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31回国会参議院1959/03/11

社会労働委員会国際労働条約批准等に関する小委員会 第2号

発言数
70
登壇者
9
会派数
2
開催日
1959/03/11

会議録

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) それでは国際労働条約批准等に関する小委員会を開会いたします。  ILO条約批准等に関する関係各省の資料が提出されましたので、お手元に配付いたしました。これに対して、各省からの要点を聴取いたしたいと存じます。御説明を願います。きょうは、労働省から澁谷官房長、松永会計課長、それから運輸省か土井船員局長、厚生省から今村保険局庶務課長、外務省はまだ見えておりませんが、おっつけ見えると思います。どちらからやっていただきましょうか……。労働省からこの資料の順に基いて説明をしていただきたいと思います。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) 労働省関係につきまして、配付いたしました資料につきまして御説明を申し上げます。この横刷りの第一表をごらんいただきますると、ここにILO条約のわが国における批准状況につきまして、全般の状況を一表にまとめてございます。条約の総数が、ここにございますように、百十一でございます。そのうち、わが国の批准したものが二十四、新条約によって改正されたものが十四、現在いまだ発効していないものが九、わが国に関係のないものが同じく九つ、未批准のものが五十五でございますが、以上のうち、労働省所管に属するものが三十六あるわけでございます。以下、労働省所管の三十六の未批准条約につきまして、それぞれ各条約ごとに表にまとめた次第でございます。  次のページに参りまして、労働省関係の未批准条約一覧表、一番上に条約名を掲げまして、次の欄に採択年月日及び批准因数を書いてございます。それからその次に、内容の主要点を書きまして、それ以下がこの前、本小委員会の御要望によりまして、各条約ごとに国内法と抵触する点及びその抵触する国内法の条文を参考までに書いて出すようにという御希望がございましたので、その線に沿って資料をまとめたわけでございます。従いまして、この第四欄には国内法と抵触する点、たとえば一の工業的企業における労働時間を一日八時間一週四十八時間に制限する条約につきましては、国内法と抵触する点は、一日八時間一週四十八時間という基本的な原則については、わが国の労働基準法と一致するのでございますが、上記の例外が認められる条件が異なっておる。すなわち例外として、一週四十八時間のワク内で一日九時間まで許され、また、一定の条件のもとに時間外労働が認められる。その例外を認める条件が、条約とわが国の基準法の立て方が異なっておるわけでございます。その条文といたしましては、その下の欄にございまするように、条約におきましては第二条、所定労働時間の延長の条項でございまして、わが国の基準法におきましては第三十二条第一項、第三十二条第二項、さらに時間外労働につきましては、条約においては第六条、基準法におきましては第三十六条、こういうふうに食い違う点が見られるわけでございます。  以下、ただいま申し上げましたと同じような方法によりまして、労働省関係の三十六条約につきまして同じような方式によりまして国内法と抵触する点、参考条文を掲げた次第でございます。小委員会会議録第二号

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) ありがとうございました。  それでは次は、運輸省の土井船員局長から、運輸省関係の説明をお願いいたしたいと思います。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) 海事関係の条約につきまして、批准状況を御説明申し上げます。  ただいま労働省から御説明がございましたように、船員関係におきましては、この労働省からお出しになった資料の中にも総括表に出ておりますように、条約総数は二十七ございます。そのうちわが国が批准したものが八つございます。それは、この海事関係におきましては、国際労働総会の建前も、海事については別の総会を開いておりで、早晩何らかの結論が得られるのではないかと思うのであります。  以上、大体を申し上げておきます。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 次に、厚生省の今村保険局庶務課長にお願いいたします。

今村護厚生省保険局庶務課長

○説明員(今村護君) 厚生省の関係といたしましては、現在未批准のものが十三ございます。これは船員関係と別にしてこの表にはございますが、船員関係も含めて十三であります。内容はお手元にお配りいたしましたように、ちょっと公務の手違いでありまして、労働省、そのほか運輸省よりも非常に簡単なものになっておりまして申し訳ございませんが、その内容につきまして簡単な要点だけを申し上げたいと思います。  疾病保険関係につきましては二本ございます。一本は工業及び商業における労働者並びに家庭使用人の為の疾病保険に関する条約(第二四号)、一九二七年のものでございます。これの未批准になっておりますものは、医療あるいは傷病手当金というようなものにつきまして相当厳密な規定がありますが、一つでもこれに当てはまらないというようなものがあればだめだというふうな強いしばり方をした条約でございます。それで主たる理由の(二)にもありますように、健康保険法の適用範囲というものが今きめられておりまするけれども、家庭使用人、それから従業員五人未満というものは今もオミットされておるというのが、条約によりますと、そういうあらゆるものを洗いざらい含めろ、こういうことがありまして、この問題はいまだ検討中でございます。  それから農業労働者の為の疾病保険に関する条約、これは健康保険法の適用業種に農業が含まれておらないという日本の特殊事情から、今のところ、どうにもならないという格好であるわけであります。  それから老齢保険の関係につきましては一番、二番とも前の疾病保険と同じような格好でありますけれども、家内労働者、家庭使用人というふうなものの強制老齢保険というふうなものが問題でありまして、厚生年金保険法の適用範囲で、前と同じように、従業員五人未満、家事使用人というふうなものが、現行法規では即座に入れるということの決定がなかなかむずかしいというふうな問題でございます。  それから農業的企業に使用せらるる者の為の強制老齢保険に関する条約、これも前に申し上げましたように、厚生年金保険法の適用業種に農業を含むかどうかという非常に大きな問題が含まれておるという関係がございます。  それから廃疾保険の関係につきましても、これも二本でありますが、工業的又は商業的企業に使用せらるる者、自由職業に使用せらるる者並びに家内労働者及び家庭使用人の為の強制廃疾保険に関する条約、これも理由は適用範囲の問題でありまして、三十五号について申し上げましたように、五人未満あるいは家事使用人あるいは料理飲食店の従業員というようなものを適用業種に入れるか入れぬかというような問題がひっかかっておる。  それから第二番目の農業的企業に云々という条約(第三八号)も同じように、日本の今の法制ではどうにもしようがないという情勢で検討いたしておる段階でございます。  遺族保険については二本ございますが、これは相当のところまでぴったりしておるというところが多いのでありまするけれども、一つ、第一点の寡婦及び孤児保険につきましては、厚生年金保険法の遺族年金につきましては、寡婦あるいは孤児がいわゆる被保険者または被保険者であった者の扶養を受けておるというふうなしぼった条件にしております関係上、現在これを全然無条件にすることはどうかというふうな問題につきまして、まだ批准できないというふうな事情でございます。  農業関係のものにつきましても、三十六号に申し上げたと同じでございます。  それから国際間の資格期間の通算関係というので第四十八号がございます。これは一九三五年のものでありますが、これはそれぞれの国が資格期間の通算というふうな条約を作る場合に、こういう基準によれという、何といいますか、条約のモデルを示した、そうしてそれを批准すれば、そのモデルに示されているいろいろの条件に制約を受けるというようなものでございますが、従って、日本がもしこれに批准する場合には、特定のある国とそういう通算協定を結ぶということが前提になると思いますけれども、現在のところにおきましては、ヨーロッパと違いまして、国際間の労働者の流入関係というものは非常に少いということで、実態的には要らないのじゃないかということで、まだ批准に至らないというふうな格好でございます。  以上がそれぞれの部門についての単行の条約でありますけれども、その次に、社会保障の最低基準に関する条約(第一〇二号)、これは非常に大きな条約でございます。現在まで——先ほどから申しました二十四号以下のものはほとんど全部これに集大成されたものであるということでございます。ただ、最近これは末高先生から伺ったのでありますが、この百二号というものをもう一度全面的に練り直して、もう少しレベルの高いものに作り上げようという動きが目下進行中でありまして、これは相当近い将来において改革があるのではないかということでありますが、これは医療給付、現金給付としての疾病給付、失業給付、老齢給付、業務災害給付、家族給付、母性給付、廃疾給付、遺族給付というふうに九項目ございまして、このおのおのについてどれか三項目を取ればよろしい。そうすれば一応批准ができる、こういう格好になっておるのであります。これにつきましては、相当いろいろ議論しておるのでありますが、どうも労働省もくるめまして、三項目全部該当するという格好には今なっておらない、これをどうするかということが今後の残された問題であろうというふうに考えます。  それから最後に、船員保険関係でございますが、これは三本ございます。  五十六号は一九三六年のものでありますが、これは大体内容は、日本の船員保険法では条件は大体合っておる。ただ、適用範囲の問題につきまして、要するに、軍艦以外のあらゆる船舶の乗組員というものは全部これに引っかけるということになっております。ところが、日本の国内法におきましては、一般船舶五トン以上、あるいは漁船三十トン以上という限定をつけざるを得ないという格好になっておりますので、そこで、何でもかんでも全部引っかけるということは大きな問題である、船員法の問題でもあるという点が、まだ批准に至っておらないという状況でございます。  それから第二番目の船員のための社会保障に関する条約、これにつきましては、内容は大体条約の要求に合致しております。ただ失業給付につきましては、船員という特殊事情にかんがみて、陸上の失業保険よりも、とにかく劣ってはいけない、まさらなくちゃいかぬという条件が非常に強硬に書いてございます。そういう点、現在の失業保険法と船員保険法の失業給付につきましては、アンバランスがございまして失業保険の方が、事情によってよろしいという建前になっておりますので、その点は今後の財政計算なり、あるいはいろんなものを積み上げなければならないという段階で、検討している次第でございます。  それから第三点の船員の年金に関する条約につきましては、一九四六年でありますが、条約の方は拠出額、積み上げた保険料額に比例した額を出せという一本の条約でございます。ところが御承知のように、厚生保険、船員保険なりは、報酬比例部分と定額部分との二本立に相なっております。従いまして、標準報酬の低い人方は定額がありますために、条約が規正しておる一定のパーセンテージ以上にもうかるというか、有利な取扱いを受けるというようになりますが、高額所得者につきましては、条約よりも不利になるというような格好がございまして、これは根本的に再検討しない限りは、批准というものが非常にむずかしい点がございまして、これも検討中でございます。以上簡単でございますが……。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 次は、外務省の石橋事務官。

石橋太郎外務省国際連合局経済社会課長課長代理事務官

○説明員(石橋太郎君) この未批准条約の外務省に関係ある条約でございますが、お手元に差し上げました資料に三つ載せてございますが、一番初めの方は、ただいま厚生省の庶務課長が説明されましたように、保険年金に関する問題、これは厚生省の方とはなはだ調整不十分で失礼でございますが、外務省に関係のあるのはあとの二つで、六十六号、移民労働者の募集職業紹介及び労働条件に関する条約、こういう条約でございますが、これは批准国が一つもございませんで未発効でございます。これは事実上九十七号条約によって改正されまして、これ一つが外務省の関係する条約になっております。これはここに簡単に書いてございますが、「加盟国に次の義務を課するものである。出入移民に関する法令労働条件その他に関する情報をILOなどに提供すること。移民労働者の援助施設や医療施設を維持すること。労働条件、宿泊設備、社会保障等に関し内外人均等待遇を行うこと。」等々、こういう内容なんでございますが、これは何分にも相互関係がございましてわれわれの移住先の大宗であるブラジル等も批准いたしておりませんし、受け入れ国が一つも条約批准をしていない。そういう状態で、今直ちに条約を日本として批准するというようなことは困難であると思います。簡単でございますが、これだけ申し上げておきます。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 説明が終りましたので、質疑のある方は質疑を願いたいと思います。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 批准はしてないが、条約の内容の趣旨はそのまま国内法に取り入れておるというような場合に、これは一体どういう取扱いになるわけですか。さっきどなたでしたか、運輸省でしたか、おっしゃいましたね。趣旨は全部取り入れてあるのが幾つかあったわけですね。これはそうすると、条約との関係はどういうことになるのですか。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) どうもさっきはちょっと舌足らずであったために……条約の趣旨は取り入れてあるけれども批准していないのはどういうことかというお尋ねと存じます。  これは具体的な例について申し上げれば一番おわかりになるかと思いますが、この表にございまするが、たとえば海員の送還に関する条約でございます。この海員が雇いどめになった場合、その他送還に関する規定は船主がその海員を送還してやる義務、その送還の買用、送還をなすべき港、たとえば本国港のどこまで送還してやるかというようなことにつきましては、この船員法の昭和二十二年の改正でもって大体それは採用されております。船舶所有者の義務としての海員の送還、そういう意味での労使関係についての条約の要求はすべて充足しておるわけでございます。ただ、ここに参考条文として国内法がこういうように載せてございますが、たとえば国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律、こういうのがございまして、それは外国の領事官でございますが、それが日本人を本国に送還してやる。その場合に、送還費用の前貸しをしてやる、こういう規定がございます。日本人一般を対象にしたものについてはあるのでございますが、ただ、その船員の送還の条約の規定とそのままぴったり一致しているというわけではございません。それじゃ、それが条約と抵触しているかどうかということになると、これはやはり関係方面で十分検討して、よくその点はむしろ遺憾のないようにしたらいいということでもって、今まで批准の手続を取らなかったようなわけでございます。内容的に申しますと、趣旨は満たされているのではないか、ただ、規定の体裁は若干条約の通りの規定ではないというだけでございます。それがこの送還の条約もそうでございますし、海技免状の条約も、船舶職員法が三十二年でございまするから、一昨年改正になりまして、それで大体採用した。これもそれじゃその批准をしたらいいじゃないかというたしか御疑問もあろうかと思うのでありますが、その後、実はこれについてまだ国内的な手続も取られておらない。趣旨としては、なるほどこの採用はされておって、船員の保護の面は遺憾がないのであるけれども、ただ、規定の体裁上条約とぴったり一致するかどうかということは慎重な検討を要するということで、これはおととし法律ができたばかりでございます。まだ今までその手続はとられておりません。いずれもそういうような次第でございまして、趣旨としては取り入れてある、こういうことでございます。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 大体わかりましたが、しかし、そうすると、これは趣旨は全部一応取り入れて国内法も整備してある——してあるとまでは言い切れないかもしれないが、さらに検討して、整備するというものが残っていれば、されるということだと思いますが、そうなれば、批准するということになるわけですね。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) ええ。

柴田栄自由民主党

○柴田栄君 そのほかにお話しありました五十三号ですか、五十三号とか、五十五号条約の趣旨は国内法で実現されていると、こうはっきり書いて、何にもほかには書いてありませんが、そういう場合に、どうして批准の手続はとらないわけですか。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) ただいまお尋ねのように、趣旨がとられている以上、政府として批准の手続を早急にとるべきではないか。まことにごもっともでございましてただ、たまたまこの規定の体裁が条約の条文とそのまま一致してないために、労働者の保護の面として見た場合においては充足しておるけれども、この規定の手続規定ですね、まあ今は送還については領事官の取扱いについて若干体裁を異にしておる。それから次の海技免状につきまして、それではこれはおととし国内法を改正したんだから、もうおととし、去年あたりから手続をとるべきではないか。私どももそう感じておりますので、できれば国内の関係機関とこの点相談をさらにしたいと思っておるのですが、これも規定の上から見ますというと、条約の上から言うと、これに違反した場合に、船の抑留の措置をとり得るようにしろ、こういう条文があるのでございますね。ところが、船舶職員法で見ますというと、その場合に政府は、まあ運輸大臣でございますが、運輸大臣が船の出港を停止することを得る、——そうしますと、条約の文章で言うと、抑留だと、こうなってくるのですね。じゃ出港はどうかというと、その保護の面からいえば、海員の保護の面からいえば、なるほど趣旨は採用しておる。しかし、手続的に見ると、条文の体裁が若干違っておる。なお、もしそういう点で苦情があるといけないので、関係方面とやはり打診を慎重にすべきじゃないかということで、まあおくれておるような次第でございます。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 委員長に伺いたいのですが、教えていただきたい。  この規定の手続なんかのあれですね、これまでも全く一致しておらなければ、批准できないですか。内容がきっちりとして、その条約の違反にならぬようになりゃ、内容だけでもできないですかね。国際条約はいろいろの解釈なんかでやられるんじゃないか。私ども衛生条約なんというのがありまして、まあその当時は枢密院がありまして、いけないのは国内法を改正しなければならぬというたが、こういう解釈で、これこれでいいというので、批准してきましたが、ILOは非常に厳格なんですか。また、英語なら英語に訳す場合も、また、日本語の文字の工合でどうしてもぴっちりぴたりといかぬような場合もありますわね。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 問題は本質の問題か、「て、に、を、は」の問題かということになってくると思うのです。しかし、ILOの憲章でいきますと、精神が合致しておれば批准をする、そうしてあと一年間「て、に、を、は」やその他の国内法の整備をするという格好で条約が発効をする、それで規律を守ろうという非常に慎重な態度をとっておるわけですから、今のような形のものであれば、私は本質が変らないし、条約が変らない、ただ字句一字々々の「て、に、を、は」の問題が少し違うからという格好のものであれば、条約を批准して、日本流の言葉で表わせば一致するのだという理解が——条約検討委員会というものがILOにございますから、そこで理解をしてもらう手というものは私はあると思うのです。だから問題は、その条約自身がついておる本質の問題ですね。それがやはり精神の問題がその条約を守る、要するに、批准をしてそれと同じような物事を実施するというところに問題の主点があるのだ、私はこういうふうに理解しておるのです。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 委員長に伺いますが、外国の言葉で、イギリスの言葉とフランスの言葉では非常に正確さが違ってくる場合があるようですが、ILOの方ではフランス語と英語と両方やっておるわけですか。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) ILOは、基本、何と言いますか、共通として使っておるのは英語、フランス語、スペイン語であります。最近はロシヤ語というものが、ロシヤから人員、その他資材を提供して……。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 スペイン語、英仏です、公用語は。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) 条約をきめる場合には、英文と仏文で、それが公用語になっております。ただ会議ではスペイン語ももちろん使っております。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 今委員長と委員の間に質疑応答がございましたが、結局、国際労働条約に規定をされておる実質的のことが国内で確保されておれば批准をしても差しつかえない、しかしながら、実質が必ずしも確保されていないという際には、批准を、実質が確保されるまで待つというのが日本の今までのやり方であり、また、各国のやり方である、こう思いますが、労働省の責任当局は、どういうふうにお考えになりますか。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) この点につきましては、斎藤先生の御指摘の通りでありまして、ただ、各国の条約批准の態度につきましては、相当やはりニュアアンスの相違があるように見受けられます。たとえば中華民国であるとかあるいはインド等に見られるように、相当、何と申しますか、大胆にと言いますか、あまり細部の点には拘泥せずに条約を批准しておるという国もございます。ただ、日本の場合におきましては、これは戦前から非常に厳密な態度をとっておりまして、御承知のように、戦前におきましては、枢密院にかけて、その批准を経た後、条約の批准をするかどうかということを決定しておるというような態度に見られるように、日本の場合は、各国のうちでも非常に厳格な態度で条約の批准に臨んできたわけでございます。現に、戦後におきましても、御承知のように、条約を批准する場合は、その条約と国内法との関係を検討して、条約に抵触するという条項が国内法にある場合は、その国内法の改正を実施したあとで条約を批准するという方針を閣議決定いたしておるような次第でございましてそういう意味におきまして、わが国の態度は、非常に厳格な態度で臨んできております。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 国内の実体がまだ法令その他で確保されていないのに批准を牛にして、そうしてあとで一年以内に国内の法規その他を整えるということをやった例がありますか。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) 私の承知する限りでは、ないと思います。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 従いまして、この条約の条文と言葉その他が違っておっても、実質さえ確保されておればこれは批准をして差しつかえがない。それからまた、法律が全然なくっても、該当している事実がない。たとえば、強制労働の禁止の条約のごときは、国内法では強制労働を禁止しているという法律はありませんが現実にないし、また、そういうことが予想されないというだけで批准をした例があると思いますが、間違いございませんか。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) 今、ちょっと調べまして御返事申し上げます。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 それは実際そうなんです。私は批准のときに、枢密院まで行ってあれしたんですから、そうだと思いますが、さらに確認していただきたい。従って、今後も、国内法がなくっても、もう事実上、事実問題として確定されているというものは、批准をしても差しつかえがないのじゃないかという私は考えを依然持っておるわけであります。そこで、もう一つお伺いいたしますのは、今御説明にありました枢密院を通らなければ条約が批准できないという前のあれがありましたから、従って枢密院は非常に厳格であって、実体が少しでも確保されないおそれがあるという場合には批准を許されなかったという現状で、それを踏襲しておられると思いますが、今もお話がありましたように、各国によっては、相当ルーズに批准をしておって、そうして、条約が順守されているかどうかという、ILOの検討をする機関においても、必ずしも非難も受けていないという例が、世界に相当あるのじゃないかと思いますが、私は、さりとて、そうあわてて条約の批准の数を増さなければならぬ実体が、もちろん、本質的な実体が整うておらなければ批准すきものでないことはもちろんでありますが、さまつな点で、あるいは手続とか、大したことのない点で十分合致していないけれども、まあよかろうというて批准をしている国が、よそには相当あるように私は思いますが、外国の例として、非常に厳格にやっている国の方が多いか、あるいは、そうでないものの方が多いか、これらはちょっと簡単には言えますまいが、感じとしてはどんな感じを持たれますか。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) おっしゃる通り、私どもも、加盟国八十国もあるわけでございまして、それぞれの国がどのような態度で臨んでおるか、つまびらかにすることはできないのでございますが、まあお言葉に甘えて、感じを申し上げさしていただきますれば、まあ日本の場合なんかは最も厳格な態度で臨んでいる国の一つだと考えております。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 それから、これはさまつなあれですが、今、労働省関係の関係資料を見ていて、この総数と、それから未批准のもの、批准したもの、こういうものの何か合計がちょっと合わないように思いますが、条約総数が百十一で、わが国の批准したものが二十四、それから……どうなんですかね、この二十四と、わが国に関係のないものと、未批准のものと、どれを合わすと百十一になるんですかね。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) この表は、おっしゃる通り、ちょっとわかりにくいのでございますが、総数が百十一でございます。そのうち、批准したものが二十四、それから、そのほかに、新条約によって改正されたものというのがあるんですが、これは新しい条約で、すでにもう失効したものでございます。改正されたというのがちょっと不適当な表現なんですが、これは二十四のほかに十四あるんです。それから、現在まだ発効していないもの、これも二十四のほかに九つあるわけです。これは発効しておりませんから、批准ができないわけであります。それから、わが国に関係のないものが、そのほかに九つある。それから未批准のものが五十五ある。これを全部たしますと百十一になる、こういう表でございます。なるはずでございますが……。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 そうすると、新条約によって改正されてしまったものが十四あるということは、百十一の中の内訳ではないわけですね。政正されないやつ、改正されたものと合せて……。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) これは内訳でございます。百十一というのをもう少し実質的に申しますと、条約総数百十一の中の、すでに失効してしまったものが十四でございますので、それを差し引きますと幾つになりますか、九十七。九十七のうち二十四が批准され、それから発効していないものが九つ、関係のないものが九つ、未批准が五十五、こういうことになります。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 百十一の中で十四が改正されておるなら、現在、条約案としてあるものは、百十一から十四を引いたものじゃないですか。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) その通りです。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 そうすると、条約総数百十一という言い方は、これは間違いじゃありませんか。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) ILOの公けのレポートにおきまして、採択したものというのは百十一になっております。実質的には新条約等で失効したものがその中に含まれております。形だけは条約採択数として載っておりますので、それに合せたのでございます。実質は先生のおっしゃいました通りであります。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 そうすると、こう理解していいですか。改正される前に批准をしたものがある、そうしてまた、改正条約も、批准をした条約としては同種の一つの条約だけれども、改正前の条約と改正条約とあるから、二つに勘定しておる、こういうわけですか。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) そういうことでございます。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 わかりました。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 他にございませんか。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 もう一つお伺いいたします。今、労働省初め関係各省で、いろいろ、あるいは、法律を提案しておるけれども通らないとか、まだ提案の運びに至らないけれども、関係省としてはこういうものを用意をしておる、あるいは近く用意をして出したい、それは来年か再来年かわかりませんが、そいう目的で準備を進めておられて、それができれば批准もできるであろうというようなものがあったら、お知らせをいただきたい。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) 労働省におきましては、お手元に配りました資料で申し上げますると、五五ページの十八という第百号条約、同一価値の労働に対して男女労働者に同一の報酬に関する条約、それと、今問題になっております最低賃金決定制度の創設に関する条約、その前のページのカッコの十四でございますが、この条約につきましては、御承知のように、政府提案の最低賃金法案が成立しましたならば早急に批准の手続を進めたいと考えておるわけでございます。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 十五は。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) 十五もこれに準じて手続を進めることになっております。  それから三十五の結社の自由及び団結権の擁護に関する条約は先生方御承知の通りでございまして、きのうも社労委員会において大臣からお答え申し上げましたように、国内法の整備を済ませた後に批准の手続をとるということを決定いたしておるわけでございます。  それから最後のページの三十八と三十九。三十八につきましても若干内容の解釈につきまして、政府部内においてもう少し検討をする点が残っておりますが、その解釈がまとまれば批准の手続に進みたいというふうに考えて、現在関係各省でこれは検討中でございます。  それから最後の三十九の百十一号条約につきましても、これは大体現行法のままで批准可能ではないかというふうに考えましてこれもなお細部の点について検討中でございます。  以上申し上げました諸条約につきましては、大体そう大きな抵抗なしに批准の方向に進み得るのではないかというふうに考えております。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 他の省はまたあとでちょっとお伺いしますが、この結社及び団結の権利に関する条約の農業関係のやつですね、十一号条約、これも批准できるのじゃありませんか。若干「「農業に従事する一切の者」の範囲について疑義がある。」とありますが、私は批准ができるのじゃないかと、こう思いますが、御所見を伺いたい。もしなお疑義があるならば、御検討の上で御説明をいただいてもけっこうであります。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) この第十一号条約につきましては、大体その前の八十七号条約に準ずるものでございますので、八十七号条約の批准ということを踏み切りといたしますれば、細部の検討は残っておりますけれども、大体基本的な方向としては批准可能の方向に進み得るのではないかというふうに考えております。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 他の省。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) 海事関係の条約で批准し得るもの並びに批准の手続を早急に進むべきものについて申し上げます。  ここにございますように、第二十三号条約の海員の送還条約でございますが、先ほど御説明いたしましたように、規定の態様が若干違っているという点でございますので、この点は領事官の職務に関する法律という点との検討を外務省といたしました上で差しつかえなければ手続を早急に進めたいと、こういうふうに考えております。  それからその次の第五十二号の海技免状条約でございますが、これはおととし船舶職員法を改正しましたので、今までのところ、批准の方の手続を進めておりませんので、この点も規定の体裁上、やはり関係官庁の間でよく検討しまして、各国から苦情の出ない点を確かめた上でさらに進めたいと思っております。  それからその次の五十四、七十二、九十一、これは有給休暇に関する条約でございまして、これは未発効でございます。五十四号は一たんこれは採択された上で、七十二号、九十一号でもって実は失効になっておりますので、いずれにしても未発効であります。国内法との関係を申し上げまするというと、この五十四号の条約だけでございますれば、現在の船員法で大体趣旨は取り入れてございます。しかし、七十二号、九十一号の新条約ができましたものですから、この点についてはもちろん検討をしなければなりませんし、国内法として新たに取り入れなければならぬ部分がございます。なお未発効でございますので、これは将来の検討問題だと存じます。  それから続いての第五十五号の船舶所有者の責任の条約、傷病船員に対する船主の保護規定でございまするが、これは船員法の改正でもって条約の条文の趣旨は取り入れてございます。ただ、先ほど厚生省からもちょっと話が出ましたけれども、その適用範囲の点でもって若干その小型船それから漁船等についてまあ疑義があるのでございます。漁船について申しますというと、沿海漁業で二十五トン未満のものは除く、こうなっております。ところが、船員法の建前からいうと、一応漁船としては三十トン未満である。ただし、その操業区域については沿海外のものは適用する、こうなっておりますので、その範囲が条約の規定と果して一致するかどうかというような点について、やはりその批准の手続の上から見てまあ検討をしていきたいと思います。条文の内容自体は船員法で取り入れてございます。  それからその次の五十七号の労働時間と定員でございますが、これは後に改正になりまして、七十六号、九十三号、百九号で新たな条約が採択されまして、その結果、この内容につきましてはまだ未発効でございます。なお、関係各国でも主要な海運国はいまだこの条約について批准してございません。たとえばイギリスであるとか、ノルウエーとか、そういう主要な海運国がまだ全然批准されておりませんので、もちろんこれは将来の問題かと存じます。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 私の聞いているのは、近く批准を進めたい、それに即応するように規定の改正をしたいと一応考えて研究をしているというものだけを説明していただきた、たとえば適用範囲が違うということがはっきりしているなら、今のやつについては、もうこれはだいぶ昭和二十六年かのあれですか、ら、解釈も違っているのじゃないかと思いますが、これから再検討を、ここで気がついたからしてみようというのもあってもいいかもしれませんが、そうでなしに、省の方針として、この点は近く改正をしたい、改正すれば批准ができるというものだけを説明をしていただけばいいです。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) ただいま申しました有給休暇と労働時間は、前の条約案については採用いたしましたのですが、条約が新たになって、今の状態ではどうかというので、未発効であるので、これについてはまだ早急に実際批准できるような状態ではない、こう申し上げたわけでございます。  以下の条約については、早急に批准し得るというものはまだちょっとめどがついておりません。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) そうすると、五十七号は批准していい条件にあるということですね。しかし、新しい七十六号、九十三号、百九号ができたから、これとの見合いで批准の手続はやらない、こういう意味ですか。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) その点、今の労働時間と定員のこの五十七号でございますね。これは船員法の改正のときに一応この趣旨を取り入れるように努めたわけなんです。それで、ただいまも船員法の改正委員会を進めておりますので、なおその審議中なんです。そうでありますので、改正条約についてまで踏み切れるかどうかは、ちょっとまだそこまでの時期じゃないのじゃないか、こう思うわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) それでは、厚生省関係。

今村護厚生省保険局庶務課長

○説明員(今村護君) 厚生省といたしましては、今斎藤先生がおっしゃいましたように、すぐに改正に手をつけるほど手続が済んでおるものはございませんです。というのは、大きく分けまして、批准ができません理由は、一つは適用範囲の拡大あるいは変更という問題と、一つは給付の改善といいますか、変更といいますか、そういうふうな問題でありまして、これは前者の方は関係の社会保障制度全般との調整が必要でございますし、後者の方につきましては、給付の内容の変更につきましては、保険財政その他保険料の問題といろいろからみますので、相当の時間がかかるのではないかということでございます。今後、真剣に検討して参りたいと思っておりますけれども、早急の手続としては済んでおりませんです。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 外務省関係ありませんか。

石橋太郎外務省国際連合局経済社会課長課長代理事務官

○説明員(石橋太郎君) 外務省関係は、先ほど申し上げましたように、九十七号条約一つでございまして、これは何分にも相互関係がございまして、受け入れ国側が一ヵ国も批准してない現状では、わが国としては批准する理由は今のところ一つもございません。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 ただいまの御説明のうちで、先ほどもありましたが、この条約は未発効であるからという御説明がありましたが、発効の条件というのは今どういうふうになっておりますか。

松永正男労働大臣官房会計課長

○政府委員(松永正男君) 労働省関係のことを申し上げますと、これは条約の中に発効の条件を規定しておるわけでございますが、一般的な形としましては、二ヵ国以上が批准をして、ILO事務局に登録をしましてから一年をたちますると発効をする、こういう規定が非常に普通の規定のように見えます。その場合に、一ヵ国しか批准しない、あるいは批准国なしという場合には、未発効のままで終るということになります。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 私もそういうように理解をしておりましたんですよ。たとえばこの条約は未発効だから、わが国で批准しても、どこの国も批准してないからというなら話はわかりますが、未発効だから批准は考えないんだという説明は、私はわからないじゃないかと、こう思いましたので、お伺いしたわけです。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) この海事関係の条約につきましては、発効の要件が、割合に諸国のうちの、たとえば有給休暇などは九ヵ国を要件としております。しかもそのうちの五ヵ国については、所有船舶がそれぞれ百万総トン以上と申しますのは、海運関係の主要な海洋国が五ヵ国以上、それからそのほかの国が九ヵ国以上というのが一つの要件になっておるわけでございます。ただいま私が申し上げました未発効の条約というのは、主要な海運国であるイギリスであるとか、ノルウエーとかいうような、そういう国がまだ批准をしておらない。もちろんそのうちに八ヵ国なり何なりございますが、まあフランスあるいはポルトガル等、そういうような国も、もちろんこれは採用しておるわけでございますけれども、そういう意味で、主要なる海運国が入っているか入っていないかによって海事関係の条約のウエートが違っていますので、若干態様を異にしているのではないかと、そういうふうに考えております。

斎藤昇自由民主党

○斎藤昇君 おっしゃる意味はわからぬでもないんですよ。ただ私の申し上げるのは、批准をしたっても、まだこれは未発効だから批准ができないんだというような印象では困る。主要国がしていなくても、あるいは日本も八ヵ国の中に入るか入らぬか、それはよく知りませんけれども、できるだけ労働条件はよくしようという考えであれば、日本の国としては、残念ながらまだそこまでいっていないというなら私はわかると思う。しかもこれを批准しておる国は少い。だから事情は了承ができる、そういう意味で確かめたんです。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) この問題に関して私も一つ質問したいと思うんです。労働省と厚生省関係ですけれども、百二号の社会保障の最低基準に関する条約、これには相当な国内では歴史があると思うんです。なぜかと申し上げますと、一九五一年にILOに再加盟するために、政府は申すに及ばず、労使の関係が非常に運動をして、ILOに再加盟の運動をやって、そうしてそのあくる年、社会保障の最低基準に関する条約というものができて、これは国内の運動機関としてILO協会というのがあってこれには労使、政府側からも出て、国際労働課が中心だと記憶しますけれども、この条約検討委員会というものを日本に作って、一年半か二年、一生懸命にやって、これは批准すべきだという結論をそこで出して、一般的にも発表している条約だと私は記憶している。この私の記憶に間違いがあれば御指摘いただきたいと思うんですけれども、そういう条約が、先ほどの話では、もっと基準を高める運動がILOの中にあるということでございましたけれども、この社会保障の最低基準に関する条約百二号というのは、そういう国内では、ILO再加盟後の焦点になっていた条約だと私は記憶するわけです。だから、この問題の取扱いは、全然その空気と離れた状態で、両方から、労働省の説明はありませんけれども、労働省の資料の中には入っております。説明がありましたらそこらの見解をちょっと聞かしていただきたい。

澁谷直藏労働大臣官房長

○政府委員(澁谷直藏君) 委員長からのお話にございましたように、この第百二号の条約につきましては、確かに国際労働課も参加いたしまして、ILO協会で批准すべきであるという碑前に立って検討いたしたことは、私も直接当事者ではございませんが、記憶いたしております。ただ、先ほど今村君から御説明申し上げましたように、この批准するにつきましても、三部門について条約の条件を満たさなければならないということになっておるわけでございまして、それがわが国の国内法を考慮いたしてみますると、疾病給付と失業給付につきましては、条約の条件を満たしておるわけでございますが、他の部面において条約の条件を満たしておらない。従って、この条約を批准するためには、他の部面を条約の条件まで引き上げなければならぬということになるわけでございます。そこで、そのわが国の国内法をその条件まで引き上げるということは、先ほど今村君が申し上げましたように、保険の財政あるいはその他の社会保険全般の適用範囲の問題等で、非常に広範な問題を含んでおりますので、今直ちに批准するという方向にはいきがたい状態にある、こういうことを申し上げたわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) それでは、その検討委員会の結論の資料を、非常に古い資料でおそれ入りますけれども、出していただきたいと思います。  ほかに御質疑はございませんか。

勝俣稔自由民主党

○勝俣稔君 ちょっと速記をとめて下さい。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 速記をやめて。    〔速記中止〕

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) それじゃ速記を始めて。  質疑は打ち切りたいと思います。今質疑の中から出て参りましたところの今、日本として条約を批准するに努力され、また、近いうちに比准をしようとしていろいろの面から検討されているのが、労働省関係とそれから運輸省関係とが摘出されましたので、この幾つかの条約を、条約全文と、それから国内法との関係を資料として出しまして、この次の小委員会で御審議願うことにしたらどうかと思うのですが、よろしゅうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) さよう決定いたします。それじゃそういう工合にいたしたいと思います。  それであとは今焦点になっている、この前からの課題になっておりまする八十七号の問題をめぐっての検討をいたしたいと思うわけでございますが、昨日も労働大臣を中心に御審議を願っておりますから、きょうは事務的な問題に関して、労働省の方をまじえて協議をいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。  それじゃ速記をとめて。    〔速記中止〕

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) それでは速記を始めて。  本日の小委員会はこれにて散会をいたします。    午後四時四十八分散会

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