社会労働委員会 第16号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/03/14
会議録
○委員長(久保等君) これより社会労働委員会を開きます。 委員の異動を報告いたします。三月十三日付をもって藤原道子君が辞任し、その補欠として光村甚助君が選任されました。三月十四日付をもって斎藤昇る君が辞任し、その補欠として稲浦鹿藏君が選任されました。 —————————————
○委員長(久保等君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。労働情勢に関する調査の一環として、公共企業体等職員の紛争に関して調査上の参考に資するため、参考人から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。参考人の人選、手続その他につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
○委員長(久保等君) 最低賃金法案を議題といたします。御質疑を願います。 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(久保等君) 速記を起して。
○光村甚助君 民間産業の労働組合の……。
○委員長(久保等君) ちょっと御発言中ですが、きょう御発言をなさる方は一つ恐縮ですが、マイクの前までおいでを願って御発言を願いたいと思います。報道関係からの要望でございますので、よろしく一つお願いをいたします。
○光村甚助君 民間産業の労働組合の争議が、調停委員会の努力によってどんどん片づいているのに、スト権のない公労協の組合の調停が不調に終るというのは、われわれが期待している調停委員会の権威というものの非常に信頼性を疑わせるような、調停が不調に終っているということは非常に遺憾だと思いますが、その経過について、労働大臣の見解を承わりたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) こまかい経過をよく私も承知いたしておりませんが、いわゆる公労協の要求がありまして、経営者側との話し合いがつかないので調停に出し、調停委員会では慎重にそれを検討いたしました結果、やはり調停委員会として一致した見解を表明することができなかった、こういう結果のようでありまして、私どもといたしましては、ただいまお話のようにまことに遺憾である、こう考えております。
○光村甚助君 民間産業の労働組合は、調停が不調に終ったりしたときには罷業権があるわけですが、公労協の組合というのは罷業権がないからこそ調停委員会にたよっているのです。それが不調に終るということになれば、これは公労協の組合の人たちは、当然スト権を要求してくるという事態が私は生じてくると思うのです。まあ聞くところによると、二百円だとかあるいは三百円だというところで折り合いがつかないというようなことも聞いておりますが、そういう事態では、労働組合に対してだけ常に責任を問うというようなことは、私は片手落ちじゃないかと思うのです。労働行政をあずかっている労働大臣においては、どういうふうにこれを促進するか、一つやはりその期待をわれわれはかけているわけですから、その決心を一つ聞かしてもらわなければ納得できないと思うのです。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、公共企業体の労働関係は、公労法によりましてただいまのようなお話の場合には調停委員会における、調停がうまくいかないときには仲裁制度がある、仲裁裁定というものは最終決定でありますから、そこできめられた裁定というものが実施をされるようになる、こういうことでありますから、調停が不調であってもやはり仲裁というものが予定されているのでありますから、私は仲裁裁定がなるべくすみやかに妥当なるものが出ることを希望いたしております。
○小柳勇君 労働大臣がさっき詳細に私は知らないかということを発言されましたが、その言葉じりをとらえるのじゃなくて、大臣はすでに仲裁委員会に対して職権あっせんをやっておられるわけです。仲裁委員会は、すでに新聞によりますと、きのう仲裁委員会を総会で構成して、各組合担当で仲裁を始めようとしているようでありますが、職権あっせんをやられるについては、調停委員会から詳細に報告を聞いておられると思うわけです。その調停委員会における労働大臣に報告されたいきさつについて、そういう事情あるいはその内容について、一つ詳細に御報告願いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 調停委員会から私に何の報告もございません。労働省の内部でその調停の不調になりました経過のあらましを報告を受けて、こういうふうな状態で不調になったことはまことに遺憾であるので、すみやかに仲裁制度を発動してもらって、その仲裁裁定の出ることを希望する、こういう態度でございます。
○小柳勇君 こういうことで大臣のあっせんを求めるというような報告があったようでありますが、そのこういう事情でというその事情をお聞きしているわけでございます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、公益と労使が参加している調停委員会がそれぞれ長時間にわたって検討されまして、その結果、不調である、こういうことで、その具体的の内容については承わっておりません。
○小柳勇君 公労協の組合、十の組合が昨年末から二千七百円ないし三千五百円くらいの賃上げを要求いたしまして、労使双方交渉したけれども、ついに交渉成立せずして調停委員会にかけた、これも大臣すでに御存じの通りでありまして、調停委員会はいろいろ労使、公益委員一生懸命に努力したけれども、ついに調停を打ち切った、そのことも私どもとしては、新聞では承知いたしております。その後、大臣は、その調停が不調になったので、直ちに仲裁委員会に対して職権あっせんをやられました。われわれとして、この社会労働委員会としては、当然かような紛争を早急に解決することは、やはり国会の一員としての任務であると思う。担当大臣として、そのような紛争についても仲裁委員会の仲裁を職権を発動されて請求しておられるのですから、もう少し詳しく御存じあってしかるべきだと思いますが、いろいろ情勢について発表しにくい点もありましょうけれども、私どもとしては紛争をなるべく早く解決する十分な熱意を持っておるのでありまするので、大臣が情勢を把握されておるだけでもよろしゅうございますから、くどいようであるけれども、御報告願っておきたいと思うのです。
○政府委員(亀井光君) 調停委員会の経過並びに調停委員会から仲裁委員会に対しまして、公労委に対しまして、職権による仲裁の申請をいたしまして、仲裁委員会は、昨日総会があって成立したという経過につきましては、先ほど大臣から御説明いただきました通りでございます。調停委員会におきまする労使の主張というものは、それぞれ、調停委員会は秘密裏に非公開で最終的には行われるわけでございまして、従いまして、その場において主張されました労使の意見というものは、われわれも十分承知していないのでございます。ただ、新聞等で報じられておりますところあたりを見て、われわれとして調停委員会における審議の模様等を把握するにすぎないのであります。従いまして、調停委員会におけるそれらの論議というものが、直ちに仲裁委員会においてどういうふうに反映されるかというふうな問題につきましても、われわれは面接関係はないと考えております。仲裁委員会というのは別個独立の機関でございまして、仲裁委員会みずからの判断によって結論が出されるということになろうかというふうに考えております。
○小柳勇君 法律論議をやるだけの時間もございませんが、労働大臣が私権発動されて、職権あっせんをやっておられる以上は、やはりそれだけの理由があると思うわけです。私はその理由を聞いておるわけです。御存じのように、調停委員会から仲裁委員会に移行するには、いろいろ方法がありますが、その方法の中で、他の方法でなくて、特にその一つの方法である労働大臣の職権あっせんという一つの方法を発動されておるのでありまするから、他の方法でなく、その労働大臣の職権あっせんをされたというには、それだけの理由があろうと思う。その理由を聞いておるわけです。
○政府委員(亀井光君) 仲裁委員会が開かれまするには、今御質問の中にございましたように、公労法上五つの手続があるわけでございますが、その中で、最後の労働大臣の一括職権の仲裁申請という手続をとりましたのは、御承知の通り、十三日に公労協としましては争議を予定いたしておったようでございます。これがもし万が一大きな問題になりますれば、国民生活にも非常に大きな影響もございまするし、われわれとしましては、公労協の労働組合ができるだけ法律を守りまして、国民生活に影響を与えないという努力をしていただきたい、そのためには、仲裁へできるだけ早く移行いたしまして、それらの影響が国民生活に及ばないようにという配慮でございます。従いまして、労働大臣が一括してこれを申請いたしますることが、一番それらの中で有効で、しかも適切であろうという判断のもとに、労働大臣による職権の申請をいたしたというのが、われわれの考え方でございます。
○小柳勇君 職権あっせんをされたいきさつについてはわかりましたけれども、その職権あっせんをされるにつきましては、大臣としても、いろいろな実情を知っておられると思って聞きましたけれども、大臣は、今その事情については発表したくないような意向でございます。私どもが調べました結果によりますと、もう民間の方では、この間、私鉄もすでに千三百五十円で妥結した。あるいは合化労連系統の会社、その他民間の会社が昨年よりも相当上回った賃上げの額をもって妥結しておる。ただ公労協の組合だけが、ストライキ権がないために、調停委員会にこれをお願いしたところが、調停がついに不調だといって調停は出さなかった。そして新聞の報ずるところによりますると、労働者側委員としては、いろいろな情勢を勘案しながら、昨年の妥結点を考えて、控え目な主張をしておったにもかかわらず、公益委員はついにこれを決断し得ず、調停が不調になったというようなことを新聞は報じておるわけであります。そのようなことで、われわれとしては、公労協の組合が一日も早く紛争を妥結し、そのためには、少くとも民間大手の会社並みの賃上げというものは予想しなければならぬと思っておる。この仲裁委員会でどのような論議がなされるかわかりませんが、大臣として、これは仲裁委員会におまかせされるのが当然ではございましょうけれども、日本の労働行政を担当される大臣として、一体今どのような心境でおられるか、あるいは決意でおられるか、この紛争を集約するためにどのような努力を払われようとされておるのか、そのような点についてお聞かせを願いたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 公労協関係の紛争につきましては、小柳さんも御存じのように、労使双方で話し合って、それが意見の一致を見ないときには、調停委員会にかける。従って、私は調停委員会にかかっている間に、その労使のいずれかの一方が調停委員会に何か強い働きかけをするというふうなことは慎しむべきことであると考えております。もちろん、政府もとかくの意見を差しはさむようなことは当然遠慮すべきである。いわんや、最終判定者であります仲裁委員会にこれがかかっておる間に、いやしくも、労使いずれか、また政府でも、この仲裁委員会の裁定を下すべき段階に至らない前にとかくのことを申すことは、私は厳に慎しむべきことだと思うのです。従って、私どもの気持としては、すみやかに平和に妥結することを希望いたしますけれども、私どもの立場でこれはどうあるべきであるというふうなことをもちろん発言することは慎しむべきことでありますし、仲裁委員会の良識をお待ちしておる、こういうのがわれわれの心境であります。
○小柳勇君 率直に要請いたしておきたいと思いますが、第一点は、民間でいろいろうわさ——うわさの程度でもいいのですが、調停委員会に対して、政府からときたま圧力がかかるのではないか、そういうふうに巷間にうわさされる、その点が第一、それから第三は、裁定が出ても、なかなか政府はこれを実施しようとしない。そのために、いたずらに紛争が長引き、あるいは紛争が重なっていったという実績がありますが、その調停委員会に対して政府は圧力をおかけになるようなことはなかったと思うが、その点についてもただしておきたいし、それからあと裁定が出ましたときに、労働大臣は、この裁定に対してどのような御決意でこれを処理されるか、お聞きをしておきたいと思う。
○国務大臣(倉石忠雄君) 公労法の建前は守られなければならない。私は、事案が調停委員会にかかっておる間に、政府が特に調停委員会に何らかの意思を表示するというふうなことはあり得べからざることであると存じます。私どもは、またさようなことは断じていたしておりません。ときどき第三者が調停委員の方々に陳情さるという話も聞いておりましたが、これは、いわゆる労働運動、労使関係の民主的運営という立場からいえば遺憾なことであると存じます。さようなことはすべきことでないので、従って、私は、調停委員会、仲裁委員会に対して、政府側が特にどういうふうなことを希望するかというふうなことはもちろんなすべきことではないし、われわれはいたしておりません。仲裁裁定が出ましたならば、法の命ずるところに従ってこれを順守していく、こういう考えであります。
○小柳勇君 裁定が出た場合には、これを直ちに実施できるように、労働大臣として閣内で御努力願うということに確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、仲裁裁定が出ましたならば、公労法の命ずるところによりまして、政府はこれを実施できるように努力せなければならないという条項が加わっておるのであります。従って、政府の考え方で、また、予算の移流用などを許すことによって実施ができる段階でありますならば、これはできるだけのことをしなければならない、そういうことをいたしても、なおかつ間に合わないようなものであるならば、もちろんこれは予算措置を伴うことであります。最終的には国会で議決をしていただくわけであります。仲裁裁定の内容によって、やはりできるだけの努力をしなければならぬ、こういうことであります。
○小柳勇君 最後に裁定を、特に大臣は職権あっせんされたことであるので、一日も早く裁定が出て、一日も早く労使間の紛争が解決するように、最大の努力を払われるようにお願いしておきたいと思います。 それでは私は、公労協関係の質問を終りまして、常岡さんのあと御質がございますようですから、私は資料の要請だけをいたしまして、きょうは最賃問題については質問はこの次に譲りたいと思います。 で、資料はこの前の委員会で、藤田委員から資料要請がありまして、ここに出ております。これを見てみますると、私どもが意図する資料がまだ足らないわけです。第一に知りたいのは、現在の日本の低賃金労働者、先日、労働大臣が言われました日の当らない労働者の実態というものがほとんどこれではわかりません。従いまして、業種別、あるいは産業別の低賃金労働者の実態、昨日の労働委員会では、厚生省関係の国民年金法案を審議いたしましたが、そのときの資料、四十表にわたる資料が出まして、国民の所得なり、その他非常に詳細に報告がなされました。で、あれまで現在の労働者の実態が把握できるかどうかわかりませんけれども、少くとも最低賃金法、この画期的な法案を論議するに当りましては、現在の低賃金労働者なり低所得家内労働者など、そういうものの実態をもう少し数字的に把握してかからなければならぬと思います。従いまして、産業別、職種別の低賃金労働者の実態についてできるだけ詳しい資料を求めたいと存じます。この前のこの資料に加えて、そういうものが、われわれが数字からわかるように、資料を一つできるだけ早い機会に御提出を願いたいと存じます。 以上で、資料の提出を求めまして、私は、質問はこの次に譲りたいと思います。
○常岡一郎君 私、質問に先立ちまして、今日は定例の審議の日ではございませんのに、なおかつ、時間を割愛されまして、この最賃法の質疑の取り計らいをせられましたことは非常にありがたいことでありまして、深く委員長の裁断に対しましてお礼を申し上げます。 第一にお尋ねを申し上げたいことは、この最賃法の提出されましたこれをめぐりましての情勢判断についてお尋ねしたいのであります。 最近、非常に国会に対するいろいろな不信な感じが国民の間にみなぎって参りましたのはまことに遺憾であります。いろいろの論議を聞いておりますと、非常にわけのわかったことをみんな言われて、非常にわけのわかった人が集まって、一番わけがわかっておらなければならぬはずのところでとうとういろいろの議論の末がわけがわからなくなって、それがとうとうこの最賃法をめぐりましての空白の国会を作ったり、または、その前には乱闘の国会になったり、こういうことが非常に国民はわけがわからない、しかも読んでおると、その速記録などを見ると、まことにわけのわかったことばかりでそれでわけがわからない、こういうような姿がありますので、今度の場合も、今度の法案につきましても、そういうような懸念が非常に感ぜられるわけであります。あるいは中間報告などを求めたりして、また強行突破するのではなかろうか、それをまた、そういうふうになるような情勢まで野党の方は追い込むのではなかろうか、こういう非常な疑惑を持たれておるわけであります。しかし、きょうは非常にそういう疑惑を一掃する一つのいい姿ではないかと感じておりますが、なぜこういうふうになってくるのか、非常にもう法案全体を見ましても、国民全体が待っております問題でありますだけに、この法案の性格についてどういうふうに情勢判断をしておられるか、労働大臣にお尋ねしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 最低賃金法案というふうなものを提出するに至りまする社会的、政治的背景というふうなことだと思いますが、私どもは、基本的に申しますならば、賃金というものは、やはり労使話し合いで自主的にきめらるべきものである、こう思っております。従って、なるべく政府がそういうことに干渉するということも避けられるならば避けた方がいいと思います。しかしながら、わが国の産業構造で二重構造といわれ、三重構造ともいわれております今日のような段階では、やはり特に政治の力でそういうことに配慮を加えてあげなければ救われないという面もあるわけであります。先年来、最低賃金につきましては、絹、人絹織物等四業種についても特段の要請があったわけでありますが、それらのものを拾ってみましても、非常にわれわれもその必要性を痛感いたすわけであります。しかしながら、一方においてその最低賃金というものを、かりにある程度のベースを決定したいという場合に、そういうような零細な企業が、その決定されたベースによる賃金の支払い能力があるかどうかということを考えてみますと、その点からも大きな悩みを生じます。そこで政府は、最低賃金というものはもちろん必要である。しかし、これをどのようにして実施できるようにしなければならないかということを考えてみましたときに、日本の特殊事情である零細な企業の最低賃金というものを支払い得るその能力を培養していかなければならない、こういうことで、一方におきましては、中小企業、なかんずく零細企業に対して保護育成の手を差し伸べなければならない。そのようにして、そして一方において、最低賃金が実施できるようにしむけていく、私どもはそういう立場で、そういうような政策を前提として最低賃金を考えておるわけであります。よその国でも、やはり当初最低賃金を実施します場合には、そういう零細な企業の経営者等にはいろいろな考慮を払ってやった実例もあります。そこで、最低賃金というようなものが行われる、そうしてある程度のペースの賃金を零細企業のものが獲得し得るようになるということは、日本の特殊な事情として大きく伝えられております賃金格差等も陰々に狭めていくことができ、労働者の生活環境も従ってよくなる。こういうことは、日本の産業を維持し、そうして働く人々の新しい明日の労働条件をよくしていくという建前からぜひ必要である、こういう立場に立って、本案を策定をいたしたような次第であります。 —————————————
○委員長(久保等君) ちょっと途中でございますが、委員の異動を報告いたします。 三月十四日付をもって横山フク君が辞任をされて、その補欠として高野一夫君が選任されました。 —————————————
○常岡一郎君 本案のはっきりした二つの矛盾を感じますのは、中小企業を圧迫しないという一つの保護ということが非常に考えられながら、二面において労働者の水準を高めていく、こういうどちらに主点を——もちろん労働者のために主点をおかなければならないから本案が出たのでありますが、その場合に、幅の広さ、非常にその幅を広くいたしまして、両方の自由に考えていくだけのゆとりを与えるという意味からいいますと、今も大臣が言われたように、干渉をなるべくしないという意味合いにおいては、幅を広くする、こういうふうで、やむを得ないのだと思いますが、そこで、この法案の業者間の協定が一番主体になって問題になっておるようでありますが、これにつきましては、ILOの条約の指令する点と非常に抵触する点があります。将来、これに対していろいろな紛争の起る懸念もありますが、この点についてお尋ねしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま御指摘のような点が非常に私どもも苦心をいたしたところでありますが、当初最低賃金制というものはぜひやりたいという前提に立ちまして、先ほど申し上げましたような零細な企業を営んでおられる方々等についても意見を聴取いたしたのであります。そういう場合に、御承知のように、全国に地方に商工会議所がありまして、その会議所の中に小さな零細企業の経営者も参加いたしておられます。私どもが調べてみますと、三人か五人使っておられる小さな企業というものは、やはり、その御主人と働いておられる人が一緒になって働いておられる、全く渾然一体となって働いておられるのでありますが、その人たちの集まりであるところに行って聞いてみますというと、なかなか今まで、だれしもそうでありますが、今までなかったものを、新しい制度を作るというときには、やはり若干の反対があるのはやむを得ないと思いますが、それでも、その小さな零細企業の経営者等は、いろいろな角度から私どもに反対の意見を述べられましたが、しかし、逆に考えてみますというと、やはり最低賃金というふうなものが設けられて、そうして、従って、野放図な食うか食わないの境で働かせるというようなことよりも、少しずつでも上昇していくということになって、初めてそこに希望するようなよい労働力も集めることができる、こういう利益もありますし、それからまた、働いておる人々にも、それだけの気持に張り合いが出るのでありますから、やはり反面から見れば、かえって利益であるかもしれないというふうなことについても、だんだんと納得していただけるようになったと私は思っております。同時にまた、先ほど申し上げましたように、そういう中小企業ことに零細企業でも、そういう事業の必要性が社会的にあるからして存在いたしておるのでありますから、政治の面においては、そういう企業というものをやはり維持育成していく必要がある。そこで、農林中金あるいは商工中金、中小企業金融公庫等に対する投融資も逐次増額いたして参りまして、常岡さん御承知のように、ただいま中小企業が一番悩んでおるのは金融でございます。ことに、大産業は正規の金融機関を通じて金融ができますけれども、零細企業の方ではそういうわけにいきませんから、しばしば問題になりますように、正規の金融機関にあらざる、まあ町の金融機関のようなものから、比較的高利の金を借りてそうして事業を営んでおる。もうすでにそこで、大きな産業に負ける一つの理由がございます。従って、そういう面について、できるだけ政府の施策として援助をするようにして、そうしてなおかつ最低賃金というふうなものはやはりそれぞれの立場で業者間協定をして、そうしてそれを審議会の議を経て法律化するというふうになって参りますというと、だんだん一カ所でそういうことが始まりますならば、その付近及び類似の業種では、やはりそういうものをしなければ、よい働き手も集まってこないということになりますから、だんだんとこういうものがふえて参ります。そういうようなテンポはあるいは一律にすっと法律できめるよりはおそいかもしれませんけれども、一般経済界にそれだけ波風を立てずに、逐次われわれの期待している最低賃金の制度というものが全国に普遍して参る、しかも労働基準監督署あるいは通商産業省の出先機関等が、この法律が通りましたならば、業界に呼びかけて、なるべくすみやかに、実際にこういうものが全国に伸びて参りますように指導いたして参りますから、そういうふうにいたしましたならば、一部に心配しておられる経済上の財界の混乱というものもなくて済むのではないか、こういうような立場で政府の案を考え出したわけであります。
○常岡一郎君 この業者間の協定につきましては、これを非常に強く盛られておりますが、これには労働者の意見というものが全然反映しないようになっておりますけれども、これをどういうふうな姿で、その意見が進達されるかという、それに対して、最低賃金審議会だけでそれがやられるようでありますが、この最低賃金審議会の構成ですね、人員とか割合、あるいは多数決でこれをやっていくのか、あるいは多数決制をとらないのか、こういう点についてお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(堀秀夫君) 本法の運用に当りましては、政府が最低賃金の決定をいたします場合には、いかなる場合におきましても、中央あるいは地方の最低賃金審議会の意見を求め、その意見を尊重して決定することになっております。最低賃金審議会は労使、中立三者同数の構成から成り立っておるものでありまして、中央においては七人、七人、七人、それから地方におきましては五人、五人、五人、このような構成をとるわけでございます。業者間協定につきましても、労働大臣は業者間協定に基く申請がありました場合には、最低賃金審議会にかけまして、労使、中立三者構成の賃金審議会における御意見を尊重して決定をするということになっておりますので、この場におきまして、労働者の意見は反映されるものと考えております。なお、必要がある場合におきましては、さらに専門部会等を設けまして、さらに直接の関係者の意見も徴することができる、このようなことになっておるわけでございます。最低賃金審議会における御審議に当りましては、中小企業の経営、それから一面におきましては、中小企業の労働者の労働条件、これらのものにつきまして慎重な御審議がなされるわけでございます。従いまして、これらの点につきましては、最低賃金審議会において、十分それらの実態を参酌されて検討が行われることになると思っておるのであります。また、必要によりましては、特別委員として経済官庁関係の職員も入り得ることになっております。これらの方は議決権はございませんが、意見を述べることはできる、このようなことになっておるわけでございます。そのようにして慎重な御審議を願いたいと思っておるのでありますが、その議決の方法等につきましては、一応この基準法に基きますところの命令によりまして、一般の審議会の議決方法に準ずるということを議事規則に定めたいと思っておりますが、やはり結論を出されるに当りましては、多数決というような、形式的な審議方法ではなく、三者十分議を尽されて、そうしておのずからそこに妥当な見解が生まれてくる、このような御審議を期待しておるわけでございます。
○常岡一郎君 その議決を尊重するということは、これは程度がいろいろあるのじゃないかと思います。尊重するにつきましても、もっとこれが唯一の、この場合の労働者の意見が進達される唯一の機会だと思いますので、そういう意味から言いましても、これはもっと権威あるものにする、尊重するというものの、もっと意味を権威あらしめるような方法はお考えにならないのですか、その審議会の決定したものを。
○政府委員(堀秀夫君) 最低賃金審議会と政府との関係につきましては、各国にいろいろな立法例もあるわけでございます。最低賃金審議会を決定機関にするという考え方もあります。しかしながら、各国の例を見てみますると、諮問機関であるところが結局大部分のように私どもは拝承しております。決定機関にいたしますことは、やはり最低賃金という経済的な国の経済政策、労働政策、あるいは社会政策に関連するようなきわめて重要な問題でございますから、これはやはりその行政について責任を持つ労働大臣、あるいは労働大臣の指揮を受ける都道府県労働基準局長が決定する最低賃金審議会は諮問機関の性格を持つということが、わが国の行政の実情からいたしまして妥当であると考えるわけであります。ただしかし、この最低賃金審議会と申しますものは、ただいま先生の御指摘のように、ここにおきまして労働者の側あるいは使用者側、あるいは各界の中立側の御意見が反映される最も大きな場であるわけでございます。従いまして、この最低賃金審議会から出されました御意見につきましては、これは政府は文字通り尊重しなければならないことであると考えます。まあ外国の例を見てみますると、たとえばイギリスの最低賃金法あたりによりますると、労働大臣は、最低賃金委員会から意見が出された場合において、一度は理由を付して差し戻すことができる、しかし、同じ意見が二度出て参った場合には、これに従うというような慣行になっているように見受けられます。まあ、これも尊重の一つのさらに具体的な形態であると思いまするが、私どもは、この法案が実施されました場合には、この三者で十分意見を尽され、審議を尽されて出されました意見というものは、これは行政当局においてもほんとうに文字通り尊重してこれを実施するように努めなければならないところである、このように考えておる次第でございます。
○常岡一郎君 次にお尋ねいたしますが、業者間協定及び労働条約の拡張適用方式が規定されておりますが、わが国のように、企業者間の賃金格差の激しい国では、協定が比較的賃金の高い優良企業間で結ばれまして、それがアウトサイダーでありますと、零細企業の方に拡張適用されました場合に、その企業の倒産を招くようなことはないか、それからまた、そういうことを悪く利用して競争相手といいますか、そういう方面に圧迫を加える、あるいは非常に悪用するというようなことはあり得るのじゃないかと思いますが、この点について……。
○政府委員(堀秀夫君) 業者間協定に基く最低賃金が定められた場合及び労働協約に基く最低賃金が定められました場合におきまして、その同一地域内に少数のアウトサイダーが存在する、そのためにその地域内の同種の労働者でありましても、その最低賃金の適用を受けない。これによりましてその地域のその種類の業種、業態におきまするところの最低賃金の実施が円滑に行われないというおそれがあると考えられまして、そこでこの法案におきましては、第十条及び第十一条に業者間協定に基く地域的最低賃金、労働協約に基く地域的最低賃金の規定を設けたわけでございます。しかし、その場合におきまして、この少数のアウトサイダーと申しまするのは、御指摘のように、やはり経営状態があまりよくない、そこでなかなかこの適用を受けることについては問題があるという業者が多いことは事実であろうと思います。そこで第十二条におきまして、この地域的最低賃金を決定いたしまする場合におきまして、異議申し出の制度を設けたわけでございます。すなはち、この業者間協定あるいは労働協約に基く最低賃金の地域的決定をいたしまする申請がありましたときにおきましては、労働省におきましては、その申請の要旨をまず公示する。そうして、その公示があった日から一定期間内にアウトサイダーであって、この適用を受けることになるという方々であって、そのまま適用されては困るという適当な理由がある方については異議申し出を認めておるわけでございます。そうしまして、この初めの拡張適用の申請と、これに対するところのアウトサイダーで適当な理由があって異議申し出がなされたと、こういうようなものを一括いたしまして、三者構成の賃金審議会であわせて御検討を願う。そして果して地域的最低賃金を設けることが適当であるかどうかということをまず審議していただく。で、適当でないという場合には拡張適用しないということになりましょうし、それから適当である、拡張適用すべきである、例外なしに拡張適用すべきであるということに結論がなれば、そのまま適用されるわけでありますが、その中間におきまして、アウトサイダーに適当な理由があって、別段の定めを拡張適用の際にすることが適当である、このような結論に達しました場合には、第十二条によりまして、最低賃金の地域的決定をいたします場合には別段の特例を設け得るような道を設けられておるのであります。このようなことによりまして、少数のアウトサイダーが適当な理由があるのにかかわらず、不当な最低賃金をそのまま一律に拡張適用されるというような弊害は防いで参りたい考えでございます。
○常岡一郎君 次に、第十六条の最低賃金を職権によって決定するという方式がありますが、これは産業、企業の実態をよく調査し、慎重に運用しないというと、経営に非常に悪影響を与えるのではないか、そういう点について、また、この方式につきましては、別に異議の申請をできるような制度がないようでございますが、この点を一つ。
○政府委員(堀秀夫君) 第十六条の職権決定につきましては、これは実は中央賃金審議会におけるこの法案のもとになる御審議の際にも、非常に問題になったところでございます。そうしてこの中央審議会の答申には、十六条の職権決定の最低賃金の実施については、行政当局は慎重によく労使関係者の意見を聞いてもらって、その上で実施するようにしてもらいたいという答申があるわけでございます。そこで、そのような考え方で、本法実施の暁にはこの十六条の職権決定の実施につきましては、十分慎重に配慮する考えでありますが、この場合におきましては、十六条の最低賃金の決定につきましては、賃金審議会に必ず専門部会を設けなければならない、このように法律案でなっております。そうしてこの専門部会におきまして、なまの関係者、労使関係者の御参加を得まして、そしてこの専門部会についてまず十分実際の実情をお述べ願ってそしてよく御検討を願った上で賃金審議会において決定する。このように、特に慎重な配慮がなされておるわけでございまして、これによってただいま御指摘のような不安を除いて参りたい、このように考えておるわけでございます。 なお、異議の申し出につきましては、この十条、十一条の地域的最低賃金の場合にはもとになる最低賃賃金がございまして、これを拡張適用するということになるのでございますから、これを適用されては困るというような異議の申し出が出るわけでございますが、十六条の場合におきましてはこのもとになるものがありません。そこで、異議申し出の制度は認めず、そのかわりに、ただいま御説明申しあげました、必ず専門部会を設けてなまの関係者の意見を十分聞いて、その上で賃金審議会の総会にかける、このような慎重な手続を設けまして、ただいま御指摘のような不安を除く配慮をいたしたわけでございます。
○常岡一郎君 次に、生活賃金の基準をもって最低賃金を定めなければならないのは当然でありますが、これにつきまして、生活賃金の基準をどういうところに置かれるかという問題であります。これはまあ大へん考え方によっては非常に違いまして、主人が非常なりっぱな人で、清廉な、勤勉な、まじめな生活をしております場合には、それに従う人々が非常に低賃金でもなおかつ再々として働いておるのがたくさんあります。これが今日の日本の産業をささえておる小さい根ではないかと、こういうふうに考えられますが、こういう場合もこれは幾多の例がありますが、こういうことを考えて参りますときに、この生活賃金の基準というものをどういうところに大体置いてお考えになっておるか。
○政府委員(堀秀夫君) 最低賃金を決定いたしまするに当りましては、この法案におきましては三つの基準を考えております。すなわち第一は、ただいま御指摘のような労働者の生計費、すなわち労働者の生活のために必要な費用を考える。それから第二番目には、類似の労働者の賃金を考える。それから第三番目には、通瀞の事業の賃金支払い能力を考える。この三つの要素を勘案いたしまして適当な最低賃金をきめる、このような考え方になっておるわけでございまして、大体、国際的にもこのような考え方が通則になっておるようにわれわれは承知しております。そこで、生計費の生活賃金の水準でございますが、これはただいま申し上げましたように、労働者の生活のために必要な無用という考え方でございまするが、これを具体的にしからばどの辺に求めるべきであるかという点につきましては、最低賃金決定の場合に具体的に問題になるのでございます。これらの点につきましては、わが国の実情にかんがみまして、最低賃金法実施の暁におきましては、具体的に個々の場合におきまして、それぞれ三者構成の最低賃金審議会におきまして、この地方のこの業種の労働者についてはどの程度の生計費が必要であるか、それからさらに、先ほど申し上げました他の二つの要素はどのような工合であるかということを勘案して御意見をおきめ願うということにしておるわけでございます。その生計費の決定につきましては、これは労働省当局におきましても、たとえば総理府の家計調査であるとか、厚生省の厚生行政基礎調査であるとか、あるいは人事院等において研究した標準生計費であるとか、これらのいろいろな資料がございまするので、これらの資料を審議会に提供いたしまして、それらの資料等を勘考して、適当なところを、御意見をきめていただく、このような考え方でございます。
○常岡一郎君 私は、日本の中小企業の保護育成ということが非常に大事なことだと考えておりますので、かつてソ連に参りましたときに、あのコルホーズを見まして、集団的にやっておりますコルホーズにできておりますものと、それからその一部に個人だけがわずかの土地に自分たちの自由にされる、自由な創意工夫のこらせるような個人のものが多少あります。その作物を見ました場合に、非常によくできております。こういう姿をながめた場合に、集団的、社会主義的な行き方も大事な特徴があり、同時に、自由主義的な特徴も非常に大事なものである。この二つがみごとに勘案されてこそ政治の妙味があるのではないか、こう強く感じて参りました。こういう点から考えて参りましたときに、業者間協定というものが非常に重く見られておりますのは、こういう意味の保護のために、自由な、企業の自由な創意工夫を守るためにこれを主体にして考えられたのではないかと思いますが、しかし、事業の勢いとして当然人の権利というものが高められていかなければなりませんので、ILOの条約の指示しますような線に次第にこれが強くなって参りますとすれば、この点で団結ということと運営ということがはっきり考えられなければならぬと思います。指でも固めてしまえば、団結すればこぶしになるが、やはり御飯を食べたりするときには当然広げなければならぬ。運営というものが主体であって、それをじゃまするものを団結によって払う。団結は自己を守るということが主体である。運営は常に他に奉仕するということが主体である。世の中のためにこうするのが運営の妙味である。働きというものと団結というものが常に車の両輪のようになっていかなければならない。最近になりまして、非常に運営を阻害してまでも団結するというような気風が相当強くなる傾向がありますのに、中小企業の相当恵まれない人たちができるだけ団結して、労働者が地位を向上することも大切ではありますが、しかし、それが多くの場合に一部の不半分子といいますか、あるいは野心家に策動される。そのために、非常に勤勉な中小企業の経営者が非常な苦しい立場に立つというような危険がかなりあるのじゃないかということを心配しますが、この点に対しましては、どういうお考えを持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) お説の通りでありまして、私は先ほどちょっと触れましたように、中小企業というのは、おそらく特に経営する方とそこに従業する方とがほとんど渾然一体となって、みんな一緒になって働いているものが多いのであります。そこで、その人たちも今お話のように、まあ中小企業というものを維持して参りますために、違う意味で中小企業というものが、特段の法律で組織化することもされまして、一方において働いておられる人々も、自分たちの幸福を増進するためにいろいろな意味で団結をする、これはやはり時の趨勢であると思います。時にまた、自分たち同じ立場に立つ者が連帯の責任という意味で団結をされる、このこともやはりけっこうだと思いますが、そこで、私どもが一番必要なことは、まず第一に、国民一般はもちろんのこと、企業に働く労働者諸君も、やはり自分が今働いている企業というものが、社会的に国際的にどういう立場に立っておるかということを認識してもらうように、全般的な教育をして参ることが一番必要だと思いますので、そういう意味で、たとえば私がちょうど一昨年フランスに参りましたときに、フランスの労働組合の人が言っておりました。フランスの炭鉱の労務者があるときに強い賃上げの要求をして争議が行われ、しかし、とことんまでやって参るというと、隣りのドイツのルール炭田の炭がすぐに入ってくる、そうすると、自分の国の企業がいけなくなるばかりでなく、ひいては労働者自身の生活に響く、従って、すぐお隣りにある商売がたきの同じ石炭の状況とにらみ合せて、ある程度の限界で争議というものをやるのだということを言っておりましたが、私はやはり労働に従事しておる人たちには、そういったような現存よって立っておる自分の生活環境、それからまた、賃金を生み出すべき源泉であるその企業の実態、そういうものについて十分に認識を深めてもらうように、社会的にもわれわれが考えなければなりませんし、一方においては、やはり社会は人間が構成しているのでありますから、その企業を経営しておられる人人もそういう点についての労務管理というものについては、やはり十分なる認識をもって従業員の人たちにそういうことについての啓蒙、それからまた、認識を深めてもらうことの努力、いわゆる労務管理というものは非常な重要性を私は企業の面において持ってきていると思うのであります。従って、中小企業の人たちも、経営者もやはりそういう気持で労務管理ということについて十分なる認識を持って、そうして相手方の立場を尊重しつつ、自己の経営する企業が成立いたしていくための労務管理の研究というものはますます必要になってくるのではないか、また、それは近代国家において経営を営む者の当然の義務であると、こういうふうに思っております。
○常岡一郎君 予算委員会の方にお出になるということを聞いて、時間も制限される時間にもなりましたので、ただ結論として申し上げたいのは、洋々たる大河が流れております源を見れば、非常にうっそうと茂った森林地帯あるいは草原地帯があります。非常にゆとりを持っておられる。磽かくの地にはほとんど大河は流れない、だから雨が降れば一ぺんで流されますが、あとはゆとりを持たないということを考えて参りますときに、多くの独裁政治が非常に強く見えながら、はなばなしく見えながら、ほとんど全部失敗してきたというところに歴史の教訓があるのではないかと思います。こういう意味から考えますというと、葉が持ち、根が持ち、茎が持ち、あらゆる責任を持って分担しております水分がゆったりした大河を生み出しておりますように、この点から考えて、私は中小企業の育成というものは非常に重大なものである。これを深く考慮せられまして、この法案の運営ができますように細心の注意を払いますことを願いまして、私の質問を終ります。
○委員長(久保等君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(久保等君) 速記を始めて。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会