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31回国会参議院1959/03/17

農林水産委員会 第18号

発言数
198
登壇者
10
会派数
3
開催日
1959/03/17

会議録

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  小かん加糖れん乳等の製造の用に供するため売り渡す国有てん菜糖の売渡価格の特例に関する法律案、日本てん菜振興会法案及び臨時てん菜糖製造業者納付金法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)を一括議題にいたします。  これらの法案につきましては、去る二月十一日及び二月十七日の委員会において提案理由の説明を聞き、去る三月五日の委員会においてこれらの法律案の前提となる政府の甘味資源総合対策について、当局の説明を聞き、続いて去る三月十二日の委員会において、これら三つの法案を議題にして質疑を進めたのでありまして、なお、小笠原委員から御質疑の御要求がありますので、ただいまから小笠原委員の御質疑をお願いすることにいたします。  ただいま当局からは農林政務次官高橋君、同振興局長増田君、食糧庁長官渡部君の主君が見えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 私不勉強でわからぬものですから二、三お尋ねしたいんですが、砂糖の国内自給百五十二万トンを設定したということと、テンサイ糖を伸ばしていくということとは、鶏と卵の関係でいえば、どつちがどういうことになりますか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 砂糖の消費を十年後に百五十二万トンときめましたのは、人口の増と、現在一人当り十三キロ七使つておるのが、所得がだんだん伸びるに従って十五キロ程度にはなるだろう。人口の増と所得の伸びに応ずる消費の増を見まして出しておるのです。十年後に百五十二万トンになるだろうという推定を掲げておるのであります。しからば、この砂糖を果してどの程度国内で生産できるかということは、結局、現在のテンサイ糖なり、カンショ糖なり、結晶ブドウ糖なりの生産状況、それからこれをいろいろな技術改良その他の施策を講ずることによって伸ばし得る可能性というものを十年間どの程度だろうかということを推定いたしました。テンサイ糖四十万トン、カンショ糖二十万トン、結晶ブドウ糖十五万トン、合計七十五万トンというものを国内で十年間に自給ができるようにしたい、こういう考え方であります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それでテンサイ糖が十年後にそれだけの生産を上げるという見通しに立つた根拠、そういうものはどういうふうなんですか、技術的な点も含めて。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) テンサイ糖につきましては、四十万トンのうち三十万トンを北海道、十万トンを内地、こういう推定を下しております。まず、北海道につきましては、先般の委員会で資料に基いて御説明申し上げましたように、北海道の畑地の改良、その可能性、これは土地改良、土壊改良、品種改良あるいは農機具の導入、こういうものを考えまして、かつ、畑の輪作体系というものを考えますと、約八万町歩毎年作付が可能であるだろう、また畑作改善からいったら、そこまで可能にしなければならぬ、そうしますと、約三十万トンの生産が可能になる、こういうことでございます。残り十万トンを内地に期待しております。このうち東北方面は、いわゆる寒冷地でございますから、北海道様式のテンサイが栽培できる、大ざつぱな見通しでは、それによって砂糖二万トン程度ができるであろう、残りは暖地ビートでございまして、これは最近十六万町歩以上になっております。水稲の早期栽培の裏作、さらにまた内地の畑作的善から、畑作の輪作の中に一つ入れていく、こういうことで、暖地ビートとして八万トン程度を予想いたしておるのであります。御承知のように、先ほど申し上げました通り、消費に比べまして、ほかの作物でございますと、でき過ぎますと、いわゆる豊作貧乏ということで、供給過剰という現象が起るのでございますが、テンサイ糖につきましては、どんなに努力いたしましても、砂糖の消費量を大幅にまかなえるところまでには、これはなかなかむずかしい、努力を要する問題である、そういうことでございますから、現存の技術あるいは輪作等から考えまして、可能の最大限度を目標にしてそれに向つて努力を傾倒した方がいいのじゃないか、こういうことで四十万トンを計上しております。ただしこの中には、先般も振興局長がお話しになりましたように、相当土地改良等については、財政資金も必要とします。従って、財政資金のつきようによっては、十年の計画が多少延びるものもあるかもしれません。また暖地ビートの関係では、これはイタリア等の例を見ますと、あるいはまたイギリス等の、これは暖地ビートではございませんが、ビートの生産の伸びの状況を見ますと、いよいよ栽培が技術的に可能ということになりますと、その伸び方は予想以上に早いのでございますから、四十万トン見ておりますが、非常に生産が伸びるファクターと、時期がずれるファクターと両方がございます。しかし、一応そういった点は考慮しまして、十年後に四十万トンという目標を掲げておるのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 東北の寒冷地ビートですが、これを十年後二万トンと予想するということであれば、そうすると、十年後の予想される作付反別は幾らになりますか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 東北の場合におきましては、青森並びに岩手の北部、これを計画の中に一応入れまして、おおむね六千町歩の反当収量は四千百斤、これに基きまして産糖量二万トン、こういう計算をして計画の中に織り込んでおります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 あとでもお尋ねしますが、この部分は一点だけにとどめますが、寒冷地ビート二万トンというのは、反別にして六千町歩、一工場が予想される、そういうことですね。あとは東北にはこれ以上寒冷地ビートとして工場生産をふやす余地はない……。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 東北六県でございますが、これに対するビートの作付可能に関しましては、これはまだまだ私は余地があると思います。現在、昭和三十一年度より東北六県におきまして、ビートの試験研究がそれぞれ試験場において行われております。三十四年度におきましても、引き続き実施する予定であります。なお、作付可能の地帯に関しましては、青森県、岩手県のほかに、宮城県に対しても、大よその調査がありまして、岩手、青森の場合におきましては、将来、開拓等の振興とにらみ合せますと、六千町歩上回ることも可能であります。宮城県の場合におきましても、やはり数千町歩の作付可能が見られるわけであります。福島あるいは山形、秋田等の場合におきましても、それぞれ現在、先ほど申し上げました通り、現地の適応試験をやつております。これに合せまして調査も行なっておりますので、こういう地帯に関しまして、今後ビートの作付の拡大が可能でありますし、従って、それによりまして、工場の新設も可能であるというふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 私の尋ねておるのは、暖地ビートになるか、何ビートになるかわからぬが、それは除外して、今北海道のそれを導入して、そのまんまやつて危なげないという方式のものとしては、十年後六千町歩程度、一工場、これが限度だ、こういうことなのかどうかということを聞いておる。他地域のことを聞いておるわけではない。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) お尋ねの、北海道で現在やつております畑地帯のビートと、これに対しまして、私どもが暖地ビートという場合におきましては、一応水田裏作を考えておるわけでございます。従いまして、これに対する品種は、現在東北地帯におきましては、北海道と同様のGWの系統、すなわち導入一号から四号の系統で、現在試験を実施しております。そのほかに北海道で育つております本育一九二号、この品種も加えまして試験しておりますので、やはり東北地帯にかけましては、これは寒冷地ビートと称していいだろうと思います。従いまして、寒冷地のビートをさように考えますと、私、先ほど申し上げました通り、単に、青森及び岩手の北部地帯におきまして、一工場だけでなしに、今後さらに相当の数の工場が試験研究の進展につれまして、その可能性が明らかになってくるというふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 この東北の問題は、局部的なものですからあとに回しまして、法案そのものについてお尋ねしますが、この納付金制度というのは、建前の上からは、振興会を作る作らないにかかわらず、税法改正に伴う措置として当然やらなければならないという意味で、この制度が政府として考えられているのかどうか、この点をお伺いしたい。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これはお話の通りでございまして、関税と消費税を切りかえますことによって、ここに法律の第一条に書いてございますように、固定資産の償却が非常に進んでおる会社では、他のてん菜糖製造業者に比較しまして特別の利益金が生ずる、これは制度の切りかえによって、反射的にそういう特別の利益が出てくる、それをそのまま放置してもよろしい、こういうことでございますれば、あとは税金で主税局が取ればいいということでございますが、もしそのまま放置して税金だけで処理しようとしましても、その利益額が大きいので、他のてん菜糖製造業者なり、あるいは一般砂糖の流通市場に対して悪影響を惹起するおそれもございますから、取り上げる、その取り上げた金をどう使うかという問題は、この法律とは全く別個の問題でございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それを五年限度にとどめるというふうにしたのは、どういうことですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 第一点は、新らしくできましたその他の工場も五年もたちますれば償却等も進みますし、それから製造技術も向上するということで、旧来の工場との開きがだんだん少くなってくる。もう一つは、やはり旧来の工場も相当年数がたつておりますから設備の陳腐化等がございますので、これを相当手直ししなければならない、そういう費用もだんだんかかっていく、そういう方面から見ますと、五年程度たちますれば、この特定の工場とその他の工場の利益が出る開きはだんだん縮まつてくる、こういうことでございます。五年がいいのか、六年がいいのか、十年がいいのか、これはいろいろ見解の相違はございますが、私どもの方で新しい工場の製造技術の向上、古い工場の今後の修理あるいは陳腐化の取りかえ、こういうような計画を現在の状況でにらみますと、大体五年間が適当なところであろう、こういうように考えたのであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 これは給付金でない、納付金として法律上立ち入り調査権その他をもって税と同様な形でこの種の金を取つておるわけなんですから、従って、今あなたが五年でいいか、十年でいいか、あるいは七年でいいか、これはいろいろ見解の相違だと、その通りに私も思うのですが、法律の建前からいえば、そのつどつどの納付金を徴収するがためのいろいろな調査を国として客観的にするのですから、調査の経過の中で利益率が安定してくると申しますか、企業経営が安定し、各会社、工場のアンバランス、不当競争、そういうことがここに起らないという実績を見たときに、農林大臣が負けてやるとか、経過的には負けてやるとかなにするとかということにして、そうして実態が伴ったときにこの法律を廃止するということが正しいのであつて、初めから予想もつかない形でありながら五年というふうにきめたという、これはどうも私には納得いかぬのでありまして、法律の建前通り動かしてみて、そうしてこの方が納付金制度をとる必要がないといったときに新たにこれを廃止するということが正しいのか、なぜ五年とか六年とか、かりにこういう限度を設けるのか、それは振興会の法案とは関係ないというけれども、振興会の法案は五年間の財源を見て、その事業範囲で十分やれるとなって、それ以上は取らぬということにしたことと何か関連があるように私は思えてならぬのですが、関係がなくて、これは納付金制度は納付金制度として新たに設けるのだということなら、何も五年とか六年とか限度をきめる必要がない。調査の結果、もうその状況にあらずということになつたときに、この方をやめてけつこうなことで、その方が原則的には筋ではないか、そう思うのですが、いかがですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) この法律は、具体的には現在日本甜菜糖が三工場、それから芝浦精糖、北海道経済連がビート糖を製造しておりまして、この三社でやつております。そうしてこの法律に該当する納付金を納めますのは、第二条に規定いたしてございますように、昭和二十九年から昭和三十三年まで毎年、その製造したテンサイ糖の全部または大部分を政府に買い入れられたもの、こういうものが昭和三十四年十月一日から昭和三十九年九月三十日までの期間内においてその製造場から移出したテンサイ糖につきまして、一キログラム当り六円で計算した金額を納付金として政府に納めさせる、こういうことにしているのでございまして、この算出の基礎は、先ほど申し上げましたように、法律では抽象的に書いてございますが、具体的には日甜の三工場が——新しくできた工場は大体二十億以上の固定設備費がかかっているけれども、旧来の日甜の三工場では一工場当り二億くらいの固定設備費になっているのでございます。そういうところから関税、消費税の切りかえに伴つて、この旧来の三工場に特別の利益が出てくる。この会社のコストも日甜の三工場は、ことしの価格で申し上げますと、斤当り四十五円五十銭でございまして、芝浦精糖は五十四円三十五銭、北海道経済連は五十七円三十銭、こういうふうに開きがあるのでございます。この芝浦は二年目のコストでございますが、当初は六十円十銭という値で政府が買い上げておりますが、北連は今年が初めてでございます。五十七円三十銭、こういうことでございます。こういうふうに非常にコストの開きがございますが、それをそのまま放置することが、不当競争あるいは製糖業界に悪影響を及ぼす、こということから納付させるのでございまして、しかし、日甜の三工場も補修をいたさなければなりません。  それから先ほどちょっと説明を落しましたが、日甜ではこの三十四年から美幌という所で新しい工場が運転するのでございます。この工場はやはり芝浦、北連と同様に新しい施設でございますから、相当の固定設備がかかる、その負担分を従来の工場から出す砂糖にも負担してもらわなければならい、そういうことで日本甜菜糖の砂糖の平均価格としては四十五円五十銭よりも高くなるわけであります。それから一方芝浦の例で御承知のように、初年度は六十円だったのが二年度は五十四円三十五銭、私どもは現在の物価の状況からいえば、ノーマルな運転ができる場合には五十三円程度のテンサイ糖のコストになる、こういうふうに考えておるのでございます。その両者を、日甜側のこれからかかる経費、それから新しい会社が順次ノーマル運転に入っていった場合のコスト、これをにらみ合せますと、大体五カ年間取れば、五カ年後には双方のコストの開きがそう開かない、正当な競争が可能になる、こういうふうな点をもとにして計算いたしたのでございます。  お話のようにこれを無期限にしておいて、その時その時に状況を見て納付金の額をきめ、あるいは納付金を廃止するということを別個の法律できめたらいいじゃないか、こういうお考えもあると思いますが、しかし、その点はやはり一方からいいますと、製造業者の側からいいますと、いつになったら納付金を納めなくてもいいことになるのだ。それからまた一方、納付金を算出した場合には、国内の標準糖価というものも一つの基準になっておりますから、糖価が全然動かないということも予想できません。糖価が変動した場合にその変動したときに、ここに一キログラム当り六円ときめておるのが、六円にするのか三円にするのか、そのたびそのたび問題になるのでは会社の運営上おもしろくない、こういうふうな関係もありまして、先ほどのように五カ年間とれば大体競争ができる。それからまた一方からいうと、五カ年でこういう制度はやめになる、それまでは一キログラム当り六円納めればいいんだ、こういうことを示すことは、行政上、企業の安定を期せしめるゆえんである、こういうふうに考えておるのであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、この一キログラム当り六円という六円そのものはもう動かない、五カ年間動かないときめて、動く場合には、工場が不時の何か起った時に限るので、糖価の変動等に伴うなんていうことはもう考慮の範囲外である、こういう形になっておるのですね。そういう点と今のたとえば、一応無期限にしておいて、もう少しその糖価の変動に見合うようなそういう幅のある納付金の取り方というものは考えられないのですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) この法律では第四条で、工場が災害で損害を受けたとき、あるいは砂糖の価格が長期にわたりまして異状な低落をしたような場合、二年も三年も糖価が予想しておる糖価から下った場合、こういうことでございます。そういう場合は一部減免ということが考えられております。しかし、第八条で、一般的な場合には災害の程度が四条で規定しておるように「著しい損害」という程度にいかないけれども、工場の操業がある程度落ちたというような場合、あるいは砂糖の価格が長期にわたりまして、政令で定める価格水準——これは斤当り七十三円というものを予定しておりますが、そういった場合には、一応キログラム当り六円というものは権利を留保しますけれども、申請があった場合には、まず三年以内の期限を限って徴収の猶予をいたしまして、さらにその三年でも足りない場合には、事情をよく精査いたしまして、もう二年間延ばそう、合計五年間は徴収の延期を認めることにいたしまして、五年間に一キログラム当り六円を納めるという義務は、そういったテンサイ糖製造業者の責任でない理由に基く場合には、あと五年間徴収の猶予をいたす、こういう考え方に立っておるのであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 まずその点はおきまして次に尋ねますが、結局、法律案ではこう抽象的に書いてあるが、具体的には三つの会社が対象になるのだということですが、三つの会社のうち、今後砂糖を食管の方で買い上げることに該当する工場を持っておる会社はどれなんですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) この納付金の対象になる会社は日甜だけでございます。日甜だけの三工場ですね。それからあと現在動いておりますのは芝浦精糖と北連、今年の秋から台糖の伊達工場が動きまして、あとで申し上げました三工場の分は、希望がございますれば全部政府が買い上げます。その買い上げる際に、北連はこの秋製造する砂糖も工場別の原価計算をいたしまして買い上げます。それから台糖も工場別の原価計算をいたしまして買い上げます。それから芝糖は、これは標準価格で買い上げます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、日甜には台糖、芝浦、北連で買い上げると同様の規格の工場はないわけですね。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 日甜ではこの秋から美幌の工場が動き出します。そうすると四工場ということになります。先ほど申しましたように、この新しい工場で起るコストを、従来の新工場のコストと見合つて一応想定いたしました五十八円程度ですね、その五十八円程度とこの三工場の四十五円五十銭ですね、その開きがありますから、三工場の製造予定と新しい工場の製造予定と加重平均しまして、そして四十五円五十銭に新しい工場の分も加算して、そして六円をはじき出しているわけでございますから、一応日甜の分は、納付金を算定するときに新しい工場の分も、日甜の総体の砂糖のコストというものを計算しまして出しておるのであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、建前としては日甜だけは行政的にただそういう扱いをするというだけのことであって、法律上そうやらなければならないとか、やっていいとかいうようなことは何もないわけですね。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これはてん菜生産振興臨時措置法の第四条で、「政府は、第一条の目的を達成するため特に必要があると認めるときは、」「てん菜糖の製造を業とする者からてん菜糖の買入をすることができる。」という、こういう任意規定になっております。従って、特に必要があるかどうかという認定の問題になってくるわけでありまして、日甜の場合は、先ほど申し上げましたように、今度の関税、消費税の切りかえによりまして、関税込みの輸入糖の価格が六十円四十銭、糖価七十三円と推定すればそういうふうに予想される場合、従来の工場のコストが四十五円五十銭、それに新しい工場のコストの増を見込みましても、まだ六十円とは相当の開きがありますから、日甜の場合は買い上げの必要がない。日甜といたしましては買い上げを政府に申し出る、何といいますか、そういう自分が売った方がよけい利潤があるということになりますから、買い入れの申し込みを政府に対して要求するはずがない、こういうふうに私どもでは考えておるわけであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そこが現実問題として私のわからないところで、とぼけた質問になると思うのですが、この法律が通ったあとに日甜からどんなもうけが出ようと六円は六円だということになるから、六円は六円で三工場の採算の上で取つてくれ、新工場の分は政府が買って下さい、こうなったときには損なのか得なのか。食管の方では、工場間のプール計算をしてくれ、われわれは買わぬというても、いや、私たちは法律の建前から工場ごとに計算して、そうして六円の分は出します、ですから新工場の分は当座買つてもらいたい、こういうことになつたらどうなるのですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは先ほどから申し上げましたように、コスト計算しますと、六円を取りましても、私の方では、先ほど来説明いたしますように、旧工場の修理費とか、新工場については、従来の新工場の個別価格を見ておりますから、日甜は新しくできる工場を加えて四工場の砂糖を、これは砂糖としてはもうしるしはついていないわけでございますから、どう売ろうと、とにかく日甜として最大の利潤を確保するように考えればいいわけです。その際にコスト計算して、僕の方で推定してお前の方は政府に買つてもらわぬでも自由に売れる余地があるんじゃないか、こういうことをいえば、それでも政府に買つてもらわなければ困るということは日甜は言えないだろうと思います。そこで、第四条の一項の「特に必要があると認める」わけには政府はいかないんだ、この第四条というのは生産振興臨時措置法の前の法律でございますが、こういうことが言えるのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 どこかこの条文の中に、一会社の各工場をプールして計算して、この納付金なら納付金を取るん、だということが書いてあるんですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) そういうことは書いておりません。ここで書いてございますのは、納付金の第二条に、昭和二十九年から三十三年までの間に政府に売り渡した工場、そこから今後五カ年間に製造して売り出す数量について、一キログラム当り六円、これだけを書いてございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 だから、会社側がこれだけの範囲で六円の納付金を納める、一方、新工場は振興法に基いて政府の計算した五十八円何がしのコストで買つてもらう、そういうことを言われたら、いや、それはだめだと言えるんですかというのです。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) ですから、その一キログラム当り六円で計算する場合には、この第二条の昭和二十九年から三十三年までに製造したテンサイ糖工場の分のコストを計算する場合に、新しい分のやつを加算して計算して六円をはじき出しておるわけでございます。ですから、もっと繰り返しますと、その見込みが少いと、見込み方が少いということになりますと、お話のようなことが出てくると思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 だから、加算して計算するんだということはどこかに書いてありますかというんです。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 書いてございません。この計算の基礎でそういう説明をして、別のてん菜生産臨時措置法の申し出があった場合に、いや、君のところのは買う必要はない、こういう計算をして君のところはまだ自由に売る余地があるんじゃないか、こういうことで日甜は得心せざるを得ない、それでも政府に買えということは要求できないと、こういう計算の基礎になってございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 私の申しているのは、現実に合うか合わぬかは別個のことです。架空の話をしていて、前提としてはですよ、架空の話をしているんですが、日甜に見られる特令的なものである、従って、法律条項には何もそういうことは出ていない。従って、この法律の表面の字づらでは、その旧工場の利潤のあり過ぎる工場、それはその工場単位の採算をコスト計算をして、適当なものとして六円を取る。六円以上の利益が上ろうがなにしようがかまわぬ、六円ときめたんだ、だから、その工場単位だけの計算を六円にしてもらいたい、新工場の方はあくまで独立採算でやはり考えて、これは振興法に基いて買つてもらいたい、こうなつたら、それはいかぬと、それはプールなんだ、プールした上で、なおかつ、六円出すのだ、お前の方はそれだけ出せる余地があるじゃないか、これでただ押していくというだけなんですね。どつちが得か損かということの計算が私にはわからぬから、架空のことになるのですが。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 法律論といたしまして、そういう主張をすることはできます。できますけれども、今度このてん菜生産振興臨時措置法の第四条は、買うか買わないかは政府の認定にまかされているわけです。ですから、政府の認定が、買う必要がないということになりますれば、その認定の基礎について得心すれば、それ以上の要求はできないと思います。得心しなければ、お説のような要求は当然できます。これは法律論になります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 絶対そういうことにはならぬのだということですから、まあそれはそれでようございます。今度は振興会の方をお尋ねしますが、振興会の五カ年間のしりに残つた、五カ年後の運営する資金は幾らになるのでしたつけ。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは、お手元に振興会の事業計画をお配り申し上げておりますが、「日本てん菜振興会の収支計画の概要案」、こういうのでございますが、収入は、三十四年度は一般会計から一千万円の出資を予算に計上していただいてございます。三十五年以降三億三千三百万円を五カ年間に一キログラム当り六円の割で徴収しまして、その合計が十六億七千五百万円ということになるわけでございます。これを、支出の方を見ていただきますと、施設費として、研究所を三十五年、三十六年、三十七年、三十八年に、本場、分場を約二億五千万円かけて作りたい。それから試験研究費は、初年度は四千八百万円、平年度は大体五千二百万円程度でまかないたい。これは大体五十人内外の人員を要する研究所になります。それから生産振興事業費、これは生産の振興のためにいろんな奨励事業をやることになっておりますから、一応毎年二千万円ずつをその方に使いたい。それから本部の経費としまして、平年度千二百万円で合計八千四、五百万円の経常費があればいい、こういうことになります。振興会の受入金を、この経費をまかなえるような運用の仕方をすればいいということになるのでございます。そこで、一番上の収入のところで見ていただきますと、資本金充当分、補助金充当分、こういうふうにいたしまして、十六億のうち、資本金充当分が十四億四千二百万円、こういうことになっております。補助金充当分が二億三千二百万円、こういうふうに考えております。この十四億四千万円の中から二億五千万円というものを施設費に使いますから、繰越金、カッコして基金となっておりますが、これが十一億九千、約十二億円を基金といたしまして、これを運用いたしまして、その運用益で研究所、振興会の経常費をまかなっていくようにいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 大体十六億七千五百万円というものは納付金によってまかなうということで、納付金はキロ当り六円だときまつておる。従って、五カ年の限度だということから、十六億七千五百万円と財源がはじかれる、そうしてその範囲内でまかなう、そのうち十二億は基金に残して、六年目以降は基金の運用益だけで運営していく、それまでの間は十六億七千五百万円から施設費、主として施設費として使つていくんだ、こういうことなんですね。ですから、これは、初めから振興会というものはどれだけの事業をやるべきであつて、どれだけのことをやらなければ日本のテンサイ栽培の発展に資することができるとかできないとか、そういう計算の上に立つたものではないですね。与えられたワクの中でやるということなんですか。そこで聞きたいのは、これで十分なのかということです。十年間四十万トン、この砂糖を生産するのに十分な資金であるかどうかということです。  それからその前に、この答弁をいただく前に聞きたいですが、振興会は所管局はどこなんです。農林省の。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは日本てん菜振興会法案の第二十三条に規定いたしておる事業を行うのでございますから、振興局、食糧庁、技術会議、この三局の共管になります。  それからもう一つの点は、非常にデリケートな問題でございまして、何といいますか、一応五カ年間の納付金でつじつまを合わしておるのでございますが、普通の行政機関の規模でいきますと、あまり潤沢過ぎる、こういう一方の説がある。それからまた、もっと急ピッチにテンサイの振興をしなければならない、こういう向きからは、こんなことじや足りない、こういう意見があるのでございます。そこで、結果的には、一応五カ年間の納付金をもとにしまして、それに合うようにこの計画を作つておるのでございます。しかし、これは振興会が動き出しまして、これで足りないということになれば、さらに政府の財政資金を導入していただくなり、あるいはまた、ここに寄付金を三十六年からいただくことになっておりますが、この寄付金はテンサイの生産業者から、操業五カ年以降になれば、斤当り三十銭ぐらいの補助金を操業五年目からいただいてもいいじゃないかということで、一応そういうのを組んでおりますが、発足はこの計画で発足いたしまして、その後事業の状況によって、財政資金なりあるいは寄付金を請うことも考えておるのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 多いのか少いのかということでお尋ねするのですが、十二億八千万かの運用益が八千四百万ですか、その後出てくるのは、支出が八千四百万のようですが、それでこの八千四百万円を五カ年間使えば、この十年以降一番最初にお話しになつたような生産を上げるだけの仕事の基礎ができる、こういうことなんですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは四十年以降には約十二億が基金となって、その基金の運用益でこの振興会の経営運営ができる、こういうことになっております。  それからテンサイ糖の十年後の生産目標を四十万トンとしておるのでございまして、それで終止符を打つというつもりはないのでございます。日本の農業経営の現状からいって、これだけ作りましてもまだ半分しか……十年後この目標通り到達しても需給が半分でございますから、その残りの分もできるような研究を継続することは必要であろうというふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 だから、私の聞いているのは、八千四百万というのは、施設関係ではもう要らぬ、基礎は五年間にできる、施設関係は——。全然これは試験研究費とこの生産振興事業費に引き当てるのだ、本部経費はむろんですが、本部経費一千二百万を引くと七千万ばかりですが、七千万ばかりの金を後半五年間に投入してやつていこうということなんでしようが、あとは一般会計予算からは、おそらく振興会の金があるのだからということで出る見込みはまあないのだ、かすかなんだ、そうすると、これで日本のテンサイ生産振興ということがもう十分なんだというお見通しなのかどうかということを聞いておる。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 当面の目標としてはこれでやりたいと思っております。先ほど私が申し上げましたように、さらにあと十年あるいは二十年という問題は、やはり財政資金を投入することで考える以外に方法はないと思います。それに努力すべきであると、こう考えます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それじやまた別な疑点になる点を尋ねますが、三十六年からさっき話しました新工場の操業五年後ですかになるものからキロ当り三十銭の寄付を取る、これと納付金というものと性格はどうなるのですか、内容は。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは、納付金は制度の切りかえによる一定の利益を法律によって納付させる、しかし、振興会が動き出しますと納付金を納めない会社も振興会の利益の恩典に沿することになりますから、一斤当り三十銭くらいならばそう負担でなく、原原種及び原種の改良とか、そういうふうなことで納めていただいてもいいのではないか、こういう期待でございまして、これは強制するわけにはいきません。そのときの模様で現に日本甜菜糖業協会にも相当の出捐をしてやつておりますから、振興会ができましてもそつちの方にもそういう御援助はいただいてもいいのではないか、こういう期待を持っておるわけでございます。  それから先ほど斤当り三十銭と申し上げましたが、キロ当り三十銭でございますから御了承願いたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 従来も何かこの種の団体から、寄付を受益者とみなされるのから取つている例もあります。従って、この程度のものはだんだん利潤も上るのだからもらつてもいいんじゃないかという考え方について私は疑念があるから聞いておる、そういう考え方に。そうすると、この日本てん菜糖振興会というものは製糖業者の利益につながるということにどうしてもなりがちでないかという疑念については、そんなことはないということができますか、こんなやり方やつて。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 振興会の行動を考えた場合には、やはりこれはテンサイの生産者、テンサイ糖の生産者それぞれに関係することであるから、政府及びその関係者が出資した特殊法人を作つたらどうかという説もあったのでございます。しかし、その点は、御指摘がございますようにあくまでも試験研究は国の仕事を代行するのであるから、そういうところの出資を受けると、お話のように業界の利益代表的な行動をされても困るということから、全額政府出資の特殊法人ということに踏み切ったのでございます。しかし、この法律二十三条にございますように、「てん菜糖の消費の増進を図るための普及」あるいは「てん菜糖の製造に関する技術の企業犯に関する試験研究」を委託する、そういうふうな事業をやりますし、それからまた委託を受けた場合には「てん菜の種子の生産及び配布を行う」と、こういう事業もありますから、その限度においては、やはり受益者が出てくるわけでございますから、その受益のあるという点から、出資のようにその特殊法人の行動を特定の方向にゆがめると、こういうふうな心配のない限りにおいては、寄付をいただいてもいいんじゃないかということで一応事業計画の中には入れております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 この寄付の総額はこれは幾らですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは一キロ当り三十銭の割りで計算をしておりまして、三十六年にはこれは一工場だけになりますから五百六十万円、三十六年に五年目に該当するのは芝浦の工場だけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 トータルは幾らですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 五百六十万円、それからその次は二工場期待しますから、その倍でございます、千百二十万円。それから三十八年にはもう一工場動きますから千六百八十万円、この三工場分として千六百八十万円を現在のところは期待いたしておるような次第であります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それは四十年度以降はどらなるのですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 四十年度以降も一応この金額を計上いたしております。しかし、これは三十六年以降になりますと、新しい工場の導入が考慮されておりますから、四十年度以降には今の一キロ三十銭の割りでいきますとまだ五百六十万円ふえると、こういう一応の試算になります。しかし、これはあくまでも寄付でございますから、振興会の事業の伸展状況、振興会が製造業者等に与える便益のあり方によってこの寄付の織り込み方は考えなければいかぬ、こういうふうに考えます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、これは納付金制度の見合いとして、まあ放置できない、おつき合いさせろという意味のことで、金額には何ら拘泥しているわけではないということなんですか、端的に言うと。振興会の事業運営上千六百万円、ないしそれ以降においてふえていく寄付を必要とする、資金上、運用上必要なんだということで取るのではないね、これは。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) その通りでございます。ただ受益がありますから、そのままにほうっておくよりも、多少振興会の仕事に関心を持たす、そのことがひいて日本のテンサイ、あるいはテンサイ糖業の発展に寄与するもの、こういう考え方で、賛助金というふうな考え方にしたらどうかということですが、賛助金というのもこれはおかしいので、やはり何といいますか、法律的には寄付金という名目になってしまう、こういう考えでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 この振興会の財源は納付金をもって充てるのではないのでしよう。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 納付金は国の雑収入に入ってしまいます。振興会は一般会計から振興会に対する出資金または補助金、こういうのです。一般会計から出されることになります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 法律上は、納付金を見合いにして政府出資をするのだというようなことはどこかで明記されておるのですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 全然ありません。これは法律上は関係のないことでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 法律上は全然関係がなくて、国の所要経費として、テンサイ振興の研究事業推進のためにこういうものに出資するとなっておるのに、振興会に入れる寄付金の方は、納付金を納めていることを前提にして、寄付金というものをつき合せるという形があるのでしよう。これはおかしいじゃありませんか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) ちょっと説明が足りなかったと思います。納付金を納めている間は、納付金を納めている会社から寄付金をダブつて取る考えは持っておりません。しかし、納付金を完了した後には、やはりそのほかの会社と同等に一般的な恩恵を受けるのでありますから、そのほかの会社と同等な寄付金を私の方は取りたい、こういうふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 だから、その点について私は疑問を持つのです。そうすると、法律上、明文上はどこにも出ていないのに、振興会というものは、納付金であろうが寄付金であろうが、形式は政府出資とあるけれども、われわれ会社が出した金でやつているのだ、だから、われわれのために第一の利益が上るようにやつてもらいたい、こういう主張ができるような形になっているわけですね、あなたの答弁からいっても。納付金をとつているものから寄付金は取らぬ、それから寄付金というのもおつき合いのために出させるのだ、片方から納付金を取つているからいいのだ、納付金を納めない方から寄付金で取るのだ、けれども、法律上は振興会と納付金制度とは全然別個のことである、振興会は政府責任で政府の方でやることなんだ、ところが、実態は、振興会というものは、いやそうでないのだ、会社の出した納付金と寄付金で運営するのだ、こういうことも実態の上には現われておるわけです。そうしたら、これは製糖業者のひもつき運営ということが私が将来起つてくるのでないかと心配することは、あながちめちゃくちゃなかんぐり方だとは言えないじゃないか。その点を聞いているんです。しかも、この振興会が発足もせぬのに、寄付金等を目当てにしているんだなんという事業計画が、この法案審議の過程で出てきておる。これに対して、私はおかしいと思う。もしもその振興会が、全額政府出資の金で経営される振興会であるなら、寄付を取る取らぬはどういうことかというと、理事会なりなんなりが将来の問題として考えていいことなんであつて、そこまで今からちゃんと事業を予算上計画を立てておるんだということは、これはいかがかという感じを持つ。私は寄付金を取るべきかというならば、個人としては、取るべきでないと思っております。政府金額出資で、政府責任でやるこの種の事業に、受益者団体から寄付を取るなんということはやるべきじゃない。私個人の意見は、そうです。ただ、これは党に帰って聞いてみなくちゃいけませんから個人としておきますが、これは政府責任というものはぼやけてくる。しかも、納付金のひもつきによる振興会ができるのだという形を天下に示すということは、それはテンサイ糖業者のためにはなる振興会であるが、テンサイ栽培あるいは消費、この方の関係のものに対しては、利益があるのかないのかということについては疑点が残るわけです、金の出道そのものからいって。そういう意味から、まあさっきのような質問をしているわけなんで、どうしてもこれは取らなければならぬと思っているんですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) てん菜振興会の事業は、二十三条にございますような基礎的な試験研究、あるいは原原種、原種の生産、配布というところから消費の増進というところまで行っておるわけございまして、この種の仕事は、政府が原則として行うべきであると思います。従って、政府の試験研究機関でやるということは原則であると思いますが、政府の試験研究機関でやりますのには、テンサイというものの特性から、従来非常に努力したにもかかわらず、政府の試験研究機関の発展が望めなかった。それには公務員法とか、あるいは定員法とか、あるいはテンサイについては政府よりも民間の技術の方が進んでいる面が非常に多い、こういうふうな点もございました。そういう点を同時に取り入れるのには特殊法人を作つた方がいいと、こういうことから考えておるのでございますから、従って、この振興会が特定の業者、特定の方面に非常な差別的な恩恵を施すこういうことは考えてはならない。そのために、やはり特殊法人として、政府の特殊機関として扱うことにいたしておるのでございます。従って、その資金も政府が出すのが原則でございますが、先ほど申し上げましたように、テンサイ糖の消費の増進というような点からいきますと、やはりテンサイ糖の製造業者にも恩恵が及ぼされるのでありますから、そこから寄付金を取つてもいいんじゃないか、こういう考えで私どもは計画をしておるのでございます。それがその振興会の運営を特定の業者のひもつき運営になるという心配は、この程度の金でございますれば、私どもは心配しておりません。それからまた、納付金制度にいたしましたのも、先ほど申し上げましたように、法律上は全然別個の収入支出ということになっておりますから、その点も断ち切つておるのでございますから、心配はないと思うのでございます。しかし、お話の寄付金を取ることは、寄付を出した人に何かお返しをしなければならないと、こういうふうな印象を与えるということはまずいというお話は非常によくわかるのでございまして、私どもの方は、寄付はあくまでも寄付であつて、こちらから強制するのではない。しかし、まあ便益があるのだから、寄付の項目も頭を出しておいた方がいいのではないかという考え方で計上しておるのでございますが、これは将来この振興会が発足いたしまして、寄付を取る取らないという点は、さらに再検討の余地は十分にあると、こういうふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 この振興局が、この十二億八千六百万ぐらいの金——実際はそうでない、六年目以降八千四百万ですがね。ですから、総体としてはまだ小さな金ですが、年間たとえば政府出資三十四年度一千万ですから、振興局に一千万もらえる、翌年度使うだけの金をもらつているという形になる場合には、振興局は寄付を取りますか、受益者から。政府としてもらえないでしよう、寄付を。それが、特殊法人であるがゆえに、全額政府出資の金で運営する団体でありながら、その場合には寄付を取つていいと、こういうことですね。まあ委託研究などとは違うわけですから、初めからもう野放し、ひものない寄付ですから。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 特殊法人にした利点は、急速に試験研究を進めていくのには、現在の行政機構のワクの中ではいろいろな制約である。先ほど申し上げましたように、公務員法であるとか、定員法であるとか、外国の技術者を招聘しましても、これは役所であれば簡単にいかない、そういう点。あるいは民間の技術者を動員しようと思っても、定員法なり公務員法の俸給の制限というようなもので、とても吸収することができない、そういうふうな考え方から特殊法人にしておるのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 わかりました。農林省のそういう外郭的な特殊法人団体、幾つありますか。全額政府出資というふうな形のものがありますか、ありませんか、農林省所管の中で。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 今思いつくのでは、日本中央競馬会ですか、これがたしか全額政府出資の団体ではないかと思いますが、ほかにはちょっと今記憶ありません。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、まあこの振興会の運用のやり方いかんによってはひももつかぬし、一部製糖業者の利益を代弁するものでもないという性格を明らかにすることになるわけですから、役員や運用の問題がまあ重要になってくるわけですけれども、理事については理事長が農林大臣の認可を受けて任命するという手続になっていますが、こういう手続の仕方は、そういう政府関係の特殊法人の一般的な型ですか、これは。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 最近の型はこういう型でございます。たしか農林中金は理事全員を政府が任命することになっておると思いますが、農林漁業金融公庫、そのほか最近の例は、理事長、監事を農林大臣が任命して、そのほかの理事は理事長が農林大臣の認可を受けて任命すると、こういうのが最近の例になっております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それも一つの論点になろうかと思うのですが、外郭会社的な、また営利事業を営むような団体ならば、理事長の采配いかんによって、臨機な措置がとれるように、理事はやはり理事長が推薦して任命なり承認を求めるという手続がよかろうとも思いますが、この振興会の成り立ちは、実は政府で直接やつていいものである。しかし、政府でやると、公務員法その他で、まあ柔軟自在な運用によって、急速なテンサイ栽培なり、テンサイ糖事業の発展に資することができないというような形だけで、形式上振興会にするという形が出ているのですね。あくまでもこれはその手続上振興会という方がやりいいんだという形なんです。そうであれば、やはりこれは全く政府が柔軟自在にやるのと同じ意味で、政府自身がもう直接やるのと何ら変らないような、不離一体の経営をしてもらわなくちゃいかぬ、そういうようなことからいえば、他にも例があるのですが、理事そのものも農林大臣が任命するという形が政府に近いという形になりはせぬか。まあどつちでもいいだろうが、私はこういうところに、理事長に人を得ないことになると、理事の構成がまた十分でない。そこから事業運営がへんぱな形が出るというふうなことも考えられるのですが、まず当面理事長というものは、えらい農林省の役人でも持っていこうというわけですか。あるいは農業関係団体の農林省から出ているえらい大先輩でも持っていって据えようというわけですか、これは。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 今の理事の任命の方法は、最近の例で理事全部を農林大臣が直接任命するという例はあまりありませんから、それに準拠しておるのでございます。ただ一つ、特殊法人としますと、たとえば試験場あるいは技術研究所というふうな機構ができた場合に、そこの場、所長が、その部下を指揮監督すると、こういう形態で統一的、技術的な運営ができると、そういう面もございます。そういう点からいっても、やはり理事長に最終の責任を負わした方がいいという部面も考えられるのではないかと思います。それから理事長は、これは結局テンサイを急速に発展させなければならないと、こういう点で、役人であろうが役人でなかろうが、広く人材を物色して適任者を選びたいと考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 まあそういう答弁をする以外には、あんたとしてはないわけなんだが、ただしかし、政府でいかような答弁をしようとも、公社、公団、あるいはこの種のものはまず理事長以下理事、あるいはよく経営委員会とか運営審議会が出てきますが、それらのものも学識経験者の中からなどと称して、具体的にはまつていく人間というものは何か、これは役人です。しかも、農林省なら農林省は局長ポストは五つしかない、狭隘で、あまり長きにわたって動かぬわけにもいかぬ。次官はたつた一人だ。ちょいと横ちょに行ってもらうということで、こういうところに行く人が出てくるんじゃないかと思うのです。そういうことを否定しますか。そんなことは絶対ありませんか、農林省からは一人といえども現職をやめさせてこの種のものに行く者はありませんか、これは政務次官にお尋ねします。

高橋衛自由民主党農林政務次官

○政府委員(高橋衛君) このてん菜糖振興会の役員につきましての御質問でございますが、先ほど渡部食糧庁長官からお答えいたしました通り、広く人材を求めるという立場で選考いたしたいと存じますが、しかし、人材の中に役人が入らぬということを申し上げるのはいかがかと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 てん菜に関して学識経験を持つ役人はいないのです。現在いないのです。テンサイに対して経験がある、あるいは振興会について経験のある学識経験者、振興会などというものはこれから後に出るもので、また、てん菜糖のことについて長きにわたって勉強をしているという人は農林省にはいない。いるとすればどつかの試験場長くらいが一番これは偉い人なのです。食糧庁長官が何ぼえらそうに言おうが、増田さんが何ぼてん菜論を述べようが、これは最近、近々のことなのです。従って、まあそういう意味からいっても適格者はいないのですよ、農林省の上の方には。けれども、まあ私はこれ以上申し上げませんが、世間に往々にして役人の姥捨山というように思われるような経営にならないように、これだけは御留意を願つておきたいということをまあ申し上げたい。  そこで、さっきからその納付金というものは、何も振興会とは関係はないのだ、法律上の建前は。こういうことになっておる。従って、その受益者云云などという、そういうことは関係ないのだということになっておる。それなら関係がないなら、ほんとうに関係がないものとして、振興会は振興会として三億三千三百万というような、納付金に見合つたような半端な年次的な出資というものをやめて、それから運用云々というようなこともやめて、年度々々で一千万、二千万、八千万、一億、こういう金を出すということはどういうことなんですか、経営上。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 私の方としましては、最初に振興会の出資を全額いただくのが一番いいわけでございます。しかし、これは国の財政の都合もありますから、そういうことはなかなか了承してくれない。そこで、それならば最低限がまんできる点はどこだということは、法律上は納付金と振興会とは関係ありませんけれども、一方において、テンサイの振興をやるについて、テンサイに関係して納付金が入ってくるのであるから、その額を下らない出資または補助金を毎年いただく、こういうことで大蔵省とかけ合いまして、そこを一つのかんぬきにしておるのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 これはまた話が変るし、農林委員の立場で言うのはいかがかと思いますが、何らひもがついていないのだと言っていながら、大蔵省への予算要求は、上りですね、上ってきたお金、上りは全部よこせ、そして上りはそのものにみんな使わせろ、その事業にみんな使わせろ、この思想が、かりに農林省の中で各種の事業についてこういう思想が起ったら、農林省は損ですか、得ですか。全体として。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは具体的、ものによると思いますが、一般的の問題としては、そういうひもがついて上ってくるものはたくさんありませんから、しかし、使う金は、簡単に言いますと、土地改良費何百億は、それに見合う上りはございません。従って、そういうひもつきは農林省全体としては困るのじゃないかと思います。ただ何といいますか、これも非常にデリケートな問題でございますが、おくれている部面、なかなか長年努力しても予算が通らなかった部面にたまたまそれに関連する財源が見つかればそれにひもをつけたい、こういうのは一つの人情ではないかと思いますが、そういうひもつき的な説明をすることについては、大蔵省当局は非常にいやがつているのでございますが、私の方としては、先ほど申し上げましたように、振興会によってテンサイ糖の、あるいはテンサイの振興をやらなければいかぬのだ、そんなことが、入ってくる当てがあるなら初めによこせ、こういうことを要求したのでございますが、しかし、大蔵省の財政上の立場から、それもできない、そういうことならば、はっきり上りに見合うものは間違いなくよこせという事業計画を作ることに同意しろ、こういうことでかけ合つているのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 非常にとつぴな話ですが、労働者が源泉所得税を納めている。その国の収入は幾らだ、これはわれわれの出した金だ、われわれのためにその金を使え、あるいは専売公社の従業員が職務に精励した結果専売益金が出ている、われわれにその分の幾らをよこせ、郵政職員はまた大いに簡易保険の勧誘その他で財源を確保した、われわれがやつたのだ、分け前をよこせ、この思想には通じないのですか、これは。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 非常にデリケートな問題だと思いますが……。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 後学のために聞いておくのです、非常にけつこうなことですから。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) そういう主張は、私ども官庁の労組と交渉するときに主張は出てきます。しかし、それは何といいますか、納税者もこのくらい納めているのだからおれの方にもっと恩恵をよこせという要求はやつぱり出ているのじゃないかと思います。しかし、これは税収というものは一般的の目的で、特定の目的のために税を納めているのではないというのが建前でございますから、納付金の問題も税にするか税でないかという議論が非常にあったわけでございます。そこで結局、税金的に特別加徴金、こういうふうなことで、純粋の税ではない、しかし、税金的な性質を帯びている特別加徴金である、こういうことで法律上は全然関係ないけれども、実質上はそういうふうに特定の用途に向けることは事実でございますから、そういう説明をいたしております。これは先ほど申し上げましたように、やはり何といいますか、特定の目的を果そうとする際に、たまたまそれに関連する財源があったからそれをこっちに向けるのだと、こういう非常に例外的なケースと、こういうふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 私はこういうことに振興会を設けるという内容に個人的に反対するものではない。ただ法律上の建前は別個であるが、内容的にはこれがこう移つたんだというような形にはならぬ方法がないものか。そうするなら、政府はこういう歳入が予定されるのだから、だから、本年五千万とか来年度二千万、三千万、四千万、そして総体において五カ年間の間に十六億なら十六億、十七億なら十七億程度を出すのだというような形で仕事を進められるというのが政府のやり方ではないのだろうかという感じを私は持つのです。三億三千三百万なんという、すっかりはじき出してそれが予算で振興会出資でございますなんという、こんなことが他の団体にあるだろうか。あまりにきちょうめんにやらかしたものだという感じを私は持つのです。で、今後政府においては、こういうやり方について、財源は確保するという保証のもとに、こういう支出の方法ということについては、何と申しますか、考え直しているという考え方はないのですか。これは大蔵省も呼んで私は聞こうと思っております。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 繰り返して御説明申し上げますように……

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 あるかないかだけ聞けばいい。あとは大蔵省を呼んで聞きます。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) あくまでもこれは特別のケースでございまして、ただこれも役所の事務的な……

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 私の聞いているのは、政府委員、岸内閣に聞いているのですからね。農林省に聞いているのじゃないのですよ。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 農林省の立場としては、一般的な経費でありますといつでも前年度の何割、何%節約、こういうようなことがほとんど毎年と言っていいくらいにあるわけでございます。そういうことで試験場等の経費でも、一般が五%節約のときには三%節約とか、こういうことでやられておりますから、そういうことを防ぐのにも、このテンサイの生産を急速にやろうということからいえば、一般の経費とは違った特定分にしておいた方がいいのじゃないか、これは金を要求する方の立場から強く主張してそれだけ別ワクをとつておると、こういうことでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 わかりました。それなら何と申しますか、国の立場で振興会が当年度に使いもしない金をどんどん出してやる、そしてそれは預金せられる、そういう形の出資の仕方についてはどうお考えですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは普通の官庁会計ならばそういうことはあり得ない。必要に応じて金券を切つて出すということになりますが、これは特殊法人でございますから、特殊法人としては、一定の期間の運営をするために、どういうふうな金繰りにするかという考え方は、基金を造成して基金の利回りで経常費をまかなう、こういう考え方はあるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、このだぶつく金はどこへ預けるのですか、この振興会は。経過年度の間で繰り越しになる金は。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 第三十一条に「振興会は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。」  一 銀行又は農林大臣の指定するそ   の他の金融機関への預金  二 国債又は農林大臣の指定するそ   の他の有価証券の取得 こういう制限のもとで、安全確実な、かつ、有利なところに預金することになります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、これは銀行に預金し、その預金が担保にならないまでも、裏づけとなり保証となって製糖会社の設備資金その他へ、あるいは運転資金等へ、一時融資というような形に一切これはひもがついて使われるということは排除されるわけですね。もう預けっぱなしですね。そうしてその金が何か見合いになるというようなことについては監督できる方法があるわけですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは全然製糖会社とは別個の預け主になりますから、それを見合いにして金を貸すというようなことはあり得ないと思います。それからまた金額も最終年度で十二億程度の基金ができるのでございますから、これを一行に預けるというわけにはいきませんし、御指摘のような心配は全然ないと、こういうふうに考えます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 一面からいえば、効率の悪い金を初めから国がもつたいなくも出して、そういうことなんですね。われわれからいえばありがたいことだけれども、国の立場からいえば、他に運用したらもっと効率がいいというような場合もあるでしようし、単に渡して預けさしおく、そうして将来の蓄積、運用に充てる、ただそれだけなんですね、この振興会への金の出し方としては政府として。次にお尋ねしますが、今の問題に関連するのですがね、もう一つ飛躍して、振興会が必要だったら振興会を作りなさい、それから一般財源を充てなさい、納付金は食管の会計へ入れなさい、なぜなら旧来砂糖を買い上げて会社の赤字を補償してきた食管の会計に砂糖のそれから出てくる益金の一部なんだからこれを食管の会計へ入れなさい、この議論についてはどうですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 砂糖の買い上げによって食糧管理特別会計が負担した総額は約四十億くらいになっておると思います。しかし、それは毎年の赤字を毎年の一般会計からの借り入れで処理しておりますから、食糧管理特別会計としては、そのものを入れますと、現在のように勘定区分が分れますと、農産物勘定の分を内地米勘定の方に流用するということも、利益を増すということもできませんから、ちょっと意味をなさないのじゃないか。納付金はやはり一般会計で従来の赤字を補てんしてもらつておるのですから、やはり一般会計にとった方がいいんじゃないか、こういうふうに考えます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 食管の会計は赤字になる、それは何で補てんするかというと国民の税金で補てんする、われわれの金で補てんをしておる。そしてわれわれの金で砂糖を買い上げて、製糖会社がまず立っていく方途を講ずるということもあるのです。ところが、その対象になつた砂糖会社の益金は一般会計に入れたといっても、振興会ということで還元される形で金が使われておる。そしてしりぬぐいは国民の税金で無限にしりをぬぐつていく、あるいは過去にしりをぬぐつてきた、このことは理屈の上からいえば、そうあればあるほどそこから上つた益というものは、その食管の全体を埋めるにせよなににせよ、国民の赤字のための税金の繰り入れというものを幾分でも避けるということで、当面そこから上ってきた金を食管の会計に入れるというのが筋じゃないですか。振興会を作る作らぬというだけですよ、私の議論は。これがだめなんだ、いやなんだということになれば、振興会というものを作らなくちゃならない。黙つておつてはテンサイ糖について一般予算があまり思うようにとれない。だから、ひん曲げてきたのだという議論になってくるわけですから、どっちかなんですから、そういう意味で私は尋ねておるのです。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 特別会計の毎年の損失を一般会計から補てんした、これはまあ農産物勘定の分として御説明申し上げます。従って、その関係で将来テンサイ糖買い上げによって農産物特別勘定に赤字ができる場合を予想して、農産物の勘定に繰り入れ、農産物勘定の帳じりを黒字にしておいてもいいんじゃないか、こういうお話だろうと思います。しかし、そういう考えも成り立ち得ると思いますが、これはお話のように、この際テンサイの生産振興のために使った方がいいというふうな方向に私どもで踏み切ったのであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 使う金はひもをつけて使いたい、赤字補てんの分は国民の税金から黙つて法律上ひっぱり込んでこれるのだからかまうことはない、こういう財政の運用の仕方というものを国民は容認しますかね。論理としては私の言う方が主張が正しいように思うのですがね。政府の立場で、いや、さにあらず、そういうものでない、お前の言うことは全く間違つている、振興会の財源に充てるというのが正しいのだ、そういう論理がありますか、そういう正しいという論理が。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) ですから、食管に入れてはならないということは、私は申し上げていないのであつて、そういう考えもありましたが、今回はテンサイ振興会の方に使いたい、そういうふうに踏み切つたのであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それについては大蔵省も異存はないわけですね。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) その通りでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 食糧庁長官としては、砂糖の将来というものは専売制がいいと思っていますか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは各国の砂糖の歴史を見ますと、いろいろな段階を経てきております。専売的なことをやっておった時代もあります。一つの方法としては、専売制ということも考えられると思います。しかし、これはあくまでもその国の経済機構なり、あるいは特定の産業のその経済機構の中における状況によってきめなければならないのでありまして、今すぐ専売がいいかということについては、現在の日本の経済機構なり、日本の砂糖業の段階からいうと、そこまでは踏み切れないのじゃないか、こういうふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 業界は政府買い上げを望んでいますか、望んでいませんか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは各人各様でございまして、まとまった意見は私どもの方ではないと思っております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 政府としては買い上げを希望されるものについて買い上げるという用意がありますか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) テンサイ糖に関する限りは、先ほど御説明申し上げましたように、希望があれば一定の条件によって買い上げる、こういうことになります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 世界の例が云々と言いますが、塩の専売制なんというものから考えてみて、この甘味資源の砂糖は基礎的なものですね、これの専売制というものは必要度からいえば塩以上にあるのじゃないですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは最近までは、戦争前は台湾でほとんど日本の内地の砂糖をまかない、終戦後はほとんど全部を輸入糖でまかなっておったのであります。従いまして、そのときには輸入コストと同等あるいはそれ以上の税金、関税、消費税がかかっているのでございまして、そういう点からいいますると、一方では、消費者がもっと安い砂糖を消費できる要件がある、一方、日本の内地でテンサイなり、カンショ糖なり、あるいは結晶ブドウ糖がイモ類からとれる、こういうことになりますと、その振興をはかることが日本の農業を発展さすゆえんであるということになりますれば、やはりそのビートなり澱粉、ひいてはカンショ、バレイショの耕作者の農業経営が成り立つような糖価水準を維持することが必要になってきます。それを単に関税、消費税でまかなつたのがいいか、一方では専売制のようなものをしいて、その収益は一部はテンサイなり、カンショ、バレイショの生産振興に回し、一部は消費者にも負担してもらう、こういうふうにしたがいいか、こういう問題は、これは理論的には非常に簡単に割り切れる問題だと思いますが、日本の砂糖事業の伸展の状況からみますと、過去の経緯というものを一朝にして新しい制度に切りかえるということにはなかなかむずかしい問題があるのじゃないかと思います。しかし、今申し上げましたように、砂糖は、実際は消費者価格のうち半分は税金であるということから考えて、砂糖の日本の経済機構の中における取扱いについては、もっと発展的な考え方をした方がいいのではないかという感じは、私個人としては持っております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 今お話を聞いたような流通の問題だけでなくつて、その基礎要件として、暖地ビートが水田の裏作になるのだ、それから寒冷地ではそれは畑作振興に資するのだ、日本農業の営農形態がこれで相当大きく変つていくのだ、しかも、テンサイ農業は常に政府は保護していかなくちゃならぬのだ、こういう建前から見た場合に、なおのこと、今日業界でさえも政府買い上げを望んでおる向きもある、しかも、計画的な生産を上げなくちゃいかぬ、工場配置等についても相当政府が指導しなくちゃいかぬ、こういう段階に来ているときに、専売制ということについて、根本的な考え方を持つことなく、単に百五十二万トンのそれを充足するための四十万トンの国内生産だ、テンサイ糖の役割はですね。それだけのことでは、どうも工合が悪いのじゃないかという感じを私は持つ。今急にそうなるというものではないが、今にして大綱を見定めておかないで、単にこれを省令でござい、そして資本家は工場経営をするのだ、そういうことでやるなら、酪農振興をやつてきたこの一、二年の混乱というものと同様なことが、ある場合は起きるのじゃないか、起ったらどうするのだ、そのときはやはりそのときで手おくれ、結局、農民にそのしわが寄っていくのじゃないかという感じをばく然と、私はしろうとですからわからぬが、持つ。そういう意味では、根本的にお考えになる用意がありますか、専売制について。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) これは、先ほど十年後の目標を掲げまして、消費、それに見合う国内生産、こういうものを立てております。しかし、その際御説明申し上げましたように、国内生産については、その目標に到達しないファクター、やり方によってはそれが非常に早く到達し、それ以上に伸びると、こういう両方のファクターがあるのであります。それらをもう少し見きわめた上で、水田農作に暖地ビートが入ってくるごとになれば、かりに今の二毛作田が百万町歩ございますから、それを五年輪作にすれば二十万町歩のビートができます。そうすれば現在の目標の三倍近くはそれだけでふえる可能性が出てくるわけです。しかし、これは暖地ビートの適地あるいは適作性がもう少しはっきりしていかないと確定的なことは断定できないのでございますから、もうしばらく進行をみまして、国内消費の大部分が国内産でまかなわれるというふうな段階の目安がついた段階におきましては、もう少し思い切った制度を考える必要ができてくるのじゃないか、それまでには各方面の将来の見通しを立てて、結論を出してもおそくはないのじゃないか、こういうふうに考えます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 重ねて素朴な意見で質問するわけですが、どだい、関税障壁を設ける、そうして国内の流通価格をある程度に押える、安定さす、そのことは製糖業者に一定の利潤を保障することである、そのことは農民の生産者価格を保障してやることである、これがいつも循環しておれば、農民の生産価格を保障するためには製糖業苦に一定の利潤を与えなくちゃならぬ、その上に立ってコストの計算があつて価格が形成される、それによって消費者は砂糖の消費をするのだ、消費者というものは一番最後に回るのですね、ですから私は、この関税障壁を設けて国内生産を保護するという立場は、消費者の利益も守るということがまあ入らなくちゃいかぬ、そういうことになれば中間マージンを極力押える、末端の生産者のそれが保障されるということであれば専売制以外にないのじゃないかという素朴な考え方を持つのですね。これが資本主義の保守党だからだめなんだ、社会党は社会主義政策をやるのだから専売だろうとかという、そういう考え方であつてはいかぬと思う。もう計画生産をやっていく、その上ではロスを排除するということになれば、どうしても専売制に移行していくという考え方が一つの考え方になるように思うのですが、検討するかしないかということについては、何らの御返事もない。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) 私の方では、そういう考え方を含めて、日本の砂糖事業、ひいては日本の農家経済の向上という点を検討いたしたいと思っております。それはあくまでも、しかし、その時の経済の段階に応じた結論を出さざるを得ないと、こういうふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 ちょっと速記をとめて下さい。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 じゃ、まあこの委員会でこの法案が仕上るものとしましても、その後に疑念の残る点は、また調査の段階でお尋ねすることにしまして、東北のビートの問題をお尋ねしたいのですが、さっきお尋ねしたら畑作の方のそれは大体六千町歩の範囲で云云といいますが、局長にお尋ねしますが、三十三年度ですね、岩手、青森の試作した反則は幾らですか。三十四年度は幾らですか。また、それ以外の団体等で試作等をやつているのがあったらそれは幾らというふうに……。それからもう一つは、どことどこで、国なり地方なりが試験研究をやつていますか、どことどこの機関でやつていますか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 東北地方におきますテンサイ導入の試験でございますが、まず三十三年度を申し上げます。三十三年度におきましては、東北六県が全部実行しております。この試験のやり方は、試験場の本場でやる場合と、それからさらに本場から現地の農家に委託しまして現地試験をやる、こういうふうに分れております。予算額で申し上げますと、三十三年が東北の本場の試験費が五十万一千円、それから研究試験費が五十四万円、こういうことになっております。それから三十四年度におきましては、おおむね三十三年度の規模で東北各県に対して試験を行うわけであります。そこで、試作の面積でございますが、現在までの実施した面積は、青森県の場合には担当農家数が二十五戸、実施面積がアールにいたしまして二百五十アール二町五反であります。岩手の場合も同様に二十五戸を対象にしまして二町五反、秋田の場合にも同様二十五戸で二町五反、山形が若干少くて六戸で一反三畝、宮城が二十五戸で二町五反、福島が同様に二十五戸で二町五反、こういう試作面積になっております。先ほど私申し上げました中で、現在三十四年度に試作の拡大を青森県並びに岩手県の北部で考えておるわけでありますが、それに対する将来の拡大した場合——工場が一工場完成した場合の面積は六千町歩と申し上げましたが、これは年年六千町歩ということでございます。毎年々々六千町歩、ただし、四年ないし五年の輪作を考慮する必要がございますので、農家の圃場の中で植え付ける場所が年々変って、何年かの週期で回っていくということでございます。年六千町歩と申し上げますのは、年々の圃場を申し上げます。従って、適地としましては、むしろ何年かに一回回ってくるということになりますと、これに輪作の倍率を掛けたらいいんじゃないか、かように考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 その二十五尺二町五反というのは、一反平均になるようですね、これはそうすると、うまくできるかできないかという作付試験だけで、このテンサイ栽培を導入した営農のあり方はどうなのか、経済、経営の面までの研究はどこもまだやった実績はないと見ていいわけですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 従来、三十一年から試験をやつておるわけでございますが、これは主として今御指摘のように栽培試験、これが主体でございますが、しかしながら、たとえば厨川の東北農業試験場等で、経済試験も含めまして調査をしております。しかし、これだけでは実は不十分でございますので、三十四年度におきましては、まず最も早く栽培試験の見通しのついております岩手の北部と青森に関しまして、これに対して両方合せまして予算といたしましては百町歩、しかも、これも試作のほかに農家に対する経済調査でございます。当該栽培農家の経済調査、今お話のありましたように酪農との結合とか、土壌関係とか労力関係、こういうものを全部含めまして、三十四年度で相当大きな規模で、私の力で試験とあわせまして経済調査の実験をする、こういうことを考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、それは三十四年から、百町歩そのものではなくて、百町歩のうち幾つかの農家経営の中で実際的な検討をさせ、東北農事試験場で経済調査もやっていくというこことですが、そうしますと、技術的にも、このテンサイは輪作でいくならどういうものといくとか、何と何とが一番効果があるとかないとか、そういうことの結論は何にもないわけですね。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) これは大体先ほど申し上げました表東北の北部地帯に対しましては、現行の作付様式というものに関しましては、これは現実にいろいろな調査が行われているわけでありまして、御存じの通り、この最も代表的な作付の形態は、ヒエ、麦、大豆ということによって代表されております。年三毛作でございますが、そのほかにさらにリンゴが入りタバコが入る、そうしてバレイショも入る、あるいは輪作の形で菜種が入る、こういうことになっております。従いまして、こういう基幹的な作付様式は、やはりいろいろ論議はありますけれども、表東北の北部地帯におきましては、それぞれ農業の実態なり、あるいは農家経済の実態からいたしまして、合理性のあるやはり方法であると考えるのでありまして、この場合にテンサイを導入した場合におきましても、これを根本的にやめてしまつて、全然新しい作付体系に置きかえるということは、なかなか私もむずかしいのじゃないかと思います。現在そういう面におきまして、やはりそういう考慮から三十一年から県庁を中心にしまして試験が行われておるわけでありまして、大体現在までの見通しにおきましては、やはりヒエ、麦、大豆という作付体系の中に適当にタバコあるいは菜種あるいはビートを織り込む、こういう作付体系を考えておるわけでございまして、そういう点につきましては、今後作付の様式としましては、類型的なものとしては、大体この線で考えられるんじゃないか、ただし、それがあの地帯の個々の農家に具体的にどう入っていくか、牛もおりますけれども、馬もおります。こういう地帯にどう入っていくかという問題は、やはり今後試作なり経済調査を続けることによりまして、はっきりしてくる、特に私は西南暖地に見られるように水稲跡作に限定されている所もやはり問題があるのでございますが、今お話しになっております表東北の北部地帯は、農業経営のきわめておくれておる地帯でございますし、問題がやはりいろいろあるわけでございますが、国といたしましても、慎重にできるだけのことはいたしまして、ここのビートの導入に関しましても工夫をこらし、さらに援助をしたい、こういうことで漸進的な態勢でやつていきたい、かように考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 今両県で百町歩と言いましたが、これは青森県何町で、岩手県は何町になっておりますか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 予算としましては、最初三十四年度は実は五十町、五十町ということで合わせて百町ということであったのでありますが、青森は大体五十町、三十四年度試作いたしましょうということになっております。岩手の方は、準備その他の財政上の負担等もあるようでございまして、現在のところ三十四年度は二十町で、これに対しまして現在さらに後年度の計画がなされておるわけでございますが、青森の場合には、五十町が三十四年とただいま申し上げた通りであります。次に百五十町、それから次に三百町、それから三十七年は一応四千町くらいに拡大したい、これを青森県が現在まで、一番最近までに示しております意思表示であります。岩手県に関しましては、現在、さらに三十七年度以降に関しましては検討中でございますが、三十四年度に二十町、先ほど申し上げた通りであります。三十五年度が七十町、三十六年度が百五十町、こういうことになっております。三十七年度以降に関しましては、大至急検討の結果言ってくる、こういうことになっております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それでここに工場の入るのはいつごろになるんですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 今申し上げました、県から私どもの方に公文で参っております計画、この計画によりますと、三十七年度からやや完全といいますか、能力を相当発揮できる操業にかるように計画されているわけでございますが、しかし、この点、岩手の方に関しましては、三十七年度の計画は現在不明であります。県からの報告によりましても、何とも岩手の方に関しては申し上げられないわけでありますけれども、しかし、私どもといたしましては、少くとも試作から普及の段階を考える場合におきまして、せいぜい三十四、三十五、三十六年と、この三年くらいに逐次試作を拡大して参りまして、そしておそらくもう三十四年度に相当大規模にやりますと見通しがついて参ります。しかし、逐次やはり新しい農家にもこれを導入していくということによりまして、だんだん面積を拡大して、三十六年度が終つたあたりには、新しい効果が——一工場できまして、そこで、たとえ原料が相当不足であつても、将来に対する確実なる見通しさえつけば、その辺からこの少い原料でもこれを処理していくと、こういう態勢をだんだん固めることが適当だと考えます。実は現在それまでに対する原料の処理は、青函連絡船を渡つて、北海道の道南工場で消化するという方法を考える以外には手がないわけでございまして、そういう形がいつまで続くということは不適当でありますから、私は三年くらい試作をしたら、やはり現地でそれなりに工夫をして原料を消化してもらう、こういうことが必要だと考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、三十七年度当初から使えるようにということですか。三十七年度産から工場操業ができるようにということですね。そうしますと、これは六千町歩何々という標準的な工場として、二十数億かかる工場を建てるものとすれば、おそくともいつから着工しなければなりませんか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) まず、前段のお話から申し上げますが、誤解がありますと困りますのでもう一度申し上げますが、私の方は、実は試作の結果なども十分見まして検討して参らなければならぬわけでございまして、三年間の試作の拡大によって、四年目から六千町歩確保できるかどうかは、なかなかそういう点で今からはっきり申し上げることはむずかしいのではないか。むしろ私どもの方で考えるのは、三十七年度に所定の六千町歩というような大きな面積が確保できない場合であつても、やはり工場をそこに設置する、もちろんそこで企業的なリスクは、赤字を当然覚悟して、それくらいになつたらはっきり工場を建てて、しかも、工場を建てることによってテンサイの栽培が促進されるという面もあるわけでございますし、また作る農家にいたしましても、いつになったら一体どこに工場を作るのかちっともわからぬでは、これは指導する方あるいは普及する方あるいは作る農家にとつても、きわめてはっきりしないような状態になりますので、私どもは今のところ、一応試作の予算面からいいますと、三十四年から三十六年くらいで現在の輸送費補助、北海道へ持っていくために国が輸送費を補助するというようなことは打ち切つて、三十七年度に、原料は少くともこの場合に一工場を建てるということが適当じゃないかと、かように考えております。そういう考えからいきますと、大体一日千トンないし千二百トンの原料処理をする工場を作るというふうに考えますと、二年くらい前に、従って、三十七年の秋の操業を確保するわけでございますから、二年前でございますから、三十五年に、はっきりそういうことがきまれば、工場を建てるということになってスタートしますと、十分間に合うのじゃないかと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それは、三十五年度中に計画を決定して、三十六年の秋にかけて仕事を進めるということで十分間に合うね、二十数億程度の工場だから、そういう意味でしよう。ぎりぎりになれば、三十六年後半から始まってもいいことだと思うのですね、着工が。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 準備と申し上げましてはあれでございますが、北海道の例を見ます、着工ということになりますと、三十六年の夏でも間に合うのじゃないか。ただし、北海道の例を見ますと、用地の取得とか資金の調達、いろいろあるようでございますから、それらを含めて先ほど申し上げたわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 だんだん今までの経過を聞いてきますと、試験研究あるいは農家委託の反歩等から見て、これでいいんだという確信がほんとにあるのかないのか、失礼な言い分ですけれども、わからない。未確定の部分が多いのではないかとそんたくされるのですが、いや、そんなことはない、これはりっぱなものだということですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 試験研究の結果をまず申し上ぐますが、この試験研究の結果は、今問題になっております岩手の北部、青森に関しましても、きわめて良好でございます。反当収量にしましても、北海道をやや上回っている成績が出てきておるわけであります。しかも、これの使用しておるビートの種子は、北海道で広範に使用されておりますGWの系統でございます。しかも、この種子の性質からいいますと、特に晩熟性であるが、この品種は北海道で現在九割程度の作付面積を占めておるわけでありますが、これは、晩熟性という点から見ますと、むしろ表東北の北部の方が適当しているのじゃないかと考えます。なお、糖分の含有量でありますブリックスに関しましても、決して北海道に劣らない成績を持っております。従って、試験的には十分確信があるわけであります。ただ、先ほど繰り返して申し上げました通り、きわめて日本の主要な畑作地帯の中におきましても、この地帯は後進的な、しかも、貧困な農家をたくさん包容しておりますので、これに対して、どういう格好で正しい適当な姿でこの農家に導入していくか、こういう問題でございます。この問題に関しましても、いろいろ私の方でも調査をいたし、さらに県当局も調査いたしまして種々検討いたしたのでありますが、しかし、大体青森県の畑作面積は全体で六万町歩でございますし、岩手県は御承知の通り八万町歩でございます。こういう広大な面積を持っておるのでございますから、これらの農家に対しまして、たとえば自給肥料や、あるいはえさの自給等によります一定の自給的な面積を考慮するとか、あるいはその他乳牛の頭数、こういうものとの関係をいろいろ考慮するとか、あらゆる面でいろいろ計算をしたのでございますが、私は、こういう地帯に対しまして、少くとも今後十年間におきまして六千町歩程度のテンサイの導入は必ずなし得る、しかも、こういう地帯におきましてきわめて大事なことは、タバコ、リンゴのように局限された作物を除いてみましても、バレイショあるいは菜種等、おそらくこういうものと比較した場合に、ビートが最も農家経営上から採算がとれるわけでございますし、しかも茎葉の価値まで考えますと、最近この地帯は急速に酪農が進んできておりますので、農家の酪農経営の合理化という点から見ましても、十分に農業経営の中に織り込むように進めることのできる、普及することのできる作物であるというふうに考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それで、技術的にはもうりっぱなものだということがわかりましたので、大へんけっこうだと思いますが、ただ、これが来年度七十町歩、三十五年度大体二百二十町歩というような形で進んでいって、三十七年操業時期に、青森県のいう四千町歩、岩手県では不明といいますから、二、三千町歩とかりにしましても、そういう最低限度の計画は今からやつていけば、保証されますか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) この計画は、県庁のお出しになっておる計画でございます。もちろんそういう点におきまして、県知事初め、この面積の確保に最大の努力をするだろうということは考えられるわけでございます。農林省といたしましてもこういう計画がはっきりしておるのでございますから、これに対する種子の供給その他の面におきまして、十分な裏づけをするように援助いたしたいと思っております。ただしかし、繰り返すようでございますが、やはりこのビートの導入は、全くこの場合におきましては新しい作物でございます。従来きわめてわずかな試作ないし試験があったのでございますが、しかし、全く新しい地帯に新しい作物が入る。内地に入りますのは今回が初めてでございまして、北海道に関しましては、明治初年以来種々の経験がありますけれども、やはり岩手、青森に導入する場合におきましても、私はいろいろこの導入の仕方が、農家経済あるいは農業経営の立場から、私どもの考え、あるいは県庁の考えておるように、年次的にきちんきちんと絵にかいたように導入できない場合も起り得るということは十分考えておかなければならぬと思います。三十四年、三十五年、三十六年までの試作程度のものは、これはおそらく両県が長い間かかって検討して持ってきたのでございますが、三十七年で、いきなりこれがけた一違いの数字でございますが、飛躍できるかどうか、この辺は、今からはっきりした予測はできないにしましても、ただ、県がこういう計画で指導される場合におきましては、さらに技術的な、あるいはその他の面におきます援助をしたいと思うのであります。ただ、三十七年度にこのような一足飛びの所要面積が確保できない場合におきましても、原料処理上、現地に工場を建ててやっていく、こういうことが私は必要じゃないか、暖地ビートの場合におきましても、同じようにやはり現地で企業の側におきましても工夫をして、そこで原料を全量処理すると、こういう態勢をなるべく早期に確立いたしたいと、このように指導したいと考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうなれば、当分新工場は赤字を覚悟してでもやるということになるわけですね。その赤字はどこで補てんするんですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) これは内地に関しまするビート糖、テンサイ糖の買い上げに関しましては、現在明確にきめてない、将来農業経営に対する入り方あるいは企業のあり方によりまして、育成の方針で検討することになっております。従いまして、私は現実にそういう新しく工場が新しく企業が起った場合にこれに対して北海道で見られるような食糧管理特別会計による買い上げ制度が具体的にどうなるかという問題は、今後食糧庁の方で検討されるべき問題でございますが、私は当初の段階におきましては、やはり相当の赤字は企業家として当然覚悟して、これを負担する気持が必要なのじゃないかというふうに考えるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そこで、食糧の方の何らの保証もない、それで企業努力で長きにわたって経営していく中で、当初何年間分の赤字は解消さるべきもんだ、こういう考え方でいきますと、その企業自身にとつても非常に不安定、それからその赤字をカバーするための努力というものは、どっかへしわよせになる、そういうことを考えた場合に、私は東北には東北開発として特殊な促進法を持っており、特殊な開発会社を持っておりますから、従って、新しい地域に新しい作物栽培を国家的な立場で導入していくということになるならば、やはり国策的な会社にこれを扱わせて、その栽培奨励が生産者自身に何ら負担をかけない、将来がやはり保証されているという恒久的な対策が必要のように思うのですが、この前の委員会で聞きますと、この地域に入る工場はフジ製糖とかいう工場だということを聞いたのですが、私はこれを聞いてちょっと異様な感じを持つた。政府は一方東北開発のために開発会社法を作り、そして昨年の八月に閣議決定になつた東北開発に関する具体的な計画がきまり、その中には農業振興の立場からテンサイ生産の振興ということを高らかにうたい、東北開発の審議会が農林部会、——専門部会を作つてその農林部会でもこの検討を過去においてやつており、昨年度の開発会社の国に出した事業計画の中でも、テンサイ糖の調査研究、それは開発会社がこの事業に手を出すという前提なんですよ。そういうことで調査研究費も要求し、多分三十四年度の調査研究費の中には、このテンサイ栽培の試験研究委託費等も入っておると思う。そうして東畑さんを専門家にする開発会社がテンサイに関する研究の委員会を持って、中間的なこういう報告書をわれわれ審議会にまで配付しておる。  しかし、このことは全然今回農林省が考えられる問題とは無関係のままに推移してきているということを非常に私は不思議に思うのです。農林省は東北開発に関してこのテンサイ糖の問題に関して何ら企画庁なり、あるいは開発会社との間に連絡がなかったのですか。あるいは昨年の八月に閣議決定になつた開発のその問題で、テンサイの導入に関して農林省の代表者も出てきまつた、この問題については関知しておらないのかどうか、お尋ねしたい。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 東北開発会社の関係でございますが、実は経済企画庁におきまして、東北地方におきますテンサイ導入に関する調査がたしか三十一年だったと思いますが、これは経済企画庁の経費におきまして、東北地方総合開発調査費というものの中で、テンサイ利用の可能性調査費が百万円計上されておるように聞いておるわけであります。従いまして、東北開発会社が東北地方の、ビートに対する関心が相当従来深かったことも事実でございます。これに対しましても、農林省の方は、過去におきまして、経済企画庁その他の調査の委託を受けまして、農林省の方が責任を持ちまして、あるいは農業協同組合の中央会や、その他に調査を実施する、あるいは関係府県に対して調査を委託するという方法で調査をいたしておりますが、現在岩手及び青森のこの地帯に対しましては、私どもの方に対しまして、フジ製糖から工場設置の申請があったわけでありますが、東北開発会社からきわめて簡単な書面で希望——具体的に青森、岩手ということを示さずに、東北全体を対象にしまして、三十三、三十四、三十五年は調査をする、三十七年ごろから場所をはっきり定めて、企業化に移りたい、こういう程度のいわばばく然とした書面でございます。しかも、それに対する説明なしに、今送りっぱなしの書類であったわけであります。しかし、私ども現実にこの岩手、青森地帯を考えますと、将来のことはさておきまして、さしあたりは、ここに別々の二工場が出てくるということは、私どもが指導する場合ももちろんでありますが、受けて立つ農民の側からいたしましても、あるいは消費者の立場からいたしましても、さしあたり、ここに二工場にするということは不適当ではないか、何とかしてここは一工場でなければいけないんじゃないかということで、本年に入りまして青森、岩手両県の経済部長を呼びまして、私の方の施策に関する打ち合せをやったのでございますが、その際にも、やはり現地の方でこの二つの会社があるいは申請し、あるいは希望しておるということがはっきりしたので、私どもといたしましては二つでは——やはり最初の試作あるいは普及の段階におきましては、何とか一つのもので、一工場だけがいいと思うのでありますが、そういうことを考えておったのでありますが、先般、東北開発の総裁が振興局にお見えになりまして、青森、岩手の今回の場合におきましては、東北開発といたしましては、準備が不十分なので取りやめますけれども、東北のその他の地帯につきましては、ぜひとも企業化いたしたいと思いますので、その節には振興局も十分御援助を願いたい、こういう申し出があったのでございます。いろいろ東北開発の使命、役割等に関しましていろいろお話があったのでございますが、私ども実はそういう点を今後十分考慮して、栽培の拡大並びに企業化の面に関しましても御協力申し上げたい、かように考えておるのでございます。以上事実をありのままに申し上げた次第でございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 このてん菜糖企業化準備基本調査の概要というのは、本年の一月三十日に開発会社から出ておる。お手元にあると思う。それによってみると、対象にして研究調査してきたのは、青森、岩手、宮城の三県が対象になっておる。そうしてこのテンサイ導入計画なんというのもいろんな試算の上から出ておるようでありますが、開発会社は開発会社で単独でこういうことをやり、農林当局と何ら連絡がとられておらないということは不都合千万である。率直に私はそう思います。しかし、この東北にテンサイを導入するということは、これはもう東北開発の計画としては農村振興の重要な問題として取り上げておるわけです。そうであれば、この種の問題は一民間企業に、新しい地域に新しいものを導入し、しかも、さっきから振興局長のおっしゃるように、おくれた農民階層の地域にこの種の高度な近代的な経営を含むテンサイ栽培を奨励して、しかも、その奨励した結果が農民は犠牲には絶対ならぬという方向に持っていくのには、政府が保証しておるようなこの種の開発会社こそが危険負担を伴う、当分赤字さえも続くであろうというような会社、こういうものをこそ国策的な立場で開発会社にやらせるべきではないか、また経済企画庁から何のそういう連絡がかりになかったならなかったというのも、これも不都合です。不都合ですが、こういうふうにどんどんもう振興局を中心として企業化の方法の準備に入らなくちゃならないというような事態になつたら、東北開発の建前から企画庁はどう考えるか、この工場設定はどういうところにやらせたらいいのかと、こういう政府部内においてですね、東北開発の観点から問題を見るべき必要があるのじゃないかというふうに思う。その結果、これは今回はいかぬから、フジ製糖が希望しておられるのだからフジ製糖にやらせる、他地域これこれには開発会社がやるように準備せよというふうに計画があつてしかるべきではないかと思いますね。あるいはこれはまた三十七年度産から操業開始になるのだから、それまでは試験であつて、その後は大蔵省の計画はどうなっていくのか、そういう余裕が開発会社の方に出るのか出ないのか、技術的に準備ができるかできないのか、こういう点をどんどんただして、その上に立ってその判断をすべきではないかというのがまあ関係しておる私の意見なんです。で、きょう聞いて明らかなことは、企画庁も何ら努力しておらぬ、開発会社も何ら努力しておらぬで、開発会社が審議会なり企画庁に言うておることとはまた別で、自分は自分で勝手に取り下げたということなら、これはこれでわれわれ問題は別途考究はしますが、皆さんの方としても、東北の後進性から零細農民を立ち上らせるその一助としてもこういうものを導入する、こういうことになつたら、そういう基本的なことにまで立ち入って検討を加えられる必要があると思う。その点はどうですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 東北開発の農業の分野におきまする基本的な問題に関しましてお話があったのでございますが、確かにこのビートの東北地帯に対する導入という点に関しましては、関係官庁の間に、比較的に抽象的な段階におきましては割合摩擦もなくそれはそれなりにスムーズにいっておるのでありますが、具体的に試作と、しかも、それが先行き企業化という問題になってきますと、この面におきまして、いろいろ食い違いと申し上げますか、あるいは足並みがそろっておらぬとか、多少そういう感がなきにしもあらずでございまして、私どもも東北地帯におきまして大きな農業施策をやる場合におきましては、東北開発の計画とマッチをしてこれを推進するということが必要だと思うのであります。ただ、この場合におきまして、先ほども申し上げましたが、昭和三十一年度に経済企画庁の予算でテンサイ事業の可能性調査ということを打ち出したのでございますが、この場合には私の方で、農林省の方でこの調査費の支払いの上におきまして、これに関する実施面におきまして協力いたしております。ただ、実は東北開発会社とも当然私どもも関係を持ってしかるべきなんでございますが、こういう具体的な実施計画になりますと、何と申し上げますか、今まであまり縁がないわけであります。その点はもう一つの製糖会社と全く同じでございまして、東北会社の場合におきましても、先ほど申し上げました通り、非常にぼうっとした具体性のない書類をただだれかが郵便としてそこに送つてきて、それきりだれもそのことに対して説明に来ない。そして私の方から、特にその書類があったということを私が思い出して、本年になってから、初めて東北開発の総裁とお会いして、一体あの文書ではさっぱりつかまえどころがないのだけれども、どういう考え方を持って考えておるのだ、われわれの方も逐次試験の結果が判明し、もう一部では試作の段階に至らなければいかぬ、こういう段階にあるのに、東北開発会社の方は、何といいますか、具体性がないということなんで、一つ率直な意見を聞かせてくれ、こういうことで、初めて向うから、実はその一月三十付のこれを持ってきてお話があったのでありますが、しかし、この調査の概要も、これは経済企画庁の予算に計上された、先ほどの百万円の予算が発端となって、私はこの調査も行われておるだろうと思うのであります。従いまして、今後は、やはり私の非常に感じておりますことは、東北開発会社だけでは不十分で、やはり経済企画庁、それから事業化していく場合には、すぐ大蔵省の予算の問題が出て参ります。この間もいろいろ突っ込んで御意見を聞いたのでありますが、やはり大蔵省が事業をどういうふうに認可するか、予算をどうつけるか、それに一にかかっている話でありまして、そういう点では、はっきりやるのかやらないのか突き詰めていきますと、なかなか何ともお答えがない、こういうことになります。私はやはりこういう点を改善するためには、私どもももう少し努力する必要がございますけれども、経済企画庁それから大蔵省、こういうものも入れまして、もう少し単刀直入な意見を開陳をして将来の見通しをつける必要があるのではないか、かように考えておるわけであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 ぜひそういうふうにやつていただきたい。そしてその結論のいかんについて、われわれはとやこう申しません。ただそれくらいの手順、手続はとつて、そうして国策的に、東北開発の問題の一環としてこの問題を取り上げ得るかどうか検討してもらいたい。資金投入の見通しですね。三十六、七年の見通しがその方向にいくものか、開発会社自身の事業としてもう手一ぱいでその点は伸びないということであるならば、その後において、どういう地域にどういう方向で奨励していくのか、ざっくばらんな部内討議をやつてもらいたいのです。そのいかんによって、私たちは結果をお聞きしたいと思う。そうでなくて、こういう大事な施策が単に一般的に他の地域における民間企業の認可同様に、ただ事務的に処理されて、それでいいんだというようなことでは、どうも新しい企業ですから、東北にとつてはこれは心配な点が多々あるわけです。ぜひまあそういうことで関係者を呼びつけて、ただすべき点はただして、そして農林当局として、東北農民の水準を引き上げる、経済的な立場を有利にするということを中心にこの問題を処理してもらいたいと希望するのです。まあ今の答弁によると、そうすると、近々にフジ製糖に認可を与えるという事態ではないということだけは明らかになつたわけですから、まあこの問題については、あとでまた質疑できる機会もあると思うので、これで終ります。ただあとで、私不勉強ですから合点のいかないことがあるので、調査案件として一つ検討することを委員長において御了解願っておきたいと思います。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて。  それでは暫時休憩いたします。    午後二時六分休憩    —————・—————    午後三時十五分開会

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) これから、委員会を再開いたします。  引き続き、小かん加糖れん乳等の製造の用に供するため売り渡す国有てん菜糖の売渡価格の特例に関する法律案、日本てん菜振興会法案及び臨時てん菜糖製造業者納付金法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)を一括議題にいたします。  御質問のおありの方は、御質疑を願います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 午前中、私ここに長くおらなかったから、同僚委員の小笠原君の質問の内容よくわかりませんけれども、東北関係に対してのお尋ねがあったようであります。私も、ここに手元に東北開発会社の調査の概要が届いておるのですが、これをよく見ますというと、非常にこの報告はずさんである、こういう点に目がつくわけでありまして、先般来食糧庁長官からの将来のテンサイ糖の増産に対しての抱負を聞かされたのでありますが、さらにまた東北地方の適地においては、これまた将来北海道同様にいろいろ施策を施すというお話があったのであります。  そこで、重ねて私はお尋ねいたしたいのは、この東北開発会社からの調査の概要を見ますというと、われわれが直接東北地方を歩いて視察して見ておる土地と、それから報告とは、だいぶ、われわれの検討したところと、東北開発が出しておる概要というものを見ますというと、まだまだ調査が足りないのじゃないか。で、これが合せまして一万町なるかならない程度のことであれば、また施策の面においてもよほど考えなくちゃならない問題が出てくる。単に面積だけがあるからいいというわけではありませんで、その点を十分に調査する必要があるのじゃないか。たとえば、青森県の東部、あるいは岩手県の北部等におきましては、ヒエ、あるいはアワ、もしくは麦、バレイショ等を植えておるのでけれども、いわゆる酪農振興対策の一つの裏作としてのテンサイの利用方法もあると、こういうような面から一貫した一つの農家経営の新しい対策としては、テンサイ等は最もいい適地適産の方法であると思いますので、この点の将来十分な調査をやられるのかどうか。もう一つは、北海道のように長い経験があって、農民もそういうことに何かしら突破口を見つけていかなければならないという切実な考えから、熱意をもって動いてこなければこれもいかぬのでありまして、それをある程度農業指導に相当待たなければならない、こういう点から考えまして、こういう北海道以外の内地の適地と称されるところの東北地方に対するところの調査は、農林当局としてはやる意思がないかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 表東北の北部地帯に対するテンサイの導入が当該地帯の農業の発展なり、農業経営の改善なりからきわめて大きな意義があります。これはお話の通りでございます。で、この地帯に対します試験研究は午前中お話した通りでございますが、なお、おそらくお手元にあります東北開発株式会社の名前が入っておりますてん菜糖企業化準備基本調査というものがお話に出ておるわけでございますが、実は私は、このきわめて小さなパンフレットの基礎になっております相当分厚い調査は一応見たのでありますが、この調査は結局、東北開発会社から各県に委託をしまして、すなわち東北三県の青森、岩手、宮城県に委託しまして、これに対する報告書に基きまして、その概要を取りまとめたもののようであります。私どもといたしましては、このような基礎になっております各県の考え方に関しましては、それぞれ検討いたしておるのでありますが、なお、東北の試験場にも命じて、これに対する一応の検討を完了いたしております。ただ繰り返して申し上げますが、栽培試験の結果はきわめて良好でございます。ただ青森、岩手に関しましては、これは確信をもって言い得るのでありますが、宮城に関しましては、やはりさらに試験研究を相当加えた方がいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。すなわち青森県及び岩手県の中部以北におきましては、反当収量あるいは製糖歩どまり等も北海道に劣らない成績を示しておるのでありますが、宮城県の南部から福島県等にかけましては、従来の試験研究によりますと、気象条件なり、あるいは営農形態などの点から、今後さらに試験研究並びに調査研究を継続する必要があると思うのであります。従いまして、私ども一応岩手、青森の地帯に対しましては試作に踏み切つていいわけでありますが、これに対しましても、これで試作をもって終りとするわけではないのでありまして、やはり従来の試験研究を継続いたすと同時に、特にこの地帯の農業経営という立場から、私どもももう一度十分に試作をしながら検討を続けていくという態度で臨むことが必要だと思うのであります。従いまして、今後この地帯に相当大規模にテンサイを導入することの前提となります経済調査、これを実施いたしますとともに、さらにお話のありました酪農等の結合等に関しましては、根本的にビートという立場だけでなしに、この地帯の在来の農業のやり方、しかも今後進むべき営農方式等の問題と関連いたしますので、昭和三十四年度におきましては予算百四十万円をもちまして、岩手並びに東北地帯におきまして農業技術会議を中心にしまして、関係の技術者、学者を動員いたしまして営農の実態調査を行い、それによってビートの導入に関連して、この地帯一帯の将来の営農のあり方というものをはっきり方向づけたい、かように考えて現在準備している次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今日は、農地局長もそれから畜産局長も見えておりませんので、食糧庁長官は前に担当してもおられたし、また次官もお見えになっておりますのでお伺いするのですが、ことに青森、岩手のテンサイの植付可能の所として、東北開発から出されている場所は、大体国営の開墾の目標地である上北あるいは岩手の北部、現在の岩手山ろくの開拓、こういうふうに、あるいは将来九戸、二戸の高原開発、こういうのを合せますというと、おそろしく広い範囲であり、しかも開墾面積がまた珍しく北海道に次ぐ膨大な面積になってくるのでございます。そして今問題になっておりますのは、終戦後入れたところのいわゆる開拓の諸君が、あらゆる作物を一応は植えてみたけれども、どうもうまくいかない。年々襲つてくるところの天然の災害等によって、結局開拓営農というものは危機に瀕している。酪農振興が、いわゆる国の基本方針として特にこの地あたりにおいては、それならば酪農一本でいくかということになってくるというと、草地改良であるとかいろいろな問題が出てきて、それをやつてみてもやはり地方の少い点、しかもここは酸性土壌の非常に強い所であります。そういうような土壌の内部的調査であるとか、出てくる生産過程におけるところの営農指導の面とかというのは、まだまだ研究の余地はあるし、またやるとなれば、やはりこうした国営開墾という、国の金で開墾して、そこに新しい日本の一つの分野を開かせるという場合においては、こういうことは非常に必要だろうと思うのですが、開墾地、現在まで開墾している土地、酸性土壌の強い所、開拓営農のやりにくい所、こういう所に対するところの指導的役割を農林省ではやるべきだと思うのですが、その面に対する何らかの手は将来考えるということはありませんか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) ただいままで調整しておりますビートの作付可能面積は、現在の既耕地をもとにして、既耕地に輪作でどういうふうに入っていくかということがまず第一の調査対象になっております。しかし、御指摘の通り、この地方はやりようによってはうんと農業生産の振興を果せるということは、上北の場合と並んでほぼ目標というか目安がついたのでございます。で、これからはこれを基礎にしまして、その様式を残つた開拓可能地に適用することが必要であると思います。これはぜひやらなければいけない。北海道につきましても同様の問題があるのでございまして、土地改良、それから開拓地を含めた土壌改良、こういうものとあわせ行わなければ、ビートの生産の伸びが予想通りいかない。現在でも、ビートの反収は地方によっては低い所で二千斤台、大きい所では八千斤、一万斤という反収をあげておるわけであります。やりようによってはそこまでいけるわけであります。先ほど東北の北の方で、さしあたりの目標は六千町歩、四千百斤で、二万トンのテンサイ糖の生産を目安としておる。こういっておりますけれども、さらに年数をかけて御指摘のような開墾、土地改良、土壌改良等をやればまだまだ伸びる余地はある。六千町歩で五カ年輪作にすれば、三万町歩の畑だけが対象になるわけです。既存の畑でもっと土壌改良をやればふえるし、さらに開墾を進めればふえる、こういう可能性はわれわれ希望を持っておるものであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 あと二点だけ。一つは、こういうテンサイに対する新たなる一つの振興法ができるということを聞いて、まあわれわれは非常に喜んだのですが、それと同時に、業者がおそらく農林省へ殺到してきて、自分の方の経営に有利な方に展開させようという相当申し込みがあると思います。ただ、私の非常にこれを考えなければならないのは、一年や二年で利潤をあげるものでもなければ、また農民にとつては、特に東北地方等においては新しい今までの方針を捨てて、テンサイならテンサイに移るとすれば、これはまた一朝一夕には変らない。それで、どういう製糖会社が行くにしましても、農民にしわ寄せのならない、しっかりした会社を選ばなければならない。そういう点においては、農林省としましては十分に慎重に考えていただきたい。この一点、それに対する問題と、もう一つは、やはり何といっても、食糧庁の方ではテンサイに対処するところのかぎを一方では持っておるわけですから、国内におけるテンサイ糖の育成振興ということを考えた場合においては、こっちの方に対する問題をある程度一生懸命振興しなければならない。税金の問題はどうなるか、関税と国内消費税の調整はどういうふうにやっていくか、これは将来のテンサイ糖がどう伸びるかという一つのキーポイントになると思いますが、その点について長官はどういうふうにお考えですか。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) まず、第一点のテンサイブームと申しますか、それに対してテンサイ糖会社が争って工場を作りたい、こういう運動があるのじゃないか、こういうお話であります。北海道では非常に激しい競争になっております。東北では東北開発興業ですか、フジ製糖が今出てきております。この点は一長一短がありまして、東北開発興業の方は東北開発を目標としておる。フジ製糖の方は、これはフジ製糖はビートには経験がありませんけれども、南洋等においてカンショ糖を栽培した経験者、それから砂糖の精製の経験者である。従って両方とも一長一短がございます。ただ東北としましては、できるだけ早くビートを導入して東北の農家の経済を安定するということが目標でございまして、これは、先ほど小笠原委員からもお話がありましたが、東北開発興業の方は東北で民間企業の及ばざるところを国策的に推進するのがあくまでも使命じゃないかと思っておりますので、かりにフジ製糖は、われわれがある一定の目標を立ててそれまでにどういう施策、指導なりあるいは何年計画で工場を完成するとか、そういうふうな計画が適当であれば、フジ製糖に先にやらして、そのあとを東北開発興業にやらしたらいいのじゃないか、こういうふうに考えております。地元の知事さん等も、東北開発興業の方は、抽象的にはビートを大いにやらなければいかぬというけれども、具体的にはビートの栽培指導であるとか、ビートに関する研究はやはり製糖会社の方が具体的に進んでおりますから、どうしてもそちらの方と近づきになっております。これもやむを得ないのではないかと思っております。しかしこの問題は、先ほど来小笠原委員からもお話がありましたので、さらに検討を要すると思いますが、実情はそういうふうになっております。いずれにしましても、要はテンサイをできるだけ早く生産して農家経済を助けるということに支障のないようにしなければならない。  それから第二点の、砂糖の税金の問題でございますが、これも先ほど小笠原委員からお話がございましたが、砂糖の消費者価格のうち半分が税金でございまして、これはヨーロッパの例等を見ると、ビートの直接補助金、こういう形態で出しておる時代も国によってございます。それからイタリーなんかは、ビート砂糖の売上額をテンサイの原料生産者と砂糖の生産者と自動的に分けておる。こうなりますと、結局砂糖価格が高い方がいいという強い国民の要求で、砂糖価格としてはイタリーが一番世界で高いのじゃないかと思います。そういうふうなことになっております。いずれにしましても、砂糖は消費者の側からいえば、税負担せずにもっと安く消費したいと思うし、生産者の側からいきますと、ビートなりケイン・シュガーなりあるいはカンショ、バレイショの澱粉から結晶ブドウ糖を作るということになりますと、どうしてもその原料の生産者に妥当な報酬を与える価格で原料が買い上げられなければならない、こういう要求がございますから、この両方の要求を現在のように関税、消費税でまかなつた方向を継続するのがいつまでもいいのか、あるいはこのうち一部を、関税、消費税の一部を少くして、一部は生産者に直接の補助金にするとか、そのやり方としては、先ほどもお話がありました専売制もあるだろうし、あるいはイギリスでやつておるように、輸入糖に一定の賦課金を出して、その利益をテンサイの方に回す、いろいろな制度があると思います。これらは日本の現在の経済機構、将来の国内の甘味資源の発展の見通し、こういうものを両方考え合せましていい制度を考えなければならない、こういうふうに考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それならば、非常に私は微妙な問題だと思うのは、こうしたテンサイ産業を保護するというのは、保護政策を一つはっきり、やはり基本方針として打ち立てなければならない。それから、輸入糖に対する問題なども貿易とのバランスの問題から出てくる問題であつて、輸出輸入のバランスと国内産業における育成保護のバランスとがうまくいかないというて国内産業を圧迫するようでは、いつまでたってもこれは発達しないので、ある程度思い切って、あなた方の理想が、将来五年なら五年でこれだけ上るという一つの目標だったら、思い切った施策をしなければなかなかいかないじゃないか。ことに今お話を聞くというと、東北地方のあれなどは、全然ほとんど手をつけない処女地である。北海道等は、今までの経験を生かしておるし、また初めのころは、外国の生産地からわざわざ指導者を呼んで、そうして熱心にテンサイの育て方等を研究して、そうして幾多の苦難を経て今日に至った。だから、やりやすくはなっているでしょう。東北などは、今言うように処女地である。しかもそれを担当しようという会社が東北振興会社、これはもう全然これには何らの経験がない。ただ、東北を振興しようというアイデアだけを持っておる会社であるし、それから一方のフジ製糖は、かつてはケイン・シュガーのいわゆる経験者であるけれども、その他においては、テンサイ糖に対してはまだ未知数である。そこで私どもは、東北というものに対する将来のこの問題に対しては、よほど真剣に、慎重に考えないというと、あるいはまた中途で挫折するおそれがあるのじゃないか。そういう点を十分に研究して、北海道と並行してこの問題の解決に当つていただきたい。こいねがわくば、北海道に非常に先輩の指導者等がおると思いますから、これは岩手県なり青森県が熱心であれば、そういう先輩の指導者を招致して、東北における指導をやらせるべきであるし、やるだけの熱意を持たなければ、これまた農林省が幾ら声をかけてもできないことであるから、そういう方向へ指導していただきたい。これは強く要望いたしておきます。以上で、私はこの問題についての質問はやめます。

東隆日本社会党

○東隆君 私は、二、三点お尋ねをいたしますが、それは、先ほどから東北のビートの問題が問題になっておりますが、工場を入れることは、これはケイン・シュガーの方の経験者でもこれは問題でないと思うのです。ことに政府が買い上げるということを前提におけば、工場は喜んでどこへでも入っていくと思う。問題は、農家がいかにしてビートを耕作するかという問題が、これが一番大きな問題になっておると思うのですが、そういう点を考えて参りますると、私は北海道を中心にして、橋頭堡を東北の方に伸ばすときに、一体どういうような形でもって攻めていったらいいか。こうして、やはり過去の経験を十分に持った工場が東北に入っていって、そうして農家の指導であるとか、その他をやるべきじゃないか、こういうふうに考える。端的にいえば、私は日甜が東北の方に行くかどうか、そういうことはわかりませんけれども、しかし日甜から毎年金を吸い上げて、そうしてやるよりも、日甜から金を吸い上げないで、日甜に東北の方に工場を持たす、そうして過去におけるところの経験を十分に生かさして、東北にやらせる、東北にビートを広めていく、こういうような態勢をとるのが、これがビート振興の上においても私は非常に策を得たものでないかと、こういう考え方を持っておるわけです。工場は、これは採算がとれるように政府が買い上げればこれは常に成り立つのですから、これは何も問題でない。会社自体としてはそんなに心配はないと思う。ただ問題は、政府がそんなに高い値段で買い上げるということになつたら問題になってくると思うのであります。そこで、やはりビートをある程度集約的に栽培をすることを考えなければなりませんし、そのためには四十年の経験を持っている、その経験をやはり十分に生かさなければならぬのではないかと思うのです。で、私はそういうような点で、今フジ製糖が何でも優先的な考え方を持っているようでありますけれども、これは政府が十分に考えなければならぬことではないかと、こう考えております。それから、私はそういう点で、実は甘味政策そのものについて、今農林省の考えている考え方が少し規模が小さ過ぎるのじゃないか、それで、台湾の糖業をあそこまで持っていくのには、児玉源太郎総督のときに民生長官後藤新平がいて、そうしてそこへ新戸部稲造が行ってあの計画を立った、その当時のことを考えてくると、これはもうものすごい大規模な考え方でやつているわけです。それで初めて台湾におけるところの糖業が確立をしたのであつて、これは実に非常に雄大な計画のもとに進められ、しかも官憲を使ってやるというような、そういう荒療治までやつて進めていった、そういうような点を考え、また北海道の四十年の、第一回の明治初年では失敗をしたのです。そうして第二次に入ったのは大正十二年ごろから入っているわけです。ちょうど欧州大戦と同時に、北欧の方なんかもビートが入っていっているわけです。それと軌を一にして先進のデンマークやあるいは西ドイツ、そういうような方面から外人のものを導入して、そうして北海道はビートの開発を少しもやつたごとがないから、それを進めていっておるわけです。先ほど千田委員が言ったように、そういうような形でもって進めているわけですが、そういうようなものをずっと振り返ってみると、このビートを導入して、そうしてそれをある程度の安定した農産加工の工場として成立をさせるためには、これは相当なものを考えなければならぬと思う。ところが、今農林省でお考えになっている考え方は、ちょうど豆を煮るのに豆がらでもってやいているようなやり方をやつている。これは、はなはだその規模が小さい。それで、やはり関税でもって相当な金額が吸い上げられるのですから、この吸い上げた金額を十分に使って、日本の甘味政策の確立をやらなければならぬと思う。それで、砂糖の消費税は、これはなぜとったかというと、台湾が日本の植民地であったものですから、そこから入ってくるのは関税をかけなかった、そこで国内におけるところの砂糖の消費税をかけて、そうしてそこから見合いでもって、北海道のごときはビートの消費税を対象にして、そうしてやろうとしたわけです。ところが、今そういうようなことを考えなくてもいいわけです。全部砂糖は海外から入ってくる、ほとんど大部分が入ってくる、従ってそれに容赦なく関税をかけても、これは問題にならないように状態に置かれている。だから、この際関税を十分かけて、そうして国内でもってバランスがとれないというならば、砂糖の価格が高過ぎるというならば、逆に補助をする、価格に対して補給をしてやる、消費税をとるべきじゃない。だから、それくらいの考え方でいけば国内におけるところのビートの生産というものは進んでいく、そういうような荒療治というものは、これはちょうど日本における甘味政策の転換の機会なんですから、その程度の荒療治をやつても、何もそんなに問題にならぬことだと思う。ところが、政府の考え方は、やはり消費税を少し残していきたい、これはちょうど虫様突起みたいなもので、変ったんですから、台湾から入って来るのでももう関税をかけることができるようになったんですから、だから何もそんなに遠慮することはないわけです。だから、消費税という虫様突起をとってしまって、そうして関税一本でいけばいいわけです。こういう考え方でいって、関税から上ってきたところのものを、ビート糖業のいろいろな方面に使うんだ、こういうふうに政策を転換するときできないかと思う。そいつを、何か知らぬけれども遠慮をされて、そうして消費税をまだ残しておられる。これは私は、日本の甘味政策を確立するという考えにおいて、まだはなはだ徹底していないところがあると、こういう考え方を持つんですが、この点は一つはっきりしておいていただいた方が、今日甘味政策を確立して、ビートを奨励する点においては非常に有効だと考えますので、一つお答えを願いたいと同時に、政務次官もはっきりとこいつを、一つ大蔵省と折衝をする考え方を持っていただきたいと思うんですが、お考えをまたお聞きしたいわけです。

渡部伍良食糧庁長官

○政府委員(渡部伍良君) お話の点はよく了解できるのでございます。国内甘味資源の生産増強について対策がなまぬるい、こういう関係、それに関係して関税と消費税の関係でございますが、従来は消費税が大部分で関税が一部と、こういうことであったのを、今度はそれを逆にしまして、関税が大部分で消費税が一部と、こういうことで関税本件の価格でビート糖なり、ケイン・シュガーなり、あるいは結晶ブドウ糖が、そこで生産された場合に輸入の砂糖と対抗ができる、そういう条件を作ったのが今回の措置でございます。これをお説のように消費税は全部やめてしまつて、関税だけでやつたらいいじゃないかということもわかります。しかし、関税消費税を振りかえる際に、関税だけでございますと、税収を少くとも三十四年度の一定の輸入数量を前提としたー三十四年度の消費を基にしまして関税、消費税の税収を不動ということにいたしますと、糖価を、関税の額を、今の消費税の額以上に上げなければならない計画になります。そういうことは、砂糖の消費者価格を上げるということになりますから、そこまではいけない。それならば、消費税を全然やめてしまつて、関税を適当なところでやめればいいじゃないか、今度の振りかえの関税の線を適当といたしますと、これでも従価に換算しますと一〇〇%以上になりますか、適当としますと、消費税を変えなければ日本のカンショ、バレイショから出てくる結晶ブドウ糖というものは、輸入糖と太刀打ちができないと、こういうことになるのでございます。現在の段階では、第一段として関税を大幅に引き上げて、そうして輸入糖と国内産のいろいろな甘味資源の産業が対抗できる条件を作るということを狙ったのでございます。これで十分であるとは私ども考えません。  それからもう一つ、思い切った施策を考えられたらいいじゃないか、こういうのでございますが、やはり北海道のみならず、内地、これは内地の寒冷地及び暖地ビートを含めまして、まだ技術上の問題が相当残つているのではないかと思います。そういう技術上の問題が解明されますれば、思い切った補助金を一定期間注入することによって、台湾で糖業を振興したように、強力に推し進めることもできると思いますが、先ほど来お話がありましたように、現在では内地へ導入する場合には、まず一定期間は農家にビートの試作を委託して、それによってビートそのものになれさして、そうしてそれが農家の経済にどういうふうないい結果をもたらすかということを、強権的にではなくして、農家の経験からやはりビートを作った方がいいということを得心さした上に広めていかなければならない。こういうふうな現状では、見通しをつけないで強力に推進するということもいかがかと存ずるのであります。従って、今回は関税、消費税の切りかえによって、輸入糖と太刀打ちができる条件を提供する。そしてその間、技術上の研究等を大いに進めまして、その成果に基いて、要すればさらに発展的な施策を考えてもおそくはないのではないか。こういうふうな考えでありまして、お話の点は、私ども非常に何といいますか、やりたいと、こう思うのでございますが、やはりステップ・バイ・ステップというふうにいった方がいいのではないか、こういうふうな考え方から現在の案を出しております。

高橋衛自由民主党農林政務次官

○政府委員(高橋衛君) ただいま食糧庁長官からお答申し上げましたことで大体尽きるかと思いますが、消費税から関税に振りかえます場合におきましても、現段階において必要とする最小限度で一応とどめて、そしてただいま政府が考えておりますように、この際根本的に、かつ大規模に試験研究に重点を置いて、これを推進するということが、現在の日本のテンサイ産業に対する施策として最も適切な措置じゃなかろうか、かように考えている次第でございますが、午前中からも小笠原委員からたびたび財政の建前の関連において御質疑があったのでございますが、やはり関税につきましても、おのずから国際的な、何と申しますか一つの程度というものがございますので、たとえばフランスにおきましても、イタリアにおきましても、戦後テンサイの振興は非常に力をいたした国で、しかも今日大体自給を達成いたしている国柄でございますが、それらの国柄におきましても、大体一〇〇%程度の関税率によって、国内産業を保護してきている。日本におきましても、今回の関税の引き上げによって大体その程度まで引き上げるということになる。その限度において、消費税を引き下げるということに相なっているわけでございます。しこうして一方において、日本てん菜振興会のためにと申しますよりも、てん菜振興会の事業を遂行する、大々的に遂行するという計画を、政府といたしまして確立いたしました次第でございますが、その財源と申しますか、ひもつきではならないと言いながら、何とはなしにその納付金の金額をこれに充当する計画を、政府としては一応持っておる次第でありますが、これらの点もテンサイ産業振興に対して一つの画期的な企画であろうかと、かように私ども考えておるのであります。こういうふうな日本の農作物全体のバランスから申しますと、一つの、どちらかと申しますると、マイナス・クロップだろうと思いますので、こういうふうな一つのビートというものに対して、これほどの大きな規模の試験研究を行い、またこれに関連して助成を、振興措置をとるということは、これは画期的なことじゃなかろうか、しこうして、財政の面におきましては、もちろん今までかつてそういう例はないのでございます。たとえば道路のためにガソリン税を目的税にするという説が、数年来とられ、その結果として道路の改良というものが非常に促進されましたのでございますが、あの場合におきましても、財政論といたしましては、かように、一つの国民の負担になるところの財源というものを、一つの目的に縛ばるということは、必ずしも妥当であるかどうかという点について相当議論のあるところでございます。また、その後の実例を申し上げますと、自転車競技法によりまして、自転車振興会の、まあテラ銭と申しますか、あれが自転車工業の、それに関連するところの機械工業の助成に使われるというふうに法律上明定されたのでございますが、これらも財政の本来の筋から申しますと、ある程度異例の措置であると申さなければならないのでございますが、テンサイの振興の場合におきましては、そういうふうに法律上の結びつきは全然なかった。しかし、実質上は政府としては、せっかくこういうふうにしてテンサイ糖の製造業者から納付される金であるから、そういうふうな金を何とかしてそういうふうな試験研究のために留保しておこうじゃないかという考え方は、一つの特別な新しい産業を振興する上においての考え方ではなかろうか、また国民全体に受け入れられるところの一つの考え方じゃなかろうか、こういうふうに考えまして、こういうふうな一つの総合的な対策を打ち立てたような次第でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 今、政務次官のお答えになったことのような考え方が、私は実は小さい考え方だと思うのです。というのは、ガソリン税を目的税にして道路をやるという考え方、これは実は非常にでっかい考え方なんです。これはアメリカなんかでもやつておるし、私は、まだ建設委員をやっておった時分に、実はガソリン税を目的税にすることを実は主張したんでありますが、そのときにはいれられなかった。そういうこともはっきりしておりますが、しかし、そいつをなぜ言うかというと、やはり情勢ががらっと変つておるんですね。日本の甘味政策を確立する場合に、消費税の問題は、私は消費税をかけることによって、国内で生産されるものにやはり重きをつけられるべきことなんです。だから、消費税は一つゼロにしたらいいじゃないか、それからもし、この小カン練乳だの何だのの売渡価格を下げるというような問題も、もし必要があるならば、補給をすればいい、価格の補給ですね、そして関税一本でもってやればいいじゃないか、消費税の方も、今度の改訂の内容を見ましても、実に複雑怪奇、その分け方が。こういう複雑なやり方をして、そして税金をとる役人をたくさんこしらえてみたり、何もそんなにいいことにならぬと思う。これ一つ、配付された資料をごらん下さればよく分かると思います。実にこまかい計算をされて、そしてやられておるのです。これの平均が、先ほど出た形に出てくるのでしよう。しかし、こんなふうに分けなくてもいいわけです。消費税に関する限りはゼロにしてしまえばいいのですから。そして関税一本でいくと、こういう形をおとりになればいいので、これはもうまるで税金とりの役人をふやすためにやつているようなものじゃないですか、そういうふうにも考えられる。これは今まで消費税をとつておったが、人がたくさんいるから、そこでその人が仕事のできるように、やはり同じように部類を分けて税金をとる、そんなふうにしかこれは見られないようになっておるのですね。私はそういうことをやるよりも、一つ片っ方の方をゼロにしてしまって、そして一本にしてしまって経理をされる方が、そして甘味政策の確立という考え方から、国内で生産されるところの幼稚な産業ですから、それに国が力を注いでいく、こういう態勢に力を注いでいけば、非常に考え方が強くなってくると、消費税をとったのでは、少しもうかるようだから一つ出せ、こういう形になるのであつて、これはあまりいい考え方でないと思う。  それから、日本てん菜振興会をこしらえて、それの振り当てに、今度は納付金法という法律をこしらえてそうして出させる、しかもその対象になっておるのは日本甜菜糖、日甜がその対象になっておる。これは四十年の過去の歴史、この間に会社がつぶれたり何かいろいろな難行苦行を尽してここに到達しているのだけれども、これはてん菜臨時振興措置法ですか、あれによりやっとこさで息をついた。北海道に入っておる工場というのは、これは全部かつて苦労をして……そうして集約的に栽培をされるような事態にみんな入り込んだのであつて、一つも力を注いでいないのです。ビートの耕作について一つも力を入れていない連中が中に入り込んできているわけです。そして、先のもののやったやつをみんな取り上げているのです。だから、今考えなければならぬことは、北海道でもビートが耕作されていない地帯、それは道南なんですけれども、それは工場から非常に遠かったものですから、昔は栽培を勧めておつたけれども、しかし、工場が遠いとか、採算がとれないからそういう所を切った、そういう所が今そのまま残つているのですが、そこへ工場ができようとしてそして例の余剰農産物の金、あれを出そうとした。そしていよいよ設立というような段階にまでいったところが、芝浦が北見に入って、そして北連がまた斜里に工場を作る、こういうことにして三等分するという話になって、それでは道南の方にはやり得ないから、こういうので台糖が引つ込んだ、そういうような過程をまざまざと私どもは見せつけられておるわけです。だから、これからビートを振興させる地帯は、東北もそうだけれども、北海道における道南の地帯なんかは、これは東北と同じような形にまでもって進めていかなければならぬ、そこへはもうものすごく金をつぎ込んでやっていかなければ進んでいかない、そういうような所がたくさんまだあるのです。それをビートの方から、少しばかり古い工場が余裕ができるというと、いよいよそれを吸い上げをやる、そういうようなことをやらせるよりも、そういうものにおもに経験を持ったものにもう一度道南の方であるとか、あるいは東北の方に伸びていくとか、そういうような機会を与えてやることが、これが進めていくことになるのです。そういうことをやらないで、先ほど言ったように、豆を煮るのに豆のからでもってやるというような、そんなやり方をやって決して私はビートは進むとは考えられない。だから、その点ではなはだ三つの案等も私は意に沿わないことがたくさんある。それで、今の段階で私はなはだ残念だと思うけれども、しかしこの点は、まだ将来もあることなんですから、このままでもって、東北の方に全然ビートについて知らないものを入れる——それは採算がとれるかもしれない、採算がとれるというのは、政府が買い上げをすればいいのですから、これはできるかもしれない。しかし、思うようにビートが入っていくかどうかということになると、これは大へんむずかしい。この点は、一つ十分に練りかえをしなければならない問題じゃないか、こう思うわけです。この点はほんとうに練りかえをしなければなかなか思うように進まぬのじゃないか。問題は、もうすでに北海道の中にあるのですから。だれも宗谷の端っこの方に行って工場を立てるという人はいないのです。また、道南の方のあっちの方に立てようという人はいないのです。ところが、あそこが一番、北海道の根室といわれておるくらい、非常に気候の悪い、そうしてビートを当然入れなければならぬ、そういうような所がそのままになって、天北原野の開発問題、道南の方の開発にしてもそうです。そういう開発をしなければならぬ地帯がみんな残っておるのですから、だから私は東北の問題と同じように、そういう問題を考えなければならぬ。今、工場が立っておる所は、これはもうただシロップをこしらえて、そしてそれを粗糖にすればいいという地帯です。政府が買い上げを前提にすればもう喜んでやる所ですから、だからそういう点を一つ十分に考えていただいて、甘味政策の練りかえを一つやつてもらわなければならぬ。そうでないと、ほんとうのビート糖業を進めることにならぬと思う。こういう考え方ですが、こういう点から、私は関税や消費税の問題、それから納付金の問題、それから振興会の問題、振興会の問題でもビートの方から取り上げて、そうして暖地の方のビートの方まで伸ばそうとする、そうだとすると、たった十億くらいの資金でもってやつていけるはずはないのだ。これはもうものすごく、日本における少くとも水田地帯を含めた畑作地帯の大きな改革になってくる。だから、ケイン・シュガーによってまかなわれておったところを今度はビート・シュガーによってまかなっていくということですが、ケイン・シュガーの方は、これは野蛮人の、文明改革の程度の低いところの人がそれをなめておった、やっとこさで日本がビート糖をなめるようになったのです。ビート糖はこのように文化人の生活に入ろうとするときですから、大きな転換期なんだから、私はもっと雄大な甘味政策の確立をしてもらいたい、こういう考え方を申し上げておるので、これではどっちかというと、非常に小さ過ぎて、そうして農林省の仕事を進めるのに思うようにいかぬ。だから試験場なんかも、これはもう実に小規模です。そういう考え方で質問をしておるのですから、はなはだぶしつけなことを言うようですけれども、私はもう一度練りかえをしてもらいたい、こう考えておるのです。今回の場合は、これはいたし方がないでしょうけれども、そういう問題を私は持っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 開墾地がありますね。既墾地の転換でなく開耕地、これは計画はできておるのでしよう。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) ただいまのお話のものは、北海道の開墾計画でございますか——北海道の開拓地の計画は、前に資料で説明してあるのでございますが、これは北海道の第二次五カ年計画の数字をとつております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それとタイアップしているのですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) ええ、それと年次が少しずれておりますので、三十四年度の計画でございますから、三十三年、三十二年、こういう点は実績をとつております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 その計画は、道庁で出したビートの促進計画に合った計画になるわけですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) ええ。これは開墾計画の方も道庁で計画しておる数字でございますし、このビートの計画も道庁と相談してきめておるものでございますから、それは合っております。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて。  それでは、これらの三つの法案につきましては、大体質疑も尽きたようでありますから、ただいま懇談申し上げた通り取り扱うことにいたします。   —————————————

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 次に、農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金の処分等に関する臨時措置法案(内閣提出、予備審査)を議題にいたします。この法律案は、去る三月十三日の衆議院農林水産委員会において、全会一致をもって原案通り可決され、本日の衆議院本会議に上程されております。この法律案については、去る三月十日の委員会において、提案理由の説明を聞いたのでありまして、ただいまから、これが審査を行うことにいたします。  まず、補足説明を求めます。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) ただいま御審議をいただいておりまする農業共済基金法第三十九条第一項の特別積立金の処分等に関する臨時措置法の提案理由は過般御説明申し上げたわけでございますが、私から補足といたしまして若干申し上げたいと思います。  この基金はすでに御承知の通り、昭和二十七年に政府出資十五億円、民間からの出資十五億円を予定いたしまして、合せて三十億円の資本金によりまして設立をいたしたわけでございます。目的は、農業共済組合連合会の事業不足金の融資をいたすことを目的といたしておるわけでございます。事業不足金と申しますのは、この共済事業は一定の料率で掛金を取りまして保険金の支払いに充当いたすわけでございます。実際の災害は、時により非常な無理がございますので、現実に事業不足金が当該連合会積み立てられておりますものでは不足をする事態が生ずるわけでございます。その場合、一時この基金から融資をいたしておきますれば、長期的にこれを返済をして参ることができる、いわゆる長期的には均衡をとれることになるわけでございます。さような趣旨で共済基金を作ったわけでございますが、政府からの出資十五億円は設立と同時に払い込んだわけでございます。連合会からの出資は七回に分けまして、分納いたすことになっておつたわけでございます。その六回目までは全部納付をいたしておるのでございますが、最後の納付金につきまして、その期限が本年の三月三十一日に到来することになります。これを完済いたしますと、連合会側の出資十五億円が全部完済されることになります。この最後の出資二億三千六百十二万円でございますが、これにつきまして、かねてから基金及び府県の連合会並びに末端からの要望といたしまして、この基金に積み立てられてあります剰余金をこれに充当することとしてもらいたい、現実にこれを新しく現金で納付いたしますと、最終的には末端農家まで若干の負担分がかかって参ることになりますので、この際新たに農家に負担をかけませんために、現に基金に蓄積されております剰余金をこれに充当することをもって完済の手段にかえてもらいたい、という希望が非常に強く出ておったのでございます。共済基金の剰余金は、法律によりまして一割だけは損失補てんの用意のために損失填補準備金として積んでおることになっておるのでありますが、その残額はこれを一応積み立てまして、その処分の方法は法律できめることになっております。従いまして、現在の基金法では、剰余金処分の方法は具体的にはきめてない、実際に処分をいたします場合、法律によりましてその際にきめることになっておるわけでございます。従いまして、今回の剰余金を出資に振りかえます措置を剰余金処分の一つの方法といたしまして、それに必要なる法律を提案したわけでございます。この措置によりますと、現在二億三千六百十二万円の剰余金出資残額が残つておるわけでございますが、この出資残額割りに応じまして、各連合会が共済基金に出資をしたことに相なるわけでございます。従いまして、その出資残額割りの額に応じまして、各連合会に持ち分が帰属するということになるわけであります。  簡単でございますが、補足説明を終ります。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ただいまから質疑を行います。御質疑の向きは御質疑を願います。

関根久藏自由民主党

○関根久藏君 これは何ですか、出資の残額に対して特別積立金を解消して分けるのですか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 現在、特別積立金が約二億六千万円あるのでございますが、その中で二億三千六百十二万円を最後の出資に充当いたすわけでございます。その充当の仕方は、この二億三千六百十二万円の各連合会別の出資割当額がきまっておりますから、そのきまっておりまする割当額に応じまして充当して参る、さように考えておるわけであります。

関根久藏自由民主党

○関根久藏君 そういう何ですか、未払い込み分と特別積立金を割り当てるのとぴったり一致できるのですか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 二億三千六百十二万円が最後の出資残額でございます。それから、現に積み立ててありまする積立金は約二億六千万円、これを、二億六千万円一本で、持ち分がだれのものであるということでなしに、共済基金一本で積んでいるわけでございます。それを取りくずしまして二億三千六百十二万円を各連合会の出資負担額割、これはすでにきまっておりますから、六カ年計画で七回払いで払いますときに、ちゃんと各年次別の払込額がきまっているわけであります。それに応じまして最後の七回目分だけは残っているわけでありますから、その連合会別の出資責任額に応じて分けているわけであります。従いまして剰余金がなお三千何百万円この年度末で残っているわけであります。

東隆日本社会党

○東隆君 これは国が十五億、それから連合会が十五億、そこで国の方はみんな出ているわけですね。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 政府出資の十五億につきましては、設立と同時に全部完納いたしております。

東隆日本社会党

○東隆君 そうすると、連合会が出す分の十五億の中の最後の年次のものがまだ未払いだ。そこでそれを何ですか、剰余金ですか、今共済金として積み立てているのがありますね、貸付をした利子、それから預金の利子ですか、そういうものででき上ったものでしょう。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) この特別積立金は毎年度決算で出て参りまする剰余金から、先ほど申し上げましたように損失填補準備金を剰余金の一割だけ控除しまして、それを損失填補準備金に積み立てまして、その残額を特別積立金として積み立てたわけであります。従いまして、その発生しました原因は、基金の貸付利息及び預金利子等でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 その取りくずしをする基金の中身は、これは共済を受けたところですね。被害、災害にあったところ、そういうふうなところが一番たくさん出しているわけですね。実のところを言うと、その中身はそういうことになりませんか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 被害を受けまして、現実に業務不足金が相当額出ましたために、基金から借り入れを受けたということになりますと、それに対して約五分何厘の利息を払つておりますから、その意味におきましては、そういう利子負担は、借りました額に対しまする利子負担は当該農家に出してもらうということになります。

東隆日本社会党

○東隆君 そうすると、災害の非常に多かった北海道なんかは功労者ですね。功労者になるわけですね。これは冗談ですけれどもね。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 基金にはそういう意味におきまして利子負担を願ったわけであります。功労というか、御利用願つているわけでございます。

東隆日本社会党

○東隆君 その中身、たとえば家畜共済関係と、それから普通の作物の共済関係あるいは桑園の関係ですね。そういう関係がどんなふうになっているか、おわかりになりませんか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 昭和三十三年の十二月末現在で一時不足資金として貸し付けておりまする各共済主体別の金額は、農作物におきまして三億八千七百万円、蚕繭につきまして一億一千七百万円、家畜につきまして七千九百万円、合せまして五億八千三百万円でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 災害に対して概算払いその他をやる場合に、私は非常にこの基金によって利益を得ていると思うんですが、今お話しになつたのをみると、家畜の方があまり進んでおらぬようですけれども、実は家畜の場合に殺処分をやつたりした場合におけるところの代馬、そういうようなものを購入あるいは死廃その他の場合における別途借り入れ、新しく購入する場合とか、そういうような場合にこの金が実は非常になめらかに出ることによって解決をされる面が非常に多いと思うんです。相当早く出るようになっているのかどうか、実は初めのうちに、実は動物の関係について非常に困っておったんですが、最近割合にそういうような声を聞かないのはこのためじゃないかと思うんですけれども、どれくらいな速度でもって金が出ているか、おわかりになりませんか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 家畜共済につきましては、現実に業務の状況を見ますと、仮渡しという措置は家畜には大部分とつておらないようでございます。と申しますのは、御承知のように、農作物につきましては、損害評価の確定等が相当手間取りますので、どうしても仮渡しによって一時処理をして参らなければならぬのでございますが、家畜につきましては、現実に死廃事故が確認をされますればそれで支払いができるわけでございますから、仮渡しということでなくて、本払いをできるだけ促進するという考え方でやつているわけでございます。ただ、これは、先般農災法一部改正の御審議の際にも御質問ございましたように、われわれとしてはできる限り促進をいたしたいのでありますが、やはり現実の支払いの様子を見ますと、家畜につきましては二、三カ月かかっているわけでございます。これは支払い業務の現在のやり方が、いろいろな書類が一応中央まできて処理されているというようなことにもなっておりますので、もう少しさらにこれを促進するような工夫をいたさなければならぬと思いますが、現在の様子では二、三カ月家畜の支払いにつきましてはかかっているのが実情のようでございます。

東隆日本社会党

○東隆君 これは、たとえば馬のような場合は、耕馬の場合、これは非常に差しつかえを起す問題になります。決定を早くすれば協同組合なんかでも融資ができると思うんですが、何かこの早くやる方法をやらないと、耕作に差しつかえを起すような問題も起きてくると思うんです。それで、せっかくこういう制度があるのですから、これの裏打ちその他によって組合から出ればすぐ、組合がかりに申請をすれば、申請をしたときに同時に金が出るというような、そんなような方法は何かできそうに思うんですけれども、家畜の場合はまとまったものでないですから、個々の場合が多いんですからそれだけ個人に集中されてくるわけですね。そういう問題があるんですから、何かそれを救済するようなやり方がこの制度でできないか、こういう考え方を持つのですが、その点何かいい考え方はございませんか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 家畜の場合につきましては、事故の態様、性質から考えましても、一時に相当額の金が支払いに不足をするというような、ことには一般の場合にはならないと思います。むしろ支払いが遅延をいたしてきておりますのは、現在の共済金支払いの手続上の問題、あるいは技術上の工夫が足らない点にあるかと思うのでござまして、もちろん基金の量をさらに拡充整備いたしますことによって、それに対する対応策が考えられますれば、われわれとしてもさらに工夫をしてみたいと思いますが、おそらく問題は、そちらの側からではなくて、現在われわれがやっておりまする家畜共済の支払い業務そのものをさらに工夫検討してみますごとによって、若干ずつでも改善ができるのじゃないかと思いますので、そちらの側からさらに工夫をいたしてみたい、かように考えてます。

東隆日本社会党

○東隆君 今回の場合は、これで払い込みが全部完了するのですが、このやり方でいきますと、将来にまたこの振り当てた財源、これがふえていく、これはどういうふうな使い方をされるのですか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 今回は一応現在までに積み立てられました二億六千万円のうち、大部分をこういう方法で処理をいたすわけでございます。今後の積立金につきましては、法律では、ただその処分については法律できめるということが書いてあるだけでございまして、今後の問題は、今回の法律では何らきまらないわけでございます。この剰余金処分の特別積立金処分の考え方につきましては、基金設立の当時のいろいろ経過等もございまして、具体的に申し上げますとこの連合会から出資した分については、ある程度定期預金程度の配当を期待するというような考え方もあったようでございます。この特別積立金が積み立てられました考え方の背景にも、そういうような考え方を含んでおるようであります。従いまして今後の処分の方法につきましては、これは政府出資との関係もあるのでございますが、政府部内でも、関係者といたしましては大蔵省、また具体的に基金及び連合会等の意見を広く調査いたしまして、今後の処分の方法につきましては、引き続き一つの方針を立てて参るように検討いたしたい、さように考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 不足しましてね、中金から二銭三厘で借りているのはどれくらいですか。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 最近は比較的貸付額が減つて参っておりますので、現在の段階では、中金からの借り入れ額は少いのでございますが、三十三年十二月末現在では一億でございます。過去におきまして相当多く借り入れました時代は、三十億ないし二十億くらいを中金から調達を——一時借り入れをいたしておった時代もあるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると損失填補積立金というやつは、現在ここにちょっと出ておるようですが、幾らになっておりますか。現在総額……。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 三十二年度末で積立金累積額は二億一千四百万円でございます。損失填補準備金としての積立金は二億一千四百万円でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 大体見通しとしては、損失填補準備金を使わないでずっときておる情勢になっておるようですな、二十七年からずっと。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) 現在までの段階では、損失填補準備金で償却をいたしておるものは、まだほとんどないと承知いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 わかりました。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて。

東隆日本社会党

○東隆君 この金はどういうふうにして置くんですか、保管というと何ですけれども、預け入れ先……。

須賀賢二農林省農林経済局長

○政府委員(須賀賢二君) これは法律で運用先を限定いたしておりまして、法律の第四十条で運用先を限定いたしております。「基金は、左の方法以外の方法によりその業務上の余裕金を運用してはならない。」一が「農林中央金庫その他農林大臣の指定する金融機関への預金」二が「国債証券、地方債証券又は農林中央金庫その他農林大臣の指定する金融機関の発行する債券の保有」、非常に限定的な運用だけしか許しておらないわけでございます。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) この法律案につきましては、ただいまの懇談に従って取り扱いたいと思いますが、ただいま衆議院にかかっておりますので、衆議院が通過いたしましたならば、直ちに討論採決を行うことにいたしたいと存じます。  では本日は、これをもって散会いたします。    午後四時四十九分散会

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