文教委員会 第16号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/03/19
会議録
○委員長(相馬助治君) これより、文教委員会を開会いたします。 当委員会に、ただいま理事が欠員になっておりまするので、まず理事補欠互選を行いたいと存じます。慣例により、委員長の指名によりたいと存じまするが、異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 それでは、中野文門君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 学校教育法等の一部を改正する法律案及び学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案を議題といたします。 まず、提案理由の説明を求めます。
○国務大臣(橋本龍伍君) このたび政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、学校教育法につきまして、専科大学制度を新設し、また高等学校の定時制課程及び通信教育課程と技能教育施設との連係をはかるため所要の規定を設けるとともに、特殊教育関係の規定等を整備し、また国立学校設置法につきまして、国立学校における授業料の減免に関する規定を設けることとしたものであります。 まず学校教育法の改正といたしましては、第一に新たに専科大学の制度を設けたことであります。 わが国の高等教育機関としては、四年制の大学のほかに、修業年限二年または三年の短期大学がありますが、これは発足当初の経緯もあり、暫定的な制度として認められたものであって、性格も明確を欠くきらいがありましたので、その改善は各方面から久しく要望されてきたところであります。政府においては、このことについて、中央教育審議会をはじめ、各方面の意見を聞いて慎重に検討しました結果、このたび、新たに恒久的な専科大学の制度を設けることとし、従来の短期大学は、昭和三十四年三月三十一日までに認可されたものに限り、当分の間、存続できることとし、それ以後は、短期大学の新設は認めないことにいたしました。 専科大学は、深く専門の学芸を教授研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成することを目的とし、四年制の大学とは、その目的、性格を異にするものであります。 修業年限は、高等学校卒業程度を入学資格とするものは、短期大学と同様二年または三年でありますが、一貫して充実した教育を施す必要がある場合には、中学校卒業程度を入学資格とする修業年限五年または六年の専科大学の制度をも認めることにいたしました。この制度は、産業界その他から要望されている充実した中級技術者の養成にも大きな役割を果し得るものと信ずるのであります。 なお、専科大学は、一年の準備期間をおいて昭和三十五年度から設置できることにしております。 第二は、高等学校の定時制課程及び通信教育課程と技能教育のための施設との連係をはかったことであります。 高等学校の定時制課程または通信教育課程に在学する生徒が、学校以外の技能教育のための施設において、高等学校と同程度の教育を受けております場合には、生徒は、二重の負担を負うことになり、保健上からも適当でなく、また教育上も能率的ではありません。そこで、技能教育施設における学習を高等学校における教科の一部の履修とみなすことにより、その相互の連係を密にし、生徒の生活の実態に即した効果的な教育方法を制度化いたしまして、科学技術教育の振興に資することといたしたのであります。 第三は、特殊教育に関する規定を整備いたしたことであります。すなわち、現在、盲学校、ろう学校及び養護学校の幼稚部及び高等部は、単独には設置できないこととなっておりますが、関係者の要望もあり、また特殊教育振興の見地からいたしまして、特別の必要がある場合には、これらの部をそれぞれ単独に設置し得る道を開き、さらに、特殊学級の対象となる児童生徒の種類につきまして、教育上及び実際上の見地から現行の規定を整備いたしましたほか、盲学校、ろう学校及び養護学校に就学すべき者の範囲を政令で明らかにする等の措置を講じたのであります。 以上の諸点のほか、学校教育法につきましては、就学義務に関する規定等に所要の整備を行なっております。 次に、国立学校設置法の一部改正でございますが、これは、国立学校における授業料の減免について、財政法及び国の債権の管理等に関する法律との関係もありますので、これを明確に規定することといたしたものであります。 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。 次に、このたび政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、学校教育法の一部改正による専科大学の制度の新設に伴い、各関係法律に所要の改正を加えたものであります。 内容のおもなものを御説明申し上げますと、第一に、教育公務員特例法の一部を改正しまして、国公立専科大学の学長及び教員の身分取扱いについては一個の学部を置く大学の学長及び教員の例によるものとしたことであります。ただし、国公立専科大学の前期の課程を担当する教員の身分取扱いについては大学附置の学校の教員の例によるものといたしました。 第二に、教育職員免許法等の一部を改正しまして、専科大学の前期の課程を担当する教員は原則として高等学校教員の免許状を必要とするものとしたことであります。ただし、必要があるときは免許状を有しない教授等が授与権者の許可を受けて前期の課程を担当する教諭または前期課程講師となることができるものといたしました。 また、専科大学において所要単位を修得した者には免許状を授与することができるものとしております。 第三に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正しまして、国立専科大学の学長及び教員の給与については国立大学の学長及び教員の例によるものとしたことであります。ただし、国立専科大学の前期の課程を担当する教員の給与については国立高等学校の教員の例によるものといたしました。 第四に、産業教育振興法等の一部を改正しまして、専科大学の前期の課程については高等学校に準じてその教育の振興をはかるための補助等を行うことにしたことであります。 第五に、装蹄師法等の一部を改正しまして、短期大学卒業程度または高等学校卒業程度を資格要件とする資格規定に、専科大学の卒業者または専科大学の前期の課程の修了者を加えたことであります。 その他学校教育法の一部改正による規定の整備に伴い、関係法律に所要の規定の整備を行いました。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
○委員長(相馬助治君) 次に、補足説明がございます。これを大学学術局長から聴取いたします。
○政府委員(緒方信一君) ただいまの大臣の説明を補足して御説明申し上げます。 まず第一に、新たに専科大学を恒久的な学校制度として設けることにし、専科大学を学校教育法第一条の学校の種類の一つとして明記したのであります。また、専科大学は、大学とは目的性格を異にする学校でありますが、大学と同様高等教育機関であるという意味で、大学と同じ章に規定することといたしました。専科大学は、深く専門の学芸を教授研究し、必要があるときは、あわせて高等学校に準ずる教育を施し、職業または実際生活に必要な能力を育成することを目的とするものでありまして、学術の研究よりはむしろ専門職業教育あるいは実際生活に必要な教育を行うことに特色があるのであります。 第二に、専科大学の入学資格及び修業年限でありますが、高等学校卒業程度を入学資格とするものは、修業年限は、現行短期大学と同じく二年または三年でありますが、一貫して充実した専門教育を行う必要がある場合には、中学校卒業程度を入学資格とする修業年限五年または六年の専科大学を設けることができるようにいたしました。この修業年限五年または六年の専科大学は、三年の前期の課程と二年または三年の後期の課程とし、前期の課程は、高等学校に準ずる教育を施し、後期の課程に進学するために必要な知識、技能を授けるものであります。 第三に、専科大学は、大学のように学部制をとらないで、学科組織によるものといたしました。 また、専科大学には、夜間において授業を行う課程を置くことができるようにいたしましたが、夜間の課程を置く場合には昼間の課程の場合の修業年限をそれぞれこえることができるものといたしております。専科大学並びにその学科、夜間の課程の設置廃止については、文部大臣の認可を要することにし、設置の認可に関しては、大学設置審議会に諮問しなければならないことにいたしております。 第四に、専科大学の教職員についてでありますが、専科大学には、学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置き、必要に応じて、講師、技術職員その他必要な職員を置くことができるものとし、修業年限五年または六年の専科大学にはそのほかに教諭は必ず置かなければならず、さらに、養護教諭、助教諭、養護助教諭及び前期課程講師を置くことができるものといたしました。 第五に、専科大学を卒業した者が、大学に入学する場合には、文部大臣の定めるところにより、その卒業した専科大学の修業年限を入学した大学の修業年限に通算することができるようにいたしております。その他、専科大学に専攻科及び別科を置き得ることとしたほか、専科大学の通信教育の課程、教授会、研究所その他の研究施設、公私立専科大学の所轄、名誉教授、公開議座等に関しては大学と同様とし、大学に関する規定を準用いたしました。専科大学の発足につきましては、設置基準の作成、大学設置審議会の審査事務及び申請者の便宜等を考えて、昭和三十五年四月一日から設置することができるものといたしました。 なお、短期大学は、昭和三十四年三月三十一日までに認可されたものに限って、当分の間存続できることとし、短期大学の新設はそれ以後は認めないことにいたしたのであります。 以上がこの法律の内容の概要であります。
○委員長(相馬助治君) 以上、二法案について御質疑がおありと存じますが、これを後日に譲ります。 —————————————
○委員長(相馬助治君) 次に、就学困難な児童及び生徒のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○坂本昭君 保護児童に対してこのたび修学旅行の補助金を出すということを計画されましたことは、非常にけつこうなことだと思うのであります。従来、保護ということは、いつも最低生活の保護という形で行なわれてきたことは、橋本大臣としても十分御承知のことと思うのであります。それが、このたびのように修学旅行というような、教育の面のぎりぎりという面が、少し文化的な内容において高まった点まで補助を出すということは非常にいいので、私もできるだけこれは推進をして参りたいと思っております。ところで、まず最初に伺いたいのは、要保護児童生徒二・五%としておられますが、厚生省の生活保護の方は人員がふえておりまして四%になっておるはずであります。二・五%という数的な根拠を作られたその理由をちょっと伺いたいのであります。
○政府委員(内藤誉三郎君) 生活保護の対象人員は、これは厚生省の実績を調べてみますと、大体二・五%になっておるのでありまして、この点は医療費の補助を行います場合にも二・五でとったわけであります。今回も修学旅行の補助金を出す場合にもその数を一応の基礎といたしまして、しかし実績は多少増減があろうかと思います。
○坂本昭君 それで、三十四年度については厚生省の方もふやしているわけなんです、従来よりも。だから、ほかにも二・五%というのは、医療費の補助なども二・五%になっておりますが、これは去年もそうであったのでしょう。ですから、ことしはもう少しふやさなければならないのではないか、なぜふやさなかったのかというのが私の伺っている点なんです。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私ども従来の実績を基礎にいたしましたので、今後実績が二・五を上回るようなことがございますれば、これは十分考慮をいたしたいと考えております。
○坂本昭君 そうすると、これは実際に保護の生徒の数がふえた場合には、あとで補正予算を組むことがもちろんできるのですね。
○政府委員(内藤誉三郎君) ことしは遺憾ながら補正予算を組むわけに参りませんが、その分だけ準要保護児童に食い込むかもしれませんが、しかし私どもの今までの実績を見ますと、毎年少しずつ要保護児童は減っておりまして、最近の調査ですと二・五%、こうなっておりますので、二・五%を基礎にいたしました。今後お話のようにふえるようなことがございますれば、来年度予算で十分その点の調整はいたしたいと考えております。
○坂本昭君 次に、準要保護ということですね。準要保護ということはどの程度まで含めますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 準要保護児童というのは、ボーダー・ライン層でございますので、非常に線の引き方がむずかしいのでございまして、私どもが一応調査いたしました資料によりますと、生活保護の一・五倍程度のワクをとりますと、大体四%程度が予想されるのです。しかしながら、生活保護の収入の一・五倍を基礎にいたしまして、これが厳密な調査でございませんので、一応四%という数字が出たのですけれども、その辺になりますと明確な線も引きがねまして、私どもとしては従来から二%ということで、ことしは給食の一・五%を二%に引き上げただけで、二%全体の線は動かさなかった。しかし、今後この二%をやりまして、どうしても公費の扶助を受けなければならぬというような者が相当出ますれば、この線はさらに増額いたしたいと考えております。
○坂本昭君 その場合に、当該児童が準要保護児童であるかどうかという認定の基準は、どういうふうにして作っておられますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この基準が今日明確になっていないのでございまして、それだけに準要保護児童という特殊なワクがございますので、収入の面からだけでもいきませんので、結局福祉事務所の所長なりあるいは方面委員の方々が協議されて、ほんとうに生活上困っている者を対象にされる。こういうことで、生活保護は受けていないけれども、同じように困っている人たちを具体的に指定するということにいたしまして、予算のワクは二%のワクで市町村に交付しているわけでございます。
○坂本昭君 私もそういう具体的なことを今までつまびらかにしていないので伺ったのですが、実は義務教育の児童生徒に対して、こういう措置をするということは非常にいいことだと思うのです。いいことですが、もっと明確に内容を定めることの必要がどうしてもあると思うのです。何か文部省の中でそういう規定なり規則なり、そういうものは全然なくて、すべてその地区の民生委員とか福祉関係の人に一任をしておられるのか、あるいは現在ないとすれば、今後緊急に作られるつもりであるか、またもしあるならば、その資料をいただきたいと思うのですが、御答弁いただきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) なかなかこの数の把握が非常に困難でございます。特に厚生省がやっておりますように、民生保護の立場からケース・ワーカーを置いて収入の査定を十分いたしておる、こういうような状況にありますと、お話のようにある程度の基準が明確になろうかと思うんですけれども、現在のところ、主として福祉事務所の所長なり、民生委員等の裁量にまかされている、こういう状況でございます。で、どの程度のものが対象になるかと申しますれば、生活保護を受けている考及びそれに準ずる程度の者という抽象的なその指示をしているわけです。具体的に収入何ぼというようなことはいたしておりません。しかし、今後この点については十分検討をいたしまして、できますれば何らかの基準を定めたいと考えております。
○坂本昭君 厚生省の方では、いわゆるこの低所得層というものに対する考えを明確にしてきて、その者の数的な根拠も、たとえば去年、おととしの白書あたりでは、低所得世帯数二百四十五万、千百十三万人という相当にはっきりした数を出しておりますが、そういう面で、今のような福祉関係あるいは民生委員あるいは各地方にある児童福祉法に基く委員がありますね、児童委員ですか、そういうものに漫然とまかすというのでは、私はいろいろな点で差しつかえが出てくると思うんです。こういう義務教育に対して、こういう措置をとるということは、私は非常にけっこうなことだと思って、そういう面をさらに一歩進めるための具体的なこの計画を、私はこれは作っていただきたいと思います。そうしないと、非常にあいまいなことになって、非常にいいかげんなことになる。それが定まらないというと、前回の委員会でも松永委員から、かなりこまかいことの質問ありましたけれども、そういう点の基礎ができてこないと思うんです。これは、あなたの方でぜひ緊急にお作りになっていただきたいと思いますが、そのおつもりがあるかどうか、一つ伺っておきたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 十分検討いたしたいと考えます。
○委員長(相馬助治君) ちょっとそれに関連してなんですが、私、ここから発言して恐縮ですが、重要だと思うので、お聞きしておきたいと思うんです。坂本委員がおっしゃったように、基準をきめるということは、その基礎的な条件を確立するために非常に必要なのですが、またこの福祉事所務で扱うものは、確たる基準のないことから起きる困難性と、確たる基準のないことによってもたらされる福音と両面が実はあると思うんです。そこで問題は、この種の補助を将来もっと積極的に拡大してみようとするのか、それともこの程度でふやさないとしようとするのか、いわば基本的な心がまえの点が問題だろうと思うのです。従って、基準をきめて下さるということは、まことにけっこうですけれども、より基本的な、私は本法がねらうところの真の目的を達するということに主眼を置いて、しかる上において、基準の問題について、ただいま局長御答弁のように善処されたいと、私は特段希望するのですが、御見解いかがでしょう。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私どもも決してこの二%で十分だとは考えていないのであります。基本線は委員長が話ございましたように、この制度を拡充いたしたい、こういう基本線のもとに、実は基準を検討いたしたいと考えております。ただこの場合に、私どもが一番困るのは、厚生省が持っているようなケース・ワーカーがございませんので、どうしてもある程度裁量の余地というものはやむを得ないのじゃなかろうか、しかし、あまり裁量が野放図になっては困る、こういう点で十分検討いたしたいと思います。
○坂本昭君 今、たまたま厚生省のケース・ワーカーの話が出ましたけれども、厚生省も別に格別、厚生省のケース・ワーカーというものは持っていないのです。で、結局福祉事務所の民生委員やそういうものを通してやっているので、結局これは、この生活の実態をつかむ点で同じことなんですよ。たまたまケース・ワークの対象となる世帯の中での義務教育を受けている子供に関連することであって、私は当然同じように研究できると思うのです。この点で、私はですから大臣に、これはもう前厚生大臣の経験もおありのことですし、給食の問題、それから、今の当面の問題になっていることに関連して、私は初めから将来国が責任をもって予算もふやしていくという前提のもとに協力しようと思って、今お話しておったのですけれども、基準を作って、かえって引き締めているのです。この予算を削減することなどは少しも考えておらなかったのですが、大臣の御意向をこの際伺っておきたいと思うのです。
○国務大臣(橋本龍伍君) もちろんさようなことを考えておりません。ただ、委員長からもお話のありましたように、ボーダー・ライン層の対策につきましては、月収幾ら幾ら以上といったようなことをこまかく限りますと、子供が多かったり、学校に行っておったり、病気であったり、何かほかの、一応法律の範疇外の、実際親戚がころがり込んでいたり、いろいろな例が具体例としてあるわけです。やはり要保護、準要保護というものについて、もう少し手厚くするという方向で基準を考えながら運用のよろしきを得ていくということで、将来もう少し、何といいますか、衆議院の御審議の際にも話がありましたが、範囲があいまいもことしているじゃないかということにつきまして、もう少し身の入った検討を行なっていきたい。それはあくまでも手厚くするという考えでやっていきたいと思います。
○坂本昭君 今の大臣のお考えで、私たちも積極的に御協力することを申し上げたいと思います。 それで、なお、前回の委員会の際に、局長からこの補助金の配付について、従来この補助金の配付については生活保護と、それから児童数を三対七で分けておった。それを五対五に今度分ける。前よりも確かに一段と進んだと思うのです。実態に近いと思います。しかし、実態はもっと私は違うと思うのです。というのは、生活保護の保護率というのは非常にまちまちなのです。前回は特に旅行に対して東京と大阪の列車の運行について話があった。東京と大阪の子供たちにとっては比較的有利だと思うのです。ところが、一番修学旅行が困難な、言いかえれば、生活の保護の多いのはどこかというと、これは保護率は最近の統計では全国一七・八プロミレなんです。しかし、一七・八ですけれども、地域によっては非常に差がある。特に概括して申しますと、東北の北の方、九州の果て、四国の果て、こういう日本の周辺部が非常に高いのです。たとえば青森は二五・〇八、岩手が二一・六三、長崎が二二・一〇、熊本が二四・八一、鹿児島が三四・七九、宮崎が二三・四九、高知が二四・六〇、二〇をこしているところは東北の北の端、四国の端、九州の端、こういう、修学旅行で二泊三日ですか、とても大阪や東京に出てこられないようなところが保護率が非常に高い。保護率の非常に低いところは埼玉一二点二二、千葉二三・〇八、静岡の一〇・〇八、愛知の一一・六三、大阪の一一・七九、名古屋市の一二というふうに、こういうふうに、今の東京と大阪の修学旅行の汽車にも乗れるところが一番低い。ですから、この補助金の分け方について、前より一段と進歩したと思いますけれども、一番修学旅行などで勉強して、文化的な日本の子供として将来の大事な日本人として、勉強してもらわなければいかぬのは一番周辺部なんです。周辺部が一番まだ貧乏人なんです。この貧乏なところにうんと金を注がなければ、義務教育のりっぱな成果を上げることはできない。私はそういう点では、この今回の五対五に分けたやり方ではまだいかぬと思う。つまりまだ文部省の方では実態の把握が足りないではないかと思うのです。むしろこれは児童数よりも、保護率そのものに直接関係をして補助していくべきではないかと思うのですが、いかがです。
○政府委員(内藤誉三郎君) 今お尋ねの点は、準要保護児童の問題だと思う。私が申し上げたのは、要保護児童については、これは要保護の児童数に入りますが、ですから、お話のように必ず準保護児童にリンクしておる、こういう実態が明らかになりますれば、御指摘のような考え方が成り立っていく、しかし、私どもはまだそこまでは踏み切れないのじゃないか、やはり児童の総数というものを考えなければならぬし、それから同時に保護児童の数というものも考えなければならぬ。ですから、今回改正いたしまして、一応半々にやってみる、その結果、なお御指摘のような点があればこれを七・三にする、こういうこと、ゼロにするわけには参らないと思う。児童数が多いのですから、児童数割りというものをやっぱり考えないと困ると思う。ですから、そういう点はさらに研究いたしますけれども、とにかく今度五対五でやってみようということにいたしましたので、その結果を見てからにいたしたいと思います。
○坂本昭君 確かに局長の言われるように、要保護と準要保護なんですね、リンクするかどうかというのは、統計的には出ておりませんが、これはまあ常識をもって、要保護が多いところにはそれに準じた者が多いというのは常識なんですね。ですから、その点は当然もっと深刻に考えていただきたいし、特に地域的に今言ったように、東京、大坂を隔たることの遠いところにこういう生活困窮状態がある。この点ははっきりつかんでいただかなければ、私も僻地出身の議員でありますけれども、何もその僻地の味方というだけで言うのでなくて、実際に日本をながめるとそういう実情がある。せっかくこうした補助を出して、子供たちに修学旅行によってりっぱな教育をさせようとするならば、その恵まれていない人たちの特にめんどうを見ていただくと、そういう点で私は今回の五五について、その実績を検討されるというお考えはけっこうだと思います。が、その考えを、十分にその上に立脚して、さらに生活並びに教育に困難している子供たちのめんどうを見ていただきたい、そのことを特にお願いして私の質問は終ります。
○竹下豐次君 この学校の修学旅行の日程ですね。これに相当に無理があるところがあるのじゃないかというふうに私見ておるのでありますが、私は宮崎県の、今、坂本議員のお話がありました宮崎県の南の端でありますが、昨年の秋、高等学校の生徒が旅行して日光まで参りましたのですが、その計画を見ますと、日程のうちほとんど半分ぐらいが夜行なんです。夜行車で行って、朝着いて、そうして方々引き回される、ほとんど半分近く夜行、でもう半ば過ぎになりますというと、生徒はへとへとになりまして、ただ先生に連れられてあっちこっちぐるぐる回る、いろいろなことを質問したりするというような意欲も失っているようにくたびれておるのです。私、東京に泊りましたときに、宿屋に二度訪ねましたところが、とても皆くたびれて、どこを、どんなところを見てきたといっても、その返事が満足にできない。ことにそのときに雨が降りまして、どこを通ってきたかわからないというような状態で、一そう気の毒だったのです。病人がもちろんできますですね。これは私は非常に大事なことであるので、健康の問題などについても、特に文部省初め教育委員会、学校当局において気をつけてもらわなければならない問題じゃないかと思っております。私の県のようなところ、ほかにもあるわけだと思っておりますが、やっぱり東京には一度は子供を連れていきたいという先生の考えももっともでありますし、距離は非常に遠い、それで費用はあまりないということで、そういう無理な日程ができるのだろうと思っております。しかし、これは健康に及ぼす影響が非常に大きいということと、もう一つはさっき申しましたように、途中でもう見学の意欲を失ってしまったというのでは、修学旅行の目的の半ばは失ってしまうということになります。文部省の方で、今日までの状況につきましていろいろお気づきの点もあろうと思っておりますが、病人がどのくらい出ておるものか、そういうお調べでもありましたらこの際、承わっておきたいと思っております。
○政府委員(内藤誉三郎君) 今お尋ねのようなケースは、全国的ではないと思うのですが、私どもの指示しておりますのは、大体二泊三日を原則にしております。その場合に、中学校の場合でも、往復とも船の旅、あるいは汽車の旅は、これは宿泊を要することは避けるように、原則としては夜行は使わないように、やむを得ず夜行を使う場合には帰りにしろ、帰りだけ一回を限って夜行程度にしろ、こういう手引きをいたしておるわけであります。ところが、今お話のように、宮崎から東京、日光においでになるにはとても私は無理だろうと思う。大体の旅行を見ますと、九州は大体九州一円を回っておる、それから北海道は北海道を回っている、それから東北が東京地区、それから関西が東京へ来る、それから東京の者が関西に行く、四国、九州の者が京阪神に行くというのが大体の例のようでございまして、今お話のように、九州から東京へ来るというのは少し数が少いのじゃなかろうか、これは私非常にやはり行き過ぎじゃなかろうか、何のために修学旅行したのかわからない。お話のように、しょっちゅう夜行ばかりやっておりまして、眠くて見学も十分できないのでは効果が上らないのではなかろうか。もう少しこの点については改善する必要があろうかと思います。具体的に私ども今お話のように、病人が何人できたということは、中毒の場合はございますけれども、今、疲労のために何人病人ができたという統計は持っておりませんけれども、そういう事態のないように、今後積極的に指導して参りたいと思っております。
○竹下豐次君 私が今実例をあげましたのは高等学校なんであります。やっぱり高等学校にもある程度の制限は指示をしていらっしゃるのですか。小中学校は大てい九州中を一回りするぐらいのことをやっているのが普通なんでございます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省がやっておりますのは、まあ積極的に指示しておりますのは、小中学校の義務教育を中心にやっている。この場合には、私九州一円と申し上げたわけで、高等学校の場合には別に具体的に指示いたしておりません。今後必要がございますれば、そういう点でさらに検討いたしまして、適切な指導をいたして参りたいと考えております。
○竹下豐次君 もう一点。修学旅行の際における引率教師の態度ですね。これはいろいろまあ私などうわさを聞くわけであります。まあ酒を飲んで生徒の前で醜態を演じる、汽車の中までも醜態を演じて乗客にも迷惑をかけるというようなことがひんぴんとしてかどうか知りませんけれども、相当たびたび私などはうわさを聞かされます。父兄から聞かされることもありますが、生徒から聞かされる例が多いのであります。生徒は、ことに小学校の生徒などはもとよりでありますが、中学校の生徒にいたしましても、一応先生はりっぱなお方だということで、平生敬意を払って教えを受けているわけでありますが、その敬意を払われている先生が、旅行先では先生自身が解放されたような気分になるのかと私は想像しておるのでありますけれども、どうもあまり慎しみが足りない。車中における生徒の指導についても非常にルーズであるというようなこともあるのでありますが、……まあ、で、ある学校もあるといちごとを聞くのでありますが、先生自身が、今申しましたような、主として酒の問題をよく聞かされるのであります。そういうところを生徒が見まして、私の聞いた生徒の評によりますというと、先生はだめだね、ということをよく聞かされる。平生尊敬している先生の値打ちが、ちょっとの間の旅行の間に、生徒から非常な軽べつの目をもって見られるというように変ってしまう。それは、ただ旅行中の問題だけでなくして、その後やっぱりその先生が教えるわけでありますから、教育についても権威を保った教育を施すということが困難になっていくのじゃないだろうかと思います。なおまた、この間、宿泊料の問題も出ましたが、宿屋の話を聞いてみるというと、先生たちには特別のサービスをしなければならない、そんな費用もかかります、それで勢い宿賃もよけいにいただかなければならない、私たちはやっぱりもうけなければなりませんから、こういうことを言っておるのもある。で、宿屋で、それは、先生たちが生徒よりもりっぱな食事をなさるということも、それを必ずしもいけないと言うわけじゃありませんけれども、少くとも生徒に知られるような態度を宿屋でとられちゃ、これははなはだ困るのです。これは珍しい例でないように私聞いております。こういう点も、そういうことのないように、文部省を初め地方の教育委員会あたりでも、指示したりあるいは校長たちと話し合いをしたりしておられるはずだと思っておるのでありますが、どの点まで注意しておられますものですか。おそらく私の言いましたことは、全部が全部間違いじゃないと思っております、たびたび聞かされておりますから。その点を今日どういうふうにやって、政府、文部省として努めておられますか、それをお聞かせ願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 今お話しのようなことは、たびたびうわさに聞いておるのですが、先生方といたしましても、子供の生命を預かって行くのですから、旅行中も大へん気苦労が多かろうと思うのです。そういう場合に、宿屋へ着いてほっとされて、多少気をゆるめた結果、そういう事態が間々あるということも耳にするのでございますけれども、今お話しのように、そういうことは教師としてやはり慎しまなければならない。私どもの「修学旅行の手びき」という、これを全国に出しましたが、この中には、「引率教師は、旅行中の児童生徒の行動について監督を厳にし、必ず食事やすい眠をともにするとともに、旅行中の飲酒は厳につつしむこと。」と、こういう指導をいたしておるわけでございまして、一そう、今御指摘のありましたような点は今後注意いたして参りたいと思います。特に業者の方も——教師だけを責めるわけには参らと思うので、業者の方も、少し、多少その旅館に引っぱるために先生方に過剰なサービスをしている面も私あるのじゃないかと思う。そういう点については、私どもとしてはできるだけ教師にだけ特別のサービスをしないようにしていただく、そしてむしろそのために宿泊料が上ることのないように、宿泊料を低廉にして、みんなが修学旅行ができるように、実はこの点は特に私は業界の方々にも、二十万人程度の者が今まで行けなかったのだから、それでそのために、実は修学旅行の補助金も組んでおるような状況でございますから、業界の方でもその点は共同して、一、二軒がそれを破ると困りますので、共同してそういうふうに過剰なサービスをしないようにお願いをいたしておるわけでございます。
○竹下豐次君 今、局長のお話の通り、修学旅行の引率教師の骨折りというものは、これはまあ大へんなことだと思います。一人でもけがさしたら大へんだという心配が絶えずあるのではなかろうかと思っております。そういう点はよくわかります。だが、どうもやはり先生たち若い人たちが多いのでありますから、ちょっと解放されたというような気分が任地を離れますと起りがちです。すぐ気のゆるみが起りがちであります。平生の生徒の前における慎しみを破ってしまうということになりがちだと思うのであります。ただ、私が心配しまするのは、宿屋の宿泊料の問題にしても、そうたくさんの引率者がついていかれるわけでもありませんから、それがために生徒全体の宿泊料もうんと上げなければならぬ、そこまでの散財をされるわけでもないだろうと思います。そういうことよりも、すでに申しましたように、先生の権威、もう一度そういうことで、生徒から軽べつされたら、あとはそれは権威のない先生になってしまう、それが私は一番おそろしいことだと思っておるのでありますが、その点を特に御注意下さいまして、通達を出していらっしゃるということで、そこまで存じておらなかったのでありますが、それを一そう強調されて、間違いのないように気をつけていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいまお話のございましい点は、もうきわめて重大なことでございまするから、従来の通牒に加えまして、なお留意をいたして参ることにいたします。
○松永忠二君 前回質問いたしましたのを私も調べましたところが、国有鉄道公示というもので、団体取扱手数料交付規程というものがあって、それで一カ年国鉄団体旅客運賃の支払い額が一千万円以上のあっせん業者、指定業者に、手数料交付団体としてこれに、時期によっていろいろ違うわけでありますが、二%から五%の手数料を払うというのが国有鉄道の公示によって出ているわけです。これを一応調べてみますと、やはり法律とか、いろいろな規則とか、こうしたものじゃなくて、こういうような公示というものによってやられているので、これはやはり文部省で、努力の方法があるというふうに私たちは考えるわけです。地方の教育委員会、あるいは県教育委員会、あるいは極端なことをいえば、全部を総体としてもいいわけでありますが、こういうふうな問題について、やはり大臣として積極的に解決をしていく努力を払っていただきたいと思うのです。またあわせて、新聞紙上によりますと、衆議院の方でも大臣にいろいろ質問があったそうでありますけれども、中学校の生徒の旅客運賃について、義務教育というような関係で、小学校と同様な措置をとりたいということは、文教委員会の各位の全面的な御意思であったわけでありますけれども、こういう点について、やはり積極的な努力をなさっていただきたいと思うわけであります。こういう問題について現在、どんなふうな経過になっておるのか。事務的に折衝していることであれば、局長の方からも私この点について一応お聞きしたいと思うわけなんです。
○国務大臣(橋本龍伍君) お話のありました国鉄の割り戻しの問題につきましては、一応ごもっともではありまするけれども、サービスをいたした、金銭の割り戻しを受けるといったような問題につきましては、後ほど研究をしていただきたいと思います。できるだけ合理的、間違いのないように、そしてせっかくのことでありますので、国鉄でももうけておるならば、それだけのことを教育の面にサービスさせるという基本方針はけっこうだと思いますが、少し考えさしていただきたいと思います。 それから長距離を通学いたしておりまする児童、それの割引の問題があるわけであります。ことに町村合併に伴って学校が統合いたしておりますので、通学距離がだんだん長くなる可能性がある。そこで、中学校についても小学校、つまり、義務教育の間は子供並みにお考えになって、半額割引をしたらどうかというお話であります。これは国鉄の経営の面とも関連をいたしまして、全面的にその通りにするのはなかなかむずかしいのでありまして、せめて非常に通学距離の長いものにつきましては、何か国鉄の方のサービスの余地があるならサービスをするなり、あるいはどうしてもむずかしければ国費の補助を出すなりということを考えまして、目下検討中でございます。まだどういうふうにするというところまで決定するほど折衝は進行いたしておりません。国鉄との間に事務当局をして検討させておる次第であります。 なお、局長から追加してお話をさせたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 実はこの問題は、当委員会からも小学校並みにしろという御決議も出ておりますし、私どもはその決議の線に沿いまして国鉄当局とも交渉して参ったわけであります。ただ、小児運賃というようなものの制度というものが、一体義務教育と直接関係がないというのが国鉄の考え方なんです。この小児運賃の考え方は、大体ふろ賃とか理髪料とか、その他一般の小児運賃と考えるべきであって、いわゆる初等教育の段階を対象にすべきもんではなかろうか。従って、義務教育が将来高等学校に延びたからといって、義務教育の年齢で小児運賃をきめていくもんじゃないというのが基本的な考え方のようであります。そこで、実はこれは衆議院からも強い御要望がございました。私どもは何とか全面的にできないならば、ただいま大臣が申しましたように、非常に統合等によって長距離を通う者、これだけにしぼって検討をいたしたいと思うのであります。一般的に小児運賃並みということが不可能のようでございますので、次の段階としては特定のものに、特に通学距離の長いものについて義務教育の上に支障があるからと、こういうような線で国鉄とも十分相談いたして参りたいし、またさらに国鉄の方でそれでも独立採算上非常に困るというようなことがございますれば、別途政府の方から補助金なり、何らか適当な方法でこの問題を解決いたしたいと思っております。
○松永忠二君 国鉄の言い分は国鉄の言い分だと思うのですよ。ただ、しかし、文部省としてはしっかりした見解を持っておられると思うのですね。とにかく現実にこの前通った法律でも、通学費をとにかく盲ろうあについてめんどうを見ていくというようなことを考えておられるし、まあ義務教育無償の原則からいっても、通学の費用は、こういうふうな国鉄を使っての相当長距離の通学をしているということになれば、これはやはりそういう意味で無償にしていくと、そういう線から考えていくべきじゃないかと思うのです。それからまた、おとなと子供と理髪料とかいろんなお話がありますけれども、別に入場料でも学生割引をやっているわけなんですよ。ああいうふうなものでさえ学生割引を実施をしているような段階に、やはりこの年齢についていえば、何も差はないのでありますから、事実上そういう性質から学生割引をやっているわけです。だから、向うの言い分は言い分だろうと思うのでありますけれども、そういう点については、やはりもっとしっかりした考え方で解決していけばできるのじゃないか。ことに国鉄の問題が解決すれば、すぐにバスの問題なんかもやはり自然に解決してきて、実際このごろ各地を回ってみても、相当長いところを子供が通っているわけです。そういう点を考えても、もう少し積極的な努力を、大臣の方でも一つやっていただかなければできぬのじゃないかと思うのです。再々これはもう問題になっているごとであり、やはりもう少し的確に事を運んでいくということが大事じゃないかと思うのです。一つ、なお今後また機会を見てその結果をお尋ねすることにいたしまして、その問題は一つ努力を願うということにいたしたいと思います。 もう一つの問題は、先ほど盲ろう学校の通学費の問題で、先生の、両親のつき添いの問題について、論議もあったわけでありますが、一つ同時に、先生の一体旅費について、現実に修学旅行なんかについて行く旅費が正規に払われていないじゃないか、つまり打ち切りの旅費というような程度で支払いをされていることだと思う。なおこれについては、四千円というものを、文部省は教職員の一人の年額の旅費として考えて計上をされているのだが、事 二、地方では、それだけの額を計上していないというのが実情であろうと思うのです。しかも、なおかつ私たちの聞いておるところによると、地方財政計画の中では、三千八百円というものに計上しているということなんでありますが、こういうふうな点について、やはり一つは、今お聞きしたいのは、一体四千円の旅費を果して計上しているのかどうなのか、それからまた、地方財政計画の中の三千八百円というのは、やはり四千円に高めるべきじゃないかということ。それからもう一つは、やはり修学旅行のつき添いの旅費くらいは正規にやはり支払いができるようにしなければならないのじゃないか。この問題は、いわゆる赴任旅費でさえも正規に払っていないというのが現状で、教職員あたりほどこういうことについて恵まれないというか、不当な取扱いを受けているものはないというふうに私は思っているわけです。役人のごときは、そういう赴任旅費などが正規にどんどん支払われているのに、教職員は赴任旅費でさえも正規に支払いを得られない。しかも、旅費をPTAから負担してもらっている。しかも、その旅費の支払いも非常に時間的に遅延をしているというのが現状だと思うのです。これはずいぶんひどいというふうに私たちは考えているわけです、この旅費についてはですね。しかも僻地について、僻地の人たちが一晩泊りで研修に出てくれば、もうこんな旅費くらいはすぐ使ってしまうという状態の中でも僻地の旅費としての考慮を特別に払われないというのが現状なんです。こういうことについては、やはりこういう機会を通じてこの旅費の正規の計上というようなことと、そうしてまた、これとこれとだけは正規に支払いをするというような、そういう考え方を確立していくべきだと私は思うのです。三つの点について、初中局長から数字をあげて一つ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 大体、国庫負担金で一応四千円見込んでおりますが、実際は今お話のように三千八百円程度しか支給されておりません。これは赴任旅費を含めてでございます。しかし、地方財政計画では国庫負担金と同額が計上されておるはずでございます。旅費だけが三千八百円に打ち切っているはずはございません。赴任旅費につきましては、私どもは大体正当旅費が支給されていると考えております。しかし、一般の旅費につきましては、これはお話のように、大体実費弁償の性質でございますので、大体実費をまかなう程度に、というのが府県の実情のようでございます。修学旅行につきまして校費で負担するか、やむを得ざる場合PTA等で負担するか、いずれの場合にも、先生方に御迷惑のない程度の旅費を支給されていると私どもは承知しておるのでございます。それから今お尋ねの、どういうものが実費弁償で、どういうものが正当旅費で支給すべきかというような区分につきましては、これは私非常にしにくいと思うのです。結局、公務上必要がありますものはできるだけ正当旅費で支給されるのが望ましいと考えておるのでございます。
○松永忠二君 簡単に……、その今のお話は、はなはだ実態と違っていると思うのです。そうなってくると、私お聞きしたいのは、一体修学旅行のつき添いというのは、基準として何人に幾人の先生を連れていくのが基準なんですか。 それからもう一つお聞きをしたいことは、一体四千円の国庫負担で旅費を計上されているが、地方の地方予算で一体四千円を計上している県が幾県あるか。それと、最も少い県は幾らを計上しているのかということを数字で一つお答えを願いたいと思う。
○政府委員(内藤誉三郎君) つき添いは二十五人に一人ということにいたしておるのでございます。 それから、旅費の支給でございますが、先ほど申しましたように、四千円の前後としておるのが大部分でございまして、各県別に今ここに資料を持ち合しておりませんが、御入り用でしたらあとでお届けしたいと思います。大体、この四千円を配分する場合に、僻地の方には僻地の割り増しをつけておりますので、できるだけ都市部と山間部についてはこれは差等をつけて配当しておるはずでございます。今のお尋ねの各県の支給状況につきましては、あとで資料として差し上げたいと思います。
○松永忠二君 大臣にお願いをし、またお聞きをするのでありますが、二十五人に一人という基準でつき添いがついていくということになれば、相当やはりつき添いの数は多い。それのみじゃなくて、やはり特別の養護教諭であるとか学校医をつき添いさしていくと思うのです。そういうふうな費用で、なかなかそういう点について旅費の上に大へん苦労があるということは事実だろうと思う。今、あなた四千円前後というお話だけれども、実態はまたあとからお聞きをするのですが、四千円計上しているというのは、そうたくさんないのです。相当の富裕の県でも三千五百円とか、そういうふうなところでございます。ひどいところは三千円くらいの負担をしている。それからまた実態については、あなたはどういうふうに御調査なさっているかと思うのですが、私は旅費の支給ほど教職員についてひどい仕打というものはない。たとえば赴任旅費なども、相当たってから赴任旅費が支払われているのが実態である。役人なんかについてはむしろ事前に、旅費の先払いということも実施をされているわけです。教職員については行ってきて、旅費が、一月か二月たってから、やむを得ないからPTAから金を一時支払いをしているというのが現状だ。これは旅費の問題等については、一つ、四千円では非常に不足しておるということを考えられる。しかし、なおかつその四千円すら計上していないのが実態なんであって、一時地方財政が苦しくなった場合に、どんどん四千円の単価を切り下げられておったわけです。もう少し教職員の旅費がどういうふうに支給をされているのか、どういう実態にあるのかということを十分把握をしていただいて、それでこの四千円の旅費計上等のごときは的確に各地で行われて、そしてこの修学旅行等についての費用も正規に支払いのできるようなふうに配意を一ついただきたいと思う。特に大臣にも四千円の旅費の問題についてはこまかいこともまたお聞きをしたいので、十分に一つ研究を願いたいと思う。
○国務大臣(橋本龍伍君) この三千八百円というのは、実績に基いて計算をしたものだそうでありますが、御指摘のように、やはりなかなか地方によって、いろいろなむらもございますようでございますから、十分考慮をいたしまして善処したいと思います。
○委員長(相馬助治君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。 別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 これより本案の採決を行います。就学困難な児童及び生徒のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(相馬助治君) 速記を開始して下さい。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(相馬助治君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。本院規則等七十二条によって、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、委員長に一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。 本日は、これをもって散会いたします。 午前十一時五十七分散会