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31回国会参議院1959/04/28

内閣委員会 第21号

発言数
255
登壇者
15
会派数
3
開催日
1959/04/28

会議録

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。  まず、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。政府側の出席は、山口行政管理庁長官、山口行政監理局長、伊能防衛庁長官、門叶防衛庁官房長、なお、丸山調達庁長官は間もなく見えることになっております。御質疑のおありの方は、順次御質疑を願います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 まずこの法律案中、調達庁関係について伺いますが、御承知のごとく先国会で調達庁は防衛庁長官の所管下に入っているわけであります。駐留軍提供施設等の減少に伴う減として三百二十人がこの法案に盛られております。この点については、年々歳々調達庁の職員は業務量の減少の関係もありましょうが、減少して参る。そこで、調速庁の調進機構というものを今後いかようにするかという点については、調達庁関係者はもちろんのこと、国家行政機構を審議する内閣委員のわれわれとしても重大関心を持っているわけで、先般の予算委員会でもこの点はお伺いしたわけです。そのときに、現在の調達庁の恒久的行政機関としてはいかにあるべきかという点については早急に結論を出したい、鋭意研究中だという御答弁があったわけですね。その後どういう検討をされて、永久的な行政機関としてどういう形で残されようとしているのか、結論が出ていれば、それを承わりたい。もし出ていないとすれば、いつごろその結論が出る見通しであるか、その点防衛庁長官からお答えいただきたい。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) ただいま矢嶋委員お尋ねのような経緯で、当面の三省二十名の問題につきましては、政府部内におきまして責任をもってこれを本年度処理をするということについては、大体具体的にも問題なく処理されるように、私どもの方としては準備を整えております。旧来考慮せられましたような厚生年金関係への転出並びに広く防衛五内における欠員の補充による消化、そのほかに御承知のように今回法律が通りました首都高速道路公団、これらの職員のうち土地関係、建物関係の処理の問題につきましては、御承知のごとく調達庁の職員は、不動産部その他従来この種の仕事に専念して参った練達の士が数多いものでありますから、これらの点については、ぜひ首都高速道路公団の設立の際には、この方面にも相当の消化を願いたいということで、私から遠藤建設大臣にもお話をいたし、遠藤建設大臣も快く了承されて、それでは両次官の間でこの問題を具体的に推進し、将来首都高速道路公団の責任者が内定の暁には、それらの人々とこれらの問題について十分な御協議を願って、職員の離職等の際における三百二十名の処理に一そうの適正を期するということに相なっておりまするが、その後お尋ねの基本的な調達庁の根本的な、永久的な制度の機構確立という問題につきましては、御承知のごとく調達庁は、ここ一、二年で特に調達庁が廃止をせられるとか、格段のその機構に重大なる変化を及ぼすような縮小がなされるとかというような事態ではまだないと私ども考えておりますが、しかしながら、御指摘のように漸減の事情にあり、まじめに働いておればおるほど漸減の状態にあるということは、調達庁関係職員の業務意欲の高揚の問題、また、将来の不安等の関係から適切でないと考えまして、これらの点については私は数次にわたり調達庁関係、労働組合責任者、最近におきましては、二十一日にも大阪において委員長その他の各位と懇談をし、私の所見を述べ、組合側の意見も聞く一方、官庁機構として調達庁長官、防衛庁次官その他関係者の間で目下せっかく検討中でございまして、先般来国会において御論議になりました各官庁を統合した中央調達機構等の問題についてはどうかというようなお話もございましたが、この点は各官庁の会計がそれぞれ明確に分離せられておるという関係上、そういう制度を設けることはどうも適切でもない、かようにも考えられまするし、また、調達庁のかなり多くの部分が御承知のように国有財産処理という関係の仕事が非常に多いので、将来大蔵省管財関係方面の仕事、ことに大蔵省管財関係方面につきましては、御承知のように、地方的な機構も一応制度として確立をしておる。一方調速庁においても、主要な都市におきましては調達局もしくはその支局等がありまして地方的にも制度が一応できておるというような関係上、それとの将来の統合の問題、あるいは防衛庁自体における防衛庁調達実施本部の下部機構としての各地方における恒久的制度の存在、これらの問題を見合って、基本的には組合等で希望しておるような一つのまとまった形という問題についてはやや難点があるが、しかし、それに類似の各機構が現に存在しておるので、それらとの統合調整については、十分可能性があるのではないかというので、この点は組合側においても一つ十分研究、見解を明らかにして、当方へ希望を申し述べてくれないか、われわれの方も目下こういうような考え方で検討中であるということで、私、組合委員長とも懇談をいたしました結果、組合側もわれわれ防衛庁の意向を了とせられまして、それではそういう方向で一つそれぞれ研究をして、できるだけ早い機会に結論を得ようという話し合いの段階になっておりますので、その趣旨でせっかく今後検討の上、成案をなるべく早く得たい。かように考えておる次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいまの防衛庁長官の答弁は、非常に私は誠意あふるる答弁だと思います。あるいは大蔵省関係、あるいはあなたの調速実施、本部関係、各行政機関とにらみ合せて考慮せられておる点は、非常に了といたします。ただ、長い間の問題で、問題火急だと思うのですよ。本日はある程度具体的なものを承われるかと思ったのですが、これでいけるなという、私判断するような具体性を持った見通しのない点を、あなたの誠意を認めながらも遺憾に思うのですが、いつごろまでにまとまった結論を出されようとされておられるのですか。その点をお答え願いたい。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) ただいままで申し上げましたところは、一部政府部内においても私からお願いをした筋もございまするが、基本的には一応の行政機構、防衛庁としてもこの種の問題に関する行政機構の問題については成案を得れば、きょう御出席になっておられる行政管理庁長官とも私は御協議をしなければならぬ、かように考えておりますので、まだ行政管理庁長官にも御協議をする段階には至っておらないということは、非常に遺憾でありまするが、調達庁の職員組合としても私の考えについてはかなり了とせられまして、そういう方向で双方一つお互いに成案を得て、さらに具体案に進んでいこうじゃないかという形でございまして、きょうせっかくのお尋ねで、御指摘のような形の成案的なものをお答えできないのは遺憾でありまするが、その一番大きな原因の一つは、現に調達庁がなお活発に生きておるという点に一つの難点があるということも、実は御了承をいただきたい。かように存ずる次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 山口長官に伺いますが、あなたに申し上げると釈迦に説法になると思うのですけれでも、この調達庁というのは、非常に困難な状況下に、終戦処理に努力されて参った行政機関であり、行政機関の職員でもあるわけです。だんだん駐留軍が引き上げていって業務が縮小されて参ると、もう用がなくなったから切り捨てごめんというわけにはいかないと思う。そういうことであってはならないと思うのですね。で、今の調達庁の機構をどうするか、さらにそこにおるところの職員をいかように解決して参るかということは、終戦処理の一つだと思うのです。従って、行政管理庁の長官とされては、所管国務大臣である伊能国務大臣の意向を十分聞き、協議されて、私は早急に調達庁の今後の半永久的な行政機関としてのあり方を研究し、結論を得べきだと同時に、現在調達庁の職員である公務員諸君の身の振り方については、それぞれ適性とか要望もありましょうが、その公務員の要望にできるだけ沿うように処理されて参るべきものだと、かように考えるのですが、長官どういう御所見を持っていらっしゃるのでしょうか、御所見と決意のほどを承わりたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 実は私が前回の国務大臣当時は、調達庁の方も所管いたしておりましたので、私としては相当現有なお調達庁の職員の将来のあり方筆につきましては、多大な関心を持っておるような次第であります。昨年の八月に準外局として調達庁が、防衛庁の内部機構の中に取り入れられたということは、それはそのこと自体も、一つの私は職員諸君のためには、将来に対する明るみを増した措置であったと思いますが、防衛庁の中における調達庁の将来のあり方響につきましては、今後とも、防衛庁当局と十分一つ事務の配分なり、あるいは合理的な運用というような観点から、せっかく私の方においても誠意を持って研究して、調達庁の職員諸君の将来のために明るい見通しが立つように、一そう努力をいたしたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この問題については、予算委員会でもやった問題ですが、できるだけ結論を出していただきたい。で、参議院半数改選後の臨時国会には固まったものが提出いただけると思うのですが、伊能長官いかがでございましょうか。少くとも臨時国会までには固まったものを御提示いただいて、われわれの審議の対象として、提示していただきたいと思うのですがね。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 御承知のごとく、現在においても三千数百名というような、かなり大きな機構の役所でございまするので、現存の業務がなお相当たくさんありますので、それを現存のままでどういうような形にし、また同時に、それを他の大蔵省、あるいは防衛庁については比較的研究もすみやかに済むと思いますが、同時に他の国家機関との調整等については、せっかくのお話しでありまするが、臨時国会、半数改選直後の国会において提出できるかどうか。その辺のところは一つ調達庁部内においても、職員組合その他とも十分協議をして、私もできるだけ早く成案を得たい、かように考えておりまするが、臨時国会において直ちに成案を得て出すということを、今ここで言明することは私としてちょっと自信もありませんので、でき得る限り誠意を尽して調査研究をいたして成案を得たい、かようには考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは、その点については、私は長官の誠意を認め信頼しますから、できるだけ政府部内で調整検討されて、将来いかようにするかというその調達庁の将来の対策は、具体的にわかればいいと思います。そうすれば皆さん安心しますし、方向さえわかればいいわけですから、それを早く決定して、きまりましたら一つ委員長を通じて構想をお漏らしいただきたい、こうお願いをしておきます。そこで、このたびの三百二十人の配置転換については、若干承わっておりますから、小さくは聞きませんが、それらの転換に当っては、できるだけ私は組合員の要望というものを取り入れて配置転換をなさるべきと思いますが、この基本方針は守られておりますか、いかがでございましょうか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 地域的な問題やら、また給与の問題は御指摘のように調達庁の職員は比較的高給者が多数でございますので、それらを本人の希望する地域等にぴったりと当てはめるということについては、私どもも相当苦慮いたしておりますが、東京のような場合においてはさいぜん申し上げましたような新しい事態等も折々起る状況でございますので、これらとにらみ合せて比較的楽な処理ができると思いますが、地方的には先般の名古屋の場合等におきましても、部隊において必要とする人間と、調達庁から出向せしめる人間との間に、給与の定額予算の基準についてかなり開きがあったりなどいたしまして、若干の困難も予想されるわけでありますが、これらの点につきましては、具体的にできるだけ希望も尊重して処理をしていく方針でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その点は特に御要望申し上げておきますが、そこで調達庁長官に伺いますが、この定員減とも関連があるわけですが、奈良、大津、岐阜の三調達事務所をこの十二月三十一日限りで廃止することにあなたの方で構想を持たれておると伝えられておりますが、これはほんとうかどうか。ただ定員が少なくなったから、それであなたが机上のプランで、こういう窓口業務を機械的に廃止するということは問題だと思います。私のところに陳情が来ております。その陳情書を見ると、ことに奈良のごときは、黒髪山の土地の補償の関係でこういう補償業務が終るまでに廃止されては困るというので、土地代表者等から陳情書が来ておりますが、これは何か誤り伝えられているのじゃないかと思いますが、ほんとうにこれは三つの事務所をこの十二月末で廃止するという業務計閥を持たれておりますか。持たれておるとすれば、これは私は是正していただきたい。特に奈良あたりは、これは廃止するわけにいかないと思います。どういうお考えか、一応お答えいただいてあらためてお伺いをいたしましょう。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) お話しのように、岐阜、奈良、大津の三事務所は、本年末をもって閉鎖する予定になっております。この三つの事務所における業務の実態は、関連する周辺の接取土地が、すでに返還になりまして、目下その残部の補償業務等の処理でございますが、これらはいずれも本年末をもって全部完了する見込みでありますので、閉鎖するものであります。なお万一、年末になりましても残るような状況になりましても、これらはい、ずれも本局に所管する。調達局に非常に至近の距離にありまして、決してそのために関係の土地所有者の方等に御迷惑をかけるようなこともなく、局から出張りまして処理できる、このように考えておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたのところには、奈良調達事務所から陳情が来ていませんか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 奈良調達事務所のみならず、大津の方からも実は存続の陳情のようなものは承わっております。しかしながら、私は先ほど申し上げましたような予定になっておりますので、決してそのために関係の方に御迷惑をかけることが生じないと思っておる次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 調達庁長官は事務当局ですから、この定員法とさらに予算案というのが裏表になっているから、事務当局としてはそういうふうに心にもない答弁をせざるを得ないと思うのですよ。それで国務大臣伊能長官に伺いますが、大津と岐阜と奈良の調達事務所を三つ廃止するというのですが、私も陳情を受けたからこれを検討してみたのですが、岐阜の方は業務量からいって、これは調達庁長官がそう言えば廃止するのはやむを得ないかと思うのですが、大津と奈良は、私の検討では陳情の要旨から見て補償業務が終るまでは、それぞれ定員が八人のようですが、廃止しない方が適当ではないか、廃止しないでやっていくべきたと思うのですが、これはもう私、特に陳情のような形になるかもしらぬが、かようにお扱いになっていただきたいと思うのですが、調達庁長官もさっき答弁したが、どうも心の中では、矢嶋の質問はいい質問だと思っているようにお見受けするのですが、(笑声)防衛庁長官いかがですか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) ただいま調達庁長官からお答え申し上げましたように補償業務の完了を待って閉鎖をする。しかも、補償業務の完了は十二月以内、本年内には十分終了する見込である、かようなことでございますので、基本的には御指摘のお話と変らないように存すると思うのであります。ことに御承知のように、奈良と大難は大阪にもきわめて近距離でございまするので、その点については特段に御迷惑をかけるようなことはなかろう、かたがた去る二十一口大阪の調達局へ参りまして職員組合の方、五分間でもいいというお話でございましたが、そんなに遠慮要らぬからゆっくりお話をしようということで双方話をした場合にも、特にこの種の問題は私に対しては陳情は実はございませんでした。従いまして、調達庁長官としては十分な配慮を持って補償業務の完了によって事務所を閉鎖する、しかも補償業務の完了は十二月で大体済む、かようなことでございますので、まず御心配はなかろう、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたの答弁なら了とします。補償業務が終ったらけっこうだと思うのですよ。終らないのに、近いからという考え方はいけないと思います。役人はそういう考え方を持ちがちです。役人というのは、汽車に乗るときに。ポケット・マネーで乗ることはないのです。国会議員は無料ハスで乗る。私たちはちょっとした距離でも近い近いと思いますけれども、住民にしてみれば、時間を食うのと自分のポケット・マネーで汽車に乗らなければならぬ。それからそこに勤めている人は、奈良が大阪になっても大阪まで通勤しなければならぬのですから、だから勤務者とそういう行政機関の窓口を利用する住民の立場からは、近距離といっても近距離ではない。無料ハスを持っているとか、出張旅費ばかりで旅行している人とは考え方が違うわけですから、なかなかそう簡単には言いきれないと思うのです。だから能率を上げて補償業務が早く終るということはけっこうなことだと思います。行政能事が上るわけで、そうなれば問題ないわけですが、業務が終らないうちは、少くとも私は奈良と大津の方は終らんと見ているのですが、私がいただいた資料によれば。だから業務が終るまで、終らない間は廃止しない、こういう意味の防衛庁長官の御意向は私は了とします。そういうように了解しておいてよろしゅうございますね。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 奈良並びに大津の業務自体、実は私も調達庁の古い職員でございまして……

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと待って下さい。あなたの答弁はわかっています。事務当局から答弁できるものですか。一ぺん言ったことを。国務大臣でなければ答弁できぬですよ。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 詳細は、調達庁長官からさらに敷衍して申し上げることが適当かと思いますが、私どもは御指摘のような点について、民衆に御迷惑をかけてはいけませんから、計画としては十二月中に十分完了し得るということで閉鎖の計画を立てておると思いますので、そういう趣旨で御希望の点も十分しんしゃくをしまして処理をしたい、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私はあなた方の計画というのが終ればけっこうです。終らない間は、業務の終了とともに閉鎖をする、先ほどの防衛庁長官の御発言を矢嶋はそういうふうに了解しておくからよろしゅうございますかというのですから、それでよろしいと、こういうふうにお答えになればそれで済むわけです。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) ただいまお話しの通りにいたしたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この調達庁の所管業務の中で、おそらく定員と関係する問題で伺うわけですが、これは先国会以来ずっと論議されて参りました、進駐軍によって損害を受けた方々に対する補償の問題ですね。これは平和条約発効以前と以後によって、いろいろ態様が違うということは繰り返しません、御承知の通りですね。その間に非常にアンバラスがある、行政協定に基く基準によって補償されているそれ自体も、今の貨幣価値とか、あるいは独立した日本国の国民というようなそういうプライドから考えると、まことに行政協定十八条に基く基準というものは不十分なものである、そういう見解も成り立つが、さらに行政協定の基準に基く以前の、いわゆる見舞金という、涙金というものは、放置できない、終戦処理として。これはずっと論じられて、先国会、先々国会でそのアンバランスの是正はやろう、それからいまだ給付を受けてない人に対しては、調査をして追給をする、これは官房長官等の答弁であった。その事務を扱う機関が明確でないから、それは調達庁にやらせる、それに要するところの定員並びに予算も、昭和三十四年度予算に組む、こういうことが先国会で答弁されているわけです。そこでまず伺いたい点は、調達庁長官は何人の定員をもって、予定期間を幾らに、調査を終了されようとしているのか、それをまずお答え願いたい。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) お話しの通りに、占領時代に進駐軍から被覆を受けた人、特にその身体生命に関する方々の処置、これま政府は見舞金処置をとって参ったのでございますがこれが平和条約発効後におけるところのいわゆる行政協定十八条の補償の基準と比べて、はなはだ低額に失ている。この問題につきまして、前国会、前々国会と、いろいろ御意見、御議論を拝聴いたしまして、政府といたしましても、これに対する措置が適切であったかどうか。これの実態を明確にするために、三十四年度においては、この実態調査を十分にいたそう、しかも、その所管守としては調達庁にするということが決定いたしまして、ただいま目下調達庁が、各府県の協力を得て実態調査を実施中でございます。これに関する予算といたしましては、約四百余万円を計上いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 期間は……。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) なお、その最終目標といたしまして、明年度の措置の必要いかんをきめるためには、できるだけ早く調査の結果を出す必要があるということで、七月の初めまでには結論を得まして、これに基く処置を検討を加えて、次の処置を検討する、このような予定でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 官房長官の出席を要求しているのですが、官房長官が差しつかえがあるというので、副長官の出席を願ったのですが、お見えになっているでしょうか。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 官房副長官は会議出席中のため、出席をただいま督促中でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三君 それでは、伊能さんは調達庁所存の国務大臣ですから、岸内閣の国務大臣ですから岸内閣の国務大臣であり、防衛庁長官として官房長官おりませんから、それにかわっての答弁を私求めたいと思うのですが、お答えいただけるでしょうか。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 質問をしてみてくれませんか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) この問題につきましては、防衛庁並びに調達庁としては、ただいま調達庁長官が、お答えをした趣旨で、基本的には矢嶋委員お尋ねの趣旨に沿って私ども努力をいたしておると思いますが、残念ながら私、過去において官房長官がお答えをした具体的な内容等については、承知をいたしておりませんので、念のために一つ官房副長官でもお呼びをいただいて、お尋ねを願うことが適切ではないか。基本的には、お尋ねの趣旨は、私どもは今調達庁長官がお答え申し上げましたような趣旨で、七月早々までに実態を明らかにした上で、来年度の予算その他で十分な善後処理を講ずるという考えではやっております。当時の一、二回の官房長もしくは関係者の答弁の具体的な内容を実は私、承知をいたしておりませんから、万一食い違うようなことがあっても、御迷惑をかけると存じますので、副長官お呼びの上で、事態を明らかにせられることを希望いたしたいと存じます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛庁長官のお気持はわかりました。それで一言だけ伺っておきますが、所管の防衛庁長官としては、来年度の予算案編成の作業開始に間に会うように七月初旬までにこの調を終了して、そうしてそれに必要なる予算、その予算の内容は閣内できめるでありましょうが、必要な予算並びに予算と表裏の関係になる法的措置を講ずる予定である、かように了承いたしますか、それでよろしゅうございますね。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 大体お尋ねの通りと存じますが、もちろん、七月初司までに明らかになりました内容は、これは政府部内といたしまして十分いたさなければならぬ。従いまして検討の上でこれを防衛庁、調達庁としては予算措置のために必要な処置をとる。またさらに必要があれば御指摘のような法的処置もとらなければならぬ。法的処置を必要としない場合には、予算措置だけで摘当かと思いますが、その辺は七月中々に実態が明らかになりました結果を検討いたしまして善処をしたい、かように考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 調産庁関係の本案に対する私は質疑を終ります。それでほかに質問があるそうですから、他の点はあとで質問いたしますが、今の調達庁関係のさっきの問題については、この法案を採決する前までに委員長から官房長庁を出席するように要請しておいていただきたい。で、残余の質疑は、他の人が質疑したあとでやります。   ―――――――――――――

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 先刻委員の異動がございました。  前田佳都男君が辞任され、後任として田中啓一君が委員に選任されました。以上、御報告申し上げます。   ―――――――――――――

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) なお先ほどの矢嶋君からの質問に答えまして、伊能防衛庁長官から調達庁職員の能率の点を考えて、不安定な状況に置くということは好ましくない。それでまあ基本的な問題については早急に結論を出す、こういうお話でありましたが、その点について私も同感でありますが、これに関連して先般の委員会において私がお尋ねしたわけでありますが、今日この段階において、どういう方向に進んでいるかということを、できるだけ早急な機会にどんな資料でもけっこうですから、委員長の方に提出してもらいたいということと御答弁の中にもありましたが、さしむき来年度直ちにまた減員の必要があるかということなのでありますが、多分今日の段階では、そういう必要はないのじゃないかというのでございますが、その点も念のためにお尋ねしておきたいと思います。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 第一点につきましては、現況等についてできるだけ早い機会に調査をいたしまして、結果を委員長まで御報告いたしたいと思います。  第二点につきましては、私は漸減の方向にあるとかようにお答えを申し上げましたが、現在承知いたしておりまするところでは特段の大きな事態が起るとも考えられませんので、その辺は現在駐留の米軍の動向並びに残余業務等も検討した上で、できるだけ調査の上お答えをいたしたい、かように考えます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 山口行管長官にお尋ねいたします。私はその前に昨年あるいは一昨年も、この行政機関の定員の関係で、同じような質問を繰り返して参りました。そしてまた今岡も全く同様な趣旨で質問を行わなければならないことを、まず遺憾に思います。それは二十四国会から前の国会まで三回あるいは四回にわたって衆議院、参議院ともに常労職員あるいは非衝動職員、臨時職員こういう変則的な行政機関の職員の存在をすべきではない、すみやかに正規な国家公務員に切りかえることが喫緊の急務である、こういう院議が行われております。もとより、この内閣委員会においても同様な趣旨のことが述べられ、これに対して当時の大久保行管長官、あるいは石井長官からも同じように善処する、国会の決議を尊重したい、こういう答弁が行われておりますが、ここに政府が提案をして参りました定員法の中身からいくならば、前年あるいは前々年と同様に残存的に現存する常労職員あるいは非常勤職員等を、わずかに本務者に切りかえたにすぎない、何ら見るべき中身のものが出されておりません。こういうことは憲法四十一条にも違反すると思われますが、一体政府としては両院の院議に対してどういうようにお考えですか。少し詳しくお尋ねをいたしたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 私も行政管理庁長官として就任以来、この問題につきましてはいろいろ頭を悩ましているようなわけであります。でありますが、根本的には私の考え方としては、明年度あたりまでこの問題に一応終止符を打つべきである、こう考えております。しかし、今年度は国家公務員法の改正がなかったので、これと見合せて行うべきこの常勤、非常勤の職員の定員化の問題につきまして御期待に沿い得なかった。また私の前任者あるいは前々任者の諸君が国会においてお約束したことが守られてないということは、私もきわめて遺憾に存じます。でありますが、先ほど申し上げましたる通り、大体の基本方針としては昭和三十五年度をもってこの問題に終止符を打って、そして今後国会においてこれらの論議がなされないように措置いたしたい、せっかく努力したいと考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 山口長官の答弁は、今までの歴代の長官が答えたところです。一つも前進をしていない。今国家公務員法の改正ということを言われたようですが、それは一体どういうことをさすのですか。たとえば公務員制度調査会の答申が出た、これに対して公務員制度調査室で今成案を得ている。それをこの今国会に間に合すという約束があった。これは会議録を詳しくごらんいただきたい。そのときに石井長官に対して私からその間にもしも臨時職員あるいは非常勤職員等に対してすこぶる迷惑をかけるから、その分に対してもこれは政府としては責任をになうべきだ、こういう突っ込んだ意見までも私は述べております。ところが、今になってまた三十五年度までにはどうかするということですが、もう私は憲法四十一条に政府は違反をしている。しかも、院議は二回も三回も行われている。こういうようなことが繰返されていくならば、全くこれは立法府と行政府との関係は、政府としては黙殺をされているという解釈しかできない。もう少し正確に今まで約束が行われているのに今度できなかったという理由を、詳しくお答えをいただかないと、昨年も一昨年も行管の長官から同じような答弁でここまで来ておりますが、今度はそうは参りません。もう少し納得のできるように、どうしてもできなかった理由はこの辺にあるのだ。私は公務員法の改正というのが、この問題を大きく阻害している理由にはならない。もう少し具体的に述べて下さい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 松野総務長官とこの問題につきましては、私も再三協議を重ねかつまた、これが促進方をはかったような次第でありますが、その詳細な内容については、総務長官の方から御答弁するのが適当かと思いますが、ただいまお説の通り、附帯決議としてこのことが議決されておることも十分承知をいたしておりますので、私といたしましては、今期国会も余すところ期日も少くなりましたので、今直ちにどうするということはできませんが、私の明言し得るところでは、この問題は先ほど申し上げましたる通り、三十五年度には一切結論をつけたい、こういう考えでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 やはりそういうことでは了承できません。山口長官、昨年も同じようなことを言われて、来年は院議が実現できるように取り計らうということを約束をしてある。ところがまた、今のお答えからいけば、来年に引き延さざるを得ない、こういうお話しである。しかも、見逃すことのできないことは、昨日松野総務長官と打ち合せをした。何を打ち合せをしたのですか。定員法が衆議院に出たのはいつですか。ずいぶん早いことでしょう。にもかかわらず、今ごろになって公務員法のことであるとか、あるいは制度調査室のことであるとか何か知らんけれども、きのう打ち合せしてこの内閣委員会に出てくるとは何事ですか。私は何回も言うように、政府は国会の意思をどう思っておるのか、無視しておるのか。言わせるだけ言わせておけばいいというのか、どうなのですか。それをもう少しはっきり答えなさい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 昨日打ち合せたとは、私は先ほど申していないつもりであります。せっかく今日まで再々打ち合せをして参っておるのでありまして、この問題については、私も相当責任を感じておるわけであります。ただ、事務当局からの報告では、三十四年の七月一日現在で定員外職員の実態調査を行い、この資料に基いて十月ころから関係各省とも打ち合せの上、定員化すべき数を算定して、そして昭和三十五年度の予算で定員化を処置することとして、この三十五年度の改正定員法に計上して次の通常国会に提出する、こういう予定になっておるということを申し上げたのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今の行管長官のお答えは、定員を何名にしたらいいかという一つの作業ですよ。方針ではない。全部組みかえるかどうかという方針をなぜきめないのか、こう言っておるのです。今あなたの言われたことは、昨年も一昨年も一万名ふやすのか、七千五百名ふやすのか五千名ふやすのか、そういう一つの作業の手順であって、院議を尊重する、国会の意思に従うというそういう原則的な方針に対する打ち合せじゃないようです。そういう作業の手順を、ここに理由にあげられたり、国家公務員法の改正を理由にして三十五年に延ばすということでは、昨年、一昨年の審議経過、さらに国会の意思と政府がこれに答えを出している意思とは合わない。あなたの言っていることには納得できません。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 方針は、すでに先ほどから申し上げた通り確定をしておるのでありまするが、その方針を遂行しようとすれば、勢いこれが裏づけとなる作業を進めなければならぬ次第でありまして、なお本年度の途中で、定員化を行うことも一応検討はいたしたのでありますが、実態調査等の関係におきまして、どうも作業の見通しとしては三十五年度に先ほど申し上げた通り提出するという以外には、間に合いかねたというようなわけであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 昨年岡部さんが局長のころ、各行政機関にまたがるこれら職員の配置の状況はきわめて正確に調査が済んでおる。速記録をお読みになって下さい。今ごろになってどこに何名いるとか、どういう人がいるということまでも調べなければならないというような行政管理庁じゃないはずです。全部済んでおりますよ。これは隣りに局長がいるからお聞き下さい。今ごろになってあわてて三十五年度の準備をするために資料をとらなければならぬ、調査をしなければならない理由は、これは断じてない。もしそれがそうであったとするならば、昨年の石井長官と岡部監理局長の答弁は食言であったということになりますが、どうですか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 局長からお答えいたさせます。

山口酉行政管理庁行政管理局長

○政府委員(山口酉君) ごもっともでございますが、昨年二万七千の繰り入れをいたしまして、その結果どういうふうに実情が変っているか、また、その後新たに業務の状況の変化によりまして、予算においても新たにつけ加わった常勤職員もございますので、そういうものをできるだけ最近の資料に基いて調査をする必要があるということで、先ほど長官から申し上げましたような業務のスケジュールを組んでいる次第でございます。実は公務員制度の方が順調にいきますれば、それとの関連も相当出てくることが予想されましたので、その見通しを持たずにやりまして、途中で公務員制度の方の方針のいかんによりましては、さらにその観点を変えなければならないような事情が生ずるおそれもございましたので、それでそういう諸般の状況を見た上で、本年の七月現在で調べますと、非常に最近の実態というものがよくわかるという考えでさような準備をいたしている次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 山口局長の答弁は、私は昨年はそういうふうに受け取っていない。非常に詳細な資料を、昨年岡部局長はここに持ち出して来ましたよ。しかも、一定の方針がこうであるということまで述べている。ただ、公務員制度調査室の結論がいつ出るかわからないので、それと並行的に検討を加えたい。これは筋が通った話しです。私もそれならそれでよかろうと思う。ただ問題は、時期が今国会という約束があった。もちろん、公務員制度調査室は行管長官の所管でないようだから、そのことまで行管長官に責任をとれというのは、若干これは無理であるかもしらないけれども、少くとも一体となった政府の措置としては、私は了承できぬ。だからこの際は、数回にわたる両院の院議、これに対する政府の所信の表明が行われているので、今なおここに抜本的なこの問題の解決が行われていないということに対して、どうしても政府当局の責任ある私は釈明を必要とする。陳謝をするなり、あるいはその理由を私の納得できるように述べるなりしてもらわなければ、二年も三年も同じようなことを繰り返して、今度こそ政府が善処するであろうという期待が一向に述べられていないということになれば、これは大へんなことですよ。もう少し責任がある山口長官の院議に対する見解と、どうしても困難であったとする理由、それは制度調査室の問題もあろう、予算の問題もありましょう。とにかく閣議の中で、ここに出されてきている定員法の修正ということが、どういういきさつによって起きてきたものか。ことに、私は国会軽視の風潮が、岸内閣においては最近非常に強いです、その点もあわせて山口長官答うべきだ。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) いろいろ森中委員におしかりを受けましたが、私といたしましては、就任以来この問題については相当熱心に下僚にどんどん進めるように注意もいたし、また、これが促進方については、相当努力をほんとうにして参ったわけであります。でありますが、先ほど来申し上げましたような事情で、国家公務員法の改正とあくまでもこれはにらみ合して進まなければならない問題でありますので、私の方だけ独走するということも許されませんし、一半の責任は当然負わなければなりませんが、今日といたしましては、先ほど申し上げました通り、固くお約束のできることは、昭和三十五年度には、必ず御趣旨に沿うよう完全にこれを処理いたしたい、こう思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうも一番大事な答弁を抜かしちゃ困ります。院議に対する政府の所信がどうかと聞いている。そういう国会と立法府との関係を明確にお尋ねしておるのに、その点に対する一曹半句の答えがないとは、どういうことですか。院議をどうして無視したのか、その理由を述べてもらいたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 必ずしも院議を無視しておるわけではないのでありまして、附帯決議に沿うよう今日まで努力をして参りましたが、先ほど来るる御答弁申し上げた通りの諸般の事情から、これが時間的に間に合わなかったということを申しわけしておるのでありまして、その院議を決して尊重しないというわけでは断じてございません。院議に沿うよう、あくまでも今後さらに一そう努力するということを申し上げておる次第であります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 作業は作業として、昨年制度調査室の関係で少しおくれておるという話があったのです。それは私は了承しました。しかし、あとはいつなのかと、こういう質問に対して、次の通常国会には間に合うようにいたします、こういう約束を前の長官と局長がしておるのです。それができないということは、やはり院議無視ということになるじゃありませんか。ただ、作業が間に合わないという、そういう仕事の手順については、今言われたようなことでわからないでもないけれども、とにかく約束が今通常国会であったのに、これが実現していないということは、やはり何分の釈明があって私はしかるべきであろう、そういうことを言っておるのです。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 私としては、相当誠意を持ってただいままで釈明しておるつもりでありまするが、それ以上のことは、先ほど申し上げました通り、三十五年度においては、必ずこれが実現を期しますということを申しておりますので、その程度で一つ御了承をいただきたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 了承はできないけれども、大体意のあるところがわかったようですからいいでしょう。  それでもう一つ伺いますが、この定員関係の一つの中核をなしている問題として、五現業に対する定員法の撤廃についてはどうなのか、これを昨年私が聞いたことがある。大体五現業の事業の状態は、例年上昇線をたどっておるから、これが下降線になって、急に人員整理をしなければならないというような実績は過去においてない。従ってそういう心配はないから、やはり事業の上昇線に即応するような人員の増加が必要である。そのためには定員法というワクにはめて定員の措置をするということは当を得ない。従って、定員法の撤廃を行管は関係の各省、庁と協議、検討する必要がある、こういう私の質問に対して、そのようにいたします、こういう答えが出ております。これに対して行政管理庁では、この定員法の五現業からワクをはずすということに対しては、どういう結論が出ておりますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 事業量が増加するに従って、これを処理すべき定員が当然増加するということも、私は当然のことであると思いますが、しかし、それがために今日から定員法を廃止して野放しにしておく、こういうことも国家行政機関として考える場合においては、それもどうかと思いますから、やはりそれは事業内容に応じた定員増強というもので、定員法をこれがために全部廃止してしまうというようなことは、前長官がどういう答弁をしたか存じませんが、私は定員法はなお存置して、そうしてさらにその事業量によって定員を増加する、定員法を改正する、こういうことが適切ではないかと考えます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは定員法の存置の可否に対する一つの意見のようですが、そうなると、在来の岸内閣の方針というものは一貫していないのです。昨年あるいは一昨年の長官は、今私が言ったようなことを述べている。ところが、今になって、やはり定員法は五現業に対しては必要であるという現長官の意見であれば、内閣の一貫した方針が貫かれていない。そういうように場当り主義の答弁で国会を乗り切ろうとするのか、あるいは前の長官からこういう重大問題に対する正確な引き継ぎがあったのかどうか、私ははなはだそういう政府の方針について疑問なきを得ないのでございます。これに対してどういうようなお考えであるか、もう一度念のためにただしておきたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 前長官が五現業に対する定員法を廃止するというような御答弁があったということでありますが、私はこの問題については、なお当時の資料等に基いて十分検討は加えますが、私の感ずる限り、この場合において直ちに五現業については定員法を廃止するというようなことを、今ここに言明することが適当であるかどうかということに、いささかまだ判断がつかないのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 判断がつかないのに答えろというのは無理かもしれませんが、私は今、行管の長官が仕事と定員ということでお話しになりました中で、「野放しに」というような言葉があったようです。しかし、関係各省庁とも予算を無視して、どんどん人をふやすということはあり得ない。これはやはり仕事と金と人というものは一定のものさしがあると思うのです。それを現状においてはさらに人を必要とするという実情にあるのに、定員法というワクに縛ったために人がふやせない、勢い仕事がうまく回っていかぬ、これらの実情を所管の長官としてどう見ておりますか。ここに私は根本的な行管長官の認識の問題があると思う。それはさらに発展をして考えていくならば、各行政機関の中に存在をする常労職員、あるいは非常勤職員、こういう人が多数いるということは何を意味するのですか。その点を一つ明快にお答えいただきたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) もちろん、必ずしも定員法で縛らなくても、予算の面においてそう野放しにというわけには参らぬのでありまするから、その点は十分承知をいたしておりますが、やはり定員法というものが一つあるごとによって制約される面もございますし、こういった問題もあわせて次期国会において明らかにして参りたいと思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうもやっぱり何もかにも次々というようなことでは、これはやはり困りますよ。問題は、こういう定員関係の所管庁である行政管理庁長官が、もう少し私は定見を持ってもらいたい。あなたはもうすぐやめるから次の長官がよろしくやるだろう、こういうおつもりですか。もう少し国務大臣であり、こういう問題を所管をする長官ならば、一つの定見を持ってもらいたい、そういう長官を相手にしていろいろ話をしてみてもしようがないのです。私はそういう意味ならば、この質問をやめます。あほらしくて、あなたを相手にいろいろ論議してもしようがない。定見を持ちなさい、定見を。そういう無定見であるから、こういうことになる。今私がお話した中で各行政機関に定員外の定員がたくさんおるということは、一体何を物語るのかと、こういう質問に対しても、あなたは答えを出していない。人が要るから定員法のワク外にどんどんとっておるのです。こういう動かしがたい事実をどう見るのですか。しかも五現業に対しては、定員法というワクをはめていて、その半面どんどん臨時職員的なものをふやさなければ仕事ができない。行政機関というものは慈善事業ではないはずです。必要であるから、仕事を回すために人をとっておる、慈善事業という意味で定員外の職員を置いているのですか。だからして、ここ数カ年間の五現業関係の実績は上昇線にあることは、これは年々決算委員会に報告が出されてきて、私どもよく知っておる。だから定員法をはずしたからといって、むちゃくちゃに人間がふえるという、こういう筋合いのものでもないわけですから、そこは行政機関の各大臣なり、あるいは局長なり何なりが当然予算の面とにらみ合せながら人をふやしていく、こう思いますから、理屈としても当然定員法を五現業関係からはずしてもいいんじゃないか、こういうことも合せてもう一回お答えをいただいておきたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 定員法があるのにもかかわらず、どんどん定員外の職員がふえていくというような傾向も、御承知の通りであります。私はいつでしたか、たぶん本多国務大臣当時であったかと思いますが、非常な強い行政整理をやった。その余弊が定員外職員として今日問題になっておるのであろうと、こう思っております。やはり実際の事業の内容に適応する常識的な実際的な定員法を設くべきものであって、そうしてこの定員法の定員の増減については、年度々々にまた国会に御審議を願うということにして、三十五年度以後は一応一切のものを定員内に繰り入れて、定員法のもとにおいて処理していくべきであって、定員法と予算と、こうにらみ合していく方が、行政の機構としては私は正しい行き方ではないかと考えておりますから、そういう方向に進むよう努力をいたして参りたいとこう思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今、定員法の生い立ちを長官も言われたようですが、私もその通りに理解しております。従ってこの定員法の生い立ちからすれば、必ずしも当を得た法律だとは思っておりません。そういうものを一つの基準にして、今ワクをはめているところに問題がある。しかも、各行政機関は、次から次に人をふやさなければ、どうにも仕事のやりくりがつかんということであれば、この際私は思い切って定員法を撤廃するか、さもなければ、現有の各種臨時職員的なものは全部本定員に切りかえる、道はもう二つしかない、一体どの道を選びますか。それと、もっと問題になるのは、こういう各種臨時者の中で、正規に国家予算に計上されて人件費として組まれているものもある、中には物件費で出しているところもある、同じ国民の税金である国の予算でこういう人たちをまかなっているのに、これはもうやはり国家財政上もゆゆしい問題があると思うのです。だから定員法の全面的な撤廃か、あるいはまた現在存在をする行政機関の臨時職員全部を本定員に組みかえるか、これが来年、三十五年度に一挙に解決をはかろうという基本的な私は政府の方針でなければならぬと思う。どの道を選ぼうとしていますか。少くとも先刻の答弁からいえば、もはや制度調査室も、ある最終段隊に調査も進んでいる、こう思います。その間における調査室と行管との打合せ、大蔵省との協議等もある程度進展をしていると思いますから、今二つの問題に対してどういう措置をおとりになろうとするのか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 今お示しになった二つの案の中では、私はやはり定員法というものは存置しておくべきものである、そうして現在の定員外の職員、これらの方々の大部分は、この定員の中に含めるよう処置すべきものであると思いますが、しかしほんとうの意味の臨時職員というのがございますから、その人々までも全部包含するというわけには参らぬかと思いますが、大部分の、もうすでに何年か常勤しておられるというような方々は、当然これは定員の中に含むべきものであって、そのワクは相当広げても差しつかえないのであって、過去の強度の人員整理の欠陥が今日に至っておりますから、このことを抜本塞源的な措置を明年度は講ずることによって、国会においてこういうふうな御論議もなくなり御納得がいくものと、こう思っておりますが、そういうふうな方向に向って進みたいと思っております。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 暫時休憩いたします。    午後零時十九分休憩    ―――――・―――――    午後一時三十一分開会

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 委員会を再開いたします。  防衛庁設置法の一部を改正する法律案、自衛隊法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。  これより両案の質疑に入ります。洋内閣総理大臣が御出席になりましたので、これより総理に対する質疑を行います。質疑のおありの方は、順次御発言を、願います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今度提出されました設置法によりますと、それぞれ定員が増強されておりまして、増加分からいきますと、自衛官が八千八百三十三人、残りの三千二百四十九人が自衛官以外の職員として増強されたようであります。その趣旨とするところは、機構上の改定と、それから部門別に、航空管制、教育、補給、整備等の拡充によると、こういうことになっておるわけでありますが、私は、この設置法の定員の増強ということは、とりもなおさず日本の防衛上の問題から必要であるという定数を確保する場合に、それが憲法の制約を受ける問題と、もう一つは、国内におけるところのいわゆる支出可能といいますか、防衛にさける範囲内の予算というのですか、そういった二つの制限から、それぞれ防衛計画が現在なされておって完全なるものというふうには考えておらないわけでありますが、今回のこの定員の増強は、そういう制限に沿って、漸増的に増強していくと、こういう建前でこれはとられたのではないか、かように考えるわけでありますが、そういうことになりますと、実際上日本の防衛に必要な青写真といいますか、政府が現在の日本を防衛するための必要量というものをどこへ目標を置いて、そしてその目標に向って、これをどのように当てはめていこうとされておるのか、この点が、実はこの法律案だけでは、私どもはつかむことのできないのであります。まず第一点としては、この点についてお伺いしたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 日本の独立を維持するために日本そのものを防衛する、どういうふうにそれをやっていくかという基本の問題につきましては、御承知の通り、国防会議がございまして、国防会議において、大きな方針としては、日本の国情及び国力に応じて漸増していくということをきめております。また、これをさらに目六体化するために、昭和三十五年度を目標としての防衛力の充実に関する一応の整備目標というものを立てて進んできております。この二つのなにに基きまして、基本方針とそれから整備目標とに応じて、一応三十五年度、一部は三十七年度まで及ぶものがありますが、その整備目標を立てまして、その整備目標に従っての増強計画というものを年々の予算に計上してきておるわけであります。三十四年度のなにといたしまして、約一万二千名前後の増員をいたしますことも、その整備目標を達成するためにわれわれは必要な限度として計上いたしたと、こういうことであります。われわれは、あくまでも国防会議の基本方針とまたその整備目標とを日本の財政全般の計画とにらみ合して、年々の具体的な防衛予算を編成していくと、こういうことでございます。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 委員長から質問者及び答弁者に申し上げますが、時間が一応限定されておりますので、委員長は目標に従って運営して参りたいと思いますので、簡潔にお願いをいたしたいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 簡潔にお聞きしたいと思うのでありますが、大体防衛ということになれば、これは仮想敵国がありまして、その仮想敵国に対する日本の防衛手段というものが想定され、それが予算上の問題で制約を受けるから、逐次それを漸増していく、こういうふうになると思う。まあ古い話からいきますと、かつては、陸軍であればソ連を仮想敵国にし、海軍であれば米英を仮想敵国にすると、こういうことで実際上の軍備態勢というものが作られておったと思う。現在の防衛計画の中で、この一つの仮想されたものをどこに設定されておるのか。この点は、今まで何回かの論議の中では全然あいまいにされておる。そのあいまいにされておる理由も、わからないわけではないですが、しかし、必要であるという防衛計価を立てるのに、目算なしに計画をするということは、これは非常におかしなことでありまして、その点は、一体どういう仮想された相手側に対して日本の防衛をされようとしておるのか。一説によりますと、最近は、日韓間の状態が非常に緊迫をしていて、ここが当面の問題といては一番当てはまるのじゃないかというようなことが一部流布されたような状況でありますが、これも政府の方針が明らかでない、ここに原因するところである。言いかえますならば、日本にもアメリカ軍が駐留し、韓国にもアメリカ軍が駐留しておるのでありますから、こういうことは起り得べきことではないのに、一般にそういうことが伝わるということは、政府の方針の明らかでない点に原因する。まずそういう黒からも、軍備を漸増的に増強していくという意味での相手の側をどう設定されているのか。  それからもう一つは、昭和九年と十年当時が、大体日本の場合には、平時としては産業経済政治ともに安定した時期こういうことで、当時の予算からいきますと、二十一億六千三百万円、これが昭和九年、十年が二十二億六百万円、それに対して軍事費は大体四四%、それから翌年が四六・一%、こういうふうになってきておるわけであります。現在の――私は、当時の国力その他から勘案いたしてみまして、戦前回復の状況は必ずしも低くはない、非常に高くなってきておりますから、割合としては、これよりか高くなることもあり得るとは思うのでありますが、大体日本の経済が許す範囲内としての防衛費、これはどこへ目標を置いて立てていくか、その二つの点から伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) この国土の防衛の基本方針をきめる場合にもいろいろと論議をされたことでありますが、現在われわれは、仮想敵国というものを想定してそれに対して、対抗上の防衛力を持つとかということは実は考えておりません。従って、今御質問になりましたような、仮想敵国をどこに置いておるかというようなことは、現在のところ全然考えておらないのであります。  それから第二の、防衛費の全予算に対する比率あるいは国民所得に対する比率というものは、日本におきましても、御指摘になりましたように、過去から現在に至るまでの間の非常な変遷がございます。また、世界的に見ましても、いろいろとその国の置かれておる事情から、必ずしもこれは同一でない。よほど隔たりのあることも御承知の通りであります。日本の現在におきましては、直接防衛の費用は、御承知のように、国民所得の二%以下になっておること御承知の通りであります。これをどの辺まで一体できるかということは、やはり国情といろいろな情勢を見ないというと、私ども、幾らまではいいのだが、幾らからはいかない、幾らまではするんだというふうなことは、私はきめることはできないことだと思います。ずいぶんいろいろな点から、現在ヨーロッパ諸国その他外国の防衛費の額というものが、日本よりもずっと国民所得に対する比率が大きいことは、御承知の通りであります。それで、日本はこの点について非常に少い。あるいは一部では、防衛の意欲がそれだけ非常に低いんだというふうな批評も世界的にはあるようでありますが、私はそう思いません。やはり日本の国情と日本の置かれておる情勢というものを考えて、われわれは独立国であるから、あくまでも、日本の独立が他から直接または間接に侵害されるということに対しては、われわれはみずから自衛の立場でもってこれを防止する。しかし、国際情勢の変遷によっては、いろいろな事態が起るのでありますから、われわれの理想としては、国際連合によって世界の平和が維持されるということが望ましいと思いますし、また、そういうふうに努力しなければならぬと思いますが、それに至るまでの間は、日本の自衛力と、さらにアメリカの安保体制によって、日本の安全と独立を維持していく。こういうことが基本的な考えであって、防衛費を何%に上げようとか、何%以上になればいいというふうなことは、現在のところは考えておりません。

横川正市日本社会党

○横川正市君 最近目高管内の静内で、高射砲隊受け入れ賛成反対で、町民がまっ二つに割れて、その町それ自体の運営さえ麻痺するような事態が起っておる。しかし、日時がたつに従って、高射砲陣地――まあ演習するため高射砲陣地でありましょう。これの受け入れに大勢が傾むいている。こういう事実を私どもは見せつけられておって、今その総理の言われる防衛態勢というものは、ミサイル兵器の非常に高度発達している段階に、一万二千か一万六千上っていく高射砲陣地を作る、こういうきわめて時代にそぐわない防衛態勢ではないだろうか、そういう気がするわけです。国の安全を保障するために防衛が必要だ、こういう建前で立てておられる限りは、明らかに仮想される相手国のはっきりした態勢そういうものを浮き彫りにして、そうして国内の態勢は整えられていく。しかしこれは、国民所得その他の問題で制約があり、憲法の問題で制約があるから、この点については、こういう計画でいきたいということは、私は、やはり国の予算の中から相当長期にわたって計画をされ、最終的にはどれだけのものを装備としては持たなければいかぬ、こういう青写真が出てこなければならぬのじゃないか。そうでなければ、今私が言いましたように、そのミサイル兵器に対する高射砲陣地というこの防衛態勢を認めることであって、しかもそのことは、現在の非常に高度な兵器の発達では、なきにひとしい、むだをしておる、こういうふうに直言されてもやむを得ないような防衛計画ではないか。こういうふうに思われるのであります。その点はどういうふうに考えておられるか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろん、この軍事科学の発達それから兵器の発達というようなものに対応いたしまして、防衛庁におきましても、いろいろな点から検討を加え、国防の基本方針としても、量よりもむしろ質の高度化、改善に主眼を置いていくというふうな方針をきめております。また第一次の整備目標は、先ほど申し上げましたように、昭和三十五年度を目標にいたして設定はされておりますが、常時われわれは国際情勢を十分に検討いたしておりますし、国防会議においても、そういう点をあらゆる観点から検討いたしまして、ざらにある程度の長期の計画を立てて、そうしてその目標に従って進んでいく。しかし、その目標を立てるときにおきましては、一般国際情勢なり軍事科学発達の状況も考えますし、また、日本の国情、また国民生活の実情等も考えて、そうして一応の計画を立てていくということにすべきことは、御承知の通りであろうといます。それは、国防会議で十分に各種の事情を検討して、この三十五年度の一応の整備目標を終れば、その次をどうするかということは、目下検討中で。ございまして、十分に各種の事情を検討してこれをきめたい、こう思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 大体現在の憲法の制約下で、防衛のための国内体制というのはどの程度までが許容される金額なのか。この点の見通しも、現在お持ちになっておらないのですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 憲法の制約によって、われわれはあくまでも自衛の限度に限る。従って、われわれが持つところの実力につきましても、必要の最小限度にとどめるということを常に念頭に置いておるわけであります。ただ、その限度が幾らかというようなことは、パーセンテージで示すことも、あるいはまた、総額の金額で示すことも、これは私は事実上不可能だろうと思います。しかし、考えの基本としては、そういうふうな考えであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これはきわめて抽象的な論議でありますけれども、問題は、根本に、国家権力が増大することによって国民の権利が縮小し、それから、国のその計画その他がそういうふうに増大することによって、国民の所得が非常に制限を受ける。ないしは国民生活が圧迫される。こういう点では、抽象論だけでは済まされない問題だと思う。そういう点からいきますと、昭和九年、十年の比率からいきますと、四四%ないしは四六%、これが逐次進んでいきますと、昭和十九年には、八百六十一億五千九百万円という中から七百三十五億一千四百万円、八五%もの軍事費ということになっておるわけなんで、このことは、私は言いかえれば、国の方針というものに国民を全部右へならえをさせて、その右へならえをした結果、国はその方針に向って全力をあげていく。しかし、その全力に正比例して国民のすべてのものはまあ失われていく、こういう状態が予算の執行の中に明確に今出てきているわけです、過去の例としては。ですから、こういう点から、現在は、防衛の論議については、いろいろまあ国会で行われておりますけれども、さてそれでは、防衛庁に対する国民の評価は一体どういうふうに一般から受けているか。この点について、おそらく私はまだ論議というものは行われなかったんではないか、こういう点であります。それで、先般防衛庁長官は、たとえば百里原の場合に、反対派が三千何がし、賛成派が三千七、八百、六百か七百票の差で、あそこにも自衛隊の基地を設定することになったが、数が多いから、いわゆるこれが民主的にきめられたから、この問題はすべて解決をしたんだと、こういうことではなしに、三千幾らかという多数の、四割五分に近い反対があるということについて目をおおってしまうという、このことについては、非常に大きな問題があとに残るのだと、こう礎は指摘をいたしましたが、政府の考え方としては、そういうふうに多数によってきめられれば、それは多くの反対があっても、その点については関知せぬ、既定方針通り進める、こういう行き方をとられつつあるように私は思うのです。それに対して、これは仮定であり、いわば具体性のない問題だと指摘されるかわりませんが、たとえば、国内で不幸にしてまあ侵略といいますか、あるいは外国からの干渉その他によって国内に戦争状態が起った。この場合に、自衛隊はそれを取りしずめるための行動が起るわけであります。しかし、その起ったときに、自衛隊に対して何らの関心も示さず、かえって反感を持っているという人たちが多数おった場合に、一体この反対者に対して政府はどのように処置をとられようとされるのであるか。この点は、私は、今のままでいけば、非常にまあ重大な問題だと思うのですが、現在置かれている自衛隊の一般認識から勘案してみて、政府としては、将来これらに対してどう対処するか、お答えをいただきたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろん国の防衛、われわれが他から直接または間接な侵略を受けないように、また受けた場合において、これを排除して、国の独立と安全を守るということについての基本的な国民の理解を常に各方面から求めておかなければならぬことは、言うを待ちません。私は、この防衛庁のいろいろな施設等につきまして国民の間に反対があり、これを実行することができないというような場合に、最後の決定はやはり村や町の意思をきめるということになれば、あるいは村民やあるいは町民の多数の意思できめることが、これは民主的なルールであろうと思います。しかし、そういう多数できまったから、少数の反対の意見は全然無視していいという性格のものじゃないと思うのです。それは、やはり十分に一つ理解と協力を求めるように、われわれとしてはあらゆる努力をしなければならない。しかし、どうしても国の行政を施行する上に、ある時期であるとか、ある期間にこれをどうしても完成しなければならぬというふうな形に置かれますというと、最後の決定を、一人の反対もないように、全部に賛成してもらうまで待つというわけにはいきませんから、ある時期においては、多数決によって決定をしなければならぬという事態があると思いますが、常に、その場合におきましても、数で勝ったから、もうあとの考えは押えつけるのだというような考えでいくべきものでないことは、言うを待たぬと思います。今御指摘のありました、何か日本に対して直接または間接の侵略があって、これに対して自衛隊が立って、そうして自衛隊の行動が憲法の規定によって発動されると、そうしてこの外部からの侵略を排除するという場合に、何か、今横川委員の御指摘では、これに対して反感を持っており、これに協力しないというような場合においてどうするかというふうな御質問であったように思いますけれども、私は、まあなにのことを申しますというと、実は政府が今、そういう場合に、これは従来の軍国主義的な侵略戦争をやるとか、あるいはその一部の人がある権力的な考え方で軍隊を動かすというのとは違って、ほんとうに日本の独立が侵害され、安全が乱される、従って、この自衛隊を出す場合におきましても、十分な憲法上の手続によってこれの発動をするという場合においては、私は、実は今、非協力者があるということを前提に考えて、これをどうするというふうなことは、今私の頭には全然ないのでありまして、その場合には、国民はみんな協力してもらえるものである。決して軍国主義的な兵力の発動というのとは、この憲法上におけるところの自衛権の発動による侵略を排除するという場合は、意味が非常に違っておる。従って、そういうことは、今のところ予想しておらないのでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そういうことを期待をされて行動される。こういうことはあり得ると思うのです。ところが、現在日本に駐留している米軍の場合には、これは、日本に対して武力攻撃が加えられた場合だけでなしに、アメリカのいわば極東平和を守るのだという独自の判断で行動が起った場合、その行動に伴って、日本の場合には基地を提供し、ないしは自衛隊の出動を要請するという、こういう直接的な問題でなくったって、国際法上からいえば、相手側の国との紛争が起った場合に、その相手側の国は、その提供している国の地域における基地に対して戦争をしかけてくる、こういう場合がある。これは、現在の条約上どうにもならない規定というふうになっているわけであります。そういうような場合であっても、これは他から直接、間接の侵略ではないわけです。いわば日本の条約上から来る欠陥として、こういう事態が起ってくる場合がある。そういう場合においても、その目的に対して、政府は、全国民が協力一致して従うであろうと、こういうふうに期待するというだけでは、私は、どうもやはり事態を少し甘く見て、観念的だと思うのです。そういう納得しない状態で強制されるということに対しては、非常に将来の問題としては大きな危惧が残るのではないだろうか、私はこういうふうに思われるわけなんですが、その点はどうなんですか。  それから、もう一点は、たとえば、公安調査庁あたりでは、逐次国内における共産主義者ないしは同調者ないしは左傾の思想の持ち主、組合運動者あるいは文化人、こういったものがメモ化されて、逐次一つのリストの上に人名が累積されて、だんだん増大されていく。こういうような調査と、実際上の問題が起った場合に政府としてはそのまま放置するのか、それともこれらの問題に対しては、ある程度の力でもって制約を加えていこうとするのか、この点は、仮定だということでなしに、戦前には、きわめてこれは喫緊な問題として、事例がたくさんあるわけですから、そういうような意味で、こういう場合に処して、どう対処されるのですか。仮定の問題だからということでなしに、想定される問題として私は御質問申し上げたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) この破防法等の施行に必要な公安調査庁等の調査も、当然法律によってやるべきことはやらなければならぬと思うのですが、現在の法制の建前から申しまして、戦争前の旧憲法時代の考え方とは、軍隊と自衛隊というものの本質が違っておることは、横川委員も御承知の通りであります。従って、われわれがこの自衛隊という実力を行使する場合というものは、非常に限定されておるわけでありまして、あくまでもわれわれが国土及び民族の安全を保障し、またそれが現実に侵害されておるという場合に発動するわけでございますから、私は、よほどもとの旧憲法時代の考え方とはそこに大きな違いがあるように思うのであります。現在の法制上の建前から申しまして、今お話のような点に関して非協力であり、これが、何か非協力の態度が当然自衛隊としての行動を積極的に妨害するというようなことになりますれば、あるいは刑法やその他の法規によるところの取締りもありましょうけれども、協力しないという場合において、協力を強制でもってするという法制の建前はないし、また今のところ、そういうことを考えていくことは、非常に限定されておる自衛隊の行動ということから考えますというと、これは適当ではないじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、これは具体的な例でありますから、この具体的な例に従って御答弁をいただきたいと思うのであります。たとえば、防衛大学の憲法関係を担当している教授の教科書ないしは参考書というものに目を通して見ますと、この解釈というのはやはり普遍性というものはなくて、非常に一方的な解釈が残っておるようであります。しかもその中には、これは少数意見であるけれども私は、これをこう考えるので、こういうふうに口述をするというような、まあ正直と言えば正直でありますが、そういう解釈をつけながら教育をいたしておるようであります。それから、先般ある自衛隊の中で、図書の購入その他について、「人間の条件」の事件というものが起きたときに、その片りんが出て参りました。その一説によりますと、たとえば、まだ未成熟な青年であって、いろいろ外部から言われることは教育上おもしろくないから、これを遮断をするのだ、しかもそのあとに、自衛隊の方方の意見を聞きますと、その意見の中には、同じ高校生でありながら同じものが読めないという、こういう立場に置かれることは困るという意見もありますし、それから積極的に、何とか読みたいという意思を表示している者もいる。これは私は、やはり自衛隊の現在とっております方針といいますか、こういったものに原因するのだろうと思うのです。それから、今度の選挙の場合の得票の現われ方ではっきりすることは、全体の中の五分か一割かというのがたまたま社会党に投ぜられる。しかし、残りの全部は、これは自由民主党に行くのだ。こういうことは、票の現われ方によって個人の自由を云々するということは私はできないと思いますが、結果的には、環境上ないしは教育上あるいは強制といいますか、そういう結果からくる一つ事例として、私は説明の材料にはなるのじゃないか。こういう状態がそのまま政府の考え方に直結するのだということになれば、きわめてこれは権力的な、あるいは一方的な一つの力というものが逐次構成されて、しかも、それは戦前とは違う違うと言いながら、戦前とは違わない一つの大きな力が醸成されていっているのではないか、かように私たちは危惧するわけなんであります。総理の考えておられる、いわゆる戦後における民主化された日本の場合に、そういうことはないというふうな考え方からいって、今私が言ったような、大体一方的に一つの形を作り上げていっている、こういう形態に対してどのようにお考えになっておるか。所信をお伺いしたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 自衛隊の訓練であるとか、あるいは教育の内容等につきまして、私、実は一々具体的には、どこでどうしているということについては、まだ承知しないところが多いのでございますが、一般方針としては常に私も承わってもおるし、また、現実に自衛隊等も視察をいたしまして、戦前の軍隊のような、一つの観念にとらわれて、これを押しつけていやしくもこれに対して批判であるとか、あるいはこれに対しての多少でも口答えをするというようなことを一切許さないというような教育方針や訓練方針はとっておらない。従って、もとの時代からいうというと、非常に自由であり、また、自衛隊員の人格を尊重したやり方がやられておると、私はこう見ております。ただ、御承知のように、ああいう多数の人が共同の動作をとり、またそれがまちまちに、ある者は右を向いているが、ある者は左を向いてもいい、ある者は前を向くが、ある者はうしろを向いてもよろしいということは、これはやはり行動上許されないことであると思います。従って、全然他の大学やあるいはその他の学校と同じように、防衛大学やその他の訓練というものを各人の完全な自由にまかすというわけにもいかないことも、これも当然じゃないかと思います。そこの間において、どういう処置をとっていくかということになりますと、やはり新憲法の精神であるところの人格の尊重、個人の自由の尊重という基本の考え方というものは、やはり自衛隊の訓練におきましても、教育においても、その根本を貫いていかなければならぬ問題であると思います。従って、具体的に見て、あるいはそれが行き過ぎているというような場合には、これを是正する必要がありましょうし、またある程度、今言うように、多数の者が同じような行動、動作をとるという必要上、ある程度の規制と言いますか、自由のある程度の制限になるという場合に、それが常識的に見てやむを得ない程度であり、また、これぐらいは是認できるものであると見るか、それが行き過ぎている、非常識であるというような点に行くかということは、具体的な事例をつかまえて、そうして検討して、行き過ぎのものは、これを是正していくということが必要であろう、こう思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 総理のその浅黒い、健康そうな、太られた、満ち足りたようなお顔を拝見いたしますと、私は、根本論に入ります前に、一応総理に御質問したいことがあります。それは選挙法ですが、選挙法の中で、どうしてもお互いに守れないような、たとえば連呼行為ですね、こういうようなものは、守れるように法を改正して、その法を厳重にお互いが守って、そうして取り締る方も厳重に取り締る、こういう方向で私は法の改正をすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 御指摘のように、選挙法の規定につきましては、いろいろな意味からいろいろな制限が加えられておりますが、しかし、法である以上は、これを守らなければならない。しかし、実際上これを守ることが非常に困難であり、また不適当でありこれを何とかしなきゃならないというような点が、私は現行の選挙法のうちには相当あるように思います。従って、この点に関しましては、自治庁を中心に検討をさせております。十分に一つ検討し、実情に合うように改正して、そうしていやしくもそれでもって改正されたならば、これはいかなる選挙においてもこれを厳守し、違反に対しては取り締るというふうに持っていかなきゃならぬ、こう思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は、予算委員会において、あなたに、総理であるから率先垂範していただかにゃならぬというので、お願いもし、警告も発しておいたわけです。それは、私の調査では、昨年の総選挙のときに、あなたも選管に選挙費を虚偽の報告をした形跡きわめて濃厚である。それから、藤山さんが出られたときにも、このたびの東さんの選挙に当っても、総理みずから相当の事前運動をされておる事実がある。だから警告を発しておいたんですが、ところが、選挙戦が始まってみると、あなたは、私は福岡で見ておったんですが、福岡もそうですが、大阪でも連呼行為をされた。それから、何十台という自動車パレードをやっている。これは示威行為であって明らかに、選挙法違反ですよ。総理みずからこれでは、選挙のたびごとに日本の民主政治をおびやかすことになると思う。その原因を総理みずから作っているということになると思うんですね。だから、ああいう何十台も連ねるパレードなんかはやめてもらわなきゃならぬ。連呼行為はあなたも経験したでしょう。あなた自身やられておりましたが、実際これはむずかしいことですから、連呼行為をできるように、法を改正されたらどうか。この点と、それから、あなたは北海道の函館に選挙に行くに当って、海上保安庁の海難救助用のヘリコプターを利用されておられたですが、いかなる目的でこれを使われたのか。まさに職権乱用きわまれりと言わざるを得ないんで、あなたの満ち足りたお顔を拝見しますと、どうしてもこれを伺わにゃならぬので、責任ある御答弁を願います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 前者につきまして、今のパレード云々、これも制限のあること、よく承知いたしております。ただ、私どもパレードに多数の車をなにしたわけでもございません。これは限定したもので行っておりますが、ただ、御承知の通り、私、自由民主党の総裁であると同時に総理大臣でありますために、新聞社等相当にこれについて行っているなにがございますし、(矢嶋三義君「候補者がついている」と述ぶ)また、選挙が府会議員、県会議員等も一緒にやられるために、こういうような事態が起っておると思いますが、こういうことに対しては、もちろん、法に従った取締りをするなり、あるいは制限を守るようにしなければならぬと思います。  それから、海上保安庁のヘリコプターを使ったということでございます。その点につきましては、あるいは、今御批判がありましたが、職権の乱用であるという御議論も一面において出てこようと思います。しかし、私は一ぺん、従来から海難救助に当るところのヘリコプターがどういう状況にあるかということを拝見したいということは、まじめに実は考えておったのでございます。ちょうどそういう際でありますので、私はこれを使用したということでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと岸総理、両岸にしてもほどがあるですよ、これは時が悪いですよ。函館に千歳を回っていくのが工合が悪いから、三沢からヘリコプターで飛んだので、これはいけませんよ、総理。日本は、選挙があるたびに選挙民は悪くなり、政治が汚され、民主政治の根本がゆがめられるんじゃないかということを識者は心配しているわけですね。だから私は与党の総裁である総理が率先してこれを垂範してもらわにゃならぬ。あなたのあとを都会議員、府会議員あるいは県会議員、市町村会議員の候補がずらり並ぶわけですが、そこは総理、総裁としていけないと一言ってシャット・アウトされるぐらいの統制力がなければ、あれではどうにもならない。若干あなたにも反省の色があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほどお答え申し上げましたように、今御指摘のような事態は、将来もないように注意していかなきゃならぬと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 勝つために手段を選ばずということは、これはよほど弱者のとるべき態度であって、大与党の総裁であり、一国の、日本国の総理ともあるべき岸総理のとるべき態度でないということを私はここにはっきりと申し上げておきます。  きょうは本論がありますので、時間がありませんから、この程度にとどめておいて、本論に入ります。  伺いたい点は、いかなる小型核兵器といえども、わが国においては合法上所有できない。お認めになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) ちょっと御質問が、私のみ込めなかったんですが……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一ぺん申しましょう。現在においてわが国は、いかなる小型核兵器といえども合法上所有できない。お認めになりますか。合法的に持てないということです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 現在の原子力基本法はそれを、原子力のそういうものを禁止しておる。従って、そういうことはいわゆる合法的には持てない、こう思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その答弁でよろしいです。次に、自衛のためといえども、いかなる小規模の核武装をもみずから行わないとともに、駐留軍に対してもそれを許さない。お認めになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) しばしば私が国会で声明しておる通り、その通りに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 わが国においては、軍事目的で原子力の研究開発をすべきではない。お認めになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私は、原子力基本法の趣旨は日本では、原子力はもっぱら平和な利用にのみこれを研究し開発すべきものである、こういうふうに解釈しております。従って、軍事的目的でこれを研究開発すべきものでない、こう思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に、先般日本学術会議の総会の決議として、岸内閣に対して、原子力基本法を厳守されたいということが、満場一致をもって申し入れられております。これを全面的に受け入れ、行政面に反映させる用意と決意があるか。お答え願います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろん私は、従来も申し上げておる通り、原子力でもって武装するとか核武装は、一切これを認めないという趣旨で貫いて参っておりますから、この学術会議の御決議の趣旨は、十分に従来もこれを行政面に生かしておりますし、将来も生かしていくつもりであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛庁長官に伺います。  防衛大学教官が、この一月に、東京大学の原子核研究施設の共同利用を申し入れた事実があるかどうか。また、防衛庁技術研究本部が茨城県東海村の原子力研究所の利用を申し入れた事実があるかどうか。ありとするならば、ただいまの岸総理の答弁と食い違うわけであって、ゆゆしき事態と思うのであるが、答弁求む。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) お尋ねの点につきましては、かつても国会でお尋ねがあったかと思いますが、さような事実はございません。   ―――――――――――――

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 先刻委員の異動がございました。  野本品吉君が辞任され、後任として、佐藤清一郎君が委員に選任されました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 先般予算委員会で、確かに私の質疑に対して、あなたはそれを答えた。あとで困ることがあるのじゃないかと言ったら、そういうことは絶対ないから困らないと答えたですね。それで、岸内閣総理大臣に伺います。もし、私がさっき伺ったような、防衛大学の教官が東大の原子核研究施設の共同利用を申し込んだ、あるいは目黒の防衛庁技術研究本部が東海村の原子力研究所の利用を申し込んだ、そうしてこれを断わられたというような事実があったとするならば、岸内閣総理大臣は責任をとりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほど防衛庁長官がはっきりお答えを申し上げたように、そういう事実はないということでございますから、何か……

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あったら、責任とりますかということです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) ないということを……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あったら責任とるかという点、私そこを聞いているのです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) あれじゃありませんか。はっきり責任を持ってないと言っているのに、そのないということが間遠っておりたことについては非常に責任があることになりますが、今はっきりないと言っているのですから、それがあったらというのはちょっとお答えしにくいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 当然それは、政治家として責任をとられなければならぬですね。そういう言明を含んでいる。  次に移りましょう。東京地裁は、先般有名な伊達判決を下されました。これに対して跳躍上告をされたが、行政府としては、岸内閣としては、この結論を早く出したいというので、跳躍上告を期待し、早く結論が出ることを希望しているのかどうか、お答え願いたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私は、こういう大事な問題でございますから、早く最高裁の判決が出て、問題が明確に決定されることを望んでおります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あの判決は、自衛隊の存在を否定しています。私は、だからといって、直ちに今の自衛隊を解散せよと申そうとは寸毫も思っておりません。しかし、新たにそれを増強する、前進する、この姿は、早く結論が出るとすれば、暫時ストップするのが私は常識ではないかと思うのですが、この点に対する総理の見解いかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 内閣が行政を行なっていきます上におきまして、これはもちろん、最後の憲法解釈というものは、最高裁の判決によって決定されるわけでございますけれども、内閣自身が責任を持って行政権を行なっていく以上には、一応内閣としての憲法の解釈を持たなければ、これは行政は行えないのでございます。そうして私どもとしては、残念ながら砂川判決とは違った憲法解釈を従来もずっと一貫してとってきておりますし、またわれわれは、やはり今日もとっておりますので、それに基いてあくまでも行政権を執行していくというのが政府の義務であると思います。その見地から申しますというと、判決によってこれが最後的にきまるかいなかを問わず、政府として責任をもっての、やはり解釈に基いての行政は進めて参るべきものであると、かように考えておるのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それは聞きおきます。  アメリカのダレス国務長官がハーター国務長官と更迭されましたが、アメリカの対日外交基本態度に変化があると考えるか考えないか。特に当面問題である安保条約の改定交渉との関連においては、いかような解釈をされておられるか。お答え願います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) ダレス国務長官がああいう病気のために引退されたことは、非常に惜しいと思いますが、これにかわられたハーター国務長官も、従来もやはり国務次官として責任がある地位におられた人でありますし、私も数回会って、意見の交換をいたしたこともございます。アメリカの対日外交、また世界的外交に、国際外交につきましても、その基本においては変化ないものだ、私はかように見ております。安保条約につきましても、従来アメリカ側と話しておりますことに変化があるとは全然考えません。従来の通りであると思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 安保条約並びに行政協定の調印はこの秋に同時に行うというので、十二月召集される通常国会に批准を求めてくるようになるであろうと私はそんたくいたしますが、見通しいかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろん、相手方がある問題でございますから、いつということを現在のときにおいて明確に申し上げることはできないと思います。しかし、安保条約と行政協定の町方にわたって交渉をいたしておりますし、また交渉を進めて参りたい。従って、これの妥結は、両方がほぼ同時であろうと考えております。それがいつになりますかは、ちょっと今日予測しがたいと思いますが、あるいはおそくなれば、今お話しのようなことがありましょうし、早ければ、臨時国会を開いて御審議を願い、御批准になるということになるだろうと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 具体的に伺いますが、自衛隊の行動範囲は、いかなる場合においても、わが施政権の及ぶ範囲内に限る、よろしゅうございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) その通りに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 米駐留軍が日本の領土内で核武装をしないということを条約上に明記する点について、日本側は申し入れをしたかしないか、その申し入れに対して、相手側は受け入れたか受け入れなかったか。いかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 核武装をしないという具体的のことを安保条約の条文に規定するということは申し入れておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 なぜ申し入れないのですか。私、予算委員会の折に要望しておきました、国民の総意において。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私どもは、重要な装備について、その変更やその他のことについては、事前に協議をしてもらうことが適当であると、かように考えておりまして、今日は核兵器というものが問題になっておりますが、あるいは軍事科学の発達のなにから見まするというと、これだけじゃなしに、われわれとしては、やはり日本に持ち込むことを適当でないと思うものも将来あるということも考えなければならぬと思います。そういう意味において、重要な装備、配備等につきましては、あらかじめ日本の意思を十分に聞いて、それと事前協議の上でなければできないということを明確にしたい、かように思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたは、核武装をみずからしないということを、また、外国軍隊によって核兵器が持ち込まれないことは国民の悲願であり、岸総理みずからの悲願であるということを答弁されておるのに何がゆえに、それが明確になるように相手が受け入れるか受け入れないかは別として、何ゆえにそれを条約上に明記するということを申し出ないのですか。もう一度伺いたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 従来私が申しておることは、矢嶋委員の今御質問にありましたと同じことを申しておりますし、またそう考えております。ただ、条約の成文をどういうふうにするかという問題に関しましては、いろいろな条約の例もございますし、そういう具体的な一つのものをあげて、これを禁止するというようなことは、私は、適当でなくして、その目的を達するに必要な方法を講ずれば十分であるという見地に立って、事前協議の事項に入れるのが適当である、かように考えたわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その総理の見解は、私納得できません。私と同感の国民は多いと思います。再考慮を促して、次の質問をいたします。  それは、バンデンバーグの決議の精神からいって、相互防衛義務的なことを条約文中に入れるか入れないか。入れないでアメリカは容認する情勢にあるかどうか、お答え願います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) これは、バンデンバーグ決議の趣旨をやはり条約のうちに成文化すということは、アメリカ側の従来のこの種条約のほとんど模範となっておるのでありまして、従って、これは条約に入れるということに私はなると思います。しかし同時に、他の国と違った日本の憲法の規定というものと十分にその調和を考えて成文化する必要がある、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 相好防衛義務的なものを条約文中に入れるとすると、これは、私は、明らかに現行日本国憲法違反と考えますが、その点はいかがお考えになっておりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) それは、観賞の内容いかんによるだろうと思います。私どもは、十分にその点につきましては、先ほど申しましたように、日本の憲法の特異性に基いて、日本憲法に違反しない範囲内においてこの、バンデンバーグ決議の趣旨を生かしていく。こういうふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは、憲法に違反しない形でいかなる表現をするかということは、至難な問題だと思います。で、私は、こういう点指摘をいたしておきます。  次に移りますが、行政協定において、今のアメリカ軍人の地位というものは、戦敗国に対する戦勝国の軍人というような点がありますが、これは是正さるべきものだと思いますが、この基本方針はいかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今の行政協定が、すべてがそうだというわけにはいかんと思います。しかし、そういう一つの雰囲気の規定も私はあるように思うのであります。これらもできるだけ対等で、しかも、日本のこの自主独立の立場を明確にした規定にしたいというのが、行政協定の改定の基本方針でございまして、そういう意味において改定をしたい、こう思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 行政協定は、施設、労務、調達、通関あるいは出入国等大幅改正をすべきものと思いますが、方針はいがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) おあげになりました各事項につきましては、十分検討を加えております。あるいは、従来の規定としては不都合ではないけれども、取扱い上きわめて不都合な事態が残っておるところもございますし、あるいはまた、規定そのものをある程度改正しなければならぬ点もございます。それらの点につきましては、十分に今検討を加えまして、先ほど申したような方針によって改定をしたい、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に、沖縄、小笠原の領土権の主張並びに施政権の返還については、このたび強力に主張をしたかしなかったか、したとすれば、どう々応があったか、お伺いしたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) これは、先ほどお答え申し上げました日本の自衛隊の行動の範囲といいますか、日本が旅政権を持っている地域は、それにはもちろん領海、領空というものも入りますけれども、そういうような施政権を持っておるものに限ると、その結果として、沖縄、小笠原は入らないという結論になるわけでございますが、しかし、われわれがかねて主張しておる施政権の問題とは、これは別個の問題である。従って、施政権の返還の問題については、これは依然として同じ主張を持っておる。従って、アメリカとしても、できるだけ早く施政権を返してもらう。施政権を返されれば当然防衛の地域にもなるという趣旨を、十分向う側にも納得せしめております。ただ、この際直ちに施政を全部返すというようなことは、もちろんアメリカ側が承認をいたしておりません。ただ、これについて、従来日本が主張しているような、いわゆる潜在主権を持っており、その施政権の返還を期待をしており、返還された場合においてはその防衛地域に入ると日本側が主張しておることについては、これを了承しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 特にその点は、強力なる主張を続けることを要望しておきます。次に伺いますが、防御関係費と社会保障費との関係は、逐次だんだんとカーブが近ずいて来ましたが、日本の国民生活の実態から、防衛関係費のカーブを社会保障関係費のカーブが抜くべきものと思いますが、お考えいかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほども横川委員の御質問にお答え申し上げまして、この防衛費の増加というものは、国力及び国情に応じて漸増してくる。しかし、これがどういう比率を全体として持つべきであるかというようなことを数字できめることは非常にむずかしいということを申し上げました。それから、社会保障費の増額ということにつきましては、これは、日本が近代的国家として福祉国家の理想を達成するために、できるだけ増額しなければいかぬということは御指摘の通りであります。これと防御費との間に何らかの比率を設け、あるいはそれの増加のカーブをどういうふうにすべきかという矢嶋委員のお話でありますが、具体的には、この社会保障費と国防費とに一定の比率を持たせるとか、あるいはそれの増強のカーブをどういうふうにさせるかということは、これを抽象的にきめることは、私は困難であると思います。ただ、日本の実情から見て、さらに社会保障費というものをもう少し増額するというような考えで予算の編成に当るべきであるという御意見については、私もさように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 社会保障費をふやすということは了承いたしますが、防衛関係費は相対関係になくちゃならないと思います。私は。世界の趨勢は、各国とも社会保障の推進によって国民の生活は引き上げられつつある。ところが、日本の厚生省の厚生白書によると、この較差はだんだんひどくなってきている、世界の趨勢に逆行しているということがあなた方の厚生白書に出ているわけであります。従って私は、社会保障費のカーブが防衛関係費のカーブを抜かなければならぬ、そういう基本方針で予算を編成しなければならぬと思います。しかも、この防衛関係費の内容が若干むだな点がある。最近新術語が出て参りました。共食い整備、共食い整備が行われているというのはどういうことか、あなた御存じですか。新術語です。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 承知いたしておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 共食い整備というのは、アメリカから中古兵器を借りてきているものだから、それが使えなくなると、アメリカはその兵器はもう使わなくなっているから、アメリカはその部分品をこしらえない。ところが、日本はたくさんの中古兵器を持っているが、部分品がないものですから、一部をこわして、そのこわした部分品で他のものを整備するようになっている。これを、新術語として、共食い整備と言っている。具体的な例としては、M4中刑特車が三百六十五両あるが、アメリカでは、もう役に立たぬから、これは使わぬことになっている。だから、アメリカは部分品をこしらえない。だから、その三百六十五両のうち大十七両を廃車にして、その部分品をもって充足して使う。そういう方面に金を使っておっても、いざというときには役に立ちませんよ。だから、そういう方に金を使うよりも、社会保障費に金を使う方が、国民生活を引き上げていけば、それが真の国軍になるべースになる。そういうことをやらないでおいて、これは、最近飛行機も他の兵器も逐次出てきておりますので、これは、私のしろうとの見解をもってしても、共食い整備というものがこれから盛んに出てくると思いますが、心していただきたいと思いますが、どうですか。簡単に願います。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 問題が兵備の問題ですから、私からお答えした方がいいかと思います。  先般新聞に出ました北海道の特車の問題につきましては、一部御指摘の通りでございますが、実情は、それによって兵備の精強を期するというところにありますし、また目下国内においても、これが国産化の問題等については十分な検討をいたしておりますることとあわせて、新しい特車についての要求を米軍側にもいたしているというとこで、基本は、私どもは、既存のものによって最善の能率を発揮し、国費をむだにしないという観点から、ただいま御指摘のような方向の整備も一部いたしておりますが、この点は共食いというような状況でないということだけは申し上げておきたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなた、岸総理の前だからそういうことを言っているけれども、事実が証明している。  で、それに関連して伺いますが、アメリカの軍事援助は、ドレーパー委員会の報告から減る方向にあるとあなたも見ておられると思うのですが、どうか。  それから三十六年から始まる第二次長期防衛整備計画というものを練られているというのですが、すでに相当作業が進んでいるのかどうか、防衛庁長官伺います。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 第二次防衛整備目標の検討につきましては相当に研究は進んでおります。  それからドレーパー・ミッションの折衝経過につきましては、しばしば国会においても御報告申し上げましたように、当面の問題としては私どもは減少をすると――特段の減少をするとは考えておりませんので、大体ほぼ現状に近いもので、米軍との関係でわれわれは軍事供与を受け得る、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それらの点はあとで伺います。時間がありませんから総理に伺います。日本の自衛隊は海難救助、国土保全、災害未然防止あるいは気象観測への協力、こういう点に力を注ぐべきで、それに即応する装備並びに訓練にいま少し力を入れるべきである。災害が起ったときによく災害復旧に出かけますけれども、そういう仕事だけでなくて、未然防止のために、たとえば海岸侵食が行われている所に対策を講ずるとか、地すべりの危険のある所に措置をするとか、あるいは道路、河川の改修、日本の河川というものはずいぶん川底が上っておりますが、それの濃淡、こういう点を自衛隊の訓練に差しつかえない最大限度に海難救助、国土保全、災害未然防止、気象観測への協力、これを陸・海・空部隊は訓練もするし、それに即応するような装備をすべきであると、昔の軍隊のまねばかりやっていてはいけない、かように考えますが、基本方針はいかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 現在の自衛隊法、また実際の自衛隊の訓練等につきまして、大体矢嶋委員のお話のような趣旨でやっております。ただ御承知の通り、これがあまり積極的にやると民業の圧迫とか何とかという問題も起ってきますので、それらとのつり合いももちろん考えなければならぬと思います。また自衛隊本来の訓練に差しつかえを生じてはならないと思いますから、それらとにらみ合せていかなければならぬことでありますが、できるだけそういう方面のこともいたすようにいたしておりますし、また今後も注意してさようにいたしたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時間が参りましたからこれを最後にいたします。民業を圧迫しないようにというのは当然だと思うのです。民間業者が望まないようなところでやるとか、たくさんあるわけですね。私はそういうことをやるべきだと言っているわけです。  それで時間が参りましたから最後の質問ですが、それはあなたは国防会議の議長として、新主力戦闘機種選定の問題について数回懇談会を開いたようであるが、現時点においてはどういう点に結論が向こうとしているのか。私は三百機の国産計画などすることなく、どうしてもやりたいのならば若干機購入する。そうしてそれによってテストするとともに、まずもって乗員養成に主力を注ぐべきである。しかも若干機購入に際しては、調査団を派遣するところの慎重さをもってやるべきである、かように私は考えるのですが、国防会議議員懇談会の経過と、それからあなたの今後の見通しについても承わりたい。かりそめにも三菱あたりの圧力で拙速をやるというようなことがあってはならぬと思う。今度の永野運輸大臣、国鉄総裁の人事問題でも、どうも三菱さんがうしろから岸さんに圧力を加えて、あなたがまっ先によろめいた形跡がある、そういうふうに言う有識者が多数いるのですから、それをもあわせて釈明する点があったら釈明して下さい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 国防会議議員の懇談会をあの後二回開いております。第一回は国防会議の構成も変っておりますので、従来の国防会議で審議されました重要な事項及び次期戦闘機の機種選定の問題に関する今までの経過等につきまして報告をし、意見の交換をした。第二回目におきましては、源田空将に来てもらいまして、この第一線の立場から、どういうふうな飛行機を望み、またどうあるべきかということに関する空将の体験からくるいろいろな意見を聞きまして、十分これらのことを参考として、さらにいろいろな点を研究して参りたい今お話のように生産せずに購入したらどうだという考え方も、もちろん国防会議議員の一部にあります。しかし源田空将の意見、その点に関する意見は、最も大事なことは、いわゆる操縦性という、飛行機とパイロットが真に一体となって、ちょうど馬術の人馬一体というように、飛行機が操縦者の思うままになる。ちょうど戦前、戦争中の日本の零戦闘機の最も優秀であったのがその点であった。そういう点は、やはり日本人に向いているように、ごくわずかでも改善をしていくということでそういうことになるのだというような、きわめて有益な意見もございましたので、これらも頭に置いてなお検討したい、かように思っております。現在のところ、必ず生産するのだとか、何を生産するのだというふうな結論を持っているわけではございません。また購入というようなことも一つの意見として十分検討する、各種の方面からさらに掘り下げて検討する、こう考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 三菱さんの圧力はどうですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) そんなことは全然ありません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 志免炭鉱もそうなっちゃうのですよ。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) それはありません。それは今までのお話でありますけれども、これは私自身が何かそれでよろめいたという何であるとすると、はなはだ私の不徳のいたすところでございますが、そういうことはございません。  それからなお運輸大臣並びに国鉄総裁の問題につきましても……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 志免炭鉱もですね、三菱……。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) そのなにはございません。ただ国鉄総裁の任期が御承知の通りに五月十九日かで終了するということを前提として、いろいろこの後任なり、軍任すべきものであるとか、あるいは後任の候補等につきまして、いわゆる下馬評があることは御承知の通りであります。またこれに関してのいろいろな人々が意見を述べていることも、私も聞いております。しかしどの方面から圧迫しているとかあるいはどうだというふうなことは、この問題に関しては絶対にございませんから、御安心願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今横川、矢嶋両君の質問に対しまして、総理は、わが国の防衛力は国力に応じて漸増していく、こういう所信を述べられましたが、私は国力と防御力とのバランスの問題はともかくとして、むやみに、しかも無制限に、相当長期にわたってこういうような措置が取られていくということは、必ずしも当を得ないことだと思うのです。少くとも現在総理の掌中には、わが国の防衛力の限界点、区切りというものをお考えであろうと思う。しかるに近来毎年々々防衛力が相当増大をされていっておりますが、いっこの防衛力は最終的な計画として仕上るものか、これをまず第一番に承わりたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほどもお答え申し上げましたように、現在はいわゆる第一次のこの防衛三カ年計画というものを立てまして、それに基いて――それは国防会議においてきめたわけでございますが――それで整備目標をきめております。それが三十五年度をもって一応の整備目標というものを達成する。しかしこれはもちろんこれでもって日本の防衛というものが完全であるというものではございません。ただ先ほど来申し上げるように、日本の国力というものを前提として考えられておることでございますから、これを三十五年度で第一期の三年計画というものが一応その目標を整備するわけであります。さらにそれに続いてその後における日本の防衛をどうしていくかということにつきましては、先ほど防衛庁長官もお答え申し上げましたように、国防会議においてあらゆる検討をいたしております。われわれはいろいろな国際情勢の変遷、また軍事科学の非常な驚異的な発展等も頭において、できるだけ量よりも質に重きをおいて今後の整備をいたして参りたい。しかしそれにつきましても、もちろん国力の制約というものは受けるわけでございますから、ある程度の年次計画を立ててこれを遂行していくというふうに進んで参りたい、かように考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 時限がいつというお答えは出ていないようですが、やはり今総理のお答えでいけば、三十五年で三カ年計画が終了する、さらにこれを継承する長期計画は新しく発足をする、こういうふうに理解をしてよろしいのですね。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 大体そういうふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そこで今総理は国防会議でいろいろ検討を加えておる、こういう御答弁でありましたが、やはりわが国の防衛の計画を中枢的に行うのは国防会議であるということは、これは法律が明示しておる通り。しかし日米間の安全保障条約、これとの関係はどうなりますか。つまり私は、三十五年で三カ年計画が終り、続いてまた三カ年計画になるのかあるいは五カ年計画になるか知りませんが、この安全保障条約を中心にして、アメリカと協議を行なって、この安全保障条約にうたっているように、日本の区域内における国連あるいはこれにかわる個別の安全保障が確立されなければこの安全保障条約は解消しない、こういう条約内容になっております。そうなると、国防会議というよりも、むしろ日米安全保障条約を中心にしたわが国の防衛計画である、これはもうあまりにも認識された問題でありますが、そういうように解釈をしてよろしいのですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 日本の安全を保障するために、どうして日本の安全を保障するかという問題については、日本のほんとうの独立、自主性を完全にやるためには、他の力を借りずに、できるだけ日本の力で日本の安全を保障し、防衛を遂行するということが望ましいことは言うを待たないのであります。しかしながらそれは同時に日本の国情と国力というものを無視してまでできるわけではございませんし、また国防とか安全とかいうことはただ単にいわゆる武力だけでこれが保てるものではございません。従って各種の政策をあわせ行い、総合的にまず日本が侵略されないような体制を作り上げていく、不幸にしてあった場合においても、それを最小限度にとどめていって、できるだけ日本の力でもってこれを排除するということが望ましいと思います。しかし現在の国際情勢から見まするというと、御承知の通り、一国だけでいかなる侵害に対してもこれを守り得るということはできないわけでございますから、安保条約がいっているように、理想の国連の保障がそういうことについてできるまでの間においては、やはり日米安保条約によって共同して日本の安全を保障するということになるのでございますが、やはり国防会議において決定することは、日本の自力でもって日本の国力と国情に応じて日本の防衛を全うする、それにはどうしたらいいかということを検討し、この計画目標というものを定めてこれによってはもちろん十分でございませんから、アメリカと、いわゆる安保条約によるところの安全保障体制というものを強化していく、こういうことに私どもは考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今の総理の答弁からいけば、やはり日米安保条約があくまでも従属的なものであって、自主的に国防会議でおきめになっているというふうに印象としてはとれるのです。そうであれば三十五年で三カ年計画が終る、これを継承すべき計画を持たなければならないという御意見のようでありますが、たとえば陸上幾ら海上幾らあるいはまた空軍幾ら、艦船、航空、こういう一つの現在の国際情勢に対処するわが国の防御の限界というものは、自主的なものであればあるだけすでにお持ちではないかと思う。国力はもちろんこれは毎年大いに増強されなければいけませんが、それに並行してウナギ登りに上っていくということはいささかこれはわが国の防衛の問題としては一考を要する問題だと思うのです。ですから、今政府の力でお考えになっている最高のわが国の武力の状態、防衛力の状態はどういうものですか。その内容をお示しいただきたいと思うのです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今やっておりますのは、昭和三十五年を目標としている完成年次としている整備目標に従って増強いたしているわけであります。この数字はすでに森中委員も御承知のことと思います。これに続いてわれわれが作るべき、策定すべき整備目標というものは目下この国防会議において真剣に各方面から検討をいたしておりまして、結論的に目標がどうなるということはまだ結論を得ておりません。しかしわれわれから言うと、その心組みはむしろ数の目標よりも精度といいますか、その質の改善ということに重きをおいて今後の整備計画というものを進めていく、もちろん数も増大しますけれども、そういうに重きをおいて、見当をつけて検討して、そうして整備目標をきめたい、目下検討中でございまして、まだ数字的にこれを申し上げる段階でございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、現有の防御力というものは今の総理のお言葉からいくならば、これは質ではなくして数を中心に今までやってきた、これから数よりも質に切りかえていく、こういうような解釈が私は出ると思います。そうなると、いかにもむだな国の経済をこの方面に浪費をしていた、こういうことになるのですが、それはどうなんですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろん従来といえども私どもが数字の目標を定めるときには、その数字の内容である航空機の性能であるとか、あるいは艦船のトン数を申しましても、トン数さえあればどんな船でもいいというような考えはございませんので、その内容としての点ももちろん頭においてその数字をきめたわけでございます。しかし従来全然そのなにを持たない――防衛力、自衛力を持たなかったところから出発してある程度の段階を達成するということになります、いうと、とにかく全体のものを拡大していかなければならないというために、ややともするというと、質よりも量というような傾きが出てくることもやむを得なかった点があると私は思います。従って今後のなにとしては、むしろ特に従来決して軽視したというわけではございませんけれども、今後のなにとしては、増強の主眼の重点としては、特に質の改革というか、質の精度を上げていくというような点に意を用いて第二次の計画をきめたい、こういう意味でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、これはやはり防衛力というものには一つの対象物というか、あるいは防衛の目標がなければならぬと思う。それは一体何が目標になっておるのです。今わが国の防御力を三十五年で三カ年計画を終る。さらにこれを継承する計画に基いて防衛力を増強していこうとするには相手がある。その相手とは何か。こういう一つの計画の目標というものは何なんですか。これが今まで残念ながらむやみに外国の不正な、あるいは不当な攻略に対処するためにというきわめて抽象的な概念論で問題を解決をせられてきております。しかし、やはり私は一定の制限を持つわが国の経済あるいは国民の所得即国力からいけば一つの限界がなければならぬ、かように考えていけば、やはりわが国の防衛力には、現在の置かれている国情がこうであるからこれに対処するためであるとする一つの防衛目標というものが当然総理のもとにはおありだと思うのです。何を相手にして防衛力を作ろうとするのですか。従ってこのこといかんによっては、表現としては防衛であるけれども、いつでもこれはどこかの国に対して攻撃が可能であるという武力というようにもとれないことはない。だから一体敵の攻撃に対して防衛するというならば、どういう態様をお考えであるか、それを、もう少し具体的にお示しいただきたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほどもお答え申し上げましたが、現在の日本の新憲法によるところの自衛隊を中心としての防衛力増強ということは、この旧憲法時代、あの時代の一般のいわゆる軍事競争、各国の列強の軍事競争、軍備拡張競争の中に列強の一つとして存在しておった日本が、伍して増強するというような事情とは全然違った環境であると私は思います。従って、今度のこのわれわれが国防整備計画を立てるに当りましても、一国のある特定の国、これを仮想敵国と考えて、その国の兵力なり、あるいは武力なりというものと均衡をとるようなものを増強をしていくというような考えは実は持っておらないのであります。日本に対するいわゆる侵略が行われた場合に、これはいろいろな――まあこれこそ抽象的でございますが、いろいろな形において侵略ということが行われ得る、また行われる可能性があるというような場合に処してわれわれが国土を守っていき、あるいは民族を守るというために必要最小限度のものを持つというのが今の自衛隊の精神でございますので、何か具体的な目標を持っておって、それに対抗するところの防衛力を持つというふうな考え方では私どもこの計画を立てておらないのであります。その点は御了承願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それでは、先刻わが国の防衛の計画については自主的に国防会議できめておる、こういう総理の御意見であれば、国防会議に参加する者は総理大臣、外務大臣、大蔵大臣、防衛庁長官、経済企画庁長官、これだけの人が参加をして防衛計画を立てるということになれば、おそらく私は軍事上の専門家は一人もいない、この中には。こういうことになればやはり無制限に、どこにどうという一つの想定的なものを置かないということであれは、むやみに私は防御力がどんどん拡大強化されていくという、こういう心配を強く持つのです。しかしそれでは国民がたまらない。いろいろこういうことに関する意見等も今まで述べられて参りましたが、やはり一つの区切りをどこかでつけて、それでもってわが国の安全保障はこういうようにでき上るという、もっとこう変った方式というものを作り出すようなことができないのですか。極端に申し上げるならば、日米安全保障条約よりも、むしろ国連を中心にした安全保障に切りかえていく、あるいはアジア各国間とわが国が安全保障を結んでいく、こういうことの方が、要するにどんどんと武力を強めていくよりも、そういう集団的な安全保障の方がいいんじゃないですか。    〔委員長退席、理事千葉信君着席〕

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今、国防会議の構成についてお話がありましたが、構成は実は御指摘の通りでございます。いわゆる昔のような軍事専門家という陸海軍なりあるいはその方面の専門家というものが中心でないのでありまして、むしろ日本の安全保障をする防衛体制を作るというような広い見地から考えるべきであり、また民生といいますか、国民の生活なりそういう点を重く考えるべきであるという意味におきましてああいう構成になっておりまして、このことをこそむしろ従来の軍事専門家によって、これは軍事専門家の立場からいうこと、最小限度といっても軍事上の必要を満足せしめるようなことで、これは各国としてもどちらかというと大きくなるという傾向があるのでありまして、その点はむしろ森中委員の御心配の今よりも逆であって、こういう構成であるからむしろ国情なりあるいは民生等の安定ということを主にいかなる場合においても最小限度に押えていくという趣旨がこの構成にも強く出ておる、また実際その論議もそういうふうになってきておると思います。それは新しい憲法のもとにおける防衛の趣旨からいうと当然であろうと思います。こういう意味で、もちろん私ども先ほどから申し上げておるように、できるだけやはり日本の国情とそれから国力というものを頭において最小必要限度にとどめていくという考えをいたしておるわけであります。世界の安全を保障していく上からいって一番望ましいことは、国連におけるところの集団的の保障体制というものができるということが私は一番望ましいことだと思います。あるいはよく言われるように、国連における一つの国際警察軍というようなものが置かれて、平和を乱したり、他国を侵略したりするものをこれを阻止していくということができれば、これは一番いいことだと思いますが、まだそれには相当な……現状はそこまでいっておりませんから、ここでやはり国連憲章の精神に基いて、あるいは安全保障体制とかいうふうな集団的なものであるとか、あるいは相互的な防衛体制によって安全を保障するということはやむを得ないと思います。日本の現状からいうと、その意味において安保条約の体制によるのが適当である。もちろんこれが最後の理想的な永久的な制度でないことは言うをまたないのでありまして、そういうことはさっき申し上げたように、理想としては国連にそういう集団的な体制ができることが最も望ましい。しかしそれができるまで全然われわれ手をあげておるというわけには参りません。それでわれわれとしては日米安保体制によっていく。あるいはこれをやめて、極東におけるところの四カ国の不可侵条約なりあるいは安全保障体制というものを考えたらどうだという御意見が社会党方面にはございますけれども、私は国際の現実からいって、まだまだそういうようなことが実現するというような情勢にはないと、かように判断をいたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は総理の言われることと反対に考えておる。それは国会議員である閣僚が国防会議を構成をしておるから、それで軍事専門家がやるよりも国の経済力あるいは民生の安定、こういうものに巧妙に考慮を払いながらやっているのでいいんだ、こういう御意見のようでありますが、事実に私は反していると思う。全く軍事的能力のない総理やあるいは防衛庁長官あたりが国防会議でいろいろやってみても、結局材料を提供してくる、あるいは国際的な問題に対する判断を、軍事的な問題をつける場合に、やはりこれは総理や防衛庁長官にはできない、そういう現われが毎年毎年、二万名人間をふやしてみたり、あるいは艦船の貸与を受けてみたり、まあこういったような、逆に引きずられていくような結果が今日招来をしている、こう思うのです。だから、今言われるように三十五年度で三カ年計画が終り、次にまたいくということになれば、無制限にこれはわが国の防衛力は発展していくことになります。むしろ軍事専門家あたりがそういうところにおれば、これはある程度そういうセーブもできるでしょう、しかし知識のない人が国防会議でやってみても、実際の専門家がこれではだめだ、あれではだめだということになれば、やはり総理も私は引かれていくというようなことになると思うのです。で、そういうことより、今、はっきり言い得ることは、わが国の安全保障の方式をどういうものに求めるかという、政治家としての総理大臣としての決断のしどころではないかと思うのです。従って先刻一、二の例で申し上げましたように、国連中心の安全保障をとるのか、あるいは日米共同の防衛による安全保障をとるのか、さらにそれはそれとしておいて、アジアの各国との安全保障も作っていく、こういう安全保障の方式についてそろそろ結論を出す時期にきているのじゃないですか。そういうことがなしくずしの憲法改正であってみたり、なしくずしの再軍備という疑いを私どもはより明瞭に割り切ることができる。今のような状態でいけば、総理が憲法改正は現状においてできないといっても、なしくずしの憲法改正ですよ、再軍備ですよ、そういうことを考えていけば、やはり安全保障の方式について、この際政府は明らかにすべき段階にきたのではないか、私はこう思うのです。こういうことについて、もう少し明瞭にお答えをいただきたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほどもお答え申し上げましたように、私はやはりわれわれが目標とすべきものは、国連を中心としての国連によるところの世界の安全保障体制ができる、国連と加盟の国々がこれに協力してそういう本のができることが一番望ましいと思います。しかし現在はまだそれまでの状態に至っておらないというのが現状である。また四カ国の間に安全保障体制もしくは不可侵条約等によってやるべきだというお考えもあるようでありますが、私はこれまた国際の実情を見るというと、米ソが一緒になって不可侵だとかあるいは安全保障体制を作るという国際情勢になっておらない。もしもそれまでいっておれば、おそらく国連におけるところの集団的安保体制ができる態勢になっていると私は思うのです。従って今日の情勢においては、やはり日本だけで日本の安全を保障するというだけの確信を持たない限りにおいては、日米安保体制によって日本の安全を保障するということ以外にとるべき方法がない、かように増えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは見方によっていろいろ違いましょうが、東西の冷戦、あるいは軍事力の競争というものはどういう方向に向っていると思いますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) これは言うまでもなく、最近の軍事科学の発達によりまして、特に核兵器が非常な発達をし、米ソがともに核武装の先端をいっておるということから世界の非常に不安をかもし出しておることは御承知の通りであります。従ってこれを何らか制限しようという方向に各国が動きつつあることも事実でありますし、私どももその方向に協力をし、そういう情勢を作り上げることに、いろいろ国連を中心に努力をいたしておる次第でありますが、まだ現在の状況におきまして軍備制限であるとか、あるいは核兵器の制限、禁止というような問題は、その解決点を見出すような情勢になっておらぬことははなはだ遺憾でございます。しかしわれわれはやはり国際的な、国連を中心としての安保体制を作り上げ、また各国が軍備競争によってそのバランスによって平和を保とうというような考え方というものは非常な危険があるということを、やはり世界の良識に訴えて、そういう事態を是正していくように努力をしなきゃならぬ、かように考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 一つの論争みたいになりますが、今アメリカ、ソ連、こういう話が総理から出ましたので、まあ私も少し言っておきたいのですが、骨のように兵隊の数や飛行機、あるいは大砲、軍艦の数で世界が支配されるという、こういう時代は過ぎたと私は思う。従ってわが国の場合には、さきの国会で両院が非核武装の決議をしました。こういう取扱いについても総理はあまり真剣ではない、しかも東西のトップに立つ米ソ以外の国は、やはり核武装は困る、こういう意見というものは、まさしくこれは国際的な現在の世論だと思う。いわんやわが国が先年来国際連合の理事国になったとすれば、どちらかに片寄った立場に立った国際連合に対する働きかけではなくして、中立的な立場から核武装をしないという、こういう働きかけをしてみたり、あるいは中共を国連に加盟させる、まあいろいろやり方次第では方法はあると思うのですよ。で、それを総理は地方に出られても社会党のいう中立論は架空の理論であるというように、ことごとに非難、論駁をされておるようですが、私はそうは思わない。やり方次第ではできると思うのです。むしろ国民は、国連の理事国になったときに、ある程度そういう期待は私は持っていたと思う。ところが残念ながら先刻来いわれているように、日米共同防御体制を一つのワクとしてわが国の防衛を進めているところに問題があると思うのです。従って、もうこの時期にくれば、わが国の安全をいかにして保障するか、それは武装による防衛力の増強によるという、そういう行き方でなくして、集団的の一つの方式を考えてもいい時期にきたのではないか、こう思うのです。残念ながらそういう答えが出ませんが、もう一回こういうことに対する総理の御意見を承わっておきたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私は、はなはだ残念でありますけれども、森中委員のお考えと違った考えを持つのでありまして、森中委員のお説にそのまま同調するわけにいかないのであります。すなわち日本の民族の安全と、日本国の独立というものを維持していくためには、やはり他から侵略を受けないという態勢をとらなきゃならない、その態勢はやはりできるだけ独立国である以上は、自主的にわれわれが考えてみずからの力でもってみずからを守るというのが基本方針の根底をなさなきゃならぬけれども、現在の国際情勢から見るというと、また日本の国力や日本の実情からいうというと、昔の力がないわけでございますから、日米安保体勢によって日本の安全と独立を守っていく、そうしてしかし大きな意味からいって世界に戦争をなくし、世界のどこにも侵略とか、あるいは安全を脅威するような事態をなくするためには、やはり国連というものが中心になってそういう安全保障体制ができ上ることが一番望ましいことであり、それに対してそういうことにまだできる機運になっておらぬけれども、その機運を醸成し、その方向に外交の方針を努力をしていくということが、日本の現在の立場からいって最も適当である、かように考えます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 複数的な陣営が存在するのに、一方の陣営に加担して平和を促進するということは、これはあり得ない。だから総理が国連を中心にした平和の促進されることが望ましいと言っても、やはり複数の一の方に片寄ってはそれはできません。私はそう思います。そこで、やはりわが国の防衛の問題と外交の問題に対する総理の見解は、どうしても明瞭でありません。ことに、国会が終了したならば外国においでになるという話を聞いておりますが、この際、私はその出発の時期、どこの国に何の目的でおいでになるか。国民は先般の国会が非核武装の決議をしましたが、こういう平和促進のために総理はおいでになるであろう、こういう期待を持っている。だから、こういう一番絶好の機会ですから、今まで残念でありますが、国会の決議というものが一向に対外的に反映をされておりません。国連にもおいでになり、あるいは米英ソにもおいでになり、中北にもおいでになって、国民の意思として、わが国の国会は非核武装の決議をした、こういうことで核武装の競争を緩和しよう、あるいは国際管理をやろう、こういうようなお仕事をおやりになるお気持があるかどうか、それをもあわせて伺っておきたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私の外国訪問は、実は昨年来イギリスから非公式に招待がございまして、ぜひ私がイギリスをたずね、イギリスの首脳部との間に、一般国際情勢の分析や見通し、それからこれに対する協力というようなことを話し合いたいという意味において非公式の招待があったわけであります。私は、昨年以降におけるところの、この国際情勢の推移や、あるいはまたイギリスのマクミラン首相がモスコーを訪問し、さらに米、独、仏等を訪問して、この両陣営の対立緩和について努力をされていること等を考えまして、この際イギリスの招待に応じてイギリスを訪問して、そうして国際情勢についての考え方を十分に一つ話し合い、そうして世界のこの対立緩和の上に、緊張緩和の上に日本としてもできるだけ努力したいという考えでありますし、さらにイギリスとの間におきましては、経済上の各種の問題、特にアジア方面においての利害衝突等の問題もありますから、これらの問題についての将来の調整に関して忌憚なく話し合いをしたいという考えでございます。また東西の問題を話します関係上、アジアの問題とも関連して、中共に対する考え方につきましても十分一つ話し合いをしてきたいというのがヨーロッパをたずねる私の一番大きな目的であります。同時に、二、三の国をたずねますが、これはあるいは最近において日本を訪問した儀礼的ななにもありますし、あるいはその他親善関係を深める意味等におきまして二、三の国をたずねますけれども、ヨーロッパ訪問の主たる目的は、今申しました目的でイギリスをたずねるということでございます。  それから、さらに続いて南米に渡りまして、南米の諸国を訪問したいと思います。これは申すまでもなく、ブラジルその他の国々におきまして、日本の移民に対して非常に厚遇を与え、またこれらの人々の活動も、涙ぐましいものがございますので、私としては、昨年がちょうど、御承知の通り、ブラジルに最初の移民が行きまして五十年式典があり、日本からもぜひ首相が訪ねて来るようにという話もありました際でございますから、ブラジルをたずねて、そうして日伯の親善に資するとともに、移民問題に関するいろいろな問題について、また経済協力その他の問題を推進する意味におきまして、南米の諸国をたずねて参りたい、かように考えております。  それから核武装の点に関しましては、従来も国連において、核実験の禁止、さらに核武装の制限、禁止というものを、いろいろの機会におきまして日本も強く唱えてきております。まだ日本の希望するようになっておらないのでありますが、しかし私は、私の信念とし、また日本国民の大多数の悲願として世界のこの原子力というものが、平和利用によって人類の福祉に用いられることは望ましいけれども、これが破壊武器としての核兵器というものの発達に対しては、非常にやはりこれを禁止、阻止しなければならぬという一つの念願を持っておる。これを代表して、あらゆる機会に今日までも努力いたしてきておりますが、さらに今度の諸外国訪問の際におきましても、どの国におきましても、その問題に関する注意を喚起し、またこれの禁止についての協力方響について、できるだけ一つ話し合いをいたしたい、かように考えております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 私は、総理に、憲法と自衛隊これに関連した安保条約との関係について、数点伺いたいと思います。  近来、自衛隊と憲法との関係に関する論争は、海外派兵から、核兵器の持ち込みといったような問題に発展して参りました。憲法と自衛隊本来との論争は、だんだん遠のいてきたような形を呈しております。たまたま今回、砂川事件に関連する伊達判決が下されまして、この判決によって憲法九条本来と自衛隊との関係に関して、世間に新しく問題を提供した。こういう意味では、この判決もきわめて有意義があったと存ずるのであります。そこで、この砂川判決に対する政府のお考えを伺うわけでありますが、この判決の前段に述べておりまする、憲法理念を考慮した上で憲法は解釈すべきものである、また、憲法解釈には政策論を混同してはよろしくない、あるいは侵略戦争とともに、自衛戦力も否定している。こういう判決につきましては、私はおおむね賛成をするのでありますが、その後半には安保条約に関連して、米駐留軍を憲法の九条二項の戦力の中に包含をしている、従って違憲である。しかもその前提として、合衆国軍隊が日本に駐留していると、極東の安全と平和のために出動した場合に、日本は戦争に強き込まれるおそれがある。これは憲法前文に言うところの、政府の行為によって再び戦争の惨禍を招かないようにという趣旨に反しておるといったような意味の表現があるわけでありますが、私は米駐留軍がおるということは、むしろ日本の戦争を防止する役目を果しておるのであって、この前文と相背馳しておると、いうこの判決には同意をいたさないのでありますが、この判決全体に対する総理のお考えをまず第一に伺ってみたいと思います。    〔理事千葉信君退席、委員長着席〕

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私どもは日本憲法のいわゆる戦争放棄の規定は、これは独立国として自衛権を否定しておるものではない、自衛権を持っておるという解釈を終始とっておるのでございます。自衛権があるということは、もちろん国際紛争を武力をもって解決しようとか、あれで威嚇して問題を解決するとかいうようなことが許せないことは明文がございますけれども、いわゆる日本が他から侵略をされるという場合に、われわれがその侵略を排除するところの必要な手段を講ずるということは、独立国として当然持っておる自衛権であって、これを否定しておるものではない、こう解釈をいたしております。従ってこの自衛権の内容をなすところの自衛権というものが、ただ単なる抽象的の観念だけではなくして、そういうことを裏づけるに必要最小限度の実力を持つことは、いわゆる二項にいっている戦力にはそれは入らないのだと、従って自衛隊というものは、自衛権の内容として必要最小限度のものであって、これは憲法違反ではないというのが従来とも政府がとってきておる憲法の解釈でございまして、われわれはあくまでもそういう見地に立っておるわけであります。さらに安保条約によってアメリカの軍隊が駐留しておるということが、憲法の九条二項のいわゆる禁止しておる戦力に入るかいなかという問題については、私どもも八木委員と同様にこれは戦力にはならぬ、米駐留軍のものは戦力に入るものではないという解釈をとっております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 そこで私今の総理の御答弁を伺いまして、従来の政府の憲法解釈と同じであるということが、はっきりしたわけですが、私はこの場合に憲法前文との関係を伺いたいのでありますが、御承知の通り憲法前文の第二段には「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」つまりこれは言葉をかえて申しますと、わが国の無防備宣言であります。憲法の前文は申すまでもなく憲法全体の解釈に基準を与えるところの、いわば憲法の総論的の地位を占めておるものでありますから、そうして今申し上げましたこの無防備宣言がさらに本条において第二葦の戦争放棄の規定となる、九条一項では侵略戦争を排除し、第二項ではすべての戦力並びに交戦権を否定しているわけであります。そこで従来たびたび憲法論争を、総理の見解も私は伺ったのでありますが、この前文のわれらの、安全と生存をすべて諸国民の公正と信義に信頼する、まる裸になってしまったというこの文言に対する、その精神に対する解釈というものを従来一回も明確には私はまだ伺っておらない。私これに触れたこともありますけれども、答えはいつも違っておるのでありますが、これを拝見しますと、たとえ九条二項が佐々木博士のような、あるいは官房長官が言われますような自衛戦力は、九条二項において否定しているものでないという、こういう文理解釈をとりましてもこの前文のただいま私が読み上げましたわれらの安全と生存を諸国民の公正と信義にこれをゆだねるというこの官費の精神からいえばどうしても納得のゆく解釈がつかない、これをどういうふうに一体総理は御解釈になるか、これとの関係において九条二項の御説明をいただきたいと思うのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 今日本憲法の前文のいわゆる第二項の最初の部分を八木委員がお読みになりました。これも二項全体をやはり読んでみないと、これがはっきりしないのではないかと思うのでありますが、その後段においては、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」という文句もございます。その「全世界の国民が、」ということは、これはよその国の人もそうですが、日本国民もまたこの権利を有することは当然であると思います。私は前段のことは、一般的に日本国民が全体としての世界平和に対する日本の立場をいうこともに、やはりその後段においては、日本が恐怖と欠之から免れ、平和のうちに生存する権利を持っているのだということを宣言をいたしておりまして、自衛権というものの考え方は、やはり憲法の前文のうちにその趣旨が出ているように私どもは考えております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 私も自衛権の存在は、少しも否定はいたしておりません。また学者も自衛権の存在は、少しも否定をいたしておりません。そこで第九十帝国議会で、しからば自衛権はあっても、自衛権を行使する手段のないときのいわば武力なき自衛権の行使はどうだという質問があったときに、それはすなわち外交だという答えがありました。吉田総理はこの問題について私が伺ったときに、日本に自衛権はあるけれども、自衛権の行使の手段を持たぬので、そこで日米安保条約というものが出てきた。日米安保条約を作ったゆえんのものは、日本に軍備がないからである。軍備を持つことを憲法が禁止しておるからである。そこで、アメリカの戦力をもって日本の安全と平和を維持するのだ、戦争放棄の条項と自衛権の調和のための安保条約ができた。こういう御答弁があったのでありますが、今総理のお読みになったのは、自衛権があるというだけであって、自衛権の裏づけとしての戦力は持たないというこの九条二項の、それの基本をなしておるわれらの安全と生存を平和を愛する諸国民の公正と信義にゆだねたというこの決意に対する説明には少しも私はなっておらぬと思う。自衛権があるということは、私は議論をいたしておらぬので、自衛権の行使の手段としての軍備の保持をこの憲法が禁止しておるのだ、これに対する答弁にはなっておらぬと思うのでありますが、いかがでありましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 私は今お話のように自衛権があるといって自衛権が全然その自衛権の内容をなすそれを行使する手段のない自衛権があるというようなことは、観念的で意味をなさないと思うので、自衛権があるという以上は、その自衛権を裏づけるいわゆる自衛権行使に必要な最小限度実力を持つことは、これは自衛権を持つ上からいったら当然であって、自衛権という以上は、全然それを行使する手段もなければ、内容の裏づけもない、空の自衛権を持っているというのじゃなしに、やはり独立国としては、やはり他から不当に侵略があった場合においてそれを排除するところの実力は持っておる、これは自衛権というものを持つ以上は当然である、かように私は解釈すべきものであると思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 自衛権を裏づけるところの実力行使は、あるいは民衆を一時的に結集した力であるといったような説明は憲法改正議会でもあったのでありますけれども、今の自衛隊のように常備編成された組織体で常に訓練をされておる、こういったようなものが自衛権の裏づけとしての実力行使で憲法で許されているといったようなことは許されない。吉田内閣の答弁では近代戦を有効適切に遂行する実力、こういったような言葉で表わされていますけれども、どうもこの憲法の前文の解釈としては今の総理のお言葉というものは私は当を得ておらぬ、ただ九条二項の解釈として自衛戦力は持ち得るといったような佐々木博士等の文理解釈はわかりますけれども、前文の解釈としては私は今の答弁ではなっておらぬ、失礼でありますけれども、私はさように考えるのでありますが、総理はどのようにお考えになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほども申しましたように、私は前文の二項全体の考え方を言って、やはり自衛権というものを持っておるということを前提として解釈すべきもので、そしてその自衛権の内容というものは、憲法九条で解釈すべきもの、従ってこの点につきましては八木委員は私の考え方に、政府の考え方に御反対でございますが、私自身としてはそういうふうに解釈すべきものである。この憲法の前文においても自衛権を認めており、自衛権を認めておる以上は憲法九条の文理解釈からいっても、これを裏つけるところの必要最小限度の実力というものを持っていいのだろう、こう解釈すべきものであると、かように思っております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 それでは、もう一ぺん総理大臣に伺いますが、この「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」これはどういう意味でありますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) もちろん、国際社会に日本が生存していく以上は、この世界の平和を祈願し、われわれの住んでおるところの国際社会というものの安全と平和というものを念願するというのは私は当然である、こう思います。そういう意味に解釈すべきものであると思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 平和主義の宣言ではないのです。つまりこの憲法を作ったときは、日本は日本の軍国主義が世界の平和を乱して相済まぬというざんげの意味と、それからもう一つは世界平和の崇高な理念を表わした、この消極、積極の両面があったのでありますけれども、その後のさびしい国際情勢の現実が、ついに警察予備隊、保安隊、自衛隊、こう発展してきたのでありますから、この今私が読みました「諸国民の公正と審議に信頼して」ということは、まことに不幸なことであったけれども、裏切られたというのが現実でそれが自衛隊の起ったゆえんであろうと思うのでありますが、しかしこのときはどうしたって無防備でゆくと自分たちは心からそう誓った、こう言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 二項のこの趣旨が、今お話しのように、過去におけるわれわれの軍国主義によるところの行き方についての反省はもちろんあると思います。しかしこの二項は、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する」云々というふうに続いております。これはやはり世界の恒久的平和を念願する平和主義の私は大きな宣言であると思うのです。その意味において、過去におけるところの日本のとってきた軍国主義に対する反省というものは十分に私は出ておると思います。ただ、その後段にあります通り、あくまでも日本が独立国として自衛権は持つということはこれを明らかにいたしておると思います。従ってその自衛権の内容なり、あるいは自衛権を行使するに必要な手段というものを持つということは、これは決して軍国主義ではなくして、またわれわれが念願しておる世界の恒久的平和を念願するということとの関連の間には私は矛盾はないように憲法は解釈すべきである、こう思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 納得いたしませんが、時間の関係で次に移りますが、九条二項の解釈として必要最小限度の実力、こういうことを仰せられまして、その必要最小限度の実力の意味をこの前伺いましたら、日本の自衛隊の戦力と米軍の戦力のうちで極東の安全と平和に向けるものを除いたものとをプラスしたものが日本の必要最小限度だ、そうではないかということを私が伺いましたら、さようだと、こういうお答えがあったのですが、それは結局無制限だということになるのですが、それでよろしゅうございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) この日本の持つ自衛権、それを裏づける実力というものを、どの限度に持つかということにつきましては、先ほど来各委員からも御質問ございましたが、私はこれを数字的に限度を示すということは、これはなかなかできるものじゃないと思います。それからまた国際情勢の変化や、その他のこの世界情勢というものとをにらみ合せていかなければならぬ点があると思います。しかしいずれの場合におきましても、日本自身が過去において、われわれが列強の位置に伍して、そうして軍備競争をやっておったような考え方とは、これはもう全然違うのであり、また他のどの国をも一つの仮想敵国として、その武力に対抗するものを持っていくのだというような考え方ではこれは全然ないと思う。日本のこの必要最小限度の実力というものを、それは戦力という言葉で表わすならば、戦力がどれだけかというようなことを、さっきお話しになりましたアメリカの駐留している軍隊から、極東の平和と安全に資する力を引いたものと、そうして日本の自衛隊との力をプラスしたものだというふうに、観念的に割り切ることもどうかと思う点があるのでありますが、いずれにしても、われわれがこの自衛力を増強するにしましても、非常にこの制限的に考えていかなければならぬことは、憲法全体の趣旨から言っても、これは当然であると思います。そういう意味において、われわれは考えていかなければならぬと思いますが、いわゆる無制限であるという、限度をどこに置くのかと、その限度がない以上は無制限じゃないかと、その無制限ということの印象が、非常に大きな増大をするということが前提になるとするならば、われわれはもうそういうことを考えるべきじゃないことは言うを待たない。しかしどこかに制限を置いて、ここでいいのだというふうにすることは、国際情勢の変化等からみて、これはむずかしいことである、こう思います。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 八木君、時間がありませんから……。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 時間がもうわずかになりましたから、そこでまとめてお答え願います。  第一点は、今度の砂川の判決は、安保条約に関連していますから、私はこれは最高裁に持っていけば、今の判決と反対の判決が出るだろう、この間も法律学者と私は話をしたのですが、これは第一審であるからこういう大胆な判決をしたけれども、同じ人が最高裁判事であれば、こんなばかなことはしないだろうと言っておりましたが、私もさようだと思います。そこで私はここで政府に注意したいことは、これは安保条約の違憲論でありますから、われわれもそれに賛成できませんけれども、自衛隊の違憲論の第一審の判決が出ましたならば、これは最高裁でもおそらくその判決を支持するだろう、これは自衛隊の違憲論というものは、学者の大多数がこれはもうすでに支持いたしておりますし、常識もそれを支持いたしております。そこで自衛隊違憲論が最高裁できめられたときに、政府はあわてないように、今から自衛隊を合憲ならしめるように十分の努力をする――言葉をかえて言えば、憲法改正に力をいたす、参議院選挙でも、その点は選挙に負けやせぬかというので、お触れになることをおきらいになっておりますけれども、国民の判断は最高でありますから、選挙に負けようが勝とうが、憲法改正に積極的に踏み切らなければ、自衛隊違憲論の最高裁で判決が下りましたら、政府はおそらく今のようなのんきなことは言っておられぬと思う。その点について私は特に注意を喚起したい、これが第一点。  それからもう一点は、先ほど矢嶋委員の質問に対して、いかなる小型兵器も違法である、こういう御答弁がありましたけれども、これは従来の岸総理の御答弁とは非常に違っております。たとえば三十二年の四月二十五日に、私の質問に対するお答えでも、いかなる場合においてもすべての核兵器が憲法九条が禁止しておる戦力であるというふうに解釈することは、憲法の解釈としては私は行き過ぎであると思う、これが総理のお答え。  その他三十二年四月二十五日の参議院内閣委員会、三十三年三月十八日の参議院内閣委員会、三十四年三月十九日の衆議院の内閣委員会でも同じような御答弁をなすっておられる。でありますから、先ほどの矢嶋委員に対する御答弁とは非常に違っておるので、これは一つお答えを改めていただかなければならぬと思います。  それから第三点は、国防会議で去年の四月の十二日にグラマンにきめておきながら、いまだに検討中であるというお答えでありますけれども、すでに関連産業には五十億円の損失を来たしておる。そこで、これはどうも岸総理が断を下さなければ国防上に大きな欠陥を私は生ずるだろうと思う。むろん汚職問題は徹底的に追究してもらわなければなりませんけれども、同時にかようなことはいたずらに日を延ばしたからといってこれはいいものではありません。あるいは調査団を派遣するとか、あるいはもう少し徹底的に、選挙なんかよりよっぽどその方に一生懸命にやってもらわなければならぬと思うのに、いまだにぐずぐずしていらっしゃるのは、私は総理として非常に怠慢だと思います。この点をどうなさるか。  それからもう一つは、国防会議では次期主力戦闘機の選定は、軍事的の見地できめる、経済問題と離れてということをおきめになったかのように新聞に出ておりますけれども、この点はいかようなことであるか、これについても御答弁を伺いたい。これが私の伺いたい要点であります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) この自衛隊の違憲論が出た場合のなにとして憲法改正をやれという八木委員の御意見でございます。憲法改正の問題につきましては、憲法上の各種の問題を検討し、改正の必要があるかどうか、改正の必要ありとすればどういう点を改正すべきかというような点を慎重に検討せしめるために憲法調査会を設置して、これで審議さしておることは御承知の通りであります。各方面からいろいろな点を検討し、審議も漸次進んで参っておりますけれども、いまだ結論が出ておりません。これに従ってわれわれ憲法をもし改正する必要がありとすれば、改正の問題を取り上げていきたい、かように考えております。自衛隊そのものの違憲論ということは、これは法律解釈として必至だという八木委員の御意見でございますが、私どもはそう考えてないことは先ほど申し上げた通りであります。しかしその最後の決定は最高裁判所が決定することでございますから、もちろん最高裁判所においてそういう判決があれば、行政府としてはこれを尊重して措置しなければならぬことは言うを待ちません。私どもはそういうふうに考えております。  それから、いかなる小型核兵器の問題についてもこれを持つことが憲法に違反するかどうかという問題、先ほどの矢嶋委員の御質問は私それでよくわからなかったから二度お聞きしたのでありますが、持つことは合法的なりやいなやということの御質問であって、合憲的なりやいなやという御質問ではなかったのであります。これは憲法の規定と、私は今の原子力基本法の関係との問題があると思うのです。もちろんこの憲法の解釈として私は従来申し上げておることを変更する意思はございません。ただ他のすべての法律に違反するかどうかということにつきましては、原子力基本法という法律がございますので、これに、はっきりと日本においては原子力はもっぱら平和的利用にのみに用い、それのためにのみ研究するというその点を矢嶋委員がおあげになって、特に合憲なりやいなやというふうな御質問ではなくして、合法なりやいなやという御質問で、二度ともそうでありましたから、そういうふうにお答えをしたわけでございます。憲法上の解釈としては従来の解釈通り私は解釈すべきものであるとこう思っております。  それから、国防会議におけるグラマン次期戦闘機の決定の問題につきましては、昨年四月にこれはグラマン機に内定をいたしましたことは御承知の通りであります。これはしかしあくまでも内定であって、最後の決定をするまでにはなお調査すべき点があるので、いろいろな点を検討を加えて参ったのであります。その当時、これを決定する当時は、まだグラマン機も全然できておりませんでした。それからこれと対立的に考えらるべきロッキードのなににつきましても、一部できておりますけれども、それが実際に広く利用される域にも達しておらなかったわけであります。その後いろいろな発展をいたしてきておりまして、ドイツ等諸外国においても、このロッキードを採用したというなにになっておりますし、ロッキードも大量生産に入っておりますし、またグラマン機もその後試験機ができて、これの試験も相当に終って、その成績等もわかってきております。こういうような事情に基いて十分にさらに検討をしていくという考えのもとに、国防会議においても検討をいたしております。そうしてそれに対してはいろいろな方面の意見もさらに聞いて、慎重な検討をしておるわけでございまして、お話の通り、これを生産すべきか、あるいは購入してその必要に応ずべきかという問題もございます。またいずれにしても、生産をするにしても購入するにしても、どういう機種が適当であるかという問題もございます。その点につきましては、飛行機の性態や飛行機の試験の成績等を参考にすると同時に、その価格等の経済的な要素等につきましてもこれを検討して、私は国民が、相当にこの問題に対していろいろな国会におきましても論議がございましたから、国民が納得するようなきめ方をしたいというので検討をいたしておるのでございます。  それから国務会議において、これは機種をきめるにあたりまして、今申しましたように、いろいろなもちろん国防上の必要を満足せしめるような性能を持ち、また訓練その他の上からいっても日本の実情に適するようなものでなければならぬことは言うを待ちません。そういう技術的、軍事的の事由のほかに、やはり日本の財政なり、日本の経済的な観点も考えなければならぬ。われわれは国力及び国情に応じて最小必要限度の自衛力、防衛力というものを漸増するという方針でおりますから、非常にいいものであるが、しかし日本の財政経済力としてはとうてい持つことのできないというようなものを持つことも、これはむずかしいだろうと思います。そういう点を、あらゆる点を検討いたしております。今聞きますというと、防衛長官としては、主として軍事的の見地からの必要性を強調し、その点をよく調査をするということになりましょうが、国防会議としては、ただそれだけの問題を処置すればいいのじゃなくして、今言ったような全体の問題を検討する考えでおります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 今のに関連して。  先ほどの私への答弁に対する八木委員の質問に対して岸総理は答弁されたが、私は非常に心外です。私は外堀をうめるつもりで、確かに合法上、合法的という言葉を使いました。で、私は外堀はうまったつもりで質問をやめておるのですがね。それではあなた、原子力基本法では保有できない、ところが憲法では保有できるといったら、その点に関する限り、原子力基本法は憲法違反だというわけですか。そういうことになるじゃないですか。私はこれは明らかにさっきの答弁をまげるものだと思う。その点が一点。  それからもう一つは、ただいま情報が入ったのですが、先ほど東京大学の原子核研究所に防衛大学が申し入れなかったというが、明らかに原子核研究所の熊谷教授は防衛大学から利用させてほしいという申し入れがあってお断りをした、しかもそれが第二十八回の学術会議の総会で正式にそれを報告した。そうして議題に供した。こういうことと、それから目黒の技術研究本部の第一研究班長が東海村の原子力研究所を利用させてほしいという意思表示をしてこれも断わられてやめたということを第一研究所長みずから認めておるという情報が入ったのですが、洋総理並びに防衛庁長官はどういう責任をとっていただけましょうか。  その二点について、はっきりお答え願います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(岸信介君) 第一の点は、いうまでもなく憲法というのは非常に大きな土俵をきめておるわけでございますから、憲法上許されておることも特別法で禁止するということはこれは私はあり得ると思います。しかし、たとえば原子力基本法というものを改正して、かりにこういう範囲内における軍事的目的に研究してもよろしいということを原子力基本法できめた場合に、その原子力基本法が憲法違反の原子力基本法だというわけには私はいかぬと思います。しかし、明らかに現在の原子力基本法には軍事的目的における研究や、そういうふうに利用するということはこれを禁止しておりますから、その意味においていわゆる合法でないということを申し上げたわけでございまして、決してこれは矛盾をしておるわけではございません。  それから第二の点につきましては、防衛庁長官から事実の問題でございますからお答えいたします。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) お答え申し上げます。  最初の技術研究所のお話は最前申し上げましたように、事実無根でございます。  今、第二段の東京大学のお話がございましたが、これは東京大学から平和利用についての共同研究についての申し入れが、逆に東京大学からあったわけです。ところが当初平和利用であるというので、それに応じようかという話が防衛大学の中にありました。しかしながら、当方としてはさようなものには応ずべきでないということで辞退をしたということが事実でございます。従いまして、私どもから申し入れをしたという事実は、ございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 調査しましょう。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 合法と合憲とはどう違いますか。たとえば合憲は合法の上位概念で、合法は下位概念ですか。核兵器の保持は憲法は禁止しないし、原子力法とは関係ないと、こう私思いますが、どうですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 今の点御説明したいと思いますが、先ほど総理から御説明があった通りに、憲法というものはすべてのことについて大きなワクをきめておるわけでございます。憲法で許されておることはすべてやらなければ違憲かというと、そういうことはないわけでございます。そういう広いワクの中で、立法政策として、いかなることをきめるかということは、これはまさに立法政策でまかされているということで、すべての立法活動は憲法のワク内で、あることをよしとし、あることは悪いとしておられる。たとえば死刑は憲法上違反でないというこれは最高裁の判決が下っております。しかし死刑を廃止するということは憲法違反か、そういうことは、これは死刑を許すか許さないかは立法政策にまかされている、まさにそれと同じでございます。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 速記つけて。  暫時休憩いたします。    午後四時四分休憩    ―――――・―――――    午後四時五十八分開会

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。  国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。前回に引き続き質疑を続行いたします。政府側の出席は佐藤大蔵大臣、石原主計局長、岸本給与課長、以上であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大臣に対する質疑の、保留されている分をお伺いいたします。その一つは、連合会の評議員会の構成でありますが、各省庁から一名ずつで評議員会を構成するだけでは、各省庁の組合員の意向が十分反映しない場合が予想される。ことに非現業の共済組合員の声が通じないおそれがあるので、各省庁から選出される一名で構成するとともに、何らか組合員のなまの声が反映できて、そしてその組合員が喜んで、安心して組合員として参加していけるように配慮してはどうか、こういう質問を、昨日しまして、大臣と事務当局で協議の上本日大臣からお答え願いたい、こういう答弁を保留しておったわけですが、いかがでございましょう、大臣お答えいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣・通商産業大臣臨時代理・科学技術庁長官事務代理

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの点は、要務当局から十分連絡もございました。また、ちょうど矢嶋委員が御出席になります前に、横川委員から同様の趣旨のお尋ねをいただきまして、政府の意向はお答えとして明確にいたしたのでございます。この点で、これは今のお話を伺いましても、組合員のなまの声を直接聞かす方法はないかという、非常に理論を避けた現実の問題としてあたたかい処置はないか、こういうお話しのようにうかがうのであります。理論的に申しますと、各省の長といいますか、単位組合の長がその組合を代表して連合会、評議員会を結成するのでございますから、単位組合の長、それをもって構成するという、これは理論的には非常に正しいことではないかと思います。それで、この単位組合の内部的な問題である、いわゆる管理者側と組合側との意見は、単位組合の内部において十分に調整を願って、その調整のできたところをもって評議員会を構成する、こういうことで、理論的にはこの法律案通りでいいのではないか、ように考えるのでございます。しかし、ただいま御指摘になりますように、管理者と組合側との対立があるとすると、この種の共済組合の運営はうまくいかない。これは基本的に一つの問題でございます。そういう点でやや懸念があるのではないかという御心配を残しておられますが、実は、そういうことは、共済組合に関する限りないように思うでございます。しかし、組合側の諸君も、こういう評議員会に参画したいというそのお気持は、私どももむげに断わるつもりはございません。そこで、建前としては、連合会の評議員会は今のような各省庁の責任者、これをもって構成するという建前にしておいて、別途、大蔵省において開催いたします共済組合審議会という機関がございますが、その方には、ただいま御指摘になりますような組合側の意見を十分入れるような構成になっておりまして、いわゆる管理者側だけのものではないのであります。こういうことで今の点が救済できないか、これは私の方としてこれでなければならぬと申すわけではございませんが、こういう制度があるから、これを一つ御利用願えないかということを一点申し上げておきます。  それからもう一点は、今回の制度は、いずれにいたしましても新しい画期的な改正でございますから、実際の運営に当りましては、いろいろな問題が今後起るだろうと思います。実際の問題が今後起りました場合に実情に即した解決をすべきじゃないか、こういうことを実は考えておるのでございまして、この意味では、原案を一歩も譲らないとか、原案のままで非常に固いのだ、こういう考え方でなしに、共済組合制度を実際に効果あらしめるという意味で、各方面に不平不満の起らないような運営をいたしたいと考えますので、これは実施の暁において十分一つ考えていきたい、こういうふうに実は思っておるのでございます。ただいましからばどういうことが考えられるかという点をもしお尋ねになりますと、ただいまのところ、具体的にはあまり考えが浮んでおりませんが、これらの点は、各方面の御要望等も伺いまして、運営に支障のないように万全を期して参りたい、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 若干あなた方の方のお考え方を承わっているわけですが、今のような大臣のお気持で運営されて、そしてどうもまずい点があるというような場合は、それに即応して、大臣のさっき申されたような考え方から検討されるということで、本日のところは私は一応了承しておきます。私の言わんとしておることもわかっておるでしょうし、また、大臣の述べられる気持もわかりますので、そこらあたりよろしく運営していただきたい。  それから次は、あと事務当局に若干伺いますから、大臣に一音だけ伺っておくわけですが、それは、警察官等を特別扱いをしている点ですね。この点について、あとで数字的なものは事務当局に伺いますが、「当分の間」となっているわけであります。それで、当然一つの理論的な数字をもって何人も納得できるような結論を出すべく早急に私は検討しなければならぬことだと思うのです。この法案の審議段階に、審議会からの意思表示としては、その特別扱いは慎重にやらなければならぬという意味の答申があっていると思うのですね。だから私は、ある人が待遇がよくなるのがいけないとか、そんなけちなことを言っているわけではなくて、それぞれの公務員は、職務の内容と、それに伴う責任とか、いろいろあるわけですから、やはり待遇条件というものは、何人も納得ができるように公正なものでなくちゃならぬという立場から、「当分の間」と書かれているが、早急に検討されるべきものだ、そうして是正を必要としなければそれでよろしいし、もし若干の是正を必要とするというような結論が出れば将来是正されなければならぬと、こういうふうに私は特例規定を考えているのですが、この点についての大臣の御所見を承わっておきたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣・通商産業大臣臨時代理・科学技術庁長官事務代理

○国務大臣(佐藤榮作君) 御趣旨の通りでございます。できるだけ早くと、かように考えます。申すまでもなく、この共済組合という、今回新しく発足いたしますので、できるだけ同一にはしたいのでございますが、いろいろ組合には、その職員には、それぞれの特殊性がありまして、全部一律にはできない。今警官等について非常に年限が短かくて、この共済組合の一時金なり、あるいは年金なりを支給する、こういうことで、負担の均衡等はいいかというようなことになりますが、在職中の給与であるとか、その他やはり総合的に見て、そうしてこれがいいか悪いかということを検討しなければならぬ、こういうように思いますので、今のように「当分の間」という言葉を使っておりますが、これはいつまでも問題を伏せておくつもりはございません。御指摘になりますように、できるだけ早目に結論を出すように努力する考えでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後に一点伺っておきたい点は、きのう大臣が席をはずされてから自治庁当局においでを願って、次の国会に提案されるであろう地方公務員を対象とする地方公務員共済組合法案について質疑応答をやったわけです。今われわれが審議している国家公務員共済組合法案にともかく準じていくということなんですがね。それで、大臣がおられるときに、大臣の答弁では、野本さんの質疑に対する答弁には、地方公務員がこれに準じてやった場合に、新規財源は地方税の自然増収もあろうことであろうから、というようなことでぼかしていかれたわけですね。あとで自治庁当局に質疑してみると、やはり大臣とはちょっとニュアンスの違う答弁をしているわけですよ。私は御無理ないことだと思うのですね。特に地方公務員の既得権は、やっぱり国家公務員の場合と同じように既得権を守るという大原則のもとにやっていくということです。ところが、既得権の守り方ということは、技術的にむずかしいと思うのですね。今十二年、十三年で年金がつくような条例を持っているのもあるし、それから大部分のところは最終号俸でやっています。それから自治体によれば最終号俸プラス三号くらいでやっているところがある。この案でいけば過去三カ年になってますけれどもね、そういうところがずいぶん違うわけです。しかも、数多くの自治体ではまちまちなんですから、その既得権を守って一本のものとすれば、立法技術からいっても、なかなか苦労するだろうと思う。それと一緒に新規財源というものが出てくると思うのですがね。それで岸内閣の国務大臣ですから、いずれは地方公務員共済組合と関係があるんだから、あなたのお気持を伺っておきたい点は、これに準じて地方公務員共済組合法案を作業し、国会に提出するに当っては、作業段階において地方公務員の既得権は守る、それをやることによって新しいこの新規財源を要することになれば、これは若干は自治体は持たなくちゃならぬでしょうが、国もめんどうを、筋の通っためんどうは見る、それは組合員の掛金のみに頼ってはならない。これから掛金二%が四・三%になるわけであるが、給与課長の答弁では、二十四、五億円あれば掛金の引き上げを必要としないとのことであります。二十四、五億程度なら四・三%にせんで二%にとどめておいてよかったんじゃないか、期間が十七年から二十年になると、三カ年ありますから、その間あなたの方に掛金を集めてあなたが思うように大体運用できるわけですからね。そういうことを考えていけば、二十四、五億ならば四・三%にせんでも、二%でもよかったんじゃないかと思うのですが、今すぐこれを修正するというわけにいかぬからそいつは申しませんが、地方公務員の場合、既得権を守るというこの場合、掛金が非常にふえてくると既得権を守れんということになるわけですから、そういう点の配慮は今からなされて、そういうふうに岸内閣としては、一つの国民皆年金の方向の一環としてこの立法作業をやられる、こういう私は態度を堅持していただかなくちゃならぬと、こう思うのですが、念のために将来のために、これだけ大臣お気持を承わっておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣・通商産業大臣臨時代理・科学技術庁長官事務代理

○国務大臣(佐藤榮作君) 地方庁といいますか、自治庁長官と大蔵当局の話が食い違っていると、こういうお話しのようですが、これは色目でごらんになりますと、大蔵当局は出しぶる、自治庁、長官とすれば財源は少しでもたくさん取りたいという気持があるとこういう色目でごらんになると食い違っているようにお考えかわかりませんが、大蔵当局としまして、また政府当局として考えますことは、やはりこの問題も国家公務員に準じて地方公務員も扱い方をきめる、そういう場合に地方財政計画の中でこれを処理するんだということだけははっきりしておりますので、その意味では、自治庁長官の考え方と私の方の考え方とが食い違っておるわけではございません。自治庁の方で総体の財源に不足するというような問題があれば、これはもうもちろんよく相談をいたしまして、この地方財政計画のうちでまかなっていくというその原則、それでその話をつけていくという考え方でございます。決して大蔵省が大蔵省的な考え方で何もかも縛るというような考え方では毛頭ございませんから、その点は誤解のないように願いたいと思います。ことに御指摘になりました地方公務員のうちには、既得権としていろいろの制度が設けられておる、こういうものを今回の中央の国家公務員に準じて扱うという場合に一体どうなるのか、これは非常な大きな問題であります。大蔵当局といたしましても、ただいま結論を得ておるわけでは、ございません。自治庁自身も十分検討して、大蔵当局と話をつけるつもりでおられることだと思いますし、私どももその既得権、これをいかに尊重していくかよほど工夫を要する問題だろうと思います。頭を痛めておる問題であります。ことに、地方公務員と申しましても、国家公務員に準じてほとんど所遇の違わない地方公務員もありますし、また、地方公務員独自のものもございますし、これはまあいろいろございますから、そういう点から、今までの経過から見まして、利益を十分擁護するというその努力をして参る場合には、非常な苦心を要する点があるだろうと思います。ただ一般的に申しまして、過去におきましても、国家公務員の給与ベースの引き上げのような場合に地方公務員を準じてこれをしばしば取り扱っております。これはいわゆる給与されたものでございますから、一律に同様だとは申しません。今回のは共済制度でございますから、やや性質は違っておりますが、各地方公務員の総意というものは、過去の給与ベースの引き上げの際にとにかく悩んで来た問題でございますから、今後の共済組合の発足いたすにつきましても、もうすでに経験のあることでありますだけに、一面むずかしいことではあるわけですが、解決しようとすればそう困難なことではないだろうと思います。御指摘になりますように、問題は地方公務員だと思います。どこまでも地方自治体において勝手に財源を見つけてやりなさい、こういうような言い方は、もちろん大蔵省としてするつもりはございません。私どもの方も総体の財政計画をよく見た上で中央との関係において処理していくという基本的考え方を持っておるのであります。どうか御了承いただきたい。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大蔵大臣の答弁明確でございますから、大蔵大臣の質問は終ります。で、事務当局に昨日資料を要求しましたところがせっかくここへ出ましたので、一、二点お伺いします。簡単な資料ながら御苦労でした。給与課長に伺いますが、私が予想した通りの結果が出ておりますね。平均在職年数は文官が長くて警察官が短い、そうして文官が二十三、四カ年、それから警察官が大体二十カ年ちょっと出たところという数字が出ておりますね。だからこちらのこの勤続年数三十年後は同じになるから云々なんというのは問題にならない。それから平均受給年数は文官が二、三年長く働かしていただく関係上やっぱり早く死んでいる警察官は二、三年早くやめるたけに、それだけ長生きをしておるわけですね。ですから受給年数は文官よりも警察官の方が長い。だから数字もはっきり出ておるように、これだけから見ても、この一般職員が勤続年数二十カ年で四〇・〇、それから警察職員等が十五カ年で三五、○、そうして勤続年数三十年になりまして五五・〇と同じになるだから均衡がとれておるという説明は、数的に全然問題にならない、資料として出て来ます。  それからもう一つは、給与比較の点ですね。給与比較の点で自衛官の給与は、私ちょうどきょう持って来ていないから数字をあげません。あなたのところは空白にしてある。これは私は正確に幾つかのケースをピック・アップして調査しても、相当の差がある。あなたは空白にしておる。これで一般行政職員と警察官、国会衛視、看守、皇宮護衛官、海上保安官、大学卒で初任給で千四百円の差があるでしょう。短大卒で千二百円の差ですね。高校卒で初任給で千円の差があるのですね。これで、自衛官だったらまだ差がある、さらに諸手当があります。だから憲法が変れば別ですよ。しかし、今僕は自衛官を昔の軍人と旧憲法時代に日本国軍人を遇した、そういう気持で給与上遇することはできないと思う、僕は反対です。そういう考え方がここに流れておるところに問題があると思うのです。給与体系の中に、自衛官を一躍人扱いにした考え方で給与体系を作っている面があるわけです。それに持ってきてこれを持ってくると、これは数的に、バランスはとれていない、いかがですか、検討の必要があるでしょう。

岸本晋大蔵省主計局給与課長

○政府委員(岸本晋君) 警察職員と、特に御指摘になりました自衛官、こういう方々の給与あるいは年金の取扱いはどうするか、確かに今後の問題として政府も検討いたすということは、大臣からも先ほど申し上げました通りであります。ただ、この数字自体の見方につきましては、またいろいろ問題もあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、事務当局としましても早急にこの検討は、関係各局と連絡いたしまして進めたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この自衛官のところをブランクにしたのは、どういうわけですか。

岸本晋大蔵省主計局給与課長

○政府委員(岸本晋君) それではブランクにした理由を申し上げますと、高校卒の二種とございます、つまり一番下の、昔の言葉でいうと兵隊さんの階級でありますが、この階級を警察官の初任の、巡査の初任とまず待遇の基本を合せるという考え方をとりまして、上の方は警察官のそれぞれの階級に対応さして考えていく。たとえば曹の位でございますと巡査部長、尉の位では警部補、佐の位では警部と、これは対応の職務に対応さして、その対応した警察官の職務の初任級をその階級に持っていったという考え方であります。数字的に一番下の階級のところだけを抜き出したのです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それは資料としては一部ですね。やっぱり学歴というのは大事ですよ。私きょうあいにく袋を忘れて持ってきていないが、大学卒あたりを見ますと、自衛官はあとでぐっと上っておりますよ。十年くらい経って非常に違ってきます。だから、共済組織のこれにさらに、二十年、十五年という差を持ってくれば、その十五年、二十年という数字が具体的に出る以上は、やはり説明ができるようにしておかなければ僕はならんと思う。で、今後これは検討されますね。どうも私は直観的には審議会がこの法案審議の過程においても、共済相互扶助の形で戦前とは給与体系も違ってきて考慮してあるから特別扱いはしない方がいいという意味の審議会の答申があったにかかわらず、この法案の作業過程においてこういうことになって、ここの審議の対象として出ておるのを見れば、おそらく防衛庁あたりから大きなてこが入って、事務当局としては理論上おかしいと思いながらも、一つの惰性と申しますか、そういうことでこういう法律案を出してきたのじゃないか、安きについたのじゃないか、そういうように推察されるのですね。早急に、ともかく合理的に説明できるような検討をされるべきだ、すべきだ、かように思いますが、主計局当局のお答えを願います。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 先ほども大臣からお答えがございましたように、私どもとしては従来の沿革もあったのでありますから、現在御提案申し上げておりますようにいたしておるわけであります。これは全体の総合的な観点から見直しまして関係各省と相談をいたしまして、早い機会に成案を得たいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後ですが、大蔵省の給与課長は長くその職にあり、非常に研究されておって、私はエキスパートだと敬服しておるわけですが、ところが、あなたは各省庁とか、連合会ににらみがきくらしいですね。外柔内剛で、共済新聞等の編集にも相当あなたのにらみがきくといううわさを聞くのですが、大蔵大臣の権限強化ということが盛んに今論じられておるわけですね。だから権限強化されておるので、あまり大蔵大臣の権限を振り回されては将来にならぬということは、他の委員も指摘されておるので、大臣も十分心するという答弁で了としておるわけですが、実際の運用には、相当優秀な課長さんがタッチしておるわけですよ。あまり各単組をおそろしがらせぬように、共済新聞あたりの編集なんかにもあまりタッチされないようにぜひしていただきたい。この中を見ますと、社会党の態度なんかも、どうも私はうちの政審の内閣部長をしておるのですが、どうもふに落ちぬことが書いてあるのですが、これはあなたの編集じゃないのですから、あなたに言うのじゃないのですが、幾らかあなたの意向も入っておるのじゃないかと思うのですが、まさかと思うが、まあ将来のこともあるからお伺いしておくのですが、何か陳弁することがあれば、お伺いしておきたい。

石原周夫大蔵省主計局長

○政府委員(石原周夫君) 御指摘の共済組合新聞と申しますのは、そこでごらんになりましておわかりになりますように、非現業の連合会と共済の協議会とそれから事務連合会と三者の共同の編集になっておるものでございますから、その三者が寄りまして、できるだけ公平な見地から、各方面の意見と申しまするか、そういう記事を載せておるわけでありますから、私の方で特別に干渉しておるわけでも何でもございませんので、そこらの編集者が、全体として公平に、客観的に各方面の記事を載せるという式で編集しておるように承知しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうあってほしいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今の問題と関連してなんですが、主計局長の答弁ではちょっとやはりこれにあとに尾が引くと思うのです。ことにこの連合会、共済協、それからこの事務連の共同編集だから、大蔵省としては関知しないということを言っても、具体的にはやはりこれは相当裏面に働きかけたという事例もあるようでありますし、要は私はこの記事でその責任を追及するということよりか、やはり危惧しておるのは、何十項目かにわたる各項目にわたって大蔵大臣の承認あるいは許可、あるいは参与みたいな格好で運営されるわけです。それだけ大蔵省がいろいろな問題に対して口を出す部門があるのですから、そういうことに対しては、在来の大蔵省の強い発言力というものに対して、この法案の審議過程でも指摘したように、やはり相当注意をしておったと思うのです。ただそれについては一応大蔵省としての関係各項についてそれぞれ理由があってそういう項目がきめられたということで、私どもはそれらについては了としても、ただ運営には相当もっと民主的な運営を必要とするのじゃないかということで、まあ御指摘した通りなんです。たまたまこの最後の段階に来て、もう一回これを指摘しなければいけんのは、これは私はどうも大蔵省としても少しばかり不謹慎のそしりを免かれないというふうに見られる。この編集を見れば、百三十号と百二十九号の編集というのは、これは明らかにこの審議に対して相当大蔵省の考え方というものを全面的に出してきたのであって、編集それ自体見ても、この三者連合の編集だというふうには見えないというふうに私は考えますし、そのことはすぐにぴんと響いて、それぞれ組合関係から佐藤大蔵大臣に対しての申し入れ書も出ておるという、こういういきさつもあるわけです。ですからこれはこの際この記事を云々するのでなくて、今後の運営には十分一つ注意をされて、再びこんなことを繰り返されないように運用される、この点を要望したいと思うのですが、一つ大臣からはっきりお答えをいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣・通商産業大臣臨時代理・科学技術庁長官事務代理

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの矢嶋委員並びに横川委員からの御指摘の点でございますが、私ただいままで存じ上げなかったと申しては、まことに相済まないのでございますが、今日注意されたこの際でございますので、今後十分注意をしてやるつもりでございます。今回の問題につきましても、ただいま局長なりあるいは給与課長から御説明いたしておりますように、当方であるいはPRをいたした点があるかと思いますが、いわゆる編集そのものに干渉などもちろんしておらないと私信じておりますが、今後一そう注意するつもりでおります。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 国家公務員等退職手当暫定措置法の一部改正案、これに関連して一点だけ伺いたいと思まいす。第一点、それはこれに関連のあります国会議員互助年金法案、あれの今年度の赤字が六百万円ございます。それから今度参議院の選挙でやめる方で適格者が十人あります。両方合わしますと約千万円の赤字になります。そのほかに今度の参議院でもし適格者が落選しましたら、またそれだけ金額がふえるわけであります。しかし、法律の建前から申しますと、国庫に迷惑をかけないというのが提案当時の理由であったのでありますが、そうするのには掛金をふやすか支給額を減らすかどっちかより方法は私はないと思うのですが、その辺のことについて大蔵大臣どういうふうにお考えになっておるか、金額は比較的少いのですけれども、上体からいえば必ずしも少いと言えませんから。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣・通商産業大臣臨時代理・科学技術庁長官事務代理

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの御指摘の国会議員の互助年金の法律の問題でございますが、これは御承知のように、両院におきまして、衆参両院の議員の総意によってでき上ったものでございます。従いましてこれが採算がとれないとか、赤字になるということになれば、今御指摘になりますように、掛金をふやすとか、あるいは給与をへらすか、それ以外に方法はないわけでございます。で、最初の年というか、三十三年は黒が出ております。今回は、ただいま御指摘のように、六百万円ばかり赤、今度は参議院の選挙、これによりましてどういう結果が出て参りますか、この結果を待ってさらに両院議員の諸君におかれて十分検討願うべき筋でないかとかように私思います。当初、私が衆議院で党の役員をいたしております時分にこの問題が起きて、関係各党で話し合ってきめたものでございますし、当時は政府とは関係なしに国会の中で処理する、こういうような考え方でございました。これがただいま申すように、選挙の結果は予測しないものが出たりいたしたものですから、いろいろ計画通りに参っていない点があるわけでございます。今回の参議院選挙によりましては、また数字がどういうように変って参りますか、十分検討すべきじゃないか、しかる上で両党の議員におかれて、やはりこの問題の再検討を願う必要があれば願うということにすべきじゃないか、かように思います。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め、これにて両案の質疑を終局することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより両案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  なお、委員長のもとに横川正市君から、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案が提出されております。本附帯決議の御意見は合せて討論中にお述べを願います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっておりました国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案に対して、ただいま委員長から報告されました附帯決議を付して賛成をするものであります。  附帯決議案を朗読いたします。    国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   当委員会は、政府が今後、共済組合の運営に当り、左記の諸点につき特に配慮せられんことを要望する。   一、本共済組合の管理機構の運営並に積立金の進出を適正にし、福祉醜業への積立金の還元利用について配属すること。  二、公務災害給付の制度的取扱及びその全額国庫負担についてなお検討すること。  三、地方公務員の退職年金制度については、地方自治体における制度の沿革及びその特殊性を考慮し別途の措置によりその自主性を可及的尊重すること。  四、将来長期給付の改訂等の場合においては、退職公務員恩給受給者についても之が実質的均衡を失しないよう配慮すること。  五、長期給付の決定を恩給局の審理を経て行うことは、事務の二重化となる虞れがあるので、速かに、この決定事務を連合会へ一元化するよう検討すること。  六、懲戒処分を受けた者に対する長期給付の制限は、その保険制度としての性格に反しないよう、措置するとともに、これに関する政令を定めるに当っては国家公務員共済組合審議会の議を経るものとすること。  七、長期給付の計算基礎を退職前三年平均俸給とすることは、公務員の勤労意慾にも反するので、将来、保険制度としての性格、保険財政の枠等も考慮して、なお、検討を加えるものとすること。  八、ベースアップにより赤字の生じた場合、公務員の負担が過重とならぬよう配慮する。  九、国家公務員共済組合審議会、国家公務員共済組合運営審議会、国家公務員共済組合連合会評議員会の運営については、共済組合制度が相互扶助の組織であることをも考慮して、必要な配意を加えること。  一〇、資金運用部資金運用審議会の運営を適正にし、積立金の運営については加入者の福祉に寄与するよう十分配意すること。  私は、現在までの国で雇用をする職員の老後の安定をはかるための制度として、恩給及び年金の二本立の制度をもって今日までに至っておりましたが、しかし昭和二十四年に国家公務員法が施行されまして、その法の上では、すべての国の仕事に従事するものの身分上の差別が撤廃され、いわば天皇の官吏から国民の公僕と、きわめて大きく変革がなされたのでありますが、今日、なお旧制度は、一部を除いては存続され、身分差は依然としてこれは放任されているといっても過言ではないと思います。歴代の政府は、国家公務員法施行十年を出ようとしている現在まで、これらの不法な状態を是正しようとはいたしておりません。しかし、このことは、恩給を受くべく強い要望を持っております職員のこの期待を無視し、それから雇用者としての国の責任を完全にこれは果しておったということにはならないと思うのであります。恩給の基礎を決定するのには、これは任官という身分上の差別が、今まで存続をいたしておりまして、国家公務員法施行後も、具体的には、定めはいまだ持っておりません。任命権者の一方的権限行使にゆだねられて、身分上も、諸給与の上からも、また、将来の生活設計及び老後の安定の上からも、決して完全なものができておったということには言われないと思う。一筋に業務の遂行のために一身を犠牲にせしめるというような立場に置かれて、あらゆる保護法の不完全な中で、労働法規、あるいはそれに類似する独自の意思表示をすることなくして服務に従事している者にとっては、まことに遺憾なことであったと思うのであります。今回、政府が提案いたしましたこの共済法の一部改正は、従来のあり方からいたしますと、一歩これは前進した制度であることは、私たちもこれを認め賛意を表するところでありますが、しかし本法に至っても、政府に国家公務員法の制度に対して結論的な見解はまだ出されておらないようであります。多く事情を持っておるようでありますけれども、これはやはり統一的に抜本的に改正案を作っていかなければならないというふうに考えております。在来の経過からいきますと、こそく的であり、消極的であり、そういう改正内容にとどまっていることは、これはまことにわれわれとしては遺憾であると思うのであります。  このたびの改正案は、政府の内部の窓口争いからくるいろいろなやりとりが非常にたくさんあったようでありまして、その点の不備は私は、これは本委員会の審議の過程で十分指摘をした通りであります。ことに国家公務員法の第八節に、退職者に対しては、恩給の定めをすることとあります。百七条に「職員であって、相当年限、忠実に勤務して退職した者に対しては、恩給が与えられなければならない。もちろん、この恩給を読みかえて、共済制度のあり方を当てはめて考えらるべきものであるとは思うのでありますが、「必要な事項は、法律によってこれを定める。」ということになっているのであります。しかしさらに百八条では、恩給制度の目的がうたわれておる。恩給制度は、健全な保険数理を基礎として計画され、人事院によって運用されるものでなければならない。」こういうふうな法の定めになっております。これらの点が実際上のこのたびの法律案の迷宮に当っては、非常に便宜的な改正が加えられておりまして、その点では内容その他に不十分である。法律の建前からいきましても異議をはさまなければならぬというように思います。共済組合による退職年金の支出額である組合員一人々々の負担率等についても、これは大体使用者が支払われる賃金の一部であるという考え方がありまして、負担金の大部分をこの賃金の一部とみなして、政府の国庫負担を多くする、こういうことは私はあり得べきだと思うのであります。しかも、厚生年金あるいは船員年金では、これらをすでに実現をいたしておりまして、掛金の組合員及び国庫の負担率は、この法律案にきめられたものよりか、大幅に国が大きく負担をすべきものである、こういうように考えるのでありますが、この点については、将来十分一つ政府で御検討いただきたいと思うのであります。  次に、今問題になりました自衛隊及び警察官の問題でありますが、これはやはり社会保険、あるいは保険数理に暴いて経営というものがある程度確立し、その基礎を作っていかなければならない、こういう建前に立っておるのでありますから、そういう点からいきますと、特殊な処遇とか、あるいは特権的な待遇をこの中に存置するということは、これは建前上からも私は間違いである。この点は社会保障制度審議会も答申の中で明らかにいたしておるところでありまして、一般に改正案は、恩給法上の一般公務員より有利な処置が行われたことを理由にして、退職年限を十五年四〇%から、三五%と定められておりますが、全くこの点については経過的な処置で、将来これは検討する、こういう提案にはなっておりますけれども、この点については、すみやかに私はその検討の結果を、この法の精神に基いて、早期に改正をすべきである、こういうふうに考える次第であります。ことに、自衛官の勤務にたえられる体力からくる年数の計算等、新たな問題としてこれは考えるべき点でありますが、自衛官等の給与、それからこの種の年金については、私はやはりまた別途抜本的な改正を政府はみずから提案すべきである。この点については、防衛庁の幹部の中にも、現在の俸給が非常に便宜的で、場当り的にきめられたという点は認めておるようでありますから、これとあわせてこの点については改正をすべきであると思うのであります。  また、ただいまいろいろ大蔵大臣から、運営についての自粛自戒といいますか、十分注意をするという点がありましたが、この点では、大蔵省の監督官庁としての権限の問題は、数項目にわたってこれは完備充実をしているといって過言ではないと思うのであります。その完備充実は、健全運営ということにかかる反面、組合の自主運営、民主運営という問題になりますと、相当程度私はこれは逆な欠陥が現われてくるのではないかと思われますので、この点については、運営について十分一つ監督官庁であります大蔵省において注意をされて、各省のそれぞれの運営の意見に対して、独自の見解と、それから経営健全のための注意は必要でありましょうけれども、そのことをもって民主的自主運営を阻害するようなことは、これは大いに自戒すべきものであると思うのであります。  さらに、社会保障制度審議会は、制度としてのこのたびの運営機構において、積立金の運営問題は、公務員の福祉などに運用されるよう十分に配意すべきである、こういうふうに答申がされております。この点についても、たびたび委員会で取り上げた問題でありますけれども、当然これは組合員に還元するという趣旨を十分生かして運営するように、これは大蔵省としても配意をする必要があるのではないか、かように思うのであります。そのほか、いろいろ会議中で御質問申し上げ、それに対して回答がなされておりますけれども、運営それ自体は、相当多額な金になる。しかも、多くの組合員の諸権利を、これをまとめて運営されるということになりますので、これらの点については、十分な一つ配慮をいただきたいと思います。  さらに、地方公務員に対する退職年金については、次期国会等に提案をされるということになっておりますから、これについても、十分一つ既得権については、これを確保し、なお地方公務員の老後の安定のための、完備した法律案を出していただくようにお願いいたしたいと思います。  さらにつけ加えて、こういうふうにそれぞれ単位組合、あるいは同一内容を持っております法律案でありながら、実際上は個々に部分的に相違をした法律案があり、身分的には、これまたそれぞれ立場を異にしておりますので、国民年金の施行されております現在でもありますしこれらの年金の総合的な運営が、ひいては社会保障制度全般の運営として、完全にその機能を持つようにするような配意が私は必要なんではないかと思うのであります。  以上申し上げました諸点について、法の整備をはかると同時に、処置をしていただくようにお願いをいたしまして、この法律案に対して賛成をいたします。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 私は両案に反対であります。自衛隊は、憲法前文の精神並びに憲法九条二項に違反するわけでありますから、私はこれを認めるわけには参りません。従って両法律案の条文そのものの内容に至っては、あえて異議を差しはさむものではございませんが、両法律案には自衛隊員たる資格に基いた長期給付、退職手当等の規定がありまする以上は、自衛隊違憲論の根本的立場から、これに賛成をいたしかねます。政府は一日もすみやかに自衛隊を合憲的な存在たらしめ、これに基いた反対論の出ざるよう、憲法改正に努力すべきことをつけ加えて、私の反対討論といたします。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。まず、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)全部を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 多数と認めます。よって国家公務員共済組合法等の  一部を改正する法律案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。   ―――――――――――――

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 次に、国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)全部を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 多数と認めます。よって国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 次に、先刻討論中に述べられました横川君提出の国家公務員共済組合法等の一郎を改正する法律案に対する附帯決議案を議題といたします。横川君提出の附帯決議案を、本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 多数と認めます。よって横川君提出の附帯決議案一は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  この際、ただいまの附帯快談に対し、政府の御所信をお述べ願います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣・通商産業大臣臨時代理・科学技術庁長官事務代理

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの附帯決議は一から十項目にわたる詳細な附帯決議でございます。そのうち一から五までは衆議院において附帯決議として決定をされたのでございますが、それにさらに当委員会におきまして六項目から十項目までの五項目を追加されて、今回の附帯決議となっておると、かように考えます。この内容は、それぞれ運営に当りまして、ただいま可決を見ました法律案の実施に当りまして注意すべき点や、また、今後の問題点として検討すべき点や多々あるのでございますが、それぞれ私どもももちろん御指摘になりました点について今後検討を要する、また実施に当りましては、注意すべき事柄だと、かように考えておる問題ばかりでございます。かように考えて参りまして、もちろん、当委員会の附帯決議でございますから、委員会の御意思を尊重することはもちろんでございますが、ただいま申し上げますように、それぞれの項目も、実施官庁であります政府としてもこれらの点について考究を要する、あるいは実施に当ってさらに慎重を期すべきだ、あるいはまた、注意を要する、こういうような点でございますので、この意味におきまして、との御趣旨を十分尊重して、御趣旨に沿うように最善の努力をいたすつもりでおりますことをこの際に御披露いたしまして、皆様方の長い期間にわたる御審議につきまして、心から敬意を表する次第であります。ありがとうございました。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) なお、議長に提出する委員長報告書の作成につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 先刻委員の異動がございました。堀木鎌三君が辞任され、後任として松野孝一君が委員に選任されました。  以上御報告いたします。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 次に、休憩前に引き続き防衛庁設置法の一部を改正する法律案、自衛隊法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。政府側出席は、伊能防衛庁長官、門叶官房長、加藤防衛局長、小山装備局長、石橋衛生局長、安西海上保安庁長官、以上であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 防衛関係の二法案について質問する前にお願いしてあったのですが、海上保安庁の……。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 海上保安庁官が来ております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 それじゃ海上保安庁の方にちょっとお伺いしたい。おとといの夕方のたしかニュースだったと思います。さらに、きのうの朝刊では、部の新聞が報道いたしておったようでありますが、朝鮮とそれから日本との海峡のいずこだったか、場所は明確になっておりませんが、朝鮮の貨物船というふうに判断をされておる貨物船が、日本の漁船が二隻当時操業いたしておりますその一隻に衝突をいたしまして、その衝突をいたしました船は間もなく没沈をし、漁夫は他の一隻に救助された、こういう報道がされております。その状況については、これは私は現地の状況その他は新聞とそれからラジオ放送で聴取したのでありますが、この新聞や放送による放送内容が事実と一致しているのか、それとも一致していないのか、その場合現地の状況を取調べになったと思うのでありますが、原因とか、それからその事情については、海上保安庁としてしっかりつかんでおられるのか。さらにこの当時近所に警戒をされておったと思うのでありますが、海上保安庁の船がその朝鮮の貨物船のあとを追われたということになっておるのでありますが、報道ではこれは捕えるということができないで引き返した、こういうことになっております。私はこれは報道の記事をちょっと見ますと、沈没するのをちょっと見返っておって、沈没してしまったら、さっさと行ってしまったというようなことは、これはどうもきわめて遺憾な事件だというふうに思うのです。ことに、新聞の報道等から勘案してみて、これはまさに海賊的な殺人事件にも該当するようなきわめて遺憾な事件である。もしまた、これが全然うそだということになれば、これはまた国際的不信の問題にも関係いたしますので、こういう点について十分一つ現地の模様その他取調べの内容を報告してもらいたいと思います。

安西正道海上保安庁長官

○政府委員(安西正道君) ただいま御指摘の件は、韓国船のレナテ号という船と、それから日本の漁船の第五福丸という船との衝突事件でございますが、私の方では仙崎の保安部から報告を受けております。一昨日の二十六日の九時三十分ごろに、山口県の見島という島がございます。その北西約三十海里の地点におきまして、日本側の中型底びき漁船第五福丸という漁船と、韓国船のレナテ号とが衝突いたしまして、御指摘のように第五福丸が間もなく沈没したという事件でございます。第五福丸の乗組員は、船長以下十二名でございまして、幸い全員は付近におりました僚船の第七福丸という船に救助されております。それからこの第五福丸の船長は、衝突いたしまして僚船に収容されましてから、朝鮮のレナテ号の船長から、同船の船長及び事務長の住所と氏名、それから船長の持っております免状の種類及び交付の年月日を記載しました書面を一通受け取っております。なおレナテ号は、十時ごろ現場を立ち去ったというように報告されておりますが、その際に同船の船長から第五福丸の船長に対しまして、損害賠償は海難審判が終ってから問題を解決したいということを告げて立ち去ったということを、第五福丸の船長から仙崎の保安部は報告を受けております。このレナテ号は、大韓海運公社の所属船でございまして、去る二十二日に伏木港を出港いたしまして、釜山に向って航行しておったものでございまして、その伏木に代理店がございまして、伏木海陸運送株式会社が代理店を行なっております。従いまして今後における本件の処理といたしましては、まず海難審判で処理いたしまして、それから民事訴訟して解決されるということになろうかと思うのであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そうすると、これは九時三十分ころに起った事件で、そして相手の船は十時には現場を立ち去っているわけなんですが、今報告されたように、事実の認定は、相手側はそれをはっきり確認をし、そしておそらくこういうような事件が起った場合の処置としては、私はしろうとですが、手落ちなく済んで、将来には問題は起きないのかどうか。それから報道の状況によりますと、本来ならばこれは海上のできごとである場合に、利害を全然異にするものであっても、暴風雨等の場合にはSOSでもって救助に向う、こういう協定が国際法上私はあるんじゃないかと思うのですが、ところが、十二名が沈没する船から脱出して、そして僚船がそばにいたとは言いながら、これの救助を行なわずに立ち去った、こういうようなことは一体どういうふうになるのですか。この点を一つ説明いただきたいと思います。

安西正道海上保安庁長官

○政府委員(安西正道君) まず第一の点でございますが、これは国籍を異にする船同士の衝突でございますので、海難審判としては、一応日本側で海難審判が開かれます場合におきましては、朝鮮側として証人として喚問できる建前になっておりますが、出席するかどうかという問題は向う側の判断によってきまってくるケースでございます。しかし、従来の国際慣例からいいますと、こういう事件につきましては、おおむね円滑に民事上の問題として処理されているというようなことが慣例でございます。従って今後の推移を見なければ、何とも申し上げられませんが、おそらくこの問題はスムーズに解決できるのじゃないか、こういうふうに考えております。  それから第二の、レナテ号が直ちに現場を立ち去ったという御指摘がございましたが、これは詳細な報告を受けておりませんので、想像で申し上げるわけでございまするが、おそらく僚船から助けられたということを見届けて安心して去った、先ほど申し上げましたように、船長にいろいろ書類を渡して去っているわけでありますから、その点はおそらく手落ちなくやっているのじゃないかと想像いたします。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今の報告が正しければ、新聞の報道というのはいささか少し刺激的な記事になるわけですね。で、これは新聞の記事とあなたの方の報告とをあわせてみると、どういうことになりますか。

安西正道海上保安庁長官

○政府委員(安西正道君) 私の方の保安部の調査が、おそらく正しいと考えております。多少当時事件が突発直後でございましたので、新聞報道がなまなましい報道をしたのじゃないかと思っております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は新聞の記事を主体にして質問を申し上げておりましたので、今の報道によると事案と相当違った立場からの見解を持っておったと思うのでありますが、しかし、その船と船との間で起った事故が、そういうふうに、たとえば救助されたのを見風けたからまあ運搬を続行したとか、それからその衝実現場の確認が、これは無線か何かで行われているわけですね。その無線か何かで行われたことで、従来紛争の解決の場合、それほど支障がなかったと、こういうような前例に基いて行われている、こういうふうに私どもは理解していいわけでございますね。ことに、さっきの回答によりますと、従来はそういう例で、円満に解決しているのに、今回はどうなるかというようなことは、そういうような不安定なものではないのじゃないかというように思うのですね、今の報告を聞けば。ですからまず船と船との確認の問題、それから救助の問題、それから海難の審判所による審判の席上へ証人として出るか出ないか、これは従来からこういう事件が起った場合には、円満に解決されているので、今回の場合にもおそらくそれは相当の賠償、それから相当の陳謝といいますか、そういったものを含めて、円満に解決されるものと、こういうふうに私は理解していいかどうか、その点をお伺いして、質問を終りたいと思います。

安西正道海上保安庁長官

○政府委員(安西正道君) これはおそらくわが国の漁船側と伏木海陸運送を通じて、交渉が行われると思います。今後の推移は見なければわかりませんが、私の方といたしましても、外務省等と協議いたしまして、万一問題が円満に解決しないというような場合には、その方面からいろいろ交渉していただくというふうに考えて滞りますが、もうしばらく模様を見守っていきたいというふうに考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 もう一点、これはあの現地の放送によりますと、海上保安庁の船が貨物船を追っておるわけですね。それは追ったのですか、追わなかったのですか、それとも追う必要がなかったのを少し追ったのか、その点はどうですか。

安西正道海上保安庁長官

○政府委員(安西正道君) 私の方の巡視船の「つがる」という船が同船のあとを追って参りまして、でき得れば同船の船長に会いまして、向う側からもその当時の事情を聞きたいというので追ったのでございますが、追いつき得ませんので引き返したという状況になっております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 そうすると、これはちょっとおかしいと思うのですが、無線か何かで、第七福丸との間ではこの事態は両者で確認をし、あとは海難審判にまかせるような手続がとられておるというふうに理解しておったのですが、そのとっさの問題としてはそれを知らないで「つがる」が追ったと、こういうことになるわけですか。

安西正道海上保安庁長官

○政府委員(安西正道君) おそらく「つがる」としては、その事件が起りましたので、私の方が指令いたしましてあとを追わしたわけでございますが、おそらく第五福丸の船長に関係書類を渡したという事情は知らないで追っていったと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 それじゃ海上保安庁の方はよろしゅうございます。  先般総理と質疑をいたしましたが、非常にこれは観念的な論争であって、何回か論議されましても、なかなかこれはわかったようでわからない論議に終始する、そういう性質、何といいますか、きわめて因果的な性質を私は持っているのじゃないかと思う。そこで今度の増強計画が、これは当面の機構拡充、こういった問題に関連をして増強をされたものであって、一貫して自衛隊の増強の計画とは、これは一連の関連性はあるけれども、実際上はそう強い関連性がないというふうに私どもはちょっと聞いたわけなんです。それはなぜかといいますと、三カ年計画で一応の増強が行われるようでありますが、それが終りました三十五年以降の計画については、今のところは、未知数であって、その未知数である点については、現在のところ防衛庁としては計画を持っていない。ただその当面としては、大体三カ年計画の中の年として、この一万二千名を増強することによって、いわば機構の整備と拡充、全体的な自衛隊の増強計画とは離れてこれを行なっておきたい、こういうふうに見れるのでありますが、実際上今度の増強計画の趣旨とするところは、どこに置かれておるのか。その点を一つ明らかにしていただきたい。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) お答え申し上げます。私どもとしては、御承知のように、整備目標、防衛目標を設定いたしまして、これに応じての各年度の態勢の整備をいたしておるわけでございまして、本年度におきましては、法案説明の際に申し上げたかと存じまするが、航空要員につきましては約六千六百名、また海上要員につきましては二千二百二十六名でありまして、これは御承知のように、他面において年度計画の昭和三十五年度十二万四千トンと見合うべき十一万五千トン、かような艦船の増強に対応いたします二千二百二十六名、また航空機等につきましては、御承和のように航空教育集団というものによりまして、航空自衛隊の機能の増強、また。パイロットの養成、さらに航空基地の整備等、いずれも当面の整備目標に対応をしたものでございます。その他従来千名ほど自衛官をもってこれに充てておりましたけれども、自衛官以外の職員でこれに充てて、自衛官につきましては本来の自衛の任務に充てるというような点の合理化もございまするが、全体といたしましては防衛目標、整備目標に即応した態勢において今回の増員が予定され、御審議を願っておるところでございます。一方、法案説明の際にも御説明申し上げましたように、北部方面総監、西部方面総監のほかに本州のうちにおきましても、東北、関東、関西この三方面につきまして組織と、自衛隊の整備、これが組織的な機構上の整備をするという関係から三方面隊を作って、それぞれ方面総監を付置しよう、かような計画でございまして、今お尋ねありました直接の整備目標と関連がない点があるのではないかというようなお尋ねでございましたが、いずれも三十四年度の第二年度における防衛目標に即応した計画として御審議を願っておる次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 海上保安庁長官がお帰りになる前に、さっきの横川委員の問題に関連して伺っておきたいと思いますが、海上保安庁が船舶不十分な状況下にもかかわらず、海上の治安維持、それから海難の救済、あるいは観測、測量等々の業務に業績を上げている点については、常々私は感謝しているものです。また敬意を表します。  で、伺いたい点は一つには海上自衛隊は相当の艦船を持っている。それからまた海上に事件が起った場合に、救難行動も行われるわけですが、おい立ち、それから平素の訓練が相違する関係もありますが、事件が担った後にとやかく言ってもしょうがないと思うのですが、どうしても海上保安庁と海上自衛隊の平素における救難作業の合同訓練といいますか、そういう点が僕は不十分だと思う。これは艦船、船舶の形が違うという点にも問題があるかと思うのですが、もう少しその点に今後意を払ってもらえないか、言うまでもなく日本は周囲が海にめぐらされているので、年々歳々あるわけですね。これが海上自衛隊と海上保安庁が不十分ながらも今持っている艦船、船舶を、十分隊員、あるいは庁員を訓練しておけば、今の被害というものをさらに最少限に食いとめるのじゃないか、そういう立場からそれを一つ伺いたい。その点については、防衛庁長官にもお答えを願いたいと思います。  それから、次は、事件が起らないうちに意見を申し述べ、お答えをいただきたいと思うんですが、それは、東九州は地形の関係もあるかもしれませんが、避難港というのが非常に少いんです。だから、一たび気象の変化で暴風なんかが来れば、遭難の起る確率というものは非常に大きいわけです。ところが、海上保安庁の出先機関は、御承知のごとく、門司から大分と、南は鹿児島になっておりますね、少いわけです。それから、その船も必ずしも十分でないと思うんです。これではよその地域に比べて一そう手薄じゃないか。だから、事故の起った場合には、その被害が必要以上に増大するおそれがあると思うんです。だから、ああいう特殊地域には、特に快速艇を適当な地域に常備しておいて、そうして通信施設も整備しておいて、適切なる措置を講ずる必要があるんじゃないか、若干配慮しているように思うんですが、しかし、僕は現地をよく知っているんですが、不十分だと思う。必ずや事件が起ったあとで、追及され、反省する時期がこないとも限らないとこう思っているんですが、この点。  もう一点は、最近非常に密漁が多いわけですが、これに対して、海上保安庁はかなり努力されているんですが、その密漁の件で、同じ日本人が島同士、あるいは村同士に血の雨が降らんばかりの体でよくやるんです。それは、一つのテスト・ケース的な存在として、瀬戸内海にある、大分県の行政区域に入っていると思うんですが、姫島ですね、全く無法律状態なんです。まさに血の雨が降らん寸前までいつもいっているわけですが、もう少し海上保安庁で、海上の秩序維持、漁民の権限擁護のためにお骨折りになることができないものか、こういう感を常々持っているんですが、以上三点について、第一点については、防衛庁長官からお答えいただいて、あとは海上保安庁長官からお答えいただきたいと思います。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊能繁次郎君) 詳細は海上保安庁長官から御説明申し上げることと存じますが、御指摘の点につきましては、私どもも十分その点を了知いたしまして、海上保安庁長官と防衛庁長官との間で、両者の緊密な連携と災害救助の体制につきまして、協議の内容が明らかにされて、協議が整っておりまして、原則としては、海上保安庁の要請もしくは地方の要請によって、自衛隊は行動を越す。ただし、緊急の場合においては、自衛隊みずからこれに出動をする場合もあるということで万全を期しておりまして、常時においては緊密な連携をとり、必要とあれば連絡機関まで置こうということでやっておりますが、御指摘のような救助演習というようなところまでは、これは詳細私承知いたしておりませんが、まだいっていないのではないかと思いますが、そういう点等については、御指摘のごとき事情もございまするので、今後一そう緊密な連綿をとり、また目下交渉中であります日ソ漁業協定の問題につきまして、北洋漁業の開始せられます暁におきましては、先般御指摘のありました日本海、もしくは玄海、東シナ海方面、西部における海上漁業の保護あるいは災害救助等の点も手薄になるおそれもあるので、それらについて海上保安庁と自衛隊とが緊密なる連絡をとって、海上保安庁が、北洋漁業に対して災害救助その他保護の任に当って、西の方の手薄の問題については、自衛隊と協力して、どういうようにやるかというような点につきましても、協議をいたしておりまする次第でございますが、御指摘のような点は、御承知のように艦艇の質の違いというような点もございまするが、今後できるだけ御期待に沿うようにしたいとかように考えておる次第であります。

安西正道海上保安庁長官

○政府委員(安西正道君) ただいま防衛庁と海上保安庁との協力の問題につきましては、防衛庁長官から詳細にお話を申し上げた通りでございまするし、また、実際に演習はやっておりませんが、いろいろなケースを通じまして、絶えず行動いたしまして海難救助をやっておるというのが現状でございます。今後におきましては、共同して演習等の訓練も、ぜひ防衛庁にもお願いいたしましてやって参りたいということを考えております。ことに最近におきましては、相当遠距離の海難等もございまするし、なんと言っても、船艇だけでは、避難船の位置等を発見するのは非常に困難でありまして、立体的に航空機を利用するケースというのが非常に多くなっておりますので、そういう方面においても防衛庁の御支援を得なければ、十分の効果を上げ得ないということを痛感いたしておる次第でございます。  それから第二の問題でございますが、東九州にお前の方の保安部署及び船艇は、非常に不足しておるではないかという御指摘でございます。先ほどお話がございました通り、大分から鹿児島へ参ります間に、大分県では佐伯と津久見という所に小さな保安署と分室を置いております。宮崎県では油津と細島という所に保安部と分室がございます。しかし、船艇は李承晩ラインその他の関係がございまして、どうしても西九州方面の李ラインの哨戒等で現在のところは手一ぱいで、なかなかでございまして、この点につきましては予算等の関係もございますので、漸次海上保安庁の巡視船を増強して参りまして、東九州方面の体制も遺憾なからしめたいという所存でございまするが、何と申しましても、巡視船は一ぱい作りますのにも相当金がかかりますので、なかなか思うように実現できないというのが現状でございまするが、われわれといたしましても、今後とも予算獲得等に努力をして参りたい所存でございますので、御了承願いたいと存じます。  それから姫島の漁業紛争は、御指摘の通り大へん長い問題でございまして、われわれといたしましても絶えず苦慮いたしておるわけでございまするが、狭い漁場を各方面から船が参りまするので、なかなか解決できないというようなきわめて憂慮すべき状況にございます。で、私の方といたしましても、漁期になりますれば、若干の船艇を姫島に、派遣いたしまして、できるだけ努力はいたしておるわけでございまするが、何分船艇等が不足しておりますので、御要望に十分沿いかねるような現状でございまするが、今後ともできるだけ漁業の最盛期等には、巡視船を派遣いたしまして、現在のわれわれの組織、施設の範囲内において最大限の努力をして参る所存でございますので、さよう御了承を願いたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一回。ただいまのお二人の答弁は、誠意ある答弁で、まあいろいろと予算あるいは艦艇のワクがあるからお骨折りだろうと思いますが、今の答弁に沿って御努力をお願いしておきます。で、法律案並びに予算案の審議権を持つ私としても、今後善処して参りたいと思います。ただ、防衛庁長官に一言お耳に入れておきますが、私は二度ほど海上保安庁の乗員に聞いたことがあるのですよ、それからまた海上保安庁に僕の教え子で勤めているのもあるのです。三人から聞いたこととしては、真偽のほどは知らんけれども、参考に申し上げておりますが、艦艇の形態の関係もあるが、善意は認めるが、海上自衛隊は海難救助ではものになりませんよという言葉を三人から聞いたことがあるということを参考に申し上げておきます。確かに平素の訓練が訓練で、艦艇の構造がああなっておりますから、なかなか激浪さか巻くときに、小さな船でその中へ木の葉のごとくゆれて勇敢に進んでいく海上保安庁の方の調子のようにはいかぬと思いますが、そういうときになれば専門家から言えば、やはり必ずしもあまり、役に立たんそうですから、当っているか当っていないか、そういう声があるということだけ申し上げておきます。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十二分散会

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