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31回国会参議院1959/06/19

農林水産委員会 閉会後第2号

発言数
93
登壇者
12
会派数
2
開催日
1959/06/19

会議録

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  最初に、委員の変更についてお知らせいたします。  六月十八日、安井謙君が辞任され、その補欠として柴田栄君が選任されました。   —————————————

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 農作物ひょう害の件を議題にいたします。  過般関東、甲信越及び東北地方に発生した農作物に対するひょう害は非常に激しいようでありまして、被害者各位にはまことにお気の毒に存じ、政府においてもその対策に万全を期し、被害者の救済に遺憾なきょう希望する次第でございます。ただいまからこの問題を議題にして、政府当局から被害の状況及びその対策について説明を聞き、政府の善処を求めることにいたしたいと存じます。  まず、被害状況及びその対策について当局の説明を求めます。  ただいま出席の当局は、農林経済局農政課長小林誠一君、同じく金融課長太田康二君の御両名でございます。他の方々はいましばらくしてから出席するようでありますが、農林大臣がかわったために、いまちょっと時間がかかるそうでございます。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) ただいまからひょう害によります農作物の被害概況について御説明申し上げます。  お手元に一枚刷りの資料をお配りしてございますので、それについて御説明いたします。  本年は非常にひょう害によります農作物被害が多いのでございまして、ここに書いてございますように、五月の二十七日、二十八日、二十九日、三十日、三十一日と、六月の一日、三日、四日にひょう害があったのでございますが、さらに(注)の2の所にございますけれども、六月八日には北海道の北見、栃木県、京都府、兵庫県にひょう害がございました。六月十五日には青森、岩手、山形、福島、栃木、群馬の各県に降ひょうがあったのでございます。現在までのところ、まだ確定数字ではございませんが、この四日までの被害を右の2の所にございますように被害面積、被害量として表わしましたのがこの2の表でございます。麦類につきましては、四日までのひょう害は、被害面積九千九十町歩に及びまして、その被害量は四千六百六十トンになっております。バレイショは五百二十町歩で九百二十トン、果樹が八百三十町歩で約二千トン、タバコが千五百町歩で千四百四十トン、その他が二千五百四十町歩で四千三百トンになっております。で、備考にも書いてございますように、果樹及びその他につきましては、それぞれここに書いてありますような作物が被害を受けたのでございます。で、この2の表は(注)にも書いてございますように、六月十七日までに報告のありましたものを取りまとめておるのでございまして、まだ最終的な数字としては今後の調査の結果によりまして変化する見込みでございます。で、2の所にございますが、ことに六月十五日の群馬の被害は相当大きくて、作報にも、統計事務所から統計調査部に入りました金額も相当大なものが出ておるのでございまして、まだ、そういう意味におきまして、この六月十五日までの本年度に発生いたしましたひょう害の全体の被害額は、最終的な数字がまだ出ていない状況でございます。  以上が、この被害概況の資料の説明でございます。  次に、農林省といたしまして、どういうふうな、これに対してこれまで手を打ったかということにつきまして、御説明申し上げます。いろいろ各県からの御要望もございまして、まず麦類のひょう害に対します共済金の仮払いの問題でございますが、これは十五日までの分を含めまして、二十県の知事に対しまして経済局長から、この仮渡し計画につきまして六月三十日までにこちらに報告するように、迅速に被害農家に対して該当する場合は仮払いが行われるように通牒を出してございます。  それからもう一つ、自作農維持資金でございますけれども、現在のところ、自作農維持資金の本年のワクは各県におろしたところでございますので、その範囲内におきまして認定をしていただきまして、それを農地事務局に上げまして、農地事務局と本省とが十分連絡をとりまして、自作農維持資金の貸付につきまして遺憾のないように農地事務局長に通牒を渡しまして、各県に農地事務局から連絡いたさせることにいたしております。  以上が、これまでにとりました対策の概要でございます。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ただいまの説明に対して、御質疑の向きは御質疑を願います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 天災融資法、あれに該当する金額は、総被害が百億円ですか何か制限があると思いますが、その制限と、この天災融資法にかかる程度のものかどうか御説明をいただきたいと思います。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) 天災融資法が施行されましてから、どのくらいの金額の被害があったものについて天災融資法が発動されたかというお話でございますが、三十年の例から申しますと、最低四十億円から五十億円程度の被害でございます。その程度のときに天災融資法が発動いたしております。そのときの融資額は四億五千万円が最低でございます。従来の例はそのようになっております。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ほかに御質疑ございませんか。

仲原善一自由民主党

○仲原善一君 ただいまお示しになった二つの対策がありますけれども、自作農資金の関係ですが、これは本来こういう災害のときに使う意味において用意してあるわけですか。自作農資金というのは、何かわれわれの感じでは、もっと別な意味の災害にはまた別個に考えるべきだという気持がいたしているわけですが。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) どういう場合に自作農維持資金を貸し付けますかと申しますと、これは法律によりますと、災害等によりまして農地を売り渡す等農業経営に重大な支障を来たす農家に貸し付けることになっております。で、従いまして、自作農維持資金の対象といたしまして、この農作物災害によりまして非常な打撃を受け、それで預貯金も持っていないと、従いまして農地も売らなければいかぬ、あるいは家畜も売らなければいかぬというような状況の農家に貸し付けることになっておるわけでございます。そのような農業経営に重大な支障を来たした農家をその対象として考えておるわけでございます。

仲原善一自由民主党

○仲原善一君 先ほどのお話では、ことしのワクの中で善処するようにという意味のお話でしたが、そうなると、災害が特にこう突如として起ったような場合に、従来の計画と非常に変ってこやしないかという心配があるわけですが、そういう点は従来のものは従来通りにして、この災害のものについては特にワクをふやすというような、そういう構想はないのですか。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) 御存じの通り、ことしの自作農のワクは百億円でございます。で、その中で災害等の問題もございますので留保額が取ってございます。従いまして、必要な分につきましては、それらの県につきまして追加配賦を考えたいというふうに考えておるわけでございます。

仲原善一自由民主党

○仲原善一君 もう一つの問題は、例の仮払いの問題ですが、これも毎年やっておることなんですけれども、今仮払いの方法と自作農資金と二つお話しになったのですが、そのほかに今後の対策として何かお考えになっている点がありますか。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) 現在までにとりました措置につきましては、先ほど御説明いたしたところでございますが、このひょう害の被害額はまだ最終的な数字がわかっていないものでございますので、それを見まして、その後の対策等についてやる必要があるかどうかということを検討いたしたいと考えておるわけでございます。

仲原善一自由民主党

○仲原善一君 現在までの面積と、それからトン数みたいなものは御報告になっておりますけれども、金額はこれはわかりませんか。大体資料の中に金額が入っていませんが。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) この金額につきましては、現在のところ、まだ最終金額はわかっておりませんでございますが、これを試算いたしますと、現在までこの2表に上っております被害でございますが、これが約七億一千万円ぐらいになるのじゃないか、約七億円程度というふうに考えられます。で、これの2に書いてございます被害はまだわかりませんので、もっとも七億円ぐらいだろうといいましてもこれも変る可能性がございますが、試算いたしましたところはその程度でございます。

仲原善一自由民主党

○仲原善一君 天災融資法の適用というようなこともお考えにはなっておるのでしょうか。先ほどのお話だと、何か従来の例からいって、総額が四十億円でしたか何かのときに発動したようなお話でしたけれども、今回の分について天災融資法の発動というようなこともお考えになっていますか。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) 現在判明いたしております七億円程度の被害では、従来の例から申しますと、発動が困難だと思います。が、ここにございますように、六月八日、十五日の被害もございますし、そういうものを見まして、被害金額が全部判明いたしました場合に最終的にいろいろ検討いたしたいというふうに考えております。現在のところ、まだその点は決定しておりません。

東隆日本社会党

○東隆君 ひょう害は普通の災害なんかと違って非常に部分的です。しかも帯状にずっと被害がある。こんな状態で、普通の災害のような、たとえば何分の二以上はどうだとかこうだとか、ああいうふうな条件をつけるわけにはいかない。その災害を受けたところはきわめて深刻なものがある。だから、普通の天災融資法のあのいろいろな条件なんかを持ち出していったら、おそらく融資はできないことになるかもしれない。それから、その他の助成関係についても補助関係についても非常に困難な問題があると思う。この際、深刻な被害農家を救済するというような方法を講ずるための考え方ですね。こういうような考え方を、一つどんなお考えをお持ちになっているか、これは至急にやらなければならぬ問題だと思う。それでそういうような、お考えがあるところを伺っておきたい。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) 先ほどお話がございましたように、このひょう害は、金額としましては非常に少いということになるわけでございますが、個々の被害農家は徹底的にやられるということで、個々の農業経営に対する打撃は非常に大きいところがあると思います。従いましてそういう点からひょう害についていろいろ手を打たなければならぬじゃないかという御意見はごもっともでございます。天災融資法の問題でございますが、これは御存じの通り政令指定をやることになるわけでございますが、その条件といたしまして、国民経済に大きな影響を与えるものとして政令で指定するということになっておりまして、国民経済に大きな影響を与えたかいなかという問題が出てくるわけでございます。従いましてその点、直ちに被害深度が深いからといって天災融資法を発動させるということにはならないような法の建前になっておりますので、その点の両者を勘案して決定しなければならぬのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 そうすると、今のこの状態では六月四日までの計算では天災融資は望み薄、そこで六月十五日までに……十七日までですか、十五日までですか、起きたものを加えると何とか可能性がありそうに見える、こういうようなお話のようにも伺ったのですが、しかし、そういう問題でなくて、私はひょう害という、そのものについての災害の個々の農家に対する打撃ですね、そういうようなものを考えることをもう一つ何か急速に考える必要があるのじゃないか。こういう問題は、実は年度当初の関係で共済関係にも関連を持ちません。ここにあるものはほとんど関係を持たないものばかりです。救済する方法が一つもない。だから、ひょう害は毎年来るわけじゃありませんけれども、しかし、全国的にいえば、そのひょう害を受ける地帯というものは割合にきまったところが受けるようになる。そんなような関係から、やはり相当この問題について、この機会に政府ははっきりした態度をきめておく必要があると、こう思うのですが、そういう点、何かお考えはありませんか。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) 確かにおっしゃいますように、非常にひょう害についての個々の農家の打撃は大きいのでございますが、何分被害がまだ全体的に、量が確定いたしませんので、その結果を見ていろいろ対策を考えたいと思っています。今のところ、ここで天災融資法を発動するかどうかということをお答え申し上げる段階にないのでございまして、その点、一つ御了承願いたいと思っています。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 特に果樹園ですね、相当全面的な被害を受けて、特に個々の場合における被害というものは、相当果樹の場合なんか多いと思うのですが、こういう場合に、これは地方税の問題になると思うのですから、課長にお聞きするのはどうかと思いますが、非常にこういうものに減免税ということも考えられるわけなんですが、この減免税の場合には、当然地方税の問題ですから、地方の財源の中から負担しなければなりません。その場合、財源の枯渇ということも出てくるのですが、こういう場合、中央においては、たとえば交付金というものに対する増額というものが考えられておるかどうかということをお聞きしたいのですが。

小林誠一農林省農林経済局農政課長

○説明員(小林誠一君) 地方税の問題は、自治庁の関係もございますので、私からお答えすることができないのでございますが、県からのいろいろ御要望の中に、所得税の減免の問題も出ておりますので、現在国税庁にもここにございます被害概況を差し上げまして、善処方を御検討願うように連絡はいたしておりますので、その点だけを御報告いたします。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 結局、課長さんのお答えは、それ以上のことはできないと思うのですし、新しい大臣も出てくることですし、臨時国会もあるし、次の調査も出てくる。そういう機会もあって、政治的な考慮をするならするという結論を得られるでしょうから、そのときにあらためてまたお伺いすることにして、事実関係はわかったから、この程度にしてどうですか。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ただいま小笠原君の御意見もございましたが、本件は大体、本日この程度にいたしまして、いずれまた六月八日以降の被害状況も判明してくることと思いますから、次の機会にさらに検討をすることにいたしまして、政府の善処方を本日は要望して、この程度にいたしてよろしゅうございましょうか。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それで私も要望だけしておきたいのですが、さっきからお話がありました天災融資法の諸条件に該当しない、金額的においても現在は七億円程度、従来の例で言うと三、四十億円に対しての融資が、最低で四億五千万円と言いましたか、その程度だというのですから、今後のその後における降ひょうのあった地域の調査が出ても、おそらく三十億円をこえることはないだろうと思われる。そうすると、従来の例からいえば、該当しないという結果になるとも予想されるのですね。しかし、各委員からお話のありました通り、個々の農家の実態をとれば、それはひどい目にあっている方々が多い、こういうような点はどう調整されるのかということは、やはり問題として残る。そういう点については、農林当局として具体的に善処されるように要望して、それが次の事実関係がもっと判明した時期において、本委員会においても御披露願えるように、あなたの部局でよく御相談願っておくことを要望しておきます。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) それでは、本件の質疑はこの程度にいたしまして……。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて。  農林畜水産物の貨物運賃に関する件を議題にいたします。この件については前回国会において、過ぐる三月二十七日の委員会の問題となり、決議を行なって当局の善処が求められたのでありますが、このうち特に公共政策割引については、適用期限が切迫しておりますので、この際重ねて問題にして、当局の意図を確かめ、その善処を求めることにいたします。  まず過般の決議に対する事項について当局の説明を求めます。  なお、当局からの出席は、ただいま国有鉄道常務理事石井昭正君が御出席になっております。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 先般三月二十七日付で、当委員会の御決議をいただきまして、まことに恐縮に存じます。この御決議をいただく際にも、私どもたびたび当委員会にまかり出まして、るる御説明申し上げたと思うのであります。御承知の通り、公共政策割引は本年の六月末まで、昨年いろいろの御相談がございましたので、一年間延ばして参って、六月末までになっております。これにつきまして六月以降も引き続いて存続させるということにつきまして、いろいろ各方面の関係業界の御陳情もございます。また、当委員会の御意向もございます。私どもその際に申し上げましたように、できるだけ私どもといたしましては、国鉄の収入というものにつきまして、非常な難局に参っておりまして、いろいろな原因がございまして、申し上げると多岐にわたりますので、省かしていただきまするが、皆様にいろいろ御公約申し上げている輸送力の拡充五カ年計画というものも、思う通り目下のところでは遂行が危ぶまれておるという状態でございます。何とか収入の確保には努力いたしたいと考えておるわけでございます。一面、この公共政策割引の問題につきましては、この経緯沿革というものもございます。これらの点を勘案して善処いたしたい、こう考えております。去る五月末までに農林、通産御両省から、関係の物資につきましては詳細な資料をちょうだいするようにお願いいたしましたが、御両省当局の非常な御尽力によりまして、きわめて大部の資料を期限までにちようだいしたわけでございます。それで私どもは、その資料に基きまして、ただいま検討させていただいております。検討と申してははなはだおこがましいので、研究させていただいておるのでございますが、何分にも非常に大部な資料でございまして、実はまあ予想外に詳細な御調査をいただきましたので、その検討に時間が非常にかかっておるというような状態でございます。で、私どもといたしましては、できるだけ早く、夜に日をついでこの資料の検討を完了させていただきまして、なおその上でいろいろ御疑問——私どもとしましては了解しにくい点もございますので、重ねてもう一度御両省にいろいろお尋ねするというような点も多々あるかと思います。そういう点もあわせて行いました上で私どもの考え方を一応作りまして、そうして御両省と御相談申し上げたい。こういうような考えで目下おるわけでございます。どうぞ一つ御了承願いたいと思います。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) ただいまの説明に対して、御質疑の向きは御質疑を願います。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 ただいま御検討中というお話でございますが、総裁告示によりまする公共政策割引の制度は、一応従来のものは六月末で切れることになっておるわけですね。これに対しては経過的にも措置をなさらなければならぬと思うのですが、どういうようなお考え方ですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) ただいま私が申し上げましたのは、お尋ねのございました六月末で期限が参ることになっております物資についてのことでございまして、で、従いまして端的にお答え申し上げますと、決して私どもは六月末が参ったから、期限がきたからそれでおしまいだというような考えを持っておるわけでないことは、るるこの前からこの委員会で御説明申し上げた通りでございます。ただしかし、私どもといたしましても、先ほど申し上げた事情で、できれば私どもの方の収入状態その他から見て、御協力願えるものがあるんじゃないか。それはいろいろ資料を見た上で、私どもにしても一つの考え方が成り立つんじゃないか、かように考えておるわけでございまして、従いまして六月末が参りますから、現在のものはそれでやめてしまうんだという考えは私ども持っておりません。御両省とよく御相談申し上げて、私どもも十分皆さんの御意見を尊重いたしまして努力いたしたいと思いまするが、また私どもの方の事情も御了察の上、御協力できるものは御協力願いたい、こういう考えでおるわけでございます。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 重ねてお伺いいたしますが、まあそれで趣旨はわかるわけですが、そうすると、しばらく結論が出るまでは現状のままで継続されるというふうに了承してもいいんですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) なるべく六月までに結論を出すように努力いたしたいと思いまするが、先ほど申し上げましたように、非常に膨大な調査をいただいておりますので、この検討に時間も要しますので、この検討が終らないうちに勝手なことをやるつもりは毛頭ございません。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 なお、この公共政策割引の制度と、それから運賃の体系の問題を従来の経過から見ても、相関の関係できておると、こう思うわけですが、今、運賃の等級改正等を検討しておられるわけですが、それとの関係はどうなるわけですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 等級の改訂につきましては、これは運賃改正の基本的、根本的な体系の御検討を運賃制度調査会で願っておるわけでございます。その方はただいまのところ、まだ結論まで至ってはおりませんし、特に等級の方は、各業界からも専門委員の方に出ていただきまして、具体的な検討をまだ始めたばかりでございます。おそらくこれらの結論が出るのは、まだ相当の時日を要するかと思っておるわけでございます。従いましてそういう結論が出ましても、なおその実施ということについてはいろいろの手続もございますし、また調査会の御意見は、これはいわゆる学識経験その他の方々の御意見として尊重はいたしますつもりでございますし、またそのために御審議をお願いいたしておるわけでございますが、そのまま全部まるのみにするかどうかということは、これはまあ私どもの判断もございますし、あるいはまた政府御当局のいろいろのお考えもあることでございます。これが実施の形になりますのは、まだ相当の手続——結論が出た上でもさらに相当の手続といろいろ各方面との折衝を要することだと思っております。これはいわば将来の鉄道の運賃体系がどういうふうにあるべきか、また等級もどういうふうにあったら合理的かという目標を示していただくということに相なるかと思うのであります。ただ、現在行なっております公共政策割引につきましては、一応六月末で期限が参りますので、これに対する措置は講じなければならぬ、その点に対する考え方は先ほど申し上げた通りでございます。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 ただいま御説明をいただきましたが、しかし、従来の経過、沿革等から見ましても、公共政策割引と各物資の運賃等級、賃率等とは相関関係があるはずだ、そいつを今公共政策割引だけは期限がきたから、この際切り離してやるんだというお考えかどうかということなんです。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 現在、運賃制度調査会で御検討願っております公共割引制度をどうするかということは、根本的な考え方でございますので、先ほど申し上げましたように、かりにその御答申が出ましても、即座にこれを実施するというようなものでもございません。また、そういう建前にもなっておりません。しかし、現在公共政策割引が今日六月末をもって適用期限が終ることになっております分につきましては、これは何とかいたさなければならないというのでございまして、その点につきましては先ほど申し上げましたように、農林、通産御両省からいろいろ資料をちょうだいいたしておりますので、それをよく勉強さしていただきまして、その上で私どもの考えをきめて、さらに御両省といろいろ御相談申し上げた上で措置いたしたい、こういうふうに考えております。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 関連。柴田委員の御意見と重複するかもわかりませんが、どうも今の、先ほど来の御答弁は、どうもこの場を一時のがれるような御答弁に聞き取れてしょうがないのです。ですから、端的に一応御意見をお伺いいたしたいと思いますが、三月二十七日に、参議院の農林水産委員会の名をもって、決議した決議文を、おたくの方にも差し上げているわけです。その内容はここに書いてあるように、二つ、二項目についての決議を、国有鉄道の方にも差し上げたわけなんですね。第一は今、柴田委員からの御指摘の、公共政策割引は引き続きこれを現行通り存続しろ、こういうことなんですね。それに対して、目下検討しているのだ、目下相当な資料に基いていろいろと勉強さしてもらっているのだ、そういうことでは、六月末でもってこれはもう切れるのですね。現行の内容がもう切れるわけです。だから、引き続き存続させるのかどうか、どうしても変えるのかどうか、その辺をまず第一。  それから二番目は、あらかじめ国会の審議を経ろ、こういう決議なんですね。だから、運賃の改訂を行う場合は、審議会の方で御審議もなさるでしょうが、最終的には国会の審議を経なければきめてもらっちゃ困る。最終決定してもらっちゃ困るという決議なんです。だからその辺を、国会の審議を、どういう時期に国会の御意見をあなたの方とされてはお聞きになるのか。その辺を一つ責任のあるはっきりした御回答を、簡明でいいですからお聞かせ願いたい。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) お尋ねのございました点につきましては、先ほどからるる御説明申し上げたつもりでございまするが、説明が下手でありまして、御納得が得なかったことはまことに恐縮に存じます。先ほど申し上げましたように、第一の公共政策割引につきましては、現行通り存続させろという御決議をちょうだいしていることは、むろん承知いたしておりますが、私どもといたしましては、この御決議をなさる前に、当委員会にまかり出まして、いろいろ御説明申し上げました通り、決して六月末がきたから、これを全部やめてしまうというような考えでいることは、申すまでもなくないのでございまするが、できれば私どもといたしましては、私どもにも納得し、また関係御両省、両者の方々も御協力願える形にしてもらいたいものだ。それには十分権威のある資料をちょうだいして、検討させていただきたいということを申し上げたのでございまして、ただいまそういう資料をちょうだいしておりますので、非常に膨大なものでございますので、検討に時日を要しております。従いまして、できるだけ期限の六月までに結論を得るようにいたしたいとは存じておりまするが、目下のところ、そういう段階でございますので、御了承願いたいと、こう申し上げたわけでございます。  それから第二番目の方は、これはもちろん貨物の等級を制度調査会にお願いしておりますが、そこで出ました結論は、あくまでも制度調査会の御答申でありまして、従ってこれを実施するという場合は、これはまあいろいろの手続もございますし、特に賃率の改訂ということに相なれば、当然国会の御審議を経るということになると考えている次第でございます。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 重ねて。第一点の御答弁は、どうもわれわれははっきりしないのです。この公共政策割引は引き続き現行通り続けてもらいたいと言っているんですね。ところが、それを二またかけての御答弁をなさっているわけです。どうしても存続できないというのか、存続させる方針で進むというのか、それをはっきりまずおっしゃっていただきたい。  それから二番目は、審議会の答申があってから国会の審議に持ち込むのか、審議会の答申前に、並行的に国会の審議を待って、そうして実施ということを言われましたが、実施という段階は、きまってから実施になる。きめる前に国会の審議の必要があるということをわれわれ決議しているんです。ですから、改訂をなさるのであれば、その新しい決定前に国会の了解を一つ必要とするのだ、審議を必要とするのだという決議なんです。ですから、重ねて一つ御答弁をはっきり願います。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 公共政策割引につきましては、先ほど申し上げました通り、ただいま検討をさしていただいておりますので、その上で、私の方としては、案を作って御了承と御相談をして参りたい、こう考えているわけでございます。  それから等級の改訂につきましては、これは、一応審議会で作りますものは審議会の案でございますので、これをそのまま実施するかどうかということは、私どもも答申案をちょうだいしてから検討しなければなりませんし、また政府御当局等のいろいろの御意向もあるかと思います。そういうものによって実施する場合には実施案ができますが、その実施案につきましては、当然賃率等の改訂ということに相なるかと思いますので、国会の御審議を経て協賛をしていただかなければ実施できないわけでございます。そういうふうに考えている次第でございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 今、あなたの方でおやりになっていることはよくわかるんです。けれども、われわれの言っていることは、そういう技術的なことを言っているのじゃない。そこに食い違いがあると思うんです。本年六月末をもって適用期限が終ることになっている公共政策割引、これについてですが、六月末で終ることにしている理由は何ですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 公共政策割引につきましては、あるいは御見解の相違かもしれませんが、私どもといたしましては、過去二十八年あるいは三十二年に運賃の改正をしていただきました際に、一般の運賃水準の値上げということとあわせて、多少二十八年のときには等級の改正をいたしました。また、三十二年の場合には遠距離逓減率について修正をいたしました。そういう関係で、一般の値上げ率とそういう制度的な修正とがからみ合いまして、特に農林水産物資等につきましては、普通の値上げ率、平均の値上げ率ならばがまんできるが、それを越す値上げ率は急激に過ぎるじゃないか、理論的には、その等級の改正あるいは遠距離逓減率の修正ということも認めることができるが、現実に一般の値上りよりも非常に高い値上り率になるということは好ましくないという御意見でございまして、それについては、急激な変化ということは、いかにも経済情勢その他から見て工合が悪いということも十分了承できますので、ある程度の限度を置きましたものを越えるものにつきましては、割引という形でその急激な値上りを押える。従いまして、私どもといたしましては、これはできる限り元の姿、本来の姿に返していただくべきではなかろうか、しかし、それはやはり経済情勢なりその他から見て、逐次漸進的にやっていただくべきじゃないか、こういうことでございまして、従って、当初から一応期限を置きまして、期限の参るごとに若干の修正を加えつつ、できれば適当な機会にこの割引が解消するという形に持って参りたいというのが期限がついている根拠だろうと、私どもはそう解釈しているわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それで、結局今両省から出ているもので検討しているということは、経済情勢と見合って、この割引をはずしていい物資、はずされない物資、それらを検討して、残すものは残す、はずすものははずす、こういう技術的な検討をしているのだということになってくると思うのですね。そう考えていいですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 大体お話の通りでございますが、必ずしもはずす、全廃という……、ある物資につきまして。そうじゃなくして、多少圧縮していただくというようなものも含まれるかと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それで、先ほど柴田委員が話ししておりましたように、国鉄運賃全体との相関的な関係でこの問題が解決さるべきである。むろん背景としては、経済的な背景があると思います。そういう考えも成り立つと思う。そうしますと、この六月末をもって打ち切るという原則がある。それを、あなたの方では、いや、急に打ち切るのではない、残すには残すんだ、ただその程度をいろいろ勘案されるものが出てくるだろう——ここまでははっきりわかってきた。そうしますと、片方の審議会でございますか、調査会でございますか、この審議がなかなかはかどらない。しかもこれが出てくれば、結局国会の審議に待つほどの賃率の改訂、こういうところまで行く程度のものになろう、一方はそういう基本的なものを持っておる。しかるに一方は、ただこの公共政策割引の点だけを、技術的に国鉄当局だけが、幾らかでも収入が上るように改訂していきたい、そうして業界ともその点については協力を得たい、こういう考え方について、われわれは基本的にどうもおかしいという感じを持っておる。六月末で打ち切るというなら、これはそれまでの期限ですから、はっきりこれはわかるのですが、大なり小なり全体的には残っていく。そうして中身が国鉄当局の収入を上げるという部分にかかっていじくられる、そういうやり方でなしに、この審議会なり調査会の基本的な問題が出てくるまで、このものは六月末をもって打ち切らないというなら、そのままやはりこれを存続さす、そして根本的に規制を加える時期において規制を加える、この方が正しいので、それは国鉄当局にとっては不利益、不都合でございましょうが、そうするのがいき方としては正しいのでないか、こういう考え方を持つんですよ。なぜ、一方にそういう全体的な国鉄運賃問題を調査し検討し、改正の動きがありながら、六月末をもって打ち切るということになっておることを奇貨として、今政策割引の内容に手をつけていくのか、これは片手落ちでないかという考え方を持っておるのです。それは経済的な諸情勢が変ってきて、直したってかまわないんだというものがあるというなら、その点は業界なり国民消費者への影響もあることですから、国民の前に明らかにされて、こういう根拠があるからこういうふうにするんだということでなければ、ただ国鉄当局自身だけの営業的な考え方からだけでこの問題を処理するということはどういうものだろうか、こういう疑念をわれわれは持っておる。それがさっきから多分お話しになっておる根本的な食い違っておる点だと思う。残す、存続させるということであるなら、現行通りというのじゃないですよ。あなたの方では現行通りではないが存続させる、存続させるということであるなら、いじくることなしに存続させるのが筋じゃないか、そうして調査会なり審議会なりの方の答申を待って根本的に問題を処理していくということで国民を納得させる、業界を納得させる、このことが正しいんじゃないか、そういう考え方を持つ。たとえば、あなたの方の会計年度はどうなっているか知らぬのですが、六月末のこの中途半端なときになって、予算上も相当な影響のあるこういう修正を考えるということは、私おかしいと思う。この点はどういうものなんでしょうか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) お話の中にございました、国鉄当局が勝手に営業的な見地から決定するというお話でございましたが、決して私どもは——もちろん私ども企業でございますので、営業的な見地というものはあくまで堅持いたしては参りますが、この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろ勉強をさしていただきまして、この公共割引というものが、確かに消費者の方々その他に重大な影響があるかどうかという点について検討さしていただいた上で、私どもの考え方を作りまして、そうして農林、通産御両省に御相談して、御納得をいただいた上でやりたいと考えておるのでございます。  それから年度途中であるというお話でございましたが、私どもの方の会計は企業会計でございますので、予算がございましても、収入がなければ実施できないのでございます。ただいまのところ、やはり予算通りの収入を上げるということははなはだむずかしい状態でございます。従って予算で認められております支出もやりかねておる。しかるに一方、泣き言になりまするが、仲裁裁定というようなものが出まして、政府の御方針として、これは受諾するということになっておりまして、それも国鉄の分につきましては、他の公社、現業と違って四百円の格差をきめられておるというようなことで、その原資も五十数億円になるわけでございます。そういうようなものが、予算が成立したあとにおきまして、やはりかぶさって参りますと、これもやはり何とかまかなわなければならない、といたしますと、一般の経費の方はそれだけやはり圧迫をこうむっておるわけでございます。従いまして多少なりとも収入が年度途中でございましても上りますことは、私どもの経営上非常に有効なものになるわけでございます。その点は一般の官庁会計と多少性質を異にしておるということを御了承願いたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それは、あなたの方の言い分としては、当然そう言うていいことであろうと思うのです。しかし、国鉄が公社であって、国民のものである、こういう建前からいいますと、賃率の改訂ということは国会の審議を経、承認を経、そのワクの中で国鉄当局が運賃をきめ、またその収入をはかるという建前にもなっておる。そういう点から申しますと、私は極端に論理的に言うなら、六月末をもって打ち切るということになっておるものを打ち切ることができないという状態であるなら打ち切らない、延ばす、あるいは打ち切るなら打ち切る、その両者を選択するということで、その点だけに、私は国鉄当局の権限と申しますか幅があると思う。その内容についてまで国鉄当局がいじくるということは——いじくって悪いのではありませんが、そういうことは国民の納得するところではないのじゃないか。一方、審議会なり調査会なりというものを持っておりますが、それについてお尋ねします。これはいつごろその答申が出、あるいはいつごろ答申することを予定して、今調査を進めておられるのですか。また、国鉄当局はこのことを通して、いつごろにはこの賃率の改訂まで持ち込もうという考えでおられるのですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 先ほどもお話がございました、運賃制度調査会の方は、まあ率直に申しますと、具体的な運賃をきめるというようなことをお願いしておるわけじゃなくして、現在から将来にかけて鉄道輸送の情勢が非常に変化して参ってきて、そういう場合にどういう運賃体系のあり方が妥当であるかという根本的な理論と申しますか、理論と申しますとはなはだかた苦しくなりますか、そういうような点についていろいろ部外の有識者の方々の御意向をまとめていただいてお聞かせ願うというのが趣旨でございます。従って、この運賃をああするどうするとかいうような具体的なところまで御審議を願っておるわけではないのでございます。その答申につきましては、これは中間的な答申が近いうちには出るかと思います。この貨物等級の問題につきましては、別に、これは、実は、この運賃制度調査会と関連を持ちましたので、いささか皆様方の誤解を招いて申しわけないのでございますが、貨物等級の方につきましては、これは一昨年運賃の改訂をお願いいたしまして御了承を得ました際に、貨物の等級についてはもう一ぺん検討しようという御要望が各方面でございました。従いましてこの点に関しましては、昭和二十七年に行いましたように、国鉄の独断だけでそういう検討をすることは、国民の方々、各種業界の方々と非常な密接な関係がございます。やはり衆知を集めてと申しますか、いろいろ御関係の方々の御意見を十分拝聴してきめるべきであると、かように考えておりまして、従いましてその根本的な運賃体系の御検討をお願いする調査会というものの企てをかりにいたしませんといたしましても、等級の改正だけにつきましては、これはまた別にそういう会を持って検討しなければならないと考えておったのであります。しかしながら、たまたまそういう根本的な考え方も、この際運賃値上げを考えて、運賃値上げしなければならないというような切迫した状態でお願いしたときは、どうしても時日の切迫で御検討を願えない、むしろそういう運賃の値上げをするとか改正をするとかいうような切迫した状態にない時期においてゆっくりと御検討を願うということで、実はまあそういう調査会としてははなはだ長期でございますが、かれこれ一年有余、二年近くまでかかって御検討願っておるわけでございます。ただそういたしましたので、そういう根本的な考え方も御検討願うならば、それとあわせて等級の問題も御検討願うということにした方がよかろうということで、まあいわば多少性質の違った感覚のものが一緒になりまして、そのために貨物等級の専門委員会というものを別に作りまして、関係の業界の方々にも御参加願い、関係官庁の方々にもお越しを願つてやっておりまするが、この方は先ほど申し上げました、近く出ますだろうと思っております中間答申にはとうてい間に合いかねるのでございます。これはあらためてあとの御審議になる、従いましてまだ相当の時日を要することと考えておる次第でございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうしますと、貨物運賃の改訂についての専門委員会の答申はずっとおくれるが、しかし国鉄当局としては、今のような財政状態では困るという問題が一方ある。そうなれば、ずっとおくれるだろうということと、財政上、今経営上国鉄が困るということとは、それは矛盾するように思うのですね。急いで答申してもらうというのは国鉄の利益じゃないのですか。そういう点から考えれば、いつごろまでにはそれが出てくるということになるのですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) その点、どうも私の説明がまずくて恐縮でございますが、運賃制度調査会で御検討願っておりますのは、決して運賃を値上げしようとか、あるいは増収をはかるとかいうような目的でやっておるわけではございませんので、それと離れて運賃の体系はどうあるかということをやっているわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それの方はわかる。貨物等級の方は収益をはかるのでしょうか。根本的な運賃理論体系を打ち立てるという点は、収益それだけを考えるのじゃない、この点は十分わかりました。それは、国民も願ってもない確かな根拠のある運賃体系というものを作るということは望ましいことですが、貨物等級の問題について、業界その他を入れた専門委員会でもってやっておるというのは、収益は現在の額のままでいいので、公正を期するということだけが目的で等級の改訂をやっておるなどとはだれも思わぬ、やはりこの等級改訂から貨物運賃収益が国鉄内で占める部分をもっと拡大していこう、もっとお得意も拡大しよう、こういう部分も何としても考えておるものだと思うのですがね。それは収益のことは考えない等級改訂ですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 等級の改訂の御研究をお願いしておるときには、収益の観点を離れまして、いわゆる現在の等級間のバランスを直すということでございまして、それによって増収をはかるということとは別な観点でやっていただくように初めからお願いしておるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうしますと、なおのこと、この貨物等級の改訂は、そういうことを考えないで、ほんとうにバランスですね、公正、こういう立場で等級をきめるのだということであれば、それが出てこなけりゃ、それと見合いになっておる公共政策割引の方の調整もできないのじゃないですか、理論的には、一方にはそういう理論の根拠をその専門委員会の方にゆだね、その答申を待つ態勢でいながら、一方では公共政策割引についてだけは国鉄部内の検討をもってこれを処理していく、どうもこの点も私はおかしいと思うのですがね。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 今お話がございましたが、公共政策割引は、これはもういわゆる貨物の等級制度の、さらに等級できまっておりますものの上にさらに割引をしておるものでございますが、その沿革的な理由は先ほど申し上げましたような、一時的な急激な値上りを防止して参りたい、こういうことでございます。従いましてこの現行の運賃体系が引き続いて参るという前提におきましては、やはりこの点につきましては、期限が参りますときには検討さして、多少なりとも御修正を願えればけっこうだというふうに私どもは考えておるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それでは、かりに修正するとなっても、当初お尋ねした通り、六月末の期限を切ったということは、急激な運賃改訂では経済界に及ぼす影響、その他あるから、従ってこれを緩和するために、ことし六月までこれを維持することにしてきたのだということであれば、この六月末で調整を加えるということになるのは、どうしてももう急激な改訂ではない、これは経済界においても、あるいは国民生活の上においても、もう急激というものではない、影響がないのだ、こういう考え方になって初めてそれが割引率が下げられる、あるいは将来においてある物資は適用範囲から除外される、こういう形になっていくのが筋だと思うのですがね。そうだとするならば、かりに今度直すということになれば、その根拠が最も急激ではないし、それが各方面に与える影響はないのだという根拠が示されなければ、これは必ずしも納得することはできないということになると思うのですが、将来において、あなたの方でどうしても強硬におやりになるなれば、これらについては十分納得のできる資料の提出を願えますか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) その点については、先ほどから申し上げましたように、率直に申しますと、業界の方々からもいろいろな御資料をちょうだいいたしております。なお、正確を期するために、通産、農林御両省をわずらわしまして私ども資料をちょうだいいたしておりますので、その資料に基きまして私どもは案を作って両省の御納得をいただいてやりたい、こう思っておりますので、その際の資料は、全部調製ができましたならば、お目にかけることはできると存じております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 では、六月末でこれはもう何とか結論を得るという態勢のようですが、そうしますと、予想される臨時国会は二十七日ごろまでありますが、国会中には一応部内の意見調整は結論的に出ると思うのですが、臨時国会中に、必要のある際においては、それらの討議の資料の提出が願えますか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 大へん申しわけないのでございますが、先ほど申し上げましたように、御両省からいただきました資料が非常に膨大なものでございまして、事務当局では、日夜ほんとうに夜に日を継いでやっておりますが、六月末までに御結論が得られるかどうかという点については、ただいまのタイム・リミットから見ますると、必ずしも自信を持って申し上げかねると思うのでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、今の考えでは、一応六月末とあるものを七月末とか八月末とか延ばしておいて、その間研究を加えて、なるべくすみやかに最近の機会において直していく、こういう考え方でおるわけですか。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) なるべく、六月末をもって期限は終るのでございますので、まあ延長ということでなく、新しく御納得を得た形でスタートはしたいとは思っておりますが、間に合いかねる場合には、決して、六月末で全部終ったからおしまいだというような処置はいたしません。あるいはお話のようなことに相なるかもしれません。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それは、非常に言いづらいことですが、国会が開かれていないときをねらって四の五の言わせぬで改訂していこうなどという下心を持ってやっておるのではないとわれわれは思うのですが、もしもそういう下心がないというならば、少くとも六月末をもってやろうという、国民にも納得させなくちゃいかぬ。そうなれば、事前にも世論も聞かなくちゃいかぬ。世論を聞く手だてとしては、国会において公式に非公式に出てくる意見も聞かなくちゃいかぬということであろうと思うのです。二十七日の臨時国会が終るころまでにその骨格ができないということは私は考えられないことで、二十八、二十九、三十日の三日間だけの、だれも人がいなくなったときに、どさくさとそんなことをいうというわけのものではないと思う。どうなんです。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 国会の会期を避けるという意味は決してございませんけれども、ほんとうに、これはごらん願えればわかるのでございますが、御両省からいただきました資料が膨大なものでございまして、まあ私どもとしては、多少予想に反した詳細な資料をちょうだいして、検討に日にちがかかっておるわけでございます。従いまして、私どもは決して国会の開会していないときをねらうとかいう意味は毛頭ございません。まあ閉会中といえどもやはり委員会を御開催になって、いろいろ私どもからの説明を聞いていただく機会も持たしていただくことだろうと思います。ただ、六月末までに私どもの考え方がかりに一応できましても、これをやはり御両省と相談をいたしまして、場合によっては業界の方々にいろいろ御相談するということも必要かと思うのであります。従って、これでやりますというような最終案というものは、ちょっと私の考えでは、六月末までに必ずできますとお約束申し上げるのには、ただいまでは危惧の念を持っておるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 今までの質疑の中で私としてはまだ納得のいかないのは、どうしても貨物等級の改訂とこの公共割引の内容をいじくることとは関係がないのだというあなた方の考えについては、私は理論的には承服しない。国鉄当局が国民の納得のいく形で貨物等級を変えようとしているこのやさきに、そのこととは何ら関係なしにこの公共政策割引というものを変えていく。変えていく理由としては、あなたがさっきも言うたように、仲裁裁定の問題や、あるいは国鉄収益金が計画的に上らぬという問題や、収益を上げようということの一点にだけかかっておる。こういうことをもって、この政策割引をこの機会に何とかいじくろう、そういう、根本的な今の改訂の調査と無関係なやり方で、こういう機会をねらって収益を上げる方式をとるということは、これは納得しない。国民自身が納得しないと思うのです。それを、しかも、両省の御納得のいく通りやればいいんだろうという考え方ですが、そんな両省なんというものは何も国民を代表しているものでもないのですから、そんなものはわれわれは無関係です。農林省がよかろうと言ったからといったって、それがいいのか悪いのかということは、国会なり、あるいは国民世論が批判するでありましょう。そんなものではないと思う。この点はやっぱり臨時国会になりましたら、国鉄当局なり、あるいは運輸当局から見解をあらためてお尋ねしなけりゃならぬと思いますが、あなたのこの御答弁では私は納得しません、その点については。  それで、農林省経済局長来ておりますが、あなたの方では、直すものは直してもいいんだという建前で資料を出しておるのですか。それとも、これは現在の経済情勢では困るという建前で資料が出ておるのですか。それから、あなたの方の納得を得れば国鉄の方は改正するというのですが、あなたの方は、われわれ農林委員会は一生懸命こんなことをやっておりますが、われわれ農林委員会に農林当局のお考えというものを御披露することもなしによかろうと納得したりしますか。あとの手続のこともお伺いしておきます。

須賀賢二農林省農林経済局長

○説明員(須賀賢二君) 公共政策割引の今月末をもって期限が切れたものの取扱いにつきましては、先ほどから国鉄当局から御説明のあります通りでございますが、われわれの方といたしましては、この今後の扱いの問題につきまして、かねてから国鉄当局としてこの制度が実際にどういう効果を示しておるか、どのような実績を上げておるかということについて、十分検討をいたしたいという御意向があったわけであります。過般正式にその資料の御要求がございました。五月三十一日までに出してもらいたいという御要請がありましたので、われわれの方といたしましては、関係当局、関係団体を動員をいたしまして関係資料を整えたわけであります。これを提出いたしましたのが五月三十日でございました。その際、われわれといたしましては、この割引制度は、われわれが調べました資料によりましても十分効果を上げておると判断をいたしまするし、また、現在の経済情勢その他から考えまして継続をしていただく必要があると考えましたので、その資料を提出いたしますと同時に、われわれの方から現行通り御継続を願いたいという要請を、申し入れをいたしておるわけでございます。  なお、今後の扱いについてのお尋ねでございますが、目下の段階は、資料も相当の量に上っておりますので、国鉄当局でもしさいに御検討をいただいておるようでございまして、まだわれわれの方の出しました資料についての御見解は、国鉄当局からわれわれの方へいただいておりません。いずれ国鉄の方から御相談があると思うのでございます。その経過によりまして、この問題はかねてから当委員会でも慎重に御審議をいただいておりまする事柄でございますので、農林省として、国鉄からどういうような御意見があり、それに対して農林省としてどういうように考えて参りたいというような段階になりました際に、適当な方法をもちまして当委員会に御説明申し上げるつもりでございます。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 ただいまのような経過で、小笠原委員のお話と私同じ考え方で、公共政策割引というものと運賃の体系あるいは等級の決定等々は相関関係があるからこれは存続されているのだ、従来の経過から見ましても、改訂、運賃引き上げと並行してこの制度が必要であるということで置かれておるという経過から見ても、これだけが単独に、時間が来たから審議して、少しずつでも修正したらいいという原因は、それほど大きく出てくるというふうには私どもどうしても了解できぬと思う。しかも、今、根本的な運賃制度の検討もしておられる、等級改正についても委員会を設けてやっておられるということは、輸送の実情、産業の実情等から運賃を合理化しようとしておられるという意図はよくわかるわけです。いつも改正あるいは等級の改正、賃金の引き上げ等をする場合には、当然その情勢に応じて、改悪されるはずはないから、改正されるはずだと思う。改正されるに伴っても、なお、国鉄として日本の産業全体のバランスをとっていくためには、特別の措置を講じなければならぬというのがこの公共政策割引であるというふうにわれわれは了承し、かつ、沿革から見ても、二十八年の等級改正の際にも、これと並行して公共政策割引は存続するということが審議会でも決定されている。しかもまた、三十二年の改訂についても、その際に改訂されたもので物資別に非常にアンバランスが出てくるのだ、これの大きな原因はどこにあるのだということが検討されて、公共政策割引というものがきめられておるので、そのもとが変らないのに、これをさらにこれだけ切り離して、今、改正しようと審議している途中でやらなければならぬという理由が私にはどうしてもわからない。だからそんなことは、私たちがわからぬばかりじゃない、国民もわからない。いわんや農林畜産物がほとんど負担しなければならぬというようなことで増収をはかるような改正をされるということは、農林水産政策の上にも非常に大きな影響があると思う。だから、今いろいろおっしゃっておりますが、あくまでも農林あるいは通産両省と連絡をして、十分協議をして、納得できるような方向でやる、そして国民の了解を得るとおっしゃるんだが、それならば、第一私は単独でやられることはどうしても了解できないわけだが、やられる場合に、国民の代表である国会にあなた方は了承を得るつもりでおられるかどうか、その点だけお聞きしておきたい。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 私どもとしては、できるだけ私どもの考え方は公正で、かつまた、妥当なものであるということにつきまして、各方面の御了解を得ることはぜひいたしたいと考えております。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 それじゃ、当委員会に諮られる、諮られるというと語弊があるかしらぬが、御説明になって了承を得られるという手段をとられるかどうか、具体的に一つお答え願いたい。

石井昭正日本国有鉄道常務理事

○説明員(石井昭正君) 事柄といたしましては、当委員会の御決議をいただく事柄と多少筋が違うかとも思うのでございまするが、内容を御説明することは当然なことだと考えております。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 まあ、私は何ぼ説明を聞いても納得できないわけですが、運賃改正と関連なしに公共政策割引だけを改正する、是正するという行き方については、当委員会として、またさらに一つ御検討をいただきたいと、こう思いますので、もう当局との質疑は私はこれで打ち切ります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 ちょっと速記をとめて。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて。  それでは本件につきましての質疑は本日はこの程度で打ち切ります。  速記をとめて。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記をつけて下さい。  それでは次に、北洋漁業の件を議題にいたします。  本年のサケ・マス等北洋漁業交渉の結果は、御承知のようにはなはだ不満足なものでございましたが、その後の操業状況その他善後処置について、この際当局の説明を承わることにいたします。  なお、政府からの出席は西村水産庁次長がお見えになっております。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) 御承知のように、五月十三日の第三回の日ソ漁業委員会の会議がございまして調印を終えたわけでございます。その後におきます操業の状況等につきまして、ごく簡単に御説明をいたします。また、御質問等によりまして補足説明をいたしたい、こう思っております。  本年の日ソ漁業委員会におきます決定として大きな点を簡単に申しますと、第一は、規制区域というものが昨年あるいは一昨年より拡大された、この区域につきましては、必要であれば後ほど御説明いたしますが、すでに新聞等にも出ておりましたように、コマンドルスキー群島の周辺、それからカムチャッカ半島の東南方水域、さらに北海道の、まあ南千島の東側の規制区域の西南端の区域に多少の幅が拡大された、こういうことになっております。  それから本年の年間総漁獲量は、これは御承知のように八万五千メトリックトンということにきまりました。  なおそのほかに、流し網の網目の大きさというものを、現在使用されているものより大きくすることが望ましいというようなことも一つきめられております。  それから紅ザケの漁獲量の制限について必要な措置をとることが必要ということに委員会としてはされました。これに基きまして日本側の政令という格好でことしの紅ザケの規制区域内における漁獲量は一万六千トンというふうに押えました。これは日本側の一方的なあれでございます。  それからその他カニの資源保存のためには、カムチャッカ半島の西海岸に近接する北緯五十六度二十八分以北、それから北緯五十六度五十五分以南の区域においては商業的漁獲を行わない、いわゆる禁止区域を間に置く、こういうことになっております。  五月十三日にこの漁獲量がきまりまして、すべてが調印されました。昨年はたしか私の記憶で間違いなければ四月二十一日、本年は非常におくれているものでありますために、直ちにこれを規制区域内における母船式のサケ・マス漁業といわゆる四十八度以南の流し網漁業というものに配分をする必要がある。この配分は従来通り一〇と二の比率に分けましてそれぞれ割当をしたわけであります。  母船式漁業の方につきましては、昨年はオホーツク海に一船団、アリューシャンに十五船団ということになっております。ことしはオホーツク海が閉鎖されましたに伴いまして、このオホーツク海の一船団がアリューシャンに回る。従いまして、母船は十六船団、それからこれに行をともにいたします独航船は昨年通り四百六十ばいということになっております。従いまして、先ほど申し上げました八万五千メトリックトンを一〇と二の比率で分けました場合におきまして、この母船式サケ・マス漁業の方について、各一ぱいの独航船当りの割当量は百五十六トンというふうになります。そこで、これらの母船式船団は昨年より約十日おくれまして五月十五日に十五船団が函館を出港し、翌十六日に一船団が釧路を出港し漁場に向いました。五月二十一日に漁場に到着、直ちに投網を開始したわけでございます。  本年のただいままでのところの漁況を簡単に申し上げますと、昨年は五月の中旬以降相当のしけに見舞われたわけでございます。今年は十日おくれたということと一つのこれに関連がありますかどうか、そのしけにあわないということもありまして、十日おくれておりますけれども、その後の漁獲は順調に参っております。ただいまのところ、集計いたしました漁獲を見ますと、五月末現在におきまして、昨年はアリューシャン海域におきまして一万一千二百トンをとっております。ところが、本年は五月末現在において一万三百トン、これは出足が先ほど申しましたように十日もおくれましたので、去年より減っております。しかし、次の六月十日現在におきまして集計しましたところによりますと、昨年の一万八千七百トンに比べまして本年は一万九千七百トン、約一千トン多い。その後におきます漁獲の状況というものを数字的に集計はまだできておりませんが、私の方で各母船会社等の情報を聞きますと、これはきわめてその後順調に進んでおるようでございます。操業の状況も特に本年としていろいろ変ったところはないわけでございますが、大体水温は昨年より多少高く、漁況としては豊漁型の傾向を示しておる、こういうのがただいままでの状況でございます。  一方、四十八度以南の流し網漁業につきまして、これは規制区域外はすでに四月当初より出漁いたしております、規制区域内は六月初めから入ったわけでございます。その方の漁獲量につきまして、私、今ちょっと手元に持っておりませんけれども、私の聞いております範囲内では、きわめて順調である、ただ五月中の話では、今年の漁況は非常にあがりが早いのではないか、こういうおそれがあるということを聞いております。その後、私は、ちょっとごく最近の状況を聞いておりませんので、またこの次の機会に、臨時国会においてさらにもう少し詳しい状況を申し上げる機会があろうかと思います。  大体北洋漁業につきまして、ごく簡単に現況を申し上げました。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 独航船一ぱい当りの今年の漁獲トン数と、昨年、一昨年と対比して、魚価の関係もあるでしょうが、独航船一ぱいの何といいますか、収益はどういうふうになっておりますか、計算上は。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) 独航船一ぱい当りの収益ということは、これは非常にむずかしい問題だと思うのです。たとえば独航船につきましても、いろいろ船も新しい船あり、古い船あり、その償却の工合もある。それから借金の工合もある。それから経営自体の問題もある。百五十四トンを、たとえば割当量は同じだから、漁況も操業も同じじゃないかというけれども、なかなかそうもいかない場合がある。従いまして、その点は今後の問題として考えていく上に非常に大きな問題だと思います。私どもとしても、今いろいろな点から検討はいたしております。大体大まかに申しまして、昨年はたしか一隻当りが百九十八トンになった。これは私、今、数字は頭で覚えているだけでございますが、四百六十隻にお掛け下さると、これが正しいかどうかわかると思います。  それから今年は百五十四トン、そこで、昨年と同じ魚価にしますと、本年の百五十四トンでいくと、千三百七十万円程度になるのじゃないか。これは手取りでございます。それから昨年の数字は千七百万円、ちょっとはっきりした数字を今ちょっと手持ちございませんが、そこで問題は、本年の魚価の問題ということに関連しまして、これをただいまのところ、独航船側と母船側とで交渉が持たれておるわけでございます。私の聞いておりますところでは、ほぼこれは煮詰まってきておる、最終的な段階まで煮詰まってきておる、こういうふうに承知いたしております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 このサケ・マスの北洋ものは、本年はやはり末端価格としては、昨年よりは高くなるのは間違いないのですか、どうなんです。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) これは御承知のように母船式につきましては、その大部分のものがカン詰でございますが、カン詰その他につきまして、これは輸出というものが大きなファクターになります。これは最大の顧客はイギリスでございます。そこの輸出価格がどうなるかということでございますが、気配としては、ただ確かに強含みのようである。高くなることはあっても安くなることはないのじゃないかということが業界のむしろ観測のようでございます。ただし、それがどの程度になるか、こういうことは必ずしもわかりません。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それからもう一つ、そういう形で今、会社と独航船側と交渉が煮詰まって、それがきまるということは、結局は、この間騒がれたように政府が補償せいとか、あるいは何かの形で独航船側の方でも損失を負担するとか、そういうようなことはもうないのだ、大体問題はなくいくのだということですか。その点だけは結論的に伺っておきたい。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) この問題は二つ、ちょっとそこでこんがらかるのでございます。それは今年の出漁につきまして、漁獲量が少いし、さればといって再編成もできない、それじゃ損だから補償しろという問題と、今後四百六十ぱいじゃ多過ぎるじゃないか、これを少し整理しなければならない、じゃ、そのとき補償しろというような問題と二つ、その補償と申しましても、いろいろ意見があるのでございます。ただ前者の、今年につきましては、これは私は補償という問題は今後も起きてこない、性質上補償すべきものでもない、こう思っております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、問題として残るのは、来年度以降の独航船を減らすという問題ですね、これは減らすというのは業界で、仲間での問題として解決させる意図なのか、政府自身が、要するに別の方面に独航船の幾らかを回さなくちゃならぬということになれば、政府の補償という問題も考えられないわけではないでしょうが、それらの点はどうなんですか。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) これは率直に申し上げまして、その北洋漁業の再編成ということが一般にいわれておるわけであります。ただし、私はそれはまあそれといたしまして、今後のことを考えていく場合においては、一体どういうところに全体の経営の規模なり、独航船の母船の地位を置くべきかというようなことをまず見きわめた上で問題を考える、その場合において、かりにそういう必要がある場合においては、それに適応した対策を考えていく。しかしながら、私どもといたしましては、それが政府の補償というようなものに必然的につながるものとは決して思っておりません。

東隆日本社会党

○東隆君 カニの資源保存のために、商業的漁獲を行わない、こういうなにですが、これは、今年は、将来サケ・マスの方面においてもこの関係が出てくるおそれか多分にあると思うんですが、そこで、この意味というのはどういうような意味なんですか。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) これはですね、カニ漁業というのは、西カムチャッカの区域でございますので、そこの中間に帯状の禁止区域がある、これだけの所でございます。これは商業的な漁獲を行わないというのは、サケについての規制と同じだろうと思うんです。やはりそこにカニの繁殖量と申しますか、繁殖状況と申しますか、繁殖上それが必要だ、こういうことでございます。ただし、御承知のように、この決定はサケ・マスにつきましても、理論的には一九五九年度においては……。従いまして、来年の委員会においては、さらにまた規制措置につきましては理論が展開される、こういうことになると思います。

東隆日本社会党

○東隆君 そういう意味じゃなくて、商業的というのは、輸出貿易を中心にした関係というような意味と、それから国内でもって消費をするというような、そういうような意味にこれは理解できないですか。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) これはですね、要するに商業的漁獲という意味はそういう意味じゃございませんで、たとえば調査のためとか、科学的な調査のためというようなことにそこは読まれている。ただ一つの、いわゆるコマーシャル・ベースといいますか、事業としての漁獲は行わない、だから科学的調査のための漁獲というものはいい、こういう意味でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 実は、たとえば日本のカン詰ですね、サケカンのカン詰なんかは大部分が英国が得意先だ、こういう話がありましたが、私は、規制をされるときの一番強い向うの腹の中にある考え方は、英国に輸出をするというそのことが大きな向うのねらいになっている。というのは、国内でもって消費をする食糧問題の解決に使うのだ、こういうならば、これはやはり相当問題が違ってくる、こう思うんです。だからこの点で私は、商業的漁獲という言葉が前から出ておったんですか。

西村健次郎水産庁次長

○説明員(西村健次郎君) 商業的漁獲というのは、他の国際条約にもそういう言葉が使われております。その意味では、先ほど私が申し上げた趣旨で、この言葉自体については他意はないのでございます。ただ、東委員のおっしゃったような、これは、別個の底意というものは、それは私は存じません。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) 水産問題につきましては、大体この程度にいたしたいと存じます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 これは臨時国会になってやはり担当大臣やなんか出ていただいて、日ソの漁業協定の問題は、まだ取り上げておらぬのですからね、とっさのことで、選挙に飛び込んでおったので、非常に水産当局は気が軽かったと思うのですけれども、そういうわけにはいかぬ重大な問題なので、その点はあらためてお尋ねしたいと思う。よろしくお願いします。

秋山俊一郎自由民主党

○委員長(秋山俊一郎君) いずれ院の構成もでき上ってしまうと委員もそろいますから、そういう際にまた、あらためて議題とすることにいたします。  それでは本日は、これをもって散会いたします。    午後零時三十一分散会

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