社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/02/12
会議録
○理事(木下友敬君) ただいまから、社会労働委員会を開会いたします。 この際お諮りいたします。公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案を議題といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(木下友敬君) 御異議ないと認めます。公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者から提案理由の説明を願います。
○藤田藤太郎君 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 公共企業体等すなわちいわゆる三公社五現業及び地方公営企業につきましては、その職員が職員の組合を組織する場合において、組合の役員及び組合員の資格が法律で制限されておりますことは、すでに御承知の通りであります。すなわち、公共企業体等労働関係法第四条第三項は、公共企業体等の職員でなければ、その公共企業体等の職員の組合の組合員またはその役員となることができないものとし、また、地方公営企業労働関係法第五条第三項は、地方公営企業の職員でなければ、その地方公営企業の職員の組合の組合員またはその役員となることができないものとしているのであります。 ところで、日本国憲法は、その第二十八条において、労働者の団結権を明確に保障しているのであります。また、すでに三十数カ国によって批准されておりますILO条約第八十七号すなわち結社の自由及び団結権の擁護に関する条約は、労働者の結社の自由及び団結権を明確に確認しているのでありまして、労働者の団結の自由を確保すべきことは、今日におきましては、すでに国際社会の世論であると考えるのであります。労働組合の役員及び組合員となり得る者の資格を法律でこのように制限いたしますことが、日本国憲法及びILO条約第八十七号の精神に違反するものであることは、今さら申すまでもないことであります。政府に置かれております労働問題懇談会の国際条約小委員会におきましても、また、労、使、公益各委員の満場一致の結論として、前記の公労法第四条第三項及び地公労法第五条第三項の規定が、ILO条約第八十七号に抵触するおそれが濃厚である旨を確認いたしているのであります。 公共企業体等労働関係法及び地方公営企業労働関係法は、占領中の特殊事情の強い影響のもとに制定せられたものでありまして、わが国の実情に即しない点が多々存するものと考えるのであります。特に公共企業体等及び地方公営企業の労働関係の実情にかんがみますると、これらの職員の組合の役員及び組合員の資格の制限を撤廃し、職員以外の者もまた役員または組合員たり得るものといたしましても、それがため、労使関係の平和が破れ企業の正常な運営に支障を及ぼすおそれはないものと確信いたす次第であります。 本法律案は、このような状況にかんがみまして、公労法第四条第三項及び地公労法第五条第三項を削除することとし、もって労働者の団結の自由を最大限に確保しようとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
○理事(木下友敬君) 本案に関する質疑は、次回以後にいたしたいと存じまが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(木下友敬君) 御異議ないと認めます。
○理事(木下友敬君) 次に、労働情勢に関する調査の一環として、昭和三十四年度労働省関係予算に関する件を議題といたします。御質疑を願います。
○小柳勇君 一般労働行政に対してはたくさん質問ありますが、きょうは一点だけ、駐留軍労務者の解雇の問題について質問いたします。 先般来からしばしば社会労働委員会でも問題になっておりまするが、駐留軍の移動に伴って、駐留軍労務者の、全国各地で首切りが発生し、配置転換並びに切りかえが強行されつつあります。この問題について労働大臣の御見解を承わりたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 駐留軍が駐留軍の都合で撤退いたしますことは……だんだん毎年その撤退のために、当該事業場の失業者がふえることは、御承知のように私どももよく承知いたしております。そこで、政府部内にそれに関する駐留軍等中央対策協議会が設けられまして、総理府が中心となってそれぞれの事情、場所の事情に応じてそこで職を失う者のために配置転換をするに要する職業訓練、それからまた多量に出てくるところは、御承知のように特別に安定所の事務をそこの場所で行わせるというふうなことをいたしましたりして、なるべくすみやかに全然職を失う者のないように努力をいたしておる最中でありますが、たとえば神奈川県の追浜のごとき一カ所で多量の失業者が出て参りますところは特別な措置をいたすと同時に、また当該産業を一つ民間に払い下げてもらって、そうして同じような作業所で、そこに勤めておった駐留軍労務者をできるだけその新しい産業に吸収するというふうな努力もいたしておるわけでございます。失業者がまとまって出てくる場所については、御承知のように失業者多発地帯を指定して特段の努力をいたしておるわけであります。こういうふうにしておるわけであります。
○小柳勇君 けさの現地からの報告によりますと、全国で二カ所二月十五日付をもって数百名の者が解雇処分を受けたという情報がありましたが、この点について労働省の方に報告がなされておるかどうかということを一つお尋ねいたします。
○説明員(三治重信君) 今の情報は場所はどこでございますか。
○小柳勇君 ちょっと秘書がいないのでわかりませんが、あとで場所は何しますが、まだ労働省の方にはないのですか。
○説明員(三治重信君) はあ。
○小柳勇君 わかりました。それでは二月十五日付ということでありまして、離職対策もまだできておらない、路頭に迷うわけでありますが、大臣としては直ちに御調査あって、せめて離職対策ができるまで半年間ぐらい、たとえば六月ごろにまででもこの首切りを延期していただくような努力をなさるお気持があるかどうかお聞きしておきます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 今、政府では総理府にこの駐留軍関係の労務者対策本部を置きまして、総理府が中心になって、労働省ももちろん参加いたして、万遺憾なきを期するようにいたしておりますが、政府でもしばしばこの駐留軍の責任者に交渉いたしまして、どうせ軍の撤退ということでありますから、計画的に行われるに違いないことでございますから、急に事業場を閉鎖して大量の失業者を出すようなことのないように事前に情報を通報してもらいたいということをしばしば要望いたしておりますし、また最近まではだいぶそういう傾向がよくなってきております。今お話の九州における事案につきまして、私は実情を聞いておりませんが、総括的には今申し上げましたような方針で先方とも緊密な連絡をとって、急に困ることのないように措置いたす努力は続けてしておるわけであります。
○小柳勇君 ただいまの大臣の答弁によって、最近発生しようとする首切りの問題については、なるべくこれを押えるように努力するということを承わりまして、そのように一つ全努力をしていただきたいと存じます。 次に、昨年の臨時国会のこの社労の委員会で、駐留軍労務者に対する決議案をここで満場一致決定いたしました。その委員会の決議がどのように現在実施に移されておるか、またこれを実施しようとされるのか、大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 今のお話の前にも、やはり同趣旨の御決議が国会で行われました。私どもも特殊な駐留軍関係の事情でありますから、特に私どもとしては一カ所に集中されておる駐留軍関係で、軍の必要に応じてそれが縮小されるということになりますと、そこが失業者の多発地帯になるということでありますから、先ほども申し上げましたように、総理府は先方と十分な連絡をとりまして、できるだけ事前に通報を得て、あらかじめそれに対する措置を講じていくように、御趣意に沿うようには努力いたしているわけでありますが、先ほど御指摘のように、九州のある場所で、今のお話によりますと、二月十五日ということでありますが、私の方で詳細に知悉いたしておりませんけれども、全体としては、先ほど申し上げましたように、特別な事情で一カ所に失業者の多発地帯が出ますことについては、特に駐留軍関係は特段の臨時措置法等によりまして、たとえば企業組合を特別に許可してやって、それの育成をはかってやるとか、あるいはまた、先ほど申し上げましたような諸般の手だてをいたして、その失業者に対してできるだけの救済の措置を講ずるようにということについて格段の努力をいたすと、こういうことであります。
○小柳勇君 臨時措置法の問題で二点だけ質問いたしておきたいと思うのですが、臨時措置法を私どもとしてはこの際改正をしてもらおうと考えておるのです。一つは、あの中に、厚生省が理事役員の中に入っておらないので、厚生省も少し積極的にいってもらうような体制にしてもらいたい点が一つ。それから二点目は、直用労務者に対して特別給付金というものがないので、直用にしても間接用員にしても同じ駐留軍労務者であるので、直用労務者に対しても特別給付できるような特別方途を講じてもらいたいと思う。そういう改正に対して大臣はどういうお考えであるかお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) お話の二点の最初の方につきましては、今初めて御意見を承わることでありまして、十分御趣意を研究いたしてみたいと思います。後段の方のお話につきましては、この前もそういうお話がありまして、直用についてわれわれも総理府を中心に検討をいたしておりますけれども、なおその点については結論を得るに至らない、こういう段階であります。なお、それぞれ相談をいたしてみたいと思っております。
○小柳勇君 その点についても、今後とも十分に一つできるように御努力願いたいと思います。 次は、失業保険の給付期間の延長と給付率の引き上げでございますが、これは全般的な失業の問題とも関連がありますが、労働省の予算とも関連して、その点どのようにお考えであるか、御答弁願っておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) それは駐留軍関係だけでなくて、全般のお話のようでありますが、私どもももちろん国の財政が許すようになるに従って社会保障制度のある程度の拡張ということはもちろんけっこうなことだと思います。そこで、そういう立場に立って今日の日本の失業保険の状態を見ますというと、やはり御承知のように、比較的長期に勤めた者はやはり六カ月以上の給付期間を持っておるのでありまして、現在のところとしては、今、日本でやっております程度が日本の現状としては妥当なところではないかと、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 失業の問題については、これは根本的な問題でありますので、追ってまた次の機会に大臣の十分意見を聞き、私どもの意見も申し述べたいと思いますけれども、この駐留軍の労務者に限っても、一応離職するというと、なかなか今仕事がない情勢です。従って、退職金も使い果して、たとえば自由労務者に入って、あるいは入れないという労働者がたくさんいるわけです。もう少しあたたかい、全体的に生きていかなければならぬという基本的な考えで、失業保険についても今後いま少し給付期間の延長と支給率の引き上げについて努力しようという考えになれないものであろうかどうか、いま一回大臣のお気持をお聞かせしておいてもらいたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私はまあ、たとえばイギリスのように、社会保障制度というものが非常に充実しておる国のいろいろな人の話を聞いてみましても、やはり社会保障制度というものは、ある程度の限界というものは非常に大切なことだと思っております。全然極端に言いましてなまけ者が得をするような状態にまでいくことは、国家全体として私は決して利益なことではないと思うのでありますが、現在の日本のような、破壊された戦後の経済を立て直してここまでやってきたこの段階において、政府としても、まだ国民年金すら十分にできておらないというふうなところでありますから、まだまだ財政が許す限り社会保障制度というものを拡張していくことは考えられることでもあるし、またもう少しそういうふうにやっていくべきだとは思いますけれども、現在失業保険につきましては、すでに国会及び国会外の学者などでも、失業保険についていろいろな御議論をわれわれは拝聴いたすんでありますが、まあ国の経済事情、財政の事情等を勘案いたしまして、ただいまのところではこの程度でやむを得ぬのではないか。 また御承知のように、諸外国の例を見ましても、日本は決してそういう面においてはなはだしく劣っておる国ではない状態であります。しかし、給付内容の改善ということについては、われわれもなお研究を続けて参りたいと、こう思っております。
○小柳勇君 さっきからの大臣の答弁によると、離職対策についてももちろんいろいろ考えてはおられるようであるけれども、閣僚の一員としてその積極性について、われわれはまだ十分に受け取れない。しかも、失業した労働者についての失業保険の給付、それから給付期間の延長などというようなことについても、現状としてはやむを得ぬだろうというような御見解のようであるが、今言ったように、各地でこれから駐留軍労務者の首切りというものは発生するわけです。そういうものに対して積極的にほんとうに真剣に考えなければもう路頭に迷う。一例を言いますと、私は一昨日福岡の陸運局に参りまして、離職者対策の一環としてタクシーの事業免許を早急にしてくれないかと言って、交渉して参りましたけれども、そのときに陸運局長が言うのには、やはり交通運送規則というもの、法律というもののワク内でないと、特別に考慮はできないということをやはり考えておるわけですね。そういうものは、この前の自動車局長の答弁では、離職者は気の毒ですから特別先議する。優先考えますとは言っておりますけれども、地方に参りますと、やはりその立場々々で、法律のワク内でしかできないというと、そういう、これからだんだん離職していく労働者というものは、失業保険はもらえない。自由労務者になろうとしてもニコヨンにさえなれないという状況さえ起ってくるわけです。そういう際に対して、これは、たとえば怠慢で仕事をしないから、あるいは仕事が悪いからという首切りではなくて、国際的なこういうふうな動きによって、駐留軍が減るというと労務者が減るという、政治的に非常に見えすいた問題であるから、もう少し積極的に、たとえばそこに駐留軍の施設があった場合には、これをそこにおった駐留軍労務者に施設を貸し与えて、国家負担で全体的に失業対策をやろうというような積極的な施策というものを、労働大臣としてもお考えになっていただきたいと思うわけですが、その点についてどういうふうな御見解であるか、もう一度お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど申し上げました総理府にあります対策本部では、やはり駐留軍労務者の解雇された人たちが企業組合を作って自動車事業等をやるというふうなことが多くあることであるから、こういうものは特別にお世話をしてあげるということは、それぞれの官庁にも通達いたしてあるわけでありまして、それを受け取りました地方の出先が、やはり自己の責任において一定の法律なり規則なりの限界を守るという、官吏としての忠実性はもちろんけっこうでありますが、その点については、なお私どもの方の対策本部の趣旨が徹底して、支障のない限りやるように、なお推進して参りたいと思っております。 それから、今お話のございました全体としての駐留軍労務者の職を失うことにつきましては、特殊な事情であることは今御指摘の通りでありまして、従って、政府は、一般のことよりも特にこれは急にできてくる問題であるから、力を特に入れてやらなくちゃならぬというわけで、臨時措置法も提案し、それからまた政府部内で特段の対策本部を作ってやっておるわけでありまして、これになかなか理想的にいかない面があるので、政府の努力が足りないのではないかということについて御批判を受けるのは、ある面においてはやむを得ないかもしれませんが、政府としても全力を尽して、対策本部を総理府に置いて政府としてやっていると、こういうことについて一つ御了解を願ってわれわれの足らないところは皆さん方に御協力を願って、われわれの趣旨ができるだけ成功するように、一つお願いをしたいと思います。
○小柳勇君 ただいままで私が質問し、あるいは要請した駐留軍関係の離職対策については早急の問題であるので、大臣も積極的に一つ御検討願って、私どもの要請にこたえるべく御努力を願いたいと思います。 最後に、一般的な労働大臣の演説の中で一点だけ質問して質問を終りますが、雇用増大に対して、非常に抽象的にはこの間の演説でも承わりましたけれども、労働省の見解としては漸次失業者は少くなりつつあるというようなことと、それから失業者に対しても申しわけ的にはいろいろ施策を立てておられるようであるけれども、われわれの見解としては、失業者の数は決して少くなっておらない、機械化、オートメーション化などによりまして、漸次失業者はふえつつあるという見解をとっておるわけであります。そういうことも勘案して、雇用政策に対して具体的に、新年度どういうような施策をもって強力に雇用の拡大をはかっていこうとされるのか、具体的にわかりやすく御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、政府がいわゆる新長期経済計画というものを作りまして、それを計画的に推進して参るという建前をとりましたときにも、まず冒頭に掲げてあるのが雇用の増大ということであります。政府は、やはりまず何よりも人のそれぞれ所を得た生活ができるということが政治の一番大事なところでありますから、雇用の問題についてわれわれは最も重点を置いているということについては御理解を願えると思うのでありますが、そこで御承知のように、いわゆる神武天皇以来の好景気と言われましたあの時代には、一部分ではすでに電力資源等技術者が足りないというふうなことを叫ばれるような状態になりました。あのころの雇用の増大の数というものも御承知の通りでありますが、しかし、そのあとで国際収支の悪化の原因となって、いわゆる経済調整というふうな手段をとり出して、その結果約七、八カ月間隔を置いて、正直に雇用、失業の面にその政策が現われて参りました。私どもはやっぱり失業保険の受給者のカーブを見ておりまして、きわめて正直に日本の景気、不景気の状況が察知できる非常にいいデータだと思っておりますが、その当時の様子を見ておりますというと、やはり常用雇用の方では大した数字は出て参りませんでしたけれども、一般にこの臨時日雇いという面で、失業に現われてきた数字というものは御承知のように非常に多かった。そこで、昭和三十三年度予算を当時の政府が作りましたときは、やはり完全失業者大体六十万という程度に見て、そうして計画を立てておったのでありますが、昭和三十四年度予算の編成に当りましては、私どもは御承知のように、日本の経済も大体なべ底からやや上向きになってきている。従って、失業者の出方もやはり横ばいの状態でありまして、そこで三十四年度予算を実行に移して参る結果、三十四年度の下半期ごろからはもう少し雇用の増大を見込める。実質五・五という鉱工業生産の伸びを計算に入れますと、昨年よりは上向いてくる。雇用面も従って開けていく。しかしながら、大事をとってわれわれは経済の伸びを五・五と見たにもかかわらず、やはり完全失業者は六十万ぐらいのところを見て諸般の計画を立てた。しかし、予算案でも御説明申し上げましたように、失業保険の日数というものは予算面において約八億ほど増額をいたしている。従って、私どもとしては、十分に経済政策に見合った失業対策というものを考えて予算を編成しているというふうに御了解願いたいと思うのでありますが、そこで、本年の昨年に比べての雇用の増というものを大体七十四万人と見ております。新規学卒者だけでも、上級学校に進んでいく者を除いて、就業を希望する者をもおよそ十五万人ぐらいふえるだろという、われわれは見通しを立てているわけでありますが、政府の策定いたしました来年度の経済計画、同時に、それに見合う産業の伸びを計算をいたしまして七十四万人の新規雇用量の増、こういうふうに見て、完全失業者の数は大体昨年通りに、それに対して失業対策等を考えていく、こういうふうに概略お考えをいただいて差しつかえないと思っております。
○小柳勇君 雇用の私として知りたいのは、具体的にですね、労働大臣が閣僚の一人として、まあ経済の伸びにマッチするように雇用を拡大した。しかしなお、昨年と同じように失業者は六十万人見込んであるわけです。まあその学卒者なども十五万人の増も考えているのだというふうな言いわけもありましょうけれども、初めこの年度当初に完全失業者六十万人を見込んで、昨年と同じような失業者を見込んで立てるその雇用計画がですね、経済計画が、労働大臣として是認していいものであろうか。根本問題でございましょうが、去年は六十万あった、来年度も完全失業者についてはこれは六十万、これはやむを得ないでございましょうというような見解で予算案を組んでいいものであろうか、こういうことを私は質問したいのです。その六十万人を減らすために、大臣は一体どういうように具体的に、各省に雇用増大の経済計画の中で、どういうように具体的に意見を出していかれ、考えておられるのか、そういうことをお聞きしたいわけです。
○国務大臣(倉石忠雄君) もちろん政府といたしましては、完全雇用が望まれることは当然のことであります。しかし、小柳さんも御承知のように、完全雇用が行われておるといわれている、たとえば西ドイツにしてもイギリスにしてもやはり配置転換されていくようなときの摩擦失業というものは、大体労働力人口の何パーセントというふうなものはあるのでございまして、日本の労働力に比べて、今の実際の失業者が非常に外国に比べて、そういう率が多いかといえば、決して多くはない、率は。ただ、アメリカやイギリスやドイツのように、経済基盤というものが非常にしっかりしている国と、わが国のようなお互いの国民生活そのものがまだしっかりしていないところでは、かりに摩擦失業というものであってもこれは決して楽なものではありませんし、ことにそれをできるだけ少くするということがやはり政策のねらいだと思うのであります。そこで、昨年も六十万というものを見込むといたしましても、現実に出て参りましたものはそれほどになっておらなかった、現に五十四万とか五十七万とかいうところを上下いたしておることも御承知の通りであります。それならば、そういうものにさらに完全雇用に向う努力をしないのか、こういうことになりますというと、私どもは決してそうではない、どうしたならばできるだけ完全雇用に近づけることができるか、ことに私どもは同じ政府部内である厚生省が発行いたしておる厚生白書などを読んでみましても、昭和十九年ないし二十年ごろのつまり妊娠率といいますか、そういうものが現実に労働力人口として今ごろようやく現われてきている。それで厚生白書によれば、昭和四十年ごろでありますか、大体日本人口はそういうところでピークにいくだろうといっております。従って私はいつでも申しておりますことは、われわれの経済政策が非常に成功したとしても、なお完全雇用の域に達するということには、もう非常な勢いで人口の増殖率というものを追っかけていかなければならない、絶えずそこまでは努力していかなきゃならないことを日本人としては考えなくちゃならぬ。こういうことを言っているのでありまして、そこで、当面三十四年度の問題につきましても、私どもはできるだけ御指摘のような完全雇用に近づけていくためには、まず諸般の経済政策もさることながら、第一実際に人を使うという面で、現実に数字を少しずつでもふやしていく努力をしようではないかということで、先般来大蔵省、建設省等と相談をいたしまして、昨年度より相当金額伸びました、五千数百億円に上る財政投融資、それから昨年度予算に比較して増額いたしました公共事業費等を、これを実施に移すことによって、労働力をどの程度吸収し得るだろうかということも現場の計算に即して計算をいたしまして、大体出てきておる数字は、両方合せて今までの経験から二十万八千人ほどの増を見込み得る、こういうように一つ一つそういう点にわれわれは努力を積み重ねまして、一人でも多く雇用の場所を拡大していきたい。ことに労働省プロパーの問題で申し上げますというと、私は労働省の安定行政というものを見ておりまして、労働省も役所として非常に努力はしておりますけれども、もう一段突っ込んで、この実際の面をもう少し緊密にタイアップして、雇用を拡大していく方法はないだろうかということで、たとえば三公社はもちろんでありますが、電力、石炭、紡績、河川、自動車、造船といったような各産業ごとに協会がございます。そういう協会に参加しているのでございますから、おもな産業というものは、そこでその人たちを集めまして、その中で、協会で人事を担当いたしているような人々を幹事役にして、そういう人々に三十四年の三月受け入れるべき彼らの各種の産業において、どういうようなものを必要として、どの程度の人員を必要とするかというふうなことの研究を、昨年の秋から開始さしているのであります。こういうことは、その雇用の面を観察いたすのに非常に効果的でありますし、同時にまた御承知のように、労働省の出先でいろいろ役所の人たちも苦労してくれておりますけれども、なかんずくまだ気の毒だと思うのは、職業安定行政でありまして、これはもう出先の安定所なんかも、場所によっては床もがたがたしている貧弱な所におって、しかもそれに殺倒してくる失業者のお相手をいたしているのはなかなかやり切れない。このごろある人はこういうことを言っておりました。職業安定所というのは失業保険の応対だけで一ぱいだというようなことを言って、いる人もあるようなわけで、従って幸いなことに皆さんの御協力を得て三十四年度予算には、この間御説明申し上げましたように、その職業安定所の設備等を改善したり、人員増をするようなことにはなってきました。ああいうふうなものをもっと有機的に活発に、実際に人を使ってくれる産業の当事者と緊密な連絡をとって、そうしてこれを一つうんと利用してもらう、ほんとうのこの安定業務を効果的にその効力を発揮せしめるようにする、こういうようにして実際の雇用、失業者の窓口である労働省の事務を、ほんとうに人を使う方の側と緊密な提携、タイアップができて、その機能を増進できるようにしむけていく、こういうようなことで、われわれは一人でも多くの雇用の場所を拡大していくように努める、そういったようなことで努力を続けているわけであります。
○小柳勇君 具体的に質問いたしますが、今言われたように、たとえば石炭協会にもいろいろ発言力はありましょう。そういう場合に、こういう現象が起っているのです。福岡で——まあこれは全国的なことでありますけれども、出炭を押えるために、もうちょっと掘れば掘れる山を、政府が出資して買い上げて廃山にする、そのために福岡県だけで一万人の失業者が出るわけです。たまたま国鉄から志免炭鉱を民間に払い下げる。三千二百おりますと、三井にしろ三菱にしろ、買ったら三千二百は使っていかない。千人ぐらい余るでしょう。そういうことで、大臣として経済計画をやって、これを雇用を拡大するという方向の考えと、そのやむを得ないという考えでは、それだけ年々歳々失業者というものはふえていく。石炭の山がまだ掘れるならば、雇用のことを考えるならば、その山は一年延ばし二年延ばせるではないだろうか、それを今このように雇用を拡大しなければならぬときに、まだ掘れる山を、出炭を押えるために、政府が出資して山を買い上げてこれを廃山にして、そして石炭労働者をちまたに失業者としてほうり出すということは許せぬではないか。そういう点に対して一体、労働大臣は閣議の中で発言されたことがあるのかないのか、お答え願いたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 石炭政策につきましては、これは私の担当ではありませんけれども、常に労働大臣も参加しておる経済閣僚懇談会でいろいろに検討いたしておりますが、石炭は御承知のような現状でございます。そこで、今具体的にお話のありました出炭を制限するために不生産的な炭鉱を買い上げて、そして整理していくということは、これは例の特例法という法律ができて、今までも三百七十万トンですか、やっておりますけれども、また今お話のように、あと百万トンほど制限しようという意見が出ております。このことは小柳さんがよく御存じのように、現在の石炭産業というものの全体の計画から、大きな山に従事しておられる従業員でできている炭労の人々もやはり十分それぞれの立場々々に立って、こういう問題を検討しておられて、そして今の千万トンをオーバーしておる貯炭のある現在の石炭鉱業をどうするかということについては、十分に労働者側も研究しておられるところでありますが、今まで特例法によって石炭を買い上げるということについては、今までもやっておりましたが、これから今問題になっておりますのは、御指摘のように百万トンが問題になっている。そこで、今一万人というお話でありましたが、私どもの方へ出ておりますおよその数字は七千、数字の若干の違いはともかく、失業者が出る。そこで、石炭政策としてはそういうふうなことをしなければならないということは、石炭業というものを維持していく上において、現在の段階においてはやむを得ないということが前提であるならば、これはまあ仕方ない。しかしながら、それをやるためには、その前段としてそこの従業員をどうするかという、こういうことが大きな問題でありますから、政府部内でも通産省が石炭行政の建前から、さらに新しく百万トンの買い入れをおやりになるということを出されるならば、その前提としてそこの従業員をどうするかという手だてをまず、すべきである。それが、われわれの言っておる経済計画が人間の問題をさらに優先的に考える必要があるという、われわれの趣旨に合致した方策なんであります。従って、通産省がそういう法律を国会に政府として提案しますまでには、もちろんその従業員の失業対策というものを、どういうふうにするかということについて十分な検討をした上でやりましょうということで、今そこまで政府の態度は決定いたしておらないのであります。 志免炭鉱のお話がありましたが、志免について承わるところによれば、行政管理庁の勧告に基いて民間に払い下げるという話が出ておるようであります。そういうことになって、国鉄が経営しておるときより民間の経営に移れば失業者が出るというのは、私にはちょっとのみ込めないことでありますが、もし国鉄経営が、それだけああいう公共企業体のような経営というものではむだなことをしているんだということでありますならば、これはまあ、その国鉄当局としても企業体経営責任者として大いに考えなければならぬことだと思います。これは国民の負託を受けて国家事業としてやっているのでありますから、経営という面から大いに考えなければなりません。従って、もしむだなことをしてないとするならば、民間に払い下げても私は人員の余剰というものは出ないのではないかと思いますが、その点につきましては、まだどういうふうに処置をするかということが決定いたしたわけではありませんからして、われわれも今そこでお話がありましたから、さようなことについても、そのお言葉を中心にして検討してみたいと思います。
○小柳勇君 この志免の問題については、今の発言だけでは誤解される面もありましょうが、別途の機会に譲ります。今運輸委員会で問題になっていますから、これは譲ります。 私は失業者の問題、雇用政策の問題で大臣にお伺いしたわけですから、さっきの石炭の失業者の問題にしても七千人か、一万人と言っていますけれども、たとえば一万にいたしましても、それは一つの石炭産業です。たとえば国鉄あるいは電電公社などの各公社の経営合理化政策を見ましても、ずっと見てみて目立つのは機械化、近代化していって、とにかく人を減らすということですよ。そういうものが、たとえば五カ年計画とか、七カ年計画で各省、各公社ともやっておる。それと同じような考え方で各会社もやっている。石炭産業だけではないわけです。福岡県一つで一万人の失業者が今目の前にふらついている。そういうものをずっとサム・アップしていきますと、あなたが六十万の失業者が出ると判定されたそのことは、数字の上で、そういうことを根底にして失業保険なりその他の訓練費なりを労働省の予算として組んでおられると思うけれども、そういうものはただ机上のプランであって、積極的に労働大臣として、経済閣僚の一人として、失業者を減らし、完全雇用の政策でやっておるというあなたの言葉とは現実にどんどん違っている。そういうものを私は今指摘しておるわけです。各公社などの経営合理化政策、五カ年計画などの問題については各省の問題ではありましょうけれども、労働大臣として、経済閣僚として失業者を一人でも減らそう、完全雇用の線をやっていこう、しかも失業した人は一日も早く復職させようという考え方をもっと積極的に、経営単位に対して完全雇用のための発言をしてしかるべきじゃないか、そういうことを私は残念ながら大臣が発言されているということを聞いておらない。しかも一般予算の中に出てくるものは百年一日のごとく、昨年の予算案を踏襲しながら、ことしもそれに若干の修正がなされているだけなんですよ。大臣の言われる意欲というものと、現われた数字なりあるいは行政面に出てくる実際というものが非常に違うので、その点を指摘し、かつ、何か意欲でもあればお聞きしたいということを質問したわけです。今までのことで誤解がなかったらいいけれども、もし意欲的にその問題についてはこうだということであれば、あるいはこの石炭産業の問題についても一万人については大体わかっておりますと言われるならば、どういうふうに仕事を振り向けようとされておるのか、具体的に一つお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 九州の合理化による失業者のことにつきましては、ただいま政府部内で各関係省の事務当局を集めまして、どういうふうに、どこの省の、どういう仕事で大体どのくらいな人員を吸収し得るかというふうな計画を、今もっぱら作成しておる最中であります。
○小柳勇君 その調査なり資料はいつころまでにわれわれが聞けるようなことになりましょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) それが決定した上でなければ、百万トン買い上げの法律案を押えていると、こういうことであります。従って法律案が出せるときには、そこの従業員に対してどういうふうにやり得るかというめどをつけてからやろうではないか、こういう態度を政府はとっているわけであります。
○小柳勇君 今労働政策一般については、ほかの問題もたくさんありますけれども、私は以上の問題、雇用政策を中心として質問いたしましたが、私が質問の中で言わんとする点については、大臣として今後お考え願いたいと思います。質問を終ります。
○片岡文重君 時間がありませんので、ごく簡単に二、三補足的に御質問したいのですが、私の御質問したいという主目標については、次の機会に譲らしてもらって、さっき小柳君の御質問の中で駐留軍労務者の問題が出ておったのですが、迫浜の基地返還に伴って、その返還される基地の払い下げが当然問題になってくる。これは前々国会であったと存じますが、政府としても特段の力を入れてこの払い下げの問題を考究されたと思うのです。で、その払い下げの場合には、当然、返還もしくは廃止によって生ずるところの大量の離職者を、これらの転換される企業——払い下げられる企業に吸収をするということを第一義として問題を考えるということであったはずですが、その後どういうふうに進展しておるのか、ここでおわかりになるならば、なるべく具体的に一つお知らせをいただきたいと思う。それが第一点です。
○国務大臣(倉石忠雄君) その方は、直接担当をいたしておりますのが総理府なのもですから、ただいま詳細に知っておらないのでございますが、先般、私の方から総務長官に尋ねましたところが、ただいま片岡さんのお話のように、この前から政府も考えておったものですから、民間払下げのことを折衝中——承わりますというと、何でも、こちらで作業をするのにうまく連絡のつかないようなふうに、一カ所へ寄せてもらえば非常に作業がしいいんだけれども、その中へぽつんと一つ払い下げられないものがあるといったようなことで——まだ折衝が本ぎまりになっておらないということを、数日前に承わったのであります。なお、これを払い下げる場合には、大体、自動車工業等と今連絡をとって、およそそういうふうになりそうです。従って、そういうことになれば、従業員もできるだけそのままそこに吸収できるようにしてもらう話を進めておる最中だと、こういうふうな程度に承わりました。
○片岡文重君 まだ本ぎまりになっておらないから、というお話ですが、その本ぎまりにならないということは私も伺っております。ただ、問題は、申し上げるまでもなく失業者は人間ですから、これは毎日やはり三度の飯は自分も食べなきゃならぬ、家族も食べさせなきゃならぬわけでありましょう。で、完全な失業保険の給付なり、あるいは、きょう失業しまして、あしたから就職できるというようなことであるなら別として、たとえこれが二日でも三日でも間を置けば、これらの零細収入で生活しておる労働者諸君というものは、すぐに糊口の道に問題がぶつかってくるわけです。従って、本ぎまりになってから、さてこれをどうしようか、では、問題の生きてる人間を扱う道としては、はなはだ私は手抜かりではないか。ことに、先ほど小柳君の質問の中にもありましたように、二月十五日付で大量の離職者が出るというのに、その報告がまだ労働省に来ておらないということは、きょうの日にちから考えても、何としても私たちには納得いかない。そういうことでは、十五日に離職する、十六日からの一体、収入はどうなるであろう、こういうことを考えてみると、やはり問題は本ぎまりにならない前にこの手を打っておくべきだと私は考えるんですが、しかも、この追浜の問題はきのうきょうの問題ではなくて、相当以前から問題にされており、当委員会でも、たしか前々国会であったと私は記憶するのですが、相当きびしく論議をされておるはずです。ですから、主管が、その基地等の問題についてはなるほど総理府の所管ではありますけれども、これによって離職するところの大量の労働者諸君の対策というものは、総理府ばかりでなしに、当然そのサービス省である労働省として、私は具体的に策を立て、事態が起ったらいつでもその措置がとれるような対策があらかじめ私は作られておっていいんじゃないかと思うんです。そこで、まあ大臣の御所見を伺ったのですが……、労働省自体として何らかその措置は講ぜられないものですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 総理府で担当いたしております駐留軍関係の一般のことはいろいろ分れておりまして、たとえば物品のこと等についてはまだ調達庁がやっておりますが、総理府の中にあります、臨時措置法に基く対策本部というのは、総理府が主管をいたしまして、それにはもちろんわれわれの方からも人を出しておりますが、その失業対策等についても、政府として統一ある方針をとろうと、こういうのでわざわざ総理府に置くのでありまして、われわれもお手伝いをいたしておりますが、それに要する失業対策等についてすべて総理府が政府として一貫した方針で特段の努力をして上げようと、こういうことで、総理府が受け持っておるわけであります。 追浜のことにつきましては、今申し上げましたように、相手との折衝の努力を継続中でありますから、近くこれは解決を見て、そこに民間産業としてそのまま今までの従業員をできるだけ多く吸収するように、それでなお余ってくるものもあり得るでありましょうから、そこでは特にわれわれの方では、今までそういう人たちに向っておったような職業に対して関連性ある職業訓練を特にやる。それからまた安定所もそこに出張っていって、そうして他に転職したいというものについては、安定所がお手伝いをする、こういう方法を現にやっておるわけであります。
○片岡文重君 数字等をあげて具体的な説明を私はほしいのですが、その準備もお持ち合わせになっておらないようですし、総理府も来ておらぬことですから、この問題に関してはその程度に一つとどめたいと思いますが、ただ要望してやまないのは、今申し上げました通りに、問題が壁にぶつかってから取り上げられたのではどうにもなりませんから、特に追浜の問題は大臣も御存じのようですが、一括して一つの地域が払い下げられるのではなくて、どうも払い下げの形態が私たちとしてははなはだ不愉快な形をとられるようですから、これらの点についても一つ積極的にもっと軍関係にも働きかけていただいて、そうして対策はもっとすみやかに有効的に樹立するように努力していただきたい。 その次に、ちょっと私も実はきょう急いでおりますので、はなはだ何ですが、一つだけ簡単な問題ですから、お伺いしておきますが、これも昨年の国会で、実は私どもが発議となって法案を提出して、審議未了のままになったのですが、保健所及び国または地方公共団体の開設する病院、診療所に勤務する保健婦、助産婦、看護婦等の産前産後の休暇に要する代替要員の問題ですが、最近この問題がやかましく論議されるようになりましてから、厚生省当局においても大蔵省に積極的な努力をしていただいておるようですが、ただ予算が設けられてない。特別に口座を持っておりません。そうして人夫賃あるいは庁費等として扱われておるようです。聞くところによると、最近厚生省としては、そういう産前産後の休暇については要求のあり次第、むしろその代替要員を取ることを慫慂しておるかのごとく伺っておりますけれども、実際問題としては、さらでだに定員が不足しておって、自分が休めば即日代替要員が採用されない限り、その労働はすべて同僚にかかって参りますから、なかなか思うように休暇が取れない、そういう状態に置かれております。加えて管理者が積極的に援助をするような、援助といいましょうか、その休暇を認めるような方々であった場合にはまだいいのですけれども、そうでなくて、苦しい予算の中から、特にこれが代替要員を求めるための予算ではなくて、庁費として予算をもらっているわけですから、それが代替要員をそのつど雇い入れれば当然それだけの費用が他の庁費において減らされるわけです。従って、管理者によってはあまりいい顔はしない。拒否はしませんけれどもいい顔はしない。どうしても御婦人としては取りにくいという事態が各所に起りつつある。それから、代替要員を見つけるのに骨が折れるというような口実で、これをなかなかやってもらえないということも少くないようです。従って、この際これを一つ、そういう産前産後の休暇が請求された場合には、これを許可するのはもちろんのこと、当然その労働が他の同僚に転嫁されないように代替要員を雇わなければいけない。こういう仕組みに私はすべきではないかと思うのですが、特にこれは厚生省関係において初めて起った問題ではなくて、もうすでに文部省関係ではその法律かできております。女子教育職員の産前産後の休暇における学校教育の正常な実施の確保に関する法律、こういう法律があって、女子教育、職員については当然のこととして法の保護が与えられ、代替要員を求めることを命ぜられております。同じ婦人であって、しかも、学校に就職をするものはその産前産後の休暇が法によって守られておる、一方は窮屈な思いをしておらなければならぬ、こういうことでははなはだ不公平でもあると考えられますが、これらの点について労働大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、保健婦は、今厚生省の管轄でございますが、お話のような件につきまして当方と厚生省と話をいたしておりまして、ただいまできるだけそういう方向に持っていくようにやっておる、その程度の知識しか私持っておりませんが……。
○片岡文重君 所管が完全なこれは厚生省のものでありますから、立法の措置とか、あるいは善後措置とかについては、これは当然厚生省としてやっていただかなければならぬのですけれども、労働省の婦人労働者に対する監督といいましょうか、保護の立場からお考えになって、私は当然こういうものは法の保護を与えられてしかるべきではないか、こう考えるわけです。それで一つ労働省として厚生省に別に了解をせよと、積極的にどうせよということではないんですけれども、当然婦人労働者の保護の見地から労働省としても何らか考えられていいのではないかと考えますから、その御所見を伺っておるわけです。
○国務大臣(倉石忠雄君) ごもっともでございます。われわれもさように考えますので、努力をいたします。
○片岡文重君 なお、御質問申し上げたい点も二、三あるんですけれども、きょうは私はこれで取りやめさしていただきます。
○理事(木下友敬君) 本件に対する本日の質疑は、この程度といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(木下友敬君) 御異議ないと認めます。 本日は、これをもって散会いたします。 午後零時三十七分散会