農林水産委員会 第19号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/03/19
会議録
○委員長(秋山俊一郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。 農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金の処分等に関する臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題にいたします。 この法律案は、一昨十七日衆議院本会議において全会一致をもって原案通り可決され、即日当院に送付、当委員会に付託されました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。 ほかに御発言もないようでございまするから、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○東隆君 私は、日本社会党を代表して、本法案に賛成をするものであります。 なお、この機会に農業共済基金の重要性にかんがみ、この業務の円滑、健全な運営について、政府の善処を促すために、各派の共同によって、次の付帯決議を提案いたしたいと思います。決議案文を朗読いたします。 「農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金の処分等に関する臨時措置法案」付帯決議(案) 政府は、農業共済基金について次の事項に関し遺憾なきを期すべきである。 一、今回提案せられた臨時措置法による措置にかかわらず、今後必要に応じ基金の資本金について政府の出資の増加に努めること。 二、基金の業務内容に検討を加え、農業災害補償制度の円滑健全な運営に更に積極的に寄与することができるよう考慮すること。 右決議する。 昭和三十四年三月十九日 参議院農林水産委員会 以上であります。 そこで、簡単に説明を加えますが、第一の「今後必要に応じ基金の資本金について政府の出資の増加に努めること。」、これは、問題は、この共済基金の増加をはかることによって、農業災害補償制度を有効適切に活用することができるのでありますから、従って、今回のような事態ができましたときに、特別積立金が増加して参りましたときに、できるだけ政府はそれに見合うだけの出資をして、そうして基金の増加をはかる、そういうことが第一の事項に関する意味でありますから、この点を一つ強調いたしておきます。 それから第二番目の事項は、これは農業災害補償法は御承知のように、先般もいろいろ根本的に検討を加えるというようなことも申しておるわけでありまして、この制度は、当然農村にとって非常に大切な制度でありますから、この基金の増加によっていろいろな部面に役立つ部面があろうと思うわけであります。従って、その業務内容に対して積極的な検討を加えて、もう少しこの災害補償制度に役立つような方向に資金を使えるような道を開くべきである、こういうことをここに書いてあるのであります。 この一と二と合わさって、二つを行うことによって農業災害補償制度が一段と進む、こういうことを意味しておるものと、こう考えておりますから、どうぞそういう意味で全会一致で一つ御賛成を願いたいと思います。
○千田正君 ただいま議題となりました農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金の処分等に関する臨時措置法案に対しましては賛成の意を表します。 さらに、この法案に対しまして、ただいま社会党の東委員より提出されました付帯決議案につきましても賛成の意を表します。 ただいま東委員から付帯決議案の内容につきまして御説明がありましたように、共済基金法の完全なる実施を要望するとともに、この付帯決議案の趣旨を十分に尊重されて万遺漏ないようにこの法案の実施を特に要望いたしまして賛成の意を表する次第であります。
○委員長(秋山俊一郎君) ほかに御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。 農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金の処分等に関する臨時措置法案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって可決することに決定いたしました。 次に、討論中に述べられました東君提出の付帯決議案を議題といたします。 東君提出の付帯決議案を委員会の決議とすることに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって東君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと好じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ただいまの付帯決議に対しまして政府の御所見を伺います。
○政府委員(高橋衛君) ただいま農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金の処分等に関する臨時措置法案の御決議に対しまして、全会一致をもって付帯決議がなされました次第でございましては、これらの諸点を十分検討いたしました上、善処いたしたいと存じます。 ━━━━━━━━━━━━━
○委員長(秋山俊一郎君) 次に、小かん加糖れん乳等の製造の用に供するため売り渡す国有てん菜糖の売渡価格の特例に関する法律案、日本てん菜振興会法案及び臨時てん菜糖製造業者納付金法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)を一括して議題にいたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて。
○清澤俊英君 大体、先般来ずいぶん詳しく御質問してありますから、あまりこまかしいものはありませんですが、ちょっと気づいた点を一、二点お伺いいたしたいと思います。実は、先般来県の関係者が来まして、そうしてテンサイ糖の問題をいろいろ話されておることを聞きますと、製糖会社の方では、一県五百トンぐらいが乾燥してまとまるならば買い入れる、こういうようなことをいうておる。そこで、お伺いしたいのは、そういう傾向は、日本の地勢として相当各県とも寒冷地帯、高冷地帯を持っておると思います。そういうところでこういうものを作りたいという考え方も相当あると思う。一方、砂糖工場としましては、十カ年で砂糖の生産をとめて、全然別な組織によるテイサイ糖の製造に乗り出す、こういう形になるのでありまするから、従って、今、計画せられているものを見ますれば、一応原料生産と砂糖生産の工場との食い合せに非常な考慮をされて、そうして一つの計画性を持ったものに工場の設置等も許すと、こういうような一つの制約があるようにはできておりますが、そのことは直ちに一般の人たちが作ろうとするテンサイ栽培、これを押えることができるのかできないのか、これが一点。同時に、テンサイ糖の製造工場を建設する場合、これも押えることができるのかできないのかということです。できないことが私は当然じゃないかと思う。そうすると、場合によりますと、一応計画的に進んでおります何か免許的な統制的な形をとって十カ年の計画生産せられるということに非常なひびが入る、これらに対しての御見解をお伺いしたい。
○政府委員(渡部伍良君) 私の方では十年後の目標を、内地十万トン、こういうふうに一応出しております。しかし、それが最高限度と、こういう意味でなくして一応の目標でありまして、それより大きいことを期待しているのでございます。従って、テンサイの生産、テンサイ糖の生産について制限的には考えております。ただテンサイの生産を奨励する場合には、テンサイが適当な価格で売れるということも保証しなければなりませんから、その点だけを考慮しましてですね、たとえば工場の導入につきましても、せっかく工場を作ってもそれが原料が得られないで工場の採算がとれないで途中で挫折すれば、ひいてはテンサイの生産者に迷惑を及ぼすことになりますから、テンサイの生産とテンサイを処理する工場のやり方、これを見合って指導をしていくようにしております。従いまして、これはもう具体的な問題でございますが、たとえば新光製糖が大分でもくろんでおりますのは、まず最初は百トンぐらいのプラントを用います。次に五百トン、できれば、原料の集荷がその地域で十分であるということになれば、北海道のように千二百トンぐらいの工場にしたい、こういう計画を持っておる。それまではやはり暖地ビートについてはやれるという考えを持っておりますけれども、あくまでもこれは農家の経済、農家の経営の問題でございますから、それを強圧的にそこまで作らなければいかぬと、こういうことはできないわけでありますから、農家の得心を得て順次伸ばしていかなければならないと、こういうことでございます。そこで、今のように小規模でやりますと、どうしても小規模で白砂糖まで持っていくには相当のコストがかかる。ですから中間段階で従来の精製糖工場に持っていって精製するということも考えおります。これは外国の例ではイタリアがそういうことをやっておるわけであります。イタリアでは一番簡単なのは、ビートを切りぼしカンショのように乾燥して、そうしてそれを製糖会社なり、あるいは場合によっては飼料として販売する、こういう形態があるようでございます。それらも研究いたしまして、日本でもお話がありましたように、もう精製糖業者がこれから進出するのでございますから、自分の持っておる精製糖施設を何とかして生かすようにという工夫をやっております。従いまして、お話のような点は、乾燥テンサイの格好か、あるいは今度は製糖会社が地方に小規模の中間工場を作って、そうして集荷に努める、こういうような形態が出てくるわけであります。これらはそれぞれみんな工夫してやっておりますので、ただいま、これが一番いいという形態が各方面に進むまでは、私の方としては農家に迷惑を及ぼさないという点だけを注意してやっていこうと思っております。
○清澤俊英君 問題になるのは、製造工場を今許可する、こういう形をとってあるのではないのですか。製造許可がせられて幾らでも作られる、それに対して、大体われわれの希望としては、砂糖もみんな場合によったら買ったらよかろうし、それから生産せられる材料のテンサイに対しても過不足があるのだから、非常に余ったような場合には、値の下らぬように買い上げの処附置を講じてもらいたい。これは考えておる、こういうお話のようです。そういう場合、自然発生的に出て参りまする、企業欲から出てくるたくさんの、これはそういうことはあるまいと思いますが、かりに百トンとか二百トンという小さい工場が方々にでき上った、そういう場合でも、今、計画的に考えておられるようなやり方を進められる、こう考えておられるかどうか、その点だけはっきりしていただきたい。
○政府委員(渡部伍良君) これは、現在の段階では先ほど申し上げましたように、どうしても農家を指導するのには製糖会社だけでは信用を受けない、従って、岡山の例でも大分の例でも、県が中心になりまして、県が一定の年次別計画を立てまして、そこへその生産されたものを処理する製糖工場を誘致する、こういうふうなことになっております。しかし、お話のように、これがどこでもできる、もう危険がないということになりますと、今の澱粉工場のようなあるいは乱設ということもあるかもしれません。そのときには、やはりもう少し突き進んだ指導も、場合によれば法制的な措置も考えなければならない、こういうふうに考えます。
○清澤俊英君 終りました。
○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて。 ほかに御発言もないようでございますが、三法案に対する質疑は、終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認め、これより討論に入ります。討論は、三法案を一括して行います。 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○堀本宜実君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっておりまするテンサイ及びテンサイ糖関係三法案に賛成するものでございます。 なお、テンサイ及びテンサイ糖の生産は、わが国農業経営の改善安定と、国内における甘味資源自給向上のため、今後ますますその育成に努める必要があると存じますので、政府に対しまして、その対策を十分に強化するために、次の附帯決議案を提案いたしたいと存じます。附帯決議案を朗読いたします。 てん菜及びてん菜糖関係三法律案に関する附帯決議(案) (一) 政府は、国内甘味資源対策の強化に努め、てん菜及びてん菜糖工業の振興に関しては速かにてん菜生産振興臨時措置法の改正等によって次の事項について遺憾なきを期すべきである。 一、寒冷地におけるてん菜生産の振興に努めるとともに、更に暖地てん菜等寒冷地以外の地域におけるてん菜の生産普及に対しても努力すること。 二、てん菜及びてん菜糖の価格の維持安定を期し、必要ある場合は、てん菜糖製造業者の希望申込に応じその製造したてん菜糖の全量買入を考慮すること。 三、てん菜生産の普及振興とてん菜糖工業の安定発展を期し、てん菜の生産、生産てん菜の集出荷、てん菜糖製造工場の新増設並びにてん菜及びてん菜糖の価格形成の調整あるいは合理化に関する制度を確立すること。 (二) 日本てん菜振興会の運営がてん菜糖製造業者の利害に左右されることなく、真にてん菜生産の振興に寄与するよう、政府は振興会の運営の公正に関し万全を期すべきである。 右決議する。 昭和三十四年三月十九日 参議院農林水産委員会 以上であります。 申し上げるまでもないのでありますが、簡単に、案の内容について御説明を申し上げますと、政府は、国内における甘味資源の自給向上に対しまして、なお一そう強化に努めて遺憾なきを期してもらいたというのであります。特に、テンサイ並びにテンサイ糖におきまして、三つの意見が付されております。その一は、寒冷地におけるテンサイの振興に努めるのは当然でありますが、さらに暖地テンサイ等寒冷地以外の地域におけるテンサイ糖生産についても、生産普及に対して十分な指導と努力を必要とするというのであります。第二は、価格維持安定をいたしまするために、必要のある場合に、テンサイ糖製造業者の希望申し入れに応じまして、製造したテンサイ糖の全量買い入れを考慮していただきたい。第三は、工場の新設、価格の形成等、これらに関しまする合理化のために制度の確立をして今後の運営を円満にしていただきたいというのであります。 (二) で、てん菜振興会ができますれば、これが運営に対しましては、万全の注意を払いまして、テンサイ糖製造業者の利害に左右されることなしにテンサイ生産の振興に寄与するように努めて、振興会の運営を公正にするというのでございます。 以上でございますが、全会一致の御賛成をお願いする次第でございます。
○清澤俊英君 私は、ただいま議題になっております三法案に対して、社会党を代表して賛成の意見を述べる前に、いささか意見を述べて、同時に、附帯決議にも賛成していきたいと思います。 なお、不足の分は東君から補足意見を述べていただきますが、私はまず第一に、政府が、非常にどろなわ式でありましたが、テンサイ糖の国内生産をもって甘味生産の約半数を十カ年に完成せんとする意欲に対しましては、非常な敬意をいろいろの方面から表するのであります。そうしてまして、ただいま出て参りました三案をわれわれが検討いたしまするとき、まず第一番に、この運営のために税制の改革が行われる。先般も問題になりましたのですが、このテンサイ糖の生産が増加して参りまして、従って、消費税の収入が減る。その埋め合せに対しては、税収は減らさない。税収は基本的に減らさない。そうして消費税も上げない。そうすると、どこでその埋め合せをするのか。これは私は非常な重大な問題がそこに存在するのじゃないかと思う。その点には、非常な私は将来におけるテンサイ糖工業を進めていきまする上に、大きな疑問と障害を持っている。 これが第一点。 第二点は、われわれは今酪農の乳価の問題あるいは養蚕の問題、いろいろ問題を農民の生産価格において生じております。なかなかこれは私は解決つかない問題だと思う。従いまして、これらのものの発達を、われわれは乏しい知識をもってみまするならば、結局すれば、養蚕のごときは、横浜においてたまたま売れる、だから製糸が先行して国内の養蚕業というものは追随してきた。酪農におきましては、先進者が都市のまん中で牧場を作ってそうして牧場をやることによてって乳業というものを発達さしてきた。それがたまたま農家に引き移りまして、そうして酪農という形に、農民がいわゆる乳をしぼるという形になてっきて、それが大体急速に発展して参りましたのは、戦後だろうと思う。だから問題がそこに生じている。養蚕業をいかにこれをうまくやろうとしましても、先般も蚕糸局長にも申しました通り、繭は、桑園は約二万五千町歩減らす、価格は生産費を割るがごとき形をもってやって参りまして、直ちに製糸業者や、あるいは織物業者や問屋業者によって、相場でもってこれが狂ってくる、こういう状態が出て参るのであります。酪農も、やはりそういった過多の生産業者、独占的の乳業者、これ自身にいじられて、農民は始終ばかを見ておるのであります。私は、せっかくでき上りまする新しい産業で、これは少くとも寒冷地帯等を中心にした日本の甘味料の自給策を講ずる—こういう二つの大きな面が相合致しまして新しく出てくる形態じゃないかと思う。しかるに、今も最後に私は御質問申し上げたのはその点だと思う。もうけがあったら会社がずんずんできてくるのではないか。農民が今何をやっていいか、生産をしていいかということは、寒冷地帯あるいは高冷地帯の農民は非常に迷っている。迷っているところにこういうものがかりにあったとしまするならば、あとさき見ずに飛びついていくかもしれません。県の指導者あたりもあとさき見ずにまた指導していくかもしれない。だがしかし、それらに対しては、県に計画を立たして云々と、こう言われておるが、そればかりでもなく、自由に工場は建てられる。もうけがあれば、またあっちで百トン、こっちで二百トン、ひどいやつになると、十トンか二十トンで、採算がとれるかどうか知りませんが、過多の生産業者ができないことは保証できない、こういう状態が出てくる。また工場が限定せられるとしましても、私は徹底的な農民の生産、原料テンサイに対しまするところの救護法がなかったならば、あるいはタバコの耕作のごとく、生産とマッチした何らかの制限が今から付せられておりませんならば、もうけがあると思いますれば、片端からまた作っていくだろうと思う。また必ず作らせると思う。そうやった安いものを集めて、製造工場としては、なるべく押えられないように、利益の上るようにしようと思う。現在過剰生産設備を持っておりまする製糖業者というものは—これは大体今でも過剰なんだ。それが半減しなけりゃならない、こういう立場になしりましたら、そのもがきはどこかに私は出てくるのじゃないかと思う。そうしますと、せっかくこれほどの農業生産を中心にし、ことに、何ともできない寒冷地帯の農民の一つの生産形態として進められる一方においては、国内の甘味料の自給策として進められるこの大事業がまたぐたぐたになる危険性が私は考えられる。従いまして、この附帯決議にもついておりまする通り、日本てん菜振興会というような資本家によってだけ全部が振興をはかられるがごとき、これはこの間、小笠原君も非常に指摘しておりましたが、非常な危険性があるので、こういう案文もつけた、こうなりますが、私はこれを完全なテンサイ業の糖と生産との両面を完備していく場合、初めてできるのだから、ある程度まで私は専売制が一番いいのじゃないかと思う。それくらいの建前でやられてこそ、ほんとうの発展はできるのじゃないかと、これほどに思っておるのでありますが、この三案を総合してみますると、どうもそこには製糖業者に押された何らかの弱味があります。この弱味によって、せっかくでき上りました、計画せられましたこのテンサイ工業並びに寒冷地帯等を中心にしたテンサイ栽培というものがくずれたり、あるいは将来において農民に非常な迷惑のかかるようなことのないように、極力防止的な方法を、この次にまで、比較的近い機会にまで、私はいま一つ練り直して、われわれが安心のでさるようなものに一つ書きかえてもらいたい。それでなかったら、これでいきましたら、私は、また自由経済の波の中に、何とかかんとか言いなりに追いまくられて、テンサイを作ることによって澱粉の始末に困るような問題が起らぬとは保証できないと思う。こういう点を一つ十分御考慮の上に本案の施行をせられんことを希望しまして、私の賛成意見としておきたいと思うのでありますが、不足の分はあなたから一つ……。
○東隆君 清澤委員から私の発言を認めていただきましたから。私も賛成意見を述べたいと思います。 この三法案並びに附帯決議に対して、はもちろん賛成をいたします。そこで政府は、今回のこのテンサイ関係の法案は、大蔵委員会に提案された二法案と、それからこの委員会に提案をされた三法案と、この五つの法案を出されておるわけであります。われわれはもう一つ、てん菜生産振興臨時措置法の一部を改正する法律案、こういうのを実は提案をいたしまして、そうして政府の意図しておりますものをもう少し強化しようと、こういうようにいたしおるわけであります。そこで、そういう考え方のもとに進んでおりますけれども、しかしながら、日本におけるテンサイ糖業の進展ということは、これは将来を考えてみますると相当困難な道があると私は考えておるのであります。それは北海道におけるビートの耕作の歴史を考えてみましても、実は非常な困難な道を切り開いてきておるわけであります。今ようやく戦後において、国内でもって甘味資源を得ることができなくなりましたので大部分を輸入に待つというような状態になったので、従って、テンサイ糖が芽を吹いてきたと、こういうような状態なのであります。で、ビートのブームが起きておるようでありますけれども、そのビートのブームをしさいに観察いたしましても、これは一部の製糖業者が工場を設立するということが、これがブームの原因になっておるのでありまして、決してこれはビートを栽培するという方面においてのブームではないのであります。そこで、ビートを、このテンサイ糖業を発展させるためには、工場を設立する前に、ビートを耕作するところの条件を整備しなければならないのであって、この整備が一番大切なことなのであります。その点からいいますと、北海道におけるところの四十年の経験というものが、これが非常に重要なことになろうと思うわけであります。北海道では北方農業の確立の中心作物としてこの作物を取り上げてきて参りました。その作物が今、東北の方に伸び、それからまたこれが南の方の暖地ビートの栽培、こういうような方向に進もうしとておるのであります。しかも、南の方で暖地ビートを進めますのには、水田の方面においては早期栽培をしなければならぬ、しかも、その品種は、これはやはり北方で育った水稲の品種を持っていくと、こういうようなことになるのでありまして、ことごとく北方農業が南下する、南の方に下っていくというような形でもって、この大きな日本農業を改革するようなそういう形が進められていくのであります。こういうような大きな機会を作ろうとしておる時でありますので、私は政府がもっと大きな考え方で進めていかなければならぬと思う。ところが、政府のお考えになっているということは、テンサイ糖そのものの中からいろいろな工夫を考えられているのでありまして、これでは規模がきわめて小さい。で、われわれの考えていることは、もっと大きな日本の甘味資源を中心にして考えなければならぬと思うのでありまして、そのためには、輸入のケイン・シュガーを相当やはり対象に置いて、そうして財源その他を捻出することを考えていかなければならぬと思うわけであります。従って、審議の過程において、私は消費税を全廃して、そうして関税をもう少しふやして、そうしてそれによって甘味対策を確立する必要がある、こういうことを私は主張をいたしたわけでございますから、こういう点は、これは今後においても、政府において十分に考えなければならぬ問題であろうと思うのであります。戦前における砂糖の消費税は、これは台湾でもってできたところの砂糖が入ったわけでありますから、関税をかける余地がなかったわけであります。だから関税という面を除いて、消費税によって政府は考えられたのでありますが、しかし、今の場合においては、ほとんど全部海外から輸入することになっているのでありますから、国内においてこれから進めていこうというテンサイ糖業に対して消費税をかけて、そうしてその出鼻を押えつける必要はないと思うわけであります。また、今回の法律によって、振興会の財源をテンサイ糖業をやっている工場から、一定の会社から吸い上げる、こういうようなやり方は、これは豆をいるのに豆がらをもってするように、もとは同じ根から出ているような、そういうやり方をやっているのでありまして、これも私はあまり賛成ができないのでありますが、この法案を通すために、まっこうから反対をするわけに参りませんので、一応ほこをおさめますけれども、しかし、十分に一つこれらの点をお考えになって、そうして私の希望するところは、日本の甘味対策というものを政府は十分に考える必要があると思うわけであります。国内で生産されるものは単にビート糖だけではありません。ブドー糖もありますし、あめ類もありますし、その他たくさんあるのでありますから、そういうようなものも含めて、そうして国内におけるところの甘味資源の拡充計画等を私は政府が考える必要があると思う。その一環としてビートをどういうふうに伸ばしていくか、こういうふうな考え方でもって進むべきであろう、こう考えるわけであります。 そういう点で私は質問を申し上げ、そうしてさらにテンサイ糖の発達のために、もう一つ強力に申し上げておきたいことは、工場を誘致し、工場を設置することはきわめて容易なことなのであります。これは政府が一定の価格でもって買い上げればこれは何も問題はないのであります。しかし、ビートを農家に作らせるということは、これは非常に困難な問題でありますから、この困難な問題を解決するために、私はあらゆる条件を整備してもらわなければならぬ。ビートを耕作するに必要なところの条件を整備することをしなければ、決してこのテンサイ糖業というものは発達をしないのであります。もちろんビートの価格の安定ということもこれは第一でありますが、しかし、土地条件であるとか、その他各般の問題がありますので、この点を一つ十分に先に行くように、先行するように考えて、そうしてこの法律の施行をしていただきたいと、こう考えます。 以上申し上げて、法案並びに附帯決議に賛成をいたします。
○千田正君 ただいま問題になりましたテンサイ及びテンサイ糖関係三法案に対しては賛成の意を表します。 なお、附帯決議に対しましても賛成の意を表しますが、私も一言申し上げておきたいことは、この甘味政策は、ただいま東委員からも申されたように、日本が敗戦によって領土を失い、そのために甘味の資源が十分な自給ができない、そういうところの根本的な政策を施す理由があると思うのでありまして、単なる寒冷地区におけるところの農民の救済であるとかどうとかという問題を主題にせず、日本の根本的な産業政策の立場に立って、しかも、甘味を生産しておった戦前の台湾あるいは南洋等のそういう面積を失った日本といたしましては、自立経済の立場からも甘味資源の確立をすべきであるという論から私は申し上げたいのでありまして、その意味からいいますれば、価格はもちろんのこと、生産に対するところのすべての点に十分なる力を入れて今後の発展を期していただきたいと、特にこの点をお願いいたします。 さらにまた、北海道のみならず、東北その他におきましても、適地であれば酪農振興その他と表裏一体となってこの問題の解決に当られんことを要望いたしまして、賛成の意を表します。
○委員長(秋山俊一郎君) ほかに御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。 まず、小かん加糖れん乳等の製造の用に供するため売り渡す国有てん菜糖の売渡価格の特例に関する法律案を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、日本てん菜振興会法案を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、臨時てん菜糖製造業者納付金法案を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました堀本君提出の附帯決議案を議題といたします。 堀本君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって堀本君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、ただいま可決されました三法案の本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ただいまの附帯決議について、政府の御所見を伺います。
○政府委員(高橋衛君) ただいまテンサイ及びテンサイ糖関係三法律案の議決に伴いまして、当委員会におきまして、全会一致をもって附帯決議がせられた次第でございますが、これらの附帯決議の事柄に関しましては、十分に政府といたしましては、御趣旨を体しまして今後善処していきたいと思います。 ━━━━━━━━━━━━━
○委員長(秋山俊一郎君) 臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題にいたします。 この法律案につきましては、去る三月十三日の委員会において質疑を進めたのでありますが、なお残された質疑を続けることにいたします。 政府からの出席は高橋政務次官、須賀農林経済局長、通産省軽工業局化学肥料部長村田豊三君が見えております。
○河野謙三君 まず私は伺いたいのですが、この法案の提案理由の説明を伺いましてもはっきりしない点があるのですが、現行の法律は、御承知のように五年前に肥料が非常に不足したので、不足することによって起るところの農民の負担を軽減し、また価格を安定しようという立場に立って法律ができまして現在までそれが施行されてきたのでありますが、いわば今の法律は不足対策という法律でございます。しかるに、不足対策の面はすべて解消しておるのであります。従って、これを消費者である農民だけの立場から考えれば、もう法律の期限が切れると同時に、現在の法律は消費者の立場から見れば無用のものであり、むしろじゃまなものでございます。しかるに、今回続けて五カ年間現行の法律そのままとは申しませんけれども、ほとんどその性格を一にしたところの法律が延長されるということにつきましては、どういう理由に基くものでありますか、これを御説明願いたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) 今回、現行の臨時肥料需給安定法及び別途提案をいたしておりまする硫安工業合理化法の五年間延長をはかることにいたしました考え方につきまして御説明をいたしたいと存じます。 ただいま河野委員から御指摘がありましたように、この二法が発足をいたしました当時は、現在と肥料の需給事情が非常に変っておりまして、硫安の輸出によりまして国内価格等にいろいろな影響が出て参る、それを遮断をいたしますことを一つの大きな眼目として成立をいたしました法律でございます。現在の需給事情は当時と大幅に変りまして、時期によりましては、相当の過剰なものも在庫をするというような情勢になっておるのでございまするが、この現在の臨時肥料需給安定法の骨子となっておりまする需給計画の策定は、国内におきまする販売価格の公定等につきまして、なお今後の推移を考えてみましても、現実の輸出価格等が相当国内に対する版元価格を割って輸出をしなければならないというような実態にもなっておりまするので、生産につきましても、十分計画的な考え方をもちまして臨んで参らなければならないわけでありまするし、特に価格関係につきましては、輸出価格、国内価格との関係におきまして、従来の方法を踏襲いたしまして、これを遮断いたしまするような措置をとって参らなければならないと考えるのでございます。さような点を考慮いたしまして、おおむね今後の五カ年間におきましても、現行法の内容によりまして運用をして参りますれば、肥料の需給並びに価格の安定につきまして必要のある施策を講じ得るものと考えまして、今回五カ年間の延長を提案いたした次第でございます。
○河野謙三君 率直に申しますが、この法案が延長された場合と、この法案が期限が切れると同時に廃案になった場合と、農家に与える影響は一体どういうことを考えておられるのでしょうか。私はこの法案が廃案になりましても、農家に与える悪い影響というものは一つも残らないと思うのです。ですから、ただこの肥料の過剰対策として国内の生産を確保し、日本の肥料工業を育成するという面は残っておると思います。そういう面だけが残っておるのであって、対消費者農民に対しては、この法案というものは、私は現在ここに出されました法案そのものを見ますと、農家に何にも私は利するところがないと、こう思うのでございますが、これがあるために、農家にどういう利益があるか、これを一つ御説明願いたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) 本法案を延長いたしました場合の農家に対する影響でございますが、この法案で需給計画上意図いたしておりまする点は、一定の需給計画を基礎といたしまして、国内必要量を確保し、かつ、輸出につきましても計画的に進めて参るという考え方に立っておるわけでございます。従いまして、現在の当面の需給事情から見ますると、国内所要量の確保につきましては何らの不安もないように感ぜられるのでございまするが、輸出の関係等もいろいろ変動をいたす要素もあるのでございますので、それらの点を考えあわせますれば、やはり本法案に盛られておりまするような方法によりまして、国内所要量を優先的に確保するという必要は現在においてもあるのではないかと考えておるわけでございます。国内販売価格につきましては、最近の動向等は、若干生産者価格につきましてマル公以下に販売がされておるというような実態もあるのでございます。そういう面だけから考えますと、あるいはマル公がない場合の方がより農家に有利ではないかというような見方も行われるかと思うのでありまするけれども、われわれといたしましては、長期的に考えまして、やはり国内価格は一定の基準に基きまして安定をいたしておりますことが必要でありまするし、また、このマル公の訂正につきましては、現行法の建前によりますと、生産費が合理化いたしましたことによりまして低下をいたしますれば、それに応じてマル公も調整をして参る建前になっております。合理化効果がすぐ価格に還元いたす仕組みになっておりますので、そういう組織と制度で、やはりマル公国内販売価格の目安をはっきり与えておきますことの方が、農家にとってやはり有利ではないかというふうに考えるわけであります。
○河野謙三君 国内の必要量の確保ということは絶対に必要でありますが、必要量を確保するために、まず輸出の規制をしなければならぬ。これには輸出貿易管理令ですか、それぞれそれに必要な適当な法律があるはずです。それによって十分その措置はとれるはずであります。なお、もし生産過剰になって非常に硫安が安くなって、生産制限をしなければいかぬじゃないかという御心配があるかもしれませんが、これはまあ局長なり肥料部長御存じでしょうが、肥料工業、特に硫安工業の特質からいきまして、減産ということはあり得ないのです。持った設備をフルに動かす以外にもうコストを下げる道はないのです。赤字が出れば出るほどフル運転をやるのです。これを一割なり二割なり減産をするということは、他の産業にはあり得ても、硫安工業にはあり得ない。従って、生産が設備より三割も四割も落ちるという危険もございませんし、また、輸出が何かの間違いで非常に盛んになって、国内の需要よりも輸出が優先されるという場合は、輸出貿易管理令によって規制をすればいいのです。これはちゃんと法律があるのです。そういうことを考えますと、私はこの法律によって消費者に何の利益があるか。私は消費者だけが日本の経済でもなければ、消費でもないということを知っておりますけれども、一応消費者だけの、農民だけの立場から見れば、この法律というものはナンセンスじゃないか、こういうふうに私は思うのです。それからマル公によって云々と言われますけれども、私はこの問題に触れてみたいと思うのですけれども、現在マル公そのものが少しも実施されていないのです。実勢価格というものとマル公というものはほど遠い、実勢価格の方が低い、マル公と実勢価格の差額というものはリベートというふうなものになっている。配給の大部分を持っているところの農民組織、農協組織におきましては、メーカーからリベートをとったものを県連なり道協なり、また、良心的の単協ならば、単協から農民のふところまで戻りますが、しかしこれも、農協組織といえども完備されておりませんから、全購連なり、県連がリベートを取りましても、この取ったリベートは必ずしも農民のふところに届いていないというのがたくさんございます。これは一応組織の上で届いたたことに考えましても、商人系に、たとえば三菱商事であるとか、三井物産であるとか、こういう商人系が、全購連がリベートを取れば商人系も取ります。その、取ったリベートはどこに行くか、農民に戻りようはないんです。今のリベートの行方というものはきわめて不明朗なものであります。こういう点を考えましても、この法律そのものが引き続き五年延長されましても、消費者の面から見ると何も利益はないと思うのです。この点を伺っているわけですが、どうも私は局長の御答弁では、必要量を確保するのだ、これには賛意を表しますけれども、必要量を確保するところの手段は、輸出貿易管理令なり、また硫安の生産の特質からいきまして、必要量を欠くようなことは三年や五年は絶対ございません。これは確信を持っております。これが不安がおありになるというなら、どの点が不安だか、もう一ぺん御説明願いたい。
○政府委員(須賀賢二君) 輸出貿易管理令で輸出については必要な規制が可能であるのではないかという御指摘でございますが、これは御指摘のごとく、輸出貿易管理令によりまして輸出での規制は可能でございます。ただ現在の輸出貿易管理令では、一件ごとの許可になっておりまして、そのケース、ケースで処理をいたしているわけでございます。現在の肥料二法では、先ほど申し上げましたように、年間計画を立てまして、その計画の中で、輸出につきましては必要な規則をあらかじめ計画的に運行できるわけでおります。その点、輸出貿易の管理令の場合とは若干趣きを異にいたしているわけでございます。 なお、二法を通じまして、必ずしもこの種の法律が必要でないんではないかという趣旨の御指摘でございますが、この点につきましては、政府といたしましても、本年七月の現行二法の失効に備えまして、その失効以後肥料の需給安定についてはどのような措置をとるべきであるかということにつきまして、関係各方面の御意見も伺いますために、昨年秋、事実上の御意見を承わりまする機関として、肥料懇談会を設けたのでございます。その場等でも種々論議が重ねられました結果、なお当分の間、現行二法と同様の趣旨の建前において、需給安定をはかって参ることが必要であろうという御意見が支配的でございました。政府もその趣旨によりまして、この法律を提案いたしたわけでございます。
○河野謙三君 私もその肥料懇談会の御指名を受けた一人でありますが、肥料懇談会の結論というものと、今度提案されました法律の内容というものはほど遠いのです。そこで、私は特に伺っておるわけです。これは私は今消費者、農民の面からだけ申しましたが、現段階におきまして非常な過剰生産になっている。このまま何の施策もしないでほうっておけば、日本の肥料工業、特に硫安工業はつぶれてしまう、つぶれてしまった暁においては、結局、消費者農民も困るばかりだから、この肥料工業を育成していこうじゃないかという意味の生産者保護の法律であるという性格がはっきりと出ておれば、これも一つの日本の経済全般から見ての考え方でしょう。ところが。肥料懇談会の結論とはほど遠い、ただ現行の不足対策で出発した肥料の二法を適当にちょっと片すみをいじってお茶を濁した程度で、これを五年延ばそうというようなことは、過剰対策の法律をこれから作らなければならぬときに、不足対策の法律をそのまま五年間延長、これもまだ一年か二年ならいいけれども、五年も延長しようということについては、どうも私は納得がいかない。肥料懇談会の結論というものを、そのまま政府が提案する責任はありませんけれども、肥料懇談会の結論と今度の提案とどうしてほど遠いものになったかという経過を私は伺いたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) 肥料懇談会で種々御検討いただきましたその取りまとめと申しますか、肥料懇談会の御意見は、お手元に資料で差し上げてございますが、私どもといたしましては、この肥料懇談会におきまして御論議をいただきました考え方に即しまして、今回の二法延長の措置をとることといたしたと考えておるわけでございます。この御意見の中でいろいろ考え方が分れておりまする点につきましては、政府におきましてその後種々の検討の結果、政府自身の判断におきまして一つの結論を出しておるのでございまするが、全体を通じまして肥料懇談会から出ておりまする御意見の中で、今回二法延長の措置の中に、規定の内容として盛り込まれることにならなかった点が一点ございます。これは非常に重要な点でございまするが、設備の制限規制の問題でございまして、この点につきまして、何らかの法的措置をとるような御意見も強く出ておりましたし、政府部内でもこの線に即して種々検討いたしたのでございまするが、この点は立案の過程におきまして、法制局あるいはその他と種々協議をいたしました結果、実質的には行政措置によりましてその目的を達するように工夫をいたすことにいたしました。法文の中に盛り込まれなかったわけでございます。その点の詳細につきましては、通産省当局からも説明を願ったらいいと考えます。
○河野謙三君 私は、一つさっき局長が触れられたマル公の問題を堀り下げて伺いたいと思います。先ほど私が申しましたように、現在の法律に基くマル公というものは、メーカーから全購連なり卸売商社に売る値段がきめてあるだけですね。系統機関でいえば、県連なり単協に行って、それから農家に行く、その一番もとネジがきめてあるだけで、それから商社の方はメーカーから商社に売る値段だけがきめてあって、それは全く野放しであります。不足のときにはこれでいいんですが、現在のように過剰になって参りますと、先ほど申し上げましたようにリベートの問題がございます。あなたたちのお耳に入っておると思います。三井物産や三菱商事がメーカーからリベートを取った、そのリベートは一体どこへ行っておりますか。流通段階のふところに入っているだけでしょう。国は農家のためにマル公を作っているわけです、価格の安定のために。ところが、農家のふところへは何も行っていないのですよ。十円リベートを取った、二十円リべートを取った、現に取っております。そのリベートが三菱商事や三井物産、また、いなかの肥料屋さんのふところに入ったくらいで、農家と無関係になっているというのが現実ですよ。せめてこの問題一つだけでも解決したらいいじゃないですか。私は昔の肥料の統制時代のように、農家の庭先渡しの価格まできめようとは言いません。これはまた煩瑣にして、中間マージンがよけいかかりますから、これはやることも不必要だと思うし、また、やること自体が非常に困難だと思いますけれども、せめてもう少し国が肥料の審議会にかけて、こまかな原価計算をしてきめました価格そのものが農家のふところにつながるような権威のある価格でなければ、何のためにマル公をきめているか。今の流通の現状からいけば、三井物産のためにマル公をきめている、三菱商事のためにマル公をきめている、こういわれても弁解の余地なしでしょう。これを一ぺんにいかなければ、せめて一歩なり二歩前進して、現状を一年なり二年の間、過剰時代になってからのいろんな弊害というものを、政府は責任を持ってこれを積極的に改善しようという意図がなぜ出てこないのです。農家はどうでもいいのですか。三井物産にもうけさせればいいのですか。また農協でも、必ずしも全国の農協が良心的な農協でございません。農家に戻さないで、県連なり単物でそれをふところにネコババきめているものもないとは私は断言できないと思う。これとても農林省はよくわかっているはずです。この点を一つまずはりきりと私はしてもらいたいと思います。悪いことがいろいろ目の前にわかっているにかかわらず、ただ安易に今までの法律を延長したというだけでは農民のためにもならないし、メーカーのためにもならないですよ。ただ中間の流通段階だけが得するだけじゃありませんか。くどく申しますけれども、三菱商事や三井物産のためにマル公をきめている、こういう結果になったって仕方ないじゃないですか。この点は一体どうです。
○政府委員(須賀賢二君) 最近の需給事情の緩和を反映いたしまして、マル公以下で販売されておりまする事例も出ておりますることは、先ほども申し上げた通りでございます。農協系統につきましては、われわれもかねてからこの点につきまして、いろいろ肥料審議会等でも御注意がありましたので、最終的に農家までその利益が帰属をいたしまするように、極力指導に努めているわけでございまして、われわれの方で事例的に単協段階についてまで調査をいたしましたところによりましても、おおむねその趣旨が徹底をいたしているようでございます。御指摘のごとく、商人系統については、制度といたしまして、制度的にいわゆるゆりもどしをされておりまするものが農家まで帰属をいたしまする保証は、遺憾ながら現在の制度ではないわけでございますけれども、商業的にはおのずから農協系統と競争的な立場におきまして営業をいたしておりまする実態でございまするので、実質的には農家にある程度のものが還元をするという結果になるだろうかと思うのでございます。ただ、この点は、御指摘のように制度的な保証はないのでございまするから、遺憾ながら十分その点は徹底しておるかどうかということは、私どもとしても申し上げかねる次第でございます。ただこれがマル公を、かりに卸売段階のマル公を作りますならばこの問題が解決をいたすであろうかという点について考えてみますると、現実の問題はマル公以下に販売をするという事態と関連をして起きてくる問題でございまするので、マル公を新しく卸段階に形成をするということだけで解決をいたしますかどうか、その点はさらに検討をしてみなければならないと考えるわけでございます。
○河野謙三君 くどいようですけれども、いずれにいたしましても、現在リべートが出されておる、そのリベートが農民に必ずしも届いていない、この現実をお認めになるでしょう。これを何か改善するという工夫努力というものは、この法律延長に当って、何か政府の力から法律そのものにもしこれがうたえなければ、行政指導においてこれがかくかくに改善いたしましてこの弊害を除去しますという責任ある御答弁でもなければいけませんよ。今、農協関係はリベートがちゃんと行っておる。だから商人の方もお互いに競争してるんだから、その値段に引きずられて商人の方も結局安く売っているだろう、これは少しおめでたいです。単協まではかりに戻りましても、単協が農民個々のふところに戻す方法はないんです。絶対にないとは言えませんけれども、あなたの方でお調べになったはずであります。どこの県に行きましても、単協で全利用の制度がありますけれども、全利用の制度が確立されているのは、北海道は私は知りませんけれども、内地においては非常に数少いのです。何の太郎兵衛にいつ幾日何かます売りました、過燐酸を何かます売りました、化成肥料を何かます売りましたという記録がちゃんと残っている単協は少いのです、非常に。だから県連から単協までその金が、何万という金が戻りましても、これをさてどこのだれに幾ら戻すということは整理ができないんですよ。できていないのです。だけれども、単協で良心的にこれだけのものは県連から戻りました、ついては、皆さんに戻すんだけれども、戻しようがないから、これを単協の方で役員会なり総会を開いて、これこれこういうふうに使わしてもらいますという、民主的に運営すればそれはそれでいいんです、農家へ行かなくても。いずれにしても農家にリベートがそのままずっと戻っていると思ったら大間違いですよ。絶無とは言えませんけれども、大半は戻っておりません。従って、商人の力がその値段と合しても、単協に戻ってないんだから、戻ってない価格が農家の価格なんだ、これに商人が調子を合せるのは当りまえですよ。卸段階できめてもだめだと言うけれども、私はいっかも申しましたが、一つの、試案としてメーカーから全購連なり商社に売る価格でなくて、せめて末端の単協のマル公、末端の小売屋さんのマル公、その辺まで一つ下げていったら、まだその弊害は幾らかなくなるじゃないか、こういうことを私は申し上げておるのですよ。というのは、私はこれは単にたての半面だけ、農家だけ言っておるのじゃないのですよ。メーカーの価格も厳正に、もっとたたくだけたたいてマル公をきめる、きめた以上はマル公もしくはマル公に近いものでメーカーに金が入るようにしなければ日本の肥料工業というものは確立しませんよ。メーカーの保証をしてやったらいいと思うのです。そのかわりには、メーカーの売る価格というものは厳正にたたいたらいいと思う。一ぺんきまった以上はその価格でもって、とってもって農家の方に行くというようにしてやらなければ私はいかぬと思うのですよ。ただそれを今まで五年間やって、しかも、この一、二年過剰になって、今、私が申し上げるような弊害が非常に起っておるのに、それをそのままめんどくさいから、どっかの団体から反対があるとかというようなことで、こういうことで、ほおかぶりするということはいかぬと思う。法律そのものを直さないでけっこうです。何かこれについて、今後これこれこういう行政指導をして現在の弊害を一ぺんに除去できないまでも、順次改善していくというお話でもいただかなければ、私はその法律はその点だけだって意味がないと思うのです。どうです、その点は。
○政府委員(須賀賢二君) われわれ今回の提案の過程の中におきましても、マル公をどの段階について形成をするかという点につきましては、肥料懇談会で御意見が出ておりまするので、この点につきましては十分検討はいたしたのでございます。結論的に申し上げますと、現在の単協の事業の実態等から見まして、単協のマル公を形成をするということは、事実問題として非常に困難な問題が出てくることが予想されたわけであります。と申しますのは、これは農林省の農協に対する指導行政のあり方に対する問題とも関連をしてくるのでございますが、現在の段階では、遺憾ながら単協の事業規模が非常に統一がとれておりません。相当の適正な大きな規模でやっておりますものと、極端に小さい単協とが非常に無秩序な形において存在をしておるような実態になっておるわけでございます。こういう段階では、なかなか農協の肥料の取扱い数量を一定の基準できめまして、取扱いの手数料を一定の基準できめまして、マル公を形成するということが現段階では非常に困難なのでございまして、それらの点もかね合いまして、われわれとしては、現在の段階ではそれを見送ったわけでございます。ただ御指摘のありますように、最近の取引の実態が相当のマル公割れも出ておりますし、また、ゆりもどし額の最終帰属につきまして、農協におきまして、全部が整然とした処理がなされておらないというような事例も絶無ではございません。われわれが調べました範囲内では、一部は実際の購入数量に応じて払い戻し、一部は利用者配当等の形において払い戻すというような制度がとられておりまするが、全部が全部さようになっておるとは申し上げかねるかと思います。そのような実態でございますので、こういう情勢が続くようでありますれば、この問題はさらに新たなる角度から十分検討いたさなければならないかと考えております。ただ現在の段階で、卸以下の各段階における価格のあり方についてどのような行政措置をとるかということを具体的に申し上げる用意はございません。引き続きそれぞれの関係方面の意見も徴しながら検討を進めて参りたいと、かように考えております。
○河野謙三君 時間もだいぶ経過しておるようで、私はまだお尋ねしたいことがたくさんあるのですが、今の問題だけ一つさらに質問を続けますが、単協の規模が非常に大小があるということで、従って、単協の価格はきめにくいと、こういうことですが、私はそれはわかっております。規模の大小もあるし、単協によって駅から非常に近い単協もあるし、遠い単協もあるし、従って、運賃の差等も非常に多く出ます。それは県連なり全購連なり、こういうプール機関があるのであって、そのプールについてはいろいろ複雑な問題もあるでありましょうけれども、それこそこの団体と農林省がよく相談して、指導して、そういうプール行為までもできないなら、何のためにそういう団体があるか、私はそう思うのです。農民のためなら何でもどんな困難でも乗り越えてやるのが私は団体の役目だと思うのです。ただ通行税を取って頭をはねるのが全購連の仕事ではない。県連の仕事ではない。通行税を取るならそれだけの仕事をするのが私はその団体の仕事だと思うのです。今伺ったことそれ自体は、非常に大きな私は団体の仕事だと思うのです。それを困難だからできない、それはなまけ者の言うことだ、私に言わせればそう思うのです。同時に、まあ百歩を譲って、系統機関の方は今の制度でリべートがあっても、リベートがそのままで届く、何らかの形で。こういうことにいたしましても、肥料の販売は三割なり四割は商人がやっているはずでございます。三割、四割というのは大きな数字ですよ。十円リベートがあってもすぐ何億という数字になるのですよ。その金は完全に農家に戻っていないのですよ。しかも、その制度の裏には法律があって、政府がこれを責任をもって法律を施行しているのだ、政府が、そういう何億という農家に当然届くべき金が届かない理由、これを目の前に見ておって何にもしないというのは、少し無責任じゃないですか。われわれ国会におきましても、この法律を五年延長する以上は、この目の前に見せつけられた弊害、今度はこれこれこういう形で政府でも指導しますという言明がなければ、この法律に賛成できませんよ、私は。私はそう思うのだ。そうじゃないですか。須賀さん。
○政府委員(須賀賢二君) お言葉を返すようでございますけれども、商人系について全然このゆり戻し分が農家に帰属しておらないというふうには私ども見ておらないのでございまして、やはり競争的な商売をいたしておるのでございまするから、そういうものは何らかの形において農家に帰属しておる部分が相当額があるのではないかと思うのでございます。と申しますのは、このゆり戻しの問題は常に商人側の販売価格が農協側の販売価格より下回ることを契機といたしまして起きておるわけでございますが、そういうふうになりますのは、やはり商人側の販売態度としましても、そういうふうなことになり得る背景なり要素がありまして、そういうふうになっておるのであろうと思うのでございまして、全部が全部農家に帰属をしておらないというわけではなかろうと思っております。ただ、いずれにいたしましても、制度的には何らの保証もございませんので、この点はまさに御指摘の通りでございます。ただこれは、先ほど農協でプール等のお話もございましたが、一応理論的には十分考えられることでございまするけれども、肥料のような大量の、しかも、金がさの上ります消費につきまして、業務的に、また実務的にどこまでそういう措置がとられますか、十分検討を要する問題でございまするので、先ほども申し上げましたように、引き続きそれらの諸点につきまして十分検討を進めてみたいと考えております。
○河野謙三君 今のリべートの行方の問題は、見解の相違ではなくて現状認識の問題です。この点は、私は確信を持って申しますがね。須賀さんや村田さんのように、東京のビルで仕事をしておる人と違って、農村のまん中から東京に通って来ておるものは現実をつかんでおるのです。さらに自分は積極的に調査したのです。だから私は声を大にしてこれを申し上げておる。何も私のいる神奈川県だけの問題ではない。これは、日本全国の問題です。だけれども、この問題は私は時間の関係上、ひとまずおきまして、今度はたての半面を申しますがね、今度の法律によって、政府は肥料工業の確立のために税制上の恩典その他いろいろ施策されましたね。私はこれはけっこうなことだと思うのです。日本の肥料工業確立のために、これはやられましたけれども、これを五カ年間この恩典を継続されまして、一体何億の恩典になりますか。私は十億か十五億の問題だと思う。メーカーの方から全部恩典をもらっても二十億にならぬ。ところが、一ぺん原価計算してマル公をきめて、そのつどマル公から十円引き、二十円引きというものをやられたら、五カ年どころか一年間に、政府がこの価格が適切だというマル公から、一年間に十五億も二十億のものをメーカーは逆に取られているわけですよ。一方政府は、肥料工業確立のために、税制上の恩典を与えて保護する、保護するからには、価格はマル公でこれ以上高く売ってはいかぬと言っているから、しりが抜けて、片一方はリベートで毎年十五億、二十億の金を、メーカーの方から見れば不当にリベートを取られている。しかも、それが私が言うように、農家に届いていないということになれば、政府は、何のために恩典を与えているのかわからない。一方で保護して、一方でしりが抜けて、片一方は五年で十億、片一方は一年で十五億、二十億のリベートが戻っておれば、政府は本気で肥料工業の育成のために保護助成をしているとは言えないと思う。その点、村田さん、どうです。通産省として、いろいろ肥料工業確立のために税制上の恩典をやられたのは当然でしょうが、この恩典は五カ年間で一体幾らになりますか。
○説明員(村田豊三君) 肥料工業に対しましては、いろいろな角度からの税制上の恩典が付与されております。従前も、たとえば重要物産免税でありますとか、あるいは各種の地方税でありまするとか、そういったもので年々相当額の免税の恩典が付与されておりますが、今回、さらにこの肥料二法を延長いたしますに当りまして、政府といたしましては硫安の主原料であります原油の輸入税が、従来六・五%課税されておりましたけれども、これを無税にするというふうな、新たな免税措置をもとることにいたしたのでございます。ただいま河野委員の御指摘の通り、これらの措置、原油の輸入税免除だけを取り上げてみましても、これはもとより、今後の原油の輸入数量、金額ともかね合う問題でございますけれども、五年間に少くとも五億をこえる恩典になろうかと存ずるのであります。さようなわけでございますので、一応われわれといたしましては、硫安工業の合理化を促進をいたしますための措置のうち、相当部分の手を打つべき事柄につきましては手を打ってきておるというふうに考えておるのでありますが、ただ御指摘の通り、そうして合理化が進みましても、せっかくの合理化の効果というものが、先ほど来御指摘のように、直接まるまる農民に均霑をしないで、中間のどこかの段階に吸い取られていくということは、率直に申しまして、行政のあり方としては反省を要する点であるかと存じます。これは通産省の所管をややはずれる問題でございまするけれども、せっかく肥料工業の合理化に拍車をかけ、努力をしていこうといたしますものの側から見まするならば、今後そうした中間の段階におきまする流通の合理化と申しまするか、そうした問題がさらに検討さるべきであることは、御指摘の点、もっともだという感じもいたす次第でございます。
○河野謙三君 ですから、今お認めになりましたように、通産省の方ではいろいろ肥料工業の安定、確立のために保護助成の措置をとっておる。それで保護助成の措置によって与えている金よりも、マル公からさらにリべートされる分の金の方が多いようなことではおかしいじゃないか。しかも、そのリベートされる分については、弊害は認めているけれども、一ぺんに除去することができないというならば、話は冒頭に戻りますが、この法律がなければ、リベートもなければ何にもないのですよ。生産過剰で余った分だけは、その時の市況々々によって、そのままその時の値段で仕切られて農家に行くのですよ。この法律があるために、農家に当然リべートさるべき金もリベートされないで、途中でひっかかってしまう。全部でなくて、一部でもいけませんよ。法律無用じゃないですか。法律があるからそういうことになる、私はそう思うのですよ。だから冒頭に私申しましたように、この法律は消費者の側から見れば何のために作った法律なのかわからぬじゃないか。余ったものが安くなるのは当りまえです。安いものは安く買った方がいい、農家は。それをつまらぬちょっと前の法律、不足対策の法律をちょっと手直したくらいのものでこのまま延長しても意味はないと私は思う。だから五年間法律を延長するならするように、過剰対策なら過剰対策としての法律を全面的に私は改正してやったらいいと思う。弊害を認めておられるのです。おられるけれども、これは何ともならないと、こう言う。何ともならなくないのです、農民から見れば。ほうり出してもらえば何とかなるのですよ、この価格の問題は。あと問題は肥料工業の確立の問題です。これは、肥料工業の確立の問題は、通産省は通産省で今まで通りやったらいいじゃないか。片一方でやって、片一方で抜けていって、その抜けた金が農家にも行かず、ほかの変なところに行ってしまうというようなことは、私は無条件で、政府の何らの言明も得ないで、そうして私は賛成というわけにはいかないと思うのですよ。要らないじゃないですか、この法律は、農家の立場から見れば。通産省は通産省で、メーカーの方をしっかり背負ってやったらいいじゃないですか。農林省は農林省で、こんな法律は要らないということでいいんじゃないですか。そういう結論になりませんか。意味はない、こんなものは。
○政府委員(須賀賢二君) 先ほど来申し上げますように、この法律が全然なかった場合とあった場合の比較につきましては、いろいろな考え方、見方ができると思うのでございますが、全然マル公制度等を撤廃いたしまして、自由な価格形成が行われます場合の姿につきましては、これはいろいろ、どのような事態が現実に出て参りますか、想像以外にはないのでございますけれども、ほかの業種の例等とも勘案して考えますると、実質的には事実上の共同行為等もえてして行われやすいわけでございますので、やはりマル公として一つの基準を与えておきまして、その範囲内において需給市場により若干変動するという事態がありましても、その程度は制度の運用上やむを得ないものといたしまして、マル公制度を継続することの方が、国内価格の安定には役に立つのではないかというふうに考えておるわけであります。
○河野謙三君 どうも私は納得いきませんが、それじゃ一つあらためて伺いますが、もし将来に、今は供給過剰であるけれども、将来にまたどういう天変地異、また戦争等のこともあり得ないことだけれども、予想されておった以外の問題がこのごろの世界にはいろいろ起りますから、だから、これをそういう場合に備えて少し延ばそうとしても、五年延ばす必要はないでしょう。ことしなり来年はこれは間違いなく生産過剰の現状が続くことは、これはどんなしろうとでも見通しはつきますよ。だから、せめて一年なり二年延ばしておいて、私は要らないと思うのです。思うけれども、かりに延ばすなら一年か二年延ばしておいて、そうしてその場においてまたもう少し必要があれば延ばすなり、その場に行って必要がなければ削るとか、今の経済界、世界情勢が激変する中で、五年なんというのは、昔の私は百年に値するものだと思う。そういう私は必要はないと思うのですが、もしそういうなら、むしろ一年でも二年でも——私は延ばさなくてもいいと思うのだが、かりに延ばすのなら一年か二年、ごく最短期間延ばしておいて、そうして情勢を見る。私の本来の主張はこれを廃案にしてしまって、もしそういう必要が起ったら法律を作ればいいのであって、いつでもできるのだから、そういう点で私は五年という期限を切られた根拠を伺いたいのですがね。
○政府委員(須賀賢二君) 五年延長をはかることにいたしました考え方は、今回の五カ年間延長の背景に、いわゆる硫安工業の第二次合理化計画を持っているわけでございますが、この第二次合理化計画が現実に総合的な効果を出しますのは五年先になりまするので、それまでの間は現行の、この法律の内容によります需給安定法の合理化措置を進めて参りたい、さように考えておるわけであります。
○河野謙三君 いろいろまだ輸出会社の問題、輸出振興の問題等でふに落ちない点もたくさんありますので、お尋ねしたいことがたくさん残っておりますけれども、清澤先生の質問も残っているようでありますし、しかも、時間が一時十三分前でありますから、私は時間の関係もございますから、ここでひとまず質問をこの程度にして、もう少し質問の時間を与えていただきたいと思いますが、委員長、いかがでございましょう。
○委員長(秋山俊一郎君) まだ質疑が残っているようでありますから、午後継続することにいたしたいと思います。 それでは暫時休憩いたしまして、二時から再開いたします。 午後零時四十八分休憩 —————・————— 午後二時三十二分開会
○委員長(秋山俊一郎君) それでは委員会を開会いたします。 午前に引き続き、臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 御質疑の方はお願いします。
○清澤俊英君 先般、公定価格の問題で、公定価格を定めまする際に、ある一部分が赤字生産になっておるというお話を伺った。この赤字生産になる大体パーセンテージがどれくらいになりますか、それを一つ先にお伺いしたい。
○政府委員(須賀賢二君) 三十三肥料年度のマル公を基礎にして申し上げますと、工場数は全部で十九ございますが、そのうち三十三年度のマル公で販売した場合、一応生産費を償うと推定されますものが十一工場でありまして、その生産量が七三%でございます。全体の七割三分に相当するわけでございます。三十三年度のマル公で販売いたしました場合、完全に赤字と推定されますものは八工場でございまして、その生産量は全体の二七%に相当いたします。
○清澤俊英君 非常にもうかるのは何工場くらいになりますか。
○政府委員(須賀賢二君) 三十三年度のマル公で、一応、価格形成に織り込みました予定利潤以上の利潤を上げますものは、工場数は三工場ありまして、生産量では全体の約三割でございます。先ほどの七割三分の内数でございます。全体の約三割でございます。
○清澤俊英君 そうすると、この十一工場七三%というだけのものは、これは赤字にならないという工場なんですか、工場として。
○政府委員(須賀賢二君) 七三%は赤字にはならない工場でございます。そのうち三工場、全体の生産量の三割に相当するものは、これはマル公に織り込みました予定利潤以上の利潤を上げている。その残りがそこまでには達しませんが、一応利潤は上げる……。
○清澤俊英君 そうしますと、このマル公の中にはこうした利潤は見てありますか。
○政府委員(須賀賢二君) マル公の生産費の中には利潤を織り込んでおります。この利潤は製造工場平均の総資本利益率を使っているのでございまして、三十三年度の場合は約一割の利潤を見ているわけであります。
○清澤俊英君 そうすると、この一割利潤を上回る黒字生産工場はどのくらいあり、同時に生産量はどのくらいになりますか。
○政府委員(須賀賢二君) 一割利潤を上回る黒字、それが先ほど申し上げました三工場で、生産量が三割でございます。
○清澤俊英君 それで、これはまあ非常にむずかしいといわれるが、私は各工場の工場名別に生産量と生産費価格が出れば、これまた、なおはっきりすると思うのですけれども、これはこの前も問題になって、このたびもまあその資料を出していただきたいという話をしましたけれども、非常に工場の経営上支障があるからと、こういうわけでいわれているが、大体工場の経営上非常に秘密に属すべきものだということで、実際はマル公でものをやるとなったならば、押えるべき性質のものではないと思うのですが、この点どうなんでしょう。
○政府委員(須賀賢二君) その点は、この前配付資料として差し上げました資料の八ページに、三十三肥料年度工場別硫安推定生産費一覧と最高販売価格の表があるわけでございます。これは固有名詞ははずしてございますが、十九工場についてわれわれが調査いたしました結果によりまする工場別生産費をここにお示しいたしておるわけであります。これ以上さらに具体的な会社の名称を入れまして、資料といたしましてお出しいたすことは、この生産費調査が、肥料のマル公を作りますために、特に法律に基きまして調査いたしておりまする関係上、われわれといたしましても、企業の秘密は厳密にこれを保持する約束をいたしておるものでございます。せっかくの御要求でございますけれども、工場別生産費につきましては、前回出しました資料程度で御了解いただきたいと思うのでございます。
○清澤俊英君 そういうことをお伺いしたいということは、今の数字を検討してみましても、大体平均利潤を上回るものが約三〇%、それから平均利潤よりも以下の、いわゆる赤字工場といわれるのが二七%、あとは大体平均利潤だけは確保している、こういうふうに数字が出ているのです。できれば、そういう工場のあり方並びに配当率、その他の個々の中の利益部分に属するようなことを調べてみたいという感じがします。と申しますのは、先ほどもだいぶ河野さんが言って、わしらも初耳だったが、この上に二十円のリベートが、多分一かますだと思うが、なおはじき出されておる。こういうことになると、せっかくこれまでのことをやりつつ、われわれにはなかなか納得しがたい面が残っていきますので、このたびは、私は無理にそういう事情のものを委員会決議等にまで持ち込んで出そうというようなことは考えませんけれども、その点は非常に不満だということだけを申し添えておきたいと思います。 その次に、ちょっとお伺いしたいのは、輸出会社が持ちます赤字は、これは大体どういう理由で赤字二十五億が出たのか、同時に、この赤字がだんだん増大して参りました際に、将来はどんなような処置をとられる考え方になっていますか、この点一つ御意見をお伺いしておきたいと思います。
○説明員(村田豊三君) 輸出会社の赤字は、三十二肥料年度末の決算で、およそ二十五億という数字が出たのでございますが、これはお手元の資料にもお配りしてあると存じますが、この二十五億の赤字がどういうふうにして出たかということでございますが、年々、御承知のように、臨時肥料需給安定法に基きましてマル公がきめられますが、そのマル公がきめられますときの基準価格、マル公の大もとの基準になるわけでございますが、この基準価格、マル公の基準価格で輸出会社は各メーカーから買い取るわけでございます。譲り受けをするわけでございます。そうしてそのときどきの、あるいはその市場々々の輸出価格で輸出をいたすわけでございます。従いまして、経過的に申し上げますと、ある年、輸出会社がメーカーから、先ほど申しました基準価格で買い取りましたものよりも輸出価格の方が高くなる。従って、その差額が黒字として計上されておる時代があるわけであります。ところが最近は、これは先般の御審議の際にも申し上げたかと思うのでございまするが、輸出価格が、国際競争が非常に激しくなってきました影響もございまして、国内の基準価格よりも年々低くなっております。現実に、具体的に申し上げますれば、昭和三十三肥料年度のマル公基準価格は五十五ドル五セントでございまするけれども、大体、今年の肥料年度に入りましてから、今日までの輸出制約をいたしましたものの価格は四十五ドル程度になる。さように輸出会社がメーカーから買いとります価格と、現実に輸出いたしまする価格との差額があるわけでございます。その差額がこの赤字として出て参る次第でございます。
○清澤俊英君 この価格の差ですね。貿易による価格の差は、この二法案がありますれば、国内需要に対して転嫁をしないで済む、こういうことになる。こういう二法案、安定法のようなものがなければ、これが国内価格に転嫁せられて内地品が高くなる、こういう危険性を持つ、こういうことになりますか、その点はどうなんです。
○説明員(村田豊三君) 御指摘の二十五億というものは、輸出会社がメーカーから買い取りまして、そうして輸出をいたしました輸出価格との差額が、計算上そういうふうに出て参るわけでございます。御指摘の通り、輸出会社がなぜそういうふうな経理をいたさなければならないかと申しますると、これも先般来、るる農林省の方からも御説明があったのでございまするが、輸出の赤字を国内の消費者に転嫁しては相ならない。しかし、清澤委員の御指摘の通り、果して転嫁しているのかいないのかということは、やはり明確にならなければならないと思うのであります。それに、やはりこういう輸出会社というのがございまして、メーカーからはこの値段で買いましたところが、この値段でしか輸出ができなかったので、差額が結局これだけになりますよというふうに、輸出会社というものを通すことによりまして、その輸出の赤字というものが幾らあるか、経理的に明確に区分をされるということになるのでございまするから、御指摘の通り、こういう経理が行われます限りにおいて、消費者に輸出の赤字が転嫁されない経理上の明確さというものが確保できるのではないかと存じます。
○清澤俊英君 そうしますと、二十五億という赤字は、一応、国内転嫁をしないで、輸出貿易による損失はここで明確に出てくる、こういう形のものが出て参りましたならば、将来輸出の価格が非常に上りまして、利潤が出て、黒字があれば別ですけれども、まあお話の趣き等を聞けば、当分の間そういう目安もないということになれば、この赤字はだんだん増大していくと思う。それらに対する将来の考え方はどうなっておるか、こういうことをお聞きしたい。
○説明員(村田豊三君) 将来、輸出会社の赤字は、おそらく多少増大するんではないかという不安があるのでございますが、これにつきましては、極力合理化を強力に推進をいたしまして、国際競争に耐えるようにして参ることは、これは当然のことでございます。また、そのために通産省といたしましても、肥料工業の合理化の積極的な促進のために、いろいろな措置を新たにとるようにいたしておるのでございますが、ともあれ、しかし合理化が予期の成果をあげる過程におきましても、輸出が相当激しいということでありますれば、さらに赤字が増大いたすこともやむを得ないというふうな状況になろうかと思うのでございますが、この累増する赤字をどうするかということに相なりますると、ただいまの段階では、結局この輸出の赤字はメーカーが負担をせざるを得ない、輸出会社そのものも、株主はメーカーでございます。従って理論的に申せば、これは当然メーカーが今後といえども負担をいたす筋合のものかと存じます。ただ、まあ非常に将来国際競争も激しくなって参るというふうなことでもございますので、政府としては極力この赤字が発生しないように、ということは、裏を返して申し上げれば、日本の肥料工業が外国の国際競争に十分に太刀打ちできるような、やはり合理化を促進して参って、外国とゆうゆうと太刀打ちができるというときになって、初めて赤字が発生しなくなる理屈になるんでございますから、そういうふうな努力を続けて参りたいと存じます。
○清澤俊英君 ただいま提案になっている肥料整備法ですか、通産に回っていますが、あれはこの第二次合理化に対する法案になりますか、まだ調べませんですが。それで、この前のとき、第二次合理化につきまして重点的なところをお伺いしましたところ、大体合理化資金が三百六十億ぐらいで、老廃設備を改廃して、そうして固形燃料を流体燃料に振りかえる方法を講ずることによって、大体四十七ドルぐらいのものを作り出すんだ、こういう目標になっておる。今聞いておりましても、現在の状態にしますると四十五ドル、そうすると、もう合理化をやっても欠損ができ上り、また諸外国の競争相手国も相当合理化もやりだして、激しい競争が行われるとしますれば、相当数の赤字増大というものは、このお伺いしている範囲ならば見込まれると思う。それを全部損さして商売していくという法案、これは成り立たないと思う、成り立ちませんよ、商売は。少くとも資本主義の段階におきましては、もうかるということが中心なので、損するということが基本になっておるこれは、非常に不合理な御説明と、不合理な上に立っての結論が出ておる。こういうことを考えるとき、ただ、今のような、それは工場側に損を振りかえていくんだというだけでは私は納得できない。そういうことは私はでき得ないと思う。長い間ではでき得ないことだと思う。その点に対して農林大臣一つはっきりあれを出してもらいたい。
○説明員(村田豊三君) 御指摘の点はまことにごもっともな御意見だと存じます。これは若干数字的な御説明を申し上げなければなりませんし、また、この通産省が直接担当いたしておる筋合のものでありますので、私からお答えさしていただきたいのでございます。なるほど合理化いたしまして、今後、目標を四十七ドルにする、ところが今現に四十五ドルぐらいにしか売れていないじゃないか、明かに赤字が累積するのであって、今後赤字が解消していくというめどがないという御指摘でございまして、まことにその限りにおきましては、もうごもっとも千万な御意見だと存じます。ただ、補足をさせていただきたいと存じますことは、合理化の目標をコスト四十七ドルと申しておりまするが、実際四十七ドルで国内で内販いたしました場合と、輸出をいたしました場合には、コスト面におきましても、実は相違が出て参るのでございます。輸出には輸出メリットがございまして、たとえば国内でできたものを北海道に運んだり、あるいは新潟にできたものを中国地方に運んだりするというふうな場合、運賃がかかるとか、あるいは包装もかますを使ったり、これはまた、消費者、農家の方の希望等がございまして、包装等にもいろいろな特別なものを使わなければならぬ、あるいは決済期間が、相当国内取引においては長うございますけれども、輸出ものには、決済の期間が短かくて、金利の面で多少メリットがある、かようにいろいろなメリットを概算をいたしてみますと、二ドル以上のものが計算上出て参るわけでございます。従いまして、国内のコスト四十七ドルにいたすということは四十五ドルで輸出をしても引き合うという一応の計算上の数字に相なるのでございまして、私どもといたしましては、もちろん今後の輸出価格が四十五ドルを下らないかどうかという点は、これは一つ議論のあるところでございましょうけれども、大体世界各国の動向を見ておりましても、各国の生産費もそう今後下るとは思えない節々があるのでございます。そういたしますると、四十七ドルという目標で合理化を遂行いたして参りまするならば、大体四十五ドルで輸出しても、すなわち今のような輸出価格で輸出いたしましてもペイするのではないかという見通しを立てておる次第でございます。
○清澤俊英君 それは五カ年計画ですか、三カ年計画ですか、まあこの前のときは合理化が三カ年計画のようになっておりましたけれども、三カ年あとにならなければ四十七ドルは出てこない。そうすると、かりに今言ったようなメリットで、四十五ドルで売っても損がないというものが三年以後にならなければ考えられない。そうすると、非常に赤字がふえる、ふえた赤字は会社だけが負うていく、内需の場合でもそういう形が出ているのだ。二七%の人は赤字を負うていかなければならぬ。そうしてその上、河野さんじゃないけれども、二十円のリベートがつくとか、三十円のリべートがつくとか、そういう統制というのは私はおかしいと思うのです。つじつまが合いませんよ、商売というものの建前からわれわれが考えたときに。これは大企業だからそういう手品は使うかもしれないけれども、この間も堀本君と話したが、全く納得がいかぬのです、お伺いしただけでは。損して商売をしていかれるという考え方で、それに対する価格合理化というようなものが少しも考えられないとすると、マル公自身にも疑いを持たざるを得ないということです。あるべからざるものがあるとすれば、それは疑いを持たざるを得ない。やるならもっと突込んだ形にして、さっきも河野さんの方でちょっと言われたようでありますが、私はプール詐算等によって一応国家が買い上げるとか何とかの方法をとって、その上に立ってやっぱり合理化を強力に進める、こういう形が私はいいのじゃないかと思うのです。そういうことがさらに考えられないで、ただ、法案は五カ年延ばしました、今と同じ形でやっていく、これでは何が何だかさっぱりわけがわからない形になって現われてきて、どうしていいかわからない、実際わかりませんよ。損をして、そうして何年でも続けられるというような商売は私は世界中にないと思う、そんなものなら商売をやめろといった方がほんとうの筋なんだが、それでもまあ何の面目か知らないけれども、二七%は赤字でもやっていくというようなことが考えられているところに私は非常な無理があると思う。その点どうお考えになっておるのか。
○説明員(村田豊三君) 御指摘の点まことにごもっともだと存じます。実は昨今肥料工業の経営もだいぶ苦しくなって参りまして、すでに配当をしていない会社が数社現われておるというふうなことでございまして、清澤委員の御指摘の通りの現象も実は出ておるのでございます。そこで、さればといって肥料の合理化をやめるわけにも参らないし、また、輸出も積極的に推進していかなければ、日本が結局輸出市場を確保しなければほかの競争国が確保していくということで、これは走り出した汽車みたいなもので、先ほども河野委員からも適切な指示をいただいたのであります、途中でやめるわけにいかないのであります。どうしてもこれは合理化を推進していかざるを得ない、それからその間の経理上の矛盾について、今、清澤委員が御指摘になりましたけれども、まことにごもっともであります。その点、現実にはただいままのところ、輸出赤字というものは輸出会社を通すことによりまして、当該輸出をいたしました個々のメーカーの負担ではなくして、これは日本の硫安工業全体が公平に負担をして参るというふうな負担の公平の措置を実はとって今日まで参っております。具体的に申しますと、必ずしも輸出した会社だけが赤字を負担するというのではなくて、その年の全体の生産数量に応じまして、生産高に応じて赤字分担というふうな措置をとっておるような次第でございます。しかし、これとても、ただいま御指摘のように、何も赤字を公平に分担したからこの事態が解消するものでももちろんでございません。やはり根本的には、これはもう特殊の神風が吹かない限り、昭和三十一肥料年度から昭和三十二肥料年度にかけまして、スエズの封鎖というあの神風が吹きましたときに、日本の肥料は非常に高値に実は売れたわけでありまして、当時はわが世の春を謳歌した時代もございましたけれども、そういう神風は何度も期待するわけにはもちろん参らない。どうしてもこれはやはり根本的には合理化というものを推進いたしまして、外国の肥料工業というものにも太刀打ちができて、輸出によって赤字が発生しないという段階、私どもはその目標を先ほども申したところに置いておるわけでございますが、これは好むと好まざるとにかかわらず、業界もやっていかなければならない、また、政府といたしましても、取り得る最大の措置をやはり講じて参らなければならないということで、午前中にも申しましたように、考えられまするいろいろな措置を、実は今後新たにまたとって、強力に合理化を推進していくということにいたしておるような次第でございます。
○清澤俊英君 いろいろ納得できないところがたくさんありますが、コンニャク問答になりそうだからやめます。 次に、この二表で、計画生産のガス源別アンモニア生産能力(硫安換算)の推移という表を見てみますと、大体先般も申し上げたのですが、三十三年からみますと、流体原料が倍額になっております。従って固体原料は三十四年からみますと四分の一ぐらいです。六十三万四千トンというふうに片方は一割の生産量に減って、片方は八二%に引き上げて、これは工場の生産転換を、まあ先般お伺いしましたところでは、大体ガス体を中心にする、こういうお話しでしたが、三七%ぐらいの工場を転換させる、これを大体ガスに変えるといいますと、そのガスは天然ガスや石油ガスを大体主体にせられるということになると、部分的に散在しておる大部分は新設工場だ、そうすると、その三七%ぐらいのものが、これは不用化される設備になってくる、三七%というものは要らなくなる、こうわれわれはちょっと考えるのです。その点はどういうふうになるのですか。
○説明員(村田豊三君) 実はこの点は、最近の肥料の需給状況等からかんがみまして、また先般、肥料懇談会を開催いたしまして、いろいろ各権威者の御意見等も承わりました。また、その肥料懇談会の結論もお手元にもございますように、原則的には新規の設備をなるべくふやさないように、これを大原則にいたしております。しかし既存の老廃朽施設が相当ございますので、それを新らしい優秀な新鋭の製造設備との振りかえで今後の合理化をやって参る、これを大原則にいたしておるわけでございます。従いまして、具体的に申しますと、たとえば長岡で天然ガスが出たということで、天然ガスのアンモニア工場を今建設中でございますけれども、そのためには富山にある古い電解設備のアンモニア製法施設はスクラップ化していくというふうに全体としては量がふえないけれども、しかし当該工場にとっては、新鋭設備にそれが振りかわって合理化が推進されていくということを大原則にいたしておるわけでございます。
○清澤俊英君 そうしますと、非常にたくさんの工場がスクラップ化するとなると、これは一応、第一次合理化の際に、それを中心にして、免税約四十一億の恩典を受け、六百億の資本をかけて全体が直された、その中にも入っているわけです。そういう金をかけて、まだ利益が上ったか上らないうちにスクラップ化されると、何らか上の形にスクラップ化されたものは償却資金、として考えていかなければならぬ、生産費の中へ形を変えて入っていくのだ、こういうことは考えられる。そうなった場合、まあ今出て参りまする四十七ドル、大体の目標の生産価格というものは、そういう償却の面をこなしてあるのかどうか、こういうことを質問したい。
○説明員(村田豊三君) 御指摘のような償却未済資産につきましても、当然合理化の効果の中には織り込んで計上いたしております。
○清澤俊英君 それで最近、新潟あたりに四工場くらい増設ができる計画ができておるが、地盤沈下等でこれがまあ見込みがないとみえて、だいぶ計画を変更せられたりして困っておる場所がたくさん出てきておる。こういうような状態もありますので、従って、やはり国策として、全体の硫安工業というものを考えていくとき、私は新潟県のことを言うわけではないですけれども、ガスはある地区で相当数量出て参りましても、ある期間がきますと出なくなる。従って常識としては、ガスを中心にした工業等を行う場合には、なるべく広い範囲に配管をやって、そうして常に増減の用意をしておかなかったならば、大きな固定工場等を作るに非常に危険がある、こういうことをいわれておるのです。それらのものを、全部これからのガス工業の方に持てということは、これは非常に私は無理だと思うのです。だから、従ってこれだけの輸出工業とし、日本の農業の基本的な資材である肥料を作るという建前から考えてみましても、これは部長にそういうことを言うのは無理かもしれませんけれども、十分、通産大臣としては考えて、配管等の問題に対しては徹底的な補助等を行なっていかなかったら、私は大きな危険があると思うのです。こういう点に対して、何か現在でも、私はおそらく新潟県等が配管をする、あるいは秋田県で配管設備をやっているというような場合、補助金等の問題でだいぶ問題になっているのじゃないかと思いますが、その点は、今、通産大臣を中心にしてどんな傾向にいくか、わかれば教えてもらいたい。
○説明員(村田豊三君) 御指摘の点は、直接私の方の所管ではございませんけれども、御承知のように、天然ガスの開発につきましては、この開発の仕事がまだ緒についた、比較的新しい産業開発でございます関係もございまするし、それからただいま清澤委員の御指摘の通りのそういう危険性をもはらんでいる産業でございます。従って今日、通産省におきましても、天然ガスの開発に関しましては、かなりの国庫補助金を計上いたしておりまして、昭和三十四年度につきましても、かれこれ三千万円近いものが計上されております。特にただいま御指摘のございました新しい地域の開発だとか、あるいは奥地開発についての配慮は予算的にも当然になされておりまして、パイプ・ラインを引くとか、あるいは排水をやる際の助成・措置を講ずるとかといったような配慮をいたしております。しかしながら、これもまだ比較的新しい仕事でございますだけに、今後にいろいろそういう点について一段力を注がなければならぬ分野、研究が残っておるわけでございます。
○清澤俊英君 あと一点、先ほどこれは河野さんがちょっと御質問せられたので、私ら新しく知ったのですが、三井や三菱のような商事会社がリべートを取って、相当たくさんの硫安を扱う、これは大体内地だけにそういうものが関連しておるのでありますか、輸出会社との間においてどういうふうな形になっておりますか。
○説明員(村田豊三君) 輸出につきましては、日本硫安株式会社というものが、一元的に輸出の窓口になっておりますことは、先ほど来御説明した通りでございます。しかしその際も、何も日本硫安輸出株式会社そのものが、直接の輸出を担当するのでございません。貿易の実務にはまた貿易そのものの専門的な知識や経験も必要でございまするので、輸出会社から輸出の実務は委託を受けまして、三井物産なり、三菱商事なりが代行をいたしております。従って、その代行をいたします範囲におきましては、日本硫安輸出会社から代行の手数料を、これは非常にわずかでございますけれども、受け取っておりまして、何と申しますか、もっと砕いて申しますれば、日本硫安輸出会社の手足のようになって輸出の実務を担当いたしておるという形をとっております。
○清澤俊英君 その場合、さっき問題になった二十円のリベートというものは、輸出会社を通り越してメーカーから直接取るのですか。
○説明員(村田豊三君) 輸出にはリベートという問題は全然ございません。
○河野謙三君 関連して。先ほど清澤委員から輸出会社の赤字の問題が出ましたが、硫安輸出会社の赤字の二十数億というものは、監督の責任を持っている通産省の精査の結果出ました赤字でございますか、それとも、ただ輸出会社が機械的に出した赤字でございますか。
○説明員(村田豊三君) 通産省の精査いたした計算上の赤字でございます。
○河野謙三君 はなはだ意地の悪い質問をしますけれども、そうすると、輸出の二十数億の赤字というものは通産省も認めるところの赤字でございますか。
○説明員(村田豊三君) 説明が要るようでございますから、ちょっと説明をさせていただくのでございますが、輸出会社が個々のメーカーから基準価格で買い取りまして、それに輸出会社の一定の手数料と申しますか、あるいは諸掛りがございます。それを足しまして、それから輸出価格を差し引いたその差額の当該年におきまする累計額でございます。
○河野謙三君 そうしますと、今後、輸出会社がまた継続されるとしました場合、今後における輸出会社の赤字というものは、そういう機械的な形式的な赤字というものだけで通産省は赤字というものを認めるわけですか。私はそれじゃいかぬと思うのですよ。輸出会社の赤字というものは、今のその通産省の説明によると、内地の販売価格のマル公と輸出の価格との差額をもって機械的に赤字だと、こういうふうにまあ御説明がありますけれども、そうではなくして、輸出会社の赤字というものは、メーカーが全資本を負担している輸出会社でありますから、輸出会社の赤字というものは、内地の販売額、マル公に関係しないのです。内地の販売価格と輸出価格との差額が赤字だということでなければいかぬと思うのですよ。そうすると、輸出の赤字というものは、これは私は二十数億なんというものはないと思うのです、現在においては。今後は知らぬけれども。というのは、今考えましても、内地の販売価格というものは、マル公からはるか下のところの二十円なり二十五円、実勢価格の下ったところの価格が内地の販売価格で、その価格と輸出の価格との差額をこれは赤字と言わなければ、赤字じゃないと思うのですよ。そうじゃないですか。同時に、販売条件からいいましても、輸出のものはいわゆる貿手であって、すぐに金にかわるものです。金融機関には信用度の高い手形ですよ。片っ方は六十日なり七十日の、内地の販売は延べ手形ですよ。この条件も違いますし、その他種々雑多な条件が違います。先ほど村田さんは、輸出のメリット二ドルとか言いましたが、そういう御説明がすでにあるのでありますから、そういう内需の販売の条件と輸出の販売の価格を、これを一つ一つ条件を照らし合せて、同じ条件に持っていって、この上の差額というものは赤字だという計算をされなければ私はいかぬと思うのですよ。なぜ政府は進んでそういう真の赤字というものをはじき出さないかと私は思うのです。というのは、輸出会社の赤字は、メーカーが負担するのだと、こう言いますけれども、私はメーカーの負担だけじゃないと思うのですよ。肥料の合理化のためには、一方においては、低利資金その他いろいろ政府が国民の負担において保護助成しているわけですよ。かりに低利資金、設備資金を融資した、政府が。この資金で、もしこっちのメーカーの方で輸出会社に売った金がとれない、二十億も三十億も赤字がたまった。これはいつもメーカーが金融するわけですよ。いわゆる輸出会社に金がないのだから。設備資金を、政府からせっかく世話してもらった金が蓄積の方にいかない。こっちの方に金融が回らないということはだれも保証できないのですよ。メーカーにいった金ならば、工場の経費も本社の経費もみなこれは一つのものですよ。金融は、だからやっぱり回り回って政府が保護しているわけですよね。だから、輸出会社の赤字がふえればふえるそれだけ、メーカーの金融がつまる。金融のつまったものをどうするか。政府が一方において設備資金その他の名目において出した金が、やっぱりそっちの方に回ってくる、こういうことになる。だから私は輸出会社の赤字というものは、政府が、監査監督する権限があるのだから、それによってもう少し、今までのように機械的に内地のマル公と輸出の差額をもって赤字と、それで二十数億たまった、それをとってもって輸出会社の赤字だということを政府が承認するに至っては、私ははなはだ奇怪千万だと、こう思うのですがね。今後そういう方式を続けるのですか。と同時に、私はもう一つ伺いたいのは、ここに輸出会社の期限が切れまして延長する場合に、二十数億、私が申し上げたように、すっかり清算して、そうして新しく輸出会社がスタートする場合に幾ら引き継ぐでしょう。今のこの数字を引き継ぐのか。政府がすっかり監督の責任において精査したものを引き継ぐのか、その点は一体どうなるのですか。
○説明員(村田豊三君) 二十五億という赤字が計算上の赤字であって、実質上の赤字でないということは、ただいま河野委員の御指摘の通りでございます。結局ほんとうの赤字というのは、ただいま御指摘がありましたように、輸出コストと輸出価格の差額が初めて赤字になる筋合のものだと、私どもも存じております。まあしかし、一応形式的には、輸出会社の現実に買い取っておりまするマル公の基準価格と輸出価格との差額で、従前はそういう経理でやって参っております。ただ、御指摘のように、今後こういう形でさらに経理を続けて参る、あるいは今までに出ておる二十五億については、一応限時期間が終って、新しくさらに五年間延長ということに相成るのであろうから、その処理をどうするかという御指摘でございまするが、実は私どもも、この機会に一度この赤字を、先ほど申したように、輸出コストを一ぺん洗ってみて、さらにそれと輸出価格との差額で、きれいに清算をしてみる必要もあろうかとも思っておりまするし、いずれにいたしましても、輸出会社の経理につきましては、通産省といたしましては、直接の監督官庁でございますので、ちょうどこの肥料二法の第一次の期限が七月末で到来をいたして参りまするし、そのときがちょうど決算期でざいますので、関係業界の意向もただしながら、再検討を加えてみたいと思っております。
○河野謙三君 私は確信を持って申し上げることはできませんけれども、私の試算によりますと、今の二十数億の赤字というものは赤字じゃございません。これは逆に輸出会社は私が今申し上げたような角度で計算をすれば、幾らか黒字でございます。ただ、私は確信を持って申し上げませんけれども、輸出会社に赤字があると世間に宣伝されることは、非常に大きな世間に疑惑を私は持つだけだと思うのです。でありますから、この際は、新しくスタートする輸出会社には、今までの赤字というものを精細に、通産省が指導のもとに計算をされまして、そうして、ほんとうの赤字なら赤字、黒字なら黒字というものを出して、私は引き継ぐべきだと、こういうふうに思います。それでありませんと、先ほど申し上げたように、政府は一方において低利資金を融通して、そうして肥料の合理化をやるのだ、そうして国民全体の力において肥料工業の合理化をやりながら、それがあにはからんや、そのうちの全部とは申しませんけれども、相当部分が硫安輸出会社の方の金融に回っておるということに私は当然なると思う。そこらのところを十分きれいに一つ私は計算を建て直してもらわなければいけない、こういうふうに思うのですが、この点についてはもう一ぺん村田さんの、一つの希望意見でもけっこうですから、そういうふうに清算を一ぺんして、そうして新規に出直すという形にするかしないか、あなたの個人的な意見でけっこうですから伺いたい、こう思います。 それからもう一つは、時間の関係もありますので、引き続いて、関連事項とは離れますけれども。貿易関係で関連して申しますが、これもリべートの問題ですが、カリの輸入をする場合に外貨割当をしていますね。そのカリの輸入の場合に、入札して、外貨割当して、その後においてカリ会社がリベートを出す。で、そのリベートを出したカリ会社は、また外国のカリ会社からリべートを取るということになっておるような事実を私承知しておりますが、通産省なり農林省は、そういうことを御存じですか。
○説明員(村田豊三君) 前段の御指摘の点についてお答えをさしていただきますが、私ども個人的には、御指摘の通り、確かにこの機会にきちんと過去の計算上の赤字を整理するというその方法も一つのやり方であるという感じを抱いております。役所全体、監督官庁であります通産省全体といたしましては、なおよく上司に諮りまして、また関係業界の意見等を徴しました上で善処いたしたいと思います。
○政府委員(須賀賢二君) カリのリべートにつきましては、私自身がよく承知をしておらない。係りのものもよく承知をいたしておらないようでありますが、至急調べましてお答え申し上げます。
○河野謙三君 私の申し上げたことをもう少し具体的に申しますと、たとえばアメリカなり、欧州なり、ソ連なりのカリの入札が、あなたの方で厳正に入札できまりますね。その後において、たとえばこれらのカリの輸入割当をもらった商社が、全購連なら全購連なりに、カリの市況が非常に弱いというようなことでリベートを出しますね。出しておることは過去においてありますよ。そうすると、商社が全購連なり、その他自分のお得意さんにリベートを出せば、出しっぱなしでは、それじゃそろばんが合いませんから、今度は外国のカリ会社に対して、国内の価格が、市況が弱い、ついてはこれだけのリべートを出して何とか商売を確保した、だからあなたの方からも一つリベートとして出してもらいたいということで、当然、外国のカリ会社もこちらの代理店と申しますか、輸入商社にリべートを出しますね、こういう経過になっているでしょう。もしそれをあなたの方で知らないと、またそういうことがないということにしても、今後そういうことが行われた場合、私は法律違反になると思うのですが、どうです。その外国の、たとえば五十ドルなら五十ドルで買うのだということで外貨割当をもらった。それでカリを入れたところが、その後において二ドル、リベートがあった、四十八ドルで実際は買えたというと、二ドルの外貨はどこへ行ってしまうのです。政府は大事な外貨割当をしているのでしょう。五十ドル、しかし実際は四十八ドルで取引ができたとういことですね、この場合は違反じゃありませんか。今まで事実がなかったという前提でようございます。あるのだけれども、なかったという前提で、今後もしそういうことが行われた場合には、政府はどういう処置をとられますか。
○政府委員(須賀賢二君) そういう事実があったかないかにつきましても、私どもは十分確認いたしておりませんので、至急調べたいと思っております。なお、これが為替管理方その他に抵触をして違反の事実があるかどうかにつきましても、それらのところを専門に扱っております部局とよく連絡をとりまして、それらの法律関係は至急調べてみたいと思います。
○河野謙三君 これは幸い政務次官が詳しいらしいから……、今申し上げるように、五十ドルで買ったものが実際は四十八ドルであった。その二ドルだけ、要するに政府の貴重な外貨をネコババしたわけですね、これはりっぱな違反だ。何も調査するもしないもないと思うがね、それは政務次官どうです。
○政府委員(高橋衛君) いろいろそういう場合、何らかの条件があるかとも思いますが、単純に、ただいま御指摘のように、五十ドルで輸入をして、そうして五十ドルの代金を払った。その後に二ドルだけ返ってきたということであれば、実際の代価は四十八ドルでございます。従って、差額の二ドル分のもしも為替の手続がとられていないということであれば、その限りにおいては違反だと思います。
○河野謙三君 だから、もし五十ドルというものが、その後の取引の経過において四十八ドルになったという場合においては、その手続をしなければいかぬでしょう。手続をしないで、五十ドルで買ったような顔をして、二ドルだけどっかへ持っていってしまう。これでは明らかに法律違反でしょう。 次に、もう一つ伺いたいのは、この法律は午前中申し上げましたように、過剰対策という法律になっていないのです。だからこの法律そのものは、もし本院をこれで通過させるとすれば、問題はこの法律の運用に非常な大きな幅を持たせなければいかぬと同時に、この運用をするところの通産、農林両省に非常な大きな責任が私は残ってくると思うのです。そこで、その中で一つお尋ねしたいが、価格決定の方式は従前通りバルク・ライン方式そのままで踏襲されるのですか、それともこの価格決定方式は最近の生産事情、消費事情等を考えて、多少の修正を加えようというお考えになっているのか、従来そのままの価格決定方式をとられるのか、どちらなんです。
○政府委員(須賀賢二君) 価格決定の方式につきましては、従前通りの方式で取り進めるように考えております。
○河野謙三君 そうしますと、従前通りの方式でそのまま行われるということになりますと、相当一年ごとに大きな値下りというものを期待されることになりますが、そう期待してよろしゅうございますか。
○政府委員(須賀賢二君) 今回の第二次合理化計画では、五十五ドルから四十七ドルヘということになっておるのでありますが、当初三年ばかりの間は、一応その間に工事が進みます場合その他をいろいろ計算をしてみますると、比較的その効果として出て参りますものは幅が小さいようでございます。と申しますのは、これは河野委員よく御存じでございますが、第一次合理化計画の場合には量産を伴いまして、その量産による価格の期待等が非常に大きかったのでございますけれども、今回の場合はそれがございませんので、比較的初期の間は小幅な値下りにしかならないのではなかろうか。ただ小幅にいたしましても、従来のバルク・ライン方式によりまして計算をいたしましたものによりまして、肥料審議会で十分御審議を願ってきめたいと思っております。
○河野謙三君 そうしますと、ちょっとつじつまが合わなくなるね。今私は経済局長が言われた通りだと思うのですよ。ところが一応合理化の五カ年計画を立てまして。今後四十七ドルかにする、こう言うのでしょう。それは相当大幅な値下りですよ。一方においては量産を伴う合理化だから、値下りというものは二年にしろ三年にしろそう大して期待できない。ところが五年のうちに、初めの二年、三年は大して値下りができなくて、しまいの四年、五年の間に一ぺんに五ドルも七ドルも下げようなんていっても、これはできないことなんですよ。で、私はそれだからどうだこうだということよりも、まあ結論は、五年延ばして合理化を一生懸命でやるけれども、合理化の効果というものはあまり期待しないでもらいたい。こういうことが本音じゃないかと思うのですが、そういうことじゃないのですか、どうなんですか。
○政府委員(須賀賢二君) 五年後におきまして四十七ドルに下るということを期待しているわけでございます。先ほど申し上げた通りの説明でございます。
○河野謙三君 だから、五年後には期待しろと言われるけれども、ただし初めの三年は足踏みだ。あとの四年なり五年で一ぺんに下げる、こういう御趣旨だと思うのだが、これは私はそんなむちゃは言いませんよ。私も多少肥料のことを知っているんだから、むちゃは言いませんが、だからそれよりも三年先にしろ、四年先にしろ、五年先にしろ、大して合理化の効果は、量産を伴うことはできないのですから、大して効果は生まれてきません。といって、効果はないからといって放り出すわけにはいかないので、できるだけのことはやります。これが平たく言って政府のお考えじゃないですか。あまり期待の持てないものを期待を持たして、そうしてあとでがっかりさせるよりは、今のうちにもっとなめらかに、いろいろお互い話した方がいいのではないかと思うのですが、どうですか、村田さん。
○説明員(村田豊三君) さようなお感じを権威者でありまする河野委員がお持ちになることは御自由でございますけれども、政府のその職を奉じておりまする一員といたしましては、極力真剣に第二次合理化を遂行いたしまして、政府も努力いたしますし、業界にもそのかわり忍ぶべきは忍んでもらい、やるべきことはやってもらうように、四十七ドルが実現いたしまするような最大の努力を払って参りたい心がまえでいる次第でございます。
○河野謙三君 最後に私は一つ申しますが、まあこの段階まできて、この法律がどうだこうだと言っても、時間的にも仕方がありませんから、これ以上申しませんけれども、ただ、午前、午後を通じて私が申し上げましたことなんですが、一方においては、メーカーのために国費を投じていろいろ保護助成をすると言いながら、一方においては、それに倍するところのメーカーにまた負担をかけるようなマル公制度をそのまま踏襲するとかいうことで、何だかメーカーのためにもならない、農家のためにも大してならない、ただお茶を濁しているというような、過去のこの肥料の二法の運営をそのまま持続されることは、これははなはだ心外ですよ。もっとメーカーならメーカーのためになるように、農家なら農家のためになる、こういうポイントだけははずしちゃいかぬという点をはっきりとつかまれたらいいと思う。片方の手で与えているかと思うと、片方の手で求めておる。片方の手で求めているかと思えば片方の手でまた今度与えておる。こういうことですよ。非常に法の運営というものについては不徹底きわまるものだと私は思う。私はメーカーの運営が非常に苦しいということもよくわかります。肥料会社で今配当をしておるというようなところは、大体自分の会社の全販売数量のうちの三〇%ないし二〇%が肥料である。肥料の占める部分が小さい会社が肥料の会社としてどうやら配当しているのであって、全生産量の半分以上のものが肥料の値だ、肥料にウエートがかかっている会社がみんな無配もしくは赤字だということは、これはもう現実に現われている。だからメーカーも国で肥料工業育成のために助けたらいいと思う。助けたらいい。助けたような顔をして実は助けていない。メーカーはちっとも喜んでいない。同時に農家もちっとも喜んでいない。私は強く言いますけれども、この法律は農家のためにと言っても、農家はちっともありがたがらない、迷惑千万でちっともありがたがりません。再三再四言いますけれども、農家はこの法律の期限が切れると同時にほうり出したら一番いい。これはこの法律で肥料屋さんはもうかるかもしれませんけれども、しかし農家はありがた迷惑ですよ、こんなもの。だけれども、しいて農家のためにという気持があるならば、この気持が現実に農家のふところに届くように、もっと運営について特段の私は御配慮をいただきたいということを申し上げまして、はなはだ私は時間切れで残念でございますけれども、この法律はまだ討論じゃございませんから、いずれあとで意見を申し上げますけれども、質問はこれで一応打ち切ります。
○東隆君 私も二、三点疑問の点をお伺いいたしますが、硫安輸出会社の計算上の赤字、これを構成するものの中に私はまだいろいろのものがあろうと思うのですが、輸出先の一番お得意であった中共がぶつつぶれておりますから、従って相当入札の価格の点なんかで日本の品物はこれは非常に不利の状態に置かれておると思うのです。そこでいろいろな点で、やはりこれから進めていく場合に、ダンピングが行われるのではないか。品物を輸出するために、肥料を輸出するためにダンピングを相当行なっていくと思うのですが、そのダンピングを行えば行うほど、その分が計算上の赤字になって出てくる。こういう問題が出てくるわけです。ところが私は先ほどカリの話がありましたけれども、単にカリだけでなくて、貿易に携わっておるものは、結局一つも損をしていないのじゃないか、こういう問題が出てくると思うのです。たとえばかりにインドを考えてみるというと、インドから鉄鉱石を持ってくる、そのかわりに硫安を持っていく。こういうケースがあるかどうか、それはわかりませんけれども、そういうようなことをかりに考えてくると、私は貿易をやっておるものは、そのことによって相当の利益を上げておる面が出てくるのではないか、こういうことを考えるわけです。これは実のところを言うというと、その貿易業者が上げたところの利益というものは、これはどこへくるかというと、やはり農民の負担にこれはなってくる、しわ寄せになってくると、こういうように考えるのですが、そういう面はございませんか。
○説明員(村田豊三君) 肥料を直接、ただいま御指摘のようなバーターとか、見返り輸入ということに関連なしに直接輸出いたしました場合には、これはもうその輸出の事態が直接農民にかぶってくるという問題がないことは御理解いただけておるかと存じます。また肥料とバーターで、たとえば肥料を輸出して見返りに砂糖を輸入してきた、砂糖は国内で有利に売れたということが、直ちに直接農民に何らかの影響を及ぼすのではないかという御指摘のようでございますけれども、その点は全然ないのじゃないかと思っております。
○東隆君 輸出価格が非常に安くなるわけですね。安くなるから、この計算上には非常に赤字が出てくるわけだ。この計算上の赤字というものが、結局は響かないと、こういうふうに言われるのですけれども、私はこの計算上の赤字といえども、やはり相当響いてくるのじゃないかと思うのです。それは輸出の価格と、それから国内の生産者価格を同じにしたのですから、そこで押えておるのですから、これは響いてくるのじゃないかと思うのです。そうではないですか。
○説明員(村田豊三君) これは肥料を輸出でダンピングして安く売るから、その安く売った、何と申しましょうか、赤字部分を国内のマル公に転嫁いたしますれば、これは御指摘の通りダンピングのしわが農民に寄っておるではないか、国内に寄っておるのではないかという結論になろうかと存じまするが、海外にダンピングをしようが、すまいが、国内の農民に売り渡しまする硫安は、先般来御議論がありましたように、生産費をもととしたマル公で価格というものが押えられておる。その範囲を越えて売ってはならぬということになっておりまするが、その点遮断をされておるのではないかと存じます。
○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて。 午後三時四十九分速記中止 —————・————— 午後四時速記開始
○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて下さい。 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○河野謙三君 私は、次に申し述べます附帯決議案を付して本案に賛成したいのであります。 まず、附帯決議案を朗読いたします。 臨時肥料需給安定法改正法律案 附帯決議(案) 政府は、肥料の流通の改善を図 り、肥料工業合理化及び肥料の最高 販売価格制定の効果が肥料の消費農 家の経済に真に役立つよう努力すべ きである。 右決議する。 質疑の過程におきまして、るる政府にも意見をつけ加えて申し上げました通り、この法律の改正案そのものは、はなはだ不徹底のうらみがありまして、性格がほとんどないと言っていいと思います。農家のための法律でもなければ、メーカーのための法律でもないというようなことえさも言える法律だと私は思います。と申しますのも、結局、法律の眼目であるところのマル公制度を設定しながら、このマル公の実施に当って、きわめてリベート、その他あいまいなものが従来あったことは、政府御当局もお認めになっておる通りであります。その他メーカーの保護助成にいたしましても、一方においてメーカーの保護助成をするかと思いますと、一方において硫安の輸出の赤字の問題等も処理が必ずしも明確でないというような点がございますので、冒頭に申しましたように、この法律そのものからいけば、きわめて性格のない法律と言ってもいいと思うのですが、私たちは、ただこの法律の運用に当りまして、政府が片やメーカーの肥料工業の合理化のためにも、消費者農家の肥料価格安定のためにも、政府が最善を尽されるという政府の措置に信頼いたしまして、本案に以上申し上げました附帯決議をつけて賛成するものであります。
○委員長(秋山俊一郎君) ほかに御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。 臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって本案は、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました河野君提出の附帯決議案を議題といたします。 河野君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 全会一致でございます。よって河野君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ただいまの附帯決議について、政府の御所見を伺います。
○政府委員(高橋衛君) ただいま臨時肥料需給安定法の一部改正法律案につきまして、全会一致をもって附帯決議をいただきました次第でございますが、政府といたしましては、本法律案審議の過程におきまして各委員からお述べになりました御趣旨も体し、本附帯決議の趣旨の実現するように、鋭意努力いたすことにいたしたいと存じます。
○委員長(秋山俊一郎君) それでは本日は、これをもって散会いたします。 午後四時七分散会 —————・—————