内閣委員会 第5号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/02/03
会議録
○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。 委員の異動がございました。昨年十二月二十五日、柴野和喜夫君が辞任され、その後任として安井謙君が委員に選任されました。また一月二十六日、竹下豐次君が辞任され、後任に田村文吉君が選任されました。 以上、御報告いたします。 —————————————
○委員長(永岡光治君) それから昨日理事会を開きまして、今後の委員会の取扱いについて協議いたしました結論を御報告を申し上げ、御承認を得たいと思います。 一つは、委員会の開催日でございますが、実は衆議院の方から衆議院の内閣委員会が火木金という日取りを決定いたしておりますが、そうなりますと参議院側では、この日は本会議が大体ない日でありまして、重点を置いて審議したい日取りになっておりますが、それを衆議院側に全部独占されたのでは、重要案件をかかえているだけに審議の上に支障を来たすんじゃないだろうかという話があって、できれば火木のうちいずれか一日を参議院の方に振りかえてもらえないかどうかという折衝をしてもらいたいというお話がありました。他院のことでありまして、衆議院側の意向もありますので、これは委員長及び与党は与党同士、野党は野党同士、それぞれお話をして、できることならばそういう方向に持っていっていただくように相談をしてみるということになりました。 第二番目は、今後の議案の審査の進め方でありますが、本審査が内閣提出が二件、それから議員提出が二件合せて四件あります。この本審査を先にして、あと順次衆議院の方から送ってこられる法案を、まあ審議するということになるわけでありますが、その際に当りまして、憲法調査会の改正法案があるわけでありますが、これについては、特にこの会長の高柳さんを参考人として呼んでもらいたいという要望がありました。参考人ということになると、この委員会の決議を必要とするのでありますが、調査いたしました結果、特別職の公務員になっておるそうでありますので、結局これは説明員ということで事足りるという事務局からの報告がございましたので、そういうように変更いたしたいと考えております。 それから第三番目は、調査案件として主力戦闘機械の問題があるわけでありますが、この問題は防衛関係の一応説明を聞いた上で、いつあらためてこう主力戦闘機械の問題を取り上げて質疑を行うかという問題は、その後に一応相談しようということになっておりますが、昨日の理事会で矢嶋委員の方から申し出がありまして、衆議院の決算委員長、それから山本猛夫代議士、それから天川何がし、それから新三菱重工の由比と、こういう方々を参考人として呼んでもらいたい、こういう話がありました。本件については、休会前の本委員会でも一応問題になり、参考人として呼ぶという話はきめられておりますので、証人という強い要望もありましたが、それは一応参考人として呼んだ上で、どうしても証人でという必要あれば、その際にあらためて協議するということでありました。ひとまずは参考人という形でこちらに呼ぶということになったわけであります。重ねて申し上げますが、その日取り等は、防衛庁長官から防衛問題についていろいろ説明を聞いた上で協議をするということに相なっております。 それから東海村の視察の問題でありますが、科学技術会議設置法の問題が急がれております関係もありまして、その結論を出す前にぜひ見ておきたいという意向がありまして、今週の六、七の両日をこの視察にさくということに大体きめました。なお、この本件の出張については、休会以前の委員会におきまして、委員長に一任された決議を取っておりますので、さよう御了承いただきたいと思っております。 それから調査案件として、前後いたしましたが、航空機産業の実情を調査したいということを申し出ておりますが、これは一応保留になりました。時期を見て必要あれば視察をするということになっておりますが、そういうことに相なっております。 それから本日は、昨日の理事会の申し合せでは、防衛庁長官の出席を求めて、防衛全般の問題について特に今後の計画、予算、こういう問題を一応聴取をするということになっておりましたが、ドレーパーという人ですか、アメリカから参っておりまして、その人との会見の時間がちょうど午後二時からということになっております。どうしても当委員会に出席できないという事情がありましたので、本日は一応防衛庁長官の聴取をやめまして、宮内庁関係の事項及び行政管理庁所管事項の説明を承わりたいということにいたしておりますので、以上御了承いただきたいと思いますが、よろしうございますか。——ではさよう議事を取り進めます。 —————————————
○委員長(永岡光治君) それではこれより議事に入ります。まず理事補欠互選の件についてお諮りいたします。ただいま御報告いたしました通り、竹下豐次君の委員辞任に伴い理事に欠員を生じているのでありますが、その補欠互選は慣例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。それでは田村文吉君を理事に指名いたします。
○委員長(永岡光治君) まず、宮内庁の明年度業務計画及び予算の概要について説明を求めます。
○政府委員(瓜生順良君) 宮内庁の明年度の事業といたしましておもなものを申し上げます。まず、最初に申し上げたいのは、皇太子殿下の御婚儀でございます。皇太子殿下と正田美智子様との御婚約は、一月十四日の納采の儀によりまして、御婚約が成立いたしました。その御結婚の式をいつ行うかということ、並びにその準備を現在われわれはいたしておりまするが、御結婚の式の中心は、結婚の儀でございまするが、結婚の儀は、現在のところ四月十日ごろを目途に一応相談をし、準備をいたしております。近くその日はこの予定としてきまると思いまするけれども、今現在では、まだそこまでいっておりませんが、まあ四月十日ごろというふうに考えて進めております。その結婚の儀が終りますると、この一両日、あるいは間を置くかもしれませんが、引き続きまして、宮中祝宴の儀が行われます。これは約三日間くらいにわたって行われると思います。これは内外の多数の方をお招きいたしますが、その数は三千人ばかりの方であります。まだ確定はいたしておりませんが……。従って一ぺんにはできません。三日間にわたって行われると思います。それが済みますると、両殿下が——これは国の儀式でありませんが、内廷の行事として伊勢神宮、畝傍山陵、それから先帝の多摩の御陵に参拝して報告されるということがあります。それが終りますると、この結婚式関係の行事は終ったわけでございます。 この結婚式関係の行事の予算といたしまして、来年度の予算にお願いいたしておりまするのは、この御婚儀に必要な経費といたしまして、千九百六十六万六千円、約二千万円でございまするが、これは大部分はこの宮中祝宴、いわゆる御披露の宴の経費であります。その他服装を作る経費、それから御旅行の場合の経費というものも含んでおります。しかし、大部分は祝宴の経費でございます。でこのことがまず最初に大事な仕事と思います。 それから次にこの東宮御所の造営ということがございます。これは本年度から造営にかかっておりまして、来年度はその残りの方の完成の方の仕事をするわけでございまするが、その完成の方の経費といたしまして、一億四千万を組んでございます。これは建物に必要な経費でありまするが、なおその建物のできまするのは、本年の末、本年の暮れということを目標にいたしておりまするが、その建物の中に、机とかいすとか、そういう備品を納める、その経費といたしまして、予算として二千九百八十万円予算要求をいたしております。 なお、この御所に関連いたしまして、大宮御所の庭園が非常に荒れておる。これを整備しなければいけないという御意見が国会の委員会でもございまして、そうしたことによりまして、来年度の予算にその整備の経費といたしまして一千万組んでおります。正確に言いますと一千十六万円ですけれども、一千万円を組んでおります。 それから次に、やや大きな経費を伴う事業といたしまして正倉院の新しい宝庫を作るという経費を考えております。正倉院の宝庫は、現在、本宝庫は校舎作りの千四百年前にできました宝庫でございまして、ここに大切な物を納めてあります。なおその他、仮庫というものがございまして、仮庫にいろいろ納めてありましたものにつきましては、仮庫は非常に不完全だったので、それを納めるために、昭和二十八年度に新しい宝庫を完成いたしまして、その宝庫に納めてありまするが、その二十八年度に完成しました新しい宝庫について、いろいろ今日まで調査研究いたして参りましたのでございまするが、この校舎の宝庫に比較いたしまして、ちりですとか、汚染した空気を浄化するという点で非常によろしい。湿気の点などもよろしいのであります。それで、この校舎に納めてあります最も大切な宝物を納めるための、新しい、よりいい宝庫を作って、正倉院の宝物の万全を期しようということで、来年度から三年計画で、さらにもう一つ新しい宝庫を作るつもりでございます。来年度は、初年度といたしまして、調査、設計、それから必要な木材を購入するという経費、その経費といたしまして二千三百六十万円を計上いたしております。これは鉄筋コンクリートの耐震耐火の建物でありまするが、内部は、ヒノキの木造になり、その空気の流通の点について格別に留意して、宝物の今後の保存の万全を期しようというのでありまして、三年計画でありまするが、全体としては約一億円くらいかかると思います。まず初年度は、今申しました二千三百六十万円の経費でまず仕事を始めるということを考えております。 それからなお、予算面では少いのでありますが問題として大切なものといたしまして、皇居造営審議会というのを来年度に設置をいたしまして、皇居の造営に関するいろいろな御意見を聞こうと思うのであります。この皇居造営審議会は、総理府設置法一部改正案の中に含まれておりまして、また国会の皆様の御審議を願うことになると思いますが、これは、内閣総理大臣の諮問に応じて、皇居造営に関する重要事項を調査審議をする諮問機関でございまして、この委員は、学識経験者二十五人ぐらいを今のところは考えておるのであります。その存続期間は、来年度一年間を一応考えております。一年間で審議をしていただいて、答申の意見を出していただこうということで、予算としては、ごくわずかで、委員の手当ですとか、そういうものが中心ですから、九十七万四千円、それほどのものではございません。しかし、この問題も重要な事項であると存じております。 毎年の例にないようなことといたしましては、以上のようなことがございます。その他、毎年の例といたしまして、いろいろの儀式、儀典の関係、あるいは行幸啓の関係、あるいは外国の使臣あるいは国賓の接遇というような問題などは、これは例年の通りにあるのでございます。予算面の全体を申しますると、皇室費の中で、内廷費の方は昨年度と同額で変りません。皇族費、これは、秩父、高松、三笠三宮家の皇族費、これも前年度とは変りません。宮廷費の点は、前年度は三億一千八百七十一万四千円でございましたが、三十四年度の要求といたしましては、四億五千六百二十二万となって比較いたしますると、一億三千七百五十万六千円ふえておりますが、このふえておりまするおもなものは、東宮御所の完成をするための来年度の経費、並びにそれに伴う備品、あるいは庭園の整備、先ほど申しました東宮御婚儀に必要な経費というようなものが加わっておる点が、そのおもなものでございます。事業の概要と予算の概要を申し上げると、さようでございます。 なお、ついでに宮内庁費、事務費の方の関係、先ほどの皇居造営審議会は、宮内庁費という総理府の一般行政費の中に入っておりますが、その事務費の関係は、昨年は四億一千九十八万円、三十四年度は四億七千三百二十四万円で六千二百二十六万ふえておりまするが、これは、その中に職員の給与のベース・アップの関係のものですとか、人員の増、人員の増としては、東宮御成婚による人員の増という必要な経費が六百八十万加わっております。定員は十三人だけふやすということになっております。そういうものが含んでおります。そのほか、退職手当の増ですとか、これはごく事務的なものでございますが、ふえております。 事業の概要と予算の概要を申し上げると、以上でございます。
○委員長(永岡光治君) それでは、御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○矢嶋三義君 せっかくのいい機会ですから、若干次長にお伺いしたいと思います。本年は、皇太子の御成婚の年を迎えたわけですが、私はそれだけに、新憲法下における国民と皇室との関係、新しい時代における皇室のあり方を律するに重要な時期に到達している、そういう意味で、ことしは私は非常に大切な年だと、かように考えております。従って、あなたが報告された問題から、重要な幾つかの点が浮かび上ってきますけれども、あなた方が所管されている予算というのは、宮内庁予算が約四億七千万円、皇室費が約五億二千万円、合せて十億足らずの予算額でありますけれども、しかし、その影響というものはきわめて大きいと思うのです。そこで大切な問題について若干伺います。 まず第一に伺いたい点は、先般私は若干の要望を申し上げてお答え願ったわけですが、皇太子の御成婚はめでたいことであると同時に、国民への影響というものは非常に大きいことです。それだけに私はあなた方の基本的な心がけとしては、私事でなくて国事に関する限りは、良識と節度をもってこれに処する、できるだけ虚栄とか、申すまでもないことですが、虚飾とか形式とか、そういうものは省いて良識と節度をもって、実質的にできるだけ節約するというような基本的な態度、さらにこの新憲法下初めての行事ですから、やはり新しい皇室の気風をこしらえ、芽ばえさせるというような、そういう感覚から、私は基本的には、あなた方は対処していくべきだ、旧憲法時代からずっと昔の慣習あたりにがんじがらめに縛られて、そうして事を処するというのではなくて、新憲法下初めての行事ですから、この新しい時代にふさわしい、即応するような皇室の気風というものをここに作り上げるんだという、そういう進歩的と申しますか、今の時代に即応すると申しますか、そういう心がまえが、あなた方関係者に基本的にあってしかるべきだ、それが望ましい、こういうふうに私は考えるのですが、このつかみ方によって今後の扱い方というものが変ってくるだけに、基本的な態度として伺いたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) 最初の良識と節度という関係、特にいろいろのやり方については、節約を旨とするというようなことを考えるべきではないかというふうにおっしゃいました点につきましては、おおむねそういうようなつもりで進めて参っておりまするので、経費なども、いわゆる前例の今の陛下の御成婚の場合なんかと比較いたしますると、ずっと節約された経費、ざっと総額でいきますると、一割前後くらいの経費でなさるようなふうに進められておるわけでございます。 それから次の新しい憲法下のこの初めてのことでもあるから、皇室のいわゆるお世話をする場合に、新しい気持で時代に即応するように、こう考えなくちゃいけないという御意見、その点もおおむねそういうつもりで進めております。ただ、皇室には古い伝統がおありになる。やはりまあ伝統の上に皇室が立てられておる、その点がございますので、それを全然軽視してしまうわけにもいかないそれではまた国民の大部分の方の御期待に沿わないことになる。しかし、時代のこの皆様のお気持に即応するように、古い伝統そのままを考えてもいけない。そこでいろいろ伝統的ななされ方については、この時代的な感覚でさらに十分考え直して改むべき点は改めるというふうにして、この新しい時代に即応のできるような進み方をなさるように取り計らいたいというようなつもりでやっておるということでございます。 —————————————
○委員長(永岡光治君) 質疑の途中でありますが、先刻委員の異動がございました。苫米地義三君が辞任され、後任に近藤鶴代君が委員に選任されました。以上御報告いたします。 —————————————
○矢嶋三義君 先ほどの説明によりますと、御成婚に直接必要な経費として千九百六十六万円、約二千万円計上されている。ついであなたが説明された中に備品費約二千九百八十万円、大宮御所の庭園整備千万円、これらの数字は、庁費が約六千万円昨年に比べて増額されております。 〔委員長退席、理事松岡平市君着席〕 その中に計上されているのかどうかという点とそれで大づかみに伺いたい点は、直接必要な経費二千万円とこれらの関連費を合せると、われわれ国民としては、皇太子様の御成婚関連費として予算に計上されたのが、大略幾らとつかめばよろしいのか、その点お答え願いたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) この庁費の中に入っておるのかというお尋ねこれは庁費の中に入っておるわけでございます。それからそれでは御成婚の経費がこれだけかかるのかということでございまするが、この東宮御所の備品の購入ということは御成婚のためというわけではないので、この東宮御所がもし御成婚にならなくて東宮様がお一人でお入りになりましても、ほとんどこれに近いいろいろ備品が要るのでございまして、なお、この庭園の整備、これも御成婚と直接の関係でなくてもしあすこへ皇太子殿下が一人お入りになりましても要る経費でございます。御成婚のために必要な経費は、この千九百六十六万六千円のほかに、先ほどちょっと申しましたが、宮内庁費の中にあります人員増に必要な経費六百八十万六千円これを加えたものになりまするから、二千六百数十万円になるわけでございます。
○矢嶋三義君 私はこまかいことを言わないで大づかみに教えていただきたいのですが、この前のこの委員会では、東宮仮所の改修は、まだ宮内庁当局から要請を受けていないという建設省当局のお話だったわけですが、しかし、東宮御所が十二月に完成するとなると、その間今の仮御所を改修されるのだろうと思うのです。それらの予算もこの庁費の約六千万円の増の中に入っていると思うのですね。だから直接必要な経費は二千万ですが、関連して予算の中に計上しなければならなかった金額があっちこっちに入っておると思うのです。私はだからそれで大つかみにどの程度とつかんだらよろしいか、それを知りたいと思って伺っておるのです。
○政府委員(瓜生順良君) この常盤松の仮御所の改装の経費は約百五十万円でございます。これは来年度の予算じゃなくて、今年度の一般経常費の営繕費の中でまかなうというふうにいたしております。それもあるいは加えますとすれば、二千八百何十万円ということになる。ですから全部を加えて三千万円足らずということと思います。
○矢嶋三義君 この東宮御所の建築に当って、本年度完成するために一億四千万と備品約三千万円と計上されておるわけですが、このことと皇居造営審議会の発足について、あなた方はどういうお考えを持っておるかということを聞きたいと思うのです。というのは、御承知のようにこの皇居移転論というか、皇居開放論といいますか、これはいろいろな意見がありますが、非常に国民の関心事となって、ほうはいとして非常に意見が起っておるわけですね。きょうは時間がないから、私はあまり掘り下げてまでは伺いませんが、いろいろ専門家の意見のあることは御承知の通りです。それから大宮御所に二億三千万円かの予算で東宮御所をこしらえることになるわけですが、今の千代田城の中に皇居を置かれるか、それとも分離されるかというような方針と、大宮御所内における東宮御所の建築問題というものが関連して参ると思うのです。一説には両陛下の皇居とそれから東宮御所は別でなくともいいじゃないか、大宮御所の中に御一緒にお住まいいただくようにすれば、非常に便利な点もあるのじゃないか、こういうような意見も相当有識者、りっぱな人の中で意見がいろいろ出ておることは御承知の通りです。私は先ほどこの皇居造営審議会を発足させるに当って、総理府設置法の一部を改正する法律案に織り込んでおるというのですから、その際にまた詳しく伺って参りますが、これらの審議会の委員の構成に当って、行政管理庁からも勧告があっておるように、現状維持的な、一方的なお考えを持った人だけ委員に任命して、そうして答申を求めるようなことでは意味をなさぬと思う。あなた方はいろいろ相当先を見通して御研究なさり、見解を持っておられると思うのですが、どういう宮内庁の事務当局のあなた方としては御見解を持っておられるのか承わりたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) この皇居造営の問題につきましては、いろいろの意見も今各方面から出ております。そういうものも十分われわれは拝見もし、研究もいたし、慎重に考えていくべきだと思っておるわけであります。ただ、最初に申されました大宮御所の中に東宮御所を作ることと皇居を作るということ、これは一応別に考えて、やはり一方は皇太子殿下の御殿、一方は国の象徴としての天皇の御殿ということで、この天皇と皇太子と両方あるいは両方の御殿というものと一応別個に考えて、東宮御所については現在の常盤松の仮御所では現状から見て、非常に狭いし、建物もよくないのですから外国のお客などが多く参る現在においては不適当だ、特にまた御成婚になる場合に不適当な点がなおさら強く感じられるので、大宮御所に作るということを計画して進めて参っておるわけであります。それでは皇居の関係はどうかという問題でありまするが、先ほどちょっと申しましたが、これは慎重に考えてゆきたいと思っておるのであります。ただ、一応われわれが考えておりまするのはやはりあそこの、以前皇居がありました皇居内の西丸あたりがいいと、こういうように考えております。まあこの点は宮殿の方の関係、公けのいろいろの儀式をなさったり、行事をなさる宮殿の関係でありますが、なお住居の関係については、現在お文庫でお住まいになっておりますが、お文庫というのも、戦事中のああいう仮設の建物で、どうも完全とは言えませんでございますので、何とかしなければいかぬのでありますが、現在陛下はあそこにお住まいになっており、またあの環境をお気に召しているようにも察しておるので、まああのあたりに幾らか増築して、今の文庫を使用して不便をなさる点のないように、幾らか増築してみたらどうかというように一応考えておりますが、しかし、これは皇居造営審議会で各方面の方、これも先ほどおっしゃいましたように、一方に片寄らないいろいろの立場の方の委員によって構成される審議会の方の御意見も十分聞いた上で、十分慎重に考えたいと思っているわけであります。
○矢嶋三義君 その点は私は一国民としてこれは真剣に考えておるので、私も意見があるけれどもきょうは申しません。ただあなた方に要望しておきたい点は、皇居の問題を論ずれば、いかにも皇室に対して云々というようなとり方をする人があるけれども、それは間違っておるので、皇室に対する尊厳と、あの皇居をいかに今後したらいいか、皇居のあり方をどうしたらよろしいかを論ずることは別個のことでね、これらの問題については、あなた方は独善になることを避けて、謙虚に、十分根本的に、しかも早急に検討されたい。宮内庁の上層部の方々はおおむね元の華族出身の人が多いし、旧態依然たる古いからに閉じこもって、新しい空気というものをなかなか吸い込めない御性格、経歴の方が多いので、皇居造営審議会等作っても、果して十分なる成果を上げるかということを懸念される点があるので、特に事務当局のあなた方首脳部に、そういう私は希望を申し上げておきます。 〔理事松岡平市君退席、委員長着席〕 もう一、二点だけ伺いますが、それは早急な問題ですから、この際承わっておきたいのですがね、正田美智子嬢に対して皇后教育が始まったということが伝えられておりますね。新聞で拝見しますと、大体科目も十三科目ぐらいだということになっておりますが、この教育方針はどういうふうにどこに置かれておるのか。私は皇太子殿下と正田美智子嬢の婚約が成立したときに、国民は非常に喜んで、何か明るくなったような感じ、印象をみな受けた。このことは新しい時代にふさわしい、国民と親近感のある皇室が生まれるだろう、新しい皇室の気風というものが芽ばえるだろうという、そういう願望と期待感が一緒になって、ああいう国民感情というものをかもし出したと思うのです。ところが、最近一部から聞きますと、正田嬢が記者団と会見するに当っても、一々宮内庁の許可を得なければ記者会見できない。記者がしょっちゅうインタビューに行かれては、御迷惑だと思うのです。しかし宮内庁詰めの記者団が記者会見を申し入れたいという場合に、一々宮内庁がそれにくちばしを入れる。あるいはその質問条項とか答弁条項に、宮内庁の一部の方が目を通すというようなことを聞くのだが、私はこんなことはないと思うのですが、そういうような感覚で扱って、それから教育申し上げていくと、せっかくわれわれ国民に身近くなった皇太子並びにきさき候補というものが、また雲の上に上ってしまう、周囲の人が雲の上にのし上げてしまうという結果に私はなると思うのです。この点は十分一つ心がけていただかなければならぬと思うのですね。そういう意味において、一体教育方針というものはどこに置いているのか、これは緊急な問題でありますから、この際承わっておきたいと思います。
○政府委員(瓜生順良君) 教育方針の問題でございますが、正田美智子さんは、一般的な教養の点は一応大学を出ておられますからやっておられるのでありまするが、妃殿下になられまするとまた妃殿下としてのいろいろな外国との交際あるいは行事に出られるとか、人に会われるとか、そういうような点が出て参りまするので、まず最初にそういう妃殿下になられた場合に、いろいろこの御交際、行事等についてどういうふうになさったらいいかという点について予備知識を得られるように、こういうような行事がございますと、そういう場合にはこういうふうな役割をしていただいておりますというようなことを御説明をして、妃殿下になられた場合にも、円滑にその御活動ができるようにということがまず第一でございます。それから第二の点は、皇室のあり方というものについてのお考えを持っていただく、で、特に現代の新憲法下における皇室のあり方というようなもの、それから伝統的な面と、両面を一応御承知いただいて、新しい時代に即応する御行動のできるようにというようなことでございます。それから第三は、人間としての修養、これは一生なさるべきでございますが、なさる上において、まず御本人の御希望なども聞きまして、こういうような点でやってみたいというような御希望も聞きまして、なお教育なさったらよかろうというようなことも考え、人間としての御修養に役立つようなことをいろいろ申し上げる、御教育申すというようなことを考えて進めておるわけでございます。それからなお、この記者会見、あるいは記者から質問があった場合に宮内庁の方でやかましいことを言っているのじゃないかということでございますが、そういうふうなことも記者クラブの方からも聞いておりますが、これは御婚約がきまりましたその前後から正田家にいろいろな各新聞、雑誌その他からいろいろ会見、あるいは記事がほしいというようなことで出かけて行かれまして、正田家の方から、どうもいろいろ準備に忙しいときに、いろいろ言われるので、なかなかその応接に困るから宮内庁の方でその点を一つあっせんを世話してほしい、要するに宮内庁の方である程度ばらばらに、たくさんの方が来られないように、適当な、必要な範囲にうまく交渉をしてもらいたいというような御希望もございましたので、その線に沿いまして一応お世話をしておるのであります。これはまあ正田さんの方のいろいろのわずらわしさを、ある程度こちらの方でお世話をしてあげるというようなつもりでいたしておるわけであります。むやみに隔離してしまって、いわゆる今お話のあったように雲の上に上げてしまうというつもりではないのでございます。その点は御了承いただきたいと思います。
○矢嶋三義君 あなた方が、私たちは国民ですが、私たちの気持もくんで、だんだんと新しい時代に切りかえて、そういう空気を作るべく努力されている点は認められます。敬意を表しますがね。しかし、依然として懸念される点があるから御要望申し上げておるわけです。この前も申し上げたことを繰り返して申し上げますが、私は正田美智子さんという人にはお会いしたことはないけれども、いろいろな書きもの、あるいは録音放送等を承わって、ずいぶんりっぱな人だと思うのですよ。智のう的にも体力的にも、日本の女性としては全くトップ・レベルのお方だと思う。ああいうりっぱなお方でこなせないようなしきたり、慣習というのは、天皇御一家の私事については私はとやかく申しません。しかし、国事に、公事に関する限りは、正田さんレベルのお方で、なかなかこなせないで非常に心労をするということは、私はおやめになられたらいいと思います。で昨年の国会でも私論じましたが、これは予算面からいっても、その執行状況からいっても、天皇家の私事と公事とのけじめがなかなかつきかねるところがあると思うのです。あなたたちは国家公務員であるわけですが、天皇家の私事と公事とはなはだけじめがつかぬと思うのです。あるいは私事の面にもタッチされておられるわけですからね。だから私はこういうことをあなたに御要望申し上げることは、決して間違っていないと思うから、重ねてその点を要望申し上げておくわけです。で、私も英国に行った場合に、バッキンガム宮殿とか、ウィンザー宮殿の様子を見もし、聞いても参りましたが、私はああいう形の方が望ましいと思っているんです。で、その点注意していただかぬと、新憲法下の皇室のあり方が、むしろ昔のように逆戻りするようになっては、最近の国民の喜びと期待に反する結果になるのであえて私は申し上げたわけです。で、この際に具体的なことを若干申し上げておきますが、それはこの前の、年内の委員会で言葉等についてもできるだけ新しい時代に合うように改正をして、でき得べくんば当用漢字も使って、国の法律に基いて教育を受けた国民ならば読めもするし、理解もできるように、できるだけそういうものに即応するように改めていきたいというあなたの答弁があって、私非常に了としたわけです。その努力のあとも一、二見えますが、いろいろ刊行物を通じて調べてみますと、依然として了解しかねるような点がたくさんあるのですね。私たちは、刊行物を通じて知る以外にないから、私は広く読んでいるわけですがね。そういう点も、この際、皇太子の御成婚を機に、私が冒頭に申し上げましたように、新しい憲法下における皇室のあり方を規定する画期的な私はこの一年だと思う。こういう時期に、私は検討していただきたいと思うのですが、お答え願いたいと思うのです。私が読んだ中にたとえば殿部なんという職がある。これは受付、案内する男の職員の監督をする人を言う。それから女嬬これは女官を助ける女の職員を女嬬というのだそうで、女官はこの女嬬を依然として家来と呼んでいる。そういうことがあるのか知らぬが、そういうことまで伝えられている。それから東宮御所に台所を設計図の中に入れたいという願いがあった。正田美智子さんとしては自分の手料理で皇太子にサービスしたいという婦人としてのきわめて自然な何だと思う。ところがそういう東宮御所のところに台所なんか、妃になる人の使うものを作ってはなんだというので設計から落したということが伝えられているが、まさかそういうことはないと思うのですが、そういうことがあるとすれば、新憲法下における国民の象徴、天皇、皇太子の扱い方じゃないと思う。新憲法の精神がわかっていないと思う。さっき開会前の雑談で申し上げたのだけれども、旧憲法下並びにその後の慣習で、天皇陛下だって御兄弟の宮殿下が亡くなられてもお見舞にいけないし、お葬式にも参列できないし、それで自分のお子様が結婚式をされる場合に、父母殿下はそれに参列できないのが従来のならわしです。今度は結婚の儀という新しい言葉を使われたわけですが、しかもそれを国事としてやられる。私は人間的に考えたら、自然に考えたら、皇居内でそういう婚礼の儀が行われるとすれば、両陛下は自分のお子様に当る皇太子殿下の婚礼の儀に参列なさるのが、私は自然な姿じゃないかと思う。そういうことを君言わんでもいいじゃないかと言うかもしれませんけれども、天皇家の私事なら言いません。しかし、これは国事として行われると内閣できめられておりますから、われわれも無関係じゃないわけです。そういう点がやっぱり私は新しい憲法下における皇室のあり方という点から再検討を要するのじゃないか。まあ幾つも具体的なものを持っているわけですが、こういうささやかなことを数多くあげるのはどうかと思いますから、この程度にとどめて、私の聞かんとするところはおわかりになったでしょうから、御答弁を願います。
○政府委員(瓜生順良君) いろいろな用語の関係につきましては、いろいろ書面を作ります際には、従来の形式によらないで、できるだけわかりやすい言葉に変えるように努力はいたしていっておるわけでございまして、今度の皇太子殿下の御結婚関係の式の名称とか、次第書などの中にある字句につきましても、わかりにくい言葉、当用漢字にないようなものを当用漢字にあるような言葉に変えていくように努力はいたしておるつもりでございます。今おっしゃいました殿部とか女嬬という名称、これは官名としては事務官であっても、一応そういう職名で通称しております点については、御批判の点もございますが、まあこういういろいろな名称については、私も何かもっといい名称はないかという意見を持ちながら、いろいろ協議の際にも協議をいたしておるわけでございますが、なかなか適当な、改正がうまくいかない場合がありまして、一部はそういうものも残っております。なお、女嬬は女官の手助けをするので、女官はそれを家来と呼んでいるのじゃないか、家来ということは今昔っていないと思います。昔はそう言ったかもしれませんが、女嬬という名称については、これは皇太子殿下の女官がきまる場合については、そういう名前にしないようにしようじゃないかということも、今話をしておるわけでございます。しかし、これは、なおいい名称はないかということで検討しておりますので結論はどうなりますか、申し上げるまでに至っておりません。それから、東宮御所を作る際に、妃殿下が簡単に皇太子にいろいろなサービスをする台所を作るということ、これは最初の設計からわれわれは積極的にそういうようなお台所が必要だと、以前の御所ですとそういうものはありませんですけれども、必要だということを、当局者としてその希望をし設計者にも、それじゃというので工夫をしてそういう台所を作ってあるわけでありまして、何か雑誌に書いてあるのは、われわれの実際と何か違うもので、ちょっとこうおかしく思うのでありますが、初めから作るべきだということを、われわれ当局者が主張して、設計の中に入っております。で、ときには妃殿下が手料理をされて、お二人で召し上られるようにというので、お部屋の近くに小さなそういう妃殿下用の台所を設けてあります。大きな台所、これはまあお客さんなんかをされる場合、その他の場合の大きい台所は、幾らか離れたところにありますけれども、それではなくて、お居間のごく近くに妃殿下用の台所は設計の中に入っております。途中から加えたのではなくて、最初から入っておるわけであります。 それから、その結婚の儀の際に、天皇、皇后両陛下が、御両親として参列されないのはどうかというような御意見の点は、これもいろいろ実は、御婚儀委員会というのが宮内庁の中にありますが、その際にもそういうような点もいろいろ意見の交換があって検討いたしたわけでありますが、まあ結婚の儀は、お二人のお誓いをなさるということが中心である。その他まあ列席する立ち合いの方、見守るということで相当列席される方がありますが、陛下の場合につきましてどういうふうに参列されるかということも検討したのでございまするが、賢所のあそこの建物の構造上から見て、なかなかこれならというような名案が出ませんです。なおまあ、過去のいろいろ伝統の点のことをいろいろ言われる方もありましたし、結局は、今われわれが考えておりまするのは、この賢所の廊下の付属のところに綾綺殿というのがございますけれども、そこまで両陛下がおいでになって、そうして晴の姿をごらんになる、御対面にもなる、そういうような形で陰ながら参列されるというような形になりまするけれども、以前なかったことでございまするが、そういうようなことを、今度の式の進め方については、従来からなかったそういうことを加えようというようなことも考えておりまするので、考えてはおるのですけれども、なかなか今先生が言われる通りにはいきませんけれども、いろいろそういう点も考えながら晴の日をわれわれの方で研究しているという点を御了承いただきたいと思います。
○矢嶋三義君 最後に伺います。あなたの答弁の中に、了解すべき点もあります。要は、私は国民の一人として、皇室が私どもの身近にあっていただきたい。で、すべてのことが人間的であっていただきたい。こういう願望から僕の質疑は出ているわけです。あなたの答弁の中で、一部了解できる点もあります。ささやかな台所をこしらえるべきだとか、設計の中に子供部屋を二つこしらえたという点は、非常に人間的で、私ら親しみを覚えてけっこうだと思うのです。親と子が、子供が生れて三年くらいたったら、親のところを離れなくちゃならぬという慣習はおかしいですよ、実際。そうして、お母さんが健康上何か支障があればともかくも、そうでなくて、頑健であり、十分母乳があるにかかわらず、お乳を子供に飲ませないで、そうしてめのとという格好で民間から吸い上げていく、(笑声)まあ今の言葉は訂正しますが、民間から募集してそうして授乳していただくこういうのは、僕は人間的でないと思うのです。まあそういう点であなた方の配慮は私は了とする点があるわけです。それから、言葉なんかでも申し上げましたが、これはなかなか何千年の伝統があってむずかしいと思うのですが、一つの法としては、私いつも言っているのですが、宮内庁の公務員の方、人事交流をやるべきだと思う。最近見ていると若干やっているので、その点はいいと思う。なおなおやるべきだと思う。お年寄りの五十五歳以上の人が二三%くらいいらっしゃるのですがね。勤続年数は長い。従って、公務員の平均年令は他の官庁に比べて大体十年くらい長いですね。あなたもときどき国会に来られるようになって非常に変ってこられたと思うのです。一つの法としては、人事交流が私は適正に行われることが大切だと思う。そうすると、一般の国民にはわからぬような言葉なんか、自然と自然淘汰されていくと思う。それが国民と皇室とを近づけるものであり、新憲法下における皇室のあり方というようなものがはっきり、ぴったりしてくるので一つの法として前にも私申し上げたことですが、要望しておきます。 最後にお伺いいたしたいと申した点は、こういうことです。例の間組の入札問題を建設省初め関係当局等で配慮されて、七社が共同企業体として共同施工されるようになった、随意契約方式として着工されるようになったということは、あの問題の処理としては私はよかったと思う。御苦労だったと思う。ところが、あの委員会の質疑のときに建設省当局は、なお入札をやる機会が数回ある、五、六回あると答弁されております。これは直接は建設省が所管してやることですが、まあしかしあなた方とも十分連絡をとって進められていると思うのですけれども、今後の五、六回の入札を、全部こういう随意契約方式で共同体の共同施工という形でやられようとしているのか、この点と、それからもう一点は、この予算書を見ると、巷間に伝えられておった皇太子の海外旅行の費用というものは、これに私は出ていないと思うのです。どこかに入っているのかどうか。あるいはあなた方としてはそういうものは予想していないのか、起った場合は予備費ででも出そうというお含みなのかどうか。その点お答えおきいただきたい。それできょうのところは質問を終ります。
○政府委員(瓜生順良君) 東宮御所の請負入札の関係のこと、これにつきましては先般の間組の件は、あれで共同企業体でやることになりましたが、その後の入札の関係を建設省から聞いておりますけれども、やはりこの共同企業体のような形式でやっておられるようです。ものによりますと、何か三つぐらいの会社が共同企業体を作って、そういうのが三グループできて、その三グループで共同でやっておられるようにも聞いておりますし、要するにある一社という形でなくて、共同の形で進められているように私は話を聞いております。 それから皇太子殿下の明年度における海外旅行の関係でございますが、これは予算には載っておりません。なお、現在のところおいでになるということも別に具体的にはなっておりません。しかしながら、いろいろ諸外国の方の事情なんかに関連して、あるいはそれはおいでになることも考えられるかと思いまするが、そういう場合には、予備費を一ついただいてそれによってと考えておる次第でございます。 —————————————
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、宮内庁所管の部についてはこの程度にとどめまして、次に、行政管理庁の所管に関する今後のもろもろの施策につきまして、行政管理庁長官から所信をお述べ願います。
○国務大臣(山口喜久一郎君) 行政管理庁といたしましては、今後行政事務が非常にふえることは必然の勢いでありますので、行政機構も、政府職員も膨張する傾向はこれは免れがたいと思うのであります。しかし、行政機関も、政府職員も国民の福祉の向上改善のために真にお役に立つつもりでなければなりませんので、行政が最も能率よく活動し、また、その責任の明確化ということ、また国民に便利な行政、こういう考え方から組織され、運営されるようにせっかく行政管理庁としてはいろいろ努力をいたしておる次第でありまして、この趣旨に基きまして、昨年以来行政審議会に、具体的にこれが対策を諮問いたしておったわけでありますが、最近答申を得ましたので、これに基いて各省庁の意見を調整いたしまして、でき得る限りすみやかに成案を得て国会に御審議を願いたいと、こう思っておるような次第であります。
○委員長(永岡光治君) それでは御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○矢嶋三義君 初めてですから、長官ちょっと聞きたいと思うのですが、私は長官が就任されたときに、山口さんは大きな政治力を持った方だから、相当大きい方針を打ち出して、ばりばりやられるだろう、そういう印象を受けたのですが、御就任以来、私らも御緑がなくてきょう初めてお目にかかるわけですが、ほとんど音なしのかまえのようですが、どういう御事情なのか。特にずいぶんあなたの部下の方では、行政監察をやられて勧告なんかずいぶん出されております。あれを拝見しますと、非常に敬服する勧告なんか出されておるわけですが、あの各省庁に出したあなた方の勧告というものは、相当にらみがきいておりますかどうですか。私は山口国務大臣は相当ににらみのきく方だと思うのですが、せっかく部下がああいうふうにやられたのが反映して参らないと、せっかく働いた下級の公務員の方にも気の毒でもあるし、また、その結果というものがもったいないような結果になってくると思うのですが、結論としては、国務大臣としてこの出された勧告が各省庁においてどういうように生かされておるというふうに見ておられるのか御所見と合せて伺いたい。
○国務大臣(山口喜久一郎君) はなはだ御期待に沿い得ずして申しわけありませんが、行政機構の改革という問題は、幾代かの長官によって試みられ、あるいは成案を得たままになっておるのでありますので、これが経過等にかんがみましても、私はあまり行政管理庁が先走ることによってかえって反撃されるというようなことをおもんばかりまして、でき得る限り一般の世間やあるいは私らの党の政務調査会その他の機関等と十分連絡をとりつつ、もし一たん法案が提出されたならば、これをスムーズに審議ができるようにと思いまして、慎重に慎重を期して参ったような次第であります。先ほど申し上げました通り、すでに行政審議会の答申を得ました後においても、党はもとより政府部内においても、いろいろこの答申に対してもすでに各種の意見が錯綜しておるような状態でありまして、これには私も相当苦心をしておるようなわけでございます。 また、行政監察の効果が云々ということでございますが、この行政監察につきましては、各省庁の大臣、長官等より非常にけっこうだったと言われる人もあれば、また中にはいろいろこの行政監察の結果あるいは態度等について、また御注文を受ける面もありますので、こういった反響からしても、相当この効果は陰に陽に上りつつあるものと私は信じております。 さらに今後の方針といたしましては、比較的行政監察が行われなかった各省庁の方にも、漸次監査の範囲を広めて参りたいと思っておるのでありますが、何と申しましても、行政管理庁それ自体の機構、人員に制約がございますので、思うことの十分を尽しがたいのは、きわめて遺憾に存じておるようなわけでございます。
○矢嶋三義君 私は行政監察というのは、これは幾らやってもやり過ぎることはないと思うのです。これは十分やって、そのやった結果を生かさなければならぬと思っておるのですが、私も個人的に一、二の地方監察局をひそかに視察したことがあるのですが、この末端の人が監察業務をやって勧告として表面に出てくるのは一年以上かかりますね。これは大へんだと思うのですけれども、もう少し期間を縮めなければ効果というものは薄らいでくると思うのです。末端の人が手がけて一年半くらいです、私たちのところに届いてくるのは。これは定員関係があると思うのですが、もう少し早くすることです。それからあなたも末端のことを御承知だと思うのですが、特に旅費なんか非常に不十分なんです。だから手近なところだけサンプル調査してやるということで、十分つかみ得ない。こういう業務に予算なんかたっぷり出しても、決して国としては私はむだにならぬと思うのですよ。早急に結果をまとめてそれを生かしていくということですね。各省庁に対する勧告については、これはせっかく公務員の方が一生懸命やったものが是か非か、採用されておるか採用されていないかということは、私は当委員会でも各省庁別に徹底的にやる必要があると思うのです。他日やりたいと思ってこれは委員会に提起したいと思うのですが、きょうは具体的には触れませんけれども、最近の新聞紙上を見ても、幾つかお宅の方で発表されておるわけです。これが会計検査院のだったら、決算委員会が相当やられますから、生きて参りますけれども、お宅でやられたのは、いい監察をされていい結果を出されて、勧告されてそれがあまり活用されない面があるのじゃないか。各省庁から軽くいなされている面があるのじゃないか。これらの点を私は大いに反省しなければならぬし、所管大臣としてはこの監察結果が全部が全部必ずしも受け入れられないでしょう。これはいろいろなものが含まれておると思うのですが、やはり下級公務員が真剣にやった結果は、適当なものはやはり各省庁尊重されて生かされるように、担当国務大臣としてにらみをきかしてやる必要があるのじゃないか。具体的なことを幾つか持っていますけれども、きょうは掘り下げて各省庁に論ずる場でないですから、これは他日に譲りますが、この基本原則にはどういう御見解を持たれますか。
○国務大臣(山口喜久一郎君) はなはだ御理解と御同情のある御質問でありまして、やはり行政管理庁当局としては、ほんとうにありがたい仕合せだと思っている次第であります。私も管理庁長官としてほとんど全国の半分くらいの各局を見て回りました。その結果からいたしましても、お説の通り、旅費はもとより筆墨類、それから自動車のごときは、行政管理庁の車といえばほんとうによぼよぼの車でございまして、敏速かつこの報告がすみやかに行われ、またこれがすみやかに成果を上げられるということは、国の行政の私は基本をなす事柄だとかねがね考えているのでありまして、本年度大蔵省に対しましても相当この面について強く私の方でも予算の増額を要求したような次第でありますが、微力はなはだ十分を尽し得ないのであります。それと同時に、きょうも私の下僚の連中おいでになりますが、何としても、機構ももとよりでありまするが、人的においてもやはり老朽化ということが考えられております。また、人間のこの数もうんとふやしていかなければ、御希望のような成果を上げるわけには参らないのでありますが、しかし、行政管理庁自体が人員を著しく増加するということは、私の方で機構や人員の膨張をいつも各省庁にセーブしているような立場でございますので、自分の方から機構を拡大しようとか、人員を増加しようということがなかなか言いにくいことではあるのでありまするが、そういう御理解のある御意見にわれわれも一つ便乗して、これから行政管理庁というものを、いま少し充実したものに仕組んでいきたいと思っているような次第であります。また、監察の効果については、ありていに申し上げると、各大臣が行政監察の報告書をいつも閣議等には持ってきて、いろいろうなずきながら読んでいるところを見ると、だいぶ命中率は相当なものだなあと、私は心ひそかに喜んでいるようなわけであります。でありますが、何としてもやはりいま少しこの予算を増してもらって、そうして一つ十分に機能を発揮することが、私は国の行政の改善なりあるいは能率化、国民に便利な行政ということに忠実なゆえんなりと、こう思っているようなわけでございます。
○矢嶋三義君 じゃ最後に伺いますが、私の意見はまた他日あらためて具体的な例をあげて伺いますから、これを最後の質問にいたします。それは定員をふやしてさらに積極的にやるというのも一つの方法と思うんですけれども、今のところ、監察した結果を能率的に活用するということが、まだ私は大事だと思っているんです。それは命中率はあなたはその通りごらんになっているかもしらぬが、それはそのときだけで、あなたが見えなくなると、命中率ははずれるというふうな実情なんですよ。具体例は幾つもあるけれども、やはり活用するということを特に配慮してもらいたいと思う。最後に伺いたい点は、先ほどあなたの御説明に関連してですが一月二十一日に出された行政審議会の答申ですね。これは政府与党内でも答申そのものに異論がある、それで検討をしている、他日御審議を云々と、法案を提出されるやの含みを持った御発言ですが、率直に承わりたい点は、この中にも幾つか大事な、根本的なものが、新聞紙上で見ますと、答申されているようです。しぼってたとえば人事院の改組ですね。これ、それから自治省という中央行政機関の設置、これも非常に大きいんだと思うんですがね。それから審議会の整理統合ですね、たとえば閣議決定で設けたのを廃止しろとか、それからあの中には、国務大臣は審議会の長にはなるなとか幾つもありますがね。あるいは行政機関の諮問機関であるような審議会には、国会議員を充てないのが適当だと、ずいぶんごもっともな御意見も含まれていると思うのですが、この審議会の問題、それから自治省の問題、それから人事院改組の問題、こういう点に関連する法律案というものは、この国会にですね、出されるおつもりですかどうですか。見通しはどうですか。私は実際問題として、三月二十八日は、御承知のごとく地方選挙の告示ですからね。だから三月二十八日というのは、衆参の国会の運営上、やはり一つの目当てになる日だと思うのですがね。そういうものと勘案するときに、この一月二十二日の審議会の答申に沿って、相当大幅なものが果して審議対象となり得るかどうかという点考えられますので、国務大臣のお考えと見通しを一つ承わっておきたいと思うのです。
○国務大臣(山口喜久一郎君) 実は私としては、何とか再開国会の劈頭に提出すべく急いでおったようなわけであります。御承知の通り、警職法等の問題にかんがみましても、下手に急いで飛び出して、まずい結果に終るというようなこともどうかと思いましたので、慎重に考えまして、また、行政審議会の答申案それ自体についても、各省庁間のまだ意見がなかなか調整が困難な面がございます。従いまして現在のところ、衆議院を予算案が通過した直後を目途として提出したいという考えで、その作業を急いでおったようなわけでありますが、しかし、すべてお説の通り、全部を一まとめにして出すということは、参議院の選挙等も迫って参りますので、ここにも一つのまた困難な面が生じてくるかと思いますから、大体意見がまとまったものから順次一つ出していく、いわゆる小出しにどんどん出していって、合せて一本というような姿の方が賢明ではないかとこう考えましたので、今御質疑の中で国民年金の行政機構の問題、これはま厚生省から提出するような、近く提出の予定でございます。それからま公務員制度の改正については、これまた人事院を分割して人事局を設置するというあの問題ですが、これも近く提出の予定であります。港湾行政の問題については、なかなか特に地方にいろいろの意見がございますので、審議会の答申そのままでは、なかなか提出するのには相当困難及び抵抗の強いところがございますので、これは目下調整中でございます。それから、自治省設置の問題についても、その中に折り込まれた分野で、建設省方面からも強い御意見があります。それから審議会の整理の問題は、これはもう私はどうしてもお説のように、審議会は行政組織法に基く、いわゆる国会が開かれていない場合においては、閣議決定でできるが、これは国会が開かれた次の機会必ず承認を求めなければならぬといような構想のもとにおいて、漸次一監理をしたいという強い意見も持っいるのでありますが、この問題と自治省設置の問題ですね、この自治省の問題等は、今期国会に間に合うかどうか、非常に危ぶんでおるような次第であリます。これが率直な現在の進行過程であります。
○委員長(永岡光治君) 他にございまんか……。他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時六分散会