文教委員会 第18号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/26
会議録
○委員長(相馬助治君) これより文教委員会を開会いたします。 委員に一部異動がありますから報告いたします。 本日、松澤靖介君及び山下議信君が辞任、補欠として高田なほ子君、坂本昭君が選任されました。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 昨日、開会いたしました委員長理事打合会の結果について報告いたします。 一昨日の委員会において岡委員から発言があり、委員長及び理事打合会に移されましたところのオリンピック招致に関連する諸問題について、体育協会関係者を参考人として本委員会に出席を求めるの件に関して慎重に審議を行いました。自民党側からは、現在の段階において、委員会の審議日程等の関係から賛成できないとの発言があり、社会党側からは、重ねて強い要望として出席を求め、結局、議まとまらず、次回の理事会において、あらためて協議を行うことにいたしました。 次に、議員提案となっておりまする女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案の取扱いについて協議をいたしました。これは、各会派において今後検討することとし、本日、まず発議者及び文部当局に対して質疑を行うことに取りきめました。 次に、当面の文教政策に関する質疑が、前回の委員会において中途において打ち切られ、保留されておりまするが、委員会における議事の進行上、これを学校教育に関する一般質疑として、学校教育法等の一部を改正する法律案の質疑を、単に短期大学あるいは専科大学に限ることなく、一般文教政策についてもこれを取り扱い得ることに了解をいたしました。 以上、報告の通り取り運ぶことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。
○岡三郎君 それで、今、報告の冒頭にありました体育協会の幹部の方々のどなたかを参考人として当委員会に呼んでもらいたいという件については、自民党の方で、現在、委員会の審議日程を見ているというとそれを呼べないと、こういうことですが、委員会の審議日程で呼べないということになれば、一体、委員会の審議日程というものをどういうふうに考えているかということになると思うのですが、たとえば、やりようによっては、これは何時間も何日もかかる問題ではない。要するに、二時間なり三時間なりあれば大体見当がつく問題ですから、そうすれば、審議の日程ということよりも、私はやり得る方法があると思う。そういうふうな点で、一つ後刻話し合うといって、いつ話し合ってくれるのか、その点を一つ明確にしてもらいたいと思います。
○委員長(相馬助治君) ただいま岡君から質問の件は、昨日の委員長理事会におきまして、私より、大体、岡君と同じような質問をいたしました。これに対して、中野、後藤両理事よりの発言の大要は、体協関係者を呼ぶことに絶対反対というのではない、ただ、今日諸法案の取扱い、かつ会期の関係等を勘案して、これを適宜のときに、必要あらば将来取り扱うべきものであって、現在のところはその必要を認めがたいので、にわかに賛成しかねるという意味の発言がございました。これに対して社会党側から、強く重ねて出席を要求する発言があったのでございまするが、問題がきわめてデリケートかつ重大でありまするので、会派に持ち帰って態度を決定し、次の委員長理事会においてこれを決するということにしたわけでございます。いまだ各理事の賛同を得ておりませんが、私といたしましては、なるべく早い機会に委員長理事打合会を開いて、これを取り上げたいと考えております。
○岡三郎君 大体の様子はわかりましたが、先ほど言ったように、体協の現在の東龍太郎後援会に伴う行動というものは、やはり相当顕著なものがあるわけなんです。しかも、これの中には、国家公務員として、れっきとした名前を持っておる者がやっておる。この事実を私は知っておるわけなんです。だから、これはほおかぶりして過ぎる問題ではないと思う。結局、だれかに頼まれてやっているのかもわからぬが、主導的な役割のような形をしてやっているということは、これはすみやかに、文部省自体についても——先般、文部大臣にこのことは言ってあるわけですが、こういうふうな点について、何時間も時間をとらせる必要はないと思う。それから、もしも一般文教政策として、この場合に当委員会においてやるということになれば、私はその方が時間を要すると思うのですよ、実際問題として。そういうふうな形で、自民党さんの方で、審議日程でどうしても工合が悪いということになれば、これは当然審議日程に多大な影響をしてくる要素を私は持っていると思う。だからそれをお覚悟であるならばいいと思うが、私自体としては、一応問題を提起して、問題の焦点をここに申し上げているわけです。だから、これをいいかげんなままでほうっておくわけには参らぬと思う。そういうことで、今、委員長の方でせっかくやっていただいておりますから、そういうわけで、とりあえず委員長理事打合会において再度御検討を願うということでありますから、この際はそれを一応了承してやめますが、しかし、次回に明確にならない場合においては 一つ審議日程ということではなくて、本質的に東龍太郎後援会の選挙運動に伴う体協幹部の行動とか、あるいはオリンピック招致に伴う資金の使い方等、いろいろ問題があるわけでありますから、これはあらためて、日にちをきめてやっていただくことにしなければならぬと思うわけです。だから、そういうふうな関連を一つ御賢察の上、きょうはこれ以上申し上げませんが、よろしくお取り計らい願いたいと思います。
○委員長(相馬助治君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記を開始して。 次に、女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者を代表して高田なほ子君が出席いたしておりますが、文教委員でございますので、自席において必要あらば御発言を願うことにいたして、政府並びに発議者に対して質疑のある方は順次御発言を願います。
○高田なほ子君 政府に対して御質問の方がおいでにならないようなので、一応、私の方から政府の方に対して根本的な問題をお伺いをしておきたいと思います。 明治八年に東京湯島に東京女子師範学校が誕生いたしまして、初めて女子が教育の分野に活動する機会を与えられたわけです。その後、大正六年になりますと、ようやく教員数がふえて参りまして、全国十六万の教員の中に、ようやく女子教員が四万という数を占めるようになったわけであります。やがて大正八年十一月、文部省は女子教職員の就業上の諸問題について、全国小学校の女子教員会、これに諮問をいたしたことがございます。この諮問は、なかんずく産前産後、この問題等についてのことでございますが、女子教育会の方ではぜひ出産の節には適当な休養をもらって安んじて職務につきたい、こういうような声でありましたが、文部省は大正十一年の九月十八日に、この諮問に答えまして、数ヵ条の訓令を十八号として出しておるわけです。この訓令の中で注意すべきことは、当時、婦人の産前産後の休暇などということはおよそ見当もつかない、まあ、いうならば非科学的な時代に、文部省は率先して分娩後六週間の休養をなさしめること、産前においては二週間の休養を与えるべきこと、また、幼稚園の保母に対しても、これに準ずるべきこと、しかも、この休暇が十分与えられない場合には、女子の母体の上においても、あるいは分娩のときにおいても、また出産する子供においても、いろいろな影響があるので、十分に留意をするようにという、きわめて適切な訓令が詳細にわたって出されておるわけであります。なお当時としては、まことに私敬服するわけでありますが、女子教員の月経時あるいは妊娠時のその就業は、特に支障を来たさない範囲において、いわゆる今の言葉で言うと軽労働であります。重労働ではなくて軽労働に適するような適宜な措置を講ずることというような、四十年前の訓令にいたしましては、まことに時宜に適した訓令が出されておるわけでございます。しかも、これのあと書きにいたしまして、文部次官通牒は、これを実現させるためには補充教員、これを適切に配置をしなければならない、こういうようなことまで、十分に手の届くような訓令を発して、女子教職員の出産、分娩時、あるいは月経時における十分な注意が訓令の中に見られておるわけであります。その後、訓令は実際行政面に生かされ、また反面、この訓令は当時の女子労働に対する理解に乏しいような関係もありまして、訓令の趣旨は必ずしも徹底したと言えない面が実はあったわけであります。その後、年移りまして、昭和二十二年の六月に日本教職員組合が発生されまして、文部省と労働協約を締結したわけでありますが、この労働協約の中で注目すべき問題は、第四章の休日、休暇に関する事項の第九条の中で、産前、産後十六週間の休暇、また月経時における休暇、それから乳幼児に対する——出産児と申した方がいいと思いますが、出産児に対して、一年間は哺乳に要する哺乳時間を正規に与えるというような画期的な労働協約が締結されまして、著しく女子教員の労働条件というものが向上したことについて、私どもといたしましても、また当局といたしましても大へん喜んだ次第でございます。しかし、その後、昭和二十三年になりまして、御承知の通り政令二百一号によって、この労働協約は一応解消という形になりました。しかし、そのときに文部省は、この解消に際して、進んで福利厚生の適切を期する考えである、特に労働協約は解消されたが、福利厚生の面においては適切を期する考えであるという政府の態度を明確にされた。こういうようないきさつから見ましても、文部省が過去四十年にわたりまして、女子教職員の出産時における適切な措置をいかにすべきか、この問題についてせっかく積極的な立場を示して下すっておったわけでございます。続きまして、昭和三十年八月五日に、私ども、また自民党の皆さん方ともに、この問題をさらに積極的に推進しなければならない諸般の事態、すなわち女子教職員が出産時において、あるいは出産前において、また生理休暇中において、何とも休暇がとれない。はなはだしきに至っては産前の直前まで勤務しなければいけない。産後はほとんど三週間ぐらいきり休めないという事態が頻発いたしましたために、私どもはお互いに議員といたしまして、この状態を研さんに研さんを重ね、また文部当局といたしましても、この諸般の事情を十分に御了察されまして、女子教職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律案として、満場一致の形で実は通ったわけであります。しかし不幸にして、この法律が実施せられましてから、今日幾多の隘路がまたここにできていることにかんがみまして、私どもの考えといたしましては、法の適切な運営が実際に行政面に行い得るような、これは改正というものも必要であるという結論に、実は到達したわけであります。 以上、私は過去四十年から今日までに至る女子教職員の産前産後の休暇、また初生児に対する問題、生理休暇中における問題等、いずれもこれは、わが国の女子労働に対する重要な問題といたしまして、文部当局が終始一貫この態度を保持せられておることは、これは疑うに足りないところでありますが、重ねてこの際、文部当局が本問題に対していかなるお考えをもって今後も対処せられていくかという、政策上の問題としてお尋ねをしておきたいと思うわけであります。
○政府委員(高見三郎君) お答えいたします。高田委員が四十年にわたる歴史をお話になりました。私、大正十一年の訓令を記憶いたしておりますが、当時、労働問題が世間の関心をかっていなかった当時において、文部省が女子教職員に対するこの措置をとったことを、非常にその当時賞讃をせられておったことを記憶いたしております。自来、文部省といたしましては、教職員の中で女子教職員に対する対策として、終始一貫この向上を期して参っておるのであります。御指摘のように、先ごろ成立いたしました法律、この法律が必ずしも万全のものであるとは考えておりません。私どもも考えておりませんが、ただ、こういう問題は、労働条件の改善という見地から考えましても、国家財政とのにらみ合せもありまして、漸を追うて改善していくというよりほかに道がないのであります。文部省といたしましては、四十年あるいは五十年にわたって、この問題については、他のいかなる役所よりも真剣に考えてきておることでありますし、また、今後におきましても、この問題については御指摘のように十分考えていきたい、こういう考え方でおるわけであります。
○高田なほ子君 御所信のほどを承わって再度お尋ねをするわけでありますが、また、われわれの立場もはっきりここに申し上げた方がいいと思いますが、私どもといたしましては、現在のわが国の経済、国政の中で、この女子教職員のための予算だけを膨大に広げるべきだというような横車は、さらさら考えておらないわけであります。現に義務教育費国庫負担法によって、教職員の給与は二分の一を国、二分の一が地方負担になっていることは明らかであります。従って、女子教職員の産前産後の休暇等に要する予算は、それぞれ国及び地方においても、あるパーセンテージをもって一応のワクがかかっておることも承知しております。しかし、現実においては、そのワク内においてどのようにこれが実際に実現されておるかということについては、なかなか教育問題は広範にわたりますから、十分な調査ということも行き渡らない面もあるやに私も存じておるわけであります。従って、結論的に言うならば、予算を膨大にふくらませろというのではなくて、今日のワク内においても諸般の結果が出ておるということであるならば、そのワク内における是正等については、これは当然、政府としても積極的にこれが是正に乗り出されるべきであることは、私は政府の責任ではないかと存ずるわけであります。この点についてどのようにお考えになっておりますか、お尋ねをいたします。
○政府委員(高見三郎君) これは行政の運用の問題でありますので、法律のワク内におきまして行政の運用をいかに適切にしていくかということが、現在、行政の責任者である文部大臣としては当然考えて参ることである、かように考えております。もとより、これは本質的に大きな欠陥があるということになりまするならば、法改正ということを考えなければならぬ。しかし、これは国の財政の問題ともにらみ合せなければならぬ問題でありますので、これが運営の面において是正できるものであるならば、これは文部省の責任として当然やらなければならぬ、かように考えておるわけであります。
○委員長(相馬助治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記を始めて。
○湯山勇君 今、産休代員が完全に置かれていない状態について、いろいろ御指摘があったわけですが、その原因がどこにあるかということについては、文部省の方はどういうふうに御把握になっておられるか、承わりたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 先般の法律によりまして、大体私どもの方は措置されているように報告が参っておるのですが、実はこの小中学校、盲学校、ろう学校合せて、産休でお休みになった先生が一万七千七百五十二人、これは昭和三十一年の四月一日から昭和三十二年の三月三十一日までの統計でございます。この一万七千七百五十三人がどういう形で産休をとったかということになりますと、これに対してどういう形で学校の正常な運営を行なったかという問題になろうと思います。この一万七千七百五十二人のうち、学校ごとの配当教育の中で措置いたしましたのが三千二百八十七人、これは六学級以上には級外教育員が小学校一人になっておりますので、あるいはさらに級外といたしましては十二学級以上一人、三十一学級以上二人というような規定がございますが、要するに、級外教員の中で措置されたと思うのでございますが、三千二百八十七人でございます。それから産休者の発生に応じて臨時に任用をいたしましたものが一万三千四百三十二人、こういうことになります。それから教育委員会で地方事務所等に産休代員等をプールしておるものがございますが、このプールの中で任用いたしましたものが五百四十六人、それから産休者の発生に応じて臨時非常勤務職員を特に雇ったというものが百七十九人という統計が出ておりまして、合せまして一万七千四百四十四人は措置されておるという統計であります。措置されないものが三百八人おるというのが私どもの統計でございます。ですから大部分のものが措置されておるが、この措置せられざる三百八人はどういう事情か、私も実はいろいろ検討いたしましたが、おそらく夏季の休暇中ですね、こういう場合に、措置しなくても何とか間に合ったというのではなかろうかと思うのであります。大体が先般の法律によって、完璧とは申せませんけれども、大体所期の目的は達成されておるのではなかろうかと思うのであります。
○湯山勇君 今の局長の御答弁で、なお疑問が残るのは、ただ頭数だけでおっしゃったのでは質的な問題が解明されないわけです。一万七千とか、あるいは三千二百とか、いろいろおっしゃったけれども、一体それらが、任用期間がどれだけになっておるか、平均どうなっておるか、それを伺いたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 産前産後各六週間とっておる県が大部分でございまして、三十三県、要するに四分の三が産前産後各六週間になっております。それから産前産後各八週間、これは非常に優遇していらっしゃる県、兵庫県でございますが一県、それから産前三週間、産後六週間、これが二県、三重と島根県、それから産前二週間、産後六週間、これが二県で佐賀と宮崎、産後四十五日間というのが一県でございまして、これは香川県、そのほかにまだございますが、あとで……。
○委員長(相馬助治君) なお私から局長にお尋ねして、かつ要求しておきたいと思いますが、湯山君が指摘されたように、数字だけでは実態が、この種問題は正確に捕捉できないと思うのです。たとえば、私は栃木県の状況を故郷だからよく知っておりまするが、まことにこの法律がうまく適用されていない。しかも若干適用されているけれども、女子教職員が実に涙ぐましい努力をしてこれに追いついている。それが今の局長の発言に現われているように、夏休みにおいてかげんされたというが、必ずしも夏休みに出産をするように計画性が実行されるとも私は思えない。それから、なお現在の小中学校における定員の問題でも、事務量の問題でも、事務量の配分の問題でも、非常に全国にでこぼこが多いことは初中局長が御承知の通り、従って今のおっしゃった資料を、次回の本委員会までに、各府県の現実を詳細に御報告願えるかどうか、資料の要求をしたいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) できるだけ詳細なものを出したいと思います。
○湯山勇君 今の御答弁で、資料が出てくればなおはっきりすると思いますけれども、たとえば、産前産後各八週間とか、各六週間、こういう県が果してその通りやっておるかどうか、こういう点については、文部省の方では御把握になっておるかどうか、伺いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) これはまあ具体的にこの規定がございますけれども、規定通りやることになっておりますが、現実の問題は若干のズレがあろうかと思っております。
○湯山勇君 私も今、局長の御答弁の通りだと思うのですが、そういうズレがどこから起ってきておるか、それについてはどういうふうにお考えになっておるか、伺いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは女子職員の方々が大へん御遠慮になって、産前に請求されるべき六週間について、できるだけ、からだに支障がない限りは勤めたいという大へんりっぱなお考えでおやりになる方もあろうし、また、つまりその場合に、産前の場合は請求を要するのでございまして、産後は労働基準法によって法律上当然の義務になっておりますが、産前の場合には、本人の請求がなければ休暇を出さないものですから、こういう点にも私はあるのじゃなかろうかと考えております。
○湯山勇君 言葉じりをとるようですけれども、非常に気になるのは、今の局長の御答弁のように、非常にりっぱな考えで産前の休暇を返上する、請求しない、こういうような指導なり、あるいは何といいますか、こういうことを奨励するということになると、私は今言ったように、当然とらなければならないものをとらない、とらなければならない身体状況にあっても遠慮する、そして局長からおほめをいただく、こういうことになるのは、一体守られていないということの一つの大きな要素になるのじゃないか。もう一つは、私は府県の教育委員会に責任があると思うのです。それは、産休代員を入れることを非常にしぶりまして、願い出ても二週間も三週間も、ときには一カ月もしてやっと許可が出る、こういう事例を私も幾つか知っております。そこで、そういう点は、せっかく以前に作られた法律が、かっちりしたものじゃなくて、かなり弾力性を持っているというようなところから、そういったことが起るのじゃないかということも考えるのですが、その辺どうお考えでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この前の法律だけが根拠じゃございませんで、御承知の通り、労働基準法によって当然産休が受け得ることになっておるわけなのであります。その場合に、労働基準法は、今申しましたように、産後の場合は、これは本人の請求とか何とかは関係ございません。産前は本人の請求によって休暇を与える、六週間以内において与えるということになっておりますので、本人が、からだの都合等で勤務できる間は勤務したいという御希望もあろうと思います。私は決してこれを奨励する意思は毛頭ないのですけれども、これは本人のからだ次第だと思います。やはり健康なからだの方は比較的仕事をすることも差しつかえないのじゃなかろうか、健康のすぐれない方は、六週間じゃあるいは足らない場合もあろうかと思います。それは今の法律の建前が、産前においては本人の請求を待つという建前をとっておりますから、これは私やむを得ないのではなかろうか。それからいま一つ、県の教育委員会の措置が若干おくれるというお話がございましたが、これも私、事実だと思うのです。ただ、女子教員の方が非常に御遠慮していらっしゃる点ではなかろうかと思いますのは、やはりお産のことはあまり口外されるのはお互いに慎しまれるもので、突然お産の直前になって産休をもらいたいのだとおっしゃっても間に合わないと思うのです。ですから、こういう場合をあらかじめ、大体産み月がわかっておるですから、二、三カ月前に一つ教育委員会の方にお話をしていただきたいと思うのでございます。
○湯山勇君 幾らお産のことは口外したくないといっても、もう六週間も前になれば、隠そうにも隠せない状態になると思うので、そう遠慮も要らないと思うのです、その段階では。それよりも、私は代員の配置がおくれるということが、やはり一番大きな遠慮する要素になるのじゃないかということを思いますが、そういう点について何か資料がございますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 代員の配置がおくれるということは、これは予算上は地方財政計画の中には二%見込んでおりますので、私どもの計算では一万七千数百人を、これは三月でございますけれども、年間計算しますと約三千人ぐらいの増員になるわけです。ですから、今の結核休職と産休のワクが大体二%で地方財政計画はできております。これが一万人でございまして、結核、産休合せて七千五百人程度になろうと思う。ですから、まだ地方財政計画のワクはあるわけですけれども、一つは、各県の予算の見積りでございますけれども、各県が休職とか、特に休職の場合に、結核休職の場合も産休も同じでありますけれども、大体、前年度の実績を基礎にしておるのじゃなかろうかと思う。そういう点で、実績の見込があるいは低いのかもしれないと思う。こういう点についての予算的な指導も私ども十分いたしまして、女子の先生方が安心してお産のできるように、積極的に努力いたしたいと考えております。
○湯山勇君 お考えはよくわかりましたが、なおその問題については、あとでもう少し伺いたいと思います。 もう一つ伺っておきたいことは、級外の教員ですね、これを産休に充当するということについて、文部省のお考えはどういうお考えでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 級外教員の配当は、小学校は大体御承知の通り六学級以上一人、あるいは十二学級、十八学級、それぞれ増員しておるわけですから、これはどういうふうにお使いになるか学校の校務分掌の全体計画の中で学校でお考えいただきたいと思う。この場合に、産休の先生方の産休代用にこれをお使いになることも私やむを得ないし、また、そういうこともけっこうだと思っております。
○湯山勇君 その御答弁はちょっといただきかねるので、級外の定員というのは、産休が別ワクで見込まれている以上は、これはまた別な役目があると思うわけです。それを産休に充当するのだ、やむを得ないというより、もっと積極的に適切な措置だと認めるということになると、結局、級外定員のある所は産休は置かなくてもいい、配置しなくてもいいということになってくると思うんです。しかし、あの定数基準あるいは編成基準の場合に、級外の定員というのは、そういう意味で置いたわけでは決してないわけで、学校の正常な状況における正常な授業を続けていくために、六学級に七名なら七名、十二学級に十四名なら十四名、こういうことになっているので、内藤局長がそういう御答弁をなさるというのは、私ははなはだ心外なんですが、どういう工合ですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) お話しのように、級外教員というのは、六学級以上、特に多学級の場合には、いろいろ学校の事務もあろうし、教務の点もあろうし、ですから、そういう点で学校が適切に配置計画をお立てになっておるわけです。たとえば、司書の役をしなさる方もあろうと思う。その場合に、その中から産休に充てられるということも、まあその本務に重要な支障がある場合は困ると思うんですけれども、本務の遂行に大した支障がないような場合は、これはやむを得ないのではなかろうかと思っております。
○湯山勇君 どうしてもわからないのは、本務に支障がないというようなことがあり得ますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 級外教員の定数によると思うのです。特に十八学級以上になりますと、級外教員の数も多いわけであります。ですから、その先生が現実に音楽の専科をおやりになるとか、あるいはこういう専科のようなお使い方をする場合もあるし、司書教員のような形で校務を分掌させる場合もあろうと思います。そのときに、全体計画を見て支障があるかないかという判断は私はすべきじゃなかろう。個々に具体的な問題として判断し、支障があるかどうかを判断する。支障がないと認めれば私はやむを得ないと思うのです。
○湯山勇君 今の問題で、私はそれは一日や二日やるとか、あるいは一週間程度やるということについて文句を言っているわけじゃないので、建前として、級外の教員を本紙代員に充当するということがいいかどうかということをお聞きしておるわけです。
○政府委員(内藤誉三郎君) 建前としてということになりますと、この定数ということは、私どもこの前定数基準を作るときにお話しましたように、県全体の定数をきめておるのですし、各学校の配当基準じゃございません。そこで各学校の校務の正常な運営に支障があるかないかという具体的な私は判断の問題だと思います。その判断上、それで学校運営が正常を妨げられないということなら、級外教員を特定の学校に置いて特定の教員を配置がえすることは可能ではなかろうかと思います。
○湯山勇君 どうも答弁の焦点が私の聞いておることとずれておるので、もう少し正面から取り組んでお答え願いたいわけです。定数基準をきめるときに、そういうことも考慮してきめたかどうか、産休代員として使う場合もあるということを考慮してきめたのかどうか、これはどうなんですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 建前としては産休代員として考慮したわけじゃございません。しかし特に大きな学校になりますとどなたかやっぱり欠席の先生が絶えずあると思うのです。これはいろいろ事故や何かございますし、あるいは研修にお出かけになる先生もあろうと思います。ですから、ある程度の若干の余裕は大きな学校においては持っていなければならぬと思うのです。その場合を私が今申し上げたわけでございます。
○湯山勇君 若干の余裕というのは、今言われた通り、普通の病気の欠席もあるし、それから今のように出張もあるし、いろいろあるわけで、それはおっしゃる通りです。しかし、そういう出張とか、普通の病欠、短期の病欠と同じように産休を扱うと考えるということは誤まりではないか。局長のような論法をもってすれば、欠休だってそうしてもいいと、そういうことになるでしょう。これは私は根本が間違っていると思うのです。局長の言われることの。これはどうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 欠休の場合も、実は相当長期の先生が休んでいらっしゃる。ですから休職発令する前に、相当長期間というのは先生方がめんどう見ていらっしゃる、これは現職のままで。ですから、そういう場合も級外教員が見ていらっしゃる場合に、ただ休職発令した場合は、これは別ワクで当然措置すべきものだと私は考えております。
○湯山勇君 そういうふうに、それはお産の前になって、からだが苦しくなって、たとえば遠足を休むとか、いろいろなことがあると思うのです。それをかわって持つということについて私は申し上げておるのじゃなくして、欠休の場合、今のような休職発令になると同じように、産休の場合に願い出があって、正式に産休と認められたと、そうした段階において、なお級外の教員をそれに充てるということは妥当でないのじゃないかということをお聞きしておるのですから、そういう点からお答えを願いたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) この定数をきめるときに、お話のように級外教員というものを産休代用に入れるという考えは持っていません。しかし、総定数の中で、それが学校教育の正常な運営を妨げるか、妨げないかという判断の問題だと思います。個々に具体的にその学校にその先生の産み月なり、あるいは特に産後の場合にだけ新しく補充する。産前はその中で間に合うとか、いろいろ私は方法があろうと思うのです。ですから具体的に、その学校の実際に当って見ないと、一がいに申し上げられないと思うのです。
○湯山勇君 非常にあなたは詭弁を弄しているので、学校の実態に当って見ろといっても、当って、その級外の定員が産休のかわりをやっているということが、どれだけどう支障を来たしているかということを詳細調べてくるなんて、できっこないんです。それが、その人がそういうことをすればするだけ、何かの面で穴があいていることは間違いないわけですね。もしあなたのような論法をもってすれば、級外定員というのは、まあ遊びグマのようにふだん遊んでおって、そういう状態のがあれば別ですけれども、そういうことはあり得ないわけです。そういう配置は県教育委員会でもしないし、文部省だって認めるはずはありません。だから、あなたの言うのは、いかに実態に即して、もっともらしいように見えて、さっき言ったことにこだわって非常に無理な答弁をしている。私は率直に、それは、建前はこうやって地方財政計画で見ているんだ、だから産休の場合は級外定員を持っていくことは、むしろ逆にほかの面に支障があるんだから、そういうことは避けるべきだ、こういう御答弁があってしかるべきだと思うのです。どうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) ですから私が先ほど来申し上げているように、認定の問題で、学校の規模にもよると思うのです。規模によって、学校で級外教員が割合豊富にあるような場合は、全体の中で学校運営に多少の支障があるかもしれませんけれども、そう大きな支障がないという判断で、すでに三千二百八十七件というものは、これで処理されているわけです。私はこの場合は学校運営に非常な支障があったとは思っていないのです。で、支障がある場合には、一万三千四百三十二人というものは全部臨時に任用しているわけですから、これを全部私が級外教員でまかなえといったら、これはお話のように非常に無理があろうと思います。大部分のものはこれは臨時発令をしているわけですから、学校の規模やその他によって間に合うか間に合わぬかという、校長さんの判断なり、教育委員会の判断に待つべきじゃなかろうかと思います。
○委員長(相馬助治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記をつけて。
○岡三郎君 今の内藤局長のお言葉の中に、積極的に努力する、こういう言葉を私はここに書きとめてある。積極的に努力する人の御答弁とは思えないのですね、具体的に湯山さんが言うと。今、委員長が指摘した通りになってきていると思うのですが、そこで実際は一万三千人をこえる人を任用して、そしてこれに充てておる、あと少しじゃないかという理解に立てば、これは積極的に努力する建前からいって、その程度のものならば、あまり認定というふうな言葉にこだわらないで、とにかく母体に影響する問題であって、これはやはり教育的に考えてみても、その程度ならば何とかなるんじゃないか、しかも二%という財源を認めておる建前からいっても可能性があると、こういうふうに私は見て、この法案の発議者になっているわけです。私は、内藤さん、そこまで積極的に努力するという考え方に立てば、現在の中央の計画の中にある財源と合わせて、そんなに無理でないというふうに私は考えておるのだが、その点どうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私、実は非常に女子の先生方にも同情しているわけです。ただ非常に問題になりますのは、最近、特に女子職員に対する退職勧告等が行われてお気の毒だと思うのです。その一番大きな原因は、やはり私当然のことだと思うけれども、やはり産休とか、そういう問題にからまってくるのです。こういう点はもっと啓蒙しなければならぬと思うのです。だから積極的に努力すると申し上げましたのは、女子教員に対する保護というものを手厚くするように、そして何か女子の職員が産休を要求されるときに、非常に控え目にされないで、当然のことだというふうにして、これは男の先生方も校長さんも教育委員会も、非常に私は理解を持っていただかなければならぬと思うのです。単に一片の法律だけで私は事は済むと思っていませんので、積極的に努力するということを申し上げたわけであります。 それから、この法律で財政上どのくらいかかるかというお話でございますけれども、この法律を法律通り適用すれば、従来は学校の正常な運営を阻害するか、しないかという判断の余地があった、これがけしからぬというお考えかもしれませんけれども、それじゃこれをなくしてしまって、産前産後六週間、機械的に休むようにすると、こういうことになりますと、私どもの計算でやりますと、これは短大卒で埋めたとして国庫負担で約一億、全体で約二億、それから新大卒の一万八百円で埋めたとすれば、国庫負担で約一億三千万の増額を来たすわけです。この問題は今の労働基準法の建前が、産前の方はこれは本人の請求によって期間をきめる。六週間というふうに義務づけにはなっていないのですね。ですから、その辺を私考えなくちゃいかぬじゃなかろうかと思うのです。法定の期間きちっともうやってしまうというよりも、むしろ女子職員に対する行政当局、あるいは校長さん方のあたたかい配慮が私は一般に欠けているのではなかろうか。今ほんとうに女子の職員が不安におびえている空気を取り除くように、積極的に私は指導して参りたいと思っているのです。
○岡三郎君 ずいぶんあなたの答弁は回りくどくて焦点が合ってないのですよ。私の聞いたのは、地方財政計画に三%入っているから、一万三千人を任用しておるから、あと配当人員の中で処置しているのが三千幾らでしょう。そういうことをあなたは答弁しておるわけなんです。だから、その程度でコントロールしていけば何とかなるという考え方なのかもわからぬけれども、今の、出た数字のワク内程度ならば、何も他学級のところで配当人員のやりくりということだけでなくて、もうちょっとすっきりした形でも、今の金でいけるのではないかということを私は聞いているのです。
○政府委員(内藤誉三郎君) そこがさっき私申し上げましたように、この法律をその通りやると、産前産後六週間ぴたっといくわけなんですね。ですから、そこで現在どうなっているかというと、おそらく産前はそんなになっていないのではないかと思うのです。産後は六週間。
○岡三郎君 だって産前実施するとちゃんと書いてあるのです。
○政府委員(内藤誉三郎君) 規則の上ではですね。ですから、先ほど湯山委員からお話のように、規則とズレがあるのではないか、規則では産前産後六週間とれることになっているのです。しかし産前は本人の請求によって期間をきめる建前なんです。だから、そこにズレがあると申し上げたのです。
○岡三郎君 だから実際上やって、ピントの合った答えというものをいただかなければ……。だから私の方は、今の二%という地方財政のいわゆるワク、これを認めているわけだから、それで一体、全部産前産後ぴたりとやると短大で一億かかるとか、そう言っておりますが、そういう金は全国的に見た場合にあるのじゃないかと言うのだ。地方財政の中でどうですか。しっかり答えてもらいたいのだよ。
○政府委員(内藤誉三郎君) 地方財政計画には私はあると申し上げた。国庫負担金の方がないと言っているのです。
○岡三郎君 それはおかしいじゃないか。私は、そこで地方財政の中にあるということになればですよ、当然それに伴うところのものを見ておかなければいけないじゃないですか。当然見るべきです。地方がそういうふうに措置ができておるならば、それに見合うところのものを中央で見ておかぬというのは怠慢じゃないですか。それは全くからくりになってしまう。
○政府委員(内藤誉三郎君) 御承知の通り、義務教育費国庫負担法は実支出、実績主義なんです。だから、実績主義だから実員で見ただけです。ところが地方財政の方は余分に見込まないと地方財政はあとで補正ができません。国庫負担の方は翌年で精算負担ができるわけなんです。そこに若干ズレがあるのはやむを得ないし、当然だというように私は思うのです。
○岡三郎君 そこで、私は文部省の考え方がはっきりしたと思う。それは実績によって中央でやるということを、今、内藤さん言ったわけです。だから、それはその実績の見方が、あなたたちはやすきについて、この程度だ、いいだろうと、そこに問題が私はあると思うのですよ。だから、そのところを進めていけば、地方財政計画の中にあるのだから、だからそのワクの中において大体の見当をつけていけば大した金ではない、あなたも善処すると言っておるのだから。それじゃ今ぴたりと産前産後を見た場合に中央は幾ら足りないのですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 短大卒で一億、新大卒で一億三千万円です。
○岡三郎君 そうするというと、見積りの仕方を、これを実績と言うが、どういうふうにとっているのかね、その見積りの仕方を……。
○政府委員(内藤誉三郎君) 前年度の実績単価と実績人員でございます。
○岡三郎君 私はおかしいと思うのだ、内藤さんの答弁は。実際の方法で、労働基準法ではいわゆる産前の場合は本人の請求に基いてこれをとらせる、こういうことになっておる。しかし、事実なかなかとりにくい場面があるから、これをとるように指導しようと言ったのですよ、あなたがまさしく。指導すればだんだんそうなってくるにきまっておるのだから、それを指導するということの裏づけとしての金が用意してないで、何を指導しようと言うのだよ。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは指導の問題と法律上の義務費と私違うと思う。だから、私どもは今でも、負担法の建前でいきますと、やはり前年度の実績を基礎にして当該年度の実績によって負担額を出すわけなんです。ですから、本年度予算の見積りに対して不足がございますれば、翌年度で精算負担をしていく建前でございますから、地方財政計画の方は多少余裕を見ていないと補正の機会がないから二%組んだと、こう申し上げたわけでございます。
○岡三郎君 それならば話がだんだんわかってきた。それならば財政的に問題はないというわけだな、結論は。ことしは一億足らなくなるかもわからぬ、適切なる指導を文部省が行えばですよ。そうすると、それは次年度において補正するというわけだから、財政的な問題を。かりにこれを修正して法改正しても何とかやっていけるということになるわけですな。
○政府委員(内藤誉三郎君) 本年度予算では、やはり一億なら一億の明確なそこの負担額というものは見込まれるわけですから、財政的に問題がないというわけには参らぬと思うのです。
○岡三郎君 いや、それは固く言えばその通りだが、実際のやりくりにおいて文部省がこれから指導しようと言っているのだ、あなたは。その指導上いわゆるはね返りとして、少し、産休を受ける先生が多くなったというのは、やるのでしょう、文部省で。これはどうなんですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私ども文部省としては、教職員が安心してお産ができるようにという意味でございまして、労働基準法の線を守りたいと思うのです。ですから産後の六週間についてはこれは当然、産前の六週間は、これは本人の請求によって出すわけですから、その労働基準法の線を守れるように、女子の職員の方も安心してお産のできるように。この法律はそうではなくて、産前産後とも休暇の期間としてやはり六週間ずつ、十二週間というものは法的にもきちっときまるように私は思っておるのです。そこが違う。同じ法的に義務づけるのと、行政指導でやる場合とはおのずから違うと思うのです。
○岡三郎君 だから実態を言っているのだ。あなたの方は、まあ適当にやっていこうというふうに見られるが、精神はあなたがはっきりしたのだから、指導していくということになれば、実態として産前産後というものをぴたりととるという方向にあなたは反対してないわけだ。ただ、それを法律に書く場合のことを言っているわけだ。それならば、議員としてわれわれが発議しているこの問題について積極的に異議があるはずはない、そうでしょう。精神を尊重しているものが、この発議しているところの法案に反対すべき理由がないじゃないですか。そして財政的にもやり得る。今年は一億赤字になるかもわからぬが、しかし、それは何とか善処できる、こういうふうにわれわれも考えるわけだから、だから、そういうふうな点で、先ほど言ったように積極的に努力していくという精神に沿って、もうあなた方はそれ以上反対するなよ。
○委員長(相馬助治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記をつけて。
○政府委員(内藤誉三郎君) 岡さんのお考えもよくわかるのですけれども、この法律は、やはり私どもとしては学校の正常な運営を阻害するかしないかということは、やはり考えてみる必要があるのではないでしょうか。と申しますのは、先ほど来からいろいろ問題になっておるのですが、たとえば夏休み中にお産があったというような場合は、何も補充しなくてもいい場合もあるし、あるいは期間が短かくていい場合もある。それから級外の場合も、先ほど来お話が出ましたけれども、教頭さんがおって、教頭さんの職務をおろそかにしてはいけないけれども、何とか三ヵ月ぐらいはやれるという事情があるかもしれません。ですから学校の正常な運営を阻害するかどうかという判断は、判断の余地は残した方がよいのではなかろうか。それから期間についても、産後の六週間は法できまっているのですが、産前の場合は本人の請求を待つわけですから、その期間をどういうふうに見るかということが問題だと思うのです。ですから、現行法の適切な運営でできるのではないかと私は思うのでございますけれども。
○岡三郎君 そのあなたの考え方は、すし詰め学級解消の態度と同じだ。法律で五十人と書いて、当分云々と書いておる。文部省精神というのはそうなんです。一応りっぱなことを言いながらサボる主義なんです。法律にきまつたことを完璧にやろうという精神がなかなかない。ここに今の文部省の確固たる教育予算を組むところの精神に欠けている面がある。これは今言ったように、先生が怠けてとるとか、そういうようなことではなくして、もう少しやれば名実ともにこれがいくだからこういった法案の建前から言って、夏休み中の場合は特例として、ことによったら書いてもいいですよ。ただしワク外の教頭さんということを今言いましたが、校長がどのくらい外に出ているか、いろいろの仕事で。教頭さんというものがいろいろの事務を引き受けたり、いろいろな学校内の枢要な仕事をしているわけだ。そうなるというと、とにかく教頭さん自体に聞くというと、仕事というものが断片的になる。だから逆にそれを受けて、産前に取ろうという女の先生方もつい遠慮して、あの先生が休んだから、おれはなお忙しくなった、これでは先生方に取ってもらいたいといっても、おとなしい先生ならなおさらです、元気のいい先生ならばわからぬけれども。もっと簡単にいえば、意気地のない先生というとおかしいけれども、いろいろな先生のことをいうけれども、取らせないように文部省が仕向けて、取れ取れといっても無理というものだ。だから私は気のやさしい先生にも取れるように実際にしておいて、そうしてただ、今言ったように、夏休み等の場合においては考慮するということは考えてもいいので、内藤さんの言っているように、教頭さんにやらせるということは無理なんです、実際。学校においていろいろな仕事があるから、初めてここにやはりそういう校長さんとか、教頭さんを学級担任させないで、病気その他があった場合に短期間臨時的にやるということでお願いしているわけだから、そういう点から考えてみて、意見が大体一致したじゃないのですか。今の意見で一致しないのは、教頭さんを産休の先生のかわりにやらせるということだけだ。その点どうです、教頭さん怒るよ。
○政府委員(内藤誉三郎君) どうもいろいろ先ほどから御意見が出ましたけれども、私別に教頭にこだわっているわけではなくして、大きな学校で級外教員で間に合うかどうか、学校の正常な運営を阻害するかしないかという判断の余地は、行政当局に残していただく方がいいのじゃなかろうかと思うのです。この辺になると、どうも御理解いただけないで、私大へんあれですが。
○岡三郎君 御理解いただけないのじゃなくて、一億でしょう。一億を次年度において何とかする措置も今までであるわけです。実際に指導の上でということは、地方自治体は非常に赤字だから云々という問題があるから、一応二%みて、それは一応まかなえる措置がしてあるということになれば、あとは一つ、問題の中で極端な例は全体で考慮して、極端な例というと、夏休み中はぜひともこの先生は置いてもらいたいという意見もあるかもしれないが、そういう点は一つ弾力性をもって検討することにして、大体この建前上からいうと、内藤さんが言っている精神というものはわれわれと変りない。ただ、それを学校の規模による認定の問題としてぽかっと置いておくから、取れない人はなかなか取りにくいということで、それを徹底して指導していこうというわけでしょう。だから、そこのところを、指導していくということはいいが、こういうふうに親切にしてやったのだから、一つ母体を大切にして、そうして早くまた元気になって、六週間ずつで、一つあとはぴたっと出てきて教育にほんとうに励んでもらいたい、こう言えば、なかなか文部省はよく話がわかる、この点だけはということになると思うので、その点をこだわらないで一つやってもらいたいと思う。これは次官、どうなんですか、次官はよくわかると思う。
○政府委員(高見三郎君) 私はこの問題は、内藤君の言っていることは現実論に立っての話をしているし、湯山さん、岡さんの話は建前の問題に立ってお話になっていると思うのです。お話の趣旨はよくわかります。わかりますが、これは立法措置でやるがいいか、行政措置でやるがいいかという判断の問題が一つあると思います。現在の法律のワク内で行政措置においてやれるじゃないかという観点に内藤君は立っておっての御答弁を申し上げておるのだと思います。ただ、私は、級外教員を代員として使うことが当然のことだとは考えておりません。これは、そうであってはならないと考えております。その点については、なおよく検討しなければならぬと思いますが、それなるがゆえに直ちに法律改正の必要があるかどうかということになると、私どもの方にも若干の疑問があるということになるわけであります。
○岡三郎君 どうも、半分いいことを言って、あとごまかそうとするから、私の質問が継続するわけなんだが(笑声)今、次官が言った点について、確かに、ワク外級外定員の先生方を直ちにこれに何でも使っていくという精神では内藤さんの答えもないと思うけれども、しかし、そういう点が相当強調されている。その点は今、次官が言ってはっきりしたが、そうなると、次官と内藤さんの話を全部まとめていけば、大体話は聞いておるわけだ。だから、それを行政措置でやるということを言っても、そこがなかなかいろいろと事情があるから、行政的にいって夏休みその他問題があるとしても、そういう問題は弾力性のある取り扱いをして、一応この際法律できちっとやってみよう、不公平にならぬように。そういう点で、少くとも次官が初中局長に引っぱられる私は立場じゃないと思うのだ。あんたは指導的な立場に立っておるわけだから。特に国会議員であるし。やっぱりそういう点で、私は次官の方としては、まあその程度の内容で実際の措置というものができておるということになれば、あとは文部省の方として、あえて強く反対すべきものではなし、また、趣旨を尊重し努力するということを言っておるのだから、一つ十分、文教委員会として相談して、そうして、これについて自民党の方も委員長を交えて話をしてやっていくということでいいと思うわけだが、これ以上文部省にとやかく言っても、両者の意見をまとめるというと、われわれの意見に大体大同小異で大差ないということがわかったので、私は一応あれですが、内藤さん、今の次官が言ったところのワク外級外定員、それを文部次官のように解釈せねばいかぬと思うのだが、あなた、もう一回はっきり言ってくれないか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 原則論としては、私は政務次官と同感であります。ただ、現実に、そういう場合がある場合に、これを全部規定するわけには参らないと思います。そのことも、現実の問題として正常な運営を阻害するかどうかという判断の問題だということを、私は前々から言っておるわけであります。委員長、ちょっと速記をとめていただけませんか。
○委員長(相馬助治君) 速記停止。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記回復。
○高田なほ子君 資料の要求をいたします。文部省が、先ほど任用期間の問題について、産前産後六週間が三十三県で、これは全体の四分の三である、八週間が一県だというふうにずっと数字をあげておられます。これは、建前としてこういうふうにしているというのと、実際にこうであるというのとは、法律立法の精神が全然ぐらつく最も基礎的な問題なんです。時間もありませんから言いますけれども、たとえば、福島は、出産する数が五百四十、これに対して四百人という実績を持っている。ところが、この四百人の内容を福島へ行って調べてみたら、四百人ではなく、これよりはもっと少ない。大体、人数にするというと五十人くらいなんです。予算要求は四百人だけれども、実人員を雇ったのは五十人くらいなんです。それで、内藤さん、産休というのは十二週間を建前にすると、正式に計算すると、二ヵ月と二十四日になるわけなんです。だから、この間、交換時間や何かまぜても、十二週間というと、大体三ヵ月でしょう。だから、一人の労働期間というのは一年、十二カ月だから、一人分で四人分の出産をまかなうことができる。そういう計算をしないというと、これは大へんなことになるんです。茨城なんかひどいでしょう。二百八十人出産するのに二十五人きり先生は充てられていない。だから、一人の補助教員は四人の出産教員の補助ができるのですが、このような計算をしても、百二十人分の産休補助きりないから、あと二百何人は出産をしても全然休めないという形になっている。
○委員長(相馬助治君) 資料要求を願います。
○高田なほ子君 こういう実態の資料をちょうだいしたい。おわかりですか。
○委員長(相馬助治君) 女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律の一部を改正する法律案の質疑中でございまするが、残余は次の適当な機会に譲りたいと存じます。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 次に、学校教育法等の一部を改正する法律案、学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案を議題に供します。 質疑のある方は、順次発言を願います。
○湯山勇君 最初、この法律の建前に私は非常に疑問を持っておりますから、そういう点をお伺いしておきたいと思います。 大へん基本的な問題ですけれども、日本の学校で学校教育法にきめられていない学校というものがあってはならないと思うんですがこれはどうなんでしょうか。
○政府委員(緒方信一君) 御質問の趣旨を取り違えておるかもしれませんが、学校教育法で学校というのは、第一条に規定してあります小学校、中学校、高等学校、大学、それから盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園、こうきまっております。そのほかに各種学校という規定があります。学校教育法で学校というのは第一条の学校であり、それから各種学校というのは八十何条でございましたかにあります。こう思っております。
○湯山勇君 学校教育法で規定されていない学校というものは、まずないということが今の御答弁でわかると思います。そこで、短期大学というのは、一体どういうふうに文部省の方は定義づけをしておられるか、伺いたいと思う。
○政府委員(緒方信一君) これは、学校教育法の百九条で規定されております。そこで、百九条をごらんになればわかりますように、大学の修業年限は原則として四年になっておる五十五条の規定があるわけです。しかし当分の間、文部大臣の認可を受けて、その修業年限を二年または三年にすることができる、こういう特例がそこに規定されております。ただし、これは当分の間だということになっております。これを短期大学と称するということが第二項に書いてある。でありますから、短期大学はその性格は、第一条に戻れば、これは先ほど申しました学校の中の大学である。大学であるけれども、当分の間の暫定制度として修業年限の特例を設けている、こういうふうに解釈しております。
○湯山勇君 委員長、なるべく早く大臣の出席を求めたいと思います。
○委員長(相馬助治君) 文部大臣はただいま予算委員会に出席中ですが、強く出席を要求いたします。
○湯山勇君 今の局長の答弁で明瞭になったことは、短期大学というものは第百九条によって置かれた大学である。しかもこの定義を見ますと、二年または三年で、文部大臣の認可を受ける大学というのは、当然、公立もしくは私立に限られると思います。そういう私の解釈に誤まりがあるかどうか。
○政府委員(緒方信一君) 大学の設置につきましては、これは第四条で、文部大臣の認可を受けることになっております。でありますから、短期大学もその大学の一つの形態として、文部大臣の認可を得てやる、それが一つ。それから、ただ百九条の認可というのは、修業年限の特例の認可でありますから、今の御質問は、認可を受けるのは公立と私立かというお尋ねかと思いますが、おそらく御趣旨は、それじゃ国立はどうかという御趣旨であろうと思いますが、その第百九条の趣旨に基きまして、国立でも当然それと同じ形のものを作っている、こういうことでございます。
○湯山勇君 局長が大へん先回りして御答弁になったので、なおその点についてですけれども、法律でははっきり、「前項の大学は、短期大学と称する。」と非常に明確な規定があるわけです。従って、百九条以外に短期大学があるということは、法律の建前から言って考えられないと思うのですが、その点をもう一ぺん御答弁願いたいと思います。
○政府委員(緒方信一君) その通りに考えております。非常に不明確でございます。
○湯山勇君 いや、私が言っているのは、非常に明確じゃないか、短期大学というものは、「前項の大学は、短期大学と称する。」と非常に明瞭に書いてあるわけですから、局長が言われたように不明確じゃなくて、きわめて明確じゃないかと、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(緒方信一君) 百九条そのものは明確に書いてございますけれども、短期大学の性格というものは非常に不明確にできていると、こう申し上げたのであります。
○湯山勇君 ちょっと御答弁が違っているように思いますから……。これは、別に国立の短期大学を作ったのは緒方局長の責任でありませんで、もう前々からずうっときているので……。それで私が尋ねたいことは、こういう百九条で明確な規定があるにもかかわらず、そういうふうに勝手に国立の大学が短期大学と称してみたりすることができるのであれば、何も専科大学というものを法律で規定しなくても、文部省は勝手におやりになれるわけだから、こんな法律は要らないじゃないかということを、今の観点から立証しようとしているわけです。ですから、それによって、局長の今までやってきたことが間違っているとかどうとかというのでなくして、その辺の解釈を聞きたいわけですから、そのおつもりでお答え願いたいと思うわけです。 で、もう一度申し上げますが、内容はともかくとして、短期大学というものは、百九条に規定した以外のものは学校教育法では存在しない、法的には。これは間違いはないと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(緒方信一君) その通りです。
○湯山勇君 そうすると、国立の短期大学というものは、いかなる法的な根拠に基いて設置されたものか、それを伺いたいと思うのです。
○政府委員(緒方信一君) この認可ということは、御質問の趣旨にも出ておりますように、公立大学、私立大学に対して認可をするわけです。国立の大学は国が直接に設置する大学でありますから、その百九条の趣旨に基きまして文部大臣が認可をしていく、これはあくまでも第一条の学校の種類のどれに当てはまるかとおっしゃいますならば、これはもう大学であります。ただ名称が、公立、私立にそういう認可をして、短期大学と称する名称が唱えられますから、それに合わせて国立の分におきましても短期大学と称するわけでございます。
○湯山勇君 認可を受けないで国立の短期大学は作られているはずですね。そうすると、この国立の短期大学というものは、これは学校教育法の上では存在しない大学である。これはそう言えると思うのですが、どうですか。
○政府委員(緒方信一君) 名称は短期大学と申しておりますけれども、これは学校の種類としては大学である、こういう前提でありますから、私は支障ないと思います。
○湯山勇君 それじゃ、局長の御答弁をもう少し具体的に言うと、短期大学というものは百九条に規定したもの以外にはないわけです。で、国立の短期大学というのは、たとえば東京大学とか、大阪大学とか、北海道大学とかいう、その大学の名前を、ただ、たまたま短期と、こう言ったまでのことで、制度としての国立の短期大学というものはない、こう考えていいわけですか。
○政府委員(緒方信一君) それは私今のお話は、制度上、学校制度としてどの種類に入るか、学校のどの種類に入るか。第一条に学校の種類が書いてありますが、国立の短期大学はどの種類に入っているかどうかというお尋ねであれば、これは大学であります。しかしその修業年限が二年というような特例が一般に百九条で認められておりますから、国立の大学におきましても二年、まあこれは実態は夜間は三年でございますけれども、そういう短期大学を国立大学でも作っておる。名称はその百九条にならって、やはり短期大学という名称を使っておる。しかし、制度上の学校の種類はどれかというお尋ねなれば、これは大学に入りますということを言わなければならぬと思います。その辺に短期大学の制度としての不明確さがある、こう申したらいいかと思います。
○湯山勇君 局長の御答弁によれば、国立の短期大学は、種類から言えば大学だ、これは私立のも公立のも同じです。百九条に明瞭に、「大学の修業年限は」という書き出しにしてありますから、その点は別に特典にならない。それから短期大学というのは非常にあいまいだというのは、これは非常に明瞭なものを、以前、最初国立の短期大学を作った当時の政府自身があいまいにしたために、今日のような混乱が起っておるので、短期大学というものがあいまいであり、ぼんやりしておるのじゃなくて、この法律の運用を政府自体があいまいにした、これが私は真実だと思うのです。これはどうでしょうか。そう見る方がほんとうだと思う。
○政府委員(緒方信一君) 先ほどからお尋ねの中の国立の大学につきましては、先ほど私ちょっと申し上げましたけれども、国が直接設置するものでありますから、文部大臣の認可という手続はまあとらないわけです。しかし実際上は、これはつけ加えて申し上げますが、実際上はやはり同じ取り扱いはしております。大学設置審議会にかけまして、そして同じ基準のものを立てる、設置審議会の答申に基きまして立てるという同じ取扱いはしております。しかし国の認可という形はとらないのであります。そういう形はとっておりません。それから今のお尋ねの点でございますが、これは短期大学制度の発足の事情に基いているのではないかと思います。この前申し上げましたように、新しい大学が発足しますときに、旧制の高等学校、専門学校が大体大学四年制大学に昇格した。そのときに昇格できなかったものがあった。それの取扱いを——まあそのほかの議論もありましたけれども、めぐって、短期の高等教育機関を作った方がいいじゃないか、四年制の大学のほかに、そういう機関が必要じゃないかという議論が起ったのでありますけれども、占領下でありますから、向うさんの承認を得られなかった、恒久制度としては得られなかった。でありますから、やむを得ずその大学のワクの中で、百九条、これは附則の中にありますけれども、百九条を作って、そしてとりあえず当分の間ということならば、二年または三年のそういう修業年限の高等教育機関を大学のワクの中で暫定的に認めていこう、こういうことになって、それが学校教育法の改正をしまして、百九条、百十条をつけ加えて、これができた、そこに発足点がある。そのときに、二年または三年の短期の高等教育機関を作ります場合には、その修業年限にふさわしい教育目標というものがきまって、五十二条と別な教育目標が明らかに学校制度の中に打ち立てられたならば、今日のような不明確な点は残らなかったと思うのであります。しかし、そういう特殊な事情がありましたので、とりあえず暫定制度として出発したということでございます。そのことを私はこの間から申し上げているわけでありまして、いかにも暫定措置でありましたものを、そのままで今日まできて、そして実態として百七十近くの短期大学ができている。そういう点はやはり問題が残っていると思います。
○湯山勇君 経緯については、おっしゃるような点、確かにあったと思います。ただ、私が申し上げておる要点は、短期大学全体の問題ではなくて、国立の短期大学ということにしぼって申し上げておるわけです。国立の短期大学というものは、この学校教育法のどこからも出て参らない。そのどこにもない大学を勝手に文部省が作った。ここにいろんな混乱のもとが一つあるのじゃないか。ただ単に、設置法だけで国立の短期大学というものを作って、そして、まあいわばこれは文部省で勝手にやったことで、学校教育法には全然そういう規定はないわけです。これはその当時通したことも、確かに議会の責任ですし、そういう法案を出したことも、これまた文部省の責任でもあるわけですけれども、とにかく公立、私立の短期大学は非常に明瞭ですから、これについて別に疑義も何も持っておりません。国立の短期大学に疑義を持っておるわけですから、これは私の言う通りだと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(緒方信一君) これは百九条第一項の読み方でございまして、御指摘のように、「文部大臣の認可を受けて、」とあるが、国立の学校は認可を受けないじゃないか、こういう形式論をいたしますれば、そういう御質問になろうかと思います。しかし、先ほどから繰り返して申し上げておりますように、学校制度全般としって百九条の規定がありますから、その趣旨に従って、国は第四条で設置をしておるというふうに考えます。
○湯山勇君 そういうことではなくてですね、この学校教育法をきめた当時は、国立の学校に短期のものは置かない、そういう期間の短かいものは置かないことが建前なので、そこで、この百九条はことさらにこういうふうなあげ方をして、明瞭に、「前項の大学は、短期大学と称する。」と、こうなっておると思うのです。その後いろんな事情で国立にもり短期大学がほしいという要望もあるし、その必要も感じてお作りになったのだと思います。けれども、その段階で短期大学というものを、国立の学校については法律の整備をしなければならなかったのを怠って、便宜そういう拡大解釈か何か便法をもってやったのではないかということが考えられるのですけれども、これはどういうふうにお考えでしょうか。
○委員長(相馬助治君) ちょっと速記をやつめて。 午後零時三十六分速記中止 —————・————— 午後零時五十四分速記開始
○委員長(相馬助治君) 速記をつけて。 ただいま両法案について質疑中でございまするが、残余の質疑は次回に譲り、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時五十五分散会