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31回国会参議院1959/03/18

予算委員会 第13号

発言数
179
登壇者
24
会派数
4
開催日
1959/03/18

会議録

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) ただいまから委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について報告いたします。  戸叶武君が辞任し、その補欠として松浦清一君が、林田正治君が辞任し、その補欠として岩沢忠恭君が選任せられました。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 理事栗山良夫君より、理事を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 御異議ないと認めて、これを許可いたします。  理事の辞任に伴い、理事が一名欠員となりましたので、その補欠互選を行います。この互選は、成規の手続を省略して、前例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 御異議ないと認めて、委員長より松浦清一君を理事に指名いたします。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 昭和三十四年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算を一括して議題といたします。  前回に引き続いて、一般質疑を行います。  厚生大臣から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。

坂田道太自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坂田道太君) 先般の八木委員の御質問に対しまして御答弁を申し上げます。  病変米の処理状況はどうかということと、それからその病毒の程度はどうかというお尋ねでございましたが、良質米で菌検査の結果、無菌と認定されたものは食品加工用に、良質米で菌検査の結果、不合格となりましたもの並びに中級質米及び下級質米は高級染色のり用、本来米を使用する飲用アルコール用に処分をしてきた結果、農林省におきましては、昭和三十三年十二月二十五日をもって処分を完了したことを確認いたしております。在庫急変病変米十五万二千百十三3トンの処分内訳は次の通りでございます。食品加工用八万二千二百八十七トン、飲用アルコール用二万二千七百九十九トン、高級染色のり用二千八百九トン、工業アルコールその他用三万六千三百五十二トン、その他七千八百六十六トン、計十五万二千百十三トンとなっております。  それから毒性の程度でございますが、これは詳しいことは書類でもってお答えを申し上げたいと思いますが、ラットにつきまして、急性のものは大体運動神経細胞の麻痺の程度でございます。それから長期のものにつきましては、体重曲線が漸次下って参る、あるいは致死率の曲線は、肝臓機能障害が慢性中毒症状を呈しまして、そして死亡に至る、こういうような程度でございます。いずれこの点につきましては、詳しく書類をもって御報告を申し上げたいと思います。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) それでは、竹中恒夫君の質疑に入ります。竹中恒夫君。

竹中恒夫無所属クラブ

○竹中恒夫君 私は、社会保険関係につきまして、予算の配分で二、三疑点をただしたい、かように存ずるのでございます。  大蔵大臣は、昨年の十二月の二十二日に、社会労働委員会において、社会保険に対する基本的な考え方をお述べになられました。その考え方は、まことに傾聴に値するものでございまして、御認識、御理解の深さには敬意を表するものでございます。とりわけ、その基本的考え方の第一点として、各種社会保険の均衡ということを論じられ、一つの制度が独走することは困るのであって社会保険のそれぞれの総合調整を国庫の負担の上においてやって、一様に進めていきたいというお考えであられるということでございました。いま一つは、この際わが国のおくれた社会保障制度を、とりあえず窓口を先に広げることによって奥行きに漸進するのだというお考え、この二つにつきましては、議論もあろうと存じまするが、一応私としても賛意を表するところでございます。ところが、この各種社会保険の均衡につきまして、問題点が一、二あるようでございまするので、この機会にお尋ねをいたしたいと思うわけでございまするが、社会保険の各保険ごとの制度上の均衡も大事でございまするが、むしろそれに先行して大切なことは、わが国の総予算の上における社会保障制度のウエートと申しまするか、政策の軽重、序列の上から考え合せまして、少しく総予算の上からの均衡を失しておるのじゃなかろうかという感じを私は持つわけでございます。なるほど、三十四年度は、厚生省関係では千三百五億ばかりの予算が計上されまして、前年に比べて二一%の増であって、二百三十億円もふえておるのだというような一応説明がなされると思うのでございまするが、この二百三十億円の中には、国民年金に百億円とか、あるいは国民保険の推進に新しく五十五、六億円の増加があるわけでございまして、全体を見た場合においては、むしろ社会保険というものは、二百三十億という予算の増額にかかわらず停滞しておるような感じを私は持つわけでございます。  この点が一点と、なお第二は、社会保険の均衡を論じておられまするが、もとよりこれは賛意を表するところではございまするが、均衡になるためにレベル・ダウンを来すような均衡であってはならないと私は思うわけでございます。高いものを、高い制度に対しては足踏みをさして、低いものをレベル・アップをするのには、国の相当の援助が必要だろうと思うわけであります。ところが、今回の一応見ますというと、高い制度のものをちょん切って、これを低いものに流用したり、あるいは新しい制度に援用するというようなところがあるようでございます。たとえて申しますというと、健康保険が黒字であるということのために二十億円を減額されておるわけであります。あるいは失業保険にいたしましても、国の負担は三分の一から四分の一に減額なさって十七億円ばかり金を浮かす。そうしてこうしたものを日雇いに十八億円持っていったり、あるいは厚生年金にいたしましても、標準報酬の引き上げやら、料率の引き上げをなさるというふうに、まことに社会保険そのものを見ますというと、レベル・ダウンのような結果が出ておる。こうした点について総予算の上から果して均衡を得たものかどうかということをお聞きいたしたいと思うわけでございます。  なおこの問題に関連して、厚生大臣にお聞きするわけでございまするが、健康保険の黒字の出たゆえんというものは、相当私は検討を要すると思う。ただ自然の姿で二十億円を減額していいのだ、国庫負担が減額されていいのだというわけに参らぬと思う。二十九年、三十年の赤字対策として法律を改正なさって、一部負担を加重し、あるいは標準報酬を上げられたということは、明らかに被保険者に対するしわ寄せだと思うわけでございます。なお、その際に行政措置として保険料率を引き上げられたことと、いま一つは、自粛による制限診療を強いられたわけであります。こうした不自然な形によって健康保険の黒字が出ておるわけでございますが、この際国が二十億円を減額するとすれば、当然保険料率の引き下げを行わなければならぬと思うわけでございますが、なお大事な問題は、医療でございますから、医療に自粛ということははなはだ不自然なことであり、しかも新点数表、特に甲表につきましては、診療には制限がないのだという建前で甲表が取り入れられておるわけであります。もう一つは、自粛診療の項目は、この甲表ではきわめて点数が低くなっております。点数が低くなっておりますので乱診になるというような憂いはございません。従いましてこういう不自然なことによって黒字が出たということでございまするから、まず国庫の負担の減額でなく、こういう不自然な自粛診療を復元させ、並びに制限診療の撤廃というようなことを当然なさるべきであろうと思うわけでありますが、まずこの点について蔵相並びに厚相に御所見を承わりたいと思うわけでございます。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。社会保険費を一般予算の上から見てどういうように考えておるか、どういう割合いになっているかということでありますが、三十三年度二百二十五億、三十四年度二百九十三億ということでございますので、ことしは六十七億ふやした。大体割合いといたしますと三割程度でございます。これが必ずしも割合いがいいから、総予算の伸びに対しての割合いから見てはこの割合いでいいじゃないか、こんな失礼なことは申すつもりはございません。最近の予算の傾向といたしまして、特に増加率の大きいものが社会保障全般についての問題でございますし、その中の社会保険等もそういう意味で十分考えをまとめて、強力な福祉国家建設、こういう意味で予算を組んでおるつもりでございます。そこでいろいろ御推進なさる方からお考えになりますと、なお不十分だというような御批判もあったかと思いますが、ただ傾向としての、また政府の力を入れておる点を御了承賜わりたいと思うのであります。  そこで、先ほど来お話がございました各種社会保険についてのいろいろにらみ合せで、その点は一応納得がいくが、内容的に見るとレベル・ダウンになるじゃないか、現実に失業保険などの高率の国庫補助というものを後退する、これなどはレベル・ダウンじゃないか、こういう御批判であったと思います。もともと社会保険の内容は、給付の面についての考慮が十分されないと、このレベル・ダウンかあるいは水準を引き上げるかという問題には実はならないと思うのであります。今回やりました事柄は、ただ会計の状況から見まして、国庫負担がいかにもまちまちになっておる。しかも高率であり、成績が非常にいい、他の方では非常に成績がまずい、こういうものがあっては、社会保険の今後の仕事のしぶりから見ましても不十分だ、こういう点で、まず国庫負担率の均衡を得るというか、現在の状態から見まして、いいものは一つ国庫の補助も後退しよう、こういうことでならしたのでございます。いわゆる国庫補助率が幾らが適当だとか、こういう意味のレベル・ダウンとかいうような意味でないことは、一つ御了承いただきたいと思うのであります。私どもの今後の問題といたしましては、社会保険の給付内容について、これが適正なりやいなやということを十分考えるということが、保険制度のあり方として考えるべきことだろうと思うのであります。今日までのところは、内容を充実さすことを考えます場合に、国の補助なり、あるいは加入者の負担という点で、十分のものができないでいるのでございますが、まあ今後の研究課題として、そういう点が残っているのではないかと思います。今回の補助率の均衡を得まするということは、御指摘になりますような社会保障制度を後退さすというような意味のものでない。その趣旨は、どこまでも現行の経理状態からみまして、この点では国の補助も下げようし、また加入者の負担も軽減さしていこう、こういう考え方でございます。

坂田道太自由民主党厚生大臣

○国務大臣(坂田道太君) お答えいたします。社会保障の中におきまして、医療保障というものが非常に重要な部分を占める。しかもまた、考えようによりましては、これから御提案申し上げております、たとえば年金所得保障にいたしましても、その基礎的条件は何かと言えば、いわばやはりこの医療保障というものが基礎的な条件にもなるかと思いますし、このことなくしては、私は所得保障ということもやっていかれないのではないかというふうに考えるわけでございまして、そういう意味におきまして、医療保障というものが社会保障の中に占める地位というものは非常に大きなものがある。そこでわれわれといたしましては、何とかしてこの医療の完全なる実施ということをやらなければならないわけでございまするが、ただいまお話しになりましたように、自粛診療というようなことが行われているというようなお話しでございまするが、私の聞き及びますところによりますと、自粛診療ということをやっているというふうに実は聞いておらないわけでございますが、ただ、おそらくお述べになりました気持としては、治療指針の内容そのものがきびしくあるかないかというようなことによって、場合によってはそのようなお言葉が出てくるのではなかろうかというふうにも思いますわけでございますが、現在の段階におきましては、やはりこれも医療協議会等におきまして相当な権威のあられる方々が医療指針というものをお作りいただいたわけでございまして、これは一応現在の段階の場合においてはそう妥当を欠くというようなことではなかろうと思うわけでございますけれども、しかしながら、これも日々進歩いたしまするところの医療というものを一面において考えていく場合においては、十分検討されなければならない問題であるというふうに考えるわけでございます。  それから第二点の問題といたしまして、一面において国庫負担を下げた。しかしながら、保険料はどうなんだ、料率の問題はどうだというようなお尋ねでございますが、今日の段階で、われわれはこの料率の引き下げもやらなければならないということで考えておるということを申し上げておきたいと思います。

竹中恒夫無所属クラブ

○竹中恒夫君 今の厚生大臣の御答弁なんですが、就任間がございませんので、自粛診療の内容を御存じないと思う。いずれ機会をあらためて、きょうは時間がございませんので、ごゆっくりと御懇談申し上げたいと思う。  次に、国民健康保険法の七十三条の解釈についてでございまするが、御承知のように国民保険組合に対して、国は療養に要する費用の十分の二を補助することができるとなっておるわけであります。これも先般大蔵大臣が社労委員会で明確な、しかも政治的信念を持って御答弁をいただいておりまするので、補助することができるということについて、何ら国民も不安を持たないと私は思っております。ただ問題は、十分の二でございますが、その当時の御答弁では、十分の二そのものなのか、あるいはそれ以上を考えられるか、あるいは以下の場合もあるのかという質問に対しまして、蔵相はいずれ大蔵、厚生両省の間において予算折衝でこの点は十分に詰めて参りますという答弁であったわけであります。私考えまするのに、地方公共団体の営む国保も、組合の国保も、法律の前にはやはり平等でなければならぬと思うわけでございまして、これこそ社会保険の均衡の上からもそうでなければならぬと思うわけでございますが、第二点としては、国民保険普及促進法制定当時には、組合を設立しろという勧奨が政府によってなされて、その結果できた組合でございまするし、あるいはまた、公共団体の営む国保は、市町村の一般会計からの援助があるわけであります。あるいはまた、調整交付金も組合にはございませんが、一般国保にあるということでございまするし、特に従来の実績から考えますというと、政令都市の組合には十分の二を今まで出しておられるわけです。ところが政令都市以外のものには十分の一・五しか出しておられません。八十八組合で三億一千万くらいの補助を出しておられるわけでございますが、この政令都市以外のものも十分の二お出しになりましても、金額にすれば一千万か二千万にしかならない問題であるわけでございます。特に今回出された政府原案は、十分の二以下という以下をお削りになって、十分の二と改められた。その経緯から考えましても、当然これは十分の二お出しいただくということが正しいと思うのですが、両省間における話し合いの詰めた結果がどうなったかということを承わりたいわけです。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、今回予算として計上いたしましたものは四億五千万円でございます。これは一応この程度でまかなえるだろうということで組んだのでございます。結果は受診率の実績によらないと、最後には十分の二になるかならないかというまあ問題があると思います。そこで実績を待つことになるわけでございますが、まあ、大体この四億五千万円でまかなえれば、それは問題ございませんが、給付の実績から見まして、受診率等を見て、あるいはこれをこす場合があるといいますか、予算の面から四億五千万円が足らない、こういう場合が起る、そういう場合はどうするかということだろうと思います。そこで、ただいま御指摘になりますように、十分の二という規定がございますから、十分の二をこして政府がこの補助をするということは考えられない。しかし、十分の二が十分この四億五千万円でまかなえれば、あと返せとまでは国は言わないと思いますけれども、ただ足らない場合にそれをどう詰めるか。その場合に、この医療給付の実際が必ずしも同一でない、こういうところに一つの問題があるのであります。市町村に対する場合と、この組合の場合とやはり均衡を得さすことが必要じゃないか、こういう意味でございますので、この療養給付率といいますか、実際にそれが通常まあ納得のできるこの療養費であるかどうか、療養費の非常に高いものになりますと、そのままを国が承認しろと言われましても、なかなかこれは均衡上できない。その意味で、適正療養費というと言葉が不適当でございますが、一応納得のいくものをどういう程度に置くか、この点を大蔵、厚生両省の間で十分話し合ってみたい、こういうように思っておるのでございます。まだその点についての十分の相談はできておりません。おりませんが、いずれ実施をいたして参りますと、そういう点がもっと具体的にして詰めなければならぬものだ、かように思っております。従いまして私どもも一応予算は計上はいたしておりますが、不足いたします場合にそれをどういうふうに詰めるか、この点は十分考えさしていただきたい、かように思っております。

竹中恒夫無所属クラブ

○竹中恒夫君 次は私的医療機関に対する融資の問題についてお尋ねしたいと思います。昭和二十六年に単価問題の解決いたしましたときに、附帯条件としてわが国の私的医療機関が非常に荒廃しておる、これは医療の給付の上からいって、国民に対してもはなはだ心もとないことであるからということで、融資を御決定いただきました。その後中小企業金融公庫によって融資を受けておられるのでございますが、医療機関の設備資金というものは、普通商人の運転資金と違いまして、相当長期低金利でなければ、融資の意味が非常に薄らいでくると思っておるのであります。一方公的医療機関は、厚生年金の還元融資等によって、六分五厘の利率で、二十年、二十五年の償還期間を持っておったり、あるいは地方債等によってまかなっておるのでございますが、現在のわが国の医療保険の給付状態を見ますと、私的医療機関によってこれが行われておると言っても過言ではないわけです。一般病院、診療所が国立六百七十八、公立三千四百九十三、関係団体病院が百九十五で、私立病院、診療所が四万八千四百八十で、九二%の病院、診療所は私的病院診療所であるわけです。歯科診療におきましては、九九%の二万五千三百四十八までが私的であるわけでありますが、こういうふうに考えてみますと、円満な国民の皆保険を実施するには、どうしても私的医療機関を育成しなければ私は所期の目的が達し得ないと思う。よろしく長期低金利融資の方法を講じていただきたい、昭和三十二、三十三年度で厚生省ではすでに医療金融公庫に対しまする予算を計上なさって、これの法案の設定を努力されたにもかかわりませず、大蔵省によってこれが削減されておるわけです。どうか今申し上げましたように、真に大蔵大臣がわが国の国民皆保険を円満に発展さすという意図がありますならば、この私的医療機関に対しまする正しい融資方について、格段の御配慮を賜わりたいと思うわけでございますが、その御所見のほどを承わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 医療金融について特殊の金融機関を設けると、こういう御主張でございます。厚生省のなかなか強い要望、これはもう引き続いてことしも出して参ったのでございます。基本的な考え方において私どもまだ賛成いたしかねておりまして、従来同様中小企業金融公庫並びに国民金融公庫をして医療金融にももちろん十分の御協力申し上げる、こういう建前でただいまいるのであります。なるほど特殊の医療金融機関を設けることが、その道の方々に対して非常に深い理解があるという点ほ一応納得がいきますが、中小企業金融公庫にいたしましても、国民金融公庫にいたしましても、過去の実績等から見まして、医療施設については深い理解を持っておりますので、ただいままでのところ、その点はまあ大体御要望に沿い得るのではないかと思うのであります。ただ長期低利ということで、特別な低利資金の方法はないかと、こういうことでございますが、まあこの種のものにつきまして私ども考えますのに、非常にその目的を限っての狭い範囲の金融機関を設けました場合に、機構が複雑化するとかその他で、なかなか経常費も思うように下るものではございませんし、そういうことを考えますと、今あります、また他の金融を受けます業種との均衡も考えまして、今の状態で一つごしんぼう願えないかということを申しまして、一応今回も御了承いただいた次第であります。大体三十三年度に、両公庫を通じては三十数億の貸付が行われる予定でございますし、ただいままでの貸出残高は六十三億ということになっておりまして、相当の金額もこれでまかなっておりますので、今日の状況におきましては、この両公庫を通じてということが一応考えられる、また手つとり早い道ではないかと思います。今回政府も、一般金利に見合う意味におきまして、中小企業金融公庫や国民金融公庫、これも三厘ばかり金利を下げるようにいたしておりますが、この金利の下げ方も、これではなお不十分だというような点もあろうかと思いますが、まあ全般のつり合いから見まして、まず適当な処置ではないかと思います。特に医療施設等について両公庫が知識を欠くというような点がございますならば、それらの点について、大蔵省はもちろんでありますが、厚生省の協力も得まして、特に医療設備の充実に十分の理解を持つように、人的構成の面でも私ども工夫してもよろしいと、かように申しておる次第でございます。一応この点で御了承願いたいと思います。

竹中恒夫無所属クラブ

○竹中恒夫君 質問を終ります。

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 竹中委員の質疑は終了いたしました。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 次に小勇柳君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は日本国有鉄道志免炭鉱の民間譲渡の問題につきまして質問いたします。なお、総理大臣に出席を求めておったのでございますが、まだ出席がないようでありますので、委員長の方からいかようになるかお知らせ願いたいと思います。  参議院の運輸委員会で、二月の二十日の日に志免に調査に参りました。この場合に、石炭の埋蔵量、可採炭量、経営方針などを調査して参りまして、現在現地でこれの売山に反対している運動の情勢についても見て参りました。そのような基礎に立ってただいまから質問して参りたいと存じます。  第一点は、大蔵大臣に質問いたしますが、現在の志免の炭鉱を経営するに際しまして、総合開発の点について、現地、あるいは運輸大臣、国鉄総裁も、現在の山を総合開発すれば、今から二十年ぐらいの寿命があるということを認めておられるのでございまするが、現在採算上、昨年が二億六千万円、一昨年が一億七千万円の利益金がございます。その中で一年あるいは一年半分、三億か四億の投資をすれば総合開発することができるという調査の結果がわかつておりまするが、大蔵大臣はこれに投資する決意がないかどうか、質問いたします。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 結論だけのお答えをすればいいようですが、私は実はこの志免炭鉱には最初からの関係者でございまして、私、終戦後海軍からこれを鉄道へ引き受けさした当の責任者でございます。そういう意味で、なかなか因縁の深い炭鉱であるわけであります。これだけ一つ御了承の上で、ただいまの問題についてお答えをいたしたいと思います。  私は、鉄道本来の仕事という点については、十分の工夫をし、必要な資金その他も獲得したいと、かように考えておりますが、鉄道自身が非常に仕事の範囲を拡大していくことにつきましては、非常に慎重な態度をとっている。言いかえますならば、本来の輸送プロパーの業務の拡大については積極的な考え方を持っておりますが、いわゆる付帯事業その他の経営につきましては、非常に消極的な考え方を持っている。この考えから申しますと、この志免鉱業については、すでに鉄道公社総裁が言っておられますように、民間払い下げに実は賛成しておるものでございます。この点をお答えいたしておきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 重ねて大蔵大臣に質問いたしますが、永野運輸大臣も、国鉄総裁も、参議院並びに衆議院の運輸委員会で、総合開発することについては賛成である、それに金を大蔵大臣の方で出さないで総合開発ができない。従ってこの際売山することが職員のために利益である、こういうことで売山すると証言、あるいは陳述をいたしておられるところでございます。従いまして、三年半にわたるこの紛争を解決するには、三億ないし四億の投資をして総合開発することが八方円満になる、そう運輸大臣ももちろん認めておられるし、国鉄総裁も認めておられるのでございまするが、大蔵大臣はこの問題を解決するという立場に立って投資されないかどうか、重ねて御質問いたします。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの鉄道公社の仕事については、先ほどお答えしたように、付帯事業その他を拡大することについては、むしろ私は反対的な立場にございます。ただ、地下資源である炭鉱を総合開発するという、いわゆる国家的見地に立ってのお尋ねについては、これはもう当然総合開発して国家的な資源を確保するということが望ましいことだと思うのであります。ことに志免鉱業、それからその付近の民間炭鉱等、それぞれが鉱区をきっちり持っておりますることは、これは総合開発の面で非常に欠くるところがある。こういうところが、鉄道公社自身がこれを民間に払い下げるということを決意されたゆえんであろうと思うのでありまして、総合開発自身についてもちろん反対ではございません。問題は、総合開発の要のある炭鉱であるが、それを民間がやるのか、国がやるのか、あるいは公社がやるのか、その主体をどこに置くのかということが、ただいまの議論の焦点になっている、こうだと思うのであります。私は、本来の民間の石炭業者自身がこれを開発していく、そうしてそれが総合的な立場において経営されるということが最も望ましいのでないかと思うのであります。鉄道自身は、また国自身は、かつての炭鉱国管でもすでに経験済みでありますし、また鉄道自身の本来のプロパーの仕事ならば、大いに積極的にやっていただきたいところでございますが、先ほど申すような付帯的な業務というものについては、私は非常な積極性を持つことには賛成いたしかねておるのでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、運輸大臣に御質問いたします。第一点は、現地の調査団の報告によりますと、青山委員会が答申いたしました、五年目には三十万トンに減る、あるいは六年以後についてはほとんど経営上採算がとれないという答申がありましたけれども、調査団の調査の結果によりますと、四十五万トンを今から二十年間くらいは確保できるという調査でありますが、青山委員会の答申に基いて国鉄総裁が譲渡を申請された、この申請の理由というものが、ほとんどなくなったのではないかと思われまするが、一月十日以来運輸大臣か内諾を与えられた情勢というものが新しい段階になっておると思うが、運輸大臣はどのように判断しておられるか、お答え願いたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) お答えいたします。青山委員会の報告につきましては、私も相当に検討をいたしたのでありますが、まず信頼して差しつかえないと私も判断いたしましたし、国鉄の当事者も青山委員会の答申を信頼しておるのであります。この前、運輸委員会でたとえ話を申しましてまことに恐縮のようなわけでありますが、客観的に神様がわかっておりますことに対していろいろな意見が分れるということは多くの場合にあるのでありまして、この前は病気にたとえてお話したのでありますけれども、大学病院ではガンだと診断されたのだが、かかりつけの自分の信頼している医者はガンでない、切開なんか要らぬというような違った判断が出て、一体切開すべきか、切開すべからざるかというようなことで関係者は非常に迷うような場合が多いのであります。これは神様の目から見ればわかっているはずでありますけれども、お医者さんの間には意見が全く違うようなことが、そのときにどのお医者さんの意見に従うかということが現実の問題としてよく起って、困ることが起るのでありますが、今度の場合、青山ミッションの判断はガンだと判断しておりますが、運輸委員会から派遣された委員方はあれはガンじゃない、切開なんかしなくても当分やっていけるというような結論が出たわけであります。そこで、私ども家族として一体どっちの意見に従うかという場合に追い詰められておるのでありますが、残念ながら私は青山委員会を病気でいえば大学病院の診断だと、一応そう信用いたしまして、これは切開する以外に方法がない、こう考えておりますので、その考えは変っておりませんのです。せっかく参議院からあの遠くまで行って御調査を願ったことを軽視するようでまことに相済みませんけれども、今のところ私どもは青山委員会の答申案をとらないというような気持にはなっておらないのでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸大臣は運輸委員会で公社、公団の構想を明らかにしておられまするが、公社、公団案というものと、以前の内諾を与えられたときのお考えとの間に相当な隔たりがあると思いますが、その点いかがでございますか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) お答えいたします。公社、公団案というものは、ぜひそれにする、それしか方法がないというような申し方はいたしておらないのであります。分離するということは、どちらにしても譲渡するということであります。その譲渡先をどこにするかというときに、今特定の民間のA、B、Cという会社を指定して、譲渡即その会社に対して譲り渡すということではない。考え方には、その前に公社、公団のようなものでやらせるということも考え方にはある、こう申したのであります。従いまして、それをどの方法によるかということは慎重に検討しなければならぬ、こう申しておるのでありまして、公社、公団でやる以外に方法がないと私は申しておるのでございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 分離するということだけに内諾を与えられて、その後競争入札に対しましても、あるいは職員との労働条件その他の話し合いも運輸大臣がここに書いておられるものと違った方向に歩いておりまするが、今の段階で、すでにもう三カ月を経過いたしておりまするが、新たな段階として、いろいろ運輸大臣の考えの方向に新たな構想を立てられる御決意はないかどうか、質問いたします。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 国鉄が、現地の、私が申しました二条件のうちの一つ、従業員との間は円満にやっていただきたいということを申しました。その条件を満たしますために非常に努力しておられることは拝承しております。しかし、いかんながらなかなか困難な情勢にありまするので、思わず時がたったわけであります。しかし、私は繰り返して申しますが、民間会社に譲り渡すという前に考え方があると申しました、そういうことをひっくるめまして、従業員の方にそれをのみ込んでもらう。つまり、分離をするということだけはぜひのみ込んでいただきたい、了解していただきたい。そして、これは十分に説明すればわかると、要するに、大蔵大臣も、あの糟屋炭田を一括して総括的に開発することは、国の天然資源を有効に使う計画であるから反対はしない。ただし、それを国鉄中心で国鉄にやらせるということは、国鉄本来の使命からいって適当でない、大蔵大臣もこう言っておられるのであります。そこで、私は、あの糟屋炭田が日本に残された、少くも九州に残されたるほとんど唯一といっていいくらいの米利用資源だと思いますので、これを総合開発すれば、従業員の方は少くも二十年や三十年はその職を失わないでりっぱにやっていけると、こう思いますから、この事実を従業員の方によく認識していただければ、御了解を得ることが不可能ではない、私はこう確信をしておるのであります。ただ、すなおにそれを受け取っていただくことがなかなかむずかしいらしいのであって、そういうものをこしらえると自分たちの位置が不安定になりはしないかというような御心配から、なかなか御了解が得られないような実情にあるらしいのでありますが、私はそこは国鉄の当事者がよく説明していただければ、私はその御了解は得られると、今でもそう信じておるのであります。これは国鉄の仕事でございまして、運輸省直接の仕事でございませんから、私どもがその点まで出ましてその御了解を得る運動を直接にはわれわれがすることは適当であるかどうかはわかりませんけれども、私は国鉄の当事者の努力を信用いたしまして、いましばらくその推移をみたい、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 重ねて運輸大臣に質問いたしますが、公社、公団案の構想については今なお変っておらない、総合開発についての考えは変っておらない。従って、その推移を見て新たな構想をまとめていきたい、こういう考えでございますか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) さようでございます。私は公社、公団というのは、先ほど申しましたから誤解はないと思いますが、公社、公団だけに限定しておるのではないのであります。考え方の一つとしてそういうことが、これもその利害得失をよく考えてから、その公社、公団ではうまくいかぬということになれば、従来の三井、三菱、住友というところへこれを売らなければならぬということになるかもしれません。けれども、研究はしてみなければならぬという、この考えは変っておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸大臣、一月十日にすでに内諾を与えられて、現状としてはあれから全然反対の気持も職員家族は変っておりません。今これを民間に譲渡して得する者は一体だれか、運輸大臣は一体だれが得するとお考えになつておるか、御答弁願っておきたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 第一に得をする者は、得という言葉がいいか悪いかわかりませんが、国家だと思います。国の大切な資源が掘られないでそのまま放擲されるというようなことを避けまして、総合的に、あるだけの資源はみんな開発して、それが国家の産業に貢献するということになれば、私は第一には国家だと思っております。その次に入札いたしまして、これは公社、公団ならば別でありますけれども、民間に売りますときにだれが得をするかということは、一体値段がきまっておらない、条件がきまっておりませんから、ただでもらっても引き合わぬというような条件になるかもしれません。従いまして競争入札の結果値段がわからず、またいろいろな補償問題なんか非常に条件がつきますと、これを引き受けた者は荷厄介なものを引き受けた結果になるかもしれません。従いまして今の状態でそういう条件が何もわからぬうちに、これを買ったら、引き受けたらだれが得をするかということは、今ここでは予測ができないと思います。値段がきまり、条件がきまって、それで引き受けたならば、それはもうだれかがもうけるであろうという予測ができますけれども、今は得をするか損をするかわからない状態にあるのでありますから、今日これを引き受けたらだれが得をするかということは判断いたしかねます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸大臣に、次の点は交通政策の矛盾でございますが、現在私鉄などの方向では、私鉄では付帯事業を拡張する方向にありますが、国鉄では付帯事業を切り離せというような指導監督をやっておられる。この交通政策の矛盾について運輸大臣はどのようにお考えになっておられるか、お伺いいたします。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 御質問の点は国鉄経営の基本に触れる問題でございます。非常に重要な問題だと思っております。私には多少私の私見もあるのでございますが、国鉄が独立の企業体として独自の経営を許されている以上は、その培養施設なんかも相当にやらしてもいいのではないかというような意見もあるのでございます。しかし、他面においては国鉄も公共性に重点をおきまして、とりあえずのそろばんよりは一般大衆の利益、しかもその利益というのは交通上の利益を十分に大衆に与えることが国鉄の唯一の使命であって、それ以外のことは考えるべきでないという意見もあるのでございます。これは国鉄の本来の使命に関しまする意見の分れでございまして、これを民間私鉄がやっておりますように、いろいろな培養施設をやるべきか、そんなことには耳をかさないで本来の使命である交通業だけに重点を置いてやるべきだ、こういう二つの意見があることは承知いたしておるのでありますが、今は後者の方、すなわち国鉄はその公共性に重点をおきまして、その本来の使命である交通上の完全なる運営をすることに重点を置くべきだという線で今の国鉄は経営されておるのでございます。しかしくどいようでありますけれども、重ねて申しますと、意見といたしましてはそうすべきでない、独立の企業体のそろばんの合うようないろいろな施策はするべきだというような意見があり、それまた相当尊重すべき意見であると私了承いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁に質問いたしますが、青山委員会の結論と、調査団の報告とが、相当埋蔵量、可採炭量について違いますが、なお民間譲渡の考えをかえておられないのかどうか御答弁願いたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 結論はかえておりません。青山委員会の可採炭量と、皆さんの御調査になりましたところと違っておりますが、青山委員会の調べをいたしました主任の田口委員は、この志免炭鉱に三十数回行って、現地について、専門家が専門的に調べておる。この委員会ができましてからは一度も参っておりませんが、委員会のできる前にすでに三十数回調べて、あの炭鉱のことはもう仔細に承知しておられるのであります。この委員会ができましてから、国鉄の現地にいて毎日仕事をしておる技術者を呼びまして、そうしてその技術者と、現状はこうなっておる、ああなっておるということを地図について、数字について詳細検討をいたしました。なおその上に糟屋炭田、北九州のあの地方の付近の実際の例も見ますし、整備事業団の最近における調査の結果も参照いたしまして、それで大体八百万トンということに結論が出たのであります。私自身は山に参って調べたことはありませんしまた調べても私は専門家でありませんからわかりません。この専門家の実地についての研究は、なお現在稼業をやっております技術者と仔細に協議、検討した結果を私は信頼いたしまして、八百万トンということに私の意見をきめた次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 重ねて国鉄総裁に質問いたしますが、民間の技術者もあるいは志免の技術者も、石炭局も、埋蔵炭量については青山委員会の答申は非常に少ない。安全率をとり過ぎておると言っておる。民間の技術者あるいは現地の技術者も、これから四十五万トン二十年間も可採できると証言しておっても、なお青山委員会の答申だけを信頼しておるのかどうか、御答弁願いたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 最初に現地に対してどういうふうな見通しか急いで見通しをつけてみろということを言った際に、今お話のような四十数万トンの計画を持ってきたのであります。しかしながら、その後先刻申し上げましたようないろいろな検討をいたしました結果、現地の技術者も、青山委員会の田口主査の意見に賛同いたしまして、それで八百万トンという結論が出たのであります。その点は今日も変りがないと私は信じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁に三たび質問いたしますが、運輸大臣は現段階においては民間に移譲内諾を与えておるが、分離する方針だけはきめておるけれども、譲渡についてはなお最後の決裁はやっておらない、こういう段階であることについては、国鉄総裁の認識もかわりませんか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) この点につきましては運輸委員会でも答弁いたしております通り、私は運輸大臣から指名競争入札によって譲渡するという根本方針を承認を得ましたものですから、その方針に従って今仕事を進めております。しかしながら最後には、どの会社に幾ら幾らで、また労働問題その他鉱害とか、いろいろな条件がありますから、そういうようなことを最終的に細部まできまりましたときに、あらためて運輸大臣に承認を求めることになっております。そのときに運輸大臣が、あるいはこれは安過ぎるからいけないとか何とかというふうなお話になるかもしれませんが、ただいまのところは、譲渡する、指名競争入札の方法で譲渡しろ。労働問題はうまく納得させるように努力しろということで御承認を得ておりますから、その通り今仕事を進めている次第であります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、競争入札は三社に限定されておりますが、もしこの三社のだれかが入札して、これは看板だけで、実質上はほかの、たとえば中小企業者などの企業者が経営する場合は、その承認を取り消される決意がございますか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) なかなかその証明はむずかしいと思います。看板だけだという証明を外部の人がいたすことは、なかなかむずかしゅうございますから、しかもこの三井、三菱、住友というのは、そういいかげんな会社ではございませんので、私の方でやりますと、かりに言われますと、実質上、小柳委員のおっしゃる通りのことがかりにあったといたしましても、その証明はなかなかむずかしいので、取り消すというようなことはむずかしいのではないかと、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現在分離の方針だけはさまって、譲渡の承認は与えてないにもかかわらず、現地の方ではすでに譲渡がきまったようなことで宣伝され、そういう工作がなされておりますので、非常に危険な情勢、不測の事態が発生するような情勢にございます。このことを大臣御存じですか。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 先ほども申しますように、国鉄の当事者が現地の従業員及び付近の住民の方々に了解を求めて、熱心にやりておられることは聞いております。しかしその効果の上らないことも聞いております。しかし、先ほども申しましたように、これはまずもって国のためにどうしても総合開発をすべきものだ、そうしてその総合開発は、国鉄を中心では、資金の関係上できないといたしますると、譲渡いたしまして、そうしてそれは先ほど申しますように、どこに幾らで売るということに対する認可権は、全く無傷で運輸大臣の手元に残っているのであります。従いまして、十分に検討いたしますが、それが適当だと認めましたならば、その方向に進んでいく以外に方法がないと、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁に質問いたしますが、先日、今から五日ばかり前に、資材局長が現地に行って説得を試みたけれども、遂に、反対の気持は変らなくて、八時間ばかりいて、すごすごこっちへ帰ってきた。現地の方としては、三年半暗い生活に追い込まれて、非常にもう憎しみを持ち、かつ新聞、雑誌などで汚職、買収のにおいなどがふんぷんとして伝えられているために、表面上では調査委員会などの答申をたてにとって、きれいに片づけようとされているけれども、実質上はボスあるいは政治的なそのような取引によって売買をされるというような怒りが、憤満が、今充実しておりまして、とても今の情勢では、運輸大臣が考えておられるようにスムーズに団体交渉などで解決できるような情勢にないと私は考えておりますが、国鉄総裁はどのように判断しておられるか、御答弁願いたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 汚職等の問題は、私の知る限りにおいては絶対にありません。私は、そういうことはないことを希望いたしますし、また信じておるものであります。労使の関係は、労使相互が平和裏に、話し合いによって解決することが私は唯一の方法じゃないかと思います。それゆえに、われわれは現地の労組に対しまして、当局者を派遣して、おとなしく話し合いをし、どういうわけでこれを譲渡しようというのか、諸君のまた希望はどういうところにあるのか、というようなことを一つ話し合おうじゃないかということを、数回申し込んでおりますけれども、なかなか聞いてくれないのであります。しかしながら、われわれの判断によりますと、やがてはこれは組合の方々もわかってくれるものと、こう考えておりまして、私は、熱心にしんぼう強く労働組合の方々にも説明をし、話し合いをしようということを説くつもりであります。やがてそのうちにわかってくれることと私は信じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁にもう一問いたしますが、現地の所長——あなたのかわりに炭鉱を管理しておる所長などが、三年半あなたの方針に従って、非常に苦しんできておる。これは労働者、家族が反対であるばかりでなく、そのような監督者も非常な苦況にありながら、三年半あなたのそのような政策で苦労してきておるが、そのような苦労を、総裁はお考えになったことがあるかどうか、御答弁願っておきたいと思う。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私も、その現地の当局者の労苦に対しては心から同情をし、絶えず慰め、また激励いたしております。私は十分これを察しております。しかしながら、先刻大臣からお話のあったように、この問題は国のためになる。またこれをこのまま続けていきますと、三十二年度は五十一万五千トンですか、約五十二万トン足らずとれたものが、今年度、三十三年度は四十八万五千トンの計画を立てたにかかわらず、それがどうも困難で、四十四、五万トンになりはしないか、四十万トンになりはしないかということを心配しておりましたが、今日の状態では、三十七、八万トンに減るらしいのであります。これは、そういう問題が起って、労働者が動揺しておるという関係もありますが、しかしながら、炭鉱の坑内の条件がだんだん悪くなってきて、だんだん出炭量が減って参りますから、漸次人を減さなければならぬ。首を切ることはもちろんできませんが、配置転換でも容易なことでできないのでありまして、配置転換をされた従業員も、またこれを受ける方の従業員も非常に苦しんでおりまして、何とかして総合開発をやって、総合開発によって、大手の規模でできるだけ長く続けていくことが、私は、この山に従事しておる従業員のためにもなると、こう考えます。また地方の繁栄にもなると、こう考えますから、私は熱心に従業員にその利害を説いて、納得してくれるようにということを進めておる次第であります。また現地の当局者に対しても、こういう次第だから、しんぼうして、がまんしてやってくれということを、慰め、激励をいたしておるものであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、この間の調査委員会の報告で、この志免の現在の縦坑を中心にして、四億くらい投資すれば、さらに一千万トンの開発ができる。従って、ほかの民間に譲渡しないでも、そのままやっていけるのだという答申があった。今、総裁の話では三十七万トンに減ったと言われるが、その点についての設備投資を押えてしまってやっておらない、工事費さえ出していない、そのために出炭が減った、このような調査報告がありましたが、その調査報告については、運輸大臣はどのように考えるか、聞いておきたい。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) 調査報告は拝見いたしました。しかし、先ほども申しますように、私の基本はやはり青山委員の報告が私の頭を支配しておると思うのでありまして、大へん御苦労をかけた方々には相済みませんけれども、あの山の実体価値につきましては、青山委員の御報告によりまして、いかにすべきかという対策を考える方針は変っておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 通産大臣に質問いたしますが、あの四カ町の鉱害は現在十二億六千万円に及んでおります。それを国鉄は現在二億何がししか賠償いたしておりませんので、その町村の人たちは非常に鉱害に対して困っておりまするが、この鉱害の監督者である通産大臣は、この点につきいかがお考えか、御答弁願います。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(高碕達之助君) 志免炭鉱がほかの炭鉱と比較いたしまして特に鉱害復旧がおくれておるというほどひどくは認めておりませんが、とにかくほかの炭鉱と比較いたしまして、あれは全体の復旧につきましては鉱業主とそれから被災者の間で話し合いをつけるわけでありますから、それがときどき補給、補助をしてやられた結果、根本的の施策につきましては多少おくれているというふうな点があるのでありますから、監督官庁といたしましては、できるだけこの鉱業の災害の復旧を十分にやるように、そのつど国鉄に向って勧告を加えておるわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 重ねて通産大臣に質問いたしますが、今の勧告に対して、国鉄としてはどのような返事がなされておるか、お聞かせおき願いたいと思います。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(高碕達之助君) 勧告に対しましては、十分そのつどできるだけやると、こういうふうな方向へ参っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国鉄総裁に質問いたしますが、この鉱害復旧について、国鉄としてはどのような処置をお考えか、御答弁を願っておきたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 鉱害には、御承知の通り安定しておる鉱害と未安定の鉱害とあります。安定しておる鉱害につきましては、漸次復旧工事を進めております。不安定の鉱害に対しましては、復旧工事をすることができませんから、応急の処置だけを講じておるような次第であります。十二億幾らというのは、その不安定の部分をも含んでおるのではないかと思いますが、その点は私よく存じません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の質問でございますが、運輸大臣並びに国鉄総裁の御決意を聞いておきたいと思いまするが、南方の二名の日本兵の問題について、衆議院は院議をもってこれの捜査を決定いたして、現在努力中であります。志免の炭鉱、七十年の国鉄の炭鉱の歴史を持つ志免炭鉱が、今まで相当国鉄に対しても海軍についても努力してきた。その労働者並びに家族一万であります。その一万の家族並びに四カ町あるいは福岡県県会が満場一致民間に移譲すべきではないという決議をもって三年出反対を陳情し続けて参りました。そのような陳情を、この青山委員会の答申あるいは自分の考えで——職員はちっともこれを仕合せと思っていない、一つも喜んでおらない、それにかかわらず、家族は喜ぶだろう、あるいは職員が喜ぶだろうということで一方的にこれを押しつけて処理しようとされる、そのために三年半の間、監督者も労働者も家族も、みんなが暗い生活、これこそ焦燥と苦悩の生活を続けております。そのようなことを三年半の間続けて参ったのであります。その間には、新聞雑誌などの汚職、買収のデマ、あるいは事実もあったかもしれません。私はまだ十分調査いたしておりませんけれども、そのようなことで、口ではきれいなことを言うけれども、実際は政治資金あるいはその他の個人の利益、一人の財閥を利益するためにおれたちの意思を無視するのだという怒りが、あの一帯に充満しておるのであります。私はそのようなことを強引にあなた方が政策として押しつけないで、この際、十分に県の意向あるいは住民の意向を聞いて、運輸大臣が言われたように公社、公団案もあるかもじれないが、現在のこの縦坑を中心にして、わずか四億、一年間の利益を投げ出せば、これは総合開発できると、二十年間は今のままでいけると現地の技術者も言っておるのでありますから、そのようなことを強引にやらないで、一人の財閥を利益することなく、全体の利益のために、もっと真剣に陳情を聞いて、気持を聞いて、新しい構想に立ってこの対策を、解決を、早急にされることを私は希望いたすのでありますが、大臣並びに総裁の決意をお聞きしておきたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○国務大臣(永野護君) お言葉の途中にありました汚職のにおいということが、私ども関係者といたしまして非常に心外の至りであります。先ほども申しますように、どこへ幾らで落ちるかわからないのであります。財界人が幾らで買えるかの条件がまだわかりませんのに、莫大なお金を出すようなことは常識上考えられません。従いまして、民間会社に売るときは競争入札にしなければならぬということは、実は青山委員会の答申には反するのであります。また国鉄の当事者もそれを希望しなかったのであります、特殊事情があるからという理由で。しかし、これだけはどうしてもやってもらわぬといかぬと言って、あれはっけてもらった条件であります。なおそのほかに、価格ばかりではございません、従業員がどの程度にしたならば満足してくれるとか、あるいは今の鉱害問題の復旧というようなことも、どの程度のことをすれば付近の町村の方が満足してくれるか、全く数字がわからないのであります。そういう状態のときに、今の汚職問題なんかが起る余地がないと私は確信いたしますし、また常識からいってみても、そうあるべきはずだと思うのであります。今の従業員の方が非常に反対しておられることはよく承知いたしております。しかし私は、先ほど小柳委員から、だれが一番得をするかという御質問に対して、一番得をするのは国だ、国が未利用資源を使い得るのだから国のために一番なるのだ。私はその次にかりに得をするという言葉が非常にニュアンスがちょっと悪いのであまりすが、得をするとすれば、私は従業員であり、付近の町村の方々だと、こう思うのであります。これは会社自体はどうなりましても、あるいは大きな利益が出ませんでも、その生活が安定し、また付近の町村の人は、あれは志免炭鉱があるがゆえに生きている町でありますから、志免炭鉱が経営不振に陥って困るようなことがございましたならば、一番被害者はあの付近の町村の方でありますから、これがある期間安定するということを確かに信ずることができるような状態になりますれば、この付近の人の仕合せは非常なものだと思いますから、得をするのは第一が国家、第二が従業員、その次が付近の市町村だと思います。これがわからぬはずがない、こういうことだから、話をすればわかる。今は反対しておられるけれども、たとえばこれも例が卑近で、なんですけれども、手術すべきだと言われて、痛いから反対しておるのでありますが、これは手術を受けて得をするのは病人であります。(「死ぬ場合もあるでしょう」と呼ぶ者あり)そういうわけでありますから、話をすれば必ず聞いてもらえる、こういう確信は動きません。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私も、ただいま運輸大臣のお話のありました通りに信じております。この問題は、国のため、従業員のため、地方の繁栄のため、こうすることがいいんだと私は確信いたしております。それで、従業員も今は反対しておられる方が多数でありますが、中には賛成しておられる方も相当数あるのじゃないかと考えております。漸次皆さんがわれわれの心持を十分に了解して下すって、従業員も地方の方々も賛成してくれるようになることを確信して、われわれも努力の足りなかったところをさらに一段と勉強して、皆さんに理解を得て協力を願いたい、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 民間譲渡などをやられませんように、再度御検討なされることを期待して質問を終ります。

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 小柳君の質疑は終了をいたしました。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) この際、外務大臣から発言を求められておりますから、これを許したいと思います。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(藤山愛一郎君) 先般御質問がありましたときに、私に関連した御質問が矢島委員からありましたので、この際……。  矢嶋委員の御質問は、このバンデンバーグ決議がある以上は、協議事項があっても、ノーと言えないのじゃないかということが御質問の御趣旨だと思います。だから、今日の、あなたの答弁のようになった場合があるとすれば、条約上それを明記しておかなければ、バンデンバーグ決議から絶対にノーと言えないというような御質問だったと思います。御承知のようにバンデンバーグ決議は、アメリカの上院におきまして、この種条約を結びますとぎのその大きな精神を示したものだと思います。従いまして、こうした条約のアメリカ側における精神であることは当然だと思います。しかし、今回私どもが条約を締結するに当りましては、日本側において憲法上の制約もありますことで、また、その範囲内であるということは申しております。また、われわれが希望しておりますように、条約に協議事項を置きまして、そして協議をいたす上におきましては、ノーということは必ず言えると思います。そうしてそれらの具体的事項につきましては、そのノーと言います場合があり得るということを申し上げ、また、そういう精神でもって条約を締結をいたすように、私としては努力して参るつもりでございます。

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 何ですか矢嶋さん、今のに対する質問ですか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この間いなかったから少し聞きたいと思います。

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) それですがね、この問題については、あなたご存じの通り、あなた方の要求によって、近く総理大臣以下関係閣僚を招いていろいろ質問しようということを午後の理事会で相談することになっておりますから、もし御質問になるなら、きわめて簡単に、今の答弁の、どこか足りないところを確認するという程度にとどめて、長くやらぬでいただきたい。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 外務大臣、この前の質問に答えていただいたのですけれども、おられなかったから、私の伺ったところを十分尽されていないと思う。それは、バンデンバーグ決議は、「継続的、かつ効果的な自助及び相互援助を基礎とし、かつ、米国の国家的安全に影響を与えるごとき地域的及びその他の集団取極に、米国は憲法上の手続に従って参加すること。」こうはっきりうたってあるわけですね。そこで私が伺ったのは、あなたは、新安保条約は共同防衛的なものかどうかという質疑に対して、明答を避けて、基地を提供することになると答えたわけです。そこで私がまず伺うのは、バンデンバーグのこの決議がある以上は、アメリカが日本国と条約を結ぶ場合には、それは相互共同防衛的のものでなければならぬということになる。従って、事実問題として日本は拒否できない結果となる確率はきわめて大きい。将来の紛争というものは、いわゆる五分間戦争となるのであるから、そのつど事前協議するなどということはナンセンスで、現実的でないというわけです。よろしいですか。必ず他国間の紛争に巻き込まれて、自衛の名のもとに憲法が実質的にじゅうりんされることになる。よって……、伺っていることは、よって極東の安全のため云々というような、ばくたる字句は条約の中に入れるべきじゃないと同時に、日米の共同措置行動等については、きわめてはっきりと条約上に明記して置かなければ、バンデンバーグの決議があるがゆえに、この前質問があったように、アメリカが極東の安全のために行動を起すときに日本に協力を求めてきた場合に、今私が言うような事態は必ず起る、その確率は大きい。だから結論としては、極東の安全というような、そんなばくたる言葉を入れたりしない方がよろしい、危険だと。それから日米の共同措置行動については、条約上にはっきりして置かなければ、ばくたる表現をしておいたのでは、非常に危険であるということを伺っているのですから、そこにピントを合わしてお答えを願いたい。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(藤山愛一郎君) お説を伺いまして、御意見としてわれわれもむろん交渉の際に十分今のような御意見を考えて参る必要があると思います。ただ、極東の平和と安全と申するものが非常にばくたることであろうというお話もありますが、今回の条約の改正の根本的な考え方として、われわれはアメリカに日本の島を守ってもらうという義務を持ってもらう、そのこと自体も、私はやはり極東の平和と安全に非常に重大な影響があるのじゃないか、またそのことは、日本が他国から侵略されないということ自体は、極東の平和と安全を確保する一つのゆえんじゃないかと思う。従いまして、極東の安全と平和ということがどういう条約の中の文章に入りますかは、それは当然いろいろ問題があろうと思います。その使用方法もありましょうが、われわれの精神としては、やはりそういうことが第一義的であるということで、交渉の態度としてはやっておるわけであります。  またバンデンバーグ決議につきましては、むろんアメリカが先ほど申したように、一つの方針としてこういうものを掲げておるわけだと思います。従って、そういうものがある以上は、協議事項を置いてもあるいは拒絶できないのじゃないかということがありますけれども、しかし、やはりバンデンバーグ決議としては、アメリカ政府に対する上院の一つの大きな方針を示したものでありまして、従って、その方針を体しながら、同時に、われわれに対して憲法の範囲内において、あるいは協議事項を入れまして協議するという以上は、われわれとしてもそこに拒否する権能があるということを堅持しながらむろん交渉をやっていくつもりでおるわけでございます。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) それでは苫米地英俊君の質疑に入りたいと思います。

苫米地英俊自由民主党

○苫米地英俊君 外務大臣は十二時半から御用があるということで、この時間に質問を申し上げることは不適当だと考えましたので、きわめて簡単に、趣旨があるいは徹底しないかもしれませんけれども、やむを得ないから、そういうふうにいたしたいと思います。この通商交渉は、単に通商面、あるいは支払い面という狭い分野に限られるものではありません。企業の進出にも場所によってはなり、また国交全般にも響く大きな問題であります。近ごろブラジルとの関係において条約が改正されましたが、現地からの情報によりますと、こんな協定なら作らない方がよかった、むしろ無協定であった方がよかったというようなことも伝わってきております。従って、通商交渉は単に物を売るとか借金を取り立てるとかいうような狭い考えでなしに、もっと広い国際的視野に立って、国内においては外務大臣が中心となって、通商交渉の事務的なことばかりでなく、実質において他の省の協力を得ていくというようにいたさなければならないと私は考えておるのであります。日中貿易につきましても、外務大臣以外からいろいろの雑音が入って、非常に混迷を来たしておるという事実がありますが、これは、今、外務大臣に御答弁を得たいというのじゃなしに、これは各閣僚の方にも、また外務大臣にも、今後こういう方針を確立して進んでいただきたい、これは希望でございます。  それから次に、経済協力のことについてお尋ね申し上げたいと思います。現在中近東もしくは東南アジアの後進国におきましては、一体自由主義経済の西欧諸国と提携し、その方向に向って国土を開発していく方がよいのか、あるいは共産主義経済に従っていく方が国民のためになるか、この点について非常な迷いを持っておるのであります。私どもは、どこまでもわれわれの自由主義経済に従って開発していく方が、中近東、東南アジアの人々にとつて好ましいことであると考えておりますけれども、この両陣営が入り乱れて東南アジアに進出しようとしておる、このときに、日本としては黙って見ておるということはない、どうしても東南アジア、中近東においてわれわれの自由主義経済、われわれの言うほんとうの民主主義に従って開発を進めていかなければならないと私は感ずるのであります。そのためには、その地方の人々がどちらが早くに彼らの生活を向上安定させるか、身にしみてこれがいいのだという感じを早く持たせることが必要である、これは時間が早くなくちゃならない、手間をとってはいかぬ、共産陣営のやり方よりもわれわれのやり方の方がいいのだということを、身をもって体験させなければならない。ところが、今までのコロンボ・プランによるとか、もしくは経済協力に大きな企業の進出、プラントの輸出というようなことであって、日本の国力からいっても持てあますような事業、また向うで外貨が足りないときに、これを非常な苦労をしてやっても、国民大衆には直接影響がいかない、ごく狭い範囲であり、またその恩恵を受けても身近かに感じないというようなものに力が注がれておるように思うのであります。外務大臣は、二、三年前から中小企業を経済協力でやりたいというお話がありましたが、私はこれにはもう全幅の賛意を表するのであります。この中小企業の種類、範囲を大きくして、各国民が要望しておるものを早くに作って、一日も早くに彼らの要求している需要を満たしてやることは、そこらの人々に対して日本の経済協力がいかに有効のものであるか、自由主義経済の恩恵というものはどういうものであるかということを知らせると同時に、中小企業が多く広まれば、就職——職場を与えることも広くでき、職場を多く与えるということは購買力を高めるということであって、われわれは今までのような行き方でするのではなくて、この賠償によるところの協力についても、外務省としてはこれらをよく説得して、早くに国民の間に幸福を浸透させるような方策をとっていくべきだと私は感ずるのでありますが、これについて大臣の御所見を承わりたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(藤山愛一郎君) 東南アジアの経済建設に当りまして、大きな近代的企業と申しますか、大規模企業の経済開発というのと平行して、中小企業を出すということを必要といたしますことは、今の苫米地委員のお説の通りでありまして、私どももできるだけその面に力を入れて参りますことが、それぞれの国の民生の安定の上におきましても、あるいは民生の向上の上におきましても、また、ひいてそうした事業が起りますことによりまして、それぞれの国の経済状態が改善されていくわけでありますから、ぜひともこの種の問題については、日本が過去において中小企業の、割合にウエートの重い国であり、その経験を持っておりますので、従って、日本がそういう面から経験と技術とをそれぞれの国の人々に協力して参りますことの必要は、申すまでもございません。ただ、中小企業の対外協力という問題は、技術的にも、あるいは経済的にもなかなかむずかしい面がございますので、そういうことに十分努力をして参りましても、必ずしも大企業の進出のように時間的に短時間でそういうものが多く効果を上げていくという状況になっていないことは遺憾だと思います。今日、日本の国内、各省と御相談もいたしまして、各地に技術センター等を設けます予算等も来年度には若干ふやしていただきまして、そういう面からいたしまして日本の中小企業の振興、技術を教え、また向うに対して技術指導をやり、またその結果として、日本の、ある場合には資金が導入され、日本の中小企業者との提携が完遂するようにやって参るつもりでおるわけでございます。お説の通りこの問題につきましては、十分な努力を払って今後とも進めて参りたい、かように存じます。

苫米地英俊自由民主党

○苫米地英俊君 外務大臣の御熱意は前々から拝聴しておりますので、また、ただいま仰せのように、中小企業というのは、日本の中小企業者を進出させるということは、これは非常にむずかしい問題でありまするので、私はそういうことを申しておるのじゃなくて、日本の大企業家もしくは中企業家の上位の人々に政府が勧告をし、援助をして大企業もしくは中企業の大きな力のある人たちを向うへ進出させていくというような工合にぜひ御努力願いたいと思うのであります。  この問題はこれで打ち切りましてブラジルの問題についてお伺いしたいと思います。御承知の通り、わが国の対ブラジル移民は五十年の歴史を持っておる。同国の在住日系人は現在四十万を数えております。その上に毎年四千名に達する同胞が移住しております。その上に日系の企業がだいぶ進出しておるので、ブラジルは日本にとっては特殊な関係があると、私はかように考えておる次第であります。この点につきましては、東南アジアに対して行なっておるようなあたたかい配慮が与えられておらない、こういうふうに私は感ずるのでありますが、この通商関係は目先の利害だけにとらわれすぎるというきらいがとかくありますが、近くクビチェック・ブラジル大統領が日本に国賓として来られるといううわさがありまして、おそらくこれは実現するのじゃなかろうか。また岸総理が七月にブラジルを訪れられるという予定も立っておる、これもうわさとして聞いておりますが、これも実現するのではなかろうかと私は心の中で考えておるのであります。このブラジルの大統領は経済開発五ヵ年計画というものを任期中に完成する、これには真剣な努力をしておる人であります。従って日本政府が同大統領を国賓として招待するからには、日本においてもその経済開発に協力するとともに、目下の日本・ブラジルの通商関係の行き詰まりを、大統領を国賓として迎え、また総理をお送りするにいたしましても、何とか打開しなければならないと思うのでございますが、近ごろできたばかりの協定を改正するということはこれは容易なことではないが、臨時措置を何とかお考えになっていくということは、ほかの大臣にもお伺いしたいのですが、外務大臣はそれについて何か——これは公表していいことと悪いこととありますが、そういう突っ込んだことはきょうは聞こうとは思いませんが、それについて何か腹案でも持っておるとか、もしくは腹案がなくてもそういう方向でいきたいという希望を持っておるとかという点をお伺いしたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(藤山愛一郎君) ブラジルと日本の経済関係を強力に推し進めて参りますことは、御承知の通り非常に必要なことと思います。従いまして、われわれとしても前にはミナス製鉄所に対する協力を民間的ではありますけれども、いたすことにいたしまして、政府に相当あっせんをいたしたような立場にもございます。ただいまお話の通商協定の問題でありますけれども、この問題につきましては、やはり一つの方針と申しますか、そうしたものが貿易政策上にもあるわけでありまして、ことにその点財政金融上の立場も勘案して参らなければならぬのでありますから、当時ああいう状況になりましたことは、これはやむを得ぬことだと思いますが、しかしその後若干貿易が停滞しておりましたけれども、最近季節的な産品の適期にもなって参りましたし、また日本としても輸入優先でありますので、できるだけ向うの産品を買うように努力して、最近貿易状態がやや動いて参り、改善し、進んで参る状態になって参ったと思います。ああした貿易協定を作ります事情は、いろいろ今申したようにございますが、そういう点につきましては、貿易協定は協定として大蔵大臣においても十分あとの問題については、ブラジルとの友好関係をお考えになりまして、いろいろお考えになっておるようでありますし、われわれといたしましても、外交上の見地からブラジルとの関係を善処していきたいということで、何か借款形式等も、そう多額のことはなかなかむずかしいかもしれませんけれども、そういう方法をとるようなことが一つの促進的な方法になるのではないかということで、意見も申し上げ、大蔵大臣もそういう点については非常に好意ある御考慮をしていただいておるように思っております。

苫米地英俊自由民主党

○苫米地英俊君 私はきょうは突っ込んだことは一切お伺いしませんが、それではこの大統領を迎え、総理を送るために、効果を十分発揮する限度には何か特別措置を考えていらっしゃるのだと、こう伺いましてよろしゅうございますか。——それでは私いろいろ書いてきましたけれども、きょうは外務大臣お急ぎのようですから、これで外務大臣に対する質問は終りたいと思います。  次に通産大臣にお伺いいたしたいのでございますが、日本とブラジルの貿易が実は昨年の八月ごろから行き詰まっていることは御承知の通りでありますが、これについても各省の間で今相談をなしておる時期だと思いますから、その内容について突っ込んで話をするというようなことは私考えておりません。ただ向うに進出する企業、東洋紡績、鐘紡、倉紡、石川島、ミナス、それから興亜、ヤンマーディーゼル、味の素等の進出を御許可になったのでありますので、許可した以上はこれを育て上げることをお考えになっていると思うのでありますが、今の状態ではしきりに陳情も参りますけれども、もう部分品も原料も補給ができないで、もう全くどうにもならないという状態になっておるのでございますが、これの救済のために通産大臣も十分御配慮になっておると思いますが、まだそれが固まったわけでもありますまいと思いますから、どういうふうに固まったかということは私お尋ねいたしませんけれども、通産大臣は御存じと思いますが、今まで取り引きされておったところのコーヒーだとか、綿花だとか、砂糖だとかいうようなものにつきまして、これは運賃の関係もありますし、原価の関係もありますので、なかなかこれを打開していくことは困難だと思いますけれども、戦前には輸出入調整組合というものがあって調整をしておったのですが、今そういう調整機関がないわけですが、今後南米の輸出入組合というような調整機関を作るお考えがあるかどうか、これはお尋ねしても差しつかえないかと思うのです。またバーター的の輸出入関係で結びつきを考えていくということも一つだろうと思うのでありますが、戦前においては三井とか三菱とかという大会社が大資本をもって原産地に出かけて、いろいろの物を買い付けた。そこで買い付けた品物が日本に輸入できなければ、これを他に転売して片をつけておったことは御承知の通りでありますが、今は為替関係で、また資力が弱い関係でそういうことができなくなっておるのでありますが、こういうことについても御配慮願いたいと思いますけれども、しかし今はそんな基本的なことを考える時期ではなしに、先ほど申しましたように、大統領を迎え総理をお送りするために、何とか臨時措置を講じていただかないと、企業もつぶれてしまう。またせっかく遠くから大統領を迎え、遠く総理を送ってもその効果はないと思うので、内容をどうこうということではありませんが、何とか臨時措置を講じていただきたいと考えておるのでありますが、まあ外務大臣も大体そうしたいというようなお考えですが、この点について問題を二つに分けまして、進出しているところの企業、進出しているのであるからこれを殺さないようにする。それからして交流外交をなめらかにする。この二つの点について、そういうふうにせっかく御努力中だと思いますけれども、御努力があるということを民間で聞いたならば、多少の安心は得られるであろうと思いますが、その点をお伺いしたいと思います。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(高碕達之助君) お説のごとく、昨年十月オープン・アカウントを廃止いたしまして以来、四千二百万ドルに相当する貿易協定ができたわけでありますが、これは日本が先行きに輸入するという原則になっておりますが、それ以来、ブラジルの特産物である綿花、砂糖についてはまだその時期でもないし、これが実行できないためにいろいろ問題が起りまして、すでに進出しております各企業者においても、プラント類はもちろん部品の輸出等も拒む、という現状が刻々伝えられておるわけであります。これに対応いたしまして、政府といたしましてはできるだけ早い機会に綿花なり砂糖を輸入するということは第一点でありますが、そのアイテムだけではいけないということで、さらに最近ではブラジルの鉄鉱石、これは非常に品質もいいわけでありますが、値段は多少高くつきますけれども、これもある程度製鉄業者において取ろう、こういう話を聞いて、輸入をふやすことに一方は努力をいたしておるわけでございますが、同時にポンドとドルとの交換性が回復されました今日でございますから、できるだけ商社を通じて、先ほど御指摘のごとく、三国間の貿易等もやって、決済の道を講じていく、こういうふうな点につきましても十分検討を加えて実行に移さなければならぬと思うわけであります。  なおそれにいたしましても、今日御承知のごとく、外交問題で相当デリケートな状態にもありますわけでありますから、関係各省間におきましても、いろいろ協議いたしまして、ある程度のクレジットを出してみてはどうか、こういうふうな考えもありますが、これは一にブラジルはどう出るかということによってきめなければならない問題でありますから、そういうような問題は一つの問題として今検討中であるわけでございますが、これは先ほど大蔵大臣もお答えいたした通りでありますが、現状のところさような努力だけはいたしておるわけであります。

苫米地英俊自由民主党

○苫米地英俊君 通産大臣のお答え了承いたしますが、どうも多少両国間に感情のもつれがあったようで、クレジットをもらわなくてもいいというようなすてばちな考えもあるようなうわさを聞いておりましたけれども、ブラジル方面の責任のある人からの情報によりますというと必ずしもそうじゃない、何とかして早く貿易をやりたいというようなことはあるそうでございますから、これはもしクレジットができるというようなことになれば何か前にもつれがあったようですけれども、今後はないと思いますのでどうかそういう方向で早く片づけていただかないと、綿花であると五月積みになりますし、大豆だと六月積みになる、それから砂糖だと五—六月積みになるというふうで、それまで待っておったのでは大統領の来られるのにも間に合いませんので、どうか一つ早くに何とかなるようにお願いいたしたいと思います。これは御答弁は要求いたしません。  それから次に大蔵大臣にお伺いしますが、先日も大蔵省の担当者に来てもらって話を聞きましたのですが、この担当者の言うておることは理論的にはきわめて徹底しておって、理論でどうということはないと思います。それだけは認めますけれどもその理論は理論であって実際には合わないのです。それは点をつないだところが直線であって、道は直線でいった方が一番近い。これはどうもそうでないということは言えないのです。けれども人間が一地点から他点に行くのには曲り曲って道のついておる通りに行かなくちゃならないのです。これが現実なんです。ところが大蔵省の議論は二つの点をつないだのがこれが最短距離であります、こういう議論なんであります。これじゃ商売にならぬのであります。ですから実情に合うように、この道について曲り曲りまっすぐに行くように、大蔵省は一つ——大臣も御指導願いたいと思うのであります。それでないと、この問題はどうも片づけ得ないのであります。ところが先ほど申しましたように、日本とブラジルとの関係はほんとうに特殊的な関係がある、今後もこれを伸ばしていかなければならない。のみならずこの大蔵省の考えておられるようなことでなしに私は輸出した代金を現地で使う方法もあると思うのです、こっちに取り寄せなくても。けれどもこれは為替管理法にひっかかって今のままではできない。でありますから、為替管理法も同時に御研究になって、そういうことができるように、一つお考えを願わないといけないのじゃないかと思うのであります。  それからもう一つ、大蔵省の説明を聞きまして感じたことは、大蔵省の見方は、現実の目の前のことを考えておる。これがある国のように危険であるとして同一に見ることはできない。地下資源から考えてみましても、自然のいろいろの宝庫があるというようなことから考えてみましても、今とそ————ブラジルがアメリカやヨーロッパに対する債務の切りかえ時期で、六十二年までにこれが片づく予定になっておりますが、この切りかえ時期で、ことに外貨が苦しい。けれどもこれが焦げつきになって永久に日本が損をするというように見るのは私はどうかと考えるのです。長い目で見れば必ず有利になる。のみならず、危険がないばかりでなく必ず日本は将来有利になっていく。もし今日の機会を失いますならば、欧米諸国が進出して、日本は千載一遇の機会を逃がすということになりはせんかということをおそれておるわけでございます。そこで私は大蔵大臣に伺いますことは、これはほかの問題でもあるのですが、現在の為替操作の規定は非常に貿易を障害している部分があります。これは具体的な例をあげればすぐわかりますけれども、きょうは時間がありませんから申し上げませんが、この為替管理規定を再検討されて、時勢に合うようにして下さるお考えがございますか。またこの一時焦げつきになっても、必ず長い目で見れば日本の損失にはならないと私は考えておりますが、このブラジルの評価、ブラジルとの貿易、移住、もしくは船舶の航路維持ということに対してどういう見通しを抱いておられますか。そういう点をお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 為替につきましては、為替規定の手続は非常に煩瑣だというので、もうすでに改正の意図をもって委員会を設けて研究をいたしておりますが、ただ手続だけでなしに、最近の通貨の交換性を回復している外国の例等から考えまして、内容的にもそれを一つ自由化の方向に、十分働き得るように一つ整備しようということでただいま研究中でございます。従いまして為替貿易の今後のあり方といたしましては、順次これが自由化の方向に踏み出すものと、かように御期待を願いたいと思います。  次にブラジルの問題でございますが、先ほど来外務大臣なり通産大臣なりお話をなさいましたので、政府の意向はもうこれは一本になっておりますから、別に大蔵省として異存を唱えておるものではございません。従ってもうそれで尽きるようでございますが、いろいろ事務当局を引き合いに出してのお話がございましたが、もちろん事務当局といたしましては大事な為替管理をしておるその建前から、それについては特に日本の立場等について深い関心を持っていろいろ議論めいたことを申すかと思います。ことに東南アジア等で苦い経験をなめたのちでありますだけに、こういう点について非常に神経過敏になることは、これはどうも事務当局としてはやむを得ないかと思います。しかし先ほど来苫米地さんもお話になりましたが、大へん中南米等について特に知識を豊富に持たれ、同時にまた苦労人である苫米地さんですから、その御意見のお述べになりますことについても、非常に私どもの立場にも同情しつつお話をいただいておるのでございます。このお気持というか、御意見には、私どもは全面的に賛成でありまして、もちろん理論は理論、現実は現実でありますし、現実に即しない話で政治などできるものではございません。ことに対ブラジルの問題になって参りますと、いろいろ経済上の事情は双方に言い分があることだと思いますが、貿易を拡大していく、こういうことになれば、やはりその基本になりますものは友好親善の気持だと思いますので、その両国の友好親善の気持の上に立って具体的な問題を処理していかないとりっぱな外交なぞ、あるいは経済交渉なぞできるものではないと思うのでございます。そういう意味であまり理屈めいたことを申すことは、私どもも一そう注意して参りたいと思いますし、この問題についての御忠告はありがたくちょうだいをいたして参るつもりでございます。  そこで、非常に中南米、ことに南米の貿易について御関心の深い苫米地さんでございますので、一言申し上げておきたいのは、問題はいろいろ制度上の問題もあるようでございますが、結局私どもの方でまずブラジルの品物を買うことが、現状といたしましては先決問題のようでございます。当方からブラジルに送金をするとか、品物を送り出すということも、相手方がこれを快く引き受けてくれればともかくですが、ブラジルとしてはやはりブラジルの品物を買うということ、先ほど来お話のありますミナスの鉄鉱石であるとか、あるいは綿であるとか、砂糖であるとか、ブラジル産の物資を買うことが第一のように思います。そういう意味ではやはりブラジル側にも、当方の誠意というか気持を了解いただいて、そういう点で歩み寄りができるようにいろいろ私どもも努力したいと思いますから、中間に立たれます苫米地さんなどにも、そういう意味で一つ誤解のないように、当方の意向もよくお伝えを願いたい。理屈に走ることは最も禁物だということ、よくわかっています。よく注意するつもりであります。

苫米地英俊自由民主党

○苫米地英俊君 大蔵大臣のお考えよく了承いたしました。この日本に輸入が先行するということは、先般の協定でもきまっているんだけれども、事実できておらない。これはいろいろの事情もございましょうけれども、その一つには確かに大蔵省の、だんごをくし一本でぼっと刺してしまおうというような、くしだんご式の理論がどうもこれはじゃまをしておると思うのです。大臣も理屈は言わないとおっしゃいますから、私も理屈は言いませんが、どうかそういうくしだんご式の理論はお控えを願いたいと思います。それでは大蔵大臣、通産大臣に対する私の質問を終ります。  それでは次にきわめて簡単な問題でありますが、郵政省と労働省の御意見を承わりたい。ごく簡単でありますが、これはご存じかどうかわかりませんが、近ごろは北海道と東京の間の郵便が一週間もしくはそれ以上もかかることがあるのであります。それで私はこのために、ふだんならばですね、二日くらいで来るのです。速達ならば翌日は必ず着くんです。ところが近ごろは一週間もしくはそれ以上かかる。これはどういうせいか。また、せんだってストライキのあった日ですが、長距離電話をかけるために一時間もかかってかからない。あきれて管理の方に聞いてみたら、きょうはストですから申しわけありませんと、それでおしまい、これはストだからしようがないと。ところが当局の発表しておられるのでは一般にはあまり大きな不便を与えなかったと言う。一体一般には大きな不便を与えなかったというのは、数で言っているのか、もしくは通信の内容について言っているのか、私はそこのところに非常な疑問を持つのです。重要な電話一本、電報一本、手紙一本、これは非常に重大なことであります。くだらないものならば、これは大ぜいがくだらない害を受けても重大じゃないかもしれない。当局が簡単に重大な影響は及ぼさなかったと言っておられる意味がわからないのでありますが、どういうことなんでございましょうか。おくれる原因、並びに重大であるかないかというような御判断、それから同時に、こういう問題に対して労働省では今後どういうふうに処置せられるか。これを郵政、労働両大臣のお考えを承わりたいと思います。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) お答えいたします。郵便物の遅配ということにつきましては、お示しのように、通信が迅速に行われるということについては特に注意をいたしまして、いろいろ従事員等に対しましても常に注意を喚起いたしております。ただ最近の事例といたしまして、東京都内の足立郵便局、これを経由いたしますものについて、若干おくれておる事実があるようでございまして、これに対しましては、非常勤等を送りまして、そういうことのないように、極力その防止を努力いたしておると、こういう事情がございますが、その他につきまして、特に何かおくれたというふうな事実がございますならば、そういう問題につきましては、直ちにその事実を十分厳重に調査をいたして参っておるわけでございます。苫米地先生のそういう御指摘の点が、もし私どもが十分行き届かない、不注意だというようなことでありますならば、これに対しましては、直ちに対策を講じてさようなことのないように、一つ最大の努力をいたしたいと思っておりますし、また、通信そのものが非常に重大であり、しかも、速達あるいは電報、こういったようなものにつきましては、常にその事務に必要な時間、通信にかかります時間等をもあわせて検討をいたしまして、そして少しでも遅配等が行われないように、各管理者をして努力はいたさせておりますけれども、御指摘のようなことがございますことにつきましては、十分調査をいたしまして、これに対しましては早急に善処をいたしたいと、かように存じます。

生田宏一自由民主党労働政務次官

○政府委員(生田宏一君) お答えいたします。公共企業体の労働組合のあり方につきましては、この業務の運営が国民生活に至大の影響を持つものですから、公労法十七条で争議行為を禁止しておるのは御承知の通りでございますが、最近、全逓等の方面で多少の争議類似行為があるようでございます。特に最近は、公労委で賃金につきましては仲裁に入っておりまするので、この時期に争議行為に類するようなことをやりますことは、特に遺憾だと思う次第でございます。もしそのようなことがございますならば、当局といたしましては、厳重に処罰をしなければなりませんし、また、それのみならず、この業務の正常を取り戻すためには、やはり労務管理を適正にいたしまして、よき労働慣行を作っていくという方向へ努力せなければならぬと考えておる次第でございます。

苫米地英俊自由民主党

○苫米地英俊君 お話はわかりましたけれども、果してそういくかどうか、そこにはまだ疑問が残っておるのであります。その足立区とかなんとかいうことは別といたしまして、近ごろちょいちょい院内でも聞くのでございます。院内で聞くのは、公報が朝、うちを出るまでについておらない、こういうことを言うておる人がちょいちょいあるのであります。私はすぐ目の先におりますけれども、それでも大体夜の十時を過ぎないと来ないのですが、これは出し方がおそいのかもしれないので、それは申しませんけれども、公報が議員の手元についていないということは、近ごろちょいちょい聞くのです。ですからして、私はどうかよく御調査になりまして、そういうことがないように一つお願いいたしたいと思います。  それから先ほど申したのでありますが、関係官庁で内容もわからないで、大した影響はなかったと、すぐに発表しておる、ストが行われてこうだったけれども、大した影響はなかった。そうすると、大した影響がない程度にやればいいというような気持も出てくるのでありますから、そうしてまた、内容というものにちっとも触れないで、大した影響がなかった、これはまことに困りますので、今後大した影響がなかったというようなことは、軽々しく私は言われないようにお願いしたいと思います。これは答弁は求めません。  それでは、きょうはまことに不徹底でありますが、これでおしまいにいたします。

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 苫米地委員の質疑は終了いたしました。  午後二時三十分に再開いたすこととして、暫時休憩いたします。    午後一時二十六分休憩    —————・—————    午後三時四分開会

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) ただいまから委員会を再開いたします。  まず委員の変更について御報告いたします。小柳勇君が辞任し、その補欠として占部秀男君。竹中恒夫君が辞任し、その補欠として千田正君が選任せられました。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 休憩前に引き続いて、質疑を行います。島村軍次君。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 総理大臣の出席を求めておりましたけれども、御出席がないので、担当大臣としてはなかなかお答えがしにくい点があるかとも考えますが、数項にわたって御質疑を申し上げたいと思います。  岸総理大臣は幹事長当時に、小選挙区制の熱心なる主唱者であり、かつまた、自民党は、これに従って選挙制度調査会の案をもとにして、衆議院は区割りの問題がありましたが、例の審議の途中におきまして、そのまま未了になったような経過をたどっておるのでありますが、私は、今日のわが国の選挙制度は先進国であるイギリス等の実例を見まして、すみやかに選挙制度の改正を行うべきものであると思うのでありますが、小選挙区制のその後における経過及びこれに対する政府の所見並びにこれに伴う全国参議院制度については、御案内の通り、いろいろ論議がかわされておりますが、選挙制度の調査を待つまでもなく、現在政府の方ではどういうお考えをお持ちになっておりますか、まずその点から伺ってみたいと思います。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 総理に対するお尋ねでありますが、総理がただいま見えておりませんので、私、かわりにお答え申し上げたいと存じます。小選挙区制度の問題につきましては、総理といたしましても、衆議院の予算委員会等におきまして、自分は今日もなお小選挙区論者である、ただしかし、この問題は影響するところきわめて大きく、また、慎重に検討しなければならぬ性質のものであるので、現在なお慎重に検討をいたしておる、こういう御答弁を申し上げておるのであります。私、自治庁長官として選挙関係を担当しておる者といたしまして、私自身といたしましても、個人的と申しますか、私自身の考えは、二大政党のもとにおける政党政治の発達のためには、やはり政党本位の選挙をやることが日本の国政の運営上最も望ましいことであり、政党本位の選挙という観点からいたしまして、小選挙区制を採用すべきものと考えておるのであります。しかし、これは政府として、閣議等で正式に決定したわけではないのでありまして、ただ私は、選挙を所管する担当者といたしまして、その後も引き続き、小選挙区制度の問題につきましては慎重に検討いたしておるのであります。先般も、こちらの議場におきましてお話がありましたように、人口のアンバランスに基づく定員の是正という問題とも関連いたしまして、私どもは、適当な機会に区割りの問題も当然検討せなければなりませんので、そういう機会等にあわせましてこの問題を検討し、実現をはかって参りたいと、かように考えておる次第でございます。  それから参議院の全国区の問題でありますが、お話のように、選挙制度調査会に昨年諮問いたしまして、その後、調査会の委員の方の若干の方々からは御意見の開陳があったのであります。しかし、まだ全部の委員の方々の意見の開陳をいただいておりません。従って、また、これをどうするかというところまでいっていないのであります。たまたま参議院選挙がまぎわに迫りましたので、そういう時期においてこの問題を検討することは、各方面にいろいろの影響を及ぼすことともなりますので、現在は、選挙制度調査会は審議を中止しておる状態になっております。しかし、この問題も、私どもといたしましては、何とか解決しなければならぬ問題であり、また、どういうあり方がいいのか、十分有識者の方々の御意見によって政府の態度を決定しなければならぬと、かように考えますので、参議院選挙が終了した後に、できるだけすみやかな機会に、選挙制度調査会を再び開きまして、そうして各方面の方々の御意見を承わり、その答申を待って政府としての態度をきめて参りたいと、かように存じておる次第であります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 さきに小選挙区制の提案をされまして以来、相当の期間が経過いたしております今日、政情必ずしも安定をしたとは言えないという国民の声であります。その場合に、私は、この岸内閣が一つの政策として、かつまた、強い信念で小選挙区制を推進せられるということになりますれば、この際、近い将来において国会を解散して、そうして国民にその小選挙区制の意思を問うということが、適当な措置ではないかと考えております。また、さようなことが国民の意見として出ておることは事実であります。それに対する政府の所見——これは総理大臣からでないとお答えできないかもしれませんが、主管大臣の方でお考えを聞かしていただきたいと思います。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) お話のように、この問題につきましては、私が御答弁申し上げる筋合いでもありませんし、総理のお考えに待つほかはないと思うわけでありますが、私自身の考えはどうかということでありますれば、私は、まあそういう考え方も一つの考え方であるでありましょう。しかし、いずれにいたしましても、単に小選挙区と申しましても、どういうあり方の小選挙区にするのか、あるいはまた、小選挙区と申しても、いろいろこれに併用すると申しますか、いろいろな案もあるわけでありますので、そういうもの等を検討する必要もあろうかと思いまして、私どもはそういう意味で、いろいろ各国の例、それからこの前の国会における審議の経過等にかんがみまして、いろいろ内部的に検討いたしておるのであります。それをやる前に民意に問えということも、一つの御議論かと思うのでありますが、そのことにつきましては、前段に申し上げましたように、私から申し上げることは適当でありませんので、総理に適当な機会に御答弁をお願いいたしたいと思います。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 次に、今日の政治は、終戦後におきまして、いろいろ長所もあり、また、短所も生まれて参っているのでありますが、特に国民の一番関心を持ち、かつまた、遺憾に考えておりますることは、憲法の上にも地方自治の制度が明らかに認められ、かつまた、いわゆる民主政治のルールから申し上げまして、地方自治制度がその重要な進展の基礎になるべきであると考えられるのでありますが、どうも最近における趨向は、かかって中央集権に走るの弊が強くなっているように考えられるのであります。特に府県行政につきましては、知事は公選であり、しこうして法制上では、地方自治の根幹をなすいろいろな法律が、基本が作られておりまするけれども、事実はほとんど中央の委任政治を執行し、かつまた、府県知事あるいは市町村長は、中央集権のためにこれ日も足らないというような事務に追われている。同時に、率直に申し上げれば、中央官庁の鼻息をうかがわねば、すべての府県行政なり市町村の自治行政が行われぬというような情勢ではないかと思うのであります。いろいろこれを緩和すべき制度もあることはありまするが、むしろ中央集権の弊は、各官庁の出先が多くて、しかもその出先の意思に従わなければ府県の行政が行われない、こういうような情勢であると私は思うのであります。そこで、府県行政については、あるいは広域行政にし、あるいは府県知事の官選制度が叫ばれ、また、あるいは地方自治の権限拡大というような問題が相当論議されておりまするし、また、行政組織の上におきましても、出先の官庁を整理して、そうして府県に委任するとか、あるいは市町村にこれを委譲するとかいうようなことが叫ばれておりまするが、今後これらに関する政府の考え方はどういう方に向くべきであるか、一つの基本的な考え方がなければならぬと思うのであります。これに対する所見を承わりたいと存じます。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 地方自治の確立と、それから中央の出先機関との関連等あわせましての御質問でありますると拝承いたしまするが、申し上げるまでもなく、お話のように、新しい憲法によりまして、憲法九十二条以下新しい自治制度というものが確立され、これに基づきまして、いわゆる自治の本旨にのっとり地方自治法が制定され、日本の自治制度は法制的にはお話のように確立されたのであります。ただしかし、御指摘もありましたが、今日財政の関係等におきまして、中央と地方といろいろ関連がありますので、ややもすれば中央集権になるおそれがあるのではないかという点を御指摘になっておるのでありまするが、私どもは、そういう意味におきまして、何と申しましても、財政的に地方の基礎を確立しなければ中央に対する依存度が自然高くなる。従ってまた、中央の干渉ということが行われがちであるということはいなめないと思うのであります。そういう意味合いも含めまして、私どもは中央と地方との財源の配分という問題を真剣に取り上げていかなければならぬのではないか、かような見地に立ちまして、三十四年度におきましては、中央、地方の財源の配分問題を含めて税制の審議会というもので根本的な検討をして参りたい、かように存じておるのであります。こうして、中央の出先機関と地方の関連でありますが、先般の、今日では一昨年になりますか、地方制度調査会で今後の日本の自治制度、特に府県のあるべき姿という問題についていろいろ御検討を願いまして、その答申をいただいたのであります。その答申にも、中央の出先機関というものをできるだけ統合し、もしくは、できるだけ地方に委譲して、そうして中央集権化の弊をため、あるいは行政の合理化、能率化をはかるべきである、こういう答申をいただいておりますので、私どもといたしましては、その地方制度調査会の御答申の趣旨を尊重いたしまして、自治庁自体としてもこの問題をもっと掘り下げて、また具体的に検討すべきである、かような考えのもとに明年度予算におきまして、ごくわずかでありますが、地方制度調査会の答申をいかに具体化するかという問題のために調査を進めて参りたい。もちろん、こういう問題でありますので、その影響するところきわめて広範であり、また住民に影響する問題でありますので、十分慎重に検討して参りたい、かように考えておるのであります。なおまた、政府といたしまして、また自由民主党といたしましても、先般の選挙におきまして行政機構の合理化あるいは能率化、こういうものを選挙に公約いたしておりますので、この線に沿いまして私どもも行政の合理化、能率化、こういう見地に立って中央の出先機関の統合の問題あるいはまた事務委譲の問題、こういう問題を検討し、できるだけ早い機会に具体化に移して参りたい、かように考えておる次第であります。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 佐藤大蔵大臣は、岸内閣における自他ともに許される重要な位置におられ、かつまた、岸内閣の政策遂行には一番適当な位置におられると思うのでありますが、行政機構の改革について、自民党でも最近相当進んだ研究をお進めになっておるようでありますが、そこで、私のお尋ねいたしたいことは、行政組織の改革については、地方の出先官庁を整理することが、前段申し上げたようなことで一番大切なことであり、国民は出先官庁の重複した政策、調査あるいはいろいろな仕事によって、これ日も足らないというような煩瑣な手続をやっておるのが実情ではないかと思います。手続の簡素化もさることながら、これらすべて行政機構改革の基本的な問題を取り上げて、それを整理統合するということが必要ではないかと思うのでありますが、こういう問題については、大蔵大臣としてどういう今お考えをお持ちになっておりますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 行政機構改革の問題は行政管理庁の所管でございますので、山口大臣からお答えさすのが本筋かと思います。ただ、最近二、三閣議等で出ております問題で、特に取り上げたいというので中央官庁において自治庁を自治省にすることの問題、同時にまた、最も出先機関で問題の多いところが港湾でございますが、港湾行政の一元化についていろいろ工夫をいたしておる最中でございます。この二つが行政管理庁で取り上げている具体的な問題でございまして、それの成案を得るべく山口大臣の手元で案を練っている、かように考えております。同時にまた、お尋ねはございませんでしたが、許認可の事項は、中央官庁におきましても非常に手続が煩瑣である、あるいは事務能率が悪い、こういうことで国民から批判もいただいておりますから、これらの点は平素の問題として十分気をつけて整理をして参りたい、かように考えております。  ただいまお尋ねになりました行政機関、出先機関の問題につきましては、ただいま港湾について具体的に研究をしている程度でございまして、その他の事柄につきましては、山口大臣からの説明に譲らせていただきたいと思います。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 佐藤大蔵大臣に特に承わりたいと考えましたことは、具体的に申し上げますると、地方では財務局の仕事と、それから行政管理庁と会計検査院との重複の問題とか、あるいはまた、地方における各省の仕事と財務局との関係等についていろいろの論議があると思うのであります。そういう問題について、ただいま御研究はされていないかとも存じますが、将来私はこれらの問題も、国民の意思がそういうところにあるということをよく御検討の上で、出先機関全部についての整理統合の問題を取り上げて一つ検討を加えていただきたいということを、希望を申し上げておきます。  次に、大蔵大臣の予算説明によりますと、経済の体質改善という言葉を使われておりますが、これは一体具体的にいえばどういうことを指摘されておりますか。私はこの予算説明を見まして、基盤の強化という問題についての説明は相当詳しく出ておりますが、体質改善ということに対してのその意味がいろいろに解釈されるのでありまして、具体的に一つお示し願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 言葉は体質改善ということで非常にわかったようなわからないような話でございますから、ただいまのような話が出て参るかと思います。問題は一言にして申しますならば、国民経済の内部における諸般の不均衡を是正していくということ、これがまず第一のねらいでございます。この経済を発展させていくということ、これはもういずれの場合においても、そういうことが政治の目標でございますが、着実な内容のある発展を、長期にわたって実現していく、こういうことがその具体的な進め方でございます。ところが、戦後におけるわが国の経済は非常に急激な発展をいたしましたので、各部門間において必ずしも均衡がとれているとは言えないものがあるように思います。たとえば一例をもって申しますならば、最近の経済の発展から、どんどん外国から品物が入るにいたしましても、適当な港湾施設がないとか、あるいは大量の貨物を輸送するのにふさわしい船舶がないとか、あるいは国内交通にいたしましても、非常に交通機関も発達して参りましたが、道路がまことに不十分だとか、従って、自動車輸送には適当しない、あるいはまた、動力の面において、電力はよほど整備されましたが、非常な需要があるにかかわらず、供給源が弱い、こういうようなことで、各部門間のアンバランスが相当今まで指摘されております。今回の予算におきまして、公共事業や、いわゆる産業基盤の強化をはかりましたが、こういうことはそのいわゆる体質改善の一つだと思います。あるいはまた、わが国の産業構造の面でしばしば言われますことは、大企業と中小企業なり、あるいは農業、こういうものとの関係においての十分の調整なり、あるいは考慮が払われておるかどうか。これなどもいわゆる体質改善を要する点だと思うのであります。人によりましては、いわゆる二重構造という表現をしておられるようですが、こういう点ももちろん気をつけて参らなければならないと思うのであります。あるいはまた、最近の科学の発達にふさわしいような経済の準備がそれに対応し得るような準備ができておるかと申しますと、この点にも非常な欠陥を感ずるのであります。こういう点も私どもが今後体質の改善として特に取り上げて参りたいと思う点でございます。これは一言にして表現をいたしますれば、各部門間における投資のバランスがとれておらない、こういうことになるのではないかと思うのでありまして、こういう意味で、この経済成長のいしずえを強固にしていく。各産業部門においても、十分国際社会に対応してひけをとらないようにするということでございます。  第二の問題として特に私どもが指摘したいのは、金融の正常化なり企業資金の充実、こういう点でございます。いろいろこの面では指摘も受けておりますし、また政府自身もいろいろ工夫をいたしておるのでございますが、企業が健全で自主的な態度、これを望むように、金融機関そのものの姿勢並びにその内容も整備して参りたいと思うのであります。まあ全体といたしましては、国民生活の安定、向上、これをはかっていくということ、これがやはり抽象的ではございますが、体質改善のその終局の目的でもあるわけでございます。この国民生活に対して安定向上を与える、またそれを強化するということは、これはもう社会的な意味ばかりでなく、経済的な全般の意味の問題だと、かように考えておるのでございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこで、ただいま御説明のありました投資のアンバランス、あるいは金融の正常化等、各産業の不均衡を是正するというような問題についての御説明は、一応了承はいたしますが、ただいまの御説明にもありましたように、資本の蓄積とか、あるいは道路、港湾の改修とか、あるいは設備の近代化等の問題は、この予算面全体を通じますというと、所得に対する予算面の表わし方が、計上されたそれ自身がやはり大企業中心のような政策が主として行われておる。もちろん、あるいは道路、港湾改修というような問題は、これは全般に関係のある問題でありましょうが、しかし、ただいまお話のありましたように、中小企業とか、農村の近代化とか、あるいは不均衡是正とかいうような問題については多少の配慮は表わしておられるものの、どうも重点的なと申しまするか、思い切った政策がとれていない。その結果は、政府が目標にしておられる輸出振興の問題にいたしましても、なかなかうまく参っていない。多少の誘い水をいたしましても、過剰生産の結果は恐慌のおそれ、流通過程において、かえって生活の不安定を来たすというような実例も少くないと思うのであります。私は、これは農林大臣に合せて御答弁を願いたいと存じますが、御案内のように戦前におきましては、農林部門の所得に対しましては、いわゆる非農林部門の所得は、最近の戦後十数年を経過した今日からいきますというと、非常に低いということであります。戦後二十三年度におきましては非農林部門の所得一〇〇に対して農林部門が四五・二であったものが、三十三年度には三四・二であります。よくいわれまするように農村の人口は四割だが、所得はわずかに十数パーセントにすぎない、こういうようなことが、ただいま大蔵大臣の御説明のありました生活の安定、向上という問題に関しては、どうもわれわれには納得のいかない予算面であり、政策ではないか。一つの例をあげて申し上げますというと、今度、農林省で計画をされておりますテンサイ糖について考えましても、イタリアではすでに、戦前輸入をしておったものが政府の政策よろしきを得て、輸出国に転じた。あるいは食糧の小麦の増産について考えましても、フランスなど、倍の増産をし、イタリアではすでに十割に近い増産を進めておる。これらはすべて経済体質改善に関しての思い切った政策がその基本をなしておるのではないかと思うのであります。要するに、これらの問題は、具体的に申し上げますれば、投資のアンバランスあるいは金融上の措置について、何もそう補助金をたくさん出すということでなくして、もっと思い切った政策が両者の間に行われるということでなければならぬと思うのであります。これは少し例が違うかもしれませんが、地方へ参りますというと、港湾の整備も、あるいは道路の整備も非常におくれておる。学校はまだ基本となるべき、いわゆる校舎の改築等が、危険校舎がまだ残っておる。しかるに、官庁の建物はそれらのものに比しては堂々と次々と建てられておる。これは見方によって、それから始めるのだということも言えましょうが、これは政策全体の上から申しまして、どうも不均衡があり、アンバランスがあるということを指摘せざるを得ないのであります。経済全体の体質改善という問題は、こういう基本的な問題から一つ考え直す必要があるのじゃないかということを痛感をいたすのでありますが、これに関する大蔵大臣及び農林大臣の御所見を承わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 体質改善の面で、中小企業や農業について特段な配慮をしなければならないことは御指摘の通りであります。ただここで、今までの施策が総括的に見て大企業に厚くして中小企業や農業関係に弱いのじゃないかという見方がございますが、今、特に、私どもは弁解するわけではございません。もう御指摘の通り日本経済の体質改善には、弱い安定度の低い中小企業や農業に対して格段の留意をしなければならぬのでございます。今回の予算を編成するに当りましても、そういう点については十分考慮したつもりでございます。なるほど、農業関係あるいは中小企業としての専門の部門としての予算あるいは財政投融資の面では、金額の増加が少いというようなお感じがあるかわかりませんが、中小企業の面におきましては、特に大企業との関連性のあること、これも見のがすことができないのでございます。よくいわれることでありますが、たとえば一つの炭鉱が廃止すれば、その町は火が消えたようになるということを言われます。ここにやはり炭鉱と中小企業のつながりがはっきりわかるのであります。紡績の面におきましても、なるほど紡績機械では糸は作りますが、織物の面になりますと、これは中小企業が潤って参るのでございます。あるいは造船の部門においても、下請工場の非常に多数にあること、これはもう御了承のことだと思います。従いまして、大企業が隆盛をきわめると申しますか、と同時に、これに関連する中小企業の部門も必ず活発になるということでございますから、経済の発展そのものでは十分大企業と中小企業とのつながりということも御考慮が願いたいと思うのであります。  そこで、それらの点は御了承いただくといたしまして、専門に、中小企業や農業関係においてどういう対策をとっておるか。われわれ保守党といたしましては、この中小企業や農業に対しては特に意を用いておるつもりでございますが、今回の予算の編成に当りましても、中小企業の面について、あるいは事業税の軽減の面において、あるいは物品税等を減ずる場合におきましても、中小企業に役立つように特に工夫をいたしておりますが、そればかりでなく、中小企業公庫やあるいは国民金融公庫やその他の金融機関についても、特段に留意をいたしておりますし、あるいは設備の近代化等についても、助成金等も今回は大幅の率で増額いたしたつもりであります。農業関係におきましても、総予算について一割の予算というような御要望はございますけれども、それまでにはなかなか参りませんでしたが、今回などはいわゆる五十六億の増、昨年の、基金を合せてみますと、百二十一億に上る農林関係の予算の増でありますし、あるいは農林漁業金融公庫に対しましては、前年に比べて百三十数億の増加の財政投融資計画も立てておるようでございますし、全般といたしましては、農林大臣からお話しするでしょうが、農産物の価格安定、流通の面等について、特に工夫をいたしておるようであります。私は、今日の予算編成上におきましても、十分考慮が払われておるものと、かように思っておる次第であります。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 島村さんのお尋ねのように、農業所得は他の面、すなわち第二次産業、第三次産業との比較におきましては、だんだん低位に下って参っておるのであります。生産力におきましては、絶対量はだんだんふえて参りましたけれども、今申し上げます通り、他産業とのバランスがだんだん欠けて参った、これが一つの大きな問題であろうと思うのであります。従いまして、今後この農業生産性を向上させる、あるいは農村にひそむ人口問題等の重要な問題、さらにまた農産物価格支持政策をどうするという問題は、御指摘の通り、今後の農政上の重大な課題であろうと思うのであります。  しかし、この問題は、ただ単に農政のワク内ではとうてい解決し得ない問題も多々ありますので、われわれとしましても、このまま放置するわけには参りません。従いまして、従来の諸施策を再検討し、さらにまた農林漁業の成立する諸条件につきまして、徹底的にこれを洗い立ててみるということにいたしたい考えでございます。で、今回、農林漁業の基本問題調査会を提案いたしまして御審議をわずらわしているのも、この面でございますが、御承知の通り、諸外国等におきましても、農業と他産業との格差がだんだん出て参る、これに対応していろいろな施策を講じているような事例にもかんがみまして、今のような配慮のもとに農業政策の転換をはかり、かつ根本的な基本的な政策を求めたいと、かように考えておるわけでございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 大蔵大臣に、大蔵省所管の問題で、たばこに関する問題をお尋ね申し上げたいと思うのであります。これは私の申し上げるまでもなく、今日のわが国の財政の上に、たばこの益金が非常な大きなウエートを持っていることは事実であります。戦後急激な発展を遂げまして、反別にして七万六千町歩も産し、かつ、それに伴う財政のいわゆる納付金の額も千数百億に上らんとしておるのでありますが、ここで見のがすことのできない問題が三つばかりあると思うのであります。  その第一は、品質の向上、生産の増強が行われた結果、最近では政府みずからで、専売事業でありますので、生産の過剰といいますか、ストック品がたくさんできて、その結果減反が数年来続いております。栽培農家から考えますというと、この減反の問題については非常な不安を持っておるのであります。そこで将来、われわれの承わっておるところによりますと、この減反はもうこの辺でストップすべきであるというふうな考え方を持つべきではないかと思うのでありますが、それには輸出振興の問題が関連を持つのでありまして、今年度の予算を拝見いたしまするというと、大蔵省専売局予算の中で輸出の予定は三百万キロであり、前年に比して二百万キロも減じているというようなことは、一体何を物語るものでありましょうか。政府みずからが減反をしつつ、しかも輸出を伸ばしていかねばならぬ際に、こういう問題は政策の矛盾ではないかというふうに考えられるのであります。そこで、私の特にお聞きしたいと考えますのは、減反に対する将来の方針、それから輸出についてはいわゆる諸外国、特に欧州方面ではPRが十分で、わが国のたばこについては相当の輸出の見通しが強くなってきたのではないか。承わるところによるというと、前年に比しては数倍の輸出ができたというにかかわらず、ここの販売予定としては減額されておるというのは、これは予算上の数字であって、事実はよほど違っておるのじゃないかと、こう考えるのでありますが、それに対する所見を承わりたいと思うのであります。  それから次に、一番、私は、地方の農家にとり、かつまた専売事業の運営上重要な問題は、ただいま経済の体質改善という点でいろいろ御論議がありましたが、特にたばこの生産については、公社には公社の職員があってやっておるのでありまするけれども、その生産を増強し品質の改善をはかっておるその基本になっておるものは、専売公社にある指導員だと思うのであります。現在、指導員の数は戦前に比してどういう数字になっておるか。しかも、その待遇というものは、物価換算をして戦前よりはどういうふうになっているか。私の承わるところでは、この指導員は臨時職員として、しかもこれは長い間勤めておるにかかわらず、用人給から出しておるというようなことから、その結果、多年の功労者が、今日まで専売、国庫にこういうふうな貢献をしたその基本的なるべき指導員については、全く他との均衡がとれていない。しかも、これについてはどうも大蔵省の予算査定といいますか、大蔵省の見解が間違っておるんじゃないか、こういうことを指摘いたしたいと思うのであります。長い間子供をかかえて、しかも待遇はちっとも上らない。しかも、それは公社の職員として恩給にもならないというようなことは、この際ここに改むべきものではなかろうかと思うのであります。私の聞いておる範囲におきましては、これらについては、たとえば農業においては農業改良普及制度が相当充実いたしまして、人員の増加も行なっておりますが、逆にたばこの方については、多少の減反があっても、受け持つ担当面積というものは非常に広いのであります。それにもかかわらず、減反であるから指導員は欠員はそのまま補充しない、しかも待遇は今のようなことになるということは、これは片手落ちもはなはだしいのではないかと思うのであります。特に大蔵大臣に、この問題はよくはご存じないかもしれませんが、聞いていただいて、政府の所見を一つお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) たばこの問題につきましてのお尋ねでございますが、ちょうど専売公社から参っておりますから、詳細はそちらの方に譲らしていただきたいと思います。  第一は減反の問題でございます。農家のタバコ耕作者にとりまして最も重大な問題でありますだけに、専売公社においても慎重にその処置をきめておるのでございます。しかし、まあ最近の葉タバコの状況等から見まして、どうもある程度の減反はやむを得ないようでございます。いろいろ種類にもよるようでございますが、これは専売公社の説明に譲らしていただきたいと思います。  次に輸出の問題でありますが、最近のようなでき工合から申しまして、輸出についても特に力を入れておるのでありまして、ただいま数字が減っておるという御指摘でございますが、葉タバコに関する限り、昨年より本年の方が多いのでございます。ただいま御指摘になりましたものはあるいは製品としての本数の問題ではないかと思いますが、次のページか何かに、大体ことしは五百八十万キロの輸出計画であります。金額にいたしましても十六億四千七百万円ということになっております。十分、私どもも今後この点では努力して参りたいと思います。  また、指導員についての待遇改善、あるいはその定員等についての御意見でございます。これも詳細は専売公社の方から説明をさすことにいたして、私は省略さしていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、重要な点の御指摘でございますので、十分ただいまの御意見は私も謹聴いたした次第でございます。

石田吉男日本専売公社副総裁

○説明員(石田吉男君) 初めに御質問のございました減反の問題でございますが、実は葉タバコの反別を減らすということは耕作者の方々に非常な影響を及ぼすということで、その反別の決定につきましては、御承知のように、耕作審議会にかけまして、その御意見を伺って決定をいたしておるのでございます。三十四年産の葉タバコの反別につきましては、昨年度耕作審議会にお諮りを申し上げたのでございますが、当時の状況からいたしますと、大体主として黄色種につきましては一三・二%の減反をいたしたい。三十四年におきまして一三・二%の減反をいたしますれば、平時の作柄であればその後はおそらく減反をしないでもよろしいのではないか、こういう計画で諮問をいたしたのでございますが、そう急速に減らされては困ると、いろいろお話がございまして、まあ農作物のことでございまして、毎年作柄にもいろいろ豊凶がございますので、とりあえず八%にしておけということで御答申がありました。その御答申に従いまして、三十四年は三十三年に比べて八%減反をいたしました。当時計算をいたしましたもとは、大体一反歩当り約百九十一キロ程度の反収があるということで計算いたしたのでございますが、最近収納を終えてみますと、二百三キロ、予定よりもだいぶ上回っております。しかし、販売の実績の方におきましては、昨年見込んでおりましたより多少上回っておるような状況もございますけれども、昨年くらいの計画でございますと、三十五年におきましても、ある程度引き続き、そう大きな程度ではなくても、多少の減反はやはり必要かと思います。また、当時の耕作審業会の御意見でも、そう一年にやらずに、まあ数年かかって少しずつやったらどうか、かような御意見でもありましたので、現在の見込みからいいますと、ある度程の減反はやむを得ないかと思いますが、まあ本年の作柄の状況もございますし、また消費の状況もございますので、それらを七分検討いたしました上で、なお、どういう計画を立てますか、もう少し時期をかしていただきまして、十分研究をいたさしていただきたいと思います。  それから、二番目にお話のございました輸出の数字でございますが、これは大臣からもお話のございましたように、島村委員がお読みになりましたのは、実は製品の数字でございます。製品の方は、三十三年度五億の予定が、三十四年度三億本に減っておりますが、これは主として沖縄へ出ておりました製品が、その輸出が減って参ったのでありまして、沖縄ではすでにたばこの会社が三つございまして、それぞれ地元で生産しておりますので、当方からの製品の輸出が次第に減っております。そのかわり、原料となります葉タバコは日本から持っていっておりますので、製品の減ったかわりには原料で輸出がふえるということでございます。それから、葉タバコの輸出増進につきましては、従来から非常に努力をいたしております。専売公社からも欧州方面に駐在員が行っておりまして、もっぱら輸出促進に努めております。昨年度に比べまして八十万キロふえて、五百八十万キロという予定で、今後とも一そう葉タバコの輸出促進に努める考えであります。  それから、第三点の耕作指導員の問題でございますが、これは古いと申しますか、前からの沿革がございます。と申しますのは、実は専売公社になります前の専売局時代におきましては、耕作教師という名前で呼ばれておりまして、当時は全部専売局の嘱託でございました。これは仕事の性質上、毎日自分のうちから別に当時の専売局のいわゆるお役所と申しますか、その事務所の方へ出て参るのではございませんで、自分のうちから朝出て耕作者の間を回っていろいろ指導をして、そのまままた自分のうちへ帰ってしまう、こういうことで、普通の公務員と申しますか、そういう人たちと勤務態様がだいぶ変っております。そういうことから、専売局の嘱託という身分で働いておられた方々でありますが、たしか昭和二十三年だと思いますけれども、そういう政府機関におきまして定員外になるような嘱託という制度はよろしくないと、当時の司令部の方から話がございまして、政令が出ました。従って、その当時、ちょうど昭和二十四年から専売公社と性格が変ったわけでありまして、当時の嘱託が全部社員という名前に変ったのであります。従いまして、当時おりました耕作教師、いわゆる耕作指導員というものは全部その当時社員になったのでございますが、御承知のように社員となりますと、一定の定員のワクがございます。社員全体の定員のワクがございまして、なかなかそれを広げるというわけには参らない。それから、耕作指導員の数も専売局時代には非常にわずかだったと思うのでありますが、足らない人たちは当時の耕作組合で雇っておられたと思うのであります。それに対しまして、専売局からある程度の補助金が出ていたというふうな仕組みでございましたが、現在は耕作組合にはほとんどその耕作指導員はおりませんで、ほとんど全部が公社がかかえている公社の職員でございます。昭年二十八年、昭和二十九年ごろ、反別の増加——増反をいたしますので耕作指導員が足らないというので、そのころだいぶ耕作指導員をふやしたのでございます。現在、社員であるものと、それから常勤委嘱者と申しておりますが、常勤委嘱者であるものと合せまして約千七百八十人ほどおります。まあ、社員と常勤委嘱者、名前は変っておりますが、実際上の待遇等につきましてはほとんど同一でございまして、ただ、しいてこまかいことを申し上げますと、社員の方は定期昇給がある。常勤委嘱者の方は定期昇給がないということが違っております。しかし、常勤委嘱者の方につきましては、毎年年末、まあベース・アップというふうな形になりますが、大体定期昇給に近いようなものをつけ加えておりまして、実質上にはほとんど差がないように扱っております。ただいまお話のございましたような、いろいろなまあ苦情といいますか、不満といいますか、そういうことも十分伺っておりますので、そういう点について、実際上の差がないように私どももいろいろ気を配っております。非常に低い待遇であるというふうなお話がございましたけれども、公社の社員の平均ベースが大体まあ二万円まで参りませんが、大体基準内給与の平均ベースが一万九千何がしでございます。それと、社員である耕作指導員の方の平均給与、これは勤続年数にも関係あるわけでございますが、平均いたしますと基準内給与は大体二万二千円くらいになっております。それから、常勤委嘱者の方の平均給与は一万二千二百円、これだけ見ますと、だいぶ違うようでありますが、今申し上げましたように、古くからおりましたものはほとんど社員になっておりまして、勤続年数も非常に長い、年配も相当である。それから、常勤委嘱者になっております人たちは割合に若いのでございまして、勤続年数も三年あるいは四年というふうなんでございます。そういうベースで比べてみますと、現在の常勤委嘱者である指導員の給与と、それから普通の社員であります、同じ程度の勤続年数であるものの給与とはほとんど変っておりません。むしろわずかでございますけれども、耕作指導員の方の給与が少し高くなっておるということでございます。ただもう同じ仕事をしておりますものが、身分が二つあるということはいろいろ問題もございます。急速にもすぐ解決できる問題でもございませんが、何とかしてそこの問題を円満に解決していくように私どもとしてはできるだけの努力をいたしたいと思います。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 経過があるからという理由でこういうふうに中途半端になっておるということは私は非常に不満です一同じ政府職員、まあ公社ですから少し公務員とは違いますけれども、やっておる仕事は全く公務員と、ことに他の農業改良指導員等と同じ仕事をやっておるのでありまして、すでに千七百八十人の定員外及び定員内の人員が現在不足しておるにかかわらず、なおかつこういう待遇でやるということは、私は、弱い人であるからあまり声を出しておりませんが、これは一つの社会問題ではないかと思うのでありまして、大蔵省の予算の執行、予算の建前を審議される場合に、こういう問題は他との均衡をとれるようにやっていただきたい。従来の例がこうであったとか、あるいは沿革がこうであったとかいうようなことでなくして、近い勤務地を、今日の社会情勢では自分のうちから通うというのは、これは当りまえのことなんです。自分のうちから通うから待遇を低くするということでは、これは均衡がとれていないということを遺憾の意を表して、これは再検討を願うようにお願いいたしておきます。  それから、ついでに大蔵大臣に、これも希望を申し上げておきますが、税の問題につきまして数年来この予算委員会等でもよく問題になるんですが、所得税の割当ということはやらないと、こういうことを明らかに言っておられます。事実はそういうふうにもとれるのですが、実際を検討してみますというと、いわゆる目標額というものがあって、その目標額が必ずしも正鵠を得ておらぬ。そうして、なお進んで検討しますというと、これは農業の例にとって申しますと、田等では農業団体等が国税庁なり税務署へ交渉してやりますが、畑の方についても、大よそは基準は作ってありまするけれども、事実を申し上げましょう、同じ畑であって、しかも野菜の産地は一律に七万六千円という収入を見ている。それは、零細な農家が自家用に作って、ほとんど一毛作か二毛作でやって、まあ大根をとるぐらいの程度であっても、それもやはり、お前の地方は野菜の産地で、三毛作である、四毛作である、こういうことの例です。七万六千円も一律にかける。だからして、百姓泣いておりますよ。これは事実は、私はどこならと言うたらすぐ説明でも申し上げます。こういうような問題は、今日の行政では均衡をとれております、あるいは目標は割当はいたしておりませんとお話しになっても、これは非常な行政のアンバランスというか、このくらい過酷な苛斂誅求は私はないと思います。これは国税庁長官に事実はあとからでも説明しますが、なお御答弁は、お話しになっても目標程度にして、事実をよく調べるということでありましょうが、これは強く、この点はお話しになっていただきたい。これは人のやることですから、なかなかむずかしいこと——税務署員のです、税務署員は総体にこのごろはよくなられました、われわれの聞いておる範囲では。しかし熱心の余りは、収入はほとんどないのにかかわらず七万六千円をもって課税標準とするというような、こんなばかげたことはないと思いますから、一つよく御注意を願っておきたいと思います。  だいぶ時間も経過しましたから、農林大臣にあわせて二、三お伺いいたしたいと思います。  そこで、ただいま大蔵大臣なり農林大臣がお話しになりました市場対策というようなもの、流通過程の対策について御説明がありましたが、一体この予算説明には流通対策の市場調査費があがってあるくらいの程度でしかないようです。ほかは各項目別にあがっておるのでありましょうが、なかなかむずかしい問題でありましょうが、しかし、今日の時代は私が申し上げるまでもなく、もうジェット機ができたのです。ソ連へもナシを送ってもよろしかろうし、果物を送ってもよかろうと思う。また、オランダのように、花は飛行機で売ってもいいという時代で、運賃の問題はありましょうが、これらの問題を考えますと、農家に安心して生産せしめるような流通対策をこの際はどうしても私は立てていただきたいと思う。たとえば、香港にあるバレイショでも、このバレイショはこちらではあんまり輸出せぬように考えられておるが、行ってみるというと、もう市場は幾らでもほしがっておる。こういうふうな情勢から考えますというと、輸出振興の問題についてもっと積極的な対策をやられることが、わが国の農家の安定を期する非常な大きなポイントになるのじゃないかということをつけ加えて申し上げたいと思います。  それから、大体最近では各地で総合開発の計画をやっておられますが、農業に対する、あるいはまた基幹産業に対する考え方が、今まで、技術者もあるいは専門家も知らなんだところの開発地がたくさんあります。これは私の県の例を申し上げましても、吉備高原というのを昨年やっていただきましたが、山の上で台地になっておる。馬蹄型の台地が非常に土質がいい。そこで、それを開拓して総合開発をやりますというと、ただ、それは開墾という簡単なものじゃなくても、林業とあわせて経営したらいいんで、いわゆる林農一体の計画をやれば、すぐに生産力の増強を来たします。それからまた、五反百姓の付近地の山がたくさんある。この山は、山林が個人経営ですから、これを農地解放のごとく解放するということでなくても、これは農地委員会等で付近地を開墾いたしますれば、直ちにスイスのようないい牧草地もできるし、牛も飼える。こういう所もたくさん残っておるんですが、これに対する政策が、農地法の改正というんですか、林地も、農地法の改正によって、これが容易に開墾し、あるいは開拓し得る措置が必要ではないかと思うんです。これはもう、現実に痛切に感ぜられております。芦田内閣当時には、全国で五百万町歩の開墾地があるということで、これは十五度以上の傾斜には開墾するんだということが、当時の政策に出たことがあります。それがいつの間にか消えまして今日では部分的な問題になっております。これらの問題は、今後の基本政策の上に、畑地の振興とあわせて大きく考えねばならぬと思うのでありますが、流通対策の問題とあわせて、一つ御所見を承わりたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 農産物価格の維持と流通対策のことでございますが、申すまでもございませんけれども、食糧管理法によりまして、米麦その他重要農産物につきましては、価格支持政策をとっておることは御承知の通りであります。本年は、特に山林の、零細な人々がやっております木炭につきまして、これに対して流通対策として一歩を進めております。同時に、水産物等につきましても、大衆魚でありますところの、とりあえずサンマ等を中心にいたしまして、サンマあるいはイカ等につきまして価格支持政策を進めるということに一歩を進めて参ったのであります。  次に、ジェット機の時代になってくるから、飛行機によってもっと出すようにと、こういうことであり、かつ、ソ連といたしましても、果実等の輸出を御提唱になったのでございまして、実は日ソ経済協定の際にも、従前には極東地区には相当に日本の果実が出ておったことは御承知の通りでございますから、こういうようなことも提案したのでございますが、ソ連側はさようなものは受け入れぬということで、実はまだ進んでおりません。同時にまた、飛行機等でただいま取引をされておりまするものは、まことに微量でありまして、たとえば初生びなでありますとか、あるいはまた蚕種でございますとか、かような局限されたものでございまして、欧州におけるオランダのごとき、比隣にその生産物を売るというようなところにはまだ参っておりませんが、われわれといたしましても、各国、各地方の市場等を十分ににらみまして、対応の政策をだんだん立って参らなければならぬと考えておりますが、今後十分に研究、検討を重ねたいと存じます。  次に、傾斜地、いわゆる山地等と林農一体の問題でございますが、仰せの通り、芦田内閣の時代に五百万町歩の計画等もあったそうであります。これはいわば机上の計画でございまして、デスク・プランとして、一応十五度以上の土地が開拓の対象として考えられるのじゃないかということから、提唱いたしたのでございますけれども、その後調査しまして、そうして二百万町歩等に制約して、そのうち百五十万程度の開拓に進んで参っておるのでございます。現在はそれを対象にして開拓を進めて参っておる。すでに完成しましたものは、約五十万町歩程度でございまして、この計画は、御承知の通り、今後とも推進して参るわけであります。  ただ、今、スイス等におきまする例のアルペン地帯における林農一体の経営でございますが、これは御承知でもございます通り、あの西ヨーロッパの地帯におきまする地質的といいますか、その方面が、日本と比べまするならば、遺憾ながら日本は劣っておる。それから同時に、台風の常襲地帯でございますので、急峻な地帯におきましては、とうていスイス等に期待しまするような牧場、牧草地帯の経営は困難であろうかと思うのでございます。しかし、御指摘にありました通り、吉備高原地帯でありますとか、そういうような所につきましては、なお当局といたしましても調査を進めまして、そうして開拓政策を展開して参りたい、かように考えております。  ただ、農地法の制約があるから進まぬのか、こういうことでございますが、これは農耕適地とし、あるいは酪農地帯等の設定し得ますところの適地でございまするならば、かような開拓等の措置を講じましたり、また機械開墾等の施設も拡充して強化しておるときでございますので、現行の農地法のワク内におきましても実行できることは取り進めて参りたい、かように考えております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 ただいまの問題には、私は多少意見の相違もありますし、事実の御説明にわれわれ納得せない点もありますが、その程度にとどめまして、最後に農林大臣に、米価の決定に対する考え方、いわゆる所得補償方式による問題と、最近大蔵省との間に麦価の御協議がされておるようでありますが、その麦価決定の経緯、それから最近では運輸省では運賃の問題が出ておるようでありますから、運輸大臣もおいでになっておるようでありますが、運賃値上げについて、これは経緯が相当ありますから、農産物等に関する運賃を、最後になって実情に合わないというので引き下がられた例もありますから、原案を御作成される時分に十分検討してお出しにならぬと、また取り下げをされるということにならないように、一つお願いを申し上げたいと同時に、簡単に三点についての御答弁をお願いいたします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 第一に、米価の算定方式のことでございますが、御承知の通り、この問題は、米価審議会等におきまして従前とっておりましたパリティ方式の算定方式を改めて、生産費補償方式の算定方式を採用する、こういうことでございます。農林省の従来のこれに対しまする態度は、この算定方式に含まれる各要素等につきましても、実際的に運用する場合、さらにまた、理論的にもなかなか取りきめすべきところの標準が立たない、理論的にもなかなか困難な問題があるということで、とり得ないという態度をとっておったのでございましたが、昨年の米価審議会の結果、当局におきましても、生産費補償方式のもっと実効的になるように研究を進めるということにいたしまして、ただいまその具体的な方向を見出すべく、食糧庁の事務当局をして検討をさしておる段階でございます。非常にむずかしい問題でございまするので、まだ結論を得ておりません。ただいまのところ、どういうふうにするということは申し上げかねますけれども、さようなことでございます。  しかし、従来とも、米価審議会等に対しましても、いわゆるパリティ方式のほかに、当局といたしましては、参考試案としてこの式の計算を出しておるのでございますが、今申し上げたようなことでございまして、検討をし終り、そうして実効的な案ができまするならば、これを、だんだんその算定方式も取り入れたい考えでございまするが、ただいまのところ、まだ結論を得ておらぬことを御了承願いたいと思います。  次に麦価の問題でございまするが、これとても、大蔵省云々のことでございまするが、ただいまのところ、従来の所定の方式によって計算するということでおりまして、別段改正の考え方はございません。  運賃の問題でございますが、これは当局といたしましても、この改訂のいかんによりましては、農産物といわず、生活必需品にも至大な影響を及ぼすものでございまするし、すなわち、従来のなにでございますと、特別等級によって米麦等生活必需品が若干の保護を受け、さらに肥料、飼料、農機具等は若干の保護を受けておるわけでございまするし、同時に、特別割引制度によりましても、いわゆる公共政策の割引等によりまして、農産物、林産物等はその庇護を受けておるわけでございまするが、これはにわかに改正等をしていただきますると、物価にも影響いたしまするし、消費者に対しましても相当な影響を受けるばかりでなく、生産者方面にも至大な影響を及ぼすことであります。ことに、遠距離輸送の物資等につきましては、国民生活上相当の影響を受けますものでございますから、当局としましては、この立場から、運輸当局に対しましてもいろいろ御配慮をわずらわしておる、こういう実情でございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 運輸大臣の御答弁はもうよろしゅうございます。お考えを願っておきます。  最後に、外務大臣に、移民の問題について政府の所見を承わりたいと思うのです。時間が参りましたので、簡単に伺いますが、日本の移民政策は、まあ一口に申し上げまして、非常に微温的であるということで、これは皆さんも御承知の通り、イタリーでは年々六万から十万が出ております。すでに数十年の間に千三百万の移民を送っておる。わが国では、わずかに最近ふえて九千人程度であります。これは政府の政策が不十分であるということに私は帰着すると思うのです。もちろん、敗戦後の日本の国情からいって、一時には参らなかったでありましょうが、私はまず第一に、イタリーの例にならって、優秀な移民政務次官というものをお置きになることを希望いたしますが、御意見はいかがでございますか。  それから、同時に、機構の改革をやつてこれの拡充をされることを希望いたすと同時に、いま一つは、現在各国との間の移民に関する協定その他が不十分であります。そこで、特使を派遣して日本の国情を十分に知らせると同時に、具体的な折衝をやられるということの必要があると思うのであります。これは外務大臣お一人ではなかなかやりにいく問題だと思いますが、同時に、農林省との間に連絡をとりまして、かの地における土地の問題あるいは技術の問題等を、もっと積極的にやっていただきたいということが第二点。  もう一つは、夢のような話だといわれるかもしれませんが、オランダの公使であられた岡本さんのお話を、数年前かの地で、ここに聞いておられる人もあるかもしれませんが、承わりますと、オランダの外務大臣とニューギニアの開発について話し中だということでありますが、その後の経過はどうなっておりますか。あるいはお引き継ぎがないかもしれませんが、中絶されているのかどうか、あるいはこれは他に大きな障害があるのかどうか。数百万町歩を持って——数百万と申しますよりは、日本の国土の何倍も持ち、現在オランダ人は五万にすぎないニューギニアにおきまして、耕地を開拓すれば全く無尽蔵であるということと同時に、かの地の湿地におけるマラリア等は雲散霧消するという前提のもとに交渉されたということでありますが、その点に関する経過を承わると同時に、他の国々における移民の問題については、現在のそれはどうも線香花火的な感じがしてならないのであります。  たとえば、船舶については、移民船のためには、政府みずから、あるいは他の会社に出資等をされまして、船の建造をやられることも必要でありましょうし、また土地については、積極的に、あるいはキューバ、ドミニカ、パラグワイ、アルゼンチン等についてはもちろんのこと、東南アジア等においてこれらの問題をやられることは、わが国の人口問題とともに、将来のわが国の国策の上に非常に大きなウエートを持つことと考えるので、これは大蔵大臣にも一つ十分御勘考を願いまして、将来の政策の上に飛躍的にやっていただきたいことを希望申し上げますが、さきの問題について外務大臣の所見を一つ。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(藤山愛一郎君) 移民事業を画期的に一つやれというお話でございまして、これはまことにごもっともな適切なことだと思います。今日まで実は、二十七年にようやく移民を送出することができるようになりまして、戦後の諸般の事情のために、必ずしも移民事業というものは国内的にも整備いたしておりませんし、受入国側との交渉等も必ずしも完全でなかったというようないろいろな事情がございました。従いまして、御指摘のように、移民というものが活発でなかった点は、私も率直に認めざるを得ないと思います。ただ、今日のような情勢にだんだんなってきますと、国際的な関係におきましても漸次良好になって参りますし、国内の経済復興等もできて参りますので、従って、それらの態勢を整える時期に来ているのじゃないか。同時に、現在生産人口が八、九十万づつふえていきますような今日の実情では、やはり人口問題の一助として、移民という問題を大きく考えなければならないと思うのです。従って、そういう意味におきまして、移民の仕事を総合的に考え直して、そうしてできるだけ力強く出発するようにいたして参らなければならぬことは、われわれ痛切にこの仕事に関係いたしておりまして感じておるところでございます。ただ、移民専門の政務次官を置くかどうかという御質問でございますが、実は外務省が人手が足りないことはお話の通りでありまして、他省において二名の政務次官を持っておるところもございます。外務省としても、少くも国内関係を調節する政務次官と、国際関係を維持する政務次官というようなものがほしいとは思っておりまするけれども、なかなか機構の改革の上からいいまして、あるいはいろいろな予算上の措置からいいまして今日まで達成できませんが、移民専門ということでないにしても、何かそういうことが将来できますことは、われわれ希望いたしておるわけであります。また、移住地の受け入れ国との間の協定等をやりますことは必要でございまして、現在協定をやっておりますのは、わずかにボリビアだけでございます。ただいまブラジルとパラグァイとに移民協定をやる下準備をしておりまして、ブラジルは昨年八月から交渉を開始いたしております。また、パラグァイは御承知のように、各方面の御支援によりまして、船舶借款等もできることになって参りましたので、移民受け入れのパラグァイ政府の方策もきまって参りましたから、ただいまやはり移民協定を進めております。なお、アルゼンチンとドミニカが移民協定はやっておりませんけれども、交換公文において移民を受け入れてくれておりますけれども、この両国に対しましてもやはり移民協定的なものを作ることが必要だと思っておりますので、それらについては努力して参りたいと思っておりますが、今すぐに何か特派大使みたいなものを派遣して、そうしてこの移民の条約を作り上げていくというところまでは考えておりませんけれども、南米方面に対して移動大使等を出しまして実情を調査もいたしておりますので、今後、そういうことについてはできるだけ進めて参りたいと思っております。  次に、ニューギニアの問題でありますが、かつてそういう、岡本大使とオランダ外務大臣とが何か話があったということは、私もあまり詳しく承知いたしておりません。現在御承知のように、西ニューギニアはイリアン問題として、オランダとインドネシアとの間に非常に大きな係争の問題が起っておりますので、従いまして、現在そういう問題を扱いますことは、必ずしも適当ではないと、こう考えております。さらにお話のように、移民をやります場合に、やはり輸送の船舶、あるいは今日になりますると、単に送り出すばかりでなく、移住地の購入というような問題が必要になってくることは御指摘の通りでありまして、いかに希望者がありましても、また、いかに政府が予算を取りましても、移民船の建造が進んで参り、それが充実して参らなければならぬのでありますが、関係各省ともお話をいたしまして、できるだけそういう面に進んで参りますようにお願い申しておる次第でありまして、その面からくる制約は、なるべく早く総合的に移民政策を立てましてとって参りたいと思っております。また、土地等を購入しましておきますことは、これは将来移民をやります上において必要であり、また、土地の値上り等も起って参りますので、今年度におきましても、来年度におきましても、移住会社に土地購入等に使います資金が三十億くらいは用意されることになろうと思うのでありまして、これらのことによって活発に進めるように指導して参りたい、こう思っております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 時間が参りましたので、これで終ります。

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 島村委員の質疑はこれで終了いたしました。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 次に北村暢君。

北村暢日本社会党

○北村暢君 まず第一番目に、国鉄運賃の等級の問題について、運輸大臣並びに関係者に御質問申し上げます。  まずお伺いしたいのは、国鉄では、現在、貨物運賃の制度調査会が設けられてこの審議をしてきているようでございますが、概略その経過を御説明願いたい。国鉄総裁にお願い申し上げます。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) もう一昨年でしたかからこの委員会を設けまして、かねて先年運賃値上げをお願い申し上げましたときに、この運賃値上げは、みんな一律に運賃値上げをいたしますが、その後、経済情勢の変更によりまして、多少負担力等にもでこぼこができてきているのでありまして、いろいろな情勢の変化がありまして、相当長い期間をかけて等級等の調査をいたしまして、変更をしたいということを申し上げてあったのでございますが、その委員会を設けまして一昨年から調査をいたしております。旅客部会、貨物部会、総会と三つに分けて調査をいたしておりますが、何分にも大へんに困難な問題でありまして、まだ調査の結論が出ませんで、報告に接しておりません。大体まあ本年の五月ごろまでに調査ができるかといっておったのでありますが、非常に研究に手間取りまして、多少、あるいは一、二カ月おくれるのじゃないかというふうな今日の情勢であります。ただいままだ報告を得ておりませんので、どういうふうに、どう変えたいという御意見になるか承知いたしておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 大体この結論が五月の予定だったがまだ延びるだろうと、大体この経過は承知いたしておるのですが、この貨物部会の中に、中間報告がなされて——これは国鉄に正式にしたものでないというのは、一昨日の西田委員の質問に対しても答えられておりますから承知いたしておりますが、この中に、貨物の等級の専門委員会というのを設置せられて審議をしておるようでございますが、大体においてこの調査会の運営の仕方についてでございますが、相当な中間答申というものが、大きくはっきりした文書になったものが出ておりまして、それのワク内で専門委員会が検討をする、こういうような仕組みになっておるように伺っておりますが、これは調査会自身の問題である、まあこういうふうに言われるかもしれませんけれども、この専門委員会でもって論議した結果によりまして出た結論というものは、貨物部会の中間報告というものを越えて、これをくつがえすことができるのかどうか、そこら辺のところを国鉄総裁、運世上の問題でございますが、お伺いいたしたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 先刻申し上げましたように、旅客部会、貨物部会等、部会が分れておりまして、その部会の中で、またいろいろと今話のような専門委員会が設けられまして検討せられております。これらのことは、すべてこの委員会の内部のことでありまして、私どもがこれをくつがえすか、くつがえさないかというようなことは一切関係いたしておりません。それは委員会でどうされるか、委員会にわれわれは一任しておる、委員会の最終の結論だけをいただくことになっておりますので、何とも私から申し上げかねる次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは仮定の質問になって非常に恐縮でございますけれども、これから若干御質問申し上げたいと思いますが、貨物の等級制度について、根本的に全面的に改訂をするということが考えられるのでございますが、この場合、財政法の第三条、また国有鉄道運賃法の第七条の解釈によって、貨物の賃率表に影響をして、これを改訂するというふうに考えられるのでございますけれども、これは等級の改正ということであれば政令だけでやれるのか、この貨物運賃の賃率表の改訂に及ぶような場合は国会の承認を経るか、あるいは法律改正という形になるのか、この点を一つお答えを願いたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) もし、その審議の結果が、賃率表を改訂しなければならぬというふうなことに相なりますると、今お話のように法律改正を要します。国会に提案して法律を改正してもらわなければならぬことに相なるかと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは具体的に御質問申し上げますが、ただいまの中間報告と称せられるものの中に、現在の等級十二等級、それに特別等級が三等級あるわけでございますが、これを十等級に圧縮をする、そして特別等級を四等級にふやす、一等級ふやす、こういう案が出ておるようでございますが、こういうことになれば国会の承認を経なければならないか、さもなければ、等級改正ということで政令だけでできるのか、この点を一つお答え願いたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) そういう場合には、国会の御承認を願わなければならぬことに相なるかと存じます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この答申を求めるに当りまして、国鉄は今度の等級改正について増収するということを目的にしておられますか、あるいは増収ということを全然離れて、等級内部の経済情勢の変化等においてその内部の不均衡を是正する、こういうことであるのか、この点を一つお答え願います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 制度、等級の改廃につきましては、増収ということを目的といたしておりません。増収をしない範囲において、内部の各事業の、あるいは品目の間のでこぼこを是正するということが趣旨でありますから、それゆえにそれぞれの専門の皆さんにお願いいたしまして、委員になっていただいて、そうしてどう調節したらいいかということを御検討願っておるような次第であります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃお伺いしますが、公共政策割引の廃止は、本年の六月になされる予定になっておるようでありますが、これを六月に廃止せられるのか、継続せられるのか、この点についてお答を願います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) これは一年延ばして、本年の六月に改訂することになっておりますが、その後まだ変更いたしておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の私のお伺いしているのは、六月までということでやってきているようでございますが、六月以降継続するのかしないのか、それから重ねてお伺いしますが、この特別割引というものを廃止をして、そうして特別等級に入れる、こういうふうにも伺っておるのでありますが、さらにこの特別政策割引を廃止いたしますということになれば、これは運賃の増収ということになってくるのじゃないか、こういうふうに考えられるのでありますが、先ほどの御答弁によりますというと、増収ということは考えずに、等級の制度の中のアンバランスを是正するのだ、こういうようなことでございますが、これと関連して、政策割引を廃止した場合に、増収になってくると考えられるのですが、その点についてもう一度御答弁願いたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) ただいま申し上げますように、制度、等級等につきまして、それぞれ専門の委員の方々にお願いして検討いたしておりますので、その検討の情勢を見て、皆さんの御意見を十分に伺って決定いたしたい、こう考えております。まだ六月以降どうするともきめているわけじゃないのであります。国鉄の収入の状態は、皆さん御承知の通り、今非常に減収いたして困っておりますけれども、そういう次第で、われわれといたしましては皆さんの御意見をよく伺って、そして将来どうするかという方針をきめたい、こう考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは先ほどの答弁で一つまだわからないのは、六月の政策割引の問題でございますが、公共物資の政策割引の問題でございますが、これは割引期間というものが本年の六月までということになっておると思うのですが、これは運賃の調査会にこれも含めて答申してもらうようになっておるのでございますか、これは調査会と引き離して、国鉄で処理ができるのかどうか、この点お伺いしたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 委員会には制度、等級等の御審議を願っております。従って政策割引の問題は委員会の審議事項の中には含まれておりませんけれども、当然そういう問題に触れて委員の方々がいろいろ御意見をお述べになりますし、われわれもそれを伺って、そうして、どうすればいいかということを考えてみたいと、こう考えておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは農林大臣にお伺いいたしますが、この貨物の運賃というものは、等級制度と、それから賃率とからできていると思っているのですが、私しろうとでございますから明確にはわかりませんが、とにかく貨物運賃の決定というものが、従来、原価主義によるか、あるいは貨物の運賃の負担能力によるものによってやるかと、こういういろいろ主張があったわけですが、従来は貨物の負担力によってこの等級というものがきめられてきている、こういうふうになっておるわけですが、それを今度、中間報告等を見ますというと、原価主義に切りかえる、輸送の原価主義に切りかえると、こういうような考え方が大きく出てきておるわけでございます。従ってこれは非常に大きな部分が農林物資に影響をしてくるのでございますが、これに対して、この審議会はまあ学識経験者からなっておって、農林省の意見を聞くとか何とかいうような形はとるかとらないか知りませんけれども、とにもかくにもこの調査会の委員の中にも農林関係の代表者が出ておる、業界の代表者が出ておるわけなんでありますが、この代表者が正しくこの調査会に農林物資の現況というものについて報告されたかどうか。それからまた、この委員が交代があったというふうに聞いておるのでございますが、この委員が交代される中で、この中間報告というものもできたというようなことも伺っておるのですが、その辺の事情。それからこの貨物のいろいろな経済状況の変働その他ということについて勘案をして、貨物の負担力から原価主義に切りかえるということでございますが、農林大臣としては、貨物の負担力によって決定せられている当時と現在と、農林貨物についてどのような変化があると判断されておるのか、この点についてお伺いをしたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 第一に調査会の機構の問題でございますが、御承知の通り、従前は農林中央金庫の理事長をしておられた湯河君が入っておりましたが、このたびなくなりまして、農協中央会の一楽君が後任として入っております。それから今の運賃の問題でございますが、われわれの入手しております情報によりますと、運賃構成の要素をだんだん変えてくるような御意見が多い。それから先ほど島村さんにお答えしました通り、特別等級を廃止するような傾向がだんだん進んでおる。さらにまた割引制度等につきましても、公共政策割引等についても全廃したいというふうな傾向にあるということが伝えられております。なおその下部機構として専門委員会が構成されておるのでございますが、これは農林省の経済局長等も参加しております。従いまして、その面におきましても、これらの問題につきましても、農林省の関するところについての意見は申し上げております。終局的にまだ結論が出ておりませんけれども、その中間の段階におきましても、農林省としまして配慮すべきことは、この面を通じてもいろいろ連絡いたしたい、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の御答弁でちょっと納得しないのは、従来、運賃を決定するときにおいて貨物の負担力によってきめておるのを、これを原価主義に移そうというのは、これは非常に大きな変り方であります。そういう変り方をしようというときに、これは経済情勢の変化とか何かによって変えるのだと、こうおっしゃるのだが、農林大臣としては、そういう原価主義に移るようになるような経済情勢の変化があると、こういうふうに判断されておるのか。従来の公共特別割引なり、あるいは特別等級なりというものを継続していくという農林物資についてのこれは流通面において、非常に大きな影響を来たすわけであります。しかもこれを試算をいたしてみますというと、木材関係、あるいは食糧等、米の輸送等もこの特別等級に入っておる。木材等もこれは国鉄との協定によって特別等級を適用されておる。しかも農林産物というものは、どこへ持っていく、どこへ持っていくと、産地を動かすというわけにはいかないのでありまして、実際にある産地というものは、これは木材等であれば、北海道であるとか、九州であるとかいうところに非常に偏在をしておる。従ってそういう事情を勘案して、従来、公共割引というものをやってきている。それを今撤廃をし、さらに等級を改正するということになりますというと、これは現在の運賃の二割から三割上るであろう、こういう試算すら出ているのでございます。国鉄当局から言わせれば、そう上らないというかもしれませんけれども、私どもの試算したところによると、そういうような影響も出てくるのではないかということが、この試算として出ているのであります。非常に不安に感じておりまして、相当、農林省、運輸省当局に陳情もいっていることだと思うのですが、そういう面を一つ勘案して、農林当局としては、一体どのように判断してこの専門委員会なり1経済局長はそこにおられますが、経済局長はその専門委員なんですから、どういう考え方でその専門委員会に臨もうとしておるのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) ただいま運賃等級の専門委員会が開かれておりますことは、ただいま御指摘の通りでございます。農林省から私が参加をいたしております。まだ審議に入りました当初の段階でございまするので、問題がそれほど具体的にはなっておらないのでございまするが、審議の劈頭におきまして、私はこの問題に対しまする農林省の考え方として総括的な意見を申し述べておいたのでございます。申し述べましたことの要点は、今回の運賃改訂の基本的な考え方は、ただいま御指摘もありましたように、従来の負担力主義の建前から輸送原価の建前に変える、従って、低級貨物につきましては相当な引き上げが予想されるというような建前になっているわけであります。従いまして、従来のいわゆる物価の値上りに応じまして調整をいたしました場合と、相当大幅に建前が変って参りますので、非常に基本的な検討を必要とする、従いまして、専門委員会といたしましても、一応審議会で中間的におまとめになりました考え方のワクの中だけで議論をしろ、検討しろと言われましても、とうていそれでは処理ができない場合も一応予想される、その場合にはもう一回問題を総会に戻すなりなんなり適当な方法で再検討を願うというような事態も予想されますから、その点は一つ、十分御承知の上でこの審議会を運営していただきたい、さように申し入れをいたしまして、専門委員会としてもその建前を了とされておるわけであります。そのような態度をもちまして、今後具体的に農林物資にどのような影響が出て参るかということが順次計数的にも輪郭が出て参ると思うのであります。事態に応じまして、十分調整には努力して参りたいと、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 大体終りたいと思いますが、ただ一点要望しておきたいのは、今、経済局長から答弁がございましたけれども、実際問題としては、貨物部会の中間報告というものが出されて、そのワク内で実は論議をしている。それはもうすでに等級というものを、十二等級を十等級にすると、こういう案に基いて、そうして検討しておる。ですから、経済局長はその意思を反映するというのですが、まだ試算もやらないでいくというのは非常に不見識なのであって、これは一つ、いろいろな場合の想定に立って、そうして試算をして、どのくらい農林物資に影響があるか、特に農林物資というのは、特別等級なり、あるいは等級の下位にあるのはほとんど農林物資なのだ。だから私は特に言うのでありますが、そういう点について、一つ十分検討をしてやっていただきたいということ。それからもう一つは、運輸当局からの答弁によりますというと、等級を圧縮するということになれば、法改正もしくは国会の承認を経るということでございますから、この承認を得る段階になりましたならば、これはまたあらためて論議をする機会があると思いますので、本日はこれだけでこの問題は打ち切りたいと思います。  農林大臣にお伺いいたしますが、三十四年度の農林関係の予算は一千六十三億五千万円ということで、小団地等の土地改良関係の基金の六十五億というものを除外しますというと、実質的には百二十億の増加である。従って、農林関係の予算としては相当大幅に増額された。それから農林関係の財政投融資等の計画におきましても四百三十九億、非常に大幅に増額されている、こういうことでございますが、ここで経済企画庁の鉱工業の生産指数並びに農林水産生産指数、これを見ますというと、国の予算の増額並びに財政投融資にもかかわらず、生産指数というものが非常に鉱工業と比べて低い、また国民所得においても、農林関係は最も低い、こういうことが経済の見通しに関する指数として出ているのでございますが、一体、この国民所得なり農林水産の生産指数なりというもののこういうような形というものは、一体どういうところから来ているのか、一つ農林大臣に御説明をお願い申し上げたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 昭和三十四年度の農林水産の生産水準を見ますと、これは三十一年が基準年次でございますが、三十一年に対しましては一〇八・七、すなわち八・七の上昇率というふうになっております。三十三年度の、前年の実績に対しましては〇・三%、こういうことになっているのでございますが、御承知の通り三十三年度は近年まれな生産の上った年でございまして、これに比較する三十四年度は、これは平年の水準をとっておりますから〇・三%の増加となっておりますけれども、実質的には三十三年度が三十一年度の標準の平常状態に比べますと相当の上昇線でございますので、おのずから三十四年度の生産水準は三十一年度の基準年次との比較におきましては一一二・〇二%、すなわち一二・〇二%の上昇、こういうふうになっておりまして、この長期計画でにらんでおります年率の三%というものは成長率を低目に見ているのでございますが、これに比べるならば、順調な伸びであろう、こう考えます。しかし、長期計画自体の生産目標を達成するためには、ただいまも御指摘になりました通り、なお農業政策の上に格段の努力をしなければなりませんし、特に国の財政支出並びに投融資等につきましても、相当な伸びを見なければ、この生産の持続は容易ではなかろうかと、かように考えているわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 続けてお伺いいたしたいのですが、一昨年農林白書が出まして、また昨年は農地白書というものが出ております。それで従来の農林政策というものをここら辺で大幅に転換をしなきゃならない。そこで、新長期経済計画に基く農林関係の計画というものも立案されまして、赤城農林大臣の当時に、これを計画に基いて実施しよう、こういうことで三十三年度から始まったようでございますが、三十三年度が、実は養蚕関係にいたしましても、酪農の問題にいたしましても、非常に大きな農政の混乱が起った。成長は確かにいたしましたかもしれませんけれども、相当な混乱があった。しかしながら、その中でもやはりこの新政策に基いてこれを実現していこうという意欲というものは相当あったと思うのでございますけれども、今度の予算の中で一体大臣はどういうふうにしてこの構想というものを実現するべく努力をされたのか、これを一つお伺い申し上げたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 予算の金額は、先ほど北村さんもおっしゃった通りのことでございますが、これを特に当面の農林政策推進の上において最も重点を置かなければならないということにいたしましたのは、生産基盤のいわゆる強化といわれる土地改良等に重点を置きました。というのは、一つには、これは昨年の災害等にかんがみましても、土地改良をいたしております所はほんとうに災害もなくて、実りの秋を迎えたということでございますけれども、これが整備しておりません所では相当な痛手をこうむっている、こういうことでもございますので、生産性の後進地域並びに災害のある方面につきまして、特に生産性増強の見地から土地改良に力点を置いた。この総額は大体概算にいたしまして四十五億程度の増額になっております。このほかにも、土地改良事業以外にも、当面の問題にいたしましたのもございますが、最も重点を、計数的に見ても重点を置かれたのは、今申し上げたようなことでございます。    〔委員長退席、理事堀木鎌三君着席〕

北村暢日本社会党

○北村暢君 従来の農林政策というものが物量を増産をする、いわゆる食糧増産、こういうものを柱といたしまして、増産政策一点張りです。そのためにいろいろな技術も進歩しましたし、あるいは土地改良の効果もありましたし、農地改革の効果もあって、現在四年連続の豊作、こういう形ができた。従って、今おっしゃられるように、土地改良に重点を置いた、生産基盤の確立のために重点を置いた、このこともわからないわけじゃないのでありますが、ここではっきりしておかなければならないのは、農林白書等でもはっきり言っておりますように、この物量の増産だけでは、これではやはりこの農業政策にはなっていない。従って、これは農民の所得というものが非常に問題になる。その農民の所得というものを考えない農林政策というものは、これは決して十分なものではない。こういうことで農民の所得をふやすために生産性を上げる、その施策をとるのだ、こういうことで来ておるのでございますが、今おっしゃられるように、この土地改良の問題についても、土地改良自身は、これは私はこれについて今順々に御質問申し上げたいと思いますが、とにもかくにも、土地改良は従来水田というものが主体に行われてきている。これはもう圧倒的にそうなんです。また農業の、農林業の体質改善ということからいって、従来の水田中心の農林政策というものは相当行き詰まってきておる。そこで、畑作振興というものが出てきた、酪農というものが出てきた、こういうふうに変ってきておるのでありますが、来年度の予算におきましても、重点がこの水田に置かれているという点に私はやはり非常に大きな問題があるのじゃないか、こういうふうに思うのでございます。従って、ここで大臣にお伺いいたしたいのは、この土地改良の問題自身についても、いろいろ従来意見があったわけでございますが、今度は水系別の事業の企画と実施、こういうものが要求されておりましたが、一部についてこれを取り入れられたということについては、非常にけっこうなことだと思うのであります。しかしながら、この水系別を取り上げたことによって、従来の土地改良事業というものとの調整がうまくとれているのかどうか、それからまた、その残ったものについて、今後どのような計画を持っておられるのかについて、まずお伺い申し上げたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 土地改良のいわば重さでございますが、北村君もよく御承知の通りですが、わが国の現状におきましては、もとより農家の収入を向上させるということが究極の目的なわけであると思いますが、わが国の農業を改善する上におきまする土地改良は、まだ重要な要素を私は持っておると思います。しかし、これだけではいけませんことは当然でございますが、私はそういう自論を持っております。これを解決することによって関係の農民の負担を軽減する。同時にまた、生産力を増強しますことはもう顕著に現われておるのですけれども、しかし、これでもって足れりとはいたしません。  次に、この土地改良の方向でございますが、今までは率直に申し上げまして、国営事業等の直轄の事業は進むけれども、これに関連する県営であるとか、あるいは団体営というのはおくれがちであった。これがつまり土地改良を随所に見まする場合に、非常にわれわれとしては反省させられる問題であったのであります。従いまして、今度は水系別にこの国営それから県営、土地改良の団体営等一貫いたしまして、そうしてこの調整のとれた進み方にいたしたいというので、今度予算の編成をいたしたのでございます。しからば、あとの残った部分はどうするかということでございますが、これも御承知の通り、大局的には六百三十億程度の総工費をもって、五ヵ年計画をもって第一期の計画を進めるということに土地改良はなっておるのでございますが、三十三年度並びに三十四年度の予算の計上額を見ますると、おおむねこれによって約三割程度の進捗度になろうかと思うのであります。そしてこれは五ヵ年の比率で見ますると、おおむね妥当でございますから、六百三十億の土地改良等の第一期分につきましても、この割合で進む場合におきましては、所定の計画を遂行し得る、こういう考え方で進んでおります。  なお、この問題に関連しまして、団体営等の進度の鈍い点、これらはただ単に国の助成をもってするばかりでなく、三分五厘の低利の金をもって土地改良を進めるということにつきましても、従来は二十七億程度の資金でございましたが、これをさらに拡大しまして六十五億程度を三分五厘程度の低利で供給して、これに即応させるということをあわせて行なっているわけであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 従来の畑地の土地改良はどの程度になされているかお伺いしたいと思います。それにつけ加えて、一般の土地改良事業というものは、昭和三十三年度までどの程度に事業が進捗し、それから畑地の土地改良というものがどのくらいに事業が進捗しているのか、予算とそれから受益面積、これについてお教え願いたい。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 私からかわりましてお答えいたします。先生の御質問の畑地改良の問題でございますが、これは従来畑地改良につきましては、御指摘がございましたように、進捗はあまりいたしておりません。と申します理由は、大体水田関係でございますと、反当一万円足らずくらいの事業費でできるのでございますが、畑地の改良の場合におきましては、大部分が新しい施設を作っていくというような関係がございまして、この反当の事業費が大体三万から四万くらいになるというような関係がございまして、従来ともすれば畑地改良というものは進まなかったという傾向がございます。来年度の予算につきましては、大体県営以下の畑灌の経費というのは、大体五億くらいでございますが、これにつきましては、従来は今申し上げましたような、負担が高い上に、実は補助率が従来は水田その他でございますと五割の補助でやっておったんでございますが、これが補助率が低くて県営の場合は四割、団体の場合も四割というような形に実はなっております。それで来年度の予算におきましては、県営の場合は、畑灌につきましては、水田その他と一しょに五割にする、それから団体営の場合におきましては、最も予算のかかります水源工事につきましては、五割にするというふうに、補助率を上げまして、そしてこの畑地の改良をはかっていきたいというふうに考えております。それから先ほど五億という金額を申し上げましたが、実はこれは県営以下でございまして、従来は直轄の土地改良等は大部分が実は水田を対象にして事業をいたしておりました。しかし最近におきましては、たとえば三十二年度におきましては鹿児島の笠の原というのは、これは全部畑地の土地改良でございます。また来年度に新規として考えておりますのは鹿島南部というような地区も大部分が畑地の改良をするというようなことで、国営の直轄の土地改良につきましても、最近はこれは水田偏重ではなくて、これは農業経営の近代化をはかっていくというような考え方から、畑地の改良ということに実は重点をおいてやっております。進捗の度合いでございますが、これはいろいろ特殊土壌地帯でございますとか、いろいろな特別立法とか、あるいは海岸砂地というようなことで特別立法を作りまして、大体畑地の改良をやっておるのでございますが、これの進捗度合いは、これはものによって違いますが、二〇%ないし三〇%というのが大体の今までの進捗率になっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今農地局長から言われましたように、畑地灌漑というものが、土地改良というものは非常におくれておる、二〇%程度、これは日本の農業の体質改善という面からいって、これはもう看板だけ畑地振興ということをいっているだけで、実際には事業はやっていられないし、ことしの予算を見ましても、土地改良の予算が六十五億ふえておるという中で、一体それじゃ畑地の灌漑の予算というものはどれだけあるか、ちょっとこれは計数をここに持っておりませんけれども、大臣の方から、ことしの畑地灌漑は幾らになっておるのかお教え願いたい。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 先ほどもちょっと御報告いだしたのでございますが、県営以下、団体営について、畑地灌漑と銘打って載せております。これは補助金でございます。これは大体五億になっております。そのほかに国営の直轄事業がございます。これの中に畑地と水田と分けまして幾らということは計上いたしておりませんが、国営の直轄の分についても、これはかなりのものが計上はいたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今答弁されているように、畑地というものについては、土地改良だけを見ましても、非常に事業の進捗率からいっても、低いということははっきりいたしておりますので、これは後ほど開拓の問題その他についてもまた触れるけれども、この点を一つ今後重点として、畑地振興ということでやっているなら、やっているような形の予算というものがやはり組まれなければならない。私は非常にこれは不足しているのではないか、この点一つ今後の考慮を願いたい。  それからもう一つは、先ほど出ました補助金の問題でございますが、これは特に土地改良に関する補助金の問題についてでございますが、国営並びに県営、特に国営事業は、六〇%から一〇〇%、国営の場合の補助率がなっている。あるいは県営の場合、五〇%から、北海道の場合等は五五%、こういうことでございます。そのほか畑地灌漑は、四〇%でありましたものが、これは五〇%にするというのだから、これはまあ改訂されたということになると思うのですが、特に私がここで考えたいことは、昨年から特定土地改良特別会計というものができて、そうして事業を促進する、そういう形でなされて参りまして、従来二十年、十五年かかっておったものを七年でこれをやる。そのためには集中的に国家の財政投資もするわけでございますが、同時に県の負担、あるいは団体営の個人負担、こういうものが増加してくる、これは当然考えられるのでございますが、それと並行しまして、補助率の問題というものが私はやはり再検討されなければならないのではないか。そうして融資面というものが非常に増加して参っております。これは統計を見ますというと、財政投融資の面における土地改良の負担分というのが、おそらく現在の倍近くに将来なっていく。こういうことで、財政の国庫の負担よりも、地元民、あるいは地方団体の負担というものも相当増額している。しかも期間短縮のために集中的に増額していく、こういう問題が出てくるので、地方財政の貧弱な折柄、この問題は非常に重要な問題だと思うのでございます。  そこで、この補助金の問題については、農林省全体について検討されなければならない問題でございますけれども、これの検討の用意があるのかないのか、また土地改良事業の期間短縮の、経済効果を上げるための短縮のために、農民の負担というものが集中的に増加する、ここで一つ、その融資制度等についても、特段の考え方をする必要がある、こういうふうに思うのでございます。特に土地改良事業というのが今再検討の段階にきているというのは、非常に経済効果も上り、増産もなって、農民はうれしいのであるけれども、金がかかるのでどうにもならないというのが、これは偽わらざる声として出ているのじゃないか。こういう面を一つ慎重に検討する必要があると思うのでありますが、農林大臣はどういうお考えを持っておられますか、御所見を承わりたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 実は土地改良等につきましては、こういう現象であることも御了承の通りであります。すなわち、相当の負担をいたしましても、早目にこれを実行してほしい、ということで、これはもう要望が非常に強いのでございます。しかしながら、たとえば五割なり等の政府の助成が出るわけでございますが、あとの負担はしなければならない。その負担そのものが、農家経営にとってどれだけの重圧になるか、それをどう配分すべきかということにつきましては、これは御議論があると思うのです。しかし実際問題になりますと、たくさんの希望があって、われもわれもというのでございまして、現状としましては、この程度進んでいるわけでございます。決してわれわれとしましては、たくさんくるからというので、負担が軽いとは考えておりませんけれども、そういう実情でありますことも御了承の通りであります。しかしこれらの助成金等の問題につきましては、やはり農林省は、年来これをやってきているのでございますが、一度根本的に見直してみたい、こう考えます。実は、農林漁業に関しまする基本問題につきましては、あらゆる角度から見直して参りたいということで、調査会等もいたしたのでございますが、さしあたりこれらの問題は、その対象としまして重要な課題として再検討をするし、もしそれ低利の金でもってどんどん進む場合には、むしろこれは資金供給の道によってこれを打開する。同時にまた、国家においてやはり負担をみてやらなければならぬという場合においては、その事情によってこの制度を取り入れるということで、十分に検討する機会を得たいとむしろ考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次にお伺いしたいのは、開拓関係のことでございますが、従来のこの開拓の実績についてみますというと、未墾地の取得については、大体百四十二万四千町歩、これは三十二年度までにその取得をしているようでございますが、それの実際に農民に分割されているものというのは、——これはちょっとお伺いしますが、この統計に出ておりませんので、農地局長にでけっこうですから、大体現在までの、戦後の開拓の実績について、どのくらいになっているのか、これを一つ御説明を願いたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 資料を持っておりますから、私から……。戦後、開拓地に入植いたしました開拓者の戸数は、約十四万六千六百戸でございます。そうして、その開墾完了面積は、約三十一万二千六百町歩、それから、増反者の開墾を入れますと、約四十五万五千五百町歩、こういうことに相なっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、離農者がどのくらいおるか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今、大臣からお答えがありましたように、大体今残っておりますのは、十四万六千戸くらいでございまして、緊急開拓当時から離農しました者が約五万くらいでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 二十万戸入植いたしまして、離農したのが五万五千、それで現在十四万六千くらい入植しておる。それでこの五万五千の離農をした者の跡始末というのは、一体どんなような形になっておりますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 離農した人の開墾をいたしておりました土地につきましては、これは残った人に再配分するというようなやり方を実はやっております。それから、実は、これは今後の問題にもなるのでございますが、不振地区等につきましても、間引きといいますか、そういうことをして、さらに、ほかに入植してもらう、その離農しました跡地は、残った人に配分するというような実は方針で考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私はここに大きな問題があると思うのですが、二十万戸入植して、五万五千が離農をしたということは、これは終戦当時の緊急開拓当時は相当離農もしておるわけなので、これはまあやむを得ない、こういうふうに思うのですが、最近に至っても、やはり離農する者は相当おるわけでございます。まあ一割程度は離農しているのじゃないかと思います。そういうような点からいたしまして、この開拓の再配分等も今言われましたけれども、実際には、これは再配分という形で簡単にいっていればいいのですけれども、開拓農協等においては、夜逃げ的に逃げてしまった、どこに行ったかわからない、こういうことでもって、開拓農協が、その逃げていった人の負債全部を背負ったような形になっておる、こういう問題があるわけでございます。そのために、今、開拓農協は非常な苦境に陥って、実際におる入植者のいろいろな資金面における——返済期にきている政府資金その他いろんな資金の面について、開拓者の負債というものについては、これは私が申し上げるまでもない、農林省も調査しておられるのですから、よくわかっておられるところなんですが、とにもかくにもそういうような状態で、開拓農協の組合長になり手がない。せっかく集まってきたものを持っていっても、これは延滞料でもって、元本、利子にも及ばない、これが実態じゃないかと思う。そういうような実態の中で、延滞になっておるのは、一体どのくらいあるのか。その処置について、農林省は、一体どういうことを考えておられるか、これを一つお伺いしたい。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今御質問の延滞の問題でございますが、大体、われわれの計算では、二百五十億くらい借りておるのじゃないかというふうに思っております。これは、政府資金のほかに中金の災害資金、公庫の資金等も含めまして、そのくらいになっておると思います。延滞の問題でございますが、これは、御承知のように、政府の開拓者資金融通特別会計で金を貸しているのが大部分でございますが、そのうちで、今、現に貸付になっておりますのは、百五十億くらいございます。そのうちで延滞になっておるであろうと推定されますのは、約二十億でございます。この問題につきまして、われわれの考え方は、実際どうしても返せぬという人につきましては、何か考える必要があるのじゃないかというようなことからいたしまして、現在あります法律でございますが、国の債権の管理等に関する法律という法律がございます。これに基きまして、一定の基準を定めまして、その基準に達しないという人にはさらに五年ないし十年の期間を延期するというようなことで基準を作りまして、まず北海道から実はやっております。北海道につきましては一億七千ほどのものがことし三十三年度にそういう手続をとられました。内地につきましては、実は最近基準を作りまして、そういうことで進めております。  それから来年におきましては、実は開拓者資金融通特別会計の予算が今出ているわけでございますが、その中で三十三年度におきましては、三十三年度に償還の期限にくるものの中で七〇%くらいが国に入るのではないかというような前提で実は予算を組んでございます。三十三年度は、これを実情を見て参りますと、三十年ごろまでは償還率は大体六〇%ないし七〇%あったのでございますが、三十年ごろから以降につきましては、だんだん償還率が悪くなって参りまして、四〇ないし三五・六%というようなふうに下っております。それで来年の予算におきましては、大体、若干これは年度によって違いますけれども、平均して申しますと、来年償還期のくるものの中で国に入ってくるのが三〇%くらいかもしれないということで、今年は七〇%、来年は三〇というようにその率を落しまして、実は特別会計の歳入を組んでおります。三十三年と同じペースでやりますと約三十億くらい入るということになるのでございますが、来年は十億くらいの歳入というふうに見積りまして、そこは実情に合わしてやっていきたいというふうに考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 委員長、今のに関連して質問があるのですが。

堀木鎌三自由民主党

○理事(堀木鎌三君) 北村君よろしゅうございますか。

北村暢日本社会党

○北村暢君 どうぞ。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今、北村委員の御質問に対してお答えがあったのですが、北村委員の御質問の通り、この開拓地におけるところの状況は非常に窮迫している。最近にわれわれのところへくる陳情は、延滞利子も払えない。さらにまた、中金その他を通じて支払い命令をやっている。それで春肥の肥料の仕入れができない。たとえ新しい方法によってこの救済方法を農林省は指示しておっても、末端においては春の肥料の仕入れができない、こういう状況に現在追い込まれているところの開拓地が相当あるのであります。これに対してはどういうような施策を行なっておられますか、その点をお伺いしたい。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) お答えいたします。春肥の手当の問題でございますが、実はこれはこの国会で御審議いただきました例の開拓者の融資保証の問題がございます。これにつきまして、政府におきましては三十三年度までは、大体毎年三千万ずつ出資を増加いたしまして、その六倍のこれは保証ができるわけでございますが、中央の開拓保証協会の出資金をふやして、それによりまして保証の限度を広げてやっていごうということでやったのでございますが、来年度におきましては、それを三千万を八千万にふやすというようなことをいたしまして、極力保証の限度は広げていきたいということを実はやっております。  今御質問の点でございますが、実はこの保証協会の金を借りまして肥料を買いましたものは、昨年の春肥が大体十六億くらいありまして、これがまだ償還期に参っておりませんので、これは今の基金の財源にはならぬのでございますが、実は春肥の手当までには償還期限も参りますし、これはそれで一つの方法として手当はして参りたいというふうに考えているのが一点でございます。それから、実は開拓者資金融通特別会計の中で、これは営農振興資金といたしまして二十三億というものを予算を計上いたしております。これは昨年は十八億ということで計上したのでございますが、運用部資金の借り入れを増加いたしまして、営農振興資金として貸し出しもしていくということも実は考えております。そのほかにこれは中金等の、これは開拓農協を通じてでございますが、組合金融も活用いたしまして、何とか春肥の対策だけは考えたい。これは手当が十分いくようにしたいというふうに考えておる次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ただいま千田さんからも話がありましたように、開拓農民というのは、春にやる肥料をどうするかということに今困っている、こういう状態です。それから年間当りの粗収入というものを見ましても、実際に五十万以下というものが八割から九割を占めておる。年間粗収入五十万以下というものが八割から九割を占めておる。そのうち年間二十万以下というものが、これはおそらく半分を占めておる。これが開拓農家の実態であります。これは農林省は御承知の通り。それに対して今負債で非常に困っておる。春肥もどうか、こういうような状態にあるのが開拓農家であります。しかも、その十六万の開拓農家がこういう実態にあるのに対して、私は、これは現在の開拓の予算の中でも、この不振開拓地に対する予算、あるいはこのいわゆるパイロット・ファーム式の近代的な開拓、新しい開拓は、こういうみじめな開拓、貧農を作る開拓ではもちろんいけないんですから、これからの開拓はそういうふうにはあるべきだとは確かに思うんですけれども、実際に今おる十何万かの圧倒的多数の開拓農民というものは非常に苦しんでおる。従って、これに対して営農資金としての中金の短期資金、こんなものを借りて、とても、営農改善をやって、農家の近代化をやって、大家畜を入れる、こういうようなことにはとてもならないのであります。従ってここで根本的に私は開拓の問題を、不振開拓地帯に対する対策というものを抜本的に考える必要があるんじゃないか、こういうふうに思うのでございます。そのためにはやはり思い切った低利資金というものを入れて、この農家の経営の形そのものを変えさせないとだめだと、こういうふうに信じております。そのことは、私は今後における日本の農業の体質改善、あるいは今後の未墾地の取得、草地農業の振興、畑地振興、こういうような問題について……。    〔理事堀木鎌三君退席、委員長着席〕 開拓地の九〇%は畑作地帯であります。従って畑作地帯を振興するというんであるならば、まず、この開拓の問題を解決しないというと、あらゆる面において今後の日本の農業の発展というものを阻止する原因になる。山地主も未墾地として開放したいと思うけれども、ああいうような、貧農を作るような開拓というものを目の前に見せられておって、この未墾地を開放しろといっても、これはできないことなんです。ですから農林省は、今水田、稲作というものを中心の農業から、畑作振興ということで切りかえて、酪農という高度な農業の形へ持っていこう、こういう考え方がありますし、また将来そういうふうになっていくんだろうと思いますが、そういう面からいたしまして、一つこの開拓の問題に対して抜本的な対策が必要だと思うのだが、一つ大臣の所見を承わりたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 農政上のいろいろな問題がございますけれども、農林省といたしまして最も心にとめておる問題は、この開拓地の問題であります。と申しまするのは、終戦後、緊急開拓で入植させたのでございますけれども、当時の事情から、いろいろな施設、いろいろな機構、そういうようなものの整備しないままに入っておるということであったと思いますし、当時の事情としてはやむを得なかったかもしれないのでございますけれども、現状御指摘のような事実は、これは否定できません。従いまして、本年度の開拓地に対しまする施設も、重点は不振地区を解消するということに置いたのでございまして、今後の基本的な考え方といたしましては、開拓地の選定につきましても、特別開拓地区として、ほんとうに経済的な面でもって十分に検討し、調査した上で決定するという政策をとりましたのもその一環であります。それは別といたしましても、本年度特に力点を置いてこの不振地区の解消をはかりました要点は、第一に、従来立ちおくれておりました建設事業をさらに推進するということ。第二には、開拓地の振興計画を取り上げてこれを整備するということ。同時に、ただいままでは組合側でも非常に困ったのでございましたが、この開拓地に対する営農、その他の指導員を特別に設置いたしたということ。同時にまた、今の開拓融資法等についても信用制度を拡大しまして、そして融資を便宜ならしめるということでございます。今後やはりこの制度を拡大いたしまして、そして土地々々の条件によって生産性を高めて参らなければならぬと思うのでございます。これにつきましても、一面におきましては畑作振興のためには、北海道、それから関東地区等々におきましては、一応畑作に対する開発計画も技術会議等を中心にしてある程度の策案もできておりまするので、技術の指導面とも密着させまして、そうしてあわせてこの問題と取り組んでいきたい。後年度におきましても、開拓地の不振地区の解消、同時にその振興は心してこれを強化して参りたいと考えております。

西田信一自由民主党

○西田信一君 関連。開拓地の問題について、ただいま北村委員から御質問がございまして、ただいま農林大臣の御答弁がございましたが、私は北海道でありますだけに非常にこの問題は深刻である。ただいま北村委員がお述べになりましたが、北海道の開拓者は五十万円なんていう収入をあげておる者はほとんどありません。全くない。ほとんど食うや食わずで、辛うじて出面取りをして食っておるというものが非常に多いのです。これはただいま、いろいろ不振地区の解消等について御方針を述べられましたが、全く入植条件が整わないまま入植させざるを得なかった事情は了としますけれども、その結果こういうことになっておるのだと思います。そこで、建設工事が非常におくれておるということも原因でございますが、私は、建設工事そのものに根本的な再検討が必要でないのか。要するに十分、そこに入ったならば、努力をすれば食っていけるだけの基礎条件は、これは国がやっていかなければ、とうてい成り立ち得ない、条件の比較的悪い所が残っておるわけでございますから、それに対しまして、今までの建設計画というものが、もう少し根本的に再検討されるべきであると考えるわけであります。ある意味において、極端な言い方かもしれませんが、当分の間、新規入植を差しとめても、これらの既入植者の不振地区の解消については根本的な再検討をして、国の面子とかなんとかいうことは捨てまして、そうして根本的に再検討して、建設計画を、不十分なところについてはさらに建て直して、解消するというくらいの抜本的な措置が必要であると考えるのでありますが、そのような決意をもってやっていただけるかどうか、一つ農林大臣からお答えをいただきたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) ただいま西田さんも御指摘がありました通り、当初入植させました地区の選定なり、そこにおける営農計画等が不十分なままに入ったということは、これは否定すべからざる事実であろうと思います。従いまして、今後の開拓措置につきましては、先ほど申し上げた通り、徹底的に経済的に成立する条件を備えさせる。同時にまた立地条件がかりに劣悪な場合でありましても、これに即応する国の施設を付加して、それを成立させるということの心組みでいかなければならないと思うのであります。従いまして、私は、こうした当面の重要問題の対策といたしましては、不振地区を全部改善しまして、営農が成り立つ、安定した生活を得させるということに力点を置いて、集中的施策を展開して参りたい、こう考えております。

西田信一自由民主党

○西田信一君 ただいまの御決意は大へんけっこうだと思います。私は、どうしてもこの条件が悪くて、将来営農が困難であるというような見通しがついた地区については、政府が責任をもってこれを他の土地に移して、そしてこれを完全に一つ農業が成り立つようにする。こういうところにまで政府は責任をもってやるという任務があると思うのでありますが、そういう御決意がございましょうか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) ただいま御要請になりました措置を当然とるべきだと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 次に、お伺いいたしますのは、甘味対策の問題についてお伺いをいたしますが、農林省は、過日、砂糖類の需給の長期計画を立てられまして、それについて砂糖の約半分、需要の総量の百五十二万トン、これは十年後の数字のようでございますが、その百五十二万トンの需要量に対して半分の七十五万トンの国内の自給態勢をとる、こういう計画を発表せられておるのでありますが、これの、主としてテンサイ糖の問題について、しかもこれについては四十万トンの増産をする、こういうことのようでございますが、これについてどのような計画でこのテンサイ糖の問題をやろうとしておられるのか、これをお伺い申し上げたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) まず、テンサイ糖は四十万トン程度の生産を期待するということでございまして、そのうち、約三十万トンは北海道に期待する。あとの十万トンのうち二万トン程度は東北へ予定し、あとの八万トンは内地のビートの生産を期待する、こういうことでございます。この計画の推進に当りましては、まず第一は、ただいま北海道等と連絡中でございますが、北海道におきまするテンサイ糖の作付計画は、町村に至るまでの作付計画の策案をいたしたいということでございます。  第二は、従前とっております通り砂糖、テンサイ糖の買い上げ、同時にテンサイの買い上げの補償をするということ、同時にまた、関税方面の引き上げ等、消費税の改訂によって、テンサイ糖を自主的に規制し得るような措置を講じたい。こういうことが主たる眼目でございまして、この線に沿うて今後ともこれを推進して参りたい、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 テンサイの増産ということについては、非常にけっこうなことだと思いますし、また、従来テンサイの大部分が、三十万トンが北海道、こういうことのようでございますから、主体が北海道へいくのではないかと思うのでございますが、これの考え方がやはり寒冷地の畑作振興、こういうことが主眼で、今日までテンサイが、ビートの栽培というものの奨励がなされた。しかも、それもまた、農産物価格安定法が適用されて、そして現在、北海道に製糖工場も、どんどんできる、こういうような事情になっておることは御承知の通りなんですが、これに対して、やはり私考えるのには、政府の積極的な施策というものが、今日このビートというものを、ここまで持ってきた、こういうふうに考えられるのでございますが、今、御説明によりますというと、将来は、これを輸入の関税と砂糖消費税のこの問題から、自主的に経営が成り立つようにやってゆくんだ、こういうことのようでございますが、一体砂糖の税制の問題を、どういうふうに改められようとして、どういう計画でやられようとしておるのか、この点についてお伺いいしたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 今度の糖価の方針でございますが、砂糖の値段は、現状に大差がないようにするというのが、第一点でございます。同時に関税を引き上げる、それから消費税は下げる、このことによって、水準を斤当り七十三円程度に維持してゆく、こういうことでございます。  それによって、今後のテンサイ糖の生産者は、これに見合った、もとの価格が出ますから、それによって自主的に経営し得る、こういうことに取りはからっておるのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 現行の輸入の関税は八円八十四銭、それから砂糖消費税が二十八円、こういうことでございますね、それを改定して、関税を二十六円二十一銭、それから砂糖の消費税を下げて十二円六十銭にする、これでやっていきますというと一この改めたことになるというと、一円九十七銭というものが、消費税として増額されるのではないか、それで消費者負担になるのではないか、こういうふうに受け取れるのですが、消費者の負担は変えさせない、こう言われておりましたが、実際その通りになるのかどうか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) お答えします。  御指摘の通り、関税と消費税を振りかえまして、税収をトータルとして不動という建前にいたしますと、関税をかける数量が、輸入数量でございまして、全消費量の全部ではございません、従って、税収を不動といたしますと、関税を御指摘のように一円九十七銭、約二円がらみ引き上げることになります。そういたしまして、従来ならば、従来の関税、消費税の割でゆきますと、七十一円見当が、国際砂糖協定の仲値を標準としたそれに相応する日本の相場、こういうことになりますが、関税をそれだけふやしますから七十三円、こういう数字が出て参ります。  しかしこの点は、一つは、過去の砂糖の価格の状況を見ますと、過去三年間の砂糖の平均価格が、大体七十五円になっております。一方また、日本内地におきまして、テンサイ糖あるいはカンショ、バレイショの澱粉から処理します結晶ブドウ糖、あるいは西南諸島の甘蔗糖、こういうものの増産を見込みますと、一方からいいますと、砂糖相場が高い方がいいんでございますが、それは、消費者の負担とのかね合いで、適当なところをきめなければならない。それが、先ほど申し上げますように、七十三円にいたしましても、過去三年間の平均糖価から比べますると、まだ割安でございますから、この程度ならば、消費者側にもがまんしていただける、こういうふうな考えに立っておるわけであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 時間がございませんので、端的にお伺いしますが、テンサイの政府買い入れでございますが、これは、自主的にだんだん解消していくのだということのようでございますが、この買い入れそのものは、ずっと続けていく意思があるかどうか、この点を伺いたい。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 現在はてん菜生産振興臨時措置法第四条に基きまして、政府が必要と認めるときには、てん菜糖の買い入れをすることができる、こういう規定になっております。  今度、関税と消費税を振りかえることにいたしまして、関税を御指摘のように二十六円二十一銭ということにいたしますと、関税込みの国内糖価は六十円あまりになります。六十円あまりになりますと、内地のテンサイ糖の通常の運営をする場合に引き合うような条件になるわけでございます。従いまして引き合うのでございますから、従来は関税が安くて、どうしても引き合わなかったから、全部政府に売り渡しましたが、そういうことになりますと、政府に売り渡せという法律の規定をしない限り持ってこない場合があります。従いまして希望がございますれば買うことにいたしますが、買わなくてもいいような条件ができる、こういうことでございます。  どうしても買ってくれというものは、引き続いて買っていくことにいたします。

北村暢日本社会党

○北村暢君 三十万トンのビートの十年間の目標について、これが北海道の作付計画、増産計画というものが、どのようになっているか、御説明を願います。  テンサイは、輪作をやっていかなければいけないから、何年かの輪作を目標にして、どの程度の作付面積を予定しているのか、これをお伺いしたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 三十四年の目標でございますが、大体四万二千町歩程度と推計されております。今後三十万トン程度のビートの生産を目標にいたしますると、約七万八千町歩程度のテンサイの栽培を必要とする、こういうふうに、今のところ推計を出しております。同時に、これは厳格な輪作をしないといけないそうでございますから、かりに当該の町村が、五千町歩といたしますと、そうする場合に、この四倍程度の土地を予定しなければならぬ、こう考えられるわけであります。今のところ、北海道におきましては一応七万八千町歩ということを目標にして、厳格な輪作のもとに、町村別にどうするかということを策案しております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 輪作いたすことになりますというと、相当膨大な作付面積を予定しなければならない。そのためには、現在の北海道の畑作面積というものからいって、直ちにビートに転換できるところ、それから今後天北原野等の開拓をしていくところ、こういうところに、一つの基点を持つ、こういうような点からいたしまして、当然土地改良の問題が、これについてくると思うのでございます。この土地改良をやらないで簡単にいくということは、なかなかいかない問題であります。  従って、この計画をされるに当っては、そこまで、一つ、土地改良の問題まで、また土壌の改良の問題まで計画に入れて、この計画ができているのかどうか、この点をお伺いします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(三浦一雄君) 実は私、説明を省略いたしたのでございますが、これは土地改良と、それから土壌改良とをあわせて計画しまして推進する。現に、本年糖につきましても、畑作改良の重点は、このビート地帯におきましては、特にその方面に仕向けていく、こういうことでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 時間が参りましたから最後にお伺いしておきますが、このテンサイの十年計画で、農民政策全体について計画せられておりまして、カンショと、それから結晶ブドウ糖と、こういうことが、あわせてやられておるわけですが、私は結晶ブドウ糖の問題は、これは工場さえできれば、相当簡単にできる。ビートの場合は、これは作付けからやっていかなければならないと思うのでございますが、この結晶ブドウ糖に対する十五万トンの増産計画というものは、どのようになっておるのか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 結晶ブドウ糖につきましては、現在日本のカンショ及びバレイショの畑作における重要性から見て、どうしてもこれを処置しなければならない、こういう見地から研究を進めております。十万トンと計上いたしましたのは、現在三十三年度で、農林漁業金融公庫から資金を融通する工場が、六工場きまっております。しかし、まだ多少技術上の問題もございますから、一応、需要量の一割程度は、ぜひ結晶ブドウ糖でまかないたい、こういう目標を掲げておるのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 時間がきましたから、一つだけ。  今の六工場を予定しておるというのは、地域的にいって、どういうところを予定しておるのですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは、主として本土のカンショの栽培地を中心にしております。関東地方、それから東海地方、九州地方でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 時間がきましたから、これで終ります。

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 北村委員の質疑は終りました。   —————————————

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 本日、休憩時の委員長及び理事打合会において、協議決定しました事項を御報告申し上げます。  その一つは、明十九日午前十時より、総理大臣、外務大臣、防衛庁長官、内閣官房長官及び法制局長官の出席を求め、一般質疑の持時間のワク外で、社会党四十分、その他の会派二十分の計六十分の質疑時間を設け、先日来問題となっております憲法と安保条約との関連等につきまして、質問を行うこと。  その二は、分科会の件でございまして、  一、分科会の個数は四個とし、そのおのおのの所管は、ただいまお手元に配付いたしました刷りものの通りとする。  一、分科会の主査及び副主査の各会派に対する割当は、第一分科会主査、自民党、副主査、社会党。第二分科会主査、自民党、副主査、社会党。第三分科会主査、緑風会、副主査、自民党。第四分科会主査、社会党、副主査、自民党とする。  一、分科担当委員は、先例に従い、各委員の御希望を参酌して、委員長において指名することといたしますが、各分科会における各会派の委員数には、自民党六、社会党四、緑風会一とするほか、無所属クラブ及び第十七控室は、異なる分科会に属することを基準として決定し、公報をもって通知をする。  なお、分科会の日程につきましては、追って協議の上、決定次第、御報告いたします。  以上でございますが、委員長は、理事会の決定に基き、委員会の運営をはかりたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木暮武太夫自由民主党

○委員長(木暮武太夫君) 御異議ないと認めます。  残余の質疑時間は、社会党の方の分だけでも、約二百九十四分を残しておりますので、予定通り一般質疑をあと二日で終了するためには、委員長は、委員各位並びに政府側の、今まで以上の一そうの御理解ある御協力をお願い申し上げる次第でございます。  つきましては、本日は、この程度で終ることにいたしまして、明日は、午前十時より、時間厳守で委員会を開くことといたしたいと存じます。  本日は、これにて散会いたします。    午後六時十七分散会

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