本会議 第11号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/02/06
会議録
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。 この際、お諮りいたします。後藤義隆君から裁判官弾劾裁判所裁判員予備員を、木暮武太夫君から裁判官訴追委員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。 —————・—————
○議長(松野鶴平君) この際、日程に追加して、木暮武太夫君の辞任及び横川信夫君の議員退職により欠員となりました裁判官訴追委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
○田中茂穂君 裁判官訴追委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
○小林孝平君 私は、ただいまの田中君の動議に賛成いたします。
○議長(松野鶴平君) 田中君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって議長は、裁判官訴追委員に、本多市郎君、後藤義隆君を指名いたします。 —————・—————
○議長(松野鶴平君) 内閣から、国土開発縦貫自動車道建設審議会委員伊能繁次郎君、離島振興対策審議会委員野田俊作君の辞任に伴う後任者を、それぞれ指名されたいとの申し出がございました。 国土総合開発審議会委員古池信三君、日本ユネスコ国内委員会委員手島栄君は、さきにいずれも常任委員長に選任され、国会法第三十一条第二項の規定により、それぞれその職を解かれました。 また鉄道建設審議会委員三浦義男君の議員退職に伴い、同委員に欠員を生じました。 つきましては、この際、日程に追加して、国土開発縦貫自動車道建設審議会委員その他の各種委員の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
○田中茂穂君 国土開発縦貫自動車道建設審議会委員その他の各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
○小林孝平君 私は、ただいまの田中君の動議に賛成いたします。
○議長(松野鶴平君) 田中君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって議長は、国土開発縦貫自動車道建設審議会委員に堀木鎌三君、離島振興対策審議会委員に後藤文夫君、国土総合開発審議会委員に泉山三六君、日本ユネスコ国内委員会委員に平島敏夫君、鉄道建設審議会委員に江藤智君を指名いたします。 —————・—————
○矢嶋三義君 この際、私は、自衛隊の戦闘機問題に関する緊急質問の動議を提出いたします。
○田中茂穂君 私は、ただいまの矢嶋君の動議に賛成いたします。
○議長(松野鶴平君) 矢嶋君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よってこれより発言を許します。矢嶋三義君。 〔矢嶋三義君登壇、拍手〕
○矢嶋三義君 私は、ここに自衛隊戦闘機問題について、岸総理以下関係大臣に緊急質問を行います。 皆さん、わが国には、いとし子をかかえて、きびしい生活におののいている数十万の戦争未亡人や、一千万に余る多数の生活困窮者が、苦しい毎日の営みを続けているのであります。しかるに、憲法上大きな疑義を持つ自衛隊関係の防衛関係費は、本年度において約千四百六十一億円、明年度には約千五百三十七億円が要求されているのでありまして、防衛庁に関する国民の関心は、きわめて深いものがあるのであります。かつて、数年間分の過剰な包帯やボ口靴等の購入事件を起した防衛庁の最近における決算検査報告の中から、若干の例をまず朗読してみることにします。 昭和三十年度の例、(三八)三菱ふそう自動車株式会社から購入した約一億五千万円のトラクター二十二両は、未使用のまま保管されている。(四五)航空ガソリンとしては全く使用にたえないガソリン三千二百万円相当を大脇石油会社から購入した。 昭和三十一年度の例、(四)必要のない榴弾砲用撃発体を六千万円で日本製鋼所から購入した。 昭和三十二年度の例、(一二)イタリアのスタッキーニ会社の内容を確知しないでロケット弾を契約し、二千二百七十三万円を前払い金として支出したが、現品が納入されず、焦げついている。(一五)必要のない八千八百十個の帽子を、大阪官帽制帽株式会社から購入している。 これらは、ほんの二、三の例であって、購入価格が不当に高過ぎると批難指摘されたもの等は、枚挙にいとまないほどであるのであります。この決算報告にたくさん入っております。 会計検査院の指摘するところによれば、国費の不正不当支出の点については、例年防衛庁と農林省が両横綱であり、その量と質の点において、防衛庁が東正横綱であると評されているのであります。国民の尊い血税で、何でも買います防衛庁、お高く買います防衛庁、このままでは国民は断じて了承することはできません。国民に対し、いかなる陳謝と反省の意を表わし、さらに今後いかなる積極的根絶策を持たれておられるか。まずもって防衛庁長官の具体的にして責任ある答弁を求めるものであります。(拍手) かかる体たらくに加えて、ここに、国民としては無償供与されたものと信じきっていたF86Fジェット戦闘機を、多数米国に返還する問題が突如として伝えられるに至りました。よって、以下数点について、防衛庁長官の簡明率直なる答弁を要求します。 一、米国から本日まで無償供与された兵器の金額、 二、同じく貸与された兵器の金額、 三、一月末現在における供与されたF86Fジェット戦闘機の機数、 四、一月末現在における国産F86Fジェット戦闘機の機数及び今後の生産計画、 五、一月末現在におけるジェット・パイロット充用可能数、 六、米国から供与された四十五機を返還するのは、米国側から要求されたのか。もし、しかりとすれば、要求された時期と要求理由。また政府が返還する方針を閣議決定した年月日と、返還を了承した理由、 七、返還する時期、並びに返還機は、台湾、韓国両政府にあらためて供与されると聞くが、その真否。今後返還機数追加の有無。 以上、正確なる数字を含めてお答え願いたいのであります。 顧みるに、私は、本日までたびたび岸総理並びに関係大臣に対し、科学の進歩による宇宙兵器時代の現出や、アメリカの戦略転換、さらには米軍の従属下における中古兵器によるわが国の国防政策が無意味なるのみならず、危険であること等について論じ、具体的には、たとえばF86Fジェット戦闘機の国産計画中止転換や、機数とジェット・パイロットの員数関係等について質問をし、注意を喚起して参りました。これに対し、政府は、F86Fジェット戦闘機の必要性をるる述べられ、生産計画の継続強行を主張され続けて参ったのであります。しかるところ、米国は、台湾海峡問題が起きて以来、国民政府への軍事援助の強化に迫られ、昨年十一月三日、シャップ国防副次官補一行を日本に派遣し、MSA援助の活用状況を調査させたのでありますが、一行は、わが国が計画に基き三百機の国産計画を逐次遂行していること、F86Fジェット戦闘機の機数は二百九十五機で、そのパイロットは百二十一名にすぎず、常時約百機の飛行機が未使用のまま遊休放置されている事実等を確認し、対日供与機を削減して、これを国民政府その他に振り当てる方針を決定したもののようであります。しかるに、数度にわたる私どもの戦闘機に関する質疑に際して、政府はひた隠しにこれらの事実を隠し、不十分にして偽わりの資料を委員会に提出し、新三菱重工の手によるF86Fジェット戦闘機の国産を続行し、あわせてF11F—1Fグラマン・ジェット戦闘機を新主力戦闘機種として決定しようとの態度で国会に臨まれたことは何事でありますか。立法府の国政調査権を何と心得ておられるのでありますか。その態度を弾劾いたすものであります。計画のずさんなること、業務遂行の無責任さ、国費乱費の様相は、ここに至りてきわまれりと断ずるものであります。(拍手)私は、行政府の責任をここに追及するとともに、この壇上を通じて、国民に対し、明確にして責任ある答弁を、総理並びに防衛庁長官に、厳粛に求めるものであります。関係大臣各位は、来日中の米軍事援助調査団団長ドレーパー氏と会談されたのでありますが、ドレーパー氏は、日本側にいかなる意見の表明をされたのか。この点を、総理、外相、防衛庁長官にお伺いするとともに、いわゆる植村構想の提示があったのではないか。その有無と、植村構想そのものに対する御所見を、総理、大蔵、防衛各大臣にお伺いします。 さらに質問を続けまするが、最近アメリカの対外援助は、軍事援助から経済援助に重点が切りかえられるに至ったこと等もあわせ考えるときに、三十五年に完了する予定の、いわゆるわが国防衛三カ年計画、すなわち、陸上自衛隊十八万人、海上自衛隊十二万四千トン、航空自衛隊千三百機の計画は、変更を要するものと予想されるのでありまするが、総理、防衛庁長官の答弁を求めます。 次に、新主力戦闘機種選定問題は、昨年来、幾多の問題点を提起するとともに、疑惑を国民に抱かしめていることは各位の御了承の通りであります。あの高水準にある米国でさえ、機種選定に際しては、マーフィー法あるいはクッククレーギイ法等の関門を経て採用を決定しているのに、一機三億六千万円もする未完成機グラマンF11F—1Fを、気前よくも、一挙に三百機も契約せんとした政府当局の態度が、世の有識者から鋭い糾弾を浴びたのは必然であります。いずれ近く行われる予定の当院内閣委員会における徹底的追及によって一切判明すると思いまするが、昭和三十二年八月以来、赤坂の料亭大乃、紅馬車等を主舞台に、黒幕的人物と、相当数に及ぶ公務員、政治家等との遊興、密談、取引が、約百回程度行われた疑いがきわめて濃厚であり、ある民間の特定人物によって行政事務が侵犯支配されて、グラマンの内定に至ったもののようであります。死の商人の熾烈なる売り込み合戦、一部政治家に対する暗躍は、目にあまるものがありしもののごとく、田中衆議院決算委員長は、第二十九回国会会議録八号に、この問題に関して約二億円もの金がばらまかれたというではないか、と速記録に残されているのであります。かような伝えられるがごとき経緯で、国民の血税約千数百億円が費消されることは、許されないことであることはもちろん、科学の日進月歩の現在、すでに一カ年経過しておりまするし、さらに国内生産に対する米国の援助方針も変る状況でありまするので、この際、昨年四月十二日の国防会議の内定を一応白紙に返し、最新の資料とその後の国際情勢の動きに即応して、いわゆる赤城委員会のごとき構想をもって、慎重に十分再検討されるべきものと考えまするが、総理、防衛庁長官並びに官房長官の御所見のほどを承わります。 次に、占領地域経済復興資金イロアと、占領地域救援資金ガリオアについて質問をいたします。 これらの資金は当時贈与であるがごとくいわれ、当時日本国民は米国に感謝し、地方議会や各種団体の中には感謝決議をしたものも相当数あり、また感謝作文を書いた生徒児童の姿を想起されるお方もおありかと存じます。しかるところ、講和発効後、米国との間に債務問題が提起され、金額その他未確定のままで本日に至っていることは各位の御承知の通りであります。今またここに、無償供与されたものとばかり思っていた兵器が、突如大量に返還させられる事態が起ったのでありまして、かくのごときことでは、わが国の財政経済の再建計画並びに防衛計画に重大なる支障をもたらすことはもとより、国際慣行上から申しても、また日米友好関係の立場からも、遺憾なことといわなければなりません。国民が営々として努力し、その経済力が強まれば、以前供与されたものを返還せよと迫られるわが国の姿は、借金した者が債権者に脅かされるそれに似ており、独立国日本の面目いずこにありやといわざるを得ません。西ドイツでさえ米国の援助三十億ドルのうち二十億ドルを切り捨て、十億ドルを確定債務と決定しております。そもそも政府は、イロア、ガリオア援助額をいかほどと把握されておられるのか。またこれは債務でないという確認を早急に交渉すべきであると思うが、総理、大蔵、外務各大臣の御所見と決意のほどをお伺いいたします。 次に、返還するF86Fジェット戦闘機を、台湾、韓国に回す問題を白紙に返すため、強力なる対米折衝を展開するとともに、国民の血税によって続行されている国内生産を中止転換すべきであると思うが、このことについて、総理、防衛庁長官の答弁を求めます。 米国からの対日供与兵器を、米国のアジア戦略体制のもとに、台湾、韓国に回すことは、実質上、NEATOの形成とも解されるし、中共に対しては敵視政策とも見られ、日中両国間のみぞを深めて、国交回復上好ましくないとお考えにはなりませんか。御所見をお伺いします。 最後に運輸大臣に一言お伺いします。今や世界の空に民間航空の競争はきわめて激しく、はやジェット旅客機時代となり、英国のBOACコメット4、七十六人乗機はすでに大西洋を運航中であり、ソ連のTU一一四、二百人乗機は試験飛行中といわれる。わが国の所管運輸大臣はいかなる構想と対策を持たれておりますか。また宮崎市にあるわが国唯一の航空大学のあの貧弱きわまりない施設、設備、規模、年間総予算わずか七千七百万円程度で、世界の空に雄飛できると考えておられるのか。御所見を承わりますとともに、せめてジェット戦闘機数機分程度の予算を割愛してもらう程度の、政治力と熱意をもって対処されるべきだと考えまするが、いかがでしょうか。 これをもって私の質問を終ります。(拍手) 〔国務大臣伊能繁次郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(伊能繁次郎君) お答えを申し上げます。 当初にお尋ねの防衛庁に関する会計検査の件でございまするが、御指摘のような点も時折ございました。最近におきましては、昭和三十年度において十六件、三十一年度におきましては十三件、三十二年度十三件と、逐次減少をいたして参っておりまするが、私も就任以来、特に物品購入並びに本庁の経理につきましては、職員の厳正な取扱いを要望いたし、今後においても、これらの問題につきましては庁員を督励して万遺憾なきを期したいと存じておる次第でございます。 次に機種の問題でございまするが、この点については御承知のごとく、日米共同生産協定—昭和三十年六月の協定並びに昭和三十一年四月の協定、さらに昭和三十二年四月の協定に基きまして、F86Fの飛行機を日米共同で生産をいたすことに相なったのでございまするが、御承知のごとく国内生産をいたしますには相当の期間を要することが当然でございますので、その間アメリカから軍事供与を受けまして当初の訓練に充て、その後双方相並行いたしまして、防衛力の遺憾なきを期して参った次第でございまして、その内容につきましては、一月末におきまして現在数三百三十二機に相なっております。 次にパイロットの数でございますが、本年の一月現在においてジェット戦闘機のパイロットが百四十八名、さらに本年度末におきましてその養成人員は百八十名に相なる予定でございます。 また、F86Fの戦闘機のアメリカから返還要求のあった時期、並びにこれが四十五機の返還を決定する時期等についての経過的な内容を明らかにせよ、というお話でございましたが、本機の返還は、昨年春からアメリカ軍事顧問団側から話がございまして、その後いろいろの経緯を経て、昨年の十一月末に政府としてこれを返還することに決定をいたし、そうして本年正月早々アメリカ側に返還方了承の申し入れをいたしまして、アメリカからこれが了承の書面を受領いたしましたのは一月の十六日でございます。 さらに、F86Fの返還の経緯と日米共同生産協定との関係につきまして御説明を申し上げますが、さいぜん申し上げましたように、本機は、日米共同生産協定によりましてわが国において作ることを基本にいたして、今日まで参りましたが、御承知のごとく生産に相当の時日がかかりますので、その間アメリカの軍事援助によって相当機数の援助をいただいたのでございまするが、御承知のごとく、パイロットの養成あるいは飛行場の整備等には相当の時日を要しまするので、その間にアメリカから供与を受けました四十五機が使用に至らなかったという点については、当方においても遺憾の点もないわけではございませんが、根本の問題として、御指摘のように、日米共同生産の方を減らすべきではないかというようなお話がありましたが、原則は、日米共同生産協定に基いて国内で生産をするということで、供与の方を返すことの要請がございましたので、私どもとしても、それを政府において決定して返した次第でございます。これによりまして、千機近い飛行機のうちの四十五機の返還でございまするので、これが当面、防衛力並びに整備目標の変更を来たすという程度には至っておらないこともあわせて申し添えたいと存ずる次第でございます。 さらに、先般来朝いたしましたドレーパー・ミッションについて、私がミスター・ドレーパーにいかなる話をし、また、ドレーパー委員長からどういう話があったかという点についてのお尋ねでございまするが、去る二月の三日に、防衛庁におきまして、ドレーパー委員長、マッカーサー大使、ジェネラル・ハル等の方々と面接をいたしました際に、ドレーパー委員長からは、今回、自分が大統領の特命によってアメリカと軍事並びに経済援助の関係のある諸国の過去八年間にわたる軍事援助並びに経済援助の実情の調査と、それによって得た結果に基いて、将来軍事援助並びに経済援助をいかにすべきかという点に関する調査が自分の使命であるので、これについて、日本側の今日までの軍事援助の実情並びに経済援助の状況、さらに、将来についての希望があれば、遠慮なく申し述べてもらいたい、かようなことでありましたので、私としては、日本の国防、防衛の基本方針が、御承知のように、日本の国力、国情に応じて漸次防衛力を増強するという点にありまするし、かたがた、現在の日本の国力としては、急速にみずからの力で防衛力を増強するということは困難である。従って、防衛の基本方針に基いて、日米共同防衛体制を根幹として、さしあたり、アメリカの御援助を受ける面が少くないので、今後においても、いろいろとアメリカにおいても国会その他で御議論はあろうと思うが、日本の軍事援助については、今後将来、当分の間、従来通り援助を願いたいということを、特に懇請をいたした次第でございます。 また従来まで日本がアメリカから軍事援助を得た金額の総額は幾らかというお尋ねでございましたが、これは、昨年末までで三千八百五十五億円でございます。また、供与を受け、貸与を受けました艦艇の金額は、約六百億円と御承知をいただきたいと存じます。 さらに、今回のF86Fを返還して、それによって日米間に、従来と違った、友好関係を阻害するような事態が起らないかどうかというお尋ねでございまするが、この点は、御承知のように日米相互防衛援助協定に基きまして、供与もしくは貸与を受けた国において、当初の目的に使用していない、もしくは使用するに至らなかったものについては、相手の米国あるいはわが方から、これをいつでも返還するということを申し出ることができるという条約の内容になっておりまするし、ことに、今回の問題につきましては、わが国の共同生産協定に基く生産の現況等からかんがみまして、F86F以外の、たとえばF86Dのような全天候に適する飛行機等を将来供与を受けたいという希望を当方からも申し述べました。アメリカ側におきましても、その点については十分の協力を惜しまないと、かような話し合いもございまして、何ら今回の四十五機の返還によって両国間に友好関係を阻害するようなことは万ないということを申し上げておく次第でございます。 さらに、FXの問題についてのお尋ねでございましたが、この点については、御指摘のように昨年四月に一応の内定をいたしましたが、その後、今日に至るまでのEXの決定の経緯にかんがみまして、政府といたしましては、さらに、その後の各種の新しい事情等を勘案いたしまして、目下検討中でございます。 また、最後に、F86F四十五機が日本から返還された暁において、台湾もしくは韓国等に渡されて、それが大陸の中国もしくはその他の国との友好関係において、非常に好ましからざる事態を生ずるのではないかという御心配でございまするが、私ども、目下F86Fの返還をいたしている最中でございまするが、この点については、さような事実は何ら聞いておらないということを御回答申し上げる次第でございます。(拍手) 〔国務大臣藤山愛一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私に対する御質問は、ドレーパー氏と会ってどういう話をしたかという御質問でありますが、外国の要人が参りました場合に、外務大臣を儀礼的に訪問されることは常であるのであります。今回ドレーパー氏の来られたことも、MSA援助に関する具体的な事情の調査等に来られましたので、その目的が主として防衛関係にありますので、私のところには儀礼的にあいさつに来られたわけであります。ただ、その機会に、私といたしましては、従来の援助に対して感謝の言葉を述べ、同時に、日本は、大きな意味において、他国から侵略を受けた場合あるいは日本の安全を保つためには、日本の民生の安定が一番必要であって、財政上にも、できるだけ民生の安定の方面に金を現在使わなければならぬ事情にある。従いまして、防衛費等が必ずしも十分でない場合もあり得るので、今日までMSA協定等によって貸与される武器等については、非常に有効に活用されることに相なろうと思う。従って、今後もそういうことについては、十分好意をもって考えてもらいたいということを申し述べた次第でございます。 ただいまの御質問でございますが、おそらく、武器を返還するというようなことによって、何かNEATOとの関係ができやしないかという御質問の趣旨であったかと思いますが、返しました武器はむろん日本の手を離れますことでありますから、アメリカ側がいかようにこれを使用いたしますかは、われわれの存じないところでございます。しかしながら、これ自体がNEATOに関係するということは絶対にないことを申し上げたいと存じます。 なお、ガリオア、イロアの問題につきましては、かねてから政府としても、この問題は債務である、供与でないということを歴史的に申しておるのでございます。従いまして、債務と心得ておりますけれども、その意味は、処理解決を要する義務であって、直ちに支払いを要する確定債務とは考えておらないのでありまして、今後この問題につきましては、外交交渉等によりまして、問題を取り上ぐべき時期があろうかと存じております。(拍手) 〔国務大臣永野護君登壇、拍手〕
○国務大臣(永野護君) 日本の航空事業が本格的に発足いたしましてからわずかに五カ年であります。従いまして、長い歴史を持っておりまする陸運、海運に比較いたしますと、その規模におきましても、あるいは予算措置におきましても、まことに不十分でございます。従って、私は就任以来、この運輸省関係で一番おくれておりまする航空事業の発達には全力を尽して努めておるつもりでございます。具体的に申しますると、国際航空の面につきましては、太平洋航空路を、従来のサンフランシスコ線のほかに、ロスアンゼルスからさらに南米に向って飛ばせますし、さらに北方にはシアトル線も開きたいと存じております。またヨーロッパ線は、南回りの東南アジアを通って行く線と、さらに北極を通って行きます線との開設を考えておりまして、三十八年度を目標といたしまして、世界一周航空路を開きたいと考えておるのでございます。国内線につきましても、今日の状態を整備いたしまして、量においても質においても十分国民の要請に応じ得るように整備して参るつもりでございます。 先ほど、この航空事業に従事する搭乗員を養成する宮崎航空大学の規模がいかにも貧弱ではないかというお話がございました。ごもっともでございます。非常に不十分でございます。しかし、これにつきましてもできるだけの努力を今重ねておりまして、来年度は一億四千六百万円の予算をつけておるのであります。これによりまして、先ほど申しますような、昭和三十八年度にはある程度の一応の形を整えたいと思いますときに必要とする搭乗員、これは二百八十名を予定しておるのでありますが、それだけは満足ができるように、収容規模を一年三十人といたします。二カ年でありますから、六十人の学生をそれに収容いたしまして、今日は二百三十人の操縦士を必要とするうちで四十人くらいはまだ不足しておりますので、外人の操縦士を使っておるのでありますが、三十八年度までには、すべて日本人でその運航ができることを目途として、せっかく努力しております。(拍手) 〔政府委員赤城宗徳君登壇、拍手〕
○政府委員(赤城宗徳君) お答え申し上げます。 アメリカ側からMSA無償供与を受けた四十五機の戦闘機を返還することになった理由、その決定した年月日についての御質問であります。その理由につきましては、防衛庁長官からお答えがあった通りであります。そこで、防衛庁長官からこの返還の理由を閣議で報告を受けまして、昨年の十一月二十八日にこれを閣議で了承いたしまして、ことしの一月中旬にアメリカ側との交渉がまとまって返すことになったと、こういう事情になっております。 それからグラマン戦闘機種、この決定についてどういうふうになっておるか、こういう御質問だと思います。赤城委員会というような委員会を作るという話もありましたが、これは正式のものでも何でもありませんで、そういう委員会は設けることには相なっておりません。しかし、防衛庁長官から御答弁のありましたように、新しい戦闘機種の決定につきましては、昨年の四月にグラマン機が一応は内定はしておりますが、その後、日本の財政負担の問題、あるいはアメリカ側との金の分担の率の問題、あるいはまたその後の情勢によって、機能の問題等についてなお検討することが相当ありますので、慎重に検討した上で決定すると、こういうことに相なっております。(拍手)
○議長(松野鶴平君) 内閣総理大臣及び大蔵大臣の答弁は他日に保留されました。 〔矢嶋三義君発言の許可を求む〕
○議長(松野鶴平君) 矢嶋君。
○矢嶋三義君 答弁が落ちた点について防衛庁長官に再質問させて下さい。
○議長(松野鶴平君) 発言時間がすでに尽きておりますから、答弁漏れの点があれば、その席にて御指摘下さい。
○矢嶋三義君 防衛庁長官に、一番大事な点が二点答弁漏れがありますのでお願いします。 その一つは、昭和三十五年度で終了する陸上自衛隊十八万、海上自衛隊十二万四千トン、航空自衛隊千三百機のいわゆる三カ年計画は、変更を余儀なくされるのではないかという点についての答弁をして下さい。 それからもう一つは、最も重要な点でありますが、そのことは、昨年来われわれがF86Fジェット戦闘機並びに新主力戦闘機の問題について、委員会で数回にわたって審議した際に、乗員の養成計画と、それからのF86Fの稼働率、それから生産実情等を追及した場合に、乗員が不足して飛行機が遊んでいるというようなことは一言も言わないし、それからMSA無償供与を受けた飛行機はまだ使わないで、ほうっておって、もう少し乗員を養成しなければ困るということも一言も言わないで、向うから申し入れがあり、閣議が決定したにかかわらず、十二月の十九日の委員会のごときは、岸総理まで出席をいただいて、内閣委員会でこれらの問題を徹底的に審議したのに、一言も言わないで、出された資料というものは、最近出された資料と違うわけです。だから、われわれになぜ隠しておったのか、それから、立法府が要請するのに真実の資料を何がゆえに出さなかったのかという、立法府と行政府の関連においてのあなた方の責任を追及したのに対しての答弁がなかったのは遺憾でありますから、お答えを願います。 〔国務大臣伊能繁次郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(伊能繁次郎君) 答弁漏れの点については、まことに申しわけないと存じます。 第一点の、三カ年にわたりまする整備目標についてでございまするが、当面の四十五機の返還に関しましては、さいぜん申し上げましたように、さしあたり整備目標を変更する要はないと存じまするが、御指摘の点、すなわちドレーパーミッションの来朝と、本年度、来年度並びに三十五年度等における予算の状況等によりましては、もし、アメリカの軍事援助が、漸減というような形で、事実としてそれが現われるというようなことでありますれば、将来の問題として、変更するかどうかという点は、次期の整備目標とにらみ合せた上で、十分検討をいたしたいと思っております。 それから第二の点でありまするが、昨年の委員会における経緯について、私は承知をいたしておりませんので、はなはだ遺憾でございまするが、政府といたしましては、さいぜん私が申し上げましたように、四十五機の返還については、昨年の春以来、アメリカ側において、使っておらぬようだから返したらどうだ。その際に、乗員の問題あるいは飛行場の整備の問題等、当方においてもいろいろ検討した結果、四十五機を返還することについては、防衛上も、また訓練上も支障がないということで、返還に決定いたした次第でございまするが、その間、御指摘のように、当該内閣委員会等に御報告をいたさなかったことについては、はなはだ遺憾と存じますので、今後さようなことのないように取り計らいたいと存じます。(拍手) —————・—————
○議長(松野鶴平君) 日程第一、捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず委員長の報告を求めます。運輸委員会理事相澤重明君。 〔相澤重明君登壇、拍手〕
○相澤重明君 ただいま議題となりました捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案につき、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 現行法は、日本国との平和条約第十七条に規定する義務を履行するため、旧捕獲審検所が検定した事件に対して、連合国より要請がありました場合に、これを国際法に従って再審査することを目的とするものであります。事件の性質上、この法律の存続期間は、当初、法律施行後三年と定められておりましたが、その後、再審査の要請に関する連合国の状況にかんがみ、前後四回、すなわち第二十二回特別国会、第二十四回国会、第二十六回国会及び第二十八回国会において、それぞれ一年延期することの改正が行われ、本年四月二十七日限りでこの法律は失効することとなっております。 本法案は、連合国の再審査の要請が、今後もなおあるものと予想されますので、これが受け入れ態勢を存続させるために、本法の存続期間をさらに一年延長しようとするものであります。 本委員会におきましては、質疑、討論を省略いたし、直ちに採決に入りましたところ、本法案は、原案通り可決すべきものと、全会一致をもって決定いたしました。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十五分散会 —————・————— ○本日の会議に付した案件 一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員及び裁判官訴追委員辞任の件 一、裁判官訴追委員の選挙 一、国土開発縦貫自動車道建設審議会委員、離島振興対策審議会委員、国土総合開発審議会委員、日本ユネスコ国内委員会委員及び鉄道建設審議会の選挙 一、自衛隊の戦闘機問題に関する緊急質問 一、日程第一 捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案