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31回国会参議院1959/02/19

文教委員会 第9号

発言数
42
登壇者
5
会派数
2
開催日
1959/02/19

会議録

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) これより文教委員会を開会いたします。  開会に先立ちまして、委員長及び理事打合会をいたしましたので、その経過について報告して御承認を求めておきます。  まず、前回の理事会後、本審査になりました国立学校設置法の一部を改正する法律案について本日、最初の議事として提案理由の趣旨を聴取することにきめました。  次に、社会教育法等の一部を改正する法律案について公聴会開会の提案がありましたので、慎重協議いたしました結果、三月三日火曜日、これを当てることにいたしました。公述人は八名、その人選その他細目につきましては、委員長及び理事打合会に御一任いただくことにしたいと存じます。  来週の二十四日、二十六日の定例日の運営につきましては、今週と同様、昭和三十四年度文教関係予算及び社会教育法等の一部を改正する法律案及び本日提案になりました国立学校設置法の一部を改正する法律案等を審議することにいたします。  以上、報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 御異議ないと認めます。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 速記を始めて。  それでは国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題に供します。  まず、提案理由の説明を求めます。

橋本龍伍自由民主党文部大臣

○国務大臣(橋本龍伍君) このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、昭和三十四年度における国立大学の大学院及び国立短期大学の新設等について規定するものであります。  まず、国立大学の大学院の新設につきましては、鹿児島大学に大学院を置き、医学に関する教育研究の進展をはかるために医学研究科を設置することといたしたものであります。  第二は、国立短期大学の新設に関するものでありまして、新潟大学商業短期大学部、富山大学経営短期大学部及び岐阜大学工業短期大学部を、それぞれ新潟大学、富山大学及び岐阜大学に併設することといたしました。これらは、いずれも夜間において授業を行うものでありまして、勤労青年の進学希望にこたえようとするものであります。  以上のほか、国立商船高等学校に包括されて経過的に存続していました旧制の商船学校の廃止に伴ない、これに関する規定を整理いたしました。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) ただいま趣旨説明されました本案に関しましては、その質疑は後日に譲りたいと思います。   —————————————

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 次に、昭和三十四年度文教関係予算に関する件を議題に供します。  質疑のある方は順次御発言を願います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 私は公立文教施設の費用について少しお伺いしたいのでありますが、すし詰め解消というような意味から、文教施設について五カ年計画を持っておるというふうに、まあ公約に基いて政府でも計画を樹立し、実施をされておる段階になっておると思うのであります。それについて資料を提出していただくようにお願いしたのでありますが、具体的にどんな計画で、どういうふうに進めていくのか、お示しをいただきたいと思うのであります。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 公立文教施設につきましては、御承知のように、従来からも文部省といたしましては、それぞれの事項につきまして年次計画を立てて整備をしていきたいというつもりで、予算の折衝に当っておったのでございますが、ただ、予算の実際の実施案になりますと、そういった長期安定計画が認められずに、必要坪数のそれぞれ何分の一というようなことで予算の査定をみまして実施をいたしておったのでございます。この点につきましては、それぞれ実施者である市町村側にも非常な不安を与えます関係等も考慮いたしましたし、また、御承知のように、前年の通常国会におきまして、義務教育施設に関する国庫負担法その他の整備がございまして、従来の臨時特別立法も一本の国庫負担制度に改めるという新しい制度が確立されましたことを機会に、文部省といたしましては、全国の各小中学校、高等学校につきまして、それぞれ詳細な調査をいたしまして、その調査の結果に基きまして、五カ年間に必要坪数の整備をするということで予算の要求をいたした次第でございます。これにつきまして、幸い政府全体としても、この五カ年間に特にすし詰め教室なり、あるいは危険校舎その他の必要校舎の整備をするという基本的な方針が確認されまして、なお、これに伴いまして、五カ年間の必要な整備坪数というものも、予算の積算の基礎上はっきり一応認めたわけでございます。従って、今後はその整備計画を五カ年間に計画的に着実に実施をしていけば、一応、現在当面必要としておるすし詰め教室なり、危険校舎その他が解消できるという目標が立ったわけでございます。その概要と申しますか、特に重点になる事項を申し上げますと、三十四年度から三十八年度までの五カ年間に、すし詰め教室あるいは学校統合、危険校舎、そういったものを重点として整備をしていくということでございます。なお、これは従来から問題になったところでございますが、整備の場合の建物の構造、比率の問題でございまして、最近の状況から申しますと、従前のように、たとえば鉄骨なり鉄筋の建物というものは、単に防火地域だけというようなことでは、とうていおさまらない状況でございまして、災害等の非常に多い地域、その他全国的にこの耐火構造というものが要望されておりますので、従来は、大体必要坪数の三〇%程度が耐火構造でありましたものを五〇%まで、この五カ年計画では引き上げるということを根幹といたしておる次第でございます。  そのやや詳細な概要を申し上げますと、義務制の学校につきましては、まず小学校及び中学校の校舎の整備でございますが、小学校の校舎につきましては、昭和三十八年度におきまして、一学級の編成児童数を五十人以下とするということを目標といたしまして、約十九万坪、これはお手元におそらく資料が配付されておると思いますが、五カ年間に十八万九千坪というものを整備する予定にいたしております。  それから中学校のすし詰め解消の点でございますが、中学校の校舎につきましても、小学校と同様に、一学級の編成員数を五十人以下にするということで、五カ年間に八十四万六千坪というものを整備する予定にいたしております。  それから次は、屋内運動場の整備でございますが、これは小学校の屋内運動場につきましては、従来からやつておりますところの戦災復旧関係の、現在まだ復旧されておらない坪数二万八千坪を五カ年間に整備をする。それから中学校の屋内運動場につきましては、これは従来からやっておりました義務年限の延長に伴いという形のものでございまして、この中学校の屋内運動場の保有割合を、小学校と同じ割合まで引き上げるということで、五カ年間に十九万六千坪を整備するということにいたしております。  それから僻地の集会室、これは御承地のように、僻地におきましては大教室ともなり、また講堂ともなり、屋内運動場ともなり、また場合によっては、その地域社会の社会教育的な集会所にもなるわけでございますが、その僻地の小中学校の集会室約七万八千坪を五カ年間に整備することにいたしております。  それから次に、学校統合の校舎等の整備でございますが、これにつきましては、すでに町村合併等の結果、統合することが議決されております場合の校舎並びに今後、県その他が指導的な意味から学校を統合させたいと考えておるその学校統合の一部分を五カ年間に整備することにいたしまして、四十二万一千坪というものを整備したいというふうに考えております。  それから特殊教育の建物でございますが、これは盲ろう学校、養護学級並びに特殊学級のための建物三万九千坪を五カ年間に整備するという考えでございます。  それから危険校舎の改築の点でございますが、現在すでに校舎の耐力度が四千五百点以下になっているものを解消することは当然でございまするけれども、そのほかに、現在は四千五百点以上であるけれども、今後三十四年から三十八年までの五カ年間のうちに四千五百点に落ち込んでくるであろうというふうに想像されますところの坪数の一部を整備することといたしまして、合わせて百四十六万坪を改築するという計画を立てております。  次に、非義務制の関係でございますが、幼稚園の園舎の整備等につきましては、必ずしも五カ年間の予定坪数というようなものが、他の義務制の校舎のようにはっきりはいたしておりませんけれども、大体の推測といたしまして、公立の幼稚園の園舎約八千坪を整備する。それから定時制高等学校の校舎につきましては、通信教育のための校舎を合わせまして四万一千坪を整備する予定でございます。それから高等学校の危険校舎の改築につきましては、先ほどの義務制の学校の危険校舎の改築の場合と同様に、四千五百点以下の危険校舎ばかりでなく、この五カ年間に四千五百点以下になるであろうと思われるものの一部もあわせて解消することといたしまして、約三十万坪を五カ年間に整備するということにいたしております。それから御承知のように、これは必ずしも学校施設ではございませんけれども、従来、公立文教施設として扱っておりまするところの公民館等、社会教育施設の整備でございますが、これもできるだけ五カ年間に計画的に整備をしていきたいという考えをもちまして、公民館、図書館、博物館等につきましても、五カ年間に一万二千坪を整備するという考えでございます。  以上、要しまするに、五カ年間の新しい増築あるいは改築の全体の計画坪数は、現在私どもが予定いたしておりますのは三百六十二万坪ということでございます。このうち、これは従来からも同じ実績でございますが、国庫負担事業として取り扱います分がその七割、二百五十三万坪、それからこの義務教育施設の起債分で取り扱います分が全体の三〇%、大体百九万坪ということを予定いたしておる次第でございます。なお、この校舎改築の場合も、校舎整備の場合も、平均単価につきましては三十三年度と同一の金額でございます。  大体、五カ年計画の概要を御説明申し上げました。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今の御説明になりましたものを資料として一つ出していただきたいと思うわけであります。資料に出ているのではこの計画がわかりませんので、一覧された計画を、すでにおありと思うのですが、御提出いただきたいと思います。それから今のお話の中の、特に不正常授業の解消、いわゆるすし詰め解消に伴う建築の問題でありますが、これは一部私たちもその計画等について、文部省のものでないものをまあ見ておるわけでありますが、当初その改築の国庫負担の計画として出された坪数が、予算に計上されたものと非常に違ってきているわけなんですが、小中学校の校舎のすし詰め解消に重点を入れて一つお尋ねをしたいわけですが、小学校と中学校の予算を要求された坪数と、それから現実に予算化された坪数の差を一つお聞きしたいと思うのです。それからまた、それは一体五カ年計画の上でどういうふうに今後それを調整していくつもりなのか、大体のそういう計画はどういうふうにお考えになっておられるのか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 不正常校舎の解消につきましてのお尋ねでございますが、これは単に不正常ばかりでなしに、文部省が大蔵省と折衝いたしたときと、現在御審議を願つております予算との開きの起きた点は、一つは新しい国庫負担制度ができたのを機会に、従来七割、三割、あるいは六五%、三五%というこの比率を、まあ国庫負担事業の方を多くしたいというような気持がございまして、国庫負担事業と単独起債事業との比率を、国庫負担の方にウエートを置いて要求したのが、従来通りとして査定された点が非常に大きな違いの一つでございます。それから一つは、この工事の単価の点でございますが、これは御承知のように、三十三年度の予算におきまして、三十二年度の公共事業費の単価が削減された、他の公共事業費につきましては五%の削減があったわけでございますが、この文教施設につきましては、他よりも多少しんしゃくされまして三%の減ということになったわけでございます。しかし現状、これでできないことでありませんけれども、私どもとしては、まあできればもとに戻して、より質のよい建物を整備したいというようなことで、単価の実は値上げを願ったわけでございますが、従来通りの単価、三十三年度と同じ単価ということで査定されたのがその一つでございます。なお、特に不正常に限りまして、多少坪数も考え方の違いがございました点を申し上げますと、小学校につきましては、御承知のように三十三年度が児童数の最高でございまして、四年度以降ずっと急激に減って参るわけでございます。私どもといたしましては、三十八年度には、できればある程度、従来の基準以上にゆとりを持たせたいという考え方から、これは全く調査に基かないものでございますが、推定の、つかみの不足坪数二万坪というものを要求したわけでございますが、これにつきましては、確実なデータがないということで認められなかったのでございます。それから中学校につきましては、御承知のように、三十七年度が生徒数のピークでございます。そこまで、その三十七年度の生徒数を収容し得る普通教室ないし特別教室ができればいいわけでございますが、各市町村とも、それぞれ普通教室に重点を置いて整備をしていくだろう。従って三十八年度には、できるだけ特別教室を一挙に整備したいというような考えから、三十八年度の特別教室の不足坪数分約十万坪を要求いたしましたのでございますけれども、この十万坪というものが削除されておるわけでございます。現状としては、私どもとしては、これは現在の予算の状況から申しますれば、この点が認められなかったことは残念でありますけれども、またやむを得ないものと考えます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今御説明になった事柄は、あらかじめ含まれて五カ年計画が立てられておったのではなかろうかと思うわけです。で、今約五%ばかり、出した計画よりも削られたというお話があるわけですが、五%にすると、今の、ここに出ております小学校の四万八千坪にしても、要求された五万六千坪とはだいぶ、まあその五%を入れても開きが出てくるし、それから生徒のピークという問題については、計画をされるときに、そういうものを含まれて要求をされておると思うわけです。今特別教室の問題等が出てきているわけで、それが相当影響していると思うわけでありますが、いずれにしても、今度、当初五万六千坪を小学校について要求されているように私たち聞いているのですが、それがまあ資料で見る通り、四万八千坪に大体なっている。そうなってくると、この計画をやはり修正をして、三十五年度、三十六年度に、要求をするところの坪数を増加するなり、予算の額をふやして、これを修正していくというようなお考えでいかれるのか、それはそれで、もう大体その程度で今年はいいのであるから、それはその次の年度に影響なしにいかれるものなのか、あらためてそういう点を検討し直すのか、この五カ年計画をそのままに実施をして、ただ年度分の金を、要求額をだんだん変化していくということでやっていくのか、その辺はどういうお考えなんですか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 当初、文部省が要求いたしました小学校分五万六千坪と実際の査定坪数との開きにつきましては、先ほど申しましたように、まあ相当余裕を持たせたいということで、五カ年間に二万坪の最後の要求をしておったのが削られたのでございまして、それだけでも、すでに均等に割りますと、五千坪の開きが出てくるわけでございます。それ以外に、多少生徒数の推計の技術の意見の食い違い、あるいは三十三年度に実施する坪数、これは三十三年度の予算で実施する坪数でございますが、その見方の相違等の差があっただけでございまして、大筋としましては、文部省と大蔵省の間に、積算の基礎上特別の意見の違いというものはなかったのでございます。もちろん全国五カ年間の推計調査も、文字通り推計でございますので、多少の数字上の違いは出てくると思いますが、そういった面は、次年度以降四カ年のうちに、それぞれ毎年調査をいたしまして、多少の手直しはしていくつもりにしております。年度区割上の多少の手直しは必要かと思いますが、全体の五カ年間の大筋の計画というものは変らないものと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 大体のお話は、そういうふうな筋はわかりましたので、実はやはり計画と予算とのだいぶ開きがあるし、それが今後どういうふうになっていくであろうかということについて、やはり相当一般の人も私たちも危惧を抱いているわけであります。そういう点で、やはり五カ年計画が明確に一般になっているということが必要であるし、それがどの程度、年次を追って通過していくかということが問題であると思うわけです。やはり自民党が公約として出したすし詰め教室解消、特に五カ年計画が徹底して行えるかどうかということは問題が多いと思うわけです。そういう意味で、一つ資料を整備をされてお出しをいただきたいと思うわけです、今後のこともあるわけでありますから。  そこでお尋ねをしますのが、その一面、この資料にも出ていますように、学級の編成基準というものを、まあ年度を追つて引き下げていくということも五カ年計画で実施をされているわけでありますが、これと不正常授業解消の場合の、例のすし詰め教室といわれる中には、詰め込み授業といわれるものがあるわけです。これとは一体関係を持たれてこの計画が立てられておるのか、その点はいかがなんですか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) いわゆるすし詰め教室の解消につきましては、私が先ほど来お答え申し上げておる施設の面もありまするけれども、もちろん御指摘のように、先生の定数の問題が非常に大きな要素になっておるわけでございまして、私どもの方の公立文教施設の整備につきましても、もちろんその点を十分考えに入れまして計画を立てた次第でございます。先ほど冒頭に御説明申し上げましたように、小学校におきましても、中学校におきましても、昭和三十八年度におきまして、一学級の児童、生徒の編成員数を五十人以下にするということで教室の整備をしていくということでございます。また、それに必要な教員の定数の確保につきましても、これは私直接ではございませんけれども、初中局の方で計画をもって整備をしていく年次計画があるわけでございます。両々相待って、いわゆるすし詰め教室を解消していく予定にいたしておるわけでございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今のお話だと、昭和三十八年度に五十名になるように、一学級の児童がそういうふうになるような計画を立て、それ以上の詰め込み教室を解消するというふうな意味で予算が考えられていると、そういうお話になりますと、例の義務教育の施設費の国庫負担法の施行令の中に、不正常授業というものの定義があるわけなんですが、その第二条の四のところには、「収容児童又は生徒一人当りの面積が〇・三六坪に満たない普通教室を使用して行う授業」というふうなことになっておるわけです。そうすると、二十坪の教室に五十八人以上をいれるものを、まあ不正常授業というふうに四に規定しているわけです。これは当然改正をされていくべきものだというふうに考えているのですが、これはいかがですか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御指摘のように、この基準は将来下げていかれるべきものであると私ども感じておりまして、ただいま松永委員の御指摘の通りだと思います。ただ、明年度におきましては、必ずしもそれを改正する必要は直接はないのじゃなかろうか。なお、たとえば児童、生徒が三十五年度に急増するというような予想を持っております学校につきましては、その確実なデータをとりまして、特別に認定するというような制度もこの法律にございますので、そういったものを活用して参れば、十分措置をしていけるというふうに考えておりまして、三十四年度の予算実施につきましては、必ずしも改正しなくてもやっていけるというふうに考えております。後年度におきましては、ただいま御指摘のように、改めなければならないと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 まあ今お話のように、ことしはこれが五十八ですから、ちょうどこれにぶつかっているわけですが、今後はまあ改めていかなきゃいけない。これが実は御承知のように、不正常授業を解消するときの一番基準になる、各地の予算の査定の基準になるわけですから、これはもう今後当然改めていくべきだと思うのです。そうなってくると、よほど予算の要求をがっちりしていかないと、事実上は、表面では解消すると言いながら、実際にはその詰め込み授業は解消できないというような結果になりはしないかと思う。そこで、二条の四のところと関係のある、建物の基準坪数が小学校でいえば〇・九坪、それから中学校についていうと一人について〇・〇九坪という基準ですが、この基準がすし詰めを解消する場合の重要な基準であり、これに生徒数をかけて標準の坪数を出し、それと一体どれだけ不足するかということが、正常授業の場合の一つの国庫負担の基準になる。それともう一つ、第二条の四というのが一番中心になって実は実際上の予算の場合には四と第六条が中心になって行われるわけなんです。そうなってくると、実は小学校の〇・九坪、中学校の〇・〇九坪というのは、一体こういう坪数で勘定した場合には、小学校については、標準の学級について幾つ特別教室ができるだけの余裕があると見ているのですか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 国庫負担法施行令の第二条第四号にありますところの不正常授業の範囲のうち、一人当りの面積〇・三六坪と申しますのは、これは従来〇・三五坪でありましたものを、昨年、新制度ができましたときに、きわめて少い差でございますけれども〇・三六にした。従って〇・三六というのは五十六人ということでございまして、先ほど申しましたように、少くとも三十四年度予算の実行上は、これは支障がないと私どもは考えている次第でございます。なお、これは将来もちろんこの五カ年計画が進行して参りまして、いよいよ五十人以下になるという場合には、当然改めていかなければならないものと考えていることは、先ほど申し上げた通りでございます。なお、施行令の第六条にありますところの建物の基準坪数でございますが、これはたしか文教施設整備の問題が発生いたしましたときには、小学校が〇・七坪、中学校が〇・九坪になっておりましたものを、あれは昭和三十年でありましたか、従来の応急最低基準というものを引き上げまして、いわゆる暫定最低基準である現行の〇・九坪を一・〇八坪にいたしたわけでございます。これで参りますと、大体三百人の生徒数というものを想定いたしました場合に、二つないし場合によっては三つの特別教室ができるという一応の計算になるわけでございます。ただ、これはよほど切り詰めた場合の計算でございますので、現実には三つの特別教室ができるというふうになって参るかと思いますけれども、一応私どもの最低限の教室数からいいますと、二ないし三の特別教室を作り得る計算になっております。しかし、もちろんこの暫定最低基準で、将来永久にこれでよろしいのだというふうには私ども考えておりませんけれども、建物の整備の方が特に強く要望されております現在の段階におきましては、やはりこの建物基準坪数は、現行の制度のままでしばらくいく以外に方法はないのではなかろうか、将来改めることにいたしましても、一応の整備が終つてから、この基準坪数の引き上げということに着手すべきではなかろうかというふうに、私どもは考えている次第でございます。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今お話の基準坪数は改正をされたわけですが、初め文部省が要望されていたのが、小学校については一・一坪、中学については一・四六坪を要求されておったのが、従前非常に低いところになってきているわけです。三百人について教室が二ないし三余つておるというような言い方ですけれども、三百人という学校が、全国の学校の中の平均値で一体どの程度占めているのか、そういう三百人で勘定するということが妥当であるかどうかということについてはよく御承知だと思うわけです。実情には私は沿わないと思うわけです。それでいて、しかも三百人で二ないし三の教室が余るという言い方をされると、結局この基準坪数の改正というものは、それほど必要にはなってこないという印象を受けるわけですが、実際には九百人あるいは一千人に上る学校について、不正常授業を解消するために、実際にいろいろと努力をして参りますと、実はこの基準坪数では特別教室がほとんどできない。特別教室というと、いかにもぜいたくなようでございますが、大体、職員室と一教室ぐらいはそのままになっているけれども、千人くらいの学校でも、音楽教室とか、あるいは図工の教室とか、そういうものを設備するのは非常に困難な状況の実は坪数になるわけなのであります。そのために、結果的にはすし詰め教室は解消されたという形に、もしするならば、結局、特別教室は何もないような状態の中で授業をやらなければできないということになって、実情と非常にそぐわないという状態になってきていると思うわけなのであります。そういう点、さっきお話になりました二万坪という坪数は、やはりこれは非常に必要な坪数だと私たちは考えるわけです。そうでないと、すし詰め教室は解消したとは言いながら、実情は学校の教育が非常に低下してしまうという結果になってしまうわけなんです。だからそういう点は、やはりもう少し実情に即して考えた場合に、今、文部省の要求されている二万坪は非常に重大な価値を持っているし、これをまあ削り落されてしまうということになると、実際にすし詰め教室の解消の上に非常に重大な支障がくるのだというふうに考えるわけであります。それからもう一つ、私はこの計画がそのまま実施をされて詰め込み授業が果してなくなるかどうか、今あなたのところで御調査なさつて、まあ、実際詰め込み授業の、たとえば五十八人以上をいれている教室、学級が幾つあるというふうに調査をされているわけでありますか。前の点と二つだけ一つお答えをいただきたいと思うわけであります。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) この政令の第六条によりましても、その二項に一応の基準の補正の方法が書いてあるわけでございますが、その中心になるのは、小学校におきましても、中学校におきましても、これは最も平均値の多い三百人から四百四十九人まで、まあ四百五十人までというのが基礎の数字になっておりまして、それ以下の生徒数の場合には補正増になり、それ以上の生徒数になりますと補正減になるということになるわけでございます。そういった意味から、先ほど私は三百人程度の規模のものについてということで申し上げた次第でございますので、その点御了解をいただきたいと思います。なお、この五カ年計画におきましては、小学校につきましては、今後、御承知のように五カ年間に二百五十万程度の児童が減つて参りますので、児童減から申しましても、相当、普通教室におけるいわゆるすし詰め教育というものが自然に減ってくるわけでございますので、小学校につきましては、今後整備をしていく教室というものは、おそらくただいま御指摘になりましたように、特別教室の方に重点が主として置かれることになるのじゃなかろうかというふうに考えております。  なお、中学校でございますが、中学校は小学校とは反対に五カ年間にまあ二百万以上の生徒がふえて参ります。これにつきましては、まあ掛値のないところを申し上げますと、普通教室をとにかく確保するということが精一ぱいでございます。できれば、冒頭に申し上げましたように、三十八年度においては特別教室を大幅に急速に整備したいという考えを持って計数をはじいたのでございますが、一応それは認められませんでしたけれども、三十七年がピークでございまして、少くとも三十八年度からは生徒が急激に減少いたしますので、三十七年度までの間、あるいは三十八年度における教室にいたしましても、ある程度特別教室という形のものをこの五カ年のうちに作つておいて、それをしばらくの間普通教室に代用する、そういたしますと、三十八年度以降はこれが児童減に伴いまして特別教室として使用できるということになろうと考えておる次第でございます。もちろんこれで特別教室が各学科にそれぞれ必要な数得られるというようなことにはなかなかいかぬかとも思いまするけれども、できるだけ特別教室もあわせて整備していくようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  なお、一体この五カ年計画が遂行されたものとして果して詰め込みがなくなるかどうか、どう考えておるかというお尋ねでございますが、これは非常に私どもも実は、もちろんこの教室整備の責任者といたしましてなくさなければならぬ、そのために最大の努力はしていかなければならぬというふうに考えておりますが、何分この地方財政の力等とも非常に関係のある問題でございまして、よほど私どもが積極的に渾身の努力をしなければ、完全に解消するというようなことはなかなか容易なことじゃないのじゃなかろうか。現に一部には一、二年待てばそのピークが過ぎていくのだからがまんしてもいいんじゃなかろうかというような声も、一部財政力の弱い市町村から聞くことがありますけれども、そういったものじゃないということで私どもお話しておるのでありますが、できるだけそういった事態の起らないように、少くとも国の財政上の長期安定計画が認められました以上は、それを遂行して完全にいわゆるすし詰め教育がなくなるように努力をして参りたいと考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 今、基準坪数のお話がいろいろあったわけでありますが、たとえば小学校、中学校の基準坪数の取り方等も、実情、統合なんかを奨励する場合には、これより多い学級に統合せよという話が出ているわけです、九百人とかそういうものに。できるだけそういうふうに、今言う通り小学校、中学校について三百人以下の学校などはできるだけやめて統合していこうという実情に奨励はされているわけです。ところが、逆に今度は不正常のときには基準はそこに置かれているというのはやはりそこに矛盾があるわけです。そういう点から言うと、小学校のこの施行令の中の増減ということについてもやはり検討を要するのじゃないかというように私たちは思うわけです。やはりそういう点で、今言ったような基準坪数の問題、あるいは基準坪数を変更しないにしても、そこにある不正常の問題を解決をしていかないと、現実に効果が上らないような、すし詰め教室の解消になりはしないかという考え方を私たちは持っているわけです。  それから実際の詰め込み学級については、これを現在実際に解消していくのだというお話であったわけでありますが、これも実際にはどのくらいずつ年々詰め込み授業を解消していくかというような計画がお立ちだと思う。そういうものも一つ合せて調査ができておりましたら、資料を一つ出していただきたいと思います。そういう事実上の五十八人以上のいわゆる詰め込み授業ですぐ解消しなければできない学級数というのは、小学校にしても中学校にしても、この点で相当多いと思うのです。それがどういうふうに解消していくかということは、具体的に計画の上でもわからないと、ただこれだけ建築をすればそれで詰め込みは解消していくのだということでは少し理解ができないわけであります。今後そういう点について特に努力をしていただきたいと思うわけですが、それで一体、現在昭和三十三年にはできておらないにしても、三十二年に地方財政計画の中で、一体そういうような文教施設に出ておる文教の関係の施設費の費用というものと、事実上地方が負担をした費用というもの、事実上どのくらい負担をしておるのか。それから、特に自己資金として一体どのくらい金が出ておるのか、そういう点について昨年、一昨年あたりのがはっきりわかっておられるのでありましたら、お尋ねをするわけであります。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 不正常授業の実態につきましては、年々五月一日現在で全国調査をいたしております。昨年五月一日現在の調査によりますと、五十八人以上の収容学級数を申し上げますと、小学校が二万三百一、それから中学校は五千四百六十五、合せて三万五千七百六十六という数字になっております。ただ、この五ヵ年間の計画におきましては、先ほど来たびたび申し上げておりまするように、小学校におきましては今後生徒が非常な勢いで減少いたしますので、この二万三百一学級をそのまま全部解消しなければならぬというわけにはならないわけであります。中学校におきましては、それとは逆に、この五千四百六十五だけを解消すればなくなるというようなものではございませんので、もっと大幅にふえてくるわけであります。それを五ヵ年間に各市町村小中学校においてそれぞれ児童生徒数がどういうふうになって、現在の教室数からいくと、どれだけ不足坪数が出てくるかということを漏れなく推計調査いたしました結果が、先ほど来資料としてお話し申し上げておりますところの、小学校約十九万坪——十八万九千坪、中学校は八十四万五千坪、こういう数字になっておるわけでございまして、これをとにかく着実に整備をすれば、教室の面からは一応とにかく不正常授業が解消されるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  なお、後段の方の、地方財政計画における施設の費用、地方団体の事実上の負担、自己資金等につきましては、現在資料を持ち合せておりませんので、しばらく御猶予をいただきまして、帰りましてから調査をいたしたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 それじゃもう一つ学校用地費等についてやはり各地方財政計画の中にも用地費というのがあるわけであります。これと一体現実に実際にその用地費として負担をしておるというような額というものは、どのくらい差が開いておるかというような点についても、やはりはっきりしたものはお持ちでありませんか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 学校用地費について、校舎と同様に国の負担制度を作つてもらいたいという要望は確かにございます。その点につきまして実は前年法律を作るときにも私どもの方で一応この調査をいたしましたけれども、これはおのおの設置をする市町村の学校の位置の環境によりまして非常に大きな開きがございまして、一体坪当りの値段がどの程度であるのが適正かというような標準が立ちませんので、まあ一ヵ年間にどの程度かかったということは調べはつきまするけれども、妥当な金額はどの程度ということは申し上げかねるのでございます。ただ学校用地費に対する国の財政上の措置といたしましては、明年度の義務教育関係の起債百四十五億のうち大体五億円程度をこの用地費に充当し得るという予想のもとに自治庁の方で、ただいま申しましたように百四十五億の起債を見込んでおる次第でございますので、ある程度はこの学校用地費を起債によってまかなうことができるというふうに考えております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 そうすると、実際にそのすし詰め解消、特に私は不正常授業を解消するために一体その国の負担をするものがどのくらいであって、その中で地方が負担をするものは、国庫負担に伴う負担がどのくらいあって、そしてそのほか起債で見る金が実際どのくらいあって、その中でまた自己資金を一体どのくらい出していくのかというようなこと、それからまた用地費については、実際地方財政計画の中に盛られておる五億という金に対して事実上用地費として支出されて現実にいくのがどの程度であるのか、それからまた逆に、今度はただ申請をして予算が通過した予算坪数についてそれが補助される対象になるものを実際に実施をしていく、各地方で実施をしていく現実は一体どのくらいの坪数を持っているのか、また国庫負担の分についても鉄筋で——事実上予算的には鉄筋が許されておらないが、実事上木造のものを鉄筋に変えて自己負担をしていくのはどうか、こういうふうな点が相当やはり問題になると思うわけです。これは今お話しのあった地方財政が非常に窮屈な関係もあって、地方財政の方面で十分金が出していかれないということでなくて、実際にはそれらの点をつまり父兄が負担をいたしまして、だから、すし詰め解消で施設費が非常にこの計画通りにとられていくということが非常に大事なだけではなくて、実際にはそういうふうな形で父兄負担が相当のしかかってきておるのが実情だと思うわけです。そういう点についてやはり十分な調査をお持ちだと私は思うのでありますが、相当な、たとえば用地費についても昭和三十三年には十五億金が出されておるというふうに私たち聞いておるわけです。そうなってくると、実際には財政計画の中に五億しか、今年五億組まれていたということになれば、あと十億は起債の対象にも何にもならないし、事実上父兄が負担をしていく以外には方法がないということになるわけでありますから、現実に、今言ったように、国庫負担分についても問題があるし、国庫負担でなく、単独事業をやっていく中にも問題が出てくるわけで、そういう点数字的には相当父兄負担が多くなってきているという現状の中から、せめてこの計画だけは完全に実施をしていってもらわないと、そういう面で非常に負担はなお一そう重くなってくるということを考えるわけであります。いろいろさっきお尋ねしました基準坪数の問題もいろいろあるけれども、現実には、今お話しのあった計画を的確に実施をしていっていただかないと、せっかく宣伝されているすし詰めの学級が事実上減っていかないということになると思うわけであります。そういう点について、なお一そう努力をしていっていただくということが非常に必要だと思うわけでありますが、特にその点について一つなお計画されている資料を一ついただいて、私たちもなお勉強さしていただきたいと思うわけであります。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 速記を始めて。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 もう一つ。また機会を見てお願いすることにして、一つだけ、私立学校の振興会の出資金の問題についてはどんなふうな経過を今たどっておられるのか、その点を一つ御説明を願いたいと思うのであります。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 私立学校振興会は、御承知のように、当初三億九千万の政府出資、それから戦災復旧貸付金、これはたしか十七億五千万くらいであったと思いますが、それを基礎に復活をいたしたわけでございます。その後五ヵ年間に五十億の出資をもらいたいということで、年々政府から振興会に出資をいたしまして、三十三年度でこの五カ年計画が一応完了したわけでございます。結局振興会の資本金は、全体でたしか七十一億程度になったと私記憶いたしておりますが、ただ、これを実際に振興会の私学に対する貸付の実績から申しますと、これの回転ではまだまだ実は足らないのでございまして、年々貸付の資金といたしましては十六、七億の資金があるわけでございますが、私立学校側の貸付の要望額はその四、五倍になっているというのが実情でございます。私立学校側といたしましては、できれば出資を将来も継続するか、あるいは少くとも他からの融資を得て貸付金のワクを増大してもらいたいというのが要望でございます。文部省といたしましても、一応五ヵ年計画が終った直後でもありますし、特に従来に比べて大きな変化があったというわけではございませんので、終った直後にさらに出資をしてくれというふうに財政当局に折衝いたしますことも相当無理がございますので、実は三十四年度においては、資金運用部から融資を受けたいということで折衝いたしましたが、これは三十四年度には財政投融資の計画には計上されなかったわけでございます。そのために今後どうするかということにつきましては、御承知のように、私立学校共済組合の長期の積立金の中から、法の定めておる制限の範囲内で、できるだけ振興会の方に資金を貸し付けてもらうというような方法をとりたいと思っております。また場合によっては、従来振興会が私立学校の災害復旧費のために、特別に積み立てておる資金等も、この際は一部規定の改正を行なって、取りくずすというようなことも必要になるのではなかろうかと考えておりますが、まあ、大体三十四年度は、そういったいろいろな方法を考えれば、一応しのいでいけるのじゃなかろうか。しかし、やはり三十五年度以降におきましては、できればやはり本年度財政当局と折衝いたしましたような形で、ぜひとも政府の資金運用部からの融資を得るような方途を講じまして、振興会の融資のワクの拡大をはかっていきたい、まあ、現在のところかように考えておる次第であります。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 資金運用部の方の関係は、全然今年度は得られなかった。市中銀行から融資をしていくというようなことも私たち聞いておるわけですけれども、この可能性については、やはり一応見通しを持っていくことができる状況にあるわけですか。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) まあ、私立学校振興会の当局者にはいろいろな意見がございます。そういったような意見、ただいま松永委員の御指摘になったような意見もございます。しかし、そういったことができるといたしましても、将来の貸付条件等いろいろなことを考えますと、果して現在直ちにいわゆる市中銀行から融資を受けることがいいかどうか、その点については、十分検討してみなければならぬ問題があると思っております。ただ、実際それじゃ借り入れるという態度をきめた場合に、借りられるかということになりますと、私は、文部省も積極的にこれを応援しますれば借り得るのではなかろうかと思っております。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 その市中銀行からの融資ということについては、やはりその私学校振興会の方で、まだまとまった意見ではなしに、一部そういう説があるということなんでありますか。そういうふうに受け取ったわけでありますが、そこでそういうことを考えるよりも、今言うような、出資ということが得られないとすれば、資金運用部の方から計画的な融資を受けていくということが妥当だというふうにお考えだと思う。そこで、現実に五十億政府が出資をするということが決定されたのは昭和二十四年だというふうに聞いているわけです。当時の、大体二百三十億程度の金の中の半分を一つ政府の方で出資をするという意味で五十億出資をして、それを貸付を行うことによって百億に伸ばしていくということで、現実に今お話の七十一億になっているということなんです。そういうことになると、一応政府出資の計画というものは、当時そういうふうに認めて計画したわけでありますけれども、これは、取りきめというのはどういう形で取りきめられたのですか。私たちが考えることは、私立が各地で学校整備をするために、相当苦労しているし、県でも十分な努力をしていても、現実にはなかなかその資金が十分できないというような状態があるわけです。そういうことを考えてみると、当時二百三十億の施設が要るというふうに考えて、それを政府との約束でやった当時とは、物価の点からいっても非常に差が開いてきておるし、実際のところ、科学技術振興とか、いろいろな面でそういう設備を対象として補助をしていくという方法もあるし、自分自身でこういうふうにして、振興会の資金で全部させていくというやり方もあると思うのであります。そういう意味からいうと、やはりあらためて政府との間に、はっきりしたやはり今後の計画を立てて、今言う通り政府資金が出資できないとするならば、それじゃ運用部の方からどういうような計画を立って出資をしていくか、融資をしていくかという計画を樹立する必要が私たちはあると思うのであります。こういう点については、やはり文部省としては一応の省としての態度の御決定をなさつているのですか。どんなところまで一体話し合いというものは進んでおるのでありますか、考え方としてそれを一つお聞かせを願いたい。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御指摘のございましたように、この二十八年度以降の政府出資の基礎になりましたのは、たしか二十七年度の当時の整備計画であったと思っております。そのときにたしか二百三十億の整備計画を立て、大体その半分は私立学校側の自己負担、その残りの半分を政府出資の回転によって、五ヵ年間に整備しようというような計画であったと思います。ただ、お話のございましたように、その当時に比べますと物価も変つておりまして、従って建築の単価も非常に違っておりますし、学生の数もその後相当ふえたところもございます。そういったような点を考えまして、三十四年度の予算折衝の際には、文部省といたしましても、従来の出資額では足らないのだという考えのもとに、新しい考え方を立てまして、それでもってこの振興会のために財政投融資のワクを認めてもらいたいという折衝をしたのでございましたが、その点は残念ながら認められなかったのでございます。文部省としては、振興会の考えているワクの増大ということは、これは十分必要なものである、必要性は十分あるというふうに考えて、大蔵当局と話し合いをいたしたのでございます。今後もこの点は変らないと思います。ただ、数字の取り方にいろいろ問題があろうかと思いますが、しかし大蔵当局にいたしましても、まあ財政投融資は三十四年度は認めないけれども、その他の方法で、できることなら援助するというような考え方で、金をくれなかったけれども、考え方としては割合に協力的な態度であったのでございます。今後も文部省としては、振興会の融資のワクの拡大のためには、できるだけ努力をして参りたいと思います。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 非常に五ヵ年間五十億という金は着実に守られてきたということは考えるわけですが、一体こういう計画というものは、どういう形で計画として当時認められて、それが実施をされてきておるものなのか、それともただ文部省と大蔵省と三者の話し合いの上でこれが成立をして実現をされているのか、そこだけ一つ、経過だけ一つお聞かせ願いたい。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 二十八年当時の様子でございますが、直接私主管の折衝者でございませんでしたので、はっきりしたことは申し上げられませんけれども、別に文部省対大蔵省ということで、書きものにしたわけではないようであります。とにかく折衝中に、五ヵ年間に五十億を出そうというような話し合いになったというふうに聞いております。実際の状況を見ますと、これは五ヵ年間が一年間ずれまして、六年間になりましたけれども、五十億はちゃんとまあ出資をしてくれたという状況でございます。

橋本龍伍自由民主党文部大臣

○国務大臣(橋本龍伍君) 補足して。ただいまお話のありました私学振興会の出資金のことでございますが、私十二月三十一日に就任をいたしまして、この私学振興会の出資の問題については、一応五十億は済んだけれどもぜひやりたいということで、なお自分も努力中だということを前文部大臣から引き継ぎを受けまして、私もその日以来、その後数日にわたって相当努力をいたしました。実はその財政資金の方も、財政投融資の関係の方も、まあ割り振りはそれまでにきまってしまつて、どこか削らないと入らない次第でありまして、どうにもいたしかねたのでありまして、ただ今後の問題といたしまして、昭和二十四年にただいまお話のございました五十億という計画が出ましたのは、私学振興会の方でその計画をもって強く要望をいたしまして、党も中に入りまして文部省も大蔵省も私学振興会の要望達成に協力するという形で予算を組んだのでありますが、何分にも古い話でありまして、今日私学の充実ということも、新たな観点でまた考えて参らなければならぬというときでもありますので、今回もどうもほかのいろいろな予算の中でおくれ、それからことに財政投融資のワクの中に入れ込むことにつきましては、実は財政投融資がずっとこうワクを詰めておった数日の間に、主管大臣が十分動けなかったというようなことがあったかと思います。出資としてもう今、ただいま管理局長から話のありましたように、出資としてもう五十億きりしか出せないというような意味ではございませんので、文部省としてもできるだけの努力はいたしましたし、大蔵省もかなりできたらやりたいという協力的な考え方ではございましたが、次の年度におきましては、ぜひ私学振興会の資金の充実もどんな形でいたすかわかりませんけれども、努力いたしたいと思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 関連して。文教施設その他については、私はまたまとまったときにゆっくりお尋ねすることにして、今の松永委員の質問に関連して、一、二点お尋ねしたいことがありますから、まとめてお尋ねして、簡単にお答えいただきたいと思います。  その一つは、施設関係で、僻地集会所についてでございます。これは四月の一日から省令が出されまして、僻地の指定が変つてくると思います。そこでその場合に、省令の施行によって従来僻地であったものが僻地でなくなった場合に、果してこの僻地集会所の補助がもらえるのかどうか、こういう点が非常に心配になっておるわけですが、これは従来の建前からいって、またあの付則で言われている趣旨からいって、従来僻地であったものが、新しい基準によって僻地から漏れた場合においても、特別な考慮がなされてしかるべきではないかということを私は考えておるわけですが、これについての文部省のお考えを承わりたいことと、それからその次には、今の私学振興会についてでございます。この災害復旧の資金の取りくずしとか、私学の共済の長期積み立てからの資金を回すとか、そういう措置によって大体どれくらいを見ておられるのかということ、これが第二点。それから第三点は、私学振興会の融資の中で幼稚園に対する融資です。これは御存じのように、幼稚園の基準が変りまして、それぞれ新しい建築あるいは敷地の拡張等しなければならない、そこで非常に困っておるわけですが、この私立の幼稚園が法人に変ることについては課税の面で若干配慮がなされておって、その面はまあいいとしても、振興会からの融資が今回のように政府から出すものがとまってしまったということになると、幼稚園の関係の融資ということがほとんどとまってしまうのではないかということを心配しておるわけですが、これは一昨年よりも昨年、本年と、だんだんふえてきておる実情から見て、その傾向を今ここで打ち切ってしまうということは、これは大へん問題だと思います。そこでそういうことについて何か御配慮があればこれを承わりたい。以上について。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) この答弁をもって午前中の休憩に入りたいと思っております。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御指摘のございましたように、僻地の指定基準についてただいま関係方面と折衝をいたしておりますが、文部省の気持といたしましては、従来僻地であったものを、大体まあ全部救われるようなふうに措置してもらいたいということで折衝いたしておるわけでございます。もっとも中にはそういった指定基準から漏れてくるものも出るかと思いますが、もし実際漏れてくるようなものがありました場合に、さらにそういったものも従来の実績を見て文教施設としては集会室をつけるということになりますと、ちょっとその辺、へき地教育振興法の関係で多少矛盾が出て参りますので、その点は私どもとしては再検討しなければならぬと思っています。まあ率直に申し上げますと、非常にむずかしくなるんじゃなかろうかと考えておる次第でございます。  それから、私立学校振興会の貸付のワクでございますが、共済組合からは、今法令を持っておりませんけれども、大体一億五千ないし二億は三十四年度に借りられるのではなかろうか、それから災害復旧のための特別積立金を、これは大蔵当局の承認も必要でふりますが、取りくずすために折衝をいたしまして、もしそれが承認されれば大体三億程度のものは融資の方に回せるんじゃなかろうか、で、そういたしますと、この返還の資金ワクと合せまして、大体十五億程度の貸付のワクが得られるんじゃなかろうかと考えておる次第であります。  それから、幼稚園に対する融資でございますが、ただいま申し上げましたように十五億程度のワクといたしましても、三十三年度にはたしか十八、九億の融資のワクでありましたので、全体的に、幼稚園ばかりでなしに、大学等に対する融資のワクが減つて参りますので、大学から幼稚園に至るまでそれぞれ多少の圧縮を受けざるを得ないと思います。ただ、これから振興会の事業計画を立てますので、お話のございましたように、特にある部分にさや寄せをするというような点については、十分考えてもらうように理事者にも、また評議員等にもお話をいたしたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 終ろうと思ったんですけれども、今の僻地集会所の問題ですが、これは文部省の趣旨でも現在の僻地は大体認めていく方針だという根本があるわけです。それから、従来僻地集会所の申請をしても、なかなかその査定がきびしくて入れなかったためにそのままになっておるというような所も相当あると思います。そういう所について今おっしゃったように、それはもうこうなればむずかしいんだというのも、これはその地元の罪じゃないわけで、それを今おっしゃったようにやってしまったということは、私はちょっと文部省のやり方としては理解に苦しむところで、一つ御研究願つて、ぜひそういうところについては、従来から希望のあったところというようなところについては、特別な御配慮がいただきたいと思うんですが、重ねてお尋ねいたしたいと思います。

小林行雄文部省管理局長

○政府委員(小林行雄君) 御趣旨はまことにごもっともでございますので、私どもといたしましても、そういった恩典が奪われることのないようなふうにしたいという気持のもとに、研究させていただきたいと思います。

相馬助治日本社会党

○委員長(相馬助治君) 午前は、これにて打ち切りまして、休憩に入ります。    午後零時三十一分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕

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