大蔵委員会 第26号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1959/04/08
会議録
○理事(山本米治君) ただいまから委員会を開きます。 委員の異動について御報告いたします。本日付をもって委員柴野和喜夫君、廣瀬久忠君が辞任され、その補欠として松平勇雄君、重宗雄三君が委員に選任されました。 —————————————
○理事(山本米治君) まず、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。 質疑のある方は御発言願います。 両法案に対する質疑は一応尽きたようでございますので、この際お諮りいたしますが、江藤君から委員長の手元にそれぞれ修正案が提出されておりますので、両修正案を議題とし、その趣旨説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 それでは、江藤君より修正案の趣旨説明を願います。
○江藤智君 私は、自由民主党を代表して、修正案を提出いたしたいと存じます。 両案に対する修正案は印刷に付してお手元に配付してございますので、朗読を省略いたしまして、速記録に記載することをお許し願いたいと存じます。 この修正案中、本質的な修正部分は税額の修正でありますから、この点についてまず御説明いたします。 揮発油税については、ここ数年来相次いで増税が行われ、ために、自動車運送業の実態は、現在におきましても、緊急を要する設備改善あるいは労働条件の改善等を考慮するならば、決して楽なものではなく、本増税案をそのまま実施することになりますと、その経営を困難に陥れ、あるいは運転手等の労働強化の原因ともなりかねないことは、過日の参考人の供述、あるいは昨年来本院運輸委員会の実態調査等によりましても明らかであります。また、中小企業等に及ぼす影響も軽視できません。よって、道路五カ年計画遂行に支障のない限りにおいて、増税額を引き下げるべきであると考えます。 この観点に立って、まず考慮されることは、一般財源からの繰り入れ額の点であります。大蔵省提出の参考資料によれば、政府原案五千五百円増税の場合、三十五年度以降一般会計より百六十七億円、すなわち一年平均約五十五億円を繰り入れるものと想定いたしております。これに対して修正案は、少くとも三十四年度の繰り入れ額、すなわち百億円程度は、三十五年度以降において毎年繰り入れるものと想定することにいたしたのであります。 次に、消費量の推定でありますが、これにつきましては、できるだけ政府原案を尊重いたしたのであります。ただ、現実にほとんど確定を見た三十三年度の実績を基礎といたしまして、若干の修正を加えました。この修正推定量と、前述の三十五年度以降三百億円の一般会計よりの繰り入れ想定を基礎とし、すでに決定を見ました二十四年度予算の税収八百二十一億円を確保するという建前から算出いたしました結果が、四千四百円となるのであります。 なお、審議の過程におきまして、政府原案の推定数量はこれを変更すべきでないとの意見もありましたので、これを検討いたしましたところ、この場合三十四年度予算面において若干の徴税不足を生じますが、次年度以降において十分調整可能の範囲内にあると考えられます。 以上のような観点から、四千四百円の修正案の決定を見た次第であります。その他の修正点は、四千四百円に修正することにより自動的に修正される点であり、また施行日の変更等でありますから、説明を省略いたします。
○理事(山本米治君) ただいまの江藤君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定に基き、内閣に対して意見を述べる機会を与えなければなりません。よって、ただいまの両修正案に対し、内閣の意見を聴取いたします。
○政府委員(佐野廣君) ただいまの修正案によりまして、揮発油税率の引き上げ額を圧縮する、こういうことになりますと、道路整備五カ年計画の財源に不足を生じまするので、同計画に対しまして変更を来たさなければならない点も出てくるわけでございまするので、必ずしも好ましいことではございません。しかしながら、本修正案の御趣旨が担税者の負担増を極力抑制するという御趣旨でございまするので、これにしいて反対をいたさないという所見でございます。
○理事(山本米治君) ただいまの修正案及び内閣の意見に対し、質疑のある方はこの際御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め、これより両案の原案並びに両修正案について討論に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、両案の原案並びに両修正案について、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○小酒井義男君 私は、日本社会党を代表して、今回の揮発油税法の一部改正を行なって大幅な増徴を行おうとする法律案に対して、反対の意見を述べます。 揮発油の税抜きの価格は約一万五千円でありまして、これに対して昭和三十二年以降一キロリッターに一万八千三百円というきわめて高率な課税がされておるのであります。この際に政府与党である自由民主党においては、揮発油税の増税を行うことの若干の必要性を認めると同時に、これと同額以上の金額というものを一般財源から支出をするべきであるという議決をしていることも、皆さん御承知の通りであります。しかし、その後、その議決というものは、一片のほごとして葬り去られて、これが今回再び五千五百円という大幅な増徴をはかってきたのでありまして、やはり公党の立場として、これは許すことのできぬ背信的な行為であるということもいえると思います。 ただいまの江藤委員の修正案によりまして、これが四千四百円に減額をされることになるといたしましても、さらに一キロリッターに対して二万二千七百円という高率がかかるのでありますから、これの消費者に対する影響はきわめて大きいものがあるということを言わなければならぬと思います。特に、最近の揮発油消費性向というものは、徐々に一般自家用車、特に業務用の運搬用に供せられるものや、あるいは農村における耕耘機等に使われる量が、年々その比率を増大をしておるのでありまして、委員会の質疑の際にも私が明らかにいたしましたように、昭和三十二年度のガソリン消費量の内容を検討いたしましても、自家用車等の乗用車に消費したものを除いて、一般業務用に使ったと思われる量は全体の五八%を上回っておるという数字が出ております。その後、傾向としては、小型車、三輪車等が非常に大きな数を増しておりますから、おそらく現在においては使用量の六割以上は一般中小商工業者あるいは農漁民の生業のために使われておるという推定ができるわけです。こういう点から考えていきますと、経済力の弱い中小商工業者や農漁民の過当な負担になることは明らかであります。私どもは、こういう実情を明らかにして、大幅な減額が行われることを主張してきたのでありますが、政府与党間においてはついにそういう点については何ら考慮を払うことなく、ほんの申しわけ的に一キロリッターに対して一千一百円の減額をするということで、今回の増徴を行おうとしておるのであります。 修正案の提案説明の中においても、五千五百円の増税が経営に与える影響あるいは労働条件に与える影響は深刻であるという事実を認めておられるのでありますが、それを認めながら、わずかばかりの減額でもってそれらの問題が解決をするということは考えられません。交通事故の非常に頻発しておる現状において、特にトラック輸送等における危険な輸送状況などを見ますと、労働条件の改善をしなければならない問題もずいぶんあります。こういう点から考えましても、きわめて一千一百円の減額ということではこれは微々たるものであって、そうした効果を上げることにはならぬと思います。また、一方経営の面からいいましても、これが運賃にはね上ってくる、あるいは物価に影響をするという懸念もまだ残されております。こういう点からきわめて不完全なものであります。また、道路使用の状況を考えてみましても、五カ年計画による道路の舗装は大体五カ年かかって全体の六〇%、しかも、地方負担が非常に多いので、赤字県が約十八県、あるいは赤字の市町村が非常に多い中で、この地方が負担に耐え得るであろうかということに対しても大きな疑点があります。 こういうふうにして見ますと、五カ年計画によって受益をし得るという面はきわめて少い。一部の国道であるとか、県道の主要幹線であるとかというような程度で、相変らず市町村道の利用者は非常に悪い道路の中で、作業を、経済活動を続けながら、しかもガリソン税の負担だけは公平に背負わされるという、きわめて不合理な結果が出てくるということも考えられます。こういう点からも、今回のガソリン税の増徴案はきわめて不当なものであると言うことができます。 また、政府は、昨年の衆議院選挙において、与党である自由民主党の七百億円減税というものが非常な国民の共感を呼んで、有利な選挙を行なったのでありますが、今回の予算を通じて、表面はいろいろな形の減税をしておりますが、裏面において増税をしておることは、このガソリン税、揮発油税の例をとってみても明らかでありまして、今申し上げておるような中小商工業者やあるいは農漁民に与える影響として、個人事業税を六十五億、法人中業税を二十億減税をしておいて、そうしてこの修正によりましても、四千四百円の増税は総体において百五十四億の増税になるのでありますが、この中の六割以上を、それらの自家用車使用者である個人事業税あるいは法人事業税等の納税者に転嫁されてくるということになりますと、減税額を上回るところの税負担がこれだけでも出てきます。さらに、その他の物価の上昇傾向等を考えてみますと、やはり減税というのはほんの表看板だけであって、結果的には前年以上の税負担が来るという結果になるのでありまして、こういう欺瞞的なやり方に対しては、わが党は断じてこれを承認することはできません。まあこれらの問題については、近く行われますところの地方選挙あるいは参議院の選挙を通じて、国民の厳粛な審判を受けると思いますから、私は、それらのことが強く国民に理解をされることがなければ、こうした悪税が次々と出されてくるという、こういう心配を持っております。 こういういろいろな観点から、きわめて今回のガソリン税増徴案というものは事宜を得ない、しかも過当なものを国民の負担において強行しようとするものでありますから、以上のような理由によって本案に反対の意見を表明いたします。
○天坊裕彦君 無所属クラブを代表いたしまして、私も本案に反対するものであります。 この原案の五千五百円の増徴にいたしましても、ただいま修正案として出されました四千四百円の案にいたしましても、つい三、四年前まで一万一千円の税金がその倍額の一万二千円をこすというような、倍以上の増徴になるわけでありまして、その三、四年で、一方では千億円減税、七百億減税というような恩恵を受けている反面に、こういう大きな増徴をするものでありまして、この税に関連する業者にとっては、まことに減税の看板は偽わりの看板であるという感を深くするもので、その人たちからいえば、大きな不満を残すものだと思うのであります。 政府は、その言いわけを、道路整備の強化ということが喫緊のことであるからということで逃げようといたしておりますが、道路整備の必要ということももちろん必要ではありますけれども、これが減税の看板と一緒に並んで大きな看板となっているときには、国民は、減税をして、しかも苦しい予算のやりくりで重点施策として道路の整備もやるんだというふうに解釈して、これを期待しておったんでありまして、それが増税による一番安易な方法で道路整備をやるということになれば、これはまたこの看板についても、非常に国民としては欺かれたという感じがするのは当然であろうと思うのであります。しかも、この道路整備のために必要な揮発油税が増徴できるという根拠は、ただいまも社会党の方から御説明があったことで尽きておりますけれども、その根拠になる点は、揮発油税が安いとか、あるいは受益が大きいとか、関連する人たの負担力があるとかいう点が言われておりますけれども、審議の過程でいろいろ論議されましたように、決してその根拠は十分なものとはいえないのであります。そしてこの増税によって中小企業者、あるいは運送業者といえどもこれは大部分は中小企業者なんでありますが、その負担は非常な大きなものになってくるといえるのでありまして、これは明らかに弱い者いじめと言わざるを得ないと思うのであります。そういう理由で、私は反対するものでありますが、なお、この際、この道路の整備が必要だということは認めますにしても、その財源を、揮発油税に主として財源を求めている建前からするならば、それの増徴以前の問題として、道路工事のやり方について十分反省をして、これを合理的に、効果的に、また計画的にやって、その利用する者に対してできるだけの便益を与える、そうした税によってそれがなされておるのだという、税を納める人の気持を、十分納得ができるようなやり方をやっていただきたいということを要望しておきたいと思います。以上でございます。
○森田義衞君 私は、揮発油税法の一部を改正する法律案並びにその修正案に対しまして、やむなく賛成の意を表するものであります。私は、道路の整備に関しましては、政府の一兆円の五カ年計画、こういった構想につきまして、非常な熱意をもって賛成をするのでございまするが、その財源の求め方につきまして、今回のごとき、与党ではございまするが、実際の利用者だけの収益から求めるといったような方法に対しましては、遺憾ながら賛意は表するのでありまするが、業者自体の経営の内容その他を見ますとき、非常な困難を予想される部面も大いに感ぜられるのであります。その点、今後の政府に善処を求めるものが相当多いのでありまするが、とにかく、こういったような一兆円の計画を立てたといったときにおきまして、私は、大きな土木事業、たとえば鉄道におきましては、建設線の財源でございますとか、あるいは大改良をやるといった場合におきまして、収益企業の国有鉄道だけではとうてい収益金から出せないのでありまして、その点は事業公債あるいは政府からの借入金と、こういったものでまかなわざるを得ない。あるいは、その他電源開発にいたしましても、電源の開発の会社の、何といいまするか、こういった電力会社の収益金からだけの、何といいまするか財源、いわゆるこの財源だけでは、とうてい財源支出はできない。そういった点からも、政府から多額の投融資が行われているのだ。将来においての大きなこういった資本の増加といったものを求めるとき、単なる、何といいまするか、交通企業者の収益からするところの税金といったことに、ガソリン税は私は当らぬと思うのです。こういったことで、こういった大建設ができるものではない。それに対しまして一千億程度の今年の予算でございまするが、そのうち、わずかに政府からは一割程度しか出していないといったこと、私ども、政府当局が財源難のことから、なかなか、一応は本年度に比べまして来年度は倍額程度のまあ一般会計からの金にはなっております。それでも、わずかに一割だといった程度でありまして、こういったやはり財源の求め方につきましては、いろいろと問題もございます。でありまするが、少くとも急速整備を今回道路についてはやろうといったときには、そういった別の部面に財源を求めるのが当然ではないかといった私の見解を持っているわけであります。やむなく今回の案に賛成するわけでございまするが、とにかく将来におきましては、ガソリン税の増額とかいったようなことではなくして、こういった大建設、大土木工事につきましては、国の将来の資産の増加でありますから、そういったものに対しては、政府が大幅に資金の投入をすることが必要ではないか。特に道路公団のごときは、何といいますか、やはり利用者から直接的な料金までとっておるといった面につきましては、その償却期間を考えれば、当然、ある意味においては、何といいますか、収支が合うわけであります。そういった点から見ましても、そういった大部分のものは、もちろん、ほかの財源から求めるべきである。また、一般の国道におきましても、今申し上げましたような、七カ年間において一級国道は改良、舗装、全部をやるといったような大構想のもとにおいては、政府がそういった態度をとるのが、公約を、何といいまするか、まじめに果す方法であって、私が再度申し上げましたように、業者の負担だけでやるといったような考え方につきましては、私は与党ではございますが、あえて反省を求めたいといった気持が強いのでございまして、そういった点は、私ども、十分と将来の政府の財源の求め方に関しまして、むしろ猛省を促したい。大蔵事務当局の、ただ財源がないといった言い分だけでは——財源があるわけでございまするが、それをどこに投入するか、どこの仕事にやるかといった面の配分について、私は、道路関係が全く、何といいまするか、虐遇を逆に受けておる。しかも、これは道路は国で当然作るべきものなんです。あるいは、公共団体その他が作るべきものであります。公益的なものであり、何といいまするか、収益事業ではないのであります。そういった面から申しましても、あくまでも、今後の財政方針に対しましては、猛省を促したい、こういった、何といいまするか、賛成討論なんでありますが、残念ながら、内容的には、何といいまするか、不満の意を含めた賛成でございますけれども、よろしく一つ、何といいますか、政府の今後の猛省を促しまして、私の討論を終ります。 —————————————
○理事(山本米治君) 委員の異動について御報告いたします。ただいま、委員鹿島守之助君が辞任され、その補欠として木内四郎君が委員に選任されました。 —————————————
○理事(山本米治君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。これより、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案の採決に入ります。まず、江藤君提出の両修正案を問題に供します。江藤君提出の両修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 多数でございます。よって、江藤君提出の両修正案は可決されました。次に、ただいま可決されました修正部分を除いた両家の原案全部を問題に供します。修正部分を除いた両案の原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 多数でございます。よって両案は、多数をもって修正すべきものと議決せられました。なお、諸般の手続等につきましては、前例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、物品税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は、順次、御発言を願います。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 別に御発言もなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。 なお、修正意見のある方は、討論中にこれをお述べ願います。
○杉山昌作君 私は、ただいま議題となっております物品税法の一部を改正する法律案につきまして、修正の上、賛成をいたしたいと存じます。 まず、修正案を申し上げますが、お手元に配付しておりまする物品税法の一部を改正する法律案に対する修正案、相当こまかくなっておりますが、朗読を省略して、書面でごらん願いたいと思います。 この修正の内容は、第一が、ゴルフ用具及び同部分品等についての点でございます。この点は、衆議院におきまして、これらの物品については小売課税にいたしまして、その税率を二割とすることというふうなことになっておりますが、実際のこれらの品物の売買取引の実情をうかがってみますると、小売課税に課税方式を変更することによって課税の適正化が行われるということが、必ずしも確定的ともいえない、若干疑問を持っておりまするし、さらに、こういたしまして税率を二割とするということは、三割ないし四割くらいの減税に実質的になって参りますので、今日の状況から考え、また今回の物品税改正全般の趣旨等から見まして、ゴルフ用具にそれだけの実質的な減税を行うということは必ずしも適当でないように思いますので、これをもとへ戻そうとする趣旨でございます。 それから、修正の第二は、付則を相当広範囲に、ごらんのように修正するわけでありますが、これは原案が、四月一日から施行し、中には五月一日から施行するものもあるという、二段のかまえになっておりましたが、すでに四月一日を過ぎた今日でありますので、すべての施行を五月一日からするということに改めたいと思います。その関係で、いろいろこまかいものですから、条文は非常にごてごてとしておりますけれども、趣旨は五月一日に施行日を改めることに基くものだけでございます。 以上修正をいたしまして、私は原案に賛成をいたしたいと存じます。
○平林剛君 私は、ただいま議題となりました物品税法の一部を改正する法律案に対し、社会党を代表して、反対の討論をいたしたいと思います。 反対の第一の理由は、現行物品税法は依然として戦時中における遺物であるという点であります。その内容におきましても、なお大衆課税的な性格を含み、国民生活に与える影響も少くありません。私ども社会党は、現行法の根本的性格を改めるために、物品税を廃止して、新たに奢侈品税を創設することが適当であると考えまして、今日まで政府に全面的な検討を要求して参ったのであります。しかるに、今回の改正案には、この国民的な要求を参酌した考えが含まれておらない。反対をする理由であります。 第二は、政府は、この改正案の基本的考え方を、各物品の消費の性質、担税力に応じて負担の均衡をはかるとともに、手工業その他零細な中小企業の製品で税負担の転換が困難な事情のあるものに減免の措置を講じたと説明をいたしておるのでありますが、内容をしさいに検討いたしますと、なお大理石、タイル、あるいは三十五ミリ撮影機、映写機等、その消費の性質から見まして疑問のある改正点がたくさん含まれておるのであります。これは反対の理由の第二であります。 第三には、今日この物品税法は、その課税品目については利害関係者が多く、製造業者あるいは販売業者、政府並びにその他関係者との結びつきをきわめて不明朗なものにしているという点であります。極言をすると、私は、この法律が今日存在をしているのはこのために存在をしているといってもいい現象が現われておりますことを、まことに遺憾と存ずるのであります。特に、物品税法の一部を改正する法律案をめぐりまして、ゴルフ、弾丸などの物品に対して免税措置あるいは軽減がはかられたことは、国民の多くから強い指弾を受けたことはまことに当然であろうと思います。本院はその良識におきまして、ただいま修正提案がありましたように、再び政府原案に戻すことができたのでありますが、この意味では私はその決断に対して、当然の行為ではありますけれども、敬意を表しておきたいと思います。しかし、なお、本法律案は課税の方式あるいは免税点などは法律によらない政令その他にゆだねられたものが多く、税の法定主義に反していることも、この際指摘をしておかなければならない反対理由であります。 また、政府のいわゆる七百億円減税の一環として物品税の減免措置をとられたかの擬装を施しておりますけれども、物品の種類によりましては、課税方式の変更によって、かえって税収が増加する仕組みになっているのであります。この結果一部物品においてはその価格の引き上げが予想せられまして、かりにそうなれば、国民生活に与える影響もまた無視することはできません。この矛盾を解決しようとすれば、大メーカーの下請工場たる中小企業者は、物品税の課税からは減免を受けたとしても、下請の仕事を失うという苦境に陥る結果になるか、あるいは政府改正案の犠牲に甘んずるかという実情になり、中小企業者にとっても賛成しがたい改正が含まれているのであります。この具体的条項として、第六条第四項があげられるのでありまして、衆議院の大蔵委員会はこの配慮のため付帯決議をつけました。また、私ども今日までの質疑応答によって、政府に対してはその適用範囲、実施の時期等につきまして慎重な配慮を要望いたしたのであります。しかし、なお、今後法律の実施に当っては遺憾のないよう配慮いたすべき問題が含まれていると考えるのであります。 以上、私は物品税法の一部を改正する法律案についての反対理由を述べた次第であります。しかし、本委員会は、改正法案に対する賛否の立場からの質疑とは別に、物品税法本法に対する根本的問題について検討を加えて参りました。その結果、政府の今後の物品税法をどのような角度で検討すべきかにつきましては、審議の段階においておよそその方向を明らかにしたことは注目すべきことであります。私は、これを促進するために、各派と合議した結論に基いて、物品税法の一部を改正する法律案に対して付帯決議を付したいと存じます。便宜、付帯決議を朗読いたします。 物品税法の一部を改正する法律案付帯決議案 物品税は、戦費調達の財源確保のため存置された沿革をもち、その性格もとかく明確でないばかりでなく、課税の施行に当っては、政令に委ねられるもの多く、明らかに租税法定主義の精神に反する者と思われる。また、課税物件間の税負担をみても、必ずしもその権衡がとれているものとは思われない。 よって、本委員会は、政府において、国民経済の綜合的見地に立って、物品税体系を再検討し、速かに根本的改正措置を講ずべきことを要望する。 右決議する。 以上であります。 右付帯決議につきましては、何とぞ満場一致賛成されるようお願いいたしまして、私の反対討論といたします。
○理事(山本米治君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより物品税法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、討論中にありました杉山君提出の修正案を問題に供します。杉山君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 多数でございます。よって、杉山君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた衆議院送付案全部を問題に供します。修正部分を除いた衆議院送付案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって修正すべきものと議決せられました。 次に、評論中に述べられました平林君提出の付帯決議案を議題といたします。 平林君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 全会一致であります。よって平林君提出の付帯決議案は、本委員会の決議とすることに決しました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、委員長に御一任願います。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は、順次、御発言願います。——別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等については、先例により、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(山本米治君) 速記をつけて。 午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 —————・————— 午後二時三十一分開会
○理事(山本米治君) ただいまから委員会を再開いたします。 まず、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府委員から補足説明を願います。
○政府委員(酒井俊彦君) ただいまの法律案につきまして、若干補足説明をいたします。 まず第一に、わが国の国際通貨基金と国際復興開発銀行に対する出資額につきまして、国際通貨基金におきましては、現行の二億五千万ドルから五億ドルに増額する。また、国際復興開発銀行、いわゆる世銀におきましては、現行の二億五千万ドルから六億六千六百万ドルへ追加出資をすることにいたしたのであります。これが第二条の改正でございます。 この点に関連いたしまして、今回の基金及び銀行の増資のいきさつ、内容等につきましては、すでに当委員会におきまして大臣からも御説明がありましたので、詳細のことを申し上げることは省略さしていただきますが、まず、基金の方につきましては、特にわが国は、カナダ及び西独とともに、その戦後の経済発展が著しいということが考慮いたされまして、一般普通は各国が五〇%の増額でございますが、これを一〇〇%増ということで、五億まで特別の増額が認められたのであります。これによりまして、基金からの外貨の買い入れ可能限度額は約二倍、すなわち二億五千万ドルまで買うことになり、また割当額の大きさによるわが国の順位は、従来は九位でございましたところ、この特別増額で第八位に上りました。投票権がそれだけ強化されます結果、理事会におけるわが国の発言力が相当強まることが期待されておるわけでございます。このわが国の増額分二億五千万ドル、すなわち円貨換算いたしますと約九百億円でございますが、これにつきましては、そのうち六千二百五十万ドル相当の円、すなわち二百二十五億円は金で、つまり四分の一は金で払い込むことになっております。一%に当ります九億円は円現金で払い込むことになっております。その残り六百六十六億円は、これは交付国債ということで払い込むことになっております。なお、この交付国債は無利子のものでございまして、現実にはわが国が外貨を買い入れる場合に初めて使われる性質のものでございます。 なお、総会による増額決議の採択は、総会が基金として加盟各国の割当額を増額するということを総会として意思を決定いたしたものでありまして、この割当額の増額を有効にするためには、さらに加盟各国がこの増額に同意する旨を通告をする必要がございまして、この同意を行う前に払い込みができるような法律及び予算措置等すべての国内措置を了するということが必要でございます。従いまして、この法案を今日提案いたしたわけであります。 次に、世界銀行の増資について申し上げますと、世銀の融資活動は近年ますます活発になって参りました。世銀といたしましては、貸付資金を調達いたしますために、世銀債の発行等による借り入れを今後ますます活発に行なっていく必要があると見られておるのであります。ところで、これらの借り入れにつきましては、各加盟国株式応募額のうちその八〇%に相当する未払込分がその世銀債発行の保証に充てられておりますので、増資及びそれに伴う応募額の増額によりまして、その保証限度額を増大いたしまして、これによって借り入れの促進を可能ならしめ、また世銀による投資をさらに拡大しようという趣旨でございます。なお、世銀につきましては、IMFの方と違いまして、一般的な出資は一〇〇%ということになっております。で、わが国はさっき申し上げましたように、六億六千六百万ドルと特別増額を認められましたので、その一億六千六百万ドルのうちの一%に当るものはドルで、九%に当るものは国債または円現金で出資をするということになっておるわけであります。世銀におきましても、これによりまして順位は九位から八位に上りまして、理事会におけるわが国の発言力はますます強化されることとなり、従来同銀行と密接な関係にあるわが国としては、まことに好ましいことと考えております。 わが国の世銀の増額分四億一千六百万ドルのうち、実際に払い込みを要しますのは、さっき申し上げましたように、一億六千六百万ドルのうち、倍額以上の超過分について一%がドルで、残りが国債で払い込みをいたしております。従って、これを円に直しますと、円現金の方が十億五千三百七十八万四千円、それからあとの国債の出資につきましては、四十三億二千四百六十一万六千円というものが交付国債で払い込まれるわけであります。第二に、以上の追加出資をいたしますために、所要財源といたしまして約二百五十億円というものが必要であります。この調達方法等につきまして、付則第二項ないし第五項に所要の規定を設けております。この規定の骨子といたしますところは、まず大蔵大臣が指定する日において、この法律施行の日現在で日本銀行の所有に属しておるということがはっきりしておるものとして大蔵大臣が認定いたしました金地金のうち、大蔵大臣が指定するもの、つまり約六十二トン、日銀のものであるというふうにきめられたもののうちこれは六十二トンでございますが、これを金管理法第四条の規定に基く価格、すなわち国際通貨基金に登録されております一グラム四百五円という形で日本銀行に再評価させまして、その再評価いたしました金額と帳簿価格、これは現在一グラム三円四十五銭と記帳されておりますが、その差額に相当する金額を全額国庫に納付するものといたしまして、政府はこの納付された金額を基金及び銀行に対する追加出資及びこれに伴う経費の財源に充てることとした次第でございます。追加出資の財源を日本銀行の金評価益に求めましたのは、今回の出資の目的、金評価益の使途等種々の観点から見まして、この方法が最も適当であると考えたからであります。 なお、この日本銀行から国庫に納付されまする金額は、付則第三項の後段におきまして、日本銀行法第三十九条に規定する剰余金には含まれないということになりますので、一般の国庫納付金とは別途に、特別の納付金として全額を国庫に納付されるということにいたしております。従いまして、一般の日銀納付金を納付する場合のように、配当とか内部留保というようなものを行うことなく、またこの納付金額については、付則の第五項によりまして、法人税、事業税の課税所得の計算上は損金に算入されてしまう、つまり課税しないということになっております。 第三に、昭和二十七年のわが国のIMF及び世銀加盟当時の出資におきまして、政府は、基金に対して出資する金の一部に充てるために、日本銀行から当時の帳簿価額一グラム三円四十五銭で日本銀行の所有する金地金約十五・五トンを買い上げたのでございますが、その際、この実際上の買い上げ価額とその金地金を当時の金管理法第六条の規定による価格、すなわち一グラム四百一円でございましたが、この場合に四百一円で評価したものとの差額、大体六十億円ぐらいになりますが、この額は現行法の第四条第二項につきまして、別に法律をもって定めるところによって処理するものと規定されておりました。そこで、この機会に、その差額につきましても同時に処理をいたしますことが適当と考えられましたので、改正法の付則第六項及び第七項に所要の規定を設け、さらに、今申し上げましたように、本則の方の四条は必要でなくなりましたので、これを削除いたしております。 すなわち、当時、日本銀行は政府の命令によって政府に金地金を売り渡した際に、実際には一グラム三円四十五銭で売り渡しを行なったのでありますが、それですでに実際の売買は完了しておったのでございますが、これを観念上、旧金管理法第六条に規定する価格、すなわち一グラム四百一円で売り渡しを行なったものとみなして、このようにみなす場合に生ずべき現行法の第四条第二項の差額に相当する日本銀行の益金相当額が、実質的に見まして今回の再評価益と同様の性質のものであるということができますので、その売り渡しが行われましたときにおいて今回の再評価益の国庫納付金に準じまして国庫に納付すべきものとして、そういうふうにみなして処理いたしました。従いまして、現行法の第四条の第二項にいう処理の一切は完了したものというふうに、この法律が成立いたしますればそうなるわけであります。なお、これはすべて観念上の操作による処理でございまして、政府の歳入歳出予算あるいは日本銀行の帳簿上の損益というようなことには何ら変更がないことは申すまでもございません。 最後に、わが国が国際通貨基金から外貨の買い入れを行います場合に、従来は対価として円現金を払っておったのでございますが、これにつきましては、従来はそういたしますと、もしIMFから外貨を買い入れまする場合に、現金を調達いたしまするために、たとえば外為特別会計が外為証券を発行するということが必要になって参りますので、そういう措置をとらないで、その場合には現金にかえて国債でとっていただくということにいたしました。これは各国とも、英、仏、オランダ等もそういう措置をとっておりました。IMFでもそれを認めておりますので、さようなことにいたしたわけであります。改正法の第十二条以下の本則の規定がこれでございます。すなわち、国際通貨基金に無利子、譲渡不能の交付国債を払い込んでおきまして、外貨を買い入れるという場合に、その場合に交付国債が出せるという根拠を設けまして、発行限度、償還、買い戻し、償却等に関する規定を置いて、同時に、その他の点は出資の国債に関する諸規定をおおむね準用するということにいたしております。 以上補足をいたしましたのでありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようにお願いいたします。
○理事(山本米治君) 質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
○平林剛君 大体、この法律の補足説明をきょうして、すみやかに審議もへちまもありはしないのだよ、僕に言わせると。たくさんこれは質問があるし、慎重に検討しなければならぬ法律だと私は思いますが、御承知のように、国会も自然休会に入る。しかし、また月末にはいずれ応機の機会もあるわけでありますが、いずれにしても、五月二日で終る。本法案は今度の国会で成立をさせなければならぬという何か緊急性があるかどうか、その緊急性について一つ政府の説明をお願いしたい。
○政府委員(酒井俊彦君) IMF及び世銀の増資につきましては、先般大蔵大臣からも一般の御質疑にこたえましてお答え申した通りでありまして、実は、一昨年米わが国は増資を主張していたのでございます。昨年のニューデリー総会におきましても、当然その増資を進んで主張し、かつまた、日本については、カナダ、ドイツと同じように、特別増額ということをしてくれるように強く要望し、それが実現したわけでございます。そこで、やはり国際的なそういう日本の今までのIMF世銀に対する態度からいたしますならば、できるだけ早く日本が出資できる体制に持っていく、そういうことが確定するということは、各加盟国に対して非常に影響と申しますか、そういう加盟国に対してよき影響を与えるということか一点でございます。 それから、この法案につきましては、実はさっき申し上げましたように、日本銀行の持っております金のうち、六十二トンを再評価してそれを出資に允てるわけでございます。この再評価の手続といたしまして、接収貴金属の処理法案、これが今回成立したわけでありますが、この法律によりまして審議会を開いて、そうしてそこで審議をして、日銀の特定分であるということを決定していただきまして、それから再評価をして益金を納付するという手続が要ります。そういう関係で非常に急ぎまして、これとうらはらをなしますと申しますか、これに関連する三十四年度予算補正第一号も、大体本日当院の予算委員会において御可決願いましたのでございますから、これと一緒にやはり通していただくということが、国内的に見ても国際的に見ても必要であるという意味で、非常に急いでおるわけでございます。
○平林剛君 厳格にいえば、接収貴金属の処理に関する法律案は、きのう本会議で成立したばかりです。これからいろいろな作業を進めていって、その中で日銀の所有分であるかどうかいろいろ調べて、初めて日銀に返還をされる。まだそれは法律の執行が進んでいないのだから、未確定なんだ。それが確定してからこの法律案が通っても——順序としてはそういう順序でいかなければならぬのじゃないですか。法律の執行がまだ完結をしないために、日銀の所有というふうになったわけではないので、いきなりこれはもう日銀の所有のものだということにして、評価がえをしてその差益を財源に充てる、現実の問題としては常識的に見ればそうだけれども、厳格にいえば順序がどうも、どこか違っているのじゃないか、私はそう思うのです。もう一つ、世界銀行や国際通貨基金、ここの出資は九月ないし十月ですね、実際のそういう期限というものは。まだゆっくり審議してもいいのじゃないかと私は思うのですけれども、それでもまだそういう点の疑問は解いてもらわないと、あなたの方の緊急性を認めるわけにはいかない。
○政府委員(酒井俊彦君) 日銀の金は、いずれにしても、日銀の所有であることがはっきりしておるものを六十二トンつかまえたわけでありまして、接収貴金属というのは、所有権を変更しようというのではなくて、その所有権が正しい所有権者のものであるかどうか、そのものが。これを確定する分でありまして、実はここに六十二トンと申しておりますのは、大体日銀が政府に代理して保管しております接収貴金属のうち、いわゆる定型金塊といったもので、これは一々刻印が打ってありまし、日銀の帳簿と突き合せまして、今からでもこれは日銀の所有であることがまず明らかだというものでございまして、これは政府として当然所有権者は日銀にあるということが認定できるものでございます。 それで、世銀については九月一日まで、それからIMFについては九月十五日までに、こちらが出資に対して同意を与える手続をとらなくてはなりませんが、その前に一切の国内措置を済ましてしまう必要がある。そういたしますと、接収貴金属の審議会等にかけ、資料を整えて、少くとも七月中にはぜひ全部の準備が終了するということは必要でございます。やはり手続として、これから接収貴金属の審議会を作り、それにかけるという手続がございますし、それからまあさっき申しました国際的な関係というようなことから、これは一日も早いことを願ってやまないということでございます。
○平林剛君 日銀の金地金の所有は、刻印を押してあって、今でも認定できると。そういうものであるかもしれないが、法律上はまだ認定していないのでしょう。
○政府委員(酒井俊彦君) 法律上の認定は、この法案によりまして、本法施行の日に持っておるものとして大蔵大臣が認定する金地金のうち大蔵大臣が指定するものを大蔵大臣が指定した日の現在で再評価することになっておりまして、いずれにいたしましても、六十二トンというものは、帳簿と現物を突き合って、これは確実であるということで財源にいたしたものであります。法律的に申しますれば、まあ妥当か不当かという問題かと思いますが、接収貴金属の処理法案が通っておりますから、従って、その手続というものが妥当であろうということで、あの手続を前提として考えた次第でございます。
○平林剛君 もう一つ、こういう国際通貨基金あるいは国際復興開発銀行、まあ増資させるということは、今のお話で、日本側において特に強調し、これが実現をしたものだと。大蔵大臣にもこの話を聞きましたけれども、一体何を目的にしてこういう運動を積極的におやりになったのか、また何か具体的なプランがあって、積極的に増資がされるような運動をしたのか、またその運動はどういう根拠に基いてやったのかという点が、私は疑問なんです。その点はいかがですか。
○政府委員(酒井俊彦君) これは、一昨年、一萬田大蔵大臣の際に持ち出した問題でございますが、現在の世界の経済を見ておりますと、いずれも、何と申しますか、国際的な通貨の流動性ということが非常に問題になっておりまして、各国とも短期の外貨資金が足りない。そういう場合に、足りないからといってすぐに貿易を縮めたり、あるいは余ったからといって広げたりということではいけませんで、やはり確実に世界経済を成長さしてゆくためには、それだけの流動性のある通貨が十分に供給されるということが必要でございます。世界経済の発展のためにそういうことは必要だ。特にそういう意味で、IMFにつきましてはこの増額を主張したわけでございます。また、世界銀行につきましては、これは御承知のように、大体において後進国の開発が中心でございます。今日世界各国で後進国に対する開発というのは、政治的にも経済的にも、非常に緊急のことになってきておりますが、その主たる役割を持つ世銀の資金が枯渇してくる、そうしてそういう資金面から世界経済全体の発展に寄与するような後進国開発のような資金が与えられないということでは困るので、やはり大きく世界の貿易、経済を伸ばすという意味において、基金及び銀行の増資を主張して参ったわけであります。 また、わが国といたしましては、実は二十七年に加盟されましたときに、まだ戦後回復間もないときでございましたし、日本の地位も低くなっておったんでございますが、経済的に見ますと、今日は相当の地位まで行っておるので、これに平仄を合せていただく、つまりつり合いをとって特別増額をしていただくということがいいんじゃないかということで、昨年佐藤大蔵大臣がニューデリーにおいていろいろお話しになりました結果、かようなことになったわけでございます。
○平林剛君 一萬田さんが何と言おうと、佐藤大蔵大臣がニューデリーで何をしゃべろうと、そんなことを私は聞いているんじゃないんですよ。問題は、今御説明があったように、世界経済の発展のためとか、あるいは後進国の開発だとか、うたい文句としてはなかなかりっぱなものだけれども、日本経済のこともきちんとできないで、そちらの方のことについてどうのこうの、また世界の中で国際的地位が高まるというようなことだけでは、どうも国民の現在の感じとしては、ぴんと来ないものがある。こういう活動とこういう方向に向うことによって、日本国民は一体どんなふうに利益を得るのか。わが国の政府の大臣がどっかでしゃべってきた、あるいはその人が動いたということだけで、法律案が成立するなんということは、私ら承知できない。これが日本国民の経済あるいは生活にどういう影響をもたらすのか、そういう点をもっとはっきりしてもらわないと困る。
○政府委員(酒井俊彦君) ただいま、一萬田大臣あるいは佐藤大臣がそういうお話をしたということは、これは事実でございますが、世銀なりあるいはIMFが増資に踏み切ったのも、同じような意味において、やはりもう少し国際的な発展のために必要な外貨を調達する能力をつけようということで、各国が一致してこれを支持したわけです。 日本にとりましてどういう影響があるかということでございますが、IMFの出資につきましては、これは先ほどもちょっとくどいように御説明申し上げましたが、実は五億ドルにいたしますと、その半額までは日本経済におきまして貿易収支が逆調になったときに、簡単に円による外貨の買い戻し、平たくいえば貸してくれるわけであります。従いまして、これは第二線準備といたしまして現実に払い込む金は一億二千五百万ドルでございますが、何かそういう際には二億五千万までは必ず貸してくれる、ここに保証があるわけでございまして、私ども日本経済は割合に国際経済の波に影響されることがある、だんだんそういうことでないように政策をもっていきたいと思いますけれども、そういうような万一の場合におきましては二億五千万ドルというようなものは簡単に貸してくれる、つまり外貨準備としての第二線準備になるということで、これは非常に意味があると思います。世銀につきましては、これは申すまでもないことでありますが、日本がこれから輸出を伸ばします場合に、後進国自体に対する貿易が相当考えられるわけであります。しかしながら、この後進国は現在なかなか外貨の余裕もございませんし、それから生産水準も低い、要するに、これから後進国を相手に貿易を考えます場合に、やはりその後進国自体の国民所得の水準なり、あるいは生産指数の上昇なり、着実に後進国自体がよくならなければ購買力がつかないというところがございます。そういう意味で世銀もやはり開発に踏み切ったのでありますが、私どもといたしまして、そういう御要求に対して日本独力でもっていろいろな国に貸すという力はございません。世銀がそういう資金を作りまして大いに低開発地域を開発してくれるということによって日本経済、つまり貿易も非常に好影響を受けるということでわれわれは出資をしておるわけでございます。
○平林剛君 IMFの出資をすることは、平たい言葉でいえば、わが国が万一の場合にここから金を借りることができる——何に金を使うつもりなのか。具体的な計画があって、その思惑に基いてIMFの出資を提唱し、実現をさせたのかどうか。万一の場合ということで、計画がないのか。それとも、さしあたって何か政府として考えがあって、そうして出資をされたのかどうか。この点は明らかでない。これが一つと、それからもう一つは、世銀ですね、この出資については、今お話のように、後進国を開発するためにそこらの国の経済状況から考えて大いに世銀に働いてもらわにやならぬじゃないか、こういうお考えでそこがこの金を借りていろいろな経済活動をすることによって基盤が強化されれば、わが国との貿易がだんだんよくなる。三段論法でいくとそういうことになる。しかし、問題は後進国と目されている国々が世銀からの借款を希望しておるのかどうか。私まだ——先般は東南アジアを視察をしてきましたけれども、積極的にこの国が世銀から借款をしているというような状態に今なっているのか、具体的にどういう動きを示しているか。これは第二の問題として説明をしていただきたい。
○政府委員(酒井俊彦君) 第一のIMFの増資の場合でございますが、これは要するに、さっき申しましたように、国際的な流動性を増すことによってますます各国間の経済交流を盛んにする、これが世界経済向上の一つの柱であると同時に、日本といたしましても、場合によっては——そういうことはないことを希望いたしますが、二億五千万までは借りられるという、そこに外貨のバッフアーとでも申しますか、日銀や為替会計で持っております金以外に第二線準備としてそういうものを持っておれば安心であるという意味がございまして、これを払い込んだから、いつごろその場合は借りるとか、そういうことはございません。なるべく政府といたしましては、国際収支を均衡させるようにしてIMFの御厄介にならないようにしたいと思いますが、しかし、万一の場合にはそういう裏づけもある。そうしてそれが世界各国に対して非常にいい影響を与えるということでありますから、われわれとしては賛成したつけでございます。 それから世銀がしからば東南アジアに貸しておるかどうかということでございますが、これは相当貸しております。たとえばアジアにつきまして申し上げますと、五十八年の十二月末の世銀の貸付の累計は四十二億五千万ドルでありましたが、そのうちアジアが十二億二千五百万ドルというものを占めております。これは前々申し上げたと思いますが、日本が円で出資いたしました当初の出資額四千五百万もすでに世銀に全額解除を要求いたしまして、その中からインドの国鉄でありますとか、パキスタンでありますとか、東南アジア方面に相当金が出ておる。タイでありますとか、現実に出ております。相当金を使っておるということが数字によってわかると思います。
○平林剛君 ただいまの御答弁はどうも明快でない。政府の方は具体的な計画はない、現在そういう計画がないというふうに理解してよろしいのですか。
○政府委員(酒井俊彦君) IMFにつきましては、これを出資したからといってすぐ借り入れるという計画はただいま持っておりません。
○平林剛君 私の聞いたのは、世銀の方を増資をすることによって、先ほどのような目的に活用されるだろうと言うが、具体的にどうかということなんです。あなたのお話は、五十八年十二月末現在でアジアの国におきまして十二億何千万ドルと、こう言いましたが、今の数字は日本も含めてでしょう、日本も後進国の中に含めたのですか。
○政府委員(酒井俊彦君) 日本の場合は後進国とは申されませんけれども、しかし、日本経済といたしましては、国内の蓄積資金だけではまかなえないものが相当ございますし、かといって、そういう経済の成長テンポを落したくないということで、世銀の了解も得まして、ただいままでそのうち二億五千万くらい日本は借りております。
○平林剛君 現在まで借りておるのはわかったのです。先ほどあげたのも、一九五八年十二月末現在ですでに借款を受け入れた国並びに数字なんです。今後これをやることによって、お話のように東南アジアの方は借款を希望されておるのかどうか。どうも私の持っておる資料では、タイ、パキスタンくらいのもので、あなたのお話で準後進国として日本を入れれば別ですけれども、日本は除外して、東南アジア諸国で具体的に現在借款を受け入れようと希望しておる動きはどうなのかということは答えてもらいたい。
○政府委員(酒井俊彦君) 日本を除きまして、今、平林委員はタイ、パキスタン等をおあげになりましたが、そのほかインドに対しましてもかなりの額を世銀は借款を与えております。それから各国ともやはり後進国では開発計画を急いでおりますので、世銀に対しかなりの期待を持って、今後も世銀借款をしたいという希望があるように見られます。
○平林剛君 さっきは、IMFの増資に関連をして、わが国が金を借りる具体的な計画があるかと尋ねましたところが、これについては、目下ないというお答えでありました。世銀の方の出資による見返りとして、何か、わが国として今後これを借りたいというような具体的な計画があるんですか。
○政府委員(酒井俊彦君) 世銀の出資の見返りとしてこういうふうに借りたいという計画はございません。しかしながら、御承知のように、先般電発に対して一千万の借款が与えられましたし、今後におきましても、鉄鋼業でございますとか、あるいは道路公団が借りたい、あるいはまた、国鉄新線に貸してもらいたいという希望がございます。どれだけの額が実現いたしますか、これは世銀とこれから折衝してみなくてはならぬのでありますが、世銀の方としても、相当の額を日本に貸すということについては、それほど異議はないようであります。具体的にどういうプロジェクトを取り上げるか、そして、それがあまり膨大な額にならぬ限り、世銀としてはその用意があるということを言っておりますけれども、これは別に今回の出資と関係はございませんし、見返りで借りるというものではございません。
○平林剛君 もう少しその点を聞いておきたいのであります。現在、代表的なものは鉄鋼業、道路公団、国鉄新線という例があげられましたけれども、そのほかにも、世銀借款によってわが国で事業を興したい、仕事をしたいという希望は、どのぐらい来ておるのです。そしてまた、この法律案の成否に関係がございますけれども、いつごろそういう具体的な話し合いが進められる計画になっていますか。
○政府委員(酒井俊彦君) 現在のところ、世銀に借款希望を述べてアプローチをいたしておりますのは、電力関係、これは約二千二百万ドルぐらい希望しております。それから鉄鋼関係、これが四千万ドル、道路関係が約一億ドルというようなことをいわれております。これはもちろん、精細に詰めますならば、この数字は違ってくると思いますが、大体一億四、五千万ドルという程度の希望をいたしております。ただ、これは希望があるということは表明してございまして、世銀も好意的でございますが、いつごろ幾らこちらは借りられるかということは、これからの交渉のことでございますので、今はっきり、その点を何月何日ぐらいに開くというようには申し上げられません。
○平林剛君 問題は、最近の傾向として、世銀、あるいは、現在は計画がなくても国際通貨基金等からも金を借りる、それによって日本経済の成長をはかるという考え方が漸次強くなって参りまして、これに関する法律案もときどき政府から出されてきておるわけであります。従来、この外資の問題については、大へんわが国の議会においてもやかましい議論がありましたが、このごろはちょっと影をひそめた形になっている。しかし、これを慎重に検討いたしますと、なお問題をはらんでいるのではないかという感じがするわけであります。つまり日本経済が受け入れることのできる外資あるいは借款というものの限界ですね、あまりこれを借り過ぎても、かえって日本経済にマイナスを来たすことになる。有効に使われればこれが得だという考えはわかりますけれども、なかなか、世銀あるいは国際通貨基金というのは、日本の意思だけで動くんでなく、もっと強力な国際的な資本というものが背景にある、はっきりいえば、アメリカのウォール街の考え方も多分に含まれておるわけであります。いわば日本はその片足をかついでおるということにしかすぎない。多少は日本も利益をするところがあるでしょう。しかし、やはりこの世銀並びに国際通貨基金の中心であるアメリカ経済というものとの関連で、日本の今後ということは、十分慎重な検討をした後に、これらの問題を考えていかなければならぬ、私はそう見ておるのであります。政府においても、もちろん慎重な検討がされておると思いますけれども、場当り式に、何でもかんでも借りて仕事をすればいいのだというような考え方でいかれ、しかも、それが、直接国民の生活とは関係がないといえば言えるくらいのものですね。間接的にあるかもしれませんが、すべて大きな基幹産業を重点にいろいろな借款を受けるということになると、また、その点でも問題があるのではないか。日本経済の受け入れることのできる外貨借款の限界というものについて、政府はどんな考えを持っておられるか、これは一つ、ゆっくり根本的な考え方があったら聞かしていただきたい。
○政府委員(酒井俊彦君) 前段の、日本の外貨の受け入れ限度というようなことでございますが、これは確かに、おっしゃったように、何でも借りればよろしいというものではございません。借款というのは、もう将来必ず返済期には返さなくちゃならないものでありまして、日本としては、戦前から外貨債務について一度もレボルトしないということでやってきておりますので、もちろん、あまり過大な負担を将来にかけてはいけないわけであります。ただ、しかしながら、こういう借入金によって経済を大きくする、その結果、また国民経済が一回り大きくなるということによりまして、国際収支がさらに借金の返済能力を持ってくるという点も考えられます。また、特定の大企業に借りるんじゃないかというお話に対しまして、これは日本で借りておりますものは、今までのところはそういうものでございますが、こういうことによりまして企業活動が活発になり、その結果、国民所得が上ってくる、生産性も上り、国民所得もふえるということで、日本経済全体にとりましては、やはり所得水準を非常に上げて、経済を安定しながら成長さしていくという一つの役目をするのだと思います。さような意味から、借款をすることは、国民には何にも影響がないというものではなくて、やはり雇用の問題、そういった問題の解決に資するのだというふうに考えられます。しからば、その限度は、具体的の金額は幾らかということを言えというお話しになりますと、これはそのときどきによって違います。まあ年々二億ぐらいまでの借款の返済ならいいとか、いや、三億まではいいとかいうことは、将来の発展度合い、それから国際収支いかんによります返済能力の問題でありまして、一がいに、このくらいということは申し上げられませんし、また、今日このくらいと思っても、経済が発展して参りますと、さらにそういう余力もついてくるということであります。いずれにいたしましても、おっしゃるように、借りるだけ得だという、目先だけでそういうような外資受け入れ態勢をとっておるわけではございませんし、そういうことは私どもとして厳重に慎しんで考えておる次第でございます。
○平林剛君 いずれにしても、この法律は、使い方、今後の活用の仕方によって結論が違ってくるでありましょうけれども、議会は政府に対して、国民の将来の負担というものを白紙委任状を渡してしまうと同じことになるんですね。つまり、外国から金を借りる、これは世銀だろうと、国際通貨基金だろうと同じことで、将来の日本国民の負担になってくることにおいては変りはないわけですね。しかも、その金を借りるという計画については、われわれが別に審議をする機会というものがない。特別な場合は別ですよ。しかし、民間産業等の借款等においては、なかなかわれわれが審議をする機会もない。いい計画で成功し、そして日本経済の成長に役立つ場合は、日本国民全般に対してよい影響を与えるでしょう。しかし、その計画が目先のものにとらわれて、何でも借りればいいんだということで、ずさんな計画で結果的に失敗をした場合には、残るのは日本国民の負担というだけに相なるわけです。そういう意味では、私はこの借款あるいは外資を受け入れる場合の審議の仕方について、従来通り政府だけでやるというようなことはどうかなという感じがしておるのであります。国会においてもこれを十分審議をして、将来国民の重大な負担にならぬような配慮を絶えずしていかなければならぬ。しかるに、われわれはその責任を果せない。いわば白紙委任状で二億五千万ドルの範囲においてIMFから金を借りることができる、世銀からも金を借りることができる、その全権を政府に委任してしまうということになってしまって、なかなか不安にたえない。特に日本経済と外資とのことをいろいろ分析をいたしますと、そういう点になお私は疑念が残るのであります。そういう問題について、われわれにどういう安心を与えてくれるかということが私の問題なんです。
○政府委員(酒井俊彦君) ただいまのお話でございますが、世銀の借款につきましては、大体国が保証いたしますので、それは予算総則等におきまして出て参ります。従いまして、これは国会に御相談の上できめる。政府保証をどれだけつけるかということを通じまして、計画自体は御審議を願うわけであります。それからまた外債、日本の国債を出します場合には、これは当然予算、法律を要します。そういう点で、やはり国会の御審議を受けるわけでございます。従いまして、政府だけで簡単に大きな借款をして、後代に負担を残すというようなことではございません。政府といたしましても、その点は十分考えておりますから、後代になって払えないような、そういう過重な負担というものはもちろん避けるつもりでおります。今、事実問題として国会の御審議を受けるということになっておりますので、その点は御了承いただきたいと思います。 なお、先ほど世銀、IMFがウォール街とつながっているというお話でございましたが、御承知のように、これはIMFにいたしましても、世銀にいたしましても、全然アメリカのものではございません。世界各国共通の国際的機関でございまして、そこのいわゆる重役、理事連は各国から出ておりますので、そういうアメリカの金融情勢につながって云々というような機関ではございませんので、この際ちょっと補足さしていただきたいと思います。
○平林剛君 まあその点は、私はあなたと見解を少し異にします。議論をすれば議論もしなければならぬが、まあいきなり補足説明されて、いきなり質問を始めたので、ちょっと休憩をして、次の質問点を検討するから、私は質問を保留して、次の人にお願いします。
○理事(山本米治君) 他に質問のある方はどうぞ御質問願います。 では、本法律案の質疑はあと回しにいたします。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、政府委員から補足説明を求めます。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○理事(山本米治君) 速記を始めて下さい。 では、ただいまの法律案も暫時預かることにいたします。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を議題といたし、政府委員から補足説明を願います。
○政府委員(石田正君) 日本輸出入銀行の昭和三十四年度におきまする計画でございますが、大体八百億円の融資を予定いたしております。これはわれわれが一般案件と申しますところの延べ払い、輸出入投資等につきましては、四百九十五億円を予定いたしております。それから賠償関係の金融といたしまして二十五億円、特殊案件といたしまして二百八十億円、これは実際の実施に当りまして、それぞれ多少入りくりがあろうかと思うのでありますが、そういう推定のもとに八百億円という融資計画を立てておるわけでございます。これに対しまして、輸出入銀行が既往の貸出から回収いたしますところの金は四百四十億円を予定いたしております。その残りの三百六十億円につきましては、政府機関からの借入金といたしまして二百九十億円、それから産業投資特別会計からの出資七十億円を予定いたしまして、これによりまして八百億円の予定いたしました融資を滞りなく行うようにいたしたいと思っておるわけでございます。ここに提出されておりまするところの日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案は、右の七十億円の政府出資に関係いたしまして、現在の資本金三百八十八億円を、その額だけ増資いたしたい、かような意味におきましてこの法律案を提出いたしまして御審議をお願いいたしておる次第でございます。
○理事(山本米治君) ただいまの法律案に対する質疑は留保しておきます。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、政府委員の補足説明を求めます。
○政府委員(小熊孝次君) ただいま議題となりました賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の補足説明を申し上げます。 賠償等特殊債務処理特別会計の処理対象でございますところの賠償等特殊債務の範囲は、現行法によりまして、連合国に対するところの賠償、それから連合国財産の補償その他の対外特殊債務でございますが、カンボディアに対しまするところの無償の経済援助は、ラオスにおきますと同様に、同国がわが国に対しまして有しておりましたところの賠償請求権を放棄したことを考慮して行われる措置でございまして、賠償請求権の放棄がかりに行われなかったならば、この特別会計におきまして、賠償あるいは対外特殊債務として処理の対象となったものでございますから、賠償あるいは対外特殊債務との関連におきまして、この特別会計で処理するということが、戦争債務全般につきましてこの会計で処理するという趣旨から申しまして、最も妥当な措置である、このように考えましてこの法律案が提出されたわけでございます。 さらにカンボディアの経済援助に関しますところの経費の支出の方法、これにつきましても、従来の賠償と同じようなやり方によってやることになっておりますので、そういう意味でも、 本会計で処理することが妥当であろうと考えた次第でございます。 なお、日本国とカンボディアとの間の経済及び技術協力協定につきましては、昭和三十四年の三月二日にカンボディアの首都のプノンペンにおきまして署名が行われました。別途今国会に提出いたしまして、去る三月二十七日にその協定は成立しておるところでございます。その具体的な内容は、日本国の生産物並びに日本国の国民及び法人の役務の供与からなるところの総額十五億円の援助を三カ年にわたって行う、こういうことになっておりまして、具体的な事業内容といたしまして は、農産技術センター、それから種畜場の建設及び運営を予定しておるわけでございます。 以上がこの法律案を提案いたしましたところの理由及びその内容の補足説明でございます。
○理事(山本米治君) 本法案に対する質疑はあと回しにいたします。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案を議題とし、政府委員より補足説明を求めます。
○政府委員(賀屋正雄君) 連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案の提案理由とその内容につきまして、補足的な御説明を申し上げたいと存じます。 戦時中、アメリカ、イギリス、オランダといったような敵国民の財産は、敵産管理法によりまして、いわゆる敵産管理に付されました。ところが、その大部分は、政府の命令によりまして、日本人に売却処分されたのでございます。ところが、不幸戦争に敗れまして、戦後連合国最高司令官の指令によりまして、このような財産はすべて連合国財産として、もとの所有者である連合国人に返還させられることと相なったのでございます。この返還措置についての国内法の根拠でございますが、これは三つの政令があるのでございまして、第一は、連合国財産の返還等に関する政令、第二が、連合国財産である株式の回復に関する政令」、第三が、連合国財産上の家屋等の譲渡等に関する政令、以上三つの政令を定めまして、これによりまして返還あるいは回復の事務を実施して参ったのでございます。平和条約の発効後も、これらの三つの政令は、法律として存続しておりまして、引き続き条約上の義務として返還を行なって参つたのでございます。その結果、現在におきましては、国際紛争案件として残っております二件を除きまして、全部返還を完了いたしております。 このような連合国財産の返還に伴いまして、これを返還した時の所有者等につきましては、政府は、戦時中そういう方々が敵産管理人からお買いになったときに払われました金額に相当する額は支払ったのでございますが、これだけでは、当時の経済事情にかんがみますれば、返還者等がこうむった損失が十分に補償されておるというわけには参らないのでございます。そのために、先ほど申し上げました三つの政令の中で、それぞれ返還者等に生じた損失の処理あるいは補償につきましては、別に法律を定めるという規定を設けておるのでございます。しかしながら、戦争の結果生じましたいわゆる戦争損害の問題は、本件のような連合国財産の返還等によるもののほか、御承知の通り在外財産の問題を初めいろいろあるわけでございまして、これら一連の戦後措置との関連を考慮いたしまして、本件の検討を重ねて参ったのでございますが、今日ではこれらの戦後処理もほとんど解決をいたしておりまするし、また連合国側に対する返還事務も、先ほど申し上げましたようにほとんど完了いたしておりますので、昭和三十四年度におきまして、先に述べました関係政令の規定に基きまして損失の処理を行うということにいたしまして本案を提案いたした次第でございます。 本件の損失処理の方法の基本的な点は、損失の算定をいかなる時期において定めるかという点でございまして、これにはいろいろな考え方があろうかと思うのでございますが、この法案においてとりました考え方は、連合国財産の返還が確実となりまして損失が具体的に確定したとき、すなわち連合国側から返還の請求があった時点をとっておるのでございます。で、それ以後、この法律が通りましてから、具体的に補償をいたすのでございますから、この法律施行の日の前日までは、いわゆる遅延利息に相当する分といたしまして、年五分の加算金を付するということにいたしておるのでございます。 次に、この法案の内容でございますが、なかなかこまかい規定が並んでおりまして、読みづらい法案でございますが、正確に書くとこういうことに相なるのでございます。 第一条は、この法律の趣旨といたしまして、先ほど申し上げましたような三つの政令の損失処理規定に基くものであるということを明確にいたしたのでございます。 第二条と第三条におきまして、損失の処理等を請求することができるものは、どういうものであるか。で、これらの方々に支払われるいわゆる返還善後処理金の計算をどういうふうにするか、そうして、そのきまりました金額をどういう方法によって支払うかという点を定めておるのでございます。 この法律の対象といたしますケースは、いろいろあるわけでございますが、先に申しました三つの政令関係で、典型的なおもな例を申し上げますと、第一は、連合国財産である不動産あるいは動産を返還した所有者たちに対しまして、どういう金額を払うかという点につきましては、これらの方々が旧敵産管理人から買い受けたわけでございますが、その時から返還請求がございました時までの間の、財産の種類によりまして価格指数がどういうふうに騰貴しておるかという騰貴率をとります。そうして、建物でありますとか動産につきましては、減価償却後の残価率をとりまして、これを乗じまして、それによってその率をもとの敵産管理人が売りましたところの価額に乗じた金額がまず出てくるわけでございます。それから先ほど申しましたように、返還をさせましたときに、前に払いました金額は一応払っておるわけでございますから、この金額を差し引きまして、そうして先ほど申しました年五分の加算金を加えた金額を返還善後処理金として払う、こういうことにいたしております。 次は、株の場合でございますが、これもいろいろありますが、典型的なものを申し上げますと、連合国財産である株を返還した場合は、その株を引き渡しました株主に対しまして、その株式の返還請求がありましたときの時価から動産、不動産と同じようにすでに支払いました売却価格相当額を差し引きまして、その金額に年五分の加算金を付した金額を払うことにいたしております。 それから第三は、いわゆる譲渡政令の規定の場合でございますが、これは家屋を収用または除去された所有者の場合でございます。たとえば敵産管理人から土地を買い受けまして、その土地の上に自費で家を建てたというような場合に、この土地を返還いたしますと、そのときに家はただで一緒に返還をした、あるいは場合によってその家は無償で譲渡またはこれも補償なしで除去を命ぜられておるのであります。これは明らかに自分が建てました家屋を無償で持っていかれ、あるいは除去されたということで損失を補償する必要があるわけでございます。これは譲渡または除去の請求のありましたときの時価を算定いたしまして、これに関連損失を加え、また年五分の加算金を付した金額を払うことにいたしておるのでございます。なお、これらの返還善後処理金は、すべて国債でもって払うことになっておりますが、五千円未満の端数の金額につきましては、現金で支払うことになっております。 第四条及び第五条におきましては、返還善後処理金の請求、支払いの手続を規定いたしております。支払いの請求は、この法律施行の日から二年以内に大蔵大臣に請求すること、大蔵大臣はこれを審査の上、その金額を請求者に通知いたしまして、すみやかに支払いを行うこととなっております。また国債の発行に関する必要な事項は大蔵省で定めるというような規定がございます。この請求期限の二年以内とは、いわゆる除斥期間でありまして、この期間を過ぎますと、もはや請求ができないということになるのであります。 第六条から第八条までは、不服の申し立てと裁決及びこれらに関して必要な手続事項を政令に委任することを定めておるのでありまして、返還善後処理金に関する処分に不服があります場合には、その通知を受けた日から六カ月以内に、大蔵大臣に不服の申し立てをし、大蔵大臣は、これを審査して、すみやかに裁決をすることとなっております。 そのほか第九条以下につきましては、支払われました返還善後処理金に対する課税上の特別と、大蔵大臣に属する権限の財務局長への委任等に関する規定を設けておりまして、附則は、この長年にわたっておりました事務を一度に処理いたしますために、ある程度の事務上の準備期間も必要でございますので、この法律の施行日は公布の日から八カ月というやや長目に余裕の期間をとって、その範囲内で施行日を政令で定めるということにいたしておるのであります。 以上が本法案の提案理由と内容の補足説明でございます。何とぞ御審議の上、御賛成いただきますようお願いいたします。 —————————————
○理事(山本米治君) 先刻質疑中の国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、及びただいま政府委員から補足説明がありました三法案、計四法案を便宜一括して議題といたし、質疑を行います。 質問のある方は、順次、御発言を願います。
○平林剛君 これも私、きょう説明されて、また十分検討しておりませんけれども、大へん疑問のある法律であります。まず初めに、全般的な概要を知るためにお尋ねをいたしたいことは、連合国財産で日本人に売却をされたところの土地、建物その他の動産、これはどの程度のものがございましたか。
○説明員(田中弘一君) 敵産管理人によりまして売却された金額は、当時の金額でございますが、有体財産全部で四千四百八十九万四千円、こういうふうになっております。株式が一億九千三百七十六万三千円、こういうふうになっております。
○平林剛君 ちょっとわからなかったのですが、最初のは土地ですか。
○説明員(田中弘一君) 十地、家屋及び動産全部を含めまして。
○平林剛君 それは坪数に直すと、土地などはどの程度の土地ですか。
○小酒井義男君 関連して、一緒に答弁してもらうとよいと思うのですが、具体的にどういうものがあるのか。建物にしても具体的な例を二つ説明してくれませんか。
○説明員(田中弘一君) 具体的な例を申し上げますと、たとえば、ある米国人がこの辺に住んでおりまして、土地と建物を持っておりまして、現実に普通の会社員として生活していた、こういうことがあるのでございます。これが開戦になりましてすぐ、敵人でございますので、前々から政府といたしましては敵人の財産を調べておりましたので、すぐ敵産管理という法律を施行いたしまして全部押えたわけでございます。その際、その敵人は、敵人でございますので、全部抑留してしまっておるわけでございます。従って、その土地建物はあいているわけでございますから、それを敵産管理人が管理している、こういうわけでございます。その後、敵産管理というものはそのまま管理しておいて、相手国政府の出方も見て、敵産管理の実際のやり方をきめていくということでありますけれども、敵国はみなやはり日本人の財産を押えまして、これを処分したり、清算したりというようなこともやっておるやに当時うかがわれましたので、大蔵省といたしましては、そういう現物をそのまま預っているというのは非常に手数がかかります。そういう点もございましたので、これを管理しやすい状況に換価いたしまして、そうして管理した。つまり現金化して、その現金を政府で預っておったというやり方にしたわけでございます。その際、そういう住んでおりました土地、建物、そういうものを敵産管理人に命じまして、当時勧銀に評価させまして、合理的な価格で希望者を募りまして、それに売却したというのが実例でございます。それが戦後になりまして、それを返せということになりましたので、その家はすでに日本人が買って住んでおるわけでございます。その日本人に対しまして、これは敵産管理人から買ったものである、従って、返さなければいかぬということになりましたので、命令を出しまして総司令部の命令に基く大蔵大臣の命令というものを出しまして、これを日本人から取り上げまして元の住んでいた米人に返した、こういう例でございます。その米人はすぐ参った人もおりますし、まあだいぶ、戦争直後に参った人もおりますし、そうでない人もあるということで、逐次、返還事務は占領中及び占領後についても引き続き行いまして、今、ほとんど全く終了した、こういうことでございます。その取り上げられた日本人は、昔、敵産管理人から買った、ところが、昭和二十六年なり七年なりにその家を追い出されたということになりますと非常に気の毒な状態になるわけでございまして、まあそういう気の毒な状態に対しては、占領中は司令部の意向もございまして、そのつど補償することもできませんのでございますので、あとで法律を出す、こういうことになっております。それが今回この法律を出した、こういうわけでございます。
○平林剛君 まだ具体的につかめないのですよ。事情はよくわかるのです。事情はよくわかりましたけれども、土地、建物その他の動産で四千四百八十九万四千円と、こういうお話だ。多分、これは現在の時価のように聞き取れたのですけれども、現在の価格だとすれば、土地はどのくらいの坪数になっておるのでありますか。また、もっと具体的にいえば、たとえば、どこら辺だという話が出たら、代表的な場所などをさして説明をしてくれるとわかりやすい、こういうことを言っているのですよ。その点が明確でないからもう一度一つ説明をしていただきたい。
○説明員(田中弘一君) 土地は全体で九十五万七千五百八十三坪でございます。で、先ほど申し上げました四千四百数十万円という数字は土地、建物、動産全部を含めまして、当時敵産管理人が売却した値段でございます。
○小酒井義男君 今の土地の坪数はわかったのですが、建物の軒数はどのくらいあるのですか。
○説明員(田中弘一君) 建物の坪数は、棟の数が二千百七十六棟でございまして、建坪が九万八千百五十三坪でございます。
○平林剛君 前の話をするからよけいわからなくなって、今のお話だと土地は九十五万坪だし、建物も棟数にしても相当なものになっておる。これらを具体的に評価がえをしてみないと現在の価格はわからないのでしょうけれども、大体物価の上昇その他を考えると、土地、建物その他の動産の価格というのは現在ではどのくらいに評価されますか。そうでないとちょっとぴんとこないんだね。株式の方も一億九千幾ら、こういうお話ですが、これは当時の価格とすると現在は一体どういうふうに変化しているか、現在の時点で一つお話をしていただきたい。
○説明員(田中弘一君) 株式を除きました有体財産の現在の時価と申しますか、そういうものは、今、そういう建物は現実になくなって、返還後に改造になっているというような場合とか、いろいろの動産がもうどこに行っているかわからないというような問題がございますので、現実に一つ一つ評価するということはできないわけでございますので、従いまして、昔の、つまり戦時中に売りました値段というものを基礎といたしまして、そうして土地につきましては土地価格指数の騰貴というようなこと、そういったこと、あるいは建物については建築指数の騰貴率あるいは減価償却というようなことも考えまして、大体大ざっぱに推算いたしまして五十五億円くらいというふうに考えております。株式につきましてはこれは非常に、何と申しますか、評価が困難でございます。と申しますのは、株式は御存じのように、昔、たとえば一万株というものを売りましても、今度返す場合にはそれに増資権利がたくさんついておりまして、その増資権利をだれがどうしたかというような点を一々考えますと、現在の時価というものをどういうふうに計算していいかということがはなはだ困難でございますので、そういう数字は持ち合せございません。
○平林剛君 しかし、今の株式についても、補償するときにはどういう根拠で政府はこれを補償するということになっているのですか。それでもせめて、困難なことはわかりますけれども、政府が今日これを補償するというときにはどういうふうな時価に変化をしていくのですか。
○説明員(田中弘一君) この法案で株式の場合はどういうふうに表示するか、そうしてその金額はどのくらいになるか、そういう御質問でございますが、それは、こういうふうになっておるわけでございます。株式をかりに一万株というものを敵産管理人から買い受けた人がございますといたします。その一万株の株式を戦後になりまして返します。そういたしますと、その一万株を連合国人が返してくれと言った、つまり回復請求時の、返還請求時のその時の証券取引所の相場、それを基礎といたしまして、かりにその相場が百円でございますれば、百円掛ける一万株ということになって支払うわけでございます。しかしながら、連合国人に返します際には、一万株は、昔ありました三万株だけじゃございませんので、その後増資がその回復請求までの間にあったといたします、そういたしますと、その増資分もこれを連合国人に返さなきゃいかぬ、こういうことになっておりますので、戦後はその増資の割当を日本人、つまり一万株を買った日本人には割当をいたしませんので、そのまま手に持っておる。会社がそのまま保留しておきまして、連合国人から要求がありました際に、現実に売られた昔の一万株は本人から取り上げてこれを返す、そうして増資はそのまま保留していたものを返す、こういうことになるわけでございます。そういたしますと、その昔一万株を買った人というのは損失はどうなるかと申しますと、一万株の各証券取引所の相場が百円といたしますと、一万株掛ける百円というものと、子株の権利、つまり子株はどうせ五十円額面といたしますれば、五十円は払い込まなければいけませんので、子株の当時の値段が親株と一緒であったといたします、そういたしますと、やはり百円マイナス五十円、つまり子株の増資権利分というものは五十円でございますので、五十円に増資が、たとえば倍額増資が一回あったといたしますれば、五十円掛ける一万株ということで子株の補償をやる、こういうことにいたしておるわけでございます。従いまして、総額の株式というものが幾らになるかということを一律的な標準で申し上げられませんので、同じ株式でございましても、昭和二十五年に回復請求があった場合と、昭和二十六年に回復請求があった場合とは、そのときの株の値段が達っておりますので、それぞれ別個に計算される、こういうことに相なっておるわけでございます。
○平林剛君 いや、それはよくわかるのですよ、そのむずかしいことは私はわかりませんけれども。結局、政府が補償しなきゃならないという提案でしょう。そういった総額は大体どのくらいになるのかわかりもしないで、わしら審議できますか。それが幾らになるかということ……。
○説明員(田中弘一君) 株式につきましては、そういう計算をいたしまして二億四千五百万円、これが補償の総額でございます。
○平林剛君 それを一番先に言ってくれれば、前のことは、こまかいことを聞かなくてもいいのです。それでですね、さっき私はもっと具体的な例をあげてくれと言いましたが、質問の方向を変えてお尋ねいたします。この法律案の対象にされるものはだれか、すなわち対象となる人の数、第二、代表的なもの、この一つを一つお伺いいたします。
○説明員(田中弘一君) 本損失処理の対象となる人数は、全体で三千七百六十八人、そうしてその中でたとえばおもなものを……。
○平林剛君 法人と個人。
○説明員(田中弘一君) 法人と個人の区別を申し上げますと、法人が六百六十三人、個人が三千百五人でございます。
○平林剛君 代表的なもの。
○説明員(田中弘一君) 代表的なものを申し上げますと、たとえば東京瓦斯という会社がございます。で、これは横浜市中区山下町にありましたシェル石油会社の横浜の社屋を買っております。土地及び鉄筋建物、さらに動産、こういうものを買っております。これを補償いたしますと、当時の売却価格全体では百七十五万円でございます。これをこの法律案の規定を適用いたしまして計算いたしますと、概算でございますが、約四千二百万円という数字になるわけでございます。
○平林剛君 もう少しお尋ねします。代表的なのは東京瓦斯株式会社だけで、あとは小物ですか。この法人並びに個人、これに匹敵するものはないのですか、あるのですか。
○説明員(田中弘一君) 法人もそのほかに大きいものはございます。
○平林剛君 どこですか。
○説明員(田中弘一君) たとえば東京芝浦電気、日本鋼管、神戸製鋼、そういったところがございます。また個人ではさような大きなものはございません。大体一千万円以下、大きいところでも一千万円以下でございまして、大多数は大体十万から二十万円くらいの返還善後処理金になると、こういう概算でございます。
○平林剛君 今日までこの法律案をなぜ提案をしてこなかったのですか。
○政府委員(賀屋正雄君) 毎国会、特に衆議院の大蔵委員会におきましても、その御質問があったのでございますが、先ほど補足説明におきましても申し上げましたように、戦後の処理という問題はいろいろあるわけでございまして、その関連等につきましても慎重に検討をする必要があるということでおくれて参りましたのと、それから返還の事務が昨年でもって完全に終ったというようなことがございまして、この辺が切りがいいところで適当であろうというふうに考えたのであります。
○平林剛君 その点はもう少し私の方で検討いたしたいと思います。次に、大体これを連合国占領軍の返還命令によって取り上げられたときに、当時の対価で支払ったはずなんです。従って、その当時の対価で支払ったので、それで解決をしているのではないかというふうに考えられるのですが、今日あらためて物価の上昇率を掛けて補償をする必要はないのじゃないか。先ほどのお話では、何かこれを補償するという法律案があるというようなことでありましたが、これはどういう法律でありますか。
○政府委員(賀屋正雄君) その点も先ほど御説明申し上げましたように、返還請求がございまして、日本人から返還をいたさせましたときには、その日本人がその不動産等を戦時中に敵産管理人から買うときに払った代金だけをお返ししたわけでございます。返還の事務はもちろん戦後でございまして、二十四、五年から、おそいものは一昨年あたりまでずっと続いておったわけでございます。ところが、それに対して戦前の敵産管理人から買いましたときに払った代金だけで済ますということは、やはりこの経済情勢の変っておる今日では不十分じゃないか、かりに、たとえば家屋を買いまして自分が住んでいたという場合に、それを取り上げられまして、別に住む家を探すとか、あるいは建てるというようなことをしなければならないとき、その家屋を、戦時中比較的まだ物価の低かったころに払って買ったときのその代金だけを支払われたのではどうにもしようがないということも考えられます。 〔理事山本米治君退席、理事土田國太郎君着席〕 それからもう一つ、第三の例として先ほど申し上げましたように、土地を敵産管理人から買いまして、その上に自分で建物を建てた、ところが、その土地を返しますときに建物は除去されるか、あるいは土地とそっくり一緒にして返還した、こういうケースでございまして、これに対しては、自分が費しまして建てました事柄に対しては何らの補償も受けておらない、これは当然補償してやる必要があるということでございます。そういったことが先ほど申しました三つの政令の中に規定してあるのでございまして、この法律の一条に書いてありますように、返還政令の二十五条あるいは株式回復政令の三十条、それから譲渡政令の十条の三、こういう規定に、それぞれ損失の処理または補償については、別に法律で定めるというにとが明定してあるわけでございます。これはいずれも政令でございますが、御承知のように、講和条約発効後は、法律としての効力を持っておるものでございます。
○平林剛君 その法律は、政令ですか、一度これは資料として出してもらいますかな。もう一つお尋ねしたいのは、政府が当時、敵国の財産として払い下げましたね、その払い下げたその土地、建物その他動産が転売される、それで回り回って何人かの手に渡っていく。それは当時は、さっきのお話のように、土地、建物その他動産で四千四百八十九万円程度のものであったかもしれないが、転売するに従ってそこで利潤を得ていく人たちがあって、最終的な、現在この法律の対象となろうとしている人と食い違ってきているのじゃないかと想像されるのですが、そういう点はないのですか。
○説明員(田中弘一君) 今まで私たちの方で調べました資料によりますと、対象人員三千七百六十八人のうち、そのような、つまり当初の買い受けられた方でない方、これが三百二十七人ございます。しかし、この三百二十七人のうち、動産でございますね、動産を取得した人が大半でございまして、不動産を取得した人というものは三十人、従いまして、この方々は本法律案によりますと、自分が関係したことはない、つまり第一次取得者が敵産管理人に払った昔の金額でございますね、それに所定の倍数を掛けたものをもらうわけでございますので、ある意味では気の毒ではない、つまり第一次取得者は当然……。
○平林剛君 そこまで聞いていないのだ。そういうことは聞いていないのだ。私もこの動産や不動産などが転売されているということはかねがね聞いておったのですよ。それでお墨付きを持ってはそれを転売をしているのですね。こういうものがあるからというような、後に補償されるからというようなことで転売されていたという事実は私も聞いたことがある。そこで、さらにお尋ねをしますが、東京瓦斯株式会社あるいは東京芝浦電気、日本鋼管、神戸製鋼、こういう会社は初めから敵国財産を払い受けた会社ですか。それとも回り回ってここに来ているというものですか。
○説明員(田中弘一君) 当初からのものでございます。
○小酒井義男君 これ件数はわかったんですが、対象となる物件の所在はやはり東京周辺ですか、全国的に散在しておるものか、どうですか。
○説明員(田中弘一君) 所在は東京周辺に限りませんので、大体外人が居住していた所という所がおもでございますので、東京及び横浜、神戸、そういった所が中心でございます。しかしながら、たとえば外国の石油会社というものは、そういう所以外にもいろいろ財産を持っておりましたので、そういう意味では全国的に散らばっているという状況でございます。
○小酒井義男君 土地だけというのがありますね。その場合、土地だけで建物のない場合の、敵産管理人から買い受けて、それをもう一度取られた、そうして現在に至っておる。現在までの土地の値上りというものは、買い受けたときから現在までをずっと通算することになるわけでありますか。
○説明員(田中弘一君) 現在まででございませんので、それぞれの具体的な土地につきまして、いつ返還請求があったか、昭和二十六年に返還請求があって、もう返すことが確実になったというものならば、昭和十七年に敵産管理人から買ったといたしまして、昭和十七年から二十六年までの値上りだけを見るわけでございまして、現在まで見るわけではございません。
○小酒井義男君 これは、私は、ただ短時間説明を聞いただけで、これを、急いではおられるでしょうが、きょうの本会議にかけるというところまでやることは、非常に委員会としても無責任じゃないかという気がするのです。それで、一つ上りそうな法案から先にやると、そういうことにしていただいた方がいいのじゃないかと思います。
○理事(土田國太郎君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(土田國太郎君) 速記をとって。 —————————————
○理事(土田國太郎君) 委員の異動について御報告いたします。ただいま委員森田義衞君が辞任され、その補欠として大沢雄一君が委員に選任されました。 —————————————
○木内四郎君 ちょっと政府委員に伺いたいんですが、連合国財産の返還等に伴う損失を処理されることはきわめて当然なことだと思うんですが、私今、ちょっと手元に書類を持っていないし、はなはだ不完全な質問じゃあるかもしれませんけれども、例の政府が接収した船舶、これに対しては何らの補償は今日までされておらないように思うんだが、これとは問題は違いますけれども、その点はとうだろう。——まあいいですよ。それじゃあ、これは接収された日本の船舶については、船会社の方については補償されておらないんだというふうにまあ思っておるんですが、そうすると、一方こういう、形は違うけれども、こういう損失がいろいろ戦後の処理として補償されるけれども、船の方はそのまま取り上げっぱなしだということだと、いかにもそこに権衡を得ていない点があるのじゃないか。別に私はこれが悪いという意味じゃありません。この法律によることはきわめて適切なことだと思うけれども、船の方の損失は全然ほうっておくということは、何かこう当を得ないのじゃないかというふうに感ずるのです。この点はいずれまた、私の意見も入っての質問だったのですが、また後刻お調べになっておっしゃっていただいてもけっこうです。 —————————————
○理事(土田國太郎君) 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を続行いたします。 〔理事土田國太郎君退席、理事山本米治君着席〕
○理事(山本米治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(山本米治君) 速記をつけて。 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
○平林剛君 私は、ただいま議題となった法律案に対しては、反対の意見を述べたいと思います。 まあ、反対理由として、先ほど質疑応答を行いましたが、どうも政府の外資導入政策については、日本経済に与える影響あるいは将来日本国民の負担となることに対する認識などにつきまして、私は大きな疑問を持っておるのであります。この点について、政府の基本的な考え方をただしたのでありますが、明確な構想につきまして欠けるところがある。そういう中で今回の法律的措置が進められるということにつきましては、将来のわが国の経済という点を考えた場合に、なお慎重を期すべき余地が残っている。これが私の第一の反対の理由であります。 それから、これを具体的に象徴するものといたしまして、国際通貨基金やあるいは世界銀行への増資提案の仕方につきましても、何か一萬田大蔵大臣あるいは佐藤大蔵大臣等の個人的なプレーというにおいを強く感ずるのでありますが、これら日本経済に与える重要な方向をトするものとして、比較して考えた場合に、国内で相当与党内でも慎重な検討がなされて行動なり提案がされたというならば、私はまた、与党の責任があって、反対をするにいたしましても、これをある程度責任を負う政党があるということから、がまんができるのでありますが、今日まで私ずっとながめた場合に、国内におけるこれらの党議が、公然と、また慎重に行われての提案というふうに見られない。そしてその動きから必然的に、いろいろな法律が用意され、今回もまたこの措置がとられるという点は、法律案の持っておる出発点からの欠陥である。私はそう思うのであります。 第三には、きょうは十分質疑を行うことができませんでしたけれども、先般の審議をいたしました接収貴金属等の処理に関する法律案に基いて日本銀行に対する金地金が返還をされる。そしてこれが評価がえによってその差益が財源とされておるのでありますが、日本銀行の地金につきましては、予算委員会におきましても一時問題になり、日銀の帳簿に掲載をされておる金地金と、実際に保有しておる金地金などにつきまして、なお相当慎重に検討をすべき要素がある。これらについて、十分な解明ができなかった。これは、私も時間の制約がありまして、まことに遺憾でありますけれども、この法律案に関連をして疑問とするところであります。 大体、以上の理由が本法案に対して賛成し得ない点であります。
○理事(山本米治君) 他に御意見もなければこれに討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 多数であります。よって本案は、多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 別に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。賠償等特殊債務処理特別会計法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○小酒井義男君 この輸出入銀行の貸出残高というのが、ここに資料として出ておりますが、この中で一番貸出額の多いのは製造業でありますが、これは製造業というだけで、ちょっと内容が私どもわからぬのですが、どういう業種のものがあるかということと、そうしてこの貸し出しを受けておる対象になっておるのは、どのくらいの業者が貸し出しを受けておって、一番大きい金額を借りておるのはどういうところであるかというようなことを、ちょっと説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(石田正君) ちょっとお尋ねいたしますが、それは輸出入銀行の数字の、製造業という数字が出ておるのでございましょうか。
○小酒井義男君 この資料は大蔵省から出ておるかと思ったのですが、これは調査室の方でできておる資料ですが、大蔵省の方でどういう分類をされておるかわかりませんが、それらの分類に基いて説明していただけばけっこうです。
○政府委員(石田正君) 大蔵省でやっておりまするところの分類の仕方によって見ますると、大体大蔵省では、大きく輸出と輸入と投資というふうな工合に分けておるわけでございます。それで、日本輸出入銀行の本年の二月末の数字で申しますと、一番大きいのは何と申しましても輸出でございまして、これが五百五十四億七千二百万円ということに相なっております。それから輸入は八億ばかりでございます。それから投資が百一億、合計いたしまして六百六十四億というふうな数字に相なっておるわけであります。 お尋ねの先ほどの数字は、主として輸出に関係するかと思うのでございますが、輸出につきましては、何と申しましても一番大きなものは船舶でございまして、先ほど申しました五百五十四億のうちで、船舶が三百七十六億というような数字に相なっております。その次に大きなものは車両でございまして、車両が四十九億余になっておりまして、五十億近い数字を示しております。その次に大きなものが繊維機械でございまして、これが三十七億ばかりでございます。その次に参りますのが電気機械でございまして、二十二億ばかり。その次に大きなものは鉄鋼製品でございまして、約七十億。そのほかのものはいろいろ雑多なものがございますが、これが大体五十一億ばかりの数字に相なっておる。かような中身になっておる次第でございます。
○小酒井義男君 その一番金額の多い船舶は、これはどことどこに出ておりますか。
○政府委員(石田正君) お尋ねの点でございますが、それは輸出先の国別ということでございましょうか、それとも融資先ということでございましょうか。
○小酒井義男君 融資先です。
○政府委員(石田正君) 大体、これは造船会社に対しまして貸し出しがなされておるわけでございまして、この融資先は三菱造船、あるいは三菱重工業、浦賀船渠、あるいは新三菱重工業、川崎重工業というような、大体大きな造船会社はみんな網羅をいたしておるわけでございます。
○小酒井義男君 その貸出金の回収状況ですね、これはどうですか。
○政府委員(石田正君) これは幸いにいたしまして、海外の借入先でございますから、それが延べ払いの条件を現在までのところよく守って下さいますものでございますから、従いまして、延べ払いとかあるいは延滞とかいうふうなことはないような状況になっておるのでございます。
○小酒井義男君 船の関係で、造船会社じゃなしに、まだありますね。
○政府委員(石田正君) 御質問の点は、いわゆる商事会社、これが注文をとって、そうしてそれが借主になってやっているものがあるだろうというお話でございます。今、その数字はここに抜き書きしてございませんけれども、そういうものはございます。しかし、お尋ねの点は、延滞という問題につきましては、商社の分につきましても延滞はございません。
○小酒井義男君 延滞というものはありませんか。
○政府委員(石田正君) 延滞というものはないように聞いておるのでございますが。
○小酒井義男君 そうですが。
○政府委員(石田正君) 開発銀行が、国内造船の場合におきまして、海運会社に相当融資をいたしております。この点につきましては、海運市況が悪かったりなんかするために、とかくなかなか資金の回収が思うにまかせぬという点はございますが、輸出入銀行の場合は、海外のいわゆる購入者がその国際的な契約条件を守らなかったために金が返ってこない、従って、その金を受け取って輸出入銀行に返すところを、輸出入銀行から借金をしている。それが延滞しているということは、まだ幸いにして発生していない、かように考えておる次第でございます。
○小酒井義男君 そうすると、現在においては貸出先で回収が困難であるというようなのは全然ありませんですか。
○政府委員(石田正君) 私たちは、まだそういうふうなものを聞いておらないのでございます。これから先どういうことが起って参りますか、それはわかりませんけれども、現在までのところ、非常に延滞で困っておるということは聞いておりません。
○理事(山本米治君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないものと認めます。 これより採決に入ります。日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(山本米治君) 名数でございます。よって本案は、多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(山本米治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午後四時四十七分休憩 —————・————— 午後九時八分開会
○理事(山本米治君) ただいまから委員会を再開いたします。 連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案については、各派協議の結果、本月二十八日午前十時より委員会を開いて審議することに決定いたしました。 なお、そのとき、引き続いて請願を審査することに決定いたしましたので、右御報告いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後九時九分散会