
○増田委員 しからば伺いますが、今、十河さんは国鉄バスは黒字であって、国鉄の汽車の方は比較的損をしておる。それでございまするから、従来四原則がある。代行あるいは先行あるいは短絡あるいは培養、この四原則がある。というのは、これはたしか私は江木さんが鉄道大臣のときにきめられた伝統の四原則だと思っております。なおその際、私の記憶するところでは、当時省営バスを始められました。菅健次郎君がちょうど役目の関係上私と同僚でございました。赤字を出す路線で民営バスが回避する路線は鉄道省が進んで経営をしようというような方針も加わっておったと思います。そこで、そういう見地から今国鉄バスは黒字であって申しわけないと思っておりますから、民間バスが比較的交通事業という公共事業を経営するに当って損をしておる部面もあるから、四つの原則プラスもう一つの原則がございます、五つの原則に対して再検討を加えようという点は非常にけっこうに拝聴いたしております。実は、しかるところ、これは日本全体の問題でございますが、また地域的の問題もございます。一般に私は民業というものを圧迫してはいけないという方針に立っておるものでございますし、また自由民主党もそういう立場に立っておるものであります。社会党の諸君も、民業に使用される労務者の雇用条件ないし労務条件が低下して、決してよろしいとは思っていないと思います。そういう見地から、私は民営バスが圧迫されることがありといたしますならば、深く考慮研究、御反省を願いたいと思います。昨年の七月ここに私が立ちまして、長野県会において今問題になっておりまする美ケ原のバスの問題は、国鉄と民営とが競争になっておるが、民営としては生命線であるし、国鉄は日本全体を持っておる立場から見れば一つの業体にすぎないのであるから、相なるべくは回避していただきたいという長野県会の請願を御説明いたしましたところ、この委員会も通過いたし、また本会議においても採択されておるのでございます。これにつきましての御所見を伺っておきたいと思います。
○十河説明員 あの地方は、私が申し上げるまでもなく、よく御存じの通り、新しく道ができまして、そこへ国鉄バスをぜひ通してくれということで通したところであります。その延長がせんだって少しばかり認可になったのであります。そういう次第でありますから、私どもとしては別に民間の事業を圧迫しておるというふうな感じは一つも持っておらないのであります。むしろ民間の要望に応じてあそこは入っていったところではないかというふうに承知をいたしておるような次第であります。そのことをどうか御了承を願いたいと存じます。
○楢橋国務大臣 今、増田さんがおっしゃっております美ヶ原のバス問題は、いろいろな複雑な事情があるので、それらの諸点を勘案して地方の権限において、新潟陸運局できめたのでありますが、今おっしゃいましたように、民業をあまり圧迫するというようなことはなるべく差し控えさせたいという原則は尊重したいと思っておる次第であります。
○増田委員 御両所から御答弁がありましたが、私は不満足でございます。運輸大臣の御答弁の方がむしろ私の質問せんとするところに合致いたしておりまするが、国鉄総裁におかれましては、平素私に御開陳になっておる点と反対の意見でございました。不本意でございますということをはっきりと申し上げます。私は与党の議員でもございますし、別に政府や国鉄を糾弾しよう、弾劾しようとは思っておりませんが、やはり四原則というものは、昭和二十六年の道路運送法においても、「適正な運営と公正な競争を確保する」こういうことに相なっておるのでございまして、国鉄総裁は民間の切なる要望があると言いますけれども、民間の中には民営バスというものも入っておるわけでございまして、民営バスが四原則に反してあそこは落下傘的に、培養にもあらず短絡にもあらず代行にもあらず先行にもあらず、いわんや赤字にもあらず、この五原則を破って、一部の民間のものの要望があったことは事実でございますが、これは感情に基いた要望でございまして、一応全体の要望は、やはり民営が健全に成長、発展する、それがまた鉄道事業の培養にも相なっております。この点は御答弁になったからそれでよろしいというわけではございません。ぜひとも考究をしていただきたいと思います。ことに林道の問題等は、林道管理者が国鉄を招致するということでやっきになっておりましたから、四原則を破って許可になることも私はあえて忍んでおりましたが、それ以上の問題は県道の問題になりまして、県道は国鉄が建設費を負担しておりません。普通の県道は国が半分持つ、また地元が半分持つというのが県道の形態でございますが、あそこの県道だけは県と市町村と民営バスが二つございまして、おのおの六分の一ずつ負担した県道でございまして、国鉄バスは何ら関知していない。ところで従来ですら問題があったのにエクステンションをいたずらに認める。しかも林道の間の国鉄バスは話し合いがつけば引き揚げてもらえるという十河総裁の話もございました。その話を私はここで追及はいたしませんが、そういう話はお互いのことでございます。またせっかく折衝中でありましたそれに対してぽかっと延長した。六者で分担し、国鉄バスは全然分担しない県道に向って延長を認めるという——今、楢橋運輸大臣は、問題があるところであって複雑なところである、こう言われた。複雑さに対していよいよ怪奇さを加えたわけでございまして、こういうことは行政官庁としてあり得べからざることである。また国有鉄道としても深く御考慮を願いたいと思う次第でございます。これ以上私は追及はいたしません。これは今仮免でございますから、ほんとうの認可その他に当りましては慎重なる考慮をしていただきたい。率直に申しまして民営はサービス精神に燃えておりますし、また民営バスは国鉄バスに圧迫されて泣いております。率直な言葉を使った方がよいと思います。泣いておりますから、やはり民営バスを泣かせないように国鉄バスは運営していただきたいということを強く申し上げまして私の質疑を打ち切りといたします。
○平井委員長 關谷勝利君。
○關谷委員 途中でバスが入りましたので、管理局の問題がどうやら中切れになりましたが、この管理局の問題は、占領政策の一番悪い面が残っておりますことは各委員からお話がありましたところであり、ことに吾孫子常務理事あたりよく御存じでありますので、この点は早急に御改正願いたい。私はあの管理局を作りました際の実情もよく承知いたしておりますが、あんなむちゃくちゃなきめ方はないのであります。占領軍がコンパスを使って引っぱって、ぐるぐるとぶん回しで円を描いて、それによって二十幾つかの管理局ができたというような状態でありますので、こんな無謀なものは早急にかえてもらいたいという各委員の要望にこたえていただきたいと思います。決して私は数をふやせとは申しません。数はふやしても、四国の例に見ましても、四県に一つしか管理局がなかったその四国の方が便利でございます。三分割せられました山形県あるいは大分県でありましたか、そういうふうなところと比較いたしますと、一つの管理局であった四国は仕合せであったと私たちは考えております。行政区域とマッチして仕事ができたということで、四県一つであっても便利であったのであります。四県一つにいたしますと、十二、三で済むというふうなことでありますので、これはよく御検討願いまして、早急に返答をしていただきたいと思います。これは要望であります。 次は御回答願いたいのでありますが、この前に支社を設けまして定員をふやします際に、一度に言うたのでは工合が悪いから、新しい新潟と広島と高松とだけは翌年に持ち越してもらいたい——その際のことは速記録に載っておるか載っておらないかは知りませんが、その新設の三支社の支社長は翌年理事の定員増加をいたしまして、理事に昇格をいたします、今は理事代理ということでやりますが、必ず理事にいたします、こういうお約束であったのであります。これは今度法案の提出をいたすように準備ができておると思いますが、できておりませんか。そこを一つ伺っておきたいと思います。
○十河説明員 ただいま關谷委員から私どもにとってありがたいお言葉をいただいたと思います。先刻来申し上げておりますように、組織の問題あるいは今の理事の定員等に関する問題、それは目下検討いたしております。理事も、今お話のありましたように日本で非常に大きな、おそらくは最も大きな組織じゃないかと思うのであります。その組織の役員としては数が非常に少いということを皆さんからいろいろ言っていただいておりますので、その点も検討はいたしておりますが、今何人増員するかというところまではまだきまっておりません。
○關谷委員 とんでもない御答弁を私は聞いたと思います。これは大きいから理事の定員をいろいろ考えるというお話でありますが、それとは別途の問題であります。新しくできました支社というもの、必要なるがゆえに支社にしたのであります。支社でなければならないというのでしたのであります。そしてその支社長は理事でなければならない。だからあの新しくできた三つも理事にしなければならないのだというのを、それをまた一度に言うたのでは大蔵省が工合が悪いから来年にして下さい、来年は定員増加を出しますというお話があったのですよ。そうなるとあなた方の言うたのは証文をとっておかなければならぬことになります。国鉄の言うたことは、どうも十河総裁ががんこで言うたことは間違いないと思っていましたが、これで私たちはそのがんこさが帳消しができると思います。その十河総裁がうそを言うのでは大へんなことになる。これは十河総裁直接の口ではありませんが、これははっきりと副総裁その他から今度の交渉の経過で出ておる話であります。この支社の三人だけはほかの分と切り離して下さいよ。一度でやりにくいものがまた大ぜい今度やったというのでは、その辺あたりと巻き込まれるからまた長くなります。そればかりでなく、この三つだけを支社にした限りは理事にしなければならないのでありますから、この新設だけをほうっておくというわけには参りません。そしてこれがもししなくていいのなら全然しなくていいという議論も成り立つのでありますが、この三つだけをまま子扱いにして、理事代理でやっておくということは、私たち承服ができないのでありまして、これは約束済みのことでありますので、この三人だけは今度改正法律案を出して理事の増員をしてもらわなければならないと思うのでありますが、どういうふうにお考えですか。これはほかのと一緒では私たちは承服できません。
○十河説明員 お話の趣旨よくわかりましたから十分に考慮いたします。
○關谷委員 十分考慮いたしますだけでは済みませんが、具体的に法案の改正案を出しますか。
○十河説明員 運輸省とも相談いたしまして検討いたします。
○關谷委員 検討の問題ではないのであります。やるかやらないかというのであります。検討済みであります。そういつまでも考えていたのではいけません。検討ではない、検討済みの問題であって、翌年に繰り越しておる。これは繰り越しておるだけでありますので、約束を実行してもらうというのであります。検討は別に検討して下さい。ほかの理事の定員と切り離して、この三名だけは別途にやってもらわなければなりません。この点やるということをはっきり言っていただきたいと思います。お約束でございます。
○十河説明員 私どもとしては先刻申し上げましたように、なるべくやりたいというふうに考えておりますけれども、しかしながら、私どもだけできまることではありません。よく相談をいたしまして善処したいと思います。
○關谷委員 局長、一つそれの答弁を。局長ができなければ大臣、いや大臣はその当時大臣でなかったから局長の方に責任があるから、局長の方から答弁して下さい。
○山内説明員 先般理事の定員六名を増加いたします際に、新潟、四国、広島、この三局が新しくできまして理事代理ということであります。現在理事に準じた待遇をしておることは御承知の通りであります。理論的にいって支社が理事であるということは望ましい状態でありますが、ただいま国鉄総裁がいろいろ管理局の問題に関連いたしまして御説明いたしましたように、政府といたしまして、こういう理事の数の問題でございますが、これを審議いたします際には、やはり組織に対応するという点があるわけでございます。われわれといたしましては、もちろんこういった状態で支社長が全部理事であるということが望ましいという考えでありますが、各方面でやはりそういった点の協議もいたす必要がありますので、できるだけそういうふうにするように検討をいたしたい、かように考えております。
○關谷委員 理事は三人だけは今でも支社長代理というので、人員はふえるのではないのであります。総裁が考えておる別途の理事は人間がふえますから報酬はふくれて参ります。そういうふうなことについては検討の必要もあります。しかし、この三人は現に勤めておって、代理であるか本物であるかというだけになるわけでありまして、その間に多少の待遇の差はありましょう。しかし、これは大したものではありません。経済の面から考えましても、何にも差しつかえないのであります。この点につきましてはこれは相談をする余地もない、約束であります。この際改正法律案を提出をしてもらいたいと思います。これがもし委員会でつぶれるのなら別であります。どうか出すことだけはお約束通り出していただきたいと思います。出してくれますね。
○山内説明員 ただいまお答え申し上げましたように、いろいろそういった御意見もあり、かつまた私どもといたしましては、支社長が理事になるということが望ましいのでありますけれども、政府におきまするそういった理事のあり方についていろいろな問題もありまして、政府部内におきまして十分検討いたしたいと思います。
○關谷委員 あなた方の答弁はその場のがれの答弁ばかりをするのであって、自分たちの言った事柄には、もう少し責任のある答弁をしてもらいたいのです。これは約束であり、経費も要るのでない。名前が変るだけである、代理というのをのければいいのであります。これだけは全員異議のないことで、昨年の委員会での約束でありまするが、委員会との約束を無視して、そうしてその場のがれのことを言うのであれば、私たちこれから先、あなた方の言うことを真正面に受け取れません。もし大事なことでありましたら、あなた方からみな一札とっておかなければならぬということになりますが、これはどうしても提出してもらわなければ私たち承知ならない。この点はっきり申し上げておきますが、もう一回御答弁願いたいと思います。
○十河説明員 御趣旨よくわかりました。私どももやりたいと思っておるのであります。できるだけ努力いたしたいと存じます。 —————————————
○平井委員長 次に陸運、特に都市交通問題について調査を行います。 質疑の通告がありますので、これを許します。井岡大治君。
○井岡委員 最近都市交通問題が非常にやかましくなって参っておりますし、ことしの総理大臣の施政方針にも、都市交通の近代化をはかる、こういう方針を明らかにされました。その理由には、いわゆる現在のようなままで放置するならば、都市交通全体が麻痺をしてしまうのではないか、従って早くこれを近代化する、いわゆる高速化することが望ましいという立場から申し述べられたように、私たちは理解をいたしております。同時に、昭和三十一年において政府は運輸省の設置法の一部改正を行われて、都市交通審議会を設けられて、東京あるいは大阪、現に名古屋において今後の都市交通全体についての検討をなさっておられます。すでに東京、大阪においてはこの結論も出ておるのであります。同時にまた、首都圏整備法に基いて、首都交通についても検討され、すでに中間報告が本年の四月の三十一日に出されておる。さらに交通取締りの立場から、路面電車を一刻も早く撤去して、そうして都市の近代化をはからなければ、とうてい現在のようでは都市交通の取締りができない、こういうように各方面から都市交通に対する考え方なり、あるいは今後のあり方について意見が出ておるわけであります。 そこで私はこの機会に大臣にお尋ねをいたすわけですが、政府がさきにきめられた都市交通審議会の答申、並びに首都圏交通審議会の中間報告、こういうものを十分尊重をされて、今後おやりになるかどうか、この点をまずお聞きいたしたいと思います。同時に、もしおやりになるとするならば、具体的にどういうようにおやりになるか、この点を明らかにしていただかないと、単にやるといっただけではこれはできないのであります。たとえば、さきの東京都における交通審議会においてはいわゆる東京都に現在の路面電車の代替として高速度鉄道を慫慂をいたしております。結論を出しております。これに要する費用は約千二、三百億であります。同時にまた大阪において出した結論も、同様に八百億から千億というような金が要るということになっております。こういうようになっておりますと、ただ単にやるといっても、やるだけではいけない、具体的にどのようにおやりになろうとしているか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○楢橋国務大臣 ただいま井岡委員のお尋ねの都市交通審議会の趣旨を尊重することはもちろんでありますが、今御指摘のありましたように、最近の都市中心における交通のあの複雑な状態、またこれに対する今御指摘のありましたような高速度、その他にしましても、膨大なる資金等が要るものでありまして、かつまた、いろいろな、たとえばそれに対する既存の人たちの反対運動であるとか、いろいろな問題がありまして、なかなかそう簡単には参らないことは井岡委員も御存じの通りであります。従いまして、できるだけその趣旨に沿うような方法でやろう、たとえば路面電車の撤去の問題のようなものにいたしましても、これに対する交通の代行すべきものをどうするかというような問題等が考えられまして、なかなかそう簡単には参らないのであります。従いまして、今交通審議会等においてもいろいろと会議を開きまして、私も先般も出ましたが、その具体的方策については目下検討中であります。
○井岡委員 目下検討中ということでございますが、私はここ三、四年、あるいは長くいって十年このまま放置するならば、おそらく都市の交通というものは全く麻痺をしてしまうのではないかと思います。たとえば業界新聞ではありますが、四月の十三日に、市内交通あるいは都内交通は、道路は超満員、こういうことで警告、いわゆる都市交通行政について大きく警告を発しております。同時に、先ほど申し上げました中間報告にいたしましても、あるいは警視庁が要望いたしております少くとも路面電車の撤去という問題を早くやらないと、このままではどうにもならない、その結果、通勤、通学というものに対するいわゆるエネルギーの消耗というものが非常に大きくなってくる、あるいは事故が増発する、こういうことになるから、早くこの問題を具体化してもらいたい、こういう警告が各方面から出ておるわけです。ですから、目下検討中だけでは、私は済まされないのではないかと思う。なるほど検討しておるのだから、あすの日にも結論が出るのだ、こう申されれば私はそれでよろしいかと思いますが、そういうものじゃない。私はこのまま放置するならば、結局その都市であるとか、あるいは業者であるとか、こういうものに委任をしてしまって、行政官庁である運輸省としてのいわゆる都市交通行政それ自体に抜本的な解決策は出ないのではないか。その結果は非常にゆゆしい問題が起ってくると思うのです。ですから、この点についてさらにもう一度お答えをいただきたいと思います。
○山内説明員 ただいまの大臣の御説明に対しまして敷衍いたします。御指摘のように、現在大都市、特に東京、大阪、名古屋という都市は都市集中の傾向が非常に年々激しくなりまして、路面交通というものの行き詰まりが随所に起ってきております。特に東京、大阪におきましては、ほとんど理論上、道路上の輸送というものは考えられないようなものが行われておりまして、これにつきましては、ただいまお話がありましたように、地下鉄によりましてこの輸送要請を満たしていくという以外にないわけでございます。それで運輸省としましては、この地下鉄計画について東京、大阪——現在名古屋においても行われておりますが、いろいろそういった将来の要素も加味いたしまして、地下鉄網のあり方というものにつきまして一応の結論を出しております。かつまた東京、大阪におきましては、すでに一部それらの実施計画に従って行われつつある状態でございます。ただ、最近非常に新しい情勢が加わって参りましたのは、ただいま井岡先生が御指摘になりましたように、路面電車を撤去した方がいいという意見でございます。今までわれわれ検討いたしておりましたのは、一応路面電車というものの存在を前提といたしまして、地下鉄綱の構成ということを考えておりました。しかし近年の情勢では、世界各国の情勢から見ましても、大都市における路面電車というものは将来いつの日かとらなければ、都市交通というものはなかなかむずかしいということも常識でございます。しかしながら、これを直ちに撤去してしまうということになりますと、これをバスに代替いたしますと、現在の市内電車の輸送力を直ちにバスに代替をすることによって、現在の路面の状態はなお悪い状態になるということでございます。この点につきましては地下鉄網の延長に伴いまして路面電車も計画的にこれをはずしていくということを考えなければならないということでありまして、都市交通審議会におきましては、現在その第二段の検討に入っているわけでございます。第一段の検討といたしましての、一応の都市電の存在というものを前提としての地下鉄網の構成はできております。これについて、現在それぞれの機関において推進しておるという状態でございます。
○井岡委員 私は、現在の状態の中で直ちに路面電車を廃止をして、これをほかの機関に代替をするということは無理だということはわかります。たとえば東京都の一日の路面電車の輸送量というものは百七十万、大阪は約百万、名古屋で五十万、こういうようなたくさんな数字を見ますと、これを直ちに代替をするということの無理のあることは認めるわけです。しかしながら、今からこの問題について考えておかないと、現実に行き詰まってくるということを私は申し上げている。私は、ことしの三月二十六日に同じ問題で質問をいたしました。当時と今日では、路面電車の走行キロはすでに一割二分落ちているわけですよ。わずか半年の間に走行キロが一割二分落ちている。しかしながらこの百七十万、百八十万という人口、いわゆる委員を送るためには、どうしても必要なわけです。学校にしてもおくれっぱなしでよろしいということにもならないだろうし、あるいは通勤の方々がおくれて行くということになると、全体の産業というものはこれは非常に低下してくるわけです。ですから、これを確保するために将来路面電車というものはどうもまずいのだ、必要ないのだとわかりながら、当局自体は現在路面電車の需要を満たしていく、供給を満たしていくような措置を講じつつあるわけです。その結果、これは監督局長は御存じの通り、東京においては昭和三十三年度の決算で二億四千万円の赤、大阪は二億六千万円の赤、いろいろ都市の事情はあるけれども、横浜のような二千人そこそこの従業員しか持っておらないところで、すでに二億円になんなんとする赤字を出している。ようやく名古屋だけが本年に入って若干黒字を出した、しかし今度の台風でこれまた非常な赤字になるでしょう。さらに京都、神戸、いずれの都市を見ても、路面電車それ自体は現在の状態ではもう行き詰まりがきておるということをみんなが認めておるわけなんです。ところが一方これに代替をするバスをどうしてやるか、こういう話はありますけれども、これの不可能なことは私が説明するまでもないわけですね。たとえば東京の電車一台の乗員を現在の大型バスにかえても、三台になるわけです。あるいは大阪の場合は四台半です、神戸の場合においても四台半です。こういうように考えてくると、路面交通というものが一そう輻湊をしてくる。ですから当然これを高速度にしなければならぬ。こういうことはもう監督局長よくおわかりのはずなんです。ですから今ここで考えられることは、高速度化するためにどういう処置が必要であるか、このことをもうお考えになっておられるのじゃないか、だからこの機会に発表してもらいたい、こう申し上げておる。
○山内説明員 地下鉄を推進いたしますためには、何といいましても工事費をいかにして確保するかということが第一の問題でございます。それでわれわれはこの問題について現在いろいろ検討し、あるいは実際的に政府あるいは一般民間にも要望いたしておるわけでありますが、この地下鉄事業というものが現在の運賃体系では採算に合わない。御承知のように現在名古屋あるいは大阪、東京で工事を行なっておりますが、一番安いところでキロ当り十五億円くらいかかる。普通は大体二十億円くらいかかる。現在東京都の行なっております隅田川の地区のごときにおきましては、キロ当り三十億くらいかかるというように、非常に建設費が高い状態でございます。それで経営等の状態ももちろんわれわれとしては考えなければいけないのでございますが、路線を建設する資金を一体どういうようにして集めるかということが一番大きな問題でございまして、できなければ路面交通その他の今言いましたような話も画餅に帰するわけでございまして、一体どういうふうにしてその資金を集めるかということが一番問題になっておるわけでございます。 それでわれわれの方で考えておりますのは、あるいは非常に希望的なというおしかりを受けるかもしれませんが、まず第一には市でやっております事業につきましては企業債のワクをふやしてもらう、建設費の獲得を別にいろいろ政府において考えてもらうという努力をいたしておるわけでございます。それから現在の地下鉄網の構成におきまして都市交通審議会で考えておりますのは、従来と変った点は各都市を一つイモ刺しにしよう。今までのように市内交通だけではなくて、外郊から私鉄が入ってくれば、それを連絡運輸というのではなくて、直接にその市内の地下鉄道に乗り込みまして交通の便をはかろうということでありまして、いろいろの今工事をやっておりますそれらの私鉄につきましては、できるだけこれは開銀資金の融資をあっせんしようということでやっておるわけでございます。ただ問題はそれだけで終らないわけでございまして、さらにもっと根本的な政府の補助あるいは助成というようなものの法律的な手段が必要ではないかということで、法律的処置につきましては一応都市交通審議会も路線の審議というものは終りましたので、今後どういうふうな法律構成あるいは運営態勢というものがあれば地下鉄がうまく建設され、かつまた運営されるかという段階の検討に入らんとしておるところでございます。
○井岡委員 資金の構成については私は後ほどお伺いをしよう、こう思っておるのですが、今お話しになった中で重要な二点がありますから、これについて具体的にお伺いしたい。 まず第一点は、建設費が高くつくので現在のままではなかなかやれない、こういうことで法律的特別的な措置を講じたい、こういうことを検討していきたいということでございます。この点については、私は全く同感なんです。私は昭和三十一年ですか三十二年だったと思いますが、ここでお尋ねをしたときにも、現在のようなままでいわゆる都市交通の近代化をはかろうとしても、これは不可能だと思う、ですから都市高速度鉄道法というような単独立法を設けて、そうしておやりになるという意思はないか、こういう御質問を申し上げました。この点については、当時都市交通審議会の会長でありました島田先生も、将来そういうことでない限り、これはできないだろう、こういうことを申されております。同時に、時の運輸大臣でありました三木武夫さんも同様なことを言っておられる。あれからすでに三年ないし四年になるのだから、私は少くとも運輸省としてはこの問題に対してアウト・ラインぐらいはお考えになっておられるのではないか、こういうように思うわけです。ですから、この点を具体的にお考えになっておるかどうか。 それからもう一つ、現在の弥縫的な措置として、効外電車等の乗り入れをやらして、それを相互乗り入れ等によってやるということですが、都市交通審議会、特にこれは首都圏の審議会ですが、島田先生が、将来の問題として、経営主体の問題を統一して一本にやらない限り、この問題はできないのじゃないか、こういうことは今直ちにやることは困難としても、将来はそういうようにやらなければいけないのじゃないか、こういうことで首都圏の問題で、特にこれは東京都だけだ、こう規定はしておられますけれども、私は単に東京都だけの問題でなくて、全体の都市交通というものを考えれば同様の考え方が浮かんでくると思うのです。この点についてもう一度お伺いをいたしておきたいと思います。
○山内説明員 ただいまお答えいたしましたように、地下鉄の建設をどうしたらできるかということにつきましては、いろいろ検討いたしております。しかしまたこの問題は地下鉄だけの問題でなく、たとえば路面電車を撤去するという場合におきましても、御承知の通りいろいろ障害がございます。現在の制度でございますと、路面電車を撤去しただけではなくて、撤去したあと舗装して返さなければならないというような、非常に無理な状態にもなっておるわけでございます。そういったものを全部総合的に現在検討をしつつあるところでございまして、具体的にどうこうということを今まだ申し上げにくいわけでございますが、問題点は大体いろいろなところで議論をされて、尽きておるというふうにも考えておりますので、至急にそういった点についての建設的な考え方をまとめて参りたい、かように考えております。 第二に、都市交通の将来におきまして、総合的な一元運営がいいのではないかというお話は、理想的にはおっしゃる通りでございまして、都市交通審議会でもそういった方向をとっております。ただ輸送力をできるだけ早い期間に高めたいという立場に立ちますと、組織を云々するよりは、現在ある交通機関の輸送力をできるだけ早く高めた方がよろしいというのが、都市交通審議会でとりました具体的な措置でございました。まずそういう措置をとるべきであるが、将来におきましては都市交通が一元的に運営されることが利用者の利便であるということを考えまして、それが理想的な形態であるという立場はたびたびの答申でも言っておりまして、運輸省またそのように考えておるわけでございます。
○井岡委員 第一点のところで、局長そらさないようにしていただきたいと思うのです。路面電車を撤去してさそれを舗装しなければならない、こういう問題も考慮しているのだ、こんなことは私は枝葉末節の問題だと思うのです。なるほどそれに要する費用というものはかなり必要かもわかりませんけれども、当面そういう問題があるなら路面電車の軌道敷きそのままにしておいておやりになっておるところもあるわけですから、そういうところにそう問題をそらさないで、やはり私は将来の都市交通の近代化をはかるためには、必然的に路面電車は廃止をしなければならぬということは、これはもう局長もおっしゃっておられるのです。ですからそこに重点を置いて検討をされることが望ましいのであって、それを総合的という名前のもとにすりかえられるということは、私は少し意外に感ずるのです。専門家である監督局長の言葉とは受け取れないのです。ですからそういうところにそらさないで、答弁だということでなくて、私も今日ここであなたにこれをぜひ言わそうという考えを持っておりません。ただほうっておいたならば政府は一つもやらない。口だけでは近代化、近代化と言って、そして路面電車が困った、都市交通は行き詰まった、こう言うけれども、毎年度の予算その他の数字を見てみましても、決してこれに力を入れておるようには思われないのです。現在、公債等の問題も言っておられましたけれども、わずか十三億や十五億の公債を発行してどれだけできるのか。あなたが言われておるように平均十五億で高いところでは三十億かかる、こう言う。そうすると十三億や十五億の金を企業債くらいで出しておっても一キロか半キロくらいしかできない。ところが東京の場合は全体で何キロですか、いわゆる免許を出したキロ数は約二百キロあるのじゃないですか。大阪が約七、八十キロだと思います。こういう点を考慮するなら、これは一年に一キロや二キロずつやっておったのでは百年河清を待つと同じだ。その結果交通が行き詰まるということは、通勤をやらさなければいけないのですから、全体の産業に影響をするのではないか、こういうように思うわけです。ですからそういうところにそらさないように局長も御答弁をいただきたいと思うのです。
○山内説明員 実は大小取りまとめて問題点をお答えいたしましたので、そらしたという御非難を受けたわけでございますが、決してそういうつもりではないわけであります。 第一点の地下鉄をどうするかという問題、これと関連をいたしますのでちょっと触れたわけでございますが、われわれといたしましては、現在大都市の交通を担当いたしております路面電車の役割というものを相当重く考えておるわけでございまして、これをスムーズに代替機関に移行しなければならぬというわけでございます。そのためには地下鉄の建設につきまして力を入れますとともに、現在の路面電車の廃止というものも円滑にやらなければならないという意味におきまして両方御説明したわけでございますが、理論的な御説明でなく、断片的に申し上げたので、そういうお感じを受けたと思いますが、決して他意のないことを御了承願いたいと思います。 ただいま御指摘のありましたように、地下鉄建設におきましては非常に金がかかるということはたびたび御説明をした通りでございまして、東京の現在の地下鉄計画は御指摘のように、一〇八・六キロというのが一応の計画になっております。大阪が七六・二九三、名古屋がまだはっきり決定はしておらぬわけでありますが、都市計画といたしましては、四八・四九一キロという数字になっておるわけであります。ただ、これは現在の状態におきましての計画でございまして、われわれのように将来におきまして路面電車というものがなくなるということを想定いたしますと、さらにこのキロ数ほふえなければならないということになると思います。そこでわれわれといたしましては、この地下鉄建設——今言いましたようなキロ当り十億ないし三十億というふうな大きな数字になっておる地下鉄建設が、一応企業として成り立つためにはどういう状態であればよろしいのかということになりますと、借入額の問題はもちろんワクをふやしてもらわなければなりません。またそれに伴いまして、現在の金利負担ではとうていやっていけないということが指摘されるわけでございまして、そういう点で借入額の増加並びに金利の負担というものについての軽減を強く要望しなければならない、これが一番根本的な問題ではないか。その方法はいろいろあると思うわけございますが、結論的にはそういった点について一体どういう方向に持っていくのがいいのか、大きな問題として考慮いたしておるわけでございますが、とりあえずは、規模が小さいとおっしゃられますが、都市につきましてはできるだけ企業債をたくさんとる、電鉄建設につきましては開銀の融資をできるだけあっせんして、まず第一歩から着実に始めたいというのが、われわれの真意でございます。
○井岡委員 今おっしゃったことは私はその通りなのですが、それをやるためには現在の軌道法だけでやれないのではないか、あるいは公営企業法だけでやれないのではないか、こう思うのです。ですから都市交通の近代化というものが、今日では単に企業者だけにその責めを負わすことでなくて、国として考えられなければならない、こう思うのですね。ですから私は名前は別にこだわらないのですが、都市交通の建設に対して国が責めを負うという立場をとるならば、それに見合った、いわゆる保護立法というものを作っていかないと、やはり踏み出したということにはならないと思うのです。私は、もちろん現在の法律の中でいろいろやってもらわなければならないものがありますから、それは後ほどお伺いしようと思うのですが、けれどもそれだけでは今言われたようなことにはならないし、同時に緊急には間に合わない、いわゆる進むにも速度にはマッチしない、こう思うから、この点について特別な法的措置を講じられるか、この点は、局長はあまり知っていてほかの方へ持っていくから、大臣から御答弁をいただきたいと思うのです。
○楢橋国務大臣 井岡委員の今のお話は私も大いに共鳴するところがありまして、第一、急激なる都市交通の複雑化といいますか、混雑してきたものは在来の法律だけでははばかり切れない、特に都市が御承知のように地価が非常に高く、かつまたこのように道路その他が狭隘なのに自動車その他の交通量というものが特に日本の傾向として都市中心に集中するという段階になって、ほとんど都市が交通地獄の状態を呈しておりますから、今御指摘のような、つまり新しいその事態に即する立法をし、簡明直截にそれらの事業が成り立っていくというような方途を講ずる必要があるのじゃないかという御意見はもっともでありまして、そういうような立法措置についての問題を取り上げて研究してみたい、こう思います。
○井岡委員 御了解をいただいて私は非常にけっこうだと思うのですが、これが単に研究に終るのでなくて、私は早急にやはり具体化をしていただくようにお願いをいたしておきます。そうでないと幾らかけ声だけをいわれても、かまえというものがないと、これは現在の法律でまだやれる分があるわけですから、その方に逃げてしまって、いわゆる隠れてしまって、やれなくなってしまう、こう思いますから、ぜひこの点は早急にやっていただきたいと思います。
○楢橋国務大臣 今運輸省におきまして、そういう問題も勘案いたしまして、つい二週間ばかり前から各方面の権威者を集めまして、都市交通の問題の解決等も取り上げようということで、具体化を実はしつつあるような状態でございますから、御趣旨を尊重いたしまして、そういうことにいたします。
○井岡委員 すでにおやりになっていただいたということですから、この問題は審議会等で長い間検討されたわけでありますから、結論はそう多くの時間を要しないと思うのです。ただその場合における財政的な問題がそこにからんでくるのではないかと思うわけです。それらの問題は、現在のあるがままの姿を考慮しつつやっていただいて、ほんとうに都市交通を近代化するというかまえが出発したときにあらためて改正もできるわけですから、そういう、ように考えていただきたいと思います。 そこで、現在のままで当面やっていただかなければならない問題が二、三あります。現在の状態で大臣並びに自治庁の方にお考えをいただきたいのは、地方公営企業法の二十二条に「地方公共団体が、地方公営企業の建設、改良等に要する資金に充てるため起す地方債(以下「企業債」という。)については、行政庁の許可を必要としない。」こういうように規定されている。ところがこれは国の財政の立場から、附則の二項で、この規定はあるけれども、地方自治法の二百五十条で当分の間これは政府の許可を要するのだ、都道府県知事の許可を必要とするのだ、こういうことで打ち消しておるわけです。ですから今そういう問題がやれないとするならば、この附則二項を削除することも当面の措置としては必要ではないかと思うわけです。と申しますのはかりに地方債を起したとしても、今申し上げるように政府の特別な保護立法措置が講じられないとするならば、その企業者自体はむやみやたらに金を借りて金が返せない、利子が支払われないというようなむちゃなことはしないということは、経営責任を持っておるものとして当然だと思うのです。こういう点から、この二項の取り消しをおやりになる意思があるかどうか。運輸大臣の方は、これを取り消すように自治庁並びに大蔵当局と御交渉なさる意思があるかどうか。自治庁の方では積極的な意欲をお持ちになるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○佐々木説明員 地方公営企業法の第二十二条の企業債の規定でございますが、これは現行の地方自治法の規定におきましても、地方債については許可を要することになっております。その規定とはずを合わしておるわけでございますが、現在の地方財政の状況からいたしまして、すでに一般会計の面におきましても、地方債の償還問題については非常に大きな問題になっておるのが現状であります。そしてまたこの地方公営企業の面におきましても、地方団体が現在の経営面において、なおその赤字問題が相当大きな問題となっておる。しかもその経営面の赤字におきましては一般会計によってその赤字の相当な部分が負担されておるというような現状にもありまする関係で、今こうした都市交通の問題におきまして相当多額な資金を要し、しかもそうした料金による回収が相当程度のものまでも期待し得ないというような状況におきましては、この地方公営企業の面におきまして起債をいたしましたその元利償還金の負担が結局はまた一般会計にはね返ってくるというようなことも予想しなければならない状況にありますので、現在自治庁といたしましては、この規定の附則第二項を削除いたしまして地方債の許可を撤廃するというようなことは考えておらない次第でございます。
○山内説明員 ただいまの点につきましては地下鉄を作るという意味からいいますと、なるべく資金の獲得が急であればいいということは言えるわけでございまして、各都市におきましてそういった強い要望のあることもわれわれは存じております。ただ地下鉄が採算上新しい建設でどうかという問題もあるわけでございますが、われわれといたしましてはこれは公営の交通機関の全体的な収支という点から自治庁において御判断願いたいと考えるわけでありまして、従来作りました施設といつうものは今になれば割合に安い費用でできておるわけでございまして、その点新しい建設の鉄道に対する赤字をある程度まで背負い得るという状態もあるわけでございます。できれば自治庁におきましても、それぞれの年度におきます公営事業の限度というものを十分御検討になって、なるべくそのワクが広がるように希望いたしておるわけでございます。全体的に今言いました許可を廃するかどうかということは地方の財政状態全体の問題でございまして、主管省の御意見によっておきめ願わなければならないという立場をとっておるわけでございます。
○井岡委員 それではもう一度自治庁にお伺いをいたしますが、私が今お尋ねをしておるのは、地方の公営企業全般についてお尋ねしたわけじゃないんです。この点をお間違えのないように一つお願いしたい。いわゆる都市交通の近代化をはかるために高速度鉄道を早急に整備しなければいけないのじゃないか、こういうことで私は御質問を申し上げておる。ですから今あなたの言われたところでは、地方の現在の財政状態が非常に苦しいんだからこれをはずす意思がないとか、一般会計からこれを補てんをしておるからどうだということですが、路面電車、地下鉄を持っておるところで、私の調べたところでは、一般会計から補てんをしておるのは横浜だけだと思うのです。ほかにそういうところがありますか。もしおありだったらどこだということをお教えいただきたい。それから私はもう一度質問をいたします。
○佐々木説明員 今手元にはっきりした資料がございませんが、路面電車を設置しておる地方団体で一般会計からの繰り入れを求めておるのは、現在横浜市だけかと思っております。
○井岡委員 そういうここだけの答弁をなされてはいけないです。私が知らないとお思いになっておっしゃったのだろうと思うけれども、私もお尋ねする限りにおいては、実は調べておるつもりなんです。私のお尋ねしておるのは、都市の近代化をはかるための高速度鉄道としてこれをお尋ねしている。ですから現在の都市交通の近代化のための特別な措置を講ずる意思があるのかないのかというお尋ねをしているわけなんです。ですからそのことにお答えいただかないと、一般の現在の地方財政が苦しいとか、あるいは企業面で赤字がありて一般会計の中から補てんをしているからとかいう御答弁では満足をするわけに参りません。ですからこの点をもう一度お伺いをいたします。
○佐々木説明員 地方公営企業法の改正問題ということになりますと、今私がお答えした通りでございますが、ただその範囲を都市の高速鉄道化という問題に限定されますと、あるいはまた特別な立法措置が必要になるのではないかというふうに考えられますが、そういうふうな他の面におきましても特別な措置がとられるというような場合においては、自治庁といたしましてもその面についての別な措置としての考え方は検討しなければならないのではないかというふうに考えます。
○井岡委員 じゃ、別の角度からお尋ねをいたしますが、公営企業の原則は、その企業によって得た収入料金によってこれをやるというのが原則になっておるわけですよ。ですからもし赤字が出るということであるならば、その赤字が出るいわゆる料金、こういうものが果して適正であるかどうかという問題に発展をしなければならないのだと思うのです。私はこの点については運輸大臣の方にお尋ねしようと思いますので、この問題を今直ちにあなたにお尋ねしようとしないけれども、こういう原則があるのです。ですから企業というものは一般会計から補てんをしない、災害とか何とか、そういういわゆる特別な事情のために赤字を生じたとか、こういう場合においてはやるのだ、だから原則からいって、建設、改良というものについて考えてみても、赤字が起らないという原則がこれには立っておるのです、実質的には違いますけれども法律の建前は。今言うように運賃調整であるとか、いろいろそういう関係から赤字が出てくるでしょう。建設費が高いということからペイしないということも出てくるでしょう。だけれども、建設費が高ければ高いだけにこの法律の原則というものはその企業だけでやるのだ、災害その他の特別の事情のときに一般会計から出すのだ、こうなっている。ですから地下鉄建設であろうと路面建設であろうと、いわゆるこれははずすというのが原則なんです。こういう規定をするということは間違いなんです。間違いだけれども、ただこれをやられておるのは国の財政計画とにらみ合せて一時こういうことをおやりになっているのだ、こういうことに思うのです。特にこれを制定された当時はインフレが非常に上っている最中ですから、これをどんどん勝手にやられたのではますますインフレが起る、こういうように考えられてこれを規制されたんですね。そういうように考えてくると、法律の建前からいくと、これははずしても差しつかえない。特に今日では一応経済は安定しておるときであるから、そうむやみやたらなことをしないという見通しがあるならはずすということでも差しつかえないじゃないか、こう言っているのです。この点をもう一度お伺いをいたします。
○佐々木説明員 現在地方公営企業法の企業債の許可に関連いたしまして、その建設、改良の資金と起債の許可制についていろいろ問題のありますことは御承知の通りでございます。ただ現在この地方債の許可と関連いたしまして、この公営企業全体にも関連する問題でございますが、できるだけ安い資金を供給したいということからこの地方債の許可と関連いたしまして政府資金並びに公募資金というものの資金区分の許可もあっせんもあわせて行なっているような実情にあります。それで現在の公営企業の経理面から申し上げますと、その企業がたとい一時的に赤字になりましても、すぐ一般会計で補てんするということは直ちにはしなくてもいいわけであります。損失の繰り越しということも可能なわけでございます。ただそうした赤字が累積いたして参りました場合に、やはり最終的に責任を持たなければならないのはその地方団体ひいてはまた地方財政全般の問題となってくるわけでございます。そういう意味におきまして、この地方債の許可制度につきましては、国の財政投融資計画との関連性を持たせて、なお依然として許可制についてはこのまま存続して参りたいという考えでおるわけでございます。ただこの公営企業の実施に当りましてその建設、改良の工事が、地方債のワクが非常に少いために経済的な建設ができないというような事情があります場合には、これはやはりこの公営企業本来の姿から申しましてまことに不都合なわけでございます。この地方債のワクをできるだけふやすことによりまして、そして一方においてはそうした地方債のワクと国の財政投融資計画との関連性を持たせ経済的な運営ができますように、地方団体の要望する計画が実質的に可能になるような措置は講じて参りたい、かように考えておる次第であります。
○井岡委員 もう一点だけあなたにお尋ねしますが、現在の都市交通というものをやはりあなたは国の一つの大きな事業としてお考えでなくて、部市の事業というようにお考えになっておるように思うのです。私はそうではなくて、先ほど運輸大臣にお尋ねしたように、これは国の問題なんです、こういうように考えておるわけです。大臣もそれはその通りだとおっしゃっておられる。あなたの見解をもう一度お伺いいたしたい。
○佐々木説明員 都市交通の問題は、御意見のように国の施策とも重要な関連のある問題でございます。これは私どものやっております公営企業全般を通じまして、それぞれの仕事の面はやはり住民の日常生活に結びついた、国としても十分にこれは関心を持たなければならない仕事でございます。これはまことに御意見の通りだ、こういうふうに考えます。
○井岡委員 関心を持つだけでなくて、やらなければならない問題でしょう。都市の住民の福祉というような点から考えて、今このまま五年なり六年なり十年なり放置してごらんなさい。おそらく通勤がその定時に出勤するということはないようになるでしょう。もしそれを定時にやらそうとするなら定時を引き下げるか、あるいは通勤をする人たちがもっと早く家を出ていかなければならぬということになるでしょう。その結果、産業に及ぼす影響、同時にそれが国全体の産業経済に及ぼす影響というように考えてくるなら、私は非常に大事な問題、重要な問題だと思う。だからこの際単にこれを関連のある問題だなどというなまやさしい問題でなくて、自治庁は直接自分の問題として取り組むだけの意欲を示すということがやはり必要でないかと思うのです。この点を私はあなたからきょうは答弁を求めようとは思いません。あなたに答弁を求めてもおそらく同じようなことを言うでしょう。しかし自治庁としてこの問題と真剣に取り組まない限り、今後非常な大きな問題が起って、にっちもさっちもいかなくなってくるということだけを私はこの機会にあなたに警告をしておきます。 そこで問題ですが、大蔵省の方おいでですね。——大蔵省の方にお尋ねをするのですが、大蔵省はこういう問題について今これは自治庁なり運輸省のお考えのことなんだからどうだろう、私の方ではあまりそう大して必要はないのだ、こういうふうにお考えになっておるのか、この問題は日本の国の産業経済の立場から解決をしなければならぬとお考えになっておるのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○大村説明員 お答えいたします。御質問の内容が実はよくわからなかったのですが、地方財政ということで御指名をいただいて参ったので、先ほどから御質問を伺っておりますと、地方債の許可の問題でありますから、理財局の問題かと思いますが、せっかくの御質問でございますので、お答えさせていただきます。もちろん国民経済上きわめて重要な問題だというように私ども認識しております。従って、その認識のもとに理財局でも公営企業の問題を取り扱っているものだと私は考えております。簡単でございますが……。
○井岡委員 私がお呼びしたのが間違ったのかそちらの方が間違ったのか、この点については私は何も言いませんが、管轄が違うということですから、私はあえてこの問題をあなたに追求しようと思いませんし、申し上げることは差し控えますが、いずれにしても、大蔵省自体としても単にこの問題を自治庁なりあるいは運輸省の問題としてお考えにならないで、真剣に取り組んでいただきたいと思うのです。これはいわゆる電力の問題あるいは現在の石炭の問題とそう変らない、私はこう思うのです。ただ東京とかあるいは横浜とか名古屋とか京都とか大阪というように部分的なために、しかもそれらの都市が比較的現在の財政状態でやれるような状態ですから関心がないように見受けられる節があるわけです。ですからこういう問題を単にこれだけの都市だというように考えないでおやりにならないと、そこが産業の中心なり経済の中心なんですから、こういうように一つ考えていただきたい。それが証拠に、あなたが今お帰りになって有楽町の方に自動車に乗ってお行きになったらじきにわかります。今からだったら有楽町、あそこを抜けるのには少くとも二十分くらいかかるでしょう。それがみんなに及ぶわけですね。一人じゃない、みんなに及ぶ。その結果、日本のいわゆる経済というものは大きなひびが入る、こういうわけですから、この点をお願いしておきます。 そこでもう一つ、今度は建設省の方に、この間からのお尋ねの続きですが、どうも建設省の人はこの点をはっきりおっしゃらないのです。都市計画法の問題で、この交通という項は、これは都市計画に入っておるのかどうか。この間は都市計画に入っておる。そうしてもし高速度鉄道が都市計画審議会の議を経るならば、そうしてこれがするならば、一つの事業としてこれを認める、こういうようにおっしゃったのです。法律にもそう書いてある、この点を一つ、政令がないからどうこうということでなくて、法律だけの解釈を一つお願いをしたい。
○關盛説明員 都市計画法の内容として、都市計画の施設の中には、ただいまお話の交通という問題が重要な計画されるべき施設の内容の一部でございます。従って、これは都市計画の審議会にかけまして、建設大臣がこれを定める、こういうことになりわけでございます。
○井岡委員 そうしますと、審議会にかかってこれが通過をすればというか、議を経ればというのですか、これは計画事業になる、こういうことですね。そこで、それじゃその次にお尋ねをいたしますが、第五条の「都市計画及都市計画事業ハ政令ノ定ムル所ニ依リ行政庁之ヲ行フ」こういうことになっているのですが、この行政庁というのはどこなんです。
○關盛説明員 この第五条の行政庁と申しますのは、国または国の機関としての地方公共団体の長、つまり国の機関として、国みずからまたは国の機関としての公共団体の長が行う、こういう意味でございます。
○井岡委員 私はこの概念は、最近の行政法のなにがないものですから、前の美濃部先生の法律とそれから土橋先生のなにを調べたわけですが、この場合における行政庁、広義に解釈して一般的には国または地方公共団体、こういうように解釈するのが必要だと思うけれども、この場合における行政庁とは地方公共団体をさすものである、こういうように解釈をされておるわけです。そうでないと法の構成がどうもおかしいんですね。第五条に「都市計画及都市計画事業ハ政令ノ定ムル所ニ依り行政庁之ヲ行フ」、同時に、その次に、「主務大臣特別ノ必要アリト認ムルトキハ政令ノ定ムル所ニ依り行政庁二非サル者ヲシテ其ノ出願ニ依リ都市計画事業ノ一部ヲ執行セシムルコトヲ得」こう書いてありますから、この点を考えてみると、この行政庁というのは、国というよりはむしろ地方公共団体、こういうように理解することの方が正しいのではないか、こう思うのですが、この点はいかがですか。
○關盛説明員 都市計画法は、御承知の通りに前の憲法時代にできました法律でございます。従って、この言葉の定義がちょっと難解なように感ぜられますが、一貫して出ておる思想というものは、都市計画なり都市計画事業というものは、国がみずから定めまたは行うものである、こういう精神とこういう立法の技術でできております。従って、この行政庁という場合には、たとえば極端な場合を申しますと、市がございますが、これは国の機関としての市長が都市計画事業を行う、こういうような場合におきましては、それを従来含めまして行政庁、こういっておったのでございます。行政官庁という場合は、国家がみずから意思を決定する機関である、こういう場合でございます。従って、この第二項におきまして「主務大臣特別ノ必要アリト認ムルトキハ政令ノ定ムル所ニ依り行政庁ニ非サル者ヲシテ其ノ出願ニ依リ都市計画事業ノ一部ヲ執行セシムルコトヲ得」ということはこれは要するに国の機関ではない地方公共団体みずからが行う都市計画事業、あるいは私人が行う都市計画事業を特許の形で国がやらすことを認める、こういう立て方になっております。従って先生のおっしゃる純粋な地方公共団体が都市計画事業を行うという形の場合、これは特許という形で行う、こういうことでございます。
○井岡委員 そこでお尋ねをいたしますが、これは大正年間の特許とこの問題は、ちゃんとそこで今おっしゃった通り区別をされております。そこで今私があなたにお尋ねをするのは、たとえば高速度鉄道を市長なら市長がやる。これは行政庁ですから、行政庁がやる、こういうことになりますとこれは国の事業になりますか。
○關盛説明員 ただいまお話の市長でございますが、現在行われておりますいわゆる地下鉄道、高速度鉄道でございますが、これは各市の地方公共団体の事業として行なっているわけでございます。従って、大阪、名古屋等におきましても、特許の形で行なっておりまして、行政庁の施行という形では都市計画法上行われてはおりません。
○井岡委員 そうすると六条ノ二はどういうことになるのですか。六条ノ二で、明確に、今おっしゃった免許、特許の問題を区別して、「前条ノ規定ニ拘ラズ公共団体ヲ統轄スル行政庁ノ行フ重要ナル都市計画及都市計画事業ニ要スル費用ハ政令ノ定ムル所ニ依り」云々、こう書いてある。「拘ラズ」、ですからこれは明確に区分をしておるのです。私は、現在おやりになっているものをどうこう言うのではなくて、現実の問題でなくて法律の解釈をお尋ねしておる。明らかにこの点を区別して、第五条の二項によるもので、別にこういう出願によってやらすものがあっても、これはそのものの責めにするのだと第六条の一項は規定しておる。そうして第六条ノ二では、「ニ拘ラズ」、ではあるけれども、「公共団体ヲ統轄スル行政庁之ヲ行フ場合ニ在リテハ」とこう規定しておる。ですからこの点はあなたのおっしゃるところとは若干違ってくるのではないか、こう思う。
○關盛説明員 ちょっと御説明申し上げますと、第六条の第一項の立て方は、都市計画なり都市計画事業に要する費用は行政官庁、これは国の機関そのものでございますが、これが国だ。それから公共団体を統轄する行政庁、つまり市長が国の機関として行う場合は、これはその事業に要する費用はそのものの負担である、こういう書き方になっております。そこで六条ノ二でもって「前条ノ規定ニ拘ラズ公共団体ヲ統轄スル行政庁」、ですから、これは市長が国の機関として行います都市計画事業の場合は、政令の定めるところにより二分の一を負担する、こういうことでございまして、これはまた話が現実論になりますが、現在行われております都市計画事業としてのいわゆる高速度鉄道でございますが、これは第五条の特許によって行う、こういうわけであります。
○井岡委員 この場合は特許の問題は問題にならなくて、いわゆるそういう別なものでもやれるのだ、こういうことだけを言っているわけです。ですからそういう解釈は私は成り立たないのではないかと思います。 それから先ほど私は、そうだから第三条の審議会の議を経るならば、これは国の事業になるかどうか、こう聞いたわけです。それであなたは、なります、こういうことだったのです。だから私は、今現在行われている云々というよりは、このことについてはいろいろ意見がありますから、これは後日に譲りますが、将来高速度鉄道というものが国の一つの大きな要請なんだ、こういうかまえを出していく。現に先ほど運輸大臣としては、これは国の問題として特別の措置を講じなければならぬだろう、こうおっしゃっておられるわけです。ですから、かまえとして国の事業だ、こうなってきたときに、三条の問題が生きてくるわけなんです。ですからこの間におけるあなたの御答弁は、やや現在の姿に少し拘泥をされておる。もちろん私は現在の問題について異議を持っておりますから、これはあらためた機会にしますが、この点はどうなんですか。
○關盛説明員 ちょっと補足させていただきます。都市計画決定なり都市計画事業として国が定めるということは今御指摘の通りでございます。それから都市計画事業でありましても、国みずから行うものとそうでないものとがあるわけでございます。これは御承知の通りに軌道法等によって実施せられておりますものが高速度鉄道でございまして、国のこの高速度鉄道の実施に関する監督なり運営方針というものが、軌道法におきましては地方公共団体なりまたは私人等が行う、こういう立場でできておりますので、従って国の仕事も都市計画法との関係におきましてはそれと表裏一体をなして運営しておるのが今日の状態でございます。その間の御説明を申し上げたのでございます。
○平井委員長 井岡君に申し上げますが、すでに一時間十五分たっております。お約束の時間を過ぎております。
○井岡委員 もう終ります。この点については私は後ほどまたあなたとお話をする機会を設けて、さらにこの点を検討してみたいと思うのです。と申しますことは、現在のままではいわゆるこの特許云々については単独法、あなたのおっしゃっておるのは水道とかこういうものはその方に委任しているじゃないか、今鉄軌道というものについては委任していないじゃないか、そういうものはないじゃないか。これは政令で定めるということであるが政令で定めていないわけです。私から言いますと、政令で定めるといっておいて政令を定めていないというのは、これはある意味における怠慢だと思うのです。あかなければあかないといってはっきり規定すればいい、あくならあくといって規定すればいい。この政令はあなたの方ではまだ定めておられないじゃないですか。お定めになっておりますか。
○關盛説明員 政令のお話が出て参りましたが、これはちょっと議論になって恐縮でございますけれども、実は都市計画事業に関する所管の重要な公共施設の整備につきましては、都市計画法以外の関係の法律、たとえば道路法でありますとか河川法でありますとかその他の事業法規によりまして、それぞれ国の負担となるべきもののいわゆる見解につきましての政令を制定いたしております。このいわゆる第六条ノ二の政令が加わりましたのは、実は地方財政法が改正されまして、そのときにこの地方財政法ではいわゆる地方公共団体と国の財源の負担についての負担区分を明確化するために、負担にかかるものについての内容は政令で定めるということで入ったのでございますけれども、ただいまのような関係で今行われておるものについては、およそそれらの法令の整備によりましてできておるので、今直ちにこの都市計画法独自の分野で漏れを解決する必要はないということから、今日この第六条の条項だけではできておらない、こういうことであります。
○井岡委員 きょうは議論をしようと思っておりませんから、私はお聞きするだけでけっこうです。 そこで、もう一度自治庁の方にお尋ねをするのですが、今おっしゃった一面はあるのです。それは地方財政法の十条の二に、ほかの事業については全部これは政令あるいはその政令に類する法律、これこれと書いてあるのですね。ところが都市計画法の交通という部面についてはこれは書いてない。法律では交通ということで非常に大きく出している。しかもその目的は永久にそこの住民の福祉を増進する施設なんだ、こう書いているわけです。ほかの問題については書いておりながら、これについてだけは書いていない。そこで私はこう思うのです。この中で三の「重要な都市計画事業に要する経費」この中には当然今の立場からいくと、都市計画法の一条の立場からいくとこれにしか該当をしないような気がするのです。そうであるかどうか、この点をお尋ねしておきます。
○佐々木説明員 ただいまの点につきましては、私の所管と違う点もございますので、後ほどまた検討いたしまして御答弁いたします。
○井岡委員 けっこうです。 そこで、最後に労働省の方にお伺いいたします。最近の石炭事情等のことを考慮して、そうして非常に失業者が出ておる、これらの問題をこういう国の事業に振り向けるということがやはり必要でないか、こう思うのです。そのために緊急失業対策法があるわけですね。この緊急失業対策法の二条に、労働大臣が指定をする事業は、これは経費負担等はやるのだ、こういうことになっておるわけですね。だからこういうことについて現在行き詰まった都市交通を何とか解決するように——抜本的には私が最初に申し上げたように、特別な保護立法の措置を講じてやらなければいかぬと思うのです。しかし当面それができるまで何とかやっていかなければいけないのですから、そういう立場でやる。そうするならば、一方石炭なんかは非常に失業者が出ておる、これらの人を吸収することができるし、同時にまた今の要請にこたえられる、こういうように思うのです。ですからこういうことを一つ検討をしていただきたい。そういうことができると思うのだがどうか、こういうことです。
○松永説明員 御指摘のごとく、現在石炭等で失業者が相当多数集中的に出ておりますので、これについては政府部内におきましてこの対策を検討中でございます。ただいま御指摘の失業対策事業でございますが、これは一般失業対策事業におきましてはただいま御指摘のような高速度鉄道を建設するというような仕事はまず困難であると思います。これは予算の内容からいたしましてもきわめて資材費等が低額でございますので、これによってこの事業に充てるということは非常に困難であると思います。ただ労働省予算として特別失業対策事業というようなものが計上されてございます。これは国費におきまして三十七億、総事業費で百億ちょっとこす程度の事業になっておりますが、この特別失業対策事業につきましては、それぞれの公共事業計画に乗りましたものにつきまして特にわれわれの方の観点からしましては、失業者を吸収するということを主眼といたしまして、それぞれの事業の主管省と協議をいたしまして、失業者が吸収でき、しかもなお公共事業としての目的も達成し得るというねらいで計画をし、施行しておるわけでございます。従いましてこれは、あるいは運輸省になりますか、建設省になりますか、ただいま御指摘のような事業が事業計画として出て参りました場合には、われわれの方としましては失業者の分布状況あるいはただいま御指摘のような石炭離職者というようなものを考えまして、失業者吸収という観点からこの計画を検討する余地は十分あることと思います。ただそれぞれの公共事業の主管省におきまして事業計画としてこれを乗せていただくことがもとになるかと思うのです。
○井岡委員 よくわかりました。 そこでいろいろ私はなお申し上げたいこともございますけれども、大臣もせっかくお約束いただいたことでもあるし、さらに自治庁なり建設省の方でもこういう問題を十分御理解いただいてやっていけるように思いますから、きょうのところは私の質問は一応これで終ります。 —————————————
○平井委員長 次に国鉄志免鉱業所の問題について調査を行います。 質疑の通告がありますので、これを許します。河野正君。
○河野(正)委員 天下の耳目を集めました志免炭鉱の民間払い下げ問題も、すでに御承知のように二十九日三菱鉱業が入札を辞退するというようなことで、この問題は一応御破算に相なって参りましたことは御承知の通りでございます。私どももともとこの問題が、国民の疑惑を解くことなく一方的に進められることに対して、今日までいろいろと当委員会等を通じまして当局側の責任を追及して参りました。いすれにいたしましても新聞その他報道機関がひとしく論じておりましたように、今回の問題について政府あるいは国鉄当局側がきわめて見通しを誤まったという点については、これは私どもの立場のみならず、一般的にひとしく指摘されているところのようでございます。そこで私はこの問題が、今日まで現地の従業員あるいはまた関係いたしまする四ヵ町村なり、あるいはまた国民の諸君に対して、いろいろな関心を呼んで参りましたことでもございますし、またそういった面に対しまする影響も非常に大きかったと考えております。もちろん、そういった面に対しまする当局側の責任のとり方、あり方等につきましてもいろいろ考え方があると思いますけれども、いずれにいたしましても、政府当局の政治的な責任というものは免れないものだというふうに私は考えております。そこでまず、政府並びに総裁は今日までの経緯、てんまつについて率直な御意見をお漏らし願いたいと思いますし、なお私どもはその御意見次第によりましてはさらにいろいろと今後の対策等について意見を申し述べて参りたいと考えております。
○楢橋国務大臣 志免炭鉱の問題は、ただいま河野委員が言われましたように、三社ともに辞退をいたしたということは、これは非常に大きな一つの転換期にきておるのであります。今、河野委員は政府あるいは国鉄当局が見通しを誤まったということを言われましたが、その点もあるかもしれませんけれども、これはやはり労働組合も同様でありまして、私から言わせますれば、ともに志免炭鉱というものにとっては最後の総合開発の本命であるべき三菱が辞退するというようなことは、おそらく労組の人々も考えなかったのではないかと思うのでありまして、この問題についてこういう段階にきましたということは、エネルギー革命と申しますか、客観的な情勢の変化が急速に参ったことと、三井は御存じのようにああいう状態にあり、住友もまた内部的な事情があり、三菱も、三菱としては唯一の総合開発をなし得べき段階である——言いかえれば国鉄があの問題を行政管理庁の勧告を受けて分離をして輸送本来の使命に従事するという建前からとりましたときも、やはり総合開発ということがなされれば志免炭鉱の命脈は保たれ、あそこの労務者はこれによって保全せられるという考え方を持っておったのでありますけれども、三菱の辞退によってその考え方は根本的にくずれたのであります。従いまして私といたしましては、先般国鉄総裁からも報告を受けましたので、その報告に基きまして、一方また国鉄労働組合の委員長、副委員長、書記長等もお見えになりましたので、この段階になった以上は、お互いに闘争すべき段階にあらずして、同一基盤に立って、この三菱まで見捨てたと申しますか、入札の辞退をせざるを得なかったという段階に立っておる山の上に立って、いかにして犠牲を少くし、いかにして損害を少くしてこの問題を収拾するかということについて、国鉄並びに労務者側の代表者も真剣に考えて、しかるべき案をもって練られたらよかろうということを言っている段階であります。
○十河説明員 私からも一言お答え申し上げます。ただいま大臣からるるおっしゃった通りでありますが、この問題は本年一月運輸大臣の指令に基きまして九月二十三日に三井、三菱、住友の三社に指名競争入札の通知を発送いたしました。九月二十五日に三井から、社内事情のため、せっかくだが辞退したい、ということを書面で申し出て参りました。越えて二十八日に住友から、二十九日に三菱から、先ほど大臣からお話がありましたように、燃料界の革命ともいうべき変転が予想以上にすこぶる深刻であって、志免炭鉱を譲り受けても、三菱のごときは、今大臣からお話のありましたように、総合経営をすれば他よりかよほど有利でありますが、それでも経営に自信が持てないからはなはだ遺憾ながら辞退をいたしたいということを書面で申し出て参ったのであります。私どももかねて石炭鉱業界の変転につきましては注意もいたしておりましたし、一応の見通しもつけておりましたが、われわれの予想しておった以上にこの異変が深刻になって参りまして、いかんともすることができないまことに遺憾な状態に相なったのであります。今後の処置につきましては、政府ともよく協議をいたしまして、政府の承認を得て善処いたしたいと考えている次第であります。
○河野(正)委員 私ども今日までいろいろと委員会におきましても当局側の責任を追及して参りましたが、私どもとしてはそれは単に責任を追及するということではなくて、むしろこの事態を円満に解決して進みたいという考え方で、当委員会におきましてもいろいろ審議して参りましたことはすでに御承知の通りだと考えております。そのことがさきの委員会の円満に事態を解決してもらいたいとの決議にも相なって参っておりますことは、このような委員会の決議からごらんいただきましても十分御理解がいただけると考えております。先ほど大臣からこの問題の今後の解決というものは労使が渾然一体となって解決しなければならぬ、それにつきまして私どもも全く同感でございます。ところが今日までの経緯を私ども静かに振り返ったときに、果して労使が一体となってこの問題の解決に当って参ったかどうか、そのことにつきまして私は非常に大きな疑問があったと考えております。なるほど、新聞その他では労使間の団体交渉がうまくいかぬというような報道もなされましたけれども、しかし私どもが注意しなければならぬことは、当局側は民間へ払い下げるということが労働者の最も幸福な道であるというふうに一方的な前提に立って団体交渉を行なって参ろう、組合の方では、先ほど大臣からも総合開発の問題に触れられましたが、われわれの生活権を守り、あるいはわれわれの事業場を守っていく唯一最善の方法というのは総合開発にあるのだ、こういった考え方の相違というものが私は団体交渉がうまくいかなかった一番大きな原因だったというふうに考えております。そこで今日は、大臣も先ほどから今後の事態の収拾というものは労使が渾然一体となって道を開くのだ、そうであるといたしますならば、私は今後につきましては少くとも労使がいかにすれば志免鉱業所の事業が維持でき、あるいはまた今後の経営というものは先ほど大臣の言葉にございましたように損害を少くし、あるいはまた犠牲を少くしていくことができるか、そういう点に立って今後の労使というものが話を進めていただかなければいけないし、そのことなければ私は依然として今日までの紛争を再び繰り返すというふうに考えざるを得ないのでございますが、それに対しまする総裁の今後の御決意を承わっておきたいと考えます。
○十河説明員 ただいま総合開発をするかしないかということが意見の相違であったというふうに聞えましたけれども、私どもはできるだけ総合開発をして、この炭鉱の寿命を延ばすことが従業員の安定した職場を得るゆえんになるというふうに考えて処置を進めて参ったのであります。その点は先刻大臣からもお話があった通りであります。総合開発をすればこの炭鉱も幾らか寿命が延びるだろう、こう考えたところに今日の石炭業界の深刻な異変に対する私の認識が少し甘過ぎたという点があったと反省しておる次第であります。今後のことにつきましては、先刻大臣からもお話がありましたように、こういう深刻な石炭業界の異変でありますから、政府においても業界においてもいろいろと今後の対策を検討されることでありましょう。私といたしましても今後国鉄がどういうふうにすれば一番損害を少くすることができるか、従業員がどうすれば一番犠牲を少くすることができるかということを主といたしまして従業員ともよく意見の交換をして、政府の意見も伺い、政府の承認を得て善処することにいたしたい、こう考えておる次第でございます。
○河野(正)委員 先ほど質問の中に多少誤解もあったようでございますが、私が先ほど御指摘申し上げましたのは、単に総合開発の面で意見が対立したということのみを御指摘申し上げていたのではないのでございます。ただ私どもが申し上げたいと思いますことは、当時組合は総合開発の点、あるいは現有規模において長期安定経営ができるというような二つの方針を示したようでございますが、それは別として、今まで国鉄当局がとって参られました態度というものは、民間に払い下げるということが最善の方法だというふうに一方的な前提に立って話を進められようとした、そこに非常に大きな問題があると私は思う。今後は少くともそういう一方的な前提に立って話し合いを進めるということでなくて、最後に総裁から御指摘がありましたように、今後どうすれば従業員のためになるのか、あるいはまた安定経営が可能になるのか、そういったような建設的な立場に立って話し合いを進めていただかぬと、今日まで繰り返されたような紛争事件というものを再び繰り返すというふうに考えざるを得ないのでございます。そこでさっき総裁からもお話がございましたように、単に総合開発の点で意見が相違した、そのことが紛争の原因になったというようなことでなくて、少くとも今後この問題を建設的に解決しようという御決意であります以上、一方的な前提に立つことなく、全く白紙の立場から労使で十二分な話し合いを進めていただく、そのことが私はきわめて重大な点だと考えておりますし、なおまた新聞その他の論調を見て参りましても明らかでございますように、労使間の話し合いの場がなかった、もちろんそのことにつきましては国鉄法その他の制約があったのかもしれませんけれども、いずれにいたしましても労使間の話し合いの場がなかった、そのことが必要以上に労使間の関係というものを先鋭化させていった、そういう傾向が強かったというようなことも新聞その他の論調において明らかに指摘されて参っております。私どももいたずらに責任を追及するということが目的ではございません。この委員会におきましても、この問題を何とかして円満に解決させていただきたいということが願いでさきの委員会の決議にも相なったものと考えております。願わくは今後の問題につきましては一つ白紙の立場で、建設的な立場で、先ほど大臣からも御指摘がございましたような労使間の円満な話し合い、そういったことで今後の明朗な解決方策を見つけていただきたいということを強く要望しておきたいのであります。それに対しまして大臣並びに総裁からあらためて御所見を承わっておきたいと思います。
○楢橋国務大臣 今、河野さんのおっしゃいましたように、私率直に申し上げまして、国鉄もあるいは労務者の組合側も、今こそ冷静になってこの冷厳なる三社の入札すらも辞退するという山の性格、あるいはそういう立場に置かれているということを考えられたら、従来のようないろいろないきさつもありましたから先鋭化して対立したこともやむを得ないと思いますが、今こそ共通の基盤の上に立って一体どうしたらいいかということを考えるべき段階であるということで、私どもも組合の代表者の方にも実は真心から申している次第であります。また国鉄の方にもそのことを申しておりまして、こういう段階になったら内輪げんかでなくて、ほんとうにどうしたらいいかということの切り抜け道を考えなさいということを申している次第でありまして、また軽々にこれを閉山するとか、あるいはどうするというようなことは今論議すべき、あるいは口にすべき段階ではございません。どうしてうまく生かすかということを今言ったような趣旨に基きまして考えてもらいたい、こういうことを申し上げている次第であります。
○十河説明員 私も、先刻申し上げましたように、国のためにこれをどうすればいいかということを中心に考えたい。われわれはただ一つの志免炭鉱を持っておるだけであります。日本には炭鉱がたくさんある。炭鉱に従事しておる関係者も多数ありますので、これは国の大問題である。国としてもこれに対する対策を立てられることと考えますが、われわれはわれわれとしても検討いたしまして、国の立てる、あるいは業者間で立てる対策をも勘案いたしまして、最善を尽したいと考えておる次第でございます。
○河野(正)委員 最後に御指摘を申し上げてお願い申し上げておきたいと思いますが、それはただいま総裁の言葉の中で、国のためにどうすればよいのか、その点は全く私どもも同感でございます。ところがその場合に、少くとも今日まで国鉄がとってこられました態度というものはきわめて一方的過ぎた態度があった。そこに私は今後におきましても、先ほど申し上げますように、非常に心配があるわけでございます。そこで、なるほど言葉の上では国のための最善の方法、こういうことでございますが、それでは国のために最善の方法として、やる方法についてはどうすればよいのかということについては、今日までのいろいろな経緯を見て参りましても意見が対立をいたして参りました。その意見の対立のまま、今日まで運ばれてきたところに、私は非常に大きな問題もあったというふうに理解をいたしております。そこで、なるほど言葉の上では国のためということでございますが、その点につきましては私も異議はございません。とにかく国のためにやる方法としてはどういう方法がよいのかということについては、私はいろいろ方法はあると思いますけれども、今日までの苦い経験というものを教訓として生かしていただいて、今後は少くとも労使間で最善の方法を見出していただく。その中から活路を発見していただくということを私は強く要望いたしたいと思いまするし、その点については今後とも大臣の深甚なる御配慮を一つお願い申し上げておきたいと思います。そういうことで、本日は質疑を打ち切りたいと思いまするが、ただいま申されましたところの、労使が渾然一体となって今までの経緯というものを一切水に流してというような善意ある大臣の発言に対して、私ども全幅的な信頼を寄せて、本日の質疑は一応打ち切って、今後の最善の御努力に対して期待をいたしたい、かように考えております。 —————————————
○平井委員長 井岡大治君。
○井岡委員 これは国鉄の問題ではございませんが、大臣に特にこの機会にお願いを申し上げておきたいと思うのです。それはもうたびたび問題になっております駐留軍の離職者のタクシー営業の認可の件でございます。この点は今事務当局でいろいろおやりになっておるようですが、事務当局の方では一括して、たとえば来年の四月ごろとか五月ごろまでもっていこうか、こういうような御意見もあるようなんです。御承知のように離職者の諸君は最初は個別的に出しておったのでありますが、前の大臣の要請にこたえて、一体にして、すでにこの間お願いをしてから四年になるわけです。ですから少くとも、ことしもまたこのまま見送るということでは家族等についてもかなり不安も出てくるだろうし、持っておる金もだんだんなくなってくる。こういうようなことでございますから、これらの適格な方については年内に全部免許を出してやる。そうして今まで苦労をしたこの人たちに対して、ある意味における感謝というか、協力してきてくれたことであるから感謝をしてやる、こういうようなことで御処置をいただきたい、こういうように思うのですが、この点について一つ大臣の御答弁をいただいておきたい。
○楢橋国務大臣 今の井岡さんのお話はごもっともな点もありますので、全体の問題を勘案する必要がありますけれども、これはとにかく七千か八千という膨大なものが来ておりますから、全部持っておったら来年の六月くらいかかるのじゃないか。従って、どういうようなものについてどういうふうに扱うかということは研究させており、陳情も受けておりますから、考慮いたします。
○井岡委員 それでけっこうですから、研究ばかりしておったのではいけませんから一つ頼みます。
○平井委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十六分散会