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31回国会参議院1959/04/08

本会議 第25号

発言数
137
登壇者
21
会派数
3
開催日
1959/04/08

会議録

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  来たる十日、皇太子殿下の結婚の儀が行わせられます。まことに慶賀の至りにたえません。  つぎましては、この御盛典に対し慶祝の意を表するため、特に院議をもって、天皇陛下並びに皇太子殿下に賀詞を奉呈することとし、その案文の起草は議長に御一任願いたいと存じます。が、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  議長において起草いたしました案文を朗読いたします。    天皇陛下にささげる賀詞案  春たけなわのこのよき日に、皇太子殿下の結婚の儀が行われましたことは、国民のひとしく喜びとするところであります。  このたびの御盛典は、皇室の御繁栄に、また、わが国の進展にいつそうの輝きをそえるものと信じます。  ここに参議院は、国民慶祝の至情を代表し、院議をもってうやうやしく賀詞をささげます。    皇太子殿下にささげる賀詞案  春たけなわのこのよき日に、皇太子殿下の結婚の儀が行われましたことは、国民のひとしく喜びとするところであります。  われら国民敬愛のまととなっておられます両殿下には、ますます御健康にあらせられ、幸福な御家庭を築かれますよう祈ってやみません。  ここに参議院は、国民慶祝の至情を代表し、院議をもってうやうやしく賀詞をささげます。    〔拍手〕  ただいま朗読いたしました案文の通り決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。賀詞の奉呈方は、議長において取り計らいます。      —————・—————

佐藤尚武緑風会

○佐藤尚武君 この際、私は、国民外交に関する緊急質問の動議を提出いたします。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 私は、ただいまの佐藤尚武君の動議に賛成いたします。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 佐藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。佐藤尚武君。    〔佐藤尚武君登壇、拍手〕

佐藤尚武緑風会

○佐藤尚武君 最近の社会党議員団の中共訪問をめぐりまして、わが国を中心とする国際情勢の上に多大の憂慮すべき事態が発生してきたように思われまするので、あえて岸総理大臣並びに藤山外務大臣に対し、二、三の問題につき、御所見をお尋ねしたいと存じます。  本日まずもって質問申し上げたい点は、いわゆる国民外交ということの意義についてであります。普通、国民外交といえば、一国の国民が他国の国民に対して友好親善の関係を増進するために働きかける、いわば儀礼的の行事をさすものと信ぜられ、この範囲にとどまるのであれば、国民外交もむしろ歓迎すべきであると思われまするが、今回の訪中社会党代表団のとった態度は、はるかにこの範囲をこえたものであり、昨年夏以来杜絶した日中両国の国交回復の糸口を見出さんと試みたとはいうものの、日本国内において今日なお統一されていない方策をひっさげて、両国関係の打開をはからんとしたところに、大なる問題を残し、国民に多大の疑惑を与えました。結果から見て、今回の中共訪問は、日本の国内問題に関して、社会党の主張に中共を同調せしめ、両者共同戦線を張って本国政府に重圧を加える形となりました。こういうやり方は、実は、私から申せば、むしろ前代未聞ともいうべきであって、明治史以来かつてその例を聞かないところであります。とうてい、およそ国民外交とは呼べないやり方と断ぜざるを得ないのでありまするが、政府はこの問題に関してどういう意見をお持ちでありましょうか。お尋ねを申し上げたいと思います。(「議長、定足数がないぞ」と呼ぶ者あり)まずくいけば、これはまさに内政干渉の道を開くものであると言わざるを得ません。  次に、去る三月十七日北京で発表された共同声明において、第一、問題となるのは、社会党使節団が再確認したいわゆる三原則であります。この三原則とは、中国を敵視する政策の実行をやめること、二つの中国を作る陰謀に加わらないこと、中日両国の正常関係の回復を妨げないこと、というのがそれでありますが、この原則に従えば、日本は、当然日華条約を破棄して、国民政府との友好関係を解消し、中共政府を承認して、同政府と正常関係に入ることになるのであって、この点は、周恩来総理の談話の中にも強調されており、また、使節団は全面的にこれを受け入れているのであります。しかし、日本と台湾の国民政府との友好関係持続は、たとえ日本国民の一部にこれに反対する意見があるにしましても、依然、日本国民の強い要望であることは、ここに指摘されなければなりません。日本人は、蒋介石総統に対し、徳義上負うところすこぶる大なるものがございます。終戦当時、あの有名な蒋総統の一言によりまして、幾十万の日本人が命を全うして中国から故国に帰還することができたのであり、日本人は、蒋総統の世界史上にもまれに見るこの寛大な措置に対しましては、心からなる感謝の意を表するものであります。(拍手)かるがゆえに、昨年三月、参議院の外務委員会において中共貿易問題が議せられました際、私は特にこの点に言及しまして、日本人は、忘恩の国民であってはならない、対国民政府の問題は、日本においては国際信義の問題である、これを裏切るような行動に出てはならないと考える旨を述べて、岸総理の注意を喚起したことがありまするが、幸いにも、総理は、卑見に対し全面的に同感を表せられ、信義にもとるような措置はとる考えはない旨を明言されました。過般の予算委員会においても、総理は、同様の趣旨をもって、中共政府の承認は考えていないと答弁されました。私は、総理が依然態度を変えておられないのを多とするものであります。私は何も、日中貿易の再開が日本にとり不要不急の問題であるとするものではありません。ただ、国内に経済上の要望があるからといって、国際信義を裏切るような行動に出てはならないと主張するものであります。いずれにしましても、あわれみを乞うて商売をさせてもらうような態度はとりたくないと私は考えておるのであります。(拍手)  共同声明の中で重要問題として取り上げねばならぬ第二の点は、日米関係に関する部分であります。社会党代表団は、声明中、日米安全保障体制を打破し、日本駐留の米軍の撤退、軍事基地の撤去、小笠原、沖縄の回復を実現して、日本の自主独立を確保するとともに、中ソ米日四国間の友好関係を確立せんとすることを、日本人民の強い願望として表明しております。しかし、これら四国間の安全保障体制の確立のごときはとうてい実現不可能なることを、多くの日本人は熟知していることを、まずもって指摘しなければなりません。何ゆえにこれら四国間の友好不可侵関係の樹立が不可能に近いかといえば、それはもちろん、共産圏に対する自由国家群の不信がその原因であり、また、その不信のよってきたるゆえんは、ソ連が国際共産主義の本尊であるからであります。私は、すでに二十年もの以前から、国際共産主義が世界平和の禍いであることを叫んで来たものであり、現在もなお同じ考えを持たざるを得ないのを遺憾といたします。  ソ連、中共が共産主義の国であるということそれ自体、もとより外国の干与するところではありません。それは、ソ連・中共自体の問題であります。ただ、これら二国が常に虎視たんたん、機会さえあれば隣国を赤化して回るおそれのある点に、自由国家は危惧を抱かざるを得ないのであります。なるほどソ連は国際共産党の解散を声明したこともある。しかし事実は一つもこれを証明していないというばかりではありません。かえって赤化政策を裏づける顕著な事実のあることをわれわれは知っております。ソ連は、戦争中から戦争直後にかけて、ハンガリア、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、チェッコ等の諸国を赤化し、かいらい国としたことは、周知の事実であります。人あるいはこれを戦争の遺物として寛恕する気持を持つ向きがあるかもしれません。しかし、三年前のポーランド、ハンガリア等の青年たちが、自由を奪回しようとして決起した際、ソ連は強大な武力干渉を行なってこれを鎮圧いたしました。ことに、ハンガリアにおいては惨虐をきわめ、無数の憂国青年者たちがソ連の重戦車隊により肇殺された悲惨なる事実は、世界世論のごうごうたる非難の的となったのであります。これは今日なお記憶に新たなところであり、もし、ソ連が真実、国際共産党を解体し、世界赤化に関心を持たなくなったものとするならば、かくのごとき武力干渉はしなかったはずであります。ハンガリア、ポーランド等の愛国者等のなすがままにまかせ、彼らが自由回復運動に成功したとすれば、その新事態に対し善処すべきはずでありました。しかるに、事ここに出ずして、かえって強圧手段をとったことそれ自身、ソ連の言行不一致を立証するものとしてわれわれは受け取らざるを得ません。最近突発しました中共のチベットに対する武力弾圧に至っては、もしその事実が新聞報道のことしとしますならば、真に言語に絶するものであり、ソ連の亜流をくむ同国の行動として、まことに戦慄を禁じ得ないものがあります。チベット問題は、まさに東亜におけるハンガリア問題と断ぜざるを得ません。  私は何も、ソ連、中共に対し悪意を蔵し、誇張をもって非難せんとするものではありません。ただ、これら二国の真の姿に対する日本国民の認識を深めるのでなければ、日本は対等の立場に立ち得ないと信ずるのみであります。ソ連、中共の世界赤化の野望を知るならば、これら両国に対し、日米安全保障条約の解消を強調し、そうしてその絶讃を博したといたしましても、それがこの国にどういう結果をもたらすでありましょうか。また近ごろでは、日本はこれら両国から中立をさえ教えられている状態であります。しかし、その裏にひそむ意図が何ものであるかということは、問わずして明らかであります。もし軽々にそれらの忠言に耳を傾けるならば、たちまちにして祖国日本は霧のごとく消え失せ、新たな一かいらい国、ソビエト日本が舞台に現われて幕となるだけでありましょう。ぼやぼやしておれば、日本も第二のチベット化するおそれが多分にあるということを、われわれは知らなければなりません。  日米安保条約は何のために結ばれたのでありましょうか。終戦後六年、ようやく平和条約をかち得たものの、憲法第九条下の日本は、外よりする脅威に対し独立を確保する力を持たないのが実情であります。であればこそ、しばらくの間、米国の力を借りて、この国の安全を保障せんとしたものであり、みずからの必要を痛感させられたればこそ、米国との間に条約を締結し、米軍の駐留を乞うことにしたのであります。安保条約の廃棄は、みずから好んでみずからを弱体化し、外よりの重圧の前には屈従するほかなきみじめな状態に、この国を陥れてしまうばかりでありましょう。いうところの中立がわが国を無抵抗のえじきとして残そうとすることにあるのは多言を要しません。日本は国力が充実するまではどうしても安保条約を必要とするものであり、米国とは一そう相互理解を深め、政治上、経済上の親善友好関係を増進しなければなりません。私の考えは、およそ米国を敵視するとは正反対であります。それが健全な、そして慎重な日本のあり方と信ずるものであります。政府も、安保条約維持の根本問題につきましては、私と所見を同じくしておられると信じますが、すでにその改定の必要を認められてこれに着手された以上、できるだけすみやかに米国との間に妥結に達するよう努力せらるべきであります。それが、自民党内の意見がまとまらないとか、そういう故障のために、今もって米国との交渉が成立していないということは、すこぶる遺憾であり、そのためにこそ、一そう国情に混乱を来たしておる点、政府としても猛省さるべき問題であると信じます。  私は、このたびの訪中使節団の声明を読んで深憂を禁じ得ません。今や日本は、まさに外交の根本方策上、百八十度転回すべきやいなやのせとぎわに追い詰められております。われわれの選ぶべき方角は、平和の確保、自由、独立、人権尊重、繁栄であり、逆の方向への転回は、強権への屈従、自由の剥奪、秘密警察の抑圧、人権無視、私有財産の喪失であります。日本国民は、このような事態を徹底的に洞察しなければなりません。  今日の危機に際し、私はあえて卑見を吐露し、総理、外相の御見解を承わらんとするものであります。危機に立つ日本救出のためにいかに善処すべきやの問題に関し、政府の御決意を承わりたいと存じます。(拍手)    〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。いわゆる国民外交、これは言うまでもなく、一国の国民が他の国の国民との間に理解を深め、親善友好の関係を深めていくということが、私は国民外交の主眼である、また本体であると思います。具体的の外交権はもちろん政府が持っておるわけでございまして、国民が直接に、国民外交といえども、外交権を持って云々するべき問題でないことは言うを待たないのであります。今回の社会党の訪中使節団の向うにおける言動や、あるいは共同コミュニケ等に現われておる考え方につきましては、国民の間におきましても相当きびしい批判が行われておりますように、私は、その動機はおそらく、この日中間の関係が一切断絶しているということは、両国のためにも望ましくないがゆえに、これを打開する何らかの手がかりを求めようという趣旨に出ていると承知いたしておりますが、この行動や、あるいは共同声明に現われている考え方につきましては、私は幾多の遺憾な点を見出すのであります。たとえば、そのうちに安保条約の廃棄あるいは日華平和条約の廃棄というようなことが言われている。あるいは、ある席上におけるところの演説でもって、アメリカは、あるいはアメリカの帝国主義は日中共同の敵であるというふうな言明がされたというような事柄は、これは非常に行き過ぎの点であり、また、本来の国民外交の域を逸脱しているものと、かように考えております。(拍手)  三原則の承認の問題につきましては、三原則自体は、文字通りにいいますというと非常に抽象的であります。敵視政策であるとか、あるいは二つの中国であるとか、あるいは日中間の国交を阻害するようなことをしないとかいうふうな、非常に抽象的でございますが、従来、日本の政府は決して、敵視しているとか、あるいは中国を二つにするところの陰謀に参画しているとか、あるいはこの両国の間の友好親善の関係を阻害するようなことを考えているというようなことは、われわれは絶対にいたして参っておらないのであります。ただ抽象的でありますが、その具体的内容として、あるいは安全保障条約の廃棄を意味し、日華平和条約の廃棄を意味するというような意味を、これが持っているものであるかどうかというような点につきましても、訪中使節団が帰ってこられまして、われわれといろいろ意見を交換したのでありますが、やはりそういう点が、この敵視政策というような中には含まれている、こういうふうな回答であったのであります。私どもは、もちろん日米安保条約の問題は、日本の安全保障を全うするために、われわれが独立国として、日本が自主的にきめる問題でありまして、その条約を作りましたゆえんは、佐藤議員の御趣旨とわれわれ全然同感でございます。また、日華平和条約の問題に関しましても、これが締結されました当時の事情を回想するならば、佐藤議員のお話の通りでありまして、従ってわれわれは、一方は、日本が独立国として自主的の立場で安保条約の問題は決定すべき問題であり、また、日華平和条約の問題については、国際信義の上からわれわれの当然これを考えていかなければならぬ問題でありまして、他国から、これについていろいろな干渉や、あるいはこれに対するいろんな影響を与えられるというようなことは、これはわれわれは独立国として、当然そういう考えは排除しなければならぬ。あくまでも日本が国際社会の一員として、独立国として、日本が自主的に、また国際社会における信義はあくまでもこれを守るという立場に立ってわれわれは考えるべき問題である。かように考えております。(拍手)  なお、この日米中ソの間の四カ国の不可侵条約云々という議論や、あるいは中立主義等につきましては、私がしばしば国会におきましても申しておりますように、私は、現実の国際情勢から見て、こういう四カ国の不可侵条約というものはでき得べき情勢にはない、また、そういうことを前提として中立政策をとるというような事柄は、日本のこの国際的立場並びに国際情勢に処するところの日本の責任ある政治の立場からは、絶対にとれないということを、はっきりと申して参っておるのであります。今、国際情勢を分析して考えてみまして、日本の置かれている国際的立場、また、日本国内におけるところのいろいろな論議等を見まして、日本の進むべき方向、従来とってきた方向を百八十度転回しろという議論もありますが、今申し上げましたように、四カ国間の不可侵条約であるとかあるいは中立政策をとるというふうなことは、われわれは絶対に考えておりません。あくまでも自由主義の立場を堅持して、自由主義国との提携を深めていき、国連中心に世界の平和を推進していく、また、アジアの一国として、アジアの繁栄と協力を進めていくという、従来のわれわれのとっておる外交の三原則が、最も現実に即し、また日本の繁栄をもたらす、同時に、世界の平和をもたらすところのゆえんであると、かたく確信しておるものであります。(拍手)    〔国務大臣藤山愛一郎君登壇、拍手〕

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(藤山愛一郎君) 外交の基本的な方針、その他日華関係等につきましては、すでに総理が答弁されましたので、省略することにいたします。  ただ、安保条約の改定問題につきまして、何か若干おくれていることについての御質疑があったわけであります。いろいろ議論のありますことは、大きな問題でありますので、当然のことだと思うのであります。十分議論を尽した上で、この交渉に当って参る必要があると思っております。次第に議論も一致して参ってきておりますので、数日中にマッカーサー大使と正式に交渉に入るようにいたしておるわけでありまして、できるだけ急速に条約の締結を進めていきたい。こういうふうに考えております。(拍手)      —————・—————

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この際、私は、当面の外交方針に関する緊急質問の動議を提出いたします。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 私は、ただいまの森元治郎君の動議に賛成いたします。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 森君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。森元治郎君。    〔森元治郎君登壇、拍手〕

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ただいま佐藤尚武議員から、いろいろわが党の訪中使節団に関連して御意見が述べられましたが、われわれの尊敬する大先輩の御説ではありまするが、どうも、日本のかつて大日本帝国時代の気分がまだ残っているような感じもすることを遺憾に存ずるのであります。(拍手)また、共産勢力が伸びていって、日本があしたにも消えてしまうというようなことは、いやしくもわれわれ社会党及び日本を愛する国民が存在する限り、さようなことは絶対ないことを私は申し上げたいと思います。  そこで、私は日本社会党を代表して、外交に関する若干の点について政府の所信をただしたいと思います。  まず、日米安保条約に関してでありますが、政府は、これが改定に当って秘密主義で押し通していることは、国民を侮辱するものであるとともに、こちらからアメリカ側に改定を申し入れておきながら、七カ月も経た今日、なお、もたもたして具体的態度すら打ち出し得ないのは、その自信のないことを暴露したものであると同時に、政府が口ぐせにしている国際信義とやらに反する、はなはだ不体裁といわなければなりません。政府は、われわれの安保条約解消論に世論がリードされることをおそれて、参議院選挙前には何とかこね上げて、秋の臨時国会にかけて承認を求むる意向だといわれておりますが、果してその見通しが正しいかどうか、お伺いしたいと思います。第一審とはいえ、アメリカ軍の日本駐留は憲法違反だとの判決が出ていることは御承知の通りであります。政府は、下級裁判所の判決だとしてこれを軽視しているようでありますが、このことは、憲法をことさらに尊重する国であるアメリカが、条約違憲の疑いがありと騒いでいるさなかに、その日本と条約をおいそれと結ぶと判断するかどうか。日本国民の感情の動きを常に慎重に見守っているアメリカは、おそらくちゅうちょするのではないかと思います。ただいま外務大臣は、数日中にマッカーサー大使と会って安保条約に関する話を始めるそうでありますが、もしこの問題についてアメリカ側から聞かれたときに、外務大臣は何とお答えをするか。また、もし先方から、ちょっと待ったと、待ったがかかりましたならば、政府はいかなる責任をとられるかをお伺いいたします。  この違憲問題について、東京地検は、三日、最高裁に飛躍上告の手続をとったようでありますが、憲法の本質論に触れるものは他の案件に先だって取り上げられるということでありまするから、早ければこの秋、おそくとも年内には判決が出るだろうといわれております。もしそうであるならば、片方に憲法の審査が進み、片方に憲法に違反する疑いを持った交渉を並行していくということは、はなはだまずいことであります。また、政府は、憲法の拡大解釈にその順法精神と疑われている際でありまするから、いさぎよく安保改定交渉を中止して、静かに判決を待つべきものと考えます。政府は、今のところ憲法解釈を変えるつもりはないと言っておりまするが、それは、ちょうど、死ぬまでは生きているということと同じ理屈でありまして、はなはだたよりないものであります。この点について総理大臣の御所見を伺います。  また、政府は、独立国としての面目上、安全保障条約から内乱条項を削除する方針だといいながら、先ごろ発表された条約改定要綱なるものによりますると、必要に応じてアメリカ軍の出動を懇請することにしたと、こういうふうに伝えております。岸総理大臣は、今国会の劈頭の施政方針演説において、中立主義をとれば共産陣営に巻き込まれる—正式と思われる英語の訳文には「併呑される」と出ておりますが、共産陣営に巻き込まれてしまうと言い、また、ソビエトとの文化協定交渉に当っては、ソ連の文化侵略がこわいとか、治安対策が立たないとか、大へんおびえておりますのは、こっけいしごくであります。一体、内乱とは何でありますか、だれが起すのか、だれが起しそうなのか、なぜ内乱なるものが起るのか、この際はっきりしてもらいたいと思います。今、もし騒擾とか内乱とかを心配するとすれば、それは岸内閣の失政の結果であります。また、歴代保守党内閣の積悪の報いとしかわれわれは考えられません。去年の春の総選挙で、自民党は約二千三百万の票を集めました。そうして国会における議席の五割以上を占めたわけでありまするが、もしこのようにおびえるとするならば、岸内閣は国民の支持を得ていないという証明になろうかと思います。アメリカの援助がなければ国が立ち行かないと。それこそ日本は、植民地、隷属国といわなければなりません。岸総理大臣は、さしずめ植民地国の高等弁務官と、こういうことになろうかと思います。また、年々血税を吸い上げて自衛力の増、強をはかりながら、ますます不安だというのでは、われわれは理解に苦しみます。総理大臣のはっきりした御所見を伺います。  次に、アメリカの日本への期待と、わが国のとるべき態度についてお伺いをします。去る四日に、アイゼンハワー大統領が、ゲティズバーグの演説で、日本はアジアにおける反共勢力であり、その工業力は侵略阻止の中核であると述べたという点についてであります。岸総理は、日本はその安全保障に当り自由主義・陣営とかたく提携し云々と言っておられますが、その意味は、第三国と進んで力の対抗をしようとしているのかどうか。もしそうだとすれば、総理が説くところの平和外交とはなはだ矛盾するのではないかと思います。日米安保条約の裏にこのような了解があったとすれば、きわめて重大な問題でありまするから、総理から明白な御見解を伺います。  さて、日本側は安保条約を平等な立場で改定をしたいと力こぶを入れておりまするが、アメリカ側の腹は、必ずしも同じ熱意を持っているというふうには見えません。それは、昔と今と日本に対する期待の内容が変化したことによると私は考えます。すなわち、アメリカは初め、朝鮮事変の影響もあり、日本の軍事力、ことに地上兵力の急増を期待しました。続いて、船団護衛思想から、海上自衛隊の強化をねらいました。ところが、いろいろな革命兵器の出現によって、アメリカの、軍事基地というものに対する観念も変って参りました。日本本土にへばりつく必要度がずっと減って参りました。今では、空軍を残して、陸海軍の多くは撤退してしまっております。それは必ずしも日本自衛隊がとってかわる実力を備えるに至ったためではありません。これは戦略戦術思想の画期的変化によるものでありまして、外国軍隊の駐留をやめて自主独立を願う絶好の条件が生まれつつあるものと考えられます。すなわち、われわれはこの際、米軍の撤退を求め、安保条約解消の方向に進む一方、中ソとの国交増進と回復に当り、平和の環境を作ることに邁進することが、総理の申される、単に手をつかねて平和を望む消極的態度をとることなく、建設的具体的努力を払うという趣旨にも合致するのではないかと存じます。  次に、日中関係についてお伺いをいたします。総理は、去る三月二十五日、自民党の政治学校において、中共側は、日米安保条約を廃棄、日本と台湾との条約を廃棄せよと言っているが、むしろ中共こそ、その前の中ソ同盟の中にある対日軍事条項の解消をやれということを、大へん元気よくやっておられるようでありますが、これは非常におもしろい案だと私は思います。ということは、こういうところから話し合いがほぐれて、向うは日米安保条約をやめろ、こちらは対日軍事条約をやめろ、こういうことになりますれば、それでは話し合おうと、あるいは、どうしようかということが進むのではないかと思う。単に強がりではなくて、こういう計画をほんとうに実行する御決心があるかどうかをお伺いします。  また、四日の同じアイゼンハワー大統領の演説では、日本が共産圏に接触するのは好まない、中国との貿易をやらないでも食べていかれるようにアメリカは考えよう、といったような意味のことを強調しております。しかし、われわれは国の経済自立のためには、どこの国ともできるだけ貿易を伸ばし、貿易を通じて世界の緊張を緩和していきたいと考えておりますが、政府はこの点をどう考えられておりますか。また日中関係をよくするということは、最終的には中共政府承認を目途としてのことが当然であると思いますが、政府のほんとうの腹の中はどうであるものかをお伺いいたします。  総理は、この夏、イギリスを訪問する機会に、中共との交渉についても話し合うということでありまするが、それは中共を承認しているイギリスを通じてアメリカの了解を取り付けようとの算段でありますか、その間の御決心をお伺いします。いずれにしても、イギリスというような国との話し合いには、こちら側のはっきりした具体策を持って臨まない限りは、相手にばかにされるだけでありますが、そういう決心と計画をお持ちかどうか。また日中間のとても解けそうもない対立は、私はかえって話し合いを容易にするものだと思います。総理は、この米ソの対立をほぐして、五月十一日の外相会議開催までこぎつけたマクミラン・イギリス首相の勇気と行動にならって、日中政府間交渉に持ち込む決意がおありかどうかをお伺いします。  そこで、この外交上の大問題をなし遂げる上において、政府が根本的に障害だと頭を悩ましていると思われる二つの点について、外務大臣からお伺いをいたします。その一つは、台湾との平和条約の廃棄が国際信義にもとるかどうかという点、もう一つは、侵略者の烙印を押されている中国との国交回復への気がねという二つであります。  まず第一に、日本台湾条約は、平和条約に付随する交換公文第一号が示す通り、台湾と澎湖島だけに適用されるもので、北京政府の支配する地域を除外しております。従って、この条約は初めからいわゆる限定講和と称せられるものでありまして、そのために北京政府との新しい関係の設定を妨げるものではありません。およそ国際社会でのおきて、古風な人々には仁義と言った方がおわかりやすいかもしれませんが、とにかく、そのおきては、一国が、一国で革命があって、新しい政権がその領土、人口を確実に支配して、その基礎が、客観的にして、しかも永続的なものと判断される場合には、その革命が政治的にどういう性質であろうと、その新政権を承認して、その国を代表する政府としてこれを承認し、今までの政府と絶縁することは、決して差しつかえないのであります。これは国際法上並びに国際政治上合法的であるばかりでなく、台湾のごとく、ごく一部の地域しか支配していない従来の政府との関係を続けることの方が、これはよほど異常であります。ただいま佐藤議員が、蒋介石が終戦の時に示した温情についてお話がありましたが、われわれは蒋介石のこの態度には敬意を表するにやぶさかではありませんが、国家間の交際では個人を相手にするのではありません。この場合には、いずれが正統政府であるかということが問題になっておるのであります。国際間の義理人情は国際法にあることを認識しなければならないと思います。この意味において、日本台湾条約を廃棄するようになっても、決して国際信義にもとらないし、むしろ筋が通っていると思います。  また中共政府は朝鮮動乱中、国連の決議によって侵略者であると断定されたから、その侵略者を承認することはできないとして、中共を承認したくないものに一つの口実を与えているようであります。しかし、この理屈は、国連軍が侵略者と朝鮮動乱を終結するために休戦協定を結んで、それを国連自身が承認したこと自体と矛盾していることになります。休戦というのは仲直りということであります。休戦協定によって、侵略者の決議は事実上失効したものであります。そういう古い証文にかじりついて、新しい政府不承認に利用するということは、はなはだ悪意のある政治的作為と言わなければなりません。  以上について外務大臣からはっきりした御所見を伺って、私の質問を終ります。(拍手)    〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) お答えいたします。  最近行われました砂川事件に関してのいわゆる伊達判決について、政府はどういうふうに考え、どういうふうに処置すべきかということにつきましては、すでに私も政府の所信を明らかにいたしておりますが、この解釈は、われわれ政府がとっている解釈とは違っておるのであります。また国会がこの安保条約の批准についてとっておった解釈とも私は違っていると思います。しこうして、その最後の憲法解釈は、最高裁判所の判決によってきまるのでありますが、私どもは、従来とってきている政府の解釈を正しいとあくまでも考えております。従って、今日この伊達判決がありましたために、あるいは安保条約の改定を中止するとか、その他、あの伊達判決に示されているような解釈に基いて、何らかの政府としては措置をとる考えは絶対に持っておりません。  さらに安保条約の改定の問題に関する点につきましては、主として外務大臣よりお答えを申し上げますが、ただ私を指名してお話がありましたが、いわゆる内乱条項に関する点に関する政府の所信であります。先ほど佐藤議員の質問にもありました通り、今日、世界の東西両陣営の対立及び国際共産主義の活動というような問題に関しましては、世界各地においていろいろな事態を引き起していることは現実の姿でございます。もちろん独立国として、いろいろな政府の施政に対する反対から、地方的な擾乱や、あるいはそれが内乱と見られるような事態も起ることはあります。こういうことに対しては、もちろん自衛隊や、あるいは警察の力でこれをしずめるべきことは、独立国として、日本としても当然なことであると思います。ただ問題は、最近、あるいは東ヨーロッパや、あるいは中近東その他において見られる内乱というものの背後に、国際共産主義の活動なり、いろいろな力が加わっているという事態も、これは現実にある問題として、これを全然度外視するわけにはいかないのであります。従いまして、内乱といわれるもののうち、その形態なり原因なりというものは、そのつど、そのつどに起ってくることによって判断をしなければなりませんが、私は、外部から日本に対して武力侵略があれば、日本の自衛隊—第一次には自衛隊、これだけの力で十分でないことについてはアメリカの力を借りてこれを排除するというのが、安保条約の精神であります。内乱の問題については、今日、日本のわれわれが想像し得るような場合においては、一応自衛隊やあるいは警察の力をもってこれを阻止したり取り鎮めたりし得ることは当然であります。ただ、非常に強力な国際共産党のカの加わる扇動やあるいは協力によって起ってくるような場合は、直接の武力侵害と区別すべき事態にないような態様もあろうかと思います。それらについては、安保条約において日米の力によってこれを排除するということも、これも当然で、決して独立国の体面に反するものではないと考えております。  それからゲティズバーグのアイゼンハワー大統領の演説に関連しての御質問でございますが、私は、あくまでも日本は、われわれが日本の工業力を増大していき、これを育成していくということは、日本の経済を繁栄に導き、国民生活を向上せしめるという趣旨でございまして、決してアメリカの極東における軍事基地としての工業力を作り上げるというような趣旨でないことは言うを待たないのでございます。  なお、米軍の撤退や安保条約の廃棄をこの際考えるべきじゃないかというようなお話がありましたが、これは憲法の上からも、また、事実上、日本の安全保障の立場からも絶対に私どもはそういう考えには立っておりません。  また、貿易の拡大の面につきましては、もちろん共産国とも、あらゆる国と貿易を伸張していくということは、日本の繁栄のためにも必要であり、また、これらの国々との理解を深め、平和を増進する上からも望ましいことであると思います。この意味において、われわれは、対中共との間の貿易の再開について苦心をいたしておるのもそういう趣旨でありまして、決して共産国とは一切貿易しないとか、あるいは、つき合わないという考えには立っておらないのであります。  次に、中共を承認すべきではないかというお話でございますが、私ども従来申しておるように、今日の日本が置かれている状態、また、中共政府の国際的地位からいって、これを承認するという段階ではないと思います。もちろんこの中国大陸における北京政府の実際上の支配並びに統治の関係という事実問題を、これを永久に無視するということが適当でないことは言うを待ちません。しかし、これを承認するためには、日本と中共政府が置かれている国際情勢を調整することなくして直ちに承認するということは、これはとうていできないことであるというのが私どもの考えであります。  イギリスを私が訪問する際に、中共承認問題について何か話し合うかというようなお話がございましたが、訪英の私の目的は、今日の国際情勢一般について、日英両国の首脳者の間におきまして隔意のない意見を交換して、国際情勢の分析なり、これに対処すべき立場なりについて十分の理解を深めていくということが第一の目的であります。さらに具体的に、アジアにおける日英の関係は、いろいろの意味において利害が相反する点もございますし、将来一そう協力を深めていかなければならない点が多々あると思います。こういう具体的の問題について十分話し合いをしていき、また、中共に対する考え等につきましても、十分なる意見の交換をすべきことは当然であると考えております。  日中間の外交交渉を政府の間でやったらいいじゃないかというお話でありますが、私は、今日の状況のもとにおいては、先ほど来申し上げておるように、まだその機会ではないと思います。しかしながら、われわれは、この貿易の交流を開いて、そうして両国の理解を深め、両国の友好親善を増すということは、これは必要であるから、われわれも政治問題とは離れて、経済の問題については十分に話し合いをし、あるいは必要があれば政府間において話し合うことも、われわれは考えていきたい、かように考えている次第であります。(拍手)    〔国務大臣藤山愛一郎君登壇、拍手〕

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(藤山愛一郎君) 安保条約の改定に当って非常な秘密でやっているというようなお話でありましたけれども、私の感じている限りにおきまして、過去六カ月間、少くも衆参両院等におきましてもずいぶん論議を尽した問題でありまして、過去から見ますと、よほど秘密外交ではないように存じております。ことに政府といたしましては、世論の動向を見、沖縄の条約適用等についても考えていきたいということで結論を得つつあるのでありまして、その点はさように考えております。  アメリカ側が条約を結ぶのにちゅうちょをしやしないかという御質問でありますが、私どもはアメリカがちゅうちょをするとは思っておりません。先般、最近に交渉を再開するということをマッカーサー大使にも話をいたしました。マッカーサー大使といたしましても喜んで交渉を続けていくということを言明いたしておりますので、アメリカが今日ちゅうちょをいたすということは考えておりません。また、政府といたしましては、総理大臣が言われておりますように、内閣の憲法の解釈に従ってこれを進めて参りたいと、こう思っておりますので、現在、安保条約の交渉を中止する考え方は持っておりません。内乱条項につきましては削除をするつもりでありますけれども、ただ間接侵略という問題につきましては十分考慮をして参らなければならないと考えております。  次に、中華民国との講和条約を廃止することが国際信義に反しないではないかということの御質問であったように思いますが、御承知のように、中華民国との講和条約はお話のように限定講和ではないのでありまして、当時、中華民国政府を中国の正統の政府として認めてこれを締結いたしたのでありまして、その後の中国本土におきまする事情が若干変ってきておることは申すまでもないことでありますけれども、現在におきましてまだこれを直ちに廃止いたしますことは、当然国際信義に抵触するものと考えておるわけであります。  また、国連の決議—休戦協定ができた以上は、あの決議が何か解消されたのではないかという御意見のようでありますけれども、休戦協定ができましても、当時の決定そのものは戦争を中止するということであったわけでありまして、当時の国連の決議そのものが抹殺されてはおらぬと考えております。もちろん、今後いかなる形にかおきまして、あるいは中共の国連加盟でありますとか、あるいは中共との他の関係におきまして、これらのものが解消されるような時期はあろうかと思いますけれども、現在国連のこの決議が失効になっておるとは考えておりません。(拍手)      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第一、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)、  日程第二、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保等君。    〔久保等君登壇、拍手〕

久保等日本社会党

○久保等君 ただいま議題となりました、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案並びに消費生活協同組合法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、へい獣処理場等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  最初に、本法案の趣旨を申し上げます。畜舎等の取締りにつきましては、第二国会で、へい獣処理場等に関する法律が制定され、都市における畜舎に対する衛生措置が畜舎の管理者に対して義務づけられたのでありますが、その後、家畜家禽の飼育増加に伴い、都会地並びに人家密集地域及びその周辺において畜舎の設置が増加してきたので、第二十四国会で本法の一部を改正し、畜舎の構造設備の基準を設定するとともに、届出制度とし、なお、犬、鶏、アヒルも一定数以上を飼養するものについても、法の適用を受けることとしたのであります。しかしながら、その後における本法の実施状況を見まするに、畜舎等については、単なる届出制度では実態の把握に困難性があり、すでにでき上っている畜舎の構造設備を改めさせることにも困難性が見られましたので、結局、都市の畜舎に対する適切な指導と措置が行いがたく、ひいては付近住民に対する環境衛生上の弊害を惹起いたしますので、今回これを許可制度に改めることにより環境衛生の向上をはかろうとするものであります。  次に、本法案のおもなる内容について申し上げます。その第一は、清掃法における特別清掃地域内において都道府県知事が指定する区域において、牛、馬、豚、綿羊、ヤギ、犬、鶏もしくはアヒルを一定数以上飼養し、または収容しようとする者について、従来の届出制を改めて、その施設所在地の都道府県知事の許可を受けなければならないことといたしたことであります。なお、その指定する区域の基準は現行法通りでございます。第二は、これら飼養収容施設の構造設備が政令で定める公衆衛生上の基準に適合していると認めるときは、知事は許可を与えなければならぬことといたしたほか、関係規定の整備をはかっておるのであります。  当委員会におきましては、衆議院社会労働委員会八田理事より提案理由の説明を聞きましたのち、別段の発言もなく、質疑、討論を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。     —————————————  次に、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案について申し上げます。  最初に、本法案の内容について御説明いたします。消費生活協同組合及び消費生活協同組合連合会の行う共済事業につきましては、最近急激にその発展を見せておりますので、組合員の利益の保護と共済事業の健全な発展を確保するため、この事業に対する規定を整備することとし、共済事業執行の基本となります点を規約で定めることとするとともに、これが規約の設定、変更及び廃止は行政庁の認可を受けなければならないこととし、共済事業の指導監督を強化いたしますほか、この事業の健全な運営をはかる上に最も重要な責任準備金の積み立てを法定化することとしたのであります。  当委員会におきましては、まず、坂田厚生大臣より提案理由の説明を聞きましたのち、別段の発言もなく、質疑、討論を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上をもって報告を終ります。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第三、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(千葉信君外六名発議)、  日程第四、文部省設置法の一部を改正する法律案、  日程第五、農林漁業基本問題調査会設置法案、  日程第六、厚生省設置法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、  以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長永岡光治君。    〔永岡光治君登壇、拍手」〕

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 ただいま議題となりました国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案外三件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、本院議員千葉信君外六名より提出せられたものでありまして、まず、この法律案の内容を申し上げますと、寒冷地手当、石炭手当の支給額及び支給区分等が現在の実情に沿わない点があるので、これを実情に沿うように改正しようとするものでありまして、石炭手当につきましては、その支給区分を甲地、乙地、丙地の三区分とし、それぞれ世帯主である職員には四トン、三・五トン及び三・一トンを、その他の職員に対しては一・三トン、一・一トン及び一トンを、それぞれ時価によって換算いたしました額以内で支給できるようにするとともに、それぞれの地域を別表によって指定いたすこととし、また寒冷地手当につきましては、本俸、扶養手当月額の合計額の一〇〇%を最高額として支給できるように改めようとするものであります。  内閣委員会は二回にわたり委員会を開きまして、本法律案の審議に当りましたが、昨日の委員会におきましては、別に質疑もなく、よって佐藤総理府総務副長官より、国会法第五十七条の三の規定に基き、政府の意見をただしましたところ、本法律案の内容は検討の余地があり、また予算の上からも賛成しがたい旨の発言がありました。  討論に入りましたところ、まず、自由民主党を代表して松岡委員より、寒冷地手当についての改正条項を削除するとともに、石炭手当の支給割合をそれぞれ三・五トン、三・二トン及び三トンに改め、なお、本法律案は公布の日から施行する旨の修正案と、「寒冷地手当の現行支給率、支給地域区分等については、種々不合理不均衡の点があるので、政府は、これを合理的な制度に改めるよう根本的検討を加えられたいとの附帯決議案が提出せられましたついで、日本社会党を代表して横川委員より、松岡委員提出の修正案に反対の旨の発言がありました。  討論を終り、まず、松岡委員提出の修正案について採決いたしましたところ、多数をもって可決せられ、次に、修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、全会一致をもって可決せられました。よって本法律案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  ついで松岡委員提出の附帯決議案について採決いたしましたところ、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。なお、佐藤総理府総務副長官より、政府は右の附帯決議の趣旨に従って検討したい旨の所見が述べられました。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、文部省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、この法律案の改正のおもなる点を申し上げますと、その第一点は、部内部外にわたって調整を要すべき事務の増加に伴い、これらの事務を処理し推進する機能を強化するとともに、大臣官房の所掌事務を一そう効率的に運営するため、大臣官房に官房長を置こうとする点であります。その第二点は、従来、都道府県あるいは市に設けられている「青年の家」に対して助成措置が講ぜられてきたが、このたび全国の青年のため団体宿泊訓練を行う機関として、国立中央青年の家を設置し、健全な青年の育成に資することといたさんとする点であります。  内閣委員会は、橋本文部大臣その他関係政府委員の出席を求めまして、本法律案の審議に当りましたが、その審議におきまして、官房長設置の可否、国立中央青年の家の行政組織上の性格及び今後の運営方針、地方「青年の家」の運営の現状、科学技術会議と文部省所掌の科学技術研究との関係等の諸点につきまして、質疑応答が重ねられました。  昨日の委員会におきまして質疑を終り、次いで討論に入りましたところ、自由民主党を代表して松岡委員は、本法律案付則中「昭和三十四年四月一日」とあるのを「公布の日」と改める旨の修正案を提出し、本修正案及び修正部分を除く原案に賛成の旨、次いで日本社会党を代表して伊藤委員より、「官房長の設置は行政簡素化の趣旨に反し、また国立中央青年の家の設置の理由については、戦前の団体訓練のにおいが強い」との理由により反対の旨、最後に八木委員より右と同趣旨の理由のほか、予算上の見地からも反対の旨、それぞれの討論がありました。  討論を終り、まず松岡委員提出の修正案について採決いたしましたところ、多数をもって可決せられ、次いで修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、これまた多数をもって可決せられました。よって本法律案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、農林漁業基本問題調査会設置法案について申し上げます。  まずこの法律案の内容を申し上げます。政府が本調査会設置の理由として述べるところによりますと、わが国農林漁業の生産力は戦後著しく増大し、国民経済の復興と成長に寄与するところ大なるものがあるにもかかわらず、その反面、農林漁業と他産業との間の所得の較差はなお相当の開きを示しているという、このような情勢に対処して、この際、新たな角度から、農林漁業内部における経営の改善、就業構造の近代化等の基本問題について調査審議を行い、農林漁業の基本的施策の確立をはかるため、総理府にその付属機関として農林漁業基本問題調査会を設置せんとするものであります。なお、この法律案は衆議院におきまして施行期日につき修正の上、当院に送付せられたものであります。  内閣委員会は、松野総理府総務長官、石坂農林政務次官その他関係政府委員の出席を求めまして、本法律案の審議に当りましたが、その審議において、本調査会設置の理由と農林漁業基本法制定に関する政府の方針、農林漁業政策の現状、特に蚕糸価格政策等の貧困性、本審議会を総理府に置くことの当否、調査会事務局を農林省官房に設置することの法制上の疑義等の諸点につきまして、質疑応答が重ねられました。  昨日の委員会におきまして質疑を終り、次いで討論に入りましたところ、八木委員より、本調査会と同種の審議会等が農林省に多数設けられ、これを活用すれば目的を達し得るゆえ、本法律案に反対である旨の討論がなされました。  討論を終り、よって直ちに本法律案を採決いたしましたところ、多数をもって衆議院修正送付の原案通り可決すべきものと議決せられました。     ━━━━━━━━━━━━━  最後に厚生省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まずこの法律案の改正の要点を申し上げますと、  その第一点は、年金局及び国民年金審議会の設置でありまして、別途提案せられております国民年金法案により、国民年金制度が実施せられることになるに伴い、この国民年金制度に関する事務を所掌する内部部局として年金局を設置するとともに、この制度の適切なる運営を期するため、付属機関として国民年金審議会を設置いたそうとする点であります。  その第二点は、国民皆保険の進展、医療事情の推移にかんがみ、従来の医療制度全般について再検討を行うため、二年の期限をもって付属機関として医療制度調査会を設置いたそうとする点であります。  その第三点は、厚生省の内部部局の所掌事務についての改正でありまして、すなわち本年三月、千代田区千鳥ケ淵に、子烏ケ淵戦没者墓苑が建立せられましたのに伴い、その維持管理を大臣官房国立公園部の所掌事務とし、また現在公衆衛生局の所掌事務となっておる受胎調節に関する事務を、母子衛生の見地より児童局に移管いたそうとする点であります。  その第四点は地方復員部の廃止でありまして、地方復員部は現在、横須賀、呉、佐世保の三カ所に設置されておりますが、その所掌事務の減少に伴い、その事務をすべて本省において処理することとし、地方復員部は本年十一月十五日をもって廃止いたそうとする点であります。  なお、この法律案は、衆議院におきまして、施行期日につき一部修正の上、当院に送付せられたものであります。  内閣委員会は、坂田厚生大臣その他関係政府委員の出席を求めまして、本法律案の審議に当りましたが、その審議におきまして、国民年金審議会の厚生省の付属機関としてのあり方、今回減員される予定になっている調達庁職員の国民年金関係事務への配置がえに対する厚生省当局の方針、千鳥ケ淵戦没者墓苑の維持管理に対する政府の所見等の諸点につきまして、質疑応答が重ねられました。  昨日の委員会におきまして質疑を終了し、別に討論もなく、よって直ちに本法律案につきまして採決いたしましたところ、全会一致をもって衆議院修正送付の原案通り可決すべきものと議決せられました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。  まず、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、文部省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、農林漁業基本問題調査会設置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第七、軽機械の輸出の振興に関する法律案、  月程第八、小売商業特別措置法案、  日程第九、繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員会理事島清君。    〔島清君登壇、拍手〕

島清日本社会党

○島清君 ただいま議題となりました三法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、軽機械の輸出の振興に関する法律案について申し上げます。  ミシン、双眼鏡を初めとする、いわゆる軽機械輸出は近年著しく増加しておりますが、これら軽機械は、中小企業を主体とするアッセンブル方式によって製造され、ほとんど設備らしい設備も必要としないため、ややもすれば業界は過当競争に陥り、輸出価格の不当な低落となり、また海外市場の調査宣伝等も著しくおくれているのであります。本法案は、このような事態を是正し、軽機械の輸出をさらに一段と発展させるための方策として提案されてきたのであります。  本法案の骨子を申し上げますと、第一に、製造業者の登録制の採用ということでございます。本法案では、さしあたり、家庭用ミシン、双眼鏡を対象としますが、これら商品及びその部品の製造業者の登録を行い、これによって品質の向上をはかるとともに、製造業者間において過当競争が著しい場合には、一時その登録を停止して、新規業者の増加を押え、業界の安定をはかろうとするものであります。第二は、輸出振興事業協会の設立でございます。これは、輸出振興のため、海外市場に対する調査宣伝、品質の向上その他輸出振興に関する業務を行うものであります。また、協会は製造業者から負担金を徴収することができることになっております。以上が政府原案の要旨でありますが、本法案は衆議院において修正され、五カ年の限時法になっております。  商工委員会におきましては、委員派遣を行なって、業界の実態を調査し、また参考人の意見を聴取する等、慎重かつ熱心に審査を行なったのであります。その詳細は会議録に譲りたいと存じますが、審査の過程において特に問題となりました点を申し上げますと、第一に、輸出振興のためと称して業者登録のごとき措置をとることは、官僚統制的ねらいがあるのではないかということであります。これに対し政府は、業者の弱体による無責任な製品の乱造を防止し一過当競争の弊害をためるためであると答弁しておりました。第二は、本法案のごとき措置は、現行の中小企業団体組織法または輸出入取引法によってできるのではないかということでございますが、これに対して政府は、団体法における設備の制限は、ミシン、双眼鏡のごときアッセンブルが中心であり、制限すべき中核的な設備のない業界にあっては本法案のごとき措置をとらざるを得ないとの答弁がありました。そのほか、本法案と輸出入取引法改正案との関係、二つ以上の業種を一つの立法で規制することの是非、登録基準の具体的内容、日本双眼鏡輸出振興会社の運営状況、これと振興事業協会との関係等について、政府当局との間に熱心な質疑応答がありました。  かくして質疑を終了し、討論に入りましたところ、まず栗山委員より、政府は、産業計画を進める場合において、本法案のごとく当面の糊塗策だけでなく、産業全体について根本的な対策を進められたいとの意見を開陳するとともに、次の附帯決議を付して本法案に賛成する旨の発言がありました。    軽機械の輸出の振興に関する法律案に対する附帯決議案   政府は本法を施行するに当り、左の点に留意して、軽機械の輸出の振興のため積極的な指導に努むべきである。  一、登録制度の運用に当っては、関係者の意見を尊重し、特に零細業者及び新規業者に対し、不公正、不利益な取扱いをせざること。  二、輸出振興事業協会の運営については、厳に官僚統制の弊を避け、業界の総意を充分反映し得るよう配慮するとともに、他方、積極的な輸出拡大を図り得る民間の自主的体制の整備に努めること。  三、ミシン、双眼鏡と類似した事情にあるトランジスターラジオその他の軽機械についても手遅れにならぬよう本法の対象とすること。  というのであります。次いで上原委員より、本法施行に当って、政府は、官僚統制化、業界のボス化等を生じないように、十分なる行政指導上の配慮をすることを要望して、本法案及び附帯決議案に賛意を表されました。  かくして討論を終り、採決の結果、本法案は全会一致をもって衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。次に、栗山委員提案の附帯決議案を採決の結果、全会一致をもってこれを当委員会の決議とすることに決定いたしました。なお、高碕通産大臣より、附帯決議等については十分その趣旨を尊重して本法実施に当る旨の発言がございました。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、小売商業特別措置法案について申し上げます。  政府は、早くから、小売商の事業活動の機会を確保するため、特別な措置を必要とすると考え、昭和三十二年以来、同じ名称の法律案を幾たびか提出しましたが、審議未了となり、その後、再検討を加え、本案を今国会に提出してきたのであります。  本法律案は衆議院で修正されましたが、まず、政府原案についてその概要を申し上げます。第一に、都道府県知事は、いわゆる購買会が員外利用をさせることにより、中小小売商の利益を著しく害すると認めるときは、その員外利用を禁止し、さらに必要があれば、その禁止の実効を確保するため、必要な措置命令を出し得ることとなっております。第二に、消費生活協同組合において、員外利用の許可申請があった場合に、行政庁は、中小小売商の利益を著しく害するおそれがあると認めるときは許可を与えてはならないこととし、また、員外利用を未然に防止するため、購買会の場合と同様な措置命令を出し得ることとしております。第三に、小売市場の乱立による過当競争防止のため、指定地域における市場業者の貸付契約について知事の許可を要することとし、また、小売市場内の小売商の不公正取引については、必要な措置をとり得るようにしております。第四に、小売商以外の者が小売を行うことによって、中小小売商との間に紛争が生じた場合に、都道府県知事があっせん、または調停を行うとともに、必要があれば、知事または主務大臣が勧告できることとしております。  以上の政府提出原案に対しまして、衆議院においては、社会党提出の商業調整法案と一括して審査を行い、本案に対し、自由民主党及び日本社会党の共同修正がなされ、商業調整法案は撤回されたのであります。  その修正の要点を申し上げますと、第一に、法律の題名を改めて、小売商業調整特別措置法とする。第二に、消費生活協同組合に対する員外利用の許可及び措置命令に関する規定は、これと同趣旨のものを消費生活協同組合法において規定することに改め、これを本法案の附則において改正することとし、かつ、措置命令の内容についても若干の修正を加える。なお購買会に対する措置命令についても同様な修正を行う。第三に、小売市場については、小売市場の貸付だけでなく、譲渡についても許可を要するとともに、許可の基準につき、過当競争のおそれがないときに限り許可するという趣旨を明らかにする。第四に、指定地域内で指定物品の小売業を兼ね営むところの製造業者または卸売業者は、都道府県知事に届出を要することとする。第五に、あっせん、調停等は物品の流通秩序の適正を期するという観点に立って行うことにする。  以上が修正の要点でありますが、本委員会における審議は、通産大臣以下政府当局及び修正案提出者である小平、松平両衆議院議員の出席を求めて、熱心に質疑を重ねたのであります。  審議の過程におきましては、小売商の苦しい原因は、大資本の進出による上からの圧迫、たとえば大資本によるスーパー・マーケット等による脅威であり、それに対し本法はいかに対処するかという問題。次には、別の面から、消費生協、購買会の行き過ぎを是正するためには、政府原案の方がよいと思うが、共同修正によってそれらに対する措置が原案より後退し、果して所期の目的が達せられるのかという質問。また、本法第十五条によるあっせん、調停の対象に、農林水産業協同組合の行う共同販売事業も考えられるのか、このためかえって平地に紛争を起すことにならないかということ。あるいは、あっせん、調停の条件となるべき「流通秩序の適正」を破る事業活動は具体的にはどんなものをさしているのか。小売市場については、むしろ市場の開設を許可制にすべきではなかったかという問題。また、この小売市場を許可する場合、知事は市長と協議することに修正されたが、協議がととのわなかった場合、どう処理するのかという点。消費者の立場からは、いい店を育てていくのが国民経済の安定となり、小売商を現状のまま保護しても国民経済の発展にならないのではないか、また消費者のためにある消費生協を何ゆえに規制し、厚生省所管の生協に対し何ゆえに通産大臣が関与するのであるかという問題。また、政府の考える購買会、消費生協のあるべき姿はどんなものか。また、これらは本法の成立によっても今までの運営方針をそのまま継続してよいのか、それとも何らかの影響を受けるのかという問題等、実に各方面から各様の問題が提起されたのでありますが、その詳細については会議録について御了承を願いたいのであります。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、小幡委員から、「小売商の置かれている今日の状態からして、本法案は問題を一挙に解決するものではないが、小売商の安定を目ざし、一歩前進させたことに意義がある。ただ法の運用に待つところが多いため、運用には慎重を期するよう要望するが、特に農林水産業協同組合等の販売事業に関し、その本来の性質にかんがみ、次の附帯決議を付して本法案に賛成する」旨の発言がありました。その附帯決議案は、   政府は本法を施行するに当り、農林水産業協同組合及び同連合会の販売事業に対し、従来通りこれが育成の基本的方針を堅持するとともに、その事業が本法によって制約を受けることなきよう慎重に配慮し、以ってその健全なる発達を図るべきである。というのであります。  次いで、栗山委員から、「今日の中小商工業者の苦境は、単なる弥縫的な法律の集積によってのみ解決されるべき問題ではなく、もっと根本的な解決が必要である。政府は早い機会に中小企業の本質に触れた問題を分析し、結論づけるべきである」と要望し、本法案及び附帯決議案に賛意を表明されました。  次に、奥委員が、「本法案が物品の流通秩序の適正化を目的としていながら、その重要な一環である消費の面についての配慮が欠けている。また本法では予算もなく、金融も考えず、これで一体小売商のどこを救うつもりであるのか。しかも、小売商保護の名目のもとに、消費生活協同組合に対し規制を加えていることは、消費生協を圧迫し、消費者に不便を与えている。かかる意味において遺憾ながら本案に反対である」との意見が述べられました。  また豊田委員からは、「大企業、生産者、勤労者、商業者等は、そのおのおのが分野に応じた経済活動を行うことが必要で、産業界の交通整理の意味から賛成し、あわせて附帯決議案にも賛成する」との発言がありました。  討論を終り、採決いたしましたところ、本法律案は多数をもって衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。次いで、小幡委員提出の附帯決議案について採決の結果、これは全会一致をもって本委員会の決議とすべきことの決定をみた次第であります。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行法は御承知の通り、繊維工業の設備を規制して、輸出の正常な発展に寄与する目的で、昭和三十一年六月に制定されましたが、最近の繊維産業は、輸出の不振と金融引締めなどの影響を受けまして、長期的な不況状態となっています。そこで政府当局は、昨年十月に繊維総合対策懇談会を設けまして、総合的な見地から対策を練って参りましたが、その審議の結果を参考として、特にこの際、「化学繊維すなわち人絹糸、スフ綿及び合成繊維の生産設備を新たに調整すること」等が必要であると認め、本改正法案を提出して参ったのであります。  本法案の要点は、第一に、従来精紡機と織物幅出機に対して行なっているのと同様に、今回化学繊維製造設備の主要部分である紡糸機を登録の対象に追加すること。第二に、設備の新規登録を行う場合に、特に政府指示に基いて廃棄または格納した設備を優先的に登録させること。第三に、新規登録に必要な仮登録の段階において、現行法は機械の種類と設置場所などの変更を認めていないが、これらの変更を認めるようにすること。第四に、設備調整のための需給目標年度を、昭和三十五年度から二年延長して三十七年度に改めること。以上であります。  なお、委員会の審議における質疑の主なるものは、一、本法と勧告操短並びに独禁法との関係。二、繊維設備工業審議会と繊維総合対策懇談会との関係。三、現在行なっている封減のかわりに、何ゆえ共同行為としての格納を指示しなければならないか。四、一割五分ほどの格納により、各企業はいかなる操業集中の方式をとるものであるか。五、格納が従業員に及ぼす影響とその具体的な対策いかん。六、合成繊維の設備規制とその採算規模の関係。七、かつての綿紡における駆け込み増設の二の舞を演ずるおそれがないか、等であります。  なお、格納が従業員に及ぼす影響の対策に関しては、通産大臣及び事務当局は、「共同行為は大臣が告示するが、その告示中において、それを理由に、馘首や労働条件の低下または労働組合との協議なしに配置転換を行うこと等をせぬよう記載し、経営者が共同行為を行う際の届出においても、以上の行為をせぬよう経営者側に約束させる」との答弁でありました。  質疑を終り、討論に入りましたところ、島委員すなわち私から、「本案には原則として賛成であるが、特に共同行為の実施に際して、従業員の生活権を脅かさぬよう附帯決議を付したい、また輸出の花形である繊維工業が可及的にすみやかに安い原料を輸入できるように特段の配慮を希望する」との意見を開陳しました。提出された附帯決議案は次の通りであります。   政府は、本法の施行に当り、事業の従業員に及ぼすべき影響を考慮し、左の措置を強力に実施すべきである。   法第二十四条の共同行為の指示を受けた事業者が、共同行為の実施に際し、従業員を解雇し、労働条件を著しく低下させ、又は不当なる配置転換を行うことを防止するため充分なる措置を講ずること。   以上で討論を終り、採決いたしましたところ、全会一致をもりて本案は衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。次いで島委員より提出されました附帯決議案について採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。  右三法案について御報告を終ります。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  まず、軽機械の輸出の振興に関する法律案及び繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、小売商業特別措置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第十より第十四までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。法務委員長古池信三君。    〔古池信三君登壇、拍手〕

古池信三自由民主党

○古池信三君 ただいま議題となりました請願に関する委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  請願百三十一号、七百九十号、八百五十五号、九百五十八号、千六号、千七号、千六十一号、千七十五号、千百四十六号及び千二百九十八号の十件は、泥酔犯罪者の保安処分法制定促進等に関する件でありまして、すみやかに泥酔犯罪者に対する保安処分法を制定するとともに、酒癖矯正施策を樹立せられたいとの趣旨のものであります。  請願第三百六号は、福岡地方裁判所小倉支部及び福岡家庭裁判所小倉支部の合同庁舎をすみやかに建築促進せられたいとの趣旨のものであります。  請願第四百七十六号は、盛岡地方法務局伊保内出張所庁舎のうち、倉庫の新築を促進せられたいとの趣旨のものであります。  請願第千百四十七号は、大阪地方裁判所の支部を布施市に設置せられたいとの趣旨のものであります。  以上いずれも法務省当局及び最高裁判所事務総局の意見を聞き、慎重審査の結果、いずれも願意は妥当と認め、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第十五より第二十七までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。逓信委員長手島栄君。    〔手島栄君登壇、拍手〕

手島栄自由民主党

○手島栄君 ただいま議題となりました請願十三件につきまして、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  これらの請願は、郵便局の設置、改築等を要望するもの四件、電話施設の整備統合並びに農村電話架設を要望するもの六件、テレビ局設置並びに結核療養者のラジオ聴取料免除を要望するもの三件でありまして、本委員会におきましては、以上の請願を慎重審査いたしたのでありますが、いずれも願意をおおむね妥当と認め、採択し、議院の会議に付し、かつ内閣に送付すべきものと全会一致をもって決定した次第であります。  右御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よってこれらの請願は全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 日程第二十八より第五十三までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議なしと認めます。まず委員長の報告を求めます。農林水産委員長秋山俊一郎君。    〔秋山俊一郎君登壇、拍手〕

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 ただいま議題になりました安全殺虫剤ピレトリン使用に関する請願外四十一件の請願について、農林水産委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。  今国会中四月一日までに農林水産委員会に付託されました請願は四十九件でありまして、これが趣意は、請願文書表第一回ないし第十一回報告によって御了承いただきたいと存じます。委員会におきましては、これらの請願について政府当局の意見をも参考にして、慎重審査の結果、ただいま議題になりました四十二件は、いずれも全会一致をもって、議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました。  右報告いたします。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  これらの請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よりてこれらの請願は全会一致をもって採択し、内閣に送付することに決定いたしました。  これにて暫時休憩いたします。    午後一時九分休憩      —————・—————    午後六時四十九分開議

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。中山福藏君から、裁判官訴追委員を辞任いたしたいとの申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) つきましては、この際、日程に追加して、ただいまの中山福藏君の辞任及び本多市郎君の逝去により欠員となりました裁判官訴追委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 裁判官訴追委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私は、ただいまの田中茂穂君の動議に賛成いたします。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 田中君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって議長は、裁判官訴追委員に森八三一君、大谷瑩潤君を指名いたします。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、大川光三君の議員退職に伴い欠員となりました検察官適格審査会委員予備委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 検察官適格審査会委員予備委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私は、ただいまの田中茂穂君の動議に賛成いたします。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 田中君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって議長は、検察官適格審査会委員予備委員に大谷藤之介君を指名いたします。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、九州地方開発審議会委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。本院において指名する委員の数は三名でございます。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 九州地方開発審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私は、ただいまの田中茂穂君の動議に賛成いたします。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 田中君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって議長は、九州地方開発審議会委員に後藤義隆君、平島敏夫君、内村清次君を指名いたします。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 参事に報告させます。    〔参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  昭和三十四年度一般会計予算補正(1号)可決報告書  摘発油税法の一部を改正する法律案修正議決報告書  地方道路税法の一部を改正する法律案修正議決報告書  物品税法の一部を改正する法律案修正議決報告書  交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案可決報告書  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案可決報告書  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書  賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案(閣法第一七五号)可決報告書  公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案否決報告書  国民年金法案修正議決報告書  総理府設置法の一部を改正する法律案修正議決報告書  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案修正議決報告書  特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案可決報告書  防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案可決報告書  大蔵省設置法の一部を改正する法律案修正議決報告書  恩給法の一部を改正する法律案可決報告書      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、昭和三十四年度一般会計予算補正(第1号)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。予算委員長木暮武太夫君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔審査報告書は都合により追録に掲載〕     ━━━━━━━━━━━━━    〔木暮武太夫君登壇、拍手〕

木暮武太夫自由民主党

○木暮武太夫君 ただいま議題となりました昭和三十四年度一般会計予算補正(第1号)の予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、補正予算案の内容について御説明申し上げます。  昭和三十四年度一般会計予算補正(第1号)は、昭和三十四年度一般会計予算が国会に提出されて後、国際通貨基金及び国際復興開発銀行に対するわが国の出資額が増額されることになりましたので、これに関し必要な予算措置を講ずるため提案されたものであります。今回の増資に当っては、国際通貨基金が全加盟国一律五割、国際復興開発銀行が全加盟国一律十割のほか、日本、ドイツ連邦共和国及びカナダの三国については特別増資が認められておりますので、これに伴うわが国の追加出資額は、国際通貨基金に対しては二億五千万ドル、国際復興開発銀行に対しては四億一千六百万ドルとなるのでありまするが、その払込方法は、国際通貨基金に対しては、二億五千万ドルを金、円現金及び円国債をもって、また国際復興開発銀行に対しましては、特別割当の一億六千六百万ドルをドル現金、円現金及び円国債をもって、それぞれ所定の比率により払い込めばよいことになっておるのであります。  今回の補正予算に計上されております経費は、国際通貨基金関係が、出資用金地金購入費、円貨現金払込分等二百三十四億二千二百余万円、国際復興開発銀行関係が、米貨払込分、円貨現金払込分等十六億五千百余万円でありまして、円国債による出資のための国債の発行等については、別途提案の法律により措置されることになっております。  以上の歳出追加に必要な財源二百五十億七千三百余万円は、日本銀行の所有する金地金を昭和二十八年の金管理法の規定による価格に再評価せしめ、その差益に相当する金額を日本銀行から国庫に納付せしめることによって生ずる雑収入の増加見込額をもって充てられております。以上の結果、国際通貨基金及び国際復興開発銀行に対するわが国の出資総額は、それぞれ五億ドル及び六億六千六百万ドルとなり、昭和三十四年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも一兆四千四百四十三億二千二百余万円となります。  この補正予算案は、二月三日に国会へ提出され、一三月二十八日に衆議院において可決の上、本院に送付されたものでありますが、委員会におきましては、四月七日に佐藤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取いたしました後、同日及び八日の二日間にわたり、岸内閣総理大臣並びに関係各大臣に対し質疑を行いました。以下、これらの質疑のうち、補正予算に直接関連する若干の事項について、その要旨を簡単に御報告申し上げます。  すなわち、ます委員より、「今回の補正予算で再評価の対象とした金の量は幾らであるか。その金は日銀の所有であることが確認できるものであるか。今回の再評価を含めて、政府、日銀の所有金の総量を再評価をした場合、幾らの再評価益が出るのであるか。この中に含まれている日銀のカラ債権の処理はどうするのであるか。また、二十七年に日銀から金を買い入れた分の措置を今ごろ法律できめるというのは、政府の怠慢ではないか」等の質疑がございましたが、これに対して、佐藤大蔵大臣及び政府委員より、「再評価される日銀の金は、接収貴金属の中で日銀に帰属することが確認できる定型金塊六十二トン余である。政府、日銀の保有する全部の金を再評価するとすれば、日銀分五百二十一億円、政府分二十三億円、計五百四十四億円になる、日銀の保有金を再評価して評価益を国内で使用するごときことは慎しまなければならないが、帳簿価格と市価の間に著しい差があったり、日銀との間に未整理勘定のあることは不自然なことであるから、接収貴金属の処理がきまった今日、この法律に基いて処理し、日銀との未整理勘定も国民負担とならぬ方法で解決をしたい。昭和二十七年、国際通貨基金加盟の際、日銀から買い上げた金の再評価益の処理が今日までおくれてきておったことは、いろいろな事情があったにしても、まことに遺憾であったが、接収貴金属の処理が確定したので、別途、法律を出し、この懸案も解決された次第である」との答弁がございました。このほか委員会における質疑は、安保条約改定の問題、日ソ漁業交渉の問題、対米貿易の問題、皇太子御成婚恩赦の問題等、内外の諸問題にわたりましたが、その詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと思うのであります。  かくて、本日をもって質疑を終了して、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して矢嶋委員が反対の旨、意見を述べられました。討論を終局し、採決の結果、予算委員会に付託されました昭和三十四年度一般会計予算補正(第1号)は、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。矢嶋三義君。    〔矢嶋三義君登壇、拍手〕

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいま上程されました昭和三十四年度一般会計予算補正(第1号)に対し、私は日本社会党を代表し、反対討論をなさんとするものであります。内容はただいま委員長報告の通りでありますが、警告的討論を申し述べたいと存じます。  まず、IMF並びに世銀に対する出資増加は、一月三十日、加盟国総務の賛否投票採決によって確定したものでありますが、昨年十二月十九日、加盟国理事会で決定されたものであり、当然予見できたものでありまするがゆえに、当初予算に計上すべきであったのであります。財政法第二十九条には、「予算作成後に生じた事由に基き必要避けることのできない」云々と述べてありまするので、補正予算として提出したことは適切な措置でないと言わざるを得ません。二十七年第一回出資当時は、予算に見込額のまま計上した先例もあることでありまするので、賛意を表しかねるのであります。  次に、世界経済の伸び並びに急速な国際貿易量の量的質的増大に即応して、このたび出資額の増大をはかり、IMF百四十七億ドル、世銀二百四億ドルとなるのでありますが、アメリカ独占資本の支配体制強化とならぬよう、後進国の開発振興に寄与するように運営されるべきであることを、ここに強く主張するものであります。このたび、わが国の出資額は、IMF二億五千万ドル、世銀四億一千六百万ドルそれぞれ追加出資することにより、計それぞれ五億ドル、六億六千六百万ドルと相なりまして、IMFにおきましては二倍、世銀におきまして二・六六倍と相なる次第でありまして、この処置により、わが国は今後出資国の順位が六十八カ国中第八位となり、理事を単独で出せることになり、国際経済社会における日本の地位向上をもたらされるとのことでありますが、IMF並びに世銀の資金運用については格別配慮されることを要望いたします。  増資額は、委員長報告の通り、日銀保有の金地金六十二トンの帳簿価格を改定することにより、再評価差益金二百五十億七千三百余万円を日銀から納付することによってまかなわれることになっておるのであります。そもそも、日銀保有の金地金は日銀通貨の信用の裏づけとなるものであう、できるだけ多く、またその評価額もまちまちであってはならないと考えるものであります。このたびの処置では、日銀保有百二十九トン中十四トンは評価がえしないままであり、また未整理証書のみであって、うち実物のない分四十四トンありますが、政府は、このたび接収貴金属等の処理に関する法律が成立した機会に、早急に整理、処理すべきであると考えます。とともに、もし評価がえした場合、その差益金は国内的に使うべきでないことも、ここに付言いたしておきます。今後、外貨危機に備えての借り入れ限度額が二億五千万ドルまでと、二倍になり、世銀からの外資導入も、より容易となるでありましょうが、その運用についてはきわめて慎重を要し、大企業本位の経済体制の強化のために供されたり、外国資本による日本経済支配体制が強化されるようなことは断じてあってはならないのであります。かりそめにも、外貨危機に備えがあるからとして金融財政政策が放漫になり、あるいは党略的に安易に走ってはならないことを厳に警告をいたします。  このたびの予算総額は一兆四千四百四十三億二千二百万円と大規模になりますが、私どもは、社会保障費を増大するとか、あるいは個人消費の増大をはかるとか、あるいは科学技術の振興を飛躍的に財政支出を行うことによって行うとか、かくのごとき内容で予算規模が拡大することは、日本経済の成長と国民生活の安定向上のために望ましいことであるが、政府が組んだ予算のように、軍事的あるいは日本独占資本奉仕的な性格の予算は、われわれの賛同することのできないところであります。  政府の厚生白書によりますと、所得階層の分化はますます大となり、戦前に比して多額の所得税を課されており、国民一人当り御承知のごとく実に一万九千五百七十九円の高い税金を負担いたしておるのであります。最近の経済企画庁の月例報告では、景気は回復から上昇の段階に移ったと、楽観的な見方をし、また同庁の経済研究所では、経済の現状はまだ回復過程を終っていないと、違うところの見解を発表し、六月ごろにこの会計が終れば設備投資熱が急に盛んとなって、景気は過熱を来たすおそれが多分にあると発表いたしておるのであります。当初三十三年度に比し、三十四年度の設備投資は五%程度の減ということを見込んでおりましたが、今や約一五%増と資金需要が急に増大いたしております。将来、輸入の増大を招くのではないかと予想されるのであります。さらに四百十六億円という、膨大に増額されました公共事業費を一、二カ月繰り上げ支出をすると報道されていますが、経済状況が急カーブに上昇しているときに、予算執行がかくのごとき形でスタートをいたしますならば、波が重なって景気は過熱し、物価は上り、輸入は増大し、その結果として、国際収支が悪化し、金融引き締めとなり、低賃金のサラリーマンの生活は困窮し、抵抗力は弱く弾力性の乏しいところの中小企業者は、再び神武景気の愚を繰り返されることになると予想されます。急激な上昇のあとには必ず深刻なる反省が現われるものであります。日本経済の伸びとその縮みは、幅が広く、かつ、その間隔が短かい特質を持っているといわれるのでありまするから、十分に心していただくことを主張します。IMFの増資がなされたことで安易な考えをなされないことを警告いたすものであります。今や、三月末現在におけるところの外貨保有は戦後最高の九億七千四百万ドルと発表されておりますが、これらは三十二年以来の赤字の苦しい段階において、勤労大衆の犠牲によって、一部中小業者は倒産をいたし、勤労者は首切りをされましたが、勤労大衆の犠牲によってつちかわれたものでございまするので、勤労大衆に幸いするような政治、行政をやるべきことも、ここに主張いたしておきます。  昭和三十四年度の予算については、人はあるいは総花予算、無性格予算、あるいは出しきり予算、継ぎはぎ予算、すれ違い予算あるいは選挙対策予算と評されておりますが、私鉄、電気、ガス、砂糖、新聞、学校、給食費、バス、自動車等の各種料金の引き上げで、庶民の家計は苦しくなり、約一千三百万人になんなんとするところのボーダー・ライン層の人々は生活苦に追いやられるおそれが多分にあります。このたびの予算の補正によって、一般会計予算の額は一兆四千四百四十三億二千二百余万円と相なっております。補正前は、御承知のごとく「一兆よいくに」と言われておりました。語呂をもって申し上げますならば、一兆四千四百四十三億二千二百万円は、「人よ死し、三次に」、こういうことなんです。(笑声)「三次」とは第三・四半期のことであります。政策を誤まれば、第三・四半期に大衆は生活苦に陥り、死ぬるおそれがある、用心しろ、ということを警告しておるわけであります。今後の経済、金融、財政に十分注意しなければならない。あるいは、ある人はこういうことを言っている。「イノシシ予算」だ。これは一兆四千四百四十三億二千二百万円ですから「イノシシ予算、かうふう」、猪突猛進ふうふうで、ぐっと行ってふうふうとなって、勤労大衆はへたばるところの性格を持っている予算。くしくも、こういう語呂が出て参ります。これを懸念したがゆえに、わが日本社会党の堂々たる追及を避けるために、当然、当初予算に繰り入れるべきものを、財政法に違反してこういう補正予算の形で出したのであろうと推察いたします。結果としてはこういう語呂が出ることを、ここに私は申し上げておく次第であります。かようなことにならないように、格段の注意をされるように警告を促すとともに、善処を強く要望いたすものであります。  最後に、国民にかわって、ここに批判しなければならない政策への重要事項がある。それは岸内閣の性格と現状とに対する国民の警告批判と責任追及とであります。予算編成最中に、岸内閣の池田、三木、灘尾の三大臣は、政治的ストを敢行し、その結果、総理は、党七役はもちろんのこと、閣僚補充も意のままにならず、世にもまれな継ぎはぎ内閣、派閥均衡ならぬ、がたがた弱体内閣となったのが現在の岸内閣であります。その与党の派閥抗争はいよいよ激しく、政治的真空状態であるといわれます。まさに政治的能力の無能力を暴露しているのであります。  御承知のごとく、安保条約、行政協定、日韓交渉、日ソ漁業交渉あるいは中共問題等々の党内意見調整すらできない無統制、醜状を呈しています。うち内閣の支柱であった池田氏は、岸首相を評して、政治家としての心がげができていない専制政治家であると極言をいたし、さらに塚田、大橋、川崎、小坂、山木、辻各氏らは、徹底的な批判と罵言を公開の場で岸首相に浴びせられたのでありますが、これに対して、党規に照らし処断もできない無統制ぶりであることは、各位のつとに御了承の通りであります。国家公安委員のほか十二の政府機関委員を委任されておりまするところの小汀氏は、岸総理の存在は世道人心の上に及ぼす悪影響甚大であると、週刊朝日を通じ総理の反省を求めるとともに、国民に訴えていることも総理みずから御承知の通りであります。  岸内閣は、憲法を軽視し、拡大解釈をあえてすることによって、アジアに緊張を加えるおそれのあるがごとき国防政策をあえて推し進め、東京地裁から、駐留軍はもちろんのこと、自衛隊も違憲であり、予算そのものが違憲予算であると、歴史的、警世的な名判決を下されたのにもかかわらず、寸毫の反省もなく、安保改定交渉を強行せんとして、国民有識者の批判を身に受けているていたらくであります。さらに、あの女優高峰さんのお家を百五十万九千円で公舎として借り上げ、さらに、今や亡き鳩山内閣当時に比べますると、内閣官房の報償費あるいは交際費は約二倍の二億八百万円余と相なっております。総理は率先して国産車愛用を唱えながら、公用は国産車、私用は外車と、両岸的に使い分けておられるのであります。昨年十二月、熱海に豪奢な別荘を建設されましたが、その資金の出所については、国民は多大の疑惑を抱いております。その財産公開を国民有識者は要望いたしましたが、今国会の審議中についに出されなかったことを、ここに遺憾の意を表するものであります。  岸総理に対しては、国民はお気の毒くらいに峻厳であります。それはなぜでありましょう。あなたは、あの日本国並びに日本民族が歴史的過誤を犯したあの大東亜戦争開戦当時の閣僚であるからであります。この結果、戦没軍人百八十万人、軍属十六万人、未亡人十七万人、遺児五十五万人、国土四三%を失い、国の富二三・三%を喪失するところの犠牲を生み出し、戦い終って、本日、賠償等特務処理費は約三千六百三債円であり、国民一人当り実に三千八百十二円を背負い、本年度の予算におきましても、国民一人三百六十円の負担となっているのであります。岸総理は、第一次岸内閣の当初、この壇上から、戦争に対する反省の発言をされましたが、その後におけるあなたの警職法案あるいは労働組合に対するところの弾圧政策、あるいは政治家としての生活態度を見るときに、きわめて反省の不十分であることを、私は国民の名においてここに指摘をいたします。総理はこのことを忘れてはなりません。その総理の立場が違います。あなたはあの熱海の別荘を遺家族の慰安所にでも寄付されたらいかがでありますか。一説には、総理は来春五月引退するという説が流れておりますが、今夏、外遊後勇退されたらいかがかと私は忠言をいたすものであります。そもそも人間は弱さがあり、その出所進退はむずかしいもので、誤まってはいけません。あの吉田元総理が、末年の出所進退を誤まらなければ、今ごろは世界政治の檜舞台にあの英姿を現わしていたでありましょう。しかしながら、惜しいことには、末期を誤まったために、日本的に見れば功成り名遂げた先輩でありますが、これを世界的視野から見るならば、日本国の一隅大磯に朽ち果てんとする身分と相なったと言えるものではないでしょうか。まことに惜しんでもあまりあることであります。(拍手)岸総理、あなたは前者の轍のたとえをかみしめるべきときであります。外遊後にいさぎよく勇退され、日本保守党の指南役となられるならば、再び枯れ太に花咲き、春は訪れることでありましょう。いや、私は固く信じて、あえてここに申し上げるものであります。  最後に、私どもは、ここにイノシシ予算ふうふうという一兆四千四百四十三億二千二百余万円の予算を議決し、行政府に預けるわけであります。国民は、行政府にゆだねたこの一兆四千四百四十三億二千二百余万円の執行に当っては、最も効率的に、最も適正に運用されるよう格段の配慮を強く要望し、私の反対討論を終る次第であります。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。(拍手)      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、  揮発油税法の一部を改正する法律案、  地方道路税法の一部を改正する法律案、  物品税法の一部を改正する法律案、  交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、  賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、  以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事土田國太郎君。    〔土田國太郎君登壇、拍手〕

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 ただいま議題となりました七法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、揮発油税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における揮発油の消費状況及び道路整備五カ年計画遂行のための財源確保の緊要性にかんがみ、揮発油税の税率を一キロリットルにつき現行の一万四千八百円を五千五百円引き上げて二万三百円といたそうとするものであります。また、この引き上げ措置を四月一日から施行するに伴いまして、その施行日現在に、製造場等以外の場所において五キロリットル以上の揮発油を所持する製造者、販売業者に対して、増税分だけ手持品課税を行おうといたすほか、他の間接税の例にならい、製造場内にある揮発油が滞納処分等により換価されたときは、製造揚から移出したものとみなして課税することとする規定の整備をはかろうとするものであります。  本案審議につきましては、今回の改正措置が国民経済に及ぼす影響きわめて重大でありまするので、参考人より意見を聴取するとともに、運輸、建設の各委員会と連合審査会を開いて慎重に審議をいたしました。委員会における審議の詳細は、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  次に、地方道路税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、揮発油税税率の引き上げ措置に伴い、揮発油税及びこれと合せて徴収する地方道路税の配分率について、現在の地方道路税分百八十三分の三十五、揮発油税分百八十三分の百四十八を、地方道路税分二百三十八分の三十五、揮発油税分二百三十八分の二百三に改めるとともに、利子税額等の配分割合も同様に改正するほか、所要規定の整備を行おうとするものであります。委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、両案の修正案について諮りましたところ、江藤委員より、「自動車使用者の税負担の実情にかんがみ、揮発油税の税率を一キロリットル当り千百円引き下げて一万九千二百円に改めること、またこれに伴い、地方道路税法における納付の配分率等について所要の修正を加えるほか、施行日をそれぞれ四月十一日とする」旨の修正案が提出されました。なお、この修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、政府に対して意見を求めたところ、政府においては、本修正により、道路整備五カ年計画の財源に不足を生じ、その遂行にそごを来たすことになり、好ましくはないが、本修正案の趣旨が担税者の負担増を極力押えようとするものであるから、しいて反対しないとの意見が述べられました。  次いで両案を一括して討論に入りましたところ、小酒井委員より、「自民党が揮発油税の増徴分と同額の一般財源からの繰り入れを行うという決議を無視したことは、公党の立場として不信行為であること。今回の引き上げ措置は、全消費量の六割以上を使用する中小商工業者及び農民に最も深刻な影響があること。道路整備による受益の面も特定のものに限られるから、町村の住民にとっては悪い道路の中で税負担のみが加重されること。結果的に見るならば、中小商工業者にとっては事業税等の減税を上回る増税が行われることとなる」旨の反対意見が述べられ、天坊委員より、「七百億円減税の看板の裏面で大幅の増税が行われていることは納得できないこと。増徴する根拠が明確でなく、また中小企業者に対する負担増は避けたいこと等から反対するが、工事の施行については、道路利用者の立場を十分考慮して、合理的な、かつ計画的な施行を行うよう政府の善処を要望する」との意見が述べられ、次いで森田委員より、「一兆円計画には賛成するが、公益性のある道路整備を実施するのであるから、財源を揮発油税の増徴のみに求めることなく、政府資金の大幅な投入を行うべきで、この点、政府の反省を促したい」との賛成の意見が述べられました。  両案を一括して採決に入り、江藤委員提出の修正案について採決の結果、多数をもって可決され、修正部分を除く原案については多数をもって可決され、両案をそれぞれ修正議決すべきものと決定いたしました。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、物品税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、各物品の清貧の性質及び担税力に応じて負担の均衡をはかるとともに、零細企業の製品で負担の転嫁が困難のものについて減免措置を講ずるほか、負担の均衡上、非課税となっていることが不公平であると考えられる物品について新規課税を行う等、所要の規定の整備を行おうとするものであります。  以下その概要について申し上げますと、  第一に、消費の性質等から見て、税負担の均衡上軽減を要すると思われる化粧品、釣用具類等、十五品目について、それぞれの実情に応じた税率の引き下げを行い、また、製造者が零細で転嫁が困難である等の玉ラムネ、蓄音機の針等十四品目については課税を廃止することとし、また課税の適正化をはかるため、サッカリン、ズルチンについては、原料段階においても課税できることとするほか、零細企業で、執行上の難点が多く、課税最低限を相当引き上げて高級品に限って小売段階で課税する方がより適切であると思われる室内装飾用品、メッキ製品等八品目については、小売課税方式に変更することとしております。  第二は、現在非課税の取扱いを受けていることが負担の不均衡を招来していると認められるテープ・レコーダーについては一割の製造課税、ただし、二年間は五分の軽減税率を適用し、トランジスター・ラジオについては五分ないし一割、チクロ系甘味料については、一キログラムにつき三十円の税率をもって課税を行うこととしております。  第三は、小売課税の対象となる物品の委託販売が行われる場合には、その受託者を納税義務者とするほか、輸出物品の免税手続を簡素化する等、所要の規定改正を行うこととしております。  そのほか、本案の改正規定は、本年四月一日から施行することとなっておりますが、小売課税に移行する部分及び新規課税の部分については、準備の都合上、本年五月一日から適用することとしております。  なお、本案については、衆議院において修正議決されたものでありまして、その修正点は、高級織物に対する新規課税及び弾丸に対する課税を廃止するとともに、ゴルフ用具について税率二割の小売課税へ移行し、また、銃については税率三割の製造課税へ移行することとするほか、書画、骨董に対する課税を五分から三分に引き下げるものであります。  本案審議に当っては種々熱心なる質疑がかわされたのでありまするが、その詳細につきましては会議録により御承知を願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、杉山委員より、「ゴルフ用具類については、取引の実情にかんがみ、小売課税へ移行させることが必ずしも課税の適正化を期し得るかどうか明確でないこと、また、この際、実質的減税を来たすような改正を行うことは適当でないと考えられるので、税率五割の製造課税へ戻すほか、施行日を五月一日に変更することに伴う所要の規定の整備をはかる旨の修正案を提出の上賛成する」との意見が述べられ、次いで平林委員より、「現行物品税法は戦時中の遺物であり、大衆課税の性格を持っているので、これを廃止し、奢侈品課税を要望してきたが、今回の改正案においても何らの配慮が払われていないこと、物品税の基本的考え方が必ずしも一貫されておらないこと、業界との不明朗な結びつきが推測されること、また、第六条第三項の商標表示の規定は、中小企業者に深刻なる影響を与えている点から見て反対するが、今後物品税の改正方向を明確にし、促進をはかる意味において附帯決議案を提出したい」との発言がありました。その決議案の内容は、   物品税は、戦費調達の財源確保のため存置された沿革を持ち、その性格もとかく明確でないばかりでなく、課税の施行に当っては、政令に委ねられるもの多く、明らかに租税法定主義の精神に反するものと思われる。また、課税物件間の税負担をみても、必ずしもその権衡がとれているものとは思われない。   よって、本委員会は、政府において、国民経済の総合的見地に立つて、物品税体系を再検討し、速かに根本的改正措置を講ずべきことを要望する。   右決議する。  であります。  次いで採決に入り、杉山委員提出の修正案は多数をもって、修正部分を除く原案については多数をもってそれぞれ可決され、本案を修正議決すべきものと決定し、また、平林委員提出の附帯決議案を採決の結果、全会一致をもって本委員会の附帯決議とすることに決定いたしました。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、さきに成立いたしました地方交付税法の一部を改正する法律において、地方交付税の税率を二七・五%から二八・五%に引き上げることとなるのに伴いまして、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる金額で、所得税、法人税及び酒税の収入見込額を基礎とするものの算定の基準となる割合についても、昭和三十四年度以降同じく二八・五%に引き上げようとするものであります。  委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終了し、討論、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。  日本輸出入銀行は、プラント輸出を中心とする輸出入金融等を行い、わが国貿易の進展に伴って、その貸出残高は昨年十二月末には六百六十億円に達しており、昭和三十四年度においても、プラント輸出等の増大、賠償金融及び経済協力金融にかかる融資も増加する見込みであります。  本案は、昭和三十四年度における日本輸出入銀行の貸出額の増加と資金コスト低下のために、同行の資本金を七十億円増額して四百五十八億円としようとするものであります。  委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終了し、討論、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。     ━━━━━━━━━━━━━  次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、今回、国際通貨基金及び国際復興開発銀行が、世界経済及び国際貿易の急速な発展に対処するため増資をするのに伴いまして、わが国の両機関への追加出資についての規定を設け、その増額により必要となる財源を確保するための措置を講じ、あわせて所要の規定の整備をはかろうとするものでありますが、そのおもなる点を申し上げますと、第一に、政府は、国際通貨基金または国際復興開発銀行に対しまして、それぞれ二億五千万ドルまたは四億一千六百万ドルの範囲内にお旧いて追加出資をすることができることといたしております。第二に、この追加出資額の払い込みの財源に充てるため、大蔵大臣が指定する日本銀行所有の金地金を、金管理法第四条に規定する価格により評価がえするものとし、この評価がえにより生じた益金は、全額国庫に納付するものといたしております。第三に、政府が国際通貨基金及び国際復興開発銀行に加盟したとき、日本銀行から買い入れた金地金は、旧金管理法第六条に規定する価格で売り渡されたのもとみなし、この場合に生ずべき日本銀行の益金相当額は、その売り渡しがあったときにおいて国庫に納付すべきものとして、これに納付されたものとみなすことといたしております。第四に、政府が国際通貨基金から外貨買い入れの取引を行うに当りまして、国債で買い入れできることとし、これに伴い、その国債の発行、買い戻し、償還等に関する所要の規定を設けることといたしております。  委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終了し、討論に入り、平林委員より、「政府は外資導入について明確な構想がなく、本措置はさらに慎重に取り扱うべきである。また本措置は大蔵大臣の個人的プレーのにおいが強く、与党内の論議を十分に尽した上のものとも思われない。なお、これに関連して日本銀行の金地金の再評価に財源を求めたことは、同行の金地金保有数量が明確でない点があるため疑問が残る。以上の諸点から本案に反対する。」との意見が述べられ、採決の結果、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。     ━━━━━━━━━━━━━  最後に、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、今国会においてすでに承認を得ました日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定に基いて、わが国がカンボディアに対して供与する無償の経済及び技術援助のための債務処理の経理をこの特別会計で行うことができることとするため、この特別会計法の第一条に所要の改正を加えようとするものであります。  委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終了し、討論、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより七案の採決をいたします。  まず、揮発油税法の一部を改正する法律案及び地方道路税法の一部を改正する法律案、両案全部を問題に供します。  委員長の報告はいずれも修正議決報告でございます。委員長報告の通り両案を修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、物品税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、  以上三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、首都高速道路公団法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。建設委員長早川愼一君。    〔早川愼一君登壇、拍手〕

早川愼一緑風会

○早川愼一君 ただいま議題となりました首都高速道路公団法案につきまして、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、本法律案の要旨について申し上げますと、御承知の通り、最近の首都における自動車交通量の増加はまことにはなはだしく、これをこのまま放置すれば近い将来には首都の交通は全く麻厚状態に陥ることが憂慮されるのでありますが、この事態に対処し、自動車交通の円滑化をはかるため、首都における自動車専用道路の建設及び管理等を一括実施する事業体として、新たに首都高速道路公団を設立しようとするものであります。  その内容のおもなる点について申し上げますと、まず、首都高速道路公団は、その事業地域を東京都の区の存する区域及びその周辺の地域とし、また、その資本金は、政府並びに関係地方公共団体からの出資金の合計額とし、政府は公団設立の際十億円を出資することといたしております。次に、公団の行う業務は、有料の路外駐車場の建設及び管理等をも行うことといたしておりますが、自動車専用道路の建設は、首都圏整備法第二十一条第三項の整備計画に基き、建設大臣が定める基本計画に従ってなされることといたしております。なお、経過措置として、公団設立に関する事務は、建設大臣が任命する設立委員に処理させることとし、現に日本道路公団が行なっている首都高速道路に関する事務については、これを新公団が承継することといたしております。  本法律案は、二月二日、本委員会に付託され、四月八日に至る間、参考人を招致して意見を聴取する等、慎重審議いたしたのでありますが、委員会における質疑のおもなる点について申し上げますと、第四条の政令で定める地方公共団体は特定のものであるから、憲法第九十五条の住民投票を要するのではないかという点、日本道路公団と分離して新公団に実施させねばならぬ理由、首都圏の整備計画との関連等でありましたが、詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて質疑を打ち切り、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して内村委員から、「交通政策の貧困が今日の事態を引き起したので、この責任はあげて政府にあり、本案についても、日本道路公団と分離して新公団を作る必要はない。計画がきわめて劣悪で、完成と同時に交通の飽和状態を起すおそれがある。管理委員会の構成に理事長を入れているのは、運営上疑問がある。新公団は政府及び都の職員の救済策である。二号線のごとく、民地を通る場合の補償基準が不明瞭である等の理由から反対する」旨の発言があり、また、緑風会を代表して村上委員から、「今日の交通難を緩和するには、本案のごとき自動車専用の高速道路以外に方法がなく、河川、道路の管理者との関係及び資金面等の関係よりして、本案のごとき公団に実施せしめるよりほかに方法がないので、本案に賛成であり、あわせて、実施に当っては、地元民の納得を得るよう努力し、事業は迅速に行い、特にこの種の道路の路面を清潔に保つよう希望する」旨の発言がありました。  討論を終了し、採決の結果、賛成多数をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決されました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。商工委員会理事上原正吉君。    〔上原正吉君登壇、拍手〕

上原正吉自由民主党

○上原正吉君 ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法律案は、最近、石炭産業が膨大な貯炭をかかえ、著しく需給の均衡を欠いている現状にかんがみ、不況対策の一環として、石炭鉱業整備事業団による非能率炭鉱の買い上げワクを増加し、非能率炭鉱の倒産に伴う各種の弊害を除去しようとするものであります。すなわち、事業団による買収ワクをさらに百万トン増加するのに必要な費用に充てるため、採掘権者及び租鉱権者の納付金の納付期間を一年間延長して昭和三十六年八月末までにしようとするのが、本法律案の内容でございます。  商工委員会におきましては、本案について参考人の意見を聴取する等、慎重に審査を行なって参りましたが、この際、質疑の詳細については会議録に譲ることを御了承いただきたいと存じます。  質疑を終り、阿具根委員より賛成討論の後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって衆議院送付の原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右御報告を終ります。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案(藤田藤太郎君外十二名発議)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保等君    〔久保等君登壇、拍手〕

久保等日本社会党

○久保等君 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本改正案は、公共企業体等労働関係法第四条第三項及び地方公営企業労働関係法第五条第三項を削除することを内容といたしております。  公労法第四条第三項及び地公労法第五条第三項は、三公社五現業及び地方公営企業に勤務する職員でなければ、それぞれの職員が組織する組合の役員またはその組合員になることができないことといたしております。しかし、このような制度は、労働者の団結権を保障している日本国憲法第二十八条及びILO条約第八十七号、すなわち結社の自由及び団結権の擁護に関する条約の精神に違反するものであり、かつまた、このような制限は、占領中の特殊事情の強い影響のもとに設けられたものでありまして、現在の三公社五現業及び地方公営企業における労使関係の実情から見ましても不必要なものでありますから、これを削除し、もって労働者の団結の自由を最大限に確保しようとするのが、本改正案の提案の理由であります。  本改正案に対しましては、質疑に入りましたところ、格別の発言もなく、直ちに討論に入りましたところ、光村委員より、「現在の岸内閣は、労働運動を全く理解せず、労働組合自体をもまっこうから否定するかのごとき態度をとっている。正しい労働運動にも警察権を介入させている。特に、三公社五現業の組合活動に対しては、この態度がはなはだしい。政府は公労法四条三項及び地公労法五条三項をたてにとって、正当な組合活動を圧迫している。この条文は占領中の特殊事情のもとに設けられたもので、現在の労使関係の実情から見て全く必要ないものであり、しかも、憲法及びILO条約八十七号の精神に違反するもので、この点に関してはILOの理事会からも異例の勧告を受けている。また、政府が設置した諮問機関である労働問題懇談会においても、この条文を削除して、ILO条約を批准すべきことを答申している。政府は正常な労働慣行を確立するために、今日までとってきた労働組合弾圧の労働行政を改め、労働者の権利を完全に保障すべきである。この意味において、公労法、地公労法、国家公務員法等の全面的改正が必要であるが、とりあえず現在国際的に大きな非難を受けている公労法四条三項、地公労法五条三項を削除し、国際的信用を回復し、日本産業の発展に尽すべきである」との賛成討論があり、続いて採決に入りましたところ、賛成者少数、よって多数をもって否決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。光村甚助君。    〔光村甚助君登壇、拍手〕

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案に、委員長報告に反対し、原案に賛成するものであります。  終戦以来十四年の歳月が過ぎ、かつての軍閥専制政治より解放され、日本における民主主義もようやく軌道に乗りつつありますが、この民主主義の発展に多大の貢献をしたのが民主的な労働組合の力によるものであることは、皆さんの異論のないところと思います。終戦に際し、マッカーサーは、日本の民主主義を発展さすためには、労働運動を解放し、労働者の基本的権利を保障することが先決であるとし、また、戦後の歴代内閣も、万全ではなかったが、日本の民主主義発展のために労働組合運動を理解し、その発展については曲りなりにも努力したことは、われわれもこれを認めているものであります。しかるに、現在の岸内閣は、労働運動を全く理解せず、労働組合自体をも否定するがごとき態度であり、この意味から見るならば、歴代内閣の中で最も反動的非民主的内閣といわざるを得ません。憲法第二十八条において保障された労働運動に対し、警察権力を介入させ、さらには、労働運動をあたかも罪悪であるかのごとく宣伝しているのであります。特に公共企業体の労働運動に対しては、郵便法、鉄業営業法等を適用し、刑事事件として取り上げ、弾圧しているのが実態であり、このことは世界各国いずれの国においてもその例を見ない権力悪用であります。労働運動に対する保護法として、憲法二十八条、労働組合法、公共企業体等労働関係法があり、政府の現在とっている態度は、明らかに法を無視し、憲法違反を犯していると断ぜざるを得ません。また、最近に至っては、全逓労組において解雇役員が組合一の代表者で占めているからとの理由により、公労法四条三項をたてに団体交渉権すら認めないという不遜きわまりない態度で組合を弾圧しており、その反動性は国際労働機構の席でも大きく批判されているところであります。  御承知のごとく、公労法並びに地公労法の制定当時は、戦後日なお浅く、十分な労働慣行の確立を見なかった日本の労働運動の主翼的役割をになった官公庁労働組合の急激な発展におそれをなしたGHQが、組合弾圧のため作ったのが、公労法四条三項、地公労法五条三項であります。日本国憲法のもとでは、国家公務員並びに公共企業体の職員といえども労働者であるという見解により、これらの法律は労働者の基本的権利を大幅に制限するものとして、数多くの疑点と問題があることを、日本の公労法学者の大多数が声明したことでも明らかであります。昭和二十七年四月二十八日、対日平和条約の発効と同時に、これらの法律は憲法の規定に違反するとして改正することが当然の理であった。しこうして、公労法、地公労法の中においても最も大きく問題になるのが、公労法四条三項、地公労法五条三項であります。   これらのいきさつについて、倉石労働大臣は、予算委員会または社会労働委員会において、占領軍の指示ではなく、当時の民主的労働組合幹部が、組合を共産勢力より守るために、四条三項のような規定を作ることを希望したと言っているが、事実はこれに反し、私が社会労働委員会でも指摘したごとく、日本政府がILO事務局に提出した文書の中にも、「一九四八年十二月、GHQの強力な指導のもとに制定された公労法の中に設けられた規定で、その後引き続き存続するに至ったものである。この規定は、共産主義者ないしは極左指導者がその中心的勢力を占め、組合運動がきわめて過激な傾向を示した当時の労働情勢にかんがみ、これらのものから組合を守るため設けられたものであり、このような過激な組合運動に反対した組合内部の民主的勢力も、この規定設置に反対しなかったのである」とし、また次に、「しこうして、労働運動の歴史が浅く、いまだ十分な経験を経ていない。わが国の現状は、右に述べた終戦後における極端な事態にない」と述べている。かように、戦後十四年を経過した日本の労働運動も、年とともに成長発展し、日本の産業復興に努力してきたのであります。制定当時の事情とは全く異なり、現在においては、倉石労働大臣もお認めの通り、何らその必要性を持たない規定となっております。政府は、口を開けば、終戦後十四年にして、国際的には東洋の工業生産国、先進国として相当重要な地位にあり、日本の生産水準は六大産業国家であると豪語しているが、一体、日本の復興は資本家だけでやったのか、お伺いしたい。敗戦の中から、労働者が低賃金に甘んじ、栄養失調に倒れながら、産業復興に多大の貢献をしたことを忘れてはなりません。政府はこれらの点を十分考え、憲法二十八条、二十一条の規定に照らし、さらにはILOの精神を尊重するならば、みずからの手で削除するのが当然の処置であるといわねばなりません。  公労法四条三項並びに地公労法五条三項は、当時の石田労働大臣がILO八十七号条約批准をするため、諮問機関として設置した労働問題懇談会の条約小委員会の中間報告にも、「公労法四条三項、地公労法五条三項の規定する職員以外の者の団体への加入禁止は、条約二条の労働者及び使用者の団体に対する無差別加入の原則並びに第三条の代表者の自由な選出についての規定と抵触するものと考える」と述べ、結社の自由並びに団結権に対する不当なる法律介入であることを認めているのであります。これらの規定は、日本の労働組合を企業別のワクに閉じ込め、その正常な発展を阻害するものとなっております。ILO八十七号条約も、このような不当なる団結権に対する介入を除外し、結社の自由の原則こそ労働条件を改善し、平和を確立する一手段であると宣言しているところであります。従って、ILO加盟国であるいずれの国においても、この原則を守らなければならないのでありますが、政府は一部資本家の利益擁護のために、日本の全労働者に対する低賃金政策を強行する必要があるとして、労働組合の正常な発展を極度におそれるあまり、団結の自由を踏みにじり、ついには公労法四条三項等をたてに、結社の自由をも破壊せんとしているものであります。すなわち、公共企業体の組合が、憲法で保障された労働運動を行なったことを理由に、その代表者を不当にも解雇し、あまつさえ、解雇された役員を擁している労働組合は、公労法上の法益を受けない組合として、団体交渉を拒否し、さらには組合員みずからが民主的に選んだ役員の選定にまで介入している事実は不当労働行為と言わざるを得ません。このように、国内的には憲法に違反し、国際的にはILO八十七号条約に違反するような法律をたてに、全逓が公労法四条三項を守らない限り、八十七号条約は批准しないと開き直っているのが、政府の反動的な態度と言わなければなりません。今まで日本政府のとり来たった労働組合弾圧に対し、ILOの結社の自由委員会においては、このことを重視し、会期を延長してこの問題を検討した結果が、日本政府に注意を喚起するとして第一次勧告がなされたことは、皆さんも十分御承知の通りであります。にもかかわらず、政府は労働問題懇談会で検討中であるという口実で批准を延期し、しかも、この労働問題懇談会に対しては、不当にも、暗に政治権力を介入させ、批准を延ばす工作を続けていた疑いがあります。このような状態のもとに、二月二十八日労働問題懇談会は、その結論として、一、ILO八十七号条約は批准すべきものである。二、公労法四条三項、地公労法五条三項は廃止しなければならない、と明確に結論を出すに至ったのであります。この答申があったにもかかわらず、批准の手続をとらず、さらに、これを延伸するため、答申の本旨でない関係諸法規の整備が必要であり、全逓の違法状態が解消しない限り批准しないという態度を明確にしたのであります。当初政府は、労働問題懇談会の結論が出れば、この結論に従うことを、国際的にも国内的にも明らかにしていたのでありますが、結論が政府に不利な形で出ると、すぐに前言を翻し、条件をつけて何とかのがれようとしているのが現在の政府の態度であります。  政府は、ILO条約を批准することは違法を合法化することではないと言っている。もちろんわれわれも違法を合法化せよとは言いません。全逓の解雇は昨年三月起った問題であり、ILO批准の問題は数年前から勧告されており、労働問題懇談会でも、全逓の問題と批准とは何ら関係はないと言っております。全逓は、目下この解雇そのものが違法であるといって裁判中でもあります。今ごろ政府が全逓の違法が解消しない限り批准しないと言っていることは、答申案の附則に足がかりをつけた居直り強盗のたぐいと断ぜざるを得ません。政府が国際的に発表した批准に対する態度が真実であるとするならば、すみやかに公労法四条三項、地公労法五条三項を削除して、批准に対する手続を政府みずからの手で完了することが民主国家の政府でなければならないと思うのであります。  さらにまた、政府の八十七号条約批准引き延ばしの態度が再び国際的な問題となり、ますますわが国の不信の声が高まりつつあることを政府は銘記すべきであります。去る三月十三日にジュネーブで開かれた第四十一回結社の自由委員会では、特に日本のこの問題のみを取り上げ、世界でその例を見ない第二次勧告が政府の態度を改めさせようとして出されているのであります。その内容を要約しますと、「現存する日本国内の諸問題は、八十七号の精神に基き早急に解決することを約束した批准手続処理をすみやかに行い、条約の全面的適用を行うこと」となっており、この勧告は、あくまでも本国会において行うことを希望して出されたものと聞いております。ここで言われている現存する諸問題を八十七号条約の精神により解決することとは、公労法四条三項は結社の自由を侵害するものであり、特に全逓の問題については政府がまず四条三項を廃止して解決をはかるべきことが正しいと解すべきものであります。かようにしてILOから強い要請があるにかかわらず、私がこの問題を取り上げて、過日の社会労働委員会で質問した際、倉石労働大臣は、「国内問題に対する不当なる介入である」と答えられたことが、今国際的に大きく非難されている最大の原因になっていることを、大臣は何と見られているのでしょうか。ILO加盟国の代表者は、提訴に対する問題解決に対してなされた勧告を、不当なる国内事情に対する介入として処理するがごときは、一国の労働大臣として、厳に戒しむべきことであると思います。さらには、六月に開かれるILO総会において、この問題は必ず大きく波紋を広げ、結果的にはますます日本の不信を買うことになろうことを申し上げておきます。こうして国際的に追い詰められた日本の労働行政を、国内干渉云々でごまかそうとすることは、労働問題の権威者をもって任ずる倉石労働大臣の労働行政も大したことはないことが暴露されました。このように、公労法四条三項は、国際的にも国内的にも結社の自由を侵していることは明らかであります。正常な労働慣行の確立とは、自由にして民主的な労働組合に介入することなく、労働者すべての権利を保障することが先決であります。これらの観点からして、私は、公労法、国家公務員法等の全面的改正は必要でありますが、とりあえず、現在国際的にも大きな非難の的となり、国内的には問題を起しつつある公労法四条三項、地公労法五条三項を削除することが、国際的信用を回復し、日本の産業発展になるゆえんであると思います。  以上をもって私の賛成討論を終ります。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 少数と認めます。よって本案は否決せられました。      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、国民年金法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保等君。    〔久保等君登壇、拍手〕

久保等日本社会党

○久保等君 ただいま議題となりました国民年金法案につきまして、社会労働委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。  国民年金の制度は、老齢、廃疾または扶養者の死亡等によって国民生活の安定がそこなわれることを、国民の共同連帯によって防止せんとするものでありまして、わが国には、すでに厚生年金、恩給、各種共済組合等による公的年金制度がありますが、これらはいずれも一定の条件を備えた被雇用者を対象とするものでありまして、国民の大半を占める農民、中小商工業者や零細企業の従業者などは、これら年金制度の適用を受けていないのであります。最近わが国民の死亡率は激減し、老齢者の人口は、絶対数においても、国民全体に対する比率においても、著しく増加の傾向にありますが、社会情勢の推移に伴い、老齢者の生活環境は戦前よりもきびしさを加え、身体障害者や母子世帯においても同様の状態にありますので、ここに国民年金の制度を設けて、年金による所得保障の制度を全国民に及ぼし、国民生活安定の道を開くべく、本法律案を提出せられたのであります。  次に、本法律案の概要を御説明申し上げます。本法律案におきましては、拠出制の年金を基本とし、無拠出制の年金を経過的及び補完的に支給する建前をとっています。  まず、拠出制の年金について申し上げます。  第一に、その適用対象は、日本国内に住所を有する二十才以上六十才未満の全国民を被保険者としますが、現行の公的年金制度の適用者及び受給者を適用除外とし、また、その配偶者及び学生については任意加入を認めています。これらの適用除外者、任意加入者に対する国民年金制度の将来にわたっての適用関係については、国民年金制度と、その他の公的年金制度との関連等について引き続き検討の上、別に法律をもって処理せらるべく規定せられているのであります。また、拠出制年金の発足します際、すなわち昭和三十六年四月一日において五十五才をこえている者を適用除外とし、五十才から五十五才までの者については任意加入を認めているのであります。  第二に、保険料は、二十才から三十四才までは月額百円、三十五才から五十九才までは百五十円でありますが、生活保護を受けている者とか保険料負担能力の乏しい者については保険料免除の道を開くなど、低所得階層に対する措置が考慮せられています。  第三に、年金給付の種類は、老齢、障害、母子、遺児及び寡婦の五種類であります。  老齢年金は、二十五年以上保険料を納付した者が六十五才に達したときより支給するものでありますが、保険料の負担能力の乏しい者につきましては、右期間のうち十年間保険料を納付すれば、これを支給することになっています。また、拠出制年金発足の際、一定年令をこえている者につきましては、保険料納付期間を十年ないし二十四年に短縮することとなっております。年金の額は保険料納付の期間に応じて定められ、二十五年間納付の場合は年額二万四千円、四十年間納付の場合は四万二千円であります。  障害年金は、一定期間保険料を納付した者が、日常生活に著しい支障を来たす程度、すなわち、片手とか片足を失うような障害を受けたときに支給せられるのでありまして、その額は保険料の納付期間に応じて定められ、年額二万四千円から四万二千円までであります。さらに、重度の障害、すなわち両手とか両足を失うような障害を受けた場合には、これに年額六千円を加算することになっています。  母子年金は、妻が一定期間保険料を納付した後、夫に死別し、十八才未満の子または二十才未満の廃疾の子を扶養している場合に支給するものでありまして、年金額は、保険料の納付期間に応じて、一万九千二百円から二万五千二百円までであります。なお、子が二人以上あるときは、第二子以降の子一人につき四千八百円が加算されることになるのであります。  遺児年金は、両親に死に別れた十八才未満の子に支給するものでありまして、年金額は、保険料納付期間に応じて、七千二百円から一万五百円とし、子が二人以上あるときは、第二子以降の子一人につき四千八百円が加算されることになります。  寡婦年金は、婚姻後十年以上経過した妻が、老齢年金を受けるに必要な期間保険料を納付した夫に死別した場合に、六十才から六十五才まで支給するものでありまして、年金額は夫が受けるべきであった老齢年金額の半額であります。  次に、無拠出制年金について申し上げます。  無拠出制年金を本法律案において援護年金といっておりますが、前にも申申し述べました通り、年金給付の経過的または補完的特例として、拠出制年金を受け得ない者に対し、老齢、障害、母子の三種類の援護年金を設けられているのであります。  老齢援護年金は、制度発足のとき、すでに五十五才以上である者、五十才以上五十五才未満で、任意加入の道を選ばなかった者、または将来にわたって保険料の負担能力が乏しいため、拠出制の老齢年金を受けるに必要な保険料を納付を行い得なかった者に対し、七十才から一万二千円を支給いたします。  障害援護年金は、制度の発足のとき二十才以上の者であって、すでに両手とか両足を失った程度の廃疾の状態にある者、または保険料の負担能力が乏しいか、または二十才未満でこれと同程度の廃疾になることにより、拠出制の障害年金を受けるに必要な保険料の納付を行い得なかった者に対して、一万八千円を支給いたします。  また母子援護年金は、制度発足時すでに夫と死別して十六才未満の子を扶養している者、または保険料の負担能力が乏しいため、拠出制の母子年金を受けるに必要な保険料の納付を行い得ずして夫と死別し、十六才未満の子を扶養している者で、いずれも二十五才以上の子のない場合に一万二千円を支給いたします。なお子が二人以上あるときは、第二子以降の子一人につき二千四百円を加算いたすことになっております。  これらの援護年金はすべて国の財源から支出するものでありまして、すでに現行公的年金制度による年金を受けている者や、一定額以上の所得のある者など、比較的恵まれた状態にある人たちに対しては、支給を制限いたすことになっております。  次に、年金財政の運営方式としては積立方式をとり、拠出制年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情における著しい変動に応じて調整せらるべく、保険料の額も、将来にわたって年金財政の均衡を保つため、少くとも五年ごとに所要の調整を加えるべく規定せられているのであります。  また国庫は毎年度の保険料収入総額の二分の一相当額を負担し、援護年金の給付に要する費用並びに国民年金事業の事務費の全額を負担すべく規定せられているのであります。  最後に、本法律案の施行期日は昭和三十四年十一月一日でありまして、援護年金すなわち無拠出制年金の支給は同日より開始せられますが、拠出制年金に関して、被保険者の資格の届出に関する規定は昭和三十五年十月一日から、保険料の徴収に関する規定は昭和三十六年四月一日から施行せられるのであります。  以上が本法律案の概要であります。  当委員会におきましては、二月十三日予備審査のため本法律案を付託せられましたので、まず坂田厚生大臣から提案理由の説明を聞き、さらに政府委員の細部説明を求め、質疑については、本法律案と同日に予備審査のため当委員会に付託せられました衆議院議員八木一男君外十四名提出にかかる衆第十七号国民年金法案及び衆第二十六号国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等との調整に関する法律案を一括して、各法律案を比較検討しつつ予備審査を行なったのであります。  次いで本法律案は衆議院より当院に送付せられ、三月二十四日当委員会に付託せられましたので、その後四回にわたり委員会を開き、内閣総理大臣、大蔵、厚生、労働、郵政各大臣並びに政府委員との間に、きわめて熱心な質疑応答がなされたのであります。  またその間において、参考人として衆議院議員八木一男君の意見を聞き、四月四日には名古屋市に柴田、木下、竹中の各委員、同日仙台市に谷口、坂本の各委員が派遣せられ、それぞれ両市において地方聴聞会を開催し、各六名の方々から広く各界の意見を聴取したのであります。  次いで四日六日には当委員会において公聴会を開催し、学識者、関係方面代表者等七名の公述人から、本法律案に対する意見の陳述を求めたのであります。  公聴会及び地方聴聞会における公述人の方々は、いずれも本法律案に対し深き関心を示され、それぞれの立場からきわめて貴重なる意見を陳述せられましたので、当委員会における本法律案の審議に当り有意義なる参考となったのであります。  当委員会における質疑応答のおもなるものを申し上げますと、  国民年金の適用対象の相当部分にとって、毎月一人百円ないし百五十円の保険料は過重な負担ではないか。またこのような過重な負担を十数年、最長四十年も続けた結果、支給せられる年金は月額千円ないし三千五百円の少額であって、これでは所得保障ともいえないではないか。生活保護と大差ないではないか、との質問に対しましては、保険料の額については、各般の資料によって調査の結果、この程度の負担は無理ではないと認めた。年金額については、財政上の都合等もあってこの程度に定めざるを得なかった、との答弁がありました。  国民年金の財政を積み立て方式によることは、わが国のように物価変動の激しい国においては不適当ではないか、無拠出制を原則として、賦課方式によるか、少くともこれを併用して、年金の支給額を増加すべきではないかとの質問に対しましては、わが国の物価の趨勢は、戦時のような特殊な場合を除いては、他の各国に比べて特に変動が著しいとは認められない。老齢人口の激増しつつあるわが国において無拠出制の国民年金を実施するときは、将来の国家財政に重大な負担を課することとなって適当でない、との答弁がありました。  将来、貨幣価値が著しく変動した場合において、年金額や保険料をどのように調整するのかとの質問に対しては、貨幣価値が著しく変動した場合において、これをすべて被保険者の負担において調整すべきでなく、強制適用の建前からいっても、国の責任において調整処理すべきものと考える。もっとも、その後において被保険者の負担可能の限度において保険料の調整引き上げ等を行う場合はあり得る、との答弁がありました。  拠出制年金についてはその年金額を調整する規定があるが、無拠出制年金については、将来物価に著しい変動のあった場合、同様の調整を行わないのかとの質問に対しては、無拠出制年金は、その金額が国費により支弁せられるもので、その時の必要により、国の財政状況に基いて調整が行われることは当然である。これは恩給、生活保護、児童福祉等における場合と同様の取扱いである、との答弁がありました。  生活保護法による被保護者に対して援護年金が支給せられた場合について、本法律案に明確な規定がないために、せっかく支給せられた援護年金も収入認定の対象となり、被保護者にとっては何ら実益がないことになるのではないかとの質問に対しましては、別に規定を改正して、援護年金支給の効果をあげるよう措置する旨の答弁がありました。  その他の委員会における質疑の詳細並びに公聴会及び地方聴聞会の状況等につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて本日質疑を終了しましたところ、本法律案について、自由民主党の勝俣稔委員より修正案が提出せられ、その趣旨の説明がありました。  修正案の要旨は、無拠出制年金の名称について、「援護年金」を「福祉年金」に改め、これに伴い「老齢援護年金」を「老齢福祉年金」に、「障害援護年金」を「障害福祉年金」に、「母子援護年金」を「母子福祉年金」に、それぞれ改めるものであります。  次いで、以上の修正案及び修正部分を除く衆議院送付案を一括して討論に入りましたところ、社会党を代表して坂本委員より、政府原案並びに修正案に対して反対の意見が述べられました。その要旨は、第一に、原案は完全積み立て方式をとっているが、これは形式主義にとらわれたもので、社会保障の精神に沿うものでない。四十年後における三千五百円の年金額は無価値にひとしい。第二に、積立金は巨額に達する見込みであるが、その管理運用については、とかく大企業に向けられるおそれがあり、国民の福祉のため還元運用せられるよう監視する必要がある。第三に、四十年の拠出期間は長きに過ぎて、国民大衆は国民年金に魅力を覚えない。第四に、将来の物価変動に際し、国の責任においていかなる調整を行うか、明確に規定されていないまた、主婦を任意加入にして、強制適用の対象から除外しているのは、妻の独立的地位を無視しているものである。  次いで、田村委員より緑風会を代表して、原案並びに修正案について賛成の意見が述べられました。その要旨を申し上掛ますと、国民年金法案の内容は必ずしも満足なものとはいえないが、社会保障の制度は漸次充実せらるべきものであり、その内容に遺憾な点があっても、この際、国民年金法が制定せられるに至ったことは、社会保障制度の画期的前進と認められる。拠出制の年金は昭和三十六年から発足するものであるが、それまでに、貨幣価値変動の際における具体的調整方法、積立金の管理運用の適正化の方法等について、さらに検討を加えて善処せられたい。また、本法律案に対し、衆議院の委員会において附帯決議が付せられておりますが、その趣旨を十分に尊重せられたい、というのであります。  かくて討論を終り、国民年金法案について、その修正案並びに修正部分を除く衆議院送付案について順次採決に入りましたところ、本法律案は多数をもって修正議決すべきものと決定した次第であります。  なお、その際、日本社会党藤田藤太郎委員より、本法律案に対し附帯決議を付することの動議が提出せられ、その趣旨について説明がありました。その附帯決議案を朗読いたします。    附帯決議案   政府は、国民年金法案発足後、その改善拡充に努力すべきであって、特に左記事項について早急に適切なる措置が講ぜられるべきである。  一、国民年金制度、各種公的年金制度の相互間の通算調整の措置は、昭和三十六年度までに完了すること。   その際、途中脱退者が不利にならないよう配慮すること。  二、生活保護法の適用において、老齢加算制度の創設、母子加算及び身体障害者加算の増額等の措置を講じ、生活保護法の被保護者にも福祉年金の目的が達せられるよう措置すること。  三、積立金の運用については、被保険者の利益の為に運用する方途を講じ、被保険者にその利益が還元されるよう配慮すること。  四、福祉年金の支給に当っては、各種の制限措置、老齢福祉年金の年令制限、各種所得制限を緩和すること。  五、障害年金及び障害福祉年金は、内科的疾患に基く障害者並びに精神障害者にも適用すること。  六、母子並びに障害福祉年金の支給範囲に付ては更に検討を加え、これを拡大することに努力すること。  右の附帯決議案について採決いたしました結果、全会一致をもって可決した次第であります。  以上御報告申し上げます。

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。木下友敬君。    〔木下友敬君登壇、拍手〕

木下友敬日本社会党

○木下友敬君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました政府提案の国民年金法案に対し、反対の意見を表明するものであります。  御承知の通り、わが日本社会党は、早くから国民年金制度の必要を認め、昭和三十一年には慰老年金法案並びに母子年金法案を国会に提出し、さらに総合的で高度な年金制度としての国民年金法案を第二十八、二十九、三十国会に提出いたし、その後さらに検討を重ねました結果、あらためて本国会に、「国民年金法案」及び「国民年金法の施行及び国民年金と他の年金等との調整に関する法律案」を提出いたしたのでありますが、このわが党提出の法案は、多数を頼む自由民主党の諸君の無理解によって、衆議院段階において否決されたのであります。国民のためにまことに痛恨にたえません。自由民主党が国民年金制度に関心を持ち始めましたのは最近のことです。すなわち、昨年の春の衆議院総選挙に当って、突如として、社会保障制度の一環として国民年金制度を作りますと、新しい選挙用スローガンを掲げて、素朴な大衆の票をかき集めたのでありますが、はっきり申しますと、自民党内に国民年金対策特別委員会のできたのは、総選挙も済んだあとの三十三年六月のことであり、さらに、曲りなりにも国民年金制度要綱なるものが初めて顔を出しましたのは、実に、昨年の十二月でありました。それから、政府がその要綱を基礎にして法案作成に取りかかり、いよいよ国会に提出されたのは二月の十三日です。かけ足もかけ足、一足飛び法案というべきであります。大内兵衛氏を会長とする社会保障制度審議会が第一回の勧告をした昭和二十五年十月からは八年以上を経過し、第二回目の勧告がなされた二十八年十二月からでも実に五年以上を空費しているのであります。この点に関する政府の責任はまことに重大といわねばなりません。  そこで私は、政府案と社会党案とを比較分析しながら、政府案がいかにずさんなものであるかを証明いたしたいと存じます。  まず第一に、立法の精神において両案の間に根本的な相違のあることを知ることができます。今試みに拠出制老齢年金について見れば、政府案では、貧富の区別なく、強制的に一律の掛金を取り立ててこれを積み立てておくのでありますから、純然たる強制貯蓄であり、もっと正確に言えば、国民大衆からの仮借なき収奪とさえ言えるのであります。しかし、このように強制執行までして取り立てようとしても、納めることのできない貧しい人たちがたくさんおります。これらの人たちについては、政府案といえどもある程度の減免制度を設けてはおりますものの、たとえば納入継続十年以下の者には掛金だけを払い戻し、三年以下の者には掛金さえも払い戻すことなく、全額没収するという、無慈悲きわまる仕組みであります。よく考えてごらんなさい。百円、百五十円の掛金が滞りがちの人というのは、社会の谷間にあえいでいる貧困階層の人たちであり、こういう人々にこそ、こういう階層にこそ、年金の必要があり、また制度のありがたみもあるのです。しかるに年金を出すどころか、掛けた掛金さえも掛け捨てにさせ、それをかき集めて、何不自由ない富裕階級にそっくり進呈する法の立て方—これは全く商業的保険制度を一歩も出ない、持てる者への奉仕の制度であって、真の社会保障制度とはほど遠いものであります。  これに対し社会党案では、賦課方式をとり入れた積立方式を採用しており、年金税の構成は均等割、所得割、資産割の三つからなっております。従って、税額は一応平均百六十円となっていますけれども、収入、資産の少い者では九十円そこそこになりますから、政府案よりはるかに軽い負担で済むのであります。また、年金税減免措置はきわめて寛大で、極端な場合には、一回も掛け得なかった人にでも同額の年金が給付されるという、貧しい者に対する愛情ある配慮がなされておるのであります。すなわち、立法の精神において、真に社会保障制度としての性格を備えているかどうかという点で、これだけの違いのあることを明らかにいたしておきます。  第二に、拠出制老齢年金における給付金額と給付開始年令について申し述べます。政府案では、開始六十五才で月最高三千五百円であり、社会党案では、開始六十才で七千円でありますから、ちょうど政府案の倍額で、しかも五年早いのであります。私はこの機会に、政府案にせよ社会党案にせよ、老齢年金の支給開始が発足後四十五年先であることについて考えてみたいと存じます。すなわち、今日から一生懸命掛け続けて、四十五年後月三千五百円をもらったとして、四十五年後の三千五百円が、この法律の第一条にうたってある「日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き、老齢、廃疾又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」という大方針にふさわしい金額であるかどうか。まことに過去二十年、三十年、四十年にわたる経済変動を振り返ってみれば、あまりにも明瞭にこの間の消息を察知することができましょう。社会党は、倍額の月額七千円でありますが、これとても決して十分であるとば言えませんが、社会党が念願する世界平和が達成され、予期の経済安定が実現したとすれば、一応妥当な金額であります。  第三点でありますが、完全積み立て方式をとりました場合、早晩運営に行き詰まりをきたすであろうことは、先進諸国の例で明らかであります。従って、政府がしいて積み立て方式をとるならば、インフレ等に対してどのようにして切り抜けていくかという点について、明確なる措置を講じておかなければならないはずであります。社会党案ではこの点は、はっきりいたしております。政府案におきましても、その四条において、「著しい変動が生じた場合には、調整が加えられるべきものとする。」とあり、また第二項には、「五年ごとに、所要の調整が加えられるべきものとする。」とあり、すなわち、一項においても二項においても、「調整が加えられるべきものとする。」という、きわめて微温的な表現がとられております。なぜ経済変動に対応してスライドするとか調整するというような、はっきりした表現を故意に避けているのか。私どもは、戦前、政府が鳴りもの入りで宣伝した郵便年金が、経済変動によってひとたまりもなく破滅し、国民に莫大な損害を与えた歴然たる事実を経験してきておりますゆえに、特にこの点を重視し、委員会においても政府の再考と善処を促したのであります。国民の中には、本年末から給付される予定の無拠出の援護年金のことばかりを考え、ぜひこの法案の早期成立を望むとの声のあることは事実でありますが、それは、ただでもらえるのであるから、たとえ五百円であろうと千円であろうと、とにかく早くもらいたいという、貧しさのゆえのきわめて素朴な願望であります。もし国民大衆が、拠出年金について、私が今述べましたような、四十五年後の経済状況、その間における貨幣価値の変化等に対処する政府の責任ある方策が、法文上に明記されていないことを知って参りますならば、百人が百人、もうまっぴらだと、口をそろえて反対の意思を表明するでありましょう。  さらに老齢年金で大きな欠点の一つは、労働者の配偶者を除外し、任意加入としたことであり、果してその意図が那辺にあるかを知るよしがございません。いまだ民主化の徹底していないわが国の一般家庭では、妻の地位はきわめて低く、貧しい家計の中から妻が進んで年金に加入するところまでは行っていないのであります。しかし、これに加入していないと、万一の場合の障害年金、母子年金あるいは寡婦年金等を受けることができないことを考えますと、労働者の配偶者をこそ強制的に包含しておかねばならないと考えるのでありますが、本法案において故意に労働者の配偶者を除外している点、まさに精神分裂的立法といわねばなりません。  次に、障害並びに遺族年金についてみますれば、社会党案では、いついかなる人に障害、死亡等不測の事故が起っても、直ちに年金の給付が開始されるのに反し、本案におきましては、それぞれ一定期間保険金を掛けた者でなければ給付の対象とならないのであります。障害とか死亡のごときは、多くの場合突如として起ることが多く、しかも一たん発生すれば、以後の生活には根本的に重大な変化をきたすものであり、それゆえにこそ年金制度制定の要があり、意義があるのでありますのに、この点に関し政府がきわめて冷酷な商業的態度で臨んでいるのはまことに遺憾であります。さらに、障害年金において私どもの最も理解に苦しむところは、給付の範囲を外部疾患に限定して、内部疾患あるいは精神障害を全部除外している点であります。内部疾患や精神障害のゆえに一家の生活に大きな支障をきたしている事実と、外部疾患の場合との間には、その度合いにおいて何ら選ぶところはございません。しかるに、いかなる根拠によって内部疾患、精神障害を除外したか、全くでたらめな御都合主義といわなければなりません。  第四番目に、国民年金法制定に際し最も重要な点は、現存する公的年金と国民年金との調整の問題であります。すなわち、公的年金はそのままに継続し、これと並行して国民年金を置くか、あるいは、既存のものはこの際できるだけ整理統合するか、さらに、その場合、各年金との調整をどのようにするかは、きわめて重要な問題であり、社会保障制度審議会においても最も慎重に論ぜられたところであります。私どもの案では、既得権、期待権の尊重に十分の配慮を払うとともに、完全なる持ち分移管方式を採用して、中途で制度が変る場合や、中途で職を変える人たちの利益を完全に保護する措置を講じております。しかるに政府が、各年金制度間の調整の困難性の前にぼう然自失し、手をこまねいて何らなすところを知らず、いたずらに問題の解決を回避している態度は、単に無能であるばかりでなく、無責任のそしりをもあわせて受けなければならないと言わなければなりません。  第五に、無拠出年金について述べます。今日すでにある年令に達しておるために拠出年金の適用を受けられない年令層の人や、現在すでに身体に障害のある人あるいは現在すでに母子家庭に該当しているもの、これらの人たちに対する特別の措置として設けられたのが政府のいわゆる援護年金であります。この援護という言葉の中には、確かに恩恵的、慈善事業的ニュアンスがあふれております。われわれのところに届くたくさんの嘆願書にも、また、各地における公聴会での公述人の声にも、援護という言葉や不具廃疾というような言葉は、ぜひ訂正してもらいたい。日夜悩んでいる心の傷口に触れないでくれという切々たる願いは、強く私どもの心を打ちました。目を見ればその人の性格が読みとれると申しますが、この名称を見ただけで、政府与党の救貧恩恵の思想がはっきりと浮きぼりにされておりまして、いわゆる所得保障や防貧政策を織り込んだ社会保障の性格は、露ほどもうかがわれないのでありますが、政府与党においても、この世論の前には抵抗できず、援護を福祉と修正することに決意され、委員会において可決されたのであります。この穴だらけの法案で、与党が修正を申し出たのは、ただこの一点だけであることも、その不誠意を物語って余りあると言わなければなりません。  さらに、福祉年金における給付内容に至っては、全く申しわけ的にすぎません。老齢福祉年金は、月千円、七十才開始、社会党案では、月千円で六十才開始、さらに、六十五才からは倍額の二千円であります。また、母子福祉年金においては、政府案では月千円、社会党案では三千円、第二子からは、政府案では加算月額二百円、社会党案では六百円となっております。また、社会党案では、おばあさんが孫を育てる場合、お姉さんが妹を育てる場合等にも適用できるようになっておりますが、政府案では、このような点が全く無視されております。政府案の福祉年金を通じて最も大きな欠陥は、給付条件として、きびしい所得制限を設けていることであります。社会党案にも、もちろん所得制限はあるにはありますが、その線の引きどころが、低所得者に対する所得保障という立場に立っております。このきびしい所得制限にかてて加えて、母子福祉年金の場合は、子供は十六才以下であることとか、二十五才以上の子供がいてはいけない、こういう二重三重の制限があります。これらの点をつぶさに調べて参りますと、一体この法案は、老人や母子家庭を助けるために作られたものではなくて、いかにして老人や母子家庭を年金の対象からはずすかという点に最大の努力が払われているという矛盾が、法案そのもりの中に含まれていることを知るのであります。しかし、政府案が最もその冷酷性を露呈しているのは、その身体障害者福祉年金において、給付の対象が一級障害だけに限定されている点であります。諸君はすでに、二級、三級の障害がどれくらい気の毒なものであるか、よく御承知と思いますが、今、試みに、二級の障害で、誰にもわかりやすい、一、二級の例を申し上げますと、平衡機能に著しい障害があって、ふらふらして立ってはおられない、あるいはまっすぐに歩くことのできないというような者、両手の指が全部ない者、両足の指が全部ない者、一方の足を足関節の上で切断している者等でございます。このようなひどい障害者は、労働力を持たないどころか、日常生活にさえ極度の不自由を余儀なくされている、ほんとうに気の毒な人たちです。この人たちを年金の対象から除外するのであれば、一体、年金の意義がどこにあるのかと詰問したくなるのです。社会党案では、一級から三級までを年金給付の対象とし、それぞれ月額四千円、三千円、二千円としておりますが、政府案では、わずかに一級者が千五百円だけで、二級以下は全然相手にされておりません。まことに冷酷非道です。このような岸政府のものの考え方は、人道上からいっても断じて許すべきではないと思うのであります。(拍手)  第六に、年金と生活保護との関係について述べます。生活保護法自体に矛盾があり、その生活費算定の基準が無法に低く、お金持階級の飼い犬の費用にも及ばぬものであることは、しばしば指摘されたところであります。政府案を表から見ますると、確かに被保護者にも年金が給付されることになっておりますが、裏の方からのぞきますと、その年金が収入として認定されますから、政府は最も生活力の乏しい被保護者をば年金制度から除外したことになるのでありまして、このようにして、一とたび被保護者となったが最後、一生涯この階層から足が洗えないことになってしまうのであります。ちょうど、一たび泥沼に入ったら絶対に浮かび上ることのできなかった売春婦に似通った姿を、岸政府は貧困階層にもしいておるのであります。政治の、貧困でなく、政治の悪と言わなければなりません。一委員会での追及に対し、総理並びに厚生大臣は、老齢加算等の方法で援護年金に見合う措置をとる旨の答弁をされたのでありますが、岸首相にしばしばだまされた経験を持つわれわれは、これをすなおに信用することはなかなかできないのであります。  最後に、私は年金運営上最も重要な点について言及いたします。いよいよ拠出制年金が発足いたしますと、国民大衆から莫大な金が城府の手元に集まって参ります。推計によりますと、その積立金の額は、昭和四十年には二千三百三十一億、昭和五十五年には実に一兆三千五百七十億余に上るのであります。従来この種の金は資金運用部よって運用されてきておりますし、この年金の場合も、積立金の相当部分が資金運用部にまかされることになると思われますが、私は従来の資金運用部の投融資のやり方に大きな不満を持つものであります。資金運用部資金が郵便貯金、簡易保険、郵便年金、厚生年金等であって、そのほとんど全部が大衆の零細なふところから出たものでありますのにかかわらず、投融資の状況を見ますと、その大きな部分が独占資本家や大企業に融資され、いまだかつて国民大衆の福利増進のために使われたことを聞きません。さらに、私の最も奇怪千万に存じますのは、委員会での質問に対する政府の答弁中、積立金の一部を経済変動に対し抵抗力の強い株式購入に充てるつもりであるとの発言があったことであります。これはまことに容易ならぬ妄想であります。もし、このような莫大な資金をもって、しかも、かかる公けの金をもって株式に手を染めるようなことがかりにあったとしたら、その証券界に、あるいは財界に、さらに一般大衆投資家に及ぼす影響は、はかり知るべからざるものがあります。まことに狂気のさたと言うべきであります。このような政府にこのような莫大な資金をまかせたら、一体何をやり出すかわかったものではないという、大きな不安と不信とを抱かざるを得ません。言うまでもなく、大衆のふところから出された金は、大衆の幸福のために使われなくてはなりません、一部富裕階級の利益のために融資されるごときは、本末転倒もはなはだしく、断じて許すべきではないのであります。以上、私は衆議院において否決されたわが党案と比較しながら、政府案のいかにずさんであり、いかに無責任であり、いかに非良心的であるかを指摘いたしたのであります。正しいもの、すぐれたものが認められずして、誤まれるもの、怪しげなものがはびこるこどは、国民大衆のためにまことに嘆かわしい次第であります。(拍手)もちろん本案といえども、かつて自民党が強行した教育二法案、あるいはスト規制法、さらに数日前、理不尽にも中間報告をもって押し切った最低賃金法のごとき天下の悪法に比べれば、多少でも社会保障の一大支柱である国民年金に一歩を染めた点で、恕すべき点なきにしもあらずと思いますが、たとえ衆議院において否決されたとはいえ、わが党の国民年金法案は厳として国民大衆のために余光を放っております。どうか良識ある参議院の同僚諸君が、党派を越えて、真に国民の負託にこたえる意味において、わが社会党案に他日を期し、満場一致、政府提案の国民年金法案を否決されんことを切望して、反対の討論を終ります。(拍手) 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松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 有馬英二君。    〔有馬英二君登壇、拍手〕

有馬英二自由民主党

○有馬英二君 私は、自由民主党を代表いたしまして、政府提出の国民年金法案に対して賛成の意見を表明しようとするものであります。(拍手)  社会保障の充実は、憲法第二十五条を引くまでもなく、国の最も重大な責務の一つであります。幸いにして、わが国におきましても、戦後着々として社会保障制度の拡充発展を見て参ったのでありますが、これは主として公衆衛生制度、生活保護制度及び医療保険制度を内容とする施策の充実であったのでありまして、これにより、今や国民皆保険計画が着々と進行しているのであります。一方、老齢、身体障害者、母子世帯等の所得保障を内容とする年金制度の部門におきましては、医療保障とともに社会保障制度の二大部門であり、    〔議長退席、副議長着席〕  いわば車の両輪のごとくあるべきものであるのでありますが、現在に至るまで、ほとんどその進展を見るに至らず、わずかに国民の一部を対象とする厚生年金保険、恩給等の制度があるのみにすぎないのでありまして、国民の大半を占める農民、商工業者、零細企業の被用者などは、いまだに年金制度から取り残されたままになっている状態であります。このような現状からいたしまして、広く国民の間において国民年金制度を創設すべしとの要望が近年とみに高まって参りましたことは、しごく当然のことであります。わが自由民主党におきましても、このような国民の要望にこたえて、かねてから、これをわが党の重要公約の一つとして掲げ、一日も早く国民年金制度を実現すべく努力して参ったのでありますが、特に昨年六月には、わが党内に国民年金実施対策特別委員会を設け、鋭意、制度の要綱につき検討を進めて参り、同十二月にはその成案を得て世に問うに至ったのであります。今回、政府が提出いたしました国民年金法案は、わが党の国民年金制度要綱を基礎といたしまして、これを細部にわたり技術的な検討を加えた結果の所産でありまして、国民年金制度実現を強く要望する世論によくこたえ得るものであるとともに、わが自由民主党の公約もこれによって着実に履行されることになると確信をいたす次第であります。  およそ、この種の制度を新規に創設する場合におきましては、幾つかの難問題を解決しなければならないのでありまするが、特に、あまりにも理想論に走り過ぎることなく、国民の経済力等から考えまして実現可能なものであるとともに、社会保障としての意欲に欠けたものであってはならない。すなわち、現実的であるとともに、理想を持った案であるといったような、ぜひともこの二つのものが必要であるということは言うを待たないのであります。従来、国民年金制度に関しまして幾つかの案が発表されているのでありますが、往々にしてどちらかに片寄り過ぎているというきらいのものが多かったのであります。しかるに、今回政府により提出されました国民年金法案は、この問題をみごとに解決しているものであると断言して何ら過言ではないと確信をするものであります。  この案の原則的な建前といたしましては、御承知のように、拠出制年金を基本といたしているのであります。これを無拠出制のみで行おうとする場合には、自己責任の原則を基調とする現代社会の基本理念から見て好ましくないのは言うまでもないことでありまするが、わが国のように急速に人口老齢化の過程をたどっております国柄におきましては、将来における国の財政負担が膨大になり、それだけ将来の国民に対して過度の負担を負わせる結果となるわけであります。すなわち、六十五才以上の人口一人を生産年令人口十一人で扶養すれば足りる現在はともかく、六十五才以上の人口一人を三・三人の生産年令人口で扶養しなければならなくなる将来を考えてみますと、無拠出制のみで実施することは現実性のないものと考えられるのであります。一方、拠出制を基本とした場合、負担能力の乏しいことにより所定の期間保険料を納付できなかった者はどうなるのか、あるいはまた、制度発足のときにすでに一定年令以上のため、所定の保険料拠出を行い得ない者はどうするか、ということが疑問になるわけであります。政府の国民年金案が世に問われたとき、従来の社会保険理論のみに立ってこの案をながめた人々は、政府案は、保険料の負担の能力のないような低所得階層を冷遇する案であるかのごとくに誤解し、社会保障の意欲に欠けるものであると攻撃したのであります。しかしながら、本案におきましては、かかる低所得階層に対しましては保険料の拠出を免除いたします一方、年金支給に際しましては保険料拠出期間を短縮する等、特別措置を講じております。それでもなおかつ保険料を拠出できない人たちに対しましては、あるいはすでに一定年令以上になっておる者に対しましては、無拠出制による年金を支給すること等によって、低所得階層に対する優遇措置を講じているのであります。同時にまた、身体障害者、母子世帯等にも福祉年金制を実施しようとしておるものであります。  次に、社会保障の意欲の端的に現われているといえますのは、国庫負担の割合であります。これは毎年度の保険料収入総額の二分の一に相当する額を国庫が負担することになっているのでありますが、このような高率の国庫負担割合は、社会保障制度審議会が答申しているものをさらに上回るものでありまして、また、従来の社会保険、特に年金制度には見られないほど高率のものでありまして、いわば拠出制年金の建前をくずさない範囲でとり得る国の保障措置として最高限のものであると考えられるのであります。一方、本制度で考えられているところの年金の額でありますが、これは拠出制年金月額三千五百円程度、福祉年金月額千円ないし千五百円程度でありまして、これで十分であるとは必ずしも言い得ないものであります。しかしながら、社会保障制度審議会の答申の線は確保されているのでありますし、この際いたずらに給付内容の高きを望み過ぎるのは、かえって現在のわが国の社会経済事情からして現実性が薄らぐことになるものと言わざるを得ないのであります。従いまして、この際は確実な財源見通しの上に立って、実現性の濃い適正規模の制度を来年度から堅実に実施し、しかる後に、わが国の経済成長に応じまして給付内容の向上等をはかって参ることが、この制度を将来にわたって健全に育成していくための適正な方途であると確信する次第であります。本法案におきましても、かかる意欲は十分に現われているのでありまして、その意味におきまして、私は本案における年金額を諒とするものであります。  以上のように、私は本法案に賛意を表するものでありまするが、なお、他の公的年金制度と国民年金制度との間の通算調整の問題、さらに積立金の運用問題等、きわめて重要な問題がなお残っておりまして、これについては附帯決議にも明記されておる通りで、政府は社会労働委員会でも明言された通り、昭和三十六年四月までにこれに対する適切な措置を講ぜられたいことを要望しておきます。  次に、本年から実施される福祉年金の所得制限についてでありますが、これは受給者の一割ないし二割程度の者を排除するにすぎないとのことであります。現在の財政事情等から見ましてやむを得ない程度のものと考えるのでありますが、年金支給の趣旨からいいましても、将来は、国の財政事情ともにらみ合せて、できるだけこれを緩和する方向に進まれんことを強く念願する次第であります。  最後に、この制度は国民の積極的な参加と協力なしには十分に所期の目的を達成することはできないのであります。むしろ国民全部の力でこれを育てあげなければならないのでありますから、政府におかれましても大いに広報宣伝を行い、制度の趣旨及び内容の周知徹底に遺憾のないよう最善の努力をされるよう強く要望するものであります。    〔副議長退席、議長着席〕  以上申し述べましたところによりまして、政府提出の国民年金法案につきまして、私は賛成の意思を表明するものであります。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。(拍手)      —————・—————

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、  総理府設置法の一部を改正する法律案、  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、  特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、  防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案、  大蔵省設置法の一部を改正する法律案、  恩給法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、  以上六案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。内閣委員長永岡光治君。    〔永岡光治君登壇、拍手〕

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 ただいま議題となりました総理府設置法の一部を改正する法律案外五件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、総理府設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、総理府にその付属機関として、新たに皇居造営審議会を初め、訴願制度調査会、固定資産評価制度調査会、税制調査会及び産業災害防止対策審議会を設置しようとするものであります。  内閣委員会は、三回にわたり委員会を開き、その間、赤城及び松野両長官、その他関係政府委員の出席を求めまして、本法律案の審議に当りましたが、その審議におきまして、各種審議会等の廃止または統合に関する行政審議会の答申及び各種の開発審議会設置に関する政府の所見、皇居造営に関する宮内庁案の構想、本審議会の構成と委員人選の範囲、本審議会の運営方針、皇居移転論の是非、訴願制度の運営の現状、固定資産の評価のあり方等の諸点につきまして質疑応答が重ねられました。  本日の委員会におきまして質疑を終り、次いで討論に入りましたところ、自由民主党を代表して松岡委員より、本法律案に賛成の旨の発言があり、次いで、原案付則に「昭和三十四年四月一日」とあるのを「公布の日」にあらためる旨の修正案が提出せられました。  討論を終り、まず、松岡委員提出の修正案について採決をいたしましたところ、全会一致をもって可決せられ、次いで、修正部分を除く原案について採決をいたしましたところ、これまた全会一致をもって可決せられました。  よって本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。     ─────────────  次に、給与関係三法案について申し上げます。 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について申し上げますと、この法律案は、昨年七月の人事院勧告に基づき、六月十五日に支給する期末手当を〇・一五月分増額し、初任給引き上げをおもな内容とする俸給表の改訂を行い、あわせて現行暫定手当の一部を俸給に繰り入れるとともに、これに伴う暫定手当の整理を行おうとするものであります。   次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げますと、今回一般職の職員の俸給に暫定手当の一部を繰り入れることになりますので、この措置に伴い、秘書官につきまして同様に暫定手当の一部を俸給に繰り入れるとともに、その他の特別職の職員にも、恩給、退職手当または国家公務員共済組合に関する法令の規定の適用に当って、その受ける暫定手当の一部を俸給とみなすこととするほか、特別職の職員の給与に関する法律の適用範囲を定める規定につき、若干の改正を行おうとするものであります。  最後に、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案について申し上げますと、この法律案は、一般職の職員の例に準じて、防衛庁職員の俸給の額等の改訂を行うとともに、国家公務員等の退職手当の改訂に伴い、任期制のある自衛官の退職手当につき所要の改訂を行い、あわせて必要な措置を講じようとするものであります。  内閣委員会は、本日委員会を開き、松野総理府総務長官その他関係政府委員の出席を求めまして、本三法律案を一括して審議いたしましたが、その審議におきまして、人事院に対する政府の態度、今回の初任給の引き上げ措置に対する人事院及び政府の所見、俸給間差額、年間昇給率の不均衡の問題、暫定手当廃止に対する政府の方策、同一市町村内における暫定手当の不均衡是正等の諸点につきまして、質疑応答が重ねられましたが、松岡委員より質疑打ち切りの動議が提出せられ、採決の結果、質疑を打ち切ることに決し、よって直ちに討論にに入りましたところ、自由民主党を代表して、松岡委員より賛成の旨の発言があり、次いで学校教育法一部改正法案に関連しての所要の修正案が提出せられました。次に、日本社会党を代表して伊藤委員より、「今回の給与改訂は、公務員の給与の現状、生計の実情より見て、まことに不満足であって、いわばごまかしの法案というべきものであるがゆえに反対である」旨の発言がありました。  かくて討論を終り、まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決に入り、松岡委員提出の修正案を採決いたしましたところ、多数をもって可決せられ、次いで修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、多数をもって可決せられました。よって本法律は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたしましたところ、多数をもって可決すべきものと議決せられました。  最後に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたしましたところ、これまた多数をもって可決すべきものと議決せられました。     ─────────────  次に、大蔵省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず、本法律案の改正の要点を申し上げますと、その第一点は、現在閣議決定により設置されている金融機関資金審議会を大蔵省の付属機関として法制化するとともに、新たに保険審議会及び専売制度調査会を設置して、保険制度その他保険行政に関する重要事項または専売事業の経営方式等に関する大蔵大臣の諮問機関としようとする点であります。その第二点は、国税庁の付属機関とする点であります。なお、このほか、市制施行に伴う行政区画の改正に即して、税関の管轄区域に関する既定の整備を行うことといたしております。  内閣委員会は、前後五回委員会を開き、その間、佐藤大蔵大臣その他関係政府委員の出席を求めまして、本法律案の審議に当たりましたが、その審議において、審議会、調査会の設置の法制化、特に現在閣議決定に基づいて設けられている、みつまた需給協議会に対する大蔵省及び行政管理庁の所見、現在大蔵省の付属機関として設置されている専売事業審議会と今回新設される専売制度調査会との差異、港湾行政の一元化、醸造試験所の過去の業績等の諸点につき質疑応答が重ねられました。  本日の委員会において、松岡委員より質疑打ち切りの動議が提出せられ、採決の結果、質疑を打ち切ることに決し、よって直ちに討論に入りましたところ、自由民主党を代表して松岡委員より、本法律案に賛成の旨の発言があり、次いで、原案付則に「昭和三十四年四月一日」とあるのを「公布の日」に改める旨の修正案が提出せられました。次いで、八木委員より、「本法律案中、審議会、調査会の設置については、行政簡素化の趣旨に反するがゆえに反対である」旨の発言がありました。  討論を終り、まず、松岡委員提出の修正案について採決いたしましたところ、多数をもって可決せられ、次いで修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、これまた多数をもって可決せられました。よって本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。      ─────────────  最後に、恩給法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、戦傷病者の恩給上の処理に当たり、従来、傷病恩給は外形の症状に重点がおかれ、内部疾患については軽視の傾きがあるとの問題に対しまして、政府が傷病恩給症状等差の調査に関する専門調査会において調査いたしました結果に基づき、傷病恩給に関し必要な法的措置を講じようとするものであります。  まず、この法律案の政府原案の改正の要点を申し上げますと、その第一点は、肺結核、精神障害等のいわゆる内部疾患について、その査定基準を定めようとする点であり、その第二点は、有期の増加恩給または傷病年金は、現在五年の期間を定めた恩給が給与されておりますが、恩給の査定が常に疾病の消長に対応するようにするため、この期間を三年以上五年以内の期間と改めようとする点であります。なおこの法律案は、死因におきまして、政府原案の改正第二点を削除する等の一部修正の上、登院に送付せられたものであります。  内閣委員会は、本日の委員会において、松野総理府総務長官その他関係政府委員の出席を求めて本法律案の審議に当たりましたが、その審議におきまして、本法律案に関連して恩給支給時期について質疑が行われたほか、特に質疑はなく、次いで討論に入りましたところ、別に討論もなく、よって直ちに本法律案を採決いたしましたところ、全会一致をもって衆議院修正送付の原案通り可決すべきものと議決せられました。   以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別の御発言もなければ、これより六案の採決をいたします。  まず、総理府設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕  

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。    ─────・─────

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕  

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正通り議決せられました。    ─────・───── 

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。    ─────・───── 

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 次に、大蔵省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ─────・───── 

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 参事に報告させます。   〔参事朗読〕    ─────・─────

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。建設委員長早川慎一君。    〔早川愼一君登壇、拍手〕 

早川愼一緑風会

○早川愼一君 ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  公営住宅法は、住宅に困窮する低額所得者に対して低家賃住宅を供給することを目的として、昭和二十六年に制定せられたものでありますが、七年有余にわたる経過に伴いまして管理上適正を欠く面が生じてきておりますので、今回、家賃の変更、割増賃料の徴収等について所要の規定を整備しようとするものであります。  すなわち、改正の第一点は、入居者の収入が著しく低額である場合は家賃を減免することができることを明示したことであります。第二点は、入居後において収入が一定基準を超過した者についての措置を新たに設けたことであります。すなわち、公営住宅の住居者は、引き続き三年以上入居している場合に政令で定める基準をこえる収入があるときは、当該公営住宅を明け渡すよう努めなければならないものとするとともに、事業主体においても、当該入居者が他の適当な住宅に入居できるようにあっせんする等、明け渡しを容易にするように努めなければならないものといたしたことであります。さらに、この場合において、入居者が引き続いて当該公営住宅に入居しているときには、政令で定める割増賃料を徴収することができることといたしております。なお、経過措置といたしまして、現在、公営住宅に入居中の者につきましては、原則として三年間は明け渡しの努力義務及び割増賃料に関する規定は適用しないことといたしております。第三点は、事業主体が家賃を変更する場合の限度額について、建築物価の変動、地域別に定める率等を基準にして政令で定めることといたしたことであります。その他、事業主体の修繕義務の範囲、敷金の運用にかかわる利益金の使途等について改正を行なっております。  本法案についての委員会の審議におきましては、直接影響をこうむる居住者等の参考人を招致し、意見を聴取するほか、資料の提出を求め、また管理の状況を現地に視察する等、慎重なる審議を行なってきたのであります。質疑の詳細につきましては会議録で御承知をいただきたいと存じます。  質疑を打ち切り、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して内村委員から、原案に反対し、修正案を提出するとの意見が述べられました。修正する点は、家賃の限度額の変更の規定、割増賃料の徴収の規定及び公営住宅の処分の制限を強化する部分を削除するという内容のものであります。  次いで、稲浦委員から自由民主党を代表して、附帯決議を付して原案に賛成する旨の発言がありました。附帯決議案の案文は、   政府は本法施行に際し、第二十一条の二の規定による措置の実施については、現下の住宅事情、入居者の生活環境等に充分留意し、入居者に対しいたずらに不安を与えないよう特別の配慮を加えるべきである。   右決議する。  というものであります。  かくて討論を終了し、採決に入り、まず、内村委員提出の修正案について採決の結果、賛成少数をもって否決いたしました。次いで、原案について採決の結果、多数をもって可決すべきものと決定、次に、稲浦委員提出の附帯決議案について採決の結果、これを本委員会の附帯決議とすることに多数をもって決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手)

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

松野鶴平自由民主党議長

○議長(松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。    午後九時三十四分散会       

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