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31回国会参議院1959/04/30

法務委員会 第13号

発言数
83
登壇者
5
会派数
2
開催日
1959/04/30

会議録

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) これより法務委員会を開会いたします。  まず、最初に請願第千五百十九号、千六百五十四号、でい酔犯罪者の保安処分法制定促進に関する請願、同じく第千七百七十七号でい酔犯罪者の保安処分法制定促進等に関する請願、以上三件を議題といたします。  この際、お諮りいたしますが、これら三件の請願は、いずれも去る三月二十四日本委員会において採択いたしました請願と同趣旨のものでございますので、重ねての審査を省略し、いずれも採択の上、議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしたいと思いますが、さよう決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定いたしました。  なお、審査報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認めます。   —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。  議事の都合上この際お諮りいたしたいと存じますが、本件調査につきましては、閉会中継続調査の要求をいたしたいと存じますが、さよう決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認めます。  なお、要求書の内容につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。   —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) それでは本日の調査を行いたいと存じます。まず高知県下集団暴行事件について、人権擁護局の調査結果の報告を聴取いたします。

鈴木才藏法務省人権擁護局長

○政府委員(鈴木才藏君) 今委員長から御指摘の、高知県下における集団暴行事件の件でありますが、それは、高知県の高岡郡仁淀村における事件をさされるのであろうと思うのであります。これはすでにかつてこの委員会におきまして、大川委員から現地における調査報告がございまして、その集団暴行事件あるいは集団的な人権侵害事件の背景につきましては、詳しい御報告があったと思うのであります。その点につきましては省略をさせていただきまして、この件につきまして、高知の地方法務局が調査した結果を簡単に御報告申し上げます。  事件の内容は、御存じのように、仁淀村におきまして盟休組と非盟休組との間に非常な感情的なあつれきが生まれまして、そうして盟休組が非盟休組に対しまして村八分的行為あるいは圧迫、侮べつ的な言動を弄したという事件であります。  この事件につきまして親告を受けました高知の地方法務局においては、さっそく調査をいたしたのでありますが、何分感情的になっております当時でございましたので、非常にその調査に困難を感じたようであります。  調査をいたしました対象の方々は、仁淀村の助役以下約十三名につきまして調査をいたしました。その結果、林恵という保育園の保母の方に対する不当解雇の件でありますが、この林という保育園の保母の方は、理由もなしに解雇されたといわれるのでありますが、この林さんがいわれる通り、保育園が林という方を解雇するに至った直接の原因が、森小学校に関する紛争に関連いたしまして、父兄が、林という保母は教組のオルグをつれてきて平和を乱す、あるいはオルグを自宅に宿泊させて、常に森小学校とオルグ間の連絡をとっているなどといって、ふたば保育園に対して同人の退職を要請し、または園児を休園させる等の不当圧迫を加えたことにあると思われるのでありますが、この保育園の園長をしておられる大野という方の供述によりますと、保育園としては林恵さんには主任保母として欠ける点があって、かねてから解雇の意思を持っていたものであり、また、父兄の圧迫に抗し切れず、保育園としては運営上解雇するのもやむを得なかった事情にあったことがうかがわれるのであります。解雇に当りまして労働基準法の第九条、これは解雇制限の点でありますが、また第二十条、これは解雇予告の点でありますが、こういうふうな条項に違反する等のことは見られなかったのであります。この点におきまして法務局においては、これは不当解雇でないという結論を出したようであります。  その次に父母の会、これは盟休組の父兄でありますが、この父母の会の人たちによります非盟休組に対する村八分的な行為、圧迫、侮べつ、暴言等の事件につきましては、その真相を調査いたしましたときが、ちょうど小林日教組委員長等に対する集団暴行事件の発生いたしました直後でありましたので、双方の感情が極度に対立をいたしまして、関係者の供述が全く相対立をいたしまして、その真相を把握をするのに非常に困難をきたしたのであります。たとえば片岡フクオという方に対する暴行あるいは暴言事件におきましても、その加害者といわれる人は、絶対その事実を否定している状態であります。このような状態でありましたところ、小林日教組委員長等に対する集団暴行事件発生を契機といたしまして、急速に事件が解決いたしまして、森小学校は正常な学園の姿に帰りまして、同校及び子供を守る会と父母会の対立感情も解消いたしまして、現在はきわめて平静に返っておるのであります。従いまして、現在さらにこの関係者につきまして厳重な調査をいたしまして、これが是非を糾明する場合は、ふたたび感情的な対立を来たし、平地に波乱を起す結果を招くのではないか、そういう観点から高知の地方法務局におきましては本件の調査をしばらく見送って様子を見たい、こういう結論を出して私の方に報告が参ったのであります。私の方でも先ほど高知の地方法務局長が上京して参りましたときに、この点についていろいろ相談いたしたのでありますが、やはり現地の感覚を生かしまして、高知の地方法務局長のごとく、いわゆる集団的な人権侵害と言われる事件につきましては、もうしばらく様子を見たい、こういうふうな意見に到達いたしたのであります。この点、簡単でございますが御報告をいたします。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ただいまの御報告につきまして、御質疑のある方は御発言を願います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 地方法務局の御報告の中で、私が実は二月二十四日に、当委員から視察されました委員の方の報告書に基いて質問をしてきておるわけですが、それは多分ごらんになっておるだろうと思いますが、それに基いての御報告であるように思いますが、これ以上の報告は、そうするとないわけですね。たとえばこういうことを私質問しております。仁淀村の所在地が非常に僻地にあって、人権擁護局としても個々の面接によって調査をすることは非常に困難であるというこのことはわかっております。けれども村民が純朴であるということの以前に大へん粗暴な点がある。過去においてもそういう暴力的なことがしばしば起ってきておる事実がある。そういうような、単に純朴とか、素朴だとかというのではなくて、過去においてこの村は殺人事件などが起っておりますね。それからまた前の前の校長さんも、現在の教育基本法に基いた教育をしておるのが気にくわないということで、帰りぎわに校長の帰途を待ち伏せて、計画的に前々校長に危害を加えようとした事実があるけれども、父兄の中にこの計画を校長さんの耳に入れて、あの道を通ると非常に危いからお通りにならない方がいいだろうというようなことで、とにかくその危険を免れたという、そういう事実がある。これはこの村に住んでいらっしゃる方から私ども聞いてきたことで、今度の集団暴行事件の背後に、仁淀村の中にある、封建性というのにはあまりにもそれ以前の殺伐な気持、そういうような前歴というものを相当法務局あたりでお調べにならなければいけないのじゃないかという気持も実はしておったので、北村さんには、現地にお調べに行かれましたので、そういう点についてどうかという御質問をしたところが、そこまでは聞いてこなかったというようなわけで、地方法務局の方でも、もしこんな点が調査されておったならば承わりたいものだということで実は質問をしたのです。御報告ではそのことには触れられなかったので、もし私の聞きたいというこの点についての調査があればお聞きしたいと思います。

鈴木才藏法務省人権擁護局長

○政府委員(鈴木才藏君) その点はまことに失礼をいたしました。私もそのところの御質問が私の方にあったのはちょっと私記憶がございませんので、まことにうっかりいたしました。ただ実はこの高知の報告は非常に長文なものでございまして、この事件の起るバツク・グラウンドなり、この事件の起きた村の様子、それは詳しく書いてきておるのでありますが、次に何か委員会、議事があるようで、できるだけ簡単に御報告した次第でありますが、もしなんでしたらば今後その点も大体直ぐ調査できると思いますが、この村の様子は地方法務局長から詳しく聞いているのでありまして、われわれ都会的な感覚では律しられないいろいろの多くのものがあるようであります。特にこれは地方法務局で認めておりますのも、非常に激情的な、そうして封建性の強いところでございまして、ただ問題はこの非常に激情的でございますが、その事件が済みますと非常にからりとするところのようであります。従いまして、先ほど私が御報告いたしましたような高知県地方法務局長の本件の処理に対する意見もやはりそういうところを考慮した結果であろうと思います。御指摘の点は、また機会がございましたらよく調査をいたしまして、今後こういうふうな僻地における問題につきまして、その処理の対策として一応調べてみたいと存じます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 それから、もう一つお尋ねしたいことですが、これは警察庁の方と関係があるので、これはあとでお尋ねしますが、今度の暴行事件の指導者になったと目される人、これは前に殺人未遂の事件の容疑者であったというふうに聞いておりますが、人権擁護局の方ではこういう点までお調べになりましたかということ。

鈴木才藏法務省人権擁護局長

○政府委員(鈴木才藏君) まことに残念でございますが、その点私の方にまだ報告参っておりません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 盟休組と非盟休組の感情的なあつれきの問題が今報告されていますが、私どももこのあつれきは認めるわけですが、そのあつれきの中で見逃してならないことは父母会というのですか一つの方の名前は。父母会側の方の有力者は父母会に入らなかった父兄に対して強制的に父母会に入るような圧迫を加えた事実、こういう事実が相当現地からは私の手もとにはきておりますが、このような強制的な圧迫事件については具体的に御調査はございませんでしたか。

鈴木才藏法務省人権擁護局長

○政府委員(鈴木才藏君) いわゆる盟休組と申しますか、父母及び児童を含めたこの父母の会、これに対して少数の非盟休組を無理に自分の方に入れというふうな圧迫をしたというふうな事実については調査をいたしておりませんが、むしろいやがらせ的な行為をやっていたという点のみを調べておったようであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 村八分の圧迫、これは父母会側に入らないものに対して加えた圧迫であって、どういう人間がどういう圧迫をしたかという事実、たとえば非盟休組の父兄の家の、みそだるの中に汚物を入れたとか、おしょうゆびんをこわした、洗たく物を捨てたというような具体的なこういう事実というものは、お調べにはもちろんなったのだろうと思いますが、この点はどうであるか。それからもう一つは、具体的に先ほど片岡という被害者の名前が出ておりますが、加害者は全部、私はそういうことをしない、おれはしらないんだというように、全部事実を否定しているという御報告があったわけですが、これは法務局の方のお調べは助役以下十三名の者について調べられたと御報告があったわけですが、加害者側の調べというものはこの十三名のうちに何人ぐらい入っておるのか、被害者はこの十三名のうちに何人ぐらい入っておるのか。どうも、地方法務局も手が足りないのではないかとは思いますけれども、大へん御調査のやり方がどうもあまり納得できないんですが、これはどういう……。

鈴木才藏法務省人権擁護局長

○政府委員(鈴木才藏君) 地元の法務局で調べました方々を、それでは少し申し上げます。仁淀村の助役である谷脇という方、次に仁淀村の教育長をしておる西村、仁淀村の駐在所の巡査をしておる飯尾、ふたば保育園の園長である大野、父母の会に属しております、ブリキ加工販売業の鈴木、自動車の運転手である岩藤、同じく自動車の運転手である坂本、仁淀村の収入役代理をしております西森、農業の西森—西森が二人ありますが、四国電力の仁淀村営業店員である池田、同じく四国電力の加枝、発電所の所員である五藤、仁淀村の高等学校の事務の補助員をしております谷脇、こういう方について調べたのであります。このうちには、加害者といわゆる目される方と、それから被害者と目される方、それを含んでおります。被害者の方は、先ほど申しました四国電力の方々、また、仁淀村の高等学校の事務員、そういう方であります。いわゆる被害者と言われる方を調べておりませんが、これは法務局に比べまして詳しい内容の上申書を出されておりますので、その上申書に基きましてこれらの方を調べたわけであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 とにかく森小学校は、結論としては現在は非常に平静である、関係者を再調査することは、平地に破乱を起させるというようなことは望ましくないので、当分は静観をする、こういうようなことでとまっておるわけですが、御報告はこれ以上出ないだろうと思いますか。問題は、調査をすると平地に破乱を巻き起すというこの事実ですね。だから、結局、加害者たちはどんな悪いことをしても、私は知らぬぞと言った、もうそのままになっている、くさいものにふたのままになっているのじゃないかという気がする。これでは暴力をふるってもふるった方が得だというような、そういう気持を村民に与える結果になるようなおそれを私感じている。それは、今度の選挙では、この村では革新陣営のポスターは一枚も張ることができなかった、この事実が何よりも雄弁に物語っているだろうと思うのです。単に僻地だから張れなかったという理由ではないと思う。やはりその村はもはや特定なものにこり固まってしまって、他のものが入ってくればいつでもこれを迎え撃つというような、そういう気がまえが依然としてこの村に残っているのではないかという危険性を多分に私感じた。これは選挙の途中で。ただいまちょっと切り抜きをおいてきたのですが、何かやはり大きな新聞が指摘していましたね。仁淀村の地区には革新陣営のポスターは一枚も張ることができない。私はそれを見たときに、これは単に純朴とか素朴とかいうのではなくて、この村自体の中にある殺伐な空気、他のものは一歩も入れない、こういうような空気、この空気の温存を私は、たとえ保守党の方を支持しておっても、良識ある保守党の方はこういうような空気をお好みにならないだろうと思います。フェア・プレーでいかなければならない民主主義の社会の中で、一枚も他候補のポスターを張らせないというこの事実が私は非常に問題だろうと思いますね。しかし小林委員長の暴力事件もすでに相当の時間もたっておるわけでありますから、今ここで平地に破乱を巻き起させるようにした方がいいということを私さっぱり申し上げておりませんが、このくさいものにふたの現状というものをそのままにしておっていいかどうかということについて、非常な私は大きな疑問を持っております。答弁ございますか。

鈴木才藏法務省人権擁護局長

○政府委員(鈴木才藏君) 実は詳細な地方からの報告の全文をお読みすればその点は誤解を解けたのではないかと思います。たとえば、くさいものにふたをしておるわけではございませんで、ちょうど本件の、先ほど私が御報告いたしましたような集団的な人権侵害あるいは村八分的ないやがらせ、そういう事件が起きました直後に、ちょうどそれが昨年の十二月の十日前でございます。人権週間にも当りますので、高知の地方法務局ではアナウンス・カーを借りまして、そうして相当詳しい警告を与えておるのであります。この点は先ほど申し上げました大川委員の御報告の中にもはっきりと書かれておるのであります。これはむしろこの集団的ないやがらせ、少数者に対するいやがらせをやめるようにという一つの一般的な警告であります。相当な努力をいたしておることは高田委員も御了解願えると思うのであります。こういうふうな人権意識の高揚あるいは具体的に詳しく放送によって警告を与えながら、不幸にして十二月十五日のあの小林委員長に対する暴行事件が発生いたしたのであります。決して法務局といたしましてはくさいものにふたをしておるわけではないのであります。さらに十二月十五日以後、いわゆる小林委員長に対する襲撃事件が起きました後に、同月の二十一日、いわゆる十二月の二十一日には次のような解決案が出されておるのであります。たとえば仁淀村の森小学校の校長及び十一名の教員を転出させることを条件として、父母会が雇っておる臨時教員を直ちに解雇すること、それから同時に校舎は村の教育委員会が管轄する、それから学級構成を同盟休校以前の状態に復する、非盟休側に対する敵対圧迫行為をしないというふうなこの案が村の教育委員会から出されまして、それを父母の会はのんでおるわけなのであります。このように大体彼らが—彼らと申しては失礼でありますが、多数派である父母の会の人たちは、この非盟休組に対する敵対的な圧迫行為というものを、ある程度あったことを認めながら、これは今後こういうことをしないということを誓約しておるのであります。こういう事情も見受けられますので、おそらく高知の地方法務局では、先ほど申しましたような当分静観という結論に達したのではないかと、こう思うのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 人権擁護局長のお言葉でありますが、父母会の方々は、その後いろいろなこの約束したことをのんでいるということを言っておられるのですがね。これは意見にわたりますからお答えいただかなくてもいいと思いますが、大体今度の問題になった森地区の先生方、これを皆転出させたわけですね。私どもはこの転出についても非常に疑問がある。しかし一方教員の免許状があるかどうかしれないけれども、個人が集団で勝手に教員を雇って、その雇った者を解雇して、そして一方の先生方は転出させて、そしてちょうどとんとん、交換条件だからこれでいいだろうというこの感覚ですよ。それは正規の免状を持っている先生方を転出させる、これはいろいろな欠格条項があれば、それは転出させることもけっこうでしょう。しかしどだい免状を持っているかどうかわからぬものを勝手に父兄が雇い入れて、それをだらしなくも教育委員会が認めて、そういうことをやらしておいて、そして身分のない教員を解雇するなんということは、そんなもの、とんとんの条件になんかなりゃしないのです、そんなことは。しかしそういうことで父母会がのんだということであって、あとはこういう騒ぎをやらないということに今なっているそうでありますが、よほどこれは人権擁護局の方でもこういう点も御認識になって、一そうこの村の封建的な、排他的な、がりがり一辺倒のこういう空気というものを是正するようにしていっていただきたいと思うのです。法務局の方の御努力は認めるのですが、これは、騒ぎのあった以前には、なるほど人権擁護局は人権擁護週間に、ちゃんと何ですか、宣伝カーを持って行って、それでいろいろとマイクなんかで勧告じゃないでしょうが、御指導なさったことは認めますけれども、その後のことについてはこれは静観しておるのですよ、擁護局の方でも静観してらっしゃる、だからあばれた者はあばれ得というようなことで、さっぱりその後の手が入っていないということについて、やはり私は遺憾ながら不満の意を表したい。  続いてお尋ねをいたしますが、これは擁護局ではございませんが、これは検察当局の方見えておりましょうか。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) おりますけれども、その事件の担当の者はいないのですけれども。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) それでは速記を起して。  本件に関する調査はこの程度にとどめることにいたします。   —————————————

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) それでは次に、去る二十三日に行われました地方選挙の選挙事犯について、高田委員から質疑の要求がありますからこれを許可いたします。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 きょうは自治庁長官、それから公安委員長と、一人二役でおいでになっておりますので私二役としての両面から御質問申し上げたいと思います。  これは今度の選挙に限ったことではもちろんないわけですが、特に今度は二大政党の対立の中で行われました選挙です。長官も十分御存じのように、最近の選挙法違反、これは全く目に余るものがあるように私ども見ておりますし、また新聞は筆をそろえて今度の選挙を通して数々のよろしくない行状を指摘しております。私は自分で今度忙しい間に集めた資料ですけれども、これは全部選挙に関連する数々の疑わしい事実を新聞が指摘したものをたんねんに切り抜いたものです。これはまことに困ったことなので、お断わりするまでもなく、私は自分が野党だから与党の選挙違反を締めようなどということはさらさら考えておりません。与党も野党も通して、とにかく選挙法に違反するとおぼしいものが続出して、しかもそれが白昼正々堂々と何の疑問もなく行われておるという、こういう事実です。私はこれでは日本の民主主義なんてものはむしろ選挙でもってくずれていくのではないかという心配を非常に持っておるわけなんですが、特に長官として、今次行われました選挙を通して、担当大臣としてどういうような感懐を持っておられますか、まずこれをお尋ねしたいのです。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 冒頭御指摘もありましたように、私は現在の立場が、一方におきまして選挙管理の元締めである自治庁の長官をいたしておりますし、また一方におきましては選挙違反の取締りをいたす警察を管理する立場に立っておりますので、そういう自分の立場からいたしまして、今回の選挙に当りまして、私は自分の責任上、選挙違反の問題、また選挙管理の問題等につきまして、常に自分としてできるだけの注意を払って参ったつもりであります。その私の感じといたしまして、現在選挙が行われておるときに当りましては、申すまでもなく、あくまでも現行公職選挙法の規定に基きまして、公正、厳正なる取締りをしなければならぬということで、取締りの徹底を期すことに、できるだけ警察庁方面にもその趣旨を伝えたのでありますが、一方におきましては、現在行われておる選挙取締りの問題と同時に、自治庁長官の立場としては、今後の日本の選挙というものを考えてみたときに、今のような選挙法のあり方でいいのかどうか。また、法制上将来直さなければいかぬ点があるのじゃないか、こういう点につきましても、いろいろ関係方面の御意見も聞き、また実際の姿も見て考えて参ったのであります。その結果といたしまして、御指摘のように、今回の選挙におきまして、違反が前回の続一選挙に比べまして非常にふえたということ、この事実につきましては、これは政党の立場とかどうとかということじゃなしに、一国民の立場からいたしましても、こういうことで一体いいのかどうか。これはもうほんとうに、民主政治のあり方ということ、あるいはまた日本の政治の将来ということからいたしまして、こういうように選挙違反がふえておること、この姿に対しましては、私どもは深く考えなければいかぬと痛感いたすのであります。しかして、これをこういうことのないようにするためには、もちろん取締りの厳正を期さなければなりませんが、取締りの厳正を期すと申しましても、刑罰法規で取締ることにはおのずから限界もありますし、またいかに警察が全力をあげましても目の届かぬところも出て参りますので、単に警察だけに期待することもこれは無理かと思うのであります。無理かと思いますが、しかし、いやしくも選挙法で規定されている以上、警察としては全力を尽して取締りに当らなければならぬということからいたしまして、取締りの強化という面も当然まあ考えなければいかぬ。しかし、同時に、取締りの強化だけで果して現在のような選挙のあり方が直っていくかどうか、この点につきましては、取締りの強化は強化として、さらにお互いがこれは考えていかなければならぬ問題と私も考えるのであります。そこで私は、今回の選挙——まだ市町村の選挙はきょう投票日であり、さらに参議院の選挙もこれから行われますので、その選挙の過程におきましていろいろの意見を発表することはどうかと考えますので、差し控えざるを得ないのでありますが、現段階におきましては、あくまでも取締りを強化するという一点を強調するほかはないと思うのであります。しかし、同時に私は、将来の問題として、こういう姿の選挙が行われておる、これを直すためにはどうすればいいか、そういうことを、単に取り締りを強化するということだけでなしに、私はいろいろ考えていかなければならぬ問題があると思うのであります。選挙法を改正する問題もあるでありましょう。あるいは、公明選挙運動というものをもう少し徹底する問題もあるでありましょう。いろいろな問題につきまして十分検討していかなければならぬのじゃないか。また、一つの考え方として、これはなお十分各方面の意見を聞かなければならぬと思うのでありますが、従来の選挙というものが、主として個人本位の選挙が行われておった。ところが、二大政党のもとになりまして、選挙運動というものが政党本位の運動に逐次変りつつある。そういたしますと、個人の選挙運動を対象とした従来の公職選挙法の取締りの考え方に対しまして若干の検討を加えて、政党本位の選挙運動というものが展開されるようになるとするならば、それに対応するようなやはり取締りと申しますか、あるいはまた選挙運動方法と申しますか、そういう点についても十分検討していかなければならぬじゃないかと、かように考えるのでありまして、私といたしましては、まあいずれ参議院選挙も終了した後におきまして、選挙管理の立場に立っておる選挙管理委員会の方々の御意見、あるいは取締りの立場に立っておる警察の意向、さらにまた実際に選挙に関与しておる政党方面の御意見、あるいはまた第三者である言論界、評論家の方々の御意見、そういうものを十分一つ聞きまして、そうして今後の日本の選挙というものをどうするか、こういうものを真剣に一つ取り上げて検討していかなければならぬと、かように考えておる次第であります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 全くお説の通りだと思います。ただしかし、長官として、今度の選挙が二大政党のもとで選挙違反が非常にふえてきたというようなこともあげられておりますし、またそういう点も多少あるのではないかと思いますが、一番精神的に悪影響を与えたのは、今度の特赦について、選挙違反を差し許してしまったということ、これは予算委員会でも、また国会の各委員会でも、ずいぶん政府はこの点を私どもから追及はされたのですが、結果としては、選挙違反に該当する者を無罪放免してしまった。こういうことが、政治の指導性に欠くる結果を大きに与えたのではないかと私思いまして、非常に残念に思う。特に、朝日新聞あるいは読売新聞の天声人語とか、そういう欄では、親友だからある程度の選挙違反はやむを得ないだろうというようなことで、違反した者が無罪放免になっておるということがあげられておるのですが、こういうようなことは、やはり内閣の一員として許されてよいものかどうかということを、私は特に長官にお尋ねしたいわけです。取締りの強化だけでは済まないと、今後いろいろなことを考究しなければならないと言うけれども、政治の指導性それ自体に私欠陥を持っておるのではないかという気がするので、今度の特赦について、すでにこれは起ったことですから、万やむを得ないとしても、長官としては、この現状に顧みて、あるいは影響を及ぼしておるのではないかという考え方を私は持つのですが、いかがでしょう。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 今回の恩赦の問題につきましては、世上いろいろお話のような点のあることは、私も承知いたしております。ただしかし、選挙違反だけを恩赦から除くということもどうかという議論も、私はこれもうなずけると思うのであります。選挙違反以外の、たとえば経済統制違反であるとか、あるいは食糧管理法違反であるとか、そういうものだけに対して恩赦を適用する、選挙違反だけは恩赦を適用せぬというふうに差別することも、また逆な意味からいってどうかとも考えられるのであります。しかし、いずれにいたしましても、私といたしましては、この問題につきまして、選挙法違反による人たちが恩赦によって、たとえば公民権を復活したという方々に対しまして、私といたしましては、そのことについて、むしろ再び過ちを犯さぬという気持になっていただいて、かつて選挙違反によってそういうような公民権の停止を受けた方々は、今回の皇太子殿下の御結婚による恩赦、このことを深く心に感謝して、そうして再びそういうことを起さぬように、むしろそういう人たちが今後の公明選挙運動の中心になるような気持で選挙の粛正に協力して、そういうことは甘い考えだという私はお叱りを受けたのでありますが、しかし私といたしましては、すでに決定いたした以上恩赦を受けた人はそのことを感謝し、そうしてむしろ自分たちは、自分がこういうことを犯した、しかし自分が重ねて犯さないばかりでなく、世のすべての人たちにそういうことのないように率先して公明選挙運動の陣頭に立つような気持でやっていただきたいというようなことを私は二、三の機会にお願いをいたしたのであります。しかしそのことが果して私どもの期待したような結果になったかどうか、それは見る人によっていろいろ御批判もあるでありましょう。しかし私といたしましては、恩赦のことにつきましては、前段申し上げましたように公職選挙法に違反する者だけを恩赦から除外するということもいかがかと考えられますので、これはそれとしてやはり恩赦の恩典に浴した者はそれを感謝して、再びそういうことのないように、そうしてまたむしろ公明選挙運動に役立つようなあり方になっていただきたい、こう現在も深く念願いたしておるのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 これは議論になりますからこれ以上申し上げませんが、もちろんこの罪の軽重に差別があってはならないことは私たちもわかるのですが、こういうふうに今日のような乱れ切った選挙の中で、あの特赦をあそこに入れたということについては、やはり世論があまり歓迎しなかったことは事実だろうと思います。なるほどそれは恩赦の対象になった人たちはまことに感謝はしているでしょう、しかし本人は感謝したからといって、日本の政治全体にあのことがプラスであったか、マイナスであったかということになれば、これはやはりプラスではなかったように思うんですね。だから予算委員会では、当初具体的な問題でなかったときには、岸首相も選挙違反は今度の特赦に含めないのが私の意向であるというようなことを言っておりましたが、最後によろめいてしまって、とうとうお許しになったようですが、こういうようなことはやはり取締り強化だけでは精神的なバツク・ボーンというものが抜けてしまうので、第一線の警官だけにハッパをかけても、政治自体の指導性というものがないと、私はほんとうの意味の取締りができないのじゃないかという気がするわけです。これは議論ですからお答えいただく必要はないと思います。  次にお尋ねしたいことは、ことしの初めごろですか、最高検は厳重な選挙違反の取締りを言明したようです。この取締りを厳重にして公明選挙を実際に行えるようにというような声明であったわけですが、これはことしの初めの声明でありますから、多分事前運動に対する取締りを内容とした声明じゃなかったかと私は思うのです。最近の選挙を見てみますと、告示の日と同時にその告示の日は終盤戦に入っている。告示の日は選挙の初めではなくて、告示された日がすでに選挙の終盤戦だというふうに最近のは、事前運動というのがものすごく活発で、かつ長い。しかるがゆえに今年の初めにすでにこの取締り当局は選挙違反を厳重にやるのだと声明をしているのですが、この事前運動の状態というものはあまりに最近ひど過ぎると思いますが、この事前運動を取り締るということについてはいろいろの法的な規制があって摘発が困難であるわけですけれども、しかしこれはそのままにしておいていいということは私はないと思いますが、最近の事前運動の傾向を見ていて長官はどういうふうにお考えになっておられますか。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 御承知のように、今回の地方統一選挙は前々から期日が予定されておるわけであります。従いまして、従来もそういう傾向があったのでありますが、期日が予定されておりまする選挙になりますと、どうしても事前運動というものがありがちになるわけであります。そういうことでありますので、お話の最高検の声明の問題がありましたが、政府といたしましては昨年のたしか十一月ごろでありますか、最高検それから警察庁、自治庁、選挙管理委員会等関係の各当局の連絡の協議会を作りましてそうして五、六回たしか会合をいたしておりますが、事前運動に対する万全の措置を講じて参ったのであります。しかしなかなかいろいろ世上問題になりましたように、私ども期待する通りには参らず、問題の起ったことはまことに遺憾に存ずる次第であります。警察当局といたしましても事前運動につきましては、御指摘のようにいろいろ問題の点もありますが、しかし警察の立場におきましてできるだけ警告もし、また検挙した者も若干あるようでありますが、できるだけ警告措置等によりましてそういうことのないように、目についたものは警告をして戒めて参ったのであります。事前運動が非常に活発に、事前運動もしくは事前運動にまぎらわしいような行為がたくさん出て参るということにつきましては、これはまことに遺憾なことであり、またお話のように選挙告示になると、もうすでにそれが終盤戦であるというようなことでありましては、公職選挙法の精神からいたしまして本来の姿じゃありませんので、私どもは、まことに今回の選挙における事前運動なりあるいは事前運動にまぎらわしいような運動がありましたことにつきましては非常に残念に思っているわけであります。警察としても十分の注意をいたしたのでありますが、われわれの期待するところよりも、いろいろ世上に問題を残しておるようで、まことに残念に考えておる次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 大へん残念にお感じになっていらっしゃるようですが、結局残念にお考えになっているだけで、事前運動をやった人はやり得で、当選したら当選し得ということで、せっかくの長官としての御意思も生きてこないのじゃないでしょうか、それではね。こういうわけで、特に後援会組織というものを長官はどういうふうにごらんになっておられますか。何とか後援会、何とか後援会というので、これは非常に最近のはやりになっておりますが、私どもは野党ですが、失礼な話ですが東龍太郎後援会の案内状なんというのは何本でももらっておるんですね。こういうふうに見ず知らずの人にまで全部の人にこういう後援会の申し込みを選挙前に出しておるということは、これは大へんな私は金だろうと思うんです、これははがきじゃなくてお手紙をいただいていますからね。一人の人にはがきなりお手紙なりが配られてきてるんですから。お隣りの方も調べてみると、うちでももらった、うちでももらったと、みな軒並みにもらっておるんです。これは私はずいぶん、計算してみたら選挙費用は莫大だと思っていますけれども、こういうものは私は、野放しにしておいちゃいけないわけですね。しかし政治家として、ほんとうにこの人に協力して、こういうりっぱな人を押し立てていこうというような純粋な意味のそういう支援者の会なんというものはこれは私否定はいたしませんし、できるものじゃないと思います。しかし最近の、後援会に無理無体に引ずり込むという、このあり方については長官としてはよほど御研究いただかなきゃならないと思いますが、長官は今度の選挙を通して後援会組織というものをどういうふうにごらんになっておられますか。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 御指摘のように、後援会というものが最近各地にできているのは私も承知いたしております。後援会というものが、一体公職選挙法の関係においてどういう解釈をすべきかということにつきましては、警察庁当局としても十分検討いたしておるのであります。法制上の問題でありますので、直接その局に当っております中川刑事局長から答弁させます。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 高田委員の御発言にもありましたように、後援会そのものというのは、大体いわゆる後援会の会の目的が、特定の人の人格を中心にして集まるとか、そういう特定の人のいろいろな社会活動を応援する、こういうことでございますので、そのこと自体につきましては、現行公職選挙法では何ら違反にはならないということに相なるのであります。ところが、われわれ選挙違反という立場からこれを見る場合におきまして、後援会の名目によりまして選挙依頼が行われていく、投票の依頼が行われていく、こういうことに相なりますと、選挙違反になる場合が少くない。たとえば後援会の名目で戸別訪問を行う、戸別訪問を行う場合において、特定の候補者の投票依頼の行為が行われる、こういうことになれば選挙違反になることは間違いありません。文書頒布の場合も同様でございます。それで私ども選挙違反を取り締る角度から見て常に考えねばならぬ点なんですが、選挙違反というのはそれぞれ実体に基いて規定してあるのであります。先ほどお述べになりました事前運動の問題もそうなんですが、実体が事前運動であれば選挙違反でございます。他の犯罪につきましても同様のことがあるのですけれども、犯罪を行うものにつきましてはそれぞれ弁解の資料をみな持っておることが通常でございます。ことに選挙違反につきましてはそれぞれ弁解の資料を持って行うことが少くございません。たとえば社会活動としてやったのだ、あるいは一般政治活動として活動したのであって、特定の候補者の投票依頼ではないのだという弁解が大むねの場合に用意されるのでありまして、私ども取締り官憲といたしましては、そういう弁解がございましても、証拠に基いて特定候補者の選挙依頼である、こういうことを証拠に基いて立証しなければならない、こういう苦心に見舞われるわけであります。たとえば御質問の後援会につきましても全く適例でございまして、後援会自体というものは合法的である。ただし、後援会の名目によって個別訪問が行われたり後援会の名目によって買収が行われておる、後援会の名目によって文書図画の領布が行われることもあるんじゃなかろうか、こういう推測もございますので、そういう趣旨に基いて、特定の候補者の投票依頼行為であるというような証明をするように努力して参ったのであります。その成果は相当あげておるのでありますが、その証明できないものがある、これは確かに事実でございます。先ほどの事前運動につきましても同様なことが言えるのでありまして、事前運動につきましても、事前の特定の候補者の投票依頼行為があったということの証明がつきますものにつきましてはどしどし検挙しておりますので、相当実績があがっております。事前には証明がつかない、特定の候補者の投票依頼行為が行われておらないというふうに見られる行為になってしまう、証拠がつかめない、こういう場合がございますので、先ほど大臣からお話もありましたように、警察官憲といたしましては、特定の候補者の投票依頼行為であるという証拠を集めるように大へん努力しておるということが一つの対策だろうと思います。  他の対策といたしましては、そういうふうに警察官憲が見つけるまでに至らない間においても、すなわちお互いの事情によりまして、あるいは国民の批判によってただいま高田さんのお持ちの新聞、その他の批判なんか大へん有力だと思います。そういう新聞、その他の報道機関が批判されることによってもちろん事前運動のまぎらわしい行為が抑制されていく、それから後援会行為であっても選挙違反にまぎらわしい行為が抑制されていく、こういうふうに相なるというふうな方向で努力すべきである。ただし、警察といたしましては犯罪捜査でございますので、一々証拠を収集するように大いに努力しておる。その努力した結果検挙になった事件も相当ありますけれども、まだ証拠が見つからない、こういう事件があって、一般の政治活動である、一般の人格を中心にした団体である、こういう形で行われるものが確かに存在することも事実である。それは合法である。合法の線に隠れて犯罪がないかどうかにつきましては、各地の警察において証拠収集に努力している、こういう実情でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 確かにその説明はその通りなんです。後援会そのものは何にも選挙違反じゃないし、もちろん後援会は投票依頼をしておらない場合が多いのです。またそれで戸別訪問とか、買収なんということはあまりやらない。ただ、名前を周知させるために何々後援会といって莫大な金を使って、莫大なものをばらまいている、書類をですね。しかし、それ自体はさっぱり選挙違反じゃないのですね。投票依頼しているわけじゃない。しかし、そこに使われた金というものは、これはもう大へんな私は金だと思うのです。従って、後援会組織というものは合法的ではあるけれども、しかし、こういう名前の陰に隠れて使われる莫大な金というものは、これは容易ならざる私は選挙違反だと、こう見るわけなんです。従いまして、後援会というものが、たとえば合法的であったにしても、東京都民全体にばらまかれる後援会に加入してもらいたいというような文書それ自体についてもやはり相当の御注意というものはあってしかるべきもんじゃないか、こういう考え方を私は持つのです。これは選挙違反ではないのですが、こういうやり方自体に対する対策をどうするかということになると思います。これが一つ。  もう一つ、後援会の中心になるのが最近の傾向では町会が多いのですね。たとえば何々、大井何々町町会、この町会には革新も住んでおれば、保守も住んでおるわけです。それから何にも知らない人も住んでおるわけなんです。ところが、最近のこの町会長というものは、どういう形で町会長になっているかというと、まあ私どもが以前住んでおったところなんかは、私がさっぱりこの町会長なんというものは推薦しないのですよ。こんな変な人をちょっとも推薦しない。それがいつの間にかだれが推すのか知らないけれども町会長になってしまって、それが中心になってこの町会はだれそれを後援するのだということをどこかの機関で決定している。私のような異色分子はこれに対して批判をしますから、そんなものが推薦した人物は投票いたしませんけれども、何にも知らない一町家の主婦などは、はあ、町会長さんからこう言ってきたし、この町会ではこれをやっているのだから、私どももこれをやらないというと、あとで商売のつき合いもうまくないからやらざるを得ないというような形になって、最近の傾向は町会単位の後援会というものが続出している傾向にあります。町会というものは私あって悪いとは思いませんけれども、あくまでこれは中立でなければならないし、町会長の選出自体についても、やはりこれは自治庁長官としても、相当研究なさる必要があるのではないか、こういうような私気持しておりますが、この点についてどんなふうに長官はごらんになっておりますか。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 非常にむずかしい、率直に申し上げましてむずかしい問題と私も考えます。  それから前段私申し上げましたように、今回の選挙の経験にかんがみまして、いろいろ新しい問題が提起されておるわけであります。それをどういうふうに間違いのないように今後の日本の選挙の粛正のためにどうすべきかという問題は、これは真剣に考えなければならぬ問題である。後援会のあり方、あるいはまた町会の問題等につきましても同様と思うのであります。後援会問題、後援会というものが純粋な意味における個人の人格を尊敬するための後援会ということは、先ほど来お話もありましたように、もとよりこれを批判すべきものではないことは言うまでもないのでありますが、しかし、こういう名のもとに選挙運動というものが行われているようなことになりますと、これは後援会本来の趣旨からみましてもそのままでいいかどうかということは十分検討せなければなりませんし、せっかく公職選挙法をきめましてもそう抜け道といいますか、抜け穴のような形で公職選挙法の考え方が乱されるということになりましては、これはゆゆしき問題にもなりますので、十分一つどういうふうに指導すべきか、これはむしろ自治庁が指導するというよりは、国会お互いに考えていかなければならぬ問題だと思うのであります。  それから町会の問題につきましては、これは御承知のように、終戦前の町会というものがいわば官選的なあり方であり、終戦後町会というものは一応解消されたわけでありますが、ただ、しかし、地域社会の方々が自分たちの日常生活のいろんな便宜上から町会を作るということにつきましては、自治庁としては別に町会を作れ、あるいは作るなと、こういう指導はいたしていないのであります。そしてまた町会というものが特定の候補者について町会の人の意思を無視して町会長が何か選挙運動めいたことをするということは、これは許さるべきことではないのであります。ただ町会の方々が集まりましてお互いに話し合いをした結果、だれを出そうというようなことで一致するということにつきましてはとやかく言うべき筋合いではないと思うのであります。しかしただ根本的に言いますならば、非常に回りくどい話になりますが、公明選挙運動におきまして最近各地で行われております話し合い運動、話し合い運動というものはいろいろ批判もありますが、私は実際話し合い運動に行ってみて感じますことは、まあ主として婦人会等が中心になってやっておるようでありますが、お互いに一つのテーマについて意見を発表するのだということをやっておるのであります。その場合にそばで見ておって私ども考えさせられることは、みんながめいめい意見を発表する。意見を発表するためにはどうしても自分で考えなければならない。考えなければ意見を発表できないわけであります。従って批判といいますか、人から押しつけられたことをそのまま従うということでなしに、あくまで自分で判断し、自分が納得いかなければ発言もできぬわけでありますので、そういうように批判し、納得いくまで自分で物事を考えるというような習慣をつけること。そういう習慣をつけることは私は回りくどいようなことではありますが、やはり選挙の公明化のために非常に役立つのではないか。たとえば町会等の場合におきましても、かりに町会長が特定の候補者を持って参りましてもそれに盲従することのないようにならなければならないということは言うまでもないのであります。そうするためにはやはり公明選挙運動というようなことをさらに一そう徹底いたしまして、かりに町会長が勝手な候補者を持ってきて自分だけの考えで押しつけるようなことをいたしましても、町会の方々が決してこれに盲従しない。やはり自分の判断によって候補者をきめるというようなあり方にせなきゃならぬことじゃないかと思うのであります。従いまして制度上からもいろいろ考えなければならぬ点も、もちろんあるのでありますが、同時に私はそういうような公明選挙運動というような方面にも、もう少し力を入れまして、両々相待って制度上の問題とそれから国民のそういうような政治意識の高揚と申しますか、認識を深めていくような運動と両々相待って選挙界の粛正ということを実現していくほかはないのじゃないか、かように考えるわけであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 率直に言いまして、町会組織の選挙運動というのは批判があるから、そう町会の思う通りにはならないというような面を強く今おっしゃっておりましたけれども、私はそうではないと思います。現実は。なかなか町会のボスというのは今勢いを盛り返しまして、そして町会を一手に数名のボスによって牛耳っているというような実情かと思います。もちろんこの中には批判を全然持たないというわけではありませんけれども、こうした昔の町会の復活、それは即選挙活動の中に無形の形でもって動いているということについては、これはやはり相当、中正な立場にあられる長官としては検討される必要があると思います。大体町会組織の一番強い基盤となるのは保守党であるから、それを温存しようとする気持はわかります。これは私はフェヤ・プレーでないし、こういうことは非常に正しい意味の選挙を育成するといういわゆる長官の言われる公明選挙の意図とは今反対の方向にぐんぐん動いている。私はあくまでもやはり中正の立場でもって町会のあり方というものについては即刻に御指導あるべき筋合いではないかと考えます。野放ししていいものでないと考える。町会の問題については御指導なさる御意思をお持ちになっているか、持っていないか、お尋ねいたします。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 先ほど申し上げましたように、町会というものが、かつては行政の末端機構のあり方であったわけであります。終戦前には上意下達、下意上達の一つの組織と申しますか、そういうような機構であったわけであります。終戦後町会という制度は一切廃止されましたので、一時町会というものがほとんど姿を消したわけでありますが、その後におきまして御指摘のように最近、これは全国的にできたとは私は考えておりませんが、ぼつぼつあっちこっちに、あるいはまた東京都におきましては、相当広範に設置されつつあると考えるのであります。これはお話のように、町会というものが単に地域社会のお互いの便宜のためにできたということでなしに、さらにそれが政治的にあるいはまた行政の末端機構的の存在として何らかの仕事をいたしているというようなことになって参るとするならば、町会に対してそのあるべき姿について制度上も考えていかなければならぬ問題だと私どもも考えております。しかし今までのところは、経過的に申し上げますと、そういうことで、町会というものがその後実際の必要上から自然発生的に再び復活して参ったという経過もありましたので、今までのところは制度上これをどうするというような現在規定等もないのでありますが、しかし今後町会というものがそういうような実体を備えているということでありますれば、当然本来のあるべき姿というものに即した一定の規制をする必要が出てくるのではないか、かようにも考えるわけであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 ここに持って来た新聞は非常に好個の特例になるものと思います。これは品川区に起った事件です。これは二十九日が選挙運動の最終日でありましたが、その前の二十八日に毎日新聞に折り込みまして約五千部ほどばらまいた。その内容はどういうものかと言いますと、今度立候補している革新陣営の議員が品川区議会の本会議で、町会の特定の役員が何か勲章をもらったとか、何とかというようなことで祝賀宴を開くことになった。ところがその会合の案内状というものが区役所の庶務課の封筒に入ってばらまかれている。そしてその祝賀会の連結所も区役所の庶務課がなっている。こういうようなことは、公けの機関である庶務課が、特定な個人の祝賀会の連絡場所になり、そこから案内状をまくというようなことは非常にまずいことではないかということで、本会議でこの革新陣営の議員が質問を実はいたしたのです。この質問に対して区当局は大へん申しわけない、監督不行きとどきでまことに申しわけないということで、庶務課長が謝罪の答弁をしておる。それをここに本会議の質問要旨としてこういうふうに取り上げて、この議員はこういう発言の中で町会制度を復古調だと言って、そしてまるで町会の役員はボス扱いにされておる。こういうように千葉才智という区会議員は町会役員をボス扱いにしておる、とんでもないやつだから町会としてはこれを重視しておるというような新聞なのです。千葉才智という人は今度立っておる議員なのですが、みずからの非をふさいでこの千葉才智君をまるで悪者扱いにしたような新聞をばらまいておる。私は千葉才智という人の質問要旨というものは筋の通ったものであると思う。区当局はあやまっておるにもかかわらず、なおこういう誹謗をするようなものが投票の前日に五千部もばらまかれておるというこの事実は、私はやはりこの背後を重視したいと思います。この区友新聞というものはどういう新聞だといったら、一年に一回か二回選挙のときに出される新聞だそうですが、あまり傾向のよくない新聞だと、こういうわけです。一体こういう新聞は、何のために特定の個人の正当な議会における発言をわざわざ歪曲して書かなければならぬのか、いうならば、これははっきりした選挙妨害です。こういうようなことは、たまたまこれが、その前日私が候補者のところに行ったものですから、この新聞をさりげなく私のところにこう出して、こういうこともあるのですよと言って渡したのですけれども、おそらくこういうことは、いろいろの場合に行われておることだと思います。そこで私は、今、町会の問題を特に長官に質問しているわけですが、こういう地方の何だかわからぬというような新聞というもの、これらなんかも、ある場合には、逸脱した選挙妨害的な行為をする場合もあり得る。こういう地方新聞なんかについては、やはり相当選挙前、選挙中、これはいろいろと御検討になる必要があるのではないか。今度文書図画違反などで相当摘発されておるものもあるというのですが、同種類のもので、当局が今度の選挙で摘発したものはどういう数字に上っているか。そうしてまた長官は、こういう悪質な地方新聞というものについて、どういうような一体態度をおとりになるつもりであるか、こういう点をお尋ねしたいのですが……。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) まず、事務的に御説明いたしたいと思います。選挙になりまして文書戦、ことに形式は、新聞雑誌の形態をとるようなものが前の選挙でも相当多いのですが、今度の選挙におきましても、そういう種類の違反が多いようであります。はなはだしい場合には、大阪の知事選挙であったのですが、大阪の知事選挙運動中に、飛行機が上からビラをたくさんまいた、こういう事件もありますし、あるいは福岡の知事選挙におきましても、たくさんの小型新聞またはビラに類するものをまいたというようなこともございますし、従来の選挙にもあったのですけれども、今回の地方選挙においては、特に多いように感ずるのであります。いずれもこういった問題は、公職選挙法に違反いたしますので、警察といたしましては、検挙いたしまして、警察権の発動を促しております。新聞、雑誌が報道評論するのはもちろん自由でございますが、平たい言葉で申し上げますと、選挙目当ての新聞がこう出てくるということを抑制する目的をもって、現行公職選挙法は、百四十八条で一定の要件をきめまして、要件を具備したものは、選挙に関する報道評論の自由を認める、要件を具備しないものは、報道評論の自由がございませんので、選挙違反文書になる。こういう建前をとって、選挙目当てに比較的大衆的な報道の役割をもっていないような新聞雑誌を防止するという建前をとっておりますが、警察におきましては、その取締りを厳重にやっておりまして、その種の法定の資格要件を具備しないものがそういうときに頒布した、こういう場合におきましては、違反として検挙いたしているのであります。具体的におあげになった例は、たくさんこういうケースがございますので、一件や二件じゃございませんので、全部私記憶しておりませんけれども、そういうものが多いということは特に考えられますので、警察といたしましては、十分な力を尽している次第であります。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) ただいま中川局長からも御説明申し上げましたように、文書違反あるいはまた誹謗文書の頒布は、今回における選挙違反の一つの特徴かと私どもは考えるのであります。非常に今回の選挙におきましてはいろいろの文書が出てきた。これをどうして押えるか。事前にわかればいいんでありますが、警察にわかるときは、すでに頒布されたあとというようなことでありますので、私どもも、まことにこの点につきましては困ったものだ、困ったものだからといって、一体それじゃどうするか。頒布されてしまいますと、もう事後のことになりますので、事前にできるだけそういうものを察知いたしまして、前に押えるということが適当と思うのでありますけれども、しかし、頒布しなければ実際の違反文書ということにもなりませんので、なかなかその取締りに難渋をきわめておるわけであります。私も、自分の選挙の経験におきまして、そういうような一つの誹謗文書と申しますか、投票日の前日に配布されて、非常に迷惑した経験を持っておりますが、まことにこういうような、何と申しますか、不明朗というか、きたないというか、卑怯というか、そういうような選挙違反文書につきましては、これはあくまでも厳重に取り締らなければならぬということは、言うまでもないのであります。しかし、率直に申し上げますと、非常にむずかしい問題だ、まあそういうようなことをやる分子というものを事前に押えるということも困難でありますし、前の日になって出されてしまいますと、それを言いわけする、弁解する機会もなくなってしまうということで、一方の候補者には非常に迷惑をかける、こういうような問題は、国民の良識が発達すれば、そういうような文書が出ましても、これによって有権者の方々が迷うということもないのでございますが、しかし、それにしても、そういう文書が出るということはまことにけしからぬ話で、どうすればこれを取り締れるか、警察としても全力を尽しておるのでありますが、今のところ、率直に申しまして、これを適切な時期に確実に押えるということにつきましては、私どももまことに名案のないことに苦しんでおる次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 今、ただ一つの例をとっているのですが、厳密に言うと、これは選挙違反にならないのですか、この文書は。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 私は一般的にお答えしたのですが、具体的の例になりますと、選挙違反になる場合とならない場合とあります。具体的の場合が、先ほど私があげました百四十八条の要件を満たす新聞、雑誌である場合におきましては、合法的な新聞、雑誌でございます。合法的な新聞、雑誌ならば、報道評論の自由があるわけでありますから、選挙に関する報道評論の自由が認められるのであります。その自由を乱用していいとは思いませんけれども、高田委員があげられました文書が百四十八条の三項の要件を満たす文書であるかどうかということが一つのきめ手であろうと思いますが、ただし、要件を満たさぬ文書で一般に行われている違反事件が多いということは事実でございますので、その点を申し上げたわけであります。具体的な事例は具体的内容によりますので、一がいには申し上げられません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 これは、私も調べたのですけれども、法律的に言って公職選挙法の違反にならない。しかし、こういう町会の役員が公けの機関を使うなんということは、明らかにボスの証拠ですよ、町会の。本人が、町会制は復古調だ、こういうことをやる役員はボスだなんて言ったことは当りまえのことだ。そういう当りまえのことを言って、千葉才智区議と町会の対立という見出しをつけてばらまいている。対立したということがどうだということは書いてない。しかし、こういうものを見ると、なるほど千葉才智という区会議員は町会とすら対立している、こういう者はあまり好ましくないという印象を与えるためのこれは謀略的な報道です。しかし、この文書そのものは、何もこれは公職選挙法違反にならない。非常に底意のある悪質な選挙妨害だ。投票の前日に五千部まいたということ自体が私は問題だと思うのです。しかも、この本会議で質問したなんというのは、十カ月も一年も前のことです。それを選挙の前日に持ち出してきて、千葉才智区会議員と町会の対立、こういうふうに言いまして、印象をきわめて悪くさせる底意を持って出しておる、しかし、文書そのものは公職選挙法違反にはなっていない、こういうふうな、きわめて悪質なものについては、やはり相当メスを入れなければ、フェアプレーなんということは言えないと思うのですね。どうかこれは、せっかく私はこれを一つの例題に—こっちもたくさんありますけれども、皆出すわけにいきませんから、一つこういうものを特例として出した以上は、当局の方でも、この資料を差し上げますから、十分研究されて、こういういかがわしい事態を息の根をとめるくらいの迫力をもってやらないというと、公明選挙なんということは、口先だけのことになってしまうと思いますから、一つしっかりやってもらいたい。  それから、次にお尋ねしたいことは、この地方首長の選挙の場合ですが、行政組織を利用して作られる後援会、これは、やはり公職選挙法の何条にも引っかからないやり方で、地方の首長が行政組織を利用した後援会を作るということについて、これはやはり相当、合法的ではあっても、こういう点については、たがをはめていかなければ、これはフェアプレーにならない。長官は、この行政組織を利用した後援会というものについては、どういうような見解をもってごらんになっているのですか。今後こういう問題について御研究になる御用意があるかどうか、この点を伺っておきたい。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) まあ行政機関の長、たとえば、知事であるとか、市長であるとか、町村長であるとか、こういう方々の行政上のいろいろな問題につきまして、住民の方々ができるだけこれを支持していく、円満な行政を運営させようという住民側の自発的な意思によって後援会を作るということそれ自体につきまして、私ども、これを非難すべきものでもないと思うのであります。ただしかし、行政機関の長が、特に選挙を目当てとして、行政機関の組織を自分のために利用して後援会を作るというようなことになりますと、これはまあ、直接公職選挙法の違反に引っかかる引っかからぬは別といたしまして、そういうようなあり方につきましては、十分検討もし、また、当事者の方々に反省をしてもらわなければならぬ点もあるかと思うのであります。しかし、前段申し上げましたように、これは行政機関の長の問題に限らず、全体の後援会というもののあり方とも関連いたして参る問題と思うのでありますけれども、一般的に後援会がどんどんできるという場合に、行政機関の長である者が後援会を作ってはいかぬということも言えないだろうと思うのであります。しかしまた、一般の人たちとまた別の立場にある行政機関の長が、自分の職権を利用して後援会を作るということにつきましては、当然これは反省してもらわなければならぬ問題とも考えられるのでありますが、個々の場合におきまして、具体の問題として検討せなければならぬ問題で、一がいにすべての長の後援会がいかぬということは言えないと思うのでありますが、それぞれの実態に即し、また態様に応じて判断すべき問題であり、また、それに対して誤まった行為があるようでありますれば、十分注意を喚起していかなければならない問題だと考えております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 反省してもらいたいことばかりあるのに、さっぱり当事者は反省もしないし、回りの者も反省もしないので、今日のような、実に俗悪きわまりない選挙が行われていることを非常に私は遺憾に思うのです。よほど、やはり長官としても、先ほどから申し上げているように、後援会組織そのものについても再検討をされる御用意がなければならないというふうに私は考えます。  次にお尋ねしたいことは、今度の選挙で、公明選挙ということを目標にして、選挙違反や、それから汚職とか贈収賄という、きわめてきたない政治をみんなでもってはき出そうじゃないかということで、ホウキの会という会が中島健蔵さんが主になって発会されたようです。これは、明らかにこの公明選挙を目標にした大へんりっぱな運動であったと私は思います。しかし、たまたまその発会式の日に、暴力団がなだれ込んで、会をめちゃくちゃにしてしまった。これは、どういうような方がこういう暴力を大衆の面前でもってふるうのか。公明選挙活動というものが民間から起ったときに、これに対してはなはだしい暴力を加えて、これを押えつけようとするこの勢力、この勢力は、やはり政府として、これは厳重に取り締っていただかなければなりませんが、この事のてんまつと、あの時の暴力をふるった背後というものが、どういうような一体関係を持つものか。なかんずく、今日の右翼団体の行動並びにその背後、これを一つ詳細に御報告願いたいと思います。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) ただいまの御指摘になりました事件でございますが、これは警視庁管内で起りました事件でございまして、義人党と称する団体が、ホウキの会の主催中に、アンモニア弾などを持って、しかも、ビラなどを若干持ってそこへあばれ込んで行った、こういう事件が警視庁管内で起きたのであります。たしか選挙運動期間のまっ最中だと思います。そこで、所轄警視庁におきましては、重要な事件でございますので、直ちに警察活動をいたしまして、このなだれ込んだ人間を暴力行為等処罰に関する法律の違反行為の現行犯をもちまして検挙いたしました。そういう事件でございますので、警察といたしましては、事件を解明いたしまして、事件関係者につきましては厳重な調べをいたしまして、検察庁に送致の手続をとっております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 今のホウキの会だけではなく、右翼団体というものが、やはり今度の選挙の中で、かなり陰の方で蠢動をしているという傾向を、私どもは、実際に今度の選挙戦の中に参加しまして感じるわけです。左翼の方は、これは、破壊活動防止法で、公安調査庁も巨額の捜査費をもっていろいろ調査をされているようですけれども、どうも右翼の方については、あまり峻烈なお取り調べもないようだし、御調査もないように思うので、この際、この点も明らかにしていただきたいというのが私の質問の趣旨です。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) われわれ、具体的な言葉で、右翼とか左翼という言葉があるのですが、いずれも法律用語じゃないもんですから、正確にはお答えできないのですが、私どもの立場から申しますと、違反行為、ことに暴力行為をやることが想像される組織その他があり得る。それに対しましては、いわゆる右翼であろうと、いわゆる左翼であろうと、その犯罪行為ということを起しやすいものにつきましては、警察としては、視察の目をゆるめるわけにいかない。それで、警察におきましては、いわゆる右翼でありましても、いわゆる左翼でありましても、そういう犯罪行為をすることになりそうなプロバビリティに対しまして厳重な査察をいたしまして、そうしてその事件の内容等を究明いたしまして、たとえば、脅迫をやるとかあるいは暴行をやる、ないしは、はなはだしいのは殺人なんかやりますが、そういった面につきましては、厳重な視察をいたしております。それで、われわれは、天下に公表したらどうかということをよく言われるのでございますけれども、私ども警察活動といたしましては、違反行為というものを一生懸命視察し、それによって違反行為をみつければ、証拠に基きまして刑罰権を発動していく、こういうことが使命でございますが、そこまでに至らない内容等につきましていたずらに言うことは、これまた個人の人権にも関連いたしますので、いわゆる右翼、いわゆる左翼等であって、犯罪行為等に関係しやすいものにつきましては、警察は視察をおこたりませんけれども、視察をいたしまして、犯罪となったものにつきましては、どしどし検挙という法律の手続によって解明していく、こういう態度をとっておるのであります。ただし、選挙ということになりますと、いわゆる右翼も、いわゆる左翼も、もちろん国民でございますので、公民権がある人が選挙活動をするということは許された行為でございますので、選挙活動自身を、犯罪でない面までを調べるということは適当でございませんが、選挙違反という形の犯罪につきましては、いわゆる左翼も、いわゆる右翼も、厳重に視察をしている、こういう状況でございます。いわゆる右翼中で選挙犯罪をやったものがあるか、いわゆる左翼中で選挙犯罪をやったものがあるかということになろうと思いますが、いずれもございます。いずれもございますが、右翼とか左翼とかの法律的な用語はございませんが、選挙違反をやった人を、お前は右翼だ、お前は左翼だということのレッテルを張ることもいかがかと思いますので、いわゆる右翼、いわゆる左翼の選挙違反の一覧表というものは作っていないのでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 選挙違反ばかりではなく、たとえば日教組の大会の場合なんか、元の軍人会館に五十人も、こんな太い二間もあるようなカシの棒を持って門のところに大挙しておっかない顔をして、紺の服装をしてざあっと並んでいる。ああいうようなのは、これはやはり右翼です。しかし、暴力をふるっているわけでもないし、ただ棒を持って立っているだけなんですから、あれは暴力事犯行為にはならない。騒いでいるわけでもないから、特別にこれは示威ということにもならないでしょう。まことに薄気味が悪い。あれはやはり右翼ですよね。ああいうようなものの実態調査というものは相当されているのでしょうかと尋ねているのです。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) その種の事柄については、実態調査をいたしております。ただ、それを公表することは、いろいろ人権との関係の上で困るということを申し上げたのです。これは、憲法制度上の関係に相なるのですが、すべての国民は自由な行動ができるわけですが、そのうち、自由な行動をする中で、犯罪行為になるべき、いわゆる脅迫になったり、脅迫になるようなことをやりそうな方、それから暴力行為をやりそうな方、こういうことは、警察の責務として厳重に視察をする。しかし、不法行為あるいは暴行もしないのに、あいつは左翼だ右翼だと公表するのは困る、ただし、厳重に視察はやっているというのが答えの要点でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 それは御調査になっているわけですね。その組織やなんかも、全部御調査になっておるわけですね。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) さようです。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 今度のホウキの会に暴力を働いたのは、どういう組織の中に類するものですか。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) これは、右翼だという根拠がないのですが、ホウキの会にあばれ込んだ団体の関係者は、いわゆる義人党という団体ですが、これに属すると認められるものでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 あれは、ただあばれたということで、微罪者釈放で、それでおしまいですね。そういうことですか。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 警察といたしましては、暴力行為等処罰に関する法律という法律がございまして、その違反行為の現行犯といたしまして調べておる。すなわち刑罰権を発動しております。もちろん、刑事手続が進行いたしますので、おそらく裁判で刑を受けることになろうと思います。これは、今後の刑事手続によってきまることになると思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 次に、自治庁長官にお尋ねしておきたいことは、ずっと今の質問にひっくるまってくるわけですけれども、後援会組織を作るにしても、それの発会式をあげるにしても、この郵便料にしても、実に巨額な金銭を使わなければこういうことができない。従って、法定選挙費用というものは今あるがごとくにして、全く法定選挙費用というものはない状態にひとしくなっているようです。この法定選挙費用を厳密に調べるということはずいぶん困難なことであることは、私よくわかります。しかし、常識的に考えて、立看板の数が何枚、ポスターが何枚、はがきが何枚ということは、これは明らかに法定選挙費用内の活動を示したものであって、それ以外のものが使われているということは、これは明らかに法定選挙費用を無視した活動が行われていると見なければならないと思うのです。私の主張は、法定選挙費用以上のものを使った候補者は、これは失格にさせるぐらいに強いやり方をやっていきませんと、まるでお金の使い方競争という風潮がどんどん増長されていく傾向にあるのではないか。これをほうっておきますと、金のない者や、それから法定選挙費用内でやろうというものは、とても選挙ができなくなってしまいますから、法定選挙費用以上の支出をしたと思われる者、これの調査は困難でしょうけれども、こういう者に対する注意といいますか、何かこれは方法がありそうです。今までこういうことについては御注意も何もなかったようで、野放しの状態はあったようですけれども、いかがでしょうか。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 今度の選挙は、従来からもそういう点は重大な関心の的になっておったわけでありますが、特に今回の選挙を通じまして、これは私、そういう打ちあけ話といいますか、率直なことを言って、自治庁長官の立場においてどうかという御批判もあるかと思いますが、率直に申し上げまして、こういう金のかかる選挙というものは、私はまことに困ったものと思うのであります。これは、何としてもこういうように、先ほども雑談したときに話も出たのでありますが、たとえば、衆議院選挙あるいは参議院選挙というような大きな選挙でない小さな、村の選挙あるいは町の選挙、そういうところの市町村長はもちろんのこと町会議員の選挙等を見ましても、莫大な金がかかっている。これは、私は実際だと思うのであります。そういうような姿を一体どうしていくか。これは、どうすれば一体金のかからないような選挙になるかということは、法制上の問題もありますし、また全般の、政党自体も考えなければいかぬ問題もあると思いますし、国をあげてと言うと、少し極端かもしれませんが、私は、いろいろな方面から、金のかからないような選挙というものを考えていかなければならぬと思うのでありますが、法定選挙費用の問題につきましても、現在の法定選挙費用というものが適当かどうか、実際はあの範囲で行われているかどうか、率直に申し上げまして、私は疑問と思うのであります。それならば、法定選挙費用というものを、むしろ公正な選挙運動をやるに差しつかえない程度まで上げるなら上げて、そのかわり、いやしくもそれを超過した場合は、厳重にこれを取り締る、あるいは失格させるような極端な制裁を加えるようなことまで場合によったら考えなければいかぬのじゃないか。で、いろいろ御指摘もありましたが、衆議院の公職選挙法調査特別委員会におきまして、一、二年—もう二年ほど前になりますが、そのころから、例の政治資金規正法の検討ということで、私ども、社会党の委員の方々ともいろいろ話し合いをしまして、政治資金規正法というあの法律をどういうふうに今後運営していくべきものか。これは、政党の政治活動の問題とも関連して参ります。それからまた、あるいは政党法という問題も考えなければいかぬかもしれません。それから、公職選挙法における法定選挙費用の問題、さらにまた、公職選挙法できめられた以外の、お話のような、事前のあるいは隠れたる選挙運動、こういう問題に対する規制の問題等、問題が非常に広範であり、また、掘り下げて検討していかなければならぬ問題がたくさんあると思うのであります。私自身といたしましては、そういう問題等を含めまして、これはもう超党派で、そうしてまた、単に自治庁という立場ばかりでなしに、取締りの立場にある警察側の意見なり、あるいはまた、一般の評論家の意見等、各方面の意見を総合いたし、また、ただ形だけ作るということでなしに、金がかからぬような体裁だけの選挙法ということでなしに、実際に金がかからんでやれるような選挙というものを検討していかなければならぬのじゃないか。そういう抽象的なことを言って、しからばどうすればいいかというお小言をちょうだいするかもしれませんけれども、今私がここで、こうすれば金がかからないのだというようなことを簡単に言えるべきものでもありませんし、また、私は、そう簡単に言うべきものでもないと思うのであります。これは、お互いに一つ真剣に考えて、どうすれば金のかからないような選挙ができるか、これをこれから私は、日本の民主政治の最も大きな課題として、そうしてお互いに研究していかなければならぬものだと痛感いたしておる次第であります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 長官もそんなふうにお感じになっておられるわけですから、国民の世論も、今度の選挙を通して良識のある人は非常なひんしゅくをしておる選挙でありますから、これは、そうお考えになったら、早い機会に各党に政府みずからお呼びかけになりまして、いち早く建設的なまとまりのある意見というものが公表され、実施されるように手を打っていただきたいものだと、切に私思います。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) お話の通りでありまして、実はこの選挙が始まるちょっと前でありますが、選挙が始まっている最中に、選挙法改正の問題を取り上げるといいますか、それを発表することは、現行選挙法に対していろいろまた批判の問題が起りますので、そのことの公表はいたしておりませんが、衆議院の公職選挙法の委員の方々の集まりにおきまして、たしか社会党では島上さん等出ておりましたけれども、一つ、休会中でもいいから、お互いに小委員会のようなものを作って、そうして真剣に検討していこうじゃないかということを、私自身も、社会党側の委員の方、それから自民党の委員の方、主として公職選挙法の理事の方でありますが、その席上申し述べまして、そうしてお互いに一つ検討しようということを話し合った次第であります。私としては、さらに公職選挙法の委員の皆さん方にお願いいたしまして、この参議院選挙の済んだあと、休会中も、ぜひともその問題について、自治庁として私どもも検討いたしますが、議院側においても十分検討していただくようにお願いいたしたいと、かように私は考えておる次第であります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 参議院選挙も間もなく始まることでありますから、特にあらためて確認をしておきたいことがあります。それは、今度の選挙では、連呼行為というものは、確かに違反であるということにはなっていますけれども、実際問題としては、これは連呼行為は野放しだったようです。しかし、これはひが目ではありませんけれども、おまわりさんが数が少いのですね。連呼行為など、とても取り締っちゃおられない。戸別訪問しているのも取り締らなければならない。連呼行為も取り締らなければならない。文書図画もこれも取り締らなければならない。あまりにも俗悪違反の続出で、おまわりさんはもう手をあげているのです。そういう間隙を縫って連呼行為が行われている。私どもも、率直に言いまして、まあこれは二大政党の対決で、保守党の方も連呼しているのならば、これは革新もやろうじゃないか、それじゃ革新もやっているなら保守党もやろうじゃないか、あれもやろうじゃないかという、こういう連鎖反応ですね。これはやはり、お互いにルールを守れと言っても、やはり守らなくなっているところに問題があると思うのですね。やらなければ損だ、やり得だ、確かにやり得なんですから、今のこのありさまではね。これをにわかに取り締るというようなことについても、私はもう限界があると思うのですね。たとえば、ある地方では、岸さんがオープンカーに乗っちゃって、ちゃんと連呼していますよ、行った先で。車で何じゃかんじゃ連呼しておりますが、おまわりさんはさっぱり、こういうのは合法みたいな顔をして見ていますよ。しかし、私が車に乗ってたまたま連呼しているのを見つかると、えらい怒ります。これはやはり連呼行為している者に、ある者に対しては寛大であり、ある者に対しては厳重にやるという、こういうやり方自体が、私はもう全然なっちゃいないと思います。岸さんのことを今取り上げて申し上げたのは、これは攻撃するつもりで言っているわけじゃありません。少くともやはり指導的な立場にある方自体がそういうことをやっているし、東京都内では、自民党選挙対策本部からは、ちゃんとこのパレードを作るような指示も各下部の方に流されて、実際にそれもおやりになったようですし、私どもの方でも、自民党がそういう指示を流しているなら、こっちも大へんだからやろうということで、結局あれは、両方途中でもって取りやめになったのですが、要するにめちゃくちゃですね。こういうめちゃくちゃなのを、腕をこまぬいて、そのままでいいということは私はまずいので、連呼行為はこの際見のがすというなら、見のがす方針を立てたらいいと思うのですよ、皆がやっているのですから。このあやふやであるということが、私は大へん間違いのもとだと思うことが一つ。  もう一つは、連呼行為ではないけれども、まさに連呼行為であるとおぼしきもの、これは、たとえば省線赤羽駅なら赤羽駅のまん前に事務所をとっておって、そうして人が通勤でごった返すようなときに、朝から晩まで、だれそれ候補でございます、よろしくお願いいたします。これは連呼行為じゃないですよ、事務所の中でやっているから。しかしあそこはこれはもう通らなければ電車に乗れないのですから、通りたくなくったって。これは非常に合法的な非合法の連呼行為、こういうものが全然放置されているということが一つ。  それからもう一つは、革新陣営が演説をするときに、商店街の方がスピーカーか何か置いて、連絡が何かするらしい、広告放送か何かやっているらしい、それが、革新陣営の者がトラックを持って来たとたんに、軍艦マーチでやり出す、これは全然演説できない。こういうことを警察に文句を言っても、そうですが。それは別に違反というわけにもいきませんというようなわけで、全然これも野放し、一体これはどういうことになっているのか、私も頭が変になりました、今度の選挙に参加して。連呼行為の非合法性、今言うような、駅前の連呼行為ならざる連呼行為、これは一つの脅迫だ。それから、商店街の何か広告のアナウンスですか、ああいうものを利用する選挙妨害、こういうものについては、取締当局はどういうような取締りをしておられたのか、今まで。この点について伺っておきます。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 高田委員のお説のように、現行公職選挙法で規制している事項が相当たくさんあります。規制している事項が守られていくようにいろいろ考えるということは、すべての機関が協力して考うべきだということは確かであります。立法論は別ですが、現行法をどういうふうに守るように皆が協力してやるかということについては、苦心惨たんしなければいかぬと思うのですが、現在私どもが苦心している要点を申し上げます。  犯罪だから根こそぎに、どいつもこいつも検挙してしまうということによって、すなわち刑罰権を行使するということだけによって防止しようという考え方も一つであります。ただし、それだけでは、たくさんありますので、連呼行為全部を違反検挙をやっておりましては、調書が一ぱいになってしまう。こういうことになってしまいますので、私どもがやっておりますのは、その規制の方法としては、たとえば最初選挙が行われる選挙運動期間の前あたりに、選挙管理委員会に各候補者の運動中心人物に来ていただいて、こうこうこういうことが違反だ、こういうことは違反になる、こういうことをやめていただきたいということをよく申し上げて、そうして関係者の自省によって犯罪が行われないようにということを一つやっております。そのほかに、買収などは検挙するより手はないと思うのですけれども、連呼行為その他につきましては、一般的な警告のほかに、めつかったつど警告している、こういうのが事実でございますけれども、連呼につきましては、今御指摘がありましたように、あまりにも多いものですから、警告も、ちょっと警告すると、またやってくるということになりますので、検挙した事件もございますけれども、比較権衡等の問題もございますので、警告等のような行政措置によってこれを規制して参ろう、こういうことに考えて今日運用してはおるのでございますが、横紙破りが相当多いものですから、高田先生がごらんになったような現象を呈していることも、私どもも承知しておりますけれども、そういうような方法で、だんだん公職選挙法が守られるように努力しているのですけれども、あまりに犯罪が多いものですから、今御指摘になったような問題が確かにあるのが事実でございます。  それから合法の宣伝は、たとえば、演説の内容がいいとか悪いとかいうことは警察は言えませんから、演説の内容としては、おそらく公職選挙法に規定した内容は、政見とか政策を演説するということが趣旨だと思いますけれども、私ども有権者として聞いておりますと、政策の趣旨を演説する方もございますけれども、演説の内容、中身は、政策の趣旨よりも、お願いします、頼みますということの方が多い。こういうことも現状だと思うのです。これを警察が取り締るのはどうかと思うのです。ただし、車上の連呼とか、非合法な連呼につきましては、警察は気のつき次第警告によって抑制していこうと努力はしておりますけれども、あまりにも多いものですから、だんだんそこまで行き届いていないというのが実情でございます。だんだんこれも工夫いたしまして、警察の刑罰権の発動ということによっても一つ抑制の作用もあろうと思いますけれども、根本は、大部分の人が守っていただくような気運を作っていく。これは警察だけが力んでもしようがありませんから、各政党の方々、各選挙運動員の方々等の御協力によって、大部分の方は守られてきている。若干の横紙破りした人間はどしどし刑罰権の発動をしていくと、こういう方法によらざるを得ないと思います。みんな連呼しそうだからといって、各運動員に全部警察官を付けて回るということができましても、警察官をうんとふやしてできましても、いかがかと思います。それは関係者の良識に期待しながらやっていく、こういうことが正しいのではないかと思いますので、御指摘の点はよくわかりますが、そういうことで運用しておる次第でございます。  それから御発言になりました選挙運動に従事する人が選挙運動演説をやろうと思っておるのに広告放送でじゃまされると、こういうケースでございますが、これがじゃまの形態が非常に悪意に満ちて、結局、特異な状況の場合におきましては選挙の自由妨害に当る場合もあろうかと思いますけれども、通常その町で行われている広告放送を、選挙運動期間だからやめろと言うのは、これまた警察の職権乱用的なことになりがちでございますので、通常その町で行われている広告の状態についてはやむを得ない。ただし、特定の候補者がだれかおいでになるとまたそのあとを付け回って、そこで妨害放送ばっかりをやっていると、こういう場合には、自由妨害に当ろうかと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 駅前はどうなんですか。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 赤羽駅前のやつは、お話もございましたように、選挙事務所を演説会場にする場合でございますが、演説をやる場合における連呼行為は、これは認められております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 それは演説会をやるというのじゃないのですよ。何々候補よろしくお願いいたします。皆さん何々候補でございます。何々をよろしくお願いいたします。これが耳も割れぬばかりの声でもって駅前でやっている。これは赤羽駅だけに限ったことじゃありませんよ。通りたくなくてもしようがありませんからね。これは明らかに連呼行為だと私は認めるのですよ。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) これは私も町を歩いておってよく見るのですが、結局、街頭演説は選管の標旗のもとに運動員が——制限を受けた運動員が演説することは認められますね。その街頭演説をする演説の内容としてやっている場合においてはまず合法と、演説をやる前後に連呼することは公職選挙法で許されていると、こういうのが法律論でございます。そうすると、演説会場における連呼なりや、すなわち、街頭演説、赤羽の駅前なんか、演説の場所たる所に標旗を持っている。そうすると、赤羽の駅前で街頭演説をすることは合法ですね。街頭演説をする演説の内容が政策の普及とか、そういう演説が大部分だろうと思いますけれども、法律の趣旨は……。ところが演説が、頼みます、願いますということになるのまでを警察が取り締れというのは、演説の内容にまで入りますので、差し控えておると、こういう実情でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 その内容の問題ではなくて、電車に乗る場合にはその駅を通らなきゃならないのですよ、いやでもおうでも。それをいいことにして、この選挙事務所にスピーカーをつけて、朝から晩までお願いしますと言うのは——これは演説なら仕方ありませんよ——こればかり言っていることについては、これはもう明らかに連呼行為だと言うのです。こういうものは取り締りの対象にすべきはずのものであるが、放置されている。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 高田委員のおっしゃること、よくわからぬのですが、要するに、そこに標旗があるかないか、個人演説会となっていた場合か、なっていなかった場合かによってお答えが違って参りますので、ちょっと私が答えると観念的になりますので、赤羽駅前の状況がやはり問題になります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 今にわかに、御研究にならなければそれはお答えにくいだろうし、公職選挙法を私調べても、これは違法だという結論が私にも出ないし……。ここが赤羽駅でしょう。ここが道、一本しきゃない。ところがここに選挙事務所ががんばっていて、ここでスピーカーをつけて朝から晩まで……。ここを通りたくなくたって、乗る人と降りる人に絶えずこれが入っているのです。連呼行為というのは、不特定多数の人に間断なく周知せしめる行為、こういうのが連呼行為だから、不特定のものにそういうことをやっちゃいけないので、連呼行為は禁止しているわけだ。そうすると、駅に行く人はやはりここを通らなければ絶対行けないのだから、これを目当てにして朝から晩までここでお願いしますとやるということは、連呼している効果と全く同じ効果なんだから、こういう特定の駅の前における選挙事務所では、この行為は禁止することが妥当ではないか。特に赤羽駅で、私乗りますときには、ちょうど何か水道管が破裂したとか何とかで、もうホームはあふれ、女の人は足を踏みにじられ、階段はもう鈴なりのごとくで、事故が起らなければいいがと思って非常に私心配していた、そういうときであるにもかかわらず、ここで何々候補をお願いします、何々候補をお願いしますの連呼をして、実に非常識きわまるやり方には憤激を覚えて、家へ帰って調べてみたけれども、これは処罰の対象にならないのですね、現行選挙法では。ですから、やはりこの駅前における事務所の演説は連呼行為と同じように見なして、これは厳重にやはり押えていかなければならないと思うし、ああいう雑踏の所はとりわけて騒音を立てないように、自動車でもクラクションを制限されているのです。少くとも自動車のクラクションが制限されているような公共の集まる場所、その場所を目当てにする呼び込み、これはやはり規制する必要があると思うのですがね。現行法では合法的になっていましょう。これはぜひ研究してもらって、もし違法でなくても注意される必要はあると思うのです。研究してみて下さい。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 現行法の問題といたしましては、ちょっとくどくなりますが、演説という内容は合法である。連呼という内容は場合によっては非合法になる場合もあるし、場合によっては合法になる場合がある。合法になる場合は、街頭演説会場における連呼行為は許された行為である、こういうふうになっているのです。そこで、具体的な問題に適用していきますと、選挙事務所の前だということは、問題の解決にならないのです。当該場所が選挙事務所の前であろうとなかろうと、街頭演説の行われる場所、言いかえれば、標旗があったかなかったかということが問題の一つだと思います。もう一つは、そこが個人演説会ないしは演説会場であるかどうかということが問題の二点であります。そういう合法的に演説ができる場合におきましては、連呼は許された行為である、こういうことに相なるわけでございます。従って、高田委員の御指摘の場合において、街頭演説の標旗がそこにあった場合におきましては、おおむね合法である。それから演説会場にそこがなっている場合においては合法である、内容が連呼でなくて演説ならばもちろんけっこうである、こういうことになる。最後は演説と連呼の違いいかんどいうことになるのですが、演説とは、社会通念上演説と認めるもの、連呼とは簡単な同じ言葉を繰り返していることが連呼だ、こう解釈しているわけでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 あなたの御答弁は全く、それはもう御答弁は御答弁ですが、しゃくし定木ですよ。そんなことじゃなくて、こういう不特定の公衆が集まって混雑するような場所で—確かに演説会場と書いてあるのだからこれは合法ですよ。そういうことをやるのはみんな法律を研究してやっているのだから、私ら研究してみても確かに合法ですよ。しかし、あの電車の乗り降りの雑踏の中で、バスはあそこにたくさんあるし、そういうような中で、朝から晩まで耳の割れるような声を張り上げて、あれで選挙事務所では票になると思ってやっているのでしょうけれども、はなはだしくわれわれは迷惑です。これは長官も御研究いただいて……。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 現行法のもとにおける解釈につきましては、刑事局長の申し上げた通りでありますが、立法論につきましては、確かに検討しなければならぬ問題だと思うのであります。そのほか、駅前に限らず、私は他の機会にも申し上げたのでありますが、たとえば学校のそばであるとか、あるいは病院であるとか、あるいは最近顕著な傾向は、アパートの団地があります。あそこにたくさん有権者がおるというので、団地にたくさん集まりまして、連呼する、とまっておりますから、現在の法規上は差しつかえないわけでありますが、しかし、とまっておるからいいといっても、団地へ向って朝から晩まで連呼されては非常に住民の方に御迷惑になるわけでありますので、そういうような問題等も、今後の立法論として、今度の選挙の経験にかんがみまして、いろいろ検討しなければならぬ点であると思うのであります。駅前の点につきましても、やはりそういう機会に十分検討したいと思っております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 この連呼行為をにわかに取り締るということは、私は実情を今申し上げても非常に困難だろうと思うし、現在の警察官の数からいっても、この公職選挙法違反のすべてを警官の手で取り締っていかなければなりませんが、やはり警官だって能力の限界があるし、数の上での限界もあるわけですから、むしろ、形式違反に目を光らしてつまらないものをひっくくっていくのではなくて、取締りには重点主義を取らなければ徹底しないと思います。多分重点主義で取り締っておられるのではないかというふうに考えられる点もありますが、どうも今まで、この資料を見ると、全然重点主義が取られていないように見えます。悪質なもの、それから連呼行為、みんな一様に通り一ぺんのおざなりです。おざなりでやるということは、即、選挙違反をむしろ助長するような形になって、非常にまずいので、やはり悪質なものに対する重点的な取締りということで、警官の数と警官の質、こういうものを科学的にやはり御研究になって、重点的にまず向けていくということの方が非常に大切ではないかということが一つ。  それから連呼行為というものをやたらに言うよりはむしろこれは自民党さんの方が御反対で非常に残念だと思うのですが、立会演説というものをどんどん、やはり公団住宅あたりには設けられて—あそこでは呼び込まれて大へん迷惑しているお話を伺っていますから、団地に対する特別な措置、なかんずく立会演説の回数を総体に増して、団地あたりではどんどん立会演説をやらして、時間を規制してやったら、赤ちゃんなんかも安眠を妨げられないのじゃないかという気持がいたします。にわかにこれをどうこうするということもできますまいと思いますが、どうしてもこれは立会演説あるいは演説会というものを、回数をふやして、そして脱法行為に必然的になるようなものをむしろ少くしていくというやり方を御研究いただくことがいいのではないか。それについては、休会中にそうした小委員会をお持ちになるという御発言もあったようですが、しかるべく合法的でありましても、特に団地の集団住宅に各候補が演説ならざる演説で迷惑をかけるということなぞについても、団地の方々の保護のために、私は一言苦言を呈しておきたい。赤ちゃんが寝られないそうですよ。これはまことに気の毒なことですから、時期はすでにおそいと思いますけれども、こういう点についても新たなる問題として御研究をわずらわしたいと思うのです。  以上、数々の質問を申し上げましたが、要するに、根本的な公職選挙法の改正ということにならなければ取締りということも十分ではないと思いますが、参議院選挙も目前に控えまして、またまた脱法、違法行為が横行するということについては、私もたよりないような気持がいたします。どうか一つ形式違反などばかりびしびしやるのじゃなくて、重点的に、悪質買収、こういうものをびしびしとやっていくというような気概を一つ持っていただきたい。こういうことを切望いたします。長官からそれについての御答弁をわずらわし、そして私として、事務的に今日まであげられた選挙違反の数とそれから取締りの重点はどういうふうになっているのか、今後どういう取締りをするのか、事務的なことになりますが、一つ……。

青木正自由民主党国家公安委員会委員長・自治庁長官

○国務大臣(青木正君) 前段のことにつきまして私の考えを申し上げたいと思います。お話のように、刑罰で取り締るというのは限度があるわけであります。従いまして、私の現在の率直な気持を申し上げますと、全く同じ考えであります。ただ、いたずらに取締り法規を間口ばかり広げてしまって、どれもこれもいいかげんになるということではなしに、もっと、弊害の多い、端的に言えば実質的なものを厳重に取り締る。しかし、形式的なものにつきましては、ある程度これはただ取り締るというようなことをやってみたところで効果が上らないような規定を設けても仕方がないのではないか。しかし、私は現段階におきましては、現在の法律がある以上、これを改正するのが適当であるというようなことをこの機会に一般的に言うことは、私は適当でないと考えるのであります。と申しますのは、それじゃ連呼規定は将来改正されるようなことを言っているから、やってもいいじゃないかというようになってはゆゆしい問題になりますので、現在におきましては、私はあくまでも現行選挙法のもとにおいて最善の努力を尽す。連呼を十分取り締っていないじゃないか——御指摘の通りでありますが、しかし、警察としては当然法律の命ずるところに従いまして、できるだけのことを現在やらなければいかぬ。しかし、将来の立法論としては、お話のように何もかも取り締るということが何もかも取り締れないという結果になってしまっては意味をなしませんので、お話のような方向に十分検討していきたいと思うのであります。  それから立会演説会のことも、私は今回の地方選挙に当りまして、立会演説会を開くなりあるいは公報を発行するなり、これは地方選挙については条例できめることになっておりますので、それができることが適当じゃないかということも、いろいろな機会に選挙管理委員会の方々ともお話し合いをいたしたのでありますが、実際問題といたしまして、たとえば東京都議会あるいは東京都の区議会議員の選挙の場合等におきましては、非常にたくさんの候補者が、選挙区が区ごとになっておりまして、一つの選挙区に何十人という候補者がいる。こういう方々の立会演説会ということは、実際問題としてなかなか困難であります。そういう場合は、しからば連呼にかわるあるいは立会演説会にかわる方法として何があるか、単に名前を告げ、頼みます。願いますということだけでなしに、せめてもう少しその候補者がどういう経歴の人か、どういう考えを持っているか、それを有権者の方々に徹底することのできる何らかの方法を考えるべきじゃないか。文書なりあるいは演説なり何らかの方法で実行のできる案を今後検討していかなければならぬと、私もさように考えております。  なお、いろいろ取締りの実際問題については、国家公安委員長として、私は実際問題を取り締る立場に立っておりますが、実際に警察関係を担当しております刑事局長の方から、実際の取締りの現在やっております方針等につきましては、中川局長から御答弁いたします。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 御質問の後段の部分についてお答えいたしますが、過般施行され、本日も行われております地方選挙につきまして、だんだん違反発覚のつど検挙いたしておりますが、これからこの数字もだんだんふえようかと思いますが、現在お手元にも配ってありますように五千五百余人を検挙いたしております。内訳は買収が一番多く、その次が文書制限違反、戸別訪問、こういう順序になっております。警察はどこを重点にやっているかということでありますが、選挙違反すべてを……。ほかのものは、たとえば形式犯は問題にしないということになりますと、ますます形式犯がふえる傾向になりますので、そのことは常に念頭に置いておりますが、従って、刑罰権の発動によらなければ選挙の公平の確保ができない部分につきましては、実質犯であろうと形式犯であろうとを問わず、検挙していく、こういう立場でございます。しかしながら、そういう選挙違反でございますので、自然警察としては、どれもこれもやるというためには、若干の重点ということがあり得ると思いますが、その重点という問題は、買収、詐欺投票その他自由妨害、計画的、組織的な文書違反それから計画的、組織的な戸別訪問、こういった組織的に選挙の公正を害していくものにつきましては、特に重点を加えまして、その他の違反につきまてはもちろん選挙の公正を保つ意味におきまして、軽いものは警告にとどめておりますが、どうしても警察権の発動を求めなければならぬという部分につきましては、この点も考えてやっていく、こういう立場をとっておるのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 組織的な行動に重点を置いておるということ、これは労働組合あたりの組織的な行動に重点が置かれておるように私もぴんときておるのでありますが、組織的というのは、これはどういうことですか。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 私どもは現在二大政党下にあるのでありますが、甲の政党乙の政党ということは全然念頭に置いておりません。犯罪行為をやるにつきまして、一人でも、ある人が犯罪行為をやったものは悪質でありますが、多数の者が組織的、計画的に犯罪行為をやるという面が表われて参りますと、これは悪質と、こういうふうに考えられるのでございますので、社会党とか自由党とかに関係なく、組織的、計画的に違反行為をやっていく態様のものにつきましては、相当緻密にやっていかないと、証拠も隠滅されるという点がございますので、その取締りをやらざるを得ない。買収その他も同様でありまして、買収も一人でやるのも悪いのですが、さらに組織的に多数を買収していくということになれば、より多くの重点が加えられていく、こういう趣旨でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 どうもやっぱり組織的なものに重点を置く、このところの解明がはっきりしませんね。選挙というのは一人でやるのじゃありませんから、特に組織的な行動ということは、私は十分当てはまらないのじゃないかと思います。私の常識ではぴんとこないのです。たとえば私が選挙に出ますね、私一人でやるのじゃないのです。選挙事務所というのはみんな組織的です。でありますから、組織的な行動というと、ややともすると、今日まで警官の常識では、すぐ労働組合あたりの文書図画違反などに目を光らせて騒ぎ回る、ところが、一方特定候補者選挙事務所の組織的な行動については、これは目をおおっておる、こういうような組織的ということの釈明というものは、全部徹底しておらない、私はそういう傾向があるのじゃないかと思う。選挙というのはみな組織的行動で、計画的です。単独でやるものは何一つとしてない。われわれは全国区ですから、全国区の選挙というものは絶対に組織的でなければ選挙できない。地方選挙だってそうでしょうが。何を一体組織的な行動と言うのですか。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) 大へん誤解をなすっていらっしゃいますが、選挙運動は組織的にやらなければならぬと思います。と言うとまことに無礼ですが、合法的な組織的な選挙運動というのは、むしろあるべきだと思います。私が組織的、計画的と申しましたのは、犯罪行為を組織的、計画的にやるということに重点が置かれる、こういうことでございます。殺人なら殺人というのは、一人がやる犯罪行為もありますが、組織的、計画的に殺人行為をやるということは、一人ぼつっとやるよりもなお悪い、こういうことでございますので、選挙運動が組織的、計画的に行われることは問題にしておらぬのでありまして、犯罪行為、選挙違反行為が組織的、計画的に行われるということは、重点を置かざるを得ないということでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 選挙違反行為というのはみな組織的、計画的ですね。私の集めた資料はことごとくこの組織的、計画的な犯罪の具体的な例証です。しかし、この犯罪はきわめて組織的、計画的かつ知能的でありますから、これは摘発できない。また、しようと思ってもなかなかできない。できる能力を警官の方々は持ち得ない、数が多くて。あるいは能力の上からいって持ち得ない現状です。ですから選挙違反というものはみな組織的、計画的かつ知能的であるという、そういうところに目を向けられまして、単なる文書図画違反が組織的、計画的にやられたものだからこれは悪質だという解釈は成り立たないと思うのです。この辺の見解というものを、やはり統一しておかないといけないと思います。

中川董治警察庁刑事局長

○政府委員(中川董治君) これは違反行為をやる場合に、これは選挙運動でございますから程度の問題だと思います。これは一人ぼつっとやる戸別訪問があります。あるいは選挙事務長が知らぬうちに一人が戸別訪問をやり、買収をやるということもあります。ありますけれども、それは数が少いということが言えます。それがより多くの組織的の違反行為をやっていくのは、もちろん程度の問題でございますが、より多くの形において違反行為をずっとやるということは、単純な比較的少いものよりは悪質である、これは一般論として言えると思います。たとえば多数人買収といって、一人を買収するのはもちろん悪いが、二人買収するのはなおさら悪いということが言えるという論理からいって当然です。繰り返し申し上げますが、選挙運動が組織的に計画的にやられることは、むしろ選挙事務長その他がもちろん力を入れられていると思います。それは敬意を表しますが、違反行為につきまして組織的、計画的にやっていくもの、こういうことでございます。

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) それでは、本件に関する調査は、この程度にとどめたいと存じます。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

古池信三自由民主党

○委員長(古池信三君) 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後五時二十九分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕    —————・—————

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