決算委員会 第9号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/11
会議録
○委員長(西川甚五郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず委員の変更を御報告申し上げます。 三月七日仲原善一君、勝俣稔君の辞任に伴いまして西田信一君、武藤常介君が補欠として選任されました。三月九日西田信一君の辞任に伴いまして、剱木亨弘君が補欠として選任されました。剱木亨弘君の辞任に伴いまして仲原善一君が補欠として選任されました。 —————————————
○委員長(西川甚五郎君) 理事補欠互選を行いたいと存じます。理事仲原善一君が委員を一時辞任されたため、理事に一名欠員を生じております。従来の慣例もあり、理事の互選は、委員長の指名に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○委員長(西川甚五郎君) 御異議ないと認めます。 理事仲原君の補欠として仲原善一君を理事に指名申し上げます。 —————————————
○委員長(西川甚五郎君) 昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を議題といたします。 まず概要の説明をお願いいたします。
○政府委員(佐野廣君) ただいま議題となりました昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書について、その概要を御説明申し上げます。 昭和三十二年度中に増加しました物品は総額三百四十七億円余であり、また、本年度中に減少しました物品は総額二百十一億円余でございまして、差引総額において百二十六億円余の増加となっております。 これを前年度末現在額八百四十二億円余に加算いたしますと、九百七十九億円余となり、これが昭和三十二年度末現在における物品の総額でございます。 この総額の内訳を、おもな品目別に申し上げますと、車両及び軌条百九十億円余、土木機械百六十一億円余、試験及び測定器八十八億円余、産業機械七十三億円余となっております。 次に物品の増減の内容についてその概略を申し上げます。 まず、昭和三十二年度中における増加額を申し上げますと、その総額は三百四十七億円余でありまして、この内訳を、おもな品目別に申し上げますと、土木機械において六十八億円余、車両及び軌条において五十一億円余、試験及び測定器において二十七億円余の増加となっております。 次に減少額について申し上げますと、総額は二百十一億円余でありまして、この内訳を、おもな品目別に申し上げますと、土木機械において五十億円余車両及び軌条において三十億円余の減少となっております。 以上が昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書の概要であります。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(西川甚五郎君) 次に会計検査院から報告の概要を御説明願います。
○会計検査院長(加藤進君) 昭和三十二年度物品検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書は、三十三年十月三十一日本院においてこれを受領し、その検査を終えまして、三十三年十一月二十九日内閣に回付いたしました。 右物品増減及び現在額総計算書に掲げられます物品は、国が管理する一切の物品を網羅するものではなく、そのうち重要な物品として政令で定められたものに限られているのであります。すなわち、物品管理法施行令第四十三条第一項第二号に規定されている物品及びこれ以外のもので需給計画を立てることとされている物品であります。 次に、右物品増減及び現在額総計算書における三十二年度中の物品の増減等を見ますと、三十一年度末現在額は八百四十二億五千九百余万円でありましたが、三十二年度中の増が三百四十七億五千二百余万円、同年度中の減が二百十一億二百余万円ありましたので、差引三十二年度末現在額は九百七十九億九百余万円となり、前年度末に比べますと百三十六億五千余万円の増加となっております。 また、物品の管理について不当と認めましたものは、昭和三十二年度決算検査報告に総理府所管一件を掲記しておりますが、昭和三十二年度決算の御審議の際説明申し上げる予定であります。
○委員長(西川甚五郎君) 以上をもちまして本件に対する説明は終りました。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(西川甚五郎君) 速記を始めて下さい。 —————————————
○委員長(西川甚五郎君) 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十二年特別会計歳入歳出決算、昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十二年度政府関係機関決算書、昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十二年度国有財産無償貸付状況総計算書、昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書を議題といたします。 本日は総括質問をいたします。本日は大蔵大臣、政府委員は大蔵省の管財局長、大蔵省の主計局長、会計検査院長、これだけであります。では御質疑のある者は御発言を願います。
○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたしますが、予算編成上この大ワクの金額をきめて、そのワクに合わせるように各省庁の予算を組んでいくので、積算上の不合理があると同時に、大蔵省独善のそしりを受けておるように考えますが、大蔵大臣として予算編成のときにはどのような考慮を払っておられるか、第一にお伺いしておきたいと存じます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 予算編成に当りまして各省間の問題もさることですが、基本的には申すまでもなく日本経済のあり方等を基礎にいたしまして、国民所得その他から割り出して実は予算の規模を決定するわけでございます。この規模内に実はとどめるということに予算そのものがなりますが、そういう場合過去の決算その他の成績等を勘案し、また新規需要等の要求等について、今日は政党政治でありますから党の公約など取り入れて、各省間にこれを配分してそして実行上において遺憾なきを期したい、こういう考え方でございます。
○小柳勇君 予算の立て方の筋については今大臣の言われた通りでございますが、若干たとえば一割なり二割の原案というものが示され、その中で大蔵省が、もちろん政党政治であるから、政策によって取捨選択されることも一応の了解はつきますが、各省庁がとにかくお百度参りをして大蔵省に日参しなければならぬ、力ある者がよけい予算を取るというような弊が、あるいはそういうそしりが今までたびたび聞かれますが、そういう点について再度大蔵大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私、しろうと大蔵大臣といわれておるのでございますが、大蔵大臣であります以上予算編成上の全責任をもっておるつもりでございます。従いまして、いわゆる陳情の強弱だとかあるいは圧力のいかんによりまして国策を左右する、というような考え方は毛頭ございません。あるいは小柳委員の御指摘は、予算が総花的に流れるのではないかというような点に触れての御意見だと思いますが、要求の強い弱いは別といたしまして、やはり政治でございますから重点的に施策を取り入れるということもさることでございますが、やはりある程度まんべんなく予算の執行を工夫する、こういうこともまたやむを得ないことであると思います。問題は重点的にどういうことが取り上げられ、一般的にはどういうふうに処理されているか、経済自身が年々膨張して参る、成長向上して参るのでございますから、やはり国の予算にいたしましても前年度を一応の基礎とし、さらにそれにつきまして、ただいま申し上げるような国民の要請なり党の公約なりで幾分かづつふえていく、こういう結果に相なるのでございます。
○小柳勇君 現在各省庁並びに公社の職員がベース・アップ、賃金要求並びに年度末手当などを要求いたしておりますが、かつて、各省庁並びに公社などの所管大臣なり総裁などの権限によって支出することのできる可能性のある支出をすら、大蔵省の方で不当に介入をして争議をいたずらに紛糾させたような事実もございます。各省庁並びに公社にはそれぞれの権限があって、あるいは規定があって、その権限の範囲内で職員の勤労意欲を向上するために相当の配慮をなされていると思うが、ただ単に、事務上あるいは予算編成上そういうことで大蔵大臣が、そういう省あるいは大臣あるいは総裁などの権限に介入するとするならば、いたずらに事態を紛糾するだけだと思うが、現在そのような事態が、今要求の過程にあるし結論は出ておりませんが、そういう問題について大蔵大臣としてどのような心組みであるかお聞かせおき願いたいと存じます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 各公社等で専決執行し得るような問題について大蔵省が介入することはございません。これだけははっきり申し上げておきます。専決執行し得る範囲でございますれば大蔵省は何にも申すことはございません。ただ御指摘になりますような点は予算総則等で、はっきり明定しているような事柄について、そういう意味で大蔵省がいろいろ御相談に乗り、また御相談に乗る以上大蔵省が大蔵省的な意見をすることもこれまたお許しを得たいと思います。お尋ねの点がどういうことであったかちょっと私には理解しかねておりますが、重ねて申し上げますが、専決執行し得る事柄については大蔵省は進んでくちばしを入れるというようなことはいたす考えございませんし、またいたすつもりもございません。それだけは明確に申し上げておきます。
○小柳勇君 専決事項についてはもちろんそうでございましょうが、たとえば他の公社あるいは他の職員とのバランスなどを考えられ、次の予算編成上のいろいろな問題も考慮しながら、たとえば統計上出さなければならないと考えながら、そういうような全体的なバランスを考えて、大蔵省で調整などの介入をされるようなことはもちろん将来ないと思いまするが、そういう問題についてくどいようでございますが、もう一度大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 原則的にはただいま申し上げた通りでございます。しかし小柳委員のあるいは懸念しておられることが業績手当等に、まあ業績手当についてのお話でございましたら、これこそは予算総則の十七条の規定かございまするので、そういう意味で申し上げておるのでございます。三公社相互間の均衡の問題もさることでございますが、やはり公社はそれぞれの予算で運営されるのでございますから、その予算の範囲内ということに総ワクとしてどうしても縛られる、こういうことでございます。ただ私がかように申しましたからといって、非常に冷たい、冷厳な、法規ばかりをたてにして申すつもりはございません。私も長いこと現業に携わった者でございますから、小柳君同様にそれはもう苦しい経験もなめております。そういう意味では十分理解は持ってはおりますが、ただいま申し上げますように予算の範囲内であるということ、この点はこれは十分考えていただかないと、せっかく国会で御審議いただきました予算が、どこにどんなに使われるかわからないというようなことがあっては相ならないと思いまするし、ことに決算委員会におきましては、しばしばそういう意味で御注意も受けておるのでございますから、これはまあ、どこまでも国会の御審議を得ましたもの、それを基礎にして運営していきたい、かように考えます。
○小柳勇君 具体的には各担当の委員会でまた問題にいたしまするので、この問題については以上でとどめますが、くれぐれも大蔵省独善になりまして、各省庁が頭を下げてお百度参りしなければ予算が取れないというような組織、もちろん御注意になっておりますと思いますが、将来ともそういう決意を一つ持続してもらいたいと思います。 第二の問題は、税制が国税と地方税とを通じてばらばらに、ちぐはぐにあるように印象を受けますが税制の系統的な改正をどう考えておられるか、御答弁願っておきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 税制につきましては、小柳委員御指摘の通り、国の税制と地方の税制、この間に相関性のあるものもございますし全然ないものもございますし、国の方においてはいろいろの税というものはそう考えられませんが、いわゆる税外収入等の、まあ法定外税制といいますか、そういうようなものが設けられたり、あるいは超過税率でまかなったり、あるいはまたさらに税外収入というものまで地方にはあるのであります。ところが納める国民といたしましては、名前が地方税であろうが国税であろうが同一人でありまして、そういう意味で非常に手数の煩瑣を感じられたり、あるいはまた都道府県相互間でも住む場所によって、また住む市町村によっていろいろ税が違っておるのでいろいろの御批判をいただいておるのであります。私どもは国、地方の適正な財源の分配ということが望ましいと基本的に考えておるのでありますが、まだなかなかそういう大目標を達成するまでに至っておりません。ことに地方は自治制の建前から、やはり自由財源というものを非常に望んでおります。国の場合と地方自治体との関係、ことに自治体の中にはただいま申すように都道府県間においても富裕県とそうでないものがあります。市町村においてもそういうものがございます。従いまして地方税を財源としても、まあ一例をとって申しますならば、事業の分布状況等から固定資産税が非常に不均衝であったり、あるいは事業税が、法人事業税などが非常に均衡がとれないとか、こういうようなことでこの税制を基本的に何か考え直さなければならない、こういう考え方に実はなっておるのであります。今回他の委員会で御審議をいただいておると思いますが、法律に基く税制審議会を設置いたしまして、この基本的な問題と一つ取り組んでみるということで、ただいまその審議会設置の法案の御審議をいただいておる次第であります。これができ上りますと、基本的な問題についての十分の調査が進められ、そして権威ある答申を得まして、私ども国と地方との間における予算編成時にいつも繰り返しておりますようなことがないようにしたいものだと、かように考えております。
○小柳勇君 地方団体間の財政調整については大蔵大臣としてどのように御努力あったか、あるいは努力されようとするか。たとえば九州開発の特別促進法が提案されようといたしておりますが、この県とこの県とは富裕だから少くするとかいう、このようなもので、局部的、地方的にしか今のところ考えられておらないと思いますが、全体的の地方財政の調整についてどういうふうな対策を持っておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 基本的にはいわゆる交付税の配分によりまして、いわゆる富裕団体に対しては交付税を交付しない。そうして不交付団体と申しますか、そういうものを除く他の面について、これを各県の情勢を十分勘案して、この交付税でまかなうという考え方をいたしております。さらにまた特別態容補正と申しまして、この交付税だけでもなかなかめんどうが見れない、こういう場合については態容補正でも十分めんどうを見ることになっております。 もう一つ、私ども今御審議をいただいておりますものに入場税の問題がございますが、入場税なども、収入を県だけでなしにやはり一たん国の収入にいたしまして、それを人口割りで各府県に配分するというような仕組をとりまして、いわゆる後進県に対しましてもその行政水準を高め得るように財源を見つけておるのであります。なお最近におきまして、特に大蔵省としての意見は非常にはっきりいたしておりますが、地方自治庁、ことに地方団体等においては利害が相反する面もございまするので、まだ結論は出してはおりませんが、いわゆるたばこ譲与税の問題もあるのでございますが、たばこ譲与税のごときもの、この譲与税などは、これをもしも人口割りで配分することができますれば、地方団体相互間において約六十億ぐらいの財源が動くことになるだろうと思います。これは人口割りにいかなくても、たばこの本数割りというようなことだけでも三十億程度の財源の移動があるだろうと思います。しかしこれは、各団体も、今日の地方財政の面からみまして、非常に富裕県と言われても余裕のある状況ではございませんから、やはり富裕団体から後進県にそれだけの財源を移すということになれば、これはまた大へんな問題でございます。従ってまだ結論は得ておりませんが、私どもはできるだけ各府県のアンバランスを調整したい。しかも新税を設けないでそういうような工夫はできないだろうかというような注文を自治庁の方にいたしておりまして、自治庁も、三十四年の予算ではそれを取り上げることはできながつたが、三十五年度予算編成までには一つ十分に検討してみよう、こういうような話になっておるものもございます。
○小柳勇君 財政の調整面についての大体の方向はわかりますが、県によって県知事あるいは県議会などの自主的な判断なり、もちろん地方行政は地方自治の建前でございまするが、そういう使い方について、一応内閣としてそういうものについての地方行政のあり方に対する調整についての何かお考えはないものかどうか、そういう点についてお聞かせ願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、今日は地方団体が自治制でございます。各都道府県とも自治制の建前で都道府県内の行政を担当しておるわけであります。またこの都道府県内の市町村におきましても、その自治でやっておるわけでございます。そこで国と地方との関連、この扱い方においてはその建前をこわさない。そういう方法で行政を進めていかなければならない。ここにおのずからの限度があるわけでございます。ただいまのお尋ねの裏を返してみますと、何だかもう少し中央集権をやれないかというように、その説に御賛成であるなしは別にいたしまして、そういう御質問かと実は聞き取れたのでございますが、今申し上げますように、国のやる範囲とまた地方団体の担当する範囲、これはおのずから大柱はきまっております。しかしながら、それかと申しまして、地方自治体が完全に財政的にも独立しておるというわけには実は参りません。この意味において国の交付金なりあるいはその他の事業補助その他を中央に強く要望しておる向きもございますが、私どもはそういうような予算の使い方を通じて自治制度をこわす、というふうな気持には実はなれないのでございます。そこにおのずから扱い方の限度がある。こういうように考えておりまして、どこまでも民主政治を強化していくということに努力いたしたいとかように考えておりますか、ただ地方団体の財政基礎がまことに弱い、こういう意味の御意見を聞くのでありますが、これはおそらく地方自治か始まりましてまだ十三年とか非常に短かい期間でございます。従ってこの短かい期間によくも地方自治がこれまで発達した、こういうように私どもは驚歎する方でございますが、短かい期間でありますだけに、内容的には今後さらにみずからの力により、みずからの工夫によりまして内容を充実していく面が非常に多いのではないかと思います。
○小柳勇君 私は現在の内閣のもとにおけるこの中央集権については反対でありまして、その点は一つ誤解のないようにお願いいたします。私の言わんとするところは、たとえば今新聞にあるように地方自治などで非常に汚職がある。そのために納税者が税を滞納する面もふえたように私は聞いておる。あるいは県知事が次の選挙をやるために県費を乱用して県民のひんしゅくをかっている所もある。そういうことでこの血税を交付税として出す、そうして地方行政というものが完全になされるように中央としても配慮されておるが、そういうものがまかされたために県知事なりあるいはそういうふうな地方自治体がそれを乱費し、あるいは汚職などによって県民のひんしゅくをかっている。そういう県政自体が財政的に貧窮していくとするならば、一体国全体の財政の責任者である大蔵大臣はどのような処置をとられるか、その点をもう少し突っこんだ質問としてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) この自治制度の建前から申しますと、やはり基本的には選挙を通じてりっぱな人を出していただく以外には方法はないと思います。私どもはこの民主政治のあり方から見まして、選挙こそはりっぱな人を選出する最も好ましい方法だと私はかように考えておるのでございますが、地方団体等におきまして十分そういう点に欠くると申すと非常に語弊がございますが、そういう意味で選ぶ人はよほどまかし得る人でなくちゃならないことは、これは申すまでもないことだろうと思います。そうして選ばれましたのちにおいての自治庁なりの監督というものは、これはもうおのずから限度がございます。やはり早期発見と申しますか、そういう意味の監督、指導、検査等が励行されることが望ましいのだと思います。しかし私どもの監督しております金融機関等に関しましても、いわゆる法網をくぐっておりますものはなかなか知恵がありまして、ただ単に検査くらいではなかなかつかまらないものもあるのであります。だから結局は良識によって受理されていかなければならぬだろうと思います。私はそういうこともさることでございますが、これは本質的な欠陥だとして指摘すべきではないだろうと思います。ただその自治体等もよほど積極的に仕事をなさる公約事項が非常に多いのでございますが、やはり現実の県財政の基礎を強固にするとかあるいは県民の負担を軽減するとか、市民村民の負担を軽減するというような仕事を積極的にやる面もさることながら、負担軽減の政策なども、やはり選挙を通じますれば当然選挙民の批判を受けることになるのではないか。今日まで私個人の意見ですが、率直に申しまして国はしばしば減税計画を立てておる。しかし自治体等の選挙において、選挙公約に、減税を公約する人は比較的少い。これなどは一体どういうことかと思うような状況でございますが、こういう点についてのこの選挙民の批判というものが、今後汚職なりその他についてはよほど大きなその力が批判の力になるのではないかと私かように考えます。選挙民の批判と合わして日常の監督指導と相待ちまして、自治体においての全きを期して参りたい、かように考えております。
○小柳勇君 会計検査院長に質問いたしますが、ちょうどわれわれ今昭和三十二年度の決算をやっておるところですが、福岡県で一億円の不正融資いわゆる県知事の汚職事件というものがありますが、有権者二百二十万の中で八十六万何がしのリコールの、知事については反対の意思表示がなされた、ところがその結果三分の一に達しないために県知事のリコールができなかった。その不信感の中で県民は今地方税を納めつつあるわけです。そういうことに対して国全体の検査院長として、地方財政について一体どのように勧告されあるいは立ち直りをお考えになっておられるのかお聞きしておきたいと思います。
○会計検査院長(加藤進君) 会計検査院の検査と地方自治団体との財政経理の関係でございますが、会計検査院の権限は、地方自治団体に関しましては、検査院法によりまして、国が補助金等、財政援助を与えているものの会計ということになりまして、これに実は限られております。この検査では、検査院といたしましては非常に関心を払いまして、御承知の通り、各年度の検査報告におきましても、補助金に関する分等が大へん出ておりますけれども、今小柳委員かお尋ねになりましたような、県自体の金になりまするとこれは権限がございませんので、検査院としましても心配しておりましてもこれは手が及ばないという、及ぼす範囲には入っていないという状況でございます。
○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたしますが、初め言われたように、政党政治でございまして、福岡県知事は自民党公認の県知事でございます。大蔵大臣としてでなく、自民党選出の大蔵大臣として、最近また中学校の卒業生に対して、県知事土屋香鹿の名前の入った就職祝いのタオルが配られている。県民としてはまことにあぜんとしてこの選挙事前運動だろうということでひんしゅくをかっているが、県知事のこのような県費の不正使用について、一体自民党選出の大蔵大臣佐藤さんはどのようにお考えであるか、御返事を願っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 当決算委員会とどういう関係があるかちょっとわかりかねますが、せっかくのお尋ねでございますから、そういうことは抜きにして私の所見を申し上げてみたいと思います。福岡県知事の県民一部のリコール運動がありました。しかしそのリコールは成立しなかった。この一事はもう現実の問題で非常にはっきりいたしているのであります。その後土屋知事がどういう仕事をいたしておりますか、リコールの成立しなかった今日から申せば、県民大多数の支持を得ている知事だと、私はかように確信をいたしております。それこそ民主政治のあり方ではないか、これは私が自民党の党員であるというばかりじゃなく、これは社会党の知事でありましても、リコールが成立しなかったらこれはやはり県民が支持しているものだと私は申し上げます。それこそ制度を尊重するゆえんだと私は考えているのであります。 なお、知事が卒業生に名入りの手ぬぐいを配ったというお話でございますが、そういう事実は私は存じませんが、非常に教育熱心のあまり知事としての気持でこういうことをしておられるのかもしりませんが、私は批判を差し控えさしていただきたいと思います。
○小柳勇君 そのような、県費であるということで、あるいは小さいというようなことで大蔵大臣がそのようにこの場を作られるとするならば、私はやはり承知できない。少くとも一国の財政をあずかる大蔵大臣ですから、しかも交付税、交付金が入って、県費は県税だけではないわけです。会計検査院長の話を聞きますと、県費の中で国の交付金についての問題は云々ということがありましたけれども、それはそれといたしまして、私どもとしては全体的にこの税金として考えていかなければならぬと思う。そういうことで大蔵大臣に質問しておるわけです。従って今、事実を御承知ないなら、直ちに一つ事実をお調べになって、福岡県知事に勧告なり注意なり与えてもらわれることを私は県民のために希望する次第であります。この問題についてはあまり私も、個人的な問題もありましょうから追及いたしません。 最後に、最近、今度国民年金法もあるいは通るかもしれませんし、国民健康保険法も通りました。このような国民から集まってきます金がだんだんふえて参りますと、あるいは五百億あるいは一千億、五千億たまって参ります。そのような金が現在の中小銀行なり、あるいは労働金庫なり、大財閥の銀行でない金融機関が、そういう金をそのまま還元してもらいたいという意欲が相当あるわけです。これから長期経済計画なんかでいろいろ問題が発生いたしましょうが、そういう問題について、これからの問題でありますから、一方的に大銀行に集中するようなことがないことをわれわれは希望いたしておりますが、経済閣僚としてどのような方針で処理され、閣議の中で発言していかれるか、お聞かせおき願いたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのお尋ねにお答えいたします前に、小柳さんの、強く大蔵省は、福岡県の内容を、財政を調べて、不都合があればしかれというお話でありますが、私どもも、福岡県が大蔵省の所管でありますれば別ですが、先ほど来冒頭に申しましたように、自治制を施行いたしておりますので、その自治の範囲においては各県とも監査委員をもちまして行政の監査を十分にいたしておるはずでありますので、それをも中央政府がタッチすることは、自治制に対しての不当の干渉ということにもなりますので、せっかくの御意見でありますが、これは私御要望には沿い得ないと思います。ただいまは、加藤検査院長がお話ししておりますように、会計検査として検査いたします範囲も限られておるような次第でございます。何分御了承いただきたいと思います。 次に、国民年金法、あるいはその他の社会保険、その他の積立金等の運用の問題でございますが、これこそはまことに大事な問題でございますから、政府といたしましては、安全であり、しかも利益の上るものである、こういう方向で、しかも社会保障的な意味を持つようなものについての運用ということをやはり念願といたしております。そうして御指摘になりますように、いわゆる財政投融資の資金としても、財政資金の一部をなすものでございますから、ただいま申すような観点でこの運用に当っておりまして、これが大企業だけに流れるとか、中小企業あるいは零細農家等に対して十分なめんどうが見られないとか、こういう批判をしばしば伺うのでございますが、決してそういう状況にはなっておりません。たとえば住宅の問題であるとかあるいは道路を作ることもその一斑の何でございますが、一番はっきりいたしますのが住宅建設だろうと思いますが、あるいはまた、その他いわゆる政府関係の三公庫といわれるようなものであるとか、あるいはまあ特殊の公団なり三公社等にもこういう意味の資金が運用されまして、これらの点でこの大事な基金の運用に間違いのないように実はいたしております。 そこで、ただいま御指摘になりました金融機関がどういう金融機関か、私もちょっと想像がつきかねるのでございますが、一般市中金融機関、こういうものにこの厚生年金その他の積立金を——これは多分預託のお話だろうと思いますが、そういうものに預託することは実は考えておらないのでございます。大体この積立金等の運用については、各委員会におきましてもしばしばお尋ねをいただきますので、ただいま申し上げるような基本的な考え方をそのつど申し上げておりますが、御了承いただきたいと思います。
○東隆君 私は先般三十一年度の決算の委員会で大蔵大臣に例の農業法人の問題をお聞きいたしました。そのときの大蔵大臣のお答えは、いろいろお話がございましたけれども、きわめて消極的なものであった。ところが、最近、農林省とお話し合いをなすってある程度きまったようでありますが、そのきまったところをお話しを願います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ちょうどその方の担当の北島国税庁長官が参りましたので、北島君から詳細に御報告させます。
○政府委員(北島武雄君) いわゆる農業法人に対する税法上の解釈と取扱いにつきまして、農林省と法制局、三者でもって協議いたしておりましたが、昨日意見の一致を見ましたので、ここに御報告申し上げたいと思います。 いわゆる農業法人は、すでに設立登記がなされ、法人自体は有効に設立されているものと考えられるから、次の設立を否定することはもちろんできない。また、法人が有効に設立され、法人形態で事業を営むこととした場合には、税法上もその事業を法人の事業とし、その所得に対して法人税を課することとするのが通常である。しかし、いわゆる農業法人に関しては、農地法第三条により農地を使用収益する権利を設定する場合等には、知事または農業委員会の許可を受けなければならず、許可を受けないでした行為は効力を生じないこととなっており、その許可がない場合には、法律上は依然として農地の所有者たる個人がこれを使用収益する権利を有しているものと解されている。もっとも、法律上効力を生じない行為であっても、その行為により実質的に所得を享受する者がある場合には、税法上その者の所得に対して課税すべきであるが、いわゆる農業法人が、農地の所有者たる個人の同族的な法人であり、法人設立の形態をとった後にも、個人時代と農業経営の実態が変らないような場合には、所得税法上農業経営から生ずる所得は個人に帰属するものと認めて、これに対して所得税を課することが相当と考えられる。 全文読みますと、こういうことでございます。
○東隆君 私は今の御説明で、相当進んだと解釈するのでありますが、この前の大蔵大臣のお言葉の中に、いろいろ共同作業であるとか、その他のことはこれは十分に進めていくことができる。しかし、コルホーズの形態をとるようなのに、これはできないんだ、こういうお話があったわけであります。私どもはコルホーズというものはいろいろな形態があると思う。その程度の差によって、実にいろいろな種類があって、そうして単に共同作業程度のものに始まっておるものもあると思う。従って、ただ違っておるところは、私は、土地の所有関係であるとか、そういうものがこれは違っておるのでありますが、その他の問題は、私はかえってコルホーズにいろいろなものが非常に似通った形のものが現われてくると思う。 そこでコルホーズというものについて、どの程度大蔵大臣は重点を置かれているのか。私は実はこれをお聞きしたいというのは、これは実は今回の場合も、おそらく税をとるに当って、法人税にするか所得税にするかどちらかにするために非常に綿密に調査をやられた。私は戦争中に、実は北海道農業研究会というものを主宰しておった。そうして応召をして、そうして農家が農業経営ができませんから、そこでこれを何とかして継続をさせるためには共同作業だの共同経営を進めるべきである、こういうので、その方面の研究を、実は私の集められる範囲の人を集めて研究をしたのであります。ところが、これが利敵行為である、こういうことになりまして、集まってきた者が全部つかまってしまって、そうして、これは昭和十七年十月一日でありますが、それから実は終戦後九月にやっとこで帰ってきた。途中で獄死をした人もあるわけです。それで問題は、いかにして労働者のいなくなった農家が、農業経営を続けることができるか、こういうわけで一生懸命やったことが、利敵行為で実はひっつかまったわけですけれども、そういう経験を持っておるものですから、今度の場合に、そういうことにはならぬと思いますけれども、実はその税をとるという立場に立ったときに相当な調査をされるんじゃないか、これは、そうしてもし、大蔵省の方で相当否定的な態度か強ければ強いほど、消極的な方面において強ければ強いほど、この問題は相当辛らつな調査をやられるんじゃないかと、こういうことになるので、私はコルホーズというものについて、はなはだ失礼でありますけれども、どの程度大蔵大臣がお考えになっておるか、それを一つお聞きをしておきたいと、こう思うわけであります。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私の持っておる知識は、社会党の皆様方にお教えするほどのものでないのは、皆様方御了承であろうと思いますので、コルホーズのあり方についての議論も、税の問題としていろいろ御意見が出ておると思いますので、税の扱い方についてもう少し私からも申し上げてみたいと思います。 農業経営の法人のあれということが最近非常にやかましいのでございますが、それは中小企業等で法人の方がいいということで、全く法人になるかと思うようなものまで実はなっておるというようなことがら、農業法人であるということが非常にやかましい問題になり、また税の問題でございますだけに、税を納めないという意味ではないが、税法を十分理解していないために、もっと理解すれば負担が軽くても済む、こういうようなこともございますから、そういう意味の研究はなかなか積んできておると思います。私ども、税務署の諸君にもいつも言っているんですが、こうして今日私どもも所得税を申告いたします、三月十五日に。おそらく皆さんも同様じゃないかと思いますが、みずからの収入の申告を、みずから最も利益というか、有利な方法にこれを記載なさり得る方はきわめて少いんじゃないか。それほど税制そのものが複雑になり、手続等も相当困難なものがございます。税をとる方は、苛斂誅求だというような言葉で表現をされますが、税務署の諸君、これは国税庁長官、そういう意味で部下を非常に督励いたしておると思います。どうか法律を十分知らないために納めなくてもいいような税を納めるようなことのないように、これはよく一つ親切に教えて上げてはどうか。当然に特別控除のものが、これがわからないためにその減額の措置をとれなくて法律で課せられる、こういう場合もあるだろうから、親切であることがまず第一だということを実は申しているのであります。 そこで、農業法人の場合におきましても、北海道は、東さんのようなりっぱな指導者がいらっしゃいますから、比較的問題は少いと思いますが、徳島県下で農業法人を非常にたくさん作ったのです。非常にたくさん作りまして、これは相当詳細にわたって実情を取り調べてみますと、なるほど、法人の登録はしてあるが、実際は、われわれが考えるような農業法人というものとどうもふに落ちないものがある。まあ一家だけに限られた法人形成、そして農地法の手続も十分とっているかということっていたい。その収入の帰属方法を見ましても、これはもう個人所得と見ていいであろう。こういうことで、よく実情を調査して、法人を形成された農家の方々と話し合った結果、大部分の方が、よく税務署の言うことはわかった。これはまあ自分たちの扱い方が無理だというので、その後農業法人の考え方をやめられて、きわめて少数のものだけが残っているような実情でもございます。 私は、今日農業の経営がいろいろ土地によりましてそれぞれ違っている。まあ比較的所得税を納めている農家の多いところといえば北海道が多いわけです。その他の地区におきましては小さな農家が非常に多い。だから、北海道とか東北であるとか、新潟だとか、こういうような米どころになりますと、相当農家で所得税を納めている者もございますが、全般的には問題は、農家で所得税を納めている者は非常に全体の数からいいまして激減いたしておりますが、まあそういうようなことを考えて参りますと、実際のあり方を実情に合うように、まあそういうことが望ましいのではないか。それで土地の私有権制度を認めている。またその私有権制度のもとに次々に政策を進めていく。たとえば農地法にいたしましても、自作農創設というような問題が一つあるし、あるいはまた、その所得といいますか、でき上った生産物についての処分権なり、その他の面から見ましても、これはやはり私有権制度を前提にしていろいろに政策を行なっている。そういう建前のもとで、農業が近代化されない、これを何か工夫する方法はないか、これが先ほどお話しになりましたような共同作業ということになれば、相当改善の余地があるのではないかということを、実は私どもは指摘いたしているのであります。 コルホーズについての基本的な構想がどうだ、形態がどうだという議論よりも、実際的にそういう意味で産業的には相当おくれているこの農業の水準を高めていく。それには今までの制度を維持してどういうような工夫ができるか。これはもう共同作業の範囲を拡大するのか一番手っとり早いだろう、こういう考え方をいたしているのであります。そこでまあ最近のように耕耘機等も非常に発達いたしまして、この耕耘機が非常に安く入ればいいですけれども、非常に高くて、それを自分だけで持っていることはいかにもまずいじゃないか。何か共同使用の方法はないかということを、実は私自身が個人的にそういう意味の奨励をいたしておりますが、今の実情では、なかなか共有物とか、あるいは借りた場合の保守が十分にいかないとかということがあり、また必要なときに自分が使うことができないとかというようなことで、相当金をかけてまでも耕耘機等を買っておられる。こういうような、まあむだと申しては言い過ぎですが、採算をはずしたようなものも実はあるのであります。これが、御指摘になりますように、共同耕耘だとか、あるいは共同脱穀だとか、あるいは害虫の共同駆除、あるいは共同して稲を植えるとか、こういうような作業がもっと広範になって参りますと、農業労働というものもよほど変って参るでありましょうし、これは一つの進歩じゃないか、かように思いまして、実は共同作業ということを心から勧めておるわけであります。 コルホーズとどう違うかという御意見でございますが、私有権、所有権を認めるということを基本に考える。いわゆる自作農創設という基本線はそのまま維持していきたい、こういうように実は考えるのであります。たとえば、法人の場合にいたしましても、持っている土地を出すとか、あるいは使用権を提供するとかいたしました場合に、ここ五年や十年はそれで済むかもわかりませんけれども、代が変ったりなんかいたすことを考えて参りますと、いろいろ困難な問題が起るだろう、かように考えるので、大蔵省自身がこの農業法人に反対だというわけでなくて、大蔵省は、先ほど来、法人が正式にでき上っておるなら、その実情に沿って課税すればいいのであります。また、形が法人でありましても、実体か備わっておらなければ、やはり実体が備わっているところに税を課するというだけでよろしいのでございますが、個人的意見を徴されますので申しますが、私は、農業法人そのものについては、基本的に自作農創設の考え方と相当ぶつかるものがあるのじゃないか、こういうことを実は考えておる一人でございます。
○東隆君 私は、コルホーズのことをお聞きしたのですけれども、その外側の方ばかりお話しになったので、はなはだ遺憾でありますけれども、これは多分お答えがないと思いますので、これ以上お聞きいたしませんが、農業の近代化を進めるときに、やはり土地の集団化という問題が解決されなければ、農業の近代化は絶対進まぬと思うのです。それで私は、一戸の農家が法人になるというような、そういうやり方は、これは問題外だろうと思っております。これによって税をのがれるというような、そういう考え方は、私どもはそう関心を持っておらないのです。やはり、小さな農家が集まって、土地を集団化する、こういうような形態のもとに経営を進めていく、こういう形をとらなければならぬのであって、その場合に、土地の所有権というものよりも、耕作権の問題になってくると思うのです。そういうようなものを中心にして土地の集団化を一応考え、そしてそれの中心になる人格をかりに法人とこう呼ぶ、こういうような考え方で見た場合に、私は、まだ大蔵大臣のものの考え方は、やはり自作農本位でもって、所有権というものに中心を置くために、なかなか解決ができない形になると思うのです。そこが壁にぶつかっておると思う。 北海道のことをおほめになりましたけれども、北海道に、実は満洲帰りの者がコミュニストとか、だいぶいわれましたけれども、しかし、りっぱな共同経営を進めておるところがあります。これは北斗という部落ですが、たしか宗谷線の豊富村だろうと思います。これはもう実にりっぱな経営をやっております。そういうような例なんかを考えてくると、やはり小さければ小さいほど、新しい機械を導入してやっていかなければならぬ。日本の耕地その他を考えてみても、今のハンド・トラクター程度のものでは、これは決して振興もできませんし、やはりもう少し動力の強いトラクターなんかを入れて振興をやらなければならぬ。そういうような状態にもうほとんどなっております。そういうようなものをどういう形で導入するかということが問題になるのであって、個人の法人成りというようなものは、かえって青色申告をもう少し容易な形で農家になし得るような様式を与えて、そして個々の農家にやらせればいい。そうすれば、今の白色申告のものと違った形で税法上において非常に有利な形になるし、経営そのものに対する農家のものの考えが確立してくる。だから、大蔵省の方で、法人というものに対する考え方を、今の税の申告制度、白色申告じゃなくて、青色申告、そしてその青色申告を農家が容易になし得るようなものに作り上げる。ところが、これをだんだん詳しくして、そうしていよいよもって農家ができないような形にしてしまっている。そういうようなものをやはり是正をされて、そうして個人の法人成りを整理していく。しかし、それとは違って、耕地の集団化をやる、そういうようなものを目的にして相当な農家が集まって、そうして近代的な農器具を入れてやる、こういうようなやり方は、これはもう税をとる方の立場からでも、やはりこれは進めていく方がほんとうの国政の方向になろうと思う。 そういう考え方でお聞きをしたのですが、この私の今申し上げた点をもし御理解を下さいますならばはなはだ幸甚ですが、お考えのところをお漏らしを願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 大へん東さんの高邁な理想実現のお話でございます。私は、今の中に、新しい法律観念、これを取り入れていらっしゃる、これは非常な御工夫だろうと思います。私どもも今のような規模であることは望ましいとは思いませんが、あるいは私どもが非常におそれておるようなことがなければいいですが、私どもが一番おそれておりますのは、集団農場ができ上りました場合に、各農家の持つ才能の相違がございますので、自然にその中でボスができてきやしないか、そうして新興勢力が生まれてこやしないか、こういうことを実は非常におそれておるのであります。農業規模としましては、今言われる通り、もっと大規模であることが望ましいことには違いありません。そうして、御指摘になりまするように、一つ新しい法律上の権利を考えて、それによって持ち分なり、また働きがちゃんときまる、これは非常に望ましいことですがどうもいろいろな相互会社、これは農業ではございませんが、たとえば相互会社等の実際を見ましても、最初は非常に出資なりその持ち分なりが明確でございますが、いつの間にか、その間に勝者、劣者というものがきまりまして、ボス化しておる。せっかく真の耕作者に土地を与えたにかかわらず、いつの間にかその実体が失われるという苦い経験を持っておりますものですから、ただいまの構想にいきなり私は賛成しかねる。そういう面についてのおそれ、危惧がないというような実情でありますなら、これはもう農業の進歩のために、また農民の真の利益のために、まことに私はいい構想だろうと思います。ただ、今実際の問題で私自身個人的な意見を徴されておるようですが、個人的にはちょっと踏み切りかねておるものがあるのでございます。
○東隆君 私は、今大蔵大臣が、法人になることによって新しいボスができ上るんじゃないか、こういう御心配でありますが、私はやはり法人の中における民主主義の理念というものが徹底をすれば、これは今の、現在の状態におけるボスのでき上っていく過程よりも、かえってこれはいいんじゃないかと、こういう考え方で、これは私の見方が違うかもしれませんけれども、そういう見方であります。それで、将来のことでありますから、これは何ともいたしようがありませんけれども、今もうすでに農村はいろいろな形でもって階層分化がどんどん進んでいっております。北海道のような場合においては、土地所有権は農家が持っておるけれども、事実はもう別な者が持っておる。作物を、これを作れ、こういうような強制をされておるようなものもだんだんできてきておる。こんなような形ができてきておる。これは私は非常に残念だと思います。そういうような問題がからんで参ります。従って私は、やはりそういうような一人のボスとの関連における形よりも、やはり相当な数をまとめて、そしてその中にやはり民主主義のルールを当てはめた形でもって経営を進めていく、これがやはりボスを作るんじゃなくして、やはりいわゆる共同の体制を作り上げることになろうと思います。私はそれの方が今の形よりも前進した形のものになる、こういう考え方、これも大蔵大臣と実は反対の意見になります。 しかし、これは議論でありますから、私はこれ以上申しませんが、農業法人についてもう少し私は希望を申し上げると、大蔵大臣、もう少し積極的な考え方でもって一つこれの成長を見ていただきたいと、こういう考え方であります。 質問を終ります。
○相澤重明君 私、たくさんありますから、簡単にお答え願いたいんですが、まず第一は、昨年の十二月、決算委員会の際に私から大臣に御希望を申し上げておきました。三十四年度の予算編成の際に、とん税について地方に還元する意思はあるかないか、法律も出すと同時にそういうことをお考えになるか、こういう点を御質問を申し上げておいたのですが、そのことはどういうふうにお考えになったでしょうか、また措置をされたでしょうか。今のところをみると、法律案の提案も——これは法律案というのは、結局とん税を廃止するということと、地方に譲与にするということになるわけですが、そういうようなお考えはないように思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 政府委員をして答弁させます。
○説明員(塩崎潤君) ただいまの御質問でございますが、市町村の港湾負担の費用に充てるために、三十二年におきまして特別とん税を設けたわけでございます。そのときに、国と地方との負担関係を十分検討いたしまして、その負担区分に応ずるように分けたつもりでございます。それとまた、とん税の性格からいいまして、これをどういうふうに分けますか、私どものところでは、今のところはなお慎重に検討しなければならぬと、かように考えております。
○相澤重明君 当時の大蔵委員会でこのとん税並びに特別とん譲与税を成立させる際の経緯は、与党から、いわゆる国会に提案をしておるのだから、今すくここで修正ということも困る。でき得れば時期的に見て、そしてこれらについては善処をしたいというのが、当時の大蔵委員会の法案が通る際の答弁だったわけです。従って、これは与党も野党もなく、全部当時はそういう考え方をこれは持っておった。しかも、その後いわゆる地方の、特に六大市を初めとして、このとん税を出しておるところの自治体としては、非常にこの財源は大きなものになる。しかしこれは大蔵省自体から見れば、まあ五億そこそこのものでしょう。だからこれを地方に還元したところで、大蔵省が少し節約をすれば私はそんなに問題じゃないと思う。法律を制定する当時のいきさつからいって、私はやはりもうこの辺で大蔵省自体が地方自治体を育成をするということになれば、そういう考えがあってしかるべきであろう、こう思っておったのですが、今もまだそういうお考えを持たないと、こういうことですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 相澤委員から御指摘を受けました、前言と違うじゃないかというおしかりでございますが、私どももはっきりどうこうするとまでは申し上げなかっただろうと思います。十分研究するということを申したと思うのです。このとん税のあり方等が、いろいろ外国の例等も調べてみましたが、今のとん税の金額くらいが適当だろう、こういうことであります。 それから地方自治体に対しての援助という問題になって参りまするが、こういう非常に限られた財源を地方に委譲いたしますことは、今地方で一番困っておりますのは、いわゆる富裕団体ではなくて、後進の自治体でございますから、そういうところにはあまり富がないようであります。むしろ、これはやはり交付税として自治庁に配分し、自治庁がそれを各府県の実勢力に従って配分するということが望ましいのじゃないか。まあそういう意味ではやはりこのままを地方に還元しないで、やはり国の歳入にして、そうして歳入のうちから地方交村税というものを配分していくということがかえって望ましいのじゃないかと、私どもはかように考えております。
○相澤重明君 これは大臣は、やはりその点まだ研究か足りないと思うのだ。これは実際問題として、地方の港湾について、この出入船舶に対してのとん税の徴収については、確かにこの法律を制定するときに外国の事例も出し、私どももまあ特別高いとは考えておりません。だからまあ一応賛成をした形になったわけです。しかし、この港湾について、地方自治団体が長い年月にどのくらいの投資をしておるかということは、これはもう十分一つ調査をすれば私はわかると思う。私は、一つの例だけれども、横浜港なんかの場合でも、あれに横浜市が投入した額なんというものは五十億も六十億も投資しておるわけですね。だからそういう点を考えて、今それではこのとん税を還付したところでわずか一億かそこらですよ、九千万か一億でしょう、きっと。そういうようなものを、これが地方のいわゆる財源になるということになったら、私はずいぶん地方は喜ぶだろうと思う。従って、このいわゆる歴史的な経緯というものをお考えになって、単に国の財政収入としてとって、後進県にそれだけの潤いをさせるということは、私自身としては理論としてはわかるけれども、現実の問題として、それだけのやはり経緯というものを考えていく場合に、もっと大蔵省としてとるべき道があるんじゃないか、こういう点は私考えられる。 そこで、もし政府がお考えにならないとするならば——しかし政府も根本的にはこれはもう無理を押すことを私はできないと思う。そこで、議員立法としてもし出されたら、大蔵省はどうなさいますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 大蔵省は極力反対いたします。
○相澤重明君 大蔵省は反対するといっても反対の根拠は薄弱でしょう。だから、それでは一つきょうは大蔵大臣がまだ十分、名港にどのくらいの投資をしておるか、こういう点について、もし反対されるなら、その金額をあげていただきましょうか。私の方はそれは調査をしておりますよ。だから、そういう点で、まあこれは与党も野党もなく、おそらく、現在の国会議員の諸君は、ほとんどこれについては賛成される方向だろうと思う。しかし、せっかく法律ができたばかりだから、ここで修正するというのはうまくない、こういうのが当時の経緯だから、私はこれはやっぱりもっと地方の事情をお調べになって、事実この程度のものであればというお考えがあるならば、私は次の機会に立法的に善処していただきたい、これは一つの私の要望です。 そこで、先ほど小柳委員も御質問を申し上げました国の予算の編成上の技術の問題、これについては大蔵省は、各省が大体査定をしたもについて、さらに事務的にも折衝されるであろうし、最終的には大臣の政治決裁ということになると思うんです。それが閣議で通って国会に提案されると思うのですが、そういう中で考えられることは、きわめて頭から切り詰めてしまって、実際にその法律なりあるいは仕事をやる場合に魂が入らないようになっていくのじゃないか。たとえば、きょうの参議院の本会議で、私は運輸委員会の所属ですが、運輸委員会で日本観光協会法なり、あるいはバスターミナル法というものを本会議で可決したわけです。私どももこれに賛成して通したわけです。しかし、実際にこれを施行される場合においては、やはりもっとこの実情に沿った国の財政投融資というものが考えられていいのではないかということで、ついに私ども参議院では付帯決議をつけたわけです。付帯決議をつけて大蔵省にその善処方を実は要望をしておる。これは本会議で全会一致です。そういう点と、それからいま一つ、これも次に参議院で審議をして可決しなければならない立場になっておりますが、たとえばこの旅客船公団法案が今提案されております。このような場合に、実際にその事業ができるかどうかということが私は非常に疑問なんですね。あまりにも予算の制約をしてしまったために、実際に東京に事務所を持って、それではその事務所の中にどのくらいのいわゆる係員を置いて実際に仕事かできるかということが非常にこれはむずかしい。これはまだ参議院は通っておりませんよ。衆議院は通って、今参議院に送付されてきて、私どもの手元で今やっております。 そういうような点を考えてくるとどうもこの予算という一番財布の大元締めである大蔵省が、どうも事業そのものに対して私は魂を入れることが足りないじゃないか、こういうふうに思うのですが、この予算編成の大ワクを握ることだけでそういう点が抜けておると思うが、大蔵大臣はどう考えておるか、この点お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 予算を作りますには、なかなか難航でございますが、でき上った後でも、なお各項目についてただいまのような御批判をいただいておるのであります。これを甲乙なくいろいろ按配してみると、最終的には予算の総ワクをいじらざるを得ないということになるのでございます。私どもは、いずれもが大事な仕事であるということはよくわかっておりますので、そういう意味で取りわけ新しい工夫をこうしております。本年度の予算が少いということで御意見をいただいておるようでございますが、しかしまたいろいろ工夫さしていただきたいと思います。
○相澤重明君 次に、今度大蔵省かいわゆる法案としても、また財政的にも措置した特別会計の問題でありますが、港湾関係の特別会計について国はいわゆる地方自治体に起債を認める、こういうことで政府資金というものをきわめて少額にとどめておるわけです。これについては私どもとして考える場合には、相当のやはり地方自治の中に財政負担が重なるということを指摘しなければならぬと思うのですが、端的に申し上げて、地方起債の場合に期間の延長あるいは利子の引き下げ、こういうようなことをお考えになったことがあるのかどうか。しかも、今回のこの港湾特別会計の問題については、管理権の問題にまで触れるように私どもは考えられる。そういう点について大蔵省としては、財政投融資をするから、いわゆる重要港湾について中央が管理をするのだというようなお考えを持っておるのかどうか。この二点についてお答えをいただきたいと思う。
○国務大臣(佐藤榮作君) この起債の償還年限が短かいじゃないか、あるいは金利が非常な負担になるじゃないか、こういうことでございますが、これはもう御承知のように起債を許しまして、これが自治体の負担にならないように、やはり、ものによりましてこの償還期限を長くしたり、あるいはものによりましては元利を国が負担したり、まあいろいろございます。また金利そのものも六分五厘だとか、あるいは六分三厘だとかいうことでございますが、まあ大体の傾向といいますか、考え方といたしましては、政府自身が、金利はもっと安くなるように言いかえれば低金利政策とでも申しますか、そういう方向でいろいろ努力いたしておりますから、起債等もそういう方向に右へならえするということはこれは当然だろうと思います。また償還期限等も十分に、その起債が使われる対象に応じまして適正な償還期限というものを考えていかなければならぬと思います。ただ断っておきたいのは、金利の問題は、そのときどきの金融情勢なり経済情勢と非常な関連がございますから、大筋としては国際金利水準にさや寄せするということで、あらゆる金利のあり方を検討はいたしておりますけれども、やはりそのときどきの経済情勢なり金融情勢で左右されることのあることを御了承いただきたいと思います。しかしこの種の起債のような長期の資金等については、比較的影響は少いものだ、ただいま申し上げたようなもの、短期の金利は相当動きましても、長期のものについてはそう変動はないものだ、かように御理解をいただきたいと思います。 第二点の問題は、最近非常にやかましくなっております港湾行政の一元化、その問題に関連することだと思います。今日まあいろいろな理由はございます。各省とも、港の仕事については各省自身がいろんな関連を持っておる。あるいはまた国、今言われる地方自治体、市であるとか、あるいはまた港によりましては特殊法人を作ってその港を管理しておる。その設備等についても市が負担したり国が負担したり、あるいはまあ国と申しても、時に農林省が指導したり、いろいろ錯雑いたしております。そういうことで今日の港ができ上っておりますが、港を利用する一般国民の側から見ますと、そのために非常な不便を感じておると思います。なるほど、その港ができ上るために国がどうした、市がどうしたというような御議論もあると思いますが、この施設そのものは一般利用者、国民が利用するものだ、そう考えて参りますと、利用者本位に物事を考えていくことが実は望ましいのじゃないか。そういう意味で今日港湾行政の一元化というものに取り組んでおります。この国会にこの法案もぜひ出したいということで政府自身もいろいろ努力をしておる最中でございます。そういう際には、いろいろの関係筋の御議論もございましょうが、利用者大衆の利便ということを第一の目標に一つ置かれて、そういう意味で各関係の人たちがその大目的実現に協力されるように十分一つ御高配がわずらわしたい。 私、ちょうどお尋ねをいただきました機会でございますから申し上げておきたいのであります。今日、港湾行政一元化の話が具体化しようといたしますと、各方面からこの一元化を阻害するような理由を幾つも出しておられます。その結果は、利用する大衆としては非常な不便をこうむるのじゃないか。政治の前進の点から申しましても、やはりこれこそは大所高所に立って最終的に結論を出すべき問題ではないか、かように考えております。
○相澤重明君 これは大臣、やはり実情を知らないと思うのです。それから、まず第一に、私は今回とっておるこの港湾の特別会計の問題についても、実は、政府はうまいことを言ってPRしておるけれども、内容は違う。ということは、七五%のいわゆる財政投融資をする、そしてあとは地方自治体が持つのだ。しかし、その七五%のうちといえども、実際はこれは起債を認めるからして、その起債の中の七五%でいくから、現金を出す分と起債の認められる分と合わせていくと、これは半分ですよ。国は決して七五%なんか出すことになっていない。これはもう明らかに違う。 それからいま一つ、大臣が答弁された中で、長期起債ならば、これは地方の財政に右利だ、こういうことを言っておるが、これは全く逆で、長くなっておっても、高利子でやるから、六分五厘でしょう、七分五厘のもあるかな、とにかく高いものもあるわけですから、そういうのを年々積み上げていく、利子を払うだけで地方自治団体はやりくりつかぬ、こういうことになる。 だから、今度の私は具体的な事例も持っております。ここにこれは持っておるけれども、とにかく、大蔵省がやっているのは、いかにも国がほとんど投資をするから、港湾についても中央が管理するのがいいのだというようなことは、これは私はやはり少し認識の度合いが違うのじゃないか。しかも、それを強行するということになると、大臣、これは大へんな私は政治問題になると思うのです。現在、あなたも御承知のように、六大港、七大港といわれる各都道府県知事なり、あるいは港湾関係の市長なり、そういうところが、もう反対陳情を猛烈にやっていることは大臣も承知の上で、一般にPRしようと思って答弁されたと思うのです。僕はそれは逆だ。そういう無理をしないで、もっと、今の政治というのは民主政治なんだから、地方のやはり自治についても育成をする、そして話がわかってもらえるという方向を私はとるべきだと思うのです。そういうことで、少しからくりがあり過ぎると私は思うのだが、大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私の答弁が少しピンぼけだったのでだいぶ問題が紛糾したようでしたが、港湾行政の一元化の問題をも含めて、主として相澤君のお尋ねは港湾特別会計の内容であったと思います。その点について私が答弁しなくて相済みませんでした。この特別会計の問題ですが、ことし初めて始めるこの特別会計であります。道路のような特別財源を持っておる特別会計と違いまして、港湾特別会計については、その財源の点において、また特別会計の対象になる範囲も、港のうちの限られた部分というようなことでこれはスタートしたばかりで、これから一年や二年やって内容を充実していきたいものだと思います。それから、これは内容的には研究を要するものがあるように思います。それから、起債が長期にわたるのが有利だということではなくて、これも私の言葉が足らないからそういうようにおとりになったのかもしれませんが、金利そのものについて、一般金利は低金利の方向へ今進めて参ります。しかしながら、そのときどきの経済情勢なり金融情勢で、下るばかりでもない、ないが、長期にわたるような起債については、下る方向だけで、上げるような方向はない、こういう意味のことでございます。 それから強行云々というお話でございますが、今は独裁政治じゃございませんし、国会の審議を受けない限り、政府がいかに考えましてもでき上るものではございません。従いまして、政府は原案を提案いたしまして、その際において十分の工夫をこうしますが、でき上りましたものについては、国会において十分の御審議をいただくこと、これは申すまでもないところであります。その点誤解のないようにお願いしたいと思います。
○相澤重明君 次に、減税を毎年政府も努力をされておるようでありますが、その反面にどうもやはり増税が行われておる。また、そういうことを強行しようとしておるという点について、端的に私は物品税の問題とガソリン税の問題を一つ御答弁をいただきたいと思うのですが、どうして減税を行う反面に、無理に消費者、いわゆる需要者に転嫁するようなことばかりを実際に政府は考えなければならぬのか。これは品では減税々々、なるほど表面上は言い得るけれども、この物品税なりガソリン税を上げれば、これは大衆の負担になることは当然だと私は思う。これが幾ら政府が、大衆の負担にしないで、それは会社側で負担をしろとか、あるいは小売商人までで、消費者には負担させない、こういうようなことを言ったところで、経営ができなくなれば、いやでも大衆に転嫁していくのは当然だと思う。従って、政府の言うのは、これは減税ということは一つの苦肉の策であって、そして反面にどんどんどんどん増税をしておるのだ、こういう印象を国民が持ちゃしないか。そういう点について、ガソリン税についても、これを撤回をされるお考えなり、反対があるなら、それじゃもっと額を減らす。あるいは織物税等についてはかけないのだ、こういうようなお考えがあってしかるべきだと私は思うのだが、大蔵大臣の所見を一つお伺いしておきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) ことしは、平年度七百億を上回る減税案を提案いたしております。七百十七億に上る減税案を提案いたしておるのでありますが、一面、御指摘になりますようなガソリン税の増税を計画している、これは非常に矛盾じゃないか。まことに一見矛盾なようにも見えるのでございますが、このガソリンの増徴はあげて道路整備に使われるものでございます。言いかえますならば、非常に目的税的な性格をはっきりいたしておるのであります。今日、道路の悪いこと、これを一兆円の五ヵ年計画で推進することは、これは国民全部が、非常に心から共鳴をしていただいておるところでありまして、それをガソリンによってまかなうということでいろいろの批判をいただくのであります。もし、これをやめれば、一兆円の道路の整備計画というものが根本的に考え直さなければならない。これはもうおわかりいただけるだろうと思います。そこで問題は、ガソリン税をそういう政治目的がら増徴する場合において、ガソリン税を負担する業界がその能力ありやいなやということに実はなると思うのであります。ただいまは、これを上げれば直ちに大衆の負担になると、きわめて明快な判断をしておられますが、必ずしも私はそうは思わないのでありまして、なるほど、ガソリン税自身が運賃構成上の一要素であることは、これは私も承認をいたします。しかしながら、これが運賃構成上に持つ意義というものは、直ちに大衆負担になるというほど大きなものでございません。これ以外にも、なるほどガソリンは高くなりますが、他の面で負担を軽減される要素も幾つもあると思います。たとえば自動車自身は安くなっている、あるいは自動車の整備費そのもの、あるいは油の使用料も、道路がよくなればだんだん減っていくだろう、経常費等の面で相当変ってくることは当然でございますので、そういうことを考えて参りますと、これがガソリン税を引き上げたことで直ちにこれが運賃に転嫁され、大衆の負担になるというのは、これは少し議論が飛躍し過ぎると思います。私は全然関係がないとは思いませんが、直ちに大衆の負担になる、こう言ってしまうことは少し言い過ぎではないかと思うのであります。そこで、ただいま申しますように、ガソリン税の増徴、それにたえ得る業態であるかどうかということでございますが、私どもの見るところでは今日この程度の増徴はたえ得る、こういう実は結論を出しておるのであります。この出しております基礎になりますものは、主として一般の事業の平均収益状況よりも運輸業というものがそれを上回っておるというような点から、ただいま申し上げるような結論を出しておる次第であります。 次に物品税についてでありますが、織物消費税を一つやめろ、こういうお話がございます。今日まで織物消費税を取っていなかったということ、これ自身については、いろいろな議論があったと思います。私どもは税が高いことはもちろん困りますが、同時に税というものは公平な方法で負担が課されるということが望ましいことだと思うのであります。こういうことを考えて参りますと、十分の担税力ありやいなやということは、他の納税との均衡は果してとれておるかどうか、こういうことを十分考えてやはりその課税としていかなければならない。まあ今日奢侈品につきましては物品税が全部かかっておる。それにかかわらず高級織物についてはこれを課さないでよろしいのだ、かようになって参りますと、やはりその奢侈品というか、高級織物について税を取るという考え方、そういうところから生れてくると思います。あるいはまたラジオや何かに税はかかっておるが、最近のトランジスター・ラジオなどにはかかっておらない。こういうことを考えますと、一般ラジオにかかっておるならトランジスター・ラジオにもやはり課税すべきじゃないか、やはりこれは公平論から出てくるのであります。税金の問題は、税が高い低いという大きな問題もございますが、納める人たちの間に公不公がないようにやはり公平な建前で課税していく、というのがその基本でなければならない。従いまして、今回物品税といたしましては相当多額の減税を計画いたしておりますが、同時に取り残されたというか、今まで課税しておらないものにも新しいものを課していく、こういうことで政府原案を作ったわけでございます。 以上簡単に御説明を申し上げます。
○相澤重明君 これはもう今の大臣の答弁を聞いておると、まことにもっともだというふうに返事をさせるような答弁をしておるのですが、これはやっぱり根本的な税体制というものが作られておらない現状において、政府はやはり取りいいものからいわゆる取っていく、徴税技術を進めておるというのが現状ですよ。だから、私をして言わしむれば、政府の徴税の方式は場当り式である。だからもっと、さっき小柳委員の言うように、根本的なやはり税制体系というものを作るべきである。これは私はぜひ大蔵省にやってもらいたいことだと思う。そこでそういう中から考えると、いかに口でこれは大衆負担にはなりません、また今の担税能力も今の事業の中ではありますとこういったところで、結論的には大衆負担になるということは、今までの物価の値上げを見てごらんなさい。一つとして大衆負担になっておらないものはない。これは大蔵大臣が大臣のいすにすわっておるからそういうことを言うのであって、これが一市民になってごらんなさい。大へんですよ。そこでやっぱり今あなたが、そういう答弁をしておりますとガソリンに火がつきますよ。だから、これはあとで天坊委員もやられると思うのですが、これは大へんですよ。与党の中にだって火がつきますよ。だからそういうことでこれはもっと慎重に考えて、そうしてしかも大衆に負担のかからないようにやっていかなきゃいかぬ。これは今たとえばハイタクの問題を一つ取り上げてもおわかりでしょう。例の神風タクシーということで非常に世論の非難を受けたために、今自動車の走行距離は大体三百七十くらいにきめているわけです。そうすると、なるほどガソリン消費というものは少い。けれどもこれがだんだん上ってくると、これは無理をしてやっぱり走らせるようになるし、労働者のやっぱり労働過重にもなるし、また一方においてはよけい働けば賃金も引き上げてもらいたいということになる。総体的に上ってくれば、これは今の五千円が担税能力かあるなんということはこれは夢物語ですよ。そのうちに火がついて燃えちやって何もなくなっちゃう。しかしそういうことでなくて、まあもっと、与党の皆さんの中でもガソリン税値上げ反対という署名運動を大ぜいされておるのですから、大臣も与党の一人として、まあ野党の私もそれに賛成なんだから、そういうことでこれははからずも一致しているわけなんだから、超党派的にしておるものを大臣もやることはないと思う。そういう意味で、これは一つもっと慎重にそういうことは進めていただきたい。 それから時間がないのであと二点ばかりの点をお尋ねしたいと思うのですが、先ほど東委員も指摘をしたように、農村建設の問題について私は一言お尋ねしたいと思うのですが、新農村建設なりあるいは酪農振興問題なりいろいろ問題があります。そこで国有財産の貸付なり払い下げ等によるいわゆる都市計画なり、あるいは工場誘致なりによるところのこの農家の移動、あるいは、二、三男対策、こういうような問題について政府としてお考えが持たれるかどうか、こういう点について、もし何かお考えがあるならば一つお答えをいただきたい、こう思うのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) 国有の土地、この国有財産の管理、これはなかなかむずかしい問題が基本的にはあるのであります。と申しますのは国の財産でございますから、この管理はどこまでも批難を受けるようなことがあっては申訳ないのはもちろんであります。また国家的な用途にそれか使われますならば、これまた私どももそういう点では協力する考えでございます。そこで企業誘致等にこれを使えというような場合は、比較的容易にいたしておるつもりでございます。今度は逆に山間部あるいは林野等に開墾農民を入れるとかいうような場合にも、場所によりましていろいろ工夫をいたしておるのであります。まあ最近で一番大きい問題は富士のすそ野の旧演習地、これの利用はそういう意味で相当広範な計画を樹立してこれを有效に使うということをいたしております。しかしただ誤解を受けないようにいたしたいことは、国の財産でございますから、これを処分することが本来の目的ではないのでありまして、この処分を急ぐというような考え方でこれを処置することには、私どもは根本に考え方が違っておりますから、そういう意味で具体的に問題を出されました場合でも、大蔵当局はなかなか慎重にその問題と取り組んでおるというのであります。で、場合によりましては、大蔵当局はどうも物事を知らぬ、こういうようなおしかりを受けることもあるようであります。これは非常に国の土地管理に忠実の余りでございますから、どうか御了承いただきたい。
○相澤重明君 まあ農林大臣に言うことが本来かと思うのですが、私の言うのは国有土地なりあるいは林野なりの管理を、国有財産として一応大蔵省が所管をしておるので、たとえばそういう農業問題について、地方の都道府県知事か、今あなたのお話のように、開拓農民の移動の場合であるとか、あるいは都市計画によるところの移動の場合であるとか、いろいろな場合が想定をされる。ですから、たとえば今の日本の農地についても、外米輸入等も行なっておりますが、ほんとうにこの農地の開発を行えば、私は日本で自給自足ができると、この程度まで考えておる。さらに、これをもっと文化的な生活をするために、この酪農を振興して、そうして単に麦めしやあるいはイモばかり食わなくても済む。地方の貧しい人でもこういうことが可能である、やり方によっては。そこで、まあ一つの例として、たとえば私のところの神奈川県のような場合に、箱根なり丹沢なりという土地がある、国有財産がね。そういうような所にこれは農民か酪農をやれば、今の都心部なりあるいは近郷にあるそういうものは移動させることもできるし、また実質上国家のためにもだいぶ利益があるんじゃないか、こういう点も考えられる、そういうような面のことをお考えになったことかあるか。またもしそういう申請があったならば、大蔵省としては都道府県知事の意向というものを参酌して実行に移す意思があるかどうか、こういう点をお尋ねしておきたいと思う。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまおあげになりました場所は農林省の所管の国有林野のようです。従いまして、これは農林大臣のお話を抜きにして大蔵大臣が答弁するわけには参りませんが、私は農林省も、先ほど申しました大蔵省所管の土地の処分についての考え方と同じ考え方をいなしておると思います。どこまでも財産管理というところに重点を置き、そしてこれが間違って使用されないように十分注意いたしておるものだと思いますが、事業計画その他について納得かいくことでありますれば、おそらくそれに協力するものだと、かように考えます。
○相澤重明君 最後に一点だけお尋ねして。きたいのですか、それはやはり昨年の十二月大臣に私から御要望申し上げておきました預金部資金の融資、あるいは金融界の正常化、こういう問題について大臣の御答弁をしていただきたいと思うのでありますが、特に大蔵省の立場ではやみ金融の撲滅ということはこれは一番大きな問題であろうかと思うのですが、一つやみ金融の撲滅について政府はどういう処置をとっておるか、最初に一つお尋ねしておきたい。
○政府委員(石田正君) やみ金融の問題につきましては、御承知の通りに金融業者の特に零細なものにつきまして金利の最高限度を作りまして、これをこえますところのものにつきましては法律上罰則があるということになっておるわけでございますが、しかし一般のやみ金融のおそらく相澤先生お考えになりますような分につきましては、なかなか取締るといいましても実情がむずかしいということでございます。結局根本的な問題は一般の金利と相当相関関係がございますし、資金需要とも相関関係がございまして、根本的には金融がゆるむようになり、また金利が下るようにするというようなことで、なかなかやはりむずかしい面があるのではないかと考えております。その点において努力をいたしておる次第でございます。
○相澤重明君 これは大蔵省かいわゆる金融の大元締めなんですから、そういう点について十分一つ現状を把握してもらいたいと思うのでありますが、たとえば今町に金融という看板を出しておる金融業というものがある。これは前に金融の問題で衆議院の決算委員会でも取り上げたことがありますが、今日はどういうふうになっておるかと申しますと、たとえば会社工場に勤めておる人のまあ職員の奥さんが家で無尽をやる。これが一万円とか二万円の無尽をやる。ところがその無尽の掛金が時によって都合がつかないで借りる、この借りたものに対して十日間利払いというのがある。十日間利払い、それが一割以上です。そうすると一カ月三割以上になる。しかもこれが取れないと会社側にこれはもういわゆる強制執行をやる事前運動をやる。お宅のだれだれさんは私の家からこれだけの金を借りておりますが、まだ払っていただけません、で一つ会社の給料から引いて下さい、こういうことをやる。会社はそういうことは困りますとこう言ってやるわけです。そうすると最後には弁護士の正式な手続をとってどんぴしゃりとやってしまう。中にはそのために会社をやめなければならない、退職金で払わなくちゃならない、こういうのがどんどんふえているわけですよ、こういうことおわかりになっていますか。このことが蔓延をしていったからこそこの金融というものに対する恨みの言葉がだいぶ出ているわけです。それでとてもこのようなことではもう私たちは生活ができないというので、ここに創価学会の人たちがいないからあれですが、宗教的に創価学会に大勢行っている。(笑声)見なさい、労働者といわれる人たちが創価学会に行っている。これは信心でもしなければとても暮しができぬということ、こういう政治の貧困ということを私は考えると情けなくなる。こういう点について政府は御存じであろうかどうか。私はもう全くいわゆる金融の本来というものを逸脱した今のやみ金融、町の金融というものをもっと取り締るべきではないか、こう思うのだが、今の銀行局長はもっともらしい答弁をしているけれども、そういう実情を知っておりますか。この点はもっと私は的確に判断をして、そうして指示をすべきではないか、こう思うのですが、あまりにも投機的な、いわゆる一方においては預け金をうちに預けてもらえば利子は高くしますよと言っておいて、この前の保全経済のような形が出たでしょう。ああいうことをやる反面に、一方においてはうんと金利の高いのを貸し付けて、そうしてまじめな勤め人がそのために会社をやめなければならぬ、あるいは生活を根底から破壊される、こういうようなことは私どもはやはりこれは政治の貧困だと思う。そういう点でこれは単に政治家にばかり全部責任を転嫁されちゃかなわぬから、そこで大元締めの大蔵省に、一体どうしたらいいのか、こういう点についての御回答を一つ願いたい。
○政府委員(石田正君) 国内の金融全般につきまして大蔵省がその責任をとってやるようになりますれば非常にいいと思うのでありますが、現実の状況から申しますると、正規の金融機関の取締りの問題で精一ぱいというのが実情でございまして、なかなか一般の金融機関の取締りというところまで手を伸ばす、ということは非常にむずかしいというのが現状でございます。お話のようなことはたびたび耳にするのでございますけれども、しかしそういうふうなものを法律的に取締りの根拠法規を作り、それをまた実行に移す、その担当者といたしまして大蔵省がいたしましては、今の行政能力ではなかなかやりにくいのではないだろうか、かように遺憾ながら考えておる次第でございます。
○相澤重明君 大事なことをあなたが答弁されたと思うけれども、それじゃやみ金融というものは野放しでいいのですか。今大蔵省としてはできない。だからもしやるとすれば法律なり何なりで規制をしなければならぬ、しかし今の形ではできない、こういうことになると、一体大蔵省というのは何をやるのか。やみ金融というものを野放しにしておいて、そうしてそういうふうに国民生活を破壊するような問題がおきているのに、それは現状ではできませんということは一体どういうことなんです。これは私は非常に大事な問題だと思うから大蔵大臣から答弁を求めたいと思う。
○国務大臣(佐藤榮作君) 最近は何々金融というような言葉で表現されておりますので、まことにきれいになっておりますが、その実体は一体何かというと、結局在来のいわゆる高利貸しでございます。で、今大蔵大臣が取締りの対象にいたしております範囲は、いわゆる普通銀行なりあるいは相互銀行なりに限られて実はおりまして、その下のいわゆる金庫になりますと、信用組合とかそういうものは都道府県で実は対象にしているのであります。それ以外のいわゆる何々金融というものは、今度は標準公利というものが法律で規定されている。だから先ほど言われるようなものは、いわゆる市中金融、やみ金融というか、高利貸しの範囲なんですね、範疇なんですね。そういうものについての取締りの根拠法規がないというのが先ほどの銀行局長の言い分でございます。それで一言にして金融と言われますが、正常金融にやはり依存していただくことが最も必要なのでありまして、ただいま言われるような非常な高利の金融は受けられないことが望ましい、これを特に私どもは指摘いたしたい。そうしてその高利の場合におきましても法定以上の金利を取ればこれはもう支払わなくてもいいと思いますが、法定にきめてあります限度も相当高いというところに、そこにまた一つの問題があるわけであります。そこで問題は、このいわゆる公式に認められた金融機関の金利が安くても、その資金の量が豊富であり貸し出しの方法が十分でないと、結局その高利に走る者ができてくるのであります。ところが高利には高利のよさがあって担保なしにただ口頭だけで直ちに貸してくれる、こういうようなことのために、十分その借金の性格を認識しておらないために意外の損害をこうむる。こういうようなことになりますので、先ほど御指摘になりましたような事例においては、いわゆる高利貸しを利用なさらないことを心からお勧めいたしたいと思います。
○相澤重明君 大臣、何も大臣が言っていることぐらいはここには幾らでも書いてあるのです。私はそういうことを言っているのじゃないのです。国のやはり金融の大元締めである大蔵省としては、町にはんらんをするやみ金融、高利貸しというものを捨てて、これはもう仕方がないのだという形は私はいかぬと思う。これはもう特に銀行局長はその答弁の責任者だと私は思う。そういうようなことを野放しにしておいていいなんというような答弁をされたら、これは国会の威信にかかわると思う。何のために一体貯蓄法をやり銀行法というものを置き、そして正常な国民の貯蓄精神というものを涵養しているかということなんです。一体何のためなんです。そういうことは、これは法律のいわゆるすき間があるなら、その法律のすき間をいわゆる大蔵省の指導というもので、行政措置として、あるいはその指導としてやることができないのか、こういう点を私はお尋ねをしておるのです。私もここに今全部これは持っていますよ。持っておればこそそのすき間を私は追及しているわけだ。そういう点をもしできないとすれば、大蔵省はあの大蔵省の前に貯蓄は一人幾らなんというような大きな幕を下げたって何の役にも立たない。また一面において、そういう金融という密接に国民の生活に直結しておる問題が、たとえば事業にしても、あるいは病気になったときのいわゆる一時の金融にしても、そういうことか正常に行われるような形をとるのは、私は総元締めの大蔵省の仕事じゃないかと思う。そういうことを、先ほどの銀行局長のような答弁では私はもうこれは納得できない。大蔵大臣もただ銀行のこの法律にあることを述べただけで、法律にあることをやろうとしたってできないことが今の庶民生活の中にあるから、これを何とかして救済しなければいかぬということを私は叫んでいるわけだ。そういう点についてこれはいま一度答弁をしてもらいたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 相澤君よく御承知のように、利息制限法、この法律で、これは二十九年五月に改正したのです。これでもと百円につき一日五十銭だったものを三十銭をこえる割合で利息を取っちゃいかぬ、こういう規定になっておるのであります。この三十銭が高いという、この点でこれを直ちに改正する意思ありやという御指摘だと思いますが、今日まだその時期ではないというように考えております。先ほど銀行局長が申し上げましたように、一般金利が下る方向でございますから、そういう意味において、これがだんだん実情に合わないという意味で私どももちろん検討してしかるべきだと、かように思っております。
○相澤重明君 それでは今の点は大蔵大臣に一つ実情を十分把握してやみ金融撲滅の方向というものを一つ出してもらいたい。これはまああなたも今御答弁されたから了承いたしておきます。 その次に、私の手元に財政投融資の三十二年、三年の実情を御報告いただきました。そこで、これについてはもうわかっていますからけっこうですが、次にお尋ねをいたしたいのは、社内預金の問題であります。これは財政投融資がこれだけの膨大な額が行われておる反面に、社内預金というものをどうして奨励をしなければならないのか。しかもこの社内預金は、いわゆるこの法律の建前からいけば、なるほど最高限度というものはないでしょう。ないかもしれぬが、あるいは貯蓄法なり労働基準法の適用範囲からいけば、なるほど法の解釈については逃げ道はあるかもしれない。しかし私は少くとも大蔵省は正常ないわゆる金融という建前をとらなければならぬ、この法律の立法精神というものはそこにある。それをくずす態勢をとるということが大蔵省の行政指導であってはならない。そこでやみ金融の問題は先ほど大臣が善処することで私は了承したが、社内預金については一体銀行局長はどう考えるか。また大蔵大臣は政治的にこの問題については判断をしておると私は理解をしてよろしいか、この点について御答弁をいただきたい。
○政府委員(石田正君) 相澤先生のお話を事務的の点から申し上げたいと思うのでありますが、社内預金の問題は、これは一般的に申しまして預金である、業種的に申しまして金融機関でやるような預金であるから、そういうことをやめたらどうかというような議論もあり得ると思うのであります。しかしながら他面申しますと、会社とそれからそこに使われているところの被用者との間におきまして、会社のためにお金を使って下さい、あるいは預けておきますから一つ会社で保管しておいて下さい、そういうような性質で社内預金はあるものでございます。そういうようなものを全部禁止してしまうことがよろしいかどうか。私は大蔵省でございまするから、従いまして、そういうものがなくなりまして、全部それが銀行なり、相互銀行なり、信用金庫の預金になることを望みますけれども、しかしそういうようなことを強行することが果して許されるであろうかどうかということが問題でございまするので、現在社内預金という実態が存在しておるということでございます。 それから第二のお尋ねの点は、金利がべらぼうではないか、こういうお話だと思うのでございます。これにつきましても、われわれはできるだけ実情を把握するように努めておるのでございますが、これも金利の規制の仕方が、先ほど申しますように、金融機関と別にやるのだということになっておるのですから、その規制の立場が、会社に対して使われておる方が預金をする場合に非常に安い金利で、搾取すると言うと語弊があるかもしれませんが、そういうふうになることはいけないというので、むしろ最低を押える、要するに六分を割ってはいけないぞ、六分以上であるぞというのが現在の制度になっておるわけでございます。御質問の趣旨の実態についてまた申し上げまするならば、そういうふうなものが非常に多くなると、一般金融機関その他におけるところの預金の集まり方がそのために非常に悪くなる。そのためにそういう弊害が出ておるかどうかという問題が一つ根本的にあると思うのでございます。この点につきましては、われわれはまだ、われわれが騒ぎまして、これは非常に弊害があって金融機関がうまくいかないから、社内預金を制限してくれというようなことを、いろいろ立法相談が必要だと思いますが、そういうことをお願いする段階ではまだないのではなかろうか。それから金利の方の問題につきましては、私は大体六分より上になっておりまして、八分から最近は一割二分くらいが最高ではないかというふうに思っております。これも何度も申しますが、実は一番初めに申し上げましたような工合に、会社がその金を使うのが多いわけでございます。従いましてその金利というものは預け金利というよりも、むしろほかから借りてくる金利との権衡というものが相当働いておるのではないかと思うのでございます。と申しますことは、これも会社がある意味からいいますと、できるだけ使われておる方に対していい利子をつけてやろうという面もあろうかと思うのでありまするけれども、しかし他面からいいますると、会社がその高い金利を払って会社の経営がうまくいくかという問題もあるわけでございます。そうなって参りますと、一般金融機関から借りる金利がどうなるかということと非常に密接な関係があるのではないかと、こんなふうに考えておるわけでございます。われわれがやっておりますることは、日本は金利が高いから、だんだん金利を下げるという方向でやっておるわけでありまして、これは主として貸し出し金利を中心としてやっておるわけでありますが、その結果がだんだん下って参りまするならば、社内預金の金利も下ってくるという方向に向っていくのではないかと、こういうような工合に事務的には考えておる次第でございます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 今石田銀行局長から詳細にお話いたしました。これで私はお答えする何ものも残っていないと思います。問題は、この社内預金は、この本質から見まして労使間の問題だということで、本質的にはその間で話し合いをつけていただきたいと思います。私は、この点では最近はよほどそういう双方の話し合いは進んでいるのじゃないかと、こういうふうに思います。大蔵省自身から考えますならば、普通銀行に対する悪影響があるというようなことがございますれば、特にこれに対して注意をする。また会社自身が非常に基礎が危ないような場合には、社内預金で資金を獲得しているというようなことだとこれまた従業員に非常に損害を与えることになりますから、それはもちろん注意してしかるべきであると思いますが、普通の状況におきましてはその金額等もそう多額ではございませんし、ただいまのところこれは労使間の話し合いにまかしてしかるべきではないかと、かように考えております。
○相澤重明君 今の大臣のちょっと最後にあったように、これは労使間の問題であるといえばそれまでの話なんです。しかしこれは会社がつぶれて会社更生法を適用する場合に非常に大きな問題になってくるのです。これはきょうは時間がないから私はいろいろなケースをあなたに教えてあげようと思ったけれども、きょうは申し上げません。そこで従業員が預金したものが、会社がつぶれた場合に会社更生法の適用を受ける場合に非常に大きな問題になる、これは。私は幾つか取り扱っているから知っているのですが、事実をいろいろ教えてあげようと思ったが、きょうは時間がないから申し上げませんが、ただ基本的な問題について、今の銀行局長の言うことは、私は大蔵省の銀行局長としてではこれは欠格条項である。これは遺憾です。まあ大蔵大臣は銀行局長の言う通りであると言っているが、これは、大蔵省というものは少くともこの法律に基く銀行のこの方針というものをとるのが私はやはり政府の方針ではないかと思う。一つの例をあげましょうか。北海道のあの日鋼室蘭の争議の際に、従業員に対して、君は会社に幾ら貯金をするかということを一人々々全部聞いた、全部。そうして貯金をしないとこの次に配置転換をする。その次に人数を減らすときにはそれを首にしてしまう。こういうことをやったということなんです。これは大臣にさっきも私が、政治的に考えているのかといったら、答弁しなかったけれども、自経連ではこれは一番大きな問題にしているのですよ。自民党の中から、与党の中から、社会党に、もしそういうことを質問されても、うっかり答弁しちゃいけませんよ、こういうことになっている。これは大へんなことなんです。私は、その銀行の方式、大蔵省のいわゆるこの銀行法の建前からいけば、金利調整法、いわゆる特利の問題等については、これはもう最低は六分に押えたけれども、上は幾らでもいいということは、これはやるべきものじゃない。銀行というのはそんな不正常なものじゃないのです、これは銀行の考え方というものはね。だからあなたも答弁されたように、今、八分から一割二分というけれども、現在は大体九分から一割二分、ちょっと高いところで二、三厘出しているようです。これは調べたケースではそうなっております。ですから、なるほどあなたの言うことはわかります。わかるけれども、少くとも金融の大元締めである大蔵省としては、もっと私は銀行局の立場を一つ出して、大臣はやはり政党出身でありますから大臣に誤まりなからしむるように一つ建言をしていただきたい。大臣も、これは、この金利の問題をこのままにしておいたんでは、それは日本のいわゆる経済の不正常な形になる。特に私は、働く人の立場から大臣に申し上げると、産業のいわゆるこれだけの特別融資というものが行われておりながら、他面においてまた、働いた賃金を預金をするという名前によって、利息をよけい払ってやるからということで実はそれがよけいに使われておる。こういう点も私は今の日本の産業構造の中からいっても再検討する必要がある、こう思うのだが、まあしかし今何しろそこまで徹底しません。どうかこの金利調整法の建前からいって、私はもっと確固たる信念をもって大蔵省は望んでもらいたい。こういうことを附言をいたしておきます。 そこで、時間がないから終りますが、財政投融資の場合にもそういう先ほどから私が申し上げたように、労働階級が安い金でも借りることができないというのが今の事情でしょう。だからこそやみ金融とか無尽とかにはしる。競輪競馬等のギャンブルと同じようなものです。こういう世の悪というものは、これを政治の力によってお互いになくする。それで政治の場合にそういう政策を立てる。立ったならば正しく大蔵省は国民の金融の大元締として指導をしていくという方向を私はとっていただきたい。時間がありませんから以上でやめますが、この次にまたやります。きょうは以上で終りますが、一つ大臣に十分お考え置きを願いたいと思います。
○委員長(西川甚五郎君) ではこれをもって総括質疑は一応終了いたします。 本日の審議はこれで終ることといたします。次回は十三日金曜日午後一時より昭和三十二年度予備費使用総調書ほか五件、及び昭和三十二年度国庫債務負担行為総調書を審議することといたします。 これをもって委員会を散会いたします。 午後五時四十四分散会