商工委員会 第2号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/12/16
会議録
○委員長(田畑金光君) これより委員会を開きます。 多年商工委員として活動なされた西川弥平治君が本日未明に御逝去になりました。つつしんで哀悼の意を表するとともに、御冥福を祈る次第であります。 —————————————
○委員長(田畑金光君) 先ほど委員長及び理事打合会において協議いたしました結果について御報告いたします。 本日は公共用水域の水質の保全に関する法律案及び工場排水等の規制に関する法律案の説明を聞き、質疑を行います。 次に十八日午後一時より委員会を開き、右二法案の質疑及び軽機械の輸出の振興に関する法律案の説明を聴取いたします。なお、一般質問も行うことを申し合せました。 十九日に農林水産、建設との連合審査会、二十日に公共用水域、工場排水二法案の質疑、討論、採決を行う、以上を協議決定いたしました。 —————————————
○委員長(田畑金光君) 次に委員の変更について御報告いたします。 去る十二日、阿具根登君、椿繁夫君及び阿部竹松君がそれぞれ辞任され、栗山良夫君、藤田進君及び柴谷要君が補欠としてそれぞれ選任されました。また十三日、柴谷要君が辞任され、その補欠として阿部竹松君が選任されました。 —————————————
○委員長(田畑金光君) 次に、理事互選についてお諮りいたします。 ただいま御報告いたしました通り理事であった阿部竹松君の委員変更により理事が欠員となりました。つきましてはこの際補欠互選を行うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。互選の方法は先例により委員長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認めます。 それでは相馬助治君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(田畑金光君) 次に、公共用水域の水質の保全に関する法律案及び工場排水等の規制に関する法律案を一括して議題といたします。 まず、提案理由の説明を聴取いたします。
○国務大臣(三木武夫君) ただいま議題となりました公共用水域の水質の保全に関する法律案につきましては前第三十臨時国会に提案されましたが、諸般の事情で成立を見るに至らなかったものであります。本案は、これから御説明申し上げます通り、早急に実施を必要とするものでありますので、本国会に再び提案いたした次第であります。以下に本法律案の提案理由並びにての要旨について御説明申し上げます。 近時都市人口の増大、鉱工業の急激な発展にもかかわらず、都市下水道の整備が著しく立ちおくれ、工場事業場等においても汚水処理施設の整備に欠くるところがありましたため河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他の公共の用に供される水域が年々汚濁され各種の問題が随所に発生するに至りました。 すなわち、汚濁水の放流に起因して水産業等の関係産業に相当の損害が生ずる等の事例が増加する傾向を示しておりまして、この傾向をこのまま放置するときは、産業相互の協力を害し均衡のとれた経済発展を阻害するだけでなく、これに起因して紛争等を惹起し、また公衆衛生の向上をも期しがたいと考えられるので、政府といたしましてはかかる事態に対処する措置として新たに本法を制定し、水質保全のために必要な基本的事項を定め、もって産業の相互協和と公衆衛生に寄与させようとした次第であります。 以上がこの法律案の提案の理由であります。 御承知のように欧米の工業先進国においてはすでに十九世紀以来水質汚濁の規制についてその対策が論議されており、わが国においてもさきに資源調査会から水質汚濁防止に関する勧告がなされ、その後引き続き、政府部内にこの審議会で慎重審議の上決定することといたしております。なお、水質保全に関しましては地下水の汚濁等今後の研究にまつべき課題も多々あると考えられますので、公共用水域及び地下水の水質の保全に関する基本的事項を水質審議会の所掌事務に掲げ今後の施策の検討の場といたした次第であります。 第三に、水質汚濁による被害に関する紛争についてでありますが、この種の紛争は近来各地にしばしば見受けられるところでありますが、解決に迅速を要し、また判定に専門的知識を要する等、本来裁判制度になじまない性格を有するため、ややもすれば両当事者の力関係に支配され、必ずしも合理的な方法で解決を見ているとは云いがたいものがあります。これを放置するときは、産業相互間の協和を害するのみならず社会問題化するおそれなしとしないので、水質保全行政の一環として本法に、都道府県知事による和解の仲介制度を設け、紛争処理を合理的な軌道に乗せようとはかったのであります。 最後に、本法の施行に伴い経済企画庁において関係行政機関の水質保全行政を調整する等の必要を生じますので、付則において同庁設置法の一部を改正し、関係条文の整理を行なった次第であります。 以上公共用水域の水質の保全に関する法律家の提案理由並びにその要旨を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。 なお、本法と並行して工場及び事業場に対し、直接の規制を行う工場排水等の規制に関する法律案が同時に上程されたことを一言申し添えます。
○政府委員(松尾金藏君) ただいま議題となりました工場排水等の規制に関する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。 近年における鉱工業の発展に伴い、工場事業場から排出される汚水に関し各種の問題が発生し、放置を許さない事態に立ち至っております。この問題は、わが国産業構造の高度化に伴う農水産業等の第一次産業と鉱工業等の第二次産業との間における不幸な避くべからざる摩擦現象でありますが、わが国経済の調和のとれた発展をはかるためには、一面において鉱工業の振興対策を強力に推進しなければなりませんとともに、他面その発達過程における他産業ないしは公衆衛生の分野に対するその悪影響をできるだけ軽減しつつその目的を遂行することが必要であることは言を待たないのであります。 政府といたしましても、水質汚濁防止に関しては、関係各省が相まって数年来検討を続けて参ったのでありますが、本年九月ようやく意見の一致を見たのであります。その案によれば、経済企画庁長官が、各方面の学識経験者及び関係行政機関の職員よりなる水質審議会の議を経て、保護すべき水域を指定し、その水域に適用される水質基準を設定するとともに、他方、工場、事業場、鉱山、下水道等に対しては、それぞれの主務大臣がこの水質基準を順守せしめるよう法的措置を講ずることとなったのであります。 この決定に従いまして、経済企画庁においては、その担当すべき部分を実施するため、公共用水域の水質の保全に関する法律案を立案し、今国会に提案いたすこととなったのであります。この法律による水質基準の適用を受けますものとしては、工場事業場のほかに鉱山、下水道、水洗炭業等々があるのでありますが、鉱山、下水道、水洗炭業等につきましてはすでにそれぞれの規制法律が制定せられておりますので、今回いまだ取締り法規の定められていなかった工場、事業場について、その主務官庁たる大蔵、厚生、農林、通商産業、運輸の各省が共同してこの工場排水等の規制に関する法律案を立案し、前述の経済企画庁立案の法律案と相呼応して、主務大臣に課せられた責務を完遂するための体制確立に万全を期したい所存であります。 本法案の主要な内容は、次の通りであります。 第一に、この法律は、経済企画庁において定める水質基準の具体的適用範囲のうち製造業、ガス供給業及びこれらに類する事業に関する分野における事業活動に伴って発生して参ります汚水等の処理を適切にすることによりまして、公共用水域の水質の保全をはかることを目的としております。 第二に、この法律は、製造業等の用に供する生産施設のうち汚水等を発生するものを政令で特定施設として指定し、およそ特定施設を設置している者は、その特定施設から排出される汚水等の処理を適切にし、公共用水域の水質の保全に心がけるべき旨を明示しております。 第三に工場排水等を指定水域に排出する者については、特定施設の設置、変更を行う場合、あるいは特定施設の使用方法ないしは汚水等の処理方法の変更を行う場合において、事前に主務大臣にその計画を届け出ることとし、主務大臣はその計画が工場排水等を水質基準に適合させるものであるかどうかを検討し、もし問題があれば、汚水等の処理の方法の計画の変更を命じ、さらには特定施設自体に関する計画の変更、廃止等を命じ得ることとしたのであります。なお、新たに指定水域が定まった場合、あるいは新たに特定施設が定まった場合等においては、既存の特定施設を設置している者については、経過措置としての届出をさせることとし、実態把握に遺憾のないようにいたしております。 第四に、現に指定水域に排出されている工場排水等が、その水域の水質基準に適合していないときは、主務大臣は、その工場排水等を排出する者に対し、汚水等の処理方法の改善、特定施設の一時停止、その他必要な措置をとるべきことを命令することができることとし、常に水質汚濁の事実が発生しないよう取り締る根拠としたのであります。 第五に、特定施設を設置する者に対しまして、以上のように公共用水域の水質を保全する義務を課しましたにつきましては、その義務の履行を容易にして、本法の実効を上げるため、汚水処理施設に対する固定資産税を免税するとともに、国として汚水処理施設の設置または改善につき必要な資金の確保、技術的な助言その他の援助に努めることとし、更に主務大臣は、適切な汚水処理技術の研究及びその成果の普及に努めるものとしたのであります。 以上が、この法律案を提出する理由であります。 なにとぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
○委員長(田畑金光君) 質疑に入りますが、御質疑ございませんか。
○阿部竹松君 本日衆議院の委員会で両法案が委員会で可決されましたので、その内容を若干伺ったんですが、修正されたというように聞いておるわけです。従ってここでお伺いした点が修正されておったりすると、これはつまらぬ論議をすることになりますから、できれば、衆議院の本会議が明後日行われてこちらへ回ってくると思いますので、そのときに若干の点をお尋ねしたいと思うんですが、とりあえず二、三点だけお尋ねしておきたいと思います。 この種の法案については、趣旨は全く賛成でございまして、異議はございませんけれども、第一点、三木さんがさいぜん提案説明をなされました公共用水域の方ですね。この点についてどなたか御答弁していただけるんですね。それで公共用水域ですが、これは農林省、建設省、通産省あるいは厚生省に関係ある法律を包含しているわけですね。従って私はこの法律案ができた臨時国会の当時から不思議に思っておったんですが、どうも経済企画庁でやられるということについては了解できません。従って今度経済企画庁の設置法を直すというような字句が入っておるのですが、この法律が各省でもてあまされて経済企画庁へきたがゆえに、企画庁設置法の一部を改正しなければならぬという、きわめて法の作成上邪道じゃないかというように私判断しておるのですが、こういう点は経済企画庁はどうお考えになりますか。
○政府委員(大堀弘君) 現在水質汚濁防止に関する行政は各省、御指摘のように下水道、上水道あるいは鉱山保安関係、建設省、厚生省、通産省各省それぞれの本来の行政、その所管事項についての水質汚濁防止に関する行政事務をあわせてそれぞれがやって参ったわけでございます。ただこれを統一的に総合的に運用する態勢ができていなかったわけでございます。これがまあ内閣のどこでやるのが適当かという議論があるかと思いますが、現在の設置法の関係から参りますと、経済企画庁は各関係行政機関の経済企画に関する総合的な事務の企画立案をやるということになっておりまして、そういう関係で、企画庁でこの行政運営の統一に関する水質の基準の設定とか、水質審議会に関する事項、公共用水域に関する法律案の立案を企画庁が担当することに相なりまして、まあ各省と協議して提出いたしております。いずれが適当かということは多少あるかと存じますが、設置法からいたしますと、経済企画庁で取扱うということが読めるわけでありまして、その意味で私どもの方で取り扱った次第でございます。
○阿部竹松君 そうしますと、この法案の内容にある経済企画庁長官が水域指定をなさるわけですね。まあ水域指定をなさる場合は、それぞれの要件が内容として盛られてくると、そうすると、一体どこで——審議会でやるということになっておりますけれども、それぞれの各場所からこれを指定してくれというようなことでこれは動き出すものか。それとも各省の要請によって動き出すものか。あるいはその基準というものをどこで定めるのか。大学校に聞くものか、それとも研究所に聞くものか、それとも日本の政府で統一した水質研究所のようなものを設けるのか。そのあたりきわめてばく然としておりますが、水域指定に当ってどういうことをして水域指定をやるのか、どういう工合に指定されるか。それと各省の振り合いはどうなるか、そういう点について説明を願いたいと思います。
○政府委員(大堀弘君) この法案にございますように、指定水域というものを定めまして、指定水域について水質基準を作定するわけでございますが、この指定及び基準の作定について企画庁長官が水質審議会——これは関係各省もむろん入りますが、関係各省並びに学識経験者をもって構成いたします。この水質審議会の議を経まして、企画庁長官が決定するということでございますが、この第四条にございますように、水質の汚濁が原因となって関係産業に相当な損害を生じている、あるいはそのおそれのあるものに対して水質基準を作定していく。地域を指定し、水質基準を作定するわけでございます。この原案はむろん企画庁事務当局が立案といいますか、企画いたしますけれども、事柄が相当重大でございますので、水質審議会の議を十分経ました上で長官が決定する、こういうことになっております。
○阿部竹松君 質問しているのはその前の方なんですね。前のところで、たとえば問題が起きますね。一番いい例で言えば、熊本県の水俣、あそこで工場から流れ出た水によって魚が死んで、その魚を食べた人間からネコからカラスまでばかになった、こういうことで、まだ論争をやっているはずですけれども、どうきまったかしりませんけれども、そういう事態が起きた場合に取り上げてやられるか、それともそういう大きな川、小さい川、上流なりあるいは中流に工場が設けられようとするときすぐにその指定水域にするかどうか。そのあたり今あなたのお話を聞くと、起きたところと、あるいはおそれあるものというから、もうすぐに工場が建つ前にとも考えられるのですが、そのあたりはどうなりましょうかね。
○政府委員(大堀弘君) これは全国に相当河川がたくさんございますし、また問題が起きておるところも現に相当多数あるわけでございますが、水質の基準の作定ということはなかなか技術的に困難が伴う仕事でございますので、一挙に全体の水質基準を定めるということは困難であると考えられます。従いまして、現在考えておりますことは、年次計画的に本年度は七河川程度、その次は十河川といったような工合に事柄の重要度によって、非常に影響の大きいようなところから逐次指定をいたし、水質基準を作定する、そして五、六年のうちには、相当問題ができそうな河川は、おおむね水質基準の作定を終っている、こういうように考えております。
○阿部竹松君 そうしますと、一回にやるわけでない、漸進という方向でやられるということになるわけですね。そうしますと、今下水道法から河川法から港則法から漁港法から水洗炭業法からたくさんこの種の法律がありますがね。これらとの関連はどうなりますか。
○政府委員(大堀弘君) 現在それぞれの法律がございまして、その法律の建前で運用いたしておりますが、今回御審議願っております法案が通過いたしまして、これによって水質基準が設定されますと、たとえば淀川なら淀川に水質基準がきまりました場合に、その水質基準に基いて、たとえば下水道法の運用なり、あるいは今度できます工場排水法の運用は、その水質基準に基いて行政の指導に当る。こういう建前になるわけであります。これは公共用水域の水質の保全に関する法律案が基本法になります。結局各実施法はこの基本法の定めた基準によって個々の行政の運用をしていく、こういう基本法と実施法の関係に相なるわけでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、基準はどこできめるのですか。
○政府委員(大堀弘君) 基準は、水質審議会の議を経まして、経済企画庁長官が決定するわけでございます。
○阿部竹松君 そうすると、衛生や環境やいろいろな条件に基いてこれからおきめになるということですね、この法案が通りますると。そういうことですね。
○政府委員(大堀弘君) さようでございます。
○阿部竹松君 そうしますと、利根川なら利根川が、これは一例ですが、利根川に一つの工場を作りたい、作った場合でもいいのですが、Aの工場を作った場合、あるいはこれから作るというときに、どうも汚濁水が流れる、しかし現在やっている工場が、Aの工場がそういう水域に指定されてしまって工場の運用がとまったという場合は、あるいはまた補償せいというような場合には、工場が力がございませんと、それだけの設備をすることができませんというような、これは具体的な例ですが、そういうことになった場合には、どういうことになるのですか。この予防方法なりあるいはまた現実の問題として、起きた災害に対する補償、こういう問題はあくまでも業者が責任を負う——業者が責任を負えぬという具体的例が全国各地で出てくると思うのですね。そういうようなときはどうなるのですか。
○政府委員(松尾金藏君) ただいま御指摘の点は、この両法律、あるいはすでにあります工場や排水等の既存法の運用についても、非常にむずかしい点であると思います。ただ、実際問題としては、従来でも、工場事情等も、まあそれぞれある程度汚水処理施設はやっておったのが通例であります。しかしそれはもちろん十分なものではなかったのでありますが、今回、この両法律が施行されることになりますと、従来はっきりしなかったどの程度の汚水処理施設をすることが必要であるかという基準、ものさしがはっきりして参るわけでございます。もちろん、その基準、ものさしがあまり理想的な非常に高度のものであって、とうてい経済採算ベースにも、また工場企業等もとうてい負担し切れないような、極端に言いますと、工場の汚水が真水になって出るような処理施設をかりに強制するような、あまり理想的なものになれば、それはこの法律の運用自体が、今御指摘になりましたようなことで、どうにもできなくなるおそれがございますけれども、現実の運用としては、現実の事態からスタートしてだんだんによくしていくという前提で法律の運用はされて参っております。しかし、やはり水質基準をきめる場合には、少しでもよくしていこうという方向で参りますから、新たにできる工場等は当然それ相当な処理施設の負担がでてくるわけであります。それにつきましては、今御指摘のございましたように、その企業等が負担し切れないことになることでは困りますので、大企業等につきましては、この法律の運用と並行しまして、その資金の確保というような点についてできるだけ政府も援助する、特に中小企業等におきましては、今御指摘のような点があるだろうと思いますので、この点は処理施設についてある程度の国の補助金も用意する必要があるということで、この法律の施行を想定をいたしまして、来年度の予算要求等もいたしております。なお、そういう処理施設をやりましてもなお実際に被害を方々に与えた、それに伴う補償責任を負わなければならぬというような事態もあるいは具体的な実例として起り得ると思います。それは当然企業がいわばそういう意味の公的責任を負っているのでありまして、賠償責任等は一般法の原則に従って当然負わなければならぬ、しかしそれは最悪の場合であって、事前にただいま申しましたような汚水処理施設等についてはできるだけのことはやるというのがこの法律の運用の建前に相なっているわけであります。
○阿部竹松君 今、松尾局長さんの答弁の中の現実の問題、それを私は心配するわけです。一例をあげると、一つの問題について、これはだれが加害者か、原因が何かということで九州大学とか、東京工大の見解——水を分析する見解が違ったりして、加害者が違うわけです。そうすると一体何を基準として主務大臣、こういう人が判断するかということになる。そうすると、水質汚濁研究所の——国立研究所、りっぱな試験場でも建てるかどうかということが一つと、もう一つは今国がやはり補助をしなければならぬだろう、来年度の予算も要求してあるというようなことを若干お伺いしたのですが、大蔵省はきわめて本件に関しては冷いそうですね。これはうわさを聞いただけですから、はっきりわかりませんが、本件については法案の内容ではなくて、予算を持ち出さなければならないというので、私は反対しているのじゃなかろうかと思いますが、大蔵省ではあまりいい顔をしない、きわめて冷いという話を聞いたのですが、それでこの法案を実施して漸次、三年かかるか、五年かかるか、六年かかるかわからぬという答弁ですが、大体予算を、原案が可決されて、明年度から実施されるということになれば、どのくらい補助金を出さなければならぬという計数的に判断をなされた資料はないのでしょうか、あればちょっとお知らせ願いたい。
○政府委員(大堀弘君) 全体の計画につきましても、予算の規模が検討ができてございませんですが、当然来年度実施の段階に入りました場合に、どの程度の予算が要るかという点につきましては、水質の基準作定に関して現地で、ただいま御指摘ございましたように、水質を調べます場合に、たとえばそこの水の一定部分を取って、一定の温度を保って非常にこまかい検査をしてやりますが、そういった水質の調査を中心にして水質基準作定のために必要な河川、六河川ぐらいをやるつもりでおりますが、それが予算一億円程度、そのほかに中小企業の施設補助、これは通産省関係でございますが、十一億円程度要求をいたしております。下水道整備が、これは厚生省、建設省にわたっておりますが、これが約六十一億円、これは法律と並行して下水道の整備ということは実体的に本法の趣旨を達成するのに重要なことでございますので要請いたしておるわけであります。ごく大まかに申しますと、まだ試験研究その他は、各研究機関の方で要求をいたしておりますが、大体申しますとそういうようなことであります。
○阿部竹松君 そうしますと、通産省の分の御答弁まであったわけですが、結論的には加害者、被害者という言葉を使っては、あてはまるかあてはまらないかわかりませんが、言葉があまり端的になり過ぎると思いますが、通産省関係の方が加害者であって、農林省関係の農村が被害者になって困るということもあり得るわけですね、これは端的な表現ですが。従いましてこの法案を審議します場合には、農林省の方にも伺ってみなければわからぬし、あるいは建設省の人、厚生省の人にも伺って、総合的に判断してみなければわからぬ、こういうことになるわけです。これは他省は全然関係ございませんか。農林省、建設省、厚生省その他のいろいろ法律が十も二十も包含されてきますね、そういう点はいかがでしょうか。
○政府委員(大堀弘君) 御指摘のように、加害といいますか、害を加える方の産業の立場と、害をこうむります方の産業なり、産業以外に、公衆衛生という見地もございますが、そういう被害側と加害側と、関係省が非常に広範にわたっておりまして、関係省だけで、必ずしも三省といったって、経済に関係ある各省ほとんどが多少は関係あるわけでありまして、実はその意味で非常にその間の調整に実は苦労いたしたわけでございますが、今後の実行の面におきましても、当然各省と十分協議をして参りますし、私どもの基準作定の立場におきましても、先ほど通産省の企業局長から御発言がございましたように、ただ目的だけを追って、非常に、いたずらにきつい基準をきめましても、今度は産業構造が成り立たなくなるおそれもあります。その点の調整を十分いたしまして、加害と被害の両産業の調和をはかっていこう。両方の立場を十分考えて適正に基準を作定していこう。こういう考えでおるわけであります。
○阿部竹松君 劈頭にお話申し上げました通り、衆議院の修正された点がわかりませんからさいぜん申し上げました衆議院の修正を見せていただいてから、あと質問したいと思いますし、委員長のさいぜんの御発言では、農林関係の委員会、あるいは建設関係の委員会等とも合同審査会をなされるお話がございましたから、そのとき合せて、各省の政府委員の方もおいでになろうと思いますから、そのとき一緒に総合して、ダブらないでお尋ねしたいと思いますので、これで私質問やめますが、さいぜんも若干触れましたが、最終的にどこが判断を下すか、相当権威あるものが必要であるし、それがなければ、私はなわ張り争いなどという極端な言葉は使いたくないわけですが、やはりこれは初めてやることですから、いろいろな法律があって、その法律によって、あらゆる問題が、水が処理されていますけれども、今度総合したものが一つでき上るのですから、やはり国家的な試験場が国家的に判断を下すところがなければ、この法案で見る委員会だけでは、ちょっと微力なような気がするのですが、こういう今の御心配は全然ないものでしょうか。
○政府委員(大堀弘君) 御指摘のように、このための特別の研究所を設置すべきじゃないかという御意見が各方面にございます。また資源調査会の報告にもそういう勧告が入っております。私ども今後十分検討しなければならぬ点かと存じております。当面の場合といたしましては、現在ございます各省のそれぞれの試験研究機関に協力をしていただきまして、科学技術庁の協力を得まして研究としては総合的にやって参りたいと考えておりますが、当面は各研究機関を利用していく、こういう体制でスタートいたしたいと考えております。
○海野三朗君 川ですね、川の何をもって汚濁水域というか、何をもってどこに標準をおいておるのでしょうか。一体、市内の川で、それは以前は浄水が流れておった、最近ではもう下水の川になっておるわけです。あれはどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(大堀弘君) ちょっと御質問を取り違えておるかもしれないのですが、法律の第三条に、この法律の対象とする公共用水域と申しますか、この法律の対象になる水質基準を作定するための公共用水域というのが三条に定義がございまして、河川、湖沼、港湾——たとえば東京湾のようなものも入ります、港湾、それから沿岸海域——瀬戸内海の沿岸でございますとか、その他公共の川に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、灌漑用水路、その他の公共に供される水路と書いてございます。非常に複雑でございますが、結論を申しますと、結局、川、港湾、海につながっている水域でございますが、除かれておりますものは、結局、下水道、たとえば浄化設備を持っております下水道がございますが、下水道はその出口で浄化をいたしますので、その出口から出る水を水質基準で規制をいたします。そうしますと各地方公共団体がその基準に基いて下水道の出口に浄化設備を持って浄化いたしますので、その浄化設備の中の水域まではこの対象にはいたしておりません。出口で押えると考えております。
○海野三朗君 そういうような浄化設備のないところはどうしますか。
○政府委員(大堀弘君) ここで結局、公共下水道、都市下水道だけを除いておりまして、公共下水道は大体浄化設備を持っておりますし、都市下水道も持つべき建前になっておりますので、これを持つべき建前になっておるところは除きまして、持たないところは入る、こういう考えでおります。
○海野三朗君 持たないところはそれに入っていないというわけでしょう。
○政府委員(大堀弘君) 浄化設備を持っておるところ及び当然持つべきところですね、近く持つべきところ、現在持っておるところ、これはその出口で押えまして、その中までは入っていかない。持っていないところはずっと中の、どぶまでも入っていく、極端な言い方をしますと、どぶまでも入ってしく……。
○海野三朗君 今、河川ということを言いましたが、山形の、たとえば私などの方の郷里ですが、山形は人口十数万でありますが、そこは山からずっと流れてきて、そうして海に入るのです。その小さい小川が下水になっておる、このごろは。そういうところはどういうことになりますか。
○政府委員(大堀弘君) 具体的なケースは存じませんが、下水道法の規定によりまして指定されますと、ここにあります公共下水道になりますので、指定されております場合には当該の都道府県、市なり町村なりが下水道の浄化について責任を負って実行しておるわけでありますから、この中まで、法律で立ち入らないで出口で押えまして、指定になっていないものは普通の川と同じように本法の対象になるわけであります。
○委員長(田畑金光君) 本日の委員会は、これで散会いたします。 午後二時四十九分散会