建設委員会 第10号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/02/19
会議録
○委員長(早川愼一君) これより建設委員会を開会いたします。 まず、首都臓の既成市街地における工業等の制限に関する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○田中一君 これは、提案理由の説明だけ聞いておるので、一応逐条説明を聞いてみたいと思うのですがね。
○委員長(早川愼一君) それでは、本法案に対する一応の説明は聞きましたが、なお補足説明を政府委員からお願いいたします。 なお、本日の出席政府委員は、樺山事務局長、水野第一部長、石塚第二部長、以上の三氏であります。
○政府委員(樺山俊夫君) それでは、首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律案の逐条説明を申し上げます。 第一条は、目的を規定しておりまして、すでに提案理由説明の際申し上げた通りでございますので、説明を省略させていただきます。 第二条は、以下の条文に出て参ります「既成市街地」、「作業場」、「教室」、「制限施設」、「基準面積」及び「学校」の定義をいたしたものであります。 第一項は、既成市街地の定義でありますが、これは首都圏整備法第二条第三項の既成市街地の概念と同じものといたしております。すなわち、首都圏整備法第二条第三項におきましては、既成市街地とは「東京都及びこれと連接する枢要な部市を含む区域のうち、政令で定める市街地の区域」と定められております。この規定によりまして、東京都におきましては特別都市計画法第三条の規定により緑地地域として指定された区域を除いた二十三区の全域、武蔵野市及び三鷹市についてはその大部分の区域を、横浜市、川崎市及び川口市におきましてはその相当部分の区域を既成市街地と定めております。 第二項の「作業場」とは、物の加工業を含み、政令で定める業種に属するものを除いた製造業の用に供する工場の作業場をいうことといたしております。政令で除外する業種としては、新聞業、出版業、市乳製造業、製氷業、生コンクリート製造業等を予定しておりまして、住民の生活上、製品の性質上等により明らかに制限区域内に立地せざるを得ない業種にのみ限定していく考えであります。 第三項の「教室」とは、学校教育法第一条に規定する大学のうち政令で定める大学を除いたもの及び同法第八十三条第一項に規定する各種学校のうち政令で定める各棒学校を除いたものの教室をいうことといたしております。大学または各種学校のうち、主として制限区域内の住民を対象としているような施設、たとえば勤労者を対象とする夜間学校は政令で除外していきたいと考えております。また「教室」とは、いわゆる講義室をいうのでありまして、実習室、実験室等は除外しております。 第四項の「制限施設」とは、作業場または教室で、一の団地内にあるものの床面積の合計が次に御説明申し上げます基準面積以上のものをいうことといたしております。 第五項の「基準面積」とは、作業場につきましては、工場の種類に従って千六百平方メートル(約五百坪)以上で政令で定める面積とし、大学の教室につきましては二千平方メートル(約六百坪)、各種学校の教室につきましては千平方メートル(約三百坪)と規定したものであります。作業場につきましては、中小企業に与える影響を考慮いたしまして、作業場床面積千六百平方メートル(約五百坪)を最低基準とし、従業者百人程度以上の規模の工場を目安として、業種別に政令で基準面積を定めることといたしたのであります。また、大学及び各種学校につきましては、小規模のものは、主として制限区域内の住民の子弟を対象としたものでありますので、おおむね学生または生徒数が千人程度のものを制限の対象といたしまして基準面積を定めたものであります。 第三条は、工業等制限区域を規定いたしております。すなわち、前条で説明申し上げました既成市街地のうち、特に人口や産業の集中のはなはだしい東京都の特別区、武蔵野市及び三鷹市の区域を工業等制限区域といたしたのであります。また、東京都の特別区に属する海面坪立地については、真に工業の用に供されるものとして首都圏整備委員会、運輸省、その他関係行政庁が協議して定めた区域を政令で制限区域から除外したいと考えております。 第四条は、要許可行為となる「制限施設の新設」の内容を明確にするとともに、制限区域内においては、制限施設の新設を原則として禁止し、ただ例外的に東京都知事の許可を受けた場合にのみ新設しうる旨を規定したのであります。 制限施設の新設の内容としては、次の三つの場合に分けて考えております。すなわち、第一に、制限施設の新設としては、さら地にその作業場または教室が基準面積以上の工場または学校を新築する場合であり、本条第一項で「制限施設の新設」と言っているのは、この場合を指しているものであります。第二に、制限施設以外の施設、たとえば倉庫、事務所等の用途を変更したり、何らの用途に供されていない施設を利用して、基準面積以上の作業場または教室に使用しようとする場合も制限施設の新設とみなすものであります。第二項第一号で規定しておりますのは、このことをさしておるのであります。ただこの場合、以前に制限施設であったことがある施設については、それが現在他の用途に使用されていても、それを再び制限施設として使用することは許可を要しないことといたしました。これは、製造業につきましては、経済情勢の変動により、工場を長期間閉鎖し、またはこれを一時他の用途に転用した後、工場を再開するような事例も多く見られ、この場合一々工場の再開のたびごとに許可にかかわらしめる必要がないと考えたからであります。「制限施設の新設」の第三の場合といたしましては、最初に規模の小さな作業場または教室を作り、その後同一の団地内において逐次増設する場合、すなわち、作業場や教室を新築したり増築したり、または作業場や教室以外の施設の用途を変更したり、あるいは遊休施設を工場や学校に利用することによって作業場や教室の全体の床面積が基準面積以上のものになる場合も制限施設の新設とみなすことにいたしたのであります。第二号の規定は、この第三の場合を規定したものであります。 第五条は、第四条第一項ただし書きの許可を受けて制限施設を新設した者は、その後に行う増設については制限を受けないこととした規定であります。知事が制限施設の新設の許可をいたします場合には、あとで御説明いたします許可の基準に従って、真にやむを得ないもののみを許可することといたしておりますので、一度許可を受けた事業については、それがその後の情勢の変化に応じて増設せざるを得なくなる場合であっても再度の許可手続を省略することといたしたのであります。 第六条の規定は、一の地域が制限区域となった際等における経過措置であります。すなわち、この法律施行前からある既存の工場または学校や、工事中の工場または学校について、あるいは今後制限区域が拡張される場合に、既存の権益を保護する必要がありますので、本則にかかる措置を規定したものであります。 第一項の規定は、一の地域が制限区域となった際、現にその区域内において施行されている工事にかかる制限施設の新設については、許可を要しないこととしたものであります。制限区域となる前から遂行されていた工事につきましては、他の立法例にもならい、これを救済することといたしたのであります。 第二項の規定は、一の地域が制限区域となった際現に存した作業場または教室についての経過規定でありまして、既存の施設について制限を緩和しております。すなわち、第一に、作業場または教室について、その業種を変更することによって制限施設に該当することとなった場合は、許可を要しないこととしたものであります。また、これらの作業場または教室の用途を廃止した後、これをそのまま制限施設に該当する作業場または教室に利用いたします場合にも同様な取扱いをいたすこととしたものであります。第二に、一の地域が制限区域となった際における既存の作業場または教室を拡張して、同一団地内においてその床面積を増加させます場合には、もとからの作業場または教室の床面横は除外し、新規に増加させる部分のみが基準面積に達するまでは制限しないことといたしているのであります。これは第四条第二項の規定の特例であります。 第三項の規定は、一の地域が制限区域になった際現に工事中の作業場または教室につきましても、既存の作業場または教室と同様に、第二項の規定について述べましたような制限緩和の取扱いをしたものであります。また、一の地域が制限区域となった際何らの用途に供されていない施設であって、以前に製造業または学校の用に供されていたもの、たとえば、あき工場等につきましても同様の取扱いをしたものであります。 第四項の規定は、一の地域が制限区域となった際現にその区域内において作業場または教室を製造業または学校の用に供していた者の事業経営に与える影響を十分勘案いたしまして、その地域が制限区域となった日から起算して六カ月以内に知事に届け出た場合は、その団地内におけるその後の増設を制限しないことといたしたのであります。 第五項の規定は、一の地域が制限区域となった際作業場または教室について工事施行中のものにつきまして、前項と同様に取り扱ったものであります。 第六項の規定は、政令の改正により制限施設の範囲が変つた場合の経過措置であります。政令の改正により制限施設の範囲が変る場合としては、第二条第二項及び第三項の規定に基く政令が改正されて今まで制限施設でなかった工場、学校が制限施設となる場合、並びに第二条第五項の規定による作業場の基準面積を定める政令が改正された場合が考えられます。かような場合には前五項の規定に準じて必要なる経過措置を政令で定め、既存権益を保護することとしたのであります。 第七条は、許可の申請手続についての規定であります。申請書に記載すべき事項を第一項において規定いたしますとともに、制限施設にかかる敷地及び建築物の配置図、その他許可の基準に該当するかいなかを判断できるような資料を政令で定めて添付すべきものといたしたのであります。 第八条は、許可の基準を定めております。すなわち、知事は、第四条第一項ただし書きの許可の出講があったときは、次の各号の一に該当する場合でなければ許可をしてはならないこととしているのであります。第一号は、当該制限施設の新設が制限区域内における人口の増大をもたらすこととならないと認められるときであります。これはこの法律の目的から見て当然であり、たとえばすでに基準面積以上の作業場を設置していた者がこれを取りこわして他の場所に移転するような場合で、そのために従業員数が増加するものでない場合等がこれに該当すると考えております。第二号は、当該制限施設の新設によって、制限区域内における住民または他の事業者が、その生活上または事業経営上現に受けており、または将来受けるべき著しい不便が排除されると認められるときであります。これには主として制限区域の住民のために技術習得のための各種学校の新設がぜひとも必要である場合、制限区域内の既存工場のための維持補修の工場が必要な場合等も考えております。第三号は、制限区域外において申請者が当該申請にかかる事業を経営することが著しく困難であると認められるときであります。これには制限区域内にある親工場に主として依存し、制限区域外に立地することが著しく困雑な下請工場の新設等々考えております。第四号は、その他政令で定める場合に該当するときであります。これは、前三号に該当しないが、制限区域内に立地することがやむを得ないもの、たとえば既存の大学の学部、学科の増設等で、学生の利便等を考慮して必要やむを得ないものと認められる場合等を考えております。 第二項は、知事が処分をするに当って、産業政策及び文教政策との調整をはかり、処分の適正を期するため、申請にかかる製造業または学校を所管している関係行政機関の長の承認を受けることを規定したものであります。 第九条は、許可または届出の承継の規定であります。すなわち、制限施設の新設についてその許可を受けた場合、または一の地域が制限区域となった際現にその区域内において作業場もしくは教室をその事業の用に供している者が、知事に届出をした場合もしくは第六条第六項の規定に基く政令の規定による届出をした場合において、これらの施設を事業または学校の譲り受け、相続、合併等の包括承継により承継した者があるときは、その者が、その行為が行われ、またはその事実があったたときから六カ月以内に知事に届け出たときは、許可を受けまたは届出をした者の地位を承継することとしたのであります。 第十条は、許可の取り消しについての規定であります。第四条第一項ただし書きの規定によって制限施設の新設の許可を受けた者は、すみやかに工事に着手すべきものであることは当然でありまして、正当な理由がないのに一年以内に工事に着手しないときは、知事はその許可を取り消し得ることといたしたのであります。この場合におきまして、許可の場合と同様に、あらかじめ関係行政機関の長の承認を要するものといたしたのであります。 第十一条は、違反に対する措置に関する規定であります。本法制定の趣旨にかんがみまして、違反に対する措置としては、制限施設のうち基準面積を越える部分の使用制限命令を出し得るようにいたしたものであります。 十二条は、立ち入り検査に関し必要な規定を設けたものであります。すなわち、知事は、第六条第四項に規定しております届出があった場合、第六条第六項の規定に基く政令の規定による届出があった場合及び前条の規定によりまして違反に対する措置として制限施設の使用制限を命じようとする場合、以上の場合に限り、立ち入り検査を行うことができることとしたのであります。 第十三条は、聴聞の規定であります。すなわち知事が第十条第一項の規定または第十一条の規定によりまして、許可の取り消しまたは違反に対する措置を行おうとする場合に、事前に公開による聴聞を行うことを要する旨を定め、もって、これらの処分の公正を期し、関係者の権利、利益が不当に侵害されることのないようにいたしたのであります。 第十四条は、訴願の規定であります。すなわち本法の規定による知事の処分に対し不服のある者の救済措置といたしまして、この法律の主務大臣である内閣総理大臣に訴願を提起し得る道を開いたのであります。内閣総理大臣がこの訴願を裁決しようとするときは、首都圏整備委員会及びその他の関係行政機関の長の意見を聞かなければならないこととし、裁決の公正を期することといたしたのであります。 第十五条は、国に対する適用を明示した規定であります。国がみずから製造業の用に供するための工場の作業場または学校の教室を新設する場合も、国以外の者と同様に本法の適用を受けさせることは、この法律の目的に照らして当然でありまして、本条はこの旨を特に明確に規定したのであります。 第十六条は、他の関係法律の適用についての規定であります。第四条第一、項ただし書きの許可の対象となる制限施設の新設に関しましては、建築基準法、学校教育法、火薬類取締法等の他の法令において、本法とは別の観点から行政庁の許可認可等の処分を要ることとなっているものもあります。本条は、このような他の法令と本法とが併列的に適用されるものであることを法律上明確にしたものであります。 第十七条から第十九条までの規定は、本法の施行に関し必要な罰則を規定したものでありまして、他の法令の類似の規定の罰則と均衡をとって定められたものであります。 附則第二項は、本法の施行に関する事務を首都圏整備委員会事務局をして行わしめるため、首都圏整備法について所要の改正をなすものであります。 以上でございます。
○委員長(早川愼一君) それではこれから質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○田中一君 前国会で相当内容については質疑をいたしましたが、ことに、利害関係者並びに学識経験者の御意見を伺ったのでありましたけれども、これに対して政府は、参考人の意見に対してどういう見解を今日持たれているか。私が聞いた範囲では、自分の了解としては、すべて条件付き賛成というように見受けられたわけであります。従って、これに対する——大臣が来ればいいのですが、政務次官が来ていますね。
○政府委員(徳安實藏君) その問題は、私には関係がないのですが……。
○田中一君 それでは大臣が来てから質問します。
○秋山長造君 ちょっとお尋ねしますが、この法律は、ただ人口増大を防ぐということだけなのですか。
○政府委員(樺山俊夫君) 第一条に規定しておりますように、首都に対します人口と産業が過度に集中をいたしまして、首都としての機能が非常に低下をいたしておりますので、ただいまのお説のように人口の増大を抑制いたしますために、この法律をお願いしたわけでございます。
○秋山長造君 人口増大を防ぐということになりますと、ここには大規模な工場とか学校がその主たるものという規定がしてあるのですけれども、事実上そうでしょうかね。たとえば中小工場あたりなら、やはり工場ができればそれだけ人口も相当ふえるということがあり得るけれども、最近のようにオートメーションになってしまえば、これはもう大規模な工場ほど逆に人は余りふえない。むしろ総体的には従業員等は減っていくということじゃないかと思うのですね。学校は、それは確かに人がふえるけれども、私はむしろ東京なんかのような大都市の人口増加の原因というのは、工場とか学校とかというようなことではなくして、たとえば商業、あるいは今、丸の内から西銀座かいわいにやたらに建っているビルディングですね、いろいろなビルが、高層建築が続々と一切のあき地を埋めてしまって建っているわけですね。それから外堀を埋めて高速道路、いろいろ問題の多いあの高速道路ができて、これまた道路やらデパートやらわからないようなものがどんどんできて、そうしてやたらに西銀座かいわいがもう人の洪水で押し合っているような状態なんですがね。ああいうことこそ私は人口増大の一番大きな原因になっているのじゃないかと思うのです。そういうものを全然触れないで、ただ大規模な工場ということで、昔の常識なら、大規模な工場ができればそれだけ人口もふえるでしょうけれども、今の状態だったら、あるいは今後の見通しとしては、大規模な工場というものはますますかえって従業員数というものは少くて済む。従って人口増加というようなことにあまり関係がないのじゃないかと思うのですがね。その点はどうお考えになりますか。
○政府委員(樺山俊夫君) ただいまのお説にありました、大規模な工場はオートメーション化いたしまして、人数が少くなるという御意見は、一応ごもっともであると思います。ただ業種によりまして、オートメーションが非常に進んでおる業種もございますけれども、また他の業種におきましては、オートメーションによりまして人数を減していくことができない業種も相当あるように考えておるのでございます。 それから、東京の人口増大の原因についての御意見でございますが、お説のように、いわゆる中小商業でありますとか、あるいはまたサービス業でありますとか、そういうものによります人口増加も確かにございます。ただ現在までの統計で見ましたところによりますと、東京におきまする人口増加で一番大きな原因になっておりますものは、工業関係の従業者が一番その大きな部分を占めておるのであります。その次は学校の関係の転入者があるという統計が出ておるのであります。そういった意味から、その大きな原因になっておりますものの、できます工場あるいは学校のために入ってきます人口をとりあえず押えていくということで、まず第一段の目的を達成いたしたい、かように考えておるわけであります。 それから、この法律は、お説にありましたように、東京に入って参ります人口を抑制するのがおもな目的でございますけれども、私ども首都圏整備の考え方といたしましては、一面に東京に入って参ります人口を抑制いたしますと同時に、東京の周辺に工業を中心といたしました衛星都市を建設をいたしまして、そこに人口を吸収をし、また定着させるという方途とあわせてこの法律の実効を期していきたいというような考えで進んでおるのであります。
○秋山長造君 そういたしますと大規模な工場なり学校なりの新設を制限するという方法で人口の集中を食いとめていく、その限りにおいて食いとめていくということだけであって、それ以外のルートを通じて人口が集中するということはやむを得ぬでかまわぬのだ、こういう考え方に立っておられるのですか。
○政府委員(樺山俊夫君) 人口集中の原因は、先ほども申しましたようにいろいろな原因で入ってくるのでございまして都市生活を営みますためにどうしても必要な、あるいはサービス部門でありますとか病院の関係でありますとか、こういったもので、都市生活を営みます上にどうしても必要なものがあるわけでございます。こういったものを制限いたしますことは、いわゆる都市の機能を阻害するということにもなるわけでございます。そういった意味からその問題には手がつけられないというのが現状であると思います。従いまして、工場、学校等で必ずしも東京内に立地しなくてもいいものがあるわけでございます。そういったものをとりあえず第一段措置といたしまして対象としてそれによって人口を押えていくということを考えておるのでございます。 それで、先ほど申し上げましたように、人口の流入を防止します方法といたしまして、東京都の周辺に衛星都市を建設をいたしまして、そこに人口を吸収をいたしまして、それを定着させるという方途を目下鋭意育成をはかっておるような次第でございます。
○秋山長造君 そういたしますと、この法律は、人口の東京集中ということに対する抜本的な対策ということではなくして、抜本的な対策は、それはとても手がつかぬ、お手あげだ、まあしかしほうって置くわけにもいかぬから、気休め程度に少し隅の方をいじくってみようかという程度のものにすぎぬという感じを持つのですがね。同じやるならもう少し抜本的なものを考えてやったらどうですか。たとえば、それは外部から東京都に対する人口流入という問題もあるでしょうけれども、同時に、東京都内においても、丸の内から銀座かいわいのああいう中心地帯に対する人口の集中という問題もこれはゆるがせにできぬので、外から来るのはこういうことで多少ブレーキをかけるということになるかもしれぬが、しかしそれにしても、最近の西銀座辺の雑踏ぶりというものは、これは実にひどいですね。しかも、あれは堀でも今まで通りあったら、まだ多少気持だけでもあの辺にゆとりがあるでしょうけれども、もう堀もなくなったし、そして高速度道路などといってみたところで、これで一体あれは道路のために建ったのか、それとも新しく商店街を作るために道路という名前で許可をとって建ったやら、われわれは非常に大きな疑問を持っておるのですが、ああいう措置——とにかくあの中心部へますます人が集中して雑踏するようなことばかり手放しでやっておるのだから、工場だとか学校だとかいう程度のものをちょっといじくってみて、それで人口の集中を防ぐと言ってみたところで、私は無意味だとは言わぬけれども、あなた方の気休め程度の法律以外の何ものでもないと極言せざるを得ないのですがね。もう少し、やはり首都圏整備法か何か、その法律まであるのですから、こういうおざなりなものでなしに、もう少しやはり都市の人口集中を何とかするという抜本的な大きな方針というものを打ち出されたらどうですか。
○政府委員(樺山俊夫君) ただいまの御意見の中で、首都に対する人口の流入を防ぎますために、この程度の法律ではきわめて微温的なものではないかという御意見でございますが、お説のように、首都に対する人口の集中の原因は、いろいろな問題が、根本的な問題があると思います。従いまして、この法律によりまして抜本的にこの問題をすべて解決していくということにはならないのではないかというお説に対しましては、私どもも実は同感でございます。ただ、抜本的な方途はいろいろございますけれども、そしてまた、私どもといたしましても、できるだけそういった面に研究を進めましていかなければならないと思いますけれども、当面の実行可能な問題といたしまして、この法律によりまして、現在の東京に集中して参ります人口を幾らかでもとにかく防いでいくという意味合いで、数歩前進という意味で、一つこの法律の意味合いをおくみ取りをいただきたいと思うのでございます。 それから、東京の都内におきましても、中心のいわゆる都心部における混乱が非常なものであるという点は、全くお説の通りでございます。これらの問題に対しましては、都市整備という面から道路あるいは交通機関その他につきまして整備をしていかなければならない面もございますけれども、それ以外に都心の混乱をこれ以上助長いたしませんための方策といたしましても、お説のようないろいろな考え方をしていかなければならないと思います。たとえば池袋なり新宿、渋谷、五反田というような副都心の育成をいたしまして、都心に集中して参ります人口を副都心に引き寄せまして都心の混乱をできるだけ少くするというような方途も私どもといたしましては考えましてこれを実行に移していくように施策をいたしておるのでございます。
○秋山長造君 都心の人口集中あるいは交通機関の雑踏をこれ以上助長しないための努力をされているというお話ですが、まあ私らが見た感じは、これ以上助長せぬように努力されておるような跡は全然見えぬのです。ますます助長されておるのではないかと思う。たとえば、あの外堀を埋めて西銀座の百貨店街を作ったのは、あれはだれの責任ですか。ますます助長しているじゃないですか。それをあなた、おざなりなことを言って、ちっとも押えるどころではない、あなた方自身がますます助長していると思う。あの雑踏の一番大きい責任はやはりあなた方に私はあると思う。都知事もあるかもしれぬが、それを監督しておるのがあなた方だろうと思う。だから多少のきき目ある実行可能なというところから手をつけるということは、わからぬこともないけれども、実行可能なということはこの実効が伴わぬということであって——実効というのは実際の効果ですよ。実効が伴わぬということだと思うのですよ。だから、これはもう少し総合的抜本的な、同じ新しく立法をやられるならば、総合的抜本的な立法をやられるべきであるということと、同時に、ほんとうに都心に対する人口の集中を防ぐという気持が事実あるならば、今あの手放しでどんどん、かえって人口集中をますます助長されておるようなことを何とか中止をされたらどうですか。あの高速道路なんかを見ても、上り口もなければおり口もないようなところを、どうやって自動車が通るのですか。あれを道路だと思う人はありゃしませんよ。どんないなかの人が東京見物に来ても、あれは百質店ができたのだと思いますよ。あれが道路だとは思いやしません。それも、道幅だって広かったり狭かったり、あれでどうして自動車道路を作るのですか。私は、しろうと考えかもしれぬけれども、全く常識で判断できぬのです。あの高速道路あるいはあの商店街、さらに堀をどんどん埋めたりしたのはだれの責任ですか。または、あれを埋めなんだ場合と埋めた場合と、どっちが人口の集中を防ぐ効果があるかということを、私は率直に聞いてみたいと思うのです。
○政府委員(樺山俊夫君) 抜本的な人口集中を抑制いたします方法につきましては、お説の通りでございまして、私どもといたしましても、この点は、将来十分調査をいたしまして検討をいたさなければならない問題であると考えております。 それから、都心に集まってきたものを分散いたします方途といたしましては、私どもといたしましては、たとえば先ほど申しましたような方途によりまして、副都心を育成するというような方途で、都心に集まってきますものを極力防ぐという方法を講じておるのでございますけれども、お説のように、都心部に集まって参ります勢いは非常なものでございまして、かたがた、私どもの努力も必ずしも十分でない点がございまして、その勢いを完全に防ぎとめるということはなかなか困難なわけでございます。しかしながら、それにもかかわりませず、お説のように、都心に対します集中の勢いを何とか食いとめていくという方途を、今後とも私どもは十分努力をいたさなければならない、かように考えております。
○秋山長造君 それは、おざなりの、ただ答弁のための答弁ですよ。努力をするといったところで、逆な努力をしていて、それを食いとめる努力をしていなければ、何ら将来こうするということはできっこないのです。これは、政府も東京都庁も、寄ってたかって、一致協力して、ますます人口を集中させ、雑踏させ、あの辺を混み入らすような努力をやっておられるからできぬので、それを将来調査して食いとめるなんて、そんなことをただ言うてみるだけで——調査なんということは、すでにできているはずですよ。ああいうことをして、それが一体人口の集中になるか、雑踏になるか、それとも、それを押えることに役立つのかどうかということは、すでに三十一年に首都圏整備法というものができて、そうして整備委員会もできているわけですから、その出時すでにそのくらいのことはわかっておって、専門家も集まっておられることだから、見通しも立っておるはずだが、それを手放しで、逆にどんどんやらして、また助長するようなことをやらしておいて、それを食いとめる道を将来考えるといったって、それはただ言うてみるだけで、ちっともきき目はありゃしませんよ。だから、何かこれを、ほんとうに人口が都心に集中し、都心がこれ以上雑踏しない手を打たなければならぬというお考えならば、これは将来調査して考えるというようなことでなしに、もう考えははっきりしておるわけで、やる気があるかないかということなんで、やる気があるならば、直ちに何か抜本的な手を打たれたらどうですか。高速通路の、あの西銀座のデパート街の工事をもうこれで打ち切るとか、何かそういうことをやられたらどうですか。これは建設次官どうですか。まあ所管外とおっしゃっても、やはり大臣の責任で、あなたは大臣を補佐しておられるのだから、何か一言あってしかるべきだと思う。
○政府委員(徳安實藏君) 首都圏の方の関係につきましては、一応私どもの方の関係でございませんものでございますから、これから大臣に次官から御説明申し上げますが、ただいまお話しになりました数寄屋橋のところの高速道路、下の方に店舗ができておりますが、この問題につきましては、昨日も衆議院の方の委員会で非常にやかましい問題になりましてただいま調査をいたしているわけでございます。 実はこの問題は、私が就任しない三、四年前からやかましい問題でありまして、衆議院では委員会で相当に御研究にもなり、究明なされた事件だそうであります。しかし、まだ結論が、どうにも建設省として手の下しようがなかったような法の盲点をついた案件らしゆうございまして、私どもうわさは聞いておりましたが、そうした問題の実態について詳しく内容を承知いたしておりませんので、ただいまもう一ぺん重ねてこれを掘り返して、どういう問題になりつつあるか、きのうからそうした問題に対する調査を開始しているような次第でありまして、非常に怠慢のようではございますけれども、過去のいきさつ等を聞いてみますと、非常に法の盲点がございまして、その結果、建設省でも手の下しようがなかったということが結局委員会でもずいぶん追及になり、また、つるし上げられるし、また、いろいろな関係者を呼んで究明されたようでありますが、過去において結局どうにもならなかったといういきさつがあるそうでありまして、これから、どういう経過になっておりますか、これも一ぺん調査すると同時に、今その当時の関係者はみんな役所におりませんが、これをもう一ぺん掘り下げて究明しよう、そうして善後措置等も、法に盲点がございましたら、これも一つ研究しようということで資料を衆議院の方に至急に出すことになりましたから、いずれ参議院の方にも御要望がありますれば、そうしたものに対する資料も出しまして、そうして御研究を願い、また私の方の役所でも、その点につきましては、世間からひんしゅくをかっている問題でありますから、何とか処置をとりたいと、かように考えております。従って、内容については御説明申し上げ得る資料が整うまでお待ち願いたいと思います。
○秋山長造君 資料をいただいて、また質問してもいいのですが、ただ三、四年前から問題になってしかも、当時法の盲点をついてやったということがわかっておれば、もし建設省の方でそういうことがよくないと考えるならば、どういう盲点か知らぬが、すでにそういう盲点を穴埋めされる法律改正をやられなければおかしいのに、それを当時盲点だから仕方がないということでほっぽって置いて、今、質問が出たから、あらためて調査して云々ということは、これはどうも、徳安さんには責任がないかもしれぬが、全く国民としてこれは腑に落ちぬ話だと思います。それで、なんだかんだと言って問題にされながらも、既成事実としてどんどん進んでいるのでありますから、これは一日々々進んでいるのでありますから、ただ、全く困った、仕方がないということでほうって置くということはどうですかね。
○政府委員(徳安實藏君) ごもっともだと思うのです。しかし、政府の方でもその当時研究したようですが、その欠陥を穴埋めする措置をとらなかったということは、どういう経過になっておりますか、ただいま調査しておりますから、明細にそうした点もお示しできると思いますが、盲点と申しましても、結局権限が、だんだん、せんじ詰めてみますと都にあった、都に移譲された権限を悪用されたということで、それを建設大臣なり監督官庁——政府の方で食いとめるような処置の法的根拠がなかったというようなことをいわれているようでありまして、そうして都の方でもだいぶ呼びかけて、委員会でも御究明になったそうでありますけれども、その当時、許可したときの条件と結果とは違うんではないかというような点について強く究明されたそうでございます。しかし知事の方では、最初のときはそうであったが、その後、都議会の承認を得て、そうして合法的な手続でしたというようなことも言っているそうでございまして、その決議録もとってみなければわかりませんが、問題が都知事の権限に移り、あるいは都議会の関係にあるというようなことについて、措置するような法的根拠が建設省にないというようなことでありまして、これはいろいろ憲法の問題なり自治法との関係がございまして、盲点と申しましても、簡単に片づけることができない盲点らしく見受けられるのであります。そこにいろいろ、究明はしながらも議員立法にもならず、政府の方もやむを得なかったという結果になっているように思いますので、これは私どもの方でも取り上げることと思いますが、各党でも一つ御研究願いまして、そうして政府も研究をいたしまして、努力はいたしますが、議員の各位におかれましても、議員立法でもけっこうでございますから、そうした問題の盲点を根本的に解決するというようなことを一つ御研究願いたい。決して政府が卑怯なわけではございませんけれども、なかなか憲法の問題とか、ほかの法律との関係がございまして容易にこの盲点を根本的に解決することができなかったような事態に——これは抽象的のようでございますけれども、ただいまきておるわけでございまして、その点につきましては一つ詳しく内容を見きわめまして、調査資料を提出いたしますから、それで一つ御論議をいただくようにお願いいたしたいと思います。
○秋山長造君 建設省としては、あるいは建設大臣としては、ああいうことはいいことだと、まあ法律上どうこうは別として、いいことか、それとも悪いことか、どっちだと思っておられるのですか。
○政府委員(徳安實藏君) 結果から見ますというと、世間が非難しておりますように、私ども決していいことだと思っておりません。
○秋山長造君 そこで、そちらにお尋ねしますが、今、高速道路について政務次官からよくないという見解が述べられたのですが、そうするとあなた方は、やはり首都圏を整備していくための直接の責任を持っておられると思うのですが、で、あれに対してどういう手をお打ちに今までなったのか、また、今どういう手をお打ちになろうとしておられるのか。それからまた、人口の都心地区べの集中ということを食いとめるためにも、また、これ以上の交通地獄を緩和していくためにも、そういう手を打つことが必要だと思っておられるのか、それとも手放しでほうっておかれようとするのか、その点の一つ御方針をはっきり伺わせていただきたい。
○政府委員(樺山俊夫君) 都心に対します人口の混雑を防止します問題は、実は先ほど申しましたように、私どもの方で考えておりますのは、副都心を整備いたしまして、都心に入ってくるものをそこで極力押えるということで、これは従来その方針でいろいろ施策を進めてきているのでございまして、お説のように都心に対する混雑は非常なものでございまして、これは何としても食いとめる方途を考えていかなければなりません。その一環といたしまして私ども有力な方途といたしまして、副都心を強化いたしまして、それに諸施設を完備していく、こういう方向で従来ともやってきておりますし、今後さらに一そうこの点には力を入れて参らなければいけない、かように考えております。
○秋山長造君 いや、従来とも努力してきたとおっしゃるのですけれども、それはさっきから私しつっこく言うように、努力したと思えぬと思うのですよ。むしろ逆に、ますます都心に人口が集中し、ますます交通が、雑踏がひどくなるような傾向をあなた方自身が助長しておられるのではないかと思うのです。それで、その一つの例として、あの堀を埋め立てて、あんな商店街を作ったということを言っているだけで、何もそれだけにとどまらぬのですけれどもね。で、これは都心への集中を食いとめて、副都心を助長していくというなら、副都心を助長していくということはわかりますが、都心への集中ということを、あらゆる手を打って食いとめなきゃならぬのに、食いとめるどころじゃない、ますます拍車をかけるようなことばかりやっておられてそれで都心へ集中することを食いとめるべく努力してきたと言っても、それは納得ができませんよ。私だけでなく、だれも納得できぬ。あなた自身も納得できぬだろうと思う。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)これはだれが考えましても、去年の今日と、それからことしの今日と、あすこのあの一帯に行ってみて、これはもう見違えるほど集中してきたという感じを持たぬ者はありませんよ。これはそういうことをほうっておいて、ほうっておくばかりじゃない、それを事実上助長するようなことをやっておいて、それでこれを食いとめるべく努力もしてきたし、今後も努力すると言うても、それはだれもあなた、そんなことを納得できるものじゃない。 それからもう一つ、丸の内辺に、もうビル・ラッシュといわれるほどやたらにビルがどんどん建っているというようなことも、あれはただ、まああの高層建築がよけいできれば外国人が来て、なるほど東京はりっぱだと思ってくれるから、手放しでやっておられるのだろうか知らぬけれども、やはり都市集中という、人口の都心集中というような面から考えれば、ビルなんかどんどんあの辺の一カ所に固まって、軒並みにこれができれば、それはそれだけ人口は集中し、雑踏することはもうわかり切った話です。それは少々の工場なんかができるよりも、それはビル一つ建てた方がよほど人口は集中しますよ。だから、そういうことに対して、もう手放しで、ビルを幾らでもお建てなさい、幾らでも融資して上げますという方針でいかれるのか。それとも、ビルなんかについても、やはり人口集中を食いとめるという面から、何らかのブレーキをかけていかれるのかですね、そこらをはっきりしていただきたいと思うのです。で、まあここの法案にも、大規模な工場、大学、その他人口の増大をもたらす原因となるような施設ということで、まあ工場とか大学とかいうものだけでなしに、その他あらゆる意味において人口集中をもたらす施設というように、これは解釈できぬこともないような文句が使ってあるのですが、だからそこらで何とか、ビルなんかあの狭い地域へやたらにどんどん建てたり、また、やたらにあの商店街が次から次へ狭いところへ押し合いへし合いしてできたりするような傾向というものは、やはりこういう法律を作る以上は、こういうもので何らかの面から——これは全面的にこれを規制できぬにしても、少しでもやはり規制していくというくらいなことを考えられなきゃ、私はもう率直に言って、こういう法律は何ら焼石に水というようなものだろうと思うのです。
○政府委員(水野忠君) ただいまの御意見、ごもっともでございまして、都心集中を防止するという御意見に対しましては、私ども全く同感でございまして、私どもの方におきましても、都心集中を防止するために、たとえば御例示にございましたようなビルの建築を規制するとか、いろいろな法はあろうかと思いますが、そういう点もいろいろ研究してみたのでございますが、実際問題としてそれを実施に移すということはなかなか困難なことでございますし、そこで私どもといたしましては、一つ、先ほど御答弁申し上げましたように、副都心を強化いたしまして、副都心に環境のいい、健全なビジネス・センターを作る、そうして都心に作るよりは副都心にそのビルなり健全な事務所が集まるようにする。そういうようなことを一つ大きな都市改造事業としてとりあえずやる。そういうようなことをまず第一にやるのが至当ではないか、というようなことを私どもとしては考えまして、とりあえずその第一着手として、ただいま構想を練って近く実施に移したいと思っているのでございますが、これは新宿の副都心の強化の問題でございます。新宿におきましては御承知のように淀橋浄水場という、ああいう便利な場所になくてもいい施設がございます。あれを別途郊外地帯に移転をいたしまして、その跡地約十万坪ございますが、この十万坪に第二、第三の丸ビル街を作り、そして都心へ行かないで、新宿という所に環境のいい健全な業務街ができ上る、こういうような方途を一つぜひ講じていきたい、いろいろ具体案をただいま練っておりまして、近く何らかの具体策が打ち出せるのではないかというふうに考えております。そういうような新宿、それに引き続いて池袋、五反田、そういうような問題も引き続いて起ってくると思うのでございます。まあそういうような方向で、ただいま私どもはそういう都心集中を防止する一つの施策を講じつつある、こういうようなつもりでただいまのような答弁を申し上げた次第でございます。
○委員長(早川愼一君) 先ほど田中君の質問がありまして保留になっておりますが、委員長がお見えになりましたから御質問願います。
○田中一君 この法律は前国会で相当激しい論議があったのでありましたけれども、中でわれわれ参考人から聞いた意見を非常に妥当なるものであると見ているわけです。大体条件付き賛成という形のものなんです。まああってもなくてもいいけれども、まああってもいいだろうというような程度のものにすぎないと思うのです。そこでこういう批評というか、批判あるいは意見をお聞きになった政府としては、この法律の実施に当って覚悟のほどを一つ聞きたいと思うのです。われわれが審議の過程においても申し上げたことは、全くの、ざる法であるということです、実効がないということですね。しかしまあないよりいいであろうという程度のものなんです。いろいろ条文をごらんになると、こうするんだといってすぐに翻った除外例を設けるような作例になっている、全部が。むろん既得権というものは擁護しなければなりませんが、一つの決意をもって国民生活あるいは公共的な立場から法の実施をするという場合には、勇気が必要なんです。一応これはやってみるけれども、やってみた結果実効がないとわかったら、これは相当委員長としても考えなければならぬと思うのです。ただ残念ながら首都圏整備委員会というものは単なるプラン・メーカーであって、あっちの役所からつつかれ、こっちの役所からつつかれ、おのおのの所管する行政官庁の立場から主張するから、こういうことになると思うのです。ほんとうに首都圏整備委員会というものが自分の力を発揮しようとするならば、まず第一に事業費をチェックするような権限を持つこと、計画そのもの、プランだけでなくして、それに事業を遂行するための事業費というものを委員会が持たなければならぬのです。そうすればほんとうの国民が求められるような形の法律ができ上ると思うのです。そういう点について首都圏整備委員会の委員長としての遠藤さんから、この法律実施に当ってどういう態度で臨むかという点についての答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(遠藤三郎君) 田中委員からのお尋ねでありますが、私はこの法律につきまして非常になまぬるい法律であって、万全の効果をとうていこれは期し得られないということをよく承知しております。しかし首都圏の問題は、ただいまも御発言がありましたように、いろいろな既得権あるいはいろいろな建前からの主張等ががんじがらめになっておりまして、なかなか困難であります。この法律を出すについても、法律案をまとめるにつきましても、関係各省との間に激論をやってきておるわけであります。私自身閣議で相当関係大臣と何を言っているかというような調子で議論をして、ようやくここまでまとめてきたような実情でございます。それで、しからばこれをやめるかといいますと、これはやむべきではない、これはやっぱり一歩の前進であるので、だんだんこれを積み重ねていかなければならぬということで、少しでも前進をしていきたいと考えて、この法案を出しているようなわけであります。先ほど秋山委員からもお尋ねがありましたけれども、私全く同感であります。今のような及び腰の態度でやって参りますと、これは首都圏問題というものは非常に解決しない、大いに勇気を出して前進をしなければならぬときがきているのじゃないか、その前程として一歩の前進をしていこうというのがこの法律案でございます。公聴会における各委員の意見も私はよく承知しております。これらの意見は一々ごもっともな意見でございまして、今後これは十分に留意し、たとえば衛星都市育成を早くやらなければならぬというような問題は全く同感でありますし、われわれもその考えでありますので、これらの意見をそれぞれ生かして、そうして今後抜本的な方策を進める基礎にして参りたい、こう考えております。それには私は世論的な大きなバツクも必要であろうと思いますので、もう少し私の方でもこの法律案を通したあとで、PRを大いにやって、このままにしておいたならば、首都圏はもう人口が過度に集中いたしまして、むしろ弊害の面ばかり出てくるような好ましからざる都市ができ上ってしまうことをよく周知徹底をして参りまして、そうして首都圏のあるべき姿というものはこういうものであるということで、内閣としてもその決意をして強く進まなければならぬのじゃないかと思っております。しかし一挙にそれもできませんので、御指摘のように、はなはだなまぬるいことではありますけれども、あまりに目立つ、たとえば学校とかあるいは大きな工場なんかの制限から着手をしていこう、こういう考えでおりますことをよろしく御承知置き願いたいと思います。
○田中一君 問題は首都圏の問題じゃないのです。私は個人的にいうなら首都圏なんという計画は反対です。国の経済がある一つの計画性を持ったものにならなければ、都市というものの変貌というものは、常に自由経済のしわ寄せといいますか、結論といいますかというもので変ってくるわけです、なんでもございません、こんなものは。東京都を縮めようとするならば、まず役所を全部どっかへ移せば相当な激減があり得るのです。であるから首都圏をどうするとかいうことは問題じゃなくて、日本の経済というものが計画経済に移るか、あるいは現在のままの自由経済で進んでいくかということなんです。もうかればどんな産業でも起きるんです。損をすれば潤えていくんです。従って、根本的な国の政策というものがほんとうに確立すれば、首都圏の区域の問題、地域の問題でなくして、どうにでもなると思うんです。従って産業の計画性というものが確立しなければ何にもならぬのだということは、私はいつも言っていることなんです。もし、しいて言うならば、社会増が二十数万なんといっておりますけれども、もっと周辺に産業を起して、それらの失業者というものを吸収するような新工場こそ必要だと思うんです。社会増というものは浮浪者なんです。政治の貧困から生まれるものなんです。求めて地方の次男、三男が流れてくるんじゃないんです、都市では、かっぱらいしたって食えるんです、ごみ箱をあさっても食えるんです。こういう貧困な政治がもたらすところの結論が社会増ということになって現われてくるのです。学校や工場の問題じゃなくて、これは政治の問題だと私はそう考えておるんです。で、そういう点について、根本的に政策の違っておる現在の政府の政策と、われわれとは平行線でございますから、これ以上は質疑はいたしませんけれども、こうした法律を作るよりも、よい政治をすることが一番大事であるということを申し上げておきます。これで私は質疑をやめます。
○秋山長造君 大臣へあらためてお伺いします。先ほど事務局長にいろいろ御心への人口集中に対する対策の問題について質問してきたんですが、結局、私の受けた印象としては、机の上ではいろいろ考えられておられるようですけれども、事実はこれは皆さんの意向とは全く逆に、ますます都心に人口を引きつけ、殺到させ、集中させるように進んでおるということは、これは事実なんです。従ってこれに対して抜本的な手をお打ちになる必要があるということも、結論として当然出てくると思うんですが、それに対して一体、大臣は何とかしなきゃならぬというようなことでなしに、具体的にどうされるというおつもりであるのか。特にその一つの例として、問題のあの有楽町の所の高速道路ですね、道路というよりもこれは商店街ですが、これをどうするかという問題ですが、政務次官の御答弁によると、これははなはだ遺憾に考えておる、いいとは思っておらぬというお答えなんですが、大臣が最高責任者だと思うんですが、あれをどうなさるおつもりですか、端的に一つお答え願いたいと思います。
○国務大臣(遠藤三郎君) 首都への人口の集中の問題については、ただいま提案しておりますこの法案では、とうていその抜本的な解決はできないということは私も承知しております。しかしこの問題は相当決意をして思い切った対策を講ずる必要があると思っております。根本的にいろんな問題を考えていかなければならぬ段階に来ておる、こう思うわけであります。特にあそこの新橋あたりの高架道の下部を商店に使っておる問題については、私も非常にあれは遺憾に思います。ただ、もう何年前ですか詳しい数字や年月は私忘れましたですが、非常に古い問題になっておりまして、あれを東京都で河川の埋め立ての許可をいたしまして、そうしてあそこに道路を作って、そうしてその下は商店に使わせるなり駐車場にするなり、そこは自由な形になっておったらしいのです。しかしこの問題は現在におきましては、まだ、一番ねらっておった道路が道路の役をなしておらないような状況であります。当初の目的は道路を作るということであったのですけれども、道路よりもむしろ先に辰ができてしまって、そっちの方が繁昌しておるというようなことで、道路はなかなか進んでおらないようなことであります。これは建設省としても非常に責任を感ずる問題であります。すみやかに当初の計画通り道路を完成をさせるということを督励しなければならぬと思いまして、昨年の秋ごろから私は東京都の当局に反省を促し、すみやかに道路の目的を達するように、役に立つような道路にするようにということを急ぐことを命じておったのであります。あそこのちょうど数寄屋橋の手前の朝日新聞の前の所のガードは、最近できたようでありますけれども、あれはできてもまだ道路として役に立たない、今、駐車場のようなことに使っておるようであります。すみやかに道路を道路として役に立つようなものにさせることを一つ急がせたいと思います。そうしてその道路の下の使い方については、すでにその権利関係ががんじがらめにきまっておるらしいのですけれども、公正にあれを使用させるなら使用させるということで、ガラス張りで何人も納得ができるような方法をもって処理する、こういうことに指導をしていきたいと思っております。
○秋山長造君 大臣もきわめて遺憾だという意見を表明されたのですから、やはり権限を持たれた当局としては、これを何とか目に見えた手を打たれるという責任があると思うのです。で今、大臣がおっしゃる通り、あのいきさつを調べてみますと、さっきの政務次官の言葉の通り、法の盲点をついたというかきわめて巧妙な手口で、もう初めから計画的にやっているんですね。道路ということはただうわべの看板であって、やはり今のような形を初めから計画的にやっておる。しかも東京都もまたそれを知りながら計画的にこれと共謀してやっておる、共謀という言葉はちょっと語弊がありますけれども、東京都もそれを知りながらやつているということは、これはもう否定できぬと思うのです。で、そういうきわめて悪らつな計画的な脱法行為をやって、しかも、その会社の重役なんかというのを調べてみると、会長は原邦造、重役は後藤隆之助、大倉喜七郎、石坂泰三、藤山愛一郎というような財界のお歴々がずらっと名前を連ねている、これは実にけしからぬと思うのですよ。これは東京都民をばかにしている、実際なめていると思うのです。それをこの東京のどまん中で堂々と大手を振ってやらしておいて、それで学校を制限するとか工場がどうとかいうような、そんなちゃちなことでは、それはとても人口集中だとか雑踏の緩和とかというようなことには、これは薬にしたくもならないようなことだと思うのです。これは都民はみんな言っておりますけれども、さらにこういう法律を出すんだというような詳しいことを聞いたら、何をとぼけたことをやっているんだ、あれはどうするんだ、こう言うと思う。だからあの高速道路の問題は、私はあらためてもう一日でも二日でも費して徹底的に究明しなければいかぬと思う。そして建設大臣におかれても、一つ、今おっしゃった言葉の通り、これは何とか目に見える対策を早急に講じていただきたいと思うのです。ああいうことは実際あれを野放しで放っておいて、しかもあれで全くぼろもうけをしているのですから、ぬれ手でアワをつかむよりもっとひどい、白昼公然と東京のどまん中で、しかも東京都と結託してやらしているというようなことは、それは政府も結託しているといわれても私は反駁できぬと思うのですよ。少くも首都圏整備というような大きな建前でやっておられる政府としてはね。ぜひこれははっきりしていただきたい、特にお願いしておきます。
○重盛壽治君 今の高速道路の問題は別の機会にもっと基本的にお尋ねしたいし、要求したいと思うこともありますから、これは留保しておきます。ただ一言言っておきますが、今秋山委員の言われるように、あの高速道路の下に商店ができるようにあなたは答弁しておるが、そうではなかった。やっぱり高速道路は自動車を走らせる道路を作って交通の緩和をすることが第一、従ってその下は何になるか、倉庫とかガレージにするということが基本的になっていたはずで、それがもし建設省あたりの監督で、あなたの考えも下は商店にするのだという考えを持っているとすると、やはり交通緩和の点からも、あるいは都心地を整備する、という考え方から相当計画が違ってくると思うのです。私は至急に御研究を願っておきたい。別の機会に端本的な御質問を申し上げますが、この今上程されておる本法案の既成市街地の人口を抑制しようというこの案と、首都圏が出しておるこの案と、建設省との関連性ですね、これをちょっと一つ大臣に聞いておきたいと思う。建設省はどういうこれに対する関係があるのかないのか。
○国務大臣(遠藤三郎君) この案については建設省と密接な連絡をとりまして、建設省としては首都圏委員会がやっております事業を、一体になって推進をするという態度でやっておるのであります。
○重盛壽治君 推進しようという考え方はあるが、具体的にどういう面で協力するかという点と、責任の点がないわけですね。たとえば知事が知事の権限の条項内で許可をしようとするときに、その上の機関ということになると、文部省と通産省というようなことになってくるが、建設省の監督権とかいうものはどういうふうにあるのか、その点を一つ。
○政府委員(樺山俊夫君) 知事の許可をいたします場合につきましては、それの国の監督機関といたしましては内閣総理大臣が当っております。
○重盛壽治君 言葉じりをとらえるわけではないが、さっき建設次官がきて、次官に聞いたらその方は私は関係がないからと、こういう程度の、私は非常に関係の深い建設省が、その方の法律は何か首都圏審議会とかいう方でやっているので、私の方とは関係のないことなんだから、こういうもし感覚であるとするならば、こんな法律を作っても、やはりむしろ、この法律は一応首都圏整備委員会が作っても、建設省も運輸省も、通産省も、さっき内閣総理大臣がやるといったが、ほんとうに内閣総理大臣がみずからやる気魂を持たなければ、こんな仕事はできません。総合的にやる仕事でなければ、首都圏審議会というものが、せっかく法律にできたのだから、あれに何かやらしておかなければなるまい、そんなことでこんなものを作るならやらない方がいい。別の角度でほんとうに総合施策を内閣総理大臣が考えて、従ってこれに私はもう少し首都圏審議会というものが、言いかえるならば遠藤建設大臣が、もっと力をもってこれをやろうという決意がなければ、紙に書いた法律を作っても何の裏付けもないものを作っているにすぎない、審議をするというにはむだじゃないか。局長は数歩前進したというが、そんなものは半歩前進しているかどうか、なきにまさるというそういう程度です。私はそういうふうに考えます。この点の考え方をやはり建設大臣あたりが踏み切って、東京都、首都圏というより、ほんとうに政治の中心である東京都を、都知事の権限というより国の権限で、もっと作り上げるということでなければ、あの雑踏の姿というものは少くとも国際的な都市とはいわれません。国際的に最も雑踏した、最もきたない都市であるということはいわれますけれども、りっぱな東京都だということはいえない姿だと思う。そういうことはどこからきておるのかというと、やっぱり私は一緒になっておやりになっているとまでは言いませんけれども、政府が東京都を、ほんとうに政治の中心地の首都を作っているという熱意に欠けている。ああいう雑踏の姿、ああいう高架道路を作らして、自動車の走らぬものを作って、こんどは東京都が何か仕事をしよう、どんどん地下鉄を推進しようとすると、その場所を出すどころではない、交付金を出すどころではない、起債のワクさえ希望通りにならぬというような、こういう状態では、なかなか首都圏の審議も、東京都の建設もできないと思う。ここらをもう少し建設大臣あたりが率先してほんとうに内閣総理大臣が持つなら、その力をフルに使ってやっていくように、私は進めてもらいたいと思う。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまのお尋ねの点はごもっともでございます。私はそういうつもりで実はやっておったのでございます。首都圏整備委員会と建設省というものは私は一体に思っておりました。今回の首都高速道路の計画の内容も、首都圏の計画を基礎にしまして、それをすぐ建設省では受けて、首都圏の道路整備計画を進めておるというふうに、すべて一体にやっておるつもりであります。ここにいらっしゃる政務次官も、首都圏整備の次官ではないのでありますけれども、建設政務次官も首都圏の仕事を一緒にやっている、そういう考えでおりますから、一つ御了承いただきたいと思います。しかも総理大臣という言葉が出ておりましたけれども、あれは総理大臣でなくて、私は建設大臣というふうに読みかえていかなければならぬ問題だぐらいに思っております。首都圏整備の問題は各省にも関係はありますけれども、やっぱり一番関係の深いのは建設省でありますから、そういう意味で、建設大臣が当然に首都圏の委員長を兼ねるという、そういう建前にもなっているわけであります。 御指摘の点は、なお私どもも一そうはっきりそれを考えて、大いに熱を入れてやっていきたいと思っております。
○重盛壽治君 そうすると、今のような問題は別におそらく高速道路法というものが出ようし、いろいろなものが出ると思いますが、そういうものの審議の過程を通じて、建設大臣の意見を聞く、従って私は時間がありませんから、この法案の細部にわたってのことは申し上げませんが、四、五カ所聞いておきたいと思うことは、先ほどから言うように、まあないよりましだ、数歩前進じゃない、数歩というのはずいぶん価値のあることでありますから、半歩前進だという程度のもので、もっと露骨に言えば、今うろたえて作らぬでもいいのではないか。しかしせっかく首都圏ができたから、その首都圏の仕事として作らなければいかぬということなら、半歩前進だという意味で私はお聞きするのですが、あの法案を作って、人口の抑制の効果は、今までの僕の知っている範囲においては二万数千人だ、このように聞いておりますが、そのうち学生は千人弱だということを聞いていますが、その点を一つお聞きしたい。
○政府委員(水野忠君) この法律に基く制限効果の問題でございますが、今御指摘がございましたように二万四千人ないし二万五千人、その程度に一応直接効果といたしましては考えておるわけでございますが、ただ、この法律を手がかりといたしまして、できるだけ工場の新増設は行政指導により押えまして、市街地開発区域、いわゆる工業衛星都市の方に立地していただくように勧奨していきたいと思っております。そういうことを考えますと、今申しました数字よりも相当効果が出てくるのではないかというふうに考えておるわけであります。 それから二万四千人ないし五千人の制限効果の中で、学校関係でございますが、学校関係は過去五カ年間の数字をもとにいたしまして計算をいたしますと、約千人程度の効果でございますが、ただ御承知のように、学校につきましては大規模な大学が一校新設されるというようなことになりますと、それによりましてまた相当な人口増が出て参りますので、ただ機械的に過去五カ年間の平均をとって計算いたしますと千人程度にすぎないのでございますが、この法律を制定しないで、大きな大学が一校でも新設されるというようなことになりますと、相当な人口増が出て参りますので、そういうことが防止されると考えますので、一応数字は少いのでございますが、これは統計的な数字によった結果でございまして、相当なやはり効果があるというふうに考えておる次第でございます。
○重盛壽治君 首都圏の土地内での人口抑制の措置としては、私は一応うなずかれるが、実際の人口抑制ということになりますと浮浪児をなくす、失業者をなくすということの方がどれほど人口が抑制されるかわからぬと思いますが、これこそ若干管轄外だという答弁になると思いますが、ただ御承知のように東京都は最近では二十数万人ずつ一年にふえていきますね、その一割にも足らない法律を作り、しかもかなり無理なことをやっていって、その効果がどういう関係になるかということが一つと、さらに学生が大体千人くらいとするならば、いっそ学校なんかはこの際除外した方がいいのではないか。これはまあ今あなたの言われたこともうなずかれるが、千人くらいなことでいろいろな手続をし、いろいろな複雑な問題を起しながらやることの方がいいのか悪いのかということが一つと。それからもう一つ、学校については、学校の許可の申請は、この第七条で建築前にすることになっている。建築前に許可をすることになる。今度文部省べ行って許可申請をするのは、建築物が完成されたとき、あるいは完成に近いときにやるというようなことになっているのですね。そういうような事務的な問題のギャップはどこで調整していくのですか、一応お聞きしておきたい。
○政府委員(水野忠君) ただいまの御質問でございますが、第一の制限効果に関連しての問題といたしましては、確かに二万四、五千人というような制限効果でございますので、二十数万人という、これは——大部分社会増でございますが、その数字と人口増加と比較いたしますと、その割合は低いのでございますが、先ほども申し上げました通りに、この法律を手がかりとして、工業衛星都市へ立地していただくようにいろいろ指導勧奨する、こういう私は大きな効果があるのではないかというふうに考えておりまして、この法律をやはり手がかりにしてそういう行政指導ができる、そこに大きな意義を考えておるのでございます。 それから大学関係も今御指摘がございましたように、また先ほども御答弁申し上げました通りに千人程度でございますが、これも過去五カ年間を平均いたしますのでこういう数字になるわけでございまして、一つの大きな大学が新設されるというようなことになりますと、学生数の当然の増加のみならず、これに伴いまして第三次産業が相当ふえて参りますので、これはもうばかにできない人口増になるのでございます。そういうものをやはりこの法律によりまして防止できる、こういうことでございますので、私は相当のやはり制限効果というものはあるというように考えておる次第でございます。 それからもう一つの御質問でございまするが、学校関係の許可の手続の関係でございますが、私どもの方では、人口増の抑制という見地から、学部、学科の増設なり学校の新設そのものが、果して必要やむを得ないかどうか、ということをよく審査をいたしまして、必要やむを得ない場合には許可をすると、こういうような観点でございますので、まず私どもの方へ、というと誤解がございましょうが、この工業等の制限に関する法律に基きましてまず許可申請書を出していただく。そうして許可申請書を出していただきますと、これを許可にするか不許可にするか、そういう場合におきましては、文部大臣の事前の承認を得るというようにこの法律はなっておりまして、その間の学校教育法との関係の調整、教育行政との調整というような点は、そういう文部大臣の承認というところで、はかっていきたい。そうして手続といたしましては、私どもの方へ許可申請をまず出していただいて、それによってたとえばやむを得ないものとして許可される、こういうことになりました場合に今度は学校教育法に基きまして手続をしていただく。ところが先ほど申しましたように、文部大臣の事前承認というようなことをこの法律で考えておりまするので、その間の調整は十分つくというふうに考えておる次第でございます。
○重盛壽治君 この八条の土地の裁量の範囲が非常に広範になっておるのですね。まあ全部がそうですが、特に一番の「新設が、工業等制限区域内における人口の増大をもたらすこととならないと認められるとき。」とこういうことは一体どういうことを当てはめるのか、それが一つ。これだけ都知事に権限を与えてしかも「人口の増大をもたらすこととならないと認められるとき。」と、これはどういう理屈でもつけられるのですね。そうすると、さきに希望している二万数千人が人口の抑圧にはならないということになって、実際には骨抜き法律となって、もっと露骨に言えば利権の温床というような法律にもなりかねない危険性があるようにも考えられる。御承知のように東京都にも都会議員なんというものがあるし、あるいはその他こういう仕事をする向きにはかなり資本家の手も動く。先ほど秋山さんの言われたように、高速道路の幹部の顔ぶれを見てもわかるが、そういう人たちの圧力によって、せっかくの人口抑制の効果がますますあがらないという逆な姿が出てくるのではないかと思いますが、その点のことは御研究なさったことはないのか、一応お聞きします。
○政府委員(水野忠君) 第八条の第一号の関係でございますが、この「人口の増大をもたらすごととならない」とこういう場合はたとえば工場を作る、学校を作る、これはもう人口増大になるわけでございますから、これは当然その「人口の増大をもたらすこととならない」という場合ではないのでございます。ここで考えておりますのは、東京都の区域内にあります既存の工場が古くなりまして、その工場をこわして同じ程度の規模の工場を別の場所に作る、そうすると元のままの就業者でございますからこれは人口増大にならない。やはりこの法律の第一条にございますように人口の増大を防止すると、これがこの法律の基本的な考え方でございまするので、そういう例は今申し上げましたようにきわめて少いと思いますけれども、そういうような場合にはやはり許可するのが至当である、そういう考え方でこの一号を挿入したのでございまして、これはもうきわめて例は少い。ただ第一条の目的にもございますので、その第一条の目的から考えまして、許可するのが至当だというような場合もあり得ますので、第一号を入れたのであります。
○重盛壽治君 私はね、第一条のことは水野さんと逆に考えておるのですね。たとえば工場を大きくしてそうして機械化していき、今まで百人使ったものが三十人でやれる、工場が大きくなるけれども、あなた方の趣旨は、人間は、人口は逆に抑圧するのだから一つ建てさしてくれ、よろしゅうございます、建てる、しかし建ててしまってから、そういう予定ではあったのだが、やはりこの機械ではうまくいかない、そういう喪をどんどんいけば、幾らでも裏街道があるということを私は言っている。裏街道を突かれる危険性がある。あとに罰則もあるが、その罰則も一年未満の懲役、十万円以下の罰金というようなことが書いてある。これは私は罰則なんかを作れということじゃありませんが、仕事をしようとするなら十万円ぐらいの罰金を納めたって、どんどん仕事を増大していけばわずかの間に収益が出てくる。こういうことを考えると、この法律はあらゆるところが抜け穴だらけで、完備した法律でないということを感ずるのです。だから施行に当っては、よほどこの法律を上手に使うということを考えなければ、先ほど言うように、利権の温床になってみたり、法律を作ってみたが何ら意味がないということになっては私はならぬと思う。これは私は言いかえれば、結局基本的な問題に関連するけれども、首都圏側がこれまでに法律案に、委員長の言うことを聞くと大へんお骨折になったようですから、大へん御苦労であったけれども、それでもなおかつ首都閥が弱腰で、かなり痛めつけられて仕方なく作り上げたという感じの法案のように私は考えるので、一歩前進か半歩前進か知らぬが、そういう点からもう少し研究しなければならぬじゃないかと、こう考えるのですが、この点どこかから特に圧力が加わったということはないのですか。
○国務大臣(遠藤三郎君) ただいまのお尋ねでありますが、その一つの点は東京都にいろいろな市会議員や都会議員やなんかありまして、政治的になかなか筋の通った解決ができなくなるのではないかという問題でありますが、この問題については厳重に監督をして参る考えでおります。さらにまた建築の場合に、先に建ててしまって、もうしょうがないじゃないかというようなことが、一つの心配でありますけれども、この問題は今の建築基準法の一つの穴であったのであります。現在東京都内で建築基準法違反の建物をどんどん作ってしまって、そうしてもうできてしまったからいいんじゃないかということで、すわり込んでしまうという事例がたくさんありますので、実は今回、ただいま提案をしておりますが、建築基準法の改正をしまして違反建築を直ちに撤去させる、そういう法律の改正を今提案をしております。そういう面からも既成事実を作ってすわり込んでしまったといったような、何人が見ても非常に不合理なことをそのまま見逃していくようなことをしないようにして、基準法の上においても厳格にその法律が励行できるような改正案を今用意して、御審議を願おうとしておるわけであります。そういうことをいろいろ総合的に勘案をいたしまして、そしてこの法律の趣旨を達成することができるように努めて参りたいと思います。
○重盛壽治君 私は、この既成市街地の人口を抑圧しようということは、先ほどから各委員が言われるように抜本的、総合的態勢を作り上げていかなければならぬし、それとの関連性において市街地開発がどれくらい進んでいるかというようなこと、せっかく市街地にきめればそこの市長が中心になって汚職をやっておるような姿等も現われておるようだから、これとの関連においていろいろお聞きしたい。また私どもの方針も述べたいと思いますが、皆さんお忙しい向きもあるようでありますからこれは別に留保いたしておきます。 ただ最後に聞きたいことは、この制限施設、衛星都市に誘致するのにどういうような助成案を考えておるか、これはやはり聞いておかなければいかぬと思う。工場は作ってはならぬという法律はできた、さてそこでこっちに誘致するという場合に何か助成方法を考えておるのか、それを一つ。
○政府委員(水野忠君) ごもっともな御意見でございまして、私ども工業衛星都市の育成助長を強力にはかつていく、こういうことをぜひこの法律と並行いたしまして実施をいたさなければならないのでございます。そこでこの工業衛星都市の育成助長対策といたしまして、まず第一に考えておりますのは、首都圏内の重要連絡幹線道路網を根本的に整備していこう。そこで昭和三十二年度を初年度といたしておりますが、約六百億円の総事業費をもちましてこの重要連絡幹線道路網を整備していこう。そういたしますと、工業衛星都市と東京との連絡が非常に便利になる、そういうことによりまして工場も誘致しやすくなる。こういうことを第一に考えておるのでございまして、三十二年度、三十三年度、三十四年度はただいま御審議をいただいておりますが、この重要連絡幹線道路網の整備も着々軌道に乗りつつある状況でございます。 それから第二の対策といたしましては、工業衛星都市の建設でございますので、相当大規模な工業団地を取得造成をいたしまして、できるだけ低廉な価格でこれを工場経営者に分譲する、譲渡をする、こういうようなことは心要なことでございまして、これにはやはり何といいましても公的な機関が、そういう工場団地の中核となる土地につきましては、みずから取得造成していこう、こういうことで日本住宅公団に三十二年度からこのような工場用地の取得造成事業を実施せしめておるのでございます。それで八王子等の市街地開発地におきまして、目下この工場用地の取得買収事業を着々進めておるというような状況でございます。 それから第三といたしましては、この工業衛星都市内の、これは広い意味の工業立地条件でございますが、この工業立地条件を整備する。これには何といいましても、まず第一にその市街地開発区域内の道路、街路を整備する、それから工業排水路を整備する、工業用水道を建設する、こういうような予算を確保して事業の強力な推進をはかる、こういうこともおかげをもちまして着々進んでおる状況でございます。それから三十四年度からは新規な事業といたしまして、工業立地条件の整備のための公共事業が非常に進捗がアンバランスである、こういう場合におきましてはそのアンバランスを調整するという調整費が計上されておるのでございます。そういうことによりまして総合的にこの工業立地条件の整備が計画的に進められていく、こういうことを期しておるわけでございます。まあそのほか工業立地条件の整備の問題がいろいろございます。鉄道事業の整備の問題とかいろいろございますが、そういう点につきましても一歩一歩層実に整備を進めておるというような段階でございます。
○委員長(早川愼一君) 他に御発言ございませんか。——他に御発言もございませんようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(早川愼一君) 異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○重盛壽治君 私は社会党を代表して一言申し上げますが、基本的には賛成をいたします。けれども先ほど来論議の中に言われましたように、極端なことを言いますと、あまりにも粗雑な法案であるという考え方を認めざるを得ないのであります。そこでこれの実施に当り、さらに首都圏整備委員会の仕事としておやりになるということだけでなくて、ほんとうにこれを実行するためには、首都圏整備委員会自体が、かなりな力といいましょうか、その力を持っていかなければならぬ。もう少し言いますならば、抜本的な方針としてやる場合には、首都圏事務局の今のらち内ではこういう仕事は困難ではなかろうかと考える。国の仕事として総合施策として抜本的な方針をさらに作っていく、いわゆる首都圏を整備するほんとうの仕事の、初歩的な仕事の一つとしてやっていき、これをさらに上回る人口の問題にいたしましても、すべての解決をつけ得るようなものを首都圏として考えていってもらいたいという希望を一つ付言をいたしまして賛成をいたします。
○委員長(早川愼一君) 他に御意見もないようでございますから、討議は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 首都圏の既成市街地における工業等の制限」関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方は挙手を願います。 [賛成者挙手〕
○委員長(早川愼一君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお本院規則第七十二条によりまして議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。 よってさように決定いたしました。
○委員長(早川愼一君) この際参考人に関する件についてお諮りをいたします。 建築基準法の一部を改正する法律案について参考人の出席を求めて、その意見を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。 なお参考人の人選並びに日時等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(早川愼一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。 本日はこの程度で散会いたします。 午後零時四十四分散会