予算委員会第一分科会 第3号
- 発言数
- 254 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/25
会議録
○主査(小柳牧衞君) これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 昭和三十四年度総予算のうち、内閣及び総理府所管を一括して議題といたします。 なお総理府につきましては防衛庁、調達庁、経済企画庁及び科学技術庁は除外されております。また行政管理庁、北海道開発庁、自治庁は午後に審査に入ることになっておりますので、この点あわせて念のため申し上げておきます。 それでは佐藤総理府総務副長官より説明を求めます。
○政府委員(佐藤朝生君) 昭和三十四年度における内閣及び総理府の歳出予算案についてその概要を御説明いたします。 まず、内閣所管の昭和三十四年度歳出予算計上額は九億五千七百五十九万一千円でありまして、これを前年度歳出予算額八億五千二百二十三万七千円と比較いたしますと、一億五百三十五万四千円の増額となっております。 内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房法制局、人事院、憲法調査会及び国防会議等の事務の執行に必要な経費であります。 次に総理府所管の昭和三十四年度歳出予算計上額は五千七百四十九億八千四百三十一万五千円でありまして、これを前年度歳出予算額五千百三十八億八千九百三十九万一千円と比較いたしますと六百十億九千四百九十二万四千円の増額となっております。 総理府所管歳出予算計上額は、総理本府のほかに公正取引委員会、国家小安委員会、土地調整委員会、首都圏警備委員会の四つの委員会、及び宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、自治庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁の七庁の外局に関するものでありまして、その主なる経費を以下予算要求書の順を追って事項別に申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費百八十三億四千百八十万五千円、旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費九百六十七億五千百八十四万三千円、警察行政に必要な経費百三十五億二千二百八十三万四千円、北海道の開発事業に必要な経費三百十四億四千三百三十七万七千円、地方交付税交付金財源の繰入に必要な経費二千四百八十六億四千九百三十五万六千円、防衛本庁に必要な経費一千三百六十億四千万円、科学技術行政に必要な経費九十八億九千二百八十四万五千円等であります。 次にその概要を順を追って申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基いて退職した文官等に対して年金及び恩給を支給し、並びに国会議員互助年金法に基いて退職した国会議員に対して互助年金を支給するため必要な経費でありまして、前年度に比べ二億九千六百七十三万三千円の増加となっております。 旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基いて旧軍人及び遺族に対して恩給を支給するため必要な経費でありまして、前年度に比べ百十三億七千七百二十八万円の増加となっております。 警察行政に必要な経費は、警察庁及びその附属機関並びに地方支分部局の経費及び都道府県警察費補助に必要な経費となっております。 北海道の開発事業に必要な経費は、北海道における住宅、河川、土地改良、開拓、篠津地域泥炭地開発、港湾及び漁港空港等の事業に必要な経費と、北海道道路整備事業に必要な財源の道路整備特別会計へ、及び特定港湾施設工事に必要な財源の特定港湾施設工事特別会計への繰入金などでありまして、事業費についてはその執行に当って関係各省の所管に移しかえて使用されるものでありまして、前年度に比べ六十五億四千二十二万二千円の増加となっております。 地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費は、地方交付税法及び交付税及び譲与税配付金特別会計法の規定により、昭和三十四年の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二八・五に相当する金額の合算額に、昭和三十二年度の地方交付税の未交付額に相当する金額を加算した額を、各地方公共団体に交付すべき地方交付税交付金の財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費でありまして、前年度にくらべ二百四十六億三千九百六十五万三千円の増加となっております。 なお総理府所管につきましては、他に二百十七億四千百四十四万八千七百七十三円の国庫債務負担行為を計上いたしております。その内訳は総理本府におきまして外国人恩給十万一千七百七十三円、北海道開発庁におきまして篠津地区泥炭地開発事業で機械及び器具の借料として一億一千九百三万円、ただし、購入の場合には、四億四百四十六万八千円でありまして、借入れ、購入ともに為替相場に変動があったときにはその率に従った金額。防衛本庁におきまして航空機購入、器材整備、施設整備、艦船建造について百九十八億八千七百三十一万七千円、科学技術庁におきまして日本原子力研究所出資、放射線医学研究施設整備等について十七億三千五百万円、ただし、これについては昭和三十三年度一般会計国庫債務負担行為に基く日本原子力研究所への出資三十一億六千百四十万円のうち、動力試験炉にかかる分二十四億七千万円について、昭和三十三年度内に国庫の負担となる契約を結ぶことができなかった場合においては、これに十八億三千二百万円を加えた金額三十五億六千七百万円であります。 以上申しのべました予算計上額のうちには防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁に関する予算計上額一千五百二十億三百十八万七千円、防衛庁及び科学技術庁に関する国庫債務負担行為要求二百十六億二千二百三十一万七千円が含まれておりますが、これにつきましては他の分科会において御審議願っております。 次に、総理府及び大蔵省所管交付税及び譲与税配付金特別会計において、歳入二千八百二十五億八百九十三万四千円、歳出二千八百二十億八千四百万四千円になっておりまして、歳入は一般会計より受入れる収入と、入場税法、地方道路税法及び特別とん税法の規定に基き徴収する租税収入と、交付税及び譲与税配付金特別会計法の規定により、前年度決算上の剰余金を本年度において受入れる収入その他であります。 歳出は地方交付税法、入場譲与税法、地方道路譲与税法、特別とん譲与税法の規定により、おのおの定められた地方公共団体に対し、交付又は譲与するために必要な経費その他となっております。 なお、総理府所管臨時受託調達特別会計において、歳入二十一億九千七百五十五万六千円、歳出二十一億九千七百五十五万六千円と歳入歳出同額を予定しておりますが、これにつきましては他の分科会において御審議願っております。 以上をもちまして、昭和三十四年度一般会計内閣及び総理府所管の歳出予算計上額、及び昭和三十四年度交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入歳出予算計上額の御説明を終ります。 詳細につきましては、御質問に応じまして関係政府委員からお答えいたすことにいたします。よろしく御審議あらんことをお願いいたします。
○主査(小柳牧衞君) 質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
○石坂豊一君 この中の恩給関係についてちょっと伺いますが、樺太庁に奉職しておった特定郵便局長の恩給関係についてであります。樺太庁の郵政事務はもと総合行政で樺太庁長官の所管になっておった。その後この扱いについては各省の行政所管に入った。しかしながら機構の性質上特定郵便局というものであって、それは内地のいわば府県の方の三等郵便局長に当る、その々が恩給の方にいっております。樺太庁において同じ仕事をしておった特定郵便局長が、戦争後そのままになってしまっている。それで私は樺太庁に奉職しておった関係があるものですから始終私を通じて請願が出ておる。その請願は何べんも出ておる。しかるに請願の途中で河井彌八君がこれを留保するということで一回か二回留保された。その後留保をやめて通過しておる。ところがなかなか実現しない。それに該当する人はそう数もおらぬのですが、恩給局長の前任者に聞いてみるし、何でも退任の際に涙金をやっており、一時金をやっておる、それで恩給の関係は解消しておるという解釈をとっておる。ところがその金額というものはきわめてわずかなもので、今日の貨幣価値から見ると言うに足らない心のです。で、これは無理やりに占領されて内地へ追い返されたわけなんですから、向うに落ちついて終生墳墓の地とする考えで行っておった連中が、公務員として、特定郵便局長として非常功績を残しておる、その連中が追い返されて無一物で帰ってきた。それに対して急な場合であったから一時金を幾らやったかしりませんけれども、その恩給はついていない。これは議員提出としてやれぬことはないのですけども、いろいろな関係で、政府提出して恩給法の一部でやれば何でもなのですが、今、恩給法の一部が改正なってこの十月から改正されてしまいますと、これらの気の毒な連中が少も恩典に浴せずして一生を終ることなる。で、この際において何か善後処置を立ててやっていただきたい。これについて、一体、関係の遠いものであるからそれきりにしておくと、恩給局の方では、数も少いしそのうちみんな死んでいってしまうから厄介払いになるというような、きわめて無情な考えでおられるのか、またそうでなく、仁政を施したつもりでおるけれども、やりようがないので今日までこうやっておるのか。その点についてはいずれにいたしましても、何とかしてこれの跡始末をしてやっていただきたい、かように考えるのです。実は御存じの通り、とっさの間にソ連に占領されたわけです。他の国家に対する債務権についても、樺太庁の発行した小切手なども未払いになっておるのがありますので、別途予算委員会でそれを質問することにしておったのですけれども、時間もありませんので、これを外務省のアジア局長かだれかに話すつもりでおりますが、一面、特定郵便局の恩給についてはまことに長い間の希望であり、またその跡始末はきわめて急を要する問題ですから、この問題についての御明答を願いたいと思います。
○主査(小柳牧衞君) 恩給局長の答弁はもう少しお待ちを願いたいと存じます。
○石坂豊一君 あとでもよろしゅうございます。
○高田なほ子君 青少年問題協議会の係の方はどなたですか。 岸内閣は、たびたび施政演説の中でも、今、青少年対策を重点的に取り上げております。先般の総括質問の中でも明らかになったように、青少年にあくまでも希望を持たせるために努力するというようなことを言っておられるようでありますが、青少年問題協議会でも、今回の三十四年度の中に組まれた対青少年の予算というものは詳細分析されておるのではないかと私は思う。しかし私の見た目で、分析した目で見ると、青少年に対する予算というものは必ずしもふえておらないようであります。特に、教育面における総体的な予算はふえておるわけでありますが、実質的に必ずしも青少年に希望を持たし得るというような内容が乏しい。こういう点を先般の総括質問でも払指摘しておきましたから、その点について重ねては触れません。しかし、どうしても岸さんの言わるるごとくに、中央における青少年問題協議会というものがかなり青少年対策に抜本的な対策を講ずるもののような印象を与えておりますけれども、私は、青少年問題協議会がどういうことをおやりになっているのかということについては、寡聞にしてあまり知らないのです。これは大へん申しわけないことでありますが、たとえば一番予算の少いといわれる労働省内の婦人少年局等では、実に実のあるパンフレットを研究の結果出されまして、どういう仕事をし、現状はどうなっておるかというようは、実に克明なパンフレットをわれわれにもお出し下さって、その仕事の内容を明らかにしておるわけであります。青少年問題協議会は、岸内閣の町心臓部面に当るような御答弁はいただいておりますけれども、さっぱりそり内容については、おそらく、全国民も御存じにならないでしょうし、われわれ国会議員のうちでも、何人の者がこの仕事の内容を知っておるかということになると、大へんこれは疑問に当るわけです。従って、この機会を通じまして、青少年問題協議会の発足以来の実績、そしてまた、この予算というものが実際にどれだけの効果を現わしてきたものか。はなはだ、皮肉な質問に聞えるわけでありますが、巷間伝えられるところによると、青少年問題協議会の果す役割は、青少年に対する思想統一の機関であるというような一部の酷評さえも今日承わっておる。岸内閣の企図せられておる青少年に希望を持たせるという方向とは別個の方向にいっておるのではないかという一面の誤解もあるようでありますが、この際、それらの世論にこたえる上からも、明快な御答弁を詳細にわずらわしたいと思います。
○政府委員(深見吉之助君) お答えをいたします。青少年問題協議会の沿革でございますが、これは昭和二十四年、第五回の国会におきまして衆議院において青少年犯罪防止に関する決議及び参議院における青少年の不良化防止に関する決議に応じまして、青少年の指導、保護及び矯正に関する総合的施策を樹立し、その適正な実施をはかる目的をもちまして、同年に内閣官房に青少年問題対策協議会を置くことに相なりました。その後、ヒロポン対策あるいは売春対策、人身売買等の問題を取り上げて、当面の非行対策をやって参ったのでございますが、昭和二十八年に内閣官房の中に青少年問題協議会を法律をもって設置いたすことと相なりました。以来今日に及んでおりますが、昨年、昭和三十三年の七月一日をもちまして青少年問題協議会に事務局を置くことと相なりました。総理府の審議室から独立をいたしまして事務局が設置せられたわけでございます。そういたしまして、不肖私が事務局長を拝命して今日まで及んでおる次第でございます。 先ほど申し上げましたように、青少年問題協議会と申しますものは、行政機関として置かれておるわけではございませんで、各関係省庁約十一にわたっておると考えますが、各関係庁の行います青少年問題全般の基本的施策を総合的に樹立し、またこれが連絡調整に任じ、それぞれの実施部門は、各省庁において独自の立場をとりながら、連絡を密接にいたして実施していただく、こういうような建前になっておりますが、中央少年問題協議会といたしまして、現在まで方針として、各省とも協議し連絡をいたしまして、いろいろな答申をいたし、そうしてそれを実施する方向には進んでおりますが、直接行政的な働きはいたしておらないのでございます。 予算関係にいたしましても、現在までは連絡調整に必要な予算、並びに法律におきまして、各都道府県においても地方の協議会を設置することができるようになっておりまして、地方における青少年問題の総合的施策の樹立並びに地方の各部局、課の横の連絡を密接にするため、地方庁におきましても地方青少年問題協議会が大体今日におきましては全部の都道府県に設置されておりますが、これらと密接な関係をとり、また、その事業の運営に必要な若干の補助金をいただいて、これを地方に流すといったような仕事をいたしております。と同時に、中央の各省庁の青少年対策と直接結びついた予算につきましては、これを総括的に取り上げまして、これの予算実施に、獲得につきまして協力をしてきておるわけでございます。 昭和三十四年度におきましては、さような意味におきまして、各省が行うべき、たとえば文部省におきましては、教育全般の予算といったようなものは、当然青少年には関係ございますけれども、われわれの方では取り上げない。青少年の団体指導であるとか、団体に関する問題、あるいは公民館、その青少年に関係のある部門といったような、直接青少年対策に必要な費用だけを取り上げまして、これを文部省、厚生省、農林省、労働省等と協議をいたしまして作ったわけでございます。大体さようにして拾い上げましたものが、昨年度におきましては十一億七千五百五十万円の予算と相なっておりましたが、昭和三十四年度は、これらに対しまして十八億六千五百万円、約六億九千五百万円の増加を見た次第 であります。 これらが予算編成に当っての、中央青少年問題協議会といたしまして各省にわたる調整連絡をはかった結果であると、かように考えております。特に本年は、従来はございませんでしたが、御承知の青少年の海外派遣費八千万円が新たに計上いたされました。この予算の施行につきましては、これを文部省につける、あるいは厚生省につけると申しましても各省にわたっての関連のある大衆、青年の中から海外に人を派遣するという建前からいたしまして、仕事が各省の所管にわたる場合も考えまして、この費用だけは本年は特別に中央青少年問題協議会事務局がこれの事務担当の衝に当ることといたしまして、これを運んでおる次第でございますから、私の方といたしましては、政府の方針に従って強力に青少年問題各般にわたっての推進をはかる機関でございますが、現在のところ、直接青少年の指導をするとか、ただいま御指摘のような意味での指導的な動きをさすとかいったようなことは毛頭考えておりません。たまたま、青少年の中央団体幹部等を集めましても、青生団体あるいは青年各位が、いかようなことを現在望んでおるかといったようなことを聴取いたしまして、これを各省に流し、こうして総合的な運営、企画を行なっていく、こういう線で動いておる次第でございます。
○高田なほ子君 過般行われました全国青年会議というのはどこが主催をした会議ですか。
○政府委員(深見吉之助君) 全国青少年会議ですか。
○高田なほ子君 青年団会議、御存じありませんか。
○政府委員(深見吉之助君) いろいろ行なわれておりますので、どれをおっしゃいますのでございましょうか。文部省でやったものもございますし、それから日本青年団協議会自体で集めてやっておりますものもございます。私の方でも先般、約七、八十名全国から青年を集めまして、これは地方の要望等を、ただいま申し上げましたように聴取した場合もございます。どれをおっしゃっていらっしゃるのでしょうか。
○高田なほ子君 この青年団の会議、それから青年の集まり、こういうようなものが時に総理府の主催の会合もあれば、文部省の会合もあれば、いろいろあるわけですが、しかし、この青少年問題協議会としては、直接団体に関する問題もお取り扱いになるというただいまの御説明であります。そこに何か一貫したものが方針として持たれなければならないのではないかという気がするわけです。適当に勝手なことをやるのじゃなくて、直接団体に関する問題をやるという、こういう御説明であるとするならば、何かそこに連絡というものがあるはずだと思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(深見吉之助君) ちょっと私の御説明の言葉が足りませんでございましたが、中央青少年問題協議会は、青少年全体の問題を取り扱っておりますので、団体だけを対象にするわけではございません。その中には精薄児童に関する精薄関係の施設等の促進あるいは不良青少年問題全般、あるいは法務省等が支援いたしておりますBBS、VYS運動、あるいは農林省の四Hクラブ、こういったような各般の青少年運動全般が円滑に動きますように調整をし、連絡をはかる。こういうことでございまして、ただいま御指摘のような一般に考えられます健全育成の関係に立つ青少年問題というものは、これの指導運営は文部省において担当をしてもらっており、そしてそれと各省との関係が重複しないように、また円滑に動くようにというあっせん役を私の方ではいたしておりますので、その指導方針について特にかくあるべしといったようなことは、協議会といたしましても今までにおいて行なっておらないわけでございます。
○高田なほ子君 地方の青少年問題協議会の活動状況を知りたいわけでありますが、今度の予算では、協議会の地方に流す補助金が若干減額になっておるようであります。伝え聞くところによると、地方の青少年問題協議会の活動はかなり強く要請されているけれども、なかなか趣旨に沿えないというような実情も聞いているわけです。なお、地方に残されている青少年問題は、申すまでもなく、あまりにも多くの問題をかかえ過ぎているわけですが、いかなる理由でもって、若干ではありますが、予算を減らしてきたのか、この点をお尋ねしたいのです。今度の社会教育法の改正で十三条を削除して、青年団あるいは婦人団体等の活動に政府は補助金を出す道が講ぜられてきたわけでありますが、もちろん、これは無手勝流で補助金を流すということは、中央集権になるおそれがあるというので、参議院においては法の修正をしたわけでありますが、その社会教育法に基く青年団体等に対する補助金の額を見越してその額が減ってきたのではないかというふうな懸念も感ぜられるわけです。それとの関連でこの予算減の問題と、地方の青少年問題協議会の現在の活動状況というもののあらましを知らせていただけば大へんけっこうです。
○政府委員(深見吉之助君) この補助金でありますが、先ほど申しました地方の青少年問題協議会に対する中央よりの補助金は、昨年度が千四百五十五万九千円、三十四年度が千三百八十三万一千円で、七十二万八千円の減、これは本年の予算編成の方針上、全般的に五分減をいたしております。その五分減のワクがかかってこれだけの減少をいたしましたので、その他の意味合いは少しもございません。この費用を各都道府県に分けますのにつきましては、一県当り六十万円の経費の二分の一補助ということが基準になっておりまして、それの五分減ということに相なったわけで、各県に分けます場合には二十万ないし五十万程度の費用が中央から参り、それがその倍額となって地方では使われている。東京都のごときは相当金額計上されておりますが、それは地方費によってまかなわれているわけであります。先ほど申し上げましたように、地方の青少年問題協議会も、これは行政を担当しているわけじゃございませんので、協議会自体が要する費用として、わずかに会議費あるいは事務費を食っているにすぎません。先ほど御質問のございました青少年団体に対する十三条削除に伴う補助金というようなことは、これは文部省の方では他日考えられるかも存じませんが、私の方では直接考えることは、ただいま考えておりません。
○高田なほ子君 岸首相は、口を開けば、青少年問題対策に大へん力こぶを入れているというふうに言われておるわけなんですが、今お伺いすれば、全般予算、五分減のワクの中でも、この青少年問題協議会の補助金も減っているようでありますが、重点施策として、これを考えるならば、五分減なぞというワクは、当然はずさなければならないもので、特に地方における青少年問題協議会の活動は、ようやく注目されるに至ってきております。私はこれに多くの補助金を与えよ、こういう主張を出すのには、まだ早いとは思いますけれども、とにかくにも、まだ活動の軌道に乗らないという段階です。これは、あなたもよく御存じだろうと思う。それにもかかわらず、今、わずか一県に二十万円から三十万円以下というようなわずかばかりの活動の補助金を、五分減の中で減らしていったということ自体が、私は岸内閣の青少年に対する熱意の欠除ではないかというくらいにまで申し上げざるを得ないわけなんです。 特に青少年問題協議会の出発が、青少年の犯罪解消という題目を掲げての出発であったはずです。そうであるならば、なおさらに、今日の青少年の犯罪が拡大されているわけでありますから、私は、これらの補助金を、多少でも削っていく、そうして地方の実際問題としては、財政は逼迫しているわけすでから、——東京とか、大阪というようなところは、これは別問題でしょうが、一般的に地方の財源というものは、できるだけ節約しなければやっていかれないというような段階でありますから、やはり中央における青少年問題を解決するための補助金、こういうもの、なかんずく犯罪問題を解消するために置かれている地方のこれら協議会の活動というものは、よほどめんどうを見ないというと、実際、実績をあげることができない、こういう結論が出て、はなはだこの五分減という問題についても、私は納得のいきかねるところでございます。 さらにお尋ねをいたしたいことは、青少年問題協議会は、青少年の犯罪解消というだけでは、この法律の趣旨には合わないのではないか。もう少し、一歩進んで、青少年問題の犯罪解消だけではなく、児童憲章の精神を具体的に実現させるのには、どういう方向にいくべきかというような、もっと広い意味での青少年対策というものが議題に上ってこなければならぬはずではないか。そうしなければ犯罪解消ということはあり得ないと思うのです。虞犯青少年に対する保護とか、これをどうするとかいうような問題ではなく、どういうふうにしたら犯罪になる温床を打開していくというような、そういう積極面についても、この協議会の活動は、大きに期待されなければならぬと思いますが、これらの問題についての各省との連絡とか、方針というものは、どういうふうになっているのか、これを伺わしていただきたい。
○政府委員(深見吉之助君) 青少年問題協議会といたしましては、御指摘のように、当然、青少年の各般にわたっての内容の充実をはかりながら、問題解決に邁進しなければならぬと考えておりまして、特に事務局が設置されましてからは、内閣の方針といたしまして、過去の発足当時の不良対策という域にのみとどまっておってはいけないということを、はっきり打ち出しまして、従来の協議会の委員を二つに分れていただいて、第一部会、第二部会に分けまして、第一部会におきましては、健全育成問題を取り上げる、第二部会においては、非行、あるいは不良対策問題を取り上げる。 こういたしまして、健全育成の方には、文部省、農林省、厚生省等のいわゆる青少年団、その他の施設に関係した部門の関係各省の係官も出席をしていただきまして、そうして将来の青年をいかに明るく健全に導いていくかということを協議をしてもらっております。そうして昨年の十一月に具申をいたしました一応、まとまった意見といたしまして、青少年の団体活動の促進といたしまして青年団、子供会、子供クラブ等の活動を促進して、青年育成の方の重要な役割を果さなければならない。それについて各省がそれぞれの施策を行うように、また青少年団体活動育成のために必要な助成金等も、各省が法の改正があった暁においては、これの目的を達成するに必要なだけの助成の方途を講ずるようにしてもらいたいという要望を打ち出しております。 また、現在、未組織青年が相当ございまして、特に中小企業等の青年に対する対策等も不十分でありますので、これらに対しましての対策を立てるように、これは、特に労働省方面に要望をいたしております。また十二才ないし十八才の学校教育の分野にある青少年に対しての校外指導的な活動をいかにするかという問題についても、重点的に取り上げるべきであるといったこと、また指導者を獲得することが必要であるので、指導者の養成については、それぞれ公共団体等と連絡をして、よき指導者を得るように、また自主的な青少年団体自体の内部においても、こういう問題を取り上げ、その際には、必要な援助を行うようにといったような意見を取りまとめております。 で、その際に青年の家、あるいは中央青年の家を、すみやかに増強してほしいという意見も同時に出ておりまして、これらは、それぞれ予算の面に反映をいたしておることと思うのであります。 また第二部会、非行防止の方におきましては、非行防止の総合対策といたしまして、総合的な研究機関を設置すること、あるいは指導者としての民生委員と児童委員との関係を、もっと強化すること、あるいは保護司等、直接不良青少年の指導に当る人、また第一線機関として、警察等には婦人警官等、きわめて青少年指導に必要な役割を果す第一線の陣容を強化してほしい、こういうようなことを決議いたしまして、各省に要望をいたし、それぞれ予算に協力してもらうように昨年の暮れにいたしたのであります。 かようなことを各省と連絡をいたしながら、次々と、時に応じて手を打っていく、こう考えております。
○高田なほ子君 まあ、見るべきものとしては、青年の家の増強要望が、今度、大体通ったというくらいのもので、はなはだどうも失礼な話ではありますけれども、私ども民間人の考える青少年問題の抜本的な解消ということについては、はなはだ縁の遠い要望がされているように私どもには考えられる。 たとえば、今度、文部省でも青年の家を、国立中央青年の家というのを一億二千万で建てるようですけれども、これは冨士山麓に建てるということになって、予算が今度組まれておるわけですが、実際問題として、全国の青年たちが、中央青年の家に集まるという機会というものは、どれだけあるのか、そして全国の青年の何パーセントがここに集まれるのか、こういうようなことにも、私ども非常に疑問を持つのですね。それからまた都道府県にも、青年の家が大体五千万くらいの予算で、ことし十三カ所くらい文部省関係で取れているようです。まあ農林省の関係にも、若干あるようですけれども、しかしこのようなことで、果して青年が夢を持てるかというようなことになると、どうも宙に浮いているのですね。私に言わせるならば、青少年問題協議会は、本年度の重大な問題として試験地獄解消はいかにあるべきかというような問題が取り上げられなければならないと思うのです。おそらく青少年問題協議会では試験地獄をいかに解消するかというような問題については、これはほとんどお取り上げになったり、御研究になったりする機会はないかもしれませんけれども、むしろ、こういうところにこそ、焦点が当てられなければ、青年の家を幾つ建ててみたところで、こういうものは、どうも一部のボスが、これを利用するというぐらいの方向にいくのが落ちじゃないかという、これは、極論でありますけれども、危惧を持たざるを得ない。 たとえば青少年問題の事務局長さんがお見えになりましたから、私は特にお耳に入れておかなければならないことは、全くこれでは、青少年は救われないという実例をあげますと、今、準要保護児童というのが七十三万人おるわけです。その七十三万人の子供に、さらにプラスして、ボーダー・ライン層の児童というのが、もう実に百二、三十万はおるでしょう。こういうものに対して、今度の予算でも、教科書を持ってこれない、買えないという者に対して、文部省が組んだ予算というのは、ほんの一億九千万円ぐらいですからね。ですから、七十三万人の子供のうち、二分の一の子供は救えるけれども、あとの二分の一の子供は、もう野放しで、あとどうするのかという問題については、これはだれが取り上げるのか、これは文部省だけじゃ解決できない問題だと思います。 それから今度、給食費を持ってこれない者が、やはりこれに準じている。これに対する政府の本年度の施策というものは二億二千万円しかないのですね。ですから、食べられない子供の残った半数は、どうするかという問題、それから修学旅行の補助で、だいぶ新聞は、政府は、修学旅行にも行けるようにしたというけれども、これは該当児童の四・五%だけですよ。それから定時制高校というのは、今、中小企業青年に対する対策ということを言われましたが、定時制高校は百十七校あるのですが、毎年々々、これを減らしている。そして、これに対するその施設補助というのは千二百万円ですから、現在ある百十七校分にこれを分けて考えると一校十万円です。これが一年間の施設補助です。それから中小企業の青年の問題で問題になるのは定時制高校の教員の給与費等も問題になります。また通信教育施設設備の運営費というようなものが、大へん問題になるのですね。これは、今年もプラス・ゼロです。 それから青少年犯罪がしきりに行われるというような今日、電気のつかない学校は、まだまだ千三百校もあります。こういうところに電気をつける予算というのは、今年四十校きりつけない。ですから、ほとんど電気がつかない学校は、今年もまた電気のつかないまつ暗やみで、これでは、夜間修学もなにもできない。通学ハスは、全国で要望されておりますが、今年の予算では、全国でたった五台きり作れない。それから離れ島から本校に通う子供たちがおるわけですが、これは、ボートが必要なんですが、今年は、なんとボートは、国の予算では二隻分きり作れないのですね。給食もできない学校が九千三百八十校あります。しかし今度、これに施設を若干してあげられるというのが七百三十校でありますから、あと、ほとんどこれは給食設備というものはゼロになっている。それから育英資金、これは政府の大へんなキャッチ・フレーズなんですが、これは一万名が六千名に減らされたという現状、特殊学級においても、またしかり、そして試験地獄は毎年のようにひどくなっていく、青少年犯罪と同じような比率で試験地獄の激しさは、ひどくなっている。 こういうような根本問題にメスを入れないで、青年団に青年の家を建てるとか、子供クラブをどうするとか、子供クラブに出られる子供は、まだいいのですよ。しかし子供クラブにも出られない子供の問題をどうするかということについては、さっぱり、これには触れられていない。それは、ユーゲントのように外国に青少年を派遣することもけっこうです。しかし派遣せられる青少年というのは、どういう青少年ですか。選ばれた一部の青少年です。優秀な青少年であり、家庭のよい青少年が、その大部分を占めております。これに参加し得ない青少年を、どうするかという問題、こういう抜本的な青少年の隠れた問題が、この協議会で論議されない限り、青少年問題協議会というものは、これはあっても実際に血の通った存在にはならない。 ことしの予算を、しみじみ私は拝見いたしまして、特にあなたに、こういう現実というものを十分に考究せられて、しかる後にこの事務局長としての重任が果されるように、私はあえてここに数字をあげてあなたに、こういう隠れた問題をどうするか、青少年問題協議会というのは、こういうものに対しても、これはいろいろ要望する機関のようですから、要望するぐらいのことはできそうなものですが、一体、試験地獄などに対して、青少年問題協議会の発言権というものはないものなのか。これは、文部省だけでは解決できない問題でありますから、特にこの点についての、あなたの意見を聞かしておいてもらいたい。
○政府委員(深見吉之助君) いろいろと有益な御意見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございます。 青少年問題協議会といたしましての対策全般につきましては、ただいま御指摘のような点、それぞれにわたっての、一応ワクと申しますか、プランは、できておるのでございますが、ただ、これが机上の作文に終ったのでは、青少年問題として、何にもなりません。全部、それを同時に打ち出すということは、非常に困難と存じましたので、そのうち、今年の予算で、また実施可能な範囲において、昨年度末に、先ほど申し上げましたような点を特に取り上げて、推進をいたしたということを申し上げたわけでございまして、先ほど来、いろいろ御指摘になりました中には、あるいは教科書の問題とか、給食の問題等は、まだ触れておりませんけれども、その他の問題につきましては、それぞれ研究の過程にあり、あるいは一応ワクとして、こういう問題を取り上げるといって、項目を拾いました中には、全部入っており、各省も、これを了承して、それぞれ行政の上に現わすように協力をいたしてくれております。特に進学保障の問題などは、たびたび文部省とも打ち合せをいたしまして、定時制の問題、あるいは青年学級の問題、進学保障の問題等につきまして、われわれの方といたしましても、たびたび協議をいたしておるわけであります。 試験地獄の問題、これも非常に不良問題と関係の深い心理的な動きをするものではないかと実は思っております。たまたま御指摘になりましたが、私の方も、たまたま本年の夏、十七、八才の子供たちを集めて、いろいと意見を聞く会をいたしております。その中の題目といたしまして、この問題を取り上げようと、実は一昨日協議をいたした中に、試験地獄と児童心理の問題をどうするかということを、実はあげております。 いろいろ、この青少年問題につきましては、範囲も広く、時に応じてのいろいろ問題が多く起って参りますと思いますが、できる限り衆知を集めまして、と申しますか、いろいろな感覚をもちまして、その問題の処理に当って参りたい、広く目を開いていく考えでおります。どうか今後ともに、お気づきの点がございましたら、いろいろお教えを願って、われわれ微力でございますが、幸い、ただいま政府においては、青少年問題を非常に重要視されておりまして、われわれも、働きがいのあるときであると考えておりますので、この際、大いに力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 この点については、これで終ります。
○主査(小柳牧衞君) 先ほどの石坂委員の恩給に関する質疑の答弁が保留となっておりますので、この際、八巻恩給局長の発言を求めます。
○政府委員(八巻淳之輔君) 先ほどの石坂先生からの御質問の御趣旨は、樺太における特定局長、昔特定局長をやった方々が、内地にお引き揚げになりまして、その方々については、恩給がついておらない、引き揚げた当時の一時金かなんかで決裁されておって、恩給がついておらない、この方々に対して、何らかの恩給法上の措置がしてやれないのかどうかと、こういう御質問だろうと思います。 で、御案内の通り、特定局長と申しますというと、いわゆる内地では、三等郵便局長でございまして、これらは、戦前は俸給というものがございませんで、名目上の手当と、そのほか手数料と、こういうふうなもので報酬を得ておるわけであります。これは、公証人なんかと同じ立場でありまして、地方の名望家が、そういう地位におつきになった、それで俸給ということじゃなしに、そういった意味での報酬をお取りになった。従いまして、恩給法の扱いといたしましては、こういう方々は、いわゆる恩給法上の文官じゃなくて、準文官という扱いになっております。準文官と申しますのは、これだけで十七年おりましても恩給がつかない、しかし、もしもそういう方が、公務でけがをしたり、お亡くなりになったと、こういう場合には、恩給法上の傷病恩給、公務扶助料を差し上げると、こういう制度になっておりました。 それで、樺太の特定局長を長く十七年以上おやりになっても、戦前の制度としては、恩給がつかないということになっておったわけです。 ところで、そういう声が出てきたという事情は、こういう事情にあるわけです。戦後、昭和二十三年の一月一日に特定局長というものが、そうした俸給が給せられない職員、つまり一般の手数料等による報酬できておった、身分が、昭和二十三年一月一日から、今度は郵政事務官という官吏に身分が切りかわったわけであります。そこで郵政省といたしましては、こういうふうに、今まで純然たる意味の官吏でなかった者が、官吏の身分に切りかわったので、そうしますと、その際に、相当の退職金を出さなければならない、それでは困りますので、恩給を通算する、つまり特定局長時代の在職年は二分の一だけ通算してみよう、こういう措置を二十三年の一月一日にとったわけです。そこで、ちょうど二十三年の一月一日に特定局長から身分が切りかわった人、こういう人は、前の特定局長時代の在職年が半分通算になったと、こういうことでした。これで、そういう人はよろしゅうございますが、樺太の特定局長みたいに、外地におって引き揚げてきて、そうして身分が続いておらない、こういう人については、たとえば再就職、内地で特定局長になっても、その前の間が切れておりますから、前の特定局長時代というものが内地におって、ずっと引き続いておった人みたいに二分の一通算されない、そういう事態が生じたわけであります。 でありますから、一番端的に比較論として問題になりますのは、樺太の特定局長を長くしておって、そうして内地で再就職をした人、こういう人は、たまたま二十三年の一月一日に引き続いておらなくても、引き続いたと同じように扱ってくれぬかと、こういう御要望があるわけです、そういう要望がある。それからまた、さらに延長して考えるというと、引き続かなくて、外地にいただけでも恩給がつかんか、こういう御要望になって現われている。 しかし、この問題は、こういう、いろいろなケースがございまして、個人差があったわけでございますが、この問題につきまして、昭和三十二年に臨時恩給調査会が、御承知のような軍人恩給その他各種の恩給法上の問題につきましての問題を検討する、こういうために臨時恩給調査会というものができましたが、その臨時恩給調査会でも、この特定郵便局長の恩給に関する問題というのを俎上に乗せまして、いいろ検討したわけでございます。しかしながら、そのときの結論は、その二十三年の一月一日の身分切りかえに伴って、二分の一を通算するという措置は、身分切りかえに伴う、きわめて臨時的、異例の措置でありますから、これをさらに拡大していきますと、波及するところが非一常に大きい、そこで、なかなか財政上持てない、こういうことでございますので、制度変更以外の個々の事情によるものにまで、こういう制度を推し及ぼすということは、適当ではないのじゃないか、望ましくない、こういう意見にまとまってきているわけでございます。 個々の方々の御事情というものは、十分にお察しするのでございますけれども、実情は、こういうことになっておりまして、ちょっと、それだけの、特定局長だけの期間で恩給をつけるという制度を、ここで新しく打ち立てることはなかなかむずかしい、こういうことでございます。
○石坂豊一君 いろいろ御審査で、御苦心になっていることはわかるのでございますが、しかしこの問題には、いろいろ卑屈をつけて切り捨てる場合と、なるべく理屈をつけて、それを取り入れてやろうという場合と、二つある。それで、樺太の郵便局で事務を扱っていた人々は、好きで帰ってきたのではありません。これは敗戦の結果、いやおうなしに追っ払われてきた。彼らは、もと全く無人の荒野に進んで突入して、原野を開拓して、永住の地としてやった、そうして、地方における相当の有力者であるために、特定局長として、その仕事を命じられておったわけです。それを、思わざる結果として、意外にも、無一物で帰ってきている。そういう事情で、彼らはすでに相当老年になっておりますので、他に転職することもできません。帰ってきてみても、自分の縁故の人は、皆ほとんど死んでしまっておる。これは浦島太郎のようなことになってしまっておるのです。そういう現状であります。 しかし、これを府県における郵政省一般の他の職員と比べてみると、三等局長のいわゆる恩給年限に入ったものと、何ら変わるところはないので、もっとも仕事の性質からいっても、境遇からいっても、捨てておくべき問題ではないと思いまして、たびたび陳情もし、請願もしておるようなわけです。今局長の仰せられたようなことで、いろいろ他の問題もございましょうけれども、なるべく早い機会において、恩給法の消滅しない範囲に、一つこれを制度の上に、これは憲法上の人権擁護から考えても、捨ておくことのできない問題でありますから、その点を勘案せられまして、どうか早く、相当の内地のいわゆる三等局長の取り扱いに準じて、恩典に浴せるように取り計らっていただきたい。 これで私は、この問題についての質問を終ります。
○高田なほ子君 総理府から、全般の予算の御説明をいただいたわけでありますが、最近の火災というものは、決して減っている方向にいかないで、むしろ火災は、特に大都市等における増加というものは、かなりふえる率が高くなっているのではないか、こういうような気持からお尋ねをしていくわけでありますが、国家消防本部として、本年度の予算というものを一応御説明いただきたい。どういうところに重点が置かれて、そのために、どういうような予算が編成されてきたのか、まず、詳細な予算の説明がございませんものですから、ちょっと書類だけでは、つかむことができませんから……。
○政府委員(横山和夫君) お答え申し上げます。 予算書が詳細でございませんので、別の書類によりまして、御質疑の点を補足させていただきたいと存じますが、昭和三十四年度の消防関係の総予算は、国に属しておるものにつきましては七億四千七百三十二万円でございます。これは昨年度、三十三年度が六億三千六百六十五万一千円ほどでありますので、差し引き一億一千六十六万九千円の増額に相なったわけでありますが、この内容につきまして、今御指摘になりましたような点をかいつまんで申し上げますと、結局、項目といたしましては、われわれの方のいわゆる国家機関である国家消防本部自体に必要といたしますところの経費の部面と、それから消防の実際の活動をし、実際の責任を果しておりますところの市町村の消防施設に対する国の補助に必要な経費、及び義勇的に日本の消防の第一線において活動いたしております百八十万ばかりの非常勤の消防団員に対します公務災害補償をいたしますために、国の方に特殊法人である消防団員等公務災害補償責任共済基金というものを作っておるのでございますが、この基金に対する事務費の補助金と、もう一つは、今申しました百八十万ばかりの義勇消防人が結成いたしますところの財団法人の日本消防協会というのがございますが、この日本消防協会に対しまして、主として予防宣伝関係の事業を委託しておりますので、その事業委託費と、大体、重点的に見て参りますと、この四点に集約されるかと存じます。 そこで、第一の国家消防本部に必要とする経費の関係でございますが、これは過般来、参議院におきましても、われわれの方で提案いたしました消防法の一部改正を御審議いただきまして、すでに全会一致をもって可決いただいたのでございますが、それと同時に、組織の関係で消防組織法の一部改正が、本日、衆議院の本会議の方で御審議いただく、こういう結果になっておりますが、このような消防関係の二つの法律の改正に伴いますところの運用に要する経費というものが主たる内容でございまして、これは、増額分といたしましては、わずか一千万円余でございます。人件費その他含めまして、三十四年度全体の経費が、七千二百六十二万円ばかりの増額でございますが、その中におきまして、ただいま申しましたような制度の改正に見合うところの、いろいろな措置を講ずるための経費が、一千万円ばかり増額を見ておるわけでございます。 この中には、制度の運用に伴いますところの、いわゆる法の趣旨の徹底とか、その他調査指導に要する経費等もございますが、特に申し上げまして、御検討をいただき御了承をいただきたいと存じますのは、さきほど申しました消防組織法の一部改正に織り込みまして、わずか、予算では四十四万円程度でございますけれども、消防審議会というのを、新たに法的な機関として、付置機関として設置することにいたしております。これは、日本の消防制度をいかにするかというような大きい問題よりも、むしろ与えられた消防制度の中において、いかにしたならば、消防活動の最善化が図られるか、あるいは、消防施設というものは、どういう基準に基いて、どのように合理的に整備されるべきものかというような、技術的と申しますか、具体的な問題を中心として、合理的な消防体制を確立するようにして参りたい、こういう考え方のものが、織り込まれておりまして、経費は、さきほど申し上げましたように四十四万円程度でございますが、十分、これを運用して参りたいと、このように存じておるのであります。 それから、市町村に対しますところの補助金は、これは消防ポンプなり、あるいは貯水槽なり、通信なり、そういうような、いわゆる消防施設でございまして、前年度五億五千万円でございましたが、本年は、一億円の増の六億五千万円が消防施設に対する国庫補助金として出て参ることになっております。ただ、この増額の中には、市町村の施設に対しますもののほかに、約千三百万円程度でございますが、消防職員団員等の教養機関として、府県に学校を置くことに法律上なっておりますので、それの設置を、さらに進めて参ります意味合におきまして、三十四年度から五校分の設置に対する国庫補助をするようにいたしてありますので、この関係は、府県に対する学校設備補助として参るわけでございます。 それから、消防団員のいわゆる公務災害補償基金に対する補助金は、発足の当初におきましては、補償費それ自体に対する補助も含めまして四千万円の補助金があったのでございますがその後、掛金その他の運用によりまして、若干の基金の余裕財源が出て参りましたので、現在は、事務費だけ全額を国庫補助ということになりまして、九百七十万円程度が予算化されておるわけでございます。ただし、これは、もし大災害等によりまして、補償を要すべき事態が、予測以上に大きく出て参るということになりますならば、別途適当なる財源措置を講ずると、こういうことに相なっておるわけであります。 それから消防関係の事業委託で、日本消防協会に対しますものは千五百万円でございまして、昨年一千万円でございましたが、五百万円の増であります。用途は、さきほど概括的に申し上げましたように、政府機関としてやります火災予防に対応して、特にこの財団法人、民間組織として自主的に運用したほうが、効果があると思考せられるようなものを中心とした予防宣伝事業を委託しておると、こういうようなことに相なっておるわけでございます。
○高田なほ子君 御説明をいただきまして、だいたい国家消防本部の組織の中の予算は、はっきりわかりました。ただ、実際消防事業というのは、都道府県の地方公共団体の財源に負うところが非常に多いと私は思っておりますが、現在の各市町村における消防施設というのは、必ずしも万全でないように私ども見ておるわけなんですが、たとえば非常に旧式な手押しポンプのようなものでまだまだ間に合せているというような市町村がとても多いようですけれども、これらの施設というものの補助金は若干増しているようですが、今伺いますと、この施設補助金というのは、町村の消防活動が便利に行えないというものに対する補助金であるのか。また、現在の手押しポンプを使っておるというようなのは、全体の何パーセントぐらい占められておるものなのか。消防活動に要する財源というのは、地方公共団体が主として負わなければならない性質のものなのか、こういう点についてお尋ねします。
○政府委員(横山和夫君) お答え申し上げます。御指摘になりましたように、消防施設に対する国庫補助は、わずかながら増額して参ったのでございますが、実は私の方で、わが国の消防施設はいかにあるべきかということを、一応今日までの段階で立てておる基準がございます。これは、先ほど消防審議会のことを御説明申し上げましたときに、消防施設の基準それ自体をもう一ぺん検討して参りたい、そういう使命を審議会に課したいということを申し上げたのでございますが、さらにもっと合理的なる基準というものが、立てられておりますが、現在までは、一応常設消防力の施設整備の基準と、それから主として町村において運用されておる消防団の設備運営基準との両方の基準に照らし合せまして、消防設備がいかにあるべきか、どの程度の台数をポンプにおいては要すべきか、水利についてはどの程度確保さるべきか、あるいは消防通信はどのような姿で確保していくべきものかというような基準を策定いたしておるわけでございます。その基準の目標としておりますところの線は、通常の気象条件、その他の状況下におきましたならば、いわゆる大火に発展させないでこれを鎮滅し得られる程度の消防力という点に、非常に大まかな言い方でございますが、焦点を合わしておるつもりでございます。 その基準から考えて参りますと、現在ありますところの消防力は、大体におきまして充足率四三%、逆に不足率で申しますと五七%ということに概括的にはなるわけでございます。御指摘になりましたこの手押しポンプでございますが、これは御案内のように、今日まだなお数万台、町村が持っておりますが、ただ実態は、この数年間の補助等を中心といたしまして、それを誘い水とした市町村の財源捻出等によりまして、逐次小型の動力ポンプにかわりつつあります。従いまして、市町村におきましても、今日の段階では、その町村の具有しておる消防力が、いわゆる旧式な手押しポンプだけだという町村は大体解消されまして、なお残っておりますが、すでに動力化されたポンプに切りかわっておるというのが実際の実情かと存じます。しかしながら、絶対の不足等は、先ほどパーセンテージを申し上げましたように非常に不足して参っておるわけでございます。これらの状況は、国家財政の都合等もございますが、われわれ直接消防を担当しておる者の念願としては、すみやかに解消をして、設備の充実された消防体制を期したいと念願しておるわけでございます。 ところで、そういう場合の財源をどこの責任において、どういう姿で充足していくべきかという問題でございますが、これは高田先生もよく御存じのように、わが国の消防は、いわゆる市町村が第一次的に責任を持ちますところの地方自治消防を原則としております。従いまして、その規律をいたしております消防組織法の第八条におきましても、市町村の消防による経費はその市町村が負担するのだということを規定いたしておりますし、これを裏打ちするかのごとく地方財政法におきましても、同様に全額当該市町村が消防費は負担すべきものだということを打ち立ててありますので、いずこの段階において負担すべきかという原則は、少くとも自治消防である限りは、やはり当該市町村が負担することが適当かと存じます。ただし、そうは申しますものの、実際には市町村の財政負担力には差がございますので、これをカバーいたしますために組織法の二十五条にも、法律で定めることによって市町村に対して補助金はし得るのだという特別の規定がございますので、先ほど申しましたように、今日六億五千万でございますが、これを消防施設強化促進法という法律に基きまして国庫補助をいたしておる、こういうような実情でございます。 くどくなりましたが、繰り返して申しますならば、国のそういう補助はございますが、これは補助でありまして、今日の消防制度の段階におきましては、市町村がこれを負担していくということが制度の筋道である。こういうことで、交付税等でも算定するという建前になるわけでございます。
○高田なほ子君 次にお尋ねしたいことは、今活動に要する最低基準を満たすために努力をしておられるようですが、なおまだ五七%の不足率を持つというような現状でございますが、現在の火災の増加率というのはどうなっているのですか。
○政府委員(横山和夫君) 昭和三十三年の年間統計におきまして、火災の出火件数は三万五千八百六十七件でございます。このために焼失いたしましたところのいわゆる建物の焼損面積は二百五万七千五百七平方メートル、旧式に坪数に直しますと約六十二万余坪かと存じますが、その程度焼失いたしております。なお損害見積額は、これは焼損時における現在の価格に見積りまして二百十五億四千四百三十二万七千円ということに相なっております。ただこれは、再建いたします価格に換算いたしますと数倍になるわけでございますが、焼損時の価格ということで押えてございます。それで二百十五億ということでございます。これは過去の数年間に比較して参りますと、昭和三十二年は、一年前の年間統計は三万四千六百五十件の火災を発生いたしたわけでございます。結局その差し引きは千二百十七件の件数の増加であります。比率で三・五%の増加に相なっております。坪数の方は二百九万四千三百七十一平方メートルでございますから、昨年に比べまして若干坪数の減を見ております。比率にいたしまして一・八%の減でございます。それから損害額におきましても、これは三十二年は、むしろ損害額自体は二百六十二億五千余万円でこれは増額に相なっておるわけでございまするが、その以前にさかのぼり、三十一年は、件数だけにしぼって申し上げますと、三万三千三百十二件でございます。三十年は二万九千九百四十七件、二十九年は二万七千八百七十件、こういう状況でございまして、件数について申しますと、逐年増加の一途をたどっておる、こういう状況でございます。ただ、その間におきまして焼損坪数と損害額の方は、件数の増加にはむしろ逆比例いたしまして、若干従前よりは減少いたしております。そういう傾向にあります。
○高田なほ子君 実に損害の膨大なのには今さらのごとくにわれわれえりを正すわけですが、政策問題になりますが、自衛隊の増強もいいですが、この二百十五億の損害をいかにして防ぐかというところに大いに考えていかなければならないところがあるわけですが、時間もなくなりましたので、最後に一つだけお尋ねしておきたいことは、消防の活動能力を押えるもの、たとえば道路が狭いとか、住宅が稠密しているとか、水利が不便であるとか、こういうことがこの損害をさらに広くしていくことになると思うのですが、この消防本部と、それから建設当局ですね、これらのものと、よく連絡し合って、消防活動が便利するような抜本的な方法というものは、今まで講じられてきておったものでしょうか。また将来、こういう問題について、具体的に、どういうふうにしていかれたらいいとお考えになっておるのですか。
○政府委員(横山和夫君) これは、ただいま御指摘になりました点、根本的な問題であるわけでございまして、従来とも、建設省なりあるいは厚生省、その他関係の各省と、いろいろ相談もいたしましたし、制度的に、あるいは運用の面について、最善の措置を講ずべく努力はいたして参っておりますが、必ずしも十分な成果を上げていないという点は申しわけございませんが、ただ、御指摘の道路等につきましては、制度の上にも、都市計画審議会のメンバーとして、それぞれ消防の機関が入っておりますので、その点での意見を反映し得るような道が講じられておりますし、現にそのような措置はなされております。なおまた、耐火建築促進法なり、あるいは建築基準法等によりまして、いわゆる防火建築帯と申しますか、そうした施設が——施設といいますか、整備がなされます場合には、消防の意見を聞くということに相なっております。その制度の活用によって、現在、意見を反映いたしております。 なお、水の確保等の問題につきましても、これも、水道等を所管いたしております関係省と連絡をして、どうせ作られる水道施設なら、消防的に有効になり得る観点から施設してもらうようにという意見を反映はいたしておるのでございますが、必ずしも、結果的に参りますと、諸般の情勢の制約を受けまして、十全の結果になっているとは申せません。 そこで、先ほど申しました消防審議会を、せっかく発足いたされますので、この中には、実は、そうした広義の消防活動確保のために関係を持たれる行政官庁の方々にもメンバーとして入っていただく——これは、本委員会なり分科会なり、いろいろ運用の仕方はあると思いますが、入っていただきまして、消防という角度から、消防の十全な活動が確保される角度から、ぜひ一つ、この機関の運用で、全体の何といいますか、横の連絡が動くようにして参りたい、こういう考え方を持っておるのであります。 私の方も、実は今度の消防審議会の今後の運用には、ぜひ力を入れて参りたい、しかも、今、先生がせっかく御指摘になりましたような問題の解決にも、これは、ぜひ生かすようにしたい、その線に各省の御協力もいただきたい、こういうように存じております。
○高田なほ子君 これは、機構の問題にもなるかもしれませんが、各都道府県で、いろいろ、われわれ実際に伺ってみると、消防が意見を具申する機関もあり、また、そういう機会もあるわけなんですが、今の御説明のように、はなはだしく意見が——割合いに尊重されない。それは、実際でき上ったところに、消防からいろいろ意見を言っても、なかなか、消防が言うくらいのことだから、まあいいだろうというぐらいなことで、せっかくの意見が、実際に行われないということは、結局損害を招くことになるわけなので、はなはだ残念にたえないのですが、どうも、この消防の発言というものが、もうちっと重視できるような機構というものについて、お考えになってみてはどうですかね。 今の御説明は、御説明として承わるのですけれども、実際問題としてはそんなに重視されていないのじゃないですか。消防が、ここは危ないということろの予言は、大体当るのですね、予言だけのことじゃ何にもならないので、何とか、もう少しこの予言が、実際に行われるというやり方でないと、うまくないですね。どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(横山和夫君) これは、私ががお答え申し上げるよりは、大臣なり上層部でお答え申し上げるべき問題だと存ずるのでございますが、御指摘のように、みずから省みて、そういう面がないとは決して思っておりません。もっと、あれを取り入れられたら、こうはならなかっただろうという具体的な事例も、多々私ども存じているわけでありまして、御趣旨の点を、特に上司にも伝えまして、強力な、消防の意見が反映されて、防災の実が上るように、ぜひして参りたいと存じます。われわれも十分、それは、自覚をしているのでありますが、今日まで、微力にして目的を達しておりませんので、先生の御質問を特に上司にも伝えまして、御指摘のような点の排除されますように、今後とも、特段の考慮をいたしたいと考えております。
○主査(小柳牧衞君) それでは、午後は一時三十分に再開することにして、暫時休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 —————・————— 午後二時八分開会
○主査(小柳牧衞君) これより予算委員会第一分科会を再会いたします。 休憩前に引き続いて内閣及び総理府所管を一括して議題といたします。 午後は、内閣、総理府の残りの部分、宮内庁、警察庁、北海道開発庁、行政管理庁及び自治庁の順で審査いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 それでは質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○山田節男君 総理府関係、それから内閣関係を質問したいと思います。 総理府関係の予算の中で、放送等実施委託費という七千六百万円余り、この内容をちょっと御説明願いたい。
○政府委員(佐藤朝生君) 昭和三十四年度予算で放送関係の経費が約千五百万円ふえております。三十三年度が六千百万円、三十四年度が七千六百万円、約手五百万円の増でございますが、この増加の大体の内容といたしましては、中波関係の放送を二百五十万円増加いたしまして四千四百万円、テレビ関係の経費を千三百万円ふやしまして二千万円といたします。その他、写真、広報の関係の経費、現在五百四十万円でございますが、これを三百六十万円ふやしまして、九百万円といたしますのが、大体の増加の内容でございます。
○山田節男君 これは、前からずっとやっておるのですが、この標準放送四百五十万円、それからテレビ二千万円、これは、主として民間放送にスポンサーとして時間を買ってやられるわけですが、ごく大まかでいいから、三十三年度でもいいし、大体種別にして、民間放送の、一番たくさん使われる民間放送会社とか、それから放送の内容ですね、これはもう概略の種別でよろしゅうございますから、ちょっと御説明願いたい。
○政府委員(吉田信邦君) お答えいたします。 現在、放送関係、主としていたしておりますのは中波でございまして、いわゆるラジオと呼んでいる中波でございますが、本年度におきましては三十六局、全国にわたりましてネットを組みまして、大体一週間に三十分の放送時間を買っているわけでございます。大体、現在では土曜日の午後六時から六時三十分に放送いたしておるわけでございます。 それからテレビにつきましては、本年度は一局だけでございまして、十五分放送を週一回いたしております。で、来年度におきましては、テレビにつきましては、今申しましたように、予算がふえまして五局ネットで、東京、大阪、名古屋、北海道、福岡というような五局について、同一放送を放送するようにいたしております。そして放送の内容でございますが、放送の内容は、主として政府関係の行政施策につきまして、国民に理解をしていただき、また国民のお役に立つようなものを選んでおるのでございまして、たとえば、これは実は、どういう範疇になるかといって、この分類は、非常に困難でございますが、今年度の四月からのおもなものを申し上げますと、たとえば「明るい選挙のために」「子供たちのしあわせのために」「選挙よもやま話」「外交官の活動を聞く」「アジア大会によせて」「夏の衛生にそなえて」「北の守りをさぐる」「開拓地を行く」「永田町放談」「暴力をどう追放する」「日本の港」「次の時代をになうもの」といったような形でございまして、極力、政治的な問題は避けながら、むしろ政府の行政施策、そしてまた国民の身近なものを主として取り上げるというような気持で編集いたしておる次第でございます。
○山田節男君 これは佐藤官房副長官、ご存じか——審議室でもご存じであろうと思うけれども、この問題が起きたときに、これは参議院の逓信委員会で、NHKというちゃんとした公共放送があるのだから、何もスポンサーになって、商業放送を通じてやらなくてもいいんじゃないかと、こういう議論もあったわけなんですね。で、内容の概略を伺うと、政府の行政施策を主としてわかりやすく放送する。いわゆる政府が、今行わんとするところをきわめて平易に耳に、あるいはテレビジョンを通じて知らしめるという、そういう広報活動ならこれはNHKの、ことに第二放送は、やはり教養教育を主としている番組なんです。だからむしろ公共放送であるNHKが、もう全国的に九九%のネット・ワークを持っているわけです。 それから、第二放送にしましても九五%の、いわゆるカバレージというものを持っている、何を苦しんで民間放送を多額の金を便って利用する必要があるのかどうか、どうも私、この点について、ふに落ちないのですが、この発足当時なんか、これは、たしか石田博英君が官房長官をしておられるときに問題になったと私は記憶するのですが、これはどうですか、そのいきさつと、今申し上げているように、なるべく公共放送を、しかも、これは無料でできるのです。それからNHKの方も、やはりこういったような政府の、こういうことをやるのだ、あるいは公明選挙に関することは、当然公共放送でやるべき番組なんですね。何を苦しんで商業放送を利用するのか、こういうような感じを持つのですけれども、これに対しての一つお考えを承わりたいと思います。
○政府委員(吉田信邦君) これにつきましては、お説のように、大体一昨年あたりから、民間放送をおもに使うようになったわけでございます。現在の私どもの考え方といたしましては、この政府の施策について、民間の放送局におきましても、いろいろ放送もしたいし、またそういう内容も、まあ放送の性格からいっても持ちたいということでもございますし、いわばNHKも、政府が所有していることになるわけでございますが、これは、いわゆる御用放送というものでもございません。 そういう意味で、公共的なことについてNHKが放送するに際しましても、また、この民間放送にいたしましても、いずれも、放送の編集権というものは、放送局ないし放送会社が持っているわけでございます。そういう意味では、本質的に性質が違うものではない、そういう意味におきましては、NHKにおいてばかりでなく、民間放送も、広く国民に親しまれておりますので、そこに政府関係の事項を放送していただくことも必要ではないかというふうに考えておるのでございます。 従って内容といたしましては実質的には同じような内容のものが行われることがあるかとも存じますが、ただNHKの放送につきましては、これは、むしろNHKの、それぞれのいろいろな企画に基いて、あるいは農村の時間、あるいは子供の教育のためと、いろいろな企画でもってやっておるわけでございますが、むしろそういうものと、立場を多少違えて、現実的な問題を一つ一つ大きく取り上げていくものを放送していきたい。民間放送を通じても、そういうことを周知徹底さしたいという感じで取り扱っておるわけでございます。
○山田節男君 発足当時、これが問題になったときにも、やはり今のような話があった。もちろん、これは民間放送もそうですが、NHKにおいても、特に今度、放送法の改正をして、番組編成審議会なんというものが構成されるわけです。番組に干渉するのじゃなくて、そういう、全国にせっかく一〇〇%近いカバレージを持っておるNHKに資料を提供するという形で、番組の編集は、NHKでいろいろな企画があるでしょう。当然、こちらから指定するわけにいかない。向うの編集にまかしておいて、資料を出すことは、今おっしゃったような範囲のものだったら、これは当然、公共放送で、国民にあまねく知らしめる目的なんですから、一番、これは私は適当なマス・メディアだと思うのです。 民間放送ですと、今のようにラジオにおいて三十六局、それから四月からは、民間テレビの開局が相当あります一ので、五局を利用されるということになる。民間放送では、今日大体の系列化ができております。民間の商業放送、ラジオ放送では、三十六局を通じてやる。大体、その三十六局といえば、四十三放送会社の大部分に放送委嘱するわけですが、アバレイジという点からいえば、NHKより、はるかに少いわけです。ですから民放は、系列からいえば、全国的にネット・ワーク化しておらぬ。こういう点からいっても、私は、どうしても商業放送を利用するという建前が、実際上、あまねく国民に知らせるということについては、不徹底だ。これは技術的にも、そうなっておるのですから、これはお考えになった方がいいのではないかと思うのです。 そこで、これは余談としての質問になりますが、かつてある人から、NHKは、労働組合が総評系だ、だから、他の民間放送の方が安心してやれる。こういうように、非常に割り切っているのだという風評を私は耳にしておるが、これはなぜそういうデマが——まあデマか知りませんが、かつて吉田内閣のとき、ラジオですけれども、三木鶏郎君のシナリオだったと思う。時の政府、国会を、ことに与党、政府をやゆしたような、非常に政府には痛い放送をしたことがある。これは国民には、ある程度アッピールしておった。ところが、これは、表面は政府の干渉ではなかったけれども、急に、その番組をやめてしまって、ほかのものにかえた。こういう事例がある。これは、政府の干渉ではないと言いますけれども、あの時のいろいろな状況から見て、さらに、あの番組を続けていこうという企画があった点から見て、明らかにこれは、政府がおもしろくないというので、自発的な形で、NHKがやめた。これは、もうみんなよく知っている事実なんですね。 あれやこれやを勘案しますと、これは、憶測ということになるように思われるかもしれませんけれども、そういう特殊法人で、国家の代行機関であるNHKがあるのですから、番組の編集に干渉するというのではなくして、資料を提供されて、巧みにこれを織り込ませれば、学校の教育の一つにもなるし、ですから私は、一番NHKとしても望ましいことである。ことに内閣から、総理府から出すんだったら、政策に関するものしかないわけですから、そうすれば、最も信頼のできるNHKが独自な立場で編集し作るプログラムよりも、いいものができると思う。 ですから、かつて私は、石田博英君が官房長官をしていたときに、こういうことを言うたのです。これは、NHKがやるべきことだと思うが、それにしても、総理大臣などが、新聞記者会見とか、いろいろ——これは、ホワイト・ハウスでは、非常にそういうことは、気にしてやっている。新聞係秘書がおると同時に、アイゼンハワーの衣装係といいますか、そういう専門家が、ちゃんと顧問でついているわけです。で、放送事業を、今度は総理府でやるというのならば、そういう面について、専門家を二人くらい置いて、相当な金を払って置いてやる。ぼくは、NHKでやるべきだと思う、が、民間放送でやるんだったら、なおさら、それをやらぬと、ぼくは、効果が非常に薄いと思うと言うて、私は、石田君と論争したことがある。 で、今までやられた経過から、投書があったり、いろいろなことで、かなり反響があったでしょうが、この民間放送を通じての、マス・メディアによる放送の結果、反響がありましたか。はがきとか、いろいろな形で、それを聞いて、なるほどというようなことで、反響があったですか。
○政府委員(吉田信邦君) まことに、ごもっともな御意見でございまして、私どもといたしましても、広報関係につきましても、今のホワイト・ハウスの話ではございませんが、そういったようなスタッフもなく、非常にささやかな形でやっておりますので、そういうように行き届かない点が非常に多いことを痛感いたしております。 で、今、どういう反響があったかというお話でございますが、私の方も、一応反響は調べております、おりますが、率直に申しまして、何と申しますか、あまりおもしろく聞いていないと申しますか、多少興味本位に流れるようなものがない面からくるのではないかと存じますけれども、そういう点は、必ずしも現在のところ、実効を上げておるとは思えない。 それで、たとえばこの民間放送をとり入れましたにつきましても、実は、大体がいわゆるおもしろい話じゃなくて、聞いておればためになることが多いと思いますが、そういう性質のものでございますだけに、民間放送を使って、いろいろな企画をやってもらうことによって、全体としての、そういった広報関係の工夫が進みますようになれば、幸いであるというふうに考えております。 それで、大体、私どもの方としては、NHKへの資料の提出も——毎月、これは、NHKで主催して、キャンペーン会議というものをやっておりますが、各省寄りまして、各省から資料を提出してNHKが適宜選んで放送するというような方式をとっておりますし、またこの民間放送につきましても、やはり民間放送のキー・ステーション、全国八ブロックの代表者と政府関係の広報関係者が集まってお話しし合い、そうして必要な資料を提供して、先方で編集をし番組を作るというような形をとつております。まだ始めたばかりでございますので、十分効果が上っておりませんことは、非常に残念に思う次第であります。
○山田節男君 これは、佐藤副長官にも聞いておいていただきたいのですが、こうして予算が、三十四年度に七千六百十四万円通過するのですが、幸い項目には、放送等実施委託費となっておる。これはやはり、多年の経験から見て、スポンサーになると七千六百万円という、これは相当いいスポンサー、民間放送から言えば……。 ですから、むしろ民間放送あるいは公共放送に対して、こういったようなものをなるべく消化しやすいような工合にプログラムを作成する、むしろ番組の審議機関のようなものも、これは法定のものでなくていいのですからね、内閣の中で、各省、こういう広報をしたいものは、たくさんあるのですから、各省別に、そういった若い人でいいのですから、委員を作って、そうしてむしろ政府からいろいろな番組を、こういったようなプログラムを消化しやすいようにしてやって、それでこれはどの放送局にも、全部これをやる、フリーでやる、フリー・サービスであるというふうにすれば、放送業者も、非常にこれは喜ぶ。そうして、彼らのいわゆる何と言いますか、今は、政府が金を出してやるのですからスポンサーづきのプログラムですから、そうでなくて、やはり各放送業者の自主番組として編集させる。そうして、たとい指定の時間にはできなくても、うまく一週間の間に織り込むことは、技術的に可能なんです。ですから、そういうようなことに、むしろこの金を使うと有効じゃないか。これは放送ですから、聴取者が多いほどいいのですから、そういうことになると、民間放送だけに商業放送なり、テレビに頼っていく。七千六百万円の金に値するかどうか、多分に私は疑問があると思う、実際問題として……。ですから、こういう商業放送を利用するためには、さっき申し上げたような建前のことも、これは考えなければならぬと思う。 どうも私は、諸君を前において、悪口を言うわけではないけれども、ソ連の、ああいう幹部会の事務局、それからホワイト・ハウス等を見ても、モダンな事務をする、事務と言ったらおかしいけれども、建物も、ああいうような非常に古いものでありますが——もう少し、てきぱきやる方法がある。ことに広報関係については、内閣がリードしてやる、これは、幾らでも金を予算でも取れるのですから、ですから政府の全体をまとめての広報関係は、総理府でやるということになれば、これは今のようなスタッフじゃいけないと思うのです。もう少し大胆にやるべきだと思う。どの党が天下を取ろうが、この総理府の予算が変るわけがないんですから、ですから、もう少し思い切って、それこそ予算を遠慮しないで、もう少し近代化する、総理府の業務を、もう少し近代化する必要がある。 やはり大正の末期から昭和の十二、三年前後のようなセンスじゃいけないのですから、ですから、その現われが、今放送法の思いつきにしても、非常にいい思いつきだけれども、実際問題の効果ということから考えますと、非常に私は薄いのじゃないかということを心配するわけです。これは、希望になりますけれども、これは一つの問題で、こういう点から見ても、相当総理府の業務執行については思い切ってモダン化していかれるということが非常に私は必要じゃないか。これは意見を申し上げておきます。 内閣関係では、内閣関係のこの予算項目で、二ページに、報償費一億八千四百七十三万円、この報償費の内容は、おもなものは、どんなものですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 報償費の額は、今年度の額に対しまして五%を減じた額を計上いたしているわけでございますが、内容につきましては、内閣の渉外関係の経費でございますとか、あるいは各種の接伴関係の経費でありますとか、内政外交の円滑な推進をはかるために必要な各種の経費を一括して報償費というような形で計上いたしているわけでございます。
○山田節男君 今の御説明によると、報償費は、大体内閣官房の、何といいますか交際費といいますか、そういったような性質のものに、ほとんど使われていると了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(鈴木俊一君) 大体、そういうことでございます。
○山田節男君 これは私、会計上のことはよくわかりませんけれども、内閣官房として報償費というので、しかも相当な、予算からいえば、ほとんど三分の一に近い、三分の一以上の費用ですから、もう少し項目が、やはり明快にされた方がいいんじゃないかと思うのです。 たとえば、まあ小さい問題かもしれませんけれども、迎賓館——目黒にある外務大臣の公邸、こういったようなものの維持費というものは、これは内閣官房の負担ですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 外務省の方の所管でございます。
○山田節男君 たとえば赤坂離宮が、国会図書館が新築されると同時に、あれがあくわけですね。それから占領軍政下において、最高司令官の諸君の泊られた目黒の、元の前田侯爵の屋敷一か、こういったようなものが、一方は、すでに国有財産、片一方は、私有財産ですけれども、こういう点を外務省というよりも、むしろ政府の賓客として呼んだような人を接待する場所を、今外相公邸も使っておられるようでありますけれども、民間のホテルも使用されますが、たとえば赤坂離宮を、あれを皇居に移転するかという、これは世論の一部ですけれども、あるし、それから、あれをむしろ迎賓館にすべきだと、こういう実は話もあるわけです。こういう点について、内閣官房あたりは、何か具体的な意見を持っておられるのですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 赤坂離宮が、将来あきました場合の処置、あるいは今お話の出ました前田ハウスは、わが国の東京にある建築物としては、確かに有数の輪奐の美をきわめたものであったわけであります。今日は若干時代おくれの形になっているかも存じませんが、しかし国として、有効な利用を考え得るものだとは思っておりますが、しかし、まだ具体的に、これをどういうふうにするかということにつきましては、きまった意見はございません。
○山田節男君 それから次に、この情報調査委託費というのですが、この一億八千三百万円の使途の内容ですね、これは、おもな点だけでよろしゅうございますから、御説明願いたい。
○政府委員(鈴木俊一君) この報償費でございますが、非常に一括計上してあるのが従来からの例でございまして、御承知のように戦前は、機密費とかいうような形のものであったわけでありますが、戦後は、報償費という名前において計上してあるわけでございまして、結局、総理府といたしまして、広く内政、外交の円滑な推進をはかることに関し寄与せられたものに報い、さらにそのような寄与を奨励することが望ましいという場合において、使用するというようなものでございまして、先ほどおっしゃいましたように、具体的に個々の経費として区分をいたして計上するということが性格的に困難なものでございまするので、従来とも、かような形で計上をいたしてきているわけでございます。
○山田節男君 そうしますと、たとえばこの夏、総理がヨーロッパ等に外遊をされますね。そういったような旅費は、やはりこういったような項目から出るわけですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 総理の本来の旅費等につきましては、それぞれ定められました旅費が出るわけですが、やはり海外に参りました場合におきまして、総理として渉外関係において、円滑を期するために必要な各種の経費が要るわけでございまして、そういうようなものを、この報償費から出すということになると考えます。
○山田節男君 次に、この情報調査委託費の、この使途の内容ですがね、御説明いただきたい。
○政府委員(鈴木俊一君) 情報調査委託費につきましては、これは、御承知のように内閣調査室がございまして、内閣調査室は、内閣法の規定によりまして、内閣の重要政策に関する情報収集及び調査、各行政機関の行う情報の収集及び調査であって、内閣の重要政策にかかわるものの連絡調整ということを任務といたしているわけでございます。具体的の内閣調査室の活動といたしましては、主として対内的な関係の情報で、内閣の重要政策に関係いたしますもの、並びに渉外的な関係の情報で同様に内閣の重要政策に関係いたしますもの、そういうものの収集とそれの分析等でございまして、それらの資料を、さらに整理をいたして保存をするというような、大体、対内情報の収集部門と、対外情報の収集部門と、それらの資料の整理保管の部門というような工合に、部門を分けまして運営をいたしております。
○山田節男君 どうも内閣調査室から、ソビエト年鑑というのが、かなり大部のもので、相当、りっぱなもので信頼できる資料だと思うのです。これなど、私は非常にりっぱな仕事だと思うのです。けれども、今おっしゃったような情報収集、分析というのですか、これっばかりの金で、できるわけがない。それですから、今おっしゃったような対外的のものならば、たとえばソビエト年鑑、その他共産主義活動の情報等におきましては、これは公安調査庁があって、数億の金を使ってやっておる。ですから、これは対内的のものであると同時、海外の情報を収集分析しなければならぬ任務を持っている。 それと、どうも私、一番考えますことは、日本の外務省が、ことに戦後激変している国際情勢のもとにおける外務省が一番必要なのは、やっぱり情報文化局というのですか、これあたりも、きわめてわずかな金でもってやっているわけです。ですから、内閣は内閣でやり、外務省は外務省で、わずかな金でやる。また、ここの内閣の調査室でやっている仕事に関係したことを公安調査庁でもやっているというようなむだ、むだとは言いませんけれども、ダブってきている。しかもまた、三者おのおのの立場で収集分析しているのです。これは、部門としてはいいかもしれないが、全体的にまとめて、もっと信頼のできるようなものにした方が、予算的にも有効に使えるし、人的には、なお能率的、具体的に使えるのですから、ですから、これは見ようによっては、まあ二億円足らずの金ですから、多額の金とは言いませんけれども、やり方が、非常に各省各個になってきている。相手が、ことに対外的のものである場合には、外務省が、当然やるべきことをやらない。それを内閣が補うというのでは、これは、むしろ主客転倒しているような形になっている。ですから、現状でおやりになるならば、これは、少くとも公安調査庁と外務省と内閣調査室というものが連絡をとってやるというぐらいな、そして今度は、これはおれがやるがお前の方では、これをやれというふうな横の連絡をされませんと、今まで出されたいろいろな資料等を見ましても、三者三様とまでは言わないが、どうも、分析のニュアンスも違いますし、同じ政府から出るもので、そういうような状態であるということは、これは使用する方としては、これは非常に重要視しているわけですから、そういうようなことについては、内閣率先して、むしろイニシアチブをとって、外務省なり公安調査庁、それ以外のものは内閣調査室というような基本計画を作っておやりになったらいいと思うのですがどうですか。 私が、今申し上げたようなことは、実現は不可能ですか。
○政府委員(鈴木俊一君) ごもっともな御指摘でございまして、まあ一応、制度の建前といたしましては、公安調査庁は、御承知のような破防法の関係の必要から生まれた規模のものでありますし、外務省は外務省で、外国の政務等に関する情報を集めるということの本来の使命があるわけでございますし、警察等も、それぞれの使命があって情報を集めておる次第でございまして、内閣は、結局、先ほども申し上げましたように、それら各省の、あるいは各庁の集められました情報の提供を受ける、また、みずから必要に応じて情報を収集をいたしまして、それらを内閣の重要政策に関係をいたしますものについて分析をし、その結果を内閣の施策の上に具申をし反映をする、こういうような格好の制度上の振り分けになっておるわけでございます。 従いまして、今の内閣の調査室の使命は、いわば、それらの各種の情報の連絡調整をやることが、本来の任務の重要な部分をなすと思うのであります。まあそういう意味で、時々、関係機関の同様な任務にありますものの間では連絡をいたしております。もちろん、だんだんとなれてはきておりますけれども、まだ調査室といたしましても、創設以来、そう多くの年月をけみしておりませんし、運用上なお考慮しなければならぬ点が相当あると存じておりますが、御指摘のような点を考慮いたしまして、せっかく本来の使命の達成に遺憾がないように、ずっと努力をしてきておる次第でございます。
○山田節男君 これは、総括的な内閣官房に対する、批判ととられては困りますが、私の要望としてお聞き取り願いたいのですがね、先ほども私、ちょっと佐藤副長官にも意見を呈したのですが。ことに、内閣官房——総理官邸を中心としての動きですね。 これは、やはり一国の宰相の事務所である。ですから、相当な尊厳を保つということは、これは国会と同様だと思うのです。国会も、これは私、この間、国会の予算のときにも申したのですけれども、これは私、何も戦前への復古的な意味で申すのではないのですが、今日のように、国会にハスが何十台もきて、見学者は来る、陳情団はうようよする、食堂は、場末の食堂のように食いものを陳列している、これは、もう国会の気風の堕落です。それと同じような傾向が、私は内閣の総理官邸でいえると思う。これは、瓜生宮内庁次長もおられますが、これは宮内庁も、同じそしりを免れぬと思う。これは、民主主義に反するのではないのです。少なくと、も今日政権の座にある内閣の首長がおる内閣官房——総理官邸というものは、これは相当、各国を見ましても、民主主義国であればあるほど、いわゆる何といいますか、威厳といっては語弊がありますが、一つの尊厳さを保っておると思うのです。それが、たとえば、総理大臣の新聞記者会見にしても、私毎週テレビ・ニュースで、アイゼンハワーの新聞記者会見を見ておりますが、実に、秩序整然としております。それで、必ずアイゼンハワー大統領は立って、数百人の新聞記者を前において、質問者もきめておって、実に順序よく、能率よく、明快に、大統領が答弁をはっきりと出す、これが、民主主義の形だと思います。従来より、ややこれが改善されたとはいうものの、吉田総理時代とは、だいぶん進境が見えると思いますけれども、今日の岸総理あたりの記者会見等を私はテレビで見て、いかにもいなか式のような、極端にいえばそうです。内閣官房で、総理大臣が新聞記者会見をやるのならば、もう少し秩序を保ってそうして、なるべく多くの新聞記者に、その席に入らすということが必要だと思うのです。こういう点については、非常に総理官邸は、今日まだ改善すべき点がある。 それから、われわれ総理官邸で、たびたび玄関に入りますけれども、もう少し僕は、総理官邸らしい窓口というものが、これは何も、金を使わなくても、できるのじゃないか。何も金モールをつけろと言うのではない。外国の賓客が来たときに、玄関へ入ったときの印象を、どう思うか。これは私は、重大な意味を持っておると思うのです。これはロンドンのドウニング・ストリート十番地へ行っても、アデナウアーの首相官邸へ行っても、少なくともわれわれが、一つの気があらたまる感じがするような施設や、その配置がしてあります。そこには、人工的な、そういう雰囲気を出すようなしかけをしておるわけです。日本の民主主義の悪いことは、何でもかんでも、いばっていなければいかぬという、そういう意味ではなくて、少なくとも最高の立法府、あるいは総理官邸というものは、何としても、これは国民にとっては重大なものですから、また対外的には、一つのシンボルになってくるのだから、そういう点を、私は少し気をつけて、金を使うというのではなくて、そこにおるスタッフ諸君によって、気風が変わると思うのです。こういう点から見ますと、今私は、総理府の放送のことについても申し上げましたが、もう少し、現代のセンスに合わせて、民主的であって、しかもわれわれとして一種の尊厳なお気持がするようにということで、あなた方が、平素のわずかなことに気を使うか使わぬかによって、この差が出てくると思う。これは、非常に小じゅうとの小言のように聞えるかもしれませんが、どうも私は、戦後この十数年間、国会におって、デモクラシーとは、何でもかんでも、土足で上ってくるのが常道だということじゃないのです。だから、この点は瓜生次長もおられますから、一つ、特に気をつけていただいて、やはり国民が、そういうものを見て、わが身を直すというように、総理官邸がそうなれば、各官庁も、そうなってくるのです。どうも私は、この点は、非常に民主主義とむしろ逆行の形になっておると思う。この点、ことに内閣官房は、重大な職責があると思いますから、この点について、今後、一そうの一つ努力をして、範を示していただきたいということを、私は特にお願い申しておきます。私の内閣関係は終ります。
○高田なほ子君 山田委員からの質問に関連するのですが、内閣調査室の、いわゆる情報調査委託費の問題なのですが、これは民間に、何かいろいろ協力をしてもらって、情報を集めるというようなことではなくて、これは、警察と違うので、外務省、それから公安調査庁、それからその他警察庁の、いろいろの情報、そういう情報をここでもってまとめ上げて、内閣の一つの方針とするための費用だ、こういうふうに御説明になった。その費用が今ここに出ておる二億弱の費用になるわけですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 今、御指摘がありましたような関係各省庁の情報の収集と、それの連絡調整といいますか、分析というようなことが一つの仕事でございますが、なお、そのほかに内閣調査室といたしまして、直接に民間の団体等に委託をいたしまして、調査をして参るということでございます。
○高田なほ子君 民間団体に委託をして調査するための費用というのは、大体、どのくらいとってありますか。
○政府委員(鈴木俊一君) 委託調査費は、一億八千三百万円でございます。
○高田なほ子君 これは、民間に委託する費用だけですか、一億八千三百万というのは。
○政府委員(鈴木俊一君) 民間の団体に対して委託する費用、委託調査を要するに頼む費用でございます。
○高田なほ子君 わかりました。 この民間団体というのは、どういう団体ですか。いろいろあると思いますが、何団体ぐらいで、どういう団体が、内閣から調査を委託されるのでありますか。
○政府委員(鈴木俊一君) これは、たとえば日本放送協会でございますとか、あるいは共同通信社でありますとか、そういうようなところに、海外の放送の聴取、記録の作成、あるいは内外ニュースの速報等を委託しております。その他にも、今ちょっと、ここにメモしておりませんがございます。
○高田なほ子君 大体、何団体くらいに、これは委託されるわけですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 大体、十前後ではないかと考えております。
○高田なほ子君 これは個人は、この中に含まれておりませんか。
○政府委員(鈴木俊一君) いずれも団体を、今までは対象といたしてきております。
○高田なほ子君 今後は、個人も対象とするおつもりですか。
○政府委員(鈴木俊一君) 目下のところは、さような考えはありません。
○主査(小柳牧衞君) 次に、宮内庁の方に移りたいと思います。
○山田節男君 皇室のことについて、この間も宇佐美長官、瓜生次長なりに質問したのですが、なお、ちょっと確かめたい点がありますので、若干、質問させていただきたいと思います。 過日、新聞に皇居造営について、これは宮内庁の意向でありますか、宇佐美長官の意向でありますか、ちょっと新聞に出ておったのですが、あれは一体、どういう経緯があるのですか、宮内庁として、ああいう案ができているのですか。
○政府委員(瓜生順良君) 宮内庁として、皇居造営の計画は、こういうふうであると発表したことはまだありません。現在、いろいろ調査を盛んにやっております。三十四年度に、皇居造営審議会というものをお作り願って、そこで、いろいろ意見を聞くわけであります。その意見を聞きます際に、やはり宮内庁として、一応の素案がありませんと、いろいろ相談をする際にやりにくいものですから、その素案を今盛んに作っております。新聞に出ましたのは、国会の他の委員会で、いろいろ御質問がありまして、それじゃ、たとえばどういうようなことを今考えているか、結論じゃなくてもいいというので、今、いろいろそういうようなことが考えられておりますということを申し上げたのが、記事になって出たのであります。 あれは、まだ宮内庁としての素案の結論ではないわけであります。そういう経過でございます。
○山田節男君 これは、一般質問のときに伺って、たしか宇佐美長官か、あるいは瓜生次長に申し上げたと思いますが、皇居造営審議会が、もう法の通過とともに発足するわけです。すべては、それにまかされて、そこで意見を聞かれると思いますが、宇佐美長官に質問したときに、はっきりした答弁を得られなかったのですが、皇居を、現在の皇居の内に置くかどうかという問題は、これも審議会できめられることと思いますが、これは私個人の、あるいは国民の一部も、そう思っているかと思いますが、むしろああいう奥深い所にお住みにならないで、もっと街頭に出られて、たとえば赤坂離宮を改造してお入りになるとか、あるいはまた、オランダやデンマーク、スエーデンのように、場所的にも国民に近い所にお住まいになる。こういう所に、皇居を構えることがいいか悪いか。 それからもう一つは、宮廷と、宮内庁という一つのアドミニステレーション、宮内庁の行政事務を扱う所は、むしろ皇居より外に出た方がいいと思う。一般の政府と同じ行政的のものであるから、不可分のものは内におっても、むしろ一般官庁と同じような立場をとっている方が、政府、国会、その他と接触し、事務的にもはかどるし、同時に、そのことはひいて天皇並びに皇室に対する国民の気持というものが、より親近感を持つのではないかという、実は意見もあるわけです。これは私は、軽視できない意見だと思う。あなたに、そういうことをどう思うかとお聞きしても無理かと思いますが、今日まで、そういった宮内庁は、たとえば待従官あるいは式部官、こういったような、ある一部は、もちろん皇居に付属していなくちゃならぬかもしれませんが、そうでないものは、むしろ分離して、外に出て……、こういう一部の世論があるのです。 そういうものに対して、宮内庁としての意見はどうか、承わりたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) 宮内庁の機構から申しましまして、たとえば侍従職、これはもう、やはり外に出ては、仕事がやりにくいと思います。やはり側近にいなくては、いけない仕事でございます。それから式部職の関係、これも、陛下がお出ましになっての、いろいろの儀式とか行事の世話をしております。外に置いては、不便なものと思います。 それから管理部というのがございます。管理部は、皇室用の財産並びに公用財産も含んで、それの維持管理等をやっております。この中に、現在は皇居という、お住居の方をいろいろ維持管理をする者は、あの中にいなくてはいけないと思う。しかし、まあその仕事の中にはそうでないような仕事もあるから、一部外に出たらどうかと、出てやれないこともないような部面というのはございまするけれども、やはり管理部長とか、課長、やはり責任者が離れて外に出ますと、非常に不便になるものですから、これも、どうも感心しないように思います。 それから書陵部がございます。これは、図書それから御陵の方の関係のこと、まあ書陵部は、比較的離れていても仕事はできないことはございません。現在も、宮内庁のあの庁舎の中ではなくして、少し離れた、東の方のちょっと離れた方に、書陵部が書庫と一緒におるのでございます。図書と一緒のところにおるわけでございます。用がありますると、書陵部長は、それから急いで宮内庁の方の部屋へやってくるわけです。比較的離れていても、よさそうなのは書陵部。で、東宮職の方は、これは、現在も離れております。東宮職の建前上、皇太子殿下のおいでになるところにいないと仕事ができません。 で、その全体を統べる意味で、長官なら長官官房というのがございますが、それは、やはりその、特に長官の仕事は、毎日陛下のところへ、こちらから伺うこともございまするし、陛下が、お呼びになって行くこともございまするし、急ぎの場合があると、あの廊下を急いで行って、息を切らしながら行くということもございまするし、ですから、長官は、やはりあの中にいないと、御用が十分勤まらないと思います。次長は補佐で、補佐が、ずっと離れていてはやりにくい。その下の課長——総務課長、それから秘書課長というのがおりますけれども、その補佐の人が離れているというのは、やりにくいというような、そういうような、ずっと関連からいきますというと、やはり宮内庁は、陛下のおいでになりまするところと離れていては、非常に仕事もやりにくいというふうに私は存ずる次第であります。
○山田節男君 これも今日、通信が、ほとんど側にいると同じように便利さは、もうすでに完全の域にも達しているし、今後とも、さらに便利になるのですから、これは先ほど申し上げたように、宮内庁の行政面から見て、今、次長の言われるような便不便が、ことに不便があるということはわかりますけれども、しかしこれは、もう征服できると思うのです。だからそれによって生じてくる宮内庁の便利なり、あるいはひいては皇室に対する国民の敬慕の念というもの、親愛の念というものが沸くというようなことの方を狙っているというところに、私はその軽視できない、こういうように申し上げているのです。 これは、まあ次長だけでおきめになることはできないわけでありますから、また他の機会があれば、そのことを申し上げたいと思いますが、これ以上質問申し上げません。 次に皇居の清掃ですがね、戦前から、よく地方から労力奉仕で、何人かの人が来ている。堀ばたの草を刈るとか、皇居内の草を取るとか、そういうことをやっておったのですが、今日においても、やっぱりそういうことが行われているのですか。行われているとすれば、年間一体どのくらいな人数のものが、あそこに奉仕しているのか。
○政府委員(瓜生順良君) 現在も、原則として毎日三百人くらいの方が、地方から奉仕に来ておられます。その三百人の方は、三日間ずつおられます。ですから年間を通じますると、それをかけた数になりまするが、昨年——三十三年でございますると、実員の総計が二万六千百十四になります。
○山田節男君 延べにしますと、どうなります。
○政府委員(瓜生順良君) それに三をかければ……、三日間おられますから、これにかけまして約八万くらいになります。
○山田節男君 これは、もちろん奉仕ですから、労銀を払うということはないだろうと思うのですが、ただ宿舎等において、従来多少の便宜を与えられるというように聞いているのですが、宮内庁として、こういう労力奉仕の人人のために支出する金というものは、一体どのくらいですか。宿泊場所の維持管理とかですね、別に賃金を払うわけじゃないのですから……。
○政府委員(瓜生順良君) この三百人の中で、宮内庁の皇居の中へお泊りになるのが百数十名、他の方は、市中に泊っておられます。それぞれの団体の御希望にもよりまして、そういうふうにいたしております。中に泊られる方につきましては、その宿舎を提供するのと、それから寝具を提供するということで、食事は、そのおいでになった方が、自炊をなさるという建前になっておりますので、従って、建物の維持管理、寝具を準備したりするというような経費で、その他の経費はありません。
○山田節男君 この制度も、これは国民感情として、非常に私は美しいことだと思うのです。決してこれは、私は悪くないと思うのですけれども、まあわれわれが、これは、最近じゃないのですけれども、かつて、皇居内を参観したときにあれだけの人数が入っておりながら、皇居内が相当荒れている。荒れているということは、警備が十分入っていないということです。すぐ直感したことは、毎日数百人くらいの人が年々奉仕していろいろ草を取ったり何かしているにかかわらず、こんなにきたないのかという実は印象を受けたわけです。ですから、これほど膨大な堀ばたの草刈りをするのは大へんなことだろうと思うのです。また内部でも、あれだけの広さを、とてもしろうとの、ことにあれは、婦人が多いのじゃないかと思います。しろうとで、英語ではガードといいます。いわゆる草を取るばかりではない、いろいろなそういう警備をするということについては、いずれもしろうとです。 そういう点から見て、あれだけの、年に延べにすれば七万人近い人が入っておっても、目立つのは外堀の草なんです。ですから、あれだけの膨大な、現状のままで維持管理をされるということになれば、たとえば外堀の、あれだけの広い面積を手で刈るよりも、ああいう傾斜面でありましてもある程度機械でできるという今日ですから、私は、国民感情としては、非常にうるわしいことだと思うのですが、宮内庁としては、迷惑とは思っていないと思うのですけれども、しかし、ああいったようなことを、ずっと持続しておくことが、一体、今日の皇室に対する国民感情としていいかどうか。 うるわしい国民感情の現われという点においては、私はいいと思いますけれども、今日以後における皇室のあり方という点から見れば、むしろ割り切って、そういったようなものは、非常な犠牲を、これは、やはりしいるのですから、来る人は満足して、光栄に浴して帰るのですけれども、しかし一面から見れば、犠牲といいますか、労力を提供するのですから、これは、また別の変った形で受けることはできると思うのです。ですから、戦前から同じようなああいう制度が、今日依然として、篤志家がやるのだから、しょうがないといわれればそれまでですけれども、ああいうものを温存しておくことはいいかどうか。これはもう少し私は、冷静に考える必要があるのじゃないかと思うのです。 宮内庁としてはこれは非常にありがたいことである、断わるに及ばぬ、こういう御意見ですか。
○政府委員(瓜生順良君) この勤労奉仕の方が、全国から、皇居が荒れている、それを見かねておいでになったのが、最初でございまして、その後、毎年のように今申し上げたような数の方がおいでになっておるわけでございますが、宮内庁として、三、四年前にも、あるいはこれを中止するかどうかという問題を議題にして検討したことがございます。 この労務賃の予算を組んで、その部分を清掃に充てれば、おいでいただかなくても、現在の財政事情から言いますれば、そう多額の金額でもございませんので、いわゆる廃止ということも、財政の点からは何も問題はないのでございます。 その際いろいろ検討いたしましたのですが、国会の議員の方にも、個人的に会って、社会党の方も自由民主党の方も、ちょいちょい意見を聞きましたら、どうも廃止論よりも、置いた方がいいという御意見の人が多うございました。 やはり奉仕に来られます方は、皇室に対して非常に新道感をお持ちになる。あの中を、いろいろ清掃されますと、その場合には、両陛下が、葉山とか那須へおいでになってお留守のときは別でございますけれども、皇居においでのときには、一度はお出になって、どうも御苦労というふうに、言葉をおかけになるようになっております。そこで、おいでになった方も、非常に親しさを感じられる。また、おいでになる方も、皇居の清掃の機会と言ってはなんでありますが、そういうことだけでなくて、よく積み立てて旅行貯金なんかなさって、皇居の清掃の済んだあとは、またほかの土地の旅行もされながらうちの方へお帰りになる。一面、何かリクリエーションのようなことになっておる点もございます。事務だけの立場から申しますれば、予算をいただいて、これも、そう大きな金額でなくて、たしかそのときの金額で数百万円くらいのものでございます。ずっとやるといたしますれば、おいでになります方に対しては、われわれの方では、そのお気持も、十分尊重し、できるだけお世話をいたしておりますが、相当、手のかかる点もございます。その手のかかる点も省けますし、現在の係りといたしますと、何とか、何月ごろには、こういう団体の勤労奉仕ができるようにしてもらいたいという意味の御希望が、相当あります。その御希望に、なかなか応じきれないくらい、御希望が多いので、事務員としても、相当時間もかかるわけでございますので、そういう手数がございます。しかし、われわれ手数をいとうわけではございません。しかしながら、そういう点もございます。 結局、最初の起りの経済の関係よりも、皇室と国民の親近感を、一そう深めるというような新しい意味において、この清掃のことが意義を持っておりますので、やはり、これは続けることが、現代の社会情勢、また将来の皇室のあり方から考えてもいいのじゃないかというふうに、今は考えております。
○山田節男君 これは、瓜生次長の御意見で、理解する点がありますから、これ以上、質問しません。 次に、来月皇太子殿下の御成婚の式があるのですけれども、この際、鹵簿の行進をおやりになるかどうか、これも知りませんけれども、戦前からの天皇陛下の公式の鹵簿、これは今日は、外交官あるいは外国から来た国賓等に使用されるわけですが、あの公式鹵簿に使われる器財、これは、馬は変っているかもしれませんが、その他の服装、装備というものは、これは戦前と同じように、そのままですかどうですか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(瓜生順良君) 使っておりまする服装とか帽子、これは、終戦前の制度の帽子とか服装を使っております。
○山田節男君 これは過日、どの委員会でしたか出たように、私思うんですが、公式鹵簿というのは、やはりヨーロッパの形引をとられたものだと思うんですね。これは、なにも日本的にするというわけじゃないですけれども、まあ日本が、戦後三等国か四等国になったのですから、国の富からいっても、ぜいたくにすべきじゃありませんけれども、あの公式鹵簿を廃止して——昔は第一公式鹵簿、第二公式鹵簿、——第一、第二、第三があったように私記憶しておるんですけれども、今日おやりになっておるのは、すべて画一的に、外国元首であろうが、あるいは大公使の謁見であろうが、差別なく、同じ様式の公式鹵簿でやっておるのですか、どうですか。
○政府委員(瓜生順良君) 全部同じというわけじゃございません。外国の元首が見えましたとき、あるいは皇帝とか大統領が見えましたときの鹵簿は、戦前の天皇陛下の第二公式ぐらいのところを基準にして考える。それから大公使の信任状のために来られるときのあの馬車の列、これは、それよりも、もっとずっと違っております。これは戦前も、そうだったのですが、それよりも、馬の数がずっと減りました。 ですから、全部一様ではなくて、ある段階がございまして、たしか三段階くらいございます。
○山田節男君 これは、前国会か前々国会だったですが、衆議院、参議院の一部で、外国の元首あるいは外交使節等に対しては公式鹵簿の制度を採用しておるけれども、国会にお見えになるときには自動車で、きわめて簡素な形式でやっておられる。これは、衆議院、参議院も一部、なぜ国会に、そういう公式鹵簿を採用されないか、国会が、今日主権在民の国権の最高府として、どうして宮内庁は採用しないのだろうか、こういう実は意見がありまして、これは、衆議院の議運に出たように聞くんですけれども、結局やはり今回の開会式も、陛下は依然として自動車で来られた。戦前は、そうではなかったですね。 これは、やはり宮内庁の意向なのか、それとも今日の新憲法下においては、ああいう公式鹵簿で、天皇陛下が行幸されるということは望ましくないという国会の意思なのか、その点は、私よくわかりませんけれども、宮内庁としては、たとえば国会に公式鹵簿をやるということに、どういうお考えをお持ちになりますか、宮内庁側の御意見を聞きたい。
○政府委員(瓜生順良君) 現在、天皇陛下のお出ましの行幸の場合の列というのは、普通の列としては、戦前のように馬車をお使いになる部分がないわけであります。自動車でお出になるのをもって、公式鹵簿、行幸の列としております。特別の何か儀式、たとえば、今度、天皇陛下でございませんが、皇太子殿下の御成婚の儀にお使いになる、この前の皇太子殿下の立太子礼のときにも、お使いになりましたが、そういう特別の場合には、馬車列をお使いになりまするけれども、平素のいろいろの儀式とか、大会とか、そういう所にお出かけのときには、自動車のお列というふうに、宮内庁としては考えておるものですから、そういうことでやっておると思いまするが、国会の関係が、どうだったかは、私聞いておりませんので、その点はわかりません。 —————————————
○主査(小柳牧衞君) 次は、警察庁の方に移りたいと思います。
○高田なほ子君 警察庁に関係いたしまして数点お尋ねをしておきます。 最近の警察行政のあり方については巷間賛否いろいろの批判があるようでございます。その批判は別といたしまして、特に最近の暴力取締り、これがかなり強硬に警察の力で行われておりますことは、私どもも承知をいたし、またその御苦労に対しても十分敬意を払うわけであります。しかし、一面、暴力取締り以来、警察庁の姿勢が非常に高姿勢をとっている、こういうような一部の批判は免れないようであります。この高姿勢の是非の問題は別といたしましても、問題になるところは、最近の警察官による人権侵害の問題等については人権擁護局でもこれを指摘しているようであります。きょうは人権擁護局の方がお見えになっておりませんが、昨年中に人権侵害の訴えのあったものは八万三千五百九十三件、このうち公務員による侵害が八百九十八件で、昭和三十二年の六百九十五件よりふえている。特に特別公務員である警察官などの侵害は、昨年は四百八十五件で、昭和三十二年の三百六件、昭和三十一年の四百十一件よりもふえている。この現象について、これはまだ全部調査を終ったわけではない。従って実際に侵害があったかどうかははっきりしないけれどもというただし書きがついている。暴力事犯の取締りに端を発したかどうかはわかりませんが、とにかくこの警官の高姿勢はしばしば人権侵害の問題を起しておるのでありますが、これらの最近の傾向について、当局としてはどのような見解をお持ちになっていらっしゃるものか、まずこの点をお尋ねいたします。
○政府委員(原田章君) ただいまお話がございましたように、昨年はややふえております。それからまた、ただし書きがついているというお話がございましたように、あれは人権擁護局あるいは地方法務局に申し出た数でございますので、それがまた法務局間にダブっておる面が若干ございますし、また実際調べて参りましたところ、そういう事実がないというような事案もございます。そういうただし書きはお話の通りでございますが、それはさておき、昨年はややふえておりますので、この点につきましては特に注意を喚起いたしまして、人権侵犯の事実がないように十分戒めておるわけでございます。また、何と申しましても、教養を徹底することが大事でございますので、警察官になります最初の教養、初任教養という際におきましても、また第一線に出ましてまた再教養をやるという場合におきましても、特に訓育とか、憲法とか、あるいは人権を尊重すべき旨を教育するとか、あるいは社会常識を養うというような意味合いにおきまして、そういう面に特に力を入れまして、教養時間数もふやしまして、これに対処して、今後さらに改善に努めて参りたいというところでございます。
○高田なほ子君 これはしばしばわれわれの国会でも問題になるところでありますが、中央本部の最高指導者のお考えというものは、われわれとそう違わないのじゃないか。で、お話を伺えば、みんなごもっとものことばかりでありますが、けれども、実際は、末端にはそういう思想というものがかなり取り入れ……。行われずといえば言えるかもしれませんけれども、なかなか中央の考え方と末端の行政とがマッチしないという部面が、これはどこでもあることですけれども、特にこの警察の場合には、中央がそれだけの努力をしているというのであれば、同時に末端もそういう方向にいち早くいかなければならぬのではないかと思いますが、実際そこまで行きつかないところに当局としての御苦労もあるかもしれませんが、十分この趣旨が徹底されるように細心の御注意というものを今後もしていただかなければならないと思うわけです。 これに関連することでありますが、この署長の資格というのは、どういう資格であれは署長になるのか知りませんが、年数とか経験とかそういうような実績主義で署長というものが選ばれてくるのか、この点私は非常に疑問に思っている一人なんです。なぜそういう疑問が出たかといいますと、こういうような非常識な方で、よくもまあ今どきの署長になっておられるものだなあと思うような方が、県のかなり中小都市に見られる。どういうような資格で署長に任命されるものですか。また、任命をされるときに、特に警察署長というのは社会的な常識をお持ちになっている方でなければ、その実績主義でいくと、大へん民間人といろいろな点で遊離する場合が起るのではないか。実例をここで二、三あげたいの、でありますが、個人の名前をあげることは差し控えますから、この点について御説明をわずらわしておきたいのです。
○政府委員(原田章君) 署長の資格につきまして形式的なものはございませんが、まあ、もちろん、署長として十分な知識、識見を持っている。また捜査技術、その他の技術的な面を体得している。また人格が円満であるというようなことが、署長の要件だろうと思いますが、もちろん、統率力とか、いろいろな人事管理上の資格要件もございますけれども、それからまた形式的には、実際的にはまあ巡査に入りますると、初任教養を受けまして第一線に配属される。それが一定期間、大体三年ぐらいたちますと、順次部長試験を受ける資格ができるわけであります。そうしまして巡査部長試験に合格しますると、巡査部長に昇進をします。また巡査部長になってから、これも各県によりまして区々でございますが、これまた二年、三年ぐらいたちますると、資格ができまして、試験を受けて、合格しますると、警部補になって、それから警部になる。それからまあ署長は大部分が警視でございますが、警部から警視になるにはまた一定の年限も要件になっておりますが、試験を実施いたしまするところは、その警視試験に合格いたしました者でなければ警視には昇進はできません。まあ警部から警視になります場合は、試験でその要件が満たされるかどうかということを判断するのは適当でないということで、警部以上は試験を実施しないところもございます。形の上におきましては、こういう試験に合格した者が、巡査からだんだんと警視に昇格することになっております。もちろん、この試験を、知識、技能に対しまする学科試験とか、あるいは実科試験——柔道、剣道等の実科試験におきましてすぐれておるというようなことが決定的な要件ではございません。それに対しまして、さらにその人の人物並びに平素の成績とかいうようなものが加味されまして、合格者として決定されるわけであります。知識、技能がすぐれておるとか、あるいは試験に合格した、その学科試験、実科試験に合格したというだけで、最終的に合格者になるわけではございません。平素の実績主義ということで、まあ捜査の面におきまして検挙件数が非常に多いとか、あるいは風俗警察等において手柄を立てたとかというようなことは、一つの要素にはなるであろうと思うのでありますが、そういう実績がよくともその人物がよくない。特に近代警察官としてのいわゆる良識、紳士たれ、ジェントルマン・シップを持っておらないというようなことでは、これはりっぱな幹部として将来をまかせるわけには参りませんので、そういう面につきましては十分考慮いたしまして、いろんな面からりっぱな人をその位置につけるという方針で行なっておる次第でございます。
○高田なほ子君 御説明のほどはわかりましたが、私がこういう質問をしている意味は、国家警察から自治体警察にこれは本質としては変っているわけです。しかし、国家公安委員長が民間人とか文化人では今度なくなってしまって、大臣が国家公安委員長という席におつきになって、いわゆる政党大臣が国家公安委員長という席につかれる、今度の姿になった。これの任命によって県警本部長ができ、まあ任命ではありませんが、承認という形になりますが、それの今度また任命でもって署長というものができてくる、こうなって参りますと、警察の中立性というものは、よほどこれは注意なさらないと、本来の自治体警察という形から、やはり特定政党の私兵化するというような傾向を帯びてくることなきにしもあらずで、こういうふうになって参りますと、一番末端の警察行政の重責を負うこの署長の人物というものは、上司に対して忠実であることが人物としていいという判定を下される場合が多いのです。しかし、民衆に対していいというのでなければ、私はほんとうの署長にはならないと思うのですね。ところが、今日までのこういう機構の中では、ややもすれば上司に対して最も忠実な人物が、人物評価の上では、何といいますか、評価され、そして下の者に対する、いわゆる自分の直接対象になる民衆のために忠実であるというような署長さんというのは、必ずしも評価されないかもしれない。要するに、この警察の自治活動、それに重点を置く場合には、署長の人物というものについては、ほんとうに今御答弁のごとくに、ジェントルマン・シップをわきまえられ、国民の側に絶えず目を向けるような方を十分にこれは御採用なさらなければならない。こういうふうにまず考えるのでございますが、しかし人物は大へんよくても、今度は上の方の系統的な指導というものを誤まると、署長の人物だけでその行為というものを批判することはできませんので、私は一応最近、いろいろ各県各様な形で問題になっている集団陳情に対するこの警察庁の基本的な態度というものについて、最近非常な疑問を持っている一人です。最近警視庁の——これは警視庁だけの問題でありますが、集団陳情にすべて刑事事件として取り締る方針をはっきりしたようであります。警察庁は集団陳情はすべて刑事事件として、これを取り締っていく方針をお持ちになっているかどうか、この方針、これと末端の今度の署長の行政面においてもかなりきつい、私どもからいえば、弾圧的な政策というのですか、そういうような傾向に変ってくることはやむを得ないことになってくるのじゃないか。従って上の方のこの方針の問題、これはどういうふうにお取り扱いなさっているわけですか。
○政府委員(原田章君) 警察の中立性につきまして、昭和二十九年の改正法で、公安委員長に大臣がなられる、こういうようなことにつきましてお話があり、また署長の任命につきまして、本部長の判断のみで任命するというお話がございましたが、警察の中立性につきましては、むろん、実はくどいくらいお互いが注意をいたしている問題でございまして、それで大臣が公安委員長を兼ねられるのでありますが、これは政府との関連をつけるというだけでございまして、方針の問題とか、人事の問題につきましては、国家公安委員の五人の方の御判断によって決定されているものでございます。また府県におきましても、三人ないし五人の公安委員の方が協議をいたしまして、方針の決定なり、あるいは人事の最後判定を下しているようなことでございまして、そういう公安委員会の判断の基調となりますことは、御指摘がございましたように、上司におもねるようなことはもとよりでございますが、上司に見込まれると申しますか、仕事ができるとか、気がきくとかいうようなことで、適任者であるというような判断は下しておらないと思うのでありまして、何と申しましても、最終的には民衆が正しい判断をいたすのでありますから、民衆の正しい判断に沿うような公正な人事が行われている。また、その地方におきまするお互いの治安をあずかってもらうのに、だれが適任者であるというような判断のもとに、人事が取り運ればていると思うのであります。もちろん、これは方針でございまして、完全にうまくいっているということは言い過ぎかとも思います。 それから集団陳情の問題でございますが、集団陳情は刑事事件として扱う方針であるということではございません。集団陳情が平穏裡に行われます場合には、警察としてとやかく言うべき筋合いでもございません。ただ、あまり多数の方々がやられますと、勢いやや秩序が乱れるというようなこともございますので、秩序が乱され、また、あるいは不法行為になるというふうな事態に対しましては、それぞれの法規に照らしまして取扱いをするということにもなろうかと思うのでございます。平穏な集団陳情、平穏な行き方というものがだんだんとこれが慣習化されて参りますことを念願いたしておる次第でございます。
○高田なほ子君 御説明でよくわかりました。そうすると、集団陳情に対して画一的に刑事事件として取り締る方針というのは別におきめになっているわけでもないし、また、そういう画一的なそういう方針を打ち出されたということについては、若干やっぱり疑義のある点もあると、こういうふうに受け取ってよろしいのですか。
○政府委員(原田章君) 画一的には扱いませんし、画一的に扱うような指示というものは出ておりません。
○高田なほ子君 そうすると、それは各県の警察本部長の自由意思にまかせるわけですか。たとえば東京都なら東京都で、集団陳情は刑事事件として取り締る方針であるとびちっと出しますね。そして全部これを刑事事件として取り締るような方法が今度講じられる。兵庫県は兵庫県の県警が、これは独自に一切の集団陳情は刑事事件として取り締る方針だと、こういうふうに出してくれば兵庫県は、兵庫県で一切の集団陳情というものを刑事事件として取り締っていくことになるのですね。各県警ばらばらになっていくわけですね。その場合に、今おっしゃったように、一斉に兵庫県は刑事事件として取り締る方針だと、こういう出し方をしたことは行き過ぎだとお考えになられますでしょうね。
○政府委員(原田章君) 画一的に、そういう集団陳情ということだけで刑事事件に該当するということは適当でないと思います。やはり法を適用できるような事案でなければできないわけでございまするので、画一的にそういうことは方針としてきめられぬと思いますが、まあ、従いまして、各県もちろん公安委員会の管理のもとにいろいろな方針を打ち出すことはけっこうでございますが、その場合に、集団陳情がひんぱんに行われておる、そのひんぱんに行われておるその集団陳情が、非常に秩序を乱しておるとか、あるいは不法行為が伴っておるというような場合におきましては、最近の傾向にかんがみて、法無視の傾向を是正するために強い態度でいかなければならぬというようなことを打ち出す場合もあろうかと思うのでありますが、基本的には画一的にさような方針を出すのは適当ではないと思います。
○高田なほ子君 次に、集団陳情だけでなく、集団デモ、いわゆる意思の表示の問題です。この場合はいろいろ、各県の条例でもってきまっているところもあるようです。また条例の内容は許可制のものもあれば、届出制のものもある。たとえば東京都のような許可制の場合、公共の安寧を乱すと認められた場合は、この公安委員会は許可しなくてもよいという建前になっているわけです。でありますから、これは公共の安全を乱すか乱さないかという認定権というのは公安委員会にあるわけですが、実際にそれは行動してみないうちから、どうも乱すというようなことでこれを許可しないというようなことは、今非常に裁判の上でも問題になっているわけですよね。合憲とか非合憲とかいうので判決がまちまちなんです。事前に集団的に意思を表示する権利を奪うということは、これは憲法に保障された民衆の権限を抑制するものであるから、これは違憲であるという判決を下しておる。いろいろそれは問題があるわけなんです。当局としては、事前にこの公安委員会の独自の判断に基いて許可しなくともよいというこの結論に対しては、どういう見解を持っていらっしゃるかということです。憲法との関係。
○政府委員(原田章君) お話の公安条例の問題でございますが、これは各都道府県におきまして、それぞれ自治体におきまして条例を作っておるわけでございまして、その定め方もいろいろまちまちであると思います。まあ基本的な考え方は、秩序ある集団行進をやつてもらおうということであろうかと思います。また、その秩序ある集団行進に対しまして、妨害する者がある場合には、その点も考慮するというようなことになっておると思います。 それで、この公安条例の定め方におきまして、許可制のところもありますし、また届出制というところもございますし、また、その手続をとるにしましても、四十八時間前とか、七十二時間前とか、いろいろなきめ方がございます。また、それを承認しあるいは許可をする場合の手続、条件等も、いろいろ区々でございます。そこで、非常にきつい要件や制限を定めておりまする面につきましては、合憲か違憲かという問題も起り得るわけでございますが、最終的にはもとより裁判所が決定する問題でございます。これにつきましては、私十分承知いたしませんが、そういう違憲問題が起らないようにということを注意しまして、公安委員会と府県当局とよく打ち合せた上、また地方議会の議員の方々の御批判も得て定めておるものだと思うのであります。また、警視庁の条例の内容につきましては、私十分承知いたしておりませんので、御了承いただきたいと思います。
○高田なほ子君 この点は、やはり最高指導層にあられる立場で御研究いただきたいということで問題を提起しているのですが、もっと言葉を添えて申しますと、東京地裁は、東京都の公安情勢に関する部分について、同条例は憲法違反であるという判決を三十三年五月に出しているのです。その要旨は、「集団行進や示威運動は憲法に保障された表現の自由である。都公安条例はこれをほとんど一般的に禁止し許可すべきかどうかは公安委員会にまかせてある。そして同委員会の怠慢や独断にもとづく処分に対しては、何ら救済方法を与えていない。このような規制方法は憲法の表現の自由をふみにじるもので、同条例のこの部分は違憲である。」、つまり都の公安委員会あるいは県の公安委員会が独善的に事前に処断をするというそのこと自体に実は問題を投げかけておるのです。ですから、公安委員会の独善的な立場を制限するものというものは、今何にもないわなんけですね。法的に何にもない。でありますから、この問題についてしばしば憲法違反の問題が起っておるのでありまして、取締り当局も現実にこういうような今問題点が起っておるのだということについても、十分にこれは研究をしていただいて、いうところの東京都に起った集団陳情が全部刑事事件で取締るのだというような、こういう方針をお出しになったというこのことについても、これは御研究いただかなければならないと思います。こういうようなことで問題を提起してみるわけです。これは別に御答弁の御用意もないようでありますから、研究問題として提起しておきます。 次に、お尋ねいたしたいことは、警察庁の捜査費の問題について、同町に公安調査庁の調査室のこれはやはり調査費に関する問題、今度の予算を拝見いたしますと、刑事警察に必要な経費七十七億何がしか、それから保安警察に必要な経費、これも相当多頭なものが組まれておるようでありますが、刑事警察に必要の経費の中に、これは犯罪捜査というふうな捜査費の部面がここに含まれておるようでありますが、保安警察に必要な経費、これはやはり捜査の費用というようなものもあるのじゃないかと思われますが、総体的に警察庁の中で占められておる捜査費というものはどのくらいの額に上っておるのですか、こういう点をお尋ねしたい。
○政府委員(原田章君) 科目別に内訳がございますが、これのめくりましたページの一番上に八億四千三百二十万四千円というのがございます。この中に刑事警察、保安警察、警備警察に要する捜査費が全部入っております。
○高田なほ子君 公安調査庁の方はいかがですか。
○説明員(宮下明義君) 公安調査庁の関係では、公安調査官調査活動費という目がございまして、総額で四億五千二十万円でございます。
○高田なほ子君 この中で調査室独自で使われる費用、つまり対象は破防法に基く活動をする団体の調査ということになるかもしれませんが、それが全体で四億五千二十万円というふうにお組みになっておるのですか。
○説明員(宮下明義君) 公安調査庁は、公安調査庁全体が破防法に基いて破壊容疑団体の調査をいたしておるわけでございまして、特に公安調査庁の中に別に調査室、ちょうど内閣のように、内閣の中に調査室というような組織があるわけではございませんで、公安調査庁全体が破防法に基いて破壊容疑団体の調査を実施をいたしておるのでございます。従ってこの四億五千二十万円は、公安調査庁全体の調査活動費でございます。
○高田なほ子君 公安調査庁にお伺いいたしますが、四億五千二十万のこの調査費というものは、要するに破防法を適用せねばならないような団体、この団体の対象というものが、昨年に比べてどういうような変化を見せながら増加してきているのか、この団体、対象団体というのは、どういうようなものが具体的にいえば含まれてくるのかということになるのですか。
○説明員(宮下明義君) 現在、公安調査庁におきまして、破防法に基いて破壊容疑団体として調査いたしております団体は、日本共産党と、在日朝鮮人総連合会、そのほかに二、三の右翼団体がございます。この日本共産党につきましては、将来の規制に備えまして、日本共産党の破壊容疑活動及びその団体の組織、機構、構成員等を日常つぶさに調査しておるわけでございます。在日朝鮮人総連合会につきましても同様でございまして、二、三の右翼の団体等についても同じように破壊容疑団体と指定をいたしまして、その調査を実施しておるのでございます。御承知のように、日本共産党にいたしましても、在日朝鮮人総連合会にいたしましても、基本的には秘密活動、非公然活動を主体にいたしておりますので、公安調査庁といたしましては、その活動の全貌を明らかならしめるために非常に若労をいたしておわけでございます。
○高田なほ子君 いろいろ御苦労もあろうかと思いますが、調査に当って、この団体のワクといいますか、表面はいろいろいわれておりますけれども、いろいろワクが広げられてきているのじゃないかなという懸念を持っておる部面もないではない。従いまして、そういう意味から、この公安調査庁は、民間に対する調査依頼というものはどういうような形でされておりますものか、この点を明らかにしていただきたい。
○説明員(宮下明義君) この調査活動費をどんなふうに使っているのかという御疑念であろうと思うのでありますが、調査活動費の使い方を大きく分けますと、大体三つになると思います。 第一の範疇に属しますのは、調査活動を進めます上において公安調査官は何らの強制調査権を持っておりません。あくまでも任意の、協力によって調査を進めて参らねばなりませんから、いろいろな個人の協力者の協力によって調査を進めるわけでございます。それで第一の範疇に属します活動費は、大体こういう個人の調査協力者に対する実費弁償、補償というものが第一の部類になろうかと考えます。 それから第二は、こういうような民間協力者を選び出し、依頼いたしていくまでに、公安調査官がいろいろな活動をいたすわけでございますが、その公安調査官の協力者を得るまでの諸活動に要する経費が第二の範疇でございます。 第三には、この公安調査官自身の手によって、公安調査官自身の五感によっていろいろな調査をいたすわけでございますが、公安調査官みずからの調査活動に要する諸経費、これが第三になろうかと考えております。従いまして、公安調査庁におきましては、あくまで調査活動として個人の協力者の協力によるか、あるいは公安調査官自身の調査活動によって調査を進めるという建前でございまして、特定の団体等に調査を委託するということはいたしておりません。
○高田なほ子君 警察庁の捜査費、八億余りの捜査費、この中でこの民間協力量というのがどういうような形でこれが入っておるのか、この点を……。
○政府委員(原田章君) 御質問の趣旨がよくわかりませんが、手前勝手に答えさしていただきまして恐縮でございますが、先ほど公安調査庁からもお話がございましたように、民間の協力者に対しまする資料提供の謝礼とか、それからまた、刑事その他の警察官がみずから捜査しまするために要する自動車の使用料その他のものとか、あるいは刑事事件等におきましては捜査本部を設置いたしますが、その捜査本部を設置しまして、人員を整えて捜査に当ります施設の借り上げ費とか、その他の捜査費、そういうようなものがこの範疇に属するのでございます。
○高田なほ子君 会計検査院の報告するところによると、警察庁に組まれた捜査費の八億何がし、さらに公安調査庁で組まれている四億五千二百万、これらの額の大体五五%が民間協力費として支払われているというふうに、民間協力というものが占める予算的な幅というものは相当大きな幅を占めるようです。そこで民間協力について若干私はお尋ねをしておかなければならない問題があるのですが、これはしばしば問題になるところですが、一体、民間協力をさせるということは、言葉をかえて言えば、ある意味ではスパイ活動を強制するというような場合もあり得る。学生に対して、情報提供を約束しなければというような、かなり脅迫的な言葉も吐かれたり、これはしばしば問題になるところなのでありますが、これは最近の三月二十日の東京新聞の報道によっても、警察から供与を受けてそしてスパイ活動をするような方向に持っていかれた事件がこれ出ていますね。人民艦隊事件の自供者の富樫被告が、警察から供与を受けて情報を提供することを執拗に迫られたということが出ております。従いまして、民間協力ということは、これは必要だと思うのです。捜査の上にこれは必要だと思うのですが、しかし、これは逸脱して参りますと、結局しばしば問題になるようなスパイ強要事件、これに応じなければ結婚も妨害するというような人権じゅうりん問題も起ってくるわけでありますが、民間協力というものに対する基本的な方針ですね。どうしてこういう問題が起るか私わからないのですが、どういうところに協力の限界を引くものか、むずかしい問題だと思うのです。あの人の行動を探ってこいというのは、これは明らかにスパイを命ずることです。公安調査庁の調査員でできないから、これなら必ず情報を持ってくるだろうという者に対して、一カ月二千円、一カ月三千円、あるいはまた病気のときにお見舞を持っていったりなんかして、情報を提供するような状況を作って、そうして提供させるのでありますから、ざっくばらんに言うと、スパイ活動を民間人にしいるというような欠陥が出てくるのじゃないか。そしてまた、私どもも、こういう膨大な捜査費の五五%が民間協力費に払われているんだなと思うときに、自分たちのまわりにはいつでもこういう者がうろうろと耳を立て目を立てしているんだな。私たちのまわりにはいつでもこういうスパイがいるのだなというようなことで、はなはだおもしろくない。民間協力の一体限界というものはどういうところに線を引くべきものか、大へんむずかしいことでありますが、先般来、あまりにもこれの行き過ぎ事件がたくさん出されておりますので、一々あげませんけれども、一応両者から、警察庁の方と公安調査庁の方と、御方針や、また現在行なっている上においての各般の御注意等があれば伺わしておいていただきたい。
○政府委員(原田章君) ただいまお話にございました捜査費の中におきまして、民間協力者に対する謝礼の五五%ということでございますが、捜査費のうち民間協力者に対しまする謝礼としましては二億六千二百万というふうになっておりますので、あるいは他の費目の問題ではないかと思うのでございますが、手元に資料がございますので一応申し上げたような次第でございます。 それから民間協力者に協力させる方針でございますが、もちろん、基本的には強制をして協力させる筋合いではございません。自発的に、しかも警察の立場をよく理解して、あの犯人を検挙しなければならぬと、それについてはこういう聞き込みがあっておる、またこういう心当りがあるから、自分が一つ資料を集めてくるというようなことで、警察に対して理解をもって自発的に協力をするというのが建前でございます。
○説明員(宮下明義君) 公安調査官の調査活動費のうち、直接民間協力者に与えられるパーセンテージが、ただいま御指摘のように、私どもも大体半額から五五%くらいというふうに考えておりまして、その点は、会計検査院から御報告になったところがその通りであろうと思っております。 ただいま、なぜそのように民間協力者の力を借りて調査をするのだ、はなはだおもしろくないではないかというような御質問があったわけでございます。私どもといたしましては、可能な限りにおいては、公安調査官独自の調査によりまして対象団体の組織、構成、あるいは諸活動等を明らかにすべく努力をいたしておるわけでございます。できるだけ法律によって調査の職責を課せられております調査官の独自の活動によって調査をいたしたいということをまずもって念願をいたしておるわけでございます。しかしながら、御案内のように、破防法二十七条で公安調査官の調査権限が規定してあるのでございますが、これは全くの任意調査権限でございまして、何らの強制権もございません。一方、対象団体としてわれわれが調査をいたしております日本共産党等におきましては、全くの非公然、秘密活動でございまして、その構成員等もなかなか容易のことではわかりませんし、いろいろな諸会議でいろいろな決定をいたします場合におきましても、行って話してくれるわけではございません。しかしながら、これを何とか明らかにしなければならない。また構成員は構成員として明らかにしていかなければならないわけでございますが、どうしても公安調査官の調査だけでは目的を達し得られない場合がございますので、調査官以外に民間の方々の協力によりまして調査活動を進めておるわけでございます。その場合にわれわれ最も戒心をいたしておりますのは、この民間の協力者の協力を得る場合に、その間にいささかも強制あるいは押しつけというようなことがあってはならない。全く任意の自発的な協力によってお手伝いを願う。われわれの活動の趣旨を了解されまして、それに自発的に協力をして下さるという方々の協力を得て調査活動を進めるべきだ。それが行き過ぎになりますと、御心配のように、あるいは人権侵害というようなことにもなるわけでございまして、破防法では特に公安調査官の調査活動について二条、三条等で厳重に憲法上の自由権を侵害してはならないということがくれぐれも規定されておりますので、私どもといたしましては、常に内部におきましても、また部下の職員に対しましても厳重に訓練をいたしまして、また、指示もいたしまして、誤りなきよう心がけておる次第でございます。
○高田なほ子君 私どもは破防法に対しては反対の立場をとったのです。これはやはり、今指摘したような問題は十分念頭に入れてのことであったのですが、当時は民間協力というものについて私どもあまりそう重視はしておらなかった。また、国会でもこのことは大へんな重要な問題として論議にはあまりならなかった。しかし、現在この法律が施行されて参りますと、最近相当に、もちろん、破防法というものは思想的な調査になるわけですが、やはり民間協力者も個人の思想調査に重点を置いてくるようになっている。これはおそるべきことでありますけれども、現実はそのおそるべきことが実際予算を組まれてやられているわけです。これは共産党とかなんとかをあげられましたけれども、現に私ども社会党委員長の鈴木委員長のところに、すでに電話盗聴をされてはなはだ困ったという問題も、われわれ議員総会でいわれておりまして、大へん胸を痛めている一人でありますが、少なくとも、この社会党の委員長のもとにもこういうような情報網が張られているのかと思うと、いつ何時この民間協力者がわれわれの身辺にうろうろしないとも限らないという、実にいやな気持がするのです。特に最近の総評その他民間の労働組合の団体、これらのものは、破壊活動でなくても、時の政府の施策に対して強い反対の意見を表明する場合があり得るのです。政治活動と防波法の対象と、これをこんがらがってやられるということになると、これは容易ならざる問題で、ただいまの御答弁では、どうも私納得しかねる点もありますけれども、どうか一つこの民間協力という問題については十分に御研究いただかなければならない。そしてまた、少なくとも民間人の間にスパイを強要し、またそのスパイが自分の知っているのを理由にして、絶えず民間人の行動や思想を激しく陰険に調査するというような、暗黒な世界ができてはならないのだということを念頭に置いていただきたい。特に警察庁の方では、民間協力者にだいぶぐれん隊を使っているようですが、この点はどうですか。ぐれん隊といわないまでも、いわゆる町のごろつき、それから公安調査庁の方では今スパイを獲得するのに大わらわです。そうして謝礼として相当多額なものが支払われているようですね。巷間伝えられるところによると、個人に対して十万円、あるいはまた一万円、最低千円というような多額な金をもって、生活に困っている人たちを金で誘惑しながらスパイ団、スパイのような活動を育成していくということは、私は罪悪だと思う。こんなことはほんとうに罪悪だと思う。食べられないような人たちが町のごろになっておりますが、そういうような、ある意味では善意のごろもスパイ活動の中にだき込んでいくというこのやり方には、私は納得できない。従って、これはもう破防法を対象とするということであるならば、これはもう専門家がおやりになることで、足りないからといって民間人にスパイ術を教えたり、自分たちの仲間に入れるために多額の国民の予算を使って、こういうことをさせるということについては、私どもとしてはどうしても納得がいかない。しかし、ここで納得いくいかないの問答をしても、これは夜が明けてしまうと思うのです。だから私の意のあるところを十分お考えいただきたいと思います。
○政府委員(原田章君) 警察がぐれん隊を使っておりやしないかというお話でございますが、古い時代におきましては、ぐれん隊の殺人、傷害その他の違法行為につきましては、ぐれん隊仲間がよく知っておるので、そういう者を使ったという場合もあったようでございますが、今日におきましては、そういう者を使って捜査その他の警察に寄与するという行き方は正道ではないということで、厳重に戒めております。
○説明員(宮下明義君) ただいま御質問の中に、公安調査庁の調査が、私から申し上げましたような調査対象団体だけではなくして、もっと広がっている疑いがあるというお話があったわけでございますが、この点につきましては、かつて中村法務大臣のころから、国会の委員会においてしばしば御論議がなされ、答弁がなされてきた問題でございまして、私ども、あるいは法務省、公安調査庁といたしましては、あくまで公安調査庁の調査対象になっております団体諸活動は、日本共産党あるいは在日朝鮮人総連合会に限るという立場を堅持しておるわけでございます。日本共産党が、あるいは労働組合の中に、あるいは大衆団体の中に細胞を作り、その中で党活動をいたしまするので、その限りにおいてその細胞活動等を調査いたすことがございますが、しかしながら、あくまでも労働組合あるいは一般大衆団体を調査対象にするということは厳に禁止をいたしておりまして、いたしておりません。これは破防法二条、三条の趣旨でもあろうと思いまするので、厳格な態度で進めておるわけでございます。また、社会党鈴木委員長のお宅の電話が盗聴されるというようなお言葉がございましたが、このようなことはもちろん法律違反でもございまするし、われわれ、調査活動として法律違反のようなことは一切いたしておらないわけでございます。また、公安調査庁の民間協力者に対する報償費が、非常に巷間伝えるところでは高いという話があるというお言葉でございますが、私ども、民間協力者に協力費を支給いたします場合におきましても、基本的な考え方といたしましては、実費弁償、それに、その協力者がその情報を得るために物心両面の苦労をいたしておりまするので、それに対する幾分の報酬を加味して、同時にまた、その情報の価値判断をいたしましてきめておるのでありまして、あるいは月千円の場合もございまするし、二千円の場合もございまするし、まあ普通はせいぜい一万円……。それを少し上回るぐらいのものでございまして、お話のように、十万円とかそういう多額の金額を一人の協力者に支給をいたしまして、金の力でその者を誘惑をして協力をさせるというようなことはいたしておりません。厳に慎しんでおりまして、実際に、ほんとうにその者の提供いたしました情報の価値、あるいはその人がその情報を得るまでに苦労をいたしました骨折りに対する妥当な実費弁償、報償という範囲で金額をきめるように努めておるわけでございます。
○高田なほ子君 この質問はまだまだ続くのですが、こればかりやっているというわけにもいきませんが、私がどういう意味でこれらの質問をしたかという意味を十分おわかりいただいたと思いますから、十分な御注意をわずらわして、かりそめにも思想弾圧の方向にいかないように、このことはくれぐれも御注意をお願いいたします。 次にお尋ねをいたしたいことは、警備警察及び警察法第七十一条の緊急事態に対処するための計画及びその実施に必要な経費、これが三十三年度から比べますと三十四年の場合はかなり幅が広がって計上されておるようですが、これはどういう内容のものか。質問の要点になるところは、昨年暮れでありましたか、今ちょっと資料を置いてきてしまったので工合が悪いのですが、読売新聞の報道するところによると、警職法は一応あのような状態になったが、しかし、警職法の精神を実際に行政面でカバーしていくために、自衛隊の自衛隊法に基く緊急出動と、これに警備警察の緊急事態に対処する警察活動とプラスして、全国三管区に分けて猛訓練が今現に行われているというような報道がございました。これは私たちは大へん重要な問題に考えているのでありますが、この費用というのは、どういうふうな費用に使われていくのか。今のような私の指摘した事項に該当するための費用か、どういう計画がこの実施予算の中に盛られているのか、この点を御説明いただきたいのですが。
○政府委員(原田章君) ここに「警備警察及び警察法第七十一条の緊急事態に対処するための」、その実施に必要な経費と書いてありますので、私自身もこれをそのまま申しますと、この「及び」という後段が相当意味があるように聞えますが、要するにこれは、警備警察に要する経費でございまして、警備活動をしまする人件費、物件費、そういう一切のものでございます。それで読売新聞に掲載されたとか、お話のございました件でございますが、自衛隊がどういう規模で、どういう訓練をされておりますかということは、私存じませんが、もちろん、警察との関連におきましての訓練ではないと思います。自衛隊の出動を願いますのは、平常時におきましては災害出動の場合だけでございますが、これも……。
○高田なほ子君 非常出動は……。
○政府委員(原田章君) 非常出動の場合は別でございますが、この七十一条の緊急事態に対処するための計画と申しまするのは、騒擾事件等が起りました場合には、こういう配置計画でやるというような計画でございます。
○政府委員(大津英男君) ただいま官房長から申し上げました点についてちょっと補足して申し上げたいと思いますが、この警備警察に要する経費の中で、警備警察及び警察法第七十一条に基く緊急事態の計画及びその実施ということでございますが、その後の段、警察法第七十一条に基く緊急事態、この緊急事態が布告せられた場合にどういう計画をするかということは、これは警察庁の所掌事務といたしましては非常に重要なことでございますので、この点につきましては、平素からいろいろ計画を立て、また実際に発動いたさない場合におきましても警備訓練を行う、こういうことで、場合によりましては非常召集を行う、あるいはその召集せられた警察官につきまして警備訓練を行う、こういうこともこの中に含まれている、こういうことでございます。
○高田なほ子君 警察関係はこれで私は終りました。
○山田節男君 警察関係でちょっと。この警察庁の捜査連絡等のための通信施設の問題でありますが、近代警察、犯罪捜査その他等においても、ことに有線でなくて、無線通信を利用する度合いが非常に多くなるのはけっこうではないかと思う。来年度の予算を見ても、ある程度の予算は計上されているわけですが、その警察の通信の電波利用について五ヵ年計画か何かおありなんでしょうか。というのは、これは電波監理局の周波数の問題、これはもちろん、短波、超短波を利用されるものだと思いますが、その計画と、それから来年度の計上されている予算、無線の新設費の二億九千何ぼと、こういうものに関連して、警察庁の全国の警察網の電波の利用に対する計画と現在の実施状況、そういう点をお伺いします。
○説明員(西松武一君) 御説明申し上げます。 ただいま御指摘の警察通信施設の五ヵ年計画と申しますのは、これは実は警察庁内部におけるいわば希望的な計画でもございますが、何とかその計画を実現したいと努力しておる次第でございまして、その大要を申し上げますと、これは五ヵ年計画は、必ずしも無線関係ばかりではございませんので、ただいま御指摘の範囲から多少はずれる点もあるかもございませんが、第一番は、警察関係の各機関相互間を結ぶ通信回線を整備して、少くとも現在の公衆通信の疎通度程度まで引き上げるということが一つのねらいでございます。その次は、主要府県において模写電送と申します、一種の写真電送の簡単なものでございますが、こういう施設を主要府県の各警察署に設置いたしまして、各種の指令あるいは報告を敏速に行い、また図面等についても電気的に送れるようにするということが第二点、それから第三といたしましては、写真電送の施設を各府県警察本部に設置いたしまして、指紋あるいは人相写真等を電気的に高速度で電送をするという施設を全国的に設置するというのが一つの点でございます。そしてただいま申し上げました諸点のうち、その通信手段といたしまして若干の主要な区間につきましては、災害その他の場合を考慮いたしまして、有線施設を全く使わない、完全な無線の施設でもって結ぶということも技術的な内容と含まれておる。それからその次に、機動力の強化といたしまして、いわゆるパトロールカー及びそれに対応するところの無線基地局というものの拡充を考えております。これは五ヵ年計画といいますか、警察庁の通信計画といたしましては、全国の警察署に、若干大都市における市内の警察署は除きまして、全国の警察署に固定局を全部配置する。それからパトロールカーにつきましては、六大都市についてはおおむね署の数の四倍、その他は二倍、あるいは署の数と同数というように配置するように考えております。その他こまかいものといたしましては、小型の携帯用の無線機を若干整備するというようなふうに考えております。 まあ、以上が大体警察通信施設の計画の大要でございますが、そこで、御質問の電波の利用につきましては、正確な数字は手元に持って参りませんでしたが、おおむね、現在百二十くらいの電波を警察で使っておりまして、郵政省と警察庁の間の関係はおおむねスムーズにいっておりまして、電波の不足という問題はほとんどなく済んでおると考えております。
○山田節男君 今の聞くところによると、電波通信化ということに対しての内部的な五ヵ年計画はあるけれども、何といいますか、外部的な、たとえば郵政省に対する外部的な五ヵ年計画はないように伺ったのですけれども、御承知のように、電波というものは、ことにラジオ等に使う中波はほとんど余分がないわけです。勢い超短波、極超短波、また極超々短波までにいかないと、周波数のハンドがないようです。これは各国を見ますと、やはり放送事業については国防関係、それから警察関係、これに周波数の割当というものをきめておるのです。日本もきわめて狭いものですけれども持っているわけです。これが超短波、極超短波の周波数も次第にいわゆる住宅難です。もう入れる余地がない。それがために、アメリカのごときは、常に警察庁、国防省その他とがけんかするようになってきている。非常に周波数の割当というものがむずかしい問題になってきている。日本も中波はほとんど使い尽してしまって、今後超短波、超々短波、極超短波ということになってきます場合、やはり一応、警察は全国的に電波を利用するようにしなければいけない。これはある意味では国家的な事業ですから、郵政省としても優先的に割当をするに違いない。それにしても、たとえばNHKにしても、民間放送にしても、超短波放送、FM放送をやる、これはたちまちあなたの方とかち合うわけす。防衛庁も次第にやはり拡張してくるわけです。そういう国の治安ということに関する通信網というものは、有線はむしろ陳腐化して、無線化してやる、これが各国の状況です。ですから、そういう意味から私は質問を申し上げているのであって、まだそういったようなものを、対内的には一応心がまえを持っておられるけれども、対外的には持たぬということじゃいかぬ。やはり周波数の割当を受けるということをしないと、将来非常に混乱を来たすと思うのです。そういう点について、どうも私今の御説明では用意が足りないと思う。もう少し科学的な根拠を持った電波行政というものを考えなくちゃいかぬと思います。
○説明員(西松武一君) 大へん御説明申し上げます点が簡単で失礼いたしました。ただいま申し上げました五ヵ年計画に関して必要な電波につきましては、郵政省と懇談会をいたしまして、また表を作りまして、打ち合せておりますので、その点に関してはほとんど心配はないというふうに考えております。ただ、現在の電波法の建前で、申請書を出さなければ確定しないというような格好になっておりますので、これ以上確定を保留するということは若干困難な問題があるのじゃないかと思います。
○山田節男君 これはもちろん、電波法に基いて、国のものといえども、これはやはり電波、周波数というのは、国民の共有財産ですから、たとえ警察庁に渡すにしても、これは郵政省を通じて免許の形式をとる、これは各国とも立法で同じなんです。ですから、今申し上げたように、いわゆる周波数の波は非常に住宅難なんです。もう入れる余地がなくなるということが数年にしてくるのです。その場合に、防衛庁とか警察庁で、もう波がない、だから出せというようなことになってくると、これはいわゆるあちらの事業者も非常に困るし、政府としても困る、まだ幸いそこまできていないけれども、やがてはそういうことがくる時代がある。だからそういう意味で一つの周波数の割当要求というものについてスムースにいっていると言われますけれども、これはずっと普及化してくれば、必ず地方の漁業無線もあれば、あるいは新聞社のファクシミリも北海道において大新聞もやるのですから、そういうようなことにならない前に計画的にやれ、こういうのです。それからいわゆる特定のマイクロウェーブというので 警察庁はマイクロウェーブをやっておられますが、これは現在は東京を中心としてどこまで、福岡までやっているのかどうか知りませんが、マイクロウェーブの全国網ですね、全国のネットワークというものをやはり将来継続して確立するつもりでいるのかどうか、この点一つ伺っておきたい。
○説明員(西松武一君) お答え申し上げます。ただいま警察庁が運用しておりますのはマイクロウエーブではございませんけれども、多重無線というものは北は北海道の札幌から福岡まで伸びております。それは実は警察だけで考えてみると、回線数がそれほど全国的にたくさん要らないという観点から安上りのものでやりましたけれども、その後いろいろ事情が変りまして、主要区間についてはマイクロ化をしたい、そうして回線をたくさんとりたいということで、東京——大阪間と、それから大阪を中心とした京都、神戸、奈良、和歌山、滋賀、それから東京を中心とした関東一円の各県警察本部との問につきましては、マイクロウエーブをするというのが五ヵ年計画の内容として考えられまして、なおそれに必要な電波は郵政省と打ち合せ済みでございます。
○山田節男君 たとえば東京都内ですね、この警視庁でパトロールの警官、それから交番所、あるいは警察署等においていわゆる超短波無線を、たとえば警視庁を中心にし何カ所、何個、いわゆる周波数を郵政省からもらっているのですね。たとえば百ワットとか五十ワットとかこういうタクシーで使っているようなものを含めていって、件数からいってどのくらいですか、無線関係で。
○説明員(西松武一君) 東京都内におきましては、パトロール関係の基地局といたしまして、警視庁の中に一カ所と、それから前進基地といたしまして都内に三カ所ございます。そしてそのために使用しております電波は百五十メガ帯が五波でございます。それから三十メガ帯が一波でございます。その三十メガ帯は主として三多摩地域を主にして扱っております。従いまして現在三多摩地域が一波と、さらに東京都内に若干三十メガ帯が一波ありまして、全部で七つあります。それからパトロールカーが東京都内でおおむね百四十台程度あります。
○山田節男君 官房長にお聞きしますが、警察のパトロール制度ですね、これは占領軍政下においては、軍政部の方で相当パトロール制度を奨励した。そうしてパトロール・ボックスなんか作っちゃって、これは治安とか街路の整理、こういうものについては非常に私はよかったと思う。いつの間にかそういったパトロール式のものが薄らいできておるという感じがする。これには私はいろいろな理由があるだろうと思うのですけれども、たとえば道路における駐車あるいは荷物あるいは商店街等が道路を張り出して使っておる所が至るところほったらかしてあるのです。いわゆる近代国家の近代都市の警察というものは、パトロールが主なんですね。この原因としては、あまり昇給するには功績が顕著でないからして、パトロールすることを警官がきらうのだということをいうのですが、これは私は逆だと思うのですね。ですから功績とか何とか、昇給するのにいろいろ考慮されるファクターとしても、パトロール警官にはパトロール警官としての何か私はそういったような制度ができるのではないかと思う。このパトロール制度には次第に関心が薄らいできておるように警察行政は見えるのですけれども、事実かどうか。 それから、パトロール制度を一体どういうように考えておられるのか、この点を一つ伺ってみたいと思います。
○政府委員(原田章君) 警察の基本は平常時におきましては外勤動務でございますが、外勤勤務におきましてのいわゆる基本的な仕事は、パトロールを忠実に実行することであると思うのでございます。従いまして、戦後。パトロール・カーを利用いたしましてパトロールを強化いたしておりますが、またそのほか徒歩によりまするパトロールも併用いたしまして強化しております。パトロール制度を徹底いたしますると、交番制度というものがまた存廃の問題になるわけでありますが、これはその土地の事情とかいうようないろいろな面を考慮いたしまして、その間の調整をはかっていかなければならぬと思います。警ら調査官が来ておりますから、また補足していただきたいと思います。
○山田節男君 それはいいけれども、あなた長官代理で、一体パトロールシステムというものは、国民の安全、財産保護あるいは街路の整備都市美の維持というようなものについて、まあよその外国に比べて一番気のつくことは、日本の警官はそういうことに対して非常に無関心である。一体そういうようなことをあなたたちは関心を持っておられぬように見えるが、パトロールというものはパトロールカーだけじゃないのですよ。もっと足で歩いて、夜でもかぎがかかっているかかかっていないかと見るぐらいのパトロール警官を作らなければだめです。それが依然として関心を持たれていないような状態にあるので、パトロールをあまり関心を持たないのかという質問をしておるのです。根本方針です。
○政府委員(原田章君) パトロールが平常の警察の仕事の中心をなすということは申すまでもないところであります。警察官の半分ぐらいが外勤の警察官でございますし、その外勤の警察官が、勤務をする三分の一程度はこのパトロールに従事するということでございます。パトロールに当りましては、御指摘のようないろいろな点をよく念頭におきまして、ほんとうに中味のあるパトロールが実施されるように教養をし、また勤務につかせるということでいかなければならぬと思います。 パトロール制と交番勤務の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、パトロール一本だけというのもまた実情に合わぬ面がございますし、基本的にはパトロール勤務というものが中心である、という考え方で運営に当っておる次第でございます。
○主査(小柳牧衞君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(小柳牧衞君) 速記を始めて。 次に北海道開発庁及び行政管理庁に移ります。
○高田なほ子君 五時までということで、ほんとうはもう少し時間をいただきたかったのですが、やむを得ませんから、きわめてはしょって政策的な問題として一問だけお答えいただきたいです。一人二役でありますから、まず北海道開発庁長官として質問いたします。 北海道の開発の中では総合的な施策をお立てになっていらっしゃることはこの予算でよくわかるのです。けれどもわれわれは国会から二回教育問題で視察に参りまして、しみじみ感じられることは、この僻地教育の開拓というのは文部省だけのカではとても北海道ではできないという結論が出ているわけなのです。いろいろ僻地教育の開発問題には総合的なものが加わるのでありますが、はしょって言えば、校舎の建築なんかも内地のような校舎の建築では、これはもう絶対防寒の施設に金ばかりかかるのでだめですね。根釧原野の校舎はどういうようにするか、せっかくあそこはれんがなんかがうまくできるのですね、北海道は。ああいうれんがの製造なんかも北海道自体でやって北海道自体で建設していけば、相当耐寒校舎なんかできるのじゃないかという気がしているわけなのです。何とかこの北海道の未開発の地域における僻地教育の振興問題、これは北海道の総合開発の中に総合施策として組み入れる必要があるように思いますが、こういう御計画というのは現実にどういうふうに行われているかということが一つと、もう一つは北海道の住宅問題は大へん重要な問題で、今度の予算もかなり大幅、とまでいきませんが、増額しているようですが、何年計画くらいであの住宅問題を解決なさるつもりか。この二つ。 それから一緒に質問します。今度は行政管理庁長官として御質問申し上げる点は、今各省に定員がございますね。しかし調べてみるとその定員よりも現在員の下回っている場合が大へん多いのでありますが、これはどうしても定員をふやすということももちろん計算の中にお入れでございましょうが、定員の下回っている部面のものについてこれをどう補足していくか。それから定員内の職員をどういうふうにこれを定員まで上げていくか。これは数字はあとでまたお尋ねしますけれども、特に定員内の問題について、今だんだんと交渉されておるようですが、定員増と定員内の横すべりの問題について政策としてお答えをいただいて、あとは事務的なことはおいでになっている方にお尋ねいたします。
○国務大臣(山口喜久一郎君) 僻地教育につきましては、北海道開発の第二次五ヵ年計画の中に実は組み入れておりまして、僻地教育等の充実をはかる問題として五ヵ年間、すなわち三十三年から三十七年の間に十二億九千万円をもって僻地教育の振興をはかる、こういう計画を立てております。わけても自家発電であるとかあるいは教職員の住宅の問題であるとか、それから学校の増設というようなことを考えておりまして、今の住宅でも学校の建設でも、ブロック建築とかそういった面について十分一つ御意見に沿うよう努力いたしたいと思っております。 それから今の定員内で足りないというようなことがありますか……、今の計数によりますと八千四百四十五人で 一二%の欠員があるそうです。こういった面も充足するように努力いたします。
○高田なほ子君 はなはだ簡単ですが、充足するように努力するというのですが、その努力が今どのようにやられているかということです。今交渉されているでしょう。
○政府委員(山口酉君) 現在員の定員に対する差はただいま長官が申し上げましたように一二%、これは十二月一日現在でございますが、このくらいの欠員はどうしても起る欠員でございまして、各役所ごとに見ますと中には欠員のあり過ぎるところもございます。全体といたしましては一二%くらいの欠員というものは人事の交替その他の際に必ず出てくるわけでございまして、ある時点を押えますと必ずこういう現象がありまして、非常に多すぎる欠員ではないというふうに考えております。
○高田なほ子君 長官、これが問題なんですよ、一二%の欠員は多過ぎるものじゃないというこの考え方が。それならなぜ法律で定員をきめるかというのです。その定員より下回るということになれば現在員が少ない法律でここは一万人だときめているのに、そこに九千二百人しかいなくて八百人欠員になっている、これが当り前だという感覚がおかしいのですね。今これは当り前だと言っているのですが、長官、当り前だということを認めてはいけないのですよ。やはり法律できめられたものは法律を守って実施されなければいけないのです。今でも足りないのを足りないままでいいという感覚に対して私は承服できない。それで大臣にきていただいた。この点どうですか。それだけお答えいただければどうぞもうお帰り下さってけっこうです。
○国務大臣(山口喜久一郎君) お説十分に承わって御趣旨に沿うよう努力いたします。
○高田なほ子君 どうもこの問題は長官あまり御存じないのですね。もう少し研究して下さい。今私の方はこの問題は重要視しまして、近々長官にも十分御折衝申し上げる段階にもなると思いますが、それまでに研究されて御趣旨に沿うようにしっかりやって下さる ことをもう一ぺんおっしゃって下さい。法律に定めた通りに置くかどうか。
○国務大臣(山口喜久一郎君) いや実は率直に申し上げて、きょうはこの職員の定員化等について御質問があるだろうと思って、その方だけ勉強してきたので、はなはだ申しわけございません。
○高田なほ子君 それは第二段の段階なんです。第二段の段階を私は否定しているのじゃないですよ。それをちゃんとしてからそれからこれに移らなければ困るのですよ。法律を守るということは岸内閣のスローガンですから、どうかしっかりやって下さるようにお願いします。 お急ぎですから私はこれでやめます。
○主査(小柳牧衞君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(小柳牧衞君) 速記を始めて。 —————————————
○説明員(田中墾君) 私から官房長の方の説明を補足させていただきます。パトロール隊を作って専門にパトロールをやらしたらどうかという御意見でございますが、実は私たちも至極ごもっとも御意見だと思って検討しておるところであります。ただ現在の日本の社会的条件から見まして電話が十分に行き届いていない。あるいは派出所を廃止しようといたしましても、国民が大へん派出所に対するあこがれを持っております。従いまして一度にこれを廃止に持っていってはどうかということで漸次パトロール・カーがふえて参りましても、これが動く交番という使命を果していきますパトロールカーの増強とあわせまして、御意見のようにパトロール専門の外勤警官というものを考えて、それを漸次実行していきたい、このように考えております。
○山田節男君 先ほども申し上げたように、たとえば都市におきまして歩道を自転車に乗って歩いたり、それから店先に、公道である道路にはみ出してまして物を陳列したり、自転車を置いたり、荷物を街路に置いたり、こういうようなことは外国には絶対にないのです。ところが日本はどこの都市に行ってももうやりっ放しにしておる。これは一体警察というものがただ泥棒をつかまえるとか何とかいうことでなくして、そういう方面のシビルな、市民に最も関係のある根本的な環境の整備といいますか、そういう方面でどうも日本の警察というものは関心を持たない。泥棒をつかまえるのが一番功績がありお覚えがめでたくて早く昇進する。今日の警察はそんなものじゃない。そういう点が依然として外国に比べて無関心でありほったらかしてある。 それからさっき交番という問題が出ましたけれども、交番にあこがれを持っていると言いますけれども、私のところも最近泥棒が入ったが、交番にはわれわれから通ずる電話はないのです。こういうのは役に立ちはしないのです。ですから交番も、いわゆる機動性を持った。パトロールカーで、今のジープでなくステーションワゴンのようなものにしてやって、無線機も備えれば応急的なものもそろえる。人数も五名ないし四名を置き機材を備えて、これは移動です。私の申し上げるのは歩く、ほんとうにパトロールする警官をほしいわけです。特に東京等でそういう点でとてもそういう整備が、これは警察の業務じゃないという工合にほったらかしてある。そこが私はどうも従来の警察関係の諸君が以前の警察国家時代の警官のように思っておるためだと思う。 それから警察署ですが、大体各区に一つの警察署がある。われわれにも例がありますが、警察署長の官舎を作るから金を寄付してくれ、今度は増築するから金を寄付してくれとやってきたものです。こういうように市民に頼って警察署長の官舎を作るとか何とかいうこと自体おかしな話だ。警察署もこれは区は広いから区単位で一つの警察は必要でしょう。必要だけれども今のような機構でやるということは、私は非常に交通通信の発達した都市において、旧態依然とした警察署というものを置くのがいいかどうか、こういう機構の点についてもどうも私は戦前と同じような気がする。これは官房長でも警ら課長でもいいが、もっと国民の警察だというような親しみのある、ほんとうに国民を守ってやるのだ、それから泥棒だけじゃなく街路の整備から交通警察の一部もそれでやるのだという、こういう私は気分にならなくちゃいけないと思うのですが、警察大学まであるのですけれども、果してそういったこまかい非常に国民に直接関係のあることまで気を配る、という教育をやっていらっしゃらないのかどうか伺いたい。
○政府委員(原田章君) いろいろ貴重な御意見を承わりまして、また特に先進国と申しますか、この面におきまして進んだ制度をとっております地方の実情等に基きました貴重な御意見を承わりまして、まことにありがたく拝聴したわけでございます。 その基調となることは先ほどもお話がございましたように、市民のための警察、市民に喜ばれる、市民が安心できる警察を作るということが大事でございますから、そこに基本を置きまして教養も実施し、また外勤警察運営につきましても参考に取り入れましてやって参りたいと思います。 また街路等におきますいろいろな物品の放置等につきましては、交通警察の一環でもございますし、交通環境の整備というような面からも強く取り上げまして実施して参りたいと思います。
○山田節男君 これは重ねて申し上げますが、どうも自動車による、あるいは歩行によるパトロールが徹底していないために、ある一つの長い、たとえば青山の一丁目から六丁目までもあるというような所は、これは外国だったら少くともパトロールの巡査が三名か四名はいてしょっちゅう回っている。日本では横道なんかそういうパトロールをしていない。歩行のパトロールというものも非常に数が少い、従って歩道を自転車で乗って歩いたり、あるいは店先の整理というようなところまで全然私は目が及ばないのではないかと思う。そういうような点から見ると、私はパトロールということに対して根本的に一つ考えを変えてもらわなければいかぬと思う。われわれが外国を旅して一番感ずることは警官です。大体警官を見るとその国柄がわかります。たとえばイギリスに行くと外国人に対しては実に親切に丁重にやっている。一方パリに行きますと巡査がいばってしまって棒を振り回わしてやる。それからドイツ、イタリアはもっと悪くなります。ところが西独あるいはスイスに行きますとやはり親切です。それで文化の程度がわかります。ですからほんとうに都会地における巡査というものは教養においても、訓練においても、これは国民に対する一つの代表的なものでなければなりません血だからそういう点におきましても、これは細かいところまで、服装ももう少し、背の低い日本人ですから、こじんまりときちんとしてもらいたい。エジプトの巡査など実にスマートです。共産国でもポーランドのワルソーあたりの巡査は実にスマートです。日本の警官のユニホームはスマートさを欠いている。これは日本人の体格に合うように、ちゃんとミートして、しかも国民が見て信頼できるような服を、懸賞募集か何かして考えてやったらスマートなものができると思う。これに要する少々の金は国としても惜しまなくていいと思う。戦前に比べると相当警官の服装もきちんとしてきたし、靴もきらきら光っている。しかしどうも全体的に見るとそういう方面に対する配慮が足りない。これは非常に苦言めいた要望になりますが、私は国民の警官として親しみを持たせていく、子供もなついていくような、百人なら百人の警官をすべてそういう警官にしなければいけない。これは名前を言うて何でありますが、今保安局長をやっている木村行蔵君は広島県の警察本部長をやっているとき、この人はMRAの会員であり神様みたいな人ですが、彼は在任中ああいう心がまえでやったので巡査は非常に変ってきた。これが必要なことだと思う。ですからこいねがわくば一日もすみやかにパトロールをやはり国民のための警官として、国民を真剣にあくまでも保護し、秩序を保つというそこまで街頭に進出させる警官が必要だと思う。 それからついでに伺いますが、この間も柏村長官に一般質問で伺ったのですが時間が足りなかった。それは最近皇太子殿下に対する警護が非常に厳重です。たとえば青山のテニスコートや芝のテニスコートに行かれるときに巡査が二十メール置きぐらいに立っており、テニスコートにも巡査がうろうろしている。私は青山を通って来ますが、皇太子が皇居にいらっしゃるときなど必ず二十メートル置きぐらいに巡査が三名ぐらいうろうろして立っている。こういうようなことで私はなぜやるのだというので、この間宇佐美長官に聞いてみると、これは宮内庁の私らの要望じゃありません、警察庁でおやりになりますと、これは何か情報があって共産党とか右翼とかの危険があるからああいうことをするのか。せっかく正田美智子さんというような民間人を妃に迎えられるというので、国民があげて非常に明るい気持になっており、皇太子自身も私はよくわかっておると存じますが、そういうことを要望される人ではないのです。もしそういう危険な何か情報があればこれは私服をもってやるべきだ。ああいう制服を着た巡査を配置させる必要はない。朝っぱらの十時ごろにそれこそパトロールにでも利用すればいいと思うほど多数のものを並べておる。これは一体どうなんですか、宮内庁が言う通りに、警察の方で無理やりにああいうふうにするのだ、というようなニュアンスの答弁をこの間受けているのですが、どういうことでああいうことをされるのか。
○政府委員(原田章君) 皇太子殿下の外出につきましては非公式の場合は昨年の四月、春ごろから非常に簡素化いたしまして、非公式の場合はもう先導もつけないというような非常に簡単な方式に変えてやっておるのでございますが、最近何と申しますか、ブームと申しますか、御婚儀ブームということで相当雑踏いたしますので、そういう面から多少の警察官を配置するという状況になっておると思います。もちろん御意見にありましたような点につきましては、十分考えなければならぬことだと存じます。それからかような警護のやり方につきましては警察庁が判断をいたしましてやるわけでございます。それにつきましても宮内庁等におきまして気のついておりますことは、もっと簡素化してもらいたいとか、あるいは今度の四月十日は非常に雑踏するので、こういうおめでたいときにけが人ができるとお気の毒だからというようなことで多少の意見要望を承わることはございますが、あとは警察庁並びに都内におきましては警視庁の判断におきましてやっております。
○山田節男君 私が実際体験した例は青山で、おそらくあそこの常盤台から皇居にでもいらっしゃるのだろうと思いますが、青山六丁目から赤坂見付の国会を曲るまでずっと巡査が二十メートル置きぐらいに二名ないし三名ずつおりますが、こういうことを私は数度体験しております。だからこういうことは何も皇太子のブームだからといって自動車でお通りになるのですから、そういうことで朝っぱらから巡査があそこにいて何事が起ったのかと思う、あのように警官を並べる必要はない。反面からいえば警察はまさかのことがあったら責任を負わなければならないから用心のためにやるのかもしれない。しかしこれは非常に無責任だと思う。今言うように東京は世界でも非常に大きい人口の都市になっております。外国人もしょっちゅういるわけです。ですからああいうような表で目立つようなことは私服でやればいい。制服だとピストルやなにかみなつけているのですから、ああいう古い意味のむしろ皇太子の意に反する、それから国民が見ていやな感じがする、それから皇室と国民をいかにも離間させるようなことを無理やり故意に警察でやるようなことは、非常に心ある人たちには不愉快だと思う。こういう点は私は皇室のために、特に皇太子の場合は、ことに青少年が非常な親しみを持っているのですからそれでブームが起きるわけで、これは何も危害を加えるわけじゃないのですから、こういうきわめてデリケートな国民と皇室の関係というものは警察が邪魔してはいけない。むしろそういうことがあれば、子供がいたら自動車がとまったとき警官が子供を抱いて見せるぐらいな親切があってもいいと思うのです。しかしもちろん皇室に対する警備は必要だと思います。それからもう一つこの際私から申し上げておきますが、御成婚で市中をずっとお通りになりますね、これは大へんな混雑をするだろうと思います。すでにわれわれ身辺の者もそういう話をしておる。これは大体通路がきまっているから大体何人ぐらいあすこに立つとか、街路に立ってそれを送ることができるかということがみなわかっている。これは特にイギリスやアメリカならだいぶ大きな行事になると、これはおそらく市がやるのだろうと思いますが、今のように台も何もない平面の所でやるとこれは大へん混雑をするのですね。ですから主要な場所には、これは東京都なら東京都に言って斜めにさじきを作らすのです。そうすると五倍ないし十倍近くの人が見えるのです。私はイギリスの前の戴冠式あたりの状況を見ましたが、これは向うのものは鏡を逆にしたりいろいろなことをして見ている、これはいかぬというので、向うには非常に広い街路がありますがその街路にさじきを作って、そうして安全にできるだけ多数の者にこれを見させ、そうして心から慶祝の念をもってこれを迎えられるようなやり方をとっておりました。ですからこれは私は警察庁あたりから警視庁を通じて都なんかに言えば、これこそ二千万や三千万の金をかけてもいいのです。ですからそういうようなこともこれは警護に関する限りは、あなたたちがイニシアチブをとって安全にしかも多数の者に見せてやろうという、これは警護の便にもなるのです。そういうようなことも一つ考えていただきたいと思います。どうですか、今度の場合、都庁に警視庁を通じて長官から言わせるように、そのくらいの親切を持っていただきたいと思いますが。
○政府委員(原田章君) お話ごもっともでございます。警視庁の方からも東京都の方にはまあ一応は話を出しておるそうでございますが、さらに警視庁のその後の折衝の模様等を聞きまして一つ進言したいと思っております。
○山田節男君 交通警察の問題、これを一問だけ。きのう裁判所の所管の場合に私は質問したのですけれども、警察に特にお伺いしておきたいと思いますが、これは東京都内に限らず、全国的な交通、田舎の道路ですね、一般道路についても感じられることが、どうも日本の交通警察というものは摘発主義ばかりに傾いてしまって、事故を防止する、それから何というのですかね、安全な運転ができるような信号ですね、それからサインボード、こういったようなものが非常に不親切だと思います。特に自分で自動車に乗って行くと、交通規則も、信号も、あるいはカーブだとか、ここは学校であるとか、いろいろ外国式にやっておられますけれども、自分でドライブしているともっと私はやり方があると思うのです。ですから全般的に申すと今日の交通警察なり、従ってそれに基いているところの交通規則、それから交通の整理のための信号、サインボード、こういうようなものをもう少し私は親切にほんとうに自動車を運転しておる者の身になっての一つ根本的再検討をされる必要があると思います。 それから私はしばしばこれは体験するのですが、交通違反らしい者をつかまえて始末書をとるとか、いろいろ調書をとるとか、これは当然のことですけれども、そういう場合に、それをやるために交通妨害になるというよう事態がしばしば東京でもあるのです。そういう交通違反を車をとめて、たとえばそこに人たちも停止して、あるいはパトロールカーがやった場合、かえってそれを調べるために交通妨害になるような、きわめて調べることを主体にしてしまって、あとの車が何十台も続いておるということを意識しない調べ方をしておる、これは非常にそういう通弊がある。ですから、交通警察に関しては自動車がふえ、ことに日本は道路が狭いのですから、事故を防止するためにも従来の交通規則なり交通整理に対しまして、これほど洪水のように自動車がはんらんしておるのですから、今までの交通整理の方法ではいけないのですね。ですから道路を拡張したりすることも必要でありましょう、交通警察も一つ警察庁としての全国的な問題として、これも全国的に再検討して、車の増加に従って道路も次第によくなるのですから、いつも運転できるような設備なり整理の方法もする余地があると思います。私の経験から言うのですから間違いないと思います。どうかその点について一段の一つ関心と注意を払っていただきたい、改善をしてもらいたいということを強くお願いしておきます。 —————————————
○主査(小柳牧衞君) 次は自治庁所管に移りたいと思います。
○山田節男君 来年度の予算の計上してある中で、新市町村建設促進費補助金というのが十六億円ばかり計上されておりますが、この内容をきわめて重点的にどういうことをやるのかということをお示し願いたい。
○政府委員(黒金泰美君) ただいまの御質問でありますが、これはちょうど三年ほど前からやって参りました促進のための補助金でございまして、まだ千ほどの町村に行き渡っておりません。そこでそのうち七百二十五だけことしも続けて計上いたすのであります。まだ残が少し残っております。これは私どもことし一ぱいで片づけたいと思っておりましたが、予算の金繰りの上から片づけておりませんので、まだ翌年に残るわけであります。
○山田節男君 モデル町村を作るという意味ですか。
○政府委員(黒金泰美君) そうでなくて、合併しますとその町村に対してたとえば道路を直しますとか、あるいは橋を直しますとか、あるいは庁舎が狭降になったからこれを建て増しますとかいろいろな目的に使いますけれども、そういった合併によって生じましたいろいろな経費に充てまして、合併の率を上げていきたいというような考え方で組んでおる補助金であります。
○山田節男君 そうしますと、さっき数字を言われたのは初年度の数字ですか、二十五町村というのは。そうすると来年度の予算で一体そういったような仕事、十六億円でどのくらいできるのか、それを承わっておきたい。
○政府委員(黒金泰美君) ことしの予算では七百二十五市町村を予定しております。
○山田節男君 これは全額国庫負担という意味ですか。それとも部分負担でおやりになるのか。
○政府委員(黒金泰美君) 少し詳しく申し上げますると、市町村の建設計画の調整に要する経費、この分は全額国から出しましてその補助金をもって仕事をする。それからもう一つの態様は支所、出張所の統廃合によってもとの役場が支所になったり出張所になったりいたしますので、これをだんだん統廃合をして一つの全体の町役場にしていこうじゃないか、こういう際の統合によりまして組織が変りましたり運用がいろいろ変って参りますので、役場に行くのに遠くなりますので、橋をかける一部に充てましたり、あるいは統廃合しますために役所が狭くなりますので建て増しする、こういった設備の補助でありますが、これには二分の一の補助を予定しております。
○山田節男君 これは場合によったならば、たとえば学校関係等においては文部省と競合する点が出るのではないかと思うのですが、たとえば現実に数カ村合併しまして中学校等を作る、こういう場合にまず道路なんです。橋もかけなければいかぬ、スクール・バスも作る、こういうような問題が起きてくる、こういう文部省関係のものを統合する場合には文部省がやって、自治庁としては何らの補助金を出されないのですか。
○政府委員(黒金泰美君) ただいまお説の通りに、市町村合併によりまして学校の統合も行われることでございます。あるいは電信電話局の統合の問題もございます。それからそれとはすぐに関連いたしませんけれども、新農村計画の補助もございます。そういったことはみな実は本来は一括させまして、市町村で統合されて施策ができれば一番いいわけでございますが、予算の組み方といたしましては、学校の統合については文部省所管に組みまして、あるいは電信電話の統合につきましては電電公社の予算に組む。あるいはまた農村の問題につきましては農林省所管になるというように、おのおの予算の立て方が別になり、補助を決定する役所が別になっております。従いましてその間が実際は最後に統合された町村の計画になってこないとまずいのでございます。そこで地元の方といたしましては、やはり町の議会なり何なりを通じまして、全体をにらんで計画を立てるように指導いたしております。また同時に、中央におきまして各官庁が予算を出します際にも、てんでんばらばらにならないように、予算としては私どもの方の計上でございませんから、決定するのは農林省なり文部省でありますけれども、私どもの方が実質的な幹事役をいたしましてその間の調整に務めております。
○山田節男君 それはわかるけれども、こういう補助金を出すときにいつも困ることは厚生関係、あるいは文部省関係等でいつも問題を起す、この場合額はわずか十六億ですが、これを配分する場合にもちろんその県下における新町村の統合数とか、それから橋をかけ道路を作り支所を作る、新築する、町役場を増築するといったような実際の査定を行うのはやはり自治庁がやるのか、あるいは県知事にそういう事項は委任して、割当てられた、AならAという県に対して何千万円出しますといえば、知事がそれを査定し、その補助金を受ける候補町村を決定するというか、具申するのか、経路はどういうふうにしておりますか。
○政府委員(黒金泰美君) 先ほど申し上げました第一の形態といいますか、計画の調整の方の関係の金は、これは一市町村十四万四千円定額で出しております。それから第二の形態に当ります施設補助、二分の一の補助、この方は平均を百九十四万円に見まして、人口の多い、少い、あるいは十の町が合併したのか、五つの町が合併したか、その合併の規模、こういうような態様である程度の基準を示しまして、各県知事のところで一応査定といいましょうか調査して、その意見を具申したものを私どもの方に取り寄せまして、最終的な決定は自治庁でいたします。
○山田節男君 そうすると来年度のこの予算で年間七百二十五町村しかその恩恵に浴さない、こういうことになりますと、現在全国で統合された町村は非常に単位としていきましたが、七百二十五というものをこれは年間来年度でやられて、何年したらそれが整理がつくかということは、算術的に考えても私は非常に不満に思うのですがね。現実にこの新しく合併して出てきたものは非常に紛争が絶えないのです。その紛争の一つを解消しようとすれば、県知事の方はわずか二十五しかやらない。二十五しか対象に予算上できないということは……。この趣旨からいって、私はまことに地方の実情からいって徹底すべきだと思う。ですから思い切って、この金を倍額なり三倍なりにして、早期にこういうことを解決してやるということが必要です。この市町村にしたらば、新しい合併町村は財政で困っているのですからね、それが紛争のもとになって、また分れたいという分村の争いまで起きてくるようなことがかなりあると思う。ですからもう少しテンポを上げて、とにかくこういう面については少くとも数年間、三年間なら三年間にそういうものを、これは予算上の処置として多額であろうとやむを得ないのですから……。この点どうでしょうね、十六億円のもので七百二十五ぐらいでは三年や五年じゃ解決つかない。
○政府委員(黒金泰美君) あるいは説明が悪かったのかもしれませんが、誤解しておられる、と申しますことは、昨年三十二年、三十三年これだけの予算をつけましてこれが三年目でございます。従ってあと残りますものが約三百ございます。従いまして私どもとしては三カ年でこれは片をつけたい。合併して三年ももらえない、一方もはらっている、はなはだ不手ぎわきわまることでありますから、せめて来年度の予算で片をつけたかったのでありますが、金繰り上できませんでしたために、ことしの半分弱でございます、約四割というものが三十五年度に延びた、三十五年ではこれは片がつくような考えでございます。
○山田節男君 了承しました。
○主査(小柳牧衞君) この際お諮りいたします。塩見分科担当委員外委員から質疑の御希望がありますので、発言を許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小柳牧衞君) 御異議ないと認めます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 時間も大へんおそくなりましたので、私は地方財政あるいは地方税関係でいろいろ承わりたいと思いましたが、時間がございませんので、大体府県税及び市町村税で五〇%以上の税額を占めております事業税、固定資産税を中心としてお伺いしたいと思います。私も実は昨年夏以来地方制度調査会の財政部の委員といたしまして、また党内の臨時税制調査会の委員といたしまして、国税、地方税をめぐる昭和三十四年度の税制改革につきまして関与して参ったのであります。まあ自治庁におかれましても、大局的な判断をされまして非常な御苦心の結果、ともかくも国税、地方税を通じまして七百億円の減税が実現をしたということにつきましては深く敬意を払っておる次第であります。具体的な質疑に入ります前に一般的な問題を一つだけお伺いいたしておきたいのであります。 それはこの税制調査会の過程におきましても、あるいはまた明年度の税制を審議する過程におきましても、よく私どもは、この地方自治を守るためには財政の自治が伴わなければならない。すなわちこの地方自治をうまくやっていくためには、どうしても独立の税源を持ってこれを運営していかなければならぬ、こういうふうな御意見を承わって参ったわけなんでありますが、この点政務次官から御見解を承わりたいと思います。
○政府委員(黒金泰美君) ただいま塩見さんからのお話でありますが、やはり地方自治ということの基礎といたしましては、平たく申してどんな仕事をするにしても、自分のところに財源がない、一々国の厄介にならなければならぬということではなかなか自治がやりにくい、非常に観念的であり、実情からいえば、そんなことを言ったってなかなか自主財源で何を持ってくるのだという御反論があるかと思いますけれども、やはり地方自治という観念の基礎には自主財源をでき得る限り強固なものにいたしまして、そうして地方自治の実をあげて参りたい、まあ実際問題として限界があることと思いますけれども、しかしそのように考えております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) それでは少し具体的にこの問題をお伺いいたしたいと思います。数字をお持ちだと思いますが、昭和三十一年度の決算におきまして大阪、東京、高知、徳島、この四つの都府県の全歳入中に占める地方税収入の割合を一つお教え願いたいと思います。
○政府委員(黒金泰美君) お答え申し上げます。大阪におきましては五七・三%、東京が五五・八%、高知の数字を持ち合せておりませんけれども、徳島が九・三%、これあたりと似たようなものじゃないかと思います。
○担当委員外委員(塩見俊二君) それでは続きまして市で、横浜、大阪。
○政府委量(黒金泰美君) 横浜が五七・七%、大阪が五七・六%でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 続きまして高知県の中村市。
○政府委員(黒金泰美君) 中村市が二五・三%となっております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 土佐清水市は。
○政府委員(黒金泰美君) 清水の手持ちがございませんが、宿毛というところが今ございますが、二〇・四%でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) ただいま承わりましたところによりますと、府県におきましてもあるいは市におきましても、また町村におきましても同様でありますが、この全体の歳入に対して占める租税収入の割合が非常に違っておるわけであります。府県では大阪が五七%、高知県がわずかに一三%というようなことで、県におきましてもその財政力といいますか、あるいは租税の全収入に占める割合に格段の相違があるわけであります。市では先ほどお示しの通り、横浜では五七%、私の調べたところによりますると、土佐清水ではわずかに一六%というように、各地方団体というものの財政力、また歳入中に占める租税の割合も区々な状況になっておるわけであります。従ってこういうふうな非常な財政力の相違、特に租税収入の現在の状況から見まして、一体実際問題としてこれに公平に独立財源、独立税を与えて、先ほど申されておりました財政自治なんというものはできるとお考えになっておるかどうか、一つお答えいただきます。
○政府委員(黒金泰美君) 先ほど申し上げましたように、非常に観念的かもしれませんが、やはり地方自治のためにでき得る限り自主財源というものは確保いたしたい。ただ今お話のございました通り、もう申し上げるまでもございませんが、ある一つの税務署の徴税額が一地方と同じぐらいになる、というような経済の実態でございますから、従ってこれを補助金なりあるいは交付税なりそういうもので補完していく以外に方法はございませんけれども、しかしそうかといって自主財源をあまりなくしてしまうということは、やはり地方自治というものの裏づけの点から申しましていかがなものかと思います。やはりそちらの方も努力しながら、できる限りの国と地方の財政の調整をはかって参りたいと、そういう考えでおります。
○担当委員外委員(塩見俊二君) ただいまの政務次官の御答弁ごもっともと思うわけでありますが、しかしながら私どもの計算によりますと、かりに国税の全体、あるいはまた専売収入も含めまして、これを全部その税の発生した各府県、市町村に分配をする。まあ府県の例をとってみましても、その結果として一体府県で財政の自治ができる県が一体何府県ぐらいあるというふうにお考えでありましょうか。
○政府委員(黒金泰美君) 私も実は計算をいたしておらないのでありまして、思ったより少数じゃないかと思います。これは塩見さんに申し上げるまでもないのでございますけれども、東京、大阪、名古屋といったところに非常に富が集中しておりますから、今ここにかりに事業税だけの数字を申し上げてみましても、全国の中で三十年で一八・五%、三十二年ではまあ二割以上東京で占めておりますし、大阪で一三・六%、愛知県で七・六%、それから兵庫県で五・九%、神奈川で六%、福岡で四・八%、これだけのものを除いて参りますと、ほかは四一・二%しか残らない、事業税だけとってみましてもそんなような状態でございます。これは予想外に少い数じゃないかと、かように考えています。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 私も同様にせいぜいまあ六、七府県ではないかと思います。そこでまあこれは非常な矛盾があると思うのです。独立の税源を与えればなるほど、与えたほどいいかもしれません。しかしながら今言ったように与えれば与えるほど、各地方団体が貧富の差が激しくなると私は思うのだが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(黒金泰美君) お説の点ごもっともでございまして、従って、われわれも自主財源の拡充と申しましょうか、申しながら一体どこの点でそれをやれるのか、やったらいいのかという点でまあ非常に苦慮いたします、と同時に、交付税その他の配分についてどうやったら一番いいかというような点、いろいろと考慮いたしておりますけれども、なかなかいい案もないものでございますから、いいのがれみたいで恐縮でございますが、今度もまた政府に国、地方全体の根本的な税制の調査をする委員会を作りましてやって参る。一回ほんとうに根っから勉強してみたい、こんな考えでおる次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) この問題は、前に税制改革等の際に、地方の財源を大蔵省から守る、というようなためのスローガンとして非常にやられている。しかしながら、これをほんとうにまじめに考えてみると、これは一体それでいいのかどうか、非常に私は疑問があると思う。これは御承知の通り、まあ現在日本は祖国の建設を目指して、九千万の国民はそれぞれひとしく平等に国家の恩恵を受ける権利があるものとされている。しかもあなたたちは行政水準を引き上げなければならないと言っている。この行政水準の引き上げの場合には、あるいは高知県のような貧乏な県は引き上げなくてもいいのかというとそうは言ってない。平均的に行政水準を引き上げると言っている。あるいはまた行政の画一主義、すなわち六三制が生まれて非常に膨大な経費を伴い、いろいろな施策というものは、この画一主義によって必然的に各市町村、地方団体がやらなくちゃならない。こういうふうなことを前提にして考えますと、一体財政自治とか何とかというのは私は全くナンセンスの問題だと思う。これはやはり税金と補助金あるいは交付税その他いろいろな収入を、最も合理的に分配することによって、私は初めて地方の自治ができると思う、地方の自治が発達していくと思う。いたずらに独立財源がないから地方自治は破壊されると、こういうことをたびたび言われておるけれども、私は奇怪しごくなんで、そういうような観念を平気でお述べになるようなお気持を改める気はないのかどうか、一つお伺いをしたいと思う。
○政府委員(黒金泰美君) お話の点、実情から申しましてまことにもっともでございますが、さて、じゃ今度は逆に考えてみまして、それならば自主財源がなぐてもいいのか、すべてが交付税的なもの、補助金的なものでいいのか、これは極端すぎるかもしれませんけれども、そのウエートがあまりに多くなり過ぎますると、まあ国のさじかげん一つ、あるいは法律でいずれにしても分配の基準をきめますけれども、やはり国だけの意思での動きが出てくる、こういう不満も当然出て参りましょう。やはりその間の仰せの通りに税と補助金と交付税と、あるいはまた譲与税、そういった全般を通じましての上番穏当な、また一番効率的な配分をどこにおいていったらいいかということで苦慮いたしておる次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) ただいまの政務次官の御答弁で了承いたします。 次に事業税についてお伺いをいたします。これは地方税、府県税の六〇%に近い税収入でありまして、これは府県の基本的な租税であるわけです。従いまして、この事業税をどう扱うかということは、地方税の問題としては私は最大の問題かと思うわけであります。そこでこの事業税の問題につきまして若干お尋ねをいたしておきたいのであります。自治庁のいろいろなパンフレットなり御見解を伺っておりますと、事業税というものは、その性格が物税であるということをたびたび伺っておるわけでありますが、やはりそう理解してよろしゅうございましょうか。
○政府委員(金丸三郎君) 物税という言葉にもよろうかと思いますが、私ども事業税と申しますものは、一定の地域団体の中におきまして一定の事業を営んでおります者が、その地域団体からいろいろな恩恵と申しましょうか受けておりますために、その事業に伴いまして応分の負担をすると申しましょうか、そういうことに課税の理由を求める税、こういう意味合いにおきまして、対人的でなくて、その事業に即物的に課税される税、こういう意味で物税と申しておるわけでございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) そういう意味で物税とおっしゃっておられると思いますが、もう一つ、やはり物税だから、府県から受ける恩恵に応じて、単に所得だけでなくて、あるいは従業員の数であるとか、あるいは敷地の面積であるとか、あるいは資本金であるとか、あるいは収入金、要するに所得でない課税標準をまあとって課税する場合に、大体まあこれが物税という観念がもう一つある。要するに、これは現在の状況で、もう所得税の所得、あるいは法人税の所得、これと同じものを課税標準にしておいて、この所得税なり法人税を人税と称して、この事業税が物税じゃ、ということはなかなかこれは観念の混迷があるのだが、その辺もう一ぺん一つお答え下さい。
○政府委員(金丸三郎君) 御指摘の通り、現在の事業税の課税標準自体から申しますと、物税という説明だけでは割り切れないものがあると思います。電気事業でございますとか、あるいはガス事業でございますとか、保険事業とかこういうものは、ただいまおっしゃいましたようないわゆる外形標準によって課税をいたしておりますが、そのほかの多くの事業につきましては、所得を課税標準として課税をしておるわけでございまして、ただ歴史的に見てみますと、事業税の前身でございました国税の営業税におきまして、当初は外形標準であったことは御承知の通りでございます。ただそれではやはり悦が非常に負担が重いとかいろいろ問題がございまして、大正十五年に国税の営業税を営業収益税として、やはり所得を課税標準として課税いたしたわけでございます。その際におきましても、零細な税につきましては外形標準を基礎にいたしましたり、あるいは所得を課税標準にいたしましたり、あるいは定額課税をいたしましたり、地方税である営業税につきましてはそのようないろいろな基準によってやっておったのでございます。これはやはり事業の性格と申しましょうか、実態がいろいろであり、まあ担税能力の関係もあったりして、そういうふうになっておったかと思うわけでございます。まあ終戦後の経緯はよく御承知かと思いますので申し上げませんけれども、そのようにわれわれは、本質的にはできるだけ外形標準によって課することが適当な税種ではないか、と思うのでございますが、現在では特殊な事業については外形標準により、多くのものは仰せの通り所得を課税標準として課税をしておりまして、すっきりいたしておらぬわけでございます。 従いましてこういう事業につきましては、御承知の通り国税である法人税につきましても、いろいろ問題がございますので、法人税あるいは法人事業税につきまして、企業課税のあり方を大きな一つの題目として、もう少し根本的に掘り下げて、税制調査会というような制度でも設けて御研究をいただいて、これらの問題の解決に当って参りたい、かように考えておる次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 私、この問題を伺いましたのは、必要以上に何ゆえか自治庁の方々が印刷物やその他に、この物税々々ということを言っておられる。それて私はしからは今ちょっとお話がありましたから、ほんとうに物税らしい外形標準によって課税をする方向に、だんだんそういうふうに変えていく御意図があるかどうか、これを承わりたい。
○政府委員(金丸三郎君) 私どもとしては、できるならばそういう方向に参りたいと思いますけれども、たとえば付加価値税がわが国で実施が困難でございました、まあとうとう実施ができなかった事情もあったりいたしまして、外形標準によってきびしく徹底をいたしますと、収益がなくても、いわば利潤がなくても税の負担はしなければならぬ、というような非常に大きな障壁もあるわけでございます。従いまして今後の事業税のあり方自身につきましては、私どもは理論的な面とやはり実際的な面と、両面からほんとうに腰を据えて検討をいたして参りたい、かように考えておる次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) この問題について、もう一点だけ非常に重大なお話に関連しますので、一点だけお尋ねをします。それはただいまのお話では、やはりそうとった方向に考えたいということを言っておりましたが、これは非常に重大な問題です。御承知の通り国税においてこれはいつできるかわかりませんが、いわゆる売上税的なものが常に話題に上っておる。もしかりに地方税の事業税を収益課税から外形標準に移す、これはどちらかやめなければならぬのです。要するに今の売上税をやめるか、事業税をやめるかという問題があるわけでありまして、この問題は、そういう問題を御研究願いたいということたけて、時間もありませんので次の質問に移りたいと思います。 先ほど黒金政務次官がなかなか御勉強なさったと見えて、お尋ねしないうちに事業税の分布状況についてお教えをいただきましたので、その数字を前提にしてこれから御質問をいたしたいと思います。まあ先ほどお述べになりました通り約六〇%の事業税が、わずかに六つの府県によって独占をされておる、独占というわけではありませんが、とにかく六つの府県が六〇%の事業税の税を収入しておる、そしてこのあとの四〇%を、なんぼですか、四十一ですか、四十一の府県で四〇%しか事業税の収入になってない、これは非常に偏在した私は財源だと思うのです。 それからもう一つお伺いいたしたいわけでありますが、全体の租税収入に対して東京、大阪、山梨、高知の事業税が何パーセント占めておるか、ちょっと教えていただきたい。
○政府委員(黒金泰美君) 東京で五五三%、大阪が六一九%、山梨が四一%、高知県が四四七%、こんなような状態になっております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) ただいま承わりまして、この東京では五五、大阪では六〇%、山梨県が四〇%というふうに、全租税収入に対する割合は相当でこぼこになっておるのでありますが、何と申しましてもただいま申し上げました通り、非常に各府県で偏在をした税源である、しかもこの偏在をした事業税が地方税収入のうちで六〇%を占めておる。こういうふうな事業税の性質から見て、一体自治庁の皆さん方はこの現状のままで、こういう分配状況にある事業税がいいと思うのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(黒金泰美君) 今事業税につきましては非常に大きな問題があると思います。課税の対象として農業関係ははずれておりますし、従いまして、いわゆる農業県といわれるところは非常に税収が少い。そんなような点もございますし、今お話のございましたような、一体性格的に見ましても問題もございますし、本質論なりあるいはその分布状況の現状というような点からいたしまして、われわれとしましては先ほど税務局長から御説明申したように、法人税なりそういった企業全体の問題を一体どうやったらいいのか、根本的に一つ検討しなければならぬ、こんなふうに考えております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 繰り返して申しわけありませんが六〇%を税収入中事業税が占めて、さらに六〇%が六つの府県に集まっておるということにつきましては十分に御検討願いたいと思います。 それから次の問題に移りたいと思いますが、このただいまのお話がありましたが、農業を課税対象から除いた理由はどういうことですか。
○政府委員(金丸三郎君) 私の考えておりますところでは、第一に、わが国の農業は、申すまでもなく非常に耕作反別が少くて、いわゆる非常に零細な農業であるということ、従いまして、担税能力が非常に少い、むしろ相当に保護する必要があるというようなこと、それから、農業につきましては、規模が零細でございましたり、また、主たる農業が米作でございますから、米価が押えられておる関係から、ほかの事業と違いまして、いわゆる収益性に乏しい、こういうようなこと等から、農業に対しては事業税が課せられていない、こういうふうに考えております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 私もそういう理由からだと思うわけであります。しかしながら、もう一点、観点を変えて、やはり府県でもって相当の農村対策をやっておられる。灌漑、排水その他いろんな事業をやっておられる。この現状からしまして、先ほど物税というお話がありましたが、やはり物税的な観念からいたしましても、府県の財政というものは府県民全体が公平にになうというのが妥当な税制ではないかと思うのだが、その点いかがでしょう。
○政府委員(金丸三郎君) 御趣旨につきましては私ども全く同感でございまして、いわゆる農村の多い府県あるいは市町村が非常に財政的に困難をしているということは、農業関係の税負担が少いからでございますけれども、また、その実情を見てみますというと、実際に税以外におきまして、たとえば、土地改良の関係でございますとか、あるいは農業協同組合の関係でございますとか、いろいろな面におきまして、税以外に農家が毎年負担をしております負担というものも、相当重くなっておるようでございます。また、実際に農家の経営を調査いたしてみますというと、一戸平均、地帯によりますと、数十万の負債を持ってそれを返還することにあえいでいるというようなところもございましたりいたしまして、私どもも農家にできるだけ応分の負担をして、府県なり所在の市町村の施設の向上をはかっていく、また、農業自身が振興されることに応分の協力をする、こういうふうにもっていきたいと考えておるわけでございますが、これは農業課税全般の問題になり、あるいは国の農業政策にも関連をして参るのではないかと思っておるわけであります。従いまして、地方におきましては、たとえば固定資産税につきまして、農家についていろいろ軽減の措置も考えておりますけれども、住民税におきましては、都市に比較いたしますとオプションツーを採用して、相当に住民税としては重い。また、府県につきまして府県民税が創設をされましたのも、農家とは限りませんけれども、やはりできるだけ広く農家に至るまで府県の負担を分担をしてもらう、こういうような趣旨に出ておるわけでございまして、私どもも今後の税のあり方といたしましては、農業事業税でなく、農家というものに対して、地方税、国税を通じて、どういうふうにあるべきかということがやはり大きな一つの課題になって参る、かように考えておる次第であります。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 今農業課税全般というようなお話が出ましたので、もう一点お尋ねをいたしておきたいと思います。私昨日国税の税制改革の問題についてもお尋ねをしたわけでありますが、黒金政務次官もおそらく御記憶にあると思います。昭和二十五、六年ごろにおきましては、農業に対する国税の課税と商工業その他に対する課税の金額というものがほぼ同額程度でありました。ところが、本年度の予算におきましては、いわゆる中小企業その他の個人の事業課税、これが三百五十億、農業に対してはわずか三十九億しかない。これは日本全体ですよ。日本全体で農業に対する所得税の総税額が三十九億。これはオプション・ツーとか今昔っておられまするけれども、こういった国税の現状を考えて、そうして住民税というものをもう一ぺん考えてみたら、私は、今の金丸局長のお話は逆になると思う。現にごらんなさい。地方へ行きまして、俸給取りとそれから農業所得者と中小企業者の住民税の負担がいかに不均衡であるかということは、もうすでに御存じでしょう。従って、私は、農業課税全般について御検討いただくのはけっこうだけれども、住民税や何やら考えておるということは実際逆なんだ。ごく簡単ですから、私のそれが間違いかどうか一ぺんここでお答えを願いたい。
○政府委員(金丸三郎君) 総体的に国税、地方税を通じますというと、やはり地方税につきましては、農家と申しましょうか、農業関係の人は、相当国税よりも重い負担を——重いと言うと語弊があるかも存じませんけれども、しておるのではないか。住民税に例をとりますというと、ただいまおっしゃいました通り、それはやはり給与所得者の方が住民税は重うございます。ただ、都市と農村を比較いたしました場合、都市ではオプションワンを採用しております。ほとんどオプションワンと申してもよろしゅうございますけれども、農村に参りますというと、やはりできるだけ広く農家に至るまで負担をしてもらいますためにオプションツーを採用しておると、こういうことは、ほかの面において農業に対する税の負担のいたしようがございませんから、住民税において負担をしてもらっておる。その負担のいたし方は、それは確かに勤労所等者の方が多うございますけれども、できる限りと申しましょうか、市町村の財政の事情もございますけれども、住民税においてオプションツーを採用しておることは、私は、やはり農業関係のことが相当に考慮されておると、かように考えておる次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 今のお答えはあまり満足をしませんが、時間がありませんので、次に移ります。 その次に、これはもう簡単でよろしゅうございますから、昭和二十五年の個人に対する事業税の総額、法人に対する事業税の総額、これを一つ。
○政府委員(黒金泰美君) 個人の方が二百三十七億、法人が百六億、合計いたしまして三百四十三億になっております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 昭和三十三年の同数字を。
○政府委員(黒金泰美君) 三十三年がちょっと……。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 三十二年でもけっこうです。
○政府委員(黒金泰美君) 三十二年は、個人が百六十億、法人が千七十三億、合せまして千二百三十三億になっております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) そこでお伺いをいたしたいのでありまするが、昭和二十五年から昭和三十二年まで七年ですか、この七年の間に、昭和二十五年では全事業税に対しまして、個人の事業税が七〇%を占めておった。それが累年減少いたしまして、昭和三十二年にはわずかにこれが一三%に激減をしてきておる。要するに、法人と個人の事業税に対する負担関係が七年間に逆になったのみならず、個人が七〇%から一三%まで激減をしてきた。この理由についてお伺いしたい。
○政府委員(黒金泰美君) これは実は二十五年を基礎におとり願うことがあるいはどうかなという感じがいたすのでございます。と申しますのは、二十六年から申告課税です、切りかえをやっておりますから、しかも、二十六年、二十七年と個人の方が二百三十七億、二十五年が、二十七年には三百四億に実はふえております。それから、同時に法人の方も二十五年の百六億、二十七年ですと五百七十九億にふえたりして、このあたりを実は基礎にとっていただいた方が無難じゃないかと思うのでありますが、それにいたしましても、個人は半減して、それから法人は倍加している。この一つの原因は制度上、個人につきましては何回かの減税をいたしております。それから、いま一つは、これはもうとくと御承知の通りでございますが、法人成りが非常にふえておりまして、今お話しの昭和二十五年には二十三万八千の法人が今では四十三万八千にふえておる。めぼしいところがみんな法人になってしまったということと、下の方からは制度の改正によりまして脱落が出てくるというためかと思うのであります。
○担当委員外委員(塩見俊二君) ただいまの御説明の通りと思います。御説明の前段の個人に対する負担の軽減といいますか、軽減も相当に行われてきたわけであります。 そこで、今回の改正の問題についてお尋ねをいたしたいのであります。今回の改正では、まず個人の事業税につきましては、基礎控除二十万円に引き上げた。これは私は非常にけっこうな改正だと思うのでありまして、ところが自治庁では何か基礎控除はあまり触れずに免税点を二十万円にしようというような案があったやに伺っております。そこでこの免税点と基礎控除を併用した理由、併用した理由はなるべく地方財政に欠陥の生じないという配慮からか、あるいはまたその方が負担の公平、税の性質から適当だとお考えになったのか、その点。
○政府委員(黒金泰美君) 過程におきまして、そういう案を考えたこともございます。ただ率直に申しますならば、あまりくどくなりますので、そういう制度よりはすっきり基礎控除ならば基礎控除だけでいった方がいいじゃないかというようなことで、こうなったわけでございますが、その当時考えましたことは、十二万円から二十万円まで、普通の常識で申しますると、かなり大幅な引き上げでございます。それが一点と、具体的に考えてみましても、たとえば山梨県の一例をとりますると、現在の事業税収入の六割がこれでなくなってしまうのです。あまりの激変で、これは困るじゃないかといったような実情と、両方から、まあ一時多少けちくさいことかもしれませんが考えたことがございます。ございますが、まあ改正するならば、すっきり基礎控除だけでいった方がはっきりしていいし、めんどうでもないということで、今の案に踏み切ったような次第であります。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 今山梨県のお話が出ましたが、これはあとで別にお尋ねいたします。個人の基礎控除一本でいった方がすっきりしたという御説明に納得いたします。そういう御趣旨の御説明だと思いますので納得いたします。 それで次に、法人税につきましては、私は五十万円以下の法人に限って、そこでお尋ねいたしたいのであります。この五十万円以下の法人に対しまして現在八%から七%に下げることに決定した。それで、この七%に下げた五十万以下の法人の負担と、この基礎控除二十万円にして六%の税率でもってかけておる個人の負担、これでもって均衡を得たものとお考えになっておるかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(金丸三郎君) まあ結論から申し上げますというと、私どもはおおむね結論を言えるのではないかと、かように思うわけでございます。と申しますのは、五十万と仮定をいたしました場合、個人事業税につきましては今回基礎控除が二十万になりますと、その三十万に対しまして六%の税額がかかるわけでございます。かりに同じような収入のございます個人企業、たとえば八百屋さんでも、あるいは魚屋さんでも、これが法人成りをいたしたと仮定をいたします。御主人が社長になって毎月二万円の俸給をもらうといたしますと、それだけで年額二十四万円、それに若干期末手当とか、いろんな経費等を差し引きますというと、三十万円程度は私は軽く必要経費として税の対象外になって参るのではないかと、かように思うわけでございます。そのような関係からいたしまして、個人事業税が従来六%、法人事業税は従来八%であったわけでございますが、できるだけ中小法人の法人事業税の負担も、個人事業税と同様に軽減するという趣旨から法人事業税、五十万以下の税率八%を引き下げるのにつきまして、六%にすべきかあるいは七%にすべきかということで検討をいたしたわけでございますが、やはり個人事業税と法人事業税との実質上の負担関係を考えました場合、また全国的に法人成りが多いということは、あるいは三万とか四万とか称されておるわけでございますが、これはいろいろ理由もあろうかと思いますけれども、やはり法人の方が税の負担が軽いということは争われない事実じゃなかろうかと思うわけでございまして、同じような率にいたしますことは、個人事業税の方との均衡を失するのではなかろうかと、かように考えまして七%にいたした次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 私は今の専門家の税務局長の勘が必ずしも正確でないと思う。これは黒金政府委員もおられるので、実際この五十万円以下の中小企業者の法人成りになったのを、これは隣の魚屋が個人で、こっちの魚屋が法人だ。実際税務署が調べる場合においては、もう初めから答えを出してかけていっておる。初めから答えを出して、なるほど月給がどうとか何がどうとかいうけれども、答えが先に出て、実際は中小法人に課税されておる。あなたは法律の規定だけ見ているのだから、実情を知らぬから、そういうことを言われる。五十万以下の法人に対する課税というものは五十万円以上の非常にきちっとした法人とは全く違う。この実情からいけば、私はこの七%というものは、実際私の勘からいえば、過酷に過ぎる。これは、私はもう一つ、時間がありませんので、結論的なことを申し上げます。個人について自治庁当局が最初基礎控除十五万円、それで免税点を二十万円とし、これに見合って法人税は七%であなたたちはいいと思って最初案を作ったのだ。それを基礎控除二十万円と最終段階になって変ったものだから、七%では高過ぎることとなった。私は実際はそうだと思うがいかがでしょうか。
○政府委員(金丸三郎君) 私どもは先ほどお答え申し上げましたように、制度自体として見ました場合は、やはり個人事業税と法人事業税の五十万までの所得に対しまして、同じようにすることはやはり均衡をむしろ失するのではないかと、こういうふうに思いまして七%にしたわけであります。
○担当委員外委員(塩見俊二君) きょうはこの問題はなかなか重大なデリケートな点がありますから、これ以上御質問をいたしません。まあただいまの金丸局長の御発言を了承いたします。 その次の問題について伺いたいと思います。もうずいぶん時間も過ぎましたので、事業税につきまして、今少しく伺いたいと思いましたが、別の機会にいたしまして、固定資産税の問題につきまして伺いたいと思います。この固定資産税につきましては、地方制度調査会その他におきましても、現在の税率を引き下げたらどうかという、こういうことがしばしば問題になったわけでありまするが、これを引き下げなかった理由は、財政上だけの理由か、あるいは引き下げない方が負担の公平上適当と認めるのか、その点一つ最初に伺います。
○政府委員(黒金泰美君) 引き下げれば一番いいのでありますが、財政上の理由が一番中心でございます。ただ一つつけ加えさしていただきますならば、固定資産税の問題は、税率の問題もさることでございますが、固定資産の評価の問題が区々といっては恐縮でございますが、なかなかうまくいっていない。むしろこれを時価主義なら時価主義に統一して、もう少しはっきりと均衡を得ました評価、これは別途そういう調査会を今お願いしているわけでありますが、それができたところでもって、その評価額を見て、そこで税率までいった方がいいんじゃないかというような考え方で、両々相待ちまして、あとに見送った次第であります。
○担当委員外委員(塩見俊二君) それから宅地、家屋につきまして、昭和二十五年以来の売買価格に対する指示価格の割合をお示しいただきたいと思います。パーセンテージだけでよろしゅうございます。
○政府委員(金丸三郎君) 田について申し上げますと、昭和二十五年が八四%でございます。三十二年ではそれが二四%になっております。畑は昭和二十五年が八二%でございましたのが、三十二年度には二六%。宅地では昭和二十五年の七四%でございましたのが現在一六%、かようになっております。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 家屋……。
○説明員(鎌田要人君) 家屋につきましては——ただいま申し上げました田、畑、宅地でございますとこの勧銀で実施しておりますところの売買実例価格がございます。家屋につきましては、そういう統一的な資料がございませんので、この時価に対して、全国売買実例価格に対して何パーセントという資料はございません。
○担当委員外委員(塩見俊二君) これはまことに私は恐るべき問題だと思います。売買価格に対しまして、昭和二十五年に八二%の価格でもって課税しておった。それが現在では売買価格に対しましてわずか二六%の課税標準で課税されておる。これは実質的に非常な減税です。私は自治庁当局が行政指導でもってこれは減税しておると思う。いわゆる指示価格の与え方いかんによって、どうにでも税の負担の変動がある。こういう恐るべき租税制度というものは、私は外国にもないと思う。こういうふうに指示価格だけで非常に大きな負担の変動がある。この前の税制改革の際は、あの一・四を一・三にすることも反対された、非常な強い反対があった。しかしながらこの減税はどういうことですか、実質的には。これをお答え願いたい。
○説明員(鎌田要人君) 今申し上げましたのは、売買実例価格と指示平均価格との対比でございまして、片方指示平均価格の推移を見て参りますと、二十五年から倍ちょっとになっておるわけであります。従いましてこの売買実例価格との対比で毎年々々減税をやってきておるとおっしゃるのはちょっと当らないのでございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) しかしながら、まあ三年間は一応据え置き、それから三年後にはこれを改定をするといったような場合、この数カ年過去から見まして、実際あの——時間がないから申し上げませんが、固定資産税の税法にはいわゆる価格、この価格とは何ぞやということが非常に疑問です。こんな不明確な法律の規定はない。この価格も非常に不明確だが、こういうふうな過程において、あなたが今おっしゃったように、ほんとうに課税標準というものが、統一された形で課税標準を下げずにきておる。ちゃんときておったら、こんなに違うわけはない。これをもう一ぺんお答え願います。
○説明員(鎌田要人君) 御指摘になられますように、ちょっとこまかくなりますが、二十五年は当時の賃貸価格を畑以外は九百倍いたしましてそれを時価としたわけでございます。それから畑につきましては千八十倍いたしました。従いまして、その当時におきましては、比較的時価との格差というものはなかった。その後簡易評価倍数をやめまして、それで市町村の個々の評価というものに移って参りました際に、やはり市町村におきましてやや技術的な未熟の点がありました。あるいはまた市町村におきましては、賃貸価格のこの評価倍数というものをそのまま使っておったところがございます。そういった点もございまして、二十七年から、私どもの方で指示平均価格の制度というものをとりながら、全国のまず均衡をとる。それで漸次時価に近づけて参る、こういうことをいたして参ったのでございますが、やはり特に土地評価の引き上げといったような問題につきましては、いろいろ実際負担に与える影響等もございまして、急激に引き上げることができないといった事情もございまして、今日のような状態になっている次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) これはもう時間がありませんので、もう少し究明をしたいわけでありまするが、省略をいたします。ただ私もう一点だけ申し上げておきたいのは、この地方税法の固定資産税の価格というものはきわめて不明確なんです。これだけ重い負担を国民にかけるのに、こんな不明確なものは、これはありはしないのです。また一体自治庁は技術的に協力すると言っているけれども、この技術的に協力することが、実際は課税標準に触れておる。非常に大きく触れておる。こういうことで、これは法律ではないのです。これは今度根本的に改正する場合には、ぜひとも御考慮を願いたい。これを政務次官にちょっとお答え願いたい。
○政府委員(黒金泰美君) ただいまお話のような点がございました。同時に、党の中におきまする委員会にありましても、また政府の側で諮問いたしました委員会でも、むしろそういう評価のもとに立っていながら、税率を云々するのはおかしいじゃないかというぐらいの強い御意見がございました。ごもっともな御意見でありますので、固定資産評価委員会、これを設けて、どういう評価方法がいいのか、時価主義でいくのか、一体何でいくのかという根本から始めまして、同時に、それがかりにきまりますれば、どうやって調査するか。また現実の評価額は一体幾らになるかということを、これから二年間にこれを調査決定をいたしまして、今御指摘のような弊害を除去して参る決心でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 私は昭和三十年にアメリカでシャウプ博士に会いましたときに、シャウプ博士汁自分の勧告をした税で、地方税はほとんど勧告に基づいておる。事業税しかり、あるいは固定資産税しかり、みたアメリカの占領治下の色彩なんです。これは根本的に当然検討しなくちゃならぬ税であるわけでありますが、このシャウプ博士が私に、私が実は勧告した税金はどうなっているか、非常に心配をしておる。一体日本の国民の間に評判がいいのかどうか、あれでよかったのかどうかということを、私に非常にしつつこく聞いたわけであります。そこで私は、昭和三十年でございましたから、日本のインフレはおさまり、まただんだん経済も安定をしてきて、大体あなたのやられたのはそう悪いことはないんだ、なかなかいいんだということを私はほめたわけであります。しかしながら、ただあなたは非常に大きな二つのミステークをやっている。その一つは、国税におきまして日本の国情を無視する——日本は納税を義務と考えている、どうしても日本人というものは税金を納めなければいかぬと考えている。ところがあなたは日本に来てあの過酷な査察制度、あるいは重加算税、あるいは無申告加算税、非常におそろしい罰則というものを日本に持ち込んで来て、納税者を威嚇しながら、税金を取るという制度を日本に持ち込んだ。これはあなたの日本に対する大へんな一つの過失的な行為だ、これが一番大きなあなたの欠陥の一つだ。それから第二点としましては、ここに問題になっている固定資産税の評価について、あなたがばらばらにてしまったものだから、この国民の一番本事な財産の土地、家屋あるいは償却資産、こういうものの評価がめちゃめちゃになってしまった。また一応の取引も、家屋台帳なりあるいは土地台帳を見て、それで、一応取引の場合にも、これを参考にする非常に重要な経済資料なんです。これをまるでめちゃめちゃな、あくどいことにしてしまった。これはもうあなたの日本に残した二大過失の一つがこれである。昔は税務署において、家屋台帳、土地台帳を置いて全国一ぺんに非常に大がかりにたくさんの金をかけて、そうして統一的な調査をやって均衡を保った。ところがあなたの勧告のおかげで、ばらばらになってしまった。これはあなたの二大過失なんだから、一ぺんこれができると日本ではなかなか改正をようしない。ようしないから、二大過失をしたということを率直に日本で公けの席で申しなさい。そうすれば、この改正というものは早くできるだろうということを、私はシャウプ博士に言ったら、いや、そういうわけにもいかぬということであったわけですが、私はやはりこのシャウプ博士の勧告によって、この固定資産に対する評価がめちゃめちゃになったということは非常に大きなあやまちである。このあやまちをわれわれ日本人が受けたのだから仕方がない。受けたら早く直すというのは当然のことである。ぜひともこれはほんとうに根本的に直してもらわなくちゃならぬ。 私は時間がありませんので簡単に言いますが、たとえば市町村長が決定するとなっているこの評価を、一体市町村長が決定する場合に、あるいはこういう政治的な理由によって多少のいろいろな色をつけることもありはしないか。あるいは評価の能力等によってだいぶ違ってくる。ところが自治庁はこれを監督して是正する権能がない。こういうことが重なっていきますと、もうあなたたちが幾ら何と言ってみたって、これは評価は問題にならない。これは今黒金政府委員からもお話がありましたが、これはぜひとも根本的にやってもらわなければならぬ。 そこで一点だけ繰り返してお尋ねしたいと思うわけでありますが、こういうふうに地方の各自治体に決定権を今後ともまかしていくのかどうか。あるいは統一的な機構でもって、組織でもって、これを調査をさしていくのかどうか。いかないと幾ら調査会を作っても、こういうようなことをやらしてみても成績が上らない。自治庁におそらく何らかの方針があろうと思う。その点一つお聞きしておきます。
○政府委員(金丸三郎君) 固定資産税の評価の問題につきましては、ただいま御質問の中で御指摘のございました通り、大きな問題が二つございます。一つの評価のいたし方につきましては、先ほど政務次官からお答え申し上げました通り、評価制度調査会において十分に検討をいたしまして、全国的な、また同じ府県における市町村間の統一をとり、かつ国税とか登録税等の関係の均衡もはかるようにいたして参りたいと思います。 第二点は、かりにそのように評価の方法あるいは基準をりっぱなものを作りましても、その通りに行われることを確保いたす組織と申しましょうか、方法を講じなければならないわけでございます。現在知事の示しました基準に準じて評価するということになっております。知事に現在でも修正勧告の権限がございますし、これでも相当に修正をいたさせることはできますけれども、やはりできますならば、法律によりまして、それによって評価をしなければならない、こういうような法律的な規制をすることができないかどうか、市町村の税であるということにいたしますと、市町村の自主性を尊重いたさなければなりませんので、今後の私どもの研究の大きな一つの法律上の問題といたしましては、基準によって評価するというような制度を作り得ないかどうかということが一つでございます。もう一つは、ただいまも御質問の中に出ましたように、組織の問題でございまして、制度としては私どもやはり市町村の、最も安定した伸びのある税でございますので、市町村の税として残していきたい、こういう考えでございますが、そうすれば、評価の統一あるいは適正の確保ということを組織的にどういうふうにするかという問題がございまして、そうすれば、あるいは評価委員という制度を作りますとか、あるいは少くとも府県単位に法律的な権限を持った委員会みたいなものを設けまして、それが適正な評価と市町村問の統一、こういうものを確保するようにする必要があるのではないか。私どももやはり何らかのそのような組織が必要であろう、かように思っておる次第でございます。まだ私どもの考えも熟しておりませんけれども、少くとも府県単位にそのような機構を設ける必要があるのではなかろうか、従いましてそのような法律上の問題と組織上の問題と両面から、ただいま御指摘になりました評価の適正化が確保されるように結論を得たいと、かように考えておる次第でございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) なかなか名答弁で、よく私には理解ができなかったのですが、さっきお伺いしますと、これは昔でも地租、家屋税が地方に移譲されたときにも、その評価と台帳の保管だけは国がやっていた。市町村税を取り上げるという問題と評価を統一機構でやるということは全く別問題である。そうかといって、あなたのお話をうっかり聞いておると、これは市町村税だから、非常に将来見込みがある税だから、市町村が扱わなければならぬということになると、やはり地方の間の負担の不均衡を是正するようなニュアンスのお答えになる。私はそこをはっきり区分して、税は市町村でお取りなさい、評価は別個の機関でやりますよ、市町村でやらせると、こういうような団体にはどうしても甘くなり、貧弱な団体にはどうしても辛くなる、これは人情です。そういうふうに甘くなったり辛くなったりさせないように、税は市町村でお取りなさい、評価は別な機関でやりましょう、こういうお考えはないのかどうかということを私ははっきり一言でいいからお答え願います。
○政府委員(金丸三郎君) まだ調査会ができたわけでもございませんし、従いまして私どもの考えも先ほど申し上げました通り固まっておるわけでもございませんけれども、やはり市町村という自治団体を私どもはできるだけやはり信頼をして参らなければならない、それが建前であろうと存ずるわけでございます。従いまして現在の気持ちといたしましては、やはり市町村長が評価するということにいたしまして、ただ評価の仕方として、法律的な規制と、それから組織によります規制と、両面から、適正なる時価によりましてかつ不均衡のないような評価が行われるようにできる方法はないだろうか。あるいは塩見委員のおっしゃいますような意見もおそらく出ようかと思います。実はこれは国税にも関係がございますので、一緒にやって参るつもりでございますけれども、まだ結論は、非常に大きな問題でございますので、簡単には出ませんけれども、趣旨としては私どもは市町村のやはり自主性を尊重する立場から、できるだけ制度的に解決をいたして参りたい、気持としては現在はそのような気持を持っているわけでございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 私はその御説明は全く承服ができない。市町村の自主性を尊重して、そうして尊重しつつやっていきたい、これは負担の不均衡になろうと、評価の不統一になろうと、全然考えておらない。幾ら負担の不均衡のないようしてやりますとか、そういう基準を法律で作りますとか言ったって、とにかく税率は法律できめるのだから、どこに自主性があるのですか。一体自主性があるとすれば、結局市町村によって違う甘辛の課税標準をきめるということが自主性になるんじゃないですか、そこをもう一ぺん答えなさい。
○政府委員(金丸三郎君) 自治であります以上は、私はそれは若干のでこぼこはあるかもわからないと思います。国税でなければ……。しかし市町村にいたしましても、やはり資産の評価につきましては、私の承知しております限りにおきまして、やはり納税者の批判もございますし、市町村の議会の監視と申しましょうか、そういう点もございまして、私はそうそう野放図に勝手な評価が行われているものではないと、かように思われるわけでございます。自主性を尊重しつつ先ほど申しました説明が足りなかったかわかりませんけれども、現在は基準に準じて評価をするとなっております。それをやはに基準によりまして評価をするというように、法律的にもっときつくと申しましょうか、いわば法律通りにやると申しますか、法律で相当に規制するような評価の基準ができないだろうか、まあこういうこと、それからやはり府県ごとに統一をいたしますような組織を設けることによって、まあ統一ができるのではなかろうか、この点を十分に検討いたして参りたいと、かように考えているわけでございます。
○担当委員外委員(塩見俊二君) 私はまだまだ今のお答えでは承服をいたしません。やはり依然として——あなたは国税に取り上げるというようなことを今ちょっと言ったけれども、私はそういうことを言っているのではない。あくまでも市町村税は市町村がきめられる税率でやればいい、課税標準を……。いわゆるこの評価というものを別の機関でやったらどうかということをお尋ねしているわけで、あなたといつまでたってもピントが合わない。これはもうこれ以上追及しません。 それからもう一点。これは現実この問題として、これに関連することだから……。あなたたちは基準価格というものを指示しておる。きついものを指示している。これはだれが作るか。だれがこれに結局権威を与えているかというと、実はこれも法律以上の大へんな魔物なんだ。法律の、何分の一、百分の一・四とかいうことは、負担の税率できまっているけれども、これを動かす方がなんぼこわいかわからない。一つもだれからも権威ずけしておらない、だれも監視しておらない、自治庁のお役人が勝手に作っている。これのごときは、実はこの表は国会に出して、国会の審議を受けるべきものだと実は考える。ああいうことを勝手に作って、法律の税率はこれでございますと言って、毎年々々——毎年じゃない、三年に一ぺん勝手に課税標準を変えて……。要するに、税の負担というものは法律で定めなければならない。自治庁や市町村が勝手に標準をきめちゃならぬ。これは私は世界共通の鉄則だと思う。イギリスの国会だって、そもそも税金をきめるためにできたものだ。この国会の権威、権限の中から、これだけ大きな税の負担をきめる権限というものを、自治庁のお役人や市町村の村長に、これは白紙委任状で渡してあるということは、非常なこれは私は間違いだと思うので、政務次官、これだけを最後にお尋ねをいたしまして、私の質問を終ります。
○政府委員(黒金泰美君) 先ほど来税務局長からいろいろ御答弁させておりますが、率直に言いまして、まだ調査会をようやくやろうじゃないか——まあ今までこの問題について気がついていなかったわけじゃございませんけれども、今度の税制改正を機会に、非常に要望のされ方が大きいものですから、この機会に根本的に考えていきたいということなんでございまして、実は今の税務局長の答弁いたしましたところも、これは率直に申せば、私見ではないかと思います。御承知の通りに、国で統一いたしてやっております方針もありまするし、また課税権者にまかせまして、そこの不均衡だけをあとで是正するという方法もございます。その問題をもちろん含めまして、これから十分にいろいろ検討して参りたい。また同時に、今お話ございましたような点は、これは確かに一つの大きな欠陥でございまして、その欠陥のために、今問題になっておりますような問題を起しておるのでありますが、その点を法律で、時価なら時価ということにきめますれば、いかに何でもそうむちゃな——今話に出ましたような実例価格と非常に食い違うということは、これはあり得ないのであります。法律ででき得る限りこまかくきめて参る。ただ実際問題としまして、それらの法律を運用するに当りましてのやはり認定の問題はございましょうけれども、でき得る限り認定の幅を狭くして、国で統一していくにいたしましても、あるいは地方にさせるにいたしましても、そこで自由な裁量の余地の少いように、国会でおきめ願えるように、こんなふうにして参りたいと考えて、一つ調査会に臨みたい、こんなような考えでおります。
○担当委員外委員(塩見俊二君) ありがとうございました。
○主査(小柳牧衞君) よろしゅうございますか。他に御質疑はございませんか。——別に質疑もないようでありますから、内閣及び総理府所管の質疑は終了することに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。 本日はこれにて散会をいたします。 午後六時四十九分散会