議院運営委員会 第6号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/12/22
会議録
○委員長(安井謙君) 議院運営委員会を開きます。 かねて、国民健康保険法案の取扱いをめぐりまして、橋本厚生大臣の発言に関し、議院運営の立場からその真意をただしたい旨の要求があり、その取扱いを種々相談をしておったのでございますが、先ほどの理事会におきまして、一応御出席を願って、御意見を伺い、あるいは質疑をする、こういうことにきまりましたので、厚生大臣の御出席を願ったわけであります。本件を中心に御質疑なり御議論を願います。
○小林孝平君 国民健康保険法案は、さきの変則国会に政府から提案されまして、審議をされたのでありますが、ああいうような不測の事態が起りまして、最終的にこれが審議未了になって、この国会の冒頭に新たに政府から再提出をされたわけであります。そこで、さきの国会でこの審議に関しまして、どういうことにしようかということで相談になりました際に、厚生省は、あるいは厚生大臣と申し上げた方がいいかもしれませんが、この法案がさきの国会で継続審議にならなければ、非常に支障を来たし、全国各関係市町村に非常に迷惑をかけて、困ることになるという主張が強くなったので、私たちも、できればそういう要望に沿って、継続審議にすることが適当であり妥当であるならばいたしたいものだと、いろいろ協議したのでありますが、あの国会の状態からいたしまして、継続審議にするよりも、むしろ廃案にして、再提出をして、そうしてすみやかに十二月中に成立させた方がいいのではないか、またそういうことが、むしろこの法案をすみやかに円満に成立させるゆえんであると考えて、最終的に審議未了になったわけです。ところが、この経過の間におきまして、厚生大臣から、しばしば、どうしてもこれを継続審議にしなければ困るのだという御要求がありました。また各関係方面からもそういう声が強くあがりまして、これを継続審議にしないのは、あえて社会党が妨害しているのだというような印象を一般に与えたことは事実であります。そこで、これは両党首会談、あるいはその後の四者会談、あるいは参議院における各派の代表者会議におきまして、この国会において廃案にしても、次の通常国会に再提出すれば、必ず十二月中にはこれを成立させるということを確約いたしたにもかかわらず、厚生大臣、あるいは厚生省から、強く、それは困るのだという意見があったわけであります。また、事実この法案が審議未了に決定いたしました翌日の十二月五日の新聞紙上には、厚生省当局の談話といたしまして、これが廃案になったことは国保の執行に関して重大なる支障を与えるものである、十二月に再提出しても、ほとんど十二月には成立困難であろう、また成立しても、実際の予算の執行には支障を来たす、というようなことが大々的に報道されまして、そうして、その責任は、あげて社会党にあるかのごとき印象を与え、また事実、社会党がこれを妨害していると考えられた。そういう政府のPRの結果かどうかしれないけれども、参議院の社会党の羽生会長の帰省先である長野には、電報を打たれて、この継続審議の要望を強く訴えられた実情があるのであります。こういう点から考えまして、この厚生大臣あるいは厚生省当局のとられたやり方というものは、私は、国会の自主的な法案審議の権限に非常に制肘を加え、そうして特定の政党を誹謗する行為ではないかと私は考えるのであります。これについて厚生大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(橋本龍伍君) まず国民健康保険の問題につきまして、与野党あげて御心配になりましたことを、私、所管大臣として心からお礼を申し上げます。ただいまお話の問題につきましては、さような印象を与えている向きがあるとすれば、これはまことに申しわけないことであります。ただ厚生省として考えておりますのは、国保団体との中間に医師会の反対等がありましたせいでありますが、とにかく通るまでの間は、通らないのじゃないか、流れるのじゃないかということを心配されておりまして、何とかして法案を通すために、関係団体も心配いたしまするし、私たちも努力して参ったのであります。決して、継続審議にならないで今度の国会に入れば、流れてしまうのだろうというようなことを、厚生省としては考えたことはございません。ただ継続審議をお願いいたしましたのは、これは程度問題と言えば程度問題でございますが、この二十八国会に流れた法案を三十国会に出しました際にも、これが会期中に上っても、やはり準備に相当期間が要るということであるし、かつまた、その準備というものも、多くは政令の公布とか、本法についてもいろいろめんどうな問題がございまして、法案が通ったら、それについても、与野党の議員さん方につきましても、また関係の団体等についても十分相談しなければならぬ。これを下手に扱いますと、また出だしから非常に問題が紛糾するというおそれもございまして、何とかして一月一日の実施はこれはもうぜひやらせていただきたい。その点については、与野党一致してそう扱ってやるというお考えのようで、ありがたいと思っておる次第であります。それにつきましても、実施までの間に、これはもう、できればとにかく何とかして政令等についても十分な相談をして、円満に実施する期間をほしいと思いましたので、継続審議にしていただく方が、まあ常識的に考えて早く上るんじゃないかということを考えまして、それを表明したのでございます。で、その後におきましても、これは国会において、だんだん審議が進んで参りましたので、一月一日にはぜひ実施のできるように審議を願いまして、それからあとは、これはただいまお話のございましたように、まあ支障といえば支障でありますが、与えられた時間の中で、最善を尽して、各方面の了解も得て、何とか円満に実施をしたいと思いますし、事情は各方面御了解願っておりますので、実施はできると考えておる次第でございます。前国会から本国会にわたりまして、厚生大臣としても、また厚生当局として考えておりますのは、そういう趣旨でありまして、社会党において云々ということは、これは毛頭思っておりません。その点を御了承願いたいと思います。
○小林孝平君 厚生大臣はそうおっしゃいますけれども、たとえば継続審議にしなくとも、通常国会の劈頭に再提出されればいいのではないか、こういうふうにわれわれが申し上げた際にも、いや、これを再提出することは準備の都合上非常に困難なのだ、ほとんど不可能なんだということをおっしゃる。ところが現実には国会の劈頭に提案されたのですが、あれほど強く、これはほとんど不可能なんだ、われわれが、この同じものを出して来られれば、継続審議にしても廃案にしても同じではないかという主張をやったのに対して、すぐそれは出せないのだということで、非常に主張されたものであるから、こういうふうに紛糾したんです。それからまた、それが劈頭に今のように出されるならば、四者会談あるいは参議院の各派の会談でも、社会党としては、どうしても十二月中には支障のないように通しますということを何べんも申し上げておるのに、それを聞かれないで継続審議を強く主張されたということは、私はおかしいと思う。 それからもう一つ、大体こういうことを、だれが考えても、継続審議にしても廃案にしても結果的に同じであるのを、厚生大臣がそういうふうに強く希望され、そうしてあなた御本人はそういう意思がなくとも、現実的に社会党を誹謗し、非難をする世論といいますか、そういう空気が相当全国的に起きて、現に鳥取の知事選挙においては、選挙の最中にこの問題が強く取り上げられて、鳥取の知事選挙に重大な影響を与えたといわれております。そこで、それはともかくとして、どうしてこういうふうに厚生大臣が執着されたかというと、聞くところによると、あなたは、この法案が今回審議未了になれば、私は辞職をするんだ、ということを方々でおっしゃったということを新聞紙上に伝えられております。そこで、そういうことをあなたはおっしゃったので、面目上辞職をしなければならないということで、それでこういうわかり切ったことを最後まで御主張になったのではないかと思う。かりにそうだとすれば、法案を通すか通さぬかということは、これは国会自身の権限であって、あなたが法案が通らなければ辞職するとかしないとかいうようなことは、いわばこれは審議権を侵すものではないか、というふうに私は思うのです。どういうおつもりでそういうことをおっしゃったんですか。ほんとうにおっしゃったなら、これは法案は現実に審議未了になったんですが、あなたはおやめにならないようですが、どういうことなんです。
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいまのお話は非常に事実と違うのです。あっちこっちで言ったことは一つもありませんし、私はたった一回、十月の半ばごろですか、厚生省で実は二十八国会に提案しましたその法案のままで三十国会に提案しました際に、医師会の方から非常に強い反対がございました。これは御承知だと思いますが、それで、いつかの記者会見の席上で、これは非常に楽な気持で話をしたのでありますが、医師会の方で非常に強い反対がある、どうしても通さなければいかぬが、これは通らないんじゃないか、議員さんの中で医師会の言い分に賛成の人がだいぶいるようだが——というお話がありました。しかし、そんなことはない、これはもう医師会の反対でこれだけ大事な国民健康保険を通すことができぬ、それを何とかしてまとめることができぬということになれば、これはもう私の責任問題だ。しかしこれについて、十分医師会にも話をし、議員さん方にも話をして善処していけると思う、しなければならぬことであるし、そのように考えておる、ということを私は申したので、それ以外に申したことはございません。で、また不幸にして三十国会では審議未了になりましたけれども、これは問題はいわゆる国会正常化の問題の一環であって、正直に言うと私のせいじゃないんで、私がどんなに一生懸命誠意を尽しても、この方はほんとうに国会正常化という大きな問題の中で、与野党あげてお扱い下さることはもちろんだと思いますし、それについてとやかく申し上げることはございません。で、継続審議を急ぎましたゆえんは、ただいま申し上げましたような趣旨で、実際は今上げていただけば間に合いますけれども、かなり実際の施行細則等については困難がございますが、これは一昨日ですか、参議院の委員会でも申し上げたんですが、十分の準備なしに、政令、省令を出さざるを得ない形になっておりますので、実は一つ社労委員の方々にもお骨折り願いまして、円満に了解がつくように御協力を願いたいと考えておる次第でございます。
○阿部竹松君 橋本厚生大臣のお話を承わると、きわめてたんたんとしておって、何ら世間に与えた影響がないやに解釈できる。私どもは厚生大臣から直接承わったわけではないのですが、しかし少くともその辺にあるちっぽけな新聞なんかと違って、天下に信用ある新聞記事その他のニュースによって、大臣の言わんとするところ、また言われたところを察知したんです。古い話になるんですが、あなたが厚生大臣になられて、わが党から一般質問をしたときに、社会保障問題について、あなたはわが党の代表が聞かないことまで答弁の中に加えて発言して、これはわが党の竹中君らが社会保障制度の審議会で、社会党はこうこうではないかというようなことで、本会議の席上で三十分も議長が竹中君に趣旨弁明させるという事態までも引き起して、よけいなことをしゃべっている。従って今度も、あなたは口が軽いから、やはりあのようなことで、軽々しく話をしたのだろうということで、非常に遺憾に思っている。私は、自民党とか社会党とかいうことを抜きにして、一国の大臣が言ったことを、新聞記者が間違って書いたかもしれませんが、私は、あなたがそういうことをおっしゃるなら、新聞記事を持ってきて、あなたが正しいか、新聞が正しいか、論争をやりたかったのですが、今日は委員長と自民党の理事諸君が十分間だけということで、約束しているのでこれ以上申し上げません。そういうことで、あなたの平素が平素だから、これは僕たちは色めがねをかけて大へん失礼を申し上げたのですけれども、あなたの発言と少くとも天下の大新聞の記事と全然違う。それはあなたが軽くおっしゃったことを新聞記者が捏造したのかもしれませんが、今後はそういう新聞記者を相手にして、軽く物事を発表していただきたくないわけです。こういう点はどうですか。あなたは全然そういうことは言わぬとおっしゃるわけですね。そのあたりが明確になれば……。
○国務大臣(橋本龍伍君) ただいま申し上げましたのは、通らなければやめるというふうに申しましたのは、話の出ましたのは、これは今度の十一月四日以降の事態に関連して私は新聞記者と会見して申したことはほんとうにございません。それから新聞記者の方からそういうふうに話を聞かれたこともございませんので、話の出ましたのは、省内で新聞記者会見の際に国保の法案を医師会が反対をしている、それで法案をどうするんだ、厚生省は原案で通すのかどうだと言われた際に、私が今申しましたようなことを申して、ただ私としてもそれは大問題であるけれども、何とかしてまとめたいということを申し上げたのであります。それ以外に申し上げたことはございません。
○小林孝平君 大体わかりましたが、あなたはそうおっしゃいますけれども、今これ以上は申し上げませんが、あなたのあの際にいろいろ言われました言動が、場合によれば継続審議になるかもしれなかったのを、むしろあなたの行動が不可能にしたようなことがあったわけなんです。たとえば、この両党首会談の申し合せの中に、補正予算並びに予算に関係する法案、こういうふうに書かれたら、これはだれが考えても、政治的に考えれば、その予算関係法律案というのは補正予算に関係する法律案であるということは、これは常識なんです。それをあなたは頭が非常に明敏でございますから、この解釈は一般予算に及ぶものであるというような解釈をされて、強くそれを主張された結果、かえって、まとまるものがまとまらなくて、時間ばかり食って、その結果は、この解釈は最終的に補正予算に関係する法律案、こういうことになったわけです。その後も、あなたはおっしゃらないけれども、このいろいろな会談の途中において、これは継続審議になることが決定したというように厚生省の記者クラブにおいて発表されている。こういうようなことで、まとまりかけたものが、ときどきあなたの言葉でもってまとまらなくなった現実があるのです。だから阿部理事が今申し上げたことで、ちょっとあなたの気にさわられたことがあるかもしれませんが、現実的にはそういうことがあったわけなんです。そこで、これ以上申しませんが、あなたが全然そういう意思がなかったということであれば、一般にそういう認識を与えたことを、何らかの形で、厚生当局が、そういう誤解を解く方法を講じていただかないと困ると思うのです。何かおやりになる御意思があるのですか。
○国務大臣(橋本龍伍君) 国民健康保険法案がここまで内容的にもまとまって参り、またこれが最終段階に近づいて参りましたのは、これはほんとうに与野党をあげての御協力と感謝をいたしております。私の申し上げましたことが、記者諸君の御質問に対して私が積極的に何も発表することがないので、聞かれたときに割合気軽に返答いたして参りましたこと等が、そういったような誤解を生みましたことは、これはまことに申しわけないことと思っております。今後十分そういうことに留意して、今後の問題に対処して参りたいと思っております。
○委員長(安井謙君) 大体質疑も尽きたようでありますから、ほかに御発言もなければ、この程度にいたしたいと思います。 なお、本日は他に御審議を願う案件はございませんが、本会議の関係もありまして、暫時休憩いたしたいと思います。 午前十一時七分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕