大蔵委員会 第13号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/03/05
会議録
○委員長(加藤正人君) これより委員会を開会いたします。 初めに、委員の異動について御報告いたします。本日小林孝平君、青木一男君、岡崎真一君、梶原茂嘉君、前田久吉君、林田正治君が辞任されまして、その補欠として小笠原二三男君、大沢雄一君、江藤智君、平島敏夫君、杉山昌作君、植竹春彦君が就任されました。 —————————————
○委員長(加藤正人君) 次に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 提案理由の趣旨説明を聴取いたします。
○政府委員(佐野廣君) ただいま議題となりました酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を説明いたします。 この法律案は、最近における酒類の取引の状況等に顧み、酒税保全措置を補完するため酒類の価格について基準販売価格、制限販売価格等の制度を新設するとともに、酒類業組合等の業務の円滑な運営に資するため、これらに理事会を設けることとする等所要の規定の整備をはかろうとするものであります。 酒類の価格につきましては、現在、清酒、合成清酒、しょうちゅう、みりん及びビールについて物価統制令による最高価格統制が行われておりますが、このような最高価格統制は、経済の正常化に伴い、漸次廃止されて、現在は米、酒類のほかには一、二の例外的なものについて行われているに過ぎません。酒類の供給が十分となつた現在、具体的な廃止の時期や方法は別として、物価統制令に基く酒類の最高価格統制は、早晩廃止の方向にあるものと考えられるのであります。 しかしながら、現状におきましては、物価統制令に基く酒類の最高統制価格が酒類取引の基準価格としての役割を果し、ひいては酒類業界の安定と酒税収入の確保とに役立っている実情にあり、その廃止は、影響するところが大きく、特に慎重に実行に移さなければならないと考えられます。 他面、将来公定価格が廃止された場合を考えてみますと、現行法では不況事態に至るまでは価格についての酒税保全措置がありませんので、酒類は取引の基準となる価格を失って酒類の取引が乱れるおそれがあり、また、乱れた後に対策を講じても酒税負担が大きいために手おくれとなることが多く、酒類業界の安定、ひいては二千億円を上回る酒税収入にも悪影響を及ぼすことが予想されるのであります。従いまして、将来物価統制令に基く最高統制価格が廃止された後においても、酒類業界の安定をはかり、国家財政に重要な地位をもつ酒税の保全に支障を来たさないように、あらかじめ万全の価格制度を法的に準備しておく必要があるわけであります。このような見地から、今回、酒類の価格制度として、現行の協定価格のほかに、新たに基準販売価格、制限販売価格及び再販売価格の制度を設けようとするものであります。すなわち、大蔵大臣は、酒税保全のため必要があると認める場合には、酒類の取引の基準となるべき販売価格を各酒類について定めることができることとし、同時に、級別の区分のある酒類については、級別を通ずる酒税収入を確保するため下級酒類の最高価格を定めることができるようにいたしております。また、取引の状況から見て適当と認められる酒類については、大蔵大臣の指定した種類の酒類につき、その認可を受けて、再販売価格維持契約を締結することができることといたしております。 なお、最近における立法例や現行法の実施の状況に顧み、酒類業組合等について、理事会制度を設けるとともに、合理化のためのカルテルを締結することができるようにし、あわせて尺貫法系計量単位が法定計量単位とみなされなくなることに伴い、メートル法系計量単位に改める等の所要の規定の整備をはかることといたしております。 以上が、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤正人君) 本案に対する補足説明並びに質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(加藤正人君) 次に、特別鉱害復旧特別会計法を廃止する法律案、昭和二十八年度から昭和三十三年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、以上二件を議題といたします。 御質疑のある方は御発言を願います。
○大矢正君 まず第一に、この特別鉱害の復旧のための会計経理の状況がどういうようになっているのか、これを御説明願いたい。
○政府委員(小熊孝次君) 特別鉱害復旧特別会計の経理の状況でございますが、この会計は、昭和二十五年にできましてから本日に至りますまで、御承知のように、特別鉱害復旧臨時措置法という実体法がございまして、そしてこの法律に基きまして、戦時中のまあ政策的な配慮によりますところの採掘によりまして生じました特別の鉱害につきまして、関係炭鉱業者から納付金を徴収いたしまして、そうしてこれを鉱害復旧事業を行う者に交付いたしておったわけであります。従いましてこの会計の収入支出の大筋は、その納付金の収入とこれに対しますところの支出と、こういうことになるわけでございます。 それで、その総額、歳入歳出の全体は、これは四十四億七千万円が歳入でございまして、支出が四十四億二百万円、差額が六千八百万円、これは累計いたしました数字でございます。剰余金が、ただいま申しましたように、六千八百万円程度生じたわけでございます。なお、これによりまして行われました事業費の総額でございますが、これは百五億円程度になっておるわけでございます。この納付金の関係が、先ほど申しましたように、四十四億でございますが、あとは国の一般会計から補助金が出ております。それから地方公共団体もある程度の負担をしております。そういうものが合わされまして、総計百五億の事業量、こういうことになっておるわけであります。
○大矢正君 納付金とそれから国の補助ですね、こういう関係からいきますと、結論的には六千万円程度の残がありますけれども、これはあれですか、全部事業の完了と同時に支払い、補償、その他一切を処理した結果出てきた金額ということになるわけですか。
○政府委員(小熊孝次君) これは、納付金の方の収入を申し上げますと、鉱害地域のありますところの鉱業権者につきまして、その事業場からトン当り三十円、それから同じ鉱業権者が持っております鉱区におきまして、そういう鉱害地域でないものにつきましては、これはトン当り十五円ということで、三カ月ごとにとって参る。一方、その工事の履行というものは、一定の計画を立てまして、そしてそれによりまして仕事を進めていくわけでございますが、その場合にこの特別会計から、先ほど申し上げました納付金の収入から交付金を出しますと同時に、一般会計の方に当該年度の予定で組んでおりましたところの補助金というものを交付いたします。一部につきましては地方団体も交付金を出す、こういうことで事業を進捗して参るわけでございます。 大体、これはもちろん、事業の進行状況と歳入の状況をにらみ合せながら実施していくわけでございますが、その結果といたしまして、先ほど申しました六千八百万円程度の剰余金が出たわけでございます。これは総体の金額が、事業量が百五億でございますが、その中のこの程度の差異というものは仕方がないのではないか、こういうふうに考えております。
○大矢正君 納付金の方は全部完納済みですか。
○政府委員(小熊孝次君) これは今まで、実は特別鉱害の実体法の方は三十三年の四月一日で失効しております。その後残務処理をやっておりましてその間滞納とかそういうことをやっておりますので、大部分は済んでおりますが、この剰余金のほかに若干の、五百万程度だと思いますが、その程度の滞納がございます。従いまして、これは一般会計へ——今年度中にももちろん努力いたすわけでございますが、もし徴収ができない場合におきましては、一般会計へ債権として引き継ぎまして、その後においても徴収をしていく、こういうことになるわけでございます。
○大矢正君 次に、国債整理基金に関係して一つお伺いしておきたいのですが、これは毎年かかる法律でありまして、例年委員会で審議をしているのでありますから、私どもも特段取り立てて質問というほどのこともないのですけれども、いつまでも一年区切りのいわば措置をして、今後もこれを継続されるお考えなのかどうか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(小熊孝次君) 大矢先生のおっしゃいますように、二十八年度からずっと引き続きまして、このような特例法を提出いたしまして、御審議を願っているわけでございまして、何か国債の減債金制度につきましてもっと根本的な検討をいたしまして、そういう制度を打ち立てるということが筋ではあると思うのでございます。ただ、終戦当時に、昭和二十八年以前にございました万分の百十六の三分の一——実はこれは二つの法律がございまして、国債整理の特別会計の方では万分の百十六という減債金制度がございます。そのほか昭和七年にできましたそれの三分の一という特例がございまして、あわせて万分の百十六の三分の一ということになっております。これは前年度首国債に対しまして、三十四年度について見ますと、大体十五億程度に該当するわけであります。 この万分の百十六というような数字につきましては、実は大正三年におきまして、ちょうどそのときの予算額が三千万円でございました。その国債残額、その前年度首の国債残額の比率からいって万分の百十六というような数字が出た、こういうような経緯がございまして、その当時、大体三十年程度で国債を償還するというような見地から打ち立てられたものと私は承知いたしておりますが、その後戦時中におきまして、国債が一方でどんどん出る、他方で償還するというのはどうであろうかというような経緯から、三分の一という特例が出まして、それで、それをそのまま現在の状況に適用するということはあまり意味がなくなっております。一方、終戦後におきましては、国債償還というものを急速にやりまして、他方、国民経済も相当充実して参りまして、その結果といたしまして剰余金も相当出ている、そういうような関係から申しまして、御承知のように、財政法の剰余金の二分の一以上を国債償還に充てるという制度がございますが、これによりまして大体今までは十分処理されて参ったわけであります。そういうわけで、結果的には、ずっと引き継ぎまして、ただいま御審議願っておりますところの特例法を引き継いで措置して参ったわけでございますが、ただ、剰余金というものは今後どのような結果になるかということにつきましては、これはまた予測ができないわけでございます。従いまして、剰余金が出た結果を待って、その年度におきますところの国債償還の財源に必要にしてかつ十分であるかどうかという検討をいたしまして、こういう措置をとるかどうかということを御審議願うというのが、従来やってきた姿なわけでございます。 ただ、これでいいかという問題になりますと、ただいま先生のおっしゃいましたように、確かに合理的な国債の償還の方策というものを検討して、打ち立てるという必要はあるのでありますが、現在の状況におきまして、一体国民経済がどういうふうになっていくか、それから国の財政というものがどういうふうになっていくかというような点につきまして、もう少し検討さしていただいて、その結果でないと確定的な制度というものはなかなか打ち立てられない。あるいは打ち立てたとしても、すぐまた財政事情あるいは国民経済の状況によって、また特例を設けなきゃならぬと、こういうような問題が出て参ると思うのでありまして、その点はよく慎重に検討してみなきゃならぬ。このようなことによりまして、実はそういうような結果、剰余金と国債償還の必要額というものをにらみ合せながら、毎年度御審議を願って御議決をしていただいておると、こういうような実情なわけでございます。
○大矢正君 これは整理基金の特別会計自身の問題になりますけれども、これは明治時代の法律そのままでしょう。今日相当時代の変革もあるのですから、もちろん、この法律が直接国民の一人々々や国民全般を対象としたことじゃないことは明らかですから、その点ではさほど問題は起きないかもしれませんけれども、法律の一つのスタイルからいっても、これはやはり当然もう新しい法律に書きかえられるべき要素を持っているのじゃないかと私は思うのですが、今あなたが答弁された、まあ国債償還の大体の計画というものをどういうふうにすべきだというような議論も当然なされて、法律の改正というのは行われなければならないとは思いますけれども、やはり国税徴収法の場合だって、今度の国会でやはり新しいスタイルを整えて、あれだけ膨大なものでもやろうとしているのですから、そういうふうな努力や考え方があっても私は間違いじゃないと思うのですがね。その点はどうです。
○政府委員(小熊孝次君) ただいまお話のございましたように、国債整理基金特別会計は明治三十九年の法律でございまして、条文その他の体裁、または法律の体裁から申しましても、最近の特別会計法とは非常に違っておりますし、また非常に、簡潔と申しますか、非常に簡単に書いてある。こういうようなことで、この法律、特別会計法そのものにつきましてももう少し検討をして、最近の法律の体裁にしなきゃならぬということはかねがね思っておるわけでございますが、しかしながら、この中でやはりこの整理基金というものは、整理基金特別会計の本体をなすのは、やはり、先ほど来申し上げましたように、減債金制度というものをどうするかというような問題がやはり相当重要な部分になりますものですから、その点がきまらないで、方針がきまらないで、この特別会計法の体裁だけを変えると、こういうのはどうかというわけで、まあ非常に古い法律でございますが、実は今まで手直しをしていない、こういうような実情でございますが、ただいま仰せられたこと一応ごもっともなことでございますので、今後、減債金制度ともあわせまして検討していきたい、このように考えている次第でございます。
○野溝勝君 今、大矢専門家からいろいろ御質問がございましたが、私、ちょっと法規のことよくわからぬのでお伺いするのですが、これはまあわずかな六千五百万円ばかりのお金ですけれども、整理のために一般会計の方にこれは入っているようになっておりますが、この予算技術というものはこれでいいものですかな。大体、特別会計なんだから特別会計の予算の方に入れておいて、そうしてこれは今度は一般会計の方へ繰り入れる——繰り入れるというか、整理収入にするのである、これを廃案にするのである、こういうふうに解釈しているのですが、そうすると、一応やっぱりまだ院議決定をしておらぬのでございますから、この特別会計の予算書の方に出しておいた方がわれわれよくわかりがいいのですがね。まだ国会で決定にならぬうちからこっちの方に入っているのでね、決議されぬうちから。そういうものはどういうのですか。従来こういうふうな習慣をとってきたのですか。
○政府委員(小熊孝次君) お答えいたします。結論から申しますと、従来もこのような形で処理して参っております。先生のおっしゃいますように、まだ法律が通っておりませんから、予算書には鉱害復旧特別会計の予算を一応出すべきじゃないか、一応何かの方法でそういう形を、形骸といいますか、そういうものを残しておくべきじゃないか、こうおっしゃるお気持はよくわかるわけでございますが、ただ、理論的に申しますと、この特別会計を廃止するという建前で、政府としては基本法であるところの特別会計を廃止するという建前で臨んでおるわけでございますので、それの予算というものが予算書には出ない、こういう形で処理するのが適当である、このようなわけでございまして、従来も特別会計の廃止の場合におきましては、廃止の法律を出すと同時に、予算書の中にはその関係の予算というものは全部なくなる、こういうことになっております。
○野溝勝君 それでは、課長さん、この会計法が廃止にならぬ場合は、これは残るわけになるのだから、一応一般会計に載せてあるこれは、削除するわけか。
○政府委員(小熊孝次君) ちょっと、おっしゃることが十分にのみ込めてでなく御答弁するということになるかもしれませんが、特別会計法が廃止にならなかった場合におきまして予算書の方がどうなるかという御質問でございましたが、政府としては、特別会計法のさらにもとになる、事業をやる方の実体法はすでに三十三年の四月一日で失効いたしておりまして、その関係を処理するための特別会計でございますので、もうやる仕事がない、こういうことになりますので、まあ予算としても出す必要がない。あるいは出すとしても、ゼロというような形で出すか、あるいは剰余金だけを歳入に入れて出すか、こういうことになるかと思うのでございますが、従来そういう場合にはそういうケースはございませんので、ちょっとどういう形になるかはわからない次第でございます。
○野溝勝君 われわれは、しろうとでよくわからぬのですが、確かに昨年の四月一日に失効したのですね。それは失効はしたけれども、一応こういう法案を出して、会計方式というものを従来の特別会計方式から今度一般会計へ入れたわけなんですから、整理収入になったわけなんですから、一応その間の経過的な動きというものがある程度わかっていないと、われわれは委員として審議する上においても非常に明瞭を欠くので、この点は、従来慣習がそうであったといたしましても、なるべく人民にわかるようにした方がいいので、その点は一つ検討されてもらいたいのですが、いかがでございますか。きょうここで決定をというのじゃないのですよ。
○政府委員(小熊孝次君) 特別会計法を廃止する法律で、付則の三項におきまして「一般会計に帰属する」と、こういうことになっております。この一般会計に帰属するところのものは何であるか、こういう問題になるわけでございますが、これにつきましては、予算的にも、歳入というものは一応一般会計の整理収入のところに計上してございます。それで一部わかるわけでございますが、なお決算的には、これは中には現金の分もありますし、それから債券の分もあると思いますが、そういうものにつきましては、これは決算的に明らかになると同時に、あるいは債権管理の法律がございますが、これに基く債権の決算がございますので、これによって決算委員会へ提出する、こういうような方法によってはっきりつかむ、こういう道は講ぜられておるわけでございます。まああとは、この国会の御審議の過程において明らかにするというのが適当ではないかと考えまして、まあこういうような体裁で出しておる次第でございます。
○野溝勝君 私は希望だけ述べておきますが、われわれのわかりのいいようにしてもらうのには、この特別会計の予算の方には一応は出しておいても、たとえば、載せなんでもよろしいが、何かこういう予算の備考か何かに明記してもらうと、一般会計の、いわばこの収入となったという動きがわかっていいのですが、その点の便宜くらいは扱った方がいいと思うのでございます。さよう希望しておきます。 それから、最後に一つお聞きしたいのは、御承知の通り、これはない腹をさぐられて、まことに政府といたしましても厄介な問題が持ち込まれておることは、今、九州における志免鉱山の問題、国有鉄道の志免鉱山の何といいますか、処理の問題について、これを払い下げるか、払い下げしないかという問題で、各鉱業権者が血道をあげて騒いでおるわけですが、こういうような鉱業権者の納付金の徴収等を財源に充てて、この志免鉱業所の費用の負担のための支出の経理を明らかにするため云々と書いてあるのですが、一体こういうようなときには、実際問題として、これはたとえば三菱なら三菱に、国有鉄道から三菱鉱業に移るというような場合は、この鉱業権者というものは納付する場合は、どちらが、納付金といいますか、負担を負うのでございますか。
○政府委員(小熊孝次君) これは、ちょっとこの特別鉱害の方は、御承知のように、戦時中の何というのですか、乱掘というと語弊がありますが、ちょっと政策的な意図によって、普通ならば鉱害が発生するので掘らないというところも、国の燃料国策に沿って掘った。そのために鉱害がひどく発生しておる、こういうような場合におきまして、まあ一定の納付金をとると同時に、国も相当の補助金を出し、地方団体もある程度出すというようなことで、鉱害復旧を促進していこう、こういうことでございます。それ以外の場合におきましては、これは一般の鉱害の措置法がございまして、その法によって事業団というのがありまして、その事業団が計画等を作りまして、そうして処理していく。こういうことになりますので、この特別会計とは直接関係がない、こういうことになるのでございます。
○野溝勝君 ちょっと一つお聞きしますが、大体鉱山に鉱害のないところはないのでございますが、それは新聞か何かで事件が起ったときに初めて発動するのですか、この措置法は。
○政府委員(小熊孝次君) 現在の普通の一般鉱害につきましては、特定の地域を限りまして、そうしてそれにつきまして事業団というものを作りまして、そうしてその事業団——これは直接の国の機関というようなものでございませんが、事業団というものを作りまして、そこが計画を作って計画的に処理していく、こういうことになっておる。また、別途、それが仕事の性格によりまして、国の補助金というものも出ていく、こういうことになっておる。それから、そういう地域以外につきましては、御承知のように、鉱業法という基本法がございまして、これによって鉱業権者が鉱害の復旧を自分でやる、あるいは損害が出たならばその鉱害による損を補償していく、こういうような形になっておるわけです。
○委員長(加藤正人君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて差しつかえございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は、順次、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて差しつかえございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。特別鉱害復旧特別会計法を廃止する法律案、昭和二十八年度から昭和三十三年度までの各年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案を一括問題に供します。両案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤正人君) 全会一致でございます。よって両案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、前例によりまして、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤正人君) 御異議ないと認めます。さように決定いたしました。 —————————————
○委員長(加藤正人君) 次に、接収貴金属等の処理に関する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
○野溝勝君 管財局長さんにお伺いいたしますが、この特別会計予算の中で歳出予定額は二十六億四千九百五十二万一千円であって、これを前年度予算額に比較すると次の通りであるというその表の中に——この前年度と比較して非常にまあ多くなっておるのですが、これはこの説明だけでは私はわからぬのですが。
○政府委員(賀屋正雄君) 私、今特別会計予算の説明書を手元に持っておりませんが、何の特別会計かお示しいただきたいと存じますが。
○野溝勝君 これは貴金属特別会計。この中に入っておりますね、それも入っておるのでしょう。
○政府委員(賀屋正雄君) 貴金属特別会計の昭和三十四年度の歳入の中に接収貴金属がどれほど入っておるかというお尋ねでございますが、この法案が通過いたしまして、この法案に従いまして貴金属特別会計に返還される見込みの銀一トン七百九十九キログラム、これの代金約一千八百八十万円でございますが、これが歳入の中に含まれておるのでございます。
○野溝勝君 この接収貴金属等の処理に関する法律案につきましては、長い間質疑がかわされたようでございまするが、この気持といいますか、その趣旨はよくわかるのでございますが、今日まで相当疑惑を持たれておった問題であるだけに、特に当局の方々といたしましては、法案の通過に非常な心配をされておると思うのでございますが、一般会計の中へこれを繰り入れることになるといたしましても、この予算がどういう方面に——予算となって使う場合に、ある程度、これを使う目的というか、方法というか、そういう点まで政府の間で何か話し合ったことがあるのでございましょうか。
○政府委員(佐野廣君) これにつきましては、前回、あるいは前々回でございますか、以前の委員会等にもいろいろ御意見があったことも承知をいたしておりますが、ただいまのところでは、これは一般会計に入れまして、そして広く実情に即した使い方をしようということの原則にただいまは立っておる次第でございます。
○大矢正君 管財局長にお願いがあるのですけれども、あなたのところの理財局長は、僕が質問すると、いつも、前に御説明を申し上げた通りと、こういうまくら言葉を必ずつけるのですよ。聞いてないことまで、御説明申し上げた通りと、こう言うので、どうも僕のように気の小さい者は、そう言われると、何かどうも質問するのが悪いような気がして、非常に恐縮するのですけれども、管財局長はごりっぱな方だから、そういうことはないと思うのだが、実は私も、接収貴金属は、二十八国会から大蔵委員会にも出るけれども、いまだかつて質問したことがないので、あなたも、前の人には答弁したことがあるかもしれないが、その点は一つどうか憎まないで御答弁いただきたいと思います。 一番先にちょっとお尋ねしたいことは、提案理由の説明の中にもあるように「連合国占領軍から政府が引き渡しを受けて以来返還されるまでの間の管理費用に相当する額として、返還を受けた貴金属等の価額の一割に相当する金額を国に納付させることとしております。」と、こういうわけですが、そうすると、一割を納付させるということは、管理の費用としてのみ考えられたことであって、それ以外には一割の根拠というものはないのかどうか、その点まず伺っておきたいと思います。
○政府委員(賀屋正雄君) 一割を納付金として徴収いたします根拠は、ただいま大矢委員の仰せになりました管理に要する費用、そのほかどういうものがあるかと申し上げますと、いろいろと品位の試験を行なったりいたしました。それから秤量あるいは鑑定等をいたしております。まあその費用もありますし、それからごくわずかでございますが、この保管の事務に携わっております、あるいはこの関係の事務に携わっておりますわれわれ公務員の事務の処理に要した費用、そういうものも一応計算の中に入れておりますが、一番大きなものは保管料に相当するものが一番大きな部分を占めておると存じます。
○大矢正君 たとえば、外国で金を買って、今度十二月から一月にかけて日銀でアメリカから五千万ドルの金を買いましたが、そういう場合は当然アメリカの銀行に保管を依頼いたしますね。そういうときの保管料と比較して、一割というのはどうなんですか。
○政府委員(賀屋正雄君) 五千万ドル買いましたが、その金の保管をどういうふうにいたしておりますか、私承知しておりませんです。比較の点につきましてはお答えできませんが、私どもが一割といたしました根拠は、一応、国内において保管を委託するとすればどの程度のものが取られるであろうかという推定をいたしまして、それに一定の、全部処理し終りますまでの期間を乗じまして、それに先ほど申しましたわれわれの事務費といったようなものを計算いたしまして、そうして民間へ返ります貴金属等の総価額との比較をとりますと、大体一割になる、こういうことでございます。
○大矢正君 私は、五千万ドルの金を買ったそれの保管料は幾らかという、それを聞きたくて言ったのじゃなくて、大体外国の相場は幾らかということをあなたにお伺いしたんですが、それはわからなければけっこうです。そうすると、国内でかりに金を持っている人が銀行に保管を依頼するという場合には、大体保管料はどの程度取られますか。
○説明員(池中弘君) 信託銀行に保管いたします場合には、貸金庫の料率がいろいろあるわけでございます。それで、料率がいろいろでございますが、この基準にとりましたのは、箱の大きさが八十八センチメートル、六十四センチメートル、五十七センチメートルの大きさの箱に入れた場合の金額が二万円ということになっております。これがいろいろの信託会社につきまして保管料を調べましたものの最高になっておりますが、一応この基準といたしましては、最高価格にこの基準をとりました。
○大矢正君 局長の説明からいくと、管理の費用と、それからその間に要した試験の費用、あるいはまた事務的な費用ということで、一割ということを言われたと思うのですが、一割といっても、一割きっちり数字が出てきたのでなくて、多少のこれは差があると思うが、大体この一割の細目がわかりましたら、一つこの際提示してもらいたい。算出根拠ですね。
○説明員(池中弘君) 納付金を一割にいたしました根拠といたしましては、当委員会からの要求によりまして、三十三年三月十一日付で、こまかい算定の根拠を提出しておるわけでございます。その概要を申しますというと、大きく分けまして、保管の費用、これが非常に大きな部分を占めております。そのほかに鑑定の費用、品位試験の費用、それからいろいろの調査に要しますところのいろいろの事務費、それには人件費、物件費、すべてのものを含めております。そうして算出の根拠といたしましては、民間に返還になる見込みのものを、その料率が、金属の地金、それから金属の製品、それからダイヤモンドなどの貴石というような、ものによりまして料率が違っておりますので、その返還見込みの数量に現在行われております料率を乗じて計算をいたしましたところが、総体におきまして、三十七年度末までに返還が終ると仮定いたしまして、すなわち、三十三年度末に法案が成立いたしまして、その後四カ年の計画で返還を行うと、こういう計算をいたしましたところが、一一・七%ということになるわけでございます。で、三十三年三月十一日に出しましたのでは、九・七%になっております。それを一年間延ばしまして、ことしの三十四年の三月末日に法案が成立して、それから四年間で返還するという計画で計算いたしますというと、一一・七%ということになるわけでございます。それで、まあ九・七%を切り上げて、最小一〇%にしたわけでございますけれども、一一・七%の程度であれば、まあ大体の概数でございますので、一〇%に据え置くのが適当であると考えまして、現行通りにしたわけでございます。
○大矢正君 そうすると、一一・七%くらいの費用がかかるから、一・七%はまけてやって一〇%に今度やると、こういうことなんですね。
○説明員(池中弘君) 結論はその通りでございます。と申しますのは、民間に返還になります見込みと申しますのも、二十七年にとりました接収貴金属等の数量等の報告に基いて、一応われわれが概算で計算したものでございます。従いまして、この法律が通りましたあとで、接収貴金属等の処理審議会に諮りまして、実際に今度返える数量というものは、多少それと食い違うということも予想されます。それからまた、われわれは四カ年の計画をもって計算をしておりますけれども、これも実際やってみますというと、あるいはそれより準備が進んで、早くなるということも考えられますので、そういうような関係がございまして、まあ一一・七と出ましても、一〇%程度にするというのが妥当ではなかろうかと考えたわけでございます。
○大矢正君 まあこれは本質的には、僕らは返えす必要はないというくらい極端なことを考えておりますが、これは私どもの議論であって、そうすら考えているのに、結論として、管理費用が一一・七%かかっているにかかわらず、安くまけてやろうというのだから、大蔵省も相当誠意を持っておられるようですが、その問題は別として、 もう一つ、ここに疑義が出てくるのは、かりに銀行に保管をする場合に、あなたのおっしゃられる通りに、金庫の大きさにいろいろ大小あって、それによって金庫の貸し賃も違ってくるわけですね。そうなってくると、私は、ちょっとこれだけ考えてみても、すべてのいわば物件に対して同一の比率で済むんだという考え方は、どうも理解できないのだけれども、かりに一つの法人で一億二、三千万も管理をしてもらったのもあるだろうし、極端なことをいえば、三十万か五十万しかない人もあるだろうと思うのです、こまかいことはわからぬけれども。その場合に、いずれの場合も一割だけ納めればいいんだということは、管理の費用という思想から出てきたのではなくて、政治的に一割という数字が出てきたような感じがする。さもなければ、民法か何かの規定があるから、それに口実を求めて、一割というものをこじつけに出してきたんじゃないかという気がしているんだが、私のこういう考え方は間違いでしょうか。
○説明員(池中弘君) その点につきましては、私も、こういう手数料が膨大なものであり、また期間的にも相当長いものでございますからして、普通一般に保管を委託した場合に、その料率がもっと値引きになるとか、あるいはもっと高くなるとかいうことはできないものであろうかと思いまして、いろいろ検討したわけでございます。それで、現在昭和二十六年に運輸省告示の第二百二十八号によりまして、料率の基準が出ているのでございますが、運輸省に聞きまして、何か特例はないかということを聞いたわけでございますけれども、全然特例はないということで、実際もその通り行われているのは、その基準によって出してきて認可をしてきているというようなのが実情のようでございます。ただ、裏の話になりまして、実際百あるものを、業者が少しでも自分のところにお客さんをとろうとして九十にするというようなことは、あるいは行われているかもしれませんけれども、基準というものは上も下もないというようなことでございましたので、この納付金の計算になる保管料の基準としても、この一般の基準によって差しつかえないと、こういう工合に考える次第でございます。
○大矢正君 これは逆戻りするようですが、根本的な問題の考え方をこの際承わらなければならぬと思うので、戦後この貴金属が接収をされなければならなかった理由と、それから連合軍というよりは、むしろアメリカといった方がいいと思うんですが、講和条約の締結によって返還をされたこの間の経緯について、御説明をいただければ幸いだと思います。
○政府委員(賀屋正雄君) お答え申し上げます。接収の意図と返還して参りました経緯についての御質問でございますが、接収の意図は、日本側からはよくわからないのでございますが、諸般の事情から推測いたしますと、当時といたしましては、将来賠償というようなことも問題になろうかと思いまして、賠償に充当するという考えもあったのではないかと思うのでございまして、まず、昭和二十年の十月九日の総司令部の渉外局の発表を見ますと、散逸しないように保管するとなっておりまして、これはもっぱら、あとでどういうふうに使うかわからないが、その後の処分の実行を確保するために、ばらばらにならないように、一定の場所にまとめて置く、そうして強制的に管理するという意図であったようでございまして、これだけではその意図はまだはっきりしないのでございますが、ただ、次に、同じく昭和二十年の十二月七日にポーレー大使が公式声明を出しておりますが、その中にこのようなことを申しております。すなわち、これらの貴金属等は、その処分について決定がなされるまでの間保管するために、合衆国造幣廠に輸送されなければならない。しこうして、これらの貴金属等を合衆国に輸送することは、後日それを占領費のために使用するか、輸入品のために使用するか、もしくは賠償のために使用するか、または返還するものを決定することについて、何らの影響を及ぼすものではない、こういうことを言っております。従いまして、接収の意図といたしましては、ここに述べられております占領費をまかなうために、あるいは日本が必要とする物資を輸入しましてその決済に充てる、あるいは先ほど申しました賠償に充てるとか、こういったようないろいろなことが考えられておったのではないかと思われるのでございます。 それからもう一つ、手がかりとなるものに、極東委員会の決定いたしました対日貿易十六原則というものがございまして、これは昭和二十二年の七月二十四日でございますが、その中の十六のC項に、次のようなことが規定されております。すなわち「金、銀その他の貴金属及び宝石のストックにして明らかに日本所有のものと立証されたものは、終局的には賠償物件として処理すべきである。」。これを見ますと、はっきり賠償物件として処理すべきであるというふうに断言いたしておりますが、これは極東委員会の決定でございます。しかしながら、占領についての最高責任を持っております連合国最高司令官はこれを採用いたさなかったわけでございまして、結局「平和条約の発効とともに、民間所有の財産であることが判明した個々の物件を返還する計画を立てることが認められる」、こういう覚書を付して日本政府に引き渡して参ったのでございまして、この最後に日本政府に引き渡した覚書を見ますと、いろいろ考え方はあったにしろ、結局は日本の民間の所有の財産であることがはっきりしたものはその者に返す計画を立ててよろしい、こういうことを覚書の中で明言いたしておるわけでございます。 以上が、われわれの側で推定いたしまして、どのようなことを考えておったかという点と、それから結局、現実問題といたしましては、最後にこのような覚書をつけて返してきた、こういういきさつを申し上げたわけでございます。
○大矢正君 あなたが最後に言われた、個人の所有にかかわるものは返還をしてもよろしいということですが、これは返還をしなければならないということではないでしよう。その点、念のために、将来問題が起きては困るから、確認しておきたいと思うんですが。
○政府委員(賀屋正雄君) 覚書の言葉といたしましては、そのようなふうに読めるのでございますが、この点につきまして、政府は、学者等の意見も徴しまして、接収は決して没収ではない、これは国際上もそうである、こういう見解のもとに、政府といたしましては、もとの所有権者に返還すべきである、こういう解釈をいたしたわけでございます。
○大矢正君 参考のためにお聞きしたいのだが、特に僕らは専門的なことはよくわからないのですが、この法律がなければ、個人の所有であったものは返すことができないのかどうか。大蔵省の省令その他でもって、大蔵省自身が個人との間に返還その他の手続を行うことができないのかどうか。この法律がなければ、そういう一切の処理ができないのかどうか、この点、参考のために承わりたい。
○政府委員(賀屋正雄君) その点につきましては、今国会になりましてから、前々回に御説明いたしたと思いますが、この法案の考え方の基本は、先ほども申しましたように、接収は没収ではない、所有権は旧被接収者にある、こういう見解に立って、民法の所有権を尊重するという基本原則のもとに立案いたしておるのでございますが、ただ、それにいたしましても、民法の規定だけによって処理することができないと申しますか、それによってしいてやろうとすると、非常に不都合が生ずる。この点につきまして、二、三の点御説明をいたしたのでございます。 一番大きな問題といたしましては、占領軍が、接収いたしました貴金属を溶解いたしまして、一つのインゴットにしておる、あるいはいろんな貨幣その他のものを混合してしまっておる、こういうような場合におきましては、もとの所有権者は、その物に対して共有関係にある。で、その共有関係にある品物を、共有権者がどういうふうにしてそれを取得するかという点につきまして、民法の一般原則によりますと、非常に手続も煩瑣でございますし、また、万一この持ち分がわからないときには、個々の共有権者の持ち分がひとしいものと推定するということが、民法の原則でございまして、それでいきますと、国も一であれば、A、B、C、Dの個人もそれぞれ一というふうに、非常におかしな推定を受けるということになる。そういった点について御説明いたしたのでございます。これによって、民法の規定そのままによって処理することが、いかに不合理で、この法律が必要になってくるかということを御了解願えるのではないかと思います。
○小酒井義男君 関連して。今の質疑に若干関連をするのですが、この法案の第二条の中に、「占領軍が処分した」という字句がありますね。あれはどういうことをやっておるのですか。処分といいますと。
○政府委員(賀屋正雄君) 「連合国占領軍が処分した貴金属等の調」につきましては、昨年の十二月十五日付で当委員会に資料として御提出いたしておりますが、そこに記載しておきましたように、まず第一に、「米国内における処分」といたしまして、これは日本から米国に持って帰って、米国で処分したわけでございます。昭和二十六年五月一日に白金三トン五百六十八キロを処分いたしております。で、これに対しましては、代償を日本政府に引き渡しておりまして、それを身がわりの形でわれわれ保管いたしておるわけでございまして、その代償といたしましては、金六トン六百キログラム、それともう一つは、ドルを身がわりによこしております。それが五万九千ドルでございます。米国へ持って帰りまして処分いたしたのは、この一件でございます。 それから、CPOと申しまして、第八軍中央購買局、これで処分したものがございます。昭和二十一年の三月から二十三年の四月までの間におきまして、金百二キログラム、それから銀が十三トン百七十五キログラム、これに対しましても、やはり代償としてドルを引き渡しております。これが五十一万五千ドルでございます。 そのほか、連合国占領軍が処分いたしました例といたしましては、戦時中の協定等によりまして、タイでありますとか、仏印、あるいは中国、イタリア等といろいろな協定に基きまして、わが方がイヤマークして預かっておる金がございまして、これはそれぞれの国の所有に属するものであると認められるわけでございまして、これらのものをそれぞれ所有権のあります国に連合国占領軍の手によって返還されております。この数量を申し上げますと、昭和二十四年十二月二十九日にタイ国へ金三十八トン二百八十二キロを返還いたしております。次に、昭和二十五年一月九日、これはフランスに金三十三トン五十五キロを返還いたしております。それから、昭和二十五年三月二十八日に中国に金六百七キログラムを返還いたしております。それからさらに、昭和二十五年七月七日にイタリアに対しまして金二百十三キログラムを返還いたしております。それから次に、連合国占領軍が略奪品と認めまして、これをそれぞれもとの国に返還いたしたものがございます。英国、オランダ、中華民国、フランス、フィリピン等々の国にいろいろな貴金属を返還しておりますが、この詳細は資料によってごらんいただきたいと存じます。
○小酒井義男君 その連合国占領軍が処分をしたというのは、何か法的な根拠か何かがあって処分をしておるのかということと、それからその代償というのは、やはりそれの価額の評価をして、それにぴったりと当てはまるような合理的なものが代償として来ておるのですか、どうなんですか。
○説明員(池中弘君) まず第一に、どういう根拠によって連合国占領軍がこういう処分を行なったかという問題でございますが、これは、わが国が無条件降伏いたしまして、降伏文書に調印したわけでございます。そうして、その最高司令官が、日本の天皇及び国家統治の権能は降伏文書の実施に必要と認める範囲内で最高司令官のもとに服すると、こういうことになっておりますので、そういう権原に基いてやったものと解しております。 それから、その価額が見合っているかどうか、代償の価額と処分したものの価額が見合っているかどうかという問題でございますが、処分したときにおきます主としてアメリカの価額によりまして、それに見合う価額のものがわが方に代償としてよこされた、こういう次第でございます。たとえば、米国内で処分された白金三トン五百六十八キログラムでございますが、これを現在われわれが時価で評価してみますと、二十五億四千七百万円になります。それに対して金六・六トンで二十六億七千三百万円、そのほかに五万九千ドル、これが二千百万円でございまして、二十五億に対して二十六億九千四百万円というように、現在の時価で見ますと多少日本政府が代償としてもらったものの価額の方が高くなっておりますけれども、その当時といたしましてはつり合った価額で代償をよこしているようでございます。
○小酒井義男君 その代償の支払者はアメリカ政府ですか。
○説明員(池中弘君) 実際の実務はアメリカでございますが、形式上は連合国占領軍であります。
○大矢正君 当時の連合軍が接収をする場合の手続と、それから方法なんですが、日銀、それから政府、あるいはまた集約された交易営団とか、そういったところのものはある程度簡単だったと思うのですが、個人の所有にかかるものの接収をする場合に、どういう方法で取られたのか、それを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(賀屋正雄君) この点につきましては、これも数回前、当委員会におきまして二、三の例を申し上げましたが、この接収の実際の態様がどのようなものであるかという点につきまして私どもが知り得ました根拠といたしましては、昭和二十七年の接収貴金属等の数量等の報告に関する法律によりまして、接収を受けました人々が報告を出しました。その際に一つの項目を設けまして、接収の実情という欄を設けまして、ここに記載をしていただいたのでございまして、そこに記載してあるところによりまして二、三の例を申し上げましたわけでございますが、まあいろいろ強制の度合いについては差異はございますが、相当強権力を発動いたしまして強制管理に移したということがうかがわれるのでございますが、もう一度繰り返してお読みいたしますか。
○大矢正君 よろしゅうございます。そうすると、これは連合軍対個人という形で接収が行われたのであって、当時の政府がその中に介在をして、政府が個人の所有のものを一応出させて、それから政府がまとめて結局連合軍に出したということではなくて、あくまでも連合軍対個人との間に接収の問題というものは行われているわけですね。
○政府委員(賀屋正雄君) 民間の分につきましては、その通りでございます。
○大矢正君 わかりました。そこで、まあ返ってきたからこういう議論が出てくるし、こういう法律も出てくるわけですけれども、個人の所有のものがかりに返還されなかった場合には、一体どういうことになるのですか。
○政府委員(賀屋正雄君) 私どもは、現実に返還を受けましたから、返そうという措置をとったわけでございまして、返らなかった場合はどういうことになりますかという点につきましては、仮定の問題で、ちょっとお答えいたしかねるのでございますが、もし何らかの国家的な要請で返らなかったということであれば、その個人に対しては補償という問題が起ったのではないかと、これは仮定の問題でございますので、はっきりしたことは申し上げかねますが、取りっぱなしということにはならなかったのではないかというふうに想像いたしております。
○大矢正君 そうすると、当時は接収とか没収とかいうことがおそらくわからなかったと思うのですが、今日の段階だから、いやあれは接収でなくて没収だとか、いやあれは没収でなくて接収だとか、所有権の移動があるとかないとかいう議論が出てくるけれども、当時の状態であれば、これはやはり明らかに強制的に戦争に負けた国民の一人として連合軍に徴発をされたという形に私はなるのじゃないかと思うのですが、私のそういう考え方は違いますか。
○政府委員(賀屋正雄君) この点につきましては、没収がどういうものであるかということでございますが、へーグの陸戦法規によりましても、個人の所有は侵すことができないというふうになっておりまして、現実にそれを取りっぱなしにしないで返してきたということでございますので、返して参りました以上は、所有権を尊重するという建前から、これはお返しすべきものだと考えるのでございます。
○大矢正君 へーグの陸戦法規とか何とかむずかしいことを言うけれども、日本の当時のいわば軍隊というものが海外に出て外国でやる場合には、もうウーもスーもないわけですからね。そして戦争が終った今日においては、それはそのままの形で、陸戦法規がどうであるとか、国際的な取りきめがどうであるとかなんていうことは、もう通用していないわけです。たまたま、この問題は、返ってきたからこういう議論が起っているし、返すのが妥当じゃないだろうかということになっているけれども、事実やはり私は戦争に負けたその当時のわが国の現状というものからいけば、これはおそらく大部分の人がもう無条件で、代価も何もなくて取り上げられた、こういうように解釈を私はされるのじゃないかと思うのですが、たとえば、当時の連合軍が個々の人間から接収する場合には、これは没収じゃなくて接収だから、いずれにしてもこの問題の処置はするのだぞというような一札でも入っていれば、これは別問題だと思う。おそらくこういうものはないのじゃないかと思うのですが、そうすれば、どうもあなた方の言っておることは、返ってきたからこういう議論が出てきたので、返ってきたこじつけとして、所有権は移動されていないのだというように聞えるのですがね。とにかく、私の言うように、明確に返ってこなかった場合にはどうするのだということは、やはりはっきりこの際表明しておかなければいけないですよ。
○政府委員(佐野廣君) これは御議論のあるところのようでありますが、今の連合軍の方も、接収してこれの所有権を認めるという建前をとっておるということ、それから、先ほども管財局長が答弁申し上げました中に、日本が占領して、たとえば英国、オランダ等に返したという実情、そういうふうな点も考えるべき事柄じゃないかと思うのです。従って、またこれは仮定の問題に属するようでありますけれども、現実に立ってやはり所有権が明らかになっておる、そして連合軍からこれを所有権を認めて返されたという現実に立って、私どもはやはり処理をすることが適当である、かように考えておるのでございます。
○大矢正君 これは国民感情論であって法律的な理論ではありませんから、その点は念のため申し上げておきますけれども、たとえば、私のところなんかの場合だって、結局、私のところは戦争中は国民の消費的な物資を作る工場だった。ところが、消費物資の製造はこの際戦争を遂行する上においては必要がないからといって、鉄と名のつくものは全部供出せいということで強引に取り上げられて、お陰さんで商売ができなくなった。そのために、私も給料取りになったわけだけれども、その場合に、国債でこれを全部評価してもらって、現金で一銭も来ない、全部国債でもってこれを渡された。当時の情勢は、これは国債を換金するなんということはおよそ不可能な時代で、それで戦争が終り、戦争が終るや、インフレがものすごい勢いで日本の国を襲ったために、国債なんというものは鼻紙にもならなかった、固いものですから。(笑声)だから、そういう国民感情というものは素朴に残っていると思う。 それから、もう一つは、神戸とか、横浜、横須賀あたりに、かつては戦争中に外人が居住していた住宅や土地、そういうものを政府は没収した。接収したというなら接収したでもいいが、とにかく取り上げられた。ところが、戦争が終って、日本は負けたのだから、こういうものについては返還をしなければならぬということになった。実際的に接収したもの、没収したものは、民間に当時の価格でもって売りつけた。ところが、戦争が終ってから持主が現われて、返せ、こういうことになった。ところが、それを政府は、その昔の戦争中に売った値段と同じ値段で、今度逆に強制的に取り上げて、そしてこれをアメリカ人あるいはイギリス人なんかに返した。これが今問題を起している。 こういう点から考えますと、一番最後の戦争が終るまで持ちこたえた者は、こういう有利な条件が適用されて、戦時中、ないし、戦後になってもそうだが、接収したものを買った人は、戦前と戦後ですから、ただみたいな価格で強制的に買い戻している。こういう事態ということは、これはもう矛盾もはなはだしいのではないかと私は思う。これは当然、管財局長にこういう答弁をせよということは無理があるが、政務次官はだいぶ広げて、へーグの陸戦法規が何か知らぬが、そこまで言及して、相当内容的に詳しいようですが、どうです。
○政府委員(佐野廣君) 私は、ここまで来ましたので、きわめて常識的な問題を申し上げて恐縮でありますけれども、供出しなければならなかった人が接収されたというのでなくて、先般来御説明申し上げておりますように、やはり業務用というものがほとんどを占めているわけでございまして、今の国民感情的な点からいいますと、いろいろ御議論もあるようでありますが、この問題につきましては、大体そういう種類のものでありますので、御了承いただかなくちゃいけないじゃないかと思います。 ことに、戦争につきましては、それは仰せの通り、非常な犠牲を払った人もありますし、きわめてそれの少かった人もあります。これもきわめて飛躍的なお答えで、おしかりを受けるかもしれませんが、人のからだでも、赤紙で召集されて戦死した人もあり、そのために多数の家族の人が不幸の状況にあるというような人もあるし、無事で帰った人もありますし、事戦争というので、いろいろ諸般の情勢に不合理の出てきているということは、やはり戦争というものが避けなければならない大きな原因の一つであると思います。従いまして、できるだけ認められる権利は認めるというおおらかな一つ気持に立ちまして、この国民感情論というものも緩和して考えねばならない問題ではないかと考えます。 それは、感情論だけでこういう問題を処理するということも、もちろんいけないことでありますが、さいぜんから御説明申し上げておりますように、没収ではなくて接収であり、できるだけ与えられた権利、すなわち所有権は認めるという建前に立って、この処置をお認め願いたい、かように考えます。
○政府委員(賀屋正雄君) 大矢委員の御質問の後半の部分についてお答え申し上げます。この点につきましては、当参議院の大蔵委員会にも予備審査で付託されております連合国財産の返還等に伴う損失の処理等に関する法律案、これによって政府は処理することになっております。
○大矢正君 前に、私が大蔵省のえらい人たちに言われておったのには、裁判所の結論は、所有権が移っていないのだからすみやかに返せという結論が出そうだ、だから、一日も早くこれを通してもらわなければならぬと、こう言われたが、これは二十八国会に初めてこれが提案されたときで、それから相当、約二年の歳月がたっているのだが、裁判所の結論は一向に出そうもないのだが、大蔵省の方で裁判所の方へ、結論を出さないように、もう少しもう少しと延ばすような手でも打っておるのですか。
○政府委員(賀屋正雄君) そのようなことはいたしておりません。
○大矢正君 それは、どういうわけで延びているのですか。
○説明員(池中弘君) 現在書類を提出して、何回にもわたりまして裁判所へ手続中でございます。それで、国の方の主張につきましては、先日も当大蔵委員会に資料を提出いたしましたが、不特定物になっておりますので、その持ち分を確定した上で請求すべきだということを国の方は言っておるわけです。
○大矢正君 この接収貴金属の中に交易営団の所有分というものがありますね。これは、この法律ができたあとは、どういうようになるものですか。
○説明員(池中弘君) お答えいたします。交易営団の関係は二十条に規定してございまして、返還の請求が出まして、それに対して、供出にかかわる貴金属につきましてはその貴金属を国に掃属させます。そのかわり、交易営団等に対しましては交付金を交付する、こういうことになっております。
○大矢正君 その交付金の評価の仕方は、国際的に取りきめのあるIMF、あれの価格でいくのか、国内の市中価格でいくのか、どっちでいくのですか。
○説明員(池中弘君) 交易営団に対しましては、IMFの価格とか市中の価格ということではございませんで、戦時中に交易営団が民間の人に支払いました代金、それから手数料、それから加工費、そういう金額に相当するものを交付金として交付する、こういうことになっておりま。
○大矢正君 個人の所有のものはどうなるのですか。
○説明員(池中弘君) 個人の所有のものは現物を返還することになっております。
○大矢正君 現物で要らないから、日本の円でくれと言ったら、どうなるのですか。
○説明員(池中弘君) この法律に基きまして、原則として現物で返すことになっております。ただ、例外といたしまして、分割に非常に困難なような場合には、一部その部分を代金で返すということもありますけれども、それは全くの例外でございます。
○小酒井義男君 今の交易営団等に対しては交付金をする、それは買い上げた当時の価格、金額ですね、あるいは手数料というのは、この間この法律案の説明のときに、たしか四億円というような数字が出ておりましたが、そうなんでしょうか。そして交易営団等が持っているのは、現在の価格に評価すると百何十億でしょう。昔のときのままで交付することになりますか。
○説明員(池中弘君) お説の通り、交付金の額といたしましては、大体四億余を見込んでおります。現在の時価にいたしますと、百十余億円くらいと見ております。
○大矢正君 この交易営団で持っていたものというのは、個人の所有のものを戦争末期において、いわばさっき私が申し上げましたように、大部分を国債なんかで預けて買い上げたもののいわば手持ちということになるわけですか。
○説明員(池中弘君) その通りでございます。
○委員長(加藤正人君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤正人君) 速記をつけて下さい。
○平林剛君 それじゃ、私は、本格的質問はまたあとでやりますから、きょうは事務的なことを、調べていてちょっと疑問に思ったものがありますから、お伺いをしておきます。それは、接収貴金属の保管については、現在あなたの方でおやりになっておるわけでありますが、その総額が、今までの資料では七百三十億六千八百万円となっておったのであります。このことはあとで聞きますけれども、私の聞きたいのは、平和条約の発効によって日本政府に返還をされた以前において、占領軍が略奪品として認めてそちらで処分をしてしまったものがございましたね。この資料を前にいただいて、私も、たとえば金塊とか、ダイヤモンドとか、銀貨、銀塊その他の貴金属が、イギリスやオランダ、あるいは中華民国、フランス、フィリピン等に返還をされた資料は承知いたしておるのでありますけれども、その総額が幾らになるか、その総額が時価に評価してどのくらいになるかということを知りたいのであります。
○説明員(池中弘君) それはこの資料に、先生の御要求もありましたので書いてございまして、英国でありますというと、時価約二億二千三百万円、オランダ二十七億六千六百万円、それから中華民国一億六千百万円、フランス一千万円、フィリピン四百万円と、こういうことになっております。
○平林剛君 それからもう一つ、イヤマーク金としての返還の総額についてもお尋ねしたいと思いましたが、資料が出ておるそうでありますから、それで承知いたしますから、これは割愛いたします。 そこで、もう一つ、「保管貴金属の数量及び評価額調」の資料を以前にいただいたのでありますが、その中の白金は一千七キログラム、価格にいたしまして十四億三千万円ですか、こういうことに相なっております。ところが、この白金については、米国内で処分をされておる数量が別の資料にありまして、このときは、相当の白金が米国内で処分されちまっておる。今、日本政府として保管しておるのは千七キログラムのようでありますが、米国内の処分は三千五百六十八キログラムになっておる。だから、接収された貴金属の中で、事白金に関しては、ほとんど米国内で処分されちまっておる、こういうことがわかるわけであります。その代償として六千キログラムの金と五万九千ドルが引き渡されておるように承知をいたしておるんでありますが、現在まであなたの方で調査したところによると、この三千五百六十八キログラムの中には、民間に本来返還される——あなた方の考えによれば返還されなければならぬものが、相当程度入っていたのじゃないだろうか、こう思われるのですが、そう理解してよろしいですか。
○説明員(池中弘君) そういうことでございまして、大部分民間に返還されるべきもの——もし米国内で処分しなかったとしたら、民間に返還されるべきものが大部分アメリカで売られてしまった、こういうことでございます。
○平林剛君 まあこういう点についての私の考えは、またいずれあらためて申し上げますが、もう一つ、そのとき米国内で処分されたこの三千五百六十八キログラムの白金の代償が、ただいま私が述べましたようなものとして引き渡されておるのでありますけれども、白金の価格は、昭和二十年当時と今日と比べると、大へんな違いになっておりますね。昭和二十年当時でありますと、一グラムについて六円九十四銭でありますが、昭和三十一年にはこれが千四百二十円になり、昭和三十三年には幾らか下りましたが、それでも八百八十円という線にある。アメリカ側が自分の国で処分した代償として引き渡されたものは、一体いつの評価でされておるのか。つまり、大へんこの白金の価値が高くなっておりますから、現在一体引き合っているかどうかという点を知りたいのであります。日本としては、これはすべてこういう請求権は放棄するというふうなことに相なっているために、その後の処理ができないものかどうかということが知りたいのでありますけれども、この代償として受け取ったときの評価は、現在の価格と比べて引き合っているかどうかということを知りたいのです。
○説明員(池中弘君) 米国内で処分いたしました白金に対しましては、金とドル預金でよこしてきたわけでございますが、現在の時価で比較いたしますと、向うで売ったのが二十五億、それから代償として返ったものの合計は二十六億幾らということで、現在の時価で比較しますと多少多くなっております。それで、当時といたしましては、その売却をし、それに対して代償をよこす、当時の米国内の時価によって代償をよこしておるようでございます。
○平林剛君 よくわからないのですが、現在の白金一グラム八百八十円と仮定しますと、この米国内における処分三千五百六十八キログラムというのは、ただ金六千キログラムと五万九千ドルをもらっただけでは引き合わないような感じがするのですが、そういう観点に立つと、一体損をしちゃったのか、得をしちゃったのかということになりますが、その点はいかがですか。
○説明員(池中弘君) その当時としては、損も得もないような評価で、代償の金とドル預金がよこされております。(「その当時はわかった」と呼ぶ者あり)現在では、こちらの方が一億円以上もよけいにもらったことになります。
○平林剛君 もう一つ、貴金属価格の推移は現在どうなっておりますか、金、銀、ダイヤモンドその他。
○説明員(池中弘君) 金につきましては、大体あまり変動はないようでございます。市中価格は五百七十円から五百八十円くらいでございます。銀につきましては、当初三十一年に出しました当時は、十円五十銭として見ておりましたけれども、現在では十円二十六銭で、多少下っておりますが、また上向いているような状況でございますので、銀につきましてもあまり変動はございません。次は白金でございますが、白金につきましては、先ほども平林先生から御指摘がありましたように、非常に変動が多いわけでございます。それで、二十九年の十二月には九百六十円であったものが、三十一年三月にはピークになりまして千四百二十円となっております。三十三年三月には八百四十円、三十三年の九月には六百六十円、現在はさらに下っているような状況でございます。 それから、ダイヤモンドにつきましては、これが金とか銀とか白金のように、画一性のある製品ではなくて、ダイヤモンドの原石のよさ、カットの仕方、それからカットにしましても流行がございまして、多分に骨董価値的な要素が入っておりますので、一がいには言えないわけでございまして、われわれもいろいろ調べておりますけれども、どの程度のカーブで平均価格が上昇しているのか、われわれもまだ十分に把握できておりませんので、法律が通りましたら、さっそく適正な評価をしなければならないと考えております。
○委員長(加藤正人君) では、これにて散会いたします。 午後三時四十七分散会