予算委員会 第2号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/01/31
会議録
○委員長(木暮武太夫君) ただいまより委員会を開会いたします。 開会に際しまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。 今回、不肖私が本委員会の委員長の席を汚すことに相なりました。まことに微力、短才でございますが、ことに議事の運び方などにつきましては、きわめて不なれな人間でございますから、どうぞ皆様方の御親切な御協力、御鞭撻によりまして、この重責を大過なく過したいものであると考える次第でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) 委員の変更について御報告を申し上げますが、多数の委員の方が異動されましたので、刷りものにしてお手元まで配付いたしましたので、これで御報告にかえたいと存じまするので、御了承をお願いを申し上げたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(木暮武太夫君) 次に、理事剱木亨弘君から理事を辞任したい旨の申し出がございましたので、これを許可することに御異議はございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木暮武太夫君) 御異議ないと認めまして、さように決定をいたします。 次に、理事の補欠互選についてお諮りをいたしたいと思うのでございますが、委員の異動その他によりまして、現在理事が六名欠員となっておりますのですが、この互選につきましては、成規の手続を省略いたしまして、前例によりまして、委員長より指名をいたすことに御異議はございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木暮武太夫君) 御異議ないと認めまして、理事の方を御指名をいたします。近藤鶴代君、堀木鎌三君、柴田栄君、片岡文重君、矢嶋三義君、及び森八三一君を理事に御指名をいたします。 —————————————
○委員長(木暮武太夫君) 委員派遣の報告に関する件を議題といたします。 先般、本委員会から派遣されました委員の調査の報告を、順次お願いをいたしたいと思います。まず、千田正君から調査の報告をお願いを申し上げたいと思います。
○千田正君 ただいまから委員派遣調査の報告を申し上げます。 第一班近畿班は、一松委員、高田委員、私、千田の三名で編成し、一月十一日から十五日まで五日間の日程で大阪府と滋賀県に派遣を命ぜられ同地方の一般経済事情、地方財政の状況等を調査して参りましたが、私どもは、さらに今回の調査に当りまして、京阪神地帯の水の利用の現況とその供給源としての琵琶湖の利用方法をいかにしていくかということを調査の一つの目標として参りました。 まず、一般経済事情より御報告申し上げますると、大阪を中心としましては、一昨年の金融引き締め以来低迷を続けておりました当地経済も、昨年秋以来の国際環境の若干の好転から、鉄鋼製品の対米輸出を中心に、外需が伸び始め、一方、内需も引き続き堅調を示し、年末年始の季節的な需要期に入ったことも加わりまして、全体として需要が増大してきております。このような経済実勢を反映して、生産も徐々ではありますが、増加の傾向を見せ、鉱工業生産全体では、一昨年の水準を上回るようになり、当地経済界も上底入れ気運から景気は緩慢ながら上昇のきざしが見えてきたとするのが、政府出先機関及び現地当局者の一致した見方でございます。しかし、景気好転の兆も、繊維を始めといたしまして、各業界の高率操短の続行を背景としてもたらされたものでありまして、ことに繊維工業は不況の影響も強く、最近に至り在庫調整が進捗しつつあるとはいえ、生産水準は一昨年を下回っており、暗い影を投じております。景気の底入れ感から、一昨年秋以来悪化の一途をたどって低迷してきた雇用情勢も、昨年秋以来求人数の漸増が見られ、他方、求職者の頭打ち傾向が見られ、雇用状態も緩和しつつありまするが、新規卒業生の就職期を迎えて、いまだ警戒を要する段階にあり、景気が今後波乱なく上昇傾向をたどるかどうかが注目され、手放しの楽観はできないというのが実情であります。 金融状況は、外国為替会計の散超等を要因としまして、財政収支は揚超の度合を減じたまま推移しており、資金需要の停滞と相待って、金融は昨年秋ごろより緩和傾向を示し、年末金融は日銀券が相当大幅な増発を見ましたが、十二月三十一日以後順調に還流しており、金融市場もおおむね平静で、一段と緩和の方向に向っておりました。大阪府には信用協同組合の乱立傾向が見られ、現在四十五組合ございますが、府当局の説明によりますと、理想としては三十組合とのことでした。これは中小企業等組合法に基いて設立される法人ですが、その設立手続が容易である上に、「金融その他の経済の事情が事業を行うに適切でないとき」、「事業計画が経営の健全性を確保し、預金者その他の債権者の利益を保護するに適当でないとき」を除いて認可しなければならないと規定して、認可を義務づけたように読めること、またチェックする規定が十分働いていないのが実情でありますので、立法の面からも再検討さるべきではないかとの意見がありました。 次に地方財政の概況について申し上げますと、今回参りました大阪府と滋賀県は、共に健全財政を保持し、過去三カ年の収支決算は黒字でありまして、全国都道府県の中で再建団体が相当数に上っている実情から見て、いろいろの特殊事情や好条件等もありましょうが、その他方自治団体の財政運営に当り、真の地方自治は健全な財政からというスローガンに従って、冗費を省き、無計画支出を押え、経費の節減をはかって運営に当っておられます結果で、労を多とするものであります。 大阪府の財政支出を総ワクで見ますと、投資的経費が二一%で、他は消費的経費に属するものとなっておりますが、地方財政計画の両経費の割合は、投資的経費二五%対消費的経費七五%で作成されておりますので、府としては、このバランスを財政計画の数字まで引き上げたいと、鋭意努力中でありました。 財政支出の中で、特色ある二、三のものにつきまして申し上げますと、大阪府の中小企業対策でありますが、産業設備の近代化のために、特に金融のつきにくい中小企業を対象とした府独自の融資制度を、昭和二十六年に設け、今年度までに財政資金五十億円余を投入して、商工中金等九つの金融機関と損失補償契約を結んで、弱小企業の設備近代化に大きな役割を果しておりますし、また、技術振興対策としてアイソトープの工業利用施設、鋳物技術センターの設置等を行なって、これらの利用と相待って、金融と技術の両面より取り残されがちな中小企業の振興に格段の努力をしておりました。 輸出商品の販路開拓と、輸出商品のアフター・サービスのため台北、カルカッタ、ジャカルタ等の各市に工業技術相談所を開設して、府職員を駐在せしめ、独自の輸出振興策を講じ、西独等に比べて輸出後の技術指導や修理相談等のサービスが不十分であるとの海外の批判に対して設けられたそうですが、地方団体としては独自の異色あるものですが、現地でも非常に好評を博しておるとのことでありました。国においても輸出振興政策が重要な国策として取り上げられておりますが、どうも商品売り込みの域を脱しておらないように思えるので、府の工業技術相談所のようなサービス面にまで施策を広げる必要を痛感いたしました。 財政関係の終りに、大阪府及び滋賀県が、今年度も従来堅持して参りました健全財政をそのまま維持できるかいなか非常に心配しておりました。その原因は、一昨年来の経済界の不況で法人企業の所得が低下し、ことに今回参りました地方が繊維産業が多いことも災いし、その府県財政に影響するところは相当大きいようであります。大阪府では、法人事業税が昨年十一月末調べで、対前年同期より約二〇%の収入減であり、府税全体で見ましても約一〇%の減となっております。歳入予算額に対する収入歩合も、昨年度は七九%の収納がありましたものが、今年度はいまだ六三%にとどまっており、しかも予算総額では昨年より規模を約三%くらい縮小しておるのであります。府の財政当局の見通しでは、七億円くらいの赤字決算見込みとのことでありました。滋賀県についてもほぼ同様で、昨年十一月末日現在、法人事業税の収納額は、対前年同期に比し五五%と、ほぼ半分で、本県税収の半分がこの事業税収入で見込まれておりますから、その影響は大きく、年度では約四億円の収入減となるのではないかと心配し、予算の二割繰り延べを実施する等、財政悪化を極力防止すべく努力しておりましたが、法人事業税の収入不足額だけ今年度穴があくのではないかという決算見込みを立てておりました。 付言して申し上げますと、大阪国税局の調査によりますと、法人税は昨年十二月一日現在、前年同期に比べて二五%も収納額が減っておりますが、消費税収入が良好なので、税収全体ではほぼ昨年並みの収入を得ておりました。 次に今回の調査の中で、大阪を中心とする地盤沈下の現状とこれが対策と深い関連を持っております琵琶湖の開発の問題を御報告申し上げます。 大阪府の約半分という広範囲にわたる西大阪一帯が、地盤沈下に悩まされております。その被害は、西淀川区では昭和九年から三十二年までの間に約二メートル、年間十八センチも沈下しており、現在もそれが続いております。私どもが現地視察をいたしました神崎川が大阪湾に注ぐ河口では、従来工場の敷地となっておりました所が、地盤沈下のために海水が浸入し、工場がやむなく退去して、取り残した煙突が海の中に立てられたように見え、また古い鉄骨の工場家屋が軒まで海水につかっておるというような状況であり、もとの工場敷地が湿地帯と化し、放置されているものが相当広範囲に見受けられました。また、淀川、安治川等にかけられている橋が沈下して、市内の貨物輸送路として重要な役割を果しておりますこれら河川の船の運航が、橋げたが邪魔になり、著しくその利用価値を減じております。大阪府は、これが対策として、すでに防潮堤の設置、地盛り、橋梁もり上げ工事等の施策をして参り、昭和二十五年度以来二百億円余の巨額を投じておりますが、当初設置した防潮堤も、その後の沈下により、全区域の防潮堤は当初の計画高に不足を来たし、特に沈下の著しい西淀川区では五十センチないし一メートル二十センチにも及ぶ不足を見ており、台風の来襲による高潮には非常な危険を感じる状況となり、放置することは許されないゆゆしい問題となっております。これら地盤沈下地帯は、いわゆる阪神工業地帯の中心地域に当り、従来の繊維、雑貨等の軽工業中心の大阪から、重化学工業への飛躍をはかる場合、どうしても解決しなければならない重大な問題でありますとともに、その経済効果もまた非常に大きいものがあると思うのであります。この地盤沈下の原因は、長年にわたる調査の結果、西大阪地帯の産業と都市の発展に伴う各種用水としての地下水の多量くみ揚げに起因するものであることが判明しております。特に工業用水の多量くみ揚げが最も大きな原因となっております。沈下対策として、消極的には沈下している地域を保護するため、従来府当局がしてきた防潮堤や地盛り等を行うことですが、積極的に、より抜本的対策として工業用水道を建設することをとり上げねばなりません。昭和三十二年現在で、この地盤沈下地帯の地下水の実揚水量は夏が一日二十九万トン余、冬は十三万トンで、そのうち約七〇%までが工業用水として使われております。地盤沈下は、冬期揚水量一日十万トンのときには、ほとんど見られないことからも、夏期の約二十万トンの揚水を上水道に切りかえることが急務であるとともに、沈下防止の基本的な対策でなければならぬと思うのであります。これが、昭和四十年には府の重化学工業誘致の計画等もあり、同地域の需要水量は一日五十万トンになると見込まれており、これらを考え合せますと、京阪神地区の今後の発展のためにも、工業用水の解決は一日もゆるがせにできないことであります。その解決には専用工業用水道を建設することですが、その水源地として琵琶湖を利用することが、地理的にも、また従来の経過から見ても当然でありましょう。しかし、現在の淀川の利水量は、府住民の飲料用水として手一っぱいの状況にあり、どうしても新規の開発計画が必要となるわけですが、その妨げとなっているものに、工業用水道建設のための起債条件がきびしいことと、国の補助金がトン当り四円以上かかる工業用水道には出ないこととなっており、これは現在の物価や建設費から見て問題にならぬほど安く、琵琶湖から水を引くとトン当り八、九円になる計算であり、地下水をくみ揚げるとトン当り二、三円と非常に安いので、どうしても地下水に多く頼る結果となり、沈下の被害を大きくしているので、補助基準が本問題解決の一つの大きな難点になっているとの説明が大阪府当局からございました。また、滋賀県庁でこの問題について説明を求めましたところ、放水量を増加すると、湖面低下により、魚族の繁殖を阻害するとの理由から、琵琶湖の漁民の方々の反対が強く、県当局は、これらの人々の生活補償の問題に悩んでいるわけであります。また、琵琶湖開発に関し、淀川水系を利用した天ケ瀬ダム建設に際し、建設大臣が基本計画を作成した場合、関係都道府県知事に協議し意見を聞くべく特定多目的ダム法第四条に規定しておりますが、建設省は、関係府県とはダム所在地の府県をいうとの解釈をとり、滋賀県は協議を受けていない実情ですが、県当局としては、水位の増減が県の行政、財政に重大な影響を持っておりますので、行政府当局の解釈は納得できないとのことでした。琵琶湖利用に当って、関係官庁の権限が複雑に入り組んでいることも難点です。私どもは、これらの実情調査の結果、琵琶湖の利用という問題は、単なる大阪、滋賀等一府県の問題としてではなく、近畿地方、特にその中心である京阪神地帯の発展と相待って、表裏一体の問題として、また、関係官庁を統一して総合的見地から企画、立案、実行できるようにするためにも、高度な国家的見地より見て、これが総合開発の必要性を痛感し、一つの国家的事業として琵琶湖の治水及び治山事業を含めて、関係府県の協力を得て、最高度に利用できますような施策を望むものであります。 琵琶湖開発の一環として愛知川灌漑排水事業が行われていますが、本計画は、滋賀県下の三市四郡にわたる耕地等一千四百町歩にわたるもので、現在の侵水田、過湿田の排水工事を行い、二毛作田にする一方、地形上灌漑困難な用水不足田の旱害を防ぎ、平地林の開田等を目ざして、愛知川上流に多目的ダムを建設する計画で、すでに昭和二十七年以来工事に着手しておりますが、水没地の部落の人たちの強い反対もあり、その進捗状況ははかばかしくございません。県当局も本問題に頭を悩ましておりましたが、私どもも一日も早く問題を円満に解決して、所期の目的を達成されるよう願う次第であります。終りに、現地当局の要望等を一括して申し上げます。 一、明年度地方税制の改正に当っては、地方自治団体の持ち出し減税は、行政水準を下げる結果となるので、国において慎重な措置を望みたいこと。 一、大阪国際空港の早期実現の要望。最近の民間航空の著しい進歩発展に伴い、空港の整備は一国の産業、貿易等にきわめて重要な役割をになっておりますが、わが国では国際空港は羽田空港ただ一つという状態で、京阪神の産業、経済、観光等が国際貿易に占むる重要性と一そうの発展のため、大阪空港を国際空港として、大型就航機発着のため府も格段の努力をしており、用地買収や滑走路の拡張に力を入れておりますが、この事業が円滑に進められるよう、国においても予算上の措置をせられたい旨、強い要望がございました。 一、前に御報告申し上げましたところからも明らかな通り、工業用水道建設の補助基準を、トン当り四円の現行基準を、二倍程度に引き上げていただきたいこと。 一、名神高速自動車道路の建設には賛成であるが、道路建設に急のあまり、耕地整理やその他付随する整理事業計画が立てられていない現状は遺憾であるから、早くその計画を示されたい。 一、国税局では、その税務職員という職務の特殊性から、同一勤務地に普通公務員より滞在期間を短くする方針であるが、転勤の場合、住宅問題からその実行を困難にしているので、公務員住宅建設を強く要望しておりました。 以上で第一班の派遣報告を終りたいと思いますが、最後に、私どもはこの滋賀県愛知川の問題が、昭和二十七年度以来多額の予算をとり、そうして中途においてただいまのところストップしておるような状況でありますので、国費の消費の上からいいましても、この問題につきましては、行政官庁並びに大蔵大臣等から、後日の機会に、あらためまして方針を承わりたいと思います。 以上、御報告を終ります。
○委員長(木暮武太夫君) 次は、矢嶋三義君に調査の御報告をお願い申し上げます。
○矢嶋三義君 これより九州班の現地視察報告を簡単に申し上げます。 九州班は、自由民主党より横山フク委員、日本社会党より私の二名で構成され、これに予算調査室長正木専門員らが随行いたしました。日程は一月十日東京発、十一日鹿児島着、十二日午前県庁において県知事以下県首脳部及び財務局、鹿児島財務部長より所管行政の一般説明を聞き、午後、鹿児島港桜島気象観測所、敷根種畜場、姶良郡福山町におけるボラ排除の土地改良工事の現場などを視察いたしました。十三日宮崎県に入り、都城においてシラス地帯の崩壊防止工事を視察の上、油津港に向い、油津港改修拡張工事を視察、さらに日南市役所で市政一般の説明を聴取するほか、県南一帯の山林に拡大しつつある白アリ被害状況とその対策につき、関係者から説明を受けました。十三日は綾川県営発電所の建設現場を、運輸省宮崎航空大学を視察の上、宮崎県庁に至り、県知事以下県首悩部、宮崎財務部長より県政並びに一般金融財政事情の説明を聞き、同夜延岡市に向いました。十五日は旭化成株式会社のベンベルグ工場を視察の後、延岡市役所を訪問、市長らの懇請により同市海岸部の方財島と称する部落の海岸侵触防止工事を視察いたしました。それより日向市に戻り、細島工業地帯造成工事を視察し、これにて任務を完了し、帰京いたした次第であります。 最初に、昨年末、奄美大島古仁屋の大火災の善後措置につき、御報告いたしますと、この火災は、大島の中心市街たる古仁屋の三分の二が焼失し、千三百三十四戸全焼、多くの公共建物も被災しております。この災害に対する救助費、応急措置費、復旧費、合せますと、一億三千八百万円と概算され、国が八千三百万円、県費五千五百万円となります。国ではいち早く予備費支出を決定されましたので、年末年始にかかわらず、善後措置は比較的順調に進んでおり、かつ、この災害に際し、自衛隊、海上保安庁が積極的に協力態勢をとられ、これがため、救援復興資材の補給は円滑に進みまして、地元より絶大の感謝を受けておることを特に申し上げておきたいと存じます。ただ、善後措置として被災者の応急住宅であるとか、公的施設への収容とか、被災のため生活保護を要するものの増加とかの点では、内地の一般基準をもっては律しがたいものも若干あるようで、この点、離島として特別の取扱いが望まれるのであります。 次に鹿児島県の一般経済情勢でありますが、御承知のごとく本県は農業を主体とする原始産業型の産業構造のため、一人当り県民所得でも全国の最低位にあります。温暖多雨の地帯でありながら、農業生産力が低いのは、台風常襲地域であるほか、耕地が狭小であり、その上、耕地のほとんど全域が桜島、開聞岳などの火山噴出物でおおわれ、いわゆる特殊土壌地帯に属するからであります。鹿児島の特殊土壌と申しますものは、シラス、ボラ、コラの三地帯に区別され、シラスは鹿児島県東部より宮崎県に広がる丘陵地帯をおおっている一種の火山灰で、水を含むと流れやすく、豪雨に際し大崩壊を起すのであります。ボラは桜島噴火による微小の軽石の堆積でありまして、多孔質のため、肥料成分を下層に流出させ、植物の成長を妨げるものであります。またコラと称するのは開聞岳の噴出にかかる火山灰、火山礫の堆積で、ボラと同様に作物の成育に害を及ぼしております。従いまして、本県農業生産力を他県並みに引き上げるには、何よりも耕地よりこれらのボラ、コラ層を排除すること、シラス地帯は通水と砂防の農地保全工事を徹底的に行うことが前提となるわけで、昭和二十七年「特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法」の制定以来、県としても大いに努力しているのでありますが、まだその前途遼遠の感があります。すなわちボラの排除工事では、要排除面積二千五百三十三町歩に対し、現在までの排除面積は四百八十六町歩と、一九%の進捗にすぎず、コラ排除は三千九百四十二町歩の要排除面積に対し、完了及び着工中のもの合せて一六%、六百二十六町歩、またシラス地帯の農地保全工事では、完了十三地区、着工中十地区、その受益面積七千百町歩でありますが、なお、三十八地区八千町歩が保全工事の緊急施行を要望されております。このシラス地帯の保全工事の現場は、宮崎県都城市で見たのでありますが、相当大規模な工業であります。現場の声として、現在の技法でシラス地帯の崩壊防止はほぼ完全で、施行地区においては昨年の豪雨被害も受けなかった。しかし、これまでは現実に豪雨で大崩壊が起った地区のみが対象とされ、災害復旧として予算がつくという工合であった。危険地帯は随所に指摘されるのだから、むしろ防災、農地保全の見地より、事前に予防工事を急速に進めるべきであるといわれましたが、もっともであると考えられました。特殊土壌法は昭和三十六年度までの期限となっておりますが、当然その期限を延長し工事速度を早めるべきであるとの印象を深くいたしました。 本県の工業としては、中小規模の食品工業を見るくらいで、ほとんど言うに足るものがありません。これは県民の所得が低く、消費市場から遠く離れているという不利な事情が重なっているからであります。県下の産業は、現下の不況でいずれも不振に陥っておりますが、その中でも一言御報告しておきたいのは製めん業の状態で、これは沖縄輸出に強く依存しておりました。しかるに沖縄政府が自給主義をとりまして、本邦からの輸入に物品税をかけましたため、沖縄輸出が十分の一程度に激減し、本県の製めん業は崩壊寸前の危機に陥っております。日本対沖縄貿易の関係は、わが方は移入品として沖縄製品を無税扱いとしておりますが、沖縄政府が一方的に物品税の形で輸入関税を課しておるのは妥当を欠くものでありまして、県当局は、外務省を通じ、邦品の公正なる取扱い方を要望してきたが、米国政府にかけ合っても、一こう要領を得ない実情であるということでありました。本県の沖縄貿易は、年間三十億円に上るということであります。 次に、本県の財政状況でありますが、これはすでに申しましたような後進農業県であり、近代産業がほとんどないという本県の性格上、財政基盤はきわめて貧弱であります。県の財政規模は年百六十億円前後でありまして、これに対する県税収入はわずか九・八%の十五億余円にすぎず、その他の自主財源すべてを合計して全体の二〇%、三十二億八千万円にすぎません。県財政の八割が国の財政に依存しておるわけで、その内訳は、地方交付税及び譲与税で三七%、国庫補助金が三八・七%、県債二・八%となっております。本県はこのように財政基盤が劣弱な上に、たび重なる台風被害のため財政負担が多く、公債費の負担がかさんだこと、離島、僻地の多い関係から行政費のかさんだこと、職員構成の関係と新陳代謝が少いため人件費の負担が大きいなど、悪条件が山積し、連年赤字財政を続け、ついに昭和三十一年三月、財政再建団体の指定を受け、三十一年度より長期再建計画の実施に入りました。本県の再建計画は、赤字九億円をたな上げし、一千四百名の職員定員を圧縮し、その他諸支出の節約をはかるというのでありますが、当初計画によりますと、計画期間の十一カ年では赤字を消滅させるどころか、十億五千九百万円の赤字借りかえ債を発行せざるを得ないというような、きわめて悲観すべき事情にありました。しかるに財政再建に入って以後の決算は、三十一年度が一億九百万円の黒字、三十二年度は二億三千三百万円の黒字と好転し、当初の再建計画は改訂され、四十一年度までに赤字債の完済が一応可能であるような見通しとなりました。 好転の理由は、二年続いた好況で歳入状況がよくなったといいましても、これは大したことはなく、主として地方交付税等の増額によるものであり、それは国税の伸びによる交付税の自然増、交付税率の引き上げ、三十一年度、三十二年度における特別態容補正による後進県優遇の結果であります。三十二年度の数字で申し上げますと、当初の再建計画による交付税収入見込みは四十億円でありましたのが、最終予算では五十三億四千五百万円と、実に十三億余万円も増大しております。ところで他方、歳出の面では、人件費が当初計画より七億円以上膨脹し、県の給与条例が国家公務員の水準より上回るというので、自治庁より警告を発せられております。三十三年度に入りますと、経済界の不況のため、県税収入が減少する、そこへ加えて交付税の割当において未開発補正のワクが大幅な縮小を見、本県については一億五千万円ばかり減少することになりまして、本年度の県財政は特別交付税において減収分がカバーされない限り、再び赤字に逆戻りするのではないかと予想されます。 自治庁が特別態容補正により後進県の基準財政需要額をふくらました理由、普通公債を削減したかわりに一般財源を補強してやろうという考え方は一応筋が通っており、三十二、三十三年と漸次交付税総額の増大により、府県へ回る一般財源が増大したから未開発補正のワクを縮小するという方針も、また国の財政上からは首肯し得ぬではありません。しかし、現実に税収も少く、再建計画を実行しているような県への交付額が交付税総額の増大しているにかかわらず減少し、自然増収などの多かった先進府県への交付が増大するという姿は適切とは言いがたいのではないでしょうか。後進県の財政基盤を強化しようというならば、もっと長期間安定的財源を付けてやるべきであって、短期間でこれを動かすことは、相手県に順応する力がないだけに混乱を招くばかりである。また地方交付税のごとき一般財源として地方団体へ無条件で与えれば、大半が人件費などの膨脹に食われ、真に経済基盤の強化に資せられぬ結果も生じ得るのであります。この問題は複雑で、十分検討を要しますが、後進県の財政補正としての地方交付税制度の限度いかんということとも関連し、未開発補正の運用については再考をなすべき点が多くあるのではないかと考えられます。 続けて、宮崎県の財政状況に触れますと、本県は福岡県と並んで九州でただ二つの黒字県で、百億円ないし百十億円の財政規模に対し、三十年度単年度で五千五百万円、三十一年度三千三百万円、三十二年度二千七百万円の各黒字を示しており、三十二年度はこのほか一億四千万円に上る公債の繰り上げ償還をしているので、実質黒字は最高でありました。しかし本年度は、県内最大工場である旭化成、日本パルプ工業の利益激減に伴う法人事業税を中心とする県税収入の減少が二億五千万円に及ぶこと、交付税で特別態容補正の改正減九千万円、夏季の早越対策費、県単独救農土木事業の実施などの事情により、過去の繰越金を使い果した上、一億円前後の赤字が予想され、特別交付税において上記減収分の一部が補填せられれば、収支とんとんにまでこぎつけられるであろうと見ておりました。なお本県でも特別態容補正の変更が県財政の運用上、大いなる支障であることを指摘いたしておりました。 本県と鹿児島県とを比較しますと、耕地事情、気象条件など類似した後進型農業でありますが、宮崎県において恵まれておるのは豊富な水力であります。この水力は開発されて電源となり、同時に農業用水となります。すでに第三発電所にまで着工しておる県の綾川開発は五万三千キロの電力を供給するとともに、洪水調節と県中央台地の畑灌漑に利用すべく計画されております。このほか天然の良港である細島港に、第一期、第二期合計七十万坪に及ぶ大工業地帯の造成が終っていること、都城—宮崎を結ぶ鉄道新線の開通も近く、県南の開発に期待されることなどから、本県の産業構造上相当の変化が予想されるのであります。 最後に、地方的問題ではありますが、御報告いたしたい問題が二、三あります。その一は、都城市荘内に設置されることとなった農林省南海畑作試験場設置に関するもので、これは総経費三億円、二カ年計画で、五十町歩の用地に八研究室と実験場を施設せんとするものであり、本年度は用地買収費だけが予算に計上されております。ところが、五十町歩の中に耕地二十町歩をわずか反当三万円で買収しようといたしておるため、地元民は代替耕地の求められぬこと、買収価格が不当であることを理由に、今日まで買収は全く進んでおりません。同地は特殊土壌地帯の中心であり、試験場の設置には大いに期待が寄せられるのですが、このような予算では明年度施設予算がついたとしても計画を進めることは不可能となるおそれがあります。地元都城市ではこの点を憂慮し、この際近接地月野原地区の農地改良を促進することにより耕地を作り出し、これを買収される農民に代地として提供することにより、買収価格の問題もあわせて解決しようとの構想を持っておりますが、農林省の態度が一向明らかにされないということであります。 もう一つの問題は、延岡市海岸部の方財島海岸侵食防止工事のことであります。ここは五ヶ瀬川の河口部分に当り、その堆砂は大雨の際海岸の一部を決壊して自然と海へ放流されており、方財島はいかなる洪水時にも安全地帯でありました。ところが、昨年は同地方に豪雨がなかったため海岸の決壊がなく、夏以来反対に方財島の外海に面する部分が急速に海浪の侵食を受け、危険な状態になりました。幸い予備費支出をもって侵食防止工事が進められておりますが、われわれが現地に行ってみますと、運輸省で工事設計を行なった当時よりさらに波浪の侵食が進んでおり、現在の設計のまま工事を進めることが果して効果的であるかどうかという点に、しろうと目にも若干疑問が感ぜられました。同地はかなりの人口密集地区で、人心は落ちつかず、わが一行の現地到達は直ちに放送され、多数の住民が集まってくるという状態でありました。技術上の問題でありますから、独断は避けるべきであると信じますが、当局側は現地をもう一度調査の上、実施計画の妥当性を検討すべきではないかと考えられた次第であります。 以上をもって報告を終りますが、この際本調査班といたしまして、今回の現地視察の結果明らかとなりましたところに基き、関係者大臣より、以下の諸点につき、当局の見解をなるべく早い機会において当委員会に表明されんことを要求し、委員長におかれては、しかるべく措置されんことを希望いたします。 外務大臣、大蔵大臣より、日本と沖縄との交易について、わが方は内地品同様と見て、輸入関税を課していないが、沖縄政府は本邦品の輸入に際し、物品税と称して一種の輸入関税を課しているが、公正を欠くものではないか。政府として沖縄当局の不公正な邦品の取扱いの是正につき何か交渉したことがあるか。その交渉の結果はどうであったか。 自治庁長官より、(1)本年度の地方交付税の交付に当り、特別態容補正のワクを大幅に減少した理由いかん。その結果、後進県の財政運用を著しく困難に至らしめているのをどう措置する方針か。特別交付金で減少した分をみるくらいなら、特別態容補正のワクを変更しなければよかったのではないか。(2)延岡市の場合に、不交付団体であったが、本年度は経済不況のため市税収入が激減し赤字となると予想される。交付団体であれば特別交付税が交付されるが、不交付団体の場合何らの措置が講ぜられないのは不公平ではないか。経済事情の激変により、当初の基準財政収入と現実の収入と開きが生じた場合、府県の場合は次年度で精算し交付税に影響させているのに、市町村の場合、精算をしないのは公正を欠くものではないか。 経済企画庁長官より、(1)宮崎県日向市細島臨港工業地帯は、国及び県の巨額の経費により、利用面積約七十万坪が完成し、一万トン級船舶の着岸可能の状態にあるが、利用者がなく放置されている。しかるに他ではまた巨億の国費、地方費を投じ、工業地帯造成が計画され実施されつつある。国全体の立場から、工業の特殊性に応じた適正な産業配置を計画し、まず完成したものの活用をはかり、今後に着工するものについては先後を考えて、国費、地方費の浪費を防止すべきではないか。工業の適正配置計画に対する当局の心構えと具体策を示されたい。(2)離島振興に要する諸般の経費は、離島を管轄下に持つ県にとって少からざる負担となっているが、離島振興に対する予算のつけ方は必ずしも十分とは思われない。離島振興計画の進捗状況につき詳細な資料を提出されたい。 運輸大臣より、(1)九州東南海岸には、細島、油津、鹿児島港以外適当な避難港がないが、これら三港湾の拡張計画の進捗状況は経済的利用度のほか、地理的な関係も考慮し促進をはかる必要はないか。(2)延岡市方財島の海岸侵食の進行速度は意外に早く、住民は不安に襲われている。実情を調査し、実施計画を再検討の上、完成を急ぐ必要はないか。 農林大臣より、(1)宮崎、鹿児島両県の「特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法」は三十六年度で失効となるが、現在までの進捗度では、年度内に当初の目的が達せられないおそれが大である。特別法の期限を延長し、工事の進捗速度をもっと早めるべきと思うがどうか。(2)本年度に予算化された都城南海畑作試験場の用地買収費が耕地反当三万円という安値であるため、地元民と対立したまま何ら進行を見ていないが、買収費を是正するか、代替耕地を提供するよう考慮する意思はないか。 最後は厚生大臣より、昨年十二月二十七日の奄美大島瀬戸内町の大火は、同島目抜きの古仁屋地区の大半に及び、多数の被災者を出した。公営住宅法の規定によれば、応急住宅の割当に、この場合被災戸数の三割と規定され、四百戸となるが、経済力の特に貧弱な同島民の実情から見て、これを四百八十戸程度にふやす必要があるようだが、特例を認めることはできないのか。以上。
○委員長(木暮武太夫君) 以上をもって報告は終りました。ただいまの報告のうち、質疑の個所につきまして、次の委員会のなるべく早い機会に、政府から答弁を願うようにいたすことにいたします。 —————————————
○委員長(木暮武太夫君) ただいま委員の変更がありましたので報告をいたします。 古池信三君が辞任して、その補欠として松野孝一君。植竹春彦君が辞任いたしまして、その補欠として迫水久常君が選任されました。以上御報告を申し上げます。 —————————————
○委員長(木暮武太夫君) 次に、昭和三十四年度一般会計予算、昭和三十四年度特別会計予算、昭和三十四年度政府関係機関予算及び昭和三十三年度一般会計予算補正(第2号)を一括して議題に供します。 まず、提案理由の説明を願います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 昭和三十四年度予算編成の基本方針及びその骨子につきましては、先日本会議において御説明いたしたところでありますが、予算委員会において本日から御審議をお願いするに当りまして、あらためてその概要を御説明申し上げたいと存じます。 まず、財政規模について申し上げます。三十四年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも一兆四千百九十二億円でありまして、補正(第1号)を含めた三十三年度予算に比べ九百八十億円の増加となっております。また財政投融資につきましては、総額五千百九十八億円で、前年度の当初計画に比べ一千二百三億円、改訂計画に比べ八百四十五億円の増加となっております。最近の経済の動向に顧み、この程度のものは日本経済の健全な発展を財政の面から着実に実現してゆくために必要であり、また日本経済の発展に歩調を合せた適度なものであると存じます。 次に一般会計について申し上げます。まず、歳入のうち租税及び印紙収入は一兆一千二百十二億円でありまして、前年度に比べて九百五十三億円の増加となっております。これは現行税法に基く租税収入の前年度に対する増加額が一千八十六億円見込まれますが、一方、所得税等の国税の減税を四百十三億円行うことといたしましたので、これを差引き、さらに今回、租税特別措置の整理合理化及び道路整備計画の財源充実のための揮発油税の税率引上げなどを予定しておりますので、これらによる増収見込み額二百八十億円を加えた額となっているわけであります。 税制の改正につきましては、別途政府委員をして説明いたさせますが、国の税負担の現況に顧みまして、国、地方を通じ初年度五百三十三億円、平年度七百十七億円の減税を行うこととし、国税につきましては、所得税において扶養控除の引上げ等による減税を行うとともに、物品税につきまして、税率の引下げ等を行うことを予定し、ほかに入場税につきましても、税負担の軽減をはかることとしております。 これらの措置による国税の減税額は一般会計にかかわる分で初年度四百十三億円、平年度四百六十五億円であり、入場税分を加えますと初年度四百三十二億円、平年度四百八十八億円となります。 次に、租税外の歳入につきましては、専売納付金は、たばこの売り上げの増加等により前年度に比べ三十一億円の増加を予定して千二百一億円を見込んでおりますほか、前年度におきまして特定の歳出に充てる条件でたな上げ保留いたしました経済基盤強化資金二百二十一億円を歳入に受け入れるごととしておりますが、他面、前年度剰余金受け入れが、八百五億円となり、前年度に比して百九十七億円の減少となるため、租税外の歳入の合計では前年度に比べ二十七億円の増加となっております。 次に、歳出のうちおもな経費につきその概要を申し述べることといたします。 まず、社会保障関係費は一千四百七十九億円を計上しておりますが、これは前年度に比べて二百二十一億円の増加となっております。 新規施策のおもなる内容といたしましては、まず国民年金制度を創設したことをあげなければなりません。今回・国民年金として老齢、障害、母子の三年金を創設することといたしましたが、三十四年度はさしあたりこれらを無拠出の援護年金として支給を開始することとし、その所要予算額として、百十億円を計上することとしております。 このほか、社会保障関係といたしましては、国民皆保険計画を予定通り進捗させるために経費を増額するほか、生活保護、児童保護、結核対策等各般にわたり経費を増額し、社会保障の充実を期することといたしております。 なお、国民年金の創設による社会保障制度の飛躍的充実を機といたしまして、この際各種社会保険を通じ、その料率、国の補助ないし負担を再検討し、制度の合理的発展をはかることを予定しております。 次に、文教関係費でありますが、三十四年度予算額は一千五百九十七億円を計上し、前年度に比べ百五十八億円の増加となっております。 三十四年度におきましては、教育環境の整備改善に重点を置き、いわゆるすし詰め教室の解消等を、今後五カ年間で実施する計画のもとに所要の措置を講ずることといたしておりますほか、義務教育費国庫負担金、文教施設費においても昇給原資等の例年の増加のほか、大幅の増加を行うこととしております。 国立学校運営費は四百四十七億円で前年度に比べ四十七億円の増加を予定し、教官研究費を増額するほか、研究施設の整備充実等に意を用いることといたしております。 科学技術の振興につきましては、三十四年度には、二百二十五億円を計上し、前年度に比べ十六億円の増額を行なっております。このうち、原子力平和利用の関係につきまして、三十四年度におきましても既定の計画にのっとり研究態勢の整備、研究の促進をはかることとしておりますほか、その他の各省試験研究機関につきましても、その施設および研究の現況に応じ、それぞれ所要の予算措置を講ずることといたしております。なお、特に研究者の待遇改善、民間における研究の助成等に配意し、さきの国立学校運営経費の増額等と相待って、科学技術の各分野における均衡ある進展を期することとしております。 恩給関係費は一千二百二十九億円で、前年度に比べ、百二十三億円の増加となっております。この増加は主として三十三年度に行いました旧軍人恩給の年額改訂に基くものであります。 次に、地方交付税交付金は二千四百八十六億円を計上し、前年度に比し二百四十六億円の増加となっております。これは三十二年度の精算追加分、百四十四億円と三十四年度の国税三税収入見込額の二八・五%との合計額を計上したものであります。地方財政はこの数年来の国、地方を通ずる財政健全化の努力と税収の増加等により、全体としては著しく改善されてきておりますが、三十四年度におきましては、地方財政の基礎をさらに強化するため、地方交付税の率を一%引き上げて二八・五%としたほか、地方起債についても増額を考慮することとしたのでありますが、これらの措置によりまして、今後ますます地方団体の行政水準の向上と住民福祉の増大がはかられることと期待いたしております。 次に防衛関係費につきましては、自衛体制の整備のために最小限度必要と認められる額を計上することといたし、防衛庁経費を前年度に対し、百六十億円を増加して千三百十億円としております。なお、これに伴いまして、防衛支出金は前年度に比し八十五億円を減少することとなりますので、防衛関係費としては七十五億円の増加にとどまっております。 賠償関係費といたしましては、最近の賠償支出等の状況に顧み、一般会計から三百二十三億円、前年度二百六十二億円でありますが、三百二十三億円を賠償等特殊債務処理特別会計へ繰り入れ、この会計の自己財源十億円と合わせ総額、三百三十三億円をもって賠償等の債務を処理する計画にいたしております。 公共事業関係は総額二千三百二十四億円を計上いたしておりますので、前年度に比べまして四百十六億円の増加となっております。なお、現在道路以外の公共事業について適用されております地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律の期限延長を行わないこととしておりますので、これによる事業量の伸びをも勘案いたしますと、実質的な事業量の増加はさらに大きなものとなっております。 本年度特に重点を置いておりますのは、道路及び港湾の整備でございます。即ち、道路につきましては、三十三年度予算の編成に際しまして、三十三年度以降五カ年度間に総額九千億円の資金を投入する計画を立てたのでありますが、今回その構想を新たにし、総額を一兆円に改め、三十四年度においては経済基盤強化資金百億円を投入するほか、計画を確実に遂行するための安定した財源を確保するため、揮発油税の税率の引き上げを予定しております。 港湾関係につきましては、三十四年度に経済基盤強化資金四十五億円を投入し、その増額につき特段の配意をいたしたのでありますが、このうち、輸出専門埠頭、鉄鋼、石油および石炭にかかる特定の港湾については、新たに特定港湾施設工事特別会計を設け、一般会計からの繰り入れのほか、資金運用部資金二十億円、受益者負担十億円の財源を合わせ、その急速な整備を進め、最近の経済活動の実情に即応する体制を整えることといたしております。このほか、治山治水、災害復旧、土地改良事業、林道開発、漁業整備等につきましても、それぞれ事業の重点的遂行に必要な予算措置を講ずることとしております。 住宅対策につきましては、従来とも住宅不足の解消に努力を払ってきたところでありますが、三十四年度におきましても引き続き既定計画の実現をはかるため、一般会計におきまして前年度より二千戸増の公営住宅の建設を予定し所要の経費を計上するとともに、財政投融資におきまして、住宅金融公庫及び日本住宅公団に対し、前年度対比九十九億円増の六百八十二億円の財政資金を確保して、政府施策住宅全体としては前年度に比べ一万二千戸増の二十一万一千戸の建設を予定いたしております。 輸出の振興が経済の安定成長のため欠くべからざる条件である点にかんがみ、三十四年度におきましても、輸出振興、経済協力増進のための経費の確保につき特に意を用いております。即ち、従前の施策をさらに推進するのはもとよりでありますが、今回新たに後進国援助のための国際連合特別基金の加入、技術援助の強化に要する経費等を計上いたしまして、今後長期にわたる対外経済交流の素地を培養することに努めております。 中小企業対策といたしましては、主として財政投融資におきまして特に配慮を加えておりますが、予算におきましても中小企業設備近代化のための経費等を増額し、中小企業経営の改善を推進することとしております。なお、今回新たに中小企業の退職金共済制度を設けることとし、中小企業の従業員の福祉の増進をはかり、中小企業経営の強化安定を期することといたしております。 以上のほか、個々の事項についての説明は省略することといたしますが、農林漁業の振興等につきましても財政投融資と相まって、所要の予算を重点的に計上することとしていることは、さきに本会議で申し述べた通りであります。 以上、主として一般会計について申し上げましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計に準じ経費の重点的効率的使用をはかり、事業の円滑な遂行を期することとして所要の予算を計上することといたしております。 なお、三十四年度新たに特別会計の新設を行うこととなりますのはさきに申し上げました特定港湾施設工事特別会計でありまして、別途、特別鉱害復旧特別会計の廃止を予定しておりますので、特別会計の数としては増減はないことになります。 次に、財政投融資について申し上げたいと存じます。 三十四年度の財政投融資の原資としては、産業投資特別会計百九十億円、資金運用部二千九百二十八億円、簡保年金一千億円等が見込まれるのでありますが、ほかに、産業投資特別会計の資金百三十三億円と経済基盤強化資金からの受入れのうち五十億円との使用を予定し、別途、最近の財政金融情勢にかんがみ、合理的な限度において民間資金の有効な活用を考慮し、公募債借入金八百八十八億円を見込み、原資の総額を五千百九十八億円と予定いたしました。 運用につきましては、道路、港湾、国鉄、電力等経済基盤の整備強化、中小企業、農林漁業、輸出振興等重点部門に対する資金の確保を眼目とし、努めて弾力的に運営することを予定しております。 最後に、三十三年度予算補正について御説明申し上げます。 さきに、三十三年中に発生した災害の復旧のため、災害対策にかかわるものに限って予算補正(第一号)を行ったのでありますが、今回、三十三年度予算成立後に生じました事由に基き必要を生じました生活保護費、失業保険費、義務教育費国庫負担金、災害復旧費等の義務的経費の追加を主とする補正の措置を講ずることといたし、総額百十八億円の追加を行うことといたしました。 その財源としては、砂糖消費税、関税等の自然増収及び専売益金の増加等をもってこれに充てることといたしております。 この補正により、三十三年度一般会計の歳出入の総額はそれぞれ一兆三千三百三十億円となります。 以上、ごく簡単に概略を御説明申し上げましたが、なお詳細にわたりましては、政府委員をして補足して説明させることといたします。
○委員長(木暮武太夫君) これより補足説明を願いますが、まず、石原大蔵省主計局長から補足説明を願います。
○政府委員(石原周夫君) お手元にお配りをしております昭和三十四年度予算の説明という書類がございますが、それをごらんをいただきながら御説明を申し上げたいと存じます。一ページの右側に予算の規模が出ておりますから、それから御説明申し上げます。 現行税法で租税及び印紙収入の増収の見込額が千八十六億円でございまして、それに経済基盤強化資金を受け入れますのが二百二十一億、税外の収入の三十三年度補正一号までの分と比較いたしましての増加三億、合計千三百十億という増加がございますが、前年度剰余金が百九十七億円減少いたしますので、千百十三億円という数字が出るわけでございます。これが減税、税制改正以前の数字でございます。これに税制改正によりまして減税が四百十三億円、租税特別措置の整理合理化等によります増収額が八十七億円、ガソリン税の税率引き上げによります分が百九十三億円、差し引きしまして九百八十億円というのが前年度の予算額に比べまして増加をいたすわけであります。これを国民所得と対比しますると一兆四千百九十二億円、国民所得が八兆九千二百八十億でございますから、一五%九という数字になります。三十三年度は、当初予算におきまして一五%六、補正一号を含めましたところで一五%七という数字に相なるわけであります。 以下歳出の御説明を申し上げますが、四ページにその全体の表が出ておりますから、それで大きいところだけをごらん願っておきますと、社会保障関係費という最初のグループにおきまして、四ページの左側でありますが、二百二十一億円、文教関係費で百五十八億円、科学技術振興費で十六億円。国債費が百十八億円の減少になっておりまして、恩給関係が百二十二億七千百万円、地方交付税が二百四十六億三千九百万円、防衛庁の経費が百五十九億八千万円ふえまして、防衛支出金八十四億八千万円減少しておりまして差引七十五億円の増加に相なっております。賠償が六十一億円、公共事業費が四百十五億八千九百万円という増加になっております。住宅が十三億四千六百万円、農業保険費が一億九千八百万円の減、貿易振興及び経済協力費が十億三千九百万円、中小企業対策費が十億七千五百万円、産投会計へ五十億繰り入れまして、予備費は補正一号を含みまして、補正一号で十億円予備金を増加いたしましたために、三十三年度は九十億になっておりますから、八十億で十億の減、経済基盤強化資金が皆減になりまして、重要経費の八百二十九億と、雑件の百五十億と合せまして九百八十億ということに相なるわけであります。 そこで、今ごらんを願いました経費につきまして、その各項の御説明が十ページ以下にございます。十ページが社会保障の生活保護費から始まるわけであります。生活保護費は前年度に比べまして三十四億一千五百万円の増加になっているわけでありまするが、これは生活扶助の人員につきまして最近の増加を見まして百四十七万九千人、生活保護基準につきましては現在の保護基準に対しまして、保護基準全体といたしまして二%六の生活扶助だけに限りまして三%一の引き上げを行いまして、そのために五億一千七百万円の増加、医療扶助は最近非常に入院の人員がふえておりまするので、その傾向を見込みましたのと、診療報酬改訂の平年化で二十八億円、以下保護施設の増加、人員の増加というようなものをみまして、今申し上げた三十四億一千五百万円という数字に相なるわけであります。 児童保護は三億九千九百万円、約四億円の増加でございまするが、このうち保育所の徴収基準を緩和いたしまして、いわゆるC階層と申しますか、三番目の階層で、月四百五十円を徴収いたしておりますが、それを三百五十円に引き下げることによりまして、二億円、その他施設職員の給与改善等による増加があるわけであります。 なお、カリエスにかかっております児童につきましては、あらたに療育のための経費を計上しております。 母子福祉貸付金は十四億四千万円程度の現在の貸付資金量は動かしておりませんが、国庫からの貸付金は、償還金の増加を差し引きまして一億四千万円ほど減少いたしております。 社会保険費は六十七億八千七百万円の増加でございまするが、これはいわゆる国民皆保険計画によりまして、三十四年度六百十万人被保険者の増加を見込んでおります。その増加と、受診率の上昇によりまして、いわゆる財政調整交付金を含めまして四十四億二千六百万円というものが国民健康保険によります増加であります。事務費補助につきましては、被保険者一人当り九十円を九十五円に引き上げまして、四億六千五百万円の増額であります。 日雇い労働者の健康保険につきましては、財政状況にかんがみまして、国庫負担二割五分を三割に引き上げて、それに伴いまして五億九千五百万円の増加になっております。 政府管掌の健康保険につきましては相当額の黒字を生じておりますので、この際保険料を労使とも千分の一ずつ引き下げまして、一般会計からは十億円、三十三年度通り繰り入れることになっております。 組合管掌の健康保険につきまして、これは診療報酬の改訂に当りまして三十三年度から一部補助を始めたのでありまするが、三十四年度におきましても、給付費臨時補助金といたしまして一億円を計上したわけであります。 次が国民年金費でありまして、国民年金は老齢、母子、障害、三年金を無拠出の援護年金としてスタートすることといたしまして、十一月から開始し、十一月から二月に至ります四カ月分を三月に支払う、その金は、給付費が百億七千八百万円、事務取扱費九億七千五百円を加えまして百十億円という額に相なるわけであります。 失業対策費でありますが、失業対策の吸収人員につきましては、日雇いの登録人員は若干増加するかと思われるのでありますが、公共事業費が大幅にふえましたのと、民間の就労に吸収せられます部分がふえるものでありますから、差引三十三年度と同数の二十五万人と見込み、特別失業対策事業、臨時就労対策事業におきまして各一千人ずつ前年度から増加をみまして、一般失業対策事業につきましては、二千人の減になっております。この二十一万人の一般失業対策事業につきましては、就労日数を毎月〇・五日増加いたしますのと、夏季年末の就労日数増加を十三日といたしまして、三十三年度予算十一日と比べて二日、実行十二日に比べて一日の増加をいたしました。なおこのほかに、事務費につきまして三円、資材費につきまして四円という単価の増額をいたしております。 失業保険につきましては、先ほど大臣のお話がございましたように、この際、国民健康保険の増額をいたすに当りまして、社会保険の全体にわたりまして再検討をいたして、その一環といたしまして、非常に積立金の多い、収支の状況のきわめて良好である失業保険につきましては一面保険料を千分の一ずつ労使ともに下げまするのと相並びまして、国庫負担率を三分の一から四分の一に引き下げることにいたしました。この額を含めまして、三十四年度は三十三年度に比べまして三百九十五億が三百九十三億、若干僅少でありますが、減少いたしておるわけであります。 結核対策費が六億の増加でありまするが、これは二百ほどの保健所の担当地域につきまして、これを特別推進地区といたしまして、健康診断から医療に至ります一貫した体制を作りまして、ここで結核対策を重点的にやっていきたい。命令入所の対象件数もふやしますので、補助率も二分の一から三分の一に引き下げたということをやりまして、以上のような金額の増加に相なったわけであります。 次に、文教関係でございまするが、義務教育費国庫負担金が八十五億増加をいたしております。まず、児童数でございまするが、これは三十四年度は前年に比べまして小学校、中学校を合せまして十五万九千人の減少に相なります。これに伴いまする教職員数はその計算におきまして減少となるわけでありまするが、現在の学級編制及び職員定数の標準に関する法律に基きまして学級編制等、職員配置の適正化をはかるということをいたしますので、その関係で七千八百三十八人ふえる、差し引きまして四千六十八人という教職員の増加を見込んでいるわけであります。この教職員の増加に伴いまする経費の増加のほかに、昇給原資が三十二億三千万円、以下暫定手当の増加額、僻地手当の増加額、退職手当がふえる、恩給費がふえるというような分を含め、人事院勧告に伴います初任給是正を含めまして、今申し上げました八十五億という金が義務教育の国庫負担にふえる。なお、教材費につきましては、前年に比べまして二割程度一人当りの単価を引き上げているわけであります。 国立学校の運営費でございまするが、これは四十六億五千七百万円の増加に相なっておりまするが、これは教官研究費が九億七千三百万円、これは講座研究費におきまして三割、文科の系統におきまして一割の引き上げを行いまして、九億七千三百万円の増加に相なっておりますのと、理工系の学生の増加、本年は九百四十七人増加することといたしまして、先年にふやしました千六百人の学年進行のほかにこの程度がふえたのであります。それらが設備費以下にふえておりまして、全体で四十六億の金額に相なるわけであります。 文教施設費でありまするが、国立文教の施設費は四億ほどの増加でございまして、これは科学技術振興の見地から理工系学部の建物の整備に力を入れておるわけであります。公立文教の施設費は、いわゆるすし詰め教室の解消ということでございまして、約二十億の増加に相なっております。これは不正常授業の解消、危険校舎の改築、学校統合の促進ということで従来からやってきているわけでありまするが、これを三十四年度以降五カ年間にやる計画を立てまして、初年度である三十四年度の金額が載っているわけであります。なお、従来に比べまして建物の不燃化率を、三〇%を五〇%に引き上げておりますのと、対象となる危険校舎の範囲も耐力率と申しまするか、その危険度のある程度引き上げを行なって、従来よりも範囲を拡大をいたしておるわけであります。 育英事業費でございまするが、これは昨年から開始をいたしました高等学校の特別貸与奨学制度というものがございまして、これは昨年五千人採用しております。今年度はその学年進行のほかに、もう千人ふやしまして六千人の新規の高等学校の特別貸与の奨学生を作るわけであります。この分と合せまして前年に比べまして一億五千七百万円の育英資金貸付金の増額であります。返還金でふえます分と合せますと、学生生徒に対しまする貸付ベースにおきましては二億一千万円ほどの増加になるわけであります。 科学技術振興費は全体で十六億二千五百万円の増加でありまするが、このうち原子力の関係の費用につきましては、研究施設の整備が峠を越しましたので三億ほどの前年に比べまして金額の減少に相なっておるわけであります。しかしながら原子力研究所におきます既定計画、あるいは原子燃料公社におきまする既定計画、放射線医学総合研究所、いずれも既定の計画は着々として整備を進行せられておるわけでありまして、そのための所要の金額を計上いたしておるわけであります。 次が、原子力以外と申しまするか、各省の試験研究機関の問題でありますが、これは、研究員の処遇の改善といたしまして、特別研究員制度を実施いたし、超過勤務手当を増額するというようなことをやっておるわけであります。各研究機関の増加のうちでは、特に航空技術研究所、金属材料研究所のような、まだできまして日数の浅いものが相当今整備に金がいるというのと、電子技術の振興のために関係の研究機関に対しまする金がふえておるわけであります。 その他、理化学研究所に対しましては、昨年に比べまして一億七千万円を増額して、五億円という金額にいたしておるわけであります。 国債費は、財政法第六条によりまして、剰余金の半分を繰り入れることになります。その関係で、償還額が三百三十億円、このほかに国債の利子が二百二十一億四千九百万円という金が載っておるわけであります。 恩給関係は、文官恩給と、旧軍人の遺族の恩給と、遺族及び留守家族の援護費の三本立になっておりまして、全体で百二十二億円の増加であります。そのうち、旧軍人の遺族の関係につきましては、昨年改正いたしました恩給金額の改訂によりまして、百十三億円というものが旧軍人の系統でふえておるわけであります。 次が地方交付税の交付金でございますが、本年度は、従来の三税——所得税、法人税及び酒税に対しまする一〇〇分の二七・五を一%引き上げまして二八・五にいたすということにいたしております。そのために二千三百四十二億円という額と、それから三十二年度の精算の追加額が百四十四億円ございまして、合計いたしまして、二千八十六億という金を交付いたし、前年度に比べまして、二百四十六億円の増加に相なるわけであります。なお、地方税におきまする税制改正の点につきましては、主税局長の方から申し上げると思いますが、道路整備緊急措置法というものがございまして、現在まで、高率補助をいたして参ったわけであります。これは、のちほど申し上げまする一般公共事業におきまする補助の臨時特例を失効させまするのと異なりまして、この場合には、引き続き三十七年度まで高率の補助をいたすということを考えておるわけであります。 なお、地方債につきましては、のちほど理財局長から御説明申し上げると思いますが、普通会計債におきまする災害復旧事業、義務教育施設整備事業及び収益建設事業というようなところで百億円前年度に比べまして増加をいたしておるわけであります。 防衛関係の費用でございますが、防衛庁の経費は、百六十億円の増加をいたしております。これは、陸は、いわゆる制服職員定員は増加をいたしませんが、一般職員定員で千五百人ほどをふやして、方面総監部、地区施設隊、建設隊をふやし、海上自衛隊においては、艦艇十隻と航空機六機、あと米国からの艦艇、航空機の貸与がございまして、人員も二千二百二十六人の制服職員と五百五十七人の一般職員をふやし、航空自衛隊におきましても、航空団を一つ作りまして、人員といたしましては、制服職員が六千六百人、一般職員が一千人、米国からの供与が七十三機、日本側の調達が七十五機というような増強をいたすわけでありまして、そのために百六十億円の増加に相なるわけであります。それが千三百六十億という金額になるわけでありますが、この百六十億の半分でありますところの八十億円、それを減額をいたしますのが在日合衆国軍の交付金でございますが、そのほかに施設提供等諸費——今在日合衆国軍に提供しております施設の維持に要します経費が前年度よりも十億ほど減少いたします。その関係で、その減少額の半分減ってくるということで、差し引きまして七十五億円が防衛費で減少のネットのバランスになるわけであります。 賠償の関係におきましては、本年度は三百二十三億円という金を賠償特別会計に繰り入れまして、この金に、賠償特別会計におきまする前年度からの繰越金十億円ほどが加わりまして本年度におきまする賠償等の処理に当るわけであります。 公共事業は、全体で四百十六億円の大幅な増加でございまするが、その内訳は二十ページにございまして、二十ページで河川以下の内訳があるわけであります。 まず、河川のほうから申し上げますると、治山治水事業のうちで二十四億円一三%河川改修が増加をいたしております。さきほど申し上げましたように、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律という三十一年の法律がございまして、この臨時特例によりまして非常に高い補助率を出しておりましたのが、三十三年度をもって失効いたします。したがいまして、今申し上げました一三%という金額は、これを事業量のベースで見ますると、一八%という増加に相なっておるわけであります。 河川の総合開発の関係は、これを直轄の分は多目的ダムの建設工事特別会計に入り、補助ダムは一般会計で実施をせられるのでありますが、合わせまして三億円ほどの増加でございまするが、さきほど申し上げました事業量の実質的な増加は二〇%に上るわけであります。 砂防につきましても四億八千九百万円の増加でありまするが、実質事業量といたしましては、同じく一八%程度の増加になるということであります。 治山におきまして三億三百万円の増加であるわけでありまするが、実質事業量は約一七%増加をいたすということであります。 造林関係は、新しく補助金の一部を長期低利の融資に切り替えることを考えておりまして、このために農林漁業金融公庫に対しまして七億円一般会計から出資をする。この金をもちまして農林漁業金融公庫が長期低利の融資をいたしまして、二万七千町歩ほどの面積を転換いたすわけであります。 道路整備の関係でございまするがこれは総投資額一兆円をもちまして五カ年間の計画があるわけでありまするが、地方単独事業が千九百億円、あとは、一般道路事業が六千百億円、有料道路事業が、日本道路公団の分が千三百七十五億円、首都高速道路公団という今回新設せられまする公団におきまして六百二十五億円、合計で一兆円になるわけであります。この六千百億円の一般道路事業と有料道路事業の二千億円のうちで、一般会計で負担をいたしまする分が五千三百二十二億円であります。これを五カ年間にいたすわけでございまするので、その全体を見まして道路整備財源の充実を図るということで、三十四年度以降、揮発油税の税率をキロリットル当り五千五百円引き上げることといたしております。これと関連をいたしまして道路整備財源の充実を図りますため、軽油引取税につきましてもキロリットル当り四千円の増税を行うということを考えておるわけであります。 港湾等の整備事業費ということで掲げてございまするのが林道以下でございます。 林道におきましては、前年度に比べまして三億七千八百万円増加をいたしておるわけでありまするが、なお、このほか、国有林の特別会計におきまし出て、民有林に関連をいたしまする林道の開発ということを新規にやることにいたします。したがいまして、林道事業の規模は、ここにあります一般会計の分にそれが加わって開発せられるわけであります。 港湾の関係は、前年度に比べまして四十八億円の増加に相なっておりまするが、そのうち、特に緊急の整備を要しまする輸出関係、石油、石炭、鉄鋼の関係の特定港湾におきましては、埠頭施設の総合的計画的な建設、受益者負担金の経理の明確化を図るということで、特定港湾施設工事特別会計というものを設置をいたしたわけであります。その特別会計への繰り入れと、一般会計におきまして引き続き整備をいたします港湾の関係を合せますると、前年度の八十六億円が百三十四億円に増加をいたしておりまして、約五六%の増加を見込んでおるわけであります。 漁港でありまするが、漁港は、前年度に比べまして、六億六千二百万円という増額に相なっておるわけでありまするが、事業量ベースで考えますと、これも二三%という増加率になるわけであります。 都市計画は、公園の整備等、なかんずく下水道の整備に重点を置きまして、下水道は、前年度に比べまして、約八割の増加ということになるわけであります。特別失対事業を含めました金額におきまして、前年度十億円が十六億円、六億円の増加と相なっております。 寄港の関係は、東京の国際航空路整備のために八億六千百万円、三十三年度において始めました大阪の空港につきましては、用地買収のために二億円を計上いたしております。そのほかに、地方空港といたしまして、継続十三、新規に五つの空港に四億九千八百万円の金を充てるというわけであります。 工業用水道が、前年度五億円を八債八千六百万円というふうに増加いたしまして、継続七カ所のほか、新規に六カ所に着手いたすわけであります。 食糧増産の対策費でありまするが、これは、土地改良の事業につきましては、国営灌漑排水、都道府県の灌漑排水、団体営の事業というものを含めまして仕事をいたしておりまするが、特定土地改良工事特別会計に十八億円を繰り入れる、この特別会計は、十一地区の仕事をやっておるわけであります。また、干拓の関係におきましては、五十三億を同じく特別会計に繰り入れをいたしまして、八郎潟以下、大きい干拓事業の整備促進をやっております。開拓全体といたしましては、新規入植が、内地が一千、北海道が七百というふうに、新規入植戸数をある程度しぼりまして、従来から入っております開拓地の不振地区の振興あるいは建設の促進ということに重点を注いでおるわけであります。 愛知用水以下の外資導入及び機械開墾事業におきましては、愛知用水の増加を中心といたしまして、前年度二十八億円が三十八億円、十億ほどの増加に相なっておるわけであります。 次に、災害復旧でございまするが、災害復旧は、前年度に比べまして、三十五億六千七百万円という減少になっておりまするが、当初予算と比較をいたしますると、十六億六千万円の増加に相なっております。この増額は、三十三年度の補正第一号をもちまして増加をいたしたものでありまするから、その結果、補正後の数字に比べますと、減少に相なっておるわけであります。この結果、三十一年災以前の復旧事業を完了したしまして、三十二年災、三十三年災につきましては、直轄事業は終了いたす。補助事業につきましては、法律で考えております緊要な災害復旧事業につきまして、三カ年間で復旧するという早さでやっておるわけであります。 災害関連事業は、これも五千四百万円の増加でありまするが、事業量におきましては九・二%という増加率に相なっておるわけであります。 鉱害復旧は、家屋及び農地に中心を置きまして、五億一千万円が五億三千万円。国土総合開発は、首都圏整備の関係の五千万円と、その他の地区の五千万日と合せまして一億円、前年度に比べまして調整費を増加いたしたわけであります。 住宅対策でございまするが、公営住宅は四万九千百十五戸、前年度に比べまして二千戸を増加いたしておりますほか、不良住宅地区の清掃の補助といたしまして一千四百万円を計上いたしておるわけであります。なおこのほか、住宅金融公庫におきまして前年度九万二千戸が十万二千戸、住宅公団におきまして前年度と同じ三万戸、これはいずれも財政投融資の方におきましてまかないをいたしておるわけであります。 環境衛生といたしまして、下水道の終末処理及び屎尿消化槽の関係で三億ふやしまして、十億一千万円ということになっておるわけであります。 農業保険は、現在の引き受けの実績を見まして、前年に比べまして金額は減少いたしております。しかしながら、このうち家畜保険の関係におきましては、料率の改訂並びに乳牛の加入奨励の金を出すことにいたしまして、その関係におきましては増加しておるわけであります。 貿易振興及び経済協力におきまして十億四千万円の増加でありますが、これは、技術センターの関係で四億五千万円、技術援助の関係で二億二千二百万円、コロンボプランにおきましては一億八千万円を三億二千万円に増加いたすというようなことが経済協力の関係。貿易振興の関係では、ジエトロに対しまして前年度八億八千五百万円、それが十億八千三百万円、約二億ほどジエトロ関係におきまして増加しておりますほか、指定検査機関における集合検査場の設置の助成、プラント類の輸出に対しまする違約金の損失補てんに備えまする損失補償の制度等を見ておるわけであります。 中小企業の対策といたしまして、十億七千五百万円の増加に相なっておりますが、これは、中小企業の設備近代化補助金を、六億を十億に増加いたしたほか、汚水処理のための共同施設の設置を助成するため五千万円ふやし、中小繊維工業の設備調整のため七億円、ほかに新たに、中小企業の従業員の退職金共済制度というものがありまして、このために五千万円の金を計上しまして、事務費のまかないをつけておるわけであります。なお、信用保証協会に対しまする中小企業信用保険公庫の貸付金の財源に充てるため、産業投資特別会計から十億円の出資をいたしておる次第であります。 産業投資特別会計につきましては、五十億円繰り入れまして、経済基盤強化資金からその金をまかなっておるわけであります。 予備費は、前年度当初予算通り八十億旧計上しておるわけであります。 雑件といたしまして、参議院議員の選挙の費用に十七億一千二百万円、海外移住振興の関係で移住者一万名を予定いたしておりますのと、日本海外移住振興会社に対しまして、産業投資特別会計から十億円の出資をいたします。文部省の要保護準要保護児童の対策費といたしまして、新規に修学旅行の補助金といたしまして八千七百万円、給食費の補助といたしまして、従来学童の一%半というものを見ておりましたのを二%に引き上げまして、そのための増加があります。 スポーツ振興の関係におきましては、一億六百万円が一億四千万円、約四千万円ほどふえておりますが、アジア競技大会が六千万円前年度ありました金がなくなっておりますから、差引しまして一億円の純増になるわけであります。私立学校振興費は、前年度ありました私学振興会の出資金が落ちました関係でやや減っておりますが、研究設備の助成と理科教育の特別助成の資金で二億五千万円ほどの増加を見ておるわけであります。 畑作振興対策費は、病虫害対策及び試験研究費におきまして増額をいたしております。畜産振興のためには、これは経営改善計画ということで、改良事業の実施と需給調整と、両方考えますとともに、学校給食費の増加をいたしておるわけであります。蚕糸業の対策といたしましては、三十三年度の補正二号をもちまして約一万五千町歩、三十四年度予算をもちまして約一万五千町歩、合計して約二万九千町歩の桑園の整理をいたすことにいたしました。これが三億六千三百万円。蚕糸、繭の価格安定を行わせます全国蚕繭協会、これに出資いたします金が十億円。なお、糸価安定特別会計におきましても、輸出生糸保管会社から買い取ります資金の手当の一環といたしまして、一般会計から二十億円繰り入れるということであります。 三国間の輸送助成ということで、近海におきまする過当競争を排除いたしまして、三国間輸送に進出するということの助成をいたしまするのと、海外におきまする厚生施設の整備の補助金と合せまして、五億円を計上しておるわけであります。 青少年対策費は、従来からあります青年の家以下の金をふやしているわけでありまするが、今回新たに国立中央青年の家というものを作ることといたしまして、この運営費が一億一千九百万円、合せまして、前年度に比べまして四億四千二百万円が七億九千八百万円、三億五千万円ほどの増加が青年関係であるわけであります。 公務員の給与につきましては、人事院の勧告がございましたので、それに、伴いまする初任給の改訂、期末手当の増額暫定手当の繰り入れというようなことをやっておるわけであります。 歳入につきましては、専売納付金から申し上げまするが、三十六ページでありますが、専売の納付金におきましては、本年度の販売金額が、たばこにおきまして百十一億円ほど増収を見ておるわけであります。それに伴いまして、納付金が五十五億円ほど増加をいたすわけでありまするが、塩の方が今塩業の整理をいたしておる。その整理の交付金を三十七億円ほど見込んでおりまするために、二十五億円前年に比べまして赤字が増加いたしております。差し引きまして三十億円納付金が増加をいたしておるわけあります。 官業益金及び官業収入の増加は、印刷局の特別会計の受入金と病院収入の増加であります。政府資産整理収入の増加四十億円の内訳は、国有財産の売り払い収入のほか、一般会計で持っておりました接収貴金属のうちの国の所有にかかる銀、地金百五十一トンを造幣局特別会計に管理がえすることによる収入及び地方債の証券償還収入の増加であります。 雑収入が七十六億三千六百万円減になっておりまするが、これは、日本銀行の納付金が七十二億五千万円ほど減収に相なっておるためであります。 なお、特別会計は多少の動きがございまして、三十七ページにございますように、貴金属一般会計から二十四億円の金を受け入れておりますが、これは、接収貴金属で三十四年度返還を予定されている国の所有にかかる銀地金を同じく造幣局に売ります関係から生じます余裕金であります。 なお、国有林野特別会計から十億円の金を受け入れる予定にいたしておるわけであります。 以上をもちまして、一般会計の歳出歳入の御説明を終るわけでありまするが、特別会計の中で特に御説明を一、二申し上げておきまする点がございまするのは、食糧管理特別会計のことが四十二ページに書いてございます。これは最も大きな特別会計でございまするが、これは、国外の米につきましては四百七十九万一千トン、三千百九十三万九千石という買い入れ数量を見込んでおるわけであります。これは、三十三年度予算に比べまして若干増加になっておるわけであります。国内産麦と輸入米麦につきましては、三十三年度予算と大体同量を見込んでおるわけであります。四十三ページに、外砕米が二万八千トン、輸入大麦が五十八万八千トン、小麦が二百七万トンというようなトン数を予定いたしておるわけであります。買い入れ価格につきましては、米は三十二年産米の価格を基準に、農業パリティ指数の変化を織込み、これに予約米の売り渡し代金の免税措置をとりやめるということにいたしておりますので、この額を申し込み加算金に増額いたしまして、一俵当り三十円、石当り七十五円、これを加えまして、石当り一万二百五十円という単価で見ておるわけであります。それによりまして計算をいたし、消費者価格につきましては、現行の消費者価格に基いた計算をいたしておるわけであります。なお、これに伴いまする食糧証券及び借入金の残高が四十四ページにございまするが、三千四百三十億円という、前年度は三千百九十六億円でございまするが、前年度に比べまして増加をいたしておりまするが、これは、予備費を二百四十億円ほど、買い入れ数量の増加に伴いまして増加いたしておるわけであります。なお、この会計には、学校に給食いたしますパンの関係で十五億七千万円、農産物の安定勘定の補てんのために十億円という金を一般会計から補てんいたしておるわけであります。 以下は、大体おのおの一般会計の関係において申し上げておりまするが、これは財政投融資の方でお聞きをいただくと思いますが、特定土地改良工事特別会計あるいは特定港湾施設工事特別会計、特定多目的ダム建設工事特別会計、いずれも借入金がございまして、これが前年度より増加をいたしておりまして、それによりまして事業量の増加をまかなっておるわけであります。 最後に、政府関係機関の予算がございまして、五十二ページからございますが、専売公社におきましては、先ほど申し上げましたように、たばこでふえますその本数は、五十二ページに書いてございますが、千九十五億九千四百万本が千百二十七億一千五百万本にふえる。塩は、購入及び製造数量におきまして、三百十九万六千トンが三百万八千トンになったという数字を前提として組んでおるわけであります。 国有鉄道におきましては、東海道におきまする幹線の増設三十億円を含めまして、工事勘定が千六十二億円が千百十五億円というように、五十三億円の増加を見ておるわけであります。 電電公社におきましては、電話の加入数におきまして、五十四ページでありますが、三万加入増加の二十八万加入というものを見ておりまして、以下町村合併、農山漁村などの増加を含めまして、所要資金前年度七百五十億を八百五十億というふうに、百億ほど増加を見ておるわけであります。 以下金融公庫、銀行の関係は、財政投融資の方で申し上げますから、省略をさせていただきまして、以上で大体三十四年度の予算の御説明を終りますが、なお、三十三年度の補正第二号につきまして、ごく簡単に御説明申し上げます。 これも、別にお手元に、「昭和三十三年度予算補正(第二号)の説明」というものをお配りをいたしておるかと思います。歳入歳出百十八億五千三百九十一万二千円でございまするが、生活保護費十三億九千百万一千円追加、国民健康保険助成の追加が十二億一千百四十八万二千円、失業保険費国庫負担金の追加が十四億九千百万円、義務教育費国庫負担金の追加が四十五億七百二十七万円、そこら辺までは、いずれも三十二年度の決算の結果生じました不足金の補てんと、三十三年度に現在までに明らかになりました不足の分を見込んでおるわけであります。 災害復旧費につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、三十三年中の発生災害につきまして、このように予算補正をいたしたわけでありますが、その後調査が進展をし、また復旧事業が進捗をいたしておりまする現在の実情におきまして、所要の額を見まして、十五億八千五百万円の増加をいたしたわけであります。 以下、いずれも義務費あるいはこれに類似したものでございまして、蚕糸業の緊急対策は、先ほど申し上げました桑園の整理につきまして一万五千町歩、三十三年度に着手をいたしまする分の三億九千百万円。 これに見合うものといたしまして、租税収入におきまして八十億、うち関税で四十億、砂糖消費税で三十五億、相続税で五億という金を見ましたほか、専売の納付金におきまして増加を三十億円、官業益金及び官業収入といたしまして学校付属病院の収入を中心といたしまして四億円、国有財産の売り払い収入と貸付収入とを合せまして四億五千万円という金を財源といたしまして、百十八億五千三百万円の補正予算を組んでおるわけであります。 以上をもちまして御説明を終ります。
○委員長(木暮武太夫君) 次に、原大蔵省主税局長から補足説明を願います。
○政府委員(原純夫君) 税の関係の補足説明を申し上げます。 お手元に、「租税及び印紙収入予算の説明」という冊子が参っておりますから、それをおあけいただきまして、最初に三ページをごらん願いたいと思います。 三ページの、三十四年度租税及び印紙収入予算額という表に、税に関しまする三十四年度の動きが、全体を一覧できるようになっております。下から六行目の一般会計の合計というところを左から右に、この欄の額と対照してごらんになっていただきたいと思います。 まず最初に、昭和三十三年度予算額一兆二百五十九億円でございます。ただいま石原主計局長から申しましたように、補正第二号をもちまして、これに八十億円の増を見込むことになっております。この一兆二百五十九億円をもとといたしまして、昭和三十四年度においては、この右に七つ八つ欄があります通りに動いて参ります。第一に自然増収、これが千八十六億円であります。それを加えて(C)欄で、現行法による三十四年度の収入見込が一兆一千三百四十五億円、これをもとにしまして、税制改正で、まず所得税等の一般的減税、公約系統の減税事項の昭和三十四年度分の減税額が、一般会計で四百十三億円、その下に特別会計がありまするが、入場税で十九億円加わりますので、減税額の初年度分合計四百三十三億円、この右にその他の改正というのがございます。これは租税特別措置の整理によりまして、約七十四億円初年度増収を得る。それから揮発油税の増徴によりまして、上にあります百九十三億円の増収を得る。それから砂糖消費税を関税に振りかえる額が二百七十三億円である。総体いたしまして増収二百七十九億円、差引税制改正によるネットの減収額は百三十三億円、入場税を加えまして百五十二億円と出ております。で、これを調整いたしましたところの昭和三十四年度予算額というのがその右に出ておりまして、一兆一千二百十二億円、前年度予算額に対して九百五十三億円の増ということになっております。 この所得税等の一般的減税——ただいま申しました公約中心の一般的減税の国税分でありますが、よくいわれております平年度七百億円の減税はどうなっているのかという形でごらんいただくために、六ページに表を用意してございます。中央、地方を通ずる税制改正による減税額というのがそれでございます。一番右に減収額の平年度額が出ておりますが、国税は、所得税四百二十二億、法人税、物品税、入場税とありまして、この合計四百八十八億、地方税は、事業税が九十五億、個人と法人とに分れております。固定資産税、住民税と書きまして、合計二百二十九億、総計で七百十七億円というのが平年度における一般的減税の減税額であります。 なお、(注)にありますが、地方の法定外普通税の減三億がこの表のほかに減っております。 なお、これらの詳細は、ただいまの前の四ページ、五ページに一般的減税それから特別措置の整理等と掲げまして、それらの各項目別の減収額、増収額の初年度、平年度額を詳細に掲げてございますから、必要に応じてこれをごらん願いたいと思います。 次に、自然増収額につきまして御説明を申し上げます。詳細にはこの冊子の七ページ以下三十ページまでの間に、自然増収の説明が各税について掲げてあるのでありますが、ごらん願うことといたしまして、ごく概略を申し上げます。 簡単に申しますれば、三十四年度の経済計画、これで国民所得、生産、物価、賃金、雇用、あらゆる経済の指標を見込んでおるわけでありますが、こういうもののうち、三十四年度の税収の基礎としてちょうど対応するもの、つまり、たとえば法人税でいえば三十四年度になってくる事業年度の経済活動はどうあるかというようなことをしさいに検討いたしまして、そうして景気の高下によるところの所得の移動の変化も織り込みまして税収見込を立てております。なお、間接諸税につきましては、揮発油あるいは砂糖等につきまして、責任省の見積っております消費量、あるいは砂糖でいえば要糖量というようなものを伺いまして、それを基礎として計算をはじいております。それをごく概略文句で書きましたのが一ページの終りの方から二ページに掲げてございますので、大事な指標的な数字はそこに集まっております。なお、必要に応じて七ページ以下の各税のところで、生産が幾ら伸び、物価が幾ら伸びるというような点をごらんいただきたいと思います。 それで結果といたしまして、それでは各税のうち、自然増収千八十六億を構成するのにどういう割合で寄与しておるかというのを再び三ページの表にお返り願いまして、数字の左から二欄目に自然増収額(B)という欄がございます。これを上からごらんいただきます。最初に、所得税が合計で五百七十九億円、一千八十六億円の過半を所得税で受け持つというような形になっております。次の法人税は八十二億と実に少い額になっております。所得税は三十三年度、すでに相当実績で予算を上回るような情勢になってきております。これは賃金、雇用等が割合に堅調にいっておるということ、配当が資本の増加を反映しまして予想外に伸びておるというようなことが中心となっておりますが、その三十三年度の伸びの上にさらに三十四年度の伸びが見込まれますのでこういうような数字が出て参ります。法人税では、三十三年度においては逆にこの三千三百十一億という予算額がどうも百七、八十億円ないし二百億円がらみ減収になるのではないかというふうに見込まれておりますが、三十四年度は、そのマイナスを埋めまして八十億円ばかり出るということですから、三十三年度の実績に対しては二百五十億円程度増収になるという感覚で結論が出ております。基礎は、先ほど申した通り、相当詳細な基礎でやっております。 その他の税では、酒税が百三十三億、砂糖、揮発油、物品、関税というのがいずれも五十、六十、七十億というところで並んでおるというような形でございます。 次に、昭和三十四年度税制改正はどんなふうにやるかというのを三十一ページ以下でお聞き願います。これは従来たびたびの機会に新聞その他を通じて、あるいは直接いろいろな御審議の過程で御承知の点も多いと思いますので、特に重要な点だけ、あるいは御参考に特になると思う点だけを拾って申し上げて参ります。 この要綱も、第一を減税としてあります。これは先ほど申した公約のラインの一般減税であります。 第二以下にその他のものが掲げてあります。減税の中では、所得税の減税、それは控除と税率の改正、それから退職所得に対する課税の軽減というふうに分れております。控除につきましては、今回は扶養控除だけで参ろう。扶養控除としては、ごらんの通り、相当大幅な増額をする、かつ、扶養控除の何人目という区分に応じての構成が、かなりに特徴的に従来と変るようにいたしております。で、これは従来とも家計調査等から結論づけられております。世帯員が一人の場合、二人、三人、四人、五人の場合の一人当りの生計費というようなものと比べて、どうも今までの盛り方が傾斜が急過ぎるという感じがありましたことを考えて、この際、抜本的にその辺を直して参りたいと思ったわけであります。税率におきましては、最低税率一割というのが、課税所得の一番下の五万円の部分に適用になっておりますが、これを十万円に引き上げるということにいたしております。その結果、三十五ページに掲げてありますが、公約で申しましたように、月額が二万五千円まではかけないというのが、少し上回りまして、その扶養親族の数四人というところが標準家族でありますから、その四人というところの給与所得者の改正案、平年分の額を見ていただくと、三十二万七千九百十二円、これを十二で割りますと、月額約二万七千三百円ということになります。二万五千円といわれておりましたのが、一割ばかり上回ることができるようになりました。事業所得者では、年二十五万円の所得まで所得税がかからないということになります。課税最低限としては相当大幅に上っておる。実際にいろんな階級の人がどれだけ軽減になるかということは、三十六ページ以下にございますが、必要に応じてそれぞれの欄でごらん願います。大体標準家族で申しまして、三、四十万ないし七、八十万、百万というようなところを想定いたしますと、給与所得者、それから事業所得者とも、大体一万円を中心として、下の方は三、四千円、上の方は一万三千円程度というものが、年間の所得税から軽減になるというのが大体の感覚でございます。で、もちろん、控除の増を中心といたしておりますから、軽減の割合は、所得の低い方に特に大きく、だんだん所得が大きくなると軽減割合が減って参るというのが、表にはっきりと出ております。 もとの三十一ページに戻りまして、退職所得に対する課税の軽減ですが、これは退職所得から控除をいたします額が、ただいま五十万円が最高になっておりますのを、長年勤続の人のことを考えまして、百万円まで引き上げよう、かつ、年令に応じて四十、五十のあたりの一年分の控除額は、若いときの一年分の控除額よりも多くしようというような着意を入れてやっております。退職金額を百五十万ないし二百万ぐらいと考えますと、退職所得に対する所得税の税額は、大体半分ぐらいになるということをお考えいただいてよろしい次第であります。 それから法人税は、中小企業の退職金関係で若干の手当をしよう。ただいま企業内部に留保しますと、二分の一まで損金に算入するということになっておりますのを、企業のほかの、今度できますこのための事業団等に払い込みますと、全額損金にしようというようなことを考えております。 間接税につきましては、一昨年以来、その体系的な根本的再検討を重ねてきております。で、ここに物品税と入場税について一応の結論を得まして、相当な改正を行おう。物品税につきましては、体系的検討の結果、いわゆる消費支出弾力性と言っておるのでありますが、つまり、所得の多い人がよけい使うような物には、割合に高い税率をかける、そうでない物はだんだん軽減するというような感覚を、一つの筋、いわば横糸とし、物品税でよくいわれますところの、零細企業が転嫁ができないために苦しむ、そういうようなものは、何とか軽減、合理化をはかりたいという線を縦糸といたしまして、巨細に七十六品目の各品目について検討いたしました結果、あるいは小売課税に移しまして、零細な、いわば、たとえば裏長屋でやっている生産者に課税上の面倒をかけない、転嫁の困難をなめさせないという配慮をする方法、また、税率の引き下げをする方法、免税点の引き上げをするという方法、さらには、物によって課税を全然廃止するというような方法をいろいろ織りまぜまして、相当多数の品目についていじろうという考えでおります。半面、そのロにあります通り、トランジスターラジオ、テープレコーダー、チクロ系甘味料、特に高級な衣料というようなものは、物品税の体系を考えます場合に、広く間接税体系全般といたしまして、これらが入っておらないということに、非常に問題があるということが年来言われ、かつ、ただいま申しました統計的な作業の結果にお寺ましても、きわめて顕著に出て参りすすので、衣類については、特に高級品に限るというような配慮をしながら、これを物品税の体系の中に織り込んで参りたいというふうに考えております。 入場税につきましては、やはり同様に再検討の結果、ただいま入場料金に応じて、低いのは一割から、高いのは五割という、非常に急な累進税率になっておりますが、物品税のように全部一本税率、写真機なら写真機は、高くても安くても一本の三割であるというような行き方もあるし、そういう方が間接税では多いのであります。入場税についても、この傾斜があまりに急である。直ちに一本にならないにしても、一割、二割、三割という傾斜にゆるめようということで、ただいま具体案を取りまとめ中でございます。 その他の改正におきましては、租税特別措置の改正、御存じの通り、年来、これについては、真に必要なものは必要に応じて設けるかわりに、必要が薄れるもの、薄れたもの等については、なるべく時におくれずに整理、縮減して参るという方針で来ております。それらの財源が、ある意味では一般的な減税の財源にもなり、一般財政需要に充てられるということになるのですが、この租税特別措置の改正の中で特に重要な問題をあげて参りますと、1が「預貯金等に対する特別措置」、これは長期の預貯金、公社債の利子につきまして、ただいま全然非課税にいたしておるのを、新年度から一割の源泉分離課税にしようというもので、初年度三十五億でありますが、平年度八十四億の増収を見込まれる項目であります。2、3を飛ばしまして、4の「増資登録税の軽減」、自己資本充実のために増資を奨励したい。この問題は、単にこういうこまかな措置でなくて、税制全般としても、また税制以外の各般の角度から研究、措置しなければならぬことでありますが、とりあえず、ここに増資の登録税を、千分の七を千分の五に軽減するということで、五億の減収を見積っております。5、6、7あたりは、期限を延長したり、あるいはしなかったり、若干の調整を加えたということで省略いたします。9の「米穀所得課税の特例」、10の「社会保険診療報酬課税の特例」、これは利子課税あたりと並びまして、税制上かなりに問題の項目とされておったものでありますが、いずれもそれぞれの因縁がありますので、私ども単純には整理し切れない。今回、米穀に関しましては、食管会計の予算においてごく少数の課税農家が厚い利益を得ているというのを、その利益を全部米価に織り込んで、一般に供出米の米価に石当り七十五円というものを予約加算金のこぶとして乗せるという、はっきりした形で農家に還元しよう。そのかわり、この特例は廃止して、十五億円の増収をあげたいという考え方でございます。 なお、関連して特に申し上げておきたいのは、所得の減税において、扶養控除の増が中心となっておる。農家の扶養親族は約六人おる。都市の一般の納税者、営業の方は三・四人である。勤労者の場合は扶養親族が二人くらいおります。従いまして、扶養控除の引き上げによって農家の所得税が相当大きく減るというこの機会が、また非常にいい条件であるということを考えたことも申し上げておきます。 それから、社会保険診療報酬課税の特例に関しましては、そこにありますように、その特殊性を考慮して合理化を検討するということで、ただいま関係方面と鋭意案を練っております。なかなか一挙に廃止ということにはいきかねるが、現在では、御案内のように、非常に無差別な悪平等の不合理がありますので、これはぜひ直したいということで、今盛んに御相談申しておると、いうことでございます。 以下十三番まで略しまして、二番目に道路整備財源充実のための揮発油税の増徴五千五百円、現行の地方道路税のみ負黒万八千三百円の約三割。 それから、国内産テンサイ糖の保護育成のために砂糖消費税を関税に振りかえるというのが、そこに出ております。減収を来たすことのないようにという意味で、同額の振りかえでなくて、振りかえ額が若干多い。つまり、上置きに二円ばかり砂糖消費税に乗っかっておりますが、これはそういう意味であります。 それから、四番、国税徴収法の全文改正、これは税収には特に見るほどの影響のない問題でありますが、国税徴収法が明治三十年にできました非常に古い法律で、かなりに一方では租税の優先権について非常に強い規定があって、一般私法上の債権に迷惑が及ぶという面がある。同時に、その国の経済の進展におくれるという面もありますので、それらの面を直したいということで改正案をお願いいたしたいというふうに思っております。 以上簡単でございまするが、御説明申し上げます。 なお、税制につきましては、非常に問題が大きく、深い。そうして間接税の問題だけでも、今申しました通り、一昨年から二年やって参っておりますし、これがまだ終っていないというようなことであります。先ほど申しました自己資本の充実等を含めまして、企業課税の問題、それから中央、地方の税制をどうするかという意味での、まあ主として地方税制を考える問題、これらをあわせまして、今国会に税制調査会を作るということをお願いして、相当期間をかけてもじっくりそういうことを検討いたして参りたいというふうに考えておる次第でございます。 御説明を終ります。
○委員長(木暮武太夫君) 次は、正示大蔵省理財局長。
○政府委員(正示啓次郎君) 財政投融資計画と国庫収支につきまして、簡単に補足いたしたいと思います。 まず、資料でございますが、先ほど一般予算につきまして御説明のありました三十四年度予算の説明の八ページから九ページに、財政投融資資金計画の総表がございます。それから、この各項目につきましては、産投会計、資金運用部会計、あるいは簡保資金等、それぞれ特別会計、政府関係機関のページにございまして、さらに、そこに漏れましたものは、同じこの予算の説明の五十八ページから六十一ページに、第五といたしまして財政投融資の全般の説明がございます。これらにつきましては資料をごらんいただくことにいたしまして、なお、別に大蔵省理財局関係といたしまして、三十四年度予算に関する参考資料というのをお配りいたしたはずでございます。それの第一表が三十三年度財政投融資改訂計画ということになっておりまして、第二表が財政資金の借入に関する収支見込、三十三年度見込、三十四年度見込、こういうことになっておるのでございます。これらをごらんいただきながら、大体は八ページから九ページの総表をごらんいただきながら、策定に関しまして考慮いたしました二、三の点につきまして、補足をいたしたいと存じます。 まず、財政投融資でございますが、その原資の面につきましては、八ページの上のところに原資見込としてございますように、産投会計で三百八十二億、資金運用部資金で二千九百二十八億、簡保年金資金で一千億ということに見込んでおります。その合計が四千三百十億ということになっております。 まず、産投会計でございますが、この産投会計の資金からの受け入れ百三十三億、経済基盤強化資金からの繰り入れ五十億というこの繰越金の使用を見込んでおりますことは、予算説明書に書いておる通りでございます。また、資金運用部資金につきましては、郵便貯金の伸びを、最近の情勢等から一千億円と見込みましたが、その他の預託金、回収金につきましては、最近の実情に照らしまして、相当と思われる金額を見込んでおります。このほか、三十三年度中に資金運用部に預託されましたいわゆるたな上げ基金のうち長期運用可能な百六十五億円は、全額三十四年度の財政投融資の原資として見込みますとともに、三十三年度に予想せられまする繰越金百八十五億円につきましても、これを三十四年度に使用することといたしまして、ここに掲げましたように二千九百二十八億円、こういうふうに見込んだ次第でございます。なお、簡保資金につきましては、前年度に引き続き順調な伸びが予想されますので、財政投融資の原資として一千億円を見込んだ次第でございます。 次に、九ページの合計欄のところでごらんいただきますと、ここに三十四年度というのが上の欄、三十三年度が下の欄になりまして、終りから二つ目の欄に八百八十八と四百二十三という二つの数字がございます。これが公募債借入金の数字でございます。三十三年度は四百二十三億でございますから、これに比較いたしますと、相当の増加でございます。まあ、倍以上でございますが、これは非常に大きいのではないかというふうなお話もございますが、御承知のように、三十三年度の公募債借入の額につきましては、財政投融資の全体の設備を低目に抑えまして、その中で財政資金の比重をふやすということを主眼として参ったことは、御承知の通りでございます。そこで、四百二十三億というふうに特に小さくなっておったのでございますが、これを三十一年度、三十二年度の当初計画に比較いたしますと、三十一年度には八百九十九億円、三十二年度の当初には八百四十五億円というふうに公募債借入金を見込んでおりますので、ここにあげました八百八十八億円は必ずしも過大な数字とは申せないと思うのであります。特に、あとで国庫収支について申します通り、三十四年度は約二千四百億円に上る相当の散超が引き続いて行われる見込みでございます。一方、民間設備投資は、全体として三十三年度に比し若干減少する見込みでございまするので、民間金融の情勢は相当緩和するものと思われ、これらの公募債借入金の消化につきましては、金融機関等の積極的な協力が期待される次第でございます。 以上申し上げましたように、財政資金におきましては、新規原資のほか、繰越金等を合理的な限度において活用いたし、またさらに、積極的に民間資金の活用もこの限度において予定をいたしておる次第でございますが、その趣旨といたしますところは、大蔵大臣からもたびたび申し上げますように、経済基盤の強化、経済の体質改善というふうなことに必要なる施策の資金を確保する趣旨でございます。 以上によりまして、三十四年度の財政投融資の規模は、九ページでごらんをいただきまするように、前年度の当初計画三千九百九十五億円に比較いたしますと、千二百三億、相当の増加でございまするが、別に差し上げております資料にございますように、前年度の計画もすでに四千三百五十三億ということに現在改訂を見ております。これに比較いたしますと、八百四十五億の増加ということに相なります。 今、当初計画に比較いたしました千二百三億を、やや具体的に分析をしてみますると、この中で、たとえば開発銀行——八ページの上の方にございますが、あるいは輸出入銀行というふうな政府関係機関におきまするいわゆる回収金の減少、それから九ページのところにございます国有鉄道等の損益勘定からの受け入れの減少というふうな、いわゆる自己資金の不足を補てんするために財政投融資がふえておりますもの、実質的には、いわば自己資金が財政投融資に振りかわったというふうなものが約六百億に上っており、この程度の増加は、あとから経済企画庁の御説明にもございますが、これは来年度の経済成長率を実質で五・五%ぐらいに予定いたしております、これを達成するためにも適当であり、また必要なものと思われます。 これで原資の説明を終りまして、第二に資金の配分についてでございまするが、来年度は、先ほども申し上げました経済の安定的成長と質的な改善に主眼を置きまして、以下のような五つぐらいの重点に資金の投入を集中いたしておる次第でございます。 その第一は、経済基盤の強化でございます。すなわち、道路、港湾、国鉄、電力等、輸送力あるいはエネルギー等の基礎的部門の拡充のための資金を確保したことでございます。 まず、輸送力の増強でございまするが、この中でも道路整備の拡充、重要港湾の整備に特に重点を置いております。 道路につきましては、たびたび大蔵大臣からもお話がございましたように、三十三年度の計画をさらに拡充いたしまして、五カ年度間に一兆円の資金を投入して道路の整備を促進することといたしております。このため、道路整備特別会計に対する資金運用部資金の融資を増額し、また、日本道路公団の事業につきましても、名古屋、神戸間のいわゆる名神高速道路の建設を中心といたしまして、その他の重要ないわゆる道路事業の推進もあわせてはかっております。これがために、世銀借款をも合せまして、相当額の資金の確保に努めた次第でございます。なお、従来道路公団で一部予定しておりました東京都内の高速道路につきましては、これは財政投融資計画には出て参りませんが、新たに首都高速道路公団を設立いたしまして事業の拡充、促進をはかることといたしております。 次に、重要港湾については、九ページの地方債のちょっと上のところに特定港湾施設工事(仮称)という欄がございます。この特別会計を新設をいたしまして、資金運用部から二十億円の借り入れを行うこととしております。これによりまして、輸出専用埠頭並びに石油、鉄鋼及び石炭の各港湾の急速な整備をはかることといたしております。 また、国鉄につきましても、これはやはり九ページのまん中ごろにございますが、従来の新線建設を推進いたしますほか、来年度から新たに東海道幹線増設工事に着手するとともに、幹線の輸送力の増強、電車化、ディーゼル化の促進に重点を置き、資金の確保をはかっている次第であります。 次に、電力等エネルギー資源の開発につきましては、従来に引き続き、長期計画の線に沿って開発を進めていく方針でございますが、これに要する資金といたしましては、電源開発株式会社——これは八ページの上の方にございますが、この電源開発会社に対しまして、世銀借款も含めまして四百九十億円の資金を計上いたし、また、九つの電力会社、いわゆる九電力会社に対する開発銀行資金、これもやはり八ページの上の方にございますが、開発銀行資金は二百三十億円を予定いたしているのでございます。また、公営電力につきましては、九ページの下の方に書いてございますが、地方債が、先ほど御説明がありました通り、千百億、前年度に比べ百億円の増加になっておりますが、百四十億円をこの中に予定いたしております。電力のほか、石炭につきましても、前年度程度の開銀資金を確保いたし、また石油資源開発会社につきましてもその資金を増額いたしまして、これらの資源の確保に遺憾なきを期している次第であります。 第二点は輸出振興対策でございます。三十四年度におきましては、インド円借款、ミナス製鉄所等のいわゆる特殊案件が本格的実行段階に入りますとともに、延べ払いの増加によりまして、輸銀の回収に伸び悩むというふうな状態がございますので、財政資金の大幅な増加が必要となって参ったのでございます。そこで、八ページの上から三つ目でございますけれども、輸出入銀行に対する財政資金を前年度より二百八十億円増加いたしまして、輸出の振興、対外経済協力を強力にはかることにいたしております。 第三点は中小企業対策であります。これもやはり八ページの下の方からちょうどまん中ごろに国民金融公庫以下ございますが、この中小企業金融につきましては、三十三年度において相当思い切った資金量の増加をはかったのでございますが、三十四年度におきましては、さらに貸付金の増加を予定いたしております。すなわち、国民金融公庫、中小企業金融公庫において、それぞれ五%程度の貸付規模の拡大をはかりましたほか、商工中金におきましても、債券の引き受けのほか、産投会計からの出資十二億円を予定いたしております。また、これらの機関の貸付金につきましては、中小企業者の金利負担の軽減をはかるために、若干引き下げることを考慮いたしている次第でございます。また、中小企業信用保険公庫に対しまして、新たに産投会計から十億円出資することにいたしたのであります。これによりまして、信用保証協会に対する貸付財源の充実をはかることにいたしております。 第四は、住宅対策であります。住宅関係は八ページの下の方にございますが、今日、国民生活におきまして住宅事情はやや改善されて参りましたが、なお引き続きこの不足の解消に努力いたすことにいたしておりまして、政府計画の住宅といたしましては、前年度よりも一万二千戸増の二十一万一千戸とし、これに民間の自力建設を含めまして、年間の目標を五十六万戸といたしております。このうち財政投融資といたしましては、住宅金融公庫において前年度より一万戸増の十万二千戸を見込み、住宅公団においては前年度と同数の三万戸を確保することといたしております。なお、資金交付率につきましても改善を加えている次第でございます。 第五点は農林漁業対策であります。これも八ページのまん中ごろに農林漁業金融公庫というのがございます。これは一般会計の施策と並行いたしまして、農林漁業金融公庫あるいはこの九ページのところにございます特別会計の中の、特定土地改良、開拓者資金特別会計等に対しまする融資を増額して生産基盤の整備拡充に努めますとともに、また、愛知用水公団に対する運用部資金の増額等をはかっておる次第でございます。 以上によって、配分の主眼とする点について申し上げたのでありますが、この三十四年度財政投融資計画に新しく出て参ります項目といたしましては、先ほど申し上げた九ページの下の方の特定港湾施設工事(仮称)特別会計のほかに、ちょっとその上の政府事業建設投資の上の方に、国内旅客船公団というのがございますので、これにつきまして説明をつけ加えておきます。 これはむろんまだ仮称でございまして、別途法律案を提出いたしまして御審議を仰ぐわけでございますが、御承知の通り、わが国の離島航路等に就航いたしております客船の大半はすでに老朽度もはなはだしく、しかも事業者が自力でこれを更新することがきわめて困難な状況にございます。そこで、新たに公団を設立し、老朽船の代船建造等を行うこととしたのでありまして、これに対しまして産投会計から二億円を支出し、資金運用部からの三億円の融資を合せまして事業を行う予定にいたしておる次第でございます。 以上で三十四年度の財政投融資計画の概要の説明を終りますが、この際、三十三年度の実行状況につきまして若干つけ加えます。 先ほど申し上げました別の資料をごらんいただきます。 三十三年度の当初計画は三千九百九十五億でございまして、その後諸般の事情がございまして運用の追加が行われました。現在の改訂計画は五千三百五十三億屯となっております。この経緯を簡単に申し上げますと、まず、年度当初におきまして海運鉄鋼向け資金不足の補てんの支出で、資金運用部によりまして興銀債、長銀債を合せ百億円を引き受け、次いで不動産債券に対し十五億円、これは中小企業金融の支出でありますが——を追加いたしました。さらにまた、日本放送協会に対しまして簡易保険資金から三十五億円の資金を追加いたしました。 次に昨年末における中小企業金融対策といたしまして七十億円及び災害対策といたしまして三十億円の追加が資金運用部から行われたのであります。さらにまた、電源開発会社に対する世銀借款起債額の一部が外債発行に振りかわったことに伴いまして、さきの第三十回臨時国会において産業投資特別会計の予算の補正を行い、続いてこの法律の改正をお願いしたしましたことは御承知の通りであります。この関係で外貨債発行収入金を財源といたしまして、この電源開発会社に対し百八億円の貸付を行うこととしたのであります。これらの追加によりまして、三十三年度の改訂計画は四千三百五十三億円ということに相なっておる次第であります。 以上をもちまして財政投融資の説明を終り、最後に、国庫収支について一言申し上げます。 資料の第二表をごらんいただきます。三十四年度の国庫収支はこの表の右側に出てございますが、現在のところ、二千四百億円の散布超過と見込まれておるのであります。これは三十四年度の国際収支が実質一億六千万ドル、この点もあとから経済企画庁から御説明がございますが、というふうに見込まれているということが主たる要因でございます。この関係で、外為資金で九百六十一億円ほどの散布超過が見込まれることになっておったのであります。また、それ以外におきましても、一般会計が一番上のところにございますように、前々年度剰余金及び経済基盤強化資金の使用によりまして千二十六億円の散布超過、それから先ほど御説明がございました財政投融資計画におきまして、この資金運用部及び産投会計があるいは経済基盤強化資金を運用し、あるいは運用部の持ち越し資金を使用し、あるいは産業投資資金の取りくずし等を行いますために四百八十三億円の散布超過となることなどによりまして、外為以外で千四百三十九億円の散布超過ということになりまして、外為と合せまして二千四百億円の散布超過ということに見込まれる次第でございます。もとよりこれは予算が現在予定いたします通りに実行されるということが前提でございまして、いろいろの情勢の変化によりまして、貫通しに若干の違いを生じることは例年の通りであります。現に左の昭和三十三年度の見込みでございますが、これは当初、昨年予算を提出いたしましたときは、千二百億の散布超過、こういうことに申し上げたのであります。その主たる原因は、国際収支を一億五千万ドルの黒字というふうに見込んでおったのでございますが、その後、御承知のように、国際収支が非常な好調を示してきたことによりまして、現在ではその見込みがここに掲げておりますように、二千八百六十一億という程度の散布超過になっておる、かように見込まれておる次第であります。 簡単でございますが、二つの点につきましての補足説明を終ります。
○委員長(木暮武太夫君) 次に、大堀経済企画庁調整局長の補足説明をお願いいたします。
○政府委員(大堀弘君) ただいまから三十四年度の経済計画につきまして補足説明を申し上げます。時間の関係もございますので、お手元にお配りしております経済企画庁の方から提出いたしております薄い資料が二つございます。一つが三十四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度、これが一つ。参考資料というのが同じ表題でついております。(「その資料はないよ、いつも大蔵省の説明の要領はいいが、毎年経済企画庁の方は説明の要領がへたなんだが、今年はうまくやってもらいたい、毎年同じことを繰り返しているのだから。大蔵省の説明はなかなか要領いいよ」と呼ぶ者あり)大へん申しわけございませんが、ただいますぐ取り寄せて参りますので……。ただいまお手元にございます資料の一番しまいの十ページに主要経済指標というのが出てございますが、ただいま資料を届けますまでこれにつきまして御説明申し上げます。 現在、昨年の秋口から経済が次第に上昇に向って参りまして、三十四年度も引き続いて上昇過程をたどっていくと考えておりますが、私どもの見方によりますと、三十四年度の経済成長率は実質で五・五%の成長、こういうふうに見ているわけでございます。ここにございます経済指標の中の上段から七行目に国民総生産という項がございますが、ここに三十三年度実績見込み十兆一千四百十億、これが三十三年度の実績見込みでございますが、その隣りに、右側に三十四年度の見通しが出ております。十兆七千六百二十億、これが三十四年度の総生産の見込みでございまして、その右の方に比率で比較いたしてございます。三十三年度は前年度に対して〇・九%、一〇〇・九%の率でございますからほとんど横ばい、これはノミナルでございまして、価格が本年度下っておりますから、実績で申しますと、これが二・五%になります。一〇二・五%に相なります。その右に一〇六・一と書いてございますが、これが三十四年度の国民総生産の前年度比較でございますが、これがやはりノミナルでございまして、来年度は多少物価が本年度に比べまして〇・五%程度上昇するということになっておりますので、実績で申しますと、これが一〇五・五%になるわけです。この一〇六二というのが、実績で申しまして一〇五・五に相なるわけでございます。 こういう国民総生産が、どういうわけでこういう数字が出るかということでございますが、私どもの分析は、国民総支出という支出の分析をやるわけでございますが、支出の中で国民の個人消費と、それから民間資本形成、それに中央、地方を通ずる財政支出、それから輸出、それにマイナス要因といたしまして輸入関係、こういった四項目が経済の需要を構成しておりまして、この伸びの見方で経済がどういうふうに動くかという判断をいたしているわけでございます。ただいま参考資料が参りますとその内容が出ているわけでございますが、ここに出ているところだけ申し上げますと、国内民間総資本形成という項目がございます。それからもう一つは個人消費支出と、この二つでございまして、この個人消費支出から先に申し上げますと、三十二年が五兆八千七百六十九億、三十三年実績見込みが六兆一千七百億、三十四年が六兆五千百億でございます。三十三年度、経済が停滞いたしましたけれども、その割合に消費が堅実な伸びを示しておりまして、大体三十二年度に対しまして、年率で言いますと、右にありますように一〇五%、つまり五%の消費の伸びが予想されます。三十四年度につきましては経済が多少回復して参りますし、可処分所得の増も予想されまして、一般的に申しまして、本年度より多少消費がよけい伸びるということで、五・五%の消費の伸びを見ているわけであります。 この程度は消費の伸びが期待されるわけでありますが、第二に、上に上りまして国内の民間総資本形成でございますが、これが非常に変動をいたしたわけでございます。ここ数年非常にこれが動いているわけでございまして、総額で申しますと、三十二年が二兆三千六百四十九億、三十三年度の実績見込みが一兆八千百十億、三十三年度は約五千億低下しているわけでございます。三十四年度はこれが約二兆円——二千億円程度上昇する、こういう見込みでございますが、これが三十三年度下りました一番大きな原因は、在庫の問題でございまして、大へん恐縮でございますが、後ほど印刷物をお届けいたしますが、数字をちょっと申し上げますと、在庫の変動は、三十二年度が四千五百億の在庫の増がございましたが、三十三年度はわずかに下期にふえまして、山千六百億程度下期でふえておりますが、年度比較で言いますと、三千億、在庫が減少いたしております。在庫の増が落ちているわけでございまして、三十四年度がこれは三千九百億程度に上昇する、かように考えられるわけであります。 設備投資は、やはり三十二年度非常に上昇いたしましたが、これは引き締めによりまして設備投資が減退いたしましたが、三十二年度が一兆六千七百億という高い水準に参りまして、三十三年はこれより低下をいたして、一兆四千百億に低下をいたしまして、三十四年度の見込みでございますが、電源開発あるいは基礎的な産業部面、第三次産業部面とか、そういった面の投資活動がかなり高い水準にございますので、一般製造工業では投資が落ちますが、全体といたしましては約六百億程度、三十四年度は三十三年度に比べて設備投資は低下するだろう、こういう判断をいたしております。しかし、在庫投資で、先ほど申しましたように、約二千三百億ほど三十四年度ふえる見込みであります。 個人住宅建設におきましては、年々コンスタントに上昇いたしておりまして、二百億程度ずつは年々ふえております。 この三つの項目が総合されまして、民間総資本形成と相なっておるわけでありまして、民間総資本形成全体といたしまして、三十四年度約二千億高い水準に、本年度——三十三年度に比べて高い投資が期待されるわけでございます。 ただいま申しましたように、消費は五・五%伸びますし、民間総資本形成は、全体といたしまして二千億程度、来年度は本年度に比べて上昇するということに相なるわけでございます。 お手元に資料参りましたか。大へん失礼いたしました。参考資料の二ページ目をあけていただきます。 ただいま申し上げておりますことは、もうこの参考資料の二ページ目の第二表でございますが、国民総生産と国民総支出という項がございますが、その下の欄の国民総支出の欄について御説明申し上げたわけでございます。これが結局経済の需要を構成しているわけでございます。で、最初に申し上げましたのが個人消費支出で、この需要のうちの、国民総支出のうちの個人消費支出、これを今申し上げまして、それからその次に国内総資本形成、これについて御説明申し上げました。 次に参りまして、ここに三十二年、三十三年の実績見込み、三十四年の見通しという三つに書いてございまして、右の方に、本年度との比較を比率で書いてございます。 次に財政のことでございます。政府の財貨サービスの購入という項がございます。上から六行目に——今の総支出の項の六行目でございますが、政府の財貨サービスの購入、これで財政の規模を書いてございます。これにつきまして三十三年度の実績見込みが一兆九千八百九十億でございます。三十四年度の見通しは二兆一千六百二十億と相なっております。三十四年度は三十三年度に比べまして、一千七百三十億くらい財政規模が、財貨サービス購入の面で大きくなる、こういうふうになっております。 ここで個人消費支出、資本形成、これに財貨サービス購入、それにもう一つ下の欄に、輸出と海外からの所得、これが輸出によります所得でございますが、ここに三十三年度の実績見込みは一兆三千三百十億、三十四年度が一兆四千四百二十億と、こういうふうになっておりまして、この間の差額は約一千百億程度でございます。この四つの項目が経済の需要でございますが、これからその下の欄に、輸入と海外への所得——輸入はこれはマイナス作用になりますので、ここで差し引きをいたします。輸入は三十三年度の実績見込みは一兆一千六百億、三十四年度の見通しが一兆三千五百二十億ございますが、これを相殺いたしまして、一番下の欄で合計欄をごらんをいただきますと、三十三年度が十兆一千四百十億、三十四年度の見通しが十兆七千六百二十億、かように相なっております。この十兆七千六百二十億というのが、先ほど一番最初に申し上げました国民総生産という数字と見合っておるわけでございます。で、これを三十三年度に比べまして、実績として五・五%、ノミナルで六・一%の成長になる、こういうことでございます。 こういう需要要因の分析から参りまして、結局これが供給面にどういうふうに表われておるかということを、先ほどの主要経済指標の方に返っていただきまして、これのまん中のところに、鉱工業生産水準と農林水産生産水準という二つの項目がございます。ここをごらんいただきますと、三十三年度の鉱工業生産水準は指数で申しますと一四六・三でございます。これが三十二年度の実績に比べてほぼ横ばいでございます。ほぼ横ばいでございますが、三十四年度はこれが一五五・二と、パーセンテージにして申しますと、対前年比では三十四年度が六・一%の鉱工業生産の上昇になる、かように相なるわけでございます。 農林水産生産につきましては、その次の欄にございまして、三十四年度は一〇八・七でございますが、これは三十三年度豊作でございますので、高い水準で出ておりますが、三十四年度は平年作で計算いたします関係上、比較いたしますと、伸び率といたしましては〇・三%の伸びになっております。なお、これに出ておりませんが、第三次産業はかなり高い水準を示しておりまして、これらが総合されまして、ただいま申し上げました国民総生産の伸びに相なるわけでございます。 こういう国民総生産におきまして国際収支がどうなるか、卸売物価及び消費者物価がどうなるか、雇用がどうなるかということを最後に経済指標について申し上げたいと思いますが、一番下の欄に国際収支の表が出てございます。受け取りと支出とバランスが出ておりますが、この中で受け取りの上から二番目の輸出の項をごらんいただきますと、輸出につきましては、三十三年度の実績見込みが二十七億五千万ドル、前年に比べまして二十八億ドルより若干下回っておる。大体輸出の数量はかなり伸びておりますが、価格が相当に低下いたしておりますために、金額としましては多少下回っておる数字になります。三十四年度につきましては、国際経済の回復と国際貿易が五%程度回復すると考えられますので、また国際商品価格も多少一般的に上昇傾向になっておりますから、三十四年度といたしましては、三十億ドルの輸出の達成が可能ではないか、かように判断いたしております。それから少し下に参りまして、支出の項の輸入の項をごらんいただきたいと思いますが、輸入の項につきましては、三十二年度が三十一億八千万ドルと高い輸入が行われたわけでございますが、三十三年度は非常に低下したわけでございます。低下した理由につきましてはいろいろございますが、繊維でございますとか、鉄鋼や輸入原料に依存する産業の産業活動が低下したということでございます。国際価格が著しく低下してございます。約三十二年の上期と昨年の秋と比べますと、二割方輸入価格が下っております。フレートも非常に下っております。同時に生産が低下いたしまして、相当在庫をかかえておった在庫を抜き出しておりますので、そういったものを合せますと、三十三年度の輸入が二十四億五千万ドルといったような低い数字が考えられるわけでございます。これに対しまして、三十四年度は逆に先ほど申し上げましたように、鉱工業生産が六・一%上昇いたします。これに伴いまして、当然原材料も輸入の増加が考えられますし、同時に国際経済が多少回復して参りまして、商品価格も一般的に多少上って参っております。また生産活動の上昇に伴いまして、在庫も少し積みになっておるわけでございますので、これらを勘案いたしまして、三十四年度の輸入を二十九億ドル、かように推定したわけでございます。これによりまして、一番下の欄に国際収支のバランスが出てございますが、三十三年度は四億六千万ドルの黒字が期待されるのでございまして、三十四年度の場合は、先ほど申しました数字によりまして、一億六千万ドルの黒字になる、かように考えておるわけでございます。 なおその上の欄に参りまして、物価の情勢でございますが、卸売物価は三十三年度非常に低下いたしたわけでございます。これは三十二年の四月がピークでございまして、それから昨年の九月まで物価は下り傾向で参りました。十月に入りましてから反騰に転じておりますが、企画庁の指数で申しますと、一四%方下っております。これは日銀指数によっても多少違いますが、割合下って参りましたが、来年度は多少行き過ぎのものが戻ると考えられますが、全体といたしましては、強含みの横ばい程度にとどまるのではないか。根本から申しますと、やはり供給力に相当の余力がございますので、経済は上昇いたしましても、物価は非常に上昇するということはないのじゃないか。強含み横ばい程度にとどまるのではないか、かように考えているわけでございます。CPIは多少これはサービス関係等で上昇する傾向がございますので、〇・五%程度の上昇見詠みがある。総合いたしまして、物価は〇・六%上昇ということを考えているわけでございます。 最後にこの一番上の欄へ参りまして、雇用者総数の所をちょっとごらんいただきたいと思います。上の欄でございます。三十三年度経済が相当停滞をいたしまして、雇用の増について非常にまあ心配を持たれておりましたのでありますが、大体私ども六十五万程度増加して、ここにございますように千九百九十三万人という数字を予想いたしております。大体当初予想通りこれは六十七万人ふえた数字になっておりますが、大体予想したような関係で雇用の増は動いております。三十四年度につきましてはここにございますように、二千六十七万人になる。つまり七十四万人の増ということに相なっておりますが、産業活動の上昇の割合から申しますと、もう少し雇用がふえてもいいような数字になりますけれども、昨年の三十三年度の経済停滞のあとを受けまして、雇用の指数というものは多少ずれて出る傾向がございますので、来年度産業活動の上昇の割合には少いのでございますが、七十四万人程度の雇用の増が期待できる、こういうことが大体経済見通しのおもな点でございます。 最後に、参考資料の一番しまいの四ページをごらんいただきたいと思います。グラフが書いてございます。黒い実線で書いておりますのが長期計画、三十一年度を基準年度といたしました長期計画の年率六・五%の成長線を想定したものでございますが、それに対して現実の国民総生産がどういう足取りで動いているかということを点線で示してございます。この三十三年度の所をごらんいただきますと、これは実質に計算をし直してございますが、実質で申しますと三十三年度の実績は十兆一千六百十億、これが実績でございます。予想の点が十兆一千三百九十億でございまして、〇・二%高いところへ来ているわけでございます。三十四年度はただいま申し上げました、実質六・五%の成長で見ますと、十兆七千百九十億というのが来年度の経済計画の点でございます。長期計画の予想の点が、十兆七千九百八十億でございます。〇・七%低いところに来ておるのでございます。全体としましては、多少出入りはございますが、大体この線に沿って動いておる。今後経済の安定成長をはかって、また来年度は体質の改善に力を注いで参りたいというのが、大体この経済計画の基本的な考えでございます。 はなはだ簡単でございますが、数字的な説明だけ終らしていただきます。
○委員長(木暮武太夫君) 以上をもちまして補足説明を終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。 午後四後二十九分散会