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31回国会参議院1959/03/26

大蔵委員会 第21号

発言数
24
登壇者
6
会派数
2
開催日
1959/03/26

会議録

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員の異動について御報告いたします。本日付をもちまして委員前田久吉君、林田正治君、岡崎真一君、井上知治君が辞任されました。その補欠として杉山昌作君、江藤智君、小山邦太郎君、下條康麿君が委員に選任されました。   —————————————

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) なお、土田國太郎君が、三月二十四日をもって委員を辞任されましたが、三月二十五日付をもって大蔵委員に選任されましたので、委員長は、先例に従い、成規の手続を省略し、あらためて理事に土田國太郎君を指名いたします。   —————————————

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、入場税法の一部を改正する法律案、以上八件を一括議題といたし、補足説明を聴取いたします。

木村秀弘大蔵省主税局税関部長

○説明員(木村秀弘君) 関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の要点だけを御説明申し上げます。  現在、関税定率法の付則にございますいろいろな減免税規定、これは今年度一ぱいの時限立法になっておりますので、これをもう一年延ばしたいということが原則でございます。そのおもなものは、重要機械類、学童給食用の脱脂粉乳、原子力関係物品とか、あるいは別表の甲号に掲げてございます物品でございます。  なお、従来と若干異なりますのは、電子計算機を来年度一ぱい免税いたしたいという点と、石油化学工業用の触媒、これは現在二割の税率ということになっておりますのを、免税品目に追加いたすという点と、それから合成なめし剤、これは現在一〇%の税率でございますが、これを暫定的に半減をいたしたい。さらに、ピグメント・レジン・カラー用のエキステンダー、これは国産保護の見地から、現在の七・五%を一〇%に引き上げたい、それから最後に、カーボンブラックにつきましても、同じく国産保護の見地から、現在の一〇%を二〇%に引き上げたい。  以上がこの法律案の大体の内容でございます。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 順次、補足説明を聞くことにいたします。  次は、租税特別措置法の一部を改正する法律案。

塩崎潤大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(塩崎潤君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。  まず第一は、預貯金に対する特別措置でございますが、本年三月三十一日までに預入または契約されましたところの一年以上の長期預貯金、公社債等の利子につきまして、預入あるいは発行後三年間の支払い利子につきまして非課税措置がとられておりましたが、今回この措置をやめまして、短期融資並みに源泉一〇%の分離課税の措置を二ヵ年やろう、こういう点が変った点でございます。なお、貯蓄控除制度につきましては、私ども、今度の提案におきましては期限の延長を行わない、こういうようにいたしております。さらにまた、預貯金に対します特別措置とのバランス上、配当所得につきましては、現行におきまして一〇%の軽減課税でございますが、なお源泉徴収税率の一〇%を二ヵ年継続しよう、こういうものでございます。さらにまた、昨年、投資信託の収益関係につきまして、配当所得に準じた取扱いをすることに改正いたしたわけでございますが、その際に、一本税率にいたしまして、六%の軽減税率を適用することといたしておりましたが、一年の期限がこの際やって参りますので、今回の改正におきましては、これを預貯金配当並みとバランスをとりまして、一〇%の軽減税率に、二年間の軽減税率を適用しよう、こういう改正でございます。  さらにまた、増資登録税の軽減について規定を設けております。今年度におきましては、増資の年といわれておりますが、この法人の増資費用の軽減に資するため、三十四年一月一日に存する法人が、四月一日から三十六年三月三十一日までに増資を行なった場合に、本則の千分の七の増資登録税を千分の五、つまり千分の二だけ軽減して、法人の増資の負担の軽減にしよう、こういうものでございます。  次は、輸出振興措置でございますが、輸出所得控除の適用期限が本年の十二月三十一日に切れるわけでございますが、これを他の措置とバランスを合せまして、輸出所得の重要性にかんがみまして、なお三十六年三月三十一日まで延長しよう、こういう改正でございます。なお、この輸出所得控除につきまして、実質的な改正点が一つございます、それは、ロイアルティの輸出につきましては、ロイアルティの性格自体が大部分が所得であるというような考え方から、現行の三%の控除率では商品並みになって必ずしも控除制度の趣旨に沿わない、所得が大部分を占めるという趣旨から引き上げるべしという考え方が強くいわれます。この精神に沿い、ロイアルティの輸出控除率を三%から五〇%に上げよう、こういう改正をいたそうとしているのであります。  なお、輸出振興措置の税制の中にございまするところの輸出損失準備金、海外支店設備等の特別償却制度につきましては、この制度自体、もはや効果も薄れましたので、適用期限の延長を行わない、こういうふうに考えております。  その次は、交際費の損金不算入制度でございますが、これも本年三月三十一日をもって適用期限が切れるわけでございますが、現状におきましては、なお交際費の制限措置が必要と認められますので、これを他の特別措置と同様二年間延長しようとするものでございます。なお、この際に、存続いたします以上、できるだけこの温度を合理的なものにいたしたいというふうな考え方をもちまして、現行の基準は実績基準と取引基準と二つございますが、実績基準につきましては、昭和二十八年の六割と、こういうふうになっておりますが、昭和二十八年の基準をとること自体いささか古きに過ぎる感じがございますので、昭和三十二年十二月三十一日までに終りました事業年度内に支出いたしましたところの交際費の八割、これと、昭和二十八年の交際費実績の六割と、いずれか高い方を実績基準として採用しようというものでございます。ところが、その基準につきましては、なお政令におきまして検討する考え方を持っておりますが、一応法律面におきましては、実績基準を今申し上げましたような趣旨で改正しようとするものでございます。  その次は価格変動準備金でございますが、御存じの通り、価格変動準備金につきましては種々の批判があるわけでございます。昭和三十二年に相当な改正を加えたわけでございますが、現状におきましては、なお取りくずしの方法につきまして十分な措置が講ぜられていない。この取りくずしの方法について措置が講ぜられないということは、いわば準備金が準備金たる性格を備えずに、いわば永久留保的な性格を帯びてくるわけでございます。こういう性格をできるだけなくする方向へ、今回は取りくずしの方法につきまして改正をしようとするわけでございます。改正の内容は、所得が前期に比べまして減少いたしますと、その所得の減少割に応じまして繰り入れ限度を減らそう、こういう考え方でございます。価格変動準備金の目的は、好況のときには積み立てて、不況時にはそれを取りくずしまして企業の収益を安定させると同時に、財政収入も安定させるというのがねらいだというふうに考えますので、今申し上げましたような趣旨がこの価格変動準備金の性格の趣旨に最も合うものではないかと、かように考える次第でございます。  数多くある特別措置のうち、その次は、重要外国技術の使用料、それから外貨によりまして取得いたしました公社債の利子等の所得の課税の特例でございますが、これは非居住者が日本の企業等にロイアルティを供給し、あるいは外貨によりまして非居住者が日本の公社債あるいは株式等を取得いたしますと、本来二〇%の税率が一〇%に軽減される特例でございますが、御存じの通り、外貨債につきましては特別な免税法案が出、輸出入銀行からの借入金の利子につきましては租税協定によって免税ができ、世銀または世銀の借款につきましては特別の免税法案があるわけでございます。それからまた、ロイアルティ等につきましては、徐々に私どもは租税協定によりまして二重課税の防止の手を打っておるわけでございます。この制度は二〇%を一〇%にすること自体、必ずしも最終的な租税負担を軽減するものではございません。こちらの日本政府が税金を軽減いたしますと、外国の政府の税金が自動的にかえって多くなる、こういうふうな関係もございますので、その弊害は租税協定によって防げる、こういうことになって参りますと、この特例自体だんだんと意味が薄れてくるわけでございます。それからまた、この制度を設けました時代と違いまして、日本の経済も相当進歩して参りましたので、この機会にこれを制限する、あるいは廃止する措置を講じて、ロイアルティについては現行の軽減税率による源泉徴収の適用を受ける範囲を縮小するとともに、外貨により取得した公社債の利子等につきましては、所得税課税の特例を廃止するわけであります。ただし、既存のものにつきましてはなお二年間の特例を設ける、こういう改正でございます。  それから、その次には通行税の特例でございますが、航空機につきまして、本年三月三十一日まで二〇%の本則の税率を一〇%にいたしておりますが、一〇%の軽減税率を二年間、三十六年三月三十一日まで延長しよう、こういうものでございます。  それからまた、航空機燃料用及び工業用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税の特例でございますが、道路整備等の関係もございまして、本年三月三十一日まで揮発油税、地方道路税は免税されておりましたが、これを道路整備計画と合せまして、昭和三十八年三月三十一日までこの特例を延長しよう、こういうものでございます。  なお、低アルコール度の清酒及び合成清酒につきましては、最近の消費状況にかんがみまして、新しい型の酒類でございますが、これにつきまして十三度以上十五度未満のものにつきましては、アルコール分に応じました比例税率を設けようとするものでございます。  なお、登録税につきましても、今回特例の改正が行われようといたしております。農地の交換によります所有権の取得の登記は保存登記並みになっておりますが、この特例をやはり二年間、三十六年三月三十一日まで延長しよう、こういうものでございます。  最後に、租税特別措置の改正点の大きな一つでございまするけれども、土地収用等の場合の課税の特例の規定が改正されております。現行の租税特別措置法におきましてもこういう改正規定と同趣旨の規定が入っておりますが、その内容を若干、最近の状況から見まして適当でないという点がございますので、改正するわけでございますが、現行法によりますと、収用等がございますと、個人、法人ともに再評価税だけでとどめる、こういうことにいたしております。ところが、再評価税だけにとどめるということ自体、再評価期の昭和二十八年一月一日現在で持っておる資産でなければならないということになっておりますので、その後に取得いたしました資産につきましては適用がない、こういう弊害もあります。それからまた、範囲につきましても、若干不適当な点もございますので、これを考え方を変えまして、法人が保険金を取得した場合と同様に、圧縮記帳方式による改正を行おうとするものでございます。個人につきましては、収用によりまして土地等を取られまして新しい資産を取得いたしますと、譲渡がなかりしものとみなしまして譲渡所得はその際とらない。しかしながら、新しい資産をその次に売ったときにとる、こういうような改正をいたしております。しかしながら、収用等によりまして代替資産を取得せずに金をもらまいして、そのままほかの資産を買わないような場合にどうするかということになりますと、これは譲渡所得の半分、従いまして、普通の譲渡所得は収入金額から十五万円引きまして半分でございますが、今回の改正は、収入金額を半分にいたしまして、それから十五万円引きまして、またこれを半分にする、いわば四分の一となる、こういう軽減方式にいたしたわけでございます。  法人も同様に、今申し上げましたように、収用等によりまして金を取得する。その際に代替資産を取得いたしますれば、もとの帳簿価額でとられる。従いまして、減価償却をもとの帳簿価額によって行われる。一方、代替資産を取得しないような場合におきましては、半分だけの課税にする、こういうふうな改正点でございます。  以上が特別措置法の改正でございます。  その次は、所得税法の一部改正法律の御説明に移りたいと思います。  所得税法の一部改正法律は、大きな改正点は減税でございますが、減税の中に二つございまして、一つは一般的な普通の所得に対するところの減税でございます。もう一つは、最近要望のございますところの退職所得に対するところの減税でございます。  まず第一の、普通の所得に対しますところの減税でございますが、今回の所得税の改正は、党の、あるいは政府と申しますか、党の公約の線に従いまして所得税の改正を行なうとするものでございますが、改正の重点は、控除に重点を置きます。しかも、控除のうちの扶養控除に重点を置きましたところの減税でございます。一人目の扶養控除現行五万円を七万円に引き上げる、二人目、三人目を二万五千円から三万円に引き上げる、四人以降一万五千円となっておりますのを三万円に引き上げるという、こういうものでございます。御存じの通り、最近、生活費の状況から見まして、やはり何といっても扶養控除の親族の多いものの方が負担が若干重いのではないかという計数的な資料がございます。過去とのバランス、あるいは外国とのバランスを見ましても、こういった改正の趣旨は適当ではないか。しかもまた、往々にいたしまして問題になりますのは、法人企業と個人企業の負担の比較から見ましても、こういう改正をした方が所得税の将来から考えましても適当ではないか、こういう趣旨でございます。なお、控除に並びまして、最低税率の行われております、現行五万円までは一〇%でございますが、課税所得十万円までは一〇%にする、こういうように改正しようとするものであります。なお、この改正の初年度におきましては、四月から実施でございますので、税率におきましても、控除におきましても、大体四分の三、こういうようになるとこととなっております。  その次に、退職所得に対しまするところの軽減でございますが、退職所得につきましては、こういうような趣旨から軽減の要望がございます。老齢者になりまして企業から退職する、その退職金というものは、最後の所得であり、今後の老後の生活の唯一の財源である、非常に担税力が少いというようなことから、現行の最高五十万円の控除の引き上げが強くいわれておるのでありますが、今回はそのような要望にこたえまして改正いたそうとするものでございます。現在におきましては、勤続年数十年以下の場合は二十万円、十年をこえますと、そのこえる一年ごとに二万円の特別控除の金額がございまして、最高で五十万円。従いまして、勤続年数二十五年で頭を打つことになっております。そこで、今回は、先ほど申しました老齢者がより多くの特別控除が得られるような改正の趣旨を入れまして、四十才までの年数一年につき三万円、四十才をこえ五十才までの年数につきましては一年四万円、五十才をこえる年数一年につき五万円、だんだんと年につれまして、勤務に応じますところの一年当りの金額を多くする、こういうような改正を加えるわけでございます。もちろん、最低二十万円は依然として置いておきます。最高は百万円にとどめることにいたしております。なお、そのほかに、今申し上げましたように、老齢者の退職をもって担税力の減殺というように見ることにいたしておりますので、もう一つ別の原因といたしまして、傷害者となりまして、それが直接起因して退職する場合はなお五十万円をプラスする、こういうように実情に即したところの改正を行なおうとするものでございます。  なお、退職金の控除を、今申し上げましたように、特別に上げます関係上、若干の不合理が見られました。一定の期間に二回以上退職金の支給を受ける場合、これはある程度通算しないと、特別控除が大目に出て参ります関係もございますので、これはある程度通算調整するというようなことを考えております。  その他、所得税の改正点は、制度の合理化でございます。現在東京都あたりが非常に特に問題となっておりますが、いわゆる権利金が、借地権の契約の設定に基きまして、現行法におきまして不動産の取得になりまして、普通の所得と同様に課税を受ける。御承知の通り、権利金というものは相当な額でございまして、これが必ずしも普通の所得と同様にみて累進税を適用するかどうか疑問もございます。それはむしろ土地を二つに分けまして、底土と上土と申しますか、借地権というふうに分けますと、それが一種の譲渡所得ではないかという考えをいたしますので、権利金につきましてはこれを譲渡所得として課税する。すなわち、十五万円につきまして半分について課税する。一時所得が発生したと考えるわけでございます。なお、職業野球の選手の契約金が相当な額で、種々の意見もあるのでございますが、これも一時の所得として、一時的なものである。普通の所得といたしまして一〇%から七〇%までの累進税率は問題があろう。これも臨時所得というような概念を新らしく設けまして、いわゆる五分五乗の課税方式を採用する。こういうふうな税率の改正をしようといたしております。  その他、災害によりまして被害を受けた場合、青色申告者でございますと三年の繰り越し控除の制度がございまして、白色者にはないというようなところから、これも白色者についても特に自然災害の場合には繰り越し控除を認めるべきではないかというような御意見が強かったのであります。青色と白色者のバランスをどういうふうにすべきかは、なお慎重に検討すべき問題がございますが、先ほど申しました自分の力と申しますか、他の力、自然的な災害によるところの損失につきましては、白色者といえども純損失の繰り越しを認めるのが適当ではないかという考え方のものとに、その点を改正しよう、こんなような改正点が入っているわけでございます。  それからまた、法人税と同様な改正点でございますが、利益をもって株式を消却した場合のみなす配当の規定を整備する。あるいは配当所得を未払金とするような場合に、源泉徴収の税額の納付が遅延いたしますので、このような場合には配当決議があった日から一年を経過したときに支払いとしてみなして、納期が到来したというような点の改正。それからまた、軍人恩給と文官恩給との同一化と申しますか、均等化によりまして、昭和二十六年から設けました遺族等援護法に基きまして、遺族年金の受領者に対しますところの二千円の割増控除額の特例がございますが、本来ならば三十五年から一部上り、三十六年に完全に平年度化いたすわけでありますが、三十六年度まで残そう、こんなような改正点を所得税法に加えております。  なお、所得税法につきましては、昨日の衆議院の大蔵委員会の採決の際に修正案が設けられました。これは法人税と同様な修正でございますが、現行の所得税法、法人税法によりますると、青色申告の承認を取り消す場合には取り消しの理由を付記しなくてもいいことになっておりますが、だんだんと青色申告を取り消す場合もふえで参り、そういう場合になるべく民主的に取り消しの理由を付記した方がいいのではないかというような考えのもとに理由付記の規定が入ったわけでございまして、所得税法と法人税法等に今申し上げました修正が行われているわけでございます。  その次は、法人税法の改正につきまして御説明申し上げます。  法人税法の一部改正法律は、大部分、事務的と申しましょうか、技術的な改正でございます。三点ばかりございまして、  第一点は、所得税法には、御存じの通り、更正の請求の制度がありますが、法人税の現行法におきましては、更正の請求の規定はないわけでございます。これは法人というのは経済人であり、所得税と違いまして、そう間違いはないということが第一点の理由でございます。第二の理由といたしましては、法人税の申告というのは、大部分決算整理事項にかかっている点が多いわけでございます。決算整理事項を直すこと自体にすでに弊害がございますので、そういう制度がなかったわけでございますが、最近におきましては、税務署の調査もそう毎期々々行くわけでもない。本来なくても税務署の方から直すわけでございますから、毎期々々行かない場合もあるというようなことから、所得税と同様な更正の請求を認めた方が適当ではないかということで、申告の期限は一ヵ月以内に、過大な申告があったような場合には更正の請求ができるというふうな規定を設けたわけでございます。  それから第二点は、先ほど申し上げました会社が利益をもって株式を消却する場合の改正でございます。だんだんとこういう事例が多くなりましたので、本来ならば、積立金からの資本組み入れと同様に、みなす配当の規定が必要であったわけでございますが、新しい事例も出て参りましたので、消却された株式に対応する資本の金額は、消却された株式を有する株主に対する配当とみなす。資本組み入れと同様な規定を入れておるわけでございます。  第三点は、これは若干こまかい改正点でございますが、新設法人の青色申告の承認申請の期限の延長の改正でございます。現行の税法では、新設法人につきましても、一般の法人につきましても同様でございますが、青色申告承認の申請を出すのは、事業年度開始の日の前日まででございます。ところが、新設法人の場合には区々な場合がございまして、たとえば、八月に法人ができまして、その法人は九月一日から本来の一事業年度が始まる。初めの一ヵ月だけは当然臨時的な第一回事業年度でございますが、そういたしますと、本来の事業年度、一年間の事業年度の分につきまして青色申告の承認申請をいたしますと、九月一日前、八月三十一日までに承認申請をしなければならない。法人ができますと、すぐ申し入れなければならぬ。それは少し酷ではないかというようなことがいわれますので、第一回事業年度と同様に、設立の日から三ヵ月以内ならば、青色申告の承認申請期限と見てもいいではないか、こういうような改正点を入れておるわけでございます。  なお、先ほど申し上げました所得税法の青色申告の理由の付記、これは、法人税法につきましても同様な修正が衆議院において行われましたことをつけ加えまして、私の説明を終りたいと思います。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 次は、吉国税制第三課長。

吉国二郎大蔵省主税局税制第二課長

○説明員(吉国二郎君) 御説明申し上げます。揮発油税法及びこれに関連いたしまして地方道路税法の改正をお願いいたしております。  この揮発油税法の改正は、内容的に申しますと、法律としてはきわめて簡単でございまして、税率を一キロリットルにつき二万三百円、現行法は一万四千八百円、一キロリットルにつきまして五千五百円引き上げようとするものでございます。これは、税率の第九条、新旧対照表でございますと二ページでございます。それからそのほかに、最近の実施状況に合せまして、この際所要の規定の整備をはかりました。この所要の規定の整備と申しますのは、先般御審議を願いました国税徴収法の規定によりまして、間接税の対象物品が公売処分あるいは強制競売になりました際には、その競売あるいは公売によって発生いたしますその間接税額、これを優先徴収するために、その公売等があったときに、その製造場から移出されたものとみなしまして、課税原因を発生させますために、新旧対照表の第五条第三項をそういう意味で加えたわけでございます。これに対応いたしまして、第十条を改正いたしまして、この第五条第三項の規定の適用のある場合におきましては、直ちに申告をしなければいけないという申告義務を課したわけでございます。この改正法は、現在の予定では四月一日から実施をいたすということにいたしております。  なお、関係の付則がございますが、付則の第四項、四ページでございますが、これは従来通り、すでに製造場から移出をいたしまして、販売業者の手元にある揮発油がございます。これは安い税率で出されておりますので、この分についてはストック課税をいたすことになりますが、非常に少量のものにまでいたしますと、実施上の困難もございますので、前回の昭和三十二年の前例に従いまして、五キロリットル以上の揮発油を所持する者につきましては、一キロリットル当り五千五百円の揮発油税を課するということにいたしております。  以上が揮発油税の改正でございます。  次に、地方道路税法の改正でございますが、御承知のように、揮発油税は地方道路税と一括して徴収いたしております。従いまして、納めるときにはその両者を合せた税額で納付がされますが、それを揮発油税と地方道路税に分ける規定が第七条にございます。これは新旧対照表の七ページでございます。第七条の二項に「地方道路税及び揮発油税の納付があったときは、その納付に係る金額の二百三十八分の三十五に相当する税額の地方道路税及び二百三十八分の二百三に相当する税額の揮発油税の納付があったものとする。」、徴収されました税額をこういう基準で機械的に按分いたしまして、両者が均等に徴収されるようにいたしております。従来は、これを「百八十三分の三十五」、「百八十三分の百四十八」といたしておりましたのが、揮発油税が五千五百円上りましたために、その計数が変ったわけであります。  以下多数の改正があるようでございますが、いずれもこの計数の整理でございます。  簡単でございますが、これが揮発油税法及び地方道路税法の改正の概要でございます。  次に、物品税法の改正について御説明申し上げます。  物品税法の改正は、現在の物品税法が昭和二十九年に法律改正をいたしまして以来、ずっと法律改正がございませんで、その間二回ほど政令の改正、つまり免税点の改正があったにとどまっております。このために、免税点の定めのあるものにつきましては負担の軽減が行われましたが、免税点の定めのない物品については負担が過重になっておるというような問題から、国会におかれましても、物品税法全体を通じた改正をするようにという御意向が強かったわけでございます。昭和三十二年には、その趣旨の付帯決議が衆議院において付せられたというような経緯がございます。政府といたしましても、昭和三十二年の臨時税制調査会以来、この物品税の問題、さらに間接税全般を含めた体系的な検討を続けて参りましたが、今回の改正に当りまして、その一環として物品税の改正をいたそうとするものでございます。  その基本的な考え方は、税負担の不均衡を是正するということが第一点でございます。これは基本的な態度であると申すべきだと思いますが、さらに、現在の物品税法におきましては、できるだけ高級な消費物品を選んでおります関係で、これが相当部分は零細な手工業者の製品になっております。これを製造課税いたしますために、手職の人々が税金を課せられる。そのために、字を書くことも十分でない人が納税義務者となっておるといったような点、あるいは、それであるために、また物品の販売についても非常に力が弱くて、税金を転嫁できないといったような問題がございまして、これについても考えるべきじゃないかということがしばしばいわれております。今回は税負担の不均衡の是正に加えまして、零細業者の製造物品の負担を軽減するという見地から、これを第二の基本的な考え方といたしまして、具体的な方法といたしましては、第一に課税方法を変更する。課税方法の変更と申しますのは、たとえば、製造段階の課税を小売段階に移す、あるいは極端な例外的なものといたしまして、製造課税の段階をさらに原材料の課税、半製品の課税という段階に逆戻りをしてとるというような課税方法の改善によって、この中小企業者等の困難な問題の解決できるものは解決をする。それから、税率の調整。税負担の不均衡と同時に、零細企業の物品でありまして転嫁が非常に困難であると認められるようなものにつきましては、税負担を軽減することによって問題を解決するということで、税率の軽減。さらに、この段階では、課税物品として適当でないというものについては、この際課税をはずす、こういった形で改正をしたわけでございます。さらに、物品税の負担の不均衡を是正するという面で軽減の面を申し上げましたが、さらに、現在の課税物品との間に非課税物品で不均衡のあるものがございます。たとえば、新たに製造されるに至ったいわゆる新規の製品、こういうものは課税が抜けておりますので、そういうものについて検討いたしました結果、現行の課税物品と著しく不均衡なものについては、これを新規課税をする。これが物品税の改正のおもな点でございます。  内容について簡単に申し上げますが、今回の改正におきましては、第一条の課税物品の規定を全文改正をいたしまして、これを一々対照して申し上げますと非常におわかりにくいかと思いますので、まとめて簡単に御説明をいたします。  第一に、第三種でございますが、九ページをごらんいただきます。第三種の改正は、最初申し上げました課税方法の変更の一つの形でございまして、「サッカリン、ズルチン及此等ヲ原料トスル調味用固型人工甘味料」というのがでございます。これは御承知と思いますが、課税上かなり問題があったのでございます。一つには、このサッカリン、ズルチンは戦後の物資不足の際には非常に珍重されまして、やみ価格が高い。一時は一キログラム当り税金にして一万三千円まで行ったことがございます。現在はそれが三百円というような非常に安いものになっておりますが、サッカリン、ズルチンの価格自体が下落いたしまして、現在は税抜きで六百円程度。従いまして、従価におきまして五割程度の課税になっております。そんな関係で、一部にかなりひどい租税回避が行われている。そのために執行がうまくいかぬというような面であったのでございますが、これを製品の段階から一歩下りまして、半製品の段階でとらえますと、これはかなり大きな業者がやっております。その数も両者を合して十一軒程度ということで、確実な把握がございます。そこで、現在のトランプ類税法と同じように、半製品と製品、両方課税対象といたしまして製品として課税するものは半製品を未納税の形で出すことができる。しかし、製品について納税しない。脱税するという人がある場合は、未納税という形が認められないで、半製品の段階で課税されて、たとい脱税しても税がとれるという形でやるべきではないか。同時に、税金も百円に下げる。これが第三種でございます。ここに第二号といたしまして「サッカリン、ズルチン、チクロヘキシルスルフアミン酸ソーダ、オルソトロールスルフォアミド、パラフェネチヂン及チクロヘキシルアミン」と書いてございますが、このうちのオルソトールスルフォアミド、パラフェネチヂンというのがサッカリン、ズルチンの半製品でございます。これを両方課税対象に取り入れまして、どちらかで課税するという法改正にいたしたのであります。  それから次に、課税方法の変更といたしまして、小売課税の移行のものがございます。これは最初の第一ページに戻っていただきまして、第一種といたしまして、従来は甲類、乙類の差なく一律に小売課税物品があったわけでございますが、現在の製造課税のもののうち、零細業者の製品であって非常に問題の多いものを選びまして、それを小売に移した方がいい、どちらにも、徴税上もあるいは納税義務者には有利だというものを選択したわけでございます。  その考え方といたしましては、現在の第一種の製品と似たような種類のものであって、これを小売に移しても、従来の第一種納税義務者がやはり扱う、そういう意味では納税義務者があえてふえないというもの、たとえて申しますと、現在の第一種の一号、二号、三号あたりに、「貴石若ハ半貴石又ハ此等ヲ用ヒタル製品」というのがございますが、これらはいわゆる身辺用細貨類あるいは装飾品でございます。室内装飾品でございます。これは製造課税の方のそれと同じものでございますが、ただ、貴金属を使っているとか、あるいは貴石を使っているということから、小売課税になっております。従いまして、そういったたぐいのものは製造課税から小売課税に移しても、これら納税義務者が当然扱う。これが第一の基準でございます。第二の基準は、製造小売という形態が非常に多い。そのために、製造者としての地位で課税をされますが、小売の場合にもその小売のものについてマージンを控除した額について課税を受けるという、非常に複雑な形の課税を受けざるを得ない種類、これはたとえば家具などは典型的なものであります。これは家具はそこに載っておりませんが、そういった例で申し上げまして、そういうものが第二に選ばれております。製造小売は小売課税にすることによって手数が非常に省ける。それから、免税点がすでに非常に高くなっているために、小売に移しても大して負担が、納税者の数がふえまいという、この三つの基準から選びましたのが、この甲類の第一種のうち六号に「毛皮製品」というのがございますが、この毛皮製品は従来「高級毛皮製品」と言っております。下級毛皮製品、たとえばウサギでございますとか、タヌキ、羊、ヤギ、こういったたぐいのものは下級のものとして製造課税をしておりましたが、この免税点等を引き上げて、「毛皮製品」に統一をする、これが一つ。それから、その次に第七号に「銃」を加えました。この銃は、御承知のように、法律によって取り締られておりまして、小売まで免許になっております。従いまして、小売課税の際にトラブルが非常に少い。かたがた製造業者の方はかなり零細である、こういったような点から、甲に持って参る。あと、その下に、次の乙類は、十四の「書画及骨董」を載せまして、すべて新しく小売課税に持ち込んだものでございます。  これらのものは大体、製造課税として二割ないし三割の税率でございますので、従来のような小売課税二割の税率では無理がございます。従いまして、今回はこれを一括して、乙類は一割、甲類は二割ということで整理いたしたわけでございます。なお、書画骨董、従来は第七号にございましたが、これは書画、骨董の特殊性にかんがみまして、従来から特別税率で一割で扱っておりましたので、今回は乙類の方に組み入れたわけでございます。  次に、税率を引き下げた品目でございますが、これは一々対照してごらんになりますと非常にややこしいので、簡単に申し上げます。  書画及び骨董につきましては、ただいま申し上げましたように乙類に組み入れましたが、従来から書画骨董はいろいろな特殊事情がございまして、ほかの物品と違って、何回も売り買いされるだびに税がかかる、累積するといったような理由がございましたので、従来から一割という特別税率を使っておりましたが、今度は二割、一割の二つの税率ができました関係で、書画骨董につきましては、これを五%に特別税率として適用いたします。これは十二ページでございますが、第二条の二項でございます。「書画骨董ニシテ前条第一項ノ規定ニ基ク命令ヲ以テ定ムルモノニ付テハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ価格ノ百分ノ五ノ税率ニ依ル」、従来百分の十でございましたが、これを下げたわけでございます。  それから、非常に零細な製造所が作っておるものといたしまして、娯楽用のモーターボート、撞球用具、これが現在最高税率が五割になっておりますので、これを一割下げて四割。それから、薬莢及び弾丸、これは銃とともに四割の課税でございましたが、これも非常な零細業者でございますので、三割に下げました。それから、ネオン管は、従来四割の課税でございましたが、ネオン管そのものが消費物品としては直接消費の物品でもないというあたり、それから、最近では螢光灯等が似たような用途に使われておるといったような点を考慮いたしまして、二割に引き下げております。  それから、化粧品。これは口紅、香水、まゆ墨等でございますが、これも従来から問題になっておりました。化粧品のうち、これらのものは三割でございまして、ポマード、クリーム、それから化粧水は五%でございます。従来は、これらのものは一括して同じ税率を適用しておりましたが、途中から、負担軽減の趣旨で、物を分けて軽減をやったわけでございます。現在五%になっておりますものは、ここで転減をいたしました際に、逆に引き上げる。クリーム等は下げたわけでございまして、その後さらに引き下げがあって、現在では六倍という税率の間差になっております。これは非常におかしいというので、従来から問題になっておりましたが、今回は化粧品を半分にして、一五%。  それから、石油ストーブ、電気ストーブ等につきましては、ガスストーブが従来二〇でございまして、石油ストーブ等は三〇という税率をとっておりました。これは、電気の不足といったようなときに、電気をあまり使わない意味で差がつけてあったようでございますが、現在では意味がございませんので、それを二〇にする。それから、花火、線香等につきましても、零細性を見て一割ずつ税率を下げました。  さらに釣用具は、今回運動用具をかなり大幅に整理をいたしますので、運動用具と統合いたしまして、従来三割でございましたものを、一割の税率にいたしました。  それから、乳化剤を使用しない原果汁の多い果実水、この果実水につきましては、従来、嗜好飲料といたしまして二割を適用いたすべきでございましたが、付則で果実水だけを特別扱いで一割にしております。そのため、嗜好飲料が二割と一割という二つの税率に分れておって、非常に不権衡でございましたので、今回嗜好飲料を一律に一割といたしまして、特例をはずしたわけでございますが、そのうちで、乳化剤を使用していない原果汁の多い果汁水と申しますのは、農協等でしぼった原果汁そのままをカン詰にいたしまして、そしてこれを売るという、かなり原始的な生産をしておるものを、同じ税率で扱いますのは非常に酷であるということで、特別的にこれを五%として、暫定税率を適用いたしております。  それから、オールウェーブ・ラジオ聴取機、これは先ほどの化粧品と同じでございますが、現在五球以下のラジオは五%でございまして、それより高級のラジオは、オールウェーブあるいは六球以上のものは、二〇%の税率でございます。しかし、最近真空管で、一つで二つの役目をするものなどが出て参りました関係もございまして、この差があまりに大き過ぎるということで、これを一〇%に下げております。  最後に、果実エッセンスでございますが、これは実際としては、すべて原料でございます。果実水に入れるといったようなものでございますので、現在五%の最低税率ではございますが、まあ原料という意味で、紙と同様に特例税率の三%を今後適用するということにいたしました。  これが税率の引き下げの大要でございます。  なお、課税品目の整理といたしましては、今回相当数のものにつきまして、部分品を課税品目からはずすことにいたしました。これは、従来部分品を課税いたしました趣旨は、製品だけを課税いたしておきますと、部分品を買ってきて組み立てるというやり方で税金を免れるというおそれがございますので、部分品課税をいたしておりましたが、最近のように、電気製品でございますとか、その他メーカー品が非常に強くなって参りまして、組み立て物品ではあまりこれに競争できないという状況になって参りますと、部分品課税は、実際はほとんどが未納税移出の手続をとどめるだけの、手数上の問題になっておりますので、これを相当数はずすことにいたしました。  そのほか、大理石、タイル等につきましては、建築用材として最後まで課税物品に入っておりましたが、建築用材はほとんどはずれた現在におきましては、消費税としてはまあいわば一番境目のところにありますので、今回の減税に際してはこれをはずす。大理石、タイルをはずすということにいたしました。  同じような意味で、玉ラムネ、口中剤等も消費税としてのいわば限界点にあるという意味で、この課税を廃止することにいたしました。  減免税の方は以上の通りでございます。  最後に、新規課税物品の説明を申し上げます。  新規課税物品は、まず第一に、第一種の乙類、ページでございますと、二ページでございますが、乙類の十一に、高級織物というものを掲げております。これは高級織物という関係で、定義といたしまして、ほかのものにはない特殊な規定が入っております。「和装生地又ハ帯地ニ在リテハ一反又ハ一本二付価格二万五千円以上ノモノ洋装生地中幅百三十糎以上ノモノニ在リテハ一米ニ付五千五百円以上其ノ他ノモノニ在リテハ命令ヲ以テ定ムル価格以上ノモノヲ謂フ」、こういうことで、きわめて高級な織物については、課税の均衡上これを課税物品に取り入れようという趣旨でございます。  新規課税の第二の物品は、テープレコーダーでございますが、これは七ページ戊類の三十九号でございます。テープ式磁気録音再生機、いわゆるテープレコーダー、これは戊類でございますから一〇%の税率が適用になりますが、さしあたりこのテープレコーダーは、今伸びる盛りでございますので、課税によって急激な影響を受けてはいけないということで、二十六ページに、付則の第四項でございますが、二十六ページ、「昭和三十四年五月一日から昭和三十六年三月三十一日までの間に製造場から移出され、又、保税地域から引き取られる新法第一条第一項第二種第三十九号に掲げるテープ式磁気録音再生機に課されるべき物品税の税率は、新法第二条第一項の規定にかかわらず、その価格の百分の五とする。」ということで、五%の暫定税率を二年間使うことにいたしております。  それから、トランジスター・ラジオにつきましては、従来から問題がございましたので、今回はこれに普通のラジオと同様に五%、オールウェーブのものにつきましては一〇%の課税をいたすことにいたしました。  それから、サッカリン、ズルチン等と権衡をとる意味で、新しい甘味剤でございますが、チクロヘキシルスルファミン酸ソーダ及びその半製品でございますチクロヘキシルアミンというものについて課税をいたすことになりました。これは第三種でございます。先ほど読み上げました中にございますが、これはサッカリンに比べまして甘味度が低いということを考慮いたしまして、一キロにつき三十円の税率にいたしたわけでございます。  以上が税率関係でございますが、なおそのほか、最近の課税の実情に顧みまして、必要な若干の改正をいたしております。  一つは、第一種の物品の小売業者が委託を受けて販売する場合または売買の媒介をする場合には、自己の所有する第一種の物品を販売したものとみなして課税をする。これは第五条の第一項でございますが、「第一種ノ物品ノ小売業者が其ノ第一種ノ物品二付販売若ハ買受ノ委託ヲ受ケテ之ヲ販売シ若ハ其ノ買受ノ委託者ニ引渡ス場合又ハ其ノ第一種ノ物品二付売買ノ媒介ヲ為ス場合ハ之ヲ其ノ所有ニ係ル当該物品ノ販売ト看倣ス」、これは書画、骨董等につきましては、販売というものと仲介というものが区別ができませんので、実際上販売であるものを仲介と称して、かなり粗税回避が行われておる実情がございます。これを税金を下げますと同時に、こういう点を是正していこうという趣旨でございます。  それから、輸出の促進をはかるという見地から、輸出免税の手続が最近非常にめんどうだといわれてこれを一括承認という方法をとるように改正をして、輸出免税の手続の簡素化をはかる、そういった改正をいたしております。  なお、最後に、この改正法律は、減税の分は昭和三十四年四月一日から施行するということにいたしておりますが、小売課税に移行するもの及び新規課税にかかるものは五月一日から、準備期間を置いて実施をするということにいたしております。  大へん長くなりましたが、物品税法の概略を終ります。  次に、入場税の御説明を申し上げます。  入場税法につきましては、前回の国会で当委員会におきまして、演劇についての特別軽減税率の定めを置くことに改正をいたされたわけでございますが、さらに、その際、純音楽と演劇あるいは映画等との課税の権衡をさらに考えて、政府としても、全般を通ずる改正をやるようにという御趣旨の付帯決議がございましたので、今回他の税法改正をいたしますに際しまして、入場税法の改正もその趣旨でやったわけでございます。  概略を申し上げますと、まず、第一種の催しものの基本税率を、現在は御承知のように五十円以下一〇%、八十円以下二〇%、百三十円以下三〇%、百五十円以下四〇%、それをこえますと五〇%という税率になっておりますが、これを五十円以下は一〇%据え置き、それから百円以下を二〇%、百円をこえた場合にはこれをすべて三〇%ということにいたしたのでございます。それと同時に、委員会で指摘をされました演芸と演劇、あるいは純音楽と普通の音楽といったようなものの不権衡を直すという意味におきまして、今回は演芸、音楽及び見せもの、つまり第一種のうち映画、競輪、競馬を除いた他のものをすべて演劇の税率に統合をしたわけでございます。こういたしますと、演劇と演芸の区別とか、あるいは演劇と音楽が一緒に行われておるといった場合に問題が起きないかということと、純音楽等につきまして二割の税率を適用いたします。三百円をこえても二割でございますが、その他のものについても三割にとどめますと、そう従来のような大きな差がないわけであります。従来でございますと、純音楽にするか普通音楽にするかで、二割が五割になるといった大きな差があるだけに、問題が大きかったわけでございますが、純音楽と音楽は全く同じ税率でございますから、少くとも三百円のところまでは問題はほとんど解消する。三百円をこえたといたしましても、税額の差が一割ということになりますと、問題はほぼ解消するのではないか。不完全ではございますが、委員会の御指摘の映画、純音楽あるいは演劇、あるいは普通音楽というものの権衡をはかれという趣旨が実現できるのではないかということを考えて、改正をいたしたわけでございます。  それから、一方におきましてそういう均衡上の改正をいたしますとともに、現在、いなかで臨時開催、あるいは学校の講堂を借りて映画会をやるといったような場合にまで、こまかい税額をとっておる。極端な場合でございますと、山を越えて出張をしてとってきた税金が五百円ということで、出張旅費の方が高いといったようなことが実際あるわけでございます。そういう点を考える。手数の省略と申しますと言葉は悪うございますが、税務行政の改善という面と、同時に、山間僻地で娯楽の少いところで臨時の娯楽というものを免税する趣旨で、三十円以下の料金の催しものにつきましては、これを免税とするということにいたしました。第一種を三十円にいたしました関係で、従来第二種の免税点が二十円というのがございましたが、これを三十円にするということにいたしたわけでございます。  それから、その他最近における入場税法の実施状況に顧みまして、若干規定の整備をはかっております。たとえば、このごろよくいわれますが、入場券のたらい回しとかいろいろなことがいわれますので、入場券の半片を保持する義務がございますが、これを三カ月間は所持する義務があるというふうに改めて、課税の適正をはかろうといたしております。  改正法律は五月一日から実施する予定になっておりますが、これは前回も問題になりました前売券との調整をはかるために、五月一日から実施いたしますが、ただ、前売りとしてすでに引き下げた税率で前売りを行う場合には、あらかじめそういう切符が売れるように、四月一日から前売券については税務署長の承認を得れば新税率で売ることができるという規定を入れまして、従来から問題になっておりました点を解決いたしております。  なお、最後に、当委員会でも、演劇の際に強く御指摘を受けました、税を軽減しても入場料金は下げないという問題もございますので、今回は付則第四項におきまして、昭和三十四年三月三十一日からさかのぼって六ヵ月間に、最も長い期間適用した入場料金よりも高い税抜きの入場料金で料金を定めておるような場合には、この法律施行の日から六ヵ月間に限ってこれらの催しものには旧税率を適用する。つまり、税率が下ったにかかわらず同じ料金でやっておる場合には、税額は同じ税額で旧税率でいくぞということにいたしまして、間接的に税率を引き下げるように措置をいたしております。なお、ただこの場合に端数等がございますと無理がございますので、適当な端数整理を政令で行うことにいたしております。  以上、簡単でございましたが、入場税の御説明を終ります。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 以上で二法律案の補足説明を終りました。御質疑のある方は、順次、御発言を願います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは質問じゃございませんが、私が先般の委員会で要求をした資料が出ておりますが、それから衆議院の大蔵委員会の横山君の要求による資料も、揮発油税と入場税関係で出ていますがね、この資料の説明をお願いしたいと思います。

塩崎潤大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(塩崎潤君) 先般、大矢委員から御要求がありました資料、私が承わりました分十一、ここに御提出申し上げております。その一つ一つにつきまして概略御説明申し上げたいと思います。  まず第一は、基礎控除及び扶養控除に関する資料でございます。この資料の御要求の趣旨は、扶養控除引き上げの根拠という意味で御要求になったものだと思いますが、その参考資料といたしまして、こういうような資料を作り上げたわけであります。  まず第一は、一ページ目でございますが、「(イ) 昭和二十五年以降の基礎控除額及び扶養控除額の改正の推移」でございます。昭和二十五年というのは、御承知の通り、シャウプ勧告に基きまして改正の行われました年度でございますが、それ以後の基礎控除と扶養控除のうちで、一人目、二人目、三人目、四人目以降のものを、改正の年を全部入れまして並べましたものでございます。  基礎控除は、昭和二十五年に二万五千円であったわけであります。現在、改正案におきましても九万円。これを一〇〇といたしまして、各年におきます基礎控除と扶養控除の割合をカッコ書きで表わしておりますが、その二十五年なら一人目までは基礎控除に対しまして四八%、当時は一人目、二人目、三人目、全部区分がございませんので、二万五千円に対して一万二千円であったわけであります。これが改正案におきましては九万円、七万円、二人目以降全部三万、こういうふうになっております。今回の最も大きく控除の引き上げが行われましたのは、四人目以降の扶養控除の額でございますが、これは昭和二十六年に一万五千円に引き上げられました後、ずっとそのままでございます。昭和三十三年まで一万五千円。従いまして、三十三年におきましては、一〇〇に対しまして一六・六%、こういうふうになっておったわけでございますが、先ほど来改正の趣旨で申し上げましたように、この一万五千円が二十六年以降から据え置きでございますので、いろいろな生計費の理屈、あるいは法人、個人、あるいは青色申告、白色申告等のバランスをも考えまして、これを一万五千円から三万円に上げた。  その次には、大事な資料といたしまして、一人目が一万二千円が今度七万円に上っております。だんだんと割合が、二十五年には四八%であったわけでありますが、改正案におきましては一〇〇に対しまして七七・八%、配偶者という点も相当重点を置かれますが、先ほど来申し上げております。生計費関係、このあたりも考えまして、あとで出て参りますが、この程度の金額が妥当であるという考え方で作ったわけでございます。配偶者は単に扶養控除という考え方ではいけないのだ、むしろ基礎控除と同額、あるいは扶養控除という考えがいけないのだというような考え方もありますが、一応生計費の面を重視いたしまして、昭和二十五年は一万二千円、今まで五万円でございましたのを、七万円に上げた、こういうことであります。二人目、三人目以降は、二万五千円を今度三万円にいたしました。今までは扶養控除につきましては三段階制度でございましたが、簡素化もいわれますし、先ほど来の改正の趣旨から申し上げまして、これも三万程度がよかろう、こういうので、若干税制が簡素化されたわけでございます。  第二点は、これも大矢委員の御要求でございましたが、(ロ)の「基礎控除と扶養控除との関係」で、戦前と外国との比較をしてくれ、こういう御要求でございました。米国、英国、西独と比較いたしておりますが、その上の欄の昭和十年、昭和十五年、現行、改正案は、日本の過去との比較でございます。  まず、昭和十年は御存じの通り、よく当時の基礎控除は——基礎控除と申しますか、基礎控除は千二百円であった。今直せば約三十六万円になるといわれますが、千二百円でございまして、これに対しましては、当時扶養控除というのは税額控除であったわけでございます。そういたしますと、最低税率で換算いたしますと、当時の税額控除で百円、それを所得金額に直しますと三万二千六百二十円、現行のそれは金額でございますが、これはインフレをいたしておりますので、四十万三千四百四十円が千二百円に該当いたします。今三十六万円と申しましたが、四十万三千四百四十円、こういうふうにお考えになっていただきまして、これに対しましては、当時の税額控除百円というものは、税額所得——失礼いたしました。所得でございます。三万三千六百二十円になります。そういたしますと八・三%。当時は人による区別はございません。一〇〇に対しまして八・三%。これが直りまして、十五年では分類所得税をとられました。事業と給与におきまして、基礎控除と扶養控除の額が違っております。それにいたしましても、基礎控除の額がずっと大きくて、扶養控除の割合は少いわけでございます。おのおの扶養控除は基礎控除に対しまして、事業も勤労も二八%ずつでございます。現行になりまして、九万円に対しまして五万円、二万五千円、二万五千円、一万五千円と並んでおりますが、今度の改正案ではこんなような基礎控除と扶養控除の割合になります。  アメリカにおきましては一律全部六百ドルでございますので、基礎控除と扶養控除との開きはございません。日本におきましては、過去におきましては、扶養控除の地位は税制上では低かったわけでございますが、だんだんこういうふうに上ってきたということがいえます。米国は全く同額でございます。英国は若干の開きがございまして、七一%が基礎控除に対します扶養控除の割合でございます。西独はこれは多子家庭奨励と申しますか、配偶者につきましては基礎控除と同額でございます。千六百八十マルク、ところが一人目の子供になりますと五四%に減りますが、二人目の扶養控除となりますと、三人目と書いてありますが、子供でいいますと二人目といった方がいいかと思いますが、これが一〇〇%に上ります。三人目以降の子供、扶養親族の数では四人目となりますが、これは多子家庭の奨励で、基礎控除より大きなものになります。こういう趨勢でございます。日本の全体の趨勢は、まだ扶養控除のウエートは、基礎控除に比べて、外国に比べて少いではないかと、こういうところでございます。  その次は、扶養控除引き上げの一つの根拠といたしまして、(ハ)でございますが、「生計費からみた現行及び改正案の課税最低限の検討」でございます。これは家計費調査、例のCPSといわれておるものでございますが、家計費調査に基く給与所得者消費支出金額と課税最低限とを比較したものでございます。この備考にもございますが、一人世帯の調査というものはございませんので、二人世帯から、あるいは三人世帯から最小自乗法による趨勢線によりまして一人目を推定いたしたわけでございます。で、消費支出金額がそこに上っておりますが、これとまず課税最低限を比較いたしますと、課税最低限の方が低目でございますが、これをどういうふうに考えますか。まだ往々にいたしまして、消費支出金額に比べまして課税最低限はそこまで行っていないじゃないかというお話がございますが、消費支出金額が必ずしも最低生活費と考えるのがいいかどうか、そのあたり疑問でございます。私どもはこれを八掛にいたしまして、これと課税最低限を比較するということをやっておりますが、最近の状況では相当ゆとりも見られるような消費支出金額でございますので、私どもはこれとのバランスだけで見ていただくのがいいんではないかと思う。基礎控除と扶養控除あるいは課税最低限全体とのバランスで見ていただくのがいいんではないかと思うわけでございますが、消費支出金額のところを見ていただきますと、一人世帯の場合に世帯員が一人ふえるためにふえる金額、そのうちの消費支出金額でございますが、割合だけ見ていただきますと、一人世帯では十三万六千四百九十八円、これを一〇〇といたしますと、一人ふえますと、それがふえた分についての生活費というものは六一・五、三人世帯は三五・四、四人世帯、二一・八、五人世帯は二〇・四となります。  現行では、ここにございますように、現行の課税最低限、税法上の基礎控除、扶養控除の額はどうかと見ますと、一〇〇、五五・五、二七・三、二七・六、一六・六と、こういうふうになっております。一人目が少し足りない。二人目も三五・四と二七・三、これも足りない。ところが、三人目は二一・八に対して二七・六と、これは若干上回っておる。五人世帯になりますと、二〇・四と一六・六、これはまた足りない。こんなふうになりますが、先ほど来申し上げましたような改正の趣旨で直しました後の改正案では、割合は一〇〇、七七・三と、これは若干オーバーして参りますが、先ほど来申し上げました配偶者に対する考え方を入れるか入れないかという点もあわせて考える。三人世帯のところでは若干オーバーする、四人世帯もオーバーする、五人世帯もオーバーする。といたしますと、この世帯は、四人目のところの五人世帯というのは、扶養控除を判断する一つの材料になるわけでございますが、四人世帯と五人世帯のところの消費支出金額の割合は二一・八と二〇・四でございますので、現行四人目以降の扶養控除が一万五千円、三人目のところが二万五千円、そこだけ、これだけの開きはないということは、CPSの数字からうかがえる。そういう意味で、一万五千円を三万円に上げるということも、この面から至当ではないかという数字になるかと思います。  その次は、大矢委員の御要求のございました所得階級別表と申します、所得階級層を表わしますところの数字でございますが、現行最も新しい数字は昭和三十二年分の所得税の納税者の所得階級別表でございます。これを給与所得者と申告納税の所得者に分けまして掲げましたのがこの数字でございます。二十万円以下から五百万円超というふうに分れておりますが、給与所得者では八百九十九万八千人、申告納税者では二百十八万四千人、これを百分比に、人員の百分比と所得の百分比で出しましたのがこの数字でございます。  その次は、大矢委員の御要求でございました配当と利子との所得階層分布と申しますか、私ども例の階級別表と言っておりますが、まず配当でございますが、これを表わしましたのが第三の表でございます。先ほど申し上げました人員の百分比、配当所得の百分比で表わしましたものでございます。配当所得をもちまして申告課税を受けますところの人間の数は十七万三千人でございまして、総合されまして申告されましたところの配当所得金額は三百十七億七千九百万円でございます。これをおのおの百分比で表わしてございます。  その次は、預金利子の階級別表と御要求がございましたが、その際にも申し上げましたように、私どもは、預金利子につきましては租税特別措置で長らく分離課税をやっておりまして、資料も出ておりませんので、所得層別には数字はないと申し上げたわけでございますが、何らかそういう御要望にこたえます意味で出しましたのがこの資料でございますが、これは税制上の、私どもの税の関係でとっておる資料ではございません。備考一にございます「昭和三十三年九月末の預金者別預金統計調査(日銀調)」によりまして、個人と法人に分けましたところの、預金の一口当りの金額で分けましたところの預金階級別表でございます。一旦五万円未満のものが、口数といたしまして、たとえば短期預金では千八百四十六万三千口あって、長期預金ではそれが千三百二十五万七千口ある、こういった数字でございます。これは少額の五万円以下のものが相当多いということがいえるわけでございます。口数にいたしまして、預金合計では四千三百二十一万口ございます。これを口数別の百分比、金額別の百分比、一口当りの金額に表わしましたのがこの表でございます。  その次の表は、個人分と法人分との計でございます。その間の割り振り、なかなかむずかしいようでございますが、毎年々々こんなような数字を出しておりますので、私どもはそれを拝借さしていただきまして、大矢委員の御要求にこたえたかどうかわかりませんが、提出さしていただいたわけでございます。  その次は、退職所得に対しますところの今回の改正がどういうふうになるかということを表わす資料でございます。  まず第一は、総体的な観察といたしまして、「改正案による退職所得の所得税負担額調」を出したわけでございます。先ほど御説明申し上げましたように、勤務年数によって特別控除ができ、しかもまた、退職時の勤務年数期間に入ってきます年令によって違うことを申し上げたわけでございますが、従いまして、勤続年数何年でやめたということを一応想定いたしまして出した資料でございます。勤続年数十年の者が、二十才就職の者、三十才就職の者というふうに分けまして選んだわけでございますが、定年退職者の退職金を優遇しろということでございますが、定年退職者、大体三十年勤続、二十五才から勤めまして五十五才ということが普通だといたしますと、一番下の欄を見ていただきますれば、今回の改正によりましてどの程度負担が減るかということがわかると思います。現行におきましては、七十万円におきましても、これはもう退職した人たちの年令に関係ございませんが、一万二千五百円かける。百万円では二万七千三百円、二百万円では十五万円かけておったわけでございますが、今回の改正によりまして、二十才就職の者も、二十五才就職の者も、三十才就職の方も、七十万、百万円までは、最高百万円と申しましたが、かからない。二百万円の方は現行では十五万円でございますが、今回の改正におきましては全部八万四千六百円となるということでございます。退職時の年令によって税負担が違っておる。勤続年数二十五年のところをとって見ていただきますと、年とってやめた方の方が負担は安くなるということが現われております。  そこで、その次の、同じ退職所得に関する資料でございますが、制度を読んでもなかなか計算例がわからないというようなお話がございまして、どういうふうに計算するかというのを示しましたのが(ロ)の表でございます。一番簡単な例ですが、勤続年数二十五年で退職金二百万円もらった場合、どういうふうな計算例になるかということを示しましたのがこれであります。現行法でございますと、退職金を二百万円もらいますと、特別控除が五十万円。と申しますのに、一年につきまして二万円でございますから、合計五十万となる。それを引きますと、いきなりここでは二万円かける二十五で五十万と出しておりますが、五十万円を二百万から引きまして百五十万と(C)欄で出て参りますところが、退職金課税は、御承知の通り、こういう特例がある。こういう特別控除を引いた後を半分にいたしまして、現行の所得税率を適用する。この前に源泉徴収でございますので、簡易税額表がございますが、それを適用いたすことになるわけでございますが、(D)の欄に、二分の一にいたしまして七十五万円、これに今申し上げました現行所得税法の税率をもとといたしました簡易税額を適用いたしますと、十五万円、かようになります。  改正案はどうなるかということでございますが、複雑な方をとりまして、三十才で就職した場合をとりますと、退職金も同じ二百万円になります。特別控除額は九十五万円。九十五万円の根拠はどういうふうになるかと申しますと、「特別控除額の計算」のところに示されておりますが、三十才から四十才までの十年間につきましては、一年当り三万円でございますので、三万円かける十の三十万。四十才から五十才まで、もちろん勤めております、この間の十年につきましては、一年当り四万円でございますから四十万。定年退職でございますので、五十才から五十五才まで、一年当り五万円で二十五万。合計九十五万とこういうふうになりまして、二百万円から九十五万円引きまして百五万円が特別控除後の金額になる。で、特別控除後の金額を例によりまして二分の一にいたしますと、これに対しまして簡易税額を計算適用いたしますと、九万五百円。これは平年度で計算いたしております。これに応じましてオプション・ワンのところの地方税は、退職金につきまして、同様にこの負担の軽減の割合に応じて減って参る、こういうところでございます。  その次は、毎年国会に出しております資料の御要求がありましたわけでございますが、最近の法人の資本金階級別所得金額、あるいは所得階級別法人数、所得金額、これを一つ出してくれ、こういう御要求でございました。昭和三十二年度の普通法人につきましては、私どもがサンプル調査から作り上げた資料でございますが、それを示したわけでございます。  第一は、資本金階級別表でございます。これを五十万円未満、五十万円以上、百万円以上というふうに分け、一番多いのは一億円以上といたしております。法人数は四十二万四千五百七十七ございまして、資本金は一兆八千七百二十二億円でございます。所得金額は八千六百十二億円になっております。それから、一億円以上の方が一番所得金額として大きな割合を占めておりまして、四千七百八十七億、大体五割以上を占めておるわけでございます。五十万以上百万円あたりのところのウエートは非常に少いのでございますが、この所得階級別表で見ていただきますと、この点も同様な傾向が見られるわけでございます。所得金額は五十万以下を最低といたしまして十億円以上を最高といたします。法人は三十一万七千七百六十七。この法人数が上の欄と違いますのは、備考にでございますように、利益会社のみを掲げ、欠損会社は含まないことにいたしております。欠損会社は相当小さい資本金の方方には給与でほとんどとりますので、相当多いわけでございまして、四十二万と三十一万との差十一万ばかりの欠損法人があることを示すわけでございますが、所得総額は八千六百十二億で、十億円以上の方の法人の所得金額が最もウエートが強い。三割以上を占めておるわけでございます。十億円以上の所得階級別の所得金額が二千六百二十七億、法人数にいたしますと、十億円以上の法人数は百二十でございます。  その次は、同じく法人の負担に関連いたしまして、これはもちろんときどき私ども出しておる資料でございますが、法人と個人との負担比較をしてもらいたい。一般的には所得金額が大きくなると法人の方が得であることはわかるけれども、なおこまく一つ出していただきたい、こういう御要求でございました。そこで、一つの仮設例でございますが、利益金が、個人企業でありましても、三十万円、五十万円、百万円、二百万円、五百万円というものをとりまして、法人と個人との場合の負担比較をいたしたわけでございます。その算出の根拠となります現行法及び改正案につきましては、その次のページに、法人ならば法人率は幾らか、法人事業ならば幾らで計算したということが、その次にあります。個人も同様に、個人事業税、住民税、詳しく書いてございます。  最も、個人、法人の負担に影響いたしますのは、代表者、あるいは同族関係者と申しますか、代表者の親族で、家業と申しますか、その事業に従事いたしますものの給与の見方によるわけでございますが、三十万円の利益の場合には、たとえば代表者の給与は十五万円、妻の給与は七万円、長男の給与は六万円というような仮設例を掲げまして、おのおの給与の金額を一応の仮定のもとに計算してございます。そういたしますと、結果を一番簡単に見ていただくには、現行法の負担率のB/Aというところを見ていただきますと、現行法のみならず、改正法の負担率、ここを見ていただくといいわけでございますが、法人と個人とは大体におきまして、五百万円をこしますと、現行法におきましても改正法におきましても、個人の方が高い。それ以外は、この仮設例だといたしますと法人の方が高めである。こういうことがいえるかと思います。かりに現行法だけで比較いたしますと、三十万円のところでは、四・七三%というところが、個人だと一・二六%、改正案によりますと、法人ならば四・七%、ところが改正案の個人になりますと〇・二三%、うんと違って参ります。百万円では、改正案で比較いたしますと、一九・六九が法人の負担でございますが、個人だと一八・三四という割合が出ているわけでございます。もちろん、仮設例で、しかもこれは、カッコ書きにございますが、利益の半額を配当するもの、こういう仮設例でいたしておりますので、仮設例の取り方では、負担の取り方が違ってくる場合が出てくる場合があります。  次は、法人、個人の負担に関連いたしまして、法人成りの割合を表わす資料を一つ出していただきたい、こういう要求でございましたが、八に、この御要求には私どもの資料では不十分でございますが、必ずしも完全に、個人企業から法人企業になったというものの調査が昭和二十八年までございまして、その後は詳しくとっておりません。しかしながら、税務当局によりまして、法人の営業状況を調べております。それでもって、大部分は個人企業から法人企業に転換したものが多いかと思いますので、割合を見ていただく意味におきまして、昭和二十八年以降の法人設立件数調べを出してみたわけでございます。二十八年に八万七千の新設の法人はありましたが、そのうちの六万三千は、個人企業から法人企業へ転換したものである。こういう数字を内書として入れております。二十九年以降は新設法人の数でございます。最近は五万台の数をずっと継続しておるような状況でございます。  次は、交際費の資料を出していただきたい、こういう御要求がございました。交際費も、全体じゃなくて業種別に出していただきたい。そのときにも私お断わり申し上げたわけでございますが、業種別全体について私どもは資料はない。ただし、私どもは常に、交際費の今度の改正案を提案いたしました場合にも、研究いたしましたサンプル調査がございます。これは業種といっても、その業種の中の、各業種に属するすべての企業の法人の交際費の金額をとっていないので、必ずしも完全とはいえませんが、私どもの参考になる意味でとりましたところの業種別の業種を少しピックアップしまして出しましたのが、この資料でございます。  これは、見ていただきますと、貿易業、卸売小売業、銀行から化学工業と、十業種ばかりの業種をとってみたわけでございます。一番税制上の交際費の否認規定と関連ありますのは、損金不算入額、これと会社が計上いたしましたところの交際費額と、これとの関係が問題になる。A分のBでございますが、これを見ていただきますと、今言えますことは、業種によって否認割合が相当違う。ともかくも交際費は、御承知の通り、業種によって相当使い方が違うのは当然でございますが、税制上にこういう否認規定を設けます以上、何らか、一つ画一的な、できるならば業種の実態に応ずるような基準が適当でございまするので、一つの要請も加わりますこともございますし、また税制上で限度がございますので、一定の業種に応ずる率と、それから二十八年の六割という実績基準と、両方でできる限り実情に即した措置がとられておりますけれども、相当否認の割合が違うということがわかるわけでございます。医薬品業の四一・七%、会社が損金に計上いたしました交際費額は、十一億、そのうち否認を受けましたものが四億六千というようなことになりまして、四一・七%。その次に高めになりますのが、卸売小売業二十一億のうち六億三千というようなことになりまして、二九・三%。今回の改正の趣旨が、私どもといたしましては、二十八年の基準で果していいかどうかもう一ぺん見直す意味におきまして、三十二年十二月までの基準をとったのは、税金を払いながらこういう交際費を使っていくことをどういうふうに見ていくかということの判断をある程度下し、またその実情に応ずるような改正をいたしたつもりでございます。  その次は、これも毎年出しておりますところの租税特別措置による減収額試算でございますが、項目別に分類いたしまして、貯蓄の奨励、内部留保の充実、技術の振興及び設備の近代化、産業の助成、その他として、数といたしましては二十七、うち増収になります分は交際費課税の特例、これも税制上から見ますと特別措置だと思いますので、掲げました。六十億でございますが、それを相殺した九百九十億円が改正後の平年度の租税特別措置による減収額でございます。なお、必ずしも租税特別措置法に規定のありますところの金額だけではなくて、所得税法に掲げてございますような特別措置も掲げてございます。たとえば貯蓄の奨励の中の3生命保険料控除、これを百五十億掲げてございますが、これももう種種の見方がございますけれども、貯蓄に対するやはり奨励措置であろうというふうな趣旨で特別措置の中に入れてございます。  その次は、物品税の資料の中で、主要物品の消費支出弾力性というものを出していただきたい、こういう御要求でごさいましたので、税制懇談会で作成されましたところの消費弾力性、昭和三十二年分の家計費調査から求められました数字をここに参考までに出した次第でございます。  以上簡単でございますが、資料の説明を終ります。

吉国二郎大蔵省主税局税制第二課長

○説明員(吉国二郎君) 衆議院の横山委員の御要求の資料について御説明申し上げます。  最初に、入場税関係資料といたしまして、一枚の資料が差し上げてあると思います。この御要求の資料は、入場税の改正の推移を見たいという御要求でごさいましたので、提出をいたしましたものでございます。これは、税率の推移を的確に見ていただきますために、階級はかなり刻んで書いてございますが、まず第一に、一般的な軽減税率と申しますか、現在第四条の第二項、純音楽等に適用されております軽減税率の分は下にまとめまして、それ以外の音楽、演劇、それから今回の演芸等のものは同じ欄に掲げてございます。  二十三年の八月に地方税に移管になりました際は、学生等のスポーツだけに軽減税率が適用されておりましたが、これが六〇%、その他はすべて一律に一五〇%、十五割の税率でございます。二十五年三月にそれを一〇〇%にしまして、十割課税にしまして、軽減税率は純音楽を加えまして四〇%に下げております。それから、二十八年の一月に再びこれを半減いたしまして、五〇%、純オペラ、プロスポーツ等が軽減税率の中に加えられたわけでございます。翌年の二十九年五月に地方税から入場税が国税に移管されまして、その際に初めて現在のような段階税率ができたわけでございます。五十円以下が一〇%、八十円以下が二〇%、百五十円超が五〇%という現在の姿になったわけでございます。軽減税率も従いまして二〇%一本でなくて、五十円以下は一〇%ということになったわけでございます。三十三年の五月の改正で、そのカッコ書きがございますが、これは「注」に書いてございますように、「三三・五改正欄のかっこ書は、演劇に対する軽減税率である。」、これはこの当委員会でおやりいただいたものでございますが、百円から百三十円、百五十円、三百円以下までの階級が二割になりまして、三百円超が三割、こういう姿になるわけであります。今度の改正案におきましてはその刻みが百円超までは映画も含めて二〇になっておりまして、それをこえますとすべて三〇になります。それに対してカッコ書きは従来の演劇に加えて演芸及び音楽及び見せもの、いわゆるなまのものが全部入りまして、これは百三十円以下、百五十円以下、三百円以下までは二〇、その上が映画と同じく三〇、こういう税率になって参るということになるわけでございます。  それから、第二番目の入場税課税場数はどういうように変ってきたかという資料でございますが、第一種は二十九年から非常に急激にふえて参りましたが、これは大体映画館がふえてきた趨勢に沿っております。三十三年三月にはかなり趨勢が鈍ってきたと申しますか、全体が多くなって参りますが、その後三十三年十一月に若干減ってきて、ほぼ頭打ちの状態になってきた。そのかわりに、その右側に臨時というのがあって、これは臨時開催のものでございますが、これは非常に件数が多いわけでございます。映画だけでごらんいただきますと、二段目でございますが、二十九年度で五万一千、三十二年度には年間十万件ぐらいの開催があるわけでございます。これは非常な件数になっておるのはこの数字でごらんいただけると思います。  三番目は映画の平均入場料金の推移であります。三十年度から三十三年までにわたって税込み料金を見ますと、ほとんど変っていないという姿に移ってきております。  以上が、簡単でございますが、入場税の説明でございます。  それから、揮発油税の関係資料は二つ出ておりますが、一つは三十四年の三月九日に提出をいたしました資料、二枚の資料でございます。  これは、航空機用揮発油の免税がどんな姿になっておるか、租税特別措置法との関連で御要求があったわけでございます。沿革的に申し上げますと、二十七年四月一日から免税措置をいたしましたが、当初は一ヵ年間ということになっておった。しかし、その後何回か延期されまして、現在は本年三月三十一日まで、つまり第一次道路整備五ヵ年計画の終了時を目途といたしたわけでございますが、再び三十三年を起点とする五ヵ年計画が開始されましたので、一応その終期である昭和三十八年三月三十一日まで延長を予定するように、租税特別措置法の改正を御審議願うことになっておるわけでございます。  免税数量及び税額は、数量は二十七年が六千キロリットル、以下ずっとふえて参りまして、昭和三十四年の見込みでは八万八千キロリットル。それによる免除税額は二十億一千二百万円、これは揮発油税、地方道路税を含めた数字でございます。免税対象となる航空機用揮発油の規格につきましては、プロペラ機用のものがオクタン価も八〇以上のものということになっております。ジェット機用のものが蒸気圧が一平方センチメートル当り〇・二一一キログラム以下のもの、こういった特別規格のものを免税にいたしております。  それから、第二はクリーニング用揮発油、これは前からよく問題になったわけでございますが、揮発油でも用途によってはまけるべきであるという問題、これは手数上も非常に問題がありますのと、規格的には区別ができないといったようなことで、現在まで免税いたしておりませんが、その関係を見たいという御要求でございます。現在はクリーニング溶剤は、当初はテレピン油またはベンゾールを使用し、その後揮発油を使用していたが、揮発油は引火性があって危険で、現在は使用する数量が少くなっておる。この数量が現在は的確にはつかめておりませんが、現在一般的に使用されているものは難燃性の溶剤であるミネラルターペン、ミネラルスピリット及びソルベントまたは不燃性の炭化水素の塩化物であるトリクロールエチレン——商品名はトリクレン、及びテトラクロールエチレン——商品名パークレンで、現在一般的に使用されている以上のクリーニング溶剤は、いずれも揮発油税法の課税対象となっている揮発油には該当いたしておらないわけでございます。で、ドライクリーニング営業場数は、古い調べでありますが、三十年末で六千五百十場、ドライクリーニング以外の洗濯業者の場数は一万六千六百七十二という調べになっております。  次に、自動車業者の売上純利益率はどうだというお話でございます。左側は日銀で調べております本邦主要企業経営分析調査、右側は大蔵省でやっております法人企業統計の数字でございます。これで見ますと、三十一年上下、三十二年上下、いずれも通じまして、道路運送業の売上利益率は、全産業に比べましてその大体五割程度多い。これはもちろんその設備その他の相違がございますけれども、単純な比較は無理でございますけれども、一応全産業と比較したわけであります。それと同じような比較を法人企業統計でとってみますと、自動車運送業はBにございますが、これが全産業と比較すると、ほぼ日銀の数字と同じように、やはり五割程度、若干三十二年度上期が、とったサンプルの違いによりまして若干相違がございますが、ほぼ同じ結果を示しておる資料でございます。  それから次に、三十四年二月二十四日提出の揮発油税関係資料、第一ページは、「揮発油税収入等の予算額と決算額及び揮発油課税標準数量の当初見込と実績との比較」、これは従来よく大蔵省が過小見込みをやっておる、数量が違うというお話がございました。その数字を見たいという御要望でございます。これをごらんいただきますのに、揮発油税、地方道路税、いずれも比率でごらんいただきますと、一番右の欄、A分のCと申しますのが揮発油税の予算と収入の実績の対比であります。三十年は九八・一%、収入の方が少かった。それから三十一年は一〇六・一%、三十二年は九八・八%、三十三年はことしの見込でございますが、一〇一・七、ほぼとんとんという姿であります。これに比べますと、地方道路税が三十年が一〇六・四、三十一年は揮発油と同じ、三十二年は九九・五、三十三年は揮発油と同じということになっております。課税標準数量は当初の見込みと実績で見ますと、三十年が一〇八・一、三十一年が一〇七・六、三十二年が九五・七、三十三年が一〇一・七ということになっております。  ここでちょっと御説明申し上げておきたいと思いますのは、三十年は揮発油税が九八・一で、地方道路税が一〇六・四、しかも数量の実績が一〇八・一という、非常なおかしな数字が出ておりますが、これは御記憶の通り、当初の税法改正で、十月から地方道路税を二千円増税をいたしまして四千円にする。当時は一万一千円と二千円という、合計一万三千円でございましたが、それを地方道路税を二千円増徴するという案が出たわけであります。それが国会で修正されて、二千円の引き上げが中止になりまして、その関係で予算上は揮発油税の欠損が出て、この対策といたしまして、地方道路税の方の欠陥を生じないようにということで、地方道路税に二月から十月まで、揮発油税を特例として九千円、地方に四千円充てるということにいたしました。その関係で揮発油税収入と地方道路税収入が食い違っておる、課税数量と実績が食い違っておるという結果になったわけでございます。そういう点がない三十一年と三十三年は、揮発油税と地方道路税の収入は同じでございます。  それから次は、「道路整備五ヵ年計画」、二ページでございますが、これは道路整備五ヵ年計画の概要でございます。これはお読みいただければその通りでございますが、ちょっと申し上げておきますのは、五ヵ年計画事業は、五ヵ年計画全体で八千百億、そのほかに地方単独一千九百億があるわけでございます。一般道路といたしまして六千百億、有料道路二千億ということになっておりますが、これは、従来の七千億というやつでは、一般道路が五千五百億、有料道路が一千五百億、それを五百億ずつふやしたのが現在の計画になっております。補助率は、三十三年度の臨時特例が、そのまま三十四年度以降も引き続いて適用されるように改正されるわけでございます。それから、財源措置といたしましては、その下の通りのバランスでございまして、揮発油税増税による収入増、一番下から二番目、一千六十八億、五ヵ年計画全体で一千六十八億の増収をあげる。一般財源は、その上の方にございますが、五ヵ年計画全体で三百十七億、三十三年度がすでに五十億出ておりまして、今年度百億、残りの三ヵ年は揮発油税を三割増徴いたしましたので、三十三年度の額を三割引き上げて、三年分百六十七億という数字になっております。  その次は「税率引上げが自動車関係業者に又ぼす影響(経費増加額の収入運賃額に対する割合)」、これは運輸省の数字をとりまして、ハイヤー・タクシー、定期バス、貸切バス、トラックごとにキロ当りの運賃収入、平均運賃収入をとったわけでございまして、それに対してキロ当りの揮発油消費量、それに揮発油税の増額分が三番目に出ております。これでキロ当り運賃収入を割りますと、ハイヤー・タクシーの場合は二・八%、定期バス二・九%、貸切バスが一・九%、トラックが二・二%程度の経費増になるということになります。  四番目は、税率を引き上げると揮発油の価格がどうなるかということでございますが、それは市場の関係でいろいろ影響が違っておりまして、必ずしもそのままその率だけ価格が上るとは限らないという結果になっております。その例といたしまして、三十一年六月の小売価格がキロリットル当り三万一千六百五十円、これが三十二年三月、ちょうど五千三百円引き上げる直前でございますが、三万七千四百円になりまして、税率引き上げがあった結果四万二千四百円、約五千円は確かに直後は上っております。しかし、六月にはそれが四万一千円に下りまして、三十三年六月、つまり去年の六月又び十月の数字は三万六千四百円、結局、五千三百円引き上げる前の数字よりもむしろ下っています。これは、石油業界がタンカーの関係で過剰生産になっております。結局、前の引き上げは消費者にほとんど影響がないという姿になっておるわけでございます。  次が、「なお最近における年度平均価格の推移は次のとおりである」として、小売価格は二十九年に三万八千円、このときに税率を二千円引き上げた。それから三十年に同じ税率で三万五千円、三十一年に三万三千円と下っております。三十二年の平均が四万円、三十三年は三万六千四百円、こういうふうに揮発油の事情によってだいぶ値段は違うというわけでございます。  それから次は、「揮発油税負担と道路整備による受益との関係」でございます。これは横山委員の御要求は、揮発油税を引き上げても受益によって元がとれるというようなことを言うが、実際どうだ、こういうお尋ねであったわけですが、これはまあ第一に書いてありますように、鮎川構想における受益総額、これは参議院の鮎川先生が、昭和二十六年ごろでありましたか、道路を整備すればもうかるのだという研究をされたわけであります。その結果でございますが、この鮎川先生の計算によりますと、十一年間で投資の四倍の利益があるという結果が出ております。そこで、鮎川先生の利益の内訳は、次のページに、付表第一に出ておりますが、「直接自動車業者が利益するもの」、走行費節約が三四・二%、交通事故による物的損失の軽減が一・四%、交通事故減少による人的事故費減一・七%、合せて三七・三%というものが直接自動車業者が利益するものでございます。その次に、「自動車業者が荷主、旅客とともに利益するもの」、これは、道路短縮によって運賃が助かる、疲労軽減によって利益を受ける。次の資本運用益は、たなおろし資産が減るので資本運用益が出るということで、これが一千二百五十五億円、これは実は、自動車業者として荷主とともに利益を得るわけでありますから、これを合計いたしますと五二・五%。「荷主、旅客が利益することによる輸送量増大等により自動車業者に利益がはね返るもの」、これが二七・三%、これで合せて七九・八%。Dの、「一般の利益により自動車業者も利益を受けるもの」、沿道被害の軽減、資源開発道路による利益、これが七・〇%。Eの「純然たる一般利益とみられるもの」、沿道地価値上りによる利益、これが一〇・六%、商品在庫減少に伴う利子節約、これが二・六%、こうやってみますと、まあこのDまでは、自動車業者が確実に利益を受けるわけでありますから、八六・八%。それで、四倍のうちの八六・八%でありますから、結局、三・四倍ということになるわけでございます。  それで、大蔵省としても、計算をしないと工合が悪いということで、走行費節約による直接利益額、つまり鮎川先生の言っておられます三四・二%に相当するものは、大蔵省ではじくとどうなるかということをやってみましたところが、道路の耐用年数を十五年といたしますと、投資額の一・九倍になる。つまり、直接走行利益だけで一・九倍であるということになりますから、全体合せるとやっぱり四倍くらいになるわけでございます。  この計算方法は次の付表に出ておりますが、非常にこまかくなりますので簡単にして省略いたしまして、例示として、四ページの(2)に書いてございますが、「この場合、税率引上げによる税負担増加額と増収分により整備した道路による走行費受益額との関係を検討するために、算出例として、昭和三十四年度に増収分にて工事を施行した道路についての翌年度における受益をみると、揮発油税の三十四年度における増税分百九十三億円に対し、昭和三十五年度には二十四億円の走行費が節減できることとなる。この百九十三億円の財源により整備した道路の耐用年数を仮に十五年間とすれば、一年当り十二億八千万円となるから、年走行費節約額二十四億円に比しては一・九倍の利益となる。」「以上の計算は、今後各年度における走行台粁の伸びを加味していないので、例えば新長期経済計画による、年率一二%の伸びを考慮に入れると実際における利益の倍率はさらに増加するであろう。」、これをやりますと三倍ぐらいになるという計算になります。このこまかい計算法の内訳は各付表につけてございますので、長くなりますから省略をいたします。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 資料についての御質問は……。

大矢正日本社会党

○大矢正君 この五ヵ年計画の中で、国の投資額八千百億というのが出ているけれども、下に来て、「五ヵ年間の所要国費と揮発油税の増税」、こういう計算ができておって、国費所要額五千三百二十二億円になっているのですがね。この八千百億円という五ヵ年計画の事業費と、五千三百二十二億円というものの開きは、これは何ですか。

吉国二郎大蔵省主税局税制第二課長

○説明員(吉国二郎君) 五ヵ年計画の事業費は、一兆円計画のうち、地方単独の事業費を除いた分でございますので、残りは結局国と道路公団と、それから地方の分担金あるいは地方負担分、これとの合計でございます。従いまして、この八千百億のうち、一般道路については六千百億ございますが、このうち五千十億だけが国の負担分で、残りの千九十億、これが地方負担になります。地方負担は、現在の補助率が高いために、非常に少くなっておるということになるわけでございます。それから有料道路の方は、道路公債あるいは資金運用部資金を借り入れてやるわけでございますが、そのうち道路公団の資金コストを六分程度に押えないと、道路公団の有料道路としての採算が合いませんので、それを出資として補てんをしていくわけでございます。その分が、国費としては三百十二億。従いまして、残りは、二千億から差し引きました一千六百八十八億というものが運用部資金とか道路公債によるわけでございます。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 大へんけっこうな資料をいただいて、勉強さしていただいたのでありますが、資料の中に、自動車業者のいろいろな利益率だとか何とかいうのがありますが、業者でない個人の負担がどうなってくるかということですね。個人、たとえばいろいろの団体等の事業場で使っておるトラックの場合、あるいはオート三輪の場合、そういう小型の車両が一台当り年間にどのくらいの消費をしておって、それがこの結果によってどういう影響を受けてくるかというような資料がちょっとないようなんですが、そういうものをお作りになったことはありませんか。

吉国二郎大蔵省主税局税制第二課長

○説明員(吉国二郎君) ただいま手もとには持っておりませんが、そういう資料も作っております。自家用車でございますね。ことに小型等につきましてどれくらい消費があるかという問題についても調べておりますが、その場合、一つ御説明申し上げておきたいと思いますのは、さっき御説明申し上げました付表の第一でございますね。この受益というのが、自動車業者の場合はしばしばいわれますように、自動車業者の受益というのは、直接利益は三四%しかないのだ、ほかはすべて荷主とか、あるいはその他の者が利益するので、だから自動車業者に利益が全部あるというのはおかしいという議論がございますが、自家用車の場合には、直接走行費はもちろんございます。荷主としての受益、あるいは荷主とともに利益する、これはみな入っちまうわけです。ですから、受益関係から申しますと、自家用車の場合は最も典型的に全部受益をするという格好になるわけであります。もちろん、自家用車の走る地域がたまたま整備されてない場合もございますし、いろいろ問題がございますが、総体として考えますと、自家用車の方がフルに利益を受けると言い得るのじゃなかろうか。転嫁関係というものはない、自分が使っておりますから。そういう意味で、利益関係は結局同じではなかろうか。ただ、負担のふえることは事実でございますが、負担を受益で相殺する関係は、自家用車の方が最も端的に出て参るというふうに考えております。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 本格的な質問は、これがこちらへ衆議院から送付されて、本審議に入ったときに質問したいと思いますが、今お尋ねをしたようなこまかい、自家用車のいろいろな車両の種類別の年間の使用量ですね、そうして自家用車が使っているガソリンの年間の総使用量、こういうものの一つ資料をいただきたいと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それから、今の資料は、小酒井さん申された通り、たとえば自家用車でも三輪車、それからその他の荷物単、あるいはトラックとかいうふうに、分類して使用数量というものを明らかにしてもらいたいし、それから、それ以外に、たとえば農業用のトラクターとかああいうものを使っておりましてね、ああいうものの数量がどのくらいかというように、分類別に、一つでき得る限り克明にこまかく種類をあげて、年間の使用数量の最も近い数を出してもらいたいということが一つと、それから、これは一つ設例を作ってもらって、たとえば町の炭屋さんが三輪車を一台持って一年間に商売をやるのにどれだけの揮発油が必要だと、そういう場合にはこの増税によってどのくらい過重な負担がかかるかというような、そういう例を一つ、たとえば中小企業の、今私は炭屋の話をしましたけれども、そういう小型の三輪車、あるいはトラック、あるいはまたそれ以外にも、たとえばタクシー業者とか、五十台なら五十台持ってやっているタクシー業者はどのくらいという、そういう一つの例を設けて、この際ぜひ参考のために資料を出してもらいたいと思いますね。

吉国二郎大蔵省主税局税制第二課長

○説明員(吉国二郎君) ただいま御要望の資料、できるだけ作りたいと思いますが、時間的に間に合わないものがあるかもしれませんので、及ぶ限り出したいと思います。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) 速記をつけて。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 この際お願いがしたいのですが、非常にこの実施の期日等で急がれる理由はわからぬことはありませんが、これの与える影響というものもきわめてまた広範なものがありますから、鮎川構想を聞いただけではいけませんから、やはり反対のガソリン使用者の意見を私は聞きたいと思うのです。これは業者だけではなしに、個人の方もできるだけ各性格の違ったもののこれによって受ける影響はどうなるかというような意見をやはり聞いて、その上で私ども判断がしたいと思いますので、その参考人をいつどういう範囲で呼ぶかということは理事会に御一任をしたいと思いますが、参考人の意見を聞くというようにしていただきたいということだけお願いをしておきたいと思います。

加藤正人緑風会

○委員長(加藤正人君) それは理事会にお諮りいたします。  では、本日はこれをもって散会いたします。    午後四時二十四分散会

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