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31回国会参議院1959/03/24

逓信委員会 第17号

発言数
173
登壇者
12
会派数
2
開催日
1959/03/24

会議録

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) ただいまより開会いたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。  前回に引き続いて、御質疑のあるお方はどうぞ御発言願います。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 前回の委員会で資科要求をいたしましたが、それに対してきょう御配付になりましたラジオ、テレビジョンの放送計画、これにつきまして、今配付されたばかりですから、内容をよくまだ検討していないんですが、私は、主として、五カ年計画の最終年度ですね、三十七年度になりまして、ラジオ、テレビとも、今度の受信料の値上げが行われるものと仮定して、どういうふうなNHKの収支状況になるか。一面から言うと、教育テレビなんかも普及するという計画ができておるし、相当経費のかかる部分が多い。まあ聴視者もふえるでしょうから、収入もふえることはもちろんでありますが、五カ年計画の最終年度では、大体、今度の値上げによって、どこまで収支がバランスしていくだろうか、そういう見通しを一応つけておかなきゃいかぬものですから、三十七年度を中心にしてどうなるかということを聞いたわけです。それに対して、非常に膨大な年次計画のようなものをお出しになったが、これももちろんけつこうですが、三十七年度はどうなるかということを中心にして、一応この資料を拝見しながら御説明を聞きたいんですがね、どなたかから説明をしていただけませんか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) お手元に差し上げました資料としましては、「ラジオ放送計画」、「テレビジョン放送計画」という冊子を二つごらんに入れておりますが、ただいまお尋ねの五カ年計画最終年度、すなわち三十七年度における財政状況は、そのおのおのの冊子の一番最後に、収支見込表としてついております。  それで、三十七年度におきましては、そのときの姿を申し上げますと、放送局の数が、この五カ年計画は三十三年度を初年度として着手しておりますので、三十二年度末を標準にいたしまして、その最終年度、三十七年度、これを一応比較してみますと、三十七年度末におきましては、ラジオにおきましては、放送局の数が、第一放送では、着手前が百十二局でございますものが百五十一局と、こういうふうになる予定でございます。すなわち三十九局ふえる。それから第二放送が、三十二年度末で八十九局ございますが、八十九局が百四十三局になる、五十四局ふえます。そういたしますと、おのおののカバレージが、三十二年度末におきましては第一放送が、九九・七%でございますものが大体一〇〇%になる。それから第二放送が、着手前が九七%でございますものが九八・二%と、こういう姿になって参ります。  それから、放送時間につきましては、第一放送は、三十二年度末におきましては一日十九時間でございますものが、これはこの計画におきましても放送時間は延長いたしませんで、内容の充実をいたして参るという計画でございます。それから第二放送は、三十二年度末が十八時間でございますものが、終了時が十八時間半、三十分延長、これは本年度から実行しておりまして、この姿で三十七年度末まで参るつもりでございます。  それからFM放送は、これは未確定な要素があるのですが、一応この計画で載せておりますものは、実験局としまして、三十二年度末二局でございますが、三十七年度、五カ年計画終了時におきましては十九局、そうしますと、FM放送のカバレージが、二局のときには二九%でございますものが、六〇%ぐらいになるだろう。放送時間にしましても、着手前、三十二年度末においては二時間でございますものが、三十七年度末には八時間、こういう計画になっております。  その計画のもとに、そのときの財政状況はどうなるかと思われますものが、ただいま申し上げました一番おしまいにございます表になっております。三十七年度末におきましては、一応ここでごらんのように、収支が償うということになっておるわけでございます。そのときの事業収入が百五十二億九千万、それに対する事業支出が百四十八億、資本収入が二十五億三千四百万、それから資本支出が二十八億二百万、こういうことになるのでございます。そうして五カ年計画をやっております間にいろいろ借入金をやって参ります。それがこの表のように順次償還されて参りまして、三十七年度末におきましては、このラジオ経理における借入金が大体四十億ぐらい残ります。これを今後あとの事業収入によって償還していくということになるわけでございます。これは大体数年間で償還できるのではないか、このように考えております。従いまして、ラジオ経理におきましては、五カ年後に、大体所定の計画を終る、それから、あとは債務償還に当っていくのじゃないか、このように考えております。  それからテレビジョンにおきましては、三十二年度末における総合放送局が十五局でございますものが、三十七年度末におきましては、その計画によりますと百六局になります。それから教育放送が、これは三十二年度末ゼロでございますものが、計画終了時には八十九局になるわけでございます。これには、おのおの小さい微電力局も入っております。そうしますと、カバレージとしまして、総合放送におきましては、三十二年度末において四五%でございましたものが、三十七年度末においては大体八〇%になる。それから教育放送も大体同じように八〇%近いものになろうと、このように考えられます。それから放送時間につきましては、三十二年度末、計画着手前は、総合放送が一日九時間の放送でございますものが、五カ年計画終了時には十六時間、それから教育放送が十五時間、このような姿になります。  で、そういうことで、同様にテレビジョンのそのときの姿を見て参りますと、テレビジョン放送計画の最終ページにございます表のようなことになります。このテレビジョンの場合は、ずっとこの間相当大幅な建設をして参ります。従いまして、この間に、この表でもこらんのように、非常に建設費が膨大にふえて参ります。すなわち三十四年度以降およそ四十億というものが毎年建設費に投ぜられるわけでございます。これは減価償却引当金を除きまして、その残余は全部借入金でまかなうということになるわけでございます。それが外部資金という表現にして大体年間三十億見当のものがここで必要だということになっておるわけであります。それが三十七年度において一応終了する。その間におきましても旧債がございます。テレビジョンを始めました当時からの古い借入金がございます。それらを計画的に返して参りまして、そうして、しかしながら、それに上回る借入金がずっとここで必要になって参ります。従って三十七年度末においては、一応ただいま申し上げましたような計画を行います上においては、赤字は出ませんけれども、ここで借入金が相当にふえておる。この計画で参りますと三十七年度末におきましては、大体借入金が放送債券を含めまして外部借入金が百五十六億くらいだろう、こういうふうに考えるわけでございます。そしてこれは、これから三十七年度以降にその収入によって返済していくということになるわけでございまして、大体見通しとしましては十年ないし十五年、この三十七年度末における百五十六億の借入金が返済されるのは十年ないし十五年のあとではないかと、こんなふうに考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 今の御説明ですね、ちょっと補足して伺っておきたいのですが、テレビの方で御説明になったが、三十七年度末で約百五十六億くらい債務が残るだろう。これは十年ないし十五年でもって返却できるだろうという見通しだということですね。これは債務の方については、大体何年ぐらいの期限の金を、これは借りかえは幾らでもできますが、大体何年くらいの債務ということを考えておられるのか。それから毎年きまっ償還できる財源として減価償却費がありますね。減価償却費は、これによると三十七年度で大体十五、六億になっていますね。これは何年の減価償却、平均してですよ、何年ぐらいの減価償却を考えておるのか、テレビについて。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 償却率ですか。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 率でもいいし、まあ率でいってもいいでしょうね。まあ十五年のものもあるでしょうし、二十年のものもありましょうし、土地、建物なんか、あるいはもっと六十年くらい予定しているかもしれませんが、しかし平均して、テレビジョンの放送局については大体何年ぐらいということが出ているはずですが、それは何年くらいになりますか、その辺の数字をちょっと。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 外部資金の調達の方法でございますが、これは主として財政投融資をお願いしたいという希望でございます。今年度に三十五億拝借しております。今後五カ年間この計画を進めます上におきましては、ただいま申しましたように相当返済期は長期になるわけでございますので、長期に安定した外部資金を調達することが必要かとわれわれは考えておるわけでございます。従いまして、この調達方法としましては、もちろん放送債券によるということもわれわれ努力しなければならぬと考えておりますけれども、やはり本年同様に、五カ年間はできる限り多額に財政資金を拝借すれば、われわれとしてこの計画が遂行できるんじゃないかと、こういうふうに考えております。  それからもう一つは、財政投融資をお願いしますのは、長期安定したこの計画遂行のために必要な性質の資金であると同時に、やはり償還期を考えますと、金利がやはりなるべく安いということが、われわれは経営上望ましいということでございます。そこで、金利が安ければ安いほど、ただいま申し上げました償還期十年ないし十五年というのは縮まってくるんじゃないかと考えますので、われわれの希望といたしましては、長期で低利の金ということになりますと、やはり財政投融資を希望するということになるわけでございます。これは政府の御都合にもよることでございます。従って、なるべく多額に調達したいと考えておりますが、全額が満たされない場合におきましては、もちろん、われわれ放送債券を主としてこれを調達したいという考えでございます。  それから減価償却につきましては、これは仰せの通り、建物から機械類、いろいろございまして、一がいには申しかねますけれども、大体平均しますと十五年くらいじゃないかというふうに考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 意見になるかもしれませんがね。今の最後にお話しになった減価償却ですね。十五年償却というのは何か根拠がありますか。少し短か過ぎるんじゃないかと思うのです、私は。まあ土地、建物は別としまして、テレビの関係の機械類は、これはずいぶん日進月歩で変っていくと思いますけれども、全部平均して十五年ということになると……。機械類はせめて十年くらいの償却になるんじゃないですか。ですから、これは短かい方が技術の進歩に合うんだし、いいのですけれども、経済的に見ると、十年くらいの償却を見るということは、この公共機関としては非常に私は行き過ぎじゃないかと思うのですよ。電信電話の方でも、電電公社なんかでも、まあ二十年から、特別の機械類で十七年とか八年とかいうふうに見ておるのが通例ですね。何か根拠があって、理由があるでしょうか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) これは資産につきましても、いろいろ不動産から機械とございますので、平均が実際非常にむずかしいのでございます。ただいま申し上げましたのは感じを申し上げましたので別に根拠はございません。御参考までに償却、耐用年数を申し上げますと、たとえば鉄筋コンクリートの建物は六十年にしております。それからブロック作りの建物は三十年、そういうふうに不動産の点については長くしております。それから、たとえば鉛管、木柱でございますが、鉄筋類は二十五年、木柱は七年、そういうふうに分けております。ところが機械の方になりますと、大体機械類は十年というところを一応標準にしているわけでございます。そこで、これはものによりますけれども、平均しましてそういう感じを申し上げたのでございまして、別に根拠のある数字を申し上げたのではございません。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 これはなんですか償却率をおきめになるのには、おそらくNHKのどういう機関ですかね、たとえば経営委員会とかですね、あるいはその他、何か特別の機関がありまして、建物とかそういったものは、これはまあどこにでも例がありますから問題ないと思いますけれども、送信機とか、あるいは中継とか、カメラとか、そういった特別のものについては、やはり公共機関ですから、だれでも納得できるような耐用年数というものを考えて償却率をきめていかなければならぬと思うのですね。人によって変ったり時によって変ったりしちや困る。ですから、これについては、これは郵政省も関係しておられるのですか。あるいは機械類は平均して十年でいいということは、どこかでオーソライズされているのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 大体この耐用年数は、標準としましては、大蔵省令による標準償却耐用年数を標準にしております。そうして、これを標準にいたしましてNHKとしての規則を作りまして、これを経営委員会で承認されまして、ただいま実行しておるのでございます。大蔵省令による耐用年数というものを大体標準にしております。多少その間において修正はしておりますけれども、標準はそこにとっておるわけでございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 具体的な問題になりますからこの程度にしますが、私はやはり、今大蔵省令によって云々、それが当然だと思いますしね、それをさらに経営委員会で審議されまして、NHKとしての公式に耐用年数というものを考えておられるというのは、これは当然だと思います。ただ、それにしましても、機械類はたくさんありますから、どれがどうと言えませんけれども、今の十年ということでいって、たとえばテレビの送信機ですね、そういったものを十年で、もうあとは機械類が非常に古くなって陳腐化するとかというような計算になっているとすれば、私の常識からいえば行き過ぎじゃないかと思うのですけれども、今、現にあなた方が新しいテレビ局を作るために注文しておられる機械類というものは、おそらく二年あるいは三年前のテレビの機械とそう大して違いはないでしょうね。それをこれから、そうすると七年か何か知りませんけれども、六、七年したらもうこれは陳腐化するのだというような考え方でいきますとあまり……。私はもうその償却率というものを高めてもらった方が、それはけっこうだと思うのですよ。しかし、いずれにしても、これは料金に関係する問題ですからね。あまりに大事を取り過ぎて、そのために収支計算の上に非常識といいますか、常識を越えた影響が及んでくることは、公共機関としては考えなくちゃならぬと思うのですよ。やはり適当な償却率というものでなければならぬと思いますので、副会長は技術屋さんだし、これは一つ十分、そういう、特に電気関係の機械類なんかですね、これについて問題が多いと思いますから、十分御審議をしてもらって、正当な償却率というものを考えてもらった方がいいと思います。それはそれでけつこうなんですが、大臣がおられませんね。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) 三十分ほとして帰って参ります。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 それでは大臣がおられなくても、この問題だけは御答弁をいただきたいと思いますが、放送法でも多少問題にしようと思えばできた問題ですがね。NHKがラジオの方で第一放送、第二放送、それから今お話のようにFM放送もこれに並んで、五年間の間には十九局を作ろうというような、十九局でしたね。というようなお話がありましたし、それからテレビについても総合番組と教育番組と並べて二本のチャンネルでやろうという、放送法の七条に書いてあります意味を、全国あまねく云々というあの条文ですがね、これはここへくると、解釈をある程度確定しておかないと問題になると思うのですよ。当初、放送法を立案された当時には、とにかく、全国民にラジオの波がどの波かが普及するように、どこへ行ってもラジオだけは波が聞けるというような措置を講ずるのが、公共放送としての使命であるということを考えておったことは間違いないと思うのですがね。こういうようにたくさんいろいろな種類の違ったものが出て参りますと、七条についてはどういうふうに考えていくのがいいか。つまりラジオについては第一放送、第二放送、それからFM、これはいずれもそれぞれが全国民に聞けるようにしなければいけないという趣旨であるか、七条が。テレビにつきましても、公共放送機関のやるテレビというものは、総合番組はもちろんですが、教育番組も全国にあまねく聞かせる、浴させるようにするのが七条の趣旨であるというふうに考えていくべきか。これは七条はどういう解釈をするかというので、われわれこういう年次計画を審議するに当りまして非常に大事な問題だと思うのです。これはNHKの会長からもお答えをいただきたいし、それから主管庁である郵政省の方からも、七条はこういう意味ですということを御意見があればお答えをいただきたいのです。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) ただいま新谷委員のお説のように、第七条によりまして、NHKが全国あまねく放送を行うことを目的といたしまして作られておるということも明らかにいたしておりますわけで、そこで、一面さような義務がNHKにあるわけでございまして、現行法におきましてもそのことはうたっておるわけでございますけれども、どうも明確を欠く点もあったわけでございます。その後、FM放送の問題でありますとか、あるいはテレビの問題も起って参りました現在でございますから、新法におきましては第九条にこれを明らかにいたしまして、第九条第一項の一号で、ラジオにつきましては、中波の標準放送あるいはVHFのFM放送、この二つのいずれかで全国あまねく普及するように実施しなければならない。それが一つと、それからテレビジョンにおきましては、これまた、テレビジョンで全国あまねく普及するように放送しなければならないと、まあかような趣旨をうたっておりますわけでございまして、第七条の目的に適合するように第九条でさらにそいつを明確にいたしておりますわけでございます。

溝上けい日本放送協会副会長

○参考人(溝上けい君) 多少技術的な問題もありますので、私からお答え申し上げます。  ラジオにつきまして第一放送、第二放送ございますのは、これはすでに在来から、第一も全国普及、第二も全国普及というつもりで、現在その線に沿って拡張をして参ったわけでございます。テレビジョンにつきましては、当初は総合放送で全国普及ということを考えましたが、各方面の要望並びにわれわれの念願とする教育テレビジョンを開始いたしました以上は、これまたチャンネルの問題と関連がございますが、できる限り、全国普及をはかりたいという方に努力いたしたいと考えております。ただ問題はFMでございますが、これはこの第九条の四項に書いてございます趣旨、書いてございます内容が、まあ今後FM放送がどういうふうに発展するかという問題と非常に関連がございまして、実は私ども、FM放送を開始いたしますときの事情といたしましては、一つはFM放送が、これは技術的に非常に優秀なものであって、海外の例を見ましても、あるいは日本の将来を考えましても、どうしてもFM放送の技術を活用いたしまして、将来大いにこれを活用したいということが一つでございまして、たまたま、在来から、番組の問題になりますけれども、NHKといたしましては、第一放送、第二放送のほかに、できれば、たとえば駐留軍放送等が日本に返還されました場合には、そういうものを利用いたしまして第三放送を開始したい。BBCの例にならって第二放送を作りたいという考えとあわせまして、FMの新しい手段を使って、第三放送としてこれを活用したいと考えております。これは、しかしながら将来の中波の標準放送の混信、その他の諸問題と関連して、あるいは郵政省、政府御当局でFMをどういうふうに利用されるかというふうな問題が確定いたしましたならば、それと関連してまた考えなければならぬというふうに考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 多少両方の御答弁が違うので、これはやはり確かめておいた方が私はいいと思いますから、もう少し明確に両方とも御答弁いただきたいのですが、郵政省の方のおっしゃるのによりますと、九条によりまして、標準放送とFMのいずれかが全国に普及する、それでいいんだ、こういうことを九条に書いてあると。そうしますと、ラジオにつきましては第一、第二の問題が起ってくるのです。しかし、第一、第二は標準放送だから、この法律からいいますと、標準放送のいかないところをFMでもってカバーするようにすればいいんだ。こういう意味にとれますから、第一、第二の問題はちょっと今問題にしないでおきましょう。  今、NHKの方で、言われるFMの方を私は言いたかったが、放送法案のときに申し上げましたが、第三放送のような形でもってお認めになるのですかということを聞いたことがあるのです。非常に明確でなかったのです。郵政省の答えは。今もやはりその問題が起っているように思うのですね。だから、この違いはどこへ出てくるかといいますと、これは私が言うまでもないのですが、七条の目的外だ。七条の目的外、つまり第一放送、第二放送の聞えているところでは、別にFMも並べてやってくれなくても、公共放送としてはそれでいいんだ、第三放送のやるようなものをやらなくていいんだ、こういう法律の趣旨だというふうに考えられる。NHKの力のおっしゃるようになりますと、これは法律の目的からいいますと、法律の趣旨に反するものではない。従って、やってもいい問題です。やってもいいんだが、法律によってまず優先的にこれだけはやらなければならぬ問題だということで取り上げられている目的からははずれているのであるというふうになりますね。そういう違いが出てくると思うのですよ。ですから、FM放送が、これから技術の進歩によりまして、どういうふうな発達をし、あるいは今の標準放送にかわるような、西ドイツなんかで本ありますような、これはまあ別な意味で、中波のハンドがないものだから、自然にFM放送になっているようですが、その方がいいんだということになれば、標準放送の方を順次やめて、FM放送に切りかわっていくということはあるかもしれませんが、しかし、第一、第二に並んでFM放送をNHKの言うように第三放送のような形でやらせるのだというようなことは、郵政省は考えていないようにも見えるのですね。その点はこの際明らかにしておいてもらいたいのです。  それから、テレビについては、政務次官も非常に明瞭なように御答弁になりましたが、必ずしも明瞭じゃないのですね今の法律に規定があるようなテレビジョンというものを対象に考えますと、法律の字句からは、総合放送も教育放送も、これはテレビジョンなんですね。従って、七条と九条をかみ合せて考えると、これも全国に普及しなければならぬというのがNHKに課せられた使命だということになりますね。そういうふうに考えているかどうか。もしそうなれは、郵政省としては、これはチャンネルがないからとか、いろいろ他に障害があるからとかいうことで、公共機関のやろうとする教育テレビジョンを、これは第二の問題にしておいて、民間のテレビにまずテレビのチャンネルを与えるということはあり得ないだろうと思うのですね。そういう違いが出てくると思うのですよ。非常にこれは法律の問題としてはむずかしい問題にもなって参りますが、方針だけは明らかにしておかれる必要があるだろうと思うのです。その意味で、もし、きょうお答えができなければ、この次でもけっこうですが、この委員会で、将来の方針に対する明瞭なお答えをいただいておきたいと思います。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) ここで申しております放送というものは、音声放送とテレビジョンの二つに大別できるかと思うのであります。それ以外にも放送は考えられますけれども、今日の段階で、今日の社会の要請は、その二つだろうと思うのであります。そのうちで、ラジオの方には、いろいろ放送をやる電波の種類とか形式があるわけでありまして、この第九条にもありますように、標準放送と超短波FM放送というものがまず考えられておりまして、この二つは放送法でも規定しまして、NHKがこれを行うように命令に書いてあるわけでございます。しかしながら、この第七条で、全国あまねく受信できるように放送をしなければならないということは、音声放送をやるためには、中波によるか、あるいは超短波FM放送によるか、いずれかでいいのであって、それによって全国あまねくカバーするようにNHKはその方法を講じなければいけないという意味であろうと私どもは解釈いたしております。従いまして、先ほど新谷委員の言われましたように、中波が聞えないところではFM放送でもってこれを補うということによって、全国あまねく聴取できるように措置するということで十分である。これによって放送法の精神は全うされるものであるというふうに解釈していいと考えます。  ところで、このNHKが従来考えておりますところの第一放送、第二放送、さらに今度FMを第三放送と呼んで、その三つを全国あまねくこれが聞えるようにしなければならないということは、この放送法の要求ではないと考えます。けれども、この放送の内容を豊にし、あるいは番組の多様性等に応じ、あるいは技術の進歩に即応して、だんだんこの放送をさらによりよい形において国民に提供するために、この第二放送、第三放送をやることは望ましいことである。そういう意味で、私どもは、第二放送で一応十分でありますけれども、第三放送をやることはさらに望ましい。また、FM放送を第三放送と言うことについては、私どもは多少異議があると申しますと強いですけれども、必ずしも第三放送というふうに呼んで、必ず実施しなければならないような印象を与える必要はなかろうというふうに考えます。けれども、FMなるものは、世界の情勢から見まして、また日本がただいま直面しておりますところのいろいろな客観情勢から考えまして、やはり一刻も早くこれが普及し、そしてよりよい質の放送を楽しみ得るように、NHKはいろいろ配慮するのが適当であろうと考えておりますので、このNHKの計画に対しては全く賛成でありますし、私どもも同様の考えを持つ次第でございます。  次にテレビジョンについて申し上げますというと、このテレビジョンは、ただいまではVHFによる放送をもって総合番組の放送を全国に実施することができれば、これをもって第七条の目的は達成されるものと考えます。と申しますのは、番組の中に、今度の改正の法律の中にもありますように、娯楽と報道と教育、教養がよく均斉がとれるように、バランスがとれるように調和されてこの放送をやることが望ましいのでありまして、従いまして、この総合番組の局が全国あまねく普及されますならば十分であると考えます。しかし、民間放送の異常なる発達、それからいろいろな客観情勢から考えまして、日本は、教育、教養に関する番組が今までよりも一そう強く要求される、必要である、社会的の要請であるというふうに考えますがゆえに、教育放送という専門局の設置を国民は要求したのでありまして、そういう意味におきまして、教育放送なるものがやはり全国に普及し、できますならば、山間僻地、全国津々浦々まで教育放送が普及されることが望ましいのでありまして、そのためにNHKあるいは政府当局もあらゆる努力を払う必要があろうと、法律の要求ではありませんけれども、さようにすることが全国民の要望に応じた、また日本の将来のために必要なることであろうと考えておる次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 NHKからの御答弁はちょっとあとにしていただきまして、今の局長の御答弁ですがね。これは法律的に見ると、あなたのおっしゃったようにはならないですね。少くともテレビジョンに関しましてはね。テレビション放送というのは、九条の一項の一号に書いてありますね。テレビジョン放送というものの定義がね。そのテレビジョン放送があまねく全国において受信できるように措置をしなければならないということは、これは総合テレビも教育テレビも両方とも普及するということだと私は思うのですよ。どちらかが――総合番組さえ送られておれば、教育番組の方は、これは法律の要求するものじゃないという今の御説明だと私は思いますけれども、それはどこから出てくるのですか。それならば、標準放送についても、第一放送さえ届いていれば七条の目的は達せられる、第二放送は届かなくてもいいんたということにもなってくるだろうと思いますが、しかし、法律の条文からいきますと、標準放送は、ある場合には届きにくい、また不経済な場合があるから、超短波放送でカバーすればそれでいいということにはなっておりますけれども、テレビジョンの方は、とにかく今教育放送とそれから総合放送と二つのルートでやっているわけですね。それがやはり全国にあまねく云々ということは、あなたの御指摘になったように、九条に書いてあるのですよ。これはなぜ、総合番組さえ送られておればそれでよくって、教育番組の方は、これは法律の要求じゃないんだが、教育テレビというものは非常に国民にとって大事なものだから、法律の要求じゃないけれども、これは別に送らしているのだというような答弁がありましたが、これは私は、そういう法律の趣旨じゃないと思うのですがね。少し法律のわかった方からでも御答弁していただきたいと思います。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 先ほどの私の御答弁は、法律の要求ではないというふうに申し上げましたが、私の法律の読み方がそう取ったのでありますけれども、教育放送というものをNHKが行わなければならないということは、今度の改正法案によって、第九条でなく、他の場所にもこれは明示されておりまして、そういう意味で、NHKは教育放送を総合番組と同様にやはり全国あまねく実施しなければならないものだと考えた方がいいだろうと考えます。私の先ほどの説明、この七条、九条を読みましたときの印象はそうでありましたけれども、やはりあらゆる努力をして、もしVHF帯において電波が十分でありませんければ、UHF帯を使用してこれは遂行すべき性質のものであると、そうとるのが、この放送法の解釈であるというふうに考えますので、先ほどの放送法にはないというこを訂正いたします。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 その訂正、けっこうです。それで私も同じ意見ですからいいのですが、ただ、訂正された理由の中で、七条、九条を読んだときには、教育放送というものは一応入らないような印象を受けたとおっしゃるけれども、七条、九条をよくお読みになれば、むしろ逆に、総合放送も教育放送も何らの異議なく当然入るのだというふうに法律をお読みにならないといけないですね。これは当然のことだと思うのです、法律上は。そこで私は初めて問題が起ってくるだろうと思うのですよ。それはいいでしょう、そういう点はですね。法律上は七条、九条から当然、やはりこれはテレビジョン放送なんです。テレビジョン放送なんだから、全国にあまねく普及するようにしなければならぬということが法律の要求なんだと、教育放送もですね。だから、法律上の義務だと言ってもいいですよ。そういうふうに解釈しないと、この七条、九条というものは、どう考えていいのかわからないということですから、その点はいいですね。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) その点はよく了解いたしました。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 そこで、その目的を達成するための手段が問題だと思うのです。これはまあ、この前放送法のときにいろいろ御意見を伺ったし、私からもしろうとの議論を申し上げたので、繰り返しませんが、そういう法律上の義務ですから――義務と見ていいと思うのです。そういうものですから、あなたの方としては、郵政省としては、その法律上の義務に属する仕事をNHKにやらせるために、あらゆる協力をし、便宜を与えなければならないと思うのです。ところが、これについていろいろ私も調べてみましたところが、たとえば、今お話のような周波数の研究もまだ十分ではないし、これはNHKだけの問題じゃなくて、放送界全体の問題ですから、やはりこの前に申し上げたように、郵政省がもっと力を入れて積極的に研究を進め、その研究の結果を総合して、そしてその成果を上げるように努力をされないと、非常に時間がかかるだろうと思うのです。これが一つです。  それから、電電公社なんかに対しまして、中継用のマイクロウェーブなんかの要求がまだ具体的に出ていないのじゃないですか。つまり、教育放送をやるのには、各地方もう一つチャンネルが要るわけですね。その要求が出てないんじゃないかと思うのです、私の調べたところでは。郵政省からはそういう見通しを電電公社の方に話して、このマイクロウェーブをやはりもう一チャンネル、テレビにさけるように至急に措置をしてくれということをおやりにならないと、これはかりにUHFの研究が早く進みましても、今後は中継できないですよ。今の電電公社のマイクロウェーブの計画からいきますとね。そういったことについても、もう少し今のようにはっきりと法律上の義務に属する仕事だというふうにお考えになるなら、その義務に属する仕事を実行させるために、郵政省としてはもっと先を見て、今から関係の諸機関に対して手を打っておやりにならないとこれは実行できないだろうと思います。従って、私は、三十七年度の予算につきましての一応今見通しを聞いたわけですが、これはずいぶんそういった問題について仮定の上に立った議論をしなければならないということになるのですね。今のマイクロウェーブなんかについて、何か具体的に措置をしておられるのですか。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 教育放送の普及について一番大事な問題は、新谷委員の御指摘のように電波の問題です。これにつきましては、再三御教示にあずかりまして、全く同感でありまして、あらゆる努力をしてUHF帯の研究開発が実現するようにいたしたいという決心でございます。  次に、大事な問題は、今おっしゃるようにマイクロウエーブの中継線の問題でありますが、これはまだ、教育放送に関して全国的なマイクロウエーブ網の実施について、電電公社にいろいろ案を話したことはありません。これは、今御指摘のように、なるべく早い時期においてかような計画が実施されることが絶対必要である、促進すべきであるということを、電電公社当局にもお話ししまして、先方の今後の計画に載るようにその措置をとっております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 非常に措置がおくれているようで、この点遺憾でしょうがないのですけれどもね。しかし、今御注意を申し上げたので、それを受け入れてさっそく措置をするとおっしゃるのですから、それ以上は申し上げませんが、電電公社の方も第二次五カ年計画に入っておって、さらに来年度以降においては、電信、電話全般にわたって一般の需要に応じるために相当計画を拡大しようという考え方を持って、今立案中だと聞いておるのです。従って、その中にも入ってこないようでは、これは電電公社としても急に言われてもできるはずはないのです。やはり年間に何十億かの建設資金が電電公社としては要るだろうと思うのです。それが今若えられているような計画にも入らないと、これは五年間はとうてい不可能だということになりますね。ですから、NHKとも至急に連絡をおとりになって、教育放送というものは、あくまでも法律上の問題としては、そういうふうに非常にNHKに対して法律が義務として要求をしているような放送なんだということもはっきりとし、しかも内容的には、一般の民放あるいはNHKの総合放送等ではまかなえない、非常に社会教育上大事な放送内容を持っているものだから、ぜひともこれを早く普及したいという郵政省の御熱意であるならば、それがほんとうに実現されるように至急に配慮をされる必要があると思いますから、これは一つ政務次官から大臣にもよくお話しになって、そうして具体的に年次計画をきめられて、関係機関に協議をされて、これが大体その通りに実現されるように今から措置をせられるように、これは強く私は要望しておきます。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) 重ねての御教示でございまして、私ども全く同感でございます。さような御趣旨に従って十分この問題の促進方に努力いたしたいと思っております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 それから、NHKの方にお尋ねしたいのですが、御希望はわかるのですけれども、FM放送の問題です。副会長から、これを第三放送のように考えてやっていきたいという御希望でありますが、これが第三放送として取り扱われていいかどうかという問題は、私はこれは相当放送界全体にとっては大問題だと思うんです。だから、これは郵政省とももっと具体的に緊密に御連絡、御協議の上で措置をされませんと、今のところ、三十七年度末でもってFM放送をやるのが十九局とかということでございますけれども、これを第三放送のように考えて全国にやはり普及していくんだということになってきますと、これは私は、先ほども論議に出ておりましたように、むしろ法律上の義務とまで考えられるようなものが一方では残っているわけですね、テレビジョンの問題のごときですね。同じ資金を投入するならば、そういった方にまず完成を急いでもらわないと困るだろうと思うのです。放送はもちろん、濱田局長は、FM放送をやって、国民に楽しい放送を送るんだというような言葉がありましたが、国民を楽しませるだけでなくて、やはり放送界全体としましては、民放も、公共放送も、教育放送も、いろいろなものが大体調和のとれた形でもっておやりにならないといけないと思うのですよ。そういう意味では、第三放送のような形がいいかどうか、私もそれは研究いたしますが、今そういう結論を出して臨まれるということは、私はこれは独走の感があると思うのです。ですから、当面標準放送のいかないところに、FM放送は実行していく、それの試験放送のような意味で、あるいは実験放送のような意味で、東京とか大阪とかでやっているということはいいでしょうが、これをやはり第一放送、第二放送と同じように全国に普及していくというのが本来の趣旨なんだということで、どんどんこの方にも建設費を投入していくということは、これはもっと研究し、協議された上で、また国会としても、これに対してはやはり何らかの意思表示もし、意思決定もしなければならぬ場合が出てくると思う。そう簡単にお考えにならないように、慎重にこれはやっていただきたいと思うのです。これはこの程度にしておきますが、十分お考えになって間違いのないようにやっていただきたいと思います。  それから、野村会長にお尋ねしますが、先般、放送法の改正案を審議しました際に、郵政大臣でしたか、政務次官にお尋ねしたことですが、私は、今度の放送法の改正によりましてNHK理事がだいぶふえることになる、またふやし得るようになったということから、これは私見でございますが、各事業担当の局長とか、あるいは部長とか有能な人たちを理事にするのもけっこうでございましょうが、しかし、これだけ大きな仕事をされ、そうして内容が非常に国民全体にも関係が深いし、またラジオについても、テレビについても、非常に内容がいわばバラエティが多い、こういうような仕事ですから、私は、いつも仕事にあまりとらわれないで、もう少し高いところから全体を見て会長にアドバイスできるような人が何人かやはり理事の中にも入っておった方がいいのではないかということを考えておるのです。これは決して私は自分の考えを押しつけることはいたしませんが、経営委員会も、あるいはそういう意味においては活用できるかもしれませんが、しかし、経営委員会の今までの動かし方から見ますと、そういう効果を期待することは困難でございましょうね。月に一回や二回開いて各地からの人が集まって、そこでそういったことはできないでしょうね。ですから、そうなると、今申し上げたように、理事会の構成という問題が相当重要な問題として取り上げられるはずなんです。よく大きな会社では、何といいますか、社外重役といいますか、非常にあらゆる問題について識見の高い人がちょうど顧問格のようになって入っている例が多いと思うのです。そういう意味で、ただ執行の任に当っている人だけが理事会を構成しているというだけでは足りなくて、そういうふうな人たちも理事に入って、そうして高いところからいつでも全体を見ておって会長にアドバイスできるというような仕組みの方が、今のNHKの仕事から見ますと適当ではないかと私は考えております。そういったことを会長はお考えになりませんでしょうか。郵政省の方ではそういう趣旨も十分くんで、NHKともよく相談をしてみるという御返事があったのです。会長はそのときにおられなかったと思います。

野村秀雄日本放送協会会長

○参考人(野村秀雄君) 理事は、放送法の改正によりまして、七人以上十名以内ということに相なっておりますが、私は、理事の構成については、専務とか常務とかという総括的の理事を若干名置いて、そうして他の理事には理事としてそれぞれの仕事を担任してもらうようにいたしたいと考えております。なお、できれば地方にも理事を置いて、そうして中央と地方との連絡調整をもよくつけていきたい、かように考えておりますために、理事会の運営等についても慎重に考慮して、今後の協会の運営について、従来よりも異った有機的な、しかも活発な運営をやっていきたいと考えております。今、新谷委員から仰せられた、社外理事を置くかどうかについては、私、今まで何も考えておりませんが、今後理事の選考については慎重に考慮いたしまして万遺憾なきを期したいと、かように考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 最初に申し上げたように、私は自分の私見を押しつけようとする気持はないのです。ただ、NHKの今度の放送法の改正案の趣旨から見ましても、要するに、今までは会長を含めて五入の理事であった。これでは、これだけ膨大になった機構あるいは仕事を動かしていくのには足りないということから、理事の増員というのが取り上げられておると思うのです。今、会長の仰せられたように、各担当の部局長を理事に昇格させるとか、あるいは地方にも理事を置いて連絡させるとか、これもある程度はわからないことはありません。しかし、それだけでは、放送法の改正の際にお述べになったような、NHKのそういう執行機関のいわゆるウィークポイントをここで打開しようというのにはあまり役立たないと思うのです。理事会といいましても、部局長会議と同じだというのでは、ただ何人かの部局長が理事になるだけの話で、また部局長会議というものと理事会というものが同じようなものになってしまうおそれがあるだろうと思うのです。私はやはり、これたけ理事をふやさなければならないというのは、仕事の内容なり、あるいはそれに伴う機構なりがあまりに膨大になり、複雑になってきたので、これではやっていけないということから出発しているものとすれば、ただ私は、部局長が理事に昇格されることに反対ではないのですが、それだけを考えておやりになっていると、法律改正の趣旨には沿わないんじゃないか。  私は、もっとNHKも大所高所から、いつでも、言論報道機関としても、あるいは文化機関としても、高いところからものを見、ものを考えていくような、そういうものがどっかになければならないのに、それを経営委員会だけに期待されているということになりますと、ほんとうに総画委員会だけがそれをや肝るんだということになれば、それは経営委員会というもののやり方も考えなければならないと思うんです。今度の理事の増員というものについては、これはそこ京での議論はなかったのですけれども、私はちょっとそれに触れておいたのです。私はそういうことを期待して、理事の増員というのはまことにけっこうだと思ったわけでしてね。たから、いろいろ内部事情もあるでしょうし、会長としては、今ここでそういう問題についてはっきりとしたお答えを出されることは困難かもしれませんが、郵政省ともよくお話し合い下さいまして、それなら具体的にどういう人がいいのだと言われますと、私は何にも自分では考えは持っていないんです、具体的には。しかし、そういう建前の方が、私は、NHKが将来発展していくのには、その方が適当でもあるし、将来の発展に備えてそういう形をとっていかれることの方が、よりいいという前提で私の意見を申し上げたわけです。お考えを下さればそれでけっこうだと思うんです。十分慎重にお願いしたいと思います。

野村秀雄日本放送協会会長

○参考人(野村秀雄君) ただいまの新谷委員の御注意のように、私も今度の理事増員を意義あらしむるように慎重に考慮いたしまして、そうして、その人選においても、運営においても、御期待に沿うようにいたしたいと考えております。ただ、今日の段階において具体的に御説明申し上げることはできませんが、ただ私としては、先ほども申したように、専務とか常務とかというような理事を若干名置きまして、そうして総括的にこの理事会の運営を活発に有機的にやっていきたい、かように考えておりますから、御了承願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大臣と協会に二つほどお尋ねしておきたいと思います。  郵政大臣が、この放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件という、この承認をお求めになった中の意見書の中に、「研究活動及び国際放送等協会特有のあるいは現下特に協会に期待すべき業務の推進充実」以下云々、こういう工合に、特にこの予算の主たる項目を表現されており、しかもこの意見書の中に、「適当なものと認められる。」こういったように意見書が付されております。それで、こういう意見書がどういうおつもりでつけられたのか、どうも疑問になるのが二、三あるんですよ。それは、第一番に、協会から出された予算説明資料を見ますと、受信料の免除の範囲が非常に拡大をされて、特に見込みの件数で四万四千件、それから減収の額において四千四百八十八万円、こういうような状況は、これは一体どういうことなんですか。私は、大臣が協会からどういう事情の説明をお聞きになったのか知りませんが、もちろん、放送協会はやり得ることはどういうことでもやってもらいたい。しかし、聴取料の免除というのは、なるほど法律にはあります。ありはするが、だんだんだんだん範囲が拡大されていくということになると、どうもこれは少し厚生省の所管を侵すのではないかと、こう思うのです。従って、協会独自の立場から、こういう困窮者に対して受信料を免除しようという範囲そのことにおいては、これは何も非難を加える必要はありませんが、政府として、こういうように協会が一種の慈善事業的なところまで着想されてサービスの提供をはかろうという意思は、これはいいのですが、政府はどう思いますか。元来、これは私は政府の仕事だと思う。それもこの意見書の中にいわれているように妥当ということなんです。どうでしょう。郵政大臣。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) この今回の受信料をいわゆる免除したというのは、ごらんのように、生活保護法を適用されておる被保護者、また、たしか図書館関係を加えて四千何百名というものをまあ免除する、こういうことでありますが、これはやはり放送法第七条でありまするか、NHKの使命として、NHKは「あまねく日本全国において受信できるように」ということで、いわば一つの、たとえば聴取に対する契約者数というものが、世帯数に対して、理想であれば百パーセント聞かすという努力をするのが、私はNHKとしての使命ではないか。そうすると、八三、四%現在のところ普及しておる。そういう契約が結ばれておる。そうすると、あと一六、七%これをどういうふうな努力によって、できるだけ多く聴取ができるような努力をするか。それから、また、その一六、七%の内容はどうか。こういうようなことを考えたときに、やはり聴取料ということが問題で聞けないという部分が相当考えられるじゃないか。こういうことから、協会としては、いろいろ過日来、この免除については衆議院等でも要望がありました。けれども、それをいろいろ検討をせられて、最終的にしぼったと申しますか、まあいわゆる要生活保護、こういうところ、あるいはまた、今の一般公衆がともに聴取するといったような図書館、これはもう公けの機関でもありまするから、さように考えられるわけでありますが、そういう考え方から、生活保護者を選んだということは、何かこう御所見のように、厚生省の所管に郵政省として、あるいはNHKの考え方というものが、その領分、厚生省の考えるようなことというようなことにもなるかもしれませんけれども、私は「あまねく日本全国において」聴取できるように、あまねくというと、即ほとんどの国民が、ほとんどの世帯がそれを聴取できるようにすべきだという使命にかんがみて、まず今回のNHKのこの免除の処置としてとった要生活保護の四千四、五百万、こういうものは、これはもう一応NHKの、今御指摘によりますというと、四千四百八十八万の減収にはなりましても、これはやはりNHKの使命から申しまして、まあこの限度、この程度は免除してしかるべきではないか、そういうことに考えたわけであります。同時にまた、ここに示しております意見書の中に、この三十四年度の計画、資金計画、事業計画、その他を見まして、その中から重要な点について例示といいますか、これを示して、これが安当であろうと、こういうことを意見として付した。こういうわけでありますから、これに対しましては、これはもう御了承が願えるものだと、さように私は考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 なるほど、まあ大臣から言えば、了承願いたいということですが、私は了承できないから聞いておる。ことに、こういうような行為をやるのが協会の使命に沿うゆえんであるというような大臣の答一弁でありますが、こういうことをやれということは、どこに書いてありますか。協会の関係の条項では、事業の目的、七条の日本放送協会の目的は、「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」、こういったように、協会の任務というものは明らかになっていますよ。ところが、今大臣の言われるように、協会の任務に沿うというならば、少くともこの協会が、現行受信料の免除の基準として掲げている内容を見てごらんなさい。十七項目まである。十七項目のうちのほとんど大半というものは慈善事業であり、かつまた、天災地変等に対して、困窮者に対する一つの救済を意味しておる。日本放送協会は、今大臣の御所見からいくならば、そういう慈善事業をやる機関ですか、放送をやる機関ですよ。それでいて、なおかつ、これが妥当だというのですか。つまり八十五円の値上げの勘定の中にこういうのが含まれておるということなんですよ。私は、どう考えてみても、日本放送協会がこういうことをやるべきものじゃないと思う。大臣、聞いておりますか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 聞いております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは明らかに、郵政省がやるのか厚生省がやるのか、まあそこのポジションはどちらでもよろしい。少くとも社会福祉あるいは社会保障という立場から、当然これは政府がやるべきことなんだ。それを、政府がサボタージュをやっておるから、日本放送協会がこういうことまで手を出さなくちゃならぬ。しかも八十充用の値上げのワクに入っておるのですよ、この勘定が。それでも大臣は、ただいまの答弁の趣旨を是とされますか。放送協会のどこにこういうことをやれと書いてあるか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) これは、いわゆる免除規定というものがあり、お示しのように、それらについての一応基準が定められておる。それからまた、協会のそういう申請に対しては、私においてそれを許可できると、こういう規定に準拠してまあこれを許可するということが建前であることは、もう間違いないことであります。しかも、今回のこのNHKの処置といいますか、この生活保護法の適用を受けておると、そういうことによってラジオが聴取できない、こういうことであれば、これをあまねく全国において聴取できるように放送を行うことを目的としておるということで  これはまあ法的解釈がどうということは、私はこまかいことは、そういうふうな法的な解釈論はここで私には十分できませんが、NHKの公共放送としての使命からいって、聞けないというこの現実は、何とかこの免除規定というものによって、また生活保護を受けておる、こういうふうな気の毒な、受信料も払えなければ聴取もできないというようなことに対しては免除をしたいというNHKの要望に対しては、郵政大臣として、これを一つ許可するに私は何ら差しつかえないと、かように信じてやったことでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは、あまねく放送云々というのは、いわゆる放送の方式をいうのであって、受信料は放送の対価である。それを混同しちゃいけません。しかも、こういったように十七に協会が基準を設けておいでになる。私はこういうことがいかぬと言っておるのじゃない。大いに生活の困窮者、あるいは受信料にも事欠くような人には、大いにこれはこういう措置をしなければなりません。しかし、その場合にだれがやるのか。協会が今度のように大幅に値上げをしなくても済むような状態であるならば、それならば何も言わぬのです。八十五円という大幅な値上げをしなくちゃいかぬ。しかるに、この四千四百八十八万円というのが、この全体の協会予算の何%になるかは、まあこれは別問題である。別問題であるが、かなり口数として私は大口の部類に属すると思うのですよ、四千四百八十八万円というのは。だから、全国あまねく放送しなければならないという放送の一つの方式と、受信料という対価を混同して大臣は少しお考えになっておるのじゃないか。要するに、こういうことは政府がやるべきです。社会保障、困窮者の救済、いつもあなたが言われるように、協会は政府の代行機関じゃないのだから。こういう悪い面だけ政府は協会に代行させておるのだ。この意見書を出される前に、あるいは協会予算を大臣が検討されるときに、これは郵政省の直接の所管じゃないけれども、厚生省と一度相談をしてみようと……。私も厚生省の詳しい社会保障関係の法律は見ておりません。見てはいないが、政府機関としての所管は、これは厚生省なんです。厚生省にこういう相談できませんか。特に農村公衆電話であるとか、そういう問題は農林省からどんどん出てきて、とうとう電電公社はそれに一歩譲歩したような形で、前の国会で農村公衆電話というのは特別に法律を作ったことがあります。これは農林省関係のために作ったのです、その法律は。だから、厚生省の一つの基準の中に、聴取料支払いに事を欠くような人に対しては、当然これは社会保障という意味から厚生省が所管をして、国庫をもってこれを負担するというようなことの筋合いからするならば、私は大体当を得た措置だと思います。大臣が先刻も言うように、協会は政府の代行機関ではない、これはもうその通り。ところが悪い、特に金の問題では協会に代行さしておる。しかも、こういうことの積み重ねられた結果が八十五円という値上げになっておる。これは大臣がどう言われても私は承知できません。そうして当を得たものであるというような意見書に至ってはまさにこれは噴飯ものだ。どうですか、こういうことぐらいは厚生大臣と話をしてみたらどうなんですか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 御所見も私はわかりますが、しかしこの放送というものか、これはNHKあるいは民放を論ぜず、放送法第一条の第一項にも掲げてあるように、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障する。」、ことこういうことはあなたに、お釈迦さんに説法かもしらぬけれども、「国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」というようなことから考えて、このあとこまかに、またこうだとかああだとか、まずその基準を、生活保護法を適用しておるところに免除するということは、私はNHKがやってしかるべきものじゃないか。たとえば商業放送であれば一銭も出さず、もうどんな人でも聞かれるでしょう。聴取できるでしょう。しかしNHKは聴取料をとっておるということにおいて、第一条のあまねく国民に最大限に普及されてというその効用をもたらすことを保障できないということがあってみれば、まずNHKの考える基準としては、生活保護法適用者には免除するという程度のものは、これはなるほど必要だ、こう私はさように信じてやったのであります。これを厚生省と相談した方があるいはよかったかもしれません。また御所見も私はごもっともだとは思いますけれども、私はそういう考え方をもってこれを認めたと、こういうことですから、この点一つ御了承下さい。

野村秀雄日本放送協会会長

○参考人(野村秀雄君) 森中委員の御質問にあるいは沿わないかも存じませんが、この問題に対する協会の立場を一言申し上げて御了解を得たいと思います。  実は、この協会が社団法人時代に事業税をとらぬと、しかしそのかわりに結核療養、予防等に相当の寄付をせいということで、寄付を協会の方からいたしておりました。それが今度放送法が改正になって、今のようなNHKが事業体と相なりまして、自然発生的にある程度まで社会保障的な、保護的な意味において何分の免除をしたらどうかというような意見がありまして、協会といたしましても、それはごもっともであるから、ある程度の免除をいたしましょうということに相なって、免除範囲をきめ、それを郵政大臣の認可を得て免除することに相なっておったのであります。しかるところ、今度受信料の値上げをいたすについて、さらに免除範囲を拡大して多少でもお手伝いをすることがいいのではないだろうかということで、この免除範囲を拡大いたしたわけでありますが、これは協会としてというよりか、私としてと申しますか、私はNHKは国民の事業体である、政府の仕事をしておるのではないのだ。国民の事業体として存在しておる以上は、何とか国民のためならばお手伝いをするのがいいのではないかというような考えで、この免除範囲の拡大も私は進んで実行することを提唱いたしたのであります。その他、助け合い運動のごときもその一つであって、この間の二十二号台風の大きな被害に対しても、何とかNHKとしてお手伝いのできることならお手伝いしたらどうかというので、募金のこともやるし、また、救護班も某地へ送ったりして、多少のお手伝いをいたしたわけでありますが、そういう意味において国民の事業体であるから、国民の皆さんのお手伝いのできることならばできるだけいたしたい、かように考えて今度の値上げを機会にしてその免除範囲を拡大いたして、郵政大臣の認可を得ようということにいたしておるわけであります。協会としての所存のあるところを、私としての所存のあるところをおくみ取り願えれば仕合せに思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それは会長は、この前も新谷委員の質問に対して、八十五円の値上げそのものが悪である、こういう御答弁がありました。私はそのときにある感動を受けました。従って協会が、今会長のお話しになったような趣旨のもとに運営されていくこと、あるいは企画、計画をされることは、これはもう何ら異存はない。むしろ積極的にやってほしい。しかも今申し上げたように、八十五円の値上げそのものが悪であるというそういうお考えをお持ちの限りにおいて、やはり私はそういう感動をいつまでも忘れません。  ただ、今、大臣に私がお尋ねをしておるのは、要するに一体、行為としては協会は何でもやってもらいたい。ただ、しかし、それを政府がただ黙って見ておっていいのか、それは当然のことであるという、こういう見解で済まされるかという、こういうことを実は私は大臣に伺っておるのですよ。つまり、もちろんそう年々歳々値上げをするということもあり得ないと思いますが、しかし先刻大臣が言われたように、この際はということですが、この基準というものは将来も続くのです。来年も同じようなことを、この予算の審議をしなくちゃなりません。私は、今会長のお話に対してちょっと申し上げたように、その行為そのものは大いにこれは奨励し、かつお願いをすべきことであるのですが、一体四千四百八十八万円という程度の金が、政府として負担能力がないのか、国庫能力がないのかこれが、実は問題なんです。なるほど、今、会長から事業税云々という話が出ましたが、これは利潤機関でないですから事業税がかからないのは当然です。従って、それの延長としての免除の条項ができました趣旨はわかりますが、むやみに拡大されていくそういう状態を、政府として黙って協会のおやりになるままに、いつも協会の善意をそのままほおかぶりして、政府が見のがすべきかどうか、これが私の質問の中心点なんです。私は、今の政府予算の中に四千四百八十八万円程度の金が、国家予算として負担能力がないとは思えない。それを大臣のお答えからいくならば、これは何ら放送法にもとるものではない、こういうふうな御趣旨のようですが、もう少し受け取り方を違った角度から受け取ってもらいたい。要は国家能力が、四千四百八十八万円の負担能力、来年どのくらいになるかわかりませんが、やはり協会が善意のもとに、会長が八十五円の値上げは悪であるという、こういうだれもが感動を受けるような、そういう意味でやっておいでになるのに、政府はああそうか、それは一つ協会でやってくれということで済みますか。そこに私は政府としても、あるいは役所として見ておるべきかどうかという、こういうところに私の質問の中心は置いておるわけです。だからして、四千四百八十八万円程度は、たとえば厚生省の場合に、医療機関も、これは生活困窮者には無料でやらしておる、いろいろなことをやっておる。そこで郵政大臣が厚生大臣と話をして、協会は善意のもとにこういう計画を持っておるが、少しこれは政府としてめんどうもみよう。それが協会の善意にこたえる、国として政府としての当然の道である。そういうことの話程度は、放送法を所管せられる、放送事業を管掌される郵政大臣としてのとるべき道であってもいい、私はそう思う。そういうことを聞いておるのですよ。どうですか。だから、行為そのものを責めたり、法律に抵触するとかどうとかいうのでなくて、その精神なんです、今私が聞かんとするのは。これは当然でしょう。もちろん、先刻も言ったように、協会の予算のうちの四千四百八十八万円の落しは、これは全体の比率からいくならば、そう大きな問題じゃないかもしれぬ。しかし国民からは八十五円の値上げをせざるを得ないという苦境に立ち、しかもなお、会長は値上げは悪であるというように言い切っておる。値上げを悪であるというのは、大臣や官僚には言えませんよ。絶対にこれは言わない。大臣や官僚は言いません。会長だからこれは言える。値上げは悪だとはっきり言い切っておる。そういう状態に対して、政府がやり得る可能性のあることを、全然交付金も助成金もこの問題について出さぬというのは、これはちょっと理屈が通らぬじゃないですか、どうですか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 私は、やはり御意見としては尊いものだと思います。非常に謹聴に値するものだと思っております。ただし、受信料ということにおいては、やはりこれは協会そのものがこうした考え方を持つということが自然じゃないか。たとえば受信料以外に電気料金がありますね。そういうものをどうするかというときに、これは通産省なり厚生省方面にこれを相談をしてみるというようなことは、こういったような場合においては、これはもうお話の私は通りいたしたい、そういうことを思っております。ただ、受信料を生活保護法の適用者に免除すると、こういうことについては、やはり協会というものの今度の考えが正しくはないか。正しくはないかということじゃない。やむを得ないとしても、やはり受信料免除というこのことだけにおいて協会が考えていくべきじゃないかと、それにはやはり最大限に普及をさせて、その恩恵をもたらすということの保障をしなければならぬということは、NHK、民間放送を論ぜず、このことが大きな放送業者としての使命になっている。そうするというと八四、五%で埋まって、残りの一七、八%はどうであろう。その中の因子を調査してみるというと、生活保護法適用者などは全然ラジオも聞けない、こういう気の毒な状態だということであれば、NHKが徴収する聴取料というものの免除の中に、十七項目の中に、今度の放送法改正の機会にそれを新らしく規定をして、そうして要生活保護者に対してはこれを免除しよう。それはこの四千四百八十八万円というものは、少い金ではないかもしれませんけれども、しかし、今度の値上げに対してこれを直接関連せしめれば、こんなものは政府が持てという論もわからぬことはありませんが、しかしNHKのこの使命の中に、やはり、できるだけ国民多数に最大限に普及をさせる、最大限に聞かせる、こういうことが放送事業者としての使命である。放送法第一条に、左の原則に従って公共の福祉に適合するように云々というようなことにも書いてありまするから、この辺のところまでは、まずNHKが一つのそういう免除規定の中に入れたということであれば、NHKの責任の範疇ではなかろうか。そうしてまた、その電気料だとか、それに関連していろいろな問題が出たときには、これはまた政府がこれを考えていくというようなことにやるのがむしろ適切ではないか。完全無欠とは申しませんが、やむを得ない処置ではなかろうか。こう考えますが、まあ一つ私も、あなたの御所見については十分傾聴いたしている次第でありますから、この点御了承願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 やはり了承できません。謹聴に値するというならば、もう少し研究してみたらどうですか。私は、全国でのこの該当者の方が何千件ある、しかも、ことしは四千四百八十万円だ、だからしてそれを個別に、件数自体について、どこの何がしの分を払えんとか、これをどうせよ、そういうことは技術的にも実際問題としてむずかしいですよ。しかし国家がいろいろな財団法人に、少くともこの種の事業をやっているものに対して、たとえば養老院あるいは保護院とか、いろいろなのがあるのです。大体こういう人たちの集団生活をしているところだとか、あるいはそういう人のめんどうを見ているところとか、それに交付金を出しているじゃないですか。これは予算書を見てごらんなさい、政府は財団法人あたりに交付金を出しております。従って、そういう趣旨のもとに、個別にどこのだれそれの分の受信料を負担するということじゃなくて、総額まとめて、協会がこういう仕事をやろうとしているのだから、当然協会も、私はそういう一種の生活困窮者に対する事業行為を行う一団体として、交付金を交付していく対象になると思う。そういうことを研究してみたらどうですか。それが厚生大臣と話すなり大蔵大臣と話すなりして、郵政大臣がおやりになる一つの仕事であろうと思うのですよ。私が最初の質問のやり出しが、あたかも、大臣の責任を問うたかのように、あるいは協会が逸脱行為をやったかのような表現になったかもわかりませんが、それは三段論法の一論法であって、そういうことを言っておるのじゃない。究極的には、今申し上げたように、こういう社会事業的な行為を行なっておる各団体に政府が交付金を出して、助成金を出しているから、協会も、大いにこれを促進してもらうには、その善意にこたえるために、交付金、助成金の交付の対象たり得る団体である、これを考えてみたらどうか、こういうことなんですよ。これは謹聴に値するというならば、即刻一つ検討してみて下さい。これは私は大蔵省といえども、厚生省といえども、郵政大臣のそういう説に対しては謹聴に値いするであろうと思う。検討してみませんか。意外におもしろいことが出ると思う、どうですか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) この生活保護法適用者に対する今回の日本放送協会の免除の処置というものは、私はこれでいいということは、あなたの御所見に対してはきわめて敬意も払って拝聴はいたしますけれども、しかし聴取料を免除したというこのことについては、私は正しい、こう思っております。ただし、これに関連して、多少問題になっております電気料の問題だとか、いわゆる受信機に対する電気料の問題とかいうようなものにつきましては、御指摘のようなことを現在やっております。私自身がそういう相談をいたしております。政府がこれは何とか考えるべきではないかと。でありまするから、その線の引き方が森中委員とは、そこに若干の線の引き方が違うかもしれませんけれども、しかし基本的な考え方というものは差異がない、こういうふうに考えるのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうも基本的なことでどうというのは、さっきの大臣の答弁とまた食い違ってくるんじゃないですか。大いに同感だという話だったから、私も話を進めていった、今になったら違うとおっしゃる。一体、大臣は何を聞いていたんだ、こういうことになりますよ。しかし、これは私は、さっきも言ったように、協会がこういうことをおやりになるのは悪いとか、いけないとか、やめなさいとか、そういうばかげたことを言っておるのじゃない。大いにこれはやってもらわなければいけません。いけませんが、政府としてこれに措置する一つの方法が残ってはいないのか、そういうことを政府は研究できないのか、検討できないのか、こういうことが私の言わんとするところなんですよ。しかも、でき得ることというのは、この種いろいろなことをやっている各種の団体に対して、政府は交付金、助成金を出しているから、そういう一対象になるのじゃないか。しかも、昨今における協会の経営の内容、特に今からFMなり、あるいはカラーテレビなり、しろいろなものがだんたん拡充されていかなければならぬときに、なおかつ、協会としてはこういう一種の社会性を持った、公共性を持った仕事をやろうというように、気を使いながら事業の計画をしておるんですから、そこをやはり政府が見るべきですよ。もっとも、あまり政府に金を協会に出せ出せというと、監督権を強化するから、そこまであまり言いたくありませんがね。しかし、これは政府と協会との、善意の中に、監督権を強化するというそういう意味合いではなくして、すなおに協会のそういう善意な事業に対しては、政府としては考究の大きな要素になり得る、私はそう思う。だからして、今ここで大臣は、残念ながら、意見書を出す前に、そういうことに気がつかれたのか、つきながらされなかったのかどうか、それはわかりませんが、とにかく、これは一つ研究してみて下さい。そうしてできるならば、次年度あたりに具体的にそういう社会事業的な問題として、協会を一対象として助成金なり交付金を幾らか出す、こういったようなことを一つ考えてみたらどうですか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) これはまああなたと私との考え方が遠くを、突拍子もなく逆行している、こういうことを考えません。これは、政府というものが考えるということについて、研究せよということであれば、これは研究の価値もありましょう。しかし、今回のNHKの、要保護者に対する、生活保護法の適用を受けている者に対する受信料の免除のこの申請というものは、私は、協会のその放送事業者としての使命からいっても、これはもう適当のものたと、こういうことは依然として変りございませんけれども、あなたの御所見に対して検討するということは、検討の価値の十分あることでありますから検討いたしましょう。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今のことは検討するという大臣の言葉で大いに一つ期待します。  それでもう一つ、この事のついでみたいたけれども、大体、監督権を強化するのはこれはよろしくない。よろしくないが、公共放送であるNHKに対してもう少し、私はいろいろ政府は側面的に、監督権を強化するという大だんびらを抜かないで、フェアな気持で大いにやるべきだと思う。やっていないのがもう一つある。この放送法の三十四条をごらんなさい。放送に関する研究というのがある。一体、金を幾ら出したのです。協会のこの長期計画の中には、ラジオ、テレビ画面にわたってうんと研究をやろう。それでわが国の放送技術の水準、放送文化の水準を嵩めようというように気負い込んでいます。金を幾ら出していますか。  これは一つ午後にしましょう。光村議員が何かその問題、さっきの受信料免除の問題で質問があるそうですから、今のことは私はこれは午後に譲って、できるならば、一つ横田局長、午後すぐに資料は出ると思いますから、三十年以降この三十四条の放送に関する大臣の研究命令、これに対して金を幾ら出したか、それを一つ持ってきなさい。午後一つまたこれはやりましょう。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) 委員外発言許して下さい。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 御異議ございませんか。    「異議なし」と呼ぶ者あり〕

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 御異議ないと認めます。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) さっき森中委員の言っておられましたのは、無料で開いている人のことだと思うのですが、私もこれは逓信委員になってからも何回も言っていることなんですね。しかし、今までは放送料が値上げをしなかったから、私はそれでよかったと思うのです、今までなら。今度放送料を値上げをされるのです。経営が成り立たないといって放送料を値上げされるのに、田中さんのときには、たしか八億円とか言っていましたがね。貧困者とかあるいは公共団体に聞かせていて、それ金をとると。私は一千五百万程度の世帯がラジオを聞いて、その聴取料から生活困窮者に幾らかずつ出し合って聞かしてやるという趣旨は賛成ですけれども、一般の生活困窮者に対しては社会保障というのが別にあるのですね。税金の中から……。私は、今さっき森中委員の言ったように、政府から出してやるのが当然ですよ。経営が成り立たないときに、値上げをしなくちゃならないときに、八億にも近い金をこれは持ち出しなんですから、当然とれはとれる金です。それを私は、一千五百万世帯の人が、割り切れなし気持なるじゃないかと思う。だから、これは単にNHKにそういう規定があるからというんじゃなくて、これはもちろん、もともと、私は政府の命令だろうと思うのですがね。私はラジオ聴取料を出している一人として、これは納得できないのです。その点どうなんですか同じような質問があったかもしれないのですけれども。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 今、光村君のお言葉の中に、これは政府が命令してやったんだろう、指示してやったんだろうということは、とんでもないことでございます。今回のことに対しては、私はそういうことは全然関係をいたしません。それからこれは光村さん、まことにおしゃる通りだと思うのですけれども、しかし、NHKが公共放送として、またNHKのみならず、ただいまもこれはお答えいたしたのでありますが、日本放送協会あるいは民間放送を通じて、放送法の第一条に私は示してあることに、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」、要するに放送業者というものは、国民に最大限にこの放送を普及させなきゃならぬ、その効用をもたらすことを保障しなきゃならぬ、こういうことを言っておる。そうするというと、現在NHKが考えまして八三、四%世帯数と契約をして聴取者がありますね。そうするとあと一六、七%がまだ聞いていない。こういうものをいろいろ検討してみれば、その中に生活保護法を適用されておる部分の人がまず四千五百万程度ある。こういうことから考えまして、やはり放送の使命である、最大限に普及をされ、またその効用をもたらすことを保障するという協会の使命、放送業者の使命にかんがみても、これは考慮の必要がありゃしないか、聴取料免除のことを考えてやる必要がありやしないかということからして、協会の使命を達成すべく協会が自発的にお考えになった。そうして所管の郵政大臣にその許可を求めてきたという筋でありますから、私は生活保護法として、あるいは困窮者に対する国のいろいろの施策によるこの協力、めんどうを見るということはまた別な観点に立って、聴取料たけはこれは免除する。それからまたそのラジオ受信機にしましても、これは電気料がかなりかかる。定額は定額のようにかかる、動力のときは、ワットで計算するものはワットで、それほどかかる。ですからそういうふうな、これに関連する電気料というようなものをどうするかということになれば、私は現在、これは政府が今御指摘のような考え方でめんどうを見ていかなきゃならぬじゃないか。そうすれば通産大臣とも相談しなきゃならぬし、また郵政あるいは厚生大臣等とも相談をして、そういったようなことのめんどうを見ていかなきゃならぬ。ただ協会の責任である受信料というものについては、やはり協会があまねく国民に聴取できるような努力をしなきゃならぬという、その使命の範疇にこれは入るべきものだ、そういうことでその基準を、今回いろいろ問題になりましたけれども、生活保護法の適用者に限りしぼってこれを申し入れをしておる。こういうことでありますから、この三十四年度のNHK予算を御承認賜わりますと同時に、そういう規定を  新しい放送法改正案にも新しい規定もあるわけでありまするから、それを、NHKがその生活保護法の適用者に対する免除の規定を設けたい、免除したい、こういう要望に対して、郵政大臣として一応これを許可する。そういうことにおいてNHKはあまねく国民に聴取させる、こういうふうに考えております。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) もういいです。それは大臣か命令したかどうか、私はそういうことを聞いておるのじゃないのですよ。ただ私は、何べんも言うように、今までの放送料の中でやるならいいと言うのです。私の言い分は、経営が成り立たないからといって値上げをするのですよ。値上げをするのに、片っ方では一千五百万世帯からは金を取り上げておいて、何方世帯かは無料でするという、これは矛盾があるというのですよ。それなら、その貧困者から電気料もとれないからといって、電気代を上げて、一般のわれわれから電気代を高く取り上げてこれを免除する、あるいはガス料が出せないからといって……。ガス会社が値上げをやるそうです、ガスも電気も。そうしてわれわれからとっておいて、じゃこの生活保護者に対して電気料を免除するのだということになれは、社会保障なんというのは、これは成り立たなくなるのですよ、実際上。何のために私は政府が社会保障制度を作ってやっているか、意味がなくなる。これをざっくばらんに言って、とっぴな話ですが、米も買えない、あるいはみそも買えない、着物も買えないというようなときに、一般の人にものを高く売りつけて、その中から補助してやるということになれば、私は政府のやっている今度の社会保障制度というものは根本からくずれてくるのです。私が大臣に質問しているのはここのことじゃなくして、値上げをされる時期に、私はこういうことが納得できない。それもわずかならいいけれども、数億という金なんです。一般の聴取から取り上げておいて、取り上げるというと語弊がありますけれども、高くして聞かしておいて、その差額で貧困者に対して数億もの補助をする。これは補助ですよ、実際にNHKの……。私はただで聞かすのが悪いと言っておるのじゃないのです。われわれから高くとっておいて、NHKが貧困君に対して金をやっておるのと同じなんです。ここらに矛盾があるから、先ほど森中委員が言っておるように、当然これは政府の方で考えてやるべきだということを言っているのです。回りくどい答弁じゃなくて、値上げをしてまでやらなければならないかという問題だけを端的に答えてもらいたいと思う。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 御趣旨はよくわかりました。それから現在免除しております受信料というものは大体六億余りであります。今度のが四千五百万くらいでございますから、合せて六億五千万くらいだそうであります。よくわかりました。ただ、値上げをしなければならぬようなときにこういうことをするというのはいかぬのはよくわかりました。しかし、たとえば電気料の問題でも、この生活保護法の適用者に対してラジオに対する電気料を免除するか、それは今検討しておる問題ですけれども、するから値上げをするということでは私はないと思う。やはり、よって来たる値上げに対する、たとえば値上げをするとすれば、別に大きな問題があるわけです。こう考えるし、NHKの今回の値上げにいたしましても、やはりそれには値上げをすることによって従業員の待遇を改善されるというようなものも、これはなすべきときにはなしてやらなければならぬといったようなこともあるのでありまして、何でもかんでも、値上げをするためにそういうことをするのだというようなことでは私はないと思いますが、御趣旨はよくわかりましたから、そういう点で十分誠意をもって拝聴して、なお今後とも検討いたして参ります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 さっきの資料ですね。三十年から三十三年まで放送法三十四条によって一体幾ら研究命令に伴う費用を出したか、研究命令はどういう形で出されておるか、あまりむずかしい資料ではないと思うのですが、午後私の質問までこれ一つ御提出を願い面す。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 資料はいいですね。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) よろしいです。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 間に合いますか、午後までに。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 調査して結集を御報告申し上げます。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 二時まで休憩いたします。    午後零時四十九分休憩    ―――――・―――――    午後二十一分開会

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) ただいまよりさいかいいたします。  委員変更についておしらせいたします。本日、前田佳都男君が委員を辞任せられまして、その補欠として苫米地義三君が委員に選任せられました。   ―――――――――――――

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 休憩前に引き続いて質疑を続行いたします。御質疑のある方は、どうぞ御発言願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 NHKの予算の承認を求める案件がていあんされておるわけでありますが、特に、ことしの場合は、ラジオの聴取料金の値上げが出されておりまして、非常に国民としては、重大な関心を持っておるところと私は思います。  従って、最初にお尋ねしたいのは、現在のNHKの資産の現況ですね、まあわれわれも非常にNHKの経営状態が、きわめて困難な状態にあることは率直に認めておりますが、特に料金値上げを今回するに際して、国民、NHKの資産の状況がどういうふうになっているかということに、非常に関心を持っておると思います。ですから、一つ現実をここへさらけ出していただいて、どういう状態かを、まず御説明いただきたいと思います。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) NHKの資産としましては、昭和三十三年三月三十一日現在での固定資産でありますが、固定資産が帳簿価格として八十二億九千万円になっております。その内訳を申しますと、建物が三十三億六千万円、それから構築物が八億九千二百万円、それから機械類が二十三億二千五百万円、それから機具什器類でございますが、こういうものが約九千万円、それから土地が十一億九千九百万円その他建設仮勘定二億円余と、こういうようなことになっております。  それで、この現状については、所定の減価償却をいたしました結果の帳簿価格になっておるわけでございますが、この中には、実は機械類とか、それから構築物、たとえばアンテナとか、そういうもの、それからスタジオその他の設備というものにつきましては、戦争中ならびに戦後の早々の時分に作りましたものが非常に多いのでございます。で、それらのものは、実は一応の償却をして参ったんでござますけれども、しかしながら一方におきまして、従来戦争中並びに戦後におきまして協会としましては、建設の方に実は追われまして、と申しますのは、難聴地域を解決すると、それから一応、とにかく全国の皆さんに聞いていただくようにカバレージを広げるというふうな、NHK当面の最も重要な面に実は追われて参ったのでございます。そうしてそれらの局の建設というものが優先して参りまして、それらの仕事に実は追われて参った。ところが、一方そういうふうな資産のうち、昔、作りましたものにつきましては、どんどん老朽して参った、建物につきましても、非常に老朽している。それから機械類にしましても、戦争中など非常に資材の悪い時分に作りましたものが多いのでございます。  そこで、当時における所定の償却をいたしましても、そういうふうな関係上、非常に老朽が早かつたという面と、それから、もう一つは、戦後におきまして、放送技術が非常に画期的な進歩をいたしました。それで、従来の設備によりましても、一応の放送の目的は達せられるのでございますけれども、新しい、最新のものは、非常に効率がよろしい、違うというわけでございます。  たとえば、具体的に申しますと、空中線でございますが、送信アンテナにいたしましても、昔のものは自立式鉄塔でございまして、ほとんどまあ協会のものは、ごく最近作りましたものを除きましては、みんなこれになっております。これは非常に電波の効率が悪いという面がございます。一応の電力を使いましても、それから出る電波が非常に効率が悪くて、所定のところまで達しない。ところが、これをやるためには、また電力をふやさなければならぬという面で経費がかかる。ところが、戦後にできました新しい技術による送信塔は、円管鉄柱というものでございまして、これは非常に効率がよろしい。同じ経費を使いましても、その電波の質とそれから量というものが、格段に相違しているというわけでございます。民間放送ができましてからは、皆この新しい設備によっているわけでございます。ところがNHKにおきましては、従来、そういうふうな面におきます償却というものは、どうしても追いついていかなかったと、これをするためには、どういたしましても、財政的に余裕が出なかったというわけでございます。それで、これは実は、もう一刻も、このままではゆるがせにできない状況になっております。たとえば老朽したものにつきましては、スタジオにいたしましても、地方の局のスタジオは、非常に老朽しておりまして、まあ、はなはだしき例を申し上げると、音が漏れるかというふうな面も少なからずございます。それからまた、機械類その他構築物にいたしましても、一応、物理的に耐用というものはございます。けれども、一方これの効率の面から申しますと、使用上の効率が非常に悪くなっている。いわゆる陳腐化しておるというものが非常に多いわけでございまして、これらのもののうち、当面、どうしてもこれは、取りかえなければならぬ、もうやり直さなければならぬと思われますものを拾いますと約七十三億ばかりのものをしなくてはならいわけになります。この七十三億円は、新しく作る場合の費用になるわけでございます。  それで、一方協会としましては、昭和二十九年に、この償却率を時代に即応しましたものに改訂いたしまして、そうして、その率は、大蔵省令による耐用年数表を主にいたしまして改訂したのでございますが、それ以前のものにつきましては、今日、そういう状況において残っておるというわけでございます。従いまして、これはもう、一日もゆるがせにできぬわけでございますので、実は、五力年計画の初年度――三十三年度から、これを取りかえるということに決意したわけでございます。しかしながら、三十三年度におきましては、諸種の事情も考えまして、料金の改定を一時差し控えたわけでございますので、やむを得ず三十三年度に限りましては、その取りかえを借入金によらなくちゃならぬわけでございます。で、大体これを五力年で計画いたしますと、年間約十六億円ばかりになります。私どもとしましては、これを借入金によります場合には、ラジオの今後の財政状況を考えまして、これの返済能力が、実は出て参らないわけでございます。一方、これらのもの、は新しい建認というわけではございませんで、古いものの取りかえになる、いわば償却というふうなことになるわけでございます。具体的には償却不足を、この際訂正するのだというふうに考えておるわげでございます。従いまして、それらのものを明年度予算以降四力年におきまして、特別償却をしようという考えでございます。それで、その十六億のうち、自己資金――普通償却による資金がございます。それから、いろいろ、まあ資産のうち、この際売って金にしようと思うものを研究いたします。それらのものを、いろいろ引き当てました残りというものが約六億円ございます。この六億をもって、特別償却をして、計画的に今後、三十三年度以降五力年間で、これを取りかえようという考えに立っておるわけでございます。  その老朽棟腐化設備の内容につきましては、表も作ってございます、詳しいデータもございまますので、ここで申し上げますと、非常にたくさんになりますので、資料として差し上げたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、二十九年までの減価償却は、大蔵省令に定むるものに準拠して済んだわけですね。――そのあとの減価償却については、三十三年度より、五力年間でやろうと、こういうことなんですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 特別償却いたしまして、取りかえようと思いますのは、主として二十九年以前の分でございまして、償却が、完全にいってないというものでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、その二十九年以前のものは、一応特別償却したわけですね。あと三十年以降のものについては、もちろん年度ごとに多少の償却はしていると思いますが、三十三年度より約五力年間で、完全に償却していこうと、こういうことなんですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 二十九年以降のものにつきましては、このような措置は、必要といたしません。古いものについて、それを取りかえようと考えたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、今現在、三十三年度の予算の審議にわれわれが非常に心配いたしました減価償却については、かなり、これを切り捨てて危険な状態の中でやられてきた、これは、われわれよく知っております。  従って、今、この三十四年度で減価償却をやろうとするわけなんですが、現実に今日、減価償却を完全にしたら、こういう状態である、今、不完全ですから、こういう状態である、こういう想定ができるわけですが、その具体的な数字は、金額にして、建物、それから構築、機械器具、土地と、それぞれ、どの程度になりますか、大体の額にしまして。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 特別償却をしようと考えておりますものは機械類、これは、いろいろございますが、放送機その他調整装置とか、いろいろございますが、そういうふうなものを全部機械類というもので、総額二十五億三千六百万円でございます。それから施設でございまます。これは放送所の建物、スタジオ、そういうふうなものでございます。そういうものが四十七億五千三百万円、合計いたしますと、七十二億九千万円でございます。これを五力年間で計画的に特別償却しようというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 特別償却をするのは、これは、当然なことでありますが、そのほかに、やはり減価償却をしていかなければならぬ問題があるのじゃないのですか。そういうものは、どの程度あるのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) そのほかに、所定の償却をいたしますものが――普通償却と申しますか、これが約七億円ぐらいございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、わかりやすくちょっと説明していただきたいのですが、特別償却をしなければならないものが七十二億円ある。そのうちで、今日まで多少の償却はしておるのですか。それとも、全然せずに、七十二億というものは減価償却分として残っておる。それから、あと七億程度の所定の減価償却というものは、これは年度ごとに、多少の償却はしておると思うのです。  だから今、現在残っておる償却しなければならぬ額というものは、幾らになるのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 特別償却をしなければならぬただいまの老朽陳腐化設備と申しますものも、過去において償却はしております。おりますけれども、これは、先ほども申し上げましたような事情によりまして、償却が非常に足りなかった――財政上許されないので、足りなかったということでございます。従いまして若干の償却はして参っております。  それと一方、二十九年以降の今日調べております償却率による償却というものをしましたものを全部含めまして、償却をしました残りの現在の帳簿価格は、先ほど申し上げましたように八十二億ということになっておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 八十二億じゃないのでしょう。七十二億というのじゃないのですか。私の聞いておるのは、特別償却すべきものをしていないものが、今お話ですと七十二億だと、こうおっしゃるわけですね。それからそのほかに所定の、これは普通償却と申しますか、そういうものが七億あると、こういうのですから、その額は今まで、予算的には措置がされておらずに、七十二億と七億というものは、今日無償却だ、そういうものが残っておるというふうに理解していいのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 八十九億の資産のうち、まだ償却不足になっておるものがある。その償却不足になっておるものについて、特別償却を実行する場合には、その償却費が約七十二億必要だと、こういうことに御了承願いたいと思うのです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、これは非常に問題ですよ。今、固定資産の分だけ、私はお聞きしたので、流動資産の方は、まだわかりませんが、八十二億、現在帳簿価格として、固定資産がある。そのうち七十二億が、特別償却しなければならぬということは、今ある固定資産のほとんどのものが、減価償却しなければならぬ、七十二億補てんしなければ持たないということでしょう。  こんなに放置してあるということは、どういうことですか。これはちょっと普通の常識では考えられないのです。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) ちょっと、もう少し詳しく御説明さしていただきますと、今の八十九億の資産の帳簿価格のうち――これは流動資産も含んでおります。そのうち特別償却を実行しなくちゃなりません資産が約十六億でございます。それで、これが非常に陳腐化しておる。従いまして、これを取りかえるためには、あるいは更新させるためには、特別償却は必要になってくる、こういうことになるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと、僕にはよくわからないのですがね、理解できないのですけれどもね。さっきの御説明ですと、スタジオで四十七億とおっしゃったでしょう。それから、そのほか二十五億というのがございましたね、それを合せて七十二億だという、今聞くと、十六億だという御説明なんですがね、それは、どういうふうに数字が狂っておるのですか、わかりやすく、一つやって下さいませんか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) つまり帳簿価格は、過去において、ともかく償却しておりますので、だいぶ下っておるわけでございます。その償却費をもって新しいものを、そのかわりを作る、つまりこのスタジオは、このスタジオを償却しますと、その償却費をもって、またこれを更新させるという手段が、通常の手段かと考えるのでございます。  ところが、これが償却をして参りましたけれども、今度はその償却した金が、実はこれ自身の更新ということには使われませんで、新しい局を作るために、その金が回っておった、従って、これ自身が更新されておらなかった。これ自身を更新するためには、やはり過去において、実は手が尽し得なかったがために、新しい特別償却という原資を求めて、それで作らなければならぬ、こういうことかと思うのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで、大体わかりました。いずれにしても、この償却が非常に不十分であったということは言えると思います。  そこで、今までそういう償却をせぬために、老朽化したものが無理して使われておった。ですから、非常に損傷する率というのが、加算していったと思うのですね。ですから、これはもう重大問題で、NHKの資産の内容を見ますと、きわめて危険なものになっていると私は思うのですね。ですから、これに、抜本的な施策を加えぬ限りは、これはどうにもならないというのが、私は、NHKの実態ではないかと思うのですね。ですから、これは、今まで予算的な措置が十分できなかったために、非常に危険な橋を渡っておやりになってきたということが、 明らかになっていると思います。これは、もう今日まで、こういう状態に放置したということは、これは、私は国会側の重大責任でもあると思うのですね。  そこで少し、具体的になって恐縮ですが、今、愛宕山にある旧放送所ですね。あそこのアンテナと、今、川口に送信所がございますが、このアンテナですね。それからもう二つテレビジョン用のアンテナを作りましたね、今度、あっちヘセンターができましたね、テレビの放送塔ができました。あそこへ、最近、教育放送は、向うを使うようになると思うのですが、今、愛宕山にある送信塔は、アンテナは、これは使っているのですか、いないのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 愛宕山のものにつきましては、これは愛宕山に受信所がございまして、海外の電波なんかを受けて、受信しております。従いまして、そういう用途、それから国内各方面と連絡をしておりますので、その連絡用の用途とか、そういう面に、現在使っております。十分にその機能を発揮しております。それから川口の鉄塔は、これは現在において、第一放送、第二放送をこの鉄塔から出しております。  それからもう一つ、テレビジョンでございますが、テレビジョンは、従来は、紀尾井町のテレビジョン放送所から出しておりました。今日におきましても第三チャンネル、ただいまの総合放送は、この鉄塔から、アンテナから出しております。 一方、第一チャンネル――教育テレビジョンは、今度芝の電波塔から出しているわけでございます。これは、芝の電波塔の方が、場所が高うございますし、カバレージは現在のところと非常に違うわけでございます。従いまして、受信者のサービスを考えました場合には、将来は、適当な時期に総合放送、教育放送、両方とも、芝の新しいアンテナから出す方が、受信者に対しては望ましいのだろう、それで、そういう時期が参りましたから、そういうことで考えておるわけでございますが、そうなって参りました場合には、現在の千代田のテレビジョンのアンテナが、一応あくわけでございます。そこへ、実は今度、FM放送でございますが、FM放送をどこから出すかという問題につきましては、いろいろ考えました結果、千代田のただいまのテレビジョンのアンテナから出すのが、最も合理的であろうという結論が出ておりますので、将来は、そういうことにいたしたいと考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 将来ということなんですが、説明の中にも、そういうことも書いてありませんが、私は、そこのところを聞きたかったのですが、FM放送も、今試験放送の段階ですから、年度を区切っていくということは困難かもしれませんが、大体、向うのテレビ塔の、芝のテレビ塔に移る時期ですね、時期は、いつごろを予定されているのですか。  FM放送は、これはまだ本格的にいつからやるということもはっきりしていないと思うのですが、カバレージの非常に有効なテレビ塔を使いたいという御方針があるならば、それはいつごろからおやりになるつもりですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 現在の千代田の放送所のアンテナからFM放送――FM実験放送は、現在も紀尾井町のアンテナから出しております。それで、これは将来、そのまま紀尾井町から発射する。  それから一方、ただいまのお尋ねのテレビジョンの、もう一波が芝の電波塔から出る。時期でございますが、実は、これは芝の電波塔から出します場合の出力の問題でございます。将来、これを、現在の十キロ以上のもので出せる時期が参りました場合に、これを両方から出したいというのが趣旨でございます。ただいまのところは、十キロでございますので、やはり高いだけに、現在の紀尾井町とはカバレージが違っておりますので、現在において、これを、両方から……、両方とも芝の電波塔へ持っていきますためには、やはり経費もかかるわけでございます。そこで、これをいたします時期は、芝の電波塔から出します波が増力されたときに、その機会に、両方ともあそこへ持っていくというのが、最も経済的に望ましいのだ、つまりそうしませんと、二重に設備費がかかるというわけでございますので、その時期に現在の第三チャンネル、第一チャンネル両方を芝のテレビ塔から発射したい、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、この予算の中で計画をお聞きするのですが、その計画は、三十四年度の今、審議をしようとする予算の中には、計画はないということですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 現在のところ、具体的には出ておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 具体的に出ておらないというのですが、その予算の執行の過程において、そういうことは、年度内にやる御意思はあるわけですか、方針としてですね。  それとも、ことしは無理で、来年からやろうと、こういうことなのか、その点をはっきりしておいていただきたい。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) もし年度内に、その問題が起りました場合には、これは、その設備は、なかなか二月や三月ではできないと思います。機械を作るにしましても、おそらくこれは、十カ月くらいはかかるのじゃないかと考えますので、もし年度内にその問題が起りました場合には、その手配をいたしまして、これにつきましては、もちろん郵政当局と、十分な御相談をした上のことでございますけれども、これが予算として出てくるのは、かりにそういうことがあったとしましても、来年度じゃないか。従って、今年度その問題が起りましても、予算支出という問題は起らないのじゃないかと、こんなふうに考えております。  これは、そういう事態が起りました場合には、そのときの状況で、一つ最善のことを研究したいものだと、こんなふうに考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そこで、先ほどの減価償却の点に戻りますが、本年度は、今までに累積されておった特別償却なり、あるいは所定の償却費を、どの程度盛ってありますか、この予算で。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) ラジオの方におきましては、先ほど申し上げた普通償却引当金が七億二千七百万円でございます。それから特別償却引当金というものが六億一千八百万円、これで普通償却、特別償却を合せますと、約十三億円ばかりになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 先ほどの説明で、非常に減価償却がおくれておる。ですからできるならば、これは年度を延ばせば延ばすほど、不利になると思う。ですから、もう少し六億ということでなしに、思い切った償却はできなかったのですか、これは。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) その点につきましては、いろいろ考えたのでございます。事情は、もう非常に切迫しておりますので放置できない。従いまして、仰せの通り、これを早くやることは必要だと思うのでございますが、あまりこれを、やはり縮めますというと、さしあたり来年度あるいは再来度等の受信料に、実ははね返ってくるという面がございます。そこで一応、これを計画的に考えまして、緊急度を要する面から計画して、これを五力年間やろうという計画を作りまして、こういう計画を作ったのであります。  考えとしましては、もっと早くということが望ましいのでございますけれども、実は、先ほど申し上げましたように、そうしますと、やはり期間が縮まることによって、受信料にはね返る分が大きいというのと、それからやはり、あまり一年に、これはするということは技術上なかなか、あまりにも一ぺんに重なって参りますので、多少の困難があるという面を勘案いたしまして、五力年間ということを考えたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ私は、もちろんその受信料の値上げ、それによって、総体的に収支のバランスを立てられる、まあ、それが当然計画として、重点的に考えられると思うのですが、それはそれとしても、総体的のワクの中でも、結局、手当がおくれればおくれるだけ、寿命は短くなる。ですから、役所の組織なんかを見ておりましても、やはり、われわれが指摘をしたいのは、修理なんかの問題でも、これは減価償却と違いますけれども、ちょっと雨漏りがしましても、すぐ直せば済むものを、一年、二年ほっぽらかしておいて、そしてどうにもならなくなってから、たくさんの金をかけて修理するという、実に武家の商法的なまずい点を官庁組織の中ではずいぶんやっているのですね。ですから、せめてそういう点は、協会あたりが率先してやっていただきたいという、僕は強い念願があるのですから、放送料金に頼る協会としては、基本的にはやはり受信料というものを基礎にして考えなければならぬわけですから、立場はわかりますけれども、もう少し、十億程度くらいの減価償却は、私はみておく必要があるのじゃないかと、こういう考え方を持っておるものですから、大へんくどいような質問をしておったわけでありますが、非常に皆さんも、これで自信が持てるとは考えておらないようでありますが、私は、大きく経営全体から、将来を見越して判断する場合には、非常に不的確な償却費しか組んでない、こういうふうに、まあ極端ですが申し上げなければならぬと思うわけでありまして、今後その経営に当って、特段に、こういう点については、もっと思い切った償却をしていただくようにお願いをしておきたいと思いますが、これは、五力年計画というお話ですが、できるならば、来年度に、もう少しこの償却をみていくという方法も、十分お考えいただきたいと思いますが、五力年間で、パーセンテージに割って、六億ということでなしに、やはり十億、七億、六億と、こういうふうな形にするか、その辺の重点のかけ方というものを、やはり初年度を基調にして、本年度を基調にしてやっていくという思想をもってもらいたいと思うのです。その辺は、どうですかね、来年の予算とも関連すると思いますが。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) まことに仰せの通りでございまして、 われわれも、さように考えておるわけでございます。それで、五力年間を考えましたのは、実は五力年計画の初年度が三十三年度でございますので、その初年度は、実はすでに本年度借入金によって実行しているわけでございます。それで一応、こういう計画を作っておりましても、重点度を考えて、緊急を要する点から順次やっていくつもりでございますけれども、これは御承知の通り、非常に緊急を要する面でございますので、一応こういう計画にしてございますけれども、経費の節約、その他つとめて原資を作り、現在の財政の中において余裕を生ずるように努力いたしまして、もしそれができました場合に、優先的に、やはりこれに気をつけていって、それだけ早めるという努力をしていきたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この御説明によりますと、ラジオ関係の予算の中に、予備金が二億予定されておりますね。予備金は、非常にこれは私少いと思うのですが、どういう事態が発生しますか、今後の問題として危惧をするわけですが、何かこの百六十九億六千三百万円という中で、多少減価償却に振り向けるような措置がとれないものかという気持を持つわけで、しかし、予備金が非常に少いので、これをもってやれといったって無理な話でございましょうが、ここで私は断定的には申し上げておきませんが、総体的な予算の執行に当って、多少の融通性があるならば、まず、そういう方面にも、多少ずつ一つ、御配意をいただいておきたいと思うのですが、二億の予備金では、これはてんで問題になりませんか。そういう考慮は。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) この二億は、実は決して多いとは言えないかと思うのでございます。昭和三十三年度では、実は非常に赤宇的な予算でございましたので八千万だったのでございますが、これを、今回二億にふやしたわけでございます。この二億をもちまして、予備金たる性格におきましては、必ずしも十分ではない。これは不時の用意に充てますためには、やはりもう少し準備を持っている方がいいのじゃないかとは考えますけれども、八十五円でぎりぎりの予算を組んでおります関係上、どうしても、予備金は二億しか取れないというわけで、二億計上したわけでございます。  しかしながら、この予算執行に当りましては、努めてやはり業務を合理的に運営いたしまして、各項目ともに、いま一段節約をすると、そうして余裕をつけるという一方、受信者につきましても、収入の面も、さらに努力をいたしまして、この予定しました収入以上の収入をあげたい。このように考えております。  従いまして、この二億は、さらに非常にこれは、決して多いわけではございません。一方、またそういうふうな工夫をして、実は、不時の場合の備えも考えていかなきゃならぬのじゃないか、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、それはちょっと保留して、次に、今回の予算の中で、事業計画のことですが、重点施策として、ラジオにおける老朽施設の改善、放送番組の充実、研究活動の強化、国際放送の充実と、こういう点がラジオについてはあげられておりますが、ちょっと私、以前にこれをよく見るひまがなかったものですから、大へん恐縮ですが、こういう事業計画の今申し上げたような重点的な点でよろしいですから、概略の説明をしていただけませんか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) ここに書いてございますように、重点的な面につきましては、約七項目ございます。  で、第一の老朽設備の改善と申しますものは、ただいま御説明申し上げましたようなものでございます。これが来年度八億六千四百万円でございます。  それから、番組の充実でございますが、テレビジョンと同様に、ラジオにおきましても、いま一そう、教育教養という面を充実するという必要に迫られております。また、世間の御要望も、そこにあるやに考えておるわけでございます。従いまして、教育教養放送を、さらに充実しようということを考えておるわけでございます。で、具体的には、それではそういう充実をするためには、どういう金が要るだろうということになりますと、たとえば、いい作品を作らなきゃならない、それから、あるいはスタジオだけでやっておりますものをさらに発展させまして、現地録音もするというふうないろいろの面が、実は必要になってくるのでございます。そういたしますと、どうしても、ここで相当な経費が必要になってくるということになるわけでございます。またローカル放送につきましても、地域社会の要望にこたえますためには、その土地におけるローカルのニュースとかいうふうなものにとどまらず、その土地に即応しましたやはり教育教養というふうな面を、さらに強めていかなきゃならぬ。  また放送料の合理化及びタレントの育成としてございますが、これはいわゆるNHKは、薄謝協会と言われるような状況でございまして、出演者に対する謝礼が、民間放送に比べて非常に低い。で、もちろん民間放送と同位ということは、これは、私どもとして毛頭考えておるわけではございませんけれども、あまりに格差があり過ぎるというわけでございます。そこで、いい作品を作り、いい出演者に出ていただくということが、やはり放送内容の向上のための一つの手段でございます以上は、やはり現在を改善する努力をしなくちゃならぬ。現在におきましては、いろいろ個々の例を申し上げますとあるのでございます。はなはだしきは、民間放送の一割程度しか出ていないというふうな面も珍しくございません。われわれとしましては、平均いたしまして少くとも現在の二割というものを改善したい。これは出演者によりまして、やはり倍にしなければならない面もございますし、据え置くという面も、いろいろございますけれども、平均いたしまして二割程度は改善しなくては、どうしても、最小限度の待遇はできないのじゃないかと考え、平均二割というものを、ここへ計上したのでございます。これは最低のものじゃないかと考えておるわけでございます。  それから、研究部門の強化でございますが、NHKの技術研究所並びに放送文化研究所の充実でございます。これは、もちろんわれわれとしましても、力を入れておることでございますし、また放送界全般から、この要望があるわけでございます。また毎度の国会におきましても、活動を強化せよという御注意をちょうだいしておるわけでございます。従いまして、いま一段、研究部門を強化したいという考えでございます。  それから国際放送でございますが、国際放送につきましては、これはNHKとしましては、現在、三十三年度においては、一日十五時間、十五方向の放送をしておるわけでございます。しかしながら諸外国に例を見まして、また日本の聴取者の要望も勘案しまして、国際放送ということを実行します上におきまして、やはり内容の充実ももちろんでございますが、少くとも一日二十五時間は、どうしても最小限度しなければならん、かように考えておるわけでございます。  そこで、明年度としましては、方向を一方向ふやしまして、十六方向、時間は、二十五時間というのを最小限、どうしても必要と考えまして、これを計画しております。  それから報道取材の充実として、記述してございますが、NHKのニュースでございますが、これは、非常に信頼をもって聞いていただいておるわけでございます。で、NHKのニュースは、もちろん正確ということは、これは必要なんでございますが、その上に、やはり迅速ということが、さらに必要かと考えるのでございます。その迅速も、全国に百数十局の局を持っております関係で、やはりローカルの、地方に起りました事件が、早く全国に報道されるということに、いま一そう力を尽さなければならんかと考えております。  ところが現状は、日本の各地域に七つの中央放送局を設けております。そこを親局としまして、さらに、そこから地方の局が分れておるわけでございますが、現在、その中央放送局におきましては、一応のニュース取材態勢は整っておりますけれども、さらにその末端の局に参りますと、現在において、ほとんどこの態勢は整っていない。どういうことかと申しますと、たとえば連絡線でございます。連絡線がないとか、それから報道機器でございますオートバイその他の資材機器も整備しなければならん。また何よりも必要な放送記者が、地方の局には全然配備しておらんという現状でございます。そこで最小限度、先ほど申し上げましたようなことを実行するためには、やはり必要なところには、放送記者を配備し、また連絡線も整備しなければならんということになるわけでございます。  それらの最小限度のことを一応考えましても、ここに記述してございますように、来年度約一億一千万円は、どうしても必要になってくる。これで十分というわけではございませんけれども、一応、この程度のことをやりますれば、現在以上に、地方のニュースがもっと早く、もっと的確に、全国の皆さんに御報道できるんだと考えておるわけでございます。それからFM放送でございますが、これは、実験放送を東京と大阪でやっておるわけでございます。この計画につきましては、けさほども話が出ましたような状況で、今後のチャンネル・プランの策定に応じまして、われわれとして、これを広げていきたいと考えておるわけでございます。さしあたり来年としましては、現在の東京、大阪の実験放送を十キロに増力いたしまして、その他全国のおもな局、三局ないし四局というものを、実験放送をやりたいと考えておるのでございます。  それから、従業員の待遇改善でございますが、これは、いろいろデータも作って研究しました結果は、やはり一般の世間的なレベルというものに、協会の給与水準は、やはり追いついてはおらない。特に、同じような種類の企業、新聞社、それから放送会社というものとの比較をとってみますと、ここに格段に、やはり給与水準が違っておる。特に顕著な例は、入社しましてから七、八年、あるいは十年くらいたちましたところで、非常に格差が生じておるのでございます。初任給は、大体において似たり寄ったりのところからスタートしたのでございますが、その後にだんだんと上っていく率が下って参ります。そして最も経験を得まして、これからというところの階層になりましたところから、だんだんと、そういうところにも格差が生じてきているということでございます。これは、もちろんわれわれとしましても、望ましいことには考えておらないわけでございます。やはり従業員の意欲というものを、阻害させない、また同種の、ほかの企業に対して、誘惑を感ぜしめない、いろいろな観点から考えましても、やはり、これの改善ということは、必要になってくると考えておるわけでございます。  で、この点につきましては、他の同種企業というレベルまで持っていくことは望ましいのでありますが、現在の財政上では、なかなかそこまで、一気に持っていくということは困難でございます。しかしながら幾分でも、そういうことに近づきたいという考え方で、三十四年度の計画といたしましては、先ほど申し上げましたように、格差を是正するために、一人頭平均千二百円の原資をとりまして、それで、そういう調整をしていきたい、それから、そのほかに、定期昇給の原資としまして四・一%を計上したわけでございます。そのほか退職金も、非常に悪うございまするので、現行の四割退職金をふやそうということを計画いたしましたのでございます。  大体、それが主な項目でございますが、これはいずれも、これをもって足れりというわけじゃございませんが、NHKの使命を達成するという面におきまして、最低限度、これだけはどうしても必要だ、また、われわれは、これだけをもって、世間の要望にこたえたいという決意で、それらの金額を計上したと、こういう次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今回十八円の値上げ、これは約二割七分になると思うのですが、これだけの値上げをするということは、国民の立場からいって、非常に問題があると私は思います。しかしながら、放送協会の経営の実態、資産の実態を、われわれがつまびらかに聞きますると、どうしても、この問題を解決するために、根本的な対策を立てなければならぬ、こういう気持も、またあるわけです。そこに放送料金の値上げが、特に大衆の生活に影響する関係で、われわれは、非常に苦境に立つわけでありますが、それだけに値上げをされることは、協会の今後の運営に対して、どういう影響があるかということを国民は知りたいと思うのです。  今、いろいろこまごまと御説明いただきまして、放送番組の充実、研究活動の強化、さらに国際放送等の問題の御方針が、われわれにわかったのでありますが、国際放送の問題は、これまた、別に私は論議をしてみたいと思いますが、第一番目に掲げておる老朽施設の改善、これは、また非常に重要な問題だと思いますが、この面は、第一年度、第二年度、第三年度、第四年度と、これから長期計画で、老朽施設というものを改善していこうというのを減価償却の面から見ると、長年月にわたって、そういうものが改善されていくようにも思いますが、初年度において、現在の老朽施設を改善するというために、どの程度使われて、二年度からは、どうなるのか、こういう点が、私たち知りたいわけですね。  ですから、この値上げを含む予算というものについては、国民の立場からしても、一番知りたいと思いますから、難聴地域の解消なり、あるいはその電力を、もっとふやすなり、いろいろと御苦心されていると思いますが、特に、この老朽施設の改善ということは、抽象的にはわかりますが、具体的に、この計画はどうなっているのですか。これから数年間の計画でやっていかれるのか、ことしやれば、それで相当の部分が解消していくのか、この点はどう思いますか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 先ほど申し上げましたように、五〇年間でやりますと、大体、特別償却費として六億、それから別に修繕でございますが――資産として残らない修繕、いわゆる補修費という面に属しまするものが二億と、来年度は八億というものが必要になるわけでございます。今後五年間において、先ほど申し上げましたものを計画的にやっていくためには、どのくらいの金額になるかという点につきましては、私どもとしましては、大体このような金額を、今後三十四年度から四力年間でやっていきたい。もっと具体的に、数字について申し上げますと、三十四年度では、先ほども申し上げましたように、普通償却、特別償却で約十三億九千百でございますが、三十五年度は、やはり特別償却と普通償却、両方で約十五億一千万円、それから三十六年度で十五億五千万円、それから三十七年度――五力年計画の最終年におきましては十四億八千九百万と、こういう金額でいけば、これで目的は達せられるのではないかと考えております、この金額は、やはり八十五円という受信料を土台といたしまして、全体の財政計画から出て参りますと、どうしても、このような金額を計上せざるを得ない。またこれ以上のものを、たとえば受信者が、もっとふえるとか、予定以上にふえるとか減るとか、その他、ほかの事業の内容が変更するということがあれば、これはまた別の問題でございますけれども、一応、現在の五力年計画が、そのまま実行されるというプランを、このままにいたします限りにおきましては、こういう計画になっていくと、こういうわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、年間約六億ないし八億という老朽施設の改善に充てるべき金は、大体、五年たつと平常に戻って、所定の償却費約七億程度に戻るということですな。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) さようでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、三十八年ころから、多少ゆとりが出てくる、こういう格好になるのですね。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 三十七年度で、一応その計画は終了しますので、そうしますと、一応この特別償却の原資というものは、三十七年をもって終ると。三十八年度からはどうなるかと申しますと、三十八年度からは、今度はその原資が借入金の返還の原資に回って参ります。それからまた、FM放送は、今後やはり行われる。で、三十七年度までで一応現在のプランでは、十九局ということになるのでございますが、十九局で、八時間の放送をするということになりますと、三十七年ごろには、約七千万円くらいの経費が新たに必要になってくるのじゃないか。  それから、その時分には、いわゆる超大電力でございますが、長期計画としまして、東京、大阪、福岡というところに、超大電力建設というふうな問題がございます。これは、具体的に何年度ということにつきましては、今後の状況によるわけでございますが、その時分には、超大電力というものが、あるいは一部できているのじゃないか。そうしますと、その運営費というものが、ここでやっぱりかかってくるのじゃないか。そうしますと、この原資が、そういうふうな面に、今度は当てはまっていくというふうに考えておるわけです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、ここで、私は言質をとろうとは思いませんがね、今後、将来にわたって、再び特別償却的な要素を持つような減価償却ということは絶対あり得ないと、こういうふうに判断をしておいてよろしいですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 現在のところは、われわれは、そういう確信を持っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣が今おりませんから、政務次官にちょっとお伺いしておきますが、NHKが、非常に苦しい予算のやりくりをしておることはお聞き取りの通りなんです。そこで事業収入から資本支出へ出している金ですね、要するに借金の返済に充てる金が四億九千万、約五億あるわけなんです。  私たちは、今回の料金値上げについては反対でありますが、しかし、このまま放置できない。ですから、何とかして政府が資金のやりくりをしてもらいたいというのが、われわれの念願なんですね。これは、もう公共放送として、特に、わが国の民放が発達し、いろいろと複雑になってきておりますが、その中におけるNHKの使命というものは、これは、きわめて重大であるし、それなるがゆえに、特殊な、こういう形態にして、この事業をやっていただいているわけなんです。  ですから、政府としては、民放と違った立場で、これに対する援助をすることは、これは当然のことだと思うのですよ。ですからわれわれは値上げにたよることなしに、政府の融資を何とかできないものか、こういう点も、年来主張してきました。それからなお、かつ、そういう借入金に対する利子の補てん、これは、かつて船舶に対する貸付金等の際にも、利子補給法というのを作ってやられた事実もあるわけです。あれをめぐっては、いろいろな疑獄的な汚職問題が出て参りまして、非常に重大問題になったのですが、それとこれとは違うのであって、ああいうことは、あり得べからざることがあったので、必ずしも、そういうことの危惧は私は要らないと思います。四億九千万円のこの苦しい中から、今までの借金を払っていくということは、これは協会にとって、非常に負担だと思います。そのために、どう切り盛りしてみても、減価償却自体が、五年なければできないという実態に逢着している。  ですから、私は、今お話によりますと、なるほど三十七年には、 一応現在積り積っている特別償却が片づく。だがしかし、その六億なり、八億の金が、余裕があるかといえば、そうでなくて、向うでは、FM放送に、その程度の金はまた必要になってくるということですから、予算的には、全然財源の融通がきかぬわけです。ですから、何とか四億九千万くらいの借金については、こういう協会の実態ですから、この際、勇断をもって政府が一年くらいの繰り延べを何とかするとか、あるいは特別の措置によって、操作をやるとか、そういうふうなことが財政上の立場からいって、いろいろ問題があると思いますが、やって、私はできないことはないと思います。少くとも減価償却自体が、五年越しでやらなければならぬということは、これはもう、きわめて経営上からいったら、愚劣の愚劣なんです。これは、そういう意味において政府の勇断を私は期待するわけです。これらの問題については、どう、政府はお考えですか。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) NHKが、公共性を持ちました事業でありますことは、御指摘の通りでありまして、従いましてわれわれといたしましても、まあ、これが健全な事業の運営でありますことを、私ども政府といたしましても望んでおりますわけでございますが、ただ申し上げるまでもなく、NHKは、自主性を持った業態でなくちゃならぬわけでございますので、政府の方で、特に援助するということにいたしましても、おのずから限度があるんじゃないかということを考えるわけでございまして、そこで、御承知のように昭和三十三年度の、本年度の予算は五十億、借金の予算でありますわけでございますが、明年度は、ついにやむを得ずして、まあ会長の言葉をかりますならば、これは、一種の悪だというような考えから、受信料の値上げをラジオの面におきましてせざるを得ないことに相なったわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、NHKが、非常に苦しい財政の状態にありますことを、よく存じておりますわけでございまして、ラジオあるいはテレビの予算に計上いたしております長期借入金の面におきまして、できるだけ政府といたしまして援助いたしたいかような考えを持っておるのであります。それ以上、ただいま私どもといたしましては、名案の持ち合せがないわけでございまして、長期借入金に、できるだけ政府といたしましては援助いたしたい、かような考えを持っておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは何回も何回も、同じことを私は聞いておるので、政府の答弁も同じようなことを言っている。まあ、やはり熱意の入れ方にあるのであって、やろうとして不可能なことで私はないと思います。それができないところに、政治の貧困があると思います。これは政務次官のお答えがありましたから、私は、これ以上は申し上げませんが、実際、予算審議に当って、われわれがさっきから言っているように、非常に苦しいのです――この立場上は……。値上げをするか融資をするか、そうでなければ、NHKは、どうもしりつぼみになってしまう、こういうことですから、国民にわれわれは、この事実というものを国会を通じて理解をしていただくことを、お互いにやらなくちゃならぬと思うわけです。  ただ、その措置の仕方について、わが党が主張するような考え方が、遺憾ながらいれられない、こういうことになっておるわけでありまして、われわれも二者択一して、どちらかを取らなければ、NHK危機だと、こういう判断に立っておるわけです。ですから、もう少し融資をしたらこれに、ひもがついて協会の自主性が侵害されるということでも私はないと思う。ですから、財政投融質等も相当ありますし、その措置については、ここのところ、私は四、五年間というのが、協会にとっては苦しいときだろうと思うのですね。これを乗り切って、テレビが、もう少し拡充され、ラジオの方についても、多少の安定が出てきますれば、経営も必然的に軌道に乗ってくると思うのですね。民放の発達過程で、これと、別に対抗するというわけではないのですが、協会本来の使命を十分に発揮するとすれば、当然のことだと思うのですね――協会の方から伺えば……。それがまた、非常に国民の期待するところなんです。ですから、もう少し、私は熱意と誠意がないといけないと思う。熱意と努力ですね、この点に対して、何らか欠けている点があると思うのです。しかし、まあこれは、これ以上追及しても仕方がありませんから、他の質問に入ります。  そこで、今回そういう危機の上に立って、料金値上げが提案されたと、そこで、その金が、どう使われるかということですね。非常に国民は注視しております。  そこで、協会から、いろいろ私は事業計画についての概要を御説明いただきまして、それぞれ、そういう方面に金を使いつつ、また機器を保守していくための減価償却もしていかなければならぬ、こういう点で、かなりわかりました。  そこで、改正案が通れば、これから協会が、新料金のもとに運営されていくわけでありますが、およそこのラジオの聴取者は、飽和点に達していると思うのですね。しかも、なおかつ、御説明によりますと、公共施設その他、できるだけ無料のラジオをふやしていこうという御思想もあるようなんで、これは、非常に国家全体からみましたら、貧困者その他、できるだけ聴取料の免除をしてもらいたいというのが、国民の声でありましょう。しかし、そこにもまた、一つの悩みがあると思うのですね、従って、今一千何ぼかの聴取者があると思うのですが、そういう聴取料免除の点を、拡大していき、なおかつ、本年度の予算の基礎になりました受信者敬には、こういうものが、どの程度に見積られておるのか。それからその使途について、平年度からみて、予算的にどの程度多くなりますか。  

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 受信者の数、今後の計画でございますが、大体、年度当初千四百三十万くらいじゃないかと考えております。それで、今後はどういうふうにふえていくかという点は、いろいろ考えてみますと、現在大体普及率が八三%という点がございます。これからあとの分野は、非常に経済力のない方それから全国に、まだ無電灯地帯等も残っております。  そういうところを考えますと、これからあとに新規にふえていく受信者というのは、もちろんわれわれとしまして最善の努力をいたしますつもりでございますが、全般的にみますと、これは、もうだんだんと下っていくのじゃないかと、こういうように考えます。それと、一応五力年計画におきましては、五年後にこの普及率を、少くとも八七%くらいにはしなくちゃならぬという考えでそれを基礎にしております。もちろん、それをもって足れりというわけではございませんで、それは一応の最低目標で、それ以上に達成したいと考えておるのでございますが、いずれにいたしましても今後の伸び方というものは、非常にこれは、従来以上の努力を要する。半面、困難が非常に増していくんじゃないかと、このように考えております。  そういう面も考えまして、私どもの計画としましては、三十四年度には約十万六千はふえるだろう。これは、今後新規に、免除範囲を拡大いたしましたものが四万四千ございますので、これを引きましたものでございます。そうしますと、三十四年度末では、受信者の数が約千四百四十三万、それから三十五年度では十三万くらいじゃないかと思われます。これは三十四年度よりも三十五年度の方がふえますのは、先ほど申し上げました免除範囲の拡大を三十四年度実行いたしますので、それが一応落ちます関係上、このようなことになるわけでございます。三十五年度は十三万くらい純然たる増加がございまして、三十五年度末では約千四百五十六万くらいになるだろう。それからその次の年、三十六年度は、これは十一万くらいじゃないか。そうしますと、年度の末が千四百六十七万、それから五年目の三十七年度には、これは、もう九万くらいだろうというふうな計画を持っております。そうすると三十七年度末が千四百七十六万、この数が、先ほど申し上げました一応の最低の目標じゃないかと、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 額はどのくらいですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 額につきましては、先ほどのふえました金額、年度ごとにそのようにふえます金額を、大体十万前後でございますが、これが一億二千万くらい、そのくらいふえていくと、そうしますと、三十七年度の末におきましては、八十五円という料金の受信料収入が百五十一億、こういう計算をしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今度八十五円にしますと、三十三年度から見て、ふえる額は幾らになるのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 八十五円にしますと、先ほども申し上げましたような受信者の数で参りますと、ふえる金額が、約三十三億くらいになります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そこで、まあ三十三億の収入増になるわけでありますが、聴取者が、今一番期待をしておりますのは、番組の改善もございますでしょう。いろいろ、それは一般的な問題としてはございますが、そのほかに、難聴地域の人たちの立場、それから、もう一つは、ウラジオや北京、それから朝鮮方面からの強力な電波によって妨害を受けている人たちの地域ですね、こういう地域の対策について、何とか一つ早くやってもらいたい。こういう要望が非常に出ていると思うのです。  これは、私は難聴地域の解消は、NHKが非常に熱心にやられておりますが、まだまだこれは、まあ電灯の入っていないところは別でございますが、そうでなくても、各県回って見ますと必ずしも完全に四六時中放送が聞けるという状態でもないようなんですね。かなりまだ難聴地域があると思うのです。こういうような難聴地域の解消、さらにまた強力電波の妨害に対する排除、番組の向上等については、先ほど御説明がありましたからわかりましたが、そういう点だけは最小限度やってもらいたいと、こういう要望がございますね。これらの対策についてはどういう御方針をお持ちになっておりますか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 難聴地域の解決は、NHKとしましては、最大の使命でございますので、われわれの長期計画においても、第一に取り上げておるわけでございます。  で、その一環としまして、三十四年度の、ただいま御審議願っております事業計画におきましても、三十四年度においては、その方法としまして放送局増力という、増力する計画を持っておりますが、これ、約十二局でございます――新らしく放送局を作るという計画がございます。大体三、四局というものは、最小限度作らなきゃならぬと考えております。現在まだ、第二放送のない局もございます。それらに第二放送を増設します局が約五局、それから、これは、まあほんとうの微電力局でございます。これは、ほんとうの限られた地域に対しまして、その地域の救済をするというために、ほんとうの小電力というところで済むところがございます。そういうところの建設約二局、そういうふうに、具体的な計画を作っておるわけであります。それらのために約六億五千万円、それらの新設のための経費を計上してございます。この六億五千万円は、予算上も放送債券を発行するという手段によって調達するつもりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 強力電波の妨害対策は……。

溝上けい日本放送協会副会長

○参考人(溝上けい君) NHKの難聴地域の解消という問題は、若干分析して御説明する必要があるのでございますが、いわゆる一般的な御要望といたしましては、昼間も夜も、全国的な放送も、県別、つまりローカルの放送も、すべて理想的に聞き得るような状態になれば、これで、全般的な御要望に沿うわけでございすが、今までの状況といたしましては、まず第一の主眼として、周波数その他の関係がございましたので、まず全国的な放送、県別は第二といたしまして、全国的な放送、まず、全国が百パーセント達成する、こういう目標で、在来来ておったわけです。しかしながら、それと、やや並行いたしまして県別放送も、相当充実して参っておりますが、ただ問題は、昼間につきましては、相当いいのでございますが、夜になりますと、今のお話の国内混信もありますし、海外からの相当大きな電力の放送との混信が次第にふえております。それから、また最近、非常に電気器具の使用がふえて参りまして、特に螢光灯ですかその他の難音が、相当地方に行きましても急激に増加しております。  こういう問題がありますために、われわれの目標として一応百パーセントという見当でやっておりますけれども、実際上先ほどお話のありましたように、局部的には、相当受信状態がまだ不十分であるという結果が出てきておりまして、特に県別放送につきましては、なかなか全国的な御要望に完全に沿う状態には、まだ相当遠いのでございます。  そこでこの問題を解決しますのには一つは、少くとも混信、特に夜間外国の混信が多いような地蹴におきましても、少くとも国内の電波のどれか一つが、夜間でも十分に聞こえるというふうな状況を実現するために、先ほど経理局長から説明申し上げました超大電力というものを数局置きまして、どれかは、必ず聞えるというふうにしたいというのが、一つの方法でございます。また、もちろんこの周波数の再免許その他の決定がありますときには、できるだけ郵政省の方に御説明いたしまして、混信の少いような電波を選んでいただくということも、そのつど努力しております。  それから県別放送の改善につきましては、これは、経営上非常にたくさんの局がふえますので、そういった問題もございますが、やはり、まず第一は周波数の問題でございまして、なかなか各県に十分な県別の電波を普及するだけの周波数がないものですから、これは可能な限度において、毎年度努力して進めておるのでございます。大体、そういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 電波監理局長、今の協会の御説明に関連して、難聴地域の問題の中の細分化する――特に福井とか太平洋沿岸ね朝鮮中共、ソ連あたりの妨害電波の解消策ですね、それはもう至急にやってもらわなければ困ると思うのですが、そこでその周波数の割当等もありまして、なかなか思うようにいかないと思うんですが、これはまあ昼間はかなり聞えると思うんですね。特にまあ夜間が問題だと思うんですから特にそういう地域だけに波長の割当の変更をその時間だけやる、ということが一番早道なんですね。ですから大電力にしてもやはり向うが応酬やってくれば、私もよく知りませんから例として申し上げますが、こちらで百キロかりに使ったとすれば、向うがそれ以上のパワーでやってくれば、それはどんなにしてみたって、意識的に、もしやるとすれば依然として解消はできないわけです。ですからそれはまた波長を考えればまたやってくるんじゃないか、という話なら水掛け論になると思いますが、しかし当面そういう技術的な操作は可能だと思うんです、私は。ですからその点の電波監理局としてのこの問題に対する考え方というのが何かございますか。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 鈴木委員の御質問の御趣旨は全く同感に思うのでありまして、混信妨害の対策に最重点を置いて、そして周波数の選択とかそれから増力というようなことを考えなければならぬと考えております。今言われるように周波数を妨害のないようなものに変えましても、また相手は変えてくるということは水掛論でなく、現実に行われる事実なんでございます。非常に苦心を払っておるところでございます。しかしながら放送法の精神を実現するために、全国あまねく聞えるように、この放送が公共のために使われるようにあらゆる努力をして、で、NHKといわず民放といわず、最もよい条件の周波を日本中に、最もよい適当な方法で配置するように万全を尽するようにしたいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは相手方のあることですから、なかなか対抗策、というと語弊がありますけれども、ちょっとむずかしいと思うんです。それで今日本とソ連の間は、一応戦争状態は終結して、不確定な平和条約が取りきめになっています。ですからこれに対する、たとえばウラジオストックあたりから、もしかりに来るとすれば、そういうものに対しては国際ルートを通じて話ができると思うんですね。ところが韓国はまあ別として、北鮮、中共関係は、今のところ戦闘状態が続いているわけですから、国際ルートを通じてそういう話し合いをすることは非常にむずかしいと思うんですね。しかしまあこれは、政治と貿易は切り離せないとか最近いわれておりますけれども、われわれ、まあ純粋な文化的立場に立ってものを考えると、何か足がかりを作って、どういう格好でもいいからこういう問題に対するこちらの実情と向うの実情を互いに知り合って、競合というか混信がないような波長を使うようなことも当然考えられていいと思うんですがね。これはまあ外交状態が中絶しておりますから非常に至難だと思いますが、まあ放送関係のアジア会議なんかの開催も予定されているそうでありまして、まあお話によると、まだその中共関係は呼ぶか呼ばないかの問題もはっきり方針がきまっておらないようですが、何かそういう機会をとらえて、彼我双方の実情というやつを出し合ってお互いに電波なんていうものは武器になるような場合もあるでしょうが、今日においては平和的にこれを利用しようという趣旨に基いて各国ともやっておられるのですから、そういう機会を作って、何とかそういう問題の解決をしていただきたいという気持を持っているのですが、非常にむずかしい問題かと思いますが、何かそういうめどをつけておやりになるようなことはできませんか。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) ソ連は国際電気通信連合、国連の中の機構でありますところの国際電気通信連合の一員として入っておりますので、混信妨害等があった場合には、その機関を通じてやめてもらうことが可能であります。事実そういう例が最近にもございました。しかし、御指摘のように北鮮だとか中共だとか等は入っておりませんので、国際電気通信連合を通ずる交渉が不可能であります。今、仰せのように何かいいチャンスに適当な方法をもってお互の状態を示し合い、また妨害し合わないようにしたいものだということは常に考えております。で、ただいまの国際会議等の場合に、たとえば先方の代表者が何かの形式で出てこられた場合に、そういう場合には接触を持つことを考えまして、そういう交渉の道が開かれるように、そういうふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは政府がおやりになるのは不適当ではないかと思いますが、協会あたりが、これはまあ純民間ではないけれども、公共企業体というワクをはめられておりまするNHKが、独自の立場で北京なり北鮮あたりに、文書でもいいから、日本の実情はこうだとか何とか、相互に何とかそれをうまくやれないかくらいの呼びかけをするということ、これは手紙は行っていますからできるんじゃないかと思うのですがね。これは一方的なたまだから、向うでどう判断するか、返事をよこすか、よこさぬか、それは別ですが、しかしその程度の範囲で自主的におやりになったらどうかという気持もするのですが、これらについてはどうでしょう……。  ちょっと会長がお立ちになるようですから、今のに補足して。幸いアジア会議、放送関係のこれをおやりになる計画があるそうであります。前回、協会側の御意思を確かめたところが、この構成についてはまだはっきりしたことになっておらないということだったのですが、正式なメンバーに入れることがかりに困難であれば、オブザーバー的に御出席いただくという方法も、一つの方法だと思うのです。思想とかそういうものを乗り越えて、せっかくおやりになる会議にそういう国々の人たちに御出席願うということは、非常に意義があると思うのですが、そういった点もあわせて会長のお考えを承わりたい。

野村秀雄日本放送協会会長

○参考人(野村秀雄君) アジア放送会議は、その出発については、一昨年であったと思います、郵政省と外務省の後援のもとに、アジア放送会議を開催いたしまして、私、昨年初めてその会議に出席いたしたのでありますが、そのときは、一昨年の第一回会議において、開催地の問題について、第二回の開催地は、日本においてアジア・オリンピック大会があるから、日本で開催してもらいたいという希望があったために、そうしてそういう決議であったために、第二回の放送会議をNHK主催のもとに昨年の春開催いたしたのでありますが、そうして第三回の開催地をどこにするかという問題があったときに、いろいろ意見が出てなかなかそれがまとまらないのです。開催地そのものについても容易にまとまらないで、いかにするかについて、お互い同士の間に話し合ったのでありますが、結局またNHK主催のもとに第三回の開催を東京においてやってくれ、こういう希望がありました。しかし私は、それはよくない、このアジア放送会議というものは、その放送会議に加盟しておる各国が持ち回りでやるのがいいんだ、お互い同士が金を出し合ってそうして会費を分担し合って、それぞれ各国で開催地を異にした方がいいんだ、日本が一回も二回も三回も開催するということは、何か日本がこれを支配するような感じがあっておもしろくない、これはお互いのものであるからできるだけ各国に持ち回ってもらいたいのであるから、いろいろの事情で皆あそこはいかぬ、ここはいいというようなことを言われるのならば、しからば三回だけはNHK主催のもとにもう一度やろうと、しかし会費は分担してもらいたいと、そうして、この会議はお互いのものであるというはっきりした意識のもとに、この会議をもり立てていってもらいたいということを申し述べて、そうすれば会費を分担し合って、そうして三回以後はお互いが開催地を持ち回るようにしよう、というようなことになったような状態でありまして、ここに新しくどこの国を加えるとか、どうするとかという場面になるとなかなか厄介ではないか。われわれとしてはアジア全体がこの会議に一緒になって仲よくやってもらいたいと思いまするが、開催地そのものすらそういう状態であって、なかなか容易でない事情があるのでありまするから、ここに新しい場面を日本から提唱しても、問題が紛糾して容易にまとまらぬのではないだろうかという心配は持っております。これは逐次そういう機会がおのずから展開するのを待って、そうして円満に解決していきたいと、かように考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはわかりましたが、もう一つ、私信みたいなものを送ることについてはどうですか。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) 実は、その中共あるいは北鮮からの妨害的電波の、妨害と申しますと語弊があるかもしれませんが、混信の問題については、去年私たちの方でも自主的に善処してみたいというので、一度国際局という建前から中共側に私信を送ったことがあります。しかし、それについてはまだ遺憾ながら返事をもらっておらないというような実情でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは、特に日本のその方面の混信を受けておる人たちの解消は、なかなか郵政省にも名案がないようですし協会にもその名案がない。そうしますと、依然として混信状態が続いておる。片や料金の値上げがなされるということになりますと、さなきだに不満を持っておる人たちにとっては火に油を注ぐようなことになりまして、非常にこれは問題だと思うのです。ですから、一度私信を出されたことの熱意は非常に高く評価しますが、返事がないからそのままにしておくということでなしに、さらに何か、これは妨害といわずにとにかくこういう状態だ、何とか一つ文書でもいいからお互いにこうやったらどうかというふうな、そういうふうなことをもう少し呼びかける必要があるのじゃないかと私は思うのですがね。そうしませんと、今のところちょっと困難じゃないですか。両方の話を聞いてみると依然として混信状態が続いて、夜になるとせっかく聴取料を払って聞いているのだが満足に聞けないということであっては、これはまことに相済まぬことだと思うのです。今日国際情勢がこういう格好にありますから一つの悲劇だと思います。しかし何とかこれを解消するという熱意でそれに努力をせぬと、実に納得できないことになると思うのです。これは弱ったものですな。これは名案がないのですか、郵政省とNHKに、どうもこれでは話にならぬですね。一番やり得る方法としては、一つ周波数の変更があると思いますね、そういう時間だけ。これは全然できないということになると――これは一つしかないことになりますから、これは万難を排して他の周波数を使わなければならないということになりますが、これは見通しとしては、電波監理局長無理ですか、今のところどうですか。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 非常にむずかしい問題だと思います。それを変えましてもまた別の変えた電波にかち合うことがありますから、そう急いで変えるということはとても考えられない、情勢を見て……。ソ連の場合にはそれが可能であるということであります。で、先ほど来お話のように、何かいいチャンスにそういうことをお互いに話し合うように、政治や思想を越えて話し合いができるように持っていきたいものだということから、絶えず注意をしておりますから、そのうちに何かいい曙光がくるものだろうと私は期待いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは正式なルートでは私は非常に至難なことだと思います。幸い国際通信会議、そういうものに入ってきているのですから、これはジュネーブで開かれる会議あるいはサンフランシスコの会議等、向うからも御出席になりますね。だから茶飲み話でもいいから、日本の実情はこうなんだというような認識をしてもらって、これは仲介みたいになってやってくれるかどうかわかりません。わかりませんが、そういう話の場面というものはあると思いますね、やれば。そうしないと、ただ頭をひねってああすればこうする、こうすればああするということではまるっきり前進がない、いかにも残念なことですね。そういう機会を一つ作ってやると同時に、協会側の方からもさっき言ったような努力をもう一度やっていただいて、何とか混信を防ぐような対策を立てていただきませんと、われわれ予算を審議するに当ってここでぱたっと突き当ってしまうのです。努力する努力すると言うからある程度努力を期待いたしておりますが、いろいろ突っ込んでやってみると解決する方法がないということで両手をあげているので、こういう点で非常に問題が残っていくと思いますね。これはその意味で名案がないということですから、さっき申し上げた残された手段を講じて、できるだけ一つ相互に混信状態のないように努力をすると同時に、技術的にももう少し一つお考えいただいて波長の切りかえをやってみる、それも向うがやれば同じだ。それはまあそうですが、それも果してそう対処してくるかどうか疑問だが、これもやってみなければわからないので、努力してもどうしてもだめだということになると、これは聴取者もある程度しんぼうすると思いますが、尽せる手段は全部尽してやれる方法は全部やったが、それでだめだということであればいいと思いますが、やはり僕も指摘しあなたも指摘しているように、変えてもまた来るかもしれないということは、常識論的に考えられますが、だからといって何かしないと解決策がないのですから、そういう努力を郵政当局、特に電波監理局長は専門の立場であられますから、御検討をいただきたいと思います。それで時間もだいぶおそくなってしまったのですが、もう少し質疑を続けさしていただきたいと思います。  そこで、約三十三億の料金の値上げによって増収になる分を、先ほどお話のあったように必要な施設の拡充に使って、よりサービスの向上を期したい、こういう考え方は私ども全くごもっともだと思うわけです。できるだけ国民の納得できるような形にこれをお使いにならないと問題があろうかと思いますので、こまかい問題ですが多少触れておきたいと思います。それで現在放送料金の徴収をNHK独自でやられており、また郵政省に委託をされてやっておられるようですが、東京あたりの徴収方法を見ておりますと、三カ月たって、三カ月分を一ぺんにあとから取りに来ますね。先取りか何か知らぬけれども、私の所には三カ月分せんだって取りにきたんです。あれは先取りですか、あと取りですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) これは三カ月分を先取りと申しますか、実際問題としましては、集金人がずっと回ります関係上、時期がたとえば四月から六月までの分につきまして、四月の末にちょうだいする方もあれば、あるいは五月にちょうだいする方も実はございまして、まあずっと回ります関係上、いつということはありませんけれども一応先取りということにはなろうかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いや、私の所ではあと取りになっているんですよ。これはもっと早く取ったらそれだけ楽じゃないかという気がしたんですよ。僕らは経営の実態を知っておりますから、一月、二月、三月を二月の十四なら十日に取りに来るような格好になれば、確かに二百円というものを三カ月合わせた額になっておりますから、多少そこに低減制みたいなものはあると思いますけれども、毎月々々取っていったら、それだけ協会の方は徴収の手数はかかると思いますが、しかしどうせ集金人というものは動いておるわけですから、できるだけそういう徴収技術も考えられて、あと取りになる所もあるし、先取りの所もあるが、平均したら同じかもしれないが、やはり先に取られる所は、何で三カ月分先に取るかという印象があるし、あとから来た所はちょっともうけた、都合が悪かったからちょうどよかった、こういう所もあるんですね。そこら辺は非常に技術的にむずかしいかと思うんですが、何とか料金徴収の方法に再検討を加える必要があるんじゃないかと思うんですが、現実は無理ですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) まあ鈴木委員のように、あとから回ります所もございますし、これは集金人がずっと回ります関係上、どうしてもそういうふうなことになるわけでございます。平均しますと大体まん中ということになるかもしれませんけれども、これを一定の時期、あるいは一カ月ということになりますと、その間が縮まって参るわけでございますけれども、実はそのことも長年研究しておるのでございます。しかし、非常にこれは経費がふえるのでございますが、具体的には、たとえば現在は一応三カ月分をまとめてちょうだいしておるわけでございますが、これを一応二カ月というところをしますと、それだけで集金人が大体、倍、必要なんでございます。それからそういうものを含めました諸経費が大体七億くらい現在よりよけい要るんじゃないか、こう思うわけでございます。従いまして徴収のためにそういう膨大な支出ということは、非常にこれはまた経営上は、はなはだおもしろくないことなんでございます。で、財政的な面もございますし、そういう面も考えまして、現在の制度を行わざるを得ないんじゃないか、ただいまのところはそんなふうに考えておるのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 経営上マイナスになるということであれば、私は質問をひっこめますが、資金のやりくり等からいたしましても、やはり毎月々々きちんきちんと取っていった方が、経費のかかる部面も、直接費、間接費もあるかもしれませんが、やはり資金繰り等からいたしまして、その方がよろしかろうという気持があったものですから申し上げたんですが、それが逆に七億も金がかかって、逆に経営上困難だということになれば、現行の方法をお続けになるよりほかにないと思いますが、これはいろいろ論議のあるところかと思いますから、もう少し将来の研究課題として一つお考えいただきたいと思います。  その次に、放送の取材の問題ですが、これは戦争前から終戦直後、共同通信、前は同盟通信、ニュース・ソースはほとんどそこに求めておった。長年NHKが直接放送取材をするということをやる例は少なかった。ですから最近になって、多少共同通信以外の、直接NHKが取材したニュースがどんどん放送されております。これは私は非常にけっこうなことだと思います。もちろん共同通信なり時事通信なんというものもあるわけですから、そういう各社のごやっかいになることも当然だと思います。またその方が経営上から見ていいという点もありますが、できるならば放送取材の点をもう一歩進めていただいたらどうか。最近は国外あたりのニュースも、直接NHKの担当記者が取材を送ってこられるようですが、私たち地方に参りましても、放送記者というものは非常に少いんです。何か記者のまた下の報道員というのか何か置いて、そういう人たちがニュースを上げてくるような仕組みになっているようですが、それも今いった財源その他の裏づけがないから活発に動けないというような点もあると思いますので、取材をもっと放送局自体で強化するような方法をこの際お考えになったらどうかという気がするんです。こういう機会にそういう方法を拡充していくということは当然なことと思うんですが、その点に対する配慮はどうなんですか。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) ごもっともなことだと思います。NHKが、公正でかつ中正なニュースを出すという建前からいいまして、補助的な通信社その他と関連を持つことももちろん必要でありますが、まずNHKの取材体制を独自の見地で確立しなければいけない、こういうように実は私どもも考えております。大体現状から申しましても、新聞協会の調査その他によりましても、現在NHKが持っておる取材網あるいは取材人員というものは、現在の代表的な三つの新聞に比べて、大体三分の一以下というのが現状でございます。私どもは明年度予算を編成する基礎としての五力年計画では、放送記者につきましては少くとも三十七年度には現在の大よそ二倍、七百名を考えております。ただいま鈴木先生から、たとえば地方に行きますと、記者のまたその下のというお話がありましたが、これはその目標に到達する一つの過程といたしまして、二次策として全国に大よそ簡単に申しますと、一県四名あての通信員というものを作っております。この通信員は、五力年計画の消化の過程において、質のいい者、それからNHKの職員として一応恥かしくない人を採っておるわけでありますが、特に能力的にも将来のNHKの正式メンバーとしてよろしいという方々は、その五力年計画の消化の過程において放送記者に起用していく、という方針もあわせとって参りたい、こう考えております。それからまた海外の取材につきましては、現在のところ私たちが持っておる直接の取材機構と申しますか、取材力はまだ十分とは申せないと思います、その人数からいいましても、場所から申しましても。しかし私どもは、さらに先ほど明年度予算の主たる目標の中でも、経理局長から御説明申し上げましたが、たとえば愛宕山の施設あるいはまた横芝にも、非常に不完全でありますが、施設を持っておりまして、世界各国のニュース放送を取るという建前を逐次強化して参っております。将来五力年計画の完成の過程あるいは完成後におきましては、これらのものを一本にして強力なリスニング・センター的なものを作って、そうしてNHKの取材を強化するとともに、国民の方々またそういう報道の取材を必要とする方面にも、新しい放送法の精神にのっとって寄与したいという考え方を持っております。大体おらまし御説明申し上げましたが、これは明年度予算の基礎となっておる五力年計画を限度としての方針でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 御方針がわかりました。どうぞ一つ取材記者の増員については今後とも格段の努力をしていただいて、できるだけさっきお話の通りに、敏速にしかも内容を正確に報道できるようにお願いをしておきたいと思います。  それから一つ変なことを言うようですが、NHKが薄謝協会だというようなことを盛んに言われておるわけですが、これは経営の実態からしてやむを得ないことだと思います。特に最近民放が非常に発達してきておりますから、出演者の競合ということも当然出てくると思います。やはり協会がよき番組を編成し、よりいいものを国民に見ていただき、聞いていただくということになりますと、一応出演者に問題が出てくると思います。ですから今回平均二〇%の出演料の値上をお考えになっておるようでありますが、私は、今ここで具体的に個々の人をあげてお聞きしようとは思っておりませんが、平均二〇%ですから、場合によったら三〇%なり四〇%なりお上げになるところもあるでしょうし、また現状維持のところもあるでしょうが、最高と最低は大体パーセンテージにしてどんな工合になりますか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) これは個々の例については、ちょっと人の名前を出してお答え申し上げかねますが、例として申します。講演関係、学者とかそういう方たちは、民間放送に比べましてそれ以上ということはございませんけれども、あまり大きな差はございません。まあ大体五千円ないし八千円というところでございます。民間放送はちょっとそれよりか多い場合もございますけれども、格段の相違というものはございまん。しかし演劇とか演芸関係になりますと、これは非常に大きな差が出て参ります。たとえば浪花節とかあるいは講談、落語その他の演芸関係でございますが、これはたとえばまあ本当の一流の方ですけれども十万円、民間放送の場合には十万円という場合もございますが、その方について申しますと、NHKにおいては一万五千円というふうな場合がございます。また最低の方で申しますと、たとえば八千円という方がNHKでは二千円、いろいろございますけれども、大体まあそのような差がある。それから音楽家でございますが、流行歌手を含めまして音楽家で民間放送におきまして、高いところは五万円というふうなところもたくさんございます。それらのレベルの方がNHKでは八千円ないし一万円、高いところで。それからそのレベルの方でも少いところでは七千円というようなところでございます。そういたしますと、大体講演とかそういうものを除きますと、ほかの面では大体まあ五分の一ないし十分の一という間なではいかと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私の質問したのは、二〇%総体的に今度上げようというのでしょう。その上げる率が平均して二〇%でなくて、最高のパーセンテージはどんなになりすかというのです。最低一〇%とかあるいは最高が四〇%そういうパーセンテージをちょっと……。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) それはたとえば講演の関係の方とかそういうところはあまり格差ございませんので、そういうところは大きな修正をいたす必要はございませんが、先ほど申し上げましたように、いろいろと差がございますので、人によりましては、たとえば倍にする方と、あるいは人によってはこれを一割二割にとどめるというようなことで、これは今後各具体的に個別に検討しようと思っております。全体平均としましても二割考えておりますので、各個々の問題は今後一つその個別に対しまして検討してきめたい、非常に数が多うございますので、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはまだ無理もないことですから、平均二〇%になるわけですね、どういう基準をおきめになるか、これは会長以下の皆さんにわれわれおまかせしていいと思います。  テレビジョンですが、今NHKは八時十分か十五分にさようならしちゃうのですね、午前中は。ところがNTVは、あすこなんか相当おそくまでやっておる。放送時間においてNHKは負けておりますね。こういうのはせめて民放なみに、一番NHKが早くて、朝僕ら出かける前に切れちゃうのですね。もうちょっと時間を延ばすというわけにいかぬのですか。三十四年度ではどうなりますか。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) 現在は大体一日十時間を標準にしておりますが、明年度以降は二時間ふやして一日十二時間を標準にいたしたい、こう考えております。それから現在土曜日、日曜日は普通の週日と違って、ことに日躍日のごときは午前中ほとんど放送を続けております。と申しますのは、民間放送と違って私どもの考え方は、なるべく社会の正常な生活時間をみださないようにしたいという考え方も持っておりますので、実はそういう方針で参ってきておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、具体的に八時十五分ぐらいで午前中の番組は、十一時頃からまたやるのですがね、いずれにしても中断しているでしょう。ここのところの穴はカバーできますか、この予算の通った場合。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) それはたとえば八時十分過ぎから全部埋めるということはできないと思います。ただNHKの建前としては通常の放送時間は一日現行では十時間、あるいは来年度以降は十二時間という考え方を持っておりますけれども、しかし報道、社会的な番組につきましては必要に応じてこれを放送するという建前を持っておりますので、年間を通じましては実際上は形式的な放送時間数よりもかなり多くなっております。特に国会などにつきましても重要な問題がありますれば、それを特別番組として放送するという機動性も、NHKの一つの特徴になっているかとも思っておりまするが、ただ結論だけを申し上げれば、二時間を延長することによって午前中においてもすべてのあき時間が埋まる、ということはできないと思います。ただ五力年計画の遂行によって昭和三十七年には一日十六時間放送を考えておりまして、その場合はほぼ御期待に沿うような時間編成になると考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は午前中全部埋めてもらいたいということじゃないのですがね。今八時十五分に終るということは、一番早く終っているのですね。ですから今十二時間ということを言われた、私は確かにいろいろな面から無理なことはわかりますよ。しかし多少午前中の時間をふやすというような方法は、三十四年度においてできますかできませんかということを聞いているのです。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) できると思います。特に私どもは今年の八月以降、テレビジョン番組は再編成いたしたい。時間的にも。と申しますのは現在の施設その他が実はマキシマムの使用率になっておりますので、この予算を御承認いただけばカメラあるいはスタジオ設備その他ももっと余裕を持つことになると思いますので、それに応じて八月以降午前の時間も相当合理的に編成して参りたい、このように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 はい。それはまあわかりました。  それからこれは放送番組に私タッチしようという意味じゃないのですがね。ただどういうわけかという理由を聞きたいのですがね。NHKのテレビでプロレスなんかの放送をしたことはないですね。ないと僕は記憶しているのですがね。あればまあ別ですが、ああいうのはどうしてやらないのですか。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) プロレスにつきましても初期においてはやっておりました。ただここ一、二年の傾向といたしまして、プロレス関係者が特に民放の一局に独占させたいという考え方が強くなって参りまして、それに対して私たちがもしこれを無理に放送するとすれば、いろいろな面で、たとえば財政的にも、あるいはまた一般的、まあ私たち人間的関係でもかなりいろいろな問題を解決していかなければならないという点が一つございますし、それからそういう問題を除外いたしましても、プロレスなどはNHKが全力をあげて放送すべき番組であるかどうかということの反省もいたしまして、その点では必ずしも無理をしてまで放送すべき番組ではないのじゃないか、という考え方を現在持っている次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはちょっと納得ができないのですがね。それはまあ相撲にしても野球にしてもこれはNHKがおやりになっているでしょう。だからまあプロレス・ファンというのはやはりプロレスがあったときに見たいと思う。それからボクシングがあるときはこれは見たいと、こう思うんですね。だからそういうことはしなくてもいいんだという、そういう考え方はちょっと納得できないですね。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) 決定的にしなくてもいいという考え方は持っておらないわけです。しかしほかの必要な番組と比べて、あらゆる無理をしてまで放送すべき番組であるかどうか。それからまたここ一年半ばかりのNHKの聴取率調査によりましても、プロレスは三年ほど前には非常に大きな興味を全国的に持たれていたようでありますが、少くとも去年一年の聴取率調査におきましても急速に聴取率は低下しております。そういう意味でも広く国民の要望するものであるかどうか、という点を実は検討していくというわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは意見の食い違いですから、私はまあ討論みたいなことをやりたくないのですけれども、しかしプロレスを見たいか見たくないか、聞きたいか聞きたくないかというような調査をやられているそうですが、現実にNHKがおやりになっておらないでしょう、今はね。そういう中で世論調査をしてみたって、僕はちょっとピントはずれじゃないかと思うのですね。ですからこれは一つ総体的な時間の中でやるわけですから、むずかしいかもしれませんが、やっぱりこれはプロレスなりプロボクシングですね、ファンというものは相当僕はおると思うのですよ。ですから相僕や野球に比べましたら、それは確かに聴取者層というもののパーセンテージからいっても少いかもしれませんね。しかしやっぱり非常に関心を持っている層が相当ありますから、そう突っぱなすということはどうかと思うのですね。ですから何とか、しょっちゅうやれというわけじゃないのですけれども、国際的に有名な試合等がある場合には、多少なりともそういうものを報道するというのは、僕は協会の大きな使命の一つだと思うのですね。そう思う。だから論争になっちゃいけないですから、あなたに私は確答を得ようと思っていない。ただ番組審議会というものが自主的にあられるのですから、私はそれに対してとやかく言おうと思いませんが、そういう強い意見が大分あるのですね。手紙やなんかに大分来ているのですよ。あなたにあとで見せてもいいです。そういう声を代表して編成のときにお考えいただいたらどうかなあ、と思っているから申し上げているのです。見る角度によって違うのですよ。  それからもう一つは、国会討論会というのを毎週やられておりますが、テレビは十一時からですか、ラジオは六時からと、こうなっているのですが内容を見るとテレビジョンでやったのをもう一回ラジオでやっているのですね。ああいうのは何とか同じ時間にそろえてやるというようなわけにいかぬものですかね。その方が総体的な番組編成からみてもいいんじゃないかという気がしますが、これはどういう見解ですか。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) 従来そういう考え方をもって私どもも実験的にやったこともございますし、しかし現在のテレビを見ている方の時間と、ラジオを聴いている方の時間、その食い違いをここ一、二年の調査の結果を考えまして、やはり時間を異にした方がいいんじゃないか、その方がラジオ、テレビすべてのメディアを通じてより広く聴取者の皆さんに徹底してあの番組を吟味していただける、そういう考え方で実はずらしておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この番組の編成については、大へん御苦心をいただいていることは私たち重々わかっております。いろいろな要望のあることもまたこれ事実でありまして、ですから総体的にこの放送施設の拡充、サービスの向上ということがうたわれているわけですから、一つ今後もさらに番組編成についても広い視野とあらゆる角度から御検討いただくように、まあ私はお願いしておきたいと思います。  なおあの放送討論会というのは非常に好評だと思うのです。ああいう機会を国民は非常に期待しているわけでありまして、私はもうこれは私見でありますから、将来の参考にしていただければけっこうですが、たとえば国会等における審議の状況ですね、さらにまた重要な国際会議のやりとり、こういったような場面をできるだけラジオ、テレビを通じて国民に知っていただくということが一番いいと思うのですね。これはなまのまま放送されるのですから、この判断というのは聞く人たちの判断によってきまるわけでありまして、これこそほんとうに下手な政治評論家あたりが主観的にものを見るよりも、なまのものをやるということ、これは山田節男先生も盛んにそういうことを言っているのですが、これは新聞等も、アメリカやイギリスあたりの新聞を見ますと詳細に報道している。そういうことが一つの政治認識、国民が国会審議に対して、あるいはいろいろな会議について関心を持っていただくことになると思うのです。ですからNHKが非常に公共放送の使命を持っておりますし、そういう点については格段の御配慮をいただいて、今後ともできるだけそういう方向に持っていっていただきたい、そういう私は気持がありますので、これは一つの将来の参考にしていただきたいと思います。  最後にお尋ねしたいのは、先ほどちょっと経理局長のお話にも出てきましたが、職員の待遇改善の問題、これは先般日放労が賃金の要求を掲げて多少実力的な斗争もやったようでありますが、幸い皆さんの良識ある御判断と組合との話し合いの中で解決をしておりますことは、私非常にありがたく思っております。感謝する次第であります。そこで、その取りきめの内容等についてとやかく私は申し上げませんが、この値上げという現実の中で職員の待遇改善をやるわけでありますから、非常に国民から見ると問題があると思います。しかし何といっても事業は人であって、その人がほんとうに適材適所につき、しかもほんとうに熱意を持ってやるという態勢にありませんと、どんな企業でもうまくいかぬと思うのです。ですから一般報道関係の諸君に比べて協会の諸君の待遇は相当下回っている、これも事実です。ですからそういう面に対する配慮を協会の皆さん方がおやりになっておると思いますが、表面的に問題を解決しておるようでありますが、しかし根本的な問題は依然として残っておるように思う。ですから今後の予算の執行の過程において、できるだけの配慮をしていただいて、そういう職員の待遇についてはできるだけの努力をしていただきたい、こういうのがわれわれの強い念願であるし希望であるわけです。これらの点については、協会として大まかでいいですから、どういうようなお考えでございましょうか。この機会に承わっておきたいと思います。

野村秀雄日本放送協会会長

○参考人(野村秀雄君) 今鈴木委員の仰せのように、私もいい番組を作り、いい技術者によってよい放送ができるのはやはり人だと思います。それで、私は本年の初頭に全職員に言ったことも、やはり全職員が安んじてその職に勤められるようにしたい、従ってできるだけ諸君の待遇はよくしていきたいということを申したのでありますが、それには何といっても金というものが必要なんで、その金をいかにして捻出するか、まずさしあたりとしてはラジオの受信料の値上げをしてもらって、協会の財政的基礎を確立しなければならぬ。従って今度の国会には値上げを内容とした事業計画並びに予算を提出して、国会の御承認を得ようと思うということを申したわけでありまして、私もNHKの職員は、ただ必要的欲望を満たすだけでなしに、NHKの職員として恥かしくないような、身分的欲望をも満たし得るようにできるだけ努めていきたい、かように考えておるわけでありまして、いろいろの面から職員の待遇、厚生施設等についても配慮いたしていきたい、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 総裁の御信念よくわかりましたが、私も全く同感であります。ぜひ一つ今後できるだけ能率化し合理化もしていただき、財政の余裕がある場合は、総裁の御趣旨のように職員の待遇改善にも多いに力を入れていただくように、この機会に特にお願いしておきたい。  それからもう一つ、大へん簡単でけっこうですから。いろいろ懸案になっておりました青森のテレビ局がいよいよ開設になりまして、まことにありがたく思っております。それで甲府ですが、これはチャンネルとの関係もあると思うのですが、早く甲府局を設置してもらいたい、こういう要望があるわけです。あそこは御承知の通り民間も予備免許が認可されております。今のところなかなかぼやけちゃってうまくいっていないのですね、実際に見ておりますけれども、映像がぼやけましてね。これはいつごろになりますか、甲府局の開設は。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 甲府は間もなく着工いたしまして、この秋ごろまでには完成させる予定にしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 秋ごろというのはおそくも九月ごろぐらいですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 大体九月、十月という辺を目標にしております。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) 委員長、委員外議員の発言を許していただきたいのですが……。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 委員外発言を許すことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 御異議ないと認めます。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) 時間もないようですから簡単に二つだけ質問したいのですが、一つは、さっき鈴木委員から質問されていた集金のことなんですが、聴取料を集金するのに一件当りどれくらいかかっているのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) ラジオの集金費経費でございますが、一件当り平均しますと七円七十七銭となっております。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) 全部先取りなら非常にこれはいいわけです。それを先に取っておいて銀行預金しておけばだいぶ利子も出るわけですが、それでさっき経理局長に聞いたら中間ぐらいだという。だから貸しの方もあって、先に取る方もあってこれはとんとんでいいと思うのですが、簡易保険あたりは一年払い、二年払い、半年払いですね、そうすると幾らか割引がある。今度二百五十円にかりになったとしますと千円ですね、これは私は幾らか割引をすれば、五十円か百円か割引をすれば、一年分、半年分払う人がいるだろうと思うのですね、こういうことを研究されたことありますか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) 研究はしておりますけれども、同じようなことはほかにも実はいろいろわれわれの方から考えますと出て参ります。たとえば要は、集金の協会が経費を使わないからそれだけ引こうとか、そういう面もまた出て参りましょうし、いろいろな問題がほかの同じような考え方から出て参るだろうと思います。で、それらを整理しまして、そしてこれがまたほかの方に連鎖反応が起るということになりますと、またいろいろな問題を生ずる場合もございます。従いまして、ただいまおっしゃられましたような問題も、いろいろな角度から検討はしておりますけれども、ただいまのところまだ結論は得ておりません。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) 連鎖反応でちょっとごまかされるとわからないのですが、どういう弊害があるのですか。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) これは非常にむずかしい問題なのでございますけれども、たとえば一年分をまとめてお払いになった場合には、それに相応する利息なり、あるいは手数料、手数というものがかからないのでそれだけ引くとか、それからたとえば局に直接持ってこられた場合には、集金人の手を経ないのだからというような問題等も、あるいはその場合考えなければならないのじゃないかと思います。それから今度はさらにそれが発展しますと、今度はちょっと性質が変って参りますけれども、たとえばNHKの放送がたとえば先ほど出ました難聴ですか、難聴なんかあった場合にちよっとまあ聞きにくいからそれだけのものは引けというような議論もあるいは誘発するのじゃないか。そういうようないろんな問題が実はございます。従いまして、いろんな問題をまとめましていろいろ検討をしておる、このように御了承願いたいと思います。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) それは逃げ口上、聞えなかったから聴取料を払わないという問題から、今度は将来はNHKを聞かないからおれの方は払わぬという議論が成り立ちますが、それでいいのですか、そういう議論をされると……。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○参考人(首藤憲太郎君) そういうようなことになっては非常にこれは困る。また問題だという建前で実は考えておるわけでございます。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) だから簡易保険では現にやっておるのです。毎月払っておる人もあるのです。郵便局へ持って行ったってできるはずなんです。これは私は九百円か九百五十円になるか知らないけれども、NHKがそれだけ先に取っておれば、ずいぶん資金の運用という面からいいだろうと思うのです。検討されておるとおっしゃいますが、ごまかしの答弁じゃなくして、ほんとうに真剣に研究をしてみるとか何とか努力をしてもらいたいと思うのです。  それからもう一つは、さっき鈴木委員から問題が提起されましたプロレス、野球をやらないということですが、この前新聞に出ておりましたのは、後楽園と大阪の灘波球場ですが、あそこの野球をどこの会社か知りませんが独占して、NHKはどんないい試合があっても入れなくなるということを聞いておるのですが、これはどういうことですか。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) 後楽園につきましては、ラジオの分は放送できるということになっております。職業野球につきましても、最終的な野球たとえば二つのリーグの最終決勝というようなものは、従来も話し合いによって放送を実施しております。灘波球場については今までのところそういう事態は起っておりません。ただそういう空気もございますので、私たちとしては、そういう問題はまあ聴取者全部から見ても好ましくないし、私たちの責任も果せない結果になるということを考えまして、これは順次に解決したいということで現在進んでおります。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) 大臣にお聞きしたいんですがね。NHKは公共放送だとおっしゃるんです。それで聞かなくてもお金をとっておられるんですがね。これは後楽園とか灘波球場で非常に見たい、聞きたいという、聞く方はできるそうですが、非常にテレビで見たいというものがたくさんいると思う。それがNHKがやれないということになると、私は、電波というものが国民の電波とあなた方がおっしゃるその趣旨に反すると思うんですが、これはどうですか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 個々の問題については私も詳細存じませんが、理論と申しますか、筋から申せばおっしゃる通りだと思います。国民の電波としてあまねくこれを日本全国において聴視できるようにするということが、これはもうNHKの使命でもございますから、そういう点については会長とも相談いたしまして、できるだけ御趣旨に沿うような方向に持っていくことに検討いたしたいと思います。

光村甚助日本社会党

○委員外議員(光村甚助君) いやいや、そういう生ぬるい考えじゃだめです。国民の電波だとおっしゃるんですから、それを一社が独占して民間放送がやる分には私はかまわないと思うんです。民間放送がやってNHKがやれないということになって、将来NHKのテレビを見ないということになれば、これは大きな問題が出ると思うんです。そうして、大臣は、おそらくテレビの免許をされる際に、郵政省当局はそういうことは考えていなかっただろうと思う。後楽園にしろ、灘波球場にしろ、NHKの公共放送のテレビが入れないということになると、これは私は相当問題だと思いますよ。大臣の私は権限でできると思いますから、そういうところには電波をやらないというくらいの決心でやってもらう。笑いごとじゃない。将来おそらくNHKのを見る者はなくなりますよ。私はこれこそ公共放送の精神に反しますからね。一社独占でNHKのテレビが後楽園、灘波球場から締め出されることは、これは大きな問題になりますから、相談して善処するというのじゃなくて、強い決心でやってもらいたい。そうでないと将来のNHKのテレビというものは成り立たなくなりますよ。もう一つ強い決心をお聞きしたい。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) お示しのように、放送法の精神に則りまして、こういう問題については一つ十分各方面とも協力いたしまして、そのようにいたしたいと考えます。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十六分散会

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