内閣委員会 第11号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/10
会議録
○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。 委員の異動がございました。去る三月七日仲原善一君及び吉江勝保君が辞任され、塩原恵吉君及び苫米地義三君がそれぞれ委員に選任されました。 以上、御報告いたします。 ―――――――――――――
○委員長(永岡光治君) それでは、これより議事に入ります。 まず、本院議員発議にかかる、国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法律案につきまして、発議者代表から提案理由の説明を聴取いたします。
○伊藤顕道君 ただいま議題となりました国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法律案につきまして、提案者を代表いたしまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案の目的とするところは、官紀の振粛にあるのでございます。内閣総理大臣その他の国務大臣は、わが国の行政府におきまして最高の重責にありまして、その政治的活動が、わが国の商業、工業、金融業等の私企業には申すに及ばず、私企業以外の事業にも有形、無形の影響を及ばすことは言を待たないところであります。もし、これらの人々が、これらの事業に関与いたしておりました場合には、その公正なる職務を遂行する上に世上の疑惑を招くおそれが多分に予想されるのであります。いわんや、官紀がややもすれば翻れんとしている今日におきましては、国務大臣のごとき要職にある人は、いやしくも世上の疑惑を招くがごとき私企業への関係を一切断ち切って、その行動の公正を期することはもちろん、その本務に専念することの妨げとなることは一切これを排除すべきであります。 以上申し述べましたような理由によりまして、ここにこの法律案を提案いたすことにいたした次第であります。 なお、一言つけ加えさせていただきたいのは、この法律案審議の従来の経過についてでございますが、最初にこの法律案とほぼ同趣旨の法律案を第十六国会の末期におきまして提案いたしたのでありますが、会期が短かかったために審議未了となったのでございます。その後、第十九国会におきまして再び同趣旨の法律案を提案いたしまして、参議院内閣委員会におかれまして数回にわたり慎重審議をしていただきました結果、原案には、国務大臣のほかに、内閣官房長官並びに政務次官もこの制限の範囲に入れておったのでございますが、この内閣官房長官並びに政務次官を制限の範囲から除くという修正案が、当時の自由党から提案されまして、この修正案が全会一致で内閣委員会を通過いたしました。本会議におきましても、二、三の人を除き、大多数をもって本院を通過いたしたのでありますが、衆議院において審議未了となったのであります。第二十二国会におきましても、ただいま提案いたしましたと全然同様の提案をいたしまして、参議院におきましては、内閣委員会並びに本会議におきまして、いずれも全会一致をもって可決せられたのでありますが、これまた衆議院において結局審議未了となったのであります。さらに第二十四国会におきまして、再度、本法律案と同一内容の法律案を提案いたしまして、参議院におきましては、第二十二国会と同様通過をいたしたのでありますが、衆議院におきましては、第二十四国会より第二十八国会に至るまで継続審議となり、第二十八国会において衆議院解散のため、審議未了となったのであります。よって、今回これまで本院を通りました法律案と同一内容の本法律案をここに再び提案いたした次第であります。 何とぞ皆様方の慎重御審議の上、一日もすみやかに御可決下さいますよう御協力のほどをお願いいたしまして、提案の理由の説明を終ります。
○委員長(永岡光治君) 本案の自後の審査は、後日に譲ることにいたします。 ―――――――――――――
○委員長(永岡光治君) 次に、文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を続行いたします。出席の方々は、高見文部政務次官、齋藤総務参事官、福田社会教育局長、古型社会教育施設主任官であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○横川正市君 この文部省本省の機構を見てみますと、審議会が十九、それから、その他の養成所、博物館、大学を入れますとこれが十三、それと文化財保護委員会と日本ユネスコ国内委員会と、こういうふうに、審議会と、それから養成所、教育機関、それから文化財保護委員会、ユネスコと、こういうふうに非常に行政機構の幅というものは、性格的に非常に違ったものを含めて、非常に広範なものになっておるわけでありますが、今度、官房長の設置されることによりまして、官房長の所掌といいますか、所管といいますか、取りまとめのおもなる業務の中に、これら一切の機構上かかえておりますもののすべてが入るわけですか。
○政府委員(齋藤正君) 官房の事務として、ただいまおあげになりましたすべての事務の連結調整の任務があるわけでございますので、官房長といたしましては、そのすべてを、連絡調整という意味において掌理いたすわけでございます。
○横川正市君 大体本省の機構から見ますと、大臣官房それから初等中等教育局、それから大学学術局、社会教育局、調査局、監理局、これが大体本省としての行政機関のおもな中心になる機関になるわけですが、それとこの今私が言いました審議会、それから学校、研究所、文化財保護委員会、ユネスコというのは、それぞれ独自の性格を持って動く立場にあるわけです。ですから取りまとめの責任に立つから、これは全体の取りまとめの任務があるのだ、こういうふうに、言われますと、私はこの独立性の問題について、それならば形式的取りまとめなのか、それとも常に取りまとめのものの意思が、これらの審議会その他に動く結果になるのか、その点の配慮といいますか、あるいは実際上の運営といいますか、その点はどういうふうにしようとしておるのですか。
○政府委員(齋藤正君) お話しのように、同じ連絡調整といいましても、それぞれの機関によってそのなすべき事柄は違うわけでございます。文部省は、今お話のありましたように、国立学校その他の所轄機関として研究と教育を主にいたしました機関がございまして、これは法令上あるいは慣習上その運営に当りましては、きわめて強い独立的な運営をなすことになっております。従いまして研究自体の内容を調整するとか、教育自体を調整するとかいうことでなく、それぞれの機関にありますところの職員の任免その他について、国家公務員法等に規定されております手続をとる、あるいはそれぞれの機関において立案されました予算の取りまとめ、あるいはその予算の執行についてそれぞれ会計法親等に従って処理いたすこと等でございまして、同じ連絡調整でありましても、内局それからその他の所轄機関等に対する仕事の態様は、それぞれ違うわけでございます。
○横川正市君 この大臣官房の人員構成が三百十五人で構成されておりまして、そうしてそのうち人事参事官、総務参事官、総務参事官、会計参事官がそれぞれ責任の掌理――人事、総務、会計と一般共通事務――共通関係の仕事をやっておるようですが、この機構が、たとえば会計参事官の持っております機構を、事実上これを経理関係の総体的な仕事を行える機構にする。総務関係はこれはいわば文書所管の事務所掌として、その機構をほかの官庁で見られるように、一応必要に応じて人員の拡充を行う、あるいはこの人事参事官の場合には、私は少くとも審議会、それから国立大学以下研究所、文化財保護委員会、ユネスコ等にはあまり関係がなくして、官房とその他の五つの同に大体関係のある仕事をするということでありますから、それほど大きな機構を必要としないのではないか、こういうふうに思われるのでありますが、官房長が置かれることによって、この官房の機構が現在とどのように変っていくのか。それとも官房長を置くだけで現在通り処理していくのか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(齋藤正君) 官房長を置くことによって人事、会計、総務の担当のほかに、それ以外のものを作るかどうかということでございますが、それについては現行と変りません。ただ一点、御質問の中にございました文部省の人事課、いわゆる人事参事官の所掌事務といたしましては、外局たる文化財保護委員会はお話しのように任免権を国家公務員法によりまして文化財保護委員会に譲っておりますけれども、前回の御質問のとき申し上げましたように、六万有余にわたります国立学校以下の人事につきましては、これは人事参事富の所掌事務でございまして、内局の人事だけを担当しておるわけではございません。 なお官房長の設置に伴いまして、法案にもありますように、現在調査局において所掌しております広報に関する事務、文部省では広報主任官をして担当させておりますが、その事務がこの設置法の改正が成立いたしましたらば、官房長の所掌事務の中に入って参ります。
○横川正市君 大体その機構からいくと、私は法務省の機構をちょっと参考にしてみたいと思うのでありますが、法務省の場合には官房が人員からいきますと四百五十八人、これでこの課、その他の数からいきましても、大体文部省の場合の三倍くらいな機構を持っておりますが、事実上今年度の設置法改正を出しております、あるいは従来出されました各省の設置法の改正によりまして官房長が置かれておりますのは、それぞれまあ早く解決しておりますが、今度は文部省と郵政省が置く。最後に残るのが法務省、こういうことになるわけです。しかしその法務省が実際上、文部省の機構と官房の機構を合せてみますと全然問題にならないくらい大きいのに、事実上官房長を置く必要がないという、そのいろいろな理由を聞いてみますと、やはり独立した部局の運営に対して相当責任制やら、それからある程度の幅を持たせて運営している関係で、いわば全くのとりまとめ機関というようなものは必要がないし、かりにあっても事実上これはどうもやはり文書のとりまとめ程度で、実際上の運営に対して何らの意見その他を差し挾むことができないような、そういうこともあって法務省の場合には官房長を置かないということもちょっと聞いているわけです。そういうことになると、私は文部省の場合には、ことにこのそれぞれの局の独立性というのは、これは相当高いものがあるのではないかと思うのです。それでその高い独立性があるのに、かてて加えて今度は十九ある審議会、これはいずれもここから出される意見に対しては、文部省はそれぞれこれを尊重し、おそらくこれを土台にいたしまして行政上の基本にしているのだろうと思うのでありますが、その審議会の独立性、それから大学その他研究所の、これの自主独立性といいますか、これは先ほどあなたのおっしゃったように侵すことのできないものがあるのだと思う。そうなって参りますと、法務省のような意味で置かないということになりますと、文部省の場合にも、同じようにそれぞれ部局、それから審議会、大学、研究所等が独立をいたしておりますから、あまり官房が膨大になりまして、それらに対して取りまとめといっても官房の意見というのは自然と強くなってきて、いわばこの前も私が言いましたように、官房長が人事上の一つの圧力も持つわけです。そうなってくると、それぞれ持っております持ち味というものが、官房が強大になることによって、事務上のあるいは連絡はうまくいくかもわかりませんが、実際上の運営ではかえってマイナスの面が出てこないか、この点を私たちは官房を強大にするということについて危惧をするわけです。これは説明からいくと、そういうことはありませんとおそらく答えるだろうと思いますが、実際上通常に当って、あなたの方ではどういう心がけといいますか、どういうことでそれらの独立性やら自主性というものをこわさないで運営しようとしているのか、この点を一つ説明願いたい。
○政府委員(齋藤正君) 第一に法務省と比較しての官房のあり方について御質疑がございましたが、今、法務省ではこれはいろいろな司法機関のために経理部というようなものが置かれていますが、これは文部省の、沿革的に国立大学の管理、管理といいましても、先ほど申しましたように研究、教育自体を左右するという意味ではもちろんございません。そのお世話をするという意味で、かなり予算上も人員の上からも大きな仕事でございます。これは文部省では非常に大きなものでございますけれども、これのために経理部とか人事部というようなものを作るのも一つの方法かと思いますけれども、文部省といたしましては従来通りいわゆる会計課、人事課に処理をさせ、その上に官房長を置きまして、そうして課長の段階で処理すべきもの、官房長の段階で処理すべきもの、あるいは次官の裁断を仰ぐべきもの等、それぞれ仕事の内容によって段階を分けまして、そうして国立大学等の運営の管理の事務について能率的にしようということが一つあるわけでございます。それから各局の課がそれぞれ責任を持って行わなければならんことは、お話しの通りでございますが、これも提案理由等で御説明申し上げましたように、大学教育に関する事項、初等中等教育局の所掌する事項等については、統一的に企画立案すべき事柄も、科学技術教育の振興と時勢の進展に伴いましてますますふえてきて参っているわけでございます。そういうわけでございますので、官房において連絡調整の機能を充実するということと、それから官房自体の所掌しております人事、会計等の事務を能率的に遂行する、この二点から官房長の設置をお願いしているわけでございまして、官房長を置くことによりまして、いたずらに各局がそれぞれ責任を持って行う事務の執行を押えたり、ましてやそれぞれ研究、教育について独立性を持っておりますところの国立大学その他の所轄機関の運営について、よけいな差し出がましいことをするというようなことは、これは全く考えられないのであります。それぞれの審議会の運営につきましても同様でございまして、官房長の設置によりまして、審議会の活発な運営が阻害されるというふうには考えておらないのでございます。
○横川正市君 これは、たとえば各局が独立して行政事務を局長以下担当している場合と、それから官房が強化されて、そして所掌の範囲が拡大する場合とは、おのずと影響するところは違うわけですね。取りまとめといってみても、相当他の部局、それから審議会その他に影響するところ大になる。そういう影響するところが全然ありませんということならば、これは必要はないわけですよ、官房長を置く必要は。単なる取りまとめというメッセンジャーで置くわけじゃないわけですからね。そういう意味合いでは、それらの部局に影響させないで、官房はこういうふうに運営しますということを、あなたの方では相当確信を持っておらないと、私はこの次に質問しようとする問題とも相当関係が出てくるのじゃないか。ことに、部局と官房との級別等級その他の関係からいくと、互角ということになっておりますが、これは大体官房長という職を一つのステップにするということに、これはできてしまうとなるのじゃないですか。ならないで、そういうことじゃないのだ、やはり局、官房を含めて人選をするのだ、こういうふうにあなたの方ではお考えになっておるのですか。
○政府委員(高見三郎君) これは横川先生は御経験がおありになるから、官房事務というものが運用によっては非常な弊害を持つというお考えがあるのだろうと思うのです。昔逓信省に総務局というのがあったように記憶しておりますが、確かにそういう一段階を作ることによって事務の紛淆を来たすという面も起り得る危険性を、私ども感じております。しかしながら、これは運用の問題になりますので、私どもといたしましては、実は紛淆を来たすのじゃなくて、ここで調整することによって紛淆を避けていこうという考え方に立っているのでありまして、従って、官房長と各局長との間は、大体同じ程度のものにいたしたい。こういう考え方でおるのであります。もちろん、官房の所掌いたしまする企画調整の問題等につきましても、各局の独立性を侵害するというようなことは厳に慎しまなければならぬことでありますし、また文部省の仕事には、そういう場合は比較的少いのでございます。ただ御承知のように、科学技術教育が大きく表面に出て参りますと、初中局で取扱います科学技術教育問題もあります、大学局で取り扱っております科学技術教育問題もありますし、同時に科学技術庁自身で取り扱っておりまする他省との関係がある。そういう面の調整は、今日のところでは、各局それぞれの立場でやっておりますので、次官のところで調整をとるということになるかと思います。これらの問題はどうしても官房長という一つのポストがあって、大づかみの点を調整をするということが必要じゃないか。それが場合によっては、もろ刃の剣で、場合によって弊害を起すことがないかという御質問がありましたが、これはそういう面はありますが、これは運用の面で十分注意いたしたい。かようにお答えせざるを得ないのです。
○委員長(永岡光治君) 先刻委員の異動がありました。 井野碩哉君、大谷藤之助君、佐藤清一郎君及び苫米地義三君が辞任され、その後任として、鶴見祐輔君、野村吉三郎君、最上英子君及び重宗雄三君がそれぞれ委員に選任されました。以上御報告いたします。 ―――――――――――――
○横川正市君 私は今そういうふうに答えられると、これは行政機構の一貫性の問題から説明しなければ答えにならぬと思うのです。それは運営上気をつけますということだけでは、実際上答えにならないわけですね。大体各省が行政を簡素化しなければいけない。それから頭でっかちで、下の方の方がしりつぼみになっているような機構は困るということで、行政管理庁が作られた当初から行政簡素化の問題についてはずいぶん一生懸命やっておるのですが、これは各省のセクト性の問題もありますし、それからそれぞれの省の持っております特異性といいますか、管理庁が考えているような簡素化の問題とは一致しない点が各省にあることは、これは認めなけれ、はいかぬと思いますが、しかし、それにしても、この前の国会からどんどん、どんどん設置法が作られて、そうして上の方の機構がどんどん作られていくわけですね。大体政府の考え方からすれば、政務次官は行政府の方の担当者でないから、政府の考え方は実は行政機構は簡素化しますと、こういう考え方におそらく立っているのが当りまえだと思うのですよ。その後簡素化しなければならない立場に立っているものが簡素化しないで、去年からどんどん、どんどん複雑化していくという方向は一体どういうことなんですか。この点の解明をしてもらわないと、いや、これは気をつけますと、弊害が起らないようにしますと言ってみても、実際上ここで安心して、それじゃよろしゅうございますということにはならぬのじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(高見三郎君) お話しのように、行政機構を簡素化し、能率化していくということが、基本の方針でありますることは申すまでもないことでありまするが、これは政府全体といたしまして、一つの厳木の方針を打ち立てましても、各省各局のそれぞれの現実の事情というものは、別な観点で考えなければならぬことだと思います。私ども文部省といたしましても、機構全体につきましては、できるだけこれを能率化し、簡素化する基本的な研究はずっと引き続いて行なっておりますが、さればといって、官房長を固くことは、簡素化の方針に逆行するのだと、私ども確かに形式上そうなると思いまするけれども、一体、行政機構の実質から考えまして、文部省といたしましては、この際行政機構の簡素化は簡素化といたしまして、本質的な考え方をしていくが、機構にさしあたり官房長を置いて、文部省の事務全体についての総合調整をやり、事務能率を向上していくという考え方とは、私としてはあえて矛盾はいたしておらない、かように考えておるわけであります。
○堀木鎌三君 関連して……。僕は、官房長というのは、毎年ちょぼちょぼ出てくるのですよ。幾ら弁解しても、一省で官房長を置くと、おれの方にも置いてないのはおかしい、おれの省が償いてないのはおかしい、みな理由をつけていくのです。これは官僚上りの僕はよく知っているんだ、官僚の心理は……。だから、一体官房長を置くのは、各省から説明を聞くよりは、僕は率直に言えば、官房長官なり、総務長官なりあるいは行政管理庁長官なり、そういう方面の方から、一体どういう方針でやるのだ、やらなければこうちょこちょこ、去年はあそこが通ったから、ことしはここでやるというように出てくるわけです。それは理屈はいろいろありますよ。私も行政機構が非常に細分化したり技術化して、どっかで総合調整をしなければ、もう機構が動きにくくなっている一面のあることは認めます。しかし、一体毎年ちょぼちょぼ各省が出してくるということは不見識だと思う。委員長において、しかるべく適当なときに、各省通じて官房長の問題はどうするのだという政府の責任ある答弁を一ぺん求めたいと思っているのです。さよう委員長においてお取り計らいのほどを願います。
○委員長(永岡光治君) ただいま堀木君の上要望の趣旨は、委員長においてしかるべき機会において取り計らいたいと思います。
○横川正市君 今の政務次官の御意見には、実は私も今堀木さんのおっしゃったように、官房長があっちでもこっちでも出てきて、あなたの方と郵政省だけしかないのだから、これはまあ仕方がないじゃないかという気持も幾らかはあるにはあるのです。しかしながら、その必要はないじゃないかという意見に何かこうやはり引きずられて行ってしまったというような気持でまあ質問せざるを得ないような立場ですね。だからまあそういう私の立場を言えば、政務次官の立場は与党で、文部省にまだ席を置かないときには反対しておって、文部省に席を置いたらとたんに賛成せざるを得なくなった。こういうちぐはぐな格好では、私はやはり機構というものはあまりその省の、何といいますか、肩を持ち過ぎた格好で考えるということは間違いじゃなかろうか。あなた自身で果してふくれていくごとに賛成なのか賛成でないのか、基本的にはそれはまあはっきりしてもらわなければいけない問題だとこう思って先ほどから質問したのですが当面これは必要でございます、そうか、と言ってハンコを押されたのか、根本的にはこれは間違いだけれども、これはほかの省との釣り合いで仕方がないと思ってやられたのか、これはだいぶ結果的には違うと思うのです。将来おそらくまあ岸さんが次に政権を、何次になりますか、取るにしても、あるいはほかの方が政権を担当するにしても、行政機構の問題は、やはりもう一回狙上に上せて、一度も二度も検討する機会がめぐるのではないか。そのときにまたこれは要らないからやめてしまえ、機構いじりをしょっちゅうやられる格好で将来見通しがつくようなことでは、私は今いじることはばからしいことでありますから、そういう立場に立って、はっきりと意見を一つ聞かせてもらいたい。それからまあこれのよしあしの判断をつけていった方が手つとり早いのではないかと思います。
○政府委員(高見三郎君) 私も官僚のあがりでありますが、私どもが考えましても、官庁機構というものは確かに堀木先生のおっしゃる通り、また横川先生のおっしゃる通りたえず変って参ります。御承知のように官庁事務を非常に簡素化した、能率化したものにしようという場合には、官庁事務の何と申しますか、細分化と申しますか、非常に細分されたものになって参ります。ところが、それだけで参りますと、これは全く機械的な官庁事務になって参りますので、どこかで総合調整をしなければならんということが起って参ります。行ったり来たりするということは、おそらく横川先生もみずから体験していられる事実だろうと思っております。私は行政機構を簡素化して熊本化していくということは、だれが内閣を組織して、だれがやっていく場合でも必要なことだと思いますから、しかしそれがあるがゆえに、文部省に官房長のポストが要らないということは私現在考えておりません。しかし、いろいろこの問題について検討いたしまして、なるほど文部省の現在の姿からいけば官房長というものは必要であろう、かように考えまして御提案申し上げておるわけであります。ただ、永久にそれじやこれでやったら機構いじりはやらんのかとおっしゃいますと、それは私はそうはいかないと思っております。行政事務の実態に応じましてそれぞれの変化というのは起ってくる。起ってくるがその変化というものをいかにするかということになれば、能率をいかに上げて、いかに少数の人間で能率を上げていくかという機構にこれをいじっていくということ以外に私は道はないかと、その辺御事情はよくおわかりになっておることと思いますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
○横川正市君 能率本位からいくと非常に危険な結果というやつを、省全体の上で私は招来するのじゃないかと思うのですよ。ことに、文部省の場合、会計参事官がこの予算上の責任を全部持っておるから、非常にその面からも困るのだという話がありますが、これは私はもっと会計関係は細分化されて、官房にあるこの会計参事官の任務というのは、いわば予算折衝の衝に当る程度のものにして、そしてあとは各局に事実上予算担当する課を設けて、そして局を運営していくことの方が、ほんとうはこれは自主性を持たせた運営である。それから総合の問題になれば、これは局には局議があるわけですね。それから省には省議があるわけです。局議と省議がうまくマッチしておれば、おのずと総合の件は私はうまくいくんじゃないか。ことになんでもかんでも官房でもって取りまとめなければいけんということではないのですね。あるいは省議を開くときに、省議の席上で大体大綱、重点さえきまれば、あとは局に自主性あるまかせ方をしてそれでいいんじゃないか。それが私はほんとうじゃないかというふうに思うのにですね。それをまあこれはおそらく総務関係はこれは文書関係をやる人が文書を山ほどかかえて、これはどうにもならない、もっと何とかしてくれないかという意見は、各省に文書課だけのところがあるようですから、それならば文書課長のところを幾らか機構拡充をして、文書をうまくさばくということを考えたらどうか。意思として動くならば、これは省議だ、意思として動かないならば人員とか何とかそういったものでいいじゃないか。そういうはっきりとしたけじめというやつをつけておかないと、今最も端的に簡単に、しかもめんどうがなく取りまとめるならといったら、これは省全体主義的に号令をするだれかがいてまとめていった方が一番簡単なわけで、省全体の民主主義というものは私はなくなってしまうように考えるのですが、そこまで心配しなくてもいいというあれかもしれませんが、大体そういう意見も出てくるわけです。そういうことで実際上官房を置くことに対して非常にたくさんな疑義があるわけです。ですから、これはまあ結論はいろいろ賛成反対出るでありましょうが、ぜひ一つ運営については十分注意をしていただくと同時に、まあ将来機構いじりがされてどうなるこうなるという前提にして、それを前提条件にして私はまあやはり各省とも確固とした一つの機構を、だれが見てもこれは必要だというふうな簡素化された機構というものをやはり作るように努力をして、そうして僕は行政機構というものを作り上げていくという努力を各省がしなければいけないんじゃないかと思う。そういうことでこの問題はより一つ運営に注意をしていただきたいと思う。 それから第二の問題は、職員団体は、これは文部省という省の中におる職員で構成される職員団体と、それからこの文部省の場合には行政上の責任を持っておりますから、各大学それから専門学校、中等それから初等等の教育公務員の構成する職員団体との折衝をやるわけでありますが、その窓口はどこになるわけですか。
○政府委員(齋藤正君) 職員団体のことでございますが、国家公務員につきましては国家公務員法に基いて人事院に登録する職長団体があるわけでございます。文部省の本省の職員あるいは直轄各部の職員の職員団体はこれでございますが、この窓口は官房でございまして、具体的には人事参事官の所掌事務となっております。それから地方公務員たる公立学校の教職員の組織でございます職員団体、これは御承知のように地方公務員法によりまして職員団体としては都道府県の段階までが法に定められた職員団体でございます。でございますから、職員団体の交渉の責任として、文部省の所掌事務にありますのは国家公務員たる職員についてのみでありまして、地方公務員についてはそれぞれ都道府県の教育委員会あるいは市町村の教育委員会において交渉の相手方となっているわけでございます。
○横川正市君 まあ、これは直接そういうふうに職員団体を構成しているそれぞれの下級機関の面接のその窓口というのは、今言われた通りだろうと思うのですか、どうも私は新聞その他で見聞きするだけでありまして、あまり深く内容を知りませんが、新聞その他を通じて知らされるところによりますというと、教育行政それから教育公務員、地方公務員等の非常に大きな要望を受け答えをするのは、これは大体文部大臣ないしは政務次官、事務次官と、こういうところが会われるのじゃないかと思うのですが、どうもあまりよく会わないようですし、会っても意見が違いますと会わなくてもいいというような、そっぽを向いたような新聞記事をときどき見るようです、これは各省でも相当、会うことについてはどの大臣でも職員団体とはあまり毛ぎらいをしないで非常に積極的に会見をしているのに、どうして文部省だけが会見を拒否するのだろうと私たちは不思議に思っているわけなんですが、こういう会見なんかについては、どういう方法といいますか、どういう形式をとって会われているのでしょう。たとえばだれかがあっせんをするとかなんとか……。ほかの省では、たとえば組織された長が大臣秘書官なら秘書官に申し入れて、秘書官が時間その他の割り振りで会見をする、こういうふうに最も簡単なコースをとっておるようですが、文部省の場合は、そういうふうなことでなしに、何か交渉の内容の適否だとか、その同じ交渉のものでの回数であるとか、そういったものを一回一回検討した上で大臣に会わせるとか会わせないとかと、こういうだいぶめんどうくさい会い方をしているのじゃないかと思いますが、こういう団体との会い方についてはどういうような方法で行われているのか。
○政府委員(齋藤正君) 先ほども申し上げましたように、職員団体としての交渉につきましては、地方公務員につきましては都道府県の団体まででございますが、事実全国の教職員で組織いたします団体がございまして、実際上これと連絡する事務があるわけでございますが、これにつきましては、初等中等教育局が地方の教育公務員の身分取扱いに関する企画等をいたしております関係上、初等中等教育局が、いろいろ教職員の組織する全国的な団体と、大臣なり政務次官なりとの会見の申し出がある際の窓口をいたしておるわけであります。
○横川正市君 初等中等教育局は、これは事実上行政上の責任局で、そういうような職員団体との窓口の役割を果すような何かそういうものを持っておるのですか。
○政府委員(齋藤正君) 職員団体としての交渉につきましては、これは人事課におきまして、国家公務員について、その所掌事務として掲げておるわけでございますけれども、この地方公務員たる教育公務員の職員団体につきましても、実際上の問題が起りますので、この初等中等教育局に地方課というのがございまして、この地方課が地方教育行政の組織、運営に関する一般的な事項、あるいは教育公務員、公立学校の職員につきまして、いろいろ制度の企画立案、あるいは指導助言等をいたしておりますので、そこの地方課で教職員の組織する全国的な団体との連絡に関することを受け持っているわけでございます。
○横川正市君 これは行政上の問題であって、これは地方課にしても財務課にしても、それから初等教育課にしても、行政上の問題で、少くとも労働問題を取り扱う窓口というのは、私はこれは国家公務員の場合も地方公務員の場合も、関係する事項について会見を申し入れられた場合には、それぞれもっと親切に便宜をはかる窓口というのを別に作っておく必要があるんじゃないか。ことに文部省の場合は、非常に大きな、教員で組織される団体を常に相手として話し合いをしなければならないわけですから、それが初等中等教育局あたりにまかせておくから、外部の大体印象というのは、これは初等中等教育局長というのが何か大臣と間違われるような報道をされて、文部省の代表は初等中等教育局長じゃないか、それと職員団体と会っているのだ、こういうような印象を与えてしまうようなことに私はなるのだと思う、その会見の結果のよしあしは別としてですね。ここに監理局というようなものがあるわけですが、市来ならば、私はここに何かの課を設けて、そして監理局の中で運営をするか、それとも官房の中に人事参事官、これは人事管理官に直ったわけですか、ここのところで窓口を設けて、そしてスムーズな運営をはかっていくようにするとか何とかこれはしないと、単に並列された局の中の一つの課がそういうようなあっせんその他を行うということは、いかにも文部省が古くさい役所だということの私は総称になっても仕方がないのだ。いろいろと近代化すれば、労務関係の直接の窓口があってしかるべきが、それがどうも人事参事官のところでやっております、あるいは初等中等局の地方課でやっておりますというようなことは、いかにも私は少し時代的にズレた窓口の行き方じゃないかと、こう思うのですがね。この点ではどうですか、非常に大きな労働問題をかかえております文部省として、特別にそういう窓口を設けて、少くともあまり文部省を古くさい役所だと言われないような方法をこの際講じたらどうか、こう思うのですが、これは大臣がほんとうはいいのですが、政務次官一つかわって答弁をしていただきたい。
○政府委員(高見三郎君) ごもっともな御質問でありますが、その前に、地方公務員たる身分を持っております教職員団体、これは職員団体と申すわけにはいきませんが、職員団体の連合会として事実上の大きな勢力を持っておるということをまず一つお考えを瀬いたいと思います。そこで文部省の直轄いたしております公立学校以下の国家公務員たる身分を持っております職員団体につきましては、これは当然に人事管理官が担当するということは筋だろうと思います。私ども日教組に対しまして何もことさらに毛ぎらいをいたしておるわけではございません。つい先ごろも会見をいたしました。しかし、これは会ったのでありまして、交渉したのではございません。この点ははっきりいたしておきたいと思っておるのです。いろいろ御意見は伺いました、われわれの意見も述べ合いました。が、いわゆる団体交渉をやるのではないということを、勢頭に大臣からはっきり明らかにいたして一時間ばかりお目にかかったのであります。そこで、今お話のように、しかし、事実上そういう団体があって、しかもことごとに確執しておるじゃないか、それならばこれから機構を考える場合に考えたらいいじゃないか、こういう御意見もあり得ると思います。あり得ると思いますが、まあ私どもこの問題は他日の問題にいたしまして、十分御意見のあるところは尊重し検討いたしまして考えていきたいと思いますが、ただ、今申し上げましたような基本線が一つあるということを御了承をいただきたいと思いますし、それだけにこの機構を急にこの機会にどうするということは、今直ちにということは困難である、御趣旨の点は十分検討いたします、かようにお答え申し上げる以外に方法はございません。
○横川正市君 そういうふうに答えられると、また私の方もちょっとあまり木で鼻をくくったような答弁ではなさそうでありますけれども、もっと積極的になってもらいたいという意味合いで、意見を申し上げたいと思いますが、それは、文部省と地方教育機関との関係ですね。教育二法案以前の場合には、やはり地方公務員として、教育公務員としての直接いろいろ関係をするのは、教育委員会が実際上直接の関係をする場所だったわけですね。しかし、教育二法案が通ってしまったあとは、言葉では指導助言を文部省は与えているとは言いながら、実際上は国庫でもって教育費は二分の一負担するとか、校舎の場合も国がある程度金を出しておるという関係から、私は言葉というものは、幾ら強く言っても相手にあまり強く響かんのですよ。その言葉の裏に、予算があると、これはちょっと言っても大へんに強い響きを持つ。これは金を持っておる大蔵省が大へん大きな力を持っておるとわれわれが考えておるとの同じ関係です。そうすると文部省の指導助言というのは、地方教育委員会には相当程度これはきくのですね。だから地方公務員である職員団体の場合も、文部省と交渉する項目が非常に多くなってくる。これは必然とした現われなんですよ。機関がどうあろうと、実際上文部省には全然関係ないけれども大蔵省に行けというのは、大蔵省が予算編成の最後の力を持っておるから、文部省をこえて組合も大蔵省に交渉に行くわけですよ。そうすると本来ならば地方に団体交渉する相手はいるけれども、しかし、実際の背景が文部省だからと言えば、やはり文部省に来て団体交渉をする。団体交渉と言えばあなたの方では困るというかもしれないが、交渉権を与えておらない方が間違っておるように私ども考えておるので、まあ折衝か、話し合いか知らんけれど、そういうことをする場所というのは、必然的に文部省に求められて仕方がないとそういう機構になっておるのだろうと思います。それならばそういう実態を認めておいて、できるだけスムースにトラブルを起さないようにあなたの方でも窓口を設けておいてやる、これだけの、何といいますか、心がけ、思いやりではありませんよ、心がけが必要だと思います。だからその点で、私は、木で鼻をくくったような答弁ではなさそうですが、今差し迫ってここでどうするという問題ではありませんが、十分一つ考慮していただくように私の方から要望いたしておきたいと思います。 それからもう一つは、同じ設置法の中に出ております、青年の家というやつですが、これは青少年問題協議会、これは内閣にあるのと一緒にして、文部省が附属機関として持とうとしておるようでありますが、どうもその関係が明らかにされないのですね。この説明によりますと、完全に運営その他は自主的な格好で運営されるのだ、こう言っておりますが、しかし実際上は、附属機関として運営されるのだ、こういうことになりますと、この関係がどうもはっきりしないのではないか。それからもう一つは、こういう施設を文部省に置かなければならない理由は、一体どこにあるのか。それが私にはどうも納得しがたい。ことに総理大臣の演説を聞いておりますと、毎回青少年に対しての、何といいますか、大へん思いやりといいますか、気の入れどころといいますか、これは毎回の施政演説の末尾にはついてくるわけですが、そういう関係もあって総理大臣の意思、文部省附属機関、それから青年の家、こういう系列が何かはっきりしてくるように思えるのです。そうすると、その中には当然その次には青年でありますから、青年に対して一つの目的、方針、目的を与えてやる。それからそれは国を愛することである、あるいは郷土を愛することである。家を愛することである。何か一連とした思想的背景がこの青年の家の土台になっているのじゃないかというふうに思われるわけなんですが、この点について一つ御説明をいただきたい。
○政府委員(福田繁君) ただいまこの青年の家の附属機関としての性格の問題についてのお尋ねと存じましたが、この点につきましては、一般の所轄機関とやや違った性格を持っているのじゃないかというように私どもは考えております。おっしゃるように青年の家は文部省の附属機関として、この設置法の中に掲げられるわけでありますが、ある程度自主的な運営というものを青年の家でやることは、これは当然でありますけれども、しかしながら、文部省としてやります際のいろいろ青少年に対する文部省のいろいろな各種の事業、そういったものと非常に密接不離の関係がございます。そういった意味で一般の所轄機関が全く独自の独立の研究なり、あるいはそういう全く独自の事業をやっていく、こういう場合とはかなり趣きを異にいたしております。そういった意味で、この附属機関ではありますけれども、やはり文部省の青少年に対する一般の事業と関連を持っておりますので、そういった意味で全く一般の所轄機関と同じような独立の機関だ、こういうようには考えないのであります。やはりそこは両々相持って事業を進めていきたいというように考えておりますので、附属機関としたのでございますが、そういった性格を持っていると思いますが、また一面、総理府の方の関係も御質問の中に含まれているかと思いますが、これは文部省の所管にいたしまして、いろいろ青年に対する社会教育的な施設としてこれを利用するという建前から文部省所管になっております。しかし、またこの青年問題につきましては、いろいろやはり関係するところが広うございます。従って、総理府等におきましても青少年問題協議会というのがありまして、そこで青少年の問題もいろいろ話に出ますので、従って、そういう文部省以外のところで出ますいろいろな意見につきましては、やはりこの運営について実際上参考にしていく必要がありますので、そういった場合の外部の意見というものは、必要ならば総理府でまとめて私どもの方にいろいろ御連絡を願う、こういうような関係になっておりまして、従って、この施設を文部省の附属機関といたしておりますけれども、そういった点は連絡をとりながらやっていきたいと考えております。
○横川正市君 だいぶんこれは質問が長くなるわけですが、もしあれでしたらそちらの方で議事進行していただきまして次回に……。
○委員長(永岡光治君) 本案に対する残余の質疑は、なお後日に継続することにいたして、本日はこの程度にとどめることにいたします。 ━━━━━━━━━━━━━
○委員長(永岡光治君) 次に、法務省設置法の一部を改正する法律案を議題にいたします。これより本案の質疑に入ります。政府側の出席は愛知法務大臣、勝野入国管理局長、津田司法法制調査部長、説明員として羽山司法法制課長、長戸法務研修所第一部長、佐藤矯正局総務課長、以上であります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○伊藤顕道君 法務大臣に二、三お伺いしたいと思いますが、最近犯罪全般にわたって非常に凶悪化して参っておるようです。その犯罪の手段方法も非常に複雑巧妙化する、こういう現象に対して、法務大臣としてのお立場ではどういうふうに、いろいろとお考えはあろうと思いますが、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 御指摘のように、最近犯罪の凶悪化、それから知能犯化的傾向とでも申しましょうか、非常に犯罪の質が悪くなりまして、また、非常に知的に巧妙の度を加えておりますのでありまして、われわれといたしましても、その点は非常に頭を悩ましておるわけでございます。特にその中でも若い人たちの犯罪の凶悪化現象が特に特徴として表われておるように見受けるわけでございます。従ってこれの対策といたしましては、いろいろの点で、たとえば検察の上におきましても、最近はひんぱんに検事正初め係り検事等の会同をいたしまして、適時適切な手を打つことについて協議を重ねておるようなわけでございますが、同時に、根本的にこれらの状態に対して対処する必要があると考えますので、ただいまも御審議を願っておりまする法務省設置法の改正の上におきましても特に法務総合研究所の設置ということに私どもとしては非常な重点をおいて考えておるわけでございます。で、これは最近の、ただいま申しましたような傾向にかんがみまして、犯罪の予測、予防から出発いたしまして、犯罪の原因を科学的に検討する。それから刑の量定、刑罰の効果、さらに矯正及び保護の技術及び効果、さらに進んでは犯罪者の社会的な復帰等を実証的に研究いたしまして、刑事政策の近代化並びに総合化ということを徹底的に一つ専門的の立場においてとり上げまして、これを各所管の部門に流すと申しますか、この考え方並びに取り上げ方を所管のいろいろの機関に思想を統一し、そうしてこれらの対策に具体的な実効を上げていこうと考えておるわけでございます。特に再犯の防止というような点が、青少年の非行に対する対策としてさしむきのところ最も重点をおいて参りたい。相当の効果が期待されるであろうというふうに考えております。
○伊藤顕道君 ただいまお伺いいたしましたように、犯罪は全般的に悪化したという傾向のそういう中で特に憂うべきは、青少年の犯罪が非常に激増してきたということ、この数の増加ということもさることながら、最も憂うべきことは質の悪質化してきた、そういうことを考えたとき、これはこのままにしてはまことに将来のために憂慮にたえないそういうふうに考える。特に青少年犯罪の面についていろいろ法務省としての対策、特に重点的な大綱についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 全くごもっともな御意見でございまして、実はその点がわれわれの一番心しなければならない点であると考えておるわけです。先ほど申しましたように、さしむき重点を置くことは、再犯の防止という点であろうかと考えるわけでございまして、たとえば最近起りましたいろいろ世の耳目を聳動するような青少年の凶悪犯罪について具体的に見ますると、たとえば昨年起りました小松川の定時制高校生の殺人等につきましては、実はこの一人の少年を例にとりますと、あの凶悪犯罪を犯します前に、すでに窃盗その他の罪を犯しておりまして、これがそれぞれ取締りの機関において取り調べたことはあったのでありますけれども、保護観察その他のやり方が十分でなかったために、ついにああしたような大犯罪を犯すに至つた。こういう点に着目いたしまして、御承知のように、これは第二次大戦後アメリカでも、あるいはソ連でも非常にこういった同様の傾向に悩まされておるようでございますが、それらに対処する方策として、たとえばグリュック方式というようなものも国際的に非常にただいま焦点を浴びておるわけでございますが、そういったグリュック方式といったようなものを日本的に、これを何と申しますか、適用ができるように日本的なグリュック方式というようなものを取り入れるという必要が私はあると思うのであります。で、それらの点を今回法務総合研究所でどうやったならば犯罪の予測あるいは再犯の防止ができるか、たとえばある非行を犯しました少年に対しまして、最初に問題になったときにこの少年に対して科単的あるいはその他の方法によりまして、その少年の反社会性の程度がどのくらいであろうか、科学的に検討した結果、ほんとうにこれができ心で万引をしたというような程度のものでありますならば、その後の処置は割合に簡単であると思いますが、グリュック方式などによりますと、反社会性というものが相当の程度になるおそれがあるというものが必ず実証できると思うのでありますが、そういった者に対しては特にかりに在宅で観察をするにいたしましても、そういった反社会性の強かろうおそれのある者に対して、観察制度を強化するというようなことをやりますれば、現在の組織、機構、人員の中においても相当な私は効果を上げることができるんじゃなかろうか、こういったような点を対策の中心に考えて参りたいと思っております。
○伊藤顕道君 ただいまお話しのありました小松川高校生殺しとか、それからその後に起きた十八才の少年でピストルを奪って強盗をするために派出所の警官をナイフで殺害した、こういうおそるべき事態が次から次へと起きて、その点対策についてお話があったわけですけれども、これは何とか抜本的な施策を強力に進めないと、このままで進むと憂慮にたえないと思うんです。御承知のように戦後この犯罪がふえて参りましたけれども、二十六年ごろの統計を見ますと、やや滅っておるんですが、それからまた漸増して、現状ではどんどん激増の一途をたどっておる。こういうことはまことに憂慮にたえないんですが、この傾向についてどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(愛知揆一君) これも御指摘の通りでございまして、一瞬減少するかと思うと、またふえて参ります。こういったような事情は実に遺憾にたえないわけでございます。でこれに対しては、ただいまも申し上げましたような考え方で参りたいと思いますが、同町に直接非行少年に対するできてからの始末だけでは、もちろん十分ではございませんので、社会的な環境をよくするということももっと根本的に必要な点でありまして、これらの点については法務省だけで担当する部面ではございませんけれども、たとえば深夜喫茶を厳重に取り締る法律を今回制定していただいたということも一つでございます。それから不適当な文化財と申しますか、映画、テレビその他の方面に対しましても、ただいまそういった関係の向きの、一例をあげれば、マス・コミ協議会というようなものが報道関係等の自主的な機関としてできておりますが、それらに対しましても、法務省から見た見方というものを十分に反映するようにいたしまして、こうした民間側の協力も求めまして不純な、青少年を害するようなマス・コミをやらない。むしろ逆に善導というと語弊がございますが、明るい楽しい娯楽というようなものを、大いに皆さんで心してやっていただくというようなことも、だんだんに進めて参っておるわけでございまして、これらと実際に起つてからの事件に対する処置ということをあわせてやって参りたい。また、先ほどもいろいろ御論議があったようでございますが、内閣の青少年問題協議会には法務省も参加いたしておるわけでございまして、文部省や、厚生省やその他の方面との連絡を緊密の上にも緊密にしていくことが必要ではなかろうかと考えまして、従来も努力しておるつもりでありますが、今後さらに一そうの努力をいたしたいと考えております。
○伊藤顕道君 戦後全国的に発生しました少年犯罪について見ますと、窃盗とかスリが特に多かったようですが、こういうような窃盗とかスリは、大体主として生活苦からきたように大体の原因が明確になっておるのですが、現在のような凶悪なる少年犯罪については、その原因がまあいろいろあろうと思いますが、法務大臣としてはどのように把握されておりますか、この点を伺います。
○国務大臣(愛知揆一君) 常識的、一般的に申しますと、一つはやはり何としても経済的な状況というものが一つの大きな原因であろうと思います。しかし、実証的に個々の案件等から調べてみますると、必ずしもそう言えない点もあるわけでございまして、たとえば先ほどちょっと申しましたが、グリュック博士のいわば科学的といいますか、実証的な調査等によりますと、経済的原因というものが、重きを占めていない。これはもちろんアメリカ等の実例でございますから、これを日本的にすりかえて考えますると、アメリカの状態と日本の状態とでは非常に違うとは思いますが、しかし、必ずしも経済的な環境だけではなくて、中には強盗、殺人等の非常に凶悪な、全く何とも天人ともに許さないような犯罪を起しておる。青少年の場合におきましても、経済的にはあまり貧困でなくとも、たとえば両親の家庭の生活その他が非常に乱れておったというような場合もございますし、また何か精神的に薄弱な、犯罪に対して非常に弱いというような場合も相当指摘されるようでございまして、これらの点今、的確に数字的に申し上げる私資料を持っておりませんでしたが、一概にはこれは言えないわけでございまして、もちろんしかし、経済的な条件がもっと国民生活が改善されれば、傾向としては減っていくかと考えております。
○伊藤顕道君 一口に少年犯罪と申しますけれども、いろいろ種類を検討してみますと、凶悪犯とか、暴力犯とか、特に憂慮にたえないのは、性犯罪が最近非常にふえてきておることでございます。こういう点については大臣としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(愛知揆一君) この点もやはり一概には言えないのでありますけれども、これらの点については、先ほども申しましたように、たとえば映画でありますとか、あるいはちゃんとした協会等に所属してない、いわばアウトサイダー的なものが出版しておりますような、非常に性的な興味本位の雑誌でありますとかいったようなものの及ぼす悪影響というものが、かなりあるのではないかと思います。それから生命の軽視といいますか、ちょっと考えられないくらい人の命というものを尊重しないような考え方が、この青少年の凶悪犯罪の中に見受けられるわけでございます。先ほどちょっと申し上げましたが、最近において相当凶悪犯罪を犯し、またこれが裁判中のもの、あるいは最近に判決のあったものを通じて見ますると、御指摘の通り、たとえば殺人事件は大体強姦というようなことがこれに付随しておるというような点から見ましても、確かに御指摘のような性的な犯罪、あるいは性的な面に対する道義の弛緩と申しますか、そういう点がどうしても指摘されなければならぬと、こういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 こういうような少年犯罪が、従来は主として貧困家庭、そういう生活苦から、そういう原因が比較的多かったわけです。最近では貧困家庭からさらに中流以上の家庭にまで非常に拡大されてきておるようです。こういう現象に対しては、大臣としてはどういうふうに見ておられますか。
○国務大臣(愛知揆一君) やはり先ほど来申しておりますような点でありますが、これは私児でございますけれども、私はそのグリュック博士の説に非常に私個人としては傾倒しておるのであります。それはどういうことかと申しますと、たとえばグリュックさんの最も端的な少年に対する見方でございますが、五つの基準から見るべきであると、これは何十万かの実証的な研究を総合した一つの結論であるということでありますが、この五つの基準というのは、一つは父親の子供に対する監督と申しますか、それから母親のしつけ、それから父親の愛情と母親の愛情、そうして第五の要件というものは家庭内のつながり、要するに家庭の雰囲気、この青少年が悪くなるかよくなるかということは、結局この五つの要件が決定的なものであるということが言われておるわけであります。先ほど私が申しましたように、これはアメリカを中心にした実証的な研究の結論でありますから、日本の現状においてはこの五つが決定的な要件であるかどうかというようなことについては、この総合研究所が開設されましたら、こういうことも大いに取り上げて実証的な研究を日本でもしたいと思うのでありますが、それはともかくとして、国際的な刑事学の面等においても、このグリュック説というのが非常に高く評価されているということから見ますと、やはりこれは東洋的な考え方からいっても、その結論がやや同じになってくるのではなかろうか。そこでやはり少年犯罪の芽をつむということは、結局これは成人である父親、母親並びに家庭を構成しておるものお互い同士の人間としての教育というと、また語弊があるかもしれませんけれども、ただいま申しましたような関係が、国民的に日本でも再認識されて、そうして各人がそれぞれの立場においてよい子を育てるという努力と意識が出てくることが、私は結局根本ではないかと思うのでありまして、そういう風潮を馴致し、拡大していくことが、政府としての役割ではないか、これは私見でございまして、そういったことを法務省総合研究所でもって学問的にも、実証的にも研究して、大いに世にも訴え、また、法務省所管の各機関においてもそういう気持でいろいろの施策をやっていきたいと、こういうふうに考えております。
○伊藤顕道君 従来は少年犯罪といっても、比較的年長の少年に多かった。それが一般的な傾向であったと思うのですが、最近特に年少の少年にまで、これが不良行為や犯罪が急激にふえてきておる、こういう現状に対しては、大臣としてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 特に最近の傾向として、たとえば今、少年法が年令の問題などでいろいろと論議があるわけでございますが、ただいま満二十才までが少年法の適用ということで、通例それ以下の者を青少年犯罪と俗に呼んでいるわけでありますが、特にその程度が、最近の傾向として十台の下にだんだん下っていくというところまでは、私は言えないと思うのでありまして、やはり十八才から二十ぐらいの問が、一番焦点であるように思います。
○伊藤顕道君 先ほど来大臣から犯罪問題についての対策がいろいろ述べられてきておるわけですが、結局補導とか、検挙、処罰、更生指導、こういう面は大事でありますけれども、特にその基本的に大事なことは、科学的な究明によって事前にこれを防ぐ、いわゆる予防対策が最善の方策だと思う。いろいろ御説明がございましたけれども、遺憾ながら、現状ではまだまだこの点に遺憾の点があるやに考えられるのですけれども、この点はいかがですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 御説の通り、その点も私まことにごもっともで、そういう感じが私も強くいたしましたので、今回の設置法の中にも、法務省としては、ほかのことはともかくとして、とにかくこの青少年を中心とする犯罪の予測から始まった一貫した政策を樹立しなければならないということを考えて特に取り上げて、政府としてもこれに相当の期待をかけておるわけでございます。たとえば、小松川事件で、先ほど申しましたように、あの少年が犯罪を犯す、あの犯罪を犯すまでに三べんでしたか、あるいは四へんでしたか、相当短期間の間に万引をやったり、窃盗をやったり、とにかく一ぺんは警察で調べられた。最初は学校の成績が比較的よい。あるいは家が貧乏で特に国籍日本国籍でないというような関係等から、それは割合簡単にいわば無罪放免になっておった。ところが、これをきわめて簡単な、機械というと大げさになると思いますが、科学的な少年の心理状態その他を検査、調査することができたならば、おそらくはこれは相当異常な反社会性を持っている少年であるということが発見されたのではなかろうかと思うのであります。ということは、あの犯罪を犯した後に相当の調査をいたしてみましたところが、もうまことに異常な心理状態であるということが発見された。こういったようなことが事前に行われたならばと、非常に私どもも遺憾の念が強かったわけでございまして、こういう点から申しましても、従来はともかく、まことに遺憾でありましたが、今後において、率直に申しまして初犯を絶対に防げるかどうか、その数を画期的に減少させることができるかどうかはわかりませんが、とにかく一度どこかの窓をくぐらざるを得なかったものについては、その再犯ということについては、相当の私は効果を上げ得ると思うのであります。たとえば、率直にいって、千人の少年が何らかの形で保護観察に付される。そうすると、この千人に対して乏しい人員でもってまんべんなく見ていこうとすれば、大きな穴があくかもしれない。しかし、千人に対して相当の科学的な調査ができて、そのうちの八十人がかりに特に反社会性が強いと認められました場合には、その八十人の少年に対して家庭の教育の協力を求め、あるいは学校の先生の協力を求めて、よく注意を怠らないでおりますると、これが犯罪からは遠ざかる可能性が非常に出てくるのじゃないか。そうすれば今まで千人にまんべんなくやっておったことを、集中して八十人に対して注意を怠らないということになれば、おのずからそこによい対策も、善導方策も出てくるのではないか、これがもうさしむきのわれわれのやるべき一番大きな任務であるというふうに考えておるわけであります。
○伊藤顕道君 そのうちの一つの方策である補導の面ですが、今私ども承知しておるのは、警察のパトロールとか、街頭補導、こういう点をしばしぱ街頭で見受けておりますけれども、そのほか具体的に何か補導の面でやっておられることがございましたら御説明いただきたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 犯罪のおそれのある、いわゆる虞犯少年等については、刑事政策的に見た場合には、現在は警察のいわゆる補導を行なっておるだけでございます。それ以外に今特に法務省としてやっておることはございません。これはあくまで警察にお願いをいたしまして、警察の補導ということをやってもらっておるわけで、なおこれらの関係につきましても、警察庁は警察庁として警察の立場におきまして、やはり青少年対策について、今回の予算あるいは法制上の措置もとるように御審議をお願いいたしておるような次第でございます。
○伊藤顕道君 大臣からの青少年犯罪の予防の一環として家庭、学校、地域社会、この協力の面が大事である、そういう意味の御説明があったわけですけれども、法務省としては具体的にはどういうような手が打たれているのですか。理論的には今、学校、社会、地域社会、この協力は非常に大事であるということはどなたにもわかる点ですが、実際にはどういう手を打って協力態勢をやるか、そういう点を……。
○国務大臣(愛知揆一君) 法務省で現にやっておりますことで、民間に対する協力の呼びかけはB・B・S運動というものをやっております。これはビッグ・ブラザーズ・アンド・シスターズという、B・B・Sという名前で、これは実は外国のまねを多少いたしておるわけでございますが、若い世代のりっぱな青年男女の人たちの組織によりまして、非行少年の、先ほど申しましたように公けの機関としての、公けの権力を背景にした刑事政策の具現というのではございませんけれども、若い人たちの自主的な気持でさらに自分たちよりも若い世代の人たちをよりよくしたい、また、若干の非行があった者については、これの善導をしたいという人たちの自主的な集りに対しまして、法務省としては非常に力を入れている、応援をいたしておるわけでございまして、全国の組織も相当りっぱになって参りましたし、それから地域的な活動もかなり最近は顕著になって、世の中の一般の方々からも注目を浴びてきておるような次第でございます。
○伊藤顕道君 先ほど大臣も触れられましたけれども、たとえば性犯罪とか、あるいは暴力、殺人、こういう非常になまなましい凶悪な場面の表現が、あるいはラジオで、あるいはテレビで、映画で、また出版物とか広告、こういう面に盛んに出されて、純粋な青年の頭に非常な有害な刺激を強固に与えていると思うのです。特に最近の映画なんかは、寝室のシーンなんか非常に場面を多くしておる、そういう傾向がいよいよ強くなってきておる、こういうようなマス・コミに対して、法務省だけではできないと思いますが、法務省としてはいかような対策を講じておられるか、こういう面を具体的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) これはことにマス・コミの問題に関連いたしますが、率直に申しまして非常に政府としてはやり方が困難なのであります。そこで、これはどうしても関係の方々の御協力によって自主的にやっていただくより方法がないと思います。それから、これも私の意見といたしまして、法令の力に待つというようなことはとるべきでないと私は考えておるのであります。そこで、たとえば今おあげになりました映画の問題につきましては、映倫というものが御承知のようにあるわけでございまして、映倫に対しましては、いつもこちらの見方というものを、できるだけ率直にお伝えするようにして、それを資料として映倫の善処をわれわれは期待をしておるわけでありまして、映倫としては、これは国会にもお呼び出しがあって、いろいろ御意見を求められたこともあるようでございますが、映倫としては最近非常にわれわれの考え方に共鳴をしてくれまして、相当の効果が上っているように思われます。ただ、先ほど申しましたように、アウト・サイダー的なものがなかなか業界の自主調整だけに効果が上らない。それから、これも先ほど申しましたが、マス・コミ協会ができましてから、私どもも努めてそういった会合等には出席をいたしまして、あるいは積極的にお願いして出席させてもらいまして、われわれの見方も腹蔵なくお話し申し上げた。そうすると非常にこれも効果がございまして、その関係の人たちの協力やその他に対しましては、私どもも非常に感謝をしておるわけなのであります。どうも、そういった協会自体でもやはり圏外にある人たちを押えることができない。ところが、これがまた非常に場当りのいろいろ売らんかなの企画をいたしますと、それが案外受けるというようなことがあって、なかなか事態は微妙な点があるのでございますが、私が今申しましたような、むずかしくはあるけれども、法規その他の力を振り回すのではなくて、やはりあらゆる機会に努力を尽して理解と共鳴を得るように努めていくべきであるということで、今後とも努力を惜しまないつもりでいるわけなのであります。
○伊藤顕道君 大臣は先ほどから、こういうような少年犯罪に対して、その対策の一環として、科学的しかも総合的な方策を打ち立てる必要があると、そこで法務省としては今回総合研究所を考えた。そういうふうな意味のお話があったと思うのですが、そこでここで言う科学的というのは、どういう構想を持った研究なのか、そういう構想について伺いたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) この科学的な取り上げ方と申しますのには、まあいろいろな面から先ほど申しましたように、まず犯罪の予測ということから最後のアフター・ケアまで一貫してどういうふうにやったらいいかということを、科学的に検討して、やるべき措置を結論づけていこうというわけなのでございますが、当面の研究所の事業計画としては、大体次のようなことを考えておるわけであります。一つは、少年非行の早期予測に関する調査研究、この中には先ほど申しましたようなグリュック理論というようなものが、日本的に実的に翻訳されて、いかなる方法、いかなる調査、具体的に震えば、調査表を個々の少年に対して適用することがよろしいかというようなことが、その内容に入るわけであります。 それからかりに釈放された者、いわゆる仮釈放者、あるいは少年院に収容いたしましてもかりに退院させる場合に、再犯をどうして予防するか。また、再犯の予測をいかなる項目について研究をして結論を出すかというような事柄、それから今度は矯正施設に入れました者、たとえば少年院あるいは医療少年院というような所、あるいは刑務所というような所へ入れまして矯正をするわけでございますが、その矯正の効果というものを、一体どのくらいに測定してしかるべきであるかということの研究ということも非常に大切であると思います。これには自由刑、特に短期自由刑の刑事政策的な効果をいかように見るかというようなことも、その内容になると思います。 それから現在は収容した者に対して分類ということも大切な仕事になっておるのでありますが、現在やっておりますような現行の分類基準というものが再検討されなければいかんのではなかろうか、同時に新たなる分類基準というものを作成しなければならんと思っておるのでありますが、これも当面の事業計画の中の大きな問題であります。 それからさらに科学的な処遇の実験的研究が大切である。その中にはいろいろの外国にも理論があるようでございますが、いわゆるカウンセリングの理論と実験的な研究をやりたい。たとえばモデル施設を設定いたしまして、そのモデル施設におけるカウンセリングの実験による研究あるいはまたグループ・セラピーの理論と実践、これもモデル施設における実証的な検討をやりたい。まあ、こういったようなことを初めといたしまして、理想といたしましてはまだまだ多くのことをやりたいのでありますが、その中には、たとえば先ほども御指摘がございましたが、一体不良文化財、映画なら映画というものの性的な映画というものが、少年非行にどれだけの影響を及ぼしているか。これはただいまのところ、先ほど申しましたように実証的に数字的に御説明するだけの研究はないのでありまして、諸外国においてはその辺の研究が非常に進んでおります。これが相当実証的なデータがはっきりしてくれば、おのずからそこからまた関係の人に呼びかける材料も出てくるわけであります。 それからまた、主要の都市における犯罪地図の作成というようなことも、これは非常に必要なことだと思うのであります。平たく申せば、町を明るくする運動とか、あるいはまた最近は町につける街燈を大いにふやさなければならぬということも言われておりますが、これもまあ主要都市、特に東京の中における犯罪地図の作成ということができますると、つまり的確な自信を持った対策がとられることになるわけであります。その他いろいろございますが、二・三の例を申し上げますと、そういう点を中心にやつて参りたいと思っております。
○伊藤顕道君 なお質疑を続行いたしたいのですが、もう時間も一時になりましたし、大臣の御都合も伺っておりますから、これで質疑をやめたいと思いますが、最後に資料の提出をお願いして本日の質疑を終りたいと思います。終戦後から現在までの年度別、それと、二十五才以下は年令別、そして犯罪種別、それの犯罪件数の一覧表、これを当委員会に御提出いただきたいということをお願いして、本日の質疑を終ります。
○松岡平市君 これは内閣ですから、法務委員会と違うし、あまりこの論議を進めたくないのですが、ただいま伊藤委員が御発言になったことに対して、法務大臣の御答弁と関連して、一言法務大臣の所見をただしておきたいと思います。それは先ほど伊藤委員が青少年の犯罪予防、犯罪に及ぼすマス・コミという言葉をお使いになったけれども、映画だとか、あるいはテレビだとかいうようなものの中で、非常な暴力の実際殺人、はっきり言えば殺人等の場面を、これは新聞などにも最近非常にやかましくいっているのですが、まあ実に繰り返し繰り返し実際にやっているところを見せるということで、年若い者に自由に見せる、テレビ等で性的な、まあわれわれが見てもどうかと思うようなものが、そういうものに好奇心を持っている青少年の前に、繰り返し繰り返しおくめんもなく繰り返される。そういうものについて、今大臣の御答弁を聞いていると、そういうものが青少年にどういうふうな影響を与えるかということについて、わが国は別段大した研究もしておらんし、外国にはあるが、これからやるといえば、またそのときにはそれを資料にして関係者にいろいろ注意も促せるであろうが、しかし少くともマス・コミの問題等については、法的な措置、権力的な問題のいろいろなことに論議を及ぼして、その方面で取締り、是正をするというようなことは考えておらん、こういうような法務大臣の御答弁によると、大体そのような御趣旨のように承われるのですが、これは私は必ずしもそういうふうに法務大臣が割り切って御答弁になることには、疑義を持つのです。たとえば深夜喫茶、ここにある年令の青少年が夜を徹してここでたむろしている、こういうことが、やはりこれは犯罪予防という関係ばかりでもないでしょう、青少年のいろいろなこれからの大きくなる上に、非常な弊害があるのだということで、これはやはり立法措置を講じまして、御承知のように深夜喫茶というようなもののあり方、そういうものをどういうふうに、これから風俗営業の中にでも入れるというようなことを、一応国会としてもごく最近に立法をして、果してこれがどういうふうに効果を上げるかは、これからの問題ですけれども、見るに見かねれば、やはりある程度の法的措置もやはり講じなければならぬ。今日あの映画を初めとして、もう何らの自制がないと、先ほど映倫とか何とか自制の話もありましたが、アウトサイダーがこれをこわしている。そういうような状況のもとにあって、何も外国だけで、日本にはそういう確実な科学的な資料がないから、どういう影響を及ぼしているか、これから研究しなければ反省を関係者に求められんというような事態ではないと私は考えておる。これは容易ならざることだと思っております。従ってこれを直ちに、どういうふうな取締りをするような立法を令しなさい、したいというようなところまでは、まだそれはそういうふうに私も法務大臣に要求すると、しなければならぬとは思いませんけれども、少くとも青少年の犯罪予防という立場からは、これは容易ならんことだと、これが関係者においてはおのずから自制されなければ、何らかの措置も講じなければ、青少年を犯罪に引っぱり込むというようなものは、これは阻止できないような情勢になるであろう。これくらいな考え方は、やはり法務省御当局もこの段階では持っていただいて私差しつかえないのだ、そうしていただかなければ困るのだ、こういうふうに私たちは考えるわけですが、この点について、法務大臣はあまりにはっきりここでそういうここはすべきではないかのような御答弁でございますが、やむを得なければ、これは政府提案であるか何であるか知らんけれども、そういうことも考えざを得ない程度にひどいものだというふうに考えておられるのか。なお、今り状況は何もそれほどまで考えんでもいいと、これからいろいろ研究もした上で、もっとひどいならば考えるが、この程度ならばやむを得んと、放任しておいてもよくはないだろうけれどもやむを得んというふうなお考えなのか。その辺が法務大臣の御答弁からは、少し私はっきりしないと思うのです。まあ、設置法のことについて関連がございましたので、私も一応関連して御質問を申し上げておきます。
○国務大臣(愛知揆一君) 私が申しましたのは、少し言葉が足りないと思いますが、科学的にそういった不良文化財がどの程度に非行少年に影響しているかということを、たとえば数字的にあげて御説明申し上げるだけのまだ用意ができてないという点は、その通りなんでありますが、しかしお話しのように、常識的に考えて、これはもう非常な影響があるということは、私も十分承知しているつもりなんであります。それだからこそ、すでに私も就任直後から映倫初め、その他関係の向きにも、再三私どもの見解を表明しております。そうしてそれによって相当の効果は私上ってきているように思うのであります。さらに実証的な研究も進みました場合において、さしむきのところ今すぐにどういう法律を作ると、あるいはこれを法令だけの力によってということは考えておりませんけれども、そういったような確信というか、どうしてもそこに至らなければいかんというときには、おのずから法律を立てまして、場合によりましては、そういう措置を講ずる必要があるかと思っております。
○松岡平市君 そうすると、このままで放置してはおけないのだ、しかしながら、それはぜひ一つ関係者の自制によって、いろいろ法的な措置を講じなくても、おのずから常識のある線までは是正されるものと法務大臣は期待しておられる。しかしながら、それはどうしても関係者の自主的な自制ができない、さらにこれがひどくなるというような場合には、これはどうもこのままでは、少年の犯罪予防の立場からも放置しがたいものであるというふうには、法務大臣はお考えになっていらっしゃると了解してよろしうございますか。
○国務大臣(愛知揆一君) その通りでございます。
○委員長(永岡光治君) 本案に対する残余の質疑は、なお後日継続することにいたします。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて下さい。 暫時休憩いたします。 午後一時九分休憩 ―――――・――――― 午後二時十八分開会
○委員長(永岡光治君) 委員会を再開いたします。 まず、茨城県百里ケ原における航空自衛隊の基地建設に関する件について、矢嶋委員から発言を求められておりますので、これを許します。
○矢嶋三義君 おそれ入りますが、緊急でありますので、百里ケ原演習場の件について防衛庁長官並びに農林大臣、あるいは農林大臣代理に対して簡単にお伺いいたしたいと思います。 まず、防衛庁長官にお伺いいたしますが、百里ケ原演習場はいつから工事を始め、その使用目的はどういうことであるか、お教え願いたい。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 百里ケ原飛行場は三十一年度に計画をいたしまして、工事を始めましたのは三十二年度からでございます。それから第二点の目的につきましては、御承知のように、関東地区に適当なジェット航空基地がありませんものでございますから、従来昭和三十二年度の防衛計画整備目標設定の当時から考究いたしました結果、百里ケ原付近が最も適当である、かように考えまして計画いたした次第であります。
○矢嶋三義君 これは航空自衛隊の所属と思いますが、飛行機としてはF―86Fを置かれることと思います。何機程度置かれ、また人員はどの程度置かれるつもりですか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 機数といたしましては約五十機、人員千二百名程度の予定でございます。
○矢嶋三義君 現在その工事の進捗状況はどの程度になっておりますか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 大体今日まで経費として使用いたしましたものは五億七千万円、また今後に使用いたします滑走路工事並びに用地取得費等合計いたしまして五億五千万円、従いまして、大体五割の完成をみておる、かような状況であります。
○矢嶋三義君 神之池という所に飛行場基地があるはずですが、あれはどういう機種を置き、いかなる目的に使用されるのでありますか。
○政府委員(山下武利君) お尋ねの点は、神之池という所だと存じます。茨城県の霞ヶ浦のそばでございます。当初防衛庁といたしましては、海上自衛隊で使いますP2Vの対潜哨戒機の基地を関東地区に設けたいということで予算も要求し、また地元ともいろいろ交渉しておったのでございますが、地元の了解を得ることが困難であったために、現在ではその計画は一応中止しております。
○矢嶋三義君 神之池の方は、地元の了解を得られないので中止をした。百里ケ原の方は、地元の了解が得られなかったら、これも中止するお考えですか。その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 百里の方は、最近までいろいろと地元の町の方々と折衝いたしました結果、ほとんど大部分の御了解が得られまして、ほんの三、四の少数の方々の御了解が得られないということでございまするので、なおこの点については、大体の御了解が得られたので、工事に着手をいたしましたが、さらにほんの少数の方々についても、一そう折衝をいたしまして御了解を得たいと、かように考えております。
○矢嶋三義君 その少数の方々の御了解を得ていないということは、長官として認識を誤まられておるのではございませんか。かつてこの問題であの町では対立があり、御承知のごとく、山西婦人町長が当選したという過去の事実があり、さらにその後いろいろと問題が起って、去る二月七日に町長はリコールされた。その投票の結果を見ると、きわめて僅少差であり、地元の情勢というものは、長官がおっしゃられるように、決して少数の方々の反対を受けているというような実情ではないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 選挙の問題につきましては、必ずしもそれだけが賛成とか反対とかいう理由ではないように、私ども承知いたしております。ただ、二月七日における投票の結果は、六百票余りでリコールがきまったということでございますが、当面の百里ケ原の基地につきましては、現在基地内において処理されておる問題としては、大部分の方々の了承が得られて、基地内の問題としては、ほんの少数の方のまだ御了解が得られない、かようなことで申しあげた次第でございます。
○矢嶋三義君 先ほど長官のお言葉の中に、賛否の理由はこれだけではなくて云々というような表現をされましたが、ほかにどういうことがあるのでございますか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) これは選挙には、いろいろなスローガンを掲げる向きもありましょうし、また、その人の個人的な事情、個人的なつながりということによって投票がされる、かような考えで申し上げたつもりでございます。
○矢嶋三義君 前長官以来、この百中ケ原演習場の設置については、工事を始めるについては地元と話し合いがつき、了解の上でやる。ある時期は、始めましたけれども、三十二年の九月に、一応話し合いで工事を中止した時代もあります。要するに話し合って、了解の主にやりたい、土地等は強制収用はしない、こういう基本方針も、中央においても、また地方出先機関においても公表され、地元と交渉をも持ってこられたわけですが、この基本方針は、新長官になってもお変りになっていないものと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 今日までのところ、お話し合いのついた部分について工事を実施いたしておりまして、強制収用その他の措置はとっておりません。
○矢嶋三義君 それでは一部了解を得ていないというのは、残った部分に対しましても、従来の基本方針通りに臨んでいかれる、かように了承してよろしゅうございますか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) でき得る限りお話し合いによって決定をいたして参りたいということで、目下せっかくお話し合いを進めておりますが、将来の問題について、絶対にやらないとか何とかいう、先々のことについて確定的なお話は申し上げかねますが、当面といたしましては、できるだけお話し合いによって進めていく、こういうつもりで努力をいたしております。
○矢嶋三義君 いずれ、将来この基地ができましても、やはり土地の人と精神的な結合をしなければ、私は航空自衛隊もお困りだと思うんですね。従って、決して私は拙速であってはならないと思うんですが、新長官になられて、前長官の基本方針がかなり変って参って、強硬方針に変ったように見受けられるんですが、前長官の方針を踏襲されてはいかがかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 実は私も長官就任以来、あの地へ参ってはおりませんが、あの地域についてはよく存じ上げて、かつては数回参ったこともございます。もちろん、基地とは何ら関係はないわけでございまするが、状況も知っておりまするし、またあの付近について、数十年来懇意にしておる向き等もありますので、その辺の事情は私自身、個人的にもいろいろと聞いてはおりますので、できるだけ円満に進めるということでやって参りましたが、前長官時代よりもドラスティックな、荒っぽい処置をとっておるというようなことはございませんで、あくまでお話し合いをできるだけ進めて、円満に解決したい、かようなつもりでございます。
○矢嶋三義君 これはこの地は、長官の郷土でございますし、私は格別配慮されてしかるべきではないかと思うわけです。で、この町の人といえども、同じ町に生れた者として、ともどもに生きながらえていくわけですが、ある事柄で徹底的に対立して、勝った負けたというようなことをはっきりして、お互いに対立感情をあおり、敵愾心を植え付けるというような行政のし方はしてはならないのじゃないか。その点で防衛庁は最近かなり積極的になり、挑発的な行為さえあるのではないかと思うのですね。たとえば私はちょうど東海村の原子力研究所と、それから原子燃料公社の東海精錬所を視察に参ったのですが、それはちょうどリコールの成立した二月七日でございました。地元の新聞にもいろいろと報じられておりました。地元民は同じ郷土の人でありながら、相当対立意識が上っておったようです。私は現地へ行ったわけではないのですが、土地の人から聞き、また茨城の新聞、ラジオで聴視したわけですがね。ところが、その翌日、お宅の方では落成式をして、そして軍楽隊を入れ、飛行機を飛ばすというああいうやり方というものは、およそ人の心理状態というものを全く無視した、力づくのやり方だと思うのですね。ああいう点については、私は少し反省されてしかるべきではないかと思うのです。あれだけリコール投票で対立して、そして七日に投票で、その結果がわかるというときに、おそらくそれを牽制する意味であったろうと思うのです。二月八日に落成式をやるということを大々的に宣伝して、そんなことを言ったって、二月八日には落成式をやるんだぞということを大いに宣伝しておいて、そして幸か不幸かとにかくリコールは成立した。そして争った者が、勝った負けたの感情にあるときに、さらにそれに、八日に、それ見たかという工合に、きわめて盛大と申しますか、これみよがしにああいう行事をやられるということは、これは適当でないと思うのだ、もう少し時を選ぶべきだと思うのですが、その点少し反省されてはおられませんか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 御指摘の点につきましては、私も当初二月一日、すなわち選挙最中に、西松建設において、所定の建設物か完成したので、完成式をやりたい、引き渡し並びに竣工式をやりたいということでございましたが、私は特に選挙中であることは適当でない。従って選挙の済んだ後にした方が、役所はこれに関与するわけではないけれども、一方役所としても、百里ケ原基地の内容というものについて、広く、矢嶋議員御指摘のように、地元の方々の御理解と御共鳴を得ることが適当であろう、かように考えましたので、施設の公開措置等についても考慮をいたしておりましたので、選挙の最中にやることは適当でないからおやめなさいという指示を与えて、その結果、二月の八日に相なったわけでありますが、当日については飛行場内においても、映画もしくは飛行機のいろいろな内容公開というようなことをやつて、自衛隊の、国民の、民防衛思想の普及ということも若干やったわけでございますが、それがあるいは混同されて、そのようなふうに受け取られたことはまことに遺憾と存じますので、今後はそういう問題について十分戒心をいたしたい、かように考えております。 ━━━━━━━━━━━━━
○委員長(永岡光治君) 質疑の途中でありますが、委員の異動を申し上げます。 塩原恵吉君が辞任され、前田佳都男君が選任せられました。以上御報告申し上げます。 ━━━━━━━━━━━━━
○矢嶋三義君 あの町のどなたもみな茨城県人ですから、そうして基地ができるできないにかかわらず、ともに生きていく人で、かりに基地が将来できたとすれば、地元になじみ、協力いただかなければならぬわけですから、よほど私は住民の感情というものも計算に入れて、対処されなくてはならないと思う。私はあのこと自体、非常にこれは人間感情を無視したやり方だなと直感したわけです。ところが、その後、町長選挙が公職選挙法で行われることになって、また、新たな行動が起つている。ともかくあの基地賛成か反対かというので、地元の人の意見が対立して争っているのが、あの町長のリコールであり、また、今度の選挙だと思うのです。で、ともかく民意というもりのは尊重しなければならない。民意がどういうふうに出るかということはきわめて公正に出てこなければならない。公正に民意の出るのを行政官としてはよく把握されて、そうして対処されなければならぬと思う。ところが、自分たちの予想し、また期待しているような民意を作るべく行動されるといことは、私は民主行政官として適当でないと思う。ところが、町長は、リコールが成立して、選挙となったところが、実質的選挙介入という行動が防衛庁において行われていることは、私はまことに遺憾なことだと思う。少くとも町長選挙は公正に行われて、民意が正しく最終的に現われるまでは、防衛庁はそういう行動を私は中止すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 本庁といたしましては、民意を不当に圧迫と申しますか、曲げるような、選挙に干渉がましいような行動をとってはおりませんです。ただ、御指摘のように、われわれとしては、公正に百里ケ原の必要性と同時に、御指摘のごとく、あくまでも将来基地ができた際には、地元全体の御共鳴と、御協力をいただかなければならんということで、常に話し合いをもって問題を処理いたしておるような次第でございます。従って各地から、あるいは賛成、あるいは反対というような格好で、いろいろな宣伝カーが来たり何かするというようなことも、全くわれわれの関知せざるところではありますが、非常に私どもはそういうことによって一そう不当に事能が刺激されるということについても、困惑をいたしておるのであります。
○矢嶋三義君 三月二日に地元の婦人の団体があなたのところに陳情に参ったはずですが、お目にかかりましたか。また、その話の内容はどういうものでございましたか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 私はちようど国会がいろいろとございまして、また夜分になりましてから、私は役所におりませんものでしたから、お目にはかかりませんでした。お目にはかかりませんでしたが、たまたまバスでおいでになって、現在当方でいたしております工事の中止方を要請されてきたという話を、直ちに役所の方から通知を受け、また一面、社会党の代議士の方々からもそういうお話が、電話を通じて私のところに参りましたので、役所の事情をお話しして、私どもとしては、この際、工事中止をするということは困難だし、また、役所の事務としても、そういうことで、工事中止をするわけにはいかないということで、よくお話を願ったような次第でございます。
○矢嶋三義君 私は、すべての事柄は民意を尊重してやらなければならぬ。そうして公正なる民意というものは、一応三月十五日の町長選挙に私は現われると思うのです。これは一つの大きな山になると思うのです、三月十五日の町長選挙は。それでどのような民意が出るか、これはわれわれ注視すべきことだと思うのです。その民意というものを尊重して、その後に問題にせなければならないと思うのです、だからあなた方としてとるべき態度は、この三月十五日の町長選挙に公正な、ゆがめられない民意が現われることを見守る、こういうことが基本的態度でなければならぬと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 基本的には私も同感でございますが、役所の事務として差しつかえないものについては工事を進捗せしめたい、かような気持でやっておるのでございます。
○矢嶋三義君 そこが防衛庁長官、問題だと思うのです。リコールが成立した後に、急にあなたはブルドーザーを入れて農道取りつぶし工事を始めたでしょう。だから、あそこで反対している人は自分の耕作地にも行けない。学校に行く子供は遠う道して行かなければならない。そうしてあなた方と志を同じうする町民の方々は何言っているか。反対派の者がいくらじたばたしたって、ちゃんとこれだけできているではないか、五割できているではないか、今だって着々できていっているではないか。山西町長をかついで選挙運動なんかやっているのは全く徒労だ、現実を見ろ、と言わぬばかりに、いや言わぬばかりじゃなく、実はそういう宣伝をやっているのです。選挙運動やそういう宣伝をやっているのです。事前運動においても……先日来選挙運動期間に入りましたが、そういう演説をやっているわけです。明らかにこれは三月十五日の投票日をマークして、リコール後急激にこういうことをやっている。これは私はおだやかでないと思うのです。しかも、あなたも茨城出身ですから、新聞等でもごらんになったと思うのですが、私も見たのですが、工事を真夜中にやっているのです。だからノイローゼになってしまうというのです。夜る夜中にブルドーザーを持ってきて、がちゃがちゃやっているから、ノイローゼになってしまう。そうしたあとで、ほれ見ろ幾ら山西町長をかついでも、こういうものがちゃんとできているではないかと、言うのでは、これでは僕は公正なる民意が選挙に現われるのを妨げると思うのです。そうしてかりに町長選挙の結果どうなるかわかりませんが、そういうしこりというものは今後残りますよ、土地の一人に。私は小川町の町民は不幸だと思うのです。そういう形で三十八度線みたいなのができるというのは。またかりに将来防衛庁の基地がそこにできた場合も、いろいろとわだかまりというものが残ると思うのです。だから少くとも長いことではないのですから、三月十五日選挙というのははっきりしているのですから、そのときに民意が出てくるのだから、それまでは工事をやめたらいいじゃないですか。それで火急じゃないでしょうが。ここまで来て何も真夜中までやる必要はないでしょう。即刻選挙が済むまで一応おやめになって、そして公正なる民意が町長選挙に出るのを見きわめた上で、おもむろに処理をしてはいかがですか。これは防衛庁長官、特にあなたの郷土の問題ですし、私は将来のことをおもんぱかって、そういう措置をなさるべきだと思うのですが、重ねてその点お答えをいただきたいと思うのです。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 私の郷土ではございませんが、いろいろな関係で親戚その他もございます関係上、事情を知っておるのでございますが、御指摘のような点につきましては、御承知のように先般も陳情者の方が参られましたが、御指摘のように、急激にというお話がございましたが、これは必ずしも急激でございませんで、前々県庁その他といろいろ折衝をいたし、政府部内において、何と申しますか、事務的な折衝の段階があった。その段階が片づいた結果、あのような工事を進めておりますわけで、私どもとしてはもちろん役所の工事の進捗ということが選挙に影響するとかなんとかということではなくして、一方において御指摘のように賛成派がどうとかいうことと、また反対派においては同じような宣伝をするということで、われわれも非常に工事進捗上迷惑をいたしておりますが、今のところ、地元の方々に通学に遠距離というようなお話でございましたが、あらかじめいろいろお話をした結果、誘導路の脇にわずか五十メートル程度遠くなる程度の別の補助道路も作りますし、また、一方採草地等に行かれる方々についても、通行には支障がないというような形にいたしまして、工事を進めておるような状況でございます。
○委員長(永岡光治君) 矢嶋君にちょっと申し上げますが、先ほど要望がありました農林省の政務次官がいなければ、農地局長ということで催促を委員長からいたしましたが、衆議院の農林水産委員会の関係で出席が不可能の状況で、そのかわりとして管理部長が出席されておりますから御了承ください。
○矢嶋三義君 それで長官、確かに狭義にいえば郷里ではない、あなたは千葉県ですから。しかし茨城の地元の小川の人は、いわば隣りです。お隣りから防衛庁長官が出たのだから、理解をもってやってくれるだろうという期待を持っている。そういう意味において郷土なんです、よその人じゃないから、茨城の人間の人情はよくわかるだろうという。ところが、あなたになって非常に強硬に出たので、地元としてはがく然としているわけです。だから良識派の人に聞いても、中立的な人に聞いても、選挙が終ってから、選挙中ぐらいは一つ待ってもらってもいいじゃないか。しかもこれ見よがしに夜中にブルドーザーを動かす。確かにそれではノイローゼになってしまう。その人たちに私は陳情を受けて直接聞いたのですから。だからそういうことはやめていいのじゃないか。今選挙期間に入ったのですが、その事前運動でも、選挙運動でも、基地推進派という人たちは、この間も落成式があって、飛行機も飛んだし、軍楽隊の市中行進もやつちゃったじゃないか。この前リコールに勝った勢いに変ってそういうことを言っている。今でもああやって昼夜兼行で工事をやっているじゃないか。山西町長をかついで、いろいろ選挙運動をしても何もならん、防衛庁はそういう考えだ、こういうふうに浴びせかけて言っているわけです。これでは僕は公正な民意というものは現われないと思う。あと何日ですか。その選挙直前から昼夜兼行でこんなものを始めるということは、何かの私は選挙に影響する意図というものを考えてやっているとしか思えないわけです。だから、多く議論いたしません、とにかく投票が終るまで今の工事をちょっと待って、選挙の結果、民意の現われ方を見守って、その上でそういう事態になれば、今片づかん話も私は話ししやすくなってくると思うのです。いずれになるかわかりませんが、新しい事態に即して処理しやすくなると思うのです。だから少くとも投票を終るまで、今やっている仕事を、何日間もないのですから、ちょっとの間ですから、僕はあなたの指示でストップさせればいいと思う。重ねてこれはお伺いします。 それから管理部長の庄野さんお見えになっているから承わりますが、農道を取りつぶしを許可したのはいつになっているか。防衛庁の出先機関は、あなたのところから出た農道取りつぶしの許可証というものを鬼に金棒という格好で、それをたてに大PRをやっているわけです。だから防衛庁長官の答弁のあと、その許可をいつ出されたか、そのときの事情はどうなっているかということも、あわせてお答え願います。
○国務大臣(伊能繁次郎君) どうも御理解の点について、やや賛成派が過大にいろいろやっているやのお話しでございますが、私どもは現地の事情も常に伺っておりますが、必ずしもそうでないようでございまして、選挙のことでございますから、これはいろいろといかなる大きい選挙、小さい選挙といわず、そういう問題に関連して宣伝されるということも避けがたいことだと存じますが、当方といたしましては、すでに官庁間において事務上の手続も済みましたので、工事を始めたような次第でございますので、残念ながら現在のところ、工事を中止するという考えはないということを重ねて申し上げておきます。
○説明員(庄野五一郎君) 農道の廃止でございますが、農道を廃止いたしましたのは、三十四年の二月の二十一日付で決定いたしております。それでこれは昨年廃止いたしました農道の残った部分でございますが、当時残しました事情は、ただいまは地区間には信戸という開拓者の方が一軒残られたわけでございまして、その前にはなお二軒、三軒あったわけでございます。三軒の営農上支障のないように農道は残してあったわけでございますが、その後二軒の方が土地を防衛庁の方に売られて、地区外に出られて、ただいまは信戸さんがおられる。信戸さんの農事の支障のない範囲を残しまして、三十四年の二月二十一日に農道の廃止を決定いたした次第でございます。
○矢嶋三義君 その通りですね。二月七日に山西町長のリコールが成立したわけです。そうして二月二十一日にあなたの方から許可があった。当然でありますが、農林省としては、農道のことであるから了解の上でやってほしいという希望を述べられたようなわけです。あなたの方は、防衛庁もそれを聞いておるはずです。これは当然だと思うんです。農民が幾ら反対しても、取りつぶしてしまえなんか農林省が言うはずはない。話し合いつけて、了解してやってほしいという条件をつけて出しているわけです。ところが現地では、この通り農林省の許可があったと、だんびらを振り回すようにやって、それであなた、三月十五日がこの問題についての選挙ですよ。この問題についての選挙であるのに、告示を直前にして、昼夜兼行して工事を強行すると、それほど私は火急な事態ではないと思うんですよ。どう考えてもこういう点は私は理解に苦しむ。同情しますよ、私は農民諸君に。いいですか防衛庁長官、二月二十一日会ってそういう話し合い、事務当局間でなされているんですよ。それを茨城の新聞にもでかでか出ている。あなたもごらんになったと思う。それを告示を前にしてこういうように昼夜兼行で、その人の家の近くにブルドーザーを持っていってぶるぶるやるようなことをやらんでいいじゃないですか、三月十五日選挙は終るんだから、その民意の現われを見きわめた上で、仕事を始めたらいいじゃないですか。だれが考えてもそうだと思うんですね。そうした方が、結局あとの処理がよろしいでしょう。それから将来の小川町政の円満という立場からもいいんじゃないですか。だから私は三月十五日、町長選挙の投票がすむまで今やっている工事をちょっとストップして、そうして町民を刺激しないで、民意の表われというものを見きわめた上で、その時点に立って善処されたらいかがですかというのです。これは条理を尽した、わかった話しだと思うんですよ。どうして防衛庁長官こだわるのですか。そうしたからといって、何も防衛庁の権威にかかわることでもないし、行政権を侵犯されるものでもない。私は再考をわずらわしたいと思うのですがね。小川町の将来のためによくないと思うのですよ。それから地元と防衛庁の協力態勢という上からいってもよくないし、また、当事者側の農民にも私はかわいそうだと思うのです。農林省当局にしても、できるだけその話し合いのついた上でやってほしいという希望と期待を持っていると思う。当然ですよ。三月士五日の投票がどういうふうに出るかはわかりませんよ、民意は。しかし、公正な民意が出たその時点に立ってものを考え、処理すれば、私はいずれにころんでも、私は処理しやすいと思う。だから先ほども申し上げた点、一応長官、何もこけんにかかわることじゃない。ちょっと投票が済むまで、今の工事をちょっとやめさせていただきたい。これは私はお願いもこめてあわせてお伺いします。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 農道廃止につきましては、政府部内のことでございますから、農林省といろいろ事務的にお話しいたしましたが、御指摘のように全体の問題としては、なるべく円満に話し合いで進めていくということについては、私ども終始一貫変らずやって参ったところでありまして、従って話のついた部分についての農道廃止ということで実施をいたし、現存している信戸氏に対する部分については、仕事上差しつかえないと、かような見地に立ってやっておりますので、だんだんのお話しもございまするが、現在のところは、私ども事務的な工事実施の都合上、せっかくの御希望でございまするが、工事を中止するという考えは持っておりません。
○横川正市君 大体その既定事実が五〇%以上進捗して、なおかつリコールを含めて民意がある程度賛成派の方に傾きつつある。だから防衛庁としてはそういう事態になったので、逐次その反対派が縮少しつつあるということを見越して、これに追い打ちをかけるという意思もあったのではなかろうかと思うのでありますが、先般辻政務次官が現地を訪問されて、新聞記者会見をされた際、これ以上工事の進捗を阻害されることは心外だから、強制収用をかけても、この事態を解決したいという新聞記者発表を行なっておるようでございます。これは今、防衛庁長官の答えられている態度と、それから言葉の内容、ちょうどこれは、あなたの真意を私どもがおもんぱかって、それを憶測するわけじゃないのでありますが、大体そう感ずるのは、もうここまで来たんだからやってしまおう、いささかの非難くらいは、これはもう防衛庁にはえてありがちなんだから、やってしまった方がめんどくさくなくていいんだというような答弁の仕方にとれるわけでありますが、辻政務次官が現地で言われたことも、これは当然防衛庁の一員として、重要な席にある人ですから、あなたも責任を負わなければいかんでしょうし、その言葉を裏づけするように、今、矢嶋委員に対してお答えしているということに対して、私はこの事態をここまで持ってきたいろいろな手練手管に対しても、必ずしも了承いたしませんが、この期に及んであなたの答弁に対してきわめて不満足だと思うのであります。辻政務次官がどういう任務を帯びて現地に行って、これ以上遷延するならば、強制収用かけるんだ、こういうことを新聞記者に発表されたのか、その点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(伊能繁次郎君) 辻政務次官は現地へ行って、あくまで当面の農民の方々と懇談をしに参っていることは、これは私承知いたしておりまするが、さような新聞発表を辻政務次官がいたすはずもございませんし、私は本人から何らさようなことを言ったということは聞いておりません。そうしてさい、ぜん来、矢嶋先生のだんだんのお話しもございまするが、私どもといたしましては、基地問題に賛成でなかった山西町長さん時代から終始一貫お話し合いで進めてきて、あの時代において、すでにほんの数人という形に、反対者と申しますか、土地を手放すことについて執着を持っておられる方々がほんのわずかになっておるということで、これは賛成派であるとかあるいは反対派であるとかということでなしに、ほんとうに地元の直接の利害の方々と終始懇談をして参っておって、選挙とかあるいはそういうような町の問題には私ども何ら関与をいたしておらずにやって参りましたし、辻政務次官もそういう態度で率直に地元の当面の利害関係を持っておられる農民の方々との話し合いについて、常々私もさように心がけ、政務次官もそういうつもりで出張いたしておりましたが、たまたまそういう話の出たということは、私直接辻政務次官から聞いておりませんが、おそらく何かの話の行き違いでそういう報道が出たと思います。私どもとしては、そういう荒っぽい考え方でものを処理しようとは考えておりません。
○横川正市君 辻政務次官の現地の発表をあなたは聞いておられないというなら、本人から聞いていただいて、これは放送ではありませんで記者発表ですから、記者がそのことについてはっきりと強制執行をかけると、こういうふうに言われたということを言っておりますので、その点の事実を本人から聞いていただきたいと思います。ただ、私は心理的に、小川町長をめぐっての百里ケ原の紛争というものを見ておりますと、あなたのこの事態のとらえ方というものの説明の中から、私はこういうふうに見れるわけなんです。たとえばあそこの最終的に残っている部分の人が残っているということは、これは相当程度他の第三者のないしは外部からの力が加わって、本人の自由意思とは別な方向に、きわめて熾烈な反対闘争でやっているようだ。だからその反対闘争をやっているそれ自体は、当人の直接利害者ではなくて、第三者の力が非常に大きな影響力があるのだと、こういうふうに情勢をふんでいるように私には見えるわけなんです。しかし、事実上現地に行っていろいろ調べた人のレポートとか、あるいは現地報告とか聞いてみますと、そういうことではなしに、あの選挙に現われたように、基地が設定されるところの恐怖感もあるでしょうし、事実上相当大きな音を立てて飛び歩く航空基地における被害の状況を相当知っておる人たちが、関連してあの周辺の人たちに話をして共鳴を求めていく場合があるでしょう。そういうことになれば、静かな何か作業場ができるのであれば問題がないことであっても、飛行場だから、飛行場に対して持っておりますいろいろな知識が反対の意思に結びついてくると、こういうことがあり得るのであって、この測量された地域内の三人なり四人なりの畑作の人たちの意思にかかわらず、私は相当周辺の人たちに大きな影響力を持った飛行場基地だというので、反対の意思というものが出てくるんだと、こういうふうに考えていいのではないか。そうすることが、今度の町長選挙の結果にも出ておりますように、全体的には三千何がしかとって、六百幾らか、七百票弱でもって選挙の結果がきまった。しかし、この選挙の結果というのはきわめて防衛庁にとっても重視しなければならない数であったというふうにとるべきだと思う。その結果が出ているにもかかわらず、さきには既成の事実として立ちのいた先に五割程度の建築を作っている。それからそれに引き続いて今度は百パーセントの工事に、どんどん工事を進めている。さらには今度の辻さんのように、強制収用の問題も出てくる。何がなんでも、あそこに防衛庁としてはジェット基地を作らなければならないという既成事実を作っていって、そうしてその上に立って仕方がないという賛成者、もちろん利害関係があって初めから賛成している者と、こういう既定事実を作られたから仕方がないという賛成者と、賛成者の側には質的な違いがあるわけなんです。その質的な違いを、前者の場合と後者の場合と比べてみて、たった六百、票ばかりしか違わなかった。ここに私は百里ケ原の置かれている現状というものがあるので、これを防衛庁として認識しないでこのまま続行するということは、言いかえれば私は、あなたが先ほど言っているように、農林省と事実上連繋がとれた、政府の方針はこうきまった、だから一般の市民はついてくればいいのだという、きわめて不遜な官僚独善の結果というものが、あの基地の最後的な決定を握っているように私は見るわけです。反対をする側に対しての非常に偏見的な見方というものを、私はあなたたちの見方の中に、たとえば宣伝カーが入った、あるいは赤旗が入った、これはよしあしを決定するときに、最終的には宣伝カーによって影響されたか、赤旗によって影響されたか、いずれにしても民主的な自分の意思決定をする場所を、そういういろいろなあたりの環境からこれは決定するのでありまして、それまで除いてあとは官庁の大きな力を持っている者、あるいは金力による者、あるいは町のボスによって意思を左右される者、こういうことだけにまかされて百里ケ原の基地設定が促進された。それが、あなたたちのやっていることは民意を十分そんたくしたことなんだ、こういうことには現状認識からはならないわけだ。その点を私は、あなたはもう少しはっきりと、今まで行なってきた事実は少くとも民意を十分そんたくしたのか、それとも国家権力を背景にした独善的な基地設定があそこまで工事を進捗させたのか、この点ははっきりとあなたの方から御答弁願いたいと思う。
○国務大臣(伊能繁次郎君) さいぜんも御答弁申し上げましたように、当初以来役所としてはかっての飛行場であった点その他の周辺、関東地域におきましては大体最も適地であると、かように考えまして話し合いを進めて参ったわけでございますが、たまたま山西町長さんが当選されてからも、賛成でない町長さんでありましたが、私どもだんだんと話し合いを進めていきまして今日の段階になった。これにつきましては、今御指摘のようなお話あるいは御意見等もございますけれども、私どもとしては今日まで終始話し合いでもって事を進めて参りまして、国家権力をたてにどうこうとかいうような問題、あるいは選挙等の関係につきまして、これは六百票がどうであったかという御意見がありますが、さいぜん、これも御答弁申し上げたと思いますが、個人的にいろいろな事情で山西さんに入れられた方もあり、また、個人的にリコールに賛成した方もあり、それだけの問題だろうと私どもも考えてはおりませんが、いずれにいたしましても、今日のところはもうほんのわずから方々、しかし御指摘のように何といいますか、基地について反対だという方がその当面の利害関係を持っている少数の人だけであるかといえば、それはそうではないということにもなろうかと思いますが、いろいろ私どもとしては、常にまず第一に最大の利害関係を持った人々とあくまで懇談をして事を決していくということで、さいぜんの農道の廃止の問題につきましても、二軒の方々の御了承を得て土地買収の手続も済まして、おまかせするということで、今日まで長い時間かけて参りましたので、今後もこういう形でもってやっていきたい、こういうことで工事を進めておるような次第でございますので、ただいま御指摘になりましたような不遜な考え方でやっているというわけでは毛頭ございません。
○矢嶋三義君 もう一点。長官、くどいようですが、ちょっとやっぱりあなたとズレがあるのですよ。結果を申し上げるまでもなく、三月十五日というのが公的にも民主的にも住民の民意が現われる時期なんですよ。だから三月十五日というものは、一応僕ら重視しなければならない日時だと思うのです。その点に私たちの質問のポイントはあるわけですよ。もう終りますが、その前に伊東農地局長に伺いますが、りに今のは農道廃止でやった場合、私は現地の地図を見たのですが、あのままであそこに反対者がおって、そしてF86をもし使うということになりますと、排気音で聴覚、その他に支障を来たしますね。それとエンジンの調整とか、あるいはスタート、そのときの爆風で人身に危害を及ぼすおそれがある。そういう事態になったら、これは相当に重大なことが起ってくると思うのですね。だから農林省当局としては、二月二十一日に農地の取りつぶしを防衛庁に対して許可をしたわけですが、これを使用している農民諸君の了解の上で円満に進めてもらいたい。この点については、農林省としては今も気持は変らないでしょうね。念のために伺っておきます。
○説明員(庄野五一郎君) 御質問でございますが、われわれ二年前にこの地域が航空隊の演習地となりますことについては、やむを得ぬというようなことで、全面的に一応内諾はいたしたような形に実はなっております。だんだん参りまして、今のような事情でございますが、そのときも極力現地の方々と納得した上でやってもらいたいということを、防衛庁の方にも申し上げておりますし、本件につきましても、私の方としましては、県等も通じまして反対せられる方に対しましても、今回のことは事前に申し上げたのでございますが、今御質問のように、極力問題は円満にやっていただきたいということについては、全然気持は変っておりません。
○矢嶋三義君 当然だと思うのですね。で、長官重ねて伺いますがね。三月十五日に民意が公正に出るということは私は大事だと思う。これは民主主義行政官として、基本的立場に立つべきだと思う。その時点に立って当然ものを考えればいいのであって、その時点に立ったら、賛成であろうと、反対であろうと、処理しやすくなりますよ。それならあとに残らないと思うのですよ。ところが、言論戦でやるべきであるのに、いろいろの手を打たれておる。お宅の防衛庁の体育館でも、非常にあそこに見学に来たのをサービスしたり、これは賛成をしたらこんなにりっぱなものが見られるのだ、こんなにりっぱだといって、えらいサービスしている。(笑声)笑い事じゃない。ほんとうなんだ。それから、賛成側の方では、御婦人とかお年寄りをバスに乗せて、東京にずいぶん見物に来ているのです。どこから金が出ているか、何台も来ますよ。陳情じゃなくて東京見物なんです。これなんか、三月十五日の選挙をマークして行われておる行為であって、このバスを防衛庁が運んだとは私申しませんよ。だれが運んだか知りませんが、とにかく、相当バスでお年滞りとか、御婦人方が東京見物に来たことは事実なんです。十五日の公正な民意を出すのを阻害していると思うのですよ。それに持ってきて、あなた方が、二週間や三週間で争う問題じゃないと思う。とにかく農林省から二十一日に出た。しかも、農林省は希望を付しておるわけです。ところが、それを夜間いじわるくも反対派の軒先に行ってやっております。こういうやり方は、僕は穂やかでないと思う。もしこれでやって、そのやり方向体もなんですが、かりにあなたが強行してやった場合に、今言ったように、F86でやりますと、排気音、爆発音で人身に障害が起るという事件が起りますよ。そうなりましたら、私はその責任を新たなる角度から追及いたします。伊能長官は、ものわかりのいいお方だと思っているのですが、時間がありませんから、気の毒ですから、私はこれ以上意見を言いませんし、お願いもしませんが、横川委員並びに私から申し上げた気持というものは、十分おわかりいただいたと思う。それで本庁において現地とも連絡をとって、もう一ぺんそのいずれになるかともかく検討していただきたい。そうして三月十五日まで防衛庁当局がどういう態度をおとりになるかというのを私は注視いたしております。その後に起る事態については、それと関連ずけて改めて私は対処をいたしたいと思いますが、これはあえて答弁を求めません。意見とお願いを込めて、これだけのことを申し上げておきたいと思います。
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、本件についてはこの程度に とどめます。
○委員長(永岡光治君) 次に、通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより本案の質疑に入ります。政府側の出席の方々は、濱野行政管理政務次官、中川通産政務次官、齋藤通産省官房長、説明員として佐々木行政管理庁管理官が見えられております。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○横川正市君 最初に行政管理庁からおいでの人に、二、三御質問を申し上げましてから、それから移りたいと思うのですが、さきに行政管理庁から、行政機構に対しての答申が出されておる。しかし先国会からとみに本国会にかけまして、行政機構の拡充ないしは機構の拡大等をはかっている向きが非常に顕著に見受けられる。さらに審議会制度もずいぶんだくさん作られておるようでありまして、さきの答申を見ますと、審議会についてもそれぞれ必要のものと必要でなくなったものとの区分をされまして整理をするような意見も出されておるように聞いておりますが、そういう行政管理庁の立場から、最近の行政機構の拡充、拡大、こういった傾向に対してはどのようにお考えになっているか、さらにどう対処されようとされているか、その点をまず一点お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(濱野清吾君) 行政機構の簡素化並びに人員整理などという御意見は、もうたくさん、しかも長年行われておったことでありまして、お尋ねの昭和三十四年度の定員増というような問題につきましては、私どもも十分検討の上、しかもあれだけの定員の増は、三十四年度の予算規模から見てやむを得ざるもの、こういうような考えで、御承知のように増員等につきましては承認したわけでございます。機構の問題等につきましても、私の方の権限のある範館内において十分各省とも折衝し、やむを得ざるもの以外はこれを認めないという、そういう方針で取り扱って参ったわけであります。 さらに第二のお尋ねでありますが、審議会並びに調査会等の問題につきまして、非常に法律案としても新しく出て参りまして、しかも非常に多いような印象を与えておりますが、先般の国会等におきましても、組織法第八条によるすなわち法律によることなくして審議会や調査会、そういうものを設けては相ならぬという強い国会の御意見もございましたので、従来法律によらずして閣議決定その他の方法において作られております一つの審議機関、あるいは調査機関というようなものは、この機会に組織法第八条の趣旨並びに国会の意見等にのっとって一切法律によるべきであるという態度を、私の方といたしましてもはっきりさせまして、そうしてそれぞれの役所に必要なる審議会等につきましては、法律をもって要請すべしとこういうことの結果、今まで閣議決定等によって置いた審議会等も法案として出てきたわけでございます。そういう事情でありますから、私の方といたしましても、将来お説のようなことについては十分なる関心を持ち、しかも十分検討して組織が増大にならないよう努めたいと存じておる次第でございます。
○横川正市君 今の答弁と事実とはだいぶん違っているわけですね。必要だからやむを得ないんだということでふえているのか、それともこの委員会あたりの審議の実情を見てみますと、大体まあ担当する省の委員会で行政上の組織を検討するということは、どうもやはり人情的になり過ぎるから、内閣委員会へ持ってきて全般のやつをやるんだ、こういうことになってきて設置法その他の問題は内閣委員会で担当するというふうになったわけなんですが、それでもまだ機構上の問題は、何といってもこれは官僚の特質として自分の機構は大きいほどいいわけですから、何だかんだ理由をつけて大きくしていくという傾向がどうしても見受けられる。だから必要か必要でないかということについての検討等については、行管では相当まあ私は慎重にこれは扱っているものとこういうふうに思っているわけなんです。で、大体この機構上の問題等については日常行管としてはどういうふうな監督といいますか、監査といいますか、事実調査といいますか、そういうことをやられていらっしゃるのですか。
○政府委員(濱野清吾君) 機構の問題等につきましては、それぞれの省の大体考え方をまとめて私の方の監理局に折衝をして、そうして監理局は自分の所属する機関すなわち管理官等と十分検討をいたしまして、そうしてこれが法律案として出してよろしいかどうかというような手続をとって、初めてその原省の方からそうした機構の問題についての法案が出るわけでございます。
○横川正市君 そうするとまああの設置法の系列を見ますと、一つの国会に二つか三つの設置法が通って、そして一つの官庁の機構がある一つの段階を作ってしまう。そうすると、その次の国会には必ずまた二つか三つ省が機構拡充の法律案を出してくる、そういう引例から今回の国会には文部省、それから郵政省等官房長を含めた機構改革まで、理由を聞いてみると大体各省この級別等級等の系列から均衡をとりたいという傾向が大体主のように見受けられる節がある。これは私は一つの既成事実を作ったらあとはあなたの方が管理監督しようがどうしようがかまわずに、各省の機構というものはどんどん大きくなってきている、こういう一つの現われじゃないかと思うのです。ですからそういうことは保守党の現在の内閣でも、この機構についてはこれは拡大しないで簡素化して、少くとも判こを押すやつは一つでも少くして事務能率を上げていく、これが看板なんですね。しかし、その看板がいつのまにか事実とは塗りかえられてどんどんふえていっている。こういう事実をあなたの方ではこれはやむを得ないとお考えになっているのでしょうか。それとも仕方がないが、どうにもならないといって手放しにされておるのでしょうか。もう少し事実に突っ込んで、そしてこれはいいとか悪いとかと的確な指示、指導というものが必要だと思うのですが、その点はどうでしょう。
○政府委員(濱野清吾君) 確かにお説のような状況でだんだん機構が大きくなり、そうして行政の経費が膨大になってくる傾向がある。これは私どもも今までのしきたりを見て同感でございます。そこで、私の方といたしましては一面社会的にも機構の改革、行、財政の整理は、与党野党を問わずに一つの念願でありますから、行政管理庁としてはできるだけ、不用とするものは押えていこう、実は正直に言って押えることに専念しているというのが実情でありまして、私の方といたしましても、やはり法律上の特殊な強力なる権限がないものですから、やはり役所と役所の間の折衝を経なけれぱなりませんので、見ようによっては、ずるずるひつぱられていっているのじゃないか、こういうような見方もあるかもしれませんが、私どもはこれで一生懸命に実は押えているわけでございます。従いましてはっきり申し上げることのできるのは、将来、その今までは官僚と言っては、大へんたくさんいる官僚の中で失礼でありますが、非常に安易な形で、そして審議会等におきましても専門的な知識を求めるためとは言いながら、だんだんその機構が大きくなっていく傾向もございます。こういう問題につきましては、山口長官就任以来思い切ったことを実はやって、勝手に審議会はもう作らせない。少くともそこに理論のある仕事がなければ、行政機構の拡大は押えていこう、こういうわけで実は同じ役所であるにかかわらず一生懸命努力しているわけであります。しかしながら、及ばずして御期待に沿わぬではなはだ遺憾と考えているわけであります。
○横川正市君 あの行き方としては私たち非常に納得できないのは、たとえば行管の山口さんが、定員法の問題は、また別の機会に法律案がかかってからまたその審議をいたしたいと思いますが、一例を申し上げますと、北海道開発庁の場合ですね。機構上の問題としてはどんどん仕事がふえてきまずから広がってくる。ところがその定員が十分に取れない。そこでどういう操作をやるかと言ったら、今度何か測量設計課みたいなものを作って、開発局の中にいる測量関係のものを全部ワクをはずしておっぽり出してみて、そして定員はその中に埋めて広がった事務をのせていく、こういうこそくな手段を行管自体が、山口長官それ自体がやっているわけなんですよ。私はこれは行啓と個人と余り結びつけたくありませんが、非常に便法的に物事を片ずけ過ぎるのじゃないか。そうして便法をとっておれば、そのうちにだんだん複雑になってしまって収給がつかなくなるというのが、これが機構なんですよ。ですからそういう収拾がつかなくなると、今度は機構いじりに終始して、いつでも機構いじりに終始して実績が上らないという結果が出てくる。だから行政機構を簡素化して明確にしたいというのは、これは吉田内閣時代からの一貫した方針であって、そういう複雑なやつをなるべく簡素化し、なるべく事務の能率が上るようにするというのがねらいだったと思うのですよ。しかし、事実はそういうあれとは離れて、やはり何かごそく的な手段に堕してしまうという傾向があるのですが、ここらあたりで一つちゃんと腰をすえないと、この問題は相当問題になると思うのですよ。同時に今国国会は間に合いませんでしたが、おそらく来国会に国家公務員全体の制度について一本出るわけですね。これは任用とか、身分とか、それから等級とか、そういうもので一本出ると同時に、私はその人間についた当然のポジションというものが、これは構想として生れてくるだろうと思う。そうなってくると、今のように乱発式にやっていたら、今度はせっかくできた公務員法が、これはいいものになるか。悪いものになるかわかりませんが、今度は作ったものを機構にはめて動かしてしまって、制度はりつばにできたが、機構ですっかりこわされてしまうという結果にもなりかねないというふうに思うのです。ですからそういう意味合いから、行管でもう少し罰則だとか何とかそういうことでなしに、各省庁とよくお話し合いになって、機構上はもう何回もいじらなくてもいい。だれが見てもりっぱだというものを作り上げるようにしていただきたい。それは、早急に出さないと、今言ったように、次の国会では必ず人間の方の体制ができるわけですから、機構上の体制ができないということになりますと、両者相待って動くということは期待できない。そういうことになりますので、その点で一つ十分早急に検討した結論を出していただきたい、こう思うのです。 それからもう一つは、この審議会なんかの問題なんですが、今度の、通産省との関係もありますが、これはちょっと私聞いてみたのでは、少し例外のようでありますが、きのうも実はあなたの方へ審議会のことについて、一体どういうふうに作られ、どう運営されて、しかもそれが能率的、作られた審議会の目的を達しているのかどうか。ことに、委員の人たちが真剣に委嘱にこたえて動いてくれているのかどうか。その実情調査を御依頼申し上げたのですが、けさになってから、できませんからといって断わられてしまったわけです。全然これは、きょうあなたに来てもらっても、私の方から質問する材料がその点では欠けたということになるわけですが、これはいわばあなたの方は、おざなりに、審議会は各省と連絡をとって、そうしてこれは仕方がないから、あなた方は法律として国会に出しなさい。あとは私は知りませんという、まあ末々まで見ていかない欠陥だと思います。そうでなければ、これだけの資料が一日くらいでできなければ私はおかしいと思うのです、実際には。ところが、そうでなしに、実際は投げやりにして、各省にまかしておりますから、各省ではどう運営されているか、行管で調べるのに十口もかかります。こういう結果に私はなってくると思います。十分一つこの点は注意されて、常に国の行政が動いているのを、あなたの方でつかんでおらなければ、だれもっかむところがないから、しっかりしていただきたいと思う。
○政府委員(濱野清吾君) お答えいたします。一番私の方としてもちょっと手早く仕事がいかない点をお尋ねでありますが、実は審議会等の委員などにつきましては、お話しのような点のあることは事実であります。従いまして、委員会の成果が必ずしも百パーセント達せられたとは、私自体も見ておらないわけであります。過般の内閣委員会等におきましても、実にその御意見がございまして、いろいろ調査をいたしましたところ、各省に作られている委員会の委員などで、タブっている方が非常に多い。そういうことは、国会の御意見もありましたから、直ちに山口長官にお話と、そうして現状を正確に、各省から委員のメンバー等も、氏名を提出してくれるように事務をとり、その半面において、政府に対して、こういうような委員が、たくさんの数をダブって、委員会の構成が常に正確に、正常に運営ができないというようになっては、帰するところ行政効率を阻害するものであって、行管としても黙っていられませんから、この問題については各省大臣は十分、委員の任命等につきましては考慮の上、その措置をとられたいということを、閣議で私の方の大臣から発言していただきまして、総理からもそれぞれ注意を喚起していただいているようなわけであります。そういうような事情でございますから、その点は一つ御了承願いたいと思います。
○松岡平市君 ちょっと関連して。今の横川委員の質問に対する御答弁のうち、今度かなりたくさんの各省設置法案が出たのでありますが、そのうち、幾つも審議会、調査会等を新しく設置することが出ておるということについての御答弁のうち、審議会あるいは調査会というものを法律に基かずして作っておるのは不都合であるという、国会等の強い御意見もあると、こういうことですが、おそらくはこの参議院の内閣委員会における千葉委員のこれについての今までしばしば繰り返された意見についておっしゃったことだと、私は、大体そういうことだと了解しておりますが、そういうこともあるから、今度は各省ともすべて審議会等は法律において出すことにしたのだ。こういうように受け取れるわけです。そういたしますと、従来、他のいろいろな、各省庁において法律に些かずして設置せられたままになっておる審議会、調査会、こういうものの処置は、これは一体どういうふうにされることに、行管の方では基本的に御決定になったのか。これは、きょうは千葉委員が留守でありまして、御質疑がございませんけれども、おそらくはこれらの問題が最後に結論を得るまでには必ず出ると思いますので、むしろ与党であります私から進んで、この問題についての行政管理庁の今日の御決意とか、御決定がどういうふうになっておるのか、せっかくおいでになったのですから、明らかにしておいていただきたい。
○政府委員(濱野清吾君) 法律に基かざるものは、将来私どもとしては許さないというかたい方針を堅持しております。さらにまた、法律によらずして調査会、委員会のできたものにつきましては、いろいろただいま調査をして、そうしてあらためて法律に出直せ、こういうことを強く要請しているわけでございます。さらにまた、将来法律に基いて審議会、調査会を設ける必要が、臨時に緊急にできた場合はどうするかというようなことにつきましていろいろ検討をして、そうしてこれに対処したい、こういうような考えでございます。
○松岡平市君 そうすると、一番しまいの、緊急に必要な場合の処置等についてどうするかという御決定がないようでございますが、私は一番この問題については、このことについてどうしても考えなければならぬ問題だと思うのでありますが、少くとも今の次官の御答弁では、委員会、審議会等は、法律に基いてやりたい。違法であるとか違法でないとかいう論争は、今なお決定されておらぬ。今日の法制上、違法であるかどうかは別として、少くとも疑義があり、あるいは望ましくないということであれば、これはやめて、一切法律に譲ろうじゃないか、これは基本的におきめになったように今了解いたしました。ところが、私が今お聞きしたいのは、今までに法律によらずしてある審議会、調査会、これを、今のお話しでは、そういうものは各省とも検討しろ、こういうようなふうなところまではお手配を願ったようだけれども、これは私は、そういうふうに、大体、行政管理庁、まあ、政府がそういうふうな御態度をおきめになれば、どうしても必要やむを得なければ、今度でも十幾つもの設置法の改正が出ておるのですから、そういうものが必要ならば、あと幾つもないから、あと残った者、これはそれぞれこの機会にむしろそれらのものを必要なものは必要だということで、にわかにこれを廃止することができないものは、この機会にすべて法律によるように私は設置法の改正を全部企図せられるのが正しい態度であって、それらのものはいずれそのうち研究するからということで残されるということは、いささか態度を御決定になった政府の態度としては、私はどうも与党ながら満足できない。で、今日新しく設置法で調査会あるいは審議会というものをほかに幾つも幾つも御設定になっておる。そうであるならば、この機会に問題になったものを検討して、そして必要でなければ廃止すればよろしいし、どうしても残さなければならんものは、これはちゃんと立法措置を講じて、ここへ一緒にお持ち込みになって、自今、今少くともある審議会、調査会等においては疑義のないようにされて、そして今おっしゃったように緊急な場合はどうするかということについても、これは当然立法措置を講じて持っておいでになるべきものだと私は考えるんだが、そういう措置を、まあおくれておるけれども、これから先でおとりになるのかどうかですね。これは特に審議会、調査会の設置を含んでおる各省庁の設置法の今度の一部改正につきましても、これから私たちはこれをどうするかという場合にきめなければならん基本のことだと思う。あとでそういうことをおやりになるつもりなのか、これは何かの事情があってそれまではやらないのか、この機会にお答えを願っておきます。
○政府委員(濱野清吾君) 今、松岡さんのお話しでありますが、閣議決定によって作られました委員会等は、今日いろいろと御注意を受けまして、管理庁が大いにがんばりまして、そして閣議だけで決定された現在持っている委員会はまあ八つほど、これらについてはすみやかに立法の措置をとって、そしてこれを合法化してもらいたい、とかく疑義のある問題は、私の方としても非常に迷惑だということをさらに追加して申し上げることをお約束できると思うのです。そしてまた、行政は生きものでありますから、国会の開かれていないときでも、たとえば飛行機事故などで、ほんとうに専門家の、専門的な研究をしてもらわなければこの事故の原因等がわからないし、将来に対する対策等もできないというような場合には、やはり臨時的に作るような場合もあろうかと思います。この場合はやはり立法措置をとって、そしてそういう臨時的な、しかも緊急を要するものに対しましては、適当な措置をとれるような基本的な立法措置もただいま研究しているわけでございます。これで御了承願いたいと思います。
○委員長(永岡光治君) まだちょっと委員長から御質問したいわけですが、今松岡委員、横川委員に対する濱野政府委員の答弁があったのですが、閣議で決定されておるものは八つあるんです。法律での審議会、それは二百三十七合目ある。非常にたくさんある。その閣議できめられているものの中で、この国会に出されているものが一つある。法律で審議会を作るというならば、ついでになぜその八つを一緒にやらなかったのか、その点、私非常に不審に思う。どうして閣議決定やったものを、その中の一つだけ今日出して、あと七つ残しておるということはどういうことなのか。
○政府委員(濱野清吾君) 具体的なことは私よく承知しませんでしたが、この八つのうちで期限を切ったものがありまして、この三月末日にはその審議会が消えてなくなるものもあるようでございます。そういう大がい期限を切ってございますが、そういうようなものをにらみ合せて、そして一応この後の問題にはこういうものは許さないという態度でそのままにしてあるというようなことがあるのてございます。
○伊藤顕道君 せっかく行政管理庁から見えておりますから、関連して一点だけお伺いしますが、先ほども横川委員から御指摘のありましたように、行政審議会という一つの政府の機関が、機構の簡素化とか、あるいは責任体制の明確化、あるいはさらに新設を極力廃止して改組、そして活用と、こういうことを答申の中で強調しておられるわけです。ところが、一方では各省庁というこれまた政府の機関であるこういうふうな省庁が競争して機構を拡大、複雑化しておる。現実に年々そういう方向へ走っておるわけです。これは何といってもその調整のための一つの使命をもって行政管理庁があると思う。にもかかわらずこういう事実を、事態をそのままにしておくということは、これは何といっても行政管理庁怠慢のそしりは免れないと思うのです。非常に責任が重大だと思うのです。その点でどういうふうに責任を感じておられるか、また、今後どういう決意でこういう点を審議会の精神に沿うよう善処しようとしておられるのか、その決意のほどをお伺いしたいと思います。
○政府委員(濱野清吾君) 非常に大きな問題でありますから、次官がお答えするよりは、直接、長官に将来の機会に御出席を願っておいて、そうしてお答えする方が適当かと存じますが、私どもの行政審議会の答申を、本年の一月末日に実はいただきまして、そのことによって私どもは一生懸命調査をしているわけでございます。しかし、御承知の通り行政機構の問題はいろいろと長い沿革もあり、さらにまた、予算がそこに組まれ、そこに定員の配置があって、いわば民間の仕事とそんなに違わない実際の仕事を持っておるものでありますから、各省との折衝等においても相当困難な点がございます。もちろん平地に建物を建てるような、一刀両断にいけばいいのでありますけれども、なかなか今までの歴史と、それから仕事の調整などを考えますと、なかなかその答申案のようなわけにはいかないのであります。私どもといたしましては、さしあたりこの答申を尊重して、たとえおくれておっても、できるだけこの国会のうちに行政の簡素化を一つやりたい、こういう決意でもつはら作業中でございます。しかしこういう反面において、行政管理庁は新しい機構をどんどん許しているじゃないか、こういうような御意見でありますが、私は外部から見ると、そういうふうに見られるだろうし、また、そういう御批判をされることももっとものようにも見えますけれども、しかし実際は私はそうでないと思うのです。私も長官も、実はこういうことを考えているのです。これは機構や定員の関係はもちろんありますから、むしろ率直に申し上げた方がいいと思うのでありますが、行政機構改革というやつは、むやみに人の首を切ったり、機構を切ったり離したりするようなことが、すなわちほんとうの意味の行政改革ではない。私は保守党がやった吉田内閣当時におけるあの行政機構、人員の淘汰というような跡を実は見ているのでありますが、あれがほんとうの意味の、行政機構、あるいは定員というようなものを減じて、そうして国のためになったかどうかというようなことを今、いろいろ検討しているのですが、私はあれは必ずしもほんとうの行政機構、行、財政の整理というようなものじゃなかったと、私は実は今日まで疑問に思っているわけであります。そういう理論的根拠は、何といってもこれだけの膨大な公務員と、そうしてこれだけのしかも大きな組織の中に活動していただき、しかも、これだけの大きな予算を遡行するのでありますから、やはりその必要な面だけにはそれ相応の能力のある、資格のある人員が必要でありますし、また、機構上やはり何でもかんでも切ってもいいというようなものじゃございません。従いましてただ機構を切ったから行政改革の趣旨が徹底したとか、効力があったとかと、ただいちずに見られることは、これは一つ前の歴史を見ていただいて、批判してもらわなくちゃ困るんだ、ですから私どもは行政改革をやりますし、機構の改革もやりますけれども、できるだけその実際に沿った改革をやりたい。それから定員というような問題につきましても、実際に沿って、こうすれば行政の効率が上るんだというような方針でいきたい。従いまして行政機構の一つの機関を多くしても、それが非常に行政の効率が上ってくるんだというならば、これは一つ国会においても承認していただきたいものだ。定員がふえても、これは正当な理由があって減らすわけにはいかない、むしろこれだけの定員を増すことによって、その行政効率が高められるのだという、そういう見通しが大体ついてくるならば、これは国会の方としては認めてもらいたい。吉田内閣当時のように、人間を天引きで二割切った、一割切ったから、それは行政改革が成功したんだという、そういう形の上の行政改革では、効率化ということはナンセンスだ、こういうふうに実は考えておるわけでございます。従いまして、国会からごらん下さいますれば、非常にどうも二面においてはふえているし、お前は改革をやると言いながら、一向にどうも逆コースをとっているんじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、やはり行政事務であっても一つの仕事でございますから、仕事の効率をもっと上げるという、そういう民間側のいわゆる仕事と同じように、やはり役所の仕事も効率の仕事、こういう見地に立っておるわけでございます。私どもの生命は、どうせ政務次官でも大でも一年くらいでありますから、われわれのこの考え方が一体どう実現するかは、私の時代にはわかりませんけれども、やはり日本の行政改革、機構改革、あるいは定員というようなものは、はっきりした答えが出るように考えていくことが望ましいことであって、機構をふやしたからといってこれは議論すべきじゃない。果して理由があり、効果があるとするならば、早く民間と同じようにその効率と対比してふやしてもしかるべきものだ。定員をふやすのもやっぱり同じ理由である。ただ、その不必要なところに不必要な人間を遊ばして、そうして国を滅ぼすようなやり方はとりたくない。吉田内閣のやったようなやり方については、私は非常に疑義がある。これは政府ばかりでない。日本の官僚がそういう勝手なことをやったのだと思いますけれども、私は真剣にそう考えて忠実に管理庁の仕事をやっていきたいというようなことでありますから、どうぞ一つ私どもの気持も御理解願いたいと思います。
○伊藤顕道君 具体的な問題で一つ伺いたいのですが、先ほどもお話が出ましたが、現在ただいまで官房長の置いてないのは、文部省、郵政省、法務省ですが、ところが今回の審議で、文部省と郵政省は官房長新設の法案を出しておるわけですね。ところが法務省については、文部省と比較いたしますと、文部省の官房のおそらく三倍も大きいであろう、そういうふうに考えられる。このように大きな法務省であっても、いささかも官房長を新設する必要を認めていない、そういうふうに言われておるわけです。これは非常に不可解なわけですが、これは納得いかない。こういう点は同じ政府の機関が、そういう不可思議なことを言っておるのです。私どもの理解のできるようによく一つ御説明をいただきたいと思うのです。
○政府委員(濱野清吾君) この問題は、私専門家でもございませんからよくわかりませんが、元来人事、会計、文書などをつかさどるのが官房でありまして、最近では行政事務が非常に複雑化してきた。さらにまた、その執務量も非常に多くなってきて、そのために今日では各省庁においても総合調整というようなものが必要になって参ったと、こういう前提でございまして、ただ法務省は、ああした仕事の本質にかんがみて、総合調整というようなものは、文部省や郵政省と違いまして比較的少いのだ、こういうような見地に立って、私の方も許す必要はなかろう、また向うでも、総合調整事務を私の方で検討しているものですから、向うでも、どうも言い出してもというような意見もあるのじゃないかと思いまして、要求をして参りません。こういうような事情でございます。こまかいことは政府の管理部門から申し上げます。
○横川正市君 行政管理庁の方はもういいですから、どうも…… 通産省の設置法の問題で、ちょっと二、三点お伺いいたしたいと思うのですが、この基本になっておりまする鉱業法が明治三十八年ぐらいからで、実際には現行のは昭和二十五年の十月に制定された法律で、現在十年ぐらい実際にこれによって運用されて来た。しかし、経済その他の変動に伴って、明治三十八年当時制定の鉱業法を基礎としたものでは、実際には当てはまらないのでこれを改正したいという意向が、これは衆議院、参議院両商工委員会で議決をされたということで、今回その一つの現われとして審議会を設置する、こういうことになったようでありますが、これは非常に差し迫って改正をしなければならないという意思が、衆参の両商工委員会から示されたものと理解いたしますが、さようですか。
○政府委員(齋藤正年君) 衆議院の商工委員会の決議が、すみやかに根本的改正のための措置を講ずべきであるというふうにお示しになっておりますが、実際問題といたしまして、実は前国会に一部改正を出しましたのでございますが、これはやはり現実に、実は特にこれは石炭関係が多いのでございますが、いろいろのむずかしい問題が生じまして、その調整に非常に苦労いたしております。このままでは、どうも今後行政の運営が十分現行法だけではどうもやっていきにくい、いずれにしても非常に根本的な問題でございますので、今すぐ簡単に結論が出せないので、ごく手続的なことだけを前国会で修正をお願いいたしまして、根本的な問題については、至急検討にかかるということで、今回審議会をお願いすることにいたした次第でございます。
○横川正市君 通産省としてこの鉱業法を改正しなければならないといういろんな理由が幾つかあがっておりますが、これについては、もうすでに具体的な調査事項、それから案件に対しては十分参考とする資料等を提出するような準備ができているのですか。
○政府委員(齋藤正年君) この改正案の内容につきまして、参考資料として具体的にこういう問題点があるということを七項目ばかり印刷してお配りしてございます。この中には、たとえば予備鉱区制度のようなあるいは試掘権制度のような、何と申しますかこれは一つの考え方と申しますか、要するにそういった鉱業権というものをどう考えるかということに関するいわば法律理論的と申しますか、あるいは技術的なものがございますが、こういうものにつきましては、むしろどういうふうに考えるかというところが大事でありますが、先願主義の問題でございますとか、一鉱区一鉱業権制度の問題でありますとか、あるいは地上権と鉱業権との調整の問題、こういった問題は、もう実は長年のこういうトラブルがたくさん積み重なっておりまして、とても答え切れないくらい材料はあるわけでございます。ただいま具体的にじゃどうするか、たとえば先願主義について、先願主義というものをやめるというような方向に対して、考え方がきまって、その線で資料を集める、それも整備されておるかどうか、こういうふうなことになりますと、とてもそこまでいっておりませんので、先願主義というのは、鉱業法の憲法みたいなものだと今われわれ考えてやって参りましたので、それをどうするかということは、むしろ率直にこの方面の法制並びに実務の大家の御意見を伺って、それからあらためてわれわれの態度をきめたい、そういうことで、これについてはまだどうするというところまで参っておらない次第でございます。
○横川正市君 これは商工委員会の方で作られた新しい鉱業法に対して、審議のときに十分検討される問題ですから、ここではあまりお聞きしても、大してここでの結論というものは得られない問題なんですが、ただ、私は衆参両商工委員会の議決事項から見て、附帯決議された問題から見て、この審議会の設置については、これはやむを得ないものというふうに思うのでありますけれども、どうも運営を見ておりますと、問題が問題だけに慎重を期すというのか、そういう点があるかもわかりませんが、大体委員が二十五名選ばれて、そうして基本制度部会と実施調整部会の二つにして、しかも、それがそれぞれ月六回なら話がわかるのですが、年六回打合会をやって、そして総会を年に二回開いて、しかもこれは二年間やるのだ、こういうふうになると、これは基本的には改正しなければならぬという意思が全体的にあって、それから改正する項目については、ここにあげられているように先願主義の再検討とか、一鉱区一鉱業権制度とか、その他四つばかりありますが、こういうものをあげられて、そしてこれは民法上いろいろな先例その他いろいろの決定されたものがあると思う。それが当面、合理的であったか、あるいは公平であったか、こういったことは別問題として、新しい経済情勢に対処して鉱業法を改正するのだという、こういう一つの目標ができておるわけですね。ここまでで来たら、要望もあることなんですから、もう少し積極的に会合を開き、審議会には御苦労でありましても、そういう協力をしていただいて、少くとも短時間に結論を出すと、こういう努力がこの附帯決議事項からはとれるわけなんですが、実際にはどうもこれ漫漫的で審議会を持たれておるようなんで、そういう審議会なら、実際上あなた方の方である程度事実調査というものができ上って、これでどうでしょうかという諮問機関みたいな格好になってしまうのではないか。もう少し積極的なものを作るというのであったら、審議会それ自体が積極的に動き出すものでなければならないと思うのでありますが、その点はどうでしょう。
○政府委員(齋藤正年君) ごもっともであります。これは予算の構成上そういうことにいたしておるわけでございまして、大体こういった審議会の予算は三、四十万円くらいしか出ないのが常識でございますから、計算いたしますとそういうことになるわけでございますが、われわれとしては、実はこの法案の内容から申しますと、ほんとうは二年では短か過ぎるのではなかろうか、実は鉱業法がほかの行政法規でございませんで、地上権の設定に関する問題でございます。従って商法でありますとか、あるいは今度国会で御審議を願っております特許法のような性格の法律でございますので、これを権利の得喪に関係する法律を直す場合には、相当慎重にやらなければならない。特に先願主義は、明治時代からのいわば鉱業法の憲法のようなつもりで、われわれ運用して参ったものを改正するということでございますから、ほかの利害得失を十分検討しますためには、むしろ二年の期限では短か過ぎるのではなかろうかと、われわれはむしろ思ったわけでございますが、しかし今お話がありましたように、また現実にもすぐに解決しなければならぬ問題がたくさんございますので、その間考えて、まずぎりぎり二年間くらいでやり遂げたい、こう思っておるわけでございます。従って審議会の開催はもちろん年六回ということに縛られませんで、審議がだんだん進捗することに何回でも開いていきたい。なお、予算面にはっきりいたしておりませんが、個々の問題につきましては、当然専門委員という制度を活用いたしまして、できるだけ迅速に徹底した調査をやりたいと思っております。
○横川正市君 時間があまりないようですから、次にもう一つ質問しておきたいと思うのは、この委員の任命の問題なんですが、委員が二十五名選ばれておるようですが、これは商工委員会での審議の過程にも出ておったと思うのでありますが、いわば大家によって審議をされる審議会の場合と、それから現実に実務的な方が実際に照らして審議をするという場合と、いろいろあると思うのでありますが、今度の場合は、これはどういう人たちが選ばれて、あなたの方では審議委員として任命したいと思っていらっしゃるのですか。
○政府委員(福井政男君) ただいまのところ、大体学者を中心にしまして委員を構成したい、かように考えております。そのほかは法務省の民事局長でございますとか、こういった最もこの法律に縁の深い省の適当な局長等を委員に任命いたしたい、かような考え方で現在考えております。
○横川正市君 これは現場の技術屋さんなんかが入って、ある程度意見を言えるという場所は、これは作っておられますか。
○政府委員(福井政男君) 委員会が現実に働いて参ります段階になりますと、それぞれ最も関係の深い方面の方々の意見をお伺いするという段階も来ようかと、かように考えております。また、そういう運用をして参りたい、かように考えております。
○横川正市君 私は専門の商工委員会の方で内容は審議されるものと思うのでありますが、作られた審議会が、少くとも附帯決議に沿うて早期に結論されて、非常にたくさんの問題をかかえておるようでありますから、これに対して早く回答を与え、それからもう一つは、たまたま学者さんの入ることは、これは当然だと思うのです。しかし、とうも審議会はダブって同じ人があっちにも、こっちにも……二百幾つもあるのですからね、法律で作られた審議会は。そこでダブって任命されて、時間を調整するのさえ精一ばいということにならないように任命には十分気をつけていただきたい。それから年六回なんということでなしに、官房長が言われたように、もっと積極的にやるようにしていただきたい。それから任命の中には、当然これは学者の机上のいろいろな意見はもちろん必要ですが、実際山で手がけている実務者に有能な人がいるはずですから、そういう人も入れて、ほんとうに立体的に生きた鉱業法ができるように努力をしていただきたい、こういう点を要望いたしておきたいと思います。
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて下さい。 本案に対する残余の質疑は、なお後日に継続することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後四時九分散会