議院運営委員会 第16号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/02/27
会議録
○委員長(高橋進太郎君) 議院運営委員会を開きます。 まず、公聴会開会承認要求の取扱いに関する件を議題といたします。委員部長から報告申し上げます。
○参事(渡辺猛君) 予算委員長から、三月十日及び三月十一日の二日間にわたりまして、昭和三十四年度総予算について公聴会開会の承認要求書が提出されております。なお、公聴会は、国会法の規定に基きまして、必ず開かなければならないものであります。
○委員長(高橋進太郎君) ただいま報告がありました公聴会開会承認要求に対し、承認を与えることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(高橋進太郎君) 次に、一昨二十五日の本会議における内閣総理大臣の発言問題に関する件を議題といたします。 昨日の理事会の協議によりまして、ただいま官房長官の御出席を願っておりますので、御質疑の方は順次御発言を願います。
○小林孝平君 一昨二十五日、本院の本会議場におきまして、岸内閣総理大臣が、わが党の矢嶋三義、藤田進の両君の過般の本会議場における質問に対する留保答弁をされました。この答弁は、きわめて問題になる点が多々ありますので、本来なら総理大臣がここに出席されてお尋ねをするはずでございますが、与党理事の諸君が、強く、とりあえず官房長官だけにして質問をしてくれと言われ、もしそれでも不十分の場合は、さらにお互いに話をして、必要あれば総理大臣を呼ぼう、こういうことになっておったのであります。ところが、そういう総理大臣でなくて官房長官でやろうという話それ自身が本来おかしいと思うのです。これは総理大臣がやられたことであって、内閣全体の問題であり、そうして当面の責任者は総理大臣でありますから、総理大臣にお尋ねしなければ問題は解決しない筋合のものであります。特に官房長官はその席におられなかったし、こういうことでは困ると思いますが、本日聞きますところによると、ニュージーランドの首相を羽田空港に議長とともに総理大臣も送りに行かれたということでありますから、やむを得ず、官房長官には失礼でございますが、あなたにとりあえずお尋ねして、おそらく不十分だと思いますから、そこで、あらためて総理大臣に御答弁を願う、こういうことにして、これから始めます。 もうすでにお聞き及びと思いますが、二十五日総理大臣が矢嶋三義君に対する質問に対して御答弁になりました。ところが総理大臣は、最近の政局が非常に混迷を来たしておる。あるいは自民党の内部の派閥抗争が非常に熾烈をきわめて、心労されておられる結果と、われわれは考えざるを得ないような状態でありまして、総理大臣は、登壇されると、本会議場であるということをお忘れになりまして、「二月十二日の内閣委員会における矢嶋委員の御質問に対してお答え申し上げます。」と、こういうふうにまず発言をされました。これは本会議場と内閣委員会と取り違えられてまず御答弁をされようとしておるのです。こういうことは今申し上げたように、全く議会史上でも異例のことではないかと思います。これは先ほど申し上げましたように、非常に政局が混迷をし、党内派閥抗争がきわめて熾烈に行われて、この心労のせいでこういうことになったのではないかと思うのです。それは、わが党から注意をいたしました結果、議長から、ここは本会議場でございます、「本会議における質問です。」という注意があって、これを取り消されましたけれども、私は、こういうことでは、今後総理大臣に御質問をしても、こういう重大なことはわかりますけれども、このように重大でない、明確にそれとわからないような点で、本会議場においても内閣委員会におけるつもりで答弁をやられては困るのであります。そこで、こういうことになったのは、先ほど申し上げたような理由で、総理の御心境というか、心理状態といいますか、そういうものが著しく最近平静を欠いておる結果とわれわれは考えるのですが、内閣の取りまとめをやっておられる官房長官はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(赤城宗徳君) 一昨二十五日、参議院の本会議場において矢嶋三義君に対する留保答弁を総理大臣がいたしたわけでありますが、内閣委員会の答弁をされましたということは、まことに手落ちと申しますか、深く遺憾に存じておる次第でございます。それにつきまして、政界混乱あるいは与党の内部事情等で、総理が冷静の気持を失っておるのではないかということでありますが、私はそうではないと思います。実は、私も総理について出るつもりで、途中までついて来たのでありますが、衆議院の予算委員会で私に対する質問がありまして、すぐ出て来なければ向うの会議が開かれないということで、途中から引き返しました。急いでおったものですから、矢嶋君の内閣委員会における質問の答弁要旨を本会議の答弁のものと一緒にお渡ししておいたわけであります。そういう関係で、私の間違いで、内閣委員会の答弁要旨を渡さなければよかったのですが、それも一緒に渡したものですから、総理もその方を答弁で読み上げたというようなことになったのではないかと思います。非常に私として落度であったし、御迷惑をかけたということは、まことに遺憾に存じておる次第でございます。
○小林孝平君 今、官房長官がおっしゃったのでありますけれども、後刻、そういう御説明ではだめだ、そういうことではないということは、同僚委員からもお話がありますが、それだけではないのです。その次に、今度は取り消してやられた答弁も、内閣総理大臣に答弁を求めたのでない答弁、たとえば防衛庁長官にした質問に答えられたり、あるいは全然質問をしない事項を答えられたり、あるいは運輸大臣に答弁を求めて運輸大臣が答弁をしたことを、その答弁をしたりしておるのであります。こういうことは、全然もう国会などはどうでもいいという考え方でなければ、ちょっとやれないと思うのです。私はこういうことを事務当局の責任に転嫁したり、あるいは、これは官房長官が原稿の渡し違いをしたりというようなことで、責任を免れることはできないと思うのです。その点はどうですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 二月六日の参議院本会議における矢嶋君の質問のときには、総理大臣は出席しておりませんで、私は出席しておりまして、私に対する質問もありましたので、答弁をいたしたような次第であります。そこで留保答弁が相当あったのであります。今お話のように、あのときに防衛庁長官から答弁したこともありますし、運輸大臣から答弁したこともあるのであります。そういうたくさんの質問に対して、留保されたものだけをよく整理しておけばよかったのでありますが、総理大臣も当日二月六日に出席しておりませんでしたので、防衛庁長官から答弁があった問題や、あるいはまた運輸大臣から答弁があった問題、あるいはまた質問外の問題等についても一昨日答弁をしたような次第で、そういうもろもろの問題を整理して、総理によく話しておけばよかったと思うのでありますが、全くそういう整理を怠っておったために、また、総理は二月六日の本会議場に出席しておらなかったために、どの点が留保答弁になっているかということをよく承知していなかったようであります。その承知をしないままにしておったということは、私の非常な手落ちでありまして、よろしく……。もっと整理して留保答弁だけを答弁するようにすべきだったと、こう考えます。いずれにしても、整理を怠って、答弁したもの、また質問もしないもの等についてまで論及答弁をしたということに導いたといいますか、その準備をやらなかったということは、非常に手落ちであったと、深く感じている次第であります。
○小林孝平君 ただ官房長官として整理が不十分であったとか、あるいは総理が当日出席しておらなかったということは、全然理由にはなりませんよ。出席しておらないから留保答弁が行われたのであります。だから、結局これはもう国会などはどうでもいい、いいかげんに答弁をしておけばいい、こういう考え方だからそういうことになるのです。これは後ほど詳しく他の委員からまた御質問がありますが、結局、問題は、総理大臣は、この答弁をされる際に、これはもうおかしいということはおわかりになったはずなんです。たとえば、あれを聞いておれば、あの答弁のやり方は、要するに想定問答集を寄せ集めて、問いも答えも一緒にやっておられるのです。だから、これは、最近新たに大臣になられた方とか、あるいは従来も官庁にそういう想定質問があって、答弁は下僚の作ったメモを読み上げるということが一般に行われているというようなことを知らない方はいざ知らず、岸さんのような練達の士は、あのメモを見られたら、これはおかしいということはすぐわかったはずなんです。というのは、想定質問の問いからまず始まっている。問いの部分から、こうこうこういう問いでございますが、答えはこうですということに、みんなあの答弁はなっているのです。もっとも、議運委員長はうなずいておられるけれども、あなたは大事のときにはおられないのですがね。まあそれも後ほどちょっとやらなければいけませんが、(笑声)そこで、岸さんはあのメモを読まれて、おかしいということはわかっているわけです。「最後に」と言われまして、その後また「最後に」が幾つもあるのです。だから、岸さんは、メモを引つくり返して、ともかく頭が一応いいから、つじつまを合わされましたけれども、おかしいということはわかった。わかったけれども、ともかくその内心には、参議院の本会議なんか言いっぱなしでいいんだ、こういう頭があるから、それを最後までつじつまを合わして答弁をされているんです。そのやり方がもうおかしいので、官房長官がそれを弁解しても、弁解になりません。従がって、こういうことがあるから、岸さんに直接聞かなきゃいかん。そういうメモを見ながらやって、これはおかしいと感じながらともかく最後までやってしまった。こういうやり方は、結局、国会の本会議、委員会を通じて、国会議員の質問などはどうにもなるという考え方があるからこういうことをやられたのだと思うのです。従って、先ほども申し上げたように、これはあなたにもこれからいろいろ御質問をしますけれども、ともかく岸さんが来てここで答弁をされなければ解決のしない問題であると、こういうふうに思うのです。 そこで、この際に、岸さんの答弁は、答弁といたしまして、あなたにお尋ねをいたしたいことは、こういう状態になったのは、私が先ほど申し上げたように、岸さんの心境が乱れているから、やや錯乱状態と言うてはまた問題になりますから申し上げませんが、やや平静を欠いておるからこういうことが行われる。そこで、そういう理由は、すでにもう岸内閣というものがぐらついて、ぐらぐらしておるから、こういうだらしないことが起きたのではないかと思うのです。ごく最近に某新聞の世論調査が行われました。その際に、岸内閣の支持率というものが出ておりまして、「岸内閣は続いた方がよいと思うか、変った方がよいと思うか」という世論調査に対しまして、昭和三十二年の七月に行われました同調査においては、「岸内閣は変った方がよい」というのが一七%、それが昭和三十二年の十一月には二七%、三十三年の九月には三〇%になり、三十四年の二月、今月になって行われましたのは、これが飛躍的に増加いたしまして、四二%が岸内閣は変った方がいいと答えているというような、こういう状態になっております。過去のかくのごとき世論調査におきましては、支持しないという率が大体三〇%になりました際は、その数カ月後には内閣は退陣せざるを得ない状態になっておるのが実情であります。芦田内閣、吉田内閣、鳩山内閣、いずれもしかりであります。従って、今回のこの四二%という支持しないという率は、すでに内閣の末期的症状の率であと考えてもいいと思う。このような、数カ月後にすでに岸内閣が退陣をせざるを得ないというような、こういう状態であるから、こういうことが行われたのじゃないかと思うのです。これは、官房長官、あなたはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(赤城宗徳君) 今お話の朝日新聞に載っておりました世論調査は、私も読んでおります。世論が前よりもよくなっていなということはまことに遺憾でありますが、しかし、内閣が退陣するかしないか、あるいは世論の変化というものを具体的にはどういうところで判断するかということは、やはり選挙ということによる全国民の世論の反映を求めるということにあるのだろうと思っております。でありますので、新聞の世論の支持率が昨年より減ったということで、数カ月後には退陣しなくてはならないのだというふうには考えておりません。従って、支持率が落ちておるということは、政府などにおいて大いに自戒して、国民の支持を得るような政策にいたすべく努力をいたしておるのであります。でありますので、そのことがあったがために総理が非常に心が動揺しておるとか、数カ月後には退陣するというような気持のために、参議院あるいは衆議院の会議等をおろそかにするとか、そういうような気持は持っておりません。岸総理といたしましても、各委員会、また本会議等には、まじめに努めて出席いたしまして、議員の質問にもよく答えて、政府の意のあるところをよく努力いたしておりまするので、その点、御了承願いたと思います。
○小林孝平君 官房長官はそういう御答弁になっておるから、官房長官では私はだめだと、こう言っておるのです。どうしても、これは私は何も支持率がこうなったから退陣せいと言っているわけじゃないのです。これは過去の例からいっても、この数字が三〇%を越した—今回は四二%になっておりますが、こういうことは、過去の例によれば、すべてその数カ月後に退陣のやむなき状態に立ち至ったということを申しているのです。従ってあなたがどう強弁されようと、岸総理大臣の心境が動揺していないと私は言えないと思うのです。それでなくて、平静な状態でこういうことをやったというなら、よほどこれは国会をばかにしている、こういうことになると思う。これは、こういう平静でなかったからやったというなら、まだ情状酌量すべき点もあったかもしれないが、平静の状態でそういうことが行われたとうならい、なおおかしい。私はそういうお答えがあるだろうと思って、それなら岸総理大臣は来なくても、場合によってはいいじゃないか、またそういうこともやむを得ないと思ったけれども、平静で、当然だと言ってこんなことをやっていたら、よほどどうかしておりますよ。これはあなたがどんなに強弁されてもだめです。大体あなた平静じゃないじゃありませんか。昨日も衆議院の予算委員会分科会において、自由民主党与党の川崎代議士は、一体、岸内閣は二年間に何をやったか、警職法を出して世間のもの笑いになっただけじゃないかと言って、あなたに質問をしているじゃありませんか。そういう与党の内部にさえ、二年間に、岸内閣は警職法を出して世間のもの笑いになったほか何にもやらないというような、そういう意見がある。それから、まじめにいろいろやったと言うけれども、また川崎君の同じ日の話に、池田勇人、その他の閣僚が、三人、昨年の暮に、党内派閥抗争の結果やめられた、内閣を去られた、そういう重大な時期に、岸総理大臣は赤坂の料亭において遊んでおられる、こういうことではだめじゃないですか、こういうふうにあなたに追及されておりますが、そういうようなことをやっているからこういう間違いを起すので、私は岸総理大臣の心境を十分たださなければならぬ。夜分いろいろ会合等があって、どこでやられたか知らないけれども、川崎君の指摘したような場所においていろいろやられるので、その疲労の結果こういう間違いをしでかしたというなら、これは了とすべき点もあるかもしれぬ。それは人によって違いますが、私は、疲れのためにそういうことになったというなら、まだわかります。あるいはこの支持しないという率が四二%になるような、こういう状態で、心の平静が乱れておったからこういうことをいたしましたというならわかりますけれども、明敏なる岸さんがこういうことをやるのは、これはよほど国会をなめていなければ私はやれないと思うのです。大体もう岸内閣は全体として弛緩しているのじゃありませんか。また、昨日衆議院の内閣委員会において、与党の議員は、こんなボロ国会は問題にならぬと、岸総理大臣なんか当てにしておってもしようがないという発言をされているんです。こういう、与党の議員でも、ボロ国会だとか、岸内閣総理大臣なんか当てにならぬ、いざとなったら防衛庁長官だけが当てになる、という発言が行われる国会の現状を、あなたはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(赤城宗徳君) ただいま御発言の中に、ちょっと私の方で注釈を加えなければならない問題がありますから、先に申し上げます。昨日川崎君から、総理大臣のかわりに私に答弁をしろというようなことで質問があっことは事実でございます。また今御指摘のような質問もありました。それから第二点の池田、三木、灘尾三大臣がやめるときに、赤坂で酒を飲んでいたじゃないか、そういうことじゃけしからんじゃないか。これに対する見方は別といたしまして、事実はこういうことだということを川崎君にも答弁しておったのですが、ちょうどあの日に毎日新聞の社長その他たくさんの人から招待を受けて、前から約束がありました。それでありますので、辞表をきょう出すかもしれないということは承知をしておったのでありますが、前からの約束でありますので、「中川」で夕食を共にしておった。それですから、行く先もちゃんと連絡をしている。それで、私も実はその席におったわけであります。そこで連絡がありましたので、内閣に戻っていろいろ話し合いをしたということは事実であります。しかし、そのこともけしからぬと言えばなんでありますが、事実はそういうことでありますので、念のために申し添えておきます。それから、内閣が弛緩しているのじゃないか。気持が非常に弛緩していのじゃないか。与党の中からも予算の分科会あるいは内閣委員会等でいろいろ言われているじゃないか。これに対してどう考えるかという御質問かと思います。私どもも務めてそういうことがないように努力をしているわけであります。弛緩しているというふうに私は見ておりませんし、そういう気持で責任ある政府にいるということではないのであります。そこで、そういうことで弛緩していない、冷静な気持でいるならば、参議院においてああいう違った答弁をしたり、よけいな答弁をするはずはないじゃないかという御糾弾のようにお聞きいたしますが、それについては、先ほどから申し上げましたように、別に動揺しているとか、平静を失っているというわけじゃありませんが、何にいたせ、質問を聞いておりません。でありますから、私の方で留保された答弁というものは整理して手渡すべきであったのであります。ところが、その整理が非常に不十分であったり、また怠った、こういうことでありますので、総理も急いで本会議にかけつけまして、多分私の渡した書類が整理されているものと考えて答弁が始まったということと考えております。小林さんは総理々々とおっしゃいますが、まあ、ああいう答弁をするに至りましたいきさつ、それは私の非常な手落ちからそういうことになったのでありまして、その点につきましては、私の手落ちでありますので、そういうふうに御了承いただきたいと思います。
○阿部竹松君 官房長官にお尋ねしても、これは小林理事もおっしゃる通り、やはり総理の心境ということになると、官房長官では答弁ができなかろうと思いますので、それは小林委員の発言の中にありましたように、総理を呼んでお尋ねするというふうに委員長が諮っていただきたいと思うのですが、その前に、松野さんがおりませんから、平井さんにお尋ねしたい。これは二十五日の官報号外ですが、岸さんが松野議長の指名に基いて、「最初に、二月十二日の内閣委員会における矢嶋委員の御質問に対してお答え申し上げます。御質問は憲法調査会に関する御質問でございます。」、そうしたところが、こういう総理の切り出しに対して、「(「内閣委員会ではない。本会だ」と呼ぶ者あり)」とある。まあこれは社会党のヤジでしょうが、そうすると、議長松野鶴平君が、「本会議における質問です。」と、こういう発言をしておるのですね。そうすると、松野さんの「本会議における質問です。」という議長発言は、これはだれだれに対してということではないんだから、われわれ一般議員に対して議長が発言されたものか、それとも岸総理に言われたものか、その点はいかがですか。
○副議長(平井太郎君) 私は十分聞きとれなかったのですけれども、当然それは岸総理にそういうことを言われたのではないかと思います。
○阿部竹松君 そうすると、岸総理の答弁の切り出しが、本会議における答弁になっておらぬから、岸総理に注意を喚起したんだということですね。
○副議長(平井太郎君) そういうことじゃないかと思います。
○阿部竹松君 そうしますと、これは河野事務総長にお尋ねしますが、明治二十三年以来の故事来歴は私は知りませんけれども、あなたの記憶で、一国の総理が、議長から答弁について注意を促されたということはございますか。あなたの記憶の範囲内でけつこうですから。
○事務総長(河野義克君) 今的確に記憶はいたしておりませんが、議題をはずれたり、いろいろなことで、あるいはそういうことがあったかもしれませんが、今どういうことについて記憶しておるかという具体的な問題になれば、現在記憶して、おることはございません。
○阿部竹松君 中身は別個としてですね。そうしますと、そういうことはないということですね。
○事務総長(河野義克君) 記憶はいたしておりません。
○阿部竹松君 今の小林理事と官房長官の問答の中で感じたのですが、赤城官房長官、実際総理は矢嶋さんなりあるいは藤田議員の質問要旨をお読みになったのですか、ならぬのですか。おそらく矢嶋議員の質問を、数字の明細な点は防衛庁長官の伊能さんにやってもらったのですね。しかし総理に御答弁を願うような項目は、きわめて常識的な質問をなさっているわけです。総理が、もし矢嶋あるいは藤田両議員の質問を読んでおられれば、これは間違いは起きないということになるわけです。数字であれば僕はまだやむを得ないのではないかと思いますが、なお、きのう国会のこちらの方の事務局のそれぞれ担当された方にお伺いしてみると、記録等は届けても届けなくてもよろしいことになっているけれども、答弁が留保されているために、いち早くあなたの方にお届けになっているということなんですが、お話を承わっておりますと、てんで総理は、矢嶋君あるいは藤田君の質問の要旨をお読みにならぬ。従って属僚に簡単に書かせて積み重ねた原稿をお読みになったということが、最大の原因になるのではないかと思うのですが、そういう点はいいがでしょうか。
○政府委員(赤城宗徳君) 前に十分留保答弁につきまして、私からも話をしておったのですが、その後、時日がたって、実は一昨日の朝、私もうかつにしておりまして、大急ぎで書類を渡したものですから、実際本会議場に入るまでによく見ておらなかったのではないか、こう考えております。
○阿部竹松君 官房長官の答弁は、さいぜんの小林理事の質問にそういう御答弁があったけれども、私のお尋ねするのは違うんです。質問に対して、全然かけ離れている御答弁なんです。あなたが岸さんの代理でおいでになったけれども、全然質問せぬのが七点答弁されている。これは七点の質問せぬ分の答弁分は別として、二つ答弁しておらぬところがあるけれども、あなたはここで岸さんのかわりに御答弁できますか。
○政府委員(赤城宗徳君) きのう聞いておりませんので、どういうことですか。総理のかわりに答弁しろということが私にはわからないんですが。
○阿部竹松君 きのう聞いておらぬと言うけれども、本件に関しとにかくお尋ねをしてそれで岸さんの答弁中に、答弁せぬでもいいところを七点答弁しているんです。それから、しなければならないところがはずれているんです。そのはずれている点はあなたは答弁できますか。
○政府委員(赤城宗徳君) 防衛庁長官に対する質問を、すでに防衛庁長官が答弁したことを、当院でこれを答弁したということを知っております。それから運輸大臣が、あのときに航空政策について、民間航空と航空自衛隊について、これはすでに防衛庁長官あるいは運輸大臣が答弁したことをさらに答弁されております。それから質問外で総理が発言したということが三点、防衛分担金の減額きれた分、沖縄、小笠原返還要求はどうなっているか、非核武装と安保条約、これは留保答弁になっておらぬことに対して総理が発言されました。
○阿部竹松君 ですからそれは官房長官、六点か七点の個条の方に回るわけです。答弁しておらぬのがあるわけです。それはまだお調べになっておらぬわけですね。
○政府委員(赤城宗徳君) 答弁していないのは、まだ調べておりません。
○阿部竹松君 それはあとで総理がここへ来てするのか、あるいは本会議で答弁漏れはさらに答弁される、こういうことですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 答弁漏れがありまするならば、本会議で当然答弁しなくちゃならぬものだと、こう考えております。
○阿部竹松君 そこで僕は繰り返すんですが、やはり本総理は会議も委員会も軽視しているのじゃないか。これは川崎さんの説によると、小林理事じゃないけれども、待合に出入りするのが大へんお好きであるというような記事も私は見たんですが、総理の答弁は二十日もたってからなさったことになる。六日と二十五日ですから、それを私どもが、とにかく佐藤大蔵大臣が本会議で答弁してくれるためには、理事が、大臣を出す出さぬで一時間もねばらなければ大臣が出て来ない。総理の問題にしてもその通りです。本会議をやつたら、さっそく答弁留保などというものがあった場合には、いち早く出て来なければならぬ。それは衆議院が本会議を開いておれば、向うは第一院であるし、そういう点では僕らは了解します。向うで本会議も何もないのに全然出て来ない。理事会で一時間も発言しなければ、総理が出て御答弁なさろうとしない。大蔵大臣しかり。官房長官を呼んで、大臣のあり方についてお伺いしたいという発言をしましたが、それも無理であるということでありますが、あなたの方ではどうなんですか。内閣で、本会議と委員会の関係、あるいは答弁が保留になっている点について、どういう御心境なんですか。僕は、単に出先の自民党の理事が与党に肩を持って、大臣を出したがらぬ、総理大臣を出したがらぬとは思っておらぬ。あなたの方から強力な圧力がかかって、それはなるべく出さぬようにせいという指示がきているんじゃないか。指示がきているということになれば、僕たちは今後考えを改めなければならぬ。こういう点はいかがですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 今のお話でありますが、本会議に答弁が留保されておるということでありますならば、一番早い機会に答弁をすべきであるということは、私どもも考えております。ただ御承知のように、衆議院の予算委員会が非常に停滞しております。それから再開されると、総理とか大蔵大臣が出席しない、また開会しないということで、非常に今国会においてはそういう機会が多かったものですから、答弁も延びておりますが、しかし、私の方で参議院の本会議に総理大臣の出席とかあるいは大蔵大臣の出席をとめるというようなことは決してありません。決して拒否するというような態度はとつておりません。一昨日仏実は、大蔵大臣が衆議院の予算委員今に出ないというと、衆議院は予算委員会を開会しないということで、向うから非常に強く言われておったのです。しかし私は、ともかくも大蔵大臣、早く参議院の本会議に行って留保答弁をしてきてくれということで、そう言っては失礼ですが、追い出すようにして大蔵大臣に参議院の方へ回ってもらったのであります。その後大蔵大臣が戻ってから、十一時から衆議院の予算委員会に出席したのでありまして、今お話のように決して本会議あるいは委員会の出席を拒否するとか、それを押えるというふうなことはありません。できるだけ出られるように、私の方としては、しているつもりであります。その点も御了承願います。
○阿部竹松君 そうすると、たとえば十三日の答弁を二十五日に求めて、約二週間前のものを、僕たちは議運で一時間も今申し上げた通り出せ出せとやったわけですね。あなたのお話を聞くと、追い出すように大蔵大臣をこちらへ答弁に出席をしてもらったということなんですが、それでは僕たちはキツネにつままれたようなものなんですね、あなたのお話がほんとうであれば……。
○政府委員(赤城宗徳君) その前に参議院の本会議を一回やったので、ほんとうはそのときに答弁すべきだったと思うのです。しかし、そのときちょうど衆議院の予算委員会で、総括質問だったかと思いますが、総理の出席がないとまた衆議院の予算委員会が流れる、こうなると、また三日とか五日とか延びるというふうに、いろいろな問題があり、向うの予算委員会が開会されないようになりそうでした。これらを控えて、総理がまた出席しなければきょうも開会できないということになっては、国会の運営からも困りますので、それで衆議院の予算委員会に総理が出たので、参議院の方へ行く時間がなかった、一昨日初めて出られたということで、しいて参議院の本会議に出ることを避けておったということではないのでありますから、その点を一つ御了承願いたい。
○阿部竹松君 きのういろいろ理事会で問題になりまして、そして一国の総理が本会議の答弁中、国会職員がうろうろ原稿を持って歩いているのは、みっともないじゃないか、あなたたちは一体総理の属僚かという発言を私がしたところが、私どもの方の総長は、それは内閣の属僚では全然ございません、しかし、やはりそういう足らないのを補ってやらなければならぬというふうに考えておりますと、こういうことなんですね。これはもっともな話だと僕は思うのです。しかし、僕らに言わせれば、ちゃんと法制局長官以下、官房長官以下、総理がおいでになるのについてきておるのですから、それでなおかつ足らないで、国会の職員が一生懸命で本会議の答弁中原稿を持って歩かなければならぬというようなことは、見苦しききわみだと思うのですが、一体どこに責任があって、あなたは、私が原稿を渡すのを間違えたというので、一身に責任を負うがごとき発言をなさっているが、こういうことがたびたびあっては困るので、官房長官として、特に国会議員の一人として、責任のあり方をいずこに求めるということになるのですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 事務当局が内閣を援助するという立場ではなかったと思います。私は一昨日、先ほど申し上げましたように、途中までついて来たのですが、衆議院の予算委員会に引き戻されたものですから、一昨日、本会議に出席できなかった。でありますので、そのときの様子はよく承知して、おりませんが、事務当局が書類を持って歩かれたことは、私は、内閣を支持するとか、そういうことでなくて、そういう内閣委員会の質疑に対して答弁するということでは、国会そのものが非常にまずいのじゃないかという立場から注意をされたのじゃないか、内閣のためというふうなことでなくて、国会としてそういうことではまずいという立場から注意されたのではないか、というふうに考えております。で、今のお尋ねからいいまして、事務当局がそういうことはすべきでなくて、実は私どもがおれば、私どもが気がついてそういう点を直すべきだったと思います。その点は、私も出席しておりませんので、責任は、当然内閣官房長官が本会議場等の連絡その他をやり、また総理が間違った答弁をするというようなことであれば、当然注意をして改めてもらうというようなことを措置するのが、官房長官の仕事だと思います。今申し上げたように、その席におりませんで、申しわけなかったと思います。
○阿部竹松君 そうなってきますと、あのときの答弁は突発的事項じゃないわけですよ。突発的事項だったら、官房長官がおらぬとか、あるいは総理にいつも同行される方がおらぬということは、これはまた理由になるのですけれども、とにかくもう十日も、あるいは二週間も前からわかつておったことなんですから、総理がほんとうに総理として、矢嶋君あるいは藤田君の質問にお答えになるということであれば、これはやはり原稿くらい目を通すのは、僕は当りまえだと思うのですがね。ただ単に属僚に書かせて、それを持ってきて読むだけだったら、今後僕たちは、答弁を保留して、総理大臣あるいは担当大臣が出なくても本会議を開きますよなどということは、とうてい話にならぬことである。その点はいかがですか。あなたのお話でいくと全然危なくて、これはもう大臣が一人でも欠けたら本会議は開きませんというように、もうおきめ願わなければならぬ。
○政府委員(赤城宗徳君) 質問に対する答弁、あるいは留保答弁等につきまして、私どももこういうことが問題になっておるということで、答弁の要旨等も事務当局から書かせることになっております。しかし、総理はそれを見まして、大ていの場合は、自分の意見といいますか、自分の考えもありますので、事務的なものをそのまま答弁していることはないのであります。ただ一昨日だけは、まことに申しわけなかったのですが、事務当局の答弁要旨等を早急の間に渡したものですから、それをよく検討する時間がなかった、こういうふうに考えております。
○阿部竹松君 ですから、幾ら総理だって、これはやはり人間ですから、間違いがあるということは、僕ら了承しますよ、これはお互いに。しかし、最初の内閣委員会における矢嶋君の質問に対して、憲法調査会云々、これは間違いましたと言っているけれども、それはまあいいですよ。遺憾なことですがね。ただ本会議場で、しかもあとでやつた答弁が、とにかくずるずるずるずると全部怪しげなことをやっているのですからね。初めは確かに原稿を間違って持ってきて、官房長官のおっしゃるように、それは原稿が間違いましたと、これは間違いだからやむを得ないですよ。しかし、その他全部間違っているということは、これはどういうことなんですかね。これについては官房長官、僕はとても了解できませんよ。あなたたちの原稿が間違っているのはこれはやむを得ませんよ。しかし、その後やったものもまた間違っているのだと、オール・ミスじゃないですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 留保答弁の整理が私の方で十分でなかったものですから、答弁しなくてもよいものに答弁をしましたり、また重ねて答弁した、また、今お話に出ましたように、まだ答弁申し上げないものもある。総理としても、下で整理する者が手落ちがありますと、どうしてもそういう結果になりますので、手落ちが私どもの方にありましたので、こういう結果になつたのでありますので、決して参議院の本会議を軽視するとか、総理が無責任な気持で答弁をされたということではないと私どもは考えております。私の手落ちからこういうことになったことは、私は深く考えて、今後の処置をいたしたいと考えております。
○阿部竹松君 官房長官は、私よく知りませんけれども、自民党切っての人格者であるということをうわさに聞いておるので、あまり官房長官にエゲツないことを言いたくない。しかし、坊主僧けりゃけさまで憎いということもあるので、官房長官を責め立てる気はないけれども、実際、官房長官、跡始末はどうするのですか。わが党は、これをどうして下さい、こうして下さいということは言わんでしょう。しかし、あなたたち国会運営の前例もあることだし、今、河野総長に聞いても、あとで記録でも読んでいただかなければ、いかに頭のいい総長といえども、明確な答弁はできぬでしょうけれども、記憶の範囲内ではこういう前例はございませんとおっしゃっているのです。こういうでたらめな答弁を本会議でやって、そうしてそのあとで、ただそれをもうおざなりに済ましてしまうのかどうなのか。質問しない点は、これは本会議でとにかく御答弁なさるそうですから、あらためてやってもらうことにして、これはあなた方が責任がるとおっしゃるのであれば、一体どういう責任をとられんとするのか、最後に一つ承わりたい。
○政府委員(赤城宗徳君) 非常に間違っているということであれば、また本会議等においてその点を釈明と申しますか、そういうことをしなければならないと思いますが、いずれにいたしましても、議運の皆さま方、あるいは国会対策等において御協議を願った上で対処いたしたい、こう考えております。
○小林孝平君 今、官房長官のお話の中に、総理、閣僚は本会議に出席することを別に拒否するのじゃない、進んでいかなる場合でも出るというお話、それは当然で、さすが赤城さんだと思って感心してお聞きしておりましたが、それならば、こういうふうな重大な問題、特にわれわれは総理の出席を要求している。そこで、あなたがまあとりあえずおいでになりました。そこで、この話を聞いておいでになれば、われわれが議運に総理の出席を求めているのに対して、これは総理が出て釈明なり、あるいはわれわれの質問に答えるのが当然だとお考えになっているだろうと思いますが、念のためお尋ねいたしますが、あなたはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(赤城宗徳君) その後の総理がどういうふうにされるかということにつきましては、あるいは国会対策等でおきめいただきたいと思います。私といたしましては、総理がきょうここに出られないので、私が皆さまに、私の手落ちであったので御了解願って、その後の措置については、国会対策なり議運の方でお考え願ってはどうかという考えで私はいるのであります。その後の御相談はまたお願いしたいと思います。
○小林孝平君 これは重大なことなんです。今、官房長官は、本日総理は、私が最初に申し上げたように、ニュージーランドの首相を空港に送りに行かれたからかわりに出てこれたと、こうおつしゃいました。従って、官房長官はかわりに出てこられた、それでなければ、私はそういうことをあなたはおっしゃるはずはない。私ではだめだと思って、当然総理だと思ったけれども、そこに行かれたから私は来た、こうおっしゃったのだから、これは官房長官は、議運の理事はどう考えられるか知りませんけれども、あなた方は社会党の要求を何でも拒否していれば任務が終るというふうに考えておられるとは思いませんけれども、そう思われる節がときどきあるのです。だからそういうことになる。そこで、これは今の官房長官のお話では、当然総理はここへ出て、御答弁になるなり、あるいは釈明なりされるのが当然だとお考えになるとおっしゃったのは、もっともだと思うのです。(「そうではない」と呼ぶ者あり)だからあなた方は特に田中理事は非常に議運の仕事には、協力されるけれども、ややもすれば、社会党の要求は何でも拒否していれば議運の理事として役目は務まる、こういうふうに考えておられる。そこで、そういうことだから事がうまくいかない。前例があるのです。衆議院の予算委員会において、わが党の河野国会対策委員長のILOに関する質問をさせれば、この間のような混乱はなかったのです。あれをやつても半日で終ったのです。それをやらせないから、ああいう混乱が起きた。今回もこれをやらせなければどういうことになるか、その前例から考えればおわかりになるだろうと思います。従って、国会の議事を正常にやるためには、野党の要求も十分いれて運営しなければいかぬ。今、赤城官房長官がおっしゃったことをわれわれよく検討して、そういうふうにすべきだと思う。委員長どうです。
○委員長(高橋進太郎君) これは、いずれこの間の理事会での話もありますから、理事会で十分それはお諮りして、官房長官の答弁が納得ができずに、さらに総理の出席を要求するという結論になれば、その結論にして、いずれこれは議運の理事会でお諮りしたいと、こう思っております。
○小林孝平君 それからこれは、今のようなこういうやり方は、私、非常に不明朗だと思うのです。これは総理の責任なんです。内閣の首班としての責任なんです。それを官房長官が無理に自分の責任であるかのごとき発言をされておりますけれども、われわれは官房長官にはそんなことは期待していないのです。また官制上も官房長官にそういう絶大な権限があることは規定しておらぬのです。権限外のことを勝手に、総理をかばおうという下心からそういうことをおやりになる、そういうことをやっているから、岸さんはいろいろの間違いをやられても、その側近の皆さん方が岸さんをかばうから、自分のやっていることは何でもいいと、こういうふうにお考えになるから、岸さんの支持率が下ってくるのです。ほんとうに岸さんを思うならば、岸内閣の将来を思うなら、もっと率直に、あなたは、この議運の席上に来て釈明をするなり、本会議場において釈明をして、その責任を全部とるべきである、むしろ官房長官が進んで忠告をされるべきであろうと思うのです。それでこそ初めて官房長官の役目が達せられるのであって、何でもかんでも私の責任です、私の責任ですというようなことをやっているから、岸さんがいい気持になってやられるのです。そこで私は、官房長官、一つ率直に岸さんに話をされて、あなたは一つ議運なり本会議場において釈明すべきが当然じゃないかということを、御伝達されるのが当然だと思いますが、あなたはそういうこともおやりになる意思はありませんか。
○政府委員(赤城宗徳君) 実は今朝、一昨日の本会議の状況を総理に話をしました。しかし、これはほんとうに私の手落ちなんで、私がそういう手落ちをしなければ、総理はああいう内閣委員会の答弁と混同されるはずはなかったと思いますので、私が議運委員会に出て、よくその事情をお話しするということで出てきたのであります。努めて本会議あるいは委員会等にも出るという方針は、私どももその通り、内閣総理大臣としてもその通りですが、きょうの場合はそういうふうに私の手落ちなものですから、総理といえども、材料なしに、間違った材料で答弁して、本会議を軽視するお粗末に扱うという気持はないと思いますので、私の申し上げたことで御了解を得れば、これに越したことはない、こう思って出てきたのであります。
○小林孝平君 私は最後に一つ質問があります。これだけ重大な責任が全部私にありますということは、あなたはそれならば責任を感じておやめになつたらどうです。そういうことでもやらなければ、この岸内閣のタガのゆるんだのは直らないのじゃないかと思うのです。ただ口で、私の責任です、悪うございましたと言って済むなら、もう今後もそういうことで済むなら、何をやってもいいということになるのじゃないですか。ほんとうに責任を感ずるなら、やめられたらどうです。これがまず一点。 それから第二点は、これはいずれ、この取扱いは理事会においてやられると委員長は言われますけれども、これはきわめて重大であって、この本会議場においでにならないと、速記録を見てもなかなかわからないのです。そこで委員長は、この重大なこの本会議に、当日は、承わるところによると、宮城県の知事選挙の応援のために出ておいでになって欠席されておったようなんです。従って私は、それを責めようとは思わない。あなたも自民党の方ですから、おやりになったらいいでしょう。いいけれども、それを責めるのじゃない。ここに出ておらなければわからない。従って、議運の理事会においてこれを取り扱うとき、委員長は与党の理事の話だけ聞いて、一方的に、これは先ほどの田中理事の話じゃないが、社会党の要求を拒否していれば役目が務まるというようなことで、そういうことに加担して、へんぱの取扱いをあなたがされるということになれば、先ほど申し上げたように、いいとは申し上げたけれども、再考しなければならない。数日間もこの重大な時期をあけて、しかも、その後の取扱いが非常にへんぱであるというようなことになれば、あらためて議運委員長に対してわれわれは考えなければならない、こういうふうに思います。これは質問じゃありません。質問は官房長官にです。
○政府委員(赤城宗徳君) この手落ちの責任をとってやめるかということでありますが、これはなおよく反省してからきめたいと思います。
○小林孝平君 やめるかもわからぬというのですね。反省して。
○政府委員(赤城宗徳君) やめるだけの問題かどうかというようなことも、よく私が検討してからにいたしますから、私の気持におまかせ願います。
○伊藤顕道君 官房長官に一、二お伺いしますが、先ほどからお話になっておりますように、矢嶋氏の質問の要旨は、こういうようにF68Fジェット戦闘機四十五機を返還するという非常に重大な問題である。同様に藤田氏の質問も、国民年金という非常に重要な案件であったわけですね。ところが、当日総理並びに所管大臣である大蔵大臣も欠席せられたということについては、これは予算委員会の出席で真にやむを得なかった事情であった、その点を責めようとはいたしませんけれども、しかしそういう事態の中で、総理なり大蔵大臣は当然、予算委員会終了後、本日の本会議でどのような質問があったかということについては、総理の立場から、また大蔵大臣として所管大臣としての立場から、当然直ちにこの質問要旨を頭に入れて、そして善処すべきで、進んで両方答弁をいたすべきであったのじゃないか。こういう点に両者とも誠意も熱意も欠けておる。そういうことからこういう問題が起きてきた。そういうふうに私は感ずるわけですが、長官としてはどういうお考えですか。
○政府委員(赤城宗徳君) お話の通りでございます。両者とも出席すべきであり、またその日に出席しておらなければ留保された答弁について直ちに善処すると、私の方でも実はそれを話しております。ですから、その次の本会議の機会に御答弁するのが筋だと思います。ただ、参議院の本会議がその後一回ありましたが、衆議院の予算委員会でどうしても、総理、大蔵大臣等が出席をしなければ、また予算委員会を休むというような状態でありましたので、それでなくても数日空費しておりますから、向うの予算委員会を軌道に乗せていくという意味で向うに出ておりましたので、前の本会議で答弁ができなかったので、一昨日答弁をしたというようなことであります。
○伊藤顕道君 そこで、矢嶋議員からの質問の要旨に対しては、総理の答弁はほんとうに、先ほどから他の委員から繰り返されておるように、非常に的はずれもはなはだしいと言わなければならぬ。非常にこういう大事な問題に対して全く的をはずれておる。これは先ほどからも出ておるように、部下にただ作文をさして、それを長々と読んだにすぎない。こういうことでは国会軽視のそしりを免かれぬと思う、こういう点だけ考えても。こういうことでは、正常な国会、ほんとうに尊重すべき国会を正常に運営するということにも非常な支障が出てくると思う。こういう点については十分責任をとるべきだと思うのです。そういうことについてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 答弁の要旨につきましては、事務当局において一応整理させて後に、できたものを、やはり総理としては自分の立場からこれを翫味して、自分の答弁として答弁するということになっておるのでありますが、たまたま一昨日は時期が少し長かったのでありまして、幾らか失念しておったかと思います。急遽私が答弁要旨を渡したものですから、その整理もしないままで渡したので、ああいう結果になったと思います。お話の点はなお十分注意いたします。
○伊藤顕道君 官房長官としては、私が部下に作文させ、十分に目を通して整理して渡せばよかったと、あなたの立場ではそういうことが言えるかもしれませんけれども、そういうことにはかかわらず、一国の総理大臣の立場から、また所管大臣としての大蔵大臣の立場から、当然これは質問要旨に対して目を通して、そうしてただ作文を朗読することでなしに、作文を朗読するということだけで総理が勤まるなら、だれでも総理大臣はできるわけです。やはり総理大臣としてのお考えがあろうと思うそういう点から、何ら総理としての所見が出ていないわけですね。ただ部下の方々の作文を朗読するにすぎない。しかも、それも的はずれであるということでは、一国の総理の、また一国の大蔵大臣としての責任は果されぬと思います。これはまことに重大な点だと思うのです。ただ部下の作文というものを長々と朗読すればそれで事足りる、そういうことでは済まされぬと思う。その点まことに重大な問題であると思う。その点どうお考えですか。
○政府委員(赤城宗徳君) お話の通りであります。それでありますので、いつも事務当局の作ったものを目を通したままでなく、総理のお考えを入れた答弁ということにしておったのですが、一昨日だけはほんとうにそういうことを、時間的な余裕がなくて本会議に臨んだということで、御指摘のような結果になりまた。お話のようなことは、なお私ども注意をいたしまして、総理は総理としての答弁、大蔵大臣は大蔵大臣としての答弁になるように今後とも話もし、またそういうように進めたいと思います。
○伊藤顕道君 議長が御欠席であるので、副議長にお伺いしますが、この間、矢嶋氏から、今後本会議の運営については議長に十分注意してほしいと、そういう強い要望があったのをお聞きだと思いますが、そのことについて議長として今後どのようにされるつもりか、矢嶋氏の要望に対して、これをどういうふうに受けとめて、今後どのように注意して、具体的に本会議の運営を支障なくお進めになるか、こういうような具体的なものもあろうと思う。この点についてお伺いしたいと思う。
○副議長(平井太郎君) 議長の立場といたしましては、議院運営委員会の議決、また議事協議会できめられた事柄に対しまして、最も公平に、議場においてすべてを整備いたし、円満なる運営をやる、かように考えております。
○伊藤顕道君 あまりに抽象的で、つかみどころがないのですが、こういう大事な問題に対しての矢嶋氏の注意、要望でもあるし、これはただ単に矢嶋氏一人の要望ではなかったと思う。私どももひとしくそういう感じを抱いたわけです。それに対して、議長の職責上、今後本会議の運営を支障なくやるということについては、重大なる関心事であろうと思う。従って、ああいうような場合にはどのように措置するかという、具体的なお考えは出ておるはずだと思う。それとも単なる聞き流しに終らしてしまったのか。そういうことになると、また国会軽視のそしりを免れぬと思う。この点は、はっきり具体的にお伺いしたい。
○副議長(平井太郎君) 議長といたしましては、議長の職権を忠実に守り議場においては最も公平に処理をしていく自信を持ってやっていきたいと考えております。
○斎藤昇君 先ほどから本問題につきまして、小林、阿部、伊藤各委員から御発言がありましたから、私からはこれ以上申しませんが、御質問、御意見の点は、相当私はごもっともな点があったように思います。これに対して官房長官のお答えも了といたしますけれども、しかし、問題は非常に重大であったということをよく御認識いただきまして、今後こういうことをおそらく再び繰り返されるようなことはないと思いますけれども、よほど十全の御注意をお払いいただきたいと思います。与党の議員としましても、あの事態はちょっと弁護の余地がない、こう申し上げても過言ではないと思いますから、一つ十分の御戒心をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(赤城宗徳君) お話の点は十二分に戒心し、注意いたします。
○阿部竹松君 斎藤理事のお話を承わって、これはまことにもっともですが、ちょっと常識的に考えますと、何だかこの件についてピリオドを打ったやの印象を受ける。そういうおつもりで発言したのではなかろうと思いますが、そこで、さいぜん委員長が、なお理事会でやる、こういうお話がありましたし、総理大臣の答弁漏れ、これはさいぜん官房長が、本会議で漏れた点は答弁させます、こういうお言葉ですから、保留答弁にまた答弁漏れがあったのですから、これは岸さんが記録を二つ重ねて作ることになっても、これはやむを得ない。そのあたり、やはり明確に、是は是、非は非として、正していただくことを一つ要望しておきます。斎藤さんのお話を承わると、まことにりっぱな、何だかこれでぽつんと終りになったような印象を僕は受けたので、一言申し上げておきます。
○委員長(高橋進太郎君) それでは、本日御審議を願う案件は以上の通りでございますが、別に御発言がなければ、これにて散会いたします。 午後零時四分散会