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31回国会参議院1959/03/17

逓信委員会 第14号

発言数
267
登壇者
17
会派数
2
開催日
1959/03/17

会議録

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) ただいまから開会いたします。  委員変更についてお知らせいたします。三月十三日大谷藤之助君、光村甚助君が委員を辞任されまして、その補欠に前田佳都男君、藤原道子君が委員に選任されました。三月十七日前田佳都男君が委員を辞任せられまして、その補欠に苫米地義三君が委員に選任せられました。   —————————————

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 参考人の出席要求に関する件を議題といたします。  電気通信並びに電波に関する調査のため、参考人として、日本放送協会理事、前田義徳君、日本民間放送連盟テレビ編成委員会委員代理光田善孝君及び全電通神奈川県支部湘北分会書記長鈴木一郎君の御出席をお願いしたいと思っておりますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。参考人の出席要求その他の手続問題につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 電気通信並びに電波に関する調査を議題といたします。  本件に関しまして御質疑のおありの方はどうぞ御発言を願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は、電電公社当局さらに郵政大臣に対して、二つの問題について御意見を承わっておきたいと思います。  その一つは、今日、日本に駐留する米軍基地内における電話のサービスを、行政協定さらに労務協約に基き公社が提供しております。この問題をめぐって最近新聞紙上等にも報道されているような、米軍が公社職員をシャット・アウトするという重大問題が出ておりますので、この問題について、一つ意見を承わりたいと思います……今外務省アメリカ局長がお見えになっておらないようですからこの問題はあと回しにします。  その次に、公社が今日公社の経営上の御都合であろうかと思うのでありますが、その点が非常に不明確でありますのでお尋ねするのでありますが、退職希望者に対する特別措置の方法をお考えになり、その周知をされておるようであります。この点についてまず最初に質問しておきたいと思います。この退職希望者を公募する、あるいは周知をしてやめていただこうという方針は、ここ数年来公社がおとりになってきておる方針だと思いますが、今年はこの退職希望者に関する特別措置という局内掲示が出ておるようでありますが、これはどういう御意図でおやりになったものでありましょうか、その内容について御説明をいただきたいと思います。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) お答えいたします。今回私の方で出しましたあの通知の内容は、従来相当長年にわたって勤められておる人で特に退職を希望するというような人について、そういう希望があれば応ずる、それについては国家公務員等退職手当暫定措置法の第五条附則第六項を適用する、ということを周知いたしたわけであります。御承知のように、これにつきましてはわれわれの方で全然勧奨したり、あるいは強要したりするようなつもりは毛頭ないのでありまして、そういう希望者があれば申し出てほしいということを掲示いたしたわけであります。それは国家公務員等退職手当暫定措置法の適用の問題でありまして、個々の場合に適用することもありますし、一般的に今度はこういう希望者があれば適用いたしたいということを公示いたしたわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 御説明によりますと、長年勤続をされた人たちで特に希望のある方を、この際対象としておやりになったというお話でありますが、第一に対象者のところに、私たち公社の措置を見ますと、昭和三十四年三月三十一日現在で勤続年数十年以上の者、なお五年以上十年未満の者でも特に希望があれば選考の上対象とするから申し出てください、こういうふうになっているようでありますが、今の副総裁のお考えですと、そうではないように私は思うのであります。少くとも五年以上十年未満というふうな言葉が入っているのは、一般に対象といわれる高齢職員に対する退職の懲悪と申しますか、そういうものとは違うように私は思うのですが、特に電電公社には約六万名の女子組合員がございます。こういつた女子職員に対する退職の悠憑といいますか、そういったことは最近極端に申すと、東電でそういう措置をとっておられるようでありますが、そういうものと関連性が私はあるように思うのでありまして、今の副総裁の答弁と違うように思うのでありますが、その点はいかがですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) お話のありますように、勤続年数十年以上の職員でこの際退職を希望せられる者、並びに勤続年数五年以上十年未満の職員でも特に退職を希望する者については申し出てほしい、こういうことを言ったのでありますが、なお私の方で仕事の上でどうしても差しつかえができるという場合には、希望に応じられない場合もあるわけでありますが、そういう人に対する希望を徴したわけでありまして、決して東電のような例ではないのでありまして、また女子職員のみを対象としたものでは決してないのであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 しからば十年以上の者、あるいは五年以上十年未満の者、こういうふうに明らかに勤続年数を明確に出しているということは、どういう公社の現在の業務上からしてそうなるのか、その人たちに対して特別措置をとろう、そしてやめてもらおうと、こういう考え方は公社の基本的な経営の方針のどこにあるのか、そういう思想というものは非常に危険がある。今東電と違うというのだが、もちろん本質的には違うでありましょうが、なぜそれではこういう人たちに、希望者があったらどうぞやめて下さい、その際には特別措置をいたしますよと、こういうことをやらなければならない公社の基本的な政策というのはどこにあるのですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) 対象者を非常に期間の短かい人にまで適用することにつきましては、この退職希望者についてこういう特別措置を適用するということでありますので、必ずしも適当ではないと、われわれ考えたわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 説明がわからないのですが、私の聞いているのは、公社の特別措置をとるという場合には、業務が縮小されていく場合とか、これは公社の政策上どうしても職を引いてもらわなければならぬ場合とか、あるいはその他業務の運用上必要な場合に、国家公務員退職手当暫定措置法の第五条というものが適用されてくると思うのです。ですから業務の縮小によっておやりになる措置なのか、あるいは公社の業務上必要だということでおやりになるものか、この二つの範囲が限定されると思うのです。そういう抽象的なことでないと私は思います。具体的にこれらの人たちに特別措置をしてまでやめさせなければならぬ、やめてもらうという、そういう基本的な政策はどこからきているかということを私は聞いているのです。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) やめさせなければならぬとか、あるいはこのくらいの人を対象にしていこうという気持は毛頭ないのでありまして、その意味で今度は業務の縮小を前提にしていく、そういう問題とは別の問題として私たちはこの問題を考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その別の問題というのは、しからば公社の経営上そういう必要があるということだと私は思うのです。特に五年以上十年未満という期間を切り、十年以上ということに限定をしているということは、どういう必要があってそういうことをしなければならぬのですか。私は、特別措置をとるという法の精神は、やむを得ずして政府の政策上、あるいは公社の経営上どうしてもその人たちがやめられるというときに、初めて退職手当暫定措置法というものの第五条並びに附則の第六項というものが適用されるのであって、その趣旨が不明確であるとするならば、そういう人たちに特別措置をするのはこれは法律違反である。だからその基準になる基本的な理念というものが明らかにならない限り、こういう措置は私はやるべきではないと思う。その他の理由というのはどういう理由ですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) この特別措置を適用するということにつきまして、これを非常に勤続年数の短かい人について適用することは非常に問題があろうと思いますので、ある程度の勤続年数を経た人で希望する人、こういう人については、こういう特別措置をすることは必ずしも不当ではないと、われわれ考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 不当ではないというのだが、退職手当暫定措置法というのは、少くとも一つのものを限定して十割増しということをやるのには、どうしても本人は働く意欲がある場合、あるいはない場合を想定しても、公社がおやめになってもらいたい、だからこういう措置をするのだというのが建前です。それをただ五年以上十年未満である者についても、希望があればやめて下さい、そのときには特別措置をやりますなんて、こういうふうな法律解釈には私はならぬと思います。そんなむちゃくちゃなことで第五条を適用されるということは、これはけしからぬことだと思う。明らかにその事由がわれわれの了承できることであるならば、これはまた私たちは認めるにやぶさかでないわけでありますが、少くとも公社の経営者がそういうあいまいな態度によって第五条を適用するということは、これは違法だということは明らかなんです。あなたが言われる経営上どういう理由によってそういう人たちにやめてもらわなければならないのかという、その理由が明確にならなければいけないということなんです。この点は非常に大事ですから、この点はぼかさないではっきりしてもらいたいと思います。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) お尋ねの点でございますが、退職手当の法律の第一五条にございます、御承知の「経営上やむを得ない」云々というふうな条文になっておるのでありますが、この「経営上やむを得ない」という点につきましては、電信電話公社の総裁に、その範囲につきましては裁量にまかせるという建前になっておるわけでございます。従いまして「経営上やむを得ない」云々ということにつきましての考え方というものは、非常に弾力性のあるものであるというふうに私たちは考えております。  そこで今回の場合でございますが、今度私たちがこのような措置をやるに至りました点につきまして、先ほど副総裁が申し上げましたように、かねてから古い方等につきまして退職をしたいというふうな希望というものがかたりあるわけでございまして、従ってそのような希望者に対しまして、まあこのたび十年以上というふうな方が大体中心になっているわけでございますが、そのような方に対しまして希望の申し出を待ちまして、まあ特別な退職手当を支給するというふうなことが、私どもといたしましては経営上から考えましてもやむを得ないことであるというふうに考えまして、適用をすることにしたわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 職員局長のお話でも全然私の質問しているポイントにはなっておらない。なるほど法制定当時における公社経営上云々の問題については、御指摘の通り弾力性は総裁にまかされておるでありましょう。しかしながら十割増しという特別措置をとる場合は、少くとも公社の業務を縮小する場合、あるいはこれらの人たちにやめていただいた方が公社の経営上プラスになる、こういう方針がはっきりきまって、その方針に基いて希望者を取られるというならこれはわかる。ところがその一番大事な、なぜ業務の運行上こういう人たちにやめてもらわなければならぬか。あなたの方では希望者があるというのだからまあ一歩を譲って、あるとしてもそういう法の精神を適用する場合に、少くともその問題が一番大事なわけですから、その問題に対して公社が今の合理化を進行する過程において、五年以上十年未満の人たちで希望者があったら恩恵的にそれは十割増しをやるのだがと、こういう思想でやっているのですが、この法律の精神はそういうものじゃない。少くとも十割増しの特別措置をやるということは、今申し上げましたように基本的にもうやめてもらう、本人は意思がある、働く意欲がある、しかしこの際業務の運行上あるいはその業務が縮小してやめてもらう、という場合に措置するのがその方針であって、希望者があるからといってその人たちに特別措置をするということは、これは最もよくない。そんなむだ金を、この退職手当の暫定措置法第五条を適用して、希望者がありますからといって、その人たちに五年勤めたからといって十割増しの退職手当を出すのはもってのほかです。そんなむだな金はないはずです。われわれは国会でそういう退職手当の資金を公社に許したはずはないんです。そんなへ理屈を言ったってだめです。これは絶対承知しません。もっと業務の運行上この人たちにやめてもらわなければならないということが根底にならなければ、ただ希望者があるからといって十割増しをやるということは、こういう法解釈をされるということは私は重大問題だと思う。だからどういう理由によってこの人たちにやめてもらう、それに対して十割増しを支給すると、こういうことなら私はわかるんだが、そのことが一つも明らかにされずに、ただ希望者があるからこれは十割増しでやるとはもってのほかです。これは一つ副総裁から答弁をしてもらいたい。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) 希望者に対しまして、われわれの方も経営上支障があれば希望者の申し出に応ずることができないわけでありますが、そういうある程度長く勤めた希望者について、この希望を満たしてやって、同時にわれわれの経営上も差し支えないと認めた者について適用をいたそうとするわけであります。われわれの経営でもこれはやむを得ないことだと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 経営上やむを得ないというのだが、どういうわけで経営上やむを得ないか、そこがぼけている。少くとも五年以上勤めたというのは永年勤続になりますか。二十年なり三十年勤めた人に対して特別措置をするというのならわかる。ところが五年以上十年未満の人で、その人たちに十割増しを支給するというからには、相当明確な根拠がなければやれないはずです。経営上そのことが必要だというならば、その経営上とはどういうことですか。それを明らかにして下さい。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) このわれわれの事業といたしまして、そういう希望者があるということについて、前々からわれわれとしても承知いたしておるわけであります。声を聞いておるわけでありますが、同時に、それがわれわれの事業としましても差しつかえが起きる、あるいは支障があるということではこの問題について困るわけでありますが、こういう適用することについてわれわれの経営上も差しつかえない、また、当人のためにもそれがいい、希望ということでありますので、われわれの経営上差しつかえなくて、全体としての人のやりくり上も差しつかえないということになれば、われわれの方としてもこういう措置を適用することはあえて不当ではない、こう思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 あなたは私の質問に対して問題点をぼかしてしまって答弁をしておるようですが、そうでなくて、公社の経営上こういうことをやった方がプラスだということであるならば、今五カ年計画の進行過程で要員問題が非常に問題になっておりますこともわれわれは知っておる。特に六万人の婦人が電電公社に勤めておる、そういう人たちに対してどういう措置をするかということも客観的にわれわれはわかっている。ですからあなたがここで言わなければ私の方から言ってもいいのだが、非常にこれは重要な問題でありますから、ですからやはり明確にするところはしてそしてやった方が私はいいと思うのです。本委員会は、いわば電電事業あるいは郵政事業その他関連する事業に対して、特に関係を持つ委員会でもあるし、そういったことは公社総裁、副総裁、あるいは公社全体としての経営は公社にまかさせておることであるし、このことに対してわれわれが必要性を認め理屈が立つならば、われわれはこれをあえていけないということは言わないはずだ。ただおっしゃっていることがどうも私のポイントに触れないので、私は非常に遺憾に思います。経営上こういう措置をとった方がどういうプラスがあるのか、それが公社の五カ年計画第二年度に対してどういう影響があるのか、こういう点を私はもっと端的に言ってもらいたいと思う。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) 私の方の説明が十分御納得いけないようでありますが、われわれの方としましては、先ほどから御説明いたすと同じことでありまして、これは今のような事情でやむを得ないと認めたものでありまして、なお先ほど職員局長が説明いたしましたように、やむを得ないと認めることについての弾力性については、公社総裁にその点は私はまかされておると、こう考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはまかされておる。まかされておるが、われわれは、国会の中でこの問題が非常に重要であるし、まかされておる権限はどうなのか、われわれは立法府の立場から非常に疑義を持つのでお尋ねしておるので、あなたが答弁しないということはできないですよ。公社総裁にまかされておる権限は私は認めておる。認めておるが、それならどういう趣旨でおやりになっておるのだということをわれわれは聞いておるわけですよ。それに対して答弁できないということはないはずなんです。それを拒否するつもりなんですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) いや決して拒否はいたしていないのでありまして、最初から申しますように、こういう希望者があることについては前々から承知いたしておりまして、その希望を満たしてしかもわれわれの事業経営上も差しつかえないとなれば、こういう希望に応ずることも経営上やむを得ないと存じておるわけでありまして、しかしそれについても非常に勤務年数の少ない者については、そういう措置をすることは不適当だろう、ある程度の年数がたった者以上であれば必ずしも不当ではない、こう考えまして私たちは適用いたしたのであります。決して答弁を拒否いたしておるわけではありません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私たちが公社の経営者にまかしたその経営の発動に対して、われわれは納得ができません。一応これは保留をして次に進みます。  それで公社では、こういう措置をことしだけでなしに、ここ数年来おやりになっておりますね。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) このような措置は数年来やっておりませんです。今回が初めてでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうであればなお最初の問題に戻るんですが、従来は高年令者で公社の経営上職員の新陳代謝の面から見ても、相当永年勤続した人たちに退職の機会を与えてやるということも、一つの方法と私たちは認められると思うんです。ただ新しい角度からこの問題が出てきたことになると、なおさら最初の問題は保留できない。従来の考え方と今度とでどうして違うんです。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 先ほど来副総裁から申し上げている点でございますが、私どもといたしましても、このような特別措置法を適用するケースというものはいろいろと考えられるわけでございますが、鈴木先生おっしゃいました高齢退職者に対しましては、一応従来から特別措置を適用して参っております。なおそのほかに、年度の途中におきましても退職の希望がありました場合におきまして、特別措置を適用することが経営しやむを得ないというふうな方に対しましては、総裁の裁量によりまして従来も個々的に特別措置を適用して参っております。それで今回の場合はそのような個々的な措置ということではございませんで、退職の希望者があるということをわれわれといたしましても耳にいたしました関係上、一応この際特に一定の条件、ここにありますような対象になるような条件を備えたような方に対しましては、特別措置を適用するということを考えるということが経営上やむを得ないことではないか、というふうに判断をいたしまして今回そのような措置をとったという趣旨でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 従来おとりになっておった措置は、いわば永年勤続者のそれこそ三十年、二十年以上とかそういう方が対象だと思うんですが、そうしますと、今度のこの措置の中にはそういうものも含まれておるんですが、含まれておらないのですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 従来の高齢退職という方はこの中には含まれておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、その高齢者の分はどういう措置を今後おとりになる予定ですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 先ほど申し上げたことにつきましてちょっと訂正さしていただきたいと思いますが、一応十年以上ということになっておりますので、高齢退職者の方でありましてこの範囲内に入る方もあり得ると思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 当面公社の労務対策をその一手に引き受けておる職員局長が、国会において答弁する場合、自分の所掌業務に対して十分理解していないでわれわれに答弁するということは、これはもってのほかですよ。今やってこれはすぐそのあとから取り消しをするというような、そういうぶざまなことであっては私は困ると思う。少くとも局長は、この問題については公社の一番の、総裁、副総裁を補佐してやる方でないですか。その方がそういうふうな、今言ったことをすぐ訂正するというような、そういう答弁をしたのではわれわれ非常に困る。しかも公社の経営上これは適当だというようなことを群っているのだが、それではその公社の経営上どういう理由でやるのかということに対して、われわれが納得できるような答弁をせずに——こういうことに対してわれわれは議事進行はできない。だからもう一つ、公社の経営上これは適当だと言われているのですから、どういう理由でこれは適当と認めるか、その根拠を明確にしていただきたい。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) その点につきましては先ほどから御説明申し上げている点でございまして、私どもといたしましては、特に希望のありました方に対しまして、私どもとして十年以上という方を主たる対象に考えているわけでございますが、そのようないわば長い間公社の事業に協力して、またその推進をはかっていただきました方に対しまして、特別な退職手当を差し上げるということは、経営上やむを得ないことであるというふうに考えてやっているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 十年以上に主体を置いてやるというのですが、あなたが公募している——公募と称して掲示をしているのを見ると、五年以上十年未満という方も含まれておって首尾一貫しておらぬですよ。だからほかに何か私はねらいがあるのじゃないかということを感ずるんです。そういう点が端的に言えないのですか。答弁ができないのですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 今御指摘の五年以上十年未満というのは、これは例外的に特に必要と認めるというふうに考えているわけでございます。でその意味におきまして、主体は十年以上の方ということで申し上げているわけでございます。  なお端的に言えないかというお話でございますが、私どもといたしましては、今考えている——御説明申し上げる点は、以上申し上げた点に尽きるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 きわめて自信のない御答弁であって、われわれとしては納得できません。  それでは公社で国会の承認を得ている予算の中で、何名の方々が一応予定せられておったか、そして国家公務員等退職手当暫定措置法を適用する人は、どの程度にお考えになっておったのですか。予算的な問題です。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 私どもといたしましては、全然幾らというふうな数は予定しておりません。と言いますのは、私どもとしまして、今回の特別措置の適用ということは、計画的に何名くらいというふうなことでやっているわけではございませんので、ただ対象になりますような方であって、希望があった場合においては、このような措置を適用いたしますよということを周知しているだけでございますから、あらかじめ何名ということを予定しているわけではございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは全員が希望したら全員に措置しますか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 私どもといたしましては、事業の運営という点から考えまして、支障のない範囲で考えていくというふうにしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それらのことがあなたが告示している中にはさっぱり書いてない。極端に言えば、十年以上の者でも五年以上十年未満の者でも、希望があれば全部選考の対象になる、こういうふうにとれるじゃないですか。そんな雲をつかむようなことをやるところにやはり問題の基点がある、一つ残っている。  私はさらに質問を続けますが、しからばその退職制度というのは公社ではどう考えているのですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 今ちょっと御質問の趣旨がよくわからんのですが、退職制度についてどう考えているかということですか。もう少し具体的におっしゃっていただけませんか。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 現在は退職制度というのははっきりないでしょう。いわば公社が従来の退職手当暫定措置法とか、そういうものに準拠しておやりになっているので、定年制の問題にもからんでくるのですが、そういった基本的な公社職員の退職制度というものはまだきまってないと私は思うのですが、そういう十八万職員の今後の退職制度について、やはりどうするかということは、これは公社が絶えず考えられていることだと私は思うのですが、そういう点に対してどうかということを聞いているんです。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) 私もお話の趣旨がはっきり全部のみ込めておりませんので、あるいは私のお答えが的をはずれるかもわかりませんが、御承知のように国家公務員等退職手当暫定措置法でただいまやっておるわけでございますが、お話のように定年退職制度を確立したらどうかというような問題については、今後に残された問題でありまして、まだわれわれとしても成案に至っていないわけであります。退職手当の適用につきましては、この国家公務員等退職手当暫定措置法で、ただいまわれわれとしては運営をいたしている、こういうような状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ副総裁の構想の中に、現在はこの暫定措置法に基いてやっておるのだが、根本的な公社の退職制度については当然考えておられるように私は受け取れたのでございますが、そうでございますか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) 私のお答えが幾分、的をはずれておったかもわかりませんが、今お尋ねの定年退職制度をどうするかというようなことについては、われわれとしてもまだ結論に達していない、こういうことを申し上げたのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、結論には達しておらないのだが、そういう構想をお持ちだということは明らかですね。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) そういう結論に達していないということは、必ずしも構想を持っているということには私は該当しないと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうであれば、非常にこれは重要な問題であって、今日国家公務員の暫定措置法が少くともこれは適用されておる。われわれが公社に移行したときに、賃金その他諸般の労働条件については、公共企業体のあり方として、これは労使間できめるのもあるでしょうし、いずれにしても公社の経営者が公共企業体に即応する制度を打ち立てることが、これは妥当であって、先般国家公務員の共済組合法、あるいは退職恩給法、こういったものが準用され、適用されておったものが、一つの方向として、公社の機能に即応するように新しい共済組合法も制定されて、今日はこの恩給法の適用を受けておらない。そういう方向にきているわけですよ。ですから今日暫定措置法を適用されているというのは本旨ではないはずである。これは立法当初の精神からいっても、こういうことはできるだけ公社の自主性によって、与えられた範囲内においてきめるというのが公社法の精神で、あなた方は七年間立っている。この問題についてまだ構想を持っているか、持っていないかわからないというようなことを言って、それで経営者の責任が全うできますか。もっとこれは早く確立すべきじゃないですか。あなたの答弁だと結論を得ていないということで、そんなことはまだどうなるかわからんというような、そういう無責任な考え方では私はいけないと思うので、この思想というものをあなたはどういうふうに理解されているのですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) その意味は、先ほど申し上げましたように、私の答弁があるいは幾分、的をはずれておったかもわかりませんと申し上げましたのが、今のお話でもってはっきりいたしたわけでありますが、私先ほど申し上げましたのは、定年退職制度というものをとるかとらぬかということについて、結論に達していないと申し上げましたところ、それではそういう構想を持っておるかとおっしゃいましたので、その問題についての構想を今持っているというわけではないのだということを今申し上げたので、全般的の問題として、われわれがこの退職制度についても自主的なものにだんだんとなっていく、国家公務員とは別なものになっていくというのは、そういう方向であろうと思う。われわれの方もそういう問題については研究しているわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この点は総裁の御意思は私たち全くその通りだと思うのです。ですからできるだけ早くそういう制度を確立していくことが、あなた方に与えられた任務だと思いますから、十分御検討いただいてできるだけ早急に決定していただきたいと思うのであります。それでこれは労使の間でいずれ話し合いしなければならぬ問題だと思うわけでありますが、そういう定年制を含む退職手当制度の問題については、今日わが電電関係だけでなしに、あらゆる企業で非常に熾烈な要求になっておるわけであります。そこでそれと関連をして、私は今度のこういう措置をおとりになるときに、全電通という労働組合が今日あることは、これはもう大下国家周知の事実である、そういう労働組合に何ら話もせずに、公社が経営上の責任だということで一方的におやりになるということは、私は非常にまずい措置だと思うのですよ。なぜ皆さんは労使の間でこういう問題についてよく話し合いをして、そうしてやるという慎重な措置がおとりになれないのですか。私はこれはあえて副総裁に申し上げておきますが、過般も労働問題のあり方について、どうも正副総裁がおかわりになってその後の労務政策を見ておると、あなた方がほんとうに公社の代表者としての取っ組み方について、やっぱり足りない点があるのじゃないか、職員局長なりあるいは労務課長なり、それぞれあなたの部下はおるでしょう、しかしそういう方々とほんとうに心を一にして、労働組合というこの労務対策を十分お考えになって、あらゆる問題についてやることが私は公社の生成発展に寄与することだと深く信じておるわけです。そういうことは過般あなたにも申し上げておったのですが、しかしこれらの問題を個々に考えてみる場合に、どうも労働組合というものがあっても、そういうところに相談もせずに一方的にこういう公示を出すというようなことについては、非常に私は浅薄ではないかと思うのです。なぜ皆さんは、こういう退職制度の問題とからんで非常に大事な問題でもあるし、希望者とはいうものの、今日合理化が進行する過程でいろいろ要員問題については問題がございます。その点は私たちもわかりますが、しからばそういう問題を総体的に考えてどういう措置をとった方が一番いいのか。これは経営者の考え方でなしに、やはりそこに働く労働者の考え方というものをそこに取り入れてやることが私は一番正しい経営者のやり方だと思うのですが、この問題についても、聞くところによると全然組合に相談をせずに、管理運営とか何とかいうことに名をかりて一方的に公示をされるということについては、非常に私は問題があると思うのです。どうして皆さんは話をせぬのですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) ただいまいろいろお叱りを受けましたが、私も労働組合運動の正常なる発展と労働組合の重要性、ことにわれわれのような事業のところにおける重要性は十分認識いたしておるつもりであります。ただ、ただいまお話のこの問題については、退職手当暫定措置法の適用の問題でありますので、この適用をこういうようにするということをわれわれとして周知いたしたわけでありまして、ただいまの一般的な問題としての鈴木先生のお話の、今後についてなお一そう労務対策というものについて十分なる勉強をしていくようにという御趣旨はよくわかるわけでありますが、本件については以上のような趣旨でありますので御了承願いたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、皆さんのお考え方の中には暫定措置法というものを強くお考えになって、そうしてその適用については公社がやれるのだと、こういう考え方のようでありますが、そこが問題なんです。先般来質疑の中で明確になっておりますように、退職制度そのものとの関連性の中で、少くとも十割増しを出して希望者があっても、その人たちに退職していただくという措置をとる場合には、非常にこれはただ単に第五条の暫定措置法だけを振りかざして、だからこれは経営だ、公社の一方的にやれることだという、そういう判断をされることは、非常に私は軽率だと思うのです。私もかつて当事者としてやったこともございますが、約六年間、内容的には職員局長は違う、ことしは新しいものだとおっしゃいますけれども、これと同じようなやはりケースのものがあって、やられておったのです。今日全電通の労働組合が、ほんとうに本人が希望する者に対して、これを組合の統一ある行動によってやめたいという人たちをやめさせないとか、そういうことは毛頭言っていないはずなんです。憲法に保障された個人の自由ということは、これは何人もこれをゆるがすことができない。従ってほんとうに本人がおやめになるという思想であるならば、これに対して組合がちゃちゃを入れるということは、過去においてもなかったし、今日においてもない。むしろ過去において高齢者の退職懲悪等をやる場合において、皆さんがわれわれと話をして、そうしてスムーズにやろうという思想に立っておいでになっても、その過程において皆さんのこの交渉段階の思想というものが十分下に届かないところにいって、個々にたたき戦術によってお前やめたらどうだということで、局長室に引っ張り込まれていろいろ説得されておやめになっている。そういう人たちがあとになってから、こういう経過だということを私たち聞きまして、やはり口には希望してやめるのだということをおっしゃっておるのだが、実際には個々の具体的なやり方については、やはりやめていった方がいいだろう、やめた方がいいのだということを言ってやめさせる事実がこれはある。もしその必要があるならば、その証人を私はここに呼んできてもいいのだが、それをする必要もないでしょう。ですから、そういった過去の六年間、七年間の歴史的な経過の上に立ってものをお考えになって、ことしはそうじゃないのだといって、そうしてこれを一方的におやりになるというようなことは、これは私は非常に公社の経営権の侵害だと思うのです。なぜ皆さんはもう少しこの問題について労使間において話をして、ほんとうに希望者がある場合には組合の意向として、そうして円満に公社の経営に寄与するような方法がとれるのに、とれるものをなぜとらないのですか。そういうところのさっきから私が申し上げているような労務政策に対する基本的な問題について、労働組合というものをどう考えているのか。私はあえて労働組合の肩を持って発言しておるのではない。組合の行き過ぎがある場合には、これはやはり国会としてその行き過ぎを是正して参ることは当然の任務でありますから、私はそれだけの決意は持っておるし、また今日までやっておるはずなんです。それをあなた方がその経営権だということに名をかりて、そのことだけを振りかざして、第五条を振りかざして、そうして一方的にやられる措置というものは、これは重大問題だと思う。もう少し組合とどうしてこれを話し合いせずにやったのか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 私どもの方におきましても、先ほど副総裁から申し上げましたように、総裁、副総裁の趣旨を体しまして、労働組合の活動につきましては、これが正常に発展することを期待しておるわけでございまして、その面からいいまして、私どもといたしまして、労働組合と団体交渉をやるべきものにつきましては、もちろん当然でございますので、十分交渉をしております。今回の問題につきましても、これは団体交渉の対象にすべきであるというように考えた場合でございますれば、もちろん十分組合の方と交渉をやったのでございますけれども、私どもが今回の問題につきまして考えましたことは、まず第一には先ほど副総裁が申し上げましたように、今回の措置が、国家公務員退職手当暫定措置法に規定されているものを適用する、というふうな建前に立っておりますものでございますから、すでに定まっている一つの制度的なものを適用するということでございますので、まあ組合の方と団体交渉をする必要はないのじゃないかというふうに考えたわけでございます。  それからもう一つの点といたしましては、今回の措置法は個々的な問題ではなくて、特に勤続年数の短かい人は除外してございますが、その他の方につきましては、一般的に希望があった場合においては特別措置法を適用いたしますということで、均等に希望を申し出ていただく機会を与えておるわけでございます。  それからもう一つの点といたしましては、先ほどちょっとお話のございましたように、勧奨というふうなことは全然考えておらないのでございまして、退職の勧告とかあるいは懲悪というふうなことは全然考えておりませんし、また現場の方におきましても、その趣旨は十分に体しまして行き過ぎのないように、特に注意をしておるような次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、あなたは第五条の適用について、業務の運営上必要だということに対する私の明確な質問に対して、明確な答弁が得られておらない、だからそこに問題があると思うのです。特に皆さんのねらいは、今日電電公社の合理化が進行しておる、要員対策については苦労されておる、これについては私どもも皆さんの苦労はよくわかります。公共企業体になって七年間、他の産業と違って非常に合理化が急ピッチで進んでおる中で、要員対策についても苦労されておることはよくわかります。そういう一環として出されてきていることはあまりにも明白なんです。今皆さんは女子職員の場合でも、場合によると最近は男の人を電話交換手に雇ったり、あるいは過欠員調整等もあるわけでして、暫定的に過員を認めておっても将来はこれを地ならししていくという思想がある、そのためにこの際希望者をつのって、そうして第五条というものをうまく利用して、そうして定員に持っていこうという思想があることは明らかだ、そういうことがあるでしょう。それがあなた方の本心だ。そういうことから何とかして希望者をつのってやめてもらおう、というのがこの裏なんです。この根底を流れておるのはそういう思想です。これはあまりにも明白です。そうであるならば、やはり重大な、退職制度とも関連がある、これこそ労働組合と話し合いをしていくということが私は正しい方法だと思うのです。それを組合にいえば反対するだろう、いやなんだかんだと、そういう考え方があるから、皆さんは一方的に第五条というものを勝手に解釈して、そして団体交渉というものを否認をしていこうという思想があると思うのです。これは郵政大臣、あなたは電気通信の監督をしていく責任者である、どうですか、こういう重大な退職制度にからみ、少くとも公社の経営上要員対策にも重大な関係があるこの措置に対して、労働組合と団交もせずに、話い合いもせずに、一方的にこういうものを掲示して、ことさらトラブルを起しているという、こういうやり方についてはあなたどう思いますか。私は、少くともこういう問題については慎重を期して、そしてやるということが正しいことであるし、われわれが副総裁に労務対策についてお伺いすれば、管理運営だといってもやはりこれは十分組合と話し合いをしていくことが必要であるし、団交が悪いならば懇談会でもよろしい、そういう形式でもよろしいから、よく労働組合と話し合いをしてやっていくのだということを前副総裁以来いわれておることなんです。そういうことを言っておきながら、こういう重大な問題に対して、団交の範囲ではございません、そして第五条については明確な公社の考え方が報告されずに、はっきりせずに、こういう一方的な公示をしてやるということは、私はやはり行き過ぎだと思うのです。こういうことをやるからことさらにトラブルが起きてくるので、今までの全電通労働組合の性格をもう少し考えてもらいたい。私も当時委員長として、日本共産党と対決して、とにかく民主的な組合を作って、公社企業の再建を労働組合がみずから運動方針に入れて、この七年間ずいぶん苦しかったけれどもやってきた、そういう労働組合に対して、積極的に協力しようという態勢にある組合に対して、何ですか今度の措置は、だまし討ちみたいに一方的に掲示して、それによって起る波紋をむしろ労働組合がどうしたらいいかといって心配している状態なんです。そういう不手ぎわが許せますか。大臣に質問をしたい。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) このことは、実は私はただいま職員局長並びに副総裁と鈴木委員との質疑応答に際して、この内容を知ったわけです。総裁がお答えをしているところのものと、鈴木委員の御質問している様子と申しますか、そういうものとには私は考え方というものに若干の食い違いがあるのじゃないか、そういうような感じがいたします。いずれにいたしましてもきわめて慎重を要する問題で、慎重に検討して処置する問題だ、こういうことは御意見の通りでありますが、当局としては悪意をもってそういうことをやったのではないというふうに私は考えられるわけであります。いずれにしても、私がこのことについての詳細な内容等は承知いたしておりませんが、今後はそういう問題についてはお示しのように十分慎重に検討をしてやっていきたい、こういうことは申し上げていいことだと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は大臣にこういう問題について御見解を伺うなんてことは不見識だと思っているのです、実を言うと。少くとも労使間の問題については、公労法なり公社法に基いて労使間でやれることですから、大臣が一々こういう問題について目を光らしているということは、これは法の建前からいってもおかしなことですから、私はあえて大臣に質問しようと思いませんけれども、大へん失礼なことだと思うのです。だがしかし現実にあなたが大臣として、電気通信事業の合理化ということを推進されているわけだ。これは国会の承認を得てやっておるわけです。そういう過程において、労使間における円満な解決ということが何回も言われている。ところが実際にやってくる具体的な現象を見ると、言っていることと違う、思想的に。こういう問題について大臣がどう考えるかということを、そうむずかしく、相談してみなければわからないというようなことではないのです。やはり公社合理化の一環としてやはり労使間の話し合いを——懇談会を持とうということを言っている。そうして何でも相談していこうじゃないか。合理化によっては首切りもしないし、労働条件もよくなる、このことによって新陳代謝ができる。そうするとサービスの問題にも関連してくるわけでありまして、それは公社が言うように、第五条にあるから、それをやったまでだから、組合に相談しないでもいいという考え方は行き過ぎです。これは公社の経営者として価値がない、私はそう思う。なぜもっとこういう問題について話し合いができないか。これは退職制度の問題と十分関連がある。五年間勤めて十割増しやる、これはおかしいでしょう。第五条の精神はそんなものではないです。やはり公社の業務が縮小されてどうしてもやめてもらわなければならない、そういう人たちにやめてもらうのだから、特に十割増しやるということであって、五年勤めたからその人に対して十割増しやるから、希望者があったらやるということは、これは第五条の精神を逸脱するものだと思う。五年なんてものは今ごろどこへ行ったって五年ぐらい勤めている。公社なるがゆえに、特別に第五条を解釈して、大事な国の金を使うのはもってのほかです。いろいろな問題が派生している。そういう問題について、何ら組合に相談せずにやるなんてことは重大問題です。もう少しこの問題については一つ関心を持ってもらいたいということをあなたには希望しておきます。それで今、退職制度の問題についても、公社はお考えになっているようでありますが、今、今日その結論は出ておらない。だからいつもこういう問題が出て、そういう派生的に関連をして論議になってくる。ですから公社の経営者の皆さん方にわれわれが期待するのは、公社の経営が任されているのです。ですから皆さんが、ほんとうに任された経営権の中で円満に事業を運行していくことが唯一の公共企業の業務です。それがなくなってくれば、官業経営で郵政大臣からも言われる、どこからも言われる。それをそのままやるということなら、公共企業体の妙味も何もない。公共企業体というのはそういうものではないでしょう。だから退職制度についてももっと本格的に早急に確立して、国家公務員等退職手当暫定措置法なんてものからはずして、公社独自の退職手当を作れということが、これは世論なんです。それもろくにしないで、それと重大な関連のある問題について何ら一ぺんの相談もせずに、局舎の中にこういう公示をするなんてことはまことに行き過ぎです。この点について副総裁。人間はあやまちもあるし、気がつかなかったこともあると思うのです。だから思想的に私はこういう問題について、副総裁には公社の交渉代表者の責任があるし、一番トップにいる経営者ですから、今度の措置等について私は自己反省をして、自己に誤まりがあるならばこれを直すにやぶさかでないという態度こそ真の私は経営者の姿だと思います。いろいろこういう問題が国会まで出てきて、そうして貴重な時間を使って論議をするなんということは、そういうばかげたことは私たちもやりたくない。経営者におまかせした中で円満にやってもらいたい、それが私たちの念願です。公共企業体法を制定したときの精神です。どうですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) 今回の措置の趣旨については、先般来御答弁申し上げたところでありますが、先ほど鈴木先生からお話がありましたが、本件の問題でなくして、従来、高齢退職、そのほかについて希望者を募るといいながら、そうでなくして相当ひどい干渉もした、あるいは強制にわたるような行為をした例があるじゃないかというようなお話がありましたが、今回の問題につきましては、全然そういうことは私たちはもちろん考えておりませんし、そういうことが行われないことについて確信を持っております。もしそういうことが行われるようなことがあれば、その問題についてすぐ反省をするというようにいたしたいと思いますが、そういうことは全然行われないと私たちは確信を持っております。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 速記をつけて。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今の副総裁の御発言の中で、断じて過去のようなことはしないとおっしゃるわけですが、しかし、それによって本質的な問題が解決するわけじゃないでしょう。私は今回の措置に対して非常に公社が一方的にやられたことについては遺憾であるし、もう少しこの問題について振り出しに戻って話し合いをする必要があろう、こういう意見を常に持っているわけです。そこで、今私はあなたに答弁を求めてもこれ以上の答弁はできないと思うので、幸い大臣、政務次官もおられるし、非常に重大な問題でありますから、もう少しこの点は御相談をなさって、そうして午後の適当な機会でもいいですから、そうした意思統一したお考えをお聞かせ願って、議事進行をした方がよろしいと思いますから、私はあえてここで答弁は副総裁から求めませんが、そういうことにして議事進行をしていただきたいと思います。  そこでこの際私は一つ強く希望をしておきたいのは、あくまでもこういう問題については話し合いをしていく、そのことの方がむしろスムーズにいくのだから、そんな五条なんというものを振りかざして、経営権などというようなことでやられてはもってのほかだと思います。一つ大いに反省をしていただいて円満にやれるようにやってもらいたい。  それで退職制度の問題については最近特にいろいろな意見が出ております。しかし、日本の年令も約十年くらいは延びております。これは高齢退職者の場合が特にいわれると思いますが、退職制度がないとやめる人だって安心してやめられない。五十年、四十年勤めてやめてみてもわずかの退職手当でどうにもならぬ。私は二十八年間勤めて実際もらった退職手当が九十万円でした。これじゃうち一軒建たない、どうにもならぬでしょう。だから退職制度というものをきめる場合には、裏づけになる老後の安定というものが、はっきり裏づけがなければ、工十五才になってやめて下さい、五十八才になってやめて下さいといえない。そういう裏づけがあれば、五十五才になればだれだって余生を少しゆっくり送りたいという気持を持っておるのですから、そういう裏づけをすることが根本問題である。そういう制度を考える場合にそのことがはっきりせぬといかぬのです。今はそういうのがないので、五十五になったらやめる、五十七になったらやめると、そういうことが不文律になっているところに問題がある。これは文芸春秋の四月号を読んで下さい。ここで時間がないので読み上げませんが、四十四ページ、四十五ページに理研光学社長の市村さんが、定年制への疑問という問題を非常に書いている。この人は、今私が言ったように、年令が相当延びてきているし、五十五になってやめるというのは非常に愚であって、もう少し、社長、長らくお世話になりましたと言ってやめられる人たちが後顧の憂いがないように、そういう配意をしてこそこの退職制度の意義があるし、そういう措置をすることが今日日本の経営全般に対して大事なことである、こういう所論をお述べになっている。これはまことに私はりっぱな経営者だと思うわけです。こういった点を十分一つ、一応読んでみて下さい、職員局長、副総裁、なければ僕のところのを貸してやるから。そうしてこういう恒久的な問題について、やはり一つ公社側からむしろ積極的に提案をしてやるくらいな確信の中で、今回発生している問題を措置してやっていかないと、根本のことを忘れておってそして末梢的な問題ばかりやるからこうした事態が起きてくると思う。そういういろいろな重大な関連性があると思うので、一つ強くこれらの問題について希望しておきたいと思う。  それからアメリカ局長、どうもお忙しい中をありがとうございました。実は先般来、米軍の基地内にある電話局、これは電電公社の組織になっております。そして行政協定、労務基本協約に基いて、電電公社がそのサービスを駐留軍に提供しております。これは御承知でございますね。従って、そういう過程の中で先般、座間、横浜、横須賀等々の職場の中で非常に遺憾な問題が起きているわけです。新聞にも出ておりましたからすでに御了承のことと思いますが、全電通組合の組合員である関係上、春の闘争の一つの方法として組合員がリボンをつけたんであります。そのリボンはこういうリボンなんです。このリボンをみんなが胸につけたら、これがアメリカに対するデモンストレーションだというふうに理解をしたらしいのです。そういうことからお前たちはキャンプの中に入ってはいかぬと言って、一方的に締め出しをくった事件があるわけです。これは私は今から具体的な経過もお話あると思いますが、非常に遺憾なことであって、少くともその事の真意を理解せずにそういう軍司令官の命令が来たということは重大な問題であって、見のがすことが絶対できないと思うのでありまして、あなたは日米合同委員会の政府代表でありますから、一つぜひこの経過をお聞かせ下さって、適当な措置をとっていただくようにお願いしたいと思ってきたわけなんです。きのう外務大臣に予算委員会でお会いをしたので、この経過を説明いたしましたところ、それはちょっと行き過ぎだと思うと、合同委員会で取り上げられれば対米交渉に移して、今後こういう問題のないようにしたいと、こういう御意見も私聞いているのです。きょうはできれば外務大臣も来ていただきたいと思ったんですが、他の委員会との関係で、また今政府の代表でありますからとりあえず来ていただいた、こういう経過でありますので、以下私の質問の中で十分経過を御了承いただいた上で、またあなたの御意見を承わりたいと、こう思っているわけです。  そこで公社当局にまずお尋ねをいたしますが、こういうリボンを付けることは公労法上はこれは許されているのですか、公労法上というか、こういうものを付けることが、即争議行為だというようにあなた方はお考えになるのですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 今お話のリボンを付けること自体が争議行為だ、というふうには考えておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 しからばこの問題が発生をして以来、公社当局としてはどういう措置をおとりになりましたか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 御指摘のような事態が座間、横浜、府中、横須賀という四カ所にあります特別電話局で起ったわけでございますが、まずその問題の起ります前に、米軍の方から関東通信局の方に対しまして一応の話があったのであります。その経過を簡単に申し上げますと、軍の方の側といたしまして、組合側が目的達成のためにちらしとかあるいははち巻、リボンというようなものを付けることは黙認できない、というふうなお話がございましたが、しかしはち巻はしないのだけれども、リボンを付けるというふうなことについては、一応組合の方へその後趣旨を伝えて警告はするけれども、これを積極的にとってもらうというふうなことはできないというふうな態度をはっきりと申してあるわけでございます。まあそのような経過から始まりまして、今度の問題が起ったわけでございますが、米軍の現地当局の方から公社側の管理者に対しまして、一つの警告が参ったのでございます。それはリボンをはずさない場合においては基地外に退去をさせる、こういう趣旨のものでございました。公社当局といたしましては、そのような警告に対しまして、組合の方へもその趣旨を伝えますと同時に、無用なトラブルを避けるというような意味から申しまして、トラブルの起る前に基地外に退去するというふうにしたらどうであろうか、というふうな勧告を一応したわけであります。それからなおその後におきまして、関東の地方本部と関東通信局の方で、いろいろとお話し合いをいたしまして、この問題の円満な解決をはかるための措置を打ち合したのでございますが、その結果一応の話し合いができたのでございます。そのおもな点を申し上げますと、米軍の方でリボンを取りはずさなければ基地外に退去せよというふうに強制的に申しまして、就労せしめなかったということにつきましては、適当な措置であるとは考えられないというふうな感覚のもとに立ちまして、今後におきまして、このような米軍の態度というものが変更されますように、公社の本社におきまして極東軍司令部と折衝をしてもらいたい、そのような趣旨の文書を関東通信局からは本社に対して上申をするということになったわけでございます。このような状況でございまして、今後の問題といたしましては、私どもといたしましても、今後米軍におきまして、今起りましたような事態の起らないように申し入れをしたいというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そのおとりになった措置が非常に緩慢なようにも思うわけでありますが、これは時間的な関係もあると思いますから、そう私は強く追及いたしませんが、しかしこの問題は非常に今組合の良識ある自主的な判断によって、トラブルを避けるために、あえて組合の方は統一ある行動を組合員に指示をしておさまっております。しかしながらこの本質を解決せぬことには、再びこういう問題が出てくると私は思うのですね。これで、そういう今後に問題を残すだけに、関東通信局の方から一応地方本部との交渉の集約というものが本社にも上っておると思いますが、やはりこれは過去七年なり十年の長い間の駐留軍とのサービス提供の過程においても、幾多の問題が出て参ったわけでありますが、そのつど事態の解決はなされて今日に至っております。しかしこのリボンをつけてこれがアメリカに対するデモンストレーションだというふうに判断したことは、これは米軍の認識の不足もはなはだしいのであって、そういうものに対して納得ができないのだ、できないのだが、あえて労働組合の方は自主的に判断をして、トラブルを避ける意味においてやられておるのであって、この措置は非常に私は重要な措置だったと思うのです。これに対して公社側がほんとうに本腰を入れて、この問題に対する解決を具体的に促進しないと、今後に問題が起ると思うのです。きょうは幸いこの問題が起きた直接の職場におる鈴木さんにも参考人に来ていただいたわけでありますが、特に横浜のノース・ピアに十万近い職員がおるわけですが、そこらにおいては出入のパスまで取り上げておるという事実がある。そういったふうな経過についてもこの際私たちも明らかにしたいと思うので、鈴木さん大へん恐縮ですが、その問題の起きた経過等を一つ直接あなたから御説明いただきたいと思うのですが……。

鈴木二郎全電通神奈川県支部湘北分会書記長

○参考人(鈴木二郎君) 鈴木と申します。ただ、つい昨日までそういう紛争をやっておりまして、本日いきなりここへ参りましたので、場合によりますと詳細な資料を携えてきておりませんから、概略こういうようなものだというふうに御了解願いたいと思います。そういう形で御説明したいと思います。  このリボンをつけるということが上から指導されてきたわけです。しかし基地の中で私たちがリボンを受け取りましたのは、それよりも発送の都合上だいぶおくれまして十日前後になったのであります。しかしこのリボンをつけるかっけないかということを準備する前に、軍の方で、どうもリボンというものをつける場合には重大な決意をするということを、ちらほら私たちの従業員に漏らしておるというふうな通知がございまして、すぐ私たちの上級機関であります支部あるいは地方本部に連絡をとりまして、こういう状況であるということを申し上げたわけであります。私たちもさっき鈴木先生のおっしゃったように、基地の中でトラブルはできるだけ避けたいという考えを持っておりましたので、そうしましたところ、地方本部との交渉の結果、一時見合したらということでございまして、私どもも素直に一時見合せました。しかし、なお見合せましたけれども、リボンをつけて……、これは軍の悪口を言っているわけじゃございませんで、これは公社当局の方に見ていただけばわかりますが、私たちの考えをここにつけておるわけでありますから、そう問題はないだろうという考え方で、整然として一つやはりつけましょうということで、関東地本の指導によりまして、私たちは十日前後に一せいにつけましたわけであります。そうしましたら軍の方からさっそく抗議が出まして、とれ、とらなければ、一時間の猶予を置くから、それまでの間に全員撤退しろということになったわけでございます。それはそれで簡単なことでございますが、私なんか一番心配しますのは、だんだん全国に基地が縮小して参ります。縮小して参りますと、軍の方で電電公社との間で契約が解除されて参ります。解除されますと私たちはどこかの所へ配置転換するか、やめるかしなければならないわけでございます。そういたしますと、どうしても配置転換される私たちといたしましては、できるだけ私たちの希望を聞いていただきたい。しかもみっともない格好にしないで、何といいますか統制のとれた形でそういう収拾をしたいという考え方から、最低の話し合いの機会をどうしても持つ機会が一そう多くなります。もう一つは、御承知かと思いますが、私たちの座間あたりでは特に半年以降おあしが軍の方でないということを財政上の理由といたしまして、私たちといたしまして常識で判断できないような業務の縮小をしてくるわけです。業務縮小といいますのは、仕事量を縮小するということじゃなくて、人間を非常に少くすることであります。こういったこと等も出されてきますので、出ていく人たちはそういう形で話し合いしますし、残された人たちは異常に労働率が高くなりまして、実際問題としては仕事もできないということで、局側と一緒になりまして軍の方へ提出する資料を作りました。そういう中でいつも問題になりますのが、何と申しますか、電電公社と軍との間にはっきりきまった仕事のほかに、私たちが長年占領軍当時からの因襲に従いましてオーバー・サービスというやつをたくさんやっております。こういうものをどうしても断ち切っていかなければならなくなってくるわけです。そういたしますと、軍の方との間でいろいろ感情的に問題がもつれてくるわけです。私たちはそういったもつれやトラブルをなくすために仕事以外はあまり口をきかないようにしようじゃないですか、とかく軍と口をききますとトラブルが発生する原因になりますから、そういうことはお互いにつつしみましょうじゃないですか、そういう業務縮小については、僕は特別のサービスはやらぬ、私は特別親しいからやるとか、私はやらないとかばらばらであっては因りますから、みんなで一つ話し合ってきちっとした形で、これは局長さんの方も認めている、オーバー・サービスであるからしないようにしようという、統制のとれ措置がどうしても必要になって参ります。そうしますとやはり軍の方で、統制のとれた形で指導する労働組合というものが、何といいますか軍の方にしますと非常に小うるさい、あまり好ましくないという形に映ってきているんじゃないかということを判断いたします。それは職場の中から起った形です。  もう一つは、二、三年来私たちが、よくわからないのですけれども、軍の方で総評とか、全労とか、労働組合の性格あたりから私たちを見つめている傾向があるんじゃないかというふうに判断をされるわけです。それはどういうところで私たちわかったかといいますと、職場で話し合いをしたことがございます、二・三年前に。そのときいきなり話し合いの中心人物を拉致いたしまして、そこで、職場の人たちですから、組合の人が、総評に入っているということを知っている人も知らない人もございます。そういうことを向うの方で得々と教えてくれたということがございます。そういう両面から基地の中の私たちの組合というものは特別の目で見られる、というふうになってきたのじゃないかと思うわけです。従って少くともこのリボンをつけることぐらい、あるいは私たちが基地の中で余分にサービスしていることを組合の中で話し合って、局と話し合って、そして軍と話し合っていただいて、そうして正常な形の相談をし合うというぐらいしていただけませんと、私たちといたしましても労働者としての人権が確保できないんじゃないかというふうに考えます。従ってこれはリボンは——リボンだけじゃございませんで、せめてリボンぐらいはぴちっとはっきりした見解を出していただければ非常に幸いじゃないかというふうに考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 で、鈴木さん、問題が起きたときに、組合の方とその現場の米軍の責任者ですね、そういう人たちとリボンをつけた人について話し合いをされたのですか。話し合いというか、聞かれたことがあるとかそれに対してお答えをするとか。決して米軍側に対する闘争をやっているわけでもないし、感情的にアメリカに対して何も持っていないわけですから、そういうことは十分伝えたわけですか。

鈴木二郎全電通神奈川県支部湘北分会書記長

○参考人(鈴木二郎君) そういうことです。以前私たちは勤評ということと同じような形のものが通知されたことがございます。その当時は向うの兵隊さんの中に漢字を読める人がありまして、日本の新聞を読んで、これは勤評というのか、おもしろいというので、自分でそういうものを胸につけたりした、そういうような非常におおらかな形をとったこともございます。勤評、つい最近でございます。ところがどういうものか、今回のこのリボンにつきましては、はっきりした態度を示している。局長さんも、おかしいということで、再三現地で司令部の方にかけ合いなさっておるのでございます。団体交渉の中で、はっきり、今申し上げた局長さんがおっしゃったことは、最初入っていきますと、このくらいな長い棒のようなもので、ぽんとなぐりつけたそうでございます。非常に興奮して出てこられたのですが、そのあとで非常に副官あたりがいんぎん丁重に迎えた。これはやはり軍の考え方はこれをデモンストレーションとみなさざるを得ないということで、何回弁明していただいても、ただ一つ結論はデモンストレーションと断定せざるを得ないということで、どうしても解決できなかったそうでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 座間の職場で、新聞によりますと、そういう話し合いをした結果米軍も了承してつけさしておった。ところが横須賀とかいろんな方面から発展をしてきて、最終的には軍司令官の命令だということできたそうでありますが、座間では当初はそういうことをは認めておったわけですね。

鈴木二郎全電通神奈川県支部湘北分会書記長

○参考人(鈴木二郎君) 今回のリボンにつきましては、実は私たちの座間が発祥地だと考えております。座間でいたしまして、しばらくたって府中に及びそれから横須賀に及んだと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それで公社側では現場の局長は、このリボンをつけるということについては何ら問題ないという見解をとり、米策とも折衝したようでありますが、その現地からの報告はいつごろ受けたのですか、公社当局は。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 一応詳細な報告は、昨日だったかと思いますが、私はちょっと今この細かい点についての、電話連絡等についてのそこの点まではわかりませんのでございますけれども、一応正式にいろいろと実情について話し合いをし、今後の問題について打ち合せをいたしましたのは昨日でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三月十四日、土曜日の朝日の朝刊にこの記事が出たのですが、これを読みましたか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 読んでおります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 読んだとすれば、事態が新聞に報道され、公社としてこれは大事な問題だという考え方から、何か御措置をとったと思うのですが、そういう措置は直ちにとりましたか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○説明員(行廣清美君) 一応情報程度の連絡がございまして、それにつきましてまた追っかけまして、問題について一応の解決ができたというふうな情報を受け取ったものでございますから、それはその程度に一応いたしまして、昨日今後の問題等につきましての打ち合せをやったというふうになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今日は、合同委員会の通信部会の委員長は岩田さんでありますが、外遊か何かやっておって御不在のようですが松田監理官見えておりますが、監理官の方にはそういう連絡は公社はしなかったのですか、今日まで。

松田英一郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(松田英一君) 私どもの方には公社からその話は全然参りません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 松田さんはこの新聞をお読みになったのですか。

松田英一郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(松田英一君) 私はその新聞を読みました。ただそのことについて、今まで何と申しますか、労働関係の問題について幾たびか紛争といいますか、そういうものがあったそうでございますけれども、それはすべて公社側と軍側との間で話がついておって、それ以外のところへ持ち出された例がないというふうに、私どもの関係者などから聞きましたので、それでは言ってこなければそのままでいいだろうというふうにしておったのであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そういう措置が非常に私は問題だと思うのです。少くとも新聞記載の内容と同じように、全部の職員がシャット・アウトされて、基地の職場から締め出しを食っている、こういう内容であるんです。従来の公的なトラブルと違ってことが非常に重大です。少くも米軍に対して公社は、一定の基準に基いてサービスを提供するという立場に立って協力をしているわけなんです。その職員に対してリボンをつけたというくらいで、その全部を締め出したというようなことについては、これはもう非常に重大な問題であって、お読みになった監理官が電電公社との連絡をおとりにならなかったし、また読んでも、従来おさめておったのだから適当にいくだろう、こういうような判断を持たれるところに、私は非常にこの問題に対する取っ組み方というものが欠けておったと思うのです。もっと私は積極的に、この問題がどうなっているかというぐらいなことを聞きただして措置をとる、というのはこれはまあ監理官として当然のことであったと思うし、また公社も新聞を読んだがあまりろくな連絡も監理官しなかったというのは、これはやはり公社側にも無責任なところがあったと思うのです。だから問題は、こういう事態が起きたときに適切な措置をとっていくとか、自主的に賢明な判断をとっていくとか……リボンを取ったからそういう仕事ができておるのですから、取らなかったらば依然として今日まで続いてあれをしていたかもしれない。しかしそのことについてはリボンをつけてはいけないということは言っておらぬ。そういうリボンをつけても最初にこれを認めておるのだから、だからそういう適切な措置のとり方に対する緩慢さというものが私は出てきておると思う。国会でこの問題が取り上げられるというようなことは、これは本来から言ったらちょっとどうかと思うのだが、われわれは非常な心配のあまりに、きょうはこうして特に委員長にお願いして機会を作ってもらった次第でありますが、もうちょっと経営者というのは、回転いすに坐っているだけでなしに、個々の事態について積極的にその措置をとる、というような方法はとるべきだと私は思うのですよ。今後関東通信局とこうなったのだから措置しよう、こうおっしゃるのだが、どういう措置をとるのですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○説明員(横田信夫君) ただいまの件につきましては監理富の責任と申しますが、われわれの責任でありまして非常に相済まぬと思っております。連絡の監理官がおくれたごとについての責任は一切私の方にあると思っております。ただこの問題につきまして、従来ともこういう問題についての第一次折衝は関東通信局でいろいろやってもらっておりまして、その関東通信局でやって、その交渉がうまくいかない場合、あるいは残された問題を本社にあげてもらって本社でやるというふうにいたしておりますので、当時、これは関東通信局で向う側と、米軍といろいろ交渉をいたしておったわけであります。ただいまお話のように組合の方の非常にまあおだやかな措置によって、一応この問題の解決を見たわけでありますが、この確認事項も、三つの項目を確認事項といたして、で、本社へこれをあげて、その本社はこれからこの問題について座間の司令部と話し合っていこう、こういうことになっておるわけであります。まあ先ほどからお話のあるように、米軍といたしましては米軍側で言うには、出先ごとにいろいろ違った理由もあるようでありますが、今まで申しておる理由には行政協定の違反の疑いがある、あるいは軍紀に反する、あるいは米軍に対する示威の疑いがある等々のようなことを言っておるわけでありますが、ただいまお話があるごとく、この米軍に対する示威ではもちろんこれはないと思います。それから軍紀に反する問題でもない、かと思います。行政協定違反の疑いもこういう問題についてないと思いますので、今後この問題について、もう少し米軍としても寛大な余裕のある運用ができるように、これから交渉いたしていきたいとこう思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ副総裁は全面的にこの不統制を認めておられるので、その決意に立って今後米軍と折衝されることもけっこうでありますが、おそらく先ほど鈴木参考人のおっしゃったような駐留軍、占領軍当時からのいきさつからして、いろんなあやまった思想が米軍の中にあるのだと私は判断をするのです。ですから従来と違った態度に出てきたということもこれは事実でありますし、これはもう米軍司令官と話し合った中で完全に解決できるかどうか、この点は私は非常に疑問に思うのですね。ですから松田監理官は委員長ではないのですが、こういう経過の上に立って、本問題は私はやはり日米合同委員会ぐらいに持ち出して、全電通といい、公社といい駐留軍に対して積極的サービスを提供して今日まで七年間、十年間、十四年間、この偉大な協力をしてきた過程を考えてみても、こういうような一方的な誤まった解釈の中で次々に出してくるやり方というものを、これはもう不届き千万だと私は思うが、ですから一つこの問題は現地交渉も重大でありますから、私はおやりになっていただくことはけっこうです。しかしおそらく解決できない場合もあると思いますので、その場合は一つ積極的にこれは合同委員会に持ち出してやっていただきたいと思うのですが、松田監理官はどう考えますか。

松田英一郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(松田英一君) この問題は実は合同委員会のことになりますと、私どもの方は分科会、実は私は委員長をやっておらないんでございますけれども、分科会の関係になっておりまして、まず最初にこの問題は今お見えになっておりますアメリカ局長の方に行きまして、それから検討すべき問題としておろされて参るような筋道のように聞いておりますので、まず合同委員会の日本側の代表であるアメリカ局長の御意見に従って動きたいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 森アメリカ局長にお尋ねをいたしますが、経過はお聞きの通りであります。私たち非常に遺憾な問題だと思います。おそらく局長もそういう御意見だと思うのでありますが、これはその現地の司令官というのはどうも軍の機関ですから、とかく殺気だちあるいはいろいろな問題を独断専行的にきめられるきらいがなきにしもあらずであって、そういうことが今日まで幾たびか起きた紛争のほとんどの原因になっておるんです。ですからやはり基本的な労務を提供するという行政協定の趣旨に基いて提供しているこの労務者に対して、もっと理解のある態度というものを持っていただくことが、この問題の解決の要因だと思います。従ってもちろん現地折衝をしていただくんでありましょうが、そういう過程の中で松田監理官のお話ですと、各分科会がそういう提案をすることはできないという建前になっているそうでありますが、私はちょっとこの点まだ不勉強ですからわかりませんが、それではこういう問題をだれが申し込むことになっておるんでございましょうか。持ち込まれた場合に、局長としてそういう問題に対するこの具体的な討議をしていただくということは、どうでございましょうか、できますでしょうか。

森治樹外務省アメリカ局長

○政府委員(森治樹君) この問題につきましては三月十四日でございますか、朝日新聞で私も見まして、実態がよくわからなかったもんですから、私の方としましては、取り上げ方としましては労働委員会で取り上げるか、あるいは郵政委員会で取り上げるか、実はどちらで取り上げるべき問題か、私自身見当がつかなかったもんですから、私の方の安全保障課長にさっそくその点を確めて、そうして適当なルートを通じて問題が解決しないときは取り上げる準備をするように言っておいたわけでございます。  ところがこれは普通の調達庁を通じますMLCの労務者の方ではなくして、電電公社関係の方々ということでございますから、それではもし合同委員会にかくべき場合、すなわち現地の折衝がうまくいかない場合には、郵政委員会が適当だろうということをまあ考えておったわけでございますが、取り上げ方といたしましてはこれは双方ございます。まず合同委員会本会議にかけまして、そうして下部の委員会で検討していただくやり方と、まず分科会で取り上げていただいて合同委員会にあげるといういき方がございます。主として数個の委員会にまたがる案件、あるいは分科会、どの分科会が扱うか判然としない問題、これらは主として合同委員会にかけましてそうして分科会でこれを検討していただくというやり方、本件の場合いずれの方法をとりますか、これはわれわれの方で検討いたすことといたしまして、現地の折衝で満足のいかない場合におきましては、合同委員会として取り上げることは当然のことでございます。米軍といたしましても終戦以来十四年間、特に日米関係の最も接触点といたしまして、労務関係には十分留意をいたしておるところであるし、この点の解決につきましては、機会あるごとに先方にも話しておりますけれども、たまたま、こういう事態が発生いたしますことは、まことに遺憾なことでございまして、いかなる方法で取り上げるかは別といたしまして、解決のつかない場合においては合同委員会で取り上げたいと存じます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 非常にアメリカ局長は事態を正確にとらえていただいて、適切な措置をとっていただいておりまして、私この機会に感謝を申し上げますが、大臣、アメリカ局長の今のお話はお聞きの通りです。にもかかわらず、電電公社とかあるいはあなたの監理官なんかが、たまたま出張はしておるかもしらぬが……。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 鈴木君、アメリカ局長はほかの会議に出られるというので、いいですか。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 けっこうです。  小委員長は出張されているようですが、これは不在中は委員長代理というのは置いてあるんですか、通信分科会。

松田英一郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(松田英一君) 私もその会合に出たことがございませんので、詳しい事情は知らないのでございますけれども、おそらく、その会合のつどに、委員長がいなければ、かわりに代理をするとかということをきめていくのではないかと思っておりますので、別にいないからといって、かわりにだれということを指名するようにはなっていないように私は考えております。従って、何もやっておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは無責任だよ。じゃ、出張中はだれがやるのかわけがわからない。今の答弁でも、委員会として取り上げないようなことを言うんだが、そうじゃない。委員会は取り上げてもいいと言っているじゃないですか。不在中に起きたことは、だれが責任を負うか。だれが処理するか。郵政大臣、外国へ出張する場合に、こういう問題に対する措置はどうなっていたんですか。無責任ですよ。その間にできたことは、だれがやるんですか。松田監理官のような無責任な答弁をされちゃ困る。あなたは監理官で、少くとも二人しかいない監理官だから、そういう問題について、これは向うの問題だから私は知らぬという態度をとるのもけしからぬことだし、それぞれ協議をして今までやってきたのでしょう。あなたは特に長い間監理官をしておられたのだが、不在中の業務はだれがやるのですか。だれもやらぬのですか。

松田英一郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(松田英一君) もちろん、私は、そういった事柄の全体につきましては、岩田監理官の不在中、私、全部責任をもってやっております。ただし、合同委員会の分科会の委員長といいますのは、その系列といたしまして、特別に任命をされてその系列で動いておるものでございますから、実質的な事柄につきまして、私が留守中当然いろいろなことを考え、またやるということは考えておりましても、現実に、日米合同委員会の通信分科会の委員長に、私がその間にかわりになるということは、私どもの一存でも参りませんことでございますし、また、委員長としての仕事としてやることは、これはその分科会が開かれるというときにきまることでございますから、そういった問題を持ち出す必要があるかどうかというふうなことにつきましては、これは当然岩田さんにかわりまして私ども考えなきゃならないと思いますし、またそういうことの事態になれば、それでは日本側として岩田監理官のかわりにだれをやらしていくかというふうなことを当然きめて、向う側と折衝するということにせざるを得ないと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だからその合同委員会というのはいつ開かれるか、いつ突発的な問題が起きるかわからぬでしょう。だから出張する場合に、その職務の分担をどうするかということを明確にしておかないということは、これは怠慢ですよ。その責任はだれがとるんですか。そんな無責任なことであっては私はいかぬと思うんです。それは合同委員会でおきめになることかもしらぬが、現実に一カ月なり二カ月なり日本をあけて行くということになれば、当然委員長不在のときには代理を置くとか、そういう措置をとって、いかなる事態が発生しても臨機応変の措置をとることは当りまえのことでしょう。そういう方法、やられていないんですか。そんな不明確な、いないときはどうするというような、そういうことじゃだめですよ、無責任ですよ。大臣、これはどうなるのですか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) これは何というのでしょう、長期の出張に行ったのですから、そのあと、どういうようにするかということを検討しておるということは、これは御指摘の通りでありますが、その点においてはそれが十分でなかったということは、私も認めざるを得ないのでありますが、早急にそういう点を検討し、あるいは合同委員会の意見も聞きまして、そういう際に、それにかわるべきものはだれがなるかというようなことも相談をいたしまして、そうして現地の折衝というような結果において、合同委員会その他分科会等を開催しなければならぬというようなことに備えて、十分連絡その他をいたしておきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だいぶ時間が過ぎて申しわけないのですが、どうも大臣、これは重大なミスですよ。少くとも出張をする場合に、その責任の所在を明らかにしておくということは、これは当然なことだと思うんですよ。だから、積極性がないので、公社も公社だが、監理官も監理官で、本家本元の合同委員会の方で、あれだけ局長が新聞を見て、すぐ、これは大へんだということで、どういうところでやったということを、調査をやっておる周到な配意というものは、これはりっぱなものだ。直接監督をし、直接従業員をかかえておる公社なり郵政省というものは、下の方でしなければどうもできないとか、判断がつかぬとかそういうことでなしに、むしろ公社が直接飛んでいって、これはもう根本的な協約にもあるように、たしかちゃんと協定したのが技師長でしたか、副総裁でしたか、そういうふうに判こを押しておるのですからね。だからその責任者が解決しなければおさまらぬ問題を傍観しておるということは、職務怠慢じゃないですか。もっと適切な措置がとられなければいけない。幸いに組合の方がああいう態度をとったからおさまっておるが、それでなかったら大へんな問題ですよ。この問題を解決してやる努力が非常に欠けておったと私は思うんです。そういう点について大臣は遺憾の意を表明して、今後再びこういうようなことのないようにやってもらわなければ私は困る。そうですよ大臣。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 今回の場合に、これはすべての問題で理論的にいえばまあ鈴木さんのおっしゃる通りで、従って、この点についてはまあ一つ今後もあることですから、そういう出張その他の際には、そのあとはどういうふうに処置されるべきものかというようなことに万全を期すということは、これは当然のことであります。そのようにいたしますから、それで御了承願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最後ですが、了承は僕はできませんよ。できませんが、死んだ子の年を数えたってこれは始まらぬことですから、これ以上追及いたしませんが、今後こういう欠けた措置のないように、大臣はしっかり業務を監督指導していただきたい。  それからこの際、公社にしても、もう少し積極的にこういう問題について適切な措置をとることが問題解決になるわけであって、非常にやり方については遺憾な点があったと私は思うんです。だから事が明らかになった以上は、すみやかにこれを米軍折衝に移し、その交渉の結果、米軍が、現地の司令官が言うことを聞かなければ、直ちにこれを合同委員会に出して、この問題を解決していただくように、これは一つはっきりこの際、大臣から確答を得ておきたいと思う。やってくれますか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) すでに現地との折衝を公社においてもやっておりますから、その結果が得られなければ、ただいま局長の御答弁申し上げましたような処置をするということは、お示しの通りだと思います。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 一時半まで休憩いたします。    午後零時四十九分休憩    —————・—————    午後一時五十一分開会

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) ただいまから再開いたします。  午前中に引き続いて、電気通信並びに電波に関する調査を議題といたします。  本件に関しまして、御質疑のおありの方はどうぞ御発言願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 九千万国民がひとしくお待ち申し上げておりました皇太子殿下の御成婚の儀式が、いよいよ四月十日にとり行われることになったのでありまして、われわれまことに喜びにたえない次第でありますが、この機会に、宮内庁長官、さらに民放連、NHKの方々にもおいでをいただきまして、御当日の儀式の模様をあまねく日本の国民にお知らせをする、この報道の問題について私は所見を伺って置きたいと思うのであります。  私、今月の十五日の毎日新聞の「放送クラブ」という記事を拝見しますと、御成婚当日、テレビ・ラジオ報道関係は、あげて皇居内の儀式と、それから儀式を終えて皇居から東宮御所へ向われる約九キロの儀装馬車行列の中継をなされんとしておるようでありますが、今回の御婚儀は、御承知の通り、日本の歴史の中で画期的な儀式でございまして、特に民間の正田美智子さんを迎えるというような、きわめて民主的な、かつて例を見ない婚儀でもありますので、国民がこれに市大関心を寄せるのは当然のことだと思います。従って、この放送陣が皇居内と皇居外と、今申し上げたようなところに重点を置いて、全勢力をあげてその報道の任務に当ろうということも、まことに私は至当なことだと思います。ところが、この毎日新聞によりますと、この皇居内の賢所で、少くともテレビ・カメラ、放送、ラジオですわ、こういったことが皇居内において許されたことは、これは開嗣以来初めてである。いわゆる神域が公開された、こういうことからして、非常に画期的なことだと思うのでありますが、外部の報道については、相判に工夫をこらしてやるならば百パーセントの成果が上ると思いますが、ここ新聞によりますと、皇居内は非常に賢所は暗いそうでありまして、果してその儀式の模様が十分に全国民に報道できるかどうか、こういう点を危惧されているようであります。私はこの際、最初に、NHKの前田理事と民放連の光田さんにお尋ねをしたいのでありますが、こういった新聞等の報道もございますが、それぞれの協会、さらに民放連として、どういうふうな御計画でおやりになるのか、その概括をこの際お聞きしたいと思います。  それから賢所に二台のテレビ・カメラが入ることが許されたということでありますが、この報道する場合に、今新聞が指摘しているような問題があるとするならば、これに対して、宮内庁長官にも後ほど意見を承わりたいのでありますが、何か工夫をこらす必要があるのじゃないかということを私たちは思うわけであります。ですから、まず、その計画の概要を一つ御両所から承わりたいと思います。

前田義徳日本放送協会理事

○参考人(前田義徳君) ただいまの鈴木先生の御質問にお答え申し上げます。全く鈴木先生と御同感でありまして、開闢以来の皇居の開放という点からも、また御婚約以来、国民が全般的に今度の御成婚を待ち望んでいるという点からも、公共放送としてのNHKといたしましては、ラジオ、テレビ、すべてのメディアを通じて完全な放送を行い、国民とともにこれをお祝い申し上げたいという考えでおります。このために、NHKといたしましては、大体行列、それから賢所の御儀、その他東京を中心として大よそ三十台のテレビ・カメラを動員し、全国的にはさらに多角的な放送を行うために、テレビにつきましては大よそ四十台のカメラを動員して、これを完全に放送いたしたいと、こう考えております。賢所の問題につきましては、一般に、私どもも実は賢所を拝見したことはないわけなんでございますが、いろいろなお話を伺って、いわゆる広義の賢所と狭義の賢所があるように拝されるので、少くとも放送の態勢は、広義の賢所に拠点を置いて、できるだけ完全に放送をいたしたいと、こう考えているわけでございます。照明その他につきましても、目下NHKといたしましては、技術的にこれを検討を加えている段階でございます。あらまし御返事申し上げますと以上のようなことになります。

光田善孝日本民間放送連盟テレビ編成委員会委員代理

○参考人(光田善孝君) お答えをいたします。大体テレビの放送につきましては、今NHKの前田さんがおっしゃった趣旨と同じことで、動員しますカメラあるいは中継の場所等もほとんど同じことだと思います。むろん北から南まで、われわれのネットワークを動員して完全な放送をしたい。テレビ・カーも、各ステーションから大よそ約二十台の中継車を動員し、テレビ・カメラ約六十台、できたら飛行機などを飛ばしてやろうという計画もしているようであります。それから時間ですが、これは朝の六時半、正田さんが家をお出になって皇居に向われる段階から、ずっと皇居の中へ参りまして、その各行事、儀式を、とれたらできる限りにおいて漏れなく放送する。さらにお帰りの道中も、東宮仮御所へお帰りになるまで、完全にお写しをしたいと思っております。それから賢所の御前の儀につきましては、中が暗いということはずいぶん問題になっておりまして、技術的にも何とかこの一番大事な場面を写さすことができないものかということを、非常に頭をひねって研究しておる最中でありますけれども、どうもいろいろの事情でそこまではなかなかむずかしいではないか。遠くの方から望遠レンズでそれをとらえると申しましても、中の暗さをどうするかということはなかなか困難であります。それにただ暗いだけでなしに、遮蔽物がありますと、これはどうにもならないことになりますので、その辺がむずかしい点かと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 問題は賢所内の点にしぼられると思うのでありますが、これはすでに二台のテレビ・カメラを持ち込むことは許可になっているという話であります。しかも、その内部が非常に暗くて、十二分に送像ができるかどうか非常に危惧されているようでありますが、その内部を報道するために見せていただく、そういうことは当然のことだと思うのです。せっかく賢所が初めて国民の前に写ってくるわけでありますから、せっかくおやりになるのがぼけておったのではこれは意味ないと思うので、せっかく入れることを許可したとするならば、万全の映像ができるように措置するのが当然だと思うのです。こういう点で、私はまだ中を見たことはありませんが、宮内庁長官はそういう状況も、今問題になっている折でありますから、事前に、当然中に、報道者が報道するために、準備のために下検分をしなければならぬと思うのですが、そういう点について万全の配意をしていただくことについてどうお考えでしょうか、していただけますか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 今度の皇太子殿下の御慶事につきまして、御内定当時から各報道の方にいろいろ御報道いただいて、われわれとしてもほんとうに感謝にたえないところであります。今度いよいよ御結婚式におきまして、単に国内の報道関係者のみならず、国外の報道者からもいろいろ注文が参っております。いわゆる新聞、テレビ、ラジオのほかに、雑誌等からもいろいろ注文も出るわけであります。まあ私どもは、ただいま皆様お述べになりました通りに、こういった国家的なお祝いのことを、よく報道を通じて国民に見聞きしてもらうということは、大事なことであり、また国外における現在のいろいろな報道を見ますと、実に荒唐無稽なことが多いので、十分われわれとしても資料を回しまして、真実を伝えてもらうということが必要であるということを考えておるわけで、この今回の問題についての報道について、われわれも軽々に決して考えてはいないところでございます。十分この問題については宮内庁の記者クラブを通じまして要望を出していただいておる。実に至れり尽せり、これ以上考えられぬというほどたくさん出ておるわけであります。私どもは、慎重にこれを調査いたしまして、われわれの考えをクラブを通してお話したわけであります。私どもとしましては、朝、妃殿下になられる方が朝早く家をお出になって東宮仮御所にお入りになるまで、大体それを追って報道できるように考えようという趣旨でまあ選定したつもりであります。しかし、まあいろいろ制約がありまして、申し出のものを全部入れたということではございません、ただ、今お述べになりました通りに、賢所大前の儀が一番中心になりまして、私どもが御返事した後においても熱心な御要望が出ております。賢所につきましては、まあ皇室で一番大事な神聖なところとして従前扱っておりまして、賢所のお写真も一、二枚程度過去においてとって外に出たというだけでございまして、この扱いは伝統的に非常にむずかしい扱いでございます。ことに、賢所のお建物というのは非常に狭いんでありまして、私どももあそこに上りますには潔斎いたしまして、限られた人でなければ上れませんので、まあ図面で申すわけでありますけれども、おそらく、この部屋と似たような程度のものでございます。それが内陣と外陣に分れております。今回の御結婚の際は、しかも、ずっと壁、障子で限られておりまして、入口が正面にあるだけで、そこで進まれるときには奥からすのこと申します手すりのようなところを通って正面から入られるという形になっておるわけであります。そこに入ります君は、それを奉仕いたします掌典が五、六名、それから内掌典、それから両殿下と随従者ということで一ぱいでございまして、両殿下が外陣に下られると、お供の者は外にいなければならぬというような狭いところであります。先ほど申したように賢所の御構内というのは、非常にそういうような大事な扱いをいたしておりましたけれども、今回はそういったことでございますので、今までの前例を破りまして、カメラと写真、それから最近さらにマイクを置いてほしいという希望がございました。マイクにしてもみな大体いいんではないかと私は考えております。ただ、賢所の内部と申しますのは、ほんとうに賢所の中心部でありまして、ここに人を入れるとか機械をしつらえる、あるいは特にこれを写真にとるというようなことはどうしてもできない。従ってそこのお進みになるところ、あるいはその前後の動きというものはとれますし、また回廊に参列する人の状況もとれるようにテレビの機械を入れる。それから写真もとりまして、これを多くの席がございませんので、代表的にとりましたものを外に出す。あるいは正面があいておりますが、これは賢所の前に御神楽舎というものがございまして、よく見えませんけれども、ある程度のその場の空気もわかる。そのようなことで、差しつかえない範囲において報道に当ってもらいますが、内部に踏み込むことだけは絶対に私どもとしてはできないという考え方で進んでおるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 具体的に皇居内の地図でもあって御説明いただけばよくわかるのですが、お話だけではぴんときませんから、多少私無理なようなことを申し上げることになるかもしれませんが、しかし、この賢所に絶対に入れないというそういうお話なんですが、これはその天皇陛下があれですか、この使用許可権というのか、いいとか悪いとかということをおきめになるのですか、それともあなたがきめるのですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) こういう論議のときに、陛下のおぼしめしだといって私が申し上げることは差し控えたいと思います。一切私の責任で申し上げます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうであるならば、あなたの胸三寸にあるわけでありまして、旧来、どうも皇室というものに対して、もちろん、われわれは、新憲法下、天皇が国民の象徴としてあらせられるということはよく理解しております。しかし、どうもことさらに、新憲法から見てもどうかと思われるような配慮まで、多少宮内庁がされているのじゃないかというようなことも、われわれは過去の具体的な問題から指摘ができると思うのです。たとえば、地方においでになるような場合でも、何か昔と同じような仕組みをしておられる。私は、天皇誕生の日にお招きを受けてあそこに行ったんですが、まあわれわれすわっておりますと、前からこう、だれかきて、陛下がここを通られるから、来たときは起立してやってくれ、こういうふうな話でした。これもけっこうですが、私は、もっと、天皇とわれわれが親しむという意味において、せっかくおいでになったのだから、そこでわれわれもお祝いの言葉くらいはみなで育ってもいいでしょうし、天皇陛下も、やあ、どうもというようなことくらいかけて下されば、その力が、人間天皇としての親しみをわれわれ持つと思うんです。あらゆる機会にそういうような方向におやりになることが、私は宮内庁の任務だと思うのです。ところが、どうも昔のような形に何かしらいくような危惧をするわけでありまして、もう少し民主化と申しますか、親しめる天皇というような雰囲気を作っていただけるように御配慮いただきたいと、僕らは常々思っているんです。そういう意味において、もう万世一系の天皇がこれをという時代から、この新しい天皇に変ったんですから、従って、皇居の開放等も盛んに言われているところでもありますし、現に、日を限って皇居の中にも一般国民が入れるようになっている。昔からこれは賢所というのは絶対汚すべからざるものであって、何人といえどもこれは入っちゃいかぬというようなことではないでしょうけれども、そういう考え方に私は受け取ったわけですが、せっかく、勇断をもってこの際、新しい行き方を打ち立てようということで、いろいろ御配慮をいただいているわけですから、せっかくその国民が一番知りたいと思う賢所の中に——それは狭いことはわかります。この程度の部屋でしたら非常に狭いことはわかりますが、むしろ賢所の神聖度といいますか、そういうものを直接国民に見せていただくことによって親しみを感じ、そしてまた、将来、天皇になられる皇太子殿下のこのお喜びを分ち合うということは、非常に私意義があると思うので、多少二、三人くらいの人は差し繰っても、その中をなまで一つ国民に見ていただく、ごらんいただくというようなことの方が意義が非常にあると思う。せっかくおやりになるのですから、遠くから行くのを望遠レンズでとらえて、それもはっきりしないということであっては、せっかくの企画というのは意義がないと思うんです。ですから、すべての賢所の御儀は、われわれも見たいところですが、狭いところでいけないらしいので、非常に残念に思っているのですが、それだけに国民はそこを一番見たいと思っているわけですね。ですから、そういう配意があなたの胸三寸でできるのですからね。私はテレビ・カメラを入れたからといって、それが妨害になって、めでたい御婚儀の妨げになるというのなら別ですが、そうでないと思うんですね。その国民が期待する与望をになうという方法は、やはりその中へ私はテレビくらい入れて、国民がそれを見る、見せていただく、こういうことの方が意義があると思うんですよ。ですから、長官の胸三寸でできることは一つおやりになって、暗かったら照明を施してやるような配意はできませんものでしょうか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 重ねてのお尋ねでございますし、また、その中を拝見したいという気持も、われわれもよくわかるのであります。実は今回その賢所で行われます儀式に参列される方は、国会議員の方も全部おいでを、御案内を差し上げてあるわけであります。ただ、そのときも、事務の方にもお話したのですが、おいでになってもほとんど——ただいま申し上げたように、中のことは全然見えません。それを御承知でということを申し上げてあるわけで、非常に見にくくなっております。  それで、ただ私の胸三寸と仰せになりますけれども、まああれを神社にたとえれば、神社の本殿であります。これはおそらく、各神社の神主に聞いても、本殿に踏み込んでどうということはとうてい理解できないと同じような気持であります。そういうことでございますので、その御質問の御趣旨はよくわかりますけれども、われわれとしては、どうもそういうところまでは進みかねるというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 長官は、その何か踏み込むというような言葉を使うのですが、何もどろぼうが人の家へ踏み込むことでなしに、せっかく許可をされて、賢所のある程度はカメラにおさめるわけですから、もう一歩お進めいただいて、決して神聖なところを汚すというような、そういうことでは私はないと思うのですね。神社における社殿がいかに大切であるか、御本体をお祭りしておるところがいかに神聖なものであるか、これは国民も心得ております。ですからそういう、その神聖であるかないかということは、そういうことは論議の外であって、これはまことに神聖欠くべからざるものであって、これはひとしくわれわれも認めておるところです。にもかかわらず、私がこういう強い御要望をするのは、せっかくの御成婚の画期的な儀式を、大事なところを一つ国民もともに見せていただいて喜びたい、こういう趣旨から出ておるわけでありますから、何かこう踏み込むというような、そういう、これは言葉の表現でありましょうが、そういう気持じゃないのですよ、これは私の聞いているのは。だから、あくまでも効果あらしめるために、せっかくの企画を全からしめるために配意をしていただきたい。こういう趣旨によってわれわれは建議を申し上げているわけでありますが、何とかそういう措置がとれないものかどうか。  それから、せっかく報道を——そういうふうな方々は馬力をかけて準備をしているわけですから、事前にそういう下調べくらいは十分させていただくような方法はとれないものですか。これはどうしても技術的にわれわれが不可能であるということになりますれば、これは私の言っていることが無理でありますから、私はすなおに取り下げますが、技術的に、物理的に可能であるならば、そういう御措置をとった方が、むしろ新しい姿であるし、それが新憲法に即応するものだと私は思いますからね。何かこう執念深いようですが、長官の御再考をその点については求めたい。こういうことを申し上げているわけなんです。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 今回の一日あるいは翌日の分もでございますが、あるいは十二日の祝宴の方のことも皆含んで検討いたしたわけであります。これは私の方も、報道の関係の方も、当日の番組を組まれるのに、相当の日数も要ることだろうと思って、早目にお答えをしておったわけであります。それがまあ朝から晩まで、こちらでとる分、あるいは各社が入っていただくところ、非常にたくさんございまして、これを今事務的に、どういうふうに技術を配置するか、あるいは機械をどこに据えるかということを、今事務的にやっているところであります。いずれテレビを入れますときにも、もちろん当日いきなりということでなく、いろいろ御相談、現場についても御相談することになろうと思います。  ただ、先ほど来申し上げました通りに、賢所の中に入ってどうということについては、私どもはどうしても考えられないように思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは国民の期待に沿えないものでありまして、非常に私はざんきにたえません。できることを、何か賢所というものは必要以上に神聖なものだということを申して、そのためにそれができないのだ、こういうふうな長官のお答えでありますが、そうなりますと、なお国民の疑問というものは残されていくのでありまして、今回のせっかくの御婚儀というものが、今長官の言われるようなお考え方では、国民の期待に沿い得ないことになりまして、私は非常に残念に思います。しかし、ここでこれ以上意見を求めましても無理だと思いますので、できることならば、一つさらにこの点については御再考をいただいて、できるだけ国民の期待に沿うようにしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから郵政大臣にお尋ねしますが、報道に関連をして、私、毎日新聞をここに持ってきておるものですから、これを根拠に申し上げるわけでありますが、賢所外の皇居内におけることだと思いますが、現在電話線が三つしかないので、NHKとNTVとKRと、それぞれが区域を担当して、全国に同じものを流すほか方法がないのだ、こういうことなのですが、これは、おそらく皇居内からそれぞれの放送局のステーションまで送る専用線——使う線のことだと思うのです。これが非常に少くて、せっかく希望がたくさんあるにかかわらず、数社に限定されるということは、これはまことに残念だと思うのです。このことは、さっきの賢所とは違って、思う存分この際おやりになったらどうか。聞くところによると、正田家と東宮仮御所との間には専用線まで引いて、そうして御便宜を受けていただいているということを私聞くのでありますが、それだけの親切心があるならば、この際、そういう点について、もし新聞が指摘していることが事実だとすれば、これは一つ直ちに配意していただいて、少くともこの点については一つ各局ができるような配慮をするのが当然だと思うのですが、これは郵政大臣、唐突にお伺いしたので、あるいは御存じないかもしれませんが、これは電波監理局でわかると思いますが、それはどうなっておりますか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) 所管の者が参っておらぬようですし、また、私も技術的なそういったような線を引くというようなことについてはしさいに存じませんが、これはこういうきわめて国民的な、あるいは国際的な非常な慶事でありますから、こういう点については、私の方でできる限りの、一つそういったようなことが可能であれば、特に、不可能なことはもちろんできませんが、できるだけのそういったことに対して、なお調査をしますけれども、そういったことについての便宜をはかるというような努力をいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 最後に、私さっきも長官に強く御要望申し上げておったのでありますが、その御婚儀の模様を知りたいのは、全国民一人残らずの世論でありまして、この世論にこたえるに一つ万全な対策をおとりになっていただきたいと思うわけでありますが、それぞれの民放なりあるいは協会は、その使命にかんがみて、有効適切に、できるだけの効果を上げるように、一つ報道にさらに御専念をいただきたいと思いますし、これはまた、大へん御苦労な話でありますが、それを全からしめるためには、何といっても皇居内の使用、その他、今の回線等の問題についても万全の配意をすることは、これは長官並びに郵政当局の所管になると思いますので、お話によりますと、決定した後もさらに強い要望も出ておるようでありますから、本委員会における、特に電波関係を審議する逓信委員会として重大な関心を持つがゆえに、われわれはこういう御質問をしておるわけでありますから、この趣旨を了とされて、万遺憾なき態勢をとっていただくようこの際希望をいたしまして質疑を終ります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと関連。宇佐美長官にお尋ねしますが、今一般的な国民の世論と、それにこたえる宮中側のお気持は、鈴木委員との質疑応答でほぼ了承できました。長官の方でどうでもお困りだという賢所は、どの程度の坪数ですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 実際の坪数を持って参りませんでしたが、大体このぐらいの部屋が二つに仕切られているということだと思います。奥の内陣と外陣ということになるのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ここにお入りになるのは。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 掌典が五人ぐらいですか、それから両殿下と両殿下のお供、刀を奉持したりおすそを持ったりという人が全部で六人ぐらいになりましようか。

森中守義日本社会党

○森中守義君 十三名ですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) そのくらいになろうと思います。それからもう一つ、内掌典というのが入っています。婦人です。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そのお方まで入れると何名ですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 正確な数字ではございませんけれども、大体十二、三名じゃないかと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それで長官関係の方でも、そこの方は、全然、記念か何かに残されるという意味で別に撮影者その他はお入れにならないのですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 私の方も全然とりません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 こういうことは、とるかとらないかというのは、非常にむずかしい問題でしょうけれども、大体一般のものの場合でも、往々にしてそういうことは将来の記念のためにとろうということをやるのじゃないですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 絶対いたしません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今の、この程度の部屋を二つに仕切って、その中で十三名という、それはなるほど、決して余裕のあるものではないと思います。いわんや、そこに朝日、毎日、読売あるいはNHKというような、新聞あるいはテレビ等が殺到した場合に、大へんな混雑だということはほとんど確定的に想像できるのですが、たとえば日本放送協会は、これはもう何といっても公共放送でありますし、あるいはまた新聞社関係でも二、三に、各新聞社側の自主的な協議によって一社なら一社、あるいは三社なら三社というように制限を加えて、儀式に影響を来たさないような方法でお許しになるというようなこともできませんか。ただ問題は、この儀式が表に出ることができないというものの考えに立っているのか、あるいは場所、あるいは人、そういうその場の一つの情景として困難であるとされるのか、その辺の事情が実はまだ私ちょっとおくれてきましたので、質問が済んでいたかもわかりませんが、要するに宮中の儀式の一つとしてそれができないものか、その場の情景として非常に困難をするからお困りか、いずれの主張なんですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) これは先ほども申し上げましたが、賢所はもちろん明治になってできたことでございますけれども、宮中におきまする一番神聖なところとして、従前におきましても外部からの写真を一、二枚とったという程度でございまして、今までは写真をとることも認められないような格好でございます。それで、今回はまあそういった大事な行事でございますし、できる程度までテレビなり写真をとって出そうという、今までと大いにワクを破った考え方で考えたわけでありまして、ちょうど、賢所の例に、この部屋ぐらいと申し上げましたところが賢所の一番大事な、まあ神社でいうと奥の本殿というようなところに当るので、われわれとしては、そこに入って写真をとるとかどうするということはできない。そこに上ります者は、実際の場合におきましても、非常な厳重な潔斎をして、上る人についても、掌典とかそういった係りの人は別でありますが、皇族以外はならぬというふうに考えているところでございます。そういうようなところでございますから、先ほど御質問ございました通りに、一般にはとらないが、中でとるということさえ考えていない場所でございます。そういう点からむずかしいということと、もう一つは、具体的に小さな部屋にたくさん入って、一つの一間ぐらいの入口から出たり入ったりするのでありまして、なかなか中はとれない、とるにしても容易でないということもございます。われわれとしては、まあ先ほどからの御要望は、よく気持はわかりますし、われわれも、そういう点から何とか今までの例を破って、お出になるところとか、あるいは参列者の模様を写そうということで努力をしたわけでありまして、決して垣根を持って申しているわけではございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはもう長官が垣根を持ってお話をされるようなことは万々ないと思いますが、今お話を承わっておりますと、古い儀式というのですか、あるいは場所そのものが、かつて何人も自由に、関係者といえども厳重な潔斎を必要とする、こういう場所だからいけないのだというのが主たる理由というふうに承わってよろしいのですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) そうでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、これも鈴木委員の質問の繰り返しみたいなふうになるかと思うのですが、この皇太子の御成婚そのものが異例の成婚でありますし、従って宮中にいろいろな関係の人が参賀に参内をするというような、そこまではいいにしても、やはり国民も何かこう全部をテレビなりあるいはラジオを通じて見せてもらい聞かせてもらいたいという、こういう気持が一ぱいだと思うのですよ。ですから、どの新聞社もどのテレビも、われを競って、ここに全部入れてもらえばそれにこしたことはないのですが、一番大事なところは一つだけ残して、あとはいいというのでは、何となしに少し意味も半減するような気がするのですね、従って平素厳重な潔斎をなるほど必要とするかもわかりませんけれども、この際一つ全貌を、特に賢所の中に公開まかりならぬというような秘密が秘められている、あるいはそういう関係あるようなものがあれば、これは別ですけれども、ただ、もうその建物の模様、儀式の状況、そういうものを広く伝えるという限りにおいては、何人かに制限を加えて、しかも、それは報道関係の自主的なお話し合いによって、その賢所にはどこそこが入るなら入るというような話し合いが、私は報道関係者の中でできると思うのですよ。それで全部で十二、五名というお話ですし、これにあと二名なり五名なり報道関係者がお入りになっても、さして騒々しくもなかろうし、たまたま、フラッシュあたりがあるでしょうけれども、そう儀式そのものに迷惑を来たすようなことはないんじゃないですか。そういう意味で、報道関係を全部入れるというのでなくて、それができなければ何名かに制限を加えて、この際一つも隠すことなく、まあ隠すという言葉は少し語弊があるかわかりませんが、全体を国民に知らせる、見せる、聞かせる、こういうことはできませんか。二名でも三名でもけっこうだと思うのですよ。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 重ねての御質問でございますが、われわれは隠すというような意味で申し上げておるわけではもちろんありません。その式次第もすでに報道の諸君は詳しく、われわれよりも詳しいくらい研究して知っておりますし、しかも、その時間が十五分で終るような簡単なものです。ただ、先ほど来申し上げましたような神聖の場所として、われわれにはとうていそれはできないというふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうも大へんくどいようですが、これは時間が短かい長いという問題じゃもちろんないのです。何回も申し上げるように、国民はあげてこの御成婚に慶祝の意を表しておるわけでありますしね、しかも、神聖だといわれるわけですが、今度の宮中参賀の状態等も、かつてない大幅なものに拡大をされておるし、しかも、九千三百万の国民がひとえにこの御成婚をお祝い申し上げるという気持である限りは、私はここでむずかしい憲法論議だとか、あるいは宮廷政治がどうだこうだという、そういう論争はここではいたしません。いたしませんが、ただ国民が願っておる一つのものを、この際神聖ではあっても一度開いて見よう。たとえば十五分、二十分であっても、全部を一つ見てもらい聞いてもらおう、こういったような配慮が、この際は国民にこたえる宮中としての意思であってもいいのじゃないかと思うのですけれども、私は重ねて報道関係全部が困難であれば、しかも非常に狭い部屋のようですし、なるほど、各社が一せいに殺到するということは技術的にも困難でしょう。しかし二、三に制限を加えてでも、この神聖を今回は開放する、こういったようなことはどうしてもお考えいただくわけに参りませんか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 重ねてのことでございますが、われわれとしては、先ほど来申し上げます通りに、今度の御婚儀について今までなかったところを破って、できるだけのことはしようという考え方で、賢所につきましても考えたわけであります。しかし、先ほど申し上げました通りに、短かいと申し上げましたのは、単純な、何も複雑で、何か隠したのじゃないかという御質問もありましたので、そういう意味じゃ決してない。ただそういった、まあ神社にすれば一番奥のところであって、そこを——また、非常に狭いところで、そこに代表にしろ入ってやるということは、とうていわれわれとしては、まことに残念でありますけれども、できないという考え方でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 さっき私は質問を終って、強い要望をしておったのですが、その要望が、今の森中委員の質疑の中で、全く配慮する余地がないということになっておると思うのです。ですから、あえて私は発言を求めたのでありますが、私のさっきの質問では、非常に委員会の部屋ぐらいで狭いので、いろいろな差しさわりがあるということも一つの原因、それから賢所というのは、神社の奥殿のようなところだと、こういう二つの理由だったのでありますが、今の御質疑ですと、どうも前者の方の、賢所は神聖にして侵すべからずという旧来の陋習を一番大きい理由にあげられておるように私は思うのであります。かつてわれわれは、エリザベス女王が御結婚せられるときに、バッキンガム宮殿の中のすべてを、ラジオやテレビを通じて国民に知らしたという事実をわれわれは知っておる。新しい人間天皇になって皇室というもののあり方も私は違ってきておると思うのです。そうして神聖にして侵すべからずというような御思想に立って、われわれの質問に対して長官がお答えになったことは、私は新憲法下いかがかと思われる。そうすると、賢所というのは内廷費でまかなわれているものですか、それとも宮廷費の方からまかなわれておるのですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) ただいま賢所の中を公開しないということが陋習のように仰せになりましたけれども、私はそう思っておりません。やはり、いわゆる祖先を祭ると申しますか、宗教的な気持を持ったところでございます。それを破ることが民主的というふうには、私自身は考えておりません。イギリスあるいはローマ法王庁の例もわれわれよく知っておりまして、そういう点から、できるだけのことは考えたつもりでございます。  最後のお尋ねの賢所というのは、皇室の私有財産ということでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 しかし、質疑の中でも明らかになりましたように、これを使用するしないの決定というのは、長官にあるように私は伺ったわけであります。従って、かりに内廷費でまかなうものとしても、皇居内の一切の場所の管理は宮内庁でやっておると思うわけでありまして、そういう立場に立ちますと、皇居内をどう使わせるか、どうするかということは、長官のお考えだと思う。これは言葉の表現の仕方が、旧来の陋習ということを私が申し上げたので、陋習ということが気にさわるようでしたら、私はこれを直すことにやぶさかではございませんが、少くとも、明治憲法以来、終戦を迎えるまでの間の皇室に対する考え方、それから皇室のおやりになってきた諸般の御行事、こういうものについては、国民はただ新聞を通じて知る程度であって、皇居内がどうなっておるのか、それすらも知ることができなかったわけであります。今、新憲法下において、皇室のあり方も違ってきておると思いますし、国民が皇室の隅々まで知りたいということではないのです。ただ、今回のこの国民あげての慶祝の御成婚が行われるわけでありますから、この機会に、賢所をお使いになって結婚の儀式をおごそかにあげられるわけでありますから、その場面を国民は見たい、これは国民九千万の全部の世論です。それに対して長官が答えられないということは、世論に、反することではないですか。私は、国民の世論にすなおに従って長官が決意をされることが大事であって、それがすなわち、旧来おやりになってきた方法から新しい道を開くことになると思うのです。そういう意味において陋習という言葉を使ったのですが、ちょっとそれは適切でないかもしれませんから取り消しておきますが、こういう儀式そのものについてもかつてない、開闢以来の英断をもってやられたわけでありますから、その英断を少くとも百パーセント効果あらしめるという意味において、私は一番国民の知りたい、見たいと熱望しておるその熱望、期待にこたえることこそ、私は宮内庁のとるべき態度だと思うのです。従来の慣例や、あるいはしきたりとか、そういったことにおとらわれになって、そして神聖にして侵すべからざるというようなお考えであっては、私は新時代に即応する観念としてはどうも多少ズレているのじゃないかと思うのです。そういう意味において、どうしても物理的に不可能であるということになれば、私は何も言いません。しかし、さっきのお話は、大体そういう方向に重点が置かれておるように私は承わっておったのでありますが、今、森中委員の質疑の中では、それよりかむしろ、絶対にこれはもうだれが何と言っても神聖にして侵すべからざるところだというようなことで、国民の要望というものをあなたはいれられないということにはっきりなるわけでありまして、私は少くともこういう熾烈な、要望にあなたがこたえて、さらにいろいろと御相談をなさるというなら、私は納得しますよ。やってみて、どうしてもだめだということならば、私はやむを得ないと思うのだが、私は強い要望をして、あなたに答弁を求めなかったのですが、その裏から、まるっきり私の、要望というものが全然考慮していただく余地がないというような御答弁をされますから、私は今ここでさらにこういう意見を出してくるので、だから、もう少しすなおに、あなたは世論に従って、それが旧来の方法と違うかもしれないが、しかし、その道が国民の期待でもあり、それに沿うのがあなたの任務じゃないですか。木で鼻をくくったように考慮の余地がない、そんなことでやられては、われわれとして納得できませんよ。もう少し新時代に沿う新しいセンスを持って、今度の御成婚についても、せっかくあなたの意図がおありのようですから、あなたが有効適切な、しかも効果的にやっていただくことを、われわれは国会の中から要望するわけです。それを全然無視して、もうだめだというのでは納得できませんよ。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 重ねてのことでございますが、先ほど来繰り返して申します通り、私どもは、国民の皆さんがただいまお述べになったお気持であろうということで、今までの例を破ってもやろうということで今日まで努力して参っているわけであります。ただ今回の御結婚式の方式は、明治にきめられました御婚儀の諸規定というものを基礎にいたしまして、また両陛下のおぼしめしもございまして、なるべく簡素にということで、一応言葉は悪いかもしれませんが、整理して方針を立っているわけであります。賢所の前の結婚の儀ということが、もちろんこれは中心でございまして、これが明治にできましたときには、昔は賢所の前で行わなかったのでありますが、伊藤博文公の熱心な主張によって、神殿において厳粛に行うということから定められたということを聞いているわけであります。それを皇室の風としたので、その風で今回も行いたいと考えているわけであります。もちろん、時代が変ったことも知っております。国民の気持もよく知っておりますので、できることは、できるだけいたしたいというふうに考えており、これは今までなお変っておりませんけれども、ただここの一番大事なことは、不幸にもわれわれの従来の考え方では簡単に解決できない点がございます。そういうことから、ただこの場で研究しますと申し上げて、あとやはりできない、それでは何を研究したのかというようなことにならないように、われわれとしては、非常にむずかしいということを申し上げているわけであります。皆さんの御質問もございましたし、さらに、私が反省することは何もやぶさかじゃございませんけれども、非常にむずかしいということを申し上げただけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もちろん、無理なことをここで私はあなたに答弁を求めようとはしません。問題は残るかもしれませんが、しかし、国民の要望に沿うことがあなたの任務だと思う。私は、大へんむずかしいというようなお話ですから、この際、具体的にそれではお聞きしておきますが、考慮の余地が全然ないわけでもないし、また、できるだけ反省する点は反省して、直す点は直すとおっしゃっておりますが、これは非常に困難だという見通しがありますので、一つ具体的に伺いますが、それではテレビを持ち込むとか、あるいはラジオ放送のいろいろな機器を持ち込むということは、非常に困難かもしれませんが、それでは、たとえばこれはさっき森中委員のおっしゃったように民放連なり、あるいはNHKなり、報道関係はたくさんございます。記者諸君もいるわけであります。そういう諸君が御相談なされて、一社なり二社なり三社なりに限定して、賢所の御儀をカメラにおさめたいという熱望があると思う。そういうものはその中に入れて、実際はどういうことかわかりませんが、一般でいうなら三々九度なんです。ところが、そういうことをやるかどうか、私わかりません。そういう場面を国民に知らせていただくという方法はとり得るでしょう。これまであなたは拒否するというのですか、具体的になって大へん恐縮ですが……。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 先ほど申したように、賢所の中にはテレビ・カメラと、それから写真をとることになっております。その回廊というところを、今度一ぱいに人を入れる。従って、新聞と申しますか、写真をとる人数も制限がございます。われわれとしては、私の方のカメラマン、この中にはまあ各社の、写真協会の御推薦を得て各社から一人入った人もございます。それから今度、全体を通じましても、おそらく私どもだけで足りない場合もございます。これは各社の方とも今事務的にお話ししていると思います。応援の人も願って、万全を期したいと思っております。技術的なことは、今御相談しておると思います。ですから、場所柄の問題でございます。それによって、なお外国通信社も今度は賢所の中にはだいぶ入れるつもりでございます。そういう点も具体的な問題として、今私の方は人数を制限しておりますが、もっと入れてほしいという希望もまた出ております。そういう点は希望をまた出していただいて、できることは、われわれとしても努力したいというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ちょっと僕は具体的に聞いていますから、具体的にお答えをいただきたいと思うのですが、それは宮内庁にも写真班があるでしょう。ですから、その写真班を通じて各社に流すという方法もこれは一つあると思います。しかし、私はぜひ長官に譲ってもらいたいのは、さっきもたまたま、あなたが踏み込むということを言ったのですが、これは私は、賢所といっても、今お話を聞くと、いろいろあるわけでして、賢所という概念は僕にはつかめませんが、儀式を、さっき言ったように十三人かお入りになっておやりになる、その場面をとらえて国民は知りたい、こういうことだろうと思うのです。できればテレビで見たいのだが、ラジオでその実況を聞きたいのだが、それができないとすれば、残された手段は、各社が直接そこを撮影したいと、こういうことだと思うのです、平たい、言葉で言いますと。皇宮のことですから、丁重な言葉を僕は一生懸命使おうと思っていたのだが、どうもうまく使えないので、この点は勘弁してもらいたいと思うのだが、写真をとって、各社それぞれの角度からいろいろなとり方がありますよ。だから、そこまで宮内庁長官、あなたは、賢所の儀式をするところに入ること自体がもうそこを侵すのだという考え方は、僕はぜひ一つ国民の立場においてあなたに反省を求めたいのです。それは相なることならば、そう払大することはできないでしょうが、何人かの人たちがそこに入っても、国民の一人として僕は、民主憲法下ではそういうところまで門戸を開くことが大事だと思います。ですから、三社、五社幾つかあるでしょう。それは全部することは無理かもしれませんが、やはり具体的に、新聞協会なら新聞協会、あるいは民放連なりNHKなりと相談なさって、たとえば七名なら七名という線が出ましたね、そういう人たちが儀式に支障のないように、全然問題のないように静粛に、厳粛にとらしていただく、こういうことくらいは、これは許すべきですよ。そこまで禁ずるということになると、これは大問題ですよ。だから入るということが、何かまた絶対的なもので、一歩も平民どもは——平民ということはないが、もろもろは入ってはいかぬという、そういう思想は、どうも問題があると思うので、そこのところ長官にもう一歩御反省いただいて、新聞記者が入って直接なまで撮影するくらいの道は開くべきですよ。そういうことを具体的に言っているので、賢所というと、何かテレビを二台賢所にと書いてあるので、これはえらい進歩的になったと思っていたのですが、どうもあとを見ると、遠くから、これは何というところですか、綾綺殿というのですか、綾綺殿から賢所に入られる皇太子と美智子さんのお二人の晴れの姿というものをはるかに望遠鏡でながめて、そこがテレビに入るだけだ。こういうふうになっていて、これじゃ賢所の中というものはどういうふうになっているのかよくわからない。今申し上げているのは、はっきりしているのは、式をおあげになる賢所の中における結婚の儀ですね、それを行われるその場面を国民は知りたいと思う。ところが、これではどうもそうではないらしいのです。ですから、これに対する照明や、あるいはよく写せるような配慮は今後新たにおやりになるというのですから、一つ十分御相談なさって、便宜をはかるように一つ御努力いただきたいということです。具体的に言って、そういう賢所の直接結婚の儀式をやられるその場所に報道陣、カメラ陣が何人か入ることは、長官はお許しになるでしょう。それまで拒否するということじゃないでしょう。そこを僕は聞いているのです。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) ただいまのところは、取材の意味で各社から十四名、外国通信旧名とかという者が中に入るということに考えております、取材として。それからあとはテレビのカメラ一台、それからあとはいわゆるニュース関係の動くのと動かないのと、カラーとかの、それぞれの人を入れる。これは一応宮内庁でとるという建前ですけれども、宮内庁には今本来の者が一人と、あと毎日映画社から来ていただいておるのが一人、それだけで足りませんから、なお今御相談して、各ニュースあるいは新聞写真の方から御援助をいただいて入ってもらうというほかないのじゃないかというふうに思っております。そういうことで今技術的に相談はいたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だから賢所というのは何か、さっきも前田理事が言ったんだが、狭義の解釈と広義の解釈があるらしくて、今のお話ですと、賢所の中にはテレビも入るし、報道陣も十何名か入るなんというのですから、問題にならないと思うのだが、肝心の儀式をおあげになるところのことを私言っているのですよ。そこのところを賢所というのですか。これは広義と狭義と、さっきもちょっと言われたんだが、わからなかったが、今わかってきたんですよ。狭義の意味の賢所というのが、すなわち民間でいうならば三三九度の盃をあげるところでしょう。そこの中に入れるというのじゃないでしょう。何か答弁をしているうちに、それはその中に最小限度譲歩しても、報道陣が何人か入って、それはもう自主的におきめになっていただいていいと思うのですが、そういう配慮は長官、私はやってもらいたいですよ。あなたが踏み込むとか何か、こういうふうに言われるのだが、そういう考え方があるから、ことさらに賢所というものの狭義の中に一切シャットアウトしているのだと思うのですが、そこの場面を撮影するくらいの道を開かぬということは、これはもう絶対私は納得できませんね。だからそこのところくらいは長官、ぼちぼちとやるのだから、三十秒もかからぬでしょう。今のそのくらいのことは許せないのですか。ごまかされてしまう。賢所ということが広義と狭義だから、賢所へ入れますよと言っているのだから………。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 何もごまかすつもりはございません。今新聞社の方に話したので、新聞社の人はよくわかっていると思いますが、いわゆるまあ賢所三殿と申しましても、賢所と皇霊殿と神殿が三つ中央にあります。その前に神楽舎という大きな建物がある。周囲を四角く、いわゆる参列する場所があるわけです。で、賢所というのは中心のこのくらいの小さなお部屋……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そこのところを……。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) そこに立ち込むということはいささか……。私先ほど来申し上げた通りでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは反省して下さいよ。

森中守義日本社会党

○森中守義君 長官がこの場で答えられ得る限界というのはわかりました。従って、それ以上深入りをしませんが、二つだけ聞いておきたいのは、最高の意思決定はだれがするのですか。皇室会議ですか、それとも長官ですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 今度の御結婚のうち、賢所のことは閣議決定において宮内庁長官が定めるということになっております。儀式の方法、写真をとらせるということは、やはり宮内庁の仕事でございまして、私が責任を持って決定するほかございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、皇室会議というのは、全然こういう問題については発言権はないのですね、あなたの専決ですね。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 法律上は何ら皇室会議に関係ございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それから、こういう場合にあなたの確かに専決というようなことのようですが、たとえば天皇あるいは皇后、もしくは皇太子、こういう皆さん方の御意見というものはお聞きになるのですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 私が平素仕事をいたします上で直接御関係になりますことは、皇室としてのお考えも十分私は考えて、その上で私の責任においていたすことにいたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今のお答えですと、お聞きにならなくても常時そういうことをあなたがお考えになりながら判断を下される、こういうことですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 先ほどもちょっとそういった御質問がございましたけれども、いろいろな論議の場合に、陛下のお考えがこうだからというようなことは私はあまり適当でないと、私がいつも責任を持っておるわけでございます。私どもは、もちろん、皇室全体のお気持あるいはその他国民の世論というようなものをあわせて自分の考えをきめていくということでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 なるほど、論議がそうなりますと、天皇の国事行為が非常に大きな問題になってきましようが、やはり皇室自体の重要な行事であれば、天皇の国事行為がより拡大されていくということは新憲法でよろしくない。しかしながら、こういう宮中自体の行事については、やはり両陛下あるいは皇太子あたりの御意思というものも、単に長官が推理をされ、あるいは常時そういうようなお気持をくみ取っておいでになるということだけではどうしてもまずいと思う。何か機会があれば、やはり私は、こういうテレビを入れる入れないというただ単なる問題のようですけれども、こういうことが国民に及ぼす影響というものは相当重大ですよ。ここでテレビの論議をこれまた繰り返す気持はありませんが、やはり時代の要請なんです。多くの国民が宮中に殺到して一人々々参賀をやれば大へんです。ところが、そういうことの必要がないように、今日のテレビという新時代を迎えて、どんな山間僻地においてでもテレビなりラジオを通して、今宮中ではこういうことが行われているということを見ることができ、聞くことができる。こういう新時代にふさわしい国民に対する宮中のお考えというものは何かこたえるものがあっていいと思う。そういう意味から私は、なるほど、決定は長官がおやりになる、そういうことのようでありますが、両陛下あるいは皇太子あたりの、こういう皆さん方の御意思も一応はお聞きになってもいいんじゃないかと思います。  それからもう一つ、先刻のお答えの中で、何か宮内庁の方で特別に特定のニュース社かなんかを委嘱、依頼されておるというような答弁に受け取ったのですが、私の聞き違いでしょうか、それともそういうことがありますか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 従前は普通の動かない写真だけに宮内庁で一人嘱託を置いておりました。しかし最近はニュースというものが世上重要なことになっております。そういった技術者を入れる場合に新聞写真協会というものに御相談して、各社から御相談の上で推薦していただいたものを私の方の嘱託にいたしておる、そういう意味でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 お立場が、極端に言うならば皇室と国民をつないでいる、長官の立場はかなめだと思うのです。しかもこの御成婚というのが何人も待望していたことであれば、国民と皇室をつなぎ合している重大な任務であるだけに、もう少し多角的にいろいろお考えいただくのも必要じゃないかと私は思うのです。具体的に言うならば、さっきイギリスのエリザベス女王の話が出たようですが、イギリスの宮内庁というのか宮内省というのか知りませんけれども、何かそういう特殊な機関で、成婚の記録映画か何か出たのを私は記憶しております。従って、一般の報道陣がそういう賢所あたりの撮影やあるいは放送等ができないとするならば、宮内省みずから特定の社なら社と契約をするなり委嘱をして、正確な記録映画として国民に提供するようなそういったようなお考えはお持ちじゃありませんか。それと、先刻の例の意思決定の問題、さらに両陛下あるいは殿下の御意思等をどのようにお聞きになるのか、そのこともあわせて一つお答えいただきたいと思います。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 両陛下のお考えなりあるいは皇太子殿下のお考えをどの程度に聞くかという御質問でございますが、これは私どもも常に両陛下なり皇太子様にもお目通りして、随時に伺いますし、何か特定のことについてお考えを伺うことはございます。従って、そういった立場から、われわれとしましては、その他のいろいろな要素を考えて、私として責任をもって方針を定めておるところでございます。  それから報道につきましても、これはずいぶんたくさんございまして、朝お起きいただくところから、途中お召しかえをなさる呉竹寮とかあるいは賢所に入られるところ、その場その場をずっと要望もございまして、その場所によってこちらがとって出すところもあり、各社を制限して入れるところもあり、あるいはある程度の数は自由に入るというようなところもある。場所の関係その他を見て一々相談をしておるわけでございます。そのほか記録的に、それは動かない写真あるいはすぐニュースになる——ニュースの方はスタンダード三十五ミリ、あるいはテレビ用には三十五ミリが要るということで、いろいろあるので、そういう技術的なことを今やっておるわけでございます。そのほかに全体を通じてカラーでもってとりたいという計画もこちらにございまして、われわれの方には技術がございませんし、予算もあまりないものでございますから、お申し出もありますので、ただいま打ち合せ中でございます。そういう場合にも、そういった専門の方の人々の御協力をいただいてこれをとり、そのあとで公開もできるというような方向で事務的にやっているのでございまして、どの程度進んだか、私もまだきょう聞いておりませんけれども、そういうことで準備をいたしておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もうこれで終りますがね、今、金の話あたりが出たのですが、目下審議中の皇室経済の予算ですね、こういうものから見ましても、私は国民に長官の、配意により……。国民と皇室をつないでいる重要な任務としてお考えになる場合に、皇室経済の予算というものは、こういうことのためには幾ら使ってもいいですよ。また、新年度に執行されんとする皇室経済の予算というのは、こういうフィルムの十本か二十本作るぐらいはどうでもなるような予算の作り方です。それは私も見たことがある。また、予算の編成に当って、そういう配意があるとするならば、当然こういうような予算の項目としておあげになってもいいと思う。残念ながらそこまで配意があったかなかったかという、こういう問題になるのですが、そういう予算の問題では、ちょっと答弁の理由にはなりませんね。しかし、いずれここでお答えを承わろうとしても、非常に差し迫ったきついお気持におなりのようですが、あえてこれ以上計いませんが、要するに、国民の皇室をつないでいく重要なお仕事であれば、みんなこれは求めてやまないことですし、しかも賢所へ行けないという理由は、神聖であるという一語に尽きるようです。二名もしくは五名の報道陣を入れることには、さして長官は否定をされておりません。また、この部屋の半分、二つに仕切って、そこに十二、三名、そういう中に二、五名の選抜された代表の報道関係者が入るのは、さして私は混乱も生じない、こう思います。従って神聖を神聖として考えていくのか、この機会に解放するのか、問題はこの点にかかっております。従って皇室会議にかける必要もない、長官の専決であるとするならば、もう少しいろいろな関係の人からこの意見を長官の方で聴取をされて、できるならば、代表二名もしくは五名程度の報道関係者をぜひこの中に私は入れてもらいたい。こういう強い気持を表明して、かつ、また長官のそういう翻意を促して質問を終りたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう一つ。せっかく長官においでいただきましたから、今の森中委員の質問からちょっと関連をしてお尋ねしておきたいと思いますが、先ほど長官は、天皇の御意思あるいは皇后の御意思、あるいは皇太子の御意思、こういうものについては、平素お接しになっておられるし、また御意見も承わっておる、こういうことでありますが、しかし基本的には長官がおきめになる、こういうお話であります。そこに、最初に私が御指摘を申し上げましたような、地方へお出ましになる場合の行事等についても、必ずしも私は天皇のほんとうに欲しているお考えと、それから宮内庁であなたがおきめになるお考えとの間には、必ずしもぴちっと合っているかどうかということに非常な疑問を持ちます。今のお話で、あなたが専決事項としておきめになるということでありますから、特に御注意をいただきたい点は、やはり天皇陛下が地方へ行かれるにつきましても、もっと親しく地方民に接したいという気持が強くあると思うのですが、ところが、時間を非常に制約されまして、思うようにいっておらない。昔のような、行幸啓といわれたような当時の姿がやはり出ていると思うのです。今のテレビの問題、報道の問題については、非常に私たちが執拗にあなたに意見を求めており、またお考え方をただしているのでありますが、やはり皇太子殿下なり、あるいは正田美智子さんなりのお考えというものを十二分にお聞きになった上で今度の儀式というものはおやりになるが至当だと思うのです。だから、お考えは聞いていると思うのですが、しかし、今度の賢所で式をあげられるところの、先ほどの狭義の報道についても、具体的に正田美智子さんなり皇太子殿下の御意見をお聞きになった上で、一切の報道陣をシャット・アウトするというようなことをおきめになっているのですか。この点をぜひ私は聞いておきたいと思うのです。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 重ねての御質問でございますが、先ほど来申し上げました通りに、私どもとしては、今回のお儀式というものは、もちろん、皇室にとっても非常に大きな儀式でございますし、それから昔の通り行うのではなくて、いろいろ簡素化するとか、変ったやり方がございますし、そういう点についてはよく御説明も申し上げておるわけであります。で、もちろん、何も御説明もしないということはございませんけれども、私どもは、両陛下なり皇太子殿下はこうおっしゃったからこうだということは、私は申しません。一切私の責任として申し上げます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だから、そういうところに独断専行的な、言葉は悪いんですが、そういう考え方が出てきても、これは私はやむを得ないと思います。今国民が十日の儀式についても、先刻来言っておるような、強い熱望を持っておるわけですから、長官はこういう問題が国会の中でも議論になり、国民も要望するところであるなら、お帰りになってからに、皇太子殿下なり正田美智子さんなりにお話をして、場合によったら天皇、皇后両陛下にもお聞きになってもけっこうですが、そういう意見をよくお聞きになって、おそらく、県太子殿下とか正田美智子さんは、新時代に即応する、テレビも新しくできてきているんだし、そういうことは国民の意思に従っていきたいという気持を持っておられると思います。御本人がそういう御意思であるならば、長官はこれを変更するにやぶさかでありませんか。そういう相談はしてもらえますか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 私は、国会における皇室関係の質疑については、重要なものについてはよくお話し申し上げております。今回も同じように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 だから、もし御相談なすって、御両人が、これは国民が期待するならその方がよろしい、こういうふうな意見がもしあれば、長官は今まで堅持をして、不動の固い信念を持ってやられておるその考え方を変更するにやぶさかでないでしょうね、それはどうですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 論議のことを申し上げるということを申したのでありまして、その論議の結論を陛下のせいに一切いたしたくないといつも考えております。私は私の責任でいたしたいと考えておりますので、ただいまの一つの意思という前提における御質問には、お答えしない方がいいんじゃないかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうするとあなたは、御本人の意思をつかめられずに、御本人の意思に沿わないようなことをやっても天下に恥じないんですか。国民がこれほど熱望していることについて、かりに両陛下がそれがいいとお考えになっても、これを取り上げずに、一切の権限は私にありますからということで、それを突っぱねていくというようなことは、まことに専制政治の復活みたいで、これはおもしろくないですよ。もっと民主的に頭を切りかえて、御意思を体しておきめになることが大事じゃないですか。何でも、どう言おうが、わしの最後的な決定でやるんだというようなことは、これはおかしいですよ。そんな長官じゃ困る。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 私の申し上げ方が悪いかもしれませんが、いつも私は、陛下に御責任がかかるようにいたしたくないということを申し上げております。陛下のお考えというものが出ましたときに、私どもは決してこれを軽く考えるとか、あるいはそれにどうというような反対をするということは、もちろん、なるべく御趣旨が通るようにするのが私どもの務めともちろん思います。しかし今回の場合のみならず、平素におきましても、何かお話がございましても、しかし、それが皇室として、適当ならざるときは適当でないということは私は申し上げなければならぬ。それは任務としてそうだと私は思っております。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 本件につきましては、御質疑も終ったようでありますから、本日のところはこれにとどめておきます。  速記とめて。    [速記中止〕

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 速記始めて下さい。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 郵便貯金の旧預金者等に対し旧預金部資金所属の運用資産の増加額の一部を交付するための大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方はどうぞ御発言願います。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 ただいま議題になりました法律案について一つだけ質問をしたいと思います。  第二次封鎖預金の処理についてですね、この法律案をお出しになったのは、これはけっこうだと思うのですが、ただこの法律案をお出しになった趣旨からいいましても、この法律案が成立した場合における、法律の規定に基いて、その利益に均霑する範囲というものを、なるべくこれは国民に広くした方がいい、いろいろむずかしい法律上の議論もありますけれども、そういったことについては、法律に規定のあるものもありますし、あるいは法律に規定がなくっても、他の法令等において、やはり同様の場合にいろいろその取扱いを実際、行政的の措置によってやっておる例もあるように考えるのであります。たとえば権利者がもう死亡しておるというような場合にも、それをどう扱うか、つまり権利の承継の問題になるかと思うのですが、一番問題になるのは、権利者が死亡した場合にこれをどういう人が承継するかというところに問題が集中するだろうと思いますが、内縁の妻とかあるいは庶子とか、そういったのにも、できるだけ広く利益を受けさせるようにするために当局も考えておられると思うのです。そういう場合には、中にはこの法律案による規定のない部分もありますが、当局としてはどういう処理法をされるか、その点について説明をいただきたい。

加藤桂一郵政省貯金局長

○政府委員(加藤桂一君) お答え申し上げます。この交付金を受ける、すなわち旧預金者が死亡いたしまして、本人がもう死亡したというような場合に、どういう人にこの権利が参るかという御質問のようでございますが、この法律第一条に「相続人その他の一般承継人を含む。」と書いてございまして、一応民法の相続の規定によりまして相続人ということになっております。その際、もちろん配偶者は常に相続人になりまして、その次に直系卑属、直系尊属、または兄弟姉妹というふうな順序になるかと思いますが、お示しのように、配偶者と申しましても内縁の妻はどうなるかというような御質問でございます。これはまあ厳密に法律上申しますれば、一応内縁の妻はこれに入らないという規定になっておるわけでございますが、しかし内縁の妻は大体の場合といたしまして、死んだ本人から、何らかの財産を譲るといったような包括遺贈を受けておる例がわが国におきましては大多数でございまして、従いまして、こういった場合はその内縁の妻でありましても、遺言証書を出していただくとか、あるいは遺言証書がなくなっておるというような場合には、適当な保証人を立てまして、そういった包括遺贈を受けたという事情を響いていただきまして、お払いするということを考えておる次第でございます。また嫡出でない子供につきましては、これは法律上嫡出子の二分の一ということに取得分は減りますが、当然相続人となり得るということになっておりますから、これは問題ないと思います。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 大体そういうふうな考え方で進められるならば、大多数のものは救済されると思いますけれども、今の御説明の中で、遺言というようなことになってきますと、たぶんこれは相続上やはり、要式行為になって、ある一定の様式を備えたものでなければならぬということになっているのだろうと思うのですけれども、そういう遺書の形をとっているのは、実際上あなたはそれは多いとおっしゃるけれども、少いのじゃないかと思うのです。で、むしろそういう場合に、その次にお述べになった、その事実を、これは事実上包括遺贈を受けるべきものであって、また事実包括遺贈をすることが被相続人の意思であったということが明瞭であるというような、何らかの保証人といいますかね、そういうふうな保証をし証明をするようなものがあれば、それによって処分をしていくということであれば、これは大部分が私はできるだろうと思うのです。ただ、この問題は、よほどあなた方が気をつけておやりにならないと、末端の窓口機関で扱う場合にはそういう非常にあたたかい気持でもっての処分というものは期待し得ないだろうと思うのですね。ですから、私はあとの包括遺贈するようなものについて、今お述べになったような保証人といいますか、事実を証明してくれるような者、それがどういう者であって、つまり全然他人の者が、全然関係のない者がそういったものを証明し得るわけはないのだし、どういう人がそういうふうな保証人としての適格性を持っておるのか。いずれこれはやろうとすれば、窓口機関には何らか通牒でも出して、全国的に統一した扱いをされる必要があると思うのですがね。その保証人というものについての適格性、その他の諸条件、何かお考えがあるのか。それは政令にでもお書きになるのか。もしそういったものをお書きにならないとすれば、今申しあげたように、実際の扱いとして、各現業の窓口機関にそれを徹底させるようにどんな方法をおとりになるのか。これは実際の行政措置だと思いますが、この点についてもう一度具体的にお答えを願いたいと思います。

加藤桂一郵政省貯金局長

○政府委員(加藤桂一君) お示しの通り、私は包括遺贈を受けた者が大半だと申し上げましたが、もちろん、わが国の現状といたしましては、遺言証書を用意しておるという例はおそらく少いかと思う次第でございます。こういった場合に、保証人を立てさせるということになっておりますが、これは省令に規定をいたしたいと思っております。また保証人にどういう人がなるかということは、その同一行政区域内に住所を有する成年の人であれば、一応、私どもの方は親戚でなくちゃならぬとか何とかいうことは規定しないつもりでございます。また郵便局長が認定するということにいたしておりますので、その認定権は郵便局長にあるわけでございますが、お示しのようにそうむずかしい、金額もわずかな金額でございますので、むずかしいそういった要式行為をしいることなく、なるべく寛大に扱いたいと思っておる次第でございますが、もちろん、当時の郵便貯金通帳等を持っておられるとか、何らかの証明書をお持ちになっておるというような場合には、特にこれは私どもは認定の際に非常な参考になり得ると考える次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 大体けっこうだと思いますが、ただ、今お話しになった中で、多少考えなければならぬと思う点があるので、これは御注意まで申し上げたいのですが、保証人の問題ですが、同一行政区域内におけるだれでもいい、成年の者、成年になった者が証明すればそれは保証人になれるのだというように、非常に広く、だれでもいいのだというふうに、成年の人であれば、民法上の意思能力、行為能力を持っている人であれば、だれでもいいのだというふうに広くおやりになると弊害が出てくるだろうと思うのです。そういうことにすると、今度は逆に、その弊害を除去するために、窓口の郵便局長の認定が非常に大事なことになって、これはほんとうだかどうだかということを、個々の場合について確かめていかなければならない。郵便局長のところでまた非常な調査をしなければならぬということになるんじゃないでしょうか。私の言っているのは、そうではなくて、これは考えてもらってけつこうなんですが、ある一定のやはり資格とか条件、たとえば公けの職務を持っている市町村長とかいうような人が、これは間違いありませんと言えば、あなた方無条件に信頼されてもいいんじゃないでしょうか。だから、やはりだれでもいいじゃなくて、相当保証人たる人は、資格とか——親戚の者でもあればそれもいいだろうし、何かやはりそこに資格条件というものを考えた方がいいんじゃないでしょうか。そうして資格条件を備えた人が証明をしてくれれば、窓口機関としてはそれを原則としてそのまま承認するという建前でいかないと、今度はそういうむずかしい問題を窓口機関の認定のときにまかせてしまうことになって、認定のときに非常に込み入った問題で紛争が起るだろうと思います。だから、これは御研究になってけっこうです。いいですか。御研究になってけっこうですから、私の心配は、さっき申し上げたように、なるべく内縁の妻でも、事実内縁の妻であった人たちには交付してやった方がいい。庶子であっても、認知とかいうようなことは、法律上の手続を経ませんでも、それが何かの形でもって立証されておれば、それにお渡しになってもいいんじゃないかという趣旨から申し上げておる。むずかしい法律上の問題を窓口機関にまかしてしまって、そこでしかるべくやれということでは、郵便局で非常に困るだろうと思います。ですから、やはりある程度の資格条件というものをどこかに書くなり、あなた方が内部なりできめて、そういう人たちの証明したものを原則としては無条件に承認するのだと、ただ、あやしいものがあれば、もちろんこれは調査しなければなりませんがね。原則として、間違いないと思えばそれで払い出しをするという建前をとっておかれると、実際の支払いの事務が非常にスムーズにいくだろうと思うのですよ。これは、今ここでどんな方法でどうやるということを御答弁にならなくてもいいですから、そういう気持で実際の処理法を十分御検討いただきたいと思います。

加藤桂一郵政省貯金局長

○政府委員(加藤桂一君) お示しの点、十分検討いたしまして、御趣旨に沿うように研究いたしたいと思います。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 速記をとめて。    〔速記中止]

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 速記つけて。  別に御発言もなければ、質疑はまた次回に行うことといたします。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のおありの方はどうぞ御発言を願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 今度の簡生保険法の一部改正法案の中で、新しく家族保険と申しますか、そういう制度が創設されるようでありますが、これは本来、立法の建前からして、従来の簡生保険法とは若干その行き方の違ったものでありますので、私は他の法律に、別の単行法を立法する必要があるのじゃないかというふうに実は感じておったわけでありますが、前回の提案理由の説明の際には、この点についてそういう必要も意見としてはあるのだが、簡生保険法の一部改正法案の中に入れたんだと、こういうふうなことだと私は思うのですが、確かに従来の簡生保険とはこの行き方が違うと思いますので、この単行法としてやはり出すのが至当じゃないかという考え方を私は今でも持っているのです。ですから、この間の経緯を一ついま一度当局からお聞きしておきたいと思うのですが。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) お答え申し上げます。  今度の家族保険は、被保険者がまあ従来と異なりまして多数になる。しかも、その内容は、契約者については養老保険であるけれども、他の配偶者及び子については、従来簡易保険で扱ってなかった定期保険的な性質のものだという点において、性格的に従来の簡易保険と異なった点があるわけでございます。しかし、その創設の目的は、現在の簡易保険法の第一条に書いてありますように、なるべく簡単な手続で、安い保険料で、国民にあまねく保険の制度を提供するという目的は、従来の目的と合致をいたしますし、また内容的に見ましても無審査である。それから従来、簡易保険の特色といたしておりました無審査、それからまた月掛、小口といったような従来の簡易保険としての特色をそのまま備えておりますので、まあそういう観点から簡易保険の一種類ということにいたした次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあその考え方は、私必ずしもわからぬわけではないのでありますが、まあこの簡易保険そのものを考えましても、国がこれをやる場合でありますから、できるだけ全国民のあらゆる階層に、老後の安定策としての一助を郵政省がおやりになっていると私は理解しておるわけなんです。ですから新しい制度を設ける場合には、依然として社会保障制度的な要素を含む保険の使命というものがやはり貫かれておると思うのです。これは国の政策のあり方が、今日においては一挙に社会保障を確立して、安んじて国民が老後の憂いなくやられるような態勢がありませんので、いわば郵政省が一環をになっておやりになっておると私は思うのですね。そういう理解の上に立てば、この制度を創設することは、私は非常に意義があると思っております。ですから賛成ではありますが、だからといって一般民間保険会社との競合的な立場に立ってこの問題を論ずることは間違いだと思うのです。やはり現在こういう情勢の中でおやりになる場合に、その主張なり立場というものを明らかにして、その一環をになっていくという堂々たる態度で私は郵政省があってほしいと思うのです。ですから、もし私の推測が誤まりであれば私はいいと思うのでありますが、多少この制度を創設するに際して、民間保険との刺激等を考慮して、できるだけ、これは言葉が悪いのですが、保険法の一部改正法ということで、簡易保険法の一部改正法案という中に入れて、制度全体として新しいものであるが、全体としては簡易保険の中でやるのだと、こういうような多少技術的な面をお考えになったのではないかということを憂えるのです。もし、そういうことであるとすれば、これは私はいけないことだと思うのです。やはりその辺の経緯を国会を通じて明確にしておきませんと、後々いろいろな問題が起きると思いますから、私は老婆心からこの立法の精神についてお尋ねしておるわけですが、そういったふうな経過について、私の危惧でありますか、危惧であれば、私はこれ以上申し上げませんが……

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 簡易保険が国営で営まれておりますので、任意保険とはいいながら、いわゆる国民保険制度的な使命を持っておるというふうに私ども考えておるのでありまして、今回の家族保険につきましても、各世帯、最低この保険にだけは全部入っていただきたいという考え方でこの保険を始めたわけでございます。そしてなお保険料払い込みの余裕のある場合には、今度は一人々々が従来の養老保険というふうなものに入っていただく。それによって初めて各世帯の保険的保護というものが完成される。こういうふうに従来の簡易保険と今回の家族保険とを結びつけてわれわれは考えまして、この制度を始めましたので、そういう意味からも、やはり一つの法律の中で、簡易保険の従来の保険種類と並ぶ一種類であるというのが適当であろうというふうに考えたわけでございます。まあおっしゃられますような、いろいろ法律の一部改正でやった方が、ざっくばらんに申し上げまして通過しやすいであろうというような点も、これは全然ないとは申し上げかねるのでありますが、先ほど申し上げましたような大きな実は考え方から根本はきておるということでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私は個々の条文についてはそう質問がないんです。一つだけはありますが、それはさておいて、その前座になる制度創設に伴っていろいろな影響が出てくると思うのですが、その二つの点を質問したい。  この際、お聞きしておきたいと思うその一つは、現在でも簡易保険、それから月掛貯金、いろいろ郵政省がおやりになっておる。この簡易保険の勧誘については、これは保険法制定以来、全従業員が非常な努力をしてくれていると思うのです。私もかつて逓信省時代におりまして、みずから二月々々回って募集をした経験がありますが、当時は一カ月十円の保険をとれば十円返ってくるというようなことでもって、従業員はある程度仕事が終ってから一生懸命山の中を歩いて募集にこれ努めて、また来たかと言ってひやかされるくらい執念深くやったものです。それでも年々歳々割当目標というものが相当過大になるから、これを消化する職員の努力というものは、これは全職員が一経営者といえども、普通の職員といえども、これは並み大ていの努力ではないと私は見ております。ですから、こういう制度が今度できますと、職員の勧誘の範囲というものは相当拡大されてくるし、これをやる場合に相当な態勢がありませんと、所期の目的を達成することは困難だろうと思うのです。ですから今日の簡易保険の募集に対する困難というものがあるときに、それに加えてこの新しい制度を取り入れていくということになりますと、またそれ以上の苦労がふえるわけでありますね。ですから、この制度を施行するに当って要員対策なり従業員に対する特別の配意なりについては、郵政省としてどういう構想をお持ちになっておられるのか、こういう点をまず一つ承わっておきたいと思うのです。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 御意見ごもっともでございまして、簡易保険の募集目標が、家族保険を実施したためにふえたという分について、それだけよけいに働かなければならぬというふうなことになりますが、他面から考えますと、大衆の要望するような新しい一つの商品ができた。従って勧めにいきます場合に、大衆が従来心の底に欲しておったけれども、そういうものがなかったために断わっておったというのが、今回そういうものにぶつかったというようなことで、かえって保険の種類がふえたために募集がしやすくなるという面もあるように私どもは考えておるわけであります。いずれにしましても、より一そうの成績を上げていかなければなりませんし、従来から非常に苦労いたしておりましたので、この上やりますためには、何らかの措置を考えなければいかぬということで、いろいろ努力をいたしたのでありますが、実は今度の新種保険のために、人件費の面におきましては、周年の賃金として三百名足らずのものが取れた。その他周知宣伝費、奨励費、契約雑費というようなものが若干取れたということで、少しではございますが、多少やりやすくなるというふうに考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三百名の職員の増加を、この予算を見ますと、出ておりますのは、大体お答えの通りと思いますが、ただ三百人を全国に配分をすると、これは焼け石に水どころではなくて、太平洋に一つかみの粉をばらまいたものだと私は思うのですね。ですから、今郵政局の局所の数は幾つあるのですか。全国でこの簡易保険を募集する対象になる局は。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 郵便局全部で一応取り扱うという建前になっておりますが、実際に外部に対して募集に当るというのは集配局ということになっております。集配局の数がたしか全部で大体六千足らずであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 六千の局に三百名の人をどう配置しようというのですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) これはなかなか配置上むずかしいのでございますが、結局、小さな局にはさしあたり配置は困難でございまして、今年はまあ事業創始であり、どのくらい伸びるかという目安もつかないので、そういうふうな減員の結果になったのでありますが、ことしの伸び工合を見て、また来年は一つ増員に努力をし、何とか潤いを見出したいというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この三百名は、予算折衝の結果最終的にきまったのだと思うのですが、郵政本省が大蔵省に要求した、この制度創設に伴って増加すべきあなた方の最初の案は幾らであったのですか、定員は……。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 予算の折衝過程ではいろいろの数字が出ておりますので、まあ政府部内のいろいろ内輪のことを申しあげるのもどうかという気がいたしますが、われわれは、家族保険だけで大体目標を三億といたしまして、大体千七百名ぐらいは要求いたしたわけでございますが、ところが、目標の方が削られたといいますか、その三億に対するものとしては一億でございますが、しかし、そのうちの一億は、従来の簡易保険の目標がこちらに移りかわるであろうということでございますので、純増としては一億の増加しか認められなかった。それに従って増員関係も、まあそれの割合以上でございますが、査定をされた、こういうことでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはちょっと算術計算をしてみても、三億で千七百名ということになると、一億では、その三分の一ですから五百六十でなければ、少くとも一億の目標を、かりに修正決定されたとしても、これはつじつまが合いませんよ。そういう人員といいますか、措置も十分にやらずにしてこれをやろうとするところに、私は将来非常に無理が起きてくると思うのです。これであなた方は実際やる自信があるのでしょうか。将来また非常に従業員のオーバー・ロード、まあ超過勤務手当がどのくらいふえたかは予算書を見ればすぐわかりますが、超過勤務手当で事足りるということも能のないことです。やはり三億が一億に減り、一億に減らされたということは、それはいい、やむを得なければ……。それはやむを得ないのですが、その目標を削られたことに、まあ百歩を譲ったとしても、それに即応する要員配置というものがなければならない。逆に目標額が伸びていってそれを消化していくという場合の定員と、目標額がしばられてそれをやっていく場合の定員とでは、むしろ額が多くなって、多少人が減ってもやっていく場合の方が、やり方としてはいいと思う。しかも、一億に削られて三百名しかとれない。二百六十、二百七十の人は減ですよ。これで一億のあなた方の確信を持ったこれからの見通しとして、法案が通った場合に、それをやるだけの自信があるのでしょうか。私は相当危険性があるし、また依然として従業員のオーバー・ロードによってやられることになって、制度そのものが生かされないような気がするのです。そういう危惧を持つのです。その点はどんなふうに判断をされているのですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 先ほど申し上げました数字は、われわれの最初の要求数字というのは、われわれが理想的な姿を描いて要求した数でございまして、おっしゃられますように、その目標の減った以上に減員修正を受けたという結果になりましたが、なお、いろいろ集金の合理化、その他多少われわれとしてやるべき合理化の余地もございますので、そういう点等も努力をいたしまして、何とかこの程度の目標はやれるように考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣がおりませんから、政務次官にお尋ねいたしますが、あなたは政府の一員として、この制度を提案してきたのですが、その事務当局がこれは一番詳しいので、事務当局が立案されたことは非常に正しいと私は思うのです。その確信を持ったものを認めてやらなければ、結局どこかに無理が出てくると思う。それは集金の合理化とか、そういうことは事務当局だって初めから考えておられて、そういうことで数字をはじいたのでしょう。まさか減らされたから集金の合理化ということに気がついたということだとすれば、これは保険局長、怠慢だと思う。私はそうでないと思う。そういうことをあらかじめ頭に入れて、合理化できるものは合理化して、その上に立ってですね、これは千七百名なければ三億の目標は達成されませんよ、こういう事務当局の確固たる自信に基く案が出されたと思うのです。それを目標を減らすということに名をかりて基本的な立場を貫かれていないということは、これはあまりにも政府として酷ではないですか。そういう大事な点をどこかでカムフラージュしておいて、そしてさあ通った、やれよ、やれよと押しまくるということは、はなはだ無責任ですよ。一億になったらなぜ五百六十名にしなかったのですか。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) 要員の確保につきましては全く御指摘の通りでありまして、私ども保険関係につきましては、新しい家族保険を創設することでありますから、これの関係でぜひとも千七百名程度はほしい。郵政省全体といたしましては、すでに御承知のように一万名以上の新規の定員の増員の要求をいたしまして折衝いたしたのでございますけれども、どうも一般会計におきまして、御承知のように定員の増員というのは極度に押えておりますし、特別会計におきましても、大体さような方針にのっとりまして強い規制を受けなくちゃならないというようなことに相なったのでございまして、新種保険の関係におきましては、わずかに賃金要員といたしまして二百八十九名でございますか、三百名足らずの増員を認められたという程度で、まことにこの点は遺憾千万に思っております。私どもの努力の足らなかった点も遺憾ながら認めざるを得ないと思っておりまして、非常に反省いたしておるわけでございますが、絶えず郵政事業の定員の問題につきましては、今後なお一そう大蔵当局その他に、スライディングで、かような郵便とか保険とかいうような仕事につきましては、事業量の増加に伴って自然に当然増員を認めてもらうというようなシステムを確立すべきじゃないか。かような努力を平素からいたすべきだというように考えておりますけれども、まことに遺憾な数字の獲得でございますけれども、ただいま保険局長からお答え申しましたように、いろいろ合理的な方策を考えまして、また実際の局の数は先刻局長からお答えした通りでございますけれども、具体的に検討してみますというと、何分しかふえないというような局がございまして、それの累計が理想的に申しますと千七百名になりますけれども、具体的に各局別に申しますと一にならない、何分だというような数字の算出もできますわけでございます。それは全然増員をせずにがまんしていかなければならないというようなことになるわけでございまして、非常に苦しいわけでございますが、しかも労働過重ということを非常に心配されましたのでございますけれども、従業員の御協力をいただきまして、できるだけ合理化しまして、実績を上げたい、かように考えております。まことに遺憾に思っておりますことは事実でございまして、今後大いに努力をしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 次官にそうあやまられちゃうと僕らも困るのだけれども、しかしこの制度創設に伴って私は当然、要員対策というものは十分考えられておったと思ったのです。ところが聞いてみると、賃金要員だということになると、なおおかしいですよ。これは正式な定員として増加していくということになるとわかるのですけれども、この制度が二年、三年の時限立法でおやめになるならこれはいいですよ。そういう場合には、これは臨時賃金要員でおやりになるということも、これはあり得ると思うのですが、そうでなくても臨時職員の問題が今日やかましく言われている段階で、たとえば雇用の安定とか言われているのですよ。ところが、せっかくこういう制度ができて、恒久的に続くものであれば、なぜその必要な措置ができないのですか。私は合理化をする点は大いにあると思う。たとえば郵政省にしても、どの官庁にしても、それはいろいろともっと御工夫いただければ、定員配置その他について多少私は弾力性があると思うのです。そういうことは、あえて私は国民の典望に沿ってやらなければならぬこともやつていただいて、今の官庁組織に対する国民の批判というものを克服する努力は、これは一つやっていただかなきゃならぬと思うんですが、これは少くとも、新しく制度ができてこれから恒久に続こうという事業ですから、それをしょっぱなから三百人の賃金要員だけでやろうというような、これはわれわれ、ほんとうにこういうことになってくると、これは重大な疑義を持ちますよ。そんな基礎のないところに家を建てるなんということは、これは政府の当事者として、努力の足りない点は足りなかったかもしらぬが、現実問題として、この法案というものが立法化され、制定されて生きていくわけですから、そういう段階で、一番大きな大もとになるそういう基礎ができていないということになると、私としては相当に疑義を持ちますね。せめて、この三百名が本定員として認められていくならまだいざ知らず、そういう賃金要員とし、身分の不安定な、風にそよぐアシのような、そういうことであっては、どうも自信に満ちた提案とは私は思えぬと思うんです。これは将来もあることですから、十分に一つ、政府当局において立法された趣旨を、しかも、一番当事者である保険局長以下の立案というものの趣旨を検討されてみて、もちろん、その中に、神様でないですから、算出の基礎の中にもあやまちもあるかもしれません。しかし、私は、出たものは権威のあるものだと思っておりますし、そういうものを少くとも生かしていくという方法でないといけないと思うので、これは今後また一つ問題を残しますが、これは非常に私は遺憾なことだと思います。  それで、この募集をして、従業員に何か手当が出るんですか。昔は何か一回分の掛金か何かがもらえたんですかな。今はそういうことはないんですか。それからもう一つ、集金をしますね、従業員が昔もその集金に対して幾らか手当が出たんです。そういうふうなことは今はないんですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 保険の募集につきましては、現在やはり募集手当を支給いたしております。普通局でいいますと、第一回保険料の六割、それから特定局ですと、第一回保険料の十一割というようなもの、そのほかに、現在でございますと、八万円以上の高額保険金額の契約をとった場合に、いわゆる高額手当と称しまして、保険金額の千分の二に当るものを加えるということになっております。ただ、集金人につきましては、現在手当は出しておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いつから出せなくなったんですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 戦後、集金については手当を廃止したように記憶いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 民間の保険会社の場合は、相当にこの募集の労に報いる報奨制度があると思うんですね。ところが、今お聞きしますと、普通局で六割、特定局で十一割と、こういうのでは、民間と比べて私は少いように思うんですがね。これは民間と郵便局、郵政省と比べたパーセンテージはありますか。研究してみたことはありますか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 数字もございますが、大体、民間と給与の体系が異なっておりまして、私どもの方は、固定給というものに重点を置きまして、固定給を、民間に比べますと非常に高くいたしております。従って、募集手当の方は割合が低いということになりますが、民間の方では固定給を非常に少くいたしまして、それで募集手当を多くしておるということでございまして、私どもは、むしろ私どもの給与体系の方が安定性があるし、民間の保険に比べましていいじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 局長の言われるように、私はいいとは思わないですね。これは保険を募集するということがいかに至難なものであるか、これは簡易保険と民間の場合は、その額においては違いますよ。しかし、簡易保険に入り、民間に入り、もう国民は大体きりきり舞いのように取り巻かれておるんじゃないかと私は思うんですね。われわれも昔から保険を幾つか持っておるんですが、戦後、貨幣価値も下って、これを整理するのにもどうにもならぬものだから、そのままやっておりますが、これは実に複雑ですよ。これは民間会社がなぜ歩合制というものを採用しておるかというと、結局、募集意欲をそそるためだと思いますけれども、しかし、それにしても、努力すれば、その努力が報いられるぴんとした報奨がある。だから多少苦しくてもやるのです。国家でやる場合には、もちろん、最低保障というものを確立する、その上に立って考えられることが正しいと思います。しかし、保険の募集をすることの苦労といいますか、そういうことに報いるための一つの制度でしよう。そうであれば、私は、民間と比べて決していいとは思わないんです、総体的な収入を比べた場合に。これは民間の場合には、郵政省の何倍、場合によると何十倍という収入があるんです、やり方によっては。なるほど、最低生活を保障するという政策的な面からいうと、こういう報奨的な、請負的なことは反対ですけれども、しかし、簡易保険というか、保険制度そのものの困難なという理由から、そういったところの制度が行われておると思うんです。ですから、決して六割は一般から比べていいとは思わない。僕はそう思いますけれども、これは見解の相違ですから、論議のあるところでしょうけれども。  そこで、従業員の態勢というものは今言ったようにない。あとは目標ですけれども、あなたは、最初は大してはっきりした目標も立てない、こういうことを言ったのだが、そのあとの質問から、三億が出てき、一億が出てき、一億が出てくる、こういう格好になってくるのですから、あなたの言われるように、こういうような制度は国民の待望しておったところだ、だから、かえってこれが出た方がやりいいという考え方、これは私は部分的にはそういうことは言えると思う。しかし、必ずしもこの制度ができたので非常に募集しやすくなるということは、これはないと思う。これは三億になるか、一億になるか、これはこういうコンクリートされたような基礎のない中にやろうとすれば、大した目標は立てられないと思う。少くとも、この制度を創設する場合に、保険数理的に皆さんはお考えになると思う。これは少くとも一年、二年のことじゃありません。少くとも三十年、三十七年、左十年という先を見越して保険数理というものを立てないと、こういう制度は成り立たないと思う。最初から一億円というように削られて、皆さんの持っておる構想が三分の一になっておる。それで保険数理的に、今の保険金額で実際に運用していってうまくいきますか。そういう自身持てますか。その基礎はどこに置いてあるのですか、そういう構想があると思うんです。なければうそだと思うんです。そういう構想を保険数理的に一つ説明してもらいたいと思います。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 最初の年は、先ほど申し上げましたように、家族保険としては、保険料月額で二億円ということになっております。二億円で、その収支が償うのか、幾らになったならば収支償うのかというような問題でございますが、まあ、われわれの計算からいきまして、相当な、最初、計算の基礎に余裕を見てございますので、ニ億でもそれは成り立ち得るようになっております、しかし、最初の年度は、いろいろの経費その他のあれがかかりますので、必ずしもそういかぬかもしれませんが、しかし、まあ事業を新しくほんとうに始めたということでなしに、従来やつておる事業とあわせてやるということでございますので、そう最初からたくさんもかかりませんので、収支としては成り立ち得る。しかし、これでは十分でございませんので、われわれとしては、さらに来年度は五億、その次は八億というふうに、目標をふやしていきたいというふうに、計画をただいま立てておるわけでございます。そうして余剰が出てきたならば、国の剰余金は配当として加入者に還元をするようにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは時間の関係もありますし、ここで一々保険数理的な何年間の統計額をお聞きするのは時間のロスであり、私はここではやりませんが、一つ資料として、皆さんの方で最初にお立てになった構想、三億の場合ですね、三億の場合に、過去これから将来何年間にどういうふうな募集の見込みで、どういう資金の蓄積になり、それがどういうふうに運用されて、そして幾ら配当が何年目になったら出てくるのか、そういう長期構想がなかったらうそでしょう。少くともこれがなければ、この法案は私たちは審議できないというふうに思っているのです。ですから、私はそういう詳細な資料をきょうは委員長を通じて要求しておきますから、できるだけ早い機会に御提出を願っておきたいと思う。そうしませんと、平均年令も延びておりますし、従来の簡易保険の場合にもおわかりだと思いますから、大体どの程度の死亡率か、それから脱会者がどのくらいあるのか、そういうものをなお克服して、長期の運営計画というものは当然立てなければうそだと思うのです。ですから、その点を一つあとからぜひ出していただきたいと思うのです。  委員長よろしゅうございますか。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) この法案の審議がありますから、できるだけ早く……。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 一応の数字は、差し上げました法案のうしろに、ことに第十五表に「家族保険の収支見込」ということが、昭和三十八年までの概略は出ておりますが、しかし、仰せられたような詳細のものではありませんので、できるだけ早く努力しまして、差し上げたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは簡易保険の実績でもって作ってみて下さい。もしできるなら、民間の死亡率とか、そういったもの、これはわからなければいいのですけれども、もし参考のためにわかったらそういう点もあわせて、御苦労ですけれども、作ってみて下さい。  それから、もう一つ、私は基本的な問題としてお尋ねしておきたいのは、この資金が現行法上資金運用部資金に、簡易生命保険の積立金に入ってきます。この運用については、これは非常に問題があるのです。私たちは、零細ないわば貧困世帯の人たちが苦労して掛ける掛金というものがどう運用されていくかということについては、これは加入者は非常に大きな関心を持っております。現行の郵便、保険  簡易保険の積立金制度についても、一億ともいい、一億ともいい、一億ともいうのだが、長期計画が出てこぬと私わかりませんが、そのときでもいいんですが、この資金というものがどういうように運用されて、これがどういうように還元されていくのかというのが大事な関心だと思う。零細な世帯から集めた金というものは、今日では資金運用部資金に入ってくる。そうしてそれが大資本に奉仕をしているというのは、きわめて矛盾した運用がされていると思うのですよ、私は、こういう制度を創設する際にこそ、今の簡易保険の資金の運用について、根本的にやっぱりメスを入れておく必要があろうと思うわけです。こういう点について郵政省はどうお考えになっておりますか。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) 簡易保険の吸収されました保険料、簡易保険の積立金になるわけでございますが、その運用につきましては、御指摘のように大衆からいただいた、しかも、郵政従業員の非常な努力によって獲得した資金でございますので、郵政省が郵政省独自の見地からこれを運用したいということが、長年の念願であったわけでございまして、御承知のように、昭和二十七、八年のごろ、皆さん方の御協力によりまして、一応運用権が郵政大臣に返ってきた格好になっておりますけれども、実際の運用につきましては、明年度の財政投融資の計画の樹立につきましても、私ども考えまして、どうも大蔵省が一方的に勝手に運用の対象をきめたり、資金の目標額を勝手に変更したりするようなうらみが必ずしもなかったではないと思っております。この点は非常に私ども遺憾に思っておりまして、当時さようなことを私ども非常に憤慨を感じましたわけでございますから、郵政大臣から大蔵大臣に、書面あるいは口頭をもって強く申し入れをしていただいたのでございまして、今後簡易保険の積立金の運用につきましては、郵政大臣の運用権を十分尊重して、緊密な連絡をとってやっていくというような向うに意思表示もいたしておりますわけでございますから、さようなことでもございますから、今後十分な緊密な連絡をとりましてうまくやって参りたいと、かように考えておるのでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 決意のほどはわかりましたが、現行簡易生命保険の積立金は、まあこれはいろいろ次官のおっしゃったような経過を経て、郵政大臣に運用権が戻ってきたのですが、この運用について、何か委員会みたいなものを作っておるのだろうと思うのです。省内における運用に対する、そういう点はどうなっておりますか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 戦前におきましては、郵政省独自の運用委員会というのがございましたが、戦後におきましては、戦後といいますか、運用再開後におきましては、内閣の資金運用部資金運用審議会に運用の計画を付議するということになっておりまして、郵政省としては、運用に関する委員会は現在持っておらないような状態でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 郵政省からはだれが委員に出ているのですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 審議会の副会長として郵政大臣が出ておりまして、それから委員として事務次官が出ております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 委員全体の構成は何人ですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) ただいま正確な数字は覚えておりませんが、たしか十二人くらいだったというふうに一応……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その重大な簡易保険の運用に対して、資金運用部のこの審議委員の中に郵政省が六分の一程度の委員しか持てないということは、これは非常に重大問題だと思うのですよ。今次官のおっしゃったように、従業員の汗と努力によって、しかも零細な人たちから集めた金の運用に対して、郵政大臣に運用権がありながら、郵政大臣が副会長で、あと事務次官が一人委員のメンバーに人っているというようなところに、やっぱり郵政省の意見というものが通らない。あれだけ苦労をして郵政省に持ってきたって、運用の面においてまるきり自分たちの意見が通らなくてしまうような結果になるのも、私は審議会の運用の今の組織の問題があると思うのです。ですから、次官のおっしゃったような構想があればなおさらのこと、この審議会のあり方についてもう少し再検討する必要がないのですか。私はやはり、そういうところから問題を解決していかぬといけぬと思うのですが、その点はいかがですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 現在の資金運用部運用審議会におきましては、大蔵省の資金運用部資金も当然かかるわけでございます。これも大蔵大臣が副会長で、委員は大域事務次官だけというような振り合いにもなっておりますし、全体の数が少いものですから、この中でふやすということは、これはなかなかむずかしい問題だ、従来の委員会の構成の例等から見まして困難な問題だと考えます。しかし現在のままの運用審議会に簡保資金の運用をずっと付議するということが正しいかどうか、戦前の姿に戻りまして、郵政省独自の運用委員会というものを持つべきでないかというような点等も考えられるのでありまして、そういうふうな点をなおわれわれとしては研究をいたしていきたいというふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 小野次官こちらへ来て下さい。次官は審議委員の一人ですから、この機会にちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですが、この運用に当って大臣とあなたが出ておられるようなんですが、実際に郵政省の意見というものは、今までの経験に徴して、あなたの在任中にパーセンテージにしてどの程度入れられますか。ほとんど入れられないというのか、パーセンテージは、数字的に言われなくてもいいから、大体どういうふうですか、今までの審議会に参加しているところの次官から、経過をちょっとお聞きしておきたいと思うのです。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 今の委員会の運営の問題と申しますよりも、その前に問題があるようであります。運用が復元されます前に、まだ簡保資金も資金運用部の貯金その他の資金と同時に資金運用部資金としまして運用いたしておりました当時から、大蔵省では独自で大蔵省だけでやるのではないのだという態勢を作る格好をとりまして、内閣にこの審議会を設けております。内閣総理大臣が会長になっておりまして、当時は大蔵大臣が副会長、それに学識経験その他関係の委員が入っておったわけであります。簡易保険の資金が郵政省に復元をいたしまして以来、簡易保険の運用につきましては、立案は郵政省がいたしまして、その審議会にかけるのでありますが、別個に郵政省独自の委員会にするか、あるいは今の委員会を利用するか、いろいろ問題はあったわけでありますが、大蔵関係も独自に大蔵省の委員会を持っているのではないから、内閣はそれの運用審議会を利用しているので、簡保の方はその方を利用したらいいというので、その当時話し合いができまして、内閣所属の運用審議会にかけておるわけであります。かけておるわけでありますが、この運用審議会には、大体の大ワクがきまりましたあとの運用の条件とか、その他の問題があるわけでありまして、簡保資金に関して郵政省で作りました原案は、委員会へかかる前に幹事会がありまして、その幹事会には簡易保険局長と貯金局長が出ております。大体におきまして、郵政省の原案は、幹事会で作り上げました大体郵政省の原案通りにいっておるようであります。ということは、非常にこの辺のところは技術的な問題になって参りまして、むしろ前段の、どんなふうに各公団あるいは公庫、その他政府機関に配分するかという問題は、今日の財政投融資計画が予算の編成とうらはらになっておりまして、非常に短かい期間にそのような作業が進むわけであります。そのようなことで、各政府関係機関なり、あるいは公団、公庫等に対するそれは、予算の編成にマッチをいたしまして非常に進むわけであります。この過程に非常に遺憾の点がありますことは、例年いつも経験をいたしておるわけでありまして、これは大いに将来も改善をいたさなければなりません。  来年度の問題につきましても、先ほど政務次官からお答え申し上げました通り、非常に遺憾な点がありましたので、われわれの方の大臣からも大蔵大臣に強く申し込んでおります。これに対しまして、将来は郵政省のそういった立場を非常に尊重いたします、こういうようなごあいさつもあるわけでありますが、そういったところで、もう大ワクのそういった問題はほとんど片づくわけであります。しかも、この問題は、事前に審議会にかけるべき筋合いのものでありますが、予算の編成と非常に密着しておる関係もありますので、従来の例は、大体審議会の方は事後報告になるのが例であります。そういたしてみますと、審議会であときめます問題は、そういった公団、公庫の融資に対する当初の計画を変更する必要がある場合、あるいは主といたしましては地方債の引き受け、公共団体貸付に対するそれが、起債の認可と並行いたしまして出てくるのがせいぜいでございます。そういうようなことで、審議会の運営自体といたしましては、当省の言い分は大体において通っておるというのが実状でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 郵政大臣、今の御経過は、あなたお聞きになったと思うのですが、今お聞きしていると、非常に大蔵省というか、要するに政府全体として、あなたも閣僚の一人ですから、運用部資金の年度計画というものが、今年も五千百億ぐらいあるのですが、私たち予算委員会でこれを審議する場合でも、つくずく思うのですけれども、こういう金の使い方をもう少し考えなければならぬということを感じますけれども、特に簡易保険の問題等については、もう大体資金はこれだけある、大まかにこれをこっちに持ってきて、そうして財政投融資の問題で、こうやるのだということをぽかっときめておいて、そうして今度は審議会の方に持ってきたって、これはあなた逆ですよ。むしろ各審議会の、それぞれの専門分野から人が出ているのですから、そこで簡易保険についてはこういうふうな使い方をしたいという構想がまとまって、それに基いて政府が財政投融資計画を立てるなら、これは僕は至当だと思う。そうでなければ、今の審議会なんて有名無実です。そういうところに郵政大臣の閣僚としての悩みと、今度、郵政省の簡易保険の運用権を持っている運用部資金が郵政大臣に戻ってきたって、それがちっとも生きてこない。そういう矛盾を感じておるなら、もうちょっと私は、閣僚ですから、財政投融資の年度計画を立てる場合に意見として出して、それが正しいものであれば、大蔵省が来年予算をやるから頼むというような、そんなお茶を濁されて、唯々諾々としているということは、これはちょっと私はおかしいと思うのです。もうちょっと審議会の運営というものに対して検討を加え、自主的に簡易保険の運用についてはこうありたいという思想を生かしてやるような方法をとっていただきたいと思うのですが、この点はどうですか。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) これは全く御所見の通りだと思います。従って、この三十四年度の予算編成あるいは財政投融資、それに対して、いわば大蔵省がほとんどその予算編成に籍口してというか、財政投融資というものの中の簡保資金というものを、ほとんどそれを先にきめてしまって、その間私は数次にわたって大蔵大臣、それから主計局長等にもかなり強力にそれは要望をしたのですけれども、もうそういうことは、ああいう編成途上において、何というのでしょうか、言葉では了承したようなことであるけれども、どんどんどんどん一方的に進めていってこういう結果になったということは、私としては非常に責任重大だと思う。また、きわめて遺憾だと思っておりますが、大蔵大臣も、このことについては、私の立場も非常に申しわけがない、それから特に、参議院から出ている政務次官の佐野君が、このことには全く自分としても非常な大きな責任があるのだから、次には、まあ、あなたは、今さらおそいとおっしゃるけれども、おそくても、この次に、特にこの簡保資金の運用については郵政大臣の意見、これを十二分に入れてやるから、今回のことに限ってはぜひ一つそれは御了承が願いたいということを、特に佐野政務次官が来年の、いわゆるこの次にはということの、非常な反省をされて、私に了解を求めにきたのですから、私もそれをさらに追及するということでなくて、これだけはもう歴代郵政大臣の、ほんとうのこれは責任の問題でもあるし、わが党からも、これは新谷先生なんかには何回か注意を受けた問題でもあるし、また、野党の皆さんからも、非常にきつく、歴代の大臣が最近特に注意を受けておるのですから、これはもう肝に銘じて、われわれもこの次には、それこそ、まあ私はそう長いとはもちろん思いませんが、申し送って、また事務当局の部局長、次官等はまた残って来年のこともやらなきゃならぬという立場の人もありますからして、私としては、次回こそはこういう点を根本的に一つ大蔵省のやり方というものを直させ、そしてこちらがそれに対して進んで介入をして、進んで責任を持っていく、こういうようにいたしたいと決意をいたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ大臣の決意と努力は私ども了としますがね、ただ、毎年なんです、このことは。結局、大臣はかわっちゃう。佐野さんだって政務次官ですからね。これはもうかわっちゃうでしょう。内閣がかわればかわるかもしれませんね。そうするとそこが官僚組織の一番逃げ手なんです。実現をしますと、これは固くここで言っておった。外国放送の問題にしたってそうじゃないですか。あれは政府の交付金についてあれだけわしらがうるさく言って、この前の平井大臣は、必ず責任をもってあなたに引き継ぐと言ったのだが、その引継事項を僕はまだ見せてもらわぬからわからぬけれども、引継事項の中にあったかどうかわからぬですけれども、かくのごとくうまく逃げて責任のがれをしているのが今までの歴代内閣がやっている実態ですよ。あなたは布野になっても、在野というか、閣僚をやめても、これは大きな命題ですよ。あなたが郵政大臣をやめても、国会議員として、来年の問題についてはこれははっきりここで僕は念を押しておきますけれども、佐野さんもおそらく続いているでしょうが、議員としては。そういうバック・アップを作って、そして平井大臣のときだって政務次官などもいたはずですよ。そういう連中が、この郵政省のいすを去れば、忘れ去って涼しいような顔をしているのじゃ、これはだめなんですよ。年々歳々そういう同志がふえていくのだから、そういう人たちを糾合して、こういうときには一つ大いに政府に圧力をかけるようなことを——これは圧力じゃないですよ。毎年同じことを言っているのですよ。毎年大蔵省の方が言ってきている、それでごまかされている。それじゃいかぬのですから、これは来年編成のときには、われわれは重大関心をもって見ていますから、われわれも監視しますけれども、大臣も、もしやめられても、もちろんなんですが、自分の在任中できなかった罪滅ぼしくらいのことを考えて、積極的に一つこれは御協力をいただきたいことを、私は国民の立場に立って強くあなたにお願いをしておきたいと思うのです。  それからこの簡易保険の積立金の中で、今貸付制度があるでしょう、加入者に対する。こういうものは積立金の総額の中で何ぼあるのですか。何ぼあって、その中から何ぼそういうものに関係しているのですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 契約者に対しまする貸し付けにつきましては、要求に応じてお貸しをするということにいたしておりまして、来年度の計画で申し上げますと、九十四億の大体予定を立てております。本年が八十二億でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三十四年度が……。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 三十三年度が八十二億で、三十四年度が九十四億の予定にいたしております。これで大体十分まかなえるということでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 総体の額は今幾らになりますか、今まで積み立ててある。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 三十三年の十二月末で申しまして、資産総額が四千八百四十三億でございますが、そのうち契約者貸付が三百三十億でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この八十二億といい九十四億といい、この八十二億については、前年の三十二年度の実績というものを勘案しておやりになったと思うのですが、これは制度から見ると、本来の目的ではありませんけれども、しかし、他から高利の金を借りるよりも、自分のかけた金を自分で利子を払って借りるなんていることは愚の骨頂だが、しかし、それでもそれをやらないと生活の保てない人がいるわけですね。だから、これは希望者があったら、原則というか、無条件で貸し出すということでなければいかぬと思うのですが、それが、かりそめにも運用資金総額の中で、今日まで三百三十億程度になっておるようですが、そのワクがいろいろな面から制約を受けて、借りたいという加入者に対する貸付ができないということがあってはいけないと思うのですが、私たち考えてみますと、必ずしも全部が全部申し込んだから気持よく貸してくれたということではないようなんです。かなり難くせをいわれるように聞いているのですが、そうすると結局八十二億というものでは額が足りなかったのじゃないかという危惧を持つわけなんですが、あなたの方ではそういう点については全国的な調査をおやりになっていると思うのですが、大体申し込んだ人には原則的に貸付をしている、こういうことでございますか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 契約者貸付につきましては、まあお貸しいたしますと、大体返らなくて解約になるとか、あるいは最後に支払いする保険金から差し引くということになって、保険の効果を非常に減殺するというような点もございましたので、一時なるべくおやめになってはいかがですかというようなことをお勧めした時期もございましたが、昨年あたりから一切そういうことはしないということにいたしまして、御希望によってきめられたワク内、ワク内と申しますか、要するに法規できめられたその個人々々についての限度内でございますれば、御要求に応じてお貸しをするというふうにいたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この点はたしか局長のおっしゃったような点が実際問題としてあると思うのです。貸してやれば返さないものですから、最後に保険金で相殺するとか何とかいうことで、本来の保険制度の意義を喪失することがあると思うのです。これは大いに論議のあるところですが、しかし、これでもつなぎ資金にもならぬでしょうけれども、とっさの場合に、不幸があっても金がないというような人たちは、窮余の一策をここに求めてくると思うのですが、まあできるだけそういうふうに今後も努力していただきたいと思うのです。  それからもう一つだけ、新制度で親子保険みたいなものができるのですが、私は前にもちょっとお聞きしたかもしれませんが、例の未亡人が入れないという問題が一つあるわけですね。私は、こういう制度をせっかくお作りになるのですから、むしろそういう人こそ、ただ、いろいろな問題点はあるでしょう。問題点はあるのだが、そこが多少矛盾するのですが、この社会保障制度というものの一環を現状こういうところに転嫁していくということは本来じゃないですよ。だから私は無理とは言いませんけれども、しかし、せっかくこういう制度ができるのですから、むしろその生活に困窮し、多少の貯蓄でもして将来の安定を期していこうということで努力をされている、そういう未亡人世帯と申しますか、家庭について、今度の制度というものがきわめてひややかですよ。なるほど、いろいろなやはり保険数理的な問題がからんできますから、困難性はあるでしょうが、何とかこういう点を救う道がなかったかということを今でも私は考えて、この点が抜けていることを不満に思うのですよ。どういうわけでできないのか、もう一回一つ聞かせてもらいたいのですが。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 御趣旨ごもっともでございまして、われわれも、この保険を作ります際に一応考えたのでございますが、今度の保険は、御承知のように予定既婚率とか、あるいは出生率というものを計算の基礎として使っているわけでございますが、未亡人については、もちろん、もう結婚はすでにいたしておりませんし、子供もそれ以上は生まれないというような点から、今度の家族保険と全然計算の基礎を別にしなければいかぬというような点がございまして、それらについての詳細な確信のある統計というものをとることができなかったというのが、面接の間に合わなかった原因でございます。しかし、これにつきましては、衆議院におきましても御要望もございましたし、われわれ今後一つ研究を進めまして、できることならば一つ作りたいというふうに考えておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その必要性というのは感じながらも、保険数理的な問題で入れなかった、しかし今後検討をしてみたいということなんですが、そこまで立案の御当局がお考えになったとすれば、せっかくできるこの機会に、そういう隘路と申しますか、困難な問題を克服して、皆さんに喜んでもらうという制度をおとりになった方が私はよかったと思うのですけれども、しかし、まあ法案は提案されておる。われわれ附帯決議をつけるか何をするか、今後いろいろなことを考えてみますが、すみやかにこれは一つ検討していただいて、中途であっても法律の一部改正等をすみやかなる機会に一つやっていただく、こういうふうにしていただきたいと思います。  それからもう一つ、その内縁関係ですね。戸籍には届出がないが、実際に内縁関係にあるという事実認証ができた場合、これは対象になりますか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 内縁関係については、実は対象にならないということになっております。と申しますのは、まあ夫婦の存在というのを前提といたしておるわけでございます。内縁関係は、その関係が必ずしも明確でないということになりますので、たとえば、この保険におきましては離婚した場合にはその妻は被保険者の資格を失うというようなことになっておりますが、果して離婚をしたのかしないのか、たとえば内縁関係にあった妻が亡くなった場合に、その前に離婚をしておったのか、それとも離婚しないうちに亡くなったのか、保険金を払うべきか払うべからざるかというような点等について、非常に不明確な点があり、しょっちゅう紛争の原因になるというようなことも考えられますので、私どもとしては、取扱いの簡便その他も考えまして、法律上明確に、しかも取扱い上紛争の、争いのない夫婦関係というものに一応限定をして案を作った次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 内縁関係といっても千差万別だと思うのです。ですから、あなたのおっしゃるように、雲をつかむような何ら事実の認定ができないようなものは、これはまた問題外になるかもしれませんが、少くとも明らかに内縁関係にあるという事実の認証ができる場合ですよ。これは、たとえば、その妻に死別された、実際の死亡届出も出ており、戸籍上からも確認されておる。しかし子供がたまたま二十歳になっておって、おやじの結婚するのもどうもおもしろくないというふうな態度から、現実には正規の手続をとらずして内縁関係を結んでおる人もあると思うのです。そういうふうな事実が明らかになっている者でも、なおかつ、内縁関係だからここに入れないのだということは、これはどうかと思いますね。だから、私は、大ざっぱな、ぱあっとしたことを言っておるのではなしに、事実の認定というものができ得る場合ですよ。現行だって民法上のいろいろな解釈の中に内縁関係というのはあるわけです。そういう点から考えてみても、弾力性があって私はいいと思うのです。だから、そういうものまですべてを十把一からげに、通俗的にいう内縁関係ということでほっぽり出してしまうというのはあまりにも酷ではないですか。そういう事実認定があってもだめだということですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 法律上内縁関係もいいということになりますと、事実上の認定ができるかできないかというような点、どの辺に線を引くかというような、いろいろむずかしい問題が起りますので、私どもとしては、一応明確なものに限定したわけでございますが、なお一つそういう点について研究をいたしてみたいと思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、一般の保険を勧誘にいくでしょう。これは私の妻ですよ、ああそうですが、それじゃその戸籍謄本を見せて下さいと言うのですか、募集する場合に。そこまではっきりした正妻であるという、正式に届け出た妻という認定をしなければ、これは募集の加入に応じないわけですか。たとえば、これは私の妻ですよと言って、それを認めてやる場合だってあるでしょう。一々戸籍謄本を持ってきて、お前は事実妻かどうかということを認定してやるはずもないでしょう。そういう点非常に今の点と矛盾しておる。内縁関係についてもある程度事実認定ができますよ、やろうとすれば。その辺はどうなんですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 契約を募集いたします際には、一々その関係を戸籍謄本等によって確認するというような行為はいたしません。ただ、万一事故があって支払の請求があった場合に、戸籍謄本を添えていただく。それによって、なるほど妻であったということをそのとき確認をするというやり方をとっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうすると、法運用上非常に問題が出てきますよ。そんな中途半端な宙ぶらりんなことで確認していくならば、これは内縁関係でもなんだっても同じことです。たとえば正妻ですよと言って入っいて、実際死んだときに戸籍謄本を見たらそうじやなかった。その責任はだれがとるのですか。少くとも入れるときに確認をして入れなければうそですよ。こんなあとになって、十年も掛けてから、そのときになって掛金ただ取りだということが出てくるじゃないですか、その責任はだれがとるのですか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) これは法律上婚姻関係であるものでなければ入れないという建前になっておりますのに、法律上婚姻関係でない者が入ってきて、保険金支払の場合に問題が起ったということになりますと、これは初めから法律の要素に錯誤があったものですから無効になりまして、既払いの保険料を還付するというようなことになります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それはおかしいですよ。少くとも契約をしたということは、郵政省が立ち会って、郵政省がよろしいと言って入れるわけだ、募集するとまに。そうでしょう。あなた方はその責任を、法律がこうあったから、あとになってあなたはうそ言ったから知りませんよという、そういう無責任なことでほっぽり出すということは、この制度からいってもおかしいですよ。そういう加入するときに事実認定をやらずにおいて、あとになってから、十年たってから、あったから、法律はこういう建前ですから、あなた知りません。こういう無責任なことは、これはできませんよ。そんな思想だったら、これはおかしいですよ。その損害の、掛金だけ還付してやるというのは、これは郵政省の責任のがれであって、迷惑するのは国民ですよ、だからそういうことをはっきりするならば、やはり加入当時に客観的にそれを確認するとか、いなかあたりだったら、あそこの家の後家さんとか、入っているかいないか、大体わかるけれども、東京あたりだったら、隣のおっさんでもわからない。そういうものを対象にする場合に、非常に煩瑣になりますけれども、法律を犯すことは両方犯しておる。正妻でなければ入れないという法律があるのに、よろしゅうございますと言って入れて加入を認めるということは、郵政省の責任である。あとになって責任だけを転嫁して、そうなったから知りませんよという理論は通りませんよ。局長、そんな矛盾した理論は通りませんよ。おかしいですよ。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 鈴木委員の御指摘の通り、法律上の見解いかんはともかくといたしまして、実際の問題として非常なトラブルを起す問題でございます。加入の際に一々戸籍謄本を、あるいは抄本でも、はっきり確認できるような資料をとればその辺はないのですが、これまた加入者の方に非常な迷惑なことだと思います。また募集員の方も、そのような、今日、戸籍抄本一つとるのでも、簡便にはなっておりますが、やはり市役所方面の仕事も、そうおいそれとは間に合わぬのであります。そのような煩は避けなければなりませんと同時に、将来に問題を残まないようにしなければなりませんので、その辺に非常にむずかしい問題がございますが、今のような、全然そういうことなしに、本人の申し出通りに、これを正妻なりとして契約を結びまして、たまたま、相当先になって事故が起きましたときに、戸籍関係の資料を見て、これはもともと無効であったと言うのは、これは公共事業として非常に不親切な言い方だと思います。その辺のところは、非常に実際は困難でございますが、制度の趣旨をよく加入の際に周知をいたしまして、保険には簡保でもそうでございますが、民間保険にもそういうふうなあれがございますが、告知義務といったようなものがございます。そういったような問題で、かりに内縁の妻であった場合に、これを正妻として入られると、あとでこのような問題が起るのです。その問題点は、事前に明快にしておきまして入っていただく。こういうことにすれば、多くの場合防げるのじゃないかと思います。そのような措置は、これは加入の際にぜひとらなければならないと思います。そのような措置にしましても、もっと確実な戸籍抄本を一々とるよりも、従業員の方も簡便に済みますし、保険に入る方も、手続が簡略で入りやすいということもありすすので、その辺は、加入の際に制度の内容をよくのみ込んでいただいて入っていただくというような措置が必要だろうと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ事務次官の御答弁でわかりました。だから、この契約をする際に、そういうことを明らかにして、これは法律的にはそうなっておりましたね、法律的には。そういう点がその法律の中にあったって、入る人は一々知りませんよ、そんなことは。だからそこは今、次官が認めておるような、郵政省国家がやる場合に、親切さが足りないと、逆に今度は非難が出てきますよ、人をごまかしたということで。いや、法律はこうなっておりますからと言ったって、そうでしたかなんて納得する人はいないので、しかも、十年もたってから出てきたということになると。だから、やはり加入の際に、明らかに申込書のどこかにそういうようなことも入れておいて、もしこの虚偽の関係においてやった場合にはこういうことになり得るというようなくらいのことは明確に周知をして、そういうことを了承をした上でやっておいてもらうということにしませんと、これは問題があると思うのです。ですから、今の保険証書の裏に規則が抜粋したものが載っておりますね。そういう点を技術的に何か考えて、特にゴジックにするとか何かそういうふうにして、加入の際に念を押すというような方法をしておきませんと、しゃくし定木にやると、非常にこれは非難を受けると思いますから、この点は加入の際十分一つ注意していただくようにお願いしておきたいと思うのです。  では、これで大体いいです。

森中守義日本社会党

○森中守義君 次回の審議のために資料を少しお願いしておきたいと思います。  運用資金の監査の状況、その監査の状況の中で、目的外に使われていたのがどのくらいあるのか、それは具体的にどこか。それと、金額にして五百万以上の貸付の状況、これを出して下さい。  それから審議の日程が非常に詰まっておりますから、ややともすると大へん保険局の方でもお困りな点があるかと思いますが、これは絶対的な資料要求ということでなくて、希望的な要求ということで、できなければけっこうです。でき得れば次回にお願いしたいと思うのです。監査、これはぜひお願いしますよ。  それは、三十二年と三十三年の各郵政局ごとの目標の消化状況、月別にこれはお願いいたします。それから、全国的に各種別の契約の状況、この中で承わりたいと思う趣旨は、一体どの程度の種類のものが一番契約者に歓迎をされ、しかも一番効率的に契約が行われているか、こういうことを知りたいためです。それから維持の状況、この維持状況の中で、特にお願いをしておきたいと思うのは、各種別ごとにどの穂別が一番失効が多いか。つまり契約が歓迎される種類が、逆の面からいけば失効が多いかもわからぬ。そういうものを知りたいと思うからです。これだけを、今度木曜が定例になっておりまして、そのときに少しお尋ねしたいと思いますから、できるならばあした、中一日しかありませんので、非常に困難だと思いますが、あしたの夕刻くらいに届けてほしいと思います。委員会に御提出はその後でもけっこうですから。  それで二、三承わっておきますが、さっきからの鈴木委員の質問に対しての大臣初め皆さんの御答弁で、どうもやはり釈然としません。それは、こういう種類のものが、やはり簡易保険の使命を果していくには必要なものであることは、これはだれにも異存はない。だとするならば、ここ数年前に、あるいはもっと以前に、少くともこの事業が創設されて間もなくにでもこういうものは創設をされてしかるべきであった。しかるに今日までこの新種が設定をされずに、今国会に出てきたというのは、いろいろ疑っていけば、これは際限がないのですが、あらかた私はこういうように考える。それは、たとえば農協貯金ができた、農協保険ができた、あるいはまた民間が非常に旺盛な意欲を持ちながらやっておる。こういうことに対する郵政省の一つの対抗策ではなかろうかというようにもとれる。その真意が那辺にあるかは今から承わりますが、私はそう思う。そういう民間あるいは農協等に対する郵政省としての対抗策としてこういう新種のものが設定されるのか。さもなければ、目標の消化が非常に困難であって、このままの事態で推移していくならば、現行年度の十七億、新年度の十八億もなかなかこれは容易でない。しかるがゆえにこの目標の消化をより積極的に行い得るようなその措置をとるために、この一種の行き詰まり打開といいましょうか、そういうことのためにこの新種が設定をされたのか、この辺のことを一つ。  新種を設定された目的は、先般、寺尾郵政大臣の提案理由の説明の中で一応うたい文句はあります。ところが、うたい文句だけでは承知できない。もう少しほんとうに郵政省が新種設定を必要とする理由を明瞭にしていただきたいと思うのです。それを一つ第一番に聞かして下さい。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) お答え申し上げます。先ほど鈴木先生の御質問にもお答えいたしましたように、簡易保険は、国営保険として全国民に入っていただくことを一応目標としなければならぬ。ところが、現在まだ簡易保険にも、また民間保険にも全然一人も入っておらぬという世帯が、私どもの調査でいきますと大体三七%くらい残っておる。従って、この世帯にも保険的保護を及ぼすということが簡易保険の一つの使命であるというふうな考え方、しかも、それは、現在、民間保険からも農協保険からも一応取り残されておる分野である。従って簡易保険の使命からいって、当然そこにも保険的保護の普及をはからなければならぬ。そのために最も向いた保険というものはないかということを研究いたしました結果、簡便な手続で、しかも非常に安い保険料で、全世帯とまではいきませんが、夫婦と子供を一ぺんに被保険者にできる保険というものが、アメリカその他で三年ぐらい前から始められましたので、それにヒントを得てこの制度を作ったというのが実際でございまして、その結果として、私どもが、伸び悩んでおりました簡易保険の伸びが結果として促進されるということも当然期待をいたしておるわけでございますが、単に民間保険とか農協に対する対抗手段としてわれわれが考えたというものではないのでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そういうことになりますと、現行年度の十七億の募集目標、これに対して三十四年度は十八億ですね、一億の伸びがあるようです。ただし、十八億、十七億というのが妥当の目標であるかどうかということについては、これは多分に論議の余地はあります。あるにしても、今大塚局長の話によりますと、少くともこの新穂によって伸びていく、しかも、言葉として表現をすれば、現状の打開がある限界までは行くだろう、こういうお話のようですね。そうしますと、この一億の伸びというのは、これは通常年度においてでもこの一億程度のものは、今まで常時固定した目標でなくて、前年度が十五億であったら今年は十六億だ、いわば郵政事業の発展とともに、また国民経済が時に膨張してみたり、あるいは萎縮するときはありますが、近来の傾向を見ると、大体上昇線にあるようです。であるならば、この一億の伸びというものは、何も新種保険を設定したから、それに期待をして一億伸びたというようには受け取れません。このところの考えはどうなんです。ことしはこの法案が通るという前提に立って、通りはするが、初年度のことであるから完全に思うようにいかぬだろう。だから平常年度の、あるいは常時目標設定当時の平常時を考慮に入れて、内輪目にこの目標が出されたのかどうねそこのところはどういうことになりますか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) お答え申し上げます。平常の従来の目標十七億に対しましても非常に困難で、われわれ、また従業員諸君全部が、非常な苦労と努力をいたして参っておるわけでございます。しかしまた、この十七億が、従来の実績が従来のままの簡易保険でも絶対に伸ばし得ないかというと、そうではなしに、まだ努力によっては伸び得る余地は私どもあるというふうに考えておるわけでございます。しかし、それには非常な努力がなければならぬ。今度この家族保険を始めることによりまして、その伸び方が、従来のものをそのまま伸ばすよりは、先ほど申し上げましたように、未加入世帯三七%等を対象して進めるのに好個の保険と考えられますので、非常に伸びやすくなるというふうに考えて、それに期待をいたしておるわけでございまして、さしあたりは、先ほど言いました、来年度は二億でございますが、その翌年度は五億と、それから次には八億というふうに伸びていく可能性があるというふうに私どもは考えておる次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうすると初年度一億という程度のものは、これは特段にこの新種を作ったから急に伸びがある、無理を来たすという意思がないということですね。つまりこういうことですよ、一億の伸びというのが、先刻の大塚局長の答弁からいけば、かなり現状打開に役に立つ、そういう認識をお持ちのようです。だとするならば、この一億の差というものはもう少し伸びてもいいんじゃないか。ただ十七、十八という数字が、それが当を得ているかどうかというのには問題があるにしても、一応お出しになっている目標を肯定をする立場に立ってものを言う場合には、そういうことが言えると思う。しかるに一億にとどまっておるというのは、ことしは控え目に、内輪目に、初年度であるから、無理を来たさずに、模様を見ながらやっていこう、こういうお気持なのかどうなのか、こう聞いておる。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 最初の年でございますので、また、なかなか法律的には複雑な構成になっておりますので、まず第一に従業員諸君にこれをのみ込んで消化していただかなければならぬという点がございます。それから、部外に対する周知等にも力を入れなければいかぬという点がございますので、初年度としてはそういう方面に大部分の月日を使うということになりまして、あまり多くを期待できない。従って、この程度が一応妥当ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 十八億は、国民所得のベースはどのくらいに見ておりますか。しかも、全国平均です。都会地とあるいは農村について、勤労者と中小企業あるいは農業という工合に職業別に見たものですか、どういうようなのが根拠になって十八億というのが出たのですか、国民所得のペースを聞かして下さい。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 実は目標をきめます場合に、国民所得を基準にしましてきめたのではございませんで、多少景気がよくなるということも若干考慮には入っておりますが、従来の経験と、先ほど申しました未加入世帯に対する新分野の開拓等ということから考えて、この程度はそう無理ではなしにやれるのではなかろうかという見当からきめた目標でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはからかってものを言っているつもりはないのですが、およそ目標を出されるときに、要するに国民のふところを当てにして募集をやるわけです大体どの程度ふところに入るだろうという、そういう所得の一応の見込み、あるいは景気、不景気の見込み等が立たなければ、私は目標は出てこないと思う。そういうところに鈴木委員もちょっと指摘したようですし、さらにまた、在来この種問題を審議する際にしばしば問題になっている、つまり国家予算が一兆三千億、一兆四千億と出る。それに対して簡易保険は十八億の新規目標というふうに逆算したところに実は問題があるのですよ。しかし中村次長あたりは保険数理の世界的な名人であるし、すこぶる傾聴に価する御意見をお持ちです。そういう専門の道々の人を擁している郵政省が、片や通産省が、物価指数はどの程度、国民の所得はどうだということは、これは十分各政府機関に当ってみても整っている。そういったような環境の中にいて作業をされるのに、国民所得がどの程度のものであろうという見当もつけないで目標が出るということは、私はこの目標の算定そのものに疑問を持たざるを得ないのですよ。今大塚局長の言われるのは、これはどうも調子が悪いのでおっしゃらないのかどうだか知りませんが、およそ私は目標が算定されるには、そのことが重要な要素にはなっていないかもしれないが、しかしある種の要素として、国民の所得はこの程度だ、しかも農村に対しては、米、心当り一万何百円、あるいは公務員の給与ベースは幾ら、何が幾らというようなことが当然に積み承ねられて、それで三十年満期であるとか、あるいは五十年満期とか、二十年満期とか、そういうような仕組みをとらなければならない。今局長のお答えからいけば、何かしら場当りで、一つの勘で仕事をおやりになっているような気がして仕方がない。そのことがいつか私、郵政大臣に指摘しましたように、一体、通信国策とは何だ、郵政省は通信国策を持っているのかということを承わったことがあって、ついに大臣は立ち往生、答弁何ら行われずして終ったことがありましたが、やはり勘やその場限りでは事業の経営はできない。そういう意味から、明らかに国民所得が勘定に入っていないとすれば、十八億という目標は何だ、こういうことになるのです。その間もう少し克明にお答えいただければ納得できるかわかりません。しかし、今、大塚局長の言われる答えだけでは私は了承できませんね。その辺の事情はどうなんでしょう。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) まことにおっしゃられる通りでございまして、一つの目標をはじきます場合に、その基礎になるべき国民所得、経済状況あるいは他の貯蓄目標とのいろいろ競合関係等、日本経済の全体を考えまして、合理的にはじくべきものだということは、まことにおっしゃられる通りであります。そうでなくてはならぬのでありますが、まあ従来簡易保険局としましては、多年の経験からしまして、ただいまお話のありましたような世界的権威の中村次長等が多年やっておるわけでございますが、この権威が多年の経験から見て、このやり方で間違いないということで今までやってきておりますので、私ども、どうもしろうとでございますけれども、そういう意見を尊重し、きめてきて、今までまあ大体大過がなかったということでございますが、先ほど申し上げましたように、確かにおっしゃられる通りにやるのが理論的であり合理的でありますので、なお、そういう方向に研究をいたしまして、御趣旨に沿うようなことで目標をきめるように努力いたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大塚局長、大過があっては大へんです。大過などをやってもらっちゃ困る。しかし、私が言おうとするのは、国家予算の逆算をしたのがこういうものじゃないか、そういうところに問題がある。それは要するに、大蔵省といろいろお話を行われる際に、どうしても郵政省でもう少し、そのことがより健全な事業経営になるというあるものを持つ必要があると思うのです。それがなくて、やれ十七億だ、十八億だということで逆におっかぶされてくるところに、必要な周知宣伝費もとれない、人もとれない、その他事業経営の金もとれない。とれないというのは、大蔵省が最初からワクをはめて、これでやってくれ、従って大蔵省は十七億の目標を消化するにはこの程度の経営でよかろうということで、最初から割り切っているものだから、一向に郵政省にとってはプラスにならない。いわんや国民のためにもならない。こういうことを私は指摘をしたいのです。それと、目標算定の方式には、なるほど、局長もしろうとだと言われますが、私も中村次長のようにそういう学理的なことはわかりません。わからないが、国民のふところを当てにする仕事である以上、やはりどの程度国民の所得ベースを見るべきかというようなことは、この目標算定の基準でなければならぬと思う。いわんや事業経営の簡易保険においては根本的な問題でなくちゃいかぬのじゃないか、こう思うのです。しかし依然としてそういうことが理解はされていても実行できないということであれば、これまた別な方向から問題にせざるを得ないのですが、郵政大臣に特に一つその辺の見解をこの際明らかにしておいてもらいたいと思います。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○国務大臣(寺尾豊君) ただいま局長がお答えを申し上げましたように、これは国民の、簡保並びに普通の生命保険にまだ残されておる三七%というものを対象に、何とか不振な簡保その他も伸ばしていきたい。また、新種保険としてはアメリカのそれを一応補正をした、こういうことでありますのと、ただいま御指摘のようなこの算定の基礎というものについては、御所見のようにやるべきが当然であるけれども、その点がまあ、いわゆる結果というか、権威者の一つの意見をそのまま取り入れてやった、こういうところに森中委員の御不満ないしは御質疑の要点があろうかと思います。こういう点につきましては、この今回一応新種保険として提出をいたしたものにおきまして、もう一回十分これを検討もいたさなければならぬ点もあるかと思いますからして、これはすみやかにそういう点もお答えできるように、いろいろの資料もそろえまして、次回にお答えをする、そういうようにさせていただきたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 まあ次回でもけっこうです。そこで次回ということであればもう一つ申し上げておきたいのですが、やはり近来の保険事業、あるいは貯金も同様でしょう。そういうのを見てきた場合に言えることは、何かコップの中でがさがさやっていて、あまり迫力がない。こういうことを私は考えざるを得ないのですよ。十年一日のような募集方式をとる、あるいは事業経営方式を採用して、事新しいというものをあまり感じません。新鮮さがない。これでは簡易保険法第一条に定める目的に照らしてみても、やはり私は当を得ないのじゃないか、こう思う。  じゃ、どうするかということになれば、最近のはやりじゃありませんけれども、もう少し保険にしても貯金にしても、この際一つ郵政省は英断を下して、五カ年計画ぐらいは作ってみたらどうですか。今、大臣も局長も、まだ三七%の未契約者がある、こういうお話ですが、一体三七%を年々どのくらいずつ消化していこうとするのか。私は目標の十八億を消化していくというよりも、むしろ未契約者の三七%を、この年次においては何。パーセント、次年度においては何パーセント、しかも三七%のうちで山間僻地が何。パーセント、都会地が幾らというところまで数字としては出ていると思うのです。それを全国まんべんなくおやりになるのもけっこうですが、都会地をことしは一〇%やるについては、これに全部の精力を集中するとか、また半分は山間僻地というような、こういうやり方、長期にわたる一つの計画というものが必要じゃないかと思うわけです。これは私の私見ですよ。  それから、もう一つは、三七%消化してしまったらどうなるか、こういうことなんです。もっとも満期になってずっとまた新しい契約者が生まれてはくるでしょう。それと、新しい出生等によって契約の対象者がふえてはきましょうけれども、あらかたそういうものを計画に入れて、それで本年度は何%、次年度は幾らというように、五カ年ぐらいとりあえず一つこの機会に、長期にわたる事業計画というものが私は必要じゃないかと思うのですが、こういうことに対してはどういうお考えですか、そうすると、もう少し定員の問題にしても、事業経営の維持費の問題にしても、あるいは郵政省、郵政局が行われる末端の練摩、督励の方法ももっと形が変ってくるような気がしてくるのです。そういったように新鮮味を絶えず吹き込んでおくというようなことが必要な気がするのですが、まあ最近一向にそれらしい雲行きも感じませんし、ただ、毎年所定の目標を出して、しかも、それは予算から逆算をした目標で、かくかくといいながら、保険局長を初め次長、課長、地方の保険部長や現業の局、課長、あるいは現場の人たちが同じコップの中で動き回っているような気がするのですが、まあこれは私の見当違いであれば是正することにやぶさかでありません。どうですか、長期計画一つ根本的に立てるような意思はありませんか。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) まことに一応の御意見だと思いますが、御指摘のように、郵便貯金にいたしましても簡易保険にいたしましても、最近いささかマンネリズムに陥っているというような御指摘でございまして、まあさような、感じが私どもいたさないわけでもないのであります。そこで、まあ私どもといたしましては、簡易保険の将来のあり方ということにつきまして、ただいま郵政審議会に大臣から諮問いたしておりますというようなことでもございますし、また、今回家族保険を作りましたのも、何とか行き詰らんとしております簡易保険を打開したいというような考えもありましたわけであります。まあ両事業の進展につきましては大いに考えなくちゃならない。郵便貯金のごときは、すでに御承知のように大へん今難関にぶつかっておりまして、難渋をきわめております。アメリカのごときは、郵便貯金はもうほとんど不振の状態でございまして、さような他の国の例もございますことでございますので、十分この両事業につきましては、根本的に将来のあり方について考えなくちゃいけないとは思っております。ですが、まあ年次的な何カ年計画を樹立するというようなことにつきましては、実は簡易保険に例をとりましても、まあ将来保険金額の引き上げをどうするかというような問題もございますし、それから明年度から、御承認いただきますれば家族保険を作ろうかといたしておりますが、まあ簡易保険の奨励のあり方をどうしようというような問題もあるわけでございまして、そういう問題をもう少し検討いたしまして、保険金額の引き上げも関連いたしておりますので、そういうことを総合的にもう少し検討いたしましてその上で年次的に募集の方策を樹立するというようなことが順序じゃないかと、かように考えておりまして、今さしあたり、一応御意見とは思いますけれども、まあ計画的な事業の進展と申しますか、まあ募集奨励の方法につきましてどうするかということにつきましては、なかなかむずかしい問題じゃないかと、かように私は考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは何も強制じゃないのです。しかし、問題は、近来、簡易保険あたりは公社に直したらどうかというような、このような極論が出るのですね。私も方々に行ってそういう意見を聞きます。公社にした方がいいということは一体何を言うか、いろいろ言わんとする意味は人によっても違うでしょう。しかし、そういうことをいろいろ集約していけば、行き詰まっているということ、これではいかぬということですよ。一つも新風が吹き込まれていない。こういうことがはしなくも政務次官から、何かこうマンネリズムに陥っているから打開しなくちゃいかぬというような言葉として現われたわけでしょうが、そういう意見を、私は、何人も否定できない実情にあると思われます。だからして、年次計画をいつ何カ年作るのか、その内容はどういうのかというのは、これは当局がおやりになるものだから、それは何もそういうことにとやかく注文をつける意思は毛頭ない。しかし、少くともマンネリズムに陥っているというのは、単にこれは募集じゃない。事業経営全体ですよ。経営の方式が勢いマンネリズム化しているものだから、募集もそういう方向に引きずられていかざるを得ない。ところがマンネリズムに陥っているので、そのしわ寄せが募集にくる。こういう現象が私はおおいがたい実情のようにも思う。だから、経営の骨幹をもう少し変えていけば、募集ももっと容易に、しかも、心楽しく募集ができるような態勢がとれると思われるので、何も個々的に、これがいかぬからこう、あれがいかぬからあるというような、そういう指摘はいたしません。総合的に年次計画を作って、新風を吹き込むということがこの際は必要ではないか、こういうことなんです。だから、そういうことについては、今手元に何も郵政省には案がないのだから、出してこいといっても、それは無理ですよ。しかし着想としてはそういう方向に行くべきではないかと思います。幸い郵政審議会にかけてあるとすれば、その答申を大いに期待もいたしましょう。いたしましょうが、やはり行き詰まりつつある簡易保険事業をこの際大きく進展させるには、長期にわたる計画というものがいろいろな観点から総合して必要だと思うので、この辺に対する大臣あるいは政務次官の御所見が、あながち、私は否定できないのじゃないかと思います。従って、もう少し正確に長期計画を一つ検討してみようというような答弁ぐらいのことは会議録に残しておきたいし、そうして、また、そういうことをこの法案審議の際に一つ中身として私は将来残しておきたいと思いますので、もっと正確に大臣でも政務次官でもけっこうです、お答えいただきたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○政府委員(廣瀬正雄君) まことに両事業を思っての非常な御卓見だと思うのでございまして、将来御意見を十分参考といたしまして、事業の伸展をはかるように努力いたしたいと思っております。計画的に、年次的に考えてはどうかという御意見でございますので、さようなことも十分考慮いたしていきたいと思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それから、これはこの次の審議のために承わっておきたいと思いますが、一家族が二十五万円すでに加入している場合、これはどういうふうになりますか、改正法との関係は。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) お答え申し上げます。主たる契約者になります夫が二十五万円すでに入っておるというような場合、あるいは家族のだれかがすでに入っておるという場合には、この家族保険には入れないということになります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、ずっと以前に行われた少額整理とか、通称乗りかえとか呼んでおりましたね、そういうようなことはこれについてはありませんか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) この保険と従来の簡易保険の計算基礎と構成が全然違いますので、乗りかえというようなことは考えておりません。また少額をこれによって特に整理するというようなことも考えていないわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 考えていませんでなくて、法律的にそういうことがあり得ますか、あり得ませんか。

大塚茂郵政省簡易保険局長

○政府委員(大塚茂君) 結局、乗りかえといいましても、いわゆる法律的な意味でいいます契約変更によってこの保険にかわるというやり方は、法律的にできない建前になっております。ただ、俗に乗りかえと言っております、一方を解約してその金でこの保険に入るということは、これはもちろんできるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もうだいぶ時間も経過しておりますから、これで終りますが、さっきの資料にもう一つ追加してもらいたい。保険及び貯金、この改正案のためのどの程度の人員の要求をされたのか。それに対する査定、復活、確定、及び経費も同様です。諸経費の予算要求額、査定額、復活額、確定額、それと、簡易保険及び郵便貯金全体の定員の要求、それに対する査定、復活、確定、それと予算全体も、同様な趣旨において、できるだけ早く御提出をいただきたいと思う。  以上で私はきょうは終ります。

手島栄自由民主党

○委員長(手島栄君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日のところこの程度にとどめておきます。  これにて散会いたします。    午後五時三十二分散会

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